JP7440768B2 - 高炉用焼成ペレット及び高炉用焼成ペレットの製造方法 - Google Patents

高炉用焼成ペレット及び高炉用焼成ペレットの製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、高炉用焼成ペレット及び高炉用焼成ペレットの製造方法に関し、詳しくは、高炉内での融着開始温度が高く、かつ被還元性に優れた高炉用焼成ペレット及びその製造方法に関する。
高炉用焼成ペレット(以下、「焼成ペレット」又は「ペレット」という場合がある)は、選鉱処理により高品位化された鉄鉱石を原料として製造されるため、焼結鉱と比較して鉄分が高く、高炉スラグ低減に有効な高炉装入物である。
ところが、焼成ペレットは、一般に焼結鉱と比較して融着開始温度(高炉内融着帯上面の温度に相当)が低く、高温領域での被還元性に劣る。そのため、高炉でペレット使用量を増やすと高炉内に形成される融着帯が肥大し、炉内通気性が悪化して、炉況変動を招いてしまう。また、それに伴って通気を確保しようとすると、結果的にコークス比の増加をもたらしてしまう。
ペレットが高炉内で還元される際には、ペレットの外周部から還元が進み、還元過程で緻密な金属鉄殻が形成されて、還元ガスのペレット内部への拡散が阻害されることから、特に、還元後半(高温領域)において還元速度が著しく低下すると考えられる。
このようなペレットの被還元性については、ペレット粒径を小さくすることで向上させることもできる(非特許文献1参照)。ところが、ペレットの粒径を小さくすると炉内充填層の通気性が低下してしまうことから(非特許文献2参照)、融着帯での通気性も悪化してしまい、これがペレットの融着開始温度を低下させてしまうおそれがある。
そこで、ペレットを成分の異なる芯部とこれを覆う外周部とで構成される二層構造にして、芯部では鉄鉱石粉に加えてMgOを含有させて鉄の固相焼結を抑制し、また、外周部ではCaO/SiO(塩基度)が所定の値以上になるようにしてスラグの融点を高めて、金属鉄粒子間にスラグ粒子が入り込むようにして鉄の焼結を防止して、ペレットの被還元性を高める方法が知られている(特許文献1参照)。
また、還元過程でペレット内に亀裂が生成して、発生した粉が高炉の生産性を悪化させる還元粉化を防止するのを目的とするものであるが、上記と同様に、ペレットを成分の異なる芯部と外周部との二層構造にして、芯部に比べて外周部の塩基度(CaO/SiO2)をある程度低くして、還元粉化に対して強い塩基度組成によりペレットの外周部を構成する方法が知られている(特許文献2参照)。
一方で、結晶粒子径が20μm以下のような微細な鉄鉱石粉(カラジャス鉄鉱石)を用いて、これを含んだ混合原料粉末を焼成することで、気孔率が20%以上の気孔連通組織からなる表層部と、気孔率が20%未満の気孔閉塞組織からなる中心部とを備えた二層構造のペレットを得ることが開示されている(特許文献3参照)。このようなペレットは、高い気孔率を有する表層部の存在により被還元性が向上すると共に、中心部の存在により圧潰強度を高めて経時劣化を抑えることができる。
上記の特許文献3において、表層部に気孔が偏在するペレットが形成される理由は、原料鉱石が20μm以下の微細なヘマタイト結晶粒の集合組織で構成されるからであり、加熱された鉱石組織が軟化融着する際に、それぞれの粒界で個々に分断され、分断された結晶粒が再結合するときに生じた空隙が多数の微細気孔となってペレット内部に残存し、更に昇温が進むと、温度がより高い表層部から融液が生じ始めて、表面張力によりその融液がペレット内部に入り込むためとしている。つまり、融液部分が抜けた表層部は海綿状組織となるのに対して、中心部は緻密な構造を有するペレットが得られるようになる。
特開平2-80521号公報 特開平2-80522号公報 特開2012-126947号公報
嶋村ら、鉄と鋼,Vol.56(1970)p1594 小野田ら、鉄と鋼,Vol.62(1976)S2
