JP7479096B1 - 冷却服、冷却衣服セット及び冷却衣服セットの装着方法 - Google Patents

冷却服、冷却衣服セット及び冷却衣服セットの装着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本開示の冷却服は、電力を用いないで体の温度を下げることができる。【解決手段】本開示に係る冷却服は、体の前側に配置される表側生地と、体の後側に配置される裏側生地とを有する冷却服であって、表側生地又は裏側生地は、体に対して最も近い位置に配置される防水性の内側層と、体に対して最も離れた位置に配置される透湿性の表側層と、内側層と表側層との間に配置される水を吸収し、吸収した水を体の熱により気化させる不織布からなる中間層とを有し、体に装着された状態を基準として、表側生地又は裏側生地の上部で中間層に水を供給する注水口と、表側生地又は裏側生地の下部で中間層が吸収した水を排水する排水口とを設けたものである。【選択図】図1

Description

本開示は、不織布に吸収された水分の気化により体を冷却する冷却服及び冷却衣服セットに関する。
夏の屋外での暑さ対策、熱中症対策として、人又は犬等の動物が着用できるベスト等の服に水分を吸収する吸水材を面状に設け、その水分の蒸発による気化熱で熱を吸収し、体を冷やすことが出来る冷却服が知られている(特許文献1参照)。
特許文献1では、冷却服の上部に注水口が設けられており、注水口にペットボトルを差し込んで、ペットボトルの冷水を注水口から冷却服の内部に設けられた吸水材へ送り込んでいる。送り込まれた冷水が気化する気化熱で熱を吸収し、体を冷やしている。
ここで、冷水とは、体の周囲の環境温度より低い温度の水のことである。
特許第6008301号公報
特許文献1の冷却服では、吸収材に吸収した冷水が気化し、その後、吸収材の冷水が常温(体の周囲の環境温度又は体の周囲の環境温度に近い温度)になる。その際、吸収材が吸収した全ての冷水が気化するわけではなく、冷却服に水が残っている。
従って、特許文献1は、吸収材の冷水が常温になった場合は、注水口から冷水をさらに加えても、少量の冷水しか吸収材に吸収されないので、2回目以降の注水による冷却効果がほとんど得られないという課題を有していた。
本開示の一態様の冷却服及び冷却衣服セットは、上記の課題を解決するものである。
本開示の一態様に係る冷却服は、体の前側に配置される表側生地と、体の後側に配置される裏側生地とを有する冷却服であって、
表側生地又は裏側生地は、
体に対して最も近い位置に配置され、防水性の内側層と、
体に対して最も離れた位置に配置され、透湿性の表側層と、
内側層と表側層との間に配置され、水を吸収し、吸収した水を貯留させる不織布からなる中間層とを有し、
体に装着された状態を基準として、表側生地又は裏側生地の上部で中間層に水を供給する注水口と、表側生地又は裏側生地の下部で中間層が吸収した水を排水する排水口とを設けたものである。
本開示の一態様に係る冷却衣服セットの装着方法は、冷却服と空調機能服とを有する冷却衣服セットの装着方法であって、
冷却服は、体の前側に配置される表側生地と、体の後側に配置される裏側生地とを有し、
表側生地又は裏側生地は、
体に対して最も近い位置に配置され、防水性の内側層と、
体に対して最も離れた位置に配置され、透湿性の表側層と、
内側層と表側層との間に配置され、水を吸収し、吸収した水を貯留させる不織布から
なる中間層とを有し、
冷却服は、体に装着された状態を基準として、表側生地又は裏側生地の上部で中間層に水を供給する注水口と、表側生地又は裏側生地の下部で中間層が吸収した水を排水する排水口とが設けられ、
空調機能服は、体の温度を下げるファンが備えられ、
冷水が注水された冷却服を体に装着し、
(i)当該冷却服の上に、ファンが停止した状態の空調機能服を重ね着した後、空調機能服のファンを回転させる、又は、
(ii)当該冷却服の上に、ファンが回転している状態の空調機能服を重ね着する、ものである。
本開示の一態様の冷却服は、電力を用いないで体の温度を下げることができる。また、本開示の一態様の冷却服は、冷水を注水する動作及び水を排水する動作を容易に繰り返すことができるので、1日に複数回、上記動作を繰り返すことで、1日中、体の温度を下げることができる。また、本開示の一態様の冷却服と空調機能服とを重ね着することで、その相乗効果で、さらに体の温度を速く下げることができる。
実施形態1における冷却服の概略の構成を示す正面図である。 実施形態1における冷却服の概略の構成を示す背面図である。 実施形態1における冷却服の概略の構成を示す左から見た正面の斜視図である。 実施形態1における冷却服の概略の構成を示す右から見た正面の斜視図である。 実施形態1における冷却服の概略の構成を示す内側の図である。 実施形態1における冷却服の概略の構成を示す背面図である。 実施形態1における冷却服の概略の断面図で、図1のA-A断面を表す図である。 実施形態1における冷却服の概略の断面図で、図1のB-B断面を表す図である。 実施形態1における冷却服の中間層から冷水を排水させる概略の動作図で、冷却服の上部をまるめ始めの状態を示す図である。 実施形態1における冷却服の中間層から冷水を排水させる概略の動作図で、冷却服のまるめ終わりの状態を示す図である。 実施形態2における冷却服の概略の構成を示す背面図である。 実施形態2における冷却服の概略の構成を示す正面図である。 実施形態3における冷却服の概略の構成を示す背面図である。 実施形態3における冷却服の概略の構成を示す正面図である。 実施形態4における冷却服の概略の構成を示す正面図である。 実施形態4における冷却服の概略の構成を示す内側の図である。 実施形態5における冷却服の概略の構成を示す正面図である。 実施形態5における冷却服の概略の構成を示す背面図である。 実施形態6における冷却服の概略の構成を示す正面図である。 実施形態7における冷却服と空調機能服とを重ね着する場合の概略の斜視図で、人が冷却服を装着した場合を表す図である。 実施形態7における冷却服と空調機能服とを重ね着する場合の概略の斜視図で、冷却服の上に空調機能服を重ね着した場合を表す図である。 実施形態7におけるリバースした冷却服と空調機能服とを重ね着する場合の概略の斜視図で、人がリバースした冷却服を装着した場合を表す図である。 実施形態7におけるリバースした冷却服と空調機能服とを重ね着する場合の概略の斜視図で、リバースした冷却服の上に空調機能服を重ね着した場合を表す図である。 アジャスターを用いた冷却服の左から見た概略の斜視図である。 実施形態8における冷却服の概略の構成を示す正面図である。 実施形態8における冷却服の概略の構成を示す背面図である。 実施形態9における冷却服の概略の構成を示す正面図である。 実施形態9における冷却服の概略の構成を示す背面図である。 実施形態9におけるペルチェ素子ユニットの概略の構成を示す平面図である。 実施形態9におけるペルチェ素子ユニットの概略の構成を示す正面図である。 実施形態10における冷却服の概略の構成を示す左から見た正面の斜視図である。 実施形態10における冷却服の概略の構成を示す右から見た正面の斜視図である。 実施形態10における別の冷却服の概略の構成を示す左から見た正面の斜視図である。 実施形態10における別の冷却服の概略の構成を示す背面図である。 実施形態11における冷却服の概略の構成を示す右から見た正面の斜視図である。 実施形態11における別の冷却服の概略の構成を示す右から見た正面の斜視図である。 実施形態11における別の冷却服の概略の構成を示す背面図である。 実施形態11における別の冷却服の概略の構成を示す右から見た正面の斜視図である。 実施形態11における別の冷却服の概略の構成を示す背面図である。 実施形態12における冷却服の概略の構成を示す正面図である。 実施形態12における冷却服の概略の構成を示す背面図である。 実施形態13における冷却服の概略の構成を示す正面図である。 実施形態13における冷却服の概略の構成を示す背面図である。 実施形態13における別の冷却服の概略の構成を示す正面図である。 実施形態14における放射冷却素材の概略の構成を示す正面図である。 実施形態14における放射冷却素材の概略の構成を示す背面図である。 実施形態15における冷却服の概略の構成を示す正面図である。 実施形態15における冷却服の概略の構成を示す背面図である。
