JP7442679B2 - 医療用デバイス、および治療システム - Google Patents

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Description

本開示は、医療用デバイス、体内留置デバイス、および治療システムに関する。
体内の特定の箇所に留置するための体内留置デバイスとして、例えば、カテーテルを用いて体内に搬送されて、心臓の左心耳の入口部に配置され、左心耳を閉塞するデバイスが知られている(例えば、特許文献1参照)。左心耳の閉塞は、血液が左心耳に滞留して形成される血栓に起因する脳卒中等を予防するために行われる。例えば、心臓の心房における無秩序な拍動である心房細動により、左心耳において血栓が生じて脳卒中が引き起こされることが知られており、左心耳閉鎖は、抗血液凝固剤等の薬剤を用いた治療が困難な患者にもさらなる治療の選択肢を与えるものとして重要である。
特表2015-509752号公報
左心耳閉鎖術のように、体内の特定の箇所に体内留置デバイスを留置する際には、一般に、体内留置デバイスを折りたたんだ状態でデリバリーカテーテル内に収納して、体内の特定の箇所、具体的には左心耳の入り口部まで体内留置デバイスを搬送する。そして、左心耳の入り口部でデリバリーカテーテルから体内留置デバイスを排出させて展開させ、体内留置デバイスが左心耳の入り口部を閉鎖した後に、デリバリーカテーテルに収納されるシャフトの先端と体内留置デバイスとを切り離す。左心耳の形状は個人ごとに異なるため、左心耳閉鎖を良好に行うためには、体内留置デバイスを留置する際の左心耳における位置決めの精度が重要となる。従来は、デリバリーカテーテルのシャフトと体内留置デバイスとの接続部を切り離す際に、ねじ等によって構成される上記接続部に外力が加わることにより、体内留置デバイスの位置合わせの精度が低下する場合があった。そのため、体内留置デバイスを留置する際の位置合わせの精度のさらなる向上が望まれていた。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本開示の一形態は、医療用デバイスであって、径方向に拡張および収縮可能であって、磁性体または永久磁石を有する第1接続部を基端部に備える体内留置デバイスと、前記第1接続部に接続されて第1電磁石を有する第2接続部を先端部に備えるシャフトであって、前記第1電磁石に対する電力供給が入り切りされることにより、前記第1接続部と前記第2接続部との間の磁力を用いた結合状態が切り替えられて前記体内留置デバイスを着脱するシャフトと、を備える。
この形態の医療用デバイスによれば、シャフトに結合された体内留置デバイスを生体内で展開させて所望の位置に配置した後、第1電磁石への通電状態を切り替えることによって、体内留置デバイスをシャフトから切り離すことができる。そのため、体内留置デバイスをシャフトから分離する際に、分離のために加えられる外力を抑えることができる。その結果、体内留置デバイスを体内に留置する際の、位置合わせの精度を向上させることができる。
(2)上記形態の医療用デバイスにおいて、前記第1接続部は磁性体を有し、前記第2接続部は、前記第1電磁石に電力供給されたときに、前記第1接続部を結合し、前記第1電磁石への電力供給が遮断されたときに、前記第1接続部との結合を解除することとしてもよい。このような構成とすれば、シャフトの第2接続部に設けられた第1電磁石において、第1電磁石に電力供給するとき、すなわち、シャフトから体内留置デバイスを分離するまでの間、磁界が発生する。そのため、体内留置デバイスとシャフトとが結合した状態で、体内留置デバイスを生体内に留置する動作を行う際に、磁気センサを用いて第1電磁石の位置を検出することにより、体内留置デバイスの位置を特定することが可能になる。
(3)上記形態の医療用デバイスにおいて、前記第1接続部は永久磁石を有し、前記第2接続部は、前記第1電磁石への電力供給が停止されているときに、前記第1接続部に結合され、前記第1電磁石に電力供給されたときに、前記第1電磁石において前記第1接続部の永久磁石に反発する磁界を発生させることにより、前記第1接続部との結合を解除することとしてもよい。このような構成とすれば、体内留置デバイスの第1接続部が永久磁石を備えるため、体内留置デバイスを生体内に留置する動作の途中において、磁気センサを用いて永久磁石の位置を検出することにより、体内留置デバイスの位置を特定することが可能になる。また、体内留置デバイスをシャフトから分離させた後であっても、磁気センサを用いて永久磁石の位置を検出することにより、体内留置デバイスの位置を確認することができる。
(4)上記形態の医療用デバイスにおいて、前記第2接続部は、前記シャフトの先端に向かって断面積が減少する段差部を備えると共に、前記第2接続部は、前記段差部よりも先端側に配置される前記第1電磁石を有しており、前記第1接続部は、前記第2接続部における前記段差部および前記段差部よりも先端側の形状が反転した形状を内壁面に有することとしてもよい。このような構成とすれば、第2接続部と、第2接続部における段差部および段差部よりも先端側の形状が反転した形状を内壁面に有する第1接続部とが係合することにより、第1接続部の移動が規制される。そのため、体内留置デバイスを切り離す動作を行う前に、第1接続部と第2接続部とが分離することを抑えることができる。
(5)上記形態の医療用デバイスにおいて、前記第2接続部は、先端側に延びる長さが異なる複数の前記第1電磁石を有し、前記段差部は、複数の前記第1電磁石に含まれる隣り合う2つの電磁石のうちの、先端側に延びる長さが短い前記第1電磁石における、前記第1接続部と磁力により結合する結合面によって形成されることとしてもよい。このような構成とすれば、第1電磁石を複数設けることにより、第1電磁石の側面の形状が全体として複雑化するため、第1電磁石が先端側に配置された第2接続部と第1接続部の内壁面とが係合することにより第1接続部の移動を規制する効果を、さらに高めることができる。
