JP7471164B2 - 冷熱発電用のタービン - Google Patents

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Description

本開示は、液化ガスを加熱するための熱媒体が循環するように構成された熱媒体循環ラインに設けられる冷熱発電用のタービンに関する。
液化ガス(例えば、液化天然ガス)は、輸送や貯蔵を目的として液化され、都市ガスや火力発電所などの供給先に供給するに際して、海水などの熱媒体で昇温して気化させることが行われる。液化ガスを気化させる際に、冷熱エネルギを海水に捨てるのではなく電力として回収する冷熱発電が行われることがある(例えば、特許文献1)。
液化天然ガスの冷熱発電サイクルとしては、二次媒体ランキンサイクル方式などが知られている(例えば、特許文献1)。二次媒体ランキンサイクル方式は、クローズドループ内を循環する二次媒体を、蒸発器にて海水を熱源として加熱して蒸発させ、この蒸気を冷熱発電用のタービンに導入して動力を得た後に、液化天然ガスにて冷却、凝縮させる方式である。
実開昭61-59803号公報
冷熱発電用のタービンでは、二次媒体の外部漏れを抑制することを目的として、タービン軸と該タービン軸を収納するケーシングとの間をシールするための軸封シール構造に、メカニカルシールを用いることがある(例えば、特許文献1)。メカニカルシールが配置されることで、タービン軸とケーシングとの間には、静翼と動翼との間から漏洩した二次媒体が流入可能なシール空間が形成される。このシール空間は、静翼と動翼との間から漏洩した熱媒体により大気圧よりも高圧になる。例えば、タービンの起動時や部分負荷時において、シール空間の圧力が1MPaを超える高圧となることがある。メカニカルシールにおけるシール空間側と、シール空間側とは反対側の大気側と、の間の圧力差が大きいと、メカニカルシールにかかる圧力負荷が大きくなるため、メカニカルシールの劣化や損傷、漏洩のリスクが高まる虞がある。
上述したタービンの信頼性を確保するための方策として、メカニカルシールに供給するシール用の油を昇圧するための機器により、上記シール用の油を昇圧してメカニカルシールにかかる圧力負荷を低減することや、メカニカルシールを多重構造(例えば、二重や三重)にして、シール空間内の圧力を段階的に落とすこと、などが挙げられる。これらの方策では、軸封シール構造を備える冷熱発電用のタービンの高額化を招く虞がある。
上述した事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態の目的は、冷熱発電用のタービンの高額化を抑制しつつ、冷熱発電用のタービンの信頼性を向上させることができる冷熱発電用のタービンを提供することにある。
本開示にかかる冷熱発電用のタービンは、
液化ガスを加熱するための熱媒体が循環するように構成された熱媒体循環ラインに設けられる冷熱発電用のタービンであって、
ロータシャフトと、
前記ロータシャフトを収容するケーシングと、
前記ロータシャフトの周りに設けられた少なくとも一つの動翼と、
前記ケーシングに支持された少なくとも一つの静翼と、
前記少なくとも一つの動翼よりも上流側において前記ロータシャフトと前記ケーシングとの間をシールするメカニカルシールと、
前記メカニカルシールが配置されることで前記ケーシングの内部に形成されるシール空間であって、前記少なくとも一つの静翼と前記少なくとも一つの動翼の間から漏洩した前記熱媒体が流入可能なシール空間に一方側が接続され、且つ前記熱媒体循環ラインにおける前記シール空間よりも圧力が低い低圧部に他方側が接続された減圧ラインと、
を備える。
本開示の少なくとも一実施形態によれば、冷熱発電用のタービンの高額化を抑制しつつ、冷熱発電用のタービンの信頼性を向上させることができる冷熱発電用のタービンを提供する。
本開示の一実施形態にかかる冷熱発電用のタービンを備える冷熱発電システムの構成を概略的に示す概略構成図である。 本開示の一実施形態にかかる冷熱発電用のタービンの軸線に沿った断面を概略的に示す概略断面図である。 本開示の一実施形態にかかる冷熱発電用のタービンの軸線に沿った断面を概略的に示す概略断面図である。 本開示の一実施形態にかかる冷熱発電用のタービンの軸線に沿った断面を概略的に示す概略断面図である。
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、同様の構成については同じ符号を付し説明を省略することがある。
(冷熱発電システム)
図1は、本開示の一実施形態にかかる冷熱発電用のタービンを備える冷熱発電システムの構成を概略的に示す概略構成図である。
冷熱発電システム1は、図1に示されるように、冷熱発電用のタービン2(以下、タービン2とする)と、液化ガス供給ライン3と、熱媒体循環ライン4と、加熱水供給ライン5と、発電機11と、第1の熱交換器12と、第2の熱交換器13と、を備える。液化ガス供給ライン3、熱媒体循環ライン4および加熱水供給ライン5の夫々は、例えば管路などの流体が流通する流路を含むものである。
液化ガス供給ライン3は、液化ガス貯留装置31から液化ガスを送るように構成されている。液化ガス貯留装置(例えば、液化ガスタンク)31は、液状の液化ガスを貯留するように構成されている。
