JP7452824B2 - 量子系における期待値推定方法、装置、機器及びシステム - Google Patents

量子系における期待値推定方法、装置、機器及びシステム Download PDF

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Description

本出願は、2021年10月14日に中国専利局に出願した、出願番号が202111197696.8、発明の名称が「量子系における期待値推定方法及びシステム」である中国特許出願に基づく優先権を主張するものであり、その全内容を参照によりここに援用する。
本出願は、量子の技術分野に関し、特に、量子系(量子システム)における期待値推定方法、装置、機器及びシステムに関する。
今のところ、QEM(Quantum Error Mitigation、量子エラー除去)を実現するためのZNE(Zero-noise Extrapolation、ゼロノイズ外挿)のスキームが提案されている。QEMはノイズ付きの量子システムにおいて幾つかの前置手段(プレ手段)を使用することで、このノイズによって引き起こされるエラーを相殺する。これにより、ノイズによって引き起こされるエラーは最終結果の中で可能な限り見えなくなる。
ZNEスキームでは、異なるノイズ強度の下で同じ観測量を測定することで、異なるノイズ強度の下でこの観測量の異なる期待値を取得し、そして、多項式又は指数関数フィッティングの方法を用いて、得られた、異なるノイズ強度の下での期待値をゼロノイズの限界まで外挿することで、該観測量のゼロノイズの限界の下での期待値を取得し、QEM後の該観測量の期待値とする。
しかし、ZNEスキームは複数の異なるノイズ強度の下で期待値推定を行う必要があるので、必要な量子ハードウェアの測定回数は通常の期待値推定の数倍になり、リソースの消費は大きくなる。
本出願の実施例は、少なくとも、量子系の下での期待値推定方法、装置、機器及びシステムを提供することを課題とする。
本出願の実施例の一側面によれば、量子系における期待値推定方法が提供され、前記方法はコンピュータ装置により実行され、前記方法は、
ノイズ付きのパラメータ化量子回路によりn個の量子ビットの入力量子状態に対して変換処理を行った後に得られた前記n個の量子ビットの出力量子状態を取得し、そのうち、前記n個の量子ビットの出力量子状態の下での目的関数(objective function)の期待値は前記目的関数の分解により得られた複数のパウリ文字列の期待値の加重合計(weighted sum)結果であり、nは正の整数であり;
ニューラルネットワークを採用して前記n個の量子ビットの出力量子状態に対して後処理を行い、前記複数のパウリ文字列の期待値を取得し;
前記複数のパウリ文字列の期待値に基づいて前記目的関数の期待値を計算し、そのうち、前記目的関数の期待値は前記ニューラルネットワークにより前記パラメータ化量子回路のノイズに対して量子エラー除去を行った後の結果であり;
前記目的関数の期待値の収束(収斂)を目標として目標対象(ターゲットオブジェクト)のパラメータを調整し、前記目標対象は前記ニューラルネットワークを含み;及び
前記目的関数の期待値が収束条件を満足した場合、前記目的関数の収束期待値を取得し、前記収束期待値とは前記収束条件を満足した期待値を指すステップを含む。
本出願の実施例の一側面によれば、量子系における期待値推定装置が提供され、前記装置は、
ノイズ付きのパラメータ化量子回路によりn個の量子ビットの入力量子状態に対して変換処理を行った後に得られた前記n個の量子ビットの出力量子状態を取得するための状態取得モジュールであって、前記n個の量子ビットの出力量子状態の下での目的関数の期待値は前記目的関数の分解により得られた複数のパウリ文字列の期待値の加重合計結果であり、nは正の整数である、状態取得モジュール;
ニューラルネットワークを採用して前記n個の量子ビットの出力量子状態に対して後処理を行い、前記複数のパウリ文字列の期待値を取得するための後処理モジュール;
前記複数のパウリ文字列の期待値に基づいて、前記目的関数の期待値を計算するための期待値計算モジュールであって、前記目的関数の期待値は前記ニューラルネットワークにより前記パラメータ化量子回路のノイズに対して量子エラー除去を行った後の結果である、期待値計算モジュール;
前記目的関数の期待値の収束を目標として目標対象のパラメータを調整するためのパラメータ調整モジュールであって、前記目標対象は前記ニューラルネットワークを含む、パラメータ調整モジュール;及び
前記目的関数の期待値が収束条件を満足した場合、前記目的関数の収束期待値を取得するための期待値取得モジュールであって、前記収束期待値とは前記収束条件を満足した期待値を指す、期待値取得モジュールを含む。
本出願の実施例の一側面によれば、コンピュータ装置が提供され、前記コンピュータ装置は処理器及び記憶器を含み、前記記憶器にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは前記処理器によりロードされ実行されることで、上述の方法を実現する。
本出願の実施例の一側面によれば、コンピュータ可読記憶媒体が提供され、前記記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは処理器によりロードされ実行されることで、上述の方法を実現する。
本出願の実施例の一側面によれば、コンピュータプログラムプロダクト又はコンピュータプログラムが提供され、前記コンピュータプログラムプロダクト又はコンピュータプログラムはコンピュータ命令を含み、前記コンピュータ命令はコンピュータ可読記憶媒体に記憶されており、処理器は前記コンピュータ可読記憶媒体から前記コンピュータ命令を読み取って実行することで、上述の方法を実現する。
本出願の実施例の一側面によれば、量子系における期待値推定システムが提供され、前記システムはコンピュータ装置及びノイズ付きのパラメータ化量子回路を含み、前記コンピュータ装置は後処理モジュール及び最適化モジュールを含み、
前記パラメータ化量子回路はn個の量子ビットの入力量子状態に対して変換処理を行い、前記n個の量子ビットの出力量子状態を取得し、そのうち、前記n個の量子ビットの出力量子状態の下での目的関数の期待値は前記目的関数の分解により得られた複数のパウリ文字列の期待値の加重合計結果であり、nは正の整数であり、
前記後処理モジュールはニューラルネットワークを採用して前記n個の量子ビットの出力量子状態に対して後処理を行い、前記複数のパウリ文字列の期待値を取得し;及び、前記複数のパウリ文字列の期待値に基づいて前記目的関数の期待値を計算し、そのうち、前記目的関数の期待値は前記ニューラルネットワークにより前記パラメータ化量子回路のノイズに対して量子エラー除去を行った後の結果であり、
前記最適化モジュールは前記目的関数の期待値の収束を目標として目標対象のパラメータを調整し、前記目標対象は前記ニューラルネットワークを含み;及び、前記目的関数の期待値が収束条件を満足した場合、前記目的関数の収束期待値を取得し、前記収束期待値とは前記収束条件を満足した期待値を指す。
本出願の実施例により提供される技術案は少なくとも次のような有利な効果を有する。ノイズ付きハードウェア(ノイズ付きのパラメータ化量子回路を含む)上でニューラルネットワークの変分最適化(variational optimization)を直接行うことで、ニューラルネットワークのパラメータが量子ノイズの影響をある程度相殺するようにさせ、ニューラルネットワークにより量子ノイズに対してQEMを行う効果を達成し、最終的に求めれた目的関数の期待値がQEMを経た期待値になるようにさせることができる。このスキームは、ノイズ無き場合のノイズシミュレーションを必要とせず、訓練プロセスを簡素化し、リソース消費を減少させることができる。
本出願の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面について簡単に紹介する。明らかのように、以下に説明される図面は本出願の幾つかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造性のある労働をせずにこれらの図面をもとに他の図面を得ることもできる。
本出願の一実施例により提供されるVQNHEフレームワークを示す図である。 本出願の一実施例により提供される量子系の下での期待値推定方法のフローチャートである。 本出願の一実施例により提供される2種類の再訓練方式の実験結果を示す図である。 本出願の一実施例により提供される断熱反応においてノイズに対する感度が最も低い点(ポイント)を示す図である。 本出願のもう1つの実施例により提供される量子系の下での期待値推定方法のフローチャートである。 本出願の一実施例により提供される3重最適化を示す図である。 本出願のもう1つの実施例により提供される量子系の下での期待値推定方法のフローチャートである。 本出願の一実施例により提供される実験結果を示す図である。 本出願のもう1つの実施例により提供される実験結果を示す図である。 本出願の一実施例により提供される量子系の下での期待値推定装置のブロック図である。 本出願の一実施例により提供されるコンピュータ装置の構成図である。
本出願の目的、技術手段及び効果をより明確にするために、以下、添付した図面を参照しながら本出願をさらに詳しく説明する。
本出願の技術案を紹介するために、先に本出願に係る幾つかの重要な用語について説明する。
1.量子計算(コンピューティング):量子論理に基づく計算方法であり、データを記憶する基本ユニットは量子ビット(qubit)である。
2.量子ビット:量子計算の基本ユニットである。古典コンピュータが0及び1をバイナリの基本ユニットとして使用する。これとは異なる点は、量子計算は0及び1を同時に処理でき、システムは0及び1の線形重ね合わせ状態
にあり得ることにある。ここで、α及びβはシステムの0及び1での複素確率振幅を表す。それらのモジュラー二乗(平方)(modular squaring)|α|2及び|β|2はそれぞれ0及び1にある確率を表す。
3.量子回路:量子汎用コンピュータの表現の1つであり、対応する量子アルゴリズム/プログラムの量子ゲートモデルの下でのハードウェア実装を表す。量子回路に調整可能な制御量子ゲートのパラメータが含まれる場合、パラメータ化量子回路(Parameterized Quantum Circuit、PQC)又は変分量子回路(Variational Quantum Circuit、VQC)と称され、両者は同じ概念を有する。
4.ハミルトニアン:量子システムの総エネルギーを表す1つのエルミート共役行列である。ハミルトニアンは1つの物理学用語であり、システムの総エネルギーを表す1つの演算子であり、通常、Hで表される。
5.固有状態:1つのハミルトニアン行列Hについて、方程式
を満足した解はHの固有状態
と呼ばれ、固有エネルギーEを有する。基底状態は量子システムのエネルギー最低の固有状態に対応する。
6.量子アーキテクチャ探索(Quantum Architecture Search、QAS):量子回路のアーキテクチャ(構造)、パターン及びアレンジメントに対して自動化及びプログラム化探索を行おうとする一連の作業及びスキームの総称である。従来、量子アーキテクチャ探索の作業は通常、貪欲アルゴリズム、強化学習又は遺伝的アルゴリズムをコア技術として採用している。最近開発された技術は微分可能な量子アーキテクチャ探索及び予測器ベースのアーキテクチャ探索スキームを含む。
