JP7463929B2 - 光学スキャナ - Google Patents

光学スキャナ Download PDF

Info

Publication number
JP7463929B2
JP7463929B2 JP2020165998A JP2020165998A JP7463929B2 JP 7463929 B2 JP7463929 B2 JP 7463929B2 JP 2020165998 A JP2020165998 A JP 2020165998A JP 2020165998 A JP2020165998 A JP 2020165998A JP 7463929 B2 JP7463929 B2 JP 7463929B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
optical scanner
unit
phase
phase shift
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020165998A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022057637A (ja
Inventor
智博 守口
雄一 豊田
太郎 別府
光 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2020165998A priority Critical patent/JP7463929B2/ja
Priority to PCT/JP2021/034109 priority patent/WO2022070949A1/ja
Publication of JP2022057637A publication Critical patent/JP2022057637A/ja
Priority to US18/191,355 priority patent/US20230236472A1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP7463929B2 publication Critical patent/JP7463929B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/29Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the position or the direction of light beams, i.e. deflection
    • G02F1/292Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the position or the direction of light beams, i.e. deflection by controlled diffraction or phased-array beam steering
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S7/00Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00
    • G01S7/48Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00 of systems according to group G01S17/00
    • G01S7/481Constructional features, e.g. arrangements of optical elements
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/10Scanning systems
    • G02B26/106Scanning systems having diffraction gratings as scanning elements, e.g. holographic scanners
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/29Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the position or the direction of light beams, i.e. deflection
    • G02F1/295Analog deflection from or in an optical waveguide structure]
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B10/00Transmission systems employing electromagnetic waves other than radio-waves, e.g. infrared, visible or ultraviolet light, or employing corpuscular radiation, e.g. quantum communication
    • H04B10/11Arrangements specific to free-space transmission, i.e. transmission through air or vacuum

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Radar, Positioning & Navigation (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)
  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)

