以下、本発明の一例であるレーザ車間距離計1について、図面を参照して説明する。以下の説明において、図1の紙面上側、下側、右側、左側、表面側、裏面側を、夫々、レーザ車間距離計1及び自車両2の上側、下側、右側、左側、後側、前側として説明する。
図1及び図2を参照し、レーザ車間距離計1の概要について説明する。レーザ車間距離計1は、自車両2に装着され、自車両2の前方又は後方である出射方向に光を出射する。本実施形態において、光が出射される出射方向は、レーザ車間距離計1の前方向である。レーザ車間距離計1は、出射方向に位置する他車両3(図5及び図6参照)の反射板31(図5及び図6参照)からの反射光を受光し、他車両3との距離と、レーザ車間距離計1との間の距離を測定する。本実施形態においては、他車両3の反射板31は、他車両3の背面32の下部において、左右方向に離間して設けられている(図5及び図6参照)。
図1は、自車両2の車内から前方を見た様子を示している。図1においては、ルームミラー29は点線で示している。レーザ車間距離計1は、ルームミラー29より前方に配置されている。
図1に示すように、レーザ車間距離計1は、本体部11及び装着部19を備えている。装着部19は、取付部191及び支柱部192を含む。本体部11は、略直方体状である。本体部11の上部から、支柱部192が上方に延びる。取付部191は、支柱部192の上端に設けられている。取付部191は、略四角形の板状であり、例えば、両面粘着テープ又は吸盤等によって、フロントガラス91の左右方向中央部且つ上部貼り付けられる。これによって、レーザ車間距離計1が、フロントガラス91に装着された状態となる。装着部19は、角度を変更可能に、本体部11を支持する。このため、自車両2において、出射方向が水平方向になるように、レーザ車間距離計1を自車両2に装着可能である。レーザ車間距離計1は、他の設置位置、例えばルームミラー29の背面に取り付ける取付部を備えるようにしてルームミラー29の背面に取り付けるようにしてもよいが、本実施形態のようにフロントガラス91に取り付けるようにするとよい。このようにすれば、レーザ車間距離計1とフロントガラス91との間の相対距離が車両の振動によって変化してしまうことを抑制でき、レーザ車間距離計1の測定精度を他の設置位置よりも高めることができる。
図2に示すように、レーザ車間距離計1の本体部11は、CPU101、発光回路102、受光回路103、音声回路104、スピーカ105、ROM106、RAM107、及び光ユニット7を備えている。光ユニット7は、出射ユニット71と受光ユニット74とを備えている。出射ユニット71は、LD(Laser Diode)72を備えている。出射ユニット71は、光を出射可能である。受光ユニット74は、フォトダイオード75を備えている。受光ユニット74は、出射ユニット71から照射され、反射板31等によって反射された光を受光可能である。光ユニット7によって発光及び受光される光は、本体部11の前面に設けられた透明板(図示外)及びフロントガラス91を透過する。
CPU101は、発光回路102、受光回路103、音声回路104、ROM106、及びRAM107に電気的に接続されている。ROM106は、CPU101がレーザ車間距離計1を制御するためのプログラムなどを記憶する。RAM107は、種々のデータを一時的に記憶する。
発光回路102は、LD72に電気的に接続されている。CPU101は、発光回路102を介して、LD72の点灯及び消灯を制御する。受光回路103は、フォトダイオード75に電気的に接続されている。受光回路103は、フォトダイオード75によって受光された光に基づく信号を、CPU101に伝達する。CPU101は、伝達された信号に基づき、他車両3とレーザ車間距離計1との間の距離を測定する。
音声回路104は、スピーカ105に電気的に接続されている。CPU101は、音声回路104を制御して、スピーカ105から音声を出力する。例えば、CPU101は、他車両3とレーザ車間距離計1との間の距離が、所定の距離以下となった場合に、スピーカ105から音声を出力する。これによって、CPU101は、自車両2を運転する運転者に、他車両3とレーザ車間距離計1との間の距離が、所定の距離以下となったことを報知する。また、例えば、CPU101は、レーザ車間距離計1と他車両3との距離が、所定時間(例えば0.3秒)の間に所定の距離(例えば、10m)以上短くなった場合に、スピーカ105から音声を出力する。これによって、CPU101は、自車両2を運転する運転者に、他車両3が接近していることを報知する。
図3及び図4を参照し、光ユニット7の概略構成について説明する。図3及び図4に示すように、光ユニット7においては、出射ユニット71と受光ユニット74とが一体的に形成されている。出射ユニット71と受光ユニット74とは、互いに隣接している。このため、受光ユニット74の前面に設けられた受光レンズ76が、出射ユニット71と隣接している。受光ユニット74は、出射ユニット71の右側に設けられている。
出射ユニット71と受光ユニット74とは、箱状である。受光ユニット74は、出射ユニット71よりも前方に突出している。また、受光ユニット74、出射ユニット71よりも上方に突出している。
図5~図7を参照して、出射ユニット71が光を出射する領域である出射領域40について説明する。出射ユニット71は、出射領域40に光を集中させて出射する指向特性を有する。図5~図7に示す出射領域40の形状は、出射方向を法線とする平面に投影される形状であり、台形状である。
出射ユニット71は、LD72(図2及び図8参照)と投光レンズ711(図3参照)とを備える。出射ユニット71は、LD72によって生成された光を、投光レンズ711によって屈折させることによって、出射領域40に光を集中させることができる。すなわち、本実施形態の出射ユニット71は、投光レンズ711による台形指向特性を有する。
以下の説明においては、自車両2が走行中の車線を、走行車線50という。図5に示すように、自車両2に配置されたレーザ車間距離計1から出射方向を見た場合、直線状の走行車線50は、上に向かうほど、左右方向の幅が小さくなる。走行車線50を規定する右側の線501は、上方向に向かうほど、左側に傾き、左側の線502は、上方向に向かうほど、右側に傾く。走行車線50の上側の先端503は、左右方向に平行な平面である。このように、走行車線50が略台形状となる。このため、他車両3が遠い位置である遠方位置にある場合、他車両3は、上側に位置し(図5参照)、且つ、左右方向の幅が小さくなる。他車両3が、遠方位置よりも近い位置ある場合、他車両3は下側に位置し、且つ、左右方向の幅が大きくなる(図6参照)。
反射板95は、走行車線50の左右方向外側に配置されている。なお、走行車線50の左右方向外側とは、走行車線50の左右方向の端部及び外側を含む。走行車線50の左右方向の端部は、線501,502を含む。本実施形態においては、一例として、線501上、及び線502上に、反射板95が配置されている。なお、反射板95は、走行車線50において、線501より右側、及び線502より左側に配置されている場合もある。例えば、反射板95は、歩道の縁石上に配置されている場合もある。
出射領域40において、遠方位置に対応する部位を第一部位401という。本実施形態においては、第一部位401は、出射領域40の上部であり、他車両3が遠方位置にある場合に当該他車両3を検出するための部位である。また、出射領域40において、第一部位401より下側の部位を第二部位402という。第二部位402は、他車両3が近い位置にある場合に当該他車両3を検出するための部位である。第一部位401は、第二部位402より左右方向の幅が小さい。本実施形態においては、第二部位402は、出射領域40の下部である。
出射領域40は、遠方位置にある他車両3を検出するための第一部位401の左右方向の幅が、遠方位置より近い他車両3を検出するための第二部位402の左右方向の幅より小さい。そして、第二部位402は、第一部位401より下側に位置する。このように、他車両3の大きさと、走行車線50の左右方向の幅に合わせて、出射領域40が設定されている。このため、出射領域40を直線状の走行車線50に合わせた場合に、走行車線50の外側の反射板95に照射される出射領域40の光が小さくなる。よって、レーザ車間距離計1から出射された光を検知して他車両3を検出する場合に、走行車線50の左右方向外側の反射板95を誤検出する可能性が低くなる。故に、他車両3の検出精度が向上する。
さらに、本実施形態においては、出射領域40は、出射方向を法線とする平面に投影される形状が、第一部位401が上部、第二部位402が下部となる台形状である。出射領域40における右側の斜辺403は、上方向に向かうほど、左側に傾き、左側の斜辺404は、上方向に向かうほど、右側に傾く。斜辺403は、走行車線50の右側の線501に沿い、斜辺404は、走行車線50の左側の線502に沿う。
図7においては、出射領域40内における輝度の大きさを、色の濃淡で示している。出射領域40において、第一部位401の光の輝度は、第二部位402の光の輝度より大きい。本実施形態においては、第二部位402から第一部位401に向かって徐々に輝度が大きくなる。
自車両2に配置されたレーザ車間距離計1から走行車線50を見た場合、走行車線50は台形となる。このため、図5及び図6に示すように、他車両3に設けられた反射板31は、光が集中する台形の範囲に入る場合が多い。よって、出射領域40が台形とは異なる形状である場合に比べて、走行車線50の外側の反射板95に照射される光の輝度が小さくなり易く、かつ、他車両3の反射板31に照射される光の輝度が大きくなり易い。故に、レーザ車間距離計1から出射された光を検知して他車両3を検出する場合に、他車両3をより確実に検出できる。また、例えば、不要なエリアである路側帯などに配置された反射板に光が当たりにくいので、該反射板を誤検出することも防止でき、ひいては他車両3の検知距離を長距離化することができる。
