JP7436915B2 - 無線通信システム、ネットワーク制御装置、ネットワーク制御方法及びプログラム - Google Patents

無線通信システム、ネットワーク制御装置、ネットワーク制御方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、無線通信システム、ネットワーク制御装置、ネットワーク制御方法及びプログラムに関する。
近年、高速通信が可能なミリ波帯無線通信技術が注目されている。この技術として、ミリ波帯を採用した無線LAN(IEEE 802.11ad,802.11ay)/無線PAN(IEEE 802.15.3e)、さらに第五世代の移動体通信システムなどが挙げられ、これらの国際標準規格が制定されている。
マイクロ波帯の周波数は、6GHz(ギガヘルツ)以下であり、ミリ波帯の周波数は、数十GHz以上である。マイクロ波帯に比べてミリ波帯では、自由空間伝搬における電波の減衰が大きいという特徴を有する。こうした伝搬減衰を補償するため、上記の標準化された技術を用いる無線通信システムには、ビームフォーミングにより無線品質を改善する技術が盛り込まれている。ビームフォーミングとは、複数アンテナ素子を用いて指向性ビームを形成することである。
一般的な無線通信システムでは、多数のアクセスポイント(以下、APと記載)を設置することにより、面的に無線エリアを構成することが多い。APと、移動する端末局(以下、STAと記載)との無線通信を維持するために、ハンドオーバ制御が行われる。ハンドオーバ制御は、AP(またはSTA)が行う所定の無線品質監視方法(例えば、受信電力が一定レベルを下回っていないか)による監視結果に基づいて、STAを、接続中のAPから他のAPへ再接続させる技術である。図13は、ハンドオーバ制御の一例を示す図である。
図13に示すハンドオーバ制御に伴う問題点を以下に記載する。図13において、STAは、AP#1に接続している。矢印A91は、AP#1から離れてAP#2に向かって移動する経路である。STAが矢印A91の経路を移動していくと、STAにおいて観測される接続中のAP#1と自局との無線品質(例えば、受信電力など)が低下していく。一方で、STAにおいて観測されるAP#2と自局との無線品質は上昇していく。図13の例では、STAがハンドオーバ制御の所望境界線A92の付近に存在するときに、ハンドオーバ制御が開始されることが望ましい。しかしながら、STAは、観測している無線品質が一定のレベルに低下するまで、自局が接続中のAP#1との無線接続を維持するのが一般的である。STAが所望境界線A92を通過したにもかかわらず無線品質が低下しているAP#1と接続し続けると、AP#2へのハンドオーバ制御が開始されず、無線通信のスループットが劣化するという問題がある(第一の問題)。
また、STAにおいて観測されるAP#1との無線品質がある一定のレベルを下回ると、AP#1との接続が切断される。この切断により、STAは、無線によるデータの送受信ができなくなる。そこで、STAは、再度無線によりデータを送受信するために、周辺のAPの有無を検索する。しかし、STAは、自局の周辺に存在しているAPが分からないことから、通常は全無線チャネル候補を検索する。検索とは、STAが無線チャネルを切り替えながら、各無線チャネルそれぞれで一定時間受信を行った後、その受信において発見したAPの中から、最適のAP(例えば、STAにおける受信電力が最大のビーコンを送信したAP)を選択するといった動作である。このように、STAが無線チャネルの全候補の中から最適のAPを検索するのには一定時間がかかる。検索を実行している期間、STAは、無線によるデータの送受信ができないという問題がある(第二の問題)。
ハンドオーバ制御における第一の問題を解消するための技術として、適切なタイミングにおいてハンドオーバ制御を開始する以下の従来技術がある。なお、適切なタイミングとは、図13において、STAがハンドオーバ制御の所望境界線A92を通過したときに相当する。
図14は、第一の従来技術の概要を示す図である。図14と図13との差分は、上位のネットワーク制御装置(Network controller;以下、NWCと記載)が、AP#1と、そのAP#1に接続しているSTAとの無線品質(例えば、受信電力など)を監視し続ける点である。AP#1は、STAとの無線品質報告をNWCに送信する(ステップS9101)。NWCは、AP#1におけるSTAとの無線品質が一定のレベルを下回ったと判定した場合、STAがAP#1とAP#2の所望境界線A92を通過したと推定する。この推定に基づき、NWCは、AP#1とSTAとの接続解除指示を送信する(ステップS9102)。NWCは、AP#1を介して送信した接続解除指示によりSTAにAP#1との接続を解除させたのち、AP#2へ再接続させる。
上記の方法は、無線品質の観測結果をハンドオーバ制御の判定に利用しているため、STAの移動に伴うフェージング、および受信機の熱雑音により位置推定の誤差が生じやすい。これにより、ハンドオーバ制御を開始するタイミングの精度が劣化するという課題が生じる。また、NWCは、AP#1とSTAとの無線品質からはSTAの位置が分からないため、STAの再接続先となるAP、及びそのAPの無線チャネルについては未知である。そのため、STAが再接続するまで、前述のように一定時間の検索が引き続き必要である。従って、無線によりデータ再送信できるまでに時間がかかるという問題(第二の問題)は解消されない。
第二の従来技術は、NWCが、STAに関する位置測定情報を取得し、STAの位置に応じて、ハンドオーバ制御の要否を判定する手法である。位置測定情報には、例えば、GPS(Global Positioning System)やGNSS(Global Navigation Satellite System)の情報が用いられる。NWCは、位置測定情報に基づいて、STAが例えば図13に示す所望境界線A92を越えたと判定した場合に、STAに対してハンドオーバ制御を開始させる方法が考えられる。しかし、この方法は、STAの位置測定情報が取得可能な環境のみに適用が限定される。測位が不可である屋内の場合、もしくは、位置測定情報をNWCへ送信しないことがユーザの都合により選択された場合には、位置測定情報に基づくハンドオーバ制御方法は実施できないという課題がある。
第三の従来技術は、上述した第一及び第二の従来方法の課題を解決し、ミリ波帯の指向性ビームの方向情報を利用するハンドオーバ制御の方法である(例えば、特許文献1参照)。図15は、第三の従来技術による無線通信システムの構成例を示す図である。図15に示す2台のAPを、AP#1、AP#2と記載する。
APは、無線通信部により指向性ビームを形成することができる。AP#1、AP#2はそれぞれ、無線で送受信を行ったSTA(図15では図示せず)に対する指向性ビームB91、B92のビーム方向の情報をNWCインタフェース部経由で、NWCに送信する。NWCは、AP#1、AP#2それぞれのセクタC91、C92を事前に把握している。また、NWCは、AP同士の隣接関係、例えば、AP#1のセクタC91における指向性ビームB91と、AP#2のセクタC92における指向性ビームB92とが隣接しているという情報を事前に把握することができる。
