以下、図面を用いて本開示の実施形態を説明する。以下で説明する形状、材料及び個数は、説明のための例示であって、宅配ボックスの施解錠システムの仕様に応じて適宜変更することができる。以下ではすべての図面において同等の要素には同一の符号を付して説明する。また、本文中の説明においては、必要に応じてそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
以下の説明及び図面で、Rは、宅配ボックスに向かって見た場合の右側であり、Lは、同じく左側であり、Fは、宅配ボックスの正面側であり、Bは、宅配ボックスの裏側である。R及びLを結ぶ方向と、F及びBを結ぶ方向とは互いに直交する。
図1は、実施形態の宅配ボックス12の施解錠システム10を示す図である。施解錠システム10は、宅配ボックス12と、携帯端末70と、管理サーバ80とを含んで構成される。宅配ボックス12は、一般家庭等で使用され、宅配荷物を無人で受け取り可能である。宅配ボックス12は、荷物の配達業者である宅配業者が荷物を入れた後、扉16を施錠することで荷物の納品を行うために用いられる。
宅配ボックス12は、略直方体状の外装体であるボックス本体13と、ボックス本体13の内側に設けられた荷物室14と、荷物室14の開口15を開閉する扉16と、扉16の施解錠を行う電子錠20とを備える。荷物室14は、荷物(図示せず)を出し入れ可能に収容する略直方体の箱状である。
扉16は、荷物室14の正面側Fの開口15を塞いでいる。扉16は、宅配ボックス12に取り付けられる片開き型であり、右側R端部の上下方向の軸(図示せず)を中心として揺動することで、荷物室14の開口15を開閉可能である。扉16は、電子錠20の錠部35(図3)の解錠状態で、扉16に固定された電子錠20のケース21を掴んで引くことにより開放可能である。
携帯端末70は、荷物の受取人であるユーザが携帯する。携帯端末70は、スマートフォンやタブレット端末等である。ユーザは、荷物の取り出し時に携帯端末70を用いて、宅配ボックス12の電子錠20の通信部33(図3)と通信し、電子錠20を解錠する。管理サーバ80は、携帯端末70と通信し、ユーザの認証等を行う。
以下、図2~図4を用いて電子錠20を詳しく説明する。図2は、宅配ボックス12から電子錠20を取り出して、扉正面側Fから見た図である。図3は、電子錠20の構成を示すブロック図である。
電子錠20は、扉16に取り付けられて、扉16の電気的な施錠及び解錠を可能とする。具体的には、電子錠20は、樹脂または金属により形成されるケース21、解錠コード入力部31、電源部34、錠部35、開ボタン38、納品ボタン39、第1点灯部40、第2点灯部41、扉センサ42及び制御装置43を有する。
ケース21は、複数の部品を収容するケース本体22と、ケース本体22の正面側F端の開口を塞ぐようにケース本体22に固定される正面板部23とを有する。正面板部23は、上下方向に長い略矩形板状である。正面板部23の中央部には、上下方向に長い略直方体状の突部24が正面側Fに膨出するように形成される。突部24の正面側F端は、扉16の左側L端部に形成された矩形状の開口17を通じて、扉16の正面側Fに飛び出すように露出する。突部24には複数の孔を通じて、後述のテンキー操作部32、開ボタン38、納品ボタン39、第1点灯部40、及び第2点灯部41が正面側Fに露出する。これにより、テンキー操作部32、開ボタン38、納品ボタン39、第1点灯部40及び第2点灯部41は、扉16の外側に設置される。
ケース本体22には、図3に示す通信部33、電源部34、錠部35、扉センサ42及び制御装置43が収容される。錠部35を形成する後述のラッチボルト36は、ケース本体22の左側L端の側壁部(図示せず)から外側への突出と、ケース本体22内への退避とが可能である。扉センサ42も、ケース本体22の左側L端の側壁部から外側への突出と、ケース本体22内への退避とが可能である。
図3に示すように、解錠コード入力部31は、テンキー操作部32及び通信部33を有する。テンキー操作部32は、扉16の外側に設置され、押下可能な複数のボタン32aを有する。ボタン32aの押し下げを表す情報は、制御装置43(図3)に出力される。通信部33は、宅配ボックス12で荷物を受け取るユーザが携帯する携帯端末70と通信可能である。これにより、通信部33は、携帯端末70の操作により携帯端末70から送信された信号を受信し、その受信信号を制御装置43に出力する。後述するように、扉16の閉鎖状態で後述の納品ボタン39が押されることにより錠部35が第2施錠状態で施錠されているときに、解錠コード入力部31に解錠コードが入力されることによって錠部35が解錠される。