以下、本開示により具体的な実施形態を説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。以下の説明において、同一または類似する構成要素については、同じ参照符号を付している。
(実施形態1)
まず、冷却服1(水冷冷却服とも称す)の全体の概略の構成を説明してから、各構成要素の詳細について説明する。
(冷却服の全体について)
以下、本開示の一態様を示す冷却服1の概略について図面を用いて説明する。
図1は、実施形態1における冷却服1の概略の正面図で、図2は、冷却服1の概略の背面図で、図3は、実施形態1における冷却服1の概略の左から見た正面の斜視図で、図4は、実施形態1における冷却服1の概略の右から見た正面の斜視図で、図5は、実施形態1における冷却服1の概略の内側の図である。
上記左から見た正面の斜視図の意味は、観察者が左側から冷却服1を見た斜視図の意味である。上記右から見た正面の斜視図の意味は、観察者が右側から冷却服1を見た斜視図の意味である。この定義は、以下の説明においても適応される。
図18、19に示す様に、冷却服1を人の体に装着したときの冷却服1の中心軸(人の中心軸)を中心線92と定義する。
また、冷却服1を人の体に装着したときを基準として、中心線92より左手側を左側、右手側を右側と定義する。
また、冷却服1を人の体に装着したときを基準として、人の体に最も近い側を内側、人の体から最も離れている側を外側と定義する。
また、冷却服1を人の体に装着したときを基準として、頭部側を上側、足側を下側と定義する。
また、人の体とは、裸(皮膚そのもの)の状態と、人が衣服を着ている状態との両方の状態を含む用語である。
また、水とは、例えば、冷蔵庫で冷やした冷水、また、常温(人がいる環境温度)での水を含む用語である。
図1に示す様に、冷却服1は、体の前側に配置される表側生地2と、体の後側に配置される裏側生地3と、体の左側に配置される左側生地4と、体の右側に配置される右側生地5と、表側生地2の真ん中に配置されるファスナー7とを有する。また、冷却服1は、縁部を補強する補強ライン6を有する。
表側生地2及び裏側生地3の内部には、水を吸収し、吸収した水を体の熱により気化させる不織布からなる中間層31を有する。中間層31の詳細については、後述する。
圧着部11は、表側生地2及び裏側生地3において、中間層31を閉じ込めるもので、表側層30と内側層32とが圧着されているライン状の部分で、一筆書きで描いた連続したラインである。
表側生地2は、複数の水を保持する水保持部13を有する。水保持部13の詳細については、後述するが、水保持部13は、中心に、表側生地2を貫通する穴10(黒丸)を有している。
図2に示す様に、表側生地2と同様、裏側生地3も、複数の水を保持する水保持部13と、中間層31と、圧着部11とを有する。
表側生地2及び裏側生地3の内部において、中間層31は、1枚の不織布からなり、連続したものである。上記したが、中間層31は、圧着部11により、表側生地2及び裏側生地3の内部に閉じ込められている。
裏側生地3は、上部に中間層31に水を供給する注水口20と、下部に中間層31が吸収した水を排水する排水口21とが設けられている。
ここで、上部とは冷却服1の半分より上の位置のことであり、下部とは冷却服1の半分より下の位置のことである。
図2の場合、排水口21は、人が椅子などに座った際、排水口21によって体が押されないように裏側生地3の左端部に配置されている。尚、排水口21は、右端部に配置されていてもよい。
図3、4に示す様に、人が冷却服1を装着した際、表側生地2と裏側生地3とが体にフィットするように、左側生地4及び右側生地5が設けられている。左側生地4及び右側生地5は、表側生地2と裏側生地3とを接続するもので、ゴム素材などの伸縮する素材でできている。左側生地4及び右側生地5には、通気性を良くする複数の孔が設けられていてもよい。
尚、図3、4の表側生地2において、黒丸である穴10を描いているが、これは後述する水保持部13を代表して描いている。
このことは、以下に示す図においても同じである。
図5は、実施形態1における冷却服1の概略の構成を示す内側の図である。
図5に示す様に、表側生地2及び裏側生地3の裏側の面である内側層32が、左側、中央部、右側に配置されている。内側層32には、複数の穴10が配置されている。
次に、各構成要素の詳細について、説明する。
(注水口及び排水口)
図6は実施形態1の冷却服1の概略の背面図で、図6に注水口20及び排水口21の拡大図を示している。
冷却服1が装着された状態を基準として、注水口20は、体に対して遠い位置に配置された外蓋24と、体に対して近い位置に配置された内蓋25とを有している。外蓋24と内蓋25とが前後の方向に接触して、中間層31の水が内部から漏れ出さないように、外蓋24と内蓋25とで閉塞部34を構成している。
外蓋24には、手が掴めるように突出部を有している。外蓋24の内側には凸部26を有し、内蓋25の外側には凹部27を有している。
外蓋24を内蓋25に押し当てることで、凸部26と凹部27とが係合し、中間層31の水が内部から漏れ出するのを防いでいる。
注水口20から注入された水は、裏側生地3の中間層31に吸収されると共に、表側生地2の中間層にも拡がって吸収され、冷却服1の全面に水が拡がる。
尚、注水口20は、中間層31の水が内部から漏れ出するのを防ぐマジックテープ(登録商標)等の面ファスナー、止水チャック、ファスナーで構成されてもよい。
尚、排水口21は、注水口20と同じ構造で、大きさは異なっていてもよい。
図7Aは、実施形態1の冷却服1の概略の断面図で、図1のA-A断面を表す図である。
図7Aに示す様に、表側生地2は、体に対して最も近い位置に配置され、防水性の内側層32と、体に対して最も離れた位置に配置された透湿性の表側層30と、内側層32と表側層30との間に配置され、水を吸収し、吸収した水を体の熱により気化させる不織布からなる中間層31とを有する。
内側層32の素材は、ナイロンなどの防水性の素材が好ましい。また、内側層32の素材は、例えば、親水性のポリマーなどの制電糸などを用いて帯電防止を施してもよい。
中間層31の素材は、不織布であり、ポリウレタン吸湿発散性ポリエステルフリース、テクノロジー芯材ポリエステルフリース、あるいは、ポリアクリル酸ナトリウム塩を主成分とするポリマーを含有しそれを直紡した繊維などの素材が好ましい。中間層31の素材は、水を吸収し、吸収した水を気化させ易い素材であれば、特に上記素材に限定されない。
表側層30の素材は、ナイロンジャージー50%、ポリウレタン50%などの透湿性の素材が好ましく、制電糸などを用いて帯電防止を施してもよい。
表側層30の素材又は/及び内側層32の素材は、難燃繊維を使用してもよい。また、表側層30の素材又は/及び内側層32の素材は、防炎加工を施してもよい。
難燃繊維、防炎加工を施した繊維としては、バイナール(登録商標)、ポリエーテルイミド(PEI)繊維、モエニー(登録商標)、コーネックス(登録商標)、スーパーエクスター(登録商標)、アンフラ(登録商標)、ハイム(登録商標)、プロテクサ(登録商標)FR、ホノガード(登録商標)、ブレバノ(登録商標)、ノーネックス(登録商標)などが使用可能である。
裏側生地3も、表側生地2と同様の構造及び素材である。
図1において、冷却服1の肩から水が冷却服1の下部に落ちる際、水保持部13は、水を保持するものである。
図7Bに示す様に、水保持部13は、表側生地2及び裏側生地3を貫通する穴10と、穴10の周囲に表側層30と内側層32とを密着させた圧着部11と、圧着部11の周囲に位置し、表側層30と内側層32との間にある空隙12とを有する。
水は空隙12に貯留されることで、水保持部13に保持される。
(排水動作)
図8は、実施形態1における冷却服1の中間層31から水を排水させる概略の動作図である。
前提として、冷却服1の中間層31は、水が既に吸収している状態にある。
まず、図8Aに示す様に、注水口20の閉塞部34を閉じ、排水口21の閉塞部34を開く。
次に、冷却服1の上部をまるめ始めると、表側生地2の中間層31の上部の水が絞り出され、水は中間層31の下部に移動する。