図16は、NWCにおけるハンドオーバ制御手順の例の概要を示すフロー図である。図15及び図16を参照して、NWCにおけるハンドオーバ制御手順を説明する。NWCのハンドオーバ制御部は、STAに関するビーム方向の情報をAPから取得する(ステップS9201)。ハンドオーバ制御部は、ハンドオーバ制御の開始の要否を判定する対象のSTA(以下、対象STAと記載)が、APのセクタの両端(事前に設定されたビーム方向)のいずれかに存在するか否かを判定する(ステップS9202)。ハンドオーバ制御部は、ステップS9202においてYESと判定した場合、対象STAとAPとの間の無線品質を監視し、無線品質が所定閾値以下であるか否かを判定する(ステップS9203)。ハンドオーバ制御部は、ステップS9203においてYESと判定した場合、対象STAの次の接続先となるAPを選定する(ステップS9204)。ハンドオーバ制御部は、移動する対象STAを収容するため、選定された次の接続先のAPに、ビーム方向の変更を通知する(ステップS9205)。こうしたNWCによるハンドオーバ制御の判定と指示の手順により、STAはあらためて、周辺に存在するAPを複数の無線チャネルにより検索する必要がなくなる。よって、ハンドオーバ制御に伴う所要時間を削減が可能となる。
図17は、第三の従来技術による所望のハンドオーバ制御の例を示す図である。図17において、3台のAPをAP#1、AP#2、AP#3と記載している。STAは、AP#1に接続している。AP#1は、STAに関するビーム方向情報をNWCに通知する(ステップS9301)。STAの移動経路は、矢印A93の方向である。STAは、AP#1のセクタC91から離れていき、AP#3のセクタC93に進入しようとしている。第三の従来技術のNWCは、AP#1の指向性ビームB91がAP#1のセクタC91における両端の指向性ビームの一つであり、AP#3の指向性ビームB93がAP#3のセクタC93における両端の指向性ビームの一つであることは事前に把握することができる。そこで、NWCは、図17に示すSTAの方位変化を検出し、図16に示した手順で、AP#3の識別子及び無線チャネルの情報をハンドオーバ指示によりSTAに通知する(ステップS9302)。STAは、NWCから通知されたAP識別子及び無線チャネルを用いて再接続の処理を行う。よって、第三の従来技術は、第一の従来技術と比較して、STAのハンドオーバを制御するための所要時間を削減できる。また、第三の従来技術は第二の従来技術とは異なり、外部システムによる位置測定情報の取得が不要である。
日本国特許第6530720号公報
第三の従来技術では、APのセクタの両端のいずれでもない同一ビーム方向に向かってSTAが移動した場合、NWCのハンドオーバ制御部が取得するSTAへのビーム方向情報は変化しない。そのため、NWCはハンドオーバ制御の開始を判断できない。図18は、この問題事象を示す図である。
図18では、AP#1に接続しているSTAは、矢印A94の方向の移動経路により、AP#1のセクタC91から離れていき、AP#2のセクタC92に進入しようとしている。この移動経路では、STAへのビーム方向は変化しない。そして、AP#1の指向性ビームB94は、セクタC91における両端の指向性ビームのいずれでもなく、AP#2の指向性ビームB95は、セクタC92における両端の指向性ビームのいずれでもない。そのため、第三の従来技術のNWCは、STAへのビーム方向情報を用いることでは、ハンドオーバ制御を開始する適切なタイミングを判定できないと考えられる。図18に示すNWCは、第一の従来技術と同じく、受信電力などの無線品質に基づいてハンドオーバ制御を開始するタイミングを判定するしかない。すなわち、第三の従来技術では、ビーム方向情報を活用できず、NWCのハンドオーバ制御判定の根拠が第一の従来技術と同じであるため、ハンドオーバ制御判定の精度が低下する課題が残る。
上記事情に鑑み、本発明は、適切なタイミングでハンドオーバを開始し、かつ、ハンドオーバにかかる時間を低減することができる無線通信システム、ネットワーク制御装置、ネットワーク制御方法及びプログラムを提供することを目的としている。
本発明の一態様は、ネットワーク制御装置と、複数のアクセスポイントとを有する無線通信システムであって、前記アクセスポイントは、指向性を持つビームにより端末局と無線通信する無線通信部と、前記無線通信部が使用している前記ビームの情報に基づいて前記端末局への方向を推定する方向推定部と、前記無線通信部と前記端末局との無線通信における往復の伝送時間に基づいて前記端末局までの距離を推定する距離推定部とを備え、前記ネットワーク制御装置は、前記方向推定部により推定された前記方向の情報及び前記距離推定部により推定された前記距離の情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記方向の情報及び前記距離の情報を用いて推定される前記端末局の位置の情報と、前記アクセスポイントの位置の情報とに基づいて前記端末局のハンドオーバの要否を判定する判定部と、前記判定部によりハンドオーバが必要と判定された場合に、前記端末局が接続中の前記アクセスポイントを介して、次の接続先の前記アクセスポイントとの接続に用いられる情報を前記端末局に通知する通知部とを備える、無線通信システムである。
本発明の一態様は、指向性を持つビームにより端末局と無線通信するアクセスポイントが前記端末局との無線通信に使用しているビームの情報に基づいて推定した前記端末局への方向の情報と、前記アクセスポイントが前記端末局との無線通信における往復の伝送時間に基づいて推定した前記端末局までの距離の情報とを取得する取得部と、前記取得部が取得した前記方向の情報及び前記距離の情報を用いて推定される前記端末局の位置の情報と、前記アクセスポイントの位置の情報とに基づいて前記端末局のハンドオーバの要否を判定する判定部と、前記判定部によりハンドオーバが必要と判定された場合に、前記端末局が接続中の前記アクセスポイントを介して、次の接続先の前記アクセスポイントとの接続に用いられる情報を前記端末局に通知する通知部と、を備えるネットワーク制御装置である。
本発明の一態様は、ネットワーク制御装置と、複数のアクセスポイントとを有する無線通信システムが実行するネットワーク制御方法であって、前記アクセスポイントが、指向性を持つビームにより端末局と無線通信する無線通信部において使用している前記ビームの情報に基づいて前記端末局への方向を推定する方向推定ステップと、前記アクセスポイントが、前記無線通信部と前記端末局との無線通信における往復の伝送時間に基づいて前記端末局までの距離を推定する距離推定ステップと、前記ネットワーク制御装置が、前記方向推定ステップにおいて推定された前記方向の情報及び前記距離推定ステップにおいて推定された前記距離の情報を取得する取得ステップと、前記ネットワーク制御装置が、前記取得ステップにおいて取得された前記方向の情報及び前記距離の情報を用いて推定される前記端末局の位置の情報と、前記アクセスポイントの位置の情報とに基づいて前記端末局のハンドオーバの要否を判定する判定ステップと、前記ネットワーク制御装置が、前記判定ステップにおいてハンドオーバが必要と判定された場合に、前記端末局が接続中の前記アクセスポイントを介して、次の接続先の前記アクセスポイントとの接続に用いられる情報を前記端末局に通知する通知ステップと、を有するネットワーク制御方法である。
本発明の一態様は、コンピュータを、上述のネットワーク制御装置として機能させるためのプログラムである。
本発明により、適切なタイミングでハンドオーバを開始し、かつ、ハンドオーバにかかる時間を低減することが可能となる。
