JP7473888B2 - 一次産業生産物情報収集システム - Google Patents

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Description

本発明は、一次産業生産物情報収集システムに係り、特に、園芸作物や工芸作物を含む農作物用のビニールハウス等、養殖漁業又は栽培漁業用の「いけす」を含む漁業用の水槽等、牛舎や養鶏場等の畜産用の農場等で牛、豚、鶏等の生産物を栽培又は飼育する一次産業を対象とする。そして、これらの圃場にワイヤ移動式ネットワークを構築し、ワイヤを走行して移動するワイヤ移動式撮像カメラにより圃場内の画像データを撮影し、又は、ワイヤ移動式センサにより識別データを取得し、高品質な生産物を大量に栽培又は飼育することを目的とする。これらの画像データ及び識別データにより、生産物に発生する病害虫の早期発見、生産物の成長度合いや健康状態について夜間を含めた24時間での自動的な確認、監視、状況把握が可能になる。更には、収穫量の予測等も可能になるが、これらだけには限らず他の目的にも使用できる。なお、本発明では、一次産業の農作物用ビニールハウス、養殖漁業又は栽培漁業用の水槽、畜産用の畜舎や牧場等、生産物を育成する場所を総称して「圃場」と称する。また、農業、漁業、畜産等に使用する生産施設も一括して「圃場」に含まれる。
本発明におけるいわゆる「一次産業」とは、自然界に働きかけて直接的に収穫を得る産業をいい、機械による生産方式である二次産業、又はサービス業などの三次産業と区別される。一次産業には、例えば、農業、漁業、畜産等があるが、これらの産業には限らず、例えば、林業のように、自然界に働きかけて直接的に収穫を得る産業であって、高度な生産方法が可能な産業であれば本明細書における「一次産業」に含まれる。
近年、これらの一次産業において、高品質な生産物を大量に収穫すべく、工業生産化が試みられている。この工業生産化の度合いは一次産業ごとに異なっている。例えば、農業では、ビニールハウスやコンテナ植物工場などの人工的な環境下で農作物が栽培されて収穫されている。また、例えば、漁業では、自然界に生息する生物を捕獲する狩猟方式だけではなく、生息環境内生物を育成して収穫する養殖方式や栽培方式による生産方式が展開されている。ここで、栽培漁業とは、魚介類を卵から稚魚になるまで栽培し、その後は、その魚介類を海に放流し、自然の海で成長した魚介類を漁獲する漁業である。一方、養殖漁業とは、魚介類を出荷サイズになるまでを水槽や「いけす」などの人工的な環境下で育てる漁業である。一方、畜産では、牛、豚、鶏などが対象となる生産物であるが、放牧による飼育方法だけでなく、牛舎、豚舎、鶏舎等の生産施設内を人工的な環境にして牛、豚、鶏等の育成方法が試みられている。
これらの一次産業は、自然界で生物を飼育又は育成しているため、気候変動の影響、例えば、台風、津波、竜巻等の巨大化による災害、海洋汚染や空気汚染等の自然の影響等を受け易く、さらに、漁業では、海流の変化等の影響を受け易い。また、ウイルスや病原菌による生産物における伝染病の感染が問題になっている。また、養殖漁業用水槽では、生産物に最適な水温、水流、水質等の環境が提供され、魚介類などの生産物に過度のストレスを与えないような育成が提案されている。また、畜産用牧場では、気温、湿度、風量等生産物の成長に最適な環境下で育成し、牛、豚、鶏等の生産物にストレスを与えずに成長させることも試みられている。
一方、我国の一次産業の就業者は高齢化が進行しつつあり、今後、就業人口が激減することが予想されている。特に農業においては、腰を曲げて不自然な姿勢で長時間過酷な労働を強いられる。また、漁業においては、水中及び水上、さらに養殖などでは陸上の屋外や屋内という作業環境のなかで長時間労働が強いられる。また、畜産業においては、牛、豚、鶏等の生物に対する餌やり、牛舎、豚舎、鶏舎等の掃除等は、毎日欠かすことができず、長時間労働が強いられる。このように、一次産業は、自然界で生産物を飼育又は育成しているため、過酷な作業環境である場合が多く、それに加えて、ウイルスや病原菌による伝染病の感染が発生し易く、また早期発見は難しく安定した産業を確保することが難しい等、若者を含めた未経験者等、新規参入者の一次産業への参入を阻む大きな要因となっている。
特許文献1には、特定地域の気象条件に最適な栽培品種や栽培方法を判別するための栽培室と生育解析装置を構築し、その生育の全過程を画像生産物情報としてモニタリングし、必要な生産物情報を農業生産者などに提供することが開示されている。ここでは、室内の気象条件を調節する気象制御装置を備えた栽培室は、特定農地に設置された気象データ観測装置により測定されたデータや気象機関のデータベース生産物情報に応じて、その農地や他の気象観測地の気象条件を模倣した環境を作り出し、その中で生育する農作物の生育の全過程をカメラにより撮影して画像データを取り込み、その画像データから植物の生育や形態的特性に関する数値化した測定データを解析してデータベースを作成し、画像データや測定データ、および解析データを気象データや作物の遺伝子生産物情報と共に農業生産者等にインターネット等を通じて提供することが記載されている。
特許文献2には、(1)農作物、特に大和芋の適切な育成上の管理・点検方法が開示されている。ここでは、農作物の圃場の上空において移動体を移動させ、この移動体に搭載された可視光線カメラ或いは赤外線カメラにより撮影された画像及び(又は)複数の波長帯の電磁波を記録したマルチスペクトル画像を解析し、(2)農作物から搾汁した搾汁液の硝酸イオンを濃度測定し、前記(1)から得られた画像に対する解析結果及び前記(2)から得られた硝酸イオン濃度測定結果に基づき農作物への追肥の必要性及び病害虫の有無等農作物の育成に必要な管理及び点検を施す工程の各工程を実施することが記載されている。
特許文献3には、これまで撮影出来ない画像を記録することができるロープ・ワイヤー利用の撮影装置が開示されている。ここでは、人が移動できない空間や場所にロープ・ワイヤーを設置し、その配線部分で自由に撮影機材を移動させ、撮影場所の選定を人の移動手段が可能な撮影位置以外に選定することができる撮影装置が開示されている。
特開2003-47340号 特開2021-73925号 特開2010―128488号公報
上述したように、我国の農業、漁業、畜産等の一次産業は、就業者が高齢化し、就業人口の減少が著しく進んでいる。これにより、現状の耕作面積をより少ない農業生産者により耕作しなければならず、一人当たりの農作業量も確実に増加するという問題がある。更に、農作業においては腰を曲げて不自然な姿勢で長時間過酷な労働を強いられることから、若手の農業従事者のいわゆる「農業離れ」が加速しているという問題が生じている。さらに、農業は、台風、地震、干ばつ、竜巻、豪雨等の自然の影響を受け易いという問題がある。
また、農業では多様な病害虫が発生しており、その防除には多大な費用と労力が費やされている。特に、近年の地球温暖化の影響により、病害虫による被害が拡大すると共に、これまで発生しなかった病害虫が発生するという問題がある。
また、漁業では、海洋汚染等の影響により、魚介類の病害虫が発生しており、その防除には多大な費用と労力が費やされている。特に、近年の地球温暖化の影響により、魚介類の病気による被害が拡大すると共に、これまで発生しなかった病気が発生するという問題がある。
更に、畜産では、地球温暖化、大気汚染、例えば、ウイルスのような病原菌等の影響により、牛、豚、鶏等の家畜がストレスを受け、生産物の成長に悪影響が発生するという問題がある。
本願の一つの目的は、かかる課題を解決し、一次産業の生産者の過酷な労働環境を改善して若者を含めた未経験者などの新規参入者の一次産業への参入を促し、また、例えば病害虫の早期発見等の高度な専門性を要する熟練者のノウハウを経験の浅い生産者等に提供して若者を含めた未経験者などの新規参入者の参入を促し、一次産業を魅力ある産業にすることである。
また、本願の他の目的は、一次産業の圃場から離れた遠隔地にいる生産者が圃場の状態をリアルタイムによりきめ細かくモニタリングし、データベースを活用して一次産業における生産を「スマート化」させ、限られた労働力により多くの効果を達成させることである。
さらに、本願の他の目的は、一次産業の生産物の成長度合いや健康状態を365日24時間に渡り把握し、生産物の収穫量の予測をも可能にすることである。
