JP7464701B2 - エアフレッシュニング製品 - Google Patents

Description

本発明は、全般的には、内部環境における細菌の増殖を防止するためのエアフレッシュニング製品及び方法に関する。

糞便廃棄物は、悪臭を生成する細菌を含有することが知られている。糞便廃棄物は、限定されないが、小さい空間、小さい部屋、又はペットキャリアなどの空間に見出され得る。小さい部屋には、浴室、トイレ、ロッカー室などが含まれ得るが、これらに限定されない。小さい空間には、ゴミの保管空間、便器、クローゼット、靴やスニーカーなどを保管するための家具、ネコ砂やペット用砂の箱、ペットケージ、ペット用寝具、ジムのロッカーなどが含まれ得るが、これらに限定されない。ペットキャリアとは、例えば、ネコ、小型犬、ハムスター、モルモットなどの小さな動物を、ある場所から別の場所に輸送するために使用される小さな携帯用の箱、クレート、又はケージである。

例えば、トイレの悪臭は、典型的には、ヒトによって排泄される糞便廃棄物を収容するために使用される便器の使用に由来するものである。糞便廃棄物は、トイレ内の主要な悪臭源（実際に悪臭を生成する源）である細菌を含有する。便器に水を流すと、細菌の微粒子がトイレの内部領域の上方及び周囲に急速に広がり、トイレ内の様々な表面（例えば、テリータオル、ビニル製床マット、壁紙などの、透過性材料を含むがこれらに限定されない）上に定着する傾向がある。細菌の微粒子を含有するそのような表面は、副次的な悪臭源になる。

前述の従来のエアフレッシュナーを使用して、トイレの直接的領域に香料を撒くという手法は、上述の主要な悪臭源から生じる悪臭をマスキングするのにはかなり効果的であった。更に、使用後に便器を洗浄し、かつフレッシュニングするための便器洗浄剤用ディスペンサが開発されてきた。洗浄用化学物質及び／又は脱臭用化学物質を便器の内面に噴霧するためのディスペンサの１つのタイプが、米国特許第７，６０３，７２６（Ｂ２）号（譲受人：Ｓ．Ｃ．Ｊｏｈｎｓｏｎ ＆ Ｓｏｎ，Ｉｎｃ）に記載されている。しかしながら、米国特許第７，６０３，７２６（Ｂ２）号の記述によれば、そのディスペンサは、活性物質をトイレの水に取り入れさせて、便器内に洗浄のための環境を作り出すことによって機能するものの、便器内ではない副次的悪臭源に細菌の増殖を防止させるのには必ずしも役立つものではない。ある環境における細菌の活性を低減するための少なくとも１種の脂肪族アルデヒド成分及びアリルイソチオシアネートを含む抗微生物組成物が、国際公開第２０１１／１４９８５１（Ａ１）号（譲受人：Ｔａｋａｓａｇｏ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）に記載されている。

更に、一般的に香りのハイ、ミドル、及びベースとなる「香調」を含む、「バランスのとれた」香りの体験をユーザに提供することも引き続き求められている。

米国特許第７，６０３，７２６（Ｂ２）号 国際公開第２０１１／１４９８５１（Ａ１）号

したがって、細菌の増殖を抑制するのを助ける（それによって細菌性の悪臭を軽減する）エアフレッシュニング製品を提供する一方で、ユーザがエアフレッシュニング製品において享受することを期待する、バランスのとれた芳香体験を提供することが求められている。

本発明は、非車両環境内の有限体積の空間である内部環境用の抗菌エアフレッシュニング製品であって、その製品は、送達部材と流体連通している１ｍＬ～５０ｍＬのフレッシュニング組成物を含有する容器を備え、
送達部材は、組成物の液相を含有し、組成物の液相を、送達部材から蒸発させるように構成されており、
組成物は、界面活性剤を実質的に含まず、かつ、組成物の０．５重量％～２０重量％の揮発性アルデヒド混合物を含み、揮発性アルデヒド混合物は、
（ｉ）Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールと、
（ｉｉ）Ｃ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールと、からなり、
Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールと、Ｃ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールとの重量比は、３：１～１：３である。

本発明による抗菌エアフレッシュニング製品用のエアフレッシュニング組成物のための装置の構成要素を示す斜視図である。 本発明による抗菌エアフレッシュニング製品が支持体上に配置されているときに、水平方向にあるその製品の側断面図である。 図１に示される製品が支持体上に配置されているときに、垂直方向にあるその製品の側断面図である。 自然対流条件下の内部環境における、図１に示される製品内の膜を通過するフレッシュニング組成物の気相の動きを示す概略図である。 自然対流条件下の内部環境における、図１に示される製品内の膜を通過するフレッシュニング組成物の気相の動きを示す概略図である。 本発明による抗菌エアフレッシュニング製品の変形例の前方斜視図である。 図５の製品の後方斜視図である。 図５の製品の構成要素の斜視図である。 図５の製品の側断面図である。 本発明による抗菌エアフレッシュニング製品の変形例の図である。 未処理の透過性材料、並びに本発明のエアフレッシュニング製品１、２、３、及び４でグラム陽性菌（黄色ブドウ球菌）に対する処理をした同じ透過性材料について、細菌数を時間の関数としてプロットしたグラフである。 異なる未処理の試験用透過性材料、及び本発明のエアフレッシュニング製品３でグラム陽性菌（Ｅ．ｈｉｒａｅ）に対する処理をした異なる試験用透過性材料について、細菌数を時間の関数としてプロットしたグラフである。 異なる未処理の試験用透過性材料、及び本発明のエアフレッシュニング製品３でグラム陽性菌（黄色ブドウ球菌）に対する処理をした異なる試験用透過性材料について、細菌数を時間の関数としてプロットしたグラフである。 異なる未処理の試験用透過性材料、及び本発明のエアフレッシュニング製品３でグラム陰性菌（Ｐ．ｍｉｒａｂｉｌｉｓ）に対する処理をした異なる試験用透過性材料について、細菌数を時間の関数としてプロットしたグラフである。 異なる未処理の試験用透過性材料、及び本発明のエアフレッシュニング製品３でグラム陰性菌（肺炎桿菌）に対する処理をした異なる試験用透過性材料について、細菌数を時間の関数としてプロットしたグラフである。 異なる未処理の試験用透過性材料、及び本発明のエアフレッシュニング製品３でグラム陰性菌（大腸菌）に対する処理をした異なる試験用透過性材料について、細菌数を時間の関数としてプロットしたグラフである。

本発明は、内部環境内の透過性材料を含む表面上の細菌増殖を、連続的に防止するための改善された抗菌特性を有するエアフレッシュニング製品に関する。具体的には、抗菌エアフレッシュニング製品（以下、「製品」）は、透過性材料を含む表面上における細菌の増殖を防止するための揮発性アルデヒド混合物を有する、フレッシュニング組成物（以下、「組成物」）の液相又は固相を収容するためのリザーバを含む。その揮発性アルデヒド混合物は、受動的な空気流条件で継続的に蒸発し得るＣ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナール及びＣ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールを含み、上に付着した複数個の細菌／１個の細菌を有する透過性材料を有する表面上に付着し、その付着した揮発性アルデヒド混合物は、透過性材料上での細菌の増殖を防止するものである。

Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールとＣ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールとの揮発性アルデヒド混合物の技術的効果は、その混合物が、透過性材料上の細菌の増殖を測定可能な程度に抑制する（例えば、「実施例」という見出しの下、本明細書において説明されるような結果に示される、内部環境内の内部空間の環境をシミュレーションすることによる、インビトロ微生物試験を実施する）ことにより、細菌性の悪臭を単に覆い隠す又はマスキングするのではなく、細菌性の悪臭を低減することができることである。短期的には、組成物の細菌増殖防止効果は、例えば、ヒトによって現在感知されている空気中の悪臭のレベルを低減することができる。より長期的には、本発明は、内部環境において透過性材料を含む表面上での細菌の増殖を防止することができる。

