JP7467096B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品に関する。
湿疹、汗疹、かぶれ等の皮膚トラブルの発生を効果的に防止する観点から、着用者の腰周り等の肌に触れる部分に汗を吸収するシートが配された、使い捨ておむつ等の吸収性物品が知られている。例えば、特許文献1には、汗を吸収するシートが、親水性繊維を所定量含有する上層と、疎水性繊維を所定量含有する下層とが積層された構造を有しており、該上層が着用者の肌に当接し、該下層が肌に当接しない、おむつが記載されている。
また、本出願人は、先に、肌当接面側に少なくとも2層以上で構成された吸汗シートを有する伸縮領域を備えており、該吸汗シートが、肌当接面を形成する疎水層と、該疎水層の非肌当接面に隣接して配された親水層とを含み、該疎水層及び該親水層を固定する複数個の融着接合部を有している、吸収性物品を提案した(特許文献2)。
特開2000-189454号公報 特開2017-213360号公報
使い捨ておむつ等の一般的な吸収性物品は、シート部材や積繊体、弾性部材等の複数の構成部材からなる。これら構成部材は接着剤等を用いて接合されて、吸収性物品を形成している。吸収性物品におけるシート部材が汗等を吸収して湿潤すると、前記構成部材どうしの接着性が低下して、吸収性物品の保形性が低下することがあり、改善の余地がある。特許文献1及び特許文献2は、吸汗性能とともに、吸収性物品における構成部材どうしの接着性を向上させる技術を開示するものではない。
本発明は、吸汗性能と、構成部材どうしの接着性とを両立し得る吸収性物品を提供する。
本発明は、吸汗シートを構成部材として具備し、該吸汗シートの第1面が他の構成部材と接着されている吸収性物品であって、
前記吸汗シートは、疎水性の繊維で構成された疎水層と、親水性の繊維で構成された親水層とを含んでおり、該疎水層と該親水層とが直接接触した状態に積層されており、
第1面が前記疎水層により形成されている、吸収性物品を提供するものである。
本発明の吸収性物品によれば、吸汗性能と、構成部材どうしの接着性とを両立することができる。
図1は、本発明の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつを示す図であり、該おむつの外面を目視した状態を示す斜視図である。 図2は、図1に示すおむつを展開して引き伸ばした、該おむつの展開且つ伸長状態を示す図であって、該おむつの肌対向面側から視た展開平面図である。 図3は、図2に示すII―II線断面図である。 図4は、図3に示す吸汗シートの断面図である。 図5は、本発明の別の実施形態であるパンツ型使い捨ておむつを示す図3相当図である。 図6は、本発明に係る吸汗シートの別の実施形態を示す図4相当図である。 図7は、本発明に係る吸汗シートのさらに別の実施形態を示す図4相当図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1及び2には、本発明の吸収性物品の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ1(以下、単に「おむつ1」という。)が示されている。おむつ1は、図1に示すように、おむつ1の着用状態において着用者の腹側に配される腹側部Aと、着用者の背側部に配される背側部Bと、これらの間に位置する股下部Cとを有している。おむつ1は、着用者の前後方向に対応する方向、即ち腹側部Aから股下部Cを介して背側部Bに延びる方向に対応する長手方向Xと、これに直交する幅方向Yとを有している。おむつ1は、図2に示すように、長手方向Xに延びる、該おむつ1を幅方向Yに2等分する長手方向中心線CLに対して左右対称に形成されている。
おむつ1は、吸収体24を有する吸収性本体2を幅方向Yの中央部に備えるとともに、該吸収性本体2の非肌対向面側、即ち該吸収性本体2よりも着用者の身体から遠い側に配された外装体3を備えている。吸収体24は、腹側部Aと背側部Bとの間にわたっており、液保持性の吸収性コア(図示せず)と、その外面に接触してこれを包むコアラップシート(図示せず)とを含んで構成されている。外装体3は、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける外装体3の長手方向Xに沿う両側縁部どうしが、ホットメルト接着剤等の接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されて、一対のサイドシール部S,S、並びに着用者の胴が通されるウエスト開口部WH、及び着用者の下肢が通される一対のレッグ開口部LH(一方のみ図示)が形成されている。
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば表面シート)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌から遠い側である。なお、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、即ち当該吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味する。
