<実施の形態1>
図1は本実施の形態に係る太陽電池システム1の構成の一例を示すブロック図である。図1に示されるように、太陽電池システム1は、例えば、太陽電池モジュール2と、当該太陽電池モジュール2を制御する制御装置3とを備える。太陽電池モジュール2は、互いに直列接続される複数の太陽電池セル200を備える。制御装置3は、複数の太陽電池セル200のそれぞれをバイパスするか否かを個別に制御することが可能である。
<太陽電池モジュールの構成例>
図2に示されるように、太陽電池モジュール2は、例えば、自動車の車両100のルーフ101上に搭載される。ルーフ101の表面101aは曲面となっている。太陽電池モジュール2は、ルーフ101の表面101aの曲面に沿って曲がっている。太陽電池モジュール2は、それが搭載される曲面に沿って曲がっていると言える。複数の太陽電池セル200は、ルーフ101の表面101aの曲面に沿って配列されている。太陽電池モジュール2は、それが搭載される曲面に沿って曲がっていればよく、太陽電池モジュール2の少なくとも一部は、当該曲面に接触していてもよいし、当該曲面から離れていてもよい。
図3は太陽電池モジュール2の外観の一例を示す概略斜視図である。図4は太陽電池モジュール2の外観の一例を示す概略平面図である。図5は、太陽電池モジュール2を図4の矢視A1から見た場合の概略側面図である。図6は、太陽電池モジュール2を図4の矢視B1から見た場合の概略側面図である。図7は、太陽電池モジュール2を図4の矢視C1から見た場合の概略側面図である。図8は、太陽電池モジュール2を図4の矢視D1から見た場合の概略側面図である。
以後、太陽電池モジュール2の前側と言えば、太陽電池モジュール2がルーフ101上に搭載された場合に車両100の前側(言い換えれば、ヘッドライト側)に位置する側を意味する。また、太陽電池モジュール2の後ろ側と言えば、太陽電池モジュール2がルーフ101上に搭載された場合に車両100の後ろ側(言い換えれば、テールランプ側)に位置する側を意味する。また、太陽電池モジュール2の左側と言えば、太陽電池モジュール2がルーフ101上に搭載された場合に車両100の左側(詳細には、車両100をテールランプ側からヘッドライト側を見た場合の左側)に位置する側を意味する。また、太陽電池モジュール2の右側と言えば、太陽電池モジュール2がルーフ101上に搭載された場合に車両100の右側(詳細には、車両100をテールランプ側からヘッドライト側を見た場合の右側)に位置する側を意味する。太陽電池モジュール2を単にモジュール2と呼び、太陽電池セル200を単にセル200と呼ぶことがある。
図3~8に示されるように、太陽電池モジュール2は、例えばパネル状を成している。パネル状の太陽電池モジュール2は、太陽電池パネルと呼ばれることがある。本例のモジュール2は、ルーフ101の表面101aに応じて湾曲している。モジュール2の外形は、平面視において、ルーフ101の表面101aの外形に応じた形状を成している。本例では、モジュール2の外形は、図4に示されるように、平面視において等脚台形状を成している。モジュール2の外形は、2つの底辺2a及び2bと、当該2つの底辺2a及び2bをつなぐ2つの脚2c及び2dとを備える。底辺2a及び2bは、左右方向に沿って延びており、前後方向で対向している。底辺2a及び2bのうち、長い方の底辺2aは前側に位置し、短い方の底辺2bは後ろ側に位置する。
モジュール2は、例えば、光が入射する受光面(前面とも言う)20と、当該受光面20の逆側に位置する裏面21とを有する。モジュール2は、受光面20を外側にしてルーフ101上に搭載される。受光面20及び裏面21のそれぞれは、ルーフ101の表面に応じて湾曲している。モジュール2が備える複数のセル200は、モジュール2の受光面20に沿って配列されている。本例では、モジュール2は、それが搭載される曲面に沿って曲がっていることから、受光面20及ぶ裏面21のそれぞれは、法線方向が互いに異なる方向を向く複数の面を有している。受光面20及ぶ裏面21のそれぞれでは、法線方向が向く方向は一定とならない。以後、モジュール2の受光面20側を、モジュール2の上側と呼ぶことがある。また、モジュール2の裏面21側を、モジュール2の下側と呼ぶことがある。
図7及び8に示されるように、モジュール2は、上側に凸になるように、前後方向に沿って少し湾曲している。モジュール2では、左右方向からの側面視において、前側部分25が他の部分より大きく曲がっている。つまり、モジュール2の前後方向の曲率(つまり、モジュール2の前後方向に沿った湾曲の曲率)は、モジュール2の前側部分25が他の部分よりも大きくなっている。また、モジュール2の前側部分25よりも後方の部分での前後方向の曲率は、前後方向に沿って見た場合、例えばほぼ一定となっている。
また、図5及び6に示されるように、モジュール2は、上側に凸になるように、左右方向に沿って少し湾曲している。モジュール2の左右方向の曲率(つまり、モジュール2の左右方向に沿った湾曲の曲率)は、左右方向に沿って見た場合、例えばほぼ一定となっている。
本例では、モジュール2は、図4に示されるように、例えば、前後方向に並ぶ10列のセル列211を備える。各セル列211は、左右方向に並ぶ複数のセル200を備える。
前側から1番目と2番目のセル列211のそれぞれでは、12個のセル200が左右方向に並ぶ。前側から1番目と2番目のセル列211が備える合計24個のセル200は、前後方向に2個、左右方向に12個並ぶように行列状に配列されている。
前側から3番目と4番目のセル列211のそれぞれでは、11個のセル200が左右方向に並ぶ。前側から3番目と4番目のセル列211が備える合計22個のセル200は、前後方向に2個、左右方向に11個並ぶように行列状に配列されている。
前側から5番目~7番目のセル列211のそれぞれでは、10個のセル200が左右方向に並ぶ。前側から5番目~7番目のセル列211が備える合計30個のセル200は、前後方向に3個、左右方向に10個並ぶようにほぼ行列状に配列されている。
前側から8番目~10番目のセル列211のそれぞれでは、9個のセル200が左右方向に並ぶ。前側から8番目~10番目のセル列211が備える合計27個のセル200は、前後方向に3個、左右方向に9個並ぶように行列状に配列されている。本例のモジュール2は、合計103個のセル200を備える。
複数のセル列211の最も右側に位置するセル200は、モジュール2の外形が形成する等脚台形の脚2cに沿って並んでいる。また、複数のセル列211の最も左側に位置するセル200は、モジュール2の外形が形成する等脚台形の脚2dに沿って並んでいる。
図9は、モジュール2の断面構造の一例を示す概略図である。図9に示されるように、モジュール2は、複数のセル200以外にも、例えば、受光面20を構成する表面保護層120と、裏面21を構成する裏面保護層121と、充填材123とを備える。
表面保護層120は、例えば、透光性を有する。表面保護層120は、例えば、特定範囲の波長の光に対する透光性を有する。特定範囲の波長は、例えば、セル200が光電変換し得る光の波長を含む。特定範囲の波長に、太陽光のうちの照射強度の高い光の波長が含まれていれば、モジュール2の光電変換効率が向上し得る。表面保護層120は、例えば樹脂で構成される。表面保護層120は、1層で構成されてもよいし、複数層で構成されてもよい。表面保護層120の厚さは、例えば、0.05mmから0.5mm程度とされる。なお、表面保護層120は、例えばガラスで構成されてもよい。
複数のセル200は、例えば、表面保護層120と裏面保護層121との間に位置する。複数のセル200のそれぞれは、表面保護層120を通じて光が入射されるセル受光面201を有する。各セル200は、セル受光面201に入力される光の光エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。セル200は、セル受光面201上に正極及び負極の一方を備える。また、セル200は、セル受光面201とは反対側の面上に正極及び負極の他方を備える。セル200の正極及び負極のそれぞれは、バスバー電極と呼ばれることがある。本例では、モジュール2は、それが搭載される曲面に沿って曲がっていることから、複数のセル200のセル受光面201には、法線方向が互いに異なる方向を向く複数のセル受光面201が含まれる。複数のセル200のセル受光面201では、法線方向が向く方向は一定とならない。
充填材123は、表面保護層120と裏面保護層121との間において複数のセル200を覆う。充填材123は、表面保護層120と裏面保護層121との間の領域に、複数のセル200を覆うように充填されている。一つのモジュール2においては、複数のセル200が共通の充填材123で覆われている。
充填材123は、例えば、受光面20側に位置する充填材123aと、裏面21側に位置する充填材123bとを有する。充填材123aは、表面保護層120と複数のセル200との間において、各セル200を覆う。これにより、充填材123aは、各セル200のセル受光面201を覆う。充填材123bは、例えば、裏面保護層121と複数のセル200との間において、複数のセル200を覆う。これにより、充填材123bは、各セル200の裏面保護層121側の面を覆う。複数のセル200は、例えば、充填材123aと充填材123bとによって挟み込まれるように囲まれている。これにより、充填材123によって各セル200の姿勢が保たれる。
充填材123は、例えば、透光性を有する。充填材123は、例えば、上述した特定範囲の波長の光に対する透光性を有する。充填材123を構成する充填材123a及び123bのうち、少なくとも充填材123aが透光性を有していれば、受光面20側からの入射光がセル200まで到達する。充填材123a及び123bのそれぞれは、例えば樹脂で構成される。
裏面保護層121は、充填材123を間に介して表面保護層120と対向する。裏面保護層121は、例えば、各セル200を裏面21側から保護することができる。裏面保護層121は、例えば、裏面21を構成するバックシートで構成される。バックシートの厚さは、例えば、0.3mmから0.5mm程度とされる。バックシートは、例えば樹脂で構成される。裏面保護層121は、各セル200及び充填材123を、裏面21側及び側方側から包み込むように構成されている。そして、裏面保護層121は、表面保護層120の外周部に接着している。裏面保護層121は、例えば、平面視において、表面保護層120と同様な形状を有する。本例では、表面保護層120及び裏面保護層121のそれぞれは、平面視において等脚台形状を成している。
上述のように、モジュール2は上側に凸となるように左右方向に沿って湾曲している。このため、図7及び8に示されるように、左右方向からの側面視において、セル200が視認可能となっている。また、モジュール2は上側に凸となるように前後方向に沿って湾曲している。このため、図5及び6に示されるように、前後方向からの側面視において、セル200が視認可能となっている。
モジュール2は、それが搭載されるルーフ101の表面101aに沿って予め曲げられてもよい。つまり、モジュール2は、その製造時に曲げられてもよい。また、モジュール2は、その製造時には曲げられておらず、それがルーフ101に搭載されるときに、表面101aに沿って曲げられてもよい。
太陽電池システム1は、モジュール2の出力電力(言い換えれば、モジュール2の発電によって得られる電力)を外部に出力する端子ボックスを備えてもよい。端子ボックスは、モジュール2の裏面21上に位置してもよいし、他の場所に位置してもよい。また、モジュール2が備える複数のセル200の数及び配列は上記の例に限られない。
<制御装置の構成例>
図10は制御装置3の構成の一例を示すブロック図である。制御装置3は、バイパス部300と、接続切替部310と、電流取得部320と、制御部330とを備える。バイパス部300は、制御部330による制御によって、各セル200を個別にバイパスすることが可能である。接続切替部310は、制御部330による制御によって、各セル200について、当該セル200を他のセル200に直列接続するか否かを個別に切り替えることが可能である。制御装置3は制御回路とも言える。電流取得部320は、各セル200の個別の出力電流を求めることが可能である。制御装置3は、端子ボックス内に設けられてもよいし、他の場所に設けられてもよい。
制御部330は、制御装置3の他の構成要素を制御することによって、制御装置3の動作を統括的に管理することが可能である。制御部330は一種のコンピュータ装置であると言える。制御部330は、以下にさらに詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、例えば少なくとも1つのプロセッサを含む。
種々の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)として、又は複数の通信可能に接続された集積回路IC及び/又はディスクリート回路(discrete circuits)として実行されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、種々の既知の技術に従って実行されることが可能である。
1つの実施形態において、プロセッサは、例えば、関連するメモリに記憶された指示を実行することによって1以上のデータ計算手続又は処理を実行するように構成された1以上の回路又はユニットを含む。他の実施形態において、プロセッサは、1以上のデータ計算手続き又は処理を実行するように構成されたファームウェア(例えば、ディスクリートロジックコンポーネント)であってもよい。
種々の実施形態によれば、プロセッサは、1以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号処理装置、プログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又はこれらのデバイス若しくは構成の任意の組み合わせ、又は他の既知のデバイス及び構成の組み合わせを含み、以下に説明される機能を実行してもよい。
本例では、制御部330は、CPU(Central Processing Unit)331及び記憶部332を備える。記憶部332は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などの、CPU331が読み取り可能な非一時的な記録媒体を含む。記憶部332には、制御装置3を制御するための制御プログラム等が記憶されている。制御部330の各種機能は、CPU331が記憶部332内の制御プログラムを実行することによって実現される。制御部330は制御回路とも言える。
なお、制御部330の構成は上記の例に限られない。例えば、制御部330は、複数のCPU331を備えてもよいし、CPU331を備えなくてもよい。また、制御部330の全ての機能あるいは制御部330の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。
