本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、特に断りがない限り、図1及び図2に示す矢印Nの方向を「北」、矢印Sの方向を「南」として、図1に示す矢印Eの方向を「東」、矢印Wの方向を「西」とする。
〔園芸施設の構成〕
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態における栽培システムSY(本発明に係る「潅水管理システム」に相当)は、園芸施設1を備えている。園芸施設1には、栽培植物Qを植えるための畝A1~A8が縦横に並ぶ状態で設けられている。それぞれの畝Aの間は栽培植物Qの管理者(ユーザ)が通行可能な通路となっている。園芸施設1は、例えばビニールハウスであったり、太陽光利用型の植物工場であったりする。
それぞれの畝Aは、南北方向に延びている。また、畝A1~A4は、園芸施設1における南側に位置している。また、畝A5~A8は、園芸施設1における北側に位置している。
それぞれの畝Aは、例えば無孔性親水性フィルム、又は、水及び養分のみを通すナノサイズの穴が開いているフィルム等で構成される。そして、それぞれの畝Aに、栽培植物Qとして、例えばトマトが植えられる。
また、栽培システムSYは、2つの栽培植物撮像装置3を備えている。一方の栽培植物撮像装置3は、園芸施設1の南部に位置している。他方の栽培植物撮像装置3は、園芸施設1の北部に位置している。尚、本発明はこれに限定されず、栽培システムSYが備える栽培植物撮像装置3の個数は、1つでも良いし、3つ以上でも良い。
図1及び図2に示されるように、南部に位置する栽培植物撮像装置3は、第1カメラCa1を有している。また、北部に位置する栽培植物撮像装置3は、第2カメラCa2を有している。
第1カメラCa1及び第2カメラCa2は、園芸施設1の内部のうち、栽培植物Qが植えられる畝Aの上方に配置されている。これらのカメラは、何れも、定点カメラCa(本発明に係る「撮像部」に相当)である。
図2に示すように、栽培植物Qは、複数の植物個体Q1の集合体である。また、栽培植物Qは、複数のグループに分けられている。より具体的には、栽培植物Qは、第1グループGR1及び第2グループGR2に分けられている。
即ち、各グループは、それぞれ、一つまたは複数の植物個体Q1により構成されている。本実施形態においては、第1グループGR1及び第2グループGR2は、それぞれ、複数の植物個体Q1により構成されている。尚、本発明はこれに限定されず、第1グループGR1及び第2グループGR2のうちの少なくとも何れか一方が単一の植物個体Q1により構成されていても良い。
図1及び図2に示すように、第1グループGR1を構成する各植物個体Q1は、畝A1~A4に植えられている。また、第2グループGR2を構成する各植物個体Q1は、畝A5~A8に植えられている。
図2に示すように、第1グループGR1は、第1基準個体QM1を含んでいる。第1基準個体QM1は、第1グループGR1に含まれる全ての植物個体Q1のうち、1日で受ける日射量が最も大きい植物個体Q1である。
尚、本実施形態において、第1基準個体QM1は、畝A2における最南端に位置している。
また、第2グループGR2は、第2基準個体QM2を含んでいる。第2基準個体QM2は、第2グループGR2に含まれる全ての植物個体Q1のうち、1日で受ける日射量が最も大きい植物個体Q1である。
尚、本実施形態において、第2基準個体QM2は、畝A6における最南端に位置している。
また、それぞれの定点カメラCaは、例えばCCD素子やCMOS素子を有し、肉眼で視覚可能な可視光を撮像可能なように構成される。そして、それぞれの定点カメラCaは、俯瞰で、栽培植物Qの葉を、所定の時間間隔毎に撮像する。これにより、それぞれの定点カメラCaは、図3に示すように、撮像画像Vを経時的に取得する。
即ち、栽培システムSYは、栽培植物Qの葉を撮像する定点カメラCaを備えている。また、各定点カメラCaは、栽培植物Qの葉を俯瞰で撮像するように構成されている。
図1及び図2に示すように、第1カメラCa1は第1グループGR1に対応する位置に配置されている。また、第2カメラCa2は、第2グループGR2に対応する位置に配置されている。
即ち、栽培システムSYは、複数のグループに対応する複数の定点カメラCaを備えている。また、栽培植物撮像装置3は、栽培植物Qを俯瞰で撮像する定点カメラCaを備えている。
より具体的には、第1カメラCa1は、畝A2の上方に配置されている。そして、第1カメラCa1の撮像領域である第1撮像領域P1は、畝A2の全体と、畝A1の東部と、畝A3の西部と、に亘っている。
これにより、図2に示すように、第1撮像領域P1には、第1基準個体QM1が含まれている。即ち、第1カメラCa1は、第1基準個体QM1の葉を俯瞰で撮像するように配置されている。
また、図1及び図2に示すように、第2カメラCa2は、畝A6の上方に配置されている。そして、第2カメラCa2の撮像領域である第2撮像領域P2は、畝A6の全体と、畝A5の東部と、畝A7の西部と、に亘っている。
これにより、図2に示すように、第2撮像領域P2には、第2基準個体QM2が含まれている。即ち、第2カメラCa2は、第2基準個体QM2の葉を俯瞰で撮像するように配置されている。
以上で説明した構成により、各定点カメラCaは、一つのグループに含まれる全ての植物個体Q1のうち、1日で受ける日射量が最も大きい植物個体Q1の葉を俯瞰で撮像するように配置されている。尚、本発明はこれに限定されない。例えば、各定点カメラCaは、一つのグループに含まれる全ての植物個体Q1のうち、10時~14時に受ける日射量が最も大きい植物個体Q1の葉を俯瞰で撮像するように配置されていても良い。
図示はされていないが、他にも、園芸施設1に、環境センサ、側窓、遮光カーテン、ヒートポンプ式の空調設備等が備えられている。図2に示す破線Ghは、栽培植物Qの草丈が最大高さとなる基準位置であり、破線Ghの高さ付近から、栽培植物Qの茎を誘引するための誘引紐が垂下する。
それぞれの定点カメラCaは、破線Ghよりも高い位置に設けられている。即ち、定点カメラCaは、栽培工程において栽培植物Qの草丈が最大となる時点での草丈に対応する高さ位置よりも上側に配置されている。
また、図1に示すように、園芸施設1には、噴霧装置2が設けられている。噴霧装置2は、栽培植物Qの栽培されている空間内に細霧を噴射する。即ち、栽培システムSYは、栽培植物Qの栽培されている空間内に細霧を噴射する噴霧装置2を備えている。
詳述すると、噴霧装置2は、配管20、第1ノズル21、第2ノズル22、第3ノズル23を有している。配管20は、南北方向に延びている。また、配管20は、平面視において、畝A2と畝A3との間を通り、且つ、畝A6と畝A7との間を通っている。また、第1ノズル21、第2ノズル22、第3ノズル23は、それぞれ、配管20から突出する状態で設けられている。