また、図7に示すように、出射領域40において、第一部位401の光の輝度は、第二部位402の光の輝度より大きいので、第一部位401の光の輝度が、第二部位402の光の輝度以下である場合に比べて、より遠くに光を到達させることができる。他車両3が第一部位401に位置する場合、第二部位402に位置する場合に比べて、遠方位置にある(図5参照)。遠方位置にある他車両3を検出するための第一部位401の輝度が大きく、より遠くに光を到達させることができるので、レーザ車間距離計1から出射された光を検知して他車両3を検出する場合に、より遠くの他車両3を検出できる。すなわち、本実施形態では、感度の必要な遠方方向に光を集中して強く照射するので、効率的に他車両3の検出距離をかせぐことができる。よって、他車両3の検知距離を長距離化することができる。
図3、図4、図8、及び図9を参照し、出射ユニット71の構造について説明する。出射ユニット71は、筐体712、LD72(図2及び図8参照)、及び投光レンズ711を備えている。筐体712は、略直方体状である。図8に示すように、筐体712には、前方から後方に向かって凹む凹部713が設けられている。凹部713の後端部に、LD72が配置されている。投光レンズ711は、筐体712の前面に取り付けられている(図9参照)。LD72が発光し、投光レンズ711によって光が屈折されることで、出射領域40(図5~図7参照)に光が出射される。すなわち、投光レンズ711の曲面の形状によって、台形状の指向特性を実現し、さらに、台形の上部の光の輝度を大きくすることができる。
図3、図4、図8、及び図9を参照し、受光ユニット74の構造について説明する。受光ユニット74は、筐体742、フォトダイオード75(図2及び図8参照)、及び受光レンズ76を備えている。筐体742は、略直方体状であり、筐体712より大きい。図8に示すように、筐体742には、前面から後方に向かって凹む凹部743が設けられている。凹部743の後端部にフォトダイオード75が配置されている。フォトダイオード75は、筐体742によって支持されている。
図3、図4、及び図9に示すように、受光レンズ76は、筐体742の前面に取り付けられている。すなわち、受光レンズ76は、フォトダイオード75の前方において、筐体742によって支持されている。受光レンズ76は、出射ユニット71によって出射された光が反射した反射光をフォトダイオード75に導く。
フォトダイオード75は、出射ユニット71によって出射された光が反射した反射光を受光する。図7に示すように、台形状の出射領域40の反射光が入射する入射領域750は、出射領域40と同様に台形状となる傾向にある。図7においては、出射領域40と、入射領域750とを重ねて示している。図8に示すように、フォトダイオード75の上部は、出射領域40(図5及び図7参照)の反射光が入射する入射領域750の上部に沿う形状を有する。より詳細には、フォトダイオード75は四角形であり、1つの角部751が上側に位置する。1つの角部751を形成する辺752,753が、出射領域40の反射光が入射する入射領域750の上部に沿うように傾いている。本実施形態では、正方形の受光素子であるフォトダイオード75が45度回されて配置されている
図9に示すように、受光レンズ76は、複数(本実施形態では一例として3つ)の光学的中心軸911~913を有する。複数の光学的中心軸911~913は、全て、フォトダイオード75の内側に位置する。以下、受光レンズ76の構造について詳述する。
図3及び図9に示すように、受光レンズ76は、主レンズ761と、2つの補助レンズ762,763を備えている。主レンズ761と補助レンズ762,763とは、一体形成されている。主レンズ761は、正面視で円形のレンズである。主レンズ761の前面7611は、球の一部をなすように前方に突出している。2つの補助レンズ762,763は、主レンズ761の下側において、左右方向に並べて設けられている。補助レンズ762,763は、主レンズ761より小さい。一方の補助レンズ762は、他方の補助レンズと左右対称の形状である。
本実施形態では、通常の円形球面レンズである主レンズ761に加え、主レンズ761と同じ曲率の球面レンズである補助レンズ762,763を、主レンズ761の右下側と左下側に配置している。補助レンズ762,763は、主レンズ761における補助レンズ762,763に隣接する部位と同じ形状を有する。なお、同じ形状とは、正確に同一の形状のみではなく、主レンズ761における補助レンズ762,763に隣接する部位に近い形状とを含む。
本実施形態においては、補助レンズ762は、主レンズ761の右下部に接続され、主レンズ761の右下部と同じ形状を有する。補助レンズ762の上面762Bは、主レンズ761の右下端から前方に突出する。上面762Bは、正面視で、主レンズ761の右下端に沿う弧状である。補助レンズ762の下端762Cは、正面視で弧状である。補助レンズ762の前面762Aは、上面762Bから下端762Cに向かうほど後方に位置するように湾曲している。
補助レンズ763は、主レンズ761の左下部に接続され、主レンズ761の左下部と同じ形状を有する。補助レンズ763の上面763Bは、主レンズ761の左下端から前方に突出する。上面763Bは、正面視で、主レンズ761の左下端に沿う弧状である。補助レンズ763の下端763Cは、正面視で弧状である。補助レンズ763の前面763Aは、上面763Bから下端763Cに向かうほど後方に位置するように湾曲している。
図9に示すように、補助レンズ762,763の光学的中心軸912,913は、主レンズ761の光学的中心軸911より下側に位置する。また、補助レンズ762,763のうち、一方の補助レンズ762の光学的中心軸912は、主レンズ761の光学的中心軸911より、左右方向の一方側である右側に位置する。他方の補助レンズ763の光学的中心軸913は、主レンズ761の光学的中心軸911の左右方向の他方側である左側に位置する。光学的中心軸912と光学的中心軸913とは、主レンズ761の光学的中心軸911の左右方向の位置を基準として、左右対称の位置にある。
上記のように、補助レンズ762,763が形成される結果、フォトダイオード75が受光可能な受光領域89は、図7に示すようになる。受光領域89は、受光領域891~893を含む。受光領域891,892,893は、夫々、出射領域40の光による反射光を主レンズ761、補助レンズ762、及び補助レンズ763がフォトダイオード75に導く領域を示している。各受光領域891~893の形状は、フォトダイオード75の形状に対応する。主レンズ761による受光領域891は、出射領域40及び入射領域750の上部に対応している。補助レンズ762による受光領域892は、主レンズ761の受光領域891の右下側に位置する。補助レンズ763による受光領域893は、主レンズ761の受光領域891の左下側に位置する。すなわち、主レンズ761のみが設けられている場合に比べて、フォトダイオード75が受光可能な領域が広角化されている。
なお、1つの通常の円形球面レンズと、受光素子だけでは受光領域が、投光領域である出射領域40をカバーできない。例えば、1つのレンズと受光素子との受光領域を広角化する場合、受光素子の面積を大きくしたり、受光レンズの焦点距離を短くしたりするなどの手段が考えられる。受光素子の面積を大きくすると、受光素子の電気容量が大きくなり、光を受光したときの信号波形がなまり易くなり、応答速度が低下する場合がある。このため、他車両3の検出精度が低下する可能性がある。よって、受光素子の面積を広げることには、限界がある。また、受光レンズの焦点距離を短くする場合、受光レンズの面積が小さくなり、受光レンズの集光能力が低下する。このため、他車両3の検出精度が低下する可能性がある。このため、受光レンズの焦点距離を短くすることには、限界がある。すなわち、受光素子の面積は、市販のフォトダイオードのサイズ範囲の限界があり、また、面積サイズと応答速度がトレードオフの関係となる。また、焦点距離を短くすると、受光レンズのレンズ直径(レンズ面積)が小さくなり、集光能力も落ちてしまう。
本実施形態では、受光レンズ76は、複数の光学的中心軸911~913を有する。このため、1つの光学的中心軸を有するレンズの場合に比べて、フォトダイオード75が受光可能な受光領域89が大きくなる(図7参照)。すなわち、フォトダイオード75の面積を大きくすることなく、受光領域89を大きくすることができる。受光領域89が大きくなるので、より広い範囲に位置する他車両3を検出することができ、他車両3の検出精度が向上する。
また、1つの光学的中心軸を有する場合と比較して、受光レンズ76が小さくなって集光能力が低下することを抑制しつつ、受光領域89を大きくすることができる。受光領域89が大きくなるので、より広い範囲に位置する他車両3を検出することができ、他車両3の検出精度が向上する。
また、補助レンズ762,763の光学的中心軸912,913が、主レンズ761の光学的中心軸911より下側に位置するので、主レンズ761のみが設けられる場合よりも、より下側の光をフォトダイオード75に導くことができる。よって、主レンズ761のみが設けられている場合よりも、フォトダイオード75が下側の光を受光できる領域を大きくすることができる。
ここで、レーザ車間距離計1から見た場合、レーザ車間距離計1から他車両3までの距離が遠いほど、他車両3の反射板31は、上側に位置し(図5参照)、レーザ車間距離計1から他車両3までの距離が近いほど、他車両3の反射板31は下側に位置する(図6参照)。本実施形態においては、下側の光を受光できる受光領域89が大きくなることで、上下方向における光を受光できる受光領域89が大きくなる。よって、主レンズ761のみが設けられている場合に比べて、他車両3の反射板31を検出できる距離の範囲が大きくなる。また。1つのレンズで受光領域89を大きくする場合に比べて、受光レンズ76が大きくなり過ぎない。よって、レーザ車間距離計1が大型化する可能性を低減できる。
