JP7460177B2 - エピジェネティックスを標的とした新規医薬 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なヒストン脱メチル化酵素阻害剤に関する。また、本発明は、ヒストン脱メチル化酵素の活性亢進により誘発される疾患(例えば、癌、肺性高血圧、勃起不全等)の予防又は治療のための医薬に関する。
今日の癌治療においては、外科的手術、化学療法、放射線療法等が施されるものの、それらの治療で根治することは稀で、多くの場合は治療に抵抗性を示し、残存した細胞によって癌が再発する。癌組織における治療抵抗性や再発には癌幹細胞が重要な役割を果たすことが広く認知されている(非特許文献1、2)。癌幹細胞を枯渇化させることができれば、腫瘍を根絶することが可能になると考えられる。
近年、癌幹細胞は、非癌幹細胞との間に可塑性を有することが報告されており(非特許文献3)、従来より細胞の可塑性を制御するのはエピジェネティックスであると考えられている(非特許文献4)。エピジェネティックスは、DNAのメチル化やヒストンのメチル/脱メチル化等の反応を介して、多様な遺伝子の発現を制御する機構であり、哺乳類の発生及び幹細胞の分化に主な役割を果たす(非特許文献5)。中でも、癌幹細胞の維持に特に重要なエピジェネティックス制御分子としてヒストンH3第4リジンの脱メチル化酵素であるJARID1Bが知られている。JARID1Bは、乳癌、メラノーマをはじめとする様々な癌において癌患者の予後不良因子となることが報告されている(非特許文献6~9)。また、JARID1Bは、造腫瘍能、治療抵抗性、転移等に関わっており、JARID1Bの阻害によりこれらが改善されることも多数報告されている(非特許文献10~13)。加えて、JARID1Bの活性亢進により肺高血圧症、勃起不全等が誘発されること(非特許文献14及びデータベース(ChIP-Atlas(https://chip-atlas.org/)))、また、JARID1B活性を阻害することにより、男性に対する避妊効果も報告されている(非特許文献15)。これまでのところ、JARID1Bを含むヒストン脱メチル化酵素を標的とする阻害剤はいくつか報告されているが(非特許文献16、特許文献1、2)、細胞レベルで十分な効果が得られるものは殆どなく、ヒストン脱メチル化酵素の活性亢進により誘発される癌等の治療薬として用いるには不十分であるのが現状である(非特許文献17)。また、JARID1Bを特異的に阻害する薬剤は未だ報告されていない。
国際公開第2014/053491号 米国特許出願公開2016/0060267号明細書 国際公開第2014/144850号
Bonnet D et al., Nat Med. 1997;3(7):730-737. Al-Hajj M et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2003;100(7):3983-3988. Shimokawa M et al., Nature. 2017; 545(7653):187-192. Toh TB et al., Mol Cancer. 2017;16(1):29. Reik W et al., Nature. 2007;447(7143):425-432. Yamamoto S et al., Cancer Cell. 2014;25(6):762-777. Tirosh I et al., Science. 2016;352(6282):189-196. Xiang Y et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2007;104(49):19226-19231. Wang Z et al., Am J Cancer Res. 2014;5(1):87-100. Roesch A et al., Cell. 2010;141(4):583-594. Roesch A et al., Cancer Cell. 2013;23(6):811-825. Ohta K et al., Int J Oncol. 2013;42(4):1212-1218. Li Q et al., Cancer Res. 2011;71(21):6899-6908. Li Y et al., Cardiovascular Pathology 2018;37:8-14. Arifuzzaman S et al., Pharmacological Research 2019;141:1-20. Zheng Y-C et al., Eur. J. Med. Chem. 2019; 161: 131-140 Banelli B et al., Oncotarget. 2017;8(21):34896-34910.
このような背景のもと、エピジェネティックス制御に基づく新規抗癌剤の開発が切望されている。
本発明の目的は、エピジェネティックスを標的とした新規なヒストン脱メチル化酵素阻害剤、特に、JARID1B阻害剤、を提供することである。本発明の更なる目的は、ヒストン脱メチル化酵素の活性亢進により誘発される疾患(例えば、癌、肺性高血圧等)の予防又は治療のための医薬を提供することである。
本発明者らは、かかる状況下、鋭意検討を重ねた結果、下記式(I):
[式中、
n個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、シアノ基又はニトロ基を示し;
は、フルオロアルキル基を示し;
は、水素原子、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいシクロアルキル基を示し;
は、水素原子又は置換されていてもよいアシル基を示し、Rが水素原子である場合は、式(I)は、そのチオキソ型で示される互変異性体であってもよく;および
nは、0~5の整数を示す。]
で表されるピラゾロ[3,4-d]ピリミジン誘導体(以下、「化合物(I)」と称することもある。)又はその薬学的に許容しうる塩が、優れたヒストン脱メチル化酵素阻害活性、特に、JARID1B阻害活性、を示すことを初めて見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]式(I):
[式中、
n個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、シアノ基又はニトロ基を示し;
は、フルオロアルキル基を示し;
は、水素原子、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいシクロアルキル基を示し;
は、水素原子又は置換されていてもよいアシル基を示し、Rが水素原子である場合は、式(I)は、そのチオキソ型で示される互変異性体であってもよく;および
nは、0~5の整数を示す。]
で表されるピラゾロ[3,4-d]ピリミジン誘導体又はその薬学的に許容しうる塩。
ただし、下記化合物又はその塩、或いはそれらの互変異性体を除く。
3-メチル-1-フェニル-6-トリフルオロメチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4(5H)-チオン、
1-(2-クロロフェニル)-3-メチル-6-トリフルオロメチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4(5H)-チオン、
1-(3-クロロフェニル)-3-メチル-6-トリフルオロメチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4(5H)-チオン、
1-(4-クロロフェニル)-3-メチル-6-トリフルオロメチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4(5H)-チオン、
1-(2,4-ジクロロフェニル)-3-メチル-6-トリフルオロメチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4(5H)-チオン、
1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-メチル-6-トリフルオロメチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4(5H)-チオン、
1-(2,5-ジクロロフェニル)-3-メチル-6-トリフルオロメチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4(5H)-チオン、
3-メチル-1-(3-ニトロフェニル)-6-トリフルオロメチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4(5H)-チオン、及び
3-メチル-1-(4-ニトロフェニル)-6-トリフルオロメチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4(5H)-チオン。
[2]式(I)において、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン原子又はハロC1-3アルコキシ基であり、Rが、フルオロC1-3アルキル基であり、Rが、水素原子又はメチル基であり、Rが、水素原子又はC1-5アルカノイル基であり、且つnが、1又は2である、上記[1]に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩、或いはそれらの互変異性体。
[3]式(I)において、Rが、メタ位の、ハロゲン原子又はトリフルオロメトキシ基であり、Rが、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基又はペンタフルオロエチル基であり、Rが、水素原子又はメチル基であり、Rが、水素原子であり、且つnが、1である、上記[1]に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩、或いはそれらの互変異性体。
[4]式(I)において、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ハロC1-3アルコキシ基又はハロC1-3アルキルスルファニル基であり、Rが、フルオロC1-3アルキル基であり、Rが、C1-3アルキル基であり、Rが、水素原子又はC1-5アルカノイル基であり、且つnが、1又は2である、上記[1]に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩、或いはそれらの互変異性体。
[5]式(I)において、Rが、メタ位の、ハロゲン原子、トリフルオロメトキシ基又はトリフルオロメチルスルファニル基であり、Rが、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基又は2,2,2-トリフルオロエチル基であり、Rが、メチル基又はエチル基であり、Rが、水素原子であり、且つnが、1である、上記[1]に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩、或いはそれらの互変異性体。
[6]式(I):
[式中、
n個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、シアノ基又はニトロ基を示し;
は、フルオロアルキル基を示し;
は、水素原子、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいシクロアルキル基を示し;
は、水素原子又は置換されていてもよいアシル基を示し、Rが水素原子である場合は、式(I)は、そのチオキソ型で示される互変異性体であってもよく;および
nは、0~5の整数を示す。]
で表されるピラゾロ[3,4-d]ピリミジン誘導体又はその薬学的に許容しうる塩からなるヒストン脱メチル化酵素阻害剤。
[7]ヒストン脱メチル化酵素がJARID1Bである、上記[6]に記載のヒストン脱メチル化酵素阻害剤。
[8]癌細胞スフィア形成を抑制するために使用する、上記[6]又は[7]に記載のヒストン脱メチル化酵素阻害剤。
[9]式(I)において、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン原子又はハロC1-3アルコキシ基であり、Rが、フルオロC1-3アルキル基であり、Rが、水素原子又はメチル基であり、Rが、水素原子又はC1-5アルカノイル基であり、且つnが、1又は2である、上記[6]~[8]のいずれかに記載のヒストン脱メチル化酵素阻害剤。
[10]式(I)において、Rが、メタ位の、ハロゲン原子又はトリフルオロメトキシ基であり、Rが、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基又はペンタフルオロエチル基であり、Rが、水素原子又はメチル基であり、Rが、水素原子であり、且つnが、1である、上記[6]~[8]のいずれかに記載のヒストン脱メチル化酵素阻害剤。
[11]式(I)において、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ハロC1-3アルコキシ基又はハロC1-3アルキルスルファニル基であり、Rが、フルオロC1-3アルキル基であり、Rが、C1-3アルキル基であり、Rが、水素原子又はC1-5アルカノイル基であり、且つnが、1又は2である、上記[6]~[8]のいずれかに記載のヒストン脱メチル化酵素阻害剤。
[12]式(I)において、Rが、メタ位の、ハロゲン原子、トリフルオロメトキシ基又はトリフルオロメチルスルファニル基であり、Rが、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基又は2,2,2-トリフルオロエチル基であり、Rが、メチル基又はエチル基であり、Rが、水素原子であり、且つnが、1である、上記[6]~[8]のいずれかに記載のヒストン脱メチル化酵素阻害剤。
[13]上記[6]~[12]のいずれかに記載のヒストン脱メチル化酵素阻害剤を有効成分として含有してなる、ヒストン脱メチル化酵素の活性亢進により誘発される疾患の治療及び/又は予防のための医薬。
[14]ヒストン脱メチル化酵素の活性亢進により誘発される疾患が、癌である、上記[13]に記載の医薬。
[14’]ヒストン脱メチル化酵素の活性亢進により誘発される疾患が、肺高血圧症又は勃起不全である、上記[13]に記載の医薬。
[14’’]上記[6]~[12]のいずれかに記載のヒストン脱メチル化酵素阻害剤を有効成分として含有してなる、男性用避妊薬。
[15]癌が、乳癌、卵巣癌、膵臓癌、大腸癌、前立腺癌、造血器腫瘍、メラノーマ、肺癌、グリオーマ、精巣癌、子宮癌、頭頸部癌、食道癌、膀胱癌、中皮腫、胃癌、胆管癌、又は甲状腺癌である、上記[14]に記載の医薬。
[16]他の薬剤と組み合わせて使用することを特徴とする、上記[13]~[15]のいずれかに記載の医薬。
[17]他の薬剤が、化学療法剤、ホルモン療法剤、分子標的薬、癌細胞を標的とする抗体-薬物複合体(ADC)又は腫瘍溶解ウイルス製剤である、上記[16]に記載の医薬。
[18] 式(I):
[式中、
n個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、シアノ基又はニトロ基を示し;
は、フルオロアルキル基を示し;
は、水素原子、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいシクロアルキル基を示し;
は、水素原子又は置換されていてもよいアシル基を示し、Rが水素原子である場合は、式(I)は、そのチオキソ型で示される互変異性体であってもよく;および
nは、0~5の整数を示す。]
で表されるピラゾロ[3,4-d]ピリミジン誘導体又はその薬学的に許容しうる塩を哺乳動物に有効量投与することを特徴とする、哺乳動物における癌の予防または治療方法;
[19]癌が、乳癌、卵巣癌、膵臓癌、大腸癌、前立腺癌、造血器腫瘍、メラノーマ、肺癌、グリオーマ、精巣癌、子宮癌、頭頸部癌、食道癌、膀胱癌、中皮腫、胃癌、胆管癌、又は甲状腺癌である、上記[18]に記載の予防または治療方法。
[20]式(I):
[式中、
n個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、シアノ基又はニトロ基を示し;
は、フルオロアルキル基を示し;
は、水素原子、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいシクロアルキル基を示し;
は、水素原子又は置換されていてもよいアシル基を示し、Rが水素原子である場合は、式(I)は、そのチオキソ型で示される互変異性体であってもよく;および
nは、0~5の整数を示す。]
で表されるピラゾロ[3,4-d]ピリミジン誘導体又はその薬学的に許容しうる塩を哺乳動物に有効量投与することを特徴とする、哺乳動物における肺高血圧症又は勃起不全の予防または治療方法;
[21]式(I):
[式中、
n個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、シアノ基又はニトロ基を示し;
は、フルオロアルキル基を示し;
は、水素原子、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいシクロアルキル基を示し;
は、水素原子又は置換されていてもよいアシル基を示し、Rが水素原子である場合は、式(I)は、そのチオキソ型で示される互変異性体であってもよく;および
nは、0~5の整数を示す。]
で表されるピラゾロ[3,4-d]ピリミジン誘導体又はその薬学的に許容しうる塩を哺乳動物に有効量投与することを特徴とする、哺乳動物における避妊方法;
本発明の化合物(I)は、優れたヒストン脱メチル化酵素阻害活性、とりわけ、JARID1B阻害活性、を示す。それ故、本発明に係る化合物(I)からなるヒストン脱メチル化酵素阻害剤を有効成分として含む医薬は、ヒストン脱メチル化酵素の活性亢進により誘発される疾患、例えば、癌、肺性高血圧、勃起不全等、の予防又は治療に有用であり、また、男性用避妊薬としても有用である。中でも、各種癌(例えば、乳癌、卵巣癌、膵臓癌、大腸癌、前立腺癌、造血器腫瘍、メラノーマ、肺癌、グリオーマ、精巣癌、子宮癌、頭頸部癌、食道癌、膀胱癌、中皮腫、胃癌、胆管癌、甲状腺癌等)の予防又は治療に特に有用である。また、本発明の化合物(I)は、エピジェネティックス制御により抗癌作用を示すことから、癌幹細胞を枯渇化させて腫瘍を根絶することによる癌の再発防止効果にも期待がもたれる。
以下に本発明の詳細を説明する。
(定義)
