JP7453847B2 - 音波制御モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、音波制御モジュールに関し、特に、超音波トランスデューサを備えた音波制御モジュールに関する。
近年、従来の圧電素子よりも広い帯域特性を有する静電容量型の超音波トランスデューサ(CMUT:Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer)が注目され、これに関する研究開発が進められている。CMUTでは、基本的な構造として、絶縁層中に形成されている下部電極と上部電極との間に空洞部が設けられている。空洞部の上方に位置する絶縁層および上部電極は、メンブレンとして機能し、メンブレンの振動を利用して、超音波の送信および受信が行われる。
また、防衛システムとして、潜水艦よりも小型な無人機(UUV:Unmanned Underwater Vehicles)の適用が検討されている。CMUTは、従来の圧電素子よりも小型化および薄化を行い易い。それ故、CMUTは、艦艇底への設置に加え、UUVへの搭載も検討されている。しかしながら、このような環境でCMUTを用いる場合には、空洞部の内部における圧力変化の影響が懸念される。
例えば、特許文献1には、CMUTにおいて、空洞部の下面に貫通孔を設け、貫通孔を介して空洞部と圧力調整部とを接続する技術が開示されている。そして、空洞部の内部の圧力が変化した場合、または、空洞部の外部の圧力が変化した場合において、圧力調整部によって空洞部の内部の圧力を調整する技術が開示されている。
また、特許文献2には、CMUTのメンブレンに、静電引力、電磁力、圧力または圧電効果などの外部応力を印加し、CMUTの周波数特性を切り替える技術が開示されている。
また、特許文献3には、圧電変換器を収めたハウジングの内部と、外部環境との圧力を等しくするために、ハウジングの内部と外部環境との間を移動可能な遮断部材を設ける技術が開示されている。また、ハウジングの内部を油で充満させることも開示されている。
特開2010-278582号公報 特開2011-124891号公報 特開2015-213242号公報
CMUTの外部からの圧力によってメンブレンの位置が変化すると、超音波の感度も変動する。特に、水中では、水深の変化によって水圧も変化するので、CMUTの超音波の感度が安定し難い。従って、CMUTの外部の環境に依らず、超音波の感度を安定させる技術が求められている。
その他の目的および新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになる。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
一実施の形態における音波制御モジュールは、超音波トランスデューサ、および、前記超音波トランスデューサの内部の圧力を調整可能な圧力調整機構を備える。ここで、前記超音波トランスデューサは、第1絶縁層と、前記第1絶縁層中に形成された第1電極と、前記第1絶縁層上に形成された第2絶縁層と、前記第2絶縁層中に形成された第2電極と、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層に囲まれ、且つ、前記第1電極と前記第2電極との間に位置する第1空洞部と、前記第1絶縁層を貫通し、且つ、前記第1空洞部に連通する貫通孔と、を有する。また、前記圧力調整機構は、前記超音波トランスデューサの外部に設けられた容器を有し、前記容器の内部は、ガスで充満され、且つ、前記貫通孔を介して前記第1空洞部に連結されている。
一実施の形態によれば、CMUTにおける超音波の感度を安定させることができる。
実施の形態1におけるCMUTを示す断面図である。 実施の形態1におけるメンブレンの位置の変化と、印加される直流電圧との関係を示すグラフである。 実施の形態1における音波制御モジュールを示す模式図である。 変形例1における音波制御モジュールを示す模式図である。 実施の形態2における音波制御モジュールを示す模式図である。 実施の形態3における音波制御モジュールを示す模式図である。 実施の形態4における音波制御モジュールを示す模式図である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態を説明する図面においては、構成を分かり易くするために、平面図であってもハッチングを付す場合もあるし、断面図であってもハッチングを省略する場合もある。