最後に、図8Bに示す様に、冷却服1をまるめるのが終わりに近づき、排水がほぼ完了すると、排水口21の閉塞部34を閉じる。
上記動作により、中間層31の水が排水され、注水口20から水を注水できるようになる。
注水と排水とを繰り返し行えれば、何度でも(例えば、1日に4回)、水を冷却服1に供給でき、冷却服1で体を冷やすことができる。
(実施形態2)
図9は実施形態2における冷却服1の概略の構成を示す背面図で、図10は実施形態2における冷却服1の概略の構成を示す正面図である。
実施形態2では、図9に示す様に、裏側生地3の上部に1つの注水口20と、裏側生地3の下部において、複数の排水口21とが配置され、図9の場合、排水口21は3個、配置されている。
また、図10に示す様に、表側生地2の上部には2つの注水口20が配置され、下部の左右に、2つの排水口21が配置されている。
上記態様によれば、裏側生地3の下部に複数の排水口21、又は表側生地2の下部に複数の排水口21を設けているので、冷却服1をまるめると、中間層31から水を短時間で排出することができる。
また、図10に示す様に、表側生地2に注水口20を設けているので、注水において中間層31の全面に速く水を行き渡らせることができる。
また、人が冷却服1を装着していると、重力で表側生地2の下部、又は裏側生地3の下部に、水が溜まり易い。表側生地2の下部、又は裏側生地3の下部に、余分に溜まった水を排水口21から排出することができる。
(実施形態3)
図11は実施形態3における冷却服1の概略の背面図で、図12は実施形態3における冷却服1の概略の正面図である。
実施形態3では、冷却服1に注水し、かつ冷却服1から排水を同時に行う注水排水口40を備えている。注水排水口40の構造は通常のキャップであり、図11の注水排水口40の実線の部分を摘まんで引っ張ると、キャップが開き、破線の口が見えるようになる。
図11に示す様に、注水排水口40は裏側生地3の下部の端に設けられている。
また、図12に示す様に、注水排水口40は表側生地2の下部の左右の端に設けられている。
上記態様によれば、1つの注水排水口40により、注水と排水とを行うことができるので、中間層31の面積を大きくすることができ、保水量を拡大するこができる。
(実施形態4)
図13は、実施形態4における冷却服1の概略の正面図で、図14は、実施形態4における冷却服1の概略の表側生地2及び裏側生地3の内側の図である。
図13、14示す様に、実施形態4では、表側生地2の表面及び表側生地2の内側に、保冷剤43を保持するポケット42が、下部の左右の2箇所に、設けられている。
上記態様によれば、ポケット42に保持された保冷剤43により中間層31の水が冷やされ、水の温度上昇を抑えることができるので、長時間に体を冷やすことができる。
尚、ポケット42の場所は、表側生地2の表面及び表側生地2の内側の下部に限らず、どこに配置されてもよい。また、ポケット42は、裏側生地3に設けられていてもよい。ポケット42の個数は、特に限定されない。
(実施形態5)
図15は、実施形態5における冷却服1の概略の正面図で、図16は、実施形態5における冷却服1の背面図である。
実施形態5では、水保持部13が円形ではなく矩形形状で傾いて配置されている。
図15に示す様に、注水排水口40は表側生地2の左右の2箇所に設けられ、図16に示す様に、注水排水口40は裏側生地3の下部の端側に設けられている。
尚、注水排水口40に替えて、実施形態1の注水口20及び排水口21を設けてもよい。
(実施形態6)
図17は、実施形態6における冷却服1の概略の正面図である。
図17示す様に、実施形態6では、矩形形状の水保持部13が傾いて交互に千鳥状に配置されている。
また、実施形態6における注水口20及び排水口21は、実施形態2と同様のものである。
図17の左側の表側生地2における水の流れについて、説明する。
表側生地2の左右には、6個の水保持部13a~13fがそれぞれ配置されている。
表側生地2の左側において、まず、水は、表側生地2の肩から下方へ落下し、上から1番目の水保持部13aの右側を通過しながら、左上から右下に落下する。
次に、水は、2番上に配置された水保持部13bの左側を通過し、右上から左下に落下する。この時、水保持部13aから流れてきた水を、一旦、水保持部13bで受け止めるように水が水保持部13bに当たるので、水保持部13bは水を保持し易い。
次に、水保持部13cと水保持部13d、水保持部13eと水保持部13fも、水保持部13aと水保持部13bと同様の水の流れをする。水保持部13bと同様に、水保持部13c~13eも水を保持し易い。
最後に、水は、上から6番目に配置された水保持部13fの左側を通過し、右上から左下に落下し、排水口21に到達する。この様に、水保持部13fから流れてくる水の方向が排水口21に向いているので、水を排出する際、スムーズに水を排出できる。
尚、図17の左側の表側生地2における水の流れは、表側生地2の中心に対して、右側の表側生地2の流れと対称の流れである。
上記態様によれば、水保持部13を千鳥状に配置することで、水を水保持部13に保持できるので、長時間、体を冷やすことができる。
また、一番下に配置した水保持部13fから流れてくる水の方向が排水口21に向いているので、水を排出する際、スムーズに水を排出できる。
尚、表側生地2に千鳥状の水保持部13を設けたが、裏側生地3にも、表側生地2の千鳥状の水保持部13と同様のものを設けてもよい。
(実施形態7)
図18は、実施形態7における本願発明の冷却服1と空調機能服50(空調風神服(登録商標)、空調服(登録商標)とも称す)とを重ね着した場合の概略の斜視図である。
空調機能服50とは、実公平3-32487号公報、特許第6536674号公報に記載されているように、服にファン51を取付けて、外気を服の内部に送り込み、その外気により体から出る汗を蒸発させて、体の温度を下げるものである。
冷却服1と空調機能服50との重ね着の動作について、説明する。
まず、図18Aに示す様に、既に水が注水された冷却服1を体に装着し、ファスナー7を留める。
次に、図18Bに示す様に、冷却服1の上に、空調機能服50を重ね着し、空調機能服50のファスナーを留める。
最後に、空調機能服50のファン51を回転させ、外気を服の内部に送り込む。
重ね着した冷却服1と空調機能服50との組合せのことを冷却衣服セットと称す。
上記態様によれば、空調機能服50により、外気が冷却服1の表面に送り込まれるので、冷却服1の水の気化が促進され、速く体の温度を下げることができる。
尚、空調機能服50を着てからファン51を回転させたが、ファン51を回転させた状態の空調機能服50を冷却服1に重ね着してもよい。
図19は、図18の変形例である。
変形例では、図19Aに示す様に、冷却服1を裏返して(リバースして)体に装着する。
その後の冷却服1と空調機能服50との重ね着の動作は、図18Bと同様であるので、説明を省略する。
上記態様によれば、冷却服1の表側生地2の表側層30及び裏側生地3の表側層30が体と最も近い位置に配置されるので、人が汗をかかずとも中間層31の水が表側層30を透し気化して体温を下げることができる。さらに、空調機能服50により、外気が冷却服1に送り込まれるので、冷却服1の気化が促進され、速く体の温度を下げることができる。
(実施形態8)
実施形態8は、冷却服1に水を貯留する領域を設け、実施形態1と比べ、長時間、体を冷却することができる態様である。
図21は実施形態8における冷却服1の概略の構成を示す正面図で、図22は実施形態8における冷却服1の概略の構成を示す背面図である。
図21、22に示す様に、実施形態1で説明したように、圧着部11は、一筆書きで描いた連続したライン状の外縁圧着部(11A、11B、11C、11D)有している。
具体的には、外縁圧着部11は、右表側圧着部11Aと、左表側圧着部11C、首側圧着部11Bと、背中裏側圧着部11Dとを有する。
右表側圧着部11Aは、右表側第1圧着部11A1と、右表側第2圧着部11A2と、右表側第3圧着部11A3とを有する。
左表側圧着部11Cは、左表側第1圧着部11C1と、左表側第2圧着部11C2と、左表側第3圧着部11C3とを有する。
背中裏側圧着部11Dは、背中裏側第1圧着部11D1と、背中裏側第2圧着部11D2と、背中裏側第3圧着部11D3とを有する。
