JP7470413B2 - 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
航空機の運航にとって、乱気流は安全性や運航効率の両面に大きな影響を与えており、解決すべき課題の一つである。乱気流の構造を推定する方法として、気象予測モデルを用いた方法や渦モデルをフィッティングする方法などがある。これに関連し、レーザ光を利用したドップラーライダーを用いて乱気流を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-67680号公報
しかしながら、従来の技術では、気象学的な不確実性を考慮しつつ、低計算コストで乱気流場を生成することが困難であった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、気象学的な不確実性を考慮しつつ、低計算コストで乱気流場を生成することができる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的の一つとする。
本発明の一態様は、航空機のフライトデータ及び前記航空機の周辺の風速データを少なくとも含むデータセットを取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記データセットに基づいて、前記航空機の周辺領域に生じた気流の渦のモデルとなり得る複数の渦モデルであって、互いに形態の異なる複数の渦モデルの中から、少なくとも一つの前記渦モデルを選択する選択部と、前記選択部によって選択された前記渦モデルに含まれ、かつ前記渦モデルの形態に対応するパラメータごとに、前記パラメータが取り得る値の確率分布を推定する推定部と、前記推定部によって推定された前記確率分布に基づいて、前記選択部によって選択された前記渦モデルの各パラメータの値を決定する決定部と、を備える情報処理装置である。
本発明の一態様によれば、気象学的な不確実性を考慮しつつ、低計算コストで乱気流場を生成することができる。
第1実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示す図である。 第1実施形態に係る情報処理装置100の構成の一例を表す図である。 第1実施形態に係る情報処理装置100の制御部110による一連の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 風速データに対する前処理を説明するための図である。 乱気流場を模式的に表す図である。 渦パラメータの確率分布の一例を表す図である。 渦パラメータの確率分布の一例を表す図である。 渦パラメータの確率分布の一例を表す図である。 複数の確率的推定乱気流場を模式的に表す図である。 第1実施形態に係る情報処理装置100の制御部110による確率分布の推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムの実施形態について説明する。
<第1実施形態>
[情報処理システムの構成]
図1は、第1実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示す図である。図示のように、情報処理システム1は、例えば、航空機に搭載されたフライトデータレコーダー10と、同航空機に搭載されたドップラーライダー20と、気象観測装置30と、気象予測装置40と、情報処理装置100とを備える。これらの装置は、ネットワークNWに接続される。ネットワークNWは、例えば、WAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)などである。
フライトデータレコーダー10は、例えば、所定期間(例えば0.1秒)ごとに、航空機の位置(緯度、経度、高度)や、風速、気温、気圧、航空機の揺れの度合いを表す加速度、航空機の角度、航空機の速度、舵翼の駆動量などを計測し、それら計測結果が時刻に対応付けた時系列データをフライトデータとして生成する。例えば、航空機が乱気流に遭遇した場合、フライトデータには、乱気流に遭遇した航空機の揺れを表す加速度や、角度、速度、舵翼の駆動量などが含まれることになる。更に、フライトデータレコーダー10は、速度や加速度といった航空機の機体運動を基に、航空機周辺の風向を推定してもよい。この場合、フライトデータには、加速度や、角度、速度、舵翼の駆動量などに加えて、更に、風向が含まれてもよい。
ドップラーライダー20は、航空機の周辺にレーザ光を照射し、そのレーザ光の散乱光を検出する。大気中にはエアロゾルと呼ばれる微細な水滴や塵などが浮遊しており、これらエアロゾルにレーザ光が照射されると、エアロゾルは散乱光としてレーザ光を反射する。ドップラーライダー20は、エアロゾルによって反射された散乱光を検出すると、ドップラー効果によってその散乱光の波長を基に航空機周辺の風速を計測し、その計測結果が時刻に対応付けた時系列データを風速データとして生成する。風速データには、ドップラーライダー20によって計測された風速や、その風速の周波数スペクトルデータが含まれる。例えば、航空機が乱気流に遭遇した場合、風速データには、乱気流の風速や、乱気流の風速の周波数スペクトルデータが含まれることになる。
ドップラーライダー20は、典型的には、所定期間(例えば0.2秒)ごとに航空機の前方の複数の方向にレーザ光を断続的に照射する。より具体的には、ドップラーライダー20は、上下に十数度の角度をつけて複数のレーザ光を断続的に照射してよい。この場合、所定期間ごとに、レーザ光が照射された各方向に関する風速データが得られる。さらに、ドップラーライダー20は、レーザ光の各光軸方向に関して所定距離(例えば25[km])ごとに数[km]先までの数十サンプル点の風速データを取得することができる。
上述した風速データには、風速又はその周波数スペクトルデータが含まれるものとして説明したがこれに限られない。例えば、風速データには、更に風向も含まれてもよい。例えば、複数のドップラーライダー20の其々によってレーザ光が照射される場合、二次元的又は三次元的な空間の風速(航空機の進行方向に関する風速、鉛直方向に関する風速、及び水平方向に関する風速のうちの一部又は全部)を計測することができる。従って、複数のドップラーライダー20が航空機に設けられている場合、それら複数のドップラーライダー20は、互いに協調し合うことで、二次元空間又は三次元空間の風速から航空機周辺の風向を推定し、その推定した風向を含む風速データを生成してよい。