(実施の形態1)
<超音波トランスデューサ(CMUT)100の基本的な構造>
図1は、実施の形態1において用いられるCMUT100の基本的な構造を示し、図2は、メンブレン7の位置の変化と直流電圧との関係を示している。まず、図1および図2を用いて、実施の形態1における具体的な課題について説明する。
CMUT100は、基板1、基板1上に形成された絶縁層2、絶縁層2中に形成された下部電極3、絶縁層2上に形成された絶縁層4、絶縁層4中に形成された上部電極5、および、下部電極3と上部電極5との間に位置する空洞部6を備える。空洞部6は、絶縁層2および絶縁層4に囲まれた空間である。空洞部6の上方に位置する絶縁層4および上部電極5が、メンブレン7として機能する。下部電極3および上部電極5は、直流電源DCおよび交流電源ACに電気的に接続されている。
基板1は、例えばシリコンのような半導体材料からなる半導体基板である。絶縁層2は、絶縁膜IF1、下部電極3および絶縁膜IF2を含む積層構造体からなる。絶縁膜IF1は、基板1上に形成され、例えば酸化シリコンからなる。下部電極3は、絶縁膜IF1上に形成され、例えばアルミニウム、チタンまたはタングステンのような導電性膜からなる。絶縁膜IF2は、下部電極3上に形成され、例えば酸化シリコンからなる。
絶縁層4は、絶縁膜IF3、上部電極5および絶縁膜IF4を含む積層構造体からなる。絶縁膜IF3は、絶縁膜IF2上に形成され、例えば酸化シリコンからなる。上部電極5は、絶縁膜IF3上に形成され、例えばアルミニウム、チタンまたはタングステンのような導電性膜からなる。絶縁膜IF4は、上部電極5上に形成され、酸化シリコンよりも耐水性の高い材料が好ましく、例えば窒化シリコンからなる。
なお、基板1、絶縁層2の積層構造体および絶縁層4の積層構造体は、上記構成に限られず、他の絶縁膜および他の導電性膜を含んでいてもよい。
図1では、絶縁膜IF3が絶縁膜IF2に接触している箇所と、絶縁膜IF3が絶縁膜IF2から離間している箇所とが存在する。絶縁膜IF3および絶縁膜IF2が互いに離間し、絶縁膜IF2および絶縁膜IF3によって囲まれた箇所が、空洞部6を構成している。
また、ここでは詳細な図示を省略するが、空洞部6は、厚さ方向に対して垂直な平面視において、下部電極3および上部電極5に重なる位置に設けられる。従って、下部電極3と上部電極5との間で発生する電界は、空洞部6の内部に発生する。
なお、本願においてある構造体の「厚さ」と表現した場合、それは、基板1と、下部電極3含む絶縁層2と、空洞部6と、上部電極5を含む絶縁層4との積層方向における厚さを意味する。また、「厚さ」は、「高さ」に置き換えて表現できる。また、ある構造体の「厚さ方向」と表現した場合、それは、上記積層方向を意味し、上記構造体の上下方向を意味する。
超音波の送信時では、直流電源DCおよび交流電源ACによって、下部電極3と上部電極5との間に、直流電圧および交流電圧が重畳して印加される。ここで、下部電極3と上部電極5との間で静電気力が働き、メンブレン7は、弾性変形し、交流電圧の周波数に応じて振動する。これによって、超音波が発信される。
超音波の受信時では、直流電源DCによって、下部電極3と上部電極5との間に、直流電圧のみが印加される。CMUT100の外部からメンブレン7の上面へ到達した超音波の圧力によって、メンブレン7が振動し、下部電極3と上部電極5との間の距離が変化する。この距離の変化を静電容量の変化として電気的に検出することで、超音波が受信される。
図2に示されるように、CMUT100では、印加される直流電圧の大きさが大きい程、空洞部6の厚さが初期厚さに対して小さくなるように、メンブレン7の位置が変化する。すなわち、下部電極3と上部電極5との間の距離が小さくなり、超音波の送信及び受信の感度が向上する。ここで、静電気力とメンブレンのバネ反発力との釣り合いが崩れることで、空洞部6が潰れるという電圧が存在する。このような電圧はコラプス電圧と呼ばれ、このような現象はコラプス現象と呼ばれる。