また驚くべきことに、本発明による組成物において、３：１～１：３の重量比でＣ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナール及びＣ９～Ｃ１４の非分枝非置換直鎖状アルケナールを配合することにより、上記の揮発性アルデヒドが、互いに相前後して製品から放出されることが可能になり、それにより、Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナール及びＣ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールを、上に細菌が付着した透過性材料を含む表面上に付着させることが可能になり、その透過性材料上で細菌が増殖するのを防止し、そうすることによって、その内部環境において細菌性の悪臭を低減させることができることも見出された。

具体的には、１種類のみのアルケナールの代わりに２つの異なる種類のアルケナールを有することにより、細菌増殖防止効果の持続性が高まるのは、Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールとＣ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールとは、互いに異なる気化速度を有しており、相前後して作用することで、全体的な細菌増殖防止効果を連続的に向上させることができるためである。例示的なアルケナールを以下の説明文において列挙するが、これらは国際純正・応用化学連合（International Union of Pure and Applied Chemistry、ＩＵＰＡＣ）によって推奨される有機化合物の命名法に従って命名されたものである。

以下の説明では、説明される製品は、トイレの消臭剤などの消費者製品であり、トイレを含む浴室の内部占有空間でフレッシュニング組成物を蒸発させて、細菌増殖の防止、フレッシュニング、悪臭の除去、又は浴室内の空気への芳香付与などの、様々な利点をもたらすための製品である。しかしながら、製品は、様々な用途で使用されてフレッシュニング組成物を送達することで、家庭内及び商業施設内の部屋又は家庭用品保管用家具などの内部環境に効果をもたらすように構成され得るということが考えられ、エアフレッシュニング製品としては、例えば、エアフレッシュニング製品、エアフレッシュナーなどの消費者製品が挙げられ得るが、それらに限定されない。

製品はまた、組成物の液相を収容し、組成物の液相を蒸発させるように構成された送達部材を含んでもよい。送達部材としては、芯、膜、ゲル、フェルトパッドを含む多孔質又は半多孔質基材が挙げられ得る。例示的な送達部材は、物質の特定の成分を通過させるが他の成分は止める、半透過性材料である膜であってよい。膜を通過する成分について、膜は、成分の透過性を調節する（すなわち、特定の成分を他の成分よりも速く透過させる）。かかる成分としては、分子、イオン、又は粒子を挙げることができる。

本発明を詳細に説明する目的で、本発明を、組成物と流体連通した膜を有する非エネルギー印加式抗菌エアフレッシュニング製品として以下に述べる。しかしながら、本組成物は、製品から芯を通って空間に送達され得るという点は理解されよう。更に、本発明の製品は、エネルギー印加式でもよく、又は非エネルギー印加式でもよい。本発明を詳細に説明するのに先立ち、説明を分かりやすくために以下の用語を定義する。定義されない用語には、関連する技術分野の当業者によって理解される通常の意味が与えられるべきである。

本明細書で使用するとき、「水平方向」は、膜が上向き又は下向きの位置で環境に面する、本発明に基づく抗菌エアフレッシュニング製品の位置を指す。

「内部環境」は、非車両環境における有限容積の空間を指す。内部環境は、住宅環境又は商業環境内の部屋、例えば、衛生施設などであり得る。衛生施設としては、浴室、トイレ、トイレを含む浴室、ロッカー室を挙げることができる。内部環境はまた、例えば、シューキャビネット、ワードローブ、ジムロッカーを含むがそれらに限定されない個人用品目を保管するための家具などの密閉空間でもあり得、まだ同様にペット用砂の箱、猫砂、ペットケージ、ペットキャリアが挙げられる。ペットキャリアとは、例えば、ネコ、小型犬、ハムスター、モルモットなどの小さな動物を、ある場所から別の場所に輸送するために使用される小さな携帯用の箱、クレート、又はケージである。

本明細書で使用するとき、「膜」は、物質の特定の成分は通過させるが、他の成分は止める、半透性材料を指す。膜を通過する成分について、膜は、成分の透過性を調節する（すなわち、特定の成分を他の成分よりも速く透過させる）。かかる成分としては、分子、イオン、又は粒子を挙げることができる。

本明細書で使用するとき、「微多孔膜」は、細孔の網状組織を有する材料を指す。

本明細書で使用するとき、「自然対流」とは、水などの液体又は空気などの気体の流れや動きを指し、その中で流体の運動が、（ポンプ、ファン、吸引装置などのような）いかなる外部のソースによっても生成されず、流体のうち、他の部分よりも重い一部によって生成されるものを指す。

「非エネルギー印加式」は、製品が受動的であり、外部のエネルギー源によって動力を付与される必要がないことを意味する。特に、製品は、熱源、ガス、又は電流によって動力を付与される必要はない。製品は、エネルギー印加式デバイスとして構成されてもよい。例示的なエネルギー印加式デバイスは、電気式デバイスであってよい。エネルギー印可式装置は、フレッシュニング組成物を輸送し、かつ／又はフレッシュニング組成物を蒸発させるための、以下の説明文で述べるような芯及び／又は膜を有する、自動車の電気コンセント又は電池で動作するエアフレッシュナー、あるいは他の加熱デバイス（例えば、触媒燃料システムなどの化学反応により動力付与されるデバイス、太陽光により動力付与されるデバイスなど）であってよい。

本明細書で使用するとき、「透過性材料」とは、液体又は気体が通過することを可能にする任意の材料を指し、乾燥壁、壁紙、木材、ビニル、プラスチック、プラスタ、ウォールボード、布地、室内装飾材料、紙、織布、天然ポリマー、合成ポリマー及び無機材料、並びにこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されるものではない。透過性材料はまた、無生物表面上に形成された残留物を含んでもよく、無生物表面上の粉塵粒子又はグリースを含むが、これらに限定されない。

本明細書で使用するとき、「無生物表面」という用語は、限定されるものではないが、布地、カーペット、また床、壁、カーペットパッド、タオルなどの家庭内にある表面を含む表面を指す。

本明細書で使用するとき、「垂直方向」は、膜が前方に面する位置又は後方に面する位置で環境に面する、本発明による抗菌エアフレッシュニング製品の位置を指す。

本明細書で使用するとき、「フレッシュニング組成物」は、更なるエネルギー源を必要とすることなく室温及び大気圧で揮発可能な材料を指す。組成物は、これらに限定されるものではないが、エアフレッシュニング、脱臭、臭気除去、悪臭中和、害虫防除、殺虫、防虫、薬剤／薬、消毒剤、殺菌、気分向上効果、アロマセラピー助剤、香り付き組成物、香り付きではない組成物、又はその場所の空気若しくは環境を調整、改質、又は他の形で変化させるように作用するフレッシュニング組成物を必要とする他の任意の使用法を含む、様々な用途に合わせて構成することができる。更に、組成物の成分物質の全てが揮発性である必要はない。任意の好適な組成物を、任意の量、又は液体、固体、ゲル、若しくはエマルションを含む任意の形態で使用することができる。本明細書での使用に好適な材料には、担体物質（例えば、水、溶媒など）のような不揮発性化合物が含まれてもよい。本明細書において組成物が、「送達される」、「発散される」、又は「放出される」ものとして述べられる場合、これは、組成物の揮発性成分の揮散を指し、組成物の不揮発性成分が発散される必要はない点も理解されるべきである。

図１は、フレッシュニング組成物１３（以下、「組成物」）を収容するための装置２の構成要素の斜視図であり、装置２が組み立てられ、組成物１３が充填されると、本発明による抗菌エアフレッシュニング製品１を画定する（例示的な実施例を図２に示す）。図１及び図２を参照すると、装置２は、フレッシュニング組成物１３を収容するためのリザーバ１１を含む容器１０を備える。容器１０は、組成物１３の気相の拡散に抗するように設計された、実質的に蒸気不透過性の材料で形成することができる。例えば、容器１０は、これらに限定されるものではないが、熱可塑性材料、並びに熱成形、射出成形、及びブロー成形に好適な他の既知の材料を含む、金属、ガラス、セラミック、磁器、タイル、及びプラスチックで形成することができる。例えば、膜１２のような送達部材１２は、容器１０内に配設されて、組成物１３と流体連通するように構成されてもよい。