そして、配管20を通る水が、第1ノズル21、第2ノズル22、第3ノズル23から、細霧の状態で噴射される。
第1ノズル21は、園芸施設1における南部に位置している。そして、第1ノズル21は、東方向へ細霧を噴射する。第1ノズル21による噴射範囲は、第1噴射範囲S1である。
第2ノズル22は、園芸施設1における南北方向中央部に位置している。そして、第2ノズル22は、西方向へ細霧を噴射する。第2ノズル22による噴射範囲は、第2噴射範囲S2である。
第3ノズル23は、園芸施設1における北部に位置している。そして、第3ノズル23は、東方向へ細霧を噴射する。第3ノズル23による噴射範囲は、第3噴射範囲S3である。
即ち、噴霧装置2の噴射範囲は、第1噴射範囲S1、第2噴射範囲S2、第3噴射範囲S3である。
ここで、各定点カメラCaは、平面視において、第1噴射範囲S1、第2噴射範囲S2、第3噴射範囲S3の何れにも重複していない。即ち、定点カメラCaは、平面視において、噴霧装置2の噴射範囲に重複しない位置に配置されている。
〔潅水制御に関する構成〕
図4に示すように、本実施形態における栽培システムSYは、管理コンピュータMC及び制御盤54を備えている。管理コンピュータMCは、処理部4及びディスプレイ53(本発明に係る「表示装置」に相当)を有している。
処理部4は、第1被覆率算出部41、第1基準被覆率設定部42、第1基準算出部43、第1制御部44、第2被覆率算出部45、第2基準被覆率設定部46、第2基準算出部47、第2制御部48を有している。
また、園芸施設1は、第1潅水装置51及び第2潅水装置52を有している。
第1カメラCa1により所定の時間間隔毎に取得された撮像画像Vは、第1被覆率算出部41へ送られる。第1被覆率算出部41は、受け取った撮像画像Vに基づいて、第1グループGR1の被覆率Brを経時的に算出する。
尚、被覆率Brとは、撮像画像Vにおいて葉が写っている領域である計測領域B(図3参照)のうち、葉の占める領域の割合である。また、被覆率Brは、葉の張り度合いを示す値である。即ち、被覆率Brは、本発明に係る「張り指標値」に相当する。
被覆率Brの算出について詳述すると、図3に示すように、第1被覆率算出部41は、撮像画像Vの色情報等に基づいて、撮像画像Vにおける枝葉や茎の領域を判定する。この領域は、栽培植物Qの繁茂領域、即ち被覆領域として判定される。
尚、枝葉や茎の領域の判定は、RGBデータに基づいて行われるものであっても良いし、YUVデータに基づいて行われるものであっても良い。但し、本実施形態では、天候や時間帯の変化に伴う明暗の変化に対応するため、枝葉や茎の領域の判定は、YUVデータに基づいて行われるのが望ましい。
そして、被覆領域の判定に基づいて、撮像画像Vのうち、栽培植物Qの位置する範囲が設定される。図3に示されるように、栽培植物Qの枝葉が写っている領域として四辺で囲まれた範囲が設定され、この四辺で囲まれた範囲が計測領域Bとして設定されて、計測領域Bの面積Bsが算出される。面積Bsの算出は、撮像画像Vのうち、計測領域Bのドット(撮像画像Vにおける画素の最小単位)の数を数えることで可能である。
また、被覆領域のドットの数を数えることによって、葉面積B1の算出が可能である。そして、下記の数式によって、面積Bsに対する葉面積B1の割合が、被覆率Brとして算出される。
被覆率Br=葉面積B1/面積Bs
尚、計測領域Bの面積Bsは、時間の経過に伴って葉がしおれ、枝葉の写っている領域が次第に狭まる場合であっても、葉がしおれ始める前の面積Bsで固定されるのが望ましい。つまり、面積Bsは、経時的に取得される複数の撮像画像Vのうち、最初の撮像画像Vに基づいて算出された面積Bsのまま固定されると共に、時間の経過に伴って葉面積B1だけが変化する構成が望ましい。
図4に示すように、第1被覆率算出部41により経時的に算出された被覆率Brは、第1基準被覆率設定部42及び第1制御部44へ送られる。第1基準被覆率設定部42は、基準時における第1グループGR1の被覆率Brを、第1グループGR1の基準被覆率STとして設定する。
詳述すると、本実施形態において、上記の基準時は、日の出直後の時間帯である。また、上述の通り、第1カメラCa1は、撮像画像Vを所定の時間間隔毎に取得する。即ち、第1カメラCa1は、日の出直後の時間帯において、複数の時刻で撮像画像Vを取得する。これにより、第1カメラCa1によって、日の出直後の時間帯における複数の撮像画像Vが取得される。
第1被覆率算出部41は、日の出直後の時間帯において取得された複数の撮像画像Vに基づいて、複数の被覆率Brを算出する。そして、第1基準被覆率設定部42は、この複数の被覆率Brの90パーセンタイル値を、基準被覆率STとして設定する。
尚、本発明はこれに限定されず、第1基準被覆率設定部42は、上記複数の被覆率Brの90パーセンタイル値以外の値を、基準被覆率STとして設定するように構成されていても良い。例えば、第1基準被覆率設定部42は、上記複数の被覆率Brのうちの最大値を基準被覆率STとして設定するように構成されていても良い。また、第1基準被覆率設定部42は、上記複数の被覆率Brの平均値を基準被覆率STとして設定するように構成されていても良い。
図4に示すように、第1基準被覆率設定部42により設定された基準被覆率STは、第1基準算出部43へ送られる。
また、ユーザは、制御盤54を介して、しおれ係数を入力することができる。尚、しおれ係数とは、目標となる葉のしおれ度合いに相当する係数である。
制御盤54に入力されたしおれ係数は、処理部4に送られる。そして、第1基準算出部43は、第1基準被覆率設定部42から受け取った基準被覆率STと、制御盤54に入力されたしおれ係数と、に基づいて、第1グループGR1の潅水基準値THを算出する。より具体的には、第1基準算出部43は、基準被覆率STにしおれ係数を乗ずることによって潅水基準値THを算出する。算出された潅水基準値THは、第1制御部44へ送られる。
第1制御部44は、第1被覆率算出部41から受け取った被覆率Brと、第1基準算出部43から受け取った潅水基準値THと、に基づいて、被覆率Brが潅水基準値THを下回っているか否かを判定する。そして、被覆率Brが潅水基準値THを下回った場合、第1制御部44は、潅水指示信号を出力する。
出力された潅水指示信号は、第1潅水装置51へ送られる。第1潅水装置51は、第1制御部44から受け取った潅水指示信号に応じて、第1グループGR1に属する各植物個体Q1への潅水を実行する。
即ち、第1制御部44は、第1グループGR1の被覆率Brが第1グループGR1の潅水基準値THを下回った場合に、第1グループGR1への潅水を第1潅水装置51に実行させる。
