JP7435575B2 - ブレーキ状態推定装置及びこれを備えた車両、ブレーキ状態推定方法、並びにプログラム - Google Patents

ブレーキ状態推定装置及びこれを備えた車両、ブレーキ状態推定方法、並びにプログラム Download PDF

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Description

本発明は、ブレーキ状態推定装置及びこれを備えた車両、ブレーキ状態推定方法、並びにプログラムに関する。
特許文献1には、ブレーキキャリパーにブレーキホースを接続する際使用するバンジョーボルトに組み込まれたセンサーと、上記センサーにて検知したセンサー信号に基づいて生成されたブレーキフルードの状態を示すパラメータを運転手に報知する報知手段とを備える制動装置監視システムが開示されている。
特開2019-119401号公報
上記特許文献1の記載の技術では、ブレーキフルードの状態を検出するために別途センサを取り付ける必要がある。
本発明は、上記の事情に鑑み、簡易な構成で、ブレーキフルードの劣化状態を推定することを目的とする。
請求項1に記載のブレーキ状態推定装置は、対象車両の位置を取得する位置取得部と、前記対象車両の位置に対応する湿度情報と、前記対象車両の位置を含むエリアに滞在した期間を表す期間情報とに基づいて、前記対象車両の油圧式のブレーキ装置を作動させるためのブレーキフルードの劣化状態を推定する状態推定部と、を含む。
請求項1に記載のブレーキ状態推定装置では、位置取得部が、対象車両の位置を取得する。そして、状態推定部が、前記対象車両の位置に対応する湿度情報と、前記対象車両の位置を含むエリアに滞在した期間を表す期間情報とに基づいて、前記対象車両の油圧式のブレーキ装置を作動させるためのブレーキフルードの劣化状態を推定する。ここで、「湿度情報」とは、対象車両の位置における湿度に関連する情報であり、対象車両のブレーキフルードが含有する水分量に関わる情報を指す。また、「ブレーキフルードの劣化状態」とは、ブレーキフルードのベーパロックの発生に関連する状態を指す。当該ブレーキ状態推定装置によれば、簡易な構成で、ブレーキフルードの劣化状態を推定することができる。
請求項2に記載のブレーキ状態推定装置は、請求項1に記載のブレーキ状態推定装置において、前記ブレーキ装置の温度を取得する温度取得部を更に含み、前記状態推定部は、前記ブレーキ装置の温度と、前記湿度情報と、前記期間情報とに基づいて、前記ブレーキフルードの劣化状態を推定する。
請求項2に記載のブレーキ状態推定装置は、前記ブレーキ装置の温度を更に取得し、前記ブレーキ装置の温度と、前記湿度情報と、前記期間情報とに基づいて、前記ブレーキフルードの劣化状態を推定する。当該ブレーキ状態推定装置によれば、ブレーキフルードの劣化状態を精度よく推定することができる。
請求項3に記載のブレーキ状態推定装置は、請求項2に記載のブレーキ状態推定装置において、前記状態推定部は、前記湿度情報と、前記期間情報とに基づいて、前記ブレーキフルードが含有する水分状態を推定し、前記ブレーキ装置の温度に基づいて、前記ブレーキフルードの熱状態を推定し、前記水分状態及び熱状態に基づいて、前記ブレーキフルードの劣化状態を推定する。
請求項3に記載のブレーキ状態推定装置は、前記湿度情報と、前記期間情報とに基づいて、前記ブレーキフルードが含有する水分状態を推定し、前記ブレーキ装置の温度に基づいて、前記ブレーキフルードの熱状態を推定し、前記水分状態及び熱状態に基づいて、前記ブレーキフルードの劣化状態を推定する。当該ブレーキ状態推定装置によれば、前記ブレーキフルードの水分状態及び熱状態を考慮して、ブレーキフルードの劣化状態を精度よく推定することができる。
請求項4に記載のブレーキ状態推定装置は、請求項2に記載のブレーキ状態推定装置において、前記状態推定部は、前記ブレーキ装置の温度と、前記湿度情報と、前記期間情報とに基づいて前記ブレーキフルードの劣化状態を推定するための学習済みモデルを用いて、前記劣化状態を推定する。
請求項4に記載のブレーキ状態推定装置では、前記ブレーキ装置の温度と、前記湿度情報と、前記期間情報とに基づいて前記ブレーキフルードの劣化状態を推定するための学習済みモデルを用いて、前記劣化状態を推定する。当該ブレーキ状態推定装置によれば、ブレーキフルードの劣化状態を精度よく推定することができる。
請求項5に記載の車両は、請求項1~請求項4の何れか1項記載のブレーキ状態推定装置と、前記油圧式のブレーキ装置と、を含む。
請求項5に記載の車両は、油圧式のブレーキ装置を備えており、油圧式のブレーキ装置のブレーキフルードの劣化状態を推定する。当該車両によれば、簡易な構成で、ブレーキフルードの劣化状態を推定することができる。
請求項6に記載のブレーキ状態推定方法は、位置取得部が、対象車両の位置を取得し、状態推定部が、前記対象車両の位置に対応する湿度情報と、前記対象車両の位置を含むエリアに滞在した期間を表す期間情報とに基づいて、前記対象車両の油圧式のブレーキ装置を作動させるためのブレーキフルードの劣化状態を推定する。
