JP7452554B2 - 撮像装置、光学素子、画像処理システム及び画像処理方法 - Google Patents

撮像装置、光学素子、画像処理システム及び画像処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7452554B2
JP7452554B2 JP2021565507A JP2021565507A JP7452554B2 JP 7452554 B2 JP7452554 B2 JP 7452554B2 JP 2021565507 A JP2021565507 A JP 2021565507A JP 2021565507 A JP2021565507 A JP 2021565507A JP 7452554 B2 JP7452554 B2 JP 7452554B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scene
optical element
light
predetermined pattern
dimensional
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021565507A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021125000A1 (ja
Inventor
イリヤ レシェトウスキ
厚史 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Sony Group Corp
Original Assignee
Sony Corp
Sony Group Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp, Sony Group Corp filed Critical Sony Corp
Publication of JPWO2021125000A1 publication Critical patent/JPWO2021125000A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7452554B2 publication Critical patent/JP7452554B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/18Diffraction gratings
    • G02B5/1842Gratings for image generation
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N23/00Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof
    • H04N23/50Constructional details
    • H04N23/54Mounting of pick-up tubes, electronic image sensors, deviation or focusing coils
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/18Diffraction gratings
    • G02B5/1876Diffractive Fresnel lenses; Zone plates; Kinoforms
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/20Filters
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N23/00Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof
    • H04N23/50Constructional details
    • H04N23/55Optical parts specially adapted for electronic image sensors; Mounting thereof
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N23/00Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof
    • H04N23/80Camera processing pipelines; Components thereof
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N25/00Circuitry of solid-state image sensors [SSIS]; Control thereof

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Studio Devices (AREA)
  • Image Processing (AREA)

Description

本開示は、撮像装置、光学素子、画像処理システム及び画像処理方法に関する。
一般に、レンズレスカメラ(撮像装置)は、光透過フィルタ及び光不透過フィルタを2次元のパターン状に配置することによって構成されたマスク(光学素子)をイメージセンサの前に配置し、イメージセンサの観測データから光景を再構成することで撮影画像を得ることができる。例えば、レンズレスカメラでは、光が上記マスクを介してどのようにイメージセンサ上に投影されるかといった情報を予めマトリクスとして定義しておき、そのマトリクスとイメージセンサの観測データとを用いて、実際の光景の撮像画像を再構成する。このようなレンズレスカメラは、光学レンズ等を用いないことから、撮像装置の小型化、軽量化、廉価化等を実現することができる。
米国特許第8,746,569号明細書 国際公開第2016/123529号 国際公開第2018/023039号 米国特許第4,209,780号明細書 国際公開第2018/064660号 米国特許出願公開第2015/0219808号明細書
UNIFORMLY REDUNDANT ARRAYS, A. BUSBOOM, H. ELDERS-BOLL, AND H. D. SCHOTTEN, 1997 LiSens - A Scalable Architecture for Video Compressive Sensing, Jian Wang, Mohit Gupta, and Aswin C. Sankaranarayanan, ICCP, 2015 An angle-sensitive CMOS imager for single-sensor 3D photograph, Albert Wang; Patrick R. Gill; Alyosha Molnar, IEEE, 2011 Video from Stills: Lensless Imaging with Rolling Shutter, Nick Antipa, Patrick Oare, Emrah Bostan, Ren Ng, Laura Waller; ICCP 2019 Binary arrays with perfect odd-periodic autocorrelation, Hans Dieter Luke and Axel Busboom; 10 September 1997 / Vol. 36, No. 26 / APPLIED OPTICS / pp.6612-6619 Hexagonal uniformly redundant arrays for coded-aperture imaging, M. H.Finger, T.A.Prince, In NASA. Goddard Space Flight Center 19th Intern. Cosmic Ray Conf., Vol. 3 p 295-298
しかしながら、従来の撮像装置においては、撮像対象となる光景のアスペクト比(縦横比)と、光景からの光を受光するイメージセンサのアスペクト比とは、同一又は近似であることが一般的であった。また、レンズレスカメラにおいても、光景のアスペクト比とイメージセンサのアスペクト比とが大きく異なる場合、品質を劣化させることなく、実際の光景の撮像画像を再構成することが難しかった。
そこで、本開示では、光景のアスペクト比と異なるアスペクト比を有するイメージセンサを用いて、品質を劣化させることなく、実際の光景の撮像画像を再構成することが容易な、撮像装置、光学素子、画像処理システム及び画像処理方法を提案する。
本開示によれば、光景と異なるアスペクト比を有するラインセンサ又はエリアセンサと、所定のパターンを有し、前記ラインセンサ又は前記エリアセンサに重畳される光学素子とを備え、前記光学素子においては、周期的に位置ずれしながら繰り返される複数の基本パターンからなる前記所定のパターンの自己相関関数は、ピークとサイドローブとを持ち、前記サイドローブは一定又は略一定である、撮像装置が提供される。
また、本開示によれば、光景と異なるアスペクト比を有するラインセンサ又はエリアセンサと重畳される、所定のパターンを有する光学素子であって、前記光学素子においては、周期的に位置ずれしながら繰り返される複数の基本パターンからなる前記所定のパターンの自己相関関数は、ピークとサイドローブとを持ち、前記サイドローブは一定又は略一定である、光学素子が提供される。
また、本開示によれば、光景と異なるアスペクト比を有するラインセンサ又はエリアセンサによって観測された、前記ラインセンサ又は前記エリアセンサに重畳され、所定のパターンを有する光学素子を透過した前記光景からの光に基づく観測データを取得する取得部と、前記観測データを再構成することにより、前記光景の撮像画像を生成する処理部とを備え、前記光学素子においては、周期的に位置ずれしながら繰り返される複数の基本パターンからなる前記所定のパターンの自己相関関数は、ピークとサイドローブとを持ち、前記サイドローブは一定又は略一定である、画像処理システムが提供される。
さらに、本開示によれば、光景と異なるアスペクト比を有するラインセンサ又はエリアセンサによって観測された、前記ラインセンサ又は前記エリアセンサに重畳され、所定のパターンを有する光学素子を透過した前記光景からの光に基づく観測データを取得することと、前記観測データを再構成することにより、前記光景の撮像画像を生成することとを含む画像処理方法であって、前記光学素子においては、周期的に位置ずれしながら繰り返される複数の基本パターンからなる前記所定のパターンの自己相関関数は、ピークとサイドローブとを持ち、前記サイドローブは一定又は略一定である、画像処理方法が提供される。