上記目的を達成するために、本発明に係る一次産業生産物情報収集システムは、生産物を生産する圃場に設置した支柱をワイヤにより連結してワイヤ移動式ネットワークを形成し、ワイヤ移動式ネットワーク上を移動する移動体は、生産物の画像データを撮影するワイヤ移動式撮像カメラと、生産物の識別データを収集するワイヤ移動式センサとを備える一次産業生産物情報収集システムであって、ワイヤ移動式ネットワークは、曲線上にワイヤを張った曲線移動部を有し、曲線移動部に沿って自走により移動し、画像データ又は識別データは、通信によりクラウド上のデータベースに保存され、AI解析ソフトウエアにより解析される。
上記構成により、本発明に係る一次産業生産物情報収集システムは、農業、漁業、畜産業等の一次産業の生産物を育成する圃場内にワイヤ移動式ネットワークが構築される。そして、このワイヤ移動式ネットワークを自在に移動するワイヤ移動式撮像カメラにより生産物の画像データを収集できる。また、ワイヤ移動式撮像カメラと共に設けられたワイヤ移動式センサにより生産物の識別データが自動的に収集できる。これらにより、例えば、生産物の病害虫の発見や診断、生産物の成長記録や成長診断、生産物の飼料が記録でき、一次産業をスマート化させて魅力ある産業にすることができ、限られた労働力により多大な効果を達成させることが可能になる。
また、収集した画像データ及び識別データをAIにより解析し、過去のビッグデータと比較することで生産物の病害虫の予防、及び、早期発見や診断による生産物の成長予測、生産物の収穫予測が可能となる。さらに、AIを活用することで生産物を生産する生産者の労力が低減され、一次産業を魅力ある産業にすることができる。
また、一次産業生産物情報収集システムは、AI解析ソフトウェアが、ワイヤ移動式撮像カメラ及びワイヤ移動式センサにより取集した画像データ又は識別データを解析して生産物の特徴から生産物の種別を認識してデータベースに保存することが好ましい。これにより、生産物を個体ごとに認識することができ、生産物をきめ細かく管理することができる。
また、一次産業生産物情報収集システムは、AI解析ソフトウェアが、生産物の画像データ又は識別データから生産物の個体の特徴を識別し、生産物ごとに個体識別番号を付し、画像データ又は識別データを認識した種別と共に、個体識別番号に紐付してデータベースに保存することが好ましい。これにより、生産物を個体ごとに認識することができ、生産物をきめ細かく管理することができる。
また、一次産業生産物情報収集システムは、ワイヤ移動式撮像カメラ及びワイヤ移動式センサが、例えば、植物の葉脈データ・葉形状データ・色データ・模様データから生産物の個体の特徴を認識し、個体識別番号に紐付された植物の葉脈データ・葉形状データ・色データ・模様データをデータベースに保存することが好ましい。このように、植物の葉脈データ・葉形状データ・色データ・模様データを取得することで固体認証が可能となり、植物に対するきめ細かい対応が可能となり、生産性を向上させることができる。
また、一次産業生産物情報収集システムは、ワイヤ移動式撮像カメラ及びワイヤ移動式センサが、例えば、家畜の顔つきデータ・毛並みデータ・模様データ・鳴き声データ・仕草データ・動作データ・臭いデータから生産物の個体の特徴を識別し、個体識別番号に紐付された家畜の顔つきデータ・毛並みデータ・模様データ・鳴き声データ・仕草データ・動作データ・臭いデータをデータベースに保存することが好ましい。このように、家畜の顔つきデータ・毛並みデータ・模様データ・鳴き声データ・仕草データ・動作データ・臭いデータを取得することで固体認証が可能となり、家畜に対するきめ細かい対応が可能となり、生産性を向上させることができる。
また、一次産業生産物情報収集システムは、ワイヤ移動式撮像カメラ及びワイヤ移動式センサが、例えば、魚類の鱗データ・全体形状データ・ヒレ等部位形状データ・模様データから生産物の個体の特徴を識別し、個体識別番号に紐付された鱗データ・全体形状データ・ヒレ等部位形状データ・模様データをデータベースに保存することが好ましい。このように、魚の鱗データ・全体形状データ・ヒレ等部位形状データ・模様データを取得することで固体認証が可能となり、魚に対するきめ細かい対応が可能となり、生産性を向上させることができる。
また、一次産業生産物情報収集システムは、ワイヤ移動式ネットワークのワイヤとワイヤ移動式撮像カメラ及びワイヤ移動式センサとが接続するポイントの近傍には、ワイヤを上方に押し上げるプーリと、プーリの両側に配置され、ワイヤを下方に押し下げる複数のアイドラプーリとから構成され、プーリはモータに連結されて回転移動し、プーリをワイヤに沿って前進させることが好ましい。このプーリと複数のアイドラプーリとにより、ワイヤに初期張力が導入されてピンと緊張させることができ、ワイヤの弛みや振動が減少する。
また、一次産業生産物情報収集システムは、ワイヤ移動式撮像カメラ及びワイヤ移動式センサが、ピンを長孔に差し込む位置により高さ方向の距離が調整可能な長さ調節部により接続されることが好ましい。これにより、ワイヤ移動式撮像カメラとワイヤ移動式センサとは、センサ制御部からの最適な長さ位置に自在に設定できる。
また、一次産業生産物情報収集システムは、ワイヤ移動式撮像カメラとワイヤ移動式センサとが、長さ調節部によりセンサ制御部と一体となり、モータの回転に連動するプーリによりワイヤ上を回転しながら走行することが好ましい。これにより、移動体は、モータの回転、或いは逆回転に連動するとプーリによりワイヤ上を前進或いは後退して移動することができる。
また、一次産業生産物情報収集システムは、ワイヤ移動式ネットワークが、ワイヤ移動式撮像カメラ及びワイヤ移動式センサを有する移動体が直線的に移動する直線移動部と、移動体が曲線的に移動する曲線移動部とを有し、移動体が、データベースに保存された生産物のワイヤ移動式ネットワーク上の位置に関して、データベースに保存された特定の出発点から直線移動部の累積された移動距離又は曲線移動部の累積された移動距離の履歴から位置検出が可能であることが好ましい。このように、例えば、図12に示すように、直線移動部と曲線移動部とを組み合わせることで、広い圃場を効率的にカバーし、特定の個体識別番号を有する生産物に関し、ワイヤ移動式ネットワークの特定の出発点からの位置を、直線移動部の移動距離の累積された履歴から算出して特定することができる。
また、一次産業生産物情報収集システムは、ワイヤ移動式撮像カメラが、それぞれ前輪と後輪とを有する前方移動体及び後方移動体によりワイヤに接続し、前方移動体と後方移動体との間隔を吊りワイヤの角度を調節することで生産物に合わせた上下方向の撮影位置を設定して撮影することが好ましい。これにより、図8(b)、図10(b)、図14等に示すように、複数台のワイヤ移動式撮像カメラ及び画像データ又は識別データにより撮影時の高さ調整が可能になり、また、ワイヤ移動式撮像カメラ及びワイヤ移動式センサによる生産物の画像データ又は識別データの採取が容易になる。
また、一次産業生産物情報収集システムは、曲線移動部には、曲線状に加工された形鋼によりワイヤの走行レールが形成され、移動体は、前記形鋼に沿って曲線状に移動可能であることが好ましい。これは、図12に示す曲線移動式ネットワーク25の構成を可能にする図13に示すディテールである。これにより、剛性のないワイヤを曲線状に加工された型鋼により補強させ、ワイヤ移動式撮像カメラ及びワイヤ移動式センサを曲線状に走行させることが可能になる。
また、一次産業生産物情報収集システムは、移動体が、支柱に支持される曲線移動部において支柱廻りに移動方向が変更され、ワイヤ移動式撮像カメラの走行方向は、隣接する他の直線移動部に方向転換されることが好ましい。これは、図12に示す曲線移動式ネットワークの構成を可能にするものである。このように、直線移動部と曲線移動部とを交互に連結することで広い圃場をワイヤ移動式ネットワークにより効率的にカバーすることができる。
また、一次産業生産物情報収集システムは、ワイヤ同士が交差するため移動体同士が衝突する場合には、例えば、図9に示すように、一方のワイヤを主ワイヤとし、主ワイヤを移動する移動体は優先的に通過させ、他方のワイヤは副ワイヤとし、副ワイヤを移動する移動体は、交差部で折り返し運転させて衝突を避けることが好ましい。これにより、従来、一次産業の生産者が手間をかけて行ってきた生産物に対する水、肥料、農薬、及び、除草剤の散布がワイヤ移動式ネットワークによりきめ細かく自動化され、大幅な省力化が可能になる。