Description

本開示は、光フェーズドアレイを用いる光学スキャナに関する。
光フェーズドアレイ(以下、OPA)を用いて、ビーム形成及びビームステアリングを行う技術が知られている。OPAは、Optical Phased Arrayの略である。OPAでは、光を放射する複数のアンテナエレメントを有するアンテナアレイを用い、各アンテナエレメントに与える位相シフト量をそれぞれ制御する。
ビームステアリングのために各アンテナエレメントに与える位相シフト量は、アンテナアレイの配置及び使用する光の波長によって理論的に一意に定まる。しかし、光源から各アンテナエレメントに到る導波路の特性が温度変化等によって変化すると、各アンテナエレメントに与えられる位相シフト量に誤差が発生し、ビームプロファイル及び出射角度等について必要な性能を得られなくなる。
これに対して、下記特許文献1には、個々のアンテナエレメントに供給された光の位相を監視する位相モニタを設置し、モニタ値が目標値と一致するように、各アンテナエレメントに接続された導波路を通過する光の位相をフィードバック制御する技術が提案されている。
米国特許出願公開第2020/0158839号明細書
しかしながら、発明者の詳細な検討の結果、以下の課題が見出された。
すなわち、OPAは、PICと呼ばれる基板上に形成される。PICは、Photonic Integrated Circuitの略である。OPAを車載LiDARに適用した場合、周囲温度環境やその他実装部品の発熱により、PIC基板に歪み(例えば、基板の反り等)が生じることが想定される。LiDARは、Light Detection and Rangingの略である。基板の歪みが生じると、アンテナエレメントの配置が3次元的に変化することで、ビームプロファイルの崩れやビーム出射角度のずれが発生する。従来技術では、アンテナエレメントの3次元的な配置が一定であることを前提とした技術であるため、アンテナエレメントの3次元的な配置に影響を与える基板の歪みに起因した誤差に対処できない。
本開示の1つの局面は、光フェーズドアレイを用いる光学スキャナにおいて、アンテナエレメントの配置の変化に基づく誤差を補正する技術を提供する。
本開示の一態様は、光学スキャナであって、受光部(3,3B)と、基準光照射部(6)と、受光側補正部(7:S200~S260)と、を備える。
受光部は、複数の分岐光の位相を、走査用位相量を用いて個別に制御することによって、光ビームによる走査を実現するように構成された光フェーズドアレイを有する。基準光照射部は、基準光を発生させて受光部に照射するように構成される。受光側補正部は、基準光が入射された受光部での検出結果から、受光部を実装する基板の歪みによって、複数の分岐光に生じる位相ずれ量を推定し、推定される位相ずれ量が小さくなるように複数の
分岐光に付与する位相調整量を設定する。
このような構成の光学スキャナによれば、光フェーズドアレイを有する受光部のビームプロファイルやビーム照射方向の校正に用いる位相調整量の算出に、受光部の外部に設けられた基準光照射部からの基準光を用いる。従って、複数の分岐光を伝送する導波路間の特性が異なる等の内的要因による位相ずれ量だけでなく、受光部を実装するPIC基板が歪む等の外的要因による位相ずれ量を検出できるため、内的要因及び外的要因のいずれの影響も除去できる。
また、光学スキャナによれば、温度環境変化に伴う基板歪みがビームプロファイル及びビーム照射方向に与える影響を抑制できるため、厳しい温度環境下での作動が要求される車載LiDAR等に適用できる。
第1実施形態の光学スキャナの構成を示すブロック図である。 光フェーズドアレイの原理を示す説明図である。 光フェーズドアレイの照射パターンを示すグラフである。 基板の歪みがビームプロファイルに与える影響を示す説明図である。 基板の歪み方とビームプロファイルとの関係を示す説明図である。 第1実施形態における通常処理のフローチャートである。 第1実施形態における補正処理のフローチャートである。 基準光照射部からOPAに至る光経路にミラーを設けた例を示す説明図である。 基準光照射部からOPAに至る光経路にプリズムを設けた例を示す説明図である。 基準光照射部からOPAに至る光経路にレンズを設けた例を示す説明図である。 基準光の波面のバリエーションを示す説明図である。 第2実施形態における補正処理のフローチャートである。 第2実施形態の変形例における補正処理のフローチャートである。 第3実施形態における補正処理のフローチャートである。 第4実施形態の光学スキャナの構成を示すブロック図である。 第5実施形態の光学スキャナの構成を示すブロック図である。 第5実施形態における発光側補正処理のフローチャートである。 第6実施形態の光学スキャナの構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示す第1実施形態の光学スキャナ1は、光源2と、光フェーズドアレイ(即ち、OPA)3と、ディテクタ4と、位相コントローラ5と、基準光照射部6と、信号処理部7とを備える。
光学スキャナ1は、筐体10に収納され、筐体10の前壁に形成された開口部11から光を照射する。開口部11は、OPA3から照射される光ビームによって走査が行なわれる角度範囲(すなわち、走査範囲)であるFOVを妨げることがない大きさを有する。FOVは、Field Of Viewの略である。
光源2は、レーザ光を発生させるデバイスである。ここでは、FM変調された1.5μ
m帯又は1.3μm帯の波長を有する連続波が用いられる。
OPA3は、光の回折・干渉を利用して、光ビームの断面形状(すなわち、ビームプロファイル)や照射方向を制御するデバイスである。OPA3は、スプリッタ31と、位相シフタ32と、アンテナアレイ33とを備える。OPA3は、光源2と共に単一のPIC基板上に実装されてもよい。
スプリッタ31は、光源2からの入射光を複数の導波路で構成された導波路アレイに分配する。また、スプリッタ31は、導波路アレイからの入射光を混合した混合光を生成する。この混合光は、光源2からの入射光とともに光をディテクタ4に入射される。
位相シフタ32は、導波路アレイを構成する複数の導波路それぞれに設けられ、位相コントローラ5からの指示に従い、電気光学効果や熱光学効果等を利用して導波路の屈折率を変化させることで、各導波路を通過する光の位相を個別に変化させる。
アンテナアレイ33は、一定間隔で配置されたK個(例えば、K=数百~数千程度)のアンテナエレメント(以下、エレメント)を有する。導波路アレイにおいてスプリッタ31との接続端とは反対側の端部を個々のエレメントとして用いてもよい。
アンテナアレイ33は、導波路アレイから供給される光をFOVに向けて照射すると共に、FOVから到来する光を受光して、導波路アレイに供給する。なお、アンテナアレイ33は、光を回折・干渉させる回折格子を介して光の照射及び受光を行うように構成されてもよい。
OPA3は、図2に示すように、識別子kで特定されるエレメントからの放射によるθ方向の電場Ekは、(1)式で表される。但し、E0は電場振幅、EF(θ)はエレメント単体の指向性(すなわち、照射パターン)を表すエレメントファクタである。λは波長、θは電波面進行/到来方向、dkはkで特定されるエレメントの基準エレメントからの距離、φkは位相シフタ32によってkで特定されるエレメントに与えられる位相である。なお、基準エレメントは、アンテナアレイ33の一端(例えば、図2では左端)に位置するエレメントでありk=0で表される。以下、基準エレメントに近いものから順にkの値が大きくなる。