吸収性本体2は、図2に示す如きおむつ1の展開且つ伸長状態において、平面視長方形形状をなし、腹側部Aから背側部Bにわたって長手方向Xに延在している。吸収性本体2は、その長手方向を展開且つ伸長状態におけるおむつ1の長手方向Xに一致させて、外装体3の幅方向Yの中央部に配置され、接着剤により外装体3に接合されている。おむつ1の「展開且つ伸長状態」とは、おむつ1をサイドシール部Sで切り離して展開状態とし、その展開状態のおむつ1を各部の弾性部材を伸長させて設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで広げた状態をいう。
吸収性本体2は、図3に示すように、肌対向面を形成する液透過性の表面シート21、非肌対向面を形成する液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性の裏面シート23、及び両シート21,23間に介在配置された液保持性の吸収体24を具備しており、これらが接着剤等の公知の接合手段により一体化されて構成されている。吸収性本体2の長手方向Xの全長は、吸収体24のそれと略同じであり、吸収体24の長手方向の前後に位置する両端縁は、吸収性本体2の長手方向の前後に位置する両端縁と同位置にある。表面シート21及び裏面シート23それぞれとしては、この種の吸収性物品に従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート21としては各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができ、裏面シート23としては樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。
吸収体24は、図2に示す如き平面視において長手方向Xに長い長方形形状をなし、腹側部Aから背側部Bにわたって長手方向Xに延在している。本実施形態における吸収体24は、長手方向Xの両端部の位置が、吸収性本体2の長手方向Xにおける両端部の位置と略一致している。
図2に示すように、吸収性本体2の肌対向面における長手方向Xに沿う両側部には、液抵抗性又は撥水性で且つ通気性の防漏カフ形成用シートから構成された一対の防漏カフ26,26が設けられている。各防漏カフ26は、長手方向Xに伸長状態で配された糸状の防漏カフ形成用弾性部材(不図示)を1本以上具備しており、該弾性部材がおむつ1の着用時に収縮することによって少なくとも股下部Cで起立する。
外装体3は、図2に示す如き展開且つ伸長状態のおむつ1の外形を形作っており、外装体3の周縁は、その状態のおむつ1の輪郭線、即ち腹側部A、股下部C及び背側部Bそれぞれの輪郭線を形成している。外装体3は、図2に示すように、股下部Cにおいて、外装体3の長手方向Xに沿う両側縁部が幅方向Yの中央に向かって凸の円弧状に湾曲しており、長手方向Xの中央域が幅方向Yの内方に向けて括れている。
おむつ1の股下部Cにおいて、外装体3は、着用者の脚周りに配されるレッグ周縁部LSを形成している。このレッグ周縁部LSでは、レッグ弾性部材37が伸長状態で配されており、その収縮により、着用状態における股下部Cに着用者の脚周りへのフィット性を向上させるレッグギャザーが形成される。
外装体3は、図2~図5に示すように、おむつ1の外面即ち非肌対向面を形成する外層シート31と、外層シート31の肌対向面側に配置された内層シート32と、これら両シート31,32間に配された複数の弾性部材36とを有している。弾性部材36は、幅方向Yに沿って配されている(図1参照)。外装体3において長手方向Xに吸収性本体2と重なる位置に配された弾性部材36は、該吸収性本体2と厚み方向に重なる領域で、細かく分断する等の処理によって弾性伸縮性を発現しないように配されていてもよい。外装体3は、腹側部A及び背側部Bそれぞれに、糸状又は帯状の弾性部材36が幅方向Yに伸長状態で複数本配され、それら複数本の弾性部材36は長手方向Xに所定間隔を置いて間欠配置されている。このように、弾性部材36が、その弾性伸縮性が発現される状態で配されていることにより、ウエスト開口部WHの開口縁部には、その全周にわたって実質的に連続した環状のウエストギャザー(襞)が形成される。
外層シート31及び内層シート32は、図3に示すように、背側部Bにおいて、ウエスト開口部の周縁端WEに沿って肌対向面側に折り返されている。これら両シート31,32は、腹側部Aにおいても同様に折り返されている(図示せず)。腹側部A及び背側部Bそれぞれにおいて外層シート31が、ウエスト開口部の周縁端WEに沿って肌対向面側に折り返された部分を折り返し部aという。
本実施形態のおむつ1は、その構成部材として吸汗シート10を具備している。具体的には、外装体3を構成する外層シート31として、吸汗シート10を具備している。吸汗シート10は、おむつ1の他の構成部材と接着された第1面と、該第1面の反対側に位置する第2面とを有している。本実施形態の吸汗シート10は、内層シート32よりも非肌対向面側において、外装体3を構成する複数の弾性部材36と接着剤(図示せず)により接着されており、該弾性部材36と対向する面が第1面となっている(図3参照)。また、本実施形態の吸汗シート10は、内層シート32の肌対向面側に位置する折り返し部aにおいて、長手方向Xにおける吸収性本体2の端部と該折り返し部aの非肌対向面が接着剤により接着されており、該吸収性本体2の端部と対向する面が第1面となっている。このように、吸汗シート10は、第1面の全面又は一部が、おむつ1の他の構成部材と接着されている。
