以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(掃除機の全体的な構造)
図1は、キャニスター型の掃除機101の概略的な側面図である。図1を参照して、掃除機101を説明する。
掃除機101は、塵埃を吸引する吸引力を発生する掃除機本体102と、掃除機本体102の吸引力を受けるように掃除機本体102に取り付けられた吸込具100と、を備えている。
掃除機本体102は、塵埃を吸引するための吸引力を発生させる吸引源103と、吸引源103から延設された管部材109と、を有している。管部材109は、吸引源103から前方に延設されて管部材109の基端側部分を構成しているホース104と、管部材109の先端側部分を構成している先端管107と、ホース104と先端管107とを接続している接続管202と、を含んでいる。
接続管202には、使用者によって保持される保持部105が設けられている。保持部105は、接続管202の外周面から延出し、且つ、使用者が把持するのに適した形状を有している部分である。保持部105には、使用者によって操作される操作部108(たとえば、掃除機本体102及び吸込具100を起動及び停止させるためのボタンなど)が設けられている。
先端管107は、ホース104よりも高い剛性の管状の部材であり、先端管107の先端は、吸込具100に対して回動可能に取り付けられた連結管220を介して、吸込具100に接続されている。連結管220、先端管107、接続管202及びホース104は、塵埃の吸引経路を形成している。
(吸込具の全体的な構造)
図2は、吸込具100の展開斜視図である。図2を参照して、吸込具100を説明する。
吸込具100は、吸込ハウジング120と、吸込ハウジング120により左右に並んで片持ち支持された筒状の一対の掻取ローラ131,132と、を備えている。まず、吸込ハウジング120について説明し、その後、掻取ローラ131,132について説明する。
吸込ハウジング120は、前後方向よりも幅方向に広い形状を有している。吸込ハウジング120は、平面視において前方に開口した略C字形状を有しているハウジング本体121と、ハウジング本体121に取り付けられるように構成されたカバー部材122と、を含んでいる。
ハウジング本体121は、左右方向(すなわち、吸込具100の幅方向)に延設された中央部125と、中央部125の左右端に接続されているとともに中央部125に対して前方に突出した一対の側部123,124と、を含んでいる。中央部125に対して前方に突出した側部123,124の前側部分321,322は、カバー部材122を取り付け可能に構成されている。
カバー部材122は、弧状に湾曲しているとともに左右方向に長い薄板状の部材である。カバー部材122の左右の端部が、側部123,124の前側部分321,322上で固定されることにより、カバー部材122は、ハウジング本体121に取り付けられる。
カバー部材122がハウジング本体121に取り付けられると、カバー部材122は、掃除機本体102の吸引力により塵埃が吸い込まれる吸込空間110が区画される。詳細には、吸込空間110の上側及び前側は、カバー部材122により区画される。吸込空間110の後端は、中央部125により区画される。吸込空間110の左端は、左側の側部123により区画される。吸込空間110の右端は、右側の側部124により区画される。このように区画された吸込空間110内において、掻取ローラ131,132が左右に並んで配置されている。
(中央部の構造)
中央部125は、図2に示すように、ハウジング本体121の上面の中央部分及び後面の中央部分を形成している外壁部305を有している。また、中央部125は、図3及び図4に示すように、内壁部221と流路底壁部223とを更に有している。
流路底壁部223は、略水平な姿勢で吸込具100の幅方向に延設された薄板状の部分である。流路底壁部223において、吸込具100の幅方向における中央部分224は、他の部分よりも後方に張り出している。流路底壁部223の中央部分224上で、連結管220が支持される。
中央部分224には、囲壁部230が立設されている。囲壁部230は、平面視において略矩形状をなし、上向きに開口した空間を形成している。囲壁部230の左右の側壁231,232には、複数の縦長の貫通孔233が形成されている。
内壁部221は、流路底壁部223の前端から上方且つ前方に弧状に湾曲しているとともに左右方向に長い薄板状の部分である。内壁部221は、吸込空間110の後端を区画している。内壁部221には、吸込具100の幅方向における中央位置において略矩形状の開口部226が形成されている。開口部226の上縁及び両側縁に沿う位置からは、背面視において下向きに開口したC字状の形状を有している庇部229が後方に突出している。
庇部229及び囲壁部230に対して嵌め込まれるように、連結管220の先端部分が構成されている。連結管220が庇部229及び囲壁部230に取り付けられると、吸込空間110は、内壁部221の開口部226を通じて、連結管220の内部空間及び掃除機本体102の管部材109の内部空間に繋がる。
外壁部305は、内壁部221及び流路底壁部223の上側に被さった状態で、内壁部221及び流路底壁部223に固定されるように形成されている。外壁部305が内壁部221及び流路底壁部223に固定されると、外壁部305、内壁部221及び流路底壁部223より区画された空間が、流路底壁部223の中央部分224の左側及び右側にそれぞれ形成される。左側の空間は、囲壁部230の左側の側壁231に形成された貫通孔233を通じて囲壁部230によって囲まれた矩形状の空間に連通しているとともに、貫通孔233から左側の側部123に向けて延設されている。また、右側の空間は、囲壁部230の右側の側壁232に形成された貫通孔233を通じて囲壁部230によって囲まれた矩形状の空間に連通しているとともに、貫通孔233から右側の側部124に向けて延設されている。外壁部305、内壁部221及び流路底壁部223より区画されたこれらの空間を、中央部125の流路127と称する。