図２は、本発明による抗菌エアフレッシュニング製品１（以下、「製品」）が支持体上に配置されているときに、水平方向にあるその製品１の側断面図である。製品１は、使い捨て式で単回使用の物品として、又は組成物１３が補充される物品として構成され得る。

製品１は、膜１２に隣接して蒸気不透過性基材１４を更に含んでもよく、蒸気不透過性基材１４は、使用前の組成物１３の放出を防止するように構成されている。製品１は、任意の所望の方向で使用されるように構成することができ、その方向としては、図３に示されるような垂直方向が挙げられるが、それに限定されない。

図３は、図２の製品１の側面概略図を示す。製品１は、図２の製品１と実質的に同じであるが、製品１が使用中の場合に、膜１３が、組成物１３と流体連通するように配設された膜の第１の表面１２１と、ユーザが製品１を作動させる必要がある場合に、蒸気不透過性基材１４が削除されるとき、環境に面して組成物１３からは遠ざかる膜の第２の表面１２２と、を含むことを除く。

図３を参照すると、蒸気不透過性基材１４は、膜１２の外周に解放可能に取り付けられて、製品１用の剥離可能なカバーを形成することができる。蒸気不透過性基材１４は、破断可能なものとすることができ、破断される際に組成物１３を通過させるようになっていてよい。例えば、図７及び図８に示されるように、蒸気不透過性基材１４は、膜１２に隣接して配設されかつ容器１０の内周に取り付けられて、膜１２に隣接する密封リザーバを形成する、破断可能な基材１４とすることができる。

組成物１３は、組成物１３の少なくとも０．２５重量％のＣ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールと、少なくとも０．２５重量％のＣ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールと、を含む。本発明による方法において上記の範囲のアルケナールの混合物を有する組成物を提供すること、及び表面上での細菌増殖の効果的防止法について、「実施例」で実証する。具体的には、実施例Ｉのデータは、組成物の０．２５重量％の量のＣ６アルケナール（（Ｅ）－２－ヘキセン－１－アール）と、組成物の０．２５重量％のＣ１０アルケナール（４－デセン－１－アール）と、を有する本発明の組成物１が、１．９８の抗菌活性値をもたらすことを示す。

例示的なＣ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールは、トランス配置、好ましくは（Ｅ）－２ Ｃ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールを有し得る。例示的なＣ５～Ｃ８の非分枝非置換直鎖状アルケナールは、トランス配置、好ましくは（Ｅ）－２ Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換直鎖状アルケナールを有し得る。理論に拘束されるものではないが、上記の例示的な揮発性アルデヒドの抗菌効果は、その鎖長によって影響され得る。長鎖アルデヒドは、広い抗菌スペクトルを有する。シス配置とトランス配置との間には、シス配置は、屈曲を生じさせ、カーボンテールの長さを短縮する側鎖を有し、したがって、トランス構成は、細菌に対してより効果的であるという相違があり、それによって抗菌効果の改善と細菌増殖防止の改善を提供する。

Ｃ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールは、１個の二重結合を有することができ、好ましくは１個の二重結合は、Ｃ３位、Ｃ４位、又はＣ５位、より好ましくはＣ３位又はＣ４位、更により好ましくはＣ４位にある。Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールは、１個の二重結合を含み、好ましくは、１個の二重結合は、Ｃ２位、Ｃ３位、又はＣ４位、より好ましくはＣ２位又はＣ３位、更により好ましくはＣ２位にある。Ｃ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールは、組成物の０．２重量％～１０重量％、好ましくは０．２重量％～８重量％、更により好ましくは０．２重量％～５重量％を構成する。Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールは、組成物の０．２重量％～１０重量％、好ましくは０．２重量％～８重量％、更により好ましくは０．２重量％～５重量％を構成する。また更に、組成物１３は、Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールと、Ｃ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールとの混合物を含んでもよく、この混合物は、組成物の１．５重量％の量である。

Ｃ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールは、Ｃ９～Ｃ１２、好ましくはＣ９～Ｃ１１、より好ましくはＣ１０の非分枝非置換の直鎖状アルケナールである。Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールは、Ｃ５～Ｃ７、好ましくはＣ６の非分枝非置換の直鎖状アルケナールである。使用可能な例示的なＣ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールとしては、限定されるものではないが、下記表１に示すアルケナールが挙げられる。使用可能な例示的なＣ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールとしては、限定されるものではないが、下記表２に示すアルケナールが挙げられる。

表３は、本発明の組成物における使用に適した、Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールとＣ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールとの揮発性アルデヒド混合物を示す。

本発明によるＣ５～Ｃ８の非分枝非置換直鎖状アルケナール及びＣ９～Ｃ１４の非分枝非置換直鎖状アルケナールは、例えば、天然由来の精油又は合成香料、及びそれらのブレンドから選択され得る。例えば、Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換直鎖状アルケナール及びＣ９～Ｃ１４の非分枝非置換直鎖状アルケナールは、トランス配置であってよく、オリーブ（Ｏｌｅａ ｅｕｒｏｐｅａ Ｌ．）の果実及び葉に天然に存在する化合物から選択されてもよい。２－デセン－１－アールは、オリーブ葉精油、コリアンダー葉精油、及びそれらのブレンドから選択される群から得られる。（Ｅ）－２－ヘキセン－１－アール及び／又は（Ｅ）－２－デセン－１－アールは、オリーブ葉精油、コリアンダー葉精油、及びそれらのブレンドから選択される群から得られる。

上記の組成物は、任意選択的に、臭気マスキング剤、臭気遮断剤、及び／又は希釈剤を含むことができる。「臭気遮断」は、人の嗅覚を鈍らせる化合物の能力を指す。「臭気マスキング」は、悪臭化合物をマスキングする又はその臭いを隠す化合物の能力を指す。臭気マスキングは、悪臭化合物を感知する能力を制限するように投与される、不快ではない匂い又は心地よい匂いを有する化合物を含むことができる。臭気マスキングは、予期される悪臭と協調することで臭気化合物の組み合わせによって与えられる全体的な匂いの知覚を変化させる化合物の選択を伴い得る。例示的な希釈剤としては、ジプロピレングリコールメチルエーテル、及び３－メトキシ－３－メチル－１－ブタノール、並びにこれらの混合物が挙げられる。組成物はまた、単に快楽効果を与える香料原料（すなわち、細菌増殖を防止しないが、心地よい香りは与える香料原料）を、任意選択的に含んでもよい。組成物１３は、本発明に基づく図に示されるように製品１に含まれてもよい。本発明を詳細に説明する目的で、本発明を、トイレ環境との関連で以下に述べる。しかしながら、本発明は、透過性材料を有し、しかも細菌が付着した表面を含む任意の内部環境において実施され得るということが理解されよう。

製品１は、内部環境内の透過性材料を含む表面上に細菌増殖防止を提供するために、製品１がどのように機能するのかを説明するためには、製品１がどのように作動されるか、そして組成物１３の蒸気放出速度が生み出されるのかを理解することが有用である。本発明による、内部環境における細菌増殖防止方法について、図４Ａ及び図４Ｂを参照しながら説明する。本方法は、上に配置された細菌（図示せず）を有する透過性材料１０２を含む表面１０１を含む内部環境１００内に、抗菌エアフレッシュニング製品１を提供することを含む。内部環境１００は、自然対流条件下にある。

図４Ａ及び図４Ｂでは、製品１は、内部環境１００内で支持体１０３上に配置されたときには、実質的に垂直位置にある。容器１０は、組成物１３で部分的に充填されている。図４Ａは、組成物１３Ａの液相１３Ａ及び／又は組成物１３の蒸気１３Ｂが膜１２を通過して内部環境１００の中に入るように、膜１２の少なくとも一部が濡れた状態になっている、本方法の第１の工程４Ａを示す。図４Ｂは、蒸気１３Ｂの分子が、上に配置された細菌を有する透過性材料１０２上に付着される、本方法の第２の工程４Ｂを示す。