請求項6に記載のブレーキ状態推定方法は、位置取得部が、対象車両の位置を取得する。そして、状態推定部が、前記対象車両の位置に対応する湿度情報と、前記対象車両の位置を含むエリアに滞在した期間を表す期間情報とに基づいて、前記対象車両の油圧式のブレーキ装置を作動させるためのブレーキフルードの劣化状態を推定する。当該ブレーキ状態推定方法によれば、簡易な構成で、ブレーキフルードの劣化状態を推定することができる。
請求項7に記載のプログラムは、対象車両の位置を取得し、前記対象車両の位置に対応する湿度情報と、前記対象車両の位置を含むエリアに滞在した期間を表す期間情報とに基づいて、前記対象車両の油圧式のブレーキ装置を作動させるためのブレーキフルードの劣化状態を推定することをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
請求項7に記載のプログラムでは、コンピュータが、対象車両の位置を取得する。そして、コンピュータが、前記対象車両の位置に対応する湿度情報と、前記対象車両の位置を含むエリアに滞在した期間を表す期間情報とに基づいて、前記対象車両の油圧式のブレーキ装置を作動させるためのブレーキフルードの劣化状態を推定する。当該プログラムによれば、簡易な構成で、ブレーキフルードの劣化状態を推定することができる。
本発明によれば、簡易な構成で、ブレーキフルードの劣化状態を推定することができる。
第1、第2、第3の実施形態に係る車両システムの概略構成を示す図である。 第1、第2、第3の実施形態に係る車両のブレーキ装置の構成を示す概略図である。 第1、第2、第3の実施形態に係る車両のハードウェア構成を示すブロック図である。 第1、第2の実施形態の車載器における制御ECUのCPUの機能構成の例を示すブロック図である。 エリア毎の、水分量と期間との関係を示すグラフである。 複数のエリアに滞在した場合における、水分量と期間との関係を示すグラフである。 ブレーキフルードの劣化状態の推定結果の表示例を示す図である。 第1の実施形態の車載器における制御ECUのCPUにおいて実行されるブレーキ状態推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第2の実施形態の車載器における制御ECUのCPUにおいて実行されるブレーキ状態推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第3の実施形態の管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。 第3の実施形態の管理サーバにおける制御装置のCPUの機能構成の例を示すブロック図である。
図1~図11を用いて本発明の実施形態に係る車両システムについて説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る車両システム10の概略構成を示すブロック図である。
(全体構成)
図1に示されるように、本実施形態に係る車両システム10は、車両12と、管理サーバ16と、を含んでいる。
車両12及び管理サーバ16は、それぞれネットワークNを介して通信可能に構成されている。ここで、車両12は、ネットワークNに接続される通信部14を備えている。ネットワークNは、3GやLTE等の移動体通信サービスやインターネット回線が含まれる。
(車両)
車両12は、油圧式のブレーキ装置18を備えている。ブレーキ装置18は、図2に示すように、運転席に設けられ、かつ、運転者によって踏み込み操作されるブレーキペダル40と、ブレーキペダル40に作用した踏み込み力を増大させるブレーキブースタ42と、ブレーキブースタ42に一体的に設けられ、ブレーキペダル40に作用する踏み込み力に応じたブレーキフルード48の油圧を発生させるマスターシリンダ44と、マスターシリンダ44と各車輪のブレーキ機構(例えば、ブレーキディスク)とを連結するブレーキ配管46と、マスターシリンダ44の上部に設けられ、ブレーキフルード48がブレーキ配管46の内部に注入されるとともに、常に充填されるようにブレーキフルード48が貯留されるリザーブタンク50と、ブレーキ配管46内のブレーキフルード48の油圧を検出する油圧センサ52とを有して構成されている。なお、油圧センサ52は、ABS(Antilock Brake System)等のブレーキ制御用のブレーキアクチュエータ(図示省略)に設けられていてもよい。
図3に示されるように、車両12に搭載される車載器11は、制御ECU(Electronic Control Unit)20、温度センサ22、車速センサ24、ハイブリッドECU26、及び通信部14を含む。
温度センサ22は、車両12の周辺の気温を検出する。車速センサ24は、車両12の車速を検出する。ハイブリッドECU26は、アクセル開度センサ(図示省略)、車速センサ24等を含む各種センサからの信号に基づいて、運転モード(エンジン走行モード、モータ走行モード等)を決定し、エンジントルク及びモータトルクを決定し、エンジンECU(図示省略)及びモータECU(図示省略)に対し指令する。また、ハイブリッドECU26は、モータの回生量を検出する。
