JP7464866B2 - 溶解装置 - Google Patents

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Description

本発明は、透析用粉末薬剤を水で溶解して透析用原液を調製し透析液供給装置などの供給対象に供給する溶解装置に関するものである。
透析治療で用いられる透析液は、A原液とB原液という異なる2種類の濃縮薬液と、高度に清浄化された清浄水(RO水)とを、製薬メーカーの指定した比率で混合させて調製される。
人工透析を行う病院などの透析施設では、これらA原液とB原液を調製して、多人数用透析液供給装置又は/及び個人用透析装置などの下流側の供給対象に供給する溶解装置が用いられている。
溶解装置は、透析用粉末薬剤及び水が供給されて透析用原液が調製される溶解槽と、溶解槽で調製された透析用原液が送られる貯留槽とを有し、溶解槽で調製した透析用原液を一旦貯留槽に貯留した後に供給対象に供給するものである。
多人数用透析液供給装置に供給された透析用原液は、多人数用透析液供給装置において、他の透析用原液や水と混合されて(一般的には、A原液:B原液:RO水の混合比率は、1:1.26:32.74)透析液とされた後に、透析室のベッドサイドに設置される透析装置に供給される。
透析室のベッドサイドに設置される個人用透析装置に供給された透析用原液は、当該装置にて他の透析用原液や水と混合されて透析液とされる。
透析用原液は、時間が経つと雑菌が繁殖する可能性があるため、毎日あるいは週に数回の頻度で溶解槽や貯留槽の洗浄及び消毒が行われる。そのため、洗浄、消毒の開始時に溶解槽や貯留槽に収容されている透析用原液は廃棄されることになる。
溶解装置では、貯留槽内の透析用原液の水位が所定の水位まで下がった場合に、溶解槽で調製された透析用原液を全て貯留槽に送り、溶解槽で新たに透析用原液を調製することが繰り返し行われている。これにより、透析液供給装置への透析用原液の供給不足が生じることは防止されるものの、その後の透析用原液の消費量が少ない場合には、1日の透析治療が終了した時点で、大量の透析用原液が溶解装置内に残り、その後、洗浄・消毒を実施した場合、溶解装置内の残留液が廃棄されるため、作製した透析用原液が無駄になってしまう。
そこで、装置の稼働時に透析用原液の供給不足が生じることを防止すると共に、装置の稼働を終了した時に装置内に残っている透析用原液の量を少なくすることが可能な溶解装置が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、透析用原液の使用予定量を演算し、使用予定量に対して透析用原液が不足すると判定したときに、新たな透析用原液を調製することが記載されている。
また、特許文献2には、貯留槽内の原液が所定の水位以下となるように、溶解槽から貯留槽への原液の移送量を制御し、溶解槽の原液がなくなってから、溶解槽で新たな原液を調製することが記載されている。
しかし、特許文献1、2の方法では、最後に調整した1バッチ分の原液を、最悪の場合ほぼ総て廃棄しなければならない可能性がある。
そこで、特許文献3では、透析用原液の推定使用量を演算し、推定使用量が1バッチ分の1倍以上2倍未満の場合、1バッチ未満の所定量、例えば、使用予定量から1バッチ分の容積を差し引いた容積に若干量を加算した量の透析用原液を溶解槽から貯留槽に移送してから、溶解槽の上限水位まで水を入れ、さらに薬剤を溶解槽に供給して原液を調製することが提案されている。
特開2007-236532号公報 特開2017-169779号公報 特開2021-000354号公報
しかし、透析用原液の推定使用量を正確に演算するためには、多数のインプット情報(例えば血液浄化システムの中央管理サーバが保有する、透析装置や個人用透析装置の稼働台数・患者人数・現在時刻・透析完了時刻、透析液流量、中央管理サーバが無い場合は、多人数用透析液供給装置の下流側に設置されている透析装置又は/及び個人用透析装置の透析液流量、透析完了時刻)が必要である。
これら多数のインプット情報を適時に収集して透析用原液の推定使用量を演算するには、大規模な通信システムが必要となるところ、限られた大規模施設以外では、そのような通信システムの構築は困難である。そのため、推定使用量の演算は、概算とせざるを得ない場合が多い。
そのため、特許文献3の装置では、概算の推定使用量が実際より少なかった場合、貯留槽の原液が足りなくなるリスクや、貯留槽からの送液が一時的にでも中断してしまうリスクがあった。
特に、特許文献3の図2に示すように、貯留槽がほぼ空の状態になってから、1バッチ未満の所定量を溶解槽から貯留槽に移送する場合、貯留槽からの送液が一時的にでも中断してしまうリスクが大きかった。
本発明は、上記事情に鑑みて、推定使用量を概算でしか求められない場合にも、貯留槽の原液が足りなくなるリスクや、貯留槽からの送液が一時的にでも中断してしまうリスクを回避しつつ、装置の稼働が終了した時に装置内に残っていて廃棄対象となる透析用原液の量を、最小限に抑制することが可能な溶解装置を提供することを課題とする。
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]患者に透析治療を施すために使用する透析液の原液を調製して供給対象に送液するための溶解装置であって、
薬剤を水で溶解して前記原液とする溶解槽と、
前記溶解槽に前記水を供給する水供給手段と、
前記溶解槽に前記薬剤を供給する薬剤供給手段と、
前記原液を一時的に収容する貯留槽と、
前記溶解槽から前記貯留槽に前記原液を移送する移送手段と、
前記貯留槽から供給対象に前記原液を送液する送液手段と、
前記溶解槽の上限水位を検出する上限水位検出センサと、
前記溶解槽内の前記原液の濃度を検出する濃度測定手段と、
前記貯留槽の水位が、前記溶解槽において1回に調製可能な前記原液の最大量を受け入れ可能な基準水位となったことを検出する基準水位検出センサと、
前記貯留槽から前記供給対象への送液終了時に、前記貯留槽に残存する前記原液を排液する排液手段と、
前記溶解装置全体を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記基準水位検出センサが前記基準水位となったことを検出した基準時において、下記式(1)で計算されるQXの値に応じて、下記の第1運転モード、第2運転モード及び第3運転モードのいずれかを選択して実行することを特徴とする溶解装置。
QX=QT+QR-QS-QM ・・式(1)
(但し、式(1)において、QTは、前記基準時以降に前記貯留槽から前記供給対象に送液することが必要な前記原液の量[L]、QRは、前記貯留槽から前記供給対象への送液終了時に、前記貯留槽に残存し排液対象となるべき前記原液の量[L]、QSは、前記基準水位となった際に前記貯留槽に貯留されている前記原液の量[L]、QMは、前記溶解槽において1回に調製される前記原液の最大量[L]である。)
(第1運転モード)
QX≧QMの時に選択する運転モードであり、以下のステップ1-1~ステップ1-3を行う。
ステップ1-1:前記基準時に前記溶解槽に収容されている前記原液の全量を、前記移送手段により前記貯留槽に移送する。
ステップ1-2:ステップ1-1の終了後、前記上限水位検出センサが前記上限水位を検出するまで、前記水供給手段により前記溶解槽に前記水を供給し、次いで前記濃度測定手段が、前記原液が所定の濃度に達したことを検出するまで、前記薬剤供給手段により前記溶解槽に前記薬剤を供給することにより、前記溶解槽内で前記原液を調製する。
ステップ1-3:次回の基準時まで、前記送液手段により、前記貯留槽から前記供給対象に前記原液を送液する。
(第2運転モード)
QX≦0の時に選択する運転モードであり、以下のステップ2-1~ステップ2-3を行う。
ステップ2-1:前記基準時に前記溶解槽に収容されている前記原液の全量を、前記移送手段により前記貯留槽に移送する。