図11は、複数のセル200と、バイパス部300と、接続切替部310と、電流取得部320との電気的な接続関係の一例を示す図である。図11に示されるように、接続切替部310は、複数のスイッチ回路311を備える。各スイッチ回路311は、2つのセル200を直列接続するか、接続しないかを、制御部330による制御によって切り替える。言い換えれば、各スイッチ回路311は、2つのセル200において、一方のセル200の正極と、他方のセル200の負極を電気的に接続するか否かを、制御部330による制御によって切り替える。また、バイパス部300は、複数のセル200にそれぞれ対応する複数のスイッチ回路対301を備える。各スイッチ回路対301は、制御部330による制御によって、それに対応するセル200をバイパスすることが可能である。また、電流取得部320は、複数のセル200にそれぞれ対応する複数の検出部321を備える。各検出部321は、それに対応するセル200の個別の出力電流を検出することが可能である。言い換えれば、各検出部321は、それに対応するセル200単体の出力電流を検出することが可能である。
各スイッチ回路対301は、スイッチ回路301aと、スイッチ回路301bとを備える。スイッチ回路301aの一端は、それに対応するセル200の正極及び負極の一方に接続されている。スイッチ回路301bの一端は、それに対応するセル200の正極及び負極の他方に接続されている。スイッチ回路301a及び301bの他端は、それらに対応するセル200に対応する検出部321を通じて互いに接続されている。スイッチ回路301aがオン状態であり、かつスイッチ回路301bがオフ状態のとき、それらに対応するセル200がバイパスされる。つまり、モジュール2に流れる電流が、セル200を回避して、それに対応するスイッチ回路301aに流れる。スイッチ回路301a及び301bは、半導体素子で構成されてもよいし、他の構成であってもよい。バイパス部300はバイパス回路とも言える。
本例では、各セル200について、当該セル200に対応するスイッチ回路301bと、当該セル200が直列接続される他のセル200との間に、接続切替部310のスイッチ回路311が接続されている。スイッチ回路311がオン状態であって、当該スイッチ回路311の一端に接続されたスイッチ回路301bがオン状態のとき、当該スイッチ回路301bに対応するセル200と、当該スイッチ回路311の他端に接続されたセル200とが直列接続される。一方で、スイッチ回路311がオフ状態のとき、当該スイッチ回路311の一端に接続されたスイッチ回路301bに対応するセル200と、当該スイッチ回路311の他端に接続されたセル200とは接続されない。スイッチ回路311は、半導体素子で構成されてもよいし、他の構成であってもよい。接続切替部310は接続切替回路とも言える。
検出部321は、それに対応するセル200に対応するスイッチ回路301a及び301bがともにオン状態であって、当該セル200が他のセル200に直列接続されていない場合、当該セル200の個別の出力電流を検出する。以後、セル200の出力電流と言えば、セル200の個別の出力電流、言い換えれば、セル200単体の出力電流を意味する。
本例では、モジュール2の出力電力を外部に供給する場合には、接続切替部310のすべてのスイッチ回路311がオン状態にされる。そして、後述の設定処理において、各セル200について、当該セル200がバイパスされるか否かが設定される。接続切替部310のスイッチ回路311は、設定処理の実行中においてはオフ状態に設定されることがある。
<制御装置の動作例>
本例では、モジュール2は、それが搭載される曲面に沿って曲がることから、複数のセル200の間では、太陽光の入射角が一定とならない。そのため、複数のセル200の間では、セル200の出力電流にばらつきが生じる。
図12は各セル200の個別の出力電力の一例を示す図である。図12には、前側が南向きとなっている日本国内に存在する車両100のルーフ101に搭載されているモジュール2の各セル200の個別の出力電力の一例が示されている。図12には、12月の午後3時ごろの各セル200の出力電力の一例が示されている。図12では、セル200を示す四角形の中に、そのセル200の個別の出力電力が示されている。図12に示される数字の単位はWh/m2である。以後、セル200の出力電力と言えば、セル200の個別の出力電力、言い換えれば、セル200単体の出力電力を意味する。
各セル200がバイパスされずに複数のセル200が互いに直列接続されている場合、モジュール2全体の出力電流は、当該複数のセル200の出力電流の最小値に制限される。したがって、モジュール2全体の出力は、複数のセル200の個別の出力の総和とならずに、当該複数のセル200の出力電流の最小値によって制限される。つまり、互いに直列接続された複数のセル200の総出力は、当該複数のセル200の出力電流の最小値によって制限される。
図12の例では、最も後ろ側のセル列211の複数のセル200のうち、最も左側のセル200aの出力電力が最小値の0.67Wh/m2となっている。複数のセル200の出力電圧は一定であることから、モジュール2が備える複数のセル200のうち、セル200aの出力電流が最小となる。セル200の総数は103個であることから、図12の例では、モジュール2の出力電力、つまり、複数のセル200の総出力電力は、0.67Wh/m2×103=69.01Wh/m2に制限される。
そこで、本例では、制御部330がモジュール2の出力に基づいてバイパス部300を制御することによって、モジュール2の出力を大きくすることができる。言い換えれば、制御部330が複数のセル200の総出力に基づいてバイパス部300を制御することによって、複数のセル200の総出力を大きくすることができる。本例では、制御部330は、モジュール2の出力に基づいて、複数のセル200に対するバイパス設定を決定し、決定した当該バイパス設定を複数のセル200に対して行う設定処理を行う。以下の説明では、各セル200の出力電圧をVoで表す。また、モジュール2が備えるセル200の総数をNで表す。また、説明の対象のセル200を対象セル200と呼ぶことがある。また、モジュール2の出力をモジュール出力と呼ぶことがある。
図13は設定処理の一例を示すフローチャートである。後述の説明から明らかになるように、設定処理のステップs5~s7は複数回実行される。図13に示されるように、ステップs1において、制御部330は、電流取得部320から、各セル200の出力電流を取得する。制御部330は、対象セル200の出力電流を取得する場合、対象セル200に対応するスイッチ回路301a及び301bをオン状態にする。そして、制御部330は、対象セル200と他のセル200とを直列接続するためのスイッチ回路311をオフ状態にする。つまり、制御部330は、接続切替部310を制御して、対象セル200が他のセル200と接続されないようにする。これにより、対象セル200に対応する検出部321は、対象セル200の出力電流を検出することができる。制御部330は、検出部321が検出した対象セル200の出力電流を、当該検出部321から取得する。制御部330は、同様にして、各セル200の出力電流を取得する。
次にステップs2において、制御部330は、各セル200がバイパスされていないときのモジュール出力を求める。つまり、制御部330は、複数のセル200のすべてがバイパスされない第1バイパス設定が複数のセル200に対して行われるときのモジュール2の出力を求める。以後、この処理を第1処理401と呼ぶことがある。また、各セル200がバイパスされていないときのモジュール2の出力を、バイパス無しのときの出力と呼ぶことがある。
ここで、設定処理では、モジュール2の出力を表す値として、例えば出力電力が使用される。本例では、制御部330は、第1処理において、各セル200がバイパスされていないときのモジュール2の出力電力を求める。制御部330は、ステップs1で取得したN個の出力電流のうちの最小値と、Voと、Nとを掛け合わせて得られる値を、各セル200がバイパスされていないときのモジュール2の出力電力とする。
次にステップs3において、制御部330は、複数のセル200のうち、出力電流が最小のセル200を一つ選択する。モジュール2に出力電流が最小のセル200が複数含まれる場合、制御部330は、出力電流が最小の複数のセル200のいずれか一つを選択する。
次にステップs4において、制御部330は、ステップs3で選択したセル200がバイパスされるときのモジュール2の出力を求める。つまり、制御部330は、ステップs3で選択したセル200がバイパスされる第2バイパス設定が複数のセル200に対して行われるときのモジュール2の出力を求める。ステップs4において、制御部330は、複数のセル200において、ステップs3で選択したセル200を除く部分のうち、出力電流が最小のセル200を特定する。そして、制御部330は、特定したセル200の出力電流と、Voと、(N-1)とを掛け合わせて得られる値を求める。制御部330は、求めた値を、ステップs3で選択したセル200がバイパスされるときのモジュール2の出力電力とする。
以後、ステップs3及びs4の処理をあわせて第2処理402と呼ぶことがある。第2処理402は、制御部330が、複数のセル200のうち、出力電流が最小のセル200を選択し、選択した当該セル200がバイパスされる第2バイパス設定が複数のセル200に対して行われるときのモジュール2の出力を求める処理であると言える。
次にステップs5において、制御部330は、複数のセル200のうち、今まで選択したすべてのセル200を除く部分のうち、出力電流が最小のセル200をさらに選択する。1回目のステップs5では、制御部330は、複数のセル200のうち、ステップs3で選択したセル200を除く部分のうち、出力電流が最小のセル200をさらに選択する。複数のセル200のうち、今まで選択したすべてのセル200を除く部分において、出力電流が最小のセル200が複数含まれる場合、制御部330は、出力電流が最小の複数のセル200のいずれか一つを選択する。
次にステップs6において、制御部330は、選択したすべてのセル200がバイパスされるときのモジュール2の出力を求める。つまり、制御部330は、選択したすべてのセル200がバイパスされる第3バイパス設定が複数のセル200に対して行われるときのモジュール2の出力を求める。
以後、ステップs5及びs6の処理をあわせて第3処理403と呼ぶことがある。第3処理403は、制御部330が、複数のセル200において、選択したすべてのセル200を除く部分のうち、出力電流が最小のセル200を選択し、選択したすべてのセル200がバイパスされる第3バイパス設定が複数のセル200に対して行われるときのモジュール2の出力を求める処理であると言える。第3処理403は複数回実行される。
第3処理403のステップs6では、制御部330は、複数のセル200において、今まで選択したすべてのセル200を除く部分のうち、出力電流が最小のセル200を特定する。そして、制御部330は、特定したセル200の出力電流と、Voと、(N-1-M)とを掛け合わせて得られる値を求める。制御部330は、求めた値を、選択したすべてのセル200がバイパスされるときのモジュール2の出力電力とする。
ここで、Mは、第3処理403の実行回数を意味する。1回目のステップs6では、M=1となる。1回目のステップs6では、制御部330は、複数のセル200のうち、ステップs3で選択したセル200と1回目のステップs5で選択したセル200とを除く部分のうち、出力電流が最小のセル200を特定する。そして、制御部330は、特定したセル200の出力電流と、Voと、(N-1-1)とを掛け合わせて得られる値を求める。制御部330は、求めた値を、ステップs3で選択したセル200と1回目のステップs5で選択したセル200とがバイパスされるときのモジュール2の出力電力とする。
次にステップs7において、制御部330は、第3処理403の現在の実行回数MがN-2であるか否かを判定する。ステップs7においてNoと判定されると、ステップs5及びs6が再度実行される。言い換えれば、ステップs7においてNoと判定されると、第3処理403が再度実行される。一方、ステップs7においてYesと判定されると、ステップs8が実行される。第3処理403は(N-2)回実行される。
2回目のステップs5では、制御部330は、複数のセル200のうち、ステップs3で選択したセル200と、1回目のステップs5で選択したセル200とを除く部分のうち、出力電流が最小のセル200を選択する。2回目のステップs6では、制御部330は、ステップs3で選択したセル200と、1回目のステップs5で選択したセル200と、2回目のステップs5で選択したセル200とがバイパスされるときのモジュール2の出力電力を求める。
3回目のステップs5では、制御部330は、複数のセル200のうち、ステップs3で選択したセル200と、1回目のステップs5で選択したセル200と、2回目のステップs5で選択したセル200とを除く部分のうち、出力電流が最小のセル200を選択する。3回目のステップs6では、制御部330は、ステップs3で選択したセル200と、1回目のステップs5で選択したセル200と、2回目のステップs5で選択したセル200と、3回目のステップs5で選択したセル200とがバイパスされるときのモジュール2の出力電力を求める。
以上の説明から理解できるように、ステップs7においてYesと判定されると、制御部330では、複数種類のバイパス設定のそれぞれについて、当該バイパス設定が複数のセル200に対して行われるときのモジュール2の出力が得られる。本例では、制御部330では、第1~第3バイパス設定を含むN種類のバイパス設定のそれぞれについて、当該バイパス設定が複数のセル200に対して行われるときのモジュール2の出力が得られる。
ステップs8において、制御部330は、モジュール2の出力が大きくなるバイパス設定を複数のセル200に対して行う。このとき、制御部330は、接続切替部310の各スイッチ回路311をオン状態にする。これにより、モジュール2から大きな出力が外部に取り出される。以後、モジュール2の出力が大きくなるバイパス設定を適切なバイパス設定と呼ぶことがある。
本例では、制御部330は、N種類のバイパス設定のうち、モジュール2の出力が最大となるバイパス設定を適切なバイパス設定とする。そして、制御部330は、適切なバイパス設定を複数のセル200に対して行う。具体的には、制御部330は、今まで求めたN個の出力のうちの最大の出力が得られるバイパス設定を適切なバイパス設定とする。言い換えれば、制御部330は、第1処理401、第2処理402及び第3処理403で求めたN個の出力のうちの最大の出力が得られるバイパス設定を適切なバイパス設定とする。そして、制御部330は、適切なバイパス設定を複数のセル200に対して行う。