制御ECU20は、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、RAM(Random Access Memory)20C、ストレージ20D、及び入出力I/F(Inter Face)20Eを含んで構成されている。CPU20A、ROM20B、RAM20C及び入出力I/F20Eは、図示しない内部バスを介して相互に通信可能に接続されている。
CPU20Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU20Aは、ROM20Bからプログラムを読み出し、RAM20Cを作業領域としてプログラムを実行する。
ROM20Bは、各種プログラム及び各種データを記憶している。RAM20Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
ストレージ20Dには、ブレーキ状態推定プログラム100が記憶されている。このストレージ20Dは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成される。
入出力I/F20Eは、ブレーキ装置18、温度センサ22、車速センサ24、ハイブリッドECU26、及び通信部14のそれぞれと通信するためのインタフェースである。
ブレーキフルードについて、ベーパロックと呼ばれる現象により停止距離が増加する、という課題がある。このベーパロックは、ブレーキフルードの沸点と影響があり、その沸点低下の要因となる水分量は、総熱負荷、期間、及び湿度で決定される。
現状のシステムは、ブレーキフルードが漏れるとリザーブタンクにあるセンサによって検出する仕組みである。当該センサによってブレーキフルード全体の量を検出しているが、ブレーキフルード自体がどのくらい水分量を含んでいるのか劣化状態を客観的あるいは定量的に判断することができない。
自動車メーカーは、交換時期を2年ごとの車検時と設定していても、車両の走行状況にもよるため、ブレーキフルードの交換時期が必ずしも一律にはならない。例えば、ブレーキフルードの汚れや劣化状態によって、交換時期が早くなったり、遅くなったりすることもある。最終的に、日本の自動車メーカーのブレーキフルードの交換時期は、基本的に一律に車検ごとに交換することを推奨している。
車検を受けるユーザ側の心理としては、ブレーキフルードの見た目に汚れがなければ、車検の費用を抑えた方がよいと考える点もあり、ユーザ車検や個人店で車検を受けた場合には、ブレーキフルードを交換していない車両もあるのが実情である。
このように、ブレーキフルードが注入されているブレーキ配管は閉塞されているため、現状でのブレーキフルードの劣化状態を判断する方法は、リザーブタンクの量、ブレーキフルードの色を用いた方法である。ブレーキフルードを交換した直後は、ほぼ透明の状態であるが、劣化すると、透明、黄色、茶色、黒色の順に変化する。多くの車両では、ブレーキフルードの色が黄色の状態であり、ブレーキフルードの色から、劣化状態を判断することはできない。
そこで、本実施形態では、車載器11が、ブレーキフルードの劣化状態を、車両走行データを活用して推定する。
具体的には、図4に示されるように、本実施形態の制御ECU20では、CPU20Aが、ブレーキ状態推定プログラム100を実行することで、位置取得部30、情報取得部32、温度取得部34、及び状態推定部36として機能する。
位置取得部30は、車両12の位置を取得する。位置取得部30は、例えば、車両12に搭載されたナビゲーションシステムから、車両12の位置の緯度経度を取得する。
情報取得部32は、位置取得部30によって取得した車両12の位置に基づいて、車両の位置を含むエリアに滞在した期間を表す期間情報を取得する。また、情報取得部32は、位置取得部30によって取得した車両12の位置に基づいて、湿度情報を取得する。例えば、情報取得部32は、位置取得部30によって取得した車両12の位置を、通信部14により管理サーバ16へ送信し、管理サーバ16から、車両12の位置に応じた湿度情報として、車両12の位置を含むエリアについて予め求められた、ブレーキフルードが含有する水分量と期間との関係を表す係数を取得する。
温度取得部34は、ブレーキ装置18の温度を取得する。具体的には、温度取得部34は、温度センサ22によって検出された気温、車速センサ24によって検出された車速、ブレーキ装置18の油圧センサ52によって検出されたブレーキフルード48の油圧、及びハイブリッドECU26によって検出された回生量に基づいて、ブレーキ装置18の温度を計算する。
例えば、温度取得部34は、所定時間毎に、温度センサ22によって検出された気温、車速センサ24によって検出された車速、ブレーキ装置18の油圧センサ52によって検出されたブレーキフルード48の油圧、及びハイブリッドECU26によって検出された回生量を取得し、以下の(1)式、(2)式に従って、Δt秒間におけるブレーキディスクの温度の変化量ΔTを累積推定することにより、ブレーキディスクの温度TRを計算する。

