次に、本開示の好ましい様々な例を示す図面を参照すると、図1には、複合材積層体400(図27)を製造するための製造システム100の例を示す端面図が示されている。図2は、製造システム100を示す側面図であり、図3は、図1の製造システム100を示す上面図である。以下により詳細に説明するように、製造システム100は、第1マンドレル130と第2マンドレル150とを含み、これらのマンドレルは、1つ以上の積層体固定機構190(例えば、図5~6、図16~25)と組み合わせて用いられる。このような構成により、単一のツール(すなわち、製造システム100)を用いて、複合材積層体400のレイアップ、トリミング、及び、成形を行うことができる。製造システム100は、上側成形ダイ352を含み、当該成形ダイは、第1マンドレル130及び第2マンドレル150が開位置164(図17)にあるときに、複合材積層体400を成形するためのものである。単一のツール上で複合材積層体400をレイアップ、トリミング、及び、成形することができるため、トリミング表面(不図示)から成形表面(不図示)に複合材積層体400を移動させるために特殊な装置(例えば、ピックアンドプレースシステム)を必要とする従来の方法に関連するコスト及び複雑性を回避することができる。さらに、製造システム100により、成形を行う前に、複合材積層体400をトリミングする機能を実現することができる。これに関して、複合材積層体400は、第1マンドレル130及び第2マンドレル150によって形成される連続マンドレル表面162で完全に支持されている状態でトリミングされるので、成形後のトリミングの際に複合材積層体400に支持されていない部分がある従来の方法、或いは、トリミング表面から成形表面に(例えば、ピックアンドプレースシステムを用いて)複合材積層体400を移動させる従来の方法を用いて実現可能な寸法精度と比較して、複合材積層体400の寸法精度を高めることができる。
図1~3を参照すると、製造システム100は、工場のフロアなどの表面で支持された1つ以上の長状ベース部材102を含みうる。第1マンドレル130及び第2マンドレル150の各々は、製造システム100の長手方向に沿って延在している。第1マンドレル130は、第1マンドレル表面132と、第1マンドレル表面縁134とを有する。第2マンドレル150は、第2マンドレル表面152と、第2マンドレル表面縁154とを有する。第1マンドレル130は、1つ以上のマンドレル支持体118により、複数のベース部材102のうちの1つに接続されている。同様に、第2マンドレル150は、1つ以上のマンドレル支持体118により、複数のベース部材102のうちの1つに接続されている。第1マンドレル130及び第2マンドレル150の各々は、単一の一体型構造体として構成されていることが示されているが、第1マンドレル130及び/又は第2マンドレル150は、端同士が連なるマンドレルセグメント(不図示)として構成されてもよい。
製造システム100は、一組の横レール172を含む。以下で詳しく説明するが、これらの横レールは、複合材積層体400の成形の際、第1マンドレル130の横方向の動作を容易にするために、第1マンドレル130とマンドレル支持体118との間に設けられている。同様に、第2マンドレル150とマンドレル支持体118との間には一組の横レール172が設けられている。これにより、以下で詳しく説明するように、閉位置160(図1)と開位置164(図17)との間で、第2マンドレル150が容易に動作することができる。いくつかの例においては、横レール172は、第1マンドレル130及び第2マンドレル150が閉位置160にある場合、及び/又は、第1マンドレル130及び第2マンドレル150が開位置164にある場合に、第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152を同じ高さに維持するように構成されたアライメント機構170として機能する。以下に説明するように、製造システム100は、第1マンドレル130及び第2マンドレル150が垂直方向に互いに位置揃えされた状態を維持するための代替又は追加のアライメント機構170を含みうる。
成形処理の際に第1マンドレル130を容易に並進させるために、1つ以上のマンドレルアクチュエータ174を用いることができる。同様に、成形処理を開始する前に第2マンドレル150を容易に並進させるために、1つ以上のマンドレルアクチュエータ174を用いることができる。図示例においては、第1マンドレル130のマンドレルアクチュエータ174は、複数のベース部材102のうちの1つから延びるマンドレル支持体118に取り付けられている。同様に、第2マンドレル150のマンドレルアクチュエータ174は、反対側に設けられたベース部材から延びるマンドレル支持体118に取り付けられている。マンドレルアクチュエータ174は、様々な異なる構成のうちの任意の構成をとることができ、例えば、能動制御装置又は受動装置として提供される。一例においては、第1マンドレル130用のマンドレルアクチュエータ174は、圧縮バネなどの受動装置であってもよい。この受動装置は、以下に説明するように、成形処理において、上側成形ダイ352が、第1マンドレル130と第2マンドレル150との間の隙間に押し込まれる際に、第1マンドレル130及び第2マンドレル150に対して横方向外側に力が加わっている状態において、第1マンドレル130を第2マンドレル150に向けて付勢するように構成されている。いくつかの例においては、第1マンドレル130及び/又は第2マンドレル150のマンドレルアクチュエータ174は、線形駆動機構として構成される。例えば、マンドレルアクチュエータ174は、第2マンドレル150に接続された駆動ネジ(不図示)を有するとともに、サーボモータ(不図示)によって回転可能な電気機械式のアクチュエータであってもよい。これに代えて、或いは、これに加えて、マンドレルアクチュエータ174は、空圧アクチュエータ及び/又は油圧アクチュエータとして構成することも可能である。なお、マンドレルアクチュエータ174は、様々な異なる例のうちの任意の例において使用可能であり、様々な異なる形態のうちの任意の形態で製造システム100に接続されてもよく、図示された構成及び/又は本明細書で説明する構成に限定されない。
図1、5、及び、6を手短に参照すると、第2マンドレル150が閉位置160にあるとき、第1マンドレル表面縁134及び第2マンドレル表面縁154は隣接接触した状態にあり、これによって、第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152が連続マンドレル表面162を形成している。連続マンドレル表面162には、段差、隙間、破損、途切れ、又は、不連続部分が存在しないため、レイアップ、トリミング、及び、成形などの処理の際に、複合材積層体400の全体が連続マンドレル表面162によって支持される。連続マンドレル表面162における上記段差、隙間、破損、途切れ、又は、不連続部分は、トリミング処理の際に生じうる第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152の通常の摩擦や損傷とは異なりうる。複合材積層体400は、トリミングを行う前に連続マンドレル表面162に配置してもよい。例えば、離れた場所(不図示)で複合材積層体400をレイアップした後、トリミングを行うために、当該複合材積層体を連続マンドレル表面162に移動させてもよい。図4~6に示すとともに以下で説明する他の例においては、例えば、積層ヘッド300などを用いて連続マンドレル表面162上に複合材積層体400をレイアップし、その後、以下に説明するように、トリミング装置330を用いて、連続マンドレル表面162で複合材積層体400をトリミングしてもよい。
図1~5を参照すると、製造システム100は、少なくとも1つの積層ヘッド300を含み、当該積層ヘッドは、第1マンドレル130及び第2マンドレル150の上方を移動可能であって、且つ、閉位置160にある第1マンドレル130及び第2マンドレル150によって形成される連続マンドレル表面162にレイアップ材料310を塗布するように構成されている。図示例においては、積層ヘッド300は、ガントリ104に支持されている。ガントリ104は、略水平に配向されたガントリ横桁106を含み、このガントリ横桁は、略垂直に配向された一対のビーム支持体114に接続された互いに反対側の端部を有する。ビーム支持体114の各々は、ベース部材102の長手方向に沿って延びるガントリ軌道116を介して、ベース部材102のうちの1つに支持されている。ビーム支持体114は、第1マンドレル130及び第2マンドレル150の長手方向に沿って積層ヘッド300を配置するための線形駆動機構(不図示)を介して、ガントリ軌道116に沿って移動可能である。さらに、積層ヘッド300は、第1マンドレル130及び第2マンドレル150の横方向に沿って積層ヘッド300を配置するためのガントリ横桁106に組み込まれた水平軌道112に沿って、線形駆動機構(不図示)を介して移動可能である。さらに、ガントリ横桁106は、垂直方向に移動可能である。例えば、ガントリ横桁106の両端は、ビーム支持体114に組み込まれた線形駆動機構(不図示)を介して、垂直軌道110(不図示)に沿って移動可能である。
図4~5を参照すると、第1マンドレル130(図5)及び第2マンドレル150(図5)の両方を合わせて形成された連続マンドレル表面162(図5)に対してレイアップ材料310を塗布するための積層ヘッド300の例が示されている。積層ヘッド300は、当該積層ヘッド300のコンポーネントを支持するように構成された取付フレーム302を含む。取付フレーム302は、ガントリ横桁106に接続されている。積層ヘッド300は、レイアップ材料310の材料ロール308を支持する材料供給ドラム306を含む。いくつかの例においては、レイアップ材料310は、裏当て層312によって裏当てされてもよい。例えば、レイアップ材料310は、裏当て層312によって裏当てされたプリプレグ複合材料であってもよい。
積層ヘッド300は、1つ以上のリダイレクトローラ314をさらに含み、当該リダイレクトローラは、複合材積層体400のレイアップの際、材料供給ドラム306から、例えば、レイアップ材料310を切断するための1つ以上の切断ブレード(不図示)を有する切断アセンブリ318などの、下流に位置する積層ヘッドコンポーネントに向かって、レイアップ材料310を誘導する。さらに、積層ヘッド300は、レイアップ材料310から裏当て層312を分離するように構成された裏当て層分離アセンブリ316を含む。裏当て層312は、レイアップ材料310から分離され、その後、当該レイアップ材料310が連続積層表面に塗布されるのに伴って、裏当て層回収ドラム320に巻き付けられる。積層ヘッド300は、複合材積層体400のレイアップの際、レイアップ材料310に対して押圧力を加えるための押圧ローラや押圧シュー(compaction shoe)などの、押圧装置322をさらに含む。なお、図示していないが、複合材積層体400のレイアップを行う前に連続マンドレル表面162に対して低摩擦材料層(不図示)を配置してもよい。以下に説明するように、複合材積層体400の成形を容易に行うために、レイアップを行った後にも複合材積層体400の上面に低摩擦材料層を配置してもよい。
図1、5、及び、6を参照すると、製造システム100は、上述した積層体固定機構190のうちの1つ又は複数を含む。この固定機構は、少なくとも複合材積層体400のトリミングの際に、少なくとも第1マンドレル130上の固定位置で複合材積層体400を動かないように固定するように構成されている。さらに、積層体固定機構190のうちの1つ又は複数は、開位置164へ第2マンドレル150が並進している間(図17)、第1マンドレル130上の固定位置で複合材積層体400を動かないように固定するように構成されている。さらに、以下に説明するように、1つ以上の積層体固定機構190は、複合材積層体400の成形などの複合材積層体400に対して行われる任意の処理の際に、第1マンドレル130及び/又は第2マンドレル150に対して複合材積層体400をクランプすることができる。一例においては、積層体固定機構190は、第1マンドレル表面132及び/又は第2マンドレル表面152に対して複合材積層体400を機械的にクランプするように構成されている。機械的なクランプは、クランプ装置の様々な異なる構成のうちのいずれかを用いて行うことができ、そのような構成の例としては、以下に説明する1つ以上の機構、又は、ラチェットストラップ(不図示)若しくはベース部材に枢動可能に接続された枢動クランプ(不図示)などの他の様々な機械的クランプ構成のうちのいずれか、又は、これら以外の様々なクランプ構成のうちのいずれかの構成などが挙げられる。
一例においては、積層体固定機構190は、第1マンドレル表面132及び/又は第2マンドレル表面152に形成された複数の開口192(図6)として供給される。開口192は、第1マンドレル130及び第2マンドレル150に形成された複数の流体導管194を介して、或いは、当該流体導管のネットワークを介して、真空源196に流体接続されている。第1マンドレル130の両端のうちの一方又は両方、及び/又は、第2マンドレル150の両端のうちの一方又は両方は、1つ以上の真空ポンプなどの1つ以上の真空源196に流体導管194を接続するためのマニホールド(不図示)を含む。1つ以上の真空源196は、起動すると、第1マンドレル130及び/又は第2マンドレル150に対して複合材積層体400を引き付け、又は押し付けるために、開口192において真空圧198を生成する。例えば、複合材積層体400のレイアップの際(図5)及び/又はトリミングの際(図12)、1つ以上の真空源196を起動して、複合材積層体400と第1マンドレル表面132との間及び/又は複合材積層体400と第2マンドレル表面152との間に真空圧198を生成し、これによって、第1マンドレル130及び第2マンドレル150のそれぞれにおいて複合材積層体400を固定することができる。第2マンドレル150が閉位置160から開位置164に並進する間(図17)、第2マンドレル表面152に対して複合材積層体400の真空圧198が加わらないようにするために第2マンドレル150の真空源196を停止し、これにより、第2マンドレル150が、第1マンドレル130から離れる方向に並進するようにする。これに代えて、製造システム100は、真空源196により開口192に真空が加わるのを遮断するために、弁(不図示)などの内部機構を含んでもよい。第1マンドレル130に関しては、内部機構(例えば、弁)を調節したり、複合材積層体400と第1マンドレル表面132との間に真空圧198を生成するために1または複数の真空源196を起動したりして、第1マンドレル130に対して固定した位置で複合材積層体400を維持するとともに、第2マンドレル150に対して複合材積層体400が摺動又は滑動できるようにする。
積層体固定機構190は、第1マンドレル130及び/又は第2マンドレル150上の固定位置に複合材積層体400を固定することにより、上側成形ダイ352及び任意の下側成形ダイ362に対して複合材積層体400の位置を維持することができるため、有利である。例えば、複合材積層体400のレイアップの際(例えば、図5)及びトリミングの際(例えば、図12)、積層体固定機構190は、複合材積層体400の積層体中心線402と、上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362のダイ中心線358とが位置揃えされた状態を維持する。複合材積層体400の成形の際(例えば、図16~25)、図21及び23に示すように、上側ダイウェブ部353と下側ダイウェブ部363との間に複合材積層体400をクランプすることにより、積層体中心線402が、上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362のダイ中心線358と位置揃えされた状態を維持し、これによって、成形後に、成形された複合材積層体400の最終寸法が設計公差及び/又は製造公差の範囲内になるようにする。図23に示すように、複合材ストリンガに成形される複合材積層体400の例においては、レイアップ、トリミング、及び、成形の際、積層体中心線402と、上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362のダイ中心線358とが位置揃えされた状態を維持することにより、複合材ストリンガの全長に沿って、積層体中心線402の両側において材料の横幅が適切である複合材ストリンガを得ることができる。
図7~8を参照すると、開位置164(図7)及び閉位置160(図8)にある第1マンドレル130及び第2マンドレル150の一部が示されている。また、これらの図には、閉位置160にある第1マンドレル130と第2マンドレル150との間の相互接続、及び、これらの間の垂直方向の位置揃えを維持するために、製造システム100に含められるアライメント機構170の例が示されている。図示例においては、アライメント機構170は、ソケット178を含み、このソケットは、一方のマンドレルの内部に形成されるとともに、隣接するマンドレルに含まれるピン176を受容するように構成されている。ピン176は、リニアアクチュエータ(不図示)によって線形状に駆動される。
図示例においては、ソケット178は、第1マンドレル130に形成されており、ピン176は、第2マンドレル150に含まれている。ただし、第2マンドレル150には1つ以上のソケット178が形成されていてもよく、第1マンドレル130にはそれに対応する数のピン176が含まれていてもよい。ソケット178及びピン176の各々のサイズは、第1マンドレル表面132に対する第2マンドレル表面152の垂直方向の動き量を最小限に抑えるための手段として、ピン176とソケット178との間に比較的厳密な公差篏合(tolerance fit)が実現されるように決定される。なお、アライメント機構170は、ピン176及びソケット178として図示されているが、これに代えて、当該アライメント機構は、第1マンドレル表面132と第2マンドレル表面152との間の垂直方向の位置揃えを維持するための任意の数の構成要素として提供されてもよい。