図４Ａを参照すると、組成物１３の液相１３Ａは、膜１２内に充分に高い濃度の分子が吸収されるまで、膜の第１の表面１２１から膜１２を通過する。組成物１３の液相１３Ａは、膜１２の細孔内への組成物１３の毛管流によって、膜１２を濡らすことができる。膜１２が濡れると、組成物１３の液相１３Ａが膜の第２の表面１２２の近く又は第２の表面１２２に配設されているため、膜の第２の表面１２２の近くにある分子が、自然対流条件下で膜の第２の表面１２２から蒸発するのに十分な運動エネルギーを得て、組成物の気相になり（「気化」）、図４Ａ及び図４Ｂに示されるように、内部環境１００内へと通過する蒸気１３Ｂを形成する。

図４Ｂは、蒸気１３Ｂが内部環境１００内に形成され、蒸気１３Ｂの分子が、内部環境１００内に配設された透過性材料１０２を含む表面１０１上に付着される、本方法の第２の工程４Ｂを示す。透過性材料１０２は、その上に配置された細菌を有する。具体的には、蒸気１３Ｂは、図４Ｂに示されるように蒸気分子１３Ｃが透過性材料１０２上に付着するような濃度にまで、蒸気１３Ｂ中の分子の濃度レベルを上昇させるのに充分である有効な時間にわたって、内部環境１００内に形成される。付着した蒸気分子１３Ｃの量には、表面１０１上の透過性材料１０２上に配置された細菌の増殖を防止するために有効な量の、Ｃ５～Ｃ８の非置換かつ非分枝の直鎖状アルケナール及びＣ９～Ｃ１４の非置換かつ非分枝の直鎖状アルケナールが含有されている。したがって、本発明は、実施例Ｉ～ＶＩのそれぞれ対応する表に相当する図１０～図１５に記載されているように、異なる処理済透過性材料において異なる細菌の各々の低減された細菌活性レベルを達成する。細菌は、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、Ｐ．ｍｉｒａｂｉｌｉｓ、大腸菌、Ｅｎｔｅｒｏｃｏｃｃｕｓ ｈｉｒａｅからなる群から選択され得る。「実施例」に示されるように、組成物は、１～２４時間の期間の終点で、好ましくは１８～２４時間の期間の終点で、より好ましくは１８時間の期間の終点で、少なくとも１、好ましくは少なくとも２、より好ましくは少なくとも３の抗菌活性値を有し得る。内部環境は、浴室、トイレ、ロッカー室、家庭用品保管用家具、ペット用トイレ、猫砂、ペットケージ、ペットキャリアからなる群から選択され得、好ましくは内部環境は、浴室又はトイレである。

内部環境は、布地、乾式壁、織布、紙、天然ポリマー、合成ポリマー、及び無機材料、並びにこれらの混合物からなる群から選択される透過性材料を有する表面を含んでもよく、好ましくは、透過性材料は、テリータオル、綿、ビニル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。

上記の本発明の方法を用いることで、自然対流条件下で実質的に連続して、細菌増殖防止用のエアフレッシュニング組成物を送達することができる。

図５は、本発明による製品１の更なる例示的な実施例の前方斜視図を示し、図６は、製品１の後方斜視図を示す。図７は、図５及び図６の製品１の内部構成要素を示す。図５、図６、及び図７の製品１は、図３の製品１と実質的に同じ特徴を備え、以下に述べる更なる構成要素を有する。図５及び図６を参照すると、製品１は、装置２を備え、装置２は、フロントカバー４０１及びリアフレーム４０２を有するハウジング４０を含み、フロントカバー４０１とリアフレーム４０２とが、内部空間を画定している。ハウジング４０は、ハウジング底面４２を備えてもよく、ハウジング底面４２は、内部環境内の支持体上に製品１を垂直方向に支持するように構成されている。

リアフレーム４０２には、リアフレーム４０２の実質的に中央に位置しているフレーム開口部４０３（以下、「開口部」）が設けられている。ハウジング４０に対して移動可能なアクチュエータ４０４が、製品１を作動させるために提供される。アクチュエータ４０４は、開口部４０３内部に配設されている押しボタン４０４（以下、「ボタン」）であってもよく、リアフレーム４０２に対して移動可能であり、製品１をユーザが作動させるのを可能にする。組成物１３を含有する容器１０は、ハウジング４０内に位置している。フロントカバー４０１は、容器１０を表示するように構成されているウインドウ４０５を備える。リアフレーム４０２は、フレーム開口４０３から離間した１つ以上の開口４０６を備え、開口４０６は、膜１２の蒸発表面エリアを環境に露出させるためのものである。

組成物１３が液体の揮発性組成物である場合、製品１は、製品１が作動されるまで組成物１３が放出されることを防止するために、リザーバ１１に封止可能に取り付けられ、かつリザーバ１１を覆う、破裂可能な基材１４を備えることができる。破裂可能な基材１４に隣接して位置している破裂機構６１を作動することにより、破裂可能な基材１４が破裂して、組成物１３を放出することができる。破裂機構６１は、弾性部材６４によって外側フレーム６３に移動可能に取り付けられた移動可能部材６２を備えている。弾性部材６４は、１つ以上のばね６５から形成することができる。１つ以上の破裂要素６６は、破裂可能な基材１４に穴を空けるための破裂機構６１内に配置される。破裂要素６６は、ピンであってよい。図２及び図７を参照すると、膜１２は、容器１０の外周１０４に位置するフランジ６７に封止可能に取り付けることができる。膜１２は、容器１０、組成物１３、破裂可能な基材１４、及び破裂機構６１を取り囲んでいる。膜１２は、ボタン４０４を通して圧力又は作動力が膜１２上に加えられるときに、屈曲するように構成することができる。図７の膜１２は、２７ｃｍ^２の蒸発表面積を含み得る。

図８を参照すると、製品１を作動させるために、ユーザは、ボタン４０４を（容器の前端に向かう方向Ｘの、膜１２の偏位を通じて）破裂機構６１と接触するまで押下し、破裂機構６１上の破裂要素６６が、破裂可能な基材６０を貫通する。破裂可能な基材１４に穴が貫通すると、組成物１３が容器１０から流れ出して膜１２を濡らし、次いで、膜１２からの蒸発により、周囲の雰囲気中に送達される。具体的には、膜１２が濡れるのは、材料１３の液相が、膜の第１の表面１２１の少なくとも一部と接触して広がるときである。膜１２は、組成物１３の液相が膜１２から流出することを防ぐように構成されるが、組成物１３の気相が膜の第２の表面１２２から蒸発し、組成物１３が環境に送達されるのを可能とする。

組成物１３は、芯を通して送達されてもよく、芯は、様々な異なる形状及びサイズを有するように構成され得る。例えば、芯は、円筒形状又は直方体形状を有してもよい。芯は、その形状に応じて、長さと、直径又は幅とによって規定され得る。芯は、様々な長さを有し得る。例えば、芯の長さは、約１ミリメートル（「ｍｍ」）～約１００ｍｍ、又は約５ｍｍ～約７５ｍｍ、又は約１０ｍｍ～約５０ｍｍの範囲であり得る。芯は、様々な直径又は幅を有し得る。例えば、芯の直径又は幅は、少なくとも１ｍｍ、又は少なくとも２ｍｍ、又は少なくとも３ｍｍ、又は少なくとも４ｍｍであり得る。芯は、ある密度を呈し得る。芯密度は、約０．１００グラム／ｃｍ^３（「ｇ／ｃｃ」）～約１．０ｇ／ｃｃの範囲であってよい。芯は、多孔質又は半多孔質の基材を含み得る。芯は、様々な材料及び構築方法で構成され得るが、例としては、オーバーラップ（例えば、不織布シートオーバーラップ）を介して様々な形状に圧縮及び／若しくは形成される束ね繊維、又はＰＥ、ＨＤＰＥ、若しくは他のポリオレフィンなどの焼結プラスチックで作製される束ね繊維が挙げられるがこれらに限定されない。例えば、芯は、ポリエチレン又はポリエチレンブレンドなどのプラスチック材料から作製され得る。

