JP7479621B1 - 光源付挿入具 - Google Patents

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Abstract

【課題】膣、直腸等の身体の自然開口部に挿入される挿入具について、該挿入具が身体に挿入された状態で挿入具の遠位端から体腔内組織に光を効率的かつ安全に入射させ、該遠位端から体腔内組織に入射した光を腹腔側から良好に観察できるようにする。【解決手段】身体の自然開口部に挿入される挿入具1Aが、導光性樹脂で形成された筒状体2の近位端に光源10を有し、遠位端に発光部を有する。この遠位端の発光部は、近位端に入射した光を遠位端の発光部から筒状体2の半径方向外側に高強度に射出させる構造を有する。遠位端の発光部の例としては、筒状体2の半径方向外側に凸で、且つ体腔内組織に密着する曲面21を有する環状凸部20Aをあげることができる。【選択図】図1A

Description

本発明は、腹腔鏡下子宮全摘出手術等で用いられる光源付挿入具に関する。
一般に、腹腔鏡下の子宮全摘手術では、円靱帯、骨盤漏斗靱帯、仙骨子宮靱帯、子宮動脈、卵巣動脈等の切断や膀胱の剥離が行われる。子宮の末端は膣の上部に入り込み、膣円蓋(膣上端部の翼状拡張部)に取り巻かれている。子宮は、腹腔鏡の観察下で腹腔に挿入されたメスによって膣円蓋又はその近傍で膣管と切り離され、体外に取り出され、膣の傷口が縫合により閉鎖される。このときの子宮の切り離しラインは「切離ライン」と言われている。最小限の侵襲で子宮の全摘を行えるようにする切離ラインを見定めることは重要である。しかしながら、腹腔からの観察では膣円蓋を直接的に見ることができないため、切離ラインの決定は難しい。
従来、切離ラインの決定方法として、術者が手指又は特許文献1等に記載されている硬性パイプ(市販品としては、例えば株式会社八光製、Vagi-パイプ)を経膣的に体内に挿入し、膣円蓋(子宮の末端を取り巻く膣上端部の翼状拡張部)に押し当て、該硬性パイプを動かしながら押し込んでいるときに腹腔内の腹腔鏡で観察される膣円蓋の動きから切離ラインが決められている。しかしながら、この方法では本来の切離ラインの大凡の位置の見当をつけられるにすぎない。
切離ラインを決定する他の方法としては、子宮と膣の境界を膣側から透照することで該境界を腹腔鏡で観察する方法がある。例えば、体外で光源に接続されている光ファイバーをチューブに通して経膣的に体内に挿入し、チューブ先端にある光ファイバーの端部を膣円蓋に沿って移動させ、膣円蓋を透過した光を腹腔内の腹腔鏡で観察することにより切離ラインを決定する方法(特許文献2)、膣に挿入されるパイプの壁に光ファイバーを埋め込んでおき、その光ファイバーに体外の外部光源から光を入射させてパイプ先端の光ファイバーの端部から出射させ、膣円蓋を透過した光を腹腔内の腹腔鏡で観察することにより切離ラインを決定する方法(特許文献3)、膣に挿入されるパイプの遠位端に、発光ダイオード(LED)を埋め込んだ樹脂製リングを取り付け、そのLEDに体外から配線で電力を供給してLEDを発光させ、膣円蓋を透過した光を腹腔内の腹腔鏡で観察することにより切離ラインを決定する方法(特許文献4)、経膣的に体内に挿入して膣円蓋に押し当てる子宮頸管カップのリムにLEDを環状に配置し、LEDが発した光を腹腔内の腹腔鏡で観察することにより切離ラインを決定する方法(特許文献5)がある。
しかしながら、特許文献2、3に記載のように体外の光源が発した光を、光ファイバーを経由させて膣側から子宮と膣との境界に照明する場合、光の伝送損失が大きくなるので切離ラインを決定しづらくなる。また、体外の光源と膣内装置とを繋ぐ光ファイバーが手術手技にとってしばしば邪魔になる。
一方、特許文献4、5に記載のように体内にLEDを配置することは、電撃リスクや体内装置の温度上昇の虞などにより医療機器としてのリスクが高くなる。