7.量子・古典ハイブリッド計算:内層で量子回路(例えば、PQC)を利用して計算を行い、対応する物理量又は損失関数を取得し、外層で従来の古典最適化器を使用して量子回路の変分パラメータを調整する計算パラダイム(computing paradigm)であり、量子計算の利点を最大限で発揮でき、量子優位性を証明し得る潜在能力を有する重要な方向の1つと考えられる。
8.NISQ(Noisy Intermediate-Scale Quantum):最近の中規模ノイズ有り量子ハードウェアであり、量子コンピューティング開発の現在の段階及び研究の重要な方向である。この段階での量子計算は依然として規模及びノイズにより制限され、汎用計算のエンジンとして使えないが、一部の問題の場合、既に最強の古典コンピュータを凌駕する成果を上げており、これは通常、量子超越性又は量子優位性と称される。
9.量子エラー(誤差)除去(Quantum Error Mitigation):量子誤り訂正(Quantum
Error Correction)に対応し、一連のNISQ時代のハードウェアの下でのより小さいリソースコストの量子エラー軽減及びノイズ抑制スキームである。完全な量子誤り訂正に比べて、必要なリソースが大幅に減少し得るが、特定のタスクにのみ適しており、汎用スキームではない。
10.変分量子固有値ソルバー(Variational Quantum Eigensolver、VQE):変分回路(即ち、PQC/VQC)により特定の量子システムの基底状態エネルギーの推定を実現し、典型的な量子・古典ハイブリッド計算パラダイムの1つであり、量子化学の分野で幅広い用途がある。
11.Jastrow因子:変分モンテカルロ法の波動関数の仮設に一般的に使用される因子の1つであり、平均場で相互作用がない波動関数を、より多くの量子関連情報を特徴付けるように強化するために用いられる。その基本形式は、
であり、そのうち、φは変分パラメータであり、Zは測定基底(ベース)上で±1の固有値を与える量子演算子であり、k及びlは異なる量子ビットの自由度を表し、kはk個目の量子ビットを表し、lはl個目の量子ビットを表す。
12.非ユニタリ:いわゆるユニタリ行列であり、即ち、
を満足した全部の行列であり、量子力学によって直接許可されるすべての時間発展プロセスはユニタリ行列により記述できる。そのうち、Uはユニタリ行列(Unitary Matrix)であり、
はUの共役転置である。また、該条件を満たさない行列は非ユニタリ的であり、それは、補助手段、さらには指数関数的に多いリソースによって実験的に実現する必要があるが、非ユニタリ行列は往々にして、より強い表現能力及びより速い基底状態の射影効果を有する。ここで“指数関数的に多いリソース”とは、リソースの需要量が量子ビット数の増加に伴って指数関数的に増加することを意味し、該指数的に多いリソースとは、測定する必要のある量子回路の総数が指数関数的に多いことを指しても良く、即ち、それ相応に指数関数的に多い計算時間が要される。
13.パウリ文字列(Pauli string):異なる格子点(グリッド)で複数のパウリ演算子の直積からなる項であり、一般的なハミルトニアンは通常、1組のパウリ文字列の和に分解できる。VQEの測定も通常、パウリ文字列の分解に従って項毎に測定を行う。
14.パウリ演算子:パウリ行列とも呼ばれ、1組の3つの2×2のユニタリエルミート複素行列(ユニタリ行列とも言う)であり、一般にギリシャ文字σ(シグマ)で表される。そのうち、パウリX演算子
であり、パウリY演算子は
であり、パウリZ演算子は
である。
15.ビット列(bit string):0及び1からなる数字列である。量子回路に対しての毎回の測定で得られた古典結果が測定基底上でのスピン配置の上下に応じてそれぞれ0及び1で表され得るため、トータルな1回の測定結果は1つのビット列に対応する。
本出願により提供される技術案では、ノイズ付きハードウェア(ノイズ付きのパラメータ化量子回路を含む)上でニューラルネットワークの変分最適化を直接行うことで、ニューラルネットワークのパラメータが量子ノイズの影響をある程度相殺するようにさせ、ニューラルネットワークにより量子ノイズに対してQEMを行う効果を達成し、最終的に求めれた目的関数の期待値がQEMを経た期待値になるようにさせることができる。このスキームは、ノイズ無き場合のノイズシミュレーションを必要とせず、訓練プロセスを簡素化し、リソース消費を減少させることができる。
本出願の1つの例示的な実施例により提供される変分量子ニューラルネットワークハイブリッド固有値ソルバー(Variational Quantum Neural network Hybrid Eigensolver、VQNHE)フレームワークは図1に示すように、パラメータ化量子回路(PQC)10、ニューラルネットワーク20及び最適化器30を含む。そのうち、ニューラルネットワーク20及び最適化器30はコンピュータ装置にデプロイされる機能モジュールであっても良く、最適化器30は最適化モジュールと称され得る。本出願の実施例において、コンピュータ装置は処理器によりコンピュータプログラムを実行することで、かかる方法を実現する古典コンピュータであっても良く、それは記憶及び計算能力を具備する。パラメータ化量子回路10はノイズ付きのものであっても良く、パラメータ化量子回路10はn個の量子ビットの入力量子状態に対して変換処理を行い、該n個の量子ビットの出力量子状態を得るために用いられ、nは正の整数である。該n個の量子ビットの出力量子状態の下での目的関数の期待値は、該目的関数の分解により得られた複数のパウリ文字列の期待値の加重合計結果である。ニューラルネットワーク20は該n個の量子ビットの出力量子状態に対して後処理を行うために用いられる。ニューラルネットワーク20の後処理結果に基づいて複数のパウリ文字列の期待値を取得し、その後、目的関数の期待値を算出する。最適化器30は目的関数の期待値の収束を目標として目標対象(例えば、パラメータ化量子回路10及び/又はニューラルネットワーク20を含む)のパラメータを調整するために用いられる。目的関数の期待値が収束条件を満足した場合、該目的関数の収束期待値を得る。
図1の左上隅にあるパラメータ化量子回路(PQC)10は従来のVQEフレームワークの中のものと一致しており、それにより出力された波動関数
がニューラルネットワーク後処理演算子
の作用を受けることで、強化された量子ニューラルネットワークハイブリッド波動関数
を取得し得る。
測定により
に対応する目的関数の期待値を推定するために、次のような方法を採用しても良く、即ち、上述の複数のパウリ文字列のうちの各パウリ文字列について、それぞれ、n個の量子ビットの出力量子状態の、該パウリ文字列に対応する測定基底上でのビット列を測定により取得し、そして、ニューラルネットワーク20により該ビット列に基づいて該パウリ文字列の期待値を計算するための元データを出力し、その後、これらの元データに基づいて該パウリ文字列の期待値を計算により取得し、最後に複数のパウリ文字列の期待値に対して加重合計を行うことで、目的関数の期待値を得る。目的関数の期待値を得ると、それぞれ、パラメータ平行移動(translation)及びバックプロパゲーションを用いて、該期待値の、パラメータ化量子回路10のパラメータθ及びニューラルネットワーク20のパラメータφに関する導関数を計算できる。該導関数の情報により、古典機械学習コミュニティによって開発された、勾配ベースの最適化器30(例えば、Adam)を用いて対応するパラメータを更新でき、これによって、1ラウンドの量子・古典ハイブリッド計算パラダイムの反復を完了でき、このような反復処理を、得られた期待値が収束するまで繰り返し、その値は、目的関数の最大値又は最小値の近似推定(値)とすることができる。
オプションとして、上述のVQNHEフレームワークはさらに、測定回路(図1に示されていない)を含んでも良い。測定回路は複数組の測定回路を含んでも良く、例えば、測定回路の組数は目的関数の分解により得られたパウリ文字列の数に等しくても良く、これによって、該複数組の測定回路が複数のパウリ文字列と一対一対応するようにさせることができる。目標パウリ文字列に対応する目標測定回路を例にとり、該目標測定回路はn個の量子ビットの出力量子状態に対して目標パウリ文字列に対応する変換処理を行い、変換後の出力量子状態を得るために用いられる。ニューラルネットワーク20は該変換後の出力量子状態に対して後処理を行うために用いられる。ニューラルネットワーク20の後処理の結果に基づいて、目標パウリ文字列のエネルギー期待値を得る。上述の複数のパウリ文字列に対してそれぞれ上述の操作を行い、該複数のパウリ文字列にそれぞれ対応する期待値を取得し、その後、加重合計を行うことで目的関数の期待値を取得し得る。
本出願により提供される技術案は主に、該VQNHEフレームワークの下でのQEMスキームについてのものである。本出願では、ノイズ付きハードウェア上で適応的再訓練(適応型再訓練とも言う)を行うスキームを提案することで、変分フレームワーク全体のパラメータが量子ノイズの影響をある程度相殺するようにさせることができ、このような再訓練の効果はニューラルネットワーク後処理モジュールが導入された後に顕著になる。つまり、本出願により提供されるQEMスキームはVQNHEフレームワークに特に適しており、このような誤り訂正能力はVQNHEフレームワークのノイズロバストネスが普通のVQEを超えたことを示している。
適応的再訓練の場合、本出願では複数の種類の異なるパラメータ調整メカニズムを与えている。パラメータ化量子回路のパラメータ及びニューラルネットワークのパラメータの両方に対してノイズ付きハードウェア上で再び最適化を行う方法は、本出願では“ジョイント再訓練”と称される。また、ニューラルネットワークのパラメータを調整せず、パラメータ化量子回路のパラメータのみを単独で調整しても良く、このような方法は“量子回路再訓練”と称され、又は、パラメータ化量子回路のパラメータを調整せず、ニューラルネットワークのパラメータのみを単独で調整しても良く、このような方法は“ニューラルネットワーク再訓練”と称される。
異なるサブスキームのQEM能力を評価するために、本出願では再訓練によってもたらされた期待値推定を降下させてQEM能力の推定指標とする。具体的に言えば、ノイズが無い場合、量子回路及びニューラルネットワークの最適パラメータがそれぞれθ0及びφ0であり、ノイズ有りのシステムの下で該パラメータをロードすることで、期待値のノイズ含有推定(値)E0を得ることができる。ノイズ付きハードウェア上で勾配降下法の最適化を直接行う場合、得られた最優パラメータはθ及びφであり、このときの期待値推定はEθ,φである。最適化の目標が期待値の最小化であるので、Eθ,φはE0以下である。本出願では、再訓練エネルギー差がδE=Eθ,φ-E0と定義され、この値の絶対値が大きいほど、システムのQEMの誤り訂正能力が強くなり、量子ノイズに対する表現(パフォーマンス)が安定することを意味する。
また、量子回路のみの再訓練の場合、その再訓練エネルギー差がδE=Eθ-E0と定義され、ニューラルネットワークのみの再訓練の場合、その再訓練エネルギー差がδE=Eφ-E0と定義される。
なお、評価指標にはノイズ限界無しの最優パラメータが用いられているが、実際の実験では、本出願でのいわゆる適応的“再訓練”は任意の回路パラメータから開始できるから、予め、ノイズ無き最優パラメータの事前知識を知る必要がない。即ち、いわゆる“再訓練”は、実は初回訓練である。よって、実際の操作にあたって、ノイズ有りの量子ハードウェア上で変分最適化を直接行うだけで良い。ここで、ノイズ限界無きパラメータの下でのパフォーマンスとの対比を議論する目的は、固有(intrinsic)のQEM能力の大小を特徴付けるためだけであり、QEMに必要なワークフローとは関係がない。
