JP7450136B2 - 樹脂組成物、プリプレグ、樹脂付きフィルム、樹脂付き金属箔、金属張積層板、及び配線板 - Google Patents

樹脂組成物、プリプレグ、樹脂付きフィルム、樹脂付き金属箔、金属張積層板、及び配線板 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂組成物、プリプレグ、樹脂付きフィルム、樹脂付き金属箔、金属張積層板、及び配線板に関する。
各種電子機器は、情報処理量の増大に伴い、搭載される半導体デバイスの高集積化、配線の高密度化、及び多層化等の実装技術が急速に進展している。また、各種電子機器に用いられる配線板としては、例えば、車載用途におけるミリ波レーダ基板等の、高周波対応の配線板であることが求められる。
配線板に備えられる配線に信号を伝送すると、配線を形成する導体に起因する伝送損失、及び配線周辺の誘導体に起因する伝送損失等が発生する。これらの伝送損失は、配線板に備えられる配線に高周波信号を伝送する場合に、特に発生しやすいことが知られている。このことから、配線板には、信号の伝送速度を高めるために、信号伝送時の損失を低減させることが求められる。高周波対応の配線板には、特にそれが求められる。この要求を満たすためには、配線板を構成する絶縁層を製造するための基板材料として、誘電率及び誘電正接が低い材料を用いることが考えられる。このような基板材料としては、例えば、特許文献1に記載の、ポリフェニレンエーテル成分を含む樹脂組成物等が挙げられる。
特許文献1には、炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基により末端変性ポリフェニレンエーテル化合物と、炭素-炭素不飽和二重結合を分子中に有する架橋型硬化剤と、難燃剤とを含有し、前記難燃剤が、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物及び前記架橋型硬化剤の混合物に相溶する相溶性リン化合物と、前記混合物に相溶しない非相溶性リン化合物とを含有する樹脂組成物が記載されている。特許文献1によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れた樹脂組成物が得られる旨が開示されている。
特開2015-86330号公報
配線板には、信号の伝送速度をより高めるために、信号伝送時の損失の低減が求められるだけではなく、絶縁層を多層で構成したときの絶縁層間剥離、及び絶縁層からの配線の剥離等の発生しないような層間接着性が高いことも求められる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、誘電率及び誘電正接が低い樹脂組成物において、層間接着性の高い硬化物が得られる樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、前記樹脂組成物を用いて得られる、プリプレグ、樹脂付きフィルム、樹脂付き金属箔、金属張積層板、及び配線板を提供することを目的とする。
本発明者等は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基に末端変性された変性ポリフェニレンエーテル化合物と、下記式(1)で表される脂肪族炭化水素化合物とを含有する樹脂組成物である。
Figure 0007450136000001
式(1)中、Rは、炭素数4以上のアルキル基又は炭素数4以上のアルケニル基を示し、R~Rは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を示す。
また、前記樹脂組成物において、前記脂肪族炭化水素化合物が、炭素数6~45の化合物を含むことが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記炭素数6~45の化合物の含有量が、前記脂肪族炭化水素化合物全体に対して、95質量%以上であることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記脂肪族炭化水素化合物が、前記R及び前記Rが水素原子である化合物を含むことが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、硬化剤をさらに含有し、前記硬化剤が、炭素-炭素不飽和二重結合を分子中に2個以上有し、数平均分子量が400未満である架橋型硬化剤、及びマレイミド基を分子中に有するマレイミド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記架橋型硬化剤が、アリル基を分子中に2個以上有する化合物、ビニルフェニル基を分子中に2個以上有する化合物、メタクリロイル基を分子中に2個以上有する化合物、及びビニル基を分子中に3個以上有する化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。また、前記マレイミド化合物が、マレイミド基を分子中に2個以上有する化合物、及びマレイミド基を分子中に1個有し、数平均分子量が200未満である化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記脂肪族炭化水素化合物の含有量は、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物、前記脂肪族炭化水素化合物、及び前記硬化剤の合計質量100質量部に対して、5~50質量部であることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記硬化剤の含有量は、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物、前記脂肪族炭化水素化合物、及び前記硬化剤の合計質量100質量部に対して、5~50質量部であることが好ましい。
また、本発明の他の一態様に係るプリプレグは、前記樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物と、繊維質基材とを備えるプリプレグである。
また、本発明の他の一態様に係る樹脂付きフィルムは、前記樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物を含む樹脂層と、支持フィルムとを備える樹脂付きフィルムである。
また、本発明の他の一態様に係る樹脂付き金属箔は、前記樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物を含む樹脂層と、金属箔とを備える樹脂付き金属箔である。
また、本発明の他の一態様に係る金属張積層板は、前記樹脂組成物の硬化物又は前記プリプレグの硬化物を含む絶縁層と、金属箔とを備える金属張積層板である。
また、本発明の他の一態様に係る配線板は、前記樹脂組成物の硬化物又は前記プリプレグの硬化物を含む絶縁層と、配線とを備える配線板である。
本発明によれば、誘電率及び誘電正接が低い樹脂組成物において、層間接着性の高い硬化物が得られる樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、前記樹脂組成物を用いて得られる、プリプレグ、樹脂付きフィルム、樹脂付き金属箔、金属張積層板、及び配線板が提供される。
図1は、本発明の実施形態に係るプリプレグの一例を示す概略断面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る金属張積層板の一例を示す概略断面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る配線板の一例を示す概略断面図である。 図4は、本発明の実施形態に係る樹脂付き金属箔の一例を示す概略断面図である。 図5は、本発明の実施形態に係る樹脂付きフィルムの一例を示す概略断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
[樹脂組成物]
本実施形態に係る樹脂組成物は、炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基に末端変性された変性ポリフェニレンエーテル化合物と、下記式(1)で表される脂肪族炭化水素化合物とを含有する樹脂組成物である。
Figure 0007450136000002
式(1)中、Rは、炭素数4以上のアルキル基又は炭素数4以上のアルケニル基を示し、R~Rは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を示す。
まず、前記樹脂組成物は、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物を、前記脂肪族炭化水素化合物とともに架橋することで、ポリフェニレンエーテルの有する優れた低誘電特性を維持した硬化物が得られると考えられる。
前記脂肪族炭化水素化合物は、前記樹脂組成物に含有させると、前記樹脂組成物の粘着性を好適に高めることができると考えられる。このことにより、前記脂肪族炭化水素化合物は、前記樹脂組成物に含有させると、硬化物の層間接着性を好適に高めることができると考えられる。また、前記樹脂組成物を用いることによって、層間接着性に優れた金属張積層板が得られる。具体的には、前記樹脂組成物の硬化物を含む絶縁層から金属箔が剥離することを充分に抑制でき、また、絶縁層を多層で構成したときの絶縁層間剥離を充分に抑制することができる。また、前記樹脂組成物を用いて配線板を製造することによって、配線の剥離及び絶縁層間剥離を充分に抑制できる層間接着性に優れた配線板が得られる。さらに、前記配線板において、配線を形成する導体に起因する伝送損失を小さくするために、配線の表面粗さを小さくしても、前記樹脂組成物を用いて得られた配線板であれば、配線の剥離を充分に抑制できる。また、前記のような配線板を得るために、前記金属張積層板において、金属箔の表面粗さを小さくしても、前記樹脂組成物を用いて得られた金属張積層板であれば、前記金属箔の剥離を充分に抑制できる。
以上のことから、前記樹脂組成物は、上記のことから、誘電率及び誘電正接が低い樹脂組成物において、層間接着性の高い硬化物が得られる樹脂組成物である。
(変性ポリフェニレンエーテル化合物)
本実施形態において用いられる変性ポリフェニレンエーテル化合物は、炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル化合物であれば、特に限定されない。
前記炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基としては、特に限定されない。前記置換基としては、例えば、下記式(2)で表される置換基、及び下記式(3)で表される置換基等が挙げられる。
Figure 0007450136000003
式(2)中、pは0~10の整数を示す。また、Zは、アリーレン基を示す。また、R~Rは、それぞれ独立している。すなわち、R~Rは、それぞれ同一の基であっても、異なる基であってもよい。また、R~Rは、水素原子又はアルキル基を示す。
なお、式(2)において、pが0である場合は、Zがポリフェニレンエーテルの末端に直接結合していることを示す。
このアリーレン基は、特に限定されない。このアリーレン基としては、例えば、フェニレン基等の単環芳香族基や、芳香族が単環ではなく、ナフタレン環等の多環芳香族である多環芳香族基等が挙げられる。また、このアリーレン基には、芳香族環に結合する水素原子が、アルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、又はアルキニルカルボニル基等の官能基で置換された誘導体も含む。また、前記アルキル基は、特に限定されず、例えば、炭素数1~18のアルキル基が好ましく、炭素数1~10のアルキル基がより好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、及びデシル基等が挙げられる。
Figure 0007450136000004
式(3)中、Rは、水素原子又はアルキル基を示す。前記アルキル基は、特に限定されず、例えば、炭素数1~18のアルキル基が好ましく、炭素数1~10のアルキル基がより好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、及びデシル基等が挙げられる。
