(本開示の基礎となった知見)
特許文献1における歩行パラメータの計測には、シート式圧力センサ又は3次元動作解析システムが利用される。シート式圧力センサは、歩行時の圧力分布を計測し、圧力分布から歩行パラメータを計測する。3次元動作解析システムは、足に装着されたマーカを撮影した画像情報を複数のビデオカメラから取得し、画像情報から動作を分析することにより歩行パラメータを計測する。このようなシート式圧力センサ又は3次元動作解析システムの設置には、大きな手間がかかる。そのため、特許文献1は、簡単に老年障害リスクを評価することが困難である。
また、特許文献1における歩行パラメータとしては、ケーデンス、ストライド、歩行比、歩幅、歩隔、歩行角度、つま先角度、ストライド左右差、歩隔左右差、歩行角度左右差及び両脚支持期左右差から選ばれる2以上が使用される。歩行角度は、左右一方の踵から他方の踵を結んだ直線が進行方向となす角度である。つま先角度は、踵とつま先とを結ぶ直線が、進行方向となす角度である。また、特許文献1では、少なくとも、膝痛、腰痛、尿失禁、認知症及びサルコペニアから選ばれる老年障害の老年障害リスクが評価される。しかしながら、特許文献1では、上記以外の歩行パラメータを用いて老年障害リスクを評価することについては開示されておらず、他の歩行パラメータを用いることで、さらに老年障害リスクの評価精度が向上する可能性がある。
特許文献2における演算部は、周波数スペクトルの積分値、歩幅又は一歩の時間から健常者(NC:Normal Controls)、軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)及びアルツハイマー型認知症(AD:Alzheimer’s Disease)のいずれであるかを特定している。しかしながら、特許文献2では、上記以外のパラメータを用いて認知機能の程度を評価することについては開示されておらず、他の歩行パラメータを用いることで、さらに認知機能の評価精度が向上する可能性がある。
以上の課題を解決するために、本開示の一態様に係る認知機能評価方法は、被験者の歩行動作に基づいて認知機能を評価する認知機能評価装置における認知機能評価方法であって、前記被験者の歩行に関する歩行データを取得し、前記歩行データから、前記被験者の一方の足の足首関節の角度及び前記一方の足の膝関節の角度の少なくとも1つを検出し、前記足首関節の前記角度及び前記膝関節の前記角度の少なくとも1つを用いて前記被験者の認知機能の程度を判定する。
この構成によれば、歩行している被験者の一方の足の足首関節の角度及び一方の足の膝関節の角度の少なくとも1つは、被験者の認知機能の程度に相関があるパラメータとして用いられている。認知機能が低下している被験者の歩行動作は、認知機能が低下していない被験者の歩行動作とは異なる傾向がある。このように、歩行中の被験者の認知機能の程度に相関があるパラメータを用いて被験者の認知機能の程度が判定されるので、高い精度で被験者の認知機能を評価することができる。
また、歩行している被験者の一方の足の足首関節の角度及び一方の足の膝関節の角度の少なくとも1つは、例えば、歩行している被験者を撮像することで得られる画像データから簡単に検出することが可能であるので、大がかりな装置も不要である。そのため、本構成では、簡単に被験者の認知機能を評価することができる。
また、上記の認知機能評価方法において、前記検出において、前記一方の足の遊脚期の所定期間における前記足首関節の前記角度の時系列データを検出し、前記判定において、前記足首関節の前記角度の前記時系列データの平均値を用いて前記被験者の認知機能の程度を判定してもよい。
歩行している被験者の一方の足の遊脚期の所定期間における足首関節の角度は、認知機能が低下している被験者と、認知機能が低下していない被験者とで顕著な差異がある。そのため、この構成によれば、歩行している被験者の一方の足の遊脚期の所定期間における足首関節の角度の時系列データの平均値を用いることによって、確実に被験者の認知機能を評価することができる。
また、上記の認知機能評価方法において、前記被験者の一方の足が地面に着いてから再度一方の足が地面に着くまでの期間が1歩行周期として表され、前記1歩行周期が1%~100%で表されるとき、前記所定期間は、前記1歩行周期の81%~100%の期間であってもよい。
この構成によれば、被験者の一方の足が地面に着いてから再度一方の足が地面に着くまでの期間が1歩行周期として表され、1歩行周期が1%~100%で表される。このとき、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値を用いることによって、確実に被験者の認知機能を評価することができる。
また、上記の認知機能評価方法において、前記所定期間は、前記1歩行周期の85%~88%の期間であってもよい。
この構成によれば、1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値を用いることによって、より確実に被験者の認知機能を評価することができる。
また、上記の認知機能評価方法において、前記検出において、前記一方の足の立脚期の第1期間における前記足首関節の第1角度の時系列データと、前記一方の足の遊脚期の第2期間における前記足首関節の第2角度の時系列データとを検出し、前記判定において、前記足首関節の前記第1角度の前記時系列データの平均値と、前記足首関節の前記第2角度の前記時系列データの平均値とを用いて前記被験者の認知機能の程度を判定してもよい。
この構成によれば、一方の足の立脚期の第1期間における足首関節の第1角度の時系列データの平均値と、一方の足の遊脚期の第2期間における足首関節の第2角度の時系列データの平均値とを組み合わせて用いることによって、それぞれを単独で用いるよりも高い精度で認知機能を評価することができる。
また、上記の認知機能評価方法において、前記被験者の一方の足が地面に着いてから再度一方の足が地面に着くまでの期間が1歩行周期として表され、前記1歩行周期が1%~100%で表されるとき、前記第1期間は、前記1歩行周期の45%~50%の期間であり、前記第2期間は、前記1歩行周期の85%~88%の期間であってもよい。
この構成によれば、被験者の一方の足が地面に着いてから再度一方の足が地面に着くまでの期間が1歩行周期として表され、1歩行周期が1%~100%で表される。このとき、1歩行周期の45%~50%の第1期間における一方の足の足首関節の第1角度の時系列データの平均値と、1歩行周期の85%~88%の第2期間における一方の足の足首関節の第2角度の時系列データの平均値とを用いることによって、確実に被験者の認知機能を評価することができる。
また、上記の認知機能評価方法において、前記検出において、前記一方の足の立脚期の所定期間における前記膝関節の前記角度の時系列データを検出し、前記判定において、前記膝関節の前記角度の前記時系列データの平均値を用いて前記被験者の認知機能の程度を判定してもよい。
一方の足の立脚期の所定期間における膝関節の角度は、認知機能が低下している被験者と、認知機能が低下していない被験者とで顕著な差異がある。そのため、この構成によれば、歩行している被験者の一方の足の立脚期の所定期間における膝関節の角度の時系列データの平均値を用いることによって、確実に被験者の認知機能を評価することができる。
また、上記の認知機能評価方法において、前記被験者の一方の足が地面に着いてから再度一方の足が地面に着くまでの期間が1歩行周期として表され、前記1歩行周期が1%~100%で表されるとき、前記所定期間は、前記1歩行周期の41%~50%の期間であってもよい。
この構成によれば、被験者の一方の足が地面に着いてから再度一方の足が地面に着くまでの期間が1歩行周期として表され、1歩行周期が1%~100%で表される。このとき、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値を用いることによって、確実に被験者の認知機能を評価することができる。
また、上記の認知機能評価方法において、前記検出において、前記一方の足の立脚期の第1期間における前記膝関節の前記角度の時系列データと、前記一方の足の遊脚期の第2期間における前記足首関節の前記角度の時系列データとを検出し、前記判定において、前記膝関節の前記角度の前記時系列データの平均値と、前記足首関節の前記角度の前記時系列データの平均値とを用いて前記被験者の認知機能の程度を判定してもよい。
この構成によれば、一方の足の立脚期の第1期間における膝関節の角度の時系列データと、一方の足の遊脚期の第2期間における足首関節の角度の時系列データとが検出される。膝関節の角度の時系列データの平均値と、足首関節の角度の時系列データの平均値とを用いて被験者の認知機能の程度が判定される。
したがって、一方の足の立脚期の第1期間における膝関節の角度の時系列データの平均値と、一方の足の遊脚期の第2期間における足首関節の角度の時系列データの平均値とを組み合わせて用いることによって、それぞれを単独で用いるよりも高い精度で認知機能を評価することができる。
また、上記の認知機能評価方法において、前記被験者の一方の足が地面に着いてから再度一方の足が地面に着くまでの期間が1歩行周期として表され、前記1歩行周期が1%~100%で表されるとき、前記第1期間は、前記1歩行周期の41%~50%の期間であり、前記第2期間は、前記1歩行周期の81%~100%の期間であってもよい。
この構成によれば、被験者の一方の足が地面に着いてから再度一方の足が地面に着くまでの期間が1歩行周期として表され、1歩行周期が1%~100%で表される。このとき、1歩行周期の41%~50%の第1期間における一方の足の膝関節の第1角度の時系列データの平均値と、1歩行周期の81%~100%の第2期間における一方の足の足首関節の第2角度の時系列データの平均値とを用いることによって、確実に被験者の認知機能を評価することができる。
また、上記の認知機能評価方法において、さらに、前記歩行データから、前記被験者の腰の鉛直方向の変位を検出し、前記判定において、前記足首関節の前記角度及び前記膝関節の前記角度の少なくとも1つと、前記腰の鉛直方向の前記変位とを用いて前記被験者の認知機能の程度を判定してもよい。
この構成によれば、足首関節の角度及び膝関節の角度の少なくとも1つと、腰の鉛直方向の変位とを組み合わせて用いることによって、腰の鉛直方向の変位のみを単独で用いるよりも高い精度で認知機能を評価することができる。
また、上記の認知機能評価方法において、さらに、前記被験者の性別を認識し、前記被験者が男性であると認識された場合、前記検出において、前記一方の足の立脚期の初期における前記足首関節の前記角度の時系列データを検出し、前記判定において、前記足首関節の前記角度の前記時系列データの平均値を用いて前記被験者の認知機能の程度を判定してもよい。
被験者が男性である場合、歩行している被験者の一方の足の立脚期の初期における足首関節の角度は、認知機能が低下している被験者と、認知機能が低下していない被験者とで顕著な差異がある。そのため、この構成によれば、歩行している被験者の一方の足の立脚期の初期における足首関節の角度の時系列データの平均値を用いることによって、確実に男性の被験者の認知機能を評価することができる。
また、上記の認知機能評価方法において、さらに、前記被験者の性別を認識し、前記被験者が男性であると認識された場合、前記検出において、前記一方の足の遊脚期における前記膝関節の前記角度の時系列データを検出し、前記判定において、前記膝関節の前記角度の前記時系列データの平均値を用いて前記被験者の認知機能の程度を判定してもよい。
被験者が男性である場合、歩行している被験者の一方の足の遊脚期における膝関節の角度は、認知機能が低下している被験者と、認知機能が低下していない被験者とで顕著な差異がある。そのため、この構成によれば、歩行している被験者の一方の足の遊脚期における膝関節の角度の時系列データの平均値を用いることによって、確実に男性の被験者の認知機能を評価することができる。
また、上記の認知機能評価方法において、前記判定において、前記足首関節の前記角度が閾値より小さい場合又は前記膝関節の前記角度が閾値より小さい場合、前記被験者が軽度認知障害であると判定してもよい。
この構成によれば、足首関節の前記角度が閾値より小さい場合又は膝関節の角度が閾値より小さい場合、被験者が軽度認知障害であると判定される。したがって、足首関節の角度又は膝関節の角度が閾値と比較されることによって、簡単に被験者が軽度認知障害であるか否かを判定することができる。
また、上記の認知機能評価方法において、前記判定において、前記足首関節の前記角度及び前記膝関節の前記角度の少なくとも1つを入力値とし、前記被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルに、検出された前記足首関節の前記角度及び前記膝関節の前記角度の少なくとも1つを入力することで前記被験者が軽度認知障害であるか否かを判定してもよい。
この構成によれば、予測モデルは、足首関節の角度及び膝関節の角度の少なくとも1つを入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成される。そして、予測モデルに、検出された足首関節の角度及び膝関節の角度の少なくとも1つが入力されることで、被験者が軽度認知障害であるか否かが判定される。したがって、予め予測モデルが記憶されていることによって、簡単に被験者が軽度認知障害であるか否かを判定することができる。
本開示の他の態様に係る認知機能評価装置は、被験者の歩行動作に基づいて認知機能を評価する認知機能評価装置であって、前記被験者の歩行に関する歩行データを取得する取得部と、前記歩行データから、前記被験者の一方の足の足首関節の角度及び前記一方の足の膝関節の角度の少なくとも1つを検出する検出部と、前記足首関節の前記角度及び前記膝関節の前記角度の少なくとも1つを用いて前記被験者の認知機能の程度を判定する判定部と、を備える。
この構成によれば、歩行している被験者の一方の足の足首関節の角度及び一方の足の膝関節の角度の少なくとも1つは、被験者の認知機能の程度に相関があるパラメータとして用いられている。認知機能が低下している被験者の歩行動作は、認知機能が低下していない被験者の歩行動作とは異なる傾向がある。このように、歩行中の被験者の認知機能の程度に相関があるパラメータを用いて被験者の認知機能の程度が判定されるので、高い精度で被験者の認知機能を評価することができる。
また、歩行している被験者の一方の足の足首関節の角度及び一方の足の膝関節の角度の少なくとも1つは、例えば、歩行している被験者を撮像することで得られる画像データから簡単に検出することが可能であるので、大がかりな装置も不要である。そのため、本構成では、簡単に被験者の認知機能を評価することができる。
本開示の他の態様に係る認知機能評価プログラムは、被験者の歩行動作に基づいて認知機能を評価する認知機能評価プログラムであって、前記被験者の歩行に関する歩行データを取得し、前記歩行データから、前記被験者の一方の足の足首関節の角度及び前記一方の足の膝関節の角度の少なくとも1つを検出し、前記足首関節の前記角度及び前記膝関節の前記角度の少なくとも1つを用いて前記被験者の認知機能の程度を判定するようにコンピュータを機能させる。
この構成によれば、歩行している被験者の一方の足の足首関節の角度及び一方の足の膝関節の角度の少なくとも1つは、被験者の認知機能の程度に相関があるパラメータとして用いられている。認知機能が低下している被験者の歩行動作は、認知機能が低下していない被験者の歩行動作とは異なる傾向がある。このように、歩行中の被験者の認知機能の程度に相関があるパラメータを用いて被験者の認知機能の程度が判定されるので、高い精度で被験者の認知機能を評価することができる。
また、歩行している被験者の一方の足の足首関節の角度及び一方の足の膝関節の角度の少なくとも1つは、例えば、歩行している被験者を撮像することで得られる画像データから簡単に検出することが可能であるので、大がかりな装置も不要である。そのため、本構成では、簡単に被験者の認知機能を評価することができる。
以下添付図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本開示を具体化した一例であって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
(実施の形態)
以下、図1に基づいて本実施の形態に係る認知機能評価システムを説明する。
図1は、本開示の実施の形態における認知機能評価システムの構成を示すブロック図である。
図1に示す認知機能評価システムは、認知機能評価装置1、カメラ2及び表示部3を備える。
カメラ2は、歩行する被験者を撮像する。カメラ2は、歩行する被験者を示す動画像データを認知機能評価装置1へ出力する。カメラ2は、有線又は無線により認知機能評価装置1と接続されている。
認知機能評価装置1は、プロセッサ11及びメモリ12を備える。
プロセッサ11は、例えば、CPU(中央演算処理装置)であり、データ取得部111、歩行パラメータ検出部112、認知機能判定部113及び評価結果提示部114を備える。
メモリ12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリ等の各種情報を記憶可能な記憶装置である。
データ取得部111は、被験者の歩行に関する歩行データを取得する。歩行データは、例えば、歩行している被験者を撮像することにより得られた動画像データである。データ取得部111は、カメラ2によって出力された動画像データを取得する。
歩行パラメータ検出部112は、データ取得部111によって取得された動画像データから被験者の骨格を示す骨格データを抽出する。骨格データは、被験者の関節等を示す複数の特徴点の座標と、各特徴点を繋ぐ直線とで表される。歩行パラメータ検出部112は、2次元画像データから人の特徴点の座標を検出するソフトウエア(例えば、OpenPose又は3D-pose-baseline)を利用してもよい。
