JP7462655B2 - ラマン分光法による微量のガスの検出に適した、光帰還を有する共振光学キャビティシステム - Google Patents

ラマン分光法による微量のガスの検出に適した、光帰還を有する共振光学キャビティシステム Download PDF

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Description

本発明は、ラマン分光測定によるガスの分析に関する。ラマン分光測定は、光子と媒質(分子または結晶)との非弾性相互作用から生じるラマン効果に基づく。この非弾性相互作用は、「ラマン散乱」と呼ばれる。そのような非弾性相互作用の存在は、光子が遭遇した媒質が、光子からエネルギーを吸収したか、または光子にエネルギーを提供したことを示唆する。このエネルギー移動は、入射光子と相互作用後の散乱光子との間の周波数シフトによって示される。媒質が光子からエネルギーを吸収する場合、ラマン散乱は、いわゆる「ストークスシフト」を取る。媒質が光子にエネルギーを提供する場合、ラマン散乱は、いわゆる「アンチストークスシフト」を取る。これらの周波数シフトは、媒質(結晶、液体、またはガス)の化学組成に特有であることがわかる。したがって、ラマン分光測定は、単色光ビームを研究される試料に集束させること、スペクトル線またはラマン散乱から生じるラマン線を含むラマンスペクトルを形成すること、ならびにスペクトルのラマンスペクトル線を理論および実験データと比較することによって、試料構成成分およびそれらの濃度を決定することにある。実際、ラマンスペクトル線の強度は、励起ビームの強度だけでなく、入射ビームが遭遇した分子の数、および遭遇した分子のラマン散乱特性にも比例する。結果として、ラマン分光測定は、ラマン線の強度が入射ビームのものよりはるかに弱いことを考慮して、十分なスペクトル分解能を得るための、十分なパワーの単色レーザビームを必要とする。実際、レーザ源の要求電力は、数百ミリワット、またはさらには数十ワットに到達し、これは、強力な、したがって高価でかさばるレーザの使用を伴う。
ラマン分光測定は、その利点、特に、吸光分析とは反対に、レーザ源を変える必要なく、分析される媒質中に存在する非常に多くの異なる分子の性質を決定するその能力のため、レーザ技術の出現以来、広く開発されてきた。最初のラマン分光計の出現の直後に、レーザビームのパワーを蓄積すること(「パワー増大」)ができる共振光学キャビティ中に、分析される媒質を置くことが提唱された。
論文[1]は、ガス検出のためのラマン分光計について記載し、試料は、0.5Wのパワーを提供するアルゴンイオンレーザによって励起される光学キャビティ中に置かれ、光学キャビティは、160Wの試料励起パワーを生成する。このシステムは、数十ppm(百万分率)のオーダーの化学種という検出限界を有する。しかしながら、アルゴンイオンレーザは、非常に小型のガス分析器の使用を必要とする多くの用途にとって、依然としてかさばりすぎる。
したがって、さらに最近では、ラマン分光計の開発は、小型化に向けて精力的な研究の対象となっている。高精細光学キャビティへの低出力レーザダイオードの光帰還ロッキングの分野における最近の進展は、これらのキャビティ中に非常に強いレーザビームを生成している。例として、論文[2]は、レーザダイオードによって励起される共振光学キャビティを開示する。レーザダイオードによって生成されたレーザビームのごく一部は、キャビティミラーの1つを通して光学キャビティに導入され、キャビティミラー間で多重反射を受け、パワーの蓄積をもたらす。レーザダイオードによって生成されたビームのスペクトル帯域幅は、最初はキャビティのモード幅より数桁大きい。この状況では、典型的には1~10MHzのスペクトル幅を有する、レーザダイオードによって生成されたビームの、10kHzのスペクトル幅を有するキャビティの共振モードに対する結合効率は、数分の1パーセント未満であり得る。したがって、パワーを蓄積するためのレーザダイオードからキャビティへの直接注入は、非常に非効率的である。しかしながら、この論文では、キャビティ中で循環し、したがって、キャビティ共振モードのスペクトル幅を有する共振ビームのごく一部は、キャビティミラーの1つによってキャビティから抽出され、レーザダイオードに戻され、誘導放出によって、千倍超の増幅を受ける。次いで、この狭いスペクトル帯域のビームは、はるかに高い効率などでキャビティに再注入される。数サイクル後、レーザダイオードによって放射されたビームのスペクトル幅は、はるかに狭い、光学キャビティの共振モードのスペクトル帯域に低減される。先の例では、放射レーザビームのスペクトル幅は、約10Mhzから数ヘルツになる。したがって、レーザダイオードによって放射されたエネルギーは、レーザビームの周波数がキャビティの共振モードのものに十分に近い限り、高い透過率でキャビティに透過され得る。次いで、レーザダイオードによって放射されたビームは、光学キャビティのこの共振モードに周波数ロッキングされ得、したがって、レーザダイオードの固有周波数が、キャビティ共振モードの周波数を含むロッキング周波数帯域を出るまで、ロッキングされたままであり得る。このスペクトル幅の低減及びロッキング効果は「光帰還ロッキング」と呼ばれる。ロッキング周波数帯域の幅は、光帰還ビームとしてキャビティから抽出され得るわずかな光パワーに依存する。典型的には、わずか-30dB以下の帰還係数で、ロッキング周波数帯域は、キャビティの2つの隣接する縦共振モード間の周波数間隔と同じくらいの幅であり得、この間隔は、光学キャビティの「自由スペクトル領域」(FSR)と呼ばれる。
光帰還ロッキングを達成するために、帰還ビームの位相を、光学キャビティ中を進むビームの位相に同調させる必要がある。レーザダイオードの固有光周波数が、キャビティモードのロッキング帯域と交差することも必要である。これらの位相および周波数同調を維持するための、いくつかのより単純な解決策が提唱されている(例えば、論文[3]を参照)。しかしながら、位相および周波数同調が失われると、それらを自動的に回復するのは困難である。実際、これらの同調の喪失は、特に工業環境では、機械的、熱的、および電気的擾乱でしばしば起こり、測定を困難にする。
特許US5432610、ならびに派生特許US5642375、US5684623、US5835522、およびUS6222860は、光学キャビティに結合されたレーザダイオードを使用するラマン分光計を開示する。しかしながら、これらのシステムは、光帰還の頻繁な喪失の問題に遭遇し、光信号の断続的な喪失をもたらすように思われる。概して、これらの特許は、信頼できる正確な測定値を得るために、安定した、再現性のあるラマン信号の生成をどのようにして可能とするかを示さない。
さらに最近では、論文[4]および[5]は、多くの構成要素を含む複雑なアーキテクチャを伴う線形キャビティを備えるラマン分光計を開示する。同じモードでの光学キャビティの励起の維持は、レーザダイオードの供給電圧に、低振幅の鋸歯状信号を適用することによって達成され、その結果、ダイオードによって生成されるレーザビームの周波数は、光学キャビティの単一共振モードの周波数の周辺の、特定の周波数範囲を掃引する。結果として、レーザビームは、この信号共振モードに常に周波数ロッキングされ、単色のままである。したがって、常に同じ共振モードが達成されることを確実にするためには、この共振モードに対応するキャビティ透過ピークが、鋸歯状電流の各上下ランプの中央にとどまることを確認すること、およびダイオード供給電流を調整してこの条件を維持することで十分である。この方法は、透過ピークの対称性を観察することによって光帰還の位相を調整する方法も提供する。
この方法は、共振モードでの光学キャビティの持続的かつ反復的な励起を発生させるのに適切であるように思われる。しかしながら、この方法は、機械的摂動に依然として敏感であり、振動は、位相同調の喪失を引き起こし得、これは、光帰還の位相がその最適値に十分近づくまで、キャビティの共振を中断する。この時間中に、測定値を得ることは、もちろん不可能である。別の問題が、等しい持続時間の立ち上がりランプおよび立ち下がりランプを有する鋸歯状信号の使用から生じる。実際、そのような信号は、50%超のデューティサイクル(光学キャビティの共振モードでのロッキングが起こっている時間と、経過時間との比)を示唆する。これは、キャビティ共振モードへのレーザダイオードのロッキングが、ダイオード供給電流の立ち上がりランプ中だけでなく、より短い下降ランプ中にも起こるためである。実際に、光帰還の特性は、位相調整を変化させることなく、透過ピークの対称性を維持しながら、2つの上下ランプの各々の間に、光学キャビティの最大持続時間透過ピークを達成することを可能としない。したがって、供給電流の変動の振幅のマージンを提供する必要がある。このマージンは、デューティサイクルを約50%以下に制限すること、したがって、レーザダイオードによって供給される使用可能なエネルギーを制限することにつながる。
したがって、小型で、安定した、ロバストな、かつ高感度測定を提供可能な、ラマン分光測定ガス分析システムを提供することが望ましい。また、レーザ源によって生成されたエネルギーを、より効率的に使用することが望ましい。