特開2004-41395号公報 特許4038590号公報 特開平11―336号公報 特許6133423号公報 特開2017―202317号公報
上述の先行技術に対し、本発明は、膣、直腸等の身体の自然開口部に挿入される挿入具について、身体に挿入された状態で挿入具の遠位端から体腔内組織に光を効率的かつ安全に入射させ、該遠位端から体腔内組織に入射した光を腹腔側から良好に観察できるようにすることを課題とする。
本発明者は、(i)身体の自然開口部に挿入する挿入具を導光性樹脂で形成された筒状体とし、その近位端に直接的に光源を配置し、遠位端を発光端とすると、光源が発した光を遠位端に効率的に送ることができること、(ii)その遠位端を特定形状とすると、自然開口部に挿入した筒状体の遠位端は体腔内組織と密着することにより遠位端が出射した光を体腔内組織に効率的に入射させられること、さらに(iii)遠位端を特定形状とすることにより遠位端からの出射光は筒状体の半径方向外側に進行する光の強度が強くなるので、体腔内組織の発光をその体腔内組織の漿膜側から確認しやすくなることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、身体の自然開口部に挿入される挿入具であって、
導光性樹脂で形成された筒状体の近位端に光源を有し、遠位端に発光部を有し、該発光部は、近位端に入射した光を遠位端において筒状体の半径方向外側に高強度に射出させる構造を有する光源付挿入具を提供する。
本発明によれば、膣、直腸等の身体の自然開口部に挿入される筒状体が導光性樹脂で形成され、その筒状体の近位端に光源があり、遠位端に発光部がある。よって、光源で発せられた光が近位端に入射し、光ファイバーによる伝送損失を伴うことなく遠位端の環状凸部から射出する。
さらに、遠位端の発光部は、近位端に入射した光を筒状体の半径方向外側に高強度に射出させる構造を有する。よって、本発明の挿入具を、近位端の光源を点灯して膣、直腸等の身体の自然開口部に挿入すると、挿入した部位の体腔内組織の漿膜側から、発光部が発した光を明瞭に観察することができ、漿膜側から切離ラインを定めることが容易となる。
また、この挿入具において、光源は筒状体の近位端に設けられるので、光源は体外に位置することとなる。よって、光源を体内に配置した場合の電撃リスクや温度上昇のリスクが回避される。
図1Aは、キャップが開いている実施例の光源付挿入具1Aを遠位端側から見た斜視図である。 図1Bは、キャップが閉じている実施例の光源付挿入具1Aを近位端側から見た斜視図である。 図1Cは、キャップが開いている実施例の光源付挿入具1Aの側面図である。 図1Dは、キャップが開いている実施例の光源付挿入具1Aの断面図、a矢視図及びb矢視図である。 図2は、実施例の光源付挿入具1Aの遠位端の発光部として形成された環状凸部20Aの作用を表す、該環状凸部20Aの縦断面図である。 図3Aは、実施例の光源付挿入具1Aが挿入された通常の膣を腹腔側から観察した斜視図である。 図3Bは、実施例の光源付挿入具1Aが挿入された通常の膣において決定される子宮の切離ラインの位置の説明図である。 図4Aは、実施例の光源付挿入具1Aが挿入された奥深い膣を腹腔側から観察した斜視図である。 図4Bは、実施例の光源付挿入具1Aが挿入された奥深い膣において決定される子宮の切離ラインの位置の説明図である。 図5は、実施例の光源付挿入具において遠位端の発光部20Bとして形成された環状凸部の作用を表す、該環状凸部の縦断面図である。 図6は、実施例の光源付挿入具において遠位端の発光部20Cとして形成された環状凸部の作用を表す、該環状凸部の縦断面図である。 図7は、実施例の光源付挿入具において遠位端の発光部20Dとして形成された環状凸部の作用を表す、該環状凸部の縦断面図である。 図8は、実施例の光源付挿入具において遠位端の発光部20pとして形成されたブラスト加工部の作用を表す、該ブラスト加工部の縦断面図である。 