レンズレスカメラの原理を説明するための説明図である。 本開示の一実施形態に係る撮像装置100の構成の一例を説明するための説明図である。 従来技術に係るバイナリーマスク10の構成の一例を説明するための説明図である。 本開示の一実施形態に係る2次元パターンの生成方法を説明するための説明図である。 本開示の一実施形態を説明するための説明図(その1)である。 本実施形態に係るバイナリーマスク10の生成方法を説明するための説明図(その1)である。 本実施形態に係るバイナリーマスク10の生成方法を説明するための説明図(その2)である。 本開示の一実施形態を説明するための説明図(その2)である。 本開示の一実施形態を説明するための説明図(その3)である。 本開示の一実施形態を説明するための説明図(その4)である。 本開示の一実施形態を説明するための説明図(その5)である。 本開示の一実施形態における、ローリングシャッタ方式を説明するための説明図(その1)である。 本開示の一実施形態における、ローリングシャッタ方式を説明するための説明図(その2)である。 本開示の一実施形態における、ローリングシャッタ方式を説明するための説明図(その3)である。 本開示の一実施形態における、ローリングシャッタ方式を説明するための説明図(その4)である。 本開示の一実施形態における、ローリングシャッタ方式を説明するための説明図(その5)である。 本開示の一実施形態における、ローリングシャッタ方式を説明するための説明図(その6)である。 ローリングシャッタ方式での実施例1を説明するための説明図である。 本開示の一実施形態の変形例に係るバイナリーマスク10を説明するための説明図である。 実施例3に係るバイナリーマスク10の図である。 実施例4に係るバイナリーマスク10の図である。 本開示の一実施形態に係る画像処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 本開示の一実施形態に係る画像処理方法のフローチャート図である。 本開示の一実施形態に係る画像処理装置200の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。 内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。 カメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。 車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。 車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、本明細書及び図面において、異なる実施形態の類似する構成要素については、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合がある。ただし、類似する構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
以下に説明する本開示の実施形態は、レンズレスカメラに適用した場合を例にして説明する。しかしながら、本開示の実施形態は、上述のレンズレスカメラに適用されることに限定されるものではなく、他の撮像システム等に適用されてもよい。
また、以下の説明において、サイドローブの略一定とは、数学的に一定である場合だけを意味するのではなく、後述する撮像画像の再構成において(例えば再構成によって得られた撮像画像の品質等の観点から)許容される程度の違いがある場合をも含むことを意味する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1. レンズレスカメラの原理
2. 本開示に係る実施形態を創作するに至るまでの経緯
3. 実施形態
3.1 光学素子
3.2 2次元パターンの生成方法
3.3 光景のアスペクト比とイメージセンサのアスペクト比とのミスマッチ
3.4 バイナリーマスク10の例
3.5 バイナリーマスク10の他の例
3.6 2次元のイメージセンサ(エリアセンサ)による1次元の光景の撮像
3.7 1次元のイメージセンサ(ラインセンサ)による2次元の光景の撮像
3.8 2次元のイメージセンサ(エリアセンサ)による2次元の光景の撮像
3.9 ローリングシャッタ方式
3.10 画像処理装置
3.11 画像処理方法
3.12 まとめ
4. ハードウェア構成について
5. 内視鏡手術システムへの応用例
6. 移動体への応用例
7. 補足
<<1. レンズレスカメラの原理>>
まず、本開示の実施形態の詳細を説明する前に、レンズレスカメラ(撮像装置)の概要及び原理について、図1を参照して説明する。図1は、レンズレスカメラの原理を説明するための説明図である。図1に示すように、撮像装置(レンズレスカメラ)100は、バイナリーマスク(光学素子)10と、イメージセンサ50とを有する。バイナリーマスク10は、例えば、2次元格子状に配列した複数の光透過フィルタ12及び複数の光不透過フィルタ(図示省略)からなる所定のパターンを有するマスクである。また、イメージセンサ50は、受光面上に2次元格子状又は1列(又は1行)に配列した複数の画素52を有する。そして、各画素52は、撮像対象となる光景の各ポイントからの光を受光することにより、電子信号(観測データ)を生成する。さらに、レンズレスカメラにおいては、当該電子信号を該当する画素52の位置に応じた平面上の位置に投影させることにより、実際の光景の撮像画像を得ることができる。この際、光景の各ポイントからの光は、バイナリーマスク10の光透過フィルタ12を通過して、イメージセンサ50の各画素52で受光されることとなる。
さらに、当該撮像装置100での撮像原理の詳細を説明する。以下では、撮像対象となる光景の各ポイントからの光を、図1に示す各光源a、b、cからの光であるものとして説明する。例えば、図1に示す例では、光源aからの光は、バイナリーマスク10の光透過フィルタ12を通過して、画素52d、52e、52fで受光される。また、光源bからの光は、バイナリーマスク10の光透過フィルタ12を通過して、画素52d、52e、52fで受光される。さらに、光源cからの光は、バイナリーマスク10の光透過フィルタ12を通過して、画素52d、52e、52fで受光されることとなる。そこで、各光源a、b、cの光の強度をa、b、cとした場合、各画素52d、52e、52fで受ける光強度I、I、Iは、以下の数式(1)によって示されることとなる。なお、数式(1)においては、αからα、βからβ、γからγは、バイナリーマスク10の各光透過フィルタ12の透過係数であるものとする。
Figure 0007452554000001
上記数式(1)からわかるように、各画素52d、52e、52fで受ける光は、光源a、b、cのそれぞれより発せられた光が入り交じったものとなり、実際の光景に含まれる被写体からの光(例えば、図1の1つの光源からの光)のみからなるものではない。そのため、当該撮像装置100で取得できる当初の実際の光景の撮像画像は、光景に含まれる被写体の像が結像されたものではなく、像の重畳によりぼけたものとなる。そこで、当該撮像装置100を用いた撮像においては、結像した被写体等の実際の光景の撮像画像を得るために、重畳した画像から所望の被写体等の実際の光景の撮像画像を再構成することとなる。
ここで、光景内の複数のポイントから放射される光を、光ベクトルXとして表現し、当該光を受光する複数の画素52の観測データを観測値ベクトルYとして表現した場合、光ベクトルXと観測値ベクトルYとの関係は、以下に示す数式(2)で示すことができる。
Figure 0007452554000002
なお、上記数式(2)のFは、2次元パターンを有するバイナリーマスク10の各光透過フィルタ12の透過係数を表す、行列であるものとする。
従って、当該撮像装置100を用いた撮像においては、結像した被写体等の実際の光景の撮像画像を再構成するためには、光景に含まれる被写体等からの光についての、上記数式(2)を満たす光ベクトルXを、観測値ベクトルYから求めればよい。詳細には、観測値ベクトルYは、イメージセンサ50によって明らかになることから、行列FをXについて解くことにより、光ベクトルXを算出することができる。そのためには、バイナリーマスク10のパターンは、その解が求まるような条件を満たしている事が求められる。
<<2. 本開示に係る実施形態を創作するに至るまでの経緯>>
次に、上述のような状況を踏まえ、本発明者らが本開示に係る実施形態を創作するに至る経緯について説明する。
ところで、従来の撮像装置においては、光学レンズやミラーを用いてイメージセンサ50上に集光するため、撮像対象となる光景のアスペクト比と、光景からの光を受光するイメージセンサ50のアスペクト比とは、同一又は近似であることが一般的である。
例えば、上記特許文献1では、1次元の光景と異なるアスペクト比である2次元のイメージセンサを用いた撮像が記載されている。詳細には、上記特許文献1では、2次元イメージセンサによるシングル(1次元)バーコードの撮像を、複数のミラー及び光学レンズを用いることで可能にしている。すなわち、上記特許文献1においては、光景のアスペクト比とイメージセンサのアスペクト比とがミスマッチであっても撮像が可能であるが、複数のミラー及び光学レンズが必要となることから、撮像装置の構成が複雑になることが避けられない。また、上記非特許文献2では、1次元イメージセンサ(ラインセンサ)による2次元の光景の撮像を、圧縮センシング手法を用いることで可能にしている。上記特許文献1では撮像できる光景のアスペクト比が制限されているものの、上記非特許文献2で提案されている技術においては、そのような制限はない。しかしながら、上記非特許文献2では、1つの光景の撮像画像を再構成するにあたり、複数回の撮影を行うことが求められる。さらに、上記非特許文献2では、撮像のために、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)等の複雑な構成が必要となる。
そこで、上述のような上記特許文献1及び上記非特許文献2の欠点を克服するために、レンズレスカメラを用いることが検討された。レンズレスカメラであれば、光学レンズ等が不要であることから、複雑な構成を不要とすることができるためである。このような代替技術としては、例えば、上記非特許文献4に開示の技術をあげることができる。詳細には、上記非特許文献4では、光学レンズの代わりに疑似ランダム位相拡散板を用いる。当該拡散板は、2次元の光景の各ポイントからの光を、疑似ランダム性を持ち、且つ、高いコンストラストを持つ集光文様としてイメージセンサ上に投影する。そして、上記非特許文献4に開示の技術においては、上記イメージセンサで取得した観測データ(信号)により、2次元の光景の撮像画像を再構成することができる。さらに、上記非特許文献4に開示の技術においては、ローリングシャッタ方式による1回の撮影から、高いフレームレートで連続する複数の撮像画像を取得することができる。さらに、上記非特許文献4においては、上記拡散板による集光文様は、高いコンストラストを持ち、且つ、疑似ランダム性を持つことから、イメージセンサで取得した観測データ(信号)は、鋭いピークを持ち、且つ、当該ピークに対して非常に小さなサイドローブを持つ、自己相関関数を有することとなる。従って、上述のような集光文様を生成することができる拡散板によれば、上述したような自己相関関数を持つ観測データを得ることができることから、上記数式(2)を解くことができる。その結果、上記特許文献4の開示の技術においては、上記イメージセンサで取得した観測データから、実際の光景の撮像画像の再構成を行うことができる。
しかしながら、本発明者らが検討を重ねたところ、上記非特許文献4に開示の技術であっても、以下のような欠点を有することが明らかになった。
まずは、上記非特許文献4においては、上記拡散板は、疑似ランダム性を持ち、且つ、高いコンストラストを持つ集光文様に投影する。しかしながら、上記非特許文献4においては、当該集光文様の自己相関関数は、鋭いピークを持ち、且つ、当該ピークに対して非常に小さなサイドローブを持つものの、当該サイドローブが一定(均一)ではない。そして、上記非特許文献4においては、光景のアスペクト比とイメージセンサのアスペクト比とがミスマッチである場合には、上記サイドローブが一定でないことから、上記数式(2)を解く事が難しくなる。その結果、上記非特許文献4においては、再構成された実際の光景の撮像画像の品質を劣化させることとなる。なお、本発明者らの検討によれば、光景のアスペクト比とイメージセンサのアスペクト比とがミスマッチであっても、もし、上記自己相関関数が、鋭いピークを持ち、且つ、当該ピークに対して非常に小さなサイドローブを持ち、さらには、サイドローブが略一定(望ましくは一定)であれば(自己相関関数がデルタ関数に近似できるものであれば)、上記数式(2)をXについて効率的且つロバストに解くことができる。そして、このように算出することができれば、再構成された撮像画像の品質が劣化することを避けることができる。