熱媒体循環ライン4は、水よりも凝固点が低い熱媒体を循環させるように構成されている。以下、液化ガスの具体例として液化天然ガス(LNG)を、熱媒体循環ライン4を流れる熱媒体の具体例としてプロパンを例に挙げて説明するが、本開示は、液化天然ガス以外の液化ガス(液体水素など)にも適用可能であり、また、プロパン以外の熱媒体を、熱媒体循環ライン4を流れる熱媒体とした場合にも適用可能である。
図示される実施形態では、冷熱発電システム1は、液化ガス供給ライン3に設けられた液化ガス用ポンプ32と、熱媒体循環ライン4に設けられた熱媒体用の循環ポンプ41と、をさらに備える。液化ガス供給ライン3は、その一端側33が液化ガス貯留装置31に接続され、その他端側34が冷熱発電システム1の外部に設けられる液化ガス用の機器35に接続される。液化ガス用の機器35としては、例えば、陸上に設けられたガスホルダやこれに接続されるガス配管などが挙げられる。
液化ガス用ポンプ32を駆動させることにより、液化ガス貯留装置31に貯留される液化ガスが液化ガス供給ライン3に送られて、液化ガス供給ライン3を上流側から下流側に向かって流れた後に、液化ガス用の機器35に送られる。
熱媒体用の循環ポンプ41を駆動させることにより、熱媒体循環ライン4を熱媒体が循環する。タービン2は、液化ガスを加熱するための熱媒体が循環するように構成された熱媒体循環ライン4に設けられる。タービン2は、ロータシャフト21を備え、熱媒体循環ライン4を流れる熱媒体により駆動する(ロータシャフト21を回転させる)ように構成されている。発電機11は、ロータシャフト21に接続され、タービン2の駆動力(ロータシャフト21の回転力)を駆動源として発電するように構成されている。
加熱水供給ライン5は、冷熱発電システム1の外部から導入された加熱水を送るように構成されている。「加熱水」は、熱交換器において熱媒として熱交換対象を加熱させる水であればよく、常温の水であってもよい。冷熱発電システム1が船体10又は水上に浮かぶ浮体に搭載される場合には、加熱水は、船舶又は浮体において入手が容易な水(例えば、海水などの船外水や、船舶のエンジンを冷却した冷却水など)が好ましい。或る実施形態では、冷熱発電システム1や冷熱発電用のタービン2は、図1に示されるような船体10又は浮体10Aに搭載される。他の或る実施形態では、冷熱発電システム1や冷熱発電用のタービン2は、陸上に設置される。
図示される実施形態では、冷熱発電システム1は、水よりも凝固点が低い中間熱媒体を循環させるように構成された中間熱媒体循環ライン6と、中間熱媒体循環ライン6に設けられる中間熱媒体用の循環ポンプ61と、加熱水供給ライン5に設けられる加熱水用ポンプ51と、第3の熱交換器14と、をさらに備える。
図示される実施形態では、冷熱発電システム1は、中間熱媒体用の循環ポンプ61を駆動させることにより、中間熱媒体循環ライン6を中間熱媒体が循環する。加熱水供給ライン5は、その一端側52が冷熱発電システム1の外部に設けられる加熱水の供給元15に接続され、その他端側53が冷熱発電システム1の外部に設けられる加熱水の排出先16に接続される。加熱水用ポンプ51を駆動させることにより、加熱水の供給元15から加熱水が加熱水供給ライン5に送られて、加熱水供給ライン5を上流側から下流側に向かって流れた後に、加熱水の排出先16に送られる。
冷熱発電システム1が船体10又は水上に浮かぶ浮体10Aに搭載される場合には、加熱水の供給元15としては、例えば、船体10に設けられた船外の水を導入するための取水口15Aが挙げられる。また、冷熱発電システム1が船体10又は浮体10Aに搭載される場合には、加熱水の排出先16としては、例えば、船体10に設けられた船外に水を排出するための排出口16Aが挙げられる。
中間熱媒体は、熱媒体循環ライン4を流れる熱媒体と同種の熱媒体であってもよいし、異種の熱媒体であってもよい。図示される実施形態では、中間熱媒体は、プロパンからなり、加熱水は、船外から取得した海水からなる。
第1の熱交換器12は、液化ガス供給ライン3を流れる液化ガスと、熱媒体循環ライン4を流れる熱媒体と、の間で熱交換を行うように構成されている。
図1に示される実施形態では、第1の熱交換器12は、液化ガス供給ライン3に設けられた液化ガスが流れる液化ガス流路121と、熱媒体循環ライン4に設けられた熱媒体が流れる熱媒体流路122と、を含む。熱媒体流路122内の熱媒体と、液化ガス流路121内の液化ガスと、の間で熱交換が行われる。
第2の熱交換器13は、熱媒体循環ライン4を流れる熱媒体と、中間熱媒体循環ライン6を流れる中間熱媒体と、の間で熱交換を行うように構成されている。
図1に示される実施形態では、第2の熱交換器13は、熱媒体循環ライン4に設けられた熱媒体が流れる熱媒体流路131と、中間熱媒体循環ライン6に設けられた中間熱媒体が流れる中間熱媒体流路132と、を含む。中間熱媒体流路132内の中間熱媒体と、熱媒体流路131内の熱媒体と、の間で熱交換が行われる。
なお、他の幾つかの実施形態では、第2の熱交換器13は、熱媒体循環ライン4を流れる熱媒体と、加熱水供給ライン5を流れる加熱水と、の間で熱交換を行うように構成されていてもよい。第2の熱交換器13は、その内部に、加熱水供給ライン5に設けられた加熱水が流れる加熱水流路であって、熱媒体流路132との間で熱交換を行うための加熱水流路を含んでいてもよい。この場合には、冷熱発電システム1は、中間熱媒体循環ライン6および第3の熱交換器14を備える必要がないため、その構造を大型化や複雑化を抑制できる。
