JP7446648B1 - 光路合成用光学部品 - Google Patents
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Abstract
Description
従来のクロスプリズムは、図18に示すように、Red光、Green光、Blue光の各単色波長光それぞれを異なる3方向からクロスプリズム面に入射させ、入射のないクロスプリズム面の1方向から出射する合成光を作り出す。このようなクロスプリズムは、例えば、スライドプロジェクタ用の光路合成プリズムとして使用されている(例えば、下記特許文献1参照)。また、光路合成とは逆に、クロスプリズムに入射させた白色光をRed・Green・Blueの三原色に分離することも可能である。
したがって、ダイクロイック特性を利用せずに、光学プリズムの斜面を接合して構成する通常のクロスプリズムを用いて、複数の方向から“白色光”を入射させて光路合成させる場合では、クロスプリズム接合部で内面反射が多数繰り返されてしまい、迷光が発生してしまうという課題が生じていた。
本発明に係る光路合成用光学部品の一実施形態をクロスプリズム100として示す。なお、下記に示す本実施形態に記載される事項は一例であり、これに限定されるものではない。また、本実施形態に記載されない事項は意識的に除外したものでもない。
いずれも、クロスプリズム100を構成する4つの各プリズムが隣接するプリズムとの接合面で反射をする場合であって、或る接合面を透過した光が、その後に別の接合面を反射した場合も含むことに留意されたい。後述する図4との対比のため、この接合面を「内部反射面」と呼び、内部で1回だけ反射して第2空間から出射される光路を「正規光経路」と呼ぶこととする。
このように、迷光経路を形成する光線の場合、内部反射面又は外部面により複数回の反射が生じた後に、クロスプリズム100から出射される。
本実施形態のクロスプリズム100において光吸収機能があるプリズムを使用する大きな理由は、クロスプリズムの全体的な構造物という観点からみたときの形状的な安定性が挙げられる。光吸収機能の無い他のプリズムと一体化して一定の体積を有し、且つ定置し易いという点で、遮光膜や遮光シートを使用する場合とは異なる。また、光学素子という点で共通するので、第1~第3空間に配置する透明プリズムの屈折率と、第4空間に配置する光吸収性材料から成るプリズムの屈折率を十分に近似させることができる。本実施形態では、4つのプリズムはいずれも合成石英系材料で構成しており、第4空間の合成石英系材料のプリズムだけが光吸収機能を有している。
ここで、Rは(エネルギー)反射率、gは振幅反射率、n'及びnは面接触における光学材料それぞれの屈折率をあらわす。
この場合、図4に示した正規光光路A、迷光経路a1、迷光経路a2の強度は、以下のようにあらわされる。
・正規光光路A: tRTt
・迷光経路a1: tTTrRTt
・迷光経路a2: tRRrTRt
上記式から分かることは、強度比を小さくするためには、
(条件1)rを小さくする、(条件2)(T2+R2)が最小となるT=Rにする、の少なくともいずれかである。
言い換えると、(条件1)入射面6,7及び出射面9に減反射コーティングを施す、(条件2)内部反射面10,11の透過率Tと反射率Rを等しくすればよいことになる。
仮に入射光強度に差異があっても、入射光強度が大きい側の入射光が、入射光強度の小さな側の入射光の光強度と同程度になるよう光吸収されるように調整した後は、上述した強度比の計算式が同様に成立し、(条件1)及び(条件2)の適用によって強度比を小さくする効果を奏する。
また、内部反射面10,11の透過率と反射率が等しいという条件の場合、迷光経路1a、1b、2a、2bは、強度がそれぞれ等しい。これを利用して、正規光に重なってしまう迷光を取り除くことも可能である。
例えば、クロスプリズム100を透過する光線(白色)αがあるとき、この透過後の光線αがクロスプリズム100から出射する側のプリズム面(図17の場合、第1空間のプリズム)に対抗する位置に第1の集光レンズを配置する。光線αが、第1の集光レンズの像面Xに集光するとした場合、この像面Xに光源を配置しておく。光源からの放射光は、第1の集光レンズによってクロスプリズム100に入射し、内部反射面10によって反射してクロスプリズム100外に光路を変えるが、反射後の光路上に第2の集光レンズを配置して第2の集光レンズの像面を形成させる。なお、図17に示す光路は、本願発明に係る光学装置に関係する光線についてのみ概略的に摸式化した。クロスプリズム100の入射面、内部反射面、出射面の各々で反射又は透過する他の光線が当然に存在するものとして理解されたい。
一般にクロスプリズムの大きさは、クロスプリズムに入射する光の光線有効径によって規定されることが多い。したがって、光線有効径が大きくなれば、それに応じて図8のように、大きなクロスプリズムが必要になる。有効径がa倍(a>1)の時、一片の長さをa倍にした大きなクロスプリズムを使用すると、質量は、a3倍になってしまう。
つまり、小さなクロスプリズムを組み合わることで、質量を1/aの大きさに減らすことができる。ただし、光線有効径に対応するビーム断面に非一様な強度分布がある場合には、局所的に強度の強い場所にのみクロスプリズムを配置するようにしてもよい。
