JP7436778B2 - 処理システム、処理方法、およびプログラム - Google Patents

処理システム、処理方法、およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP7436778B2
JP7436778B2 JP2019146170A JP2019146170A JP7436778B2 JP 7436778 B2 JP7436778 B2 JP 7436778B2 JP 2019146170 A JP2019146170 A JP 2019146170A JP 2019146170 A JP2019146170 A JP 2019146170A JP 7436778 B2 JP7436778 B2 JP 7436778B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target signal
signal waveform
motor
magnetic flux
flux density
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019146170A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021027766A (ja
Inventor
励 本間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2019146170A priority Critical patent/JP7436778B2/ja
Publication of JP2021027766A publication Critical patent/JP2021027766A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7436778B2 publication Critical patent/JP7436778B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility

Description

本発明は、処理システム、処理方法、およびプログラムに関し、特に、モータに用いて好適なものである。
モータにおいては、その損失を低減することが求められる。モータは、一般に、インバータ電源を用いて、ステータコイルに励磁電圧を印加することで駆動する。このため、インバータ電源から出力される電圧波形を制御することでモータの損失(鉄損)を低減することが行われる。この種の技術として、特許文献1では、励磁電圧の波形をパルス波形とすると共に、電気一周期のパルス数を5として、モータにおける電力損失が最小になるパルス幅を導出する。また、特許文献1では、パルス波形が擬似正弦波になるようにする。
特許第5594301号公報
電気学会技術報告書第1244号「電磁界解析による回転機の実用的性能評価技術」、電気学会産業応用部門回転機技術委員会、2012年2月 山崎克巳、里見倫、「電磁鋼板の渦電流を直接考慮した有限要素法による誘導電動機の特性解析」、電気学会マグネティックス研究会資料、MAG-08-32、SA-08-20、RM-08-20、p.39-44、2008年1月25日 中田高義、高橋則雄著、「電気工学の有限要素法」、第2版、森北出版株式会社、1986年4月
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、電気一周期のパルス数を5としている。実際にモータを駆動する場合には、電気一周期のパルス数が5である場合は少ない。このため、特許文献1に記載の技術を、実際のモータの駆動に適用する場合には、電気一周期のパルス数を多くしなければならず、決定すべき変数が多くなる。また、特許文献1に記載の技術では、パルス幅のみを変数としているため、パルスの信号レベルを考慮することができない。従って、モータの鉄損を十分に低減することが容易ではない。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、モータにおける鉄損を低減することができる励磁信号の時間波形を、計算精度の低下と計算時間の増大とを抑制しつつ決定することができるようにすることを目的とする。
本発明の処理システムは、モータを動作させるための処理を行う処理システムであって、実際のモータのステータコイルに印加される励磁信号の時間波形の目標値である目標信号波形を決定する目標信号波形決定手段を有し、前記目標信号波形決定手段は、数値解析を行うための簡略化モータモデルにおけるステータコアが励磁された際の、少なくとも前記ステータコアにおける磁束密度および渦電流密度の分布を、マクスウェルの方程式に基づいて導出し、当該磁束密度および渦電流密度の分布に基づいて、当該簡略化モータモデルの鉄損のうち少なくともステータコアの鉄損を導出し、当該導出した鉄損に基づいて、前記目標信号波形を決定し、前記磁束密度および渦電流密度の分布は、前記簡略化モータモデルにおけるステータコアにおいて磁束および渦電流が浸透する深さ方向における分布を含み、前記簡略化モータモデルは、ロータコアの平均磁束密度が、前記実際のモータにおけるロータコアの平均磁束密度よりも低くなるように、前記実際のモータに対してロータの構成要素の全部または一部を簡略化したモデルであることを特徴とする。
本発明の処理方法は、モータを動作させるための処理を行う処理方法であって、実際のモータのステータコイルに印加される励磁信号の時間波形の目標値である目標信号波形を決定する目標信号波形決定工程を有し、前記目標信号波形決定工程は、数値解析を行うための簡略化モータモデルにおけるステータコアが励磁された際の、少なくとも前記ステータコアにおける磁束密度および渦電流密度の分布を、マクスウェルの方程式に基づいて導出し、当該磁束密度および渦電流密度の分布に基づいて、当該簡略化モータモデルの鉄損のうち少なくともステータコアの鉄損を導出し、当該導出した鉄損に基づいて、前記目標信号波形を決定し、前記磁束密度および渦電流密度の分布は、前記簡略化モータモデルにおけるステータコアにおいて磁束および渦電流が浸透する深さ方向における分布を含み、前記簡略化モータモデルは、ロータコアの平均磁束密度が、前記実際のモータにおけるロータコアの平均磁束密度よりも低くなるように、前記実際のモータに対してロータの構成要素の全部または一部を簡略化したモデルであることを特徴とする。
本発明のプログラムは、前記処理システムの各手段としてコンピュータを機能させるためのものである。
本発明によれば、モータにおける鉄損を低減することができる励磁信号の時間波形を、計算精度の低下と計算時間の増大とを抑制しつつ決定することができる。
目標信号波形決定装置の機能的な構成の一例を示す図である。 渦電流密度が磁性体内部で減衰する様子を概念的に示す図である。 実際のモータM(のモデル)の一例を示す図である。 図3のI-I断面図である。 目標信号波形を決定するためのモータMのモデル(簡略化モータモデル)の一例を示す図である。 図5のI-I断面図である。 駆動装置の機能的な構成の一例を示す図である。 目標信号波形の決定方法の一例を説明するフローチャートである。 モータの駆動方法の一例を説明するフローチャートである。 目標信号波形の一例を示す図である。 鉄損の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。尚、以下の説明において、形状、寸法、大きさ、および向きの規定について同じであることは、当該規定の主旨を逸脱しない範囲であれば、厳密に同じである場合に限定されず、厳密に同じでない場合も含む。例えば、設計の公差の範囲内であれば、同じであると解釈される。
本実施形態の処理システムは、目標信号波形決定装置100と、駆動装置700と、モータMとを有する。
[目標信号波形決定装置100]