CMUT100を駆動する際に印加される直流電圧は、高感度化のために、可能な限りコラプス電圧に近い電圧に設定されていることが好ましい。しかし、本願発明者らの検討によれば、例えば水中でCMUT100を使用する場合、以下のような課題が挙げられる。
まず、ある水深において、下部電極3と上部電極5との間に最適な直流電圧が印加されているとする。
ここで、水深が大きくなる(深くなる)と水圧が上昇するので、下部電極3と上部電極5との間の距離が小さくなる。そうすると、静電引力が増加し、超音波の感度は向上するが、水圧が非常に大きい場合、直流電圧をオフにしたとしても空洞部6がつぶれ、絶縁層2と絶縁層4とが接触する。その場合、メンブレン7の振動が抑制されてしまうため、送信できる超音波の音圧が制限されることになる。また、メンブレンの共振周波数が上昇してしまい、超音波の帯域も変化してしまう。
逆に、水深が小さくなる(浅くなる)と水圧が低下するので、下部電極3と上部電極5との間の距離が大きくなる。そうすると、超音波の感度が低下するという問題がある。
従って、水深が変化したとしても、下部電極3と上部電極5との間の距離(空洞部6の厚さ)が、できる限り変動せず、ほぼ一定に保たれることが望ましい。すなわち、CMUT100の外部の環境に依らず、超音波の感度を安定させることが望ましい。
<音波制御モジュール200>
図3は、実施の形態1における音波制御モジュール(音波制御システム)200を示している。また、図3では、音波制御モジュール200に加えられる圧力が複数の黒矢印で示されている。複数の黒矢印には、音波制御モジュール200の外部の圧力P1と、空洞部6の内部の圧力P2とが含まれる。実施の形態1における外部環境は、例えば水中である。この場合、音波制御モジュール200の外部からの圧力P1は水圧を表す。
図3に示されるように、音波制御モジュール200は、図1のCMUT100と、CMUT100の内部の圧力を調整可能な圧力調整機構とを備える。実施の形態1における圧力調整機構は、CMUT100の外部に設けられた容器10および連結菅11有する。
CMUT100は、絶縁層2および基板1を貫通し、且つ、空洞部6に連通する貫通孔8を有する。実施の形態1における容器10は、ガス袋であり、容器10の内部には、例えば窒素ガスのような不活性ガスが充満されている。連結菅11は、貫通孔8と容器10の内部とを連結している。
実施の形態1では、容器10の内部、連結菅11、貫通孔8および空洞部6は、互いに連通し、密閉空間を成す。ここで、容器10の外部から圧力P1が加えられた場合、パスカルの原理によって、空洞部6の内部の圧力P2は、圧力P1に近づき、最終的に、圧力P2は、圧力P1が等しくなる。例えば音波制御モジュール200が水中に存在する場合、水深が深くなると圧力P1が上昇し、水深が浅くなると圧力P1が低下する。圧力P1の変化に応じて、容器10には収縮方向または膨張方向の力が働くが、その力は、空洞部6の内部で圧力P2として作用する。
このため、水深が変化したとしても、空洞部6の厚さ(下部電極3と上部電極5との間の距離)が、変動し難くなり、ほぼ一定に保たれる。すなわち、実施の形態1によれば、CMUT100の外部の環境に依らず、超音波の感度を安定させることができる。
なお、容器10が大気中から水浸していく場合、容器10の内部の圧力P2は、大気圧に設定されるのが好ましい。
また、実施の形態1では、容器10の内部と貫通孔8との間に連結菅11が設けられているが、容器10の内部および貫通孔8は、直接連結されていてもよい。また、貫通孔8は、必ずしも基板1を貫通しなくてもよく、例えば、図面の横方向に延在するように、絶縁層2または絶縁層4に設けられていてもよい。すなわち、容器10の内部が、少なくとも絶縁層2または絶縁層4に形成された貫通孔8を介して、空洞部6に連結されていればよい。
また、実施の形態1では、容器10はガス袋であり、その内部には窒素ガスのような不活性ガスが充満されているが、不活性ガスなどのガスでなく、容器10に印加される圧力P1がP2として空洞6の内部に伝達されればよく、例えば油またはフロリナートなどの液体が、容器10の内部に存在してもよい。