Figure 0007463929000001
K個のエレメントを有するアンテナアレイ33全体で作られるθ方向の合成電場Esum(θ)は、(2)式で表される。但し、AF(θ,λ)は、アンテナアレイ33全体の指向性を表すアレイファクタであり、(3)式で表される。
Figure 0007463929000002
(4)式は、(3)式から抽出される位相条件式であり、位相条件式を満たす方向θ0にメインローブが形成される。つまり、位相φkを適切な値にすることで、メインローブが形成される方向θ0を任意に設定できる。但し、mを0以外の整数として、(5)式を満たす場合、θgm方位にも強いピーク、すなわち、グレーティングローブが形成される。
Figure 0007463929000003
従って、OPA3では、図3に示すような、照射パターンが得られる。FOVは、メインローブが形成される方向θ0を中心として、m=±1のグレーティングローブが形成される方向θgmを含まない範囲に設定されることが一般的であるが、グレーティングローブを利用し、FOVを広げる場合もあり、前記範囲に限らない。
ディテクタ4は、フォトダイオード等の受光素子を用いて構成され、OPA3で受光及び混合されることで生成される混合光を電気信号に変換し、受光信号として信号処理部7に供給する。受光信号は、FMCW波の送信波(すなわち、参照波)と受信波の差の周波数成分を有したビート信号となる。
位相コントローラ5は、OPA3による光ビームの照射方向θに応じて、位相シフタ32に与える走査位相量φ(θ)を変化させることで、光ビームによる走査を実現する。走査位相量φ(θ)は、アンテナアレイ33のエレメント毎に設定される位相シフト量φ~φK-1を要素とするベクトルである。走査位相量φ(θ)は、エレメントの配置及びビームの照射方向θに応じて理論的に定まる値である。
位相コントローラ5は、信号処理部7からの指示により調整指示があった場合には、基準光照射部6から基準光が到来する方向をθmとして、調整用位相量φ(θm)を位相シフタ32に与える。
位相コントローラ5は、信号処理部7から供給される位相調整量ψで、走査位相量φ(θ)又は調整用位相量φ(θm)を補正した値を位相シフタ32に与える。位相調整量ψは、エレメント毎に設定される調整量ψ~ψK-1を要素とするベクトルである。位相調整量ψは、OPA3が実装されるPIC基板の歪み等により、アンテナアレイ33の配置が3次元的に変化することによって生じる位相ずれの影響を除去するための調整量である。
基準光照射部6は、図1に示すように、OPA3によって光ビームのメインローブの照射方向を制御可能な角度範囲内であり、且つ、FOVの外側に配置される。具体的は、筐体10において、開口部11が形成された前壁の内壁面等に設置される。基準光照射部6には、例えば、光源2と同じ波長帯のレーザ光を発生させるレーザダイオードが用いられる。
信号処理部7は、CPU71と、例えば、ROM又はRAM等の半導体メモリ(以下、メモリ)72と、を有するマイクロコンピュータを備える。信号処理部7は、通常処理及
び補正処理を少なくとも実行する。メモリ72には、通常処理及び補正処理を実行するためのプログラムの他、補正処理に用いるルックアップテーブル(以下、LUT)が少なくとも記憶される。
[1-2.ビームプロファイル]
ここで、OPA3を実装するPIC基板の歪みが、ビームプロファイルに与える影響について説明する。
ビームプロファイルは、OPA3によって形成される光ビームの特徴を表すものであり、ここでは、ビームの広がり角及びビーム照射方向のうち、少なくとも一つが用いられる。ビームプロファイルは、OPA3を実装するPIC基板が熱等によって歪むことによって、本来の設計値に対するずれが生じる。
具体的には、図4に示すように、PIC基板に歪みがないときの基板面を基準面とし、PIC基板の一端が基準面から離れるようにPIC基板を変形させたときの基準面からの距離を歪量から歪み量とする。歪み量が大きくなるほど、ビームの広がり角が大きくなると共に、ビーム照射方向(すなわち、メインローブの中心方向)のずれ量も大きくなる傾向を有する。
また、図5に示すように、PIC基板の左端が設計値に相当する基準面からプラス方向に歪んだ場合、及びPIC基板の右端が基準面からマイナス方向に歪んだ場合、照射方向はいずれも右方向にずれる。PIC基板の右端が基準面からプラス方向に歪んだ場合、及びPIC基板の左端が基準面からマイナス方向に歪んだ場合、照射方向はいずれも左方向にずれる。
LUTは、PIC基板の歪みに応じてビームプロファイルが設計値から変化すると、ディテクタ4で検出される受光信号から得られる補正用受光情報が変化することを利用して作成される。補正用受光情報としては、例えば、ビート信号の強度や信号の周波数軸上での広がり(例えば、半値幅)が用いられる。
具体的には、位相ずれ量の推定に用いる推定用LUTと、位相調整量ψの更新に用いる更新用LUTと用意される。位相ずれ量とは、PIC基板に歪みがない状態で、各エレメントで検出される光の位相を基準として、PIC基板に歪みがある状態で、各エレメントで検出される光の位相を表したベクトル値である。
推定用LUTは、PIC基板の歪み方と補正用受光情報との関係を予め測定した結果と、PIC基板の歪みによって各エレメント間に生じる位相ずれ量を論理的に算出した結果とを用いて作成され、受光情報と位相ずれ量との対応を表すLUTである。
更新用LUTは、位相ずれ量と、位相調整量ψの更新に用いる修正量Δψとの対応を表すLUTである。修正量Δψは、位相ずれ量をゼロに近づけるために、位相調整量ψの現在値に加える修正量である。
[1-3.処理]
信号処理部7が実行する通常処理を、図6のフローチャートを用いて説明する。
通常処理は、予め設定された通常処理周期で、繰り返し実行される。
S110では、信号処理部7は、位相コントローラ5に走査制御を実行させる指示を出力すると共に、FOVの走査に必要な時間の間、光源2を発光させる指示を出力する。
走査制御の指示を受けた位相コントローラ5は、走査位相量φ(θ)に、補正処理で設
定される位相調整量ψを加えた位相シフト量φ(θ)+ψを、走査位相量φ(θ)を順次変化させながら位相シフタ32に供給する。その結果、OPA3からFOVを走査する光ビームが照射される。
続くS120では、信号処理部7は、ディテクタ4から受光信号を取得し、受光信号から測距用情報を取得する。測距用情報には、例えば、FMCWレーダで用いる、上り変調時及び下り変調時のそれぞれで検出されるビート信号の周波数が含まれる。
続くS130では、信号処理部7は、測距用情報に基づき、FMCWレーダにおける既知の手法を用いて、光を反射した物体までの距離及び相対速度、物体が存在する方位等を含む物標情報を生成して、処理を終了する。
次に、信号処理部7が実行する補正処理を、図7のフローチャートを用いて説明する。
