JP7444809B2 - コンクリートの劣化試験方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリートの劣化試験方法に関する。
コンクリートを用いた構造物の劣化試験の分野において、環境中の酸による劣化を予測又は評価するために様々な技術が開発されている。特許文献1には、コンクリートが置かれた中性化環境を簡易かつ早期に評価することを目的として、水/セメント比および水/粉体比を所定の範囲とし、板状またはブロック状に成形したセメント組成物の硬化体からなるコンクリートの中性化環境評価用センサが開示されている。
特開2014-199237号公報
ところで、硫酸等の酸による劣化の予測又は評価には、コンクリート供試体に対して特段の処理を行うことなく、該供試体を実使用の環境に配置して一定期間曝露することが一般的である。このような曝露試験では、典型的には数年という長い時間を要するので、この期間を短縮して、劣化を早期に予測評価できる技術が望まれている。しかし、特許文献1に記載の技術は、一般的な評価方法と同様に、硬化体を評価対象となる環境に所定期間置くものであるので、劣化評価に供される期間を短縮できるものではない。
したがって、本発明の課題は、硫酸によるコンクリートの劣化を早期に評価できる方法を提供することにある。
本発明は、目的とするコンクリート構造物と同一のコンクリート組成を有する供試体を、該供試体の表面に腐食が発生するまで硫酸水溶液に浸漬し、然る後に、
浸漬した前記供試体を前記コンクリート構造物が曝される環境と同環境に曝す、コンクリートの劣化試験方法を提供するものである。
本発明によれば、硫酸によるコンクリートの劣化を早期に評価できる方法が提供される。
図1は、各下水処理施設に普通コンクリートを実際に打設したときのコンクリートの劣化状態(侵食深さ)を示すグラフである。 図2は、本発明における劣化試験方法の実施の有無によって生じる劣化状態の一例を模式的に表すグラフである。 図3は,圧縮強度の異なる普通コンクリートを5質量%または10質量%の硫酸水溶液に浸漬したときの侵食深さを表すグラフである。 図4は、普通コンクリートを様々な濃度の硫酸水溶液に浸漬したときの、浸漬期間と浸食深さとの関係を表すグラフである。 図5は、普通コンクリートを硫酸水溶液に浸漬したときの、硫酸濃度と浸食速度との関係を表すグラフである。 図6は、耐硫酸性コンクリートを硫酸水溶液に浸漬したときの、硫酸濃度と浸食速度との関係を表すグラフである。
本発明の好適な実施形態を以下に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の説明において、「X~Y[Z]」(X及びYは任意の数値であり、[Z]は必要に応じて付される単位である。)と記載した場合、特に断りのない限り、「X[Z]以上Y[Z]以下」を意味する。
本発明のコンクリートの劣化試験方法は、目的とするコンクリート構造物と同一のコンクリート組成を有する供試体を、該供試体表面に腐食が発生するまで硫酸水溶液に浸漬する工程と、硫酸水溶液に浸漬した供試体をコンクリート構造物が曝される環境と同環境に曝す工程との二つに大別される。
コンクリート構造物とは、コンクリートを用いて構成された構造物であり、例えば道路、橋、トンネル、港湾、空港、ダム、堤防などの河川構造物、下水処理施設(汚泥処理施設、並びにこれらに連結して敷設される下水道等の管路などの排水処理用構造物も含む)、家屋、ビル、商業施設、入浴施設や温泉施設などの各種建築物等が挙げられる。これらのコンクリート構造物は、その目的に応じて、鉄筋等の鋼材を含まない無筋コンクリート構造物であってもよく、鉄筋や鉄骨等の鋼材をコンクリート内部に含む鉄筋コンクリート構造物や、鉄骨コンクリート構造物であってもよい。