また、補助レンズ762,763は、主レンズ761の下側において、左右方向に2つ並べて設けられている。よって、1つの補助レンズが設けられている場合に比べて、受光領域89における下部の受光領域89が左右方向に大きくなる(受光領域892,893参照)。本実施形態では、出射領域40における第二部位402は、第一部位401より下側に位置するので、出射領域40の下部の左右方向の幅は、上部の左右方向の幅よりも大きくなる傾向にある。しかし、左右に並べられた2つの補助レンズ762,763が設けられていることによって、出射領域40の下部の幅に合わせて受光領域89を設定することができる。よって、出射領域40に出射された光の反射光をより確実に受光することができ、他車両3の検出精度がさらに向上する。
また、補助レンズ762,763が、主レンズ761における補助レンズ762,763に隣接する部位と略同じ形状を有するので、主レンズ761と、補助レンズ762,763との焦点距離が略同じ状態で、反射光がフォトダイオード75に受光される。よって、主レンズ761と補助レンズ762,763との焦点距離が互いに異なる場合に比べて、他車両3の検出精度が向上する。
フォトダイオード75の上部は、出射領域40(図5及び図7参照)の反射光が入射する入射領域750の上部に沿う形状を有する。このため、フォトダイオード75が出射領域40の上部に沿う形状を有しない場合に比べて、フォトダイオード75のうち、出射領域40に出射された光の反射光の受光に使用可能な面積を大きくすることができる。よって、広い範囲の光を受光することができる。故に、レーザ車間距離計1は、他車両3の検出精度をさらに向上させることができる。例えば、図7に示す受光領域891の大部分が、入射領域750と重なっている。
なお、1つのフォトダイオード75が用いられる場合、フォトダイオード75の受光面積のうち、出射領域40に出射された光の反射光の受光に使用可能な面積が小さければ、感度が低下する。しかし、本実施形態のように、フォトダイオード75が入射領域750の上部に沿う形状とし、出射領域40に出射された光の受光に使用可能な面積を大きくすることができる。よって、より広い範囲の光を受光することができる。よって、フォトダイオード75の感度が向上する。故に、レーザ車間距離計1は、他車両3の検出精度をさらに向上させることができる。
また、本実施形態では、フォトダイオード75が四角形であり、1の角部751が上側に位置する。四角形のフォトダイオード75の1の角部751が上側に位置する場合、上側の角部751を形成する2つの辺752,753の両方が、台形状の出射領域40の反射光が受光される入射領域750の上部に沿う。四角形の上側の辺が左右方向と平行になるように、フォトダイオード75が配置される場合に比べて、フォトダイオード75の受光面積のうち、出射領域40に出射された光の反射光の受光に使用可能な面積を大きくすることができる。よって、より広い範囲の光を受光することができる。故に、レーザ車間距離計1は、四角形のフォトダイオード75を使用した状態で、他車両3の検出精度をさらに向上させることができる。また、フォトダイオード75を四角形以外の形状に形成する必要がないので、コストを低減することができる。
なお、補助レンズ762,763は、主レンズ761よりサイズが小さい。入射領域750において、主レンズ761の受光領域891と重なる部分については、補助レンズ762,763より主レンズ761が優先されて反射光が取得される。他車両3が遠方位置にある場合(図6参照)、遠方位置の他車両3の反射板31からの反射光を取得するので、利得が小さくなりやすいが、サイズの大きな主レンズ761で受光するため、より確実に他車両3を検出できる。また、他車両3が近い位置にある場合(図6参照)、近くの他車両3からの反射光を取得するので、利得が大きくなりやすい。このため、サイズの小さい補助レンズ762,763で反射光を取得している。すなわち、本実施形態において主レンズ761に追加された補助レンズ762,763によって検出される部分は、ターゲットとなる他車両3が近い分、大きな利得が必要ないので、補助レンズ762,763のサイズを小さくしている。また、本実施形態の受光レンズ76を使用することで、集光面積に比例するレンズ径を小さくすることなく、広角での集光を行うことができる。
図8を参照して、受光ユニット74における筐体742の内部の構造について説明する。本実施形態においては、受光レンズ76の後側に反射構造を設け、フォトダイオード75に光を反射させる。以下、詳細に説明する。受光ユニット74における筐体742には、後方に向かって凹む凹部743が、内壁77によって形成されている。内壁77は、2つの反射面771,772及び5つの難反射面773~777によって形成されている。
反射面771,772は、一例として、筐体742の内壁77が研磨されて形成されている。反射面771,772は、筐体742内において受光レンズ76から入射した光の一部を反射してフォトダイオード75に導く。本実施形態では、反射面771,772は、少なくともフォトダイオード75よりも上側に到達した光を反射して、フォトダイオード75に導く。
難反射面773~777は、反射面771,772よりも光をフォトダイオード75に導き難い部位である。難反射面773~777のうち、難反射面774~777は、筐体742内においてフォトダイオード75よりも下側に設けられている。
内壁77の後部且つ中央部には、フォトダイオード75を配置するための正面視四角形の孔部78が設けられている。フォトダイオード75は、四角形であり、一の角部751が上側に位置する。フォトダイオード75の配置態様に合わせて、孔部78は、一の角部781が上方に位置するように形成されている。
反射面771,772は、夫々、フォトダイオード75の上側の角部751を形成する一対の辺752,753の夫々から延びる。反射面771は、辺752から前方、且つ、左斜め上方に延びる。反射面772は、辺753から前方、且つ、右斜め上方に延びる。なお、反射面771と反射面772との間には、難反射面773が設けられている。
難反射面774は、フォトダイオード75の下側の角部754を形成する一対の辺755,756から下方に延びる。難反射面775は、難反射面774の左部から、前斜め左方に延びる。難反射面775の上端は反射面771の下端に接続されている。難反射面776は、難反射面774の右部から、前斜め右方に延びる。難反射面776上端は、反射面772の下端に接続されている。難反射面777は、難反射面774の下部から、前斜め下方に延びる。難反射面774,775,776の下端は、難反射面777に接続されている。
以上のように、本実施形態における受光ユニット74が形成される。図10を参照して、受光ユニット74において反射光がフォトダイオード75に導かれる態様について説明する。出射領域40から出射された光に対応する反射光の一部は、主レンズ761及び補助レンズ762,763を介して、フォトダイオード75に導かれる(矢印791,792参照)。
一方、出射領域40の第二部位402(図5~図7参照)に対応する反射光の一部は、フォトダイオード75に直接導かれず、主レンズ761又は補助レンズ762,763を介して、フォトダイオード75よりも上側に到達する(例えば、矢印793参照)。フォトダイオード75よりも上側に到達した反射光は、反射面771,772によって反射され、フォトダイオード75に導かれる(矢印794参照)。このため、反射面771,772が設けられていない場合に比べて、フォトダイオード75に到達する反射光の輝度が大きくなる。第二部位402からの光は、近くの他車両3の反射板31に反射される(図6参照)。反射面771,772が設けられていることで、近くの他車両3の反射板31による反射光が、フォトダイオード75に到達する場合の輝度が大きくなる。このため、レーザ車間距離計1は、近くの他車両3をより確実に検出できる。
出射領域40の第一部位401の周辺からの光の反射光の一部は、フォトダイオード75よりも下側に到達する(矢印795参照)。フォトダイオード75よりも下側には、難反射面774~777が設けられているため、反射面771,772よりも光が反射しにくい。よって、反射光がフォトダイオード75に導かれ難い。レーザ車間距離計1の第一部位401の光が出射される位置の走行車線50は、左右方向の幅が狭く、走行車線50の外側の反射板95に光が照射されやすい。しかし、難反射面774~774によって、反射光がフォトダイオード75に導かれ難いので、レーザ車間距離計1が反射板95を誤検出する可能性をさらに低減できる。
また、反射面771,772は、フォトダイオード75の一の角部751を形成する一対の辺752,753の夫々から延びる(図8参照)。このため、反射面771,772が辺752,753から延びない場合に比べて、他車両3の反射板31に反射された光が、より確実にフォトダイオード75に到達する。よって、他車両3の検出精度が向上する。
また、反射面771,772が設けられていない場合に比べて、フォトダイオード75に到達する反射光の輝度が大きくなる。よって、レーザ車間距離計1は、より確実に他車両3を検出できる。
以上のように、本実施形態における光ユニット7が形成される。出射ユニット71は、投光レンズ711によって光を屈折させることによって、出射領域40に光を集中させることができる。よって、LD72の形状を、出射領域40に光を出射する特殊な形状にする必要がない。よって、LD72のコストを低減できる。
