JP7470929B2 - 塗装検査支援方法、塗装検査方法、塗装検査装置、及び塗装検査システム - Google Patents

塗装検査支援方法、塗装検査方法、塗装検査装置、及び塗装検査システム Download PDF

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Description

本開示は、塗装検査支援方法、塗装検査方法、塗装検査装置、及び塗装検査システムに関する。
従来、検査対象物の色むらを検査する色むら検査装置がある(例えば、特許文献1参照)。この色むら検査装置は、検査対象物を撮像装置により撮像して得られるカラー画像データに基づいて検査対象物の色むらを検査する。この色むら検査装置は、角度制御手段と、変換手段と、角度設定手段と、を備える。角度制御手段は、撮像装置の検査対象物に対する相対的な撮像角度を制御する。変換手段は、角度制御手段により制御された複数の撮像角度での撮像装置の撮像により得られる各カラー画像データの赤、緑、青を、色相、彩度、明度のうち少なくとも1つの画像データに変換する。角度設定手段は、変換手段により求められた画像データに基づいて、検査対象物を撮像する撮像装置の撮像角度を、複数の撮像角度の中から1つの最適角度に設定する。
例えば、色むら検査装置は、カラーカメラを用いて複数の撮像角度のそれぞれでガラス基板を撮像し、各撮像角度でのカラー画像データの赤、緑、青を、マンセル表色系の少なくとも色相の画像データに変換する。そして、色むら検査装置は、この色相の画像データの各ヒストグラムの最大値、最小値の差分値が最も大きいヒストグラムでの撮像角度を最適角度として設定する。色むら検査装置は、1つの最適角度で撮像したカラー画像を用いて、検査対象物の色むらを検査する。
特開平9-218094号公報
上述の特許文献1では、複数の撮像角度のそれぞれに対応する濃淡画像(カラー画像)の複数のヒストグラムの各形状に関わらず、ヒストグラムの最大値と最小値のみをとらえて、複数の撮像角度の中から1つの最適角度を設定する。すなわち、複数の撮像角度のそれぞれに対応する複数のヒストグラムの各形状に関わらず、1つの検査角度(最適角度)のみを用いるので、塗装検査の精度を確保することが困難であった。
本開示の目的は、濃淡画像から作成したヒストグラムを用いて、塗装検査の精度の向上を図ることができる塗装検査支援方法、塗装検査方法、塗装検査装置、及び塗装検査システムを提供することにある。
本開示の一態様に係る塗装検査支援方法は、撮像ステップと、ヒストグラム作成ステップと、分類ステップと、決定ステップと、を含む。前記撮像ステップは、複数の撮像角度のそれぞれで塗装面を撮像することで、前記複数の撮像角度のそれぞれに対応する複数の濃淡画像を作成する。前記ヒストグラム作成ステップは、前記複数の濃淡画像のそれぞれの画素値の度数分布を、前記複数の撮像角度のそれぞれに対応する複数のヒストグラムとして作成する。前記分類ステップは、前記複数のヒストグラムの各形状を、予め決められた複数のパターンのいずれかに分類する。前記決定ステップは、前記複数のパターンのうち、前記複数のヒストグラムのそれぞれが分類されたパターン毎に、前記複数の撮像角度のうち当該パターンに対応する少なくとも1つの撮像角度を、前記塗装面の検査時に前記塗装面を撮像する検査角度とする。
本開示の一態様に係る塗装検査方法は、基準画像取得ステップと、基準ヒストグラム作成ステップと、を含む。前記基準画像取得ステップは、上述の塗装検査支援方法によって決定された前記検査角度で前記塗装面を撮像することで生成された、前記検査角度に対応する基準濃淡画像を取得する。前記基準ヒストグラム作成ステップは、前記基準濃淡画像の画素値の度数分布を、前記検査角度に対応する基準ヒストグラムとして作成する。
本開示の一態様に係る塗装検査装置は、上述の塗装検査方法を実行するコンピュータシステムを備える。
本開示の一態様に係る塗装検査システムは、上述の塗装検査装置と、前記塗装面に光を照射する照明装置と、前記塗装面を撮像する撮像装置と、を備える。
以上説明したように、本開示は、濃淡画像から作成したヒストグラムを用いて、塗装検査の精度の向上を図ることができるという効果がある。
図1は、実施形態の塗装検査支援方法を示すフローチャートである。 図2は、同上の塗装検査支援方法を実行する塗装検査システムを示す外観図である。 図3は、同上の塗装検査システムが備える塗装検査装置の構成を示すブロック図である。 図4は、同上の塗装検査システムの構成の一部を示す図である。 図5は、同上の塗装検査システムが撮像した複数の濃淡画像を示す図である。 図6は、同上の塗装検査システムが撮像した濃淡画像を示す図である。 図7は、同上の塗装検査支援方法のヒストグラム作成ステップで作成されたヒストグラムを示す図である。 図8は、同上のヒストグラムの別例を示す図である。 図9は、同上の塗装検査支援方法で用いる複数のパターンを示す図である。 図10は、同上の塗装検査支援方法の分類ステップの処理を示すフローチャートである。 図11Aは、同上の分類ステップにおけるピーク数のカウント処理を説明するための図である。図11Bは、同上の分類ステップにおけるピーク数のカウント処理を説明するための別の図である。 図12Aは、同上の塗装検査支援方法における完全分離ピークのヒストグラムを示す図である。図12Bは、完全分離ピークではないヒストグラムを示す図である。 図13は、同上の塗装検査支援方法の分類ステップにおける完全分離ピークの判定処理を説明するための図である。 図14Aは、同上の塗装検査支援方法における重複ピークのヒストグラムを示す図である。図14Bは、重複ピークではないヒストグラムを示す図である。 図15は、同上の塗装検査支援方法の分類ステップにおける重複ピークの判定処理を説明するための図である。 図16は、同上の分類ステップにおけるピーク数の再カウント処理を説明するための図である。 図17は、同上の塗装検査支援方法の決定ステップを説明するための図である。 図18Aは、同上の決定ステップにおける特徴値を説明するための図である。図18Bは、同上の決定ステップにおける別の特徴値を説明するための図である。 図19A、図19B、図19Cのそれぞれは、同上の塗装検査支援方法において波長別ヒストグラムへのフィルタ処理を説明するための図である。 図20は、同上の塗装検査方法の準備段階の処理を示すフローチャートである。 図21は、同上の塗装検査方法の検査段階の処理を示すフローチャートである。 図22Aは、同上の塗装検査方法における基準ヒストグラムを示す図である。図22Bは、同上の塗装検査方法における検査ヒストグラムを示す図である。 図23は、同上の塗装検査方法における基準ヒストグラムと検査ヒストグラムとの差分を示す図である。 図24は、同上の変形例の塗装検査システムの構成の一部を示す図である。
以下の実施形態は、塗装検査支援方法、塗装検査方法、塗装検査装置、及び塗装検査システムに関する。より詳細に、以下の実施形態は、塗装面を検査する塗装検査支援方法、塗装検査方法、塗装検査装置、及び塗装検査システムに関する。なお、以下に説明する実施形態は、本開示の実施形態の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(1)塗装検査支援方法の概要
本実施形態では、検査物の塗装面を検査(塗装検査)する。しかしながら、人の目視検査によって塗装検査を行うと、塗装面を見る角度によって塗装面の見え方が異なるため、検査精度が低くなってしまう。また、塗装検査を自動で行うときに多くの検査角度で塗装面を撮像すると、検査に要する時間(検査時間)が長くなっていた。