前記式(2)で表される置換基の好ましい具体例としては、例えば、ビニルベンジル基を含む置換基等が挙げられる。前記ビニルベンジル基を含む置換基としては、例えば、下記式(4)で表される置換基等が挙げられる。また、前記式(3)で表される置換基としては、例えば、アクリレート基及びメタクリレート基等が挙げられる。
Figure 0007450136000005
前記置換基としては、より具体的には、p-エテニルベンジル基及びm-エテニルベンジル基等のビニルベンジル基(エテニルベンジル基)、ビニルフェニル基、アクリレート基、及びメタクリレート基等が挙げられる。
前記変性ポリフェニレンエーテル化合物は、ポリフェニレンエーテル鎖を分子中に有しており、例えば、下記式(5)で表される繰り返し単位を分子中に有していることが好ましい。
Figure 0007450136000006
式(5)において、tは、1~50を示す。また、R~R11は、それぞれ独立している。すなわち、R~R11は、それぞれ同一の基であっても、異なる基であってもよい。また、R~R11は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、又はアルキニルカルボニル基を示す。この中でも、水素原子及びアルキル基が好ましい。
~R11において、挙げられた各官能基としては、具体的には、以下のようなものが挙げられる。
アルキル基は、特に限定されないが、例えば、炭素数1~18のアルキル基が好ましく、炭素数1~10のアルキル基がより好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、及びデシル基等が挙げられる。
アルケニル基は、特に限定されないが、例えば、炭素数2~18のアルケニル基が好ましく、炭素数2~10のアルケニル基がより好ましい。具体的には、例えば、ビニル基、アリル基、及び3-ブテニル基等が挙げられる。
アルキニル基は、特に限定されないが、例えば、炭素数2~18のアルキニル基が好ましく、炭素数2~10のアルキニル基がより好ましい。具体的には、例えば、エチニル基、及びプロパ-2-イン-1-イル基(プロパルギル基)等が挙げられる。
アルキルカルボニル基は、アルキル基で置換されたカルボニル基であれば、特に限定されないが、例えば、炭素数2~18のアルキルカルボニル基が好ましく、炭素数2~10のアルキルカルボニル基がより好ましい。具体的には、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、及びシクロヘキシルカルボニル基等が挙げられる。
アルケニルカルボニル基は、アルケニル基で置換されたカルボニル基であれば、特に限定されないが、例えば、炭素数3~18のアルケニルカルボニル基が好ましく、炭素数3~10のアルケニルカルボニル基がより好ましい。具体的には、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びクロトノイル基等が挙げられる。
アルキニルカルボニル基は、アルキニル基で置換されたカルボニル基であれば、特に限定されないが、例えば、炭素数3~18のアルキニルカルボニル基が好ましく、炭素数3~10のアルキニルカルボニル基がより好ましい。具体的には、例えば、プロピオロイル基等が挙げられる。
本実施形態において用いられる変性ポリフェニレンエーテル化合物の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されない。具体的には、500~5000であることが好ましく、800~4000であることがより好ましく、1000~3000であることがさらに好ましい。なお、ここで、重量平均分子量は、一般的な分子量測定方法で測定したものであればよく、具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した値等が挙げられる。また、変性ポリフェニレンエーテル化合物が、前記式(5)で表される繰り返し単位を分子中に有している場合、tは、変性ポリフェニレンエーテル化合物の重量平均分子量がこのような範囲内になるような数値であることが好ましい。具体的には、tは、1~50であることが好ましい。
変性ポリフェニレンエーテル化合物の重量平均分子量がこのような範囲内であると、ポリフェニレンエーテルの有する優れた低誘電特性を有し、硬化物の耐熱性により優れるだけではなく、成形性にも優れたものとなる。このことは、以下のことによると考えられる。通常のポリフェニレンエーテルでは、その重量平均分子量がこのような範囲内であると、比較的低分子量のものであるので、硬化物の耐熱性が低下する傾向がある。この点、本実施形態に係る変性ポリフェニレンエーテル化合物は、末端に不飽和二重結合を以上有するので、硬化物の耐熱性が充分に高いものが得られると考えられる。また、変性ポリフェニレンエーテル化合物の重量平均分子量がこのような範囲内であると、比較的低分子量のものであるので、成形性にも優れると考えられる。よって、このような変性ポリフェニレンエーテル化合物は、硬化物の耐熱性により優れるだけではなく、成形性にも優れたものが得られると考えられる。
本実施形態において用いられる変性ポリフェニレンエーテル化合物における、変性ポリフェニレンエーテル化合物1分子当たりの、分子末端に有する、前記置換基の平均個数(末端官能基数)は、特に限定されない。具体的には、1~5個であることが好ましく、1~3個であることがより好ましく、1.5~3個であることがさらに好ましい。この末端官能基数が少なすぎると、硬化物の耐熱性としては充分なものが得られにくい傾向がある。また、末端官能基数が多すぎると、反応性が高くなりすぎ、例えば、樹脂組成物の保存性が低下したり、樹脂組成物の流動性が低下してしまう等の不具合が発生するおそれがある。すなわち、このような変性ポリフェニレンエーテルを用いると、流動性不足等により、例えば、多層成形時にボイドが発生する等の成形不良が発生し、信頼性の高いプリント配線板が得られにくいという成形性の問題が生じるおそれがあった。
なお、変性ポリフェニレンエーテル化合物の末端官能基数は、変性ポリフェニレンエーテル化合物1モル中に存在する全ての変性ポリフェニレンエーテル化合物の1分子あたりの、前記置換基の平均値を表した数値等が挙げられる。この末端官能基数は、例えば、得られた変性ポリフェニレンエーテル化合物に残存する水酸基数を測定して、変性前のポリフェニレンエーテルの水酸基数からの減少分を算出することによって、測定することができる。この変性前のポリフェニレンエーテルの水酸基数からの減少分が、末端官能基数である。そして、変性ポリフェニレンエーテル化合物に残存する水酸基数の測定方法は、変性ポリフェニレンエーテル化合物の溶液に、水酸基と会合する4級アンモニウム塩(テトラエチルアンモニウムヒドロキシド)を添加し、その混合溶液のUV吸光度を測定することによって、求めることができる。
本実施形態において用いられる変性ポリフェニレンエーテル化合物の固有粘度は、特に限定されない。具体的には、0.03~0.12dl/gであればよいが、0.04~0.11dl/gであることが好ましく、0.06~0.095dl/gであることがより好ましい。この固有粘度が低すぎると、分子量が低い傾向があり、低誘電率や低誘電正接等の低誘電性が得られにくい傾向がある。また、固有粘度が高すぎると、粘度が高く、充分な流動性が得られず、硬化物の成形性が低下する傾向がある。よって、変性ポリフェニレンエーテル化合物の固有粘度が上記範囲内であれば、優れた、硬化物の耐熱性及び成形性を実現できる。
なお、ここでの固有粘度は、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度であり、より具体的には、例えば、0.18g/45mlの塩化メチレン溶液(液温25℃)を、粘度計で測定した値等である。この粘度計としては、例えば、Schott社製のAVS500 Visco System等が挙げられる。
前記変性ポリフェニレンエーテル化合物としては、例えば、下記式(6)で表される変性ポリフェニレンエーテル化合物、及び下記式(7)で表される変性ポリフェニレンエーテル化合物等が挙げられる。また、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物としては、これらの変性ポリフェニレンエーテル化合物を単独で用いてもよいし、この2種の変性ポリフェニレンエーテル化合物を組み合わせて用いてもよい。
Figure 0007450136000007
Figure 0007450136000008
式(6)及び式(7)中、R12~R19並びにR20~R27は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、又はアルキニルカルボニル基を示す。X及びXは、それぞれ独立して、炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基を示す。A及びBは、それぞれ、下記式(8)及び下記式(9)で表される繰り返し単位を示す。また、式(7)中、Yは、炭素数20以下の直鎖状、分岐状、又は環状の炭化水素を示す。
Figure 0007450136000009
Figure 0007450136000010
式(8)及び式(9)中、m及びnは、それぞれ、0~20を示す。R28~R31並びにR32~R35は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、又はアルキニルカルボニル基を示す。
前記式(6)で表される変性ポリフェニレンエーテル化合物、及び前記式(7)で表される変性ポリフェニレンエーテル化合物は、上記構成を満たす化合物であれば特に限定されない。具体的には、前記式(6)及び前記式(7)において、R12~R19並びにR20~R27は、上述したように、それぞれ独立している。すなわち、R12~R19並びにR20~R27は、それぞれ同一の基であっても、異なる基であってもよい。また、R12~R19並びにR20~R27は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、又はアルキニルカルボニル基を示す。この中でも、水素原子及びアルキル基が好ましい。
式(8)及び式(9)中、m及びnは、それぞれ、上述したように、0~20を示すことが好ましい。また、m及びnは、mとnとの合計値が、1~30となる数値を示すことが好ましい。よって、mは、0~20を示し、nは、0~20を示し、mとnとの合計は、1~30を示すことがより好ましい。また、R28~R31並びにR32~R35は、それぞれ独立している。すなわち、R28~R31並びにR32~R35は、それぞれ同一の基であっても、異なる基であってもよい。また、R28~R31並びにR32~R35は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、又はアルキニルカルボニル基を示す。この中でも、水素原子及びアルキル基が好ましい。
12~R35は、上記式(5)におけるR~R11と同じである。
前記式(7)中において、Yは、上述したように、炭素数20以下の直鎖状、分岐状、又は環状の炭化水素である。Yとしては、例えば、下記式(10)で表される基等が挙げられる。
Figure 0007450136000011
前記式(10)中、R36及びR37は、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を示す。前記アルキル基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。また、式(10)で表される基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、及びジメチルメチレン基等が挙げられ、この中でも、ジメチルメチレン基が好ましい。
前記式(6)及び前記式(7)中において、X及びXは、それぞれ独立して、炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基である。この置換基X及びXとしては、炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基であれば、特に限定されない。前記置換基X及びXとしては、例えば、上記式(2)で表される置換基等が挙げられる。なお、前記式(6)で表される変性ポリフェニレンエーテル化合物及び前記式(7)で表される変性ポリフェニレンエーテル化合物において、X及びXは、同一の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。
