JP7438041B2 - 在庫評価装置 - Google Patents

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Description

本発明は、在庫を適正に調整する施策を立案する技術に関する。
在庫管理業務においては、物品の出荷要求に対して着実に出荷できるように在庫を保持しておくと同時に、物品毎の収益性まで考慮した戦略的な在庫管理が重要である。例えば、高収益品目はコストをかけてでも在庫を多めに持つことが考えられる。あるいは、低収益品目は在庫を減らしてコストを抑制することも重要である。
下記特許文献1は、在庫管理に関するシミュレーション技術について記載している。同文献は、『製造企業の工場において特定製品を製造する事業を行う上でのフリーキャッシュフローを、製造における直接的な条件データを元にし、なおかつ、企業で共通の販売費・一般管理費等や間接部門の費用をも勘案した上で、試算が行える事業化シミュレーションシステムを提供する。』ことを課題として、『製造企業全体の総掛かり費用を、前記特定製品を製造する直接部門に按分して算出する按分総掛かり費用算出手段』を備える事業化シミュレーションシステムを記載している(要約参照)。
また、下記特許文献2は、ABC(Activity Based Costing)の手法における間接費の割当て方式について記載している。同文献は、「全ての間接費(間接コスト)を複数のアクティビティのいずれかに必ず割当てる」ことを目的としており、「入力データにアクティビティが定義されていない場合には、その入力データに含まれる諸経費を所定の比率に従って複数のアクティビティに割当ててアクティビティごとの割当てコスト金額を算出する機能」を備える間接費管理システムについて記載している(要約参照)。
特開2003-216801号公報 特開2002-183399号公報
特許文献1記載の技術は、特定製品の収益を求めるために、製造企業全体の総掛かり費用を、その特定製品を製造する直接部門に対して按分している(按分総掛かり費用算出手段)。したがって、部門内に収益率が異なる品目が混在している場合であっても、すべての品目が一律の収益率として計算されることとなり、品目毎の収益率を正しく算出することができない。
また特許文献1記載の技術は、特定製品を製造する上での材料調達業務によってかかる費用(副費)を、材料調達業務の人員、直接材料費に占める割合、売上高に占める割合、などに応じて配分している。しかし、直接材料費や売上高が高いからといって、材料調達業務に費やす時間が必ずしも高いわけではない。例えば、着荷検収費については、品目の入庫件数が多ければ、その分だけ検収時間が多くかかるので、その品目は着荷検収費の負担額が大きくなるべきである。また、例えば物品が重く、人手では扱えず、フォークリフト等を使用する必要があるのであれば、フォークリフトの費用も品目毎の重量を考慮し按分する必要がある。しかし特許文献1は、このような入庫件数や重量などが費用に対して与える影響を考慮していない。
さらに特許文献1は、収益性が低いと判断された物品について、収益が改善するためにどのような施策を採ればよいのかを立案することについては考慮されていない。したがって特許文献1の技術を用いたとしても、その施策および強化度(レベル)毎に改善度合いをはかり、収益性が取れる事業や品目を創出するための効果的な施策を立案することは困難である。
特許文献2記載の技術は、入力データとして、アクティビティと、アクティビティが消費する経費とを入力する。入力されたデータにアクティビティが定義されていない場合には、その入力データに含まれる経費を所定の比率に従って複数のアクティビティに割当ててアクティビティごとの割当てコスト金額を算出する。しかし、品目単位など詳細な単位でABCにしたがってコスト管理するような場合には、アクティビティ数が膨大となるので、経費にアクティビティを定義することが難しくなる。また、そのアクティビティの定義がない場合には、経費を割り当てるための比率をその都度個別に登録しなくてはならず、作業工数が膨大となり全てを登録することが出来ない。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、品目毎の品目特性や費用発生要因などを適切に加味して実態にあわせた在庫管理費を算出することにより、物品毎の収益性を考慮した戦略的な在庫管理を実施することを可能とする在庫評価装置を提供することを目的とする。
本発明に係る在庫評価装置は、品目の在庫管理にともなう作業負荷パターンの種別(作業モデル)を、作業モデルごとの必要費目にしたがって推定し、その推定した作業モデルを用いて、各品目が負担すべき在庫管理費の負担割合を算出する。
本発明に係る在庫評価装置によれば、品目毎の重量や容積などの特性のレンジが広い場合であっても、作業モデルごとの作業負荷比率を考慮して在庫管理費を算出することにより、品目の実態に合わせて品目毎の収益性を算出することができる。これにより在庫適正化のための効果的な施策を立案することができる。上記以外の課題、構成、および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施形態1に係る在庫評価装置1000、および、在庫評価システム100の機能ブロック図である。 ユーザが在庫改善シナリオを設定し、在庫評価装置1000がそれらを評価して改善施策を立案する場合のシーケンス図である。 在庫管理費データの構成例を示す。 品目特性データ122の構成例を示す。 カテゴリデータの構成例を示す。 作業モデルマスタデータの構成例を示す。 作業負荷比率マスタデータの構成例を示す。 ある拠点の作業負荷比率データの構成例を示す。 傾斜配分データ1207の構成例を示す。 品目実績データ1208の構成例を示す。 発生原因項目の関連性データの構成例を示す。 品目別在庫管理費データの構成例を示す。 指標評価結果データの構成例を示す。 在庫評価装置1000が指標値を算出する手順を説明するフローチャートである。 施策内容リストの構成例を示す。 シナリオ設定データの構成例を示す。 施策関連性データの構成例を示す。 シナリオ変化率データの構成例を示す。 調達条件データ1210の構成例を示す。 仕向先データの構成例を示す。 シナリオ構成データの構成例を示す。 入出庫見通しデータの構成例を示す。 在庫管理費見通しデータの構成例を示す。 シナリオ指標評価結果データの構成例を示す。 在庫評価装置1000がシナリオの評価指標値を算出する手順を説明するフローチャートである。 指標算出部1105による計算結果を表示する画面の例である。 シナリオ指標算出部117による計算結果を表示する画面の例である。 KPI確認画面である。 ユーザが評価指標の目標値を設定し、在庫評価装置1000がそれを実現するシナリオを立案する場合のシーケンス図である。 評価指標目標値の構成例を示す。 シナリオ候補データの構成例を示す。 在庫評価装置1000が評価指標の目標値を達成するシナリオを生成する手順を説明するフローチャートである。 シナリオ指標算出部117による計算結果を表示する画面の例である。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る在庫評価装置1000、および、在庫評価システム100の機能ブロック図である。在庫評価システム100は、在庫評価装置1000、在庫管理者が使用するユーザ端末3000、データベース4000、を備える。これらはネットワーク2000を介して通信可能に接続されている。