本明細書中、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
本明細書中、「アルキル(基)」としては、直鎖状または分岐鎖状の炭素原子数1以上のアルキル基を意味し、特に炭素原子数範囲の限定がない場合には、好ましくは、C1-20アルキル基であり、中でも、C1-6アルキル基がより好ましく、C1-3アルキル基が特に好ましい。
本明細書中、「C1-20アルキル(基)」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1~20のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、エイコシル等が挙げられる。
本明細書中、「C1-6アルキル(基)」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1~6のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル等が挙げられる。
本明細書中、「C1-3アルキル(基)」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1~3のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル等が挙げられる。
本明細書中、「ハロアルキル(基)」は、前記「アルキル」基中の1以上の水素原子がハロゲンで置換された基を意味する。具体的には、例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2-クロロエチル、2-ブロモエチル、2-ヨードエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、4,4,4-トリフルオロブチル、5,5,5-トリフルオロペンチル、6,6,6-トリフルオロヘキシル等が挙げられる。中でも、「ハロC1-6アルキル」が好ましく、「ハロC1-3アルキル」がより好ましい。
本明細書中、「フルオロアルキル(基)」は、前記「ハロアルキル」基中のハロゲン原子がフッ素原子である基を意味する。具体的には、例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、4,4,4-トリフルオロブチル、5,5,5-トリフルオロペンチル、6,6,6-トリフルオロヘキシル等が挙げられる。中でも、フルオロC1-3アルキル(例、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル)が好ましい。
本明細書中、「シクロアルキル(基)」とは、環状アルキル基を意味し、特に炭素原子数範囲の限定がない場合には、好ましくは、C3-8シクロアルキル基である。
本明細書中、「C3-8シクロアルキル(基)」とは、炭素原子数3~8の環状アルキル基を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。中でも、C3-6シクロアルキル基が好ましい。
本明細書中、「アルコキシ(基)」とは、直鎖または分岐鎖のアルキル基が酸素原子と結合した基を意味し、特に炭素原子数範囲は限定されないが、好ましくは、C1-6アルコキシ基であり、より好ましくは、C1-3アルコキシ基である。
本明細書中、「C1-6アルコキシ(基)」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1~6のアルコキシ基を意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。中でも、C1-3アルコキシ基が好ましい。
本明細書中、「ハロアルコキシ(基)」は、前記「アルコキシ」基中の1以上の水素原子がハロゲンで置換された基を意味する。具体的には、例えば、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2-クロロエトキシ、2-ブロモエトキシ、2-ヨードエトキシ、2-フルオロエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ、3,3,3-トリフルオロプロポキシ、4,4,4-トリフルオロブトキシ、5,5,5-トリフルオロペンチルオキシ、6,6,6-トリフルオロヘキシルオキシ等が挙げられる。中でも、「ハロC1-6アルコキシ」が好ましく、「ハロC1-3アルコキシ」がより好ましい。
本明細書中、「フルオロアルコキシ(基)」は、前記「ハロアルコキシ」基中のハロゲン原子がフッ素原子である基を意味する。具体的には、例えば、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2-フルオロエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ、3,3,3-トリフルオロプロポキシ、4,4,4-トリフルオロブトキシ、5,5,5-トリフルオロペンチルオキシ、6,6,6-トリフルオロヘキシルオキシ等が挙げられる。中でも、フルオロC1-3アルコキシ(例、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ペンタフルオロエトキシ)がより好ましい。
本明細書中、「アルコキシ-カルボニル(基)」とは、前記アルコキシ基が酸素原子とカルボニル基に結合した基を意味し、特に炭素原子数範囲は限定されないが、好ましくは、C1-6アルコキシ-カルボニル基である。
本明細書中、「アルキルスルファニル(基)」とは、硫黄原子に前記「アルキル」基が結合した基を意味し、特に炭素原子数範囲は限定されないが、好ましくは、C1-6アルキルスルファニル基であり、より好ましくは、C1-3アルキルスルファニル基である。
本明細書中、「C1-6アルキルスルファニル(基)」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1~6のアルキルスルファニル基を意味し、例えば、メチルスルファニル、エチルスルファニル、プロピルスルファニル、イソプロピルスルファニル、ブチルスルファニル、イソブチルスルファニル、sec-ブチルスルファニル、tert-ブチルスルファニル、ペンチルスルファニル、イソペンチルスルファニル、ネオペンチルスルファニル、1-エチルプロピルスルファニル、へキシルスルファニル等が挙げられる。中でも、C1-3アルキルスルファニル基が好ましい。
本明細書中、「アリール(基)」とは、芳香族性を示す単環式あるいは多環式(縮合)の炭化水素基を意味し、具体的には、例えば、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、ビフェニリル、2-アンスリル、フルオレニル等のC6-14アリール基が挙げられ、中でもC6-10アリール基が好ましい。
本明細書中、「C6-10アリール(基)」とは、例えば、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチルが挙げられ、フェニル又は1-ナフチルが特に好ましい。
本明細書中、「アシル(基)」とは、アルカノイル又はアロイルを意味し、特に炭素原子数範囲は限定されないが、好ましくは、C1-7アルカノイル基又はC7-11アロイルである。
本明細書中、「C1-7アルカノイル(基)」とは、炭素原子数1~7の直鎖又は分枝鎖状のホルミル又はアルキルカルボニル(すなわち、C1-6アルキル-カルボニル)であり、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、tert-ブチルカルボニル(ピバロイル)、ヘキサノイル、ヘプタノイル等が挙げられる。中でも、好ましくは、C1-5アルカノイル(すなわち、C1-4アルキル-カルボニル)である。
本明細書中、「C7-11アロイル(基)」とは、炭素原子数7~11のアリールカルボニル(すなわち、C6-10アリール-カルボニル)であり、ベンゾイル、1-ナフトイル、2-ナフトイル等が挙げられる。中でも、好ましくは、ベンゾイルである。
本明細書中、「アシルオキシ(基)」とは、前記アルカノイル基又はアロイル基が酸素原子と結合した基を意味し、特に炭素原子数範囲は限定されないが、好ましくは、C1-5アルカノイルオキシ基又はC7-11アロイルオキシ基である。
本明細書中、「C1-5アルカノイルオキシ(基)」としては、例えば、ホルミルオキシ、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、sec-ブチルカルボニルオキシ、tert-ブチルカルボニルオキシ(ピバロイルオキシ)等が挙げられ、好ましくは、アセトキシである。
本明細書中、「C7-11アロイルオキシ(基)」としては、例えば、ベンゾイルオキシ、1-ナフトイルオキシ、2-ナフトイルオキシ等が挙げられ、好ましくは、ベンゾイルオキシである。
本明細書中、「置換されていてもよい」とは、1個以上の置換基を有していてもよいことを意味し、該「置換基」としては、(1)ハロゲン原子、(2)ヒドロキシ基、(3)カルボキシ基、(4)ニトロ基、(5)シアノ基、(6)C1-6アルコキシ-カルボニル基、(7)C3-8シクロアルキル基、(8)C1-6アルコキシ基、(9)C1-7アルカノイルオキシ基、(10)C7-11アロイルオキシ基、(11)1又は2個のアルキル基(例、C1-3アルキル基)で置換されていてもよいアミノ基、(12)ウレイド基、(13)1又は2個のアルキル基(例、C1-3アルキル基)で置換されていてもよいカルバモイル基、(14)トリC1-6アルキルシリル、(15)アジド等が挙げられる。中でも、ハロゲン原子、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、ニトロ、C1-3アルコキシ、アセトキシ等が好ましい。また、複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。「置換されていてもよい」とは、無置換または1~4個の置換基で置換されている態様を意味する。2~4置換の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
上記置換基は、さらに上記置換基で置換されていてもよい。置換基の数は、置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1~5個、より好ましくは1~3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。当該置換基はまたさらにハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ等で置換されていてもよい。置換基の数は、置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1~5個、より好ましくは1~3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
本明細書中、「その薬学的に許容しうる塩」とは、医薬として使用することができる塩を意味する。本発明の化合物(I)(若しくは化合物(II))では、酸性基又は塩基性基を有する場合に、塩基又は酸と反応させることにより、塩基との塩又は酸との塩にすることができるので、その塩を示す。
本発明の化合物(I)の薬学的に許容しうる「塩基との塩」としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;N-メチルモルホリン塩、トリエチルアミン塩、トリブチルアミン塩、ジイソプロピルエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N-メチルピペリジン塩、ピリジン塩、4-ピロリジノピリジン塩、ピコリン塩等の有機塩基塩;グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩等のアミノ酸塩等が挙げられ、好ましくは、アルカリ金属塩である。
本発明の化合物(I)の薬学的に許容しうる「酸との塩」としては、例えば、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩等のハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩等の低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩等のアリールスルホン酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩等が挙げられ、好ましくは、ハロゲン化水素酸塩(特に、塩酸塩)である。
本明細書中、「予防」には、疾患の発症の防止、及び疾患の発症の遅延が含まれる。「有効量」とは、予防目的を達成するに足る本発明の化合物(I)又はその薬学的に許容しうる塩の用量をいう。
本明細書中、「治療」には、疾患の治癒、疾患の病態(例えば1つ又は複数の症状)の改善、及び疾患(の重篤度)の進展の抑制が含まれる。「有効量」とは、治療目的を達成するに足る本発明の化合物(I)又はその薬学的に許容しうる塩の用量をいう。
本明細書中、「ヒストン脱メチル化酵素阻害剤」とは、メチル化されたヒストンリジン残基を脱メチル化する反応を触媒する酵素群を阻害するための薬剤を意味する。ヒストン脱メチル化酵素は、エピジェネティックに遺伝子の発現を制御しており、フラビン依存性の脱メチル化酵素(LSD1)とJumonji C-domainを含む脱メチル化酵素(JHDM)の二つのファミリーに分類することができる。中でも、ヒストンH3第4リジンの脱メチル化酵素であるJARID1Bは、前記したとおり、乳癌、メラノーマをはじめとする様々な癌において癌患者の予後不良因子となることが報告されており、治療抵抗性や癌幹細胞の維持に関わる酵素であることから特に重要である。また、JARID1Bは、前記したとおり、肺高血圧症、勃起不全等に関連することも報告されている。本発明の化合物(I)又はその薬学的に許容しうる塩からなるヒストン脱メチル化酵素阻害剤は、好ましくは、JARID1B阻害剤である。
本明細書中、「癌細胞スフィア形成」とは、癌幹細胞の培養により直径100μm程度の球状の細胞塊(スフィア)が形成されることを意味し、このスフィアが癌幹細胞ニッチとなって、癌細胞を増殖させることが知られている。
本明細書中、「ヒストン脱メチル化酵素の活性亢進により誘発される疾患」とは、ヒストン脱メチル化酵素の活性化によって引き起こされる疾患や症状を意味する。「ヒストン脱メチル化酵素の活性亢進により誘発される疾患」の具体例としては、JARID1Bの活性亢進により誘発される疾患、例えば、癌、肺高血圧症、勃起不全等が挙げられ、とりわけ、各種癌(例えば、乳癌、卵巣癌、膵臓癌、大腸癌、前立腺癌、造血器腫瘍、メラノーマ、肺癌、グリオーマ、精巣癌、子宮癌、頭頸部癌、食道癌、膀胱癌、中皮腫、胃癌、胆管癌、甲状腺癌等)の予防又は治療に有用である。また、ヒストン脱メチル化酵素であるJARID1Bの阻害剤が、男性に対する非ホルモン性避妊薬になり得ることも報告されている(Pharmacological Research, Vol.141, p.1-20 (2019))ことから、「ヒストン脱メチル化酵素の活性亢進により誘発される疾患」の予防には、男性に対する避妊も包含される。
本明細書中、「互変異性体」とは、ある化合物の異性体同士が互いに変換する異性化の速度が速く、どちらの異性体も共存する平衡状態に達しうるものを意味する。前記式(I)中のRが水素である化合物(I)の場合、チオエノール型の前記式(I)の構造と共に、4位がチオキソ型(下記式(I’)又は下記式(I’’))の互変異性体構造をとることが可能である。これら互変異性体は、化合物(I)が有する置換基の種類、性状(固体、液体)、化合物を取り巻く環境(溶媒、pH、温度)等によりそれらの含有比率も変化し得る。
(式中の記号は、前記と同意義である。)
本発明においては、化合物(I)の種類や製法の違いにより、互変異性体のいずれかが優先的に生成し、当該異性体を容易に単離精製できる場合もある一方で、互変異性体が混合物として共存するため、それらを異性体混合物のまま使用する場合もある。それ故、本発明において、互変異性体は、単一の異性体も、異性体の混合物(任意の含有比率の混合物)も全て同一化合物として、化合物(I)に包含される
本明細書中、「プロドラッグ」とは、加溶媒分解により又は生理学的条件下でSH基又はチオキソ(=S)に変換されうる基(アシルスルファニル基)を有する化合物である。プロドラッグを形成するアシル基としては、例えば、Prog. Med., 1985, vol.5, p.2157-2161や、「医薬品の開発」(廣川書店、1990年), 第7巻 分子設計, p.163-198に記載の基が挙げられる。
(本発明の化合物(I))
本発明の化合物(I)は、下記式(I):
[式中、
n個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、シアノ基又はニトロ基を示し;
は、フルオロアルキル基を示し;
は、水素原子、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいシクロアルキル基を示し;
は、水素原子又は置換されていてもよいアシル基を示し、Rが水素原子である場合は、式(I)は、そのチオキソ型で示される互変異性体であってもよく;および
nは、0~5の整数を示す。]
で表されるピラゾロ[3,4-d]ピリミジン誘導体(化合物(I))、又はその薬学的に許容しうる塩である。
以下、化合物(I)の各基について説明する。
n個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基又はニトロ基を表す。
n個のRは、好ましくは、それぞれ独立して、ハロゲン原子又はハロアルコキシ基であり、より好ましくは、ハロゲン原子又はハロC1-3アルコキシ基であり、特に好ましくは、m位で置換された、ハロゲン原子又はトリフルオロメトキシ基である。
n個のRの別の好ましい態様は、ハロアルキルスルファニル基であり、より好ましくは、ハロC1-3アルキルスルファニル基であり、特に好ましくは、m位で置換された、トリフルオロメチルスルファニル基である。
nは、0~5の整数を表す。
nは、好ましくは、1又は2であり、より好ましくは、1である。
は、フルオロアルキル基を表す。
は、好ましくは、フルオロC1-3アルキル基であり、より好ましくは、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基又はペンタフルオロエチル基である。