また、上記非特許文献4においては、上記拡散板のパターンの持つ疑似ランダム性により、イメージセンサによるサンプリングがまばらになることを避けることが難しい。従って、上記非特許文献4においては、サンプリングがまばらであることにより、まばらにサンプリングされた観測データ(信号)から実際の光景の撮像画像を再構成した場合、その品質や均一性が劣化する蓋然性が高い。そこで、サンプリングがまばらになることにより生じる上記問題を解消するために、上記非特許文献4では、イメージセンサの各走査ライン(詳細には、1つの走査ラインは、行方向に沿って並ぶ複数の画素からなる)に対して圧縮センシングを適用する。しかしながら、このような方法は、空間的又は時間的に密度の高い光景に対する撮影に適用することが難しく、さらには、画像処理システムにおける画像処理の負荷の増大を避けることが難しい。
さらに、上記非特許文献4においては、上述のような拡散板を用いるために、撮像装置のキャリブレーションが必要となる。
そこで、本発明者らは、このような状況を鑑みて、以下に説明する本開示の実施形態を創作するに至った。本開示の実施形態においては、以下に説明するような光学素子(例えば、バイナリーマスク10)を用いることにより、イメージセンサ50の各画素(領域)52において重畳して取得された光景の各ポイントからの光に基づく観測データ(信号)のそれぞれに対して、符号化を行う。そして、当該光学素子は、鋭いピークを持ち、且つ、当該ピークに対して非常に小さなサイドローブを持つ自己相関関数を持つ所定のパターンを有することから、上記数式(2)をXについて解く事ができる。その結果、本開示の実施形態によれば、上記観測データから実際の光景の撮像画像を再構成することができる。
さらに、上記光学素子の所定のパターンは、略一定(望ましくは一定)の(均一な)サイドローブを持つことから、光景のアスペクト比とイメージセンサのアスペクト比とがミスマッチであっても、上記数式(2)をXについて効率的かつロバストに解くことができる。その結果、本開示の実施形態によれば、再構成された撮像画像の品質が劣化することを避けることができる。さらに、上記光学素子において周期的に位置ずれしながら繰り返される複数の2次元基本パターンからなる2次元の所定のパターンは、略一定(望ましくは一定)のサイドローブの自己相関関数を持つ1次元パターンを所定の規則に基づき折りたたむことにより容易に生成することができる。
すなわち、このような本開示の実施形態によれば、シンプルな構成の撮像装置100を用いて、光景のアスペクト比とイメージセンサのアスペクト比とがミスマッチであっても、品質を劣化させることなく、実際の光景の撮像画像を容易に再構成することができる。本実施形態によれば、例えば、2次元のイメージセンサ50によるシングル(1次元)バーコードの撮像が可能となり、1次元のイメージセンサ(ラインセンサ)50による2次元の光景の撮像が可能となる。
また、本開示の実施形態によれば、撮像装置がシンプルな構成であることから、光学素子を上述したパターンを有するように好適に形成することにより、撮像システムのキャリブレーションを不要にすることができ、ひいては撮像を容易に行うことを可能にする。
さらに、本開示の実施形態においては、上記光学素子として、例えば、2次元格子状に配列した光透過フィルタ12及び光不透過フィルタ(図示省略)からなる所定のパターンを有するバイナリーマスク10を用いることができる。また、本開示の実施形態においては、上記光学素子として、例えば、フレネルパターン状に配列した光透過フィルタ12及び光不透過フィルタ(図示省略)からなる所定のパターンを有するバイナリーマスク10を用いることができる。さらに、本開示の実施形態においては、上記光学素子として、例えば、回折格子素子を用いることができる。すなわち、本実施形態においては、上記光学素子の設計の自由度は高いといえる。
また、本実施形態においては、先に説明したように、イメージセンサ50の各画素(領域)52において重畳して取得された光景の各ポイントからの光に基づく観測データ(信号)のそれぞれに対して、符号化することができる。従って、本実施形態によれば、ローリングシャッタ方式に適用した場合であっても、1回の撮影から、高いフレームレートで連続する複数の撮像画像を取得することができる。また、本実施形態によれば、イメージセンサ50の各走査ライン又は各走査ライン群(詳細には、各走査ライン群は、所定の数の走査ラインからなる)に対応する観測データを特定することが容易である。さらに、本実施形態によれば、各走査ライン又は各走査ライン群で取得した観測データを再構成することにより得られた各撮像画像の間の品質を均一に維持することができる。
以下に、本発明者らが創作した本開示の実施形態の詳細を順次説明する。
<<3. 実施形態>>
<3.1 光学素子>
まずは、図2及び図3を参照して、本開示の実施形態に係る光学素子について説明する。図2は、本実施形態に係る撮像装置100の構成の一例を説明するための説明図であり、図3は、従来技術に係るバイナリーマスク10の構成の一例を説明するための説明図である。
ところで、上記非特許文献5は、光学素子の一例として使用するバイナリーマスクのパターンを、所定の1次元の系列を2次元アレイになるように所定の規則に基づき折りたたむことで得られることを開示する。しかしながら、上記非特許文献5に開示のバイナリーマスクは、光景のアスペクト比とイメージセンサのアスペクト比とが同一である場合に適用される。そこで、本発明者らは、鋭意検討を進め、以下に説明する条件を追加することにより、バイナリーマスク10が、光景のアスペクト比とイメージセンサ50のアスペクト比とがミスマッチであっても適用可能になることを独自に知得した。以下に、本発明者らが創作した本開示の実施形態に係るバイナリーマスク10の詳細を説明する。
本実施形態に係るバイナリーマスク(光学素子)10は、図2に示すように、イメージセンサ(ラインセンサ又はエリアセンサ)50に重畳されて使用される。言い換えると、本実施形態に係る撮像装置100は、図2に示すように、1つ以上の走査ライン(行)(詳細には、1つの走査ラインは、行方向に沿って並ぶ複数の画素からなる)を持つイメージセンサ50と、当該イメージセンサ50に重畳されたバイナリーマスク10とからなる。また、図2に示すように、バイナリーマスク10は、イメージセンサ50の有する画素52とほぼ同等のサイズの複数の単位要素を持ち、これら各単位要素は、光透過フィルタ12及び光不透過フィルタ14からなる。より詳細には、バイナリーマスク10は、2次元格子状に配列した複数の光透過フィルタ12及び複数の光不透過フィルタからなる所定のパターンを有する。言い換えると、バイナリーマスク10は、光学素子の1種であるといえる。
また、バイナリーマスク10上で繰り返される所定のパターンの自己相関関数は、鋭いピークを持ち、且つ、当該ピークに対して非常に小さなサイドローブを持つ。このようなバイナリーマスク10を用いることにより、上記数式(2)を解くことができることから、イメージセンサ50で取得した観測データ(信号)から実際の光景の撮像画像を再構成することができる。
ここで、図3を参照して、従来技術の2次元の所定のパターンの生成方法の概略について説明する。図3の上段に示す1次元の系列(一次元パターン)は、鋭いピークを持ち、且つ、当該ピークに対して非常に小さなサイドローブを持つ。より具体的には、図3の上段に示す1次元の系列の長さLは、単位要素の数で規定すると例えば255となっている。
次に、図3の上段に示す1次元の系列(一次元パターン)を折り畳み、図3の中段に示す単位2次元パターンを生成する。ここで、単位2次元パターンのサイズが、単位要素の数で規定するとM×Nで表現される場合、MとNとの積(M×N)は上記1次元系列の長さLと等しく、且つ、MとNとが互いに素であるという条件を満たすようにして、単位2次元パターンを生成する。例えば、図3の中段に示す単位2次元パターンのサイズは、単位要素の数で規定すると15×17となっており、すなわち、MとNとの積が1次元の系列の長さL=255と等しく、且つ、MとNとが互いに素であるという条件を満たしている。
さらに、上述のような単位2次元パターンを2×2で配列させることにより、図3の下段に示す2次元の所定のパターンを得ることができる。詳細には、図3の下段に示す2次元の所定のパターンのサイズは、単位要素の数で規定すると(2M-1)×(2N-1)であり、より具体的には29×33((15×2-1)×(17×2-1)である。
例えば、図3の下段に示す2次元パターンを持つバイナリーマスク10を用いることにより、画素(単位画素)52の数で規定するとM×Nのサイズを持つイメージセンサ50上に、光景からのM×N個のポイントからの光の束を循環シフトさせるように投影することができる。すなわち、図3の下段に示す2次元パターンを有するバイナリーマスク10は、光景のM×Nの各ポイントからの光をそれぞれ符号化することができる。言い換えると、図3の下段に示す2次元パターンを持つバイナリーマスク10を用いることにより、上記数式(2)をXについて解くことができる。そして、符号化された光景のM×Nの各ポイントからの光に基づく観測データ(信号)に対して適切なアルゴリズムを適用することにより、実際の光景の撮像画像を再構成することができる。
しかしながら、ここで説明した図3の下段に示す、従来技術に係る2次元パターンを有するバイナリーマスク10は、光景のアスペクト比はM:Nであり、イメージセンサ50のアスペクト比もM:Nであり、すなわちアスペクト比が同一である場合に適用される。そこで、本実施形態においては、先に説明したように、以下に説明する条件を追加することにより、バイナリーマスク10を、光景のアスペクト比とイメージセンサ50のアスペクト比とがミスマッチであっても、適用可能なものにする。
<3.2 2次元パターンの生成方法>
次に、図4を参照して、本実施形態に係る、光景のアスペクト比とイメージセンサ50のアスペクト比とがミスマッチであっても適用可能なバイナリーマスク10の2次元パターンの生成方法を説明する。図4は、本実施形態に係る2次元パターンの生成方法を説明するための説明図である。
詳細には、図4には生成しようとする2次元の所定のパターンが示されており、当該2次元の所定のパターンは、複数の単位アレイs(x、y)を持ち、s(x、y)は、N×Nのサイズを持つ。N×Nイメージセンサ50のサイズでもあるものとする。また、ここでは、光景の解像度をP×Pとし、アスペクト比をP:Pする。そして、図4に示すように、Y軸方向に沿って変位Dを持つように複数の単位アレイs(x、y)を配置した場合には、このような複数の単位アレイs(x、y)からなる2次元の所定のパターンは、以下の数式(3)によって表現することができる。
Figure 0007452554000003
そして、上記数式(3)に基づき、周期的に変位Dで位置ずれしながら繰り返される複数の単位アレイs(x、y)からなる2次元の所定のパターンからなる所定のパターンの自己相関関数は、以下の数式(4)によって表現することができる。
Figure 0007452554000004
そして、上記自己相関関数のサイドローブは、以下の数式(5)によって定義される。
Figure 0007452554000005
従って、以下の数式(6)を満たすことにより、上記サイドローブは理想的にゼロ、すなわち、サイドローブは一定となる。
Figure 0007452554000006
ここで、単位アレイs(x、y)が以下のような数式(7)で表現される場合を考える。
Figure 0007452554000007
このような場合、以下のような数式(8)が満たされた場合、以下に示す数式(9)が成立する。
Figure 0007452554000008
Figure 0007452554000009
すなわち、上記数式(9)によれば、単位アレイs(x、y)が有する自己相関関数が、2次元の所定のパターンでも維持されることを示している。言い換えると、上記数式(8)を満たすように2次元の所定パターンの生成した場合、単位アレイs(x、y)が有する自己相関関数が、2次元の所定のパターンでも維持されることとなる。ここで、数式(9)を導くにあたり、0≦l(エル)<N、0≦k<Nの範囲内であるものとして上記数式(7)を用いている。すなわち、上記数式(6)からわかるように、ここでは、光景のアスペクト比とイメージセンサ50のアスペクト比とが同一であるものとしている。