(1)

(2)
ただし、Qinは、ブレーキ吸収エネルギーであり、Qoutは、ブレーキ放熱エネルギーであり、Wは、ブレーキディスクの摺動部の重量であり、Cは比熱であり、Tbeforeは、Δt秒前のブレーキディスクの温度である。また、Δtは、サンプリング周期である。
制動時のブレーキ吸収エネルギーQinは、以下の式で表される。
ただし、Pは、ブレーキフルード48の油圧であり、Aは、ブレーキディスクの摺動部の面積であり、μは、パッドの摩擦係数であり、Rは、制動有効半径(タイヤ中心とキャリパピストン中心との距離)である。
また、制動時以外では、ブレーキ吸収エネルギーQinは、回生ブレーキを考慮しない場合、以下の式で表される。
ただし、Mは、車両12の重量であり、Vは、車速であり、Vbeforeは、Δt秒前の車速であり、αは、制動力配分であり、Cは、走行抵抗損失係数であり、Cは、ディスクブレーキの摺動部以外での熱損失係数である。
また、制動時以外では、ブレーキ吸収エネルギーQinは、回生ブレーキを考慮する場合、以下の式で表される。
ただし、Winは、回生量である。
また、ブレーキ放熱エネルギーQoutは、以下の式で表される。
ただし、hは、熱伝達率であり、Tatmは、温度センサ22によって検出された気温である。
状態推定部36は、湿度情報と、車両の位置を含むエリアに滞在した期間を表す期間情報と、ブレーキ装置18の温度とに基づいて、ブレーキフルード48の劣化状態を推定する。
具体的には、状態推定部36は、湿度情報と、期間情報とに基づいて、ブレーキフルード48が含有する水分状態を推定し、ブレーキ装置18の温度に基づいて、ブレーキフルード48の熱状態を推定し、水分状態及び熱状態に基づいて、ブレーキフルード48の劣化状態を推定する。
例えば、ブレーキディスクの温度が閾値温度を超える度に、熱によるブレーキフルード48の劣化状態を表す熱状態の値を1カウントアップし、ベーパロックが起きている可能性を推定する。閾値温度は、ブレーキの効きが低下する温度とすればよい。
また、管理サーバ16に、ビッグデータを活用して予め用意された、エリアごとの、ブレーキフルードが含有する水分量と期間との関係を表す係数を、湿度情報として格納しておく。特に、湿度が高いエリアと、湿度が低いエリアとで、ブレーキフルードに含有する水分量と期間との関係に差があることが分かっている。
そこで、管理サーバ16から湿度情報として得られる、当該エリアの係数Bと、期間情報とに基づいて、以下の式に従って、水分量Yを計算し(図5参照)、水分量Yが閾値を超える度に、沸点低下によるブレーキフルード48の劣化状態を表す水分状態の値を1カウントアップする。
Y=B×T
ただし、Tは、前回水分状態の値を1カウントアップした時点からの期間とする。
図5では、湿度が高いエリア1においては水分量が閾値を超える一方、湿度が低いエリア2においては水分量が閾値を超えない例を示している。
なお、前回水分状態の値を1カウントアップした時点からの期間で、複数のエリアにまたがって滞在している場合には、それぞれのエリアごとに、当該エリアの係数Bと、期間情報とに基づいて、上記の式に従って、水分量Yを計算し、加算すればよい(図6参照)。
図6では、湿度が高いエリア1と湿度が低いエリア2とにまたがって滞在した場合における、水分量と期間との関係の例を示している。
状態推定部36は、熱状態の値と水分状態の値とを加算した値を、ブレーキフルード48の劣化状態として推定する。状態推定部36は、車載器11のディスプレイ(図示省略)に、図7に示すように、ブレーキフルード48の劣化状態を表示する。図7では、ブレーキフルード48の劣化状態を4段階のレベルで表示する例を示している。なお、車載器11に接続された、ディーラー側の端末(例えば、診断機)に、ブレーキフルード48の劣化状態を表示するようにしてもよい。
(管理サーバ)
管理サーバ16は、予め用意された、エリアごとの、ブレーキフルードが含有する水分量と期間との関係を表す係数を、湿度情報として記憶している。管理サーバ16は、車載器11から、位置取得部30によって取得した車両12の位置を受信すると、当該車両12の位置を含むエリアに対応する湿度情報として記憶されている、ブレーキフルードが含有する水分量と期間との関係を表す係数を、車載器11へ、ネットワークNを介して送信する。
(処理の流れ)
次に、第1実施形態の車両システム10における処理の流れについて図8のフローチャートを用いて説明する。
まず、車両12の走行中に、車載器11の制御ECU20は、所定時間毎に、温度センサ22によって検出された気温、車速センサ24によって検出された車速、ブレーキ装置18の油圧センサ52によって検出されたブレーキフルード48の油圧、及びハイブリッドECU26によって検出された回生量を取得する。
そして、車両12のイグニッションスイッチ(図示省略)がオフにされると、車載器11の制御ECU20のCPU20Aは、ブレーキ状態推定プログラム100を実行することにより、図8に示すブレーキ状態推定処理を行う。