また、一次産業生産物情報収集システムは、ワイヤ移動式センサが、圃場内に害獣又は害鳥が侵入したことを検知した場合には、自動的にワイヤ移動式ネットワークから吊り下げられたスピーカから害獣又は害鳥が嫌がる音を発するか、ワイヤ移動式ネットワークから吊り下げられた発光体から害獣又は害鳥を驚かす光を発するか、或いは、噴霧器から害獣又は害鳥が敬遠する臭いを発するかのうちのいずれかにより害獣又は害鳥を撃退することが好ましい。これにより、圃場内に侵入する害獣又は害鳥はワイヤ移動式センサにより検知され、害獣又は害鳥が敬遠する音、光、臭いを発して撃退させることができる。
また、一次産業生産物情報収集システムは、水、肥料、農薬、及び除草剤のうちのいずれかが収納された噴霧器がワイヤ移動式ネットワークを介して圃場内の所定の位置まで移動され、自動的に、より適切な生産物に噴霧されることが好ましい。これにより、圃場内において生産者に水、肥料、農薬、及び、除草剤を遠隔から自動で与えることができ、生産者の労務を軽減させることができる。
また、一次産業生産物情報収集システムは、噴霧器が、生産物の葉がワイヤ移動式撮像カメラの目線を遮断している場合、噴霧器により自動的に葉に空気を吹き掛けてワイヤ移動式撮像カメラの目線を確保することが好ましい。これにより、植物の葉の裏側の健康状態をワイヤ移動式撮像カメラ及びワイヤ移動式センサにより容易に確認できる。
また、一次産業生産物情報収集システムは、ワイヤ移動式ネットワークを介して集魚灯が前記圃場内の所定の位置まで移動され、遠隔操作もしくは自動的に前記集魚灯を発光させて前記ワイヤ移動式撮像カメラの周囲に集魚させ、前記ワイヤ移動式撮像カメラにより前記集魚した魚類を診断することが好ましい。これにより、水槽内において夜間等に発光する集魚灯をオプションとしてワイヤ移動式ネットワークに取り付けてワイヤ移動式撮像カメラ及びワイヤ移動式センサによるデータ採取が容易になり、魚類の健康診断等が容易に確認できる。
以上のように、本発明に係る一次産業生産物情報収集システムによれば、一次産業の生産者の過酷な労働環境を大幅に改善して若者を含めた未経験者などの新規参入者の一次産業への参入を促し、また、例えば、病害虫の早期発見等の高度な専門性を要する熟練者のノウハウを経験の浅い生産者等に提供し、一次産業を魅力ある産業にすることができる。
また、一次産業の圃場から離れた遠隔地にいる生産者が圃場の状態をリアルタイムによりきめ細かくモニタリングし、データベースを活用して一次産業における生産を「スマート化」させ、限られた労働力により多大な効果を達成させることができる。
さらには、一次産業の生産物の成長度合いや健康状態を365日24時間に渡り把握することができ、生産物の収穫量の予測をも可能にすることができる。
本発明に係る一次産業生産物情報収集システムに関し、AI解析ソフトウェアを用いたデータ処理の構成と、アプリケーションソフトウェアによる生産者の携帯端末等へ配信について一つの実施形態を示す説明図である。なお、図1の実線で囲まれた説明図、図3~図6、図15の移動体に関する説明図は第1の実施形態の形状の移動体を示す。 一次産業生産物情報収集システムの圃場エリア及びそのエリアでの生産種別、移動体等の機能、及び、データベースの種類に関する一つの実施形態を示すブロック図である。 図3(a)は、移動体に取り付けられて圃場内の生産物を撮影するワイヤ移動式撮像カメラ、及び、生産物の識別データを取得するワイヤ移動式センサの構成を示す正面図であり、図3(b)は図3(a)の裏面を示す背面図である。 図4(a)は、移動体に取り付けられるワイヤ移動式撮像カメラ及びワイヤ移動式センサを表面から見た斜視図であり、図4(b)は、移動体に取り付けられるワイヤ移動式撮像カメラ及びワイヤ移動式センサを裏面から見た斜視図である。図4(c)は、移動体に取り付けられるスピーカを表面から見た斜視図であり、図4(d)は、移動体に取り付けられるスピーカを裏面から見た斜視図である。 図5(a)は、移動体に取り付けられる噴霧器及びタンクを表面から見た斜視図であり、図5(b)は、移動体に取り付けられる噴霧器及びタンクを裏面から見た斜視図である。図5(c)は、移動体に取り付けられるスピーカを表面から見た斜視図であり、図5(d)は、移動体に取り付けられるスピーカを裏面から見た斜視図である。 図6(a)は、移動体に取り付けられる発光体/集魚灯及び機器取付けフックを表面から見た斜視図であり、図6(b)は、移動体に取り付けられる発光体/集魚灯及び機器取付け用フックを裏面から見た斜視図である。 圃場に設けられる生産エリアの種類、及び、ワイヤ移動式ネットワークの構成に関する種類の実施例を説明図で示す。 一方向移動式ネットワークの一つの実施形態を示す平面図及びA-A断面図である。なお、図8~図14、図16の説明図の移動体は、第2の実施形態の形状の移動体を示す。 一方向移動式ネットワークを縦方向と横方向に組み合わせて交差させた交差タイプ移動式ネットワークの実施例を示す平面図である。 図9の交差タイプ移動式ネットワークの実施例についてのB-B断面図、及びC-C断面図である。 二方向移動式ネットワークの交差部がない圃場(a)の場合と、交差部がある圃場(b)の場合との実施例を示す平面図である。 曲線移動式ネットワークによる広域の圃場に応用される一つの実施例を示す平面図である。 曲線移動式ネットワークに用いる曲線移動用レールの補強ディテールの一つの実施例を示す側面図である。 ワイヤ移動式ネットワークの支柱間の移動体の高さを調節する機能を付加した三方向移動式ネットワークの一つの実施例を示す断面図である。 支柱間のワイヤ高さを調節する機能の他の実施例を示す正面図である。 複数のエリアに分割された圃場に設けられる圃場分割式ネットワークの一つの実施例を示す平面図である。
(一次産業生産物情報収集システムの構成)
図1に、本発明に係る一次産業生産物情報収集システム1について、AI解析ソフトウェア16を用いたデータ処理の構成と、アプリケーションソフトウェア17による生産者20の携帯端末6a又はパーソナルコンピュータ6b等への配信に関する一つの実施形態を説明図で示す。図1に示すように、生産物12を生産する圃場11a,11b,111c(図7参照)に設置した支柱9をワイヤ13により連結してワイヤ移動式ネットワーク2を形成する(図8等参照)。そして、このワイヤ移動式ネットワーク2を移動するワイヤ移動式撮像カメラ3及びワイヤ移動式センサ4により生産物12の画像データ14及び識別データ15を収集する。なお、本明細書で用いる撮像カメラ及びセンサについては、明細書内では、以後、図2に示す「ワイヤ移動式撮像カメラ3」及び図2に示す「ワイヤ移動式センサ4」と称する。本発明の一次産業生産物情報収集システム1専用の撮像カメラ3及びセンサ4であることを明示するためである。但し、本発明に限定的に使用されるものではなく、広く一般的な目的に使用されても良い。収集された画像データ14及び識別データ15は、通信によりクラウド18上の画像データベース19a又は識別データベース19bに保存され、AI解析ソフトウェア16により解析される。すなわち、その解析結果は、解析結果データベース19cとして図7に示すように圃場11a,11b,11cの生産者20の携帯端末6a又はパーソナルコンピュータ6b等に提供される。本明細書において生産物12の識別データ15とは、例えば、植物12aの葉脈データ・葉形状データ・色データ・模様データ、魚類12bの鱗データ・全体形状データ・ヒレ等部位形状データ・模様データ、家畜12cの家畜の顔つきデータ・毛並みデータ・模様データ・鳴き声データ・仕草データ・動作データ・臭いデータ等、今後のデータの蓄積や解析技術の進歩等により、個体が認識できるであろう特徴データを指すが、これらに限らず、その生産物12の個体を認識できる特徴的なデータは全て含まれる。なお、本明細書では、ワイヤ移動式ネットワーク2を走行するワイヤ移動式撮像カメラ3及びワイヤ移動式センサ4を総称して移動体10と称する。