また、第2カメラCa2により所定の時間間隔毎に取得された撮像画像Vは、第2被覆率算出部45へ送られる。そして、第2被覆率算出部45、第2基準被覆率設定部46、第2基準算出部47、第2制御部48は、以上で説明した第1被覆率算出部41、第1基準被覆率設定部42、第1基準算出部43、第1制御部44と同様の機能を有している。
即ち、第2被覆率算出部45は、第1被覆率算出部41と同様の処理を行うことにより、第2グループGR2の被覆率Brを算出する。
また、第2基準被覆率設定部46は、第1基準被覆率設定部42と同様の処理を行うことにより、第2グループGR2の基準被覆率STを設定する。
また、第2基準算出部47は、第1基準算出部43と同様の処理を行うことにより、第2グループGR2の潅水基準値THを算出する。
また、第2制御部48は、第1制御部44と同様の処理を行うことにより、第2グループGR2の被覆率Brが第2グループGR2の潅水基準値THを下回った場合に、第2グループGR2への潅水を第2潅水装置52に実行させる。
ここで、図4に示すように、第1被覆率算出部41及び第2被覆率算出部45により、被覆率算出部40(本発明に係る「張り指標値算出部」に相当)が構成されている。被覆率算出部40は、定点カメラCaにより取得された撮像画像Vに基づいて、被覆率Brを算出する。
より具体的には、被覆率算出部40は、定点カメラCaにより取得された撮像画像Vに基づいて、被覆率Brを各グループ毎に算出する。
即ち、栽培システムSYは、定点カメラCaにより取得された撮像画像Vに基づいて、葉の張り度合いを示す値である被覆率Brを算出する被覆率算出部40を備えている。より具体的には、栽培システムSYは、定点カメラCaにより取得された撮像画像Vに基づいて、葉の張り度合いを示す値である被覆率Brを各グループ毎に算出する被覆率算出部40を備えている。
また、図4に示すように、第1潅水装置51及び第2潅水装置52により、潅水装置50が構成されている。潅水装置50は、栽培植物Qへの潅水を行う。
即ち、栽培システムSYは、栽培植物Qへの潅水を行う潅水装置50を備えている。また潅水装置50による潅水は、各グループ毎に個別に実行される。
また、図4に示すように、第1制御部44及び第2制御部48により、潅水制御部49が構成されている。潅水制御部49は、潅水装置50を制御する。即ち、栽培システムSYは、潅水装置50を制御する潅水制御部49を備えている。そして、潅水制御部49は、被覆率Brが所定の潅水基準値THを下回った場合に、潅水基準値THを下回った被覆率Brに対応するグループへの潅水を潅水装置50に実行させる。
以上で説明した構成により、図5に示すように、第1グループGR1及び第2グループGR2の被覆率Brは基本的に以下の通りに推移する。即ち、まず、時間の経過に伴って葉のしおれが進行する。これにより、被覆率Brは時間の経過に伴って減少する。
被覆率Brが潅水基準値THを下回り、潅水が実行されると、葉の張り度合いが回復する。これにより、被覆率Brは増加する。
その後は、時間の経過に伴う葉のしおれの進行と、潅水による葉の張り度合いの回復と、を繰り返す。これにより、被覆率Brは、減少と増加とを交互に繰り返す。
図5の上部に示す例では、第1制御部44により潅水指示信号が出力されたタイミングが、上向き矢印によって示されている。この例では、時刻t1、時刻t2、時刻t4、時刻t6のそれぞれにおいて、被覆率Brが潅水基準値THを下回ったため、第1制御部44により潅水指示信号が出力されている。これにより第1グループGR1への潅水が実行された結果、被覆率Brは、潅水基準値THを上回っている。
また、図5の下部に示す例では、第2制御部48により潅水指示信号が出力されたタイミングが、上向き矢印によって示されている。この例では、時刻t3、時刻t5のそれぞれにおいて、被覆率Brが潅水基準値THを下回ったため、第2制御部48により潅水指示信号が出力されている。これにより第2グループGR2への潅水が実行された結果、被覆率Brは、潅水基準値THを上回っている。
尚、図5に示す例では、ユーザにより、第2グループGR2のしおれ係数は第1グループGR1のしおれ係数よりも小さい値に設定されている。そのため、第2グループGR2の潅水基準値THは、第1グループGR1の潅水基準値THよりも低い。その結果、第2グループGR2への潅水の回数は、第1グループGR1への潅水の回数よりも少なくなっている。
〔管理コンピュータでの表示内容〕
図6に示すように、管理コンピュータMCのディスプレイ53は、管理画面56(本発明に係る「表示画面」に相当)を表示可能である。管理画面56は、第1推移表示領域61及び第2推移表示領域62を有している。第1推移表示領域61及び第2推移表示領域62は、互いに上下に隣接している。
第1推移表示領域61は、第1グループGR1に関する時系列の情報を表示する領域である。また、第2推移表示領域62は、第2グループGR2に関する時系列の情報を表示する領域である。
第1推移表示領域61及び第2推移表示領域62は、何れも、グラフ領域63及びモード推移領域64を含んでいる。モード推移領域64は、グラフ領域63の下端部に重複した状態で表示される。
グラフ領域63は、推移情報、及び、潅水情報を表示する領域である。推移情報とは、被覆率Brの推移を示す情報である。また、潅水情報とは、潅水装置50により潅水が実行されたタイミングを示す情報である。
図6に示すように、グラフ領域63においては、推移情報として、時刻と被覆率Brとの対応関係を示すグラフ63aが表示される。
即ち、ディスプレイ53は、推移情報を、時刻と被覆率Brとの対応関係を示すグラフ63aにより表示する。
ここで、図4に示した潅水制御部49の制御モードは、制御盤54を操作することにより、第1潅水モードと、第2潅水モードと、の間で切り替え可能である。第1潅水モードとは、第1条件が満たされた場合に潅水装置50に潅水を実行させる制御モードである。また、第2潅水モードとは、第1条件とは異なる第2条件が満たされた場合に潅水装置50に潅水を実行させる制御モードである。
本実施形態において、第1条件は、「被覆率Brが潅水基準値THを下回ること」または「被覆率Brが連続的に潅水基準値TH以上である期間が所定の判定時間TRに達すること」の何れかを満たすことである。即ち、第1条件は、被覆率Brが所定の潅水基準値THを下回ることを含んでいる。
また、本実施形態において、第2条件は、現在時刻が、設定された時刻である設定潅水時刻になることである。即ち、第2条件は、被覆率Brが潅水基準値THを下回ることを含んでいない。