特許出願WO03/031949およびWO2018/060285は、吸光分析の分野で使用される光学キャビティシステムを開示する。これらのシステムでは、光学キャビティは、光学キャビティのいくつかの共振モードに、光帰還によって連続的に同調されたレーザダイオードによって励起される。これらのシステムは、吸収線の飽和を回避するために、キャビティ中の光パワーを最小化しようとする。これらのシステムは、動作の非常に高いロバスト性、および重要な擾乱がある場合の、キャビティ中の光パワーの迅速な回復を提供するという利点を有する。しかしながら、これらのシステムは、キャビティのいくつかのモードの連続励起に基づくため、ラマン分光測定に適していないように思われる。結果として、キャビティに蓄積された光は、全体的に単色ではなく、周期的に変動する周波数を有する。
本開示は、特に、光学キャビティのモード掃引範囲をラマン分光計のスペクトル分解能未満に限定すること、および光学キャビティに蓄積される光パワーをできるだけ増加させることによって、これらの光学キャビティシステムの配置をラマン分光測定の制約に適合させることを提唱する。
実施形態は、ラマン分光測定によってガスを分析するための方法に関し、方法は、レーザ源に制御信号を適用して、分析されるガスを保持する光学キャビティの複数の共振モードの周波数を含む周波数範囲を掃引するレーザビームを生成するステップであって、周波数範囲の幅はラマン分光計の分解能未満である、ステップと、光学キャビティの入口にレーザビームを供給するステップと、光学キャビティから帰還ビームを抽出するステップと、帰還ビームの位相および振幅を調整するステップと、位相および振幅調整帰還ビームをレーザ源に送るステップと、周波数範囲の掃引中に、光学キャビティ中のレーザビームの光強度変動を測定し、光強度変動の光強度ピークを検出するステップであって、各光強度ピークは、光学キャビティの共振モードに対応し、帰還ビームの位相は、1つの光強度ピークの中央時間と頂点の発生時間との間の偏差を低減するように調整され、帰還ビームの振幅は、少なくとも光強度ピーク間のゼロ強度の間隔を低減するように調整される、ステップと、分光計センサで、光学キャビティ中のレーザビームによって非弾性散乱された光のスペクトルの測定値を取得して、光学キャビティ中のガスの性質および/または濃度を決定するステップと、を含む。
実施形態によれば、レーザ源の制御信号は、周期的形状を有し、複数の感光性セルを備える分光計センサは、非弾性散乱光の一部を受け取り、スペクトル測定値が感光性セルによって生成される、読み出し期と交互の露光期を操作するように制御され、方法は、各露光期中に、以下:光学キャビティ中のレーザビームの光強度、および/または光学キャビティ中のレーザビームによって弾性散乱された光の一部の光強度の、測定値の積分値を得るステップと、露光期の終了時に得られたスペクトル測定値の各々を積分値の関数として正規化して、正規化スペクトルを生成するステップと、を含む。
実施形態によれば、露光期は、レーザ源の制御信号の周期の倍数にその周期の数分の1を加えたものに等しい持続時間を有し、各露光期の開始は、レーザ源の制御信号と同期される。
実施形態によれば、各露光期は、光学キャビティ中に光が存在しない期間中に開始および中断される。
実施形態によれば、方法は、レーザ源への電力を周期的に切って、光学キャビティ中のレーザビームの光強度変動の測定値を提供する光検出器の暗電流を測定するステップと、暗電流測定値の平均を使用して、光学キャビティ中のレーザビームの光強度変動の測定値を補正するステップとを含む。
実施形態によれば、レーザ源の電力の中断は、露光期以外で行われる。
実施形態によれば、方法は、少なくとも1つの連続した露光期に及ぶ中断期中にレーザ源への電力を切るステップと、分光計センサの各光感応性セルについて、中断期中の暗電流を測定するステップと、感光性セルについて得られた暗電流測定値に基づいて、感光性セルの保存された平均暗電流を補正するステップと、感光性セルの保存された平均暗電流に従って、感光性セルによって提供された各スペクトル測定値を補正するステップとを含み、暗電流測定に先行して、感光性セルを消去するために、考慮されないいくつかの測定が行われてよい。
実施形態によれば、光学キャビティの入口に提供されたレーザビーム、および帰還ビームは、レーザ源と光学キャビティの入口との間で同じ光路を通って透過される。
実施形態によれば、帰還ビームの振幅は、レーザ源と光学キャビティの入口との間の光路に設置された調整可能なファラデー分離モジュールによって調整され、ファラデー分離モジュールは、帰還ビームの振幅を減衰させ、レーザ源からのレーザビームを通過させる。
実施形態によれば、ファラデー分離モジュールは、光学キャビティ中のレーザビームの光強度測定値の関数として、光強度ピーク間のゼロ強度間隔を最小化するようにサーボ制御され、ファラデー分離モジュールのサーボ制御は、その温度に従うことによって達成され得る。
実施形態はまた、レーザ源によって放射されたレーザビームが導入される光学キャビティを備える、ラマン分光測定によってガスを分析するための装置に関してよく、装置は、上記で定義された方法を実行するように構成される。
実施形態によれば、レーザ源は、モードホッピングを起こさずに周波数範囲を掃引するように構成される。
実施形態によれば、光学キャビティは、V字形であり、光学キャビティの入口を形成するカップリングミラー、および2つのキャビティ端ミラーを備え、キャビティ端ミラーは、カップリングミラーより大きいかまたは同じ反射率を有する。
実施形態によれば、光学キャビティを形成するミラーは、光学キャビティ内のビームの形状を、レーザビームの影響下、キャビティ中で散乱された光を収集するための領域に合わせるように適合された曲率半径を有する。
実施形態によれば、光学キャビティ中で散乱された光は、キャビティ端ミラーの1つを通して観測され、キャビティ端ミラーは、光学キャビティの共振モードの各々での反射ビームに対して最大反射率であり、ラマン線の少なくとも1つのストークス線に対して最大透過率であるコーティングを有する。
実施形態によれば、レーザ源は、以下の種類:分布帰還型レーザダイオード、分布ブラッグ反射器レーザダイオード、体積もしくはホログラフィックブラッグ回折格子、または狭帯域フィルタによって安定化されたファブリペロー型ダイオード、放射周波数を調整するための装置を伴うレーザ、誘電体膜ミラーに結合された垂直キャビティ面発光レーザの1つである。
実施形態によれば、装置は、レーザ源と光学キャビティの入口との間の光路長を変えて帰還ビームの位相を調整するために、ミラーに結合されたアクチュエータを備える。
本発明の例示的な非限定的実施形態が、添付の図面に関連して以下に説明される。
実施形態によるラマン分光測定ガス分析システムを概略的に示す。 図1のガス分析システムで観測された信号の時間図を示す。 図1のガス分析システムで観測された信号の時間図を示す。 図1のガス分析システムで観測された信号の時間図を示す。 図1のガス分析システムで観測された信号の時間図を示す。
図1は、実施形態によるラマン分光測定ガス分析システムを示す。ガス分析システムは、レーザ源100、レーザ源によって放射されたレーザビームを整形するための光学モジュール120、共振モード同調用光学モジュール130、光帰還減衰用光学モジュール160、光学キャビティ180、光検出器190、および光学キャビティ中のレーザビームの影響を通して、光学キャビティ180中に存在するガスによって散乱された光の一部を収集するための光学装置50を含み、光学装置50は、ラマン分光計300の入力310に結合される。
2アームのV字形光学キャビティ180は、キャビティ180の境界となるキャビティ本体181、入力またはカップリングミラー182、および2つのキャビティ端ミラー184、186を含み、3つのミラーはすべて、キャビティ本体181に取り付けられる。キャビティ本体181は、分析されるガスの流れを受け入れ、ミラー182、184、186間で光を伝播するように構成される。キャビティ本体181は、例えば、ステンレス鋼製であってよい。
レーザ源100は、単一縦モードで、紫外領域で、近赤外の可視領域で、光ビームを放射するように構成される。レーザ源100は、例えばその供給電流もしくは温度などの、その制御パラメータ、またはレーザ源の構造に依存する他のパラメータの1つの変動に応答して、例えばモードホッピングを起こさずに、放射レーザビームの周波数を変化させる能力も有する。さらに、レーザ源100の放射周波数の変動の範囲は、キャビティ180のいくつかの自由スペクトル領域FSRの幅を超えて広がる。レーザ源100からのビームは、Z方向に放射される。図1はXZ平面内にあり、Y方向はXZ平面に垂直である。
レーザ源100は、例えば、分布帰還(DFB)型レーザダイオードであってよい。DBR(分布ブラッグ反射器)レーザダイオードなどの、他のレーザ源を使用することが可能である。レーザ源はまた、体積ブラッググレーティング(VBG)、回折格子、または狭帯域フィルタなどの、外部周波数選択素子によって安定化されたファブリペローダイオードであり得る。レーザ源はまた、複雑な放射周波数調整装置を伴うレーザ、または誘電体膜ミラーに結合された垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL)であってもよく、その放射周波数は、レーザ基板とミラーとの間に印加される電圧によって調整され得る。
