JP7437580B2 - 誘電絶縁または消弧流体 - Google Patents

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    • H01H2033/566Avoiding the use of SF6

Description

本発明は、請求項1に記載の電気エネルギーの生成、伝達、分配、および/または使用のための装置用の誘電絶縁または消弧流体に関する。
本発明はさらに、誘電絶縁または消弧流体を含有する絶縁空間を囲むハウジングを備える言及したタイプの装置、および中電圧または高電圧用途、特に高電圧用途における流体の使用に関する。
従来、例えば開閉装置、ガス絶縁変電所(GIS)、ガス絶縁電線(GIL)、変圧器等などの多種多様な装置、または例えば計器変圧器、タップ切換器等などの電気部品における導電性部品の絶縁のために、ガス状もしくは液体状態の誘電絶縁媒体が適用されている。
例えば、中電圧または高電圧金属封入型開閉装置では、導電性部品は、絶縁空間を画定する気密ハウジング中に配置され、前記絶縁空間は、絶縁ガスを含み、かつ電流を絶縁空間に通すことなくハウジングを導電性部品(複数可)から分離する。例えば、高電圧開閉装置の電流を遮断するために、絶縁ガスは、消弧ガスとしてさらに機能する。
六フッ化硫黄(SF)は、その優れた誘電特性およびその化学的不活性のために、十分に確立された絶縁ガスである。これらの特性にもかかわらず、特にSFのものよりも低い地球温暖化係数(GWP)を考慮して、それでもなお、代替絶縁ガスを探す努力が強化されてきた。
近年、有機フッ素化合物を誘電絶縁媒体に使用することが提案されている。具体的には、国際公開第2010/142346号パンフレットは、4~12個の炭素原子を含有するフルオロケトンを含む誘電絶縁媒体を開示している。フルオロケトンは、高い誘電強度を有することが示されている。同時に、それらは、非常に低いGWPおよび非常に低い毒性を有する。これらの特徴の組み合わせは、これらのフルオロケトンを従来の絶縁ガスの可能な代替物として非常に適したものにする。
国際公開第2010/142346号パンフレットに開示されているフルオロケトンの高い誘電強度にもかかわらず、それぞれの絶縁媒体の絶縁性能は、フルオロケトンの蒸気圧が比較的低いために制限され得る。これは、特に低温環境での用途に当てはまる。これらの用途では、フルオロケトンが液化することなく、比較的低い分圧のみを維持することができる。
これらの短所を考慮して、国際公開第2012/080246号パンフレットは、キャリアガス、特に空気または空気成分との混合物中に、正確に5個の炭素原子を含有するフルオロケトン、特に1,1,1,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-3-(トリフルオロメチル)-ブタン-2-オン(以下、「C5」の「C5K」と呼ぶ)を含み、フルオロケトンと一緒になって、絶縁媒体のガス成分の誘電強度の合計よりも絶縁媒体の誘電強度が非線形に増加する誘電絶縁ガスを提案している。
国際公開第2012/080246号パンフレットによる絶縁媒体の優れた特性にもかかわらず、上述のフルオロケトンと比較してより低い沸点の代替の「非SF」誘電体化合物を提供し、それによって絶縁ガス中の誘電体化合物のより高い濃度を可能にすることに継続的な関心がある。最終的に、これにより、比較的低い動作温度でも、改善された誘電性能を達成することが可能になる。
これに関して、国際公開第2014/037566号パンフレットは、希釈ガスと混合したヘプタフルオロイソブチロニトリルを含むガス状媒体の使用を示唆しており、それにより、1013hPaで-3.9℃のヘプタフルオロイソブチロニトリルの沸点を報告している。しかしながら、ヘプタフルオロイソブチロニトリル(以下、「C4N」とも呼ぶ)は、環境への影響が大きいという欠点があり、その大気寿命は、約11000日であり、そのGWPは、約2210であり、すなわち、20日未満の大気寿命および1のGWPを有するC5Kのそれぞれの値よりもはるかに高い。
さらに、例えばGISで使用される場合、ヘプタフルオロイソブチロニトリルがGISの材料との不十分な適合性を示し、一方では誘電絶縁または消弧流体と接触する材料に影響を及ぼすことが見出された。一方、絶縁媒体自体の機能性も、それに含有されるヘプタフルオロイソブチロニトリルの分解により影響を受ける。
これらの短所を考慮して、国際公開第2017/162578号パンフレットではオクタフルオロブテンの使用が提案されており、それによれば、オクタフルオロブテンは、ヘプタフルオロイソブチロニトリルを含む絶縁媒体のように同等の誘電性能を示すが、環境への影響は後者よりもはるかに低く、特に低GWPである。その良好な誘電性能とは別に、オクタフルオロブテンは、比較的低い沸点および非常に良好な材料適合性というさらなる利点を有する。
一般的に上述した誘電性有機フッ素化合物のいずれか、具体的にはオクタフルオロブテンを使用する場合、装置中での煤の形成を回避するために、酸素を媒体に混合することが好ましい。