(6)上記形態の医療用デバイスにおいて、前記体内留置デバイスは、さらに、前記体内留置デバイスが径方向に拡張したときに前記体内留置デバイスの外周部となる位置に配置された磁界発生部を備えることとしてもよい。このような構成とすれば、磁気センサを用いて磁界発生部の位置を検出することによって、体内留置デバイスのシャフトからの切り離しに先だって、体内留置デバイスが正常に展開されたことを確認することができる。
(7)上記形態の医療用デバイスにおいて、前記磁界発生部は、永久磁石を備えることとしてもよい。このような構成とすれば、体内留置デバイスに永久磁石を取り付けるという簡便な構成により、磁界発生部を設けることができる。さらに、磁界発生部が永久磁石を備えるため、体内留置デバイスがシャフトから切り離されて体内に留置された後にも、磁気センサを用いて、体内留置デバイスの位置および展開状態を確認することができる。
(8)上記形態の医療用デバイスにおいて、前記磁界発生部は、第2電磁石を備え、前記体内留置デバイスは、さらに、前記第2接続部の前記第1電磁石に交流電力が供給されて、磁性体を有する前記第1接続部と前記第2接続部とが接続されるときに、前記第1電磁石で発生する変動する磁界を用いて電磁誘導により誘導電流を発生して前記第2電磁石に供給する給電部を備えることとしてもよい。このような構成とすれば、給電部によって第2電磁石に電力を供給することにより第2電磁石で磁界が発生するため、磁気センサを用いて第2電磁石の位置を検出して、体内留置デバイスが正常に展開されたことを確認することが可能になる。
(9)本開示の他の一形態によれば、径方向に拡張および収縮可能であり、生体内の特定箇所に留置して用いる体内留置デバイスが提供される。この体内留置デバイスは、前記体内留置デバイスが径方向に拡張および収縮するときの変位の中央部に、磁性体または永久磁石を有すると共に、前記体内留置デバイスを体内に移送するシャフトの先端における磁力の発生および磁力の発生の停止によって前記シャフトの先端に着脱される接続部を備える。この形態の体内留置デバイスによれば、体内留置デバイスの接続部に、先端において磁力の発生および磁力の発生の停止を行うシャフトの先端部を接続して用いることにより、体内留置デバイスの接続部とシャフト先端部との間の磁力を用いた結合状態を切り替えて、体内留置デバイスをシャフトに対して着脱することができる。
(10)本開示のさらに他の一形態によれば、治療システムが提供される。この治療システムは、治療対象の生体で発生する磁界を検出する磁気センサと、上記(1)から(8)までのいずれか一項に記載の医療用デバイスと、前記生体のX線透視画像を表す画像情報を生成するX線画像生成装置と、前記磁気センサから出力される磁界情報と、前記X線画像生成装置が生成した前記画像情報と、を用いて、前記X線透視画像と、前記第1接続部の位置を表す位置画像と、を含む合成画像を生成する合成画像生成部と、を備える。この形態の治療システムによれば、医療用デバイスが備える体内留置デバイスの位置合わせの精度を高めつつ、体内留置デバイスとシャフトとの着脱に係る第1電磁石を用いて、生体内における体内留置デバイスの位置を精度良く知ることができる。
本開示は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、体内留置デバイスの留置方法や、体内留置デバイスの入り検出方法などの形態で実現することが可能である。
医療用デバイスの外観の概略を示す斜視図。 医療用デバイスの概略構成を模式的に示す説明図。 体内留置デバイスを左心耳にて展開させた様子を表す説明図。 治療システムの概略構成を例示した説明図。 第2実施形態の医療用デバイスの先端部を表す斜視図。 第2実施形態の医療用デバイスの概略構成を模式的に示す説明図。 第2実施形態の変形例の医療用デバイスの先端部を表す斜視図。 第3実施形態の医療用デバイスの外観の概略を示す斜視図。 第4実施形態の医療用デバイスの概略構成を模式的に示す説明図。 第5実施形態の医療用デバイスの概略構成を模式的に示す説明図。
A.第1実施形態:
(A-1)医療用デバイスの全体構成:
図1は、第1実施形態の医療用デバイス10の外観の概略を示す斜視図であり、図2は、医療用デバイス10の概略構成を模式的に示す説明図である。本実施形態の医療用デバイス10は、心臓の左心耳(LAA:Left Atrial Appendage)由来の血栓に起因する脳卒中等を抑えるために、左心耳を閉鎖するために用いられる。
医療用デバイス10は、長尺状に形成されたシャフト20と、体内留置デバイス30と、長尺状に形成されたデリバリーカテーテル28と、を備える。体内留置デバイス30は、シャフト20の一端に着脱可能である。図1では、シャフト20の先端と体内留置デバイス30とが結合した状態を表しており、図2では、シャフト20の先端と体内留置デバイス30とが離間した状態を表している。デリバリーカテーテル28は、シャフト20と、後述するように縮径して折りたたまれた体内留置デバイス30とを、内部に収納する。医療用デバイス10において、体内留置デバイス30が配置された一端を「先端」と呼び、他端を「基端」と呼ぶ。また、医療用デバイス10において、先端を含む端部を「先端部」と呼び、基端を含む端部を「基端部」と呼ぶ。図1は、医療用デバイス10の先端部を拡大して示している。医療用デバイス10は、体内留置デバイス30およびシャフト20がデリバリーカテーテル28に収納された状態で、先端から体内に挿入され、基端部において医師等の術者によって操作されて、体内留置デバイス30を体内に留置するために用いられる。なお、図1、図2、および後述する各部の構成を表す図は、各部の配置を模式的に表しており、各部の寸法の比率を正確に表すものではない。
シャフト20は、図2に示すように、チューブ21と、第1電磁石22と、配線24と、を備える。チューブ21は、シャフト20の先端から基端に向かって延びる長尺状の管状部材である。チューブ21は、例えば、ステンレス鋼等の金属や、金属と樹脂との複合材料により形成することができる。第1電磁石22は、シャフト20の先端において、チューブ21内に配置されている。第1電磁石22の先端側端面は、体内留置デバイス30に対する吸着力を生じる結合面23を構成する。第1電磁石22を備えるシャフト20の先端部は、後述する体内留置デバイス30の第1接続部に接続される部位であり、「第2接続部29」とも呼ぶ。図2では、結合面23で生じる吸着力によって第2接続部29が体内留置デバイス30に引き寄せられる様子を破線矢印により示している。配線24は、チューブ21内に配置されており、第1電磁石22のコイルと、医療用デバイス10の基端側に設けられた図示しない直流電源と、を接続する。なお、配線24は、第1電磁石22と電源とを接続できればよく、例えば、金属メッシュやロープコイル等の形態であってもよい。