本発明の第一の実施形態による無線通信システムの構成例を示す図である。 同実施形態によるAPの構成例を示す機能ブロック図である。 同実施形態によるNWCの構成例を示す機能ブロック図である。 同実施形態によるハンドオーバ制御判定部の詳細な構成例を示す機能ブロック図である。 同実施形態による無線通信システムの動作を示すフロー図である。 第三の実施形態による無線通信システムの構成例を示す図である。 同実施形態によるAPの構成例を示す機能ブロック図である。 第四の実施形態による無線通信システムの構成例を示す図である。 同実施形態によるAPの構成例を示す機能ブロック図である。 同実施形態によるハンドオーバ制御機能部の詳細な構成例を示す機能ブロック図である。 同実施形態によるハンドオーバ制御判定部の詳細な構成例を示す機能ブロック図である。 第一から第四の実施形態によるNWCのハードウェア構成例を示す装置構成図である。 従来のハンドオーバ制御を示す図である。 第一の従来技術の概要を示す図である。 第三の従来技術による無線通信システムの構成例を示す図である。 同従来技術によるNWCにおけるハンドオーバ制御手順の概要を示すフロー図である。 同従来技術による所望のハンドオーバ制御の例を示す図である。 同従来技術によるNWCがハンドオーバ制御の開始を判断できない場合を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、指向性ビームの形成、及び広帯域信号の伝送が可能な無線通信システムにおいて、端末局(STA)の位置移動に伴い、そのSTAが接続するアクセスポイント(AP)のハンドオーバ制御を適切なタイミングで開始するとともに、ハンドオーバ制御に伴う再接続先APを検索するための所要時間を削減する。
本実施形態の無線通信システムにおいては、APとSTAとの通信に高周波帯の無線を用いる。APは、狭い指向性を持つビームである指向性ビームにより自APからのSTAの方向の情報を検知する。また、APは、広帯域信号の伝送により自APからのSTAの距離の情報を検知する。APは、上位のネットワーク制御装置(NWC)に、自APからのSTAの方向及び距離の情報を通知する。NWCは、APから通知されたSTAの方向及び距離の情報から得られるSTAの位置情報を用いて、STAと、そのSTAが接続中のAP、及び、隣接APとの位置関係を把握する。隣接APは、STAが接続中のAPに隣接するAPであり、STAの次の接続先となり得る。NWCは、把握した位置関係に基づいて、STAに対して適切なタイミングでハンドオーバ制御の開始と、次の接続先として選択したAPと、次の接続先のAPとの無線通信に使用する無線チャネルなどの情報とを指示する。
NWCは、STAにおいてハンドオーバ制御の開始が必要と判定した場合、上記の指示により、そのSTAが接続中のAPを介して、次の接続先のAPのAP識別子及び無線チャネルの情報を通知する。AP識別子は、APを一意に識別する情報である。これらの情報を通知することにより、NWCは、通知したAP識別子及び無線チャネルを用いた接続先APの検索をSTAに行わせる。なお、NWCは、STAの距離及び方向の情報を微分して得られた速度及び角速度をさらに用いて、ハンドオーバ制御の開始を判定してもよい。
上記により、NWCは、GPSなどの外部システムに依らずに、高周波帯の無線通信により得られたSTAの位置情報を用いて、移動するSTAの接続中AP、及び隣接APとの位置関係(いずれのAPが近いか)を認識し、適切なタイミングでSTAにハンドオーバ制御を開始させることが可能である。STAの位置情報は、具体的には、接続中APがSTAとの無線送受信に使用したビーム方向情報、および接続中APとSTAとの推定距離情報により得られる。また、ハンドオーバ制御の実施においては、NWCが、STAに再接続先となる隣接APのAP識別子、無線チャネル識別子などの情報を提供する。これにより、ハンドオーバ制御の所要時間が低減可能である。以下に、詳細な実施形態を説明する。
[第一の実施形態]
(無線通信システム全体構成の説明)
図1は、第一の実施形態の無線通信システム1の構成例を示す図である。無線通信システム1は、AP10と、NWC20とを有する。無線通信システム1は、複数台のAP10を有しているが、図1では2台のAP10を示している。2台のAP10をそれぞれ、AP10-1、AP10-2と記載する。また、AP10-i(i=1,2)のセクタCを、セクタCiと記載する。セクタCiは、AP10-iのアンテナ素子により無線通信が可能な範囲である。なお、AP10-iは異なる方向の複数のセクタを有してもよい。各AP10は、NWC20と接続される。
図1においてSTA(端末局)30は、AP10-1のセクタC1と、AP10-2のセクタC2とが重なる領域に位置している。STA30は、AP10-1と指向性ビームB1で接続しており、AP10-1と通信可能な状態である。それと同時に、STA30は、矢印A1の方向に移動する。矢印A1は、AP10-1から見ると方向を変えずに離れていく経路である。すなわち、STA30は、AP10-1から離れてAP10-2に向かって移動する。STA30の無線品質は、AP10-1から離れるほど低下していく。そのため、STA30には、ハンドオーバ制御の必要性が生じる。STA30にとって、理想的な再接続先は、AP10-2の指向性ビームB2である。なお、この場合、ビーム方向は変わらないため、第三の従来技術では、無線品質(受信電力など)に基づいてハンドオーバ判定を行う状況である。
AP10は、STA30と無線通信している場合に、第三の従来技術と同様に、無線通信に使用しているアンテナ指向性ビームに基づき、自APから見たSTA30の方向を推定する。さらに、STA30と無線通信しているAP10は、第三の従来技術とは異なり、広帯域信号を活用して自APからSTA30までの距離を推定可能である。AP10は、STA30の推定位置を示すSTA位置情報を生成し、生成したSTA位置情報をNWC20に通知する。STA位置情報は、AP10のビーム方向、及び、AP10からSTA30までの推定距離により表される。AP10のビーム方向は、自APから見たSTA30の方向を表す。なお、AP10-iは、AP10-iのビーム方向の情報、及び、AP10-iからSTA30までの推定距離の情報をNWC20に通知し、NWC20は、通知されたこれらの情報を用いてAP10-iから見たSTA30のSTA位置情報を生成してもよい。図1の場合、STA30と通信しているAP10-1が、STA位置情報をNWC20に通知する(ステップS11)。
NWC20は、STA位置情報に基づき、STA30を現在の接続先のAP10とは異なる隣接APに再接続するハンドオーバ制御の開始が必要か否かを判定する。図1において、隣接APは、AP10-2である。NWC20は、STA30のハンドオーバ制御の開始が必要と判定した場合に、AP10-2と再接続先するよう指示する再接続指示を、AP10-1を介してSTA30に送信する(ステップS12)。再接続指示には、STA30がAP10-2と無線接続するために必要な情報を含む。これらの情報は、具体的には、AP10-2のAP識別子、及び無線チャネルの識別子である。AP10-1は、NWC20から受信した再接続指示を無線によりSTA30に通知する。STA30は、再接続指示を受信した場合、AP10-1との無線接続を解除する。
STA30は、AP10-1との無線接続を解除すると、再接続指示によりNWC20から指示されたAP識別子、及び無線チャネルの識別子を利用して、AP10-2に対する再接続の手順を開始する。STA30は、指示された無線チャネルを用いて、ビーコンなどの周辺APを検索するための制御信号を送信し、AP10-2との再接続を試みることが可能である。あるいは、STA30は、指示された無線チャネルのみを検索してもよい。STA30は、指示された無線チャネルにより、指示されたAP識別子のAP10-2からのビーコンなどの制御信号を受信した場合に、無線接続を要求する無線フレームを送信することによりAP10-2に応答して、再接続を試みることも可能である。
なお、図1では第一の実施形態の説明に必要最小台数のAP10、およびSTA30のみ表示している。より多くのAP10、もしくはSTA30が存在する場合でも、同様の動作を行うことが可能である。