この一次産業生産物情報収集システム1は、ワイヤ13により移動可能な移動体10を取り付け、圃場11内の生産物12をいつでも撮影し、生産物12の画像データ14及び識別データ15を収集する。これにより、生産物12の病害虫の発見や診断、生産物12の成長記録や成長診断、生産物12の飼料等の履歴が記録でき、一次産業をスマート化させることができる。このスマート化により、限られた労働力により多大な効果を達成することができる。また、例えば病害虫の早期発見等の専門性の高い熟練者のノウハウが、人工知能(AI)を活用して経験の浅い生産者20等に提供できれば、新規参入する若者を含めた未経験者を支援することができる。また、一次産業の圃場11から離れた遠隔地にいる生産者20が圃場11の状態をリアルタイムによりきめ細かくモニタリングし、画像データベース19a及び識別データベース19bを活用して一次産業における生産に関して限られた労働力により多大な効果が達成できる。
図2に、一次産業生産物情報収集システム1の圃場エリア及びそのエリアでの生産種別、移動体10等の機能及び構成、データベース19a,19b,19c,19dに関する一つの実施形態をブロック図で示す。一次産業生産物情報収集システム1の圃場11は、植物12aを生産する農業生産エリア5a、魚類12bを生産する漁業生産エリア5b,家畜12cを飼育する牧畜業生産エリア5cから構成される。そして、各エリア5a,5b,5cでは、複数の生産物12がそれぞれ生産される。ワイヤ移動式撮像カメラ3は、主に画像制御部30、画像データ送信部31、高さ調節部32、回転方向調節部33,及び、タイマ34から構成されるが、その他の機能が含まれても良い。画像制御部30は、ワイヤ移動式撮像カメラ3のモータ36の駆動制御、ワイヤ移動式撮像カメラ3の撮影、データの送受信等を制御する。画像データ送信部31は、ワイヤ移動式撮像カメラ3が撮影した画像データ14を画像データベース19aに生産物12の成長記録60として保存し、AI解析ソフトウェア16に送信する。高さ調節部32は、移動体10の画像高さを生産物12の最適な高さに調整する。回転方向調節部33は、移動体10の撮影角度を生産物12の最適な角度に調整する(図示せず)。タイマ34は、撮影した日付及び時間を記録する。ワイヤ移動式センサ4は、ワイヤ移動式センサ4の動作を制御するセンサ制御部40及びセンサデータ送信部41から構成される。また、生産物12から抽出された全体的な特徴からその種別を認証する種別認証部42、及び、生産物12から抽出された個体の特徴からその個体を認証する個体認証部43から構成される。また、センサデータ送信部41は、ワイヤ移動式センサ4が識別した識別データ15を識別データベース19bに生産物12の識別記録として保存し、AI解析ソフトウェア16に送信する。図1に示すように、このAI解析ソフトウェア16に送信された画像データベース19a及び識別データベース19bは、AI解析ソフトウェア16により解析され、例えば、生産物12の病害虫診断63、生産物12の成長診断64等の解析結果は、解析結果データベース19cに保存される。
図2に示すように、農業生産エリア5a及び牧畜業生産エリア5cでは、圃場環境制御部50として圃場内気温制御部51、圃場内湿度制御部52、圃場内空気関連制御部53、及び、圃場内日射量制御部54等から構成される。漁業生産エリア5bでは、圃場環境制御部50として圃場内水温制御部55、圃場内水質制御部56、圃場内水流制御部57等から構成される。圃場環境制御部50では、圃場11内の気温、湿度、及び、風速、風量、風向、CO2等の空気成分、日射量等を生産物12の生育に最適な数値に保つことができる。これは、地球の気候変動、特に温暖化が進行する中、ある地域ではある生産物12にとって好適な気候であったのが、最適な生産地が短期間で移動してしまうことが想定されるからである。例えば、近年、日本における米の生産地が徐々に北上したため、これまでの「ブランド米」の生産地が変化するという現象が起きている。本一次産業生産物情報収集システム1は、このような気候変動による好適な生産地の移動に対し、圃場11という人工環境により制御し、我国の商標法でいう「生産物12の商標の上に化体した消費者の業務上の信用を保護する」ことができる。また、魚類12bに関しても水槽という環境制御が可能な圃場11内で生育できるため「地域ブランド魚貝類」として生育させ易い。これは、畜産においても同様であり「ブランド牛」等を育成することができる。これらの圃場環境制御部50により制御された環境に関するデータは、タイマ34の日付及び時間と共に圃場内環境データベース65として、図2に示す、環境データベース19dに保存され、生産物12の成長診断64等に活用される。同様に、水槽内の水温、水質、水流等の圃場環境制御部50により制御された環境に関するデータは、図2に示す、水槽内環境データベース66として環境データベース19dに保存され、生産物12の成長診断64等に活用される。
また、識別データベース19bは、生産物位置記憶部61及び移動体位置記憶部62から構成される。生産物位置記憶部61には、圃場11内での特定の生産物12の位置がデータとして参照できるように記憶されている。また、移動体位置記憶部62は、その特定の生産物12の位置に対応する移動体10の位置がデータとして参照できるように記憶されている。圃場11内での特定の生産物12及び対応する移動体10の位置は、生産物位置記憶部61及び移動体位置記憶部62として識別データベース19bに保存される。従って特定の出発点からの累積された移動距離の履歴からそれらの位置検出を容易に再現することができる。
図3~図6には、移動体10の構成及び形状に関する一つの実施形態を示す。すなわち、ワイヤ移動式ネットワーク2は、移動体10に取り付けられて圃場11内の生産物12を撮影するワイヤ移動式撮像カメラ3及び生産物12の識別データ15を取得するワイヤ移動式センサ4を備える。そして、この一つの実施形態のワイヤ移動式撮像カメラ3及びワイヤ移動式センサ4は、図3~図6に示すように、センサ制御部40の制御によりモータ36が回転してワイヤ13上を走行する。或いは、センサ制御部40は、モータ36を逆回転させてワイヤ13上を逆走させることもできる。センサ制御部40は、カメラ制御部40a及びセンサ制御部40bから構成される。また、センサ制御部40は、プーリ68及びプーリ68の両側のアイドラプーリー68bにより上下方向に挟まれてワイヤ13に初期張力が導入される。この張力導入により、ワイヤ13は、安定的に位置が固定される。また、センサ制御部40は、高さ調節部32を有し、長さ調節ピン86を取り付けるセンサ制御部40の位置により、生産物12の高さに合わせてワイヤ移動式撮像カメラ3及びワイヤ移動式センサ4を調節することができる。この機能により、ワイヤ移動式撮像カメラ3及びワイヤ移動式センサ4は、生産物12に近接して撮影したりデータを取得したりすることができる。さらに、ワイヤ移動式ネットワーク2には、必要に応じてタンク45(図6参照)、噴霧器38(図6参照)、発光体又は集魚灯39(図6参照)、スピーカ85(図3参照)等を取り付け、特定の生産物12まで搬送することができる。さらに、機器取付け用フック83(図6参照)には、その他の機器をオプションとして取り付けることができる。
図3(a)は、移動体10に取り付けられて圃場11内の生産物12を撮影するワイヤ移動式撮像カメラ3、及び、生産物12の識別データ15を取得するワイヤ移動式センサ4の構成を示す正面図であり、図3(b)は、図3(a)の裏面を示す背面図である。また、図4(a)は、移動体10に取り付けられるワイヤ移動式撮像カメラ3及びワイヤ移動式センサ4を表面から見た斜視図であり、図4(b)は、移動体10に取り付けられるワイヤ移動式撮像カメラ3及びワイヤ移動式センサ4を裏面から見た斜視図である。図4(b)は、移動体10に取り付けられるワイヤ移動式撮像カメラ3及びワイヤ移動式センサ4を裏面から見た斜視図である。図4(c)は、移動体10に取り付けられるスピーカ85を表面から見た斜視図であり、図4(d)は、移動体10に取り付けられるスピーカ85を裏面から見た斜視図である。また、図5(a)は、移動体10に取り付けられる噴霧器38及びタンク45を表面から見た斜視図であり、図5(b)は、移動体10に取り付けられる噴霧器38及びタンク45を裏面から見た斜視図であり、図5(c)は、移動体10に取り付けられるスピーカ85を表面から見た斜視図であり、図5(d)は、移動体10に取り付けられるスピーカ85を裏面から見た斜視図である。さらに、図6(a)は、移動体10に取り付けられる発光体/集魚灯39及び機器取付け用フック83を表面から見た斜視図であり、図6(b)は、移動体10に取り付けられる発光体/集魚灯39及び機器取付け用フック83を裏面から見た斜視図である。