は、水素原子、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいシクロアルキル基を表す。
は、好ましくは、水素原子又はC1-3アルキル基であり、より好ましくは、水素原子、メチル基又はエチル基である。
は、水素原子又は置換されていてもよいアシル基を表す。
は、好ましくは、水素原子又はC1-5アルカノイル基(例、アセチル、プロピオニル、イソブチリル)であり、より好ましくは、水素原子である。ここで、Rが水素原子である場合は、前記式(I)は、そのチオキソ型で示される前記式(I’)又は式(I’’)で表される互変異性体であってもよい。
化合物(I)としては、以下の化合物が好適である。
[化合物(IA)]
n個のRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子又はハロアルコキシ基であり、
nが、1又は2であり、
が、フルオロC1-3アルキル基であり、
が、水素原子又はC1-3アルキル基であり、且つ
が、水素原子又はC1-5アルカノイル基である、化合物(I)又はその薬学的に許容しうる塩。
より好適な化合物(I)は、以下の化合物である。
[化合物(IB)]
n個のRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子又はハロC1-3アルコキシ基であり、
nが、1又は2であり、
が、フルオロC1-3アルキル基であり、
が、水素原子又はメチル基であり、且つ
が、水素原子又はC1-5アルカノイル基(例、アセチル、プロピオニル、イソブチリル)である、化合物(I)又はその薬学的に許容しうる塩。
更に好適な化合物(I)は、以下の化合物である。
[化合物(IC)]
n個のRが、m位で置換された、ハロゲン原子又はトリフルオロメトキシ基基であり、
nが、1であり、
が、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基又はペンタフルオロエチル基であり、
が、水素原子又はメチル基であり、且つ
が、水素原子である、化合物(I)又はその薬学的に許容しうる塩。
別の好適な化合物(I)としては、以下の化合物が挙げられる。
[化合物(ID)]
n個のRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ハロアルコキシ基又はハロアルキルスルファニル基であり、
nが、1又は2であり、
が、フルオロC1-3アルキル基であり、
が、水素原子又はC1-3アルキル基であり、且つ
が、水素原子又はC1-5アルカノイル基である、化合物(I)又はその薬学的に許容しうる塩。
別のより好適な化合物(I)は、以下の化合物である。
[化合物(IE)]
n個のRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ハロC1-3アルコキシ基又はハロC1-3アルキルスルファニル基であり、
nが、1又は2であり、
が、フルオロC1-3アルキル基であり、
が、C1-3アルキル基であり、且つ
が、水素原子又はC1-5アルカノイル基(例、アセチル、プロピオニル、イソブチリル)である、化合物(I)又はその薬学的に許容しうる塩。
別の更に好適な化合物(I)は、以下の化合物である。
[化合物(IF)]
n個のRが、m位で置換された、ハロゲン原子、トリフルオロメトキシ基又はトリフルオロメチルスルファニル基であり、
nが、1であり、
が、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基又は2,2,2-トリフルオロエチル基であり、
が、メチル基又はエチル基であり、且つ
が、水素原子である、化合物(I)又はその薬学的に許容しうる塩。
好適な化合物(I)の具体例は、後述する実施例1~37の化合物(化合物(I-1)~化合物(I-36))、又はそれらの薬学的に許容しうる塩である。
より好適な化合物(I)の具体例は、後述する実施例の化合物のうち、化合物(I-1)~化合物(I-14)、化合物(I-16)~化合物(I-24)、化合物(I-26)、化合物(I-28)~化合物(I-33)、化合物(I-35)又は化合物(I-36)、或いはそれらの薬学的に許容しうる塩である。
特に好適な化合物(I)の具体例は、後述する実施例の化合物のうち、化合物(I-2)~化合物(I-4)、化合物(I-6)、化合物(I-8)~化合物(I-14)、化合物(I-16)、化合物(I-18)~化合物(I-23)、化合物(I-28)~化合物(I-33)、化合物(I-35)又は化合物(I-36)、或いはそれらの薬学的に許容しうる塩である。
本発明において、式(I)中のRが置換されていてもよいアシル基である化合物(I)は、Rが水素原子である化合物(I)のプロドラッグとして作用し得ると考えられる。
(本発明の化合物(I)の合成)
以下、本発明の化合物(I)の製造法について説明する。
化合物(I)の製造法の例として、代表的な製造法を以下に述べるが、製造法はこれらに限定されない。
化合物(I)(例えば、後述する実施例に記載の化合物(I-1)~化合物(I-36))は、下記の製造法で示される方法、後述する実施例、又はそれらに準じた方法等により製造することが可能である。
各原料化合物は、反応を阻害しないのであれば、塩を形成していてもよく、かかる塩としては、化合物(I)の塩と同様のものが挙げられる。
原料化合物は具体的製法を述べない場合、市販されているものを容易に入手して用いることができるか、又は自体公知の方法(例、Cheng, G.C. et al., J. Org. Chem. , 1956, 21, 1240-1256、Markwalder, J.A. et al., J. Med. Chem., 2004, 47, 5894-5911)、又はそれに準ずる方法に従って製造することができる。また以下の製造法において生成する中間体はカラムクロマトグラフィー、再結晶、蒸留等の方法で単離精製してもよく、あるいは単離せずに次の工程に用いても良い。
以下にその反応式の略図を示すが、略図中の化合物の各記号は前記と同義を示す。
[製造法]
本製造法は、化合物(1)を酸処理することにより化合物(2)に変換した後、塩基及び化合物(3)の共存下、加熱還流することにより化合物(4)を得、硫化し、必要に応じてアシル化反応に付すことにより、本発明の化合物(I)を得る方法である。
化合物(1)は、前記した自体公知の方法若しくはこれらに準じた方法で製造することができる。
(式中、Rは、アルキル基(例、メチル、エチル)又はシクロアルキル基であり、その他の記号は前記と同意義である。)
(工程1)
本工程は、化合物(1)を酸で処理することにより、化合物(2)を製造する工程である。
使用する酸としては、特に限定されないが、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。中でも、濃硫酸が好ましい。
酸の使用量は、化合物(1)1モルに対して、通常5~20モル使用することができ、好ましくは10~15モルである。
本反応は、酸を反応剤兼溶媒として使用することができるが、必要に応じて反応に影響を及ぼさない溶媒中で行なうこともできる。反応溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。中でも、無溶媒で行うのが好ましい。
反応温度は、通常-10℃~40℃、好ましくは0℃~20℃であり、反応時間は、通常0.5~6時間程度である。
(工程2)
本工程は、化合物(2)を、塩基と化合物(3)の共存下で加熱還流することにより、化合物(4)を製造する工程である。
化合物(3)としては、特に限定されないが、市販品として入手が容易なトリフルオロ酢酸エチル、ジフルオロ酢酸エチル、ペンタフルオロプロピオン酸エチル等を好適に使用することができる。
化合物(3)の使用量は、化合物(2)1モルに対して、通常1.5~5モル使用することができ、好ましくは3モルである。
使用する塩基としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム tert-ブトキシド、ナトリウム tert-ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属等が挙げられる。中でも、ナトリウムメトキシドが好ましい。
塩基の使用量は、化合物(2)1モルに対して、通常3~10モル使用することができ、好ましくは4~6モルである。
本反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中で行なうことができる。反応溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。
反応温度は、室温下で化合物(2)、化合物(3)及び塩基を混合した後、使用する反応溶媒の沸点付近まで昇温し、加熱還流を行う。加熱還流(反応)時間は、通常1.5~6時間程度である。
(工程3)
本工程は、化合物(4)を、硫化剤で処理することにより、本発明の化合物(I)(前記式(I)中のRが水素原子である。)を製造する工程である。
硫化剤としては、特に限定されないが、例えば、ローソン試薬や五硫化二リン等が挙げられ、ローソン試薬が好ましい。
硫化剤の使用量は、化合物(4)1モルに対して通常1~5モル、好ましくは1~2モルである。
本反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中で行なうことができる。反応溶媒としては、特に限定されないが、例えば、トルエン、1,2-ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等が挙げられる。
反応温度は、反応溶媒の沸点付近まで昇温し、加熱還流を行う。加熱還流(反応)時間は、通常1~6時間程度である。
(工程4)
本工程は、化合物(4)を、塩化ホスホリル(POCl)で処理することにより、化合物(5)を製造する工程である。
塩化ホスホリルの使用量は、化合物(4)1モルに対して、通常5~100モル使用することができ、好ましくは10~50モルである。
本反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中で行なうことができる。反応溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。
反応温度は、通常50℃~120℃、好ましくは80℃~100℃であり、反応時間は、通常0.5~2時間程度である。
(工程5)
本工程は、化合物(5)を、チオ尿素(NHCSNH)と反応させることにより、化合物(I)を製造する工程である。
チオ尿素の使用量は、化合物(5)1モルに対して、通常1~5モル使用することができ、好ましくは1~2モルである。
本反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中で行なうことができる。反応溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類、又はそれらと水との混合溶媒(含水アルコール類)等が挙げられる。
反応温度は、通常50℃~120℃、好ましくは80℃~100℃であり、反応時間は、通常0.5~2時間程度である。
(工程6)
本工程は、化合物(I) (前記式(I)中のRが水素原子である。)を、アシル化剤で処理(アシル化)することにより、本発明の化合物(I)(前記式(I)中のRが置換されていてもよいアシル基である。)を製造する工程である。
アシル化剤としては、特に限定されないが、例えば、塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化イソブチリル等が挙げられ、塩化プロピオニル又は塩化イソブチリルが好ましい。
アシル化剤の使用量は、化合物(I) (Rが水素原子の化合物)1モルに対して通常1~3モル、好ましくは1.5~2モルである。
本反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中で行なうことができる。反応溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
反応温度は、通常0℃~室温、好ましくは室温であり、反応時間は、通常0.5~4時間程度である。
上記のような製造方法により得られた化合物(I)は、例えば、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等の通常の分離手段により単離、精製することができる。
本発明の化合物(I)又はその薬学的に許容しうる塩が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体を含有する場合には、これら全ての異性体、及びいずれの比率のこれら異性体混合物をも化合物(I)として包含される。また、これら異性体は、自体公知の合成手法、分離手法(濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶等)によりそれぞれを単品として得ることができる。化合物(I)に光学異性体が存在する場合には、該化合物から分割された光学異性体も化合物(I)に包含される。また、本発明の化合物(I)は、ラベル体、すなわち、本発明の化合物(I)を構成する1又は2以上の原子を同位元素(例えば、H、H、11C、13C、14C、15N、18O、18F、35S等)で標識された化合物も包含される。
光学異性体は自体公知の方法により製造することができる。具体的には、光学活性な合成中間体を用いる、又は、最終物のラセミ体を常法(例えば、J.Jacquesらの、「Enantiomers, Racemates and Resolution, John Wiley And Sons,Inc.」等参照)に従って光学分割することにより光学異性体を得ることができる。
本発明の化合物(I)又はその薬学的に許容しうる塩は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であっても化合物(I)に包含される。結晶は、自体公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。
本発明の化合物(I)又はその薬学的に許容しうる塩には、それらの溶媒和物も包含され得る。化合物(I)、又はその薬学的に許容しうる塩には、それらの溶媒和物とは、化合物(I)又はその塩に、溶媒の分子が配位したものであり、水和物も包含される。例えば、化合物(I)またはその塩の水和物、エタノール和物、ジメチルスルホキシド和物等が挙げられる。
本発明の化合物(I)又はその薬学的に許容しうる塩は、後述する試験例に示されるように、優れたヒストン脱メチル化酵素JARID1B阻害作用を示すことから、ヒストン脱メチル化酵素阻害剤、とりわけ、ヒストン脱メチル化酵素JARID1Bの阻害剤、として好適に使用することができる。
本発明の化合物(I)又はその薬学的に許容しうる塩からなるヒストン脱メチル化酵素阻害剤は、ヒストン脱メチル化酵素(特に、JARID1B)の活性亢進により誘発される疾患(例えば、癌(例、乳癌、卵巣癌、膵臓癌、大腸癌、前立腺癌、造血器腫瘍、メラノーマ、肺癌、グリオーマ、精巣癌、子宮癌、頭頸部癌、食道癌、膀胱癌、中皮腫、胃癌、胆管癌、甲状腺癌等)、肺高血圧症、勃起不全等)や症状の治療及び/又は予防に特に有用である。また、本発明のヒストン脱メチル化酵素阻害剤は、JARID1B阻害作用に関連する非ホルモン性男性避妊にも有用である。
本発明の化合物(I)又はその薬学的に許容しうる塩は、後述する試験例に示されるように、癌幹細胞性の指標として広く用いられている癌細胞スフィア形成を抑制する効果を示す。それ故、本発明の化合物(I)又はその薬学的に許容しうる塩からなるヒストン脱メチル化酵素阻害剤は、癌幹細胞を枯渇化して、腫瘍を根絶することも可能である。
本発明の化合物(I)又はその薬学的に許容しうる塩からなるヒストン脱メチル化酵素阻害剤を有効成分として含有してなる医薬(以下、「本発明の医薬」と称することもある。)は、当該ヒストン脱メチル化酵素阻害剤のみからなる医薬、又は当該ヒストン脱メチル化酵素阻害剤と医薬上許容される担体等を配合した医薬のいずれでもよい。本発明の医薬は、その予防有効量又は治療有効量を哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト等)に投与することができる。
医薬上許容される担体としては、例えば、賦形剤(例えば、デンプン、乳糖、砂糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等)、結合剤(例えば、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク等)、崩壊剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、タルク等)、溶剤(例えば、注射用水、生理的食塩水、リンゲル液、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油等)、溶解補助剤(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、懸濁化剤(例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子;ポリソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトール、D-ソルビトール、ブドウ糖等)、緩衝剤(例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等)、無痛化剤(例えば、ベンジルアルコール等)、防腐剤(例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等)、抗酸化剤(例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸塩等)、着色剤(例えば、水溶性食用タール色素(例、食用赤色2号及び3号、食用黄色4号及び5号、食用青色1号及び2号等の食用色素)、水不溶性レーキ色素(例、前記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩)、天然色素(例、β-カロチン、クロロフィル、ベンガラ)等)、甘味剤(例えば、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム、ステビア等)等が挙げられる。