電源部34は、電池を含み、制御装置43及び後述のボルト駆動部37を構成するモータ37a(図4)に電力を供給する。
図4は、電子錠20のラッチボルト36及びボルト駆動部37と、ボックス本体13に設けられたラッチ受け部13aとを、扉16の施錠状態で示す模式図である。電子錠20の錠部35は、ラッチボルト36と、ボルト駆動部37とを有し、扉16を閉じた状態に保つ機能を有する。ラッチボルト36は、バネ35aによりケース21(図2)の左側Lの側壁部から外側へ突出する方向に付勢される。ボルト駆動部37は、モータ37aと、モータ37aのモータ軸に固定した第1ギヤ37bと、第1ギヤ37bに噛み合う第2ギヤ37cと、第2ギヤ37cに固定されたレバー37dとを有する。
ラッチボルト36の内側端部にはレバー37dが係合する。レバー37dには、第1ギヤ37b及び第2ギヤ37cを介して、モータ37aの動力が伝達され、ラッチボルト36を突出方向または退避方向に移動可能である。モータ37aは制御装置43により制御される。モータ37aへの電力供給によりモータ37aが正方向(図4の矢印A方向)に駆動されると、第2ギヤ37cが一方向(図4の矢印B方向)に回転することで、レバー37dに係合したラッチボルト36が、バネ35aの付勢力に抗して、ケース21(図2)の内側へ退避する。このとき、錠部35が解錠され、扉16が閉鎖されている場合でも、ボックス本体13の扉16の左側L端と対向する部分に設けられたラッチ受け部13aからラッチボルト36が退避するので、扉16の開閉が可能となる。
一方、モータ37aへの電力供給によりモータ37aが逆方向に駆動された後、電力供給の停止によりモータ37aの駆動が停止されると、ラッチボルト36はバネ35aの付勢力により、ケース21(図2)の外側へ突出する。この状態で扉16が閉鎖されると、ラッチボルト36がラッチ受け部13aに進入し、その状態が維持されるので、錠部35が施錠され、扉16を開放できない状態となる。なお、錠部35の構成は、図4に示した構成に限定するものではなく、種々の構成を採用できる。
開ボタン38は、例えば「開ける」の文字が表示されている。解錠コード入力部31への解錠コード入力で錠部35が解錠された後であって、扉16が開閉された後、すなわち、扉16が開けられ、その後、扉16が閉じられた後に、制御装置43によって錠部35が第1施錠状態で施錠されたときに、制御装置43は、開ボタン38が押されることにより、錠部35を解錠する。「第1施錠状態」では、制御装置43は、開ボタン38が押されることにより、解錠コード入力部31への解錠コード入力が行われることなく、錠部35を解錠する。これにより、開ボタン38を押すことで、錠部35が解錠されるので、扉16は、解錠コード入力を行える特定のユーザに限定せず自由に開けることができる。
納品ボタン39は、例えば「納品」の文字が表示されている。宅配業者が開ボタン38を押すことで錠部35が解錠された後、荷物室14に荷物を収容し、扉16を閉じたときに、制御装置43は、納品ボタン39が押されることにより、錠部35を第2施錠状態で施錠する。「第2施錠状態」では、制御装置43は、解錠コード入力部31への解錠コード入力が行われた場合にのみ、錠部35を解錠する。これにより、錠部35の解錠を、解錠コード入力を行える特定のユーザに限定することができる。
第1点灯部40及び第2点灯部41は、例えば発光ダイオード(LED)等の光源を含んで構成される。第1点灯部40は、点灯時の色を変化させることができる。例えば、各第1点灯部40は、緑色と赤色とのいずれかで点灯可能である。各点灯部40,41は、制御装置43により点灯状態が制御される。また、図示は省略するが、ケース21内には音声出力部が配置され、音声出力部の動作は制御装置43により制御される。
扉センサ42は、例えばバネによりケース21外側に突出するように付勢される押圧部42a(図2)を有し、扉16の閉鎖状態で、ボックス本体13に固定された部分により押圧部42aが、その突出量が小さくなるように押されることで接点が閉じてオンされる。一方、扉センサ42は、扉16の開放状態で押圧部42aが押されず、その突出量が大きくなることで接点が開いてオフされる。これにより、扉センサ42は、オンオフ状態により、扉16の開閉状態を検知する。扉センサ42の検出信号は、制御装置43に出力される。
制御装置43は、例えばMCU(Micro Controller Unit)で構成される演算処理部と、記憶部とを含んで構成される。記憶部は、RAM、ROM等であってもよい。演算処理部は、記憶部に予め記憶されたプログラム等を読み出して実行する機能を有する。記憶部は、読み出したプログラムや処理データを一時的に記憶する機能と、制御プログラムや所定の閾値等を予め記憶する機能を有する。
