以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、本開示の実施の形態に係る車両の概略構成を示す図である。図1を参照して、車両1は、自動運転キット(以下、「ADK(Autonomous Driving Kit)」と表記する)200と、車両プラットフォーム(以下、「VP(Vehicle Platform)」と表記する)2とを備える。
VP2は、ベース車両100の制御システムと、ベース車両100内に設けられた車両制御インターフェースボックス(以下、「VCIB(Vehicle Control Interface Box)」と表記する)111とを含む。VCIB111は、CAN(Controller Area Network)のような車内ネットワークを通じてADK200と通信してもよい。なお、図1では、ベース車両100とADK200とが離れた位置に示されているが、ADK200は、実際にはベース車両100に取り付けられている。この実施の形態では、ベース車両100のルーフトップにADK200が取り付けられる。ただし、ADK200の取り付け位置は適宜変更可能である。
ベース車両100は、たとえば市販されるxEV(電動車)である。xEVは、電力を動力源の全て又は一部として利用する車両である。この実施の形態では、ベース車両100としてBEV(電気自動車)を採用する。ただしこれに限られず、ベース車両100は、BEV以外のxEV(HEV、PHEV、FCEVなど)であってもよい。ベース車両100が備える車輪の数は、たとえば4輪である。ただしこれに限られず、ベース車両100が備える車輪の数は、3輪であってもよいし、5輪以上であってもよい。
ベース車両100の制御システムは、統合制御マネージャ115に加えて、ベース車両100を制御するための各種システムおよび各種センサを含む。統合制御マネージャ115は、ベース車両100に含まれる各種センサからの信号(センサ検出信号)に基づいて、ベース車両100の動作に関わる各種システムを統合して制御する。
この実施の形態では、統合制御マネージャ115が制御装置150を含む。制御装置150は、プロセッサ151、RAM(Random Access Memory)152、及び記憶装置153を含む。プロセッサ151としては、たとえばCPU(Central Processing Unit)を採用できる。RAM152は、プロセッサ151によって処理されるデータを一時的に記憶する作業用メモリとして機能する。記憶装置153は、格納された情報を保存可能に構成される。記憶装置153は、たとえばROM(Read Only Memory)及び書き換え可能な不揮発性メモリを含む。記憶装置153には、プログラムのほか、プログラムで使用される情報(たとえば、マップ、数式、及び各種パラメータ)が記憶されている。この実施の形態では、記憶装置153に記憶されているプログラムをプロセッサ151が実行することで、各種の車両制御(たとえば、ADK200からの指示に従う自動運転制御)が実行される。ただし、これらの処理は、ソフトウェアではなく、専用のハードウェア(電子回路)によって実行されてもよい。なお、制御装置150が備えるプロセッサの数は任意であり、所定の制御ごとにプロセッサが用意されてもよい。
ベース車両100は、ブレーキシステム121と、ステアリングシステム122と、パワートレーンシステム123と、アクティブセーフティシステム125と、ボディシステム126とを含む。これらのシステムは、統合制御マネージャ115によって統合制御される。この実施の形態では、各システムがコンピュータを備える。そして、システムごとのコンピュータが車内ネットワーク(たとえば、CAN)を通じて統合制御マネージャ115と通信する。以下では、各システムが備えるコンピュータを、「ECU(Electronic Control Unit)」と称する。
ブレーキシステム121は、ベース車両100の各車輪に設けられた制動装置と、制動装置を制御するECUとを含む。この実施の形態では、制動装置として油圧式ディスクブレーキ装置が採用される。ベース車両100は、車輪速センサ127A,127Bを備える。車輪速センサ127Aは、ベース車両100の前輪に設けられ、前輪の回転速度を検出する。車輪速センサ127Bは、ベース車両100の後輪に設けられ、後輪の回転速度を検出する。ブレーキシステム121のECUは、車輪速センサ127A,127Bで検出された各車輪の回転方向及び回転速度を統合制御マネージャ115へ出力する。
ステアリングシステム122は、ベース車両100の操舵装置と、操舵装置を制御するECUとを含む。操舵装置は、たとえば、アクチュエータにより操舵角の調整が可能なラック&ピニオン式のEPS(Electric Power Steering)を含む。ベース車両100は、ピニオン角センサ128を備える。ピニオン角センサ128は、操舵装置を構成するアクチュエータの回転軸に連結されたピニオンギヤの回転角(ピニオン角)を検出する。ステアリングシステム122のECUは、ピニオン角センサ128で検出されたピニオン角を統合制御マネージャ115へ出力する。
パワートレーンシステム123は、ベース車両100が備える車輪の少なくとも1つに設けられたEPB(Electric Parking Brake)と、ベース車両100のトラッスミッションに設けられたP-Lock装置と、シフトレンジを選択可能に構成されるシフト装置と、ベース車両100の駆動源と、パワートレーンシステム123に含まれる各装置を制御するECUとを含む。EPBは、前述の制動装置とは別に設けられ、電動アクチュエータによって車輪を固定状態にする。P-Lock装置は、たとえば、アクチュエータにより駆動可能なパーキングロックポールによってトランスミッションの出力軸の回転位置を固定状態にする。詳細は後述するが、この実施の形態では、ベース車両100の駆動源として、蓄電装置から電力の供給を受けるモータを採用する。パワートレーンシステム123のECUは、EPBとP-Lock装置との各々による固定化の有無、シフト装置によって選択されたシフトレンジ、並びに蓄電装置及びモータの各々の状態を、統合制御マネージャ115へ出力する。
アクティブセーフティシステム125は、走行中の車両1について衝突の可能性を判定するECUを含む。ベース車両100は、車両1の前方及び後方を含む周辺状況を検出するカメラ129A及びレーダセンサ129B,129Cを備える。アクティブセーフティシステム125のECUは、カメラ129A及びレーダセンサ129B,129Cから受信した信号を用いて、衝突の可能性があるか否かを判定する。アクティブセーフティシステム125によって衝突の可能性があると判定された場合には、統合制御マネージャ115が、ブレーキシステム121に制動指令を出力して、車両1の制動力を増加させる。この実施の形態に係るベース車両100が初期(出荷時)からアクティブセーフティシステム125を備える。しかしこれに限られず、ベース車両に対して後付け可能なアクティブセーフティシステムが採用されてもよい。
ボディシステム126は、ボディ系部品(たとえば、方向指示器、ホーン、及びワイパー)と、ボディ系部品を制御するECUとを備える。ボディシステム126のECUは、マニュアルモードでは、ユーザ操作に従ってボディ系部品を制御し、自律モードでは、ADK200からVCIB111及び統合制御マネージャ115を経て受信する指令に従ってボディ系部品を制御する。
車両1は自動運転可能に構成される。VCIB111は、車両制御インターフェースとして機能する。車両1が自動運転で走行するときには、統合制御マネージャ115とADK200とがVCIB111を介して相互に信号のやり取りを行ない、ADK200からの指令に従って統合制御マネージャ115が自律モード(Autonomous Mode)による走行制御(すなわち、自動運転制御)を実行する。なお、ADK200は、ベース車両100から取り外すことも可能である。ベース車両100は、ADK200が取り外された状態でも、ユーザの運転によりベース車両100単体で走行することができる。ベース車両100単体で走行する場合には、ベース車両100の制御システムが、マニュアルモードによる走行制御(すなわち、ユーザ操作に応じた走行制御)を実行する。