ステップ2-2:前記送液手段により、前記貯留槽から前記供給対象に前記原液を送液する。
ステップ2-3:ステップ2-2の終了後、前記貯留槽内に残存する前記原液を、前記排液手段により排液する。
(第3運転モード)
0<QX<QMの時に選択する運転モードであり、以下のステップ3-1~ステップ3-4を行う。
ステップ3-1:前記基準時に前記溶解槽に収容されている前記原液の全量の内、QXを、前記移送手段により前記貯留槽に移送する。
ステップ3-2:ステップ3-1の終了後、前記上限水位検出センサが前記上限水位を検出するまで、前記水供給手段により前記溶解槽に前記水を供給し、次いで前記濃度測定手段が、前記原液が所定の濃度に達したことを検出するまで、前記薬剤供給手段により前記溶解槽に前記薬剤を供給することにより、前記溶解槽内で前記原液を追加調製する。
ステップ3-3:次の前記基準時に前記溶解槽に収容されている前記原液の全量を、前記移送手段により前記貯留槽に移送する。
ステップ3-4:前記送液手段により、前記貯留槽から前記供給対象に前記原液を送液する。
ステップ3-5:ステップ3-4の終了後、前記貯留槽内に残存する前記原液を、前記排液手段により排液する。
[2]前記制御部は、操作者の指示により、前記QXの値を考慮することなく、前記ステップ1-1~ステップ1-3を繰り返す第1の通常モードを実行する、[1]に記載の溶解装置。
[3]前記制御部は、操作者の指示により、前記QXの値を考慮することなく、下記ステップ4-1~ステップ4-3を繰り返す第2の通常モードを実行する、[1]又は[2]に記載の溶解装置。
ステップ4-1:前記基準時に、前記溶解槽に収容されている前記原液の全量の内、QY(ただし、QY<QM)を、前記移送手段により前記貯留槽に移送する。
ステップ4-2:ステップ4-1の終了後、前記上限水位検出センサが前記上限水位を検出するまで、前記水供給手段により前記溶解槽に前記水を供給し、次いで前記濃度測定手段が、前記原液が所定の濃度に達したことを検出するまで、前記薬剤供給手段により前記溶解槽に前記薬剤を供給することにより、前記溶解槽内で前記原液を追加調製する。
ステップ4-3:前記送液手段により、前記貯留槽から前記供給対象に前記原液を送液する。
[4]前記濃度測定手段が、電気伝導率検出器を有する、[1]~[3]のいずれか一項に記載の溶解装置。
[5]前記濃度測定手段は、前記原液が流れる絶縁体からなる励起用配管と、前記原液が流れる絶縁体からなる検出用配管と、前記励起用配管の入口と前記検出用配管の入口とが、共に接続される入口側配管と、前記励起用配管の出口と前記検出用配管の出口とが、共に接続される出口側配管と、
円環状であって、前記励起用配管がその中心孔を通るように設けられた励起用コイル、及び円環状であって、前記検出用配管がその中心孔を通るように設けられた検出用コイルからなる電磁誘導式の電気伝導率検出器と、
前記入口側配管に配置され、前記原液に接触する第1の電極と、
前記出口側配管に配置され、前記原液に接触する第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極が同電位となるように当該2つの電極を電気的に接続するショート線とを備え、
前記励起用配管と前記検出用配管とからなるループ状の配管内の前記原液によって第一のループ回路が形成され、
前記入口側配管内の前記第1の電極が設けられた箇所から前記出口側配管内の前記第2の電極が設けられた箇所までの前記原液と、前記ショート線とによって第二のループ回路が形成されている、[4]に記載の溶解装置。
[6]下記式(2)を満たす、[5]に記載の溶解装置。
Figure 0007464866000001
(但し、式(2)において、Rxは前記第1の電極及び前記第2の電極それぞれと前記原液との間に生じると推定される接触抵抗の合計[オーム]、dは前記接触抵抗の合計Rxにおける電気伝導率の要求測定誤差[mS/cm]、Cond1は前記接触抵抗の合計Rxがゼロのときの電気伝導率[mS/cm]、RAは前記第一のループ回路のCond1における液回路抵抗[オーム]、Raは前記入口側配管内の前記第1の電極が設けられた箇所から前記励起用配管と前記検出用配管の入口までのCond1における液回路抵抗[オーム]、Rbは前記出口側配管内の前記第2の電極が設けられた箇所から前記励起用配管と前記検出用配管の出口までのCond1における液回路抵抗[オーム]である。)
[7]前記制御部は、前記薬剤供給手段により前記溶解槽に前記薬剤を供給する際、前記電気伝導率検出器により検出される前記原液の電気伝導率が、前記原液が所定の濃度に達したことを示す前に、該電気伝導率の変化の方向が増加方向から減少方向に変化したこと又は該電気伝導率が増加しなくなったことを検知した場合に、前記薬剤供給手段からの前記薬剤の供給を停止する、[4]~[6]のいずれか一項に記載の溶解装置。
[8]前記濃度測定手段は、さらに、前記原液の温度を測定する温度検出器を有し、
前記制御部は前記電気伝導率検出器の測定値を下記式(3)
T=kt/{1+α/100×(t-T)} ・・・(3)
(但し、式(3)において、Tは基準温度[℃]、tは前記温度検出器で検出した前記原液の温度[℃]、kTは電気伝導率のT[℃]換算値、ktはt[℃]における電気伝導率、αは前記原液の温度係数[%]である。)
に基づいて温度t[℃]での電気伝導率ktを基準温度T[℃]での電気伝導率に換算するにあたり、
前記薬剤の種類、及び前記温度検出器で検出した前記原液の温度t[℃]に応じて指定される前記温度係数αを用いることを特徴とする、[4]~[7]のいずれか一項に記載の溶解装置。
本発明の溶解装置によれば、患者に透析治療を施すために使用する透析液の原液を調製して供給対象に送液するための溶解装置において、推定使用量を概算でしか求められない場合にも、貯留槽の原液が足りなくなるリスクや、貯留槽からの送液が一時的にでも中断してしまうリスクを回避しつつ、装置の稼働が終了した時に装置内に残っていて廃棄対象となる透析用原液の量を、最小限に抑制することが可能である。
本発明の一実施形態に係る溶解装置の概略構成図である。 本発明の溶解装置に使用する濃度測定手段の一例である。 図2の濃度測定手段の等価回路を、模式的に示す図である。 本発明の溶解装置に使用する濃度測定手段の他の一例である。
<溶解装置の構成>
A原液(以下単に「原液」ともいう。)を調製する溶解装置の一実施形態を、図1を用いて説明する。本実施形態の溶解装置は、溶解槽1と、溶解槽1に水を供給する受水槽2と、溶解槽1にA剤を供給するA剤ホッパー3と、原液を一時的に収容する貯留槽4と全体を制御する制御部7を備えている。
溶解槽1には、フロートスイッチF1とフロートスイッチF2が設けられている。フロートスイッチF1は溶解槽1の上限水位を検出する上限水位検出センサである。フロートスイッチF1は、水にA剤を溶解すると体積が増すことを考慮して、溶解槽1の満水水位よりも、やや低めに設置されている。
フロートスイッチF2は溶解槽1の下限水位を検出する下限水位検出センサである。フロートスイッチF2は、溶解槽1内の原液が総て貯留槽4に移送され、空になってことを検知するために使用される。但し、空の水位それ自体を検出することは困難なため、溶解槽1内面の最も低い箇所より、やや高い位置に設置されている。
受水槽2には、フロートスイッチF10とフロートスイッチF11が設けられている。フロートスイッチF10は受水槽2の上限水位を検出する上限水位検出センサである。フロートスイッチF11は、受水槽2の下限水位を検出する下限水位検出センサである。
配管L1は、受水槽2に、水、具体的には、逆浸透膜(Reverse Osmosis)でろ過し、水に含まれる不純物をほぼ100%除去した純水(RO水)を供給する配管である。配管L1には、開閉弁V1が設けられ、下流端は受水槽の底部に接続されている。