移動体10は、図3~図6に示すように、モータ36が回転駆動してワイヤ13上を走行する。モータ36の電源には、一般的な電源以外にも太陽光発電による電源が含まれる。AI解析ソフトウェア16は、生産物12の画像データ14又は識別データ15から生産物12の種別又は個体の特徴を識別し、生産物12に個体識別番号を付し、画像データ14又は識別データ15を認識した種別と共に、個体識別番号に紐付してデータベース19a~19dに保存する。なお、図7に示す本発明に係るワイヤ移動式ネットワーク2は、図7に示す形状や構成に限らず、例えば、走行時の安定性を増強するために複線式であっても良い。
(自動搬送機能)
本発明に係るワイヤ移動式ネットワーク2は、3つの主要な役割を有する。圃場11内のすべての生産物12についてワイヤ移動式撮像カメラ3により画像データ14を自動的に撮影する第1の役割と、ワイヤ移動式撮像カメラ3に取り付けられたワイヤ移動式センサ4により圃場11内のすべての生産物12の識別データ15を自動的に取得する第2の役割と、このワイヤ移動式ネットワーク2を利用して各種機器等を圃場11内の所望の位置に自動的に搬送するという第3の役割である。これらの人手に代替する役割により、一次産業の生産者20の過酷な労働環境を大幅に改善して若者を含めた未経験者などの新規参入者の一次産業への参入を促すことができる。
図5及び図6に、上述した自動搬送機能の実施例を示す。移動体10に取り付けられて圃場11内に搬送される噴霧器38及びタンク45、スピーカ85、発光体又は集魚灯39、及び、機器取付け用フック83等を示す。このように、移動体10には、機器取付け用フック83等を活用して様々な機器が取り付けられて圃場11内に搬送される。これにより、一次産業の生産者の過酷な労働環境を改善して若者を含めた未経験者などの新規参入者の一次産業への参入を促すことができる。図5(a)には、移動体10に取り付けられる噴霧器38及びタンク45を表面から見た斜視図で示す。図5(b)には、移動体10に取り付けられる噴霧器38及びタンク45を裏面から見た斜視図で示す。図5(c)には、移動体10に取り付けられるスピーカ85を表面から見た斜視図で示す。図5(d)には、移動体10に取り付けられるスピーカ85を裏面から見た斜視図で示す。図6(a)には、移動体10に取り付けられる発光体又は集魚灯39及び機器取付け用フック83を表面から見た斜視図で示す。図6(b)には、移動体10に取り付けられる発光体又は集魚灯39及び機器取付け用フック83を裏面から見た斜視図で示す。
(機器取付け用フック)
図3に示す移動体10にタンク45を設け、そのタンク45から機器取付け用フック83を介して噴霧器38又は発光体39等の各種機器を吊り下げることができる。そして、圃場11内を搬送させて所定の位置で作業員に吊り下げられた噴霧器38及び発光体39等の機器を提供することができる。移動体10に吊り下げられる噴霧器38及び発光体39以外の他の機器については、その機器に適応する取付け具がその都度用意される。
(生産エリアの種類)
図7に、生産エリア(図2参照)の種類である農業用圃場11a、漁業用圃場11b、及び、畜産用圃場11cの実施例、及び、ワイヤ移動式ネットワーク2の構成の実施例を説明図で示す。圃場11に設けられる生産エリア5a、5b、5cの種類は、主として農業生産エリア5a、漁業生産エリア5b、牧畜業生産エリア5cがあるが、これらには限らない。農業生産エリア5aには、園芸作物、工芸作物、菜園、果樹園等が含まれる。また、漁業生産エリア5bには、いけす、アクアリウム等が含まれる。さらに牧畜業生産エリア5cには牛舎、豚舎、鶏舎、養豚場、養鶏場、牧場等が含まれる。
(ワイヤ移動式ネットワークの種類)
ワイヤ移動式ネットワーク2の種類には、比較的細長い圃場11に対してワイヤ移動式撮像カメラ3等が一方向に移動する一方向移動式ネットワーク21と、一方向移動式ネットワーク21が交差する交差タイプ移動式ネットワーク22と、平面的な広がりを有する圃場11に対応する二方向移動式ネットワーク23と、ワイヤ移動式撮像カメラ3等が平面的な広がり及び上下方向に移動する三方向移動式ネットワーク24と、広域の圃場11に対応する曲線移動式ネットワーク25と、複数の圃場11を集合させた圃場分割式ネットワーク26の6種類があるが、これらに限らない。これらのネットワーク21~26については、一次産業の種別や規模等により生産者20が何れかのネットワーク21~26のうち最適なものを選択することができる。また、異なるタイプのネットワーク21~26を組み合わせることで、その圃場11にとって最適なネットワーク21~26を構成することもできる。
(一方向移動式ネットワーク)
図8に、一方向移動式ネットワーク21の一つの実施例を示す。図8(a)は平面図であり、図8(b)は図8(a)のA-A断面である。一方向移動式ネットワーク21は、図8(a)及び図8(b)に示すように、2本の支柱9をバックステイ8で補強し、支柱9間をワイヤ13で締結したものである。そして、圃場11の形状や地形に対して様々なネットワーク21~26が選択できる。そして、2本の支柱9のバックステイ8を緊張することで、ワイヤ13から吊り下げられた移動体10は、2本の支柱9間を安定して往復移動することができる。なお、バックステイ8は、支柱9の頭部を地面又は、圃場11を囲う壁面に固定する方法であるが、支柱9が強固に固定されれば他の方法でも良い。
(高さ調節機能についての他の実施形態)
図3~図6に示すように、長さ調節部32を備えることで高さ方向の位置を可変にすることができる。ここでは、図8、図10、図14に示す、移動体10の高さ位置を可変にする他の実施形態について説明する。ワイヤ移動式ネットワーク2は、ワイヤ移動式であることを利用し、前方移動体10aと後方移動体10bとの間隔を変化させることで、移動体10a,10bの高さを調節することができる。すなわち、図8に示すように、移動体10がワイヤ13に接続する個所に取付け部を設け、高さ方向調節用吊りワイヤ7を取り付け、移動体10a,10bの高さを調節する方法である。図8(b)に示すように、高さ方向調節用吊りワイヤ7同士がなす角度が変化すると、それにつれて、三角形の高さも変化する。この三角形の原理により、長さ調節部32を備えることなくワイヤ移動式撮像カメラ3及びワイヤ移動式センサ4の高さ方向の位置を任意に可変できる。
(交差タイプ移動式ネットワーク)
図9に、一方向移動式ネットワーク21を直交方向に組み合わせて交差させた交差タイプ移動式ネットワーク22の実施例を平面図で示す。また、図10に、図9の交差タイプ移動式ネットワーク22のB-B断面図及びC-C断面図を示す。図9に示すように、交差タイプ移動式ネットワーク22の縦方向移動式ネットワーク21aと横方向移動式ネットワーク21bとは、それらの交点に交差部29を有する。この交差部29にそのまま移動体10を走行させると、縦方向及び横方向にそれぞれ独立して移動するものの、この交差部29における交差タイプ移動式ネットワーク22の走行路の処理が難しくなる。そこで、図10に示すように、縦方向及び横方向の一方向移動式ネットワーク21を、移動体10が衝突しないようして平面を移動させるネットワークが考えられる。すなわち、一方のワイヤ13を主ワイヤ13aとしてワイヤ移動式撮像カメラ3a,3b等を優先的に通過させ、他方のワイヤ13を副ワイヤ13bとしてワイヤ移動式撮像カメラ3a,3b等を交差部29にて折り返して交差させないネットワークとすることが考えられる。このように一方向移動式ネットワーク21を組み合わせれば交差部29は生じず、低コストで交差タイプ移動式ネットワーク22が構成できる。また、図10(b)のC-C断面に示すように、ワイヤ13a,13bは、支柱9でX部分のみを折り返して移動するワイヤ移動式撮像カメラ3aと、Y部分のみを折り返して移動するワイヤ移動式撮像カメラ3bとに分割される。これにより、交差部29でワイヤ移動式撮像カメラ3aとワイヤ移動式撮像カメラ3bとの衝突は解消される。