この実施の形態では、ADK200が、通信される各信号を定義するAPI(Application Program Interface)に従ってVCIB111との間で信号のやり取りを行なう。ADK200は、上記APIで定義された各種信号を処理するように構成される。ADK200は、たとえば、車両1の走行計画を作成し、作成された走行計画に従って車両1を走行させるための制御を要求する各種コマンドを、上記APIに従ってVCIB111へ出力する。以下、ADK200からVCIB111へ出力される上記各種コマンドの各々を、「APIコマンド」とも称する。また、ADK200は、ベース車両100の状態を示す各種信号を上記APIに従ってVCIB111から受信し、受信したベース車両100の状態を走行計画の作成に反映する。以下、ADK200がVCIB111から受信する上記各種信号の各々を、「APIシグナル」とも称する。APIコマンド及びAPIシグナルはどちらも、上記APIで定義された信号に相当する。ADK200の構成の詳細については後述する(図2参照)。
VCIB111は、ADK200から各種APIコマンドを受信する。VCIB111は、ADK200からAPIコマンドを受信すると、そのAPIコマンドを、統合制御マネージャ115が処理可能な信号の形式に変換する。以下、統合制御マネージャ115が処理可能な信号の形式に変換されたAPIコマンドを、「制御コマンド」とも称する。VCIB111は、ADK200からAPIコマンドを受信すると、そのAPIコマンドに対応する制御コマンドを統合制御マネージャ115へ出力する。
統合制御マネージャ115の制御装置150は、ベース車両100の制御システムにおいて検出されたベース車両100の状態を示す各種信号(たとえば、センサ信号、又はステータス信号)を、VCIB111を介してADK200へ送る。VCIB111は、ベース車両100の状態を示す信号を統合制御マネージャ115から逐次受信する。VCIB111は、統合制御マネージャ115から受信した信号に基づいてAPIシグナルの値を決定する。また、VCIB111は、必要に応じて、統合制御マネージャ115から受信した信号をAPIシグナルの形式に変換する。そして、VCIB111は、得られたAPIシグナルをADK200へ出力する。VCIB111からADK200へは、ベース車両100の状態を示すAPIシグナルがリアルタイムで逐次出力される。
この実施の形態において、統合制御マネージャ115とVCIB111との間では、たとえば自動車メーカーによって定義された汎用性の低い信号がやり取りされ、ADK200とVCIB111との間では、より汎用性の高い信号(たとえば、公開されたAPI(Open API)で定義された信号)がやり取りされる。VCIB111は、ADK200と統合制御マネージャ115との間で信号の変換を行なうことにより、ADK200からの指令に従って統合制御マネージャ115が車両制御を行なうことを可能にする。ただし、VCIB111の機能は、上記信号の変換を行なう機能のみには限定されない。たとえば、VCIB111は、所定の判断を行ない、その判断結果に基づく信号(たとえば、通知、指示、又は要求を行なう信号)を、統合制御マネージャ115とADK200との少なくとも一方へ送ってもよい。VCIB111の構成の詳細については後述する(図2参照)。
ベース車両100は、通信装置130をさらに備える。通信装置130は、各種通信I/F(インターフェース)を含む。制御装置150は、通信装置130を通じて車両1の外部の装置(たとえば、後述するモバイル端末UT及びサーバ500)と通信を行なうように構成される。通信装置130は、移動体通信網(テレマティクス)にアクセス可能な無線通信機(たとえば、DCM(Data Communication Module))を含む。通信装置130は移動体通信網を介してサーバ500と通信する。無線通信機は、5G(第5世代移動通信システム)対応の通信I/Fを含んでもよい。また、通信装置130は、車内又は車両周辺の範囲内に存在するモバイル端末UTと直接通信するための通信I/Fを含む。通信装置130とモバイル端末UTとは、無線LAN(Local Area Network)、NFC(Near Field Communication)、又はBluetooth(登録商標)のような近距離通信を行なってもよい。
モバイル端末UTは、車両1のユーザによって携帯される端末である。この実施の形態では、モバイル端末UTとして、タッチパネルディスプレイを具備するスマートフォンを採用する。ただしこれに限られず、モバイル端末UTとしては、任意のモバイル端末を採用可能であり、ラップトップ、タブレット端末、ウェアラブルデバイス(たとえば、スマートウォッチ又はスマートグラス)、又は電子キーなども採用可能である。
上述の車両1は、MaaS(Mobility as a Service)システムの構成要素の1つとして採用され得る。MaaSシステムは、たとえばMSPF(Mobility Service Platform)を含む。MSPFは、各種モビリティサービス(たとえば、ライドシェア事業者、カーシェア事業者、保険会社、レンタカー事業者、タクシー事業者等により提供される各種モビリティサービス)が接続される統一プラットフォームである。サーバ500は、MSPFにおいてモビリティサービスのための情報の管理及び公開を行なうコンピュータである。サーバ500は、各種モビリティの情報を管理し、事業者からの要求に応じて情報(たとえば、API、及び、モビリティ間の連携に関する情報)を提供する。サービスを提供する事業者は、MSPF上で公開されたAPIを用いて、MSPFが提供する様々な機能を利用することができる。たとえば、ADKの開発に必要なAPIは、MSPF上に公開されている。
図2は、車両1の構成の詳細を示す図である。図1とともに図2を参照して、ADK200は、車両1の自動運転を行なうための自動運転システム(以下、「ADS(Autonomous Driving System)」と表記する)202を含む。ADS202は、コンピュータ210と、HMI(Human Machine Interface)230と、認識用センサ260と、姿勢用センサ270と、センサクリーナ290とを含む。
コンピュータ210は、プロセッサと、APIを利用した自動運転ソフトウェアを記憶する記憶装置とを備え、プロセッサによって自動運転ソフトウェアを実行可能に構成される。自動運転ソフトウェアにより、自動運転に関する制御(後述する図3参照)が実行される。自動運転ソフトウェアは、OTA(Over The Air)によって逐次更新されてもよい。コンピュータ210は、通信モジュール210A及び210Bをさらに備える。
HMI230は、ユーザとコンピュータ210とが情報をやり取りするための装置である。HMI230は、入力装置及び報知装置を含む。ユーザは、HMI230を通じて、コンピュータ210に指示又は要求を行なったり、自動運転ソフトウェアで使用されるパラメータ(ただし、変更が許可されているものに限る)の値を変更したりすることができる。HMI230は、入力装置及び報知装置の両方の機能を兼ね備えるタッチパネルディスプレイであってもよい。
認識用センサ260は、車両1の外部環境を認識するための情報(以下、「環境情報」とも称する)を取得する各種センサを含む。認識用センサ260は、車両1の環境情報を取得し、コンピュータ210へ出力する。環境情報は、自動運転制御に用いられる。この実施の形態では、認識用センサ260が、車両1の周囲(前方及び後方を含む)を撮像するカメラと、電磁波又は音波によって障害物を検知する障害物検知器(たとえば、ミリ波レーダ及び/又はライダー)とを含む。コンピュータ210は、たとえば、認識用センサ260から受信する環境情報を用いて、車両1から認識可能な範囲に存在する人、物体(他の車両、柱、ガードレールなど)、及び道路上のライン(たとえば、センターライン)を認識できる。認識のために、人工知能(AI)又は画像処理用プロセッサが用いられてもよい。