図９は、本発明によるエアフレッシュニング製品１の変形例を示す。図９の製品１は、装置の設計を除いて、図５の製品１と実質的に同じ構成要素を備える。具体的には、図９の装置２は、プッシュボタンを備えず、図５の製品１のハウジング４０とは異なるハウジングの設計を有している。その設計では、図９のハウジング４０は、ディスク状の形状を有し、ハウジング４０の側面にハウジング側部開口部４４を有し、その結果、組成物１３は、ハウジング４０の側部から、ハウジング側部開口部４４を通って送達され得る。トイレ環境などの内部環境におけるこの構成のエアフレッシュニング製品１の利点は、テーブルトップの空間が限られている場合、製品１が、従来の真空吸引カップを介して壁表面に取り付けることができ、製品１を壁面の近くに配置できることである。あるいは、製品１は、ハウジング４０のハウジング底面４２上に配置することによって、内部環境内において、支持体上で水平方向に支持され得る。

本発明の製品１は、フレッシュニング組成物１３が膜１３から蒸発して、細菌が付着した表面と接触することができる限り、フレッシュニング組成物１３を雰囲気及び／又は表面に送達して、表面上における細菌の増殖を防止するための様々な用途で使用されるように構成することができる。

したがって、膜１２の具体的な物理的特性は、蒸気不透過性基材１４を剥離することによって、又は蒸気不透過性基材１４を破断させることによって作動されるように設計された製品１の、具体的な所望の用途に基づいて選択してもよい。着脱可能に取り付けられるように設計された膜及び蒸気不透過性基材は周知のものであり、更に説明することはしない。製品１が、蒸気不透過性基材１４を破断させることによって作動されるように設計された製品１に好適な膜１３及び蒸気不透過性基材１４に好適な物理的パラメータの例を以下の説明において述べる。

膜１３は微多孔質膜とすることができ、約０．０１～約１ミクロン、約０．０１～約０．０６ミクロン、約０．０１～約０．０５ミクロン、約０．０１～約０．０４ミクロン、約０．０１～約０．０３ミクロン、約０．０２～約０．０４ミクロン、又は約０．０２ミクロンの平均孔径を有することができる。更に、膜１２は、技術分野で周知の任意の好適な充填剤及び可塑剤で充填されてもよい。充填剤としては、微粉砕シリカ、クレイ、ゼオライト、カーボネート、活性炭、及びこれらの混合物を挙げることができる。充填された膜の一例としては、米国特許第７，４９８，３６９号に記載のものなどの、シリカで充填された超高分子量ポリエチレン（ultra-high molecular weight polyethylene、ＵＨＭＷＰＥ）膜がある。任意の好適な充填材料及び重量％を使用することができるが、シリカの一般的な充填率（％）は、膜の総重量の約５０％～約８０％、約６０％～約８０％、約７０％～約８０％、又は約７０％～約７５％とすることができる。好適な膜厚の例としては、約０．０１ｍｍ～約１ｍｍ、約０．１ｍｍ～０．４ｍｍ、約０．１５ｍｍ～約０．３５ｍｍ、又は約０．２５ｍｍが挙げられるが、これらに限定されない。また更に、膜１２の蒸発表面積は、約２ｃｍ^２～約１００ｃｍ^２、約２ｃｍ^２～約２５ｃｍ^２、約１０ｃｍ^２～約５０ｃｍ^２、約１０ｃｍ^２～約４５ｃｍ^２、約１０ｃｍ^２～約３５ｃｍ^２、約１５ｃｍ^２～約４０ｃｍ^２、約１５ｃｍ^２～約３５ｃｍ^２、約２０ｃｍ^２～約３５ｃｍ^２、約３０ｃｍ^２～約３５ｃｍ^２、又は約３５ｃｍ^２とすることができる。膜１２は、２ｃｍ^２～８０ｃｍ^２、好ましくは５ｃｍ^２～５４ｃｍ^２、より好ましくは６ｃｍ^２～２７ｃｍ^２、更により好ましくは７ｃｍ^２～１０ｃｍ^２の蒸発表面積を有し得る。

蒸気不透過性基材１４は、所定の力を加えることによって破断させることができる（かかる破断を助ける破断要素などの要素の有無によらず）任意の材料で形成することができる。製品１が使用されていないときに蒸気不透過性基材４０が組成物１３を含有することが意図された実施形態では、蒸気不透過性基材１４は、組成物１３の蒸発を低減又は防止する任意の好適なバリア材料で形成してよい。かかる材料は、蒸気及び液体に対して不透過性とすることができる。蒸気不透過性基材１４に好適なバリア材料としては、ポリマーフィルム、ウェブ、箔、及び箔／ポリマーフィルム積層体などの複合材料などの、コーティングされた又はコーティングされないフィルムが挙げられるが、それらに限定されない。バリア材料として使用することが可能な箔の例としては、ニトロセルロース保護ラッカー、ポリウレタンプライマー、及びＡｌｃａｎ Ｐａｃｋａｇｉｎｇ社より販売される１５ｇ／ｍ２のポリエチレンコーティング（Ｌｉｄｆｏｉｌ １１８－００９２）を含む、ミクロン単位のアルミニウム箔がある。好適なポリマーフィルムとしては、限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート（polyethylene terephtalate、ＰＥＴ）フィルム、アクリロニトリルコポリマーバリアフィルム（例えば、ＩＮＯＥＳ社より商標名Ｂａｒｅｘ（登録商標）で販売されるものなど）、エチレンビニルアルコールフィルム、及びそれらの組み合わせが挙げられる。コーティングされたバリアフィルムを蒸気不透過性基材１４として使用することも考えられる。かかるコーティングされたバリアフィルムとしては、限定されるものではないが、金属化ＰＥＴ、金属化ポリプロピレン、シリカ又はアルミナコーティングフィルムが挙げられる。

以下の実施例は、本発明をより完全に説明することを意図しており、本発明の範囲から逸脱することなく、その多くの変形例が可能であるので、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。

本明細書における全ての部、百分率、及び比率は、別途指定されない限り、重量％として表される。

試験機器／材料及び試験フレッシュニング組成物を、まず見出し「材料」の下において説明し、次いで、「試験方法」を示し、最後に結果を論じる。本発明のフレッシュニング組成物が、内部環境内の透過性材料を含む表面上に改善された抗菌効果を有することを、実証するデータが提供される。以下に説明する「試験方法」で使用する機器及び材料を、下記表４に列挙する。本発明の組成物の配合を、下記表５に示す。各組成物は従来の方法を用いて調製される。

以下の「実施例」では、評価されたフレッシュニング製品は、トイレの消臭剤などの消費者製品として設計され、その製品は、トイレ内でフレッシュニング組成物を蒸発させて、透過性の無生物表面上での細菌増殖の防止、トイレ内の空気のフレッシュニング、悪臭除去、又は芳香付与などの様々な利益をもたらすためのものである。したがって、機器は、トイレ内の状態を模倣するように設計されてきた。しかしながら、製品は、様々な用途で使用されてフレッシュニング組成物を送達することで、家庭内及び商業施設内の個人用品目保管用家具などの内部環境に利益をもたらすように構成され得、製品としては、例えば、エアフレッシュニング製品、エアフレッシュナー、消臭剤などの消費者製品が挙げられ得るが、それらに限定されないことが想定される。したがって、内部環境がシューキャビネットなどの、異なる容積を有する異なる用途では、機器、材料、及び方法をそれに応じて修正することができ、本発明のフレッシュニング組成物が、異なる容積の内部環境内の透過性材料を含む表面上に、改善された抗菌効果を有していることを実証できるということが理解されよう。