図9は、実施例の光源付挿入具において遠位端の発光部20qとして形成された光拡散剤含有層の作用を表す、該光拡散剤含有部の縦断面図である。 図10は、実施例の光源付挿入具において遠位端の発光部と20Apqして形成された環状凸部であって、ブラスト加工部を有し、光拡散剤を含有するものの作用を表す該発光部20Apqの縦断面図である。 図11は、比較例の光源付挿入具の遠位端の作用を表す縦断面図である。 図12は、比較例の光源付挿入具の遠位端の作用を表す縦断面図である。 図13Aは、実施例の挿入具1Bの側面図である。 図13Bは、実施例の挿入具1Bの断面図である。 図14は、人肌シートを被せた実施例の挿入具1Aの発光試験の写真である。 図15Aは、先端R加工ありの挿入具の発光試験の写真である。 図15Bは、先端R加工なしの挿入具の発光試験の写真である。
以下、本発明の光源付挿入具(以下、単に「挿入具」ともいう)を、腹腔鏡下子宮全摘出手術等で用いられる膣用の挿入具を例として、図面を参照しつつ詳細に説明する。各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
なお、本発明の挿入具は、膣用に限られず、直腸等の身体の自然開口部に挿入される挿入具として構成することもできる。
(全体構造)
図1A、図1B、図1C及び図1Dに示すように、本発明の一実施例の膣用の光源付挿入具1Aは膣に挿入される略円筒状の筒状体2を有する。筒状体2の軸A方向の長さは、筒状体2を膣に挿入した場合に、近位端が体外となるように定められ、例えば180mm以上とする。また、筒状体2の壁厚d1は2~4mm程度が好ましい。
筒状体2の遠位端は開口しており、その開口面2aは、前膣円蓋より後膣円蓋が深い位置にあることに対応して筒状体2の軸Aに対して傾斜している。
筒状体2の近位端近傍には必要に応じてハンドル3が取り付けられ、キャップ4が嵌められている。キャップ4の中央部には手術時に使用する器具を挿入するための開口部4aが形成されており、キャップ4には、開口部4aに矢印のように嵌まる栓4bが該キャップ4と一体に形成されている。このハンドル3とキャップ4は、特許文献1に記載の挿入具と同様に構成することができる。
一方、本発明の挿入具は、筒状体2の近位端に光源が取り付けられ、筒状体2が導光性樹脂で形成されることを主要な構成としている。これにより、近位端の光源から入射した光を遠位端へ導光する際の光の伝送損失が低減される。
ここで、導光性樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン等を使用することができる。
光源としては、本実施例の挿入具1Aでは、複数個のチップLED11が埋め込まれたリング状照明10が設けられている。このリング状照明10は、チップLED11の発光面を筒状体2の遠位端に向けている。
また、本発明の挿入具は、筒状体2の遠位端に発光部を有し、この発光部は、近位端に入射した光を筒状体の遠位端において半径方向外側に高強度に射出させる構造を有していること、即ち、遠位端から射出する光の強度分布において筒状体の半径方向外側に射出する光強度が強くなることも主要な構成としている。
この遠位端の発光部の構造は、近位端に入射した光を遠位端において半径方向外側に高強度に光を射出させるものであれば種々の構成をとることができ、例えば本実施例の光源付挿入具1Aは遠位端の発光部20Aとして、筒状体2の半径方向外側に凸の環状凸部を有する。この発光部(環状凸部)20Aは、挿入具1Aを体腔に挿入した場合に体腔内組織が密着する曲面21を有する。曲面21が筒状体2の半径方向外側に凸であることにより、光源10が発した光を発光部(環状凸部)20Aから筒状体2の半径方向外側に強い強度で出射させることができる。しかも、挿入具1Aを膣に挿入した状態で曲面21に体腔内組織が密着するので、曲面21から出射した光は、曲面21と体腔組織との間隙で光強度がロスすることなく体腔内組織に入射し、体腔内組織を透過する。よって、体腔内組織の漿膜側の体腔に挿入した腹腔鏡により、体腔内の発光部を良好に観察することが可能となる。