ここで、2次元画像データから骨格データを抽出する処理について説明する。
図2は、本実施の形態において、2次元画像データから骨格データを抽出する処理について説明するための図である。
歩行パラメータ検出部112は、歩いている被験者200の画像を含む2次元画像データ20から骨格データ21を抽出する。骨格データ21は、頭を示す特徴点201、両肩の中央を示す特徴点202、右肩を示す特徴点203、右肘を示す特徴点204、右手を示す特徴点205、左肩を示す特徴点206、左肘を示す特徴点207、左手を示す特徴点208、腰を示す特徴点209、右股関節を示す特徴点210、右膝関節を示す特徴点211、右足首関節を示す特徴点212、右つま先を示す特徴点213、左股関節を示す特徴点214、左膝関節を示す特徴点215、左足首関節を示す特徴点216、及び左つま先を示す特徴点217を含む。
動画像データは、複数の2次元画像データで構成される。歩行パラメータ検出部112は、動画像データを構成する複数の2次元画像データのそれぞれから時系列の骨格データを抽出する。なお、歩行パラメータ検出部112は、全フレームの2次元画像データから骨格データを抽出してもよいし、所定フレーム毎の2次元画像データから骨格データを抽出してもよい。また、本実施の形態では、歩行中の被験者の主に下肢の動きに基づいて認知機能の程度が評価される。そのため、歩行パラメータ検出部112は、被験者の下肢の骨格データのみを抽出してもよい。
また、歩行パラメータ検出部112は、動画像データから抽出した時系列の骨格データから被験者の1歩行周期に対応する骨格データを切り出す。人の歩行動作は、周期的な動作である。
ここで、被験者の歩行周期について説明する。
図3は、本実施の形態における歩行周期について説明するための図である。
図3に示すように、被験者の一方の足が地面に着いてから再度一方の足が地面に着くまでの期間が1歩行周期として表される。図3に示す1歩行周期は、被験者の右足が地面に着いてから再度右足が地面に着くまでの期間である。また、1歩行周期は1%~100%に正規化される。1歩行周期の1%~60%の期間は、一方の足(例えば右足)が地面に着いている立脚期と呼ばれ、1歩行周期の61%~100%の期間は、一方の足(例えば右足)が地面から離れている遊脚期と呼ばれる。1歩行周期は、立脚期と遊脚期とを含む。なお、1歩行周期は、被験者の左足が地面に着いてから再度左足が地面に着くまでの期間であってもよい。
歩行パラメータ検出部112は、歩行データから、被験者の一方の足の足首関節の角度及び一方の足の膝関節の角度の少なくとも1つを検出する。
本実施の形態において、歩行パラメータ検出部112は、歩行データから、被験者の一方の足の足首関節の角度を検出する。歩行パラメータ検出部112は、切り出した1歩行周期に対応する時系列の骨格データから、被験者の一方の足の足首関節の角度を検出する。図2に示すように、足首関節の角度θは、矢状面において、右足首関節を示す特徴点212と右膝関節を示す特徴点211とを結ぶ直線と、右足首関節を示す特徴点212と右つま先を示す特徴点213とを結ぶ直線とがなす角度である。
特に、歩行パラメータ検出部112は、一方の足の遊脚期の所定期間における足首関節の角度の時系列データを検出する。より具体的には、所定期間は、1歩行周期の81%~100%の期間である。また、所定期間は、1歩行周期の85%~88%の期間であってもよい。歩行パラメータ検出部112は、一方の足の遊脚期の所定期間における足首関節の角度の時系列データの平均値を歩行パラメータとして算出する。
なお、本実施の形態では、1歩行周期は、被験者の右足が地面に着いてから再度右足が地面に着くまでの期間であるので、歩行パラメータ検出部112は、右足の足首関節の角度θを検出している。1歩行周期が、被験者の左足が地面に着いてから再度左足が地面に着くまでの期間である場合、歩行パラメータ検出部112は、左足の足首関節の角度θを検出してもよい。
また、被験者の一方の足の膝関節の角度の検出については、本実施の形態の変形例において説明する。
認知機能判定部113は、足首関節の角度及び膝関節の角度の少なくとも1つを用いて被験者の認知機能の程度を判定する。
本実施の形態において、認知機能判定部113は、足首関節の角度を用いて被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、足首関節の角度を入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルに、歩行パラメータ検出部112によって検出された足首関節の角度を入力することで被験者が軽度認知障害であるか否かを判定する。
なお、膝関節の角度を用いた被験者の認知機能の程度の判定については、本実施の形態の変形例において説明する。
メモリ12は、足首関節の角度を入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の足首関節の角度の時系列データを説明変数とする回帰モデルである。予測モデルは、被験者が軽度認知障害であることを示す値(例えば、1)と、被験者が軽度認知障害ではないことを示す値(例えば、0)とのいずれかを出力する。
特に、認知機能判定部113は、一方の足の遊脚期の所定期間における足首関節の角度の時系列データの平均値を用いて被験者の認知機能の程度を判定する。より具体的には、認知機能判定部113は、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値を用いて被験者の認知機能の程度を判定する。また、認知機能判定部113は、1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値を用いて被験者の認知機能の程度を判定してもよい。
なお、予測モデルは、機械学習により生成されてもよい。機械学習としては、例えば、入力情報に対してラベル(出力情報)が付与された教師データを用いて入力と出力との関係を学習する教師あり学習、ラベルのない入力のみからデータの構造を構築する教師なし学習、ラベルありとラベルなしとのどちらも扱う半教師あり学習、報酬を最大化する行動を試行錯誤により学習する強化学習などが挙げられる。また、機械学習の具体的な手法としては、ニューラルネットワーク(多層のニューラルネットワークを用いた深層学習を含む)、遺伝的プログラミング、決定木、ベイジアン・ネットワーク、又はサポート・ベクター・マシン(SVM)などが存在する。本開示の機械学習においては、以上で挙げた具体例のいずれかを用いればよい。
また、予測モデルは、認知機能の程度を示す値を出力してもよい。認知機能の程度を示す値は、例えば、0.0~1.0で表される。その場合は、例えば、認知機能判定部113は、認知機能の程度を示す値が0.5以下である場合は軽度認知障害ではないと判定し、認知機能の程度を示す値が0.5より大きい場合は軽度認知障害である可能性が高いと判定してもよい。
評価結果提示部114は、認知機能判定部113によって判定された認知機能の程度の評価結果を提示する。評価結果提示部114は、認知機能判定部113によって判定された評価結果を表示部3へ出力する。評価結果は、認知機能判定部113によって判定された被験者が軽度認知障害であるか否かを示す情報及び評価メッセージの少なくとも1つである。
表示部3は、評価結果提示部114から出力された評価結果を表示する。表示部3は、例えば、液晶表示パネル又は発光素子である。
なお、表示部3は、今回判定された認知機能の程度を示す値と過去の認知機能の程度を示す値とを比較するために、認知機能の程度を示す値の推移をグラフで表示してもよい。なお、過去の認知機能の程度を示す値は、メモリ12に記憶されており、メモリ12から読み出される。
なお、認知機能評価装置1は、カメラ2及び表示部3を備えてもよい。また、認知機能評価装置1は、表示部3を備えてもよい。認知機能評価装置1は、パーソナルコンピュータ又はサーバであってもよい。
次に、図4を用いて、本実施の形態における認知機能評価処理を説明する。
図4は、本実施の形態において、被験者の歩行動作を利用した認知機能評価処理を説明するためのフローチャートである。図4に示すフローチャートは、認知機能評価装置1を用いた、認知機能の程度の評価の手順を示している。
被験者は、カメラ2の前を歩行する。カメラ2は、歩行している被験者を撮像する。カメラ2は、被験者が歩行している動画像データを認知機能評価装置1へ送信する。
まず、ステップS1において、データ取得部111は、カメラ2によって送信された動画像データを取得する。
次に、ステップS2において、歩行パラメータ検出部112は、動画像データから時系列の骨格データを抽出する。
次に、ステップS3において、歩行パラメータ検出部112は、時系列の骨格データから、認知機能の程度を判定するための歩行パラメータを検出する。ここで、本実施の形態における歩行パラメータは、1歩行周期の所定期間における被験者の一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値である。所定期間は、例えば、1歩行周期の81%~100%の期間である。なお、歩行パラメータの決定方法については後述する。
次に、ステップS4において、認知機能判定部113は、歩行パラメータを用いて被験者の認知機能の程度を判定する認知機能判定処理を実行する。なお、認知機能判定処理については後述する。
次に、ステップS5において、評価結果提示部114は、認知機能判定部113によって判定された認知機能の程度の評価結果を表示部3に出力する。認知機能の程度の評価結果は、被験者が軽度認知障害であるか否かを示す。なお、評価結果提示部114は、認知機能の程度だけでなく、認知機能の程度に対応付けられた評価メッセージを表示部3に出力してもよい。表示部3は、評価結果提示部114から出力された認知機能の程度の評価結果を表示する。
ここで、図4のステップS4における認知機能判定処理について説明する。
図5は、図4のステップS4における認知機能判定処理について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS11において、認知機能判定部113は、メモリ12から予測モデルを読み出す。
次に、ステップS12において、認知機能判定部113は、歩行パラメータ検出部112によって検出された歩行パラメータを予測モデルに入力する。本実施の形態における歩行パラメータは、1歩行周期の81%~100%の期間における被験者の一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値である。認知機能判定部113は、1歩行周期の81%~100%の期間における被験者の一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値を予測モデルに入力する。
次に、ステップS13において、認知機能判定部113は、認知機能の程度の判定結果を予測モデルから取得する。認知機能判定部113は、被験者が軽度認知障害であるか否かを判定結果として予測モデルから取得する。
なお、本実施の形態の認知機能判定処理では、予め生成された予測モデルに歩行パラメータを入力することにより、認知機能の程度を判定しているが、本開示は特にこれに限定されない。本実施の形態の認知機能判定処理の他の例では、予め記憶されている閾値と歩行パラメータとを比較することにより、認知機能の程度を判定してもよい。
この場合、メモリ12は、被験者が軽度認知障害であるか否かを判定するための閾値を予め記憶する。
また、認知機能判定部113は、足首関節の角度が閾値より小さい場合、被験者が軽度認知障害であると判定する。本実施の形態では、認知機能判定部113は、1歩行周期の81%~100%の期間における被験者の一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値が閾値より小さいか否かを判断する。認知機能判定部113は、1歩行周期の81%~100%の期間における被験者の一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値が閾値より小さい場合、被験者が軽度認知障害であると判定する。一方、認知機能判定部113は、1歩行周期の81%~100%の期間における被験者の一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値が閾値以上である場合、被験者が軽度認知障害ではない、すなわち被験者が健常者であると判定する。
図6は、図4のステップS4における認知機能判定処理の他の例について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS21において、認知機能判定部113は、メモリ12から閾値を読み出す。
次に、ステップS22において、認知機能判定部113は、歩行パラメータ検出部112によって検出された歩行パラメータが閾値より小さいか否かを判断する。本実施の形態における歩行パラメータは、1歩行周期の81%~100%の期間における被験者の一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値である。認知機能判定部113は、1歩行周期の81%~100%の期間における被験者の一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値が閾値より小さいか否かを判断する。
ここで、歩行パラメータが閾値より小さいと判断された場合(ステップS22でYES)、ステップS23において、認知機能判定部113は、被験者が軽度認知障害であると判定する。
一方、歩行パラメータが閾値以上であると判断された場合(ステップS22でNO)、ステップS24において、認知機能判定部113は、被験者が軽度認知障害ではない、すなわち被験者が健常者であると判定する。
このように、本実施の形態では、歩行している被験者の一方の足の足首関節の角度は、被験者の認知機能の程度に相関があるパラメータである。認知機能が低下している被験者の歩行動作は、認知機能が低下していない被験者の歩行動作とは異なる傾向がある。そのため、歩行中の被験者の認知機能の程度に相関があるパラメータを用いて被験者の認知機能の程度が判定されるので、高い精度で被験者の認知機能を評価することができる。
また、歩行している被験者の一方の足の足首関節の角度は、例えば、歩行している被験者を撮像することで得られる画像データから簡単に検出することが可能であるので、大がかりな装置も不要である。そのため、本構成では、簡単に被験者の認知機能を評価することができる。
なお、認知機能判定部113は、遊脚期の被験者の一方の足の足首関節の角度の最大値と最小値との差分が閾値より小さいか否かを判断してもよい。認知機能判定部113は、遊脚期の被験者の一方の足の足首関節の角度の最大値と最小値との差分が閾値より小さい場合、被験者が軽度認知障害であると判定してもよい。一方、認知機能判定部113は、遊脚期の被験者の一方の足の足首関節の角度の最大値と最小値との差分が閾値以上である場合、被験者が軽度認知障害ではない、すなわち被験者が健常者であると判定してもよい。
本実施の形態における歩行パラメータ及び予測モデルは、実験により決定される。以下、本実施の形態における歩行パラメータ及び予測モデルの決定方法について説明する。
実験に参加した被験者の総数は92人であった。男性の被験者は27人であり、女性の被験者は65人であった。被験者に対しては、認知症スクリーニング検査であるミニメンタルステート検査(MMSE:Mini Mental State Examination)が行われた。MMSEのスコアが27点~30点の被験者は健常者であると判定され、MMSEのスコアが22点~26点の被験者は軽度認知障害の疑いがあると判定された。本実験では、軽度認知障害の疑いがある患者を、軽度認知障害の患者と見なした。MMSEの結果、被験者のうち、軽度認知障害の患者は10人であり、健常者は82人であった。軽度認知障害の患者のうち、男性の患者は4人であり、女性の患者は6人であった。実験では、被験者らは、カメラの前で歩行を行った。歩行する被験者らがカメラで撮像され、動画像データから各被験者の骨格データが抽出された。そして、抽出された骨格データから各被験者の一方の足首関節の角度の時系列データが検出された。
図7は、本実施の形態において、1歩行周期における一方の足首関節の角度の変化を示す図である。図7において、縦軸は足首関節の角度を示し、横軸は正規化した1歩行周期を示す。また、図7において、破線は、健常者らの一方の足首関節の角度の平均波形を示し、実線は、軽度認知障害の患者らの一方の足首関節の角度の平均波形を示す。
実験では、正規化した1歩行周期を10区間に分割し、1区間又は2以上の連続する区間における一方の足首関節の角度の平均値を被験者毎に算出した。そして、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1区間又は2以上の連続する区間における一方の足首関節の角度の平均値を説明変数とする複数の予測モデルを作成した。複数の予測モデルは、交差検証により評価された。交差検証としては、leave-one-out交差検証が採用された。そして、複数の予測モデルそれぞれのROC(Receiver Operating Characteristic)曲線が算出された。さらに、複数の予測モデルそれぞれのROC曲線のAUC(Area Under Curve)値が算出され、最もAUC値が高い予測モデルが選択された。
本実施の形態では、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値を説明変数として作成された予測モデルのAUC値が最も高かった。
図8は、本実施の形態における予測モデルを用いて健常者及び軽度認知障害を判定した結果得られたROC曲線を示す図である。