(AP10の構成の説明)
図2は、第一の実施形態のAP10の構成例を示す機能ブロック図である。図2では、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示してある。AP10は、アンテナ11と、無線通信部12と、方向推定部13と、距離推定部14と、NWCインタフェース部15とを備える。
アンテナ11は、無線信号を送受信する。無線通信部12は、STA30(図2では不図示)と狭い指向性を持つ指向性ビームBにより無線通信する。AP10は、アンテナ11が形成する指向性ビームBの方向を一定の範囲内で変更できる。一例として、この一定の範囲は、セクタCの範囲である。同図では、各方向の指向性ビームBを指向性ビームB-1~B-nと記載している。指向性ビームB-1及びB-nは、セクタCの両端である。無線通信部12は、STA30と無線により送受信した時刻を示す送受信時刻情報を、方向推定部13、及び距離推定部14に出力可能である。
方向推定部13は、無線通信部12から送受信時刻情報を取得し、ビーム方向情報とともに記録する。ビーム方向情報は、無線通信部12において使用された指向性ビームBのビーム方向を示す。方向推定部13は、ビーム方向情報に、そのビーム方向情報が得られた時刻を示す送受信時刻情報を付加してNWCインタフェース部15に出力する。
距離推定部14は、無線通信部12から取得した送受信時刻情報を用いて、STA30との距離を推定する。距離推定部14は、推定した距離を示す推定距離情報をNWCインタフェース部15に出力する。
距離推定部14が行う距離推定の方法の一例としてTime Of Arrival(ToA)がある。例えば、AP10とSTA30との間に何かしらの往復する無線信号シーケンスが既にある場合に、AP10はその往復時間を測定する。具体的には、距離推定部14は、AP10の無線通信部12がSTA30へ何らかの無線信号を送信した時刻をT、無線通信部12がSTA30からその無線信号に対する応答信号を受信した時刻をTとして記録する。また、STA30がAP10から無線信号を受信してからその応答信号を送信するまでの応答時間をTResponseとして規定されているとする。この場合、記録された時刻T及び時刻Tと、規定の応答時間TResponseと、光速c(=3×108(m/s))とにより、AP10とSTA30との距離dAP,STAを、式(1)により推定可能である。
Figure 0007436915000001
なお、本実施形態では、上記方法に限定せず、他の方法により、無線通信部12において取得可能な無線通信の情報から、AP10(またはSTA30)の送受信時刻を入手可能であれば、その情報を元に、距離dAP,STAを推定しても構わない。
上記の方法により、AP10は、STA30との距離を測定するための専用の外部システムを利用する必要がない。距離推定部14は、AP10とSTA30との距離を推定した後、その推定した距離を示す推定距離情報を記録し、NWCインタフェース部15に出力する。距離推定部14は、推定距離情報に、推定に用いた送受信時刻情報を付加してもよい。
NWCインタフェース部15は、STA30との無線通信により得られた情報を用いて算出された推定距離情報、及び、ビーム方向情報を設定したSTA位置情報に、STA30のSTA識別子及び自装置のAP識別子を付加してNWC20に通知する。STA識別子は、STA30を一意に識別する情報である。NWC20は、AP10から通知された各STA30のSTA位置情報を記録する。あるいは、NWCインタフェース部15は、推定距離情報、及び、ビーム方向情報に、STA30のSTA識別子及び自装置のAP識別子を付加してNWC20に通知してもよい。NWC20は、AP10から通知された各STA30の推定距離情報、及びビーム方向情報を対応付けてSTA位置情報として記録する。また、NWCインタフェース部15は、ハンドオーバ制御を開始する旨の判定結果に基づくSTA30への再接続指示をNWC20から受信した場合、その再接続指示を無線通信部12に出力する。無線通信部12は、再接続指示をSTA30に無線により送信する。
(NWC20の構成の説明)
図3は、第一の実施形態のNWC20の構成例を示す機能ブロック図である。図3では、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示してある。NWC20は、STA30のハンドオーバ制御の開始の要否を判定する。NWC20は、APインタフェース部21と、ハンドオーバ制御判定部23と、記憶部22とを備える。
APインタフェース部21は、NWC20の配下の複数のAP10と通信する。APインタフェース部21は、各AP10から収集した各STA30のSTA位置情報を記憶する。あるいは、APインタフェース部21は、各AP10から収集した各STA30の推定距離情報、及びビーム方向情報を対応付けてSTA位置情報として記録する。APインタフェース部21は、記録したSTA位置情報をハンドオーバ制御判定部23に通知する。
記憶部22は、STA30のハンドオーバ先となる候補のAP10に関する情報を記憶する。具体的には、記憶部22は各APのAP位置情報と、AP情報とを予め記憶する。AP位置情報は、AP10の位置を示す。AP位置情報は、事前に用意された地図上に固定された座標系における、各AP10の置局設計時の位置が記録されたものでもよい。あるいは、記憶部22は、各AP10に具備されたGPSが測定したAP10の位置情報を取得し、AP位置情報として記憶してもよい。なお、記憶部22は、各AP10の位置を示す情報を記憶できれば、それら情報を任意の方法で取得してよい。記憶部22は、各AP10の位置情報に基づいて、複数のAP10の位置関係を示す位置関係情報をハンドオーバ制御判定部23に通知する。位置関係情報は、例えば、STA30が接続中のAP10を含む複数のAP10それぞれの位置情報を含んだ情報である。AP情報は、各AP10のAP識別子、無線周波数及び無線チャネルを示す。AP情報はさらに、各AP10の接続エリアの情報を示す。接続エリアは、例えば、AP10の1以上のセクタCを合わせた範囲により表される。
ハンドオーバ制御判定部23は、STA30のハンドオーバ制御判定を行う。ハンドオーバ制御判定部23の詳細は、図4を用いて後述する。
(ハンドオーバ制御判定部23の詳細な構成の説明)
図4は、第一の実施形態のNWC20が有するハンドオーバ制御判定部23の詳細な構成例を示す機能ブロック図である。ハンドオーバ制御判定部23は、STA位置情報取得部231と、AP情報取得部232と、判定部233と、再接続指示部234とを備える。
STA位置情報取得部231は、APインタフェース部21からSTA位置情報を取得し、取得したSTA位置情報を判定部233に入力する。AP情報取得部232は、ハンドオーバ制御の開始の要否を判断する対象のSTA30(以下、対象STAと記載)の付近において、ハンドオーバ制御の再接続先になりうるAP10の情報を取得する。再接続先になり得るAP10は、対象STAが現在接続中のAP10(以下、接続中APと記載)に隣接するAP10(以下、隣接APと記載)である。例えば、対象STAの隣APは、NWC20に接続され、かつ、接続中APとは異なるAP10のうち、接続中APの位置から所定距離以内の位置のAP10、あるいは、接続中APから距離が近い順に選択した所定数のAP10である。AP10の位置は、記憶部22から通知された位置関係情報から得られる。AP情報取得部232は、接続中APの位置情報と、隣接APのAP位置情報及びAP情報とを取得して判定部233に入力する。接続中APの位置情報及び隣接APのAP位置情報として、位置関係情報を用いてもよい。