まず、目的となるコンクリート構造物と同一のコンクリート組成を有する供試体を用意する。この供試体は、コンクリート構造物の打設時又は打設前に、コンクリート構造物とは別個に作製してもよい。これに代えて、供試体は、既設の実際のコンクリート構造物、あるいはコンクリート構造物に使用されるコンクリート製品から一部採取する等の方法によって作製してもよい。供試体は、鋼材を含まずに形成してもよく、あるいはコンクリート構造物に鉄筋や鉄骨が含まれる場合において鋼材の劣化も包含して評価可能にする点から、鋼材を含んで形成してもよい。
コンクリート構造物の構造を破壊することなく、施工対象となるコンクリート構造物の曝露環境に対して耐久性を高くするようにコンクリートの組成や構造設計を適切に且つ事前に決定する観点から、目的とするコンクリート構造物とは別個に供試体を作製することが好ましく、また、コンクリート構造物を施工する前に予め作製することも好ましい。具体的には、目的とするコンクリート構造物に用いられる予定のコンクリート組成と同一のコンクリート組成を有する供試体を別個に且つ予め作製することが更に好ましい。
目的となるコンクリート構造物とは別個に供試体を作製する場合、その作製条件は、使用するコンクリートの硬化が適切に進行可能な条件であれば、本技術分野で通常行われる条件を採用することができる。
供試体の作製条件、並びに作製する供試体の形状及び寸法は、例えばJIS A7502-2:2015「下水道構造物のコンクリート腐食対策技術 第2部:防食設計標準」本文及び附属書Cの記載、並びにJIS A1132の記載に準じることができる。
作製する供試体の個数は、1個でもよく、複数個であってもよい。作製する供試体の個数は、劣化評価の精度を高める観点から、好ましくは複数個であり、より好ましくは3個以上である。供試体を複数個作製する場合、劣化評価の精度を更に高める観点から、供試体はいずれも同一の形状及び寸法を有することも好ましい。
供試体の作製条件の具体例として、供試体を脱型した後の養生方法としては、標準養生(水中養生)や封緘養生のほか、保温養生、気中養生、蒸気養生、又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。養生時の環境は、例えば20℃±3℃の温度、及び相対湿度60%±5%の環境に維持したり、あるいは必要に応じて加熱したり、あるいは加湿もしくは除湿したりしてもよい。養生期間は、例えば7~28日、好ましくは21~28日とすることができる。また供試体の養生後、必要に応じて、中性化深さを測定する等の目的で、本技術分野で通常用いられる各種樹脂を用いて供試体の表面の一部を被覆あるいはコーティングしてもよい。
供試体の寸法は、評価対象とする構造物と同様の条件を再現できる形状とすることが好ましい。供試体の寸法は、例えば、1辺がそれぞれ独立して4~40cmである四角柱状とするか、または、直径及び高さがそれぞれ独立して5~20cmである円柱状とすることが好ましい。
上述のような寸法範囲とすることによって、供試体の運搬性や、所定環境への設置の容易性等といった供試体の取り扱い性が良好になるとともに、硫酸水溶液の浸漬を行った後でも劣化評価を適切に行うことができる程度の寸法を維持することができる。
また、供試体の表面の一部を樹脂によって被覆する場合、供試体の脱型から樹脂被覆を実施するまでの養生は、温度20℃±2℃の水道水中で27日間養生する条件を採用することも好ましい。このような条件を採用することによって、評価対象とする構造物の劣化条件と同等の条件で評価しやすくなり、劣化評価の精度が向上する。
次いで、得られた供試体を、供試体の表面に腐食が発生するまで硫酸水溶液に浸漬する。これによって、コンクリートの表面劣化を酸によって加速させて、曝露試験の所要期間を短縮することができる。
本明細書における「腐食が発生する」とは、コンクリートに含まれる水酸化カルシウムと硫酸との反応によって、供試体の表面に石膏(硫酸カルシウム)が析出した状態をいう。具体的には、供試体の表面に腐食が発生したか否かの判断は、供試体におけるコンクリートの露出面と硫酸水溶液との接触面(以下、これを曝露面ともいう。)の全面が白く変化して石膏の析出が目視にて確認されるか、または、供試体の中性化深さ(又は侵食深さ)が1.0mm以上となった状態とすることができる。このような腐食は、例えば後述する浸漬条件で供試体を浸漬することによって容易に発生させることができる。