前記式(6)で表される変性ポリフェニレンエーテル化合物のより具体的な例示としては、例えば、下記式(11)で表される変性ポリフェニレンエーテル化合物等が挙げられる。
Figure 0007450136000012
前記式(7)で表される変性ポリフェニレンエーテル化合物のより具体的な例示としては、例えば、下記式(12)で表される変性ポリフェニレンエーテル化合物、下記式(13)で表される変性ポリフェニレンエーテル化合物等が挙げられる。
Figure 0007450136000013
Figure 0007450136000014
上記式(11)~式(13)において、m及びnは、上記式(8)及び上記式(9)におけるm及びnと同じである。また、上記式(11)及び上記式(12)において、R~R及びpは、上記式(2)におけるR~R及びpと同じである。また、上記式(12)及び上記式(13)において、Yは、上記(7)におけるYと同じである。また、上記式(13)において、Rは、上記式(3)におけるRと同じである。
本実施形態において用いられる変性ポリフェニレンエーテル化合物における、変性ポリフェニレンエーテル化合物1分子当たりの、分子末端に有する、前記置換基の平均個数(末端官能基数)としては、上述した範囲が挙げられるが、例えば、上記式(11)~式(13)で表される変性ポリフェニレンエーテル化合物の場合は、具体的には、1~2個であることが好ましく、1.5~2個であることがより好ましい。
本実施形態において用いられる変性ポリフェニレンエーテル化合物の合成方法は、炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテル化合物を合成できれば、特に限定されない。具体的には、ポリフェニレンエーテルに、炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基とハロゲン原子とが結合された化合物を反応させる方法等が挙げられる。
炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基とハロゲン原子とが結合された化合物としては、例えば、前記式(2)~(4)で表される置換基とハロゲン原子とが結合された化合物等が挙げられる。前記ハロゲン原子としては、具体的には、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、及びフッ素原子が挙げられ、この中でも、塩素原子が好ましい。炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基とハロゲン原子とが結合された化合物としては、より具体的には、p-クロロメチルスチレンやm-クロロメチルスチレン等が挙げられる。
原料であるポリフェニレンエーテルは、最終的に、所定の変性ポリフェニレンエーテル化合物を合成することができるものであれば、特に限定されない。具体的には、2,6-ジメチルフェノールと2官能フェノール及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなるポリフェニレンエーテルやポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンオキサイド)等のポリフェニレンエーテルを主成分とするもの等が挙げられる。また、2官能フェノールとは、フェノール性水酸基を分子中に2個有するフェノール化合物であり、例えば、テトラメチルビスフェノールA等が挙げられる。また、3官能フェノールとは、フェノール性水酸基を分子中に3個有するフェノール化合物である。
変性ポリフェニレンエーテル化合物の合成方法は、上述した方法が挙げられる。具体的には、上記のようなポリフェニレンエーテルと、炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基とハロゲン原子とが結合された化合物とを溶媒に溶解させ、攪拌する。そうすることによって、ポリフェニレンエーテルと、炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基とハロゲン原子とが結合された化合物とが反応し、本実施形態で用いられる変性ポリフェニレンエーテル化合物が得られる。
前記反応の際、アルカリ金属水酸化物の存在下で行うことが好ましい。そうすることによって、この反応が好適に進行すると考えられる。このことは、アルカリ金属水酸化物が、脱ハロゲン化水素剤、具体的には、脱塩酸剤として機能するためと考えられる。すなわち、アルカリ金属水酸化物が、ポリフェニレンエーテルのフェノール基と、炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基とハロゲン原子とが結合された化合物とから、ハロゲン化水素を脱離させ、そうすることによって、ポリフェニレンエーテルのフェノール基の水素原子の代わりに、炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基が、フェノール基の酸素原子に結合すると考えられる。
アルカリ金属水酸化物は、脱ハロゲン化剤として働きうるものであれば、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム等が挙げられる。また、アルカリ金属水酸化物は、通常、水溶液の状態で用いられ、具体的には、水酸化ナトリウム水溶液として用いられる。
反応時間や反応温度等の反応条件は、炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基とハロゲン原子とが結合された化合物等によっても異なり、上記のような反応が好適に進行する条件であれば、特に限定されない。具体的には、反応温度は、室温~100℃であることが好ましく、30~100℃であることがより好ましい。また、反応時間は、0.5~20時間であることが好ましく、0.5~10時間であることがより好ましい。
反応時に用いる溶媒は、ポリフェニレンエーテルと、炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基とハロゲン原子とが結合された化合物とを溶解させることができ、ポリフェニレンエーテルと、炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基とハロゲン原子とが結合された化合物との反応を阻害しないものであれば、特に限定されない。具体的には、トルエン等が挙げられる。
上記の反応は、アルカリ金属水酸化物だけではなく、相間移動触媒も存在した状態で反応させることが好ましい。すなわち、上記の反応は、アルカリ金属水酸化物及び相間移動触媒の存在下で反応させることが好ましい。そうすることによって、上記反応がより好適に進行すると考えられる。このことは、以下のことによると考えられる。相間移動触媒は、アルカリ金属水酸化物を取り込む機能を有し、水のような極性溶剤の相と、有機溶剤のような非極性溶剤の相との両方の相に可溶で、これらの相間を移動することができる触媒であることによると考えられる。具体的には、アルカリ金属水酸化物として、水酸化ナトリウム水溶液を用い、溶媒として、水に相溶しない、トルエン等の有機溶剤を用いた場合、水酸化ナトリウム水溶液を、反応に供されている溶媒に滴下しても、溶媒と水酸化ナトリウム水溶液とが分離し、水酸化ナトリウムが、溶媒に移行しにくいと考えられる。そうなると、アルカリ金属水酸化物として添加した水酸化ナトリウム水溶液が、反応促進に寄与しにくくなると考えられる。これに対して、アルカリ金属水酸化物及び相間移動触媒の存在下で反応させると、アルカリ金属水酸化物が相間移動触媒に取り込まれた状態で、溶媒に移行し、水酸化ナトリウム水溶液が、反応促進に寄与しやすくなると考えられる。このため、アルカリ金属水酸化物及び相間移動触媒の存在下で反応させると、上記反応がより好適に進行すると考えられる。
前記相間移動触媒は、特に限定されないが、例えば、テトラ-n-ブチルアンモニウムブロマイド等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
本実施形態で用いられる樹脂組成物には、変性ポリフェニレンエーテル化合物として、上記のようにして得られた変性ポリフェニレンエーテル化合物を含むことが好ましい。
(脂肪族炭化水素化合物)
前記脂肪族炭化水素化合物は、前記式(1)で表される脂肪族炭化水素化合物であれば、特に限定されない。式(1)中、Rは、炭素数4以上のアルキル基又は炭素数4以上のアルケニル基を示す。R~Rは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を示す。すなわち、R~Rは、それぞれ同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
前記Rにおける炭素数4以上のアルキル基は、炭素数4以上のアルキル基であれば、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。また、前記Rにおける炭素数4以上のアルキル基の炭素数の上限は、特にはないが、40以下であることが好ましい。また、前記Rにおける炭素数4以上のアルキル基の炭素数は、4~40であることが好ましく、6~35であることがより好ましい。前記炭素数が少なすぎたり、多すぎたりすると、前記脂肪族炭化水素化合物の、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物との相溶性が低くなり、好適な樹脂組成物が得られなかったり、樹脂組成物が得られても、粘着性を充分に高められなかったりする傾向がある。また、前記Rにおける炭素数4以上のアルキル基としては、例えば、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、エイコシル基、ヘンイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基、ヘントリアコンチル基、ドトリアコンチル基、トリトリアコンチル基、テトラトリアコンチル基、ペンタトリアコンチル基、ヘキサトリアコンチル基、ヘプタトリアコンチル基、オクタトリアコンチル基、ノナトリアコンチル基、及びテトラコンチル基等が挙げられる。
前記Rにおける炭素数4以上のアルケニル基は、炭素数4以上のアルケニル基であれば、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。また、前記Rにおける炭素数4以上のアルケニル基の炭素数の上限は、特にはないが、40以下であることが好ましい。また、前記Rにおける炭素数4以上のアルケニル基の炭素数は、4~40であることが好ましく、6~35であることがより好ましい。前記炭素数が少なすぎたり、多すぎたりすると、前記脂肪族炭化水素化合物の、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物との相溶性が低くなり、好適な樹脂組成物が得られなかったり、樹脂組成物が得られても、粘着性を充分に高められなかったりする傾向がある。また、前記Rにおける炭素数4以上のアルケニル基としては、例えば、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、エイコセニル基、ヘンイコセニル基、ヘンエイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基、トリアコンテニル基、ヘントリアコンテニル基、ドトリアコンテニル基、トリトリアコンテニル基、テトラトリアコンテニル基、ペンタトリアコンテニル基、ヘキサトリアコンテニル基、ヘプタトリアコンテニル基、オクタトリアコンテニル基、ノナトリアコンテニル基、及びテトラコンテニル基等が挙げられる。
前記Rは、上記の中でも、炭素数6~35のアルケニル基が好ましい。
前記R~Rは、上述したように、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基である。この中でも、R及びR、すなわち、前記式(1)における二重結合を構成する炭素のうち、Rとは結合しない炭素に結合される基であるR及びRは、水素原子であることが好ましい。R及びRが水素原子である脂肪族炭化水素化合物であれば、前記脂肪族炭化水素化合物を含有することによる効果、すなわち、樹脂組成物の粘着性を高め、樹脂組成物の硬化物の層間接着性を高めるという効果をより好適に奏することができる。