しかしながら、酸素の存在下では、オクタフルオロブテンは、部分放電に供されたときに急速に分解することが見出された。特に高電圧用途では、部分放電を完全に回避することはできず、オクタフルオロブテンと酸素とを含有する混合物をこれらの用途で使用すると、誘電絶縁流体の比較的急速な分解および有害な副生成物の生成につながる可能性がある。[2+2]環化付加を受けた結果としてのオクタフルオロブテンの分解は、基礎となる熱力学的原理に照らして最も驚くべきものであった。
したがって、上記を考慮して、本発明が解決しようとする課題は、オクタフルオロブテンと比較して同様の誘電特性を有し、酸素の存在下で部分放電に供したときにより高い安定性を有する、誘電体化合物を含有する誘電絶縁または消弧流体を提供することである。
この問題は、独立請求項1に定義された本発明の誘電絶縁または消弧流体によって解決される。本発明の誘電絶縁または消弧流体の好ましい実施形態は、従属請求項に定義されている。
請求項1によれば、電気エネルギーの生成、伝達、分配、および/または使用のための装置で使用されることが予定されている誘電絶縁または消弧流体は、フルオロオレフィンと酸素とを含む混合物である。オクタフルオロブテン、したがってパーフルオロオレフィンを使用する国際公開第2017/162578号パンフレットの教示とは対照的に、本発明のフルオロオレフィンは、4~5個の炭素原子を含有するモノヒドロフルオロオレフィンであり、水素原子は、二重結合の炭素原子に結合しているか、または二重結合に直接隣接している。
驚くべきことに、請求項1に記載の位置に結合した水素原子の存在によって、フルオロオレフィンの二重結合強度は、[2+2]環化付加を受ける酸素分子による攻撃から二重結合を保護するのに十分に増加することが見出された。したがって、本発明のモノヒドロフルオロオレフィンは、完全フッ素化オクタフルオロブテンの場合よりも部分放電下でより安定な酸素の存在下にある。これに関して、フルオロオレフィンが水素原子で置換されているにもかかわらず、部分放電の厳しい条件下でもフッ化水素酸は生成されないことがさらに見出された。
過フッ素化化合物と比較して改善された安定性に加えて、モノヒドロフルオロオレフィンは、環境的に安全であり、特に非常に低いGWPを有する。低GWPを有するヒドロフルオロオレフィンの発見は、国際公開第2017/162578号パンフレットによれば、低GWPを提供するために、強い電気陰性度のフッ素原子による二重結合の弱化を目的として過フッ素化化合物が意図的に選定されることを考慮すると、非常に驚くべきことである。
「流体」という用語(「誘電絶縁流体または消弧流体」という用語で使用される)は、任意の流体に関し、特に液体、ガス、ならびに気相および液相の両方を含む2相系を包含する。
本発明の文脈において、「環境的に安全な」という用語は、オゾン層を枯渇させず、かつ二酸化炭素に対して100年の期間にわたって10未満の地球温暖化係数を有するという意味を有する。
具体的には、「環境的に安全」という用語はまた、誘電絶縁または消弧流体が比較的低い毒性を有することを意味する。より具体的には、環境的に安全な誘電絶縁または消弧流体に使用される誘電体化合物の致死量中央値(LC50;致死濃度50%;ラットで測定)は、4000ppmより高く、好ましくは5000ppmより高く、より好ましくは6000ppmより高く、すなわち、典型的には500~2500ppmにある毒性物質を示す致死量中央値よりもはるかに高い。したがって、本発明に従って使用される誘電体化合物は、前述のC4N(本発明に従って使用される誘電体化合物よりもはるかに高いGWPを有する)およびC5Kと同じ毒性クラスの範囲内である。
その驚くほど高い環境適合性に加えて、本発明のモノヒドロフルオロオレフィンは、比較的高い誘電強度、特にそれぞれのパーフルオロオレフィンに匹敵するかまたはさらに高い誘電強度を有することが見出された。
本発明によるモノヒドロフルオロオレフィンを使用することによって達成可能な高い誘電耐性は、とりわけ、化合物の比較的低い沸点に基づいて、比較的高いガス密度を達成することを可能にする。
アルケンは、一般に付加反応を受け、したがって典型的には化合物の高い不活性が最も重要である用途には想定されていないので、環境的に安全な絶縁または消弧媒体を達成するためのモノヒドロフルオロオレフィンの適応性は、最も驚くべきことである。
したがって、一般にアルケンに関する一般論を考慮すると、モノヒドロフルオロオレフィンは、比較的低いGWPを示すだけでなく、それらも不燃性であり、例えばヘプタフルオロイソブチロニトリル(C4N)および1,1,1,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-3-(トリフルオロメチル)-ブタン-2-オン(C5K)と同じ毒性クラスの範囲内であることは最も驚くべきことである。
さらに驚くべきことに、モノヒドロフルオロオレフィン含有流体は、装置の材料に対して不活性である、すなわち非反応性であり、装置でのその使用中に流体が直接接触することが見出された。したがって、絶縁または消弧組成物は、高い材料適合性を示し、長期間にわたって装置中で使用される場合にもその機能性が残る。具体的には、ヘプタフルオロイソブチロニトリルを含有する絶縁媒体の材料適合性と比較して、材料適合性が高度に改善される。