目標信号波形決定装置100は、目標信号波形を生成する。目標信号波形は、駆動装置700からモータMに印加される励磁信号の時間波形の目標値である。本実施形態では、PWM(Pulse Width Modulation)制御により得られるパルス信号(パルス電圧)をモータのステータコイルに印加する場合を例に挙げて説明する。従って、本実施形態では、モータのステータコイルに印加する励磁電圧の時間波形の目標値として、PWM制御により得られるパルス信号の時間波形の目標値が、目標信号波形になる。目標信号波形は、電気一周期の各時刻における値が特定されればよい。例えば、目標信号波形を、電気一周期の各時刻における値とし、当該値から、各周期の各時刻における値を導出することができる。また、例えば、電気半周期の各時刻における値から、残りの半周期の各時刻における値を導出する場合、目標信号波形は、電気半周期の各時刻における値とすればよい。以下の説明では、電気一周期の各時刻における電圧値を、目標信号波形とする場合を例に挙げて説明する。
図1は、目標信号波形決定装置100の機能的な構成の一例を示す図である。目標信号波形決定装置100のハードウェアは、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、および各種のインターフェースを備える情報処理装置、または、専用のハードウェアを用いることにより実現される。本実施形態では、目標信号波形決定装置100は、遺伝的アルゴリズム(GA:Genetic Algorithm)を用いて、目標信号波形の最適値を導出する場合を例に挙げて説明する。その一例を以下に説明する。
<候補解設定部101>
候補解設定部101は、モータMの速度指令値およびトルク指令値として想定される値を入力する。以下の説明では、モータMの速度指令値として想定される値を、必要に応じて、モータMの速度指令の想定値と称する。また、モータMのトルク指令値として想定される値を、必要に応じて、モータMのトルク指令の想定値と称する。モータMの速度指令の想定値およびトルク指令の想定値の入力の形態としては、例えば、目標信号波形決定装置100のユーザインタフェースのオペレータによる入力操作、外部装置からの受信、または、可搬型記憶媒体からの読み出しが挙げられる。
候補解設定部101は、遺伝的アルゴリズムに従って、それぞれが、目標信号波形を特定する情報からなる個体を候補解として複数設定する。このとき、候補解設定部101は、電気周期(電気周波数)が、モータMの速度指令の想定値に応じた電気周期(電気周波数)になるように、複数の候補解(目標信号波形)を設定する。目標信号波形を特定する情報は、例えば、電気一周期の各時刻における目標信号波形の値である。
候補解設定部101は、初期の候補解を設定する際には、例えば、電気周期(電気周波数)および振幅以外のパラメータについてはランダムに設定して初期の候補解を設定する。
また、候補解設定部101は、2回目以降に候補解を設定する際には、例えば、複数の候補解のうち、後述する電磁場解析部102により導出される鉄損が小さくなるものから順に所定数の候補解を選択する。このとき、候補解設定部101は、後述する電磁場解析部102により導出される磁束密度の実効値が、トルク指令の想定値に対応する値以上になる候補解のみを選択する。即ち、候補解設定部101は、後述する電磁場解析部102により導出される磁束密度の実効値が、トルク指令の想定値に対応する値以上になる候補解を、鉄心が小さくなるものから順番に並べ、並べた候補解を鉄損が小さいものから順に所定数だけ選択する。
そして、候補解設定部101は、交叉や突然変異を行い、新たな候補解を設定する。新たな候補解(目標信号波形)も、電気周期(電気周波数)が、モータMの速度指令の想定値に応じた電気周期(電気周波数)になるように設定される。尚、トルク指令の想定値に対応する磁束密度は、トルクと磁束密度との関係式から得られる。例えば、トルクをマクスウェル応力とし、マクスウェル応力と磁束密度との公知の関係式から、トルク(トルク指令の想定値)に対応する磁束密度(の実効値)を得ることができる。後述するように、本実施形態では、モータM(のステータ)の鉄損が最小となる解を探索する。従って、トルク指令の想定値に対応する磁束密度の実効値の下限値を定めておけば、トルク指令の想定値に近い(好ましくは一致する)磁束密度の実効値が得られる。
<電磁場解析部102>
電磁場解析部102は、候補解設定部101により設定された複数の候補解(目標信号波形)のそれぞれでモータM(ステータコア)を励磁した際の鉄損を、マクスウェル(Maxwell)の方程式に基づく電磁場解析を行うことにより導出する。
<<着想>>
一般に、電気自動車やハイブリッド車等の駆動用モータのように、可変速、可変トルクで運転するモータは、インバータによって駆動し、モータの損失はインバータの駆動条件によって異なる。そのため、インバータの電圧パルスパターンを適切に制御することで、モータ効率を向上できる可能性がある。モータでの損失は、銅損、機械損、鉄損に大別される。これらのうち、銅損、機械損は、インバータ条件によって大きく変動しないのに対し、鉄損は、インバータ条件によって大きく変動する。鉄損は、渦電流損およびヒステリシス損に分類され、渦電流損は電磁鋼板などの磁性体内部の渦電流密度によって決定され、ヒステリシス損は磁束密度によって決定される。
ここで、本発明者は、渦電流密度および磁束密度は、表皮効果により磁性体内部で減衰するため、渦電流損およびヒステリシス損を精度良く見積もるためには、この減衰の影響を含めて電磁場解析をする必要があることを着想した。図2は、渦電流密度が磁性体内部で減衰する様子を概念的に示す図である。図2において、z軸方向は、磁性体において、磁束および渦電流が浸透する深さ方向(表皮深さの方向)である。本実施形態では、磁性体は、磁性体板(電磁鋼板)により構成される。従って、z軸方向は、磁性体板の板面に対して垂直な方向(板厚方向)である。また、図2において、z軸に垂直な方向を向いている実線の矢印線は、渦電流を示す。当該矢印線の長さは、渦電流密度の大きさに対応する。図2に示すように、表皮効果により、磁性体板の内部の位置であるほど、渦電流密度は小さくなる。このことは、磁束密度についても同じである。
渦電流の表皮深さは、磁性体の透磁率によって変化するため、高透磁率領域では渦電流の減衰量が大きくなり、鉄損が低減されるという現象から、本発明者は、鉄損を低減できるような励磁信号の時間波形は、擬似正弦波に限られないと考えた。また、前述したように、このような渦電流密度および磁束密度の減衰は、表皮深さの方向(板厚方向)で生じる。
このような着想の下、本実施形態では、励磁信号の時間波形を擬似正弦波に限定せず、擬似正弦波に限定されない励磁信号でモータMのステータコアを励磁した場合のモータMの磁束密度および渦電流密度の板厚方向の分布を導出し、当該磁束密度および渦電流密度に基づいて鉄損を導出し、当該鉄損をモータMの鉄損として推定する。このようにして推定した鉄損が小さくなる励磁信号を探索することにより、モータMの鉄損を低減することができる励磁信号を得ることができる。尚、モータMの鉄損は、厳密には、ステータコアの鉄損とロータの鉄損との和で表される。従って、このようにしてモータMの鉄損を表してもよいが、後述するようにロータコアにおいては時間高調波による影響は小さいので、ステータコアの鉄損のみでモータMの鉄損を評価しても、相対的な鉄損の大小関係を評価するのには十分である。そこで、本実施形態では、ステータコアの鉄損を、モータMの鉄損として表す場合を例に挙げて説明する。
また、本発明者は、モータMの鉄損を、大きく精度を低下させることなく短時間(実用上実現できる時間内)に推定するための着想を得た。この着想について以下に説明する。
図3は、実際のモータM(のモデル)の一例を示す図である。図4は、図3のI-I断面図である。尚、図4では、表記の都合上、断面以外の部分の表記を省略する。図4~図7において、x-y-z座標は、各図における向きを表すものであり、x-y-z座標の原点は、各図に示す位置に限定されない。
実際のモータMとは、目標信号波形決定装置100により決定された目標信号波形を用いて駆動装置700により動作されるモータを指す。実際のモータMとして、目標信号波形決定装置100により決定された目標信号波形を用いて駆動装置700により駆動される現物のモータMを採用することができる。
