[0026]本開示による装置、イオン源、および方法が、非限定的な実施形態が示されている添付の図面を参照して、以下でより十分に説明される。装置、イオン源、および方法は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。代わりに、これらの実施形態は、開示が徹底的かつ完全であり、システムおよび方法の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。
[0027]イオン源の効率を高めるためのアプローチが、本明細書で提供される。具体的には、管状カソードを含むイオン源は、所与の抽出電流に対して、11Bなどの原子種のより大きなビーム電流を可能にし、より多くのスループットおよび/または保守間隔の延長をもたらす。本明細書に記載の管状カソード構造は、約50%以上の効率を提供する能力を有する。
[0028]ここで図1A~図1Bを参照して、本開示に従ってプラズマを生成するためのイオン源100の非限定的な実施形態が説明される。イオン源100は、第1の端壁104、第2の端壁106、ならびに第1および/または第2の端壁104、106に連結された抽出プレート108を含むチャンバハウジング102を、他の構成要素の中でも特に含む装置を表す。抽出プレート108は、1つ以上の抽出スリットまたはアパーチャ110を含む。チャンバハウジング102は、ベース壁112であって、それを通して形成された1つ以上のガス入口114を有するベース壁112を、さらに含み得る。一緒になって、第1の端壁104、第2の端壁106、抽出プレート108、およびベース壁112は、イオン源チャンバ116を画定することができる。
[0029]いくつかの実施形態では、抽出プレート108は、ドープされたSi、ドープされたSiC、アルミニウム、またはタングステンなどの導電性材料で作ることができる。使用中、抽出プレート108は、イオン源チャンバ116内で生成されるプラズマの特性をさらに制御するために電気的にバイアスされ得る。
[0030]示されていないが、ガスマニホールドが、ガス種または蒸気の形態でイオン源チャンバ116に供給材料を提供することができる。本実施形態と調和する適切な供給材料は、ホウ素(B)、炭素(C)、リン(P)、ヒ素(As)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、水素(H)、およびフッ素(F)のうちの1種以上のガス状化合物を含む。本開示の実施形態は、この文脈に限定されない。以下でより詳細に説明されるように、供給材料は、イオン源チャンバ116内に配置された管状カソード120内でイオン化され得る。
[0031]示されるように、管状カソード120は、第1の端壁104および第2の端壁106に連結され得る。例示的な実施形態では、管状カソード120は、第1の端壁104および第2の端壁106から電気的に絶縁されている。非限定的ではあるが、管状カソード120は、フィラメント126を含むカップ124、および第1の端部130でカップ124に連結された本体128を含み得る。示されるように、カップ124は、第1の端壁104に直接連結され得る。より具体的には、カップ124は、第1の端壁104を通って延在する第1の端部127、および管状カソード120の内部131に延在し、任意の様々な手段を使用して所定の位置に固定される第2の端部129を含み得る。本体128の第2の端部132は、リペラ134に連結され得る。示されるように、リペラ134は、シャフト137から延在するリペラヘッド135を含むことができ、シャフト137は、第2の端壁106に直接連結されている。より具体的には、シャフト137は、第2の端壁106を通って延在することができる。いくつかの実施形態では、シャフト137は、第2の端壁106から電気的に絶縁されている。示されるように、リペラヘッド135は、管状カソード120の内部131に配置され、様々な手段を使用して所定の位置に固定され得る。特定の実施形態では、シャフト137は、イオン源チャンバ116の外部のクランプ133によって所定の位置に保持され得る。シャフト137は、リペラヘッド135よりも小さい断面積を有することができ、リペラヘッド135は、電子を閉じ込めるためにバイアスされた表面を提供する。シャフト137は、クランプ133に機械的支持および電気伝導性を提供することをさらに意図している。