配管L2は、受水槽2に、洗浄剤、例えば、次亜塩素酸ナトリウム溶液を供給する配管である。配管L2には、上流側から、ポンプP3、開閉弁V7が順次設けられ、下流端は、配管L1の開閉弁V1の下流側に接続されている。
配管L3は、受水槽2の底部から流出させた水を加温して、再び受水槽2に戻す温度調節用の配管である。配管L3には、受水槽2の底部側から、ポンプP10、温度計T4、ヒーター8、温度計T3が順次設けられている。
配管L4は、配管L3のポンプP10と温度計T4との間から分岐し、溶解槽1に至る配管である。配管L4には、モーターバルブMV11が設けられている。モーターバルブMV11を開とすることにより、ポンプP10によって、受水槽2内の水が溶解槽1に供給されるようになっている。
ポンプP10は、配管L3内に水を循環させる時と、水を溶解槽1に供給する時に駆動するようになっている。配管L3内に水を循環させる際は、モーターバルブMV11は閉とする。溶解槽1に水を供給する際は、モーターバルブMV11を開とする。
ポンプP10は、受水槽2が空の際は停止するようになっている。
本実施形態では、配管L1から受水槽2を経由して配管L4に至る経路、及び配管L3の循環経路により、本発明の水供給手段が構成されている。
A剤ホッパー3は、本発明の薬剤供給手段に該当する。A剤ホッパー3は、内部に薬剤として粉末状のA剤が収容されており、駆動モーターにより、A剤の所定量を、間欠的に、又は連続的に溶解槽1に投入できるようになっている。
配管L5は、溶解槽1の底部から流出させた原液を再び溶解槽1に戻す原液循環用の配管である。配管L5には、溶解槽1の底部側から、ポンプP1、モーターバルブMV2、濃度測定手段5が順次設けられている。
また、配管L5のモーターバルブMV2と濃度測定手段5との間からは、配管L6が分岐している。配管L6は、濃度測定手段5を通過仕切れない原液を、溶解槽1に戻すバイパス管である。
濃度測定手段5の詳細については後述する。
配管L7は、配管L5のポンプP1とモーターバルブMV2との間から分岐し、貯留槽4に至る配管である。配管L7には、モーターバルブMV3が設けられている。
配管L13も、配管L5のポンプP1とモーターバルブMV2との間から分岐している。配管L13にはモーターバルブMV5が設けられ、溶解槽1内の原液や洗浄液を総て排液すべき時に開とされるようになっている。
ポンプP1は、配管L5及び配管L6内に原液を循環させる時と、貯留槽4に原液を移送する時に駆動するようになっている。配管L5及び配管L6内に原液を循環させる際は、モーターバルブMV2を開とし、モーターバルブMV3とモーターバルブMV5とは閉とする。貯留槽4に原液を移送する際は、モーターバルブMV3を開とし、モーターバルブMV2とモーターバルブMV5とは閉とする。
ポンプP1は、溶解槽1に水を供給する際は停止するようになっている。また、溶解槽1に薬剤を供給して原液を調製する際、及び原液調製後は定期的に、配管L5及び配管L6内に原液を循環させるために駆動するようになっている。
本実施形態では、配管L5と配管L5に設けられたポンプP1、及び配管L7と配管L7に設けられたモーターバルブMV3により、本発明の移送手段が構成されている。
貯留槽4には、フロートスイッチF3とフロートスイッチF4とフロートスイッチF5が設けられている。フロートスイッチF3は、貯留槽4の水位が、溶解槽1において1回に調製可能な原液の最大量(以下「1バッチ分」という。)の原液を受け入れ可能な基準水位を検出する基準水位検出センサである。フロートスイッチF5は貯留槽4の上限水位を検出する上限水位検出センサである。フロートスイッチF4は、貯留槽4の下限水位を検出する下限水位検出センサである。
貯留槽4の容量(フロートスイッチF5まで入れた際の容量)は、1.5~3.5バッチ分の原液を収容できる容量であることが好ましく、2~3バッチ分の原液を収容できる容量であることがより好ましい。
貯留槽4の容量が好ましい下限値以上であれば、貯留槽4における原液が途切れる事態を回避しやすい。貯留槽4の容量が好ましい上限値以下であれば、貯留槽が過大となることを回避できる。
貯留槽4のフロートスイッチF3まで入れた際の容量と、貯留槽4の容量との差は1~2バッチの範囲であることが好ましく、1~1.5バッチの範囲であることがより好ましく、1~1.2バッチの範囲であることがさらに好ましい。前記容量の差が1バッチ以上であることにより、水位がフロートスイッチF3の位置となった時点で1バッチ分の原液を受け入れ可能となり、移送された原液の一部がオーバーフローして無駄となることを回避できる。また、前記容量の差が好ましい上限値以下であれば、貯留槽4上部の容量が無駄とならない。
配管L8は、貯留槽4の底部から流出させた原液を再び貯留槽4に戻すことで、原液の濃度を一定に保つための配管である。配管L8には、ポンプP2が設けられている。
配管L9は、配管L8のポンプP2の下流側から分岐し、供給対象へと向かう配管である。配管L9には、モーターバルブMV4が設けられている。
配管L15も、配管L8のポンプP2の下流側から分岐している。配管L15にはモーターバルブMV6が設けられ、貯留槽4内の原液や洗浄液を総て排液すべき時に開とされるようになっている。
ポンプP2は、配管L8内に原液を循環させる時と、貯留槽4の原液を供給対象に送液する時に駆動するようになっている。配管L8内に原液を循環させる際は、モーターバルブMV4とモーターバルブMV6は閉とする。貯留槽4の原液を供給対象に送液する際は、モーターバルブMV4を開とし、モーターバルブMV6は閉とする。
ポンプP1は、貯留槽4が空の際は停止するようになっている。
本実施形態では、配管L8と配管L8に設けられたポンプP2、及び配管L9と配管L9に設けられたモーターバルブMV4により、本発明の送液手段が構成されている。
配管L11は、受水槽2からオーバーフローした水を排液するための排液管であり、配管L12は、溶解槽1からオーバーフローした水を排液するための排液管であり、配管L14は貯留槽4からオーバーフローした水を排液するための排液管である。配管L11、配管L12、配管L14は、配管L13、配管L15と共に合流し、装置外の排水設備へと導かれるようになっている。
なお、A原液に代えて、B原液を調製する場合は、A剤ホッパー3に代えてB剤ホッパーを使用すると共に、原液の殺菌設備を追加することが好ましい。
例えば、配管L5のポンプP1の上流側と、配管L8のポンプP2の上流側に殺菌灯を配置してもよい。
<溶解装置の動作>
本実施形態の溶解装置は、制御部7の制御の下、操作者の指示に応じて、後述する通常モードと後述するエコモードとを選択的に実行できる装置であることが好ましい。ただし、エコモードのみが選択可能で、通常モードを選択できない装置であってもよい。
通常モードとしては、後述する第1の通常モードに加えて、後述する第2の通常モードを選択できるようにしてもよい。
例えば、その日の運転開始時には、第1又は第2の通常モードを選択し、その日に予定された透析治療の終了が近づいた時点でエコモードを選択する、その日の運転開始時には、第1の通常モードを選択し、途中から第2の通常モードを選択し、その日に予定された透析治療の終了が近づいた時点でエコモードを選択する、等の運用が考えられる。
また、その日の運転開始時から終了まで、エコモードのみを選択する運用でもよい。
また、本実施形態の溶解装置の使用態様としては、操作者が通常モードの実行のみを指示することを妨げない。例えば、その日の運転開始時から終了まで、第1の通常モードを実行させ続けてもよいし、その日の運転開始時から終了まで、第2の通常モードを実行させ続けてもよいし、その日の運転開始時は第1の通常モードを実行させ、その後終了まで第2の通常モードを実行させるようにしてもよい。
[エコモード]
エコモードは、下記式(1)で計算されるQXの値に応じて、第1運転モード、第2運転モード及び第3運転モードのいずれかを選択して実行するモードである。