図2は本出願の一実施例により提供される量子系における期待値推定方法のフローチャートである。該方法は上述のVQNHEフレームワークに適用でき、例えば、該方法の各ステップの実行主体はコンピュータ装置であっても良い。該方法は次のような幾つかのステップ(210~250)を含み得る。
ステップ210:ノイズ付きのパラメータ化量子回路によりn個の量子ビットの入力量子状態に対して変換処理を行った後に得られたn個の量子ビットの出力量子状態を取得し、そのうち、n個の量子ビットの出力量子状態の下での目的関数の期待値は、該目的関数の分解により得られた複数のパウリ文字列の期待値の加重合計結果であり、nは正の整数である。
本出願の実施例において、ノイズ付きのパラメータ化量子回路によりn個の量子ビットの入力量子状態に対して変換処理を行うことで、n個の量子ビットの出力量子状態を得る。
目的関数はVQNHEフレームワークを用いてその期待値を求める関数である。目的関数は収束期待値を有し、該収束期待値は該目的関数の最小期待値であっても良く、又は、該目的関数の最大期待値であっても良い。
オプションとして、目的関数は目標量子システムのハミルトニアンである。目標量子システムのハミルトニアンの、n個の量子ビットの出力量子状態の下でのエネルギー期待値を求め、パラメータ化量子回路及び/又はニューラルネットワークのパラメータを調整することで、該エネルギー期待値が収束条件を満足する(例えば、最小化に達する)ようにさせ、そして、収束条件を満足したエネルギー期待値を目標量子システムの基底状態エネルギーと決定する。
パラメータ化量子回路の入力量子状態は一般的に全ゼロ状態、一様重ね合わせ状態、又はHartree-Fock(ハートリー・フォック)状態を使用しても良く、該入力量子状態は試行状態とも称される。目的関数は複数のパウリ文字列の直積に分解でき、例えば、目的関数はk個のパウリ文字列の直積に分解でき、kは通常、1よりも大きい整数であるが、幾つかの特殊な場合、kは1に等しくても良く、即ち、目的関数は1つのパウリ文字列と見なされ得る。よって、VQEフレームワークでは、パラメータ化量子回路の出力により目標量子システムの出力量子状態を近似し、測定により目標量子システムの目的関数の、パラメータ化量子回路の出力量子状態の下での期待値を推定し、また、該期待値が最適化目標に収束する(例えば、該期待値の最小化又は最大化を最適化目標とする)ようにパラメータ化量子回路のパラメータを絶えずに最適化することで、その出力量子状態を調整し、これによって、目標量子システムの目的関数の、該出力量子状態の下での期待値が収束する(例えば、期待値が最小又は最大になる)ようにさせ、最終的には該目的関数の収束期待値を取得し得る。
例示として、目的関数が目標量子システムのハミルトニアンである場合、上述の方法により、該目標量子システムのハミルトニアンの、上述の出力量子状態の下でのエネルギー期待値の最小値を求め、該目標量子システムの基底状態エネルギーとすることができる。
ステップ220:ニューラルネットワークを採用してn個の量子ビットの出力量子状態に対して後処理を行うことで、複数のパウリ文字列の期待値を得る。
本出願により提供されるVQNHEフレームワークでは、ニューラルネットワークを採用してパラメータ化量子回路から出力される波動関数に対して後処理を行い、該ニューラルネットワークは1つの汎用関数近似器の役割を果たすことができ、それは比較的強い表現能力及び収束期待値近似能力を有するため、収束期待値推定の精度(accuracy)の向上につながる。
オプションとして、ステップ220は、n個の量子ビットの出力量子状態に対応する測定結果を取得し、該測定結果は複数のビット列を含んでも良く;ニューラルネットワークにより該測定結果に対して処理を行い、ニューラルネットワークの出力結果を取得し;及び、ニューラルネットワークの出力結果に基づいて複数のパウリ文字列の期待値を得ることを含んでも良い。
例示として、仮に、目的関数の分解によりk個のパウリ文字列を取得し、kは正の整数であるとする。k個のパウリ文字列のうちの目標パウリ文字列について、目標パウリ文字列に対応する測定回路を採用してn個の量子ビットの出力量子状態に対して目標パウリ文字列に対応する変換処理を行い、変換後の出力量子状態を取得し;測定により変換後の出力量子状態の、指定測定基底上でのビット列を取得し;ニューラルネットワークにより上述のビット列に基づいて、目標パウリ文字列の期待値を計算するための元データを出力し;及び、元データに基づいて目標パウリ文字列の期待値を計算により取得する。このような方法により、k個のパウリ文字列にそれぞれ対応する期待値を算出した後に、該k個のパウリ文字列にそれぞれ対応する期待値に基づいて、目的関数の期待値を計算できる。
本出願の実施例において、ニューラルネットワークの具体的な構造について限定せず、それは簡単な全結合構造であっても良く、又は、他の比較的複雑な構造であっても良いが、本出願ではこれについて限定しない。
ステップ230:複数のパウリ文字列の期待値に基づいて目的関数の期待値を計算し、そのうち、目的関数の期待値はニューラルネットワークによりパラメータ化量子回路のノイズに対して量子エラー除去を行った後の結果である。
幾つかの実施例において、複数のパウリ文字列にそれぞれ対応する重み値に基づいて、複数のパウリ文字列の期待値に対して加重合計を行うことで、目的関数の期待値を得る。そのうち、複数のパウリ文字列にそれぞれ対応する重み値は設定値(所定値)であっても良く、又は、変分フレームワークのパラメータ訓練プロセスで同期して更新及び最適化された値であっても良いが、本出願ではこれについて限定しない。
本出願の実施例において、ノイズ付きハードウェア(ノイズ付きのパラメータ化量子回路を含む)上でニューラルネットワークの変分最適化を直接行うことで、ニューラルネットワークのパラメータが量子ノイズの影響をある程度相殺するようにさせ、ニューラルネットワークにより量子ノイズに対してQEMを行う効果を達成でき、これによって、最終的に求められた目的関数の期待値はQEMを経た期待値であるため、より正確なものになる。
ステップ240:目的関数の期待値の収束を目標として目標対象のパラメータを調整し、目標対象はニューラルネットワークを含む。
ジョイント再訓練の場合、目標対象はパラメータ化量子回路及びニューラルネットワークを含み、目的関数の期待値の収束を目標としてパラメータ化量子回路のパラメータ及びニューラルネットワークのパラメータに対してそれぞれ調整を行う。
ニューラルネットワーク再訓練の場合、目標対象はニューラルネットワークを含むが、パラメータ化量子回路を含まず、目的関数の期待値の収束を目標としてニューラルネットワークのパラメータに対して調整を行う。
量子回路再訓練の場合、目標対象はパラメータ化量子回路を含むが、ニューラルネットワークを含まず、目的関数の期待値の収束を目標としてパラメータ化量子回路のパラメータに対して調整を行う。
実験により次のようなことが発見されており、即ち、ジョイント再訓練の方法で得られた収束期待値は精度が最も高く、ニューラルネットワーク再訓練の方法で得られた収束期待値は精度が2番目に高く、量子回路再訓練の方法で得られた収束期待値は精度が精度の要求(要件)を満たすことができない。なお、具体的な実験データについては後述する。よって、本出願ではジョイント再訓練及びニューラルネットワーク再訓練のスキームに焦点を当てて説明を行う。
ジョイント再訓練のスキームでは、それぞれ、目的関数の期待値の、パラメータ化量子回路のパラメータに関する導関数、及び目的関数の期待値の、ニューラルネットワークのパラメータに関する導関数を計算できる。本出願では、説明の便宜のため、目的関数の期待値の、パラメータ化量子回路のパラメータに関する導関数を第二導関数と呼び、目的関数の期待値の、ニューラルネットワークのパラメータに関する導関数を第三導関数と呼ぶ。その後、該第二導関数及び該第三導関数に基づいて勾配降下法を用いて、それぞれ、パラメータ化量子回路のパラメータ及びニューラルネットワークのパラメータを調整することで、目的関数の期待値が収束するようにさせる。
目的関数が目標量子システムのハミルトニアンであることを例にとり、それぞれ、該ハミルトニアンのエネルギー期待値の、パラメータ化量子回路のパラメータに関する導関数、及びニューラルネットワークのパラメータに関する導関数を計算する。その後、該導関数の情報に基づいて勾配降下法を用いて、それぞれ、パラメータ化量子回路のパラメータ及びニューラルネットワークのパラメータに対して調整を行うことで、ハミルトニアンのエネルギー期待値が最小になるようにさせる。
ニューラルネットワーク再訓練のスキームでは、目的関数の期待値の、ニューラルネットワークのパラメータに関する導関数を計算できる。即ち、第二導関数のみを計算する必要がある。その後、該第二導関数に基づいて勾配降下法を用いて、ニューラルネットワークのパラメータを調整することで、目的関数の期待値が収束するようにさせる。
目的関数が目標量子システムのハミルトニアンであることを例にとり、該ハミルトニアンのエネルギー期待値の、ニューラルネットワークのパラメータに関する導関数を計算する。その後、該導関数の情報に基づいて勾配降下法を採用して、ニューラルネットワークのパラメータに対して調整を行うことで、ハミルトニアンのエネルギー期待値が最小になるようにさせる。
ジョイント再訓練のスキーム及びニューラルネットワーク再訓練のスキームはそれぞれ利点を有する。ジョイント再訓練のスキームはニューラルネットワーク再訓練のスキームに比べて、精度がより高いが、スキームの複雑度もより高い。ニューラルネットワーク再訓練のスキームはジョイント再訓練のスキームに比べて、精度が少し悪いが、スキームの複雑度がより低い。しかし、幾つかの他の手段により、ニューラルネットワーク再訓練スキームの精度を向上させることができ、これについては後述する。
また、ジョイント再訓練のスキームの場合、パラメータ化量子回路のパラメータ最適化プロセス及びニューラルネットワークのパラメータ最適化プロセスは両者が同期して行われても良く、又は、前後して実行されても良いが、本出願はこれについて限定しない。
ステップ250:目的関数の期待値が収束条件を満足した場合、目的関数の収束期待値を取得し、収束期待値とは収束条件を満足した期待値を指す。
最後に、複数回のパラメータ調整を経て目的関数の期待値が収束するようになり、目的関数の期待値が収束条件を満足した場合、目的関数の収束期待値を得る。
目的関数が目標量子システムのハミルトニアンであることを例にとり、該ハミルトニアンを最小化したときのエネルギー期待値を目標量子システムの基底状態エネルギーとして確定する。
また、本出願の実施例において、主に、目的関数が目標量子システムのハミルトニアンであることを例にして説明したが、収束期待値を有する任意の目的関数は何れも本出願により提供されるスキームを採用して期待値を求めることができる。例えば、オリジナルハミルトニアンを目的関数とし、それを最小化することでシステムの基底状態を得る。これと同時に、ハミルトニアンに対応するエネルギースペクトルの他の部分が励起状態と称される。これらの励起状態はハミルトニアンの分散を最小化することで求めることができ、即ち、目的関数は、