材料

表５に、評価を行う４種類のフレッシュニング組成物を示す。本発明の組成物１、２、及び３は、Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナール（例としては、（Ｅ）－２－ヘキセン－１－アール、ＣＡＳ番号６７２８－２６－３）と、Ｃ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナール（例としては、（Ｅ）－２－デセン－１－アール、ＣＡＳ番号３９１３－８１－３）とを、それぞれ異なる濃度で、かつ重量比１：１で混合した混合物を含有する、本発明の組成物である。

本発明の組成物４は、Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナール（例としては、（Ｅ）－２－ヘキセン－１－アール）と、Ｃ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナール（例としては、（Ｅ）－４－デセン－１－アール）とを、それぞれ異なる濃度で、かつ重量比１：１で混合した、揮発性アルデヒド混合物を含有する本発明の組成物である。

^＊アコード成分は、製造業者によって開示されていない。

（複数の）試験方法
Ａ．ＪＩＳ Ｌ１９０２：２０１５繊維－繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果（以下、「ＪＩＳ Ｌ １９０２法」）
「繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果」と題する日本産業規格（ＪＩＳ）Ｌ １９０２法は、所定の期間にわたって細菌増殖を防ぐ目的で、抗菌剤によって処理された布地及び繊維の抗菌活性を試験するために使用される、既知のＪＩＳ方法である。ＪＩＳ Ｌ １９０２法では、３つの主要なタイプの試験がある：
１）ＪＩＳ Ｌ １９０２菌液吸収法－定量試験
２）ＪＩＳ Ｌ １９０２菌転写法－定量試験
３）ＪＩＳ Ｌ １９０２ハロー法－定性試験

例えば、ＪＩＳ Ｌ １９０２法は、オンラインで、例えば、ｈｔｔｐｓ：／／ｗｅｂｄｅｓｋ．ｊｓａ．ｏｒ．ｊｐ／ｂｏｏｋｓ／Ｗ１１Ｍ００７０／ｉｎｄｅｘで容易に購入できるので、ＪＩＳ Ｌ １９０２法はここで詳しく説明しない。ＪＩＳ Ｌ １９０２菌液吸収法を使用するが、以下に記載されるエアフレッシュニング製品の抗菌有効性を評価するためのＰ＆Ｇ試験方法の工程のうちの１つで詳述する。

Ｂ．エアフレッシュニング製品の抗菌有効性を評価するためのＰ＆Ｇ試験方法
この試験方法は、例えば、トイレを含む浴室などの内部環境における細菌増殖を低減する際のエアフレッシュニング製品の抗菌効果を評価するためのものである。

本試験方法は、以下の試験条件下で、試験チャンバ内で実行される。
ａ）平均換気回数範囲は、１時間当たり１～２回である
ｂ）平均温度は、２３℃±０．１℃である
ｃ）平均相対湿度は、６０％±５％である。

上記の試験方法を実行するための工程には以下が含まれる。
１．０．４ｇの透過性材料（例えば、透過性材料Ａ）を、試験チャンバ内の空のペトリ皿に入れ、上記条件で２４～７２時間インキュベートして、対照例の未処理の透過性材料Ａ０を得る。
２．０．４ｇの透過性材料Ａを、本発明のエアフレッシュニング製品１を備えた試験チャンバ内の空のペトリ皿に入れ、上記条件で２４～７２時間インキュベートして、処理済透過性材料Ａ１を得る。工程１を、本発明のエアフレッシュニング製品１、２、及び３で繰り返して、処理済透過性材料Ａ２、処理済透過性材料Ａ３、処理済透過性材料Ａ４を得る。
３．対照例の未処理の透過性材料Ａ０、処理済透過性材料Ａ１、処理済透過性材料Ａ２、処理済透過性材料Ａ３、及び処理済透過性材料Ａ４を、個別の３０ｍＬのガラスバイアル内に移し、各ガラスバイアルが１種類の透過性材料のみを含有するようにする。
４．ガラスバイアル内の未処理の透過性材料Ａ０、並びに処理済透過性材料１、２、３、及び４の各々は、細菌試料１、細菌試料２、細菌試料３、細菌試料４、及び細菌試料５を使用して、以下に説明されるＪＩＳ Ｌ １９０２菌液吸収試験法に従って評価される。
５．ＪＩＳ Ｌ １９０２菌液吸収試験法に従って、以下の工程を実施する。
（ｉ）細菌試料１、２、３、４、及び５の各々を、個別のＴＳＡプレート上にて３５℃で一晩、１８～２４時間かけて継代培養し、２４時間培養プレートを形成する。
（ｉｉ）上記（ｉ）からの２４時間培養プレートの各々の単一のコロニーを取得し、Ｆａｌｃｏｎ（登録商標）５０ｍＬチューブ内で、２０ｍＬのニュートリエント培地中に懸濁させ、３７℃にて１２０ｒｐｍで振盪しながら一晩インキュベートして、一晩培養物を形成する。
（ｉｉｉ）上記（ｉｉ）からの０．２ｍＬの一晩培養物をＦａｌｃｏｎ（登録商標）５０ｍＬチューブ内の別の２０ｍＬのニュートリエント培地（室温）中に移し、３７℃の温度下において１２０ｒｐｍで振盪しながら３時間インキュベートして、３時間培養物を形成する。
（ｉｖ）９．５ｍＬの滅菌水に、０．５ｍＬの滅菌ニュートリエント培地を添加することにより、５％のニュートリエント培地溶液を調製する。
（ｖ）上記（ｉｖ）からの５％ニュートリエント培地溶液を使用して、上記（ｉｉｉ）からの３時間培養物を希釈して、約１×１０^５ｃｆｕ／ｍＬを有する接種菌液を作製する。
（ｖｉ）細菌の初期菌数を対照化するために、０．２ｍＬの接種菌液を、バイアルに含まれる対照例の処理済透過性材料、本発明の処理済透過性材料１、本発明の処理済透過性材料２、及び本発明の処理済透過性材料３に接種する。
（ｖｉｉ）接種後、ビニルクッションを使用して試験されるときに、無菌プラスチックフィルム（２ｃｍ×２ｃｍ）で、対照例の未処理透過性材料Ａ０、並びに処理済透過性材料Ａ１、Ａ２、Ａ３、及びＡ４を収容しているバイアルの各々を被覆する。
（ｖｉｉｉ）対照例の未処理の透過性材料Ａ０、並びに処理済透過性材料Ａ１、Ａ２、Ａ３、及びＡ４を収容しているバイアルを、３７℃で、１８～２４時間インキュベートする。
（ｉｘ）工程（ｖｉｉｉ）のバイアルの各々に、２０ｍＬのＭＬＢＴを添加して、材料上の香料活性物質を中和し、ボルテックスミキサーで３０秒間振盪する。
（ｘ）生理食塩水を使用して、（ｉｘ）内の細菌集団を連続的に希釈して、ＴＳＡを有するプレート上で、細菌の個体数を減少させて維持する。
（ｘｉ）開始時点（「開始時点」）における細菌数を得るために、プレート上のコロニーを計数する。
（ｘｉｉ）３７℃でプレートを、一晩、２４～４８時間にわたってインキュベートして、視覚的に検出可能な量に到達させる。
（ｘｉｉｉ）開始時点から１８時間経過した終点で、肉眼で観察することによって、各ＴＳＡプレート上に現れるコロニーを計数して、未処理の透過性材料の細菌数及び処理済透過性材料の細菌数を得る。

ある特定の時点Ｔ（例えば、１８時間後）における抗菌活性値は、以下の式に従って決定され得る：
時点Ｔにおける抗菌活性値＝未処置の透過性材料の細菌数（時点Ｔでのｌｏｇ ｃｆｕ）－処理済透過性材料の細菌数（時点Ｔでのｌｏｇ ｃｆｕ）