製造システム100は、第1マンドレル130及び第2マンドレル150の長手方向に沿って、間隔を空けて設けられた複数のアライメント機構170を含む。図8に示すアライメント機構170は、閉位置160にある第1マンドレル130及び第2マンドレル150の位置揃えを維持しているが、製造システム100は、複合材積層体400の作製の際、1つ以上の位置で第2マンドレル150に対する第1マンドレル130の垂直方向の位置揃えを維持するように構成された1つ以上のアライメント機構170を含むこともできる。例えば、アライメント機構のうちの1つ又は複数が係合することにより、第1マンドレル130及び第2マンドレル150が開位置にある場合、及び/又は、以下に説明するとともに図19に示すように、少なくとも一方の成形ダイ(例えば、下側成形ダイ362)が、第1マンドレル130と第2マンドレル150との間の隙間166内に配置されている場合に、これら第1及び第2のマンドレル間の垂直方向の位置揃えを維持することができる。
図9~11を参照すると、ガントリ104(図1~5)は、1つ以上の異なるタイプの装置を支持するように構成されている。これに関して、ガントリ横桁106は、装置の装置接続機構304(図5)に着脱可能に接続されるように構成されたガントリ接続機構108(図5)を含む。ガントリ接続機構108及び装置接続機構304は、これら両方を合わせて即脱アセンブリを形成しており、これにより、人手を介さずに、あるタイプの装置(例えば、積層ヘッド300)を他のタイプの装置(例えば、トリミング装置330)と迅速に取り換えることができる。
いくつかの例においては、製造システム100は、当該製造システム100の一端又は両端に準備領域(staging area)380を含む。準備領域380は、1つ以上の装置スタンド382を含み、当該装置スタンドの各々は、複合材積層体400の製造に関連する処理を実行するためにガントリ104に(例えば、ガントリ接続機構108及び装置接続機構304を介して)着脱可能に接続される1つ以上の装置を支持するように構成されている。例えば、図9に示す準備領域380は、積層ヘッド300を支持するための装置スタンド382と、トリミング装置330を支持するための別の装置スタンド382とを含む。ガントリ104に取り付けられたあるタイプの装置を他のタイプの装置と取り換えるには、ガントリ104を空の装置スタンド382の上方に配置し(例えば、図10~11を参照)、ガントリ接続機構108から装置接続機構304を取り外すことにより、ガントリ104から現在取り付けられている装置(例えば、積層ヘッド)を取り外して空の装置スタンド382に載置し、ガントリ接続機構108が異なるタイプの装置(例えば、トリミング装置330)に使用されている装置スタンドと位置が揃うまで、ガントリ横桁106に沿って当該ガントリ接続機構を横方向に並進させ、異なるタイプの装置の装置接続機構304とガントリ接続機構108とを係合させる。
図12を参照すると、ガントリ104に支持されたトリミング装置330が示されている。トリミング装置330は、ガントリ104によって、第1マンドレル130及び第2マンドレル150の縦方向及び横方向に移動可能である。トリミング装置330は、複合材積層体400が連続マンドレル表面162に支持された状態で当該複合材積層体をトリミングするように構成されている。上述したように、複合材積層体400は、当該複合材積層体400を成形するために第2マンドレル150を開位置164に並進させる前に、トリミングされる。一例においては、トリミング装置330は、超音波カッターである。これに代えて、トリミング装置330は、レーザーカッター(不図示)や機械式ブレード(不図示)などの他の構成を有する装置であってもよい。
図13を参照すると、図6に示す複合材積層体400が、連続マンドレル表面162に支持された状態でトリミングされている様子が示されている。この図示例においては、複合材積層体400は、上述した複合材ストリンガ(例えば、図23)に成形されている。このため、複合材積層体400は、その横方向外側にそれぞれ位置する対向するフランジ部404と、フランジ部404の内側にそれぞれ位置する一対のウェブ部406と、これらウェブ部406の間に位置するキャップ部408と、を有する。トリミング装置330は、(例えば、積層体中心線402を中心として)対称又は非対称形状に複合材積層体400を正確にトリミングすることができ、その形状は、任意の数の様々な異なるタイプの幾何学的特徴部を含みうる。例えば、図13において、トリミング装置330は、複合材積層体400の周囲をトリミングして、各フランジ部404の両端の各々にタブ410を形成している。また、トリミング装置330によって、タブ張出部(tab outs)、切欠部、穴、ノッチ、及び、他の幾何学的形状部などの他の幾何学的特徴部を形成することも可能である。複合材積層体400が連続マンドレル表面162に支持された状態で当該複合材積層体をトリミングすることにより、複合材積層体400の一部が支持されない状態でトリミングする場合と比較してトリミング精度を向上させることができるため、有利である。例えば、ウェブ部406が支持されていない状態で複合材積層体400をトリミングすると、トリミング精度が低下して、トリミングの際に支持されていない部分の動きを防止することができず、結果としてウェブ部406がトリミングされてしまう場合がある。
第1マンドレル表面132及び/又は第2マンドレル表面152は、金属材料又はポリマー材料で形成される。例えば、第1マンドレル表面132及び/又は第2マンドレル表面152は、ポリマー材料(VyonTM)で形成されており、この材料は、トリミングされた複合材積層体400の品質に影響を及ぼすことなく、複合材積層体400のトリミングの際、スライス、カット、又は、他の表面損傷(surface interruptions)に耐えるように、及び/又は、起こりうる表面形状の崩れ(topographical damage)を(特定数の切断にまで)最小限に抑えるように、構成されている。さらに、第1マンドレル表面132及び/又は第2マンドレル表面152の材料は、多孔性であってもよく、これによって、第1マンドレル表面132及び/又は第2マンドレル表面152が金属製である場合に起こりうる切断ブレードの破損を防ぐことができる。いくつかの例においては、第1マンドレル表面132及び/又は第2マンドレル表面152の材料は、複合材レイアップ材料310との化学反応に対して耐性を有する。これに代えて、複合材積層体400と、第1マンドレル表面132及び/又は第2マンドレル表面152との間にバリアフィルム又は剥離フィルムを配置してもよい。
上述したように、第1マンドレル表面132及び/又は第2マンドレル表面152は、真空源196に流体接続された複数の開口192を含み、当該真空源は、レイアップ及び/又はトリミングの際に複合材積層体400を固定位置に固定するために、真空圧198(図12)を生成するものである。上述したように、製造システム100は、複合材積層体400を第2マンドレル表面152から遠ざけるための正圧224(図16)を生成し、これにより、第2マンドレル150を閉位置160(図12~13)から並進させて開位置164(図17)に移動させるために、第2マンドレル150における開口192を正の空圧源222に接続する機能をさらに有しうる。例えば、製造システム100は、第1マンドレル表面132及び/又は第2マンドレル表面152の開口192を、真空源196又は正の空圧源222のいずれかに選択的に流体接続させるための1つ以上の弁を含み、これによって、複合材積層体400に対して、真空圧198又は正の空圧224のいずれを供給するかを選択することができる。空圧源222と開口192との組み合わせにより、積層体剥離機構220が形成される。真空源196と開口192との組み合わせにより、積層体固定機構190が形成される。なお、トリミングの際、閉位置160にある第1マンドレル130及び第2マンドレル150(図12~13)によって形成される連続積層表面において、複合材積層体400の全体が支持されるように、複合材積層体400のトリミングは、成形の前に行うことが望ましい。しかしながら、代替の実施例においては、成形後に複合材積層体400をトリミングするように製造システム100を操作することもできる。例えば、複合材積層体400は、開位置164における第1マンドレル130及び第2マンドレル150によって支持された状態でトリミングされてもよく、任意ではあるが、第1マンドレル130と第2マンドレル150との間の隙間166(図17)内に配置されている状態においては、さらに下側成形ダイ362によって支持されてもよい。
図14~15を参照すると、製造システム100の側面図(図14)及び上面図(図15)が示されており、これらの図において、ガントリ104は、準備領域380に隣接するとともに、上側成形ダイ352の下の領域から外側に移動した状態で配置されている。ガントリ104を上側成形ダイ352の下の領域から外側に移動した状態で配置することにより、以下で説明する複合材積層体400の成形処理の際に必要とされる上側成形ダイ352の垂直方向の動作を妨げないようにすることができる。
図16を参照すると、製造システム100を示す端面図が示されており、同図においては、明瞭化のためにガントリ104が省かれている。上側成形ダイ352は、一体型構造体として形成されており、対向する上側ダイウェブ部353と上側ダイキャップ部355とを含む。これに代えて、上側成形ダイ352は、一端から他端まで連なる上側ダイセグメント(不図示)として提供されてもよい。以下に説明するとともに図17~25に示すように、上側成形ダイ352は、第1マンドレル130と第2マンドレル150との間の隙間166に複合材積層体400を押し込むことにより、当該複合材積層体400を上側成形ダイ352の輪郭に成形するように構成されている。上側成形ダイ352は、製造システム100の長手方向に沿って間隔を空けて配置された複数の上側ダイ横桁360によって支持される。上側ダイ横桁360の各々は、一対の支柱350に接続されており、当該支柱は、製造システム100の横方向両側に配置されるとともに、ベース部材102から上方に延びている。上側ダイ横桁360の各々は、線形駆動機構(不図示)を介して垂直軌道110に沿って垂直方向に移動可能である。このような線形駆動機構の例としては、サーボモータに接続されるとともに、支柱350に組み込まれた駆動ネジが挙げられる。複数の上側ダイ横桁360は、上側成形ダイ352を垂直方向に移動させるために、一致して移動が可能である。
上側成形ダイ352は、当該上側成形ダイ352の両側から延びるダイフランジ356を含む。ダイフランジ356の横幅は、ほぼ、第1ピンチ機構の第1クランプバー201と、第2ピンチ機構の第2クランプバー203との間の距離に亘っている。ダイフランジ356により、上側ダイ横桁360間の各位置で上側成形ダイ352の剛性が高められるため、上側成形ダイ352により複合材積層体400に加えられる圧力が、上側成形ダイ352の長手方向に沿って略一定になる。これに加えて、ダイフランジ356は、当該ダイフランジ356が複合材積層体400の上面に接触すると、上側成形ダイ352の下方向への動きを止めることができる。
再度図14~16を参照すると、製造システム100は、積層体固定機構190をさらに含み、当該固定機構は、第1マンドレル表面132及び/又は第2マンドレル表面152に対して複合材積層体400を機械的にクランプするように構成されたピンチ機構200、202として構成される。図示例においては、ピンチ機構200、202は、上側成形ダイ352が下降すると、第1マンドレル130及び第2マンドレル150に対するクランプ圧を複合材積層体400に加える受動装置として構成される。これについては、以下でより詳細に説明する。ピンチ機構200、202の各々は、安定した圧力を加えるための押圧バネ206又は空圧制御されたピストン(不図示)を収容するハウジング204から下方に延びるピンチロッド208を含む。図示例においては、各ピンチ機構の押圧バネ206は、ピンチロッド208の上端とハウジング204の上端との間で保持されている。各上側ダイ横桁360は、上側成形ダイ352の両側に取り付けられた第1ピンチ機構200と第2ピンチ機構202とを含む。
第1ピンチ機構200のピンチロッド208の自由端は、複合材積層体400の長手方向に沿って第1マンドレル表面132に一定のクランプ力を加えるために、第1マンドレル130の長手方向に沿って連続して延びる第1クランプバー201に接続されている。同様に、第2ピンチ機構202のピンチロッド208の自由端は、複合材積層体400の長手方向に沿って第2マンドレル表面152に一定のクランプ力を加えるために、第2マンドレル150の長手方向に沿って連続して延びる第2クランプバー203に接続されている。一例においては、第1ピンチ機構200及び第2ピンチ機構202は、上側ダイ横桁360の部位、具体的には、当該上側ダイ横桁360が十分に下降したときに、第1ピンチ機構200の第1クランプバー201、及び、第2ピンチ機構202の第2クランプバー203が、複合材積層体400のフランジ部404(図13)に接触するような部位に固定されている。上述したように、複合材積層体400の成形の際に複合材料を滑り易くするために、複合材積層体400のレイアップを行う前に、第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152に低摩擦材料の犠牲層(不図示)を配置してもよい。同様に、複合材積層体400の成形の際に第1クランプバー201及び第2クランプバー203に対して複合材積層体400を滑り易くするために、複合材積層体400のレイアップを行った後に、複合材積層体400の頂面に低摩擦材料の犠牲層を配置してもよい。
図16に示すように、各第1ピンチ機構200のピンチロッド208は、各第2ピンチ機構202のピンチロッド208よりもさらに下方に延びており、第2ピンチ機構202の第2クランプバー203が第2マンドレル表面152に対して複合材積層体400をクランプする前に、第1ピンチ機構200の第1クランプバー201が第1マンドレル表面132に対して複合材積層体400を接触させるとともに当該積層体をクランプしている。このため、第1クランプバー201が、第1マンドレル表面132上の所定位置で複合材積層体400をクランプしている状態で、第2マンドレル150が、閉位置160(図12)から開位置164(図17)に移動することができる。第1ピンチ機構200及び第2ピンチ機構202は、互いに実質的に同じであってもよく、これらの間の主な違いは、ピンチロッド208の長さであってもよい。さらに、任意ではあるが、第2ピンチ機構202の押圧バネ206のバネ定数は、第1ピンチ機構200の押圧バネ206のバネ定数よりも高くてもよい。このようにすると、第1ピンチ機構200及び第2ピンチ機構202のピンチロッド208が複合材積層体400に接触するとともに上側成形ダイ352が第1マンドレル130と第2マンドレル150との間の隙間166に配置された場合に、第1クランプバー201が第1マンドレル表面132に対して複合材積層体400をクランプする力と、第2クランプバー203が第2マンドレル表面152に対して複合材積層体400をクランプする力とがほぼ等しくなる。
図16に示すように、製造システム100は、開位置164にある第1マンドレル130と第2マンドレル150との間の隙間166(図17)に配置可能な下側成形ダイ362をさらに含む。一例においては、図17に示すとともに以下で説明するように、下側成形ダイ362は、開位置164にある第1マンドレル130及び第2マンドレル150よりも下側に配置されるとともに、上側に並進して、第1マンドレル130と第2マンドレル150との間の隙間166に入り込むことができる。代替の例においては、製造システム100は、下側成形ダイ362が垂直に固定され、且つ、第1マンドレル130及び第2マンドレル150が垂直に下降して下側成形ダイ362の両側に配置されるように構成されている。下側成形ダイ362は、対向する一対の下側ダイウェブ部363を含む。以下に説明するように、下側成形ダイ362は、任意ではあるが、下側ダイウェブ部363に対して独立して垂直移動が可能な下側ダイキャップ部を含んでもよい。各下側ダイウェブ部363は、一体型構造体として示されているが、各下側ダイウェブ部363は、任意ではあるが、一端から他端まで連なる複数の下側ダイウェブ部セグメント(不図示)であってもよく、これらのセグメントにより、複合材積層体400の長手方向に沿った複合材積層体400の厚みのばらつきに対応することができる。
下側成形ダイ362の下側ダイウェブ部363は、上側成形ダイ352の上側ダイウェブ部353によって加えられる成形圧に対して複合材積層体400を支持するように構成されている。下側成形ダイ362は、製造システム100の長手方向に沿って間隔を空けて配置された複数の下側ダイ横桁368によって支持される。下側ダイ横桁368は、製造システム100の横方向両側に配置されたベース部材102の間に延在しており、当該ベース部材に可動に接続されている。例えば、各下側ダイ横桁368の両端は、線形駆動機構(不図示)を介した移動のための垂直軌道110に係合しており、そのような駆動機構としては、例えば、サーボモータに接続されるとともに、各下側ダイ横桁368の位置においてベース部材102に組み込まれた駆動ネジなどが挙げられる。複数の下側ダイ横桁368は、下側成形ダイ362を垂直方向に移動させるために、一体的に移動可能である。
引き続き図16を参照すると、上側成形ダイ352が垂直位置に下降しており、第1ピンチ機構200の第1クランプバー201が複合材積層体400に接触するとともに、第1マンドレル表面132に対して当該複合材積層体400を少なくとも部分的にクランプしている。また、同図には、第2マンドレル150がマンドレルアクチュエータ174によって閉位置160から開位置164に並進している様子が示されている。上述したように、開位置164において、第1マンドレル表面縁134と第2マンドレル表面縁154との間に隙間166が形成される。第2マンドレル150は、下側成形ダイ362を受容するのに十分な程度に隙間166が拡がるように、横方向の位置に移動可能である。例えば、第2マンドレル150は、互いに隣接接触している場合に(不図示)、下側ダイウェブ部363を受容するのに十分な幅の隙間を形成するように横方向の位置に移動する。図20~21に示すとともに以下に詳述する例において、第2マンドレル150が離間して、下側ダイウェブ部363の幅に対して相補的になるように横方向の位置に移動すると、複合材積層体400が、積層体中心線402の両側の各々において上側ダイウェブ部353と下側ダイウェブ部363との間にクランプされる。