ステップs8では、まず、制御部330は、いままで求めたモジュール2のN個の出力電力のうち、最大の出力電力を特定する。そして、制御部330は、特定した最大の出力電力が得られる、複数のセル200に対するバイパス設定を、適切なバイパス設定とする。例えば、制御部330が求めたN個の出力電力のうち、ある5個のセル200がバイパスされたときのモジュール2の出力電力が最大である場合を考える。この場合、制御部330は、当該ある5個のセル200がバイパスされるバイパス設定を、適切なバイパス設定とする。そして、制御部330は、複数のセル200に対して適切なバイパス設定を行う。具体的には、制御部330は、当該ある5個のセル200にそれぞれ対応する5個のスイッチ回路対301のスイッチ回路301aをすべてオン状態にする。そして、制御部330は、他のスイッチ回路対301のスイッチ回路301aをすべてオフ状態にする。また、制御部330は、当該5個のスイッチ回路対301のスイッチ回路301bをすべてオフ状態にする。そして、制御部330は、他のスイッチ回路対301のスイッチ回路301bをすべてオン状態にする。これにより、モジュール2の出力電力が最大となり、モジュール2から大きな出力電力が外部に取り出される。
次に、具体的な数値を挙げて設定処理について説明する。以下の説明では、説明の便宜上、モジュール2が備える複数のセル200が6個のセルA~Fで構成されているものとする。また、設定処理のステップs1において求められるセルA~Fの出力電流が、図14に示されるように、それぞれ、1.0A、1.4A、2.0A、2.5A、2.5A及び3.4Aであるとする。また、セルA~Fのそれぞれの出力電圧が例えば1.0Vであるとする。
ステップs1においてセルA~Fの出力電流が求められると、ステップs2において、制御部330は、セルA~Fのすべてがバイパスされないときのモジュール2の出力電力を求める。本例では、セルA~Fのすべてがバイパスされないときのモジュール2の出力電力は、1.0A×1.0V×6=6.0Wとなる。
次にステップs3おいて、制御部330は、出力電流が最小のセルAを選択する。次にステップs4において、制御部330は、選択されたセルAがバイパスされるときのモジュール2の出力電力を求める。本例では、選択されたセルAがバイパスされるときのモジュール2の出力電力は、1.4A×1.0V×5=7.0Wとなる。
次にステップs5おいて、制御部330は、複数のセルA~Fのうち、選択したセルAを除く部分のうち、出力電流が最小のセルBを選択する。次にステップs6において、制御部330は、選択したすべてのセル200、つまりセルA及びBがバイパスされるときのモジュール2の出力電力を求める。本例では、セルA及Bがバイパスされるときのモジュール2の出力電力は、2.0A×1.0V×4=8.0Wとなる。
次にステップs7においてNoと判定され、ステップs5が再度実行される。このステップs5では、制御部330はセルCを選択する。そして、ステップs6において、制御部330は、今まで選択したセルA~Cがバイパスされるときのモジュール2の出力電力を求める。本例では、セルA~Cがバイパスされるときのモジュール2の出力電力は、2.5A×1.0V×3=7.5Wとなる。
次にステップs7においてNoと判定され、ステップs5が再度実行される。このステップs5では、制御部330はセルD及びEのいずれか一方を選択する。ここでは、セルDが選択されるものとする。そして、ステップs6において、制御部330は、今まで選択したセルA~Dがバイパスされるときのモジュール2の出力電力を求める。本例では、セルA~Dがバイパスされるときのモジュール2の出力電力は、2.5A×1.0V×2=5.0Wとなる。
次にステップs7においてNoと判定され、ステップs3が再度実行される。このステップs3では、制御部330はセルEを選択する。そして、ステップs6において、制御部330は、今まで選択したセルA~Eがバイパスされるときのモジュール2の出力電力を求める。本例では、セルA~Eがバイパスされるときのモジュール2の出力電力は、3.4A×1.0V×1=3.4Wとなる。
次にステップs7においてYesと判定され、ステップs8が実行される。ステップs8において、制御部330は、今まで求めた6個の出力電力のうち、最大の出力電力を特定する。図15は、制御部330が求めた6個の出力電力を示す図である。図15の「バイパス無し」は、セルA~Fのすべてがバイパスされないことを意味する。図15に示されるよう、本例では、セルA及びBがバイパスされるときのモジュール2の出力電力が一番大きくなっている。したがって、制御部330は、セルA及びBがバイパスされるバイパス設定を、適切なバイパス設定とする。そして、制御部330は、複数のセル200に対するバイパス設定を、適切なバイパス設定する。具体的には、制御部330は、セルA及びBにそれぞれ対応する2つのスイッチ回路対301のスイッチ回路301aをオン状態にし、セルC~Fにそれぞれ対応する4つのスイッチ回路対301のスイッチ回路301aをオフ状態にする。また、制御部330は、セルA及びBにそれぞれ対応する2つのスイッチ回路対301のスイッチ回路301bをオフ状態にし、セルC~Fにそれぞれ対応する4つのスイッチ回路対301のスイッチ回路301bをオン状態にする。このとき、制御部330は、接続切替部310の各スイッチ回路311をオン状態する。これにより、モジュール2の出力電力が最大となり、モジュール2からは、8.0Wの出力電力が外部に取り出される。
上記の設定処理では、モジュール2の出力を表す指標値(以後、出力指標値と呼ぶことがある)として、出力電力が使用されているが、他の値であってもよい。例えば、ステップs2では、ステップs1で取得されたN個の出力電流のうちの最小値とNとが掛け合わされて得られる値が出力指標値として求められてもよい。この場合、ステップs4では、同様に、ステップs3で選択されたセル200の出力電流と、(N-1)とが掛け合わされて得られる値が出力指標値として求められる。また、ステップs6では、複数のセル200のうち、今まで選択されたセル200のすべてを除く部分のうち、出力電流が最小のセル200の出力電流と、(N-1-M)とが掛け合わされて得られる値が出力指標値として求められる。そして、ステップs6では、いままで求められたN個の出力指標値の最大の出力指標値が得られるバイパスの設定が適切なバイパス設定とされる。
以上のように、本例では、複数のセル200のそれぞれを個別にバイパスすること可能なバイパス部300が、モジュール2の出力に基づいて制御される。これにより、複数のセル200に対して、モジュール2の出力が大きくなるバイパス設定を行うことができる。よって、モジュール2の出力を高めることができる。
また、上記の例では、制御部330は、複数のセル200のすべてがバイパスされない第1バイパス設定を含むN種類のバイパス設定のうち、モジュール2の出力が最大となるバイパス設定を複数のセル200に対して行っている。これにより、バイパス無しのときの出力よりも大きい出力となるバイパス設定を容易に見つけることができる。よって、モジュール2の出力を高めることができる。
上記の設定処理では、制御部330は、N種類のバイパス設定のそれぞれについて、当該バイパス設定が複数のセル200に設定されるときのモジュール出力を求めているが、設定処理の内容は上記の例に限られない。
例えば、制御部330は、設定処理において、N種類のバイパス設定の一部の複数種類のバイパス設定のそれぞれについて、当該バイパス設定が複数のセル200に設定されるときのモジュール出力を求めてもよい。例えば、モジュール2が図14に示されるセルA~Fを備える場合を考える。この場合、制御部330は、セルA~Fのすべてがバイパスされないときと、セルA及びBがバイパスされるときと、セルA~Dがバイパスされるときのモジュール出力だけを求めてもよい。また、制御部330は、セルA~Fのすべてがバイパスされないときと、セルAがバイパスされるときと、セルA~Cがバイパスされるときのモジュール出力だけを求めてもよい。この場合、求められた3個の出力のうち、セルA~Cがバイパスされるときのモジュール出力が最大の7.5Wとなる。したがって、この場合には、制御部330は、セルA~Cがバイパスされるバイパス設定を適切なバイパス設定とする。
また、制御部330は、設定処理において、求めたモジュール出力が前回求めたモジュール出力以上の場合にはセル200をさらに選択し、求めたモジュール出力が前回求めたモジュール出力よりも小さい場合には、前回求めたモジュール出力が得られるバイパス設定を適切なバイパス設定としてもよい。この場合、制御部330は、ステップs4で求めたモジュール出力が、ステップs2で求めたモジュール出力以上の場合、ステップs5を実行する。一方で、制御部330は、ステップs4で求めたモジュール出力が、ステップs2で求めたモジュール出力よりも小さい場合、ステップs2で求めたモジュール出力が得られるバイパス設定を適切なバイパス設定とする。また、制御部330は、1回目のステップs6で求めたモジュール出力が、ステップs4で求めたモジュール出力以上の場合、ステップs7を実行する。一方で、制御部330は、1回目のステップs6で求めたモジュール出力が、ステップs4で求めたモジュール出力よりも小さい場合、ステップs4で求めたモジュール出力が得られるバイパス設定を適切なバイパス設定とする。また、制御部330は、2回目以降のステップs6で求めたモジュール出力が、前回のステップs6で求めたモジュール出力以上の場合、ステップs7を実行する。一方で、制御部330は、2回目以降のステップs6で求めたモジュール出力が、前回のステップs6で求めたモジュール出力よりも小さい場合、前回のステップs6で求めたモジュール出力が得られるバイパス設定を適切なバイパス設定とする。
例えば、モジュール2が図14に示されるセルA~Fを備える場合を考える。この場合、図15に示されるように、2回目のステップs6で得られるモジュール出力(セルA~Cがバイパスされるときのモジュール出力)が、1回目のステップs6で得られるモジュール出力(セルA及びBがバイパスされるときのモジュール出力)よりも小さくなる。よって、セルA~Dがバイパスされるときのモジュール出力は求められずに、セルA及びBがバイパスされるバイパス設定が、適切なバイパス設定とされる。
また、制御部330は、設定処理において、複数のセル200に対するすべての種類のバイパス設定のそれぞれについて、当該バイパス設定が行われるときのモジュール2の出力を求めてもよい。ただし、複数のセル200のすべてがバイパスされる場合は、モジュール2の出力が零となることから、この場合は除かれる。そして、制御部330は、求めた複数の出力のうちの最大の出力が得られるバイパス設定を複数のセル200に対して行ってもよい。
例えば、モジュール2が、上述のセルA~Dだけを備える場合を考える。この場合、制御部330は、セルA~Dのすべてがバイパスされないとき、セルAだけがバイパスされるとき、セルBだけがバイパスされるとき、セルCだけがバイパスされるとき、セルDだけがバイパスされるときのそれぞれについて、モジュール出力を求める。また、制御部330は、セルA及びBがバイパスされるとき、セルA及びCがバイパスされるとき、セルA及びDがバイパスされるときのそれぞれについて、モジュール出力を求める。また、制御部330は、セルB及びCがバイパスされるとき、セルB及びDがバイパスされるとき、セルC及びDがバイパスされるときのそれぞれについて、モジュール出力を求める。また、制御部330は、セルA~Cがバイパスされるとき、セルA,B,Dがバイパスされるとき、セルB~Dがバイパスされるときのそれぞれについて、モジュール出力を求める。そして、制御部330は、求めた14個の出力のうちの最大の出力を得るバイパス設定を複数のセルA~Fに対して行う。この例では、セルA及びBがバイパスされるときの出力が最大の8.0Wとなる。これは、モジュール2がセルA~Dだけを備える場合に図13の設定処理が実行されるときと同じ結果となる。モジュール2がセルA~Dだけを備える場合に図13の設定処理が実行される場合には、合計4個の出力が求められる。図13の設定処理では、非常に簡単な処理で、バイパス設定の全種類の中から、出力が最大となるバイパス設定を見つけることができる。
上記の例では、モジュール2は自動車に搭載されているが、屋外を移動する他の移動体に搭載されてもよい。例えば、モジュール2は、電車、自転車、船舶、飛行機、気球、飛行船、ドローン及び移動型のロボットの少なくとも一つに搭載されてもよい。また、モジュール2は、移動体以外に搭載されてもよい。この場合、モジュール2は、屋外において位置が固定された物の曲面に搭載されてもよい。例えば、モジュール2は、建物における、表面が曲面の屋根に搭載されてもよい。また、モジュール2は、位置が固定されたロボットに搭載されてもよい。また、モジュール2は、スマートゴミ箱と呼ばれる、通信機能及びセンサを備えるゴミ箱に搭載されてもよい。また、モジュール2は、自動販売機、テント、信号機、高速道路等の路面、標識、線路及び街路灯の少なくとも一つに搭載されてもよい。以後、モジュール2が搭載される物を対象物と呼ぶことがある。
設定処理は、繰り返し実行されてもよい。この場合、設定処理は、定期的に繰り返し実行されてもよいし、不定期的に繰り返し実行されてもよい。
ここで、セル200での太陽光の入射角は、時刻によって変化する。したがって、複数のセル200の間での太陽光の当たり具合のばらつきが時刻に応じて変化することがある。複数のセル200の間での太陽光の当たり具合のばらつきが変化すると、適切なバイパス設定が変化する可能性がある。つまり、モジュール2の出力が大きくなるバイパス設定が、時刻に応じて変化する可能性がある。これにより、設定処理の実行後に、大きな出力が得られない可能性がある。
制御部330が設定処理を繰り返し実行する場合には、適切なバイパス設定が繰り返し特定されることになる。これにより、適切なバイパス設定が時刻に応じて変化する場合であっても、大きな出力が得られなくなる可能性を低減することができる。
また、設定処理が繰り返し実行される場合には、制御部330は、設定処理の実行間隔を、モジュール2に関する情報に基づいて決定する間隔決定処理を実行してもよい。間隔決定処理は、例えば、設定処理が所定回数(≧2)実行されるたびに実行されてもよい。
図16は、間隔決定処理の一例を示すフローチャートである。図16に示されるように、ステップs11において、制御部330は、モジュール2に関する第1情報を取得する。次にステップs12において、制御部330は、取得した第1情報に基づいて、設定処理の実行間隔を決定する。設定処理の実行間隔がモジュール2に関する情報に基づいて決定されることにより、設定処理の適切な実行間隔を設定することができる。その結果、大きなモジュール出力が得られやすくなる。以下に、間隔決定処理の具体例について説明する。以後、単に実行間隔と言えば、設定処理の実行間隔を意味する。