レーザ源100によって放射されたビームは、ビーム伝播方向に垂直な2方向の両方への放射ビームの広がりを低減する光コリメーションモジュール110を通過する。放射レーザビームのコリメーションは、吸収セル、およびセル出力の光検出器へのレーザビームの送達を促進するために、レーザダイオードを使用して分光測定に従来実装されている。ラマン分光測定では、光学キャビティの使用に基づいて、レーザビームのコンフォメーションは、より正確に実現される。実際、効率的な光エネルギー移動を得るために、レーザビームは、キャビティの基本共振モードに同調され、これは、レーザビームの振幅分布および位相分布を調整して、それらをキャビティの基本共振モードのものにできるだけ近づけることを必要とする。図1に示す実施形態では、モード同調は、光学モジュール110、120、および130によって行われる。
モジュール110は、非球面であってよい単一のレンズ、または二重の非球面シリンドリカルレンズであってよい。モジュール110はまた、いくつかの多少複雑なレンズの組み合あわせ、または他の光学部品であってもよい。
多くのレーザダイオードは、高離心率および/または高非点収差の楕円形状を有するビームを生成する。モジュール110の出力のコリメートされたレーザビーム121は、したがって、考慮される方向に依存して大きく異なる幅および広がりを有し得る。モジュール110を出るコリメートされたレーザビーム121は、次いで、実質的に円形のビームを生成するように構成された光整形モジュール120によって処理される。実施形態によれば、光整形モジュール120は、ビーム121を1方向に拡大する1対のアナモルフィックプリズム124、127を含む。図1に示すプリズム124、125の配向によれば、光学モジュール110を出るビーム121は、最も長い軸がY方向に沿って配向された楕円形断面(XY平面内)を有する。2つのプリズム124、127は、ビームをX方向に拡大して、X方向およびY方向のビーム幅を互いにできるだけ近づける。例として、レーザ源によって生成されたレーザビームの離心率は2.8である。しかしながら、可視領域のレーザダイオードは、離心率4のレーザビームを提供し得る。
別の実施形態によれば、光学モジュール120は、シリンドリカルレンズで作られてもよい。
光学モジュール120から出力された整形レーザビーム129は、次いで、共振モード同調光学モジュール130によって処理される。モジュール130は、ビーム129の空間パラメータを、光学キャビティ180の基本モードビームの空間パラメータに近づけるよう調整するように構成される(モード同調)。このモード同調条件は、入力ミラー182でのビーム171のX方向およびY方向の振幅分布および位相分布が、キャビティの基本モードに対応するビーム172のものに一致するかまたは非常に近い場合に達成され得る。光学モジュール130は、1つもしくは複数のレンズ、または異なる光学部品の組み合わせを含んでよい。図1に示す例では、光学モジュール130は、2つの球面レンズ134、137を含む。
光学モジュール130を出るビーム138は、2つのミラー150、153によって光学キャビティ180の入力ミラー182に誘導され、その結果、ミラー153によって反射されたビーム171は、キャビティ180中に存在する基本モードビーム172の像と共線を成す。ミラー153は、圧電トランスデューサなどのアクチュエータ154に取り付けられ、レーザ源100の出力と光学キャビティ180の入力のカップリングミラー182との間の光路長を調整し、したがって、キャビティ端ミラー184から生じる、キャビティ180からの帰還ビームの位相を調整することを可能とする。このようにして、光帰還ロッキングの条件を満たすことができる。
ミラー150とミラー153との間で、光学モジュール160は、光帰還強度の減衰を調整する。モジュール160の機能は、帰還ロッキング帯域幅が、自由スペクトル領域FSRに近いが、それを超えない限り、帰還ビームとレーザ源100からの入射ビームとの強度比を最適値に調整することである。帰還ビーム強度の最適値は、光学キャビティ180を形成するミラー182、184、186の特性、レーザ源100の特性、およびレーザ源と光学キャビティとの間の結合効率に依存する。典型的には、この最適値を達成するのに必要な減衰比は、25~35dBである。帰還ビーム強度の最適値は、単一の製造バッチ内で変動するほどに、微小な変動に敏感であることがわかる。この最適値はまた、特にガス分析システムの構成要素の経年変化、および特定のガスの存在によるキャビティ内損失のため、経時的に変動する。
理論上は、調整可能な透過係数を有する任意の減衰器が使用され得る。したがって、減衰器モジュール160は、例えば、減光フィルタ、またはさらには1対の略直交偏光子であってよい。しかしながら、そのような偏光子は、キャビティに注入されるビームのパワーの著しい損失を引き起こす場合があり、これは、ラマン分光測定システムでは望ましくない。実際は、光帰還のロッキング範囲を調整するだけでなく、できるだけ多くの光パワーをキャビティに注入することが好ましく、これは先行技術のシステム(例えば、特許出願WO 03/031949に開示されている)には当てはまらない。
カップリングミラー182によるビーム171の透過から生じるビーム172は、キャビティ端ミラーの第1のミラー184によって反射される。ミラー184によって反射されたビーム173は、カップリングミラー182上で反射される。カップリングミラー182から反射されたビーム174は、キャビティ端ミラーの第2のミラー186に後方反射され、第2のミラー186は、カップリングミラー182に向かってビーム175を後方反射する。ミラー184から生じ、カップリングミラー182を通過するキャビティビーム173の一部は、帰還ビームを構成する。ミラー186から生じ、カップリングミラー182を通過するビーム175の一部176は、レーザ源100から生じ、キャビティに入ることなくカップリングミラー182によって直接反射される、入射ビーム171の一部177と同じ方向を有する。
光学キャビティ180に入るビーム172は、キャビティモード系の1つを励起する。キャビティモード系の1つは、カップリングミラー182の入射面(XZ)内で偏光され、これらのキャビティモード系の別のものは、入射面YZに垂直に偏光される。結果として、これらのキャビティモード系の1つを励起するために、減衰モジュール160の出力偏光子168の透過軸は、XまたはY軸に平行に配向される。入力偏光子162の透過軸は、したがって、XZ平面に対して約45°で配向される。これは、モジュール130からの入射ビーム138の偏光と一致しない。ビーム138の偏光は、したがって、例えばモジュール130とモジュール160との間に配置された波長版140によって、約45°の角度だけ回転される。波長版140からの出力ビームは、したがって、入力偏光子162の配向に対応する偏光を有する。
光検出器190は、キャビティ端ミラー184を通して、光学キャビティ180内のビームを観測する。光検出器190は、例えばフォトダイオードである。光検出器190からの信号は、アクチュエータ154および減衰モジュール160を制御するための信号ATTおよびCDAを生成するように構成されたプロセッサCPによって、処理および分析される。
部分172~175を含む、光学キャビティを横断するレーザビームは、ラマン散乱を発生させるための供給源として使用される。散乱光は、大きな開口数の2つのレンズ54、56を備える光学モジュール50によって収集され、レンズは、キャビティ本体181から、キャビティの散乱光を収集するための領域52への、散乱光の像を透過する。光学モジュール50は、直接または光リンク305を介してのいずれかで、ラマン分光計の入力に結合される。光リンク305は、好適な直径を有する光ファイバ、または光ファイバの束であってよい。
ラマン分光計は、古典的に、大きな開口数を有するコリメートレンズ314に結合された入口スリット310、回折格子320、レンズ316、および回折格子320から出た光のスペクトルを生成するための分光計センサ330を含んでよい。スリット310を通って入る光ビームは、レンズ314を通して回折格子320に透過される。回折格子320からの光ビームは、レンズ316を通してセンサ330に透過される。センサ330は、受け取った波長をセンサ330の光感応性セルにわたって分配するフィルタを通して、レンズ316によって透過された光を受け取る、数百の光感応性セルのアレイを備え、その結果、センサの各セルは、生成されるスペクトルに対応する波長域に属する、低減された波長範囲のみを受け取る。フィルタは、例えば、ファブリペローフィルタ、または可変線形フィルタのものであってよい。そのようなフィルタを用いて、センサ330の感光性セルに透過される波長は、光学キャビティ中のレーザビームの波長域を除外することができ、その結果、感光性セルは、キャビティ中で非弾性散乱された光、すなわちラマンスペクトルのみを受け取る。
センサ330によって生成されたスペクトルは、ラマン分光測定で知られているスペクトル分析技術を使用して分析されて、光学キャビティ中に存在するガスの性質および/または濃度を決定することができる。これらのスペクトル分析技術は、生成されたスペクトル中の、ラマン線の周波数および振幅を検出および測定すること含み得、そこから、光学キャビティ中に存在するガスの性質および場合によっては濃度を推定することができる。