図16において、製造システム100は、1つ以上の積層体剥離機構220を含む。当該剥離機構は、第2マンドレル150の並進の際、第2マンドレル表面152と複合材積層体400のレイアップ材料310との間の粘着力や接着力が、第2マンドレル表面152の複合材積層体400に対する相対移動を阻害する場合に、第2マンドレル表面152から複合材積層体400を剥離させて、この相対移動を可能にするように構成されている。一例においては、積層体剥離機構220は、第2マンドレル表面152に形成された複数の開口192(図6)として提供されてもよく、これらの開口は、上述したように、レイアップやトリミングの際に真空圧198を生成して第2マンドレル表面152に複合材積層体400を固定するために(例えば、図示は省略するが、スイッチや弁を介して)真空源196に接続される開口192と同じものである。図16において、第2マンドレル表面152の開口192は、複数の流体導管194を介して正の空圧源222に接続されている。正の空圧源222を起動することによって、複数の開口192から吐出される空気の形態で正の空圧224を生成することができる。吐出された空気により、第2マンドレル表面152から複合材積層体400が引き離されるので、第2マンドレル150がスムーズに並進することができる。第2マンドレル150を並進させる前、及び、その間において、真空源196を起動して第1マンドレル130の開口192で真空圧198を生成し、これによって、第1マンドレル表面132に複合材積層体400を固定してもよい。上述したように、第2マンドレル150の並進の際、第1クランプバー201もまた、第1マンドレル表面132に対するクランプ圧を複合材積層体400に加える。
図17を参照すると、第2マンドレル150が開位置164にあり、第1マンドレル130と第2マンドレル150との間に隙間166が形成されている様子を示している。第2マンドレル150が開位置164に移動して、隙間166が下側成形ダイ362の下側ダイウェブ部363を受容するのに十分な幅になったとき、正の空圧源222を停止する。真空源196を起動すると、複合材積層体400と第1マンドレル表面132との間に真空圧198が生成され、及び/又は、複合材積層体400と第2マンドレル表面152との間に真空圧198が生成されて、第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152に対して複合材積層体400が固定位置で維持される。
図18は、下側成形ダイ362が垂直方向に持ち上げられて、第1マンドレル130と第2マンドレル150との間の隙間166に入り込んだ状態を示している。第1ピンチ機構200は、第1マンドレル表面132に対して複合材積層体400をクランプし続ける。また、図18には、第2クランプバー203が第2マンドレル表面152に対するクランプ圧を複合材積層体400に加えることができる位置まで、上側成形ダイ352がさらに下降している様子が示されている。第1クランプバー201及び第2クランプバー203が、第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152に対するクランプ圧を複合材積層体400に加えた後、真空源196が停止する。上述したように、製造システム100は、第1マンドレル表面132と第2マンドレル表面152の垂直方向の位置揃えを維持するように構成された1つ以上のアライメント機構170を含む。
図19を参照すると、第1マンドレル130、一対の下側ダイウェブ部363、及び、第2マンドレル150が、アライメント機構170を介して互いに連係され及び位置揃えされた部分が示されている。また、同図には、複合材積層体400が、複数の複合材プライ401で形成されており、当該複合材積層体が、第1マンドレル表面132、下側ダイウェブ部363、及び、第2マンドレル表面152に支持されている部分が示されている。第1マンドレル表面縁134は、下側ダイウェブ部363のうちの一方に当接している。同様に、第2マンドレル表面縁154は、反対側の下側ダイウェブ部363に当接している。上述したように、下側成形ダイ362の下側ダイウェブ部363は、上側成形ダイ352の上側ダイウェブ部353により画定される上側成形ダイ輪郭354に対して相補的となるように設計された下側成形ダイ輪郭364を有する。さらに、任意ではあるが、各上側ダイウェブ部353の下縁及び各下側ダイウェブ部363の上縁に丸みを持たせることにより、成形の際に複合材積層体400に鋭い角が形成されるのを回避することができる。しかしながら、いくつかの例においては、上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362に鋭い角を持たせることも可能である。
上述したように、製造システム100は、第1マンドレル表面132と第2マンドレル表面152との間の位置揃えを維持するための複数のアライメント機構170を含む。図示例においては、第1マンドレル130及び第2マンドレル150の各々は、リニアアクチュエータ(不図示)によって線形状に駆動されるピン176を含む。下側ダイウェブ部363の各々は、ソケット178を含み、当該ソケットは、図7~8に示すとともに上述した構成と同様に、第1マンドレル130及び第2マンドレル150のピン176を受容するようなサイズ及び構成を有する。アライメント機構170は、下側成形ダイ362の下側ダイウェブ部363の位置揃えを維持するのに加えて、第1マンドレル130と第2マンドレル150との間の垂直方向の位置揃えを維持することができる。
図20は、製造システム100を示す端面図であって、第1クランプバー201及び第2クランプバー203が、それぞれ第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152に対して複合材積層体400をクランプしている状態で、上側成形ダイ352が垂直方向に下降して複合材積層体400と係合する様子が示されている。複合材積層体400と第1マンドレル表面132との間、及び、複合材積層体400と第2マンドレル表面152との間に真空圧198が加わるのを防ぐために、真空源196を停止してもよい。
図21は、上側成形ダイ352、複合材積層体400、第1マンドレル130、第2マンドレル150、及び、下側ダイウェブ部363の一部を示す拡大図である。上述したように、第2マンドレル150は、開位置164に移動し、この位置において、下側ダイウェブ部363間の空間は、上側ダイキャップ部355の幅と相補的な関係にある。下側ダイウェブ部363間の空間により、積層体中心線402の両側の各々において複合材積層体に対して積層体クランプ圧418が加わる。なお、積層体中心線402は、上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362のダイ中心線358と横方向に関して位置が揃っている。
図22を参照すると、上側ダイ横桁360が、図20に示す当該上側ダイ横桁360の位置よりもさらに垂直方向に下降している。複合材積層体400に対して下方に力を加えて当該複合材積層体を下側ダイウェブ部363間の凹部366に押し込むことにより、下側ダイウェブ部363のうちの一方が第1マンドレル130と共に横方向外側に移動し、これと同時に、反対側の下側ダイウェブ部363が、第2マンドレル150と共に横方向外側に移動する。第1クランプバー201及び第2クランプバー203は、それぞれ第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152に対して複合材積層体400をクランプし続け、その間、上側成形ダイ352は、対向する下側ダイウェブ部363間において複合材積層体400に対して下方に力を加える。これによって、積層体中心線402の両側において複合材積層体400内で横張力416が生成される。複合材積層体400に生じる横張力416により、成形の際、複合材積層体400の複合材プライ401におけるシワや座屈を低減又は防止することができるため、有利である。
図23は、上側成形ダイ352、第1マンドレル130、第2マンドレル150、及び、下側ダイウェブ部363の一部を示す拡大図であり、複合材積層体400が、下側ダイウェブ部363間の凹部に押し込まれている様子が示されている。また、同図に示すように、積層体中心線402の両側において、比較的狭いスリップゾーン414が示されており、当該ゾーンにおいては、上側成形ダイ352が下側ダイウェブ部363間に垂直方向下側に押し込まれると、複合材プライ401が相互にスリップする。積層体中心線402の両側のスリップゾーン414は、下側ダイウェブ部363の上面と、下側ダイウェブ部363の横方向内側を向く面との交差部分又は移行部分(例えば、アール状部分)に形成される。積層体中心線402の両側におけるスリップゾーン414は、上側成形ダイ352が下側ダイウェブ部363間において徐々に下側に押し込まれると、複合材積層体400の両側のウェブ部406に沿って移動する。これにより、複合材積層体400をラッシュ成形(lash forming)することができるため、複合材積層体400が一度に最終輪郭に成形される場合に当該複合材積層体400に生じうるシワや座屈を最小限に抑えることができ、有利である。
また、図23には、複合材積層体400の成形の際に、上側ダイウェブ部353と下側ダイウェブ部363との間において、積層体中心線402の両側で生成される積層体クランプ圧418が示されている。製造システム100は、複合材積層体400の成形の際、上側成形ダイ352のダイ中心線358が、下側成形ダイ362のダイ中心線358と横方向に関して位置揃えした状態が維持されるように構成されているため、積層体中心線402の両側において積層体クランプ圧418が均等になり、有利である。積層体中心線402の両側における積層体クランプ圧418により、成形の際に上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362に対して複合材積層体400を固定位置に維持する仕組みが形成される。第1クランプバー201及び第2クランプバー203により付与されるクランプ力により、第1マンドレル130及び第2マンドレル150が横方向外側に移動すると、第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152に対して、また、第1クランプバー201及び第2クランプバー203に対して、複合材積層体400のフランジ部404(図13)がスライドすることができる。この結果、複合材積層体400の(例えば、フランジ部404の)横方向両側の各々において横張力416が生じるため有利である。
図24を参照すると、図22に示す上側成形ダイ352の位置よりもさらに垂直方向下側に上側成形ダイ352が下げられており、第1マンドレル130及び第2マンドレル150がさらに横方向外側に移動している。図24において、ダイフランジ356は、複合材積層体400の上面と接触しており、これによって、上側成形ダイ352がさらに下降するのを防止することができる。いくつかの例においては、上側成形ダイ352と下側ダイウェブ部363との間の横方向のクランプ圧を生成することを目的として、第1マンドレル130及び第2マンドレル150の横方向外側への動きが受動的に阻止される(passively resisted)。これに代えて、マンドレルアクチュエータ174を連携動作させることにより、第1マンドレル130及び第2マンドレル150の横方向外側への動きに対する抵抗力を生成し、これによって、上側成形ダイ352と下側ダイウェブ部363との間に横方向のクランプ圧を生成することもできる。上述したように、複合材積層体400の成形の際、上側成形ダイ352が、第1マンドレル130と第2マンドレル150との隙間166、又は、下側ダイウェブ部363間の凹部366に、複合材積層体400のウェブ部406(図22)及びキャップ部408(図22)を押し込む間、第1クランプバー201及び第2クランプバー203は、第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152に対するクランプ圧を複合材積層体400に加える。これによって、積層体中心線402の両側において複合材積層体400のフランジ部404(図13)の横張力416(図22)が維持され、上述したように、複合材積層体400にシワや座屈が形成されるのを低減又は防止することができる。上側成形ダイ352が隙間166又は下側ダイウェブ部363間の凹部366に複合材積層体400のウェブ部406及びキャップ部408を徐々に押し込むにつれて、第1マンドレル130及び第2マンドレル150が横方向外側に移動すると、これに伴って、第1クランプバー201及び第2クランプバー203は、フランジ部404が、第1クランプバー201と第1マンドレル130との間、及び、第2クランプバー203と第2マンドレル150との間で横方向に移動することができる程度のクランプ圧を加える。これに関して、フランジ部404に対する第1クランプバー201及び第2クランプバー203の相対位置は、図20から図22へと変化し、さらに図24へと変化する。
図25は、製造システム100を示す端面図であり、下側ダイキャップ部365が持ち上げられて、複合材積層体400のキャップ部408と接触している様子が示されている。下側ダイキャップ部365は、下側ダイ横桁368の各々におけるリニアアクチュエータ機構(不図示)によって垂直に持ち上げられてもよい。下側ダイキャップ部365は、上側成形ダイ352の上側ダイキャップ部355によって複合材積層体400に加えられるクランプ圧に対する支持を行う。成形処理の際、第1クランプバー201及び第2クランプバー203は、第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152に対して複合材積層体400にクランプ圧が加わった状態を維持することにより、複合材積層体400の横方向両側において横張力416(図22)を生成することができる。
図26を参照すると、製造システム100において、1つ以上の線形駆動機構(不図示)を用いた上側ダイ横桁360の垂直移動により、上側成形ダイ352が元の位置(例えば、図1)に戻されている様子が示されている。下側成形ダイ362は、最終輪郭に成形された複合材積層体400を支持するために、第1マンドレル130と第2マンドレル150との間の位置に維持されている。
図27は、成形が完了して製造システム100から取り外された後の複合材積層体400を示す。成形が完了した複合材積層体400は、任意ではあるが、さらに別の処理ステーション(不図示)に移送してもよく、当該ステーションにおいて、複合材ストリンガを形成するために複合材積層体400に対してさらにデバルクを行ったり(debulking)最終的な硬化を行ったりするなどの処理を行ってもよい。製造システムの説明は、図27に示すようにハット型、或いはオメガ型の断面を有する複合材積層体の製造に関連させて行ったが、製造システムは、これとは異なる代替の断面形状を有する複合材積層体を製造するように動作させてもよい。例えば、製造システム100は、ブレード形状(不図示)の断面を有する複合材積層体を形成するように動作させてもよい。この場合、図26に示すように、隙間166から上側成形ダイ352が既に抜き取られている状態で、下側成形ダイ362を下降させて第1マンドレル130と第2マンドレル150との隙間166から抜き取る。その後、第1マンドレル130と第2マンドレル150とを再度近づけ合って、第1マンドレル130及び第2マンドレル150の対向する端面の間で、複合材積層体400のウェブ部406(図13)とキャップ部408(図13)とを挟み込む。さらに別の代替例においては、製造システム100は、I字形状(不図示)の断面を有する複合材積層体を形成するように動作させてもよい。この場合、ウェブ部406(図13)のみを挟み付けて、複合材積層体のキャップ部408がI字形断面の下側の水平フランジ(不図示)を形成するようにし、且つ、複合材積層体のフランジ部404がI字形断面の上側のフランジ(不図示)を形成するようにする。
図28は、製造システム100の一例を示す上面図であり、当該システムにおいて、複合材積層体400のトリミング、レイアップ、及び、成形が、レイアップステーション424、トリミングステーション426、及び、成形ステーション428でそれぞれ順番に実行されている様子が示されている。図29は、図28の製造システム100を示す側面図である。図28~29に示す製造システム100においては、レイアップステーション424からトリミングステーション426、成形ステーション428へと第1マンドレル130及び第2マンドレル150を順番に移送する間、複合材積層体400は、第1マンドレル130及び/又は第2マンドレル150上の固定位置に維持されている。図28~29に示す製造システム100は、レイアップステーション424からトリミングステーション426、成形ステーション428へと第1マンドレル130及び第2マンドレル150を容易に移送させるように構成されたステーション間移送機構430を含む。一例においては、ステーション間移送機構430は、以下で詳細に説明するように、第1マンドレル130及び第2マンドレル150に沿って長手方向に延びる複数の長手方向レール432を含む。図28~29に示す製造システム100は、レイアップステーション424と、トリミングステーション426と、成形ステーション428との間で、長手方向レール432に支持された状態の第1マンドレル130及び第2マンドレル150を移送するための1つ以上の線形駆動機構(不図示)を含む。なお、製造システム100は、レイアップステーション424と、トリミングステーション426と、成形ステーション428との間で、第1マンドレル130及び第2マンドレル150を支持及び移送するための様々な代替の装置のうちの任意の装置を含んでもよい。
上述した積層体固定機構190は、第1マンドレル130及び/又は第2マンドレル150をレイアップステーション424からトリミングステーション426に移送し、さらに、トリミングステーション426から成形ステーション428へ移送する間、これらのマンドレル上の固定位置に複合材積層体400を維持することができる。例えば、製造システム100は、上述した真空源196を1つ以上含んでもよい。当該真空源は、第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152に形成された開口(図6)に流体接続されており、これによって、レイアップステーション424からトリミングステーション426へ、さらに、トリミングステーション426から成形ステーション428へ第1マンドレル130及び第2マンドレル150を移送する間、真空圧198(例えば、図5及び12)を介して第1マンドレル130又は第2マンドレル150に複合材積層体400を固定することができる。