気象観測装置30は、例えば、気象レーダやラジオゾンデ、ライダー、ウインドプロファイラといった種々のセンサを用いて観測すべき対象空間(以下、観測空間と称する)の気象を観測し、その観測結果が時刻に対応付けた時系列データを気象観測データとして生成する。気象観測装置30は、例えば、航空機が離着陸する空港の敷地内や、その付近等に設置されてもよいし、航空機に搭載されてもよい。気象観測データには、例えば、降水強度(エコー強度)や、風速(ドップラー速度)、風向、気温、湿度といった大気の状態を表す物理量が含まれる。物理量は、観測空間を複数のグリッド(メッシュともいう)で区切ったときに、それら複数のグリッドのそれぞれに対応付けられてよい。グリッドは、例えば、5[km]や20[km]間隔の正方格子状に区切られてよい。
気象予測装置40は、例えば、気象予測モデル(数値予報モデルともいう)に基づいて、気象観測装置30によって生成された気象観測データから、観測空間の将来の気象を予測し、その予測結果を表すデータを気象予測データとして生成する。気象予測データには、例えば、降水強度や、風速、風向、気温、湿度といったように、気象観測データに含まれる物理量と同種の物理量が含まれてよい。気象予測データにおける物理量は、気象観測データと同様に、観測空間を区切った複数のグリッドのそれぞれに対応付けられてよい。
情報処理装置100は、ネットワークNWを介して、フライトデータレコーダー10から乱気流に遭遇した航空機のフライトデータを取得したり、ドップラーライダー20から乱気流に遭遇した航空機周辺の風速データを取得したり、気象観測装置30から乱気流が発生した観測空間の気象観測データを取得したり、気象予測装置40から乱気流が発生した観測空間の気象予測データを取得したりする。情報処理装置100は、取得したこれら各種データに基づいて、乱気流が生じた気象場(水平方向や鉛直方向の風速分布)を確率的に生成する。以下、乱気流が生じた気象場のことを特に「乱気流場」と称して説明する。
[情報処理装置の構成]
図2は、第1実施形態に係る情報処理装置100の構成の一例を表す図である。情報処理装置100は、単一のコンピュータであってもよいし、ネットワークNWを介して接続された複数のコンピュータが互いに協働して動作する一つのシステムであってもよい。すなわち、情報処理装置100は、分散コンピューティングやクラウドコンピューティングを利用したシステムに含まれる複数のコンピュータ(プロセッサ)によって実装されてもよい。
図示のように、情報処理装置100は、例えば、通信部102と、表示部104と、制御部110と、記憶部130とを備える。
通信部102は、例えば、NIC(Network Interface Card)や、受信機及び送信機を含む無線通信モジュールなどを含む。通信部102は、ネットワークNWを介して、外部装置と通信する。外部装置とは、上述したフライトデータレコーダー10、ドップラーライダー20、気象観測装置30、気象予測装置40などであるがこれに限定されず、これら以外の装置であってもよい。
表示部104は、各種の情報を表示するユーザインターフェースである。例えば、表示部104は、制御部110によって生成された画像を表示する。また、表示部104は、ユーザからの各種の入力操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示してもよい。例えば、表示部104は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどである。
制御部110は、例えば、取得部112と、前処理部114と、渦モデル選択部116と、確率分布推定部118と、乱気流場生成部120と、出力制御部122とを備える。渦モデル選択部116は、「選択部」の一例であり、確率分布推定部118は、「推定部」の一例であり、乱気流場生成部120は、「決定部」の一例である。
制御部110の構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサが記憶部130に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、制御部110の構成要素の一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
記憶部130は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などにより実現される。記憶部130には、ファームウェアやアプリケーションプログラムなどの各種プログラムが格納される。また、記憶部130には、プロセッサに参照されるプログラムに加えて、後述するフライトデータや風速データなどが格納されてもよい。
[情報処理装置の処理フロー]
以下、フローチャートに即して情報処理装置100の制御部110による一連の処理の流れを説明する。図3は、第1実施形態に係る情報処理装置100の制御部110による一連の処理の流れの一例を示すフローチャートである。情報処理装置100が、分散コンピューティングやクラウドコンピューティングを利用した複数のコンピュータによって実装される場合、本フローチャートの処理の一部または全部は、複数のコンピュータによって並列処理されてよい。
まず、取得部112は、通信部102を介して、乱気流に遭遇した航空機のフライトデータをフライトデータレコーダー10から取得し、さらに、航空機が乱気流に遭遇したときの周辺の風速データをドップラーライダー20から取得する(ステップS100)。
具体的には、取得部112は、通信部102を介して、航行中の航空機のフライトデータレコーダー10からリアルタイムにフライトデータを取得してもよいし、航行が完了した航空機のフライトデータレコーダー10から任意のタイミングでフライトデータを取得してもよい。同様に、取得部112は、通信部102を介して、航行中の航空機のドップラーライダー20からリアルタイムに風速データを取得してもよいし、航行が完了した航空機のドップラーライダー20から任意のタイミングで風速データを取得してもよい。
更に、取得部112は、乱気流に遭遇した航空機のフライトデータやその航空機の周辺の風速データに加えて、乱気流が発生した観測空間の気象観測データや気象予測データを取得してもよい。
次に、前処理部114は、取得部112によって取得された各種データの集合(以下、元データセットセットと称する)に対して、特定のデータセグメントを抽出するための前処理を行う(ステップS102)。