姿勢用センサ270は、車両1の姿勢に関する情報(以下、「姿勢情報」とも称する)を取得し、コンピュータ210へ出力する。姿勢用センサ270は、車両1の加速度、角速度、及び位置を検出する各種センサを含む。この実施の形態では、姿勢用センサ270が、IMU(Inertial Measurement Unit)及びGPS(Global Positioning System)センサを含む。IMUは、車両1の前後方向、左右方向、及び上下方向の各々の加速度、並びに車両1のロール方向、ピッチ方向、及びヨー方向の各々の角速度を検出する。GPSセンサは、複数のGPS衛星から受信する信号を用いて車両1の位置を検出する。自動車及び航空機の分野においてIMUとGPSとを組み合わせて高い精度で姿勢を計測する技術が公知である。コンピュータ210は、たとえば、こうした公知の技術を利用して、上記姿勢情報から車両1の姿勢を計測してもよい。
センサクリーナ290は、車外で外気にさらされるセンサ(たとえば、認識用センサ260)の汚れを除去する装置である。たとえば、センサクリーナ290は、洗浄液及びワイパーを用いて、カメラのレンズ及び障害物検知器の出射口をクリーニングするように構成されてもよい。
車両1においては、安全性を向上させるため、所定の機能(たとえば、ブレーキ、ステアリング、及び車両固定)に冗長性を持たせている。ベース車両100の制御システム102は、同等の機能を実現するシステムを複数備える。具体的には、ブレーキシステム121はブレーキシステム121A及び121Bを含む。ステアリングシステム122はステアリングシステム122A及び122Bを含む。パワートレーンシステム123は、EPBシステム123AとP-Lockシステム123Bとを含む。各システムがECUを備える。同等の機能を実現する複数のシステムのうち、一方に異常が生じても、他方が正常に動作することで、車両1において当該機能は正常に働く。
VCIB111は、VCIB111AとVCIB111Bとを含む。VCIB111A及び111Bの各々はコンピュータを含む。コンピュータ210の通信モジュール210A、210Bは、それぞれVCIB111A、111Bのコンピュータと通信可能に構成される。VCIB111とVCIB111Bとは、相互に通信可能に接続されている。VCIB111A及び111Bの各々は、単独で動作可能であり、一方に異常が生じても、他方が正常に動作することで、VCIB111は正常に動作する。VCIB111A及び111Bはどちらも統合制御マネージャ115を介して上記各システムに接続されている。ただし、図2に示すように、VCIB111AとVCIB111Bとでは接続先が一部異なっている。
この実施の形態では、車両1を加速させる機能については、冗長性を持たせていない。パワートレーンシステム123は、車両1を加速させるためのシステムとして、推進システム123Cを含む。
車両1は、自律モードとマニュアルモードとを切替え可能に構成される。ADK200がVCIB111から受信するAPIシグナルには、車両1が自律モードとマニュアルモードとのいずれの状態かを示す信号(以下、「自律ステート」と表記する)が含まれる。ユーザは、所定の入力装置(たとえば、HMI230又はモバイル端末UT)を通じて、自律モードとマニュアルモードとのいずれかを選択できる。ユーザによっていずれかの運転モードが選択されると、選択された運転モードに車両1がなり、選択結果が自律ステートに反映される。ただし、車両1が自動運転可能な状態になっていなければ、ユーザが自律モードを選択しても自律モードに移行しない。車両1の運転モードの切替えは、統合制御マネージャ115によって行なわれてもよい。統合制御マネージャ115は、車両の状況に応じて自律モードとマニュアルモードとを切り替えてもよい。
車両1が自律モードであるときには、コンピュータ210が、VP2から車両1の状態を取得して、車両1の次の動作(たとえば、加速、減速、及び曲がる)を設定する。そして、コンピュータ210は、設定された車両1の次の動作を実現するための各種指令を出力する。コンピュータ210がAPIソフトウェア(すなわち、APIを利用した自動運転ソフトウェア)を実行することにより、自動運転制御に関する指令がADK200からVCIB111を通じて統合制御マネージャ115へ送信される。
図3は、この実施の形態に係る自動運転制御においてADK200が実行する処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、車両1が自律モードであるときに、APIに対応する周期(API周期)で繰り返し実行される。車両1の運転モードがマニュアルモードから自律モードに切り替わると、自動運転開始を示す開始信号が車両1の識別情報とともに車両1(通信装置130)からサーバ500へ送信されるとともに、以下に説明する図3に示す一連の処理が開始される。以下では、フローチャート中の各ステップを、単に「S」と表記する。
図1及び図2とともに図3を参照して、S101では、コンピュータ210が現在の車両1の情報を取得する。たとえば、コンピュータ210は、認識用センサ260及び姿勢用センサ270から車両1の環境情報及び姿勢情報を取得する。さらに、コンピュータ210はAPIシグナルを取得する。この実施の形態では、車両1が自律モード及びマニュアルモードのいずれである場合にも、車両1の状態を示すAPIシグナルがVCIB111からADK200へリアルタイムで逐次出力されている。自動運転制御の精度を向上させるために、自律モードにおいてはマニュアルモードよりも短い周期で統合制御マネージャ115からADK200に向けて車両1の状態が逐次送信されてもよい。コンピュータ210が取得するAPIシグナルには、前述の自律ステートのほか、車輪速センサ127A,127Bで検出された各車輪の回転方向及び回転速度を示す信号などが含まれる。
S102では、コンピュータ210が、S101で取得した車両1の情報に基づいて走行計画を作成する。たとえば、コンピュータ210が、車両1の挙動(たとえば、車両1の姿勢)を計算し、車両1の状態及び外部環境に適した走行計画を作成する。走行計画は、所定期間における車両1の挙動を示すデータである。すでに走行計画が存在する場合には、S102においてその走行計画が修正されてもよい。
S103では、コンピュータ210が、S102で作成された走行計画から制御的な物理量(加速度、タイヤ切れ角など)を抽出する。S104では、コンピュータ210が、S103で抽出された物理量をAPI周期ごとに分割する。S105では、コンピュータ210が、S104で分割された物理量を用いてAPIソフトウェアを実行する。このようにAPIソフトウェアが実行されることにより、走行計画に従う物理量を実現するための制御を要求するAPIコマンド(推進方向コマンド、推進コマンド、制動コマンド、車両固定コマンドなど)がADK200からVCIB111へ送信される。VCIB111は、受信したAPIコマンドに対応する制御コマンドを統合制御マネージャ115へ送信し、統合制御マネージャ115は、その制御コマンドに従って車両1の自動運転制御を行なう。自動運転中の車両1の状態は、コンピュータ210の記憶装置に逐次記録される。
続くS106では、車両1が自律モードであるか否かを、コンピュータ210が判断する。自律モードが継続している間は(S106にてYES)、上記S101~S105の処理が繰り返し実行されることにより、車両1の自動運転が実行される。他方、車両1がマニュアルモードになると(S106にてNO)、S107において、自動運転終了を示す終了信号が車両1の識別情報とともに車両1(通信装置130)からサーバ500へ送信された後、図3に示す一連の処理は終了する。この実施の形態では、コンピュータ210とVCIB111と統合制御マネージャ115とが協働して車両1を自動運転で走行させるための制御を実行する。車両1は、有人/無人のいずれの状態においても自動運転を行なうことができる。