ユーザ端末3000は、PC(Personal Computer)等の情報処理装置である。在庫管理者はユーザ端末3000を用いて、在庫管理施策の候補であるシナリオを複数案設定することができる。ユーザ端末3000は、設定されたシナリオを在庫評価装置1000に対して送信する。ユーザ端末3000は、在庫評価装置1000が出力する情報を画面表示する。
データベース4000は、例えばERP(Enterprise Resources Planning)等のシステム、またはそれに準じるデータを蓄積したデータベースである。データベース4000は、データを格納する記憶装置と、データ送受信を実施するコンピュータによって構成することができる。
ネットワーク2000は、ユーザ端末3000と、データベース4000と、在庫評価装置1000を通信可能に接続する。ネットワーク2000は、通常はLAN(Local Area Network)等のユーザの組織が管理する通信網である。ただし、これらに限らず、インターネット等の公衆通信網、WAN(Wide Area Network)またはVPN(Virtual Private Network)等の一般公衆回線を一部に用いた通信網であってもよい。
在庫評価装置1000は、PCまたはサーバーコンピュータ等の情報処理装置である。在庫評価装置1000は、在庫適正化度合いをはかる指標として、(a)各物品が収益を生み出している部品であるか否かをはかる交叉比率(=在庫金額に対する営業利益の割合)、(b)顧客要求に対し要求通りに物品を供給できた割合をはかる納期遵守率(=納期遵守数に対する受注数の割合)、の2つを算出する。交叉比率を計算する際には、品目毎に収益を算出するとき必要となる在庫管理費を、実態に沿った形で品目毎に配賦する。計算手順の詳細については後述する。
在庫管理担当者が、在庫適正化のための施策の候補であるシナリオを設定すると、在庫評価装置1000はそれらの施策を実行したときの効果を交叉比率と納期遵守率を用いシナリオ別に評価することができる。在庫管理担当者は、その結果を確認し、効果的な施策を立案することができる。
在庫評価装置1000は、演算部1100、記憶部1200、入力部1300、出力部1400を備える。
演算部1100は、マスタデータ補完部1101、作業モデル推定部1102、作業負荷比率選定部1103、在庫管理費算出部1104、指標算出部1105と、シナリオ生成部1106、マスタ変更部1107、受払処理部1108、影響額算出部1109、シナリオ指標算出部1110、シナリオ判定部1111を備える。これら各機能部の動作については後述する。
記憶部1200は、作業モデルマスタデータ1201、作業負荷比率マスタデータ1202、カテゴリデータ1203、作業負荷比率データ1204、金額データ1205、品目特性データ1206、傾斜配分データ1207、品目実績データ1208、関連性データ1209、調達条件データ1210、施策評価結果データ1211を記憶する。記憶部1200は、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリデバイスなどの記憶装置から構成される。各データの詳細については後述する。
図2は、ユーザが在庫改善シナリオを設定し、在庫評価装置1000がそれらを評価して改善施策を立案する場合のシーケンス図である。以下図2の各シーケンスについて説明する。
在庫管理担当者は、ユーザ端末3000を用い、在庫評価装置1000を起動するように指示する。在庫評価装置1000は、その命令を受け取り、データベース4000に対し、マスタ情報(後述する作業モデルマスタデータ1201~関連性データ1209までの9つのデータ)を要求する。データベース4000は、その要求を受け取り、事前に蓄積しておいた各種マスタ情報を在庫評価装置1000に対して送信する。在庫評価装置1000は、各種マスタ情報を受け取り、指標算出部1105は後述する評価指標を算出する。在庫評価装置1000は評価指標の算出結果をユーザ端末3000に対して通知し、在庫管理担当者はユーザ端末3000上でその結果を確認する。以上の手順の詳細については図14を用いて改めて説明する。
在庫管理担当者はユーザ端末3000を用い、在庫を適正化するために必要と思われる施策および強化レベルの組み合わせを1以上選択し、その組み合わせによって構成されたシナリオを1以上作成する。ユーザ端末3000は作成したシナリオを在庫評価装置1000に対して送信し、シナリオ生成部1106はこれにしたがってシナリオを生成する。在庫評価装置1000は、マスタ情報(金額データ1205~調達条件データ1210までの6つのデータ、および後述するシナリオについてのデータ)をデータベース4000に対し要求する。
データベース4000は、その要求を受け取り、事前に蓄積しておいた各種マスタ情報を在庫評価装置1000に対して送信する。在庫評価装置1000は、それらの情報を受け取り、シナリオ指標算出部1110はシナリオ別に評価指標値を算出する。在庫評価装置1000は評価指標の算出結果をユーザ端末3000に対して通知する。以上の手順の詳細については図25を用いて改めて説明する。
<指標算出のために用いるデータと算出手順>
図3は、在庫管理費データの構成例を示す。在庫管理費データは、金額データ1205の一部として構成されている。在庫管理費データは、在庫管理費として発生する費目のリストと、各費目の合計額を記述している。在庫管理費データは、データフィールドとして例えば、No.、在庫管理費項目、金額を保持している。
図4は、品目特性データ1206の構成例を示す。品目特性データ1206は、品目毎の特性として、購入先から販売先までの輸送経路などの種別を記述したデータである。品目特性の用い方については後述の図14において改めて説明する。品目特性データ1206は、データフィールドとして例えば、品目名、購入先名称、購入単価、重量、取扱い種別、保管場所、販売拠点を保持している。取扱い種別とは、調達品目が倉庫を経由するか、または、調達先から倉庫を経由せずに直接輸送されるかを区別するための種別である。購入先名称、購入先単価、重量は、後述するマスタデータ補完部1101や作業負荷比率選定部1103において用いる品目分類を定めるためのものであり、取扱い種別、保管場所、販売拠点は、後述する傾斜配分データ1207において用いる品目分類を定めるためのものである。
図5は、カテゴリデータ1203の構成例を示す。カテゴリデータ1203は、品目の種別をその品目の属性にしたがって定義したデータである。図5においては、品目の重量範囲(上限値と下限値によって定まる範囲)にしたがって、5つの品目種別(超小物~超大物)を定義した例を示した。品目の重量が、1kg以下であれば超小物、1kgより重く5kg以下であれば小物、5kgより重く50kg以下であれば中物、50kgより重く5t以下であれば大物、5tより重ければ超大物と定義する。品目のその他属性(例については後述)にしたがって品目種別を定義してもよい。カテゴリデータ1203は、データフィールドとして例えば、カテゴリ名称、分類項目、下限値、上限値を保持している。
図6は、作業モデルマスタデータ1201の構成例を示す。作業モデルマスタデータ1201は、作業モデルと費目との間の対応関係を定義している。ここでいう作業モデルとは、在庫管理作業を実際に実施する場所において発生する作業負荷パターンを表している。作業モデルマスタデータ1201は、作業モデルと費目の組み合わせごとに、後述する作業負荷比率パターンを定義している。