であり、Hは目標量子システムのハミルトニアンを表す。数学的には、該目的関数が常に正であることが分かる。また、行列Hの励起状態については、該値は0であり、目的関数の最小値である。よって、該目的関数を最小化する形で、ハミルトニアンHの励起状態を得ることができる。該目的関数が展開された後に、本質的には一連のパウリ文字列の和でもあるので、実際の操作プロセスは普通のVQNHEプロセスと完全に一致している。なお、本出願では目的関数の表現式について限定しない。
本出願の実施例により提供される技術案では、ノイズ付きハードウェア(ノイズ付きのパラメータ化量子回路を含む)上でニューラルネットワークの変分最適化を直接行うことで、ニューラルネットワークのパラメータが量子ノイズの影響をある程度相殺するようにさせ、ニューラルネットワークにより量子ノイズに対してQEMを行う効果を達成し、最終的に求めれた目的関数の期待値がQEMを経た期待値になるようにさせることができる。このスキームは、ノイズ無き場合のノイズシミュレーションを必要とせず、訓練プロセスを簡素化し、リソース消費を減少させることができる。
実際の実験では、比較的小さい勾配を正確に推定するために、大量の回数の量子回路での実行及び測定が要される。しかし、ニューラルネットワーク再訓練だけを行いたい場合、非常に効率的なバイアス有りの代替スキームがある。ニューラルネットワーク再訓練中にパラメータ化量子回路が不変に保持されることを考慮して、該回路のみに対してN回測定し、対応する測定結果を、期待値の評価用に記録し、毎回期待値を算出した後に、ニューラルネットワークのパラメータφに対して勾配降下を行う。言い換えれば、ニューラルネットワークのパラメータの調整の前後に、同じ測定結果を使用してニューラルネットワークに入力する。このような再訓練の方法は実際には、バイアス有り(バイアス有りとはシステム誤差があることを指す)のものである。N回の測定により得られた測定結果に基づいて期待値の推定を行うことは、それ自体にサンプリング誤差があるため、これらの固定した測定結果に基づいてニューラルネットワークをさらに最適化すると、過剰フィッティングの問題が存在する可能性があり、ニューラルネットワーク再訓練の誤り訂正能力を過大評価する恐れがある。
実際には、ノイズ付きのシミュレーター及び実際の量子ハードウェア上での実行及びデータ分析により、次のようなことが発見されており、即ち、このようなバイアス有り誤り訂正のエネルギー差Ebiasedとバイアス無しの固有の再訓練エネルギー差Eunbiasedとの関係はδEbiased=δEunbiased+A/Nであり、そのうち、Aはシステムのハミルトニアンに関する1つの負の定数であり、Nは回路を測定する回数である。つまり、比較的大きい測定回数Nにより、バイアス有りQEM推定のシステム誤差を良く制御でき、これは従来の、1/√Nの変動スケール(scale)の測定よりもフレンドリーである。システム誤差を制御できるとともに、N回の量子回路の測定を開始することに加えて、このようなバイアス有り再訓練は古典コンピューティングリソースのみを使用する必要があるので、より高速で安定している。
幾つかの実施例において、5グリッドの横断フィールドイジングモデル(Transverse Field Ising
Model)の基底状態エネルギー推定問題を利用して、QEM能力(再訓練エネルギー差)とノイズ強度との間のスケール(scale)を研究(調査)しており、ここでスケール(scale)とは2つの量の間の定量的関係式を指す。その対応するハミルトニアン
は、
である。
そのうち、ZはパウリZ演算子を表し、XはパウリX演算子を表し、nは正の整数であり、iはn以下の正の整数である。シミュレートする量子エラーモデルは、PQCの各双ビット量子ゲートの後に付加する、対応する強度がpである偏光解消エラー(depolarizing error)である。このような量子エラーモデルはシミュレートするノイズであり、PQC回路の中の各双ビット量子ゲートの後に配置されるものである。このエラーは量子回路の実践及び研究で最も一般的であり、その密度行列に対しての変換は、
である。
ここで、ρは密度行列を表し、ρ′は変換後の密度行列を表し、pは偏光解消エラーの強度を表し、Iは単位行列である。
対応するシミュレーション結果は図3に示すとおりである。図3では、横軸は等価総ノイズ強度peffを表し、縦軸はQEMエネルギー差δEを表す。等価総ノイズ強度peffは1-peff=Enoise/Enoiselessという公式により得られる。そのうち、Enoise及びEnoiselessはそれぞれ、同じ回路パラメータの下で、ノイズ有り環境及びノイズ無き環境でシミュレートした結果である。図3では、線31はニューラルネットワーク再訓練により得られた結果を示し、線32はニューラルネットワーク及び量子回路を同時に調整するジョイント再訓練により得られた結果を示している。ニューラルネットワークの再訓練の場合、そのQEMエネルギー差がノイズ強度の2次関数であり、即ち、
であり、ニューラルネットワーク及び量子回路パラメータを同時に調整するジョイント再訓練の場合、そのQEMエネルギー差が顕著に向上し、かつ質的な変化が起こり、スケールは線形になり、即ち、
である。そのうち、2つの公式におけるpは上述のpeffである。なお、ノイズ強度が比較的小さいときに、量子回路部分のみの再訓練は偏光解消ノイズの影響をほとんど軽減できない。つまり、ここで示したノイズ柔軟性(耐ノイズ性)はVQNHEの固有の性質であり、VQEはそれほど優れた耐ノイズ性を具備しない。耐ノイズ性はノイズのロバストネスであり、システムがノイズの影響を受けにくく、又はその影響がとても小さいことを指す。
ニューラルネットワーク再訓練の2次スケールにより、QEMエネルギー推定で得られたバイアス有り再訓練とバイアス無し再訓練の差のスケールが1/Nであることを説明できる。実際のシステムのpeffが未知であることを考慮すると、それは、本来は、測定によって推定された1つのランダム変数である。定義によれば、それは測定されたエネルギー推定と線形的であり、即ち、peffの標準偏差は1/√Nのオーダーであり、その分散は
であり、そうすると、QEMエネルギー差は、
である。
そのうち、
はpeffの平方の推定の期待であり、
はpeffの推定の期待の平方であり、両者は異なり、その差はpeffの推定の分散である。上述の公式はバイアス有り再訓練の測定回数Nに伴うスケールを説明している。
図3から分かるように、QEM能力のスケールは異なる再訓練メカニズムについて質的に異なる場合がある。以下、その理由を解析により分析する。仮に、量子回路により出力される状態が理想的な場合に厳密なの基底状態
であり、対応する基底状態エネルギーがE0であるとする。依然として偏光解消のノイズモデルを考慮すると、ノイズ有りの出力状態はρであり、このときに、ニューラルネットワーク再訓練のエネルギー差は、
であり、そのうち、
は理想パラメータの下でのノイズ付きエネルギー推定である。スケールを示すために、対応する項をノイズ強度に関してテイラー展開し、即ち、
であり、かつ1次項のみに着目し、もし、エネルギー差が1次階項まで0であることを証明できれば、QEMエネルギー差のスケールはせいぜい2次項である。
を根拠とする。
ここで、Trは行列の積を求めることを示し、nは是量子ビットの数であり、
はニューラルネットワーク後処理の対角行列であり、
はシステムハミルトニアンであり、ρ0はノイズ無きときの量子基底状態であり、pはノイズ強度であり、即ち、上述のpeffである。
このときに、エネルギー差のゼロ次項は0であることが明らかである。1次項について、
が存在し、同時に、仮に、最適化後処理モジュールがノイズ無き場合の断熱時間発展
であり、そのうち、f1は与えられた1つの定数行列であるとする。そうすると、
である。
そのうち、
である。
ここで、
であり、即ち、エネルギー差の1次項も0である。より一般的に言えば、ノイズ付きの解がノイズ無しの解の断熱時間発展であると仮定する限り、QEMエネルギー差はせいぜいノイズ強度の2次スケールである。
以下、何故ジョイント再訓練がQEM能力の1次スケールを招くことができるかについてさらに説明する。重要なポイントは、このときにノイズ有りの最優パラメータがノイズ無しのデフォルトの最優パラメータに断熱的に接続されず、即ち、後処理モジュールfの、ノイズ強度pに関する展開近似は不成立である。背後にある理由は、量子回路のパラメータが変化することが許可される場合、ノイズ無き場合の最優パラメータ組が無限に存在するためである。量子回路が基底状態を直接与えない場合でも、適切な非恒等のニューラルネットワークモジュールにより、VQNHEは依然として厳密な基底状態エネルギーを与えることができる。この現象は図4における(a)の部分を参照でき、このようなエネルギーの曲面の下で、ノイズがオン(on)になるときに、異なる最優パラメータの解の、ノイズに対する感度が異なるため、ノイズに最も敏感でない最優パラメータの解がノイズ付きのときの最優パラメータになるが、このときに対応するのがデフォルトの解ではなく、断熱近似のつながりがないため、1次スケールは0ではない。このプロセスは対称性の破れに似ており、図4における(b)の部分を参照でき、六角形41はデフォルトの解であり、六角形41は固定した横座標値を有し、縦座標の上下移動しかできず、例えば、図中の六角形41の横座標は常にr=0であり、六角形42はノイズ付きのときの最優パラメータの位置であり、r=0は恒等の後処理モジュールに対応し、θは量子回路のパラメータを表す。
2種類の再訓練メカニズムに対応するノイズのスケールが異なり、その理由は、それらのQEM能力が異なるメカニズムに由来するためである。ニューラルネットワーク再訓練の場合、そのQEM能力は恒等の後処理モジュールの断熱の適応的時間発展に由来する。ジョイント再訓練の場合、そのQEMは無数の等価パラメータの組み合わせのうちから選択された、最もノイズに強い1組に由来する。
バイアス有りのニューラルネットワーク再訓練を利用すると、エラーが制御可能になると同時に、後続の反復でパラメータ化量子回路の処理が行われず、古典コンピューティングリソースのみが必要であるため、一定の精度を確保しながら、再訓練のプロセスを簡素化し、再訓練をより効率的にすることができる。
図5は本出願のもう1つの実施例により提供される量子系における期待値推定方法のフローチャートである。該方法は図1に示すVQNHEフレームワークに適用でき、例えば、該方法の各ステップの実行主体はコンピュータ装置であり得る。該方法は以下のような幾つかのステップ(510~560)を含む。
ステップ510:ノイズ付きのパラメータ化量子回路によりn個の量子ビットの入力量子状態に対して変換処理を行った後に得られたn個の量子ビットの出力量子状態を取得し、そのうち、n個の量子ビットの出力量子状態の下での目的関数の期待値は、該目的関数の分解により得られた複数のパウリ文字列の期待値の加重合計結果であり、nは正の整数である。
目的関数はVQNHEフレームワークを用いてその期待値を解く関数である。目的関数は収束期待値を有し、該収束期待値は該目的関数の最小期待値であっても良く、又は、該目的関数の最大期待値であっても良い。
オプションとして、目的関数はパラメータ化目的関数であり、パラメータ化目的関数はオリジナル目的関数に対してパラメータ変換を行った後に得られた目的関数であり、そのうち、パラメータ化目的関数及びオリジナル目的関数は同じ収束期待値を有する。
目的関数が目標量子システムのハミルトニアンであることを例にとり、パラメータ化されたハミルトニアン変換を導入することで、表現及び誤り訂正能力がより強い3重最適化を実現できる。いわゆる3重最適化とは、パラメータ化量子回路のパラメータ、ニューラルネットワークのパラメータ、及び重みパラメータという3者に対してすべて最適化を行うことを指す。その理由は、量子チャンネル(quantum
