JP7444968B2 - Daf-mcpキメラタンパク質、その製造方法及び補体系が関係する病的状態を処置するためのキメラタンパク質の使用 - Google Patents

Daf-mcpキメラタンパク質、その製造方法及び補体系が関係する病的状態を処置するためのキメラタンパク質の使用 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、一般的にバイオテクノロジーの分野に関する。特に本発明は、二重活性制御作用を有する新規な遺伝子改変4ドメインDAF-MCPキメラタンパク質(キメラタンパク質DCP)であって、I因子に対する親和性及びC3b/C4bに対するアビディティーを増強するためにさらに改変されたキメラタンパク質並びに新規な遺伝子改変4ドメインDAF-MCPキメラタンパク質を製造するための方法に関する。
発明の背景
補体系は、病原体特異的適応免疫応答をブーストする病原体に対するその直接作用、細胞分化及び極性化の過程への寄与、組織再生、脂質代謝、免疫複合体の除去及びアポトーシス、その他などの役割が知られている自然免疫系の一部である。補体活性化の制御の欠如又は不適切な活性化は、宿主組織に損傷をもたらすため、補体系は一連のタンパク質によって緊密に制御されている。これらのうち、補体活性化制御因子(RCA)ファミリータンパク質が主として補体制御を担っている。RCAタンパク質は、膜タンパク質、例えば崩壊促進因子(DAF;CD55)、メンブレンコファクタープロテイン(MCP;CD46)、及び補体受容体1(CR1;CD35)並びに液相タンパク質、例えばH因子(FH)及びC4b結合タンパク質(C4BP)を含む。構造的に、RCAタンパク質は、2~4つの連続するモジュールが崩壊促進活性(DAA)及び補因子活性(CFA)と名付けられる制御機能に寄与している補体制御タンパク質(CCP)繰り返しモジュールから構成される。RCAタンパク質は、補体経路の中心的酵素であるC3/C5コンバターゼを標的付けることによって機能する。これらの酵素の不活性化のために、RCAタンパク質は、これらのコンバターゼ又はそれらの非触媒サブユニットに結合し、それらを不活性化する。DAAでは、RCAタンパク質はコンバターゼに結合し、コンバターゼをそのサブユニットに不可逆的に解離させるのに対し、CFAでは、RCAタンパク質はコンバターゼの非触媒サブユニット(C3b/C4b)に結合し、セリンプロテアーゼI因子(FI)を動員してC3b/C4bを切断及び不活性化することで、それがC3コンバターゼを形成する能力を止める。
補体系の活性化は、C3コンバターゼ(C4b2a又はC3bBb)の形成で収束するレクチン経路、古典的経路及び代替経路と名付けられる3つの主経路によって開始される。これらの酵素は、補体の下流のエフェクター機能すべての開始に必要な補体成分C3を切断する。C3コンバターゼは、2つのサブユニットから構成され、その際、触媒サブユニット(Bb/C2a)がMg++依存的に非触媒(C3b/C4b)サブユニットに結合している。
自己補体の攻撃から宿主細胞を防御する、RCAファミリータンパク質の広く発現される膜制御因子は、DAF及びMCPである。DAFは、そのDAAを通じてC3コンバターゼを解離させるのに対し、MCPはそのCFAを介してC3コンバターゼの形成を阻止する。DAF及びMCPは、それぞれ広く並んだ4つのCCPモジュールから構成される。DAFのCCP2-4の各ドメインは、MCPのCCP1-3とそれぞれ類似することが知られている。DAFにおけるドメイン欠失及び部位特異的変異誘発研究によって、DAFのCCP2-3はそれが古典的/レクチン経路C3コンバターゼを崩壊させる能力(CP-DAA)に必要とされ、CCP2-4は、代替経路C3コンバターゼの崩壊(AP-DAA)に不可欠であることが実証された。MCPでは、ドメイン欠失及び部位特異的変異誘発データによって、CCP2-4はC3bに対するCFA(C3b-CFA)及びC4bに対するCFA(C4b-CFA)に関係付けられた。さらに、C3bと複合体を形成したDAF及びMCPの最近の結晶構造によって、それらが共通の結合様式で結合し、これらのタンパク質のCCP3-4がC3bと接触を形成することが明らかにされた。しかし、DAAを付与するために必要とされるDAFの最小構造ユニット、並びにDAAにおけるその各ドメインの機能的重要性、並びに同じくC3b及びC4bに対するCFAを付与するために不可欠なMCP上の最小FI相互作用部位は、今のところ不明である。また、これらのタンパク質に機能的モジュール性が存在するか、すなわち、個別のCCP又は複数CCPのユニットがタンパク質に特定の機能を付与することができるか、及びそれらを連結することで新しい機能的能力が加わるかは、不明である。
先行技術の文書、例えば米国特許第5866402号は、MCP及びDAF由来のキメラタンパク質の配列を、グリコサミノグリカンと結合することが可能なペプチド配列と共に請求している。さらに、先行技術の文書EP8932601B2は、第1の機能(Fn)ユニット-スペーサー-第2のFnユニット-スペーサー-第3のFnユニットという構造を有するハイブリッドを開示しており、その際、補体Fnユニットは、DAF並びに/又はMCP並びに/又はCR1並びに/又は非補体機能的ユニット、例えば動物細胞への結合を増強するためのIg及び/若しくはタンパク質のいずれかであることができる。この文書はまた、いくつかのハイブリッド、例えばDAF-CRIB、DAF-CR1 BB、及びDAF-IgG4、並びに(DAF CCP1,2,3,4-CR1 CCP4,5,6,7-MCP CCP1,2,3,4+MCP STP領域の2アミノ酸(VS)+6×His)を有するDAF-MCPハイブリッドについても言及している。米国特許第5,851,528号は、補体活性を阻害するポリペプチドを開示している。米国特許第5,851,528号は、前記ペプチドの制御活性又は作用機序の様式を特定していない。
しかし、どの先行技術も、I因子に対する親和性及びC3b/C4bに対するアビディティーを増強することによって達成される二重活性制御作用を有する、親タンパク質と同等のDAA及びCFAを含む4ドメインDAF-MCPキメラ変異体を開示していない。
これらのRCAタンパク質の機能における欠陥は、加齢性黄斑変性(AMD)、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、及びデンスデポジット病(DDD)などの様々な疾患に関連することが知られている。本発明は、I因子に対する親和性及びC3b/C4bに対するアビディティーを増強することによって達成された二重活性制御作用を有する、親タンパク質と同等のDAA及びCFAを含む4ドメインDAF-MCPキメラ変異体(DCP)に関する。DCPは、補体系が関係する病的状態を処置するためのRCAベースの治療薬を開発するためのリード分子として役立ち得る。
したがって、上記の未知の因子を試験するために、4CCP DAF-MCPキメラを生成し、生化学的に特徴付けた。さらに、4CCP DAF-MCPキメラの部位特異的変異体を生成し、生化学的に特徴付けた。結果としての実験及びそれらのデータによって、4連続CCPの構造フレームワーク中の個々のDAF及びMCPモジュールの機能的役割が実証された。追加的に、親タンパク質と同等のDAA及びCFAを含むDAF-MCPキメラ変異体を構築し、それにより、RCAタンパク質に機能的モジュール性が存在することを明らかにした。
さらに、実験データはまた、両方の制御活性への機構的洞察を提供する。
発明の目的
本発明の目的は、補体経路の阻害のための操作キメラタンパク質を提供することである。本発明の別の目的は、二重活性制御のための改変4ドメインDAF-MCPキメラタンパク質並びにI因子に対する親和性及びC3b/C4bに対するアビディティーを増強する(すなわち、DCPの作製)ためのそのさらなる改変、新規な遺伝子改変4ドメインDAF-MCPキメラタンパク質を製造する方法並びにDCPの使用を提供することである。
発明の概要
補体系は、自然免疫系になくてはならない部分である。補体系は、補体活性化制御因子(RCA)ファミリーに属する制御タンパク質によって高度に制御され、制御の欠如は、宿主細胞に損傷を与え、制御の不足は、疾患、例えば加齢性黄斑変性(AMD)、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、及びデンスデポジット病(DDD)に関連する。現在、二重制御活性を効果的に有する効率的な4ドメインDAF-MCPキメラはなく、頑健な分子/キメラタンパク質の必要性がある。RCAタンパク質は、膜に係留された補体制御因子である崩壊促進因子(DAF;CD55)、メンブレンコファクタープロテイン(MCP;CD46)、及び補体受容体1(CR1;CD35)並びに液相制御因子、例えばH因子(FH)及びC4b結合タンパク質(C4BP)を含む。構造的に、これらのタンパク質は、2~4つの連続ドメインが崩壊促進活性(DAA)及び補因子活性(CFA)と名付けられる制御機能に貢献する、繰り返し補体制御タンパク質(CCP)ドメインから構成され、二重活性を有する現在のDAF-MCPキメラは8つのCCPドメインを有する。しかし現在のところ、強いDAA及び強いCFAの両方を有する4ドメインキメラタンパク質はない。したがって本発明は、I因子との増強した親和性/相互作用及びC3b/C4bに対するアビディティーと共に二重活性制御(すなわち、DAA及びCFA)を有するように作製された4ドメインキメラタンパク質DCP(すなわち二重活性制御因子)、新規な遺伝子改変4ドメインDAF-MCPキメラタンパク質を製造する方法及びDCPの使用及び商業的使用のためのDCPの使用に関する。
様々なDAF-MCPキメラの構築を示す。図1Aは、DAF、MCP及びDAF-MCPキメラの図表示である。赤色のリンカーは、DAFドメインをつないでいるリンカーを意味し、青色のリンカーはMCPドメインをつないでいるリンカーを意味し;DAF-MCPキメラ中のリンカーを表すために同じ色スキームが使用されている。図1Bは、(上のパネル)ピキア(Pichia)に発現されたDAF、MCP及びDAF-MCPキメラのSDS-PAGE分析、並びに(下のパネル)大腸菌(E. coli)に発現されたDAF、DAF変異体D2D3及びDAF-MCPキメラ、D2D3M3M4、D2D3D4M4のSDS-PAGE分析を表す。MW:分子量。 DAF-MCPキメラの崩壊促進活性及び結合分析を表す。図2Aは、DAF、MCP、D2D3変異体及び表示のDAF-MCPキメラの古典的経路崩壊促進活性(CP-DAA)を表す。図2Bは、DAF、MCP、D2D3 変異体及び表示のDAF-MCPキメラの代替経路の崩壊促進活性(AP-DAA)を表す。図2Cは、DAF、MCP、D2D3変異体及び表示のDAF-MCPキメラのC3b(左のパネル)及びC4b(右のパネル)への結合分析を表す。 D2D3M3M4及びその置換変異体の補因子活性(CFA)を表す。図3Aは、MCP及びD2D3M3M4の相対C3b-CFA及びC4b-CFAを表す。図3Bは、大腸菌に発現されたD2D3M3M4並びにその単一及び多残基変異体のSDS-PAGE分析を表す。図3Cは、D2D3M3M4並びにその単一及び多残基変異体の相対C3b-CFA及びC4b-CFAを表す。 D2D3M3M4のD3ドメイン中の推定上のI因子相互作用部位の置換が、CP-DAA及びAP-DAA、並びにC3b-CFA及びC4b-CFAを有する分子を生成することを表す。図4Aは、D2D3M3M4のD3ドメイン中の推定上のI因子相互作用部位の置換が、C3b-CFAを有する分子(multi-4及びmulti-5)を生成することを表す。図4Bは、D2D3M3M4のD3ドメイン中の推定上のI因子相互作用部位の置換が、C4b-CFAを有する分子(multi-4及びmulti-5)を生成することを表す。図4Cは、DAF及びDAF-MCPキメラD3D3M3M4と比較したD3D3M3M4置換変異体(multi-4及びmulti-5)の代替経路崩壊促進活性を表す。図4Dは、DAF及びDAF-MCPキメラD3D3M3M4と比較したD3D3M3M4置換変異体(multi-4及びmulti-5)の古典的経路崩壊促進活性を表す。 C3b-multi-4変異体-FIの3分子複合体中のI因子相互作用部位のマッピングを表す。図5Aは、C3b-multi-4変異体-FIの3分子複合体のモデルを表す。図5Bは、機能獲得型残基によって示されるFIとの相互作用の拡大図を示す。図5Cは、電荷及び機能獲得型残基のFIとの疎水性相互作用を表す。 C3b及びC4bへのDAF、MCP及びDAF-MCPキメラの結合分析を表す。図6Aは、DAF、MCP及び表示のDAF-MCPキメラのC3b(左のパネル)及びC4b(右のパネル)への相対結合を示す。図6Bは、D2D3M3M4、D2D3D4M4及びD2D3M3M4の多残基変異体(multi-4及びmulti-5)のC3b(左のパネル)及びC4b(右のパネル)への結合センソグラムを示す。図6Cは、D2D3M3M4、D2D3D4M4及びD2D3M3M4の多残基変異体(multi-4及びmulti-5)のC3b(左のパネル)及びC4b(右のパネル)への相対結合を示す。 C3b-D2D3M3M4-Bb複合体中のD2D3M3M4キメラとC3b及びBbとの界面解析を表す。