作業モデルマスタデータ1201は、データフィールドとして例えば、在庫管理費項目、作業モデル1、作業モデル2、作業モデル3を保持している。作業モデルの数は1以上で必要に応じ用意する。図6の1行目によれば、作業モデル1に準じた着荷検収費が発生する場合は、後述する作業負荷比率パターン2に対応する作業負荷比率が発生することが分かる。
図7は、作業負荷比率マスタデータ1202の構成例を示す。作業負荷比率マスタデータ1202は、作業モデルと作業負荷比率パターンの組み合わせごとに、各品目種別(カテゴリデータ1203が定義している品目種別)の作業負荷比率を定義するものである。作業負荷比率マスタデータ1202は、データフィールドとして例えば、作業モデル、作業負荷比率パターン、カテゴリごと(超小物、小物、中物、大物、超大物)の作業負荷比率を保持している。
図7の1行目によれば、作業モデル1に準じた在庫管理費は、品目種別間において、作業負荷比率パターン1に準じた作業負荷比率が発生する場合があり、その作業負荷比率は、超小物:小物:中物:大物:超大物=1:2:5:8:10であることが分かる。同じ作業モデル1であっても、作業負荷比率パターン2に準じた作業負荷比率が発生する場合、その作業負荷比率は、超小物:小物:中物:大物:超大物=2:2:4:5:6であることが分かる。
図8は、ある拠点の作業負荷比率データ1204の構成例を示す。ある拠点の作業負荷比率データ1204は、データフィールドとして例えば、在庫管理費項目、カテゴリごと(超小物、小物、中物、大物、超大物)の作業負荷比率を保持している。
図6の1行目によれば、作業モデル1に準じた着荷検収費は、作業負荷比率パターン2が発生することが分かる。作業モデル1かつ作業負荷比率パターン2は、図7の2行目において定義されている。すなわちこの着荷検収費は、超小物:小物:中物:大物:超大物=2:2:4:5:6の割合で発生することが分かる。図8の1行目はこのことを表している。図8のその他レコードについても同様に算出することができる。
図9は、傾斜配分データ1207の構成例を示す。傾斜配分データ1207は、在庫管理費が品目毎にいくらかかっているのかを実際の作業実態に沿って定義するためのデータテーブルである。傾斜配分データ1207は、データフィールドとして例えば、品目分類No.、取扱い種別、保管場所、販売拠点、着荷検収費、出荷梱包費、倉庫賃借料、入出庫費、出荷検収費、出荷輸送費、倉庫間輸送費、一般費を保持している。
傾斜配分データ1207を定義する手順を説明する。まず、全ての品目がいずれかの品目分類No.に属するように、取扱い種別と保管場所と販売拠点の組み合わせ総数分だけ品目分類No.を用意する。次に品目分類ごとに、実際に発生する在庫管理費目のみその旨のフラグを立てる。例えば品目分類No.2は、倉庫経由の部品であり、倉庫1に保管して海外に販売する部品である。このような品目について実際に発生する在庫管理費は、着荷検収費、出荷梱包費の海外分、倉庫1の賃借料、輸送費の海外分、であると考えられる。そこで品目分類No.2については、これらの在庫管理費目にフラグ「1」をセットする。その他品目分類No.についても同様にフラグをセットする。以上の手順により傾斜配分データ1207を構成することができる。
図10は、品目実績データ1208の構成例を示す。品目実績データ1208は、品目毎の在庫管理実績を記述したデータである。品目実績データ1208は、データフィールドとして例えば、品目名、売上高、入庫件数、入庫数量、出荷件数、出荷数量、在庫数、単価、受注数、納期遵守数を保持している。
図11は、発生原因項目の関連性データの構成例を示す。発生原因項目の関連性データは、関連性データ1209の一部として構成されている。発生原因項目の関連性データは、データフィールドとして例えば、No.、在庫管理費項目、入庫件数、入庫数量、出荷件数、出荷数量、在庫数、作業負荷比率を保持している。
発生原因項目の関連性データは、在庫管理費の発生原因となる項目を、在庫管理費目ごとに定義するためのデータテーブルである。例えば、着荷検収費の金額は、入庫数量が多く、物品が重く大きいほど費用が高額となると考えられる。この場合、着荷検収費を品目毎に配分するときには、入庫数量と着荷検収作業で発生する作業負荷の比率(作業負荷比率)を考慮する必要がある。したがって図11のレコードNo.1においては、入庫数量、作業負荷比率にフラグ「1」をセットしている。その他在庫管理費目についても同様にフラグをセットする。発生原因項目の関連性データを参照することにより、在庫管理費目に対して影響を与える発生原因を特定することができる。
図12は、品目別在庫管理費データの構成例を示す。品目別在庫管理費データは、金額データ1205の一部として構成されている。品目別在庫管理費データは、在庫管理費目の内訳を品目毎に記述したデータである。品目別在庫管理費データは、データフィールドとして例えば、No.、在庫管理費項目、品目名、金額を保持している。
図13は、指標評価結果データの構成例を示す。指標評価結果データは、施策評価結果データ1211の一部として構成されている。指標評価結果データは、後述するシナリオを実施したとき得られる評価指標の算出結果を保持するデータである。指標評価結果データは、データフィールドとして例えば、シナリオNo.、品目名、交叉比率、納期遵守率を保持している。交叉比率とは、在庫に対する利益の割合を示したものである。交叉比率が1以上であれば、利益を生み出している品目であるといえるので、交叉比率は在庫が適正であるか否かを判断するための1指標となる。
図14は、在庫評価装置1000が指標値を算出する手順を説明するフローチャートである。以下、図14の各ステップについて詳細に説明する。
ステップS1401において、在庫評価装置1000は、データベース4000からマスタ情報(作業モデルマスタデータ1201~関連性データ1209までの9つのデータ)を取得する。
ステップS1402において、マスタデータ補完部1101は、S1401にて取得したマスタ情報において欠損している情報を補完する。例えば、図4に示す品目特性データに含まれるある品目において、重量情報が欠損している場合、欠損している購入先と同じ品目を抽出し、それらの購入単価と重量の関係を推定する。これは、購入先毎に原材料はおおよそ共通のために購入単価と重量には関係性があるという前提に基づいている。例えば、鋼材メーカー、電子機器メーカーなど購入先毎に部品の購入単価と重量には関係性があるものとしている。図4に示す例では、品目Dの重量情報が欠損していることから、品目Dの重量を推定する。推定手法は様々あるが、その都度、モデルに合う手法を選択する。本例では購入先AAAにおける購入単価と重量の関係を推定し、例えば単回帰分析を行うと品目Dの重量は35となる。そのため、品目特性データの品目Dの重量は35と入力され、更新される。
本例では、重量が欠損している場合を示したが、購入単価、容積など他の情報が欠落している場合も考えられる。この場合であっても同様に、欠落していない部分の相互相関関係にしたがって欠落部分を推定することにより、欠損情報を補完することができる。
ステップS1403において、作業モデル推定部は、S1401にて取得した図3の在庫管理費データが、図6の作業モデルマスタデータのどの作業モデルであるかを推定する。本例の在庫管理費データは、着荷検収費から一般費までの全ての項目において費用が計上されている。図6の作業モデルマスタに、全ての項目において費用計上されている作業モデルを確認すると作業モデル1が該当することがわかる。よって、本例の作業モデルは作業モデル1であるといえる。作業モデルに関しては、完全一致するような作業モデルが存在しない場合も想定できる。そのような場合は、推定手法を用い最も構成が近い作業モデルを推定する。