他の構成部材としては、外装体3を構成するシートや、表面シート、裏面シート等のシート部材、吸収性コアを形成する積繊体、外装体3を構成する弾性部材等が挙げられる。
吸汗シート10は、疎水層11と親水層12とを含んでいる。
疎水層11は、疎水性の繊維で構成されている。疎水性とは、水となじみ難く、水を吸収し難い性質を有することである。例えば、疎水性の繊維は、水との接触角が好ましくは90°超であり、より好ましくは100°以上である。疎水性の繊維としては、合成繊維が挙げられ、具体的には、各種不織布の構成繊維として通常用いられているものを用いることができ、例えば、後述する合成繊維を用いることができる。
親水層12は、親水性の繊維で構成されている。親水性とは、水となじみ易く、水を吸収可能な性質を有することである。親水性の繊維は、水との接触角が好ましくは90°以下であり、より好ましくは80°以下である。親水性の繊維としては、合成繊維を親水化したものが挙げられ、具体的には、疎水性合成繊維を親水化剤で処理したものや、疎水性合成繊維の製造時に、該繊維に親水化剤を練り込んだものが挙げられる。また、本来的に親水性を有する繊維、例えば天然系や半天然系の繊維を合成繊維と混合した複合不織布を用いることもできる。合成繊維には、特に限定はないが、PE繊維、PP繊維等のポリオレフィン繊維;PET、ポリアミド等の熱可塑性樹脂を単独で用いてなる繊維;芯鞘型、サイドバイサイド型等の構造の複合繊維が挙げられる。合成繊維の親水化に用いられる親水化剤は、衛生品用途に使用される一般的な親水化剤であれば特に限定されない。親水性を有する繊維には、具体的には、例えば、木材パルプや木綿パルプ、ワラパルプ等の非木材パルプ等の天然セルロース繊維;レーヨン、キュプラ等の再生セルロース繊維が挙げられる。
〔水との接触角の測定方法〕
水との接触角の測定には、協和界面科学株式会社製の接触角計MCA-Jを用いる。具体的には、測定対象のシートそれぞれから取り出した構成繊維について、その表面に、脱イオン水を滴下(約20ピコリットル)した後、直ちに前記接触角計を用いて接触角の測定を行う。測定は、前記シートから後述する方法で取り出した5本の構成繊維それぞれについて、該繊維の異なる5箇所以上の箇所で行い、それらの平均値を接触角とする。なお、測定環境温度は20℃とする。
前記水との接触角の測定について、測定対象となるシートがおむつ等の吸収性物品に組み込まれている場合、測定対象となるシートは以下の方法により取り出す。先ず、吸収性物品から測定対象のシートを含む領域を他の構成部材とともに切り出し、切片を得る。この切片に対し、ドライヤー等を用いて熱風を吹き付け、接着剤の影響を除去しながら、該切片から測定対象となるシートを丁寧に剥がして、測定対象となるシートを取り出す。
吸汗シートの各層を構成する繊維について、水との接触角を測定する場合、測定対象のシートからは、表裏それぞれの表面に存在する繊維をそれぞれピンセットで取り出して、上記の測定に供する。具体的には、吸汗シートの第1面から採取した5本の構成繊維について前述した方法により接触角を測定し、且つこれらの平均値を第1面における構成繊維の水との接触角、あるいは疎水層11における繊維の水との接触角とする。これと同様の方法により、第2面から構成繊維を採取し、第2面における構成繊維の水との接触角を求める。斯かる接触は、第2面を形成する層における繊維の水との接触角とすることもできる。繊維を取り出す際は、接着剤が付着していない箇所を選択する。
また、後述するように、吸汗シート10が三層構造である場合、疎水層11を構成する繊維は第1面から採取する。第2面を形成する層における繊維は、該第2面から採取し、三層構造の真ん中の層における繊維は吸汗シートの厚み方向における中央部から採取する。
吸汗シート10は、図4に示すように、疎水層11と親水層12とが直接接触した状態に積層されている。図4において、細い方の繊維で構成されている層が疎水層11であり、太い方の繊維で構成されている層が親水層12である。同図に示す吸汗シート10は、F1側が第1面となっており、F2側が第2面となっている。吸汗シート10は、第1面が疎水層11により形成されている。また、本実施形態の吸汗シート10は、第2面が親水層12により形成されている。したがって、本実施形態のおむつ1において、吸汗シート10からなる外層シート31は、親水層12により形成されている第2面がおむつ1の外側を向いており、疎水層11により形成されている第1面がおむつ1の内側を向いている。
本実施形態のおむつ1は、吸汗シート10を備えることで、良好な吸汗性能が得られるとともに、その第1面が疎水層11により形成されていることで、該吸汗シート10と、おむつ1の他の構成部材との接着が良好に維持されている。具体的には、外層シート31の折り返し部aにおいて、吸汗シート10の第2面が肌対向面側に位置しているので、水となじみ易い親水層12が着用者の汗を良好に吸収することができる。一方、疎水層11により形成された第1面は、接着剤、特にホットメルト接着剤となじみ易いので、汗を吸収した後であっても、接着剤による吸汗シート10と他の構成部材との接着性が良好に維持される。これにより、汗を吸収した後であっても、おむつの適正位置に配された吸汗シートの吸汗性能が良好に維持され、またおむつの機能が安定して維持されて、着用状態の吸収性物品が適正な位置からずれ落ちたりせず、漏れが効果的に抑制される。
前記接着性をより向上させる観点から、吸汗シート10における第1面は、構成繊維の水との接触角が好ましくは90°以上、より好ましくは100°以上であり、また好ましくは120°以下、より好ましくは110°以下である。