まず、ステップS100において、CPU20Aは、温度取得部34として、所定時間毎に取得した、温度センサ22によって検出された気温、車速センサ24によって検出された車速、ブレーキ装置18の油圧センサ52によって検出されたブレーキフルード48の油圧、及びハイブリッドECU26によって検出された回生量に基づいて、Δt秒間におけるブレーキディスクの温度の変化量ΔTを累積推定することにより、所定時間毎のブレーキディスクの温度TRを計算する。
ステップS102において、CPU20Aは、状態推定部36として、上記ステップS100で計算されたブレーキディスクの温度が閾値温度以下であるか否かを判定する。ブレーキディスクの温度が閾値温度を超えた場合には、CPU20Aは、ステップS104へ移行する。一方、ブレーキディスクの温度が閾値温度以下である場合には、CPU20Aは、ステップS106へ移行する。なお、ブレーキフルードの種類、例えば、FMVSS基準(Federal Motor Vehicle Safety Standard/米国自動車安全基準)における、DOT3、DOT4、DOT5.1等の基準の違いにより閾値温度が異なる。
ステップS104において、CPU20Aは、状態推定部36として、熱によるブレーキフルード48の劣化状態を表す熱状態の値を1カウントアップし、ステップS116へ移行する。
ステップS106において、CPU20Aは、位置取得部30として、車両12の位置を取得する。
ステップS108において、CPU20Aは、情報取得部32として、上記ステップS106で取得した車両12の位置に基づいて、車両の位置を含むエリアに滞在した期間を表す期間情報を取得する。また、CPU20Aは、情報取得部32として、上記ステップS106で取得した車両12の位置に基づいて、湿度情報を取得する。
ステップS110において、CPU20Aは、状態推定部36として、上記ステップS108で湿度情報として得られる、車両12の位置を含むエリアの係数Bと、期間情報とに基づいて、水分量を計算する。
ステップS112において、CPU20Aは、状態推定部36として、上記ステップS110で計算された水分量が閾値以下であるか否かを判定する。水分量が閾値を超える場合には、CPU20Aは、ステップS114へ移行する。一方、水分量が閾値以下である場合には、CPU20Aは、ブレーキ状態推定処理を終了する。なお、ブレーキフルードの種類の違いにより水分量に関する閾値が異なる。
ステップS114において、CPU20Aは、状態推定部36として、沸点低下によるブレーキフルード48の劣化状態を表す水分状態の値を1カウントアップする。
ステップS116において、CPU20Aは、状態推定部36として、熱状態の値と水分状態の値とを加算した値を、ブレーキフルード48の劣化状態として推定する。
ステップS118において、CPU20Aは、車載器11のディスプレイ(図示省略)に、ブレーキフルード48の劣化状態を表示して、ブレーキ状態推定処理を終了する。
(第1の実施形態のまとめ)
本実施形態の車両12は、制御ECU20が、湿度情報と、期間情報とに基づいて、ブレーキフルードが含有する水分状態を推定し、ブレーキ装置の温度に基づいて、ブレーキフルードの熱状態を推定し、水分状態及び熱状態に基づいて、ブレーキフルードの劣化状態を推定するように構成されている。このように、制御ECU20が、ブレーキフルードの水分状態及び熱状態を考慮して、ブレーキフルードの劣化状態を推定するようにする。これにより、簡易な構成で、ブレーキフルードの劣化状態を精度よく推定することができる。
また、管理サーバ16が、エリアごとの、ブレーキフルードが含有する水分量と期間との関係を表す係数を、湿度情報として記憶するように構成されている。これにより、管理サーバ16側において、エリアごとの、ブレーキフルードが含有する水分量と期間との関係を表す係数の変更を容易に行うことができる。
また、車両12のイグニッションスイッチがオフされたときに、車載器11から管理サーバ16に各種情報が送信されるため、通信負荷を低減することができる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、湿度情報と、期間情報とに基づいて、ブレーキフルードが含有する水分状態を推定し、ブレーキ装置の温度に基づいて、ブレーキフルードの熱状態を推定し、水分状態及び熱状態に基づいて、ブレーキフルードの劣化状態を推定していた。これに対して、第2の実施形態では、ブレーキ装置の温度と、湿度情報と、期間情報とに基づいてブレーキフルードの劣化状態を推定するための学習済みモデルを用いて、劣化状態を推定する点で第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態との相違点について説明する。なお、同一の構成には同一の符号を付しており、説明については省略する。
(車両)
本実施形態の車載器11の状態推定部36は、湿度情報と、車両の位置を含むエリアに滞在した期間を表す期間情報と、ブレーキ装置18の温度とに基づいてブレーキフルード48の劣化状態を推定するための学習済みモデルを用いて、ブレーキフルード48の劣化状態を推定する。