本実施の形態における予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値を説明変数として作成された。図8において、縦軸は真陽性率(True Positive Rate)を示し、横軸は偽陽性率(False Positive Rate)を示す。真陽性率は、予測モデルが軽度認知障害の患者を軽度認知障害であると正しく判定した割合を示し、偽陽性率は、予測モデルが健常者を軽度認知障害であると誤って判定した割合を示す。
図8に示すROC曲線は、1歩行周期の81%~100%の期間における足首関節の角度の平均値を説明変数として作成された予測モデルの真陽性率と偽陽性率とをプロットしたものである。図8に示すROC曲線のAUC値は、0.660であった。AUC値は、ROC曲線の下部分の面積である。AUC値が大きいほど(1に近づくほど)、性能が高い予測モデルであると言える。この場合、1歩行周期の81%~100%の期間における足首関節の角度の平均値が、歩行パラメータとして決定される。また、1歩行周期の81%~100%の期間における足首関節の角度の平均値を説明変数として作成された予測モデルが、認知機能判定部113が用いる予測モデルとして決定される。
メモリ12は、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値を入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データを検出する。認知機能判定部113は、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値を予測モデルに入力することにより、被験者が軽度認知障害であるか否かを示す判定結果を予測モデルから取得する。
また、図7に示す1歩行周期の81%~100%の期間において、軽度認知障害の患者らの一方の足の足首関節の角度の時系列データは、健常者らの一方の足の足首関節の角度の時系列データよりも小さくなっている。そのため、実験により得られた、軽度認知障害の患者らの1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値の平均と、健常者らの1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値の平均との間の値が、閾値としてメモリ12に記憶されてもよい。認知機能判定部113は、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値と、予め記憶されている閾値とを比較することにより、認知機能の程度を判定してもよい。
なお、本実施の形態では、歩行パラメータは、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値であるが、本開示は特にこれに限定されない。以下、本実施の形態の歩行パラメータの種々の例について説明する。
まず、本実施の形態の第1の変形例における歩行パラメータについて説明する。
本実施の形態の第1の変形例における歩行パラメータは、1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値であってもよい。
図9は、本実施の形態の第1の変形例において、1歩行周期における一方の足首関節の角度の変化を示す図である。図9において、縦軸は足首関節の角度を示し、横軸は正規化した1歩行周期を示す。また、図9において、破線は、健常者らの一方の足首関節の角度の平均波形を示し、実線は、軽度認知障害の患者らの一方の足首関節の角度の平均波形を示す。
本実施の形態の第1の変形例では、上記の実験と同様に、複数の被験者それぞれの一方の足首関節の角度の時系列データを検出した。また、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足首関節の角度の平均値を説明変数とする予測モデルが作成された。予測モデルは、交差検証により評価された。交差検証としては、leave-one-out交差検証が採用された。そして、予測モデルのROC曲線が算出された。さらに、予測モデルのROC曲線のAUC値が算出された。
図10は、本実施の形態の第1の変形例における予測モデルを用いて健常者及び軽度認知障害を判定した結果得られたROC曲線を示す図である。
本実施の形態の第1の変形例における予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足首関節の角度の平均値を説明変数として作成された。図10において、縦軸は真陽性率を示し、横軸は偽陽性率を示す。真陽性率は、予測モデルが軽度認知障害の患者を軽度認知障害であると正しく判定した割合を示し、偽陽性率は、予測モデルが健常者を軽度認知障害であると誤って判定した割合を示す。
図10に示すROC曲線は、1歩行周期の85%~88%の期間における足首関節の角度の平均値を説明変数として作成された予測モデルの真陽性率と偽陽性率とをプロットしたものである。図10に示すROC曲線のAUC値は、0.6866であった。この場合、1歩行周期の85%~88%の期間における足首関節の角度の平均値が、歩行パラメータとして決定される。また、1歩行周期の85%~88%の期間における足首関節の角度の平均値を説明変数として作成された予測モデルが、認知機能判定部113が用いる予測モデルとして決定される。
メモリ12は、1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値を入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。
歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データを検出する。また、歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値を算出する。
認知機能判定部113は、1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値を用いて被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値を予測モデルに入力することにより、被験者が軽度認知障害であるか否かを示す判定結果を予測モデルから取得する。
図11は、本実施の形態の第1の変形例において、1歩行周期の85%~88%の期間における健常者らの一方の足首関節の角度の時系列データの平均値の平均と、1歩行周期の85%~88%の期間における軽度認知障害(MCI)の患者らの一方の足首関節の角度の時系列データの平均値の平均とを示す図である。
図11に示すように、1歩行周期の85%~88%の期間における健常者らの一方の足首関節の角度の時系列データの平均値の平均は、13.2度であり、1歩行周期の85%~88%の期間における軽度認知障害(MCI)の患者らの一方の足首関節の角度の時系列データの平均値の平均は、9.5度であった。
このように、1歩行周期の85%~88%の期間において、軽度認知障害の患者らの一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値の平均は、健常者らの一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値の平均よりも小さくなっている。そのため、実験により得られた、軽度認知障害の患者らの1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値の平均と、健常者らの1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値の平均との間の値が、閾値としてメモリ12に記憶されてもよい。認知機能判定部113は、1歩行周期の85%~88%の期間における被験者の一方の足首関節の角度の時系列データの平均値と、予め記憶されている閾値とを比較することにより、認知機能の程度を判定してもよい。
続いて、本実施の形態の第2の変形例における歩行パラメータについて説明する。
本実施の形態の第2の変形例における歩行パラメータは、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値であってもよい。
図12は、本実施の形態の第2の変形例において、1歩行周期における一方の膝関節の角度の変化を示す図である。図12において、縦軸は膝関節の角度を示し、横軸は正規化した1歩行周期を示す。また、図12において、破線は、健常者らの一方の膝関節の角度の平均波形を示し、実線は、軽度認知障害の患者らの一方の膝関節の角度の平均波形を示す。
本実施の形態の第2の変形例では、上記の実験と同様に、健常者及び軽度認知障害の患者を含む複数の被験者の骨格データから、複数の被験者それぞれの一方の膝関節の角度の時系列データを検出した。図2に示すように、膝関節の角度γは、矢状面において、右膝関節を示す特徴点211と右股関節を示す特徴点210とを結ぶ直線と、右膝関節を示す特徴点211と右足首関節を示す特徴点212とを結ぶ直線とがなす角度である。
実験では、正規化した1歩行周期を10区間に分割し、1区間又は2以上の連続する区間における一方の膝関節の角度の平均値を被験者毎に算出した。そして、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1区間又は2以上の連続する区間における一方の膝関節の角度の平均値を説明変数とする複数の予測モデルを作成した。複数の予測モデルは、交差検証により評価された。交差検証としては、leave-one-out交差検証が採用された。そして、複数の予測モデルそれぞれのROC曲線が算出された。さらに、複数の予測モデルそれぞれのROC曲線のAUC値が算出され、最もAUC値が高い予測モデルが選択された。
本実施の形態の第2の変形例では、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値を説明変数として作成された予測モデルのAUC値が最も高かった。
図13は、本実施の形態の第2の変形例における予測モデルを用いて健常者及び軽度認知障害を判定した結果得られたROC曲線を示す図である。
本実施の形態の第2の変形例における予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値を説明変数として作成された。図13において、縦軸は真陽性率を示し、横軸は偽陽性率を示す。真陽性率は、予測モデルが軽度認知障害の患者を軽度認知障害であると正しく判定した割合を示し、偽陽性率は、予測モデルが健常者を軽度認知障害であると誤って判定した割合を示す。
図13に示すROC曲線は、1歩行周期の41%~50%の期間における膝関節の角度の平均値を説明変数として作成された予測モデルの真陽性率と偽陽性率とをプロットしたものである。図13に示すROC曲線のAUC値は、0.682であった。この場合、1歩行周期の41%~50%の期間における膝関節の角度の平均値が、歩行パラメータとして決定される。また、1歩行周期の41%~50%の期間における膝関節の角度の平均値を説明変数として作成された予測モデルが、認知機能判定部113が用いる予測モデルとして決定される。
歩行パラメータ検出部112は、歩行データから、被験者の一方の足の膝関節の角度を検出する。歩行パラメータ検出部112は、切り出した1歩行周期に対応する時系列の骨格データから、被験者の一方の足の膝関節の角度を検出する。特に、歩行パラメータ検出部112は、一方の足の立脚期の所定期間における膝関節の角度の時系列データを検出する。より具体的には、所定期間は、1歩行周期の41%~50%の期間である。歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データを検出する。また、歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値を算出する。
なお、本実施の形態の第2の変形例では、1歩行周期は、被験者の右足が地面に着いてから再度右足が地面に着くまでの期間であるので、歩行パラメータ検出部112は、右足の膝関節の角度γを検出している。1歩行周期が、被験者の左足が地面に着いてから再度左足が地面に着くまでの期間である場合、歩行パラメータ検出部112は、左足の膝関節の角度γを検出してもよい。
認知機能判定部113は、膝関節の角度を用いて被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、膝関節の角度を入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルに、歩行パラメータ検出部112によって検出された膝関節の角度を入力することで被験者が軽度認知障害であるか否かを判定する。
メモリ12は、膝関節の角度を入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の膝関節の角度の時系列データを説明変数とする回帰モデルである。特に、メモリ12は、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値を入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。
また、認知機能判定部113は、一方の足の立脚期の所定期間における膝関節の角度の時系列データの平均値を用いて被験者の認知機能の程度を判定する。より具体的には、認知機能判定部113は、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値を用いて被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値を予測モデルに入力することにより、被験者が軽度認知障害であるか否かを示す判定結果を予測モデルから取得する。
また、図12に示す1歩行周期の41%~50%の期間において、軽度認知障害の患者らの一方の足の膝関節の角度の平均波形は、健常者らの一方の足の膝関節の角度の平均波形よりも小さくなっている。そのため、実験により得られた、軽度認知障害の患者らの1歩行周期の41%~50%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値の平均と、健常者らの1歩行周期の41%~50%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値の平均との間の値が、閾値としてメモリ12に記憶されてもよい。認知機能判定部113は、1歩行周期の41%~50%の期間における被験者の一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値と、予め記憶されている閾値とを比較することにより、認知機能の程度を判定してもよい。
続いて、本実施の形態の第3の変形例における歩行パラメータについて説明する。
本実施の形態の第3の変形例における歩行パラメータは、1歩行周期の45%~49%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値であってもよい。
図14は、本実施の形態の第3の変形例において、1歩行周期における一方の膝関節の角度の変化を示す図である。図14において、縦軸は膝関節の角度を示し、横軸は正規化した1歩行周期を示す。また、図14において、破線は、健常者らの一方の膝関節の角度の平均波形を示し、実線は、軽度認知障害の患者らの一方の膝関節の角度の平均波形を示す。
本実施の形態の第3の変形例では、上記の実験と同様に、複数の被験者それぞれの一方の膝関節の角度の時系列データを検出した。また、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の45%~49%の期間における一方の膝関節の角度の平均値を説明変数とする予測モデルが作成された。予測モデルは、交差検証により評価された。交差検証としては、leave-one-out交差検証が採用された。そして、予測モデルのROC曲線が算出された。さらに、予測モデルそれぞれのROC曲線のAUC値が算出された。
図15は、本実施の形態の第3の変形例における予測モデルを用いて健常者及び軽度認知障害を判定した結果得られたROC曲線を示す図である。
本実施の形態の第3の変形例における予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の45%~49%の期間における一方の膝関節の角度の平均値を説明変数として作成された。図15において、縦軸は真陽性率を示し、横軸は偽陽性率を示す。真陽性率は、予測モデルが軽度認知障害の患者を軽度認知障害であると正しく判定した割合を示し、偽陽性率は、予測モデルが健常者を軽度認知障害であると誤って判定した割合を示す。
図15に示すROC曲線は、1歩行周期の45%~49%の期間における膝関節の角度の平均値を説明変数として作成された予測モデルの真陽性率と偽陽性率とをプロットしたものである。図15に示すROC曲線のAUC値は、0.5829であった。この場合、1歩行周期の45%~49%の期間における膝関節の角度の平均値が、歩行パラメータとして決定される。また、1歩行周期の45%~49%の期間における膝関節の角度の平均値を説明変数として作成された予測モデルが、認知機能判定部113が用いる予測モデルとして決定される。
メモリ12は、1歩行周期の45%~49%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値を入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。
歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の45%~49%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データを検出する。また、歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の45%~49%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値を算出する。