しかしながら、本実施形態においては、光景のアスペクト比とイメージセンサ50のアスペクト比とがミスマッチであることを前提としている。そこで、ここでは、光景のアスペクト比をP:Pとした場合、N×N=P×P(言い換えると、イメージセンサ50は、光景に対する解像度と同じ画素52の数を有する)であって、N≠Pという条件を満たすものとする。このような場合、l(エル)及びkは、0≦l(エル)<N、0≦k<Nの範囲の外側に位置することがある。すなわち、数式(9)を導くにあたりに使用した、0≦l(エル)<N、0≦k<Nの範囲内であるという条件を用いることができない。
そこで、本実施形態においては、光景のアスペクト比とイメージセンサ50のアスペクト比とがミスマッチであっても、自己相関関数が鋭いピークを持ち、且つ、当該ピークに対して非常に小さなサイドローブを持つだけでなく、当該サイドローブを略一定(望ましくは一定)とするために、以下の数式(10)及び、上記数式(7)、(8)を満たすような条件で、2次元の所定のパターンを生成する。
Figure 0007452554000010
すなわち、本実施形態においては、上述のような自己相関関数を持つ1次元の系列(一次元パターン)を、上記数式(10)及び、上記数式(7)、(8)を追加した所定の規則に基づき折りたたむことにより、上述のような自己相関関数を持つ2次元の所定のパターンを生成することができる。そして、このような2次元の所定のパターンを有するバイナリーマスク10によれば、上記数式(2)をXについて効率的且つロバストに解くことができる。その結果、本開示の実施形態によれば、光景のアスペクト比とイメージセンサ50のアスペクト比とがミスマッチであっても、再構成された実際の光景の撮像画像の品質が劣化することを避けることができる。
<3.3 光景のアスペクト比とイメージセンサのアスペクト比とのミスマッチ>
次に、より詳細に、本実施形態に係る、光景のアスペクト比とイメージセンサ50のアスペクト比とがミスマッチである場合での使用について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態を説明するための説明図であって、詳細には、本実施形態に係るバイナリーマスク10aの一例を示す。
ここで、画素52の数で規定するとP×Qのサイズを持つ矩形状のイメージセンサ50上に、光景のM×N個の各ポイントからの光をそれぞれ符号化して投影することを考える(すなわち、光景に対する解像度はM×Nである)。この場合、バイナリーマスク10aのサイズは、単位要素の数で規定すると(P+M-1)×(Q+N-1)となる。すなわち、図5に示すように、バイナリーマスク10aのサイズは、イメージセンサ50を、X方向に沿って単位要素あたり1列ずつM回、Y方向に沿って単位要素あたり1行ずつN回、平行移動して得られるサイズを持つ。なお、ここで、M×N=P×Qであり、MとNとが互いに素であり、PとQとが互いに素である条件を満たすものとする。
原理的には、バイナリーマスク10が均一冗長アレイマスクであれば、P×Qのサイズを持つイメージセンサ50上に、光景のM×N個の各ポイントからの光をそれぞれ符号化して投影することは可能である。しかしながら、バイナリーマスク10が単なる均一冗長アレイマスクであるだけでは、光景のアスペクト比とイメージセンサ50のアスペクト比とがミスマッチである場合には、均一冗長アレイマスクが周期的な繰り返しを単に含むだけであることから、光景のM×N個の各ポイントからの光をそれぞれ精度よく符号化して投影することが難しい。すなわち、バイナリーマスク10が単なる均一冗長アレイマスクである場合には、再構成された実際の光景の撮像画像の品質が劣化することを避けることが難しい。
そこで、本実施形態においては、先に説明したような、自己相関関数が鋭いピークを持ち、且つ、当該ピークに対して非常に小さなサイドローブを持ち、さらには、当該サイドローブが略一定(望ましくは一定)であるような所定のパターンを有するバイナリーマスク10aを用いる。その結果、本実施形態によれば、光景のアスペクト比とイメージセンサ50のアスペクト比とがミスマッチであっても、イメージセンサ50上に、光景のM×N個の各ポイントからの光をそれぞれ精度よく符号化して投影することが可能である。言い換えると、本実施形態によれば、上記数式(2)を効率的且つロバストに求めることができる。従って、本実施形態によれば、再構成された実際の光景の撮像画像の品質が劣化することを避けることができる。
<3.4 バイナリーマスク10の例>
次に、図6を参照して、本実施形態に係る、光景のアスペクト比とイメージセンサ50のアスペクト比とがミスマッチであっても適用可能なバイナリーマスク10の一例を説明する。図6は、本実施形態に係るバイナリーマスク10の生成方法を説明するための説明図である。
ここで、画素52の数で規定するとP×Q=17×15のサイズを持つ矩形状のイメージセンサ50上に、光景のM×N個=51×5の各ポイントからの光をそれぞれ符号化して投影することを考える(すなわち、光景に対する解像度はM×N=51×5である)。なお、上記の条件では、M×N=P×Q=51×5=17×15=255であり、MとNとが互いに素であり、PとQとが互いに素である条件を満たしている。
そして、この場合、先に説明したように、バイナリーマスク10のサイズとしては、単位要素の数で規定すると(P+M-1)×(Q+N-1)=(17+51-1)×(15+5-1)=67×19とすることが求められる。
具体的には、本実施形態においては、図6の上段に示す、長さL=255の1次元の系列(1次元パターン)を所定の規則に基づき折りたたむことにより2次元の所定のパターンを生成する。本実施形態においては、上記数式(6)、(8)及び(10)を満たすパラメータa、a、D、α、Mとして、a=1、a=2、D=5、α=1、M=5の条件を用いている。このようにして、本実施形態においては、図6の下段に示される2次元の所定のパターンを有するバイナリーマスク10を得ることができる。図6の下段に示されるバイナリーマスク10の所定のパターンでは、周期的に変位Dで位置ずれしながら繰り返される複数の単位アレイs(67×19)を有する。
このようにすることで、本実施形態においては、光景のアスペクト比とイメージセンサ50のアスペクト比とがミスマッチであっても、自己相関関数が鋭いピークを持ち、且つ、当該ピークに対して非常に小さなサイドローブを持つだけでなく、当該サイドローブが略一定(望ましくは一定)である、2次元の所定のパターンを有するバイナリーマスク10を得ることができる。
<3.5 バイナリーマスク10の他の例>
次に、ローリングシャッタ方式(ローリングシャッタ方式の詳細については後述する)に適用可能なバイナリーマスク10の一例を説明する。図7は、本実施形態に係るバイナリーマスク10の生成方法を説明するための説明図である。
ここで、60×85の画素52を持つ2次元のイメージセンサ50(すなわち、60行の走査ラインを有する)を用い、光景に対する解像度を15×17とする場合を考える。さらに、本実施形態では、ローリングシャッタ方式での撮像は、上記イメージセンサ50上の3行の走査ラインからなる走査ライン群ごとに観測データ(信号)を取得することとなる。すなわち、イメージセンサ50は20個に区分けされることとなる。なお、上記の条件では、M×N=P×Q=3×85=15×17=255であり、MとNとが互いに素であり、PとQとが互いに素である条件を満たしている。
具体的には、本実施形態においては、図6の上段に示す、長さL=255の1次元の系列(1次元パターン)を所定の規則に基づき折りたたむことにより2次元の所定のパターンを生成する。本実施形態においては、上記数式(6)、(8)及び(10)を満たすパラメータa、a、Dとして、a=1、a=1、D=17の条件を用いる。このようにして、本実施形態においては、図7に示される2次元の所定のパターンを有するバイナリーマスク10を得ることができる。詳細には、図7に示されるバイナリーマスク10の走査ライン群に対応する領域の所定のパターンは、単位要素の数で規定すると(15+3-1)×(17+18-1)のサイズを持つ。さらに、60行分の解像度をカバーするために、{15+3-1+(60-3))}×(17+85-1)=74×101のサイズを持つ所定のパターンを有する区画を周期的に変位Dで位置ずれしながら繰り返すことにより、図7に示される2次元の所定のパターンを有するバイナリーマスク10を得ることができる。すなわち、バイナリーマスク10上の当該74×101のサイズの区画のそれぞれが、イメージセンサ50の20個に区分けされたエリアのぞれぞれのためのバイナリーマスクとして同時に使用することができる。
このようにすることで、本実施形態においては、ローリングシャッタ方式に適用可能な、自己相関関数が鋭いピークを持ち、且つ、当該ピークに対して非常に小さなサイドローブを持つだけでなく、当該サイドローブが略一定(望ましくは一定)である、2次元の所定のパターンを有するバイナリーマスク10を得ることができる。
<3.6 2次元のイメージセンサ(エリアセンサ)による1次元の光景の撮像>
さらに、具体的に、図8及び図9を参照して、本実施形態に係る、2次元のイメージセンサ50を用いた1次元の光景の撮像を説明する。図8及び図9は、本実施形態を説明するための説明図であって、詳細には、本実施形態に係る、2次元のイメージセンサ50を用いた1次元の光景の撮像を説明するための説明図である。なお、以下の説明においては、イメージセンサ50は、画素52の数で規定するとM×Nのサイズを持ち、光景のサイズはMN×1(1次元)である(すなわち、光景の解像度はMN×1である)ものとする。
ここで本実施形態においては、撮像装置100は、図8に示す単位要素の数で規定すると(MN+M-1)×Nのサイズのバイナリーマスク10bと、画素52の数で規定するとM×Nのサイズの2次元のイメージセンサ(エリアセンサ)50とを有するものとする。そして、本実施形態においては、光景のMN個の各ポイントは1つの面に1行(詳細のは、例えば、水平方向に沿って)に並んでおり(すなわち、1次元の光景)、これらMN個の各ポイントからの光(V、V、…、V、…、VMN)は、図8に示すようにバイナリーマスク10bを通過してイメージセンサ50上に投影される。そして、これら光(V、V、…、V、…、VMN)のそれぞれは、バイナリーマスク10b上の対応するM×Nのサイズを持つ各領域のパターンにより符号化されることとなる。
本実施形態に係るバイナリーマスク10bの有する所定のパターンは、先に説明したように、鋭いピークを持ち、且つ、当該ピークに対して非常に小さなサイドローブを持ち、さらに当該サイドローブが略一定(望ましくは、一定)である自己相関関数を持つ。そのため、上記バイナリーマスク10bは、光景のMN個の各ポイントからの光をそれぞれ精度よく符号化して投影することが可能である。言い換えると、本実施形態によれば、上記数式(2)をXについて効率的且つロバストに求めることができる。従って、本実施形態によれば、2次元のイメージセンサ50を用いた1次元の光景の撮像であっても、再構成された実際の光景の撮像画像の品質が劣化することを避けることができる。
さらに、図9を参照して、より具体的な例を説明する。図9の例では、画素52の数で規定するとM×N=15×17のサイズの2次元のイメージセンサ50を使用する。この場合、本実施形態においては、図3の上段に示す、長さL=255の1次元の系列(1次元パターン)を折りたたむことにより2次元の所定のパターンを生成する。図9の例では、光景の解像度(P×P)が255×1であり、イメージセンサ50のサイズ(Nx×Ny)が15×17である。従って、2次元の所定のパターンを生成する際には、上記数式(6)、(8)及び(10)を満たすパラメータa、a、D(数式(7)参照)として、a=1、a=0、D=1の条件を用いることとなる。例えば、図9に示されるバイナリーマスク10bの所定のパターンは、図4の左上に示される破線の矩形に含まれる、周期的に変位Dで位置ずれしながら繰り返される複数の単位アレイs(x、y)として生成される。詳細には、バイナリーマスク10cは、単位要素の数で規定すると269×17のサイズを持つ。