制御装置43が、プログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。演算処理部は、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。例えば、演算処理部は、CPUであってもよい。演算処理部は、半導体集積回路(IC)、またはLSI(large scale integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成されてもよい。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。記憶部として、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体が用いられてもよい。制御装置43には、記憶部として外部記憶装置が接続されてもよい。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
制御装置43は、解錠コード入力部31への解錠コード入力で錠部35を解錠した際には、扉16の開閉を可能とするように制御する。解錠コード入力は、携帯端末70を用いて行われてもよいし、テンキー操作部32を用いて行われてもよい。さらに、制御装置43は、解錠コード入力による錠部35の解錠後、扉16が開閉された後、すなわち扉16が開けられ、その後、扉16が閉じられた後は、錠部35を第1施錠状態で施錠するように制御する。このとき、制御装置43は、扉16の開放状態を、扉センサ42の検出信号を用いて判断する。
さらに、制御装置43は、扉16の閉状態で納品ボタン39が押された場合には、錠部35を、第2施錠状態で施錠するように制御する。
図5を用いて、宅配業者による納品操作を説明する。図5は、実施形態において、電子錠20及び宅配業者の納品時における処理または動作を示すシーケンスチャートである。図5では、最初に電子錠20が第1施錠状態で施錠され(S1)、扉16が閉じられている場合を示している。この場合、宅配業者が、開ボタン38を押すことで解錠操作を行ったときに(S2)、制御装置43は、音声出力部及び第1点灯部40によって、解錠可能であることを音声及び点灯で知らせるように制御する。例えば、音声出力部が「ピ」の音を出力し、第1点灯部40が緑色で点灯する。一方、電子錠20の不調等により解錠できない場合には、音声出力部が「ピピ」の音を出力し、第1点灯部40が赤色で点灯する。図5~図7では、第1点灯部40を「LED1」と示している。さらに、制御装置43は、解錠制御として、モータ37aを正方向に駆動し(S3)、モータ37aと各ギヤ37b、37cを連動させ(開状態とし)(S4)、ラッチボルト36をケース21内へ引き込むように退避させ(S5)、錠部35を解錠する(S6)。このとき、制御装置43は、音声出力部及び第1点灯部40によって、解錠されたことを音声及び点灯で知らせるように制御する。例えば、音声出力部が「ピッピッピッ」の音を出力し、第1点灯部40が赤色で点灯する。
錠部35が解錠された後は、宅配業者が扉16の正面側で電子錠20のケース21が露出した部分を掴んで引っ張ることにより、扉16を開けることができる(S7)。このように宅配業者は、第1施錠状態では、開ボタン38を押すことで、解錠コード入力部31への解錠コード入力を行うことなく、錠部35を解錠し扉16を開けることができる。そして、制御装置43は、解錠制御として、扉センサ42のオフにより扉16が開いていると判断する(S8)と、モータ37aを逆方向に駆動し(S9)、ラッチボルト36をケース21の外側に突出させた後、モータ37aを停止することで、モータ37aと各ギヤ37b、37cとの連動を停止させる(閉状態とする)(S10)。この状態で、ラッチボルト36はバネ35aの付勢力によりケース21から突出した状態となっている。これにより、制御装置43は、第1施錠状態の準備を行う。
そして、宅配業者が荷物室14に荷物を入れた後、扉16を閉める(S11)。このとき、ラッチボルト36は、ケース21から突出しているが、図4の矢印α方向にラッチ受け部13aに近づくことで、バネ35aの付勢力に抗してケース21側(図4の右側)に押されながら、ラッチ受け部13aに係止される。これにより、制御装置43は、錠部35を第1施錠状態で施錠すると共に、扉センサ42のオンにより扉16が閉まっていると判断する(S12、S13)。この状態では、ラッチボルト36がラッチ受け部13aに係止されて、図4の矢印α方向と逆方向には移動できないので、第1施錠状態が維持される。この第1施錠状態では、まだ開ボタン38を押すことにより錠部35を解錠することが可能である。したがって、宅配業者が扉16を開いた後、荷物室14に荷物を入れる前に扉16が風等で誤って閉まった場合でも、再度、開ボタン38を押すことで、解錠コード入力部31への解錠コード入力を行うことなく、錠部35を解錠し扉16を開けることができる。