そこで、本実施形態では、塗装検査で用いる検査角度を決定するために、塗装検査を行う前に図1に示す撮像ステップS1、ヒストグラム作成ステップS2、分類ステップS3、及び決定ステップS4を含む塗装検査支援方法を実行する。撮像ステップS1は、複数の撮像角度のそれぞれで基準物の塗装面を撮像することで、複数の撮像角度のそれぞれに対応する複数の濃淡画像を作成する。ヒストグラム作成ステップS2は、複数の濃淡画像のそれぞれの画素値の度数分布を、複数の撮像角度のそれぞれに対応する複数のヒストグラムとして作成する。分類ステップS3は、複数のヒストグラムの各形状を、予め決められた複数のパターンのいずれかに分類する。決定ステップS4は、複数のパターンのうち、複数のヒストグラムのそれぞれが分類されたパターン毎に、複数の撮像角度のうち当該パターンに対応する少なくとも1つの撮像角度を、塗装面の検査時に塗装面を撮像する検査角度に決定する。なお、基準物は、良品の検査物9である。
上述の塗装検査支援方法は、濃淡画像から作成したヒストグラムを用いて、塗装検査の精度の向上を図ることができる。また、複数の撮像角度の一部を塗装検査時の撮像に用いる検査角度とすることで、検査角度の数は、当初の複数の撮像角度の数より少なくなる。この結果、検査角度の数を必要最小限とすることができ、塗装検査に要する時間を短縮できる。
(2)塗装検査システム
(2.1)塗装検査システムの概要
本実施形態の塗装検査システム1は、図2に示すように塗装検査装置2、撮像装置3、及び照明装置4を備えて、円板状の検査物9の塗装面9aを検査(塗装検査)する。塗装面9aは、検査物9の表面であり、扁平な凸形状の曲面に形成されている。塗装面9aは、例えばメタリック塗料、パール塗料、又はソリッド塗料などで塗装されている。塗装検査は、塗装面9aのグラデーション、色むらを含めて検査することが好ましい。
塗装検査装置2は、図3に示すように、コンピュータシステムCS、表示部2a、及び操作部2bを備える。
コンピュータシステムCSは、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサがメモリに記憶されている塗装検査支援方法及び塗装検査方法のプログラムを読み出して実行することによって、塗装検査装置2の一部又は全部の機能が実現される。コンピュータシステムCSは、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む一つ又は複数の電子回路で構成される。ここでは、ICやLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、若しくはULSI(ultra large scale integration)と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができる再構成可能な論理デバイスも同じ目的で使うことができる。複数の電子回路は、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは一つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。
コンピュータシステムCSは、画像取得部2c、記憶部2d、ヒストグラム作成部2e、分類部2f、決定部2g、及び検査判定部2hを備える。
(2.2)照明装置
図4に示すように、円板状の検査物9は、円板の径方向がX軸に沿うように配置されている。そして、照明装置4は、照明装置4の光軸4aがX軸に直交するZ軸に沿うように配置されている。Z軸は、検査物9の扁平な凸形状の曲面である塗装面9aの中心の法線である。
そして、照明装置4は、塗装面9aに対して照明光を照射する。照明光は、白色であることが好ましいが、特定の光色に限定されない。
(2.3)撮像装置
塗装検査システム1は、7つの撮像装置3として、撮像装置31~37を備える。撮像装置31~37は、検査物9に対して互いに異なる角度で塗装面9aを撮像する。撮像装置31~37の各光軸31a~37aと照明装置4の光軸4aとが、X-Z平面上になす角度を、撮像角度θ1~θ7とする。撮像角度θ1~θ7の大小関係は、θ1<θ2<θ3<θ4<θ5<θ6<θ7となる。一例として、θ1=15度、θ2=25度、θ3=35度、θ4=45度、θ5=55度、θ6=65度、θ7=75度とする。以降、撮像角度θ1~θ7を区別しない場合、撮像角度θNと称すことがある(Nは、1以上、7以下の整数)。このように、撮像角度θ1~θ7毎に撮像装置3を設けることで、撮像装置3を移動させる必要がなく、処理時間を短縮できる。なお、撮像角度θ1~θ7は、撮像装置31~37の各光軸31a~37aと照明装置4の光軸4aとがそれぞれ成す角度である。
撮像装置3(31~37)は、カラーの濃淡画像を撮像し、濃淡画像のデータをコンピュータシステムCSへ送信する。濃淡画像は、3原色であるR(Red:赤色)、G(Green:緑色)、B(Blue:青色)の各チャンネルとして、Rチャンネル、Gチャンネル、Bチャンネルを有する。濃淡画像を構成する各画素は、Rチャンネル、Gチャンネル、Bチャンネルのそれぞれの画素値を割り当てられる。各画素の色は、Rチャンネル、Gチャンネル、Bチャンネルのそれぞれの画素値を合成したR、G、Bの合成色になる。画素値は、0以上、225以下の範囲内のいずれかの整数で表される。画素の画素値が大きい程、当該画素の輝度が高くなり、当該画素は明るくなる。
撮像装置3とコンピュータシステムCSとの間の通信は、通信線を介した有線通信、又は無線信号を用いた無線通信によって行われる。有線通信は、例えばツイストペアケーブル、専用通信線、またはLAN(Local Area Network)ケーブルなどを介した有線通信である。無線通信は、例えばWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)又は免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)等の規格に準拠した無線通信、あるいは赤外線通信などの無線通信である。
(2.4)塗装検査装置
(2.4.1)画像取得部
画像取得部2cは、撮像装置31~37から濃淡画像G1~G7(図5参照)の各データを取得するインタフェース機能を有する。画像取得部2cは、濃淡画像G1~G7の各データを記憶部2dに格納する。すなわち、記憶部2dは、撮像装置31~37のそれぞれから取得した7つの濃淡画像G1~G7の各データを記憶する。以降、濃淡画像G1~G7を区別しない場合、濃淡画像GNと称すことがある(Nは、1以上、7以下の整数)。
図6は、濃淡画像GNの一例を示す。濃淡画像GNは、検査物9の塗装面9aが写っている検査領域R9をそれぞれ含む。検査領域R9を構成する各画素の画素値は、検査領域R9以外の領域を構成する各画素の画素値よりも高くなる傾向にある。
(2.4.2)記憶部
記憶部2dは、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)若しくはフラッシュメモリなどの書き換え可能な不揮発性メモリを有することが好ましい。
(2.4.3)ヒストグラム作成部