吸汗性能をより向上させる観点から、吸汗シート10における第2面は、構成繊維の水との接触角が好ましくは20°以上、より好ましくは30°以上であり、また好ましくは70°以下、より好ましくは60°以下である。
本実施形態の吸汗シート10は、疎水層11及び親水層12が融着された融着部13を複数有している。融着部13は、吸汗シート10の構成繊維が融着した部分であり、該融着よって他の部位よりも高密度となっている。本実施形態の融着部13は、吸汗シート10の一方の面において他の部位よりも相対的に凹んでおり、該融着部13が凹部15、及び該他の部位が凸部14となって、凹凸が形成されている。融着部13は、一方向に延びて形成されていてもよいが、吸汗性能をより向上させる観点から、平面方向に散点状に配置されていることが好ましい。融着部13は、熱を伴うエンボス加工することによって形成されるか、又は超音波エンボス加工することによって形成することができる。
本実施形態の吸汗シート10は、第1面が平坦な形状を有し、該第1面の反対側に位置する第2面が、融着部13によって形成された凹凸形状を有している。斯かる構成により、第1面における他の構成部材との接触面積を大きく維持することができ、前記接着性を向上させることができる。また、親水層12において、他の部位(凸部14)から、融着部13(凹部15)に向かって粗密勾配が生じ、これに起因して汗が融着部13に向かって引き込まれ易くなるので、吸汗性能を向上することができる。
第1面が有する「平坦な形状」の「平坦」は、巨視的に凹凸が無く平坦であることを意味し、繊維で構成されているが故に該第1面に生じ得る比較的小さな凹凸の存在は許容される。例えば、吸汗シートの厚み方向における凸部の頂部と凹部の底部との差が0.3mm未満の凹凸は許容される。
吸汗シート10における融着部13の面積率は、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上であり、また好ましくは12%以下、より好ましくは10%以下である。斯かる構成により、吸汗シート10における汗の吸収量をより向上させることができる。
融着部13の面積率は、以下の測定方法により求められる。測定対象の吸汗シート10から、10mm×10mmの大きさのサンプル片を切り出す。温度20±2℃、相対湿度65±5%の条件下でマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHX-1000)を用いて、サンプル片の平面の拡大写真を得る。拡大写真から融着部13について、個数を数えるとともに、平面視したときの1個当たりの面積を測定し、その面積に個数を乗じることで、サンプル片における融着部の総面積を求める。次いで融着部の総面積を、拡大写真を撮影したサンプル片の面積で除した(融着部の総面積/サンプル片の面積)の割合(%)を求める。以上の測定を3枚のサンプル片について行い、それらの平均値を融着部13の面積率(%)とする。
前記融着部の面積率の測定について、測定対象のシートがおむつ等の吸収性物品に組み込まれている場合は、コールドスプレーで接着剤を固化し、各構成部材を丁寧に剥がすことにより、測定対象のシートを得る。このシートを取り出す方法は、本明細書における前記水との接触角以外の他の測定に共通である。
吸収性能をより向上させる観点から、融着部13は、その一つの面積が、好ましくは0.1mm2以上、より好ましくは0.2mm2以上であり、また好ましくは2mm2以下、より好ましくは1.8mm2以下である。
第2面における肌触りをより向上させる観点から、第2面における凸部14の高さH1(図4参照)は、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.4mm以上であり、また好ましくは0.8mm以下、より好ましくは0.7mm以下である。凸部14の高さH1は、吸汗シート10の厚み方向Zにおいて、凹部15の底部から凸部14の頂部までの高さである。
吸汗した汗の拡散性をより向上させる観点から、吸汗シート10の坪量は、好ましくは15g/m2以上、より好ましくは20g/m2以上であり、また好ましくは40g/m2以下、より好ましくは30g/m2以下である。
上記と同様の観点から、吸汗シート10における親水層12の坪量は、好ましくは5g/m2以上、より好ましくは10g/m2以上であり、また好ましくは18g/m2以下、より好ましくは15g/m2以下である。
接着性をより向上させる観点から、吸汗シート10における疎水層11の坪量は、好ましくは5g/m2以上、より好ましくは10g/m2以上であり、また好ましくは18g/m2以下、より好ましくは15g/m2以下である。
接着剤本来の接着強度をより維持して、吸汗シート10と他の構成部材との接着性をより向上させる観点から、吸汗シート10は、第1面において親水化剤を含有していないことが好ましい。斯かる吸汗シート10として、第1面を形成する疎水層11が、親水化剤を含有していない繊維により構成されているものが挙げられる。この繊維は、親水化剤を有していなければ、後述する可塑剤や柔軟剤等の他の成分が添加されていてもよい。
吸汗性能をより向上させる観点から、吸汗シート10は、親水層12において親水化剤を含有していることが好ましい。斯かる親水層12は、練り込み等によって親水化剤が内添された繊維、又は散布や噴霧等により親水化剤が外添された繊維から構成されている。