体内留置デバイス30は、シャフト20の先端に接続された状態でデリバリーカテーテル28内に収納されて体内に移送され、心臓内の特定の位置で、デリバリーカテーテル28の先端から排出されると共にシャフト20から切り離されて体内に留置され、左心耳を閉鎖するために用いられる。体内留置デバイス30は、フレーム32と、フィルタ部34と、第1接続部36と、を備える。フレーム32は、径方向に拡張および収縮可能であって、体内留置デバイス30がデリバリーカテーテル28内に収納されるときには、フレーム32が径方向に収縮して、体内留置デバイス30全体が折りたたまれた状態になる。また、体内留置デバイス30は、自己拡張型デバイスであり、デリバリーカテーテル28の先端からの排出に伴い、基端部を中心として先端から拡張して傘型形状となる。フレーム32は、例えば、チタン、チタン合金、ステンレス鋼、コバルト-クロム合金、チタン-ニッケル合金、タングステン、貴金属合金等を材料とする素線を用いて形成することができる。フレーム32の少なくとも一部を、タングステンや白金合金等の放射性不透過性を有する材料で構成することにより、放射性透視下で、体内留置デバイス30を視認可能にすることができる。フレーム32は、上記のように径方向に拡張および収縮可能であって、拡張時に左心耳を閉鎖可能な形状であればよい。
体内留置デバイス30のフィルタ部34は、フレーム32の中心部を含むフレーム32の基端部側の領域を覆うように、フレーム32に取り付けられている。フィルタ部34は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、ポリアミド、ポリオレフィン、あるいは金属などの、生体適合性を有する材料から成るメッシュによって構成されている。フィルタ部34は、上記した生体適合性を有する材料の繊維によって形成される編物や織物によって構成してもよい。フィルタ部34は、フレーム32が径方向に拡張あるいは収縮する動作を妨げることなく、フレーム32の収縮時に折りたたまれて、フレーム32と共にデリバリーカテーテル28内に収納される柔軟性を有していればよい。フィルタ部34は、体内留置デバイス30が左心耳の入り口部に配置されたときに、左心耳の内部と左心耳の外部との間で血液が流通可能となる大きさの細孔を有していてもよい。また、フィルタ部34が有する細孔は、脳卒中等の原因となり得る大きさの血栓が左心耳から排出されることを抑制できる大きさにすることが望ましい。フィルタ部34は、体内留置デバイス30が左心耳の入り口部に留置された後には、体内留置デバイス30の基端側であってフィルタ部34の表面に、内皮が形成される。
体内留置デバイス30の第1接続部36は、体内留置デバイス30の基端部側であって、フレーム32の中央部に設けられている。すなわち、第1接続部36は、体内留置デバイス30が径方向に拡張および収縮するときの変位の中央部に設けられている。第1接続部36の基端部には、シャフト20の先端部よりも一回り大きく形成されてシャフト20の先端部が嵌まる形状の凹部が設けられている。第1接続部36は、磁性体を有している。具体的には、第1接続部36は、例えば、強磁性体であるパーマロイ、マルテンサイト系ステンレス鋼、あるいは鉄を含むこととすればよい。本実施形態の第1接続部36は、一例として、パーマロイによって構成されている。第1接続部36全体が磁性体で形成される必要はなく、例えば、第1電磁石22の結合面23に対向する部位のみが、磁性体で形成されていてもよい。第1接続部36は、シャフト20の第1電磁石22に通電したときに、体内留置デバイス30を留置するための動作を行う間、十分な強度で第1電磁石22に吸着できればよい。第1接続部36は、第1電磁石22への吸着が妨げられなければ、上記した磁性体よりも生体内での安定性の高い樹脂等により、表面が被覆されていてもよい。
(A-2)体内留置デバイスを留置する動作の概要:
以下では、医療用デバイス10を用いた左心耳閉鎖の動作の概略を説明する。左心耳の閉鎖を行う際には、まず、血管穿刺し、大腿静脈から右心房までガイドワイヤを挿入する。そして、経中隔穿刺法により心房中隔を通過して、ガイドワイヤに沿ってアクセスシース43(後述する図3を参照)を左心房に進める。その後、アクセスシース43からガイドワイヤを抜去してピッグテールカテーテルを挿入し、ピッグテールカテーテルに沿って左心耳内にアクセスシース43を進める。このとき、医療用デバイス10は、電力供給されて磁界を発生する第1電磁石22を備えるシャフト20の第2接続部29と、体内留置デバイス30の第1接続部36とが接続され、体内留置デバイス30が折りたたまれてデリバリーカテーテル28内に収納された状態で用意される。そして、ピッグテールカテーテルを抜去して医療用デバイス10をアクセスシース43に挿入し、左心耳の入口部でアクセスシース43の先端から体内留置デバイス30を排出させると共に展開させて、その後、シャフト20の先端から体内留置デバイス30を切り離す。
図3は、医療用デバイス10を左心房に進めて、体内留置デバイス30を左心耳(LAA)にて展開させた様子を表す説明図である。本実施形態では、左心耳において、アクセスシース43の先端から体内留置デバイス30を排出させて展開させ、位置合わせした後に、第1電磁石22への通電を停止し(図2参照)、第1電磁石22における磁界の発生を停止させることにより、体内留置デバイス30の切り離しを行う。図3では、体内留置デバイス30からシャフト20の先端部が分離される様子を、実線矢印で表している。このように、第1電磁石22への通電の停止により、第1接続部36と第2接続部29との間の磁気的な結合が瞬時に解除され、第1接続部36と第2接続部29とが切り離される。
(A-3)位置検出に係るシステムの概要:
図4は、医療用デバイス10を含む治療システム15の概略構成を例示した説明図である。治療システム15は、治療対象の生体(ここでは、人体)90に対して左心耳の閉塞を伴う治療を行うために用いられる装置であり、磁気センサアレイ40と、医療用デバイス10と、X線透過装置45と、コンピュータ50と、モニタ60と、操作部70と、を備えている。
磁気センサアレイ40は、治療対象の生体90内で発生する磁界の強さや向き等を検出する装置であり、複数の磁気センサ42が縦横に複数並んだマトリックス状に配置されている。磁気センサ42は、生体内で発生する磁界の強さや向きを検出する素子であり、例えば、磁気抵抗効果素子(MR)、磁気インピーダンス素子(MI)、超伝導量子干渉素子(SUQUID)を例示することができる。図4では、磁気センサアレイ40が、治療時に生体90が横たわる台80 の中央部付近に配設される様子を示している。なお、磁気センサアレイ40は、治療時に生体90に装着されるように構成されていてもよい。例えば、磁気センサアレイ40は、帯状に構成され、生体90に巻き付けられてもよいし、衣服状に構成されていてもよい。これらの場合には、生体90の形状に沿って磁気センサ42を配置されることができる。また磁気センサアレイ40は、生体90の前面と背面の1面又は両面と、両側面の1面又は両面、の夫々に板上の磁気センサアレイ40を3次元的に配置されるのであってもよい。本実施形態では、磁気センサアレイ40は、生体90の臓器の1つである心臓で発生する磁界の強さや向きを検出している。
医療用デバイス10では、既述したように、シャフト20と、シャフト20の先端に接続された体内留置デバイス30とが、デリバリーカテーテル28の内部に収納されている。治療システム15は、第1電磁石22に電力供給するための既述した直流電源を備える駆動部11を備えており、医療用デバイス10と駆動部11とは、コネクタ25を介して接続されている。治療システム15において、コネクタ25など、医師等の術者が操作可能な箇所には、第1電磁石22に対する上記電源からの電力供給を入り切りするための図示しないスイッチが設けられている。
X線透過装置45は、X線発生部46と画像情報生成部47とを備える。X線発生部46は、高電圧電流を発生させると共に、発生させた高電圧電流を用いてX線を発生させて、生体90に照射する。画像情報生成部47は、生体90を透過したX線を受信して画像情報に変換し、生体90のX線透視画像を表す画像情報であるX線画像情報を生成する。X線透過装置45は、「X線画像生成装置」とも呼ぶ。
コンピュータ50は、治療システム15の全体を制御する装置であり、磁気センサアレイ40 、X線透過装置45、モニタ60、操作部70のそれぞれと電気的に接続されている。コンピュータ50は、図示しないCPU、ROM、および、RAMを含んで構成されており、ROMに記憶されているプログラムをCPUが実行することにより、主制御部51および画像情報処理部52の機能を実現する。
主制御部51は、磁気センサアレイ40、X線透過装置45、モニタ60、および、操作部70と情報のやりとりをし、治療システム15の全体を制御する。主制御部51は、操作部70が所定の操作を受け付けたときに、X線透過装置45を制御して、生体90にX線を照射させると共に、生成されたX線画像情報をX線透過装置45から取得する。また、主制御部51は、医療用デバイス10の先端部が生体90の内部に挿入されているときに、磁気センサアレイ40が検出した磁界の強さや向きに関する情報である「磁界情報」を、磁気センサアレイ40から取得する。医療用デバイス10の先端部が生体90に挿入されているときには、シャフト20の先端に配置された第1電磁石22に通電されて第1電磁石22で磁界が発生することにより、シャフト20と体内留置デバイス30とが接続されている。そのため、磁気センサアレイ40が取得する磁界情報は、第1電磁石22が発生する磁界の強さや向きを表す。したがって、上記磁界情報により、シャフト20と体内留置デバイス30とが接続される部位の位置を特定することができる。
画像情報処理部52は、磁気センサアレイ40から出力された磁界情報と、X線透過装置45から出力されたX線画像情報と、を用いて、後述する合成画像を生成する。画像情報処理部52は、X線透視画像生成部53と、位置画像生成部54と、合成画像生成部55と、を含んでいる。X線透視画像生成部53は、X線透過装置45から出力されたX線画像情報から、X線透視画像を生成する。体内留置デバイス30を留置するための動作を行う際には、適宜、心臓内で造影剤の注入が行われるため、X線透視画像として、心臓の形状を精度よく表す画像を得ることができる。位置画像生成部54は、磁気センサアレイ40から出力された磁界情報(シャフト20と体内留置デバイス30とが接続される部位の位置情報)を用いて、体内留置デバイスの位置画像を生成する。合成画像生成部55は、X線透視画像と、体内留置デバイスの位置画像とを用いて、両者の合成画像を生成する。生成された合成画像は、主制御部51によって、モニタ60の表示画面61に表示される。
X線透視画像と体内留置デバイスの位置画像とを用いて合成画像を生成する際には、X線透視画像と体内留置デバイスの位置画像との倍率を揃えた上で、両者の位置合わせを行って画像を重ね合わせる。X線透視画像と体内留置デバイスの位置画像との位置合わせは、例えば、体内留置デバイス30の第1接続部36に設けたX線不透過である磁性体の位置を原点として行えばよい。あるいは、生体90において、心臓が拍動しても変位が少ない部位を予め原点として定めてもよい。具体的には、心臓が拍動しても変位が少ない部位として、例えば肋骨上の特定箇所を原点として定めて、磁気センサアレイ40およびX線透過装置45で検出可能となるように、磁気を帯びた位置決めマーカを、生体90における上記特定箇所に予め貼り付けることとしてもよい。
モニタ60は、表示画面61を備えた表示部であり、液晶ディスプレイ等で構成される。治療システム15は、モニタ60以外の表示部を備えていてもよい。例えば、治療システム15は、表示画面を備えたスマートグラスを備えていてもよいし、画像を投射するプロジェクタを備えていてもよい。操作部70は、キーボード等で構成され、例えば、医療用デバイス10を操作する医師等の術者が表示画面61の表示内容を切り替えるときに操作される。操作部70は、医療用デバイス10の一部に設けられていてもよい。