第3の熱交換器14は、中間熱媒体循環ライン6を流れる中間熱媒体と、加熱水供給ライン5を流れる加熱水と、の間で熱交換を行うように構成されている。
図1に示される実施形態では、第3の熱交換器14は、中間熱媒体循環ライン6に設けられた中間熱媒体が流れる中間熱媒体流路141と、加熱水供給ライン5に設けられた加熱水が流れる加熱水流路142と、を含む。中間熱媒体流路141内の中間熱媒体と、加熱水流路142内の加熱水と、の間で熱交換が行われる。
第1の熱交換器12(具体的には液化ガス流路121)は、液化ガス供給ライン3の液化ガス用ポンプ32よりも下流側、且つ液化ガス用の機器35よりも上流側に設けられる。液化ガス用ポンプ32は、液化ガス供給ライン3の液化ガス貯留装置31よりも下流側に設けられる。また、第1の熱交換器12(具体的には熱媒体流路122)は、熱媒体循環ライン4のタービン2よりも下流側、且つ熱媒体用の循環ポンプ41よりも上流側に設けられる。
第2の熱交換器13(具体的には熱媒体流路131)は、熱媒体循環ライン4の熱媒体用の循環ポンプ41よりも下流側、且つタービン2よりも上流側に設けられる。また、第2の熱交換器13(具体的には中間熱媒体流路132)は、中間熱媒体循環ライン6の第3の熱交換器14(具体的には中間熱媒体流路141)よりも下流側、且つ中間熱媒体用の循環ポンプ61よりも上流側に設けられる。
第3の熱交換器14(具体的には加熱水流路142)は、加熱水供給ライン5の加熱水用ポンプ51よりも下流側、且つ加熱水の排出先16よりも上流側に設けられる。加熱水用ポンプ51は、加熱水供給ライン5の加熱水の供給元15よりも下流側に設けられる。
第1の熱交換器12の液化ガス流路121には、液化ガス用ポンプ32により昇圧された液状の液化ガスが送られる。第1の熱交換器12における熱交換により、液化ガス流路121を流れる液化ガスが加熱され、熱媒体流路122を流れる熱媒体が冷却される。つまり、液化ガス流路121を流れる液化ガスの冷熱エネルギが熱媒体流路122を流れる熱媒体に回収される。第1の熱交換器12における熱交換により、熱媒体流路122を流れる熱媒体は、水(加熱水)の凝固点よりも低い温度になる。
第3の熱交換器14の中間熱媒体流路141には、中間熱媒体用の循環ポンプ61により昇圧された中間熱媒体が送られる。また、加熱水流路142には、加熱水用ポンプ51により昇圧された加熱水が送られる。第3の熱交換器14における熱交換により、中間熱媒体流路141を流れる中間熱媒体が加熱される。
第2の熱交換器13の熱媒体流路131には、第1の熱交換器12により冷却された後に、熱媒体用の循環ポンプ41により昇圧された熱媒体が送られる。また、中間熱媒体流路132には、第3の熱交換器14により加熱された中間熱媒体が送られる。第2の熱交換器13における熱交換により、熱媒体流路131を流れる熱媒体が加熱され、中間熱媒体流路132が冷却される。
図1に示される実施形態では、冷熱発電システム1は、熱媒体循環ライン4における第2の熱交換器13よりも下流側から分岐して、タービン2を迂回して第1の熱交換器12の熱媒体流路122よりも上流側に接続されるバイパスライン17をさらに備える。上述した熱媒体循環ライン4におけるバイパスライン17が分岐する分岐部171からバイパスライン17が合流する合流部172までの間の流路(タービン2を通過する流路)を主流路42とする。
図1に示される実施形態では、冷熱発電システム1は、主流路42のタービン2より上流側に設けられる開閉弁43と、バイパスライン17に設けられる開閉弁173と、をさらに備える。例えば、冷熱発電システム1の始動時には、開閉弁43を閉じ、開閉弁173を開いて熱媒体にタービン2を迂回させる。所定期間が経過した後に、開閉弁43を開いて、開閉弁173を閉じて熱媒体にタービン2を通過させる。
(冷熱発電用のタービン)
図2は、本開示の一実施形態にかかる冷熱発電用のタービンの軸線に沿った断面を概略的に示す概略断面図である。
幾つかの実施形態にかかる冷熱発電用のタービン2は、図2に示されるように、ロータシャフト21と、ロータシャフト21を収容するケーシング7と、ロータシャフト21の周りに設けられた少なくとも一つの動翼22と、ケーシング7に支持された少なくとも一つの静翼23と、少なくとも一つの動翼22よりも上流側においてロータシャフト21とケーシング7との間をシールするメカニカルシール81と、を備える。
図示される実施形態では、少なくとも一つの動翼22は、図2に示されるように、複数の動翼22を含み、複数の動翼22は、第1の動翼22Aと、第1の動翼22Aよりも下流側に設けられる第2の動翼22Bと、を含む。少なくとも一つの静翼23は、図2に示されるように、複数の静翼23を含み、第1の動翼22Aよりも上流側に設けられる第1の静翼23Aと、第1の動翼22Aよりも下流側、且つ第2の動翼22Bよりも上流側に設けられる第2の静翼23Bと、を含む。主流路42を流れてケーシング7の内部に導入された熱媒体は、主に、第1の静翼23A、第1の動翼22A、第2の静翼23Bおよび第2の動翼22Bをこの順に通過した後に、ケーシング7の外部に排出される。