尚、ここで、冷却服1を人が装着した状態を基準として、右表側第1圧着部11A1の最上部及び背中裏側第3圧着部11D3の最上部を接合部P1と定義する。接合部P1において、右表側第1圧着部11A1の最上部及び背中裏側第3圧着部11D3の最上部とは接続されている。
右表側第3圧着部11A3の最上部及び首側圧着部11Bの端部との接合部を接合部P2と定義する。
左表側第1圧着部11C1の最上部及び首側圧着部11Bの端部との接合部を接合部P3と定義する。
右表側第3圧着部11A3の最上部及び背中裏側第1圧着部11D1の最上部を接合部P4と定義する。接合部P4において、左表側第3圧着部11C3の最上部及び背中裏側第1圧着部11D1の最上部とは接続されている。
図21に示す様に、右表側第4圧着部11A4(傾斜圧着部11A4とも称す)は、右表側第3圧着部11A3から分岐したもので、右表側第3圧着部11A3と接続している。右表側第4圧着部11A4は、紙面右上から左下に向かって傾斜している。つまり、傾斜圧着部11A4は、中心線92Aに垂直な線(水平線)に対して傾いている。
右表側第1圧着部11A1と右表側第4圧着部11A4との間には、右表側第1空隙12A1を有する。
右表側第5圧着部11A5(傾斜圧着部11A5とも称す)は、右表側第1圧着部11A1から分岐したもので、右表側第1圧着部11A1と接続している。右表側第5圧着部11A5は、紙面左上から右下に向かって傾斜している。右表側第3圧着部11A3と右表側第5圧着部11A5との間には、右表側第2空隙12A2を有する。
右表側第6圧着部11A6(傾斜圧着部11A6とも称す)は、右表側第3圧着部11A3から分岐したもので、右表側第3圧着部11A3と接続している。右表側第6圧着部11A6は、紙面右上から左下に向かって傾斜している。右表側第1圧着部11A1と右表側第6圧着部11A6との間には、右表側第3空隙12A3を有する。
表側生地2は、右側に4つの領域、左側に4つの領域、トータル8つの領域に分かれている。
表側生地2の右側の4つの領域は、右表側第1領域61、右表側第2領域62、右表側第3領域63、右表側第4領域64である。
表側生地2の左側の4つの領域は、左表側第1領域65、左表側第2領域66、左表側第3領域67、左表側第4領域68である。
上記各領域において中間層31は分割された状態で配置されており、上記各圧着部は、空隙を介して分割された中間層31の周りを囲んでいる。
つまり、上記各圧着部と分割された中間層31との間に、空隙がある。
右表側第1領域61は、右表側第1圧着部11A1と、右表側第4圧着部11A4(傾斜圧着部11A4)と、右表側第3圧着部11A3と、表側生地2の上部(接合部P1と接合部P2とを結ぶ線)とで囲まれる領域である。右表側第1領域61には、注水口20が配置されている。
矢印が示すように、水が、右表側第1空隙12A1を通って、右表側第1領域61から右表側第2領域62に移動する。
冷却服1(表側生地2)の長手方向(中心線92A)に垂直な水平線と傾斜圧着部11A4とがなす傾斜角度は、傾斜角度が小さい程、空隙12A1から流れる水の量を小さくすることができるので、右表側第1領域61の水が保持する時間を長くすることができる。その結果、右表側第1領域61において、体を長く冷やすことができる。
有限体積法を用いた汎用の熱流体解析ソフトウェアで、傾斜圧着部11A4を含む右表側第1領域61及び右表側第2領域62における中間層31の水の動きの解析を行った。
解析の方法は以下の手順である。
(1)まず、水平な机の上に冷却服1を置き、注水口20から水を注ぎ、表側生地2の中間層31に均一に水を吸収させる。この時の中間層31の水の量は、これ以上中間層31に水を入れると、中間層31から水が出てしまう最大量である。
(2)次に、中間層31に最大量の水を有した冷却服1を鉛直方向に立てた時、右表側第1領域61から右表側第2領域62に移動する水の分布の時間的な変化について解析を行った。
この時、中心線92Aに垂直な水平線と傾斜圧着部11A4とがなす傾斜角度を変化させた(0度から90度まで)。
上記シミュレーションの結果について、説明する。
上記シミュレーションによれば、傾斜角度を変化させても約10秒程度で、右表側第1領域61から右表側第2領域62に移動する水の量(移動量)がほぼ一定の量となることが分かった。約10秒以降は、単位時間当たりの移動量が非常に小さくなることが分かった。
10秒後における、傾斜角度が90度の時の右表側第1領域61から右表側第2領域62に移動する水の量を基準(100%)とすると、
(a)10秒後における、傾斜角度が45度の時の水の移動量は、上記基準に対して、約91%~93%であった。
(b)10秒後における、傾斜角度が0度の時(水平時)の水の移動量は、上記基準に対して、約83%~86%であった。
つまり、傾斜角度が小さい程、右表側第1領域61から右表側第2領域62に移動する水の量が小さくなることが分かった。
又、傾斜角度が小さい程、傾斜圧着部11A4より下側の右表側第2領域62の箇所(例えば、傾斜圧着部11A4を軒とすると、軒下のような箇所)に水が長く溜まることが分かった。
これは、以下の理由であると推察される。
傾斜圧着部11A4より上側の水は、重力により下に移動しようとするが、傾斜圧着部11A4により遮られる。よって、傾斜圧着部11A4より下側の水は、傾斜圧着部11A4の上側の水の圧力を受けないため、傾斜圧着部11A4より下側の右表側第2領域62の箇所に留まる。
従って、傾斜角度が小さい程、中間層31に水を長く保持できる。
一方、冷却服1の上部をまるめて、排水口21から水を排水する場合は、傾斜角度が大きい程、空隙12A1から流れる水の量を大きくすることができるので、スムーズに排水口21から水を排水することができる。
以上、シミュレーションに基づき、傾斜角度は、1度以上から45度以下が好ましく、2度以上から15度以下が、さらに好ましいことが分かった。
以下の各傾斜圧着部についても、上記と同様のことが言える。
右表側第2領域62は、右表側第1圧着部11A1と、右表側第5圧着部11A5(傾斜圧着部11A5)と、右表側第3圧着部11A3と、右表側第4圧着部11A4(傾斜圧着部11A4)とで囲まれる領域である。右表側第2領域62には、水保持部13が配置されている。
矢印が示すように、水が、右表側第2空隙12A2を通って、右表側第2領域62から右表側第3領域63に移動する。
右表側第2領域62は、右表側第5圧着部11A5(傾斜圧着部11A5)と右表側第4圧着部11A4(傾斜圧着部11A4)とを有している。
右表側第2領域62は、傾斜圧着部11A5のように、傾斜圧着部を有するので、右表側第2領域62において、水を保持する時間を長くすることができ、かつ、冷却服1の上部をまるめて排水口21から水を排水する場合は、容易に水を下側へ追いやることができる。
右表側第3領域63は、右表側第1圧着部11A1と、右表側第6圧着部11A6(傾斜圧着部11A6)と、右表側第3圧着部11A3と、右表側第5圧着部11A5(傾斜圧着部11A5)とで囲まれる領域である。右表側第3領域63には、水保持部13が配置されている。
矢印が示すように、水が、右表側第3空隙12A3を通って、右表側第3領域63から右表側第4領域64に移動する。
右表側第3領域63は、右表側第2領域62と同様の効果を有する。
右表側第4領域64は、右表側第1圧着部11A1と、右表側第2圧着部11A2と、右表側第3圧着部11A3と、右表側第6圧着部11A6(傾斜圧着部11A6)とで囲まれる領域である。右表側第4領域64には、水保持部13及び排水口21が配置されている。
排水口21は、右表側第4領域64の側の右側の下部に配置されている。
冷却服1の上部をまるめると、水は右側に配置された右表側第3空隙12A3から流れ出すので、右表側第3空隙12A3に近い排水口21から速く水を排出できる。
上記態様によれば、注水口20から中間層31に水が供給され、人の手で右側の表側生地2が押されると、右表側第1空隙12A1、右表側第2空隙12A2、右表側第3空隙12A3を通って、右側の表側生地2の中間層31に、水を供給することができる。
さらに、右表側第1領域61、右表側第2領域62、右表側第3領域63、右表側第4領域64に、水を貯留させることができる。