図7Aは、D2D3M3M4中のDAFドメインとC3bとの相互作用を表す。図7Bは、D2D3M3M4中のDAFドメインとBb中のVWAドメインとの相互作用を表す。 MCP及びDAF-MCPキメラD2D3M3M4の補因子活性の測定を表す。 DCPのCCP1-4(multi-5変異体)と様々な補体制御因子の相同ドメインとの構造ベースの配列アライメントを表す。青色の矢印は、CFA変異における増加を示すのに対し、オレンジ色の矢印は、CFAが増加しなかった変異を指し示す。 図10Aは、D2D3M3M4の点変異体及び多残基変異体とD2D3M3M4とのC3b補因子活性(C3b-CFA)の比較を示す。図10Bは、D2D3M3M4の点変異体及び多残基変異体とD2D3M3M4とのC4b補因子活性(C4b-CFA)の比較を示す。 図10Aは、D2D3M3M4の点変異体及び多残基変異体とD2D3M3M4とのC3b補因子活性(C3b-CFA)の比較を示す。図10Bは、D2D3M3M4の点変異体及び多残基変異体とD2D3M3M4とのC4b補因子活性(C4b-CFA)の比較を示す。 DAF、D2D3M3M4、並びにD2D3M3M4の単一及び多残基変異体のCP-DAA及びAP-DAAの測定を表す。 D2D3M3M4の多残基変異体とMCPとの補因子活性の比較、並びに古典的経路、代替経路及びレクチン経路に対するそれらの効果を表す。図12AはC3b-CFAを示す。図12BはC4b-CFAを示す。図12Cは、古典的経路、代替経路及びレクチン経路に対するDAF、MCP、CR1 LHR-A(CCP1-3)、CR1 LHR-Amut(CCP1-3 D109N/E116K)及びD2D3M3M4の多残基変異体の相対効果を示す。 C3b-multi4-FI複合体のRMSD及びRMSFプロットを表し(13A)、さらにD2D3M3M4キメラモデルの検証を図示する(13B)。図13A:(i)50nsシミュレーションについてのC3b-multi4-FI複合体の主鎖RMSD。(ii)シミュレーション時間全体についてのキメラ残基の根平均二乗ゆらぎ(RMSF)。(iii)機能獲得型変異が同定された領域中に位置するmulti-4変異体残基のRMSFを示すプロット。図13Bは、D2D3M3M4キメラ及びmulti-4変異体についてラマチャンドランプロットを使用するD2D3M3M4キメラモデルの検証を図示する。 C3b-multi4-FI複合体のRMSD及びRMSFプロットを表し(13A)、さらにD2D3M3M4キメラモデルの検証を図示する(13B)。図13A:(i)50nsシミュレーションについてのC3b-multi4-FI複合体の主鎖RMSD。(ii)シミュレーション時間全体についてのキメラ残基の根平均二乗ゆらぎ(RMSF)。(iii)機能獲得型変異が同定された領域中に位置するmulti-4変異体残基のRMSFを示すプロット。図13Bは、D2D3M3M4キメラ及びmulti-4変異体についてラマチャンドランプロットを使用するD2D3M3M4キメラモデルの検証を図示する。 C3b-multi-4変異体-FI複合体中のmulti-4変異体とC3b及びFIとの相互作用のマッピングを表す。図14Aは、multi-4変異体のDAFドメイン(D2-D3)及びMCPドメイン(M3-M4)がC3bと相互作用を示すことを表す。図14Bは、multi-4変異体のC3b相互作用残基を表す。図14Cは、M3ドメイン残基とFIとの相互作用を表す。Glu177及びGlu179は、FIのArg480と強い電荷相互作用を示す。 図15Aは、DAF、MCP、D2D3、DAF-MCPキメラD2D3M3M4及びD2D3D4M4、並びにD2D3M3M4の単一及び多残基変異体のサイズ排除クロマトグラフィー分析を表す。図15Bは、精製DAF、MCP、DAF-MCPキメラD2D3M3M4及びD2D3D4M4、並びにD2D3M3M4の単一及び多残基変異体のSDS-PAGE分析を示す。 図15Aは、DAF、MCP、D2D3、DAF-MCPキメラD2D3M3M4及びD2D3D4M4、並びにD2D3M3M4の単一及び多残基変異体のサイズ排除クロマトグラフィー分析を表す。図15Bは、精製DAF、MCP、DAF-MCPキメラD2D3M3M4及びD2D3D4M4、並びにD2D3M3M4の単一及び多残基変異体のSDS-PAGE分析を示す。 D2M2-4キメラの推定上の機能獲得型変異体を示す。(A)CCPドメイン及びリンカー(下線)をすべて示すD2M2-4の配列。不変システイン残基を黄色で強調する。AP-DAAを増加させるために変異された残基に矢印を付ける(赤色の残基に青色の矢印を付ける)。(B)D2M2-4の単一アミノ酸置換変異体のSDS-PAGE分析。(C)表は、すべての変異及びその位置の一覧を示す。これらの変異は、ヒト(DAF、CR1)およびウイルス制御因子(SPICE、sCCPH、及びKaposica)への初期の変異誘発データに基づいた。 D2M2-4及びD2M2-4の推定上の機能獲得型変異体のサイズ排除クロマトグラフィー分析を表す。PBS(pH7.4)で予め平衡化したSuperose-12カラム(GE Healthcare Life Sciences)にD2M2-4キメラ及びD2M2-4の単一アミノ酸置換変異体を負荷した。使用したゲル濾過標準(Bio-Rad)は:A、サイログロブリン(670,000Da);B、ガンマグロブリン(158,000Da);C、卵白アルブミン(44,000Da);D、ミオグロビン(17,000Da);E、ビタミンB-12(1,350Da)であった。 DAF、D2M2-4、及びその推定上の機能獲得型変異体のCP-DAAの測定を表す。それらのタンパク質が予め形成したCP C3コンバターゼ(C4b2a)を崩壊させる能力を評価することによって、それぞれのタンパク質のCP-DAAを測定した。100%のC3コンバターゼ活性が阻害剤非存在下の活性と等しいと見なすことによってデータを規準化した。矢印は、CP-DAAが増加した変異体を示す。示したデータは、3つの独立した実験の平均±SDである。 DAF、D2M2-4、及びその推定上の機能獲得型変異体のAP-DAAの測定を表す。それらのタンパク質が予め形成したAP C3コンバターゼ(C3bBb)を崩壊させる能力を評価することによって、それぞれのタンパク質のAP-DAAを測定した。100%のC3コンバターゼ活性が阻害剤非存在下の活性と等しいと見なすことによってデータを規準化した。矢印は、AP-DAAが増加した変異体を示す。示したデータは、3つの独立した実験の平均±SDである。 DAF、D2M2-4及びその推定上の機能獲得型変異体のC3b及びC4bへの結合を示す。DAF、D2M2-4及びその変異体とC3b(A)及びC4b(B)との相互作用を示すセンソグラムのオーバーレイプロット。簡潔には、すべてのタンパク質を1μM濃度で固定化ビオチン標識C3b/C4b上に流した。CP-DAA及びAP-DAAに影響する残基を赤色のフォントで強調する。 DAF、D2M2-4及びD2M2-4の四重変異体のCP-DAA及びAP-DAAの測定を表す。(A)それらのタンパク質が予め形成したCP C3コンバターゼ(C4b2a)を崩壊させる能力を評価することによって、それぞれのタンパク質のCP-DAAを測定した。(B)それらのタンパク質が予め形成したAP C3コンバターゼ(C3bBb)を崩壊させる能力を評価することによって、それぞれのタンパク質のAP-DAAを測定した。100%のC3コンバターゼ活性が阻害剤非存在下の活性と等しいと見なすことによってデータを規準化した。示したデータは、3つの独立した実験の平均±SDである。 図22は、D2M2-4及びD2M2-4の四重変異体の補因子活性測定を表す。これらのタンパク質をC3b(A)又はC4b(B)及びI因子と共にPBS中37℃で表示の時間インキュベートすることによって、これらのタンパク質の補因子活性を測定した。C3b/C4bの切断産物を還元条件下、SDS-PAGE(C3bについて9%及びC4bについて10%)上で泳動させることによってこれらの切断産物を観察した。C3b-CFAでは、α’鎖はN末端68kDa断片とC末端46kDa断片とに切断され、そのうち46kDa断片は43kDa断片にさらに切断される。C4b-CFAでは、α’鎖は、N末端27kDa断片、中央C4d断片及びC末端16kDa断片に切断され;C末端断片はゲル上に見えない。
発明の詳細な説明
本出願は、PATENTINで提出された配列表を含み、その全体で参照により本明細書に組み入れられる。前記PATENTIN-3.5バージョンはSequence listing.txtの名称で作成され、サイズが20キロバイトである。
本発明は、DAFのタンパク質配列番号(配列番号1)及びMCPのタンパク質配列番号(配列番号2)を提供する。本発明は、CP-DAAの阻害を実証したD2D3に属するタンパク質配列番号3もまた提供する。D2D3はAP-DAAにおいて十分な効果を提供しないことが観察された。このタンパク質は、必要に応じて実施例に対照として使用されており、本明細書に開示されている。
本発明は、キメラタンパク質D2M2-4(配列番号4);D2M2-4(ML)(配列番号5);D2D3M3M4(配列番号6);D2D3D4M4(配列番号7);D2D3M3M4(T192E)(配列番号8);D2D3M3M4(K195Y)(配列番号9);D2D3M3M4(F197I)(配列番号10);D2D3M3M4(S199K))(配列番号11);D2D3M3M4(T200Y))(配列番号12);(D2D3M3M4(L205K))(配列番号13);D2D3M3M4(P216K)(配列番号14);D2D3M3M4(Multi-1)(配列番号15);D2D3M3M4(Multi-2)(配列番号16);D2D3M3M4(Multi-3)(配列番号17);D2D3M3M4(Multi-4)(配列番号18);D2D3M3M4(Multi-5)又はDCP(配列番号19);D2M2-4(E136Q)(D2)(配列番号20);(D2M2-4(Y101N)(配列番号21);(D2M2-4(E118L)(配列番号22);D2M2-4(I134A)(配列番号23);D2M2-4(E136K)(配列番号24);(D2M2-4(E137Y))(配列番号25);(D2M2-4(E142K)(配列番号26);D2M2-4(G152D)(配列番号27);D2M2-4(L161K)(配列番号28);D2M2-4(T163A)(配列番号29);D2M2-4(V178R)(配列番号30);(D2M2-4(V180F)(配列番号31);D2M2-4(L184R)(配列番号32);D2M2-4(Tetra)(配列番号33)もまた提供する。
本発明の操作キメラタンパク質は、崩壊促進因子(DAF)のD1、D2、D3及びD4ドメインより選択されるドメイン並びにメンブレンコファクタープロテイン(MCP)のM1、M2、M3及びM4より選択されるドメインを任意でリンカーと共に含む。
本発明は、キメラタンパク質D2D3M3M4(Multi-5)又はDCP(配列番号19)を開示する。
操作キメラタンパク質D2D3M3M4(Multi-5)又はDCP(配列番号19)は、崩壊促進因子(DAF)のD2及びD3ドメイン並びにメンブレンコファクタープロテイン(MCP)のM3及びM4をリンカー及び特定の変異と共に有する。
本発明は、二重活性制御を有する新規な改変4ドメインDAF-MCPキメラタンパク質であって、I因子及びC3b/C4b及び配列番号19(DCP)との相互作用を増強するためにさらに改変されたキメラタンパク質を開示する。図1(A)及び(B)に、DAF、MCP及びDAF-MCPキメラ並びにSDS-PAGE分析を図表示する。
本発明は、ヒトDAFタンパク質由来のドメインD2、D3及び/又はD4並びにヒトMCPタンパク質由来のM2、M3、及び/又はM4ドメインを有する操作4ドメインタンパク質であって、タンパク質/変異体/キメラD2M2-4、MCPリンカーを有するD2M2-4、D2D3M3M4、D2D3D4M4をもたらす4ドメインタンパク質;単一アミノ酸置換、多アミノ酸置換並びに単一及び多アミノ酸残基の組み合わせを用いるドメイン中の機能獲得型変異によりさらに改変された操作タンパク質D2D3M3M4;並びにドメインD3中の2つの変異(F197I及びP216K)及び1つの多残基変異(multi-1、すなわち、リンカー置換変異、219ECREIY224→ICEKVL)がまとめて置換されたMulti-5(DCP)を作製した改変D2D3M3M4を開示する。DCPでは、DAFの2つのN末端モジュールの両方が置換されていた。
DCPを得るために、D2D3M3M4におけるI因子との相互作用を増加させるためにT192E、K195Y、F197I、S199K、T200Y、L205K及びP216K並びに3種の多残基Multi-1、Multi-2及びMulti-3より選択されるさらなる変異を行った。
実施形態では、本発明は、組み換え技術及び変異の導入を用いて二重活性制御並びにI因子及びC3b/C4bとの増強した相互作用を有する4ドメインDAF-MCPキメラタンパク質(DCP)を操作および入手し、変異体Multi-5(DCP)をもたらす方法であって:
i. RCAタンパク質DAF及びMCPのドメイン並びにそれらのそれぞれのリンカーをスワップして、機能的態様を研究および同定し、キメラタンパク質を得た工程;