QX=QT+QR-QS-QM ・・式(1)
(但し、式(1)において、QTは、前記基準時以降に前記貯留槽から前記供給対象に送液することが必要な前記原液の量[L]、QRは、前記貯留槽から前記供給対象への送液終了時に、前記貯留槽に残存し排液対象となるべき前記原液の量[L]、QSは、前記基準水位となった際に前記貯留槽に貯留されている前記原液の量[L]、QMは、前記溶解槽において1回に調製される前記原液の最大量[L]である。)
QTは、基準時から基準時以降に前記貯留槽から前記供給対象に送液することが必要な前記原液の量[L]、すなわち、透析治療を終了するまでに使用する予定の透析用原液の量である。QTは、例えば、血液浄化システムの中央管理サーバが保有する透析装置又は/及び個人用透析装置の稼働台数・患者人数・現在時刻・透析完了時刻から求めることができる。また、中央管理サーバが無い場合は、透析装置又は/及び個人用透析装置の透析液流量、透析完了時刻から表計算ソフトを用いて算出してもよい。
QTは、制御部7が、血液浄化システムの中央管理サーバ等からの情報を受けて算出してもよいし、血液浄化システムの中央管理サーバ等から入力されてもよいし、操作者により入力されてもよい。
QRは運転終了後に排液対象となる原液の量なので、少量である程排液量が少なくなるが、少なすぎると、QTの算出誤差などに起因して貯留槽4が空になり、供給対象に空気を供給してしまう恐れがある。
QRを適切に設定することにより、概算の推定使用量が実際より少なかった場合にも、貯留槽の原液が足りなくなるリスクや、貯留槽からの送液が一時的にでも中断してしまうリスクを回避できる。
特に、QTが概算でしかなく、その精度が充分に見込めない場合は、QRを多めに設定することが好ましい。反対に、中央管理サーバ等を活用して、高い精度で演算したQTを得られる場合には、QRを少なめに設定することができる。特に高い精度でQTが得られる場合、QRはゼロ又はゼロに近い値としてもよい。
血液浄化システムの規模等にもよるが、QRは、1~3Lとしてもよく、2~6Lとしてもよい。例えば2Lとすることができる。
QRは、固定値として制御部7に記憶されていてもよいし、血液浄化システムの中央管理サーバ等から入力されてもよいし、操作者により入力されてもよい。
QSは、基準水位となった際に貯留槽4に貯留されている原液の量なので、貯留槽4の大きさとフロートスイッチF3の位置から一義的に決まる量である。なお、操作者の入力により、基準水位をフロートスイッチF3の位置から別のフロートスイッチが設けられた位置に切替られるようにしてもよい。例えば、一時的にフロートスイッチF4の水位を基準水位としてもよい。
QSは、固定値として制御部7に記憶されていてもよいし、血液浄化システムの中央管理サーバ等から入力されてもよいし、操作者により入力されてもよい。
QMは、1バッチ分の原液調製量なので、溶解槽1の大きさから一義的に決まる量である。
QMは、固定値として制御部7に記憶されていてもよいし、血液浄化システムの中央管理サーバ等から入力されてもよいし、操作者により入力されてもよい。
制御部7は、QT、QR、QS、QMに基づき、QXを算出してもよいし、血液浄化システムの中央管理サーバ等が算出したQXがサーバ等から入力されてもよいし、操作者によりQXが入力されてもよい。
制御部7がQXを算出する場合、その具体的な態様に限定はなく、例えば、固定値であるQSとQMを制御部7が記憶しておき、QT及びQRは、血液浄化システムの中央管理サーバや操作者により制御部7に入力されるようにしてもよい。また、例えば、固定値であるQSとQMを制御部7が記憶しておき、QTは、血液浄化システムの中央管理サーバにより制御部7に入力されるようにし、QRは操作者が入力するようにしてもよい。
QXが血液浄化システムの中央管理サーバから、又は操作者により入力される場合、式(1)や、式(1)におけるQT、QR、QS、QMを当該装置に記憶させる、ないしは入力する必要がない。この場合、その具体的な態様に限定はなく、例えば、QS、QM、QT、QRを用いて式(1)におけるQXを中央管理サーバが演算し、演算されたQXが制御部7に入力されるようにしてもよいし、表計算ソフト等から求められたQXを、操作者が直接制御部7に入力するようにしてもよい。
なお、表計算ソフト等から求められたQXを操作者が直接制御部7に入力する場合、本態様の溶解装置と中央管理サーバとの通信システムは不要である。
いずれの方法であれ、エコモードでは、制御部7がQXを認識することにより、以下の第1運転モード、第2運転モード及び第3運転モードのいずれかを選択して実行する。
(第1運転モード)
QX≧QMの時に選択する運転モードであり、下記ステップ1-1~ステップ1-3を行う。
ステップ1-1:基準時に溶解槽1に収容されている原液の全量を、移送手段により貯留槽4に移送する。
ステップ1-2:ステップ1-1の終了後、上限水位検出センサであるフロートスイッチF1が上限水位を検出するまで、水供給手段により溶解槽1に水を供給し、次いで濃度測定手段5が、原液が所定の濃度に達したことを検出するまで、薬剤供給手段であるA剤ホッパー3により溶解槽1にA剤を供給することにより、溶解槽1内で原液を調製する。
ステップ1-3:次回の基準時まで、送液手段により、貯留槽4から供給対象に原液を送液する。
第1運転モードでは、ステップ1-1で溶解槽1から貯留槽4に原液を送った後、ステップ1-2で、直ちに1バッチ分の原液を調製できる。ステップ1-3は、ステップ1-1又はステップ1-2と同時に実行することができるので、ステップ1-1又はステップ1-2の途中で供給対象への送液を中止する必要はない。
(第2運転モード)
QX≦0の時に選択する運転モードであり、以下のステップ2-1~ステップ2-3を行う。
ステップ2-1:基準時に溶解槽1に収容されている原液の全量を、移送手段により貯留槽4に移送する。
ステップ2-2:送液手段により、貯留槽4から供給対象に原液を送液する。
ステップ2-3:ステップ2-2の終了後、貯留槽4内に残存する原液を、排液手段により排液する。
第2運転モードでは、ステップ2-2は、ステップ2-1と同時に実行することができるので、ステップ2-1の途中で供給対象への送液を中止する必要はない。
また、QX≦0なので、ステップ2-1により溶解槽1から貯留槽4に1バッチ分の原液の移送があった時点で、貯留槽4の原液量は、透析治療を終了するまでに貯留槽4から供給対象に送液することが必要な原液の量(QT)と排液対象となるべき原液の量(QR)の合計以上となっている。
そのため、さらなる原液の調製を行うことなく、透析治療終了までステップ2-2を継続させることができ、ステップ2-3で排液する原液量を抑制することができる。
(第3運転モード)
0<QX<QMの時に選択する運転モードであり、以下のステップ3-1~ステップ3-4を行う。
ステップ3-1:基準時に溶解槽1に収容されている原液の全量の内、QXを、移送手段により貯留槽4に移送する。
ステップ3-2:ステップ3-1の終了後、上限水位検出センサであるフロートスイッチF1が上限水位を検出するまで、水供給手段により溶解槽1に水を供給し、次いで濃度測定手段5が、原液が所定の濃度に達したことを検出するまで、薬剤供給手段であるA剤ホッパー3により溶解槽1にA剤を供給することにより、溶解槽1内で原液を追加調製する。
ステップ3-3:次の前記基準時に溶解槽1に収容されている原液の全量を、移送手段により貯留槽4に移送する。
ステップ3-4:送液手段により、貯留槽4から供給対象に前記原液を送液する。
ステップ3-5:ステップ3-4の終了後、貯留槽4内に残存する原液を、排液手段により排液する。
第3運転モードでは、ステップ3-4は、ステップ3-1~ステップ3-3と同時に実行することができるので、ステップ3-1~ステップ3-3の途中で供給対象への送液を中止する必要はない。