[0032]管状カソード120の本体128は、抽出プレート108の抽出アパーチャ110と概ね整列したカソード開口部138を含み得る。管状カソード120の本体128は、ベース壁112に近接するガス開口部139をさらに含み得る。ガス開口部139は、ガス入口114を通して送達されるガスを受け入れることができる。使用中、管状カソード120が加熱され、管状カソード120とチャンバハウジング102との間に電位差(電圧)が印加されると、管状カソード120の内部131にアークプラズマが生成され得る。カソード120の内部131で生成された高密度プラズマは、カソード開口部138を通って抽出アパーチャ110に向かって膨張する。いくつかの実施形態では、ソースハウジング102の第1の端壁104、第2の端壁106、抽出プレート108、およびベース壁112は、同じ電位にある。さらに、カップ124、管状カソード120、クランプ133、およびリペラ134は、電気的に接続されており、したがって、同じ電位にある。イオン源100は、管状カソード120およびフィラメント126のための電源を含む、わかりやすくするために示されていない様々な従来の構成要素に連結することができる。
[0033]様々な実施形態において、供給材料は、ハロゲン種の形態で供給され得る。例えば、イオン源100は、B、P、As、Si、Ge、または他の種のイオン注入のために使用することができ、これらのそれぞれが、ハロゲン含有前駆体種から得られる。イオン源100によって生成されるイオンの前駆体として使用されるハロゲン種の例には、他の種の中でもとりわけ、BF3、PF3、SiF4、B2F4、AsF5、GeF4が含まれる。さらに、ハロゲン種には、別のハロゲン種の生成物が含まれる。例えば、BF3ガスが、イオン源100に提供され、BF3イオン、BF2ニュートラル、BF2イオン、BFニュートラル、BFイオン、ならびにFニュートラル、F正および負イオン、ならびに他の重い中性ラジカルまたはイオンBxFyなどが、全て親BF3ガスから1つ以上のプロセスで生成されることができ、全てハロゲン種と見なされる。本開示の実施形態は、この文脈に限定されない。
[0034]次に図2A~図2Bを参照して、本開示に従ってプラズマを生成するためのイオン源200の非限定的な実施形態が説明される。イオン源200は、図1A~図1Bのイオン源100と同様である。したがって、簡潔にするため、イオン源200の全ての詳細が以下に説明されるわけではない。イオン源200は、第1の端壁204、第2の端壁206、ならびに第1および/または第2の端壁204、206に連結された抽出プレート208を含むチャンバハウジング202を、他の構成要素の中でも特に含む装置を表す。抽出プレート208は、1つ以上の抽出スリットまたはアパーチャ210を含む。チャンバハウジング202は、ベース壁212であって、それを通して形成された1つ以上のガス入口214を有するベース壁212を、さらに含み得る。一緒になって、第1の端壁204、第2の端壁206、抽出プレート208、およびベース壁212は、イオン源チャンバ216を画定することができる。
[0035]イオン源200は、ガス入口214からガスを受け取り、ガスを管状カソード220の方に向けるように動作可能なガスディフューザ240を、さらに含み得る。例えば、ガスディフューザ240は、ガス種または蒸気の形態で供給材料を提供することができ、これは、イオン源チャンバ216内に配置された管状カソード220内でイオン化可能である。特定の構成に限定されないが、ガスディフューザ240は、管状カソード220のガス開口部239に向けてガスを送達するように動作可能なチャンバ241および複数の出口242を含み得る。示されるように、ガスディフューザ240は、ベース壁212の内側に連結され、ベース壁212の内側に直接隣接して配置され得る。ガスディフューザ240は、管状カソード220内へのガスのより均一な分配を確実にすることができ、その結果、管状カソード220内でプラズマ245がより均一かつ効率的に生成される。示されるように、プラズマ245は、カソード開口部238と抽出プレート208の抽出アパーチャ210との間の抽出間隙246を横切って膨張および拡散することができる。本実施形態と調和する適切な供給材料は、ホウ素(B)、炭素(C)、リン(P)、ヒ素(As)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、水素(H)、およびフッ素(F)のうちの1種以上のガス状化合物を含む。本開示の実施形態は、この文脈に限定されない。