図30は、図28~29に示す製造システム100のレイアップステーション424の例を示す上面図である。図31は、レイアップステーション424を示す側面図であり、図32は、レイアップステーション424を示す端面図である。図30~32に示すレイアップステーション424の構成は、上側成形ダイ352、上側ダイ横桁360、垂直ポスト、下側成形ダイ362、下側ダイ横桁、及び、準備領域380が省かれている点と、第1マンドレル130及び第2マンドレル150とともにステーション間移送機構430が含まれている点を除けば、図1~8に示す上述した構成と同様である。例えば、図32には、第1マンドレル130を支持する平行な1組の長手方向レール432と、第2マンドレル150を支持する平行な1組の長手方向レール432が示されている。上述したように、レイアップステーション424は、連続マンドレル表面162を形成する閉位置160の第1マンドレル130及び第2マンドレル150上に、複合材積層体400をレイアップするために構成されている。図示例においては、積層ヘッド300はガントリ104を有しているが、当該積層ヘッドは、限定するものではないが、ロボット装置、片持ち支持システム、又は、他の装置を含む様々な装置のうちの任意の装置によって支持されてもよい。
図示していないが、図28~29に示すトリミングステーション426は、図30~32に示すレイアップステーション424と実質的に同様に構成されてもよい。ただし、トリミングステーション426においては、積層ヘッド300の代わりに超音波カッターなどのトリミング装置330(例えば、図12)、又は、他のトリミング装置330が用いられている。トリミングステーション426は、上述したトリミング処理、すなわち、閉位置160の第1マンドレル130及び第2マンドレル150で形成された連続マンドレル表面162上の複合材積層体400をトリミングする処理を実行する。上述したように、複合材積層体400のトリミングが実行される際、第1マンドレル表面132及び/又は第2マンドレル表面152に形成された開口192から加えられる真空圧198などにより、複合材積層体400が、第1マンドレル表面132及び/又は第2マンドレル表面152に対して固定されている。
図33は、図28~29に示す製造システム100の成形ステーション428の例を示す上面図である。図34は、成形ステーション428を示す側面図である。図35は、図33の成形ステーション428を示す端面図であり、マンドレル支持体118上の第1マンドレル130及び第2マンドレル150を支持するための長手方向レール432が示されている。図33~35に示す成形ステーション428の構成は、ステーション間移送機構430(例えば、長手方向レール432)が追加されている点、及び、ガントリ104と準備領域380が省かれている点を除けば、図1~8及び図16~26に示す上述した構成と同様である。図16~26に示すとともに上述したように、成形ステーション428は、複合材積層体400を成形するための上側成形ダイ352と下側成形ダイ362とを含み、当該複合材積層体400は、閉位置160にある第1マンドレル130及び第2マンドレル150によって形成された連続マンドレル表面162上でトリミングされた後、開位置164における第1マンドレル130及び第2マンドレル150によって支持された状態で成形される。
なお、製造システム100及び関連するコンポーネントの例は、図示された構成、及び、上述した構成に限定されない。これに関して、製造システム100は、限定するものではないが、第1マンドレル130、第2マンドレル150、積層ヘッド300、トリミング装置330、上側成形ダイ352、下側成形ダイ362、積層体剥離機構220、アライメント機構170、及び、ピンチ機構200、202を備える積層体固定機構190などの上述したコンポーネントのうちの任意の1つ以上のコンポーネントを支持するための様々な代替の寸法、形状、及び、構成のうちのいずれかを有していてもよい。例えば、製造システム100は、連続パネル表面に対する複合材積層体400のレイアップの際に積層ヘッド300のポジショニングのためにガントリ104を用いる代わりに、1つ以上のロボット装置(不図示)によって支持された1つ以上の積層ヘッド300を含んでもよく、当該ロボット装置は、複合材積層体400のレイアップの際、積層ヘッド300のポジショニングをするように構成されていてもよい。他の例においては、製造システム100は、単一のトリミング装置330のポジショニングをするためのガントリ104を用いる代わりに、複数のトリミング装置330(不図示)を含んでいてもよく、これらのトリミング装置は、第1マンドレル130及び第2マンドレル150の長手方向に沿って間隔を空けて配置された対応する一連の支持部材(不図示)によって固定的に支持されていてもよい。
さらに他の例においては、上側成形ダイ352が垂直移動可能な上側ダイ横桁360に対して固定接続されるのに代えて、上側成形ダイ352は、一連の片持ち梁(不図示)によって支持された一連の成形ダイアクチュエータ(不図示)によって垂直移動可能であってもよく、これらの片持ち梁は、ベース部材102に接続されるとともに、上側成形ダイ352の長手方向に沿って間隔を空けて配置されていてもよい。下側成形ダイ362を垂直方向に持ち上げて、第1マンドレル130と第2マンドレル150との隙間166に当該下側成形ダイを挿入するのに代えて、第1マンドレル130及び第2マンドレル150の長手方向に平行な方向に沿って下側成形ダイ362を水平方向に並進させて、隙間166に当該下側成形ダイを入り込ませてもよい。ピンチ機構200、202が、垂直移動可能な上側ダイ横桁360に接続された受動機構であるのに代えて、ピンチ機構200、202は、製造システム100に固定配置された能動的に制御される電気機械式クランプアクチュエータ(不図示)であってもよい。なお、製造システム100は、様々な異なる寸法、形状、及び、構成を有する複合材積層体のうちの任意の複合材積層体をレイアップ、トリミング、及び、成形するために構成されており、複合材積層体をレイアップ、トリミング、及び、成形して複合材ストリンガを作製する構成に限定されない。
図36を参照すると、複合材積層体400を製造する方法500に含まれる工程のフローチャートが示されている。方法500のステップ502は、第2マンドレル150の第2マンドレル表面縁154を閉位置160に配置して、第1マンドレル130の第1マンドレル表面縁134と隣接接触させることにより、第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152の両方により画定される連続マンドレル表面162を形成することを含む。図1に示すとともに上述したように、複数のマンドレルアクチュエータ174は、第1マンドレル130に向かって第2マンドレル150を移動させて、第1マンドレル130の縁に第2マンドレル150の縁を当接させることにより、連続マンドレル表面162を形成することができる。上記方法は、複合材積層体400のレイアップ、トリミング、及び/又は、成形の際、第1マンドレル130と第2マンドレル150の位置揃えを維持することを、さらに含みうる。第1マンドレル表面132と第2マンドレル表面152との間の垂直方向の位置揃えは、例えば、図7~8及び/又は図19に示すとともに上述したようなピン176及びソケット178を用いた構成などの、複数のアライメント機構170によって維持されてもよい。
方法500のステップ504は、連続マンドレル表面162に複合材積層体400を供給し、その際、第1マンドレル表面132及び/又は第2マンドレル表面152に対して複合材積層体400が固定位置に配置されるようにすることを含む。上述したように、いくつかの例においては、離れた場所(不図示)で複合材積層体400をレイアップした後、当該複合材積層体を連続マンドレル表面162に移動させる。これに代えて、複合材積層体400を供給するステップは、図4~6に示すとともに上述したように、積層ヘッド300を用いて連続マンドレル表面162上にレイアップ材料310をレイアップ又は塗布することを含んでもよい。ステップ504は、複合材積層体400の成形の際、第1マンドレル表面132及び/又は第2マンドレル表面152に対して複合材積層体400を固定することをさらに含みうる。上記方法は、連続マンドレル表面162に複合材積層体400を配置した後、第1マンドレル表面132及び/又は第2マンドレル表面152に対して複合材積層体400を固定することを含みうる。例えば、図5~6に示すとともに上述したように、上記方法は、真空圧198を用いて、第1マンドレル表面132及び/又は第2マンドレル表面152に対して複合材積層体400を固定することを含みうる。真空圧198は、第1マンドレル表面132及び/又は第2マンドレル表面152に形成された複数の開口192(図6)を介して、複合材積層体400に印加されてもよい。真空ポンプなどの真空源196は、開口192で真空圧198を生成して、第1マンドレル130及び/又は第2マンドレル150に対して複合材積層体400を固定するために起動される。図示しない代替例においては、上記方法は、第1マンドレル表面132及び/又は第2マンドレル表面152に対して複合材積層体400を機械的にクランプすることを含みうる。機械的なクランプは、クランプ装置の様々な異なる構成のうちのいずれかを用いて実行することができる。例えば、機械的なクランプは、上述した、及び/又は、図17~18及び図20~21に示すピンチ機構200、202を用いて行うことができる。
方法500のステップ506は、図12に示すように連続マンドレル表面162上の複合材積層体400をトリミングすることを含む。複合材積層体400のトリミングは、超音波カッター、レーザーカッター、機械式ブレードなどのトリミング装置330、及び/又は、他のトリミング装置330を用いて行うことができる。連続マンドレル表面162上で複合材積層体400をトリミングすることにより、複合材積層体400の全体が支持された状態でトリミングを行うことができるので、トリミング精度を向上させることができ、有利である。以下に説明するように、トリミングは、閉位置160(図12)から開位置164(図16~18、図20、図22、及び、図24~26)に第2マンドレル150を移動させる前に行ってもよい。これに代えて、複合材積層体400のトリミングは、成形後に行ってもよく、例えば、複合材積層体400が、第1マンドレル130及び第2マンドレル150に支持された状態、又は、これに加えて図26に示すように下側ダイウェブ部363によってさらに支持された状態で行ってもよい。
方法500のステップ508は、複合材積層体400をトリミングした後であって、且つ、閉位置160から開位置164に第2マンドレル150を移動させる前に、1つ以上の積層体剥離機構220を用いて、第2マンドレル表面152から複合材積層体400を剥離させることを含む。図16に示す例においては、第2マンドレル表面152に形成された複数の開口192(図6)から空気を吐出することにより、第2マンドレル表面152から複合材積層体400を剥離させることができる。図16に示すとともに先に説明したように、開口192は、第2マンドレル150に組み込まれた複数の流体導管194を介して、正の空圧源222と流体接続している。正の空圧源222の作動により、開口192に正の空圧224(図16)が生成され、この空圧により、第2マンドレル表面152から複合材積層体400を遠ざけることができるため、第2マンドレル150の移動が可能になる。
第2マンドレル150の移動の際、複合材積層体400は、積層体固定機構190により第1マンドレル表面132に固定され続ける。例えば、第1ピンチ機構200(図16)は、第2マンドレル150の移動前及び移動の際、第1クランプバー201を用いて、第1マンドレル表面132に複合材積層体400を部分的にクランプし、これにより、第2マンドレル150が当該第2マンドレルの表面を覆う複合材積層体400の一部分に対して移動している間、第1マンドレル表面132上の固定位置に複合材積層体400を維持することができる。先にも説明したが、図16に示すように、上側ダイ横桁360を下降させると、第1ピンチ機構200の第1クランプバー201により、第1マンドレル表面132に対して複合材積層体400がクランプされる。これに代えて、或いは、これに加えて、第1マンドレル表面132における開口192に対して真空圧198を加え続けると、第1マンドレル表面132に対して複合材積層体400を固定することができる。
方法500のステップ510は、第1マンドレル表面縁134に対して横方向又は垂直方向に第2マンドレル150を並進させて、閉位置160(図12)から開位置164に移動させ、第1マンドレル表面縁134と第2マンドレル表面縁154との間に隙間166(図17)を形成することを含み、その際、積層体固定機構190(例えば、真空圧198やピンチ機構202)によって、第1マンドレル表面132に対して複合材積層体400を固定し続けるとともに、第2マンドレル表面152における開口192から正の空圧224を印加し続けることを含む。第2マンドレル150は、マンドレルアクチュエータ174によって移動させることができる。第2マンドレル150は、上述した横レール172(図16~17)に支持されており、当該レールによって、第2マンドレル150の滑動を容易にすることができる。第2マンドレル150が開位置164に移動して、隙間166(図17)の幅が上側成形ダイ352及び/又は下側ダイウェブ部363の幅に対して相補状態になると、複数の積層体固定機構190を起動して第2マンドレル表面152に対して複合材積層体400を固定する。例えば、図18に示すように、上側ダイ横桁360を下降させ、第2ピンチ機構202の第2クランプバー203が第2マンドレル表面152に対して複合材積層体400を少なくとも部分的にクランプする一方で、第1ピンチ機構200の第1クランプバー201が第1マンドレル表面132に対して複合材積層体400を少なくとも部分的にクランプし続ける位置まで移動させる。さらに、真空圧198により、第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152に対して複合材積層体400を固定し易くすることができる。
方法500のステップ512は、複合材積層体400を隙間166に押し込むことにより、複合材積層体400を積層輪郭412(図26~27)に成形することを含む。これに関して、上記方法は、積層体固定機構190(例えば、第1クランプバー201及び第2クランプバー203)が、第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152に対して複合材積層体400をクランプしている状態で、上側成形ダイ352を下方に並進させて複合材積層体400と接触させ、第1マンドレル130と第2マンドレル150との隙間166に複合材積層体400を押し込むことを含みうる。いくつかの例においては、上記方法は、上側成形ダイ352を垂直下降させて複合材積層体400と接触させる前に、下側ダイウェブ部363を上方に並進させて、第1マンドレル130と第2マンドレル150との隙間166に押し込むことを含む。下側成形ダイ362は、上側成形ダイ352によって加えられる成形圧に対して複合材積層体400を支持することができる。製造システム100が下側成形ダイ362を含む場合、上記方法は、積層体固定機構190が第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152に対して複合材積層体400をクランプし続けている状態において、上側成形ダイ352を並進させて、下側ダイウェブ部363間の凹部366に複合材積層体400を押し込むことを含む。上述したように、上側成形ダイ352の垂直移動は、リニアアクチュエータ(不図示)によって上側ダイ横桁360を垂直下降させることにより容易に実行することができる。下側成形ダイ362の垂直移動は、リニアアクチュエータ(不図示)によって下側ダイ横桁368を垂直上昇させることにより容易に実行することができる。
上記方法は、複合材積層体400の成形処理の際、1つ以上のアライメント機構170を用いて、第1マンドレル表面132と第2マンドレル表面152の位置揃えを維持することをさらに含みうる。例えば、図18~19に示すように、上記方法は、上側成形ダイ352が複合材積層体400と接触する前に、第1マンドレル表面132と、下側ダイウェブ部363と、第2マンドレル表面152の垂直方向の位置揃えを維持する手段として、第1マンドレル130及び第2マンドレル150のピン176を線形状に駆動して、下側ダイウェブ部363(図19)の横方向両側に形成されたソケット178と係合させることを含む。
図20~21を参照すると、上側成形ダイ352が複合材積層体400に接触したとき、積層体固定機構190(例えば、第1クランプバー201及び第2クランプバー203)は、第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152に対して複合材積層体400の横方向両側(例えば、フランジ部404)をそれぞれ少なくとも部分的にクランプし続ける。図21に示すように、下側ダイウェブ部363間の空間は、上側ダイキャップ部355の幅と相補的な関係にあるため、積層体中心線402の両側の各々において複合材積層体400に対して積層体クランプ圧418を加えることができる。上述したように、積層体中心線402は、上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362のダイ中心線358と横方向に関して位置揃えされているため、積層体中心線402の両側の各々において積層体クランプ圧418が均等な強度で同時に加えられる。積層体クランプ圧418により、複合材積層体400の成形の際、積層体中心線402がダイ中心線358と位置揃えした状態が維持される。
図22~23を参照すると、下側ダイウェブ部363間の凹部366に上側成形ダイ352がさらに押し込まれて、一対の下側ダイウェブ部363、第1マンドレル130、及び、第2マンドレルが横方向外側に移動している様子が示されている。上側成形ダイ352が、下側ダイウェブ部363間の凹部366に複合材積層体400を押し込む間、第1クランプバー201及び第2クランプバー203によってクランプ圧が継続的に加えられる。この結果、第1マンドレル130及び第2マンドレル150が横方向外側に移動するにつれて、第1クランプバー201と第1マンドレル130との間、及び、第2クランプバー203と第2マンドレル150との間で、フランジ部404が滑動する。上側成形ダイ352と下側ダイウェブ部363との間の積層体クランプ圧418と、第1クランプバー201及び第2クランプバー203によって加わるクランプ力によって積層体中心線402の両側の各々において複合材積層体400に横張力416が生じる。上述したように、複合材積層体400に生じる横張力416により、複合材積層体400の成形の際、複合材プライ401のシワや座屈を低減又は防止することができる。