焼成ペレットの使用にあたっては、高炉の高効率安定操業を維持するために、ペレットの融着開始温度をできるだけ高くすると共に、その被還元性を向上させることが求められている。上述したように、高炉内でのペレットの還元は、その外周部から進むことから、なかでも先の特許文献3のように、ペレットの外周部の気孔率を高くして、中心部の気孔率を低くすることは、ペレットの被還元性を向上させる点で効果的であると言える。
しかしながら、ペレットの融着開始温度と被還元性の面で両立を図るためには、ペレットの外周部と中心部の大きさ(厚み)のバランスであったり、それぞれの気孔率を調整することが必要であるところ、特許文献3に係るペレットの製造方法では、これに十分に対応するのが難しい。
そこで、本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、粒度の異なる鉄鉱石粉を用いながら、二段階に亘る造粒工程を経て生ペレットを得ることで、焼成後のペレットの外周部と中心部の大きさを容易に制御することができると共に、それらの気孔率の制御が可能になることを見出した。そして、外周部と中心部の大きさやそれぞれの気孔率の最適化を図ることで、融着開始温度を高めながら、被還元性の向上したペレットが得られるようになることから、本発明を完成させた。
したがって、本発明の目的は、ペレットの融着開始温度がより高く、しかも被還元性に優れた高炉用焼成ペレットを提供することにある。
また、本発明の別の目的は、中心部と外周部の二層構造を有するペレットの外周部と中心部の大きさや、それらの気孔率の制御が可能であって、融着開始温度を高めながら、被還元性の向上したペレットを得ることができる高炉用焼成ペレットの製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)鉄鉱石粉を含んだ混合原料粉末を焼成して得た高炉用焼成ペレットであって、中心部と外周部との二層構造を有しており、前記中心部の外径が8~11mmであり、前記外周部の外径が前記中心部を含めて11~13mmであり、前記中心部の気孔率が20~25%であり、前記外周部の気孔率が30~35%であることを特徴とする高炉用焼成ペレット。
(2)前記中心部の化学成分と前記外周部の化学成分とが実質的に同じものからなる、(1)に記載の高炉用焼成ペレット。
(3)鉄鉱石粉を含んだ混合原料粉末を焼成して高炉用焼成ペレットを製造する方法であって、ブレーン指数が2000~3000cm/gの鉄鉱石粉を含んだ混合原料粉末を、転動造粒型の造粒機を用いて造粒する1次造粒工程と、ブレーン指数が500~1500cm/gの鉄鉱石粉を含んだ混合原料粉末を、転動造粒型の造粒機を用いて造粒する2次造粒工程とを有して生ペレットを成形し、得られた生ペレットを焼成することを特徴とする高炉用焼成ペレットの製造方法。
(4)前記1次造粒工程で用いる混合原料粉末の化学成分と前記2次造粒工程で用いる混合原料粉末の化学成分とが同じである、(3)に記載の高炉用焼成ペレットの製造方法。
本発明によれば、中心部と外周部との二層構造を有した焼成ペレットの外周部と中心部の大きさやそれぞれの気孔率の制御を容易に行うことができて、融着開始温度を高めながら、被還元性の向上したペレットが得られるようになる。このような焼成ペレットであれば、その使用量を増やしたとしても高効率で安定な高炉操業の維持が可能になる。
図1は、本発明の高炉用焼成ペレットを説明するための模式図である。 図2は、二段階に亘る本発明の造粒工程について説明するための模式図である。 図3は、実験例で使用した鉄鉱石粉A、Bの粒度分布を示すものである。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明の高炉用焼成ペレットは、鉄鉱石粉を含んだ混合原料粉末を焼成して得たものであり、中心部と外周部との二層構造を有して、中心部の外径は8~11mmであり、外周部の外径は中心部を含めた大きさで11~13mmである。また、中心部の気孔率は20~25%であり、外周部の気孔率は30~35%である。
図1には、本発明の高炉用焼成ペレットの模式図が示されている。このうち、中心部と外周部の大きさについて、中心部は、その外径(粒径)が8~11mm、好ましくは9~10mmである。後述する実施例の結果からも分かるように、中心部の外径が8mm未満であると焼成ペレットを得た際の融着開始温度の向上効果が十分に得られないおそれがあり、反対に中心部の外径が11mmを超えると、融着開始温度は上昇する一方で、被還元性は低下してしまう。