前記Rにおけるアルキル基は、特に限定されず、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。前記Rにおけるアルキル基の炭素数は、40以下であることが好ましく、4~40であることがより好ましく、6~35であることがさらに好ましい。前記炭素数が少なすぎたり、多すぎたりすると、前記脂肪族炭化水素化合物の、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物との相溶性が低くなり、好適な樹脂組成物が得られなかったり、樹脂組成物が得られても、粘着性を充分に高められなかったりする傾向がある。また、前記Rにおけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、エイコシル基、ヘンイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基、ヘントリアコンチル基、ドトリアコンチル基、トリトリアコンチル基、テトラトリアコンチル基、ペンタトリアコンチル基、ヘキサトリアコンチル基、ヘプタトリアコンチル基、オクタトリアコンチル基、及びノナトリアコンチル基等が挙げられる。
前記R及びRにおけるアルキル基は、特に限定されず、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。また、前記R及びRは、上述したように、水素原子であることが好ましく、前記R及びRがアルキル基である場合でも、そのアルキル基の炭素数が少ないほうが好ましく、前記R及びRにおけるアルキル基の炭素数は6以下であることが好ましい。前記炭素数が多すぎると、前記脂肪族炭化水素化合物の有する二重結合(前記式(1)における二重結合)の反応性が低下して、前記脂肪族炭化水素化合物と前記変性ポリフェニレンエーテル化合物との反応性が低下する傾向がある。前記R及びRにおけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
前記脂肪族炭化水素化合物は、炭素数が6~45の化合物、すなわち、前記式(1)で表される脂肪族炭化水素化合物であって、かつ、総炭素数が6~45である化合物を含むことが好ましい。前記脂肪族炭化水素化合物の炭素数は、6~45であることが好ましく、10~40であることがより好ましい。記炭素数が少なすぎたり、多すぎたりすると、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物との相溶性が低くなり、好適な樹脂組成物が得られなかったり、樹脂組成物が得られても、粘着性を充分に高められなかったりする傾向がある。よって、前記炭素数が6~45の化合物であれば、前記脂肪族炭化水素化合物を含有することによる効果、すなわち、樹脂組成物の粘着性を高め、樹脂組成物の硬化物の層間接着性を高めるという効果を好適に奏することができる。
前記炭素数が6~45の化合物の含有量は、前記脂肪族炭化水素化合物全体に対して、95質量%以上であることが好ましく、100質量%であってもよい。すなわち、前記脂肪族炭化水素化合物は、前記炭素数が6~45の化合物のみからなっていてもよい。また、前記炭素数が6~45の化合物以外の脂肪族炭化水素化合物(前記炭素数が5以下の化合物及び前記炭素数が46以上の化合物)を含む場合であっても、その化合物の含有量が、前記脂肪族炭化水素化合物全体に対して、5質量%未満であることが好ましい。前記炭素数が6~45の化合物の含有量が少なすぎると、樹脂組成物の粘着性を高め、樹脂組成物の硬化物の層間接着性を高めるという効果を充分に発揮できない傾向がある。
前記脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-イコセン、1-ドコセン、1-テトラコセン、1,13-テトラデカジエン、及び下記式(14)で表される化合物等が挙げられる。前記脂肪族炭化水素化合物としては、これらの例示化合物に限らず、前記式(1)で表される脂肪族炭化水素化合物であればよく、これらの化合物を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 0007450136000015
(硬化剤)
前記樹脂組成物には、硬化剤を含有することが好ましい。前記硬化剤としては、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物と前記脂肪族炭化水素化合物とを含む樹脂組成物の硬化に寄与する化合物であれば、特に限定されない。また、前記硬化剤としては、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物と前記脂肪族炭化水素化合物とを含む樹脂組成物中に架橋を形成させて、前記樹脂組成物を硬化させる架橋型硬化剤であることが好ましい。
前記硬化剤としては、例えば、分子中に炭素-炭素不飽和二重結合を2個以上有する架橋型硬化剤、アルケニルイソシアヌレート化合物、スチレン、スチレン誘導体、分子中にアリル基を少なくとも1つ以上有するアリル化合物、分子中にマレイミド基を少なくとも1つ以上有するマレイミド化合物、及び分子中にアセナフチレン構造を有するアセナフチレン化合物等が挙げられる。
前記分子中に炭素-炭素不飽和二重結合を2個以上有する化合物としては、分子中にアリル基を2個以上有する多官能アリル化合物、分子中にメタクリロイル基を2個以上有する多官能メタクリレート化合物、分子中にアクリロイル基を2個以上有する多官能アクリレート化合物、分子中にビニル基を2個以上有する多官能ビニル化合物、及び分子中にビニルフェニル基を2個以上有する多官能ビニルフェニル化合物等が挙げられる。
前記多官能ビニル化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、及びポリブタジエン等が挙げられる。
前記アルケニルイソシアヌレート化合物としては、イソシアヌレート構造及びアルケニル基を分子中に有する化合物であればよく、例えば、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)等のトリアルケニルイソシアヌレート化合物等が挙げられる。
前記多官能メタクリレート化合物としては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート等が挙げられる。
前記スチレン誘導体としては、ブロモスチレン及びジブロモスチレン等が挙げられる。
前記マレイミド化合物としては、マレイミド基を分子中に2個以上有する化合物、マレイミド基を分子中に1個有する化合物、及び変性マレイミド化合物等が挙げられる。この中でも、マレイミド基を分子中に2個有する化合物が好ましく用いられる。前記変性マレイミド化合物としては、例えば、分子中の一部がアミン変性された変性マレイミド化合物、分子中の一部がシリコーン変性された変性マレイミド化合物、及び分子中の一部がアミン変性及びシリコーン変性された変性マレイミド化合物等が挙げられる。
前記硬化剤は、上記の中でも、前記アルケニルイソシアヌレート化合物、前記多官能アリル化合物、前記多官能アクリレート化合物、前記多官能メタクリレート化合物、前記多官能ビニル化合物、及び前記マレイミド化合物が、前記樹脂組成物の硬化物の耐熱性をより高めることができる点で好ましく、炭素-炭素不飽和二重結合を2個以上有し、数平均分子量が400未満である架橋型硬化剤、及び前記マレイミド化合物がより好ましい。このことは、これらの硬化剤を用いることによって、硬化反応により、前記樹脂組成物の架橋がより好適に形成されることによると考えられる。前記数平均分子量が400未満である架橋型硬化剤としては、前記多官能アリル化合物、前記多官能ビニルフェニル化合物、前記多官能メタクリレート化合物、及びビニル基を分子中に3個以上有する化合物が好ましく用いられる。
前記硬化剤は、例示した硬化剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記硬化剤としては、前記分子中に不飽和二重結合を2個以上有する化合物等の、上記に例示した硬化剤だけではなく、分子中に不飽和二重結合を1個有する化合物を併用してもよい。前記分子中に不飽和二重結合を1個有する化合物としては、例えば、分子中にビニル基を1個有するモノビニル化合物等が挙げられる。
(含有量)
前記変性ポリフェニレンエーテル化合物の含有量が、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物、前記脂肪族炭化水素化合物、及び前記硬化剤の合計質量(前記硬化剤を含まない場合は、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物、及び前記脂肪族炭化水素化合物の合計質量)100質量部に対して、50~97質量部であることが好ましく、60~95質量部であることがより好ましい。前記変性ポリフェニレンエーテル化合物の含有量が少なすぎると、低誘電正接を充分に発揮できない傾向がある。また、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物の含有量が多すぎると、前記脂肪族炭化水素化合物及び前記硬化剤の少なくともいずれかの含有量が少なくなる傾向がある。すなわち、前記脂肪族炭化水素化合物の含有量が少なくなりすぎる場合は、前記脂肪族炭化水素化合物を含有することによる効果、すなわち、樹脂組成物の粘着性を高め、樹脂組成物の硬化物の層間接着性を高めるという効果を充分に奏することができなくなる傾向がある。また、前記硬化剤の含有量が少なくなりすぎる場合は、耐熱性を高める等の、前記硬化剤を含有することによる効果を充分に奏することができなくなる傾向がある。
前記脂肪族炭化水素化合物の含有量が、前記合計質量100質量部に対して、3~50質量部であることが好ましく、5~40質量部であることがより好ましい。前記脂肪族炭化水素化合物の含有量が少なすぎると、前記脂肪族炭化水素化合物を含有することによる効果、すなわち、樹脂組成物の粘着性を高め、樹脂組成物の硬化物の層間接着性を高めるという効果を充分に奏することができなくなる傾向がある。前記脂肪族炭化水素化合物の含有量が多すぎると、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物及び前記硬化剤の少なくともいずれかの含有量が少なくなる傾向がある。すなわち、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物の含有量が少なくなりすぎる場合は、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物を含有することによる効果を充分に奏することができなくなり、例えば、樹脂組成物のガラス転移温度が低くなる傾向がある。また、前記硬化剤の含有量が少なくなりすぎる場合は、前記脂肪族炭化水素化合物を含有することによる効果、すなわち、樹脂組成物の粘着性を高め、樹脂組成物の硬化物の層間接着性を高めるという効果は充分に奏することができるものの、樹脂組成物のガラス転移温度が低くなる傾向がある。
前記樹脂組成物には、前記硬化剤を含んでいなくてもよく、前記硬化剤を含む場合には、前記硬化剤の含有量は、前記合計質量100質量部に対して、3~50質量部であることが好ましく、5~40質量部であることがより好ましい。前記硬化剤の含有量が少なすぎると、耐熱性を高める等の、前記硬化剤を含有することによる効果を充分に奏することができなくなる傾向がある。前記硬化剤の含有量が多すぎると、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物及び前記脂肪族炭化水素化合物の少なくともいずれかの含有量が少なくなる傾向がある。すなわち、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物の含有量が少なくなりすぎる場合は、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物を含有することによる効果を充分に奏することができなくなり、例えば、樹脂組成物のガラス転移温度が低くなる傾向がある。また、前記脂肪族炭化水素化合物の含有量が少なくなりすぎる場合は、前記脂肪族炭化水素化合物を含有することによる効果を充分に奏することができなくなる傾向がある。