(変形例1)
以下に図4を用いて、実施の形態1の変形例1について説明する。図4に示されるように、変形例1では、CMUT100および容器10を含む音波制御モジュール200は、油層によって覆われている。また、音波制御モジュール200は、保護部材PMによって覆われ、油層は、保護部材PMの内部に充填されている。保護部材PMによって、水と油層とが物理的に隔離される。保護部材PMは、超音波が透過可能な材料で構成され、例えば薄いゴムからなる。例えば音波制御モジュール200が水中に存在する場合、CMUT100は水に直接触れることになるが、油層によってこれらを保護できる。
CMUT100は半導体技術によって構成されるデバイスである場合が多い。その場合、CMUT100に設けられている下部電極3および上部電極5を含む配線、および、これらに電気的に接続される電気回路が、水によって腐食するなどの不具合が発生する恐れがある。しかし、油層によって水の侵入を防ぐことができるので、上記不具合を抑制することができる。
また、変形例1において開示した技術は、実施の形態1だけでなく、後述の実施の形態2~5の何れにおいても適用可能である。
(実施の形態2)
以下に図5を用いて、実施の形態2における音波制御モジュール200を説明する。なお、以下の説明では、実施の形態1との相違点を主に説明する。
図5に示されるように、実施の形態2における圧力調整機構は、容器10および連結菅11だけでなく、連結菅11に接続された制御部12、および、制御部12に接続された圧力測定器13も有する。制御部12は、連結菅11の内部のガスの圧力および流量を制御可能であり、圧力測定器13は、CMUT100の外部の圧力P1を測定可能である。
実施の形態2における容器10は、例えばガスボンベであり、容器10の内部に充満するガスは、実施の形態1と同様である。また、制御部12は、具体的には、レギュレータ12a、リークバルブ12bおよびコントローラ12cを含んで構成されている。
レギュレータ12aは、連結菅11に取り付けられ、且つ、貫通孔8と容器10との間に設けられている。リークバルブ12bは、連結菅11に取り付けられ、且つ、貫通孔8と連結菅11の排出部11aとの間に設けられている。コントローラ12cは、レギュレータ12a、リークバルブ12bおよび圧力測定器13に接続され、且つ、レギュレータ12aおよびリークバルブ12bの動作を制御可能である。
実施の形態2では、まず、圧力測定器13によってCMUT100の外部の圧力P1が測定される。次に、測定された圧力P1に基づいて、空洞部6の内部の圧力P2が圧力P1に近くなるように、制御部12によって、連結菅11の内部のガスの圧力および流量が制御される。理想的には、空洞部6の内部の圧力P2が圧力P1に等しくなる。
例えば、計測された圧力P1が大きく、圧力P2を加圧させる場合、コントローラ12cによってレギュレータ12aを制御することで、連結菅11を介して容器10から空洞部6へガスが導入される。ガスの流量は、レギュレータ12aの開放状態によって調整できる。この際、リークバルブ12bは、空洞部6から排出部11aへガスが排出されないように閉鎖されている。
また、計測された圧力P1が小さく、圧力P2を減圧させる場合、コントローラ12cによってリークバルブ12bを制御することで、連結菅11の排出部11aからガスが排出される。この際、レギュレータ12aは、容器10から空洞部6へガスが導入されないように制御されていてもよいし、容器10から空洞部6へ微量のガスが導入されるように制御されていてもよい。
このように、実施の形態2においても、CMUT100の外部の環境が変化したとしても、空洞部6の厚さがほぼ一定に保たれるので、超音波の感度を安定させることができる。
(実施の形態3)
以下に図6を用いて、実施の形態3における音波制御モジュール200を説明する。なお、以下の説明では、実施の形態2との相違点を主に説明する。
図6に示されるように、実施の形態3における圧力調整機構は、実施の形態2と同様に圧力測定器13を有するが、実施の形態3における圧力測定器13は、CMUT100と同一のチップ内に設けられた下部電極30、上部電極50および空洞部60を利用することで構成される。すなわち、実施の形態3における圧力測定器13は、下部電極30と、上部電極50と、空洞部60と、下部電極3、上部電極5および制御部12(コントローラ12c)に電気的に接続された静電容量測定器14と、を含む。