吸汗シート10は、前記親水化剤以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、尿臭低減を目的とした消臭剤/抗菌剤/香料や、洗濯による除去性向上を目的とした界面活性剤/可塑剤、柔軟剤、排泄された尿の速乾性向上を目的とした吸水剤等が挙げられる。これら他の成分は、吸汗シート中に、総和で好ましくは1質量%以下含まれる。
吸汗シート10は、吸汗シートは、汗の吸収を主たる目的とするシートであり、着用者等の身体、即ち肌に当接するように使用されるシートである。
吸汗性能をより確実に具備する観点から、吸汗シート10は、液残り量が好ましくは10mg以下、より好ましくは9mg以下である。
本実施形態の吸汗シート10の製造方法としては、不織布が成形できるものであれば、特に限定されないが、生産性に優れる点でスパンボンド法が好ましい。
スパンボンド不織布の製造は、例えば以下のようになる。疎水性の繊維を形成する重合体と親水性の繊維を形成する重合体とを、それぞれ別個に押出機等で溶融し、各溶融物を、順に紡糸ノズルを有する紡糸口金から吐出して、疎水性の繊維の長繊維と親水性の繊維の長繊維とをそれぞれ紡出して積層する。紡出した長繊維を、冷却流体により冷却し、さらに延伸エアーによって張力を加え所定の繊度にし、そのまま捕集ベルト上に捕集して所定の厚さに堆積させる。これにより、親水層12となる堆積物と疎水層11とが重なった積層体が得られる。あるいは、疎水性の長繊維に対し、散布や噴霧等の方法によって親水化剤を外添し、これを親水性の繊維として疎水性の繊維と積層させて、前記積層体を製造してもよい。次いで、得られた積層体に熱エンボス加工を施すことにより、疎水層の構成繊維と親水性の構成繊維とが融着した融着部13を形成する。これにより、スパンボンド不織布の吸汗シート10を得ることができる。
また、疎水性の熱融着性繊維を主成分とするカードウェブと、親水性繊維を主成分とするカードウェブとを重ね合わせ、次いで熱風処理を施すことにより全体を結合させて形成した不織布を用い、熱エンボス加工により加熱圧着させることにより、1枚の不織布から構成される吸汗シート10を製造することもできる。
熱エンボス装置としては、エンボスロールとアンビルロールとを備え、そのエンボスロールの外周面に、融着部13に対応する形状の凸部を有するものを用いることができる。融着部13を形成する加工として、熱エンボス加工に代えて、超音波シール、レーザー等を採用することもできる。
本実施形態の吸汗シート10は、図3に示すように、おむつ1の着用状態において、着用者の肌と外装体3とが当接する部分、即ち外層シート31の折り返し部aを形成している。外層シート31の折り返し部aは、吸収性本体2の長手方向Xの端縁からウエスト周縁端WEとの間に配されているので、着用状態において着用者の腰周りに配される。このようにおむつ1は、着用状態において、第2面が着用者の肌と当接するように、吸汗シート10が着用者の腰周りに配されていることが好ましい。斯かる構成により、吸汗シート10による吸汗性能をより確実に奏させることができるとともに、第2面に形成された凸部14が肌に当接することで肌触りを向上することができる。
吸汗シート10が着用者の腰周りに配される別の形態として、図5に示すものが挙げられる。図5に示すおむつ1aは、外層シート31が吸汗シート10以外のシートであり、該外層シート31の折り返し部aの肌対向面側に、補助シート34を有している。補助シート34は、外層シート31とは別体のシートであり、吸汗シート10で構成されている。図5に示すおむつ1aにおいて吸汗シート10は、第1面が外層シート31との接着面となり、且つ第2面が肌対向面となった状態で、外装体3において着用者の肌と当接する部分に配されている。
図6及び図7には、本発明に係る吸汗シートについて他の実施形態の断面が示されている。後述する第2及び第3実施形態については、図4に示す実施形態(第1実施形態)と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。
前述した第1実施形態の吸汗シート10は、疎水層11及び親水層12が積層した二層構造を有していたが、吸汗シートは三層以上の積層構造を有していてもよい。図6及び図7に示す第2及び第3実施形態の吸汗シート10a,10bは、疎水層11及び親水層12の他に、別の層を親水層12の第2面側に有している。
第2実施形態の吸汗シート10aは、図6に示すように、親水層12よりも親水性が低い弱親水層17を含んでいる。吸汗シート10aにおいて弱親水層17は、親水層12と直接接触した状態に積層されている。即ち、第2実施形態の吸汗シート10aは、弱親水層17と疎水層11との間に親水層12が介在した積層構造を有している。斯かる吸汗シート10aでは、第2面が弱親水層により形成されており、該第2面は凹凸形状を有している。
第2実施形態の吸汗シート10aにおいて弱親水層17が親水層12の第2面側に位置していることにより、吸汗シート10aの厚み方向Zにおいて弱親水層17から親水層12に向かって親水度の勾配が生じる。これにより吸汗性能をより向上させることができる。斯かる効果をより向上させる観点から、弱親水層17は、親水層12よりも構成繊維の水との接触角が10°以上高いことが好ましく、20°以上高いことがより好ましい。