<間隔決定処理の第1の例>
本例では、対象物が移動体である。つまり、モジュール2は、自動車等の移動体に搭載される。そして、第1情報には、モジュール2の移動速さが含まれる。ステップs12において、制御部330は、ステップs11で取得したモジュール2の移動速さに基づいて実行間隔を決定する。モジュール2の移動速さは、モジュール2が搭載される移動体の速さであるとも言える。以後、モジュール2が搭載される移動体を対象移動体と呼ぶことがある。
ここで、対象移動体が移動することによってモジュール2が移動している場合には、モジュール2が物陰に入ったり出たりすることなどにより、モジュール2に対する太陽光の当たり具合が変化しやすくなる可能性がある。つまり、モジュール2の複数のセル200での日射量の分布が変化しやすくなる可能性がある。その結果、適切なバイパス設定も変化しやすくなる可能性がある。
そこで、本例のステップs12では、制御部330は、モジュール2の移動速さが零である場合には、実行間隔を第1間隔に設定する。言い換えれば、制御部330は、対象移動体の速さが零である場合には、実行間隔を第1間隔に設定する。一方で、制御部330は、モジュール2の移動速さが零よりも大きいときには、実行間隔を、第1間隔よりも短い第2間隔に設定する。言い換えれば、制御部330は、対象移動体の速さが零よりも大きい場合には、実行間隔を第2間隔に設定する。制御部330は、モジュール2の移動が停止している場合には実行間隔を長くし、モジュール2が移動している場合には実行間隔を短くするといえる。言い換えれば、制御部330は、対象移動体が停止している場合には実行間隔を長くし、対象移動体が移動している場合には実行間隔を短くするといえる。第1及び第2間隔は、例えば、対象移動体の種類等に応じて適宜決定される。対象移動体が自動車である場合、実行間隔は、例えば数m秒~数十秒の間で設定されてもよい。
このように、モジュール2が移動しているときに、設定処理の実行間隔が短くされることによって、適切なバイパス設定の変化に対応することができる。よって、大きなモジュール出力が得られやすくなる。
また、モジュール2の移動速さが大きいほど、モジュール2の周囲の環境は変化しやすくなる可能性がある。その結果、モジュール2に対する太陽光の当たり具合が変化しやすくなる可能性がある。
そこで、ステップs12において、制御部330は、モジュール2の移動速さが大きいほど実行間隔を短くしてもよい。例えば、制御部330は、モジュール2の移動速さが零の場合、実行間隔を第3間隔に設定する。また、制御部330は、モジュール2の移動速さが零よりも大きく第1しきい値以下の場合、実行間隔を、第3間隔よりも短い第4間隔に設定する。また、制御部330は、モジュール2の移動速さが、第1しきい値よりも大きく、第2しきい値(>第1しきい値)以下の場合、実行間隔を、第4間隔よりも短い第5間隔に設定する。そして、制御部330は、モジュール2の移動速さが第2しきい値よりも大きい場合、実行間隔を、第5間隔よりも短い第6間隔に設定する。モジュール2の移動速さが大きいほど実行間隔が短くされることによって、大きなモジュール出力がさらに得られやすくなる。第1及び第2しきい値と第3~第6間隔は、例えば、対象移動体の種類等に応じて適宜決定される。なお、実行間隔の設定可能な段階数はこの限りではない。
ステップs11において、制御部330がモジュール2の移動速さを取得する方法としては様々な方法が考えられる。例えば、制御部330は、自動車等の対象移動体からの情報に基づいてモジュール2の移動速さを取得してもよい。例えば、制御部330は、対象移動体に搭載されている装置からの情報に基づいてモジュール2の移動速さを取得してもよい。例えば、対象移動体にカーナビゲーション装置が搭載されている場合を考える。この場合、制御部330は、カーナビゲーション装置から対象移動体の位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて対象移動体の移動速さ、つまりモジュール2の移動速さを求めてもよい。また、制御部330は、カーナビゲーション装置から対象移動体の加速度情報を取得し、取得した加速度情報に基づいて、対象移動体の移動速さ、つまりモジュール2の移動速さを求めてもよい。また、制御部330は、カーナビゲーション装置から、対象移動体の移動速さを取得し、それをモジュール2の移動速さとしてもよい。
他の例として、制御装置3が、モジュール2の位置を検出する位置検出センサを備える場合を考える。この場合、制御部330は、位置検出センサから位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて、モジュール2の移動速さを求めてもよい。位置検出センサとしては、例えば、GPS(Global Positioning System)の測位衛星からの無線信号に基づいて位置情報を取得するGPS受信機が考えられる。
他の例として、制御装置3が、モジュール2の加速度を検出する加速度センサを備える場合を考える。この場合、制御部330は、加速度センサから加速度情報を取得し、取得した加速度情報に基づいて、モジュール2の移動速さを求めてもよい。
このように、モジュール2の移動速さに基づいて実行間隔が決定されることによって、大きなモジュール出力が得られやすくなる。
<間隔決定処理の第2の例>
上記の例と同様に、本例では、モジュール2は移動体に搭載される。そして、第1情報には、モジュール2の移動方向が含まれる。ステップs12において、制御部330は、ステップs11で取得したモジュール2の移動方向に基づいて実行間隔を決定する。ステップs11で取得される移動方向は、三次元で表される移動方向であってもよいし、二次元で表される移動方向であってもよい。後者の場合、ステップs11で取得される移動方向は、方角で表されてもよい。
ここで、モジュール2の移動方向が頻繁に変化する場合、モジュール2に対する太陽光の当たり具合は変化しやすくなる可能性がある。その結果、適切なバイパス設定も変化しやすくなる可能性がある。
そこで、本例のステップs12において、制御部330は、モジュール2の移動方向が頻繁に変化しない場合には、実行間隔を第7間隔に設定する。一方で、制御部330は、モジュール2の移動方向が頻繁に変化する場合には、実行間隔を、第7間隔よりも短い第8間隔に設定する。モジュール2の移動方向が頻繁に変化するときに実行間隔を短くすることによって、大きなモジュール出力が得られやすくなる。
ステップs12において、制御部330は、例えば、第1所定期間における、モジュール2の移動方向の変化の回数を求める。以後、この回数を第1変化回数と呼ぶ。制御部330は、第1変化回数に基づいて、モジュール2の移動方向が頻繁に変化するか否かを判定する。制御部330は、第1変化回数が第3しきい値以下である場合、モジュール2の移動方向が頻繁に変化しないと判定する。そして、制御部330は、実行間隔を第7間隔に設定する。一方で、制御部330は、第1変化回数が第3しきい値よりも大きい場合、モジュール2の移動方向が頻繁に変化すると判定する。そして、制御部330は、実行間隔を第8間隔に設定する。制御部330は、第1所定期間においてモジュール2の移動方向を複数回取得する。そして、制御部330は、取得した移動方向が前回取得した移動方向から変化している場合には1回変化が生じたと判断する。制御部330は、この処理を、2回目以降に取得した各移動方向について行って、第1変化回数を求める。第1所定期間と、第3しきい値と、第7及び第8間隔は、例えば、対象移動体の種類等に応じて適宜決定される。
なお、制御部330は、第1変化回数に応じて、実行間隔を3段階以上設定してもよい。例えば、制御部330は、第1変化回数が第4しきい値以下の場合、実行間隔を第9間隔に設定する。また、制御部330は、第1変化回数が、第4しきい値よりも大きく、第5しきい値(>第4しきい値)以下の場合、実行間隔を第10間隔に設定する。そして、制御部330は、第1変化回数が第5しきい値よりも大きい場合、実行間隔を、第10間隔よりも短い第11間隔に設定する。これにより、大きなモジュール出力がさらに得られやすくなる。第4及び第5しきい値と第9~第11間隔は、例えば、対象移動体の種類等に応じて適宜決定される。なお、実行間隔の設定可能な段階数はこの限りではない。
ステップs11において、制御部330がモジュール2の移動方向を取得する方法としては様々な方法が考えられる。例えば、制御部330は、対象移動体に搭載されている装置からの情報に基づいてモジュール2の移動方向を取得してもよい。例えば、対象移動体にカーナビゲーション装置が搭載されている場合を考える。この場合、制御部330は、カーナビゲーション装置から対象移動体の位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて対象移動体の移動方向、つまりモジュール2の移動方向を求めてもよい。また、制御部330は、カーナビゲーション装置から対象移動体の加速度情報を取得し、取得した加速度情報に基づいて、対象移動体の移動方向、つまりモジュール2の移動方向を求めてもよい。また、制御部330は、カーナビゲーション装置から、対象移動体の移動方向を取得し、それをモジュール2の移動方向としてもよい。
他の例として、制御装置3が、モジュール2の位置を検出する位置検出センサを備える場合を考える。この場合、制御部330は、位置検出センサから位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて、モジュール2の移動方向を求めてもよい。位置検出センサとしては、例えばGPS受信機が考えられる。他の例として、制御装置3が、モジュール2の加速度を検出する加速度センサを備える場合を考える。この場合、制御部330は、加速度センサから加速度情報を取得し、取得した加速度情報に基づいて、モジュール2の移動方向を求めてもよい。
このように、モジュール2の移動方向に基づいて実行間隔が決定されることによって、大きなモジュール出力が得られやすくなる。
<間隔決定処理の第3の例>
本例では、第1情報に、モジュール2の姿勢情報が含まれる。ステップs12において、制御部330は、ステップs11で取得した姿勢情報に基づいて実行間隔を決定する。
ここで、例えば、モジュール2が、気球、飛行船及びドローン等の飛行物体に搭載される場合、風等によって当該飛行物体の姿勢が変化すると、モジュール2の姿勢が変化することがある。また、モジュール2が、ロボット等の可動部に搭載される場合には、モジュール2の姿勢が変化することがある。モジュール2の姿勢が頻繁に変化する場合、モジュール2に対する太陽光の当たり具合は変化しやすくなる可能性がある。その結果、適切なバイパス設定も変化しやすくなる可能性がある。
そこで、本例のステップs12において、制御部330は、ステップs11で取得した姿勢情報に基づいて、モジュール2の姿勢が頻繁に変化するか否かを判定する。制御部330は、モジュール2の姿勢が頻繁に変化しないと判定する場合には、実行間隔を第12間隔に設定する。一方で、制御部330は、モジュール2の姿勢が頻繁に変化すると判定する場合には、実行間隔を、第12間隔よりも短い第13間隔に設定する。モジュール2の姿勢が頻繁に変化するときに実行間隔を短くすることによって、大きなモジュール出力が得られやすくなる。
ステップs12において、制御部330は、姿勢情報に基づいて、例えば、第2所定期間における、モジュール2の姿勢の変化の回数を求める。以後、この回数を第2変化回数と呼ぶ。制御部330は、第2変化回数に基づいて、モジュール2の姿勢が頻繁に変化するか否かを判定する。制御部330は、第2変化回数が第6しきい値以下である場合、モジュール2の姿勢が頻繁に変化しないと判定する。そして、制御部330は、実行間隔を第12間隔に設定する。一方で、制御部330は、第2変化回数が第6しきい値よりも大きい場合、モジュール2の姿勢が頻繁に変化すると判定する。そして、制御部330は、実行間隔を第13間隔に設定する。第2変化回数の求め方は、上述の第1変化回数の求め方と同様である。第2所定期間と、第6しきい値と、第12及び第13間隔は、例えば、モジュール2が搭載される対象物の種類等に応じて適宜決定される。
なお、制御部330は、第2変化回数に応じて、実行間隔を3段階以上設定してもよい。例えば、制御部330は、第2変化回数が第7しきい値以下の場合、実行間隔を第14間隔に設定する。また、制御部330は、第2変化回数が、第7しきい値よりも大きく、第8しきい値(>第7しきい値)以下の場合、実行間隔を、第14間隔よりも短い第15間隔に設定する。そして、制御部330は、第2変化回数が第7しきい値よりも大きい場合、実行間隔を、第15間隔よりも短い第16間隔に設定する。これにより、大きなモジュール出力がさらに得られやすくなる。第7及び第8しきい値と第14~第16間隔は、例えば、モジュール2が搭載される対象物の種類等に応じて適宜決定される。なお、実行間隔の設定可能な段階数はこの限りではない。
ステップs11において、制御部330がモジュール2の姿勢情報を取得する方法としては様々な方法が考えられる。例えば、制御部330は、モジュール2が搭載される対象物からの情報に基づいてモジュール2の姿勢情報を取得してもよい。例えば、対象物が、対象物の角速度情報を取得するジャイロセンサを備える場合を考える。この場合、制御部330は、対象物のジャイロセンサから角速度情報を取得する。そして、制御部330は、取得した角速度情報に基づいて、対象物の姿勢情報を取得する。制御部330は、取得した対象物の姿勢情報をモジュール2の姿勢情報とする。
他の例として、制御装置3が、モジュール2の角速度情報を取得するジャイロセンサを備える場合を考える。この場合、制御部330は、ジャイロセンサから角速度情報を取得する。そして、制御部330は、取得した角速度情報に基づいて、モジュール2の姿勢情報を取得する。
このように、モジュール2の姿勢に基づいて実行間隔が決定されることによって、大きなモジュール出力が得られやすくなる。
<間隔決定処理の第4の例>
本例では、第1情報には、複数のセル200に含まれる特定のセル200(以後、特定セル200と呼ぶことがある)の出力電流が含まれる。ステップs12において、制御部330は、ステップs11で取得した特定セル200の出力電流に基づいて実行間隔を決定する。制御部330は、上述のステップs1と同様にして、特定セル200の出力電流を取得することができる。
ここで、セル200の出力電流が頻繁に変化する場合には、モジュール2に対する太陽光の当たり具合が変化しやすい可能がある。つまり、セル200の出力電流が頻繁に変化する場合には、適切なバイパス設定が変化しやすい可能性がある。