以上のことから、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物、前記脂肪族炭化水素化合物、及び前記硬化剤の各含有量が、上記範囲内であれば、得られた樹脂組成物が、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性が高いだけではなく、耐熱性も高い硬化物が得られる。
(その他の成分)
前記樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物、前記脂肪族炭化水素化合物、及び前記硬化剤以外の成分(その他の成分)を含有してもよい。前記樹脂組成物に含有されるその他の成分としては、例えば、シランカップリング剤、難燃剤、開始剤、消泡剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、染料や顔料、滑剤、及び無機充填材等の添加剤をさらに含んでもよい。また、前記樹脂組成物には、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物以外にも、未変性のポリフェニレンエーテル、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及び熱硬化性ポリイミド樹脂等の樹脂を含有してもよい。
前記樹脂組成物は、上述したように、シランカップリング剤を含有してもよい。シランカップリング剤は、樹脂組成物に含有してもよいし、樹脂組成物に含有されている無機充填材に予め表面処理されたシランカップリング剤として含有していてもよい。この中でも、前記シランカップリング剤としては、無機充填材に予め表面処理されたシランカップリング剤として含有することが好ましく、このように無機充填材に予め表面処理されたシランカップリング剤として含有し、さらに、樹脂組成物にもシランカップリング剤を含有させることがより好ましい。また、プリプレグの場合、そのプリプレグには、繊維質基材に予め表面処理されたシランカップリング剤として含有していてもよい。
前記シランカップリング剤としては、例えば、ビニル基、スチリル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、フェニルアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するシランカップリング剤等が挙げられる。すなわち、このシランカップリング剤は、反応性官能基として、ビニル基、スチリル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、及びフェニルアミノ基のうち、少なくとも1つを有し、さらに、メトキシ基やエトキシ基等の加水分解性基を有する化合物等が挙げられる。
前記シランカップリング剤としては、ビニル基を有するものとして、例えば、ビニルトリエトキシシラン、及びビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。前記シランカップリング剤としては、スチリル基を有するものとして、例えば、p-スチリルトリメトキシシラン、及びp-スチリルトリエトキシシラン等が挙げられる。前記シランカップリング剤としては、メタクリロイル基を有するものとして、例えば、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、及び3-メタクリロキシプロピルエチルジエトキシシラン等が挙げられる。前記シランカップリング剤としては、アクリロイル基を有するものとして、例えば、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及び3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。前記シランカップリング剤としては、フェニルアミノ基を有するものとして、例えば、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン及びN-フェニル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記樹脂組成物は、上述したように、難燃剤を含有してもよい。難燃剤を含有することによって、樹脂組成物の硬化物の難燃性を高めることができる。前記難燃剤は、特に限定されない。具体的には、臭素系難燃剤等のハロゲン系難燃剤を使用する分野では、例えば、融点が300℃以上のエチレンジペンタブロモベンゼン、エチレンビステトラブロモイミド、デカブロモジフェニルオキサイド、及びテトラデカブロモジフェノキシベンゼンが好ましい。ハロゲン系難燃剤を使用することにより、高温時におけるハロゲンの脱離が抑制でき、耐熱性の低下を抑制できると考えられる。また、ハロゲンフリーが要求される分野では、リン酸エステル系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤、ビスジフェニルホスフィンオキサイド系難燃剤、及びホスフィン酸塩系難燃剤が挙げられる。リン酸エステル系難燃剤の具体例としては、ジキシレニルホスフェートの縮合リン酸エステルが挙げられる。ホスファゼン系難燃剤の具体例としては、フェノキシホスファゼンが挙げられる。ビスジフェニルホスフィンオキサイド系難燃剤の具体例としては、キシリレンビスジフェニルホスフィンオキサイドが挙げられる。ホスフィン酸塩系難燃剤の具体例としては、例えば、ジアルキルホスフィン酸アルミニウム塩のホスフィン酸金属塩が挙げられる。前記難燃剤としては、例示した各難燃剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記樹脂組成物には、上述したように、開始剤(反応開始剤)を含有してもよい。前記樹脂組成物は、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物と前記脂肪族炭化水素化合物とからなるものであっても、硬化反応は進行し得る。しかしながら、プロセス条件によっては硬化が進行するまで高温にすることが困難な場合があるので、反応開始剤を添加してもよい。反応開始剤は、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物の硬化反応を促進することができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、α,α’-ジ(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3-ヘキシン、過酸化ベンゾイル、及びジクミルパーオキサイド等の、有機過酸化物、3,3’,5,5’-テトラメチル-1,4-ジフェノキノン、クロラニル、2,4,6-トリ-t-ブチルフェノキシル、t-ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、及びアゾビスイソブチロニトリル等の酸化剤、及びルイス酸等のカチオン重合触媒が挙げられる。前記ルイス酸としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、及び三ヨウ化亜鉛等が挙げられる。また、必要に応じて、カルボン酸金属塩等を併用することができる。そうすることによって、硬化反応を一層促進させるができる。これらの中でも、α,α’-ジ(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンが好ましく用いられる。α,α’-ジ(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンは、反応開始温度が比較的に高いため、プリプレグ乾燥時等の硬化する必要がない時点での硬化反応の促進を抑制することができ、前記樹脂組成物の保存性の低下を抑制することができる。さらに、α,α’-ジ(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンは、揮発性が低いため、プリプレグ乾燥時や保存時に揮発せず、安定性が良好である。また、反応開始剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記樹脂組成物には、上述したように、無機充填材等の充填材を含有してもよい。充填材としては、樹脂組成物の硬化物の、耐熱性及び難燃性を高めるために添加するもの等が挙げられ、特に限定されない。また、充填材を含有させることによって、耐熱性及び難燃性等をさらに高めることができる。充填材としては、具体的には、球状シリカ等のシリカ、アルミナ、酸化チタン、及びマイカ等の金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、タルク、ホウ酸アルミニウム、硫酸バリウム、及び炭酸カルシウム等が挙げられる。また、充填材としては、この中でも、シリカ、マイカ、及びタルクが好ましく、球状シリカがより好ましい。また、充填材は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、充填材としては、そのまま用いてもよいし、前記シランカップリング剤で表面処理したものを用いてもよい。また、充填材を含有する場合、その含有率(フィラーコンテンツ)は、前記樹脂組成物に対して、30~270質量%であることが好ましく、50~250質量%であることがより好ましい。
(製造方法)
前記樹脂組成物を製造する方法は、前記樹脂組成物を製造することができれば、特に限定されない。前記樹脂組成物を製造する方法としては、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物、及び前記脂肪族炭化水素化合物と、必要に応じて、前記硬化剤及び前記他の成分とを、所定の含有量となるように混合する方法等が挙げられる。具体的には、有機溶媒を含むワニス状の組成物を得る場合は、後述する方法等が挙げられる。
また、本実施形態に係る樹脂組成物を用いることによって、以下のように、プリプレグ、金属張積層板、配線板、樹脂付き金属箔、及び樹脂付きフィルムを得ることができる。
[プリプレグ]
本実施形態に係るプリプレグ1は、図1に示すように、前記樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物2と、繊維質基材3とを備える。このプリプレグ1は、前記樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物2と、前記樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物2の中に存在する繊維質基材3とを備える。なお、図1は、本発明の実施形態に係るプリプレグ1の一例を示す概略断面図である。
なお、本実施形態において、半硬化物とは、樹脂組成物をさらに硬化しうる程度に途中まで硬化された状態のものである。すなわち、半硬化物は、樹脂組成物を半硬化した状態の(Bステージ化された)ものである。例えば、樹脂組成物は、加熱すると、最初、粘度が徐々に低下し、その後、硬化が開始し、その後、硬化が開始し、粘度が徐々に上昇する。このような場合、半硬化としては、粘度が上昇し始めてから、完全に硬化する前の間の状態等が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物を用いて得られるプリプレグとしては、上記のような、前記樹脂組成物の半硬化物を備えるものであってもよいし、また、硬化させていない前記樹脂組成物そのものを備えるものであってもよい。すなわち、前記樹脂組成物の半硬化物(Bステージの前記樹脂組成物)と、繊維質基材とを備えるプリプレグであってもよいし、硬化前の前記樹脂組成物(Aステージの前記樹脂組成物)と、繊維質基材とを備えるプリプレグであってもよい。また、前記樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物としては、前記樹脂組成物を乾燥又は加熱乾燥させたものであってもよい。
プリプレグを製造する際には、プリプレグを形成するための基材である繊維質基材3に含浸するために、樹脂組成物2は、ワニス状に調製されて用いられることが多い。すなわち、樹脂組成物2は、通常、ワニス状に調製された樹脂ワニスであることが多い。このようなワニス状の樹脂組成物(樹脂ワニス)は、例えば、以下のようにして調製される。