上記の実施形態は、クロスプリズムの断面形状が直角二等辺三角形を典型的な形状とするプリズムを接合して構成される直方体形状であるとして示してきた。図12に示すように、各プリズムすべてが同時に接触する一辺(具体的には、クロスプリズム全体の中央に位置する一辺)を有するように貼り合わせてクロスプリズムの一体化が形成されるものである。言い換えれば、各プリズムのうち隣接する2つの光学プリズムの接合面と、他の2つの光学プリズムの接合面とが常に連続になる接合の方法である。この形状が一般的又は典型的な形態であるが、必ずしも限定するものではない。
立体プリズムを構成する要素の4つのプリズムが、直角二等辺三角柱以外の三角柱形状((a)~(c))、四角柱形状((d)~(f))、三角柱又は四角柱以外の形状((g)~(h))を断面形状とする場合であっても、直角二等辺三角形断面のクロスプリズム100と同じ効果を奏することができる。
一般的又は典型的な直角二等辺三角形形状のプリズムを接合したクロスプリズム100の場合は、図14に示すように、第1空間のプリズムと第2空間のプリズムの接合面である部分面(11-1)と、第3空間のプリズムと第4空間のプリズムの接合面である部分面(11-2)の2つによって内部反射面11が形成される。同様に、第2空間のプリズムと第3空間のプリズムの接合面である部分面(10-1)と、第1空間のプリズムと第4空間のプリズムの接合面である部分面(10-2)の2つによって内部反射面10が形成される。
図13に示す様々な形状のクロスプリズムにおいても、1つの内部反射面を形成する対応の部分面は、平行な面の傾きをしている。例えば、図13(a)は、4つのプリズムを組み合わせて接合した際に、図12に示す場合とは異なり、クロスプリズムの内部中央付近の1箇所で角柱の頂点が一致しない形状である。この場合であっても、部分面(10-1)及び部分面(10-2)の面の傾きは平行である。もちろん、部分面(11-1)及び部分面(11-2)の面の傾きも平行である(図15(a)参照)。
なお、図13(f)及び(h)のような中空のクロスプリズムの場合、中空部分にはレーザ光を通すことや、別の構造体(例えば、位置決めピン等)を挿入することが可能になる(図16参照)。
本実施形態において上位概念化して記載された事項は、上述した実施形態に記載されていない当業者において公知であるものも含み、さらに出願時点において存在し得ないものも含む。
7 入射面
9 出射面
10 内部反射面
11 内部反射面
10-1 内部反射面の部分面
10-2 内部反射面の部分面
11-1 内部反射面の部分面
11-2 内部反射面の部分面
100 クロスプリズム
Claims (8)
- 複数の光学プリズムの側面を互いに貼り合わせて一体化される光学部品であって、
前記複数の光学プリズムのうち隣接する2つの光学プリズムの接合面である第1の接合面と、当該2つの光学プリズムを除く他の2つの光学プリズムの接合面である第2の接合面とが平行となる貼り合わせ状態であって、前記第1の接合面及び前記第2の接合面は波長選択性がないハーフミラーとして機能し、
前記第1の接合面と前記第2の接合面とが平行となるように貼り合わせられた前記4つの光学プリズムの1つが光吸収機能を備えた光学プリズムである、ことを特徴とする光学部品。 - 前記第1の接合面及び前記第2の接合面を形成する前記4つの光学プリズムの接合面に関し、前記第1の接合面及び前記第2の接合面以外の2つの接合面をそれぞれ第3の接合面及び第4の接合面とし、前記第3の接合面及び前記第4の接合面は波長選択性がないハーフミラーとして機能し、それらが平行である、請求項1に記載の光学部品。
- 前記第1の接合面及び前記第2の接合面はそれぞれの接合面での反射率及び透過率が等しくなるように構成され、並びに、前記第3の接合面及び前記第4の接合面はそれぞれの接合面での反射率及び透過率が等しくなるように構成されている、請求項2に記載の光学部品。
- 前記複数の光学プリズムすべてが同時に接触する一辺を有するように貼り合わせられることで一体化が形成される、請求項1~3の何れか1項に記載の光学部品。
- 前記第1の接合面と、前記第2の接合面とが連続になり、及び、前記第3の接合面と、前記第4の接合面とが連続になる、請求項2又は3に記載の光学部品。
- 前記第1の接合面と、前記第2の接合面とが非連続となり、及び、前記第3の接合面と、前記第4の接合面とが非連続になる、請求項2又は3に記載の光学部品。
- 前記光学部品の内部に空隙が形成されている、請求項6に記載の光学部品。
- 請求項2又は3の何れか1項に記載の光学部品を含んで構成される光学装置であって、
前記第1の接合面と前記第2の接合面とが平行且つ前記第3の接合面と前記第4の接合面とが平行となるように貼り合わせられた前記4つの光学プリズムのうち、前記光吸収機能を備えた光学プリズムに隣接するプリズムの何れか1つに対向して配置した第1の集光レンズと、
前記光吸収機能を備えた光学プリズムに隣接するプリズムの何れか1つから射出した光線が前記第1の集光レンズを経て到達する像面位置に配置した光源と、
前記光源からの放射光が前記第1の集光レンズによって前記光学部品に入射する場合、前記何れかの接合面において反射して前記光学部品より射出された前記放射光の光路上に配置した第2の集光レンズと、
をさらに含み、
前記第1の集光レンズの像面位置と前記第2の集光レンズの像面位置とが共役関係になるよう配置されることを特徴とする光学装置。
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JP2008083214A (ja) | 2006-09-26 | 2008-04-10 | Epson Toyocom Corp | クロスプリズムの製造方法およびクロスプリズム |
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