具体的には、湿度情報として得られる当該エリアの係数、車両の位置を含むエリアに滞在した期間を表す期間情報と、ブレーキ装置18の温度とを入力とし、ブレーキフルード48の劣化状態を示すレベルを出力する学習済みモデルを予め用意しておく。なお、ブレーキフルード48の種類の違いにより学習済みモデルが異なる。
そして、状態推定部36は、湿度情報として得られる当該エリアの係数、車両の位置を含むエリアに滞在した期間を表す期間情報と、ブレーキ装置18の温度とを、学習済みモデルに入力して、学習済みモデルの出力を、ブレーキフルード48の劣化状態の推定結果とする。
(処理の流れ)
次に、第2の実施形態の車両システム10における処理の流れについて図9のフローチャートを用いて説明する。
まず、車両12の走行中に、車載器11の制御ECU20は、所定時間毎に、温度センサ22によって検出された気温、車速センサ24によって検出された車速、ブレーキ装置18の油圧センサ52によって検出されたブレーキフルード48の油圧、及びハイブリッドECU26によって検出された回生量を取得する。
そして、車両12のイグニッションスイッチ(図示省略)がオフにされると、車載器11の制御ECU20のCPU20Aは、ブレーキ状態推定プログラム100を実行することにより、図9に示すブレーキ状態推定処理を行う。なお、第1の実施形態と同様の処理については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
まず、ステップS100において、CPU20Aは、温度取得部34として、所定時間毎に取得した、温度センサ22によって検出された気温、車速センサ24によって検出された車速、ブレーキ装置18の油圧センサ52によって検出されたブレーキフルード48の油圧、及びハイブリッドECU26によって検出された回生量に基づいて、Δt秒間におけるブレーキディスクの温度の変化量ΔTを累積推定することにより、所定時間毎のブレーキディスクの温度TRを計算する。
ステップS106において、CPU20Aは、位置取得部30として、車両12の位置を取得する。
ステップS108において、CPU20Aは、情報取得部32として、上記ステップS106で取得した車両12の位置に基づいて、車両の位置を含むエリアに滞在した期間を表す期間情報を取得する。また、CPU20Aは、情報取得部32として、上記ステップS106で取得した車両12の位置に基づいて、湿度情報を取得する。
ステップS200において、CPU20Aは、状態推定部36として、上記ステップS100で計算されたブレーキディスクの温度の最大温度と、上記ステップS108で湿度情報として得られる、車両12の位置を含むエリアの係数と、期間情報とを、学習済みモデルに入力して、ブレーキフルード48の劣化状態を推定する。
ステップS118において、CPU20Aは、車載器11のディスプレイ(図示省略)に、ブレーキフルード48の劣化状態を表示して、ブレーキ状態推定処理を終了する。
(第2の実施形態のまとめ)
本実施形態の車両12は、制御ECU20が、ブレーキ装置の温度と、湿度情報と、期間情報とに基づいてブレーキフルードの劣化状態を推定するための学習済みモデルを用いて、ブレーキフルードの劣化状態を推定するように構成されている。これにより、簡易な構成で、ブレーキフルードの劣化状態を精度よく推定することができる。
[第3の実施形態]
第1および第2の実施形態では、車載器においてブレーキフルードの劣化状態を推定していた。これに対して、第3の実施形態では、管理サーバ側で、車両のブレーキフルードの劣化状態を推定する点で第1および第2の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態との相違点について説明する。なお、同一の構成には同一の符号を付しており、説明については省略する。
(全体構成)
上記図1に示されるように、本実施形態に係る車両システム310は、車両12と、管理サーバ316と、を含んでいる。
(車両)
車両12に搭載される車載器11は、車両12に搭載されたナビゲーションシステムから、車両12の位置の緯度経度を定期的に取得し、通信部14により管理サーバ16へ送信する。
車載器11は、所定時間毎に、温度センサ22によって検出された気温、車速センサ24によって検出された車速、ブレーキ装置18の油圧センサ52によって検出されたブレーキフルード48の油圧、及びハイブリッドECU26によって検出された回生量を取得し、通信部14により管理サーバ16へ送信する。
また、車載器11は、管理サーバ16から、ブレーキフルードの劣化状態の推定結果を取得し、車載器11のディスプレイ(図示省略)に表示する。
(管理サーバ)
図10に示されるように、管理サーバ316は、制御装置380と、通信部316Bとを含んで構成されている。
制御装置380は、CPU382、ROM383、RAM384、ストレージ385、入出力I/F386を備えている。CPU382、ROM383、RAM384、ストレージ385及び入出力I/F386は、バス388を介して相互に接続されている。