まず、有機溶媒に溶解できる各成分を、有機溶媒に投入して溶解させる。この際、必要に応じて、加熱してもよい。その後、必要に応じて用いられる、有機溶媒に溶解しない成分を添加して、ボールミル、ビーズミル、プラネタリーミキサー、ロールミル等を用いて、所定の分散状態になるまで分散させることにより、ワニス状の樹脂組成物が調製される。ここで用いられる有機溶媒としては、前記重合体、及び前記単官能マレイミド化合物等を溶解させ、硬化反応を阻害しないものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、トルエンやメチルエチルケトン(MEK)等が挙げられる。
前記プリプレグの製造方法は、前記プリプレグを製造することができれば、特に限定されない。具体的には、プリプレグを製造する際には、上述した本実施形態で用いる樹脂組成物は、上述したように、ワニス状に調製し、樹脂ワニスとして用いられることが多い。
前記繊維質基材としては、具体的には、例えば、ガラスクロス、アラミドクロス、ポリエステルクロス、ガラス不織布、アラミド不織布、ポリエステル不織布、パルプ紙、及びリンター紙が挙げられる。なお、ガラスクロスを用いると、機械強度が優れた積層板が得られ、特に偏平処理加工したガラスクロスが好ましい。偏平処理加工として、具体的には、例えば、ガラスクロスを適宜の圧力でプレスロールにて連続的に加圧してヤーンを偏平に圧縮する方法が挙げられる。なお、一般的に使用される繊維質基材の厚さは、例えば、0.01mm以上、0.3mm以下である。
前記プリプレグの製造方法は、前記プリプレグを製造することができれば、特に限定されない。具体的には、プリプレグを製造する際には、上述した本実施形態に係る樹脂組成物は、上述したように、ワニス状に調製し、樹脂ワニスとして用いられることが多い。
プリプレグ1を製造する方法としては、例えば、樹脂組成物2、例えば、ワニス状に調製された樹脂組成物2を繊維質基材3に含浸させた後、乾燥する方法が挙げられる。樹脂組成物2は、繊維質基材3へ、浸漬及び塗布等によって含浸される。必要に応じて複数回繰り返して含浸することも可能である。また、この際、組成や濃度の異なる複数の樹脂組成物を用いて含浸を繰り返すことにより、最終的に希望とする組成及び含浸量に調整することも可能である。
樹脂組成物(樹脂ワニス)2が含浸された繊維質基材3は、所望の加熱条件、例えば、80℃以上180℃以下で1分間以上10分間以下加熱される。加熱によって、硬化前(Aステージ)又は半硬化状態(Bステージ)のプリプレグ1が得られる。なお、前記加熱によって、前記樹脂ワニスから有機溶媒を揮発させ、有機溶媒を減少又は除去させることができる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性の高い硬化物が好適に得られる樹脂組成物である。このため、この樹脂組成物又はこの樹脂組成物の半硬化物を備えるプリプレグは、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性の高い硬化物が好適に得られるプリプレグである。そして、このプリプレグは、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性の高い絶縁層を備える配線板を製造することができるプリプレグである。この配線板は、配線の剥離及び絶縁層間剥離を充分に抑制できる。
[金属張積層板]
金属張積層板11は、図2に示すように、図1に示したプリプレグ1の硬化物を含む絶縁層12と、絶縁層12とともに積層される金属箔13とから構成されている。すなわち、金属張積層板11は、樹脂組成物の硬化物を含む絶縁層12と、絶縁層12の上に設けられた金属箔13とを有する。また、絶縁層12は、前記樹脂組成物の硬化物からなるものであってもよいし、前記プリプレグの硬化物からなるものであってもよい。なお、図2は、本発明の実施形態に係る金属張積層板11の一例を示す概略断面図である。
前記金属箔13の厚みは、最終的に得られる配線板に求められる性能等に応じて異なり、特に限定されない。金属箔13の厚みは、所望の目的に応じて、適宜設定することができ、例えば、0.2~70μmであることが好ましい。また、前記金属箔13としては、例えば、銅箔及びアルミニウム箔等が挙げられ、前記金属箔が薄い場合は、ハンドリング性を向上のために剥離層及びキャリアを備えたキャリア付銅箔であってもよい。
前記金属張積層板11を製造する方法としては、前記金属張積層板11を製造することができれば、特に限定されない。具体的には、プリプレグ1を用いて金属張積層板11を作製する方法が挙げられる。この方法としては、プリプレグ1を1枚又は複数枚重ね、さらに、その上下の両面又は片面に銅箔等の金属箔13を重ね、金属箔13およびプリプレグ1を加熱加圧成形して積層一体化することによって、両面金属箔張り又は片面金属箔張りの積層板11を作製する方法等が挙げられる。すなわち、金属張積層板11は、プリプレグ1に金属箔13を積層して、加熱加圧成形して得られる。また、加熱加圧条件は、製造する金属張積層板11の厚みやプリプレグ1の組成物の種類等により適宜設定することができる。例えば、温度を170~230℃、圧力を1~5MPa、時間を60~150分間とすることができる。また、前記金属張積層板は、プリプレグを用いずに製造してもよい。例えば、ワニス状の樹脂組成物を金属箔上に塗布し、金属箔上に樹脂組成物を含む層を形成した後に、加熱加圧する方法等が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性の高い硬化物が好適に得られる樹脂組成物である。このため、この樹脂組成物の硬化物を含む絶縁層を備える金属張積層板は、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性の高い絶縁層を備える金属張積層板である。この金属張積層板は、金属箔の剥離及び絶縁層間剥離を充分に抑制できる。よって、この金属張積層板を用いることによって、誘電率及び誘電正接が低い絶縁層を有し、配線の剥離及び絶縁層間剥離を充分に抑制できる配線板が得られる。
[配線板]
本実施形態に係る配線板21は、図3に示すように、図1に示したプリプレグ1を硬化して用いられる絶縁層12と、絶縁層12ともに積層され、金属箔13を部分的に除去して形成された配線14とから構成されている。すなわち、前記配線板21は、樹脂組成物の硬化物を含む絶縁層12と、絶縁層12の上に設けられた配線14とを有する。また、絶縁層12は、前記樹脂組成物の硬化物からなるものであってもよいし、前記プリプレグの硬化物からなるものであってもよい。なお、図3は、本発明の実施形態に係る配線板21の一例を示す概略断面図である。
前記配線板21を製造する方法は、前記配線板21を製造することができれば、特に限定されない。具体的には、前記プリプレグ1を用いて配線板21を作製する方法等が挙げられる。この方法としては、例えば、上記のように作製された金属張積層板11の表面の金属箔13をエッチング加工等して配線形成をすることによって、絶縁層12の表面に回路として配線が設けられた配線板21を作製する方法等が挙げられる。すなわち、配線板21は、金属張積層板11の表面の金属箔13を部分的に除去することにより回路形成して得られる。また、回路形成する方法としては、上記の方法以外に、例えば、セミアディティブ法(SAP:Semi Additive Process)やモディファイドセミアディティブ法(MSAP:Modified Semi Additive Process)による回路形成等が挙げられる。配線板21は、ガラス転移温度が高く、吸水率が低く、及び吸水後であっても、吸水による、誘電率及び誘電正接の上昇を充分に抑制した絶縁層12を有する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性の高い硬化物が好適に得られる樹脂組成物である。このため、この樹脂組成物の硬化物を含む絶縁層を備える配線板は、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性の高い絶縁層を備える配線板である。そして、この配線板は、配線の剥離及び絶縁層間剥離を充分に抑制できる。
[樹脂付き金属箔]
本実施形態に係る樹脂付き金属箔31は、図4に示すように、前記樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物を含む樹脂層32と、金属箔13とを備える。この樹脂付き金属箔31は、前記樹脂層32の表面上に金属箔13を有する。すなわち、この樹脂付き金属箔31は、前記樹脂層32と、前記樹脂層32とともに積層される金属箔13とを備える。また、前記樹脂付き金属箔31は、前記樹脂層32と前記金属箔13との間に、他の層を備えていてもよい。なお、図4は、本実施の形態に係る樹脂付き金属箔31の一例を示す概略断面図である。
前記樹脂層32としては、上記のような、前記樹脂組成物の半硬化物を含むものであってもよいし、また、硬化させていない前記樹脂組成物を含むものであってもよい。すなわち、前記樹脂付き金属箔31は、前記樹脂組成物の半硬化物(Bステージの前記樹脂組成物)を含む樹脂層と、金属箔とを備えるであってもよいし、硬化前の前記樹脂組成物(Aステージの前記樹脂組成物)を含む樹脂層と、金属箔とを備える樹脂付き金属箔であってもよい。また、前記樹脂層としては、前記樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物を含んでいればよく、繊維質基材を含んでいても、含んでいなくてもよい。また、前記樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物としては、前記樹脂組成物を乾燥又は加熱乾燥させたものであってもよい。また、繊維質基材としては、プリプレグの繊維質基材と同様のものを用いることができる。
前記金属箔としては、金属張積層板に用いられる金属箔を限定なく用いることができる。金属箔としては、例えば、銅箔及びアルミニウム箔等が挙げられる。
前記樹脂付き金属箔31及び前記樹脂付きフィルム41は、必要に応じて、カバーフィル等を備えてもよい。カバーフィルムを備えることにより、異物の混入等を防ぐことができる。前記カバーフィルムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、及びこれらのフィルムに離型剤層を設けて形成されたフィルム等が挙げられる。
前記樹脂付き金属箔31を製造する方法は、前記樹脂付き金属箔31を製造することができれば、特に限定されない。前記樹脂付き金属箔31の製造方法としては、上記ワニス状の樹脂組成物(樹脂ワニス)を金属箔13上に塗布し、加熱することにより製造する方法等が挙げられる。ワニス状の樹脂組成物は、例えば、バーコーターを用いることにより、金属箔13上に塗布される。塗布された樹脂組成物は、例えば、40℃以上180℃以下、1秒以上10分以下の条件で加熱される。加熱された樹脂組成物は、未硬化の樹脂層32として、金属箔13上に形成される。なお、前記加熱によって、前記樹脂ワニスから有機溶媒を揮発させ、有機溶媒を減少又は除去させることができる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性の高い硬化物が好適に得られる樹脂組成物である。このため、この樹脂組成物又はこの樹脂組成物の半硬化物を含む樹脂層を備える樹脂付き金属箔は、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性の高い硬化物が好適に得られる樹脂付き金属箔である。そして、この樹脂付き金属箔は、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性の高い絶縁層を備える配線板を製造する際に用いることができる。例えば、配線板の上に積層することによって、多層の配線板を製造することができる。このような樹脂付き金属箔を用いて得られた配線板としては、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性の高い絶縁層を備える配線板が得られる。この配線板は、配線の剥離及び絶縁層間剥離を充分に抑制できる。
[樹脂付きフィルム]
本実施形態に係る樹脂付きフィルム41は、図5に示すように、前記樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物を含む樹脂層42と、支持フィルム43とを備える。この樹脂付きフィルム41は、前記樹脂層42と、前記樹脂層42とともに積層される支持フィルム43とを備える。また、前記樹脂付きフィルム41は、前記樹脂層42と前記支持フィルム43との間に、他の層を備えていてもよい。なお、図5は、本実施の形態に係る樹脂付きフィルム41の一例を示す概略断面図である。