カップリングミラー182は、キャビティ180の内部に面するその表面上に、(1に近い)高い反射係数Rを有する誘電体コーティング183を含む。キャビティの外側に面するミラー182の表面は、反射防止コーティング183aで覆われていてよい。典型的には、値1-Rは、数ppm~数百ppmの範囲で選択される。いくつかの実施形態では、値1-Rは、数パーセントでさえあり得る。
実施形態によれば、キャビティ端ミラー184、186は、ミラー182と同一である。結果として、キャビティ中で観測される光強度のピークでは、キャビティを通って進むレーザビームは、ミラー182、184、186の1つに遭遇するたびに、4方向にキャビティを出る。
別の実施形態によれば、キャビティ端ミラー184、186は、ミラー182よりはるかに高い反射率を有する。この配置は、キャビティ端ミラー184、186によるキャビティを通って進むレーザビームの透過によるエネルギー損失を低減し、また、光学キャビティ180の光パワー蓄積の力倍率を4まで増加させ、対応してラマン信号強度を増加させる。
キャビティに蓄積された光パワーの利得は、キャビティ180を満たすガスの吸収による光パワーの著しい損失を相殺することによって、キャビティの端部のミラー184、186が、その透過係数よりはるかに高い、非常に高い反射係数を有する場合、4まで上昇し得る。この場合のみ、光パワーのわずかな部分が、ミラー184、186を通ってキャビティを出、キャビティの光パワーの蓄積は、カップリングミラー182を通ってキャビティを出るビーム176、およびカップリングミラー182によって直接反射されたビーム177が、共線を成し、実質的に同一のパワーを有するようなものである。ビーム176および177は逆位相であるため、それらの合成パワーはゼロに近い。したがって、レーザ源によってキャビティに送られたすべてのパワーは、4方向の代わりに1方向にキャビティを出て、キャビティを出る他の3つのビームは無視できる強度を有する。損失を回避しながら、レーザ源によって供給されたすべての利用可能なエネルギーの、光学キャビティへの注入を達成するこの配置は、共振光学キャビティの理論では、「インピーダンス同調」と呼ばれる。
使用可能なラマン信号を得るために、光学キャビティ180中で散乱された光と、ラマン分光計の入口スリット310との間の結合を改善することが有利であり得る。従来のラマン分光計の入口スリットは、25~100μmの幅、および数ミリメートルの高さを有する。この入口スリットは、低収差および開口数約0.4のコリメートレンズの焦点面に置かれる。したがって、収集領域52において、光学装置50によるその像が分光計300の入口スリット310と一致するような直径を有する、光学キャビティ中のレーザビームを有することが望ましい場合がある。または反対に、散乱光の収集を最適化するために、収集領域52におけるレーザビームの直径が、入口スリット310の幅の、光学装置50による像に対応することが望ましい場合がある。
実施形態によれば、光学キャビティ180中の収集領域52におけるビーム直径を、分光計入口スリット310の幅に合わせることは、キャビティミラー182、184、186の曲率半径の適切な選択によって達成される。知られているように、分光計入口光学系の所与の入口スリット高さおよび所与の開口数について、光学装置50の倍率が決定され得、キャビティ中のレーザビームの最適な集束パラメータが計算され得る(例えば、参考文献[1]を参照)。例えば、785nmの励起波長で動作するように設計され、0.38の開口数、および0.6mmの入口スリット高さを有する、WP 785Lで指定されたものなどの、従来の小型ラマン分光計のパラメータを考慮すると、キャビティ中の励起レーザビームの最適な直径は、24.5μmである。そのような直径の選択は、散乱ラマン光、したがってラマン信号の最大強度を達成する。これは、分光計の入口スリットが25μmの幅を有し、785nmの励起レーザビームが24.5μmの直径に集束される場合、観測され得るラマン信号は、可能な限り高い強度を有することを示唆する。しかしながら、V字形光学キャビティにロッキングされた光帰還を有し、400mmの同じ曲率半径の3つのキャビティミラー、および長さ200mmの光学キャビティアームを有する、従来の分光測定システムでは、キャビティ中のレーザビームの直径は、少なくとも418μmに到達し、これは最適な幅の16.7倍に相当する。これは、結合が最適な場合に得ることができるものと比較して10倍の損失を示唆する。キャビティミラー182、184、186の曲率半径が、キャビティアームを30mmに低減するようにそれらを置くことによって、例えば20mmに低減される場合、光学装置50で見られるような、光学キャビティ中のレーザビームの直径は、94μmの最小値に局所的に増加し、これは最適な幅の4倍に相当する。理論上は、キャビティミラーの曲率半径を低減して、キャビティ中のレーザビームの直径を24.5μmの最適値に局所的に低減することが可能であるが、これは、キャビティミラーの曲率半径(0.7mm)およびキャビティの長さ(1.05mm)の非現実的な値を示唆することになる。
実施形態によれば、キャビティ中の励起レーザビームの直径は、別個の曲率半径の3つのミラー、および異なるVキャビティアーム長を選択することによって、局所的に低減される。例示的な実装によれば、ミラー182および184は、20mmの固定曲率半径を有し、30.3mm離隔し、ミラー186は、平面であり、入力ミラー182から160mm離れている。この構成は、直径26μmの局所的な狭まりを有する、キャビティ中の励起レーザビームをもたらす。励起レーザビームの狭まりは、ミラー184から20mmの距離に位置する。この構成は、分光計の入口での散乱光のはるかに良好な結合、したがって、はるかに良好な測定感度を達成する。
図1の分析システムの動作を説明するために、図2~4は、レーザ源100に供給された制御信号波形200、光検出器190からの信号220(光学キャビティ180に蓄積された光強度を表す)、およびセンサ330を制御するための信号240の時間図を、同じ時間スケールで示す。
以下の説明では、レーザ源の放射周波数は、その供給電流によって制御されると仮定する。もちろん、使用されるレーザ源が別のパラメータによって制御される場合、供給電流に関して以下に記載された条件は、その制御パラメータにも適用される。
実施形態によれば、レーザ源100の制御信号200は、DC成分202、およびDC成分202に加えられる、鋸歯状成分などの可変成分204を含む、供給電流200である。DC成分202は、レーザ源100の公称値に近いパワーを有するレーザビーム121を生成するために、公称電流に近い値Iに設定される。可変成分204は、変動振幅ΔI、およびより短い持続時間の立ち下がり期またはランプ206で区切られた、立ち上がり期またはランプ205を有する。立ち上がり期205中に、(帰還の非存在下で)レーザ源100によって放射されたレーザビーム121の固有波長は、電流Iに対応する最小値λから増加する。立ち下がり期206中に、レーザビーム121の固有波長は、最小値λに減少する。
実施形態によれば、下降期206の持続時間は、レーザ源の放射周波数が、これらの期間中に十分急速に変動するように低減され、それにより、光パワーの蓄積が光学キャビティ180に形成される時間はない。
実施形態によれば、レーザ源100への供給電流の変動振幅ΔIは、光学キャビティ180のいくつかの連続した共振モードに連続的に到達するように定められる。したがって、帰還ビームが必要な振幅および位相を有する状況で得られる信号220は、供給電流200の立ち上がり期205の各々の間にいくつかの光強度ピーク221、222...229を示す。さらに、キャビティに蓄積された光パワーは、供給電流とともに増加することが観測され得る。これらのピーク221~229の存在は、レーザ源100が、キャビティ180のいくつかの共振モードに連続的にロッキングされることを示す。少なくとも2つのキャビティモードの掃引を確実にする、レーザ源100へのそのような供給電流の実装で、光強度ピークは、レーザダイオードによって放射された第1の固有波長の値に関わらず、光帰還ビームの位相に事実上関わらず、位相が最適な位相と逆である点の周辺の小さな間隔を除いて、出現する。したがって、位相ロッキングの突然の喪失の後に、以下の回復プロセスを実装することが可能である。
帰還ビームの位相が誤っている場合、キャビティの光強度ピークの最大振幅は、位相がその最適値に調整される場合に到達される最大値より低いままである。光強度ピークの観測される最大振幅が、位相がその最適値に調整される場合に到達される最大値未満の値に設定された閾値を下回る場合、プロセッサCPは、少なくとも4πの位相をカバーするランプを開始し、位相同調条件が再び検出されるまで、キャビティ中のレーザビームを観測する。実際は、位相同調回復は、典型的には、可変成分204の数周期を要し、ラマン信号は、中断することなく取得され得る。
光検出器190を使用してピーク221~229の1つが観測されると、帰還ビームの位相は微調整され得、位相の最適値は、ピーク221~229の少なくとも1つの頂点の出現時間が、ピークの開始時間と終了時間との間の間隔の中央にある場合に到達される。帰還ビームの位相の微調整は、信号220の微分係数、信号220の微分係数がゼロである時間に対応する頂点の出現時間、ならびに信号220の微分係数が最大である時間に対応するピークの開始および終了時間を分析することによって行われ得る。