その結果、上記態様は、長時間、体を冷やすことができる。
図21に示す様に、正面から見て、右側の表側生地2の構成と左側の表側生地2の構成とは、中心線92A(この場合の中心線92Aは、中心線92を表側生地2に投影した線である)を中心として、左右対称の構成である。
よって、左側の表側生地2の構成については、説明を省略する。
右表側第3圧着部11A3と右表側第4圧着部11A4との接続部分、右表側第1圧着部11A1と右表側第5圧着部11A5との接続部分、右表側第3圧着部11A3と右表側第6圧着部11A6との接続部分、左表側第1圧着部11C1と左表側第4圧着部11C4との接続部分、左表側第3圧着部11C3と左表側第5圧着部11C5との接続部分、左表側第1圧着部11C1と左表側第6圧着部11C6との接続部分に空隙を設けてもよい。
図22に示す様に、背面から見て、背中裏側第4圧着部11D4(第1傾斜圧着部とも称す)は、中心線92B(この場合の中心線92Bは、中心線92を裏側生地3に投影した線である)を起点として、紙面右上から左下に向かって傾斜している。背中裏側第1圧着部11D1と背中裏側第4圧着部11D4との間には、背中裏側第1空隙12D1を有する。
背中裏側第5圧着部11D5(第2傾斜圧着部とも称す)は、中心線92Bを起点として、紙面左上から右下に向かって傾斜している。背中裏側第3圧着部11D3と背中裏側第5圧着部11D5との間には、背中裏側第3空隙12D3を有する。
第1傾斜圧着部11D4と第2傾斜圧着部11D5とは、山形形状をしている。上記した山形形状の頂点(仮想の頂点)は中心線92Bを通り、山形形状は、中心線92Bに対して、対称な形状である。
第1傾斜圧着部11D4の一端(中心線92B側)と第2傾斜圧着部11D5の一端(中心線92B側)との間(仮想の頂点付近)には、背中裏側第2空隙12D2を有している。
尚、第1傾斜圧着部11D4の一端(中心線92B側)と第2傾斜圧着部11D5の一端(中心線92B側)とは、背中裏側第2空隙12D2を有さず、繋がっていてもよい。
背中裏側第6圧着部11D6(第3傾斜圧着部とも称す)は、中心線92Bを起点として、紙面右上から左下に向かって傾斜している。背中裏側第1圧着部11D1と背中裏側第6圧着部11D6との間には、背中裏側第4空隙12D4を有する。
背中裏側第7圧着部11D7(第4傾斜圧着部とも称す)は、中心線92Bを起点として、紙面左上から右下に向かって傾斜している。背中裏側第7圧着部11D7と背中裏側第3圧着部11D3との間には、背中裏側第6空隙12D6を有する。
第3傾斜圧着部11D6と第4傾斜圧着部11D7とは、山形形状をしている。
山形形状は、上記と同様であるので、説明を省略する。
背中裏側第8圧着部11D8(第5傾斜圧着部とも称す)は、中心線92Bを起点として、紙面右上から左下に向かって傾斜している。背中裏側第8圧着部11D8と背中裏側第1圧着部11D1との間には、背中裏側第7空隙12D7を有する。
背中裏側第9圧着部11D9(第6傾斜圧着部とも称す)は、中心線92Bを起点として、紙面左上から右下に向かって傾斜している。背中裏側第9圧着部11D9と背中裏側第3圧着部11D3との間には、背中裏側第9空隙12D9を有する。
第8傾斜圧着部11D8の一端(中心線92B側)と第9傾斜圧着部11D9の一端(中心線92B側)との間には、背中裏側第8空隙12D8を有している。
第8傾斜圧着部11D8と第9傾斜圧着部11D9とは、山形形状をしている。
山形形状は、上記と同様であるので、説明を省略する。
裏側生地3は、右側に4つの領域に分かれている。
裏側生地3の4つの領域は、裏側第1領域71、裏側第2領域72、裏側第3領域73、裏側第4領域74である。
裏側第1領域71は、背中裏側第1圧着部11D1と、背中裏側第4圧着部11D4と、背中裏側第5圧着部11D5と、背中裏側第3圧着部11D3と、裏側生地3の上部とで囲まれる領域である。
裏側第1領域71には注水口20が中心線92B上に配置されているので、水は、第1傾斜圧着部11D4と第2傾斜圧着部11D5とに、均等に沿うように分かれて流れることができる。
注水口20から中間層31に水が供給され、人の手で裏側生地3が押されると、矢印が示すように、水が、背中裏側第1空隙12D1、背中裏側第2空隙12D2、背中裏側第3空隙12D3を通って、裏側第1領域71から後述する裏側第2領域72に移動する。
裏側生地3の両側及び中央から、裏側第1領域71から裏側第2領域72に水が移動できるので、均一に裏側第2領域72の中間層31に、水を行き渡らせることができる。
冷却服1(裏側生地3)の長手方向に垂直な水平線と傾斜圧着部11D4とがなす傾斜角度は、傾斜角度が小さい程、背中裏側第1空隙12D1から流れる水の量を小さくすることができるので、裏側第2領域72の水が保持する時間を長くすることができる。その結果、裏側第2領域72において、体を長く冷やすことができる。
一方、冷却服1の上部をまるめて、排水口21から水を排水する際、傾斜角度が大きい程、背中裏側第1空隙12D1から流れる水の量を大きくすることができるので、スムーズに排水口21から水を排水することができる。
上記シミュレーションに基づき、傾斜角度は、1度以上から45度以下が好ましく、2度以上から15度以下が、さらに好ましい。
各傾斜圧着部(11D5乃至11D9)についても同様のことが言える。
裏側第2領域72は、背中裏側第1圧着部11D1と、背中裏側第6圧着部11D6と、背中裏側第7圧着部11D7と、背中裏側第3圧着部11D3と、背中裏側第5圧着部11D5、背中裏側第4圧着部11D4とで囲まれる領域である。裏側第2領域72には、2つの水保持部13が配置されている。
矢印が示すように、水が、背中裏側第4空隙12D4、背中裏側第5空隙12D5、背中裏側第6空隙12D6を通って、裏側第2領域72から裏側第3領域73に移動できる。
裏側第2領域72の構成及び効果は、裏側第1領域71と同様である。
裏側第3領域73は、背中裏側第1圧着部11D1と、背中裏側第8圧着部11D8と、背中裏側第9圧着部11D9と、背中裏側第3圧着部11D3と、背中裏側第7圧着部11D7と、背中裏側第6圧着部11D6とで囲まれる領域である。裏側第3領域73には、1つの水保持部13が配置されている。
矢印が示すように、水が、背中裏側第7空隙12D7、背中裏側第8空隙12D8、背中裏側第9空隙12D9を通って、裏側第3領域73から裏側第4領域74に移動できる。
裏側第4領域74は、背中裏側第1圧着部11D1と、背中裏側第2圧着部11D2と、背中裏側第3圧着部11D3と、背中裏側第9圧着部11D9、背中裏側第8圧着部11D8とで囲まれる領域である。裏側第4領域74には、1つの水保持部13及び排水口21が配置されている。
排水口21は、裏側第4領域74の左側の下部に配置されている。
冷却服1の上部をまるめると、水は左側に配置された背中裏側第7空隙12D7から流れ出すので、背中裏側第7空隙12D7に近い排水口21から速く水を排出できる。
尚、排水口21は右側の下部に配置されてもよい。
上記態様によれば、注水口20から中間層31に水が供給され、人の手で裏側生地3が押されると、背中裏側第1空隙12D1、背中裏側第2空隙12D2、背中裏側第3空隙12D3、背中裏側第4空隙12D4乃至背中裏側第9空隙12D9を通って、裏側生地3の中間層31に、水を供給することができる。
さらに、裏側第1領域71、裏側第2領域72、裏側第3領域73、裏側第4領域74に、水を貯留させることができる。その結果、上記態様は、長時間、体を冷やすことができる。
また、裏側生地3の両側の空隙及び中央の空隙から、裏側第1領域71から裏側第2領域72に、水移動できるので、均一に裏側第2領域72の中間層31に、水を行き渡らせることができる。裏側第3領域73及び裏側第4領域74も、上記と同様である。
また、冷却服1の上部をまるめると、排水口21からスムーズに水を排出することができる。
尚、裏側生地3に山形形状の傾斜圧着部を設けたが、表側生地2に山形形状の傾斜圧着部を設けてもよい。
尚、右表側第4圧着部11A4と右表側第3圧着部11A3とを接続させたが、右表側第4圧着部11A4と右表側第3圧着部11A3との間に空隙を設けてもよい。但し、上記の場合、空隙は、以下の少なくとも1つの条件、または、複数の条件を満たしている。