前記樹脂層42としては、上記のような、前記樹脂組成物の半硬化物を含むものであってもよいし、また、硬化させていない前記樹脂組成物を含むものであってもよい。すなわち、前記樹脂付きフィルム41は、前記樹脂組成物の半硬化物(Bステージの前記樹脂組成物)を含む樹脂層と、支持フィルムとを備えるであってもよいし、硬化前の前記樹脂組成物(Aステージの前記樹脂組成物)を含む樹脂層と、支持フィルムとを備える樹脂付きフィルムであってもよい。また、前記樹脂層としては、前記樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物を含んでいればよく、繊維質基材を含んでいても、含んでいなくてもよい。また、前記樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物としては、前記樹脂組成物を乾燥又は加熱乾燥させたものであってもよい。また、繊維質基材としては、プリプレグの繊維質基材と同様のものを用いることができる。
前記支持フィルム43としては、樹脂付きフィルムに用いられる支持フィルムを限定なく用いることができる。前記支持フィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリイミドフィルム、ポリパラバン酸フィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、及びポリアリレートフィルム等の電気絶縁性フィルム等が挙げられる。
前記樹脂付きフィルム41は、必要に応じて、カバーフィルム等を備えてもよい。カバーフィルムを備えることにより、異物の混入等を防ぐことができる。前記カバーフィルムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム、及びポリメチルペンテンフィルム等が挙げられる。
前記支持フィルム及びカバーフィルムとしては、必要に応じて、マット処理、コロナ処理、離型処理、及び粗化処理等の表面処理が施されたものであってもよい。
前記樹脂付きフィルム41を製造する方法は、前記樹脂付きフィルム41を製造することができれば、特に限定されない。前記樹脂付きフィルム41の製造方法は、例えば、上記ワニス状の樹脂組成物(樹脂ワニス)を支持フィルム43上に塗布し、加熱することにより製造する方法等が挙げられる。ワニス状の樹脂組成物は、例えば、バーコーターを用いることにより、支持フィルム43上に塗布される。塗布された樹脂組成物は、例えば、40℃以上180℃以下、1秒以上10分以下の条件で加熱される。加熱された樹脂組成物は、未硬化の樹脂層42として、支持フィルム43上に形成される。なお、前記加熱によって、前記樹脂ワニスから有機溶媒を揮発させ、有機溶媒を減少又は除去させることができる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性の高い硬化物が好適に得られる樹脂組成物である。このため、この樹脂組成物又はこの樹脂組成物の半硬化物を含む樹脂層を備える樹脂付きフィルムは、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性の高い硬化物が好適に得られる樹脂付きフィルムである。そして、この樹脂付きフィルムは、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性の高い絶縁層を備える配線板を製造する際に用いることができる。例えば、配線板の上に積層した後に、支持フィルムを剥離すること、又は、支持フィルムを剥離した後に、配線板の上に積層することによって、多層の配線板を製造することができる。このような樹脂付きフィルムを用いて得られた配線板としては、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性の高い絶縁層を備える配線板が得られる。この配線板は、配線の剥離及び絶縁層間剥離を充分に抑制できる。
前記プリプレグ、前記樹脂付き金属箔、前記樹脂付きフィルム、及び前記金属張積層板は、それぞれを単独で用いることによって、前記配線板を製造してもよいし、これらのうちの2種以上を組み合わせて用いることによって、前記配線板を製造してもよい。
本明細書は、上記のように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基に末端変性された変性ポリフェニレンエーテル化合物と、下記式(1)で表される脂肪族炭化水素化合物とを含有する樹脂組成物である。
Figure 0007450136000016
式(1)中、Rは、炭素数4以上のアルキル基又は炭素数4以上のアルケニル基を示し、R~Rは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を示す。
このような構成によれば、誘電率及び誘電正接が低い樹脂組成物において、層間接着性の高い硬化物が得られる樹脂組成物を提供することができる。
このことは、以下のことによると考えられる。
まず、前記樹脂組成物は、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物を、前記脂肪族炭化水素化合物とともに架橋することで、ポリフェニレンエーテルの有する優れた低誘電特性を維持した硬化物が得られると考えられる。
前記脂肪族炭化水素化合物は、前記樹脂組成物に含有させると、前記樹脂組成物の粘着性を好適に高めることができると考えられる。よって、前記脂肪族炭化水素化合物は、前記樹脂組成物に含有させると、硬化物の層間接着性を好適に高めることができると考えられる。また、前記樹脂組成物を用いることによって、層間接着性に優れた金属張積層板が得られる。具体的には、前記樹脂組成物の硬化物を含む絶縁層から金属箔が剥離することを充分に抑制でき、また、絶縁層を多層で構成したときの絶縁層間剥離を充分に抑制することができる。また、前記樹脂組成物を用いて配線板を製造することによって、配線の剥離及び絶縁層間剥離を充分に抑制できる層間接着性に優れた配線板が得られる。
また、前記樹脂組成物において、前記脂肪族炭化水素化合物が、炭素数6~45の化合物を含むことが好ましい。
このような構成によれば、前記樹脂組成物の硬化物の層間接着性をより高めることができる。このことは、前記炭素数6~45の化合物が、粘着性をより高めることができることによると考えられる。
また、前記樹脂組成物において、前記炭素数6~45の化合物の含有量が、前記脂肪族炭化水素化合物全体に対して、95質量%以上であることが好ましい。
このような構成によれば、前記樹脂組成物の硬化物の層間接着性をより高めることができる。このことは、粘着性をより高めることができる前記炭素数6~45の化合物を多く含有することによると考えられる。
また、前記樹脂組成物において、前記脂肪族炭化水素化合物が、前記R及び前記Rが水素原子である化合物を含むことが好ましい。
このような構成によれば、前記樹脂組成物の硬化物の層間接着性をより高めることができる。このことは、前記R及び前記Rが水素原子である化合物が、粘着性をより高めることができることによると考えられる。
また、前記樹脂組成物において、硬化剤をさらに含有し、前記硬化剤が、炭素-炭素不飽和二重結合を分子中に2個以上有し、数平均分子量が400未満である架橋型硬化剤、及びマレイミド基を分子中に有するマレイミド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
このような構成によれば、前記樹脂組成物の硬化物の耐熱性を高めることができる。
また、前記樹脂組成物において、前記架橋型硬化剤が、アリル基を分子中に2個以上有する化合物、ビニルフェニル基を分子中に2個以上有する化合物、メタクリロイル基を分子中に2個以上有する化合物、及びビニル基を分子中に3個以上有する化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。また、前記マレイミド化合物が、マレイミド基を分子中に2個以上有する化合物、及びマレイミド基を分子中に1個有し、数平均分子量が200未満である化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
このような構成によれば、前記樹脂組成物の硬化物の耐熱性をより高めることができる。
また、前記樹脂組成物において、前記脂肪族炭化水素化合物の含有量は、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物、前記脂肪族炭化水素化合物、及び前記硬化剤の合計質量100質量部に対して、5~50質量部であることが好ましい。
このような構成によれば、前記樹脂組成物の硬化物において、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性が高いだけではなく、耐熱性も高くすることができる。
また、前記樹脂組成物において、前記硬化剤の含有量は、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物、前記脂肪族炭化水素化合物、及び前記硬化剤の合計質量100質量部に対して、5~50質量部であることが好ましい。
このような構成によれば、前記樹脂組成物の硬化物において、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性が高いだけではなく、耐熱性も高くすることができる。
また、本発明の他の一態様に係るプリプレグは、前記樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物と、繊維質基材とを備えるプリプレグである。
このような構成によれば、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性の高い硬化物が得られるプリプレグを提供することができる。
また、本発明の他の一態様に係る樹脂付きフィルムは、前記樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物を含む樹脂層と、支持フィルムとを備える樹脂付きフィルムである。
このような構成によれば、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性の高い硬化物が得られる樹脂付きフィルムを提供することができる。
また、本発明の他の一態様に係る樹脂付き金属箔は、前記樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物を含む樹脂層と、金属箔とを備える樹脂付き金属箔である。
このような構成によれば、誘電率及び誘電正接が低く、かつ、層間接着性の高い硬化物が得られる樹脂付き金属箔を提供することができる。
また、本発明の他の一態様に係る金属張積層板は、前記樹脂組成物の硬化物又は前記プリプレグの硬化物を含む絶縁層と、金属箔とを備える金属張積層板である。
このような構成によれば、誘電率及び誘電正接が低い絶縁層を備え、層間接着性の高い金属張積層板を提供することができる。前記金属張積層板は、前記絶縁層からの前記金属箔の剥離、及び、前記絶縁層を多層で構成したときの絶縁層間剥離を充分に抑制することができる。
また、本発明の他の一態様に係る配線板は、前記樹脂組成物の硬化物又は前記プリプレグの硬化物を含む絶縁層と、配線とを備える配線板である。
このような構成によれば、誘電率及び誘電正接が低い絶縁層を備え、層間接着性の高い配線板を提供することができる。前記配線板は、前記絶縁層からの前記配線の剥離、及び、前記絶縁層を多層で構成したときの絶縁層間剥離を充分に抑制することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
[実施例1~14、及び比較例1~4]
本実施例において、樹脂組成物を調製する際に用いる各成分について説明する。
(ポリフェニレンエーテル成分:PPE)
変性PPE-1:ポリフェニレンエーテルの末端水酸基をメタクリロイル基で変性した変性ポリフェニレンエーテル(上記式(13)で表され、式(13)中のRがメチル基であり、式(13)の中のYがジメチルメチレン基(式(10)で表され、式(10)中のR36及びR37がメチル基である基)である変性ポリフェニレンエーテル化合物、SABICイノベーティブプラスチックス社製のSA9000、重量平均分子量Mw2000、末端官能基数2個)