このように数式(6)、(8)及び(10)を満たすような、図9に示されるバイナリーマスク10cの所定のパターンは、鋭いピークを持ち、且つ、当該ピークに対して非常に小さなサイドローブを持ち、さらに当該サイドローブが略一定(望ましくは、一定)である自己相関関数を持つ。そのため、上記バイナリーマスク10cは、光景の255×1個の各ポイントからの光をそれぞれ精度よく符号化して投影することが可能である。従って、本実施形態によれば、2次元のイメージセンサ50を用いた1次元の光景(255×1)の撮像であっても、再構成された実際の光景の撮像画像の品質が劣化することを避けることができる。
<3.7 1次元のイメージセンサ(ラインセンサ)による2次元の光景の撮像>
さらに、具体的に、図10を参照して、本実施形態に係る、1次元のイメージセンサ(ラインセンサ)50を用いた2次元の光景の撮像を説明する。図10は、本実施形態を説明するための説明図であって、詳細には、本実施形態に係る、1次元のイメージセンサ50を用いた2次元の光景の撮像を説明するための説明図である。なお、以下の説明においては、イメージセンサ50は、画素52の数で規定するとMN×1のサイズを持ち、光景のサイズはM×N(2次元)であるものとする。
より具体的には、図10の例では、画素52の数で規定すると255×1のサイズの1次元のイメージセンサ50を使用する。この場合、本実施形態においては、図3の上段に示す、長さL=255の1次元の系列(1次元パターン)を折りたたむことにより2次元の所定のパターンを生成する。図10の例では、光景の解像度(P×P)が15×17であり、イメージセンサ50のサイズ(Nx×Ny)が255×1である。従って、2次元の所定のパターンを生成する際には、上記数式(6)、(8)及び(10)を満たすパラメータa、a、D(数式(7)参照)、α(数式(10)参照)として、a=1、a=1、D=17、α=1の条件を用いることとなる。例えば、図10に示されるバイナリーマスク10dの所定のパターンは、単位要素の数で規定すると271×15のサイズを持つ。
このように数式(6)、(8)及び(10)を満たすような、図10に示されるバイナリーマスク10dの所定のパターンは、鋭いピークを持ち、且つ、当該ピークに対して非常に小さなサイドローブを持ち、さらに当該サイドローブが略一定(望ましくは、一定)である自己相関関数を持つ。そのため、上記バイナリーマスク10dは、光景の15×17個の各ポイントからの光をそれぞれ精度よく符号化して投影することが可能である。従って、本実施形態によれば、1次元のイメージセンサ50を用いた2次元の光景(15×17)の撮像であっても、再構成された実際の光景の撮像画像の品質が劣化することを避けることができる。
<3.8 2次元のイメージセンサ(エリアセンサ)による2次元の光景の撮像>
さらに、具体的に、図11を参照して、本実施形態に係る、2次元のイメージセンサ(エリアセンサ)50を用いた2次元の光景の撮像を説明する。図11は、本実施形態を説明するための説明図であって、詳細には、本実施形態に係る、2次元のイメージセンサ50を用いた2次元の光景の撮像を説明するための説明図である。なお、以下の説明においては、イメージセンサ50は、画素52の数で規定するとM×Nのサイズを持ち、光景のサイズはP×Q(2次元)であるものとする。また、ここでは、M×N=P×Qであり、MとNとが互いに素であり、PとQとが互いに素である条件を満たすものとする。
より具体的には、図11の例では、画素52の数で規定すると31×33のサイズの2次元のイメージセンサ50を使用する。この場合、本実施形態においては、長さL=1023の1次元の系列(1次元パターン)を折りたたむことにより2次元の所定のパターンを生成する。図11の例では、光景の解像度(P×P)が341×3であり、イメージセンサ50のサイズ(Nx×Ny)が31×33である。従って、2次元の所定のパターンを生成する際には、上記数式(6)、(8)及び(10)を満たすパラメータa、a、D(数式(7)参照)、α(数式(10)参照)として、a=1、a=1、D=37、α=1の条件を用いることとなる。例えば、図11に示されるバイナリーマスク10eの所定のパターンは、単位要素の数で規定すると371×35のサイズを持つ。
このように数式(6)、(8)及び(10)を満たすような、図11に示されるバイナリーマスク10eの所定のパターンは、鋭いピークを持ち、且つ、当該ピークに対して非常に小さなサイドローブを持ち、さらに当該サイドローブが略一定(望ましくは、一定)である自己相関関数を持つ。そのため、上記バイナリーマスク10eは、光景の341×3個の各ポイントからの光をそれぞれ精度よく符号化して投影することが可能である。従って、本実施形態によれば、光景のアスペクト比とイメージセンサ50のアスペクト比とがミスマッチであっても、2次元のイメージセンサ50を用いた2次元の光景の撮像において、再構成された実際の光景の撮像画像の品質が劣化することを避けることができる。
<3.9 ローリングシャッタ方式>
(基本原理)
次に、本実施形態をローリングシャッタ方式に適用した例について説明する。以下に、図12を参照して、ローリングシャッタ方式の基本原理について説明する。図12は、本実施形態における、ローリングシャッタ方式を説明するための説明図である。
ローリングシャッタ方式においては、グローバルシャッタ方式とは異なり、撮像装置100は、イメージセンサ50上の複数の画素52からなる走査ライン(行)ごとに順次観測データ(信号)を取得するように動作する。一方、グローバルシャッタ方式では、撮像装置100は、イメージセンサ50上の全ての走査ライン(行)で同時に、言い換えると、イメージセンサ50上の全ての画素52で同時に観測データ(信号)を取得するように動作する。
ここで、図12に示すようなN行の走査ラインを有するイメージセンサ50を有する撮像装置100が、ローリングシャッタ方式、具体的には、1行の走査ラインごとに順次観測データ(信号)を取得するように動作する場合を考える。この場合、撮像装置100は、1度の撮影により、N回分観測データ(信号)を取得することとなり、取得したN個の観測データから、図12の右側に示すように、N個の撮像画像をそれぞれ再構成することができる。すなわち、ローリングシャッタ方式によれば、一度の撮像で、N個の撮像画像を再構築することができることから、例えばフレームレートをF(fps)からFN(fps)に増加させることができる。
(本実施形態)
そこで、本実施形態においては、これまで説明した本実施形態に係る、2次元の所定のパターンを有するバイナリーマスク10を、上述したようなローリングシャッタ方式で動作する撮像装置100に適用する。このようなローリングシャッタ方式の実施形態を図13から図17を参照して説明する。図13から図17は、本実施形態における、ローリングシャッタ方式を説明するための説明図である。詳細には、図13は、イメージセンサ50の1行目の走査ラインでの観測データ(信号)の取得を説明するための図であり、図14は、イメージセンサ50の2行目の走査ラインでの観測データ(信号)の取得を説明するための図である。また、図15は、イメージセンサ50の3行目の走査ラインでの観測データ(信号)の取得を説明するための図であり、図16は、イメージセンサ50のN-1行目の走査ラインでの観測データ(信号)の取得を説明するための図である。さらに、図17は、イメージセンサ50のN行目の走査ラインでの観測データ(信号)の取得を説明するための図である。
図13から図17に示すように、本実施形態においては、各走査ラインに対応するように、バイナリーマスク10の領域(図では矩形で囲まれている)が定められている。そして、本実施形態に係るローリングシャッタ方式の撮像においては、各走査ラインの複数の画素52は、定められたバイナリーマスク10の領域を通過した光による観測データ(信号)を走査ラインごとに順次取得することとなる。
この際、適切な符号化を行うことができるように、各走査ラインのアスペクト比を考慮して、各走査ラインに対応するバイナリーマスク10の領域のサイズや、バイナリーマスク10の有する所定のパターンを決定する。すなわち、ここでも、上述したような本実施形態に係る、2次元の所定のパターンを有するバイナリーマスク10の領域を用いることとなる。
図13から図17に示す例では、図中上下に隣り合う走査ライン間で、バイナリーマスク10の領域の一部を共有している。しかしながら、上述したような本実施形態に係る、2次元の所定のパターンを有するバイナリーマスク10を用いることにより、バイナリーマスク10の領域の一部を共有している場合であっても、光景の各ポイントからの光に基づく観測データ(信号)のそれぞれに対して、適切に符号化することができる。言い換えると、本実施形態においては、イメージセンサ50の各走査ラインに対応する観測データを特定することが容易である。その結果、本実施形態によれば、各走査ラインで取得した観測データを再構成することにより複数の撮像画像を得ることができるばかりか、得られた各撮像画像の間の品質を均一に維持することができる。さらに、本実施形態によれば、1回の撮像であっても、各走査ラインで取得した観測データから複数の撮像画像を再構成することができることから、高いフレームレートで連続する複数の撮像画像を取得することができる。例えば、図13から図17に示す例では、N個の走査ラインごとに観測データを取得していることから、N個の撮像画像を再構成することができ、従って、例えばフレームレートをF(fps)からFN(fps)に増加させることができる。
また、本実施形態においては、図13から図17に示すように、1行の走査ラインごとに観測データを取得することに限定されるものではなく、所望のフレームレートに応じて、複数の走査ライン(走査ライン群)ごとに観測データを取得してもよい。この場合であっても、適切な符号化を行うことができるように、各走査ライン群のアスペクト比を考慮して、各走査ライン群に対応するバイナリーマスク10の領域のサイズや、バイナリーマスク10の有する所定のパターンを決定することとなる。
なお、本開示の実施形態においては、これまで説明した2次元の所定のパターンを有するバイナリーマスク10を、上述したようなローリングシャッタ方式で動作する撮像装置100に適用することに限定されるものではなく、例えば、グローバルシャッタ方式で動作する撮像装置100に適用してもよい。
(実施例1)
次に、図18を参照して、実施例1を説明する。図18は、ローリングシャッタ方式での実施例1を説明するための説明図である。ここで、291×240の画素52を持つ2次元のイメージセンサ50を用い、1回の撮像のフレームレートがFであって、ローリングシャッタにおけるサブフレームレート18Fとし、光景に対する解像度を39×97とする場合を考える。
このような場合、ローリングシャッタ方式での撮像は、サブフレームレートが18Fであるため、上記イメージセンサ50上の13行の走査ラインからなる走査ライン群ごとに観測データ(信号)を取得することとなる。
そして、この場合、本実施形態においては、長さL=97×39=3783の1次元の系列(1次元パターン)を折りたたむことにより2次元の所定のパターンを生成する。光景の解像度(P×P)が97×39であり、走査ライン群のサイズ(Nx×Ny)が291×13である。従って、2次元の所定のパターンを生成する際には、上記数式(6)、(8)及び(10)を満たすパラメータa、a、D(数式(7)参照)として、a=1、a=1、D=39の条件を用いることとなる。例えば、図18に示されるバイナリーマスク10の走査ライン群に対応する領域の所定のパターンは、単位要素の数で規定すると329×109のサイズを持つ。さらに、240行分の水平方向の解像度をカバーするために、バイナリーマスク10の全体のサイズは329×336(109-13+240)となる。