ステップS1404において、作業負荷比率選定部は、作業モデルマスタデータにおいて作業モデルNo.毎および経費毎に定義している作業負荷比率パターンと、図7の作業負荷比率マスタデータを用い、図8のある拠点の作業負荷比率データを作成することである。具体的には、本例では作業モデルは作業モデル1であることから、着荷検収費の作業負荷比率パターンは2であることがわかる。図7の作業モデル1、かつ、作業負荷比率パターン2の負荷比率は、超小物:2、小物:2、中物:4、大物:5、超大物:6であることがわかる。よって、図8のある拠点の作業負荷比率データの着荷検収費は、超小物から超大物の作業負荷比率が2:2:4:5:6となる。以下、出荷梱包費(国内向け)から一般費まで同様の処理を行うと図8のある拠点の作業負荷比率データが完成する。
ステップS1405において、在庫管理費算出部は、S1401において取得したマスタ情報(カテゴリデータ1203、金額データ1205の一部である在庫管理費データ、品目特性データ1206、傾斜配分データ1207、品目実績データ1208)、および、作業負荷比率選定部1103により算出した作業負荷比率データ1204を用いて、品目毎の在庫管理費を算出する。S1405の具体的手順は以下の通りである。
在庫管理費算出部1104は、取り扱い中の全品目について、品目特性データ1206が定義している品目特性にしたがって、傾斜配分データ1207のいずれの品目分類No.に属するかを決める。例えば、品目特性データ1206によれば品目Aは倉庫経由品であり、保管場所はメイン倉庫、販売拠点は海外であるので、品目分類No.2に属することがわかる。
在庫管理費算出部1104は、品目Aが着荷検収費全体に対し、どの程度の費用割合を負担すべきであるかを計算する。発生原因項目の関連性データ(関連性データ1209)によれば、品目Aの着荷検収費は、入庫数量と作業負荷比率によって影響を受けることが分かる。また、傾斜配分データ1207において、品目分類区分No.1~6は着荷検収費が発生することが分かる。そこで在庫管理費算出部1104は、品目分類No.1~6に該当する全品目についてそれぞれ入庫数量×作業負荷比率を求め、それらの総和に対する品目Aの入庫数量×作業負荷比率の割合を求める。これにより、全着荷作業費に対する品目Aの着荷作業費の割合を算出することができる。在庫管理費算出部1104は、この割合を品目Aの着荷検収費の配賦割合とする。在庫管理費算出部1104は、品目Aの着荷検収費の配賦割合に対して着荷検収費総額を掛けることにより、品目Aにおける着荷検収費を求める。
すなわち在庫管理費算出部1104は、まず関連性データ1209にしたがって、費目が作業負荷比率と各発生原因項目により影響されるか否かを判断し、影響されるものについては発生原因項目×作業負荷比率の総和を算出する。在庫管理費算出部1104はさらに、品目ごとの発生原因項目×作業負荷比率を算出し、総和に対するその比率にしたがって、その品目が負担すべき在庫管理費を算出する。
在庫管理費算出部1104はさらに、傾斜配分データ1207にしたがって、費目が発生する品目のうち作業負荷比率によって影響されるものを判断し、影響されるものについては発生原因項目×作業負荷比率の総和を算出する。在庫管理費算出部1104はさらに、品目ごとの発生原因項目×作業負荷比率を算出し、総和に対するその比率にしたがって、その品目が負担すべき在庫管理費を算出する。
在庫管理費算出部1104は、他の在庫管理費目に関しても同様の方法を用いて、品目Aにおける各在庫管理費を算出する。他の品目についても同様に各在庫管理費を算出することができる。在庫管理費算出部1104は、算出結果を品目別在庫管理費データ(図12)に格納する。
発生原因項目の総和に対する各品目の発生原因項目の比率を用いて、各品目が負担すべき在庫管理費の割合を算出することも考えられる。しかしその場合、発生原因項目のうちその他発生原因項目と比較して数値が極端に大きいものが含まれていると、実際の算出結果はその極端に大きい発生原因項目に依拠することになる。例えば発生原因項目として重量と容積があり、重量の数値が容積の数値よりも極端に大きければ、重量の数値にほぼ依拠して算出結果が得られることになるので、容積を考慮する意義が減殺されてしまう。そこで本実施形態1においては、発生原因項目×作業負荷比率の総和に対する、各品目の発生原因項目×作業負荷比率の割合を、在庫管理費の負担割合の算出基準とした。
ステップS1406において、指標算出部1105は、品目実績データ1208とS1405で算出した品目別在庫管理費データから、評価指標として交叉比率と納期遵守率を算出する。交叉比率は、在庫金額に対する収益の割合である。例えば、収益として営業利益を用いるとすると、品目毎の売上高から品目毎の原価と品目毎の在庫管理費を引くことにより、品目毎の営業利益を求めることができる。在庫金額は在庫数と単価から求められる。納期遵守率は、受注数(あるいは件数)に対する納期遵守数(あるいは件数)の割合を求めることにより算出できる。指標算出部1105は、後述する図26で説明する画面において、算出結果を表示する。
例えば、ステップS1406での算出結果が交叉比率0.77、納期遵守率0.75であるとすると、指標算出部1105は図13のように指標評価結果データを記載する。図13の例によれば、品目Aの交叉比率が1以下であるので、品目Aは収益を生み出すことができていない品目であり、収益を生み出す部品に変えるために何か施策を打たなくてはならないことが分かる。納期遵守率は事業形態により基準が様々ではあるが、25%遵守できておらず、失注していることも想定でき、改善が見込まれる。
<シナリオ評価のために用いるデータと算出手順>
図15は、施策内容リストの構成例を示す。施策内容リストは、在庫状況を改善するために実施する施策候補のリストである。後述するシナリオは、施策内容を1以上組み合わせることによって構成される。施策内容リストは、あらかじめ記憶部1200に格納しておいてもよいし、ユーザが入力部1300を介して入力してもよい。施策内容リストは、データフィールドとして例えば、施策No.、施策内容を保持している。
図16は、シナリオ設定データの構成例を示す。ユーザは、施策内容を1以上組み合わせることによってシナリオを作成する。シナリオ設定データは、その組み合わせ内容を記述したデータである。シナリオ設定データは記憶部1200に格納することができる。シナリオ設定データは、データフィールドとして例えば、シナリオNo.、対象品目名、施策No.、施策名、レベルを保持している。施策No.は、施策内容リストの同フィールドを参照している。
図17は、施策関連性データの構成例を示す。施策関連性データは、施策内容を実施することにより、在庫管理費またはこれに関連するパラメータに対して及ぼす影響を定義したデータである。影響は、その施策内容を実施する前後における変動割合として定義することができる。さらに施策内容の実施強度によって影響が異なる場合、実施強度ごとに影響を定義することができる。図17においては実施強度を「レベル」として記載した。施策関連性データは、データフィールドとして例えば、No.、影響項目、施策No.、レベル、影響度を保持している。施策No.は、施策内容リストの同フィールドを参照している。施策関連性データは、関連性データ1209の一部として構成されている。
図18は、シナリオ変化率データの構成例を示す。シナリオ変化率データは、各シナリオが採用した施策の影響を施策関連性データにしたがってシナリオごとに記述したデータである。図18はシナリオ番号「3」についての例を示した。シナリオ変化率データは記憶部1200に格納することができる。後述する各データも同様である。シナリオ変化率データは、データフィールドとして例えば、No.、影響項目、シナリオNo.、変化率を保持している。