channel)の角度から言えば、後処理モジュールfが1つの対角行列のみであることにあり、仮想のハミルトニアン変換の導入は古典的な後処理量子チャンネルの能力を強化するためである。
1つの可能な実現方式において、パラメータ化目的関数はオリジナル目的関数に対してユニタリ変換を行った後に得られた目的関数である。
目的関数がハミルトニアンであることを例にとり、ユニタリ変換の場合、システムのハミルトニアンと同じヒルベルト空間にあるユニタリ行列
を導入すれば、変換後のハミルトニアンの表現式は、
になり、そのうち、
はユニタリ行列であり、
はハミルトニアンであり、
は変換後のハミルトニアンである。変換後のハミルトニアン
はオリジナルハミルトニアン
と同じエネルギースペクトル及び基底状態を有する。これはユニタリ行列に対応する相似変換によって保証されるのである。実際には、該パラメータ化変換W(即ち、ユニタリ行列
)も非ユニタリ的であっても良く、対応する非ユニタリ部分は変分量子状態に吸収されると見なすことができ、分母の正規化の存在により、その変分最適化の下境界は依然として基底状態エネルギーである。なお、パラメータ化変換Wは制限(制約)を満足しなければならず、これによって、変換後のハミルトニアンが依然として多項式項のパウリ文字列を保持するようにさせ、これはパラメータ化ハミルトニアン変換方法が効率的かつ規模化になる鍵でもある。
もう1つの可能な実現方式において、パラメータ化目的関数はオリジナル目的関数に対して非ユニタリ変換を行った後に得られた目的関数である。
目的関数がハミルトニアンであることを例にとり、非ユニタリ変換の場合、非ユニタリのWについて、簡単に、相似変換により
のエネルギースペクトルの不変を保証するように理解できないが、依然として3重最適化に適用でき、下境界は依然として基底状態エネルギーであり、次のように理解できる。このときに、WがVQNHEの出力状態に作用しており、状態の一部であると見なされる。即ち、正規化された出力状態は、
である。
そうすると、該状態上で、対応する
のエネルギー期待(値)は、
であり、即ち、分子はVQNHEの出力状態上で
を測定する期待値であり、分母はVQNHE状態上で
測定する期待値である。
まとめると、VQNHEとパラメータ化ハミルトニアン変換を組み合わせたエネルギー推定の解析表現式は、
であり、そのうち、
とはニューラルネットワーク後処理に対応する対角行列を指し、
はシステムのハミルトニアンであり、ρはパラメータ化量子回路PQCの出力状態に対応する密度行列である。パラメータ化目的関数と組み合わせた後に、等価の後処理対角行列
は、より複雑な
になり、古典的な後処理量子チャンネルの能力を強化している。
ステップ520:ニューラルネットワークを採用してn個の量子ビットの出力量子状態に対して後処理を行い、複数のパウリ文字列の期待値を得る。
オプションとして、n個の量子ビットの出力量子状態に対応する測定結果を取得し、該測定結果は複数のビット列を含んでも良く;ニューラルネットワークにより該測定結果に対して処理を行い、ニューラルネットワークの出力結果を取得し;及び、ニューラルネットワークの出力結果に基づいて複数のパウリ文字列の期待値を計算により取得する。
ステップ530:複数のパウリ文字列にそれぞれ対応する重み値に基づいて、複数のパウリ文字列の期待値に対して加重合計を行い、目的関数の期待値を取得し、そのうち、目的関数の期待値は、ニューラルネットワークによりパラメータ化量子回路のノイズに対して量子エラー除去を行った後の結果である。
本実施例において、各パウリ文字列にそれぞれ対応する重み値は重みパラメータに基づいて計算により得られたものであり、また、反復最適化のプロセスにおいて該重みパラメータは反復して更新され得る。そのため、対応して計算された各パウリ文字列にそれぞれ対応する重み値も変化し得る。
ステップ540:目的関数の期待値の収束を目標として目標対象のパラメータを調整し、目標対象はニューラルネットワークを含む。
ジョイント再訓練の場合、目標対象はパラメータ化量子回路及びニューラルネットワークを含み、目的関数の期待値の収束を目標としてパラメータ化量子回路のパラメータ及びニューラルネットワークのパラメータに対してそれぞれ調整を行う。
ニューラルネットワーク再訓練の場合、目標対象はニューラルネットワークを含むが、パラメータ化量子回路を含まず、目的関数の期待値の収束を目標としてニューラルネットワークのパラメータに対して調整を行う。
なお、パラメータ化量子回路のパラメータ及びニューラルネットワークのパラメータに対して調整を行う方法については、前述の実施例における説明を参照できるから、ここではその詳しい説明を省略する。
ステップ550:目的関数の期待値の収束を目標として重みパラメータを調整し、そのうち、重みパラメータは複数のパウリ文字列にそれぞれ対応する重み値を計算するために用いられる。
オプションとして、第一導関数を計算し、該第一導関数とは、目的関数の期待値の、重みパラメータに関する導関数を指し;及び、第一導関数に基づいて勾配降下法を採用して重みパラメータを調整することで、目的関数の期待値が収束するようにさせる。
目的関数が目標量子システムのハミルトニアンであることを例にとり、該ハミルトニアンのエネルギー期待値の、重みパラメータに関する導関数を計算する。その後、該導関数の情報に基づいて勾配降下法を採用して重みパラメータに対して調整を行うことで、ハミルトニアンのエネルギー期待値が最小になるようにさせる。
ステップ560:目的関数の期待値が収束条件を満足した場合、目的関数の収束期待値を取得し、収束期待値とは収束条件を満足した期待値を指す。
本実施例では、ニューラルネットワーク訓練のプロセスにおいてパウリ文字列の重みパラメータに対して調整を同期して行うことで、最終的に得られた目的関数の収束期待値がより正確になるようにさせ、ノイズがもたらしたエラーをさらに減少させることができる。また、目的関数に対してパラメータ化変換を行うことでパラメータ化目的関数を取得し、また、該パラメータ化目的関数がオリジナル目的関数と同じ収束期待値を有するように保証するが、該パラメータ化目的関数はオリジナル目的関数に比べて、より強い表現及び誤り訂正能力を有するため、最終的に求められた収束期待値の精度をより一層向上させることができる。
幾つかの実施例において、図6を参照し、図6は1つの完全な3重最適化フレームワークを示す図である。そのうち、構造aはパラメータ化量子回路の部分であり、構造bはニューラルネットワークの部分であり、構造cはパラメータ化目的関数の部分である。オリジナル目的関数に対してパラメータ化変換を行うことでパラメータ化目的関数を取得し、該パラメータ化目的関数及びオリジナル目的関数は同じ収束期待値を有する。該変分フレームワークの反復最適化プロセスにおいて、パラメータ化目的関数の期待値の収束を目標として、パラメータ化量子回路のパラメータ、ニューラルネットワークのパラメータ、及びパウリ文字列に対応する重みパラメータに対してすべて調整して最適化を行うことで、表現及び誤り訂正能力がより強い3重最適化を実現し、ノイズ付きハードウェアがもたらしたエラーを十分に減少させることができる。
図7は本出願のもう1つの実施例により提供される量子系における期待値推定方法のフローチャートである。該方法は図1に示すVQNHEフレームワークに適用でき、例えば、該方法の各ステップの実行主体はコンピュータ装置であり得る。該方法は次のような幾つかのステップ(710~770)を含んでも良い。
ステップ710:オリジナル目的関数に対してパラメータ変換を行い、パラメータ化目的関数を取得する。
例えば、オリジナル目的関数に対してユニタリ変換を行うことで、パラメータ化目的関数を得る。また、例えば、オリジナル目的関数に対して非ユニタリ変換を行うことで、パラメータ化目的関数を取得する。パラメータ化目的関数及びオリジナル目的関数は同じ収束期待値を有する。また、パラメータ化目的関数は同様に複数のパウリ文字列に分解できる。
目的関数が目標量子システムのハミルトニアンであることを例にとり、該オリジナルハミルトニアンと同一のヒルベルト空間にあるユニタリ行列を導入し、該ユニタリ行列を利用してオリジナルハミルトニアンに対してユニタリ変換を行うことで、パラメータ化ハミルトニアンを得ることができる。該パラメータ化ハミルトニアン及びオリジナルハミルトニアンは同じエネルギースペクトル及び基底状態を有し、かつ該パラメータ化ハミルトニアンは依然として多項式項のパウリ文字列を保持する。
ステップ720:ノイズ付きのパラメータ化量子回路によりn個の量子ビットの入力量子状態に対して変換処理を行った後に得られたn個の量子ビットの出力量子状態を取得し、そのうち、n個の量子ビットの出力量子状態の下でのパラメータ化目的関数の期待値は、該パラメータ化目的関数の分解により得られた複数のパウリ文字列の期待値の加重合計結果であり、nは正の整数である。
オプションとして、パラメータ化目的関数に対して分解を行って複数のパウリ文字列を取得し、その後、VQNHEフレームワークにより複数のパウリ文字列にそれぞれ対応する期待値を解く。
ステップ730:ニューラルネットワークを採用してn個の量子ビットの出力量子状態に対して後処理を行い、複数のパウリ文字列の期待値を得る。
ステップ740:複数のパウリ文字列にそれぞれ対応する重み値に基づいて、複数のパウリ文字列の期待値に対して加重合計を行い、パラメータ化目的関数の期待値を取得し、そのうち、パラメータ化目的関数の期待値は、ニューラルネットワークによりパラメータ化量子回路のノイズに対して量子エラー除去を行った後の結果である。
ステップ750:パラメータ化目的関数の期待値の収束を目標としてニューラルネットワークのパラメータに対して調整を行う。
オプションとして、ニューラルネットワークのパラメータに対しての調整は上述のバイアス有りニューラルネットワーク再訓練のスキームを採用し、即ち、パラメータ化量子回路のみに対してN回測定を行い、対応する測定結果を記録し、そして、対応する期待値を計算する。毎回の反復プロセスにおいて該同じ組の測定結果を用いてニューラルネットワークの後処理を行う。このようにして、測定回数を十分に減少させ、操作フローを簡素化できる。
オプションとして、パラメータ化目的関数の期待値の収束を目標としてパラメータ化量子回路のパラメータ及びニューラルネットワークのパラメータに対してそれぞれ調整を行う。
ステップ760:パラメータ化目的関数の期待値の収束を目標として重みパラメータを調整し、そのうち、重みパラメータは複数のパウリ文字列にそれぞれ対応する重み値を計算するために用いられる。
ステップ770:パラメータ化目的関数の期待値が収束条件を満たした場合、パラメータ化目的関数の収束期待値を取得し、該収束期待値とは収束条件を満たした期待値を指す。
なお、本実施例において詳細に説明されていない細部については、上述の実施例における説明を参照できるため、ここではその詳しい説明を省略する。
本実施例において、ニューラルネットワークのパラメータ及びパウリ文字列に対応する重みパラメータを調整し、バイアス有りのニューラルネットワーク再訓練を採用するが、誤差への影響が比較的小さいパラメータ化量子回路のパラメータの調整を行わず、比較的強い誤り訂正能力を有すると同時に、訓練プロセスを簡素化し、リソース消費を減少させることができ、また、目的関数に対してパラメータ化処理を行うことで、目的関数の収束値が最大値又は最小値により接近するようにさせることもできる。