(側部の構造)
側部123,124は、中央部125に対して左右対称の構造を有している。ここでは、左側の側部123の構造についてのみ説明する。
側部123は、図2に示すように、ハウジング本体121の上面の左側部分及び後面の左側部分を形成している外壁部303と、ハウジング本体121の左端面を形成している外側壁部211と、を含んでいる。外壁部303の内面の右端には、仕切板301が立設した姿勢で設けられている。また、側部123は、図3及び図4に示すように、内側壁部212と、底壁部214と、を含んでいる。
底壁部214は、中央部125の流路底壁部223に接続されているとともに流路底壁部223よりも前方に突出している略矩形板状の部分である。
外側壁部211は、ハウジング本体121の左端面を形成するように、底壁部214の左端縁から立設されている。外側壁部211は、略半円板状に形成されている。
内側壁部212は、外側壁部211に対して吸込具100の幅方向の内側に離間した位置で底壁部214から立設された半円板状の部分であり、外側壁部211に対して対向配置されている。内側壁部212は、吸込空間110の左端を区画している。なお、内側壁部212の周縁部分は、内側壁部212の他の部分よりも幅広に形成されており、外側壁部211に向けて突出している。
外壁部303は、外側壁部211及び内側壁部212に上側から被さっている。このとき、外壁部303の内面の右端に設けられた仕切板301は、内側壁部212の周縁部分に当接し、中央部125の流路127の左端を区画する。外壁部303が、外側壁部211及び内側壁部212上で固定されると、外壁部303、底壁部214、外側壁部211、内側壁部212及び仕切板301によって区画された空間が形成される。この空間を、側部123の内部空間126と称する。この内部空間126の前側部分(すなわち、中央部125に対して前方に突出している部分)は、吸込具100の幅方向における吸込空間110の外側(すなわち、左側)に位置している。吸込空間110及び内部空間126は、内側壁部212により、吸込具100の幅方向において互いに仕切られている。
内部空間126には、左側の掻取ローラ131を駆動するための駆動機構157が収容される。駆動機構157と掻取ローラ131とを接続する接続部分を挿通させるために、内側壁部212には、たとえば、貫通孔又は切欠が形成されている。
また、駆動機構157を空冷するために、吸込具100の外の空気が内部空間126に流入することを許容する流入口215が外側壁部211に形成されている。本実施形態では、流入口215は、上下方向にそれぞれ延びる複数のスロットにより構成されている。これらのスロットは、前後方向において間隔を空けて形成されており、異物が内部空間126に入り込むことを抑制することができる程度に幅狭に形成されている。
また、内部空間126に流入した空気を中央部125の流路127に流すために、内側壁部212の周縁部分には、流出口218が形成されている。詳細には、流出口218は、内側壁部212の周縁部分と仕切板301との当接部分よりも右側(吸込具100の幅方向において外側)に形成されており、内部空間126は、流出口218を通じて、流路127に連通している。
(駆動機構の全体的な構造)
駆動機構157は、図3に示すように、左側の側部123の内部空間126内に配置されている。また、駆動機構158は、右側の側部124の内部空間126内に配置されている。駆動機構157は、左側の掻取ローラ131を駆動するために設けられており、掻取ローラ131を駆動する駆動力を発生させるモータ151と、モータ151を制御する制御基板153と、を含んでいる。駆動機構158は、右側の掻取ローラ132を駆動するために設けられており、掻取ローラ132を駆動する駆動力を発生させるモータ152と、モータ152を制御する制御基板154と、を含んでいる。モータ152及び制御基板154は、モータ151及び制御基板153と左右対称の構造を有しているので、ここでは、モータ151及び制御基板153についてのみ、図4及び図5を参照して以下に説明する。
(モータの構造)
モータ151は、図4に示すように、側部123の内部空間126内、すなわち、外側壁部211と内側壁部212との間に配置されている。モータ151は、内側壁部212から吸込具100の幅方向において外側(左側)に離間した状態で、側部123の底壁部214により支持されている。
モータ151は、掻取ローラ131を回転させる駆動力を発生させるように構成されている。また、モータ151は、図5に示すように、駆動力を掻取ローラ131に伝達する回転シャフト250の基端部分と接続可能に構成されている。モータ151は、略円筒形状に構成されており、回転シャフト250の基端部分は、モータ151の中心軸に沿ってモータ151内に挿入されている。
モータ151は、ラジアル型のモータであり、略円筒形状のモータケース281と、モータケース281内に収容された固定子282及び回転子283と、を含んでいる。モータケース281の外径は、回転シャフト250の延設方向におけるモータケース281の長さよりも大きくなっている。