上述のように、本発明によるフルオロオレフィンは、モノヒドロフルオロオレフィンであり、水素原子は、二重結合の炭素原子に結合しているか、または二重結合に直接隣接している、すなわち二重結合のα位にある。具体的には、フルオロオレフィンは、
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Figure 0007437580000008
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Figure 0007437580000012
からなる化合物の群から選択され、それぞれの化合物のシス-およびトランス-異性体の両方、ならびにそれらの混合物を含む。
したがって、換言すれば、フルオロオレフィンは、
シス-1,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブテン、
トランス-1,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブテン、
シス-1,1,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブテン、
トランス-1,1,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブテン、
シス-1,1,1,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-2-ブテン、
トランス-1,1,1,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-2-ブテン、
1,1,2,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブテン、
シス-1,1,2,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-2-ブテン、
トランス-1,1,2,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-2-ブテン、
シス-1,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロ-1-ペンテン、
トランス-1,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロ-1-ペンテン、
1,1,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロ-1-ペンテン、
シス-1,1,1,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロ-2-ペンテン、
トランス-1,1,1,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロ-2-ペンテン、
シス-1,1,1,2,4,4,5,5,5-ノナフルオロ-2-ペンテン、
トランス-1,1,1,2,4,4,5,5,5-ノナフルオロ-2-ペンテン、
シス-1,1,1,2,3,4,5,5,5-ノナフルオロ-2-ペンテン、
トランス-1,1,1,2,3,4,5,5,5-ノナフルオロ-2-ペンテン、
およびそれらの混合物からなる化合物の群から選択される。
水素原子を1つだけ含有する場合、本発明の流体に使用されるモノヒドロフルオロオレフィンは、パーフルオロオレフィンおよび2つ以上の水素原子を含有するオレフィン、例えばジヒドロフルオロオレフィンの両方とは明らかに異なる。
また述べたように、混合物は、特にスイッチング動作中に煤の形成を防止するために酸素を含む。絶縁または消弧流体中の酸素の含有量は、流体の誘電耐性に大きく影響しないことが見出された。
煤の形成の良好な防止を確実にするために、酸素対フルオロオレフィンの比は、好ましくは0.5:1~4:1、より好ましくは0.7:1~2:1、最も好ましくは約1:1である。
酸素とは別に、混合物は、好ましくは、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、およびそれらの混合物、特に二酸化炭素からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるキャリアガス成分を含む。これは、高誘電性モノヒドロフルオロオレフィンの分圧が動作温度で制限され、混合物の最大誘電強度が、これらのキャリアガスのうちの少なくとも1つを混合することによって達成され、それ自体もまた比較的高い誘電強度を有するという事実に起因する。
上述のように、酸素とは別に二酸化炭素を含むキャリアガス混合物が特に好ましい。この混合物は、二酸化炭素の使用による高い熱性能(すなわち、消弧性能または消弧強度)、およびモノヒドロフルオロオレフィンの使用による高い誘電性能の両方を提供する。加えて、キャリアガス混合物中の酸素と共に二酸化炭素を使用することにより、煤の形成がより低減される。
