JP2003344163A - 石材の分類方法およびこの石材の分類方法を用いた構造物の製造方法 - Google Patents

石材の分類方法およびこの石材の分類方法を用いた構造物の製造方法

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JP2003344163A
JP2003344163A JP2002149239A JP2002149239A JP2003344163A JP 2003344163 A JP2003344163 A JP 2003344163A JP 2002149239 A JP2002149239 A JP 2002149239A JP 2002149239 A JP2002149239 A JP 2002149239A JP 2003344163 A JP2003344163 A JP 2003344163A
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Ryuichi Moroto
竜一 諸戸
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Obayashi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 職人の目視に頼らない石材の分類方法を提供
する。 【解決手段】 本発明の石材の分類方法は、前記石材の
画像データを取得する工程と、前記画像データの画素を
複数の群に分ける工程と、それぞれの前記群に属する画
素のデータに基づいて、前記群ごとの情報を抽出する工
程と、前記群ごとの情報に基づいて、前記石材を分類す
る工程とを有することを特徴とする。この石材の分類方
法によれば、目視によらず、客観的な判断基準に基づい
て、石材を分類することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石材の分類方法に
関する。また、このような石材の分類方法を用いて分類
された石材を使用して構造物を製造する製造方法に関す
る。
【0002】
【背景技術】建築物等の構造物の外装に花崗岩等の石材
を用いることがある。このような石材は、石材毎に微妙
に色調が異なっているので、一つの建築物において複数
の石材を使用するときは、隣り合う石材の色調の違いが
目立たぬようにする必要がある。
【0003】そこで、石材を色調に応じて分類し、複数
の石材を使用する建築物を建築するときは、例えば同じ
グループに分類された石材を同じ壁面に使用することに
よって、隣り合った石材の色調の違いを目立たなくさせ
ている。そして、このような石材のグループ化の作業
は、これまでは職人の目視によって、行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、職人の目視に
よる石材の分類方法では、職人の主観的な要素が入るお
それがあり、安定した石材の分類を行うことは容易では
ない。したがって、客観的な判断基準に基づく石材の分
類方法の確立が求められている。また、職人の目視によ
る石材の分類方法を補助するための石材の分類方法も、
同じく求められている。
【0005】そこで、本発明は、客観的な判断基準に基
づいて、石材を分類する方法を提供することを目的とす
る。また、このような石材の分類方法を用いた構造物の
製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の主たる発明は、前記石材の表面の画像データを取得す
る工程と、前記画像データの画素を複数の群に分ける工
程と、それぞれの前記群に属する画素のデータに基づい
て、前記群ごとの情報を抽出する工程と、前記群ごとの
情報に基づいて、前記石材を分類する工程とを有するこ
とを特徴とする。本発明の他の特徴については、本明細
書及び添付図面の記載により明らかにする。
【0007】
【発明の実施の形態】===本実施形態の概要=== 本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下
の事項が明らかとなる。
【0008】石材の色調に合わせて石材を分類する方法
であって、前記石材の画像データを取得する工程と、前
記画像データの画素を複数の群に分ける工程と、それぞ
れの前記群に属する画素のデータに基づいて、前記群ご
との情報を抽出する工程と、前記群ごとの情報に基づい
て、前記石材を分類する工程とを有することを特徴とす
る石材の分類方法。このような石材の分類方法によれ
ば、客観的な判断基準に基づいて、石材を分類すること
ができる。
【0009】また、かかる分類方法であって、前記石材
を分類する工程では、前記群ごとの情報に基づいて重判
別分析を行い、前記石材を分類することが望ましい。こ
のような石材の分類方法によれば、各群に属する画素デ
ータの特徴に基づいて、石材を分類することができる。
【0010】また、かかる分類方法であって、前記複数
の群は、色空間を分割することにより、決定されること