また、外周部については、中心部を含めた大きさで、その外径(粒径)が11~13mm、好ましくは11.5~12.5mmである。外周部の外径が11mm未満であると、焼成ペレットして高炉内に充填したときの通気性が悪化してしまう。反対に、外周部の外径が13mmを超えると被還元性が低下してしまうことに加えて、融着開始温度の低い外周部の領域が相対的に増えることで、焼成ペレットとしての融着開始温度が低下してしまうおそれがある。なお、従来公知の焼成ペレットは、その外径(粒径)が10~15mm程度であるのが一般的である。
これらの外径(粒径)は篩分け法で計測することができ、篩分けで求めた質量基準の積算分布の中央値、すなわち累積50%径(メジアン径)を表す。このうち、中心部については、下記の製造方法において述べるように、1次造粒工程でサンプリングした造粒物(1次造粒物)について、生ペレットを焼成して焼成ペレットを得る際の条件と同じ焼成条件(本焼成条件)で焼成して得たものを篩分け法で計測した値である。また、外周部については、2次造粒工程でサンプリングした造粒物(2次造粒物、すなわち生ペレット)を本焼成条件で焼成して得たもの(すなわち焼成ペレット)を上記と同様に篩分け法で計測した値である。
一方の気孔率について、中心部は気孔率が20~25%、好ましくは21~23%である。中心部の気孔率が20%未満であると、生ペレットを焼成して焼成ペレットにする際の焼結に伴う収縮が大きくなり、中心部と外周部の間に亀裂が生じて、焼成ペレットとしての強度が低下するおそれがある。反対に中心部の気孔率が25%を超えると、中心部での気孔率が高くなり過ぎて、融着開始温度の向上効果が十分に得られないおそれがある。
また、外周部の気孔率は30~35%、好ましくは32~34%である。外周部の気孔率が30%未満であると被還元性の向上効果が十分に得られないおそれがある。反対に外周部の気孔率が35%を超えると、焼成ペレットしての強度が低下してしまうおそれがある。
これらの気孔率(気孔率P)は、焼成ペレットの真密度ρと見掛密度ρを計測して、以下の式(1)から算出することができる。
P=(1-ρ/ρ)×100 ・・・(1)
このうち、見掛密度ρは水浸漬法により測定することができる。詳しくはJIS K2151:2004(コークス類-試験方法)に規定される「7.2 見掛け密度試験方法」により求められる。また、真密度ρについては、測定対象のペレットを45μm以下に粉砕後、エタノールピクノメーター法又はヘリウムガス置換法により測定することができる。詳しくは、JIS M8717:2017(鉄鉱石-密度試験方法)の規定に従う。なお、中心部の気孔率は、1次造粒工程でサンプリングした造粒物(1次造粒物)を本焼成条件で焼成したものを用いて測定する。また、外周部の気孔率を求める際には、2次造粒工程で使用する原料(混合原料粉末)のみを用いて2次造粒工程で造粒する生ペレットサイズに造粒したものを本焼成条件で焼成して測定する。
このように、比較的低いながらも所定の気孔率を有する中心部の存在により収縮変形を抑制することができ、比較的高い気孔率を有する外周部の存在により被還元性の向上が可能となって、従来のものより融着開始温度が高く、かつ被還元性に優れた高炉用焼成ペレットとすることができる。この融着開始温度が高くなる理由については、中心部の気孔率を低くすることで物理的な強度が高くなり、ペレット粒子全体として収縮変形しにくくなるためと考えられる。
本発明の高炉用焼成ペレットについて、これを得る方法は特に制限されないが、好適には、以下の方法により製造することができる。
先ず、一般に、高炉用焼成ペレットを得るにあたっては、鉄鉱石粉を含んだ混合原料粉末を所定の割合に配合する原料配合工程と、混合原料粉末を粉砕する原料粉砕工程と、混合原料粉末を所定の形状の生ペレットに造粒する造粒工程と、生ペレットを焼成して焼成ペレットを得る焼成工程とに大別することができる。このうち、混合原料粉末を構成する原料を粉砕した後に、これらを所定の割合に配合するようにして、原料粉砕工程に次いで原料配合工程を行うようにしてもよい。本発明では、後述する点を除いて、これらと同様にすることができる。