上記の未処理の透過性材料及び処理済透過性材料は、同じタイプの材料である。抗菌活性値は、未処理の透過性材料と比較して、特定の処理済透過性材料が、細菌の増殖を防止するのにどの程度効果的であるかの測定可能な値に対応する。したがって、抗菌活性値が高いほど、細菌増殖を防止することにおいて、処理済透過性材料のより高い有効性と相関し、同じ特定の期間の終点で、未処理の透過性材料上で計数された細菌数と比較して、処理済透過性材料上で計数された細菌数の減少に示される。

（実施例Ｉ）
本発明のエアフレッシュニング製品１、２、３、及び４が、細菌試料１及び透過性材料Ｃ（金巾）に基づく試験方法の下で、エアフレッシュニング製品の抗菌有効性を評価するためのＰ＆Ｇ試験方法に従って評価される。

以下の表６は、それぞれ本発明のエアフレッシュニング製品１、２、３及び４で処理された処理済の透過性材料Ｃ並びに未処理の透過性材料Ｃの、１８時間の時点で測定された抗菌活性値を示す。図１０は、表６に対応するグラフである。表６はまた、未処理の透過性材料Ｃ０と比較して、本発明のエアフレッシュニング製品１、２、及び４でそれぞれ処理した処理済透過性材料Ｃの抗菌活性値を含み、未処置の透過性材料Ｃ００と比較して、本発明の空気フレッシュニング生成物３で処理した処理済透過性材料Ｃの抗菌活性値も含む。

図１０及び表６を参照すると、Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナール（例えば、（Ｅ）－２－ヘキセン－１－アール）と、Ｃ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナール（例えば、２－デセン－１－アール又は４－デセン－１－アール）との揮発性アルデヒド混合物を有する、本発明の組成物１、２、３、及び４でそれぞれ処理された、全ての処理済透過性材料Ｃ１～Ｃ４は、未処理の透過性材料Ｃ０及び未処理の透過性材料Ｃ００と比較して、改善された抗菌活性値を有する。

特に、３％の量のＣ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナール（例えば、（Ｅ）－２－ヘキセン－１－アール）と、３％の量のＣ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナール（例えば、（Ｅ）２－デセン－１－アール）との揮発性アルデヒド混合物を有する本発明の組成物３は、１．９８の抗菌活性値を有する本発明の組成物１（（Ｅ）－２－ヘキセン－１－アールをより少ない量の１％と、（Ｅ）－２－デセナールをより少ない量の１％との同じ揮発性アルデヒド混合物を有する）と比較して、より高い抗菌活性値（４．３９）を可能にする。

Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換直鎖状アルケナール（例えば、（Ｅ）－２－ヘキセン－１－アール）と、Ｃ９～Ｃ１４の非分枝非置換直鎖状アルケナール（例えば、４－デセン－１－アール）との揮発性アルデヒド混合物を有する本発明の組成物４は、最も高い抗菌活性値５．９０を有する。

図１０を参照すると、（点線で示される）処理済透過性材料Ｃ１、Ｃ２、Ｃ３、及びＣ４の細菌数に対応するプロットの各々は、一定期間にわたって、具体的には、０時間の試験の開始から１８時間後まで、すなわち試験の終了時まで、細菌試料１（黄色ブドウ球菌）の活性の減少を示す。全ての対照例の未処理透過性材料Ｃ０、Ｃ００は、逆である。

（実施例ＩＩ）
本発明のエアフレッシュニング製品３が、細菌試料１（黄色ブドウ球菌）及び以下に説明される試験用透過材料に基づく試験方法の下で、前述のエアフレッシュニング製品の抗菌有効性を評価するためのＰ＆Ｇ試験方法に従って評価される。

以下の表７は、組成物の３重量％のＣ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールと、３重量％のＣ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールとの混合物を有する本発明の組成物３を有する、本発明のエアフレッシュニング製品３の抗菌活性値を示す。本発明の組成物３を、異なる試験透過性材料（以下の表７に示すように、処理済透過性材料Ａ３、Ｂ３、Ｃ３、及びＤ３と呼ぶ）に適用し、細菌試料１（黄色ブドウ球菌）に対する抗菌効果を評価する。図１１は、表７に対応するグラフである。

図１１及び表７の結果が示すのは、ｔｒａｎｓ－２－ヘキセナールとｔｒａｎｓ－２－デセナールとの３％の濃度での組み合わせを有するエアフレッシュニング組成物を効果的に気化させて、異なる透過性材料の各々の上に付着させ、各透過性材料上の細菌の増殖を阻害し、処理済透過性材料のうちのいずれか１つについて、少なくとも３の抗菌活性値を達成することができることである。

（実施例ＩＩＩ）
本発明のエアフレッシュニング製品３が、細菌試料２（Ｅ．ｈｉｒａｅ）及び以下に説明される試験用透過性材料に基づく試験方法の下で、前述のエアフレッシュニング製品の抗菌有効性を評価するためのＰ＆Ｇ試験方法に従って評価される。

以下の表８は、組成物の３重量％のＣ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールと、３重量％のＣ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールとの混合物を有する本発明の組成物３を有する、本発明のエアフレッシュニング製品３の抗菌活性値を示す。本発明の組成物３を、以下に示されるように異なる試験透過性材料に適用し、細菌試料２（Ｅ．ｈｉｒａｅ）に対する抗菌有効性を評価する。図１２は、表８に対応するグラフである。

上記の図１２及び表８の結果が示すのは、ｔｒａｎｓ－２－ヘキセナールとｔｒａｎｓ－２－デセナールとの３％の濃度での組み合わせを有するエアフレッシュニング組成物を効果的に気化させて、異なる透過性材料の各々の上に付着させ、各透過性材料上の細菌の増殖を阻害し、処理済透過性材料のうちのいずれか１つについて、少なくとも３の抗菌活性値を達成することができることである。

（実施例ＩＶ）
本発明のエアフレッシュニング製品３が、細菌試料３（Ｐ．ｍｉｒａｂｉｌｉｓ）及び以下に説明される試験用透過性材料に基づく試験方法の下で、前述のエアフレッシュニング製品の抗菌有効性を評価するためのＰ＆Ｇ試験方法に従って評価される。

以下の表９は、組成物の３重量％のＣ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールと、３重量％のＣ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールとの混合物を有する本発明の組成物３を有する、本発明のエアフレッシュニング製品３の抗菌活性値を示す。本発明の組成物３を、以下に示されるように異なる試験透過性材料に適用し、細菌試料３（Ｐ．ｍｉｒａｂｉｌｉｓ）に対する抗菌有効性を評価する。図１３は、表９に対応するグラフである。

上に示す表９の結果は、本組成物の３重量％のそれぞれの濃度でｔｒａｎｓ－２－ヘキセナール及びｔｒａｎｓ－２－デセナールを含む、本発明のフレッシュニング組成物が、細菌試料３（Ｐ．ｍｉｒａｂｉｌｉｓ）に対して、異なる試験透過性材料の各々で、少なくとも５の抗菌活性値を示すことを示している。処理済透過性材料Ｄ３の結果は、未処理の透過性材料Ｄ０と比較して、最も高い抗菌活性値（６．５３）を有する。

図１３を参照すると、処理済透過性材料Ａ３、Ｂ３、Ｃ３、及びＤ３に対応するプロファイルの各々は、それぞれ対応する未処理の透過性材料と比較して、細菌試料３（Ｐ．ｍｉｒａｂｉｌｉｓ）について、実質的に同様の細菌活性の低下速度を示す。

（実施例Ｖ）
本発明のエアフレッシュニング製品３が、細菌試料４（肺炎桿菌）及び以下に説明される試験用透過性材料に基づく試験方法の下で、前述のエアフレッシュニング製品の抗菌有効性を評価するためのＰ＆Ｇ試験方法に従って評価される。

以下の表１０は、組成物の３重量％のＣ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールと、３重量％のＣ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールとの混合物を有する本発明の組成物３を有する、本発明のエアフレッシュニング製品３の抗菌活性値を示す。本発明の組成物３を、以下に示されるように異なる試験透過性材料に適用し、細菌試料４（肺炎桿菌）に対する抗菌有効性を評価する。図１４は、表１０に対応するグラフである。