本発明の医薬は、上記諸成分を混合した後、混合物を自体公知の手段に従い、例えば、錠剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、ドライシロップ等の経口投与用、または注射剤(例えば、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤、点滴剤等)、外用剤(例、経皮吸収型製剤、軟膏剤、ローション剤、貼付剤)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤)、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等の非経口投与用の製剤とすることができる。
本発明の医薬としては、中でも、錠剤等の経口投与用の製剤が好ましい。
本発明の医薬(製剤)中の本発明の化合物(I)、又はその薬学的に許容しうる塩の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01~100重量%の範囲であり、好ましくは約0.1~50重量%の範囲であり、さらに好ましくは約0.5~20重量%程度の範囲である。
本発明の化合物(I)、又はその薬学的に許容しうる塩の投与量は、投与対象、疾患、症状、剤形、投与ルート等により異なるが、例えば、ヒトの場合、成人の患者(体重約60kg)に経口投与する場合、1日あたり、有効成分である化合物(I)に換算すると通常0.1mg~1g、好ましくは30mg~900mgを、1日1回から数回に分けて投与することができ、食前、食後、食間を問わない。投与期間は特に限定されない。
本発明の化合物(I)、又はその薬学的に許容しうる塩は、その薬効を損なわない限り、他の薬剤(併用薬)、例えば、既存の抗癌剤等、と併用することができる。この際、投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。また、本発明の化合物(I)と併用薬とを組み合わせて含有する単一の製剤として投与することもできる。
併用薬の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明の化合物またはその薬学的に許容しうる塩等と併用薬の配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、併用薬の種類等に応じて適宜選択することができる。
本発明の化合物(I)、又はその薬学的に許容しうる塩を、癌の治療及び/又は予防に使用する際の併用薬としては、例えば、化学療法剤、ホルモン療法剤、分子標的薬(上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬)、癌細胞を標的とする抗体―薬物複合体(ADC)、腫瘍溶解ウイルス製剤等が挙げられる。
「化学療法剤」としては、例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物由来抗癌剤等が用いられる。
「アルキル化剤」としては、例えば、ナイトロジェンマスタード、塩酸ナイトロジェンマスタード-N-オキシド、クロラムブチル、シクロフォスファミド、イホスファミド、チオテパ、カルボコン、トシル酸インプロスルファン、ブスルファン、塩酸ニムスチン、ミトブロニトール、メルファラン、ダカルバジン、ラニムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウム、トリエチレンメラミン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ピポブロマン、エトグルシド、カルボプラチン、シスプラチン、ミボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、アルトレタミン、アンバムスチン、塩酸ジブロスピジウム、フォテムスチン、プレドニムスチン、プミテパ、リボムスチン、テモゾロミド、トレオスルファン、トロフォスファミド、ジノスタチンスチマラマー、アドゼレシン、システムスチン、ビゼレシン、及びそれらのDDS製剤等が用いられる。
「代謝拮抗剤」としては、例えば、メルカプトプリン、6-メルカプトプリンリボシド、チオイノシン、メトトレキサート、ペメトレキセド、エノシタビン、シタラビン、シタラビンオクフォスファート、塩酸アンシタビン、5-FU系薬剤(例、フルオロウラシル、テガフール、UFT、ドキシフルリジン、カルモフール、ガロシタビン、エミテフール、カペシタビン)、アミノプテリン、ネルザラビン、ロイコボリンカルシウム、タブロイド、ブトシン、フォリネイトカルシウム、レボフォリネイトカルシウム、クラドリビン、エミテフール、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、ピリトレキシム、イドキシウリジン、ミトグアゾン、チアゾフリン、アンバムスチン、ベンダムスチン、及びそれらのDDS製剤等が用いられる。
「抗癌性抗生物質」としては、例えば、アクチノマイシンD、アクチノマイシンC、マイトマイシンC、クロモマイシンA3、塩酸ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ピラルビシン、塩酸エピルビシン、ネオカルチノスタチン、ミスラマイシン、ザルコマイシン、カルチノフィリン、ミトタン、塩酸ゾルビシン、塩酸ミトキサントロン、塩酸イダルビシン、及びそれらのDDS製剤等が用いられる。
「植物由来抗癌剤」としては、例えば、カンプトテシン、イリノテカン、エトポシド、リン酸エトポシド、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、テニポシド、パクリタキセル、ドセタクセル、ビノレルビン、及びそれらのDDS製剤等が用いられる。
「ホルモン療法剤」としては、例えば、ホスフェストロール、ジエチルスチルベストロール、クロロトリアニセン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、酢酸クロルマジノン、酢酸シプロテロン、ダナゾール、アリルエストレノール、ゲストリノン、メパルトリシン、ラロキシフェン、オルメロキシフェン、レボルメロキシフェン、抗エストロゲン(例、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン)、ピル製剤、メピチオスタン、テストロラクトン、アミノグルテチイミド、LH-RHアゴニスト(例、酢酸ゴセレリン、ブセレリン、リュープロレリン)、ドロロキシフェン、エピチオスタノール、スルホン酸エチニルエストラジオール、アロマターゼ阻害薬(例、塩酸ファドロゾール、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン、ボロゾール、フォルメスタン)、抗アンドロゲン(例、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド)、5α-レダクターゼ阻害薬(例、フィナステリド、エプリステリド)、副腎皮質ホルモン系薬剤(例、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、トリアムシノロン)、アンドロゲン合成阻害薬(例、アビラテロン)、レチノイド及びレチノイドの代謝を遅らせる薬剤(例、リアロゾール)、並びにそれらのDDS製剤等が用いられる。
「分子標的薬」としては、例えば、トシツモマブ、イブリツモマブ、アレムツズマブ、アキシチニブ、ベバシズマブ、アファチニブ、ボルテゾミブ、ボスチニブ、カルフィルゾミブ、セツキシマブ、ダサチニブ、デノスマブ、エドレコロマブ、エルロチニブ、エベロリムス、ビスモデギブ、ゲフィチニブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、イマチニブ、イピリムマブ、ラパチニブ、レナリドミド、ニロチニブ、ニモツズマブ、オラパリブ、パニツムマブ、パゾパニブ、ペルツズマブ、リツキシマブ、シルツキシマブ、ソラフェニブ、スニチニブ、タミバロテン、テムシロリムス、サリドマイド、トラスツズマブ、トレチノイン、バンデタニブ、ボリノスタット、カボザンチニブ、トラメチニブ、ダブラフェニブ、アレクチニブ、セリチニブ、イブルチニブ、パルボシクリブ、レゴラフェニブ、ピララリシブ、及びそれらのDDS製剤等が用いられる。
癌細胞を標的とする抗体-薬物複合体(ADC)としては、例えば、トラスツズマブデルクステカン(DS-8201)、及びそのDDS製剤等が用いられる。
腫瘍溶解ウイルス製剤としては、例えば、テロメライシン、及びそのDDS製剤等が用いられる。
また、本発明の化合物(I)、又はその薬学的に許容しうる塩を、肺高血圧症や勃起不全の治療及び/又は予防に使用する際の併用薬としては、例えば、ホスホジエステラーゼ5阻害剤(例、シルデナフィル)、グアニル酸シクラーゼ阻害剤(例、リオシグアト)、及びそれらのDDS製剤等が挙げられる。
以下に、参考例、実施例、試験例及び製剤例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、実施例及び試験例により限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。また、本発明において使用する試薬や装置、材料は特に言及されない限り、商業的に入手可能である。
%は、収率についてはmol/mol%を示し、その他については特記しない限り、重量%を示す。また、室温とは、特記しない限り、15℃から30℃の温度を示す。その他の本文中で用いられている略号は下記の意味を示す。
s:シングレット
d:ダブレット
t:トリプレット
q:カルテット
m:マルチプレット
br:ブロード
dd:ダブルダブレット
dt:ダブルトリプレット
tt:トリプルトリプレット
J:カップリング定数
CDCl3:重クロロホルム
DMSO-d6:重ジメチルスルホキシド
1H-NMR:プロトン核磁気共鳴
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
1H-NMRスペクトルは、DMSO-d6又はCDCl3中で測定し、全δ値をppmで示した。
下記実施例で使用した原料化合物である化合物(2a)~化合物(2j)は、公知化合物であり、文献(Cheng, G.C. et al., J. Org. Chem. , 1956, 21, 1240-1256、Markwalder, J.A. et al., J. Med. Chem., 2004, 47, 5894-5911)に記載の方法に従って、対応するカルボニトリル体(化合物(1a)~化合物(1j))から合成、同定したものを使用した。
参考例1
5-アミノ-1-(3-ブロモフェニル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2a))
濃硫酸(8 mL, 150 mmol)をナス型フラスコに入れて、氷冷下で撹拌しながら、5-アミノ-1-(3-ブロモフェニル)-1H-ピラゾール-4-カルボニトリル(化合物(1a))(2.83 g, 10.7 mmol)を少しずつ硫酸中に加えた。反応液を氷冷下で15分間撹拌した後に室温まで昇温して、さらに1時間撹拌した。反応液を氷水に注いで、2N水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH 4.0に調整した。析出した結晶を集めて、水洗し、乾燥することにより、化合物(2a)(2.998 g)を結晶性粉末として得た(収率 99%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 6.54 (2H, br s), 6.92, 7.48(each 1H, br s), 7.51 (1H, t, J=8.5Hz), 7.58-7.68 (2H, m), 7.79 (1H, t, J=2.0Hz), 7.97 (1H,s).
参考例2
5-アミノ-1-[(3-トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2b))
参考例1において、化合物(1a)に代えて、5-アミノ-1-[(3-トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-カルボニトリル(化合物(1b))(1.00 g, 3.72 mmol)を用いることにより、化合物(2b)(0.998 g)を結晶性粉末として得た(収率 94%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 6.58(2H, s), 6.96, 7.50 (each 1H, br s), 7.40-7.46 (1H, m), 7.60 (1H, s), 7.66-7.74 (2H, m), 7.99(1H,s).
参考例3
5-アミノ-1-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2c))
参考例1において、化合物(1a)に代えて、5-アミノ-1-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボニトリル(化合物(1c))(1.73 g, 8.0 mmol) (1.00 g, 3.72 mmol)を用いることにより、化合物(2c)(1.78 g)を結晶性粉末として得た(収率 95%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.35 (3H, s), 6.58 (2H, s), 6.78 (2H, br), 7.18-7.28 (1H, m), 7.38-7.48 (2H, m), 7.52-7.74 (1H, m).
参考例4
5-アミノ-1-(3-クロロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2d))
参考例1において、化合物(1a)に代えて、5-アミノ-1-(3-クロロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボニトリル(化合物(1d))(1.03 g, 4.0 mmol)を用いることにより、化合物(2d)(1.009 g)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.54 (3H, s), 6.58 (2H, s), 6.60-6.90 (2H, br), 7.45 (1H, dt, J=2.0, 7.5 Hz), 7.53-7.60 (2H, m), 7.64 (1H, t, J=2.0 Hz).
参考例5
1,5-ジヒドロ-1-フェニル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4a))
5-アミノ-1-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2e))(405 mg, 2.0 mmol)をエタノール(3 mL)に懸濁してトリフルオロ酢酸エチル(化合物(3a))(0.72 mL, 6.0 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(2.4 mL, 12.0 mmol)を加えて、油浴中で4時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して、氷水 15 mLを加えて撹拌しながら6N塩酸と1N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4a)(532mg)を結晶性粉末として得た(収率94%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.49 (1H, t, J=7.5 Hz), 7.65 (2H, dt, J=2.0, 7.5 Hz), 8.03 (1H, dd, J=2.0, 8.0 Hz), 8.53 (1H, s).
参考例6
1,5-ジヒドロ-1-(3-フルオロフェニル)-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4b))
5-アミノ-1-(3-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2f))(881 mg, 4.0 mmol)をイソプロパノール(4.8 mL)に懸濁してトリフルオロ酢酸エチル(化合物(3a))(1.43 mL, 12.0 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(4.8 mL, 24.0 mmol)を加えて、油浴中で2.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水20 mLを加えて撹拌しながら6N塩酸と1N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4b)(1.148 g)を結晶性粉末として得た(収率96%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.36 (1H, dt, J=2.8, 8.4Hz), 7.65-7.76 (1H, m), 7.95 (1H, dt, J=2.0, 8.4 Hz), 8.57 (1H, s), 14.10 (1H, br).
参考例7
1-(3-クロロフェニル)-1,5-ジヒドロ-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4c))
5-アミノ-1-(3-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2g))(710 mg, 3.0 mmol)をイソプロパノール(3.6 mL)に懸濁してトリフルオロ酢酸エチル(化合物(3a))(1.07 mL, 9.0 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(3.6 mL, 18.0 mmol)を加えて、油浴中で2.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 15 mLを加えて撹拌しながら6N塩酸と1N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4c)(894 mg)を結晶性粉末として得た(収率94%)。
1H-NMR (DMSO-d6)δ: 7.54 (1H, d, J=8.0 Hz), 7.67 (1H, t, J=8.0 Hz), 8.07 (1H, d, J=8.0 Hz), 8.15 (1H, t, J=1.5 Hz), 8.55 (1H, s).