第1の動翼22Aは、第2の動翼22Bよりもタービン2の軸方向、すなわちタービン2の軸線CAの延在する方向、における一方側(図中右側)に配置されている。以下、タービン2の軸方向における上記一方側(図中右側)を前方側と定義し、上記一方側とは反対側(図中左側)を後方側と定義する。また、タービン2の径方向を単に径方向と称し、タービン2の周方向を単に周方向と称することがある。
第1の動翼22Aは、第2の動翼22Bよりも前方側に位置している。第1の静翼23Aは、第1の動翼22Aよりも前方側に配置され、第2の静翼23Bは、第2の動翼22Bよりも前方側、且つ第1の動翼22Aよりも後方側に配置されている。
ロータシャフト21は、タービン2の軸線CAに沿って延在するシャフト部211と、シャフト部211の外面212から径方向における外側に円板状に突出する複数のディスク部213と、を含む。複数のディスク部213は、第1の動翼22Aが外周に取り付けられた前方側ディスク部213Aと、前方側ディスク部213Aよりも後方側に位置する後方側ディスク部213Bであって、第2の動翼22Bが外周に取り付けられた後方側ディスク部213Bと、を含む。
ケーシング7は、第1の静翼23Aに熱媒体を導くための熱媒体導入流路71を形成する熱媒体導入部72と、第2の動翼22Bを通過した熱媒体を外部に導くための熱媒体排出流路73を形成する熱媒体排出部74と、第1の静翼23Aの外周部(外輪)および第2の静翼23Bの外周部(外輪)の夫々を径方向における外側から支持する外側静翼支持部75と、第1の静翼23Aの内周部(内輪)を径方向における内側から支持する内側静翼支持部76と、前方側ディスク部213Aよりも前方側に隙間を有して配置される前方内側ケーシング77と、を含む。
図示される実施形態では、熱媒体導入部72は、第1の静翼23Aよりも前方側に設けられており、熱媒体排出部74は、第2の動翼22Bよりも後方側に設けられている。熱媒体導入部72の外面721には、ケーシング7の内部に熱媒体を導入するための導入口722が形成されている。導入口722は、径方向における外側に向かって開口している。熱媒体排出部74の外面741には、ケーシング7の外部に熱媒体を排出するための排出口742が形成されている。排出口742は、径方向における外側に向かって開口している。
導入口722を通じて径方向における外側から熱媒体導入流路71に導入された熱媒体は、軸方向における前方側から後方側に流れて、複数の静翼23および複数の動翼22を通過した後に、熱媒体排出流路73に送られる。熱媒体排出流路73に送られた熱媒体は、排出口742を通じてケーシング7の外部に排出される。ケーシング7の外部に排出された熱媒体は、図1に示されるように、熱媒体循環ライン4におけるタービン2と第1の熱交換器12とを繋ぐ部分4Aを通じて第1の熱交換器12に送られる。上記部分4Aの上流端401は、排出口742に熱媒体を流通可能に接続され、上記部分4Aの下流端402は、第1の熱交換器12の熱媒体流路122の上流端に熱媒体を流通可能に接続されている。
外側静翼支持部75は、熱媒体導入部72および熱媒体排出部74の夫々に支持されており、内側静翼支持部76は、熱媒体導入部72および前方内側ケーシング77の夫々に支持されている。前方内側ケーシング77は、タービン2の軸線CA方向から視たときに、径方向に向かって延在する円環状に形成されている。前方内側ケーシング77の外周部771において内側静翼支持部76を支持している。上述したメカニカルシール81は、ロータシャフト21のシャフト部211と、前方内側ケーシング77の内周部772と、の間に配置され、シャフト部211と内周部772との間をシールしている。
図示される実施形態では、図2に示されるように、前方内側ケーシング77の外周部771および内周部772の夫々は、径方向に沿って延在しており、内周部772が外周部771よりも軸方向における前方側に位置している。前方内側ケーシング77は、外周部771と、内周部772と、軸方向に沿って延在して後方端773が外周部771に接続され、前方端774が内周部772に接続された軸方向延在部775と、を含む。
図示される実施形態では、図2に示されるように、上述したタービン2は、ロータシャフト21のシャフト部211に取り付けられたスラストカラー24と、スラストカラー24よりも前方側にスラストカラー24に対面して配置される前方側スラスト軸受25と、スラストカラー24よりも後方側にスラストカラー24に対面して配置される後方側スラスト軸受26と、前方側スラスト軸受25および後方側スラスト軸受26を収納するとともにその内部に支持する軸受ハウジング27と、をさらに備える。
幾つかの実施形態にかかる冷熱発電用のタービン2は、図2に示されるように、上述したロータシャフト21と、ロータシャフト21を収容する上述したケーシング7と、ロータシャフト21の周りに設けられた上述した少なくとも一つの動翼22と、ケーシング7に支持された上述した少なくとも一つの静翼23と、少なくとも一つの動翼22よりも上流側(前方側)においてロータシャフト21とケーシング7との間をシールするメカニカルシール81と、メカニカルシール81が配置されることでケーシング7の内部に形成されるシール空間82であって、少なくとも一つの静翼23(23A)と少なくとも一つの動翼22(22A)の間から漏洩した熱媒体が流入可能なシール空間82に一方側831が接続され、且つ熱媒体循環ライン4におけるシール空間82よりも圧力が低い低圧部84に他方側832が接続された減圧ライン83と、を備える。