モータケース281は、略円板状の外端板部284と、略円板状の内端板部285と、略円筒状の周壁板部286と、を含んでいる。
外端板部284は、内端板部285よりも側部123の外側壁部211の近くに配置されており、外側壁部211側に向いた外面を有している。外端板部284の略中心には孔部が形成されている。この孔部に滑り軸受287が嵌め込まれ、滑り軸受287に回転シャフト250の基端部が嵌入されている。滑り軸受287の一部は、外端板部284の外面から回転シャフト250の基端側に突出している。
外端板部284の外周縁の近傍において、外端板部284には、弧状の孔部288が形成されている。この孔部288は、モータケース281内の固定子282及び回転子283を空冷する気流を通過させるために設けられている。
内端板部285は、外端板部284に対して、吸込具100の幅方向において内側(すなわち、吸込空間110側)に離間した位置に配置されており、側部123の内側壁部212側に向いた外面を有している。内端板部285の略中心には孔部が形成されている。この孔部に滑り軸受289が嵌め込まれ、滑り軸受289に回転シャフト250が嵌入されている。滑り軸受289は、外端板部284に取り付けられた滑り軸受287に対して回転シャフト250の先端側で回転シャフト250を支持している。すなわち、回転シャフト250は、2つの滑り軸受287,289に嵌入された状態でモータ151によって回転可能に片持ち支持されている。
内端板部285の外周縁の近傍において、内端板部285には、モータケース281内の固定子282及び回転子283を空冷する気流を通過させるための弧状の孔部290が形成されている。この孔部290は、外端板部284の孔部288に対して回転シャフト250周りに略180°ずれた位置に形成されている。すなわち、孔部290は、回転シャフト250の延設方向に見て、孔部288に重ならない位置に形成されている。なお、モータ151は、側部123の内側壁部212から離間しているので、この孔部290は、内側壁部212により塞がれない。
固定子282は、周壁板部286の内周面に沿って円環状に配置された複数の磁石から構成されている。これらの磁石は、S極及びN極が交互に並ぶように周壁板部286の内周面に固定されている。固定子282の軸長(すなわち、回転シャフト250の延設方向における固定子282の長さ)は、固定子282の外径よりも小さくなっている。
回転子283は、滑り軸受287,289の間で回転シャフト250に接続された略円板状の部材である。回転子283の中心部は、回転シャフト250に固定されており、回転子283は、固定子282からの磁力を受けて回転シャフト250とともに回転するように構成されている。詳細には、回転子283は、回転子283の外周面が固定子282の内周面に対して間隔を空けて対向するように配置されており、回転子283の外周面が固定子282の内周面から磁力を受けることにより、回転子283の回転が生ずる。すなわち、回転子283と固定子282との間で作用する磁力がモータ151の駆動力になる。回転子283には、複数のモータコイル291を巻き付けるための複数のスロット292が形成されている。
(制御基板の構造)
制御基板153は、図4及び図6に示すように、回転シャフト250の延設方向において、モータ151の外端板部284から離間した位置で内部空間126内に配置されている。すなわち、制御基板153は、モータ151の外端板部284に対して側部123の外側壁部211側(すなわち、吸込空間110とは反対側)に設けられている。言い換えると、制御基板153は、モータ151よりも流入口215の近くの位置に配置されている一方で、モータ151よりも流出口218から離れた位置に配置されている。
制御基板153とモータ151の外端板部284との間の空間に、モータ151の外端板部284からの滑り軸受287の上述の突出部分が納められる。また、制御基板153は、モータ151の外端板部284から離間した位置に配置されているので、外端板部284の孔部288を塞がない。
制御基板153は、略円板形状を有しており、モータ151の外径と略等しい外径を有している。制御基板153は、電子部品が搭載される搭載面293が側部123の外側壁部211の流入口215に対向するような姿勢(詳細には、側部123の底壁部214に対して略垂直に立設された姿勢)で配置されている。なお、搭載面293に搭載される電子部品には、ポジスタ、IC(Integrated Circuit)及び/又はFET(Feild Effect Transistor:電界効果トランジスタ)といった冷却を要する素子が含まれてもよい。
好ましくは、制御基板153には、図6に示すように、回転シャフト250の延設方向において外端板部284の孔部288に重なる位置において、切欠部294が形成される。また、回転シャフト250の基端との干渉を避けるために、制御基板153の中心には、孔部295が形成されている。
(回転シャフトの構造)
左右一対の回転シャフト250は、モータ151,152と掻取ローラ131,132とを接続し、モータ151,152の駆動力を掻取ローラ131,132に伝達するために設けられている。これらの回転シャフト250は、左右対称であるので、左側の回転シャフト250(すなわち、モータ151の駆動力を掻取ローラ131に伝達する回転シャフト250)についてのみ以下に説明する。