図19は、調達条件データ1210の構成例を示す。調達条件データ1210は、品目を調達するときのリードタイムなどの制約条件を品目毎に記述したデータである。調達条件データ1210は、シナリオを実施するときの実施条件として用いられる。調達条件データ1210は、データフィールドとして例えば、品目名、調達先名、調達リードタイム(調達LT)、調達ロット、安全在庫係数を保持している。
図20は、仕向先データの構成例を示す。仕向先データは、品目毎に仕向先を記述したデータである。仕向先データは、シナリオを実施するときの実施条件として用いられる。仕向先データは、データフィールドとして例えば、品目名、拠点名、輸送手段、輸送リードタイム(輸送LT)を保持している。
図21は、シナリオ構成データの構成例を示す。シナリオ構成データは、調達条件データ1210と仕向先データに基づきシナリオを実施したとき得られる調達リードタイムなどの結果を記述したデータである。図21はシナリオ番号「3」についての例を示した。シナリオ構成データは、データフィールドとして例えば、品目名、シナリオNo.、調達リードタイム、調達ロット、安全在庫係数、輸送手段、輸送リードタイムを保持する。
図22は、入出庫見通しデータの構成例を示す。入出庫見通しデータは、シナリオを実施した結果として得られる品目の入出庫予測を記述したデータである。図22はシナリオ番号「3」についての例を示した。入出庫見通しデータは、データフィールドとして例えば、品目名、シナリオNo.、売上高、入庫件数、入庫数量、出荷件数、出荷数量、在庫数、単価、受注数、納期遵守数を保持する。
図23は、在庫管理費見通しデータの構成例を示す。在庫管理費見通しデータは、シナリオを実施した結果として得られる在庫管理費の予測を記述したデータである。図23はシナリオNo.「1」についての例を示した。在庫管理費見通しデータは、データフィールドとして例えば、No.、在庫管理費項目、品目名、シナリオNo.、金額を保持する。
図24は、シナリオ指標評価結果データの構成例を示す。シナリオ指標評価結果データは、シナリオ指標評価結果データは、図13と同様の評価指標をシナリオごとに記述したデータである。データフィールドとして例えば、シナリオNo.、品目名、交叉比率、納期遵守率を保持する。
図25は、在庫評価装置1000がシナリオの評価指標値を算出する手順を説明するフローチャートである。以下、図25の各ステップについて詳細に説明する。
ステップS2501において、在庫評価装置1000は、データベース4000からマスタ情報(金額データ1205~調達条件データ1210までの6つのデータ)を取得するとともに、シナリオについてのデータ(図15:施策内容リスト~図17:施策関連性データ、図20:仕向先データ)を取得する。
ステップS2502において、マスタ変更部1107は、施策関連性データにしたがって各項目の変動分を算出することにより、シナリオ変化率データ(図18)を作成する。例えば図16の例によれば、シナリオ1は、品目Aにおいて、施策3(調達期間短縮)をレベル1で実施するシナリオである。さらに図17の施策関連性データによれば、施策3は、調達価格に対して1.1倍の影響を有し、調達リードタイムに対して1.2倍の影響を有する。マスタ変更部1107はその他施策およびパラメータについても同様に影響分を算出する。
1つのシナリオが複数の施策を同時に実施することもできる。その場合、ある項目に対して複数の施策の影響度が重なる場合があり得る。この場合は施策内容に応じて項目毎に影響度を乗算あるいは加算することにより、重畳分を考慮して変化率を算出する。マスタ変更部1107は、以上の処理を全シナリオの影響項目に対して実施する。
ステップS2502において、マスタ変更部1107はさらに、品目実績データ1208、調達条件データ1210、および仕向先データに対してシナリオ変化率データを反映することにより、シナリオ構成データと入出庫見通しデータを作成する。例えば品目実績データ1208の各項目に対してシナリオ変化率データによる影響を乗算することにより、入出庫見通しデータを生成することができる。同様に調達条件データ1210と仕向先データの各項目に対してシナリオ変化率データによる影響を乗算することによりこれらの変動を算出すると、シナリオ構成データを得ることができる。
ステップS2503において、受払処理部1108は受払計算を実施する。受払計算は、実業務の計画立案サイクルに合わせて品目を仮想的に入出庫させることにより、在庫変動を計算する処理である。受払処理部1108は、S2502において計算したシナリオ構成データが記述している調達リードタイムなどを前提として、受払計算を実施する。これにより、シナリオにおける入出庫などの見通しを計算することができる。受払計算の結果は入出庫見通しデータ(図22)に格納する。
ステップS2504において、影響額算出部1109は、シナリオの施策を実施した影響によって入出庫などが変動したとき、その結果として在庫管理費がどのように影響を受けるのかを計算する。具体的には、まず品目実績データ1208が記述している入出庫などの実績において、シナリオが取り扱う品目が占める割合を算出する。総在庫管理費に対して、この割合を乗算することにより、当該シナリオにおいて発生する在庫管理費を算出する。
さらにその在庫管理費に対して、シナリオ変化率データが与える各項目の影響度を乗算することにより、当該シナリオにおける在庫管理費の変動分を求めることができる。影響額算出部1109はその算出結果を在庫管理費見通しデータ(図23)に格納する。シナリオ変化率データによる変化率が在庫管理費に対して影響するか否かは、関連性データ(図11)によって特定することができる。
例えば図11の例によれば、着荷検収費を再計算する場合は、入庫数量と作業負荷比率それぞれの増減が影響する。図22に示す入出庫見通しデータの例においては、入庫件数のみが品目実績データ1208と比較すると25から24へ変動し、実績に対する入出庫見通しの割合は0.96である。よって、品目Aの着荷検収費2,136に0.96を乗算した2,051が着荷検収費の見通し値となる。
ステップS2505において、シナリオ指標算出部1110は、入出庫見通しデータ(図22)と在庫管理費見通しデータ(図23)にしたがって、シナリオごとに評価指標を算出する。評価指標としては、S1406と同様に交叉比率と納期遵守率を用いることができる。シナリオ指標算出部1110はその結果をシナリオ指標評価結果データ(図24)に格納する。S2502~S2505を全シナリオに対して実施する。
ステップS2506において、シナリオ指標算出部1110は、後述する図26~図27で説明するシナリオ別の評価指標画面を表示する。
図26は、指標算出部1105による計算結果を表示する画面の例である。在庫管理担当者が本画面の実行ボタンを押すと、在庫評価装置1000は図14で説明した計算手順を実施することにより、評価指標として交叉比率と納期遵守率を品目毎に算出し、その結果をグラフ表示する。結果グラフは、例えば評価指標を横軸と縦軸にとり散布図で表現することができる。
本画面は、指標算出部1105による算出結果を出力部1400がユーザ端末3000に対して送信し、ユーザ端末3000がこれを図26の画面として表示してもよいし、出力部1400自身が本画面を形成してもよい。いずれの場合であっても、本画面を表示する装置は表示デバイスを介して本画面を表示する。後述する各画面も同様である。