判定部233は、STA位置情報取得部231から入力したSTA位置情報と、AP情報取得部232から入力した情報とに基づいて、ハンドオーバ制御判定を行う。再接続指示部234は、判定部233による判定結果と、STA30が再接続先のAP10を探索するために必要な情報とを取得し、APインタフェース部21に出力する。
判定部233は、対象STAが接続中APから離れていく場合に、ハンドオーバ制御判定を行う。ハンドオーバ制御判定において、判定部233は、対象STAのSTA位置情報及び隣接APのAP位置情報により示される対象STAと隣接APとの位置関係に基づいて、対象STAにハンドオーバ制御を開始させるか否か、開始させる場合は次の接続先となるAP10の判定を行う。なお、ハンドオーバ制御を開始させるか否かの判定方法には、以下の例がある。一つは、図1に示す各AP10に距離閾値を予め設定しておき、対象STAと接続中APとの距離がその距離閾値を超えた場合にハンドオーバ制御の開始と判定する方法である。他の例は、予め各AP10それぞれの接続エリアの情報を記憶部22に記憶しておき、対象STAが接続エリアの境界を跨いだときにハンドオーバ制御の開始と判定する方法である。なお、通信距離や指向性ビームの可動範囲、方向などを勘案してこの接続エリアを設計することが考えられる。また、距離閾値を用いて判定する方法として、各AP10の指向性ビームB-1~B-nのアンテナ利得が方向毎に異なることも勘案し、その距離閾値を方向毎に変えることも考えられる。
また、判定部233がハンドオーバ制御の開始と判定した時の対象STAの次の接続先のAP10の選択方法としては、以下の例がある。一つは、対象STAと隣接APそれぞれとの二点間直線距離を比較して、最近接のAP10を選択する方法である。なお、対象STAの位置は、接続中APの位置に、対象STAのSTA位置情報が示すAP10から見たSTA30の位置を加えることにより得られる。また、上記の各接続エリアを考慮し、対象STAの位置が接続エリアに入ったAP10を選択する方法がある。また、対象STAの位置が複数のAP10の接続エリアに入った場合に、その中でも対象STAと最近接のAP10を選択する方法も考えられる。
判定部233は、上記の判定結果、すなわち、ハンドオーバ制御の開始と判定した場合には、その開始の旨と次の接続先のAP10のAP識別子、そのAP10が使用している無線チャネル識別子などの情報を、再接続指示部234に出力する。再接続指示部234は、この判定結果を含めてAPインタフェース部21に出力する。
図5は、無線通信システム1の動作を示すフロー図である。AP10の方向推定部13は、無線通信部12がSTA30との間で無線により信号の送信又は受信を行ったときのビーム方向を示す情報に、その信号を送信又は受信した時刻を示す送受信時刻情報を付加してNWCインタフェース部15に出力する(ステップS101)。距離推定部14は、無線通信部12から取得した送受信時刻情報を用いて、STA30との距離を推定する(ステップS102)。距離推定部14は、推定した距離を示す推定距離情報をNWCインタフェース部15に出力する。NWCインタフェース部15は、推定距離情報、及び、ビーム方向情報を設定したSTA位置情報に、STA30のSTA識別子及び自装置のAP識別子を付加してNWC20に通知する(ステップS103)。
各AP10は、例えば、所定の周期毎に、接続中のSTA30それぞれについてステップS101~ステップS103の処理を行う。なお、AP10は、ステップS101の処理とステップS102の処理とを並行して行ってもよく、ステップS102の処理の後にステップS101の処理を行ってもよい。
NWC20のAPインタフェース部21は、各AP10から各STA30のSTA位置情報を受信する(ステップS201)。APインタフェース部21は、受信した各STA30のSTA位置情報をハンドオーバ制御判定部23に通知する。ハンドオーバ制御判定部23のSTA位置情報取得部231は、APインタフェース部21から取得したSTA位置情報を判定部233に入力する。
AP情報取得部232は、STA位置情報に設定されているSTA識別子及びAP識別子に基づいて対象STA及び接続中APを特定する。AP情報取得部232は、記憶部22から取得した位置関係情報を参照して、接続中APの隣接APを選択する(ステップS202)。AP情報取得部232は、隣接APのAP情報を記憶部22から読み出す。AP情報取得部232は、接続中APの位置情報と、隣接APのAP位置情報及びAP情報とを記憶部22から読み出して判定部233に入力する。
判定部233は、対象STAの時系列のSTA位置情報を用いて、対象STAが接続中APから離れるように移動しているかを判定する(ステップS203)。判定部233は、対象STAが接続中APから離れるように移動していると判定した場合(ステップS203:YES)、接続中APの位置情報と、隣接APのAP位置情報及びAP情報とを用いて、対象STAのハンドオーバ制御を開始するか否かを判定する(ステップS204)。例えば、判定部233は、対象STAと接続中APとの距離が距離閾値を超えた場合や、対象STAが接続エリアの境界を跨いだときにハンドオーバ制御の開始と判定する。
判定部233は、対象STAのハンドオーバ制御を開始すると判定した場合(ステップS204:YES)、接続中APの位置情報と、隣接APのAP位置情報及びAP情報とを用いて、隣接APの中から次の接続先のAP10を選定する(ステップS205)。例えば、判定部233は、隣接APの中から、対象STAの位置に最も近い位置のAP10を選択してもよく、対象STAの位置を含んだ接続エリアを有するAP10を選択してもよい。
判定部233は、対象STAを示す情報と、接続中APを示す情報と、次の接続先のAP10のAP識別子と、次の接続先のAP10との接続に用いる無線周波数及び無線チャネル識別子などの情報を、再接続指示部234に出力する。再接続指示部234は、対象STAを示す宛先情報と、次の接続先のAP10のAP識別子、無線周波数及び無線チャネル識別子とを設定した再接続指示を、APインタフェース部21を介して接続中APに送信する(ステップS206)。なお、再接続指示部234は、次の接続先のAP10に、対象STAの位置にビーム方向を変更するよう指示する通知をさらに行ってもよい。
なお、判定部233は、対象STAが接続中APから離れるように移動していないと判定した場合(ステップS203:NO)、又は、対象STAのハンドオーバ制御を開始しないと判定した場合(ステップS204:NO)、処理を終了する。
接続中APのNWCインタフェース部15は、ステップS260においてNWC20から送信された再接続指示を受信し、受信した再接続指示を無線通信部12に出力する。無線通信部12は、アンテナ11から無線により再接続指示を送信する。対象STAは、再接続指示を受信すると、接続中APとの接続を切断し、再接続指示に設定されている情報を用いて、次の接続先のAP10と再接続する。
[第二の実施形態]
第一の実施形態では、NWCがSTAのある瞬間の位置情報を用いて、移動するSTAに対してハンドオーバ制御の開始の要否を判定していた。しかし、STAが頻繁に移動方向を変更する場合、第一の実施形態に示した方法では、NWCは、頻繁にSTAにハンドオーバ制御をさせる可能性がある。頻繁なハンドオーバ制御の指示に起因して、オーバヘッドが増大してスループットが劣化するという問題や、一定期間その制御シーケンスが繰り返されて無線接続ができなくなるという問題が生じる場合がある。第二の実施形態は、このような課題を鑑みて、NWCがSTAに頻繁なハンドオーバ制御をさせないようにする。