制御装置150は、所定の期間(以下、「運用期間」と称する)において車両1の自動運転を実行するように構成される。車両1の自動運転中は、図3に示した処理が実行され、制御装置150がADK200からの指令に従って車両1の各種システム(たとえば、図2に示したブレーキシステム121、ステアリングシステム122、パワートレーンシステム123、アクティブセーフティシステム125、及びボディシステム126)を制御する。車両1は、運用期間において、自動運転により所定のサービス(たとえば、物流サービス又は旅客輸送サービス)を提供してもよい。
この実施の形態では、サーバ500が、車両1を含む車群を管理する。以下、サーバ500によって管理される各車両(上記車群に含まれる車両)を、「管理車両」とも称する。各管理車両は、前述した車両1と同じ構成を有する。すなわち、各管理車両は、図1、図2、及び図4に示した構成を有し、図3に示した処理によって自動運転を行なうように構成される。
サーバ500は、管理車両に関する情報(以下、「車両情報」とも称する)を管理する。各管理車両の車両情報は、サーバ500の記憶装置503に記憶されている。具体的には、車両を識別するための識別情報(車両ID)が車両ごとに付与されており、サーバ500は車両情報を車両IDで区別して管理している。車両情報は、たとえば各管理車両の状況(たとえば、自動運転中か否か)を含む。この実施の形態では、各管理車両が同一車種かつ同一仕様の構成を有する。記憶装置503は、全ての管理車両に共通の車種及び仕様を記憶している。ただしこれに限られず、サーバ500は、異なる仕様を有する複数種の車両を管理して、これらの車両を所定のサービスに利用してもよい。こうした形態では、記憶装置503に記憶された車両情報が、各管理車両の車種及び仕様を含んでもよい。
この実施の形態では、複数の管理車両の中に、自動運転により旅客輸送サービスを提供する車両(以下、「運行車両」とも称する)が含まれる。この実施の形態に係る運行車両は、運行領域内を予め決められた経路(走行ルート)で巡回走行する。運行車両は、所定の出発地点を出発して、所定の走行ルートに従って自動運転による走行を行なう。運行車両が出発地点を出発して走行ルート上に設定された各地点(以下、「経由地点」とも称する)を通って出発地点に戻ってくるまでを、1回の運行とする。運行車両は、路線バスとして機能してもよいし、ライドシェアによる旅客輸送を行なってもよい。
この実施の形態では、サーバ500が複数の運行車両を管理する。各運行車両には、運行開始前に運行要件が設定される。この実施の形態では、走行ルート(出発地点を含む)、運行開始時刻(出発時刻)、運行終了時刻(出発地点に戻ってくる時刻)、及び運行回数が、運行要件として採用される。運行回数が2回以上である場合には、運行ごとの運行開始時刻及び運行終了時刻が運行車両に設定される。
サーバ500は、運行車両を普通車両と代表車両とに分けて管理する。複数の運行車両の中から1台の代表車両が予め選ばれる。普通車両は、運行車両のうち代表車両以外の車両に相当する。記憶装置503に記憶されている代表車両の車両情報は、代表車両に搭載された所定の対象部品(たとえば、部品A、部品B、部品C、部品D、・・・)の状態を示す部品情報を含む。部品情報は、各対象部品について代表車両の性能検査の結果を示す。性能検査では、所定の手順に従う客観的な検査によって車両が所定の基準以上の性能を有しているか否かが、対象部品(検査項目)ごとに確認される。対象部品の例としては、推進装置(たとえば、モータ)、制動装置、蓄電装置、EPB、P-Lock装置、サスペンション、タイヤが挙げられる。基準以上の性能を有していない対象部品については、性能検査によって不良判定がなされる。性能検査は、検査設備(テスター)を用いて行なわれてもよい。性能検査は、いわゆる車検に準ずる検査であってもよい。
代表車両の部品情報は、代表車両の性能検査が行なわれるたびに更新され、性能検査の結果が部品情報に反映される。この実施の形態における部品情報は、対象部品ごとの良否(正常/異常)を示す。こうした部品情報によって、代表車両において異常が生じた対象部品(すなわち、性能検査によって不良判定がなされた対象部品)が示される。
図4は、サーバ500の構成について説明するための図である。図1及び図2とともに図4を参照して、サーバ500は、プロセッサ501、RAM502、記憶装置503、及びHMI504を含む。サーバ500は、各運行車両と通信可能に構成される。サーバ500は、たとえば移動体通信網(テレマティクス)を介して、各運行車両と無線通信を行なうように構成されてもよい。この実施の形態に係るサーバ500は、本開示に係る「車両管理装置」の一例に相当する。
記憶装置503は、格納された情報を保存可能に構成される。記憶装置503には、プログラムのほか、プログラムで使用される情報(たとえば、マップ、数式、及び各種パラメータ)が記憶されている。HMI(Human Machine Interface)504は入力装置及び表示装置を含む。HMI504は、タッチパネルディスプレイであってもよい。HMI504は、音声入力を受け付けるスマートスピーカを含んでもよい。
図4中の表T1は、記憶装置503に記憶されている代表車両の部品情報を示す。表T1において、「V-1」は代表車両の車両IDに相当する。図4には、代表車両(V-1)の部品情報のみが示されているが、記憶装置503には、サーバ500に登録された全ての管理車両の車両情報が記憶されている。
サーバ500は、以下に説明する第1運転部511、第2運転部512、検査部521、及び保守部522を含む。サーバ500においては、たとえば、プロセッサ501と、プロセッサ501により実行されるプログラムとによって、これら各部が具現化される。ただしこれに限られず、これら各部は、専用のハードウェア(電子回路)によって具現化されてもよい。
第1運転部511は、代表車両(第1車両)を所定の第1条件で自動運転させるための第1信号を送信するように構成される。第2運転部512は、普通車両(第2車両)を、所定の第2条件で自動運転させるための第2信号を送信するように構成される。第2条件は、第1条件よりも車両が劣化しにくいように設定される。この実施の形態では、自動運転の走行ルートが、第1条件と第2条件とで同じである。以下、第1条件と第2条件とに共通の走行ルートを、「走行ルートZ」とも表記する。また、自動運転の走行目的も、第1条件と第2条件とで同じである。第1条件と第2条件とに共通の走行目的は、旅客輸送である。その一方で、第1条件における走行距離は、第2条件よりも車両が劣化しやすいように設定されている。具体的には、第1条件における走行距離は、第2条件における走行距離よりも長い。この実施の形態では、第1条件における走行距離を第2条件における走行距離の2倍とする。ただしこれに限られず、第1条件における走行距離は、第2条件における走行距離の2倍超10倍未満であってもよいし、10倍以上であってもよい。
検査部521は、代表車両が第1条件での自動運転を終了した後、代表車両の性能検査を指示するように構成される。保守部522は、代表車両に関する上記性能検査の結果を用いて、普通車両のメンテナンス時期を決定するように構成される。
サーバ500は、各運行車両に自動運転を指示することにより、旅客輸送サービスを提供できる。以下、「V-1」、「V-2」、「V-3」、「V-4」、「V-5」のような車両IDで識別される運行車両(管理車両)をそれぞれ、単に「V-1」、「V-2」、「V-3」、「V-4」、「V-5」と表記することがある。この実施の形態では、V-1を代表車両、V-2~V-5の各々を普通車両とする。この実施の形態では、5台の運行車両によって旅客輸送サービスを提供する例について説明するが、運行車両の台数は適宜変更可能である。たとえば、10台以上の運行車両によって旅客輸送サービスを提供してもよい。