本実施例によれば、上述のようなバイナリーマスク10を用いることにより、各走査ライン群(13行の走査ラインからなる走査ライン群)がバイナリーマスク10の領域の一部を共有している場合であっても、光景の各ポイントからの光に基づく観測データ(信号)のそれぞれに対して、適切に符号化することができる。その結果、本実施例によれば、各走査ライン群で取得した観測データを再構成することにより複数の撮像画像を得ることができるばかりか、得られた各撮像画像の間の品質を均一に維持することができる。さらに、本実施例によれば、1回の撮像であっても、18個の撮像画像を再構成することができ、フレームレートをF(fps)から18F(fps)に増加させることができる。
(実施例2)
次に、図19を参照して、実施例2を説明する。図19は、本実施形態の変形例に係るバイナリーマスク10を説明するための説明図である。
ところで、上述した実施例1では、取得した観測データ(信号)がまばらであるため(例えば、図18の例では、バイナリーマスク10の光透過の割合が1.6%)、再構成によって得られる撮像画像が暗くなる場合がある。そこで、本実施例においては、撮像画像を明るくするために、1つの光透過フィルタ12を通過した光と、当該光透過フィルタ12の周囲の光とを同時に1点に集光するようなバイナリーマスク10を用いる。このようなバイナリーマスク10としては、例えば、図19の左側に示すような、フレネルパターン状に配列した光透過フィルタ12及び光不透過フィルタ14からなる所定のパターンを有するバイナリーマスクをあげることができる。
図19の左側にバイナリーマスク10は、イメージセンサ50の画素ピッチが3.0μm、バイナリーマスク10とイメージセンサ50との間の距離が1.0mm、光景からの光の平均波長が約530nmであることを条件にして、フレネルパターンの分布を決定することにより形成することができる。そして、このようなバイナリーマスク10を用いることにより、図19の右側に示すように、良好な明るさ、コンストラスト及び均一性を持った撮像画像を得ることが可能となる。
すなわち、本開示の実施形態においては、2次元格子状に配列した光透過フィルタ12及び光不透過フィルタ14からなる所定のパターンを有するバイナリーマスク10を用いることに限定されるものではない。例えば、本開示の実施形態においては、図19に示すようなフレネルパターン状に配列した光透過フィルタ12及び光不透過フィルタ14からなる所定のパターンを有するバイナリーマスク10を用いてもよい。さらに、本開示の実施形態においては、回折格子素子を用いてもよく、均一冗長アレイマスクを用いてもよい。さらに、本開示の実施形態においては、複数のバイナリーマスク10を用いてもよい。
(実施例3)
次に、図20を参照して、実施例3を説明する。図20は、実施例3に係るバイナリーマスク10の図である。ここでは、2.4μmの画素ピッチを持つ3072×2048の画素52を持つ2次元のイメージセンサ50を用いる場合を想定する。詳細には、ここでは、光景の解像度(P×P)が721×31であり、走査ライン群のサイズ(Nx×Ny)が103×217であるものとする。
本実施例では、2次元の所定のパターンを持つバイナリーマスク10を得るため、上記数式(6)、(8)及び(10)を満たすパラメータa、a、Dとして、a=1、a=1、D=31の条件を用いて、長さL=22351の1次元の系列(1次元パターン)を折り畳むことにより2次元の所定のパターンを生成する。そして、本実施例では、図20に示すバイナリーマスク10のサイズは、823×247となり、具体的なバイナリーマスク10の長さとしては、33.6μm(14個の画素52の長さと等しい)となる。そして、図20に示すように、本実施例に係るバイナリーマスク10は、フレネルパターン状に配列した光透過フィルタ及び光不透過フィルタからなる所定のパターンを有するバイナリーマスクであることができる。このようなバイナリーマスク10は、ガラス基板上に積層された銅薄膜に対するフォトリソグラフィ及びエッチングによって形成することができる。
本実施例では、このようなバイナリーマスク10を用いることにより、解像度やSNR(Signal to Noise Ratio)を向上させることができる。より具体的には、本実施例のバイナリーマスク10を評価するため、バイナリーマスク10とイメージセンサ50との間の距離を17.28mmとし、水平軸の視野角が70度となる条件で、本実施例に係るバイナリーマスク10を、55インチのフルハイビジョンディスプレイの前に設置して、画像の再構成を試みた。ここでは、当該ディスプレイにより、縦横の比が異なる(垂直方向が短く、水平方向に長い)パターン及びテキストを表示した。このような条件において、本実施例に係るバイナリーマスク10を用いて画像の再構築を行ったところ、好適に画像が再構築されたことが確認された。
(実施例4)
次に、図21を参照して、高いフレームレートを実現することができる、バイナリーマスク10の実施例を説明する。ここでは、331×1183の区画を33個持つ2次元のイメージセンサ50を用い、光景に対する解像度を217×169とする場合を想定する。そして、本実施例では、図21に示すバイナリーマスク10を用いて、速い移動物体として回転ファンを被写体とした画像の再構築を試みた。
本実施例においては、ローリングシャッタ方式を用いることにより、一度に33回分の画像データを得ることができる。言い換えると、1つのイメージセンサ50による1回の画像データから33個の画像が再構築することができる。従って、本実施例では、当該イメージセンサ50によって60fpsのフレームレートで撮像行うことにより、最終的なフレームレートは、33×60fps=1980fpsとなることから、高いフレームレートを実現することができる。また、このような条件で、画像の再構築を行ったところ、全ての画像において、均一、且つ、好適な画質を持つことが分かった。すなわち、本実施例によれば、本実施形態に係るバイナリーマスク10を用いることにより、被写体が高速運動するようなものであっても、被写体の高速運動が影響することなく、効率的に画像を再構築することができることが明らかになった。
<3.10 画像処理装置>
図22を参照して、本実施形態に係る画像処理装置200の詳細構成を説明する。図22は、本実施形態に係る画像処理装置200の機能構成の一例を示すブロック図である。図22に示すように、画像処理装置200は、取得部202と、処理部204と、出力部206と、記憶部208とを主に有することができる。以下に、画像処理装置200の各機能ブロックについて順次説明する。
(取得部202)
取得部202は、上記撮像装置100のイメージセンサ50から出力された観測データ(信号)を取得し、後述する処理部204へ出力する。
(処理部204)
処理部204は、上述した取得部202からの観測データ(信号)と、後述する記憶部208に格納されたバイナリーマスク10の所定のパターンの情報とに基づき、所望する光景の撮像画像を再構成する。さらに、処理部204は、再構成によって得られた撮像画像を後述する出力部206へ出力する。
(出力部206)
出力部206は、ユーザに対して撮像画像を出力するための機能部であり、例えば、ディスプレイ等により実現される。
(記憶部208)
記憶部208は、上述した処理部204が画像処理を実行するためのプログラム、情報等や、処理によって得た情報等を格納する。詳細には、記憶部208は、バイナリーマスク10の所定のパターン等の情報を格納する。なお、当該記憶部208は、例えば、フラッシュメモリ(flash memory)等の不揮発性メモリ(nonvolatile memory)等により実現される。
<3.11 画像処理方法>
次に、図23を参照して、本実施形態に係る画像処理方法について説明する。図23は、本実施形態に係る画像処理方法のフローチャート図である。図23に示すように、本実施形態に係る画像処理方法は、ステップS101からステップS104までのステップを主に含むことができる。以下に、本実施形態に係るこれら各ステップの詳細について説明する。
まずは、上述した撮像装置100で光景の撮影を行う(ステップS101)。そして、画像処理装置200は、撮像装置100から、バイナリーマスク10を通過した光をイメージセンサ50で受光することにより発生した観測データ(信号)を取得する。
次に、画像処理装置200は、上記バイナリーマスク10の有する所定のパターンの情報であるマスク情報を取得する(ステップS102)。詳細には、当該マスク情報は、例えば、バイナリーマスク10の光透過フィルタ12と光不透過フィルタ14とからなる2次元の所定のパターン情報等である。
次に、画像処理装置200は、上述したステップS102で取得したマスク情報に基づいて、逆行列(疑似逆行列)を算出する。そして、画像処理装置200は、撮像装置100から取得した観測データに対して算出した逆行列を乗算することにより、所望の光景の撮像画像を再構成する(ステップS103)。
さらに、画像処理装置200は、上述したステップS103で再構成した撮像画像をユーザ等に向けて出力し(ステップS104)、当該処理を終了する。
<3.12 まとめ>
以上説明したように、上述した本開示の実施形態によれば、光景のアスペクト比と異なるアスペクト比を有するイメージセンサ50を用いて、品質を劣化させることなく、実際の光景の撮像画像を再構成することが容易な、撮像装置100、光学素子(例えば、バイナリーマスク10)、画像処理装置(画像処理システム)200及び画像処理方法を提供することができる。
詳細には、本開示の実施形態においては、鋭いピークを持ち、且つ、当該ピークに対して非常に小さなサイドローブを持つ自己相関関数を持つ所定のパターンを有する光学素子(例えば、バイナリーマスク10)を用いる。当該光学素子によれば、上述のような所定のパターンを有することから、上記数式(2)のXについて効率的且つロバストに求めることができ、イメージセンサ50の各画素(領域)52において重畳して取得された光景の各ポイントからの光に基づく観測データ(信号)のそれぞれに対して、符号化することができる。その結果、本開示の実施形態によれば、上記観測データから実際の光景の撮像画像を再構成することができる。さらに、上記光学素子の所定のパターンは、略一定(望ましくは、一定)のサイドローブを持つことから、光景のアスペクト比とイメージセンサのアスペクト比とがミスマッチであっても、上記数式(2)のXについて効率的且つロバストに求めることができる。その結果、本開示の実施形態によれば、再構成された撮像画像の品質が劣化することを避けることができる。
また、本実施形態においては、上記光学素子において周期的に位置ずれしながら繰り返される複数の2次元基本パターンからなる2次元の所定のパターンは、略一定(望ましくは、一定)のサイドローブの自己相関関数を持つ1次元パターンを所定の規則に基づき折りたたむことにより容易に生成することができる。
また、本開示の実施形態によれば、撮像装置100がシンプルな構成であることから、光学素子を上述したパターンを有するように好適に形成することにより、撮像システムのキャリブレーションを不要にすることができ、ひいては撮像を容易に行うことを可能にする。
さらに、本開示の実施形態においては、上記光学素子として、例えば、2次元格子状に配列した光透過フィルタ12及び光不透過フィルタ14からなる所定のパターンを有するバイナリーマスク10を用いることができる。また、本開示の実施形態においては、上記光学素子として、例えば、フレネルパターン状に配列した光透過フィルタ12及び光不透過フィルタ14からなる所定のパターンを有するバイナリーマスク10を用いることができる。さらに、本開示の実施形態においては、上記光学素子として、例えば、回折格子素子を用いることができる。すなわち、本開示の実施形態においては、上記光学素子の設計の自由度は高い。
また、本開示の実施形態においては、ローリングシャッタ方式に適用した場合で、1回の撮影から、高いフレームレートで連続する複数の撮像画像を取得することができる。また、本開示の実施形態によれば、イメージセンサ50の各走査ライン又は各走査ライン群(詳細には、各走査ライン群は、所定の数の走査ラインからなる)に対応する観測データを特定することが容易である。さらに、本開示の実施形態によれば、各走査ライン又は各走査ライン群で取得した観測データを再構成することにより得られた各撮像画像の間の品質を均一に維持することができる。