(条件1)冷却服1の注水口20から水が供給され、冷却服1を人が装着した状態で、水が右表側第1領域61に貯留し、右表側第1領域61において、貯留した水の水位が当該空隙より上側に位置し、人の手で、右表側第1領域61の表側生地2が押されない場合は、当該空隙から水が右表側第1領域61(上側の領域)から右表側第2領域62(下側の領域)に移動しない。
(条件2)水が右表側第1領域61に貯留している状態で、人の手で、右表側第1領域61の表側生地2が押された場合は、当該空隙から、水が右表側第1領域61から右表側第2領域62に移動可能である。
(実施形態9)
実施形態9は、冷却服1の中間層31の水を冷やすペルチェ素子ユニット165を配置した態様で、長時間、体を冷やすことができる。
図23は実施形態9における冷却服の概略の構成を示す正面図で、図24は実施形態9における冷却服の概略の構成を示す背面図で、図25Aは実施形態9におけるペルチェ素子ユニット165の概略の構成を示す平面図で、図25Bは実施形態9におけるペルチェ素子ユニット165の概略の構成を示す正面図である。
図23に示す様に、表側生地2の下部において、ファスナー7を中心軸として左右対称に、ペルチェ素子ユニット用ポケット162とバッテリー用ポケット161とが配置されている。
図24に示す様に、裏側生地3の下部において、ペルチェ素子ユニット用ポケット162とバッテリー用ポケット161とが配置されている。
ペルチェ素子ユニット用ポケット162とバッテリー用ポケット161とは、空気が通過し易いメッシュ状のポケットである。
ペルチェ素子ユニット用ポケット162にはペルチェ素子ユニット165が収容され、バッテリー用ポケット161にはバッテリー70が収容されている。
ペルチェ素子ユニット165とバッテリー70とは、接続コード171で接続されている。接続コード171は、モバイルバッテリーと接続できる、例えば、Type-Cが使用可能なコードが好ましい。
図25Aに示す様に、ペルチェ素子ユニット165は、図示しないペルチェ素子と、排熱ファン166と、吸気口167と、排気口168と、ペルチェ素子の冷却部で冷却される金属プレート69とを備えている。
図25Bに示す様に、ペルチェ素子の冷却部で金属プレート69が冷却されると共に、排熱ファン166が回転すると、ペルチェ素子ユニット165の周囲の空気が吸気口167から吸い込まれる。そして、ペルチェ素子の加熱部で熱せられた空気が排気口168からペルチェ素子ユニット165の上方向に排出される。
図23に示す様に、ペルチェ素子ユニット用ポケット162の外側のメッシュとペルチェ素子ユニット165の排熱ファン166とは接触している。ペルチェ素子ユニット用ポケット162の内側の表側生地2の外側の生地とペルチェ素子ユニット165の金属プレート69とは接触している。
メッシュからは排熱ファン166により熱せられた空気が排出される。一方、金属プレート69は、表側生地2の中間層31が保持している水を冷却する。
上記態様によれば、冷却服1の水の溜まり易い箇所(例えば、冷却服1の下部など)に、ペルチェ素子ユニット165を配置させ、水を冷却することで、長時間、体を冷やすことができる。
尚、図23、24で3つのバッテリー70を3つのバッテリー用ポケット161に収容した。しかし、3つのバッテリー70により冷却服1の重さが重くなるので、人がウェストポーチを腰に巻き、冷却服1の3つのバッテリー用ポケット161をなくし、3つのバッテリー70をウェストポーチに配置させた構成でもよい。
つまり、ウェストポーチに配置させた3つのバッテリー70と3つのペルチェ素子ユニット165とを接続コード171で電気的に接続する。
尚、バッテリー70は3つではなく、ウェストポーチに配置させた1つのバッテリー70と3つのペルチェ素子ユニット165のそれぞれとを接続コード171で電気的に接続してもよい。
上記態様によれば、冷却服1の重さを軽くすることができる。
(実施形態10)
実施形態10は、冷却服100で人の体の脇の部分を冷やす態様で、実施形態1に比べ、さらに、体を冷やすことができる。
図26Aは実施形態10における冷却服100の概略の構成を示す左から見た正面の斜視図で、図26Bは実施形態10における冷却服100の概略の構成を示す右から見た正面の斜視図である。
図26A、26Bに示す様に、人の体の左側及び右側の脇の部分において、表側生地2と裏側生地3とを脇生地75で繋いでいる。脇生地75は、表側生地2と裏側生地3と同様に、表側層30と、中間層31と、内側層32とを有している。中間層31は、表側生地2、裏側生地3、脇生地75において、連続して繋がっている。
図27Aは実施形態10における別の冷却服101の概略の構成を示す左から見た正面の斜視図で、図27Bは実施形態10における別の冷却服101の概略の構成を示す背面図である。
図27A、27Bに示す様に、脇生地75において、サイズ調整用の伸縮するゴム製のメッシュが設けられている。この場合、表側生地2の中間層31と裏側生地3の中間層31とは、繋がっていない。
上記態様によれば、冷却服100、101は人の体の脇の部分を冷やすことができ体全体を冷やすことができる。
尚、図27A、27Bのサイズ調整用の伸縮するゴム製のメッシュに、図20の様に、アジャスター44を設けてもよい。また、単なるメッシュとアジャスター44とで構成してもよい。
(実施形態11)
実施形態11は、冷却服102、103、104で人の上半身である主に体の胸郭と背部(背中)を冷やす態様で、腹部を冷やしたくないユーザへの対応である。
図28は、実施形態11における冷却服102の概略の構成を示す右から見た正面の斜視図である。
図28に示す様に、冷却服102の表側生地2は、腹部にかからない様に胸郭を冷やすように短くなっている。尚、冷却服102の表側生地2は、ユーザに応じて腹部の一部にかかっていてもよい。
冷却服102の裏側生地3は、腰部にかからない様に背部を冷やすように短くなっている。尚、冷却服102の裏側生地3は、ユーザに応じて腰部の一部にかかっていてもよい。
冷却服102の表側生地2には注水口20及び排水口21が設けられ、冷却服102の表側生地2には2個の排水口21が設けられている。
図29Aは実施形態11における別の冷却服103の概略の構成を示す右から見た正面の斜視図で、図29Bは実施形態11における別の冷却服103の概略の構成を示す背面図である。
図29Aに示す様に、図28と同様に、冷却服103の表側生地2は、腹部にかからない様に胸郭を冷やすように短くなっている。腹部の生地は、中間層31を有さない一般的な生地(例えば、ポリエステルなど)が用いられている。脇の部分には、図27A、27Bと同様のメッシュが設けられている。
冷却服103の表側生地2には注水口20及び排水口21が設けられ、冷却服103の裏側生地3には1個の排水口21が設けられている。
図30Aは実施形態11におけるさらに別の冷却服104の概略の構成を示す右から見た正面の斜視図で、図30Bは実施形態11におけるさらに別の冷却服104の概略の構成を示す背面図である。
図30A、30Bに示す様に、冷却服104の冷却服104の表側生地2及び裏側生地3は、図29A、29Bの冷却服103の腹部の生地を伸縮可能なメッシュで構成した点が異なり、その他は同様の構成である。
図30A、30Bの構成にすることで、ユーザの異なるサイズに対応できる。
上記態様によれば、冷却服102、103、104は、主に体の胸郭と背部を冷やすために長さが短い構成となっているので、腹部を冷やしたくないユーザへの対応が可能である。
(実施形態12)
実施形態12は、冷却服105で、体感的に冷たく感じる脇を長時間冷やす態様である。
図31は実施形態12における冷却服105の概略の正面図で、図32は実施形態12における冷却服105の表側生地2の内側の概略の図である。
図31、32示す様に、実施形態12では、人の脇の部分において、表側生地2の表面及び表側生地2の内側に、保冷剤43を保持するポケット42が、左側と右側の2箇所に、設けられている。
上記態様によれば、体感的に冷たく感じる人の脇を長時間冷やすことができる。
(実施形態13)
