JP7470870B2 - エアロゾル生成装置の電源ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、エアロゾル生成装置の電源ユニットに関する。
エアロゾル生成装置の電源ユニットでは、加熱制御などを行うための回路基板が内部に収容されている。エアロゾル生成装置の電源ユニットにおいて、加熱によりエアロゾルを生成するという性質上、誤動作しないよう対策を施すことが重要である。静電気などのノイズに対する対策として回路にコイルを設けてノイズを平滑化するなど種々の対策がとられている。
例えば、特許文献1に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットでは、回路基板上にコンデンサを配置し、静電ノイズを平滑化することが記載されている。
日本国特許第6633788号公報
しかしながら、特許文献1に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニット等では、ノイズ対策として、コイル、コンデンサ等の電子部品が必要であり、エアロゾル生成装置の電源ユニットの小型化、低コスト化の点で、改善の余地があった。
本発明は、部品点数を抑えながら、ノイズによる悪影響を抑制可能なエアロゾル生成装置の電源ユニットを提供する。
本発明のエアロゾル生成装置の電源ユニットは、
電源と、
前記電源から供給される電力を消費してエアロゾル源からエアロゾルを生成する負荷、又は、前記負荷へ電磁誘導により送電するコイルが接続されるヒータコネクタと、
前記電源の充電と放電の少なくとも一方を制御するよう構成される制御装置と、
前記制御装置及び前記ヒータコネクタが実装される回路基板と、を備え、
前記回路基板は、
前記制御装置及び前記ヒータコネクタと電気的に接続される配線と、
グランドと電気的に接続される導電部と、
前記配線及び前記導電部の少なくとも一部を覆う絶縁膜と、を備え、
前記回路基板の表面は、
前記絶縁膜が形成された絶縁膜形成部と、
前記絶縁膜が形成されていない絶縁膜非形成部と、を有し、
前記絶縁膜非形成部は、前記回路基板の縁に沿って延在し且つ前記配線よりも外側に位置する前記導電部の少なくとも一部が前記絶縁膜から露出するように設けられる。
本発明によれば、部品点数を抑えながら、ノイズによる悪影響を抑制できる。
エアロゾル吸引器1の斜視図である。 エアロゾル吸引器1の他の斜視図である。 エアロゾル吸引器1の断面図である。 電源ユニット10の斜視図である。 電源ユニット10の分解斜視図である。 電源ユニット10の回路構成を示す図である。 ケース11を取り外した電源ユニット10の斜視図である。 MCU搭載基板7の主面側表面層71aを示す図である。 MCU搭載基板7の第2配線層74aを示す図である。 MCU搭載基板7の副面側表面層71bを示す図である。 MCU搭載基板7の第4配線層74bを示す図である。 MCU搭載基板7と放電端子41との位置関係を示す図である。 MCU搭載基板7の断面図である。
以下、本発明の一実施形態のエアロゾル生成装置の電源ユニットについて説明するが、先ず、電源ユニットが装着されたエアロゾル生成装置(以下、エアロゾル吸引器と称する)について、図1~図3を参照しながら説明する。
(エアロゾル吸引器)
エアロゾル吸引器1は、燃焼を伴わずに香味が付加されたエアロゾルを吸引するための器具であり、所定方向(以下、X方向と称する)に沿って延びる棒形状を有する。エアロゾル吸引器1は、図1及び図2に示すように、X方向に沿って電源ユニット10と、第1カートリッジ20と、第2カートリッジ30と、がこの順に設けられている。第1カートリッジ20は、電源ユニット10に対して着脱可能としてもよく、第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20に対して着脱可能である。言い換えると、電源ユニット10に対し、第1カートリッジ20及び第2カートリッジ30は、それぞれ交換可能である。第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20に対し、交換可能でもある。なお、第1カートリッジ20は、電源ユニット10に対して嵌合させて固定し、ユーザが容易に着脱できない構成としてもよい。
(電源ユニット)
本実施形態の電源ユニット10は、図3~図5、図7に示すように、円筒状のケース11の内部に、バッテリパックBP、MCU(Micro Controller Unit)50、MCU搭載基板7、レセプタクル搭載基板8等を収容して構成される。
バッテリパックBPに収容される電源BATは、充電可能な二次電池、電気二重層キャパシタ等であり、好ましくは、リチウムイオン二次電池である。電源BATの電解質は、ゲル状の電解質、電解液、固体電解質、イオン液体の1つ又はこれらの組み合わせで構成されていてもよい。
ケース11のX方向の一端側(第1カートリッジ20側)に位置するトップ部11aには、放電端子41が設けられる。放電端子41は、正極側放電端子41a及び負極側放電端子41bから構成される。なお、本明細書において、「正極側」とは、「負極側」よりも高電位側であることを意味する。換言すると、「負極側」とは、「正極側」よりも低電位側であることを意味する。したがって、以下の説明における「正極側」という用語を「高電位側」、「負極側」という用語を「低電位側」、とそれぞれ読み替えてもよい。
正極側放電端子41a及び負極側放電端子41bは、トップ部11aから第1カートリッジ20に向かって突出するように設けられ、第1カートリッジ20のヒータ21と電気的に接続可能に構成される。また、トップ部11aの周囲には、トップ部11aよりも高さの低い低床部11bが設けられている。
ケース11のX方向の他端側(第1カートリッジ20と反対側)に位置するボトム部11c側の周壁部には、充電端子42へのアクセスを許容する充電用開口43(図2参照)が設けられる。充電端子42は、コンセントやモバイルバッテリ等の外部電源と電気的に接続して電力供給を受けるものであり、本実施形態ではUSB(Universal Serial Bus) Type-C形状のレセプタクルとしているが、これに限定されるものではない。充電用開口43は、ボトム部11c側の周壁部ではなく、ボトム部11c側の底面に設けられてもよい。
なお、充電端子42は、例えば、受電コイルを備え、外部電源から送電される電力を非接触で受電可能に構成されてもよい。この場合の電力伝送(Wireless Power Transfer)の方式は、電磁誘導型でもよいし、磁気共鳴型でもよいし、電磁誘導型と磁気共鳴型を組み合わせたものでもよい。また、別の一例として、充電端子42は、各種USB端子等が接続可能であり、且つ上記の受電コイルを有していてもよい。このような構成とすることで、電源BATの充電機会を増大できる。
また、ケース11には、ユーザが操作可能な操作部14が、トップ部11aの周壁部に充電用開口43とは反対側を向くように設けられる。操作部14は、ボタン式のスイッチから構成され、ユーザの使用意思を反映してMCU50及び各種センサを起動/遮断する際等に利用される。操作部14は、タッチパネル等から構成されてもよい。
また、エアロゾル吸引器1には、各種情報を報知する報知部が設けられている。報知部は、発光素子によって構成されていてもよく、振動素子によって構成されていてもよく、音出力素子によって構成されていてもよい。また、報知部は、発光素子、振動素子及び音出力素子のうち、2以上の素子の組み合わせであってもよい。報知部は、電源ユニット10、第1カートリッジ20、及び第2カートリッジ30のいずれに設けられてもよいが、電源BATからの導線(すなわち配線距離)を短くするため電源ユニット10に設けられることが好ましい。本実施形態の報知部は、操作部14の周囲に設けられたLED窓13、及び後述するLED_L1、LED_L2(図6、図8参照)によって構成される。電源ユニット10の内部構成については後述する。
(第1カートリッジ)
第1カートリッジ20は、図3に示すように、円筒状のカートリッジケース27の内部に、エアロゾル源22を貯留するリザーバ23と、エアロゾル源22を霧化及び/又は気化(以下、単に霧化という)するヒータ21と、リザーバ23からヒータ21へエアロゾル源を引き込むウィック24と、エアロゾル源22が霧化されることで発生したエアロゾルが第2カートリッジ30に向かって流れるエアロゾル流路25と、第2カートリッジ30の一部を収容するエンドキャップ26と、を備える。
リザーバ23は、エアロゾル流路25の周囲を囲むように区画形成され、エアロゾル源22を貯留する。リザーバ23には、樹脂ウェブや綿等の多孔体が収容され、且つ、エアロゾル源22が多孔体に含浸されていてもよい。リザーバ23には、樹脂ウェブ又は綿上の多孔質体が収容されず、エアロゾル源22のみが貯留されていてもよい。エアロゾル源22は、グリセリン、プロピレングリコール、水などの液体を含む。リザーバ23におけるエアロゾル源22の貯留量は、第1カートリッジ20に設けられた残量確認窓28(図1、2参照)から視認可能となっている。残量確認窓28とカートリッジケース27の間には空気取込口となる隙間(図示せず)が形成され、この隙間から外気をカートリッジケース27の内部に取り込む。なお、空気取込口は、必ずしも残量確認窓28の周囲に設けられている必要はない。例えば、電源ユニットに設けられた操作部14とLED窓13の間に隙間を形成し、その隙間から外気をケース11の内部に取り込んでもよいし、充電用開口43を利用してもよい。また、カートリッジケース27やケース11の壁面に内部と外部とを連通する連通孔が設けられていてもよい。
ウィック24は、リザーバ23から毛管現象を利用してエアロゾル源22をヒータ21へ引き込む液保持部材であって、例えば、ガラス繊維や多孔質セラミック等によって構成される。
ヒータ21は、電源BATから放電端子41を介して供給される電力によって燃焼を伴わずにエアロゾル源22を霧化する。ヒータ21は、所定ピッチで巻き回される電熱線(コイル)によって構成されている。なお、ヒータ21は、エアロゾル源22を霧化してエアロゾルを発生可能な負荷の例示であり、負荷は、例えば、発熱素子、又は超音波発生器である。発熱素子としては、発熱抵抗体、セラミックヒータ、及び誘導加熱式のヒータ等が挙げられる。
エアロゾル流路25は、ヒータ21の下流側であって、電源ユニット10(ケース11)の中心線L上に設けられる。なお、この中心線Lは、電源ユニット10(ケース11)をX方向に直交する面で切断した際の電源ユニット10(ケース11)の中心点をX方向に連続してつなげた線である。
エンドキャップ26は、第2カートリッジ30の一部を収容するカートリッジ収容部26aと、エアロゾル流路25とカートリッジ収容部26aとを連通させる連通路26bと、を備える。
(第2カートリッジ)
第2カートリッジ30は、香味源31を貯留する。第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20のエンドキャップ26に設けられたカートリッジ収容部26aに着脱可能に収容される。第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20側とは反対側の端部が、ユーザの吸口32となっている。なお、吸口32は、第2カートリッジ30と一体不可分に構成される場合に限らず、第2カートリッジ30と着脱可能に構成されてもよい。このように吸口32を電源ユニット10と第1カートリッジ20とは別体に構成することで、吸口32を衛生的に保つことができる。