また、出射ユニット71と受光レンズ76とは、互いに隣に配置されている。このため、出射ユニット71と受光レンズ76との間が離れている場合に比べて、出射領域40とフォトダイオード75によって受光される入射領域750とが重なりやすい。よって、他車両3の検出精度が向上する。
また、上記のように光ユニット7が形成されていることによって、投光指向性に合わせた受光指向性を得ることができる。
また、受光ユニット74と出射ユニット71とが、左右方向に隣接している。このため、上下方向に隣接する場合に比べて、光ユニット7の上下方向の長さを短くすることができる。このため、図1に示すようにレーザ車間距離計1がフロントガラス91の上部に装着された場合に、運転者の視界に入り難くなる。
図11及び図12を参照して、本実施形態における等価サンプリング法について説明する。本実施形態においては、レーザ車間距離計1が、レーザ車間距離計1から他車両3までの距離を算出する場合に、等価時間サンプリング法(シーケンシャルサンプリング)が用いられる。超高速な受光パルス波形(繰り返し波形)を低レートのAD変換器で取り込めるオーダーまで時間軸変換して処理するために、等価時間サンプリング法が用いられる。等価時間サンプリング法は、サンプリングのスタートの点を少しずつずらして繰り返しサンプリングすることによって、結果的に多くのサンプル点を波形上に打ちダウンコンバートする手法である。
CPU101は、LD72を点灯させることで、出射ユニット71に光を出射させる。また、CPU101は、LD72によって受光される光に基づく信号を、等価時間サンプリング法によるサンプリング間隔でサンプリングする。なお、光の周波数は高いため、非常に高いサンプリング周波数が要求され、部品が高価になる等の問題が発生する場合がある。そこで、本実施形態では、等価サンプリング法によって、サンプリングを行っている。
レーザ車間距離計1から他車両3までの距離が近ければ近いほど、出射ユニット71から光が出射され、他車両3の反射板31による反射光が、レーザ車間距離計1に到達するまでの時間が短くなる。すなわち、レーザ車間距離計1と他車両3との距離に応じて、出射ユニット71から光が出射され、他車両3の反射板31からの反射光がレーザ車間距離計1に到達するまでの時間が変化する。そこで、CPU101は、出射ユニット71を制御して光を出射してから、サンプリングを行うまでの時間を変化させることで、近い位置にある他車両3から、遠い位置にある他車両3までを検出する。
本実施形態においては、CPU101は、出射ユニット71を制御して光を出射してから、サンプリングを行うまでの時間に応じて、出射する光の輝度を変化させる。より詳細には、本実施形態では、図12に示すように、CPU101は、出射ユニット71を制御して光を出射してから、サンプリングを行うまでの時間が短いほど、輝度の弱い光を出射ユニット71に出射させる。1回(1セット)の測定において、受光信号は、等価時間サンプリングにて他車両3の監視距離範囲をスイープしてサンプリングするため、距離が近いほど、そのサンプリングタイミングでの受光信号レベルが大きいので、距離に比例させて、LD72のパルス光レベルを制御するのである。
図11及び図12について説明する。以下の説明においては、レーザ車間距離計1から出射されるパルス状の光を、パルス光という場合がある。図11(A),(B)は、出射ユニット71を制御して光を出射してから、サンプリングを行うまでの時間にかかわらず輝度を一定とした場合における、レーザ車間距離計1から出射されるパルス光の輝度と、反射光の輝度の大きさを示している。図12(A),(B)は、出射ユニット71を制御して光を出射してから、サンプリングを行うまでの時間に応じて、出射する光の輝度を変化させた場合における、パルス光の輝度と、反射光の輝度の大きさを示している。
図11(A)及び図12(A)の縦軸は、出射ユニット71によって出射される光の輝度を表しており、横軸は、レーザ車間距離計1が検出しようとする他車両3までの距離Lを表している。図11(B)及び図12(B)の縦軸は、受光ユニット74によって受光される光の輝度を表しており、横軸は、レーザ車間距離計1が検出しようとする他車両3までの距離Lを表している。横軸において右方向にあるほど、レーザ車間距離計1と他車両3までの距離Lが長い。以下の説明では、出射ユニット71によって出射されるパルス光を、パルス光Pa(a=1~n)という場合がある。距離Lが最も小さい他車両3を検出するためのパルス光をパルス光P1とし、距離Lが最も大きい他車両3を検出するためのパルス光をパルス光Pnとする。レーザ車間距離計1は、パルス光P1からパルス光Pnまでを出射することを繰り返し実施する。
パルス光P1からパルス光Pnまでのパルス光の数は、例えば、4096個(すなわち、n=4096個)であるが、図11及び図12においては、パルス光の数を少なくして記載している。1つのパルス光が出射される時間の長さは、例えば、20~29nSである。1つのパルス光が出射されてから、次のパルス光が出射されるまでの時間は、例えば、57μSである。(図面は概念図であり、57μSの間隔を短く表しているが、実際には、20~29nSに対して1000倍以上の57μSの時間である。)また、出射ユニット71からパルス光が出射されてから、反射光がサンプリングされるまでの間隔は、パルス光P1からパルス光Pnに向けて長くなる。すなわち、出射ユニット71からパルス光Paが出射されてから、反射光がサンプリングされるまでの間隔について、横軸において左側に向かうほど、サンプリングされるまでの間隔が短くなる。
図11(A)に示す例の場合、出射ユニット71から出射されるパルス光Paの輝度は、距離Lに係わらず一定である(例えば、パルス光P1からパルス光Pnまで16Wで一定)。例えば、他車両3が位置PL1にある場合、他車両3の反射板31によって光が反射されるので、受光ユニット74によって受光される反射光の輝度は、ポイントP11のように、大きくなる。また、他車両3が、位置PL1より遠いPL2にある場合、他車両3の反射板31によって光が反射されるので、受光ユニット74によって受光される反射光の輝度は、ポイントP12のように大きくなる。
他車両3が近くにある場合、他車両3の反射板31による反射光が、受光ユニット74に受光されたときの輝度が大きくなる。このため、図11に示すように、パルス光Paの輝度が一定の場合、ポイントP11の光の輝度は、ポイントP12の光の輝度より大きくなる。
図12を参照して、出射ユニット71を制御してパルス光Paを出射してから、サンプリングを行うまでの時間に応じて、出射する光の輝度を変化させる場合における、パルス光Paの輝度の制御について説明する。図12(A)に示すように、出射ユニット71から出射されるパルス光Paの輝度は、距離Lが短いほど、輝度が弱くなる(例えば、パルス光Pnが16Wであり、パルス光P1がその1/4の4Wである)。すなわち、CPU101は、出射ユニット71を制御して光を出射してから、サンプリングを行うまでの時間が短いほど、輝度の弱いパルス光Paを出射ユニット71に出射させる。
この場合、例えば、他車両3が、位置PL1にある場合、他車両3の反射板31によって光が反射されるので、受光ユニット74によって受光される反射光の輝度は、ポイントP21のように、大きくなる。また、他車両3が、位置PL1より遠いPL2にある場合、他車両3の反射板31によって光が反射されるので、受光ユニット74によって受光される反射光の輝度は、ポイントP22のように大きくなる。
他車両3が近くにある場合、他車両3の反射板31による反射光が、受光ユニット74に受光されたときの輝度が大きくなる。しかし、出射ユニット71から出射されるパルス光Paの輝度は、距離Lが短いほど、輝度が弱くなるので、ポイントP21の輝度と、ポイントP22の輝度との差D2が、図11(B)に示すポイントP11の輝度とポイントP12の輝度との差D1より小さくなる。
以上のように、本実施形態において、出射ユニット71から出射されるパルス光Paの輝度が制御される。レーザ車間距離計1から他車両3までの距離Lが近ければ近いほど、受光ユニット74に受光される反射光の輝度が大きくなりやすい(図11(B)参照)。また、例えば、発光側の投光レンズ711の特性、又は、受光レンズ76の特性等によって、レーザ車間距離計1から他車両3までの距離Lが、所定範囲の距離である場合に、フォトダイオード75に受光される反射光の輝度が大きくなる場合がある。フォトダイオード75によって受光される反射光の輝度が大きくなると、フォトダイオード75によって受光された反射光に基づく信号を、アンプ回路等で増幅する場合に、アンプ回路が飽和する可能性がある。このため、アンプ回路の飽和した後に、正常な状態に戻るのに時間を要し、他車両3の検出精度が低下する可能性がある。例えば、図11(B)に示すポイントP11において、アンプ回路が飽和する可能性がある。
等価時間サンプリング法では、他車両3までの距離に応じて、出射ユニット71からパルス光Paが出射されてから、CPU101によってサンプリングされるまでの時間が変化する。本実施形態においては、出射ユニット71からパルス光Paが出射されてから、サンプリングされるまでの時間に応じて、出射されるパルス光Paの輝度が変化する(図12参照)。このため、例えば、アンプ回路が飽和する可能性のある範囲では、出射ユニット71から出射される光の輝度を低下させることができる。よって、アンプ回路が飽和する可能性が低減される。よって、アンプ回路が飽和してリカバリー時間が多く発生する場合に比べて、他車両3の検出精度が向上する。また、飽和した場合でもリカバリー時間が短縮できる。また、パルス光Paの輝度が変化せず、遠方の他車両3を検出するための輝度で常に光が出射される場合(図11参照)に比べて、消費電力が低減される。また、個々のパルス光Paの輝度、及びパルス光Paの平均光出力が小さくなるので、フロントガラス91に反射する光のレベルを低減することができる。