上に示す結果は、組成物の３重量％のそれぞれの濃度でｔｒａｎｓ－２－ヘキセナール及びｔｒａｎｓ－２－デセナールを含む、本発明のフレッシュニング組成物が、細菌試料４（肺炎桿菌）に対して、異なる試験透過性材料の各々で、少なくとも２の抗菌活性値を示すことを示している。

（実施例ＶＩ）
本発明のエアフレッシュニング製品３が、細菌試料５（大腸菌）及び以下に説明される試験用透過性材料に基づく試験方法の下で、前述のエアフレッシュニング製品の抗菌有効性を評価するためのＰ＆Ｇ試験方法に従って評価される。

以下の表１１は、組成物の３重量％のＣ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールと、３重量％のＣ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールとの混合物を有する本発明の組成物３を有する、本発明のエアフレッシュニング製品３の抗菌活性値を示す。本発明の組成物３を、以下に示されるように異なる試験透過性材料に適用し、細菌試料５（大腸菌）に対する抗菌有効性を評価する。図１５は、表１１に対応するグラフである。

上記の表１１を参照すると、上に示す結果は、組成物の３重量％のそれぞれの濃度でｔｒａｎｓ－２－ヘキセナール及びｔｒａｎｓ－２－デセナールを含む、本発明のフレッシュニング組成物が、細菌試料５（大腸菌）に対して、異なる試験透過性材料の各々で、少なくとも３の抗菌活性値を示すことを示している。

図１５を参照すると、処理済透過性材料の各々は、対応する未処理の透過性材料と比較して、大腸菌の細菌数の減少及び高い抗菌活性値を示す。

特に、処理済透過性材料Ｄ（テリータオル材料）についての結果は、本発明の組成物１、２、３、及び４をそれぞれ有する本発明のエアフレッシュニング製品１、２、３、及び４の全てで、最も高い抗菌活性値を示す。例示的な実施例では、手を洗浄した後に手を乾燥させるために使用されるハンドタオルは、典型的には一定期間トイレ内に配置され、そのハンドタオルの使用が繰り返されるという利点がある。本発明によるエアフレッシュニング製品をトイレ内に提供することにより、ハンドタオル上での細菌の増殖が防止される。

全体として、本発明による、本発明の組成物で処理された処理済透過性材料上での各細菌数の減少、及び処理済透過性材料の各々について高い抗菌活性値という上記の結果は、例えば、トイレ環境などの内部環境において、本発明による本発明のエアフレッシュニング製品を提供することによって、上に付着した細菌を有する透過性材料を含む表面上での細菌増殖を防止する技術的効果が達成されるということを示す。結果として、細菌の増殖を防止することにより、細菌悪臭を低減することができ、それにより、内部環境においてフレッシュニング及び細菌増殖防止という、二重の利益を得ることを可能にする。

本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「４０ｍｍ」と開示された寸法は、「約４０ｍｍ」を意味することが意図される。

相互参照される又は関連する任意の特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献（単数又は複数）と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。

本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。

Claims (13)

1. 非車両環境内の有限体積の空間である内部環境用の抗菌エアフレッシュニング製品（１）であって、前記製品（１）は、送達部材（１２）と流体連通している１ｍＬ～５０ｍＬのフレッシュニング組成物（１３）を含有する容器（１０）を備え、
   前記送達部材（１２）は、前記組成物（１３）の液相を含有し、前記組成物（１３）の前記液相を、前記送達部材（１２）から蒸発させるように構成されており、
   前記組成物（１３）は、界面活性剤を含まず、かつ、前記組成物（１３）の０．５重量％～２０重量％の揮発性アルデヒド混合物を含み、
   前記揮発性アルデヒド混合物は、
   （ｉ）２－ペンテン－１－アール、３－ペンテン－１－アール、４－ペンテン－１－アール、（Ｅ）－２－ヘキセン－１－アール、３－ヘキセン－１－アール、４－ヘキセン－１－アール、２－ヘプテン－１－アール、３－ヘプテン－１－アール、４－ヘプテン－１－アール、２－オクテン－１－アール、３－オクテン－１－アール、４－オクテン－１－アール、及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつトランス配置を有する、Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールと、
   （ｉｉ）２－ノネン－１－アール、３－ノネン－１－アール、４－ノネン－１－アール、５－ノネン－１－アール、２－デセン－１－アール、３－デセン－１－アール、４－デセン－１－アール、５－デセン－１－アール、２－ウンデセン－１－アール、３－ウンデセン－１－アール、４－ウンデセン－１－アール、５－ウンデセン－１－アール、２－ドデセン－１－アール、３－ドデセン－１－アール、４－ドデセン－１－アール、５－ドデセン－アール－１、２－トリデセン－１－アール、３－トリデセン－１－アール、４－トリデセン－１－アール、２－テトラデセン－１－アール、３－テトラデセン－１－アール、４－テトラデセン－１－アール、５－テトラデセン－１－アール、及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつトランス配置を有する、Ｃ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールと、からなり、
   前記Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールと、前記Ｃ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールとの重量比は、３：１～１：３である、製品（１）。
2. 前記Ｃ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールの二重結合は、Ｃ２位又はＣ３位にある、請求項１に記載の製品（１）。
3. 前記Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールの二重結合は、Ｃ２位又はＣ３位にある、請求項１又は２に記載の製品（１）。
4. 前記Ｃ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールは、前記組成物の１重量％～１０重量％を構成する、請求項１～３のいずれか一項に記載の製品（１）。
5. 前記Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールは、前記組成物の１重量％～１０重量％を構成する、請求項１～４のいずれか一項に記載の製品（１）。
6. 前記Ｃ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールは、Ｃ９～Ｃ１２の非分枝非置換の直鎖状アルケナールである、請求項１～５のいずれか一項に記載の製品（１）。
7. 前記Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールは、Ｃ５～Ｃ７の非分枝非置換の直鎖状アルケナールである、請求項１～６のいずれか一項に記載の製品（１）。
8. Ｃ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールは、２－ノネン－１－アール、３－ノネン－１－アール、４－ノネン－１－アール、５－ノネン－１－アール、２－デセン－１－アール、３－デセン－１－アール、４－デセン－１－アール、５－デセン－１－アール、２－ウンデセン－１－アール、３－ウンデセン－１－アール、４－ウンデセン－１－アール、５－ウンデセン－１－アール、２－ドデセン－１－アール、３－ドデセン－１－アール、４－ドデセン－１－アール、５－ドデセン－アール－１、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項１～７のいずれか一項に記載の製品（１）。
9. 前記Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールは、２－ペンテン－１－アール、３－ペンテン－１－アール、４－ペンテン－１－アール、（Ｅ）－２－ヘキセン－１－アール、３－ヘキセン－１－アール、４－ヘキセン－１－アール、２－ヘプテン－１－アール、３－ヘプテン－１－アール、４－ヘプテン－１－アール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項１～８のいずれか一項に記載の製品（１）。
10. 前記Ｃ５～Ｃ８の非分枝非置換の直鎖状アルケナールと、前記Ｃ９～Ｃ１４の非分枝非置換の直鎖状アルケナールとの重量比は、２：１～１：２である、請求項１～９のいずれか一項に記載の製品（１）。
11. 前記内部環境は、浴室、トイレ、ロッカー室、家庭用品保管用家具、ペット用トイレ、猫砂、ペットケージ、ペットキャリアからなる群から選択される、請求項１～１０のいずれか一項に記載の製品（１）。
12. 前記内部環境（１００）は、布地、乾式壁、織布、紙、天然ポリマー、合成ポリマー、及び無機材料、並びにこれらの混合物からなる群から選択される透過性材料（１０２）を有する表面（１０１）を含む、請求項１～１１のいずれか一項に記載の製品（１）。
13. 前記送達部材（１２）は膜（１２）であり、前記膜（１２）は、２ｃｍ²～８０ｃｍ²の蒸発表面積を含む、請求項１～１２のいずれか一項に記載の製品（１）。