また、0<QX<QMなので、基準時において、溶解槽1の原液量と貯留槽4の原液量の合計は、透析治療を終了するまでに貯留槽4から供給対象に送液することが必要な原液の量(QT)と排液対象となるべき原液の量(QR)の合計量から、QXだけ足りない量となっている。
そのため、ステップ3-1でQXだけ溶解槽1から貯留槽4に原液を移送し、溶解槽1にQX分だけ、容量の余裕を作ることにより、ステップ3-2では、足りないQX分だけの原液を追加調製することができる。
その結果、その後は、新たな原液調製を行うことなく、透析治療終了までステップ3-3を継続させることができ、ステップ3-4で排液する原液量を抑制することができる。
[第1の通常モード]
第1の通常モードは、基準水位検出センサであるフロートスイッチF3が、基準水位となったことを検出した基準時になった都度、前記第1運転モードと同じ、前記ステップ1-1~ステップ1-3を繰り返すモードである。
第1の通常モードでは、QXの値は考慮しない。
第1の通常モードでは、前記第1運転モードと同様に、ステップ1-1で溶解槽1から貯留槽4に原液を送った後、ステップ1-2で、直ちに1バッチ分の原液を調製できる。ステップ1-3は、ステップ1-1又はステップ1-2と同時に実行することができるので、ステップ1-1又はステップ1-2の途中で供給対象への送液を中止する必要はない。
[第2の通常モード]
第2の通常モードは、基準水位検出センサであるフロートスイッチF3が、基準水位となったことを検出した基準時になった都度、下記ステップ4-1~ステップ4-3を繰り返すモードである。
第2の通常モードでは、QXの値は考慮しない。
ステップ4-1:基準時に、溶解槽1に収容されている原液の全量の内、QY(ただし、QY<QM)を、移送手段により貯留槽4に移送する。
ステップ4-2:ステップ4-1の終了後、上限水位検出センサであるフロートスイッチF1が上限水位を検出するまで、水供給手段により溶解槽1に水を供給し、次いで濃度測定手段5が、原液が所定の濃度に達したことを検出するまで、薬剤供給手段であるA剤ホッパー3により溶解槽1に薬剤を供給することにより、溶解槽1内で原液を追加調製する。
ステップ4-3:送液手段により、貯留槽4から供給対象に原液を送液する。
溶解槽1においてQYの原液を追加調製するのに必要な時間をバッチ時間とすると、QYをバッチ時間で除した値が、第2の通常モードにおける単位時間当たりの原液供給能力となる。
例えば、QY=10[L]の時、バッチ時間=10[分]であれば、原液供給能力は、10[L]/10[分]=1[L/分]となる。また、QY=5[L]の時、バッチ時間=9.5[分]であれば、原液供給能力は5[L]/9.5[分]≒0.5[L/分]となる。また、QY=1[L]の時、バッチ時間=9.3[分]であれば、原液供給能力は1[L]/9.3[分]≒0.1[L/分]となる。
QYの数値は、治療時のベッド数(人数)と、一人当たりの透析液流量の平均値から単位時間当たりの原液消費量を求め、原液供給能力が原液消費量未満とならないように定めることができる。
例えば、透析液流量600[L/分]の人数が10人、透析液流量400[L/分]の人数が10人の場合、一人当たりの透析液流量の平均値は、(600×10+400×10)÷20=500[mL/分]となり、A原液を35倍希釈する透析用粉末薬剤では、一人当たりのA原液消費量は、500/35≒14.3[mL/分]となる。
B原液を27.8倍希釈する透析用粉末薬剤の一人当たりの消費量は、500/27.8≒18[mL/分]となるが、B原液についての説明は省略する。
これより、一人当たりの透析液流量の平均値が500[mL/分]である場合においては、原液供給能力が1[L/分]の時の供給可能ベッド数(人数)は1000[mL/分]/14.3[mL/分]≒70[人]、原液供給能力が0.5[L/分]の時は500/14.3≒35[人]、原液供給能力が0.1[L/分]の時は100/14.3≒7[人]となる。
上記より、一人当たりの透析液流量の平均値が500[mL/分]であり、ベッド数が30の施設では原液供給能力が0.5[L/min]あれば十分なので、QY=5[L]と設定することができる。
QYの数値は、治療時の単位時間当たりの総透析液流量から、単位時間当たりの原液消費量を求め、原液供給能力が原液消費量未満とならないように定めることもできる。
例えば、単位時間当たりの透析液流量が500[mL/分]の人数が15人、単位時間当たりの透析液流量が700[mL/分]の人数が10人の場合、単位時間当たりの総透析液流量は、500×15+700×10=14500[mL/分]となり、A原液を35倍希釈する透析用粉末薬剤では、単位時間当たりのA原液消費量は、14500÷35≒414[mL/分]≒0.4[L/分]となる。
B原液を27.8倍希釈する透析用粉末薬剤の単位時間当たりのB原液消費量は、14500÷27.8≒522[mL/分]となるが、B原液についての説明は省略する。
又、単位時間当たりの透析液流量が500[mL/分]の人数が3人、単位時間当たりの透析液流量が700[mL/分]の人数が2人の場合、単位時間当たりの総透析液流量は、500×3+700×2=2900[mL/分]となり、A原液を35倍希釈する透析用粉末薬剤では、単位時間当たりのA原液消費量は、2900÷35≒83[mL/分]≒0.08[L/分]となる。
上記より、単位時間当たりの総透析液流量が14500[mL/分]の場合は、単位時間当たりのA原液消費量が約0.4[L/分]となるので、単位時間当たりのA原液の供給能力が0.5[L/分]あれば十分なので、QY=5[L]と設定する事ができる。
又、単位時間当たりの総透析液流量が2900[mL/分]の場合は、単位時間当たりのA原液消費量が約0.08[L/分]となるので、単位時間当たりのA原液の供給能力が0.1[L/分]あれば十分なので、QY=1[L]と設定する事ができる。
第2の通常モードにおけるQYは固定値として制御部7に記憶されていてもよいし、血液浄化システムの中央管理サーバ等から入力されてもよいし、操作者により入力されてもよい。
第2の通常モードでは、ステップ4-1で溶解槽1から貯留槽4に原液を送った後、ステップ4-2で、直ちに原液を追加調製できる。ステップ4-3は、ステップ4-1又はステップ4-2と同時に実行することができるので、ステップ4-1又はステップ4-2の途中で供給対象への送液を中止する必要はない。
また、ステップ4-2では、ベッド数等に応じて決定したQYだけを1回当たりの追加調製量とするので、運転終了時まで第2の通常モードを継続しても、溶解装置が排液する原液量は最大でQM+QY+QSとなり、排液する原液量を抑制することができる。
なお、ステップ1-1、ステップ2-1、ステップ3-1、ステップ3-3、ステップ4-1の開始時となる基準時は、フロートスイッチF3が、基準水位となったことを最初に検出した時ちょうどでなく、フロートスイッチF3が、基準水位となったことを検出した時から、例えば数秒程度経過した時点であってもよい。これにより、フロートスイッチF3による検出が誤作動によるものでないことを確認できる。
同様に、ステップ1-2、ステップ3-2、ステップ4-2における溶解槽1への水供給停止時は、フロートスイッチF1が最初に上限水位を検出した時ちょうどでなく、フロートスイッチF1が、上限水位となったことを検出した時から、例えば数秒程度経過した時点であってもよい。これにより、フロートスイッチF1による検出が誤作動によるものでないことを確認できる。
また、ステップ1-1、ステップ2-1、ステップ3-3において、溶解槽1に収容されている原液の全量を、移送手段により貯留槽4に移送することが完了したことの確認は、フロートスイッチF2が溶解槽1の下限水位を検出することにより確認できる。但し、フロートスイッチF2の水位となった際は、少量とは言え、未だ溶解槽1に原液が残っている状態なので、フロートスイッチF2が溶解槽1の下限水位を検出した後、数秒程度を経過した時点でステップ1-1、ステップ2-1、ステップ3-3を終了する。