供試体は、その目的に応じて、供試体の表面を他の部材や樹脂等で被覆することなく、コンクリートが全面露出した状態でそのまま硫酸水溶液に浸漬させてもよく、供試体の表面の少なくとも一部を他の部材や樹脂等で被覆して、コンクリートが一部露出した状態で硫酸水溶液に浸漬させてもよい。また供試体は、硫酸水溶液中に完全に浸漬させてもよく、必要に応じて供試体の一部を外気中に露出させた状態で浸漬させてもよい。
供試体を硫酸水溶液に浸漬する方法は、例えばJIS A7502-2:2015「下水道構造物のコンクリート腐食対策技術 第2部:防食設計標準」本文及び附属書C、またはJIS原案「コンクリートの溶液浸せきによる耐薬品性試験方法(案)」に記載の方法に準じて行うことができる。
より詳細には、供試体を硫酸水溶液に浸漬する条件は、非加熱であってもよく、加熱してもよい。好適な浸漬温度としては、硫酸水溶液の温度を好ましくは17~23℃、より好ましくは18~22℃の範囲を維持した状態とする。このような温度で浸漬を行うことによって、各供試体における曝露面で生じる硫酸との化学反応のばらつきを小さくでき、劣化評価の精度を更に高めることができる。また用いる硫酸水溶液は、撹拌してもよく、撹拌しなくてもよい。
また浸漬条件として、硫酸水溶液への浸漬期間は、コンクリート組成や腐食の発生状況に応じて適宜変更可能であるが、上述の好適な温度範囲で浸漬した場合、好ましくは3~150日、より好ましくは4~100日、更に好ましくは7~91日、一層好ましくは7~70日、より一層好ましくは7~56日浸漬する。
硫酸水溶液の取り扱い性の向上と供試体の劣化加速性の向上とを両立して達成する観点から、使用する硫酸水溶液中の硫酸濃度は、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1~20質量%、更に好ましくは3~20質量%、一層好ましくは5~15質量%、より一層好ましくは5~10質量%である。
また硫酸水溶液の水分の揮発等による硫酸水溶液の品質の経時変化を低減して、劣化試験による劣化評価精度を更に高める観点から、浸漬期間の全期間にわたって、硫酸水溶液中の硫酸濃度を上述の好適な範囲を維持するようにすることも好ましい。硫酸水溶液中の硫酸濃度を維持する方法としては、例えば、水を追加したり、硫酸水溶液の一部又は全部を交換したりする方法等が挙げられる。
特に、後述する耐硫酸コンクリートを供試体に用いる場合、供試体の浸漬条件として、硫酸水溶液の温度を好ましくは18~22℃とし、浸漬期間を21~95日とし、且つ硫酸水溶液中の硫酸濃度を5~10質量%に維持する条件を採用することが一層好ましい。このような条件とすることによって、各供試体における曝露面の硫酸との化学反応のばらつきを小さくして、曝露面全体に腐食を効率的に発生させることができる。その結果、後述する環境曝露時において、安全にかつ比較的短期間で劣化を評価することができる。
続いて、硫酸水溶液に浸漬した供試体をコンクリート構造物が曝される環境と同環境に曝す。これによって、実環境におけるコンクリート構造物の劣化をより早期に予測又は評価することができる。供試体が曝される環境としては気中又は水中が挙げられ、より具体的には、コンクリート構造物が現に存在している場所の実際の環境、及びコンクリート構造物の建設予定地の実際の環境のほか、コンクリート構造物の既設地又は建設予定地とは場所が異なるが、コンクリート構造物が曝される環境と同一の環境が再現可能な施設内(例えば実験室)等も含まれる。
これに加えて、曝露環境に応じて、5℃未満の低温下、5~35℃の常温下、35℃超の高温下等の温度条件や、相対湿度45%未満の低湿下、相対湿度45~85%の常湿下、相対湿度85%超の高湿下等の湿度条件、並びにこれらの温度及び湿度の変動が適宜組み合わされ得る。またこれに加えて、硫酸や炭酸等の各種の酸が発生しやすい環境、塩化物イオンが多く存在する環境等のコンクリートの劣化が進行し得る周囲条件が適宜組み合わされ得る。