図24~25を参照すると、上側成形ダイ352が最終位置まで下降して、ダイフランジ356が複合材積層体400の上面と接触している様子が示されている。任意の構成においては、下側成形ダイ362は、下側ダイキャップ部365を含み、当該下側ダイキャップ部を上昇させてキャップ部408と接触させることにより、上側成形ダイ352の上側ダイキャップ部355によって複合材積層体400に加えられるクランプ圧に対する支持が行われる。
図26を参照すると、上記方法は、複合材積層体400が積層輪郭412に成形された後、上側成形ダイ352を垂直方向に並進させて元の位置(例えば、図1)に戻すことを含みうる。図27を参照すると、上記方法は、任意でデバルク及び/又は最終的な硬化などのさらなる処理を行うために、成形された複合材積層体400を製造システム100から取り外すことを含みうる。
図28~35を参照すると、複合材積層体400を製造する方法は、上述したレイアップステーション424と、トリミングステーション426と、成形ステーション428とを有する製造システム100で実行することができる。このような製造システム100の構成においては、上記方法は、複合材積層体400をレイアップした後、レイアップステーション424からトリミングステーション426に第1マンドレル130及び第2マンドレルを移送することと、複合材積層体400をトリミングした後、トリミングステーション426から成形ステーション428に複合材積層体400を移送することと、を含みうる。レイアップステーション424と、トリミングステーション426と、成形ステーション428との間における第1マンドレル130及び第2マンドレル150の移送は、上述した長手方向レール432や1つ以上の線形駆動機構(不図示)などのステーション間移送機構430を使用して実行されてもよい。上記方法は、レイアップステーション424と、トリミングステーション426と、成形ステーション428との間における第1マンドレル130及び第2マンドレル150の移送の際、第1マンドレル130及び/又は第2マンドレル150上の固定位置に複合材積層体400を維持することを含みうる。第1マンドレル130及び/又は第2マンドレル150上の固定位置に複合材積層体400を維持することは、積層体固定機構190を用いて行われる。当該固定機構は、上述したように、第1マンドレル表面132及び/又は第2マンドレル表面152に形成された開口192を介して、複合材積層体400に対して真空圧198を加えるためのものである。これに代えて、或いは、これに加えて、複合材積層体400は、1つ以上の機械式クランプ装置(不図示)を用いて、第1マンドレル130及び/又は第2マンドレル150に固定されてもよい。
図28~35に示すような構成を有する製造システム100においては、連続マンドレル表面162に複合材積層体400を供給するステップ504は、レイアップステーション424において複合材積層体400をレイアップすることを含みうる。複合材積層体400のレイアップは、閉位置160にある第1マンドレル130及び第2マンドレル150の両方を合わせて形成される連続マンドレル表面162上で実行される。上述したように、レイアップステーション424は、図30~32に示すものと同様の構成を有していてもよく、図4~5に関して先に説明したガントリ104に支持された積層ヘッド300を含みうる。ただし、積層ヘッド300は、ロボット装置、片持ち支持体、又は、他の構成を有する装置を含む任意の数の装置によって支持されてもよい。
図28~35に示す製造システム100においては、複合材積層体400をトリミングするステップ506は、トリミングステーション426において連続マンドレル表面162上で実行されてもよい。具体的には、レイアップステーション424において上記連続マンドレル表面162に複合材積層体400をレイアップし、その後、1つ以上の線形駆動機構(不図示)を用いて、上述した長手方向レール432などのステーション間移送機構430を介して、レイアップステーション424からトリミングステーション426に複合材積層体400を移送した後、上記トリミングを行ってもよい。これに代えて、複合材積層体400のトリミングは、成形後に行ってもよく、例えば、図26に示すように、第1マンドレル130及び第2マンドレル150によって、またさらに、下側ダイウェブ部363によって支持されている状態で行ってもよい。複合材積層体400のトリミングは、図12に示す超音波カッターなどのトリミング装置330を用いて実行することができる。上記方法は、複合材積層体400のトリミングが完了した後、上述したステーション間移送機構430(例えば、長手方向レール432及び線形駆動機構)を介して、トリミングステーション426から成形ステーション428に第1マンドレル130及び第2マンドレル150を移送することを含みうる。
複合材積層体400を成形するステップ512は、上述するとともに図16~26に示すように、成形ステーション428において、開位置164にある第1マンドレル130及び第2マンドレル150を用いて実行されてもよい。複合材積層体400の成形が完了した後、デバルク及び/又は最終的な硬化などのさらなる処理を行うために、第1マンドレル130及び第2マンドレル150から複合材積層体400を取り外して、保持ステーション(不図示)や後続の製造(ステーション)などの他の場所(不図示)に当該複合材積層体を移送してもよい。複合材積層体400は、第1マンドレル130及び第2マンドレル150から手動で持ち上げることもできるし、真空リフト装置(不図示)、頭上クレーン又はガントリ(不図示)を用いて、第1マンドレル130及び第2マンドレル150から複合材積層体400を持ち上げて、他の場所(不図示)へ当該複合材積層体400を移送してもよい。複合材積層体400が取り外された後、第1マンドレル130及び第2マンドレル150は、レイアップステーション424に返還され、当該ステーションにおいて、閉位置160にある第1マンドレル130及び第2マンドレル150によって形成される連続マンドレル表面162上に他の複合材積層体400がレイアップされる。成形ステーション428からレイアップステーション424への第1マンドレル130及び第2マンドレル150の返還は、マンドレル返還システム434を用いて実行することができる。例えば、第1マンドレル130及び第2マンドレル150は、コンベヤシステム436を用いて成形ステーション428からレイアップステーション424へ返還されてもよい。当該コンベヤシステムは、成形ステーション428の両端に配置された一対の横配向コンベヤベルト(不図示)を含んでもよく、当該横配向コンベヤベルトは、成形ステーション428から、当該成形ステーション428とレイアップステーション424との間に延在する縦配向コンベヤベルト(不図示)上へ第1マンドレル130及び第2マンドレル150を移送するように構成されている。製造システム100は、レイアップステーション424の両端に配置された他の一対の横配向コンベヤベルトを含んでもよく、当該横配向コンベヤベルトは、縦配向コンベヤベルトからレイアップステーション424に第1マンドレル130及び第2マンドレル150を移送するためのものである。マンドレル返還システム434は、コンベヤシステム436から第1マンドレル130をピックアップしたり当該コンベヤシステムに対して当該第1マンドレルを配置したりするための1つ以上のロボット装置などの、追加のハードウェアを含みうる。
図37~51を参照すると、図37及び38は、それぞれ製造システム100のさらなる例を示す上面図及び側面図であり、当該製造システムにおいては、複合材積層体400(図39)のレイアップ、トリミング、及び、成形が、レイアップステーション424、トリミングステーション426、及び、成形ステーション428でそれぞれ順番に実行されている。レイアップステーション424は、第1マンドレル130と第2マンドレル150とを含むレイアップマンドレルセット425を有しており、当該マンドレルセットは、1つ以上の積層ヘッド300による複合材積層体400のレイアップの際、複合材積層体400を支持するように構成されている。トリミングステーション426は、第1マンドレル130と第2マンドレル150とを含むトリミングマンドレルセット427を有しており、当該マンドレルセットは、トリミング装置330による複合材積層体400のトリミングの際、複合材積層体400を支持するように構成されている。成形ステーション428は、第1マンドレル130と第2マンドレル150とを含む成形マンドレルセット429を有しており、当該マンドレルセットは、成形ステーションにおける上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362による成形の際、複合材積層体400を支持するように構成されている。
図37~51に示すように、ステーション間移送機構430は、上側クランプ機構450と下側クランプ機構480とを含む。これらのクランプ機構は、複合材積層体400をクランプして、ステーション間で複合材積層体400を移送するが、この移送において、各ステーションにおける第1マンドレル130及び第2マンドレル150は固定された状態である。図37~51に示すように、上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362は、それぞれ、複合材積層体400に係合(例えば、クランプ)して、ステーション間で当該積層体を移送する上側クランプ機構450及び下側クランプ機構480として機能する。上側成形ダイ352及び/又は下側成形ダイ362は、移送の際、複合材積層体400と各ステーションとの位置合わせを維持することができるため、有利である。以下に示すように、一例において、上側クランプ機構450(例えば、上側成形ダイ352)及び/又は下側クランプ機構480(例えば、下側成形ダイ362)は、複合材積層体400に係合するように構成されている。例えば、上側クランプ機構450及び下側クランプ機構480は、複合材積層体400のキャップ部408(例えば、図44及び58)に対してクランプを行うように構成されており、当該キャップ部は、開位置164(図43)にある第1マンドレル130と第2マンドレル150との隙間166(例えば、図43及び57)を跨いでいる。以下に説明する他の例においては、下側クランプ機構480は、当該下側クランプ機構480に形成された開口192を介して印加される真空圧198によりキャップ部408に係合するように構成されている。ステーション間において及び/又は後続の製造ステーション(不図示)へ複合材積層体400を移送している間、下側クランプ機構480(例えば、下側成形ダイ362の下側ダイキャップ部365)は、隙間166の長手方向に沿って、且つ、その内部で移動する。いくつかの例においては、複合材積層体400の移送の際、各ステーションにおいて、第1マンドレル130及び/又は第2マンドレル150に形成された複数の開口192(図6)から正の空圧224(図43)を印加して、第1マンドレル130及び第2マンドレル150から複合材積層体400を浮かせる。ステーション間で複合材積層体400を移送するために上側成形ダイ352及び/又は下側成形ダイ362を使用できるので、複合材積層体400を移送するために別個のピックアンドプレースシステム(不図示)などの外部装置を必要とせず、有利である。
図37~38を参照すると、レイアップステーション424は、1つ以上の積層ヘッド300を支持するガントリ104を含む。ガントリ104は、図4~5に示す上述した構成と同様に構成されている。これに関して、ガントリ104は、製造システム100のベース部材102に含まれるガントリ軌道116(図39)に沿って移動可能である。ガントリ軌道116は、レイアップステーション424、トリミングステーション426、及び、成形ステーション428に沿って連続的に延在している。これによって、ガントリ104を一時的にトリミングステーション426及び/又は成形ステーション428(例えば、図40~41、図45)に配置して、ステーション間で複合材積層体400を移送する際に上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362の動作を妨げないようにすることができる。
図37~38に示すように、トリミングステーション426もまた、ガントリ104を含み、当該ガントリは、複合材積層体400がレイアップステーション424から移送された後に当該複合材積層体をトリミングするためのトリミング装置330を支持する。積層ヘッド300を支持するガントリ104の上記構成と同様に、トリミング装置330を支持するガントリ104もまた、上述したガントリ軌道116に沿って移動可能であり、これによって、トリミング装置330を一時的にレイアップステーション424及び/又は成形ステーション428に配置して、ステーション間で複合材積層体400を移送する際に上側クランプ機構450及び下側クランプ機構480の動作を妨げないようにすることができる。
図39は、レイアップステーション424を示す断面図であり、閉位置160にある第1マンドレル130及び第2マンドレル150に対して複合材積層体400をレイアップする積層ヘッド300の例が示されている。第1マンドレル130及び/又は第2マンドレル150は、複合材積層体400に対して真空圧198を印加するための上述した開口192を含み、これによって、図5~6に関して説明した態様と同様に複合材積層体400を所定位置に固定することができる。これに代えて、或いは、これに加えて、図16に関して説明した態様と同様に、第1マンドレル表面132(図43)及び/又は第2マンドレル表面152(図43)から複合材積層体400を剥離させるために、開口192から正の空圧224(図43)を印加させてもよい。積層ヘッド300及び支持体ハードウェアは、図5~8に示す上記構成と同様に構成されている。例えば、積層ヘッド300は、ガントリ104のガントリ横桁106に支持されている。ガントリ横桁106の両端は、一対のビーム支持体114に接続されており、この一対の支持体は、一対のベース部材102に取り付けられた一対のガントリ軌道116に沿って移動可能である。以下に説明するように、ベース部材102は、上側成形ダイ352(図37~38)及び下側成形ダイ362(図37~38)がステーション間を容易に移動できるように、追加のガントリ軌道116を含む。
図40は、製造システム100の側面図であり、上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362が成形ステーション428からレイアップステーション424に移動する様子が示されている。図16に関して先に説明したように、上側成形ダイ352は、製造システム100の長手方向に沿って間隔を空けて配置された複数の上側ダイ横桁360(図42)によって支持されている。上側ダイ横桁360の各々は、一対の支柱350(図42)に接続されており、当該支柱は、製造システム100の横方向両側において、ベース部材102から上方に延びている。複数の支柱350は、1つ以上の線形駆動機構(不図示)を介してガントリ軌道116に沿って一体的に移動可能である。図40に示すように、レイアップステーション424からトリミングステーション426に複合材積層体400(図39)を移送する際に上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362の動作を妨げないようにするために、トリミング装置330のガントリ104、及び、積層ヘッド300のガントリ104は、成形ステーション428に一時的に配置されている。図41には、上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362が、複合材積層体400をクランプする準備として、レイアップステーション424に配置されている様子が示されている。
図42は、レイアップステーション424を示す断面図であり、上側成形ダイ352及び下側ダイキャップ部365(図44)が複合材積層体400に対して係合又はクランプする前の、上側成形ダイ352の初期位置及び下側成形ダイ362の下側ダイウェブ部363の初期位置が示されている。上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362は、図5に示す構成と実質的に同様に構成されているが、図42においては、上側成形ダイ352の支柱350がガントリ軌道116に支持されている点で異なる。上述したように、上側成形ダイ352、下側成形ダイ362、及び、ガントリ104のためのそれぞれのガントリ軌道116は、レイアップステーション424から成形ステーション428まで連続している。
図43には、レイアップステーション424における上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362が示されている。同図において、上側成形ダイ352が、ガントリ横桁106により複合材積層体400に向かって下降している。一対の下側ダイウェブ部363は、互いから離れる方向に並進している。また、同図には、第2マンドレル150が第1マンドレル130から離れる方向に並進して開位置164へと移動することにより隙間166を形成している様子が示されている。レイアップステーション424、トリミングステーション426(図37~38)、及び、成形ステーション428(図37~38)においては、第1マンドレル130及び第2マンドレル150は、図1~3に示す上述した構成と実質的に同様に構成されている。例えば、各ステーションにおいて、第1マンドレル130及び第2マンドレル150の各々は、当該第1マンドレル130及び当該第2マンドレル150をそれぞれベース部材102に接続する横レール172(図43)に沿って横方向に並進することができる。第1マンドレル130及び第2マンドレル150の並進は、各マンドレルの長手方向に沿って間隔を空けて配置された1つ以上のマンドレルアクチュエータ174によって、容易に行うことができる。