第2カートリッジ30は、ヒータ21によってエアロゾル源22が霧化されることで発生したエアロゾルを香味源31に通すことによってエアロゾルに香味を付与する。香味源31を構成する原料片としては、刻みたばこ、たばこ原料を粒状に成形した成形体を用いることができる。香味源31は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、漢方、ハーブ等)によって構成されてもよい。香味源31には、メントールなどの香料が付与されていてもよい。
本実施形態のエアロゾル吸引器1では、エアロゾル源22と香味源31とヒータ21とによって、香味が付加されたエアロゾルを発生させることができる。つまり、エアロゾル源22と香味源31は、エアロゾルを発生させるエアロゾル生成源ということができる。
エアロゾル吸引器1に用いられるエアロゾル生成源の構成は、エアロゾル源22と香味源31とが別体になっている構成の他、エアロゾル源22と香味源31とが一体的に形成されている構成、香味源31が省略されて香味源31に含まれ得る物質がエアロゾル源22に付加された構成、香味源31の代わりに薬剤等がエアロゾル源22に付加された構成等であってもよい。
このように構成されたエアロゾル吸引器1では、ヒータ21は、ウィック24によってリザーバ23から引き込まれた又は移動させられたエアロゾル源22を霧化する。霧化されて発生したエアロゾルは、残量確認窓28とカートリッジケース27の間に形成された空気取込口となる隙間(図示せず)から流入した空気と共にエアロゾル流路25を流れ、連通路26bを介して第2カートリッジ30に供給される。第2カートリッジ30に供給されたエアロゾルは、香味源31を通過することで香味が付与され、吸口32に供給される。
(電源ユニット10の回路構成)
続いて、電源ユニット10の回路構成について図6を参照しながら説明する。
図6において、一点鎖線で囲んだ範囲内に図示した電子部品は、レセプタクル搭載基板8に実装された電子部品である。すなわち、レセプタクル搭載基板8は、主要な電子部品として、USB Type-Cのプラグ(以下、単にUSBプラグともいう)を挿入可能なレセプタクルである充電端子42と、レセプタクル搭載基板8とMCU搭載基板7とを接続する基板接続ケーブルCb1の一端が接続されるレセプタクル搭載基板側コネクタCn1と、を備える。本実施形態では、基板接続ケーブルCb1を、6本のプリント配線を有するFPC(Flexible Printed Circuit)ケーブルとするが、これに限定されるものではない。
また、図6において、二点鎖線で囲んだ範囲内に図示した電子部品は、MCU搭載基板7に実装された電子部品である。すなわち、MCU搭載基板7は、主要な電子部品として、基板接続ケーブルCb1の他端が接続されるMCU搭載基板側コネクタCn2と、電源ユニット10を含むエアロゾル吸引器1全体を統括制御するMCU50と、電源BATの充電等を行う充電IC(Integrated Circuit)55と、充電IC55を保護する保護IC61と、MCU50等に対して所定の電圧を供給するLDO(Low Dropout)レギュレータ62と、ユーザのパフ(吸引)動作を検出するための吸引センサ15と、ヒータ21が接続される放電端子41(41a、41b)と、放電端子41に電力を供給可能なDC/DCコンバータ63と、電源BATを含むバッテリパックBPとMCU搭載基板7とを接続するバッテリ接続ケーブルCb2が接続されるバッテリコネクタCn3と、を備える。
MCU50、充電IC55、保護IC61、LDOレギュレータ62、吸引センサ15、及びDC/DCコンバータ63は、例えば、複数の回路素子をチップ化して構成され、自装置の内部と外部とを電気的に接続するための端子としてのピンを備える。これらチップ化された各電子部品が備えるピンの詳細については後述する。なお、本明細書等では、これらチップ化された各電子部品が備えるピンのうち主要なピンのみを記載している点に留意されたい。
バッテリパックBPは、電源BATと、電源BATの正極端子に接続されるヒューズFSと、電源BATの負極端子に接続され且つ電源BATに近接配置されたサーミスタTHと、を備える。サーミスタTHは、NTC(Negative Temperature Coefficient:負の抵抗温度係数)特性あるいはPTC(Positive Temperature Coefficient:正の抵抗温度係数)特性を有する素子、すなわち、電気抵抗値と温度とに相関を持つ素子を主体に構成される。また、本実施形態では、バッテリパックBPとMCU搭載基板7とを接続するバッテリ接続ケーブルCb2を、3本のプリントパターンを有するFPCケーブルとするが、これに限定されるものではない。バッテリ接続ケーブルCb2は3本のワイヤで接続されていてもよい。
図6において、太い実線で示す配線は、電源ユニット10に設けられたグランドに接続された配線(例えば、後述する図9及び図11に示されるグランドパターン78等により構成される配線)である。すなわち、この配線は、電源ユニット10において基準となる電位(グランド電位)と同電位になる配線であり、以下、グランドラインともいう。
また、電源ユニット10には、グランドライン以外の主要な配線として、VBUSラインLn1と、VBATラインLn2と、D+ラインLn3aと、D-ラインLn3bと、パワーパス(Power-Path)ラインLn4と、VSYSラインLn5と、VHEATラインLn6とが設けられる。これらの各ライン(配線)は、MCU搭載基板7に形成された導電パターンを主体に構成される。これら各ラインに接続される電子部品については後述する。
なお、以下では、レセプタクル搭載基板8とMCU搭載基板7とを接続する電子部品である、基板接続ケーブルCb1と、レセプタクル搭載基板側コネクタCn1と、MCU搭載基板側コネクタCn2とを合わせて、基板接続部CNとも称する。
(充電端子及び保護IC)
充電端子42は、挿入されたUSBプラグのA1ピン、A4ピン、A5ピン、A6ピン、A7ピン、A8ピン、A9ピン、A12ピン、B1ピン、B4ピン、B5ピン、B6ピン、B7ピン、B8ピン、B9ピン、及びB12ピンの各ピンにそれぞれ接続されるピン(端子)を備える。本明細書等では、USBプラグのAnピン(ただしn=1~12)に対応する充電端子42のピンを、充電端子42のAnピンともいう。同様に、USBプラグのBnピンに対応する充電端子42のピンを、充電端子42のBnピンともいう。
USBプラグのGND(グランド)ピンに対応する充電端子42のA1ピン、A12ピン、B1ピン、及びB12ピンは、グランドラインに接続される。
USBプラグのVBUSピンに対応する充電端子42のA4ピン、A9ピン、B4ピン、及びB9ピンは、基板接続部CN、VBUSラインLn1、及び保護IC61を介して、充電IC55の高電位側の電源端子であるVBUSピンに接続される。これにより、充電端子42のA4ピン、A9ピン、B4ピン、あるいはB9ピンを介して電源ユニット10へ入力された外部電源からの電力(例えばUSBバスパワー)を充電IC55に供給でき、この電力を用いた充電IC55による電源BATの充電やMCU50への電力供給を可能にする。
充電端子42と充電IC55との間に設けられる保護IC61について詳述すると、保護IC61は、高電位側の電源端子であるINピンと、低電位側の電源端子であるVSSピンと、グランドされるGNDピンと、後述の第1システム電圧Vs1が出力される出力端子であるOUTピンと、保護IC61の動作をオンにしたりオフにしたりする(以下、オン/オフするともいう)ためのCEピンと、電源BATの接続状態を検知するためのVBATピンと、を備える。
充電端子42のA4ピン及びB9ピンと、A9ピン及びB4ピンとは、基板接続部CN及びVBUSラインLn1を介して、保護IC61のINピンに対して並列に接続される。換言すると、保護IC61のINピンは、充電端子42のA4ピン及びB9ピンと、A9ピン及びB4ピンとのそれぞれに接続される。保護IC61のVSSピン、GNDピン、及びCEピンは、グランドラインに接続される。保護IC61のOUTピンは、充電IC55のVBUSピンに接続される。保護IC61のVBATピンは、VBATラインLn2、バッテリコネクタCn3、バッテリ接続ケーブルCb2、及びヒューズFSを介して、電源BATの正極端子(すなわち高電位側)に接続される。なお、電源BATの負極端子(すなわち低電位側)は、バッテリ接続ケーブルCb2及びバッテリコネクタCn3を介して、グランドラインに接続される。
保護IC61は、INピンの電位とVSSピンの電位との差分により電源電圧が供給され、且つCEピンへの入力がローレベルであるときに動作して、所定の第1システム電圧Vs1をOUTピンから出力したり、VBATピンへの入力電圧に基づき電源BATが接続されているか否かを検知したりする。本実施形態における充電IC55は、CEピンへローレベルが入力されることでイネーブルされることから、負論理動作である。これに代えて、CEピンへハイレベルが入力されることでイネーブルされる正論理動作の保護IC61を用いてもよい。この場合、CEピンへハイレベルが入力されるように、CEピンはINピンへ接続されることが好ましい。
より詳細に説明すると、充電端子42にUSBプラグが挿入され、且つ、このUSBプラグを含むUSBケーブルが外部電源に接続されると、充電端子42のA4ピン、A9ピン、B4ピン、及びB9ピンには、外部電源から所定のUSB電圧(例えば5[V])が供給される。これにより、このUSB電圧が電源電圧として保護IC61に供給される。また、保護IC61のCEピンはグランドされているため、このCEピンへの入力電圧は常にローレベルとなる。したがって、保護IC61は、充電端子42を介して外部電源からUSB電圧が供給されたことに応じて、第1システム電圧Vs1を充電IC55に対して出力する。
保護IC61が出力する第1システム電圧Vs1は、充電IC55の推奨入力電圧の範囲(例えば4.35~6.4[V]の範囲)に含まれる電圧値を有する。
例えば、保護IC61は、INピンへの入力電圧(換言するとINピンの電位)が充電IC55の推奨入力電圧の範囲に含まれる場合には、INピンへの入力電圧を第1システム電圧Vs1としてそのままOUTピンから出力する。一方、保護IC61は、INピンへの入力電圧が充電IC55の推奨入力電圧の最大値を上回る場合には、INピンへの入力電圧から充電IC55の推奨入力電圧の範囲に含まれる所定の電圧(例えば5.5±0.2[V])に変換し、変換した電圧を第1システム電圧Vs1としてOUTピンから出力する。これにより、充電IC55の推奨入力電圧の最大値を上回るような高電圧が保護IC61へ入力されたとしても、この高電圧が保護IC61から充電IC55に出力されるのを回避して、この高電圧から充電IC55を保護することが可能となる。