CPU382、ROM383、RAM384、ストレージ385及び入出力I/F386の各機能については、上述したCPU20A、ROM20B、RAM20C、ストレージ20D及び入出力I/F20Eと同じである。
CPU382は、ストレージ385からブレーキ状態推定プログラム300を読み出し、RAM384を作業領域としてプログラムを実行する。本実施形態では、ストレージ385に、ブレーキ状態推定プログラム300が記憶されている。
本実施形態の制御装置380には、入出力I/F386を介して通信部316Bが接続されている。なお、通信部316Bは、バス388に対して直接接続されていてもよい。
図11に示されるように、本実施形態の制御装置380では、CPU382が、ブレーキ状態推定プログラム300を実行することで、位置取得部330、情報取得部332、温度取得部334、及び状態推定部336として機能する。
位置取得部330は、車両12の車載器11から受信した、当該車両12の位置の緯度経度を取得する。
情報取得部332は、位置取得部330によって取得した車両12の位置に基づいて、車両の位置を含むエリアに滞在した期間を表す期間情報を取得する。また、情報取得部332は、位置取得部330によって取得した車両12の位置に基づいて、湿度情報を取得する。例えば、情報取得部332は、予め用意された、エリアごとの、ブレーキフルードが含有する水分量と期間との関係を表す係数を、湿度情報として保持している。情報取得部332は、位置取得部330によって取得した車両12の位置を含むエリアに対応する湿度情報としての、ブレーキフルードが含有する水分量と期間との関係を表す係数を取得する。
温度取得部334は、車両12の車載器11から受信した、ブレーキ装置18の温度を取得する。具体的には、温度取得部334は、車両12の車載器11から受信した、温度センサ22によって検出された気温、車速センサ24によって検出された車速、ブレーキ装置18の油圧センサ52によって検出されたブレーキフルード48の油圧、及びハイブリッドECU26によって検出された回生量に基づいて、上記第1の実施形態の温度取得部34と同様に、ブレーキ装置18の温度を計算する。
状態推定部336は、湿度情報と、車両の位置を含むエリアに滞在した期間を表す期間情報と、ブレーキ装置18の温度とに基づいて、ブレーキフルード48の劣化状態を推定する。
具体的には、状態推定部336は、上記第1の実施形態における状態推定部36と同様に、湿度情報と、期間情報とに基づいて、ブレーキフルード48が含有する水分状態を推定し、ブレーキ装置18の温度に基づいて、ブレーキフルード48の熱状態を推定し、水分状態及び熱状態に基づいて、ブレーキフルード48の劣化状態を推定する。
状態推定部336は、ブレーキフルード48の劣化状態の推定結果を、通信部316Bにより、車載器11へ、ネットワークNを介して送信する。
(処理の流れ)
まず、車両12の走行中に、車載器11の制御ECU20は、所定時間毎に、温度センサ22によって検出された気温、車速センサ24によって検出された車速、ブレーキ装置18の油圧センサ52によって検出されたブレーキフルード48の油圧、及びハイブリッドECU26によって検出された回生量を取得し、通信部14により管理サーバ16へ送信する。
また、車載器11は、車両12に搭載されたナビゲーションシステムから、車両12の位置の緯度経度を定期的に取得し、通信部14により管理サーバ16へ送信する。
そして、車両12のイグニッションスイッチ(図示省略)がオフにされると、車載器11は、ブレーキフルード48の劣化状態の推定要求を、通信部14により管理サーバ16へ送信する。
そして、管理サーバ16は、車載器11から、ブレーキフルード48の劣化状態の推定要求を受信すると、管理サーバ16の制御装置380のCPU382は、ブレーキ状態推定プログラム300を実行することにより、上記図8に示すブレーキ状態推定処理と同様の処理を行う。
(第3の実施形態のまとめ)
本実施形態の管理サーバ316は、制御装置380が、湿度情報と、期間情報とに基づいて、ブレーキフルードが含有する水分状態を推定し、ブレーキ装置の温度に基づいて、ブレーキフルードの熱状態を推定し、水分状態及び熱状態に基づいて、ブレーキフルードの劣化状態を推定するように構成されている。このように、制御装置380が、ブレーキフルードの水分状態及び熱状態を考慮して、ブレーキフルードの劣化状態を推定するようにする。これにより、簡易な構成で、ブレーキフルードの劣化状態を精度よく推定することができる。
また、管理サーバ316が、湿度情報と、期間情報とに基づいて、ブレーキフルードが含有する水分状態を推定し、ブレーキ装置の温度に基づいて、ブレーキフルードの熱状態を推定ように構成されている。これにより、管理サーバ316側において、水分状態、熱状態に関わる閾値の変更を容易に行うことができる。
(第3の実施形態の変形例)