(光源)
本発明において光源10は、筒状体2の近位端に光ファイバーを介さずに取り付けられる。光源としてはLED等を使用することが好ましい。また、光源10は、発光面を筒状体2の近位端の端面に向けて使用することが好ましい。より具体的には、例えば図1Dに示すように複数個のチップLED11を、その発光面を筒状体2の近位端の端面に向け、該端面に沿ってリング状に配置する。この場合、筒状体2と同様の屈折率を有する樹脂で形成されたリング状部材12にチップLED11を埋め込み、チップLED11の発光面を筒状体2の近位端の端面に向け、筒状体2と同様の屈折率を有する接着剤を用いて、リング状部材12と筒状体2の近位端の端面とを接着してもよく、また、筒状体2を構成する樹脂と同様の屈折率を有する接着剤を用いて、チップLED11を筒状体2の近位端の端面に直接接着してもよい。
光源10の発光波長は、可視光~近赤外(約400~1000nm)とすることが、腹腔鏡での発光部位の視認性の点から好ましい。
また、チップLED11の電源となる電池14が収容される電池ボックス13を筒状体2の近位端に設けることが好ましい。実施例の挿入具1Aでは電池ボックス13をリング状部材12に並設している。これにより、光源10の配線が手術手技を妨げることを解消することができる。
(環状凸部)
図2は、実施例の挿入具1Aを膣100に挿入し、挿入具1Aの遠位端の環状凸部20Aを膣円蓋101に押し付けた状態の該環状凸部20Aの縦断面図(筒状体の軸Aに沿った断面図)である。この環状凸部20Aは筒状体2の半径方向外側に凸の曲面21を有する。同図に示すように、曲面21は、該曲面21を形成する弧の内側端点P1よりも筒状体2の半径方向内側には形成されておらず、該曲面21を形成する弧の外側端点P2よりも筒状体2の半径方向外側に突出する曲面となっている。また、曲面21の内側端点P1と、半径方向外側に最も突出した点(外側突出点)P3と、外側端点P2とが滑らかに連続し、外側突出点P3の内側端点P1側においても、外側突出点P3の外側端点P2側においても曲面21は体腔内組織120に密着する形状となっている。
より具体的には、図2に示した断面図において、曲面21の弧の内側端点P1は筒状体2の内面2bにあり、曲面21は内側端点P1よりも筒状体2半径方向外側にある。また、曲面21は筒状体2の壁厚内に形成された3/4円程度の円弧(θ1:240~285°)となっている。曲面21は、半径方向外側に最も突出した外側突出点P3よりも近位端側に1/4円(θ2:60~105°)程度続いている。したがって、筒状体2を膣円蓋101に押し付けた状態で、曲面21の略全面が体腔内組織に密着する。なお、曲面21は、必ずしもその全面が体腔組織と密着する必要はないが、外側突出点P3とその内側端点P1側及び外側端点P2側、好ましくは外側突出点P3を中央部に含む突出領域では密着することが好ましい。
図2に示した遠位端の環状凸部20Aを有する挿入具1Aを経膣的に膣円蓋101に押し付け、近位端の光源10を点灯し、遠位端の環状凸部20Aから光を射出させると、その光は、同図に矢印で示したように上方(軸A方向)及び側方に拡散し、特に斜め側方へ強い光強度で拡散する。したがって、図3Aに示すように、膣円蓋101に押し付けた環状凸部20Aから出射した光を腹腔側から発光部Bとして内視鏡200で観察することができ、図3Bに示すように、適切に切離ラインXを決定することができる。
腹腔から見た膣及び子宮の形状は、図3A及び図3Bに示したものと同じでも、図4A及び図4Bに示すように膣100が長く、膣円蓋101が奥まっている場合があるが、この場合も、実施例の挿入具1Aを用いると、膣円蓋101の位置に対応して発光部Bを観察することができる。したがって、図4Bに示すように、適切に切離ラインXを決定することができる。