<<4. ハードウェア構成について>>
上述した本開示の実施形態に係る画像処理装置200は、例えば図24に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、本開示の実施形態に係る画像処理装置200を例に挙げて説明する。図24は、画像処理装置200の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インタフェース1500、及び入出力インタフェース1600を有する。コンピュータ1000の各部は、バス1050によって接続される。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。例えば、CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムをRAM1200に展開し、各種プログラムに対応した処理を実行する。
ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるBIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を非一時的に記録する、コンピュータが読み取り可能な記録媒体である。具体的には、HDD1400は、プログラムデータ1450の一例である本開示に係る演算処理プログラムを記録する記録媒体である。
通信インタフェース1500は、コンピュータ1000が外部ネットワーク1550(例えばインターネット)と接続するためのインタフェースである。例えば、CPU1100は、通信インタフェース1500を介して、他の機器からデータを受信したり、CPU1100が生成したデータを他の機器へ送信したりする。
入出力インタフェース1600は、入出力デバイス1650とコンピュータ1000とを接続するためのインタフェースである。例えば、CPU1100は、入出力インタフェース1600を介して、キーボードやマウス等の入力デバイスからデータを受信する。また、CPU1100は、入出力インタフェース1600を介して、ディスプレイやスピーカーやプリンタ等の出力デバイスにデータを送信する。また、入出力インタフェース1600は、所定の記録媒体(メディア)に記録されたプログラム等を読み取るメディアインターフェイスとして機能してもよい。メディアとは、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が本開示の実施形態に係る画像処理装置200として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされた演算処理プログラムを実行することにより、処理部204(図22 参照)等の機能を実現する。また、HDD1400には、本開示の実施形態に係る画像処理プログラム等が格納される。なお、CPU1100は、プログラムデータ1450をHDD1400から読み取って実行するが、他の例として、外部ネットワーク1550を介して、他の装置からこれらのプログラムを取得してもよい。
また、本実施形態に係る画像処理装置200は、例えばクラウドコンピューティング等のように、ネットワークへの接続(または各装置間の通信)を前提とした、複数の装置からなるシステムに適用されてもよい。つまり、上述した本実施形態に係る画像処理装置200は、例えば、複数の装置により本実施形態に係る画像処理を行う画像処理システムとして実現することも可能である。
<<5. 内視鏡手術システムへの応用例>>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
図25は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
図25では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU:Camera Control Unit)11201に送信される。
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
光源装置11203は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
図26は、図25に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(Dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部11402等に適用され得る。
なお、ここでは、一例として内視鏡手術システムについて説明したが、本開示に係る技術は、その他、例えば、顕微鏡手術システム等に適用されてもよい。
<<6. 移動体への応用例>>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
図27は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図27に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(Interface)12053が図示されている。
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12030に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検出した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図27の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
図28は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
図28では、撮像部12031として、撮像部12101、12102、12103、12104、12105を有する。
撮像部12101、12102、12103、12104、12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102、12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
なお、図28には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031等に適用され得る。
<<7. 補足>>
なお、先に説明した本開示の実施形態は、例えば、コンピュータを本実施形態に係る画像処理装置として機能させるためのプログラム、及びプログラムが記録された一時的でない有形の媒体を含みうる。また、プログラムをインターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。
また、上述した本開示の実施形態の画像処方法における各ステップは、必ずしも記載された順序に沿って処理されなくてもよい。例えば、各ステップは、適宜順序が変更されて処理されてもよい。また、各ステップは、時系列的に処理される代わりに、一部並列的に又は個別的に処理されてもよい。さらに、各ステップの処理方法についても、必ずしも記載された方法に沿って処理されなくてもよく、例えば、他の機能部によって他の方法で処理されていてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
光景と異なるアスペクト比を有するラインセンサ又はエリアセンサと、
所定のパターンを有し、前記ラインセンサ又は前記エリアセンサに重畳される光学素子と、
を備え、
前記光学素子においては、周期的に位置ずれしながら繰り返される複数の基本パターンからなる前記所定のパターンの自己相関関数は、ピークとサイドローブとを持ち、前記サイドローブは一定又は略一定である、
撮像装置。
(2)
前記光学素子は、一定又は略一定のサイドローブの自己相関関数を持つ1次元パターンを所定の規則に基づき折りたたむことにより生成された2次元パターンからなる前記所定のパターンを有する、上記(1)に記載の撮像装置。
(3)
前記光学素子は、2次元格子状に配列した複数の光透過フィルタ及び複数の光不透過フィルタからなる前記所定のパターンを有するバイナリーマスクである、
上記(1)又は(2)に記載の撮像装置。
(4)
前記光学素子は、フレネルパターン状に配列した複数の光透過フィルタ及び複数の光不透過フィルタからなる前記所定のパターンを有するバイナリーマスクである、
上記(1)又は(2)に記載の撮像装置。
(5)
前記光学素子は回折格子である、上記(1)又は(2)に記載の撮像装置。
(6)
前記ラインセンサ又は前記エリアセンサは、複数の画素からなる行を1つ以上有する、上記(1)~(5)のいずれか1つに記載の撮像装置。
(7)
前記エリアセンサは、前記行ごとに異なるタイミングで観測データを取得するローリングシャッタ方式で動作する、上記(6)に記載の撮像装置。
(8)
前記ラインセンサ又は前記エリアセンサは、前記複数の画素が同時に観測データを取得するグローバルシャッタ方式で動作する、上記(6)に記載の撮像装置。
(9)
複数の前記光学素子を備える、上記(1)~(8)のいずれか1つに記載の撮像装置。
(10)
前記光学素子は、前記ラインセンサ又は前記エリアセンサの各領域において重畳して取得された前記光景の各ポイントからの光に基づく観測データのそれぞれに対して、符号化する、上記(1)~(9)のいずれか1つに記載の撮像装置。
(11)
前記撮像装置は、レンズレスカメラである、上記(1)~(10)のいずれか1つに記載の撮像装置。
(12)
光景と異なるアスペクト比を有するラインセンサ又はエリアセンサと重畳される、所定のパターンを有する光学素子であって、
前記光学素子においては、周期的に位置ずれしながら繰り返される複数の基本パターンからなる前記所定のパターンの自己相関関数は、ピークとサイドローブとを持ち、前記サイドローブは一定又は略一定である、
光学素子。
(13)
光景と異なるアスペクト比を有するラインセンサ又はエリアセンサによって観測された、前記ラインセンサ又は前記エリアセンサに重畳され、所定のパターンを有する光学素子を透過した前記光景からの光に基づく観測データを取得する取得部と、
前記観測データを再構成することにより、前記光景の撮像画像を生成する処理部と、
を備え、
前記光学素子においては、周期的に位置ずれしながら繰り返される複数の基本パターンからなる前記所定のパターンの自己相関関数は、ピークとサイドローブとを持ち、前記サイドローブは一定又は略一定である、
画像処理システム。
(14)
光景と異なるアスペクト比を有するラインセンサ又はエリアセンサによって観測された、前記ラインセンサ又は前記エリアセンサに重畳され、所定のパターンを有する光学素子を透過した前記光景からの光に基づく観測データを取得することと、
前記観測データを再構成することにより、前記光景の撮像画像を生成することと、
を含む画像処理方法であって、
前記光学素子においては、周期的に位置ずれしながら繰り返される複数の基本パターンからなる前記所定のパターンの自己相関関数は、ピークとサイドローブとを持ち、前記サイドローブは一定又は略一定である、
画像処理方法。
10、10a、10b、10c、10d、10e バイナリーマスク
12 光透過フィルタ
14 光不透過フィルタ
50 イメージセンサ
52、52d、52e、52f 画素
100 撮像装置
200 画像処理装置
202 取得部
204 処理部
206 出力部
208 記憶部
a、b、c 光源

Claims (14)

  1. 光景と異なるアスペクト比を有するラインセンサ又はエリアセンサと、
    所定のパターンを有し、前記ラインセンサ又は前記エリアセンサに重畳される光学素子と、
    を備え、