次いで、ピーク221~229のセンタリングは、定数成分Iの値、またはレーザ源100の温度および電流200の変動の振幅ΔIに従うことによって、電流200の立ち上がり期205に対して調整され得る。ピーク221~229の1つの不在(キャビティ中のパワーがゼロである期間)は、実際、キャビティに蓄積された光パワーのいくらかの不安定性をもたらす場合がある。図2では、第1のピーク221の開始が立ち上がり期205の始まりと一致し、最後のピーク229の終了がこの期間の終了と一致し、したがって、立ち上がり期205中にピークの最大数が到達される限り、センタリングは最適である。DC成分I(202)の値を変動させることは、第1のピーク221の開始時間に影響し、振幅ΔIを変動させることは、最後のピークの終了時間と立ち上がり期205の終了との一致に影響する。そのような補正は、具体的には、その特性(供給電流の関数としての放射ビームの波長、または帰還を特徴づけるパラメータ)の変動をもたらすレーザ源の経年変化のため、実際にはいずれにせよ必要であり得る。
供給電流200の下降期206中に、下降期のより短い持続時間のため、共振モードが急速に掃引されるシーケンス230が出現する。各モードに蓄積されたパワーは、したがって、立ち上がり期中より少ない。図2では、わかりやすくするために下降期206の長さが引き伸ばされて、これらの期間中に、レーザ源100が、立ち上がり期205中と同じキャビティモードに逆の順序で連続的にロッキングされることを示すことが観察され得る。実施形態によれば、下降期206は、キャビティモードの掃引が行われるのが速すぎて、レーザ源をキャビティモードにロッキングすることができない点まで短縮される。この構成は、下降期206中のモードロッキングのため出現し得、立ち上がり期205中のロッキングプロセスに影響し得る過渡信号による、ラマン信号の汚染を回避する。
単一キャビティ共振モードに到達するように定められた変動振幅を有するレーザ源供給電流を使用する、先行技術の解決策と異なり、レーザ源供給電流の変動振幅ΔIは、キャビティモードのいくつかを系統的に達成するため、供給電流の立ち上がり期を共振モードに集中させる必要はない。また、光学キャビティを励起するこの方法は、キャビティの異なる共振モードへのロッキングが非常にロバストであるため、機械的擾乱にあまり敏感ではないように思われる。実際、光学キャビティのモードへのレーザ源100のロッキングは、帰還ビームの著しい位相シフトがある場合に、光検出器190がキャビティ中の信号を検出しない場合にのみ失われ得る。光検出器190によって測定されたピークの強度が、ある閾値より低い場合、帰還ビームの位相は、ピークの開始が見えるようになるまで、位相の最小値から最大値への急速な掃引を行うように制御される。次いで、ロッキングプロセスが起こり得る。この理由から、ロッキングの喪失が起こる場合、ロッキング条件の回復は、迅速かつ容易である。
帰還ビームの位相は、レーザ源とカップリングミラー182との間の光路長を変化させることによって、例えば、トランスデューサ154を用いてミラー153の小さな変位を制御することによって、調整されてよいことに留意すべきである。WO 2018/060285に記載されたような電気光学変調器などの、光路長を調整する他の既知の手段も使用されてよい。
レーザ源100への供給電流の変動の振幅ΔIの最適値は、ある共振モードから別の共振モードに切り替えるのに必要な電流シフトδI、および励起される所望のモード数Nから決定され得る。したがって、振幅ΔIを、以下の方程式を使用して得ることができる:
ΔI=N×δI+δIs (1)
式中、δIsは、0<δIs<δIとなるような追加の安定電流を表す。
キャビティの2つ以上の共振モードを掃引することから成る、光学キャビティ180を励起する前述の方法は、ラマン分光測定は単色レーザビームを必要とするという事実と矛盾するように思われることも観察され得る。この条件が満たされない場合、測定の分解能は低下する。実際、いくつかの共振モードが、レーザ源供給電流200の各期間205、206中に励起される場合、キャビティ180の励起は、単色ではなく、異なる波長のパルス列の形態を有する。例えば、1024~2048の光感応性セル(画素)を有するCCD(電荷結合素子)アレイが、ラマン分光計のセンサ330として使用される場合である。そのようなセンサは、例えば2000~4000cm-1のラマン周波数帯域をカバーし得る。スペクトル画像素子は、センサ330の少なくとも3つの画素によって提供されるべきである。スペクトル画像素子が単一画素に対応する極端な場合では、スペクトル素子のスペクトル幅は、2~4cm-1を超えない場合がある。さらに、20cmの枝を有するVキャビティの2つの共振モード間の周波数シフトは、0.0125cm-1である。これは、数ダースのキャビティ共振モードが、レーザ源100への供給電流200の可変成分204の単一のランプ205中に掃引され得ることを意味し、これらの共振モードを、せいぜい2cm-1のスペクトル分解能で区別することはできないことがわかる。結果として、ランプ205中にキャビティ180内に存在するレーザビームは、センサの分解能(すなわち4cm-1)をはるかに下回る幅を有する周波数範囲にとどまるキャビティモードを励起する。
上記のガス分析システムは、高い安定性を有し、非常に強い機械的擾乱がある場合を除いて、レーザ源のロッキング条件を無期限に維持することができる。そのような擾乱がある場合、ロッキング条件の回復は、非常に迅速(1秒未満)である。光学キャビティに蓄積され得る高いパワーのため、分光計は、高い感度を有し、したがって、光学キャビティ中に存在するガスの濃度の決定に高い精度を提供する。
ラマン分光計に関連して、最適値に調整された減衰係数で帰還ビームを減衰させながら、レーザ源100からフルパワーのビームを透過する減衰器を使用することが好ましい。実施形態によれば、減衰器モジュール160は、入力偏光子162、ファラデー光学媒質164、および出力偏光子168を有するファラデー分離モジュールを含む。ファラデー光学媒質164は、例えば、永久磁石166によって生成され、レーザ源100からのビームの伝播方向と共線を成す磁場中に置かれる。光学媒質164によって入力偏光子162からの入射ビームに適用されるファラデー回転が45°に等しく、出力偏光子168の配向に対応する場合、入射ビームは、小さなパワー損失を受ける。対照的に、逆方向にモジュール160を通過する帰還ビームは、入力偏光子162の透過軸に垂直に偏光される。したがって、光学媒質164が偏光解消を起こさず、偏光子が同一である場合、帰還ビームは、完全に相殺される。言い換えれば、減衰比はゼロである。減衰比は、2つの偏光子162、168間の偏光角差を調整することによって調整される。この調整の目的は、光強度のピーク間のゼロ強度の間隔、またはこれらの間隔の少なくとも1つを低減するために、ピーク221~229の幅を最適値に持ってくることである。
通常、帰還ビーム強度のこの調整は、時々、例えばシステムの始動期中に行われる。実際、キャビティおよびレーザ源の特性は、時間とともに徐々に変動し得、帰還ビーム強度をその最適値からずらす。しかしながら、帰還ビームの強度を動的に調整することが望ましい場合がある。
さらに、磁場およびベルデ定数などの、ファラデーアイソレータの磁気特性は、温度とともに変動することがわかる。ラマン分光計の内部温度は、一定に保持され得る。擾乱環境では、分光計は、環境温度の変化も受け得、これは、キャビティ180内部の温度が一定に保持される場合でも、分光計内部の温度分布に影響を及ぼし得る。実際、減衰モジュール160の温度は変動し得、これはまた、帰還ビームの強度に影響を及ぼし得、強度はその最適値からずれ得る。帰還ビームの強度の減少は、したがって、分光計の感度の低下をもたらし得る。一方、帰還ビームの強度の増加は、ピーク221~229を、隣接するキャビティモード間の距離を超える点に広げ、したがって、キャビティモードの喪失により、分光計の動作を停止させる場合がある。安全マージンが、帰還ビームの強度を最適値未満の値に設定することによって導入されてよい。しかしながら、この解決策は、キャビティに蓄積されるパワー、したがって分光計の感度を低減する効果を有する。
実施形態によれば、加熱装置が、キャビティ中の光強度ビークの幅に基づいて、減衰モジュール160の温度の望ましくない変動を補償するために、減衰モジュール160に結合される。加熱装置は、例えば、モジュール160に巻かれたペルチェセルまたはヒータバンドであってよい。さらに、帰還ビームの初期最適強度は、分光計の内部の設定温度より高いモジュール160の温度に対応する値に設定される。さらに、モジュール160は、より高い温度で最大の分離が達成されるように構成される。そのような初期構成で、キャビティ中の光強度ピーク221~229の幅は、光検出器190によって提供される信号220を使用して監視される。これらのピーク221~229の幅を低減する必要がある場合、ヒータへの供給電圧を低下させることによってモジュール160の温度を低減し、それにより帰還ビームの強度を増加させ、逆も同様である。したがって、ヒータは、光強度ピーク間のゼロ強度間隔の少なくとも1つ、好ましくはすべてを低減するために、ピーク221~229の幅を最適値に維持するようにサーボ制御され得る。
