JP7461650B2 - 生育状態予測方法及び生育状態予測プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、生育状態予測方法及び生育状態予測プログラムに関する。
近年、東北地域においてタマネギ栽培が広まりつつあるが、東北地域は広いため多様な気象条件があり、また、新興産地であるために生産者が経験不足であるなどの理由から、安定生産が難しい。このため、栽培前に予め産地ごとの収穫時期や収穫量を把握して作付計画を策定できることが好ましい。
従来、タマネギの収穫日や収穫量は、タマネギ産地近傍の公設試験研究機関やJA等で実施した栽培試験の結果(定植時期、品種、栽植密度、平均収量等)に基づく栽培暦に、産地の気象条件を勘案することで予測していた。
一方、最近では、一部の野菜品目ではあるが、過去の気象・生育データ等から生育モデルを用いて収量を予測する取り組みが進められている(例えば、特許文献1等参照)。
特開2020-053039号公報
上述した過去の栽培試験の結果に基づく予測方法では、地域や年次による気象条件の違いへの対応や、作業分散を図るために定植日や品種の組み合わせを検討して最適化することが難しいため、複数年にわたる栽培試験を行い、当該地域に合った栽培暦を作成する必要がある。また、上述した生育モデルを用いる予測方法は、タマネギやニンニクなどの結球性ユリ科作物に適用することは難しい。
そこで、本発明は、結球性ユリ科作物の生育情報を精度よく予測することが可能な生育状態予測方法及び生育状態予測プログラムを提供することを目的とする。
本発明の生育状態予測方法は、結球性ユリ科作物の生育状態を予測する生育状態予測方法であって、日毎の平均気温と日長とに基づいて前記結球性ユリ科作物の日毎の発育速度に関する第1の値を算出し、定植日からの前記第1の値の積算値である第2の値に基づいて、前記結球性ユリ科作物の日毎の球部乾物比率を算出し、日射量と葉に関する値とに基づいて算出される前記結球性ユリ科作物の日毎の乾物重と、前記日毎の球部乾物比率と、に基づいて、前記結球性ユリ科作物の球部の重量を予測する、処理をコンピュータが実行する生育状態予測方法である。
本発明の生育状態予測方法及び生育状態予測プログラムは、結球性ユリ科作物の生育情報を精度よく予測することができるという効果を奏する。
一実施形態に係る生育状態予測システムの構成が概略的に示す図である。 図2(a)は、サーバのハードウェア構成を示す図であり、図2(b)は、利用者端末のハードウェア構成を示す図である。 一実施形態における生育モデルを示す図である。 発育指数と葉部乾物比率の関係を示すグラフである。 サーバの機能ブロック図である。 サーバの処理を示すフローチャートである。 ワークテーブルを示す図(その1)である。 ワークテーブルを示す図(その2)である。 ワークテーブルを示す図(その3)である。 図10(a)、図10(b)は、利用者端末の表示部に出力される表の一例を示す図である。 発育指数に基づいて葉部乾物比率と球部乾物比率を決定する場合と、固定する場合の収量予測精度を示す表である。
以下、一実施形態に係る結球性ユリ科作物の生育状態予測方法について、詳細に説明する。本実施形態では、結球性ユリ科作物のうち、タマネギの生育状態を予測する方法について説明するが、その他の結球性ユリ科作物、例えばラッキョウ、ニンニク、ワケギ等の生育状態を予測する場合も同様である。
図1には、一実施形態に係る生育状態予測システムの構成が概略的に示されている。本実施形態の生育状態予測システム100は、タマネギを栽培する生産者がタマネギの作付け計画や出荷計画を策定する際に、ある栽培地点において、いつ定植すると、いつ収穫日が到来し、そのときの収量がどの程度になるのかを確認するためのシステムである。
生育状態予測システム100は、図1に示すように、サーバ10と、利用者端末70と、を備える。サーバ10及び利用者端末70は、インターネットなどのネットワーク80に接続されている。
サーバ10は、データセンタ等に設置される情報処理装置であり、タマネギを栽培する地点(栽培地点)の環境情報(平年値や、過去データ、予測データなど)や、利用者端末70から入力される情報を用い、図3に示すような生育モデルに基づいて、栽培地点におけるタマネギの生育状態の変化を推定する。そして、サーバ10は、栽培地点におけるタマネギの収穫日や収量を推定し、推定結果を利用者端末70に出力する。