流体の特定の用途に応じて、この文脈では、酸素および二酸化炭素含有混合物が、より好ましくはキャリアガス混合物の分圧に基づいて20%未満の割合で、窒素をさらに含有することがさらに好ましくなり得る。窒素は、電子を効率よく減速させることができるため、窒素が含有される流体の高い誘電強度(誘電耐性または破壊強度もしくは電圧)を得る観点から、窒素の存在が好ましくなり得る。特に、スイッチング装置における流体の使用を考慮すると、より高い窒素含有量は、流体の消弧能力の低下につながる可能性があるため、窒素含有量を20%に制限することが好ましくなり得る。
比較的高い割合のモノヒドロフルオロオレフィンが動作条件でガス状状態にあることを確実にするために、流体は、一方では、好ましくは所定の閾値温度未満、特に装置の最低動作温度未満の露点を有する。一方、モノヒドロフルオロオレフィンの比較的高い分圧は、前記成分の高いガス密度、したがって高い誘電耐性強度を達成するために望ましい。
具体的には、誘電絶縁または消弧流体中のフルオロオレフィンの割合は、1~20%、より具体的には、2~15%である。誘電絶縁または消弧流体がガスの形態である場合、これに関連して使用される「割合」という用語は、誘電絶縁または消弧ガスの全圧に対するフルオロオレフィンの分圧の割合に関する。したがって、フルオロオレフィンの分圧が200ミリバールであり、ガスの全圧が10バールに設定される例示的な実施形態では、フルオロオレフィンの割合は、2%である。モノヒドロフルオロオレフィンの高い誘電耐性強度(または誘電破壊強度もしくは破壊電界強度)のために、誘電絶縁または消弧流体は、上記のモノヒドロフルオロオレフィンの割合で、装置の比較的中程度の充填圧力で良好な誘電性能を示す。
フルオロオレフィンの高い割合を目的とする観点から、流体は、請求項1に記載のモノヒドロフルオロオレフィンとは別に、3個の炭素原子を含有する追加のモノヒドロフルオロオレフィンを含み、水素原子は、二重結合の炭素原子に結合しているか、または二重結合に直接隣接していることが好ましくなり得る。具体的には、追加のモノヒドロフルオロオレフィンは、
1,1,1,2-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf;2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンとも呼ばれる)、
1,2,3,3-テトラフルオロ-2-プロペン(HFO-1234yc)、
1,1,3,3-テトラフルオロ-2-プロペン(HFO-1234zc)、
1,1,1,3-テトラフルオロ-2-プロペン(HFO-1234ze)、
1,1,2,3-テトラフルオロ-2-プロペン(HFO-1234ye)、
1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye)、
1,1,2,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225yc)、
1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)、
(Z)1,1,1,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234zeZ;シス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンとも呼ばれる)、
(Z)1,1,2,3-テトラフルオロ-2-プロペン(HFO-1234yeZ)、
(E)1,1,1,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234zeE;トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペンとも呼ばれる)、
(E)1,1,2,3-テトラフルオロ-2-プロペン(HFO-1234yeE)、
(Z)1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225yeZ;シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパ-1-エンとも呼ばれる)、
(E)1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225yeE;トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパ-1-エンとも呼ばれる)、
およびそれらの混合物からなる群から選択される。
流体が、フルオロオレフィンとは別に、フルオロエーテル、特にヒドロフルオロモノエーテル、フルオロケトン、特にペルフルオロケトン、フルオロニトリル、特にペルフルオロニトリル、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む場合、流体の誘電性能におけるよりさらなる増加を達成することができる。したがって、これらの化合物の少なくとも1つを混合することが好ましくなり得る。