第1マンドレル130から離れるように第2マンドレル150を横方向に並進させる作業を容易にするために、図16に関して説明した態様と同様に、第2マンドレル表面152における開口192から正の空圧224を印加させて、第2マンドレル表面152から複合材積層体400を遠ざけることができる。第1マンドレル表面132に対して真空圧198を印加することにより、第1マンドレル130上の複合材積層体400の位置を固定することができる。これに関して、各ステーションのいずれかにおいて複合材積層体400をクランプしたり剥離したりする間、複合材積層体400と第1マンドレル130及び/又は第2マンドレル150との間に真空圧198を加えることにより、積層体中心線402と、上側成形ダイ352のダイ中心線358及び下側成形ダイ362のダイ中心線358とを横方向に関して位置揃えさせることができるため、複合材積層体400をトリミング及び/又は成形する精度を向上させることができる。
図44は、上側成形ダイ352が、複合材積層体400のキャップ部408の頂面と接触している様子を示す。図16に関して先に説明したように、上側成形ダイ352は、その長さが少なくとも複合材積層体400の長さと同じであるバー部材などの単一構造体として構成されている。これに代えて、上側成形ダイ352は、一端から他端まで連なるバーセグメントとして提供されてもよい。下側成形ダイ362の下側ダイキャップ部365は、隙間166を通って垂直方向上方に延び、複合材積層体400のキャップ部408の底面に接触している。下側ダイキャップ部365は、一体型のバー部材として構成されてもよいし、その全長が少なくとも複合材積層体400の長さと同じである一端から他端まで連なるバーセグメントとして構成されてもよい。上側成形ダイ352及び(下側成形ダイ362の)下側ダイキャップ部365は、複合材積層体400に軽いクランプ圧を加えて、複合材積層体400を局所的に凹ませることなく当該複合材積層体400を移送する。これに代えて、或いは、これに加えて、ステーション間の複合材積層体400の移送の際、上側成形ダイ352及び/又は下側ダイキャップ部365に複合材積層体400を固定するために、上側成形ダイ352及び/又は下側ダイキャップ部365に形成された開口192(不図示)に対して真空圧198を加えてもよい。さらなる例においては、ステーション間の複合材積層体400の移送のために、(上側成形ダイ352ではなく)下側ダイキャップ部365に複合材積層体400を固定するために、開口192及び下側ダイキャップ部365に対して真空圧198を加えてもよい。レイアップステーション424からの複合材積層体400の移送を開始する前に、第1マンドレル130又は第2マンドレル150に対する真空圧198(図42)の印加を停止してもよい。
図45は、製造システム100の側面図であり、上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362が、レイアップステーション424からトリミングステーション426へ複合材積層体400を移動させている様子が示されている。上述したように、上側成形ダイ352の支柱350(図43)、及び、下側ダイ横桁368(図43)の各々は、レイアップステーション424から成形ステーション428に連続して延びるガントリ軌道116(図43)に沿って移動する。ステーション間の複合材積層体400の移送の際、各ステーションにおいて、第1マンドレル130及び第2マンドレル150における開口192から正の空圧224(例えば、43)が印加されることにより、各ステーションにおいて、第1マンドレル130及び第2マンドレルの上方の薄い空気クッションに複合材積層体400が浮かんだ状態となる。図46には、トリミングステーション426における上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362が示されている。同図には、積層ヘッド300のガントリ104が、成形ステーション428からレイアップステーション424に戻されている様子が示されている。トリミング装置330のガントリ104は、成形ステーション428に一時的に配置されている。
図47は、トリミングステーション426の断面図である。同図には、上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362が、複合材積層体400から退避している様子が示されており、また、第1マンドレル130及び第2マンドレル150によって形成された連続マンドレル表面162上で複合材積層体400をトリミングするために、トリミング装置330がトリミングステーション426に戻されている様子が示されている。図12に関して先に説明したように、トリミング処理の際、第1マンドレル130及び/又は第2マンドレル150に対して図47に示すように真空圧198を加えることにより、連続マンドレル表面162上の所定位置に複合材積層体400を固定することができる。トリミングステーション426における複合材積層体400のトリミングの際、レイアップステーション424において他の複合材積層体(不図示)をレイアップしてもよいし、成形ステーション428において他の複合材積層体(不図示)を成形してもよい。トリミングステーション426において複合材積層体400のトリミングが完了すると、トリミング装置330をレイアップステーション424に移動させて、図42~44に関して説明した態様と同様に上側成形ダイ352及び下側ダイキャップ部365を移動させて複合材積層体400に接触させる。
図48は、製造システム100の側面図であって、レイアップステーション424に一時的に配置されたトリミング装置330のガントリ104が示されている。また、上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362が、トリミングステーション426から成形ステーション428へ複合材積層体400を移動させている様子も示されている。図49には、上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362が、複合材積層体400を成形する準備として、成形ステーション428に配置されている様子が示されている。成形ステーション428における複合材積層体400の成形の際、レイアップステーション424において他の複合材積層体(不図示)をレイアップしてもよいし、トリミングステーション426において他の複合材積層体(不図示)をトリミングしてもよい。
図50は、成形ステーション428の断面図であって、上側成形ダイ352及び下側ダイキャップ部365が複合材積層体400から退避している様子が示されている。複合材積層体400から上側成形ダイ352及び下側ダイキャップ部365を退避させる前に、第1マンドレル130上の所定位置に複合材積層体400を固定するために、第1マンドレル表面132に対して真空圧198を加えてもよい。第1マンドレル130上の所定位置に複合材積層体400をさらに固定するために、第2マンドレル150が第1マンドレル130から横方向に離れる方向に並進している間、第1クランプバー201は、第1マンドレル表面132に複合材積層体400をクランプしてもよい。第1マンドレル130から離れるように第2マンドレル150を横方向に並進させて開位置164(図51)へと移動させる作業を容易にするために、第2マンドレル表面152における開口192から正の空圧224を印加させて、第2マンドレル表面152から複合材積層体400を遠ざけてもよい。
図51は、成形ステーション428の断面図であって、図17~26に示す上述した処理と同様の成形処理において、第1マンドレル130と第2マンドレル150との隙間166内に配置された下側ダイウェブ部363及び下側ダイキャップ部365に対して複合材積層体400を成形した後の、上側成形ダイ352が示されている。第1クランプバー201及び第2クランプバー203は、それぞれ第1マンドレル130及び第2マンドレル150に対して複合材積層体400の対向するフランジ部404をクランプする。これにより、成形処理の際に、上側成形ダイ352が下側成形ダイ352に対して複合材積層体400を押し付けると、複合材積層体400において横張力416(図20及び22)が発生する。図51において、成形処理が完了すると、上側成形ダイ352が垂直方向に退避する際に第1マンドレル130及び第2マンドレル150から複合材積層体400が持ち上がるのを防止するために、第1マンドレル130及び第2マンドレル150における開口192に真空圧198を加えてもよい。複合材積層体400は、図27に示すように成形されてもよいし、上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362の形状及び構成によって決定する様々な代替の断面形状のうち任意の形状に成形されてもよい。図示していないが、複合材積層体400の成形が完了した後、上側成形ダイ352及び/又は下側成形ダイ362は、成形ステーション428から保持ステーションへ(不図示)、又は、複合材積層体400の一体化(consolidating)及び/又は硬化などを行うための様々な後続の製造ステーション(不図示)のうちの任意のステーションへ、複合材積層体400を移送するように構成されてもよい。
図37~51に示す製造システム100を用いて複合材積層体400を製造する上記方法500(図36)の例において、この方法は、図37~38に示すレイアップステーション424と、トリミングステーション426と、成形ステーション428との間などのステーション間で複合材積層体400を移送することを含む。上述したように、ステーション間での複合材積層体400の移送は、上側クランプ機構450及び/又は下側クランプ機構480を用いて、開位置164にある第1マンドレル130と第2マンドレル150との間の隙間166を跨いでいる複合材積層体400の一部に係合することを含む。上述したように、上側クランプ機構450は、上側成形ダイ352であってもよく、下側クランプ機構480は、下側成形ダイ362の下側ダイキャップ部365であってもよい。上側クランプ機構(上側成形ダイ352)及び下側クランプ機構480(下側ダイキャップ部365)は、ステーション間の移送を行う前に複合材積層体400をクランプする。上側クランプ機構450と下側クランプ機構480との間に複合材積層体400をクランプすることに代えて、上記方法は、ステーション間で複合材積層体400を移送する際に、下側クランプ機構480に対して(上側クランプ機構450を用いることなく)複合材積層体400を固定するために、下側ダイキャップ部365における開口192に真空圧198を印加することを含んでもよい。上記方法は、複合材積層体400の移送の際、各ステーションにおいて第1マンドレル130及び第2マンドレル150の上方に複合材積層体400を浮かせるために、各ステーションにおいて第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152における開口192に空気を送り込むことを含む。
上記方法は、移送の際、各ステーションにおいて第1マンドレル130及び第2マンドレル150が固定された状態で、複合材積層体400と各ステーションとが位置合わせした状態を維持することを含む。上述したように、複合材積層体400の位置合わせは、1つ以上のステーションにおける複合材積層体400の剥離及びクランプの際、第1マンドレル130、第2マンドレル150、上側成形ダイ352、及び/又は、下側ダイキャップ部365に対して真空圧198を用いて維持される。複合材積層体400の成形が完了した後(例えば、図51)、上記方法500は、任意で、上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362の下側ダイキャップ部365を用いて、成形ステーション428から撤去(dismount)ステーション(不図示)や保持ステーション(不図示)へ、或いは、上述したような後続の製造ステーション(不図示)へ複合材積層体400を移送することを含んでもよい。上側成形ダイ352及び下側ダイキャップ部365は、図44に示すクランプ処理と同様の態様で複合材積層体400のキャップ部408をクランプする。保持ステーション(不図示)又は後続の製造ステーション(不図示)に複合材積層体400を移送する前に、第1及び第2のクランプバー201、203(図51)を複合材積層体400から上方に退避させ、下側ダイウェブ部363(図51)を複合材積層体400から下方に退避させる。
図52~69を参照すると、図52及び53は、それぞれ製造システム100のさらなる例を示す上面図及び側面図であり、当該製造システムにおいては、複合材積層体400(図54)のレイアップ、トリミング、及び、成形が、レイアップステーション424、トリミングステーション、及び、成形ステーション428でそれぞれ順番に実行されている。レイアップステーション424は、第1マンドレル130と第2マンドレル150とを含むレイアップマンドレルセット425を有しており、当該マンドレルセットは、複合材積層体400のレイアップの際、複合材積層体400を支持するように構成されている。トリミングステーション426は、第1マンドレル130と第2マンドレル150とを有するトリミングマンドレルセット427を含み、当該マンドレルセットは、レイアップステーション424から複合材積層体400を受け取り、トリミングの際に複合材積層体400を支持するように構成されている。成形ステーション428は、第1マンドレル130と第2マンドレル150とを含む成形マンドレルセット429を有しており、当該マンドレルセットは、トリミングステーション426から複合材積層体400を受け取るように構成されている。成形ステーション428は、第1マンドレル130及び第2マンドレル150を横方向に並進させて成形スタンド490に移動させるように構成されており、当該成形スタンドは、複合材積層体400を成形するための複数の成形ヘッド492を有する。
図52~69に示す製造システム100は、専用の上側クランプ機構450と専用の下側クランプ機構480とを含み、この点で、図37~51に示す製造システム100、すなわち、上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362の下側ダイキャップ部365が、ステーション間で複合材積層体400を移送するための上側クランプ機構450及び下側クランプ機構480としてそれぞれ使用される製造システムとは異なる。以下に説明するように、図52~69において、上側クランプ機構450は、複数の上側クランプモジュール452として構成される。下側クランプ機構480は、1つ以上の下側横部材482に支持された下側クランプ部材484として構成される。上側クランプ機構450及び/又は下側クランプ機構480は、複合材積層体400に係合するとともに、レイアップステーション424からトリミングステーション426へ、また、トリミングステーション426から成形ステーション428へ複合材積層体400を移送するように構成されている。製造システム100は、レイアップステーション424、トリミングステーション426、及び、成形ステーション428に沿ってこれらの間に延在する一対のベース部材102を含む。
図52~53において、レイアップステーション424は、レイアップマンドレルセット425に複合材積層体400をレイアップするための、少なくとも1つの積層ヘッド300を含む。図示例においては、積層ヘッド300は、レイアップステーション424の長手方向に沿って移動するように構成されたガントリ104に支持されている。以下に説明するように、レイアップステーション424は、トリミングステーション426へ複合材積層体400を移送するために上側クランプ機構450と下側クランプ機構480とが係合している間、一時的に積層ヘッド300を保管するための準備領域380を含む。トリミングステーション426は、上述した構成のうちのいずれかを有するトリミング装置330を含む。トリミング装置330は、ガントリ104に支持されており、当該ガントリは、レイアップステーション424に沿って積層ヘッド300を移動させるためのガントリ104の動作と同様に、トリミングステーション426の長手方向に沿って移動するように構成されている。成形ステーション428は、成形ステーション428の長手方向に沿って、間隔を空けて配置された複数の成形ヘッド492を支持する上記成形スタンド490を含む。以下に説明するように、成形ヘッド492は、垂直方向に上側成形ダイ352を駆動させるために一致して移動可能であり、これによって、成形スタンド490に支持された下側成形ダイ362に対して複合材積層体400を成形することができる。
図54を参照すると、同図は、レイアップステーション424の断面図であり、閉位置160にある第1マンドレル130及び第2マンドレル150を示すレイアップステーション424が示されている。また、同図には、複合材積層体400をレイアップする積層ヘッド300の例が示されている。積層ヘッド300によるレイアップの際、第1マンドレル130及び第2マンドレル150に対して複合材積層体400を固定するために、第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152に対して真空圧198が加えられる。上述したように、積層ヘッド300は、図4~5に示される積層ヘッド300の上記構成と同様に構成されている。図示例においては、積層ヘッド300は、ガントリ104の上側ビーム113に支持されている。上側ビーム113は、ほぼ垂直に配向されたビーム支持体114から外側に片持ち支持されており、当該ビーム支持体114は、レイアップステーション424の長手方向に沿って延びる1つ以上の長手方向軌道464に移動可能に取り付けることができる。しかしながら、積層ヘッド300は様々な構造体(例えば、ロボットアームなど)のうちの任意の構造体に支持されてもよく、図54に示すガントリ104に支持される構成に限定されない。
図54~57を参照すると、上側クランプ機構450の例が示されている。図55は、レイアップステーション424を示す上面図である。図56は、レイアップステーション424を示す側面図である。図57は、レイアップステーション424の断面図であり、同図には上側クランプモジュール452の例が示されている。上述したように、上側クランプ機構450は、レイアップステーション424の側部に取り付けられた複数の上側クランプモジュール452を含む。図55~56に示すように、上側クランプモジュール452は、レイアップステーション424の長手方向に沿って、間隔を空けて配置されている。図57に示すように、各上側クランプモジュール452は、ほぼ垂直に配向されたアーム支持体460に対して枢動可能に接続されたクランプアーム454を含む。各アーム支持体460は、製造システム100の側部に配置された1つ以上の長手方向軌道464に対して移動可能に接続されている。長手方向軌道464は、製造システム100の長手方向に沿って、レイアップステーション424から成形ステーション428まで連続して延びている。