下部電極30は、絶縁層2中に形成され、且つ、下部電極3と異なる領域に設けられている。上部電極50は、絶縁層4中に形成され、且つ、上部電極5と異なる領域に設けられている。空洞部60は、下部電極30と上部電極50との間に位置し、絶縁層2および絶縁層4に囲まれた空間である。なお、空洞部60は、空洞部6のように貫通孔8および連結管11などと連通されておらず、自身のみで完全に密閉された空間である。
下部電極30、上部電極50および空洞部60は、下部電極3、上部電極5および空洞部6と同じ構造として形成され、同じ製造工程によって製造される。このため、圧力測定器13は、CMUT100と同様の原理を用いて音波制御モジュール200の外部(CMUT100および圧力測定器13の外部)の圧力P1を測定可能である。
下部電極30と上部電極50との間の距離(空洞部60の厚さ)の変化を基にして、静電容量測定器14によって演算することで、圧力P1が測定される。静電容量測定器14は、圧力P1によって変化する下部電極30と上部電極50との間の距離を、下部電極30と上部電極50との間の静電容量の変化として電気的に検出し、上記静電容量の変化から圧力P1の測定値を演算し、圧力P1の測定値を制御部12(コントローラ12c)へ伝達する。
その後、実施の形態2と同様に、コントローラ12cによってレギュレータ12aおよびリークバルブ12bが制御され、連結菅11の内部のガスの圧力および流量が制御され、空洞部6の厚さがほぼ一定に保たれる。このように、実施の形態3においても、超音波の感度を安定させることができる。
また、圧力測定器13の下部電極30、上部電極50および空洞部60が、CMUT100と同一のチップ内に設けられていることで、圧力測定器13およびCMUT100には、ほぼ同じ環境下における圧力P1が加えられる。このため、圧力測定器13によって取得された圧力P1の測定値は、CMUT100に加えられている圧力P1の値に非常に近くなる。すなわち、より精度の高い圧力P1の測定値を算出できる。
また、下部電極30、上部電極50および空洞部60は、下部電極3、上部電極5および空洞部6と同じ製造工程によって製造できるので、音波制御モジュール200に掛かる製造コストの増加を抑制できる。
また、空洞部60の横幅(幅)は、空洞部6の横幅(幅)と異ならせることもできる。このような構造とするためには、空洞部60を形成する際のパターンマスクにおいて、空洞部60のパターン幅を空洞部6のパターン幅と異なる幅にしておけばよい。これにより、圧力測定器13は、CMUT100とは独立して、圧力P1の測定を行うことができる。従って、圧力測定器13のみをより高感度のデバイスとして使用することができ、圧力P1の測定をより高精度に行うこともできる。なお、上記「横幅(幅)」は、厚さ方向に対して直交する方向における長さである。
また、静電容量測定器14は、圧力P1によって変化する下部電極30と上部電極50との間の距離を、下部電極30と上部電極50との間の静電容量の変化として電気的に検出し、上記静電容量の変化から圧力P1の測定値を演算し、圧力P1の測定値を制御部12(コントローラ12c)へ伝達する。しかし、静電容量測定器14で測定した下部電極30と上部電極50との間の静電容量値を圧力P1に演算せずに、静電容量値が変動しないように、制御部12によって空洞部6の内部の圧力P2を制御してもよい。
また、静電容量測定器14は、CMUT100と別のチップに設けられていてもよいが、下部電極30、上部電極50および空洞部60と同様に、CMUT100と同一のチップ内に設けられていてもよい。その場合、音波制御モジュール200の微細化を図ることができる。
(実施の形態4)
以下に図7を用いて、実施の形態4における音波制御モジュール200を説明する。なお、以下の説明では、実施の形態3との相違点を主に説明する。
実施の形態3では、圧力測定器13は、CMUT100と異なる領域に設けられていた。実施の形態4では、CMUT100自体が、圧力測定器13として使用される。