上記と同様の観点から、弱親水層17を有する吸汗シート10aは、弱親水層17における構成繊維の水との接触角が好ましくは40°以上、より好ましくは50°以上であり、また好ましくは90°以下、より好ましくは80°以下である。
親水層12における構成繊維の水との接触角は第1実施形態と同じ範囲であることが好ましい。
第3実施形態の吸汗シート10bは、図7に示すように、疎水層を複数含んでいる。具体的には、2層の疎水層11,18を含み、これら両層間に親水層12を含んでいる。したがって、第3実施形態の吸汗シート10bは、第1面及び第2面の双方が疎水層11,18により形成されている。また、第2面は凹凸形状を有している。
説明の便宜上、本実施形態におけるこれら複数の疎水層について、第1面を形成しているものを「第1疎水層11」、第2面を形成しているものを「第2疎水層18」ともいう。第3実施形態の吸汗シート10bでは、第2疎水層18が親水層12の第2面側に位置していることにより、その厚み方向Zにおいて第2疎水層18から親水層12に向かって親水度の勾配が生じる。これにより吸汗性能をより向上させることができる。斯かる効果をより向上させる観点から、第2疎水層18は、親水層12よりも構成繊維の水との接触角が10°以上高いことが好ましく、20°以上高いことがより好ましい。
上記と同様の観点から、第2疎水層18を有する吸汗シート10bは、第2疎水層18及び親水層12それぞれにおける構成繊維の水との接触角が、第1実施形態の疎水層11及び親水層12と同じ範囲であることが好ましい。
第2及び第3実施形態の吸汗シート10a,10bは、弱親水性の繊維又は別の疎水性の繊維からなる堆積物又はカードウェブを製造し、これを親水層12となる堆積物又は親水性繊維を主成分とするカードウェブに積層して不織化することで製造することができる。
上述したおむつ1の各部の形成材料について説明する。
吸収性本体2を構成する表面シート21、裏面シート23、吸収体24及び防漏カフ26等としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品に従来用いられている各種のもの等を特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート21としては、単層又は多層構造の不織布や、開孔フィルム等を用いることができる。裏面シート23としては、透湿性の樹脂フィルム等を用いることができる。吸収体24としては、吸収性ポリマーの粒子及び繊維材料から構成された吸収性コアをティッシュペーパーによって被覆されているものを用いることができる。また、防漏カフ26としては、撥水性の単層又は多層構造の不織布等を用いることができる。
弾性部材(防漏カフ形成用弾性部材、弾性部材36、レッグ弾性部材37等)としては、例えば、スチレン-ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、エチレン酢酸ビニル(EVA)、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができる。弾性部材の形態としては、断面が矩形、正方形、円形、楕円形、若しくは多角形状等の糸状(糸ゴム等)、又は紐状(平ゴム等)のもの等を好ましく用いることができる。
吸汗シート10を含むおむつ1の構成部材の固定や該構成部材どうしを接合する接着剤としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品に従来用いられている各種の接着剤を特に制限なく用いることができる。
接着剤としては、疎水性の熱可塑性樹脂からなるものが挙げられ、例えば、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)系、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)系、スチレン-ブチレン-スチレン(SBS)系、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン系(SEPS)、EVA、ポリビニルアルコール(PVA)等の各種ホットメルト接着剤が挙げられる。接着剤は、上述した成分の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明は、上述した実施形態に制限されず適宜変更可能である。また、上述した実施形態を組み合わせてもよい。
例えば、上述したおむつ1においては、図2に示すように、外装体3が腹側部A、股下部C及び背側部Bにわたる砂時計状等の連続した形状のパンツ型使い捨ておむつであるが、外装体3が、腹側外装体、背側外装体及び股下外装体に別部材として区分された分割型のパンツ型使い捨ておむつであってもよい。
また、上述した使い捨ておむつ1においては、外装体3におけるウエスト開口部側の端部に吸汗シート10が配されていたが、レッグ周縁部LSに吸汗シート10が配されていてもよい。
また、上述したおむつ1は、外装体3を有するパンツ型使い捨ておむつであったが、展開型の使い捨ておむつであってもよい。吸収性物品が展開型の使い捨ておむつである場合、吸汗シート10は外装体の肌対向面であって、腹側部又は背側部における吸収体の長手方向Xの前後端部から外方に位置して幅方向Yに延びる領域に配されていることが好ましく、少なくとも背側部における前記領域に配されていることがより好ましい。