実施形態13は、冷却服106、107に示温材80を配置して、冷却服106、107に注水した水が均一に行き渡ったかを視覚的に捉えるようにした態様である。
図33は実施形態13における冷却服106の概略の構成を示す正面図で、図34は実施形態13における冷却服の概略の構成を示す背面図で、図35は実施形態13における別の冷却服107の概略の構成を示す正面図である。
図33、34に示す様に、冷却服106の表側生地2及び裏側生地3の上側から下側まで、示温材80が配置されている。
示温材80は、特定の温度に達すると色が変わる特殊材料を用いた温度検知材で、例えば、日油技研工業株式会社のデジタルサーモテープ(登録商標)などが使用できる。
注水口20から冷水(例えば、摂氏2度以上10度以下の温度の水)を注ぎ込んで、冷却服106の注水口20付近から人の手で冷却服106を押しながら下方向に撫でて、冷水を冷却服106の下部に押しやる。その時、冷却服106の上部に配置された示温材80の色が変化し、下方向に配置された示温材80の色が順に変化し、最後に冷却服106の下部に配置された示温材80の色が変化する。
図35は実施形態13における別の冷却服107の概略の構成を示す正面図である。
冷却服107は、冷却服107の内側に示温材80を配置させて、外側から示温材80の色の変化を見えなくして、冷却服107の外側のデザインを保持している。
上記態様によれば、示温材80により、冷却服106の全面に水がムラなく均一に行き渡ったことが分かる。そして、ユーザは、必要以上に水を供給しないでも済む。
(実施形態14)
実施形態14は、冷却服1の上を覆うように放射冷却材料85を被せた態様である。
図36は実施形態14における放射冷却材料85の概略の構成を示す正面図で、図37は実施形態14における放射冷却材料85の概略の構成を示す背面図である。
図36、37に示す様に、冷却服1の上を覆うように放射冷却材料85を被せている。冷却服1は、実施形態1の冷却服1を採用し、実施形態1の冷却服1を模式的に描いている。図36、37において、外縁圧着部11が破線で模式的に描かれている。
放射冷却材料85は、「放射冷却」の原理を利用し、直射日光下でも、宇宙に熱を逃がすことでエネルギーを使わずに、放射冷却材料85の温度及び直射日光下とは反対側の影の環境温度(以後、影温度と称す)を下げる素材である。放射冷却材料85としては、例えば、ラディ・クールジャパン株式会社製のRadi-Cool(ラディクール)の生地が使用できる。
日照条件によるが、ラディクールの生地の影温度は、一般的な生地の影温度より摂氏10度~20度程度、低くすることできる。
放射冷却材料85は、冷却服1上に空間を有して固定部材86で固定されている。
図36の左上の図は、固定部材86の周辺領域の側面図の拡大図である。
固定部材86は、スペーサ87とピン88とを有する。
スペーサ87は、冷却服1の表面に設けられ、スペーサ穴95を有している。ピン88は、ゴム製で、頭部93と凸部94とを有している。
放射冷却材料85は、放射冷却材料孔91を有している。放射冷却材料孔91にピン88の凸部94が貫通して、凸部94がスペーサ穴95と嵌合することで、放射冷却材料85は、空間を有して冷却服1に固定される。
一方、ピン88はスペーサ穴95から取り外すことができるので、ピン88をスペーサ穴95から取り外して、放射冷却材料85を冷却服1から取り外すことができる。
冷却服1の中間層31から気化して発生する水蒸気は、スペーサ87により形成される空間を通って、外部に放出される。
尚、中間層31から気化して発生する水蒸気が放射冷却材料85の外部へ放出されるなら、冷却服1と放射冷却材料85とは、部分的に接触していてもよい。
図36の右上の図は、左側の脇の側面図の拡大図である。
冷却服1の表側生地2と放射冷却材料85との間には空間を有している。直射日光が放射冷却材料85に当たっても、放射冷却材料85により影温度が低下するので、直射日光による冷却服1の中間層31に保持している水の温度上昇が抑えられる。
よって、中間層31から空間に放出される水蒸気が減少するので、長時間、体を冷却させることができる。
図37の裏側生地3についても、図36の表側生地2の構造と同様である。
上記態様によれば、放射冷却材料85と冷却服1との間に空間を設け、放射冷却材料85により影温度を低下させ、中間層31から空間に放出される水蒸気が減少するので、長時間、体を冷却させることができる。
(実施形態15)
実施形態15は、例えば、小学生、幼稚園児などに対応させた冷却服108の態様である。
図38Aは実施形態15における冷却服108の概略の構成を示す正面図で、図38Bは実施形態15における冷却服108の概略の構成を示す背面図である。
図38Aに示す様に、表側生地2は胸部を冷やし、腹部は冷やさないように、外縁圧着部11(11A1、11A2、11A3、11C1、11C2、11C3)が短い構成となっている。
腹部は、通気性を良くするために、メッシュでできている。左側生地4と右側生地5とは、ゴム製のメッシュからできており、体のサイズの変化に対応できるように伸縮できるようになっている。
また、図38A、38Bに示す様に、冷却服108は、男子中学生の学生服のような襟8を有している。
襟8にも、外縁圧着部11Bと中間層31とを配置させて、首も冷やす構成となっている。
首周辺に配置された首側圧着部11Bは、11A、11Cと接続して、外縁圧着部11を構成している。
首側圧着部11Bは、首側第1圧着部11B1と、首側第2圧着部11B2と、首側第3圧着部11B3とを有し、一筆書きが描けるように、それぞれが繋がっている。
左表側第1圧着部11C1と首側第1圧着部11B1とが接続され、右表側第3圧着部11A3と首側第3圧着部11B3とが接続されている。
図38Bに示す様に、実施形態15の裏側生地3は、基本的には、図22と同じである。図38Bと図22とが異なる点は、図38Bは、中間層31を有する襟8と注水排水口40とを設けた点である。
襟8には、注水排水口40が配置されている。注水排水口40の中心は、中心線92Bを通る。
矢印が示すように、注水排水口40から供給された水は、主に次の3つの方向に移動する。
(1)水は、注水排水口40から両肩に移動し、さらに表側生地2に移動する。
(2)水は、注水排水口40から、裏側生地3の両側に配置された背中裏側第1空隙12D1及び背中裏側第3空隙12D3に向かって移動する。
(3)水は、注水排水口40から、裏側生地3の中央に配置された背中裏側第2空隙12D2に向かって移動する。
上記のように、水は、表側生地2及び裏側生地3に、均一に拡がることができる。
尚、図38Bは、図22とほぼ同じ構成なので、重複する箇所については説明を省略する。
尚、実施形態1において、左側生地4、右側生地5を伸縮する素材としたが、図20示す様に、伸縮する素材に長さを調節できるアジャスター44を設けてもよい。また、左側生地4に伸縮しない素材を用い、アジャスター44を設けてもよい。
尚、実施形態1の注水口20または排水口21を実施形態3のキャップで構成してもよい。
尚、図9で、排水口21を裏側生地3の下部の3箇所に設けたが、中央部のみ、右端のみ、中央部及び右端の両方に設けてもよい。
尚、図10で、注水口20及び排水口21のそれぞれを表側生地2の左右の2箇所に設けたが、左右のいずれか一方でもよい。
尚、図21、22、38Bにおいて、表側生地2、裏側生地3において、4つの領域を設けたが、少なくとも2つ以上の領域を有すればよい。
尚、上記本願発明は、矛盾が生じない限り、置き換えたり、組合せたりすることができる。
以上のように、本開示は、以下の項目に記載の冷却服及び冷却衣服セットを含む。
〔項目1〕
体の前側に配置される表側生地と、体の後側に配置される裏側生地とを有する冷却服であって、
表側生地又は裏側生地は、
体に対して最も近い位置に配置され、防水性の内側層と、
体に対して最も離れた位置に配置され、透湿性の表側層と、
内側層と表側層との間に配置され、水を吸収し、吸収した水を貯留させる不織布からなる中間層とを有し、
体に装着された状態を基準として、表側生地又は裏側生地の上部で中間層に水を供給する注水口と、表側生地又は裏側生地の下部で中間層が吸収した水を排水する排水口とを設けた冷却服。