なお、保護IC61は、充電IC55の推奨入力電圧の最大値を上回るような高電圧がINピンに入力された場合には、INピンとOUTピンとを接続する保護IC61内の回路(不図示)を開くことで、INピンに入力された高電圧がOUTピンから出力されないようにしてもよい。
また、前述したように、保護IC61は、VBATピンへの入力電圧に基づき電源BATが接続されているか否かを検知することが可能である。保護IC61は、電源BATが接続されているか否かの検知結果を、自装置で利用してもよいし、自装置の外部(例えばMCU50あるいは充電IC55)へ出力してもよい。さらに、保護IC61は、前述した充電IC55を保護する機能のほか、例えば過電流検知機能や過電圧検知機能等、電源ユニット10の電気回路を保護するための各種保護機能を有していてもよい。
また、図6に示すように、VBUSラインLn1には、保護IC61のINピンへの入力を安定化(平滑化)するためのコンデンサ(平滑コンデンサあるいはバイパスコンデンサとも称される)Cd1が必要に応じて適宜接続される。同様に、保護IC61のOUTピンと充電IC55のVBUSピンとの間には、充電IC55のVBUSピンへの入力(すなわち保護IC61から出力された第1システム電圧Vs1)を安定化するためのコンデンサCd2が必要に応じて適宜接続される。
ところで、保護IC61のINピンと接続される充電端子42のA4ピン、A9ピン、B4ピン、及びB9ピンは、バリスタ(Variable Resistor:非直線性抵抗素子)VR1を介して、グランドラインとも接続される。このように、バリスタVR1を介して、充電端子42のA4ピン、A9ピン、B4ピン、及びB9ピンをグランドラインと接続しておくことで、充電端子42へのUSBプラグ挿入時にこれらが擦れる等して充電端子42のA4ピン、A9ピン、B4ピン、あるいはB9ピンに静電気が発生しても、この静電気を、バリスタVR1を介してグランドラインへ逃がすことができる。したがって、充電端子42のA4ピン、A9ピン、B4ピン、あるいはB9ピンに発生した静電気から保護IC61を保護することが可能となる。
USBプラグのDp(D+ともいう)1ピンあるいはDp2ピンに対応する充電端子42のA6ピン及びB6ピンは、基板接続部CN及びD+ラインLn3aを介して、MCU50のPA11ピンに接続される。また、USBプラグのDn(D-ともいう)1ピンあるいはDp2ピンに対応する充電端子42のA7ピン及びB7ピンは、基板接続部CN及びD-ラインLn3bを介して、MCU50のPA12ピンに接続される。これにより、充電端子42に挿入されたUSBプラグを含むUSBケーブルが接続された外部機器(以下、単に、外部機器ともいう)とMCU50との間で、例えば、D+ラインLn3a及びD-ラインLn3bの2つの信号線を用いたシリアル通信を行うことを可能にする。なお、外部機器とMCU50との間の通信には、シリアル通信以外の通信方式を採用してもよい。
また、MCU50のPA11ピンと接続される充電端子42のA6ピン及びB6ピンは、バリスタVR2を介して、グランドラインとも接続される。これにより、充電端子42のA6ピンあるいはB6ピンに静電気が発生しても、この静電気を、バリスタVR2を介してグランドラインへ逃がすことができる。したがって、充電端子42のA6あるいはB6ピンに発生した静電気からMCU50を保護することが可能となる。
さらに、図6に示すように、充電端子42のA6ピン及びB6ピンと、MCU50のPA11ピンとの間に抵抗器R11を設ければ、MCU50のPA11ピンに大電流が入力されるのを抵抗器R11によっても抑制することが可能となる。なお、本明細書等において、抵抗器とは、抵抗素子やトランジスタ等により構成された所定の電気抵抗値を有する素子である。
また、MCU50のPA12ピンと接続される充電端子42のA7ピン及びB7ピンは、バリスタVR3を介して、グランドラインとも接続される。これにより、充電端子42のA7ピンあるいはB7ピンに静電気が発生しても、この静電気を、バリスタVR3を介してグランドラインへ逃がすことができる。したがって、充電端子42のA7ピンあるいはB7ピンに発生した静電気からMCU50を保護することが可能となる。
さらに、図6に示すように、充電端子42のA7ピン及びB7ピンと、MCU50のPA12ピンとの間に抵抗器R12を設ければ、MCU50のPA12ピンに大電流が入力されるのを抵抗器R12によっても抑制することが可能となる。
また、電源ユニット10では、USBプラグが充電端子42にアップサイドアップの向きで挿入されたのかアップサイドダウンの向きで挿入されたのかを、MCU50が認識しなくても問題は生じない。このため、USBプラグのCC1ピンあるいはCC2ピンに対応する充電端子42のA5ピン及びB5ピンは、グランドラインに接続される。さらに、USBプラグのSBU1ピンあるいはSBU2ピンに対応する充電端子42のA8ピン及びB8ピンにあっては、電源ユニット10の電気回路と接続されていない。すなわち、これら充電端子42のピンは、電源ユニット10において利用されていないため、適宜省略することも可能である。このようにすることで、電源ユニット10の回路構成が複雑化することを抑制できる。
(充電IC)
充電IC55は、高電位側の電源端子の1つであるVBUSピンと、低電位側の電源端子であるGNDピンと、充電IC55と電源BATとの間の電力授受に用いられる入出力端子であるBAT_1ピン及びBAT_2ピンと、電源BATへの入力あるいは電源BATからの出力を検出する検出端子としてのBAT_SNSピンと、後述の第2システム電圧Vs2が出力される出力端子であるSYS_1、SYS_2ピン、SW_1ピン、及びSW_2ピンと、充電IC55の動作をオン/オフするためのCEピンと、を含んで構成される。なお、BAT_1ピン及びBAT_2ピンも、充電IC55における高電位側の電源端子として機能し得る。
充電IC55のVBUSピンは、前述したように、保護IC61のOUTピンに接続される。充電IC55のBAT_1ピン、BAT_2ピン、及びBAT_SNSピンは、VBATラインLn2、バッテリコネクタCn3、バッテリ接続ケーブルCb2、及びヒューズFSを介して、電源BATの正極端子に接続される。充電IC55のSYS_1ピン、SYS_2ピン、SW_1ピン、及びSW_2ピンは、パワーパスラインLn4を介して、LDOレギュレータ62の高電位側の電源端子であるINピンと、DC/DCコンバータ63の高電位側の電源端子であるVINピンとに接続される。なお、SW_1ピン及びSW_2ピンは、リアクトルRc1を介して、パワーパスラインLn4に接続される。また、充電IC55のCEピンは、MCU50のPB14ピンに接続される。
充電IC55は、VBUSピン、BAT_1ピン、あるいはBAT_2ピンの電位とGNDピンの電位との差分により電源電圧が供給され、且つCEピンへの入力がハイレベルであるときに動作して、電源BATの充電を行ったり、電源BATから放電された電力をLDOレギュレータ62やDC/DCコンバータ63等に供給したりする。本実施形態における充電IC55は、CEピンへハイレベルが入力されることでイネーブルされることから、正論理動作である。これに代えて、CEピンへローレベルが入力されることでイネーブルされる負論理動作の充電IC55を用いてもよい。
より詳細に説明すると、充電IC55は、VBUSピンに第1システム電圧Vs1が入力されると、BAT_1ピン及びBAT_2ピンから電源BATに対して電源BATを充電するための電圧(例えば第1システム電圧Vs1)を出力する。一方、電源BATの放電時には、電源BATの出力電圧(端子電圧)がBAT_1ピン及びBAT_2ピンに入力される。この場合、充電IC55は、BAT_1ピン及びBAT_2ピンへの入力電圧に応じた第2システム電圧Vs2を、SYS_1ピン、SYS_2ピン、SW_1ピン、及びSW_2ピンから、LDOレギュレータ62やDC/DCコンバータ63等に対して出力する。第2システム電圧Vs2は、例えば、電源BATの出力電圧そのものであり、具体的には3~4[V]程度の電圧とすることができる。
また、充電IC55は、MCU50のPB8ピンに接続されるSCLピンと、MCU50のPB9ピンに接続されるSDAピンと、をさらに備える。これにより、充電IC55とMCU50との間で、例えばI2C(Inter-Integrated Circuit)通信を行うことが可能である。この通信を利用して、充電IC55は、例えば、電源BATに関するバッテリ情報をMCU50に送信する。ここで、バッテリ情報は、例えば、充電IC55による電源BATの充電状態(例えば充電中もしくは充電停止中)や、電源BATの残量(SOC:State Of Charge)等をあらわす情報である。なお、充電IC55とMCU50との間の通信には、I2C通信以外の通信方式を採用してもよい。
また、図6に示すように、充電IC55は、ISETピン、ILIMピン、TSピン等をさらに備えてもよい。充電IC55がISETピンを備える場合、このISETピンとグランドラインとの間に接続される抵抗器の電気抵抗値により、充電IC55から電源BATに対して出力される電流値を設定可能である。充電IC55がILIMピンを備える場合、このILIMピンとグランドラインとの間に接続される抵抗器の電気抵抗値により、充電IC55からLDOレギュレータ62やDC/DCコンバータ63等に対して出力される電流値の上限を設定可能である。充電IC55がTSピンを備える場合、充電IC55は、このTSピンへの入力電圧に基づき、TSピンに接続された抵抗器の電気抵抗値や温度を検出可能である。
なお、図6に示すように、VBATラインLn2には、充電IC55のBAT_SNSピンへの入力等を安定化するためのコンデンサCd3が必要に応じて適宜接続される。また、パワーパスラインLn4には、充電IC55から出力された第2システム電圧Vs2を安定化するためのコンデンサCd4、LDOレギュレータ62のINピンへの入力を安定化するためのコンデンサCd5が必要に応じて適宜接続される。
(LED回路)
充電IC55から出力された第2システム電圧Vs2が供給されるパワーパスラインLn4には、さらに、LED_L1を作動(例えば点灯)させるための第1LED回路Cc1と、LED_L2を作動させるための第2LED回路Cc2とが接続される。
第1LED回路Cc1は、LED_L1と、第1LED回路Cc1の導通及び遮断を切り替えるスイッチSw1とを直列に接続して構成される。第1LED回路Cc1の一端はパワーパスラインLn4に接続され、他端はグランドラインに接続される。また、第1LED回路Cc1のスイッチSw1は、MCU50からのオン指令に応じてオンとなり、MCU50からのオフ指令に応じてオフとなる。スイッチSw1がオンとなると、第1LED回路Cc1が導通した状態となり、充電IC55から出力された第2システム電圧Vs2がLED_L1に供給されて、LED_L1が点灯する。
スイッチSw1としては、例えば、MOSFETにより構成されるスイッチを採用することができる。本実施形態では、一例として、スイッチSw1を構成するMOSFETのゲート端子がMCU50のPA0ピンに接続されており、MCU50がPA0ピンからの出力を制御することにより、スイッチSw1のゲート端子に印加されるゲート電圧を変化させ、スイッチSw1をオンにしたりオフにしたりする。なお、スイッチSw1は、MOSFETに限らず、MCU50の制御にしたがってオン/オフされるスイッチであればよい。