サーバ500は、代表車両(V-1)に対しては、以下に示す運行要件を満たす条件での自動運転を指示する。
代表車両(V-1)に対する自動運転条件では、走行ルートを走行ルートZ、運行回数を2回/日とする。そして、1回目の運行に関しては、運行開始時刻を午前10時、運行終了時刻を午前11時とする。2回目の運行に関しては、運行開始時刻を午前11時、運行終了時刻を午前12時とする。こうした運行要件を満たす自動運転条件(すなわち、代表車両に対する自動運転条件)は、前述の第1条件に相当する。また、この実施の形態では、サーバ500が、V-1に対する上記運行要件を示すV-1運行信号を、V-1へ送信する(後述する図5のS11参照)。V-1運行信号は、前述の第1信号に相当する。
サーバ500は、各普通車両(V-2~V-5)に対しては、以下に示す運行要件を満たす条件での自動運転を指示する。
各普通車両(V-2~V-5)に対する自動運転条件では、走行ルートを走行ルートZ、運行回数を1回/日とする。そして、V-2に対する自動運転条件では、運行開始時刻を午後0時、運行終了時刻を午後1時とする。V-3に対する自動運転条件では、運行開始時刻を午後1時、運行終了時刻を午後2時とする。V-4に対する自動運転条件では、運行開始時刻を午後2時、運行終了時刻を午後3時とする。V-5に対する自動運転条件では、運行開始時刻を午後3時、運行終了時刻を午後4時とする。この実施の形態では、運行開始時刻及び運行終了時刻が普通車両ごとに異なる。こうした運行要件を満たす自動運転条件(すなわち、各普通車両に対する自動運転条件)は、前述の第2条件に相当する。また、この実施の形態では、サーバ500が、V-2、V-3、V-4、V-5に対する上記運行要件を示すV-2運行信号、V-3運行信号、V-4運行信号、V-5運行信号を、それぞれV-2、V-3、V-4、V-5へ送信する(後述する図6のS21参照)。V-2~V-5運行信号の各々は、前述の第2信号に相当する。
上記の運行要件によれば、各普通車両が走行ルートZを1日あたり1回運行するのに対し、代表車両は走行ルートZ(普通車両と同一の走行ルート)を1日あたり2回運行する。このため、1日における代表車両の走行距離は、1日における各普通車両の走行距離の2倍になる。なお、運行要件は、上記に限定されず、適宜変更可能である。たとえば、第1条件及び第2条件の各々に関する運行要件は、走行ルート上の各経由地点への到着時刻をさらに含んでもよい。この実施の形態では、単位期間を1日にしているが、単位期間は適宜変更可能である。
図5は、サーバ500が代表車両のために実行する管理処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、代表車両(V-1)に対して定められた運行開始時刻(午前10時)の前に開始される。たとえば、代表車両の運行開始時刻から所定時間さかのぼった時刻(たとえば、午前9時30分)になると、以下に説明する図5に示す一連の処理が開始されてもよい。
図1、図2、及び図4とともに図5を参照して、S11では、サーバ500の第1運転部511が第1信号を代表車両(V-1)へ送信する。第1信号は、代表車両(V-1)に対する運行要件を示すV-1運行信号である。代表車両が第1信号(V-1運行信号)を受信すると、第1信号が示す運行要件が代表車両に設定されるとともに、代表車両の運転モードがマニュアルモードから自律モードに切り替わる。これにより、代表車両の制御装置150が、図3に示した一連の処理を開始する。そして、図3のS102においては、第1信号が示す運行要件を満たすように走行計画が作成される。代表車両は、運行開始時刻になると走行(運行)を開始し、第1信号が示す2回の運行を終えるまで、図3に示した処理による自動運転を継続する。第1信号が示す2回の運行が完了すると、代表車両の運転モードが自律モードからマニュアルモードに切り替わる。これにより、代表車両の自動運転が終了する。
続くS12では、代表車両(V-1)の自動運転(第1条件での自動運転)が終了したか否かを、第1運転部511が判断する。第1運転部511は、たとえば代表車両の自動運転終了を示す終了信号を受信した場合に、代表車両の自動運転が終了したと判断する。サーバ500は、代表車両の自動運転が終了するまで(S12にてNO)、待機する。そして、代表車両の自動運転が終了すると(S12にてYES)、処理がS13に進む。
S13では、検査部521が、代表車両(V-1)の性能検査を指示する。具体的には、検査部521は、性能検査を受けることを指示する信号(以下、「検査信号」とも称する)を、代表車両(V-1)へ送信する。代表車両が検査信号を受信すると、代表車両の運転モードがマニュアルモードから自律モードに切り替わり、再び図3に示した一連の処理が開始される。代表車両は、図3に示した処理により、検査信号が示す検査場所(検査設備が設けられた場所)に向かって自動運転で走行する。代表車両が検査場所に到着すると、整備士によって代表車両の性能検査(各対象部品の検査)が実行される。サーバ500は、検査結果の入力を受け付ける。そして、代表車両の性能検査の結果がサーバ500に入力されると、サーバ500は、その性能検査の結果に基づいて、記憶装置503に記憶されている代表車両の部品情報(図4中の表T1参照)を更新する。代表車両の性能検査が完了した後、整備士がHMI504を通じてサーバ500に代表車両の性能検査の結果を入力してもよい。性能検査で異常が確認された代表車両については、整備士によって必要なメンテナンス(たとえば、修理又は部品交換)が行なわれてもよい。
続くS14では、上記性能検査の結果に基づいて代表車両の部品情報が更新されたか否かを、検査部521が判断する。サーバ500は、代表車両の部品情報が更新されるまで(S14にてNO)、待機する。待機中、サーバ500のHMI504が、性能検査の結果の入力を促す報知を行なってもよい。そして、代表車両の部品情報が更新されると(S14にてYES)、図5に示す一連の処理が終了する。この実施の形態では、整備士がサーバ500に代表車両の性能検査の結果を入力すると、S14においてYESと判断される。
図6は、サーバ500が普通車両のために実行する管理処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、普通車両ごとに、その運行開始時刻の前(たとえば、運行開始時刻から所定時間さかのぼった時刻)に開始される。たとえば、V-2に対する処理は、V-2に対して定められた運行開始時刻(午前12時)から所定時間さかのぼった時刻(たとえば、午前11時30分)になると開始される。また、V-3に対する処理は、V-3に対して定められた運行開始時刻(午後1時)から所定時間さかのぼった時刻(たとえば、午後0時30分)になると開始される。この実施の形態では、V-3に対する処理が、V-2に対して定められた運行終了時刻(午後1時)よりも前に開始される。すなわち、所定の期間においては、V-2及びV-3の各々に対して、以下に説明する図6に示す一連の処理が同時並行で実行される。また、V-3に対する処理が開始された後、V-4、V-5に対する処理も順次開始される。
図1、図2、及び図4とともに図6を参照して、S21では、サーバ500の第2運転部512が、対象となる普通車両(V-2~V-5のいずれか)へ第2信号を送信する。第2信号は、対象となる普通車両によって異なる。V-2、V-3、V-4、V-5に対する第2信号は、それぞれ前述したV-2運行信号、V-3運行信号、V-4運行信号、V-5運行信号である。