本発明では、鉄鉱石粉を含んだ混合原料粉末を所定の形状の生ペレットに造粒する造粒工程について、ブレーン指数が2000~3000cm/g、好ましくは2300~2800cm/gの鉄鉱石粉を含んだ混合原料粉末を用いて、転動造粒型の造粒機で造粒する1次造粒工程と、ブレーン指数が500~1500cm/g、好ましくは700~1200cm/gの鉄鉱石粉を含んだ混合原料粉末を用いて、転動造粒型の造粒機で造粒する2次造粒工程とを有するようにする。すなわち、比較的ブレーン指数が大きい(粒径が小さい)鉄鉱石粉を混合原料粉末に配合して1次造粒工程を行い、次いで、比較的ブレーン指数が小さい(粒径が大きい)鉄鉱石粉を混合原料粉末に配合して2次造粒工程を行うようにして、二段階に亘る造粒工程を経ることで生ペレットを得るようにする。
このうち、1次造粒工程で用いる鉄鉱石粉のブレーン指数が2000cm/g未満であると、鉱石粒子間に充填される微粉量が少なくなり、1次造粒物に対応する焼成ペレット中心部の気孔率が高くなり過ぎてしまう。反対に、1次造粒工程で用いる鉄鉱石粉のブレーン指数が3000cm/gを超えると、微粉が多くなりすぎ、焼成時の焼結に伴う収縮が大きくなるため、中心部と外周部との間に亀裂が生じ、強度が低下してしまう。一方で、2次造粒工程で用いる鉄鉱石粉のブレーン指数が500cm/g未満であると、鉱石粒度が粗すぎて造粒が困難になってしまう。反対に、2次造粒工程で用いる鉄鉱石粉の1500cm/gを超えると、鉱石粒子間に充填される微粉量が増えて、2次造粒物(すなわち生ペレット)に対応する焼成ペレット外周部の気孔率が低下してしまう。なお、ブレーン指数とはJIS R5201;2015に規定のブレーン空気透過装置で測定されるものであって、粉体の比表面積を表す。ペレット製造プロセスにおいて、ブレーン指数は鉱石粒度の管理指標として用いられており、この値が高いほどより微粉になっていることを意味する。
このような二段階に亘る造粒工程について、図2を用いながら説明すると次のとおりである。
先ず、1次造粒工程では、ブレーン指数が2000~3000cm/gの鉄鉱石粉を含んだ1次造粒用の混合原料粉末3を用いて、転動造粒型の1次造粒機4で焼成ペレットの中心部となる1次造粒物を製造する。その際、1次造粒機4で得られた造粒物は1次スクリーン装置5で篩分けされ、焼成工程での収縮を考慮して、所定の大きさを満たす造粒物(篩上)を1次造粒物6aとして2次造粒機8へ送られる。一方、所定の大きさに満たない造粒物6b(篩下)は1次造粒機4に戻して、1次造粒物6aに成長するまで循環させる。
次に、2次造粒工程では、ブレーン指数が500~1500cm/gの鉄鉱石粉を含んだ2次造粒用の混合原料粉末7を用いて、転動造粒型の2次造粒機8で造粒するが、この2次造粒機8には、1次造粒機4で製造された1次造粒物6aが併せて供給される。つまり、1次造粒物6aが焼成ペレットの中心部を形成し、2次造粒用混合原料粉末7が焼成ペレットの外周部を形成して、2層構造を有する2次造粒物(すなわち生ペレット)を得るようにする。その際、1次造粒工程と同様、2次造粒機8で得られた造粒物は2次スクリーン装置9で篩分けされ、焼成工程での収縮を考慮して、所定の大きさを満たす造粒物(篩上)を2次造粒物10a(すなわち生ペレット)として、焼成工程における焼成炉へと送られる。一方で、所定の大きさに満たない造粒物10b(篩下)は2次造粒機8に戻して、2次造粒物10aに成長するまで循環させる。
これらの造粒工程で製造する各造粒物の粒径については、焼成工程による収縮の程度が混合原料粉末の配合や焼成条件等によっても変わるため一概に特定するのは難しいが、例えば、焼成により粒径が2%程度収縮するとすれば、1次造粒物としての粒径は8.2~11.2mm程度を目途にすればよい。また、2次造粒物(すなわち生ペレット)としての粒径は11.2~13.2mm程度を目途とすればよい。焼成後のペレットの粒径を確認しながら、適宜、各造粒物の粒径を調整することもできる。