また、第2LED回路Cc2は、LED_L2と、第2LED回路Cc2の導通及び遮断を切り替えるスイッチSw2とを直列に接続して構成される。第2LED回路Cc2の一端はパワーパスラインLn4に接続され、他端はグランドラインに接続される。また、第2LED回路Cc2のスイッチSw2は、MCU50からのオン指令に応じてオンとなり、MCU50からのオフ指令に応じてオフとなる。スイッチSw2がオンとなると、第2LED回路Cc2が導通した状態となり、充電IC55から出力された第2システム電圧Vs2がLED_L2に供給されて、LED_L2が点灯する。
スイッチSw1と同様に、スイッチSw2としては、例えば、MOSFETにより構成されるスイッチを採用することができる。本実施形態では、一例として、スイッチSw2を構成するMOSFETのゲート端子がMCU50のPB3ピンに接続されており、MCU50がPB3ピンからの出力を制御することにより、スイッチSw2のゲート端子に印加されるゲート電圧を変化させ、スイッチSw2をオンにしたりオフにしたりする。なお、スイッチSw2は、MOSFETに限らず、MCU50の制御にしたがってオン/オフされるスイッチであればよい。
(LDOレギュレータ)
LDOレギュレータ62は、高電位側の電源端子であるINピンと、低電位側の電源端子であるGNDピンと、後述の第3システム電圧Vs3が出力される出力端子であるOUTピンと、LDOレギュレータ62の動作をオン/オフするためのENピンと、を備える。
LDOレギュレータ62のINピンは、前述したように、パワーパスラインLn4を介して、充電IC55のSYS_1ピン、SYS_2ピン等に接続される。LDOレギュレータ62のGNDピンは、グランドラインに接続される。LDOレギュレータ62のOUTピンは、VSYSラインLn5を介して、MCU50の高電位側の電源端子であるVDDピンと、吸引センサ15の高電位側の電源端子であるVDDピンとに接続される。LDOレギュレータ62のENピンは、パワーパスラインLn4に接続される。
LDOレギュレータ62は、INピンの電位とGNDピンの電位との差分により電源電圧が供給され、且つENピンへの入力電圧がハイレベルであるときに動作し、所定の第3システム電圧Vs3を生成してOUTピンから出力する。本実施形態におけるLDOレギュレータ62は、ENピンへハイレベルが入力されることでイネーブルされることから、正論理動作である。これに代えて、ENピンへローレベルが入力されることでイネーブルされる正論理動作のLDOレギュレータ62を用いてもよい。この場合、ENピンへローレベルが常に入力されるように、ENピンはグランドラインへ接続されることが好ましい。
より詳細に説明すると、充電IC55から第2システム電圧Vs2が出力されたことに応じて、LDOレギュレータ62には、第2システム電圧Vs2が電源電圧として供給される。また、充電IC55から第2システム電圧Vs2が出力されているときには、LDOレギュレータ62のENピンへの入力電圧は第2システム電圧Vs2(すなわちハイレベル)となる。したがって、LDOレギュレータ62は、充電IC55から第2システム電圧Vs2が出力されると、第3システム電圧Vs3を生成し、生成した第3システム電圧Vs3をMCU50や吸引センサ15等に対して出力する。
LDOレギュレータ62が出力する第3システム電圧Vs3は、MCU50や吸引センサ15等を動作させるのに適した電圧値を有する。具体的に、第3システム電圧Vs3は、第2システム電圧Vs2よりも低い電圧であり、例えば2.5[V]とすることができる。
(操作スイッチ回路)
LDOレギュレータ62から出力された第3システム電圧Vs3が供給されるVSYSラインLn5には、さらに、操作スイッチOPSに対するユーザの操作を検出するための操作スイッチ回路Cc3と、電源BATの温度を検出するための電源温度検出回路Cc4とが接続される。
操作スイッチ回路Cc3は、抵抗器R1と、抵抗器R2と、抵抗器R3と、操作スイッチOPSとにより構成される。抵抗器R1は、一端がVSYSラインLn5に接続され、他端が抵抗器R2及び抵抗器R3のそれぞれの一端に接続される。また、抵抗器R2の他端はMCU50のPC4ピンに接続され、抵抗器R3の他端は操作スイッチOPSの一端に接続される。そして、操作スイッチOPSの他端はグランドラインに接続される。
操作スイッチOPSがユーザによって操作されていないときに、MCU50のPC4ピンには、VSYSラインLn5に供給される第3システム電圧Vs3を抵抗器R1と抵抗器R2とによって降圧した電圧が入力される。一方、操作スイッチOPSがユーザによって操作されているときに、MCU50のPC4ピンには、VSYSラインLn5に供給される第3システム電圧Vs3を抵抗器R1と抵抗器R3とによって分圧した後に抵抗器R2によって降圧した電圧が入力される。したがって、MCU50は、PC4ピンへの入力電圧に基づき操作スイッチOPSに対するユーザの操作の有無を検出することができる。
(電源温度検出回路)
電源温度検出回路Cc4は、サーミスタTHと、抵抗器R4と、電源温度検出回路Cc4の導通及び遮断を切り替えるスイッチSw3とを直列に接続して構成される。電源温度検出回路Cc4におけるスイッチSw3側の一端はVSYSラインLn5に接続され、電源温度検出回路Cc4におけるサーミスタTH側の他端はグランドラインに接続される。また、MCU50のPC1ピンは、電源温度検出回路Cc4において抵抗器R4とサーミスタTHとの間となる接続点CPに接続される。
電源温度検出回路Cc4のスイッチSw3は、MCU50からのオン指令に応じてオンとなり、MCU50からのオフ指令に応じてオフとなる。スイッチSw3がオンとなると、電源温度検出回路Cc4が導通した状態となり、VSYSラインLn5に供給される第3システム電圧Vs3を抵抗器R4の電気抵抗値とサーミスタTHの電気抵抗値とによって分圧した電圧がMCU50のPC1ピンに入力される。前述したように、サーミスタTHは電気抵抗値と温度とに相関性を有するものであるため、スイッチSw3をオンとしたときのPC1ピンへの入力電圧はサーミスタTHの温度によって変化する。したがって、MCU50は、スイッチSw3をオンとしたときのPC1ピンへの入力電圧に基づきサーミスタTHの温度(すなわち電源BATの温度)を検出可能である。
なお、スイッチSw1等と同様に、スイッチSw3としては、例えば、MOSFETにより構成されるスイッチを採用することができる。本実施形態では、一例として、スイッチSw3を構成するMOSFETのゲート端子がMCU50のPA8ピンに接続されており、MCU50がPA8ピンからの出力を制御することにより、スイッチSw3のゲート端子に印加されるゲート電圧を変化させ、スイッチSw3をオンにしたりオフにしたりする。なお、スイッチSw3は、MOSFETに限らず、MCU50の制御にしたがってオン/オフされるスイッチであればよい。
(DC/DCコンバータ)
DC/DCコンバータ63は、高電位側の電源端子であるVINピンと、低電位側の電源端子であるGNDピンと、電圧が入力されるSWピンと、後述の第4システム電圧Vs4が出力される出力端子であるVOUTピンと、DC/DCコンバータ63の動作をオン/オフするためのENピンと、DC/DCコンバータ63の動作モードを設定するためのMODEピンと、を備える。
DC/DCコンバータ63のVINピンは、前述したように、パワーパスラインLn4を介して、充電IC55のSYS_1ピン、SYS_2ピン等に接続される。DC/DCコンバータ63のGNDピンは、グランドラインに接続される。DC/DCコンバータ63のSWピンは、リアクトルRc2を介して、パワーパスラインLn4に接続される。DC/DCコンバータ63のVOUTピンは、VHEATラインLn6を介して、放電端子41の正極端子(すなわち高電位側)である正極側放電端子41aに接続される。DC/DCコンバータ63のENピンは、MCU50のPB2ピンに接続される。DC/DCコンバータ63のMODEピンは、パワーパスラインLn4に接続される。また、放電端子41の負極端子(すなわち低電位側)である負極側放電端子41bは、グランドラインに接続される。
DC/DCコンバータ63は、VINピンの電位とGNDピンの電位との差分により電源電圧が供給され、且つENピンへの入力電圧がハイレベルであるときに動作し、入力された電圧を昇圧してVOUTピンから出力する。本実施形態におけるDC/DCコンバータ63は、ENピンへハイレベルが入力されることでイネーブルされることから、正論理動作である。これに代えて、ENピンへローレベルが入力されることでイネーブルされる負論理動作のDC/DCコンバータ63を用いてもよい。
より詳細に説明すると、充電IC55から第2システム電圧Vs2が出力されたことに応じて、DC/DCコンバータ63には、第2システム電圧Vs2が電源電圧として供給される。また、MCU50は、エアロゾルの生成要求等に応じてヒータ21を加熱すると判断した際に、DC/DCコンバータ63のENピンにハイレベルの電圧信号を入力する。これにより、DC/DCコンバータ63は、DC/DCコンバータ63に入力された電圧を昇圧して得られる第4システム電圧Vs4を放電端子41(すなわちヒータ21)に対して出力する。
DC/DCコンバータ63が出力する第4システム電圧Vs4は、ヒータ21を加熱するのに適した電圧値を有する。具体的に、第4システム電圧Vs4は、第3システム電圧Vs3よりも高い電圧であり、例えば4.2[V]程度の電圧とすることができる。
また、DC/DCコンバータ63は、例えばスイッチングレギュレータであり、動作モードとして、パルス幅変調モード(以下、PWMモードともいう)と、パルス周波数変調モード(以下、PFMモードともいう)と、をとり得る。本実施形態では、DC/DCコンバータ63のMODEピンをパワーパスラインLn4に接続することで、DC/DCコンバータ63が動作し得るときのMODEピンへの入力電圧がハイレベルとなるようにして、DC/DCコンバータ63をPWMモードで動作させるようにしている。
また、図6に示すように、VHEATラインLn6には、VHEATラインLn6の導通及び遮断を切り替えるスイッチSw4が設けられる。スイッチSw4は、MCU50からのオン指令に応じてオンとなり、MCU50からのオフ指令に応じてオフとなる。スイッチSw4がオンとなると、VHEATラインLn6が導通した状態となり、DC/DCコンバータ63から出力された第4システム電圧Vs4が放電端子41(具体的には正極側放電端子41a)に供給されて、ヒータ21が加熱される。これにより、エアロゾル源が霧化あるいは気化され、エアロゾルを生成することが可能になっている。
スイッチSw4としては、例えばMOSFETにより構成されるスイッチを採用できる。より具体的には、スイッチSw4は、スイッチング速度が高速なパワーMOSFETであることが望ましい。本実施形態では、一例として、スイッチSw4を構成するMOSFETのゲート端子がMCU50のPB4ピンに接続されており、MCU50がPB4ピンからの出力を制御することにより、スイッチSw4のゲート端子に印加されるゲート電圧を変化させ、スイッチSw4をオンにしたりオフにしたりする。