以上のように構成された本実施形態の医療用デバイス10、および、これを備える治療システム15によれば、体内留置デバイス30を左心耳の入り口部で展開させて所望の位置に配置した後、第1電磁石22への通電を遮断することにより、体内留置デバイス30をシャフト20から切り離すことができる。すなわち、第1電磁石22への通電の遮断により、体内留置デバイス30の第1接続部36とシャフト20の第2接続部29との間に生じていた吸着力を、瞬時に消滅させることができる。そのため、体内留置デバイス30をシャフト20から分離する際に、両者をネジ止め等により結合している場合とは異なり、分離のために加えられる外力を抑えることができる。その結果、体内留置デバイス30を左心耳に留置する際の、位置合わせの精度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、シャフト20の第2接続部29に設けられた第1電磁石22において、体内留置デバイス30を分離するまで磁界が発生するため、体内留置デバイス30を生体90内に留置する動作の途中において、磁気センサアレイ40を用いて第1電磁石22の位置を検出することにより、体内留置デバイス30の位置を特定することが可能になる。さらに、本実施形態によれば、生体90のX線透視画像を表すX線画像情報を生成するX線画像生成装置と、画像情報処理部52を備えるコンピュータ50と、を備えている。そして、第1電磁石22の位置を磁気センサアレイ40で検出して位置画像生成部54において位置画像を生成すると共に、X線透視画像生成部53が生成したX線透過画像と位置画像とを含む合成画像を合成画像生成部55で生成している。そのため、本実施形態では、体内留置デバイス30とシャフト20との着脱に係る第1電磁石22を用いて、生体90内における体内留置デバイス30の位置を精度良く知ることができる。
B.第2実施形態:
図5は、第2実施形態の医療用デバイス110のシャフト120の先端部を、先端側から見た様子を表す斜視図である。また、図6は、第2実施形態の医療用デバイス110の概略構成を、図2と同様にして模式的に示す説明図である。第2実施形態において、第1実施形態の医療用デバイス10と共通する部分には同じ参照番号を付す。
第2実施形態のシャフト120は、第1実施形態の第1電磁石22に代えて、第1電磁石122を備える。第1電磁石122は、シャフト120における第1電磁石122よりも基端側の部位よりも断面の径が小さく形成されており、シャフト120の先端部において先端側に突出して設けられている。具体的には、シャフト120の先端側端部には、シャフト120の先端に向かって断面積が減少する段差部128が設けられており、第1電磁石122は、段差部128よりも先端側に配置されている。これらの段差部128および第1電磁石122は、第2接続部129を構成する。第1電磁石122の先端側端面は、体内留置デバイス30に対する磁力を用いた吸着力を生じる結合面123を構成する。また、第2実施形態の体内留置デバイス30が備える第1接続部136は、第1実施形態の第1接続部36と同様の材料によって構成されるが、図6に示すように、第2接続部129の段差部128および段差部128よりも先端側の形状が反転した形状を、内壁面に備える。
このような構成とすれば、第1実施形態と同様の効果が得られることに加えて、医療用デバイス110を心臓の内部に挿入して左心耳に体内留置デバイス30を留置する動作を行う際に、第1接続部136と第2接続部129とが、第1電磁石22への通電を切断する前に分離することを抑える効果が得られる。具体的には、第1接続部136と第2接続部129とが接続される部位に、例えば心臓の拍動等に起因して、第2接続部129におけるシャフト120の軸線方向に垂直な成分を有する外力が加えられた場合であっても、第1接続部136と第2接続部129との分離が抑えられる。すなわち、第1電磁石122の結合面123で生じる吸着力により第1接続部136と第2接続部129とが結合されることに加えて、第1電磁石122の側面125(図5参照)が第1接続部136の移動を規制するため、上記した軸線方向に垂直な成分を有する外力が加えられた場合であっても、第1接続部136と第2接続部129との分離を抑えることができる。第2実施形態では、このように第1接続部136の移動を規制する形状を、シャフト120の先端部で第1電磁石22を突出させるという簡便な構成で実現している。
図7は、第2実施形態の変形例としての医療用デバイスのシャフト120aの先端部を、先端側から見た様子を表す斜視図である。第2実施形態の変形例において、上記した第2実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付す。シャフト120aは、先端部に、3つの第1電磁石122を備える。以下の説明では、3つの第1電磁石122の各々を区別するときには、第1電磁石122a、122b、122cと記載する。3つの第1電磁石122a、122b、122cは、互いに近接して配置されており、先端側に延びる長さが、それぞれ異なっている。具体的には、第1電磁石122a、122b、122cの順で、先端側に突出する長さが短くなるように形成されている。
第2実施形態の変形例では、段差部128に加えて、3つの第1電磁石122に含まれる隣り合う2つの第1電磁石122のうちの、先端側に延びる長さが短い第1電磁石122における結合面123もまた、段差部を構成している。シャフト120aに接続される体内留置デバイス30の第1接続部136は、第2接続部の段差部128および段差部128よりも先端側の形状(第1電磁石122bおよび第1電磁石122cの結合面123によって構成される段差部を含む形状)が反転した形状を、内壁面に備える(図示せず)。