また、これらの造粒工程で用いる造粒機としては、圧縮造粒機や押出造粒機では二層構造のペレットの製造が困難であること、また、それぞれ所定のブレーン指数を有した鉄鉱石粉を用いることで所望の気孔率を得ることができることなどから、1次、2次ともに転動造粒型の造粒機を用いる。このような転動造粒型の造粒機としては特に制限はなく、例えば、パンペレタイザーやドラムペレタイザー等を使用することができる。
これらの造粒工程で使用する混合原料粉末については、1次造粒用、2次造粒用ともに、それぞれ所定のブレーン指数を有した鉄鉱石粉を含んだものであればよい。このうち、鉄鉱石粉については、例えば粒度分布の異なるものを使用するなどして、ブレーン指数を制御すればよく、それぞれ同一銘柄の鉄鉱石粉を用いてもよく、別銘柄のものを用いるようにしてもよい。
また、各造粒工程で使用する混合原料粉末には、所定の鉄鉱石粉のほか、石灰石やドロマイトのような副原料やベントナイトのようなバインダー等を含めることができる。これらの副原料等については、それぞれ90%以上が100μm以下となるように、各原料ごとに又は副原料でまとめて、ボールミル等で粉砕したものを用いるようにしてもよい。なお、各造粒工程で用いる混合原料粉末は、それぞれ造粒に適した水分量となるように調湿することができる。
本発明においては、各造粒工程で用いる鉄鉱石粉のブレーン指数の制御により、二層構造を有する焼成ペレットの中心部と外周部の大きさ(厚み)やその気孔率を調整することから、各造粒工程における混合原料粉末は、鉄鉱石粉の粒径が異なる点を除いて、それぞれが同じ成分となるようにすることができる。
これには、一の原料配合工程で製造された混合原料粉末を一次造粒用および二次造粒用に分割し、それぞれを所望の粒度に粉砕する原料粉砕工程を設けることで実現できる。あるいは、混合原料粉末を構成する原料を粉砕する原料粉砕工程の後に、これらを所定の割合に配合する原料配合工程を設けてもよい。前者では、中心部と外周部とで成分調整を分ける必要がなく工程管理が簡素化されるので好ましい。これらにより、得られる焼成ペレットは、中心部の化学成分と外周部の化学成分とが原料配合に際する操業変動誤差の範囲で実質的に同じものになる。
このように二段階に亘る造粒工程を経て得られた生ペレットは、トラベリンググレート式やグレートキルン式等の焼成炉を用いて、1200℃~1350℃で焼成することができる。得られた焼成ペレットは、比較的気孔率の低い中心部によって収縮変形が抑制され、比較的気孔率の高い外周部によって被還元性の向上が可能となり、従来より融着開始温度が高く、被還元性に優れた焼成ペレットにすることができる。
以下、実施例に基づき本発明を説明する。なお、本発明はこれらの内容に制限されるものではない。
(実験例)
鉱石原料である鉄鉱石粉としてブラジル産ヘマタイト鉄鉱石を使用し、副原料として石灰石及びドロマイトを使用し、バインダーとしてベントナイトを使用して、表1に示す成分となる高炉用焼成ペレットの製造実験を行った。
Figure 0007440768000001
この製造実験では、鉱石原料である上記の鉄鉱石粉を事前にボールミルで粉砕して、ブレーン指数が2330cm/gである鉄鉱石粉Aとブレーン指数が770cm/gである鉄鉱石粉Bとを用意し、これらを用いて混合原料粉末A、Bを準備した。混合原料粉末Aは、鉱石原料としての鉄鉱石粉Aを92.0質量%、石灰石を1.8質量%、ドロマイトを5.5質量%、及びベントナイトを0.7質量%配合したものである。混合原料粉末Bは、鉱石原料として鉄鉱石粉Bを92.0質量%配合した以外は混合原料粉末Aと全く同じである。つまり、混合原料粉末AとBでは、その成分にばらつきが生じないようにした。
ここで、鉄鉱石粉のブレーン指数は、JIS R5201:2015に規定のブレーン空気透過装置で測定したものである。また、図3には、鉄鉱石粉A、Bについて、それぞれレーザー回折散乱法により測定した粒度分布が示されている。ブレーン指数が2330cm/gの鉄鉱石粉Aはメジアン径(体積基準の累積頻度が50%になる粒子径D50)が13.0μmであり、ブレーン指数が770cm/gの鉄鉱石粉Bはメジアン径(同粒子径D50)が33.4μmであって、鉄鉱石粉Aは鉄鉱石粉Bに比べて微粉が多く、より幅の広い粒度分布を有している。なお、石灰石、ドロマイト、及びベントナイトは、いずれも粒度が100μm以下のものを使用した。