図2(a)には、サーバ10のハードウェア構成が示されている。図2(a)に示すように、サーバ10は、コンピュータとしてのCPU(Central Processing Unit)90、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)94、記憶部(HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等)96、ネットワークインタフェース97、及び可搬型記憶媒体用ドライブ99等を備えている。これらサーバ10の構成各部は、バス98に接続されている。サーバ10では、ROM92あるいは記憶部96に格納されているプログラム(生育状態予測プログラムを含む)、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ99が可搬型記憶媒体91から読み取ったプログラム(生育状態予測プログラムを含む)をCPU90が実行することにより、図5に示す各部の機能が実現される。なお、図5の各部の機能は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。なお、図5の各部の詳細については、後述する。
利用者端末70は、生産者等が利用可能なPC(Personal Computer)等の端末であり、生産者等による作物の生体情報の入力を受け付けてサーバ10に対して送信したり、サーバ10の推定結果を受信して、表示したりする。利用者端末70は、図2(b)に示すようなハードウェア構成を有する。具体的には、利用者端末70は、図2(b)に示すように、CPU190、ROM192、RAM194、記憶部(HDD等)196、ネットワークインタフェース197、表示部193、入力部195、及び可搬型記憶媒体191の読み取りが可能な可搬型記憶媒体用ドライブ199等を備えている。これら利用者端末70の構成各部は、バス198に接続されている。表示部193は、液晶ディスプレイ等を含み、入力部195は、キーボード、マウス、タッチパネル等を含む。
(生育モデルについて)
本実施形態では、図3に示すような生育モデルに基づいて、タマネギの生育状態を予測する。以下、図3に基づいて、生育モデルの概要について説明する。なお、以下において説明する式や係数は一例であるので、種々変更が可能である。
図3の生育モデルにおいて、タマネギの群落受光率は、葉面積指数(LAI:Leaf Area Index)と吸光係数(k)の関数で表される。例えば、群落受光率は次式(1)のように表される。
群落受光率=1-e-k×LAIn …(1)
ここで、葉面積指数LAInは、定植日からn日目における単位土地面積(1m2)に対する作物の全葉面積(m2)を意味する。すなわち、葉面積指数(m2/m2)は、個体あたり葉面積と栽植密度の積であるといえる。なお、定植日(n=1)の葉面積や栽植密度については、生産者が入力するものとするが、過去の平均値等を用いてもよい。一方、定植日以降の葉面積指数LAInについては、後述する計算により求める。吸光係数(k)は、タマネギの場合、品種固有の値であるものとする。例えば、kは一例として0.285であるものとする。
また、図3の生育モデルでは、日乾物増加量(ΔTDWn)は、群落受光率と、日積算日射量SRnと、日射利用効率RUEnとの関数として表される。例えば、日乾物増加量(ΔTDWn)は、次式(2)のように表される。
ΔTDWn=SRn×(1-e-0.285LAIn)×RUEn …(2)
なお、日射利用効率RUEnは、次式(3)から算出することができる。
RUEn=a×Tn+b …(3)
ここで、Tnは、日平均気温である。また、a、bは、前日の日平均気温により変化する係数であり、一例として、前日の日平均気温Tn-1が23℃未満であれば、a=0.154、b=-1.539であり、Tn-1が23℃以上であれば、a=-0.111、b=4.556であるものとする。なお、a,bは、タマネギの場合、品種固有の値である。
また、図3の生育モデルでは、n日目の総乾物重(TDWn)は、日乾物増加量(ΔTDWn)と前日の総乾物重(TDWn-1)との和として表される。すなわち、n日目の総乾物重(TDWn)は、次式(4)のように表される。
TDWn=TDWn-1+ΔTDWn …(4)