ii. D2D3M3M4キメラを選択し、さらなる改変及び変異を導入して増加したCFAを有する変異体を作製した工程;
iii. 増加したDAA及びCFAの両方を有するD2D3M3M4変異体を作製した工程;
iv. キメラ変異体D2M2-4、D2D3M3M4及びD2D3D4M4、並びにD2D3M3M4の単一及び多残基変異体、並びにD2M2-4がもたらされた工程
v. 細菌発現ベクター及び/又は酵母発現ベクターにおいて工程(iv)の変異体を発現させた工程
を含む方法を開示する。
さらにまた本発明の方法は、D2M2-4(配列番号4);D2M2-4(ML)(配列番号5);D2D3M3M4(配列番号6);D2D3D4M4(配列番号7);D2D3M3M4(T192E)(配列番号8);D2D3M3M4(K195Y)(配列番号9);D2D3M3M4(F197I)(配列番号10);D2D3M3M4(S199K))(配列番号11);D2D3M3M4(T200Y))(配列番号12);(D2D3M3M4(L205K))(配列番号13);D2D3M3M4(P216K)(配列番号14);D2D3M3M4(Multi-1)(配列番号15);D2D3M3M4(Multi-2)(配列番号16);D2D3M3M4(Multi-3)(配列番号17);D2D3M3M4(Multi-4)(配列番号18);D2D3M3M4(Multi-5)又はDCP(配列番号19);D2M2-4(E136Q)(D2)(配列番号20);(D2M2-4(Y101N)(配列番号21);(D2M2-4(E118L)(配列番号22);D2M2-4(I134A)(配列番号23);D2M2-4(E136K)(配列番号24);(D2M2-4(E137Y))(配列番号25);(D2M2-4(E142K)(配列番号26);D2M2-4(G152D)(配列番号27);D2M2-4(L161K)(配列番号28);D2M2-4(T163A)(配列番号29);D2M2-4(V178R)(配列番号30);(D2M2-4(V180F)(配列番号31);D2M2-4(L184R)(配列番号32);D2M2-4(Tetra)(配列番号33)を含む群より選択される、補体経路の阻害のための操作キメラタンパク質をもたらした。
本発明の方法は、タンパク質D2D3M3M4(Multi-5)又はDCP(番号19)を提供した。
理論に縛られることなく、本発明の方法かCFA、AP-DAA及びCP-DAA活性を増加させるために改変及び変異を導入することが提起されている。
i. 本発明の改変4ドメインDAF-MCPキメラタンパク質(DCP)を製造する方法は本明細書において開示される:RCAタンパク質DAF及びMCPのドメイン及びそれらのそれぞれのリンカーをスワップして機能的態様を研究及び同定した - ドメインスワップ技術を用いてDAF及びMCPのドメイン及びそれぞれのリンカーをスワップして、最良のDAA(CP-DAA及びAP-DAA)及びCFA(C3b-CFA及びC4b-CFA)活性に不可欠なドメイン及びリンカーを同定した。DAFのCCP2-3がCP-DAA及びAP-DAAの両方を誘導するのに対し、CCP4はC3b結合ドメインとして役立つことによって助けとなること;並びにCCP2-3はDAFにおけるDAAに必要とされることが見出された。また、MCPがDAAを欠如するので、MCPのドメイン(M1-M3)の1つ又は複数及びリンカーをDAFの相同ドメイン(D2-D4)及び結合リンカーとスワップした。もたらされたタンパク質/変異体を機能獲得について試験した;次のドメインをスワップする前にDAAにおけるD2-D3の間のリンカー(すなわち、KKKS;正の実効電荷+3)の重要性を試験した。D2D3タンパク質がD2D3ドメインをD2D3リンカーと共に有するようなタンパク質/変異体を作製した。D2ドメインをD2-D3リンカーと共に有し、M2M3M4ドメインをそれらのそれぞれのM2M3M4リンカーと共に有するD2M2-4タンパク質を作製した。この置換単独でCP-DAAを付与するために十分であったが、このタンパク質/変異体はDAFと比較して活性が30倍低かった。しかし、このタンパク質は低下したAP-DAAを示した。これは、活性に他のモジュールの役割が重要であることを強調していた。D2M2-4中のD2-D3リンカーがMCPの中性リンカー(YRET)と置き換えられたD2M2-4(ML)タンパク質/変異体を作製した;その結果、もたらされた変異体/タンパク質(D2M2-4-ML)は、D2M2-4と異なり、CP-DAAに増加を示さなかった。MCPリンカーを有するD2M2-4タンパク質(D2M2-4-ML)はまた、DAFリンカーを有するD2M2-4タンパク質(D2M2-4)と比較してC3b及びC4bとの結合にかなりの減少を示した。D2D3M3M4では、DAFの2つのN末端モジュール(D2D3M3M4)を結合リンカーと共にMCP中に置換し、このタンパク質のDAAを評価し、このタンパク質がDAFと等しいCP-DAA及びAP-DAAを示したこと、並びにDAFの3つのドメインをリンカーと共にMCP中に置換(D2D3D4M4)してもDAAにさらなる増加がもたらされなかったことが観察された。さらにデータによって、AP C3コンバターゼ複合体について、より遅い解離速度が制御因子のリサイクル速度に影響し、それが低減したAP-DAAをもたらすことが示唆された。これらは、DAFのCCP2-3によってのみ崩壊が誘導されることを示していた;DAF中のD4モジュールがC3b結合ドメインの役割だけを果たし、その機能をM3-M4で代用できると判定された;D2D3M3M4キメラ中のD2D3モジュールとAP C3コンバターゼサブユニット(すなわち、C3b及びBb)との相互作用の可能性が研究され、C3b-D2D3M3M4-Bb複合体がモデル化された。さらに、界面解析によって、D2及びD3がC3b及びBbの両方と相互作用すること、並びにD2及びD2-D3リンカーがBb中のフォンビルブランド因子A型(VWA)ドメインのα7ヘリックスと接触を形成したのに対し、D3がBb中のVWAドメインのα7ヘリックス並びにα6-βF及びα5-βEループと接触を形成したことが示された。このモデル化データは、D2及びD3が主にα7ヘリックスに加えてα6-βF及びα5-βEループと相互作用し、したがって、D2-D3とこれらのループとの相互作用が、C3bからのBbの崩壊をもたらすMIDAS部位におけるアロステリック変化に重要であることを示している;MCPの最適なCFAに必要とされるM2及びM3上のI因子相互作用部位が決定され、M3上に存在するFI相互作用部位単独が、CFAに機能的に寄与できることが見出された;特にCFAに増加を示したキメラにおけるこれらのD2D3M3M4変異体のDAAを評価した。4CCPの構造フレームワーク中での強いCFA及びDAAの共存が達成可能であると判定された。CFAの増加を提供する残基が様々なRCAタンパク質の配列アライメントによって決定された;親分子と同じように頑健なDAA及びCFAを示している4CCP DAF-MCPタンパク質を操作した。ドメインD2D3D4のそれぞれのリンカー及びドメインD4とM4との間のM4リンカーを有するD2D3D4M4タンパク質/変異体を作製した。作製されたタンパク質をそれらのDAA及びCFAについて試験及び研究した。変異体/キメラタンパク質の制御活性を増加させるためにさらなる変異を導入、試験及び研究した。
ii. D2D3M3M4キメラを選択し、さらなる改変及び変異を導入して、増加したCFAを有する変異体を研究及び作製した - このD2D3M3M4タンパク質/変異体のCFAは、D3ドメイン中のFI相互作用部位(M2に相同)及びD3-M3リンカーを置換することによって増加したが、そのDAAは影響されなかった。D2D3M3M4タンパク質中のD3及び付属するリンカー(D3-M3リンカー)における推定上のFI相互作用残基の置換を、ウイルス及びヒトRCAタンパク質に関する初期の変異誘発研究に基づき行った。D2D3M3M4の合計7種の単一残基(T192E、K195Y、F197I、S199K、T200Y、L205K及びP216K)並びに3種の多残基(Multi-1、Multi-2及びMulti-3)変異体を生成した。これらの変異は、D3のCys2-Cys4領域とD3-M3リンカー(ECREIY)との間にある。それは、DAFのこの領域とMCPの相同領域との初期のスワッピングが、DAF中へのCFAの組み入れをもたらしたからである。単一及び多残基変異体生化学分析によって、様々な結果(CFAにおける完全喪失から28倍の増加まで)が示された。C3b CFAに>2倍の増加を示した置換は、S199K及びP216Kのような単一アミノ酸変異体、並びにmulti-1(リンカー置換変異体219ECREIY224→ICEKVL)、multi-2(リンカー置換+S199K)及びmulti-3(215DPL217→PKA)のような多残基変異体を含んでいた。同様に、C4b CFAに>2倍の増加を示した変異は、F197I、S199K、P216K、multi-2及びmulti-3を含んでいた。増加したCFAを有する変異体(3種の単一残基変異体(F197I、S199K、P216K)及び1種の多残基変異体(multi-1、すなわち、リンカー置換変異体)を選択した。
iii. 増加したCFAを有するD2D3M3M4変異体/タンパク質をさらに研究及び改変して、無傷のDAAを有する変異体/タンパク質を作製した - 特にCFAに増加を示した変異体において、これらのD2D3M3M4変異体のDAAをDAAの減少について研究した。CFAに増加を示したいくつかの変異体は、DAAに減少を示した。しかし、3種の変異体(F197I、P216K及びmulti-1)は、AP-DAAにほとんど又はまったく減少を示さず、CFA変異体における増加のどれもCP-DAAに>2倍の減少を示さなかった。したがってこのデータによって、4CCPの構造フレームワーク中での強いCFA及びDAAの共存が達成可能であるという前提が裏付けられた。様々なRCAタンパク質の配列アライメントを行って、CFAに増加を提供した残基が、CFAを示す他のRCAタンパク質で保たれているかを調べた。活性における増加と関連する10個の残基のうち5つは、CFAを有する他のタンパク質中で位置が保たれていることが観察された。
iv. 増加したDAA及びCFAの両方を有するD2D3M3M4変異体を作製した - D2D3M3M4変異体がD3ドメイン中に3種の単一残基変異(F197I、S199K、P216K)及びD3M3リンカー中に1種の多残基変異(multi-1、すなわち、リンカー置換変異体)を有するように置換されたときに、変異体Multi-4が作製された。D2D3M3M4変異体がD3ドメイン中に2種の単一残基変異(F197I及びP216K)及びD3M3リンカー中に1種の多残基変異(multi-1、すなわち、リンカー置換変異体)を有するように置換されたときに、Multi-5が作製された。multi-4及びmulti-5変異体を研究し、レクチン経路及び代替経路の阻害にLHR-A(CCP1-3)よりも効力が高く、代替経路の阻害にLHR-Amutよりも効力が高い、効率的なCFA及びDAAを有する4CCP分子(DCP)の成功した設計を作製した。この分子は、古典的経路及びレクチン経路を阻害することがLHR-Amutと類似する。C3b-multi-4変異体-FI複合体の分子動力学シミュレーションを研究した。実験は、キメラ中の変異された残基とFIとの相互作用に関する情報を明らかにした。全体的にキメラ/タンパク質のリンカー及び関連領域とFIとの相互作用パターンは実験研究およびデータと合致する。また、ドメイン特異的相互作用はDAF及びMCPに類似することが見出された。
v. キメラタンパク質を細菌及び酵母発現ベクターで発現させ、研究した - ヒトDAF、MCP、DAF-MCPキメラ/タンパク質及びD2D3M3M4の置換変異体並びにCR1 LHR-A(CCP1-3)及びその変異体をそれらのcDNAからそれぞれ増幅させることによって構築し、酵母発現ベクターpPICZα及び/又は細菌発現ベクターpET-28bのいずれかにクローニングした。遺伝子スプライシング及びオーバーラップ伸長法を用いてDAF-MCPタンパク質を構築し、次いで酵母発現ベクターpPICZα又は細菌発現ベクターpET-28bのいずれかにクローニングした。CR1 LHR-A(CCP1-3)をCR1 cDNAから増幅させ、その発現のためにpET-28bにクローニングした。プライマーセットを使用して、DAF、MCP及びCR1の所望の領域を増幅した;Quick-change site-directed mutagenesis kit IIを使用してD2D3M3M4の置換変異体及びCR1 LHR-A(CCP1-3)を構築し、それを細菌発現ベクターpET-28bにクローニングし、DAF欠失変異体D2-D3をDAF cDNAから増幅させ、それをpET-28bにクローニングした;クローニング後、すべての構築物をDNAシークエンシングによって検証し、クローニングされた変異体をピキア パストリス(Pichia pastoris)中に発現させ、pET-28b中にクローニングされた変異体を大腸菌BL21細胞内に形質転換した。