認知機能判定部113は、1歩行周期の45%~49%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値を用いて被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、1歩行周期の45%~49%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値を予測モデルに入力することにより、被験者が軽度認知障害であるか否かを示す判定結果を予測モデルから取得する。
図16は、本実施の形態の第3の変形例において、1歩行周期の45%~49%の期間における健常者らの一方の膝関節の角度の時系列データの平均値の平均と、1歩行周期の45%~49%の期間における軽度認知障害(MCI)の患者らの一方の膝関節の角度の時系列データの平均値の平均とを示す図である。
図16に示すように、1歩行周期の45%~49%の期間における健常者らの一方の膝関節の角度の時系列データの平均値の平均は、27.9度であり、1歩行周期の45%~49%の期間における軽度認知障害(MCI)の患者らの一方の膝関節の角度の時系列データの平均値の平均は、23.1度であった。
このように、1歩行周期の45%~49%の期間において、軽度認知障害の患者らの一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値の平均は、健常者らの一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値の平均よりも小さくなっている。そのため、実験により得られた、軽度認知障害の患者らの1歩行周期の45%~49%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値の平均と、健常者らの1歩行周期の45%~49%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値の平均との間の値が、閾値としてメモリ12に記憶されてもよい。認知機能判定部113は、1歩行周期の45%~49%の期間における被験者の一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値と、予め記憶されている閾値とを比較することにより、認知機能の程度を判定してもよい。
続いて、本実施の形態の第4の変形例における歩行パラメータについて説明する。
本実施の形態の第4の変形例における歩行パラメータは、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値であってもよい。
図17は、本実施の形態の第4の変形例において、1歩行周期における腰の鉛直方向の変位を示す図である。図17において、縦軸は腰の鉛直方向の変位を示し、横軸は正規化した1歩行周期を示す。また、図17において、破線は、健常者らの腰の鉛直方向の変位の平均波形を示し、実線は、軽度認知障害の患者らの腰の鉛直方向の変位の平均波形を示す。
本実施の形態の第4の変形例では、上記の実験と同様に、健常者及び軽度認知障害の患者を含む複数の被験者の骨格データから、複数の被験者それぞれの腰の鉛直方向の変位の時系列データを検出した。図2に示すように、腰の鉛直方向の変位αは、腰を示す特徴点209の鉛直方向の変位である。
実験では、正規化した1歩行周期を10区間に分割し、1区間又は2以上の連続する区間における腰の鉛直方向の変位の平均値を被験者毎に算出した。そして、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1区間又は2以上の連続する区間における腰の鉛直方向の変位の平均値を説明変数とする複数の予測モデルを作成した。複数の予測モデルは、交差検証により評価された。交差検証としては、leave-one-out交差検証が採用された。そして、複数の予測モデルそれぞれのROC曲線が算出された。さらに、複数の予測モデルそれぞれのROC曲線のAUC値が算出され、最もAUC値が高い予測モデルが選択された。
本実施の形態の第4の変形例では、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値を説明変数として作成された予測モデルのAUC値が最も高かった。
図18は、本実施の形態の第4の変形例における予測モデルを用いて健常者及び軽度認知障害を判定した結果得られたROC曲線を示す図である。
本実施の形態の第4の変形例における予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値を説明変数として作成された。図18において、縦軸は真陽性率を示し、横軸は偽陽性率を示す。真陽性率は、予測モデルが軽度認知障害の患者を軽度認知障害であると正しく判定した割合を示し、偽陽性率は、予測モデルが健常者を軽度認知障害であると誤って判定した割合を示す。
図18に示すROC曲線は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値を説明変数として作成された予測モデルの真陽性率と偽陽性率とをプロットしたものである。図18に示すROC曲線のAUC値は、0.587であった。この場合、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値が、歩行パラメータとして決定される。また、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値を説明変数として作成された予測モデルが、認知機能判定部113が用いる予測モデルとして決定される。
歩行パラメータ検出部112は、歩行データから、被験者の腰の鉛直方向の変位を検出する。歩行パラメータ検出部112は、切り出した1歩行周期に対応する時系列の骨格データから、被験者の腰の鉛直方向の変位を検出する。特に、歩行パラメータ検出部112は、一方の足の立脚期の所定期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データを検出する。より具体的には、所定期間は、1歩行周期の21%~30%の期間である。歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データを検出する。また、歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値を算出する。
なお、本実施の形態の第4の変形例では、1歩行周期は、被験者の右足が地面に着いてから再度右足が地面に着くまでの期間であるので、歩行パラメータ検出部112は、右足が立脚期である際の腰の鉛直方向の変位αを検出している。1歩行周期が、被験者の左足が地面に着いてから再度左足が地面に着くまでの期間である場合、歩行パラメータ検出部112は、左足が立脚期である際の腰の鉛直方向の変位αを検出してもよい。
認知機能判定部113は、腰の鉛直方向の変位を用いて被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、腰の鉛直方向の変位を入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルに、歩行パラメータ検出部112によって検出された腰の鉛直方向の変位を入力することで被験者が軽度認知障害であるか否かを判定する。
メモリ12は、腰の鉛直方向の変位を入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データを説明変数とする回帰モデルである。特に、メモリ12は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値を入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。
また、認知機能判定部113は、一方の足の立脚期の所定期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値を用いて被験者の認知機能の程度を判定する。より具体的には、認知機能判定部113は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値を用いて被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値を予測モデルに入力することにより、被験者が軽度認知障害であるか否かを示す判定結果を予測モデルから取得する。
また、図17に示す1歩行周期の21%~30%の期間において、軽度認知障害の患者らの腰の鉛直方向の変位の平均波形は、健常者らの腰の鉛直方向の変位の平均波形よりも大きくなっている。そのため、実験により得られた、軽度認知障害の患者らの1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値の平均と、健常者らの1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値の平均との間の値が、閾値としてメモリ12に記憶されてもよい。認知機能判定部113は、1歩行周期の21%~30%の期間における被験者の腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、予め記憶されている閾値とを比較することにより、認知機能の程度を判定してもよい。
続いて、本実施の形態の第5の変形例における歩行パラメータについて説明する。
本実施の形態の第5の変形例における歩行パラメータは、一方の足の立脚期の第1期間における足首関節の第1角度の時系列データの平均値と、一方の足の遊脚期の第2期間における足首関節の第2角度の時系列データの平均値とであってもよい。
図19は、本実施の形態の第5の変形例において、1歩行周期における一方の足首関節の角度の変化を示す図である。図19において、縦軸は足首関節の角度を示し、横軸は正規化した1歩行周期を示す。また、図19において、破線は、健常者らの一方の足首関節の角度の平均波形を示し、実線は、軽度認知障害の患者らの一方の足首関節の角度の平均波形を示す。
本実施の形態の第5の変形例では、上記の実験と同様に、複数の被験者それぞれの一方の足首関節の角度の時系列データを検出した。また、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の45%~50%の期間における一方の足首関節の角度の平均値と、1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを説明変数とする予測モデルが作成された。予測モデルは、交差検証により評価された。交差検証としては、leave-one-out交差検証が採用された。そして、予測モデルのROC曲線が算出された。さらに、予測モデルのROC曲線のAUC値が算出された。
図20は、本実施の形態の第5の変形例における予測モデルを用いて健常者及び軽度認知障害を判定した結果得られたROC曲線を示す図である。
本実施の形態の第5の変形例における予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の45%~50%の期間における一方の足首関節の角度の平均値と、1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを説明変数として作成された。図20において、縦軸は真陽性率を示し、横軸は偽陽性率を示す。真陽性率は、予測モデルが軽度認知障害の患者を軽度認知障害であると正しく判定した割合を示し、偽陽性率は、予測モデルが健常者を軽度認知障害であると誤って判定した割合を示す。
図20に示すROC曲線は、1歩行周期の45%~50%の期間における一方の足首関節の角度の平均値と、1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを説明変数として作成された予測モデルの真陽性率と偽陽性率とをプロットしたものである。図20に示すROC曲線のAUC値は、0.7024であった。この場合、1歩行周期の45%~50%の期間における一方の足首関節の角度の平均値と、1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とが、歩行パラメータとして決定される。また、1歩行周期の45%~50%の期間における一方の足首関節の角度の平均値と、1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを説明変数として作成された予測モデルが、認知機能判定部113が用いる予測モデルとして決定される。
歩行パラメータ検出部112は、一方の足の立脚期の第1期間における足首関節の第1角度の時系列データと、一方の足の遊脚期の第2期間における足首関節の第2角度の時系列データとを検出する。第1期間は、1歩行周期の45%~50%の期間であり、第2期間は、1歩行周期の85%~88%の期間である。歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の45%~50%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データと、1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データとを検出する。また、歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の45%~50%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値と、1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値とを算出する。
認知機能判定部113は、足首関節の第1角度の時系列データの平均値と、第2角度の時系列データの平均値とを用いて被験者の認知機能の程度を判定する。
メモリ12は、一方の足の立脚期の第1期間における足首関節の第1角度の時系列データの平均値と、一方の足の遊脚期の第2期間における足首関節の第2角度の時系列データの平均値とを入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。メモリ12は、1歩行周期の45%~50%の期間における一方の足首関節の角度の平均値と、1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。
認知機能判定部113は、1歩行周期の45%~50%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値と、1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値とを用いて被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、1歩行周期の45%~50%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値と、1歩行周期の85%~88%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値とを予測モデルに入力することにより、被験者が軽度認知障害であるか否かを示す判定結果を予測モデルから取得する。
このように、1つの期間における足首関節の角度の平均値を単独で用いて作成した予測モデルのAUC値は、0.660であり、2つの期間における足首関節の角度の平均値を用いて作成した予測モデルのAUC値は、0.7024であった。したがって、1つの期間における足首関節の角度の平均値を単独で用いて作成した予測モデルよりも、2つの期間における足首関節の角度の平均値を用いて作成した予測モデルの方が精度よく認知機能の程度を判定することができる。
続いて、本実施の形態の第6の変形例における歩行パラメータについて説明する。
本実施の形態の第6の変形例における歩行パラメータは、一方の足の立脚期の第1期間における膝関節の角度の時系列データの平均値と、一方の足の遊脚期の第2期間における足首関節の角度の時系列データの平均値とであってもよい。
本実施の形態の第6の変形例では、上記の実験と同様に、複数の被験者それぞれの一方の膝関節の角度の時系列データと、複数の被験者それぞれの一方の足首関節の角度の時系列データとを検出した。また、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを説明変数とする予測モデルが作成された。予測モデルは、交差検証により評価された。交差検証としては、leave-one-out交差検証が採用された。そして、予測モデルのROC曲線が算出された。さらに、予測モデルのROC曲線のAUC値が算出された。
図21は、本実施の形態の第6の変形例における予測モデルを用いて健常者及び軽度認知障害を判定した結果得られたROC曲線を示す図である。
本実施の形態の第6の変形例における予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを説明変数として作成された。図21において、縦軸は真陽性率を示し、横軸は偽陽性率を示す。真陽性率は、予測モデルが軽度認知障害の患者を軽度認知障害であると正しく判定した割合を示し、偽陽性率は、予測モデルが健常者を軽度認知障害であると誤って判定した割合を示す。
図21に示すROC曲線は、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを説明変数として作成された予測モデルの真陽性率と偽陽性率とをプロットしたものである。図21に示すROC曲線のAUC値は、0.734であった。この場合、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とが、歩行パラメータとして決定される。また、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを説明変数として作成された予測モデルが、認知機能判定部113が用いる予測モデルとして決定される。