参考例8
1-(3-ブロモフェニル)-1,5-ジヒドロ-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4d))
5-アミノ-1-(3-ブロモフェニル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2a))(282 mg, 1.0 mmol)をイソプロパノール(1.2 mL)に懸濁してトリフルオロ酢酸エチル(化合物(3a))(0.48 mL, 4.0 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(1.6 mL, 8.0 mmol)を加えて、油浴中で3.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLを加えて撹拌しながら6N塩酸と1N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4d)(335 mg)を結晶性粉末として得た(収率93%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.54 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.61 (1H, dt, J=2.0, 8.0 Hz), 8.03 (1H, dt, J=2.0, 8.0 Hz), 8.22 (1H, t, J=2.0 Hz), 8.48 (1H, s).
参考例9
1,5-ジヒドロ-1-(3-ヨードフェニル)-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4e))
5-アミノ-1-(3-ヨードフェニル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2h))(328 mg, 1.0 mmol)をイソプロパノール(1.5 mL)に懸濁してトリフルオロ酢酸エチル(化合物(3a))(0.36 mL, 3.0 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(1.2 mL, 6.0 mmol)を加えて、油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 15 mLを加えて撹拌しながら6N塩酸と1N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4e)(361 mg)を結晶性粉末として得た(収率88%)。
1H-NMR (DMSO-d6)δ: 7.45 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.85 (1H, d, J=8.0 Hz), 8.11 (1H, dd, J=1.5, 8.0 Hz), 8.46 (1H, t, J=1.5 Hz), 8.54 (1H, s).
参考例10
1,5-ジヒドロ-1-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4f))
5-アミノ-1-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2b))(287 mg, 1.0 mmol)をイソプロパノール(1.5 mL)に懸濁してトリフルオロ酢酸エチル(化合物(3a))(0.36 mL, 3.0 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(1.2 mL, 6.0 mmol)を加えて、油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLを加えて撹拌しながら6N塩酸と1N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4f)(340 mg)を結晶性粉末として得た(収率93%)。
1H-NMR (DMSO-d6)δ: 7.52 (1H, d, J=8.0 Hz), 7.81 (1H, t, J= 8.0 Hz), 8.17 (1H, d, J=8.0 Hz), 8.18 (1H, s), 8.60 (1H, s).
参考例11
6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-1-フェニル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4g))
5-アミノ-1-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2e))(203 mg, 1.0 mmol)をイソプロパノール(1.5 mL)に懸濁してジフルオロ酢酸エチル(化合物(3b))(0.32 mL, 3.0 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(1.2 mL, 6.0 mmol)を加えて、油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLを加えて撹拌しながら6N塩酸と1N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0とする。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4g)(260 mg)を結晶性粉末として得た(収率99%)。
1H-NMR (DMSO-d6)δ: 6.93 (1H, t, J=53.5 Hz), 7.48 (1H, t, J=7.5 Hz), 7.63 (2H, t, J=7.5 Hz), 8.05 (2H, d, J=7.5 Hz), 8.46 (1H, s), 13.30 (1H, s).
参考例12
6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-1-(3-フルオロフェニル)-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4h))
5-アミノ-1-(3-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2f))(221 mg, 1.0 mmol)をイソプロパノール(1.5 mL)に懸濁してジフルオロ酢酸エチル(化合物(3b))(0.32 mL, 3.0 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(1.2 mL, 6.0 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLを加えて、撹拌しながら6N塩酸と1N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4h)(257 mg)を結晶性粉末として得た(収率91%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 6.96 (1H, t, J=52.5 Hz), 7.33 (1H, dt, J=2.0, 8.5 Hz), 7.65-7.72 (1H, m), 7.95-8.04 (2H, m), 8.50 (1H, s), 13.39 (1H, s).
参考例13
1-(3-クロロフェニル)-6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4i))
5-アミノ-1-(3-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2g))(237 mg, 1.0 mmol)をイソプロパノール(1.5 mL)に懸濁してジフルオロ酢酸エチル(化合物(3b))(0.32 mL, 3.0 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(1.2 mL, 6.0 mmol)を加えて、油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 15 mLを加えて、撹拌しながら6N塩酸と1N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより化合物(4i)(284 mg)を結晶性粉末として得た(収率95%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 6.95 (1H, t, J=52.5 Hz), 7.55 (1H, dd, J=1.5, 8.0 Hz), 7.67 (1H, t, J=8.0 Hz), 8.09 (1H, dd, J=1.5, 8.0 Hz), 8.18 (1H, t, J=1.5 Hz), 8.49(1H,s).
参考例14
1-(3-ブロモフェニル)-6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4j))
5-アミノ-1-(3-ブロモフェニル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2a))(282 mg, 1.0 mmol)をイソプロパノール(1.5 mL)に懸濁してジフルオロ酢酸エチル(化合物(3b))(0.32 mL, 3.0 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(1.2 mL,6.0 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLを加えて、撹拌しながら6N塩酸と1N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4j)(320 mg)を結晶性粉末として得た(収率93%)。
1H-NMR (DMSO-d6)δ: 6.95 (1H, t, J=53.0 Hz), 7.60 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.68 (1H, dd, J=2.0, 8.0 Hz), 8.13 (1H, dd. J=2.0, 8.0 Hz), 8.31 (1H, t, J=2.0 Hz), 8.49 (1H, s), 13.38 (1H, s).
参考例15
6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-1-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4k))
5-アミノ-1-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2b))(180 mg, 0.62 mmol)をイソプロパノール(1.5 mL)に懸濁してジフルオロ酢酸エチル(化合物(3b))(0.23 mL, 1.86 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(0.75 mL, 3.72 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLを加えて、撹拌しながら1N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整し、酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた結晶性残留物にヘキサン:酢酸エチル(3:1)を加えて結晶をろ取し、乾燥することにより、化合物(4k)(187 mg)を結晶性粉末として得た(収率87%)。
1H-NMR (DMSO-d6)δ: 6.95 (1H, t, J=52.8 Hz), 7.50 (1H, dd, J=1.2, 8.0 Hz), 7.79 (1H, t, J=8.0 Hz), 8.15-8.25 (2H, m), 8.53 (1H, s), 13.41(1H, s).
参考例16
1,5-ジヒドロ-6-ペンタフルオロエチル-1-フェニル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4m))
5-アミノ-1-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2e))(203 mg, 1.0 mmol)をイソプロパノール(1.5 mL)に懸濁してペンタフルオロプロピオン酸エチル(化合物(3c))(0.44 mL, 3.0 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(1.2 mL, 6.0 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLを加えて、撹拌しながら6N塩酸と1N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4m)(143 mg)を結晶性粉末として得た(収率43%)。
1H-NMR (DMSO-d6)δ: 7.48 (1H, t, J=7.5 Hz), 7.64 (2H, t, J=7.5 Hz), 8.04 (2H, d, J=7.5 Hz), 8.55 (1H, s), 14.05 (1H, br s).
参考例17
1,5-ジヒドロ-1-(3-フルオロフェニル)-6-ペンタフルオロエチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4n))
5-アミノ-1-(3-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2f))(331 mg, 1.5 mmol)をイソプロパノール(2.0 mL)に懸濁してペンタフルオロプロピオン酸エチル(化合物(3c))(0.67 mL, 4.5 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(0.9 mL, 4.5 mmol)を加えて油浴中で2.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 15 mLを加えて、撹拌しながら6N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、続いてヘキサン/酢酸エチル(2:1)で洗浄し、乾燥することにより、化合物(4n)(394 mg)を結晶性粉末として得た(収率75%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.32 (1H, tt, J=1.6, 8.4 Hz), 7.62-7.72 (1H, m), 7.90-8.00 (2H, m), 8.56 (1H, s).
参考例18
1-(3-クロロフェニル)-1,5-ジヒドロ-6-ペンタフルオロエチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4p))
5-アミノ-1-(3-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2g))(237 mg, 1.0 mmol)をイソプロパノール(1.5 mL)に懸濁してペンタフルオロプロピオン酸エチル(化合物(3c))(0.444 mL, 3.0 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(1.2 mL, 6.0 mmol)を加えて油浴中で2.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 15 mLを加えて、撹拌しながら1N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整し、酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた結晶性残留物にヘキサン/酢酸エチル(3:1)を加えて結晶をろ取し、乾燥することにより、化合物(4p)(196 mg)を結晶性粉末として得た(収率53%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.54 (1H, dt, J=2.0, 8.0 Hz), 7.70 (1H, t, J=8.0 Hz), 8.06 (1H, dt, J=2.0, 8.0 Hz), 8.20 (1H, t, J=2.0 Hz), 8.57(1H, s).
参考例19
1-(3-ブロモフェニル)-1,5-ジヒドロ-6-ペンタフルオロエチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4q))
5-アミノ-1-(3-ブロモフェニル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2a))(282 mg, 1.0 mmol)をイソプロパノール(1.5 mL)に懸濁してペンタフルオロプロピオン酸エチル(化合物(3c))(0.45 mL, 3.0 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(1.2 mL, 6.0 mmol)を加えて油浴中で2.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 15 mLを加えて、撹拌しながら1N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整し、酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で2回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた結晶性残留物にヘキサン/酢酸エチル(3:1)を加えて結晶をろ取し、乾燥することにより、化合物(4q)(293 mg)を結晶性粉末として得た(収率71%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.60 (1H, t, J=8.4 Hz), 7.68 (1H, dt, J=2.0, 8.4 Hz), 8.09 (1H, dt, J=2.0, 8.4 Hz), 8.35 (1H, t, J=2.0 Hz), 8.57 (1H, s).
参考例20
1,5-ジヒドロ-6-ペンタフルオロエチル-1-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4r))
5-アミノ-1-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2b))(180 mg, 0.62 mmol)をイソプロパノール(1.5 mL)に懸濁してペンタフルオロプロピオン酸エチル(化合物(3c))(0.27 mL, 1.86 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(0.75 mL, 3.72 mmol)を加えて油浴中で3.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLを加えて、撹拌しながら1N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整し、酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた結晶性残留物にヘキサン/酢酸エチル(3:1)を加えて結晶をろ取し、乾燥することにより、化合物(4r)を結晶性粉末として得た(収率50%)。
1H-NMR(DMSO-d6) δ: 7.49 (1H, dd, J=2.0, 8.5 Hz), 7.79 (1H, t, J=8.5 Hz), 8.13 (1H, dd, J=2.0, 8.5Hz), 8.21 (1H, s), 8.60 (1H, s), 14.10 (1H, br s).
参考例21
1,5-ジヒドロ-3-メチル-1-フェニル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4s))
5-アミノ-3-メチル-1-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2i))(217 mg, 1.0 mmol)をイソプロパノール(2 mL)に懸濁してトリフルオロ酢酸エチル(化合物(3a))(0.36 mL, 3.0 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(1.2 mL, 6.0 mmol)を加えて油浴中で2時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLを加えて、撹拌しながら1N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4s)(296mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。
1H-NMR(DMSO-d6)δ: 2.61 (3H, s), 7.45 (1H, t, J=7.2 Hz), 7.61 (2H, t, J=7.2 Hz), 8.00 (2H, d, J=7.2 Hz).
参考例22
1,5-ジヒドロ-1-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4t))
5-アミノ-1-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2c))(235 mg, 1.0 mmol)をイソプロパノール(1.5 mL)に懸濁してトリフルオロ酢酸エチル(化合物(3a))(0.36 mL, 3.0 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(1.2 mL, 6.0 mmol)を加えて油浴中で2時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLを加えて、撹拌しながら6N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4t)(307mg)を結晶性粉末として得た(収率98%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.61 (3H, s), 7.30 (1H, dt, J=2.5, 8.5 Hz), 7.67 (1H, q, J=8.5 Hz), 7.94 (1H, m), 7.95 (1H, d, J=8.5 Hz), 14.02 (1H, br s).
参考例23
1-(3-クロロフェニル)-1,5-ジヒドロ-3-メチル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4u))
5-アミノ-1-(3-クロロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2d))(251 mg, 1.0 mmol)をイソプロパノール(1.5 mL)に懸濁してトリフルオロ酢酸エチル(化合物(3a))(0.36 mL, 3.0 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(1.2 mL, 6.0 mmol)を加えて油浴中で2時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLを加えて、撹拌しながら1N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4u)(307mg)を結晶性粉末として得た(収率93%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.60 (3H, s), 7.51 (1H, dd, J=2.0, 8.0 Hz), 7.65 (1H, t, J=8.0 Hz), 8.05 (1H, dd, J=2.0, 8.0 Hz), 8.13 (1H, t, J=2.0 Hz), 14.00 (1H, br s).
参考例24
1-(3-クロロフェニル)-6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-3-メチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4v))
5-アミノ-1-(3-クロロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2d))(201 mg, 0.8 mmol)をイソプロパノール(1.2 mL)に懸濁してジフルオロ酢酸エチル(0.26 mL, 2.4 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(0.96 mL, 4.8 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLを加えて、撹拌しながら6N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4v)(225 mg)を結晶性粉末として得た(収率90%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.59 (3H, s), 6.93 (1H, t, J=53.2 Hz), 7.51 (1H, dt, J=1.6, 8.0 Hz), 7.64 (1H, t, J=8.0 Hz), 8.09 (1H, dt, J=1.6, 8.0 Hz), 8.16 (1H, t, J=1.6 Hz), 13.31 (1H, br s).
参考例25
6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-1-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4w))
5-アミノ-1-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2c))(234 mg, 1.0 mmol)をイソプロパノール(1.5 mL)に懸濁してジフルオロ酢酸エチル(化合物(3b))(0.32 mL, 3.0 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(1.2 mL, 6.0 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLを加えて、撹拌しながら6N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4w)(273 mg)を結晶性粉末として得た(収率92%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.59 (3H, s), 6.93 (1H, t, J=52.8 Hz), 7.29 (1H, tt, J=1.6, 8.2 Hz), 7.60-7.70 (1H, m), 7.92-8.02 (2H, m), 13.32 (1H, s).