そこで、本例のステップs12において、制御部330は、特定セル200の出力電流が頻繁に変化するか否かを判定する。制御部330は、特定セル200の出力電流が頻繁に変化しないと判定する場合には、実行間隔を第17間隔に設定する。一方で、制御部330は、特定セル200の出力電流が頻繁に変化すると判定する場合には、実行間隔を、第17間隔よりも短い第18間隔に設定する。特定セルの出力電流が頻繁に変化するときに実行間隔を短くすることによって、大きなモジュール出力が得られやすくなる。
ステップs12において、制御部330は、例えば、第3所定期間における、特定セル200の出力電流の変化の回数を求める。以後、この回数を第3変化回数と呼ぶ。制御部330は、第3変化回数に基づいて、特定セル200の出力電流が頻繁に変化するか否かを判定する。制御部330は、第3変化回数が第9しきい値以下である場合、特定セル200の出力電流が頻繁に変化しないと判定する。そして、制御部330は、実行間隔を第17間隔に設定する。一方で、制御部330は、第3変化回数が第9しきい値よりも大きい場合、特定セル200の出力電流が頻繁に変化すると判定する。そして、制御部330は、実行間隔を第18間隔に設定する。第3変化回数の求め方は、上述の第1変化回数の求め方と同様である。第3所定期間と、第9しきい値と、第17及び第18間隔は、例えば、モジュール2が搭載される対象物の種類及びモジュール2の形状等に応じて適宜決定される。
なお、制御部330は、第3変化回数に応じて、実行間隔を3段階以上設定してもよい。例えば、制御部330は、第3変化回数が第10しきい値以下の場合、実行間隔を第19間隔に設定する。また、制御部330は、第3変化回数が、第10しきい値よりも大きく、第11しきい値(>第10しきい値)以下の場合、実行間隔を、第19間隔よりも短い第20間隔に設定する。そして、制御部330は、第3変化回数が第11しきい値よりも大きい場合、実行間隔を、第20間隔よりも短い第21間隔に設定する。これにより、大きなモジュール出力がさらに得られやすくなる。第10及び第11しきい値と第19~第21間隔は、例えば、モジュール2が搭載される対象物の種類及びモジュール2の形状等に応じて適宜決定される。なお、実行間隔の設定可能な段階数はこの限りではない。
特定セル200として、例えば、複数のセル200のうち太陽光の当たり具合が変化しやすいセル200が採用される。言い換えれば、特定セル200として、例えば、複数のセル200のうち出力電流が変化しやすいセル200が採用される。
例えば、図3~8に示されるような、車両100のルーフ101に搭載されるモジュール2を考える。このようなモジュール2では、モジュール2の中央部のセル200のセル受光面201は、地面に対して比較的平行となっている。このため、モジュール2の中央部のセル200のセル受光面201は、比較的、水平方向に垂直な方向に向いている。つまり、ルーフ101に搭載されたモジュール2の中央部のセル200のセル受光面201は、比較的真上の方を向いている。そのため、モジュール2の中央部のセル200では、モジュール2の移動方向あるいは姿勢が変化したとしても、太陽光の当たり具合は変化しにくい。したがって、モジュール2の中央部のセル200については、モジュール2全体に対する太陽光の当たり具合が変化したとしても、出力電流が変化しない可能性がある。
一方で、モジュール2における、中央部の周囲の周囲部は、地面に対して傾いている。このため、当該周囲部のセル200のセル受光面201は、比較的水平方向に向いている。そのため、モジュール2の周囲部のセル200では、モジュール2の移動方向あるいは姿勢の変化に応じて、太陽光の当たり具合が変化しやすくなる。したがって、モジュール2の周囲部のセル200については、モジュール2全体に対する太陽光の当たり具合の変化に応じて出力電流が変化しやすくなる。
そこで、図3~8に示されるような、車両100のルーフ101に搭載されるモジュール2については、その周囲部のセル200を特定セル200とする。これにより、モジュール2に対する太陽光の当たり具合が変化しやすい場合に、実行間隔を適切に短くすることができる。よって、大きなモジュール出力が得られやすくなる。
なお、モジュール2が凹凸状に曲がっている場合には、受光面20側から見たときの凹部に位置するセル200が特定セル200とされてもよい。モジュール2の凹部に位置するセル200は、凸部に位置するセル200と比べて、モジュール2の姿勢の変化に応じて太陽光の当たり具合が変化しやすい。したがって、モジュール2の凹部に位置するセル200では、モジュール2に対する太陽光の当たり具合の変化に応じて出力電流が変化しやすくなる。よって、モジュール2の凹部に位置するセル200が特定セル200とされることにより、大きなモジュール出力が得られやすくなる。
また、制御部330は、複数の特定セル200の出力電流に基づいて実行間隔を決定してもよい。この場合、制御部330は、例えば、特定セル200の出力電流の替わりに、複数の特定セル200の出力電流の平均値を用いる。例えば、制御部330は、複数の特定セル200の出力電流の平均値が、頻繁に変化しない場合には実行間隔を第17間隔に設定し、頻繁に変化する場合には実行間隔を第18間隔に設定してもよい。
このように、少なくとも一つの特定セル200の出力電流に基づいて実行間隔が決定されることによって、大きなモジュール出力が得られやすくなる。
制御部330は、上記のような間隔決定処理を実行する替わりに、設定処理を実行するか否かを、モジュール2に関する第2情報に基づいて決定する実行決定処理を行ってもよい。図17は、実行決定処理の一例を示すフローチャートである。
図17に示されるように、ステップs21において、制御部330は、モジュール2に関する第2情報を取得する。次にステップs22において、制御部330は、取得した第2情報に基づいて、設定処理を実行するか否かを決定する。ステップs22において、制御部330は、設定処理を実行すると決定すると、設定処理を実行する。制御部330は、設定処理を実行するか否かを、モジュール2に関する情報に基づいて決定することにより、適切なタイミングで設定処理を実行することができる。その結果、大きなモジュール出力が得られやすくなる。
実行決定処理は、繰り返し実行されてもよい。この場合、実行決定処理は、定期的に実行されてもよいし、不定期的に実行されてもよい。実行決定処理の実行間隔は、例えば、モジュール2が搭載される対象物の種類等に応じて決定される。モジュール2が自動車に搭載される場合には、実行決定処理の実行間隔は、例えば数ms~数十秒に設定されてもよい。以下に、実行決定処理の具体例について説明する。
<実行決定処理の第1の例>
本例では、第2情報に、モジュール2の姿勢情報が含まれる。ステップs22において、制御部330は、ステップs21で取得した姿勢情報に基づいて、設定処理を実行するか否かを決定する。制御部330は、上述のように、様々な方法でモジュール2の姿勢情報を取得することができる。
ここで、モジュール2の姿勢が変化した場合、モジュール2に対する太陽光の当たり具合も変化する可能性がある。その結果、適切なバイパス設定が変化する可能性がある。
そこで、本例のステップs22において、制御部330は、ステップs21で取得した姿勢情報に基づいて、モジュール2の姿勢が変化したか否かを判定する。制御部330は、モジュール2の姿勢が変化したと判定したとき、設定処理を実行することを決定し、設定処理を実行する。一方で、制御部330は、モジュール2の姿勢が変化していないと判定すると、設定処理を実行しないことを決定する。制御部330は、例えば、現在のモジュール2の姿勢である第1姿勢と、現在よりも第1所定時間前(例えば数ms~数秒前)のモジュール2の姿勢である第2姿勢とを比較する。制御部330は、第1姿勢と第2姿勢が異なる場合には、モジュール2の姿勢が変化したと判定する。一方で、制御部330は、第1姿勢と第2姿勢が同じである場合には、モジュール2の姿勢は変化していないと判定する。
このように、制御部330が、モジュール2の姿勢に基づいて、設定処理を実行するか否かを決定することにより、モジュール2に対する太陽光の当たり具合も変化したときに設定処理を実行することができる。つまり、制御部330は、適切なバイパス設定が変化したときに設定処理を実行することができる。よって、適切なバイパス設定の変化に対応することが可能となり、大きなモジュール出力が得られやすくなる。
<実行決定処理の第2の例>
本例では、第2情報に、特定セル200の出力電流が含まれる。ステップs22において、制御部330は、ステップs21で取得した出力電流に基づいて、設定処理を実行するか否かを決定する。
ここで、セル200の出力電流が変化した場合には、モジュール2に対する太陽光の当たり具合が変化している可能がある。つまり、セル200の出力電流が変化した場合には、適切なバイパス設定が変化している可能性がある。
そこで、本例のステップs22において、制御部330は、特定セル200の出力電流が変化したが否かを判定する。制御部330は、特定セル200の出力電流が変化したと判定する場合には、設定処理を実行することを決定し、設定処理を実行する。一方で、制御部330は、特定セル200の出力電流が変化していないと判定する場合には、設定処理を実行しないことを決定する。制御部330は、例えば、特定セル200の現在の出力電流である第1出力電流と、特定セル200における、現在よりも第2所定時間前(例えば数ms~数秒前)の出力電流である第2出力電流とを比較する。制御部330は、第1出力電流と第2出力電流が異なる場合には、特定セル200の出力電流が変化したと判定する。一方で、制御部330は、第1出力電流と第2出力電流が同じである場合には、特定セル200の出力電流は変化していないと判定する。
なお、制御部330は、複数の特定セル200の出力電流に基づいて、設定処理を実行するか否かを決定してもよい。この場合、制御部330は、例えば、特定セル200の出力電流の替わりに、複数の特定セル200の出力電流の平均値を用いる。例えば、制御部330は、複数の特定セル200の出力電流の平均値が変化したと判定する場合には、設定処理を実行することを決定する。一方で、制御部330は、複数の特定セル200の出力電流の平均値が変化していないと判定する場合には、設定処理を実行しないことを決定する。
このように、制御部330が、少なくとも一つの特定セル200の出力電流に基づいて、設定処理を実行するか否かを決定することにより、モジュール2に対する太陽光の当たり具合も変化したときに設定処理を実行することができる。よって、大きなモジュール出力が得られやすくなる。
なお、設定処理において、制御部330は、モジュール2の移動速さに応じて、第3処理403の実行回数を決定してもよい。この場合、制御部330は、例えば、ステップs7の直前において、モジュール2の移動速さを取得する。制御部330は、上述のステップs11と同様にして、モジュール2の移動速さを取得することができる。次に、制御部330は、ステップs7において、第3処理403の現在の実行回数Mが(N-2-X)であるか否かを判定する。ここで、Xは、ステップs7の直前に求められたモジュール2の移動速さに応じた値である。具体的には、Xは、モジュール2の移動速さが大きいほど大きくなる値である。例えば、モジュール2の移動速さが零の場合、Xの値は零に設定される。また、モジュール2の移動速さが零よりも大きく第12しきい値以下の場合、Xの値はx1(x1は自然数)に設定される。そして、モジュール2の移動速さが第12しきい値よりも大きく第13しきい値以下の場合、Xの値はx2(x2は自然数)に設定される。ここで、第12しきい値>零、第13しきい値>第12しきい値、x2>x1である。
このように、モジュール2の移動速さが大きいほど、第3処理403の実行回数が小さくされることによって、モジュール2が速く移動する場合には、設定処理の処理時間が短くなる。モジュール2が速く移動する場合には、モジュール2の周囲の環境が変化しやすい可能性がある。そのため、モジュール2が速く移動する場合には、設定処理の実行中にモジュール2の周囲の環境が変化する可能性がある。本例のように、モジュール2が速く移動する場合に、設定処理の処理時間を短くすることによって、設定処理の実行中にモジュール2の周囲の環境が変化する可能性が低減する。これにより、モジュール出力を適切に大きくすることができる。上記の例では、Xの値は3段階に設定されているが、Xの値は2段階に設定されてもおいし、4段階以上に設定されてもよい。
<実施の形態2>
本実施の形態に係る太陽電池システム1は、例えば、上述の制御装置3を備えていない。したがって、本実施の形態では、各セル200はバイパスされることがない。また、本実施の形態では、モジュール2が備える複数のセル200が複数のユニット500に分けられる。複数のユニット500のそれぞれは、モジュール2が備える複数のセル200の少なくとも一つを含む。また、複数のユニット500における、複数のセル200の一部の複数のセル200を含むユニット500では、当該一部の複数のセル200は互いに直列接続されている。つまり、ユニット500に含まれる複数のセル200は互いに直列接続されている。そして、複数のユニット500のそれぞれは、他のユニット500と直列接続されていない。
図18は、複数のセル200が複数のユニット500に分けられている様子の一例を示す図である。本実施の形態では、モジュール2が備える複数のセル200の数と配列が、上記の実施の形態1とは異なっている。本実施の形態では、モジュール2は、例えば、前後方向に並ぶ10列のセル列211を備える。各セル列211は、左右方向に並ぶ複数のセル200を備える。前側から1番目~3番目のセル列211のそれぞれでは、12個のセル200が左右方向に並ぶ。前側から1番目~3番目のセル列211が備える合計36個のセル200は、前後方向に3個、左右方向に12個並ぶように行列状に配列されている。前側から4番目~9番目のセル列211のそれぞれでは、10個のセル200が左右方向に並ぶ。前側から4番目~9番目のセル列211が備える合計60個のセル200は、前後方向に6個、左右方向に10個並ぶように行列状に配列されている。前側から10番目のセル列211では、8個のセル200が左右方向に並ぶ。図18では、各セル列211の上側に、そのセル列211の前側からの番号を示している。また、図18の例では、複数のセル200の各行の左側に、その行の右側からの番号を示している。後述の図19~28,32~34,36,37についても同様である。
図18の例では、複数のセル200は、前後方向に沿って3つのユニット500a,500b,500cに分けられている。ユニット500aは、例えば、前側から1番目~3番目のセル列211を含む。ユニット500aに含まれる36個のセル200は互いに直列接続されている。ユニット500bは、例えば、前側から4番目~6番目のセル列211を含む。ユニット500bに含まれる30個のセル200は互いに直列接続されている。ユニット500cは、例えば、前側から7番目~10番目のセル列211を含む。ユニット500cに含まれる38個のセル200は互いに直列接続されている。ユニット500a,500b,500cのそれぞれは、他のユニット500と直列接続されていない。