このn日目の総乾物重(TDWn)は、実際には、球部乾物重と葉部乾物重に配分される。この配分の際に用いる葉部乾物比率(LDWRn)について、本発明者が検証した結果、発育指数(DVI)との間に、図4において破線にて示すような関係があることが分かった。なお、図4の各点は、本発明者が実施した栽培試験から得られたデータを示しており、破線は各点から得られる近似曲線である。また、グラフ中の日付は、各試験における定植日を意味する。
図4の近似曲線は、次式(5)のように表される。
LDWRn
=-0.144×DVIn 2+0.119×DVIn+0.675 …(5)
ここで、n日目の発育指数DVInは、次式(6)のように、i日目(1~n日目)の発育速度DVRiの積算値である。
DVIn=ΣDVRi …(6)
上式(6)のDVRiは、i日目の日平均気温をTiと、i日目の日長Liとの関数で表され、例えば、次式(7)、(8)のように表すことができる。なお、次式(7)、(8)は、栽培試験から得られた式であり、タマネギの場合、品種固有の式である。
0≦DVIi-1<1の場合、
DVRi=-0.00084×(Ti-5.0)×(Li-13.0) …(7)
1≦DVIi-1≦2の場合
DVRi=0.033(一定) …(8)
ここで、発育指数DVIの値は、実際のタマネギの生育状態(ステージ)を表すものである。例えば、図4の例では、発育指数DVIが、0<DVI<1の間は、タマネギの球部肥大が起こる前の段階であることを示す。また、1≦DVI≦2の間は、球部肥大が起こっている間の段階であることを示す。そして、DVI=2は、タマネギを収穫できる状態を示す。したがって、本発明者は、上式(6)から得られるDVIが2以上になった日を収穫日と判断した。
なお、上式(5)のようにして求められる葉部乾物比率LDWRnを用いると、球部乾物比率BDWRnは、次式(9)のように表される。
BDWRn=1-LDWRn …(9)
更に、上式(5)、(9)の葉部乾物比率LDWRn、球部乾物比率BDWRnからは、葉部乾物重LDWn、球部乾物重BDWnを次式(10)、(11)のように表すことができる。
LDWn=TDWn×LDWRn …(10)
BDWn=TDWn×BDWRn …(11)
また、翌日の葉面積指数LAIn+1は、葉部乾物重LDWnの関数で表され、例えば、次式(12)のように表される。なお、次式(12)の係数(=0.0175)は、タマネギの場合、品種固有の値である。
LAIn+1=0.0175×LDWn
=0.0175×TDWn×LDWRn …(12)
この葉面積指数LAIn+1については、翌日のタマネギの生育状態を求める際に利用することができる。
また、収穫日における球部重量BFWhvsは、収穫日における球部乾物重BDWhvsの関数として表され、例えば、次式(13)のように表される。
BFWhvs=BDWhvs×0.383×Tbulbing …(13)
なお、BDWhvsは、前述のようにDVIが2以上になる日の球部乾物重を意味する。また、上式(13)のTbulbingは、肥大開始から収穫日までの平均気温、すなわち、DVIが1~2の間の平均気温を意味する。
また、収穫日における球部生体収量BFYhvsは、例えば、次式(14)のように表される。
BFYhvs=BFWhvs×栽植密度 …(14)
この球部生体収量BFYhvsは、収穫日における収量であるといえる。
(サーバ10の機能について)
次に、図5に基づいて、サーバ10が有する機能について説明する。
図5に示すように、サーバ10においては、CPU90がプログラムを実行することにより、総乾物重算出部20、発育指数算出部22、乾物重分配部24、LAI算出部28、及び収穫日・収量推定部30、の機能が実現されている。
総乾物重算出部20は、図3の生育モデルにおける枠Aで囲まれた範囲の処理を実行して、n日目の総乾物重TDWnを算出する。
発育指数算出部22は、図3の枠Bで囲まれた範囲の処理を実行して、n日目の発育速度DVRnや発育指数DVInを算出する。
乾物重分配部24は、発育指数DVInから葉部乾物比率LDWRnや、球部乾物比率BDWRnを算出し、これらの比率LDWRn、BDWRnや総乾物重TDWnを用いて、葉部乾物重LDWn及び球部乾物重BDWnを算出する。
LAI算出部28は、乾物重分配部24が算出した葉部乾物重LDWnに基づいて、翌日のLAI(LAIn+1)を算出する。