[0036]図3~図4Bは、本開示によるイオン源の様々な非限定的な実施形態を示す。イオン源300、400A、および400Bは、上記のイオン源100および200と同様である。したがって、簡潔にするため、イオン源300、400A、および400Bの全ての詳細が以下に説明されるわけではない。図3に示されるように、イオン源300は、第1の端壁304および第2の端壁306に連結された管状カソード320を含む。非限定的ではあるが、管状カソード320は、フィラメント326を含むカップ324、および第1の端部330でカップ324に連結された本体328を含み得る。示されるように、カップ324は、第1の端壁304に直接連結され、管状カソード320の内部331に延在し得る。管状カソード320の第2の端部332には、カソード端壁350がある。カソード端壁350は、その中に形成されたカソード開口部338を含み得る。示されるように、カソード開口部338は、管状カソード320の内部331へのガスの送達を可能にし得る。いくつかの実施形態では、カソード開口部338は、本体328の壁を通してではなく、カソード端壁350を通して提供され得る。さらに他の実施形態では、ガス入口開口部は、カソード端壁350および本体328の両方を通って提供され得る。
[0037]図4Aに示されるように、イオン源400Aは、湾曲したまたは様々な形状を有する管状カソード420を含み得る。例えば、抽出プレート408に近接する管状カソード420の上側448は、弓形または概して凸状であり得る。ベース壁412に近接する管状カソード420の下側449は、概して凹状であり得る。管状カソード420は、抽出光学系(図示せず)の形状に概して従うように構成することができる。さらに、この構成は、カソード開口部438と抽出プレート408との間の抽出間隙446を減少させ、より効率的な動作をもたらす。
[0038]図4Bに示されるように、イオン源400Bは、延長された長さ「L」を有する管状カソード420を含み得る。有利には、本開示の管状カソード420は、より大きなスケーラビリティを提供する。カソードカップとリペラのみを備えた従来のIHCでは、イオン源の長さが長くなるにつれて、プラズマは、ますます不安定になり、不均一になる。本開示の管状カソード420は、容積が低減された容器を提供し、その中で生成されるプラズマがより安定で均一になることを可能にする。非限定的な一例では、長さLは、約500mmであり、直径は、約12mmであり得る。言い換えると、長さは、直径の最大40倍になり得る。
[0039]次に図5A~図5Bを参照して、本開示に従ってプラズマを生成するためのイオン源500の非限定的な実施形態が説明される。イオン源500は、上記のイオン源100、200、300、400A、400Bと同様である。したがって、簡潔にするため、イオン源500の全ての詳細が以下に説明されるわけではない。イオン源500は、第1の端壁504、第2の端壁506、ならびに第1および/または第2の端壁504、506に連結された抽出プレート508を含むチャンバハウジング502を、他の構成要素の中でも特に含む装置を表す。
[0040]示されるように、管状カソード520が、第1の端壁504と第2の端壁506との間に延在することができる。非限定的ではあるが、管状カソード520は、フィラメント526を含むカップ524、および第1の端部530でカップ524に連結された本体528を含み得る。示されるように、カップ524は、カソード支持体550に直接連結され得る。いくつかの実施形態では、カップ524は、カソード支持体550の開口部を通って収容され得る。非限定的ではあるが、カソード支持体550とカップ524は、スロット552およびファスナ553によって結合することができる。例えば、ファスナ553が、スロット552のノッチ554を通って挿入され、次いで、カップ524が、スロット552内でファスナ553を動かすために回転され得る。本開示の実施形態は、この文脈に限定されない。さらに示されるように、本体528の第1の端部530は、部分的にカソード支持体550内に延在することができる。いくつかの実施形態では、カソード支持体550は、本体528の第1の端部530を受け入れるための凹部556を含み得る。
[0041]図5Aに示されるように、本体528の第2の端部532は、リペラ534に連結され得る。リペラは、シャフト537から延在するリペラヘッド535を含むことができ、シャフト537は、第2の端壁506を通って延在する。あるいは、図5Bに示されるように、本体528の第2の端部532は、第2のカソード支持体560に連結され得る。第2のカソード支持体560は、カソード支持体550と同じまたは類似であり得る。例えば、本体528の第2の端部532は、第2のカソード支持体560の開口部564を通って受け入れられ得る。示されるように、第2の端部532は、カソード端壁549を含み、その中にカソード開口部538が形成されている。カソード開口部538は、管状カソード520の内部531へのガスの送達を可能にし得る。