ヒトDAF、MCP、DAF-MCPタンパク質/変異体、すなわちD2M2-4(D2-D3の間にDAFリンカーを含むキメラ/タンパク質)及びD2M2-4-ML(M1-M2の間にリンカーを含むキメラ/タンパク質)の発現および精製。これらをP.パストリスにおいて発現させ、精製、透析及び濃縮した;同様に、DAF変異体D2D3、DAF-MCP変異体/タンパク質D2D3M3M4及びD2D3D4M4、並びにD2D3M3M4の置換変異体、CR1 LHR-A(CCP1-3)及びその変異体CR1 LHR-Amut(CCP1-3、D109N/E116K)を含む他の変異体に加えてヒトDAF及びMCPを大腸菌中にも発現させた。それらを精製及びリフォールディングした。
溶血アッセイを用いて、DAF、DAF-MCPキメラ及びD2D3M3M4の変異体の古典的/レクチン経路及び代替経路C3コンバターゼ崩壊促進活性を測定した。制御因子の存在下で酵素を崩壊させ、残ったコンバターゼ活性を推定した;液相切断アッセイによってMCP、DAF-MCPキメラ及びD2D3M3M4の変異体の補因子活性を測定した;BiacoreアッセイによってDAF、MCP、DAF-MCPキメラ及びD2D3M3M4の置換変異体のC3b及びC4bへの結合測定を行い、特異的結合応答を導き出した;Wieslab総補体ELISAアッセイによってmulti-5変異体の相対補体経路特異的阻害活性をMCP、DAF、CR1 LHR-A(CCP1-3)及びCR1 LHR-Amut(CCP1-3、D109N/E116K)の活性に対して試験し、制御タンパク質の存在下の血清活性レベルを、タンパク質の非存在下で測定された活性に対するパーセントとして表現した;DAF及びMCPの配列をUniProtから検索し(DAFのID:P08174及びMCPのID:P15529)、Modeller 9.11を用いて、D2D3M3M4タンパク質/変異体配列をDAF及びMCPのテンプレート構造(それぞれのPDB id: 5FOA及び5FO8)に基づくホモロジーモデリングに供した;DOPEスコアに基づき単一の最良モデルを選択した;キメラの天然残基を、実験的証拠から得られた変異体残基を有するように変異させた;キメラの個別の変異体構造の変異エネルギー及びその安定性を計算した;三元DAA複合体(C3b-D2D3M3M4-Bb)を構築し、その界面を解析した;三元複合体(C3b-multi-4変異体-FI)を構築し、それをMDシミュレーションのために使用した。
本発明は、二重活性制御及びI因子に対する増強した親和性及びC3b/C4bに対するアビディティーを有し、変異体Multi-5(DCP)をもたらす、4ドメインDAF-MCPキメラタンパク質(DCP)を開示する。DCPは、補体系が関係する病的状態を処置するためのさらなるRCAベースの治療薬を設計するためのリード分子として使用されることができる。
本発明は、二重活性制御を有し、さらにI因子及びC3b/C4b及び配列ID 19(DCP)との相互作用を増強するように改変された、新規な改変4ドメインDAF-MCPキメラタンパク質を開示する。
本発明の別の実施形態は、キメラ/変異体/タンパク質であるDAFリンカーを有するD2M2-4、MCPリンカーを有するD2M2-4、D2D3M3M4、及びD2D3D4M4をもたらす、ヒトDAFタンパク質由来のドメインD2D3D4及びMCPタンパク質由来のM2M3M4ドメインを有するキメラタンパク質をもたらすDAFドメインとMCPドメインとの異なる組み合わせを有する操作DAF-MCPキメラを開示する;I因子の相互作用のために操作タンパク質D2D3M3M4は機能獲得型変異によりさらに改変された。導入された変異は、219ECREIY224→219ICEKVL224並びに単一アミノ酸置換F197I及びP216Kであった。
配列番号4~33の操作キメラタンパク質は、二重活性制御、すなわちDAA及びCFAの両方を有する。
本発明は、頑健なCP-DAA及びAP-DAA並びにC3b-CFA及びC4b-CFA活性、したがって古典的経路(CP)、代替経路(AP)及びレクチン経路(LP)に対する強力な阻害活性を有する二重活性タンパク質のための最適なフレームワークを提供する。
追加的に、本明細書において生成される二重活性制御因子(DCP、配列番号19)は、補体系が関係する病的状態を処置するための補体活性化制御因子(RCA)ベースの治療薬を開発するためのリード分子として役立ち得る。二重活性タンパク質及び本発明のキメラの有効性により、それらはまた、インビトロ及びエクスビボアッセイ系でCP、AP及びLP活性化を阻害するために試薬として使用することもできる。加えて、AP、CP及びLPに対するこれらのキメラの特異性は、異なる病状における異なる経路の重要性をインビボでさらに解明することに、及びこれらの経路によって媒介される病態を阻害することに、したがって、二重活性並びにそれによってCP、AP及びLPに対する効果を提供するために必要とされる特異的立体構造特徴を解明及び同定することにそれを使用するために、これらのキメラを非常に有用にする。
キメラタンパク質は、異なる病状における異なる経路をインビトロ及びインビボで解明することに、並びにこれらの経路によって媒介される病態を阻害することに使用することができる。本発明のキメラタンパク質、特に配列番号:4~33は、二重活性を提供するために必要とされる特定の立体構造特徴を同定し、それにより、CP、AP及びLPへの効果を同定するために有用であり得る。
CP、AP及びLPの二重阻害のために必要とされる特定の主鎖立体構造及び側鎖官能基を提供するために、ポリペプチド模倣物が等しく良好に役立ち得ることが当業者によって認識されている。したがって、連結されて適切な主鎖立体構造を形成することが可能な天然アミノ酸、アミノ酸誘導体、類似体又は非アミノ酸分子のいずれかの使用を通じて二重阻害剤を産生することは、本発明の範囲内であると考えられる。例示されるポリペプチドと補体活性化の阻害が十分に類似するように同じ主鎖立体構造の特徴及び他の官能基を有する、本発明のペプチドの置換又は誘導を呼ぶために、非ペプチド類似体、又はペプチド及び非ペプチド成分を含む類似体は、時に、本明細書において「ペプチド模倣体」又は「アイソスター模倣体」と称される。
実施形態では、本発明の操作タンパク質は、ペプチドへのポリエチレングリコール(PEG)成分の付加により改変することができる。当技術分野において周知のように、PEG化は、治療用ペプチド及びタンパク質のインビボ半減期を増加させることができる。一実施形態において、PEGは、約1,000~約50,000の平均分子量を有する。別の実施形態において、PEGは、約1,000~約20,000の平均分子量を有する。別の実施形態において、PEGは、約1,000~約10,000の平均分子量を有する。例示的な実施形態において、PEGは、約5,000の平均分子量を有する。ポリエチレングリコールは、分岐鎖又は直鎖の場合があり、好ましくは直鎖である。本発明の操作タンパク質は、連結基を介してPEGに共有結合されることができる。
態様では、ポリペプチドは、当技術分野において周知のような生理学的に許容し得るエステル若しくは塩の形態で、又は生理学的に許容し得る陽イオン若しくは陰イオンとの組み合わせなどのいずれかで医薬組成物中に存在し得る。ポリペプチドはまた、それを組成物中に入れて製剤化する前に誘導体化される場合がある。
実施形態では、本発明の組成物は、組成物として投与される場合がある。そのような医薬組成物は、対象への投与に適した形態の本発明の操作ポリペプチドのみからなる場合があり、又は医薬組成物は、活性成分及び1つ若しくは複数の薬学的に許容し得る担体、1つ若しくは複数の追加的な成分、又はこれらの何らかの組み合わせを含む場合がある。
本発明の組成物は、静脈内、経口、腹腔内、皮内、筋肉内、鼻腔内、皮下、鼻腔内、脊髄内、気管内及び頭蓋内などの経路のうち任意の1つで投与される場合がある。
医薬組成物の製剤は、薬理学の分野において公知の又は将来的に開発される任意の方法によって調製される場合がある。一般に、そのような調製方法は、活性成分を担体又は1つ若しくは複数の他の副成分と混合し、次いで、必要又は所望により、産物を所望の単回単位量又は多回単位量に形づくる又はパッケージングする工程を含む。
実施形態では、本発明の新規な操作タンパク質は、補体媒介性損傷が関係する疾患における治療薬として有用である。補体媒介性疾患の例は、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、加齢性黄斑変性(AMD)、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、及びデンスデポジット病(DDD)、自己免疫疾患、例えば実験的アレルギー性神経炎、II型コラーゲン誘導関節炎、重症筋無力症、溶血性貧血、糸球体腎炎、及び免疫複合体誘導血管炎、成人呼吸促迫症候群、脳卒中、心臓発作、異種移植、多発性硬化症、熱傷、体外透析及び血液酸素化を含むが、それに限定されるわけではない。
別の実施形態では、本明細書に記載されるキメラタンパク質は、患者(ヒト又は動物)の血清、組織又は臓器中の補体活性化を阻害するために使用される場合があり、このキメラタンパク質は、加齢性黄斑変性、関節リウマチ、脊髄損傷、パーキンソン病、アルツハイマー病、癌、及び呼吸障害、例えば喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性炎症、肺気腫、気管支炎、気管支拡張症、嚢胞性線維症、結核、肺炎、呼吸促迫症候群(RDS-新生児及び成人)、鼻炎及び副鼻腔炎を含むが、それに限定されるわけではないある特定の疾患又は状態の処置を促進することができる。本発明の操作タンパク質はまた、様々な疾患における補体媒介性病態の阻害、異種移植の間のヒト補体媒介性損傷に対する抵抗性を付与するための非ヒト細胞及び組織上での発現、体外循環の間の補体の阻害、癌治療のための補体の阻害、ヒト補体からの防御のための遺伝子治療ベクター(例えば、アデノ随伴ウイルスベクター)での発現のために使用される場合がある。
本発明のタンパク質は、細胞若しくは臓器移植の間又は人工臓器若しくは挿入物の使用の際に発生する補体活性化を阻害するために(例えば、細胞、臓器、人工臓器又は挿入物を本発明のペプチドでコーティングする又はその他の方法で処理することによって)使用される場合がある。本発明のタンパク質は、生理液の体外シャントの間に発生する補体活性化を阻害するために使用される場合がある。
本明細書下記の実施例は、本発明をより十分に理解するために提供されるのであって、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1. DAFのCCP2-3は崩壊を誘導するのに対し、CCP4はC3b結合ドメインとして役立つことによって助けとなる - ドメインスワップ戦略を用いて、DAFの各ドメインの役割を決定し、変異体を作製及び試験した。DAFは、4つのCCPモジュールから構成され、CCP2-4がDAAのために必要とされる。さらに、MCPはDAAを欠如するので、1つ又は複数のMCPドメイン(M1-M3)及びリンカーと、DAFの相同ドメイン(D2-D4)及び結合リンカーとのスワッピングを行った[図1参照、ドメインに番号を付け、境界を縦線で印する。縦線に付いた番号は境界の残基を表し、uniprotナンバリングに従う。DAFドメインを連結しているリンカーを赤色で印するのに対し、MCPドメインを連結しているリンカーを青色で印する;同じ色スキームを用いてDAF-MCPキメラ中のリンカーを表す。D2M2-4(ML)は、M1-M2ドメイン間リンカーを有するキメラを表す])。もたらされた変異体を機能獲得について試験した(図2参照)。最初に、M1及び付属するモジュール間リンカーをD2及び結合リンカー(変異体D2M2-4)とスワップした。興味深いことに、CP-DAAを付与するためにこの置換だけで十分であったが、この変異体はDAFと比較して約30倍活性が低かった。さらにこの変異体は、低下したAP-DAAを示した。これは、活性に果たす他のモジュールの重要な役割を強調していた(図2A及びB、左のパネル参照)。図2Aにおいて、Inh.’は、阻害剤濃度を意味する。示したデータは、表S1に要約された3つの独立した実験の平均±SDである。点線は50%活性を意味する。
さらに、次のドメインをスワップする前にD2-D3の間のリンカー(すなわち、KKKS;正の実効電荷+3)のDAAにおける重要性を試験した。また、最近のDAF-C3b複合体構造により、リンカー残基がC3bと相互作用することが説明された。なおまた、N末端CCP周辺の正の静電ポテンシャルがC3b/C4bの初期認識を増強することも示されている。したがって、D2M2-4中のD2-D3リンカーを相同位置に存在するMCPの中性リンカー(YRET)と置換したが、もたらされた変異体(D2M2-4-ML)はCP-DAAに増加を示さなかった(図2A、左のパネル参照)。さらに、MCPリンカーを有するD2M2-4変異体(D2M2-4-ML)はまた、DAFリンカーを有するD2M2-4変異体(D2M2-4)と比較してC3b及びC4bとの結合にかなりの減少を示した(図2C及び図6A参照[棒グラフは、それぞれのタンパク質(1μM)のC3b及びC4bへの結合後の定常状態で達成されたRUを表す。固定化されたC3b及びC4b-ビオチンの量は、それぞれ3330RU及び1630RUであった。データを3つの独立した実験の平均±SDとして表現する]。図2C中のグラフは、y軸に応答単位として示す結合相互作用のセンソグラムの重ね合わせを表す。ストレプトアビジンチップ上に固定化されたC3b-ビオチン(フローセル-2)及びC4b-ビオチン(フローセル-3)の上に1μMの各タンパク質を流すことによって結合を測定した。図中に示したデータは、図6Aに示す3つの独立した実験の1つである。