例えば、前処理部114は、元データセットのフライトデータに含まれる加速度データに基づいて、航空機が乱気流に遭遇した時刻t0を算出する。具体的には、前処理部114は、航行中の航空機の加速度が閾値以上である時刻を、乱気流の遭遇時刻t0として算出する。そして、前処理部114は、算出した乱気流の遭遇時刻t0を中心としたデータセグメントを、元データセットに含まれる各データの其々から抽出する。つまり、前処理部114は、乱気流の特徴が如実に表れているデータセグメントを、元データセットに含まれるフライトデータや風速データといった複数のデータのそれぞれから抽出する。
図4は、風速データに対する前処理を説明するための図である。例えば、乱気流の遭遇時刻t0を飛行距離に換算した位置がx0であったとする。この場合、前処理部114は、例えば、乱気流の遭遇時刻t0に対応した位置x0を求め、その位置x0を基準に航空機の前後方向の所定範囲のデータセグメントDSを前処理として抽出する。所定範囲は、晴天時の乱気流の1波長に基づいて設定されてよい。例えば、晴天時の乱気流の1波長は2[km]程度であることから、所定範囲は、それよりも長い距離であることが好ましい。具体的には、所定範囲は、航空機の前方向と後方向のそれぞれに3[km]程度の距離をとった範囲(つまり総距離6[km]程度の範囲)であると好適である。前処理部114は、このような前処理を、風速データの他に、フライトデータや気象観測データ、気象予測データに対しても行ってよい。
このように、元データセットに含まれる各データから、乱気流の遭遇時刻t0を起点とした特定のデータセグメントを抽出することによって、渦モデルMDLの選択という後述の処理の際に利用される複数種類のデータのフォーマットが統一される。以下、前処理として元データセットから抽出された複数の特定のデータセグメントの集合のことを「前処理済みデータセット」と称して説明する。
図3のフローチャートの説明に戻る。次に、渦モデル選択部116は、前処理部114によって前処理として元データセットから抽出された特定のデータセグメントの集合、つまりフォーマットが統一された前処理済みデータセットに基づいて、複数の渦モデルMDLの候補の中から、少なくとも一つ又は複数の渦モデルMDLを選択する(ステップS104)。
渦モデルMDLとは、航空機周辺で生じた乱気流を近似する数理的なモデル(近似関数)である。例えば、複数の渦モデルMDLは、自由渦、強制渦、ランキン渦といった互いに形態(或いは種類や性質)の異なるモデルによって構成される。「形態が異なる」とは、渦モデルMDLに含まれるパラメータ(以下、渦パラメータと称する)の数やその種類が異なることをいう。
例えば、ある1つ目の渦モデルMDLに含まれる渦パラメータが、a,b,cの3つの渦パラメータの組み合わせであり、2つ目の渦モデルMDLに含まれる渦パラメータが、a,b,c,dの4つの渦パラメータの組み合わせであり、3つ目の渦モデルMDLに含まれる渦パラメータが、a,b,zの3つの渦パラメータの組み合わせであったとする。
この場合、1つ目の渦モデルMDLは、2つ目の渦モデルMDLと渦パラメータの「数」が異なっているため、1つ目と2つ目のモデルは互いに形態が異なっているとみなせる。また、1つ目の渦モデルMDLは、3つ目の渦モデルMDLと渦パラメータの組み合わせの一部の「種類」が異なっているため、1つ目と3つ目のモデルは互いに形態が異なっているとみなせる。
例えば、前処理済みデータセットが以下の特性(a)~(c)を示していた場合、渦モデル選択部116は、乱気流に最も適合する渦モデルMDLとして自由渦を選択してよい。
(a)渦度が零である。すなわち渦度が無い。
(b)どの位置の、どの渦線の全水頭も等しい。
(c)渦輪の周速(回転速度)が渦の半径に反比例する。
また、前処理済みデータセットが以下の特性(d)~(f)を示していた場合、渦モデル選択部116は、乱気流に最も適合する渦モデルMDLとして強制渦を選択してよい。
(d)渦度が有る。
(e)同一半径の渦輪(同一渦線)上の各位置において全水頭が等しい。
(f)全ての位置で渦の角速度は一定で、渦線の周速(回転速度)は渦の半径に比例して増加する。
また、前処理済みデータセットが上記の自由渦及び強制渦の特性(a)~(f)の組み合わせを示していた場合、渦モデル選択部116は、乱気流に最も適合する渦モデルMDLとしてランキン渦を選択してよい。
なお、上述した説明では、渦モデルMDLが、自由渦、強制渦、又はランキン渦であるものとして説明したがこれに限られない。例えば、渦モデルMDLは、渦や気流状態を近似できる関数であってもよいし、ユーザが任意に設定した関数であってもよく、如何なるモデルであってもよい。
図5は、ある乱気流場を模式的に表す図である。図中のXは、航空機の前後方向を表し、Yは航空機の左右方向を表し、Zは航空機の上下方向(鉛直方向)を表している。渦モデル選択部116は、前処理済みデータセットを参照して、乱気流の発生位置を特定し、その発生位置で生じた乱気流に適した形態の渦モデルMDLを、複数の渦モデルMDLの候補の中から選択する。
乱気流の発生位置とは、その当時に実際に乱気流が発生していたことが明らかな位置であってもよいし、その当時に乱気流が発生していたことが高度の蓋然性(例えば80[%]程度の確率)で推定されるような位置であってもよい。具体的には、乱気流の発生位置は、加速度データ上において、航空機の加速度が閾値を越えた位置(揺れが大きい位置)であってもよいし、風速データ上において、鉛直方向Zの風速の変化が急峻な位置(例えば風速値がプラスからマイナス或いはマイナスからプラスに変化する位置)であってもよい。
図示の例では、5箇所において乱気流が発生している。従って、渦モデル選択部116は、乱気流が発生した5箇所のそれぞれにおいて渦モデルMDLを選択する。この結果、乱気流場には、MDL1~MDL5の計5つの渦モデルが配置される。これら5つの渦モデルMDLは、結果的に全てが同じ形態の渦モデルとなってもよいし、一部または全部が互いに形態の異なる渦モデルとなってもよい。
図3のフローチャートの説明に戻る。次に、確率分布推定部118は、渦モデル選択部116によって選択された一つ又は複数の渦モデルMDLの其々に含まれる渦パラメータごとに、その渦パラメータの確率分布を推定する(ステップS106)。以下、渦モデル選択部116によって選択された渦モデルMDLのことを特に「観測渦モデルMDL」と称して説明する。