ヒストグラム作成部2eは、濃淡画像GNにエッジ検出処理などを施すことで、濃淡画像GNにおいて検査領域R9を抽出する。そして、ヒストグラム作成部2eは、濃淡画像GNの検査領域R9における画素値の度数分布を、図7に示すヒストグラムHN(Nは、1以上、7以下の整数)として作成する。ヒストグラムHNは、図7に示すように、Rチャンネルの波長別ヒストグラムHrN、Gチャンネルの波長別ヒストグラムHgN、Bチャンネルの波長別ヒストグラムHbNを有する。図8は、波長別ヒストグラムHr1、Hr2、Hr3、Hr4、Hr5、Hr6、Hr7を示す。このように、波長が異なる3つの光のそれぞれに対応する3つの波長別ヒストグラムHrN、HgN、HbNを生成することで、1回の撮影で多数のヒストグラムを作成できる。なお、以降の「波長別ヒストグラムHmN」の表記は、波長別ヒストグラムHrN、HgN、HbNのいずれかを示す。
上述のヒストグラム作成部2eは、7つの撮像角度θ1~θ7のそれぞれに対応するヒストグラムH1~H7を作成する。ヒストグラムH1は撮像角度θ1に対応する。ヒストグラムH2は撮像角度θ2に対応する。ヒストグラムH3は撮像角度θ3に対応する。ヒストグラムH4は撮像角度θ4に対応する。ヒストグラムH5は撮像角度θ5に対応する。ヒストグラムH6は撮像角度θ6に対応する。ヒストグラムH7は撮像角度θ7に対応する。ヒストグラム作成部2eは、ヒストグラムH1~H7の各データを記憶部2dに格納する。
(2.4.4)分類部
分類部2fは、ヒストグラムHNの形状を、図9に示す予め決められた複数のパターンP1、P2、P3、P4、………のいずれかに分類する。すなわち、分類部2fは、ヒストグラムH1~H7の各形状を、複数のパターンP1、P2、P3、P4、………のいずれかに分類する。具体的に、Rチャンネルの波長別ヒストグラムHrN、Gチャンネルの波長別ヒストグラムHgN、Bチャンネルの波長別ヒストグラムHbNの各形状を、複数のパターンP1、P2、P3、P4、………のいずれかに分類する。
パターンP1は、1つのピークを備えるヒストグラムである。パターンP2は、2つのピークを備えるヒストグラムである。パターンP3は、3つのピークを備えるヒストグラムである。パターンP4は、4つのピークを備えるヒストグラムである。パターンP2、P3、P4、………は、各パターンに含まれる2つ以上のピークの相対関係によって更に細分化される。例えば、パターンP2は、パターンP21、P22に細分化される。パターンP3は、パターンP31~P34に細分化される。パターンP4は、パターンP41~P48に細分化される。
(2.4.5)決定部
決定部2gは、複数のパターンP1、P2、P3、P4、………のうち、ヒストグラムH1~H7のそれぞれが分類されたパターン毎に、7つの撮像角度θ1~θ7のうち当該パターンに対応する少なくとも1つの撮像角度を、塗装面9aの検査時に塗装面9aを撮像する検査角度θsに決定する。
(2.4.6)検査判定部
検査判定部2hは、検査角度θsで塗装面9aを撮像した濃淡画像を用いて、後述の塗装検査方法を実行することで、塗装面9aの良否を判定する。
(2.4.7)表示部、及び操作部
表示部2aは、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどであり、濃淡画像、ヒストグラム、及び検査判定結果などを表示する。検査者は、表示部2aに表示された濃淡画像、ヒストグラム、及び検査判定結果を見ることで、塗装検査支援及び塗装検査の各過程及び各結果を視覚的に認識できる。
操作部2bは、検査者の操作を受け付けるユーザインタフェース機能を有する。操作部2bは、タッチパネルディスプレイ、キーボード、及びマウスなどの少なくとも1つを有する。検査者は、上述のコンピュータシステムCSの起動、塗装検査支援及び塗装検査の開始及び終了、並びに表示部2aの表示制御などを行うための操作を、操作部2bに対して行う。
(3)塗装検査支援方法の詳細
以下、塗装検査システム1を用いた塗装検査支援方法について詳述する。本実施形態の塗装検査支援方法をまとめると、図1のフローチャートで表される。
(3.1)撮像ステップ
まず、撮像ステップS1では、撮像装置31~37のそれぞれが、撮像角度θ1~θ7で基準物の塗装面9aを撮像して、撮像角度θ1~θ7にそれぞれ対応する濃淡画像G1~G7の各データを作成する。画像取得部2cは、撮像装置31~37のそれぞれから濃淡画像G1~G7の各データを取得して、濃淡画像G1~G7の各データを記憶部2dに格納する。なお、基準物は、良品の検査物9である。
(3.2)ヒストグラム作成ステップ
次に、ヒストグラム作成ステップS2では、ヒストグラム作成部2eは、7つの濃淡画像G1~G7のそれぞれのヒストグラムH1~H7を作成する(図7参照)。具体的に、ヒストグラム作成部2eは、ヒストグラムHNとして、Rチャンネルの波長別ヒストグラムHrN、Gチャンネルの波長別ヒストグラムHgN、Bチャンネルの波長別ヒストグラムHbNを作成する。
すなわち、ヒストグラム作成ステップS2は、ヒストグラムHNとして、波長が異なる少なくとも2つの光のそれぞれに対応する少なくとも2つの波長別ヒストグラムを生成することが好ましい。また、波長が異なる少なくとも2つの光は、青色光、緑色光、及び赤色光を含むことが好ましい。
(3.3)分類ステップ
次に、分類ステップS3では、分類部2fは、ヒストグラムH1~H7の各形状を、複数のパターンP1、P2、P3、P4、………(図9参照)のいずれかに分類する。ここでは、ヒストグラム作成部2eは、Rチャンネルの波長別ヒストグラムHrN、Gチャンネルの波長別ヒストグラムHgN、Bチャンネルの波長別ヒストグラムHbNの各形状を、複数のパターンP1、P2、P3、P4、………のいずれかに分類する。
分類ステップS3は、波長別ヒストグラムHmNの形状を、波長別ヒストグラムHmNの度数分布に生じるピークに基づいて、複数のパターンP1、P2、P3、P4、………のいずれかに分類することが好ましい。具体的に、分類ステップS3は、波長別ヒストグラムHmNの形状を、波長別ヒストグラムHmNの度数分布に生じるピークの数に基づいて、複数のパターンP1、P2、P3、P4、………のいずれかに分類することが好ましい。また、分類ステップS3は、ピークを複数有する波長別ヒストグラムHmNの形状を、波長別ヒストグラムHmNの度数分布に生じる複数のピークの重なり具合に基づいて、複数のパターンP1、P2、P3、P4、………のいずれかに分類することが好ましい。
図10は、分類ステップS3において波長別ヒストグラムHmNの形状を分類する処理(分類部2fによる分類処理)を示すフローチャートである。
分類部2fは、波長別ヒストグラムHmNに生じているピークの数をピーク数としてカウントする(ステップS11)。例えば図11Aに示すように、分類部2fは、波長別ヒストグラムHmNの度数分布の山B1を検出する。そして、分類部2fは、山B1の頂D1における度数C1と山B1の裾D2の度数C2との比率に基づいて、山B1がピークであるか否かを判定する。度数C1は、山B1における度数の最大値である。また、度数C2は、山B1の両側のそれぞれで傾きが緩やかになる2つの点のうち、度数が大きい一方の点を裾D2とする。そして、分類部2fは、度数C1を度数C2で除した値[C1/C2]を求め、[C1/C2]がピーク閾値以下であるか否かを判定する。分類部2fは、[C1/C2]がピーク閾値より大きければ、山B1をピークA1として検出し、ピーク数をインクリメントする。分類部2fは、[C1/C2]がピーク閾値未満であれば、山B1をピークとして検出せず、ピーク数を現状の値に維持する。ピーク閾値は、例えば1.15に予め設定されている。このように、分類部2fは、度数C1、C2に基づいてピークを検出することで、波長別ヒストグラムHmNのピークを定量的に検出できる。