DAFの2つのN末端モジュールを結合リンカーと共にMCP中に置換した次の変異体(D2D3M3M4)を製造し、この変異体のDAAを評価した。変異体がDAFと等しいCP-DAA及びAP-DAAを示したことが観察された。DAFの3つのドメインをリンカーと共にMCP中に置換(D2D3D4M4)しても、DAAにさらなる増加は生じず、逆に、DAFと比較してAP-DAAに約10倍の減少があった(図2B、右のパネル参照)。SPRデータによって、C3bに関するこの変異体の解離速度がD2D3M3M4よりもずっと低いことが示された;C4bに関してそれの解離速度は変化しなかった[図6B参照(図中に示すデータは、パネル6Cに示す3つの独立した実験の1つである)]。データによって、より低い解離速度がAP C3コンバターゼ複合体に関する制御因子のリサイクル速度に影響し、そのことがそのAP-DAAの減少をもたらすことが示唆された。まとめると、上記実施例は、崩壊がDAFのCCP2-3によってのみ誘導されることを示している。したがって、DAF中のD4モジュールはC3b結合ドメインの役割だけを果たし、その機能をM3-M4が代用できることが明らかである。
D2D3M3M4キメラ中のD2D3モジュールとAP C3コンバターゼサブユニット(すなわち、C3b及びBb)との相互作用の可能性をさらに洞察するために、C3b-D2D3M3M4-Bb複合体をモデル化した。界面解析により、D2及びD3がC3b及びBbの両方と相互作用することが見出された。すなわちD2及びD3は、C3bのα’N末端領域(α’-NT)及びマクログロブリン-6(MG6)ドメインと界面を形成した(図7A参照)。加えて、D2及びD2-D3リンカーは、Bb中のフォンビルブランド因子A型(VWA)ドメインのα7ヘリックスと接触を形成したのに対し、D3は、Bb中のVWAドメインのα7ヘリックス、α6-βFループ及びα5-βEループと接触を形成した(図7B参照)。金属イオン依存性接着部位(MIDAS部位;βA-α1、α3-α4及びβD-α5ループによって形成)の安定な立体構造が、VWAの高親和性立体構造の維持及びAP C3コンバターゼの安定性に重要であることが、それを示唆する以前の研究から知られている。さらに、α7ヘリックスがMIDAS部位にアロステリックに結合されることも提唱された。本モデル化データは、D2及びD3が、α7ヘリックスに加えて主にα6-βF及びα5-βEループと相互作用することを示している。したがって、D2-D3とこれらのループとの相互作用がMIDAS部位内のアロステリック変化に重要であり、C3bからのBbの崩壊につながる可能性がある。図7は、モデル化構造C3b-D2D3M3M4-Bb複合体中のキメラとC3b及びBbとの界面を示し、これを、タンパク質界面解析プログラムPISA、www.ebi.ac.uk/msd-srv/prot_int/pistart.htmlによって分析した。C3b(A)及びBb(B)の界面にあるD2D3M3M4キメラのD2-D3ドメイン中の残基を縦線(埋没表面積(BSA)スコアを示す)として示し、表示する。キメラのこれらの残基と相互作用するBb及びC3bの領域もまた縦線の上に印する。星印は、変異誘発によってDAAに重要であると以前に同定された残基を表す。
実施例2. M2及びM3上のI因子相互作用部位はMCPの最適なCFAに必要とされる
ヒトC3b、mini FH、及びFIの複合体の最近解明された結晶構造によって、C3bと共にFHのCCP2及びCCP3の両方(MCPのM2及びM3モジュールと相同)はFIと接触することが示された。さらに、ウイルスRCA制御因子(Kaposica及びHVS CCPH)のCCP2-3がCFAを推進することが示されている。これらのデータは、FI相互作用部位がヒト及びウイルスRCAタンパク質のCCP2及びCCP3で保存されている可能性が高いことを示唆していた。しかし、CFAにおけるこれらの部位の相対的な重要性は明らかでなかった。M3上のFI部位だけでMCPにおけるCFAを推進するために十分であるかは検討されなかった。したがって、MCPのM2ドメインを欠如するD2D3M3M4キメラのCFAを調べた。注目すべきことに、該キメラはC3b及びC4bに対するCFAを表したが、C3b及びC4bに対するCFAは、MCPのそれと比較してそれぞれ34及び35倍低かった[図3A及び図8(それらをC3b(A)又はC4b(B)及びI因子と共にPBS中37℃で表示時間インキュベートすることによってこれらのタンパク質の補因子活性を測定した。それらを還元条件下のSDS-PAGE(C3bについて9%及びC4bについて10%)上で泳動することによってC3b/C4bの切断産物を観察した。C3b-CFAでは、α’鎖はN末端68kDa断片及びC末端46kDa断片に切断され、そのうち46kDa断片は43kDa鎖断片にさらに切断される。C4b-CFAでは、α’鎖はN末端27kDa断片、中央C4d断片及びC末端16kDa断片に切断され;C末端断片はゲル上に見えない)]。したがって、これらの結果は、M3上に存在するFI相互作用部位が単独でCFAに機能的に寄与できることを示している。
D2D3M3M4キメラにおけるCFAが分かったので、D3ドメイン(M2と相同)中のFI相互作用部位を置換することによってそのDAAに影響せずにこのキメラのCFAを増強できるかを研究した。言い換えると、古典的経路及び代替経路の両方のC3コンバターゼに対する強力なDAA及びCFAが4つのCCP制御因子に共存することができるかを研究した。これに答えるために、ウイルス及びヒトRCAタンパク質に関する初期の変異誘発研究に基づき、D3中の推定上のFI相互作用残基及びD2D3M3M4変異体に付属するリンカーの置換を行った。[図9(DCP(multi-5変異体)のCCP1-4と様々な補体制御因子の相同ドメインとの構造ベースの配列アライメント。PROMALS3Dツール(http://prodata.swmed.edu/promals3d/)を使用して、DCPのモデル化構造を、DAF(PDB:1OJV)、MCP(PDB:3O8E)、H因子(PDB:2WII)、CR1(PDB:1GKG)、及びSPICE(PDB:5FOB)の実験的構造、並びにKaposica及びCRRYに基づくHVS CCPH(PDB:2XRB)のモデル化構造とアライメントした。青色の矢印は、D2D3M3M4キメラにおけるCFAを増強した変異(F197I、S199K、P216K、219ECREIY224→ICEKVL)を示し、オレンジ色の矢印は、CFAを増強しなかった変異(T192E、K195Y、T200Y、L205K)を示す。ハイライトした残基は、それぞれのタンパク質とC3b及びI因子との界面を示す。赤色の四角は、CFAに減少をもたらした以前の変異を示し、紫色の四角は、DAAに減少をもたらした変異を示す。ドメインの番号(各CCP配列の始めに示す)は、uniprotナンバリングに従って付ける)]。ここで、D2D3M3M4の合計で7種の単一残基変異体及び3種の多残基変異体[図3B(D2D3M3M4並びに大腸菌に発現されたそれの単一及び多残基変異体のSDS-PAGE分析)]を生成した。これらの変異は、D3のCys2-Cys4領域とD3-M3リンカー(ECREIY)の間にある。それは、DAFのこの領域とMCPの相同領域との初期のスワップが、DAFにおけるCFAの組み入れをもたらしたからである。単一残基変異体及び多残基変異体の生化学分析によって、CFAにおける完全喪失から28倍の増加までの様々な結果が示された[図3C(上から下へのシンボルキーの順序は、線の順序(すなわち、活性が最低から最高)に対応する。グラフに示すデータは、表S1にまとめた3つの独立した実験の平均である)]。C3b CFAに>2倍の増加を示した置換は、S199K及びP216Kのような単一アミノ酸変異体並びにmulti-1(リンカー置換変異体219ECREIY224→ICEKVL)、multi-2(リンカー置換+S199K)及びmulti-3(215DPL217→PKA;図10A)のような多残基変異体を含んでいた。同様に、C4b CFAに>2倍の増加を示した変異は、F197I、S199K、P216K、multi-2及びmulti-3を含んでいた(図3C、図10B及び表S1)。
次に、これらのD2D3M3M4変異体のDAAを評価し、特にCFAに増加を示した変異体でのDAAにおける減少を探した[図11((A)それぞれのタンパク質が予め形成したCP C3コンバターゼ(C4b2a)を崩壊させる能力を評価することによって、それぞれのタンパク質のCP-DAAを測定した。(B)それぞれのタンパク質が予め形成したAP C3コンバターゼ(C3bBb)を崩壊させる能力を評価することによって、それらのAP-DAAを測定した。100% C3コンバターゼ活性が阻害剤(Inh)の非存在下の活性に等しいと見なすことによってデータを規準化した。示したデータは、3つの独立した実験の平均±SDである)及び表S1]。本発明者らの結果によって、CFAに増加を示した3種の変異体がDAAに減少を示したことが実証された。例えば、AP-DAAにおける>2倍の減少がS199K並びにmulti-2及びmuti-3変異体で観察された。他の3種の変異体(F197I、P216K及びmulti-1)は、AP-DAAにほとんど又はまったく減少を示さなかった。その上、CFAに増加を示した変異体のどれもCP-DAAに>2倍の減少を示さなかった。したがって、これらのデータによって、4CCPの構造フレームワーク中での強いCFA及びDAAの共存が達成可能であるという前提が裏付けられる。
CFAに増加を提供した残基がCFAを示す他のRCAタンパク質で保存されているかを調べるために、様々なRCAタンパク質の配列アライメントを行った(図9)。活性における増加を伴う10個の残基のうち5つは、CFAを有する他のタンパク質で位置が保存されていることが観察された。例えば、DAFのF197及びE219と同等の位置に、保存されたイソロイシンが見られた。同様に、DAFのP216及びE222と同等の位置に、正荷電残基が存在し、DAFのR221と類似の位置に、負荷電残基が存在した。これらの残基のうち、DAFのE219と共線的な位置にあるMCPにおけるイソロイシン(19)並びにDAFのP216及び/又はE222に対応する位置にあるCR1、SPICE、Kaposica及びCCPHにおける正荷電残基の変異は、CFAに減少を示した(図9)。
実施例3. 親分子と同じように頑健なDAA及びCFAを表す4CCP DAF-MCPキメラの分子エンジニアリング
上記の演習では、3種の単一残基変異体(F197I、S199K、P216K)及び1種の多残基変異体(multi-1、すなわちリンカー置換変異体)がCFAに中等度~かなり大きい増加を示した(図3C及び表S1、図10A及び10B)。したがって、D2D3M3M4キメラにおけるこれらの残基の共同置換がDAF及びMCPと同じくらい強いDAA及びCFAを有する分子の生成をもたらす可能性があると考えられた。したがって、上記変異のすべてがD2D3M3M4に組み入れられたもの(multi-4)、及びS199KがCFAを増加させるが、AP-DAAを減少させることからS199K以外のすべてがD2D3M3M4に組み入れられたもう1つ(multi-5)というD2D3M3M4の2種の多重バリアントを生成した(表S1)。これら2種の変異体のCFAの調査によって、両方の変異体が良好なC3b CFAを有するが、multi-5がMCPと等価であったことが示された(図4A及び図12A)。しかし、両方の変異体は、MCPと比較して良好なC4b CFA(約2~3倍)を示した(図4B及び図12B[図12(A)は、MCP、multi-4及びmulti-5のC3b補因子活性(C3b-CFA)を示し、(B)は、MCP、multi-4及びmulti-5のC4b補因子活性(C4b-CFA)を示す]。これらの変異がこれらの変異体のDAAに効果を及ぼすかも決定した。multi-4変異体は、AP-DAAに完全喪失及びCP-DAAに約2.5倍の減少を示したのに対し、multi-5は、DAFと等しいAP-DAA及びCP-DAAを表した(図4C及びD並びに表S1)。multi-4変異体のAP-DAAにおける減少と一致して、C4bではなくC3bに対するその結合が、D2D3M3M4と比較して撹乱されることが見出された[図6C(データは3つの独立した実験の平均±SDである)]。
次に、Wieslab補体スクリーニングELISAを使用して補体の3つの主経路すべてに対するmulti-5変異体の制御活性を試験し、それをDAF及びMCPと比較した。multi-5は、様々な経路の阻害においてDAFよりも活性が2~7.5倍高く、MCPよりも35~225倍高かった(図12C及び表S2A)。したがって、効率的なCFA及びDAAを有する4CCP分子の成功した設計を説明した。multi-5の強いCFA及びDAAに基づき、この分子をDCP(崩壊補因子タンパク質)と名付ける。LHR-A(CCP1-3)及びその改良型バリアントLHR-Amut(CCP1-3、D109N/E116K)などのCR1阻害剤によるDCPの阻害潜在性の比較によって、DCPがレクチン経路及び代替経路の阻害にLHR-A(CCP1-3)よりも高い効力があり、代替経路の阻害にLHR-Amutよりも高い効力があったことが示された(図12C及び表S2B)。しかしこれは、古典的経路及びレクチン経路の阻害にLHR-Amutにより大きく類似していた。