上述の誘電絶縁または消弧流体とは別に、本発明はさらに、電気エネルギーの生成、伝達、分配、および/または使用のための装置に関し、前記装置は、絶縁空間を囲むハウジング、および絶縁空間中に配置された導電性部品を備え、前記絶縁空間は、先行請求項のいずれか1項に記載の誘電絶縁または消弧流体を含有する。具体的には、誘電絶縁または消弧流体は、ガス状形態である。しかしながら、低温での部分的な凝縮現象のために、流体が部分的にガス状であり、部分的に液体形態であることも考えられる。
上記の誘電絶縁または消弧流体の好ましい特徴は、本発明の装置の誘電絶縁または消弧流体にも同様に適用される。特に、誘電絶縁または消弧流体は、誘電絶縁または消弧ガスである。
さらに好ましい実施形態によれば、流体は、動作条件において、具体的には293.15Kで測定した場合に、1バールより高い圧力を有する。これにより、特に高い誘電耐性強度を得ることができる。
装置は、中電圧装置であり得、この場合、誘電絶縁または消弧ガスの圧力は、中電圧装置の動作条件で、好ましくは1バール~3バール、より好ましくは1バール~1.5バール、最も好ましくは1.3バール~1.4バールの範囲である。
あるいは、装置は、高電圧装置であってもよく、この場合、誘電絶縁または消弧ガスの圧力は、高電圧装置の動作条件で3バールより高く、好ましくは4バールより高く、最も好ましくは4.5バールより高い。具体的には、高電圧装置中の圧力は、約7バール以上、特に最大12バールであり得る。
本出願を通して、特に明記しない限り、本発明の文脈における圧力へのすべての言及は、293.15Kで測定された圧力を指す。
具体的には、本発明の装置は、開閉装置、特にガス絶縁開閉装置(GIS)、またはその一部および/もしくは構成要素、ガス絶縁電線(GIL)、バスバー、ブッシング、ケーブル、ガス絶縁ケーブル、ケーブルジョイント、変流器、電圧変圧器、センサ、湿度センサ、サージアレスタ、コンデンサ、インダクタンス、抵抗器、絶縁体、空気絶縁体、ガス絶縁金属封入絶縁体、電流リミッタ、高電圧スイッチ、接地スイッチ、断路器、複合断路器および接地スイッチ、負荷遮断スイッチ、回路遮断器、ガス回路遮断器、発電機回路遮断器、ガス絶縁真空回路遮断器、中電圧スイッチ、リング主ユニット、リクローザ、セクショナイザ、低電圧スイッチ、および/または任意のタイプのガス絶縁スイッチ、変圧器、分配変圧器、電力変圧器、タップ切換器、変圧器ブッシング、電気回転機、発電機、モータ、ドライブ、半導体デバイス、コンピューティングマシン、パワー半導体デバイス、電力コンバータ、コンバータステーション、コンバータビルディング、ならびにそのようなデバイスの構成要素および/もしくは組み合わせであるか、またはそれらの一部である。
本発明によって達成可能な利点は、特に回路遮断器におけるスイッチング用途において特に明らかである。これに関して、驚くべきことに、モノヒドロフルオロオレフィンの存在により、本発明の誘電絶縁または消弧流体は、上述の利点とは別に、例えば純粋なCOと比較した場合、より速い誘電回復も達成可能であることが見出された。したがって、本発明によれば、遮断器中の高温ガスが電流遮断後にその誘電耐性を取り戻す速度を高めることができる。
上述のように、誘電絶縁流体という用語は、誘電絶縁液体も包含する。これに関連して、トランス用の誘電絶縁液体におけるモノヒドロフルオロオレフィンの使用が具体的に言及される。
本発明の誘電絶縁および/または消弧媒体を使用する場合、最低動作温度が比較的低い場合でも、十分に高い誘電耐性を達成することができる。したがって、本発明の装置は、具体的には、-5℃以下、好ましくは-15℃以下、最も好ましくは-25℃以下の定格最小動作温度を有する装置に関する。
流体中のフルオロオレフィンの高いガス密度を達成するために、293.15Kで測定したフルオロオレフィンの分圧は、好ましくは50~1000ミリバールの範囲である。
したがって、ヘプタフルオロイソブチロニトリル含有媒体と比較して、本発明の誘電絶縁流体は、わずかに上昇した充填圧力で、しかしはるかに高い生態学的安全レベルで、特にはるかに低いGWPで、同等の誘電性能を達成することを可能にする。
本発明の流体が使用される装置の最低動作温度に関して、ヘプタフルオロイソブチロニトリル含有媒体のうちの1つに匹敵する誘電性能(特に誘電耐性または破壊強度)は、同じ充填圧力で、上述したように、わずかに上昇した動作温度で、再びはるかに高い生態学的安全レベルで達成することができる。
したがって、規格IEC 62271-203:2011による最低動作温度が-5℃である屋内用途では、高い環境安全性を同時に確保しながら、本発明の流体を使用することによって高い誘電性能を達成することができる。
上述のように、モノヒドロフルオロオレフィンの分圧は、誘電絶縁または消弧流体の露点が装置の最低動作温度未満になるようなものであり、したがって、上述のように、モノヒドロフルオロオレフィンの大部分が装置の動作条件で気相であることが保証される。したがって、誘電絶縁または消弧流体は、好ましくは5℃未満、好ましくは0℃未満、より好ましくは-5℃未満、より好ましくは-20℃未満、最も好ましくは-25℃未満、具体的には-40℃までの露点を有する。(本明細書では、「より低い温度」とは、より冷たい温度を意味する)。電気装置の最も一般的な動作温度は-25℃、-15℃、-5℃、および+5℃であるため、本発明は、すべての屋外用途ではないにしても、すべての屋内用途およびほとんどの屋外用途に適した誘電絶縁または消弧流体を提供することを可能にする。