(VHEATラインLn6に接続される他の電子部品)
放電端子41に供給される電圧が不安定になると、ヒータ21によって生成されるエアロゾルの量がばらついて香喫味の悪化につながるおそれがある。そこで、図6に示すように、VHEATラインLn6には、DC/DCコンバータ63から出力された第4システム電圧Vs4を安定化するためのコンデンサが接続される。
より詳細に説明すると、電源ユニット10では、DC/DCコンバータ63から出力された第4システム電圧Vs4を安定化するためのコンデンサとして、コンデンサCd61、コンデンサCd62、及びコンデンサCd63の3つのコンデンサを並列に設けている。このように、複数のコンデンサにより電圧の安定化(平滑化)を行うようにすることで、電圧の安定化に伴う発熱を複数のコンデンサに分散できる。したがって、1つのコンデンサにより電圧の安定化を行うようにした場合に比べて、コンデンサが高温となることを回避して、コンデンサの劣化や故障を抑制することが可能となる。
特に、ヒータ21によって生成されるエアロゾルの量を確保する観点から、第4システム電圧Vs4には高い電圧値が要求される。仮に、このような高電圧の安定化を1つのコンデンサにより行うようにすると、このコンデンサが非常に高温となることが想定される。その結果、高温となったコンデンサが著しく劣化するだけでなく、このコンデンサの周辺に配置された他の電子部品にも悪影響を及ぼし得る。したがって、前述したように、第4システム電圧Vs4の安定化は、複数のコンデンサにより行うのが望ましい。
なお、コンデンサCd61、コンデンサCd62、及びコンデンサCd63のうち、コンデンサCd61は、静電容量が比較的小さく、これに伴って物理的なサイズも比較的小さいコンデンサとなっている。一方、コンデンサCd62及びコンデンサCd63は、静電容量が比較的大きく、これに伴って物理的なサイズも比較的大きいコンデンサとなっている。具体的一例として、コンデンサCd61の静電容量は0.1[μF]とすることができ、コンデンサCd62及びコンデンサCd63の静電容量は50[μF]とすることができる。このように、静電容量が互いに異なる複数のコンデンサを用いることで、第4システム電圧Vs4にさまざまな脈動成分(リップル)が含まれていても、これらを除去できる。
また、図6に示すように、本実施形態では、VHEATラインLn6において、放電端子41とスイッチSw4との間には、バリスタVR4を設けている。より詳細に、バリスタVR4の一端はVHEATラインLn6に接続され、他端はグランドラインに接続される。このようなバリスタVR4を設けることで、例えば第1カートリッジ20の脱着により放電端子41に静電気のノイズが発生しても、このノイズを、バリスタVR4を介してグランドラインへ逃がすことができる。したがって、放電端子41に発生した静電気等のノイズから、スイッチSw4やDC/DCコンバータ63等の電源ユニット10のシステムを保護することが可能となる。
また、図6に示すように、VHEATラインLn6において、放電端子41とスイッチSw4との間には、スイッチSw4を介して放電端子41に供給される電圧を安定化するためのコンデンサCd7も接続される。なお、このコンデンサCd7は、放電端子41に発生した静電気等のノイズから、スイッチSw4やDC/DCコンバータ63等の電源ユニット10のシステムを保護する保護部品としても機能し得る。したがって、コンデンサCd7によっても、放電端子41に発生した静電気等のノイズから、スイッチSw4やDC/DCコンバータ63等の電源ユニット10のシステムを保護することが可能になっている。なお、第1カートリッジ20の脱着時以外にも、ユーザが放電端子41に触れてしまった時や、放電端子41に応力が加わった時にも、放電端子41において静電気等のノイズが生じうる。
(吸引センサ)
吸引センサ15は、高電位側の電源端子であるVDDピンと、低電位側の電源端子であるGNDピンと、出力端子であるOUTピンと、を備える。
吸引センサ15のVDDピンは、前述したように、VSYSラインLn5を介して、LDOレギュレータ62のOUTピンに接続される。吸引センサ15のGNDピンは、グランドラインに接続される。吸引センサ15のOUTピンは、MCU50のPC5ピンに接続される。
吸引センサ15は、VDDピンの電位とGNDピンの電位との差分により電源電圧が供給されると動作する。具体的に、吸引センサ15には、LDOレギュレータ62から出力された第3システム電圧Vs3が電源電圧として供給されることで動作して、ユーザのパフ動作を検出するセンサ装置として機能する。例えば、吸引センサ15は、コンデンサマイクロフォンや圧力センサを主体に構成され、ユーザの吸引により生じた電源ユニット10内の圧力(内圧)変化の値を検出結果として示す信号を、OUTピンからMCU50に対して出力する。なお、吸引センサ15には、コンデンサマイクロフォンあるいは圧力センサ以外のセンサ装置を採用してもよい。
(MCU)
MCU50は、高電位側の電源端子であるVDDピンと、低電位側の電源端子であるVSSピンと、入力端子あるいは出力端子として機能する複数のピン(以下、入出力ピンともいう)と、を備える。MCU50は、VDDピンの電位とVSSピンの電位との差分により電源電圧が供給されることで動作する。
MCU50は、入出力ピンとして、前述したPA11ピン及びPA12ピンを備えるため、これらのピンを利用して外部機器と通信でき、例えばファームウェアの更新データ等を外部機器から取得できる。また、MCU50は、入出力ピンとして、前述したPB8ピン及びPB9ピンを備えるため、これらのピンを利用して充電IC55と通信でき、前述したバッテリ情報等を充電IC55から取得できる。
さらに、MCU50は、入出力ピンとして、前述したPB14ピン及びPB2ピンを備えるため、PB14ピンからの出力により充電IC55のオン/オフを、PB2ピンからの出力によりDC/DCコンバータ63のオン/オフを、それぞれ制御できる。
また、MCU50は、入出力ピンとして、前述したPA0ピン、PB3ピン、PA8ピン、及びPB4ピンを備えるため、PA0ピンからの出力によりスイッチSw1を、PB3ピンからの出力によりスイッチSw2を、PA8ピンからの出力によりスイッチSw3を、PB4ピンからの出力によりスイッチSw4を、それぞれオン/オフできる。
そして、MCU50は、入出力ピンとして、前述したPC5ピン、PC4ピン、及びPC1ピンを備えるため、PC5ピンへの入力に基づきユーザのパフ動作を、PC4ピンへの入力に基づき操作スイッチOPSに対するユーザの操作を、スイッチSw3をオンとしたときのPC1ピンへの入力に基づきサーミスタTHの温度(すなわち電源BATの温度)を、それぞれ検出できる。
(電源ユニットの内部構成)
続いて、電源ユニット10の内部構成について図5、及び図7~図12を参照しながら説明する。
ケース11の内部空間には絶縁性のシャーシ12が設けられ、充電端子42(図3参照)、レセプタクル搭載基板8、電源BATを含むバッテリパックBP、及びMCU搭載基板7が、ボトム部11cからトップ部11aに向かってこの順にシャーシ12に保持される。ケース11には、充電端子42へのアクセスを許容する前述した充電用開口43、操作部14を外部に露出させる操作用開口、及び放電端子41をトップ部11aから外部に露出させる一対の放電用開口が設けられている。
(MCU搭載基板)
MCU搭載基板7には、電源ユニット10の回路構成(図6等を参照)で説明した複数の電子部品が実装されている。MCU搭載基板7は、複数の層が積層されて構成された多層基板であって、略矩形形状を有する。MCU搭載基板7は、長手方向がケース11の中心線Lの延伸方向(X方向)に沿うように、且つ、一方側の素子実装面が操作部14に対向するように配置される。なお、以下の説明では、X方向を長手方向と称することがあり、X方向において、トップ部11a側をX1方向、ボトム部11c側をX2方向と称する。また、MCU搭載基板7上において、長手方向Xに直交する方向を短手方向Yと称し、短手方向Yにおいて、一方側(図7の左方であって、図8、9の上方且つ図10、11の下方)をY1方向、他方側(図7の右方であって、図8、9の下方且つ図10、11の上方)をY2方向と称する。MCU搭載基板7の中心線は、電源ユニット10(ケース11)のX方向に延びる中心線Lと一致する。なお、MCU搭載基板7の中心線は、MCU搭載基板7を長手方向Xに直交する面で切断した際のMCU搭載基板7の幅方向(短手方向)及び厚さ方向の中心点を長手方向Xに連続してつなげた線である。
MCU搭載基板7は、図7に示すように、MCU搭載基板7の大部分を占める矩形部81と、矩形部81からX1方向に突出した突出部82と、から構成される。突出部82は、短手方向Yの両端部が切り欠かれており、突出部82のX1方向端部がケース11のトップ部11aに対向し、突出部82が設けられていない矩形部81のX1方向端部がケース11の低床部11bに対向する。
MCU搭載基板7の操作部14側の面を主面7a、反対側の面を副面7bとすると、MCU搭載基板7は、主面7a及び副面7bの両方に電子部品が実装される両面実装基板である。
主面7aの主面側表面層71a(以下、単に主面7aと称する)には、図8に示すように、バッテリコネクタCn3、MCU50、操作スイッチOPS、LED_L1、LED_L2、DC/DCコンバータ63、DC/DCコンバータ63のリアクトルRc2、スイッチSw4、及び正極側放電端子41a等が実装される。
より具体的に説明すると、主面7aの略中央には、操作部14と対向するように、ボタン式の操作スイッチOPSが実装される。これにより、ユーザは、ケース11の操作部14を介して操作スイッチOPSを押し下げることができる。また、操作スイッチOPSの近傍には、短手方向Yにおいて操作スイッチOPSを挟むように一対のLED_L1、LED_L2が実装される。これにより、ユーザは、LED_L1及びLED_L2から出射された光を、操作部14の周囲に設けられたLED窓13を介して視認することができる。
また、主面7aには、X2方向の端部にバッテリコネクタCn3が実装され、X1方向の端部である突出部82に正極側放電端子41aが実装される。X2方向の端部は、電源BATに近い位置であり、図7に示すように、バッテリコネクタCn3には電源BATから延びるバッテリ接続ケーブルCb2が接続される。X1方向の端部は、第1カートリッジ20に近い位置であり、正極側放電端子41aにはヒータ21が接続される。
正極側放電端子41aは、突出部82において中心線Lを挟んでY2方向側に実装される。突出部82において中心線Lを挟んでY1方向側には、スイッチSw4が実装される。また、主面7aには、X方向において、操作スイッチOPSとスイッチSw4の間に、DC/DCコンバータ63、及びDC/DCコンバータ63のリアクトルRc2が実装されている。
副面7bの副面側表面層71b(以下、単に副面7bと称する)には、図10に示すように、充電IC55、充電IC55のリアクトルRc1、保護IC61、MCU搭載基板側コネクタCn2、吸引センサ15、及び負極側放電端子41b等が実装される。