実施例4. C3b-multi-4変異体-FI複合体の分子動力学シミュレーションはキメラ中の変異型残基とFIとの相互作用に関する情報を明らかにする
上に詳述した演習によって、D2D3M3M4変異体において置換された場合にCFAに増加を付与する残基が明確に同定された。FI及びC3bとの分子相互作用へのこれらの残基の影響を調べるために、C3b-FH-FI構造内のFHをキメラと置換することによってC3b-multi-4変異体-FIの三元複合体の構造モデルを生成した。予測された三元複合体を分子動力学シミュレーションに供して(50ns間)、安定性へのこれらの変異の効果並びにFI及びC3bとの相互作用に果たすそれらの役割を強調した(図5参照)。RMSDを計算して、シミュレーションの全期間にわたりタンパク質における構造多様性を特徴付けた(図13Ai参照)。RMSDは、小さなドリフト及びプラトーを有するもののシミュレーションの全期間にわたり安定であることが見出された。キメラについてRMSFプロットを計算して、残基毎のゆらぎを理解した。RMSFプロットによって、D2D3M3M4キメラとmulti-4変異体構造との間の類似したゆらぎパターンが明らかとなった(図13Aii及び図13Aiii)((i)50nsのシミュレーションの間のC3b-multi4-FI複合体の主鎖RMSD。(ii)全シミュレーション時間のキメラ残基の根平均二乗ゆらぎ(RMSF)。(iii)機能獲得型変異が同定された領域に位置するmulti-4変異体残基のRMSFを示すプロット)。
シミュレーションされた構造において評価されたキメラとC3b及びFIとの相互作用によって、キメラのI197及びI219が残基W393、P402、L404、I407、V408、I409、及びY411によって形成されるFIの疎水性ポケット中に収容されていることが示された。同様に、L224(リンカー残基)は、残基I357、G362、I363、A360、V396、V397、W399、及びI400によって形成されるFIの隣接疎水性ポケット中に位置する(図5B参照(左のパネル:I197及びI219は、残基W393、P402、L404、I407、V408、I409、及びY411によって形成される上側の疎水性ポケット中に位置するのに対し、L224は、残基I357、G362、I363、A360、V396、V397、W399及びI400によって形成される下側の疎水性ポケット中に位置する。右のパネル:左のパネルに示される疎水性ポケットを再表示し、丸印を付ける))。したがって、これらの残基の疎水性相互作用は、FH-FIについて以前に報告されたようにキメラ及びFIの安定性を増強するために重要なように見える。さらに、リンカー領域に位置する残基K216及びGlu221は、塩橋相互作用を経由してFIの残基D438及びK358と相互作用する。側鎖の配向がFI界面から離れているので、変異体残基K199及びK222は相互作用を示さない。これは、K199からSerへの復帰(multi-5における)がなぜCFAに有意な効果を及ぼさないかを説明している。しかし、S199残基は、BbのVWAドメインのα7-βFループ及びα6-βFループとの接触に関して高いBSAスコアを有する(図7B参照)。モデル化構造C3b-D2D3M3M4-Bb複合体中のキメラとC3b及びBbとの界面を、タンパク質界面解析プログラムPISA、www.ebi.ac.uk/msd-srv/prot_int/pistart.htmlによって分析した。C3b(A)及びBb(B)の界面にある、D2D3M3M4キメラのD2-D3ドメイン中の残基を、縦線(埋没表面積(BSA)スコアを示す)で示す。キメラのこれらの残基と相互作用するBb及びC3bの領域もまた縦棒の上に印する。星印は、変異誘発によってDAAに重要であると以前に同定され、したがってK199S復帰後のAP-DAAにおける大きな増加を説明している可能性がある残基を表す。興味深いことに、FIのD403は、D3のK195及びM3のS214と水素結合を形成することによって架橋残基として作用するが、キメラのD3-M3ドメインの配位に関与し得る(図14C参照(注:Lys195はFIのAsp403と電荷相互作用を示し、この相互作用は、それとM3ドメインのSer214との水素結合によって助けとなる。V178は、FIのTrp399とπ-アルキル結合を示す))。そのうえ、残基E179及びE177はFIの残基R480と塩橋ネットワークを形成する。キメラの残基V178は、FIのW399とπ-アルキル相互作用を形成する(図14C参照)。全体的に見て、キメラのリンカー及び関連領域とFIとの相互作用パターンは、本発明者らの実験研究と一致する。multi-4変異体とC3bドメインとの相互作用を図14A(拡大図は、α’-NT、MG6、MG2、CUB、MG1、及びTEDドメイン中の相互作用残基を示す)及び図14B(multi-4変異体のC3b相互作用残基は、それが相互作用するC3bドメインに従う)に示す。ドメイン特異的相互作用は、DAF及びMCPに類似していることが見出された。
実施例5. DAF、MCP、DAF-MCPキメラ並びにD2D3M3M4及びCR1 LHR-A(CCP1-3)の置換変異体の構築 - ヒトDAF(D1-D4)及びMCP(M1-M4)をそれらの各cDNAから増幅させ、酵母発現ベクターpPICZα(Invitrogen, Carlsbad, CA)及び細菌発現ベクターpET-28b中にクローニングした。記載された遺伝子スプライシング及びオーバーラップ伸長法を用いてDAF-MCPキメラを構築し、次いで酵母発現ベクターpPICZα又は細菌発現ベクターpET-28b中にクローニングした。CR1 LHR-A(CCP1-3)をCR1 cDNAから増幅させ、その発現のためにpET-28b中にクローニングした。DAF、MCP及びCR1の必要領域を増幅させるために使用されるプライマーセットを表S3に示す。Quick-change site-directed mutagenesis kit II(Stratagene, La Jolla, CA)を使用してD2D3M3M4及びCR1 LHR-A(CCP1-3)の置換変異体を構築し、細菌発現ベクターpET-28b中にクローニングした。部位特異的変異誘発のために利用された変異原性プライマーを表S3及びS4に挙げる。DAF cDNAからDAF欠失変異体D2-D3を増幅させ、pET-28b中にクローニングした;使用したプライマーセットを表S3に挙げる。クローニング後、DNAシークエンシング(1st Base Laboratories Sdn Bhd, Malaysia)によってすべての構築物を検証した。発現のために、pPICZα中にクローニングされたタンパク質/変異体を製造業者のプロトコルによりピキア パストリスに組み入れ、一方、pET-28b中にクローニングされたものを大腸菌BL21(DE3)細胞中に形質転換した。
実施例6. DAF、MCP、DAF-MCPキメラ及びD2D3M3M4の置換変異体の発現及び精製
記載のようにヒトDAF、MCP及びDAF-MCPキメラ、すなわちD2M2-4(D2-D3の間のDAFリンカーを含むキメラ)及びD2M2-4-ML(M1-M2の間のリンカーを含むキメラ)をP.パストリスに発現させ、下記のように精製した。最初に、発現されたタンパク質をすべて限外濾過によって濃縮し、80%硫酸アンモニウムを使用して氷上で沈殿させた。次いで、得られたペレットをPBS中に溶解させ、さらに処理した。DAFの精製のために、PBS中に溶解されたペレットを500mM NaClと混合し、500mM NaClを含有するPBSで予め平衡化したDEAE-Sephacelカラム(Sigma, St. Louis, Mo.)上に負荷した。次いで、得られた通過液を緩衝液交換のためにPD-10カラム(GE Healthcare Life Sciences, Pittsburgh, PA)に通し、20mMトリス、pH8.0中のMono Qカラムに負荷した。0~500mM NaClの直線勾配に通すことによって、結合したDAFの溶出を達成した。MCP及びキメラ(D2M2-4-DL及びD2M2-4-ML)の精製のために、PBS中に溶解したペレットを10mMリン酸ナトリウム、pH7.4との緩衝液交換に供し、同じ緩衝液中のDEAE-Sephacelカラムに負荷した。0~500mM NaClの直線勾配をかけて、結合したタンパク質を溶出させた。MCP又はそれぞれのキメラを含有する画分をプールし、20mM Tris、pH8.0に交換し、Mono Qカラムに負荷し、0~500mM NaClの直線勾配をかけて溶出させた。上記精製のすべての溶出画分をSDS-PAGE及び適切な抗体を使用するウエスタンブロット分析に供した(図15A及び15B参照)。精製されたタンパク質すべてをPBS中で透析し、限外濾過によって濃縮し;すべてのタンパク質の純度はSDS-PAGEによる決定で95%を超えた(図15A中、(i)DAF、MCP及びDAF-MCPキメラ。(ii)D2D3M3M4の単一残基変異体。(iii)D2D3M3M4の多残基変異体 - multi-1、multi-2、multi-3、multi-4及びmulti-5と共にCR1 LHR-A(CCP1-3)及びその二重変異体CR1 LHR-A(CCP1-3 D109N/E116K)(PBS(pH7.4)で予め平衡化したSuperose-12カラム(GE Healthcare Life Sciences)にタンパク質を負荷した。使用したゲル濾過標準(Bio-Rad)は、a、サイログロブリン(670,000Da);b、ガンマグロブリン(158,000Da);c、卵白アルブミン(44,000Da);d、ミオグロビン(17,000Da);e、ビタミンB-12(1,350Da)であった)、図15B中、(i)DAF、MCP及びDAF-MCPキメラ。(ii)D2D3M3M4の単一及び多残基(multi-1)変異体。(iii)D2D3M3M4の多残基変異体。(iv)CR1 LHR-A CCP(1-3)及びその二重変異体CR1 LHR-A(CCP1-3 D109N/E116K)(タンパク質はすべて、還元(R)及び非還元(NR)条件下で9% SDS-PAGE上を泳動させ、クマシーブルー染色した))。
ヒトDAF及びMCPをまた大腸菌に発現させた。大腸菌に発現させた他の変異体は、DAF変異体D2D3、DAF-MCPキメラD2D3M3M4及びD2D3D4M4、並びにD2D3M3M4の置換変異体を含む。CR1 LHR-A(CCP1-3)及びその変異体CR1 LHR-Amut(CCP1-3、D109N/E116K)もまた大腸菌に発現させた。本質的に以前に記載されたようにこれらのタンパク質の発現を行った。これらのタンパク質は封入体中に存在したので、簡潔には、尿素の存在下でNi-NTAカラムを使用してこれらのタンパク質を精製した。次いで、迅速希釈法によってそれらをリフォールディングに供し、ゲル濾過カラム(Superose 12;GE Healthcare Life Sciences)に通過させた。サイズ排除クロマトグラフィープロファイルでの単分散集団の存在並びに還元及び非還元条件下のSDS-PAGEでの移動度の差(ジスルフィド結合形成の指標)により判定されたように、すべてのタンパク質は適正にリフォールディングした(図15A及び15B)。SDS-PAGEによって判定したとき、大腸菌に発現されたすべてのタンパク質の純度は95%を超えた。
実施例7. CP及びAP C3コンバターゼ崩壊促進活性のアッセイ
以前に記載されたように溶血アッセイを使用してDAF、DAF-MCPキメラ及びD2D3M3M4の変異体の古典的/レクチン及び代替経路C3コンバターゼ崩壊促進活性を測定した。簡潔には、精製補体成分を使用して赤血球上にそれぞれのコンバターゼを形成させ、制御因子の存在下又は非存在下で崩壊させた。赤血球を、40mM EDTAを含有するモルモット血清(C3~C9の供給源)と共にインキュベートし、溶解を測定することによって残りのコンバターゼの活性を推定した。阻害剤の非存在下で起こった溶解と等しいC3コンバターゼ活性を100%と見なすことによって、得られたデータを規準化した。次いで、得られた活性を濃度に対してプロットして、酵素活性の50%を阻害するために必要とされる阻害剤濃度(IC50)を決定した。各阻害剤を様々な濃度で試験して、それが阻害する濃度範囲を決定し、次いで、3つの特定濃度で各阻害剤を試験して、以前に行ったようにIC50を決定した(図2、4、11)。
実施例8. C3b及びC4b補因子活性のアッセイ