このような構成としても、第1電磁石122の側面125によって第1接続部136の移動を規制するため、第2実施形態と同様の効果が得られる。具体的には、軸線方向に垂直な成分を有する外力が加えられた場合であっても、段差部128よりも先端側に延びる第1電磁石122の側面125や、段差部となる結合面123よりも先端側に延びる第1電磁石122の側面125によって、第1接続部136の移動を規制して、第1接続部136と第2接続部129との分離を抑えることができる。さらに、第2実施形態の変形例では、第1電磁石122を複数設けることにより、第1電磁石122の側面125の形状が全体として複雑化するため、第1接続部136の移動を規制する効果を高めることができる。なお、第2実施形態の変形例において、第1電磁石122の数は、3以外の複数であってもよい。
C.第3実施形態:
図8は、第3実施形態の医療用デバイス210の外観の概略を示す斜視図である。第3実施形態において、第1実施形態の医療用デバイス10と共通する部分には同じ参照番号を付す。
第3実施形態の医療用デバイス210は、体内留置デバイス30に代えて体内留置デバイス230を備え、体内留置デバイス230において、磁界発生部233を備える。磁界発生部233は、永久磁石により構成されており、体内留置デバイス230が径方向に拡張したときに、体内留置デバイス230の外周部となる位置に配置されている。磁界発生部233が設けられる位置は、体内留置デバイス230が径方向に展開したときに最も径が大きくなる位置であってもよいが、異なる位置であってもよく、磁界発生部233の位置を検出することによって、体内留置デバイス230が正常に展開したことを確認可能となる位置であればよい。磁界発生部233を構成する永久磁石は、体内留置デバイス230を構成するフレーム32において、体内留置デバイス230の展開を妨げない位置、例えば、フレーム32を構成する素線の交点に取り付けることとすればよい。あるいは、体内留置デバイス230の展開を妨げない位置に、強磁性体の部材を取り付け、その後、取り付けた強磁性体の部材を着磁させることにより、永久磁石としてもよい。
医療用デバイス10を用いて体内留置デバイス230を左心耳に留置する動作を行う際には、磁気センサアレイ40を用いて磁界発生部233の位置を検出して、体内留置デバイス230の展開の状態を確認することができる。体内留置デバイス230の展開状態を精度良く判定するためには、磁界発生部233は、複数設けることが望ましく、3箇所以上に設けることがより望ましい。例えば、展開したときの体内留置デバイス230の外周に沿って、3箇所以上の磁界発生部233を、等間隔で設けることとしてもよい。また、磁界発生部233は、磁気センサアレイ40による磁界の検出が妨げられなければ、磁界発生部233を構成する永久磁石よりも生体内での安定性の高い樹脂等により、表面が被覆されていてもよい。
このような構成とすれば、磁気センサアレイ40を用いて磁界発生部233の位置を検出することによって、体内留置デバイス230のシャフト20からの切り離しに先だって、体内留置デバイス230が正常に展開されたことを確認することができる。すなわち、磁気センサアレイ40を用いることで、磁界発生部233を検出することによる体内留置デバイス230の展開完了の確認と、第1電磁石22の位置を検出することによる体内留置デバイス30の位置合わせとを、連続して精度良く行うことが可能になる。また、磁界発生部233が永久磁石を備えるため、体内留置デバイス210に永久磁石を取り付けるという簡便な構成により、上記効果を得ることができる。さらに、磁界発生部233が永久磁石を備えるため、体内留置デバイス230がシャフト20から切り離されて体内に留置された後にも、磁気センサアレイ40を用いて、体内留置デバイス230の位置および状態を確認することができる。
D.第4実施形態:
図9は、第4実施形態の医療用デバイス310の概略構成を模式的に示す説明図である。第4実施形態において、第1実施形態の医療用デバイス10と共通する部分には同じ参照番号を付す。
第4実施形態の医療用デバイス310は、体内留置デバイス330と、シャフト320と、を備える。そして、体内留置デバイス330において、第3実施形態の体内留置デバイス230の磁界発生部233と同様の位置に、磁界発生部333を備えている。第4実施形態の磁界発生部333は、通電により磁界を発生する電磁石を備える。磁界発生部333が備える電磁石は、「第2電磁石」とも呼ぶ。図9では、単一の磁界発生部333のみを示しているが、体内留置デバイス330には、第3実施形態と同様に複数(好ましくは3以上)の磁界発生部333が設けられている。
体内留置デバイス330は、第1接続部336において、導体部335を備える。導体部335は、磁性体にコイルを巻回した構造を有しており、磁束が変動する環境下に置かれたときには、電磁誘導により誘導電流を発生する。体内留置デバイス330には、さらに、導体部335と磁界発生部233とを電気的に接続する配線337が設けられている。導体部335で誘導電流が発生したときには、誘導電流は配線337を介して磁界発生部333の第2電磁石に供給されて、第2電磁石において磁界が発生する。
シャフト320は、第1実施形態の第1電磁石22と同様の第1電磁石322を有する。第3実施形態の第1電磁石322は、直流電源に代えて医療用デバイス10の基端側に設けられた図示しない交流電源と、配線24によって接続されている。
第1電磁石322に対して交流電力を供給すると、第1電磁石322では、変動する磁界が発生する。このとき、第1電磁石322で磁界が発生することにより、体内留置デバイス330の第1接続部336と、シャフト320の第2接続部329とが結合される。また、第1電磁石322で変動する磁界が発生することにより、体内留置デバイス330の導体部335では、誘電起電力が発生して、磁界発生部333に電力が供給される。その結果、磁界発生部333の第2電磁石では、磁界が発生する。第4実施形態において、体内留置デバイス330が備える導体部335と配線337とは、第2電磁石に電力を供給する「給電部」を構成する。