補正処理は、通常処理が実行される毎に、通常処理の前又は後に実行される。これに限らず、補正処理は、通常処理周期より長く設定された補正処理周期毎、或いは光学スキャナ1が起動される毎に実行されてもよい。なお、補正処理を実行する信号処理部7が受光側補正部に相当する。
S210では、信号処理部7は、位相コントローラ5に補正制御を実行させる指示を出力すると共に、基準光照射部6に、補正制御に必要な期間だけ発光させる指示を出力する。
これにより、基準光照射部6からOPA3のアンテナアレイ33に向けて光ビームが照射される。補正制御の指示を受けた位相コントローラ5は、OPA3から見て基準光照射部6が位置する方向をθLとして、補正用位相量φ(θL)に位相調整量ψを加えた位相シフト量φ(θL)+ψを位相シフタ32に供給する。これにより、OPA3は、アンテナアレイ33のビームが基準光照射部6を向いた状態で基準光照射部6から照射される基準光を受光する。
続くS220では、信号処理部7は、ディテクタ4から受光信号を取得し、取得した受光信号から補正用情報を抽出する。
続くS230では、信号処理部7は、S220で抽出した補正用情報と、推定用LUTとを用いて、OPA3を実装するPIC基板の歪みによって生じる位相ずれ量を推定する。
続くS240では、信号処理部7は、S230で推定された位相シフト量が、予め設定された許容範囲内の大きさであるか否かを判定し、許容範囲内であれば処理を終了し、許容範囲を超えていれば、処理をS250に移行する。
S250では、信号処理部7は、S230で推定された位相シフト量と、修正用LUTとを用いて、位相調整量ψの更新に用いる修正量Δψを算出し、算出した修正量Δψを位相調整量ψの現在値に加算することで、位相調整量ψを更新して処理を終了する。
[1-3.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1a)光学スキャナ1では、OPA3のビームプロファイルやビーム照射方向θの校正に用いる位相調整量ψの算出に、OPA3の外部に設けられた基準光照射部6からの基準光を用いる。従って、各エレメントに接続された導波路間の特性が異なる等の内的要因による位相ずれ量だけでなく、OPA3を実装するPIC基板が歪む等の外的要因による位相ずれ量を検出できるため、内的要因及び外的要因のいずれの影響も除去できる。
また、光学スキャナ1によれば、温度環境変化に伴うPIC基板の歪みがビームプロファイル及びビーム照射方向に与える影響を抑制できるため、厳しい温度環境下での作動が要求される車載LiDAR等に適用できる。
(1b)光学スキャナ1では、補正用受光情報から位相ずれ量を推定するとき、及び位相ずれ量から修正量Δψを算出するときに、LUTを用いるため、信号処理部7での処理負荷を削減できる。
[1-4.変形例]
上記実施形態では、基準光照射部6からの基準光が、OPA3に直接入射されるように構成されている。これに対して、例えば、図8に示すように、基準光を反射するミラー61を用い、ミラー61で反射した反射光がOPA3に入射されるように、ミラー61及び基準光照射部6を配置してもよい。
また、例えば、図9に示すように、基準光を透過させることで光経路を屈曲させるプリズム62を用い、プリズム62を透過した基準光が、OPA3に入射されるように、プリズム62及び基準光照射部6を配置してもよい。
また、例えば、図10に示すように、基準光を透過させることでビームを絞るレンズ63を用い、レンズ63を透過した基準光が、OPA3に入射されるように、レンズ63及び基準光照射部6を配置してもよい。
なお、ミラー61、プリズム62、レンズ63、及び基準光照射部6は、いずれもFOVの外部に配置される。また、ミラー61、プリズム62、及びレンズ63は、いずれか二つ、又は三つ全部を組み合わせて用いてもよい。
ミラー61及びプリズム62を用いて光経路を屈曲させる場合、基準光照射部6の配置の自由度を向上させることができる。
レンズ63を用いる場合、基準光の波面を調整することができる。即ち、図11に示すように、レンズ63を使用しない場合、OPA3に入射される基準光は球面波となるが、レンズを使用することによって、球面波を平面波に変換することができる。基準光の波面は、位相ずれ量の推定に必要な受光情報がより得やすいように設定すればよい。
[2.第2実施形態]
[2-1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
前述した第1実施形態では、補正処理において、位相調整量ψを1回だけ算出している。これに対して、第2実施形態では、位相調整量ψを複数回繰り返し算出する点で異なる。
[2-2.処理]
信号処理部7が、図7のフローチャートを用いて説明した補正処理の代わりに実行する補正処理を、図12のフローチャートを用いて説明する。
本実施形態の補正処理では、S240の後にS250が追加されている。
すなわち、S240に続くS250では、信号処理部7は、終了条件を充足しているか否かを判定する。終了条件は、位相調整量ψの更新を繰り返しても位相ずれ量が許容範囲内の値とならないことにより、補正処理を終了できなくなることを防ぐためのステップで
ある。終了条件として、例えば、S210~S240の処理の繰り返し数が上限回数に達することを用いてもよい。
信号処理部7は、終了条件を充足すると判定した場合は、処理を終了し、終了条件を充足しないと判定した場合は、処理をS210に戻す。
つまり、第2実施形態では、位相ずれ量が許容範囲内の値となるか、又は終了条件が充足されるまで、位相調整量ψの更新が繰り返される。
[2-3.効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)(1b)を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
(2a)第2実施形態では、位相ずれ量が許容範囲内の値になるまで位相調整量ψの更新が繰り返されるため、ビームプロファイルの品質、及び走査に用いる光ビームの照射方位の精度を、一定以上に保持できる。
[2-4.変形例]
第2実施形態では、位相調整量ψの更新を単純に繰り返しているが、繰り返すことで得られる位相ずれ量の変化の仕方から、PIC基板の歪み方を推定して、更新に反映させてもよい。
図5に示すように、光ビームの照射方向のずれが同じであっても、PIC基板の歪み方(すなわち、アンテナアレイ33の形成面が凹か凸か)に違いがある。そして、PIC基板の歪み方の違いによって、位相のずれ量の傾向が大きく異なる場合、歪み方によって異なる修正用LUTを用意する必要がある。以下、凸修正用LUT及び凹修正用LUTという。
この場合、信号処理部7が、図7のフローチャートを用いて説明した補正処理の代わりに実行する補正処理を、図13のフローチャートを用いて説明する。
図13のフローチートでは、図12のフローチャートと比較して、S240とS250との間に、S245が追加されている。
すなわち、S240にて、信号処理部7が、位相ずれ量が許容範囲外であると判定した場合、処理をS245に移行する。