誘電絶縁または消弧流体は、モノヒドロフルオロオレフィンが吸着器によって吸着されるという問題に直面することなく、主に絶縁空間から水および不純物を除去するように設計された従来の吸着器と共に使用することができる。具体的には、4~5個の炭素原子を含有し、かつ少なくとも約6Åの推定速度論的直径を有するモノヒドロフルオロオレフィンの吸着がないか、または無視できるほどしかないので、3~5Åの細孔径を有するゼオライト、より具体的には4Åのゼオライトを絶縁空間の乾燥に使用することができる。最終的に、絶縁性または消弧性組成物の機能性は、モノヒドロフルオロオレフィンの水分分解反応の除去が効率的に抑制されるという理由、および吸着によって組成物からモノヒドロフルオロオレフィンが全くまたはごくわずかな量しか取り出されないという理由の両方のために、長期間にわたって維持することができる。
上述のように、絶縁または消弧流体は、高い材料適合性を示し、長期間にわたって装置中で使用される場合にもその機能性が残る。これに関して、本発明は、絶縁ガスに直接曝される装置の固体構成要素のうちの少なくともいくつかが、ポリマー材料、金属、金属合金、セラミック、および/またはそれらの複合材料で作製される場合に特に関連する。
ポリマー材料が、シリコーン、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ-ウレタン、ポリエポキシド、ポリアミド、ポリイミド、ポリケトン、ポリスルホン、およびそれらの混合物または組み合わせからなる群から選択される場合、高い材料適合性も特に与えられる。
特に、本発明の流体が高い適合性を示す上述の成分は、コーティング化合物、特に塗料または樹脂、シーリング化合物、接着剤、絶縁化合物、潤滑化合物、特にグリース、モレキュラーシーブ、バインダーを含まないモレキュラーシーブ、乾燥剤、バインダーを含まない乾燥剤、湿度検知材料、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。
具体的には、シーリング化合物は、EPDMまたはニトリル-ブタジエンゴムもしくはブチルゴム、特にイソブテン-イソプレンゴム(IIR)もしくはクロロブチルゴム(CIIR)もしくはブロモブチルゴム(BIIR)を含むか、またはそれらからなる。
本出願を通して、「中電圧」は、1kV~52kVまたは72kVの範囲の電圧に関連し、「高電圧」は、この範囲を超える電圧に関連する。本発明の現在好ましい実施形態が示され説明されているが、本発明はそれに限定されないが、以下の特許請求の範囲内で他の方法で様々に具体化され実施され得ることを明確に理解されたい。したがって、「好ましい」または「特に」または「詳細に」または「有利に」のような用語は、任意選択の例示的な実施形態のみを意味する。
実施例
本発明を、添付の図面と共に以下の実施例によってさらに説明する:
酸素の存在下における部分放電下でのパーフルオロオレフィンオクタフルオロブテンと比較した、2-CHF、すなわち本発明によるモノヒドロフルオロオレフィンの分解速度を示す図である。 1,1,1,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-3-(トリフルオロメチル)-ブタン-2-オン(「C5」)を含有するそれぞれの混合物と比較した、2-CHF、酸素(O)、および二酸化炭素(CO)を含有する本発明による混合物の誘電強度を示す図である。
分解速度
二酸化炭素および酸素を含有するガス混合物中の2-CHFの分解速度を試験した。具体的には、4体積%の2-CHF、4体積%のO、および92体積%のCOを含有するガス混合物を部分放電試験に供し、得られた分解を決定した。
具体的には、針-平面電極構成を有する標準的なGIS容器(容量:55L)からなる実験装置を使用した。合計10本の鋼針(R_100μm)を高電圧DC電源(正、0-35kV)に接続した。ギャップ間隔は、10mmに設定した。容器には、実験中にガス混合物を均一に保つファンを装備した。
試験の結果を図1に示しており、部分放電下では、完全フッ素化2-C(7mmol/C)の分解速度と比較して、2-CHF(0.27mmol/C)についてはるかに低い分解速度を決定した。
誘電強度
これらの試験に加えて、本発明によるモノヒドロフルオロオレフィン、具体的には2-CHFを含有し、かつそれぞれ-5℃および-30℃の露点を有する混合物の誘電強度を決定し、パーフルオロケトンデカフルオロ-3-メチルブタン-2-オン(「C5」)のそれぞれの誘電強度と比較した。
具体的には、小型容器(6L)中でDC(ステップDC、立上がり時間300ns、最大印加時間30s)下で誘電耐試験を実行し、誘電試験のために特注した。ロゴスキープロファイルを有し、かつ小さな(1.0cm)距離で隔てられた大きな電極(直径12cm)を使用して、均一な場を得た。試験の前に、電極をサンドブラストして均一な表面粗さプロファイル(Rt=40μm)を作成した。