このような構成とすれば、体内留置デバイス330に磁界発生部333を設けているため、磁気センサアレイ40を用いて磁界発生部333の位置を検出することによって、体内留置デバイス330のシャフト320からの切り離しに先だって、体内留置デバイス330が正常に展開されたことを確認できる、という第3実施形態と同様の効果が得られる。また、第4実施形態では、磁界発生部333が備える第2電磁石に電力供給するために、導体部335を用いた電磁誘導を利用しているため、配線を接続するための接点を設けることなく、切り離し対象となる体内留置デバイス330に電力供給することができる。なお、第1接続部336および第2接続部329において、シャフト320側に設けた直流電源からの電力を配線337に伝えるための接点を設けて、第1接続部336と第2接続部329との結合時に、上記接点同士が接続されることとしてもよい。
上記した第4実施形態では、第1接続部336と第2接続部329とを結合させる磁界を生じる電磁石と、体内留置デバイス330の導体部335で誘電起電力を発生させる変動磁界を生じる電磁石とは、同一の第1電磁石322としたが、異なる構成としてもよい。例えば、第1実施形態と同様に直流電源に接続された第1電磁石22に加えて、交流電源に接続されて誘導起電力を発生するために用いられる電磁石をさらに備えることとしてもよい。
また、上記した第4実施形態では、体内留置デバイス330のフレーム32に磁界発生部333を設けたが、異なる構成としてもよい。具体的には、例えば、フレーム32の少なくとも一部、好ましくはフレーム32の全体を、磁性体、例えばパーマロイ等の強磁性体により形成し、図9と同様の導体部335を備える給電部を用いて、フレーム32に通電することとしてもよい。このような構成とすれば、通電によってフレーム32が磁気を帯びるため、磁気センサアレイ40を用いてフレーム32の磁界を検出することにより、体内留置デバイス330の展開状態を確認することができる。
E.第5実施形態:
図10は、第5実施形態の医療用デバイス410の概略構成を、図2と同様にして模式的に示す説明図である。第5実施形態において、第1実施形態の医療用デバイス10と共通する部分には同じ参照番号を付す。
第5実施形態の医療用デバイス410は、第1実施形態と同様のシャフト20を備えると共に、体内留置デバイス30に代えて体内留置デバイス430を備える。体内留置デバイス430は、シャフト20の先端の第2接続部29に結合する構造として、第1接続部436を備える。第1接続部436は、第2接続部29が備える第1電磁石22の結合面23に接する箇所に、永久磁石438を備える。
第5実施形態の医療用デバイス410は、第1実施形態の医療用デバイス10と同様にして、左心耳の閉鎖のために用いられるが、第1実施形態の医療用デバイス10とは異なり、第1電磁石22への通電を遮断しているときに、体内留置デバイス430の第1接続部436とシャフト20の第2接続部29とが結合される。シャフト20の第1電磁石22は、コイルが巻回された磁性体を備えており、第1電磁石22に電力供給されていないときには、第1接続部436の永久磁石438で発生する磁力によって、上記第1電磁石22の磁性体が吸着されるためである。医療用デバイス410の先端部を生体90に挿入する動作は、第1電磁石22への通電を遮断して、体内留置デバイス430とシャフト20とを結合させた状態で行われる。
また、第5実施形態の医療用デバイス410では、第1電磁石22に直流電力を供給したときに、体内留置デバイス430の第1接続部436とシャフト20の第2接続部29との間の結合が解除される。シャフト20では、第1電磁石22に通電したときに、第1電磁石22において、第1接続部436が備える永久磁石438に反発する向きの磁界が発生するように、配線24に接続する直流電源の電極の向きが設定されている。医療用デバイス410を生体90内に挿入して、左心耳の入り口部で体内留置デバイス430を展開させて位置合わせした後には、第1電磁石22への電力供給を開始して、第1電磁石22において永久磁石438に反発する磁力を発生させることにより、体内留置デバイス430をシャフト20から切り離す。図10では、結合面23で生じる反発力によって第2接続部29が体内留置デバイス430から分離される様子を、実線矢印により示している。第1電磁石22で発生する上記した反発力の大きさに係る条件、例えば第1電磁石22を構成するコイルの巻数や、第1電磁石22に供給する電流の大きさや、永久磁石438で生じる磁界の強さ等は、体内留置デバイス430を生体90内で搬送する際の第1接続部436と第2接続部29との結合の安定性や、シャフト20から体内留置デバイス430を切り離す際に体内留置デバイス430に加えられる反発力の強さによる影響等を考慮して、適宜設定すればよい。
このような構成とすれば、体内留置デバイス430を左心耳の入り口部で展開させて所望の位置に配置した後、第1電磁石22への通電状態を切り替えることにより、体内留置デバイス30をシャフト20から瞬時に切り離すことができるため、体内留置デバイス430の分離のために加えられる外力を抑えて、体内留置デバイス430を左心耳に留置する際の、位置合わせの精度を向上させることができる、という第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、体内留置デバイス430の第1接続部436が永久磁石438を備えるため、体内留置デバイス430を生体90内に留置する動作の途中において、磁気センサを用いて永久磁石438の位置を検出することにより、特定した体内留置デバイス430の位置をX線透視画像と重ねて、心臓における体内留置デバイス30の位置の把握を精度良く行うことが可能になる。さらに、第5実施形態では、第1接続部436が永久磁石438を備えるため、体内留置デバイス430をシャフト20から分離させた後であっても、磁気センサアレイ40を用いて体内留置デバイス430の位置を確認することができる。
F.他の実施形態:
上記した各実施形態では、医療用デバイスは、左心耳閉鎖デバイスとしたが、異なる種類の医療用デバイスであってもよい。例えば、肺動脈と大動脈とがつながる動脈管開存症の患者に対して動脈管開存の閉鎖を行う医療用デバイスであって、動脈管開存を塞ぐ閉塞栓とデリバリーシャフトとを接続する接続部を有する医療用デバイスにおいて、適用することができる。医療用デバイスは、径方向に拡張および収縮可能な体内留置デバイスを備え、体内留置デバイスとシャフトとの間の接続状態を、シャフト先端の接続部に設けた電磁石に対する通電状態を切り替えることによって変更可能であればよい。