図示される実施形態では、図2に示されるように、前方内側ケーシング77の軸方向延在部775に内外を連通するように貫通する貫通孔78が形成され、この貫通孔78に減圧ライン83の一方側831が接続されている。
図示される実施形態では、上述したシール空間82は、ロータシャフト21のシャフト部211よりも外周側において、前方側ディスク部213Aの前方側面214と、前方内側ケーシング77の上記前方側面214に対向する内面776と、の形成された環状空間からなる。シール空間82には、第1の静翼23A(図示例では、初段静翼)と第1の動翼22A(図示例では、初段動翼)の間から漏洩した熱媒体が流入するため、上述した減圧ライン83を備えない場合には、シール空間82の圧力P1は、第1の静翼23Aと第1の動翼22Aとの間の圧力P2(ノズル出口圧)に近い高圧(メカニカルシール81の大気側の圧力よりも高圧)となる。
上記の構成によれば、シール空間82と低圧部84との間の圧力差により、シール空間82に存在する熱媒体が、減圧ライン83の一方側831から減圧ライン83に導かれ、減圧ライン83を一方側831から他方側832に流れた後に、低圧部84に送られる。この低圧部84は、熱媒体循環ライン4に設けられるので、熱媒体の外部への流出を抑制できる。このように、シール空間82に存在する熱媒体の一部を熱媒体循環ライン4の低圧部84に流出させることで、シール空間82の圧力P1を低減させることができる。シール空間82の圧力P1を低減することで、メカニカルシール81におけるシール空間側と、シール空間側とは反対側の大気側と、の間の圧力差を低減でき、ひいてはメカニカルシール81にかかる圧力負荷を低減できる。これにより、メカニカルシール81の劣化や損傷、漏洩のリスクを低減できるため、メカニカルシール81を備える軸封シール構造の信頼性を向上させることができる。
また、上記の構成によれば、シール空間82の圧力P1を低減することで、前方側ディスク部213Aのシール空間82からの受圧を低減できるため、ロータシャフト21の軸方向にかかる力(スラスト)を低減できる。これにより、冷熱発電用のタービン2の機械損失を低減でき、冷熱発電用のタービン2の信頼性を向上させることができる。また、上記の構成によれば、冷熱発電用のタービン2に追加の動力機器などを設ける必要がなく、減圧ライン83を設ければよいので、冷熱発電用のタービン2の高額化を抑制できる。
図3は、本開示の一実施形態にかかる冷熱発電用のタービンの軸線に沿った断面を概略的に示す概略断面図である。
幾つかの実施形態では、図3に示されるように、上述した冷熱発電用のタービン2は、上述したシール空間82におけるメカニカルシール81よりも上流側においてロータシャフト21とケーシング7との間をシールする非接触シール部85をさらに備える。
図示される実施形態では、図3に示されるように、上述した前方内側ケーシング77は、内周部772よりも軸方向における後方側において軸方向延在部775から径方向の内側に向かって突出する突出部777をさらに含む。図1に示される実施形態では、突出部777は、軸方向延在部775の後方端773から突出している。上述した非接触シール部85は、ロータシャフト21のシャフト部211と、前方内側ケーシング77の突出部777と、の間に配置され、シャフト部211と突出部777との間をシールしている。
上述したシール空間82は、非接触シール部85がシャフト部211と突出部777との間をシールすることで、非接触シール部85よりも上流側(非接触シール部85よりも後方側)の第1シール空間82Aと、非接触シール部85よりも下流側(非接触シール部85よりも後方側)の第2シール空間82Bと、に区分される。熱媒体の第1シール空間82Aから第2シール空間82Bへの流出は、非接触シール部85により抑制されるため、第2シール空間82Bの圧力P3は、第1シール空間82Aの圧力P1よりも低いものとなる。
上記の構成によれば、非接触シール部85により、シール空間82におけるメカニカルシール81よりも上流側をシールしている。この場合には、非接触シール部85よりも下流側(第2シール空間82B)への熱媒体のリーク量が、非接触シール部85よりも上流側と下流側との間の圧力差に応じて決まるようになるため、非接触シール部85を設けない場合に比べて、非接触シール部85よりも下流側への熱媒体のリーク量を低減できる。これにより、メカニカルシール81のシール空間側の圧力を低減できるので、メカニカルシール81のシール空間側と、シール空間側とは反対側の大気側と、の間の圧力差を低減でき、ひいてはメカニカルシール81にかかる圧力負荷を低減できる。また、上記の構成によれば、非接触シール部85よりも下流側(第2シール空間82B)への熱媒体のリーク量を低減することで、冷熱発電用のタービン2の性能を向上させることができる。