なお、分類部2fは、山B1の裾D2を以下のように検出する。図11Bに示すように、隣り合う2つの画素値に対応する山B1の2点間における傾き(山B1の隣り合う2つの画素値の間における度数の傾きの絶対値)をFとする。山B1の点E4で度数が最大値となるので、点E4が頂D1になる。点E4の左側(画素値が減少する側)では、点E3、E2、E1が点E4から順に存在する。点E4の右側(画素値が増加する側)では、点E5、E6が点E4から順に存在する。そして、点E4の左側では、点E2-E3間の傾きF2は傾き閾値以上であるが、点E1-E2間の傾きF1は傾き閾値未満になっている。したがって、点E4の左側では、点E2が山B1の裾候補になる。また、点E4の右側では、点E4-E5間の傾きF5は傾き閾値以上であるが、点E5-E6間の傾きF6は傾き閾値未満になっている。したがって、点E4の右側では、点E5が山B1の裾候補になる。そして、裾候補である点E2、E5のうち、度数が大きいほうの点E2を裾D2とする。傾き閾値は、例えば20度に予め設定されている。
次に、分類部2fは、ピーク数が1であるか否かを判定する(ステップS12)。分類部2fは、ピーク数が1であれば、波長別ヒストグラムHmNをパターンP1に分類する(ステップS13)。
分類部2fは、ピーク数が2以上であれば、2つ以上のピークが完全分離ピークであるか否かを判定する(ステップS14)。波長別ヒストグラムHmNに生じている2つ以上のピークが十分に分離されていれば、分類部2fは、これらの2つ以上のピークは、完全分離可能な複数のピーク、すなわち完全分離ピークであると判定する(ステップS15)。例えば、図12Aに示す波長別ヒストグラムHmNに生じている2つのピークA2、A3は、十分に分離されており、完全分離ピークである。一方、図12Bに示す波長別ヒストグラムHmNに生じている2つのピークA4、A5は、十分に分離されておらず、完全分離ピークではない。
具体的に、波長別ヒストグラムHmNが、図13に示すように2つのピークA6、A7を有するとする。この場合、分類部2fは、ピークA6の頂D6の度数C6と、ピークA7の頂D7の度数C7とを比較し、度数C6、C7のうち、小さいほうの度数C7を採用する。また、分類部2fは、ピークA6とピークA7との間の谷J8の度数C8を求める。そして、分類部2fは、度数C7を度数C8で除した値[C7/C8]を求め、[C7/C8]が分離閾値より大きいか否かを判定する。分類部2fは、[C7/C8]が分離閾値より大きければ、ピークA6、A7は完全分離ピークであると判定する。分類部2fは、[C7/C8]が分離閾値以下であれば、ピークA6、A7は完全分離ピークでないと判定する。分離閾値は、例えば1.15に予め設定されている。このように、分類部2fは、度数C7、C8に基づいてピークの重なり具合を検出することで、波長別ヒストグラムHmNのピークの重なり具合を定量的に判定できる。なお、波長別ヒストグラムHmNが3つ以上のピークを有するときも、上記同様に完全分離ピークの判定処理を行うことができる。
分類部2fは、ステップS14で2つ以上のピークが完全分離ピークでないと判定すれば、2つ以上のピークが重複ピークであるか否かを判定する(ステップS16)。波長別ヒストグラムHmNに生じている2つ以上のピークが、互いに独立したピークであるとみなせる程度に重なっていれば、分類部2fは、これらの2つ以上のピークは、重複している複数のピーク、すなわち重複ピークであると判定する(ステップS17)。例えば、図14Aに示す波長別ヒストグラムHmNに生じている2つのピークA11、A12は、互いに独立したピークであるとみなせる程度に重なっており、重複ピークである。一方、図14Bに示す波長別ヒストグラムHmNに生じている2つのピークA13、A14は、互いに独立したピークであるとみなすことができず、重複ピークではない。
具体的に、波長別ヒストグラムHmNが、図15に示すように2つのピークA15、A16を有するとする。この場合、分類部2fは、ピークA15の頂D15の度数C15と、ピークA16の頂D16の度数C16とを比較し、度数C15、C16のうち、小さいほうの度数C16を採用する。また、分類部2fは、ピークA15とピークA16との間の谷J17の度数C17を求める。そして、分類部2fは、度数C16を度数C17で除した値[C16/C17]を求め、[C16/C17]が重複閾値より大きいか否かを判定する。分類部2fは、[C16/C17]が重複閾値より大きければ、ピークA15、A16は重複ピークであると判定する。分類部2fは、[C16/C17]が重複閾値以下であれば、ピークA15、A16は重複ピークでないと判定する。分離閾値は、例えば1.5に予め設定されている。なお、波長別ヒストグラムHmNが3つ以上のピークを有するときも、上記同様に重複ピークの判定処理を行うことができる。
分類部2fは、ステップS16で2つ以上のピークが重複ピークでないと判定すれば、ピーク数を再カウントする(ステップS18)。すなわち、分類部2fは、完全分離ピーク又は重複ピークとみなされなかった2つ以上のピークを単一のピークとして扱って、ピーク数を再定義する。例えば、図16の上側に示す波長別ヒストグラムHmNは、3つのピークA21~A23を有する。このとき、分類部2fは、波長別ヒストグラムHmNのピーク数を3としている。しかし、分類部2fは、2つのピークA21、A22を完全分離ピーク及び重複ピークのいずれともみなさず、図16の下側の波長別ヒストグラムHmNに示すように、2つのピークA21、A22を1つのピークA24として再定義する。そして、分類部2fは、波長別ヒストグラムHmNのピーク数を3から2に変更する。そして、分類部2fは、ステップS12以降の処理を再び実行する。
なお、図10のフローチャートのステップS13では、波長別ヒストグラムHmNは、パターンP1(図9参照)に分類される。ステップS15では、波長別ヒストグラムHmNは、パターンP21、P31、P41、…(図9参照)のいずれかに分類される。ステップS17では、波長別ヒストグラムHmNは、パターンP22、P32~P34、P42~P48、…(図9参照)のいずれかに分類される。
(3.4)決定ステップ
決定ステップS4では、決定部2gは、複数のパターンP1、P2、P3、P4、………のうち、複数の波長別ヒストグラムHmNのそれぞれが分類されたパターン毎に、7つの撮像角度θ1~θ7のうち当該パターンに対応する少なくとも1つの撮像角度を、塗装面の検査時に塗装面を撮像する検査角度θsに決定する。
例えば、全ての波長別ヒストグラムHmNに対して上記分類ステップS3の処理を実行した結果、波長別ヒストグラムHmNのそれぞれは、図17に示すようにパターンP1、P21、P22のいずれかに分類されたとする。決定部2gは、パターンP1、P21、P22のそれぞれにおいて、7つの撮像角度θ1~θ7から少なくとも1つの撮像角度を、検査角度θsとして選択する。なお、波長別ヒストグラムHmNは撮像角度θNに対応する。
具体的に、Rチャンネルの波長別ヒストグラムHrNの各形状を分類した結果、図17の上段に示すように、パターンP1に撮像角度θ2、θ3、θ7が対応付けられ、パターンP21に撮像角度θ1が対応付けられ、パターンP22に撮像角度θ4、θ5、θ6が対応付けられている。
また、Gチャンネルの波長別ヒストグラムHgNの各形状を分類した結果、図17の中段に示すように、パターンP1に撮像角度θ2、θ7が対応付けられ、パターンP21に撮像角度θ1が対応付けられ、パターンP22に撮像角度θ3、θ4、θ5、θ6が対応付けられている。
また、Bチャンネルの波長別ヒストグラムHbNの各形状を分類した結果、図17の下段に示すように、パターンP1に撮像角度θ2、θ3、θ6、θ7が対応付けられ、パターンP21に撮像角度θ1が対応付けられ、パターンP22に撮像角度θ4、θ5が対応付けられている。