また、ステップ3-1において、溶解槽1に収容されている原液の全量の内QXを移送手段により貯留槽4に移送する際、及びステップ4-1において、溶解槽1に収容されている原液の全量の内QYを移送手段により貯留槽4に移送する際は、ポンプP1の駆動時間・ポンプP1の駆動モーターの回転数・モーターバルブMV3弁の開放時間などで、移送量を調整する。配管L7に流量計を設置してもよい。
例えば、ポンプP1の駆動時間で調整する場合、予めポンプP1の単位時間当たりの送液量を調べておけばよい。
また、ステップ2-3、ステップ3-4における排液の完了は、フロートスイッチF4が貯留槽4の下限水位を検出することにより確認できる。但し、フロートスイッチF4の水位となった際は、少量とは言え、未だ貯留槽4に原液が残っている状態なので、フロートスイッチF4が貯留槽4の下限水位を検出した後、数秒程度を経過した時点でステップ2-3、ステップ3-4を終了する。
ステップ2-3、ステップ3-4における排液の完了後は、装置内の洗浄を行う。また、エコモードを実行せず、その日の運転終了時まで第1の通常モード又は第2の通常モードを継続した場合、運転終了時に溶解槽1及び貯留槽4内に残っている原液を排液してから、装置内の洗浄を行う。
洗浄は、受水槽2に水と共に次亜塩素酸ナトリウム等の洗浄剤を導入して洗浄液とし、受水槽から、溶解槽1、貯留槽4と順次洗浄液を送ることにより行う。また、その間配管L3、配管L5、配管L6、配管L8等の循環路にも洗浄液を循環させる。
その後、受水槽2内の洗浄液を水に置き換え、受水槽から、溶解槽1、貯留槽4と順次水を送り、その間に各循環路にも水を循環させることにより濯ぎを行う。
<濃度測定手段>
[電磁誘導式の電気伝導率検出器]
図2に、濃度測定手段5の一例を示す。図2の濃度測定手段5は、配管L5の下流側に設けられた制御用測定手段100と上流側に設けられた監視用測定手段200とから構成されている。
制御用測定手段100は、いずれも絶縁体からなる配管である励起用配管101と、検出用配管102と、励起用配管101の入口と検出用配管102の入口とが、共に接続される入口側配管103と、励起用配管101の出口と検出用配管102の出口とが、共に接続される出口側配管104と、これらの配管に設けられた電気伝導率検出器と、温度計とショート線120とを備えている。
電気伝導率検出器は、中心孔を有する円環状の励起用コイル111と中心孔を有する円環状の検出用コイル112とで構成されている。この内、励起用コイル111は、励起用配管101がその中心孔を通るように設けられている。また、検出用コイル112は、検出用配管102がその中心孔を通るように設けられている。
温度計T1は、出口側配管104に設けられている。また、入口側配管103に入口側配管103内を流れる原液に接触する電極21が設けられると共に、出口側配管104の温度計T1より下流側に出口側配管104内を流れる原液に接触する電極22が設けられている。そして、これら電極21と電極22とが同電位となるようにこれら2つの電極を電気的に接続するショート線120が設けられている。
制御用測定手段100において、電極21は本発明の第1の電極に該当し、電極22は本発明の第2の電極に該当する。
同様に、監視用測定手段200は、いずれも絶縁体からなる配管である励起用配管201と、検出用配管202と、励起用配管201の入口と検出用配管202の入口とが、共に接続される入口側配管203と、励起用配管201の出口と検出用配管202の出口とが、共に接続される出口側配管204と、これらの配管に設けられた電気伝導率検出器と、温度計とショート線220とを備えている。
電気伝導率検出器は、中心孔を有する円環状の励起用コイル211と中心孔を有する円環状の検出用コイル212とで構成されている。この内、励起用コイル211は、励起用配管201がその中心孔を通るように設けられている。また、検出用コイル212は、検出用配管202がその中心孔を通るように設けられている。
温度計T2は、入口側配管203に設けられている。また、入口側配管203の温度計T2より上流側に入口側配管203内を流れる原液に接触する電極23が設けられると共に、出口側配管204に出口側配管204内を流れる原液に接触する電極21(制御用測定手段100における電極21を共用)が設けられている。そして、これら電極23と電極21とが同電位となるようにこれら2つの電極を電気的に接続するショート線220が設けられている。
監視用測定手段200において、電極21は本発明の第2の電極に該当し、電極23は本発明の第1の電極に該当する。
図3に、図2の濃度測定手段5の等価回路を示す。図3の符号について、図2における制御用測定手段100との関係を示すと、R1は励起用配管101の液回路抵抗[オーム]、R2は検出用配管102の液回路抵抗[オーム]、Raは入口側配管103の電極21が設けられた箇所から励起用配管101と検出用配管102の入口までの液回路抵抗[オーム]、Rbは出口側配管104の電極22が設けられた箇所から励起用配管101と検出用配管102の出口までの液回路抵抗[オーム]、RAはR1とR2の合成抵抗[オーム]、R9は電極21からショート線120を経由して電極22までの抵抗(電極21、電極22それぞれと原液との間に生じると推定される接触抵抗を含む)である。
また、図3の符号について、図2における監視用測定手段200との関係を示すと、R3は励起用配管201の液回路抵抗[オーム]、R4は検出用配管202の液回路抵抗[オーム]、Rdは入口側配管203の電極23が設けられた箇所から励起用配管201と検出用配管202の入口までの液回路抵抗[オーム]、Rcは出口側配管204の電極21が設けられた箇所から励起用配管201と検出用配管202の出口までの液回路抵抗[オーム]、RBはR3とR4の合成抵抗[オーム]、R10は電極23からショート線220を経由して電極21までの抵抗(電極23、電極21それぞれと原液との間に生じると推定される接触抵抗を含む)である。
図3に示すように、励起用配管101と検出用配管102とからなるループ状の配管内の原液によって電流i1が流れる第一のループ回路が形成される。
また、電極21が設けられた箇所から電極22が設けられた箇所までの原液とショート線120とによって電流i2が流れる第二のループ回路が形成されている。
なお、検出用配管102には、第一のループ回路の電流i1と第二のループ回路の電流i2の1/2を合わせた電流が流れる。
人工透析装置等の医療機器として使用する場合には、安全性を高めるために制御用と監視用を分ける必要があるため、図2、図3に示すように、制御用測定手段100と監視用測定手段200において、各々電磁誘導式の電気伝導率検出器を設置することになる。
このように、1つの被測定液体に対して複数の電磁誘導式電気伝導率検出器を設置した場合、1つの電磁誘導式電気伝導率検出器から発生する電気信号(誘導電流)を他の電磁誘導式電気伝導率検出器で検出してしまうと、お互いの測定値に影響が出て測定精度が低下してしまう。
これに対して、図2、図3の制御用測定手段100、監視用測定手段200のように、各々にショート線を設置することにより、互いの電気信号が干渉せず、安定して精度の高い測定値が得られる。
ただし、図2、図3のように、ショート線を設置しても、各々のショート線を原液の液回路と接続するための電極(電極21、電極22、電極23)と原液との間に生じる接触抵抗が測定値の誤差要因となる。
この原液との接触抵抗の影響を小さくするためには、RaとRbが大きくなるよう、入口側配管103と出口側配管104を絶縁体で構成し、充分に長くすることが有効である。
電気伝導率の要求測定誤差がd[mS/cm]の場合、誤差をこの要求測定誤差内に納めるためには、RaとRbの値が以下式(2)を満たすようにすればよい。