幾つかの実施形態では、図3に示されるように、上述した非接触シール部85は、ラビリンスシール85Aを含む。ラビリンスシール85Aは、前方内側ケーシング77の突出部777、又はロータシャフト21のシャフト部211の突出部777に対向する部分、の少なくとも一方に形成されている。図示される実施形態では、ラビリンスシール85Aは、前方内側ケーシング77の突出部777、およびロータシャフト21のシャフト部211の両方に形成され、互いに対向する部分に凸部又は凹部が形成されている。
上記の構成によれば、非接触シール部85に簡単な構造であるラビリンスシール85Aを用いることで、軸封シール構造におけるシール性を確保しつつ、軸封シール構造を備える冷熱発電用のタービン2の高額化を抑制できる。なお、他の幾つかの実施形態では、非接触シール部85にラビリンスシール85A以外の非接触のシール構造を用いても良い。
幾つかの実施形態では、図3に示されるように、上述した減圧ライン83の一方側831は、上述したシール空間82における非接触シール部85とメカニカルシール81との間(第2シール空間82B)に接続された。
図示される実施形態では、上述した貫通孔78は、上述した内周部772よりも後方側、且つ上述した突出部777よりも前方側に位置しており、第2シール空間82Bとの間で熱媒体が流通可能になっている。
上記の構成によれば、シール空間82における非接触シール部85とメカニカルシール81との間(第2シール空間82B)は、非接触シール部85により熱媒体のリーク量が制限されており、非接触シール部85よりも上流側(第1シール空間82A)に比べて低圧になっている。この低圧のシール空間(第2シール空間82B)に減圧ライン83の一方側831を接続することで、非接触シール部85よりも上流側(第1シール空間82A)に減圧ライン83の一方側831を接続する場合に比べて、減圧ライン83を通じて低圧部84に流出する熱媒体の量を少なくすることができる。減圧ライン83を通じて低圧部84に流出する熱媒体の量を少なくすることで、冷熱発電用のタービン2の効率低下を抑制できる。
図4は、本開示の一実施形態にかかる冷熱発電用のタービンの軸線に沿った断面を概略的に示す概略断面図である。
幾つかの実施形態では、図4に示されるように、上述したロータシャフト21(具体的にはシャフト部211)は、小径部211Aと、小径部211Aよりも径が大きい大径部211Bと、を含む。上述したメカニカルシール81は、小径部211Aに取り付けられ、上述した非接触シール部85は、大径部211Bに取り付けられた。
図示される実施形態では、図3に示されるように、上述した第1の動翼22Aは、上述した第1の静翼23Aよりも軸方向における後方側に位置し、上述した非接触シール部85は、第1の動翼22Aよりも軸方向における前方側に位置している。この場合には、非接触シール部85を通過する熱媒体から受けるスラストは、第1の動翼22Aを通過する熱媒体から受けるスラストとは反対側に作用するので、ロータシャフト21のスラストを低減することができる。
上記の構成によれば、非接触シール部85は、メカニカルシール81が取り付けられた小径部211Aよりも径が大きい大径部211Bに取り付けられる。この場合には、ロータシャフト21における、シール空間82の非接触シール部85よりも上流側の空間(第1シール空間82A)に接する面積を小さくできるため、第1シール空間82Aからの受圧により生じる、ロータシャフト21の軸方向にかかる力(スラスト)を低減できる。これにより、冷熱発電用のタービン2の機械損失を低減でき、冷熱発電用のタービン2の信頼性を向上させることができる。
また、ロータシャフト21のスラストを低減することで、冷熱発電用のタービン2におけるスラスト軸受(前方側スラスト軸受25、後方側スラスト軸受26)やスラストカラー24の小型化が図れるため、冷熱発電用のタービン2の高額化を抑制できる。メカニカルシール81は、小径部211Aに取り付けられるので、その小型化を図ることができ、ひいては軸封シール構造を備える冷熱発電用のタービン2の高額化を抑制できる。
幾つかの実施形態では、図1に示されるように、上述した低圧部84は、熱媒体循環ライン4を流れる熱媒体と液化ガスとの間で熱交換を行うように構成された熱交換器(第1の熱交換器12)、又は熱媒体循環ライン4における冷熱発電用のタービン2と熱交換器(第1の熱交換器12)とを繋ぐ部分4A、の何れか一方を含む。
図示される実施形態では、減圧ライン83の他方側832は、第1の熱交換器12の熱媒体流路122に熱媒体を流通可能に接続されている。他の幾つかの実施形態では、図1中点線で示されるように、減圧ライン83の他方側832は、上述した部分4Aに熱媒体を流通可能に接続されている。
上記の構成によれば、減圧ライン83を通じた熱媒体のリーク先を、冷熱発電用のタービン2と熱交換器(第1の熱交換器12)とを繋ぐ部分4Aや熱交換器(第1の熱交換器12)にすることで、減圧ライン83の構造の複雑化を抑制できるため、減圧ライン83を備える冷熱発電用のタービン2の高額化を抑制できる。
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
上述した幾つかの実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握されるものである。