各制御因子をC3b(記載されたように精製)又はC4b(Complement Technology, Inc., Tyler, TX)及びセリンプロテアーゼI因子と共にPBS中でインキュベートし、C3b/C4bの切断を測定することによってMCP、DAF-MCPキメラ及びD2D3M3M4の変異体の補因子活性を測定した。簡潔には、合計反応体積75μl中、C3b(10μg)又はC4b(15μg)を、1μM(C3bについて)又は2μM(C4bについて)制御因子及びI因子 250ng(C3bについて)又は500ng(C4bについて)と混合し、37℃でインキュベートした。次いで、表示の期間に15μlのアリコットを採取し、DTTを含有する試料緩衝液と混合し、C3b/C4bのα’鎖の切断を決定するために9%(C3bについて)又は10%(C4bについて)のいずれかのSDS-PAGEゲル上で泳動させた。Quantity oneソフトウェア(Bio-Rad)を使用するデンシトメトリー分析によって、切断されたα’鎖のパーセンテージを計算した;α’鎖の量をβ鎖(負荷対照)に対して規準化した。時間に対するC3b/C4bのα’鎖の切断パーセントのプロットは、C3b/C4bのα’鎖の50%切断を提供した。≧3倍の活性差を有意と見なした。表S1)。
実施例9. 表面プラズモン共鳴測定
DAF、MCP、DAF-MCPキメラ及びD2D3M3M4の置換変異体のC3b及びC4bに対する結合測定をBiacore 2000(Biacore AB, Uppsala, Sweden)で行った。最初に、EZ-Link PEO-マレイミド活性化ビオチン(Pierce, Rockford, IL)を使用して標的タンパク質の遊離SH基でビオチン化された標的タンパク質C3b及びC4bを、ストレプトアビジンチップ(Sensor Chip SA;Biacore AB)のフローセル2及び3に固定化した。ビオチン化ウシ血清アルブミン(BSA)が固定化されたフローセル-1は、対照フローセルとして役立てた。次に、PBS-T中の各分析物(DAF、MCP及びDAF-MCPキメラ及びD2D3M3M4の変異体)を50μl/min及び25℃でチップ上に流して結合を測定した。分析物の結合及び解離をそれぞれ120及び180秒間測定し、0.2M炭酸ナトリウム、pH9.5の30sパルスによってチップの再生を達成した。標的タンパク質が固定化されたフローセルデータから対照フローセルデータを差し引くことによって特異的結合応答を導出した(図2C及び6B)。
実施例10. CP、AP及びLPに対する効果の測定のためのELISA
Wieslab補体系スクリーニングELISAアッセイ(Euro-Diagnostica, Malmo, Sweden)を採用して、MCP、DAF、CR1 LHR-A(CCP1-3)及びCR1 LHR-Amut(CCP1-3、D109N/E116K)と比べたmulti-5変異体の相対的補体経路特異的阻害活性を試験した。ここで、各被験タンパク質の段階濃度を経路特異的な希釈剤中に製造し、マニュアルに詳述されるように正常ヒト血清濃度の一定パーセンテージと混合した。次いで、経路特異的な活性化因子でコーティングされたマイクロタイターウェルに反応混合物(100μl)を添加し、37℃で60分間保った。その後、キット内に供給される洗浄溶液でウェルを3回洗浄し、アルカリホスファターゼで標識されたC5b-9に対する抗体(100μl)と共に室温で30分間インキュベートした。ウェルを洗浄溶液でさらに3回洗浄し、基質(100μl)と共に室温で30分間インキュベートした。マイクロプレートリーダーを用いて405nmで吸光度を読み取った。制御タンパク質の存在下の血清活性レベルを、タンパク質非存在下で測定された活性に対するパーセントとして表現した(図12C)。
実施例11. D2D3M3M4キメラのモデル化
DAF(UniProt ID: P08174)及びMCP(UniProt ID: P15529)の配列をUniProtタンパク質配列データベースから検索した。DAFからD2D3の配列を抽出し、MCPからM3M4の配列を抽出して、キメラ配列を構築した。DAF及びMCPの構造座標をそれぞれC3b-DAF(PDB id: 5FOA)及びC3b-MCP(PDB id: 5FO8)の共晶構造から分離した。Discovery Studio v 3.5; Dassault Systemes BIOVIA 2016)に実装されるModeller 9.11を使用して、DAF及びMCPのテンプレート構造に基づくキメラ(D2D3M3M4)の構造をモデル化した。その後、ループモデル化オプションを使用して、ループ領域をモデル化した。DOPEスコアに基づいて唯一の最良のモデルを選択した。PROCHECK及びPROSA-Webサーバーを使用して、予測されたモデルの立体化学的品質を評価した。次いで、Discoveryスタジオを使用して、キメラの天然残基を本文に記載される実験的証拠から得られた変異体残基に変異させた。次いで、キメラの個別の変異体構造を変異エネルギー及びその安定性の計算に供した(図5)。
実施例12. 三元DAA複合体(C3b-D2D3M3M4-Bb)の構築及びその界面解析
DAF-C3b(PDB id: 5FOA)及びC3bBb(PDB id: 2WIN)のテンプレート構造をキメラD2D3M3M4の上記モデル化構造と共に使用することによって、制御因子としてのキメラD2D3M3M4とのDAA三元複合体をモデル化した。簡潔には、D2D3M3M4キメラをC3b-DAF構造中のDAFと重ね合わせて、D2D3M3M4-C3b複合体を作った。次いで、D2D3M3M4-C3b及びC3bBbをC3b分子と一緒に重ね合わせて、C3b-D2D3M3M4-Bbの三元モデルを生成した。最急降下法によって最終的な三元複合体をエネルギー最小化に供した。C3bとD2D3M3M4との間及びBbとD2D3M3M4との間の相互作用を理解するために、PISA(タンパク質界面解析プログラム、www.ebi.ac.uk/msd-srv/prot_int/pistart.html)によって三元複合体の界面解析を行った(図7)。
実施例13. 三元複合体(C3b-multi-4変異体-FI)の構築及びMDシミュレーション
C3b-FH-FI(PDB id: 5O32)の三元複合体をPDBから検索し、multi-4変異体のモデルを複合体のFH分子と重ね合わせた。FHの座標を取り出し、UCSFキメラを使用してC3b-multi-4変異体-FIの三元複合体を生成した。次いで、生成したC3b-multi-4変異体-FIの三元複合体を、GROMACS 5.0.4パッケージを使用してOPLS-AA力場を用いたMDシミュレーションに供した。単一点電荷(SPC)水モデルを用いてタンパク質を溶媒和させ、それをNA+対イオンで中和した。位置拘束をタンパク質に適用して最急降下エネルギー最小化に続くNVTアンサンブルにおける500ps平衡化によって溶媒和構造を最小化した。続いて、NPTアンサンブルを用いてシステムを2nsの間平衡化した。最後に、各三元複合体系をNPTアンサンブルでの50nsの生産運転に供した。周期的境界条件を用いるシミュレーション全体で2fsの時間ステップを使用した。LINCSアルゴリズムを使用して、水素原子へのすべての結合を拘束して2fsのタイムステップを許した。PMEアルゴリズムをカットオフ距離1.2nmで使用して長距離静電相互作用を計算した。GROMACSに実装されたg_clusterツールを使用してRMSDカットオフ2.0Åで軌道全体に構造クラスタリングを行った。単一の代表的な立体構造を各システムの最多クラスターから抽出した。VMDを使用して軌道を解析し、Discovery Studio;Dassault Systemes BIOVIA 2016)を使用してシミュレーション画像を生成した(図5及び13A)。
実施例14. D2M2-4の機能獲得型変異体の構築及びクローニング
D2M2-4キメラ(DAF-リンカーを有する)の構築及びその生化学特徴付けによって、この分子が補助因子及び崩壊促進活性の両方を有することが示された。さらに、この分子は最適なC3b-CFA及びC4b-CFAを示したものの、部分的なCP-DAA及び低下したAP-DAAだけを示した。しかし全体的に見て、この分子は3つの経路すべて(AP/CP/LP)に作用し、その阻害活性は、LP及びAPについてDAFと同等であり;この分子はCPについてDAFと比較して約3.7倍低い阻害活性を示した。したがって、D2M2-4分子はまた、最適なCFA及びDAAを有する分子を生成するための優れた候補であった。
したがって、D2M2-4キメラのAP-DAAの最適化を探究した。ここで暗黙の仮定は、CFA及びDAAについての機能的部位が非重複的に4-CCP構造にわたり空間的に保存されていることであった。キメラのD2、M2及びM3ドメイン中の13残基を置換した。これらの残基は、DAF及び他のRCA制御因子におけるAP-DAAに重要であることが示された(図16)。具体的には、ヒト制御因子及びウイルス制御因子における変異誘発が本発明者らの変異誘発研究を指導した(図16C)。単一アミノ酸置換変異体の生成を部位特異的変異誘発アプローチによって達成した。13個の置換の位置及び変異の基盤を図16Aに示す。
変異体を生成するために、pGEMTにクローニングされたD2M2-4構築物に最初に変異を導入した。Stratageneから市販されているQuick-change site-directed mutagenesis kit(D2D3M3M4変異体の生成のために利用されたものと同じもの)を使用することによってこれらの変異を導入した。制限消化及びシークエンシングによって所望の変異を有するpGEMTクローンを確認した。検証後、すべてのクローンをpET-28b発現ベクター中にサブクローニングし、制限消化及びシークエンシングによって再検証した。
実施例15. D2M2-4変異体の発現、精製およびリフォールディング
大腸菌BL21細胞中にD2M2-4の機能獲得型変異体のpETクローンを形質転換し、発現のために誘導した。次いで、Ni-NTAカラムクロマトグラフィーに供することによって、尿素を使用する変性条件で発現された変異体を封入体から精製した。精製されたタンパク質を迅速希釈法によってリフォールディングし、ゲル濾過クロマトグラフィーに負荷して凝集物を除去し、それらの単分散集団を得た。SDS-PAGE分析から観察されたように、すべての変異体の純度は95%を超えた(図16B)。リフォールディングされた変異体のゲル濾過後、精製されたタンパク質は単分散集団を有すると予想され、それを検証するために、Superose 12ゲル濾過カラム(GE Healthcare Life Sciences)での分析運転を行った。すべてのタンパク質はゲル濾過で単分散集団を示した(プロファイルを図17に示す)。
実施例16 D2M2-4置換変異体の古典的経路崩壊促進活性の特徴付け
D2M2-4の上記単一アミノ酸置換変異体は、AP-DAAを増加させると予想された。しかし以前のデータから、本発明者は、DAFにおけるAP-DAAに重要であると示されている残基のいくつかがCP-DAAにも重要であることを知っている。したがって、いくつかの変異体でCP-DAA及びAP-DAAにおける増加が予想された。13個すべてのD2M2-4変異体のCP-DAAを測定し、2つの変異体(I134A及びL161K)が活性に約2倍の増加を示した。I134A変異は、この位置でのFからAへの変異がそのCP-DAAを183%増加させたことを示したDAF変異データに基づいた。他方、L161K変異は、この位置での正電荷の除去がそのCP-DAAを低下させることを明らかにしたDAF及びKaposica変異データに基づいた(図18)。これらの機能獲得型変異体とは別に、CP-DAAに増加を示さなかった又は減少を示したいくつかの変異体もまた存在し、これは、局所環境が相互作用に有意に影響することを示唆している。
実施例17. D2M2-4置換変異体の代替経路崩壊促進活性の特徴付け
以前に述べたように、これらの変異体を設計するための理論的根拠は、AP-DAAを増加させることであり、したがって、上に計画された部位特異的変異体はすべて、D2M2-4キメラのAP-DAAの増強のためのものであった。これらの変異体のAP-DAAを評価し、変異体のうち4種、すなわちE136Q(D2)、Y101N、I134A及びL161Kは、AP C3コンバターゼ崩壊活性に有意な改善を示した(図19)。したがって、D2M2-4キメラにおけるAP-DAAの機能獲得を達成した。E136Q(D2)及びY101N変異は、D2M2-4と比較してAP-DAAに5.6倍及び7.2倍の増加を示した。類似の位置でのDAFにおけるE/Q交換がDAAに154%の増加につながったので、DAFに基づいてE136Q(D2)変異を作製した。これらのタンパク質における共線位置でのNの存在がそれらのAP-DAAに重要であることが示されたので、DAF及びCR1に関する変異誘発データに基づきY101N変異を作った。AP-DAA変異におけるその他の2つの増加、I134A及びL161Kもまた、D2M2-4と比較してAP-DAAに6.7倍及び3.4倍の増加を示した。DAF/Kaposicaに基づきこれらの変異を設計した。重要なことに、これらの変異もまたCP-DAAに増加を示した。要約すると、これらの演習は、D2M2-4のAP-DAAを有意に増強する4つの残基の同定をもたらした。しかし、これらの変異のどれも、DAF分子のAP-DAAに匹敵する強い増加を示さなかった。
実施例18 C3コンバターゼサブユニットC3b及びC4bへのD2M2-4変異体のリアルタイム結合の特徴付け