図27は、シナリオ指標算出部1110による計算結果を表示する画面の例である。在庫管理担当者は、本画面を用い、在庫を適正化したい対象部品を指定し、さらに、在庫を適正化するための施策候補をシナリオとして設定する。在庫管理担当者が実行ボタンを押すと、在庫評価装置1000は図25で説明した計算手順を実施することにより、シナリオ別の評価指標を算出する。算出結果は図26と同様に散布図で表現することができる。このように複数のシナリオの評価結果を同時に2軸で可視化することにより、どのシナリオおよび施策が有効なのか把握することができる。したがって、評価指標がトレードオフ関係にあり最良シナリオを即座に決定できないような場合であっても、在庫管理者が納得できるシナリオを選択することが可能となる。
図28は、KPI(Key Performance Indicator)確認画面である。図27の評価結果確認画面の詳細確認ボタンを押すと、本画面が表示される。マスタ変更部1107と受払処理部1108がシナリオを実施する過程において、調達リードタイムなどを計算することになる。これらのパラメータのうちKPIとなる項目をあらかじめ定めておき、シナリオを実施することにより得られる各項目を、図28においてKPIとして表示することができる。このKPIは、各シナリオの評価指標を達成するために実現すべきパラメータということができる。したがってマスタ変更部1107と受払処理部1108は、これらのKPIを算出するKPI算出部としての役割も有する。
<実施の形態1:まとめ>
本実施形態1に係る在庫評価装置1000において、在庫管理費算出部1104は、関連性データ(図11)が定義している発生原因項目の組み合わせごとに在庫管理費の総和を算出し、その総和に対して各品目の在庫管理費が占める割合を算出する。これにより、在庫管理費の発生原因の実態を反映して在庫管理費を正確に算出することができる。在庫管理費を正確に算出することにより、物品毎の収益を精度よく算出し、物品毎の収益性まで考慮した戦略的な在庫管理を立案が可能となる。
本実施形態1に係る在庫評価装置1000において、在庫管理費算出部1104は、傾斜配分データ1207が定義している品目種別ごとの在庫管理費目にしたがって、在庫管理費を各品目へ配賦する。品目種別は、品目特性データ1206が記述している輸送経路などの組み合わせにしたがって定義することができる。これにより、実際には発生しない在庫管理費目を各品目へ配賦することがなくなるので、品目の輸送経路などの実態を反映して在庫管理費を正確に算出することができる。
本実施形態1に係る在庫評価装置1000において、指標算出部1105は、品目の評価指標として交叉比率と納期遵守率を算出し、図26で例示した画面上で表示する。これにより在庫管理担当者は、在庫の現状を適切に評価することができる。
本実施形態1に係る在庫評価装置1000において、影響額算出部1109は、施策関連性データ(図17)が定義している各施策の影響度にしたがって、シナリオを実施したとき影響を受けるパラメータとその影響度を計算し、その結果を用いて在庫管理費の変動額を算出する。受払処理部1108は、施策関連性データにしたがって変動したパラメータを用いて、入出庫見通しデータ(図22)を作成する。これらの処理により、在庫適正化のために効果的な施策を特定することができる。また品目の実態を正確に反映した在庫管理費の計算結果を用いてシナリオを評価することにより、シナリオの効果を正確に計算することができる。
本実施形態1に係る在庫評価装置1000において、シナリオ指標算出部1110は、シナリオごとに評価指標を算出するとともに、その結果を図27~図28の画面によって表示する。これにより在庫管理者は、効果的なシナリオを容易に特定することができる。また、シナリオごとにKPI値を提示することにより、在庫適正化のために実現すべきパラメータを容易に把握し、在庫をより効率的に適正化することができる。
本実施形態1に係る在庫評価装置1000において、品目特性データ1206は、品目の購入先と品目の購入単価と品目の重量を定義しており、マスタデータ補完部1101は、品目特性データ1206が定義している情報のうち欠落していない部分の相互対応関係を用いて、品目特性データ1206のなかで欠落している情報を推定することにより、その欠落している情報を補完する。これにより、品目特性データ1206のうち一部が欠落している場合であっても、在庫適正化を適切に実施することができる。
本実施形態1に係る在庫評価装置1000において、品目特性データ1206は、品目の重量に代えてまたは品目の重量に加えて、品目の容積、品目の材質、品目の形状、のうち少なくともいずれかを定義することもできる。これにより、品目の様々な属性項目について、欠落情報を補完することができる。
本実施形態1に係る在庫評価装置1000において、カテゴリデータ1203は、品目の種別として、品目の重量に代えてまたはこれに加えて、品目の容積、品目の材質、品目の形状、品目の梱包方法、のうち少なくともいずれかを定義することもできる。この場合、作業負荷比率マスタデータ1202は、カテゴリデータ1203が定義している品目種別間の作業負荷比率パターン種別を記述することができる。これにより、品目の様々な属性項目について、作業負荷パターンにしたがって在庫適正化を図ることができる。
<実施の形態2>
実施形態1においては、ユーザが施策を組み合わせることによってシナリオを生成する例を説明した。本発明の実施形態2では、ユーザが評価指標の目標値を設定し、在庫評価装置1000がその目標値を達成するシナリオを自動生成する構成例を説明する。
図29は、ユーザが評価指標の目標値を設定し、在庫評価装置1000がそれを実現するシナリオを立案する場合のシーケンス図である。以下図29の各シーケンスについて説明する。
在庫評価装置1000に対する起動命令から、指標値算出結果を通知するまでは、実施形態1と同様である。在庫管理担当者はユーザ端末3000を用い、交叉比率と納期遵守率の目標値を入力する。在庫評価装置1000は、S2501と同様に各データを取得する。在庫評価装置1000は、それらのデータにしたがって、目標値を達成することができるシナリオの候補を生成し、その評価指標を算出して目標達成したか否かを判定する。在庫評価装置1000はその結果をユーザ端末3000に対して通知する。在庫管理担当者は、ユーザ端末3000に出力された目標値を遵守するシナリオを確認し、必要に応じ、改善すべきKPI値も確認することが可能である。
図30は、評価指標目標値の構成例を示す。評価指標目標値は、実施形態1で説明した評価指標の目標値としてユーザがセットするものであり、例えば、交叉比率、納期遵守率を保持している。
図31は、シナリオ候補データの構成例を示す。シナリオ候補データは、評価指標の目
標値を達成することができるシナリオの候補として、シナリオ生成部1106が生成するシナリオを記述したデータである。シナリオ候補は、実施形態1のシナリオと同様に施策の組み合わせによって構成される。シナリオ候補データは、データフィールドとして例えば、シナリオNo.、施策No.、施策名、レベルを保持している。
図32は、在庫評価装置1000が評価指標の目標値を達成するシナリオを生成する手順を説明するフローチャートである。以下、図32の各ステップについて詳細に説明する。
ステップS3201は、S2501と同様である。ただしS2501に加えて評価指標目標値を併せて取得する。ステップS3202において、シナリオ生成部1106は、施策内容リスト(図15)から想定されるシナリオを自動生成する。シナリオ生成手順としては例えば、施策内容がn個であれば2のn乗個の全通り組み合わせを網羅するシナリオを生成する方法が考えられる。