硫酸水溶液の浸漬による劣化の促進を行ったことに起因して、硫酸存在下という共通する環境に曝露して、実環境での硫酸による劣化を精度高く評価可能にする観点から、コンクリート構造物が曝される環境として、硫酸によるコンクリートの腐食が生じる環境に供試体を置くことが好ましい。
硫酸によるコンクリートの腐食が生じる環境は、周囲に硫化水素が存在する環境であり、詳細には、日本下水道事業団の防食技術指針に基づく腐食環境が挙げられる。同指針では、施設の硫化水素濃度、並びに点検や補修の難易を考慮して,硫酸によるコンクリートの腐食が生じる環境を、腐食環境I類、腐食環境I類、腐食環境II類、腐食環境II類、腐食環境III類、及び腐食環境III類に区分している。これらの環境のうち、硫酸によるコンクリートの腐食が生じる環境として、硫化水素濃度が比較的高い環境であることが好ましく、具体的には、腐食環境I類、腐食環境I類、腐食環境II類、及び腐食環境II類のうち一種以上であることがより好ましく、腐食環境I類、及び腐食環境I類のうち一種以上であることが更に好ましい。
上述の各腐食環境は硫酸生成のもととなる硫化水素が環境中に所定量以上存在し、コンクリートの硫酸による腐食が生じやすい環境である。したがって、このような環境下に供試体を曝露することによって、実環境において硫酸によるコンクリート劣化の評価を早期に且つ精度よく行うことができる。
供試体に基づいて評価されるコンクリート構造物は上述のとおりであるが、環境中の硫酸によるコンクリートの劣化評価を適切に且つ精度よく行う観点から、コンクリート構造物は、下水処理施設または温泉施設であることが好ましい。つまり、硫酸水溶液に浸漬した供試体は、下水処理施設または温泉施設に静置されて、環境に曝されることが好ましい。
硫酸水溶液に浸漬した供試体をコンクリート構造物が曝される環境と同環境に曝す期間は、所定の劣化評価基準に応じて適宜変更可能であるが、例えば1~5年間とすることができる。劣化評価基準としては、例えば、供試体の外観変化、質量変化、寸法変化、圧縮強度などの物理的変化や、侵食深さ、中性化深さ、硫酸浸透深さなどの化学的変化、並びにこれらの変化速度のうち少なくとも一種が挙げられる。
本発明において、コンクリート構造物及び供試体に用いられるコンクリートは、上述のとおり同一のコンクリート組成を有することが好ましい。一般的に、コンクリートは、セメント、水、細骨材や粗骨材等の骨材、並びに混和材料等を含む組成物の硬化体である。本発明に適用可能なコンクリートの種類としては、例えば普通コンクリート、耐硫酸コンクリート、軽量コンクリート、重量コンクリート、高流動コンクリート、高強度コンクリート、超高強度コンクリート、水密コンクリート等が挙げられる。
上述したコンクリートのうち、硫酸によるコンクリート劣化の有無及びその度合いを精度良く評価可能にするとともに、周囲環境に対応して劣化が生じにくいコンクリートを用いやすくする観点から、耐硫酸コンクリートを供試体に用いることが好ましい。つまり、耐硫酸コンクリートが用いられるコンクリート構造物が劣化試験の評価対象となることが好ましい。耐硫酸コンクリートは、好ましくは上述した硫酸によるコンクリートの腐食が生じる環境に用いられるものであり、より好ましくは下水処理施設や温泉施設において用いられる。
耐硫酸コンクリートは、例えば、JIS R5210、JIS R5211、JIS R5212、JIS R5213及びJIS R5214に規定される各種のセメントに加えて、石灰石粉末、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物塩、水溶性増粘剤及び無機増粘剤を含んで構成される組成物の硬化体が挙げられる。耐硫酸コンクリートに用いられる組成物は、例えば特開2009-234893号公報に記載のものを用いることができる。