歩行パラメータ検出部112は、一方の足の立脚期の第1期間における膝関節の角度の時系列データと、一方の足の遊脚期の第2期間における足首関節の角度の時系列データとを検出する。第1期間は、1歩行周期の41%~50%の期間であり、第2期間は、1歩行周期の81%~100%の期間である。歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の時系列データと、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データとを検出する。また、歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の時系列データの平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値とを算出する。
認知機能判定部113は、膝関節の角度の時系列データの平均値と、足首関節の角度の時系列データの平均値とを用いて被験者の認知機能の程度を判定する。
メモリ12は、一方の足の立脚期の第1期間における膝関節の角度の時系列データの平均値と、一方の足の遊脚期の第2期間における足首関節の角度の時系列データの平均値とを入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。メモリ12は、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。
認知機能判定部113は、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の時系列データの平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値とを用いて被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の時系列データの平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値とを予測モデルに入力することにより、被験者が軽度認知障害であるか否かを示す判定結果を予測モデルから取得する。
このように、足首関節の角度及び膝関節の角度をそれぞれ単独で用いて作成した予測モデルのAUC値は、0.660及び0.682であり、足首関節の角度及び膝関節の角度を用いて作成した予測モデルのAUC値は、0.734であった。したがって、足首関節の角度及び膝関節の角度をそれぞれ単独で用いて作成した予測モデルよりも、足首関節の角度及び膝関節の角度を用いて作成した予測モデルの方が精度よく認知機能の程度を判定することができる。
続いて、本実施の形態の第7の変形例における歩行パラメータについて説明する。
本実施の形態の第7の変形例における歩行パラメータは、一方の足の立脚期の第1期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、一方の足の遊脚期の第2期間における足首関節の角度の時系列データの平均値とであってもよい。
本実施の形態の第7の変形例では、上記の実験と同様に、複数の被験者それぞれの腰の鉛直方向の変位の時系列データと、複数の被験者それぞれの一方の足首関節の角度の時系列データとを検出した。また、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを説明変数とする予測モデルが作成された。予測モデルは、交差検証により評価された。交差検証としては、leave-one-out交差検証が採用された。そして、予測モデルのROC曲線が算出された。さらに、予測モデルのROC曲線のAUC値が算出された。
図22は、本実施の形態の第7の変形例における予測モデルを用いて健常者及び軽度認知障害を判定した結果得られたROC曲線を示す図である。
本実施の形態の第7の変形例における予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを説明変数として作成された。図22において、縦軸は真陽性率を示し、横軸は偽陽性率を示す。真陽性率は、予測モデルが軽度認知障害の患者を軽度認知障害であると正しく判定した割合を示し、偽陽性率は、予測モデルが健常者を軽度認知障害であると誤って判定した割合を示す。
図22に示すROC曲線は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを説明変数として作成された予測モデルの真陽性率と偽陽性率とをプロットしたものである。図22に示すROC曲線のAUC値は、0.652であった。この場合、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とが、歩行パラメータとして決定される。また、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを説明変数として作成された予測モデルが、認知機能判定部113が用いる予測モデルとして決定される。
歩行パラメータ検出部112は、一方の足の立脚期の第1期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データと、一方の足の遊脚期の第2期間における足首関節の角度の時系列データとを検出する。第1期間は、1歩行周期の21%~30%の期間であり、第2期間は、1歩行周期の81%~100%の期間である。歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データと、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データとを検出する。また、歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値とを算出する。
認知機能判定部113は、腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、足首関節の角度の時系列データの平均値とを用いて被験者の認知機能の程度を判定する。
メモリ12は、一方の足の立脚期の第1期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、一方の足の遊脚期の第2期間における足首関節の角度の時系列データの平均値とを入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。メモリ12は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。
認知機能判定部113は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値とを用いて被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値とを予測モデルに入力することにより、被験者が軽度認知障害であるか否かを示す判定結果を予測モデルから取得する。
このように、腰の鉛直方向の変位を単独で用いて作成した予測モデルのAUC値は、0.587であり、足首関節の角度及び腰の鉛直方向の変位を用いて作成した予測モデルのAUC値は、0.652であった。したがって、腰の鉛直方向の変位を単独で用いて作成した予測モデルよりも、足首関節の角度及び腰の鉛直方向の変位を用いて作成した予測モデルの方が精度よく認知機能の程度を判定することができる。
続いて、本実施の形態の第8の変形例における歩行パラメータについて説明する。
本実施の形態の第8の変形例における歩行パラメータは、一方の足の立脚期の第1期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、一方の足の立脚期の第2期間における膝関節の角度の時系列データの平均値とであってもよい。
本実施の形態の第8の変形例では、上記の実験と同様に、複数の被験者それぞれの腰の鉛直方向の変位の時系列データと、複数の被験者それぞれの一方の膝関節の角度の時系列データとを検出した。また、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値とを説明変数とする予測モデルが作成された。予測モデルは、交差検証により評価された。交差検証としては、leave-one-out交差検証が採用された。そして、予測モデルのROC曲線が算出された。さらに、予測モデルのROC曲線のAUC値が算出された。
図23は、本実施の形態の第8の変形例における予測モデルを用いて健常者及び軽度認知障害を判定した結果得られたROC曲線を示す図である。
本実施の形態の第8の変形例における予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値とを説明変数として作成された。図23において、縦軸は真陽性率を示し、横軸は偽陽性率を示す。真陽性率は、予測モデルが軽度認知障害の患者を軽度認知障害であると正しく判定した割合を示し、偽陽性率は、予測モデルが健常者を軽度認知障害であると誤って判定した割合を示す。
図23に示すROC曲線は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値とを説明変数として作成された予測モデルの真陽性率と偽陽性率とをプロットしたものである。図23に示すROC曲線のAUC値は、0.671であった。この場合、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値とが、歩行パラメータとして決定される。また、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値とを説明変数として作成された予測モデルが、認知機能判定部113が用いる予測モデルとして決定される。
歩行パラメータ検出部112は、一方の足の立脚期の第1期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データと、一方の足の立脚期の第2期間における膝関節の角度の時系列データとを検出する。第1期間は、1歩行周期の21%~30%の期間であり、第2期間は、1歩行周期の41%~50%の期間である。歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データと、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の時系列データとを検出する。また、歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の時系列データの平均値とを算出する。
認知機能判定部113は、腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、膝関節の角度の時系列データの平均値とを用いて被験者の認知機能の程度を判定する。
メモリ12は、一方の足の立脚期の第1期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、一方の足の立脚期の第2期間における膝関節の角度の時系列データの平均値とを入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。メモリ12は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値とを入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。
認知機能判定部113は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の時系列データの平均値とを用いて被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の時系列データの平均値とを予測モデルに入力することにより、被験者が軽度認知障害であるか否かを示す判定結果を予測モデルから取得する。
このように、腰の鉛直方向の変位を単独で用いて作成した予測モデルのAUC値は、0.587であり、膝関節の角度及び腰の鉛直方向の変位を用いて作成した予測モデルのAUC値は、0.671であった。したがって、腰の鉛直方向の変位を単独で用いて作成した予測モデルよりも、膝関節の角度及び腰の鉛直方向の変位を用いて作成した予測モデルの方が精度よく認知機能の程度を判定することができる。
続いて、本実施の形態の第9の変形例における歩行パラメータについて説明する。
本実施の形態の第9の変形例における歩行パラメータは、一方の足の立脚期の第1期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、一方の足の立脚期の第2期間における膝関節の角度の時系列データの平均値と、一方の足の遊脚期の第3期間における足首関節の角度の時系列データの平均値とであってもよい。
本実施の形態の第9の変形例では、上記の実験と同様に、複数の被験者それぞれの腰の鉛直方向の変位の時系列データと、複数の被験者それぞれの一方の膝関節の角度の時系列データと、複数の被験者それぞれの一方の足首関節の角度の時系列データとを検出した。また、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを説明変数とする予測モデルが作成された。予測モデルは、交差検証により評価された。交差検証としては、leave-one-out交差検証が採用された。そして、予測モデルのROC曲線が算出された。さらに、予測モデルのROC曲線のAUC値が算出された。
図24は、本実施の形態の第9の変形例における予測モデルを用いて健常者及び軽度認知障害を判定した結果得られたROC曲線を示す図である。
本実施の形態の第9の変形例における予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを説明変数として作成された。図24において、縦軸は真陽性率を示し、横軸は偽陽性率を示す。真陽性率は、予測モデルが軽度認知障害の患者を軽度認知障害であると正しく判定した割合を示し、偽陽性率は、予測モデルが健常者を軽度認知障害であると誤って判定した割合を示す。
図24に示すROC曲線は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを説明変数として作成された予測モデルの真陽性率と偽陽性率とをプロットしたものである。図24に示すROC曲線のAUC値は、0.687であった。この場合、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とが、歩行パラメータとして決定される。また、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを説明変数として作成された予測モデルが、認知機能判定部113が用いる予測モデルとして決定される。
歩行パラメータ検出部112は、一方の足の立脚期の第1期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データと、一方の足の立脚期の第2期間における膝関節の角度の時系列データと、一方の足の遊脚期の第3期間における足首関節の角度の時系列データとを検出する。第1期間は、1歩行周期の21%~30%の期間であり、第2期間は、1歩行周期の41%~50%の期間であり、第3期間は、1歩行周期の81%~100%の期間である。歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データと、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の時系列データと、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データとを検出する。
また、歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の時系列データの平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値とを算出する。
認知機能判定部113は、腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、膝関節の角度の時系列データの平均値と、足首関節の角度の時系列データの平均値とを用いて被験者の認知機能の程度を判定する。
メモリ12は、一方の足の立脚期の第1期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、一方の足の立脚期の第2期間における膝関節の角度の時系列データの平均値と、一方の足の遊脚期の第3期間における足首関節の角度の時系列データの平均値とを入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。メモリ12は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。
認知機能判定部113は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の時系列データの平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値とを用いて被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、1歩行周期の21%~30%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の時系列データの平均値と、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値とを予測モデルに入力することにより、被験者が軽度認知障害であるか否かを示す判定結果を予測モデルから取得する。