そして、決定部2gは、パターンP1、P21、P22のそれぞれについて、7つの撮像角度θ1~θ7から少なくとも1つの撮像角度を選択する。このとき、パターンP1について、7つの撮像角度θ1~θ7から少なくとも1つの撮像角度を選択する手順と、パターンP2、P3、P4、………について、7つの撮像角度θ1~θ7から少なくとも1つの撮像角度を選択する手順とは異なる。
具体的に、決定部2gは、パターンP1に分類された波長別ヒストグラムHmNから、特徴値Kdを求める。特徴値Kdは、パターンP1に分類された波長別ヒストグラムHmNが有する1つのピークA31の頂の度数である。例えば図18Aでは、特徴値Kdは、ピークA31の頂の度数C31である。そして、決定部2gは、パターンP1に分類された波長別ヒストグラムHmNの各撮像角度θNうち、最大の特徴値Kdに対応する撮像角度θNを、検査角度θsとして決定する。また、決定部2gは、特徴値Kdが同値となる少なくとも2つの波長別ヒストグラムHmNがあれば、少なくとも2つの波長別ヒストグラムHmNの各撮像角度θNのうち、最小の撮像角度θNを選択する。なお、決定部2gは、パターンP1に分類された波長別ヒストグラムHmNのうち、特徴値Kdが大きい上位2つ以上の波長別ヒストグラムHmNの撮像角度θNのそれぞれを、検査角度θsとして決定してもよい。
また、決定部2gは、パターンP2、P3、P4、………のそれぞれに分類された波長別ヒストグラムHmNから、特徴値Keを求める。特徴値Keは、パターンP2、P3、P4、………のいずれかに分類された波長別ヒストグラムHmNが有する複数のピークの各頂の度数のうち、最大の度数を最小の度数で除した値である。例えば図18Bに示す3つのピークA32~A34を有する波長別ヒストグラムHmNでは、最大のピークA34の度数C34を最小のピークA32の度数C32で除した値[C34/C32]である。そして、決定部2gは、パターンP2、P3、P4、………毎に、最小の特徴値Kdを有する波長別ヒストグラムHmNの撮像角度θNを、検査角度θsとして決定する。また、決定部2gは、特徴値Keが同値となる少なくとも2つの波長別ヒストグラムHmNがあれば、少なくとも2つの波長別ヒストグラムHmNの各撮像角度θNのうち、最小の撮像角度θNを選択する。なお、決定部2gは、パターンP2、P3、P4、………のいずれかに分類された波長別ヒストグラムHmNのうち、特徴値Keが小さい上位2つ以上の波長別ヒストグラムHmNの撮像角度θNのそれぞれを、検査角度θsとして決定してもよい。
図17では、パターンP1に分類された波長別ヒストグラムHr2、Hr3、Hr7、Hg2、Hg7、Hb2、Hb3、Hb6、Hb7の各撮像角度θ2、θ3、θ6、θ7のうち、最大の特徴値Kd「13800」に対応する撮像角度θ3が、検査角度θsとなる。また、パターンP21に分類された波長別ヒストグラムHr1、Hg1、Hb1のそれぞれの特徴値Keのうち、最小の特徴値Ke「3.0」に対応する撮像角度θ1が、検査角度θsとなる(この場合、パターンP21に分類された全ての波長別ヒストグラムHr1、Hg1、Hb1は撮像角度θ1に対応するので、パターンP21の検査角度θsは一義的に撮像角度θ1となる)。また、パターンP22に分類された波長別ヒストグラムHr4、Hr5、Hr6、Hg3、Hg4、Hg5、Hg6、Hb4、Hb5のそれぞれの特徴値Keのうち、最小の特徴値Ke「1.1」に対応する撮像角度θ6が、検査角度θsとなる。すなわち、図17では、3つの撮像角度θ1、θ3、θ6のそれぞれが検査角度θsとなる。
上述の塗装検査支援方法は、複数の波長別ヒストグラムHmNのそれぞれが分類されたパターンP1、P2、P3、P4、………毎に、7つの撮像角度θ1~θ7のうち当該パターンに対応する少なくとも1つの撮像角度を、塗装面9aの検査時に塗装面9aを撮像する検査角度θsに決定する。この結果、塗装検査支援方法は、濃淡画像から作成したヒストグラムを用いて、塗装検査の精度の向上を図ることができる。
また、上述の塗装検査支援方法では、7つの撮像角度θ1~θ7の一部を塗装検査時の撮像に用いる検査角度θsとすることで、検査角度θsの数は、当初の7つの撮像角度θ1~θ7の数より少なくなる。この結果、検査角度θsの数を必要最小限とすることができ、塗装検査に要する時間を短縮できる。
(3.5)鏡面反射
また、ヒストグラム作成ステップS2では、ヒストグラム作成部2eは、濃淡画像GNの各画素を、鏡面反射光による画素、及び拡散反射光による画素のいずれかに分類することが好ましい。さらに、ヒストグラム作成部2eは、鏡面反射光による画素の画素値、及び拡散反射光による画素の画素値のうち、拡散反射光による画素の画素値を用いてヒストグラムHNを作成することが好ましい。
塗装面9aに照射された照明光が塗装面9aの表面で鏡面反射すると、濃淡画像GNでは、ハレーションによって検査領域R9に画素値が極めて大きい領域が生じてしまう。この結果、ヒストグラムHNの形状に鏡面反射による画素値の度数が反映されてしまい、ヒストグラムHNの形状を正確に分類することが困難になる。例えば、図19A~図19Cのそれぞれの左側に示す波長別ヒストグラムHrN、HgN、HbNは、鏡面反射光による画素による鏡面反射成分8r、8g、8bをそれぞれ含んでいる。
そこで、ヒストグラム作成部2eは、図19A~図19Cのそれぞれの右側に示す波長別ヒストグラムHrN、HgN、HbNのように、鏡面反射による度数が反映されやすい画素値の下限を画素閾値L1とし、画素閾値L1より大きい画素値の度数を0にするフィルタ処理を行う。そして、分類部2fは、フィルタ処理を施した波長別ヒストグラムHrN、HgN、HbNに対して分類処理を行う。この結果、鏡面反射による影響を抑えて、ヒストグラムHNの形状を正確に分類することができる。
(4)塗装検査方法の詳細
塗装検査システム1は、上述の塗装検査支援方法で決定した検査角度θsを用いて、検査物9の塗装面9aの検査を行う。
(4.1)準備段階
図20は、塗装検査システム1が行う塗装検査方法のうち準備段階の処理を示すフローチャートである。塗装検査方法の準備段階は、基準撮像ステップS21、基準ヒストグラム作成ステップS22、及び基準記憶ステップS23を含む。
基準撮像ステップS21では、撮像装置31~37のうち、検査角度θsに対応する撮像装置3が基準物の塗装面9aを撮像し、検査角度θsに対応する基準濃淡画像を作成する。画像取得部2cは、検査角度θsに対応する撮像装置3から基準濃淡画像のデータを取得して、基準濃淡画像のデータを記憶部2dに格納する。なお、基準物は、良品の検査物9である。
次に、基準ヒストグラム作成ステップS22では、ヒストグラム作成部2eは、基準濃淡画像のヒストグラムとして、図22Aに示す基準ヒストグラムSHNを作成する。具体的に、ヒストグラム作成部2eは、基準ヒストグラムSHNとして、Rチャンネルの波長別基準ヒストグラムSHrN、Gチャンネルの波長別基準ヒストグラムSHgN、Bチャンネルの波長別基準ヒストグラムSHbNを作成する。
次に、基準記憶ステップS23では、基準ヒストグラムSHN(波長別基準ヒストグラムSHrN、SHgN、SHbN)のデータを記憶部2dに格納する。
(4.2)検査段階
図21は、塗装検査システム1が行う塗装検査方法のうち検査段階の処理を示すフローチャートである。塗装検査方法の検査段階は、検査撮像ステップS31、検査ヒストグラム作成ステップS32、検査記憶ステップS33、及び検査判定ステップS34を含む。