これに対し、図11に示す比較例の挿入具のように筒状体2の遠位端2xが軸A方向に垂直な平面となっていると、筒状体2の近位端の光源から入射させた光の遠位端2xにおける射出強度は軸A方向に強く、側方に射出する光の強度は弱い。さらに、同図内の拡大図に示すように、遠位端2xの角部から近位端寄りの領域2rで筒状体2は体腔内組織120と密着しなくなる。筒状体2の屈折率(例えば、アクリル樹脂の場合に1.49)と体腔内組織の屈折率(生体組織の屈折率は約1.55、そこに含まれる水の屈折率は1.33)とこれらの間隙の屈折率(空気の屈折率は1.00)は異なるため、これらの界面で反射が起こり、遠位端2xから筒状体2の側方へ体腔内組織を透過する光の強度はなおさら弱くなる。このため、筒状体2の遠位端2xから出射した光を腹腔側から発光部として観察することが難しくなり、切離ラインXの決定も難しくなる。
また、図12に示す比較例の挿入具のように筒状体2の遠位端2xの角を単に丸めると、図11に示した場合よりも遠位端2xから射出する光の拡散性は強くなるが、筒状体2の側方へ射出する光の強度は弱い。このため、筒状体2の遠位端2xの角を単に丸めただけでは、遠位端2xから射出した光を腹腔側から発光部として観察することは依然として難しい。
(遠位端の発光部の変形態様)
図3A又は図3Bに示したように、筒状体2の遠位端の発光部として設けた環状凸部からの射出光を腹腔側から明瞭に観察できるようにするため、本発明においては、図5に示す筒状体2の遠位端の環状凸部20Bのように、環状凸部20Bの外側突出点P3における半径方向の厚さd2を筒状体2の壁厚d1よりも大きくしても良い。この環状凸部20Bの厚さd2と筒状体2の壁厚d1との差d3は、壁厚d1の1/4以上とすることが好ましい。
なお、図5に示した挿入具の環状凸部20Bにおいても、環状凸部20Bと体腔内組織との密着性を向上させるため、環状凸部20Bは、内側端点P1と外側突出点P3と外側端点P2とが滑らかに連続した曲面となっている。また、曲面21は、外側突出点P3よりも近位端側に1/6円(θ2:40~70°)程度続いている。
図6に示す筒状体2の遠位端の環状凸部20Cは、図2に示した環状凸部20Aに対し、筒状体2の内面2bの開口径が筒状体2の先端に近いほど広がるように筒状体2の内面2bの先端部を傾斜させたものである。傾斜角θ3は、軸A方向から35~60°とすることが好ましい。この傾斜面2yの形成により、筒状体2の近位端に入射させた光を傾斜面2yで筒状体2の半径方向外側に反射させ、次いで曲面21から筒状体2の半径方向外側に出射させることができる。したがって、半径方向外側に出射する光の強度が強くなる。よって、図6に示した環状凸部20Cから体腔内組織に光を出射すると、体腔内組織の発光部を腹腔側から良好に観察できるようになる。
図7に示す筒状体2の遠位端の環状凸部20Dは、図6に示した環状凸部20Cにおいて筒状体の内面2bに反射膜22を形成したものである。反射膜22は、アルミ蒸着膜等の金属膜から形成しても良く、市販のミラー調スプレーを用いて形成してもよい。反射膜22があることにより、傾斜面2yで半径方向外側に反射する光の強度が強まる。よって、環状凸部20Dを腹腔側から発光部としてより明確に観察することが可能となる。
図8に示す筒状体2の発光部20pは、筒状体2の遠位端の角を丸め、かつ遠位端の外周面を粗面にしたものである。粗面は、ブラスト加工により形成することが好ましい。ブラスト加工は表面に無数の細かい傷を形成する表面粗化技術であり、レーザー加工機、サンドブラスト加工機等を用いて行うことができる。
筒状体2の遠位端の外周面を粗面20pとすると、筒状体2の近位端に入射させた光がこの粗面20pから拡散する。したがって、筒状体2の遠位端にこの粗面20pを形成した場合にも、粗面20pの発光を腹腔側から観察することができる。