従来、センサ330は、周波数スペクトル測定がセンサの感光性セルによって達成される、読み出し期と交互の露光期を操作するように制御される。ビート現象を回避するために、レーザ源の制御信号を分光計と同期させることが有利であり得る。
実施形態によれば、センサ330の露光期、すなわちセンサ330に入る光子の積分期は、レーザ源100への供給電流200の期間205~206の整数倍に合わせられる。露光期の開始は、供給電流200、例えば、供給電流の立ち上がりランプ205の開始と同期される。図2は、センサ330の制御信号240を示す。信号240のパルス241および242は、それぞれセンサ330の露光期の開始および終了を制御する。パルス241、242の立ち上がりエッジは、供給電流200の立ち上がりランプ205の開始に合わせられ、パルス241、242の立ち下がりエッジは、供給電流の立ち上がりランプ205の終了に合わせられる。
露光期の終了時、センサ330に蓄積された信号は、供給電流200の下降ランプ206中に出現するより短いピーク230を含む、この期間中(制御信号240の立ち上がりエッジ241と立ち下がりエッジ242との間)に観測されたすべての光強度ピーク221~229の強度の積分値に比例する。
例として、光学キャビティ180は、長さ20cmのアームを有する。次いで、キャビティモードは、0.0125cm-1離れている。可変成分204は、レーザ源100への電力供給電流のDC成分202の15%に相当し得、これは約40のキャビティモードを掃引することを可能とする。分光計330は、1024画素を備え、250cm-1~2500cm-1の周波数帯域をカバーし得る。したがって、そのスペクトル分解能は、10cm-1である。したがって、掃引される40ほどのキャビティモードは、1画素当たりのスペクトル幅の4分の1未満である。励起源が単色でないという事実は、したがって、純単色励起源と比較して、ラマン分光計の性能にほとんど影響を及ぼさない。10未満のキャビティモードのみが掃引される場合、システムのロバスト性は影響されないことが観察され得る。可変成分204の周期は、0.05秒~0.2秒であってよく、最小値は、掃引速度が高くなりすぎて、キャビティ中の光強度ピークの振幅に影響を及ぼす場合に到達される。次いで、センサ330の露光期の持続時間は、ラマン信号の強度に依存して、可変成分204の10~数百周期、すなわち、数分の1秒~数十秒であってよい。光学キャビティ180のアームの長さが10cmに低減される場合、レーザ源100への供給電流のDC成分202の15%の可変成分204は、約20のキャビティモードを掃引することを可能とする。しかしながら、分光計のスペクトル分解能に対するこの掃引の影響は、変化しないままである。
実施形態によれば、供給電流200は、信号240の立ち下がりエッジ242で示された、センサ330の露光期の終了時に相殺される。したがって、図3に示すように、供給電流200は、エッジ207とエッジ209との間の期間208中はゼロに設定される。立ち上がりエッジ209で、供給電流は、値I(202)を回復する。
センサ330の露光期の終了が、立ち上がりランプの終了時にトリガされる場合を考える。エッジ207とエッジ209との間の、レーザ源がオフの時間208中に、光検出器190によって提供された信号220の部分232は、光の非存在下での測定値に対応する。この測定値は、その後、光検出器190によって提供された信号220のすべての測定値から差し引くために保存される。したがって、図3では、補正された信号220は、ピーク231の後の期間232中でゼロであり、レーザ源100がオフの期間208に対応する。この配置は、光の非存在下での暗信号測定値(暗電流)を提供する光検出器190のドリフトの補正を提供するが、それは、この測定値が時間の関数として変動し得るためである。
レーザ源100への供給電流が値Iに回復する時間209から、キャビティ180中のビームパワーは、いくらか時間をかけて増大し、これは、信号220の波形234に示されている。これは、その電力が切られるため、その公称動作温度より数度下がるレーザ源100のジャンクション温度の結果である。したがって、レーザ源100は、第1の光強度ピーク221のものより短い波長を放射することから開始し、次いで、放射される波長は、第1の光強度ピーク221に対応する波長に到達するまで増加し、掃引波長域より短い波長のキャビティ共振モードの連続励起を含む波形234を生成する。そのような励起は、分光計によって行われる測定を「汚染」し得ることがわかる。
実施形態によれば、光検出器190の暗信号測定値を更新することを考慮したレーザ源200の電力オフから生じる汚染現象は、センサ330の露光期の始まり241を、第1のピーク221(または221a)の出現の始まり、すなわち時間241aに延期することによって回避される。もちろん、レーザ源100への供給電流の電力オフ期208の周波数は、光検出器190の暗信号の変化率に適合される。
レーザ源100への供給電流200の電力オフ期208は、特定の強度のレーザビームがキャビティ180中に存在する時間に出現し得る。この場合を、図4に示す。キャビティ180に蓄積されたパワーは、レーザ源100がもはや送っていない場合でも、瞬時に消失することはできない。実際、キャビティ180に蓄積されたビームパワーは、信号236の形状によって示されるように、キャビティミラー182、184、186の損失およびキャビティ中のガスの吸収に依存する減衰時定数τで、消失するまで指数関数的に減少する。ミラーが非常に高い反射率を有する場合、時定数τは、数分の1マイクロ秒~数百マイクロ秒の範囲であってよい。
実施形態によれば、レーザ源100への電力供給は、信号220の最後のピーク231がその最大値に到達する時間に切られ、この最後のピークは供給電流200の立ち上がりランプ205の終了時に出現する。この動作は、キャビティ180の状態に関する情報を利用可能にする。実際、ガス分析への適用では、塵または腐食性生成物は、キャビティミラー182、184、186の反射率に影響する場合がある。実際、供給電流200を切った後の信号220の減衰時間は、キャビティの損失、したがってキャビティミラーの状態を表すことがわかる。この減衰時間が長すぎると測定される場合、キャビティミラーが清掃される必要があることを示す警告がトリガされてよい。減衰の完了を確実にするのに十分な待機時間の後、光検出器190からの信号220のいくつかの測定値が取得されてよく、次いで、暗電流が、これらの測定値を平均することによって決定されてよい。
加えて、CCDなどの分光計センサの画素回路も、経時的に、画素回路によって変動し得る暗信号を生成する。これらの信号は、ラマン分光計の分解能および感度を制限するノイズを誘発する。各画素回路からの暗信号は、センサ330の各露光期で変化するランダム成分を有する。このランダム成分は、主に、画素回路の光感応性セルおよびセンサ330の読み出し回路RDCに出現する熱ノイズによる。しかしながら、このランダム成分は、極めて小さいままであり、平均された露光の数の平方根に比例して平均することによって低減されてよい。すべての分光計センサの画素回路は、画素によって変動し、センサ330の製造プロセスに関連する固定成分を含む暗電流を有する。この固定成分は、相当な値に到達し得る。分光計センサのすべての画素回路の暗電流の固定成分は、システムの感度を著しく低下させる固定パターンノイズすなわちFPNを形成する。典型的には、分光計センサのFPNは、予め決定されかつ予め記録され、センサ330によって提供された画素信号から差し引かれる。しかしながら、センサのFPNは、特にセンサ330の構成要素の経年変化により、経時的に変化するので、光の非存在下での複数の露光が、平均値を計算するために周期的に行われるべきであることがわかる。典型的には、FPNは、システムの安定性に依存して、数時間の周期性でリフレッシュされるべきである。弱い散乱光信号の捕捉を必要とするガス状媒質に適用されるラマン分光測定では、露光時間は、一般に長く、数十秒のオーダーであり、特にいくつかの露光からの測定値が平均される場合、しばしばそれ以上である。特にプロセス制御用途において、FPNをリフレッシュするために、数分間、測定値の取得を中断することは、望ましくない。
実施形態によれば、初期FPNは、光の非存在下での十分な露光数に基づいて、分光計始動手順中に決定される。分光計の動作中、レーザが切られた状態での暗信号のより少数の測定が行われ、例えば移動平均計算によって、初期または以前のFPN値と組み合わされる。例えば、暗信号決定は、ラマン信号測定の数十の連続した露光期の後に、周期的に行われてよい。暗信号測定は、1つまたは複数の連続した露光期に及ぶシャットダウン期中にレーザ源100への電力を切ることを伴い得る。このシャットダウン期中に、暗電流測定値が、分光計センサ330の各光感応性セルについてセルを読み出すことによって取得される。各測定値は、例えば移動平均計算によって、対応する感光性セルの保存された平均暗電流値を補正するのに使用される。各感光性セルの平均暗電流値は、感光性セルによって提供された各スペクトル測定値を補正するのに使用される。