収穫日・収量推定部30は、発育指数算出部22が算出した発育指数DVInに基づいて、収穫日を推定する。また、収穫日・収量推定部30は、収穫日における球部乾物重に基づいて、収穫日の球部重量BFWhvsを算出(推定)する。更に、収穫日・収量推定部30は、収穫日の球部重量BFWhvsに基づいて、収穫日の球部生体収量BFYhvsを算出(推定)する。そして、収穫日・収量推定部30は、推定結果を利用者端末70に対して出力する。
(サーバ10の処理について)
次に、図6のフローチャートに沿って、その他図面を参照しつつ、サーバ10の処理について詳細に説明する。
なお、図6の処理を開始する前提として、生産者等が、利用者端末70の入力部95から、定植日、定植日の葉面積、植栽密度、前日の総乾物重TDW0の情報を入力しているものとする。サーバ10は、入力された情報に基づいて、図7に示すようなワークテーブルを準備する。ワークテーブルには、図7に示すように、定植日以降の日平均気温(℃)、日長(h)、日積算日射量(MJ/m2)(いずれも、過去の同日における平均値や、予測値など)が格納される。また、ワークテーブルには、定植日のLAI1(m2/m2)として、生産者等が入力した葉面積に関する情報から算出した値が格納される。更に、ワークテーブルには、各日の日平均気温から算出したRUE(g/MJ)が格納される。なお、RUEは、日平均気温Tnを用い、上式(3)から算出した値である。この状態から、図6の処理が開始される。
ステップS10では、総乾物重算出部20が、タマネギの苗を定植してからの日数を示すパラメータnを1に設定する(n=1)。
次いで、ステップS12では、総乾物重算出部20が、n日目の日乾物増加量ΔTDWnを、上式(2)に基づいて算出する。また、総乾物重算出部20は、次のステップS14において、n日目の総乾物重TDWnを上式(4)に基づいて算出する。
次いで、ステップS16では、発育指数算出部22が、DVIn-1の値を参照し、0≦DVIn-1<1の範囲に含まれるか否かを判断する。発育指数算出部22は、ステップS16の判断が肯定された場合にはステップS18に移行するが、否定された場合にはステップS20に移行する。なお、n=1の段階では、ステップS16の判断は肯定される。
ステップS16の判断が肯定されて、ステップS18に移行すると、発育指数算出部22は、発育速度DVRの算出式として第1式(本実施形態では上式(7))を設定する。一方、ステップS16の判断が否定されて、ステップS20に移行すると、発育指数算出部22は、発育速度の算出式として第2式(本実施形態では上式(8))を設定する。
ステップS18、S20のいずれかを経て、ステップS22に移行すると、発育指数算出部22は、n日目の日平均気温Tnと日長Lnを用いて、設定されている式(上式(7)、(8)のいずれか)から、n日目の発育速度DVRnを算出する。
次いで、ステップS24では、発育指数算出部22が、上式(6)のようにn日目までの発育速度を積算し、n日目の発育指数DVInを算出する。
次いで、ステップS26では、乾物重分配部24が、n日目の葉部乾物比率LDWRnと球部乾物比率BDWRnを算出するとともに、葉部乾物重LDWn及び球部乾物重BDWnを算出する。ここでは、乾物重分配部24は、ステップS24で算出した発育指数DVInを用いて、上式(5)、(9)から、葉部乾物比率LDWRnと球部乾物比率BDWRnを算出し、これらの比率LDWRn、BDWRnを用いて、上式(10)、(11)から、n日目の葉部乾物重LDWn、球部乾物重BDWnを算出する。
次いで、ステップS28では、LAI算出部28が、葉部乾物重LDWnを用いて、上式(12)から、翌日のLAI(LAIn+1、ここではLAI2)を算出する。
ここまでの処理が行われると、処理の結果得られたデータがワークテーブルに追加され、ワークテーブルは図8に示すようになる。具体的には、図8に示すように、ワークテーブルの定植日の行に、発育速度DVR(/d)、発育指数DVI、総乾物重TDWn(g/m2)、葉部乾物重LDWn(g/m2)、球部乾物重BDWn(g/m2)の各値が追加されるとともに、定植日の次の日の行のLAIの値も追加される。
次いで、ステップS30では、収穫日・収量推定部30が、DVInが2以上であるか否かを判断する。このステップS30の判断が否定されると、ステップS32に移行する。