以上の手順を経て、コンクリートの硫酸による劣化を早期に評価することができる。コンクリートの劣化の評価は、例えば上述した劣化評価基準のうち一種以上を指標として判断することができる。具体的には、侵食深さを劣化評価基準の指標として、所定の侵食深さを閾値として設定し、そして、コンクリート構造物が曝される環境に供試体を一定期間曝したときに発生した侵食深さが閾値未満であれば、コンクリートの劣化が見られないか又は経年劣化として許容される程度であり、良好と評価することができる。また、コンクリート構造物が曝される環境に供試体を一定期間曝したときに発生した侵食深さが閾値以上であれば、経年劣化の度合いを超えたコンクリートの劣化が見られ、不良であると評価することができる。
本発明の劣化試験方法は、上述のとおり、所定の組成を有する供試体を硫酸水溶液に浸漬し、その後、硫酸水溶液に浸漬した供試体を実際の外部環境に曝すという二段階の工程を行うものである。このように二段階の工程を採用することが従来技術と比較して有利であることを、図面を適宜参照して以下に説明する。
一般的に、下水処理施設や温泉施設では、水中あるいは施設内に存在する各種の細菌によって生成される硫化水素によって、打設されたコンクリートが劣化することが知られている。一般的に、下水処理施設や温泉施設では、水中あるいは施設内に存在する硫化水素や各種の細菌によって生成される硫化水素が、細菌によって硫酸に変換され、この硫酸によって、打設されたコンクリートが劣化することが知られている。また温泉によってはその成分に硫酸を含む場合があり、温泉成分由来の硫酸によっても同様に、打設されたコンクリートが劣化することが知られている。
下水処理施設を例にとると、下水中に存在する硫酸塩還元菌の働きによって、下水に含まれる硫酸塩が硫化水素に還元され、施設における気中部に放出される。そして、気中部に放出された硫化水素は、硫黄酸化細菌の働きによって、硫酸に酸化される。このように生成された硫酸はコンクリート表面に付着した水滴に溶解しつつ濃縮されて、コンクリートを侵食させる。このため、硫酸によるコンクリートの侵食が生じるには、硫黄酸化細菌等の硫酸を生成させる細菌がコンクリート表面に増殖して、硫酸を生成することが必要となる。言い換えると、コンクリートが硫酸によって侵食されるためには、細菌増殖や代謝のための所定の時間が必要であることを意味する。
特に、下水処理施設や温泉施設においては、下水や温泉水が恒常的に存在しているので、湿度が高く、コンクリートの表面に水の膜が形成されやすくなっている。このことに起因して、コンクリート表面に形成された水膜には、コンクリートに由来する比較的高いpH条件であっても増殖可能な硫黄酸化細菌が定着する。その結果、硫黄酸化細菌によって硫酸が生成して、コンクリート表面の中性化を進行させる。次いで、コンクリート表面のpHが中性付近に低下すると、至適増殖pHが中性付近の硫黄酸化細菌が増殖していき、硫酸を生成していく。更に、硫酸の生成によってコンクリート表面のpHが更に低下すれば、至適増殖pHが酸性領域の硫黄酸化細菌が増殖して、硫酸を更に生成する。このようなサイクルによって、強アルカリ性であるコンクリートの表面が硫酸によって次第に中和あるいは酸性化され、コンクリートの劣化が顕著に進行すると考えられている。
図1には、実際のコンクリート構造物である複数の下水処理施設(いずれも腐食環境I類である)に打設された普通コンクリートの経時劣化のグラフが示されている。同図では、侵食深さを劣化発生及び進行の指標としている。
図1に示すように、実環境に普通コンクリートを単に曝した場合であっても、1年程度は劣化が発生及び進行していないことが判る。このことは、硫酸水溶液の浸漬等の特段の処置を行わない場合には、コンクリートの種類によらず、微生物が増殖し、硫酸を生成することに起因するコンクリート表面の劣化が始まるまでに年単位の期間が必要であることを意味する。また、コンクリートの劣化が発生しない期間は、実環境の硫化水素濃度や湿度などの周囲環境によって変動が生じるため、劣化が発生しない要因が、材料自体の性能に起因するものか、あるいは、微生物の生成環境が整わないことに起因するものか、などの劣化の要因の判断が困難となる。
また、耐硫酸コンクリートを用いた場合には、硫酸による劣化が発生しない期間が普通コンクリートの場合と比較して更に延長し、劣化評価に更に長い時間を要することになる。その結果、コンクリートの組成や構造設計の適切な調整や、防食処理の要否、あるいは修繕計画の設定などの各種の判断に寄与する劣化評価が早期に得られにくくなる。