このように、足首関節の角度、膝関節の角度及び腰の鉛直方向の変位をそれぞれ単独で用いて作成した予測モデルのAUC値は、0.660、0.682及び0.587であり、足首関節の角度、膝関節の角度及び腰の鉛直方向の変位を用いて作成した予測モデルのAUC値は、0.687であった。したがって、足首関節の角度、膝関節の角度及び腰の鉛直方向の変位をそれぞれ単独で用いて作成した予測モデルよりも、足首関節の角度、膝関節の角度及び腰の鉛直方向の変位を用いて作成した予測モデルの方が精度よく認知機能の程度を判定することができる。
続いて、本実施の形態の第10の変形例における歩行パラメータについて説明する。
本実施の形態の第10の変形例においては、被験者が男性である場合、歩行パラメータは、一方の足の立脚期の初期における足首関節の角度の時系列データの平均値であってもよい。
図25は、本実施の形態の第10の変形例において、1歩行周期における男性の被験者の一方の足首関節の角度の変化を示す図である。図25において、縦軸は足首関節の角度を示し、横軸は正規化した1歩行周期を示す。また、図25において、破線は、男性の健常者らの一方の足首関節の角度の平均波形を示し、実線は、男性の軽度認知障害の患者らの一方の足首関節の角度の平均波形を示す。
本実施の形態の第10の変形例では、上記の実験とは異なり、男性の被験者それぞれの一方の足首関節の角度の時系列データを検出した。男性の被験者らの一方の足首関節の角度の平均波形を見ると、立脚期の初期である1歩行周期の1%~2%の期間において、軽度認知障害の患者らの足首関節の角度の方が、健常者らの足首関節の角度よりも大きくなっているのがわかる。そこで、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の1%~2%の期間における一方の足首関節の角度の平均値を説明変数とする予測モデルが作成された。予測モデルは、交差検証により評価された。交差検証としては、leave-one-out交差検証が採用された。そして、予測モデルのROC曲線が算出された。さらに、予測モデルのROC曲線のAUC値が算出された。
図26は、本実施の形態の第10の変形例における予測モデルを用いて健常者及び軽度認知障害を判定した結果得られたROC曲線を示す図である。
本実施の形態の第10の変形例における予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の1%~2%の期間における男性の被験者の一方の足首関節の角度の平均値を説明変数として作成された。図26において、縦軸は真陽性率を示し、横軸は偽陽性率を示す。真陽性率は、予測モデルが軽度認知障害の患者を軽度認知障害であると正しく判定した割合を示し、偽陽性率は、予測モデルが健常者を軽度認知障害であると誤って判定した割合を示す。
図26に示すROC曲線は、1歩行周期の1%~2%の期間における男性の被験者の一方の足首関節の角度の平均値を説明変数として作成された予測モデルの真陽性率と偽陽性率とをプロットしたものである。図26に示すROC曲線のAUC値は、0.7174であった。被験者が男性である場合、1歩行周期の1%~2%の期間における足首関節の角度の平均値が、歩行パラメータとして決定される。また、1歩行周期の1%~2%の期間における男性の被験者の一方の足首関節の角度の平均値を説明変数として作成された予測モデルが、認知機能判定部113が用いる予測モデルとして決定される。
本実施の形態の第10の変形例における認知機能評価装置1のプロセッサ11は、被験者の性別を認識する性別認識部をさらに備える。性別認識部は、動画像データに含まれる被験者の画像から、顔及び体の少なくとも一方の特徴量を検出する。そして、性別認識部は、検出した特徴量から被験者が男性であるか女性であるかを認識する。なお、メモリ12は、被験者の顔画像と性別とを対応付けたユーザ情報を予め記憶してもよい。この場合、性別認識部は、メモリ12に記憶されているユーザ情報を用いて、動画像データに含まれる被験者が男性であるか女性であるかを認識してもよい。
メモリ12は、1歩行周期の1%~2%の期間における男性の被験者の一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値を入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。
歩行パラメータ検出部112は、性別認識部によって被験者が男性であると認識された場合、一方の足の立脚期の初期における足首関節の角度の時系列データを検出する。歩行パラメータ検出部112は、性別認識部によって被験者が男性であると認識された場合、1歩行周期の1%~2%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データを検出する。また、歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の1%~2%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値を算出する。
認知機能判定部113は、1歩行周期の1%~2%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値を用いて男性の被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、1歩行周期の1%~2%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値を予測モデルに入力することにより、男性の被験者が軽度認知障害であるか否かを示す判定結果を予測モデルから取得する。
また、被験者が男性である場合、立脚期の初期(1歩行周期の1%~2%の期間)において、軽度認知障害の患者らの一方の足の足首関節の角度の平均波形は、健常者らの一方の足の足首関節の角度の平均波形よりも高くなっている。そのため、実験により得られた、男性の軽度認知障害の患者らの1歩行周期の1%~2%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値の平均と、男性の健常者らの1歩行周期の1%~2%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値の平均との間の値が、閾値としてメモリ12に記憶されてもよい。認知機能判定部113は、1歩行周期の1%~2%の期間における被験者の一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値と、予め記憶されている閾値とを比較することにより、認知機能の程度を判定してもよい。
このように、被験者が男性である場合、立脚期の初期(1歩行周期の1%~2%の期間)の一方の足の足首関節の角度の時系列データを用いることにより、より高い精度で認知機能の程度を判定することができる。
続いて、本実施の形態の第11の変形例における歩行パラメータについて説明する。
本実施の形態の第11の変形例においては、被験者が男性である場合、歩行パラメータは、一方の足の立脚期の第1期間における足首関節の第1角度の時系列データの平均値と、一方の足の遊脚期の第2期間における足首関節の第2角度の時系列データの平均値とであってもよい。
図27は、本実施の形態の第11の変形例において、1歩行周期における男性の被験者の一方の足首関節の角度の変化を示す図である。図27において、縦軸は足首関節の角度を示し、横軸は正規化した1歩行周期を示す。また、図27において、破線は、男性の健常者らの一方の足首関節の角度の平均波形を示し、実線は、男性の軽度認知障害の患者らの一方の足首関節の角度の平均波形を示す。
本実施の形態の第11の変形例では、上記の実験とは異なり、男性の被験者それぞれの一方の足首関節の角度の時系列データを検出した。また、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の1%~40%の期間における一方の足首関節の角度の平均値と、1歩行周期の71%~90%の期間における一方の足首関節の角度の平均値とを説明変数とする予測モデルが作成された。予測モデルは、交差検証により評価された。交差検証としては、leave-one-out交差検証が採用された。そして、予測モデルのROC曲線が算出された。さらに、予測モデルのROC曲線のAUC値が算出された。
図28は、本実施の形態の第11の変形例における予測モデルを用いて健常者及び軽度認知障害を判定した結果得られたROC曲線を示す図である。
本実施の形態の第11の変形例における予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の1%~40%の期間における男性の被験者の一方の足首関節の角度の平均値と、1歩行周期の71%~90%の期間における男性の被験者の一方の足首関節の角度の平均値とを説明変数として作成された。図28において、縦軸は真陽性率を示し、横軸は偽陽性率を示す。真陽性率は、予測モデルが軽度認知障害の患者を軽度認知障害であると正しく判定した割合を示し、偽陽性率は、予測モデルが健常者を軽度認知障害であると誤って判定した割合を示す。
図28に示すROC曲線は、1歩行周期の1%~40%の期間における男性の被験者の一方の足首関節の角度の平均値と、1歩行周期の71%~90%の期間における男性の被験者の一方の足首関節の角度の平均値とを説明変数として作成された予測モデルの真陽性率と偽陽性率とをプロットしたものである。図28に示すROC曲線のAUC値は、0.648であった。被験者が男性である場合、1歩行周期の1%~40%の期間における足首関節の角度の平均値と、1歩行周期の71%~90%の期間における足首関節の角度の平均値とが、歩行パラメータとして決定される。また、1歩行周期の1%~40%の期間における男性の被験者の一方の足首関節の角度の平均値と、1歩行周期の71%~90%の期間における男性の被験者の一方の足首関節の角度の平均値とを説明変数として作成された予測モデルが、認知機能判定部113が用いる予測モデルとして決定される。
本実施の形態の第11の変形例における認知機能評価装置1のプロセッサ11は、被験者の性別を認識する性別認識部をさらに備える。
歩行パラメータ検出部112は、性別認識部によって被験者が男性であると認識された場合、一方の足の立脚期の第1期間における足首関節の第1角度の時系列データと、一方の足の遊脚期の第2期間における足首関節の第2角度の時系列データとを検出する。第1期間は、1歩行周期の1%~40%の期間であり、第2期間は、1歩行周期の71%~90%の期間である。歩行パラメータ検出部112は、性別認識部によって被験者が男性であると認識された場合、1歩行周期の1%~40%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データと、1歩行周期の71%~90%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データとを検出する。また、歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の1%~40%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値と、1歩行周期の71%~90%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値とを算出する。
認知機能判定部113は、足首関節の第1角度の時系列データの平均値と、第2角度の時系列データの平均値とを用いて男性の被験者の認知機能の程度を判定する。
メモリ12は、一方の足の立脚期の第1期間における男性の被験者の足首関節の第1角度の時系列データの平均値と、一方の足の遊脚期の第2期間における男性の被験者の足首関節の第2角度の時系列データの平均値とを入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。メモリ12は、1歩行周期の1%~40%の期間における男性の被験者の一方の足首関節の角度の平均値と、1歩行周期の71%~90%の期間における男性の被験者の一方の足首関節の角度の平均値とを入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。
認知機能判定部113は、1歩行周期の1%~40%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値と、1歩行周期の71%~90%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値とを用いて男性の被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、1歩行周期の1%~40%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値と、1歩行周期の71%~90%の期間における一方の足首関節の角度の時系列データの平均値とを予測モデルに入力することにより、男性の被験者が軽度認知障害であるか否かを示す判定結果を予測モデルから取得する。
このように、被験者が男性である場合、立脚期(1歩行周期の1%~40%の期間)及び遊脚期(1歩行周期の71%~90%の期間)の一方の足の足首関節の角度の時系列データを用いることにより、より高い精度で認知機能の程度を判定することができる。
続いて、本実施の形態の第12の変形例における歩行パラメータについて説明する。
本実施の形態の第12の変形例においては、被験者が男性である場合、歩行パラメータは、一方の足の遊脚期における膝関節の角度の時系列データの平均値であってもよい。
図29は、本実施の形態の第12の変形例において、1歩行周期における男性の被験者の一方の膝関節の角度の変化を示す図である。図29において、縦軸は膝関節の角度を示し、横軸は正規化した1歩行周期を示す。また、図29において、破線は、男性の健常者らの一方の膝関節の角度の平均波形を示し、実線は、男性の軽度認知障害の患者らの一方の膝関節の角度の平均波形を示す。
本実施の形態の第12の変形例では、上記の実験とは異なり、男性の被験者それぞれの一方の膝関節の角度の時系列データを検出した。また、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の71%~100%の期間における一方の膝関節の角度の平均値を説明変数とする予測モデルが作成された。予測モデルは、交差検証により評価された。交差検証としては、leave-one-out交差検証が採用された。そして、予測モデルのROC曲線が算出された。さらに、予測モデルのROC曲線のAUC値が算出された。
図30は、本実施の形態の第12の変形例における予測モデルを用いて健常者及び軽度認知障害を判定した結果得られたROC曲線を示す図である。
本実施の形態の第12の変形例における予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の71%~100%の期間における男性の被験者の一方の膝関節の角度の平均値を説明変数として作成された。図30において、縦軸は真陽性率を示し、横軸は偽陽性率を示す。真陽性率は、予測モデルが軽度認知障害の患者を軽度認知障害であると正しく判定した割合を示し、偽陽性率は、予測モデルが健常者を軽度認知障害であると誤って判定した割合を示す。
図30に示すROC曲線は、1歩行周期の71%~100%の期間における男性の被験者の一方の膝関節の角度の平均値を説明変数として作成された予測モデルの真陽性率と偽陽性率とをプロットしたものである。図30に示すROC曲線のAUC値は、0.693であった。被験者が男性である場合、1歩行周期の71%~100%の期間における膝関節の角度の平均値が、歩行パラメータとして決定される。また、1歩行周期の71%~100%の期間における男性の被験者の一方の膝関節の角度の平均値を説明変数として作成された予測モデルが、認知機能判定部113が用いる予測モデルとして決定される。
本実施の形態の第12の変形例における認知機能評価装置1のプロセッサ11は、被験者の性別を認識する性別認識部をさらに備える。
メモリ12は、1歩行周期の71%~100%の期間における男性の被験者の一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値を入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。
歩行パラメータ検出部112は、性別認識部によって被験者が男性であると認識された場合、一方の足の遊脚期における膝関節の角度の時系列データを検出する。歩行パラメータ検出部112は、性別認識部によって被験者が男性であると認識された場合、1歩行周期の71%~100%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データを検出する。また、歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の71%~100%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値を算出する。
認知機能判定部113は、膝関節の角度の時系列データの平均値を用いて被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、1歩行周期の71%~100%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値を用いて男性の被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、1歩行周期の71%~100%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値を予測モデルに入力することにより、男性の被験者が軽度認知障害であるか否かを示す判定結果を予測モデルから取得する。