対象となる普通車両が第2信号(当該普通車両に対する運行信号)を受信すると、第2信号が示す運行要件がその普通車両に設定されるとともに、その普通車両の運転モードがマニュアルモードから自律モードに切り替わる。これにより、普通車両の制御装置150が、図3に示した一連の処理を開始する。そして、図3のS102においては、第2信号が示す運行要件を満たすように走行計画が作成される。普通車両は、第2信号が示す1回の運行を終えるまで、図3に示した処理による自動運転を継続する。第2信号が示す1回の運行が完了すると、普通車両の運転モードが自律モードからマニュアルモードに切り替わる。これにより、普通車両の自動運転が終了する。
続くS22では、普通車両の自動運転(第2条件での自動運転)が終了したか否かを、第2運転部512が判断する。第2運転部512は、たとえば普通車両の自動運転終了を示す終了信号を受信した場合に、普通車両の自動運転が終了したと判断する。サーバ500は、普通車両の自動運転が終了するまで(S22にてNO)、待機する。そして、普通車両の自動運転が終了すると(S22にてYES)、処理がS23に進む。
S23では、保守部522が、代表車両に関する性能検査の結果(図5のS13及びS14参照)を記憶装置503から取得する。代表車両に関する性能検査(図5のS13)が完了していない場合には、保守部522は待機する。そして、検査完了後にデータが更新されると(図5のS14にてYES)、保守部522は最新のデータ(代表車両の性能検査の結果)を記憶装置503から取得する。
続くS24では、代表車両の性能検査によって代表車両のいずれかの部品に異常(許容レベルを超える性能低下)が確認されたか否かを、保守部522が判断する。そして、代表車両の性能検査によって代表車両のいずれかの部品に異常が確認された場合には(S24にてYES)、保守部522は、S25において、異常が確認された代表車両の部品に対応する普通車両の部品についてメンテナンスを指示する。たとえば、代表車両において制動装置の異常が確認された場合には、保守部522は、普通車両の制動装置のメンテナンスを指示する。この指示により、普通車両の部品メンテナンスが実行される。
保守部522は、S25において、たとえば対象部品(代表車両で異常が確認された部品)のメンテナンス(たとえば、検査、修理、又は交換)を要求するメンテナンス信号を、自動運転を終えた普通車両へ送信する。メンテナンス信号を受信した普通車両の制御装置150は、対象部品のメンテナンス時期が到来したことを記憶装置153に記録するとともに、普通車両の管理者に対して対象部品のメンテナンスを促す報知処理を所定の報知装置(たとえば、HMI230又はモバイル端末UT)に実行させる。また、メンテナンス信号を受信した普通車両の制御装置150は、当該普通車両を自動運転でメンテナンス場所へ移動させる処理を実行してもよいし、メンテナンス業者の端末へメンテナンスを依頼する信号を送信してもよい。
上記S25の処理が実行されると、図6に示す一連の処理が終了する。S25の処理が行なわれることにより、普通車両の部品メンテナンスが実行される。他方、代表車両の性能検査によって代表車両のいずれの部品にも異常が確認されなかった場合には(S24にてNO)、普通車両の部品メンテナンス(S25)が行なわれることなく、図6に示す一連の処理が終了する。この実施の形態では、普通車両が第2条件での自動運転を終了した後、保守部522が、代表車両に関する性能検査の結果を用いて、その普通車両のメンテナンスを行なうか否かを判断する。すなわち、保守部522は、代表車両に関する性能検査の結果を用いて、普通車両のメンテナンス時期を決定する。
以上説明したように、実施の形態1に係る車両管理方法は、図3、図5、及び図6の各々に示した処理を含む。図5のS11(第1自動運転工程)では、車群に含まれる第1車両(代表車両)を第1条件で自動運転させる。図6のS21(第2自動運転工程)では、車群に含まれる第1車両以外の車両である第2車両(普通車両)を、第1条件よりも車両が劣化しにくい第2条件で自動運転させる。図5のS13(性能検査工程)では、第1車両が第1条件での自動運転を終了した後(図5のS12にてYES)、第1車両の性能検査を行なう。図6のS25(メンテナンス工程)では、第1車両の性能検査によって不良判定がなされた場合に(図6のS24にてYES)、第2車両のメンテナンスを実行する。
上記の車両管理方法では、第1車両に関する性能検査の結果を用いて、第2車両のメンテナンス時期が決定される。第1車両に関する性能検査は、第2車両の運転条件(第2条件)よりも車両が劣化しやすい条件(第1条件)で第1車両が自動運転された後に実行される。このため、第1車両に関する性能検査において、第1車両の性能が正常であると判定された場合には、第2車両の性能も正常であると推定できる。すなわち、第1車両に関する性能検査によって第1車両の性能が正常であると判定された場合には、第2車両に関する性能検査を省略できる。このため、上記の車両管理方法によれば、複数の自動運転車両を管理するシステムにおいて、管理される各自動運転車両の性能検査の合計回数を低減することが可能になる。
[実施の形態2]
本開示の実施の形態2に係る車両管理装置及び車両管理方法について説明する。実施の形態2は実施の形態1と共通する部分が多いため、主に相違点について説明し、共通する部分についての説明は割愛する。
図7は、本開示の実施の形態2に係る車両管理装置の構成を示す図である。実施の形態2では、実施の形態1におけるサーバ500(図4)の代わりにサーバ500Aが採用される。実施の形態2では、サーバ500Aが、本開示に係る「車両管理装置」の一例に相当する。
図7を参照して、サーバ500Aは、サーバ500と同様、第1運転部511、第2運転部512、検査部521、及び保守部522を含む。ただし、サーバ500Aの保守部522は、第1車両の性能を示す第1データを、第2車両の性能を示す第2データに変換するための演算を行なうように構成される。第1車両、第2車両は、それぞれ代表車両、普通車両に相当する。
実施の形態1におけるサーバ500では、普通車両に関する部品情報が記憶装置503に記憶されていなかったが、実施の形態2におけるサーバ500Aの記憶装置503には、代表車両に関する部品情報だけでなく普通車両に関する部品情報も記憶されている(図7中の表T2参照)。部品情報は、車両に搭載された所定の対象部品(たとえば、部品A、部品B、・・・)の状態を示す。代表車両に関する部品情報は前述の第1データを含み、普通車両に関する部品情報は前述の第2データを含む。この実施の形態では、第1データ及び第2データの各々として、部品劣化度を採用する。部品情報は、対象部品ごとの劣化度を示す。第1データは、代表車両の性能検査によって取得され、記憶装置503に保存される。そして、サーバ500Aの保守部522が、所定の演算を行ない、第1データから第2データを求める。得られた第2データは、記憶装置503に保存される。サーバ500Aの保守部522は、代表車両に搭載された部品Aの劣化度(第1データ)と所定の変換係数との乗算の結果として、普通車両に搭載された部品Aの劣化度(第2データ)を求めてもよい。部品Aの例としては、推進装置(たとえば、モータ)、制動装置、蓄電装置、EPB、P-Lock装置、サスペンション、タイヤが挙げられる。代表車両と普通車両とで仕様が異なる形態では、サーバ500Aの保守部522は、代表車両と普通車両との各々の車体重量と空気抵抗(たとえば、空気抵抗係数Cdの値)との少なくとも一方を用いて、上記変換係数を決定してもよい。
実施の形態2では、実施の形態1におけるV-1の代わりに、V-11及びV-12が、代表車両として採用される。また、実施の形態1におけるV-2~V-5の代わりに、V-21~V-24が、普通車両として採用される。V-11に対する自動運転条件では、走行ルートを走行ルートZ、運行回数を1回/日、運行開始時刻を午前9時30分、運行終了時刻を午前10時とする。V-12に対する自動運転条件は、実施の形態1におけるV-1に対する自動運転条件と同じである。V-21~V-24に対する自動運転条件は、それぞれ実施の形態1におけるV-2~V-5に対する自動運転条件と同じである。