回転シャフト250は、モータ151に対して回転可能に接続されている。詳細には、回転シャフト250の基端部分は、図5に示すように、滑り軸受287,289に嵌入され、モータケース281により片持ち支持された状態で回転可能に保持されている。モータケース281内において、回転シャフト250は、回転子283に接続されている。回転シャフト250の一部(先端側の部分)は、モータケース281から吸込空間110側に突出している。詳細には、モータケース281から吸込空間110側に突出した回転シャフト250の部分は、内側壁部212に形成された貫通孔又は切欠を通じて吸込空間110内に突出している。
回転シャフト250は、吸込具100の幅方向に略沿う方向に延設されている。詳細には、回転シャフト250は、吸込具100の幅方向に対して前方及び下方に僅かに傾斜した姿勢で保持されている。回転シャフト250の先端部は、以下に述べるように、掻取ローラ131内に挿入されている。
(掻取ローラの構造)
掻取ローラ131,132は、図2に示すように、吸込空間110内において左右に並んで配置されている樹脂製の筒状の部品である。掻取ローラ131,132は、駆動機構157,158によって駆動されて床面上で転動しながら床面上の塵埃を掻き取るように構成されている。左側の掻取ローラ131は、吸込空間110内で側部123から右方に延設されている。右側の掻取ローラ132は、吸込空間110内で側部124から左方に延設されている。掻取ローラ131,132の先端は、吸込具100の幅方向において互いに離間している。
右側の掻取ローラ132は、掻取ローラ131と左右対称の構造を有しているので、ここでは、左側の掻取ローラ131の構造についてのみ、図7及び図8を参照して以下に説明する。
掻取ローラ131は、吸込空間110において塵埃を掻き取るために設けられており、吸込空間110内に配置されて、回転シャフト250に接続されている。この結果、掻取ローラ131は、側部123の内部空間126内のモータ151と回転シャフト250の延設方向において並ぶ。掻取ローラ131は、図7及び図8に示すように、回転シャフト250の延設方向に長く、先端に向けて細くなるテーパ円筒状のローラ部311と、ローラ部311の外周部上で螺旋状に延びる複数のブラシ部312と、を含んでいる。
ローラ部311には、図8に示すように、ローラ部311の中心軸に略沿うように回転シャフト250の先端部分が挿入されている。ローラ部311に挿入された回転シャフト250の回転をローラ部311に伝達するために、ローラ部311及び回転シャフト250を接続する接続部270がローラ部311内に形成されている。接続部270は、回転シャフト250の外周面とローラ部311の内周面との間に設けられた筒状の部分であり、ローラ部311と一体成形されている。接続部270は、ローラ部311と同軸であり、接続部270には、回転シャフト250の先端部が嵌入されている。この結果、ローラ部311は、回転シャフト250と同軸回転する。
複数のブラシ部312は、ローラ部311の基端から先端までの区間に亘ってローラ部311の外周部上で螺旋状に延設されている。ブラシ部312の螺旋の向きは、掻取ローラ131が図2に示す矢印の方向に回転したときに、ブラシ部312に接触した塵埃がローラ部311の先端側に送り出されるように設定されている。
複数のブラシ部312は、ローラ部311の周方向において間隔を空けて配置されており、ローラ部311の外周部から突出している。複数のブラシ部312は、たとえば、ローラ部311の周方向において略等間隔に設けられていてもよい。
ローラ部311の外周部に対するブラシ部312の突出量は、ローラ部311の基端から先端までの区間に亘って略一定である。ここで、掻取ローラ131の径方向における寸法は、ローラ部311の外径とブラシ部312の突出量との和として定義され得る。この場合、掻取ローラ131の径方向における寸法は、ローラ部311の外径が基端において最も大きくなっているので、ローラ部311の基端において最大になる。掻取ローラ131の最大径寸法は、ブラシ部312が吸込ハウジング120の中央部125の内壁部221及びカバー部材122に接触しないように設定されている。また、掻取ローラ131の最大径寸法は、モータ151及び固定子282の外径よりも大きくなっている。なお、固定子282の外径は、ローラ部311の基端におけるローラ部311の外径よりも大きくなっている。
(動作の説明)
掃除機101の動作を以下に説明する。
保持部105に設けられた操作部108が操作されると、掃除機本体102は、吸引力を発生させる。この吸引力により、吸込空間110内の空気は、中央部125の内壁部221に形成された開口部226を通じて連結管220及び管部材109内に吸引され、最終的に掃除機本体102内に吸引される。このような空気の流れに乗って、吸込空間110内の塵埃は、掃除機本体102に集塵される。
掃除機本体102の吸引力は、囲壁部230の複数の貫通孔233及び流路127を通じて、側部123,124の内部空間126にも作用する。この結果、吸込具100の外の空気は、側部123,124の外側壁部211に形成された流入口215を通じて内部空間126内に流入する。内部空間126に流入した空気は、図4の矢印で示すように、掃除機本体102の吸引力により、内側壁部212に形成された流出口218を通じて流路127に吸い出される。その後、空気は、流路127を流れ、囲壁部230の複数の貫通孔233を通じて、囲壁部230によって囲まれた空間内に流入する。そこで、囲壁部230によって囲まれた空間内に流入した空気は、開口部226を通じて吸込空間110から吸引された空気と合流して、連結管220に流入する。連結管220に流入した空気は、最終的に、管部材109を通じて、掃除機本体102内に流入する。