変性PPE-2:末端にビニルベンジル基(エテニルベンジル基)を有する変性ポリフェニレンエーテル化合物(三菱ガス化学株式会社製のOPE-2st 1200、Mw1400、上記式(11)で表され、Zが、フェニレン基であり、R~Rが水素原子であり、pが0である変性ポリフェニレンエーテル化合物)
未変性PPE:ポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス社製のSA90、固有粘度(IV)0.083dl/g、末端水酸基数2個、重量平均分子量Mw1700)
(芳香族炭化水素化合物)
リニアレン6:1-ヘキセン(出光興産株式会社製のリニアレン6)
リニアレン18:1-オクタデセン(出光興産株式会社製のリニアレン18)
リニアレン2024:1-オクタデセン:5質量%以下、1-イコセン:40~60質量%、1-ドコセン:25~50質量%、1-テトラコセン:18質量%以下、炭素数が26以上の成分:1質量%以下の混合物(出光興産株式会社製のリニアレン2024)
A-20:上記式(14)で表される化合物(豊国製油株式会社製のA-20)
1,13-テトラデカジエン:東京化成工業株式会社製の1,13-テトラデカジエン
(ポリブタジエン)
B-1000:ポリブタジエン(日本曹達株式会社製のB-1000)
TAIC:トリアリルイソシアヌレート(日本化成株式会社製のTAIC)
DVB-810:ジビニルベンゼン(新日鐵住金株式会社製のDVB-810)
BMI-5100:3,3-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド(分子中にマレイミド基を2個有する二官能マレイミド化合物、大和化成工業株式会社製のBMI-5100)
分子中にマレイミド基を1個有する単官能マレイミド化合物(株式会社日本触媒製のイミレックスC)
スチレン:東京化成工業株式会社製のスチレン
有機過酸化物:ジクミルパーオキサイド(日油株式会社製のパークミルD)
無機フィラー:ビニルシラン処理されたシリカ(株式会社アドマテックス製のSV-C2、平均粒径:1.5μm)
(調製方法)
まず、無機フィラー以外の上記各成分を表1及び表2に記載の組成(質量部)で、固形分濃度が55質量%となるように、トルエンに添加し、混合させた。その混合物を60分間攪拌した。その後、得られた液体に充填材を添加し、ビーズミルで充填材を分散させた。そうすることによって、ワニス状の樹脂組成物(ワニス)が得られた。
次に、得られたワニスを繊維質基材(ガラスクロス:旭化成株式会社製のL2116、#2116タイプ、Lガラス)に含浸させた後、110℃で約3~8分間加熱乾燥することによりプリプレグを作製した。その際、変性ポリフェニレンエーテル化合物、及び硬化剤等の、硬化反応により樹脂を構成する成分の、プリプレグに対する含有量(レジンコンテント)が約55質量%となるように調整した。
また、得られた各プリプレグを6枚重ね合わせ、その両側に、銅箔(古河電気工業株式会社製のFV-WS、厚み18μm)を配置した。これを被圧体とし、温度200℃、120分間、圧力3MPaの条件で加熱加圧することにより、両面に銅箔が接着された評価基板(金属張積層板)を得た。
前記金属張積層板からエッチングにより銅箔を除去した。そうすることによって、評価基板(金属張積層板の銅箔をエッチングした基板)を得た。
上記のように調製された、プリプレグ、及び評価基板(金属張積層板、金属張積層板の銅箔をエッチングした基板)を、以下に示す方法により評価を行った。
[比誘電率(Dk)及び誘電正接(Df)]
10GHzにおける評価基板(金属張積層板の銅箔をエッチングした基板)の、比誘電率及び誘電正接を、空洞共振器摂動法で測定した。具体的には、ネットワーク・アナライザ(キーサイト・テクノロジー株式会社製のN5230A)を用い、10GHzにおける評価基板の、比誘電率及び誘電正接を測定した。
[銅箔ピール強度]
評価基板(金属張積層板)から銅箔を引き剥がし、そのときのピール強度を、JIS C 6481に準拠して測定した。具体的には、評価基板の銅箔を加工して、幅10mm、長さ100mmのパターンを形成し、そのパターン形成された銅箔を、引っ張り試験機により50mm/分の速度で引き剥がし、その時の引き剥がし強さ(銅箔接着強度)を測定した。測定単位はN/mmである。
[層間ピール強度]
評価基板(金属張積層板)から、最上面にある絶縁層(プリプレグ)を銅箔とともに引き剥がし、そのときのピール強度を、JIS C 6481に準拠して測定した。具体的には、評価基板の、最上面にある絶縁層(プリプレグ)を銅箔とともに引っ張り試験機により50mm/分の速度で引き剥がし、そのときのピール強度(N/mm)を測定した。
[ガラス転移温度(Tg)]
セイコーインスツルメンツ株式会社製の粘弾性スペクトロメータ「DMS100」を用いて、プリプレグのTgを測定した。このとき、曲げモジュールで周波数を10Hzとして動的粘弾性測定(DMA)を行い、昇温速度5℃/分の条件で室温から280℃まで昇温した際のtanδが極大を示す温度をTgとした。
[耐熱性]
評価基板(金属張積層板の銅箔をエッチングした基板)を260℃又は280℃の恒温槽中に1時間放置した。この恒温槽中に1時間放置した後の基板に発生した膨れの有無を目視で観察した。膨れの発生が確認されなければ(膨れの発生数が0であれば)、「○」と評価した。また、膨れの発生が確認されれば、「×」と評価した。
上記各評価における結果は、表1及び表2に示す。なお、プリプレグや評価基板(金属張積層板の銅箔をエッチングした基板、及び金属張積層板)を好適に製造できなかったときは、その評価としては、「分離」又は「硬化せず」と示す。「分離」とは、得られた樹脂組成物を硬化しても均一な硬化物として得られない(樹脂組成物に含まれる成分同士が分離している)状態を示す。また、「硬化せず」とは、上述したように金属張積層板を製造しても、樹脂組成物が硬化しなかったことを示す。
Figure 0007450136000017
Figure 0007450136000018
表1及び表2からわかるように、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物と前記脂肪族炭化水素化合物とを含有する樹脂組成物(実施例1~13)は、比誘電率及び誘電正接が低い樹脂組成物である。さらに、実施例1~13に係る樹脂組成物を用いた場合は、前記脂肪族炭化水素化合物を含有せずに、硬化剤を含む樹脂組成物(比較例2及び比較例4)より層間ピール強度の高い硬化物が得られた。また、実施例1~13に係る樹脂組成物を用いた場合は、銅箔ピール強度も比較例2及び比較例4と比較して同程度以上に高い硬化物が得られた。なお、比較例2及び比較例4に係る樹脂組成物は、実施例1~13に係る樹脂組成物と同様、比誘電率及び誘電正接が低い樹脂組成物であるが、実施例1~13に係る樹脂組成物と比較して、層間ピール強度が低かった。また、前記脂肪族炭化水素化合物を含有せずに、ポリブタジエンを含む樹脂組成物(比較例1)は、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物とポリブタジエンとが相溶せず、それぞれが分離した状態となった。また、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物の代わりに、未変性ポリフェニレンエーテル化合物を用いた場合(比較例3)は、得られた樹脂組成物が充分に硬化しなかった。
前記脂肪族炭化水素化合物として、1,13-テトラデカジエンを用いた場合(実施例5)は、比誘電率及び誘電正接が低い樹脂組成物であって、層間ピール強度の高い硬化物が得られ、さらに、他の前記脂肪族炭化水素化合物を用いた場合(実施例1~4及び実施例6)と比較して、ガラス転移温度が高い傾向があり、耐熱性の高い硬化物が得られた。
また、前記脂肪族炭化水素化合物として、1,13-テトラデカジエン以外の前記脂肪族炭化水素化合物を用いた場合であっても、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物及び前記式(1)で表される脂肪族炭化水素化合物だけではなく、硬化剤をさらに含有させ、その含有量が、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物、前記脂肪族炭化水素化合物、及び前記硬化剤の合計質量100質量部に対して、5質量部以上である場合(実施例7~13)は、層間ピール強度の高い硬化物が得られ、さらに、他の前記脂肪族炭化水素化合物を用いた場合(実施例1~4及び実施例6)と比較して、ガラス転移温度が高い傾向があり、耐熱性の高い硬化物が得られた。
1 プリプレグ
2 樹脂組成物又は樹脂組成物の半硬化物
3 繊維質基材
11 金属張積層板
12 絶縁層
13 金属箔
14 配線
21 配線板
31 樹脂付き金属箔
32、42 樹脂層
41 樹脂付きフィルム
43 支持フィルム

Claims (13)

  1. 炭素-炭素不飽和二重結合を有する置換基に末端変性された変性ポリフェニレンエーテル化合物と、
    下記式(1)で表される脂肪族炭化水素化合物とを含有することを特徴とする樹脂組成物。
    (式(1)中、Rは、炭素数4以上のアルキル基又は炭素数4以上のアルケニル基を示し、R~Rは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を示す。)
  2. 前記脂肪族炭化水素化合物が、炭素数6~45の化合物を含む請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記炭素数6~45の化合物の含有量が、前記脂肪族炭化水素化合物全体に対して、95質量%以上である請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記脂肪族炭化水素化合物が、前記R及び前記Rが水素原子である化合物を含む請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 硬化剤をさらに含有し、
    前記硬化剤が、アルケニルイソシアヌレート化合物、ジビニルベンゼン、ビニルフェニル基を分子中に2個以上有する化合物、メタクリロイル基を分子中に2個以上有する化合物、ビニル基を分子中に3個以上有する化合物、及びマレイミド基を分子中に有するマレイミド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 記マレイミド化合物が、マレイミド基を分子中に2個以上有する化合物、及びマレイミド基を分子中に1個有し、数平均分子量が200未満である化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 前記脂肪族炭化水素化合物の含有量は、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物、前記脂肪族炭化水素化合物、及び前記硬化剤の合計質量100質量部に対して、5~50質量部である請求項5又は請求項6に記載の樹脂組成物。
  8. 前記硬化剤の含有量は、前記変性ポリフェニレンエーテル化合物、前記脂肪族炭化水素化合物、及び前記硬化剤の合計質量100質量部に対して、5~50質量部である請求項5又は請求項6に記載の樹脂組成物。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物と、繊維質基材とを備えるプリプレグ。
  10. 請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物を含む樹脂層と、支持フィルムとを備える樹脂付きフィルム。
  11. 請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物を含む樹脂層と、金属箔とを備える樹脂付き金属箔。
  12. 請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物又は請求項9に記載のプリプレグの硬化物を含む絶縁層と、金属箔とを備える金属張積層板。
  13. 請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物又は請求項9に記載のプリプレグの硬化物を含む絶縁層と、配線とを備える配線板。
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