S245では、信号処理部7は、今回の補正処理において、S210~S240の処理の繰り返し数が1回目である場合、凹修正用LUT、凸修正用LUTのいずれかを任意に選択する。前回の補正処理において最終的に使用された修正用LUTを選択してもよい。繰り返し数が2回目以降である場合、位相ずれ量の大きさが、前回より増大していれば、修正用LUTの選択に誤りがあるとして、修正用LUTの選択を切り替え、前回より減少していれば、修正用LUTの選択は正しいとして、現在の選択を継続する。
このようにPIC基板の歪み方を推定するステップを加えることで、位相調整量ψの更新精度を向上させることができる。
[3.第3実施形態]
[3-1.第1実施形態との相違点]
第3実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
前述した第1実施形態では、基準光照射部6が一つの基準光源を有する。これに対し、
第3実施形態では、基準光照射部6が複数の基準光源を有する点で、第1実施形態と相違する。
基準光照射部6に属する各光源は、OPA3への基準光の入射角度及び基準光の波面のうち、少なくとも一つが異なるように設定される。基準光の入射角度は、基準光源の配置によって変化させてもよいし、図8及び図9に示したように、ミラー61及びプリズム62を用いることで変化させてもよい。基準光の波面は、例えば、図10に示したように、レンズ63の有無によって変化させてもよい。
[3-2.処理]
信号処理部7が、図7のフローチャートを用いて説明した補正処理の代わりに実行する補正処理を、図14のフローチャートを用いて説明する。
本実施形態の補正処理では、S200,S225が追加され、S230の代わりにS235を実行する。
S200では、信号処理部7は、基準光照射部6に属する複数の光源のいずれか一つを選択する。
続くS210~S220は、先の説明と同様である。但し、S210では、S200で選択された光源を発光させる。
続くS225では、信号処理部7は、S200にて基準光照射部6に属する全ての光源が選択されたか否かを判定し、全ての基準光源が選択されていれば、処理をS230に進め、未選択の基準光源があれば、処理をS200に戻す。
S235では、信号処理部7は、複数の光源を用いて抽出された複数の補正用受光情報を用いて位相ずれ量を推定する。推定には、何らかの方法で統合された補正用受光情報から位相ずれ量を推定してもよいし、複数の受光情報毎に、個別のLUTを用いて算出される複数の位相ずれ量の推定結果を統合することで一つの位相ずれ量を算出してもよい。
続くS240及びS250は、先の説明と同様である。
なお、S240以下の処理は、図12又は図13に示したS240以下の処理と同様に、位相調整量ψの更新を繰り返すように構成されてもよい。
[3-3.効果]
以上詳述した第3実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)(1b)を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
(3a)第3実施形態では、OPA3への入射角又は波面が異なる複数の基準光のそれぞれについて補正用受光情報を抽出し、これら異なる状態で測定された複数の受光情報を用いて位相ずれ量を推定する。つまり、位相ずれ量の推定に、より多くの補正用受光情報を利用できるため、推定精度を向上させることができる。
[4.第4実施形態]
[4-1.第1実施形態との相違点]
第4実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
第1実施形態では、信号処理部7は、補正処理のために、ディテクタ4からの受信信号を用いている。これに対し、第4実施形態では、位相シフタ32からスプリッタ31に入
力される位相調整された分岐光を用いる点で、第1実施形態と相違する。
図15に示すように、第4実施形態の光学スキャナ1aは、第1実施形態の光学スキャナ1の構成に加えて、位相モニタ9を備える。
位相モニタ9は、アンテナアレイ33で受光され、位相シフタ32にて位相調整された複数の分岐光のそれぞれについて、分岐光の位相を検出して、信号処理部7に供給する。
なお、位相モニタ9は、エレメントの数に対応したすべての分岐光の位相をモニタしてもよいし、配列に沿って一定間隔で選択される一部のエレメントに対応した分岐光の位相をモニタしてもよい。すなわち、基板歪みの状態は、隣接するエレメント間で急激な変化を起こす可能性が低いため、必ずしも、全てのエレメントについて分岐光の位相をモニタする必要はない。
[4-3.効果]
以上詳述した第4実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)(1b)を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
(4a)光学スキャナ1aでは、合成される前の分岐光の位相から、位相ずれ量が直接検出されるため、高精度な位相ずれ量を得ることができ、その結果、位相調整量ψを精度よく更新できる。
[5.第5実施形態]
[5-1.第1実施形態との相違点]
第5実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
前述した第1実施形態では、発光及び受光を一つのOPA3を用いて行っている。これに対し、第5実施形態では、発光と受光とで異なるOPA3A,3Bを用いる点で、第1実施形態と相違する。
図16に示すように、第5実施形態の光学スキャナ1bは、OPA3の代わりに、発光側OPA3Aと、受光側OPA3Bと、を備える。また、光学スキャナ1bは、更に、導光部8を更に備える。
発光側OPA3A及び、受光側OPA3Bは、いずれもOPA3と同様の構成を有する。但し、発光側OPA3Aの構成要素は、スプリッタ31A、位相シフタ32A、アンテナアレイ33Aと表記し、受光側OPA3Bの構成要素は、スプリッタ31B、位相シフタ32B、アンテナアレイ33Bと表記する。
光源は、スプリッタ31Aに光を入射し、ディテクタ4は、スプリッタ31Bから合成光を受光するように接続される。
スプリッタ31Aは、光源2からの入射光を複数に分岐する。位相シフタ32Aは、スプリッタ31Aにて分岐された複数の分岐光の位相を、位相コントローラ5からの指示に従って個別に調整する。アンテナアレイ33Aは、位相調整された光を、開口部11を介して筐体10の外部に照射する。
アンテナアレイ33Bは、開口部11を介して筐体10の内部に入射する光を受光する。位相シフタ32Bは、アンテナアレイ33Bを構成する各エレメントにて受光された光の位相を、位相コントローラ5からの指示に従って個別に調整する。スプリッタ31Bは
、位相シフタ32Bにて位相調整された光を一つの信号に合成してディテクタ4に供給する。
位相コントローラ5は、位相シフタ32Aに用いる位相調整量ψAと、位相シフタ32Bに用いる位相調整量ψBとを個別に設定する。位相シフタ32A,32Bは、信号処理部7から、走査制御の指示が入力された場合、共通の走査位相量φ(θ)に、異なる位相調整量ψA,ψBを加算した位相シフト量φ(θ)+ψA、φ(θ)+ψBを用いて制御を実行する。
基準光照射部6は、アンテナアレイ33Bに向けて基準光を照射するように設定される。
導光部8は、例えば、ミラーが用いられ、アンテナアレイ33Aからの照射光を反射し、反射光がアンテナアレイ33Bに入射されるように配置される。