外側壁部211に形成された流入口215を通じて側部123,124の内部空間126内に流入した空気の一部は、外側壁部211に対して対向配置された制御基板153に当たる。制御基板153の搭載面293は、外側壁部211側に向いているので、搭載面293に取り付けられた電子部品は、内部空間126に流入した直後の空気により空冷される。
内部空間126に流入した空気の一部は、モータケース281の外端板部284に形成された孔部288を通じて、モータケース281の中に流入する。制御基板153に設けられた切欠部294は、孔部288を通じてモータケース281に流入する空気に対する抵抗を下げる。したがって、モータケース281内の回転子283及び固定子282を空冷するのに十分な量の空気がモータケース281内に流入し得る。
この空気は、外端板部284とは反対側の内端板部285に形成された孔部290からモータケース281の外に流出する。孔部290は、外端板部284の孔部288とは回転シャフト250周りにおいて略180°ずれた位置にある。したがって、モータケース281に流入した空気は、図5の矢印で示すように、モータケース281内で回転シャフト250の延設方向に対して斜めに流れる。このような斜めの流れ経路は、回転シャフト250の延設方向に平行な流れ経路よりも長くなり、空気は、モータケース281内の固定子282及び回転子283の多くの部分に当たりやすくなる。したがって、固定子282及び回転子283の空冷が促される。
操作部108が操作されると、掃除機本体102だけでなく、吸込具100も起動される。吸込具100が起動されると、モータケース281内のモータコイル291に電流が供給される。このとき、固定子282の磁力は、回転子283を回転させるように作用する。回転子283は、回転シャフト250に固定されているので、回転子283及び回転シャフト250は、固定子282からの磁力により一体的に回転する。回転シャフト250は、ローラ部311内の接続部270によりローラ部311に接続されているので、回転シャフト250の回転に伴って、ローラ部311も回転する。この結果、ローラ部311の外周部に設けられたブラシ部312は、床面に擦れ、床面上の塵埃を掻き取る。ブラシ部312により掻き取られた塵埃は、吸込空間110に作用する吸引力により、掃除機本体102に吸い込まれる。
掻取ローラ131,132が回転して塵埃を掻き取っている間、図9に示すように、長い塵埃が掻取ローラ131,132に巻き付くことがある。掻取ローラ131,132は、先端に向けて細くなっているので、長い塵埃の巻き付き力の分力は、掻取ローラ131,132の先端方向に作用する。このため、掻取ローラ131,132に巻き付いた長い塵埃は、これらの掻取ローラ131,132の先端側に向けて移動し、掻取ローラ131,132間の空間を通じて除去され得る。
固定子282及び回転子283は、軸長方向(すなわち、回転シャフト250の延設方向)において比較的小さくなっているが、径方向において大きくなっている。このため、固定子282の内周面(回転子283に磁力を作用させる面)及び回転子283の外周面(固定子282の磁力を受ける面)は広くなっている。このため、モータ151,152は、回転シャフト250を大きなトルクで回転させることができる。
また、回転子283は、径方向において大きいので、回転子283に取り付けられる回転シャフト250を太くすることができる。このため、回転シャフト250の強度を向上させることができる。
回転子283を径方向に大きくすることにより、磁束が回転子283内を通過することができる領域が広くなる。このため、回転子283を通過する磁束の密度を低減することが可能になる。磁束密度が低下することにより、回転子283の昇温が抑制される。
固定子282及び回転子283と同様に、これらを収容するモータケース281も回転シャフト250の延設方向に小さく、径方向に大きくなっている。モータケース281は、回転シャフト250の延設方向(すなわち、吸込具100の幅方向に略沿う方向)において小さくなっているので、モータ151,152が収容された側部123,124の内部空間126の幅方向における大きさを小さくすることができる。したがって、モータ151,152及び掻取ローラ131が吸込具100の幅方向に略沿う方向(すなわち、回転シャフト250の延設方向)において並ぶように配置されていても、吸込具100の幅方向における大型化が抑制される。
また、モータ151,152及び掻取ローラ131が、回転シャフト250の延設方向において並ぶように配置されることにより、吸込具100の前後方向及び高さ方向において吸込具100を小型化することができる。たとえば、モータ151,152が吸込空間110の後側に配置される構造では、吸込具100は前後方向に大きくなる。これに対し、上述の実施形態では、吸込ハウジング120の中央部125に、モータ151,152を収容するための空間を設ける必要はない。上述の実施形態では、吸込ハウジング120の中央部125には、モータ151,152を収容するための空間ではなく、流路127が形成されている。
吸込ハウジング120の大きさは、掻取ローラ131のブラシ部312がカバー部材122及び中央部125の内壁部221に擦れないように設定されている。すなわち、吸込ハウジング120は、前後方向及び高さ方向において掻取ローラ131を収容するのに十分な大きさを有している。掻取ローラ131の最大径寸法に比べて、モータ151,152の外径は小さくなっているので、前後方向及び高さ方向における側部123,124の大型化が抑制される。すなわち、吸込空間110の前側及び上側を区画しているカバー部材122に対して側部123,124を前方及び上方に突出させなくても、モータ151,152を側部123,124の内部空間126内に収容することができる。