このような点を解決することに関して本発明者が鋭意検討したところ、実環境よりも過酷な条件である硫酸水溶液に供試体を浸漬する工程を予め行って、コンクリート表面を適度に中性化して劣化させた後、実環境に曝すことによって、図2の模式的なグラフにて例示するように、実環境でのコンクリートの劣化が発生しない期間を短縮することができ、供試体を曝露環境に単に曝した場合と比較して、コンクリートの硫酸劣化を短期間で評価できることを見出した。このことは、評価対象として耐硫酸コンクリートを用いた場合に更に有利である。
これに加えて、硫酸水溶液に浸漬した後の供試体を実環境に曝すことによって、実環境での年平均硫化水素濃度、環境中の温湿度、微生物の増殖速度や存在量、硫酸以外の劣化因子の存在、並びにこれらの各種因子の変動といった、実環境での劣化要因を経時的な変動も含めて十分に反映した状態でコンクリートの劣化を評価できる。つまり、供試体を実環境に曝すことによって、実環境における硫酸によるコンクリートの劣化について、コンクリート構造物と同等の劣化状態が得られる。したがって、供試体を硫酸水溶液に単に浸漬して評価する場合と比較して、コンクリートの硫酸劣化の評価を実環境に即して、より正確に行うことができる。
そして、劣化が発生しない要因が、材料自体の性能に起因するものか、あるいは、微生物の成育環境が整わないことに起因するものか、などの主な要因を早期に判定できる。このことは、硫酸浸漬後に曝露して劣化が進行しない場合には、材料の性能が優れると判断して、長期間の曝露試験を無用に継続する必要がなくなる点でも有利となる。
以上のとおり、本発明の劣化試験方法によれば、コンクリートの硫酸による劣化を早期に評価でき、特に実環境での曝露試験期間を短縮することができる。また、コンクリートの硫酸劣化の評価を実環境に即して正確に行うことができる。これによって、曝露試験期間の大幅な短縮により,材料開発における性能検証や,材料の工事適用に向けた事前確認試験における試験期間の大幅な短縮が可能となる。具体的には、コンクリートの打設前に実環境に適したコンクリート組成を選択することができたり、コンクリート構造物の設計厚さを早期に且つ正確に算出できたり、あるいは、防食処理や修繕の要否や計画の設定などを早期に判断したりすることができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の効果が奏される限りにおいて、各実施形態の変形や改良は本発明に包含される。
例えば、上述の実施形態においては、コンクリート構造物を例にとり説明したが、本発明はモルタル構造物あるいはモルタル製品にも同様に適用することもできる。
またコンクリート構造物又はモルタル構造物に使用される予定のコンクリート組成物又はモルタル組成物の好適な組成を評価することを目的として、コンクリート構造物とは独立して、コンクリート組成がそれぞれ異なる供試体を複数形成して、これらの該供試体を硫酸水溶液に浸漬し、その後、硫酸水溶液に浸漬した各供試体を、打設予定のコンクリート構造物が曝される環境と同環境に曝すことによって、劣化試験を行ってもよい。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。実施例にて参照する図中、「%」は「質量%」を示す。
〔1.浸漬期間と侵食深さとの関係の評価〕
以下の表1に示す組成にて、圧縮強度27~60N/mmの普通コンクリートを製造した。これらのコンクリートはいずれもJIS A5308の規定を満たすものである。
その後、これらのコンクリートを用いて、温度範囲18~22℃にて、5質量%または10質量%の硫酸水溶液に最大182日間まで浸漬した。この方法により、好適な浸漬期間を評価した。
Figure 0007444809000001
上述の方法で硫酸水溶液に浸漬したときの侵食深さの結果を図3に示す。