なお、レーザ車間距離計1は、他車両3を検出する距離の範囲において、最も遠い位置まで光を到達させるために必要な強度の光を出射する。このため、光の強度が強くなる場合がある。また、例えばレーザ車間距離計1を車室内に設置する場合、フロントガラス91等を透過させる必要があるため、光の強度がさらに強くなる場合がある。強度の強い光を出射し続ける場合、人の目などへの影響を考慮する必要がある。よって、本実施形態では、光を出射し続けるのではなく、パルス状のパルス光Paを出射し、光を出射していない時間を設けることで、光の強度の平均値を小さくする。これによって、人の目などへの影響を軽減することができる。例えば、パルス光Pa同士の間隔をパルスの幅よりも2倍大きくするとよい。さらに望ましくは、パルス光Pa同士の間隔を、パルス幅よりも1000倍以上に大きくするとよい。
また、本実施形態では、パルス光Paが出射されてから、CPU101によってサンプリングされるまでの時間が短いほど、輝度の弱いパルス光Paが出射ユニット71から出射される(図12参照)。このため、パルス光Paの輝度が調整されない場合(図11参照)に比べて、レーザ車間距離計1から他車両3までの距離が近い場合に受光される反射光の輝度を低下させることができる(図12参照)。よって、アンプ回路が飽和する可能性を低減でき、他車両3の検出精度が向上する。
このように、遠い距離の他車両3を監視する遠距離監視時は、感度を得るためにできるだけ大きいレベル、近い距離の他車両3を監視する近距離監視時は、必要以上のレベルでアンプ回路が飽和しない様小さいレベルのパルス光Paが出力されている。
図13を参照し、図12(A)に示すパルス光Paを出射するための電気的構成について説明する。図13に示す出射制御回路60の少なくとも一部は、発光回路102(図2参照)に含まれる。図13に示すように、出射制御回路60は、電源回路61、第四抵抗器651、及びスイッチ68を備えている。電源回路61は、出射ユニット71のLD72に電圧を供給する。電源回路61は、DC/DCコンバータ63と分割抵抗器62、積分回路64、及び第三抵抗器614を含む。DC/DCコンバータ63は、LD72の電源用高圧DC/DC電圧回路である。DC/DCコンバータ63は、入力端子631、出力端子632、及びリファレンス入力端子633等を備えている。
分割抵抗器62は、第一抵抗器621、及び第二抵抗器622を含む。第一抵抗器621の端子621Aは、DC/DCコンバータ63の出力端子632に電気的に接続され、第一抵抗器621の端子621Bは、第二抵抗器622の端子622A及びDC/DCコンバータ63のリファレンス入力端子633に電気的に接続されている。第二抵抗器622の端子622Aは、第一抵抗器621の端子621B及びDC/DCコンバータ63のリファレンス入力端子633に電気的に接続され、端子622Bは、グラウンドに電気的に接続されている。分割抵抗器62は、DC/DCコンバータ63のリファレンス入力端子633に分割電圧を入力する。分割抵抗器62は、DC/DCコンバータ63の出力電圧の設定に用いられる。
積分回路64は、入力端子641及び出力端子642を備えている。第三抵抗器614の端子614Aは、積分回路64の出力端子642に電気的に接続されている。第三抵抗器614の端子614Bは、リファレンス入力端子633、第一抵抗器621の端子621B、及び第二抵抗器622の端子622Aに電気的に接続されている。
DC/DCコンバータ63の出力端子632は、第四抵抗器651の端子651Aに電気的に接続されている。第四抵抗器651の端子651Bは、LD72のアノード端子721に電気的に接続されている。LD72のカソード端子722は、トランジスタ等によって構成されたスイッチ68に接続されている。スイッチ68は、グラウンドに電気的に接続されている。スイッチ68は、CPU101の制御、又は、発振子の出力信号によってオンオフされる。
DC/DCコンバータ63の入力端子631には、電圧Vinが入力される。積分回路64の入力端子641にパルス信号S1が入力される。積分回路64にパルス信号S1が入力されることによって、DC/DCコンバータ63のリファレンス入力端子633に入力される電圧が、波形S2のように変動する。波形S2は、部分611において、時間の経過とともに電圧が高くなり、部分662において一定の電圧となり、部分663において電圧が低下する変化が、繰り返される波形である。
波形S2の電圧がリファレンス入力端子633に入力されることによって、DC/DCコンバータ63の出力端子632から出力される電圧は、波形S3のように変動する。波形S3は、部分671において電圧が立ち上がり、部分672において一定の電圧となり、部分673において時間の経過とともに電圧が低くなる変化が、繰り返される波形である。すなわち、分割抵抗器62による分割電圧が、積分回路64及び第三抵抗器614によって強制的に変動させられることによって、リファレンス入力端子633に加えられる電圧が変動し、波形S3が作りだされているのである。このように、LD72の電源用高圧DC/DC回路であるDC/DCコンバータ63のリファレンス入力端子633に、積分回路64で生成したランプ信号である波形S2を入力することで、波形S3を作り出すことを実現している。
波形S3はLD72に印加される。波形S3の部分673の電圧がLD72に印加される間に、スイッチ68のオンオフが繰り返され、図12(A)に示すパルス光Paが出力される。すなわち、レーザ車間距離計1がパルス光Paを出射してから、等価時間サンプリング手段によってサンプリンがされるまでの時間が短いほど、輝度の弱い光が出射される。
このように、本実施形態では、積分回路64からの出力によってリファレンス入力端子633に入力される電圧を変動させることで、パルス光Paを出射してからCPU101によってサンプリングされるまでの時間が短いほど、輝度の弱いパルス光Paを出射ユニット71に出射させる機能を実現できる。
図14及び図15を参照し、等価時間サンプリングの際に、S/N比(Signal-Noise ratio)を向上させる実施形態について説明する。本実施形態では、等価時間サンプリングの際、受光信号帯域より下側(周波数の低い側)の不要成分を強力に減衰させ、S/Nを向上させる。その方法として、等価時間サンプリングの際、受光タイミングとは別に発光直前の受光信号もサンプリングし、差動回路である差動アンプ83(後述)にて引く。以下、詳細に説明する。
図14に示すように、受光制御回路80は、ローパスフィルタ(以下、LPF)81、サンプルアンドホールド回路(以下、S&H)821、S&H822、差動アンプ83、及びA/Dコンバータ84を備えている。LPF81とS&H822には、フォトダイオードからの受光信号が入力される。LPF81は、S&H82に電気的に接続されている。S&H821は、差動アンプ83のマイナス入力端子に電気的に接続されている。S&H822は、差動アンプ83のプラス入力端子に電気的に接続されている。差動アンプ83の出力端子は、A/Dコンバータ84に電気的に接続されている。A/Dコンバータ84は、CPU101に電気的に接続されている。
S&H821は、LD72によってパルス光Pa(図11及び図12参照)が出射される前に、フォトダイオード75によって受光された信号を取得する回路である。S&H821には、プリサンプリングパルスが入力される。プリサンプリングパルスは、LD72によってパルス光Paが出射される前に、フォトダイオード75によって受光された信号をS&H821に取得させる間隔に設定されている。プリサンプリングパルスにおける各パルスの間隔は一定である。LPF81は、フォトダイオード75によって受光された信号のうち、LD72によって出射されたパルス光Paより周波数の低い帯域を通過させる。このため、S&H821は、LPF81を通過した後の信号を取得する。
S&H822は、LD72によって、パルス光Paが出射された後で、等価サンプリング法によるサンプリング間隔で、フォトダイオード75によって取得された信号を取得する回路である。S&H822には、等価時間サンプリングパルスが入力される。等価時間サンプリングパルスは、LD72によって、パルス光Paが出射された後で、等価サンプリング法によるサンプリング間隔で、フォトダイオード75によって取得された反射光に基づく信号をS&H821に取得させる間隔に設定されている。
差動アンプ83は、S&H821によって取得された信号と、S&H822によって取得された信号との差に基づく信号を取得し、信号レベルを増幅させる。A/Dコンバータ84は、差動アンプ83によって取得された信号の符号化を行う。符号化された信号は、CPU101に入力され、他車両3までの距離Lの算出に用いられる。
図15を参照し、受光制御回路80による信号の処理について説明する。図15(A)の波形991は、他車両3の反射板31が位置PL3にある場合に、他車両3の反射板31から反射光のみが、フォトダイオード75に受光される場合の輝度に基づく信号のレベルを表しており、位置PL3を中心に値が大きくなっている。波形992は、波形991に加え、回路ノイズ、外来電気ノイズ、外来光ノイズなどの各種ノイズが付加された場合の、信号のレベルを表している。波形992は、各種ノイズが付加されているので、大きさE1分、波形991より値が大きくなっている。
図15(B)は、プリサンプリングパルスPPb(b=1~n)と、等価時間サンプリングパルスSPc(c=1~n)が入力されるタイミングを示している。S&H821は、プリサンプリングパルスPPbが入力されるタイミングで、フォトダイオード75よって取得された信号を取得する。S&H822は、等価時間サンプリングパルスSPc(c=1~n)が入力されるタイミングで、フォトダイオード75によって取得された信号を取得する。