実施形態によれば、感光性セルの暗電流測定に先行して、感光性セルを消去するために、すなわち、シャットダウン期の前の露光期中に感光性セルに蓄積された電荷が排出されたことを確実にするために、シャットダウン期の始まりに実行される、考慮されないいくつかの連続測定が行われる。
図1に示す構成では、光学キャビティ中で散乱された光は、キャビティ180中のビーム172、173の伝播方向に実質的に垂直な光学装置50によって観測される。図1に関連して先に説明された配置は、光学キャビティ中で散乱された光が、キャビティミラー184または186を通して、ビーム172または174の軸に沿って観測される、同軸観測の場合にも適用される。
実施形態によれば、光学キャビティ180中で散乱された光の観測は同軸であり、2つのキャビティ端ミラー184、186は、励起されるキャビティ共振モード(ピーク221~229)の波長を含む波長域での最大反射係数、およびこの波長域外での最大透過係数を有する。実際、この特性を有する「ノッチフィルタ」と呼ばれるコーティングが存在する。このようにして、キャビティの励起波長(励起光および光学キャビティ中で弾性散乱された光)は、ミラー184、186によって反射され、一方、キャビティ中で非弾性散乱された光(ストークス線およびアンチストークス線を含むラマン信号)は、これらのミラーによって分光計に透過される。特定の波長まで最大反射係数を有し、そこから透過係数が最大となる「エッジフィルタ」と呼ばれるコーティングも存在する。そのようなコーティングを用いて、キャビティの励起波長は、ミラー184、186によって反射され、一方、ストークス線(またはアンチストークス線)のみが、これらのミラーによって分光計に透過される。この同軸収集モードは、より強いラマン信号を提供するという利点を有する。しかしながら、レーザダイオードによって励起される光学キャビティを有するシステムでは、この同軸収集モードは、ラマン信号をマスキングする可能性がある、自然放射増幅光(ASE)の出現をもたらし、この放射は、レーザダイオードを使用することから生じる。そのようなミラーコーティングの使用は、自然放射増幅光の共振を防ぐ。
定量的に意味のあるスペクトル測定を得るために、キャビティ中に存在するガスの組成の変動によるキャビティに蓄積された光パワーの変動、キャビティミラーのコンタミネーション、およびキャビティへのレーザビームの注入のミスアライメントが考慮されなければならない。このために、スペクトル測定値の正規化が行われる。この正規化は、光検出器190によって提供された光強度測定値の積分値の関数として、例えば、露光期の終了時に得られたスペクトル測定値の各々を、光学キャビティ中のレーザビームの光強度測定値の積分値の関数として割ることによって、行われ得る。
実施形態によれば、光学装置50が受け取った光学キャビティ中の散乱光の一部は、散乱光の光強度の変動を測定するために、追加の光検出器に送られる。弾性散乱光の強度は、非弾性散乱光のものと比較して非常に大きく、したがって、得られる測定値は、本質的に弾性散乱光を表すことがわかる。次いで、これらの測定値の積分値が決定され、例えば、これらの測定値の各々を積分値で割ることによって、センサ330の光感応性セルによって提供されたスペクトル測定値を正規化するのに使用されてよい。実際、追加の光検出器が受け取った光は、弾性(レイリー)散乱成分および非弾性(ラマン)散乱成分を含む。ラマン散乱成分は、レイリー成分より数桁小さく、したがって無視することができる。レイリー成分およびラマン成分は同体積で収集されるため、システム較正の時間に得られた較正値と比較して、励起波長での全光子束の値を決定することが可能であり、したがって、キャビティ中の励起ビームの強度の変動、および散乱光収集装置とキャビティ中の励起ビームとの間の起こり得るミスアライメントの両方から独立した、正規化ラマンスペクトルを得ることが可能である。レイリー成分とキャビティ中のガス組成との関係は、ラマンスペクトルから決定されるガスの相対濃度を考えることによって考慮される。測定された散乱光におけるラマン成分の寄与は、測定された光強度の合計値に、レイリー断面積とラマン断面積との既知の比に従って計算される補正係数を適用することによって補償され得ることに留意すべきである。
追加の光検出器に透過される散乱光の一部は、(垂直もしくは同軸観測の場合)Yカプラを使用して、または(垂直観測の場合)光学装置50の出力に結合された専用光ファイバを使用して、センサ330に透過される散乱光から抽出されてよい。
実施形態によれば、光検出器190および追加の光検出器について得られた積分値は、例えば、これら2つの積分値間の比を計算することによって比較されて、光学装置50と光学キャビティ中のレーザビームとの任意のミスアライメントを決定する。この比を閾値と比較することによって、このミスアライメントが過剰である場合を決定することが可能である。
したがって、システムの動作パラメータの展開を連続的に監視して、キャビティ中のガス測定を中断しなくても、リアルタイムでドリフトを補正すること、および信頼できる測定値を得ることがもはや不可能な場合に信号を送ることが可能である。結果として、上記のガス分析システムは、特に石油部門における工業プロセスの制御、および医療部門における麻酔ガスの制御などの重要な用途、または強い擾乱環境(振動、環境温度変動)で使用され得る。
典型的には、センサ330による信号取得は、独自の時計を備えた別個のプロセッサによって制御される。結果として、露光期の開始および終了は、制御信号200の任意の時間に起こり得る。この同期の欠如は、光検出器190によって提供された積分参照信号と、露光期中にセンサ33に蓄積された散乱光の量との間の不一致をもたらし得る。これらの不一致は、ラマン信号正規化の質に著しく影響し得る。正規化の質のこの低下は、露光期と、制御信号200の立ち上がりおよび立ち下がり期との間の関係を確立することによって、および図5に示す以下の手順を実装することによって、回避され得る。
この手順によれば、センサ330の露光期の持続時間は、制御信号200の周期の整数Nrp倍にこの周期の数分の1を加えたものに等しい値に設定される。露光期(センサ330へのラマン光の蓄積)の開始前、制御信号200は、ゼロに保持される。これは、光がキャビティ180中に存在しないことを確実にする。ステップS1の始まりで、露光期開始信号241が、センサ制御ユニット330に送信される。ステップS2は、センサ330の露光が開始したことを確実にする特定の遅延の後にトリガされる。ステップS2では、レーザ源100は、周期的制御信号200をそれに適用することによってオンにされる。ステップS3中に、制御信号200のNrp周期が、レーザ源に適用される。次いで、センサ330は、ラマン信号を受信する。制御信号200の周期Nrpの終了は、ステップS3の終了およびステップS4の始まりを示す。ステップS4では、制御信号200は、ゼロに設定される。センサ330の露光期は、ステップS5まで、制御信号200の周期の数分の1にわたって続くが、ラマン光はキャビティ中に存在しない。ステップS1~S5中、光検出器190からの信号は、センサ330の露光期を終了させる信号が受信されるまで積分される。この手順は、センサ330に蓄積されたラマン信号が、光検出器190からの積分信号に比例し、バイアスなしで正規化されることを確実にする。ステップS5の露光期の終了を示す信号242の受信は、新たなステップS1をトリガする。
本発明は、様々な代替物および様々な用途が可能であることが当業者には明らかであろう。具体的には、上記の様々な光学部品は、例として提示されており、本質的には、レーザ源によって放射されるレーザビームの特性、したがってレーザ源の選択に依存する。明らかに、このビームの特性が異なる場合、記載された光学部品のいくつかは、不要またはさらには不適切であり得、他の光学部品が必要であり得る。重要なのは、光学キャビティの入口でのレーザビームの特性が、光学キャビティの基本モードのものに対応した理想特性、すなわち円形断面(ゼロ離心率)および全方向への広がりにできるだけ近いことである。実際、そのような特性を達成する手段の決定は、光学系の伝統的な設計技術の分野に完全に入る。加えて、レーザ源は、理想特性に近いかまたは対応する特性を有するレーザビームを生成するように設計され得、その結果、光学モジュール110、120、および130の1つ、または別のもの、またはさらにはすべてが、必要とされない。
同様に、光ビームの位相および強度を調整することで知られている他の装置が、帰還ビームの位相および強度を調整するのに使用され得る。
さらに、レーザ源によって放射されたレーザビーム、および帰還ビームを、レーザ源とキャビティの入口との間で異なる光路を通して透過させることが想定され得る。この配置は、帰還ビームの強度を調整するための装置を単純化し、レーザ源からのレーザビームと交差する必要がなく、後者に作用しない。
さらに、Vキャビティを使用する必要はないことが当業者には明らかであろう。例えば、光帰還、または米国特許5,835,522に記載されたような、レーザダイオードの空間オフセットによりロッキングされた光帰還を実装する、参考文献[4]および[5]に記載された配置と組み合わされた2つのミラーを有する線形キャビティが、本発明の範囲内で実装され得る。
引用文献