また、被験者が男性である場合、遊脚期(1歩行周期の71%~100%の期間)において、軽度認知障害の患者らの一方の足の膝関節の角度の平均波形は、健常者らの一方の足の膝関節の角度の平均波形よりも小さくなっている。そのため、実験により得られた、男性の軽度認知障害の患者らの1歩行周期の71%~100%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値の平均と、男性の健常者らの1歩行周期の71%~100%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値の平均との間の値が、閾値としてメモリ12に記憶されてもよい。認知機能判定部113は、1歩行周期の71%~100%の期間における被験者の一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値と、予め記憶されている閾値とを比較することにより、認知機能の程度を判定してもよい。
このように、被験者が男性である場合、遊脚期(1歩行周期の71%~100%の期間)の一方の足の膝関節の角度の時系列データを用いることにより、より高い精度で認知機能の程度を判定することができる。
続いて、本実施の形態の第13の変形例における歩行パラメータについて説明する。
本実施の形態の第13の変形例においては、被験者が男性である場合、歩行パラメータは、1歩行周期の第1期間における腰の鉛直方向の第1変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の第2期間における腰の鉛直方向の第2変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の第3期間における腰の鉛直方向の第3変位の時系列データの平均値とであってもよい。
図31は、本実施の形態の第13の変形例において、1歩行周期における男性の被験者の腰の鉛直方向の変位を示す図である。図31において、縦軸は腰の鉛直方向の変位を示し、横軸は正規化した1歩行周期を示す。また、図31において、破線は、男性の健常者らの腰の鉛直方向の変位の平均波形を示し、実線は、男性の軽度認知障害の患者らの腰の鉛直方向の変位の平均波形を示す。
本実施の形態の第13の変形例では、上記の実験とは異なり、男性の被験者それぞれの腰の鉛直方向の変位の時系列データを検出した。また、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の1%~10%の第1期間における腰の鉛直方向の第1変位の平均値と、1歩行周期の31%~40%の第2期間における腰の鉛直方向の第2変位の平均値と、1歩行周期の51%~80%の第3期間における腰の鉛直方向の第3変位の平均値とを説明変数とする予測モデルが作成された。予測モデルは、交差検証により評価された。交差検証としては、leave-one-out交差検証が採用された。そして、予測モデルのROC曲線が算出された。さらに、予測モデルのROC曲線のAUC値が算出された。
図32は、本実施の形態の第13の変形例における予測モデルを用いて健常者及び軽度認知障害を判定した結果得られたROC曲線を示す図である。
本実施の形態の第13の変形例における予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の1%~10%の第1期間における男性の被験者の腰の鉛直方向の第1変位の平均値と、1歩行周期の31%~40%の第2期間における男性の被験者の腰の鉛直方向の第2変位の平均値と、1歩行周期の51%~80%の第3期間における男性の被験者の腰の鉛直方向の第3変位の平均値とを説明変数として作成された。図32において、縦軸は真陽性率を示し、横軸は偽陽性率を示す。真陽性率は、予測モデルが軽度認知障害の患者を軽度認知障害であると正しく判定した割合を示し、偽陽性率は、予測モデルが健常者を軽度認知障害であると誤って判定した割合を示す。
図32に示すROC曲線は、1歩行周期の1%~10%の第1期間における男性の被験者の腰の鉛直方向の第1変位の平均値と、1歩行周期の31%~40%の第2期間における男性の被験者の腰の鉛直方向の第2変位の平均値と、1歩行周期の51%~80%の第3期間における男性の被験者の腰の鉛直方向の第3変位の平均値とを説明変数として作成された予測モデルの真陽性率と偽陽性率とをプロットしたものである。図32に示すROC曲線のAUC値は、0.852であった。被験者が男性である場合、1歩行周期の1%~10%の第1期間における腰の鉛直方向の第1変位の平均値と、1歩行周期の31%~40%の第2期間における腰の鉛直方向の第2変位の平均値と、1歩行周期の51%~80%の第3期間における腰の鉛直方向の第3変位の平均値とが、歩行パラメータとして決定される。また、1歩行周期の1%~10%の第1期間における男性の被験者の腰の鉛直方向の第1変位の平均値と、1歩行周期の31%~40%の第2期間における男性の被験者の腰の鉛直方向の第2変位の平均値と、1歩行周期の51%~80%の第3期間における男性の被験者の腰の鉛直方向の第3変位の平均値とを説明変数として作成された予測モデルが、認知機能判定部113が用いる予測モデルとして決定される。
本実施の形態の第13の変形例における認知機能評価装置1のプロセッサ11は、被験者の性別を認識する性別認識部をさらに備える。
歩行パラメータ検出部112は、性別認識部によって被験者が男性であると認識された場合、1歩行周期の第1期間における腰の鉛直方向の第1変位の時系列データと、1歩行周期の第2期間における腰の鉛直方向の第2変位の時系列データと、1歩行周期の第3期間における腰の鉛直方向の第3変位の時系列データとを検出する。第1期間は、1歩行周期の1%~10%の期間であり、第2期間は、1歩行周期の31%~40%の期間であり、第3期間は、1歩行周期の51%~80%の期間である。歩行パラメータ検出部112は、性別認識部によって被験者が男性であると認識された場合、1歩行周期の1%~10%の第1期間における腰の鉛直方向の第1変位の時系列データと、1歩行周期の31%~40%の第2期間における腰の鉛直方向の第2変位の時系列データと、1歩行周期の51%~80%の第3期間における腰の鉛直方向の第3変位の時系列データとを検出する。
なお、第3期間は、1歩行周期の51%~60%の期間と、1歩行周期の61%~80%の期間とに分けてもよい。1歩行周期の51%~60%の期間は、立脚期に属しており、1歩行周期の61%~80%の期間は、遊脚期に属している。
また、歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の1%~10%の第1期間における腰の鉛直方向の第1変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の31%~40%の第2期間における腰の鉛直方向の第2変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の51%~80%の第3期間における腰の鉛直方向の第3変位の時系列データの平均値とを算出する。
認知機能判定部113は、腰の鉛直方向の第1変位の時系列データの平均値と、腰の鉛直方向の第2変位の時系列データの平均値と、腰の鉛直方向の第3変位の時系列データの平均値とを用いて男性の被験者の認知機能の程度を判定する。
メモリ12は、1歩行周期の第1期間における男性の被験者の腰の鉛直方向の第1変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の第2期間における男性の被験者の腰の鉛直方向の第2変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の第3期間における男性の被験者の腰の鉛直方向の第3変位の時系列データの平均値とを入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。メモリ12は、1歩行周期の1%~10%の第1期間における男性の被験者の腰の鉛直方向の第1変位の平均値と、1歩行周期の31%~40%の第2期間における男性の被験者の腰の鉛直方向の第2変位の平均値と、1歩行周期の51%~80%の第3期間における男性の被験者の腰の鉛直方向の第3変位の平均値とを入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。
認知機能判定部113は、1歩行周期の1%~10%の第1期間における腰の鉛直方向の第1変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の31%~40%の第2期間における腰の鉛直方向の第2変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の51%~80%の第3期間における腰の鉛直方向の第3変位の時系列データの平均値とを用いて男性の被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、1歩行周期の1%~10%の第1期間における腰の鉛直方向の第1変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の31%~40%の第2期間における腰の鉛直方向の第2変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の51%~80%の第3期間における腰の鉛直方向の第3変位の時系列データの平均値とを予測モデルに入力することにより、男性の被験者が軽度認知障害であるか否かを示す判定結果を予測モデルから取得する。
このように、被験者が男性である場合、1歩行周期の第1期間(1歩行周期の1%~10%の期間)、1歩行周期の第2期間(1歩行周期の31%~40%の期間)及び1歩行周期の第3期間(1歩行周期の51%~80%の期間)の腰の鉛直方向の変位の時系列データを用いることにより、より高い精度で認知機能の程度を判定することができる。
続いて、本実施の形態の第14の変形例における歩行パラメータについて説明する。
本実施の形態の第14の変形例においては、被験者が女性である場合、歩行パラメータは、一方の足の遊脚期における足首関節の角度の時系列データの平均値であってもよい。
図33は、本実施の形態の第14の変形例において、1歩行周期における女性の被験者の一方の足首関節の角度の変化を示す図である。図33において、縦軸は足首関節の角度を示し、横軸は正規化した1歩行周期を示す。また、図33において、破線は、女性の健常者らの一方の足首関節の角度の平均波形を示し、実線は、女性の軽度認知障害の患者らの一方の足首関節の角度の平均波形を示す。
本実施の形態の第14の変形例では、上記の実験とは異なり、女性の被験者それぞれの一方の足首関節の角度の時系列データを検出した。また、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足首関節の角度の平均値を説明変数とする予測モデルが作成された。予測モデルは、交差検証により評価された。交差検証としては、leave-one-out交差検証が採用された。そして、予測モデルのROC曲線が算出された。さらに、予測モデルのROC曲線のAUC値が算出された。
図34は、本実施の形態の第14の変形例における予測モデルを用いて健常者及び軽度認知障害を判定した結果得られたROC曲線を示す図である。
本実施の形態の第14の変形例における予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の81%~100%の期間における女性の被験者の一方の足首関節の角度の平均値を説明変数として作成された。図34において、縦軸は真陽性率を示し、横軸は偽陽性率を示す。真陽性率は、予測モデルが軽度認知障害の患者を軽度認知障害であると正しく判定した割合を示し、偽陽性率は、予測モデルが健常者を軽度認知障害であると誤って判定した割合を示す。
図34に示すROC曲線は、1歩行周期の81%~100%の期間における女性の被験者の一方の足首関節の角度の平均値を説明変数として作成された予測モデルの真陽性率と偽陽性率とをプロットしたものである。図34に示すROC曲線のAUC値は、0.803であった。被験者が女性である場合、1歩行周期の81%~100%の期間における足首関節の角度の平均値が、歩行パラメータとして決定される。また、1歩行周期の81%~100%の期間における女性の被験者の一方の足首関節の角度の平均値を説明変数として作成された予測モデルが、認知機能判定部113が用いる予測モデルとして決定される。
本実施の形態の第14の変形例における認知機能評価装置1のプロセッサ11は、被験者の性別を認識する性別認識部をさらに備える。
メモリ12は、1歩行周期の81%~100%の期間における女性の被験者の一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値を入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。
歩行パラメータ検出部112は、性別認識部によって被験者が女性であると認識された場合、一方の足の遊脚期における足首関節の角度の時系列データを検出する。歩行パラメータ検出部112は、性別認識部によって被験者が女性であると認識された場合、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データを検出する。また、歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値を算出する。
認知機能判定部113は、遊脚期の一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値を用いて被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値を用いて女性の被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値を予測モデルに入力することにより、女性の被験者が軽度認知障害であるか否かを示す判定結果を予測モデルから取得する。
また、被験者が女性である場合、遊脚期(1歩行周期の81%~100%の期間)において、軽度認知障害の患者らの一方の足の足首関節の角度の平均波形は、健常者らの一方の足の足首関節の角度の平均波形よりも小さくなっている。そのため、実験により得られた、女性の軽度認知障害の患者らの1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値の平均と、女性の健常者らの1歩行周期の81%~100%の期間における一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値の平均との間の値が、閾値としてメモリ12に記憶されてもよい。認知機能判定部113は、1歩行周期の81%~100%の期間における被験者の一方の足の足首関節の角度の時系列データの平均値と、予め記憶されている閾値とを比較することにより、認知機能の程度を判定してもよい。
このように、被験者が女性である場合、遊脚期(1歩行周期の81%~100%の期間)の一方の足の足首関節の角度の時系列データを用いることにより、より高い精度で認知機能の程度を判定することができる。
続いて、本実施の形態の第15の変形例における歩行パラメータについて説明する。
本実施の形態の第15の変形例においては、被験者が女性である場合、歩行パラメータは、一方の足の立脚期における膝関節の角度の時系列データの平均値であってもよい。
図35は、本実施の形態の第15の変形例において、1歩行周期における女性の被験者の一方の膝関節の角度の変化を示す図である。図35において、縦軸は膝関節の角度を示し、横軸は正規化した1歩行周期を示す。また、図35において、破線は、女性の健常者らの一方の膝関節の角度の平均波形を示し、実線は、女性の軽度認知障害の患者らの一方の膝関節の角度の平均波形を示す。
本実施の形態の第15の変形例では、上記の実験とは異なり、女性の被験者それぞれの一方の膝関節の角度の時系列データを検出した。また、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の膝関節の角度の平均値を説明変数とする予測モデルが作成された。予測モデルは、交差検証により評価された。交差検証としては、leave-one-out交差検証が採用された。そして、予測モデルのROC曲線が算出された。さらに、予測モデルのROC曲線のAUC値が算出された。
図36は、本実施の形態の第15の変形例における予測モデルを用いて健常者及び軽度認知障害を判定した結果得られたROC曲線を示す図である。
本実施の形態の第15の変形例における予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の41%~50%の期間における女性の被験者の一方の膝関節の角度の平均値を説明変数として作成された。図36において、縦軸は真陽性率を示し、横軸は偽陽性率を示す。真陽性率は、予測モデルが軽度認知障害の患者を軽度認知障害であると正しく判定した割合を示し、偽陽性率は、予測モデルが健常者を軽度認知障害であると誤って判定した割合を示す。
図36に示すROC曲線は、1歩行周期の41%~50%の期間における女性の被験者の一方の膝関節の角度の平均値を説明変数として作成された予測モデルの真陽性率と偽陽性率とをプロットしたものである。図36に示すROC曲線のAUC値は、0.733であった。被験者が女性である場合、1歩行周期の41%~50%の期間における膝関節の角度の平均値が、歩行パラメータとして決定される。また、1歩行周期の41%~50%の期間における女性の被験者の一方の膝関節の角度の平均値を説明変数として作成された予測モデルが、認知機能判定部113が用いる予測モデルとして決定される。
本実施の形態の第15の変形例における認知機能評価装置1のプロセッサ11は、被験者の性別を認識する性別認識部をさらに備える。
メモリ12は、1歩行周期の41%~50%の期間における女性の被験者の一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値を入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。