このように、本実施の形態では、複数のユニット500のそれぞれは、他のユニット500と直列接続されていない。これにより、各ユニット500の出力は、出力電流が小さいセル200が他のユニットに含まれる場合であっても、当該セル200の出力電流によって制限されることが無い。よって、モジュール2全体の出力を高めることができる。
図19は、各セル200の個別の出力電力の一例を示す図である。図19には、前側が東向きとなっている日本国内に存在する車両100のルーフ101に搭載されているモジュール2の各セル200の出力電力の一例が示されている。図19には、11月の正午ごろの各セル200の出力電力の一例が示されている。図19では、セル200を示す四角の中に、そのセル200の出力電力が示されている。図19に示される数字の単位はWh/m2である。
複数のセル200が複数のユニット500に分けられていない場合、図19の例では、セル200ccの出力が最小となる。よって、モジュール2の出力は、3.928712Wh/m2×104個=408.586048Wh/m2となる。
これに対して、複数のセル200が複数のユニット500a,500b,500cに分けられている場合を考える。この場合、ユニット500aでは、セル200aaの出力電力が最小値の4.227075Wh/m2となる。したがって、ユニット500aの出力は、4.227075Wh/m2×36個=152.1747Wh/m2となる。
ユニット500bでは、セル200bbの出力電力が最小値の4.158109Wh/m2となる。したがって、ユニット500bの出力は、4.158109Wh/m2×30個=124.74327Wh/m2となる。
ユニット500cでは、セル200ccの出力電力が最小値の3.928712Wh/m2となる。したがって、ユニット500aの出力は、3.928712Wh/m2×38個=149.291056Wh/m2となる。
よって、モジュール2の出力は、152.1747Wh/m2+124.74327Wh/m2+149.291056Wh/m2=426.209026Wh/m2となる。複数のセル200が複数のユニット500に分けられていない場合のモジュール出力は、408.586048Wh/m2であることから、複数のセル200をユニット500a,500b,500cに分けた場合には、モジュール出力が約4.3%増加する。
このように、複数のセル200が複数のユニット500a,500b,500cに分けられている場合には、複数のセル200が複数のユニット500に分けられていない場合と比較して、モジュール出力が向上する。言い換えれば、モジュール2の発電量が向上する。
図20~27は、複数のセル200が複数のユニット500に分けられている様子の他の例を示す図である。図20の例では、複数のセル200は、前後方向に沿って2つのユニット500a1及び500b1に分けられている。ユニット500a1は、例えば、前側から1番目~5番目のセル列211を含む。ユニット500b1は、例えば、前側から6番目~10番目のセル列211を含む。ユニット500a1及びb1のそれぞれでは、複数のセル200が互いに直列接続されている。ユニット500a1とユニット500b1は直列接続されていない。
図21の例では、複数のセル200は、前後方向に沿って5つのユニット500a2~500e2に分けられている。ユニット500a2は、例えば、前側から1番目及び2番目のセル列211を含む。ユニット500b2は、例えば、前側から3番目及び4番目のセル列211を含む。ユニット500c2は、例えば、前側から5番目及び6番目のセル列211を含む。ユニット500d2は、例えば、前側から7番目及び8番目のセル列211を含む。ユニット500e2は、例えば、前側から9番目及び10番目のセル列211を含む。ユニット500a2~e2のそれぞれでは、複数のセル200が互いに直列接続されている。ユニット500a2~500e2のそれぞれは、他のユニット500と直列接続されていない。
図22の例では、複数のセル200は、前後方向に沿って10個のユニット500a3~500j3に分けられている。ユニット500a3は、例えば、前側から1番目のセル列211を含む。ユニット500b3は、例えば、前側から2番目のセル列211を含む。ユニット500c3は、例えば、前側から3番目のセル列211を含む。ユニット500d3は、例えば、前側から4番目のセル列211を含む。ユニット500e3は、例えば、前側から5番目のセル列211を含む。ユニット500f3は、例えば、前側から6番目のセル列211を含む。ユニット500g3は、例えば、前側から7番目のセル列211を含む。ユニット500h3は、例えば、前側から8番目のセル列211を含む。ユニット500i3は、例えば、前側から9番目のセル列211を含む。ユニット500j3は、例えば、前側から10番目のセル列211を含む。ユニット500a3~j3のそれぞれでは、複数のセル200が互いに直列接続されている。ユニット500a3~j3のそれぞれは、他のユニット500と直列接続されていない。
図23の例では、複数のセル200は、左右方向に沿って2つのユニット500a4及び500b4に分けられている。ユニット500a4は、例えば、右側から1番目~6番目の行の各セル200を含む。ユニット500b4は、例えば、右側から7番目~12番目の行の各セル200を含む。ユニット500a4及びb4のそれぞれでは、複数のセル200が互いに直列接続されている。ユニット500a4とユニット500b4は直列接続されていない。
図24の例では、複数のセル200は、左右方向に沿って3つのユニット500a5,500b5,500c5に分けられている。ユニット500a5は、例えば、右側から1番目~4番目の行の各セル200を含む。ユニット500b5は、例えば、右側から5番目~8番目の行の各セル200を含む。ユニット500c5は、例えば、右側から9番目~12番目の行の各セル200を含む。ユニット500a5,500b5,500c5のそれぞれでは、複数のセル200が互いに直列接続されている。ユニット500a5,500b5,500c5のそれぞれは、他のユニット500と直列接続されていない。
図25の例では、複数のセル200は、左右方向に沿って4つのユニット500a6~500d6に分けられている。ユニット500a6は、例えば、右側から1番目~3番目の行の各セル200を含む。ユニット500b6は、例えば、右側から4番目~6番目の行の各セル200を含む。ユニット500c6は、例えば、右側から7番目~9番目の行の各セル200を含む。ユニット500d6は、例えば、右側から10番目~12番目の行の各セル200を含む。ユニット500a6,500b6,500c6,500d6のそれぞれでは、複数のセル200が直列接続されている。ユニット500a6,500b6,500c6,500d6のそれぞれは、他のユニット500と直列接続されていない。
図26の例では、複数のセル200は、左右方向に沿って6つのユニット500a7~500f7に分けられている。ユニット500a7は、例えば、右側から1番目及び2番目の行の各セル200を含む。ユニット500b7は、例えば、右側から3番目及び4番目の行の各セル200を含む。ユニット500c7は、例えば、右側から5番目及び6番目の行の各セル200を含む。ユニット500d7は、例えば、右側から7番目及び8番目の行の各セル200を含む。ユニット500e7は、例えば、右側から9番目及び10番目の行の各セル200を含む。ユニット500f7は、例えば、右側から11番目及び12番目の行の各セル200を含む。ユニット500a7~500f7のそれぞれでは、複数のセル200が直列接続されている。ユニット500a7~500f7のそれぞれは、他のユニット500と直列接続されていない。
図27の例では、複数のセル200は、左右方向に沿って12個のユニット500a8~500l8に分けられている。ユニット500a8は、例えば、右側から1番目の行の各セル200を含む。ユニット500b8は、例えば、右側から2番目の行の各セル200を含む。ユニット500c8は、例えば、右側から3番目の行の各セル200を含む。ユニット500d8は、例えば、右側から4番目の行の各セル200を含む。ユニット500e8は、例えば、右側から5番目の行の各セル200を含む。ユニット500f8は、例えば、右側から6番目の行の各セル200を含む。ユニット500g8は、例えば、右側から7番目の行の各セル200を含む。ユニット500h8は、例えば、右側から8番目の行の各セル200を含む。ユニット500i8は、例えば、右側から9番目の行の各セル200を含む。ユニット500j8は、例えば、右側から10番目の行の各セル200を含む。ユニット500k8は、例えば、右側から11番目の行の各セル200を含む。ユニット500l8は、例えば、右側から12番目の行の各セル200を含む。ユニット500a8~500k8のそれぞれでは、複数のセル200が直列接続されている。ユニット500a8~500k8のそれぞれは、他のユニット500と直列接続されていない。
上記の例では、複数のセル200は、前後方向あるいは左右方向に沿って複数のユニット500に分けられているが、前後方向及び左右方向に沿って複数のユニット500に分けられてもよい。図28は、この場合の一例を示す図である。図28の例では、複数のセル200は、前後方向に沿って3つに分けられ、左右方向に沿って2つに分けられている。これにより、複数のセル200は、6個のユニット500a9~500f9に分けられている。図28の例では、複数のセル200は、上述の図18と同様にして前後方向に沿って3つに分けられている。また、複数のセル200は、上述の図24と同様にして左右方向に沿って2つに分けられている。6個のユニット500a9~500f9のそれぞれでは、複数のセル200が直列接続されている。6個のユニット500a9~500f9のそれぞれは、他のユニット500と直列接続されていない。
なお、複数のセル200の分け方は上記の例に限られない。例えば、複数のセル200は、図21に示されるように前後方向に沿って5つに分けられ、図25に示されるように左右方向に沿って4つに分けられてもよい。この場合、複数のセル200は、20個のユニット500に分けられる。
図29は、複数のセル200の分け方の各態様でのモジュール2の年間総発電量の一例を示す図である。図29に示される「前後方向のユニット数」は、複数のセル200を前後方向に沿って分けた場合の前後方向に並ぶユニット500の数を示している。図29に示される「左右方向のユニット数」は、複数のセル200を左右方向に沿って分けた場合の左右方向に並ぶユニット500の数を示している。前後方向のユニット数が“1”の欄の各値は、複数のセル200が前後方向には分けられていない場合のモジュール2の年間総発電量を示している。左右方向のユニット数が“1”の欄の各値は、複数のセル200が左右方向には分けられていない場合のモジュール2の年間総発電量を示している。したがって、前後方向のユニット数及び左右方向のユニット数がともに“1”を示す欄の値は、複数のセル200が複数のユニット500に分けられていない場合のモジュール2の年間総発電量を示す。
図29において、前後方向のユニット数が“2”の欄の各値は、複数のセル200が前後方向に沿って図20のように2つに分けられた場合のモジュール2の年間総発電量を示す。前後方向のユニット数が“3”の欄の各値は、複数のセル200が前後方向に沿って図18のように3つに分けられた場合のモジュール2の年間総発電量を示す。前後方向のユニット数が“5”の欄の各値は、複数のセル200が前後方向に沿って図21のように5つに分けられた場合のモジュール2の年間総発電量を示す。前後方向のユニット数が“10”の欄の各値は、複数のセル200が前後方向に沿って図22のように10個に分けられた場合のモジュール2の年間総発電量を示す。
また、図29において、左右方向のユニット数が“2”の欄の各値は、複数のセル200が左右方向に沿って図23のように2つに分けられた場合のモジュール2の年間総発電量を示す。左右方向のユニット数が“3”の欄の各値は、複数のセル200が左右方向に沿って図24のように3つに分けられた場合のモジュール2の年間総発電量を示す。左右方向のユニット数が“4”の欄の各値は、複数のセル200が左右方向に沿って図25のように4つに分けられた場合のモジュール2の年間総発電量を示す。左右方向のユニット数が“6”の欄の各値は、複数のセル200が左右方向に沿って図26のように6個に分けられた場合のモジュール2の年間総発電量を示す。左右方向のユニット数が“12”の欄の各値は、複数のセル200が左右方向に沿って図27のように12個に分けられた場合のモジュール2の年間総発電量を示す。
前後方向のユニット数が“10”であり、かつ左右方向のユニット数が“12”を示す欄の値(350.1kWh/y)は、複数のセル200のそれぞれが個別に一つのユニット500を構成している場合のモジュール2の年間総発電量を示す。つまり、複数のセル200のそれぞれが他のセル200と直列接続されていない場合のモジュール2の年間総発電量を示す。
図29に示されるように、複数のセル200を複数のユニット500に細かく分けるほど、モジュール2の年間総発電量が大きくなる傾向がある。つまり、複数のセル200を複数のユニット500に細かく分けるほど、モジュール2の出力が大きくなる傾向がある。そして、複数のセル200のそれぞれが個別に一つのユニット500を構成している場合、モジュール2の出力が最大となる。つまり、複数のセル200のそれぞれが他のセル200と直列接続されていない場合、モジュール2の出力が最大となる。
複数のユニット500の出力は、例えば、並列接続されてもよい。この場合、図30に示されるように、複数のユニット500の出力電力は、一つの蓄電池600で蓄積されてもよい。また、図31に示されるように、複数のユニット500の出力電力は、それぞれ、複数の蓄電池600で個別に蓄積されてもよい。また、複数のユニット500のうち、一部の複数のユニット500は並列接続され、残りのユニット500は他のユニット500と並列接続されなくてもよい。
また、複数のユニット500の間で複数のセル200の数ができるだけ同じとなるよう、複数のセル200を複数のユニット500に分けてもよい。これにより、複数のユニット500の出力電圧のばらつきを低減することができる。
上記の例では、複数のセル200は、前後方向及び左右方向の少なくとも一方に沿って複数のユニット500に分けられているが、他の基準に基づいて複数のユニット500に分けられてもよい。例えば、複数のセル200は、当該複数のセル200のセル受光面201に対する法線方向に基づいて複数のユニット500に分けられてもよい。言い換えれば、複数のセル200は、当該複数のセル200のセル受光面201が向く方向に基づいて複数のユニット500に分けられてもよい。以下にこの場合の実施例について説明する。