図11に、二方向移動式ネットワーク23の基本的な実施例を平面図で示す。図11(a)は、圃場11全体を巡回する二方向移動式ネットワーク23である。このタイプの二方向移動式ネットワーク23は、他のワイヤ移動式ネットワーク2と交差することで分断されないが、コーナ部は曲線移動部28となり、方形の敷地面積当たりの有効面積が低下し、圃場11におけるワイヤ移動式ネットワーク2の使用効率が悪くなる。図11(b)は、圃場11の四隅に支柱9を立て、各支柱9をバックステイ8で補強する直交タイプ移動式ネットワーク23aである。この直交タイプ移動式ネットワーク23aは、圃場11の使用効率は隅々まで利用できるため良くなるが、4箇所に交差部29が発生するため移動体10は分断される。そのため、移動体10は4個必要となる。ここで「圃場11に設けられたワイヤ移動式ネットワーク2により圃場11内の生産物12のワイヤ移動式撮像カメラ3による画像データ14又は識別データ15の取得等の程度が容易に可能か否か」を「圃場11の使用効率が良いか悪いか」と言う。
(二方向移動式ネットワーク)
図12に、二方向移動式ネットワーク23を広域の圃場11に対応可能な曲線移動式ネットワーク25の一つの実施例を平面図で示す。移動体10は、等間隔に並べられた直線移動部27を移動し、端部の支柱9で曲線移動部28により逆方向の直線移動部27に折り返す。これを繰り返すことで移動体10は、二方向に移動可能となり圃場11全体をくまなく自動走行することが可能となる。このように、直線移動部27と曲線移動部28とを組み合わせることでこの曲線移動式ネットワーク25は、正方形や長方形等の矩形の圃場11を効率的に利用できるという特徴を有する。すなわち、圃場11内を「一筆書き」により移動できるようにワイヤ13とレールを張り巡らせば交差部29を発生させずに広い面積を移動することができる。
(曲線移動用レールの取付けディテール)
図13に、曲線移動式ネットワーク25に用いる曲線移動用レールによるワイヤ13の補強ディテールの一つの実施例を示す。ワイヤ移動式ネットワーク2の直線移動部27は、支柱9間にワイヤ13を緊結すればワイヤ移動式撮像カメラ3等は一方向には移動可能となる。一方、曲線移動部28には、ワイヤ13を緊結できないため、図13に示すように、ワイヤ13両端の支柱9との接続部に曲線状で剛性の高いリップ溝形鋼88を溶接してワイヤ13の形状を保持し、そのリップ溝形鋼88に沿ってワイヤ13を取付けて下方のワイヤ移動式撮像カメラ3等を支持するディテールが採用される。図13に示すリップ溝形鋼88の断面の隙間は、ワイヤ移動式撮像カメラ3を下方に吊り下げるために利用される。
(三方向移動式ネットワーク)
図14に、ワイヤ移動式ネットワーク2の支柱9間の移動体10の高さを調節する一つの実施例を断面図で示す。図14は図12のD-D断面である。三方向移動式ネットワーク24は、ワイヤ移動式撮像カメラ3a、3bが前方移動体10aと後方移動体10bとによりワイヤ13に接続し、前方移動体10aと後方移動体10bとの間隔を調節することで生産物12に合わせた上下方向の撮影位置を設定して撮影でき、二方向移動式ネットワーク23に高さ方向が加わった三方向移動式ネットワーク24となる。すなわち、前方移動体10aと後方移動体10bとの間隔は、前方移動体10aの位置を固定して後方移動体10bの位置を前進させることでその間隔は狭まり、上下方向の撮影位置は下方になる。一方、前方移動体10aと後方移動体10bとの間隔は、後方移動体10bの位置を固定して前方移動体10aの位置を前進させることでその間隔は広がり、上下方向の撮影位置は上方になる。この前方移動体10aと後方移動体10bとの動作により、生産物12の撮影位置に合わせた上下方向のワイヤ移動式撮像カメラ3a,3bの撮影位置の設定が可能となる。
(ワイヤ緊張方法及びワイヤ高さ位置調整)
図15に、支柱9間のワイヤ13を緊張させる機能の他の実施例を正面図で示す。ワイヤ13の一端はワイヤ固定部46において回転可能なプーリ68を介して支柱9に固定される。ワイヤ13の他端は回転可能なプーリ68を介して手動ウインチ49により巻き上げられてワイヤ13に張力が導入される。ワイヤ13の両端には、ワイヤ13の高さ位置を調整できる溝が支柱9に設けられてワイヤ高位置47及びワイヤ低位置48が設定され、この間の所望の高さにワイヤ13の位置を設定することができる。
(複数のエリアに分割された圃場)
図16に、複数のエリアに分割された圃場11に設けられる圃場分割式ネットワーク26の一つの実施例を平面図で示す。この圃場分割式ネットワーク26は、後述するように、複数の圃場11を集合させることで特色のあるワイヤ移動式ネットワーク2とすることができる。図16には、実施例として農業用圃場11a,漁業用圃場11b,及び、畜産用圃場11cの3箇所に分割された圃場11が示されているが、この分割数はこれに限らない。このように、圃場分割式ネットワーク26は、圃場11ごとに違う生産物12としても良いが、すべての圃場11を共通の生産物12としても良い。この圃場11を複数エリアに分割することにより、例えば、農業においては、農業用圃場11aを設定して農産物育成用ビニールハウスで囲い、家畜の飼料となる牧草等をそのビニールハウス内で二毛作又は二期作により生産し、その飼料を畜産用圃場11cに持ち込んで家畜12cに与えること等ができる。また、例えば牧草を複数個所に分散させ、時期をずらして牧草を育成し、家畜12cに安定して飼料として与えることも可能となる。
(蜜蜂の育成と蜂蜜とを圃場内で共に生産する)
また、圃場11を農産物育成用ビニールハウスで囲い、その農産物育成用ビニールハウス内に蜜蜂の重箱式巣箱を設け、蜜蜂に花の花粉を集めて巣作りをさせても良い。また、その蜜蜂が好む花をビニールハウス内に飼育して蜂蜜を収穫しても良い。寒さに弱い蜜蜂には、上述した圃場内気温制御部51によりビニールハウス内の温度管理を行う。ワイヤ移動式撮像カメラ3により蜜蜂を観察し、花が枯れないように、蜜蜂が飢えないようにする。このように、蜜蜂をビニールハウス内に囲い込むことで純粋で高品質な蜂蜜が採取できる。また、蜂蜜の元となる花は、園芸作物として農業生産エリア5aで育成する。
(家畜と家畜の飼料とを共に圃場内で生産する)
また、圃場11を農業生産エリア5aとして農産物育成用ビニールハウスで囲い、牧畜業生産エリア5cの家畜12cの飼料となる牧草等を育成しても良い。これにより、例えば、牧草を複数個所に分散し、二毛作又は二期作というように育成時期をずらして牧草を育成し、家畜12cに分散した牧草を交互に飼料として与えることができる。このように、家畜12cの飼料となる牧草の自家栽培が可能となり、手間がかからない天然の牧草に近い飼料が二毛作又は二期作により年間を通じて供給可能になる。
(食物連鎖を成立させる魚類を共に育成する)
圃場11に魚類12b用の水槽を設け、高級魚を頂点とする生態系を水槽内で飼育する。そして、例えば、植物プランクトン、動物プランクトン、タコ及びイカの稚魚、小魚(イワシ等)、成魚(サバ類等)、高級魚(マグロ等)という食物連鎖が成立するように同じ水槽内で育成し、その水槽内で食物連鎖を起こして頂点である高級魚を持続可能に育成する。或いは、この食物連鎖を発生させる魚類12bを圃場11内の複数の水槽に分散させて育成し、頂点となる高級魚を持続可能に育成する。
(共生関係にある動植物を共に育成する)
圃場11内に畜産用圃場11cを設け、肉食動物(豚、鶏)や草食動物(牛)を頂点とする生態系を圃場11内で飼育する。例えば、土中や水中の微生物やミミズ、ダンゴムシ等、木、草、花などの植物、微生物、草木を食べる虫、小動物、蜘蛛、カマキリ、カエル等、鳥や小型肉食動物、肉食動物(豚、鶏)や草食動物(牛)等の食物連鎖を成り立たせる。このように、牧場内で食物連鎖を起こすことで生態系の頂点となる牛、豚、鶏等の家畜を持続可能に飼育することができる。
AI解析ソフトウェアによる病害虫の検出)