本発明の吸収性物品は、上述したおむつ1等の使い捨ておむつ以外に、例えば生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収性物品であってもよい。
以下、本発明のパンツ型使い捨ておむつを実施例によりさらに詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例によって何ら制限されるものではない。
〔実施例1及び2〕
吸汗シートとして、疎水層及び親水層が積層された2層構造のシートを作製した。先ず、疎水層として疎水性の繊維からなる坪量10g/mのエアスルー不織布と、親水層として親水性の繊維からなる坪量10g/mのエアスルー不織布とを用意した。次に、これら両不織布を重ね合わせた合計坪量20g/mの積層体に、親水層側から熱エンボス加工を施した。具体的には、135℃に加熱したエンボスロールと、125℃に加熱したフラットロール間に、4m/分の加工速度で積層体を通すことで熱エンボス加工を行った。斯かる熱エンボス加工により融着部を形成して吸汗シートを作製した。疎水層、親水層とも、芯部がPETからなり、鞘部がPEからなる芯鞘型複合繊維(繊度2.2dtex)を使用した。親水層は、親水化剤が0.4質量%塗布されている繊維を用いた。疎水層は、親水性のエアスルー不織布から塗布されていた親水化剤を温水で洗い落とした不織布を用いた。
この吸汗シートは、融着部13面積率が9.8%であり、融着部一個当りの面積が0.2mm2であった。融着部13は、吸汗シートの平面方向において散点状に配置されていた。得られた吸汗シートは、第2面に凹凸形状を有し、第1面は平坦であった。この吸汗シートについて、液残り量と、接着強度とを測定した。これら測定結果、及び該吸汗シートの諸元を表1に示す。
〔液残り量の測定方法〕
厚み2mm、10cm四方で表面が平坦なアクリル製プレート(以下、これを下部プレートという。)を台の上に水平に置いた。下部プレートは、中央部に5cm四方の枠が設けられたものであった。この下部プレートの枠内に脱イオン水を1mg×49滴、滴下した。その上に、5cm四方に切り出した吸汗シートを、該シートの第1層11と下部プレートとが対向するように、且つ該シートが脱イオン水を滴下した領域とすべて重なるように載置した。その状態で、吸汗シート上に上述の下部プレートと同一の大きさのプレート(以下、これを荷重プレートという)をさらに載置し、0.8kPaの荷重を付与した。1分経過後、荷重プレート及び吸汗シートを下部プレートから取り除き、下部プレートの枠内に残存する脱イオン水の質量(mg)を測定した。以上の測定を3回繰り返し、これらの平均値を液残り量とした。
〔接着強度の測定〕
吸汗シートと接着させる不織布(以下、「貼り合わせ不織布」ともいう)を用意した。貼り合わせ不織布は、PP製の疎水性の繊維からなり、坪量は18g/m2だった。
吸汗シートと貼り合わせ不織布とを接着剤を用いて接着させ、その接着強度を測定した。先ず、吸汗シートから2.5cm×10cmの試験片を切り出し、該試験片の第1面に、坪量が5g/m2となるように接着剤をスパイラル状に塗工した。次いで、試験片の第1面上に、2.5cm×10cmの貼り合わせ不織布を重ね、その上から幅6cm、重さ5kgのローラーを用いて加圧した。この際、ローラーを、貼り合わせ不織布上で前進及び後退させて、即ち1往復させて加圧した。斯かる操作により、試験片と貼り合わせ不織布とが接合した接合体を得た。これを引張試験機(株式会社島津製作所社製、機種「AUTOGRAPH AG-X」)のチャック間に取り付けた。切り出した接合体は、長手方向の一端側における吸汗シートを一方のチャックに取り付け、同端側の貼り合わせ不織布を他方のチャックに取り付けた。チャック間距離は30mmとした。次いで、取り付けた接合体を300mm/minの速度で引っ張り、引張距離に伴い変化する引張強度のグラフを得た。このグラフは、引張強度の測定値が上下に変動して、複数のピークが現れるものであった。このグラフから、最初に現れる引張強度のピーク値を除く、上位5点のピーク値の平均値を求め、これを凸最大点平均値とした。斯かる凸最大点平均値の測定を3回繰り返し、それらの平均値を乾燥状態の吸汗シートにおける接着強度とした。
また、前記試験片を水に60秒間浸漬した後、これを紙タオルで挟んで表面の水分を除去したものを用いて、上記と同様の測定を行い、これを湿潤状態の吸汗シートにおける接着強度とした。
前記〔接着強度の測定〕において、実施例1では、スチレン系接着剤(表1においてはスチレン系1と示す。)を用いた。実施例2では、実施例1で用いた接着剤とは異なるスチレン系接着剤(表1においてはスチレン系2と示す。)を用いた。各実施例における、乾燥状態及び湿潤状態の吸汗シートにおける接着強度の測定結果を表1に示す。
〔実施例3及び4〕
親水層に用いた親水化剤よりも、弱親水性である親水化剤が塗布された繊維を用いて、坪量10g/mのエアスルー不織布を作製し、これを弱親水層とした。次いで、弱親水層、親水層及び疎水層を、この順で重ね合わせ、弱親水層側から熱エンボス加工を施し、融着部を形成して、合計坪量30g/mの吸汗シートを作製した。得られた吸汗シートは、第2面に凹凸形状を有するものであった。親水層及び疎水層は、実施例1で用いたエアスルー不織布と同じものを用いた。
得られた吸汗シートについて、乾燥状態及び湿潤状態の吸汗シートにおける接着強度を測定した。実施例3は実施例1と同じ接着剤を用い、実施例4は実施例2と同じ接着剤を用いた。結果を表1に示す。