本開示は、上述の実施形態等に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10,110,210,310,410…医療用デバイス
11…駆動部
15…治療システム
20,120,120a,320…シャフト
21…チューブ
22,122,122a~122c,322…第1電磁石
23,123…結合面
24,324…配線
25…コネクタ
28…デリバリーカテーテル
29,129,329…第2接続部
30,230,330,430…体内留置デバイス
32…フレーム
34…フィルタ部
36,136,336,436…第1接続部
40…磁気センサアレイ
42…磁気センサ
43…アクセスシース
45…X線透過装置
46…X線発生部
47…画像情報生成部
50…コンピュータ
51…主制御部
52…画像情報処理部
53…X線透視画像生成部
54…位置画像生成部
55…合成画像生成部
60…モニタ
61…表示画面
70…操作部
80…台
90…生体
125…側面
128…段差部
233,333…磁界発生部
335…導体部
337…配線
438…永久磁石

Claims (10)

  1. 医療用デバイスであって、
    径方向に拡張および収縮可能であって、磁性体または永久磁石を有する第1接続部を基端部に備える体内留置デバイスと、
    前記第1接続部に接続されて第1電磁石を有する第2接続部を先端部に備えるシャフトであって、前記第1電磁石に対する電力供給が入り切りされることにより、前記第1接続部と前記第2接続部との間の磁力を用いた結合状態が切り替えられて前記体内留置デバイスを着脱するシャフトと、
    を備え
    前記第2接続部は、前記シャフトの先端に向かって断面積が減少する段差部を備えると共に、前記第2接続部は、前記段差部よりも先端側に配置される前記第1電磁石を有しており、
    前記第1接続部は、前記第2接続部における前記段差部および前記段差部よりも先端側の形状が反転した形状を内壁面に有す
    医療用デバイス。
  2. 請求項に記載の医療用デバイスであって、
    前記第2接続部は、先端側に延びる長さが異なる複数の前記第1電磁石を有し、
    前記段差部は、複数の前記第1電磁石に含まれる隣り合う2つの電磁石のうちの、先端側に延びる長さが短い前記第1電磁石における、前記第1接続部と磁力により結合する結合面によって形成される
    医療用デバイス。
  3. 医療用デバイスであって、
    径方向に拡張および収縮可能であって、磁性体または永久磁石を有する第1接続部を基端部に備える体内留置デバイスと、
    前記第1接続部に接続されて第1電磁石を有する第2接続部を先端部に備えるシャフトであって、前記第1電磁石に対する電力供給が入り切りされることにより、前記第1接続部と前記第2接続部との間の磁力を用いた結合状態が切り替えられて前記体内留置デバイスを着脱するシャフトと、
    を備え
    前記体内留置デバイスは、さらに、前記体内留置デバイスが径方向に拡張したときに前記体内留置デバイスの外周部となる位置に配置された磁界発生部を備え
    医療用デバイス。
  4. 請求項3に記載の医療用デバイスであって、
    前記第2接続部は、前記シャフトの先端に向かって断面積が減少する段差部を備えると共に、前記第2接続部は、前記段差部よりも先端側に配置される前記第1電磁石を有しており、
    前記第1接続部は、前記第2接続部における前記段差部および前記段差部よりも先端側の形状が反転した形状を内壁面に有する
    医療用デバイス。
  5. 請求項1または請求項2に記載の医療用デバイスであって、
    前記体内留置デバイスは、さらに、前記体内留置デバイスが径方向に拡張したときに前記体内留置デバイスの外周部となる位置に配置された磁界発生部を備える
    医療用デバイス。
  6. 請求項3から請求項5までのいずれか一項に記載の医療用デバイスであって、
    前記磁界発生部は、永久磁石を備える
    医療用デバイス。
  7. 請求項3から請求項5までのいずれか一項に記載の医療用デバイスであって、
    前記磁界発生部は、第2電磁石を備え、
    前記体内留置デバイスは、さらに、前記第2接続部の前記第1電磁石に交流電力が供給されて、磁性体を有する前記第1接続部と前記第2接続部とが接続されるときに、前記第1電磁石で発生する変動する磁界を用いて電磁誘導により誘導電流を発生して前記第2電磁石に供給する給電部を備える
    医療用デバイス。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の医療用デバイスであって、
    前記第1接続部は磁性体を有し、
    前記第2接続部は、前記第1電磁石に電力供給されたときに、前記第1接続部を結合し、前記第1電磁石への電力供給が遮断されたときに、前記第1接続部との結合を解除する
    医療用デバイス。
  9. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の医療用デバイスであって、
    前記第1接続部は永久磁石を有し、
    前記第2接続部は、前記第1電磁石への電力供給が停止されているときに、前記第1接続部に結合され、前記第1電磁石に電力供給されたときに、前記第1電磁石において前記第1接続部の永久磁石に反発する磁界を発生させることにより、前記第1接続部との結合を解除する
    医療用デバイス。
  10. 治療システムであって、
    治療対象の生体で発生する磁界を検出する磁気センサと、
    請求項1からまでのいずれか一項に記載の医療用デバイスと、
    前記生体のX線透視画像を表す画像情報を生成するX線画像生成装置と、
    前記磁気センサから出力される磁界情報と、前記X線画像生成装置が生成した前記画像情報と、を用いて、前記X線透視画像と、前記第1接続部の位置を表す位置画像と、を含む合成画像を生成する合成画像生成部と、
    を備える治療システム。
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