ただし、当該現物のモータMを駆動することを模擬するためのモータのモデルを、実際のモータMとして扱ってもよい。モデルとは、数値解析を行うために、離散化領域(いわゆるメッシュ)の設定対象となるモータMの各部の領域(形状、大きさ、および位置)を特定する情報を含む。また、当該モータMの領域に対する物性値、および、数値解析を行う際の境界条件を示す情報をモデルに含めてもよい。例えば、非特許文献1に記載のいわゆる電気学会Dモデルモータを、実際のモータMとして扱ってもよい(図3では、いわゆる電気学会Dモデルモータを示す)。このようなモデルを実際のモータMとする場合の数値解析においては、モータMの対称性を利用して、いわゆる1/4モデルが使用される。尚、1/4モデルとは、モータMの回転軸の中心を原点0とし、原点0から径方向に伸びる2つの線であって、相互になす角度が90[°]となる2つの仮想線でモータMを切ったものである。
図3および図4において、実際のモータMは、ロータとステータとを有する。図3において、U+、U-、V+、V-、W+、W-は、それぞれ、U+相、U-相、V+相、V-相、W+相、W-相のステータコイルであることを示す。
ロータは、ロータコア310を有する。図4に示すように、ロータコア310は、例えば、平面形状が同じ複数の電磁鋼板を積み重ねることにより構成される。
ロータコア310には、モータMの回転軸に平行な方向(Z軸方向)において貫通する貫通穴311、312a~312d、313a~313h、314a~314dを有する。
貫通穴311の中心の位置は、モータMの中心の位置と同じである。貫通穴311には、回転軸(シャフト)が配置される。
貫通穴312a~312dは、貫通穴311を取り巻くように、モータMの周方向において間隔を有して配置される。貫通穴312a~312dの形状および大きさは同じである。貫通穴312a~312dには、永久磁石315a~315dが配置される。貫通穴312a~312dに永久磁石315a~315dが配置された状態で、永久磁石315a~315dの両側方に空隙が形成される。当該空隙は、貫通穴312a~312dの一部の領域である。尚、永久磁石315a~315dの側方とは、永久磁石315a~315dの面に沿う方向のうち、モータMの回転軸に平行な方向と、モータMの径方向とに垂直な方向である。
貫通穴313a~313hは、貫通穴311と貫通穴312a~312dとの間の領域において、モータMの周方向において間隔を有して配置される。貫通穴313a~313hの形状および大きさは同じである。
貫通穴314a~314dは、貫通穴312a~312dよりもモータMの外周側の領域に配置される。貫通穴314a~314dの形状および大きさは同じである。
貫通穴313a~313h、314a~314dには、何も配置されない。
円形に対して以上のような貫通穴311、312a~312d、313a~313h、314a~314dに対応する穴が形成された形状を有する複数の電磁鋼板を、当該穴の位置が合うようにして積み重ねて固定したものがロータコア310である。
ステータは、ステータコア320を有する。ステータコア320は、複数のティース部とヨーク部(コアバック部)とを有する。複数のティース部は、モータMの周方向において等間隔となるように配置される。複数のティース部の形状および大きさは同じである。ヨーク部は、概ね中空円筒形状を有する。複数のティース部およびヨーク部は、ヨーク部の内壁面と複数のティース部の基端面とが一致するように配置される。複数のティース部およびヨーク部は、一体となっている(境界線がない)。スロットにステータコイルが配置される。スロットは、モータMの周方向において間隔を有した状態で隣り合う2つのティース部の間の領域である。
円形に対して、以上のような複数のティース部およびヨーク部(スロット)に対応する形状が形成されるように加工された複数の電磁鋼板を、当該形状の輪郭が合うようにして積み重ねて固定したものがロータコア310である。
尚、図3および図4から明らかなように、本実施形態では、モータMが、インナーロータ型のIPM(Interior Permanent Magnet)モータである場合を例に挙げて説明する。
以上のように、ロータコア310には、磁極を構成する永久磁石315a~315dが配置され、永久磁石315a~315dの両側方には空隙が形成される。このため、実際のモータMと同様に、永久磁石315a~315dがあるものとして数値解析を行うと、ロータコア310の磁束密度が高くなり、磁気飽和が起こりやすくなる。このため、数値解析を行う際に、このような磁気飽和を考慮しなければならない。また、永久磁石315a~315dがあるものとして数値解析を行うと、モデルにおけるロータの形状が複雑になる。このため、計算精度を確保するためには、数値解析を行う際に、離散化領域(いわゆるメッシュ)を細かく設定しなければならない。以上のことから、永久磁石315a~315dがあるものとして数値解析を行うと、計算時間が長くなる。
一方、モータMの回転に伴いステータコア320からロータコア310に磁束が入る。このとき、磁束の時間高調波(インバータの電圧パルスパターンに含まれる高調波成分に起因する磁束の高調波)は、ステータコア320とロータコア310との間の空隙(エアギャップ)により減衰する。従って、インバータの電圧パルスパターンが、ロータコア310における磁束に与える影響は、磁束の空間高調波(回転中のロータとステータ(ティース部)との位置関係に起因する磁束の高調波)に比べると低い。
以上の着想の下、本発明者らは、同一の励磁条件において、目標信号波形を決定するためのモータのモデルにおけるロータを、実際のモータMに対して簡略化したモデルとすることを着想した。具体的には、ロータコアの平均磁束密度が、実際のモータMにおけるロータコアの平均磁束密度よりも低くなるように、実際のモータM(目標信号波形取得部702により取得される目標信号波形で動作させるモータM)に対してロータの構成要素の全部または一部を簡略化したモデルを、目標信号波形を決定するためのモータのモデルとすることを着想した。以下の説明では、このようにロータの構成の一部を簡略化したモータのモデル(目標信号波形を決定するためのモータのモデル)を、必要に応じて簡略化モータモデルと称する。
尚、平均磁束密度は、例えば、ロータコアの各離散化領域における磁束密度の時間波形の平均値の、ロータコアの全ての離散化領域における総和で表される。また、ロータコアの各離散化領域における磁束密度の時間波形の平均値の、全ての離散化領域における平均値を平均磁束密度として表現してもよい。簡略化モータモデルにおけるロータの典型的な形状は、中空円筒形状であって、中空部分以外の領域に穴が形成されていない形状である。簡略化モータモデルにおけるロータコアは、複数の軟磁性体板を積み重ねたものとしてもよいが、ロータコアに合った形状を有する1つの軟磁性体から構成されるものとしてもよい。
簡略化モータモデルは、前述した典型的な形状に対して、変更が加えられていてもよい。例えば、貫通穴313a~313h、314a~314dのような貫通穴が形成されていてもよい。ただし、簡略化モータモデルは、実際のモータMのロータにおける磁極を構成する部分の全部または一部を含まないようにするのが好ましい。図3に示す実際のモータMの例では、永久磁石が、ロータの磁極を構成する部分である。従って、図3に示す実際のモータMに対する簡略化モータモデルには、永久磁石315a~315dを含めないようにするのが好ましい。また、永久磁石315a~315dが配置される貫通穴312a~312dも簡略化モータモデルに含めないのが好ましい。また、簡略化モータモデルのロータ(の各部)は、モータの回転軸(の中心)を対称軸として回転対称となるように配置されるのが好ましい。