各プリサンプリングパルスPPbは、図11及び図12に示すパルス光Pa(a=1~n)が出射される前に、S&H821に入力される。例えば、1回目のプリサンプリングパルスPP1は、パルス光P1(図11及び図12参照)が出射される前に、S&H821に入力される。2回目のプリサンプリングパルスPP2は、パルス光P1が出射された後、パルス光P2(図11及び図12参照)が出射される前に、S&H821に入力される。
各プリサンプリングパルスPPbは、図11及び図12に示すパルス光Paが出射される前に、S&H821に入力されるので、パルス光Paの反射光は、フォトダイオード75によって受光されない。よって、大きさE1の信号が、S&H821に取得される。すなわち、回路ノイズ、外来電気ノイズ、外来光ノイズなどの各種ノイズに基づく信号が取得される。なお、LPF81が設けられているので、仮にパルス光Paの反射光がフォトダイオード75に受光された場合でも、反射光に基づく信号成分は除去される。
各等価時間サンプリングパルスSPc(c=1~N)は、図11及び図12に示すパルス光Paが出射された後、反射光が受光されるタイミングで、S&H822に入力される。すなわち、等価時間サンプリング法によるサンプリング間隔で、S&H822に入力される。等価時間サンプリングパルスSPcは、SP1,SP2・・・SPnに向かうほど、パルス光Paが出射されてから、等価時間サンプリングパルスSPcがS&H822に入力されるタイミングが遅くなる。このため、他車両3までの距離Lが遠いほど、パルス光Paの反射光が受光されるタイミングが遅くなる。すなわち、等価時間サンプリングパルスSPcがS&H822に入力されるタイミングを遅くすることで、距離Lに応じた反射光を受光することができる。例えば、波形992の値が最も大きくなるポイントP31の信号は、等価時間サンプリングパルスSPm+2がS&H822に入力されたときに、S&H822によって取得される。
プリサンプリングパルスPPbがS&H821に入力された時の輝度等に基づく信号と、等価時間サンプリングパルスSPcがS&H821に入力されたときの輝度等に基づく信号との差が、差動アンプ83によって増幅される。増幅された信号は、A/Dコンバータ84によって符号化され、CPU101に入力される。
例えば、1回目の測定が行われる場合、プリサンプリングパルスPP1がS&H821に入力された時の輝度等に基づく信号と、等価時間サンプリングパルスSP1がS&H821に入力されたときの輝度等に基づく信号との差が、差動アンプ83によって増幅される。プリサンプリングパルスPP1がS&H821に入力された時の輝度等に基づく信号と、等価時間サンプリングパルスSP1がS&H821に入力されたときの輝度等に基づく信号とは、他車両3の反射板31による反射光が含まれないノイズ成分(大きさE1の信号)であるので、ノイズ成分同士で打ち消しあい、打ち消しあわない場合に比べて、差動アンプ83からの出力は0に近づく。
m+2回目の測定が行われる場合、プリサンプリングパルスPPm+2がS&H821に入力された時の輝度等に基づく信号と、等価時間サンプリングパルスSPm+2がS&H821に入力されたときの輝度等に基づく信号との差が、差動アンプ83によって増幅される。プリサンプリングパルスPPm+2がS&H821に入力された時の輝度等に基づく信号は、ノイズ成分(大きさE1の信号)である。等価時間サンプリングパルスSPm+2がS&H821に入力されたときの輝度等に基づく信号は、ノイズ成分と、他車両3の反射板31の反射光とが含まれた信号である(大きさE2の信号)。このため、等価時間サンプリングパルスSPm+2がS&H821に入力されたときの輝度等に基づく信号から、ノイズ成分である、プリサンプリングパルスPPm+2がS&H821に入力された時の輝度等に基づく信号が除かれる。よって、ノイズ成分が低減された信号が符号化され、CPU101に入力される。すなわち、大きさE3の信号が増幅され、符号化され、CPU101に入力される。
CPU101は、入力された信号に基づき、他車両3との距離を取得する。すなわち、CPU101は、フォトダイオード75に受光されたパルス光Paに基づき、他車両3との車間距離を得ることができる。
前述したように、フォトダイオード75によって取得される信号には、回路ノイズ、外来電気ノイズ、外来光ノイズなどの各種ノイズが含まれる場合がある。反射光の信号レベルは非常に小さいので、ノイズの影響によって、S/N比が低下すると、感度劣化(最大検出距離の低減)の要因となり、他車両3を検出可能な距離が短くなる場合がある。S/N比を改善する手段として、バンドパスフィルター(BPF)を使用することが考えられるが、反射光の信号波形は矩形波であるので、BPFの帯域をあまりに狭帯域にすると、反射光の信号の波形が崩れる場合がある。このため、感度劣化の要因となり、他車両3を検出可能な距離が短くなる場合がある。そこで、本実施形態では、ノイズに同期した信号を生成し、等価時間サンプリング出力信号から引き算することで、波形を崩さずにノイズの影響を低減する。詳細を以下に説明する。
本実施形態では、パルス光Paが出射される前に取得された信号(プリサンプリングパルスPPbのタイミングで取得された信号)と、等価サンプリング法によるサンプリング間隔で取得された信号(等価時間サンプリングパルスSPcのタイミングで取得された信号)との差に基づく信号が取得され、符号化が行われる。S&H821によって取得される信号は、反射光を含まない信号であり、ノイズの信号となる。S&H822によって取得される信号は反射光とノイズとを含む信号である。反射光とノイズを含む信号と、ノイズの信号との差に基づく信号が取得され、符号化が行われるので、S/N比を向上することができる。また、BPFが使用されないので、反射光の波形が崩れ難い。よって、感度劣化する可能性が低くなり、他車両3を検出可能な距離が長くなる。
また、LD72によって出射される光と同じ周波数帯域のノイズを含んだ信号がS&H821によって取得される場合、差動アンプ83によって、光と同じ周波数帯域で変動するノイズが、光の信号に重畳されてしまう可能性がある。
本実施形態では、LPF81によって、光と同じ周波数帯域のノイズが低減され、S&H821によって取得される。このため、差動アンプ83によって、光と同じ周波数帯域で変動するノイズが、光の信号に重畳される可能性が低くなる。よって、感度劣化する可能性が低くなり、他車両3を検出可能な距離が長くなる。
このように、所望の信号帯域より下側のノイズを減衰する手段として、周波数弁別によるBPFとは別に、等価時間サンプリングの部分でサンプリング回路を2組(S&H821とS&H822)設け、一方はLD72の発光直前の固定タイミングでサンプリングパルス(プリサンプリングパルスPPb)を与え、他方は通常の等価時間サンプリングのタイミングで与える。後者のサンプリング回路出力の出力から前者のサンプリング回路出力を差動回路(差動アンプ83)にて引き算することにより、下側(周波数の低い側)のノイズ成分が強力に減衰される。また、発光前サンプリングに入力する受光信号は、LPF81を通すことにより、ノイズを低減する。
図16を参照し、等価時間サンプリングパルスSPcの生成方法の一例について説明する。図16に示すパルス生成回路85は、積分回路851,852及びコンパレータ853を備えている。積分回路851と積分回路852は、コンパレータ853に電気的に接続されている。
本実施形態では、積分回路851,852からの周期の異なる2つの出力電圧を、コンパレータ853に入力することで、立ち上がり及び立下りのタイミングをスイープし、等価時間サンプリングパルスSPcを生成する。
積分回路851には、波形55の電圧が入力される。波形55は、矩形波が繰り返される波形である。積分回路852には、波形56の電圧が入力される。波形56は、連続するパルス信号である。波形55の周期は、波形56の周期より大きい。
波形55が積分回路851に入力されると、波形57が出力される。波形57は、部分571において立ち上がり、部分572において徐々に電圧が小さくなる波形である。波形56が積分回路852に入力されると、波形58が出力される。波形58は、部分581において立ち上がり、部分582において、一定の電圧となり、部分583において徐々に電圧が小さくなる波形である。
波形57と波形58がコンパレータ853に入力されると、波形59が出力される。波形59は、等価時間サンプリングパルスSPcが出力された波形であり、立ち上がり及び立下りのタイミングがスイープされている。このように、本実施形態では、周期の異なる2つの積分回路851,852の出力電圧(すなわち、波形57,58)を、コンパレータ853に入力することで、立ち上がり及び立下りのタイミングをスイープさせ、等価時間サンプリングパルスSPcを出力している。このように、本実施形態では、周期の異なる2つの積分回路851,852の電圧をコンパレータ853にかけることで、立ち上がり(又は、立ち下り)タイミングをスイープするサンプリングトリガ信号を得られるのである。
上記のように、本実施形態では、等価時間サンプリングパルスSPcが生成される。等価時間サンプリング法によって、数nS~数十nSオーダーの受光パルス波形を任意の倍率でダウンコンバートできる。よって、受光した以降の信号処理回路に高速性が要求され難くなる。