本実施形態の無線通信システムの構成は、図1に示す第一の実施形態と同様である。ただし、第二の実施形態のNWC20は、図1に示した移動するSTA30のSTA位置情報から得られる移動に関する情報に基づいて、ハンドオーバ制御の開始の要否を判定する。STA30の移動に関する情報は、STA位置情報の微分により推定される速度ベクトル、または角速度ベクトルなどの運動情報である。NWC20は、推定した移動速度ベクトルまたは角速度ベクトル考慮して、ハンドオーバ制御の開始の要否を判定する。以下では、第二の実施形態と第一の実施形態の差分を中心に説明する。
NWC20は、異なる時刻のSTA位置情報を複数回(2回以上)取得する。そしてNWC20の判定部233は、ある時刻tのSTA位置情報が示す推定距離dAP,STAと、時刻tの次の時刻tのSTA位置情報が示す推定距離d'AP,STA、及び、これら時刻の間差Δt=t-tを用いて、対象STAの推定速度ベクトルvを以下の式(2)により計算する。
Figure 0007436915000002
また、NWC20の判定部233は、ある時刻tのSTA位置情報が示す方向情報θAP,STA、時刻tの次の時刻tのSTA位置情報が示す方向情報θ’AP,STA、及び、これら時刻の間差Δt=t-tを用いて、対象STAの推定角速度ωを以下の式(3)で計算する。
Figure 0007436915000003
NWC20の判定部233は、上記のように、異なる時刻のSTA位置情報に基づいて対象STAの速度ベクトルまたは角速度ベクトルを推定し、推定した速度ベクトルまたは角速度ベクトルを用いて、対象STAのハンドオーバ制御の開始の要否を判定する。判定部233は、STA位置情報に基づいて対象STAが接続中APから離れていくと判定した場合、対象STAと近隣APとの位置関係、及び、対象STAの推定速度ベクトルvまたは推定角速度ベクトルωに基づき、対象STAにハンドオーバ制御を開始させるか否かを判定する。一例として、判定部233は、第一の実施形態と同様に対象STAのSTA位置情報に基づきハンドオーバ制御の開始と判定した後、さらに、所定の期間内における推定速度ベクトルvの正負記号変化、または、所定の期間内における推定角速度ωの正負記号変化が所定回数以下であると判定した場合に、対象STAにハンドオーバ制御を開始させると決定する。
なお、判定部233は、推定速度ベクトルvの正負記号変化及び推定角速度ωの正負記号変化の両方が所定回数以下の場合にハンドオーバ制御の開始と判定してもよく、推定速度ベクトルvの正負記号変化と、推定角速度ωの正負記号変化とのうちいずれか一方が所定回数以下の場合にハンドオーバ制御開始と判定してもよい。
また、所定期間、所定回数は任意の設定値である。これらの設定値は、事前に判定部233へ設定されもよい。あるいは、判定部233が又は手動により、これらの設定値を、対象STAの位置、速度、角速度及びハンドオーバ制御の前後の無線品質に応じて変更してもよい。所定期間、所定回数の設定には、任意の設定方法を用いることができる。また、推定速度ベクトルvの所定回数と推定角速度ωの所定回数とは共通でもよいし、異なってもよい。
判定部233が、上記のように推定速度ベクトルv及び推定角速度ωに基づきハンドオーバ制御開始の要否判定を行った後のNWC20の動作は、第一の実施形態と同様である。
第二の実施形態のNWC20は、推定速度ベクトルvと推定角速度ωとの一方又は両方を用いて、STA30のマクロ的な動きにより、ハンドオーバ制御の開始を判定できる。よって、STA30が頻繁に移動方向を変える場合に、過剰なハンドオーバ制御を回避することが可能となる。例えば、STA30が複数のAP10の境界ゾーンを行ったり来たりするように移動する場合、第一の実施形態では、頻繁にハンドオーバ制御を実施してしまい、スループット劣化や無線接続自体ができなくなることがある。第二の実施形態では、このような移動を行うSTA30に対する頻繁なハンドオーバ制御を回避し、接続中のAP10を維持して無線品質を維持することが可能となる。
[第三の実施形態]
第一及び第二の実施形態では、APの位置は固定であった。本実施形態では、APの位置が移動する。
図6は、第三の実施形態による無線通信システム1aの構成例を示す図である。無線通信システム1aは、AP10aと、NWC20aとを有する。無線通信システム1aは、複数台のAP10aを有しているが、図6では2台のAP10aを示している。2台のAP10aをそれぞれ、AP10a-1、AP10a-2と記載する。AP10a-1は移動せず、AP10a-2は移動可能である。AP10a-2は、例えば、ドローン、もしくは移動基地局車等に搭載される。なお、移動しないAP10aとして、第一の実施形態のAP10を用いてもよい。
上述した第一及び第二の実施形態では、NWCが対象STAの位置情報、又は運動情報を用いて、対象STAについてハンドオーバ制御の開始の要否を判定する。第一及び第二の実施形態では、ハンドオーバ制御開始の要否を判定するために、NWCの記憶部に座標系におけるAPの置局設計位置を事前に記録しておく必要がある。しかし、図6に示すように、NWC20aの配下には、移動可能なAP10aも接続されている。第一及び第二の実施形態のNWCの場合、時間に応じてAPの位置に変化があると、記憶部に記憶される情報はその変化に対応できず、対象STAに対して適切なハンドオーバ制御の再接続先を指示できないことがある。そこで、第三の実施形態では、このような課題を鑑みて、各AP10aに、自身の位置情報を取得し、取得した位置情報をNWC20aに通知する機能を具備する。
図7は、第三の実施形態におけるAP10aの構成例を示す機能ブロック図である。図7に示すAP10aの構成と、図2に示す第一の実施形態のAP10の構成とが異なる点は、AP10aがAP位置情報通知部16をさらに具備している点である。AP位置情報通知部16は、定期的にもしくは不定期的に、AP10a自身の位置を示すAP位置情報を取得し、取得したAP位置情報を、NWCインタフェース部15を介してNWC20aに通知する。AP位置情報通知部16におけるAP位置情報の取得方法の一例として、例えばGPSなどを用いた測位方法を利用することができる。
NWC20aの構成は、図3に示す第一の実施形態のNWC20と同様である。ただし、NWC20aの記憶部22は、AP10aから通知されたAP位置情報を記憶することにより、AP位置情報を最新にする点が異なる。
第三の実施形態によれば、NWC20aは、時間に応じて変化する各AP10aの位置の情報を把握することにより、AP10aの最新の位置の情報に基づき、STAに対して適切なハンドオーバ制御を行うことが可能となる。
[第四の実施形態]
上述した第一から第三の実施形態においては、NWCが、対象STAの位置情報、もしくは運動情報を用いて、対象STAについてハンドオーバ制御の開始の要否を判定する。しかし、ハンドオーバ制御を単一の装置、すなわち、NWCにのみ搭載した場合、その装置の故障や処理負荷増加等の原因により、正常にハンドオーバ制御が実施できないという課題がある。このような課題を解決するため、本実施形態では、NWCが保有するSTAの位置情報の収集、及びハンドオーバ制御判定に関する機能を任意のAPに備える。そして、APがNWCの代替として、各STAに対してハンドオーバ制御を行う。以下の説明では、こうしたAPをマスタ制御装置と呼ぶ。本実施形態を、上述した実施形態との差分を中心に説明する。