一方、ステータコアは、インバータの電圧パルスパターンに含まれる高調波成分による影響をそのまま受ける。このため、簡略化モータモデルにおけるステータの構成は、実際のモータMのステータの構成と同じであるのが好ましい。しかしながら、現物のモータと数値解析のために用いるモデルには誤差が生じる。また、数値解析の計算精度等により、ステータの構成の一部を省略または変更しても鉄損の値が変わらない場合がある。簡略化モータモデルにおけるステータは、実際のモータMのステータと同じ構成を有する場合の他、以上のような観点から、実際のモータMのステータに対して変更が加えられていてもよい。
図5は、目標信号波形を決定するためのモータM(簡略化モータモデルM')のモデルの一例を示す図である。図6は、図5のI-I断面図である。尚、図6では、表記の都合上、断面以外の部分の表記を省略する。
図5および図6において、簡略化モータモデルM'は、ロータとステータとを有する。
ロータは、ロータコア510を有する。ロータコア510は、ロータコア310に対し、貫通穴312a~312dが配置される部分を、その周囲の材料と同じ材料としたものである。図6に示すように、ロータコア510は、複数の電磁鋼板を積み重ねたものをモデル化したものではなく、ロータコア510に合った形状を有する1つの軟磁性体をモデル化したものである。従って、実際のモータMにおける、貫通穴312a~312dが配置される部分は(永久磁石315a~315dが配置される部分も含めて)、当該軟磁性体の一部の領域となる。
尚、ここでは、ロータコア510は、貫通穴311、313a~313h、314a~314dを有するものとする。しかしながら、貫通穴311、313a~313h、314a~314dの少なくとも1つを、貫通穴312a~312dと同様に当該軟磁性体の一部の領域としてもよい。また、計算時間に余裕がある場合、ロータコア510は、複数の電磁鋼板を積み重ねたものをモデル化したものであってもよい。
一方、図5および図6に示す例では、簡略化モータモデルM'のステータは、実際のモータMのステータと同じである。
<<電磁場解析>>
次に、電磁場解析の手法について説明する。
本実施形態では、電磁場解析部102は、数値解析の一例として、非線形非定常有限要素法を用いた電磁場解析を行うことにより、簡略化モータモデルM'に対して設定した要素(メッシュ)のそれぞれにおいて、目標信号波形に従って励磁された場合のステータコアの磁束密度Bと渦電流密度Jeを導出する場合を例に挙げて説明する。
有限要素法を用いた電磁場解析の手法としてA-φ法を用いる手法がある。この場合、電磁場解析を行うための基礎方程式は、マクスウェルの方程式に基づき以下の(1)式~(4)式で与えられる。尚、各式において、→は、ベクトルであることを表す。
Figure 0007436778000001
(1)式~(4)式において、μは、透磁率であり、Aは、ベクトルポテンシャルであり、σは、導電率であり、J0は、励磁電流密度であり、Jeは、渦電流密度であり、Bは、磁束密度である。(1)式および(2)式を連立して解いて、ベクトルポテンシャルAとスカラーポテンシャルφを求めた後、(3)式および(4)式から磁束密度Bと、渦電流密度Jeを要素のそれぞれに対して求める。尚、(1)式では、表記を簡素化するため、透磁率のx成分μx、y成分μy、z成分μzが等しい場合(μx=μy=μzの場合)の式を示す。
このとき、電磁場解析部102は、非特許文献2に記載のように、電磁鋼板よりも厚い要素を用いて電磁鋼板の厚み方向の導電率を0(ゼロ)とした三次元非線形非定常有限要素法解析を行うことにより、電磁鋼板の面内方向成分(板面方向成分)の磁束密度(の二次元分布)を求め、当該電磁鋼板の面内方向成分の磁束密度を既知として電磁鋼板の厚み方向の一次元非定常有限要素法解析を行うことにより、電磁鋼板の面内方向成分の磁束密度の、電磁鋼板(ステータコア320)の厚み方向の一次元分布を求めることができる。
このようにすれば、計算精度の低下を抑制することと計算時間の増加を抑制することとの双方を実現することができるので好ましい。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、電磁場解析部102は、導電率の制限を設けずに且つ細かい要素として非線形非定常三次元有限要素法により電磁場解析を行ってもよい。
また、簡略化モータモデルM'の磁束密度B、渦電流密度Jeの板厚方向における分布を導出していれば、必ずしも三次元解析を行う必要はない(x成分、y成分、z成分の全てを導出する必要はない)。例えば、ステータコア320を構成する電磁鋼板の板面に垂直な断面(モータMを板厚方向(z軸方向)に沿って切った断面)において、板面方向の位置(x-y平面の位置)が同じ位置(x軸およびy軸の値が同じ位置)での、磁束密度Bおよび渦電流密度Jeの板厚方向の分布を導出してもよい。また、板面方向の複数の位置(x-y平面の複数の位置)での、磁束密度Bおよび渦電流密度Jeの板厚方向の分布を導出してもよい。以上のようにする場合、例えば、(1)式において、透磁率μをx成分、y成分、z成分毎に表記した上で、ベクトルポテンシャルのz成分Az、∂/∂x、∂/∂yをそれぞれ0(ゼロ)とする(Az=0、∂/∂x=0、∂/∂y=0)。
尚、電磁場解析を行う手法は、非特許文献3等に記載されているように一般的な手法であるので、その詳細な説明を省略する。
電磁場解析部102は、以上のようにして、目標信号波形の電気一周期の各時間ステップtにおいて、簡略化モータモデルM'(のステータコア320)の各要素における磁束密度Bおよび渦電流密度Jeを導出する。例えば、電磁場解析部102は、目標信号波形の電気一周期の各時間ステップtにおいて、簡略化モータモデルM'(のステータコア320)の各要素における、磁束密度(のx成分およびy成分)Bx、Byおよび渦電流密度(のx成分、y成分)Jex、Jeyを導出する。
そして、電磁場解析部102は、簡略化モータモデルM'(のステータコア320)の各要素における磁束密度Bおよび渦電流密度Jeを用いて、簡略化モータモデルM'(のステータコア320)のヒステリシス損および渦電流損(古典的渦電流損)を導出する。
例えば、電磁場解析部102は、各要素の磁束密度から磁束密度ベクトルを導出し、当該磁束密度ベクトルの大きさを導出することを、目標信号波形における電気一周期の各時刻ステップtのそれぞれにおいて行う。電磁場解析部102は、その結果から、磁束密度ベクトルの大きさと時間との関係を示す波形の最大値と最小値の差Bmを導出し、以下の(5)式により、各要素におけるヒステリシス損Whを導出する。
Figure 0007436778000002
(5)式において、fは、励磁周波数(モータMの速度指令の想定値に応じた電気周波数)であり、Khは、ヒステリシス損係数であり、βは定数(例えば、1.6または2)である。ヒステリシス損係数Khは、例えば、二周波法により予め求められるものである。
電磁場解析部102は、以上のヒステリシス損Whの導出を全ての要素に対して行い、全ての要素におけるヒステリシス損Whの総和を簡略化モータモデルM'のヒステリシス損として導出する。尚、ヒステリシス損は、公知の方法で導出することができ、各要素の磁束密度を用いて導出する方法であれば、どのような方法で導出してもよい。
また、電磁場解析部102は、各要素の渦電流密度Jeから渦電流密度ベクトルを導出し、当該渦電流密度ベクトルの大きさを導出することを、目標信号波形の電気一周期の各時刻ステップtのそれぞれにおいて行う。そして、電磁場解析部102は、以下の(6)式により、各要素における渦電流損We(古典的渦電流損)を導出する。
Figure 0007436778000003
(6)式において、vは、要素の大きさであり、Tは、目標信号波形における電気一周期に相当する時間である。要素の大きさは、1次元解析を行う場合には長さ、二次元解析を行う場合には面積、三次元解析を行う場合には体積の大きさになる。
電磁場解析部102は、以上の渦電流損Weの導出を全ての要素に対して行い、全ての要素における渦電流損Weの総和を電磁鋼板の渦電流損として導出する。尚、渦電流損は、公知の方法で導出することができ、各要素の渦電流密度を用いて導出する方法であれば、どのような方法で導出してもよい。