上記実施形態において、レーザ車間距離計1は、本発明の「出射装置」の一例である。フォトダイオード75は、本発明の「受光部」の一例である。反射面771,772は、本発明の「反射部」の一例である。難反射面774~777は、本発明の「難反射部」の一例である。出射制御回路60は、本発明の「出射制御手段」の一例である。受光制御回路80は、本発明の「等価時間サンプリング手段」の一例である。S&H821は、本発明の「第一取得手段」の一例である。S&H822は、本発明の「第二取得手段」の一例である。差動アンプ83は、本発明の「第三取得手段」の一例である。フォトダイオード75から受光された信号に基づいて、他車両3との距離を測定するCPU101は、本発明の「距離取得手段」の一例である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、出射領域40が台形であったが、これに限定されない。出射領域40は、左右方向に対向する一対の辺の少なくとも一方が、上方向に向かうほど、出射領域40の内側に傾く形状であるとよい。この場合、走行車線50の左右方向の少なくとも一方側の反射板95に照射される光の輝度が小さくなりやすい。このため、レーザ車間距離計1から出射された光を検知して他車両3を検出する場合に、走行車線50の外側の反射板95を誤検出する可能性が低くなる。よって、他車両3の検出精度が向上する。例えば、図17に示す出射領域41のように、右側の辺413のみが、上方向に向かうほど、左方向に傾く形状である場合、右側の反射板95を誤検出する可能性が低くなる。
ところで、出射領域40は、走行車線50の左右方向外側の反射板95の影響を排除できる形状の三角形であるとよい。しかし、三角形の上側の頂点の部分は点となるので、自車両2が走行車線50の中央から左右にずれた場合、他車両3を検出できなくなる可能性が高くなる。そこで、自車両2が走行車線の中央から左右にずれた場合でもより確実に検出できるように、図5~図7に示すように、上辺405を設け、出射領域40を台形としている。台形状の出射領域40の上辺405の長さは、例えば、他車両3の検出対象距離の位置における走行車線50に対応する長さであるとよい。
なお、本実施形態のように、出射領域40は、上部の第一部位401から下部の第二部位402まで連続するとよい。また、出射領域40において、第一部位401と第二部位402との間は、分断されるとよい。また、光を生成する生成部は、LED(Light
Emitting Diode)であるとよい。生成部は、本実施形態のようにLD72であれば特によい。LD72は、レーザ車間距離計1がフロントガラス91の内側に装着された場合でも、フロントガラス91を透過させて、より遠くの他車両3に光を到達させることができる。
また、出射領域40は、三角形又は四角形であり、左右方向に互いに対向する一対の辺の両方が、上方向に向かうほど、出射領域40の内側に傾く形状であるとよい。この場合、走行車線50の左右方向の両方の反射板95に照射される光の輝度が小さくなりやすい。よって、レーザ車間距離計1から出射された光を検知して他車両3を検出する場合に、走行車線50の外側の反射板95を誤検出する可能性が低くなる。よって、他車両3の検出精度が向上する。なお、本実施形態においては、出射領域40が四角形であり、左右方向に互いに対向する一対の斜辺403,404が、上方向に向かうほど、出射領域40の内側に傾く形状となっている。
また、台形状の出射領域40の左右に位置する斜辺403,404の夫々と、レーザ車間距離計1から見た走行車線50の左右の線501,502とが平行に近くなるとよい。例えば、台形状の出射領域40の左右に位置する斜辺403,404の夫々と、底辺406とのなす角R1(図5参照)が、45度の場合、レーザ車間距離計1から見た走行車線50の左右の線と左右方向とがなす角R2(図5参照)が45度となるように設定するとよい。この場合、走行車線50の外側の反射板95に照射される光の輝度が小さくなり易く、かつ、他車両3の反射板31に照射される光の輝度が大きくなり易い。故に、レーザ車間距離計1から出射された光を検知して他車両3を検出する場合に、他車両3をより確実に検出できる。
また、台形状の出射領域40の左右に位置する斜辺403,404の夫々が、レーザ車間距離計1から見た走行車線50の左右の線501,502よりもやや外側にあるとよい。この場合、左右の線501,502の外側にある反射板に光が照射され難いとよい。また、望ましくは、台形状の出射領域40の左右に位置する斜辺403,404の夫々が、レーザ車間距離計1から見た走行車線50の左右の線501,502と同じ位置にあるとよい。さらに望ましくは、台形状の出射領域40の左右に位置する斜辺403,404の夫々が、レーザ車間距離計1から見た走行車線50の左右の線501,502の内側にあるとよい。また、出射領域40は、例えば、幹線道路など、左右方向の幅が比較的広い道路にあわせるとよい。左右方向の幅が広い道路は、自動車の速度が速くなりやすいので、他車両3までの車間距離が、走行の安全性の面で重要になる。その速度が速くなりやすい道路においてレーザ車間距離計1が用いられることで、走行の安全性が向上する。
また、本実施形態においては、第二部位402から第一部位401に向かって徐々に輝度が大きくなる(図7参照)。しかし、出射領域40全体が同じ輝度であるとよい。また、出射領域40の中央部の輝度が高く、上下左右に向かうほど輝度が小さいとよい。また、第一部位401の輝度が、第二部位402の輝度より小さいとよい。
また、補助レンズ762,763の光学的中心軸912,913が、主レンズ761の光学的中心軸911より下側に位置するとよい。補助レンズ762,763が設けられているので、主レンズ761のみが設けられる場合よりも、より下側の光をフォトダイオード75に導くことができる。よって、主レンズ761のみが設けられている場合よりも、フォトダイオード75が下側の光を受光できる領域が大きくなる。
また、レーザ車間距離計1を例にして説明したが、車間距離を測定できないとよい。例えば、本発明の出射装置は、レーザ車間距離計1ではなく、他車両3の有無のみを検出できる機器でもよい。また、本発明の出射装置は、光を出射できる装置であり、反射光を受光できないとよい。この場合、他の機器によって受光され、他車両3が検出されるとよい。
また、LPF81(図6参照)が設けられないとよい。LPF81が設けられない場合、コストを低減することができる。また、受光制御回路80は、図14に示す例以外の構成であるとよい。また、光を出射するための回路構成は、図13に示す例以外の構成であるとよい。また、第一抵抗器621、第二抵抗器622、及び第三抵抗器614は、夫々、1つの抵抗器に限定されず、複数の抵抗器が組み合わされるとよい。
また、図8に示す反射面771,772は、筐体742の内壁77が研磨されて形成されていたが、研磨以外で形成されるとよい。例えば、反射面771,772は、金属板、メッキ、又は光沢加工によって形成されるとよい。また、難反射面773が反射面であるとよい。また、難反射面773~777が設けられないとよい。また、反射面771,772が設けられないとよい。反射面771,772が設けられない場合、反射面771,772を形成するコストを低減することができる。
また、フォトダイオード75は、一の角部751が上側に位置する配置以外の配置にされるとよい。また、フォトダイオード75が四角形でないとよい。また、フォトダイオード75以外の受光素子が使用されるとよい。例えば、CCDが使用されるとよい。
また、補助レンズ762,763の形状が、本実施形態とは異なる形状であるとよい。また、補助レンズの数は限定されない。1つの補助レンズが設けられるとよい。3つ以上の補助レンズが設けられるとよい。また、補助レンズの位置も限定されない。例えば、出射領域40の形状に応じて、補助レンズの位置が変更されるとよい。また、補助レンズ762,763の形状が、本実施形態とは異なる形状であるとよい。また、補助レンズ762,763が設けられないとよい。また、主レンズ761の形状が円形でないとよい。受光レンズ76が有する光学的中心軸911~913の少なくとも一部が、フォトダイオード75の外側に位置するとよい。
また、出射ユニット71と受光ユニット74とが、上下方向に隣接するとよい。この場合、レーザ車間距離計1の左右方向の幅を小さくすることができる。また、出射ユニット71と受光ユニット74とは、互いに離間しているとよい。
また、レーザ車間距離計1が装着される場所は限定されない。例えば、レーザ車間距離計1は、自車両2のリアガラスに装着されるとよい。また、光の出射方向は、後方であるとよい。また、レーザ車間距離計1は、自車両2の室外に配置されるとよい。例えば、レーザ車間距離計1は、自車両2の室外において、先端部又は後端部に配置されるとよい。また、装着部19は設けられないとよい。この場合、コストを低減することができる。
なお、レーザ車間距離計1の外観は、一例として、図18のようにするとよい。レーザ車間距離計1の本体部11は、筐体110を備えている。レーザ車間距離計1の前面111には、投光レンズ711、受光レンズ76、及びスピーカ105が配置されている。レーザ車間距離計1の背面112には、MODEキー121、UPキー122、DOWNキー123、及び3つのLED125が配置されている。MODEキー121、UPキー122、及びDOWNキー123は、例えば、プラスチック等の合成樹脂によって形成される。レーザ車間距離計1の上面113には、miniUSBコネクター126が配置されている。
CPU101(図2参照)は、MODEキー121、UPキー122、及びDOWNキー123が押下されたことを検出する。また、CPU101は、LED125の点灯を制御する。CPU101は、miniUSBコネクターを介して、外部機器(例えば、PC及び携帯端末等)と通信を行なうことが可能である。前面111と背面112の下端部には、前後方向に並ぶ照準器124が設けられている。照準器124の下端には、スリットが設けられている。照準器124は、レーザ車間距離計1の向きが調整される場合に使用される。ユーザは、後方から照準器124のスリットを目視し、前後に配置された照準器124のスリットを合わせながら、レーザ車間距離計1の向きを調整する。