1つの例示的な実験において、本出願により提供される、VQNHEフレームワークと適応的再訓練を組み合わせたQEMスキームが横断フィールドイジングモデルに適用されている。5グリッドの開境界の1次元横断フィールドイジングモデルを考慮して、目的関数はハミルトニアンを採用し、利用されるパラメータ化ハミルトニアン変換はシングルポイントの回転であり、即ち、
であり、対応する変換後のハミルトニアンは依然として多項式項のみを有し、即ち、
である。
そのうち、Z及びXはパウリ演算子を表すし、τi及びτi+1は重みパラメータを表し、パウリ文字列の前の項は重みパラメータに基づいて求められた各パウリ文字列に対応する重み値を表す。
双ビットゲートの後に偏光解消ノイズを追加することを考慮して、対応する異なる再訓練スキームに対応する実験結果は図8に示すとおりである。
図8におけるq、n、tはそれぞれパラメータ化量子回路、ニューラルネットワーク、及び重みパラメータを表す。図8では、線81は重みパラメータのみを調整した実験結果を表し、即ち、tであり;線82はパラメータ化量子回路のパラメータのみを調整した実験結果を表し、即ち、qであり;線83はニューラルネットワークのパラメータのみを調整した実験結果を表し、即ち、nであり;線84は、量子回路のパラメータ及びニューラルネットワークのパラメータを調整した実験結果を表し、即ち、q+nであり;線85はニューラルネットワークのパラメータ及び重みパラメータを調整したものを表し、即ち、n+tであり;線86はパラメータ化量子回路のパラメータ、ニューラルネットワークのパラメータ、及び重みパラメータを調整したものを表し、つまり、3重最適化、即ち、q+n+tである。図中から分かるように、n+tという純古典的な、バイアス有り再訓練により実現できるQEMは、誤り訂正効果が3重最適化に接近しており、かつ従来のq+nのジョイント再訓練を超えている。
もう1つの例示的な実験において、本出願により提供される、VQNHEフレームワークと適応的再訓練を組み合わせたQEMスキームがハイゼンベルクモデルに適用されている。6グリッドの開境界のハイゼンベルクモデルを考慮して、目的関数はハミルトニアンを採用し、対応するハミルトニアンは、
であり、そのうち、X、Y、Zはパウリ演算子を表す。ハイゼンベルクモデルがSU(2)対称性を有するため、Bellペアの初期状態態及びパラメータ化SWAPゲートからなるパラメータ化量子回路構造を採用することで、その対称性を保持して収束を加速させる。パラメータ化ハミルトニアン変換について、幾何学的に互換性のある半層SWAPゲートを採用することで、変換後のハミルトニアンが依然として多項式項のパウリ文字列のみを有するように保証する。
そのうち、SWAPゲートは1つの交換ゲートであり、変換後のハミルトニアンが依然として多項式項のパウリ文字列のみを有するように保証するために用いられる。SWAPゲートは以下のとおりである。
また、ニューラルネットワーク及びパラメータ変換(非ユニタリ)について複素数パラメータが使用され、ノイズモデルは依然としてパラメータ化量子回路の両(双)ビットゲートの後に付加した偏光解消ノイズを採用し、対応する異なる再訓練スキームにより与えられた実験結果は図9に示されている。
図9におけるq、n、tはそれぞれ、パラメータ化量子回路、ニューラルネットワーク、及び重みパラメータを表す。図9では、線90はノイズ無き場合の最優パラメータの、異なるノイズの場合に対応するエネルギー値を表す。線91はパラメータ化量子回路のパラメータのみを調整した実験結果を表し、即ち、qであり;線92は重みパラメータのみを調整した実験結果を表し、即ち、tであり;線93はパラメータ化量子回路のパラメータ及び重みパラメータを調整した実験結果を表し、即ち、q+tであり;線94はニューラルネットワークのパラメータのみを調整した実験結果を表し、即ち、nであり;線95はパラメータ化量子回路のパラメータ及びニューラルネットワークのパラメータを調整した実験結果を表し、つまり、ジョイント再訓練、即ち、q+nであり;線96はニューラルネットワークのパラメータ及び重みパラメータを調整した実験結果であり、即ち、n+tであり;線97はパラメータ化量子回路のパラメータ、ニューラルネットワークのパラメータ、及び重みパラメータを調整したものを表し、つまり、3重最適化、即ち、q+n+tである。図中から分かるように、n+tという純古典的な、バイアス有り再訓練により実現できるQEMは誤り訂正効果が3重最適化に接近しており、かつ従来のq+nのジョイント再訓練を超えている。
図8及び図9では、実験により、VQNHEに対応するQEMスキームは非常に効率的な誤り訂正効果を有し、かつこの特徴はVQNHEの特有のものであることが証明されている。エネルギー推定について、ニューラルネットワークの後処理を追加した後に、ノイズ量子ハードウェア上での標準のVQE推定よりも大幅な改善を実現できる。パラメータ化ハミルトニアン+VQNHEの3重最適化フレームワークはVQNHEを超えたより良い近似表現能力及び誤り訂正効果を与えている。
以下、本出願における装置及びシステムの実施例である。なお、該装置及びシステムの実施例は上述の方法の実施例に対応し、同一の発明構想に属し、装置及びシステムの実施例において詳細に説明されない細部については、本出願における方法の実施例を参照できる。
図10は本出願の一実施例により提供される量子系基底状態エネルギー推定装置のブロック図である。該装置は上述の方法を実現し得る例示的な機能を有し、これらの機能はハードウェアにより実現されも良く、又は、ハードウェアがその対応するソフトウェアを実行することにより実現されても良い。該装置はコンピュータ装置であっても良く、又は、コンピュータ装置の中に設置されても良い。図10に示すように、該装置1000は、状態取得モジュール1010、後処理モジュール1020、期待値計算モジュール1030、パラメータ調整モジュール1040、及び期待値取得モジュール1050を含んでも良い。
状態取得モジュール1010:ノイズ付きのパラメータ化量子回路によりn個の量子ビットの入力量子状態に対して変換処理を行った後に得られた前記n個の量子ビットの出力量子状態を取得し、そのうち、前記n個の量子ビットの出力量子状態の下での目的関数の期待値は、前記目的関数の分解により得られた複数のパウリ文字列の期待値の加重合計結果であり、nは正の整数である。
後処理モジュール1020:ニューラルネットワークを採用して前記n個の量子ビットの出力量子状態に対して後処理を行い、前記複数のパウリ文字列の期待値を取得する。
期待値計算モジュール1030:前記複数のパウリ文字列の期待値に基づいて前記目的関数の期待値を計算し、そのうち、前記目的関数の期待値は、前記ニューラルネットワークにより前記パラメータ化量子回路のノイズに対して量子エラー除去を行った後の結果である。
パラメータ調整モジュール1040:前記目的関数の期待値の収束を目標として目標対象のパラメータを調整し、前記目標対象は前記ニューラルネットワークを含む。
期待値取得モジュール1050:前記目的関数の期待値が収束条件を満足した場合、前記目的関数の収束期待値を取得し、前記収束期待値とは前記収束条件を満足した期待値を指す。
幾つかの実施例において、前記目的関数はパラメータ化目的関数であり、前記パラメータ化目的関数はオリジナル目的関数に対してパラメータ変換を行った後に得られた目的関数であり、そのうち、前記パラメータ化目的関数及び前記オリジナル目的関数は同じ収束期待値を有する。
幾つかの実施例において、前記パラメータ化目的関数は前記オリジナル目的関数に対してユニタリ変換を行った後に得られた目的関数であり、又は、前記パラメータ化目的関数は前記オリジナル目的関数に対して非ユニタリ変換を行った後に得られた目的関数である。
幾つかの実施例において、前記期待値計算モジュール1030は前記複数のパウリ文字列にそれぞれ対応する重み値に基づいて、前記複数のパウリ文字列の期待値に対して加重合計を行い、前記目的関数の期待値を得る。
幾つかの実施例において、前記パラメータ調整モジュール1040はさらに、前記目的関数の期待値の収束を目標として重みパラメータに対して調整を行い、そのうち、前記重みパラメータは前記複数のパウリ文字列にそれぞれ対応する重み値を計算するために用いられる。
オプションとして、前記パラメータ調整モジュール1040は具体的に第一導関数を計算するために用いられ、前記第一導関数とは前記目的関数の期待値の、前記重みパラメータに関する導関数であり;及び、前記第一導関数に基づいて勾配降下法を用いて前記重みパラメータに対して調整を行うことで、前記目的関数の期待値が収束するようにさせる。
幾つかの実施例において、前記後処理モジュール1020は、
前記n個の量子ビットの出力量子状態に対応する測定結果を取得し;
前記ニューラルネットワークにより前記測定結果に対して処理を行うことで、前記ニューラルネットワークの出力結果を取得し;及び
前記ニューラルネットワークの出力結果に基づいて前記複数のパウリ文字列の期待値を計算により取得するように構成され、
そのうち、前記ニューラルネットワークのパラメータの調整の前後に、同じ前記測定結果を使用して前記ニューラルネットワークに入力する。
幾つかの実施例において、前記目標対象はさらに、前記パラメータ化量子回路を含む。
幾つかの実施例において、前記パラメータ調整モジュール1040は、
第二導関数及び第三導関数を計算し、前記第二導関数とは前記目的関数の期待値の、前記パラメータ化量子回路のパラメータに関する導関数を指し、前記第三導関数とは前記目的関数の期待値の、前記ニューラルネットワークのパラメータに関する導関数を指し;及び
前記第二導関数及び前記第三導関数に基づいて勾配降下法を採用してそれぞれ前記パラメータ化量子回路のパラメータ及び前記ニューラルネットワークのパラメータに対して調整を行うことで、前記目的関数の期待値が収束するようにさせるように構成される。
本出願の1つの例示的な実施例ではさらに、量子系における期待値推定システムが提供され、該システムはノイズ付きのパラメータ化量子回路、後処理モジュール、及び最適化器を含んでも良い。
パラメータ化量子回路はn個の量子ビットの入力量子状態に対して変換処理を行い、n個の量子ビットの出力量子状態を取得し、そのうち、n個の量子ビットの出力量子状態の下での目的関数の期待値は、該目的関数の分解により得られた複数のパウリ文字列の期待値の加重合計結果であり、nは正の整数である。
後処理モジュールはニューラルネットワークを採用してn個の量子ビットの出力量子状態に対して後処理を行い、複数のパウリ文字列の期待値を取得し;及び、複数のパウリ文字列の期待値に基づいて目的関数の期待値を計算し、そのうち、目的関数の期待値は、ニューラルネットワークによりパラメータ化量子回路のノイズに対して量子エラー除去を行った後の結果である。
最適化器は目的関数の期待値の収束を目標として目標対象のパラメータに対して調整を行い、目標対象はニューラルネットワークを含み;及び、目的関数の期待値が収束条件を満足した場合、目的関数の収束期待値を取得し、収束期待値とは収束条件を満足した期待値を指す。
幾つかの実施例において、目的関数はパラメータ化目的関数であり、パラメータ化目的関数はオリジナル目的関数に対してパラメータ変換を行った後に得られた目的関数であり、そのうち、パラメータ化目的関数及びオリジナル目的関数は同じ収束期待値を有する。
幾つかの実施例において、パラメータ化目的関数はオリジナル目的関数に対してユニタリ変換を行った後に得られた目的関数である。