渦パラメータは、XYZの三次元空間座標系における渦の位置(上述した乱気流の発生位置に相当)や、渦の循環(渦管の強さ)、渦の中心半径、といったパラメータである。上述した通り、観測渦モデルMDLの形態に応じて、その観測渦モデルMDLに含まれる渦パラメータの組み合わせが決定付けられる。従って、観測渦モデルMDLの形態が確定すると、確率分布の推定対象となる渦パラメータが一意に決定される。以下、一例として、各観測渦モデルMDLに含まれる渦パラメータの数がN個(Nは任意の自然数)であるものとして説明する。
例えば、確率分布推定部118は、マルコフ連鎖モンテカルロ法(以下、MCMC)を用いて、観測渦モデルMDLのN個の各渦パラメータと、ある事前分布とから、N個の渦パラメータのそれぞれの確率分布を事後分布として推定する。確率分布推定部118は、MCMCの代わりに、ベイズ最適化などの他の手法を用いて、N個の渦パラメータのそれぞれの確率分布を推定してもよい。確率分布の詳細な推定方法については後述する。
図6から図8は、渦パラメータの確率分布の一例を表す図である。例えば、「A」という種類の渦パラメータの確率分布は、渦パラメータAが取り得ることが可能なパラメータ値に対して、そのパラメータ値の度数(頻度)が対応付けられたヒストグラムによって表される。「B」や「C」といったその他の種類の渦パラメータの確率分布についても同様である。「A」や「B」、「C」といった渦パラメータは、上述した渦の位置(X,Y,Z)、渦の循環、渦の中心半径などである。
図3のフローチャートの説明に戻る。次に、乱気流場生成部120は、確率分布推定部118によって推定されたN個の渦パラメータのそれぞれの確率分布に基づいて、渦モデル選択部116によって選択された渦モデルのN個の渦パラメータのそれぞれのパラメータ値を決定する(ステップS108)。
例えば、航空機周辺に乱気流が一つしか発生しておらず、渦モデル選択部116によって一つの観測渦モデルMDLのみが選択されたとする。この場合、例えば、乱気流場生成部120は、単一の観測渦モデルMDLに含まれるN個の渦パラメータのそれぞれの確率分布からパラメータ値をサンプリングする。この際、乱気流場生成部120は、確率分布において度数(頻度)が高いパラメータ値から優先的にサンプリングしてもよい。
具体的には、乱気流場生成部120は、「渦の位置(X,Y,Z)」という渦パラメータの確率分布から、渦の位置(X,Y,Z)を表す任意のパラメータ値を抽出する。同様に、乱気流場生成部120は、「渦の循環」という渦パラメータの確率分布から、渦の循環を表す任意のパラメータ値を抽出し、「渦の中心半径」という渦パラメータの確率分布から、渦の中心半径を表す任意のパラメータ値を抽出する。
次に、乱気流場生成部120は、観測渦モデルMDLのN個の渦パラメータのそれぞれに対して、各確率分布を基に決定したパラメータ値を代入し、その観測渦モデルMDLを、「渦の位置(X,Y,Z)」という渦パラメータのパラメータ値に従って、乱気流に遭遇した航空機の周辺領域上に配置することで、一つの乱気流場(水平方向や鉛直方向の風速分布)を生成する(ステップS110)。以下、パラメータ値が代入された観測渦モデルMDLのことを特に「確率的推定渦モデルMDLe」と称して説明する。
なお、上述した説明では、航空機周辺に乱気流が一つしか発生しておらず、渦モデル選択部116によって一つの観測渦モデルMDLのみが選択された場合について説明したがこれに限られない。
例えば、航空機周辺に複数の乱気流が発生しており、渦モデル選択部116によって複数の観測渦モデルMDLが選択されたとする。この場合、例えば、乱気流場生成部120は、複数の観測渦モデルMDLのそれぞれに含まれる各渦パラメータの確率分布から、各渦パラメータのパラメータ値をサンプリングする。
例えば、M個(Mは任意の自然数)の乱気流が発生しており、それらM個の乱気流の其々の形態に適した観測渦モデルMDLが選択された場合、M個の観測渦モデルMDLの其々にN個の渦パラメータが含まれるため、M×N個の確率分布が存在することになる。従って、乱気流場生成部120は、M×N個の確率分布のそれぞれからパラメータ値を抽出する。
より具体的に、M=3、N=3のときの事例について説明する。例えば、乱気流場生成部120は、1つ目の観測渦モデルMDL#1に含まれる3個の各渦パラメータの確率分布のそれぞれからパラメータ値を抽出し、2つ目の観測渦モデルMDL#2に含まれる3個の各渦パラメータの確率分布のそれぞれからパラメータ値を抽出し、3つ目の観測渦モデルMDL#3に含まれる3個の各渦パラメータの確率分布のそれぞれからパラメータ値を抽出する。これによって、9個のパラメータ値が抽出されることになる。
乱気流場生成部120は、1つ目の観測渦モデルMDL#1の3個の渦パラメータに、その観測渦モデルMDL#1由来の3個の確率分布から抽出したパラメータ値を代入する。これによって、1つ目の観測渦モデルMDL#1の3個の渦パラメータ値が確率的に変動した確率的推定渦モデルMDLe#1が生成される。
同様に、乱気流場生成部120は、2つ目の観測渦モデルMDL#2の3個の渦パラメータに、その観測渦モデルMDL#2由来の3個の確率分布から抽出したパラメータ値を代入する。これによって、2つ目の観測渦モデルMDL#2の3個の渦パラメータ値が確率的に変動した確率的推定渦モデルMDLe#2が生成される。
更に、乱気流場生成部120は、3つ目の観測渦モデルMDL#3の3個の渦パラメータに、その観測渦モデルMDL#3由来の3個の確率分布から抽出したパラメータ値を代入する。これによって、3つ目の観測渦モデルMDL#3の3個の渦パラメータ値が確率的に変動した確率的推定渦モデルMDLe#3が生成される。
そして、乱気流場生成部120は、生成した3個の確率的推定渦モデルMDLe#1、MDLe#2、MDLe#3を、それぞれの「渦の位置(X,Y,Z)」という渦パラメータのパラメータ値に従って同一空間領域にフィッティングする。これによって、航空機周辺に発生した複数の乱気流を模した乱気流場(そのフィールド上に3個の渦が存在する一つの乱気流場)を生成することができる。以下、確率的推定渦モデルMDLeが配置された乱気流場のことを特に「確率的推定乱気流場」と称して説明する。
なお、上述した説明では、一つの確率的推定乱気流場が生成される場合について説明したがこれに限られない。例えば、乱気流場生成部120は、確率分布に従って確率的推定渦モデルMDLeの渦パラメータ値を変更しながら複数の確率的推定乱気流場を生成してもよい。