が望ましい。このような石材の分類方法によれば、近似
した色データを持つ画素が同じ群に属するように、画素
を分けることができる。
【0011】また、かかる分類方法であって、同じ前記
群に属する前記画素のデータが前記石材に含まれる同じ
鉱物に関するデータになるように、前記色空間を分割す
ることが望ましい。このような石材の分類方法によれ
ば、鉱物ごとの色合いに基づいて、石材を分類すること
ができる。
【0012】また、かかる分類方法であって、前記群に
属する前記画素のデータが正規分布するように、前記色
空間を分割することができる。このような石材の分類方
法によれば、鉱物ごとに画素を分けることができるの
で、鉱物ごとの色合いに基づいて、石材を分類すること
ができる。
【0013】また、かかる分類方法であって、イメージ
スキャナを利用して、前記画像データを取得することが
望ましい。このような分類方法によれば、石材の表面に
ついて、広範囲の画像データを安定して取得することが
できる。また、かかる分類方法であって、前記イメージ
スキャナは、外光を遮断するためのカバーをつけて用い
られることが望ましい。
【0014】また、前記画像データと、前記群ごとに分
類された画素が同じ色になるよう色分けた画像と、を表
示する工程を更に有することが望ましい。このような石
材の分類方法によれば、画像データと色分けされた画像
とを比較しながら、石材の分類を行うことができる。
【0015】なお、このような石材の分類方法を用いて
構造物を製造する方法も、本実施形態の範疇である。
【0016】===重判別分析について=== 判別分析の目的は、いくつかの変数に基づいて、各デー
タがどのグループに所属するかを判定することである。
そして、複数の統計量(測定値)を持つ標本が複数のグ
ループに分類されているとき、グループ間の関係を調べ
る方法として、重判別分析がある。重判別分析を行う
と、新しい標本があたえられたとき、その標本がどのグ
ループに属するのか、その標本の測定値に基づいて、判
別することができる。
【0017】重判別分析は、マハラノビスの汎距離に基
づいて、標本の判別を行う。そこで、まず、マハラノビ
スの汎距離について、図1を用いて説明する。図1は、
マハラノビス変換の説明図である。例えば2つの変数
(統計量)X1及びX2を考えた場合、一般に、各グル
ープは、図1Aのように楕円形で示されるような、正規
分布をしている。ここで、図1Aの2つの標本(標本A
と標本B)のうちのどちらがより平均(重心G)に近い
かを考える。そこで、主成分分析の方法で座標を回転さ
せ(図1B)、各主成分をその標準偏差で割ることとす
る(図1C)。このように、2つの標本に対する統計量
を座標変換すると、変数(X1、X2)の性質に依存せ
ず、2つの標本を定量的に比較することが可能になる。
このような座標変換をマハラノビス変換といい、グルー
プの平均(重心)からの距離をマハラノビスの汎距離と
いう。図1において、ユークリッド距離で比較すると標
本Aは標本Bよりもグループの平均から遠いが(図1
A)、マハラノビスの汎距離で比較すると標本Aは標本
Bよりもグループの平均に近い(図1C)。その結果、
標本Aは、標本Bよりもグループに近いと判別される。
これは、ある2つの標本がユークリッド距離的に楕円の
長軸方向と短軸方向へ同じだけ離れていた場合、マハラ
ノビスの汎距離的には、短軸方向の標本の方が平均まで
の距離が長くなるからである。
【0018】重判別分析は、上記のように座標変換をし
て、各グループの平均値までのマハラノビスの汎距離を
求め、最も近いグループに属すると判定する。図2は、
重判別分析の説明図である。すなわち、各標本が複数の
グループに分類され、各グループが同じように楕円形に
分布している場合(図2A参照)、未知の標本の統計量
(測定値)に対してマハラノビス変換によって座標変換
を行い、各グループの平均値までのマハラノビスの汎距
離を求め、その未知の標本がどのグループに属するのか
を判別する。図中では、グループAとグループBが存在
し、標本は、ユークリッド距離ではどちらのグループに
対してもほぼ等しいが(図2A、図2B参照)、マハラ
ノビスの汎距離ではグループAに近いので(図2C参
照)、この標本は、グループAに属すると判断される。
【0019】===重判別分析を用いた石材の分類方法
=== <全体の流れ>図3は、本実施形態の石材の分類方法を
説明するためのフロー図である。本実施形態の石材の分
類方法では、各石材を標本とし、各石材について取得し
た画像データの画素を複数の群に分けて、群ごとの情報
を統計量(測定値)として抽出し、事前の分類結果と比
較することによって、重判別分析による分類を行ってい
る。
【0020】まず最初に、標本となる石材に対して、前
処理を施す(S101)。複数の石材を分類する場合、
どの石材に対しても同様の前処理を施すことが望まし
い。これは、石材に対する前処理が異なると、各石材の
表面の状態が異なり、取得される画像データ(後述)に
影響を与えるためである。
【0021】次に、石材の表面の画像データを取得する