以上の構成により、潅水制御部49の制御モードは、被覆率Brが潅水基準値THを下回った場合、及び、被覆率Brが連続的に潅水基準値TH以上である期間が判定時間TRに達した場合に潅水装置50に潅水を実行させる第1潅水モードと、設定された時刻である設定潅水時刻に潅水装置50に潅水を実行させる第2潅水モードと、の間で切り替え可能である。
また、潅水制御部49の制御モードが第1潅水モードであるとき、潅水制御部49は、被覆率Brが潅水基準値THを下回った場合、及び、被覆率Brが連続的に潅水基準値TH以上である期間が判定時間TRに達した場合に潅水装置50に潅水を実行させることとなる。即ち、栽培システムSYは、被覆率Brが所定の潅水基準値THを下回った場合、及び、被覆率Brが連続的に潅水基準値TH以上である期間が所定の判定時間TRに達した場合に潅水装置50に潅水を実行させる潅水制御部49を備えている。
また、制御盤54は、ユーザによる手動潅水操作に応じて、潅水指示信号を潅水制御部49へ送ることができる。潅水制御部49は、この信号に応じて、即座に潅水装置50に潅水を実行させる。この構成により、ユーザは、第1条件及び第2条件の何れも満たされていないときであっても、制御盤54に対して手動潅水操作を行うことにより、即座に潅水装置50に潅水を実行させることができる。
そして、図6に示すように、グラフ領域63においては、潅水情報として、自動潅水線71a、臨時潅水線71b、スケジュール潅水線72、手動潅水線73が、グラフ63aに重複した状態で表示される。
尚、本実施形態において、自動潅水線71a、臨時潅水線71b、スケジュール潅水線72、手動潅水線73は、互いに異なる色で表示される。
自動潅水線71aは、潅水制御部49の制御モードが第1潅水モードであるときに、第1条件のうち、「被覆率Brが潅水基準値THを下回ること」が満たされたことにより実行された潅水の時刻を示している。
臨時潅水線71bは、潅水制御部49の制御モードが第1潅水モードであるときに、第1条件のうち、「被覆率Brが連続的に潅水基準値TH以上である期間が所定の判定時間TRに達すること」が満たされたことにより実行された潅水の時刻を示している。
スケジュール潅水線72は、潅水制御部49の制御モードが第2潅水モードであるときに、第2条件が満たされたことにより実行された潅水の時刻を示している。
手動潅水線73は、ユーザによる手動潅水操作に応じて実行された潅水の時刻を示している。
即ち、栽培システムSYは、被覆率Brの推移を示す情報である推移情報、及び、潅水装置50により潅水が実行されたタイミングを示す情報である潅水情報を表示するディスプレイ53と、を備えている。また、ディスプレイ53は、推移情報と潅水情報とを、一つの管理画面56内に表示する。また、ディスプレイ53は、潅水情報を、グラフ63aに重複させた状態で表示する。
また、図6に示すように、第1推移表示領域61には、第1グループGR1の推移情報と、第1グループGR1の潅水情報と、が表示される。また、第2推移表示領域62には、第2グループGR2の推移情報と、第2グループGR2の潅水情報と、が表示される。
即ち、ディスプレイ53は、複数のグループに対応する複数の推移情報と、複数のグループに対応する複数の潅水情報と、を管理画面56内に表示する。
また、モード推移領域64は、潅水制御部49の制御モードの推移を表示する領域である。即ち、ディスプレイ53は、潅水制御部49の制御モードの推移を、グラフ63aに重複させた状態で表示する。
詳述すると、モード推移領域64は、画面左右方向に延びる帯状である。そして、モード推移領域64のうち、潅水制御部49の制御モードが第1潅水モードであった時間帯に対応する部分の色と、潅水制御部49の制御モードが第2潅水モードであった時間帯に対応する部分の色と、が異なっている。即ち、モード推移領域64は、色によって、潅水制御部49の制御モードの推移を示している。
図6に示す例では、現在時刻は18時である。そして、この日、第1制御部44の制御モードは、6時から12時まで第2潅水モードであり、12時から18時まで第1潅水モードであった。そのため、第1推移表示領域61のモード推移領域64において、6時から12時までの部分の色と、12時から18時までの部分の色と、は互いに異なっている。
また、この例では、第2制御部48の制御モードは、6時から18時まで第2潅水モードであった。そのため、第2推移表示領域62のモード推移領域64は、6時から18時までに亘り、1色である。
また、この例では、第1グループGR1の設定潅水時刻が、10時及び11時に設定されている。そして、この設定潅水時刻の通りに、潅水が実行された。そのため、第1推移表示領域61のグラフ領域63において、10時及び11時に対応する箇所に、スケジュール潅水線72が表示されている。
また、この例では、第1グループGR1の被覆率Brが、13時に潅水基準値THを下回った。そして、これに応じて、潅水が実行された。そのため、第1推移表示領域61のグラフ領域63において、13時に対応する箇所に、自動潅水線71aが表示されている。
また、この例では、判定時間TRは180分に設定されている。そして、第1グループGR1の被覆率Brが、13時から16時に亘り、潅水基準値TH以上であった。そして、これに応じて、潅水が実行された。そのため、第1推移表示領域61のグラフ領域63において、16時に対応する箇所に、臨時潅水線71bが表示されている。
また、この例では、第2グループGR2の設定潅水時刻が、10時、12時、14時、16時に設定されている。そして、この設定潅水時刻の通りに、潅水が実行された。そのため、第2推移表示領域62のグラフ領域63において、10時、12時、14時、16時に対応する箇所に、スケジュール潅水線72が表示されている。
また、この例では、第2グループGR2に対して、13時30分に、ユーザによる手動潅水操作に応じて潅水が実行された。そのため、第2推移表示領域62のグラフ領域63において、13時30分に対応する箇所に、手動潅水線73が表示されている。
また、図6に示すように、管理画面56は、第1現在状況表示領域65及び第2現在状況表示領域66を有している。第1現在状況表示領域65及び第2現在状況表示領域66は、互いに上下に隣接している。また、第1推移表示領域61及び第1現在状況表示領域65は、互いに左右に隣接している。また、第2推移表示領域62及び第2現在状況表示領域66は、互いに左右に隣接している。
第1現在状況表示領域65は、第1グループGR1に関する現在の情報を表示する領域である。また、第2現在状況表示領域66は、第2グループGR2に関する現在の情報を表示する領域である。
第1現在状況表示領域65及び第2現在状況表示領域66は、何れも、現在モード領域67、潅水基準値領域68、画像領域69、現在値領域70を含んでいる。