モータ151,152は、回転シャフト250を直接的に支持している。したがって、回転シャフト250がベルト駆動される構造と比べて、大きな支持力で支持されている。すなわち、回転シャフト250が片持ち支持されていても軸ブレが生じにくくなっている。
また、モータ151,152は、内部空間126において側部123,124により支持されており、モータ151,152の重量は、吸込空間110内で回転する回転体(すなわち、掻取ローラ131,132等)の重量には含まれず、当該回転体は軽量になる。この場合、仮に、掻取ローラ131,132等の重心が掻取ローラ131,132等の回転中心からずれていたとしても、掻取ローラ131,132等の軸ブレが抑制される。
なお、上述の実施形態に係る吸込具100に対して様々な変更又は改良がなされてもよい。
たとえば、上述の実施形態では、ローラ部311は、中空構造を有しているが、中実構造を有していてもよい。ローラ部311が中実構造を有している場合、掻取ローラ131,132は頑健な構造になる。
上述の実施形態では、モータ151,152は、全体的に、掻取ローラ131の外側に配置されている。代替的に、吸込具100の吸込空間110内で回転する回転部分の軸ブレを増加させなければ、モータ151,152の一部(たとえば、回転子283の一部)が、ローラ部311の内部に入り込んでいてもよい。
上述の実施形態では、モータケース281の外径は、掻取ローラ131,132の最大径寸法より小さくなっている。代替的に、吸込ハウジング120の側部123,124が大型化しなければ、モータケース281の外径は、掻取ローラ131,132の最大径寸法よりも大きくなっていてもよい。この場合、外径の大きな固定子282及び回転子283をモータケース281内に配置することができるので、モータ151,152のトルクを大きくすることができる。
上述の実施形態では、固定子282の外径を固定子282の軸長よりも大きくすることにより、回転シャフト250の延設方向におけるモータケース281の大型化(ひいては、吸込具100の幅方向における側部123,124の大型化)を抑制している。代替的に、吸込具100の幅方向において側部123,123が大型化しなければ、固定子282の軸長は、固定子282の外径よりも大きくてもよい。
上述の実施形態では、モータ151,152の内部の回転子283及び固定子282を空冷するために、孔部288,290がモータケース281の外端板部284及び内端板部285に形成されている。代替的に、モータケース281内において、回転シャフト250の延設方向に対して斜め方向の気流を生じさせることができれば、孔部288,290は、モータケース281の他の位置に形成されてもよい。たとえば、孔部288が、外端板部284の近傍において、周壁板部286に形成されていてもよいし、孔部290が内端板部285の近傍において、周壁板部286に形成されていてもよい。なお、これらの孔部288,290は、省略されてもよい。この場合、モータケース281に異物が入り込むことが抑制される。
上述の実施形態では、回転シャフト250は、吸込具100の幅方向に対して下方及び前方に傾斜した姿勢で保持されている。回転シャフト250が下方に傾斜した姿勢で保持されることにより、掻取ローラ131は、先端に向けて細くなるテーパ形状を有していても、略全長に亘って床面に接触することができる。また、回転シャフト250が前方に傾斜した姿勢で保持されることにより、掻取ローラ131の略全長に亘って、カバー部材122及びローラ部311の間隔を略一様にすることができる。代替的に、回転シャフト250は、吸込具100の幅方向に平行な姿勢で保持されていてもよい。この場合、ローラ部311は、全長に亘って略一定の外径を有するように形成される。
上述の実施形態では、制御基板153,154において電子部品が搭載される搭載面293は、吸込ハウジング120の流入口215に対向している。追加的に、電子部品は、搭載面293とは反対側の面に搭載されてもよい。たとえば、耐塵性の低い電子部品は、流入口215とは反対向きの面に取り付けられることが好ましい。この結果、仮に、流入口215から塵埃が入り込んだとしても、耐塵性の低い部品は、制御基板153,154により塵埃から保護される。
上述の実施形態では、制御基板153,154は、モータ151,152と側部123,124の外側壁部211との間に配置されている。代替的に、制御基板153,154は、内部空間126内において、他の位置に設けられてもよい。たとえば、制御基板153,154は、モータ151,152の下側に配置されていてもよい。
上述の実施形態では、筒状の接続部270が、回転シャフト250の回転をローラ部311に伝達するために設けられている。代替的に、ローラ部311の回転は、図10及び図11に示すように、ローラ部311内に設けられた減速部272により減速されてローラ部311に伝達されてもよい。
減速部272は、3つの遊星ギア271と、回転シャフト250の先端に取り付けられたギアリング252と、ローラ部311の内周部に固定されたギアリング316と、を含んでいる。ローラ部311側のギアリング316の内径は、回転シャフト250側のギアリング252の外径よりも大きくなっており、ギアリング316の内周部とギアリング252の外周部との間に環状の空間が形成されている。この環状の空間に、3つの遊星ギア271が周方向において略等間隔に配置されている。遊星ギア271及びギアリング316,252は、回転シャフト250の回転を減速してローラ部311に伝えるように構成されている。この結果、ローラ部311は、高いトルクで回転することができ、ローラ部311にかかる負荷に抗して回転を継続することができる。