(S102)。この工程は、石材の表面の色調が乾燥等
によって時間とともに変化するので、前記前処理工程終
了後、一定の時間が経過した後に行われる。画像データ
の取得手段は、ビットマップ形式の画像データのような
画素毎のRGB各色の輝度のデータを取得できるもので
あれば良く、例えばデジタルカメラやイメージスキャナ
や色調センサ等を用いることができる。ただし、カメラ
を用いて画像データを取得すると、光源からの入射光の
角度やカメラへの反射光の角度が、石材の表面の各点に
おいて異なるため、表面での反射条件を一定にすること
が困難である(図4参照)。また、色調センサは広範囲
の表面の画像データを取得するのに不適である。したが
って、画像データは、ハンディスキャナを利用して取得
されることが望ましい。
【0022】次に、統計量を抽出する(S103)。す
なわち、画像データに基づいて、重判別分析に用いる統
計量を抽出する。この統計量の抽出方法については、後
述する。
【0023】最後に、抽出された統計量に基づいて、上
述の重判別分析の手法を用いて、石材の分類を行う(S
104)。
【0024】<統計量の抽出方法>図5は、本実施形態
の統計量の抽出方法を説明するためのフロー図である。
まず、3次元の色空間を複数の領域(群)に分割する
(S201)。なお、この領域の分割は、閾値を設定す
ることによって行われる。例えば、図6に示すように4
つの領域(群)を設定する場合、3つの閾値(Ta、T
b及びTc)に基づいて、色空間を4つの領域A〜Dに
分割することができる。なお、r、g、bは、各画素の
赤、緑、青の輝度を表す。 領域A:(r+g+b)/3<Ta 領域B:(r+g+b)/3>Tb 領域C:領域A・B以外であって、(g+b)/(2×
r)<Tc 領域D:領域A・B・C以外
【0025】次に、画像データ(例えば図7)の各画素
が、3次元の色空間において、どの領域に属するかを判
断する(S202)。なお、画像データの各画素は、R
GB(赤、緑、青)の3つの成分を持つので、3次元の
色空間内の一つの点として表すことが可能である。した
がって、画素の位置を表す点が、どの領域に属している
かを判断する。これにより、画像データの画素を複数の
群に分けることができる。
【0026】そして、例えば図8に示すように、同じ領
域に属している画素を同じ色で表示する(S203)。
表示される画像は、上記S201で分割された領域の数
の色数で色分けられることになる。
【0027】そして、色分けした画像(図8)と元の画
像データ(図7)とを比較して、鉱物の分布パターンが
一致するか否かを判断する(S204)。一致しなけれ
ば、色空間を分割するための閾値(Ta、Tb、Tc)
の設定を再調整する(S210)。一致すれば、閾値が
決定され、各領域が決定される。なお、両画像は、比較
するため、並べて表示されることが望ましい。
【0028】そして、決定した領域毎に、その領域に属
している画素のRGB(赤、緑、青)各色の輝度の平均
値を求めて、これらを重判別分析のための統計量とする
(S205)。例えば色空間を4つに分割した場合、各
領域の平均値は3つの成分を持つので、統計量は12個
になる。これにより、群ごとの情報を統計量として抽出
することができる。
【0029】<上記の統計量の抽出方法の意義>上記の
通り、本実施形態では、色分けした画像が鉱物の分布パ
ターンと一致するように閾値を設定し、この閾値によっ
て分割された領域毎にRGB各色の輝度の平均値を求
め、これらを統計量として重判別分析を行っている。こ
の意義について、以下に述べる。
【0030】目視による石材の判定では、石材が石英、
長石、雲母等の鉱石から構成されているので、鉱物毎の
色合いを判定の材料としている。なお、鉱物毎の色合い
に関して、雲母では、赤、緑、青ともに輝度が低く、ま
た、長石ではピンクや白の画像データが主成分となり、
また、石英ではグレーの画像データが主成分となる。
【0031】一方、色分けした画像が元の画像データの
鉱物の分布パターンと一致したとき、各画素のデータが
どの領域に属しているかを判断することは、その画素の
データがどの鉱物の画像データであるかを判断すること
と等価である。すなわち、パターンが一致したとき、あ
る領域に属している画素のデータは、特定の鉱物の画像
データを示していることになる。例えば、雲母は、赤、
緑、青ともに輝度が低いので、図6に示された領域Aに
属する画素のデータは、雲母の画像データであると考え
られる。したがって、ある領域に属している画素のデー
タのバラツキ等を統計処理すれば、その領域に対応して
いる鉱物の色合いを判断することができる。
【0032】また、各領域内の画素のデータは、各領域
が各鉱物に対応していることを考えると、正規分布して
いると考えられる。したがって、各領域内の画素のデー
タは、仮想的な楕円形状に分布しているので、マハラノ
ビス変換によって、マハラノビスの汎距離を求めること
が可能である。
【0033】したがって、上記の統計量の抽出方法に基
づいて、重判別分析による石材の分類を行えば、鉱物毎