図8は、第四の実施形態の無線通信システム1bの構成例を示す図である。無線通信システム1bは、AP10bと、NWC20とを有する。無線通信システム1bは、複数台のAP10bを有しているが、図8では2台のAP10bを示している。複数のAP10b及びNWC20は、ネットワーク40に接続される。2台のAP10bをそれぞれ、AP10b-1、AP10b-2と記載する。なお、無線通信システム1bは、第一又は第二の実施形態のAP10をさらに有してもよく、第三の実施形態のAP10aをさらに有してもよい。また、無線通信システム1bは、1台のAP10bと、1台以上のAP10又はAP10aを有してもよい。図8では、NWC20が何らかの故障により、ネットワーク40から切り離された場合を想定している。この場合、複数のAP10bのうち1局がマスタ制御装置となる。
図8では、マスタ制御装置として選ばれたAP10b-2は、AP10b-1の配下のSTA30の位置情報収集とハンドオーバ制御判定とを行う。AP10b-2のこれらの機能は、第一~第三の実施形態におけるNWC20、20aと同等のため、ここでは詳細な説明を省略する。なお、図8に示した例では、AP10b-2をマスタ制御装置として選択したが、相互に接続されているAP10b間で、任意の1局を任意の方法でマスタ制御装置として選択してもよい。例えば、各AP10bは、予め定められた所定の条件に基づいていずれのAP10bがマスタ制御装置となるかを自律的に決定してもよく、無線通信システム1bの監視及び制御を行う図示しない監視システムが保守者の入力に従ってAP10bにマスタ制御装置となることを指示してもよい。そして、一旦選定されたマスタ制御装置から、その役割または機能を任意の方法で、相互に接続されている他のAP10bに移転することが可能である。
図9は、第四の実施形態におけるAP10bの構成例を機能ブロック図である。図9に示すAP10bの構成と、図2に示す第一の実施形態のAP10の構成とが異なる点は、AP10bがNWCインタフェース部15に代えてAP間インタフェース部17を備える点、及び、ハンドオーバ制御機能部18をさらに備える点である。AP間インタフェース部17は、他のAP10bとデータを送受信する。なお、上記の相違点を、図7に示す第三の実施形態のAP10aに適用してもよい。
図10は、AP10bのハンドオーバ制御機能部18の詳細な構成を示すブロック図である。ハンドオーバ制御機能部18は、記憶部181と、ハンドオーバ制御判定部182とを備える。ハンドオーバ制御機能部18は、第一~第三の実施形態のNWC20、20aのハンドオーバ制御判定部23と同じ機能を有する。すなわち、記憶部181及びハンドオーバ制御判定部182はそれぞれ、記憶部22及びハンドオーバ制御判定部23と同様の機能を有する。
図11は、ハンドオーバ制御判定部182の詳細な構成を示すブロック図である。ハンドオーバ制御判定部182は、STA位置情報取得部1821と、AP情報取得部1822と、判定部1823と、再接続指示部1824とを備える。STA位置情報取得部1821、AP情報取得部1822、判定部1823及び再接続指示部1824はそれぞれ、図4に示す第一の実施形態のハンドオーバ制御判定部23が備えるSTA位置情報取得部231、AP情報取得部232、判定部233及び再接続指示部234と同様の機能を有する。図10及び図11に示した構成例により、マスタ制御装置がNWCと同等の機能を実現する。
なお、ハンドオーバ制御機能部18は、AP間インタフェース部17を介して、他のAP10bと接続する。AP間インタフェース部17は、他のAP10bが送信したSTA位置情報を入力する。また、AP間インタフェース部17は、STA30にハンドオーバ制御を開始させるための指示をSTA30が接続中の他のAP10bに出力する。
上記構成により、図5のステップS101において、AP10bの方向推定部13は、ビーム方向を示す情報をAP間インタフェース部17に出力し、図5のステップS102において、距離推定部14は、推定距離情報をAP間インタフェース部17に出力する。図5のステップS103において、AP10bのAP間インタフェース部17は、STA位置情報をマスタ制御装置に通知する。なお、AP10bがマスタ制御装置の場合、図5のステップS103の処理を行わない。
マスタ制御装置は、図5のステップS201~ステップS206の処理を行う。ただし、ステップS201において、マスタ制御装置のAP間インタフェース部17は、他のAP10bから受信した各STA30のSTA位置情報と、自装置において生成したSTA位置情報とを、ハンドオーバ制御機能部18に通知する。また、ステップS206において、再接続指示部1824は、AP間インタフェース部17を介して接続中APに再接続指示を送信する。なお、AP間インタフェース部17は、接続中APがマスタ制御装置である場合、再接続指示を無線通信部12に出力する。
第四の実施形態では、マスタ制御装置となるAP10bの機能により、STA30のハンドオーバ制御判定ができるため、NWC20の故障等が発生した場合でも、適切なハンドオーバ制御が実施可能である。
上述した実施形態におけるNWC20、20aの機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
NWC20のハードウェア構成例を説明する。図12は、NWC20のハードウェア構成例を示す装置構成図である。NWC20は、プロセッサ71、記憶部72、通信インタフェース73、及び、ユーザインタフェース74を備える。なお、NWC20aも同様の構成である。
プロセッサ71は、演算や制御を行う中央演算装置である。プロセッサ71は、例えば、CPUである。プロセッサ71は、記憶部72からプログラムを読み出して実行する。記憶部72は、さらに、プロセッサ71が各種プログラムを実行する際のワークエリアなどを有する。通信インタフェース73は、他装置と通信可能に接続するものである。ユーザインタフェース74は、ボタン、キーボード、ポインティングデバイスなどの入力装置や、ランプ、ディスプレイなどの表示装置である。ユーザインタフェース74により、人為的な操作が入力される。
ハンドオーバ制御判定部23の機能は、プロセッサ71が記憶部72からプログラムを読み出して実行することより実現される。なお、これらの機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。APインタフェース部21は、通信インタフェース73により実現される。なお、これらの一部の機能は、プロセッサ71が記憶部72からプログラムを読み出して実行することより実現されてもよい。
上述した実施形態によれば、無線通信システムは、ネットワーク制御装置と、複数のアクセスポイントとを有する。アクセスポイントは、無線通信部と、方向推定部と、距離推定部とを備える。無線通信部は、指向性を持つビームにより端末局と無線通信する。方向推定部は、無線通信部が使用しているビームの情報に基づいて自身から見た端末局への方向を推定する。距離推定部は、無線通信部と端末局との無線通信における往復の伝送時間に基づいて端末局までの距離を推定する。ネットワーク制御装置は、取得部と、判定部と、通知部とを備える。取得部と、方向推定部により推定された方向の情報及び距離推定部により推定された距離の情報を取得する。取得部は、例えば、STA位置情報取得部231である。判定部は、取得部が取得した方向の情報及び距離の情報を用いて推定される端末局の位置の情報と、アクセスポイントの位置の情報とに基づいて、端末局のハンドオーバの要否を判定する。通知部は、判定部によりハンドオーバが必要と判定された場合に、端末局が接続中のアクセスポイントを介して、次の接続先のアクセスポイントとの接続に用いられる情報を端末局に通知する。例えば、通知部は、再接続指示部234である。