導光部8は、発光側OPA3A及び受光側OPA3Bが形成する光ビームのメインローブの照射方向を制御可能な角度範囲内であり、かつ、FOVの外部に配置される。発光側OPA3Aから見て導光部8が位置する方向をθA、受光側OPA3Bから見て導光部8が位置する方向をθBとする。
[5-2.処理]
光学スキャナ1bでの通常処理は、第1実施形態で説明した通常処理と同様である。
光学スキャナ1bでの補正処理は、2段階に分けて実施される。まず、受光側OPA3Bの位相調整量ψBを算出する受光側補正処理を実行し、その後、発光側OPA3Aの位相調整量ψAを算出する発光側補正処理を実行する。なお、受光側補正処理を実行する信号処理部7が受光側補正部に相当し、発光側補正処理を実行する信号処理部7が発光側補正部に相当する。
なお、受光側補正処理は、第1実施形態で説明した補正処理と同様である。基準光照射部6で発光させた光をアンテナアレイ33Bに受光させ、ディテクタ4からの受光信号によって算出する。なお、受光側補正処理は、第1実施形態で説明した補正処理と同様であるため、説明を省略する。
発光側補正処理を、図17のフローチャートを用いて説明する。なお、発光側補正処理を実行する前には、受信側補正処理が実行されているため、受光側OPA3Bの位相調整量ψBは校正された状態となっている。
S310では、信号処理部7は、位相コントローラ5に発光側の補正制御を実行させる指示を出力すると共に、光源2に、補正制御に必要な期間だけ発光させる指示を出力する。
基準光照射部6からOPA3のアンテナアレイ33に向けて光ビームが照射される。補正制御の指示を受けた位相コントローラ5は、補正用位相量φ(θA)に位相調整量ψAを加えた位相シフト量φ(θA)+ψAを、位相シフタ32Aに供給する。更に、位相コントローラ5は、補正用位相量φ(θB)に位相調整量ψBを加えた位相シフト量φ(θB)+ψBを、位相シフタ32Bに供給する。
これにより、OPA3Aから導光部8に向けて基準光が照射され、導光部8で反射した基準光を、OPA3Bが受光する。
続くS320~S350の処理は、第1実施形態で説明したS220~S250の処理と同様である。但し、S350では、位相調整量ψAが更新される。
[5-3.効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)(1b)を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
(5a)光学スキャナ1bは、基準光照射部6からの基準光を受光側OPA3Bに受光させた結果を用いて、受光側OPA3Bの校正を行う。その後、発光側OPA3Aからの照射光を、導光部8を介して受光側OPA3Bに受光させた結果を用いて、発光側OPA3Aの校正を行う。従って、受光側OPA3Bに起因する位相ずれと、発光側OPA3Aに起因する位相ずれと、を分離して、個別に調整できる。
[5-4.変形例]
発光側補正処理のS340以降の処理は、図12又は図13に示したS240以下の処理と同様に、位相調整量ψの更新を繰り返すように構成されてもよい。
受光側補正処理にて、PIC基板の歪み方を推定するように構成されている場合、その推定結果を、発光側補正処理に利用して、修正用LUTを選択してもよい。すなわち、発光側OPA3Aと、受光側OPA3Bとは、同一のPIC基板上に配置されるため、一方の補正処理での歪み方の推定結果を、他方の補正処理に利用することができる。
導光部8が一つの導光路を形成するように構成されているが、複数の導光路を形成するように構成されてもよい。この場合、各導光路を介して受光側OPA3Bに照射される各調整光は、該調整光の入射角度及び調整光の波面のうち、少なくとも一つが異なるように設定される。調整光の入射角度は、図8及び図9での例示と同様に、ミラー61及びプリズム62を用いることで変化させてもよい。調整光の波面は、例えば、図10での例示と同様に、レンズ63の有無によって変化させてもよい。
[6.第6実施形態]
[6-1.第5実施形態との相違点]
第6実施形態は、基本的な構成は第5実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第5実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
前述した第5実施形態では、発光側OPA3Aを用いて光を照射するように構成されている。これに対し、第6実施形態では、発光側OPA3Aを用いることなく光を照射するように構成されている点で、第5実施形態と相違する。
図18に示すように、第3実施形態の光学スキャナ1cは、発光側OPA3Aの代わりにビームスキャン部35を備える。
ビームスキャン部35は、OPA以外の手法でビームスキャンを実現する既知の機構を有する。ビームスキャン部35は、例えば、光源2から放射された光ビームを絞る光学系と、光学系によって絞られたビームの照射方向を、回転ミラー等を用いて変化させる走査機構とを備えてもよい。
[6-2.処理]
光学スキャナ1cでは、信号処理部7では、受光側補正処理が実行され、発光側補正処理は、省略される。
[6-3.効果]
以上詳述した第6実施形態によれば、発光側に関する効果を除き、第5実施形態と同様の効果を得ることができる。
[7.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は前述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(7a)上記実施形態では、OPA3,3A,3Bのメインローブを向けることが可能な位置に、基準光照射部6及び導光部8を配置しているが、基準光照射部6及び導光部8の配置は、これに限定されるものではない。例えば、メインローブが所定方向(例えば正面方向)にあるときに、グレーティングローブが照射される位置に、基準光照射部6及び導光部8を配置してもよい。
(7b)本開示に記載の信号処理部7及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の信号処理部7及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の信号処理部7及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されてもよい。信号処理部7に含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
(7c)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
(7d)本開示は、前述の光学スキャナの他、当該光学スキャナを構成要素とするシステム、当該光学スキャナの信号処理部としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実体的記録媒体、OPAの位相調整方法など、種々の形態で実現することもできる。
1,1a~1c…光学スキャナ、2…光源、3…光フェーズドアレイ、4…ディテクタ、5…位相コントローラ、6…基準光照射部、7…信号処理部、9…位相モニタ、10…筐体、11…開口部、31…スプリッタ、32…位相シフタ、33…アンテナアレイ、71…CPU、72…メモリ。