の色合いを基準にしながら、客観的に石材を分類するこ
とができるのである。すなわち、本実施形態の石材の分
類方法は、目視による石材の分類に沿って、石材を分類
しているのである。
【0034】===適用例=== <建築物の製造工程>以下、複数の石材を用いた構造物
等の建築物の製造方法の一例について詳述する。図9
は、本製造方法を説明するためのフロー図である。ま
ず、最初に、採石場において、原石が切り出される(S
301)。ここでは、例えば、1辺が1〜2mほどのブ
ロックとして、原石が切りだされる。
【0035】次に、石材工場において、ブロック状の原
石が、板状の石材に加工される(S302)。本実施例
では、石材は、建築物の外装PC版の打ち込み石材とし
て用いられるので、そのための大きさになるように加工
される。
【0036】次に、石材の前処理として、石材の表面を
加工する(S303)。石材の前処理は、例えば、石材
の表面の研磨(磨き加工)や、石材の乾燥処理である。
建築物に用いられる複数の石材、又は、建築物の所定の
面に用いられる複数の石材は、同様の前処理が施され
る。これは、石材に対する前処理が異なると、表面の粗
さや表面の乾燥度等によって各石材の表面の状態が異な
り、取得される画像データが変わるためである。
【0037】次に、石材の表面の画像データを取得する
(S304)。この工程は、前記前処理工程終了後、一
定の時間が経過した後に行われる。画像データは、ハン
ディスキャナを利用して取得される。ただし、ハンディ
スキャナは外部の光の影響を受けやすいので、周囲の照
度を2000ルクス以下にするため、スキャナ本体にカ
バーをつけて外光を遮断する。なお、画像データの各画
素は、RGB(赤、緑、青)の3つの成分に関してそれ
ぞれ0〜255の値を持つ。なお、後の画像処理の信頼
性向上のため、一枚の石材に対して、複数の画像データ
を取得しても良い。取得した画像情報は、ディスプレイ
等の表示手段によって、表示されても良い。
【0038】次に、画像データに対して前処理を施す
(S305)。例えば、スキャナを用いて画像を取得し
た場合、画像データの周囲に余分な領域ができるので、
また、スキャン開始時や終了時付近に画像が歪みやすい
ので、取得した画像データから分析に用いる画像データ
を切り出す。切り出した画像データは、ディスプレイ等
の表示手段によって、表示されても良い。
【0039】次に、3次元の色空間を分割する(S30
6)。なお、本実施例では、色空間が以下のように4つ
に分割されたとき、色分けした画像が鉱物の分布パター
ンと一致した。 領域A:(r+g+b)/3<60 領域B:(r+g+b)/3>190 領域C:領域A・B以外であって、(g+b)/(2×
r)<1.1 領域D:領域A・B・C以外
【0040】次に、上記のように決定された領域毎に輝
度の平均を求め、統計量を抽出する(S307)。本実
施例では、色空間を4つに分割(領域A、領域B、領域
C、領域D)しているので、統計量は12個(R、G
、B、R、G、B 、R、G、B
、G、B)になる(なお、例えば「R」は
「領域Aの赤の平均値」を表すように、RGBは色を表
し、添字A〜Dは領域を表す)。
【0041】次に、抽出された12個の統計量に基づい
て、重判別分析の手法を用いて、石材の分類を行う(S
308)。分類結果は、石材に固有の識別子と、その石
材が属するグループと、を関連付けたテーブルとして記
憶装置に記憶される。また、分類結果は、ディスプレイ
等の表示手段によって、表示されても良い。
【0042】次に、分類結果に基づいて、各石材が、建
築物のどの位置に使用するかを決定する(S309)。
例えば、隣り合う石材が同じグループに属するように、
各石材の位置を決定する。なお、決定結果は、ディスプ
レイ等の表示手段によって、表示されても良い。特に、
建築物の位置を特定するための手段(例えば設計図等)
と、石材に固有の識別子と、を対応付けて表示しても良
い。
【0043】次に、決定された位置に対応するように石
材を配置し、建築物を建築する(S310)。これによ
り、建築物の外装が、均等に調和されて構成される。
【0044】<重判別分析の結果>図10は、24個の
中国産の花崗岩による石材(♯1〜♯24)に対して、
職人が、目視により、4つのグループ(AA、A、B、
C)に分類した結果を示す表である。なお、表中の赤、
緑、青の値は、各石材表面の画像データの画素の輝度の
平均である。以下、目視による分類結果と比較しなが
ら、本実施例による分類結果を説明する。
【0045】図11は、参考結果であって、画像データ
全体の画素の輝度の平均に基づいて重判別分析を行い、
各石材を判定した結果である。各石材は、マハラノビス
の汎距離が最も近いグループに分類される。なお、この
参考結果のマハラノビスの汎距離は、目視によって分類
されたグループの平均(重心)までの距離である。ま
た、この参考結果では、各画素を分類せずに、画像デー
タ全体の3つの成分(赤、青、緑)の平均値を求め、そ
の3つの統計量に基づいて、マハラノビスの汎距離を求