〔実施例5及び6〕
疎水層、親水層及び疎水層を、この順で重ね合わせ、一方の疎水層側から熱エンボス加工を施し、融着部を形成して合計坪量30g/mの吸汗シートを作製した。斯かる熱エンボス加工によって、凹凸形状が形成された方の面を第2面とした。親水層及び疎水層は、実施例1で用いたエアスルー不織布と同じものを用いた。
得られた吸汗シートについて、乾燥状態及び湿潤状態の吸汗シートにおける接着強度を測定した。実施例5は実施例1と同じ接着剤を用い、実施例6は実施例2と同じ接着剤を用いた。結果を表1に示す。
〔実施例7〕
疎水層側の面から熱エンボス加工を施した点以外は、実施例1と同様の方法により吸汗シートを作製した。得られた吸汗シートは、第1面に凹凸形状を有するものであった。この吸汗シートについて、乾燥状態及び湿潤状態の吸汗シートにおける接着強度を測定した。接着剤は実施例1と同じ接着剤を用いた。
〔比較例1及び2〕
実施例1で用いた親水層を2層重ね、一方の親水層側から熱エンボス加工を施した点以外は、実施例1と同様の方法により吸汗シートを作製した。
得られた吸汗シートについて、乾燥状態及び湿潤状態の吸汗シートにおける接着強度を測定した。比較例1は実施例1と同じ接着剤を用い、比較例2は実施例2と同じ接着剤を用いた。結果を表1に示す。
〔比較例3及び4〕
疎水層側の面から熱エンボス加工を施した点、及び疎水層側の面を第2面、親水層側の面を第1面とした点以外は、実施例1の吸汗シートについて、乾燥状態及び湿潤状態の吸汗シートにおける接着強度を測定した。比較例3は実施例1と同じ接着剤を用い、比較例4は実施例2と同じ接着剤を用いた。結果を表1に示す。
〔比較例5〕
実施例1で用いた疎水層を2層重ね、一方の疎水層側から熱エンボス加工を施した点以外は、実施例1と同様の方法により吸汗シートを作製した。
得られた吸汗シートについて、乾燥状態及び湿潤状態の吸汗シートにおける接着強度を測定した。比較例5は実施例1と同じ接着剤を用いた。結果を表1に示す。
Figure 0007467096000001
表1の結果から明らかなように、実施例1~7の吸汗シートは、液残り量が10mg未満であり、良好な吸汗性能を有していることが示された。また、実施例1~7の吸汗シートは、接着強度が乾燥状態において65cN/25mm以上であり、湿潤状態においても63cN/25mm以上であった。以上の結果から、実施例1~7の吸汗シートは、吸汗性能と接着性とを両立できることが示された。
1 吸収性物品(使い捨ておむつ)
2 吸収性本体
10 吸汗シート
11 疎水層
12 親水層
13 融着部
21 表面シート
23 裏面シート
24 吸収体
26 防漏カフ
3 外装体
31 外層シート
32 内層シート
A 腹側部
B 背側部
C 股下部
X 長手方向
Y 幅方向

Claims (7)

  1. 吸汗シートを構成部材として具備し、該吸汗シートの第1面が他の構成部材と接着されている吸収性物品であって、
    前記吸汗シートは、疎水性の繊維で構成された疎水層と、親水性の繊維で構成された親水層と、該親水層よりも親水性が低い弱親水層とを含んでおり、
    前記疎水層と前記親水層とが直接接触した状態に積層され、前記弱親水層と前記親水層とが直接接触した状態に積層されており、
    第1面が前記疎水層により形成され、第1面の反対側に位置する第2面が前記弱親水層により形成されており、
    前記疎水層の構成繊維である前記疎水性の繊維は、水との接触角が90°超であり、
    前記弱親水層の構成繊維は、水との接触角が40°以上90°以下であり、
    前記吸汗シートは、前記疎水層、前記親水層及び前記弱親水層が融着された融着部を複数有しており、
    第1面が平坦な形状を有し、第2面が凹凸形状を有している、吸収性物品。
  2. 前記弱親水層は、前記親水層よりも構成繊維の水との接触角が10°以上高い、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 吸汗シートを構成部材として具備し、該吸汗シートの第1面が他の構成部材と接着されている吸収性物品であって、
    前記吸汗シートは、疎水性の繊維で構成された疎水層と、親水性の繊維で構成された親水層とを含んでおり、該疎水層と該親水層とが直接接触した状態に積層されており、
    第1面が前記疎水層により形成されており、
    前記吸汗シートは、前記疎水層及び前記親水層が融着された融着部を複数有しており、
    第1面が平坦な形状を有し、第1面の反対側に位置し、着用状態において、着用者の肌に当接する第2面が凹凸形状を有しており、
    前記吸汗シートが、前記疎水層を複数含み、第2面が複数の前記疎水層のうちの1つにより形成されている、吸収性物品。
  4. 着用状態において、第2面が着用者の肌と当接するように、前記吸汗シートが着用者の腰周りに配される、請求項1~の何れか1項に記載の吸収性物品。
  5. 第2面を形成している前記疎水層は、前記親水層よりも構成繊維の水との接触角が10°以上高い、請求項に記載の吸収性物品。
  6. 前記吸汗シートは、第1面において親水化剤を含有していない、請求項1~の何れか1項に記載の吸収性物品。
  7. 前記吸汗シートは、前記親水層において親水化剤を含有している、請求項1~の何れか1項に記載の吸収性物品。
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