Claims (12)

  1. 複数の分岐光の位相を、走査用位相量を用いて個別に制御することによって、光ビームによる走査を実現するように構成された光フェーズドアレイを有する受光部(3,3B)と、
    基準光を発生させて前記受光部に照射するように構成された基準光照射部(6)と、
    前記基準光が入射された前記受光部での検出結果から、前記受光部を実装する基板の歪みによって、前記複数の分岐光に生じる位相ずれ量を推定し、推定される前記位相ずれ量が小さくなるように前記複数の分岐光に付与する位相調整量を設定する受光側補正部(7:S200~S260)と、
    を備える光学スキャナ。
  2. 請求項1に記載の光学スキャナであって、
    前記基準光照射部は、複数の光源を備え、
    前記複数の光源は、前記基準光の前記受光部への入射角度及び前記基準光の波面のうち、少なくとも一つが異なるように設定された、
    光学スキャナ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光学スキャナであって、
    前記基準光照射部は、前記受光部が走査する角度範囲の外側に配置された、
    光学スキャナ。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光学スキャナであって、
    前記受光側補正部は、前記位相調整量の算出を前記位相ずれ量の推定値が予め設定された許容範囲内の値となるまで繰り返し実行し、前記位相ずれ量の推定値の変化から、前記受光部が実装された基板の歪み方を推定するように構成された、
    光学スキャナ。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光学スキャナであって、
    前記受光部とは別体の前記光フェーズドアレイを有する発光部(3A)と、
    前記発光部から照射された光を導いて、該光が前記受光部に入射されるように構成された導光部(8)と、
    前記導光部により導かれた光が入射された前記受光部での検出結果から、前記発光部を実装する基板の歪みによって生じる、前記発光部に属する前記複数の分岐光の前記位相ずれ量を推定し、推定される前記位相ずれ量が小さくなるように前記発光部が扱う前記複数の分岐光に付与する位相調整量を設定するように構成された発光側補正部(7:S310~S350)と、
    を更に備える光学スキャナ。
  6. 請求項5に記載の光学スキャナであって、
    前記導光部は、複数の導光路を備え、
    前記複数の導光路は、該導光路によって導かれた調整光の前記受光部への入射角度及び前記調整光の波面のうち、少なくとも一つが異なるように設定された、
    光学スキャナ。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の光学スキャナであって、
    前記導光部は、前記発光部が形成する光ビームのグレーティングローブが入射されるように構成された、
    光学スキャナ。
  8. 請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載の光学スキャナであって、
    前記導光部は、前記発光部及び前記受光部による走査の対象となる角度範囲の外側に配置された、
    光学スキャナ。
  9. 請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載の光学スキャナであって、
    前記発光部及び前記受光部は、一つの共通基板に実装され、
    前記受光側補正部は、前記位相調整量の算出を前記位相ずれ量の推定値が予め設定された許容範囲内の値となるまで繰り返し実行し、前記位相ずれ量の推定値の変化から、前記共通基板の歪み方を推定するように構成され、
    前記発光側補正部は、前記受光補正部で推定された前記共通基板の歪み方に従って、前記位相調整量を算出するように構成された、
    光学スキャナ。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の光学スキャナであって、
    前記光フェーズドアレイは、
    前記複数の分岐光を伝送する導波路アレイにおける第1の端部に設けられ、前記複数の分岐光への分岐又は前記複数の分岐光を合成するスプリッタ(31)と、
    前記導波路アレイにおける第2の端部に設けられたアンテナアレイ(33)と、
    前記導波路アレイを構成する導波路毎に、該導波路を通過する光の位相を変化させる位相シフタ(32)と、
    を備える光学スキャナ。
  11. 請求項10に記載の光学スキャナであって、
    前記受光部での受光結果として、前記スプリッタで合成された合成光の受光結果を用いるように構成された、
    光学スキャナ。
  12. 請求項10に記載の光学スキャナであって、
    前記受光部での受光結果として、前記スプリッタで合成される前の前記複数の分岐光の受光結果を用いるように構成された、
    光学スキャナ。
JP2020165998A 2020-09-30 2020-09-30 光学スキャナ Active JP7463929B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020165998A JP7463929B2 (ja) 2020-09-30 2020-09-30 光学スキャナ
PCT/JP2021/034109 WO2022070949A1 (ja) 2020-09-30 2021-09-16 光学スキャナ
US18/191,355 US20230236472A1 (en) 2020-09-30 2023-03-28 Optical scanner