上記態様よれば、電力を用いないで体の温度を下げることができる。また、冷却服は、水を注水する動作及び水を排水する動作を容易に繰り返すことができるので、1日に複数回、上記動作を繰り返すことで、1日中、体の温度を下げることができる。
〔項目2〕
表側生地又は裏側生地は、
貫通する穴と、
穴の周囲に表側層と内側層とを密着させた圧着部と、
圧着部の周囲に位置し、表側層と内側層との間にある空隙と、を有する水保持部を備えた項目1に記載の冷却服。
上記態様よれば、水保持部に水を保持することができるので、長時間、体の温度を下げることができる。
〔項目3〕
水保持部を複数備え、
複数の水保持部が千鳥状に配置されている項目2に記載の冷却服。
上記態様によれば、水保持部を千鳥状に配置することで、水を水保持部に保持できるので、長時間、体を冷やすことができる。また、一番下に配置した水保持部から流れてくる水の方向が排水口に向いているので、水を排出する際、スムーズに水を排出できる。
〔項目4〕
体の前側に配置される表側生地と、体の後側に配置される裏側生地とを有する冷却服であって、
表側生地又は裏側生地は、
体に対して最も近い位置に配置され、防水性の内側層と、
体に対して最も離れた位置に配置され、透湿性の表側層と、
内側層と表側層との間に配置され、水を吸収し、吸収した水を貯留させる不織布からなる中間層とを有し、
表側層と内側層とが接合した傾斜圧着部を有し、
傾斜圧着部は、冷却服の長手方向の中心線に垂直な水平線に対して、傾斜している冷却服。
上記態様によれば、傾斜圧着部により、下側に落ちる水の速度を遅らせることができるので、長く体を冷やすことができる。
〔項目5〕
冷却服を人が装着した状態を基準として、
傾斜圧着部は、第1傾斜圧着部と第2傾斜圧着部とを有し、
第1傾斜圧着部の一端と第2傾斜圧着部の一端とは、接続点で接続され、
第1傾斜圧着部と第2傾斜圧着部とは、当該接続点を頂点とする山形形状である項目4に記載の冷却服。
上記態様によれば、山形形状の第1傾斜圧着部及び第2傾斜圧着部により、下側に落ちる水の速度を遅らせることができ、冷却服の両側に水を拡げることができる。
〔項目6〕
冷却服を人が装着した状態を基準として、
傾斜圧着部は、第1傾斜圧着部と第2傾斜圧着部とを有し、
第1傾斜圧着部の一端と第2傾斜圧着部の一端とは、空隙を有して配置され、
第1傾斜圧着部と第2傾斜圧着部とは、当該空隙を頂点とする山形形状である項目4に記載の冷却服。
上記態様によれば、山形形状の第1傾斜圧着部及び第2傾斜圧着部の頂点付近に空隙を設けることで、冷却服の中央から、水を下側に落とせるので、冷却服において、水を拡げることができる。
〔項目7〕
表側生地又は裏側生地は、外縁に沿って、外縁圧着部を有し、
外縁圧着部と第1傾斜圧着部の他端との間及び、外縁圧着部と第2傾斜圧着部の他端との間に、空隙を有する項目5又は6に記載の冷却服。
上記態様によれば、冷却服の中央及び両側から、水を下側に落とせるので、冷却服において、均一に水を拡げることができる。
〔項目8〕
体の前側に配置される表側生地と、体の後側に配置される裏側生地とを有する冷却服であって、
表側生地又は裏側生地は、
体に対して最も近い位置に配置され、防水性の内側層と、
体に対して最も離れた位置に配置され、透湿性の表側層と、
内側層と表側層との間に配置され、水を吸収し、吸収した水を体の熱により気化させる不織布からなる中間層と、
表側層と内側層とを密着させた圧着部とを有し、
中間層31は複数に分割されており、
表側生地の圧着部又は裏側生地の圧着部は、空隙を介して分割された中間層の周りを囲んでいる冷却服。
上記態様によれば、冷却服が複数に分割されているので、下側に落ちる水の速度を遅らせることができるので、長く体を冷やすことができる。
〔項目9〕
体に装着された状態を基準として、体に近接して配置された項目1乃至8のいずれかに記載の冷却服と、当該冷却服の外側に、送風ファンにより体の温度を下げる空調機能服とを有する冷却衣服セット。
上記態様によれば、空調機能服により、外気が冷却服の表面に送り込まれるので、冷却服の水の気化が促進され、速く体の温度を下げることができる。
〔項目10〕
冷却服と空調機能服とを有する冷却衣服セットの装着方法であって、
冷却服は、体の前側に配置される表側生地と、体の後側に配置される裏側生地とを有し、
表側生地又は裏側生地は、
体に対して最も近い位置に配置され、防水性の内側層と、
体に対して最も離れた位置に配置され、透湿性の表側層と、
内側層と表側層との間に配置され、水を吸収し、吸収した水を体の熱により気化させる不織布からなる中間層とを有し、
冷却服は、体に装着された状態を基準として、表側生地又は裏側生地の上部で中間層に水を供給する注水口と、表側生地又は裏側生地の下部で中間層が吸収した水を排水する排水口とが設けられ、
空調機能服は、体の温度を下げるファンが備えられ、
水が注水された冷却服を体に装着し、
(i)当該冷却服の上に、ファンが停止した状態の空調機能服を重ね着した後、空調機能服のファンを回転させる、又は、
(ii)当該冷却服の上に、ファンが回転している状態の空調機能服を重ね着する、
冷却衣服セットの装着方法。
上記態様によれば、空調機能服により、外気が冷却服の表面に送り込まれるので、冷却服の水の気化が促進され、速く体の温度を下げることができる。
本開示は、冷却服であり、「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」という持続可能な開発目標(SDGs)の第3の目標を達成し得るものである。
本開示の冷却服は、電気を使用しないので省電力で、子供からお年寄りまでの体を均一に優しく冷やすことが可能で、熱中症の防止ができることから、「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」という持続可能な開発目標(SDGs)の第3の目標を達成し得るもので、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献できる。
1 冷却服
2 表側生地
3 裏側生地
13 水保持部
20 注水口
21 排水口
30 表側層
31 中間層
32 内側層
40 注水排水口
42 ポケット
43 保冷剤
50 空調機能服
51 ファン
61 右表側第1領域
62 右表側第2領域
63 右表側第3領域
64 右表側第4領域
65 左表側第1領域
66 左表側第2領域
67 左表側第3領域
68 左表側第4領域
71 裏側第1領域
72 裏側第2領域
73 裏側第3領域
74 裏側第4領域
81 襟
11A、11B、11C、11D 外縁圧着部
11A4-A6 傾斜圧着部
11C4-C6 傾斜圧着部
11D4 第1傾斜圧着部
11D5 第2傾斜圧着部
11D6 第3傾斜圧着部
11D7 第4傾斜圧着部
11D8 第5傾斜圧着部
11D9 第6傾斜圧着部
12A1-A3 右表側第1-3空隙
12C1-C3 左表側第1-3空隙
12D1-D9 背中裏側第1-9空隙

Claims (4)

  1. 体の前側に配置される表側生地と、体の後側に配置される裏側生地とを有する冷却服であって、
    表側生地又は裏側生地は、
    体に対して最も近い位置に配置され、防水性の内側層と、
    体に対して最も離れた位置に配置され、透湿性の表側層と、
    内側層と表側層との間に配置され、水を吸収し、吸収した水を貯留させる不織布からなる中間層とを有し、
    体に装着された状態を基準として、表側生地又は裏側生地の上部で中間層に水を供給する注水口と、表側生地又は裏側生地の下部で中間層が吸収した水を排水する排水口とを設けた冷却服。
  2. 表側生地又は裏側生地は、
    貫通する穴と、
    穴の周囲に表側層と内側層とを密着させた圧着部と、
    圧着部の周囲に位置し、表側層と内側層との間にある空隙と、を有する水保持部を備えた請求項1に記載の冷却服。
  3. 水保持部を複数備え、
    複数の水保持部が千鳥状に配置されている請求項2に記載の冷却服。
  4. 体に装着された状態を基準として、体に近接して配置された請求項1に記載の冷却服と、当該冷却服の外側に、送風ファンにより体の温度を下げる空調機能服とを有する冷却衣服セット。
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