図7に示されるように、実施の形態4における圧力測定器13は、下部電極3と、上部電極5と、空洞部6と、下部電極3、上部電極5および制御部12(コントローラ12c)に電気的に接続された静電容量測定器14と、を含む。
静電容量測定器14は、圧力P1によって変化する下部電極3と上部電極5との間の距離を、下部電極3と上部電極5との間の静電容量の変化として電気的に検出し、上記静電容量の変化から圧力P1の測定値を演算し、圧力P1の測定値を制御部12(コントローラ12c)へ伝達する。
その後、実施の形態2および実施の形態3と同様に、コントローラ12cによってレギュレータ12aおよびリークバルブ12bが制御され、連結菅11の内部のガスの圧力および流量が制御され、空洞部6の厚さがほぼ一定に保たれる。このように、実施の形態4においても、超音波の感度を安定させることができる。
また、CMUT100自体を圧力測定器13として使用することで、音波制御モジュール200の微細化を促進でき、音波制御モジュール200に掛かる製造コストの増加を更に抑制できる。
ところで、実施の形態4では、下部電極3と上部電極5との間の距離の変化が、CMUT100の外部の圧力P1によるものであるのか、受信波による圧力によるものであるのかの判定が困難となる場合がある。通常、受信波は、高周波または中周波であるので、下部電極3と上部電極5との間の距離の変化は、比較的短い時間において観測される。一方で、外部の圧力P1の変化は、高周波または中周波の受信時と比較すると、長い時間において観測される。すなわち、外部の圧力P1の観測時間は、受信波の観測時間よりも長い。従って、静電容量測定器14は、このような観測時間の違いを利用して、外部の圧力P1と、受信波による圧力とを区別することができる。
実施の形態4では、静電容量測定器14は、圧力P1によって変化する下部電極3と上部電極5との間の距離を、下部電極3と上部電極5との間の静電容量の変化として電気的に検出し、上記静電容量の変化から圧力P1の測定値を演算し、圧力P1の測定値を制御部12(コントローラ12c)へ伝達する。しかし、静電容量測定器14で測定した下部電極3と上部電極5との間の静電容量値を圧力P1に演算せずに、静電容量値が変動しないように、制御部12によって空洞部6の内部の圧力P2を制御してもよいことは言うまでもない。
以上、本発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、主に、水中で用いられる音波制御モジュール200について説明したが、音波制御モジュール200は、音響装置または医療装置など、他分野の装置にも好適に利用できる。
1 基板
2 絶縁層
3 下部電極
4 絶縁層
5 上部電極
6 空洞部
7 メンブレン
8 貫通孔
10 容器
11 連結菅
11a 排出部
12 制御部
12a レギュレータ
12b リークバルブ
12c コントローラ
13 圧力測定器
14 静電容量測定器
30 下部電極
50 上部電極
60 空洞部
100 超音波トランスデューサ(CMUT)
200 音波制御モジュール(音波制御システム)
AC 交流電源
DC 直流電源
IF1~IF4 絶縁膜
P1 音波制御モジュール200の外部の圧力
P2 空洞部6の内部の圧力
PM 保護部材

Claims (9)

  1. 超音波トランスデューサ、および、前記超音波トランスデューサの内部の圧力を調整可能な圧力調整機構を備えた音波制御モジュールであって、
    前記超音波トランスデューサは、
    第1絶縁層と、
    前記第1絶縁層中に形成された第1電極と、
    前記第1絶縁層上に形成された第2絶縁層と、
    前記第2絶縁層中に形成された第2電極と、
    前記第1絶縁層および前記第2絶縁層に囲まれ、且つ、前記第1電極と前記第2電極との間に位置する第1空洞部と、
    前記第1絶縁層を貫通し、且つ、前記第1空洞部に連通する貫通孔と、
    を有し、
    前記圧力調整機構は、前記超音波トランスデューサの外部に設けられた容器を有し、
    前記容器の内部は、ガスで充満され、且つ、前記貫通孔を介して前記第1空洞部に連結され
    前記超音波トランスデューサおよび前記容器は、油層によって覆われている、音波制御モジュール。