そして、電磁場解析部102は、簡略化モータモデルM'(のステータコア320)のヒステリシス損と渦電流損の和を、簡略化モータモデルM'(のステータコア320)の鉄損として導出する。
以上のようにして、1つの目標信号波形に対して、モータMの速度指令の想定値およびトルク指令の想定値に対応する簡略化モータモデルM'(のステータコア320)の鉄損が1つ導出される。電磁場解析部102は、候補解設定部101で設定された複数の候補解(目標信号波形)のそれぞれに対して、モータMの速度指令の想定値およびトルク指令の想定値に対応する簡略化モータモデルM'(のステータコア320)の鉄損を導出する。
前述したように候補解設定部101は、電磁場解析部102により導出された簡略化モータモデルM'(のステータコア320)の磁束密度の実効値が、トルク指令の想定値に対応する値以上になる候補解(目標信号波形)を、鉄損が小さくなるものから順番に並べ、並べた候補解を、以上のようにして導出した鉄損が小さいものから順に所定数だけ選択する。そして、候補解設定部101は、交叉や突然変異を行い、新たな候補解を設定する。
<終了判定部103>
終了判定部103は、電磁場解析部102における鉄損の導出の終了条件を満足したか否かを判定する。終了条件としては、例えば、所定数の世代交代が行われたことや、前回と今回とでの候補解の差が所定の条件になったこと(例えば、前回と今回とでの候補解が変わらなくなったこと)等、遺伝的アルゴリズムの手法で一般的に採用されている条件を用いることができる。
尚、遺伝的アルゴリズム自体は公知の技術で実現することができるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
前述した候補解設定部101における候補解の設定と、電磁場解析部102における簡略化モータモデルM'(のステータコア320)の鉄損の導出は、終了判定部103により終了条件を満足すると判定されるまで繰り返し実行される。
<出力部104>
出力部104は、終了判定部103により終了条件を満足したと判定された直前に電磁場解析部102により導出された鉄損のうち、最小の鉄損に対応する候補解(目標信号波形)を最適解(最適な目標信号波形)として出力する。出力の形態としては、例えば、外部装置への送信、コンピュータディスプレイへの表示、または目標信号波形決定装置100の外部または内部の記憶媒体への記憶が挙げられる。
以上のようにして、モータMの速度指令の想定値およびトルク指令の想定値に対応する目標信号波形の最適値が1つ導出される。モータMの速度指令の想定値およびトルク指令の想定値の組として想定される組のそれぞれに対して候補解設定部101、電磁場解析部102、終了判定部103、および出力部104の処理を行う。これにより、モータMの速度指令値およびトルク指令値に対応する目標信号波形の最適値が得られる。
[駆動装置700]
駆動装置700は、速度指令値およびトルク指令値に対応する目標信号波形を取得して、モータMに印加される励磁電圧が目標信号波形になるようにインバータの動作を制御する。
図7は、駆動装置700の機能的な構成の一例を示す図である。駆動装置700のハードウェアは、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、各種のインターフェース、およびインバータ回路、または、専用のハードウェアを用いることにより実現される。
<目標信号波形記憶部701>
目標信号波形記憶部701は、モータMの速度指令値およびトルク指令値と目標信号波形の情報とを相互に関連付けて記憶する。モータMの速度指令値およびトルク指令値に関連付けられて記憶される目標信号波形の情報は、出力部104から出力される、モータMの当該速度指令値および当該トルク指令値に対応する目標信号波形の最適値を特定する情報である。目標信号波形記憶部701は、モータMの速度指令の想定値およびトルク指令の想定値の組として想定される組のそれぞれに対する目標信号波形の情報を記憶する。このようにして、モータMの速度指令の想定値およびトルク指令の想定値の組として想定される組のそれぞれに対する目標信号波形の情報が記憶された後に、目標信号波形取得部702およびインバータ部703の動作が開始する。
<目標信号波形取得部702>
目標信号波形取得部702は、モータMの速度指令値およびトルク指令値の現在値に対応する目標信号波形の情報を、目標信号波形記憶部701から取得する。モータMの速度指令値およびトルク指令値の現在値は、モータMの運転中に駆動装置700の外部で発せられるものである。モータMが三相モータである場合、目標信号波形取得部702は、例えば、モータMの速度指令値およびトルク指令値の現在値に対応する目標信号波形の位相をずらすことにより、各相の目標信号波形を導出することができる。
<インバータ部703>
インバータ部703は、インバータ回路と、当該インバータ回路を制御する制御回路とを有する。本実施形態では、目標信号波形は、パルス信号の時間波形である。インバータ回路は、スイッチング素子を有する。モータMが三相モータである場合、スイッチング素子を、例えば、上アームおよび下アームを有する三相フルブリッジ型回路とすることができる。制御装置は、目標信号波形取得部702により取得された目標信号波形がインバータ回路から出力されるように各スイッチング素子の開閉動作を制御する。これにより、目標信号波形(または目標信号波形に近い時間波形)の励磁電圧がモータM(のステータコイル)に印加される。
[動作フローチャート]
次に、図8のフローチャートを参照しながら、目標信号波形決定装置100による目標信号波形の決定方法の一例を説明する。図8のフローチャートは、モータMの(1つの)速度指令の想定値および(1つの)トルク指令の想定値の組ごとに繰り返し実行される。ここでは、モータMの(1つの)速度指令の想定値および(1つの)トルク指令の想定値の組を運転条件と称する。
ステップS801において、候補解設定部101は、運転条件を1つ入力する。
次に、ステップS802において、候補解設定部101は、初期の候補解を設定する。このとき、候補解設定部101は、ステップS801で入力した運転条件に含まれるモータMの速度指令の想定値に応じた電気周期(電気周波数)になるように、複数の候補解(目標信号波形)を初期の候補解として設定する。
次に、ステップS803において、電磁場解析部102は、ステップS802で設定された複数の候補解のそれぞれについて、簡略化モータモデルM'(のステータコア320)の鉄損を導出する。このとき、簡略化モータモデルM'(のステータコア320)の磁束密度の実効値も導出される。
次に、ステップS804において、候補解設定部101は、ステップS803で導出された簡略化モータモデルM'(のステータコア320)の鉄損および磁束密度の実効値に基づいて、ステップS802で設定された複数の候補解から、所定数の候補解を選択すると共に交叉や突然変異を行い、新たな候補解を設定する(複数の候補解を更新する)。
次に、ステップS805において、終了判定部103は、終了条件を満足するか否かを判定する。この判定の結果、終了条件を満足しない場合、処理はステップS803に戻る。この場合、ステップS803において、電磁場解析部102は、ステップS804で更新された複数の候補解のそれぞれについて、簡略化モータモデルM'(のステータコア320)の鉄損を導出する。そして、ステップS805において終了条件を満足すると判定されるまで、ステップS803~S805の処理が繰り返し実行される。
ステップS805において、終了条件を満足すると判定されると、処理はステップS806に進む。処理がステップS806に進むと、出力部104は、ステップS805で終了条件を満足すると判定された直前にステップS804で更新された複数の候補解のうち、最小の鉄損に対応する候補解を、ステップS801で入力した運転条件に対応する最適解(最適な目標信号波形)として出力する。そして、図8のフローチャートによる処理が終了する。尚、出力部104は、想定される全ての運転条件に対応する最適解が導出された時点で、各運転条件に対応する最適解(最適な目標信号波形)を出力してもよい。