検査撮像ステップS31では、撮像装置31~37のうち、検査角度θsに対応する撮像装置3が検査対象物の塗装面9aを撮像し、検査角度θsに対応する検査濃淡画像を作成する。画像取得部2cは、検査角度θsに対応する撮像装置3から検査濃淡画像のデータを取得して、検査濃淡画像のデータを記憶部2dに格納する。なお、検査対象物は、良品及び不良品が混在している検査物9であり、例えば出荷される前の製品である。
次に、検査ヒストグラム作成ステップS32では、ヒストグラム作成部2eは、検査濃淡画像のヒストグラムとして、図22Bに示す検査ヒストグラムIHNを作成する。具体的に、ヒストグラム作成部2eは、検査ヒストグラムIHNとして、Rチャンネルの波長別検査ヒストグラムIHrN、Gチャンネルの波長別検査ヒストグラムIHgN、Bチャンネルの波長別検査ヒストグラムIHbNを作成する。
次に、検査記憶ステップS33では、検査ヒストグラムIHN(波長別検査ヒストグラムIHrN、IHgN、IHbN)のデータを記憶部2dに格納する。
次に、検査判定ステップS34では、検査判定部2hは、記憶部2dから基準ヒストグラムSHN(図22A参照)及び検査ヒストグラムIHN(図22B参照)の各データを読み出して、基準ヒストグラムSHNと検査ヒストグラムIHNとの差分を求める。具体的に、検査判定部2hは、画素値毎に、Rチャンネルの差分、Gチャンネルの差分、及びBチャンネルの差分を求める。Rチャンネルの差分は、波長別基準ヒストグラムSHrNの度数から波長別検査ヒストグラムIHrNの度数を引いた値である。Gチャンネルの差分は、波長別基準ヒストグラムSHgNの度数から波長別検査ヒストグラムIHgNの度数を引いた値である。Bチャンネルの差分は、波長別基準ヒストグラムSHbNの度数から波長別検査ヒストグラムIHbNの度数を引いた値である。図23は、基準ヒストグラムSHNと検査ヒストグラムIHNとの差分Yr、Yg、Ybを表す。差分Yrは、波長別基準ヒストグラムSHrNの度数と波長別検査ヒストグラムIHrNとの差分である。差分Ygは、波長別基準ヒストグラムSHgNの度数と波長別検査ヒストグラムIHgNとの差分である。差分Ybは、波長別基準ヒストグラムSHbNの度数と波長別検査ヒストグラムIHbNとの差分である。
そして、検査判定部2hは、検査角度θsのそれぞれにおいて基準ヒストグラムSHNと検査ヒストグラムIHNとの差分を求め、検査角度θsのそれぞれに対応する差分に基づいて、検査対象物の塗装面9aの良否を判定する。例えば、検査判定部2hは、検査角度θsにおける各差分の合計が予め決められた検査閾値未満であれば、検査対象物は良品であると判定する。検査判定部2hは、検査角度θsにおける各差分の合計が検査閾値以上であれば、検査対象物は不良品であると判定する。
上述の塗装検査方法は、濃淡画像から作成したヒストグラムを用いて、塗装検査の精度の向上を図ることができる。
また、上述の塗装検査方法は、必要最低限の検査角度θsによる検査を行うので、より迅速な検査が可能になり、検査時間の短縮を実現できる。また、必要最低限の検査角度θsによる検査を行うことによって、コンピュータシステムCSの演算量も抑制され、演算負荷が低減する。また、ヒストグラムを用いた塗装面9aの検査を行うことで、塗装面9aの状態を定量的に判定できる。
(5)具体例
(5.1)第1具体例
7つの撮像角度θ1~θ7で上述の塗装検査支援方法を行った結果の第1具体例を[表1]に示す。[表1]では、波長別ヒストグラムHmNの各形状が、3つのパターンP1、P21、P22(図9参照)のいずれかに分類され、波長別ヒストグラムHmNの各特徴値Kd又は特徴値Keが求められている。この場合、パターンP1に分類された波長別ヒストグラムHmNのうち、最大の特徴値Kdを有する波長別ヒストグラムHg1の撮像角度θ1を、検査角度θsとする。また、パターンP21に分類された波長別ヒストグラムHmNのうち、最小の特徴値Keを有する波長別ヒストグラムHr1の撮像角度θ1を、検査角度θsとする。また、パターンP22に分類された波長別ヒストグラムHmNのうち、最小の特徴値Keを有する波長別ヒストグラムHr5の撮像角度θ5を、検査角度θsとする。すなわち、撮像角度θ1、θ5のそれぞれが検査角度θsとなる。
Figure 0007470929000001
そして、塗装検査方法は、検査角度θsとして2つの撮像角度θ1、θ5を用いる。検査角度θsとして2つの撮像角度θ1、θ5を用いることで、検査角度θsとして7つの撮像角度θ1~θ7を用いる場合に比べて、検査時間が短縮され、演算量が2/7程度になる。
(5.2)第2具体例
7つの撮像角度θ1~θ7で上述の塗装検査支援方法を行った結果の第2具体例を[表2]に示す。[表2]では、波長別ヒストグラムHmNの各形状が、3つのパターンP1、P21、P22(図9参照)のいずれかに分類され、波長別ヒストグラムHmNの各特徴値Kd又は特徴値Keが求められている。この場合、パターンP1に分類された波長別ヒストグラムHmNのうち、最大の特徴値Kdを有する波長別ヒストグラムHr3の撮像角度θ3を、検査角度θsとする。また、パターンP21に分類された波長別ヒストグラムHmNのうち、最小の特徴値Keを有する波長別ヒストグラムHb1の撮像角度θ1を、検査角度θsとする。また、パターンP22に分類された波長別ヒストグラムHmNのうち、最小の特徴値Keを有する波長別ヒストグラムHr5の撮像角度θ5を、検査角度θsとする。すなわち、撮像角度θ1、θ3、θ5のそれぞれが検査角度θsとなる。
Figure 0007470929000002
そして、塗装検査方法は、検査角度θsとして3つの撮像角度θ1、θ3、θ5を用いる。検査角度θsとして3つの撮像角度θ1、θ3、θ5を用いることで、検査角度θsとして7つの撮像角度θ1~θ7を用いる場合に比べて、検査時間が短縮され、演算量が3/7程度になる。
(5.3)第3具体例
13個の撮像角度θ1~θ13で上述の塗装検査支援方法を行った結果の第3具体例を[表3]に示す。[表3]では、波長別ヒストグラムHmNの各形状が、1つのパターンP31(図9参照)に分類され、波長別ヒストグラムHmNの各特徴値Keが求められている。この場合、パターンP1に分類された波長別ヒストグラムHmNのうち、最大の特徴値Kdを有する波長別ヒストグラムHg9の撮像角度θ9を、検査角度θsとする。すなわち、撮像角度θ9が検査角度θsとなる。
Figure 0007470929000003
そして、塗装検査方法は、検査角度θsとして1つの撮像角度θ9を用いる。検査角度θsとして1つの撮像角度θ9を用いることで、検査角度θsとして13個の撮像角度θ1~θ13を用いる場合に比べて、検査時間が短縮され、演算量が1/13程度になる。
(6)変形例
図24は、塗装検査システム1の撮像装置3及び照明装置4の変形例を示す、図24では、塗装検査システム1は、1つの撮像装置3、及び7つの照明装置4として照明装置41~47を備える。照明装置41~47は、検査物9に対して互いに異なる角度で塗装面9aに照明光を照射する。この場合、照明装置41~47の各光軸41a~47aと撮像装置3の光軸3aとが、X-Z平面上になす角度を、撮像角度θ1~θ7とする。このように、撮像角度(θN:θ1~θ7)毎に照明装置4を設けることで、照明装置4を移動させる必要がなく、処理時間を短縮できる。
また、塗装検査システム1は、1つの撮像装置3、及び1つの照明装置4を備えてもよい。この場合、撮像装置3及び照明装置4の少なくとも一方を移動させることで、撮像角度を切り替えることができる。
また、上述の塗装検査支援方法において、分類ステップS3の処理は、検査者が表示部2aに表示されたヒストグラムH1~H7を見て、ヒストグラムH1~H7の各形状をパターンP1、P2、P3、P4、…)のいずれかに分類してもよい。