参考例26
1-(3-クロロフェニル)-1,5-ジヒドロ-3-メチル-6-ペンタフルオロエチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4x))
5-アミノ-1-(3-クロロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2d))(201 mg, 0.8 mmol)をイソプロパノール(1.2 mL)に懸濁してペンタフルオロプロピオン酸エチル(化合物(3c))(0.35 mL, 2.4 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(0.96 mL, 4.8 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLを加えて、撹拌しながら6N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整し、析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4x)(277 mg)を結晶性粉末として得た(収率91%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.61 (3H, s), 7.43 (1H, dd, J=2.0, 8.5 Hz), 7.57 (1H, t, J=8.5 Hz), 7.97 (1H, dd, J=2.0, 8.5Hz), 8.10 (1H, t, J=2.0 Hz), 14.02 (1H, br s).
参考例27
1,5-ジヒドロ-1-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-6-ペンタフルオロエチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4y))
5-アミノ-1-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2c))(234 mg, 1.0 mmol)をイソプロパノール(1.5 mL)に懸濁してペンタフルオロプロピオン酸エチル(化合物(3c))(0.44 mL, 3.0 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(1.2 mL, 6.0 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLを加えて、撹拌しながら6N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4y)(243 mg)を結晶性粉末として得た(収率67%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.61 (3H, s), 7.28 (1H, dt, J=2.0, 8.5 Hz), 7.61-7.69 (1H, m), 7.88-7.96 (2H, m), 14.03 (1H, br s).
参考例28
6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-3-メチル-1-フェニル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4z))
5-アミノ-3-メチル-1-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2i))(216 mg, 1.0 mmol)をイソプロパノール(1.5 mL)に懸濁してジフルオロ酢酸エチル(化合物(3b))(0.32 mL, 3.0 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(1.2 mL, 6.0 mmol)を加えて、油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLを加えて撹拌しながら6N塩酸と1N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4z)(248 mg)を結晶性粉末として得た(収率90%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.64 (3H, s), 6.97 (1H, t, J=53.0 Hz), 7.53 (1H, t, J=7.5 Hz), 7.69 (2H, t, J=7.5 Hz), 8.12 (2H, d, J=7.5 Hz), 13.30 (1H, s).
参考例29
1,5-ジヒドロ-3-メチル-6-ペンタフルオロエチル-1-フェニル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4aa))
5-アミノ-3-メチル-1-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2i))(216 mg, 1.0 mmol)をイソプロパノール(1.5 mL)に懸濁してペンタフルオロプロピオン酸エチル(化合物(3c))(0.44 mL, 3.0 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(1.2 mL, 6.0 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLを加えて、撹拌しながら6N塩酸と1N塩酸を少しずつ加えて、pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4aa)(240 mg)を結晶性粉末として得た(収率70%)
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.47 (3H, s), 7.37 (2H, t, J=7.5 Hz), 7.54 (2H, t, J=7.5 Hz), 7.96 (2H, d, J=7.5 Hz), 13.88 (1H, br s).
参考例30
5-アミノ-1-(3-ブロモフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2j))
参考例1において、化合物(1a)に代えて、5-アミノ-1-(3-ブロモフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボニトリル(化合物(1j))(1.4 g, 5.0 mmol)を用いることにより、化合物(2j)(550 mg)を結晶性粉末として得た(収率37%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.31 (3H, s), 6.52 (2H, s), 6.73 (2H, br), 7.45 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.53-7.58 (2H, m), 7.72 (1H, t, J=2.0 Hz).
参考例31
1-(3-ブロモフェニル)-6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-3-メチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4bb))
5-アミノ-1-(3-ブロモフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2j))(188 mg, 0.64 mmol)をイソプロパノール(1.0 mL)に懸濁してジフルオロ酢酸エチル(化合物(3b))(240 mg, 1.92 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(0.77 mL, 3.84 mmol)を加えて、油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLを加えて撹拌しながら6N塩酸を少しずつ加えて pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4bb)(185 mg)を結晶性粉末として得た(収率84%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.54 (3H, s), 6.86 (1H, t, J=52.8 Hz), 7.52 (1H, t, J=8.5 Hz), 7.58 (1H, d, J=8.5 Hz), 8.09 (1H, d, J=8.5 Hz), 8.26 (1H, s), 13.26 (1H, s).
参考例32
1-(3-ブロモフェニル)-1,5-ジヒドロ-3-メチル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4cc))
5-アミノ-1-(3-ブロモフェニル)-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(2j))(210mg, 0.71 mmol)をイソプロパノール(1.0 mL)に懸濁してトリフルオロ酢酸エチル(化合物(3a))(303 mg, 2.1 mmol)と5Mナトリウムメトキシドメタノール溶液(0.86 mL, 4.30 mmol)を加えて、油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLを加えて撹拌しながら6N塩酸を少しずつ加えて、pH 3.0に調整した。析出した不溶物をろ取して、水洗し、乾燥することにより、化合物(4cc)(208 mg)を結晶性粉末として得た(収率79%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.56 (3H, s), 7.54 (1H, t, J=7.5 Hz), 7.60 (1H, d, J=7.5 Hz), 8.06 (1H, d, J=7.5 Hz), 8.24 (1H, s), 13.96 (1H, s).
実施例1
1,5-ジヒドロ-1-フェニル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-1))
1,5-ジヒドロ-1-フェニル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4a))(722 mg, 2.57 mmol)をトルエン(12 mL)に懸濁してローソン試薬(438 mg, 2.32 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 20 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液3 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液1.0 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で2回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、化合物(I-1)(747 mg)を結晶性粉末として得た(収率97%)。熱エタノールで再結晶することができる。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.50 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.65 (2H, t, J=8.0 Hz), 8.03 (2H, d, J=8.0 Hz), 8.57 (1H, s).
実施例2
(2-a)4-クロロ-1,5-ジヒドロ-1-フェニル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(化合物(5a))
1,5-ジヒドロ-1-フェニル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4a))(504 mg, 1.8 mmol)を塩化ホスホリル(6.8 mL, 72 mmol)に懸濁して油浴中で5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水約30mL中に注ぎ、炭酸水素ナトリウムを加えてpH 5.0に調整して酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で2回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル(100:3))にて精製した。目的とするフラクションを集めて、濃縮することにより、化合物(5a)(169 mg)を得た(収率31%)。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.44 (1H, t, J=7.5 Hz), 7.58 (2H, t, J=7.5 Hz), 8.22(2H, d, J=7.5 Hz), 8.46 (1H, s).
(2-b)1,5-ジヒドロ-1-フェニル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-1))
化合物(5a)(165 mg, 0.552 mmol)をエタノール(4 mL)に懸濁してチオ尿素(47 mg, 0.61 mmol)を加えて油浴中で3時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して、析出した結晶をろ取し、少量のエタノールで洗浄し、乾燥することにより、化合物(I-1)(117 mg)を得た(収率71%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.50 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.65 (2H, t, J=8.0 Hz), 8.03 (2H, d, J=8.0 Hz), 8.57 (1H, s).
実施例3
1,5-ジヒドロ-1-(3-フルオロフェニル)-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-2))
1,5-ジヒドロ-1-(3-フルオロフェニル)-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4b))(299 mg, 1.0 mmol)をトルエン(5 mL)に懸濁してローソン試薬(405 mg, 1.0 mmol)を加えて油浴中で2.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(5 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した
。酢酸エチル層を合わせて食塩水で2回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、化合物(I-2)(321 mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。熱エタノールで再結晶することができる。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.31-7.40 (1H, m), 7.65-7.75 (1H, m), 7.86-8.00 (2H, m), 8.59 (1H, s).
実施例4
1-(3-クロロフェニル)-1,5-ジヒドロ-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-3))
1-(3-クロロフェニル)-1,5-ジヒドロ-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4c))(504 mg, 1.6 mmol)をトルエン(7.5 mL)に懸濁してローソン試薬(606 mg, 1.6 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 15 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液3 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、化合物(I-3)(565 mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。熱エタノールで再結晶することができる。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.56 (1H, dt, J=1.6, 8.0 Hz), 7.68 (1H, t, J=8.0 Hz), 8.05 (1H, dt, J=1.6, 8.0 Hz), 8.15 (1H, t, J=1.6 Hz), 8.59 (1H, s).
実施例5
1-(3-ブロモフェニル)-1,5-ジヒドロ-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-4))
1-(3-ブロモフェニル)-1,5-ジヒドロ-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4d))(360 mg, 1.0 mmol)をトルエン(5 mL)に懸濁してローソン試薬(405 mg, 1.0 mmol)を加えて油浴中で1.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液5 mLを加えて分液した。トルエン層に水(2 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてセライトろ過し、ろ液に1N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を熱エタノールから再結晶することにより、化合物(I-4)(420 mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.62 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.70 (1H, dd, J=1.5, 8.0 Hz), 8.10 (1H, dt, J=1.5, 8.0 Hz), 8.30 (1H, t, J=1.5 Hz), 8.58 (1H, s).
実施例6
1,5-ジヒドロ-1-(3-ヨードフェニル)-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-5))
1,5-ジヒドロ-1-(3-ヨードフェニル)-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4e))(204 mg, 0.5 mmol)をトルエン(4 mL)に懸濁してローソン試薬(182 mg, 0.45 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2.5 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を熱エタノールから再結晶することにより、化合物(I-5)(168 mg)を結晶性粉末として得た(収率79%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.44 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.85 (1H, d, J=8.0 Hz), 8.10 (1H, d, J=8.0 Hz), 8.45 (1H, s), 8.57 (1H, s).
実施例7
1,5-ジヒドロ-1-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-6))
1,5-ジヒドロ-1-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4f))(292 mg, 0.8 mmol)をトルエン(5 mL)に懸濁してローソン試薬(292 mg, 0.72 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(3 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、化合物(I-6)(306 mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。熱エタノールで再結晶することができる。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.49 (1H, dt, J=1.0, 7.6 Hz), 7.79 (1H, t, J=7.6 Hz), 8.13 (1H, d, J=8.6 Hz), 8.14(1H, s), 8.62 (1H, s).
実施例8
6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-1-フェニル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-7))
6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-1-フェニル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4g))(223 mg, 0.85 mmol)をトルエン(7.0 mL)に懸濁してローソン試薬(343 mg, 0.85 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて不溶物をろ過して除き、ろ液を分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、化合物(I-7)(240 mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。熱エタノールで再結晶することができる。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.01 (1H, t, J=52.5 Hz), 7.50 (1H, t, 7.5Hz), 7.65(2H, t, J=7.5 Hz), 8.04 (2H, d, J=7.5 Hz), 8.57 (1H, s), 14.61 (1H, br s).
実施例9
6-ジフルオロメチル-1-(3-フルオロフェニル)-1,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-8))
6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-1-(3-フルオロフェニル)-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4h))(224 mg, 0.8 mmol)をトルエン(7.0 mL)に懸濁してローソン試薬(292 mg, 0.72 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 15 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(10 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、化合物(I-8)(243 mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。熱エタノールで再結晶することができる。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.02 (1H, t, J=53.0 Hz), 7.30-7.40 (1H, m), 7.66-7.74 (1H, m), 7.92-8.02 (2H, m), 8.58 (1H, s), 14.67 (1H, br s).
実施例10
1-(3-クロロフェニル)-6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-9))
1-(3-クロロフェニル)-6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4i))(178 mg, 0.6 mmol)をトルエン(4 mL)に懸濁してローソン試薬(218 mg, 0.54 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 15 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に1N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、化合物(I-9)(210 mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。熱エタノールで再結晶することができる。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.02 (1H, t, J=52.5 Hz), 7.57 (1H, d, J=8.0 Hz), 7.68 (1H, t, J=8.0 Hz), 8.08 (1H, d, J=8.0 Hz), 8.18 (1H, s), 8.59 (1H, s).
実施例11
1-(3-ブロモフェニル)-6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-10))
1-(3-ブロモフェニル)-6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4j))(273 mg, 0.8 mmol)をトルエン(7.0 mL)に懸濁してローソン試薬(292 mg, 0.72 mmol)を加えて油浴中で3.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 15 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(10 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、化合物(I-10)(290 mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。熱エタノールで再結晶することができる。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.02 (1H, t, J=52.5 Hz), 7.62 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.70 (1H, d, J=8.0 Hz), 8.12 (1H, d. J=8.0 Hz), 8.31 (1H, s), 8.59 (1H, s), 14.70 (1H, br s).
実施例12
6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-1-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-11))
6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-1-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4k))(165 mg, 0.476 mmol)をトルエン(5.0 mL)に懸濁してローソン試薬(193 mg, 0.476 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、化合物(I-11)(184 mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。熱エタノールで再結晶することができる。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.01 (1H, t, J=53.0 Hz), 7.50 (1H, d, J=8.0 Hz), 7.79 (1H, t, J=8.0 Hz), 8.16 (1H, d. J=8.0 Hz), 8.16 (1H, s), 8.60 (1H, s), 14.70 (1H, br s).
実施例13
1,5-ジヒドロ-6-ペンタフルオロエチル-1-フェニル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-12))
1,5-ジヒドロ-6-ペンタフルオロエチル-1-フェニル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4m))(122 mg, 0.37 mmol)をトルエン(5.0 mL)に懸濁してローソン試薬(150 mg, 0.37 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、化合物(I-12)(133 mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。熱エタノールで再結晶することができる。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.49 (1H, t, J=7.5 Hz), 7.65 (2H, t, J=7.5 Hz), 8.03 (2H, d. J=7.5 Hz), 8.58 (1H, s).
実施例14
6-ペンタフルオロエチル-1-(3-フルオロフェニル)-1,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-13))
1,5-ジヒドロ-1-(3-フルオロフェニル)-6-ペンタフルオロエチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4n))(337 mg, 0.96 mmol)をトルエン(5.0 mL)に懸濁してローソン試薬(351 mg, 0.87 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液1.5 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、化合物(I-13)(359 mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。熱エタノールで再結晶することができる。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.28-7.38 (1H, m), 7.63-7.74 (1H, m), 7.88-7.98 (2H, m), 8.57 (1H, s).