同図に示されるように、上述した好適な浸漬期間で硫酸の浸漬を行うことによって、コンクリートの強度によらず、曝露面全体に腐食を一層早期に且つ以後の劣化評価を十分に行える程度に生じさせることができることが判る。このことは、環境曝露後のコンクリートの劣化評価を精度高く行うことができる点で有利であることを意味する。
〔2.硫酸水溶液の濃度と侵食深さとの関係の評価〕
以下の表2に示す組成にて、圧縮強度24N/mmの普通コンクリートを製造した。このコンクリートはJIS A5308の規定を満たすものである。その後、このコンクリートを用いて、温度範囲18~22℃にて、0.5質量%から10質量%までの5種類の各濃度の硫酸水溶液に最大364日間まで浸漬した。
これとは別に、以下の表3に示す組成にて、耐硫酸コンクリート(圧縮強度24N/mm)を製造し、このコンクリートを用いて、温度範囲18~22℃にて、0.5質量%から10質量%までの5種類の各濃度の硫酸水溶液にそれぞれ364日間浸漬した。
Figure 0007444809000002
Figure 0007444809000003
上述の方法で硫酸水溶液に浸漬したときの侵食深さの結果を、侵食速度(浸漬時間に対する侵食深さの比)とともに、図4~図6に示す。
図4及び図5に示される普通コンクリートの結果から、硫酸濃度が高いほど侵食速度が大きくなり、特に好適な範囲である5~10質量%の硫酸濃度であれば、普通コンクリートの侵食速度は50~100mm/年と算出される。
また図6に示される耐硫酸コンクリートの結果についても同様に、硫酸濃度が高いほど侵食速度が大きくなり、特に好適な範囲である5~10質量%の硫酸濃度であれば、耐硫酸コンクリートの侵食速度は4~16mm/年と算出される。
また、上述の評価結果に基づいて、本発明の劣化方法に係る腐食発生の指標である、供試体の侵食深さが1.0mmとなった期間を以下の表4に示す。表4中、「-」で示す欄は未評価を示す。
表4に示されるように、評価対象として普通コンクリート及び耐硫酸コンクリートのいずれを用いた場合であっても、硫酸水溶液に浸漬する処理を予め行うことによって、単に曝露を行う場合に必要な年単位という時間が、4日~131日の範囲に顕著に短縮されていることが判る。そして、硫酸濃度を特に好適な範囲とすることによって、浸漬処理の時間を更に短縮し、以後の環境曝露や、その後のコンクリートの劣化判定を更に短期間で評価可能となることも判る。
これらの結果から、上述した好適な濃度で硫酸の浸漬を行うことによって、コンクリートの種類によらず、曝露面全体に腐食を一層早期に且つ以後の劣化評価を十分に行える程度に生じさせることができることが判る。これに加えて、環境曝露後のコンクリートの劣化評価を、コンクリートの種類によらず精度高く行うことができる。
Figure 0007444809000004
したがって、本発明の劣化試験方法によれば、硫酸水溶液に浸漬した供試体を実際の外部環境に曝すという二段階の工程を行うことによって、硫酸によるコンクリートの劣化をより早期に評価することができる。

Claims (6)

  1. 目的とするコンクリート構造物と同一のコンクリート組成を有する供試体を、該供試体の表面に腐食が発生するまで硫酸水溶液に浸漬し、然る後に、
    浸漬した前記供試体を前記コンクリート構造物が曝される環境と同環境に曝す、コンクリートの劣化試験方法。
  2. 硫酸濃度が0.5質量%以上の前記硫酸水溶液を用いる、請求項1に記載の劣化試験方法。
  3. 前記供試体を前記硫酸水溶液に17℃以上23℃以下で且つ3日以上150日以下浸漬する、請求項1又は2に記載の劣化試験方法。
  4. 前記環境は、硫酸によるコンクリートの腐食が生じる環境である、請求項1~3のいずれか一項に記載の劣化試験方法。
  5. 耐硫酸コンクリートを前記供試体に用いる、請求項1~4のいずれか一項に記載の劣化試験方法。
  6. 前記コンクリート構造物は下水処理施設または温泉施設である、請求項1~5のいずれか一項に記載の劣化試験方法。

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