次に、図9のフローチャートを参照しながら、駆動装置700によるモータMの駆動方法の一例を説明する。尚、図9のフローチャートは、想定される全ての運転条件に対応する最適解(最適な目標信号波形)の情報が、目標信号波形記憶部701に記憶された後に開始される。
ステップS901において、目標信号波形取得部702は、モータMの速度指令値およびトルク指令値を、駆動装置700の外部(外部装置)から取得するまで待機する。モータMの速度指令値およびトルク指令値を、外部装置から取得すると、処理はステップS902に進む。
処理がステップS902に進むと、目標信号波形取得部702は、ステップS901で取得したモータMの速度指令値およびトルク指令値に対応する目標信号波形の情報を、目標信号波形記憶部701から取得する。
次に、ステップS903において、インバータ部703は、モータMのステータコイルに印加される励磁電圧の時間波形が、ステップS902で取得された目標信号波形になるようにインバータ回路を動作させて目標信号波形を生成し、モータMのステータコイルに印加(出力)する。そして、図9のフローチャートによる処理が終了する。尚、図9のフローチャートにおいて、ステップS902、S903は、ステップS901において、モータMの速度指令値およびトルク指令値が、駆動装置700の外部から取得されるたびに繰り返し実行される。
[計算例]
次に、計算例を説明する。本計算例では、実際のモータを同一のモータ(集中巻のIPMSM(Interior Permanent Magnet Synchronous Motor)とし、本実施形態の手法で求めた目標信号波形(電圧パルスパターン)をIPMSMに印加した場合(発明例)の鉄損と、擬似正弦波の目標信号波形をIPMSMに印加した場合(比較例)の鉄損とを電磁場解析により求めた。このとき、何れの手法においても、トルク指令値を3.5[Nm]、速度指令値を10000[rpm]とした。
図10は、目標信号波形の一例を示す図である。図10(a)は、擬似正弦波の目標信号波形(比較例(正弦波PWM))を示し、図10(b)は、本実施形態の手法で求めた目標信号波形(発明例(最適化電圧波形))を示す。尚、図10(a)および図10(b)では、電気一周期分の目標信号波形を示す。また、図10(a)および図10(b)における目標信号波形の振幅および電気一周期は同じ値である。尚、図10では、変調率を0.4とした場合のU相、V相における線間電圧を示す。変調率は、目標信号波形のピーク値と、インバータ電源の入力である直流電圧との比で定義される。
図11は、発明例と比較例における鉄損を示す図である。図11では、PWM制御における変調率を0.4、0.7とした場合の鉄損を示す。ここでは、図10に示すような目標信号波形を、実際のモータM(非特許文献1に記載のいわゆる電気学会Dモデルモータ)に適用して、当該モータMの鉄損を電磁場解析により導出した。図11に示すように、本実施形態の手法を用いることで、目標信号波形を擬似正弦波とする場合に比べ、鉄損を7~14[%]程度低減できることが分かる。また、図10(a)および図10(b)に示すように、モータの鉄損を低減する目標信号波形は、擬似正弦波とは大きく異なることが分かる。
[まとめ]
以上のように本実施形態では、目標信号波形を決定するためのモータMのモデルとして、ロータの構成要素の全部または一部を実際のモータMに対し簡略化した簡略化モータモデルM'を採用する。目標信号波形決定装置100は、目標信号波形で簡略化モータモデルM'のステータコアを励磁した場合の、当該簡略化モータモデルM'におけるステータコアの板厚方向における磁束密度および渦電流密度の分布を導出することにより、当該簡略化モータモデルM'のステータの鉄損が最小になる目標信号波形を目標信号波形の最適値として導出する。駆動装置700は、この目標信号波形の最適値の励磁電圧がモータMのステータコイルに印加されるようにインバータ回路を動作させる。したがって、モータMの鉄損を低減することができる励磁電圧の時間波形を、計算精度の低下と計算時間の増大とを抑制しつつ決定することができる。
また、本実施形態では、目標信号波形(パルスパターン)自体を最適化の設計変数とし、遺伝的アルゴリズム(最適化手法)を用いて設計変数の最適値を導出するため、解空間を限定しない探索が可能となる。したがって、特許文献1のような擬似正弦波に限定されず、目標信号波形(パルスパターン)を敢えて擬似正弦波(正弦波PWM)とは異なる形にすることで、渦電流密度の減衰などを考慮して、モータMの鉄損を低減することができる目標信号波形を設定することができる。
また、本実施形態では、マルチレベルインバータにおける多段階の電圧レベルを有する候補解(目標信号波形)を設定することにより、シングルレベルインバータに限らず、マルチレベルインバータに対しても本実施形態の手法を適用することができる。
[変形例]
<変形例1>
本実施形態では、遺伝的アルゴリズムを用いて目標信号波形の最適値を導出する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしも遺伝的アルゴリズムを用いて目標信号波形の最適値を導出する必要はない。例えば、遺伝的アルゴリズム以外のメタヒューリスティック手法による最適化計算を実行することにより、目標信号波形の最適値を導出してもよい。
<変形例2>
本実施形態では、有限要素法を用いて電磁場解析を行う場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしも有限要素法を用いて電磁場解析を行う必要はない。例えば、有限要素法以外の数値解析の手法(離散化手法)を用いて電磁場解析を行ってもよい。
<変形例3>
本実施形態では、PWM制御を実行する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、PAM(Pulse Amplitude Modulation)制御を実行するようにしてもよい。
<変形例4>
本実施形態では、目標信号波形決定装置100と駆動装置700とが別の装置である場合を例に挙げて示した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、目標信号波形決定装置100の機能を駆動装置700に含めてもよい。
<変形例5>
本実施形態では、モータMがインナーロータ型のモータである場合を例に挙げて説明した。しかしながら、モータMはアウターロータ型のモータであってもよい。また、本実施形態では、モータMがラジアルギャップ型のモータである場合を例に挙げて説明した。しかしながら、モータMはアキシャルギャップ型のモータであってもよい。また、本実施形態では、モータMがIPMモータである場合を例に挙げて説明した。しかしながら、モータMは、IPMモータに限定されない。例えば、モータMは、誘導モータでも、リラクタンスモータ(reluctance motor)であってもよい。尚、誘導モータでは、磁極を構成する部分は、ロータの導体(かご形の導体や巻線)と、ロータコアの当該導体を間に挟む領域である。リラクタンスモータでは、磁極を構成する部分は、ロータコアの凸極の部分である。何れの場合においても、簡略化モータモデルにおけるロータの典型的な形状(中空円筒形状であって、中空部分以外の領域に穴が形成されていない形状)や、当該形状に対して変更が加えられた形状を適用することができる。アウターロータ型のモータにおいては、中空部分には、ステータが配置される。
<その他の変形例>
尚、以上説明した本発明の実施形態のうち、目標信号波形決定装置100および駆動装置700のインバータ回路を除く部分は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体および前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100:目標信号波形決定装置、101:候補解設定部、102:電磁場解析部、103:終了判定部、104:出力部、700:駆動装置、701:目標信号波形記憶部702:目標信号波形取得部、703:インバータ部、M:モータ