各普通車両(V-21~V-24)が走行ルートZを1時間で1回運行するのに対し、V-11は走行ルートZを30分で1回運行する。このため、V-11の車速は、各普通車両の車速の2倍になる。このように、V-11の自動運転条件(第1条件)における車速は、各普通車両の自動運転条件(第2条件)における車速よりも車両が劣化しやすいように設定されている。また、各普通車両(V-21~V-24)が走行ルートZを1日あたり1回運行するのに対し、V-12は走行ルートZを1日あたり2回運行する。このため、1日におけるV-12の走行距離は、1日における各普通車両の走行距離の2倍になる。このように、V-12の自動運転条件(第1条件)における走行距離は、各普通車両の自動運転条件(第2条件)における走行距離よりも車両が劣化しやすいように設定されている。
図8は、サーバ500Aが代表車両のために実行する管理処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、代表車両ごとに実行される。運行開始時刻に応じて、V-11、V-12に対する処理が順次開始される。図8に示す一連の処理は、基本的には、図5に示した一連の処理と同じである。
図7とともに図8を参照して、S11では、サーバ500Aの第1運転部511が、対象となる代表車両(V-11又はV-12)へ第1信号を送信する。第1信号は、対象となる代表車両によって異なる。V-11、V-12に対する第1信号は、それぞれV-11、V-12に対する運行要件を示すV-11運行信号、V-12運行信号である。S11の処理により、対象となる代表車両は、運行要件を満たすように自動運転(図3参照)を実行する。その後、図5に示した処理と同様に、S12~S14の処理が実行される。ただし、S13の指示に応じて行なわれる性能検査では、対象となる代表車両について対象部品ごとの劣化度(第1データ)が測定される。そして、対象となる代表車両の性能検査が完了した後、対象部品ごとの劣化度を含む代表車両の性能検査の結果がサーバ500Aに入力され、代表車両に関する部品情報(図7中の表T2参照)が更新される。性能検査で異常が確認された代表車両については、整備士によって必要なメンテナンスが行なわれてもよい。
図9は、サーバ500Aが普通車両のために実行する管理処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、普通車両ごとに実行される。運行開始時刻に応じて、V-21、V-22、V-23、V-24に対する処理が順次開始される。
図7とともに図9を参照して、図6に示した処理と同様に、S21及びS22の処理が実行される。続くS23Aでは、サーバ500Aの保守部522が、代表車両に関する性能検査の結果(図8のS13及びS14参照)を記憶装置503から取得する。具体的には、サーバ500Aの保守部522は、V-11及びV-12の各々の部品劣化度(対象部品ごとの劣化度)を取得する。
続くS23Bでは、サーバ500Aの保守部522が、V-11及びV-12の各々の部品劣化度から、対象となる普通車両(V-21~V-24のいずれか)の部品劣化度を求める。具体的には、サーバ500Aの保守部522は、V-11及びV-12の各々について測定された部品劣化度の平均値と、所定の変換係数とを乗算することにより、対象となる普通車両の部品劣化度を求める。変換係数は、全ての普通車両に共通であってもよいし、普通車両ごとに異なってもよい。普通車両の部品劣化度は、対象部品ごとに算出される。変換係数は、全ての対象部品に共通であってもよいし、対象部品ごとに異なってもよい。この実施の形態では、複数の代表車両について測定された第1データ(部品劣化度)の平均値が、普通車両の性能を示す第2データ(部品劣化度)に変換される。しかしこれに限られず、1台の代表車両について測定された第1データが、所定の変換係数によって第2データに変換されてもよい。
続くS24Aでは、サーバ500Aの保守部522が、対象となる普通車両のいずれかの部品に異常(許容レベルを超える性能低下)が生じているか否かを判断する。具体的には、保守部522は、普通車両に搭載された対象部品ごとに現在の劣化度(第2データ)が所定の閾値を超えるか否かを判断する。閾値は、対象部品ごとに任意に設定できる。少なくとも1つの対象部品の劣化度が閾値を超える場合には、S24AにおいてYESと判断され、処理がS25Aに進む。
S25Aでは、サーバ500Aの保守部522が、異常が生じている普通車両の対象部品についてメンテナンスを指示する。S25Aの指示に応じて、普通車両の部品メンテナンスが実行される。この実施の形態では、普通車両が第2条件での自動運転を終了した後、保守部522が、代表車両の性能を示す第1データを用いて、当該普通車両の性能を示す第2データを算出し、第2データに基づいて当該普通車両のメンテナンスを行なうか否かを判断する。すなわち、保守部522は、第2データに基づいて普通車両のメンテナンス時期を決定する。
以上説明したように、実施の形態2に係る車両管理方法は、図3、図8、及び図9の各々に示した処理を含む。図8のS11(第1自動運転工程)では、車群に含まれる第1車両(代表車両)を第1条件で自動運転させる。図9のS21(第2自動運転工程)では、車群に含まれる第1車両以外の車両である第2車両(普通車両)を、第1条件よりも車両が劣化しにくい第2条件で自動運転させる。図8のS13(性能検査工程)では、第1車両が第1条件での自動運転を終了した後、第1車両の性能検査を行ない、第1車両の性能を示す第1データを取得する。図9のS23A及びS23B(変換工程)では、第1データを、第2車両の性能を示す第2データに変換する。図9のS25A(メンテナンス工程)では、第2データが第2車両の性能不良を示す場合に(図9のS24AにてYES)、第2車両のメンテナンスを実行する。こうした車両管理方法によっても、複数の自動運転車両を管理するシステムにおいて、管理される各自動運転車両の性能検査の合計回数を低減することが可能になる。また、実施の形態2では、複数種の第1車両が採用されることで、各第1車両に関する性能検査の結果を用いて第2車両の性能を適切に評価しやすくなる。
[実施の形態3]
本開示の実施の形態3に係る車両管理装置及び車両管理方法について説明する。実施の形態3は実施の形態1と共通する部分が多いため、主に相違点について説明し、共通する部分についての説明は割愛する。
図10は、本開示の実施の形態3に係る車両管理装置の構成を示す図である。実施の形態3では、実施の形態1におけるサーバ500(図4)の代わりにサーバ500Bが採用される。実施の形態3では、サーバ500Bが、本開示に係る「車両管理装置」の一例に相当する。
図10を参照して、サーバ500Bは、第1運転部511、第2運転部512、検査部521、及び保守部522に加えて、判断部513をさらに含む。サーバ500Bにおいては、たとえば、プロセッサ501と、プロセッサ501により実行されるプログラムとによって、これら各部が具現化される。ただしこれに限られず、これら各部は、専用のハードウェア(電子回路)によって具現化されてもよい。
実施の形態3に係るサーバ500Bによって管理される車両(管理車両)も、運行車両として機能する。ただし、実施の形態3に係る運行車両は、都度の要求に応じて経路を決定し、決定された経路(オンデマンド経路)に従って自動運転による走行を実行する。運行車両は、ロボタクシーとして機能してもよい。所定台数の管理車両が、予め代表車両として定められる。そして、代表車両以外の管理車両は、普通車両として扱われる。
サーバ500Bは、ユーザが指定した運行要件を取得し、その運行要件(要求された自動運転条件)に従う自動運転を管理車両(運行車両)に指示する。判断部513は、要求された自動運転条件が第1条件と第2条件とのいずれに該当するかを判断するように構成される。この判断処理の詳細については後述する(図11のS32参照)。