現在モード領域67は、現在の潅水制御部49の制御モードを表示する。
即ち、第1現在状況表示領域65の現在モード領域67は、第1制御部44の制御モードを表示する。具体的には、第1現在状況表示領域65の現在モード領域67には、「自動潅水制御中」と表示されている。これにより、第1制御部44の現在の制御モードが第1潅水モードであることが示されている。
また、第2現在状況表示領域66の現在モード領域67は、第2制御部48の制御モードを表示する。具体的には、第2現在状況表示領域66の現在モード領域67には、「自動潅水未制御」と表示されている。これにより、第2制御部48の現在の制御モードが第2潅水モードであることが示されている。
即ち、ディスプレイ53は、管理画面56において、推移情報及び潅水情報と共に、現在の潅水制御部49の制御モードを表示する。
また、潅水基準値領域68は、潅水基準値THを表示する。
即ち、第1現在状況表示領域65の潅水基準値領域68は、第1グループGR1の潅水基準値THを表示する。また、第2現在状況表示領域66の潅水基準値領域68は、第2グループGR2の潅水基準値THを表示する。
即ち、ディスプレイ53は、管理画面56において、推移情報及び潅水情報と共に、潅水基準値THを表示する。
尚、潅水基準値領域68には、潅水基準値THそのものではなく、潅水基準値THを示す値が表示されても良い。例えば、潅水基準値領域68には、上述のしおれ係数が表示されても良い。この場合、しおれ係数を表示することは、本発明に係る「潅水基準値を表示する」ことに相当する。
また、画像領域69は、最新の撮像画像Vを表示する。
即ち、第1現在状況表示領域65の画像領域69は、第1カメラCa1により取得された最新の撮像画像Vを表示する。また、第2現在状況表示領域66の画像領域69は、第2カメラCa2により取得された最新の撮像画像Vを表示する。
即ち、ディスプレイ53は、管理画面56において、推移情報及び潅水情報と共に、撮像画像Vを表示する。
また、現在値領域70は、現在の被覆率Brを表示する。
即ち、第1現在状況表示領域65の現在値領域70は、第1グループGR1の現在の被覆率Brを表示する。また、第2現在状況表示領域66の現在値領域70は、第2グループGR2の現在の被覆率Brを表示する。
即ち、ディスプレイ53は、管理画面56において、推移情報及び潅水情報と共に、現在の被覆率Brを表示する。
また、図6に示すように、管理画面56は、警告表示領域WAを有している。警告表示領域WAは、第2推移表示領域62の下方に位置している。また、警告表示領域WAは、各種警告を表示する領域である。例えば、定点カメラCaに異常が生じた場合、その旨が警告表示領域WAに表示される。
〔制御盤での表示内容〕
図7に示すように、制御盤54は、タッチ操作可能なタッチパネル54aを有している。タッチパネル54aは、基準値設定画面57を表示可能である。
基準値設定画面57は、第1基準値領域76a、第2基準値領域76b、第3基準値領域76c、第4基準値領域76d、第5基準値領域76e、第6基準値領域76fを有している。第1基準値領域76a、第2基準値領域76b、第3基準値領域76c、第4基準値領域76d、第5基準値領域76e、第6基準値領域76fは、基準値設定画面57における上部に位置する。
第1基準値領域76a、第2基準値領域76b、第3基準値領域76c、第4基準値領域76d、第5基準値領域76e、第6基準値領域76fは、何れも、基準値領域76である。基準値領域76は、潅水基準値THを表示すると共に、潅水基準値THを変更するための操作を受け付ける領域である。
より具体的には、第1基準値領域76aは、第1グループGR1の潅水基準値THを表示すると共に、第1グループGR1の潅水基準値THを変更するための操作を受け付ける。ユーザは、第1基準値領域76aをタッチ操作することにより、第1グループGR1の潅水基準値THを変更することができる。
また、第2基準値領域76bは、第2グループGR2の潅水基準値THを表示すると共に、第2グループGR2の潅水基準値THを変更するための操作を受け付ける。ユーザは、第2基準値領域76bをタッチ操作することにより、第2グループGR2の潅水基準値THを変更することができる。
本実施形態においては、栽培植物Qは、第1グループGR1及び第2グループGR2に分けられている。即ち、栽培対象は、第1グループGR1及び第2グループGR2のみである。
そのため、本実施形態においては、第3基準値領域76c、第4基準値領域76d、第5基準値領域76e、第6基準値領域76fに対応するグループが存在しない。これにより、図7に示すように、第3基準値領域76c、第4基準値領域76d、第5基準値領域76e、第6基準値領域76fには、0(ゼロ)が表示されている。
しかしながら、対応するグループが存在する場合には、第3基準値領域76c、第4基準値領域76d、第5基準値領域76e、第6基準値領域76fにも、対応するグループの潅水基準値THが表示されると共に、タッチ操作に応じて、対応するグループの潅水基準値THが変更される。
また、基準値設定画面57は、判定時間領域77を有している。判定時間領域77は、判定時間TRを表示すると共に、判定時間TRを変更するための操作を受け付ける領域である。ユーザは、判定時間領域77をタッチ操作することにより、判定時間TRを変更することができる。
即ち、栽培システムSYは、潅水基準値THを表示すると共に潅水基準値THを変更するための操作を受け付ける基準値領域76と、判定時間TRを表示すると共に判定時間TRを変更するための操作を受け付ける判定時間領域77と、を含む基準値設定画面57を表示するタッチパネル54aを備えている。
尚、基準値領域76は、潅水基準値THそのものではなく、潅水基準値THを示す値を表示すると共に、潅水基準値THを示す値を変更するための操作を受け付けるように構成されていても良い。例えば、基準値領域76は、上述のしおれ係数を表示すると共にしおれ係数を変更するための操作を受け付けるように構成されていても良い。
また、判定時間領域77は、基準値領域76よりも下側に位置している。
また、基準値設定画面57は、複数のグループに対応する複数の基準値領域76を含んでいる。
また、図4に示した潅水制御部49は、所定の繰り返し潅水制限時間内に潅水装置50によって実行される潅水の回数が所定の繰り返し潅水制限回数以内となるように潅水装置50を制御するように構成されている。これにより、潅水のし過ぎを防ぐことができる。
より具体的には、第1制御部44は、繰り返し潅水制限時間内に第1潅水装置51によって実行される潅水の回数が繰り返し潅水制限回数以内となるように第1潅水装置51を制御する。また、第2制御部48は、繰り返し潅水制限時間内に第2潅水装置52によって実行される潅水の回数が繰り返し潅水制限回数以内となるように第2潅水装置52を制御する。