1)本開示の少なくとも一実施形態にかかる冷熱発電用のタービン(2)は、
液化ガスを加熱するための熱媒体が循環するように構成された熱媒体循環ライン(4)に設けられる冷熱発電用のタービン(2)であって、
ロータシャフト(21)と、
前記ロータシャフトを収容するケーシング(7)と、
前記ロータシャフトの周りに設けられた少なくとも一つの動翼(22)と、
前記ケーシングに支持された少なくとも一つの静翼(23)と、
前記少なくとも一つの動翼よりも上流側において前記ロータシャフトと前記ケーシングとの間をシールするメカニカルシール(81)と、
前記メカニカルシールが配置されることで前記ケーシングの内部に形成されるシール空間(82)であって、前記少なくとも一つの静翼と前記少なくとも一つの動翼の間から漏洩した前記熱媒体が流入可能なシール空間に一方側が接続され、且つ前記熱媒体循環ラインにおける前記シール空間よりも圧力が低い低圧部(84)に他方側が接続された減圧ライン(83)と、
を備える。
上記1)の構成によれば、シール空間と低圧部との間の圧力差により、シール空間に存在する熱媒体が、減圧ラインの一方側から減圧ラインに導かれ、減圧ラインを一方側から他方側に流れた後に、低圧部に送られる。この低圧部は、熱媒体循環ラインに設けられるので、熱媒体の外部への流出を抑制できる。このように、シール空間に存在する熱媒体の一部を熱媒体循環ラインの低圧部に流出させることで、シール空間の圧力を低減させることができる。シール空間の圧力を低減することで、メカニカルシールにおけるシール空間側と、シール空間側とは反対側の大気側と、の間の圧力差を低減でき、ひいてはメカニカルシールにかかる圧力負荷を低減できる。これにより、メカニカルシールの劣化や損傷、漏洩のリスクを低減できるため、冷熱発電用のタービンの信頼性を向上させることができる。
また、上記1)の構成によれば、シール空間の圧力を低減することで、ロータシャフトの軸方向にかかる力(スラスト)を低減できる。これにより、冷熱発電用のタービンの機械損失を低減でき、冷熱発電用のタービンの信頼性を向上させることができる。また、上記1)の構成によれば、冷熱発電用のタービンに追加の動力機器などを設ける必要がなく、減圧ラインを設ければよいので、冷熱発電用のタービンの高額化を抑制できる。
2)幾つかの実施形態では、上記1)に記載の冷熱発電用のタービン(2)であって、
前記シール空間(82)における前記メカニカルシール(81)よりも上流側において前記ロータシャフト(21)と前記ケーシング(7)との間をシールする非接触シール部(85)をさらに備える。
上記2)の構成によれば、非接触シール部により、シール空間におけるメカニカルシールよりも上流側をシールしている。この場合には、非接触シール部よりも下流側への熱媒体のリーク量が、非接触シール部よりも上流側と下流側との間の圧力差に応じて決まるようになるため、非接触シール部を設けない場合に比べて、非接触シール部よりも下流側への熱媒体のリーク量を低減できる。これにより、メカニカルシールのシール空間側の圧力を低減できるので、メカニカルシールのシール空間側と、シール空間側とは反対側の大気側と、の間の圧力差を低減でき、ひいてはメカニカルシールにかかる圧力負荷を低減できる。
3)幾つかの実施形態では、上記2)に記載の冷熱発電用のタービン(2)であって、
前記非接触シール部(85)は、ラビリンスシール(85A)を含む。
上記3)の構成によれば、非接触シール部に簡単な構造であるラビンリングシールを用いることで、軸封シール構造におけるシール性を確保しつつ、軸封シール構造を備える冷熱発電用のタービンの高額化を抑制できる。
4)幾つかの実施形態では、上記2)又は3)に記載の冷熱発電用のタービン(2)であって、
前記減圧ライン(83)の前記一方側(831)は、前記シール空間(82)における前記非接触シール部(85)と前記メカニカルシール(81)との間(第2シール空間82B)に接続された。
上記4)の構成によれば、シール空間における非接触シール部とメカニカルシールとの間(シール間空間)は、非接触シール部により熱媒体のリーク量が制限されており、非接触シール部よりも上流側に比べて低圧になっている。この低圧のシール間空間に減圧ラインの一方側を接続することで、非接触シール部よりも上流側に減圧ラインの一方側を接続する場合に比べて、減圧ラインを通じて低圧部に流出する熱媒体の量を少なくすることができる。減圧ラインを通じて低圧部に流出する熱媒体の量を少なくすることで、冷熱発電用のタービンの効率低下を抑制できる。
5)幾つかの実施形態では、上記2)~4)の何れかに記載の冷熱発電用のタービン(2)であって、
前記ロータシャフト(21)は、
小径部(211A)と、前記小径部よりも径が大きい大径部(211B)と、を含み、
前記メカニカルシール(81)は、前記小径部(211A)に取り付けられ、
前記非接触シール部(85)は、前記大径部(211B)に取り付けられた。
上記5)の構成によれば、非接触シール部は、メカニカルシールが取り付けられた小径部よりも径が大きい大径部に取り付けられる。この場合には、ロータシャフトにおける、シール空間の非接触シール部よりも上流側の空間に接する面積を小さくできるため、ロータシャフトの軸方向にかかる力(スラスト)を低減できる。これにより、冷熱発電用のタービンの機械損失を低減でき、冷熱発電用のタービンの信頼性を向上させることができる。