ステップS3203~S3206は、S2502~S2505と同様の処理を、シナリオ生成部1106が生成した各シナリオ候補に対して実施する。ステップS3207において、シナリオ判定部1111は、目標値を達成しているシナリオを抽出する。シナリオ判定部1111は、シナリオ指標評価結果データ(図24)のうち、目標値を達成しているシナリオのみ残し、未達のシナリオについてはシナリオ指標評価結果データから削除する。以上の手順により目標達成シナリオを自動抽出できる。
図33は、シナリオ指標算出部1110による計算結果を表示する画面の例である。本実施形態2においては、図26の画面に加えて本画面を表示する。ユーザが目標値を画面上で設定し、実行ボタンを押すと、在庫評価装置1000はシナリオを自動生成し、目標値を遵守するシナリオのみを画面に表示する。在庫管理担当者は、画面上で評価結果を確認することにより、在庫適正化のための効果的な施策を容易に決めることができる。また、詳細確認ボタンを押すと図28のKPI確認画面を表示し、目標値を達成したシナリオのKPI値を確認することが可能である。
<実施の形態2:まとめ>
本実施形態2に係る在庫評価装置1000において、シナリオ生成部1106は、ユーザがセットした評価指標の目標値を実現することができるシナリオ候補を生成し、シナリオ指標算出部1110は各シナリオの評価指標を算出する。さらにシナリオ判定部1111が目標値を達成するシナリオを抽出することにより、目標値を達成する施策を自動的に特定することができる。
<本発明の変形例について>
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
図2のシーケンスにおいては、シナリオを指標値算出後に登録するものとしたが、在庫評価装置1000の起動命令時にシナリオ登録してもよいし、あるいは、事前にシナリオをデータベース4000に登録しておいてもよい。これにより、起動命令からシナリオ指標値の結果通知までを一貫して自動処理することができる。
S1405において、発生原因項目の関連性データが記載している項目を全て乗算する例を説明したが(入庫数量×作業負荷比率)、発生原因項目の組み合わせごとの総和を求める手順はこれに限られるものではなく、発生原因項目の特性に応じて、加算、加算と乗算の組み合わせ、重み付け加算、これらの組み合わせなど、実態に沿った適当な計算方法を用いることができる。
図26~図28、図33において、計算結果を画面表示することを説明したが、計算結果を出力する方法は画面表示に限るものではなく、例えば計算結果を記述したデータを出力してもよい。
実施形態2において、施策内容の全組み合わせをシナリオ候補として生成することを説明したが、例えば計算量が多大であるなどの場合は、一部の組み合わせのみをシナリオ候補として生成してもよい。例えば施策内容のうち効果が見込まれるもののみをあらかじめピックアップし、それら施策内容の全組み合わせによってシナリオ候補を生成することが考えられる。あるいは、全組み合わせによって得られるシナリオ候補のうち一部のみを評価対象とすることも考えられる。その他、全てのレベルの組み合わせではなく一部のレベル値のみ用いることが考えられる。その他適当な方法によりシナリオ候補の個数を制限してもよい。
上記の各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。上記した実施形態の技術的要素は、単独で適用されてもよいし、プログラム部品とハードウェア部品のような複数の部分に分けられて適用されるようにしてもよい。すなわち演算部110および演算部110が備える各機能部は、その機能を実装した回路デバイスなどのハードウェアによって構成することもできるし、その機能を実装したソフトウェアを演算装置(Central Processing Unitなど)が実行することによって構成することもできる。
100:在庫評価システム
1000:在庫評価装置
1100:演算部
1101:マスタデータ補完部
1102:作業モデル推定部
1103:作業負荷比率選定部
1104:在庫管理費算出部
1105:指標算出部
1106:シナリオ生成部
1107:マスタ変更部
1108:受払処理部
1109:影響額算出部
1110:シナリオ指標算出部
1111:シナリオ判定部
1200:記憶部
1201:作業モデルマスタデータ
1202:作業負荷比率マスタデータ
1203:カテゴリデータ
1204:作業負荷比率データ
1205:金額データ
1206:品目特性データ
1207:傾斜配分データ
1208:品目実績データ
1209:関連性データ
1210:調達条件データ
1211:施策評価結果データ
1300:入力部
1400:出力部
2000:ネットワーク
3000:ユーザ端末
4000:データベース

Claims (20)

  1. 品目の在庫を適正化するための施策を立案する在庫評価装置であって、
    在庫管理費の費目のリストを記述した在庫管理費データを格納する記憶部、
    前記在庫管理費データを用いて前記品目の在庫管理費を算出する在庫管理費算出部、
    を備え、
    前記記憶部はさらに、前記品目の在庫管理にともなう作業負荷のパターンの種別を定義する作業モデルと、前記作業モデルごとに必要となる前記費目との間の対応関係を定義する、作業モデルマスタデータとを格納しており、
    前記在庫管理費算出部は、前記在庫管理費データが記述している前記費目のリストと、前記作業モデルマスタデータが定義している対応関係とを照合することにより、前記品目の在庫管理にともなう前記作業モデルを推定し、 前記推定した作業モデルを用いて、前記費目のうち前記品目が負担すべき割合を算出する
    ことを特徴とする在庫評価装置。
  2. 前記記憶部はさらに、前記品目の種別間における前記作業負荷の比率を前記作業モデルごとに定義した作業負荷比率マスタデータを格納しており、
    前記在庫管理費算出部は、前記推定した作業モデルを用いて前記作業負荷比率マスタデータを参照することにより、前記推定した作業モデルを用いたとき前記品目の種別間において生じる前記作業負荷の比率を推定し、前記推定した作業モデルと前記推定した前記品目の種別間における前記作業負荷の比率を用いて、前記費目のうち前記品目が負担すべき割合を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の在庫評価装置。
  3. 前記作業負荷比率マスタデータは、前記品目の種別間における前記作業負荷の比率のパターン種別を、作業負荷比率パターンとして記述しており、
    前記作業モデルマスタデータは、前記費目が前記作業負荷比率パターンのうちいずれに属するかを、前記作業モデルごとに記述しており、
    前記在庫管理費算出部は、前記費目が属する前記作業負荷比率パターンを、前記推定した作業モデルにしたがって前記作業モデルマスタデータから取得し、前記作業モデルマスタデータから取得した前記作業負荷比率パターンを用いて前記作業負荷比率マスタデータを参照することにより、前記品目の種別間において生じる前記作業負荷の比率を推定する
    ことを特徴とする請求項2記載の在庫評価装置。
  4. 前記記憶部はさらに、前記費目が前記作業負荷の比率によって影響されるか否かを前記費目ごとに定義した関連性データを格納しており、
    前記在庫管理費算出部は、前記作業負荷の比率によって影響される前記品目について、前記費目の発生原因となる発生原因項目と前記作業負荷の比率を乗算することにより得られる値の総和を算出し、前記品目について前記発生原因項目と前記作業負荷の比率を乗算することにより得られる値と前記総和との比率を算出することにより、前記費目のうち前記品目が負担すべき割合を算出する