Figure 0007464866000002
(但し、式(2)において、Rxは前記第1の電極及び前記第2の電極それぞれと前記原液との間に生じると推定される接触抵抗の合計[オーム]、dは前記接触抵抗の合計Rxにおける電気伝導率の要求測定誤差[mS/cm]、Cond1は前記接触抵抗の合計Rxがゼロのときの電気伝導率[mS/cm]、RAは前記第一のループ回路のCond1における液回路抵抗[オーム]、Raは前記入口側配管内の前記第1の電極が設けられた箇所から前記励起用配管と前記検出用配管の入口までのCond1における液回路抵抗[オーム]、Rbは前記出口側配管内の前記第2の電極が設けられた箇所から前記励起用配管と前記検出用配管の出口までのCond1における液回路抵抗[オーム]である。)
図2、図3の制御用測定手段100では、励起用コイル111に交流電流を流すと、原液の電気伝導率に応じて、励起用配管101と検出用配管102には電流i1と、i2×1/2を加えた電流が流れる。そして、検出用配管102の電流に応じて検出用コイル112に誘導電流が流れるので、この検出用コイル112の誘導電流に基づき、原液の電気伝導率、ひいては、原液の濃度を求めることができる。
監視用測定手段200においても、制御用測定手段100と同様に、励起用コイル211に交流電流を流すと、原液の電気伝導率に応じて、励起用配管201と検出用配管202には電流i3と、i4×1/2を加えた電流が流れる。そして、検出用配管202の電流に応じて検出用コイル212に誘導電流が流れるので、この検出用コイル212の誘導電流に基づき、原液の電気伝導率、ひいては、原液の濃度を求めることができる。
また、電極21、電極23と原液との接触抵抗の影響を小さくするためには、RdとRcが大きくなるよう、入口側配管203と出口側配管204を絶縁体で構成し、充分に長くすることが有効である。
図3に示すように、制御用測定手段100と監視用測定手段200とは、同等の等価回路を構成しているので、その他の詳細な説明は省略する。
[電極式の電気伝導率検出器]
図4に、濃度測定手段5の他の一例を示す。図4の濃度測定手段5は、配管L5の上流側から下流側にかけて、順次設けられた温度計T2と、監視用電気伝導率検出器400と制御用電気伝導率検出器300と温度計T1とで構成されている。
制御用電気伝導率検出器300と監視用電気伝導率検出器400とは、共に電極式の電気伝導率検出器である。
制御用電気伝導率検出器300、監視用電気伝導率検出器400では、各々原液に接する二つの電極の間に交流電圧を印加すると、二つの電極の間に原液の電気伝導率に応じた交流電流が流れるので、この電流に基づき、原液の電気伝導率、ひいては、原液の濃度を求めることができる。
[電気伝導率検出器の温度補償]
原液の濃度が同じであっても、その原液の電気伝導率は、原液の温度により変わる。そのため、原液の電気伝導率は、基準温度での電気伝導率に換算される。これにより、電気伝導率に基づき原液の濃度が所定の濃度に達したことを正確に検出できる。電気伝導率の換算値は、下記式(3)により算出される。基準温度は、通常25℃とされる。
T=kt/{1+α/100×(t-T)} ・・・(3)
(但し、式(3)において、Tは基準温度[℃]、tは前記温度検出器で検出した前記原液の温度[℃]、kTは電気伝導率のT[℃]換算値、ktはt[℃]における電気伝導率、αは前記原液の温度係数[%]である。)
前述の制御用測定手段100、監視用測定手段200、制御用電気伝導率検出器300、監視用電気伝導率検出器400でも、いずれも検出器近傍で原液の温度t[℃]を測定している。
具体的には、図2、3の制御用測定手段100では、励起用コイル111、検出用コイル112の近傍に配置した温度計T1で、図2、3の監視用測定手段200では、励起用コイル211、検出用コイル212の近傍に配置した温度計T2で、原液の温度t[℃]を測定している。
また、図4の制御用電気伝導率検出器300では、その近傍に配置した温度計T1で、図4の監視用電気伝導率検出器400では、その近傍に配置した温度計T2で、原液の温度t[℃]を測定している。
温度係数αは、薬剤の種類により異なる。同じA剤であっても、メーカーの違い等により組成が完全には同じではないのでαの値は異なる。さらに、同じ薬剤であっても、温度によりαを変更することが正確な換算の点で好ましい。
そこで、制御部7は、薬剤の種類毎に前記温度係数αと原液の温度tとの関係を示す情報を記憶する記憶手段と、前記薬剤の種類を指定する信号を前記制御手段に入力する入力手段と、を有し、前記入力手段からの前記薬剤の種類を指定する信号に応じた前記記憶手段に記憶された情報を用いて、前記温度係数αを求めることが好ましい。
また、制御部7には、前記温度係数αと原液の温度t[℃]との関係を示す情報として、前記薬剤の種類毎に、原液の温度t[℃]を変数とした2次以上の回帰式の回帰定数が記憶されており、前記入力手段からの前記薬剤の種類を指定する信号に応じた前記記憶手段に記憶された前記回帰定数を読み込み、その回帰定数を用いた前記回帰式により前記温度係数αを算出することが好ましい。
例えば、以下の式(4)で示す2次回帰式を用いることができる。
α=at+bt+c ・・・(4)
(但し式(4)において、αは原液の温度係数[%]、tは原液の温度[℃]、a、b、cは回帰定数)
制御部7は、前記回帰式の回帰定数a、b、cを入力する入力手段を有することが好ましい。
[電気伝導率検出器の異常検知]
制御部7は、電気伝導率検出器を有する濃度測定手段5が、原液が所定の濃度に達したことを検出する前に、電気伝導率検出器の測定した電気伝導率の変化の方向が増加方向から減少方向に変化したこと又は該電気伝導率が増加しなくなったことを検知した場合には、何らかの異常な状況が生じたと判断して、前記薬剤供給手段からの前記薬剤の供給を停止するようにしてもよい。
[その他の濃度測定手段]
本発明における濃度測定手段は、電気伝導率検出器を有するものには限定されない。例えば、屈折率計を用いて、原液の濃度を一定に制御してもよい。
[監視用測定手段による異常検知]
濃度測定手段として、制御用測定手段と監視用測定手段を備える場合、監視用測定手段による測定値と制御用測定手段による測定値との差が、所定の値以上となった場合は、何らかの異常な状況が生じたと判断して、溶解装置の運転を中止するようにしてもよい。
1 溶解槽
2 受水槽
3 A剤ホッパー
4 貯留槽
5 濃度測定手段
7 制御部
8 ヒーター
21 電極
22 電極
23 電極
100 制御用測定手段
101 励起用配管
102 検出用配管
103 入口側配管
104 出口側配管
111 励起用コイル
112 検出用コイル
120 ショート線
200 監視用測定手段
201 励起用配管
202 検出用配管
203 入口側配管
204 出口側配管
211 励起用コイル
212 検出用コイル
220 ショート線
300 制御用電気伝導率検出器
400 監視用電気伝導率検出器

Claims (8)

  1. 患者に透析治療を施すために使用する透析液の原液を調製して供給対象に送液するための溶解装置であって、
    薬剤を水で溶解して前記原液とする溶解槽と、
    前記溶解槽に前記水を供給する水供給手段と、
    前記溶解槽に前記薬剤を供給する薬剤供給手段と、
    前記原液を一時的に収容する貯留槽と、
    前記溶解槽から前記貯留槽に前記原液を移送する移送手段と、
    前記貯留槽から供給対象に前記原液を送液する送液手段と、
    前記溶解槽の上限水位を検出する上限水位検出センサと、
    前記溶解槽内の前記原液の濃度を検出する濃度測定手段と、
    前記貯留槽の水位が、前記溶解槽において1回に調製可能な前記原液の最大量を受け入れ可能な基準水位となったことを検出する基準水位検出センサと、