図1、図2に示すように、AI解析ソフトウェア16は、ワイヤ移動式撮像カメラ3及びワイヤ移動式センサ4により収集した画像データ14又は識別データ15を解析し、生産物12の固体識別を行って個体識別番号を付し、画像データ14又は識別データ15を個体識別番号に紐付してデータベース19a,19bに保存する。具体的には、正常な状態の生産物12の葉、茎、花、実等をワイヤ移動式ネットワーク2に用いるワイヤ移動式撮像カメラ3等で撮影し、同様に病害虫が発生した生産物12の画像も撮影する。これら正常時と異常時の画像を画像データベース19aに保存して、AI解析ソフトウェア16は、あらかじめ両者の特徴の違いを学習しておく。また、AI解析ソフトウェア16は、あらかじめ葉、茎、花、実の形状等の特徴も学習しておく。つぎに、農作物の生産時に、AI解析ソフトウェア16及びアプリケーションソフトウェア17を稼働させ、ワイヤ移動式撮像カメラ3で生産物12の画像を撮影する等農作物の監視・解析を開始したら、そこで撮影された生産物12の画像データ14は、識別データベース19bに保存される。AI解析ソフトウェア16は、あらかじめ学習した特徴などを利用し、撮影された画像から、葉や茎の大きさを解析し、花や実の個数をカウントするという解析を行い、その結果を解析結果データベース19cに保存する。同様に、AI解析ソフトウェア16は、識別データベース19bに保存された観測したい画像から予め学習した特徴等を利用し、病害虫が発生しているか否かの状況を解析し、その結果も解析結果データベース19cに保存する。このように、正常なものと異常なものとの特徴の違いをあらかじめ学習し、及び花や実等の形状等の特徴を予め学習し、観測時にはこれらの特徴を利用して観測したい生産物12の画像から、病害虫の検出及び葉、茎、花、実を検出してその葉の大きさや実のカウントなどの状況を判断し、生産物12の状態を認識する。この解析結果データベース19cは、圃場11の生産者20に通知され、生産者20の携帯端末6aやパーソナルコンピュータ6bから閲覧できる。
(各種機器の搬送)
上述したワイヤ移動式ネットワーク2を利用した各種機器の搬送とは第3の機能として、例えば、農産物の生産にとって欠かせない水、肥料、農薬、除草剤等を移動体10により必要な生産物12の元に搬送する機能である。すなわち、図3(a)に示す第1の機能及び第2の機能であるワイヤ移動式撮像カメラ3及びワイヤ移動式センサ4を移動体10から取り外して、図6に示すように、移動体10の機器取付け用フック83に噴霧器38及び発光体39等を吊り下げる。この第3の機能は、第1の機能及び第2の機能の終了後にワイヤ移動式ネットワーク2を利用して行うことができる。或いは、第1の機能と第2の機能と第3の機能とは、重複しないように曜日や時間を異ならせて実施することができる。
(噴霧器の用途)
噴霧器38は、生産物12の葉がワイヤ移動式撮像カメラ3の目線を遮断している場合、噴霧器38により自動的に葉に空気を吹き掛けて目線を確保することができる。噴霧器38の第1の用途は、生産物12に対する水やりである。そして、噴霧器38の他の用途は、肥料、農薬、及び除草剤等の噴霧である。噴霧器38は、ワイヤ移動式ネットワーク2により圃場11内の所定の位置まで移動され、遠隔操作により適切な生産物12に噴霧される。この噴霧器38に収納される水、肥料、農薬、又は除草剤の混合比率は、季節、時間、気温等に基づきAIにより最適な値が算出される。植物12aの病害虫による被害は、葉の裏側から発生する場合があり、低い視点から上方に向けて撮影して葉の裏面や実の下部を見ることは重要である。ワイヤ移動式撮像カメラ3自体も上下方向に広角で撮影できるカメラと光学系レンズを搭載することができる。また、ワイヤ移動式撮像カメラ3だけでは判別できない病害虫に対しては、ワイヤ移動式撮像カメラ3でなく、例えば、360度の指向性を有するワイヤ移動式センサ4を活用して発見することができる。
(害獣又は害鳥の音、光、臭いによる駆除)
移動体10に取り付けられたワイヤ移動式撮像カメラ3又はワイヤ移動式センサ4は、圃場11内に害獣又は害鳥が侵入したことを検知した場合は、AI機能により害獣又は害鳥の種別を特定し、その害獣又は害鳥に対して効果が見込まれる音、光、臭いを発して害獣又は害鳥を追い払う機能を有する。音、音楽や光の場合は、プログラミングされた音や光を発せば良い。臭いに関しては、害獣又は害鳥が嫌がる香料が詰められた香料瓶又は臭いが詰まった瓶をワイヤ移動式ネットワーク2により圃場11内の所定の位置まで移動させ、害獣又は害鳥に吹き掛けて撃退することができる。
(ワイヤ移動式ネットワークによるカラス等の撃退法)
また、ワイヤ移動式ネットワーク2は、カラス等の害鳥の侵入を防ぐネットを兼ねることができる。これは、カラス等の害鳥は、自分の羽根にネット等が触れるのを極端に嫌うという習性があり、ワイヤ13によるネットワークを張り巡らせることでカラス等の害鳥の侵入を防止することができる。従って、ワイヤ移動式ネットワーク2の上部に更にネットを取り付けることでカラス等の害鳥の侵入を防ぐことができる。
(太陽光発電器の取付け)
上述したように、ワイヤ移動式撮像カメラ3やワイヤ移動式センサ4等の機器は、ワイヤ移動式ネットワーク2の太陽面に設置された太陽光発電器によりバッテリ(図示せず)に充電された電力を使用して動作することができる。これにより、夜間、雨天時などを含む24時間自動運転が可能になる。また、水、肥料、農薬、除草剤の散布も定期的に無人により散布が可能になる。この太陽光発電器は、図6に示すように、機器取付け用フック83に吊り下げられても良い。
(養殖漁業用水槽での集魚灯の取り付け)
ネットワーク21~26により集魚灯39が圃場11内の所定の位置まで移動され、遠隔操作もしくは自動操作により発光してワイヤ移動式撮像カメラ3及びワイヤ移動式センサ4の周囲に集魚させることができる。このように、これらのネットワーク21~25は、養殖漁業用水槽のオプションとして、水中にネットワークを構成する一方向移動式ネットワーク21、二方向移動式ネットワーク23、三方向移動式ネットワーク24、又は曲線移動式ネットワーク25に拡張することができる。これはワイヤ移動式撮像カメラ3等を防水仕様にすることで水中撮像が可能となるからである。そして、ワイヤ移動式ネットワーク2を介して集魚灯39を圃場11内の所定の位置まで移動させ、遠隔操作により発光させ、ワイヤ移動式撮像カメラ3及びワイヤ移動式センサ4の周囲に生産中の魚介類を集魚させることができる。この発光体又は集魚灯39を発光させることで、ワイヤ移動式撮像カメラ3等により水槽中の魚等を集合させてワイヤ移動式撮像カメラ3により撮影することができる。この集魚灯39は、図6の機器取付け用フック83に吊り下げられても良い。
以上の実施形態で説明された一次産業生産物情報収集システム1の構成、形状、大きさ、及び配置関係については、本発明が理解、実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。さらに、ワイヤ移動式撮像カメラ3及びワイヤ移動式センサ4の機能についても、本発明が理解、実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って、本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
1 一次産業生産物情報収集システム、2 ワイヤ移動式ネットワーク、3 ワイヤ移動式撮像カメラ,3a ワイヤ移動式撮像カメラ,3b ワイヤ移動式撮像カメラ、4 ワイヤ移動式センサ、5 生産エリア,5a 農業生産エリア,5b 漁業生産エリア,5c 牧畜業生産エリア、6a 携帯端末、6b パーソナルコンピュータ、7 (高さ方向調節用)吊りワイヤ、8 バックステイ、9 支柱、10 移動体,10a 前方移動体,10b 後方移動体、11 圃場,11a 農業用圃場,11b 漁業用圃場,11c 畜産用圃場、12 生産物,12a 植物,12b 魚類,12c 家畜、13 ワイヤ,13a 主ワイヤ,13b 副ワイヤ、14 画像データ、15 識別データ、16 AI解析ソフトウェア、17 アプリケーションソフトウェア、18 クラウド、19a 画像データベース,19b 識別データベース,19c 解析結果データベース,19d 環境データベース、20 生産者、21 一方向移動式ネットワーク,21a 縦方向移動式ネットワーク,21b 横方向移動式ネットワーク、22 交差タイプ移動式ネットワーク、23 二方向移動式ネットワーク,23a 直交タイプ移動式ネットワーク、24 三方向移動式ネットワーク、25 曲線移動式ネットワーク、26 圃場分割式ネットワーク、27 直線移動部、28 曲線移動部、 29 交差部、30 画像制御部、31 画像データ送信部、32 長さ調節部、33 回転方向調節部、34 タイマ、36 モータ、37 アンテナ、38 噴霧器、39 発光体又は集魚灯、40 センサ制御部,40a カメラ制御部,40b センサ制御部、41 センサデータ送信部、42 種別認証部、43 個体認証部、45 タンク、46 ワイヤ固定部、47 ワイヤ高位置、48 ワイヤ低位置、49 手動ウインチ、50 圃場環境制御部、51 圃場内気温制御部、52 圃場内湿度制御部、53 圃場空気関連制御部、54 圃場内日射量制御部、55 圃場内水温制御部、56 圃場内水質制御部、57 圃場内水流制御部、60 生産物の成長記録、61 生産物位置記憶部、62 移動体位置記憶部、63 生産物の病害虫診断、64 生産物の成長診断、65 圃場内環境データベース、66 水槽内環境データベース、67 カメラユニット、68 プーリ,68b アイドラプーリ、69 カバー、83 機器取付け用フック、84 透明ケース、85 スピーカ、86 長さ調節ピン、87 長さ可変具、88 リップ溝形鋼。