    ことを特徴とする請求項2記載の在庫評価装置。
  5. 前記記憶部はさらに、前記費目が発生する品目を定義した配分データを格納しており、
    前記在庫管理費算出部は、前記費目が発生する品目として前記配分データが定義している品目のうち、前記作業負荷の比率によって影響されるものについて、前記発生原因項目と前記作業負荷の比率を乗算することにより得られる値の総和を算出し、前記品目について前記発生原因項目と前記作業負荷の比率を乗算することにより得られる値と前記総和との比率を算出することにより、前記費目のうち前記品目が負担すべき割合を算出する
    ことを特徴とする請求項4記載の在庫評価装置。
  6. 前記関連性データはさらに、前記発生原因項目の組み合わせを前記費目ごとに定義しており、
    前記在庫管理費算出部は、前記発生原因項目の組み合わせが同一でありかつ前記作業負荷の比率によって影響される前記品目について、前記発生原因項目の総和を算出し、前記総和のうち前記品目の発生原因項目によって生じる割合を算出することにより、前記費目のうち前記品目が負担すべき割合を算出する
    ことを特徴とする請求項4記載の在庫評価装置。
  7. 前記在庫管理費算出部は、前記費目が発生する品目として前記配分データが定義している品目のうち、前記発生原因項目の組み合わせが同一でありかつ前記作業負荷の比率によって影響される前記品目ごとに、前記総和を算出することにより、前記品目の在庫管理にともなう作業実態を前記在庫管理費として反映する
    ことを特徴とする請求項5記載の在庫評価装置。
  8. 前記記憶部はさらに、前記品目の輸送経路の種別を定義した品目特性データを格納しており、
    前記配分データは、前記品目が属する前記輸送経路の種別ごとに、前記費目が発生するか否かを定義しており、
    前記在庫管理費算出部は、前記輸送経路の種別が同一でありかつ前記発生原因項目の組み合わせが同一である品目ごとに、前記総和を算出することにより、前記輸送経路の種別ごとに生じる前記費目の実態を前記在庫管理費として反映する
    ことを特徴とする請求項7記載の在庫評価装置。
  9. 前記在庫評価装置はさらに、前記品目の評価指標を算出する指標算出部を備え、
    前記指標算出部は、前記評価指標として、前記品目の交叉比率と前記在庫の納期遵守率を算出し、前記交叉比率として、前記品目の在庫金額に対する前記品目の収益の割合を算出し、前記品目の売上高から前記品目の原価と前記品目の前記在庫管理費を減算することにより、前記品目の収益を算出する
    ことを特徴とする請求項6記載の在庫評価装置。
  10. 前記関連性データは、前記費目ごとの前記発生原因項目として、
    入庫件数、入庫数量、出荷件数、出荷数量、在庫数、重量、または容積
    のうち少なくともいずれかを定義している
    ことを特徴とする請求項6記載の在庫評価装置。
  11. 前記品目特性データは、
    前記品目が調達先から倉庫を経由して輸送されるか、それとも調達先から倉庫を経由せず輸送先に対して直接発送されるのかの区分、
    前記品目を格納する倉庫、
    前記品目の販売拠点が国内であるのかそれとも海外であるのかの区分、または前記品目の調達拠点が国内であるのかそれとも海外であるのかの区分、
    のうち少なくともいずれかを、前記種別として定義している
    ことを特徴とする請求項8記載の在庫評価装置。
  12. 前記記憶部はさらに、前記在庫を変動させる施策、前記施策を実施したとき影響を受けるパラメータ、および前記影響の程度の間の対応関係を記述した施策関連性データを格納しており、
    前記在庫評価装置はさらに、前記施策を実施したとき前記在庫管理費が影響を受ける金額を算出する影響額算出部を備え、
    前記影響額算出部は、前記施策関連性データが記述している前記対応関係にしたがって前記品目の入出庫見通しを算出した結果を用いて、前記在庫管理費の変動額を算出することにより、前記影響を受ける金額を算出する
    ことを特徴とする請求項6記載の在庫評価装置。
  13. 前記施策関連性データは、前記対応関係としてさらに、前記施策の実施強度と前記影響の程度との間の関係を記述しており、
    前記影響額算出部は、前記施策関連性データが記述している前記実施強度にしたがって前記品目の入出庫見通しを算出した結果を用いて、前記在庫管理費の変動額を算出する
    ことを特徴とする請求項12記載の在庫評価装置。
  14. 前記在庫評価装置はさらに、前記入出庫見通しを算出する受払処理部を備え、
    前記受払処理部は、前記施策関連性データが記述している前記対応関係にしたがって前記入出庫見通しを算出することにより、前記施策を実施したとき前記在庫が変動する量を前記入出庫見通しに対して反映する
    ことを特徴とする請求項12記載の在庫評価装置。
  15. 前記記憶部は、前記施策のリストを記述した施策リストデータを格納しており、
    前記在庫評価装置はさらに、1以上の前記施策の組み合わせを実施する仮想シナリオを生成するシナリオ生成部を備え、
    前記シナリオ生成部は、前記施策リストデータが記述している前記施策のうちいずれか1以上を指定するユーザからの指示入力にしたがって、前記仮想シナリオを生成する
    ことを特徴とする請求項12記載の在庫評価装置。
  16. 前記影響額算出部は、前記シナリオ生成部が生成した全ての前記仮想シナリオについて前記影響を受ける金額を算出し、
    前記在庫評価装置はさらに、前記影響額算出部が算出した全ての前記仮想シナリオについての算出結果を比較する比較データを出力する出力部を備える
    ことを特徴とする請求項15記載の在庫評価装置。
  17. 前記在庫評価装置はさらに、前記仮想シナリオの評価指標を算出するシナリオ指標算出部を備え、
    前記シナリオ指標算出部は、前記評価指標として、前記仮想シナリオによって達成する前記在庫の交叉比率と、前記仮想シナリオによって達成する前記在庫の納期遵守率とを算出し、前記交叉比率として、前記品目の在庫金額に対する前記品目の収益の割合を算出し、前記品目の売上高から前記品目の原価と前記品目の前記在庫管理費を減算することにより、前記品目の収益を算出する
    ことを特徴とする請求項15記載の在庫評価装置。
  18. 前記在庫評価装置はさらに、前記シナリオ指標算出部が算出した前記仮想シナリオの評価指標を達成するために変更すべき前記パラメータとその変更量を、前記仮想シナリオのKPIとして算出するKPI算出部と、前記KPIを出力する出力部を備える
    ことを特徴とする請求項17記載の在庫評価装置。
  19. 前記在庫評価装置はさらに、前記仮想シナリオの評価指標の目標値を指定するユーザからの指示入力を受け取る入力部と、前記仮想シナリオのうち前記目標値を達成することができるものを判定するシナリオ判定部とを備え、
    前記シナリオ生成部は、前記目標値を達成するために実施すべき前記仮想シナリオの候補を生成する
    ことを特徴とする請求項17記載の在庫評価装置。
  20. 前記シナリオ生成部は、前記施策リストデータが記述している前記施策の全組み合わせを生成することにより、前記仮想シナリオの候補を生成する
    ことを特徴とする請求項19記載の在庫評価装置。
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