    前記貯留槽から前記供給対象への送液終了時に、前記貯留槽に残存する前記原液を排液する排液手段と、
    前記溶解装置全体を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記基準水位検出センサが前記基準水位となったことを検出した基準時において、下記式(1)で計算されるQXの値に応じて、下記の第1運転モード、第2運転モード及び第3運転モードのいずれかを選択して実行することを特徴とする溶解装置。
    QX=QT+QR-QS-QM ・・式(1)
    (但し、式(1)において、QTは、前記基準時以降に前記貯留槽から前記供給対象に送液することが必要な前記原液の量[L]、QRは、前記貯留槽から前記供給対象への送液終了時に、前記貯留槽に残存し排液対象となるべき前記原液の量[L]、QSは、前記基準水位となった際に前記貯留槽に貯留されている前記原液の量[L]、QMは、前記溶解槽において1回に調製される前記原液の最大量[L]である。)
    (第1運転モード)
    QX≧QMの時に選択する運転モードであり、以下のステップ1-1~ステップ1-3を行う。
    ステップ1-1:前記基準時に前記溶解槽に収容されている前記原液の全量を、前記移送手段により前記貯留槽に移送する。
    ステップ1-2:ステップ1-1の終了後、前記上限水位検出センサが前記上限水位を検出するまで、前記水供給手段により前記溶解槽に前記水を供給し、次いで前記濃度測定手段が、前記原液が所定の濃度に達したことを検出するまで、前記薬剤供給手段により前記溶解槽に前記薬剤を供給することにより、前記溶解槽内で前記原液を調製する。
    ステップ1-3:次回の基準時まで、前記送液手段により、前記貯留槽から前記供給対象に前記原液を送液する。
    (第2運転モード)
    QX≦0の時に選択する運転モードであり、以下のステップ2-1~ステップ2-3を行う。
    ステップ2-1:前記基準時に前記溶解槽に収容されている前記原液の全量を、前記移送手段により前記貯留槽に移送する。
    ステップ2-2:前記送液手段により、前記貯留槽から前記供給対象に前記原液を送液する。
    ステップ2-3:ステップ2-2の終了後、前記貯留槽内に残存する前記原液を、前記排液手段により排液する。
    (第3運転モード)
    0<QX<QMの時に選択する運転モードであり、以下のステップ3-1~ステップ3-4を行う。
    ステップ3-1:前記基準時に前記溶解槽に収容されている前記原液の全量の内、QXを、前記移送手段により前記貯留槽に移送する。
    ステップ3-2:ステップ3-1の終了後、前記上限水位検出センサが前記上限水位を検出するまで、前記水供給手段により前記溶解槽に前記水を供給し、次いで前記濃度測定手段が、前記原液が所定の濃度に達したことを検出するまで、前記薬剤供給手段により前記溶解槽に前記薬剤を供給することにより、前記溶解槽内で前記原液を追加調製する。
    ステップ3-3:次の前記基準時に前記溶解槽に収容されている前記原液の全量を、前記移送手段により前記貯留槽に移送する。
    ステップ3-4:前記送液手段により、前記貯留槽から前記供給対象に前記原液を送液する。
    ステップ3-5:ステップ3-4の終了後、前記貯留槽内に残存する前記原液を、前記排液手段により排液する。
  2. 前記制御部は、操作者の指示により、前記QXの値を考慮することなく、前記ステップ1-1~ステップ1-3を繰り返す第1の通常モードを実行する、請求項1に記載の溶解装置。
  3. 前記制御部は、操作者の指示により、前記QXの値を考慮することなく、下記ステップ4-1~ステップ4-3を繰り返す第2の通常モードを実行する、請求項1又は2に記載の溶解装置。
    ステップ4-1:前記基準時に、前記溶解槽に収容されている前記原液の全量の内、QY(ただし、QY<QM)を、前記移送手段により前記貯留槽に移送する。
    ステップ4-2:ステップ4-1の終了後、前記上限水位検出センサが前記上限水位を検出するまで、前記水供給手段により前記溶解槽に前記水を供給し、次いで前記濃度測定手段が、前記原液が所定の濃度に達したことを検出するまで、前記薬剤供給手段により前記溶解槽に前記薬剤を供給することにより、前記溶解槽内で前記原液を追加調製する。
    ステップ4-3:前記送液手段により、前記貯留槽から前記供給対象に前記原液を送液する。
  4. 前記濃度測定手段が、電気伝導率検出器を有する、請求項1又は2に記載の溶解装置。
  5. 前記濃度測定手段は、前記原液が流れる絶縁体からなる励起用配管と、前記原液が流れる絶縁体からなる検出用配管と、前記励起用配管の入口と前記検出用配管の入口とが、共に接続される入口側配管と、前記励起用配管の出口と前記検出用配管の出口とが、共に接続される出口側配管と、
    円環状であって、前記励起用配管がその中心孔を通るように設けられた励起用コイル、及び円環状であって、前記検出用配管がその中心孔を通るように設けられた検出用コイルからなる電磁誘導式の電気伝導率検出器と、
    前記入口側配管に配置され、前記原液に接触する第1の電極と、
    前記出口側配管に配置され、前記原液に接触する第2の電極と、
    前記第1の電極と前記第2の電極が同電位となるように当該2つの電極を電気的に接続するショート線とを備え、
    前記励起用配管と前記検出用配管とからなるループ状の配管内の前記原液によって第一のループ回路が形成され、
    前記入口側配管内の前記第1の電極が設けられた箇所から前記出口側配管内の前記第2の電極が設けられた箇所までの前記原液と、前記ショート線とによって第二のループ回路が形成されている、請求項4に記載の溶解装置。
  6. 下記式(2)を満たす、請求項5に記載の溶解装置。
    Figure 0007464866000003
    (但し、式(2)において、Rxは前記第1の電極及び前記第2の電極それぞれと前記原液との間に生じると推定される接触抵抗の合計[オーム]、dは前記接触抵抗の合計Rxにおける電気伝導率の要求測定誤差[mS/cm]、Cond1は前記接触抵抗の合計Rxがゼロのときの電気伝導率[mS/cm]、RAは前記第一のループ回路のCond1における液回路抵抗[オーム]、Raは前記入口側配管内の前記第1の電極が設けられた箇所から前記励起用配管と前記検出用配管の入口までのCond1における液回路抵抗[オーム]、Rbは前記出口側配管内の前記第2の電極が設けられた箇所から前記励起用配管と前記検出用配管の出口までのCond1における液回路抵抗[オーム]である。)
  7. 前記制御部は、前記薬剤供給手段により前記溶解槽に前記薬剤を供給する際、前記電気伝導率検出器により検出される前記原液の電気伝導率が、前記原液が所定の濃度に達したことを示す前に、該電気伝導率の変化の方向が増加方向から減少方向に変化したこと又は該電気伝導率が増加しなくなったことを検知した場合に、前記薬剤供給手段からの前記薬剤の供給を停止する、請求項4に記載の溶解装置。
  8. 前記濃度測定手段は、さらに、前記原液の温度を測定する温度検出器を有し、
    前記制御部は前記電気伝導率検出器の測定値を下記式(3)
    T=kt/{1+α/100×(t-T)} ・・・(3)
    (但し、式(3)において、Tは基準温度[℃]、tは前記温度検出器で検出した前記原液の温度[℃]、kTは電気伝導率のT[℃]換算値、ktはt[℃]における電気伝導率、αは前記原液の温度係数[%]である。)
    に基づいて温度t[℃]での電気伝導率ktを基準温度T[℃]での電気伝導率に換算するにあたり、
    前記薬剤の種類、及び前記温度検出器で検出した前記原液の温度t[℃]に応じて指定される前記温度係数αを用いることを特徴とする、請求項4に記載の溶解装置。
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