DAFがC3コンバターゼの両方のサブユニット、すなわちC3b/C4b及びBb/C2aと相互作用することが以前に立証されている。さらに、DAFのそのような二重相互作用はそれがC3コンバターゼを崩壊させる能力に重要であることも示唆された。SPRアッセイを採用することによってD2M2-4変異体のC3b/C4bへの結合を測定した。このアッセイでは、C3b又はC4bの遊離SH基をビオチンで標識することによってC3b又はC4bをストレプトアビジンセンサーチップ上に固定化した。そのような標識は、チップ上のそれらを生理学的配向に向けた。次に、1μM D2M2-4及びその各変異体をチップ上に流して、結合を測定した。結合応答を応答単位(RU)として測定した。それを時間に対してプロットして(センソグラム)、比較した。MCP及びDAFのC3b及びC4bへの結合は、D2M2-4変異体と比較して低く、それに結合するリンカーと一緒のD2ドメインの置換がMCPのC3b及びC4bへの結合を有意に増強することを示していた。次に、変異体の結合応答を分析したとき、AP-DAA(E136Q(D2)、Y101N、I134A及びL161K)又はCP-DAA(I134A及びL161K)のいずれかに増加を示した変異体のどれも、D2M2-4分子と比較してC3b又はC4bへの結合に増加を示さなかった(図20)。したがって、これらの変異体のDAAにおける増加は、コンバターゼの他のサブユニット、すなわちBb/C2aとのより良好な結合のおかげである可能性がある。
実施例19. AP-DAAについてのD2M2-4キメラの活性の最適化
推定上の機能獲得型変異体のAP-DAAの調査によって、活性に増加を有する4種のD2M2-4変異体が同定された。これらの変異体は、E136Q(D2)、Y101N、I134A及びL161Kであった。しかし、これらの変異体は活性に増加を示し、それらの活性はDAFの活性と比較してずっと低かった。したがって、D2M2-4のAP-DAAを最適化するために、その中に4種の変異すべてを包含する四重変異体を構築した。四重変異体のAP-DAAの評価によって、D2M2-4と比較して活性に頑健な12.5倍の増加が示されたが;そのCP-DAAは、全く増加を示さなかった(図21)。上に述べたように、四重変異体のAP-DAAはDAF分子と比較して依然として138倍低かった。したがって結果は、DAF分子におけるAP-DAAに重要な他の残基が、D2M2-4四重変異体から失われていることを示している。
理論によって限定されることなく、本発明は、DAA及びCFAについて機能的部位が空間的に保存され、重複していないことを示唆している。本発明はまた、四重変異体がそのCFAを保持したかを決定している。そのCFAの測定によって、そのC3b-CFA及びC4b-CFAがD2M2-4キメラと同等であることが示された(図22)。したがって、本明細書においてCFA(C3b-CFA及びC4b-CFA)及びDAA(CP-DAA及びAP-DAA)の両方が単一の4CCP分子に共存できることが示された。しかし、この分子は最適なC3b-CFA、C4b-CFA及びCP-DAAを有したが、DCPで観察されたAP-DAAを有しなかった。
本発明のキメラタンパク質を変異させてその効力を増加させる場合があることが提唱されている。さらに補体活性化部位へのタグ、CCP又は標的化のためのペプチド/タンパク質の付加;そのインビトロ及びインビボ半減期を増加させるための改変、膜又は細胞内標的化のための改変によって、本発明のキメラタンパク質がさらに改変される場合がある。
[配列表]
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Figure 0007444968000013

Figure 0007444968000014

Claims (28)

  1. D2M2-4(配列番号4)D2M2-4(ML)(配列番号5)D2D3M3M4(配列番号6)D2D3D4M4(配列番号7)D2D3M3M4(T192E)(配列番号8);D2D3M3M4(K195Y)(配列番号9);D2D3M3M4(F197I)(配列番号10);D2D3M3M4(S199K)(配列番号11);D2D3M3M4(T200Y)(配列番号12);D2D3M3M4(L205K)(配列番号13);D2D3M3M4(P216K)(配列番号14);D2D3M3M4(Multi-1)(配列番号15);D2D3M3M4(Multi-2)(配列番号16);D2D3M3M4(Multi-3)(配列番号17);D2D3M3M4(Multi-4)(配列番号18);D2D3M3M4(Multi-5)(配列番号19);D2M2-4(E136Q)(D2)(配列番号20);D2M2-4(Y101N)(配列番号21);D2M2-4(E118L)(配列番号22);D2M2-4(I134A)(配列番号23);D2M2-4(E136K)(配列番号24);D2M2-4(E137Y)(配列番号25);D2M2-4(E142K)(配列番号26);D2M2-4(G152D)(配列番号27);D2M2-4(L161K)(配列番号28);D2M2-4(T163A)(配列番号29);D2M2-4(V178R)(配列番号30);D2M2-4(V180F)(配列番号31);D2M2-4(L184R)(配列番号32);及びD2M2-4(Tetra)(配列番号33)からなる群より選択される、補体経路の阻害のための操作キメラタンパク質。
  2. 崩壊促進因子(DAF)のD1、D2、D3及びD4ドメインより選択されるドメイン並びにメンブレンコファクタープロテイン(MCP)のM1、M2、M3及びM4より選択されるドメインを任意でリンカーと共に含む、請求項1記載の操作キメラタンパク質。
  3. D2D3M3M4(Multi-5)(配列番号19)である、請求項1記載の補体経路の阻害のための操作キメラタンパク質。
  4. 崩壊促進因子(DAF)のD2及びD3ドメイン並びにメンブレンコファクタープロテイン(MCP)のM3及びM4ドメインをリンカー及び特定の変異と共に含み、前記特定の変異がC3b/C4b及びI因子との相互作用を増強するための変異である、請求項3記載の操作キメラタンパク質。
  5. 操作キメラタンパク質(DCP)が、DAFタンパク質由来のドメインD2D3及びMCPタンパク質由来のM3M4ドメインを含み;ドメインがリンカーと共にスワップされ;DAFの2つのN末端モジュールが結合リンカーと共にMCP中に置換され;変異219ECREIY224→219ICEKVL224(multi-1)並びに単一アミノ酸置換F197I及びP216Kを含む機能獲得型変異(I因子相互作用のため)が導入された、請求項3記載の操作キメラタンパク質(DCP)。
  6. MCPのM1、M2が、DAFの2つのN末端モジュールが結合リンカーと共にMCP中に置換されてD2D3M3M4となった、請求項3記載の操作キメラタンパク質(DCP)。
  7. D2D3M3M4におけるI因子との相互作用を増加させるための変異が、T192E、K195Y、F197I、S199K、T200Y、L205K及びP216K並びに3種の多残基Multi-1、Multi-2及びMulti-3より選択される、請求項3記載の操作キメラタンパク質(DCP)。
  8. i. RCAタンパク質DAF及びMCPのドメイン並びにそれらのそれぞれのリンカーをスワップして、機能的態様を研究及び同定し、キメラタンパク質を得た工程;
    ii. D2D3M3M4キメラを選択し、さらなる改変及び変異を導入して増加したCFAを有する変異体を作製した工程;
    iii. 増加したDAA及びCFAの両方を有するD2D3M3M4変異体を作製した工程;
    iv. キメラ変異体D2D3M3M4及びD2D3D4M4、並びにD2D3M3M4及びD2M2-4の単一及び多残基変異体がもたらされた工程;
    v. 細菌発現ベクター及び/又は酵母発現ベクターにおいて工程(iv)の変異体を発現させた工程
    を含む、請求項1記載の操作キメラタンパク質を得るための方法。
  9. D2M2-4(配列番号4)D2M2-4(ML)(配列番号5)D2D3M3M4(配列番号6)D2D3D4M4(配列番号7)D2D3M3M4(T192E)(配列番号8);D2D3M3M4(K195Y)(配列番号9);D2D3M3M4(F197I)(配列番号10);D2D3M3M4(S199K)(配列番号11);D2D3M3M4(T200Y)(配列番号12);(D2D3M3M4(L205K)(配列番号13);D2D3M3M4(P216K)(配列番号14);D2D3M3M4(Multi-1)(配列番号15);D2D3M3M4(Multi-2)(配列番号16);D2D3M3M4(Multi-3)(配列番号17);D2D3M3M4(Multi-4)(配列番号18);D2D3M3M4(Multi-5)(配列番号19);D2M2-4(E136Q)(D2)(配列番号20);D2M2-4(Y101N)(配列番号21);D2M2-4(E118L)(配列番号22);D2M2-4(I134A)(配列番号23);D2M2-4(E136K)(配列番号24);(D2M2-4(E137Y))(配列番号25);D2M2-4(E142K)(配列番号26);D2M2-4(G152D)(配列番号27);D2M2-4(L161K)(配列番号28);D2M2-4(T163A)(配列番号29);D2M2-4(V178R)(配列番号30);D2M2-4(V180F)(配列番号31);D2M2-4(L184R)(配列番号32);及びD2M2-4(Tetra)(配列番号33)からなる群より選択される、補体経路の阻害のための操作キメラタンパク質を得るための、請求項8記載の方法。
  10. タンパク質がD2D3M3M4(Multi-5)(配列番号19)である、請求項8記載の方法。
  11. 変異体が、CFA、AP-DAA及びCP-DAA活性を増加させた、請求項8記載の方法。
  12. 二重活性制御及びI因子に対する増強した親和性及びC3b/C4bに対するアビディティーのための、請求項1記載の操作キメラタンパク質。
  13. 頑健なCP-DAA及びAP-DAA並びにC3b-CFA及びC4b-CFA活性、したがって古典的経路(CP)、代替経路(AP)及びレクチン経路(LP)に対する阻害活性を有する二重活性タンパク質のための、請求項1記載の操作キメラタンパク質。
  14. 補体系が関係する病的状態を処置するための補体活性化制御因子(RCA)ベースの治療薬を開発するためのリード分子としてのその使用のための、請求項3記載の操作キメラタンパク質。
  15. インビトロアッセイ系においてCP、AP及びLP活性化を阻害するための試薬としてのその使用のための、請求項1記載の操作キメラタンパク質。
  16. 二重活性並びにそれによってCP、AP及びLPに対する効果を提供するために必要とされる特異的立体構造特徴を解明及び同定することにおけるその使用のための、請求項1記載の操作キメラタンパク質。
  17. 請求項1記載の操作キメラタンパク質を薬学的に許容し得る賦形剤と共に含む組成物。
  18. 静脈内、経口、腹腔内、皮内、筋肉内、鼻腔内、皮下、脊髄内、気管内及び頭蓋内などの経路のうち任意の1つで投与することができる、請求項17記載の組成物。
  19. 異なる病状における異なる経路をインビトロ及びインビボで解明すること並びにこれらの経路によって媒介される病態を阻害することにおけるその使用のための、請求項17記載の組成物。
  20. 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、加齢性黄斑変性(AMD)、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、デンスデポジット病(DDD)、自己免疫疾患、成人呼吸促迫症候群、脳卒中、心臓発作、異種移植、多発性硬化症、熱傷、体外透析並びに血液酸素化におけるそれの使用のための、請求項17記載の組成物。
  21. 請求項1記載の操作キメラタンパク質を含むアッセイ。
  22. 人工臓器又は挿入物の使用の間に補体活性化を阻害するために用いられる、請求項17に記載の組成物。
  23. 患者における補体活性化を阻害するために用いられる、請求項17に記載の組成物。
  24. 患者における補体媒介性組織傷害を処置するために用いられる、請求項17に記載の組成物。
  25. 加齢性黄斑変性、関節リウマチ、脊髄損傷、パーキンソン病、アルツハイマー病、癌、及び呼吸障害からなる群より選択される補体媒介性疾患及び障害の処置のため、並びに異種移植の間のヒト補体媒介性損傷に対する抵抗性を付与するため、体外循環の間の補体の阻害のため、癌治療のための補体の阻害のために用いられる請求項17に記載の組成物。
  26. ヒト補体からの防御のための遺伝子治療ベクターであって、請求項1に記載の操作キメラタンパク質をコードする遺伝子を含むことを特徴とする、遺伝子治療ベクター。
  27. 上記自己免疫疾患が、実験的アレルギー性神経炎、II型コラーゲン誘導関節炎、重症筋無力症、溶血性貧血、糸球体腎炎及び免疫複合体誘導血管炎から成る群より選択される、請求項20に記載の組成物。
  28. 上記呼吸障害が、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性炎症、肺気腫、気管支炎、気管支拡張症、嚢胞性線維症、結核、肺炎、呼吸促迫症候群(RDS - 新生児及び成人)、鼻炎及び副鼻腔炎からなる群より選択される、請求項25に記載の組成物。
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