    前記光学素子においては、周期的に位置ずれしながら繰り返される複数の基本パターンからなる前記所定のパターンの自己相関関数は、ピークとサイドローブとを持ち、前記サイドローブは一定又は略一定である、
    撮像装置。
  2. 前記光学素子は、一定又は略一定のサイドローブの自己相関関数を持つ1次元パターンを所定の規則に基づき折りたたむことにより生成された2次元パターンからなる前記所定のパターンを有する、請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記光学素子は、2次元格子状に配列した複数の光透過フィルタ及び複数の光不透過フィルタからなる前記所定のパターンを有するバイナリーマスクである、
    請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記光学素子は、フレネルパターン状に配列した複数の光透過フィルタ及び複数の光不透過フィルタからなる前記所定のパターンを有するバイナリーマスクである、
    請求項1に記載の撮像装置。
  5. 前記光学素子は回折格子である、請求項1に記載の撮像装置。
  6. 前記ラインセンサ又は前記エリアセンサは、複数の画素からなる行を1つ以上有する、請求項1に記載の撮像装置。
  7. 前記エリアセンサは、前記行ごとに異なるタイミングで観測データを取得するローリングシャッタ方式で動作する、請求項6に記載の撮像装置。
  8. 前記ラインセンサ又は前記エリアセンサは、前記複数の画素が同時に観測データを取得するグローバルシャッタ方式で動作する、請求項6に記載の撮像装置。
  9. 複数の前記光学素子を備える、請求項1に記載の撮像装置。
  10. 前記光学素子は、前記ラインセンサ又は前記エリアセンサの各領域において重畳して取得された前記光景の各ポイントからの光に基づく観測データのそれぞれに対して、符号化する、請求項1に記載の撮像装置。
  11. 前記撮像装置は、レンズレスカメラである、請求項1に記載の撮像装置。
  12. 光景と異なるアスペクト比を有するラインセンサ又はエリアセンサと重畳される、所定のパターンを有する光学素子であって、
    前記光学素子においては、周期的に位置ずれしながら繰り返される複数の基本パターンからなる前記所定のパターンの自己相関関数は、ピークとサイドローブとを持ち、前記サイドローブは一定又は略一定である、
    光学素子。
  13. 光景と異なるアスペクト比を有するラインセンサ又はエリアセンサによって観測された、前記ラインセンサ又は前記エリアセンサに重畳され、所定のパターンを有する光学素子を透過した前記光景からの光に基づく観測データを取得する取得部と、
    前記観測データを再構成することにより、前記光景の撮像画像を生成する処理部と、
    を備え、
    前記光学素子においては、周期的に位置ずれしながら繰り返される複数の基本パターンからなる前記所定のパターンの自己相関関数は、ピークとサイドローブとを持ち、前記サイドローブは一定又は略一定である、
    画像処理システム。
  14. 光景と異なるアスペクト比を有するラインセンサ又はエリアセンサによって観測された、前記ラインセンサ又は前記エリアセンサに重畳され、所定のパターンを有する光学素子を透過した前記光景からの光に基づく観測データを取得することと、
    前記観測データを再構成することにより、前記光景の撮像画像を生成することと、
    を含む画像処理方法であって、
    前記光学素子においては、周期的に位置ずれしながら繰り返される複数の基本パターンからなる前記所定のパターンの自己相関関数は、ピークとサイドローブとを持ち、前記サイドローブは一定又は略一定である、
    画像処理方法。
JP2021565507A 2019-12-16 2020-12-09 撮像装置、光学素子、画像処理システム及び画像処理方法 Active JP7452554B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019226835 2019-12-16
JP2019226835 2019-12-16
PCT/JP2020/045785 WO2021125000A1 (ja) 2019-12-16 2020-12-09 撮像装置、光学素子、画像処理システム及び画像処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2021125000A1 JPWO2021125000A1 (ja) 2021-06-24
JP7452554B2 true JP7452554B2 (ja) 2024-03-19

Family

ID=76476554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021565507A Active JP7452554B2 (ja) 2019-12-16 2020-12-09 撮像装置、光学素子、画像処理システム及び画像処理方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20230010599A1 (ja)
JP (1) JP7452554B2 (ja)
DE (1) DE112020006151T5 (ja)
WO (1) WO2021125000A1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009165115A (ja) 2007-12-12 2009-07-23 Sony Corp 撮像装置
US20110228895A1 (en) 2008-12-06 2011-09-22 Qinetiq Limited Optically diverse coded aperture imaging

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4209780A (en) 1978-05-02 1980-06-24 The United States Of America As Represented By The United States Department Of Energy Coded aperture imaging with uniformly redundant arrays
CN101999128B (zh) 2008-02-12 2014-07-30 数据逻辑Adc公司 从多个方位形成物体的多个部分的合成图像的系统和方法
US9746593B2 (en) 2013-08-28 2017-08-29 Rambus Inc. Patchwork Fresnel zone plates for lensless imaging
EP3251338A1 (en) 2015-01-29 2017-12-06 William Marsh Rice University Lensless imaging system using an image sensor with one or more attenuating layers
WO2018023039A1 (en) 2016-07-29 2018-02-01 William Marsh Rice University Lensless imaging device for microscopy and fingerprint biometric
WO2018064660A1 (en) 2016-09-30 2018-04-05 University Of Utah Research Foundation Lensless imaging device
JP6688716B2 (ja) * 2016-10-04 2020-04-28 株式会社日立製作所 撮像装置および撮像方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009165115A (ja) 2007-12-12 2009-07-23 Sony Corp 撮像装置
US20110228895A1 (en) 2008-12-06 2011-09-22 Qinetiq Limited Optically diverse coded aperture imaging

Also Published As

Publication number Publication date
DE112020006151T5 (de) 2022-11-03
WO2021125000A1 (ja) 2021-06-24
US20230010599A1 (en) 2023-01-12
JPWO2021125000A1 (ja) 2021-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110622315B (zh) 成像装置、固态图像传感器和电子设备
JPWO2018042801A1 (ja) 撮像装置
US11750932B2 (en) Image processing apparatus, image processing method, and electronic apparatus
JP7111098B2 (ja) ぶれ補正装置及び撮像装置
US20220058411A1 (en) Solid state image capturing system, solid state image capturing device, information processing device, image processing method, information processing method, and program
US11284046B2 (en) Imaging element and imaging device for controlling polarization of incident light
KR20220068990A (ko) 촬상 장치
JPWO2020170565A1 (ja) 信号処理方法および撮像装置
US20220360727A1 (en) Information processing device, information processing method, and information processing program
WO2021157398A1 (ja) 変調器、撮像装置及び設計方法
CN116195065A (zh) 固态成像装置和电子设备
JP7452554B2 (ja) 撮像装置、光学素子、画像処理システム及び画像処理方法
US20210029331A1 (en) Image processor, image processing method, and imaging device
JP7034925B2 (ja) 固体撮像装置および撮像方法
WO2018173793A1 (ja) 固体撮像素子、および電子機器
US20230367053A1 (en) Polarization imaging device, binary mask, image processing system, and image processing method
US11863883B2 (en) Imaging device, electronic device, and information processing method
US11838656B2 (en) Imaging device and correction method for reducing image height dependency of a depth
WO2023013121A1 (ja) THz検出装置
WO2023013156A1 (ja) 撮像素子及び電子機器
JP2023152522A (ja) 光検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240219

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7452554

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151