幾つかの実施例において、パラメータ化目的関数はオリジナル目的関数に対して非ユニタリ変換を行った後に得られた目的関数である。
幾つかの実施例において、後処理モジュールは複数のパウリ文字列にそれぞれ対応する重み値に基づいて複数のパウリ文字列の期待値に対して加重合計を行い、目的関数の期待値を得る。
幾つかの実施例において、最適化器はさらに、目的関数の期待値の収束を目標として重みパラメータに対して調整を行い、そのうち、重みパラメータは複数のパウリ文字列にそれぞれ対応する重み値を計算するために用いられる。
幾つかの実施例において、最適化器は、
第一導関数を計算し、第一導関数とは目的関数の期待値の、重みパラメータに関する導関数を指し;及び
第一導関数に基づいて勾配降下法を採用して重みパラメータに対して調整を行い、目的関数の期待値が収束するようにさせるために用いられる。
幾つかの実施例において、後処理モジュールは、
n個の量子ビットの出力量子状態に対応する測定結果を取得し;
ニューラルネットワークにより測定結果に対して処理を行い、ニューラルネットワークの出力結果を取得し;及び
ニューラルネットワークの出力結果に基づいて計算により複数のパウリ文字列の期待値を得るために用いられ、
そのうち、ニューラルネットワークのパラメータの調整の前後に、同じ測定結果を使用してニューラルネットワークに入力する。
幾つかの実施例において、目標対象はさらに、パラメータ化量子回路を含む。
幾つかの実施例において、最適化器は、
第二導関数及び第三導関数を計算し、第二導関数とは目的関数の期待値の、パラメータ化量子回路のパラメータに関する導関数を指し、第三導関数とは目的関数の期待値の、ニューラルネットワークのパラメータに関する導関数を指し;及び
第二導関数及び第三導関数に基づいて勾配降下法を採用してそれぞれパラメータ化量子回路のパラメータ及びニューラルネットワークのパラメータに対して調整を行い、目的関数の期待値が収束するようにさせるために用いられる。
なお、上述の実施例により提供される装置及びシステムはその機能を実現する際に、上述の各機能モジュールの分割のみを例にして説明を行ったが、実際の応用では、ニーズに応じて上述の機能を異なる機能モジュールに完了してするもらうように割り当てても良く、即ち、機器の内部構造を異なる機能モジュールに分解することで上述の全部又は一部の機能を完了する。また、上述の実施例により提供される装置及びシステムは方法の実施例と同一の構想に属し、その具体的な実現プロセスは方法の実施例を参照でき、ここではその詳しい説明を省略しても良い。
図11は本出願の一実施例により提供されるコンピュータ装置の構成図である。該コンピュータ装置はデータ記憶及び計算能力を有する任意の電子機器であっても良く、該コンピュータ装置は上述の実施例により提供される量子系における期待値推定方法を実施するために用いられる。具体的には以下のとおりである。
該コンピュータ装置1100は中央処理ユニット(例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit);FPGA(Field Programmable Gate Array)など)1101;RAM(Random-Access Memory)1102及びROM(Read-Only
Memory)1103を含むシステム記憶装置1104;及び、システム記憶装置1104と中央処理ユニット1101を接続するためのシステムバス1105を含む。該コンピュータ装置1100はさらに、サーバー内の各デバイスの間で情報を伝送するための基本入力/出力システム(Input Output System(I/Oシステム))1106、及びオペレーティングシステム1113、アプリケーションプログラム1114、及び他のプログラムモジュール1115を記憶するための大容量記憶装置1107を含む。
幾つかの実施例において、該基本入力/出力システム1106は情報を表示するための表示器1108及びユーザーが情報を入力するための例えばマウス、キーボードなどの入力装置1109を含む。そのうち、該表示器1108及び入力装置1109はすべてシステムバス1105の入出力制御器1110に接続されることで中央処理ユニット1101に接続される。該基本入力/出力システム1106はさらに、入出力制御器1110を、キーボード、マウス、電子スタイラスなどの複数の他の装置からの入力を受信及び処理するために含む。同様に、入出力制御器1110はさらに、出力を表示スクリーン、プリンター又は他の類型の出力装置に提供する。
該大容量記憶装置1107はシステムバス1105の大容量記憶制御器(図未せず)に接続されることで中央処理ユニット1101に接続される。該大容量記憶装置1107及びその関連するコンピュータ可読媒体はコンピュータ装置1100のために不揮発性ストレージを提供する。つまり、該大容量記憶装置1107は例えば、ハードディスク又はCD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory)ドライブのようなコンピュータ可読媒体(図未せず)を含み得る。
一般性を失うことなく、該コンピュータ可読媒体はコンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含んでも良い。コンピュータ記憶媒体は、例えば、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法又は技術により実現される揮発性及び不揮発性の移動可能及び移動不可な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体はRAM、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フレッシュメモリ又は他のソリッドステートストレージ技術、CD-ROM、DVD(Digital
Video Disc)又は他の光学ストレージ、磁気テープカセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気記憶装置を含む。もちろん、当業者が理解すべきは、該コンピュータ記憶媒体は上述の幾つかのものに限定されないということである。なお、上述のシステム記憶装置1104及び大容量記憶装置1107は記憶器と総称できる。
本出願の実施例によれば、該コンピュータ装置1100はさらに、例えば、インターネットなどのネットワークを介してネットワーク上の遠隔コンピュータに接続されて実行することもできる。即ち、コンピュータ装置1100は該システムバス1105に接続されるネットワークインターネットユニット1111を介してネットワーク1112に接続でき、又は、ネットワークインターフェースユニット1111を使用して他の類型のネットワーク又は遠隔コンピュータシステム(図示せず)に接続され得ると言っても良い。
上述の記憶器はさらに、コンピュータプログラムを含み、該コンピュータプログラムは記憶器に記憶されており、かつ1つ又は1つ以上の処理器により実行されることで、上述の量子系における期待値推定方法を実現できる。
本出願の1つの例示的な実施例ではさらに、コンピュータ装置が提供され、該コンピュータ装置は上述の量子系における期待値推定方法を実行するために用いられる。
つまり、本出願により提供される量子系における期待値推定方法はコンピュータ装置により実行され得る。該コンピュータ装置は古典コンピュータ及び量子コンピュータのハイブリッドマシン環境であっても良く、例えば、古典コンピュータと量子コンピュータの組み合わせにより該方法を実現する。古典コンピュータ及び量子コンピュータのハイブリッドマシン環境の下で、古典コンピュータによりコンピュータプログラムを実行して幾つかの古典計算及び量子コンピュータに対しての制御を実現し、量子コンピュータにより量子ビットに対しての制御及び測定などの操作を実現する。例えば、上述のPQC及び測定回路は量子コンピュータに設置でき、古典コンピュータによりコンピュータプログラムを実行して量子コンピュータに対して制御を行うことで、量子コンピュータがPQCによりn個の量子ビットの入力量子状態に対して処理を行い、また、測定回路によりn個の量子ビットの出力量子状態に対してパウリ文字列に対応する変換処理などの操作を行うように制御する。また、古典コンピュータはさらに、コンピュータプログラムを実行して幾つかの古典計算、例えば、ニューラルネットワークを採用してn個の量子ビットの出力量子状態に対して後処理を行って複数のパウリ文字列の期待値を取得し、複数のパウリ文字列の期待値に基づいて目的関数の期待値を計算し、目的関数の期待値の収束を目標として目標対象のパラメータを調整し、及び目的関数の期待値が収束条件を満足した場合、目的関数の収束期待値を得るなどの操作を実現しても良い。
幾つかの実施例において、上述のコンピュータ装置は古典コンピュータのみであっても良く、即ち、本出願により提供される量子系における期待値推定方法の各ステップは何れも古典コンピュータにより実行され、例えば、古典コンピュータによりコンピュータプログラムを実行して上述の方法を実現し、又は、上述のコンピュータ装置は量子コンピュータのみであって良く、即ち、本出願により提供される量子系における期待値推定方法の各ステップは何れも量子コンピュータにより実行されても良いが、本出願ではこれについて限定しない。
本出願の1つの例示的な実施例ではさらに、コンピュータ可読記憶媒体が提供され、前記記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムはコンピュータ装置の処理器により実行されるときに、上述の量子系における期待値推定方法を実現し得る。
オプションとして、該コンピュータ可読記憶媒体はROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)、SSD(Solid State Drives)、光ディスクなどを含んでも良い。そのうち、ランダムアクセスメモリはReRAM(Resistance Random Access Memory)及びDRAM(Dynamic Random Access Memory)を含み得る。
本出願の1つの例示的な実施例ではさらに、コンピュータプログラムプロダクト又はコンピュータプログラムが提供され、前記コンピュータプログラムプロダクト又はコンピュータプログラムはコンピュータ命令を含み、前記コンピュータ命令はコンピュータ可読記憶媒体に記憶されている。コンピュータ装置の処理器は前記コンピュータ可読記憶媒体のうちから前記コンピュータ命令を読み取り、前記処理器により前記コンピュータ命令を実行することで、前記コンピュータ装置が上述の量子系における期待値推定方法を実行するようにさせる。
理解すべきは、本明細書に言及されている“複数の”とは、2つ又は2つ以上を指す。“及び/又は”は関連対象の関連関係を記述し、3種類の関係が存在することを表し、例えば、A及び/又はBは、Aのみが存在し、A及びBが同時に存在し、Bのみが存在するという3種類の場合を表す。文字“/”は一般的に、前後の関連対象が“又は”の関係を有することを意味する。また、本明細書で記載されているステップの番号は、ステップ間の1つの可能な実行順序のみを示し、幾つかの他の実施例において上述のステップはその番号の順序とは異なる順序に従って実行されても良く、例えば、2つの異なる番号のステップは同時に実行されても良く、又は、2つの異なる番号のステップは図示とは逆の順序に従って実行されても良いが、本出願の実施例はこれについて限定しない。