より具体的に説明すると、副面7bの略中央には、MCU搭載基板側コネクタCn2が実装され、MCU搭載基板側コネクタCn2には充電端子42を実装したレセプタクル搭載基板8から延びる基板接続ケーブルCb1が接続される。
また、副面7bには、MCU搭載基板側コネクタCn2のX2方向側に充電IC55が実装され、X方向において充電IC55とMCU搭載基板側コネクタCn2との間であって、Y方向においてY1方向側には充電IC55のリアクトルRc1が実装され、Y2方向側には保護IC61が実装されている。さらに副面7bには、MCU搭載基板側コネクタCn2のX1方向側に吸引センサ15が実装され、X1方向の端部である突出部82に負極側放電端子41bが実装される。前述したようにX1方向の端部は、第1カートリッジ20に近い位置であり、負極側放電端子41bにはヒータ21が接続される。
負極側放電端子41bは、突出部82において中心線Lを挟んでY1方向側に配置される。このようにMCU搭載基板7には、主面7aに正極側放電端子41aが実装され、副面7bに負極側放電端子41bが実装される。正極側放電端子41a及び負極側放電端子41bは、ケース11のトップ部11aから露出する先端部が細い針状のプローブになっている。図12に示すように、ケース11の中心線Lの延伸方向(X方向)から見て、正極側放電端子41aのプローブの中心Paと負極側放電端子41bのプローブの中心Pbを結ぶ仮想線Pは、中心線Lを通るように配置され、さらに正極側放電端子41aのプローブの中心Paと負極側放電端子41bのプローブの中心Pbは、中心線Lを通る円Q上に配置される。
MCU搭載基板7は、図13に示すように、ベース層70から主面側表面層71aに向かって、第1配線層72a、主面側絶縁層73a、第2配線層74aがこの順に設けられ、さらにベース層70から副面側表面層71bに向かって、第3配線層72b、副面側絶縁層73b、第4配線層74bがこの順に設けられている。なお、MCU搭載基板7は、これに限らず、種々の構成を採用することができる。例えば、第2配線層74a及び/又は第4配線層74bが複数設けられていてもよく、第1配線層72a及び第3配線層のうちいずれか一方のみが設けられていてもよい。
第2配線層74a及び第4配線層74bには、銅箔等から形成される導電パターンが設けられている。ここで、電源ライン及び信号ラインを構成する導電パターンを配線パターン77と称し、グランドラインを構成する導電パターンをグランドパターン78と称すると、図9及び図11に示すように、グランドパターン78は配線パターン77を囲うように設けられている。言い換えると、グランドパターン78は、配線パターン77よりも外側に位置している。図9は、MCU搭載基板7の第2配線層74aを示す図であり、図11はMCU搭載基板7の第4配線層74bを示す図である。なお、図9及び図11では、斜線のハッチングで示した部分が配線パターン77であり、ドットのハッチングで示した部分がグランドパターン78である。図9及び図11では、複数の配線パターンのうち一部の配線パターンのみを示している点に留意されたい。
図13に示すように、ビアV1は第2配線層74aから第4配線層74bまで貫通する導電体から構成され、第1配線層72a、第2配線層74a、第3配線層72b、第4配線層74bに形成される導電パターンのうちビアV1と電気的に接続される導電パターンを同電位とする。例えば第2配線層74aの配線パターン77及び第4配線層74bの配線パターン77はビアV1を介して互いに電気的に接続される。ビアV2は第2配線層74aから第1配線層72aまで貫通する導電体から構成され、第1配線層72a、第2配線層74aに形成される導電パターンのうちビアV2と電気的に接続される導電パターンを同電位とする。ビアV3は第3配線層72bから第4配線層74bまで貫通する導電体から構成され、第3配線層72b、第4配線層74bに形成される導電パターンのうちビアV3と電気的に接続される導電パターンを同電位とする。例えば、第2配線層74aのグランドパターン78及び第1配線層72aの一部の導電パターンはビアV2を介して互いに電気的に接続され、第4配線層74bのグランドパターン78及び第3配線層72bの一部の導電パターンはビアV3を介して互いに電気的に接続される。また、ビアV4は第1配線層72aから第3配線層72bまで貫通する導電体から構成され、第1配線層72a、第3配線層72bに形成される導電パターンのうちビアV4と電気的に接続される配線を同電位とする。例えば、第1配線層72aの一部の導電パターン及び第3配線層72bの一部の導電パターンはビアV4を介して互いに電気的に接続される。これにより、第1配線層72aの一部の導電パターン及び第3配線層72bの一部の導電パターンと、これらに接続される第2配線層74aのグランドパターン78及び第4配線層74bのグランドパターン78を、共通の基準電位を有するグランドラインとすることができる。
主面側表面層71a及び副面側表面層71bは、絶縁性のレジスト膜79(図13参照)から構成され、第2配線層74a及び第4配線層74bを覆い、配線パターン77同士が短絡しないように、且つ、配線パターン77とグランドパターン78が短絡しないように保護する。主面側表面層71a及び副面側表面層71bについての詳細は後述する。ベース層70、主面側絶縁層73a及び副面側絶縁層73bは、例えばガラスやエポキシ樹脂を含む絶縁物から構成され、上下の層の短絡を防止しつつ接着する。
(主面側表面層及び副面側表面層)
図8及び図10に示すように、MCU搭載基板7の主面7aの表面である主面側表面層71a、及びMCU搭載基板7の副面7bの表面である副面側表面層71bにはそれぞれ、絶縁性のレジスト膜79が形成された絶縁膜形成部75と、レジスト膜79が形成されていない絶縁膜非形成部76と、が設けられている。図8及び図10において、太線で囲まれた部分が絶縁膜形成部75である。
図9及び図11も併せて参照することで、絶縁膜形成部75は、主面側表面層71a及び副面側表面層71bの下の層に形成された、第2配線層74aの配線パターン77及び第4配線層74bの配線パターン77と、第2配線層74aのグランドパターン78及び第4配線層74bのグランドパターン78の大部分と、を覆っていることが分かる。前述したように絶縁膜形成部75により、配線パターン77同士、配線パターン77とグランドパターン78の意図しない短絡が防止される。
一方、絶縁膜非形成部76は、MCU搭載基板7の縁の近傍に設けられる。絶縁膜非形成部76では、MCU搭載基板7の縁に沿って延在し且つ第2配線層74aの配線パターン77及び第4配線層74bの配線パターン77よりも外側に位置する第2配線層74aのグランドパターン78及び第4配線層74bのグランドパターン78の少なくとも一部がレジスト膜79から露出する。言い換えると、絶縁膜形成部75と絶縁膜非形成部76の境界が、MCU搭載基板7の縁の近傍に位置する第2配線層74aのグランドパターン78及び第4配線層74bのグランドパターン78の少し内側に位置している。そして、この縁から第2配線層74aのグランドパターン78及び第4配線層74bのグランドパターン78までの距離が、この縁から第2配線層74aの配線パターン77及び第4配線層74bの配線パターン77までの距離よりも短くなっている。
このように、主面側表面層71a及び副面側表面層71bの絶縁膜非形成部76によって、第2配線層74aの配線パターン77及び第4配線層74bの配線パターン77よりも外側に位置する第2配線層74aのグランドパターン78及び第4配線層74bのグランドパターン78がレジスト膜79から露出することで、外部からのノイズ(例えば、静電ノイズ)がグランドパターン78に侵入しやすくなる。そして、グランドパターン78に侵入したノイズは、グランドパターン78からビアV2及びビアV3を介して第1配線層72a及び第3配線層72bに侵入する。そのため、ノイズ対策としてコンデンサ等の他の電子部品が無くても、ノイズが、配線パターン77、及び配線パターン77に接続される電子部品に侵入することを抑制でき、ノイズによる悪影響を抑制できる。また、ノイズ対策としてコンデンサ等の他の電子部品を簡略化したり省略したりすることができるため、電源ユニット10の小型化、低コスト化を図ることができる。
絶縁膜非形成部76が設けられる縁は、MCU搭載基板7の複数の縁のうち少なくとも一つの縁を含んでいればよい。言い換えると、絶縁膜非形成部76は、MCU搭載基板7の全ての縁に設けられる必要はなく、必要な縁にのみ設けられていればよい。絶縁膜非形成部76を設けることで電子部品をノイズから保護することができるものの、配線パターン77等で短絡が発生しやすくなるため、どの縁に絶縁膜非形成部76を設けるかということが重要となる。
ここで、MCU搭載基板7の縁について、矩形部81の一対の長辺に対応する縁を長縁81d、矩形部81の一対の短辺に対応する縁を短縁81e、突出部82のX1側の縁を上縁82f、突出部82のY方向両側の縁を側縁82gと称すると、本実施形態の絶縁膜非形成部76は、主面7a及び副面7bにおいて矩形部81の長縁81dに沿って設けられる。本実施形態の絶縁膜非形成部76においては、長縁81dの近傍において、長縁81dに沿って延在し且つ配線パターン77よりも外側に位置するグランドパターン78の一部がレジスト膜79から露出する。なお、本実施形態の絶縁膜非形成部76においては、「長縁81dの近傍において、長縁81dに沿って延在し且つ配線パターン77よりも外側に位置する」とは、絶縁膜非形成部76が配線パターン77から最も近い縁との間に位置する(または最も近い縁に位置する)ことをも含みうる。絶縁膜非形成部76を矩形部81の長縁81dに沿って設けることで、ノイズが浸入するグランドパターン78を長く確保でき、ノイズによる悪影響をさらに抑制できる。逆に言うと、絶縁膜非形成部76は、主面7a及び副面7bにおいて矩形部81の短縁81eに沿って設けられておらず、短縁81eには絶縁膜形成部75が設けられている。ノイズが浸入するグランドパターン78を長く確保できない短縁81eに絶縁膜非形成部76を設けず、絶縁膜形成部75とすることで、MCU搭載基板7の製造を容易にできる。
また、本実施形態では、絶縁膜非形成部76は、長縁81dのX1方向の端部からX2方向の端部に至るまで連続して設けられている。絶縁膜非形成部76は、長縁81dに沿って断続的に設けられていてもよいが、連続して設けられることで、ノイズによる悪影響を効果的に抑制できるとともに、MCU搭載基板7の製造を容易にできる。
なお、本実施形態では、絶縁膜非形成部76が主面7a及び副面7bで同じ縁に設けられているが、必ずしもこれに限らず、絶縁膜非形成部76が設けられる縁が主面7a及び副面7bで異なっていてもよく、絶縁膜非形成部76がいずれか一方の面にのみ設けられていてもよい。また、絶縁膜非形成部76が、主面7a及び/又は副面7bの短縁81eにのみ設けられていてもよく、長縁81d及び短縁81eに設けられていてもよい。