  2. 請求項に記載の音波制御モジュールにおいて、
    前記音波制御モジュールが水中において使用される場合、前記超音波トランスデューサおよび前記容器は、前記油層によって前記水から隔離される、音波制御モジュール。
  3. 請求項1に記載の音波制御モジュールにおいて、
    前記容器の内部、前記貫通孔および前記第1空洞部は、密閉空間を成し、
    前記容器の外部から第1圧力が加えられた場合、前記第1空洞部の内部の第2圧力は、前記第1圧力に近づく、音波制御モジュール。
  4. 請求項1に記載の音波制御モジュールにおいて、
    前記圧力調整機構は、
    前記超音波トランスデューサの外部に設けられ、且つ、前記貫通孔と前記容器の内部とを連結する連結菅と、
    前記連結菅に接続され、且つ、前記連結菅の内部の前記ガスの圧力を制御可能な制御部と、
    前記制御部に接続され、且つ、前記超音波トランスデューサの外部の第1圧力を測定可能な圧力測定器と、
    を更に有し、
    前記圧力測定器によって測定された前記第1圧力に基づいて、前記第1空洞部の内部の第2圧力が前記第1圧力に近くなるように、前記制御部によって、前記連結菅の内部の前記ガスの圧力が制御される、音波制御モジュール。
  5. 請求項に記載の音波制御モジュールにおいて、
    前記制御部は、
    前記連結菅に取り付けられ、且つ、前記貫通孔と前記容器との間に設けられたレギュレータと、
    前記連結菅に取り付けられ、且つ、前記貫通孔と前記連結菅の排出部との間に設けられたリークバルブと、
    前記レギュレータ、前記リークバルブおよび前記圧力測定器に接続され、且つ、前記レギュレータおよび前記リークバルブの動作を制御可能なコントローラと、
    を含み、
    前記第2圧力を加圧させる場合、前記コントローラによって前記レギュレータを制御することで、前記容器から前記第1空洞部へ前記ガスが導入され、
    前記第2圧力を減圧させる場合、前記コントローラによって前記リークバルブを制御することで、前記連結菅の前記排出部から前記ガスが排出される、音波制御モジュール。
  6. 請求項に記載の音波制御モジュールにおいて、
    前記圧力測定器は、
    前記第1絶縁層中に形成され、且つ、前記第1電極と異なる領域に設けられた第3電極と、
    前記第2絶縁層中に形成され、且つ、前記第2電極と異なる領域に設けられた第4電極と、
    前記第1絶縁層および前記第2絶縁層に囲まれ、且つ、前記第3電極と前記第4電極との間に位置する第2空洞部と、
    前記第3電極、前記第4電極および前記制御部に電気的に接続された静電容量測定器と、
    を含み、
    前記静電容量測定器は、前記第1圧力によって変化する前記第3電極と前記第4電極との間の距離を、前記第3電極と前記第4電極との間の静電容量の変化として電気的に検出し、前記静電容量の変化から前記第1圧力の測定値を演算し、前記第1圧力の測定値を前記制御部へ伝達する、音波制御モジュール。
  7. 請求項に記載の音波制御モジュールにおいて、
    前記第2空洞部は、自身のみで密閉された空間である、音波制御モジュール。
  8. 請求項に記載の音波制御モジュールにおいて、
    前記第2空洞部の幅は、前記第1空洞部の幅と異なっている、音波制御モジュール。
  9. 請求項に記載の音波制御モジュールにおいて、
    前記圧力測定器は、
    前記第1電極と、
    前記第2電極と、
    前記第1空洞部と、
    前記第1電極、前記第2電極および前記制御部に電気的に接続された静電容量測定器と、
    を含み、
    前記静電容量測定器は、前記第1圧力によって変化する前記第1電極と前記第2電極との間の距離を、前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量の変化として電気的に検出し、前記静電容量の変化から前記第1圧力の測定値を演算し、前記第1圧力の測定値を前記制御部へ伝達する、音波制御モジュール。
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