図9は、複数の確率的推定乱気流場を模式的に表す図である。図示のように、乱気流場生成部120は、複数の確率的推定乱気流場を生成してよい。例えば、乱気流場生成部120は、(1)各確率分布から渦パラメータ値をサンプリングし、(2)そのサンプリングした渦パラメータ値を観測渦モデルMDLに代入して確率的推定渦モデルMDLeを生成し、(3)生成した確率的推定渦モデルMDLeを「渦の位置(X,Y,Z)」という渦パラメータのパラメータ値に従って気象場にフィッティングする、という一連の処理を複数回にわたって繰り返す。これによって、例えば、渦の位置や渦の循環、渦の中心半径といった渦パラメータの値が互いに少しずつ異なる複数の確率的推定乱気流場が生成される。確率的推定乱気流場の生成数は、確率的推定乱気流場の利用目的に応じて適宜変更されてよい。
図3のフローチャートの説明に戻る。次に、出力制御部122は、渦モデル選択部116によって選択された観測渦モデルMDLを表す情報や、乱気流場生成部120によって生成された確率的推定乱気流場を表す情報などを含む処理結果を、表示部104に表示させたり、或いは、通信部102を介して、外部装置に送信したりする(ステップS112)。これによって本フローチャートの処理が終了する。
[確率分布の推定フロー]
以下、確率分布の詳細な推定方法について説明する。図10は、第1実施形態に係る情報処理装置100の制御部110による確率分布の推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、上述したS106の処理をMCMCで実装したものに相当する。以下、説明を簡略化するため、観測渦モデルMDLが1個(M=1)であることを前提にして、渦パラメータの確率分布の推定処理を説明する。
まず、確率分布推定部118は、N個の渦パラメータのそれぞれの初期値を設定する(ステップS200)。以下、これらN個の初期値を纏めて「初期パラメータx_now」と称して説明する。つまり、初期パラメータx_nowは、N個の渦パラメータのそれぞれの初期値を要素とするN次元のベクトルである。例えば、確率分布推定部118は、任意の事前分布に基づくパラメータ値を、初期パラメータx_nowとしてよい。任意の事前分布は、例えば、一様分布や共役事前分布などである。
次に、確率分布推定部118は、乱数を用いて、初期パラメータx_nowから新たな渦パラメータ(以下、新規パラメータx_new)を生成する(ステップS202)。新規パラメータx_newは、初期パラメータx_nowと同様に、N次元のベクトルである。
例えば、確率分布推定部118は、数式(1)に基づいて、新規パラメータx_newを生成してよい。
Figure 0007470413000001
数式(1)におけるvtは正規乱数(標準正規分布に従う乱数)を表している。確率分布推定部118は、初期パラメータx_nowと正規乱数vtとの和を、新規パラメータx_newとしてよい。
次に、確率分布推定部118は、遷移確率aを算出する(ステップS204)。遷移確率aとは、初期パラメータx_nowと新規パラメータx_newとをそれぞれ一つの状態とみなした場合、初期パラメータx_nowに対応した第1状態から、新規パラメータx_newに対応した第2状態へと遷移する確率のことである。例えば、確率分布推定部118は、数式(2)に基づいて、遷移確率aを算出してよい。
Figure 0007470413000002
数式(2)におけるL(x_new)は、新規パラメータx_newを説明変数とした尤度関数であり、L(x_now)は、初期パラメータx_nowを説明変数とした尤度関数である。例えば、確率分布推定部118は、1、又は尤度関数L(x_new)を尤度関数L(x_now)で除算した商のうち、より小さい方の値を遷移確率aとする。
次に、確率分布推定部118は、初期パラメータx_nowを新規パラメータx_newに更新するための更新条件を満たすか否かを判定する(ステップS206)。例えば、確率分布推定部118は、数式(3)に基づいて、更新条件を満たすか否かを判定してよい。
Figure 0007470413000003
例えば、確率分布推定部118は、乱数よりも遷移確率aが小さい場合には、更新条件を満たすと判定し、そうでない場合には、更新条件を満たさないと判定する。乱数として取り得ることが可能な最小値は0であり、乱数として取り得ることが可能な最大値は1である。つまり、ここでいう乱数はランダムな確率である。
確率分布推定部118は、更新条件を満たす場合、初期パラメータx_nowを新規パラメータx_newに更新し(ステップS208)、更新条件を満たさない場合、初期パラメータx_nowを新規パラメータx_newに更新せず、初期パラメータx_nowを現在の値のまま維持する(ステップS210)。初期パラメータx_nowが新規パラメータx_newに更新された場合、確率分布において、その新規パラメータx_newに相当する一つのサンプル点(パラメータ値)の度数(頻度)が増加する。例えば、新規パラメータx_newとして、100というパラメータ値に何度も繰り返し更新された場合、確率分布において、パラメータ値100の度数(頻度)が高くなる。
次に、確率分布推定部118は、確率分布が収束したか否かを判定し(ステップS212)、確率分布が収束したと判定した場合には、本フローチャートの処理を終了する。
一方、確率分布推定部118は、確率分布が収束していないと判定した場合、上述したS202の処理に戻る。つまり、確率分布推定部118は、確率分布が収束するまで、初期パラメータx_nowから新規パラメータx_newを新たに生成し、新たに遷移確率aに応じて初期パラメータx_nowを新規パラメータx_newに更新することを繰り返す。これによって、繰り返し得られた新規パラメータx_newが次々と事後分布の一つのサンプル点としてプロットされていき、そのサンプル点の度数(頻度)が更新される。このような処理を繰り返すことで、N次元ベクトルである新規パラメータx_newの中に要素として含まれるN個の渦パラメータのそれぞれの確率分布が、MCMCの一度の処理でまとめて得られることになる。
なお、本フローチャートの処理は、観測渦モデルMDLが1個であること前提にしたが、複数個であっても同様である。例えば、観測渦モデルMDLが3個(M=3)である場合、渦パラメータの総数は3×N個となる。この場合、MCMCで計算される初期パラメータx_nowや新規パラメータx_newは、3×N次元のベクトルとなり、上述したMCMCの処理によって、3×N個の確率分布がまとめて得られることになる。