歩行パラメータ検出部112は、性別認識部によって被験者が女性であると認識された場合、一方の足の立脚期における膝関節の角度の時系列データを検出する。歩行パラメータ検出部112は、性別認識部によって被験者が女性であると認識された場合、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データを検出する。また、歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値を算出する。
認知機能判定部113は、一方の足の立脚期における膝関節の角度の時系列データの平均値を用いて被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値を用いて女性の被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、1歩行周期の41%~50%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値を予測モデルに入力することにより、女性の被験者が軽度認知障害であるか否かを示す判定結果を予測モデルから取得する。
また、被験者が女性である場合、立脚期(1歩行周期の41%~50%の期間)において、軽度認知障害の患者らの一方の足の膝関節の角度の平均波形は、健常者らの一方の足の膝関節の角度の平均波形よりも小さくなっている。そのため、実験により得られた、女性の軽度認知障害の患者らの1歩行周期の41%~50%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値の平均と、女性の健常者らの1歩行周期の41%~50%の期間における一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値の平均との間の値が、閾値としてメモリ12に記憶されてもよい。認知機能判定部113は、1歩行周期の41%~50%の期間における被験者の一方の足の膝関節の角度の時系列データの平均値と、予め記憶されている閾値とを比較することにより、認知機能の程度を判定してもよい。
このように、被験者が女性である場合、立脚期(1歩行周期の41%~50%の期間)の一方の足の膝関節の角度の時系列データを用いることにより、より高い精度で認知機能の程度を判定することができる。
続いて、本実施の形態の第16の変形例における歩行パラメータについて説明する。
本実施の形態の第16の変形例においては、被験者が女性である場合、歩行パラメータは、一方の足の立脚期の第1期間における腰の鉛直方向の第1変位の時系列データの平均値と、一方の足の遊脚期の第2期間における腰の鉛直方向の第2変位の時系列データの平均値とであってもよい。
図37は、本実施の形態の第16の変形例において、1歩行周期における女性の被験者の腰の鉛直方向の変位を示す図である。図37において、縦軸は腰の鉛直方向の変位を示し、横軸は正規化した1歩行周期を示す。また、図37において、破線は、女性の健常者らの腰の鉛直方向の変位の平均波形を示し、実線は、女性の軽度認知障害の患者らの腰の鉛直方向の変位の平均波形を示す。
本実施の形態の第16の変形例では、上記の実験とは異なり、女性の被験者それぞれの腰の鉛直方向の変位の時系列データを検出した。また、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の11%~20%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の71%~80%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値とを説明変数とする予測モデルが作成された。予測モデルは、交差検証により評価された。交差検証としては、leave-one-out交差検証が採用された。そして、予測モデルのROC曲線が算出された。さらに、予測モデルのROC曲線のAUC値が算出された。
図38は、本実施の形態の第16の変形例における予測モデルを用いて健常者及び軽度認知障害を判定した結果得られたROC曲線を示す図である。
本実施の形態の第16の変形例における予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の11%~20%の期間における女性の被験者の腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の71%~80%の期間における女性の被験者の腰の鉛直方向の変位の平均値とを説明変数として作成された。図38において、縦軸は真陽性率を示し、横軸は偽陽性率を示す。真陽性率は、予測モデルが軽度認知障害の患者を軽度認知障害であると正しく判定した割合を示し、偽陽性率は、予測モデルが健常者を軽度認知障害であると誤って判定した割合を示す。
図38に示すROC曲線は、1歩行周期の11%~20%の期間における女性の被験者の腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の71%~80%の期間における女性の被験者の腰の鉛直方向の変位の平均値とを説明変数として作成された予測モデルの真陽性率と偽陽性率とをプロットしたものである。図38に示すROC曲線のAUC値は、0.813であった。被験者が女性である場合、1歩行周期の11%~20%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の71%~80%の期間における腰の鉛直方向の変位の平均値とが、歩行パラメータとして決定される。また、1歩行周期の11%~20%の期間における女性の被験者の腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の71%~80%の期間における女性の被験者の腰の鉛直方向の変位の平均値とを説明変数として作成された予測モデルが、認知機能判定部113が用いる予測モデルとして決定される。
本実施の形態の第16の変形例における認知機能評価装置1のプロセッサ11は、被験者の性別を認識する性別認識部をさらに備える。
歩行パラメータ検出部112は、性別認識部によって被験者が女性であると認識された場合、一方の足の立脚期の第1期間における腰の鉛直方向の第1変位の時系列データと、一方の足の遊脚期の第2期間における腰の鉛直方向の第2変位の時系列データとを検出する。第1期間は、1歩行周期の11%~20%の期間であり、第2期間は、1歩行周期の71%~80%の期間である。歩行パラメータ検出部112は、性別認識部によって被験者が女性であると認識された場合、1歩行周期の11%~20%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データと、1歩行周期の71%~80%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データとを検出する。また、歩行パラメータ検出部112は、1歩行周期の11%~20%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の71%~80%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値とを算出する。
認知機能判定部113は、立脚期の第1期間における腰の鉛直方向の第1変位の時系列データの平均値と、遊脚期の第2期間における腰の鉛直方向の第2変位の時系列データの平均値とを用いて女性の被験者の認知機能の程度を判定する。
メモリ12は、一方の足の立脚期の第1期間における女性の被験者の腰の鉛直方向の第1変位の時系列データの平均値と、一方の足の遊脚期の第2期間における女性の被験者の腰の鉛直方向の第2変位の時系列データの平均値とを入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。メモリ12は、1歩行周期の11%~20%の期間における女性の被験者の腰の鉛直方向の変位の平均値と、1歩行周期の71%~80%の期間における女性の被験者の腰の鉛直方向の変位の平均値とを入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。
認知機能判定部113は、1歩行周期の11%~20%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の71%~80%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値とを用いて女性の被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、1歩行周期の11%~20%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値と、1歩行周期の71%~80%の期間における腰の鉛直方向の変位の時系列データの平均値とを予測モデルに入力することにより、女性の被験者が軽度認知障害であるか否かを示す判定結果を予測モデルから取得する。
このように、被験者が女性である場合、立脚期(1歩行周期の11%~20%の期間)及び遊脚期(1歩行周期の71%~80%の期間)の腰の鉛直方向の変位の時系列データを用いることにより、より高い精度で認知機能の程度を判定することができる。
続いて、本実施の形態の第17の変形例における歩行パラメータについて説明する。
本実施の形態の第17の変形例においては、被験者が女性である場合、歩行パラメータは、一方の足の遊脚期の所定時点における腰の鉛直方向の変位であってもよい。
図39は、本実施の形態の第17の変形例において、1歩行周期における女性の被験者の腰の鉛直方向の変位を示す図である。図39において、縦軸は腰の鉛直方向の変位を示し、横軸は正規化した1歩行周期を示す。また、図39において、破線は、女性の健常者らの腰の鉛直方向の変位の平均波形を示し、実線は、女性の軽度認知障害の患者らの腰の鉛直方向の変位の平均波形を示す。
本実施の形態の第17の変形例では、上記の実験とは異なり、女性の被験者それぞれの腰の鉛直方向の変位の時系列データを検出した。また、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の74%の時点の腰の鉛直方向の変位を説明変数とする予測モデルが作成された。予測モデルは、交差検証により評価された。交差検証としては、leave-one-out交差検証が採用された。そして、予測モデルのROC曲線が算出された。さらに、予測モデルのROC曲線のAUC値が算出された。
図40は、本実施の形態の第17の変形例における予測モデルを用いて健常者及び軽度認知障害を判定した結果得られたROC曲線を示す図である。
本実施の形態の第17の変形例における予測モデルは、被験者が軽度認知障害であるか否かを目的変数とし、1歩行周期の74%の時点の女性の被験者の腰の鉛直方向の変位を説明変数として作成された。図40において、縦軸は真陽性率を示し、横軸は偽陽性率を示す。真陽性率は、予測モデルが軽度認知障害の患者を軽度認知障害であると正しく判定した割合を示し、偽陽性率は、予測モデルが健常者を軽度認知障害であると誤って判定した割合を示す。
図40に示すROC曲線は、1歩行周期の74%の時点の女性の被験者の腰の鉛直方向の変位を説明変数として作成された予測モデルの真陽性率と偽陽性率とをプロットしたものである。図40に示すROC曲線のAUC値は、0.7401であった。被験者が女性である場合、1歩行周期の74%の時点の腰の鉛直方向の変位が、歩行パラメータとして決定される。また、1歩行周期の74%の時点の女性の被験者の腰の鉛直方向の変位を説明変数として作成された予測モデルが、認知機能判定部113が用いる予測モデルとして決定される。
本実施の形態の第17の変形例における認知機能評価装置1のプロセッサ11は、被験者の性別を認識する性別認識部をさらに備える。
歩行パラメータ検出部112は、性別認識部によって被験者が女性であると認識された場合、一方の足の遊脚期の所定時点における腰の鉛直方向の変位を検出する。所定時点は、1歩行周期の74%の時点である。歩行パラメータ検出部112は、性別認識部によって被験者が女性であると認識された場合、1歩行周期の74%の時点の腰の鉛直方向の変位を検出する。
なお、1歩行周期の74%の時点は、一方の足の遊脚期における腰の鉛直方向の変位の最大値が検出された時点の近傍である。そのため、歩行パラメータ検出部112は、性別認識部によって被験者が女性であると認識された場合、一方の足の遊脚期における腰の鉛直方向の変位の最大値を検出してもよい。
認知機能判定部113は、遊脚期の所定時点における腰の鉛直方向の変位を用いて女性の被験者の認知機能の程度を判定する。
メモリ12は、一方の足の遊脚期の所定時点における女性の被験者の腰の鉛直方向の変位を入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。メモリ12は、1歩行周期の74%の時点の女性の被験者の腰の鉛直方向の変位を入力値とし、被験者が軽度認知障害であるか否かを出力値として生成された予測モデルを予め記憶する。
認知機能判定部113は、1歩行周期の74%の時点の腰の鉛直方向の変位を用いて女性の被験者の認知機能の程度を判定する。認知機能判定部113は、1歩行周期の74%の時点の腰の鉛直方向の変位を予測モデルに入力することにより、女性の被験者が軽度認知障害であるか否かを示す判定結果を予測モデルから取得する。
このように、被験者が女性である場合、遊脚期の所定時点(1歩行周期の74%の時点)の腰の鉛直方向の変位を用いることにより、より高い精度で認知機能の程度を判定することができる。
図41は、本実施の形態において表示される評価結果画面の一例を示す図である。
表示部3は、図41に示す評価結果画面を表示する。評価結果画面は、過去の認知機能の評価値と、今回の認知機能の評価値とを示す認知機能評価提示領域31と、評価メッセージ32とを含む。図41の認知機能評価提示領域31では、認知機能の評価が1か月に1回行われ、過去6か月間の認知機能の評価値と、今月の認知機能の評価値とが表示されている。
認知機能の評価値は、予測モデルによって算出される認知機能の程度を示す値である。認知機能の程度を示す値は、例えば、0.0~1.0で表される。評価結果提示部114は、認知機能の程度を示す値を百分率に換算して認知機能の評価値として提示する。
なお、今回の認知機能の評価値とともに、過去の認知機能の評価値が表示される場合、認知機能判定部113は、認知機能の評価値をメモリ12に記憶する。
また、認知機能評価提示領域31は、被験者が軽度認知障害であるか否かを評価結果として表示してもよい。
また、「MCIの危険性が先月よりも低下しており、良好な状態が保てています。この調子で生活してください。」という評価メッセージ32が表示されている。評価結果提示部114は、今月の認知機能の評価値が先月の認知機能の評価値よりも低く、かつ今月の認知機能の評価値が0.5より低い場合に、図41に示す評価メッセージ32をメモリ12から読み出し、表示部3へ出力する。
なお、本実施の形態では、今回の認知機能の評価値とともに、過去の認知機能の評価値が表示されるが、本開示は特にこれに限定されず、今回の認知機能の評価値のみが表示されてもよい。この場合、認知機能判定部113は、認知機能の評価値をメモリ12に記憶しなくてもよい。
また、本実施の形態におけるカメラ2は、玄関前に設けられたセキュリティカメラ、ドアホンのカメラ子機、又は室内に設けられた監視カメラであってもよい。また、表示部3は、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、又は、ドアホンのモニタであってもよい。
なお、本実施の形態では、歩行パラメータ検出部112は、カメラ2から取得された動画像データに基づいて骨格データを抽出しているが、本開示は特にこれに限定されず、モーションキャプチャシステムを用いて骨格データを抽出してもよい。モーションキャプチャシステムは、光学式、磁気式、機械式及び慣性センサ式のいずれであってもよい。例えば、光学式モーションキャプチャシステムは、関節部分にマーカを貼り付けた被験者をカメラで撮影し、撮影した画像からマーカの位置を検出する。歩行パラメータ検出部112は、モーションキャプチャシステムによって検出された位置データから、被験者の骨格データを取得する。光学式モーションキャプチャシステムとしては、例えば、インターリハ株式会社製の3次元動作分析装置が利用可能である。
また、モーションキャプチャシステムは、深度センサ及びカラーカメラを備えてもよく、映像から被験者の関節点の位置情報を自動的に抽出し、被験者の姿勢を検出してもよい。この場合、被験者は、マーカを貼り付ける必要はない。なお、このようなモーションキャプチャシステムとしては、例えば、マイクロソフト社製のKinectが利用可能である。
モーションキャプチャシステムを用いた歩行動作の計測では、位置座標から歩行動作における足首関節の角度、膝関節の角度又は腰の鉛直方向の変位が抽出され、抽出された角度又は変位から歩行動作の特徴量が検出されることが好ましい。
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
本開示の実施の形態に係る装置の機能の一部又は全ては典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
また、本開示の実施の形態に係る装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。
また、上記フローチャートに示す各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためのものであり、同様の効果が得られる範囲で上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。