Claims (13)

  1. モータを動作させるための処理を行う処理システムであって、
    実際のモータのステータコイルに印加される励磁信号の時間波形の目標値である目標信号波形を決定する目標信号波形決定手段を有し、
    前記目標信号波形決定手段は、数値解析を行うための簡略化モータモデルにおけるステータコアが励磁された際の、少なくとも前記ステータコアにおける磁束密度および渦電流密度の分布を、マクスウェルの方程式に基づいて導出し、当該磁束密度および渦電流密度の分布に基づいて、当該簡略化モータモデルの鉄損のうち少なくともステータコアの鉄損を導出し、当該導出した鉄損に基づいて、前記目標信号波形を決定し、
    前記磁束密度および渦電流密度の分布は、前記簡略化モータモデルにおけるステータコアにおいて磁束および渦電流が浸透する深さ方向における分布を含み、
    前記簡略化モータモデルは、ロータコアの平均磁束密度が、前記実際のモータにおけるロータコアの平均磁束密度よりも低くなるように、前記実際のモータに対してロータの構成要素の全部または一部を簡略化したモデルであることを特徴とする処理システム。
  2. 前記目標信号波形決定手段は、前記簡略化モータモデルにおけるステータコアが励磁された際の磁束密度および渦電流密度の分布を、マクスウェルの方程式に基づいて導出し、当該磁束密度および渦電流密度の分布に基づいて、当該簡略化モータモデルの鉄損のうち少なくともステータコアの鉄損を導出する電磁場解析手段を有し、当該導出した鉄損が最小になる前記目標信号波形を、最適化計算を実行することにより決定することを特徴とする請求項1に記載の処理システム。
  3. 前記目標信号波形決定手段は、前記目標信号波形の候補を前記簡略化モータモデルにおけるステータコイルに印加して当該簡略化モータモデルにおけるステータコアを励磁した際の磁束密度および渦電流密度の分布を、マクスウェルの方程式に基づいて導出し、当該磁束密度および渦電流密度の分布に基づいて、当該簡略化モータモデルの鉄損のうち少なくともステータコアの鉄損を導出することを、前記目標信号波形の複数の候補のそれぞれについて行う電磁場解析手段を有し、メタヒューリスティック手法による最適化計算を実行することにより、当該導出した鉄損が最小になる前記目標信号波形の候補を、前記目標信号波形として決定することを特徴とする請求項1または2に記載の処理システム。
  4. 前記目標信号波形の候補は、前記実際のモータの速度指令値に対応する周期を有し、
    前記目標信号波形決定手段は、前記実際のモータのトルク指令値に対応する磁束密度を満足する磁束密度が得られる範囲内で前記簡略化モータモデルの鉄損のうち少なくともステータコアの鉄損が最小になる前記目標信号波形の候補を、前記目標信号波形として決定することを特徴とする請求項3に記載の処理システム。
  5. 前記目標信号波形決定手段により決定された前記目標信号波形を目標値として励磁信号の時間波形を生成して前記実際のモータに印加する駆動手段を更に有し、
    前記駆動手段は、前記実際のモータの速度指令値およびトルク指令値と、前記目標信号波形を特定するための情報とを相互に関連付けて記憶する目標信号波形記憶手段と、
    前記実際のモータの速度指令値およびトルク指令値に対応する前記目標信号波形を、前記目標信号波形記憶手段により記憶された前記情報に基づいて取得する目標信号波形取得手段と、を有し、
    前記目標信号波形取得手段により取得された前記目標信号波形を目標値として励磁信号の時間波形を生成して前記実際のモータに印加することを特徴とする請求項4に記載の処理システム。
  6. 前記簡略化モータモデルにおけるロータは、前記実際のモータのロータにおける磁極を構成する部分の全部または一部を含まないことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の処理システム。
  7. 前記簡略化モータモデルにおけるステータコアは、積み重なった複数の軟磁性体板のモデルを含み、
    前記磁束密度および渦電流密度の分布は、前記軟磁性体板の面内方向の二次元分布と、前記軟磁性体板の板厚方向の一次元分布とを含むことを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の処理システム。
  8. 前記簡略化モータモデルにおけるステータコアは、積み重なった複数の軟磁性体板のモデルを含み、
    前記目標信号波形決定手段は、前記軟磁性体板の面内方向の磁束密度および渦電流密度の二次元分布を、マクスウェルの方程式に基づいて導出することと、前記軟磁性体板の板厚方向の磁束密度および渦電流密度の一次元分布を、マクスウェルの方程式に基づいて導出することと、を含む計算を行うことを特徴とする請求項7に記載の処理システム。
  9. 前記簡略化モータモデルにおけるステータは、前記実際のモータのステータと同じ構成を有することを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の処理システム。
  10. 前記目標信号波形は、インバータに対する目標信号波形であり、
    前記励磁信号は、パルス信号であることを特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の処理システム。
  11. 前記目標信号波形決定手段により決定された前記目標信号波形を目標値として励磁信号の時間波形を生成して前記実際のモータに印加する駆動手段を更に有することを特徴とする請求項1~10の何れか1項に記載の処理システム。
  12. モータを動作させるための処理を行う処理方法であって、
    実際のモータのステータコイルに印加される励磁信号の時間波形の目標値である目標信号波形を決定する目標信号波形決定工程を有し、
    前記目標信号波形決定工程は、数値解析を行うための簡略化モータモデルにおけるステータコアが励磁された際の、少なくとも前記ステータコアにおける磁束密度および渦電流密度の分布を、マクスウェルの方程式に基づいて導出し、当該磁束密度および渦電流密度の分布に基づいて、当該簡略化モータモデルの鉄損のうち少なくともステータコアの鉄損を導出し、当該導出した鉄損に基づいて、前記目標信号波形を決定し、
    前記磁束密度および渦電流密度の分布は、前記簡略化モータモデルにおけるステータコアにおいて磁束および渦電流が浸透する深さ方向における分布を含み、
    前記簡略化モータモデルは、ロータコアの平均磁束密度が、前記実際のモータにおけるロータコアの平均磁束密度よりも低くなるように、前記実際のモータに対してロータの構成要素の全部または一部を簡略化したモデルであることを特徴とする処理方法。
  13. 請求項1~11の何れか1項に記載の処理システムの各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
JP2019146170A 2019-08-08 2019-08-08 処理システム、処理方法、およびプログラム Active JP7436778B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019146170A JP7436778B2 (ja) 2019-08-08 2019-08-08 処理システム、処理方法、およびプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019146170A JP7436778B2 (ja) 2019-08-08 2019-08-08 処理システム、処理方法、およびプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021027766A JP2021027766A (ja) 2021-02-22
JP7436778B2 true JP7436778B2 (ja) 2024-02-22