ステップS32に移行すると、総乾物重算出部20が、nを1インクリメントする(n←n+1)。すなわち、翌日の推定処理に移行する。
その後は、上述した処理(ステップS12~S32)を繰り返し実行する。この繰り返し処理においては、前日の処理(S28)で得られた翌日のLAIを用いることとする。そして、データが蓄積し、図9の最下行に示すように、DVInの値が2以上になった段階で、ステップS30の判断が肯定され、ステップS34に移行する。なお、図9においては、日付「2019/6/26」の発育指数DVIが1を超えているため、この日が「球部肥大開始推定日」として示されている。
ステップS34に移行すると、収穫日・収量推定部30は、n日目を収穫日と推定する。また、収穫日・収量推定部30は、n日目の球部乾物重BDWn(=BDWhvs)を用いて、上式(13)から、球部重量BFWhvs(g/m2)を算出する。そして、収穫日・収量推定部30は、上式(14)のように球部重量BFWhvs(g/m2)に圃場の栽植密度を乗じることで、圃場における球部生体収量(kg/m2)を推定する。
以上により、図6の全処理が終了する。なお、図6の処理の後、収穫日・収量推定部30は、推定された収穫日の情報や、収穫日における収量の情報、図9のワークテーブルのうち必要な情報を、利用者端末70に対して出力する。この場合、図6の処理の直後に利用者端末70に対して情報を出力してもよいし、利用者端末70側からの求めに応じて、利用者端末70に対して情報を出力することとしてもよい。
生産者等は、利用者端末70に表示される情報を確認することで、タマネギの作付け計画や出荷計画を策定することができる。例えば、図10(a)に示すように、推定した球部肥大開始日、収穫日、球部乾物重、球部乾物比率、球部生体収量を記載した表を出力することができる。この場合、作業者等は、図10(b)に示すように、表に実測値を入力することで、予測値と実測値を比較することも可能である。
図11には、本実施形態のように葉部乾物比率と球部乾物比率を発育指数DVIから求め、球部乾物重を推定した場合と、葉部乾物比率と球部乾物比率を固定値とした場合(比較例)を比較した表が示されている。本実施形態のように発育指数DVIを用いて葉部乾物比率と球部乾物比率を求めた場合には、収穫時の球部乾物重を実測値とほとんど誤差なく予測することができた。一方、比較例のように、葉部乾物比率と球部乾物比率を固定値とすると、収穫時の球部乾物重の予測値と実測値との間に大きな誤差が生じた。このような結果になったのは、葉部乾物比率と球部乾物比率を固定値とすると、球部肥大に対応できず、球部乾物重を過小評価するためであると考えられる。
このように、本実施形態では、発育指数DVIを用いて葉部乾物比率と球部乾物比率を決定することで、収量(球部生体収量BFYhvs)を精度よく推定することが可能となっている。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によると、発育指数算出部22は、n日目の日平均気温Tnと日長Lnとに基づいてタマネギの発育速度に関する第1の値(発育速度DVRn)を算出し(S22)、乾物重分配部24は、定植日からの発育速度DVRnの積算値である第2の値(発育指数DVIn)に基づいて、タマネギの球部乾物比率BDWRnを算出する(S26)。また、乾物重分配部24は、総乾物重算出部20によって算出されるタマネギの総乾物重TDWnと球部乾物比率BDWRnと、に基づいて、タマネギの球部乾物重を予測する(S26)。これにより、本実施形態では、球部肥大の時期を考慮した予測が可能となるため、球部乾物比率を固定値とする場合と比べ、球部乾物重を精度よく予測することができる(図11参照)。
また、本実施形態では、発育指数DVInが所定値(本実施形態では「2」)に達する日を収穫日として推定し(S30:肯定、S34)、推定された収穫日における球部乾物重BDWn(=BDWhvs)に基づいて、圃場における収量(球部生体収量BFYhvs)を推定する(S34)。これにより、本実施形態では、発育指数DVInを用いることで、精度よく収穫日を推定することができる。また、収穫日が精度よく推定されることで、収穫日における収量も精度よく推定することができる。
このように、精度よく推定された収穫日や収量を利用者端末70に出力することで、生産者等は、タマネギの作付け計画や出荷計画を適切に策定することができる。この場合、タマネギの生産を行ったことがない地点であっても、環境条件や定植日を入力することで、作付け計画や出荷計画を適切に策定することができる。