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[3] “Optically Self-Locked Semiconductor Laser with Servo Control for Feedback Phase and Laser Current”, Peter Buch et al, IEEE Journal of Quantum Electronics, vol. 27 (7), pp. 1863-1868 (1991);
[4] “Cavity-enhanced resonant photoacoustic spectroscopy with optical feedback cw diode lasers: A novel technique for ultratrace gas analysis and high-resolution spectroscopy”, M. Hippler, C. Mohr, K. A. Keen, E. D. McNaghten, The Journal of Chemical Physics 133, 044308 (2010);
[5] “Cavity-Enhanced Raman Spectroscopy of Natural Gas with Optical Feedback cw-Diode Lasers”, M. Hippler, Anal. Chem. 87, 7803-7809 (2015);

Claims (17)

  1. ラマン分光測定によってガスを分析するための方法であって、
    レーザ源(100)に制御信号を適用して、分析されるガスを保持する光学キャビティ(180)の複数の共振モードの周波数を含む周波数範囲を掃引するレーザビームを生成するステップであって、前記周波数範囲の幅はラマン分光計の分解能未満である、ステップと、
    前記光学キャビティの入口(182)に前記レーザビームを供給するステップと、
    前記光学キャビティから帰還ビームを抽出するステップと、
    前記帰還ビームの位相および振幅を調整するステップと、
    前記位相および振幅調整帰還ビームを前記レーザ源に送るステップと、
    前記周波数範囲の掃引中に、前記光学キャビティ中の前記レーザビームの光強度変動を測定し、前記光強度変動の光強度ピーク(221~229)を検出するステップであって、各光強度ピークは、前記光学キャビティの共振モードに対応し、前記帰還ビームの前記位相は、1つの光強度ピークの中央時間と頂点の発生時間との間の偏差を低減するように調整され、前記帰還ビームの前記振幅は、少なくとも前記光強度ピーク間のゼロ強度の間隔を低減するように調整される、ステップと、
    分光計センサ(330)で、前記光学キャビティ中の前記レーザビームによって非弾性散乱された光のスペクトルの測定値を取得して、前記光学キャビティ中のガスの性質および/または濃度を決定するステップと
    を含む、方法。
  2. 前記レーザ源(100)の前記制御信号は、周期的形状を有し、
    複数の感光性セルを備える前記分光計センサ(330)は、前記非弾性散乱光の一部を受け取り、スペクトル測定値が前記感光性セルによって生成される、読み出し期と交互の露光期を操作するように制御され、
    露光期中に、以下:
    前記光学キャビティ中の前記レーザビームの光強度の、および/または前記光学キャビティ中の前記レーザビームによって弾性散乱された光の一部の光強度の、測定値の積分値を得るステップと、
    前記露光期の終了時に得られたスペクトル測定値の各々を前記積分値の関数として正規化して、正規化スペクトルを生成するステップと
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記露光期は、前記レーザ源の前記制御信号の周期の倍数にその周期の数分の1を加えたものに等しい持続時間を有し、各露光期の開始は、前記レーザ源(100)の前記制御信号(200)と同期される、請求項2に記載の方法。
  4. 各露光期は、前記光学キャビティ(180)中に光が存在しない期間中に開始および中断される、請求項2または請求項3に記載の方法。
  5. 前記レーザ源への電力を周期的に切って、前記光学キャビティ中の前記レーザビームの光強度変動の前記測定値を提供する光検出器(190)の暗電流を測定するステップと、
    前記暗電流測定値の平均を使用して、前記光学キャビティ中の前記レーザビームの光強度変動の前記測定値を補正するステップと
    を含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記レーザ源の前記電力の中断は、前記露光期以外で行われる、請求項5に記載の方法。
  7. 少なくとも1つの連続した露光期に及ぶ中断期中に前記レーザ源への電力を切るステップと、
    前記分光計センサ(330)の各光感応性セルについて、
    前記中断期中の暗電流を測定するステップと、
    前記感光性セルについて得られた前記暗電流測定値に基づいて、前記感光性セルの保存された平均暗電流を補正するステップと、
    前記感光性セルの前記保存された平均暗電流に従って、前記感光性セルによって提供された各スペクトル測定値を補正するステップと
    を含み、
    前記暗電流測定に先行して、前記感光性セルに蓄積された電荷を消去するために、考慮されないいくつかの測定が行われてよい、請求項2~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記光学キャビティ(180)の前記入口に提供された前記レーザビーム、および前記帰還ビームは、前記レーザ源と前記光学キャビティの前記入口との間で同じ光路を通って透過される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記帰還ビームの前記振幅は、前記レーザ源(100)と前記光学キャビティ(180)の前記入口(182)との間の光路に設置された調整可能なファラデー分離モジュール(160)によって調整され、前記ファラデー分離モジュールは、前記帰還ビームの前記振幅を減衰させ、前記レーザ源(100)からの前記レーザビームを通過させる、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記ファラデー分離モジュール(160)は、前記光学キャビティ(180)中の前記レーザビームの光強度測定値の関数として、光強度ピーク(221~229)間の前記ゼロ強度間隔を最小化するようにサーボ制御され、前記ファラデー分離モジュールの前記サーボ制御は、前記ファラデー分離モジュールの温度に従うことによって達成され得る、請求項9に記載の方法。
  11. レーザ源(100)によって放射されたレーザビームが導入される光学キャビティを備える、ラマン分光測定によってガスを分析するための装置であって、
    請求項1~10のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されることを特徴とする、装置。
  12. 前記レーザ源(100)は、モードホッピングを起こさずに周波数範囲を掃引するように構成される、請求項11に記載のガス分析装置。
  13. 前記光学キャビティは、V字形であり、前記光学キャビティの入口を形成するカップリングミラー(182)、および2つのキャビティ端ミラー(184、186)を備え、前記キャビティ端ミラーは、前記カップリングミラーより大きいかまたは同じ反射率を有する、請求項12に記載のガス分析装置。
  14. 前記光学キャビティ(180)を形成するミラー(182、184、186)は、前記光学キャビティ内の前記帰還ビームの形状を、前記レーザビームの影響下、前記キャビティ中で散乱された光を収集するための領域(52)に合わせるように適合された曲率半径を有する、請求項11または請求項13に記載のガス分析装置。
  15. 前記光学キャビティ中で散乱された光は、キャビティ端ミラー(184、186)の1つを通して観測され、前記キャビティ端ミラー(184、186)は、前記光学キャビティの共振モードの各々での反射ビームに対して最大反射率を有しかつラマン線の少なくとも1つのストークス線に対して最大透過率を有するコーティングを有する、請求項12~14のいずれか一項に記載のガス分析装置。
  16. 前記レーザ源(100)は、以下の種類:
    分布帰還型レーザダイオード、
    分布ブラッグ反射器レーザダイオード、
    体積もしくはホログラフィックブラッグ回折格子、または狭帯域フィルタによって安定化されたファブリペロー型ダイオード、
    放射周波数を調整するための装置を伴うレーザ、
    誘電体膜ミラーに結合された垂直キャビティ面発光レーザ
    の1つである、請求項11~15のいずれか一項に記載のガス分析装置。
  17. 前記レーザ源(100)と前記光学キャビティ(180)の入口との間の光路長を変えて帰還ビームの位相を調整するために、ミラー(153)に結合されたアクチュエータ(154)を備える、請求項11~16のいずれか一項に記載のガス分析装置。
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