即ち、本実施形態においては、繰り返し潅水制限時間及び繰り返し潅水制限回数は、第1グループGR1及び第2グループGR2に対して一律に設定されるが、第1グループGR1と第2グループGR2とに、それぞれ個別に適用される。
尚、本発明はこれに限定されず、繰り返し潅水制限時間及び繰り返し潅水制限回数は、グループ毎に個別に設定されても良い。
そして、図7に示すように、基準値設定画面57は、制限時間領域78と、制限回数領域79と、を有している。制限時間領域78は、繰り返し潅水制限時間を表示すると共に、繰り返し潅水制限時間を変更するための操作を受け付ける領域である。制限回数領域79は、繰り返し潅水制限回数を表示すると共に、繰り返し潅水制限回数を変更するための操作を受け付ける領域である。
即ち、基準値設定画面57は、繰り返し潅水制限時間を表示すると共に繰り返し潅水制限時間を変更するための操作を受け付ける制限時間領域78と、繰り返し潅水制限回数を表示すると共に繰り返し潅水制限回数を変更するための操作を受け付ける制限回数領域79と、を含んでいる。
ユーザは、制限時間領域78をタッチ操作することにより、繰り返し潅水制限時間を変更することができる。また、ユーザは、制限回数領域79をタッチ操作することにより、繰り返し潅水制限回数を変更することができる。
図7に示す例においては、繰り返し潅水制限時間は60分に設定されている。また、繰り返し潅水制限回数は4回に設定されている。そのため、制限時間領域78には、「60」と表示されている。また、制限回数領域79には、「4」と表示されている。
尚、制限時間領域78及び制限回数領域79は、互いに上下に隣接している。また、制限時間領域78及び制限回数領域79は、判定時間領域77の下方に位置している。
また、制御盤54は、タッチパネル54aに表示される画面を切り替えることができる。図7及び図8に示すように、タッチパネル54aは、基準値設定画面57と、状態表示画面58と、を切り替えて表示することができる。
図8に示すように、状態表示画面58は、実行表示領域81、カメラ状態領域82、基準値表示領域83、現在値表示領域84、第1潅水長さ表示領域85、残り時間表示領域86、残り制限時間表示領域87、残り制限回数表示領域88、時刻表示領域89、第2潅水長さ表示領域90を有している。
これらの領域は、上から、実行表示領域81、カメラ状態領域82、基準値表示領域83、現在値表示領域84、第1潅水長さ表示領域85、残り時間表示領域86、残り制限時間表示領域87、残り制限回数表示領域88、時刻表示領域89、第2潅水長さ表示領域90の順に並んでいる。
これらの領域は、栽培植物Qの各グループの各種状態を表示する領域である。そして、上述の通り、本実施形態においては、栽培対象は、第1グループGR1及び第2グループGR2のみである。そのため、本実施形態においては、これらの領域において、左側から順に、第1グループGR1の状態と、第2グループGR2の状態と、のみが表示されている。そして、第2グループGR2の状態の表示よりも右側の部分には、「0」(ゼロ)等が表示されている。
しかしながら、本発明はこれに限定されず、栽培対象のグループの数が3つ以上である場合は、第2グループGR2の状態の表示よりも右側の部分にも、対応する各グループの状態を表示可能である。
以下では、これらの領域について、図8を参照して説明する。尚、図8では、図6に示した例における13時の時点での状態表示画面58が示されている。
このとき、第1制御部44の制御モードは、第1潅水モードである。また、第2制御部48の制御モードは、第2潅水モードである。また、第1グループGR1の被覆率Brが潅水基準値THを下回ったことに応じて、第1潅水装置51により潅水が実行されている。また、第2潅水装置52は潅水を実行中ではない。
実行表示領域81は、潅水装置50が潅水を実行中であるか否かを表示する領域である。より具体的には、実行表示領域81においては、第1潅水装置51が潅水を実行中であるか否かと、第2潅水装置52が潅水を実行中であるか否かと、が表示される。
即ち、状態表示画面58は、潅水装置50が潅水を実行中であるか否かを表示する実行表示領域81を含んでいる。
図8に示す例では、実行表示領域81において、「1」という表示の下方に「潅水中」と表示されている。これにより、第1潅水装置51により潅水が実行されていることが示されている。また、「2」という表示の下方には「潅水中」と表示されていない。これにより、第2潅水装置52は潅水を実行中ではないことが示されている。
カメラ状態領域82は、各定点カメラCaの状態を表示する領域である。図8に示す例では、第1カメラCa1及び第2カメラCa2は何れも正常である。そのため、カメラ状態領域82においては、第1カメラCa1の状態として「正常」と表示され、また、第2カメラCa2の状態として「正常」と表示されている。
基準値表示領域83は、各グループの潅水基準値THを表示する領域である。図8に示す例では、基準値表示領域83に、第1グループGR1の潅水基準値THと、第2グループGR2の潅水基準値THと、が表示されている。
現在値表示領域84は、各グループの現在の被覆率Brを表示する領域である。図8に示す例では、現在値表示領域84に、第1グループGR1の現在の被覆率Brと、第2グループGR2の現在の被覆率Brと、が表示されている。
第1潅水長さ表示領域85は、各グループの第1潅水長さを表示する領域である。第1潅水長さとは、潅水制御部49の制御モードが第1潅水モードであるときに上述の第1条件が満たされた場合に実行される潅水の継続時間である。図8に示す例では、第1潅水長さ表示領域85に、第1グループGR1の第1潅水長さと、第2グループGR2の第1潅水長さと、が表示されている。
残り時間表示領域86は、各グループの判定残り時間を表示する領域である。判定残り時間とは、潅水制御部49の制御モードが第1潅水モードであり、且つ、被覆率Brが連続的に潅水基準値TH以上である期間が判定時間TRに達するまでの残り時間である。図8に示す例では、残り時間表示領域86に、第1グループGR1の判定残り時間と、第2グループGR2の判定残り時間と、が表示されている。
尚、この例では、上述の通り、第2制御部48の制御モードは第2潅水モードである。そのため、残り時間表示領域86においては、第2グループGR2の判定残り時間として、「0」(ゼロ)が表示されている。
即ち、タッチパネル54aは、現在の被覆率Brを表示する現在値表示領域84と、潅水基準値THを表示する基準値表示領域83と、被覆率Brが連続的に潅水基準値TH以上である期間が判定時間TRに達するまでの残り時間を示す情報を表示する残り時間表示領域86と、を含む状態表示画面58を表示可能である。