以上、本出願の好ましい実施例を説明したが、本出願はこの実施例に限定されず、本出願の趣旨を離脱しない限り、本出願に対するあらゆる変更は本出願の技術的範囲に属する。

Claims (21)

  1. コンピュータ装置が実行する、量子系における期待値推定方法であって、
    ノイズ付きのパラメータ化量子回路によりn個の量子ビットの入力量子状態に対して変換処理を行った後に得られた前記n個の量子ビットの出力量子状態を取得するステップであって、前記n個の量子ビットの出力量子状態の下での目的関数の期待値は前記目的関数の分解により得られた複数のパウリ文字列の期待値の加重合計結果であり、nは正の整数である、ステップ;
    ニューラルネットワークを採用して前記n個の量子ビットの出力量子状態に対して後処理を行い、前記複数のパウリ文字列の期待値を取得するステップ;
    前記複数のパウリ文字列の期待値に基づいて前記目的関数の期待値を計算するステップであって、前記目的関数の期待値は前記ニューラルネットワークにより前記パラメータ化量子回路のノイズに対して量子エラー除去を行った後の結果である、ステップ;
    前記目的関数の期待値の収束を目標として目標対象のパラメータを調整するステップであって、前記目標対象は前記ニューラルネットワークを含む、ステップ;及び
    前記目的関数の期待値が収束条件を満足した場合、前記目的関数の収束期待値を取得するステップであって、前記収束期待値とは前記収束条件を満足した期待値を指す、ステップを含む、期待値推定方法。
  2. 請求項1に記載の期待値推定方法であって、
    前記目的関数はパラメータ化目的関数であり、前記パラメータ化目的関数はオリジナル目的関数に対してパラメータ変換を行った後に得得られた目的関数であり、前記パラメータ化目的関数及び前記オリジナル目的関数は同じ収束期待値を有する、期待値推定方法。
  3. 請求項2に記載の期待値推定方法であって、
    前記パラメータ化目的関数は前記オリジナル目的関数に対してユニタリ変換を行った後に得られた目的関数であり;又は
    前記パラメータ化目的関数は前記オリジナル目的関数に対して非ユニタリ変換を行った後に得られた目的関数である、期待値推定方法。
  4. 請求項1に記載の期待値推定方法であって、
    前記複数のパウリ文字列の期待値に基づいて前記目的関数の期待値を計算するステップは、
    前記複数のパウリ文字列にそれぞれ対応する重み値に基づいて前記複数のパウリ文字列の期待値に対して加重合計を行い、前記目的関数の期待値を得るステップを含む、期待値推定方法。
  5. 請求項4に記載の期待値推定方法であって、
    前記目的関数の期待値の収束を目標として重みパラメータを調整するステップであって、前記重みパラメータは前記複数のパウリ文字列にそれぞれ対応する重み値を計算するために用いられる、ステップをさらに含む、期待値推定方法。
  6. 請求項5に記載の期待値推定方法であって、
    前記目的関数の期待値の収束を目標として重みパラメータを調整するステップは、
    第一導関数を計算するステップであって、前記第一導関数とは前記目的関数の期待値の、前記重みパラメータに関する導関数を指す、ステップ;及び
    前記第一導関数に基づいて勾配降下法を用いて前記重みパラメータを調整し、前記目的関数の期待値が収束するようにさせるステップを含む、期待値推定方法。
  7. 請求項1に記載の期待値推定方法であって、
    前記ニューラルネットワークを採用して前記n個の量子ビットの出力量子状態に対して後処理を行い、前記複数のパウリ文字列の期待値を取得するステップは、
    前記n個の量子ビットの出力量子状態に対応する測定結果を得るステップ;
    前記ニューラルネットワークにより前記測定結果に対して処理を行い、前記ニューラルネットワークの出力結果を得るステップ;及び
    前記ニューラルネットワークの出力結果に基づいて前記複数のパウリ文字列の期待値を算出するステップを含み、
    前記ニューラルネットワークのパラメータの調整の前後に、同じ前記測定結果を使用して前記ニューラルネットワークに入力する、期待値推定方法。
  8. 請求項1に記載の期待値推定方法であって、
    前記目標対象は前記パラメータ化量子回路をさらに含む、期待値推定方法。
  9. 請求項8に記載の期待値推定方法であって、
    前記目的関数の期待値の収束を目標として目標対象のパラメータを調整するステップは、
    第二導関数及び第三導関数を計算するステップであって、前記第二導関数とは前記目的関数の期待値の、前記パラメータ化量子回路のパラメータに関する導関数を指し、前記第三導関数とは前記目的関数の期待値の、前記ニューラルネットワークのパラメータに関する導関数を指す、ステップ;及び
    前記第二導関数及び前記第三導関数に基づいて勾配降下法を用いてそれぞれ前記パラメータ化量子回路のパラメータ及び前記ニューラルネットワークのパラメータを調整し、前記目的関数の期待値が収束するようにさせるステップを含む、期待値推定方法。
  10. 量子系における期待値推定装置であって、
    ノイズ付きのパラメータ化量子回路によりn個の量子ビットの入力量子状態に対して変換処理を行った後に得られた前記n個の量子ビットの出力量子状態を取得する状態取得モジュールであって、前記n個の量子ビットの出力量子状態の下での目的関数の期待値は前記目的関数の分解により得られた複数のパウリ文字列の期待値の加重合計結果であり、nは正の整数である、状態取得モジュール;
    ニューラルネットワークを採用して前記n個の量子ビットの出力量子状態に対して後処理を行い、前記複数のパウリ文字列の期待値を取得する後処理モジュール;
    前記複数のパウリ文字列の期待値に基づいて前記目的関数の期待値を計算する期待値計算モジュールであって、前記目的関数の期待値は前記ニューラルネットワークにより前記パラメータ化量子回路のノイズに対して量子エラー除去を行った後の結果である、期待値計算モジュール;
    前記目的関数の期待値の収束を目標として目標対象のパラメータを調整するパラメータ調整モジュールであって、前記目標対象は前記ニューラルネットワークを含む、パラメータ調整モジュール;及び
    前記目的関数の期待値が収束条件を満足した場合、前記目的関数の収束期待値を取得する期待値取得モジュールであって、前記収束期待値とは前記収束条件を満足した期待値を指す、期待値取得モジュールを含む、期待値推定装置。
  11. 処理器、及び前記処理器に接続される記憶器を含むコンピュータ装置であって、
    前記記憶器にはコンピュータプログラムが記憶されており、
    前記処理器は、前記コンピュータプログラムを実行することで、請求項1乃至9のうちの何れか1項に記載の期待値推定方法を実現するように構成される、コンピュータ装置。
  12. コンピュータに、請求項1乃至9のうちの何れか1項に記載の期待値推定方法を実行させるためのプログラム。
  13. 量子系における期待値推定システムであって、
    前記期待値推定システムはコンピュータ装置及びノイズ付きのパラメータ化量子回路を含み、
    前記コンピュータ装置は後処理モジュール及び最適化モジュールを含み、
    前記パラメータ化量子回路はn個の量子ビットの入力量子状態に対して変換処理を行い、前記n個の量子ビットの出力量子状態を取得し、前記n個の量子ビットの出力量子状態の下での目的関数の期待値は前記目的関数の分解により得られた複数のパウリ文字列の期待値の加重合計結果であり、nは正の整数であり、
    前記後処理モジュールはニューラルネットワークを採用して前記n個の量子ビットの出力量子状態に対して後処理を行って前記複数のパウリ文字列の期待値を取得し、前記複数のパウリ文字列の期待値に基づいて前記目的関数の期待値を計算し、前記目的関数の期待値は前記ニューラルネットワークにより前記パラメータ化量子回路のノイズに対して量子エラー除去を行った後の結果であり、
    前記最適化モジュールは前記目的関数の期待値の収束を目標として目標対象のパラメータを調整し、前記目標対象は前記ニューラルネットワークを含み、前記目的関数の期待値が収束条件を満足した場合、前記目的関数の収束期待値を取得し、前記収束期待値とは前記収束条件を満足した期待値を指す、期待値推定システム。
  14. 請求項13に記載の期待値推定システムであって、
    前記目的関数はパラメータ化目的関数であり、前記パラメータ化目的関数はオリジナル目的関数に対してパラメータ変換を行った後に得られた目的関数であり、前記パラメータ化目的関数及び前記オリジナル目的関数は同じ収束期待値を有する、期待値推定システム。
  15. 請求項14に記載の期待値推定システムであって、
    前記パラメータ化目的関数は前記オリジナル目的関数に対してユニタリ変換を行った後に得られた目的関数であり;又は
    前記パラメータ化目的関数は前記オリジナル目的関数に対して非ユニタリ変換を行った後に得られた目的関数である、期待値推定システム。
  16. 請求項13に記載の期待値推定システムであって、
    前記後処理モジュールは前記複数のパウリ文字列にそれぞれ対応する重み値に基づいて前記複数のパウリ文字列の期待値に対して加重合計を行い、前記目的関数の期待値を得る、期待値推定システム。
  17. 請求項16に記載の期待値推定システムであって、
    前記最適化モジュールはさらに、記目的関数の期待値の収束を目標として重みパラメータを調整し、前記重みパラメータは前記複数のパウリ文字列にそれぞれ対応する重み値を計算するために用いられる、期待値推定システム。
  18. 請求項17に記載の期待値推定システムであって、
    前記最適化モジュールは、
    第一導関数を計算し、前記第一導関数とは前記目的関数の期待値の、前記重みパラメータに関する導関数を指し;及び
    前記第一導関数に基づいて勾配降下法を用いて前記重みパラメータを調整し、前記目的関数の期待値が収束するようにさせるために用いられる、期待値推定システム。
  19. 請求項13に記載の期待値推定システムであって、
    前記後処理モジュールは、
    前記n個の量子ビットの出力量子状態に対応する測定結果を取得し;
    前記ニューラルネットワークにより前記測定結果を処理し、前記ニューラルネットワークの出力結果を取得し;及び
    前記ニューラルネットワークの出力結果に基づいて前記複数のパウリ文字列の期待値を算出するために用いられ、
    前記ニューラルネットワークのパラメータの調整の前後に、同じ前記測定結果を使用して前記ニューラルネットワークに入力する、期待値推定システム。
  20. 請求項13に記載の期待値推定システムであって、
    前記目標対象は前記パラメータ化量子回路をさらに含む、期待値推定システム。
  21. 請求項20に記載の期待値推定システムであって、
    前記最適化モジュールは、
    第二導関数及び第三導関数を計算し、前記第二導関数とは前記目的関数の期待値の、前記パラメータ化量子回路のパラメータに関する導関数を指し、前記第三導関数とは前記目的関数の期待値の、前記ニューラルネットワークのパラメータに関する導関数を指し;及び
    前記第二導関数及び前記第三導関数に基づいて勾配降下法を用いてそれぞれ前記パラメータ化量子回路のパラメータ及び前記ニューラルネットワークのパラメータを調整し、前記目的関数の期待値が収束するようにさせるために用いられる、期待値推定システム。
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