図54、55、及び、57に示すように、各クランプアーム454は、(例えば、図55に実線で示されている)クランプ位置466と(例えば、図55に仮想線で示されている)退避位置468との間で(例えば、約90度に)枢動可能である。クランプアーム454は、電気機械式、空圧式、及び/又は、油圧式の手段によって駆動可能な回転駆動機構(不図示)によって垂直軸462(図54)を中心として枢動可能である。各クランプアーム454は、クランプ位置466(図57)において、複合材積層体400の上方で横方向に延びている。各クランプアーム454は、退避位置468(図54)において、レイアップステーション424の側部に平行に配向されてもよいし、複合材積層体400のレイアップの際に積層ヘッド300の動作を妨げないように配向されてもよい。
図57には、クランプ位置466にあるクランプアーム454が示されている。クランプアーム454の終端は、垂直方向に駆動可能な一対のフランジ部クランプ458の間に配置された垂直方向に駆動可能なキャップ部クランプ456を含む。フランジ部クランプ458は、任意で各クランプアーム454に含まれてもよい。キャップ部クランプ456は、フランジ部クランプ458の駆動とは独立して駆動可能である。一対のフランジ部クランプ458は、互いに独立して駆動可能である。キャップ部クランプ456及びフランジ部クランプ458は、電気機械式、空圧式、及び/又は、油圧式の手段によって駆動可能な1つ以上の線形駆動機構(不図示)によって駆動可能である。キャップ部クランプ456及びフランジ部クランプ458の終端(例えば、底部)の各々は、複合材積層体400に対する損傷を防ぐための弾性パッド(例えば、ゴムパッドや発泡パッド)を含む。
引き続き図57を参照すると、下側クランプ機構480は、第1マンドレル130及び第2マンドレル150の下側に配置されている。下側クランプ機構480は、少なくとも1つの下側クランプ部材484と、少なくとも1つの下側横部材482とを含む。例えば、下側クランプ機構480は、下側クランプ部材484の長手方向に沿って、間隔を空けて配置された複数の下側横部材482を含む。下側クランプ部材484は、単一の長状バーとして構成されてもよい。これに代えて、下側クランプ部材484は、一端から他端まで連なるバーセグメントとして構成されてもよい。構成に関係なく、下側クランプ部材484の全長は、少なくとも複合材積層体400と同じ長さである。下側横部材482の複数の端は、一対のガントリ軌道116にそれぞれ接続されており、当該ガントリ軌道は、製造システム100の長手方向に沿って、レイアップステーション424から成形ステーション428まで連続的に延びている。各下側横部材482は、下側クランプ部材484を垂直方向に駆動させるためのアクチュエータ(不図示)を含む。
図58を参照すると、第1マンドレル130と第2マンドレル150との間に隙間166を形成するために、第2マンドレル150を横方向に並進させて当該第2マンドレルを開位置164に配置した様子が示されている。上側クランプモジュール452及び/又は下側クランプ部材484は、ステーション間で複合材積層体400を移送するために複合材積層体400と係合するように構成されている。一例において、上側クランプモジュール452及び下側クランプ部材484は、隙間166を跨ぐ複合材積層体400のキャップ部408をクランプするように構成されている。下側クランプ部材484は、隙間166を通って上方に駆動して複合材積層体400の底面と接触する。上側クランプモジュール452のキャップ部クランプ456は、下方に駆動して複合材積層体400の頂面と接触する。任意ではあるが、移送処理の際、上側クランプ機構450及び下側クランプ機構480に対して複合材積層体400を固定するために、下側クランプ部材484に形成された開口192、及び/又は、キャップ部クランプ456に対して真空圧198を印加してもよい。上側クランプ機構450を省くことが可能な製造システム100のさらなる例においては、下側クランプ部材484を用いてステーション間で複合材積層体400を移送する前に、下側クランプ部材484に対して複合材積層体を固定するために、下側クランプ部材484における開口192に真空圧198を印加してもよい。レイアップステーション424からトリミングステーション426への複合材積層体400の移送を開始する前に、第1マンドレル130及び第2マンドレル150に対する真空圧198の印加を停止してもよい。ステーション間で複合材積層体400を移送する際、各ステーションにおいて第1マンドレル130及び第2マンドレル150の上方に複合材積層体400を浮かせるために、各ステーションにおいて第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152における開口192を介して正の空圧224を印加させてもよい。
図59は、製造システム100の上面図であって、上側クランプ機構450及び下側クランプ機構480(図58)が、レイアップステーション424からトリミングステーション426に複合材積層体400を移送する様子が示されている。図60は、製造システム100を示す側面図である。上述したように、複数の上側クランプモジュール452は、製造システム100の長手方向に沿って延びる長手方向軌道464に沿って、移動可能である。下側横部材482(図58)は、同様に製造システム100の長手方向に沿って延びるガントリ軌道116に沿って、移動可能である。
図61を参照すると、トリミングステーション426の断面図が示されており、同図においては、複合材積層体400が、キャップ部クランプ456と下側クランプ部材484との間にクランプされた状態で、トリミングマンドレルセット427(図52)の第1マンドレル130及び第2マンドレル150に支持されている。トリミング装置330は、上側クランプモジュール452の動作を妨げないように、トリミングマンドレルセット427の片側に一時的に配置されている。任意ではあるが、複合材積層体400からキャップ部クランプ456及び下側クランプ部材484を退避させる前に、第1マンドレル130及び第2マンドレル150上の所定位置に複合材積層体400を固定するために、トリミングマンドレルセット427の第1マンドレル130及び第2マンドレル150における開口192に真空圧198を印加してもよい。
図62は、トリミングステーション426の断面図であり、下側クランプ部材484が複合材積層体400から退避している様子が示されている。また同図には、トリミング装置330の動作を妨げないように、クランプ位置466(図61)から第1マンドレル130に沿った退避位置468までクランプアーム454が枢動している様子が示されている。同図において、トリミング装置330によるトリミングの際に複合材積層体400を支持するために、第2マンドレル150が、第1マンドレル130に対して閉位置160に移動している。なお、図示していないが、第2マンドレル150を横方向に並進させて当該第2マンドレルを第1マンドレル130に隣接する閉位置160に移動させる作業を容易にするために、第2マンドレル150における開口192(図54)を介して正の空圧224(例えば、図16)を印加させて、第2マンドレル150から複合材積層体400を遠ざけることができる。閉位置160にある第1マンドレル130及び第2マンドレル150は、トリミング装置330によるトリミングの際に複合材積層体400を支持するために、連続マンドレル表面162(図12)を形成している。トリミング処理が完了した後、第2マンドレル150が並進して開位置164(例えば、図57)に戻り、下側クランプ部材484が延びて第1マンドレル130と第2マンドレル150との間の隙間166(例えば、図57~58)に入り込む。クランプアーム454は枢動してクランプ位置466(図57)に戻り、図57~58に示す上述した処理と同様にキャップ部クランプ456と下側クランプ部材484との間に複合材積層体400のキャップ部408をクランプするために、キャップ部クランプ456が下方に駆動される。
図63は、製造システムを示す上面図であって、同図には、上側クランプ機構450(例えば、上側クランプモジュール452)及び下側クランプ機構480(隠れている)が、トリミングステーション426から成形ステーション428へ複合材積層体400を移送している様子が示されている。図64は、図63の製造システムを示す側面図である。図59~60に示す上述した処理と同様に、上側クランプモジュール452は、長手方向軌道464(図62)に沿って移動し、下側横部材42は、ガントリ軌道116(図62)に沿って移動する。しかしながら、上述した代替例においては、上側クランプモジュール452を省いてもよく、また、ステーション間で複合材積層体400を移送するために、下側クランプ機構480(下側クランプ部材484)に対して真空圧198を加えて複合材積層体400を固定してもよい。
図65は、成形ステーション428の断面図であり、複合材積層体400が、成形マンドレルセット429の第1マンドレル130及び第2マンドレル150に支持されている様子が示されている。また、同図には、複合材積層体400が、上側クランプ機構450のキャップ部クランプ456と下側クランプ機構480の下側クランプ部材484との間にクランプされている様子が示されている。任意ではあるが、キャップ部クランプ456及び下側クランプ部材484に対する真空圧198の印加を停止する前に複合材積層体400を所定位置で固定する手段として、成形マンドレルセット429の第1マンドレル130及び第2マンドレル150における開口192に真空圧198を印加してもよく、これにより、複合材積層体400からキャップ部クランプ456及び下側クランプ部材484を退避させる前に第1マンドレル130及び第2マンドレル150上の所定位置に複合材積層体400を固定することができる。また、図65には、複数の成形ヘッド492を含む成形スタンド490が示されており、これらの成形ヘッドは、上側成形ダイ352を移動させるために垂直方向に移動可能である。成形スタンド490は、一対の下側ダイウェブ部363と下側ダイキャップ部365とを有する下側成形ダイ362をさらに含む。
図66は、下側クランプ部材484が、複合材積層体400の底面から下側横部材482に向かって退避している様子を示す。キャップ部クランプ456は、複合材積層体400の頂面から退避している。また、同図には、第1マンドレル130及び第2マンドレル150に対して複合材積層体400を任意でクランプすることが可能な一対のフランジ部クランプ458も示されている。下側クランプ部材(不図示)が、複合材積層体400の表面に平行な方向に沿って並進(例えば、図66の平面の内外)可能であって、且つ、図示例における垂直移動(図66)が不可能である場合の例として、フランジ部クランプ458は、このような下側クランプ部材の並進の際、複合材積層体400の動きを抑止することができる。上述したように、第1マンドレル130及び第2マンドレル150に対して複合材積層体400が動くのを抑止するために、複合材積層体400に対して継続的に真空圧198が印加される。第1マンドレル130及び第2マンドレル150は、開位置164に維持されており、下側成形ダイ352を受容できる寸法の隙間166が形成されている。図示を省略した代替の例においては、第1マンドレル130及び/又は第2マンドレル150は、レイアップステーション424、トリミングステーション426、及び、成形ステーション428に含まれる1つ以上のマンドレルアクチュエータ174(例えば、図1)により、閉位置160まで横方向に並進することができる。
図67には、開位置164にある第1マンドレル130及び第2マンドレル150が、複合材積層体400を横方向に並進させて成形スタンド490に移動している様子が示されている。第1マンドレル130及び第2マンドレル150は、成形ステーション428の横レール172に沿って横方向に並進可能である。上述したように、成形スタンド490は、成形ステーション428の長手方向に沿って、間隔を空けて配置された複数の成形ヘッド492を支持するように構成されている。これに加えて、成形スタンド490は、一対の下側ダイウェブ部363と下側ダイキャップ部365とを有する下側成形ダイ362を含む。
図68は、第1マンドレル130及び第2マンドレル150が、成形スタンド490における上側成形ダイ352と下側成形ダイ362との間で複合材積層体400を支持している様子が示されている。上側成形ダイ352及び下側成形ダイ362は、図16~26に示す上述した構成と同様に構成及び操作される。例えば、任意ではあるが、第1マンドレル130及び第2マンドレル150に対して複合材積層体400を固定するために、第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152の開口192に対して真空圧198を加えてもよい。図16~26に示すとともに先に説明したように、下側ダイウェブ部363は、垂直方向に並進して、第1マンドレル130と第2マンドレル150との間の隙間166に入り込むことができる。上側成形ダイ352は、一対の下側ダイウェブ部363に押し付けて複合材積層体400を成形するために、隙間166(例えば、図20~24)に対して複合材積層体400を徐々に押し込む。上側成形ダイ352が隙間166に複合材積層体400を押し込む前に、上側成形ダイ352が一対の下側ダイウェブ部363に対向するように複合材積層体400に力を加えている状態において、第1クランプバー201及び第2クランプバー203は、複合材積層体400のフランジ部404にクランプ圧を加えて、当該複合材積層体400において横張力416(例えば、図22)を生成する。上側成形ダイ352のダイフランジ356が複合材積層体400(図25)に近づいたとき、下側ダイキャップ部365は、下側ダイウェブ部363間を垂直方向に並進する。
図69は、上側成形ダイ352が、下側ダイウェブ部363及び下側ダイキャップ部365、並びに、第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152に押し付けて、複合材積層体400を成形している様子が示されている。成形が完了すると、第1クランプバー201及び第2クランプバー203は、複合材積層体400から垂直方向に退避する。また、上側成形ダイ352が垂直方向に退避する際に第1マンドレル130及び第2マンドレル150から複合材積層体400が持ち上がるのを防止するために、第1マンドレル表面132及び第2マンドレル表面152における開口192に対して真空圧198が加えられる。複合材積層体400の成形が完了した後、デバルク及び/又は最終的な硬化などのさらなる処理を行うために、他の製造ステーション(不図示)に複合材積層体400を移送してもよい。
図52~69に示す製造システム100を用いて複合材積層体400を製造する上記方法500(図36)の例において、この方法は、図59~60に示すレイアップステーション424とトリミングステーション426との間、及び、図63~64に示すトリミングステーション426と成形ステーション428との間などのステーション間で複合材積層体400を移送することを含む。ステーション間の複合材積層体400の移送は、上側クランプ機構450及び/又は下側クランプ機構480に複合材積層体400の一部を係合させることを含む。例えば、上記方法は、図58及び61に示すように、複合材積層体400の上方に配置された複数のクランプアーム454のキャップ部クランプ456と、第1マンドレル130及び第2マンドレル150の下方に配置された下側クランプ部材484との間で複合材積層体400をクランプして、上側クランプ機構450(例えば、クランプアーム454)及び下側クランプ機構480(例えば、下側クランプ部材484)を用いて複合材積層体400を移送することを含む。これに代えて、上記方法は、ステーション間で複合材積層体400を移送するために、下側クランプ機構480(例えば、下側クランプ部材484)に対して真空圧198を加えて、下側クランプ機構480に対して複合材積層体400を固定することを含んでもよい。上記方法は、レイアップステーション424から成形ステーション428に複合材積層体400を移送する場合に、レイアップステーション424及び成形ステーション428に対して複合材積層体400が位置合わせされている状態を維持することを含む。複合材積層体400の位置合わせの維持は、上側クランプ機構450と下側クランプ機構480との間のクランプによって、或いは、真空により(例えば、真空圧198を介して)複合材積層体400に対して下側クランプ機構480が連係することによって、実現することができる。また、複合材積層体400(図61)からキャップ部クランプ456及び/又は下側クランプ部材484を退避させる前に、各ステーションにおいて真空圧198を用いて第1マンドレル130及び/又は第2マンドレル150に対して複合材積層体400を固定することによっても、位置合わせを維持することができる。
複合材積層体400の成形が完了した後(例えば、図69)、成形ステーション428において第1マンドレル130及び第2マンドレル150から複合材積層体400を取り外して、その後、移送機構(不図示)によって、撤去ステーション(不図示)、又は、さらなる処理のための後続する製造ステーション(不図示)に当該複合材積層体を移送する。第1マンドレル130及び第2マンドレル150は、成形スタンド490で成形するための新たな複合材積層体400を受け取る準備として、横レール(図67)に沿って横方向に並進し、成形スタンド490から成形ステーションの左側に戻される。
さらに、本開示は、以下に列挙する項に記載する例を含む。
A1.第1マンドレル(130)と、第2マンドレル(150)と、1つ以上の積層体固定機構(190)と、を含み、前記第1マンドレル(130)は、第1マンドレル表面(132)と、第1マンドレル表面縁(134)とを有し、前記第2マンドレル(150)は、第2マンドレル表面(152)と、第2マンドレル表面縁(154)とを有するとともに、閉位置(160)に配置可能であり、前記閉位置にある前記第1マンドレル表面縁(134)及び前記第2マンドレル表面縁(154)が隣接接触することにより、少なくとも前記複合材積層体(400)をトリミングするための、前記第1マンドレル表面(132)及び前記第2マンドレル表面(152)の両方によって画定される連続マンドレル表面(162)が形成されており、前記第2マンドレル(150)は、前記第1マンドレル表面縁(134)に対して垂直な方向に沿って並進して開位置(164)に移動するように構成されており、前記開位置にある前記第1マンドレル表面縁(134)と前記第2マンドレル表面縁(154)との間の隙間(166)が画定されており、前記隙間は、前記複合材積層体(400)を成形するための成形ダイ(352、362)を受容するためのものであり、前記1つ以上の積層体固定機構(190)は、少なくとも前記複合材積層体(400)のトリミング及び成形の際、前記第1マンドレル(130)及び前記第2マンドレル(150)のうちの少なくとも一方に対して前記複合材積層体(400)を固定するとともに、前記開位置(164)への前記第2マンドレル(150)の並進の際、前記第1マンドレル(130)上の固定位置に前記複合材積層体(400)を固定するように構成されている、製造システム(100)。