実施例15
1-(3-クロロフェニル)-6-ペンタフルオロエチル-1,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-14))
1-(3-クロロフェニル)-1,5-ジヒドロ-6-ペンタフルオロエチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4p))(158 mg, 0.43 mmol)をトルエン(7.0 mL)に懸濁してローソン試薬(174 mg, 0.43 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(5 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより化合物(I-14)(163 mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。得られた粉末にヘキサン/酢酸エチル(95:5)を加えて、粉末をろ取することにより精製することができる。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.54 (1H, dd, J=1.2, 8.0 Hz), 7.67 (1H, t, J=8.0 Hz), 8.06 (1H, d, J=8.0 Hz), 8.20 (1H, t, J=1.2 Hz), 8.57 (1H, s).
実施例16
1-(3-ブロモフェニル)-6-ペンタフルオロエチル-1,5-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-15))
1-(3-ブロモフェニル)-1,5-ジヒドロ-6-ペンタフルオロエチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4q))(246 mg, 0.60 mmol)をトルエン(3.0 mL)に懸濁してローソン試薬(218 mg, 0.54 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(5 mL)で洗浄し、水層に1N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、化合物(I-15)(258 mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。熱エタノールで再結晶することができる。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.60 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.67 (1H, dt, J=2.0, 8.0 Hz), 8.08 (1H, dt, J=2.0, 8.0 Hz), 8.34 (1H, t, J=2.0 Hz), 8.57 (1H, s).
実施例17
1,5-ジヒドロ-6-ペンタフルオロエチル-1-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-16))
1,5-ジヒドロ-6-ペンタフルオロエチル-1-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4r))(100 mg, 0.241 mmol)をトルエン(5.0 mL)に懸濁してローソン試薬(98 mg, 0.241 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、化合物(I-16)(110 mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。得られた粉末にヘキサン/酢酸エチル(95:5)を加えて粉末をろ取することにより精製できる。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.48 (1H, d, J=8.5 Hz), 7.78 (1H, t, J=8.5 Hz), 8.12 (1H, d, J=8.5 Hz), 8.19 (1H, s), 8.58 (1H, s).
実施例18
1,5-ジヒドロ-3-メチル-1-フェニル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-17))
1,5-ジヒドロ-3-メチル-1-フェニル-6-トリフルオロメチル)-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4s))(265 mg, 0.9 mmol)をトルエン(5 mL)に懸濁してローソン試薬(327 mg, 0.81 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液1 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(5 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、化合物(I-17)(241 mg)を結晶性粉末として得た(収率86%)。熱エタノールで再結晶することができる。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.77 (3H, s), 7.47 (1H, t, J=7.6 Hz), 7.62 (2H, t,J=7.6 Hz), 7.99 (2H, d, J=7.6 Hz).
実施例19
1-(3-フルオロフェニル)-1,5-ジヒドロ-3-メチル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-18))
1,5-ジヒドロ-1-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4t))(258 mg, 0.826 mmol)をトルエン(7 mL)に懸濁してローソン試薬(301 mg, 0.744 mmol)を加えて油浴中で2.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(10 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、化合物(I-18)(275 mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。熱エタノールで再結晶することができる。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.76 (3H, s), 7.31 (1H, dt. J=2.0, 8.5 Hz), 7.63-7.70 (1H, m), 7.85-7.95 (2H, m).
実施例20
1-(3-クロロフェニル)-1,5-ジヒドロ-3-メチル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-19))
1-(3-クロロフェニル)-1,5-ジヒドロ-3-メチル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4u))(263 mg, 0.80 mmol)をトルエン(7 mL)に懸濁してローソン試薬(291 mg, 0.72 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(10 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、化合物(I-19)(287 mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。熱エタノールで再結晶することができる。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.76 (3H, s), 7.52 (1H, dd, J=1.5, 8.0 Hz), 7.65 (1H, t, J=8.0 Hz), 8.03 (1H, d, J=8.0 Hz), 8.12 (1H, s).
実施例21
6-ジフルオロメチル-1-(3-フルオロフェニル)-1,5-ジヒドロ-3-メチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-20))
6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-1-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4w))(236 mg, 0.80 mmol)をトルエン(7 mL)に懸濁してローソン試薬(324 mg, 0.80 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、化合物(I-20)(268 mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。熱エタノールで再結晶することができる。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.75 (3H, s), 7.00 (1H, t, J=52.4 Hz), 7.26-7.36 (1H, m), 7.62-7.72 (1H, m), 7.90-8.00 (2H, m), 14.50 (1H, br s).
実施例22
1-(3-クロロフェニル)-6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-3-メチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-21))
1-(3-クロロフェニル)-6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-3-メチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4v))(202 mg,0.65 mmol)をトルエン(7 mL)に懸濁してローソン試薬(263 mg,0.65 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、化合物(I-21)(240 mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。熱エタノールで再結晶することができる。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.76 (3H, s), 7.00 (1H, t, J=53.2 Hz), 7.53 (1H, dt, J=1.2, 8.0 Hz), 7.65 (1H, t, J=8.0 Hz), 8.07 (1H, dt, J=1.2, 8.0 Hz), 8.15 (1H, t, J=1.2 Hz), 14.90 (1H, br s).
実施例23
1-(3-フルオロフェニル)-1,5-ジヒドロ-3-メチル-6-ペンタフルオロエチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-22))
1,5-ジヒドロ-1-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-6-ペンタフルオロエチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4y))(218 mg, 0.60 mmol)をトルエン(7.0 mL)に懸濁してローソン試薬(249 mg, 0.60 mmol)を加えて油浴中で2.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液4.0 mLを加えて分液した。トルエン層に水(10 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、化合物(I-22)(233 mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。得られた粉末にヘキサン/酢酸エチル(4:1)を加えて粉末をろ取することにより精製できる。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.72 (3H, s), 7.26-7.33 (1H, m), 7.62-7.69 (1H, m),7.86-7.94 (2H, m).
実施例24
1-(3-クロロフェニル)-1,5-ジヒドロ-3-メチル-6-ペンタフルオロエチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-23))
1-(3-クロロフェニル)-1,5-ジヒドロ-3-メチル-6-ペンタフルオロエチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4x))(228 mg, 0.60 mmol)をトルエン(7.0 mL)に懸濁してローソン試薬(249 mg, 0.60 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液4 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮することにより、化合物(I-23)(245 mg)を結晶性粉末として得た(収率 定量的)。得られた粉末にヘキサン/酢酸エチル(4:1)を加えて粉末をろ取することにより精製できる。
1H-NMR (DMSO-d6)δ:2.76 (3H, s), 7.51 (1H, dd, J=1.5, 8.0 Hz), 7.64 (1H,t, J=8.0 Hz), 8.02 (1H, d, J=8.0 Hz), 8.15 (1H, s).
実施例25
S-1-フェニル-6-トリフルオロメチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル プロパンチオアート(化合物(I-24))
1,5-ジヒドロ-1-フェニル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-1))(60 mg, 0.20 mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(1 mL)に溶かして、プロピオニルクロリド(0.035 mL, 0.4 mmol)を加えて室温で3.0時間撹拌した。反応液に氷水 5 mLと炭酸水素ナトリウム水溶液1 mLを加えて、酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で2回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた結晶性残留物にヘキサン/酢酸エチル(9:1)を加えて結晶をろ取することにより、化合物(I-24)(42 mg)を結晶性粉末として得た(収率59%)。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.34 (3H, t, J=7.0 Hz), 2.94 (2H, q, J=7.0 Hz), 7.42(1H, t, J=8.0 Hz), 7.58 (2H, t, J=8.0 Hz), 8.23 (2H, d, J=8.0 Hz), 8.28 (1H, s).
実施例26
S-1-フェニル-6-トリフルオロメチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル 2-メチルプロパンチオアート(化合物(I-25))
1,5-ジヒドロ-1-フェニル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-1))(60 mg, 0.20 mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(1 mL)に溶かして、イソ酪酸クロリド(0.043 mL, 0.4 mmol)を加えて室温で3.0時間撹拌した。反応液に氷水 5 mLと炭酸水素ナトリウム水溶液1 mLを加えて、酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて食塩水で2回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた結晶性残留物にヘキサン/酢酸エチル(9:1)を加えて結晶をろ取することにより、化合物(I-25)(30 mg)を結晶性粉末として得た(収率40%)。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.39 (6H, d, J=6.5 Hz), 3.05 (1H, m), 7.42 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.58 (2H, t, J=8.0 Hz), 8.23 (2H, d, J=8.0 Hz), 8.24 (1H, s).
実施例27
S-1-(3-フルオロフェニル)-6-トリフルオロメチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル 2-メチルプロパンチオアート(化合物(I-26))
1,5-ジヒドロ-1-(3-フルオロフェニル)-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-2))(50 mg, 0.159 mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(1 mL)に溶かしてイソ酪酸クロリド(0.034 mL, 0.318 mmol)を加えて室温で2.0時間撹拌した。反応液に氷水 10 mLと炭酸水素ナトリウム水溶液1 mLを加えて分液ロートに移して酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて炭酸水素ナトリウム水溶液と食塩水で各1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた結晶性残留物にヘキサン/酢酸エチル(9:1)を加えて結晶をろ取することにより、化合物(I-26)(27 mg)を結晶性粉末として得た(収率44%)。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.38 (6H, d, J=7.2 Hz), 3.05 (1H, quintet, J=7.2 Hz),7.11 (1H, dt, J=2.2, 8.4 Hz), 7.50-7.60 (1H, m), 8.06 (1H, dt, J=2.4, 10.4 Hz), 8.14-8.20 (1H, m), 8.23 (1H, s).
実施例28
S-1-(3-クロロフェニル)-6-トリフルオロメチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-イル 2-メチルプロパンチオアート(化合物(I-27))
1-(3-クロロフェニル)-1,5-ジヒドロ-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-3))(60 mg, 0.182 mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド(1 mL)に溶かして、イソ酪酸クロリド(0.039 mL, 0.364 mmol)を加えて室温で2.0時間撹拌した。反応液に氷水 10 mLと炭酸水素ナトリウム水溶液1 mLを加えて、酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を合わせて炭酸水素ナトリウム水溶液と食塩水で各1回洗浄して、酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた結晶性残留物にヘキサン/酢酸エチル(9:1)を加えて結晶をろ取することにより、化合物(I-27)(42 mg)を結晶性粉末として得た(収率57%)。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.38 (6H, d, J=6.8 Hz), 3.05 (1H, quintet, J=6.8 Hz),7.38(1H, dt, J=1.6, 8.0 Hz), 7.51 (1H, t, J=8.0 Hz), 8.23-8.32 (2H, m), 8.24 (1H, s).
実施例29
6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-3-メチル-1-フェニル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-28))
6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-3-メチル-1-フェニル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4z))(240 mg, 0.87mmol)をトルエン(10 mL)に懸濁してローソン試薬(400 mg, 1.0 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整し、析出物をろ取し、水洗後、乾燥した。得られた固体をエタノールから再結晶して、化合物(I-28)(179 mg)を結晶性粉末として得た(収率71%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.71 (3H, s), 6.93 (1H, t, J=52.8 Hz), 7.41 (1H, t. J=7.5 Hz), 7.57 (2H, t, J=7.5 Hz), 7.97 (2H, d, J=7.5 Hz), 14.35 (1H, br s).
実施例30
1,5-ジヒドロ-3-メチル-6-ペンタフルオロエチル-1-フェニル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-29))
1,5-ジヒドロ-3-メチル-6-ペンタフルオロエチル-1-フェニル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4aa))(240 mg, 0.70 mmol)をトルエン(10.0 mL)に懸濁してローソン試薬(400 mg, 1.00 mmol)を加えて油浴中で2.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して、析出物をろ取し、水洗後、乾燥した。得られた固体をアセトニトリルから再結晶して、化合物(I-29)(191 mg)を結晶性粉末として得た(収率76%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.79 (3H, s), 7.40 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.56 (2H, t, J=8.0 Hz), 7.95 (2H, d, J=8.0 Hz ).
実施例31
1-(3-ブロモフェニル)-6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-3-メチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-30))
1-(3-ブロモフェニル)-6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-3-メチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4bb))(180 mg, 0.51 mmol)をトルエン(10 mL)に懸濁してローソン試薬(259 mg, 0.64 mmol)を加えて油浴中で2.0時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて、pH 3.0に調整して、析出物をろ取し、水洗後、乾燥した。得られた固体をエタノールから再結晶して、化合物(I-30)(130 mg)を結晶性粉末として得た(収率69%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.69 (3H, s), 6.92 (1H, t, J=52.8 Hz), 7.51 (1H, t. J=8.0 Hz), 7.59 (1H, d, J=8.0 Hz), 8.05 (1H, d, J=8.0 Hz), 8.23 (1H, s), 14.43 (1H, br s).
実施例32
1-(3-ブロモフェニル)-1,5-ジヒドロ-3-メチル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-31))
1-(3-ブロモフェニル)-1,5-ジヒドロ-3-メチル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(化合物(4cc))(205 mg, 0.55 mmol)をトルエン(10.0 mL)に懸濁してローソン試薬(287 mg, 0.71 mmol)を加えて油浴中で2.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して、析出物をろ取し、水洗後、乾燥した。得られた固体をアセトニトリルから再結晶して、化合物(I-31)(170 mg)を結晶性粉末として得た(収率80%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.74 (3H, s), 7.54 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.59 (1H, d, J=8.0 Hz), 8.08 (1H, d, J=8.0 Hz ), 8.27 (1H, s).
実施例33
1,5-ジヒドロ-1-(3-ヨードフェニル)-3-メチル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-32))
1,5-ジヒドロ-1-(3-ヨードフェニル)- 3-メチル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン (700 mg, 1.67 mmol)をトルエン(25.0 mL)に懸濁してローソン試薬(680 mg, 1.67 mmol)を加えて油浴中で2.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して、析出物をろ取し、水洗後、乾燥した。得られた固体をエタノールから再結晶して、化合物(I-32)(420 mg)を結晶性粉末として得た(収率58%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.54 (3H, s), 7.34 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.72 (1H, d, J=8.0 Hz), 8.05 (1H, d, J=8.0 Hz), 8.38 (1H, s).