めている。3つの統計量に基づく判定では、目視による
判定結果と一致したものは、24個中15個(62.5
%)であった。
【0046】図12は、画素を各領域に分類し、各領域
の輝度の平均に基づいて重判別分析を行い、各石材を判
定した結果である。この参考結果では、各画素を4つの
領域に分類しているので、各領域の平均値(R
、B、R、G、B、R、G、B、R
、G、B)を統計量とし、この12個の統計量に
基づいて、マハラノビスの汎距離を求めている。その結
果、目視による判定結果と全て一致した。
【0047】この結果が参考結果よりも目視による判定
結果と一致しているのは、上述の通り、目視による判定
と同様に、鉱物ごとの色合いを判定の材料としているた
めである。すなわち、本実施例では、画像データの画素
データを鉱物に対応させて分類し、分類された画素デー
タに基づいて重判別分析を行っていることになるので、
目視による判定手法に沿って、石材を分類しているので
ある。
【0048】===その他の実施形態について=== 以上、一実施形態に基づき、本発明に係る石材の分類方
法等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を
容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈す
るためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱する
ことなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその
等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に
述べる実施形態であっても、本発明に係る石材の分類方
法に含まれるものである。
【0049】<重判別分析について>前述の実施形態で
は、重判別分析を行って、石材を分類していた。しか
し、これに限られるものではなく、複数の群に分けられ
た画素のデータを統計処理する手法であれば、適宜、他
の方法を用いても良い。ただし、上述した実施形態の重
判別分析法によれば、各群の画素データが特定の鉱物と
関連しているため、鉱物毎の色合いに基づいて石材を分
類することができるので、望ましい。
【0050】<色空間の分割について1>前述の実施形
態では、色分けした画像(図8)と元の画像データ(図
7)とを比較して、鉱物の分布パターンが一致するか判
断し、閾値を調整して色空間を分割していた。しかし、
色空間の分割方法は、これに限られるものではない。
【0051】例えば、オペレータがユーザーインターフ
ェースを介して鉱物毎に画像データを仕分けることによ
って、色空間を分割しても良い。この場合、オペレータ
は、表示手段に表示された画像データ(図7)に対し
て、例えばペン入力などによって鉱物の輪郭をなぞっ
て、境界線を入力し、鉱物毎の領域を指定する。このよ
うにすれば、同じ領域に分けられた画素データが、同じ
鉱物に関するデータになる。その結果、各領域の平均値
を統計量として同様に重判別分析を行えば、鉱物毎の色
合いに基づいて、石材を分類することができる。
【0052】また、例えば、画像データの各画素の色空
間中の分布を解析し、複数の領域に分けられた画素のデ
ータ群が正規分布するように、色空間を分割しても良
い。このように分割したときも、鉱物毎に画素を分ける
ことができるので、鉱物毎の色合いに基づいて、石材を
分類することができる。
【0053】<色空間の分割について2>前述の実施形
態では、色空間を4つの領域に分割していた。しかし、
色空間の領域の数は、複数であれば良く、4つに限られ
るものではない。また、前述の実施形態では、色空間を
分割していたが、これに限られるものではない。要は、
画像データの複数の画素を、複数の群に分けることがで
きれば良い。
【0054】<画像データの取得について>前述の実施
形態の説明の中で、デジタルカメラでは表面での反射条
件を一定にすることが困難であると述べた。しかし、撮
影条件がわかれば、光の入射角や反射角がわかるので、
デジタルカメラで得られた画像データを撮影条件に基づ
いて画像処理して用いても良い。したがって、画像デー
タの取得方法は、前述の実施形態に限られるものではな
い。
【0055】<石材について>前述の実施形態では、石
材として花崗岩を用いていた。しかし、石材の種類はこ
れに限られるものではないことは言うまでもない。
【0056】<平均値について>前述の実施形態では、
各群に含まれる画素の輝度の平均値を、重判別分析のた
めの統計量として抽出した。しかし、統計量は、これに
限られるものではない。例えば、各群に含まれる複数の
画素の中間の値を持つ画素を、その群の特徴を示す情報
として抽出し、統計量としても良い。要するに、各群の
情報を抽出し、統計量とできれば、平均値に限られない
のである。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、客観的な判断基準に基