以上説明した第1実施形態によれば、情報処理装置100は、航空機のフライトデータ及び航空機の周辺の風速データを少なくとも含む元データセットセットを取得する。情報処理装置100は、取得した元データセットセットに基づいて、航空機の周辺領域に生じた気流の渦のモデルとなり得る複数の渦モデルMDLの候補の中から、少なくとも一つの渦モデルMDLを観測渦モデルMDLとして選択する。情報処理装置100は、観測渦モデルMDLに含まれ、かつ観測渦モデルMDLの形態に対応する渦パラメータごとに、渦パラメータの値の確率分布を推定する。情報処理装置100は、推定した確率分布に基づいて、観測渦モデルMDLの渦パラメータの値を決定する。そして、情報処理装置100は、観測渦モデルMDLの渦パラメータに対して、確率分布を基に決定したパラメータ値を代入し、その観測渦モデルMDLを気象場上に配置することで、航空機が遭遇した乱気流に擬した乱気流場を生成する。このような処理によって、気象学的な不確実性を考慮しつつ、低計算コストで乱気流場を推定することができる。
従来の乱気流場を推定する既存手法として、(1)気象予測モデルによる解析と、(2)気象予測モデルによる高解像度解析、(3)アンサンブル予報に基づく気象解析、(4)渦モデルによるフィッティング、といった手法が知られている。
(1)気象予測モデルによる解析は、当日の気象予測を実施し、乱気流ガイダンスにより乱気流場を推定する手法である。航空機の機体サイズと同スケール(例えば1[m]オーダー)の乱気流の流れ場のデータが必要であるものの、気象予測モデルによる解析では、このようなミクロ的なデータは原理的に算出できない。すなわち、(1)気象予測モデルによる解析は、本実施形態の手法と比べて、空間分解能が低く、乱気流場の推定精度が低い。更に、(1)気象予測モデルによる解析は、確率的な計算を取り入れていないため、不確実性を考慮して乱気流場を推定することができない。
(2)気象予測モデルによる高解像度解析は、当日の気象予測データや、フライトデータ、ライダーによって計測された風速データなどを組み合わせ、更にそれらデータを同化して、高解像度な流体計算を実施する手法である。航空機の機体サイズと同スケールまでの乱気流場を、晴天乱気流の空間スケール(1波長2[km]程度)の領域で計算することは、技術的には可能であるものの、本実施形態の手法と比べて計算コストが非常に高い。また、(2)気象予測モデルによる高解像度解析は、(1)の手法同様に、確率的な計算を取り入れていないため、不確実性を考慮して乱気流場を推定することができない。
(3)アンサンブル予報に基づく気象解析は、複数の気象シナリオに基づくアンサンブル予報を用いて、乱気流解析を実施する手法である。航空機の機体サイズと同スケールまでの乱気流場を、晴天乱気流の空間スケールの領域で計算することは、技術的には可能であるものの、本実施形態の手法と比べて計算コストが非常に高い。
(4)渦モデルによるフィッティングは、事前に設定した渦モデルを用いて、その渦の強さや配置、個数などをフライトデータとの最適化により求める手法である。フライトデータやライダーによって計測された風速データを用いて最適化を行うため、航空機の機体サイズと同スケールの乱気流場を低コストで計算することができるものの、確率的な計算を取り入れていないため不確実性は考慮できない。
これら(1)~(4)の既存手法に対して本実施形態の手法は、航空機のフライトデータやその航空機の周辺の風速データなどを用いて渦モデルMDLを選択し、その選択した渦モデルMDLの渦パラメータの値を確率分布を基に決定し、パラメータ値を決定した渦モデルMDLを航空機の周辺の空間領域上にフィッティングする。これによって、航空機の機体サイズと同スケールの乱気流場を低コストで計算することができる。更に、本実施形態の手法は、渦モデルMDLの渦パラメータの値を確率分布を基に決定するため、気象学的な不確実性を考慮しながら乱気流場(つまり確率的推定乱気流場)を生成することができる。
確率的推定乱気流場は、例えば、フライトシミュレータや評価ツールなどに利用されてよい。フライトシミュレータは、気象場をもとに航空機のフライトを仮想的にシミュレーション可能なシミュレータである。評価ツールは、航空機の機体動揺の低減を自動的に評価する装置である。フライトシミュレータや評価ツールは、上述した外部装置に相当する。
上述したように、渦モデルMDLがフィッティングされる乱気流場は、フライトデータや風速データといった実際に観測或いは計測されたデータセットを用いる必要がある。つまり、実際に乱気流に遭遇した事例がなければ、乱気流場を生成することができない。このようなことから、一般的に、フライトシミュレータや評価ツールなどに利用可能な乱気流場のデータが足りない傾向にある。これに対して、本実施形態では、MCMCなどを利用して渦パラメータの確率分布を求め、その確率分布を基に渦モデルMDLの渦パラメータ値を決定することで、膨大な数の乱気流場を生成することができる。この結果、これら膨大な乱気流場のデータを用いて、フライトシミュレータの訓練性能を高めたり、評価ツールの評価性能を高めたりすることが期待できる。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、各渦パラメータの確率分布を事後分布として推定するために、正規分布などの任意の事前分布を用いるものとして説明した。これに対して、第2実施形態では、最適化された事前分布(つまり最適化された初期パラメータx_now)を用いる点で第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と共通する点については説明を省略する。第2実施形態の説明において、第1実施形態と共通する部分については同一符号を付して説明する。
第2実施形態に係る確率分布推定部118は、フライトデータの風速等と、渦モデルMDLによって予測された風速等との差を基準とした尤度関数を定義し、その尤度関数を最大化するように、渦パラメータの最適化を実施する。確率分布推定部118は、勾配法による最適化を実施する場合、準ニュートン法の一種であるBFGS(Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shanno algorithm)法などを利用して、初期パラメータx_nowをランダムに生成し、そこから勾配ベースの最適化を実施する。また、確率分布推定部118は、進化計算による最適化を実施する場合、渦パラメータごとに最適化する範囲を設定し、その範囲内で探索を実施する。これにより、初期パラメータx_nowとする最適な渦パラメータの組み合わせを得ることができる。この結果、MCMCの計算によってより速く確率分布が収束するため、更に低計算コストで乱気流場を推定することができる。