例えば、モジュール2が、図3~8に示される形状を有する場合を考える。この場合、上述のように、ルーフ101に搭載されたモジュール2の中央部のセル200のセル受光面201は、比較的、水平方向に垂直な方向に向いている。言い換えれば、モジュール2の中央部のセル200のセル受光面201に対する法線方向は、比較的、水平方向に垂直な方向に向いている。よって、モジュール2の中央部のセル200のセル受光面201は、比較的真上の方を向いていると言える。そのため、モジュール2の中央部のセル200のセル受光面201に対しては、一日を通して、太陽光が比較的当たりやすいと言える。
これに対して、ルーフ101に搭載されたモジュール2における、中央部の周囲の周囲部は、地面に対して傾いている。そのため、当該周囲部のセル200のセル受光面201は、比較的水平方向に向いている。言い換えれば、モジュール2の周囲部のセル200のセル受光面201に対する法線方向は、比較的水平方向に向いている。そのため、一日を通して見た場合、モジュール2の周囲部のセル200のセル受光面201に対して太陽光が当たりにくい時間帯が発生する。太陽光が当たりにくいセル200が存在する場合、当該セル200の出力電流によって、モジュール2全体の出力が制限される可能性がある。
そこで、複数のセル200を、モジュール2における、太陽光が比較的当たりやすい中央部に位置する複数のセル200を含むユニット500と、モジュール2における、太陽光が比較的当たりにくい周囲部に位置する複数のセル200を含むユニット500とに分けてもよい。
図32は、複数のセル200を、モジュール2の中央部に位置する複数のセル200を含むユニット500A1と、モジュール2の周囲部に位置する複数のセル200を含むユニット500B1とに分けた様子の一例を示す図である。図32には、上述の図19と同様に、各セル200の個別の出力電力の一例が示されている。
ユニット500A1は、前側から3番目~8番目のセル列211における、右側から4番目~9番目の行に含まれる36個のセル200で構成されている。ユニット500B1は、その他の68個のセル200で構成されている。
図32の例の場合、ユニット500A1では、セル200A1の出力電力が最小値の4.390421Wh/m2となる。したがって、ユニット500A1の出力は、4.390421Wh/m2×36個=158.055156Wh/m2となる。
ユニット500B1では、セル200B1の出力電力が最小値の3.928712Wh/m2となる。したがって、ユニット500B1の出力は、3.928712Wh/m2×68個=267.152416Wh/m2となる。
よって、モジュール2の出力は、158.055156Wh/m2+267.152416Wh/m2=425.207572Wh/m2となる。上述のように、複数のセル200が複数のユニット500に分けられていない場合、図32の例では、モジュール2の出力は408.586048Wh/m2となる。複数のセル200をユニット500A1及びB1に分けた場合には、モジュール2の出力が約4.1%増加する。
このように、複数のユニット500が、モジュール2の中央部に位置する複数のセル200を含むユニット500A1と、モジュール2の周囲部に位置する複数のセル200を含むユニット500B1とを備えることによって、モジュール2の出力を高めることができる。
なお、複数のユニット500は、モジュール2の中央部に位置する複数のセル200を含むユニット500A2と、モジュール2の周囲部のうち右側の部分に位置する複数のセル200を含むユニット500B2と、モジュール2の周囲部のうち左側の部分に位置する複数のセル200を含むユニット500C2とを備えてもよい。図33は、この場合のユニット500A2,500B2,500C2の一例を示す図である。図33には、図19と同様に、各セル200の個別の出力電力の一例が示されている。以後、モジュール2の周囲部のうちの右側の部分を右側周囲部と呼ぶことがある。また、モジュール2の周囲部のうちの左側の部分を左側周囲部と呼ぶことがある。
ユニット500A2は、上述のユニット500A1と同じ36個のセル200で構成されている。ユニット500B2は、前側から1番目及び2番目のセル列211における、右側から1番目~6番目の行に含まれる12個のセル200を含む。また、ユニット500B2は、前側から3番目のセル列211における、右側から1番目~3番目の行に含まれる3個のセル200を含む。また、ユニット500B2は、前側から4番目~8番目のセル列211における、右側から2番目及び3番目の行に含まれる10個のセル200を含む。また、ユニット500B2は、前側から9番目のセル列211における、右側から2番目~6番目の行に含まれる5個のセル200を含む。そして、ユニット500B2は、前側から10番目のセル列211における、右側から3番目及び6番目の行に含まれる4個のセル200を含む。ユニット500B2は、合計34個のセル200を含む。ユニット500C2は、残りの34個のセル200を含む。図33の例では、複数のユニット500A2,500B2,550C2の間においてセル200の数が近くなっている。これにより、複数のユニット500A2,500B2,500C2の出力電圧が互いに近くなっている。
ここで、モジュール2は、上述の図5及び6に示されるように、上側に凸となるように左右方向に沿って湾曲している。これにより、モジュール2を後ろ側から見た場合、モジュール2の右側周囲部の表面は、比較的右斜め上の方向に向くことになる。つまり、モジュール2を後ろ側から見た場合、モジュール2の周囲部のうちの右側の部分に位置する複数のセル200のセル受光面201に対する法線方向は、比較的右斜め上の方向に向くことになる。一方で、モジュール2の左側周囲部の表面は、モジュール2を後ろ側から見た場合、比較的左斜め上の方向に向くことになる。つまり、モジュール2を後ろ側から見た場合、モジュール2の周囲部のうちの左側の部分に位置する複数のセル200のセル受光面201に対する法線方向は、比較的左斜め上の方向に向くことになる。
このように、モジュール2の右側周囲部に位置するセル200のセル受光面201が向く方向と、モジュール2の左側周囲部に位置するセル200のセル受光面201が向く方向とは概ね異なる。これにより、時間帯によっては、モジュール2の右側周囲部及び左側周囲部の間で、太陽光の当たり具合に差が生じることがある。その結果、モジュール2の右側周囲部に位置するセル200の出力電力と、モジュール2の左側周囲部に位置するセル200の出力電力との間に大きな差が生じることがある。図33の例では、モジュール2の右側周囲部に位置するセル200の出力電力は概ね大きくなっているものの、モジュール2の左側周囲部に位置するセル200の出力電力は概ね小さくなっている。
本例のように、複数のユニット500がユニット500B2及びユニット500C2を備える場合には、モジュール2の右側周囲部及び左側周囲部の一方に位置するセル200の出力電力が小さい場合であっても、モジュール2の右側周囲部及び左側周囲部の他方に位置するセル200を含むユニット500の出力が低下する可能性を低減することができる。よって、モジュール2全体の出力を高めることができる。
図33の例の場合、ユニット500A2の出力は、ユニット500A1の出力と同様に、158.055156Wh/m2となる。ユニット500B2では、セル200B2の出力電力が最小値の4.785005Wh/m2となる。したがって、ユニット500B2の出力は、4.785005Wh/m2×34個=162.69017Wh/m2となる。ユニット500C2では、セル200C2の出力電力が最小値の3.928712Wh/m2となる。したがって、ユニット500c2の出力は、3.928712Wh/m2×34個=133.576208Wh/m2となる。よって、モジュール2の出力は、158.055156Wh/m2+162.69017Wh/m2+133.5762086Wh/m2=454.3215346Wh/m2となる。複数のセル200が複数のユニット500に分けられていない場合、図32の例では、モジュール2の出力は408.586048Wh/m2となる。よって、複数のセル200をユニット500A2,500B2,500C2に分けた場合には、モジュール2の出力が約11%増加する。
このように、ルーフ101に搭載されるモジュール2の複数のユニット500が、モジュール2の中央部に位置する複数のセル200を含むユニット500A2と、モジュール2の周囲部のうち左側の部分に位置する複数のセル200を含むユニット500B2と、モジュール2の周囲部のうち右側の部分に位置する複数のセル200を含むユニット500C2とを備えることによって、モジュール2の出力をさらに高めることができる。
複数のユニット500は、モジュール2の中央部に位置する複数のセル200を含むユニット500A3と、モジュール2の周囲部のうち右前側の部分に位置する複数のセル200を含むユニット500B2と、モジュール2の周囲部のうち左前側の部分に位置する複数のセル200を含むユニット500C2と、モジュール2の周囲部のうち右後ろ側の部分に位置する複数のセル200を含むユニット500D2と、モジュール2の周囲部のうち左後ろ側の部分に位置する複数のセル200を含むユニット500E2とを備えてもよい。図34は、この場合のユニット500A3,500B3,500C3,500D3,500E3の一例を示す図である。図34には、図19と同様に、各セル200の個別の出力電力の一例が示されている。以後、モジュール2の周囲部のうち、右前側の部分、左前側の部分、右後ろ側の部分及び左後ろ側の部分を、それぞれ、右前側周囲部、左前側周囲部、右後ろ側周囲部及び左後ろ側周端部と呼ぶことがある。
ユニット500A3は、前側から4番目~7番目のセル列211における、右側から4番目~9番目の行に含まれる24個のセル200を含む。ユニット500B3は、前側から1番目~3番目のセル列211における、右側から1番目~6番目の行に含まれる18個のセル200を含む。また、ユニット500B2は、前側から4番目のセル列211における、右側から2番目及び3番目の行に含まれる2個のセル200を含む。ユニット500B3は、合計20個のセル200を含む。
ユニット500C3は、前側から1番目~3番目のセル列211における、右側から7番目~12番目の行に含まれる18個のセル200を含む。また、ユニット500C2は、前側から4番目のセル列211における、右側から10番目及び11番目の行に含まれる2個のセル200を含む。ユニット500C3は、合計20個のセル200を含む。
ユニット500D3は、前側から5番目~7番目のセル列211における、右側から2番目及び3番目の行に含まれる6個のセル200を含む。また、ユニット500D3は、前側から8番目及び9番目のセル列211における、右側から2番目~6番目の行に含まれる10個のセル200を含む。そして、ユニット500D3は、前側から10番目のセル列211における、右側から3番目~6番目の行に含まれる4個のセル200を含む。ユニット500D3は、合計20個のセル200を含む。
ユニット500E3は、前側から5番目~7番目のセル列211における、右側から10番目及び11番目の行に含まれる6個のセル200を含む。また、ユニット500E3は、前側から8番目及び9番目のセル列211における、右側から7番目~11番目の行に含まれる10個のセル200を含む。そして、ユニット500E3は、前側から10番目のセル列211における、右側から7番目~10番目の行に含まれる4個のセル200を含む。ユニット500E3は、合計20個のセル200を含む。
図34の例では、複数のユニット500A3,500B3,550C3,500D3,500E3の間においてセル200の数が近くなっている。これにより、複数のユニット500A3,500B3,550C3,500D3,500E3の出力電圧が互いに近くなる。
ここで、モジュール2は、上側に凸となるように左右方向に沿って湾曲するとともに(図5及び6参照)、上側に凸となるように前後方向に沿って湾曲している(図7及び8参照)。このため、モジュール2の右前側周囲部、左前側周囲部、右後ろ側周囲部及び左後ろ側周端部の表面は、概ね、互いに異なる方向を向く。つまり、モジュール2の右前側周囲部に位置するセル200のセル受光面201が向く方向と、モジュール2の左前側周囲部に位置するセル200のセル受光面201が向く方向と、モジュール2の右後ろ側周囲部に位置するセル200のセル受光面201が向く方向と、モジュール2の左後ろ側周囲部に位置するセル200のセル受光面201が向く方向とは、概ね、互いに異なっている。これにより、モジュール2の右前側周囲部、左前側周囲部、右後ろ側周囲部及び左後ろ側周囲部の間において太陽光の当たり具合がばらつくことがある。その結果、モジュール2の右前側周囲部、左前側周囲部、右後ろ側周囲部及び左後ろ側周囲部の間においてセル200の出力電力がばらつくことがある。図34の例では、概ね、モジュール2の右前側周囲部に位置するセル200、モジュール2の右後ろ側周囲部に位置するセル200、モジュール2の左前側周囲部に位置するセル200、モジュール2の左後ろ側周囲部に位置するセル200の順で、出力電力が大きくなっている。
本例のように、複数のユニット500が、ユニット500B3,C3,D3,E3を備える場合には、モジュール2の右前側周囲部、左前側周囲部、右後ろ側周囲部及び左後ろ側周囲部の間においてセル200の出力電力がばらつく場合であっても、モジュール2全体の出力を高めることができる。
図34の例の場合、ユニット500A3では、セル200A3の出力電力が最小値の4.440035Wh/m2となる。したがって、ユニット500A3の出力は、4.440035Wh/m2×24個=106.56084Wh/m2となる。
ユニット500B3では、セル200B3の出力電力が最小値の5.003574Wh/m2となる。したがって、ユニット500B3の出力は、5.003574Wh/m2×20個=100.07148Wh/m2となる。
ユニット500C3では、セル200C3の出力電力が最小値の4.227075Wh/m2となる。したがって、ユニット500C3の出力は、4.227075Wh/m2×20個=84.5415Wh/m2となる。
ユニット500D3では、セル200D3の出力電力が最小値の4.785005Wh/m2となる。したがって、ユニット500D3の出力は、4.785005Wh/m2×20個=95.7001Wh/m2となる。
ユニット500E3では、セル200E3の出力電力が最小値の3.928712Wh/m2となる。したがって、ユニット500E3の出力は、3.928712Wh/m2×20個=78.57424Wh/m2となる。