[0042]カソード支持体550、560はそれぞれ、熱シールドとして機能し、より高温の管状カソード520からの熱的および機械的分離を提供し得る。熱的および機械的分離の結果として、カソード支持体550、560は、より低いバイアス電力を可能にし、したがって、ソース障害の可能性を減少させる。さらに、この実施形態では、管状カソード520は、直径「d」が小さくなり、その結果、プラズマ体積が小さくなり、必要なアーク電力を少なくすることができる。結果として、カソード開口部538と抽出プレート508の抽出スリット510との間の抽出間隙「d2」もまた、より効率的な動作を提供するために減少され得る。
[0043]次に図6を参照すると、本開示の実施形態による管状カソード性能を示すチャート600が示されている。チャート600は、上記のイオン源のいずれかなどのイオン源によって生成されるイオンの前駆体として使用される様々な種(例えば、W++、F+、BF2+、BF+、B+、およびB++)を示す。25kVのD1で10keVのビームを仮定して、チャート600は、B+モードおよびBF2+モード対ビーム電流を示している。示されているように、ソース磁石のみを変更することにより、別のモードに切り替えることができる。
[0044]図7は、本開示の実施形態による管状カソード性能を示すチャート700である。チャート700は、上記の管状カソードを備えたイオン源のいずれかなどのイオン源によって生成されるイオンの前駆体として使用される様々な種(例えば、W++、F+、BF2+、BF+、B+、およびB++)を示す。25kVの減速電圧の10keVビームを仮定して、チャート700は、抽出電流対ビーム電流を示している。示されているように、抽出電流の最大80mAまで約50%のB+フラクションを維持することが可能である。
[0045]図8A~図8Bは、本開示の実施形態による管状カソード性能の均一性を示すチャート800、801である。25kVの減速電圧のB+10keVビーム、および抽出電流=60mAを仮定して、図8Aは、ベースにおける位置対ビーム電流を示している。図8Bは、ロッドチューニング後の位置対ビーム電流を示している。示されるように、本明細書に開示される管状カソードは、標準のIHC構成と同等またはそれよりも優れたほぼ均一なチューニングを提供する。
[0046]図9A~図9Bは、本開示の実施形態による管状カソード性能の安定性を示す。25kVの減速電圧のB+10keVビーム、および抽出電流=60mAを仮定して、図9Aのチャート900は、2時間後の時間対ビーム源のビーム電流を示し、一方、図9Bのチャート901は、6時間後の時間対ビーム源のビーム電流を示している。示されているように、ビーム電流は、2時間のサンプルラン中、安定しており、比較的均一である。ビーム電流は、6時間のサンプルラン中にわずかに(例えば、約1mA)低下する。
[0047]次に図10を参照すると、本開示に従ってプラズマチャンバの容積を調整するための例示的な方法1000を示すフロー図が示されている。ブロック1001において、方法1000は、第1の端壁および第2の端壁、ならびに第1の端壁および第2の端壁に連結された抽出プレートを含むチャンバハウジングを提供することを含み得る。抽出プレートは、抽出アパーチャを含み得る。
[0048]ブロック1003において、方法1000は、第1の端壁と第2の端壁との間に延在する管状カソードであって、抽出アパーチャと整列したカソード開口部を含む管状カソードを提供することを、さらに含み得る。いくつかの実施形態では、管状カソードは、第1の端壁および第2の端壁に連結され得る。非限定的ではあるが、管状カソードは、フィラメントを含むカップ、および第1の端部でカップに連結された本体を含み得る。管状カソードの本体の第2の端部は、リペラに連結され得る。いくつかの実施形態では、管状カソードは、カソード支持体に連結されており、カソード支持体は、チャンバハウジングの外部に配置されている。
[0049]ブロック1005において、この方法は、管状カソードにガスを供給すること、をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、管状カソードの本体は、チャンバハウジングのベース壁に近接する1つ以上のガス開口部を含み得る。ガス開口部は、ベース壁のガス入口を通して送達されるガスを受け入れることができる。他の実施形態では、カソード端壁が、その中に形成されたカソード開口部を含むことができ、カソード開口部は、管状カソードの内部へのガスの送達を可能にする。いくつかの実施形態では、ガスディフューザが、チャンバハウジング内に存在することができ、ガスディフューザは、ガス入口からガスを受け取り、管状カソードに向けて分配するように動作可能である。