そして、宅配業者が、扉16の閉状態で納品ボタン39を押す(S14)と、制御装置43は、錠部35を第2施錠状態で施錠する(S15)。このとき、制御装置43は、音声出力部及び第1点灯部40によって、第2施錠状態に移行したことを音声及び点灯で知らせるように制御する。例えば、音声出力部が「ピ」の音を出力し、第1点灯部40が赤色で点灯する。第2施錠状態では、錠部35は、解錠コード入力部31への解錠コード入力が行われた場合にのみ解錠される。第2施錠状態で、開ボタン38が押されたとき(S16)には、制御装置43は、解錠できないことを音声及び点灯で知らせるように音声出力部及び第1点灯部40を制御する。例えば、音声出力部が「ピピ」の音を出力し、第1点灯部40が赤色で点灯する。
次に、図6を用いて、荷物の取出操作を説明する。図6は、実施形態において、電子錠20、宅配業者、ユーザ、携帯端末70、及び管理サーバ80の荷物取出操作時の処理または動作を示すシーケンスチャートである。図6の例では、ユーザが携帯端末70を用いて電子錠20の解錠操作を行う。具体的には、まず、電子錠20が第2施錠状態で施錠され、荷受け状態である(S20)。この場合には、図5で示したように、開ボタン38が押された場合でも、錠部35は解錠されず、制御装置43は、解錠できないことを音声出力部及び第1点灯部40の音声及び点灯で知らせる。一方、ユーザは、携帯端末70によって、電子錠20の通信部33とBluetooth(登録商標)の無線通信が行われるように接続操作を行う(S21、S22)。このとき、例えば携帯端末70と通信部33とは、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)の無線通信の接続操作を行う。そして、無線接続が確立されると、制御装置43は、そのことを第2点灯部41で知らせるように制御する。例えば、第2点灯部41が緑色で点灯する。図6、図7では、第2点灯部41を「LED2」と示している。このとき、音声出力部は、音を出力しない。そして、ユーザは、携帯端末70において、取出操作用のアプリケーションプログラムを起動する(S23)。このプログラムが実行されると、ユーザの予め設定された認証コードが、管理サーバ80に送信され(S24)、管理サーバ80と携帯端末70との連携が行われる(S25)。このとき、管理サーバ80は、受信した認証コードが管理サーバ80に記憶されている認証コードと一致したときにユーザの認証を行い、その認証コードに関連付けられた荷受け完了の情報を携帯端末70に送信する。アプリケーションプログラムは、携帯端末70が管理サーバ80から荷受け完了の情報を受信した場合に、Bluetooth(登録商標)の無線通信によって解錠コードを解除通信として、電子錠20の通信部33に送信する(S26,S27)。このとき、通信部33に入力された解錠コードが、電子錠20の制御装置43で記憶されている解錠コードと一致すれば、制御装置43は解錠指示がされたと判断し(S28)、音声出力部及び第1点灯部40を制御する。例えば、音声出力部が「ピ」の音を出力し、第1点灯部40が緑色で点灯する。このとき、第2点灯部41は、緑色で点灯した状態が維持される。一方、携帯端末70から送信された解錠コードが、制御装置43で記憶されている解錠コードと不一致の場合には、制御装置43は解錠指示がされていないと判断し、音声出力部及び第1点灯部40を制御する。例えば、音声出力部が「ピピ」の音を出力し、第1点灯部40が赤色で点灯する。
制御装置43が、解除指示がされたと判断した場合には、制御装置43は、図6の(S29)から(S32)の処理として、図5の(S3)から(S6)の処理と同様に解錠制御を行って、錠部35を解錠する。錠部35が解錠されたときに、制御装置43は音声出力部及び第1点灯部40を制御する。例えば、音声出力部が「ピッピッピッ」の音を出力し、第1点灯部40が赤色で点灯する。
これによって、ユーザは、扉16を開けて(S33)、荷物を取り出すことができる。この扉16の開放によって、制御装置43は、図5の(S8)から(S10)の処理と同様に、扉センサ42がオフされたと判断し(S34)、モータ37aを逆方向に駆動した(S35)後、モータ37aを停止し、モータ37aと各ギヤ37b、37cとの連動を停止させる(閉状態とする)(S36)。この状態で、ラッチボルト36がバネ35aの付勢力によりケース21から突出した状態となっている。これにより、制御装置43は、第1施錠状態の準備を行う。