CPU101は、ROM106に記憶されているデータに基づいて、テーブル961~964(図19~図22参照)に示す制御を行なう。CPU101は、光ユニット7に基づいて測定した他車両3との車間距離等に基づき、テーブル961(図19参照)に示す音声を、スピーカ105から出力する。テーブル961に示すように、CPU101がスピーカ105を制御して出力する音声は、例えば、音声1(アナウンサ風)、音声2(アニメ声)、及びブザー音の中から選択可能である。このままではあとX秒後に衝突する状態となった場合、CPU101は、衝突予告をスピーカ105から出力し、ユーザに報知する。また、例えば、衝突予告を報知する位置から、さらに他車両3に近づくと、CPU101は、衝突警告をスピーカ105から出力し、ユーザに報知する。衝突警告は、低速の場合と、高速の場合とで異なる(テーブル961の「衝突警告(低速)」と「衝突警告(高速)」を参照)。また、自車両2が停車しているときに、前方の他車両3が発進した場合、CPU101は、スタートインフォメーションをスピーカ105から出力し、ユーザに報知する。
音声1(アナウンサ風)に設定されている場合、CPU101は、衝突予告「あっ」、衝突警告(低速)「危険です。」、衝突警告(高速)「危ない」、及びスタートインフォメーション「先行車発進」を出力する。音声2(アニメ声)に設定されている場合、CPU101は、衝突予告「キャ」、衝突警告(低速)「気を付けてね」、衝突警告(高速)「危ない!」、及びスタートインフォメーション「行っけー」を出力する。ブザー音に設定されている場合、CPU101は、衝突予告「ピピ」、衝突警告(低速)「ピピピピ」、衝突警告(高速)「ピピピピー」、及びスタートインフォメーション「プ・プ・プ・プ」を出力する。
CPU101は、UPキー122又はDOWNキー123が長押しされた場合、テーブル962(図20)に示す感度を設定する。感度設定は、0~3の間で設定可能である。UPキー122が長押しされた場合、CPU101は、感度設定を0から3に向けて大きくする。DOWNキー123が長押しされた場合、CPU101は、感度設定3から0に向けて小さくする。感度設定「0」は、「非検知」の設定である。CPU101は、感度設定「0」に設定する場合、他車両3の検知を行なわない。また、感度設定1から3に向かうほど、感度が高くなる。すなわち、CPU101は、他車両3を検知し易くする。
CPU101は、レーザ車間距離計1の状態を、テーブル963(図21参照)に示す「S1.運用モード」、「S2.ガラス補正モード」、及び「S3.検出確認モード」のいずれかに設定可能である。運用モードは、通常の運用を行なうモードである。ガラス補正モードは、フロントガラス91の影響を低減するモードである。
ガラス補正モードについてより詳細に説明する。LD72から出射され、フロントガラス91に到達した光の一部は、フロントガラス91に反射され、フォトダイオード75側に反射される。例えば、LD72から出射されてフロントガラス91に到達した光を100%とすると、95%はフロントガラス91を透過して前方に出射される。そして、光の2~3%が、フロントガラス91に反射されてフォトダイオード75に到達する。
一方、フロントガラス91を透過して前方に出射された光のうちの一部は、前方の他車両3の反射板31に反射されて、フォトダイオード75に到達する。反射板31は、光の照射範囲の一部に存在するため、反射板31に反射されてフォトダイオード75に到達する光は、1%未満である。すなわち、フロントガラス91に反射されてフォトダイオード75に到達する光(2~3%)に比べて、反射板31に反射されてフォトダイオード75に到達する光(1%未満)は、小さい。このため、フロントガラス91に反射されてフォトダイオード75に到達する光の影響が大きい。ガラス補正モードは、フロントガラス91に反射されてフォトダイオード75に到達する光の影響を軽減するために行なわれる。
具体的には、ガラス補正モードは、前方に他車両3が存在しない状態で、LD72から光を出射する。前方に他車両3が存在しないので、光は反射板31に反射されない。よって、CPU101は、フロントガラス91に反射されてフォトダイオード75に到達する光の輝度を取得することが可能となる。ガラス補正モードにおいて、CPU101は、フロントガラス91に反射されてフォトダイオード75に到達する光の輝度を、RAM107又は他の記憶媒体に記憶する。CPU101は、運用モードにおいて他車両3を検出する場合に、検出した光の輝度から、ガラス補正モードにおいて記憶したフロントガラス91に反射されてフォトダイオード75に到達する光の輝度を減算する。これによって、フロントガラス91に反射されてフォトダイオード75に到達する光の影響が軽減される。
テーブル963に示すように、「S1.運用モード」において、UPキー122が短押しされた場合、CPU101は、スピーカ105から出力する音量を上げる。DOWNキー123が短押しされた場合、CPU101は、スピーカ105から出力する音量を下げる。UPキー122が長押しされた場合、CPU101は感度を上げる(図20及び図21参照)。DOWNキー123が長押しされた場合、CPU101は感度を下げる(図20及び21参照)。MODEキー121が短押しされた場合、CPU101は、音声とブザーとを切り替える。より詳細には、テーブル961(図19参照)に示す、音声1(アナウンサ風)、音声2(アニメ声)、及びブザー音の間で、切り替える。MODEキー121が長押しされた場合、CPU101は、「S2.ガラス補正モード」に、レーザ車間距離計1の状態を移行させる。
ガラス補正モードは、「S2-1.ニュートラル」、「S2-2.実行中」、及び「S2-3.完了」に変化する。「S2-1.ニュートラル」は、設定された時点では何もせず、ガラス補正の実行、もしくはキャンセルのキーの押下を待つモードである。MODEキー121が長押しされた場合、CPU101はキャンセルのキーの押下が実行されたと判断する。この場合、CPU101は、ガラス補正を実行せず、レーザ車間距離計1の状態を「S3.検出確認モード」に移行させる。DOWNキー123が短押しされた場合、CPU101はガラス補正を実行するために、レーザ車間距離計1の状態を「S2-2.実行中」に移行させる。
「S2-2.実行中」では、CPU101は、ガラス補正を実行する。CPU101は、ガラス補正の実行開始から約3秒経過後、レーザ車間距離計1の状態を「S2-3.完了」に移行させる「S2-3.完了」では、ガラス補正が正常に実行されたかの判定結果(OK又はNG)の報知する。報知は、例えば、スピーカ105から音声を出力すること、又は、LED125の点灯を制御することによって行なわれる。ガラス補正が正常に実行された場合(OKの場合)、CPU101は、レーザ車間距離計1の状態を「S1.運用モード」に移行させる。ガラス補正が正常に実行されない場合、CPU101は、レーザ車間距離計1の状態を「S2-1.ニュートラル」に移行させる。
前述したように、「S2-1.ニュートラル」において、MODEキー121が長押しされると、CPU101はレーザ車間距離計1の状態を「S3.検出確認モード」に移行させる。検出確認モードは、レーザ車間距離計1の向きが良いか等の確認用のモードである。検出確認モードでは、例えば、検出距離をピッ音の音程で表現する。UPキー122が短押しされた場合、CPU101は、スピーカ105から出力する音量を上げる。DOWNキー123が短押しされた場合、CPU101は、スピーカ105から出力する音量を下げる。MODEキー121が長押しされた場合、CPU101は、レーザ車間距離計1の状態を「S1.運用モード」に移行させる。
CPU101は、LED125の状態を、テーブル964(図22参照)に示すように制御する。テーブル963のLED1、LED2、LED3は、LED125に含まれる(図18参照)。LED1は、レーザ車間距離計1の状態(装置の状態)を示すためのLEDである。LED2は、警告、報知類を、ユーザに示すためのLEDである。LED3は、エラーをユーザに示すためのLEDである。
レーザ車間距離計1の状態が運用モード(図21及び図22参照)であるとする。この場合、CPU101は、LED1を緑点灯させる。また、「衝突警告(高速)」、「衝突予告(低速)」、「衝突予告」、「スタートインフォメーション」、「音量変更時」、「感度変更」、「報知音変更(音声)」、「報知音変更(ブザー)」の状態となる場合、CPU101は、夫々、「赤点滅」、「黄点滅」、「黄点滅」、「青点滅」、「黄点灯(1秒)」、「青点灯(1秒)」、「青点灯(1秒)」、「黄点灯(1秒)」となるようにLED2を制御する。
また、「Err(エラー)1」、「Err2」、「Err3」、「Err4」、「Err5」の状態となる場合CPU101は、夫々、「赤点滅」、「青点滅」、「黄点滅」、「緑点滅」、「白点滅」となるようにLED3を制御する。Err1は、ガラス補正が完了していないことを示すエラーである。Err2は、電源起動後のエージングタイム中であることを示すエラーである。Err3は、高温によって動作を停止していることを示すエラーである
レーザ車間距離計1の状態がガラス補正モード(図21及び図22参照)であるとする。この場合、CPU101は、LED1を黄点灯させる。また、「実行中」、「完了(成功)」、及び「未実行又は完了(失敗)」の状態となる場合、CPU101は、夫々、「緑点灯」、「青点灯」、「赤点灯」となるようにLED2を制御する。「未実行又は完了(失敗)」とは、ガラス補正が完了していない状態である。
レーザ車間距離計1の状態が検出確認モード(図21及び図22参照)であるとする。この場合、CPU101は、LED1を黄点滅させる。また、CPU101は、前方車(すなわち、他車両3)の非検出時には、LED2を赤点灯させ、前方車の検出時には、LED2を緑点灯させる。以上のようにCPU101は、テーブル961~964に示す制御を行なう。