[0050]ブロック1007において、方法1000は、管状カソードの内部にプラズマを生成することを含み得る。プラズマは、カソード開口部と抽出プレートとの間の抽出間隙を横切って送達され得る。
[0051]例示的な方法1000は、一連の行為または事象として上に記載されているが、本開示は、特に明記しない限り、そのような行為または事象の例示された順序によって限定されない。例えば、いくつかの行為は、本開示に従って、本明細書に図示および/または記載されたものの他に、異なる順序で、および/または他の行為または事象と同時に発生してもよい。さらに、本開示による方法論を実施するために、図示された全ての行為または事象が必要とされるわけではない。さらに、方法1000は、本明細書に図示および説明されている構造の形成および/または処理に関連して実施され得るだけでなく、図示されていない他の構造に関連しても実施され得る。
[0052]便宜上および分かりやすくするために、「頂部」、「底部」、「上部」、「下部」、「垂直」、「水平」、「横方向」、および「縦方向」などの用語が、図に示されているように、コンポーネントとその構成部品の相対的な配置と方向を説明するために、本明細書では使用される。用語には、具体的に言及されている単語、その派生語、および同様の意味の単語が含まれる。
[0053]本明細書で使用される場合、単数形で述べられ、「a」または「an」という単語で始まる要素または動作は、除外が明示的に述べられない限り、複数の要素または動作を含むと理解されるべきである。さらに、本開示の「一実施形態」への言及は、限定することを意図するものではない。追加の実施形態もまた、列挙された特徴を組み込むことができる。
[0054]さらに、「おおよその」または「おおよそ」という用語のみならず、「実質的な」または「実質的に」という用語が、いくつかの実施形態において交換可能に使用されることができ、当業者によって許容される任意の相対的尺度を使用して記載されることができる。例えば、これらの用語は、目的の機能を提供できる偏差を示すために、参照パラメータとの比較として役立つ。非限定的ではあるが、参照パラメータからの偏差は、例えば、1%未満、3%未満、5%未満、10%未満、15%未満、20%未満、等々であり得る。
[0055]さらに、層、領域、または基板などの要素が、別の要素の「上に(on)」、「上に(over)」、または「上に(atop)」形成され、堆積され、または配置されると言われる場合、その要素は、その別の要素の直接上にあることができ、または介在する要素が存在してもよいことを、当業者は理解するであろう。対照的に、ある要素が、別の要素の「直接上(on)」、「直接上(over)」、または「直接上(atop)」にあると言われる場合、介在する要素は存在しない。
[0056]上記を考慮して、少なくとも以下の利点が、本明細書に開示される実施形態によって達成される。本明細書に記載の管状カソードの第1の利点は、所与の抽出電流に対する11Bなどの原子種のより大きなビーム電流を含み、所与のソース抽出電流に対してより高いスループットをもたらす。本明細書に記載の管状カソードの第2の利点は、より長い保守間隔である。本明細書に記載の管状カソードの第3の利点は、約50%以上のB+フラクションである。第4の利点は、カソードが小さいためにプラズマの体積が小さくなり、アーク電力が減少することである。第5の利点は、管状カソードと抽出スリットとの間の距離がより短いことによる、より効率的な動作である。第6の利点は、管状カソードが、1つ以上のカソードホルダー上に配置されるので、バイアス電力が低くなることにより、ソース障害が減少することである。カソードホルダーは、熱シールドとして機能し、高温のカソードからの機械的/熱的分離を提供する。管状カソードの第7の利点は、管状カソードの容積が減少することによるプラズマ密度の増加である。プラズマがより大きな容積のソースチャンバ内で生成される従来のイオン源設計とは異なり、本開示のプラズマは、より小さな寸法の管状カソード内で生成される。
[0057]本開示は、本明細書に記載の特定の実施形態によって範囲が限定されるべきではない。実際、本明細書に記載されたものに加えて、本開示の他の様々な実施形態および修正が、前述の説明および添付の図面から当業者には明らかであろう。したがって、そのような他の実施形態および修正が、本開示の範囲内に入ることが意図されている。さらに、本開示は、特定の目的のための特定の環境における特定の実施態様の文脈で、本明細書に記載されている。有用性がそれらに限定されず、本開示は、任意の数の目的のために任意の数の環境で有益に実施され得ることを、当業者は認識するであろう。したがって、以下に記載される特許請求の範囲は、本明細書に記載される本開示の広がりおよび精神の全体を考慮して解釈されるべきである。