また、スラストを低減することで、冷熱発電用のタービンにおけるスラスト軸受やスラストカラーの小型化が図れるため、冷熱発電用のタービンの高額化を抑制できる。メカニカルシールは、小径部に取り付けられるので、その小型化を図ることができ、ひいては冷熱発電用のタービンの高額化を抑制できる。
6)幾つかの実施形態では、上記1)~5)の何れかに記載の冷熱発電用のタービン(2)であって、
前記低圧部(84)は、
前記熱媒体循環ライン(4)を流れる熱媒体と前記液化ガスとの間で熱交換を行うように構成された熱交換器(第1の熱交換器12)、又は前記熱媒体循環ライン(4)における前記冷熱発電用のタービン(2)と前記熱交換器(第1の熱交換器12)とを繋ぐ部分(4A)、の何れか一方を含む。
上記6)の構成によれば、減圧ラインを通じた熱媒体のリーク先を、冷熱発電用のタービンと前記熱交換器とを繋ぐ部分や熱交換器にすることで、減圧ラインの構造の複雑化を抑制できるため、減圧ラインを備える冷熱発電用のタービンの高額化を抑制できる。
1 冷熱発電システム
2 タービン
21 ロータシャフト
211 シャフト部
211A 小径部
211B 大径部
213 ディスク部
213A 前方側ディスク部
213B 後方側ディスク部
22 動翼
22A 第1の動翼
22B 第2の動翼
23 静翼
23A 第1の静翼
23B 第2の静翼
24 スラストカラー
25 前方側スラスト軸受
26 後方側スラスト軸受
27 軸受ハウジング
3 液化ガス供給ライン
31 液化ガス貯留装置
32 液化ガス用ポンプ
35 機器
4 熱媒体循環ライン
4A (タービンと第1の熱交換器との間の)部分
41 循環ポンプ
43 開閉弁
5 加熱水供給ライン
51 加熱水用ポンプ
6 中間熱媒体循環ライン
61 循環ポンプ
7 ケーシング
71 熱媒体導入流路
72 熱媒体導入部
73 熱媒体排出流路
74 熱媒体排出部
75 外側静翼支持部
76 内側静翼支持部
77 前方内側ケーシング
771 外周部
772 内周部
773 後方端
774 前方端
775 軸方向延在部
776 内面
777 突出部
78 貫通孔
81 メカニカルシール
82 シール空間
82A 第1シール空間
82B 第2シール空間
83 減圧ライン
84 低圧部
85 非接触シール部
85A ラビリンスシール
10 船体
11 発電機
12 第1の熱交換器
13 第2の熱交換器
14 第3の熱交換器
15 供給元
15A 取水口
16 排出先
16A 排出口
17 バイパスライン
173 開閉弁
CA 軸線
P1,P2,P3 圧力

Claims (6)

  1. 液化ガスを加熱するための熱媒体が循環するように構成された熱媒体循環ラインに設けられる冷熱発電用のタービンであって、
    ロータシャフトと、
    前記ロータシャフトを収容するケーシングと、
    前記ロータシャフトの周りに設けられた少なくとも一つの動翼と、
    前記ケーシングに支持された少なくとも一つの静翼と、
    前記少なくとも一つの動翼よりも上流側において前記ロータシャフトと前記ケーシングとの間をシールするメカニカルシールと、
    前記メカニカルシールが配置されることで前記ケーシングの内部に形成されるシール空間であって、前記少なくとも一つの静翼と前記少なくとも一つの動翼の間から漏洩した前記熱媒体が流入可能なシール空間に一方側が接続され、且つ前記熱媒体循環ラインにおける前記シール空間よりも圧力が低い低圧部に他方側が接続された減圧ラインと、
    を備え
    前記減圧ラインの前記一方側は、前記シール空間と前記ケーシングの外部空間とを連通するように貫通する貫通孔に接続されている、
    冷熱発電用のタービン。
  2. 前記シール空間における前記メカニカルシールよりも上流側において前記ロータシャフトと前記ケーシングとの間をシールする非接触シール部をさらに備える、
    請求項1に記載の冷熱発電用のタービン。
  3. 前記非接触シール部は、ラビリンスシールを含む、
    請求項2に記載の冷熱発電用のタービン。
  4. 前記減圧ラインの前記一方側は、前記シール空間における前記非接触シール部と前記メカニカルシールとの間に接続された、
    請求項2又は3に記載の冷熱発電用のタービン。
  5. 前記ロータシャフトは、小径部と、前記小径部よりも径が大きい大径部と、を含み、
    前記メカニカルシールは、前記小径部に取り付けられ、
    前記非接触シール部は、前記大径部に取り付けられた、
    請求項2乃至4の何れか1項に記載の冷熱発電用のタービン。
  6. 前記低圧部は、
    前記熱媒体循環ラインを流れる熱媒体と前記液化ガスとの間で熱交換を行うように構成された熱交換器、又は前記熱媒体循環ラインにおける前記冷熱発電用のタービンと前記熱交換器とを繋ぐ部分、の何れか一方を含む、
    請求項1乃至5の何れか1項に記載の冷熱発電用のタービン。
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