図9に示す筒状体2の発光部20qは、筒状体2の遠位端の角を丸め、かつ遠位端の外周面に光拡散剤含有層を形成したものである。発光部20qに含有させる光拡散剤としては、照明器具に用いられている公知の光拡散剤を使用することができ、例えばミクロンサイズのシリコーン粒子、ポリスチレン粒子等を使用することができる。
筒状体2の遠位端の外周面に光拡散剤含有層20qを設けると、筒状体2の近位端に入射させた光が光拡散剤含有層20qから拡散する。したがって、筒状体2の遠位端の外周面に光拡散剤含有層20qが形成されていることで、光拡散剤含有層20qの発光を腹腔側から観察することができる。
上述した発光部の構成(環状凸部20A~20D、粗面20p、光拡散剤含有層20q)を組み合わせることにより、筒状体の近位端に入射した光が遠位端において筒状体の半径方向外側に、より強く射出するようにしてもよい。例えば、図10に示す発光部20Apqは、筒状体2の遠位端の外周面に光拡散剤含有層を形成し、その遠位端を図2に示した環状凸部20Aに成形し、かつその曲面をブラスト加工したものである。
(発光目盛)
本発明の光源付挿入具は、筒状体の遠位端の発光部から所定の距離の外周面に、近位端に入射した光を目盛状に発光させる発光目盛を有することが好ましい。例えば、図1C、図1Dに示す実施例の挿入具1Aのように、筒状体2の遠位端の発光部(環状凸部)20Aから所定の距離L1に発光目盛として環状凸部30を筒状体の全周にわたって設けることができる。この発光目盛(環状凸部)30は複数個形成されており、発光目盛30同士は所定の間隔L2をあけている。
本実施例において、個々の発光目盛30は、筒状体2の軸Aと垂直な面内に形成されている。また、個々の発光目盛30は、筒状体2の縦断面(軸方向に切った断面)において蒲鉾型に突出している。筒状体の外面2cからの発光目盛30の突出長L3は筒状体2の壁厚d1の1/4倍以上1倍以下が好ましい。また、軸A方向の発光目盛の幅L4は壁厚d1の1/4倍以上1倍以下が好ましい。
発光目盛30は、透明なシリコーンゴム等の硬質ゴムで形成されたリングを筒状体2に接着することにより形成してもよく、筒状体2と同じ樹脂で筒状体2と一体成形してもよい。
また、発光目盛として、筒状体の外面に周方向に帯状に粗面を形成してもよく、光拡散剤含有層を設けてもよい。発光目盛用粗面は前述の遠位端の粗面20pと同様にブラスト加工等により形成することができ、光拡散剤含有層も前述の遠位端の光拡散剤含有層20qと同様に形成することができる。
これらの構成(環状凸部30、粗面、光拡散剤含有層)を適宜組み合わせてもよい。例えば、環状凸部30の表面をブラスト加工して発光目盛としてもよく、光拡散剤含有層に環状凸部30を形成したものを発光目盛としてもよい。
筒状体2に発光目盛30を設けることにより、後述する実施例で示すように、筒状体2の近位端から入射させた光を遠位端の発光部20から射出させるときに、発光目盛30からも筒状体の半径方向外側に光を射出させ、それによる発光部を腹腔側から目盛状に観察することができる。よって、発光目盛30による発光部は、遠位端の発光部(環状凸部)20から所望の位置で膣や直腸の壁を漿膜側から処置する際の目盛マーカーとして使用することができる。
図13A、図13Bに示す挿入具1Bは、図1A、図1B、図1C、図1Dに示した挿入具1Aにおいて、発光目盛(環状凸部)30を、その全周において遠位端の発光部(環状凸部)20Aから等距離に設けたものである。したがって、各発光目盛(環状凸部)30で囲まれた面は、筒状体2の開口面2aと同様に、筒状体2の軸Aに対して傾斜している。なお挿入具1Bにおいて、遠位端の発光部(環状凸部)20と発光目盛(環状凸部)30は筒状体2と一体成形されている。
このように発光目盛30を、その全周において遠位端の環状凸部20から等距離に設けることにより、膣円蓋からの距離を見定めやすくなる。