そして、ユーザが扉16を閉めることにより(S37)、制御装置43が、扉センサ42がオンされたと判断すると(S38)、錠部35を第1施錠状態で施錠する(S39)。この場合には、図5のステップS16と同様に開ボタン38を押すだけで、錠部35を解錠することができる。
図7は、実施形態において、電子錠20、宅配業者、及びユーザの別例の荷物取出操作時の処理または動作を示すシーケンスチャートである。図7の例では、ユーザがテンキー操作部32を用いて電子錠20の解錠操作を行う。具体的には、まず、電子錠20が第2施錠状態で施錠され、荷受け状態である(S40)。この場合には、開ボタン38が押された場合でも、錠部35は解錠されず、制御装置43は、解錠できないことを音声出力部及び第1点灯部40の音声及び点灯状態で知らせる。一方、ユーザは、テンキー操作部32を用いて、電子錠20に解錠コードを入力する(S41、S42)。例えば、ユーザは、テンキー操作部32で解錠コードの番号を入力した後、決定ボタン32b(図2)を押す。テンキー操作部32で入力された解錠コードが、電子錠20の制御装置43で記憶されている解錠コードと一致すれば、制御装置43は解錠指示がされたと判断し(S43)、音声出力部及び第1点灯部40を制御する。例えば、音声出力部が「ピ」の音を出力し、第1点灯部40が緑色で点灯する。一方、テンキー操作部32で入力された解錠コードが、電子錠20の制御装置43で記憶されている解錠コードと不一致の場合には、制御装置43は解錠指示がされていないと判断し、音声出力部及び第1点灯部40を制御する。例えば、音声出力部が「ピピ」の音を出力し、第1点灯部40が赤色で点灯する。
制御装置43が、解除指示がされたと判断した場合には、制御装置43は、図7の(S44)から(S47)の処理として、図5の(S3)から(S6)の処理と同様に解錠制御を行って、錠部35を解錠する。錠部35が解錠されたときに、制御装置43は音声出力部及び第1点灯部40を制御する。例えば、音声出力部が「ピッピッピッ」の音を出力し、第1点灯部40が赤色で点灯する。
これによって、ユーザは、扉16を開けて(S48)、荷物を取り出すことができる。この扉16の開放によって、制御装置43は、図5の(S8)から(S10)の処理と同様に、扉センサ42がオフされたと判断(S49)し、モータ37aを逆方向に駆動した後(S50)、モータ37aを停止し、モータ37aと各ギヤ37b、37cとの連動を停止させる(閉状態とする)(S51)。この状態で、ラッチボルト36がバネ35aの付勢力によりケース21から突出した状態となっている。これにより、制御装置43は、第1施錠状態の準備を行う。
そして、ユーザが扉16を閉めることにより(S52)、制御装置43が、扉センサ42がオンされたと判断すると(S53)、錠部35を第1施錠状態で施錠する(S54)。この場合には、図5のステップS16と同様に開ボタン38を押すだけで、錠部35を解錠することができる。
本例の宅配ボックス12の施解錠システム10によれば、宅配ボックス12において、宅配業者の預け入れ時の負担を小さくでき、かつ、荷物を安全に保管できる。例えば、宅配業者の配達員が携帯端末70等の解錠コードの入力装置を持っていない場合でも、荷物を簡単に宅配ボックス12に納品することができる。また、納品を行える宅配業者を、入力装置を持っている特定の業者に限定する必要がなくなる。さらに、宅配業者が、扉16を開けた後、風等の何等かの理由で誤って扉が閉じた場合でも、開ボタン38を押すだけで簡単に扉を開けることができる。これにより、宅配業者の預け入れ時の負担を小さくできる。さらに、宅配業者が納品ボタン39を押した後では、扉16を解錠できるものを、解錠コード入力を行える特定のユーザに限定できるので、荷物を安全に保管できる。
また、解錠コード入力部31は、扉16の外側に設置されたテンキー操作部32と、携帯端末70の操作により携帯端末70から送信された信号を受信する通信部33との両方を含む。これにより、ユーザは、テンキー操作部32と携帯端末70とのいずれかを、ユーザの好み等に応じて任意に選択して、電子錠20の解除に用いることができる。
なお、解錠コード入力部31は、テンキー操作部32と通信部33との一方のみを含む構成としてもよい。解錠コード入力部31が、テンキー操作部32と通信部33とのうち、通信部33のみを含む場合には、扉16からテンキー操作部32を省略して扉16の外観の意匠性を向上できる。
また、上記の実施形態では、扉センサ42が電子錠20のケース21に一体に設けられる場合を説明した。一方、本開示はこれに限定せず、扉センサ42は、電子錠20のケース21とは別の部分に、扉16の開閉を検知可能に設けられ、扉センサ42の検出信号が電子錠20の制御装置43に信号線等により送信される構成としてもよい。