この製造実験では、生ペレットを製造するにあたり、先の図2で説明したように、1次と2次の二段階に亘る造粒工程を原則とし、1次造粒工程では、1次造粒機としてパンペレタイザーを使用し、混合原料粉末を適宜加水しながら造粒して、所定の粒径の1次造粒物を得た。また、2次造粒工程でも同様に、2次造粒機としてパンペレタイザーを使用し、混合原料粉末を適宜加水しながら造粒して、所定の粒径の2次造粒物(生ペレット)を得るようにした。
詳しくは、表2の各実験No.で示したとおりであり、1次、2次の造粒工程で使用する混合原料粉末をAとBで使い分けした。また、各造粒工程で得られる1次、2次の造粒物の外径については、1次、2次のスクリーン装置の篩目を変えて、いくつか変化させた。ここで、表2に示した各造粒物の外径(粒径)は篩分け法で計測したものであり、篩分けで求めた質量基準の積算分布の中央値、すなわち累積50%径(メジアン径)を表す。また、得られた2次造粒物(生ペレット)の水分量は、いずれも7~8質量%となるようにした。なお、実験No.1及び2では、それぞれ1種類の混合原料粉末を使用して1度の造粒(1次造粒工程のみ)により、生ペレットを得るようにした。
Figure 0007440768000002
各実験No.において得られた生ペレットは、焼成炉を用いて1250℃で30分焼成する本焼成条件の焼成により、焼成ペレットとした。得られた焼成ペレットは、先の図1で示したように、中心部1と外周部2とを備えた二層構造を有しており、それぞれの大きさ(厚み)と気孔率は以下のようにして求めた。
先ず、中心部1の大きさについては、1次造粒工程でサンプリングした1次造粒物を上記と同じ本焼成条件により焼成して、先の1次造粒物の外径(粒径)の場合と同様に篩分け法で計測して質量基準の累積50%径(メジアン径)を求めた。また、外周部2の大きさは、2次造粒工程でサンプリングした2次造粒物(生ペレット)を上記と同じ本焼成条件で焼成して、やはり篩分け法で計測して質量基準の累積50%径(メジアン径)を求めた。なお、外周部の外径は中心部を含めた値である。
一方、気孔率は、先の式(1)で表される気孔率Pを示し、焼成ペレットの真密度ρと見掛密度ρを計測して求めたものである。このうち、見掛密度ρは、JIS K2151:2004(コークス類-試験方法)に規定される「7.2 見掛け密度試験方法」に従って水浸漬法により測定した。また、真密度ρについては、JIS M8717:2017(鉄鉱石-密度試験方法)の規定に従い、測定対象のペレットを45μm以下に粉砕した後、エタノールピクノメーター法により測定した。ここで、中心部1の気孔率は、1次造粒工程でサンプリングした1次造粒物を先に述べた本焼成条件により焼成した上で、上記のとおりに測定した。また、外周部の気孔率については、2次造粒工程で使用する混合原料粉末のみを用いて2次造粒工程で造粒する生ペレットサイズにしたものを本焼成条件で焼成して(例えば実験No.3では混合原料粉末Bを用いて粒径13.2mmの生ペレットを得て本焼成条件で焼成して)測定した。
更には、得られた焼成ペレットの融着開始温度と被還元性について評価した。これらの評価にあたっては、参考文献1〔細谷ら、鉄と鋼,Vol.83(1997)pp.97-102〕に記載された荷重軟化試験装置を用いて行った。この試験装置はタンマン電気炉を上下2段に配置してそれらをフランジで連結したものであり、下部炉をガス予熱に使用して、高温に予熱されたガスを上部還元炉に導入できるようにしている。そこで、各実験No.で得られた焼成ペレットを荷重軟化試験装置の上部還元炉(内径85mm)に層厚70mmとなるように装入して、さらにその焼成ペレットの上部と下部にコークスを層厚20mmで装入して、荷重軟化試験を実施した。還元ガス組成、昇温速度、荷重は参考文献1と同じ実験条件とした。すなわち、ガスは800℃まではNガス(100vol%)、800℃以降は還元ガス(CO 29.4vol%-H 3.6vol%-N 67.0vol%)を流量34NL/min一定で流通させた。昇温速度は1000℃までは10℃/min、1000℃以降は5℃/minとした。荷重は800℃以降で90kPa一定とした。ここで、試験中にペレット充填層が収縮し、還元ガスの通気性が悪化して、圧力損失が1.96kPaに到達した時点の温度を融着開始温度とした。また、この融着開始温度に到達した時点の還元率(融着時還元率)は、排ガスの濃度分析値から還元反応により減少した酸素量を算出し、還元率を求めて、この融着時還元率をもとに被還元性を評価した。結果を表2に示す。