本発明の挿入具において、上述の種々の変形態様は、適宜組み合わせることができる。
発光試験1
図1A、図1B、図1C及び図1Dに示した挿入具1Aを、株式会社八光製Vagiパイプ(Mサイズ)(パイプ外径35mm、内径29mm、パイプ有効長180mm)を用いて作製した。即ち、Vagiパイプのハンドル側の端面(即ち、筒状体2の近位端)に表面実装型のチップLED(直径3mm、発光波長850nm(近赤外)又は624nm(赤))8個をリング状に配置し、アクリル系接着剤で固定した。各チップLED11は電池ボックス13内の電池14に接続した。
また、筒状体2の環状凸部20は図2に示す断面に形成した。
作製した挿入具1Aに、厚さ4mm、色うすだいだい色、シリコーン樹脂製の人肌シートを被せ、各チップLED11を点灯し、暗室で人肌シートを筒状体の斜め上方から近赤外観察用カメラで撮影した。
その結果、LEDの発光波長850nmの場合も、624nmの場合も、人肌シートに筒状体2の遠位端の発光部(環状凸部)20の発光と発光目盛(環状凸部)30の発光を明確に確認することができた。850nmの場合の画像を図14に示す。
発光試験2
発光試験1の挿入具において、発光目盛(環状凸部)30を設けず、筒状体2の遠位端の発光部を図2に示す断面に加工した挿入具(先端R加工あり)を作製した。また、筒状体2の遠位端に先端R加工を全く行わず、遠位端を図11に示す断面とした以外は同様にして挿入具(先端R加工なし)を作製した。
作製した、先端R加工ありと先端R加工なしの挿入具のそれぞれに発光試験1と同様に人肌シートを被せ、LEDを点灯し、暗室で人肌シートを近赤外観察用カメラで撮影した。
結果を図15A(先端R加工有り)及び図15B(先端R加工なし)に示す。
図15Aにおいて、発光部の輝度(256階調)は240を超えていたのに対し、図15Bの発光部の輝度は195であった。撮影したカメラでは240を超える輝度はオーバーレンジとなるため、実際の輝度の強度比は240/195以上であったと考えられる。
この結果から、先端R加工をすることにより人肌シートを通して観察される光強度が高まることが確認できた。
1A、1B 光源付挿入具
2 筒状体
2a 筒状体の開口面
2b 筒状体内面
2c 筒状体外面
2r 遠位端の角部から近位端よりの領域
2x 筒状体の遠位端
2y 傾斜面
3 ハンドル
4 キャップ
4a 開口部
4b 栓
10 光源、リング状照明
11 チップLED
12 リング状部材
13 電池ボックス
14 電池
20A、20B、20C、20D 発光部(環状凸部)
20p 発光部(粗面)
20q 発光部(光拡散剤含有層)
21 曲面
22 反射膜
30 発光目盛、発光目盛用環状凸部
100 膣
101 膣円蓋
110 子宮
120 体腔内組織
200 内視鏡
A 筒状体の軸
B 発光部
L1 環状凸部と発光目盛用環状凸部との距離
L2 発光目盛用環状凸部同士の間隔
L3 発光目盛用環状凸部の突出長
L4 発光目盛用環状凸部の軸A方向の幅
P1 曲面の内側端点
P2 曲面の外側端点
P3 曲面の外側突出点
X 切離ライン
d1 筒状体の壁厚
d2 環状凸部の厚さ
d3 環状凸部の厚さd2と筒状体の壁厚d1との差

Claims (1)

  1. 身体の自然開口部に挿入される挿入具であって、
    導光性樹脂で形成された筒状体の近位端に、光ファイバーを介さずに光を射出する光源を有し、角が丸められた遠位端に発光部を有し、該発光部は、近位端に入射した光を遠位端において筒状体の半径方向外側に射出させる構造を有し、
    筒状体は、遠位端の発光部から所定の距離の外周面に、近位端に入射した光を目盛状に発光させる発光目盛を有する光源付挿入具。
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