よって、モジュール2の出力は、106.56084Wh/m2+100.07148Wh/m2+84.5415Wh/m2+95.7001Wh/m2+78.57424Wh/m2=465.44816Wh/m2となる。複数のセル200が複数のユニット500に分けられていない場合、図34の例では、モジュール2の出力は408.586048Wh/m2となる。よって、複数のセル200をユニット500A3,500B3,500C3,500D3,500E3に分けた場合には、モジュール2の出力が約14%高くなる。
このように、ルーフ101に搭載されるモジュール2の複数のユニット500が、モジュール2の中央部に位置する複数のセル200を含むユニット500A3と、モジュール2の周囲部のうち右前側の部分に位置する複数のセル200を含むユニット500B3と、モジュール2の周囲部のうち左前側の部分に位置する複数のセル200を含むユニット500C3と、モジュール2の周囲部のうち右後ろ側の部分に位置する複数のセル200を含むユニット500D3と、モジュール2の周囲部のうち左後ろ側の部分に位置する複数のセル200を含むユニット500E3とを備えることによって、モジュール2の出力をさらに高めることができる。
なお、複数のセル200を複数のユニット500に分ける処理は、人が行ってもよいし、コンピュータ装置が行ってもよい。後者の場合、例えば、上述の制御部330が、複数のセル200のセル受光面201に対する法線方向に基づいて、複数のセル200を複数のユニット500に分けてもよい。この場合、制御部330の記憶部332には、例えば、各セル200の位置情報と、各セル200のセル受光面201に対する法線方向を示す情報とが予め記憶されている。制御部330は、これらの情報と、例えばクラスタリング技術とを用いて、複数のセル200を複数のユニット500に分けてもよい。制御部330は、クラスタリング技術として、例えば、K-means法を使用してもよいし、他のアルゴリズムを使用してもよい。
例えば、制御部330は、クラスタリング技術を用いて、セル受光面201に対する法線方向と、水平方向に垂直な方向とが成す角度が所定値以下であって、位置が互いに近い複数のセル200を一つのグループとし、他のセル200を別のグループとする。そして、制御部330は、一つのグループを一つのユニット500とする。ここで、モジュール2の中央部に位置する複数のセル200は互いに位置が近く、当該複数のセル200のセル受光面201は、概ね、水平方向に垂直な方向を向いている。したがって、モジュール2の中央部に位置する複数のセル200は一つのグループにまとめられ、他のセル200は別のグループにまとめられる。これにより、コンピュータ装置によって、複数のセル200を上述の図32と同様に2つのユニット500に分けることが可能となる。
また、制御部330は、クラスタリング技術を用いて、セル受光面201に対する法線方向が近くかつ位置も近い複数のセル200が、できるだけ一つのグループとなるように、複数のセル200を3つのグループに分けてもよい。この場合、モジュール2の中央部に位置する複数のセル200は一つのグループにまとめられ、モジュール2の右側周端部に位置する複数のセル200は一つのグループにまとめられ、モジュール2の左側周端部に位置する複数のセル200が一つのグループにまとめられるようになる。制御部330は、一つのグループを一つのユニット500とすることよって、複数のセル200を上述の図33と同様に3つのユニット500に分けることが可能となる。
また、制御部330は、クラスタリング技術を用いて、セル受光面201に対する法線方向が近くかつ位置も近い複数のセル200が、できるだけ一つのグループとなるように、複数のセル200を5つのグループに分けてもよい。この場合、モジュール2の中央部に位置する複数のセル200は一つのグループにまとめられ、モジュール2の右前側周端部に位置する複数のセル200は一つのグループにまとめられ、モジュール2の左前側周端部に位置する複数のセル200は一つのグループにまとめられ、モジュール2の右後ろ側周端部に位置する複数のセル200が一つのグループにまとめられ、モジュール2の左後ろ側周端部に位置する複数のセル200は一つのグループにまとめられるようなる。制御部330は、一つのグループを一つのユニット500とすることよって、複数のセル200を上述の図34と同様に5つのユニット500に分けることが可能となる。
なお、複数のセル200が複数のユニット500に分けられる場合であっても、上述の実施の形態1と同様に、制御装置3が複数のセル200に対するバイパス設定を行ってもよい。この場合、制御装置3は、ユニット500ごとにバイパス設定を行う、制御装置3は、ユニット500を構成する複数のセル200の総出力に基づいて、当該複数のセル200に対するバイパス設定を決定する。図35は、この場合の制御装置3の構成の一例を示す図である。以後、図35に示される制御装置3を制御装置3Aと呼ぶことがある。
図35に示されるように、制御装置3Aは、上述の制御部330を備える。さらに、制御装置3Aは、上述のバイパス部300、接続切替部310及び電流取得部320から成る単位構成部700を、ユニット500ごとに個別に備える。各単位構成部700のバイパス部300は、それに対応するユニット500を構成する複数のセル200を個別にバイパスすること可能である。各単位構成部700の接続切替部310は、それに対応するユニット500の各セル200について、当該セル200を他のセル200に直列接続するか否かを個別に切り替えることが可能である。各単位構成部700の電流取得部320は、それに対応するユニット500の各セル200の出力電流を求めることが可能である。単位構成部700のバイパス部300、接続切替部310及び電流取得部320と、当該単位構成部700に対応するユニット500の各セル200との電気的な接続関係は、例えば上述の図11と同様である。
制御部330は、ユニット500ごとに上述の設定処理を行う。つまり、制御部330は、ユニット500を構成する複数のセル200の総出力に基づいて、当該複数のセル200に対するバイパス設定を決定し、決定した当該バイパス設定を当該複数のセル200に対して行う設定処理を、ユニット500ごとに行う。制御部330は、ユニット500ごとに、例えば上述の図13に示される設定処理を実行する。以下に、あるユニット500についての設定処理を図13を用いて説明する。以後、説明の対象のユニット500を対象ユニット500と呼ぶことがある。
図13のステップs1において、制御部330は、対象ユニット500に対応する電流取得部320から、対象ユニットの各セル200の出力電流を取得する。
次にステップs2において、制御部330は、対象ユニット500の各セル200がバイパスされていないときの対象ユニット500の出力を求める。
次にステップs3において、制御部330は、対象ユニット500の複数のセル200のうち、出力電流が最小のセル200を一つ選択する。対象ユニット500に出力電流が最小のセル200が複数含まれる場合、制御部330は、出力電流が最小の複数のセル200のいずれか一つを選択する。
次にステップs4において、制御部330は、ステップs3で選択したセル200がバイパスされるときの対象ユニット500の出力を求める。
次にステップs5において、制御部330は、対象ユニット500の複数のセル200のうち、今まで選択したすべてのセル200を除く部分のうち、出力電流が最小のセル200をさらに選択する。
次にステップs6において、制御部330は、選択したすべてのセル200がバイパスされるときの対象セル200の出力を求める。
次にステップs7において、制御部330は、ステップs5及びs6の処理から成る第3処理403の現在の実行回数MがN-2であるか否かを判定する。ステップs7においてNoと判定されると、ステップs5及びs6が再度実行される。一方、ステップs7においてYesと判定されると、ステップs8が実行される。第3処理403は(N-2)回実行される。
2回目のステップs5では、制御部330は、対象ユニット500の複数のセル200のうち、ステップs3で選択したセル200と、1回目のステップs5で選択したセル200とを除く部分のうち、出力電流が最小のセル200を選択する。2回目のステップs6では、制御部330は、ステップs3で選択したセル200と、1回目のステップs5で選択したセル200と、2回目のステップs5で選択したセル200とがバイパスされるときの対象ユニット500の出力電力を求める。
3回目のステップs5では、制御部330は、対象ユニット500の複数のセル200のうち、ステップs3で選択したセル200と、1回目のステップs5で選択したセル200と、2回目のステップs5で選択したセル200とを除く部分のうち、出力電流が最小のセル200を選択する。3回目のステップs6では、制御部330は、ステップs3で選択したセル200と、1回目のステップs5で選択したセル200と、2回目のステップs5で選択したセル200と、3回目のステップs5で選択したセル200とがバイパスされるときの対象ユニット500の出力電力を求める。
ステップs8において、制御部330は、今まで求めたN個の出力のうちの最大の出力が得られるバイパス設定を特定する。そして、制御部330は、特定したバイパス設定を、対象ユニット500の複数のセル200に対して行う。このとき、制御部330は、対象ユニット500に対応する接続切替部310の各スイッチ回路311をオン状態にして、対象ユニット500の複数のセル200を直列接続させる。これにより、対象ユニット500から大きな出力が外部に取り出される。
図36は、上述の図12に示される複数のセル200が前後方向に沿って3つのユニット500A4,500B4,500C4に分けられている様子の一例を示す図である。ユニット500A4は、前側から1番目~3番目のセル列211の35個の複数のセル200を含む。ユニット500B4は、前側から4番目~6番目のセル列211の31個の複数のセル200を含む。ユニット500C4は、前側から7番目~10番目のセル列211の37個の複数のセル200を含む。
図37は、複数のユニット500A4,500B4,500C4のそれぞれに対して個別に設定処理が行われた結果を示す図である。ユニット500A4,500B4,500C4のそれぞれに対して個別に設定処理が行われた結果、図37の斜線で示されるセル200がバイパスされる。図37では、バイパスされたセル200の出力電力は0となっている。ユニット500A4では、バイパスされていないセル200の出力電力の最小値は3.69Wh/m2であり、バイパスされていないセル200の数は28個である。したがって、ユニット500A4の出力電力は、3.69Wh/m2×28=103.32Wh/m2となる。ユニット500B4では、バイパスされていないセル200の出力電力の最小値は2.23Wh/m2であり、バイパスされていないセル200の数は25個である。したがって、ユニット500B4の出力電力は、2.23Wh/m2×25=55.75Wh/m2となる。ユニット500C4では、バイパスされていないセル200の出力電力の最小値は1.65Wh/m2であり、バイパスされていないセル200の数は26個である。したがって、ユニット500C4の出力電力は、1.65Wh/m2×26=42.9Wh/m2となる。したがって、モジュール2全体の出力電力は、103.32Wh/m2+55.75Wh/m2+42.9Wh/m2=201.97Wh/m2となる。
図38~40は、複数のセル200の分け方の各態様における、設定処理によるモジュール出力の増加割合の一例を示す図である。図38~40に示される「前後方向のユニット数」及び「左右方向のユニット数」の意味は上述の図29と同様である。また、前後方向のユニット数と左右方向のユニット数とで定まる複数のセル200の分け方は、図29と同様である。図38~40では、複数のセル200が、前後方向のユニット数と左右方向のユニット数とで定まる分け方で分けられた場合に、各ユニット500に対して個別に設定処理を行ったときのモジュール2全体の年間総発電量についての、各ユニット500について設定処理を行わない場合のモジュール全体の年間総発電量に対する割合が示されている。図38には、前側が東向きとなっている日本国内に存在する車両100のルーフ101に搭載されているモジュール2についての値の一例が示されている。図39には、前側が南向きとなっている日本国内に存在する車両100のルーフ101に搭載されているモジュール2についての値の一例が示されている。図40には、前側が北向きとなっている日本国内に存在する車両100のルーフ101に搭載されているモジュール2についての値の一例が示されている。
例えば、図38の例において、複数のセル200が、前後方向に沿って3つに分けられ(前後方向のユニット数=3)、左右方向に沿って分けられていない場合(左右方向のユニット数=1)、3つのユニット500のそれぞれに対して個別に設定処理を行ったときのモジュール2全体の年間総発電量は、3つのユニット500に対して設定処理を行わないときのモジュール2全体の年間総発電量と比べて、1.1%増加する。
また、図39の例において、複数のセル200が、前後方向に沿って2つに分けられ(前後方向のユニット数=2)、左右方向に沿って6つ分けられている場合(左右方向のユニット数=6)、12個のユニット500のそれぞれに対して個別に設定処理を行ったときのモジュール2全体の年間総発電量は、12個のユニット500に対して設定処理を行わないときのモジュール2全体の年間総発電量と比べて、0.3%増加する。
また、図40の例において、複数のセル200が、前後方向に沿って5つに分けられ(前後方向のユニット数=5)、左右方向に沿って2つに分けられている場合(左右方向のユニット数=2)、10個のユニット500のそれぞれに対して個別に設定処理を行ったときのモジュール2全体の年間総発電量は、10個のユニット500に対して設定処理を行わないときのモジュール2全体の年間総発電量と比べて、0.5%増加する。
図39~40に示されるように、複数のセル200を複数のユニット500に粗く分けるほど、各ユニット500に対する設定処理の効果が大きくなる傾向がある。つまり、複数のユニット500の数が小さいほど、各ユニット500に対する設定処理の効果が大きくなる傾向がある。
2015年9月の国連サミットにおいて採択された17の国際目標として、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」がある。一実施形態に係る太陽電池システム1、太陽電池モジュール2及び制御装置3は、このSDGsの17の目標のうち、例えば「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」、及び「11.住み続けられるまちづくりを」の目標などの達成に貢献し得る。
以上のように、太陽電池システム1、太陽電池モジュール2及び制御装置3は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。