実験No.1~5は焼成ペレット外周部の外径(粒径)を一定にして中心部の外径を変化させたものである。
このうち、実験No.1及び2は従来の典型的な製造条件に基づいて、造粒工程を1段階のみで生ペレットを製造したものである。これらは二層構造を有するものではないが、実験No.2では、実験No.1に比べて混合原料粉末中の鉄鉱石粉のブレーン指数が小さく、ペレット全体で気孔率が上昇している。その結果、実験No.2では、実験No.1と比較して融着開始温度が大きく低下し、また、それにより融着時還元率も低下している。
実験No.3は、造粒工程を1次造粒と2次造粒の2段階としているが、焼成ペレット中心部の外径が8mm未満である。その結果、実験No.1と比べて融着時還元率はほぼ同等であったが、融着開始温度はかえって低い値を示した。
それに対して、実験No.4及び5は焼成ペレット中心部の外径がそれぞれ8.0mm、11.0mmであり、実験No.1と比べて融着開始温度、融着時還元率がともに向上した。
また、実験No.6~8は焼成ペレット中心部の外径(粒径)を一定にして外周部の外径を変化させたものである。
このうち、実験No.6は焼成ペレット外周部の外径が11mm未満であり、実験No.8は焼成ペレット外周部の外径が13mmを超えるものであり、いずれも実験No.1と比較して融着開始温度が低下している。
それに対して、実験No.7は焼成ペレット外周部の外径が11.0mmであり、実験No.1と比べて融着開始温度、融着時還元率がともに向上した。
以上の結果から分かるように、本発明によれば、中心部と外周部との二層構造を有した焼成ペレットの外周部と中心部の大きさやそれぞれの気孔率の制御を容易に行うことができるようになる。そして、これらの外周部や中心部の大きさや気孔率の最適化を図ることで、融着開始温度を高めながら、被還元性の向上した焼成ペレットを得ることができるようになる。
1:中心部、2:外周部、3:1次造粒用混合原料粉末、4:1次造粒機、5:1次スクリーン装置、6a:1次造粒物、6b:篩下造粒物、7:2次造粒用混合原料粉末、8:2次造粒機、9:2次スクリーン装置、10a:2次造粒物(生ペレット)、10b:篩下造粒物。

Claims (4)

  1. 鉄鉱石粉を含んだ混合原料粉末を焼成して得た高炉用焼成ペレットであって、中心部と外周部との二層構造を有しており、前記中心部の外径が8~11mmであり、前記外周部の外径が前記中心部を含めて11~13mmであり、前記中心部の気孔率が20~25%であり、前記外周部の気孔率が30~35%であることを特徴とする高炉用焼成ペレット。
  2. 前記中心部の化学成分と前記外周部の化学成分とが実質的に同じものからなる、請求項1に記載の高炉用焼成ペレット。
  3. 鉄鉱石粉を含んだ混合原料粉末を焼成して高炉用焼成ペレットを製造する方法であって、ブレーン指数が2000~3000cm/gの鉄鉱石粉を含んだ混合原料粉末を、転動造粒型の造粒機を用いて造粒する1次造粒工程と、ブレーン指数が500~1500cm/gの鉄鉱石粉を含んだ混合原料粉末を、転動造粒型の造粒機を用いて造粒する2次造粒工程とを有して生ペレットを成形し、得られた生ペレットを焼成することを特徴とする高炉用焼成ペレットの製造方法。
  4. 前記1次造粒工程で用いる混合原料粉末の化学成分と前記2次造粒工程で用いる混合原料粉末の化学成分とが同じである、請求項3に記載の高炉用焼成ペレットの製造方法。
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