づいて、石材を分類することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マハラノビス変換の説明図である。
【図2】重判別分析の説明図である。
【図3】本実施形態の石材の分類方法を説明するための
フロー図である。
【図4】カメラを用いた画像データの取得状況の説明図
である。
【図5】本実施形態の統計量の抽出方法を説明するため
のフロー図である。
【図6】分割された3次元の色空間の説明図である。
【図7】画像データの一例である。
【図8】色分けした画像の一例である。
【図9】本製造方法を説明するためのフロー図である。
【図10】目視による分類結果を示す図である。
【図11】画像データ全体の輝度の平均に基づいて重判
別分析を行い、各石材を判定した結果を示す表である。
【図12】画素を各領域に分類し、各領域の輝度の平均
に基づいて重判別分析を行い、各石材を判定した結果を
示す表である。
【符号の説明】
領域Aの赤の平均値 G 領域Aの緑の平均値 B 領域Aの青の平均値 R 領域Bの赤の平均値 G 領域Bの緑の平均値 B 領域Bの青の平均値 R 領域Cの赤の平均値 G 領域Cの緑の平均値 B 領域Cの青の平均値 R 領域Cの赤の平均値 G 領域Cの緑の平均値 B 領域Cの青の平均値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06T 7/00 300 G06T 7/00 300F Fターム(参考) 2G020 AA08 DA04 DA05 DA13 DA22 DA31 DA34 DA35 DA42 DA51 3F079 AD17 CA32 CB24 5B057 AA20 BA02 CA01 CA12 CA16 DA11 DB02 DB06 DC25 DC36 5L096 AA02 BA08 CA02 FA15 GA19 GA40 JA11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石材の色調に合わせて石材を分類する方
    法であって、 前記石材の画像データを取得する工程と、 前記画像データの画素を複数の群に分ける工程と、 それぞれの前記群に属する画素のデータに基づいて、前
    記群ごとの情報を抽出する工程と、 前記群ごとの情報に基づいて、前記石材を分類する工程
    とを有することを特徴とする石材の分類方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の分類方法であって、 前記石材を分類する工程では、前記群ごとの情報に基づ
    いて重判別分析を行い、前記石材を分類することを特徴
    とする石材の分類方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の分類方法であっ
    て、 前記複数の群は、色空間を分割することにより、決定さ
    れることを特徴とする石材の分類方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の分類方法であって、 同じ前記群に属する前記画素のデータが前記石材に含ま
    れる同じ鉱物に関するデータになるように、前記色空間
    を分割することを特徴とする石材の分類方法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の分類方法であって、 前記群に属する前記画素のデータが正規分布するよう
    に、前記色空間を分割することを特徴とする石材の分類
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の分類方
    法であって、 イメージスキャナを利用して、前記画像データを取得す
    ることを特徴とする石材の分類方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の分類方法であって、 前記イメージスキャナは、外光を遮断するためのカバー
    をつけて用いられることを特徴とする石材の分類方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の分類方
    法であって、 前記画像データと、前記群ごとに分類された画素が同じ
    色になるよう色分けた画像とを表示する工程を更に有す
    ることを特徴とする石材の分類方法。
  9. 【請求項9】 複数の石材を用いる構造物の製造方法で
    あって、 複数の石材を用意する工程と、 請求項1〜7のいずれかに記載の分類方法を用いて、前
    記複数の石材を分類する工程と、 前記石材の分類に基づいて、前記石材が前記構造物に使
    用される位置を決定する工程と、 この決定された位置に前記石材を用いて、構造物を製造
    する工程と、を有することを特徴とする構造物の製造方
    法。
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