A2.前記積層体固定機構(190)は、複数の開口(192)及び1つ以上のピンチ機構(200、202)のうちの少なくとも一方を含み、前記複数の開口(192)は、前記第1マンドレル表面(132)及び前記第2マンドレル表面(152)のうちの少なくとも一方に形成されるとともに、真空源(196)に流体接続されており、前記真空源は、前記第1マンドレル(130)及び前記第2マンドレル(150)に前記複合材積層体(400)を固定するための真空圧(198)を生成するものであり、前記1つ以上のピンチ機構(200、202)は、前記第1マンドレル表面(132)及び前記第2マンドレル表面(152)のうちの少なくとも一方に対して前記複合材積層体(400)を機械的にクランプするように構成されている、付記A1に記載の製造システム(100)。
A3.前記第2マンドレル(150)の並進の際、前記第2マンドレル表面(152)から前記複合材積層体(400)を剥離させて、前記複合材積層体(400)に対する前記第2マンドレル表面(152)の相対移動を可能にするように構成された1つ以上の積層体剥離機構(220)をさらに含む、付記A1又はA2に記載の製造システム(100)。
A4.前記積層体剥離機構(220)は、前記第2マンドレル表面(152)に形成されるとともに、正の空圧源(222)に流体接続された複数の開口(192)を含み、前記正の空圧源は、前記第2マンドレル表面(152)から前記複合材積層体(400)を遠ざけて前記第2マンドレル(150)の並進を可能にするためのものである、付記A3に記載の製造システム(100)。
A5.前記開位置(164)において、前記第1マンドレル(130)と前記第2マンドレル(150)との間の前記隙間(166)を跨ぐ前記複合材積層体(400)の一部と接触するように下方に並進可能な上側成形ダイ(352)をさらに含み、前記上側成形ダイ(352)は、前記複合材積層体(400)を前記隙間(166)に押し込んで前記複合材積層体(400)を成形するように構成されている、付記A1~A4のいずれか1つに記載の製造システム。
A6.前記開位置(164)において、前記第1マンドレル(130)と前記第2マンドレル(150)との間の前記隙間(166)に入り込むことが可能な下側成形ダイ(362)をさらに含み、前記下側成形ダイ(362)は、前記上側成形ダイ(352)によって加えられる成形圧に対して前記複合材積層体(400)を支持するように構成されている、付記A5に記載の製造システム(100)。
A7.前記開位置(164)において、前記第1マンドレル(130)及び前記第2マンドレル(150)上で前記複合材積層体(400)を成形するために構成された成形ステーション(428)、並びに、前記閉位置(160)において、前記第1マンドレル(130)及び前記第2マンドレル(150)上に前記複合材積層体(400)をレイアップするために構成されたレイアップステーション(424)、及び、前記閉位置(160)において、前記第1マンドレル(130)及び前記第2マンドレル(150)上で前記複合材積層体(400)をトリミングするために構成されたトリミングステーション(426)のうちの少なくとも一方、を含む1つ以上のステーションと、
前記レイアップステーション(424)又は前記トリミングステーション(426)のうちの少なくとも一方から前記成形ステーション(428)に前記複合材積層体(400)を移送するように構成されたステーション間移送機構(430)と、を含み、前記積層体固定機構(190)は、前記複合材積層体(400)の移送の際、前記複合材積層体(400)と前記ステーションの位置合わせを維持するように構成されている、付記A1~A6のいずれか1つに記載の製造システム(100)。
A8.前記ステーション間移送機構(430)は、前記ステーションを相互接続するとともに、当該ステーションに沿って延びる複数の長手方向レール(432)を含み、前記第1マンドレル(130)及び前記第2マンドレル(150)は、前記複数の長手方向レール(432)に支持されるとともに、前記複合材積層体(400)を支持している状態で前記複数の長手方向レール(432)に沿って並進するように構成されており、前記積層体固定機構(190)は、前記ステーション間で前記第1マンドレル(130)及び前記第2マンドレル(150)を並進させている間、前記第1マンドレル(130)及び前記第2マンドレル(150)のうちの少なくとも一方において前記複合材積層体(400)を固定位置に維持するように構成されている、付記A7に記載の製造システム(100)。
A9.前記ステーション間移送機構(430)は、前記開位置(164)にある前記第1マンドレル(130)と前記第2マンドレル(150)との間の前記隙間(166)を跨ぐ前記複合材積層体(400)の一部をクランプするように構成された上側クランプ機構(450)及び下側クランプ機構(480)を含み、前記上側クランプ機構(450)及び前記下側クランプ機構(480)は、各ステーションにおける前記第1マンドレル(130)及び前記第2マンドレル(150)が固定された状態で、前記ステーション間で前記複合材積層体(400)を移送するように構成されており、前記下側クランプ機構(480)は、前記複合材積層体(400)の移送の際、前記レイアップステーション(424)及び前記成形ステーション(428)において、前記隙間(166)内を移動するように構成されている、付記A7又はA8に記載の製造システム(100)。
A10.前記上側クランプ機構(450)は、前記複合材積層体(400)を成形するために、前記成形ステーション(428)において前記隙間(166)に前記複合材積層体(400)を押し込むように構成された上側成形ダイ(352)を含み、前記下側クランプ機構(480)は、前記成形ステーション(428)において、前記上側成形ダイ(352)によって加えられる成形圧に対して前記複合材積層体(400)を支持するように構成された下側成形ダイ(362)を含む、付記A9に記載の製造システム(100)。
A11.前記複合材積層体(400)のレイアップ、トリミング、及び、成形のうちの少なくともいずれか1つの実行の際、前記第1マンドレル(130)と前記第2マンドレル(150)との間の相互接続を行うとともに、これらの間の位置揃えを維持するように構成された1つ以上のアライメント機構(170)をさらに含む、付記A1~A10のいずれか1つに記載の製造システム(100)。
A12.前記第1マンドレル(130)及び前記第2マンドレル(150)の上方で支持される積層ヘッド(300)をさらに含み、当該積層ヘッドは、前記閉位置(160)における前記第1マンドレル(130)及び前記第2マンドレル(150)によって画定される前記連続マンドレル表面(162)に対してレイアップ材料(310)を配置するように構成されている、付記A1~A10のいずれか1つに記載の製造システム(100)。
A13.前記複合材積層体(400)を成形するために前記開位置(164)に前記第2マンドレル(150)を並進させる前に、前記連続マンドレル表面(162)上の前記複合材積層体(400)をトリミングするように構成されたトリミング装置(330)をさらに含む、付記A1~A10のいずれか1つに記載の製造システム(100)。
B1.第1マンドレル(130)と、第2マンドレル(150)と、真空源(196)と、正の空圧源(222)と、を含み、前記第1マンドレル(130)は、第1マンドレル表面(132)と第1マンドレル表面縁(134)とを有し、前記第1マンドレル表面(132)は複数の開口(192)を有しており、前記第2マンドレル(150)は、第2マンドレル表面(152)と、第2マンドレル表面縁(154)とを有し、前記第2マンドレル表面(152)は、複数の開口(192)を有し、前記第2マンドレル(150)は、閉位置(160)に配置可能であり、前記閉位置にある前記第1マンドレル表面縁(134)及び前記第2マンドレル表面縁(154)が隣接接触することにより、少なくとも前記複合材積層体(400)をトリミングするための、前記第1マンドレル表面(132)及び前記第2マンドレル表面(152)の両方によって画定される連続マンドレル表面(162)が形成されており、前記第2マンドレル(150)は、前記第1マンドレル表面縁(134)に対して垂直な方向に沿って並進して開位置(164)に移動するように構成されており、前記開位置にある前記第1マンドレル表面縁(134)と前記第2マンドレル表面縁(154)との間の隙間(166)が画定されており、前記隙間は、前記複合材積層体(400)を成形するための成形ダイ(352、362)を受容するためのものであり、前記真空源(196)は、少なくとも前記第1マンドレル表面(132)における前記開口(192)に流体接続しており、前記複合材積層体(400)のレイアップ、トリミング、及び、成形の際、前記第1マンドレル(130)に対して前記複合材積層体(400)を固定する真空圧(198)を生成するとともに、前記開位置(164)への前記第2マンドレル(150)の並進の際、前記第1マンドレル(130)上の固定位置に前記複合材積層体(400)を固定するように構成されており、前記正の空圧源(222)は、前記第2マンドレル表面(152)における前記開口(192)に流体接続しており、前記開位置(164)への前記第2マンドレル(150)の並進の際、前記第2マンドレル表面(152)から前記複合材積層体(400)を遠ざける正の空圧(224)を生成するように構成されている、製造システム(100)。
C1.複合材積層体(400)を製造する方法であって、第2マンドレル(150)の第2マンドレル表面縁(154)を閉位置(160)に配置して、第1マンドレル(130)の第1マンドレル表面縁(134)と隣接接触させることにより、第1マンドレル表面(132)及び第2マンドレル表面(152)の両方により画定される連続マンドレル表面(162)を形成し、前記連続マンドレル表面(162)に複合材積層体(400)を配置し、その際、前記連続マンドレル表面(162)に対して前記複合材積層体(400)を固定し、前記連続マンドレル表面(162)において前記複合材積層体(400)をトリミングし、前記複合材積層体(400)をトリミングした後、前記第2マンドレル表面(152)から前記複合材積層体(400)を剥離させ、前記第1マンドレル表面(132)に前記複合材積層体(400)を固定し続けた状態で、前記第1マンドレル表面縁(134)に対して垂直な方向に沿って前記第2マンドレル(150)を並進させて、前記第1マンドレル表面縁(134)と前記第2マンドレル表面縁(154)との間の隙間(166)を画定する開位置(164)に前記第2マンドレル(150)を移動させ、前記複合材積層体(400)を前記隙間(166)に押し込むことにより、前記複合材積層体(400)を成形する、方法。
C2.前記複合材積層体(400)を成形するステップは、前記複合材積層体(400)の成形の際、前記第1マンドレル表面(132)及び前記第2マンドレル表面(152)のうちの少なくとも一方に対して前記複合材積層体(400)をクランプすることを含む、付記C1に記載の方法。
C3.前記連続マンドレル表面(162)に対して前記複合材積層体(400)を固定することは、前記第1マンドレル表面(132)及び前記第2マンドレル表面(152)に形成された複数の開口(192)を介して前記複合材積層体(400)に対して真空圧(198)を加えることと、1つ以上のピンチ機構(200、202)を用いて、前記第1マンドレル表面(132)及び/又は前記第2マンドレル表面(152)に対して前記複合材積層体(400)を機械的にクランプすることと、のうちの少なくとも一方を含む、付記C2に記載の方法。
C4.前記第2マンドレル表面(152)から前記複合材積層体(400)を剥離させる前記ステップは、前記第2マンドレル表面(152)に形成されるとともに正の空圧源(222)に流体接続された複数の開口(192)に空気を送り込むことを含む、付記C1~C3のいずれか1つに記載の方法。
C5.前記複合材積層体(400)を成形する前記ステップは、前記複合材積層体(400)に接触するように上側成形ダイ(352)を下方に並進させて、前記隙間(166)に前記複合材積層体(400)を押し込むことを含む、付記C1~C4のいずれか1つに記載の方法。
C6.前記複合材積層体(400)を成形する前記ステップは、前記複合材積層体(400)に対して前記上側成形ダイ(352)を並進させる前に、前記第1マンドレル(130)と前記第2マンドレル(150)との間の前記隙間(166)に下側成形ダイ(362)を移動させることと、前記下側成形ダイ(362)を用いて、前記上側成形ダイ(352)により加えられる成形圧に対して前記複合材積層体(400)を支持することと、をさらに含む、付記C5に記載の方法。
C7.成形ステーション(428)と、レイアップステーション(424)及びトリミングステーション(426)のうちの少なくとも一方とを含む複数のステーション間で前記複合材積層体(400)を移送することと、前記複合材積層体(400)の移送の際、前記複合材積層体(400)と前記複数のステーションの位置合わせを維持することと、をさらに含む、C1~C6のいずれか1つに記載の方法。
C8.ステーション間で前記複合材積層体(400)を移送するステップ、及び、前記複合材積層体(400)と前記複数のステーションの位置合わせを維持するステップは、それぞれ前記複数のステーションを相互接続するとともに、これらのステーションに沿って延びる複数の長手方向レール(432)において、前記第1マンドレル(130)及び前記第2マンドレル(150)を支持している状態で、前記複数のステーション間で前記第1マンドレル(130)及び前記第2マンドレル(150)を並進させること、及び、前記ステーション間で前記第1マンドレル(130)及び前記第2マンドレル(150)を並進させているときに、前記第1マンドレル(130)及び前記第2マンドレル(150)のうちの少なくとも一方において前記複合材積層体(400)を固定位置に維持すること、を含む、付記C7に記載の方法。
C9.ステーション間で前記複合材積層体(400)を移送する前記ステップ、及び、前記複合材積層体(400)と前記複数のステーションの位置合わせを維持する前記ステップは、それぞれ上側クランプ機構(450)及び下側クランプ機構(480)のうちの少なくとも一方を用いて、前記開位置(164)にある前記第1マンドレル(130)と前記第2マンドレル(150)との間の前記隙間(166)を跨ぐ前記複合材積層体(400)の一部に対する係合を行うこと、及び、前記移送の際、各ステーションにおいて前記第1マンドレル(130)及び前記第2マンドレル(150)が固定された状態で、前記複合材積層体(400)と前記複数のステーションの位置合わせを維持すること、を含む、付記C7又はC8に記載の方法。
C10.上側成形ダイ(352)として構成された前記上側クランプ機構(450)を用いて、前記複合材積層体(400)を成形するための前記成形ステーション(428)において前記隙間(166)に前記複合材積層体(400)を押し込むことと、下側成形ダイ(362)として構成された前記下側クランプ機構(480)を用いて、前記成形ステーション(428)において、前記上側成形ダイ(352)によって加えられる成形圧に対して前記複合材積層体(400)を支持することと、をさらに含む、付記C9に記載の方法。
C11.前記複合材積層体(400)に係合して、前記複合材積層体(400)と前記複数のステーションとの位置合わせを維持することは、前記複合材積層体(400)の上側に枢動可能に配置可能な複数の上側クランプモジュール(452)と、前記第1マンドレル(130)及び前記第2マンドレル(150)の下側に配置された下側クランプ部材(484)との間に前記複合材積層体(400)をクランプすることを含む、付記C9又はC10に記載の方法。
C12.ステーション間で前記複合材積層体(400)を移送する前記ステップは、前記複合材積層体(400)の移送の際、各ステーションにおいて第1マンドレル(130)及び前記第2マンドレル(150)の上方に前記複合材積層体(400)を浮かせるために、各ステーションにおいて前記第1マンドレル(130)及び前記第2マンドレル表面(152)における複数の開口(192)に空気を送り込むことを含む、付記C9~C11のいずれか1つに記載の方法。
C13.前記複合材積層体(400)に対する係合を行うこと、及び、前記複合材積層体(400)と前記複数のステーションとの位置合わせを維持することは、前記下側クランプ機構(480)における複数の開口(192)に真空圧(198)を加えることにより、前記複数のステーション間で前記複合材積層体(400)を移送するための前記下側クランプ機構(480)に前記複合材積層体(400)を固定することを含む、付記C1~C12のいずれか1つに記載の方法。
C14.前記複合材積層体(400)のレイアップ、トリミング、及び、成形のうちの少なくともいずれか1つの実行の際、前記第1マンドレル(130)と前記第2マンドレル(150)の位置揃えを維持することをさらに含む、付記C1~C13のいずれか1つに記載の方法。
C15.前記複合材積層体(400)を配置する前記ステップは、積層ヘッド(300)を用いて、前記連続マンドレル表面(162)上にレイアップ材料(310)を塗布することを含む、付記C1~C13のいずれかに記載の方法。
C16.前記複合材積層体をトリミングする前記ステップは、超音波カッター、レーザーカッター、及び、機械式ブレードのうちの少なくとも1つを用いて前記複合材積層体(400)をトリミングすることを含む、付記C1~C13のいずれか1つに記載の方法。
当業者には、本開示に対するさらなる改変及び改良が明らかであろう。したがって、本明細書において説明及び図示した部品の特定の組み合わせは、本開示の、ある実施形態のみを表すことを意図しており、本開示の思想及び範囲内の代替の実施形態又は装置を限定することを意図したものではない。