Claims (15)

  1. 生産物を生産する圃場に設置した支柱をワイヤにより連結してワイヤ移動式ネットワークを形成し、前記ワイヤ移動式ネットワーク上を移動する移動体は、前記生産物の画像データを撮影するワイヤ移動式撮像カメラと、前記生産物の識別データを収集するワイヤ移動式センサとを備え、前記ワイヤ移動式ネットワークの曲線上に前記ワイヤを張った曲線移動部に沿って自走により移動し、前記ワイヤと前記ワイヤ移動式撮像カメラ及び前記ワイヤ移動式センサとが接続するポイントの近傍には、前記ワイヤを上方に押し上げるプーリと、前記プーリの両端に配置されて前記ワイヤを下方に押し下げる複数のアイドラプーリと、により前記ワイヤに初期張力が導入され、前記プーリはモータに連結されて回転移動し、前記ワイヤ移動式撮像カメラ及び前記ワイヤ移動式センサを移動させ、前記画像データ又は前記識別データは、通信によりクラウド上のデータベースに保存され、AI解析ソフトウエアにより解析されることを特徴とする一次産業生産物情報収集システム。
  2. 請求項1に記載の一次産業生産物情報収集システムであって、前記ワイヤ移動式撮像カメラ及び前記ワイヤ移動式センサは、植物の葉脈データ、葉形状データ、色データ、模様データから前記生産物の個体の特徴を認識し、個体識別番号に紐付けされた前記葉脈データ、葉形状データ、色データ、模様データを前記データベースに保存することを特徴とする一次産業生産物情報収集システム。
  3. 請求項1又は2に記載の一次産業生産物情報収集システムであって、前記ワイヤ移動式撮像カメラ及び前記ワイヤ移動式センサは、家畜の顔つきデータ、毛並みデータ、模様データ、鳴き声データ、仕草データ・動作データ、臭いデータから前記生産物の個体の特徴を識別し、個体識別番号に紐付けされた前記顔つきデータ、毛並みデータ、模様データ、鳴き声データ、仕草データ・動作データ、臭いデータを前記データベースに保存することを特徴とする一次産業生産物情報収集システム。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の一次産業生産物情報収集システムであって、前記ワイヤ移動式撮像カメラ及び前記ワイヤ移動式センサは、鱗データ、全体形状データ、ヒレ等部位形状データ、模様データ、から前記生産物の個体の特徴を識別し、個体識別番号に紐付けされた鱗データ、全体形状データ、ヒレ等部位形状データ、模様データを前記データベースに保存することを特徴とする一次産業生産物情報収集システム。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の一次産業生産物情報収集システムであって、前記ワイヤ移動式撮像カメラ及び前記ワイヤ移動式センサは、ピンを長孔に差し込む位置より高さ方向の距離が調整可能な長さ調節部により接続されることを特徴とする一次産業生産物情報収集システム。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載の一次産業生産物情報収集システムであって、前記ワイヤ移動式撮像カメラ及び前記ワイヤ移動式センサは、長さ調節部によりセンサ制御部と一体となり、モータの回転に連動するプーリにより前記ワイヤ上を回転しながら走行することを特徴とする一次産業生産物情報収集システム。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の一次産業生産物情報収集システムであって、前記ワイヤ移動式ネットワークは、前記ワイヤ移動式撮像カメラ及び前記ワイヤ移動式前記センサを有する移動体が直線的に移動する直線移動部と、前記移動体が曲線的に移動する曲線移動部とを有し、前記移動体は、前記データベースに保存された前記生産物の前記ワイヤ移動式ネットワーク上の位置に関して、前記データベースに保存された特定の出発点から前記直線移動部の累積された移動距離又は前記曲線移動部の累積された移動距離の履歴から位置検出が可能であることを特徴とする一次産業生産物情報収集システム。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載の一次産業生産物情報収集システムであって、前記ワイヤ移動式撮像カメラは、それぞれ前輪と後輪とを有する前方移動体及び後方移動体により前記ワイヤに接続し、前記前方移動体と前記後方移動体との間隔を吊りワイヤの角度を調節することで前記生産物に合わせた上下方向の撮影位置を設定して撮影することを特徴とする一次産業生産物情報収集システム。
  9. 請求項1乃至8の何れか1項に記載の一次産業生産物情報収集システムであって、前記曲線移動部には、曲線状に加工された形鋼により前記ワイヤの走行レールが形成され、移動体は、前記形鋼に沿って曲線状に移動可能であることを特徴とする一次産業生産物情報収集システム。
  10. 請求項1乃至9の何れか1項に記載の一次産業生産物情報収集システムであって、移動体は、支柱に支持される曲線移動部において前記支柱廻りに移動方向が変更され、前記ワイヤ移動式撮像カメラ及び前記ワイヤ移動式センサの走行方向は、隣接する他の直線移動部に方向転換されることを特徴とする一次産業生産物情報収集システム。
  11. 請求項1乃至10の何れか1項に記載の一次産業生産物情報収集システムであって、前記ワイヤ同士が交差するため移動体同士が衝突する場合には、一方のワイヤを主ワイヤとし、前記主ワイヤを移動する前記移動体は優先的に通過させ、他方のワイヤは副ワイヤとし、前記副ワイヤを移動する前記移動体は、交差部で折り返し運転させて衝突を避けることを特徴とする一次産業生産物情報収集システム。
  12. 請求項1乃至11の何れか1項に記載の一次産業生産物情報収集システムであって、前記ワイヤ移動式センサは、前記圃場内に害獣又は害鳥が侵入した場合には、前記ワイヤ移動式ネットワークから吊り下げられたスピーカから前記害獣又は害鳥が嫌がる音を発するか、前記ワイヤ移動式ネットワークから吊り下げられた発光体から前記害獣又は害鳥を驚かす光を発するか、或いは、噴霧器から前記害獣又は害鳥が敬遠する臭いを発するかのうちのいずれかにより前記害獣又は害鳥を撃退することを特徴とする一次産業生産物情報収集システム。
  13. 請求項1乃至12の何れか1項に記載の一次産業生産物情報収集システムであって、水、肥料、農薬、及び除草剤のうちのいずれかが収納された噴霧器が前記ワイヤ移動式ネットワークを介して前記圃場内の所定の位置まで移動され、自動的に、より適切な前記生産物に噴霧されることを特徴とする一次産業生産物情報収集システム。
  14. 請求項1乃至13の何れか1項に記載の一次産業生産物情報収集システムであって、噴霧器が、前記生産物の葉が前記ワイヤ移動式撮像カメラの目線を遮断している場合、前記噴霧器により自動的に前記葉に空気を吹き掛けて前記ワイヤ移動式撮像カメラの前記目線を確保することを特徴とする一次産業生産物情報収集システム。
  15. 請求項1乃至14の何れか1項に記載の一次産業生産物情報収集システムであって、前記ワイヤ移動式ネットワークを介して集魚灯が前記圃場内の所定の位置まで移動され、遠隔操作により前記集魚灯を発光させて前記ワイヤ移動式撮像カメラの周囲に集魚させ、前記ワイヤ移動式撮像カメラにより前記集魚した魚類を診断することを特徴とする一次産業生産物情報収集システム。
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