尚、基準値表示領域83には、潅水基準値THそのものではなく、潅水基準値THを示す値が表示されても良い。例えば、基準値表示領域83には、上述のしおれ係数が表示されても良い。
残り制限時間表示領域87は、各グループの残り制限時間を表示する領域である。残り制限時間とは、繰り返し潅水制限時間の残り時間である。図8に示す例では、残り制限時間表示領域87に、第1グループGR1の残り制限時間と、第2グループGR2の残り制限時間と、が表示されている。
残り制限回数表示領域88は、各グループの残り制限回数を表示する領域である。残り制限回数とは、繰り返し潅水制限回数の残り回数である。図8に示す例では、残り制限回数表示領域88に、第1グループGR1の残り制限回数と、第2グループGR2の残り制限回数と、が表示されている。
尚、この例では、繰り返し潅水制限時間は60分に設定されている。また、繰り返し潅水制限回数は4回に設定されている。そして、図6に示す通り、第1グループGR1では、13時の時点で潅水が実行中であると共に、前回の潅水は11時に実行されている。そのため、残り制限時間表示領域87には、第1グループGR1の繰り返し潅水制限時間の残り時間として、「60」が表示されている。また、残り制限回数表示領域88には、第1グループGR1の残り制限回数として、「3」が表示されている。
また、この例では、第2グループGR2では、13時の時点で潅水が実行中ではなく、前回の潅水は12時に実行されている。そのため、残り制限時間表示領域87には、第2グループGR2の繰り返し潅水制限時間の残り時間として、「0」(ゼロ)が表示されている。また、残り制限回数表示領域88には、第2グループGR2の残り制限回数として、「0」(ゼロ)が表示されている。
時刻表示領域89は、各グループの設定潅水時刻を表示する領域である。より具体的には、時刻表示領域89は、各グループの設定潅水時刻のうち、現在時刻以降で最も早い時刻を表示する。図8に示す例では、時刻表示領域89に、第1グループGR1の設定潅水時刻のうち、現在時刻以降で最も早い時刻と、第2グループGR2の設定潅水時刻のうち、現在時刻以降で最も早い時刻と、が表示されている。
尚、本発明はこれに限定されず、時刻表示領域89は、各グループの全ての設定潅水時刻を表示しても良い。
即ち、状態表示画面58は、設定潅水時刻を表示する時刻表示領域89を含んでいる。
第2潅水長さ表示領域90は、各グループの第2潅水長さを表示する領域である。第2潅水長さとは、潅水制御部49の制御モードが第2潅水モードであるときに上述の第2条件が満たされた場合に実行される潅水の継続時間である。図8に示す例では、第2潅水長さ表示領域90に、第1グループGR1の第2潅水長さと、第2グループGR2の第2潅水長さと、が表示されている。
〔栽培植物撮像装置に関する構成〕
図1及び図2に示すように、園芸施設1は、第1梁11及び第2梁12を有している。第1梁11及び第2梁12は、それぞれ、東西方向に延びている。そして、第1梁11は、園芸施設1の南部における上部に位置している。また、第2梁12は、園芸施設1の北部における上部に位置している。
各栽培植物撮像装置3は、支持装置30を備えている。園芸施設1の南部に位置する支持装置30は、第1梁11の上部に固定されている。また、園芸施設1の北部に位置する支持装置30は、第2梁12の上部に固定されている。
そして、支持装置30は、定点カメラCaを支持している。即ち、第1カメラCa1は、支持装置30を介して第1梁11に支持されている。また、第2カメラCa2は、支持装置30を介して第2梁12に支持されている。
図9から図11に示すように、支持装置30は、第1支持部31と、第2支持部32と、を有している。
第1支持部31は、水平姿勢の長尺部材である。また、第1支持部31は、レール溝31aを有している。レール溝31aは、第1支持部31の下部に形成されると共に、第1支持部31の長手方向に延びる凹状の部位である。
これにより、第1支持部31は、レール状に形成されている。
また、第2支持部32は、第1支持部31に支持される。
即ち、支持装置30は、レール状であると共に水平姿勢の第1支持部31と、第1支持部31に支持される第2支持部32と、を有している。
図9から図11に示すように、第2支持部32は、上側支持部33と、下側支持部34と、を有している。また、上側支持部33は、挿入部35及びベースプレート36を有している。
挿入部35は、水平姿勢の棒状である。そして、挿入部35は、レール溝31aに沿う断面形状を有している。挿入部35がレール溝31aに挿入されることにより、上側支持部33は、第1支持部31に支持されている。
ベースプレート36は、水平姿勢の板状である。ベースプレート36は、第1ボルトb1により、挿入部35に下方から締結されている。また、ベースプレート36は、第1連結部36aを有している。第1連結部36aは、下方に突出するピン状に形成されている。
即ち、上側支持部33は、第1連結部36aを有している。
尚、第1ボルトb1は、ベースプレート36に設けられた第1孔h1に挿入されている。
下側支持部34は、水平姿勢の板状である。そして、定点カメラCaは、第2ボルトb2により、下側支持部34に下方から締結されている。
尚、第2ボルトb2は、下側支持部34に設けられた第2孔h2、及び、定点カメラCaに設けられた第3孔h3に挿入されている。
即ち、定点カメラCaは、下側支持部34に固定されている。また、定点カメラCaは、第2支持部32に固定されている。
また、下側支持部34は、第2連結部34aを有している。第2連結部34aは、第1連結部36aへ向けて押されることにより、第1連結部36aと連結するように構成されている。
即ち、下側支持部34は、第1連結部36aに連結する第2連結部34aを有している。また、下側支持部34が上側支持部33へ向けて押されることによって、第1連結部36aと第2連結部34aとが互いに連結する。
また、以上の構成により、下側支持部34は、上側支持部33に下方から取り付けられる。即ち、第2支持部32は、第1支持部31に支持される上側支持部33と、上側支持部33に下方から取り付けられる下側支持部34と、を有している。
尚、本実施形態において、第1連結部36aは、ピンにより構成されている。また、第2連結部34aは、第1連結部36aを受け入れつつ、第1連結部36aを挟み込んで保持するように構成されている。しかしながら、第1連結部36a及び第2連結部34aの構造は、特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