図11は、サーバ500Bが運行車両のために実行する管理処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、サーバ500Bがユーザの端末(たとえば、サービス利用者又は車両管理者のモバイル端末)から運行要求を受信すると開始される。
図10とともに図11を参照して、S31では、ユーザが指定した運行要件を、サーバ500Bの判断部513が取得する。ユーザが指定した運行要件は、上記運行要求に含まれる。
続くS32では、S31で取得した運行要件がハードか否かを、判断部513が判断する。具体的には、判断部513は、運行要件が示す走行距離と重量と車速との少なくとも1つを用いて、その運行要件がハードか否かを判断する。判断部513は、運行要件が示す走行距離(たとえば、ユーザの乗車位置から目的地までの距離)が所定値以上であるか否かに基づいて、その運行要件がハードか否かを判断してもよい。判断部513は、運行要件が示す乗車人数が所定値以上であるか否かに基づいて、その運行要件がハードか否かを判断してもよい。判断部513は、運行要件が示す積載重量が所定値以上であるか否かに基づいて、その運行要件がハードか否かを判断してもよい。判断部513は、運行要件が示す車速が所定値以上であるか否かに基づいて、その運行要件がハードか否かを判断してもよい。たとえば、運行要件によって急行が要求される場合に、運行要件がハードであると判断されてもよい。なお、運行要件がハードであると認定される要件(ハードワーク要件)は任意に設定可能である。たとえば、判断部513は、運行要件が示す走行ルートに基づいて、その運行要件がハードか否かを判断してもよい。走行ルートに悪路が含まれる場合、又は走行ルートに急勾配の坂道が含まれる場合に、運行要件がハードであると判断されてもよい。
運行要件がハードである場合には(S32にてYES)、判断部513が、S331において、利用可能な状態の管理車両の中から代表車両を選択する。複数台の代表車両が利用可能な状態である場合には、使用頻度が少ない(劣化度合いが小さい)代表車両から優先的に選択される。S32においてYESと判断されたことは、要求された自動運転条件が第1条件に該当することを意味する。
運行要件がハードではない場合には(S32にてNO)、判断部513が、S332において、利用可能な状態の管理車両の中から普通車両を選択する。複数台の普通車両が利用可能な状態である場合には、使用頻度が少ない(劣化度合いが小さい)普通車両から優先的に選択される。S32においてNOと判断されたことは、要求された自動運転条件が第2条件に該当することを意味する。
以下、S331又はS332で選択された車両(代表車両又は普通車両)を、「選択車両」と称する。続くS34では、サーバ500Bが、S31で取得した運行要件を満たす自動運転を選択車両に指示する。具体的には、選択車両が代表車両である場合には、選択車両を第1条件(ハードワーク要件を満たす条件)で自動運転させるための第1信号を、サーバ500Bの第1運転部511が選択車両へ送信する。選択車両が普通車両である場合には、選択車両を第2条件(ハードワーク要件を満たさない条件)で自動運転させるための第2信号を、サーバ500Bの第2運転部512が選択車両へ送信する。
S34の処理は、図5のS11の処理に準ずる。S34の処理により、選択車両が運行要件を満たすように自動運転(図3参照)を実行する。続くS35では、選択車両の自動運転が終了したか否かを、サーバ500Bが判断する。選択車両の自動運転が終了すると(S35にてYES)、サーバ500Bの検査部521は、S36において、選択車両が代表車両であるか否かを判断する。選択車両が代表車両である場合には(S36にてYES)、検査部521が、S37において、その代表車両の性能検査を指示する。S37の処理は、図5のS13の処理に準ずる。S37の指示に応じて、代表車両の性能検査(各対象部品の検査)が実行される。
続くS38では、代表車両の性能検査によって代表車両のいずれかの部品に異常(許容レベルを超える性能低下)が確認されたか否かを、サーバ500Bの保守部522が判断する。S38の処理は、図6のS24の処理に準ずる。代表車両の性能検査によって代表車両のいずれかの部品に異常が確認された場合には(S38にてYES)、保守部522が、S39において、車群に含まれる代表車両及び普通車両の全て(全ての管理車両)について部品メンテナンスを指示する。メンテナンスの対象となる部品は、代表車両で異常が確認された部品である。メンテナンス処理は、図6のS25の処理に準ずる。
上記S39の処理が実行されると、図11に示す一連の処理が終了する。S39の処理が行なわれることにより、各管理車両の部品メンテナンスが実行される。他方、代表車両の性能検査によって代表車両のいずれの部品にも異常が確認されなかった場合には(S38にてNO)、部品メンテナンス(S39)が行なわれることなく、図11に示す一連の処理が終了する。また、選択車両が普通車両である場合には(S36にてNO)、性能検査(S37)及び部品メンテナンス(S39)のいずれも行なわれることなく、図11に示す一連の処理が終了する。
以上説明したように、実施の形態3に係る車両管理方法は、図3及び図11の各々に示した処理を含む。図11に示した処理では、S32において、ユーザが指定した自動運転条件が第1条件と第2条件とのいずれに該当するかを判断する。その自動運転条件が第1条件に該当する場合には(S32にてYES)、S34において、車群に含まれる第1車両(代表車両)を第1条件で自動運転させる。他方、その自動運転条件が第2条件に該当する場合には(S32にてNO)、S34において、車群に含まれる第1車両以外の車両である第2車両(普通車両)を、第1条件よりも車両が劣化しにくい第2条件で自動運転させる。図11のS37では、第1車両が第1条件での自動運転を終了した後、第1車両の性能検査を行なう。図11のS39では、第1車両の性能検査によって不良判定がなされた場合に(図11のS38にてYES)、第1車両及び第2車両の各々のメンテナンスを実行する。こうした車両管理方法によっても、複数の自動運転車両を管理するシステムにおいて、管理される各自動運転車両の性能検査の合計回数を低減することが可能になる。また、第1車両と第2車両との各々を、要求された自動運転条件に応じて適切に運用することが可能になる。
[他の実施の形態]
上記各実施の形態に係るサーバの機能は、クラウドコンピューティングによってクラウド上に提供されてもよい。自動運転のレベルは、完全自動運転(レベル5)であってもよいし、条件付きの自動運転(たとえば、レベル4)であってもよい。第1条件及び第2条件の各々における自動運転の走行目的は、旅客輸送に限られず適宜変更可能である。たとえば、自動運転の走行目的は、移動オフィスであってもよいし、物流であってもよいし、医療であってもよい。
車両の構成は、上記各実施の形態で説明した構成(図1及び図2参照)に限られない。ベース車両が後付けなしの状態で自動運転機能を有してもよい。車両の構成は、無人走行専用の構成に適宜変更されてもよい。たとえば、無人走行専用の車両は、人が車両を操作するための部品(ステアリングホイールなど)を備えなくてもよい。車両は、ソーラーパネルを備えてもよいし、飛行機能を備えてもよい。車両は、乗用車に限られず、バス又はトラックであってもよい。車両は、個人が所有する車両(POV)であってもよい。車両は、ユーザの使用目的に応じてカスタマイズされる多目的車両であってもよい。車両は、移動店舗車両、無人搬送車(AGV)、又は農業機械であってもよい。車両は、無人又は1人乗りの小型BEV(たとえば、マイクロパレット)であってもよい。
上述した各実施の形態及び各変形例は任意に組み合わせて実施されてもよい。
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示により示される技術的範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。