実施例34
6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-1-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-3-メチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-33))
6-ジフルオロメチル-1,5-ジヒドロ-1-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-3-メチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン (300 mg, 0.83 mmol)をトルエン(10.0 mL)に懸濁してローソン試薬(340 mg, 0.83 mmol)を加えて油浴中で2.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して、析出物をろ取し、水洗後、乾燥した。得られた固体をn-ヘキサン-酢酸エチル(10:1)で洗浄して、化合物(I-33)(200 mg)を粉末として得た(収率64%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.53 (3H, s), 6.81 (1H, t, J=53.0 Hz), 7.36 (1H, d, J=8.0 Hz), 7.67 (1H, t, J=8.0 Hz), 8.09 (1H, s), 8.12 (1H, d, J=8.0 Hz), 13.3 (1H, br, s).
実施例35
1,5-ジヒドロ-3-メチル-6-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-34))
1,5-ジヒドロ-3-メチル-6-(2, 2, 2-トリフルオロエチル)-1-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン (392 mg, 1.0 mmol)をトルエン(10.0 mL)に懸濁してローソン試薬(404 mg, 1.0 mmol)を加えて油浴中で2.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して、析出物をろ取し、水洗後、乾燥して、化合物(I-34)(180 mg)を粉末として得た(収率44%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.49 (3H, s), 7.08 (2H, m), 7.43 (1H, d, J=8.0 Hz), 7.63 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.82 (1H, d, J=8.0 Hz), 8.84 (1H, d, J=8.0 Hz).
実施例36
1-(3-クロロフェニル)-1,5-ジヒドロ-3-エチル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-35))
1-(3-クロロフェニル)-1,5-ジヒドロ-3-エチル-6-トリフルオロメチル-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン(350 mg, 1.02 mmol)をトルエン(10.0 mL)に懸濁してローソン試薬(413 mg, 1.02 mmol)を加えて油浴中で2.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して、析出物をろ取し、水洗後、乾燥した。得られた固体をエタノールから再結晶して、化合物(I-35)(235 mg)を結晶性粉末として得た(収率64%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.30 (3H, t, J= 7.5Hz), 3.17 (2H, q, J= 7.5 Hz), 7.46 (1H, d, J=8.0 Hz), 7.59 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.98 (1H, d, J=8.0 Hz ), 8.06 (1H, s).
実施例37
1,5-ジヒドロ-3-メチル-6-トリフルオロメチル-1-[3-(トリフルオロメチルスルファニル)フェニル]-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-チオン(化合物(I-36))
1,5-ジヒドロ-3-メチル-6-トリフルオロメチル-1-[3-(トリフルオロメチルスルファニル)フェニル]-4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン (400 mg, 1.0 mmol)をトルエン(10.0 mL)に懸濁してローソン試薬(404 mg, 1.0 mmol)を加えて油浴中で2.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して氷水 10 mLと2N水酸化ナトリウム水溶液2 mLを加えて分液した。トルエン層に水(5 mL)と2N水酸化ナトリウム水溶液0.5 mLを加えて再抽出した。水層を合わせてトルエン(10 mL)で洗浄し、水層に6N 塩酸を加えて pH 3.0に調整して、析出物をろ取し、水洗後、乾燥した。得られた固体をエタノールから再結晶して、化合物(I-36)(265 mg)を結晶性粉末として得た(収率65%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.71 (3H, s), 7.71-7.74 (2H, m), 8.20 (1H, m), 8.36 (1H, s).
上記実施例1~37で得られた化合物(I-1)~化合物(I-36)の化学構造式を下表1に示す。
Figure 0007460177000010
試験例1:酵素阻害活性の測定と評価
Assay buffer (50 mM MES pH 6.5, 50 mM NaCl, 0.01% Tween20)中に最終濃度50μM硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物 (Sigma)、500μM アスコルビン酸 (Sigma)、6 μM 2-ケトグルタル酸 二ナトリウム (Sigma)、50 nM ビオチン標識H3K4me3ペプチド (Anaspec)、300ng/μL JARID1Bリコンビナントタンパク及び被験物質を混合し、室温で30分間静置した。aH3K4me2-K (Sceti Medical Labo)及び25 nM SA-XL665 (Cisbio)を含有するDetection buffer (Cisbio)を加え、室温で30分間静置した。その後、Tecan M-1000のTR-FRETモードにて測定した(Donor ex; 317 nm, em; 620 nm, Acceptor ex; 317 nm, em; 665 nm)。
(被験物質)
被験物質である本発明の化合物(I)は、ジメチルスルホキシド(和光純薬工業)を溶媒として、10 mMに溶解してストックし、適宜希釈して使用した。
評価結果を、IC50値として、以下の表に示した(表2)。表2の結果から、本発明の化合物(I)は、ヒストン脱メチル化酵素JARID1B活性を効果的に阻害することが確認された。
試験例2:スフィア形成抑制活性の測定と評価
MCF-7細胞はアメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC)より購入した。MCF-7細胞は10%ウシ胎児血清(FBS)含有DMEM培地を用いて、37℃、5% CO2存在下にて培養した。20 ng/mL 上皮成長因子 (EGF)、10ng/mL 塩基性線維芽細胞成長因子 (FGF)、2% MACS NeuroBrew-21 (Miltenyi Biotec.)、1% ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するDMEM/F12培地にて、4,000 cells/wellの密度で96 well Ultra-Low Attachment Microplate (Corning) に播種した。DMSO終濃度が0.5%となるように被験物質を添加し4日間培養した。その後、各well中で直径100 μm以上のスフィア (Sphere) の数をカウントして、対照群 (DMSOのみ) との比率から各被験物質ごとのIC50値を算出した。
(被験物質)
被験物質である本発明の化合物(I)は、ジメチルスルホキシドを溶媒として、100 mMに溶解し使用した。
評価結果を、以下の表に示した(表3)。表3の結果から、本発明の化合物(I)が、癌細胞のスフィア形成を効果的に阻害することが確認された。
以上の結果によれば、本発明の化合物(I)が、高いJARID1B阻害活性を示すと共に、癌幹細胞性を抑制し得る化合物であることが確認された。
製剤例1(カプセルの製造)
1)化合物(I-11) 10 mg
2)微粉末セルロース 10 mg
3)乳糖 19 mg
4)ステアリン酸マグネシウム 1 mg
計 40 mg
1)、2)、3)および4)を混合して、ゼラチンカプセルに充填する。
製剤例2(錠剤の製造)
1)化合物(I-11) 10 g
2)乳糖 50 g
3)トウモロコシデンプン 15 g
4)カルボキシメチルセルロースカルシウム 44 g
5)ステアリン酸マグネシウム 1 g
1000錠 計 120 g
1)、2)、3)の全量および30gの4)を水で練合し、真空乾燥後、整粒を行う。この整粒末に14gの4)および1gの5)を混合し、打錠機により打錠する。このようにして、1錠あたり本発明の化合物(I)(化合物(I-11))10mgを含有する錠剤1000錠を得る。
本発明の化合物(I)は、優れたヒストン脱メチル化酵素阻害活性、とりわけ、JARID1B阻害活性、を示す。それ故、本発明に係る化合物(I)からなるヒストン脱メチル化酵素阻害剤を有効成分として含む医薬は、ヒストン脱メチル化酵素の活性亢進により誘発される疾患(例えば、癌、肺性高血圧、勃起不全等)の予防又は治療に有用であり、また、男性用避妊薬としても有用である。中でも、各種癌(例えば、乳癌、卵巣癌、膵臓癌、大腸癌、前立腺癌、造血器腫瘍、メラノーマ、肺癌、グリオーマ、精巣癌、子宮癌、頭頸部癌、食道癌、膀胱癌、中皮腫、胃癌、胆管癌、甲状腺癌等)の予防又は治療に特に有用である。また、本発明によれば、癌幹細胞を枯渇化させて腫瘍を根絶することによる癌の再発防止効果にも期待がもたれることから、エピジェネティックス制御に基づく、新規な抗癌剤を提供することができる。
本出願は、日本国で2019年4月26日に出願された特願2019-086330を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。

Claims (15)

  1. 式(I):
    [式中、
    n個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、シアノ基又はニトロ基を示し;
    は、フルオロアルキル基を示し;
    は、水素原子、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいシクロアルキル基を示し;
    は、水素原子又は置換されていてもよいアシル基を示し、Rが水素原子である場合は、式(I)は、そのチオキソ型で示される互変異性体であってもよく;および
    nは、0~5の整数を示す。]
    で表されるピラゾロ[3,4-d]ピリミジン誘導体又はその薬学的に許容しうる塩。
    ただし、下記化合物又はその塩、或いはそれらの互変異性体を除く。
    3-メチル-1-フェニル-6-トリフルオロメチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4(5H)-チオン、
    1-(2-クロロフェニル)-3-メチル-6-トリフルオロメチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4(5H)-チオン、
    1-(3-クロロフェニル)-3-メチル-6-トリフルオロメチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4(5H)-チオン、
    1-(4-クロロフェニル)-3-メチル-6-トリフルオロメチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4(5H)-チオン、
    1-(2,4-ジクロロフェニル)-3-メチル-6-トリフルオロメチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4(5H)-チオン、
    1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-メチル-6-トリフルオロメチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4(5H)-チオン、
    1-(2,5-ジクロロフェニル)-3-メチル-6-トリフルオロメチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4(5H)-チオン、
    3-メチル-1-(3-ニトロフェニル)-6-トリフルオロメチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4(5H)-チオン、及び
    3-メチル-1-(4-ニトロフェニル)-6-トリフルオロメチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4(5H)-チオン。
  2. 式(I)において、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン原子又はハロC1-3アルコキシ基であり、Rが、フルオロC1-3アルキル基であり、Rが、水素原子又はメチル基であり、Rが、水素原子又はC1-5アルカノイル基であり、且つnが、1又は2である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩、或いはそれらの互変異性体。
  3. 式(I)において、Rが、メタ位の、ハロゲン原子又はトリフルオロメトキシ基であり、Rが、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基又はペンタフルオロエチル基であり、Rが、水素原子又はメチル基であり、Rが、水素原子であり、且つnが、1である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩、或いはそれらの互変異性体。
  4. 式(I)において、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ハロC1-3アルコキシ基又はハロC1-3アルキルスルファニル基であり、Rが、フルオロC1-3アルキル基であり、Rが、C1-3アルキル基であり、Rが、水素原子又はC1-5アルカノイル基であり、且つnが、1又は2である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩、或いはそれらの互変異性体。
  5. 式(I)において、Rが、メタ位の、ハロゲン原子、トリフルオロメトキシ基又はトリフルオロメチルスルファニル基であり、Rが、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基又は2,2,2-トリフルオロエチル基であり、Rが、メチル基又はエチル基であり、Rが、水素原子であり、且つnが、1である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩、或いはそれらの互変異性体。
  6. 式(I):
    [式中、
    n個のRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、シアノ基又はニトロ基を示し;
    は、フルオロアルキル基を示し;
    は、水素原子、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいシクロアルキル基を示し;
    は、水素原子又は置換されていてもよいアシル基を示し、Rが水素原子である場合は、式(I)は、そのチオキソ型で示される互変異性体であってもよく;および
    nは、0~5の整数を示す。]
    で表されるピラゾロ[3,4-d]ピリミジン誘導体又はその薬学的に許容しうる塩からなるヒストン脱メチル化酵素阻害剤。
  7. ヒストン脱メチル化酵素がJARID1Bである、請求項6に記載のヒストン脱メチル化酵素阻害剤。
  8. 癌細胞スフィア形成を抑制するために使用する、請求項6又は7に記載のヒストン脱メチル化酵素阻害剤。
  9. 式(I)において、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン原子又はハロC1-3アルコキシ基であり、Rが、フルオロC1-3アルキル基であり、Rが、水素原子又はメチル基であり、Rが、水素原子又はC1-5アルカノイル基であり、且つnが、1又は2である、請求項6~8のいずれか一項に記載のヒストン脱メチル化酵素阻害剤。
  10. 式(I)において、Rが、メタ位の、ハロゲン原子又はトリフルオロメトキシ基であり、Rが、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基又はペンタフルオロエチル基であり、Rが、水素原子又はメチル基であり、Rが、水素原子であり、且つnが、1である、請求項6~8のいずれか一項に記載のヒストン脱メチル化酵素阻害剤。
  11. 式(I)において、Rが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ハロC1-3アルコキシ基又はハロC1-3アルキルスルファニル基であり、Rが、フルオロC1-3アルキル基であり、Rが、C1-3アルキル基であり、Rが、水素原子又はC1-5アルカノイル基であり、且つnが、1又は2である、請求項6~8のいずれか一項に記載のヒストン脱メチル化酵素阻害剤。
  12. 式(I)において、Rが、メタ位の、ハロゲン原子、トリフルオロメトキシ基又はトリフルオロメチルスルファニル基であり、Rが、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基又は2,2,2-トリフルオロエチル基であり、Rが、メチル基又はエチル基であり、Rが、水素原子であり、且つnが、1である、請求項6~8のいずれか一項に記載のヒストン脱メチル化酵素阻害剤。
  13. 請求項6~12のいずれか一項に記載のヒストン脱メチル化酵素阻害剤を有効成分として含有してなる、ヒストン脱メチル化酵素の活性亢進により誘発される疾患の治療及び/又は予防のための医薬。
  14. ヒストン脱メチル化酵素の活性亢進により誘発される疾患が、癌、肺高血圧症又は勃起不全である、請求項13に記載の医薬。
  15. 癌が、乳癌、卵巣癌、膵臓癌、大腸癌、前立腺癌、造血器腫瘍、メラノーマ、肺癌、グリオーマ、精巣癌、子宮癌、頭頸部癌、食道癌、膀胱癌、中皮腫、胃癌、胆管癌、又は甲状腺癌である、請求項14に記載の医薬。
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