減速部272は、ローラ部311の中に配置されており、吸込ハウジング120の側部123,124の中には配置されていない。したがって、減速部272は、側部123,124を大型化させない。
図10及び図11のギアリング316は、ローラ部311とは別異の部材として構成されている。代替的に、ローラ部311の内周部に遊星ギア271とかみ合う歯が直接的に形成されてもよい。また、図10及び図11のギアリング252も回転シャフト250とは別異の部材として構成されている。代替的に、回転シャフト250の外周部に遊星ギア271とかみ合う歯が直接的に形成されてもよい。
上述の実施形態では、減速部272は、3つの遊星ギア271による1段の減速機構を構成している。代替的に、減速部272は、複数段の減速を行う減速機構を構成してもよい。
上述の実施形態において、モータ151,152は、ラジアル型のモータによって構成されている。代替的に、モータ151,152は、図12に示すようにアキシャル型のモータによって構成されていてもよい。なお、図12は、左側のモータ151のみを示している。
モータ151,152にアキシャル型の構造が採用される場合、固定子282は、モータケース281の外端板部284及び内端板部285の内面にそれぞれ固定された環状磁石部331,332により構成されてもよい。環状磁石部331は、モータケース281に挿通された回転シャフト250を取り囲むように外端板部284の内面に固定されている。環状磁石部332は、回転シャフト250を取り囲むように内端板部285の内面に固定されている。環状磁石部331,332それぞれは、複数の磁石から構成され、これらのS極及びN極がモータケース281の周方向において交互に並ぶように構成されている。なお、環状磁石部331,332の外径は、環状磁石部331,332が外端板部284及び内端板部285の孔部288,290を塞がないように設定されている。
回転子283は、回転シャフト250の軸方向において環状磁石部331,332の間において複数のモータコイル291を保持するように構成されており、回転シャフト250に固定されている。回転子283は、回転シャフト250の軸方向において、複数のモータコイル291それぞれが環状磁石部331,332と対向するように、これらのモータコイル291を保持している。
モータケース281は、径方向において比較的大きな寸法を有しているので、環状磁石部331,332の外径を大きくすることができる。したがって、環状磁石部331,332の内径を小さくすれば、回転シャフト250の軸方向において回転子283に対向する面(すなわち、回転子283に磁力を作用させる面)を広くすることができる。よって、モータ151,152にアキシャル型の構造が採用されても、モータ151,152は、高いトルクで回転シャフト250を回転させることができる。
図12のモータ151の固定子282は、磁石により構成されている。磁石に代えて、固定子282は、コイルにより構成されてもよい。
上述の実施形態において、吸込具100は、キャニスター型の掃除機本体102に取り付けられている。代替的に、吸込具100は、スティック型の掃除機本体に取り付けられてもよい。
(効果等)
上述の実施形態に係る吸込具100は、以下の特徴を有しているとともに、以下の効果を奏する。
上述の実施形態に係る一の局面に係る吸込具は、塵埃を吸引する吸引力を発生させる掃除機本体に取り付け可能に構成されている。吸込具は、吸引力により塵埃が吸い込まれる吸込空間を区画する一方で、吸込具の幅方向において吸込空間から仕切られた内部空間を有する吸込ハウジングと、内部空間に配置されているとともに駆動力を発生させるモータと、モータに片持ち支持されているとともに一部が吸込空間に突出した状態で駆動力により回転する回転シャフトと、回転シャフトの延設方向においてモータと並ぶように吸込空間に配置されて、回転シャフトに接続された掻取ローラと、を備えている。
上述の構成によれば、回転シャフトは、モータによって片持ち支持されており、この回転シャフトに、掻取ローラが接続されている。すなわち、回転シャフト及び掻取ローラは、モータにより片持ち支持されている。このため、掻取ローラの先端に塵埃を除去するための空隙を形成可能である。したがって、長い塵埃が掻取ローラに絡みついたとしても、このような塵埃を掻取ローラの先端側に移動させ、上述の空隙を通じて掻取ローラから除去することが許容される。すなわち、掻取ローラに絡みついた塵埃を容易に除去することができる。
回転シャフトが片持ち支持された構造では、回転シャフト及び掻取ローラの回転時に軸ブレを生じやすいが、上記の構成では、軸ブレが以下のように抑制され得る。すなわち、回転シャフトがモータにより直接的に支持されているので、ベルト駆動と比べて、モータによる回転シャフトに対する支持力が高くなる。しかも、モータが内部空間に配置されているので、モータの重量は、吸込空間において回転する回転部分には含まれず、当該回転部分は、軽量化され得る。したがって、仮に、この回転部分(すなわち、回転シャフト及び掻取ローラ)の重心が回転中心からずれていたとしても、回転部分の回転時における軸ブレが抑制される。
また、軸ブレを抑制するために回転シャフトをモータに接続し、このモータを内部空間に配置すると、回転シャフトの一部は、内部空間に対して吸込具の幅方向に仕切られた吸込空間に突出する。この場合、回転シャフトの延設方向は、吸込具の前後方向ではなく、吸込具の幅方向に略沿う。したがって、回転シャフトの延設方向において、モータ及び掻取ローラが並ぶため、前後方向における吸込具の大型化は抑制される。