また、本実施形態では、発育速度DVRnを算出する際に、前日の発育指数DVIn-1の値に基づいて、用いる式(上式(7)、(8))を異ならせる。これにより、1つの式を用いる場合に比べ、生育状態(球部肥大前と後のいずれの状態か)を考慮して、精度よく発育速度DVRnを算出することができる。
また、本実施形態では、発育指数DVInから算出した葉部乾物比率LDWRnを用いて翌日の葉面積指数(LAIn+1)を算出し、算出したLAIn+1を用いて翌日の日乾物増加量を算出する。これにより、葉部乾物比率LDWRnから予測される翌日の葉面積指数LAIn+1を用いて翌日の総乾物重を精度よく算出することができる。
なお、上記実施形態では、サーバ10が図5の各部の機能を有する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、利用者端末70が図5の各部の機能を有していてもよい。この場合、利用者端末70は、ネットワーク80に接続されていなくてもよい。また、利用者端末70は、ネットワーク80を介してサーバ10に格納されている各種データを取得して、図6の処理を実行するようにしてもよい。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。例えば、図3の生育モデルや式の一部本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形可能である。
10 サーバ
20 総乾物重算出部
22 発育指数算出部
24 乾物重分配部
28 LAI算出部
30 収穫日・収量推定部
90 CPU(コンピュータ)
100 生育状態予測システム

Claims (5)

  1. 結球性ユリ科作物の生育状態を予測する生育状態予測方法であって、
    日毎の平均気温と日長とに基づいて前記結球性ユリ科作物の日毎の発育速度に関する第1の値を算出し、
    定植日からの前記第1の値の積算値である第2の値に基づいて、前記結球性ユリ科作物の日毎の球部乾物比率を算出し、
    日射量と葉に関する値とに基づいて算出される前記結球性ユリ科作物の日毎の乾物重と、前記日毎の球部乾物比率と、に基づいて、前記結球性ユリ科作物の球部の重量を予測する、
    処理をコンピュータが実行することを特徴とする生育状態予測方法。
  2. 前記第2の値が所定値に達する日を収穫日として推定し、
    推定された前記収穫日における前記球部の重量に基づいて、収量を予測する、
    処理を前記コンピュータが更に実行することを特徴とする請求項1に記載の生育状態予測方法。
  3. 前記第1の値を算出する処理では、
    各日が、複数の生育ステージのいずれに属するかを前記第2の値から判定し、
    属する前記生育ステージに応じた式を用いて、日毎の前記第1の値を算出する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の生育状態予測方法。
  4. 前記第2の値に基づいて、前記結球性ユリ科作物の日毎の葉部乾物比率を算出し、
    前記葉部乾物比率に基づいて、翌日の前記葉に関する値を算出し、
    算出した翌日の前記葉に関する値に基づいて、前記結球性ユリ科作物の翌日の乾物増加量を算出する、
    処理を前記コンピュータが更に実行することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の生育状態予測方法。
  5. 結球性ユリ科作物の生育状態を予測する生育状態予測プログラムであって、
    日毎の平均気温と日長とに基づいて前記結球性ユリ科作物の日毎の発育速度に関する第1の値を算出し、
    定植日からの前記第1の値の積算値である第2の値に基づいて、前記結球性ユリ科作物の日毎の球部乾物比率を算出し、
    日射量と葉に関する値とに基づいて算出される前記結球性ユリ科作物の日毎の乾物重と、前記日毎の球部乾物比率と、に基づいて、前記結球性ユリ科作物の球部の重量を予測する、
    処理をコンピュータに実行させることを特徴とする生育状態予測プログラム。
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