<第3実施形態>
以下、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、気象予測データを用いて事前分布を仮定する点で第1実施形態や第2実施形態と相違する。以下、第1実施形態や第2実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態や第2実施形態と共通する点については説明を省略する。第3実施形態の説明において、第1実施形態と共通する部分、又は第2実施形態と共通する部分については同一符号を付して説明する。
第3実施形態に係る確率分布推定部118は、取得部112によって取得された気象予測データのパラメータを事前分布に決定し、その決定した事前分布からN個の渦パラメータのそれぞれの確率分布を事後分布として推定する。
例えば、確率分布推定部118は、観測渦モデルMDLがランキン渦である場合、気象予測データに含まれる平均風や勾配風(気象予測モデルによって予測された平均風や勾配風)を、ランキン渦の初期パラメータx_nowに設定する。
一般的に、渦の発生は、風速分布の勾配によって引き起こされるため、空間的に渦が発生しやすい位置は「風速勾配」の分布に近いことが推測される。従って、初期パラメータx_nowを平均風や勾配風に設定することで、例えば、渦の位置(X,Y,Z)という渦パラメータの事前分布を風速勾配の分布と同じ又は近いものと仮定することができる。この結果、事後分布である渦パラメータの確率分布からサンプリングした渦パラメータ値を代入した渦モデルMDL(つまり確率的推定渦モデルMDLe)を利用することで、実際の気象に合った尤もらしい確率的推定乱気流場を生成することができる。
<第4実施形態>
以下、第4実施形態について説明する。第4実施形態では、アンサンブル気象予測を確率的推定渦モデルMDLeの生成に利用する点で第1実施形態から第3実施形態と相違する。以下、第1実施形態から第3実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態から第3実施形態と共通する点については説明を省略する。第4実施形態の説明において、第1実施形態から第3実施形態と共通する部分については同一符号を付して説明する。
第4実施形態に係る確率分布推定部118は、第3実施形態同様に、N個の渦パラメータのそれぞれの確率分布を推定する際に、気象予測データに含まれる平均風や勾配風を初期パラメータx_nowに設定し、平均風や勾配風を事前分布として仮定する。この際、第4実施形態に係る確率分布推定部118は、アンサンブルスプレッドを利用して事前分布を仮定する。アンサンブルスプレッドとは、アンサンブル気象予測による予測誤差の大きさを表す指標値である。具体的には、確率分布推定部118は、渦の位置(X,Y,Z)という渦パラメータの事前分布を、風速勾配のアンサンブルスプレッドの分布と同じ又は近いものと仮定する。これによって、更に、実際の気象に合った尤もらしい確率的推定乱気流場を生成することができる。
<第5実施形態>
以下、第5実施形態について説明する。第5実施形態では、ターゲット航空機のフライトデータだけでなく、ターゲット近接航空機のフライトデータも利用して渦パラメータの確率分布を推定する点で第1実施形態から第4実施形態と相違する。
ターゲット航空機とは、乱気流に遭遇した複数の航空機のうち、ある対象とする一機の航空機である。ターゲット近接航空機とは、時間的又は距離的にターゲット航空機の近くを航行していた他の航空機である。具体的には、ターゲット近接航空機は、ターゲット航空機が乱気流に遭遇した同時刻又はその近い時刻において、ターゲット航空機が航行した同ルート又はその近傍を航行していた航空機である。
以下、第1実施形態から第4実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態から第4実施形態と共通する点については説明を省略する。第5実施形態の説明において、第1実施形態から第4実施形態と共通する部分については同一符号を付して説明する。
第5実施形態に係る渦モデル選択部116は、ターゲット航空機のフライトデータやターゲット航空機周辺の風速データなどに基づいて、ターゲット航空機の周辺で発生した乱気流の形態に最も適した観測渦モデルMDL_tarを選択する。これに加えて、渦モデル選択部116は、更に、ターゲット近接航空機のフライトデータやターゲット近接航空機周辺の風速データなどに基づいて、ターゲット近接航空機の周辺で発生した乱気流の形態に最も適した観測渦モデルMDL_clを選択する。
第5実施形態に係る確率分布推定部118は、ターゲット航空機についての観測渦モデルMDL_tarの渦パラメータの確率分布を推定する際に、ターゲット近接航空機についての観測渦モデルMDL_clの渦パラメータを考慮して遷移確率aを算出する。
例えば、確率分布推定部118は、数式(2)に従って遷移確率aを算出する際に、ターゲット航空機についての観測渦モデルMDL_tarから得られる初期パラメータx_nowの尤度関数L(x_now)と、ターゲット近接航空機についての観測渦モデルMDL_clから得られる初期パラメータx_nowの尤度関数L(x_now)との重み付き平均(加重平均)A1を算出する。同様に、確率分布推定部118は、ターゲット航空機についての観測渦モデルMDL_tarから得られる新規パラメータx_newの尤度関数L(x_new)と、ターゲット近接航空機についての観測渦モデルMDL_clから得られる新規パラメータx_newの尤度関数L(x_new)との重み付き平均A2を算出する。そして、確率分布推定部118は、これら2つの重み付き平均の商(=A2/A1)を算出し、1又は商のうち、より小さい方の値を遷移確率aとして算出する。
このように、ターゲット航空機のフライトデータに類似したデータを含んでいることが期待されるターゲット近接航空機のフライトデータを考慮して尤度関数を計算することで、MCMCによるパラメータ更新を適切に行うことができる。
<第6実施形態>