定点カメラCaを園芸施設1に設置する場合、まず、図1及び図2に示すように、第1梁11または第2梁12に第1支持部31を固定する。尚、第1支持部31の固定場所は、第1梁11または第2梁12に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
次に、挿入部35とベースプレート36とを第1ボルトb1によって締結すると共に、定点カメラCaと下側支持部34とを第2ボルトb2によって締結する。
次に、挿入部35をレール溝31aに挿入する。
そして、図9及び図11に示すように、第1連結部36aと第2連結部34aとの平面位置を合わせた状態で、定点カメラCaと共に下側支持部34をベースプレート36へ向けて押すことによって、第1連結部36aと第2連結部34aとを互いに連結させる。
以上の手順により、定点カメラCaを園芸施設1に設置することができる。
また、挿入部35は、レール溝31aに挿入された状態で、レール溝31aに沿ってスライド移動可能である。これにより、図11に示すように、第2支持部32及び定点カメラCaは、一体的に、第1支持部31の長手方向にスライド移動可能である。
即ち、第1支持部31は、第2支持部32を、第1支持部31の長手方向にスライド移動可能な状態で支持する。また、栽培植物撮像装置3は、定点カメラCaを水平方向にスライド移動可能な状態で支持する支持装置30を備えている。
尚、図6に示した管理画面56において、潅水基準値領域68の左方には、「しおれ基準率」と表示されている。この「しおれ基準率」は、潅水基準値THを意味する言葉である。
また、図7に示した基準値設定画面57において、第1基準値領域76aの左方には、「しおれ基準率」と表示されている。この「しおれ基準率」は、潅水基準値THを意味する言葉である。
また、図7に示した基準値設定画面57において、判定時間領域77の左方には、「臨時潅水間隔」と表示されている。この「臨時潅水間隔」は、判定時間TRを意味する言葉である。
また、図8に示した状態表示画面58において、基準値表示領域83の左端部には、「しおれ基準値」と表示されている。この「しおれ基準値」は、潅水基準値THを意味する言葉である。
また、図8に示した状態表示画面58において、現在値表示領域84の左端部には、「しおれ現在値」と表示されている。この「しおれ現在値」は、現在の被覆率Brを意味する言葉である。
以上で説明した構成によれば、ユーザは、ディスプレイ53の管理画面56を見ることにより、推移情報及び潅水情報を一度に確認することができる。そして、推移情報及び潅水情報を確認することにより、葉の張り度合いの推移、及び、潅水が実行されたタイミングを把握することができる。
従って、以上で説明した構成であれば、一日の中での葉の張り度合いの推移が適切であるか否か、及び、一日の中での潅水タイミングが適切であるか否かを容易に確認可能な栽培システムSYを実現できる。
尚、以上に記載した実施形態は一例に過ぎないのであり、本発明はこれに限定されるものではなく、適宜変更が可能である。
〔その他の実施形態〕
(1)上記実施形態においては、図3に示すように、撮像画像Vのうちの一部が計測領域Bとして設定される。しかしながら、本発明はこれに限定されず、撮像画像Vの全体が計測領域Bとして設定されても良い。
(2)上記実施形態においては、基準時における被覆率Brに基づいて潅水基準値THが算出されると共に、被覆率Brが潅水基準値THを下回った場合に潅水指示信号が出力される。しかしながら、本発明はこれに限定されず、基準時における葉面積B1に基づいて潅水基準値THが算出されると共に、葉面積B1が潅水基準値THを下回った場合に潅水指示信号が出力される構成であっても良い。この場合、葉面積B1は、本発明に係る「張り指標値」に相当する。また、この場合、葉面積B1を算出する部材は、本発明に係る「張り指標値算出部」に相当する。
(3)潅水基準値THは、日の出直後の時間帯における1つの撮像画像Vに基づいて算出されても良い。
(4)第1基準被覆率設定部42及び第2基準被覆率設定部46は、基準時における被覆率Brを基準被覆率STとして設定する。そして、上記実施形態において、この基準時は、日の出直後の時間帯である。しかしながら、本発明はこれに限定されず、この基準時は、日の出直後の時間帯以外の時間帯であっても良い。また、この基準時は、時間帯ではなく時刻であっても良い。
(5)第1基準被覆率設定部42及び第1基準算出部43は設けられていなくても良い。その場合、第1制御部44は、予め決められた潅水基準値THを栽培システムSYの外部から取得するように構成されていても良い。
(6)第2基準被覆率設定部46及び第2基準算出部47は設けられていなくても良い。その場合、第2制御部48は、予め決められた潅水基準値THを栽培システムSYの外部から取得するように構成されていても良い。
(7)推移情報の表示の仕方は、上記実施形態に限定されない。例えば、ディスプレイ53は、推移情報を、被覆率Brの値を時系列順に並べた表により表示しても良い。
(8)潅水情報の表示の仕方は、上記実施形態に限定されない。例えば、ディスプレイ53は、潅水情報を、潅水実行時刻を時系列順に並べた表により表示しても良い。また、ディスプレイ53は、潅水情報を、グラフ63aに重複させない状態で表示しても良い。
(9)制御モードの推移の表示の仕方は、上記実施形態に限定されない。例えば、ディスプレイ53は、潅水制御部49の制御モードの推移を、制御モードの履歴を時系列順に並べた表により表示しても良い。また、ディスプレイ53は、潅水制御部49の制御モードの推移を、グラフ63aに重複させない状態で表示しても良い。
(10)制御盤54は、タッチパネル54aに代えて、タッチ操作不能な表示器を有していても良い。また、この場合、マウスやキーボード等の入力装置が制御盤54に接続されると共に、基準値領域76、判定時間領域77、制限時間領域78、制限回数領域79は、入力装置を介した操作を受け付けても良い。
(11)潅水制御部49は、所定の繰り返し潅水制限時間内に潅水装置50によって実行される潅水の回数が所定の繰り返し潅水制限回数以内となるように潅水装置50を制御する機能を有していなくても良い。
(12)潅水基準値THは、各グループに対して一律に設定されても良い。例えば、潅水基準値THは、第1グループGR1及び第2グループGR2に対して一律に設定されても良い。この場合、基準値設定画面57に含まれる基準値領域76の個数は、1つであっても良い。
(13)支持装置30の構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、支持装置30は、蛇腹状やパンタグラフ状の構造により伸縮することによって、定点カメラCaを水平方向にスライド移動させるように構成されていても良い。
(14)第2支持部32は、単一の部材により構成されていても良い。