ケース11から侵入したノイズは、ケース11からの距離が近いところに飛び込みやすい。特に、ケース11が金属の場合、この傾向は顕著となる。したがって、ケース11からMCU搭載基板7に実装される電子部品までの距離よりも近い位置に、絶縁膜非形成部76が存在することが好ましい。言い換えると、絶縁膜非形成部76のレジスト膜79から露出するグランドパターン78からケース11までの最短距離は、MCU搭載基板7に実装される電子部品からケース11までの最短距離よりも短いことが好ましい。これにより、背の高い電子部品(例えば、リアクトルRc2)がMCU搭載基板7に実装される場合であっても、ケース11の外部からのノイズが電子部品に侵入するよりも絶縁膜非形成部76のグランドパターン78に侵入しやすいため、ノイズによる電子部品への悪影響を抑制できる。
特に、電源ユニット10においてMCU50は重要な機能を果たすので、図12に示すように、絶縁膜非形成部76のレジスト膜79から露出するグランドパターン78からケース11までの最短距離L1が、MCU50からケース11までの最短距離L2よりも短いことが好ましい。これにより、ケース11の外部からのノイズがMCU50に侵入するよりも絶縁膜非形成部76のグランドパターン78に侵入しやすいため、ノイズによるMCU50の誤作動を抑制できる。
仮にケース11が複数の部材から組み合わされる場合、ノイズは複数の部材の合わせ部から侵入しやすい。したがって、この場合、ケース11の合わせ部からMCU搭載基板7に実装される電子部品までの距離よりも近い位置に、絶縁膜非形成部76のグランドパターン78が存在することが好ましい。
また、絶縁膜非形成部76は、MCU搭載基板7の長辺に対応する縁に限らず、MCU50との距離が最も近い縁に設けてもよく、これら両方の縁に設けてもよい。なお、本実施形態では、主面7aの長縁81dがMCU50との距離が最も近い縁であるが、主面7aの長縁81dがMCU50との距離が最も近い縁でない場合、MCU50との距離が最も近い縁に絶縁膜非形成部76を設けてもよい。MCU50との距離が最も近い縁に絶縁膜非形成部76に設けることで、電源ユニット10において重要な機能を果たすMCU50にノイズが侵入しづらくなるため、ノイズによるMCU50の誤作動を抑制できる。さらに、絶縁膜非形成部76を、MCU50との距離が最も近い縁と、MCU50を挟んで、最も近い縁と対向する縁とに設けられることで、ノイズがMCU50により一層侵入しづらくなるため、ノイズによるMCU50の誤作動をさらに抑制できる。
また、絶縁膜非形成部76を設ける縁の選定に関し、配線パターン77に着目してもよい。即ち、太い(幅の大きい)配線パターン77に近接する縁と、細い(幅の小さい)配線パターン77に近接する縁がある場合、絶縁膜非形成部76を設ける縁は、太い(幅の大きい)配線パターン77に近接する縁を含むことが好ましい。太い(幅の大きい)配線パターン77は細い(幅の小さい)配線パターン77に比べてノイズが侵入しやすいので、太い(幅の大きい)配線パターン77の近くの縁に絶縁膜非形成部76を設けることで、配線パターン77へのノイズの侵入を効果的に抑制できる。この場合であっても、レジスト膜79から露出するグランドパターン78から電子部品までの距離又はMCU50までの距離が、このグランドパターン78から太い(幅の大きい)配線パターン77までの距離よりも長いことが好ましい。MCU50等の電子部品を絶縁膜非形成部76からより遠くに配置することで、ノイズによるMCU50の誤作動を抑制できる。
さらに、太い(幅の大きい)配線パターン77には、第1配線層72a及び/又は第3配線層72bのグランドラインを構成する導電パターンに接続される複数のビア(不図示)が設けられていることが好ましい。これにより、仮にノイズが絶縁膜非形成部76に侵入できず太い(幅の大きい)配線パターン77に侵入した場合であっても、ノイズをこの複数のビアを介して第1配線層72a及び第3配線層72bのグランドラインを構成する導電パターンに侵入させることができ、ノイズによる悪影響を抑制できる。
また、本実施形態では、突出部82の縁である側縁82g及び上縁82fに絶縁膜非形成部76が設けられておらず、突出部82の側縁82g及び上縁82fには絶縁膜形成部75が設けられている。主面7aの突出部82には、前述したようにスイッチSw4及び正極側放電端子41aが実装される。図9に示す突出部82に形成された配線パターン77は、DC/DCコンバータ63から出力された第4システム電圧Vs4が放電端子41(具体的には正極側放電端子41a)に供給されるVHEATラインLn6(図6参照)の一部であり、VHEATラインLn6の導通及び遮断を切り替えるスイッチSw4は、ヒータ21への放電制御に大きく影響する部品である。スイッチSw4との距離が最も近い縁である側縁82gに絶縁膜非形成部76が設けられないことで、スイッチSw4における短絡を抑制することができる。
これに加えて、突出部82の上縁82fにも絶縁膜非形成部76が設けられていないことで、スイッチSw4における短絡を抑制しながら、MCU搭載基板7の製造を容易にできる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
例えば、前述した実施形態では、電源BATから供給される電力を消費してエアロゾル源からエアロゾルを生成する加熱部をヒータ21とし、電源ユニット10の放電端子41からヒータ21に電力を供給する例を説明したが、これに限らない。例えば、エアロゾルを生成する加熱部を、第1カートリッジ20等に内蔵されるサセプタと、このサセプタへ電磁誘導により送電する誘導加熱用コイルと、によって構成することもできる。サセプタ及び誘導加熱用コイルにより加熱部を構成した場合には、電源ユニット10の放電端子41は、誘導加熱用コイルに接続され、誘導加熱用コイルに電力を供給する。
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
(1) 電源(電源BAT)と、
前記電源から供給される電力を消費してエアロゾル源(エアロゾル源22)からエアロゾルを生成する負荷(ヒータ21)、又は、前記負荷へ電磁誘導により送電するコイルが接続されるヒータコネクタ(放電端子41)と、
前記電源の充電と放電の少なくとも一方を制御するよう構成される制御装置(MCU50)と、
前記制御装置及び前記ヒータコネクタが実装される回路基板(MCU搭載基板7)と、を備え、
前記回路基板は、
前記制御装置及び前記ヒータコネクタと電気的に接続される配線(配線パターン77)と、
グランドと電気的に接続される導電部(グランドパターン78)と、
前記配線及び前記導電部の少なくとも一部を覆う絶縁膜(レジスト膜79)と、を備え、
前記回路基板の表面(主面側表面層71a、副面側表面層71b)は、
前記絶縁膜が形成された絶縁膜形成部(絶縁膜形成部75)と、
前記絶縁膜が形成されていない絶縁膜非形成部(絶縁膜非形成部76)と、を有し、
前記絶縁膜非形成部は、前記回路基板の縁に沿って延在し且つ前記配線よりも外側に位置する前記導電部の少なくとも一部が前記絶縁膜から露出するように設けられる、
エアロゾル生成装置(エアロゾル吸引器1)の電源ユニット(電源ユニット10)。
(1)によれば、絶縁膜非形成部では、回路基板の縁に沿って延在且つ配線よりも外側に位置する導電部の少なくとも一部が絶縁膜から露出するので、外部からのノイズが導電部を介してグランドに侵入しやすいため、ノイズによる悪影響を抑制できる。また、ノイズ対策としてコンデンサ等の他の電子部品を簡略化したり省略したりすることができるため、エアロゾル生成装置の電源ユニットの小型化、低コスト化を図ることができる。
(2) (1)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記絶縁膜非形成部が設けられる前記縁は、前記回路基板の複数の縁のうち少なくとも一つの縁(長縁81d)である、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(2)によれば、絶縁膜非形成部が必要な縁にのみ設ければよい。
(3) (1)又は(2)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記回路基板は、矩形部(矩形部81)を有し、
前記絶縁膜非形成部が設けられる前記縁は、前記矩形部の長辺に対応する縁(長縁81d)を含む、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(3)によれば、絶縁膜非形成部を矩形部の長辺に対応する縁に沿って設けることで、ノイズが浸入する導電部を長く確保できるので、ノイズによる悪影響をさらに抑制できる。
(4) (3)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記絶縁膜非形成部は、前記縁の一端から他端まで連続する、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(4)によれば、ノイズによる悪影響を抑制できるとともに、回路基板の製造を容易にできる。
(5) (1)~(4)のいずれかに記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
少なくとも前記回路基板を収容する筐体(ケース11)を備え、
前記回路基板には、前記配線に接続される電子部品が実装され、
前記絶縁膜から露出する前記導電部から前記筐体までの最短距離が、前記電子部品から前記筐体までの最短距離よりも短い、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(5)によれば、筐体の外部からのノイズが電子部品に侵入するよりも導電部に侵入しやすいため、ノイズによる電子部品への悪影響を抑制できる。
(6) (5)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記電子部品は、前記制御装置である、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(6)によれば、筐体の外部からのノイズが制御装置に侵入するよりも導電部に侵入しやすいため、ノイズによる制御装置の誤作動を抑制できる。
(7) (1)~(6)のいずれかに記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記絶縁膜非形成部が設けられる前記縁は、前記制御装置との距離が最も近い縁(長縁81d)を含む、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(7)によれば、ノイズが制御装置に侵入しづらくなるため、ノイズによる制御装置の誤作動を抑制できる。
(8) (1)~(7)のいずれかに記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記回路基板は、矩形部を有し、
前記絶縁膜非形成部が設けられる前記縁は、
前記制御装置との距離が最も近い第1縁(長縁81d)と、
前記制御装置を挟んで、前記第1縁と対向する第2縁(長縁81d)と、を含む、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(8)によれば、ノイズが制御装置により一層侵入しづらくなるため、ノイズによる制御装置の誤作動をさらに抑制できる。
(9) (1)~(8)のいずれかに記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記配線は