以下、第6実施形態について説明する。第6実施形態では、気象観測データを用いて事前分布を仮定する点で第1実施形態から第5実施形態と相違する。以下、第1実施形態から第5実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態から第5実施形態と共通する点については説明を省略する。第6実施形態の説明において、第1実施形態から第5実施形態と共通する部分については同一符号を付して説明する。
第6実施形態に係る確率分布推定部118は、取得部112によって取得された気象観測データのパラメータを事前分布に決定し、その決定した事前分布からN個の渦パラメータのそれぞれの確率分布を事後分布として推定する。
例えば、確率分布推定部118は、観測渦モデルMDLがランキン渦である場合、気象観測データに含まれる平均風や勾配風(気象レーダや、ライダー、ウインドプロファイラなどによって観測された平均風や勾配風)を、ランキン渦の初期パラメータx_nowに設定する。すなわち、確率分布推定部118は、渦の位置(X,Y,Z)という渦パラメータの事前分布を、風速勾配の分布と同じ又は近いものと仮定する。これによって、更に、実際の気象に合った尤もらしい確率的推定乱気流場を生成することができる。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
1…情報処理システム、10…フライトデータレコーダー、20…ドップラーライダー、30…気象観測装置、40…気象予測装置、100…情報処理装置、102…通信部、104…表示部、110…制御部、112…取得部、114…前処理部、116…渦モデル選択部、118…確率分布推定部、120…乱気流場生成部、122…出力制御部、130…記憶部

Claims (9)

  1. 航空機のフライトデータ及び前記航空機の周辺の風速データを少なくとも含むデータセットを取得する取得部と、
    前記取得部によって取得された前記データセットに基づいて、前記航空機の周辺領域に生じた気流の渦のモデルとなり得る複数の渦モデルであって、互いに形態の異なる複数の渦モデルの中から、少なくとも一つの前記渦モデルを選択する選択部と、
    前記選択部によって選択された前記渦モデルに含まれ、かつ前記渦モデルの形態に対応するパラメータごとに、前記パラメータが取り得る値の確率分布を推定する推定部と、
    前記推定部によって推定された前記確率分布に基づいて、前記選択部によって選択された前記渦モデルの各パラメータの値を決定する決定部と、
    を備える情報処理装置。
  2. 前記推定部は、マルコフ連鎖モンテカルロ法を用いて、前記確率分布を推定する、
    請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記推定部は、前記パラメータの最適化された初期値を事前分布に決定し、前記決定した事前分布から、前記事前分布に対する事後分布として前記確率分布を推定する、
    請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記取得部は、更に、前記周辺領域の気象予測データを取得し、
    前記推定部は、前記取得部によって取得された前記気象予測データを基に事前分布を決定し、前記決定した事前分布から、前記事前分布に対する事後分布として前記確率分布を推定する、
    請求項2又は3に記載の情報処理装置。
  5. 前記取得部は、更に、前記周辺領域の気象観測データを取得し、
    前記推定部は、前記取得部によって取得された前記気象観測データを基に事前分布を決定し、前記決定した事前分布から、前記事前分布に対する事後分布として前記確率分布を推定する、
    請求項2から4のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
  6. 前記渦モデルには、1以上の自然数であるN個のパラメータが含まれており、
    前記選択部は、前記航空機の周辺領域に、1以上の自然数であるM個の気流の渦が生じた場合、前記複数の渦モデルの中から、M個の前記渦モデルを選択し、
    前記推定部は、M×N個のパラメータの其々について前記確率分布を推定し、
    前記決定部は、前記M×N個のパラメータの其々の前記確率分布に基づいて、前記選択部によって選択されたM個の前記渦モデルの其々に含まれるN個のパラメータの値を決定する、
    請求項1から5のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
  7. 前記フライトデータには、前記航空機の揺れの度合いを表す加速度データが含まれており、
    前記加速度データに基づいて、前記データセットから前記渦モデルの選択に利用されるデータ区分を抽出する前処理部を更に備える、
    請求項1から6のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
  8. コンピュータが、
    航空機のフライトデータ及び前記航空機の周辺の風速データを少なくとも含むデータセットを取得し、
    前記取得したデータセットに基づいて、前記航空機の周辺領域に生じた気流の渦のモデルとなり得る複数の渦モデルであって、互いに形態の異なる複数の渦モデルの中から、少なくとも一つの前記渦モデルを選択し、
    前記選択した渦モデルに含まれ、かつ前記渦モデルの形態に対応するパラメータごとに、前記パラメータが取り得る値の確率分布を推定し、
    前記推定した確率分布に基づいて、前記選択した渦モデルの各パラメータの値を決定する、
    情報処理方法。
  9. コンピュータに、
    航空機のフライトデータ及び前記航空機の周辺の風速データを少なくとも含むデータセットを取得すること、
    前記取得したデータセットに基づいて、前記航空機の周辺領域に生じた気流の渦のモデルとなり得る複数の渦モデルであって、互いに形態の異なる複数の渦モデルの中から、少なくとも一つの前記渦モデルを選択すること、
    前記選択した渦モデルに含まれ、かつ前記渦モデルの形態に対応するパラメータごとに、前記パラメータが取り得る値の確率分布を推定すること、及び
    前記推定した確率分布に基づいて、前記選択した渦モデルの各パラメータの値を決定すること、
    を実行させるためのプログラム。
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