また、上述の塗装検査支援方法において、決定ステップS4の処理は、検査者が表示部2aに表示されたヒストグラムH1~H7の各パターン、及び特徴値Kd、Keを見て、7つの撮像角度θ1~θ7から少なくとも1つの検査角度θsを選択してもよい。
また、検査に用いるヒストグラムとして、Rチャンネルの波長別ヒストグラムHrN、Gチャンネルの波長別ヒストグラムHgN、Bチャンネルの波長別ヒストグラムHbNを合成した可視光のヒストグラムを用いてもよい。
また、撮像装置3は、モノクロの濃淡画像を撮像してもよい。
また、コンピュータシステムCSの少なくとも一部は、クラウドコンピューティング技術によって実現されてもよい。
(7)まとめ
上述の実施形態に係る第1の態様の塗装検査支援方法は、撮像ステップ(S1)と、ヒストグラム作成ステップ(S2)と、分類ステップ(S3)と、決定ステップ(S4)と、を含む。撮像ステップ(S1)は、複数の撮像角度(θN:θ1~θ7)のそれぞれで塗装面(9a)を撮像することで、複数の撮像角度(θN:θ1~θ7)のそれぞれに対応する複数の濃淡画像(GN:G1~G7)を作成する。ヒストグラム作成ステップ(S2)は、複数の濃淡画像(GN:G1~G7)のそれぞれの画素値の度数分布を、複数の撮像角度(θN:θ1~θ7)のそれぞれに対応する複数のヒストグラム(HN:H1~H7)として作成する。分類ステップ(S3)は、複数のヒストグラム(HN:H1~H7)の各形状を、予め決められた複数のパターン(P1、P2、P3、P4、…)のいずれかに分類する。決定ステップ(S4)は、複数のパターン(P1、P2、P3、P4、…)のうち、複数のヒストグラム(HN:H1~H7)のそれぞれが分類されたパターン毎に、複数の撮像角度(θN:θ1~θ7)のうち当該パターンに対応する少なくとも1つの撮像角度を、塗装面(9a)の検査時に塗装面(9a)を撮像する検査角度(θs)とする。
上述の塗装検査支援方法は、濃淡画像から作成したヒストグラムを用いて、塗装検査の精度の向上を図ることができる。
上述の実施形態に係る第2の態様の塗装検査支援方法では、第1の態様において、分類ステップ(S3)は、複数のヒストグラム(HN:H1~H7)の各形状を、度数分布に生じるピークに基づいて、複数のパターン(P1、P2、P3、P4、…)のいずれかに分類することが好ましい。
上述の塗装検査支援方法は、複数のヒストグラム(HN:H1~H7)の各形状を容易に分類できる。
上述の実施形態に係る第3の態様の塗装検査支援方法では、第2の態様において、分類ステップ(S3)は、複数のヒストグラム(HN:H1~H7)の各形状を、度数分布に生じるピークの数に基づいて、複数のパターン(P1、P2、P3、P4、…)のいずれかに分類することが好ましい。
上述の塗装検査支援方法は、複数のヒストグラム(HN:H1~H7)の各形状を容易に分類できる。
上述の実施形態に係る第4の態様の塗装検査支援方法では、第3の態様において、分類ステップ(S3)は、複数のヒストグラム(HN:H1~H7)のそれぞれにおいて、度数分布の山(B1)があれば、山(B1)の頂(D1)における度数(C1)と山(B1)の裾(D2)の度数(C2)との比率に基づいて、山(B1)がピーク(A1)であるか否かを判定することが好ましい。
上述の塗装検査支援方法は、ヒストグラム(HN)のピークを定量的に検出できる。
上述の実施形態に係る第5の態様の塗装検査支援方法では、第2乃至第4の態様のいずれか1つにおいて、分類ステップ(S3)は、複数のヒストグラム(HN:H1~H7)のうち、ピークを複数有するヒストグラムの形状を、数のピークの重なり具合に基づいて、複数のパターン(P1、P2、P3、P4、…)のいずれかに分類する。
上述の塗装検査支援方法は、複数のヒストグラム(HN:H1~H7)の各形状を容易に分類できる。
上述の実施形態に係る第6の態様の塗装検査支援方法では、第5の態様において、分類ステップ(S3)は、複数のピーク(A6、A7)の各間の谷(J8)の度数(C8)と、谷(J8)の両側の2つのピーク(A6、A7)のうち低いピーク(A7)の度数(C7)との比率に基づいて、複数のピーク(A6、A7)の重なり具合を判定することが好ましい。
上述の塗装検査支援方法は、複数のピーク(A6、A7)の重なり具合を定量的に判定できる。
上述の実施形態に係る第7の態様の塗装検査支援方法では、第1乃至第6の態様のいずれか1つにおいて、ヒストグラム作成ステップ(S2)は、ヒストグラムとして、波長が異なる少なくとも2つの光のそれぞれに対応する少なくとも2つの波長別ヒストグラム(HrN、HgN、HbN)を生成することが好ましい。
上述の塗装検査支援方法は、1回の撮影で多数のヒストグラムを作成できる。
上述の実施形態に係る第8の態様の塗装検査支援方法では、第7の態様において、波長が異なる少なくとも2つの光は、青色光、緑色光、及び赤色光を含むことが好ましい。
上述の塗装検査支援方法は、1回の撮影で青色光、緑色光、及び赤色光のそれぞれに対応する多数のヒストグラムを作成できる。
上述の実施形態に係る第9の態様の塗装検査支援方法では、第1乃至第8の態様のいずれか1つにおいて、ヒストグラム作成ステップ(S2)は、複数の濃淡画像(GN:G1~G7)のそれぞれの各画素を、鏡面反射光による画素、及び拡散反射光による画素のいずれかに分類することが好ましい。
上述の塗装検査支援方法は、鏡面反射による影響を抑えて、ヒストグラムの形状を正確に分類することができる。
上述の実施形態に係る第10の態様の塗装検査支援方法では、第9の態様において、ヒストグラム作成ステップ(S2)は、鏡面反射光による画素の画素値、及び拡散反射光による画素値のうち、拡散反射光による画素値を用いて複数のヒストグラム(HN:H1~H7)を作成することが好ましい。
上述の塗装検査支援方法は、鏡面反射による影響を抑えて、ヒストグラムの形状を正確に分類することができる。
上述の実施形態に係る第11の態様の塗装検査支援方法では、第1乃至第10の態様のいずれか1つにおいて、ヒストグラム作成ステップ(S2)は、複数の濃淡画像(GN:G1~G7)のそれぞれにおいて塗装面(9a)が写っている検査領域(R9)の度数分布を、複数のヒストグラム(HN:H1~H7)として作成することが好ましい。
上述の塗装検査支援方法は、実際の塗装面(9a)の状態をヒストグラムに精度よく反映できる。
上述の実施形態に係る第12の態様の塗装検査方法は、基準撮像ステップ(S21)と、基準ヒストグラム作成ステップ(S22)と、を含む。基準撮像ステップ(S21)は、第1乃至第11の態様のいずれか1つの塗装検査支援方法によって決定された検査角度(θs)で塗装面(9a)を撮像することで、検査角度(θs)に対応する基準濃淡画像を作成する。基準ヒストグラム作成ステップ(S22)は、基準濃淡画像の画素値の度数分布を、検査角度に対応する基準ヒストグラム(SHN)として作成する。
上述の塗装検査方法は、濃淡画像から作成したヒストグラムを用いて、塗装検査の精度の向上を図ることができる。
上述の実施形態に係る第13の態様の塗装検査方法は、第12の態様において、検査撮像ステップ(S31)と、検査ヒストグラム作成ステップ(S32)と、検査判定ステップ(S34)と、を含むことが好ましい。検査撮像ステップ(S31)は、検査角度(θs)で塗装面(9a)を撮像することで、検査角度(θs)に対応する検査濃淡画像を作成する。検査ヒストグラム作成ステップ(S32)は、検査濃淡画像の画素値の度数分布を、検査角度(θs)に対応する検査ヒストグラム(IHN)として作成する。検査判定ステップ(S34)は、検査ヒストグラム(IHN)と基準ヒストグラム(SHN)とを比較することで、塗装面(9a)の良否を判定する。