Family

ID=74665031

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019146170A Active JP7436778B2 (ja) 2019-08-08 2019-08-08 処理システム、処理方法、およびプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7436778B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2023084830A1 (ja) * 2021-11-15 2023-05-19

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007318896A (ja) 2006-05-25 2007-12-06 Yokohama National Univ 回転・直動2自由度モータ
JP2008072832A (ja) 2006-09-14 2008-03-27 Mitsubishi Electric Corp 交流電動機の制御装置およびその鉄損抑制用重畳電流の演算方法
JP2010226921A (ja) 2009-03-25 2010-10-07 Nissan Motor Co Ltd 電動機の制御装置
JP2015509357A (ja) 2012-01-31 2015-03-26 イスパノ・シユイザ 永久磁石電気機械の制御

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007318896A (ja) 2006-05-25 2007-12-06 Yokohama National Univ 回転・直動2自由度モータ
JP2008072832A (ja) 2006-09-14 2008-03-27 Mitsubishi Electric Corp 交流電動機の制御装置およびその鉄損抑制用重畳電流の演算方法
JP2010226921A (ja) 2009-03-25 2010-10-07 Nissan Motor Co Ltd 電動機の制御装置
JP2015509357A (ja) 2012-01-31 2015-03-26 イスパノ・シユイザ 永久磁石電気機械の制御

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021027766A (ja) 2021-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Mun et al. Design characteristics of IPMSM with wide constant power speed range for EV traction
El-Refaie et al. Analysis of surface permanent magnet machines with fractional-slot concentrated windings
Min et al. 3-D performance analysis and multiobjective optimization of coreless-type PM linear synchronous motors
Bacco et al. Design criteria of flux-barriers in synchronous reluctance machines
Wu et al. Simplified analytical model and investigation of open-circuit AC winding loss of permanent-magnet machines
Ramakrishnan et al. Comparative analysis of various methods for modelling surface permanent magnet machines
Putek et al. Minimization of cogging torque in permanent magnet machines using the topological gradient and adjoint sensitivity in multi-objective design
Van der Geest et al. Optimization and comparison of electrical machines using particle swarm optimization
Islam et al. Multiload point optimization of interior permanent magnet synchronous machines for high-performance variable-speed drives
Chong Design of an interior permanent magnet machine with concentrated windings for field weakening applications
JP7436778B2 (ja) 処理システム、処理方法、およびプログラム
Ling et al. Influence of magnet pole arc variation on the performance of external rotor permanent magnet synchronous machine based on finite element analysis
Jenal et al. Comparative study on a new permanent magnet flux switching machine configuration over segmental and salient rotor structure
Zhu Influence of end-effect on torque-speed characteristics of various switched flux permanent magnet machine topologies
Nor Firdaus et al. Improvement of energy density in single stator interior permanent magnet using double stator topology
Ojeda et al. Comparison of 3-phase and 5-phase high speed synchronous motor for EV/HEV applications
Wardach et al. Novel hybrid excited machine with flux barriers in rotor structure
JP7087875B2 (ja) 処理システム、処理方法、およびプログラム
Piotuch et al. FEM based IPMSM optimization
Ali et al. Cogging torque Mitigation for PMSM using stator slots design and Magnets skewing
Stachowiak Edge element analysis of brushless motors with inhomogeneously magnetized permanent magnets
Chouaib et al. Analyze of non-linearity effects of 8/6 switched reluctance machine by finite elements method
Dalal et al. Analytical model of a permanent magnet brushless DC motor with non-linear ferromagnetic material
Tahi et al. Performance optimization of synchronous reluctance machines with two rotor structures
Iles-Klumpner et al. Advanced optimization design techniques for automotive interior permanent magnet synchronous machines

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220407

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230801

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230921

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240122

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7436778

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151