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020165998A JP7463929B2 (ja) 2020-09-30 2020-09-30 光学スキャナ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022057637A JP2022057637A (ja) 2022-04-11
JP7463929B2 true JP7463929B2 (ja) 2024-04-09

Family

ID=80950303

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020165998A Active JP7463929B2 (ja) 2020-09-30 2020-09-30 光学スキャナ

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20230236472A1 (ja)
JP (1) JP7463929B2 (ja)
WO (1) WO2022070949A1 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019512882A (ja) 2016-06-06 2019-05-16 レイセオン カンパニー 高出力レーザのための2軸適応光学(ao)システム
US20200158839A1 (en) 2017-05-25 2020-05-21 Ours Technology, Inc. Solid-state light detection and ranging (lidar) system with real-time self-calibration
CN111289223A (zh) 2019-12-19 2020-06-16 西安空间无线电技术研究所 一种基于双光梳拍频的实时相位测量系统及方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019512882A (ja) 2016-06-06 2019-05-16 レイセオン カンパニー 高出力レーザのための2軸適応光学(ao)システム
US20200158839A1 (en) 2017-05-25 2020-05-21 Ours Technology, Inc. Solid-state light detection and ranging (lidar) system with real-time self-calibration
CN111289223A (zh) 2019-12-19 2020-06-16 西安空间无线电技术研究所 一种基于双光梳拍频的实时相位测量系统及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022057637A (ja) 2022-04-11
US20230236472A1 (en) 2023-07-27
WO2022070949A1 (ja) 2022-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7165734B2 (ja) 光構造物とこれを較正する方法
US20230236471A1 (en) Phase front shaping in one and two-dimensional optical phased arrays
US10983413B2 (en) Beam steering device and electronic apparatus including the same
US10539666B2 (en) Laser radar device
KR102703721B1 (ko) 광학 위상 어레이의 위상 최적화 방법
CN111077508B (zh) 多光子芯片激光雷达系统架构
US20200081126A1 (en) Laser radar device
JP4966535B2 (ja) 直交横モードダイバーシティを利用した干渉イメージング
US11965966B1 (en) Method, system, and apparatus for a lidar sensor with a large grating
US20230239047A1 (en) Optical scanner
JP7463929B2 (ja) 光学スキャナ
JP7174934B2 (ja) レーザ光照射装置及びレーザ光照射方法
KR20170012445A (ko) 다수의 레이저 소스들의 위상 조정을 위한 시스템
US20240077671A1 (en) Optical phased array device and method of manufacture
JP2021507282A (ja) レーザビーム偏向装置
US20230134874A1 (en) Systems And Methods For Coherent Beam Combining
JP7102302B2 (ja) 電磁波検出装置の調整方法
US20190041187A1 (en) Optical system, optical device, and program
US20210311368A1 (en) Optical scanning apparatus, image pickup apparatus, adjustment apparatus for optical scanning apparatus, and method for adjusting optical scanning apparatus
US20210149053A1 (en) Lidar device and operating method of the same
Doerr et al. Linear 2D beam steering with a large focusing grating via focal point movement and wavelength
KR102505410B1 (ko) 파장 변화로 2차원 빔 스티어링이 가능한 광 위상배열 구조 및 빔 스티어링 방법
JPWO2020115856A1 (ja) レーザレーダ装置
CN107797102B (zh) 操控光学相控阵的方法、识别对象的方法和光学系统
KR102613795B1 (ko) 선폭이 조절된 광을 이용한 오브젝트 스캔 방법 및 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240311

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7463929

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150