大量の測定(典型的には、100を超える)を実行し、各電圧印加に使用されるピーク電圧レベルを、50%の破壊確率が期待される電圧レベルであるU50に近い領域でランダムに選択した。各測定の結果(破壊または保持)は、試験対象にわたる電圧の時間依存性から抽出される。次いで、プロビット回帰を使用して、結果を確率分布に当てはめ、測定データからU50および破壊確率分布の幅であるsを抽出する。
図2に示すように、本発明による混合物中のモノヒドロフルオロオレフィンの分圧は、20℃でのモノヒドロフルオロオレフィンを含有する混合物中のC5の分圧よりも20℃高い。最終的に、C5を含有する混合物よりも本発明の混合物の方が高い誘電強度が達成される。具体的には、正の直流条件下(C5を含有する混合物について得られたそれぞれ19.7kV/mmおよび16.9kV/mmと比較して)で22.3kV/mmおよび19.1kV/mmの破壊電圧を決定し、負の直流条件下(C5を含有する混合物について得られたそれぞれ19.2kV/mmおよび16.5kV/mmと比較して)で22.3kV/mmおよび19.0kV/mmの破壊電圧を決定した。
本発明による混合物について測定された誘電強度は、20℃で同じ分圧のオクタフルオロブテンを含有する混合物について測定されたものをも上回る。具体的には、オクタフルオロブテンを228ミリバールの分圧で含有する混合物について、20℃で17.7kV/mmの破壊電圧を正の直流条件下で決定し、負の直流条件下で17.5kV/mmの破壊電圧を決定し、これは同じ分圧で2-CHF含有混合物について決定されたそれぞれの値(19.1kV/mm)よりも低い。

Claims (19)

  1. 電気エネルギーの生成、伝達、分配、および/または使用のための装置用の誘電絶縁または消弧流体であって、前記誘電絶縁または消弧流体が、フルオロオレフィンと酸素とを含む混合物であり、前記フルオロオレフィンが、4~5個の炭素原子を含有するモノヒドロフルオロオレフィンであり、水素原子が二重結合の炭素原子に結合しているか、または二重結合に直接隣接している、誘電絶縁または消弧流体。
  2. 前記フルオロオレフィンが、
    シス-1,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブテン、
    トランス-1,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブテン、
    シス-1,1,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブテン、
    トランス-1,1,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブテン、
    シス-1,1,1,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-2-ブテン、
    トランス-1,1,1,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-2-ブテン、
    1,1,2,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブテン、
    シス-1,1,2,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-2-ブテン、
    トランス-1,1,2,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-2-ブテン、
    シス-1,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロ-1-ペンテン、
    トランス-1,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロ-1-ペンテン、
    1,1,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロ-1-ペンテン、
    シス-1,1,1,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロ-2-ペンテン、
    トランス-1,1,1,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロ-2-ペンテン、
    シス-1,1,1,2,4,4,5,5,5-ノナフルオロ-2-ペンテン、
    トランス-1,1,1,2,4,4,5,5,5-ノナフルオロ-2-ペンテン、
    シス-1,1,1,2,3,4,5,5,5-ノナフルオロ-2-ペンテン、
    トランス-1,1,1,2,3,4,5,5,5-ノナフルオロ-2-ペンテン、
    およびそれらの混合物からなる化合物の群から選択される、請求項1に記載の誘電絶縁または消弧流体。
  3. 前記混合物が、酸素とは別に、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、ならびにそれらの混合物、特に二酸化炭素および/または窒素からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるキャリアガス成分を含む、請求項1または2に記載の誘電絶縁または消弧流体。