上述の塗装検査方法は、濃淡画像から作成したヒストグラムを用いて、塗装検査の精度の向上を図ることができる。
上述の実施形態に係る第14の態様の塗装検査装置(2)は、第12又は第13の態様の塗装検査方法を実行する検査判定部(2h)を備える。
上述の塗装検査装置(2)は、濃淡画像から作成したヒストグラムを用いて、塗装検査の精度の向上を図ることができる。
上述の実施形態に係る第15の態様の塗装検査システム(1)は、第14の態様の塗装検査装置(2)と、塗装面(9a)に光を照射する照明装置(4)と、塗装面(9a)を撮像する撮像装置(3)と、を備える。
上述の塗装検査システム(1)は、濃淡画像から作成したヒストグラムを用いて、塗装検査の精度の向上を図ることができる。
上述の実施形態に係る第16の態様の塗装検査システム(1)は、第15の態様において、撮像装置(3)を複数備え、複数の撮像装置(3)のそれぞれは、複数の撮像角度(θN:θ1~θ7)のいずれかで塗装面(9a)を撮像することが好ましい。
上述の塗装検査システム(1)は、撮像角度(θN:θ1~θ7)毎に撮像装置(3)を設けることで、撮像装置(3)を移動させる必要がなく、処理時間を短縮できる。
上述の実施形態に係る第17の態様の塗装検査システム(1)は、第15の態様において、照明装置(4)を複数備え、複数の照明装置(4)のそれぞれは、複数の撮像角度(θN:θ1~θ7)のそれぞれに応じた角度で塗装面(9a)に光を照射することが好ましい。
上述の塗装検査システム(1)は、撮像角度(θN:θ1~θ7)毎に照明装置(4)を設けることで、照明装置(4)を移動させる必要がなく、処理時間を短縮できる。
S1 撮像ステップ
S2 ヒストグラム作成ステップ
S3 分類ステップ
S4 決定ステップ
S21 基準撮像ステップ
S22 基準ヒストグラム作成ステップ
S31 検査撮像ステップ
S32 検査ヒストグラム作成ステップ
S34 検査判定ステップ
θN、θ1~θ7 撮像角度
GN、G1~G7 濃淡画像
HN、H1~H7 ヒストグラム
P1、P2、P3、P4、… パターン
θs 検査角度
A1、A6、A7 ピーク
B1 山
C1、C2、C7、C8 度数
D1 頂
D2 裾
J8 谷
R9 検査領域
HrN、HgN、HbN 波長別ヒストグラム
SHN 基準ヒストグラム
IHN 検査ヒストグラム
1 塗装検査システム
2 塗装検査装置
2h 検査判定部
3、31~37 撮像装置
4、41~47 照明装置
9a 塗装面

Claims (17)

  1. 複数の撮像角度のそれぞれで塗装面を撮像することで、前記複数の撮像角度のそれぞれに対応する複数の濃淡画像を作成する撮像ステップと、
    前記複数の濃淡画像のそれぞれの画素値の度数分布を、前記複数の撮像角度のそれぞれに対応する複数のヒストグラムとして作成するヒストグラム作成ステップと、
    前記複数のヒストグラムの各形状を、予め決められた複数のパターンのいずれかに分類する分類ステップと、
    前記複数のパターンのうち、前記複数のヒストグラムのそれぞれが分類されたパターン毎に、前記複数の撮像角度のうち当該パターンに対応する少なくとも1つの撮像角度を、前記塗装面の検査時に前記塗装面を撮像する検査角度とする決定ステップと、を含む
    塗装検査支援方法。
  2. 前記分類ステップは、前記複数のヒストグラムの各形状を、前記度数分布に生じるピークに基づいて、前記複数のパターンのいずれかに分類する
    請求項1の塗装検査支援方法。
  3. 前記分類ステップは、前記複数のヒストグラムの各形状を、前記度数分布に生じる前記ピークの数に基づいて、前記複数のパターンのいずれかに分類する
    請求項2の塗装検査支援方法。
  4. 前記分類ステップは、前記複数のヒストグラムのそれぞれにおいて、前記度数分布の山があれば、前記山の頂における度数と前記山の裾の度数との比率に基づいて、前記山が前記ピークであるか否かを判定する
    請求項3の塗装検査支援方法。
  5. 前記分類ステップは、前記複数のヒストグラムのうち、前記ピークを複数有するヒストグラムの形状を、前記複数のピークの重なり具合に基づいて、前記複数のパターンのいずれかに分類する
    請求項2乃至4のいずれか1つの塗装検査支援方法。
  6. 前記分類ステップは、前記複数のピークの各間の谷の度数と、前記谷の両側の2つのピークのうち低いピークの度数との比率に基づいて、前記複数のピークの重なり具合を判定する
    請求項5の塗装検査支援方法。
  7. 前記ヒストグラム作成ステップは、前記ヒストグラムとして、波長が異なる少なくとも2つの光のそれぞれに対応する少なくとも2つの波長別ヒストグラムを生成する。
    請求項1乃至6のいずれか1つの塗装検査支援方法。
  8. 前記波長が異なる少なくとも2つの光は、青色光、緑色光、及び赤色光を含む
    請求項7の塗装検査支援方法。
  9. 前記ヒストグラム作成ステップは、前記複数の濃淡画像のそれぞれの各画素を、鏡面反射光による画素、及び拡散反射光による画素のいずれかに分類する
    請求項1乃至8のいずれか1つの塗装検査支援方法。
  10. 前記ヒストグラム作成ステップは、前記鏡面反射光による画素の画素値、及び前記拡散反射光による画素値のうち、前記拡散反射光による画素値を用いて前記複数のヒストグラムを作成する
    請求項9の塗装検査支援方法。
  11. 前記ヒストグラム作成ステップは、前記複数の濃淡画像のそれぞれにおいて前記塗装面が写っている検査領域の前記度数分布を、前記複数のヒストグラムとして作成する
    請求項1乃至10のいずれか1つの塗装検査支援方法。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1つの塗装検査支援方法によって決定された前記検査角度で前記塗装面を撮像することで生成された、前記検査角度に対応する基準濃淡画像を取得する基準画像取得ステップと、
    前記基準濃淡画像の画素値の度数分布を、前記検査角度に対応する基準ヒストグラムとして作成する基準ヒストグラム作成ステップと、を含む
    塗装検査方法。
  13. 前記検査角度で前記塗装面を撮像することで生成された、前記検査角度に対応する検査濃淡画像を取得する検査画像取得ステップと、
    前記検査濃淡画像の画素値の度数分布を、前記検査角度に対応する検査ヒストグラムとして作成する検査ヒストグラム作成ステップと、
    前記検査ヒストグラムと前記基準ヒストグラムとを比較することで、前記塗装面の良否を判定する検査判定ステップと、を含む
    請求項12の塗装検査方法。
  14. 請求項12又は13の塗装検査方法を実行するコンピュータシステムを備える
    塗装検査装置。
  15. 請求項14の塗装検査装置と、
    前記塗装面に光を照射する照明装置と、
    前記塗装面を撮像する撮像装置と、を備える
    塗装検査システム。
  16. 前記撮像装置を複数備え、
    前記複数の撮像装置のそれぞれは、前記複数の撮像角度のいずれかで前記塗装面を撮像する
    請求項15の塗装検査システム。
  17. 前記照明装置を複数備え、
    前記複数の照明装置のそれぞれは、前記複数の撮像角度のそれぞれに応じた角度で前記塗装面に前記光を照射する
    請求項15の塗装検査システム。
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