判定部は、推定された端末局の位置の情報と、推定された端末局の位置の情報を用いて推定された端末局の移動に関する情報と、アクセスポイントの位置の情報とに基づいて、端末局のハンドオーバの要否を判定してもよい。移動に関する情報は、例えば、端末局の移動の速度や角速度などの運動情報である。また、アクセスポイントは、自身の位置の情報を取得し、取得した自身の位置の情報をネットワーク制御装置へ通知する位置情報通知部をさらに備えてもよい。また、複数のアクセスポイントのうち少なくとも一部のアクセスポイントは、取得部、判定部及び通知部をさらに備えてもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれら実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1、…無線通信システム,1a…無線通信システム,1b…無線通信システム,11…アンテナ、12…無線通信部、13…方向推定部、14…距離推定部、15…NWCインタフェース部、16…AP位置情報通知部、17…AP間インタフェース部、18…ハンドオーバ制御機能部、21…APインタフェース部、22…記憶部、23…ハンドオーバ制御判定部、40…ネットワーク、71…プロセッサ、72…記憶部、73…通信インタフェース、74…ユーザインタフェース、181…記憶部、182…ハンドオーバ制御判定部、231…STA位置情報取得部、232…AP情報取得部、233…判定部、234…再接続指示部、1821…STA位置情報取得部、1822…AP情報取得部、1823…判定部、1824…再接続指示部

Claims (9)

  1. ネットワーク制御装置と、複数のアクセスポイントとを有する無線通信システムであって、
    前記アクセスポイントは、
    指向性を持つビームにより端末局と無線通信する無線通信部と、
    前記無線通信部が使用している前記ビームの情報に基づいて前記端末局への方向を推定する方向推定部と、
    前記無線通信部と前記端末局との無線通信における往復の伝送時間に基づいて前記端末局までの距離を推定する距離推定部とを備え、
    前記ネットワーク制御装置は、
    前記方向推定部により推定された前記方向の情報及び前記距離推定部により推定された前記距離の情報を取得する取得部と、
    前記取得部が取得した前記方向の情報及び前記距離の情報を用いて推定される前記端末局の位置の情報と、前記アクセスポイントの位置の情報とに基づいて前記端末局と当該端末局が接続中の前記アクセスポイントとの距離である接続距離を算出し、算出された前記接続距離と前記取得部が取得した前記方向の情報に応じた閾値との比較に基づいて前記端末局のハンドオーバの要否を判定する判定部と、
    前記判定部によりハンドオーバが必要と判定された場合に、前記端末局が接続中の前記アクセスポイントを介して、次の接続先の前記アクセスポイントとの接続に用いられる情報を前記端末局に通知する通知部とを備える、
    無線通信システム。
  2. 前記判定部は、推定された前記端末局の位置の情報と、推定された前記端末局の位置の情報を用いて推定された前記端末局の移動に関する情報と、前記アクセスポイントの位置の情報とに基づいて前記端末局のハンドオーバの要否を判定する、
    請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記判定部は、異なる時刻において推定された前記方向の情報を用いて前記端末局の推定の角速度を計算する処理と、異なる時刻において推定された前記距離の情報を用いて前記端末局の推定の速度ベクトルを計算する処理との一方又は両方を行う計算処理、及び、推定された前記方向の情報及び推定された前記距離の情報を用いて推定される前記端末局の位置の情報と、前記アクセスポイントの位置の情報とに基づいて前記端末局のハンドオーバの要否を判定する第一判定処理を行い、前記第一判定処理においてハンドオーバが必要と判定した場合に、第一期間における推定の前記角速度の符号記号変化と第二期間における推定の前記速度ベクトルの符号記号変化との一方又は両方に基づいてハンドオーバを開始するか否かを判定する第二判定処理を行い、
    前記通知部は、前記判定部が前記第二判定処理においてハンドオーバを開始すると判定した場合に、前記端末局が接続中の前記アクセスポイントを介して、次の接続先の前記アクセスポイントとの接続に用いられる情報を前記端末局に通知する、
    請求項1に記載の無線通信システム。
  4. 前記アクセスポイントは、移動可能である、
    請求項1に記載の無線通信システム。
  5. 前記アクセスポイントは、
    自身の位置の情報を取得し、取得した前記位置の情報を前記ネットワーク制御装置へ通知する位置情報通知部をさらに備える、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の無線通信システム。
  6. 複数の前記アクセスポイントのうち少なくとも一部のアクセスポイントは、
    前記取得部、前記判定部及び前記通知部をさらに備える、
    請求項1から請求項のいずれか一項に記載の無線通信システム。
  7. 指向性を持つビームにより端末局と無線通信するアクセスポイントが前記端末局との無線通信に使用しているビームの情報に基づいて推定した前記端末局への方向の情報と、前記アクセスポイントが前記端末局との無線通信における往復の伝送時間に基づいて推定した前記端末局までの距離の情報とを取得する取得部と、
    前記取得部が取得した前記方向の情報及び前記距離の情報を用いて推定される前記端末局の位置の情報と、前記アクセスポイントの位置の情報とに基づいて前記端末局と当該端末局が接続中の前記アクセスポイントとの距離である接続距離を算出し、算出された前記接続距離と前記取得部が取得した前記方向の情報に応じた閾値との比較に基づいて前記端末局のハンドオーバの要否を判定する判定部と、
    前記判定部によりハンドオーバが必要と判定された場合に、前記端末局が接続中の前記アクセスポイントを介して、次の接続先の前記アクセスポイントとの接続に用いられる情報を前記端末局に通知する通知部と、
    を備えるネットワーク制御装置。
  8. ネットワーク制御装置と、複数のアクセスポイントとを有する無線通信システムが実行するネットワーク制御方法であって、
    前記アクセスポイントが、指向性を持つビームにより端末局と無線通信する無線通信部において使用している前記ビームの情報に基づいて前記端末局への方向を推定する方向推定ステップと、
    前記アクセスポイントが、前記無線通信部と前記端末局との無線通信における往復の伝送時間に基づいて前記端末局までの距離を推定する距離推定ステップと、
    前記ネットワーク制御装置が、前記方向推定ステップにおいて推定された前記方向の情報及び前記距離推定ステップにおいて推定された前記距離の情報を取得する取得ステップと、
    前記ネットワーク制御装置が、前記取得ステップにおいて取得された前記方向の情報及び前記距離の情報を用いて推定される前記端末局の位置の情報と、前記アクセスポイントの位置の情報とに基づいて前記端末局と当該端末局が接続中の前記アクセスポイントとの距離である接続距離を算出し、算出された前記接続距離と前記取得ステップにおいて取得された前記方向の情報に応じた閾値との比較に基づいて前記端末局のハンドオーバの要否を判定する判定ステップと、
    前記ネットワーク制御装置が、前記判定ステップにおいてハンドオーバが必要と判定された場合に、前記端末局が接続中の前記アクセスポイントを介して、次の接続先の前記アクセスポイントとの接続に用いられる情報を前記端末局に通知する通知ステップと、
    を有するネットワーク制御方法。
  9. コンピュータを、
    請求項に記載のネットワーク制御装置として機能させるためのプログラム。
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