  4. 前記誘電絶縁または消弧流体中の前記フルオロオレフィンの分圧の割合が、1~20%、好ましくは2~15%である、請求項1から3のいずれか1項に記載の誘電絶縁または消弧流体。
  5. 酸素対前記フルオロオレフィンの分圧比が、0.5:1~4:1、好ましくは0.7:1~2:1、最も好ましくは約1:1である、請求項1から4のいずれか1項に記載の誘電絶縁または消弧流体。
  6. 前記誘電絶縁または消弧流体の露点が、前記装置の最低動作温度未満である、請求項1から5のいずれか1項に記載の誘電絶縁または消弧流体。
  7. 前記誘電絶縁または消弧流体が、3個の炭素原子を含有するモノヒドロフルオロオレフィンをさらに含み、前記水素原子が、前記二重結合の炭素原子に結合しているか、または前記二重結合に直接隣接している、請求項1から6のいずれか1項に記載の誘電絶縁または消弧流体。
  8. 前記誘電絶縁または消弧流体が、前記フルオロオレフィンとは別に、フルオロエーテル、特にヒドロフルオロモノエーテル、フルオロケトン、特にペルフルオロケトン、フルオロニトリル、特にペルフルオロニトリル、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の誘電絶縁または消弧性流体。
  9. 電気エネルギーの生成、伝達、分配、および/または使用のための装置であって、前記装置が、絶縁空間を囲むハウジングおよび前記絶縁空間中に配置された導電性部品を備え、
    前記絶縁空間が、請求項1から8のいずれか1項に記載の、具体的にはガス状形態の誘電絶縁または消弧流体を含有する、装置。
  10. 前記誘電絶縁または消弧流体が、動作条件において1バールより高い圧力を有する、請求項9に記載の装置。
  11. 中電圧または高電圧装置である、請求項9または10に記載の装置。
  12. 前記装置が、中電圧装置であり、前記中電圧装置の動作条件において、前記誘電絶縁または消弧ガスの圧力が、1バール~3バール、より好ましくは1バール~1.5バール、最も好ましくは1.3バール~1.4バールの範囲内である、請求項9~11のいずれか1項に記載の装置。
  13. 前記装置が、高電圧装置であり、前記高電圧装置の動作条件において、前記誘電絶縁または消弧ガスの圧力が、3バールより高く、好ましくは4バールより高く、最も好ましくは4.5バールより高い、請求項9~11のいずれか1項に記載の装置。
  14. 前記装置が、開閉装置、特にガス絶縁開閉装置(GIS)、またはその一部および/もしくは構成要素、ガス絶縁電線(GIL)、バスバー、ブッシング、ケーブル、ガス絶縁ケーブル、ケーブルジョイント、変流器、電圧変圧器、センサ、湿度センサ、サージアレスタ、コンデンサ、インダクタンス、抵抗器、絶縁体、空気絶縁体、ガス絶縁金属封入絶縁体、電流リミッタ、高電圧スイッチ、接地スイッチ、断路器、複合断路器および接地スイッチ、負荷遮断スイッチ、回路遮断器、ガス回路遮断器、発電機回路遮断器、ガス絶縁真空回路遮断器、中電圧スイッチ、リング主ユニット、リクローザ、セクショナイザ、低電圧スイッチ、および/または任意のタイプのガス絶縁スイッチ、変圧器、分配変圧器、電力変圧器、タップ切換器、変圧器ブッシング、電気回転機、発電機、モータ、ドライブ、半導体デバイス、コンピューティングマシン、パワー半導体デバイス、電力コンバータ、コンバータステーション、コンバータビルディング、ならびにそのようなデバイスの構成要素および/もしくは組み合わせであるか、またはそれらの一部である、請求項9~13のいずれか1項に記載の装置。
  15. 前記装置の定格最小動作温度が、-5℃以下、好ましくは-15℃以下、最も好ましくは-25℃以下である、請求項9~14のいずれか1項に記載の装置。
  16. 293.15Kで測定した前記フルオロオレフィンの分圧が、50~1000ミリバールの範囲である、請求項9~15のいずれか1項に記載の装置。
  17. 前記装置の構成要素が、コーティング化合物、特に塗料または樹脂、シーリング化合物、接着剤、絶縁化合物、潤滑化合物、特にグリース、モレキュラーシーブ、および特にゼオライト、具体的には3Å~5Åの孔径を有するゼオライト、より具体的には4Åのゼオライト、バインダーを含まないモレキュラーシーブ、乾燥剤、バインダーを含まない乾燥剤、湿度知材料、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項9~16のいずれか1項に記載の装置。
  18. 前記シーリング化合物が、EPDMまたはニトリル-ブタジエンゴムもしくはブチルゴム、特にイソブテン-イソプレンゴム(IIR)もしくはクロロブチルゴム(CIIR)もしくはブロモブチルゴム(BIIR)を含むか、またはそれらからなる、請求項17に記載の装置。
  19. 中電圧または高電圧印加における請求項1~8のいずれか1項に記載の誘電絶縁または消弧流体の使用。
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