第1の配線(配線パターン77)と、
前記第1の配線の幅よりも大きい幅の第2の配線(配線パターン77)と、を含み、
前記絶縁膜非形成部は、前記第2の配線までの距離が前記第1の配線までの距離よりも短い位置の縁を含む、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(9)によれば、ノイズが侵入しやすい幅の大きい配線の近くの縁に絶縁膜非形成部が設けられるので、配線へのノイズの侵入を効果的に抑制できる。
(10) (9)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記絶縁膜非形成部が設けられる前記縁から前記制御装置までの距離が、前記絶縁膜非形成部が設けられる前記縁から前記第2の配線までの距離よりも長い、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(10)によれば、エアロゾル生成装置の電源ユニットにおいて重要な機能を果たす制御装置を絶縁膜非形成部からより遠くに配置することで、ノイズによる制御装置の誤作動を抑制できる。
(11) (10)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記第2の配線は、複数のビアを備え、
前記ビアは、前記グランドと接続している、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(11)によれば、仮にノイズが絶縁膜非形成部に侵入できず第2の配線に侵入した場合であっても、ノイズを複数のビアを介してグランドに侵入させることができ、ノイズによる悪影響を抑制できる。
(12) (1)~(11)のいずれかに記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記回路基板に実装され、前記配線と接続し前記ヒータコネクタへの電力供給をオン/オフするスイッチ(スイッチSw4)を備え、
前記絶縁膜非形成部が設けられる前記縁は、前記スイッチとの距離が最も近い縁(側縁82g)を含まない、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
スイッチはヒータへの放電制御に大きく影響する部品である。(12)によれば、スイッチとの距離が最も近い縁には絶縁膜非形成部が設けられないので、スイッチにおける短絡を抑制することができる。
(13) (12)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記回路基板は、
前記制御装置が実装された矩形部(矩形部81)と、
前記矩形部から突出し、前記スイッチが実装された凸部(突出部82)と、を備え、
前記絶縁膜非形成部が設けられる前記縁は、前記凸部の縁(側縁82g、上縁82f)を含まない、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(13)によれば、凸部には絶縁膜非形成部が設けられないので、スイッチにおける短絡を抑制しながら、回路基板の製造を容易にできる。
(14) (13)に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記ヒータコネクタは、前記凸部に実装されている、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(14)によれば、ヒータコネクタとスイッチとを近接配置できる。
(15) (1)~(14)のいずれかに記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
前記回路基板は、矩形部(矩形部81)を有し、
前記絶縁膜形成部は、前記矩形部の短辺に対応する縁(短縁81e)を含む、
エアロゾル生成装置の電源ユニット。
(15)によれば、ノイズが浸入する導電部を長く確保できない部分に絶縁膜非形成部を設けないことで、回路基板の製造を容易にできる。
1 エアロゾル吸引器(エアロゾル生成装置)
7 MCU搭載基板(回路基板)
10 電源ユニット
11 ケース(筐体)
21 ヒータ(負荷)
22 エアロゾル源
41 放電端子(ヒータコネクタ)
50 MCU(制御装置)
71a 主面側表面層(回路基板の表面)
71b 副面側表面層(回路基板の表面)
75 絶縁膜形成部
76 絶縁膜非形成部
77 配線パターン(配線)
78 グランドパターン(導電部)
79 レジスト膜
81 矩形部
81d 長縁(長辺に対応する縁)
81e 短縁(短辺に対応する縁)
82 突出部
82g 側縁(凸部の縁)
82f 上縁(凸部の縁)
L1 最短距離(絶縁膜から露出する導電部から筐体までの最短距離)
L2 最短距離(制御装置から前記までの最短距離)
BAT 電源
Sw4 スイッチ

Claims (15)

  1. 電源と、
    前記電源から供給される電力を消費してエアロゾル源からエアロゾルを生成する負荷、又は、前記負荷へ電磁誘導により送電するコイルが接続されるヒータコネクタと、
    前記電源の充電と放電の少なくとも一方を制御するよう構成される制御装置と、
    前記制御装置及び前記ヒータコネクタが実装される回路基板と、を備え、
    前記回路基板は、
    前記制御装置及び前記ヒータコネクタと電気的に接続される配線と、
    グランドと電気的に接続される導電部と、
    前記配線及び前記導電部の少なくとも一部を覆う絶縁膜と、を備え、
    前記回路基板の表面は、
    前記絶縁膜が形成された絶縁膜形成部と、
    前記絶縁膜が形成されていない絶縁膜非形成部と、を有し、
    前記絶縁膜非形成部は、前記回路基板の縁に沿って延在し且つ前記配線よりも外側に位置する前記導電部の少なくとも一部が前記絶縁膜から露出するように設けられる、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  2. 請求項1に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記絶縁膜非形成部が設けられる前記縁は、前記回路基板の複数の縁のうち少なくとも一つの縁である、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  3. 請求項1又は2に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記回路基板は、矩形部を有し、
    前記絶縁膜非形成部が設けられる前記縁は、前記矩形部の長辺に対応する縁を含む、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  4. 請求項3に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記絶縁膜非形成部は、前記縁の一端から他端まで連続する、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    少なくとも前記回路基板を収容する筐体を備え、
    前記回路基板には、前記配線に接続される電子部品が実装され、
    前記絶縁膜から露出する前記導電部から前記筐体までの最短距離が、前記電子部品から前記筐体までの最短距離よりも短い、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  6. 請求項5に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記電子部品は、前記制御装置である、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記絶縁膜非形成部が設けられる前記縁は、前記制御装置との距離が最も近い縁を含む、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記回路基板は、矩形部を有し、
    前記絶縁膜非形成部が設けられる前記縁は、
    前記制御装置との距離が最も近い第1縁と、
    前記制御装置を挟んで、前記第1縁と対向する第2縁と、を含む、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記配線は
    第1の配線と、
    前記第1の配線の幅よりも大きい幅の第2の配線と、を含み、
    前記絶縁膜非形成部は、前記第2の配線までの距離が前記第1の配線までの距離よりも短い位置の縁を含む、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  10. 請求項9に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記絶縁膜非形成部が設けられる前記縁から前記制御装置までの距離が、前記絶縁膜非形成部が設けられる前記縁から前記第2の配線までの距離よりも長い、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  11. 請求項10に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記第2の配線は、複数のビアを備え、
    前記ビアは、前記グランドと接続している、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  12. 請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記回路基板に実装され、前記配線と接続し前記ヒータコネクタへの電力供給をオン/オフするスイッチを備え、
    前記絶縁膜非形成部が設けられる前記縁は、前記スイッチとの距離が最も近い縁を含まない、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  13. 請求項12に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記回路基板は、
    前記制御装置が実装された矩形部と、
    前記矩形部から突出し、前記スイッチが実装された凸部と、を備え、
    前記絶縁膜非形成部が設けられる前記縁は、前記凸部の縁を含まない、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  14. 請求項13に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記ヒータコネクタは、前記凸部に実装されている、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
  15. 請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置の電源ユニットであって、
    前記回路基板は、矩形部を有し、
    前記絶縁膜形成部は、前記矩形部の短辺に対応する縁を含む、
    エアロゾル生成装置の電源ユニット。
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