上述の構成において、掻取ローラは、回転シャフトの延設方向に長いローラ部と、ローラ部の外周部から突出するように設けられたブラシ部と、を含んでいてもよい。モータの外径は、ローラ部の外径とブラシ部の突出量とにより定められる掻取ローラの最大径寸法よりも小さくてもよい。
上述の構成によれば、掻取ローラの最大径寸法は、ローラ部の外径とローラ部の外周部からのブラシ部の突出量とによって定められる。掻取ローラの最大径寸法を考慮して、掻取ローラが収容される吸込空間の前後方向及び高さ方向の大きさが設定され得る。この場合において、掻取ローラの最大径寸法よりもモータの外径が小さくなっているので、モータは、前後方向及び高さ方向において掻取ローラに対して突出しない。したがって、吸込ハウジングにおいて内部空間を区画している部分を、吸込空間を区画している部分に対して前方又は上方に突出させることなく形成してもよい。
上述の構成において、掻取ローラは、回転シャフトが挿入される筒状のローラ部と、ローラ部内に設けられ、回転シャフトの回転を減速してローラ部に伝達する減速部と、を含んでいてもよい。
上述の構成によれば、減速部は、回転シャフトの回転を減速してローラ部に伝達する。この結果、ローラ部の回転トルクが増加し、ローラ部への負荷が大きくなったとしても、ローラ部は、回転を継続することができる。減速部がローラ部の内部に配置されることにより、ローラ部の内部空間は有効に利用され、吸込ハウジング内において減速部用のスペースを別途設ける必要はない。したがって、吸込ハウジングの大型化が抑制される。
上述の構成において、モータは、固定子と、回転シャフトが接続されているとともに固定子からの磁力を受けて回転する回転子と、を含んでいてもよい。固定子の外径は、固定子の軸長よりも大きくてもよい。
上述の構成によれば、固定子の軸長は、固定子の外径よりも小さくなっているので、回転シャフトの延設方向(すなわち、吸込具の幅方向に略沿う方向)におけるモータの大型化が抑制される。したがって、モータが配置される内部空間は、吸込具の幅方向において大きくなくてもよい。
モータが配置される内部空間が吸込具の幅方向において広くなくても、固定子の外径を、固定子の軸長よりも大きくすることにより、回転子に対して磁力を作用させる面(すなわち、回転子に対向する面)を広くすることができる。このため、モータが大きな駆動力を出力することができる。
固定子を径方向に大きくすることにより、回転子を径方向において大きくすることが許容される。径方向において大きな回転子が用いられれば、回転子に接続される回転シャフトを太くすることができる。この結果、回転シャフトの強度が上がり、回転シャフト及び掻取ローラの軸ブレが抑制される。
上述の構成において、吸込ハウジングには、吸込ハウジングの外の空気が内部空間に流入することを許容する流入口と、内部空間内の空気が吸引力により吸い出されることを許容する流出口と、が形成されていてもよい。モータは、固定子と、回転シャフトが接続されているとともに固定子からの磁力を受けて回転する回転子と、回転子及び固定子が収容されたモータケースと、を含んでいてもよい。モータケースには、内部空間に流入した空気の一部がモータケース内において回転シャフトの延設方向に対して斜めに流れるように設けられた一対の孔部が形成されていてもよい。
上述の構成によれば、吸込ハウジングの外の空気は、吸込ハウジングの流入口を通じて内部空間に流入する。内部空間内の空気は、掃除機本体の吸引力により吸込ハウジングの流出口を通じて吸い出される。この結果、内部空間に気流が生じ、内部空間に配置されたモータが冷却される。詳細には、モータのモータケースに形成された一対の孔部の一方を通じて、内部空間に流入した空気の一部がモータケース内に流入し、他方の孔部を通じてモータケースから流出する。この結果、モータケースの内部の回転子及び固定子が冷却される。モータケース内を流れる空気が回転シャフトの延設方向に対して斜めに流れるように一対の孔部がモータケースに形成されているので、モータケース内の空気は、回転シャフトの延設方向に対して平行に流れる空気の経路よりも長い経路を流れる。この結果、モータケースに流入した空気は、モータケース内の回転子及び固定子の様々な部分に当たりやすくなり、回転子及び固定子の空冷が促進される。
上述の構成において、吸込具は、モータを制御する制御基板を更に備えていてもよい。吸込ハウジングには、吸込ハウジングの外の空気が内部空間に流入することを許容する流入口と、内部空間内の空気が吸引力により吸い出されることを許容する流出口と、が形成されていてもよい。制御基板は、モータよりも流入口の近くに設けられていてもよい。流出口は、制御基板よりもモータの近くに形成されていてもよい。
上記の構成によれば、制御基板は、モータよりも流入口の近くに設けられているので、流入口から内部空間に流入した空気は、モータよりも制御基板に先に当たる。したがって、制御基板に対する空冷が促進される。また、制御基板を冷却した後の空気は、制御基板よりもモータの近くに形成された流出口に向けて流れ、この間、モータを空冷し得る。
上述の構成において、制御基板は、電子部品が搭載される搭載面が流入口に対向するように立設された姿勢で内部空間に配置されていてもよい。
上記の構成によれば、搭載面が流入口に対向するので、搭載面に搭載された電子部品の空冷が促進される。また、制御基板は、電子部品が搭載される搭載面が流入口に対向するように立設された姿勢で内部空間に配置されているので、制御基板の厚さ方向は、吸込具の幅方向に略沿う。したがって、制御基板は、吸込具の幅方向に広い空間を要することなく内部空間に配置可能である。