第3の実施形態では、管理サーバ316が、湿度情報と、期間情報とに基づいて、ブレーキフルードが含有する水分状態を推定し、ブレーキ装置の温度に基づいて、ブレーキフルードの熱状態を推定し、水分状態及び熱状態に基づいて、ブレーキフルードの劣化状態を推定する場合を例に説明したが、これに限定されない。管理サーバ316の状態推定部336は、上記第2の実施形態と同様に、湿度情報として得られる当該エリアの係数、車両の位置を含むエリアに滞在した期間を表す期間情報と、ブレーキ装置18の温度とを、学習済みモデルに入力して、学習済みモデルの出力を、ブレーキフルード48の劣化状態の推定結果としてもよい。この場合には、管理サーバ16の制御装置380のCPU382は、ブレーキ状態推定プログラム300を実行することにより、上記図9に示すブレーキ状態推定処理と同様の処理を行う。
また、車載器11の制御ECU20は、所定時間毎に、温度センサ22によって検出された気温、車速センサ24によって検出された車速、ブレーキ装置18の油圧センサ52によって検出されたブレーキフルード48の油圧、及びハイブリッドECU26によって検出された回生量を取得し、通信部14により管理サーバ16へ送信する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。車載器11の制御ECU20は、所定時間毎に取得した、温度センサ22によって検出された気温、車速センサ24によって検出された車速、ブレーキ装置18の油圧センサ52によって検出されたブレーキフルード48の油圧、及びハイブリッドECU26によって検出された回生量に基づいて、ブレーキディスクの温度を計算し、計算結果を、通信部14により管理サーバ16へ送信するようにしてもよい。
[備考]
上記各実施形態では、温度センサ22から気温を検出する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。外部のサーバから、車両12の位置を含むエリアにおける気温を取得してもよい
また、上記実施形態でCPU20A、382がソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した各種処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、各種処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
また、上記実施形態において、各プログラムはコンピュータが読み取り可能な非一時的記録媒体に予め記憶(インストール)されている態様で説明した。例えば、車載器11においてブレーキ状態推定プログラム100は、ストレージ20Dに予め記憶されている。また例えば、管理サーバ316においてブレーキ状態推定プログラム300はストレージ385に予め記憶されている。しかしこれに限らず、各プログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、各プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
上記実施形態で説明した処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
その他、上記実施形態で説明した車載器及び管理サーバの各々の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
10、310 車両システム
11 車載器
12 車両(対象車両)
14 通信部
16、316 管理サーバ
18 ブレーキ装置
20 制御ECU(ブレーキ状態推定装置)
20A、382CPU
22 温度センサ
24 車速センサ
30、330 位置取得部
32、332 情報取得部
34、334 温度取得部
36、336 状態推定部
48 ブレーキフルード
52 油圧センサ
100、300ブレーキ状態推定プログラム(プログラム)
380 制御装置(ブレーキ状態推定装置)

Claims (7)

  1. 対象車両の位置を取得する位置取得部と、
    前記対象車両の位置に対応する湿度情報と、前記対象車両の位置を含むエリアに滞在した期間を表す期間情報とに基づいて、前記対象車両の油圧式のブレーキ装置を作動させるためのブレーキフルードの劣化状態を推定する状態推定部と、
    を含むブレーキ状態推定装置。
  2. 前記ブレーキ装置の温度を取得する温度取得部を更に含み、
    前記状態推定部は、前記ブレーキ装置の温度と、前記湿度情報と、前記期間情報とに基づいて、前記ブレーキフルードの劣化状態を推定する請求項1記載のブレーキ状態推定装置。
  3. 前記状態推定部は、
    前記湿度情報と、前記期間情報とに基づいて、前記ブレーキフルードが含有する水分状態を推定し、
    前記ブレーキ装置の温度に基づいて、前記ブレーキフルードの熱状態を推定し、
    前記水分状態及び熱状態に基づいて、前記ブレーキフルードの劣化状態を推定する請求項2記載のブレーキ状態推定装置。
  4. 前記状態推定部は、
    前記ブレーキ装置の温度と、前記湿度情報と、前記期間情報とに基づいて前記ブレーキフルードの劣化状態を推定するための学習済みモデルを用いて、前記劣化状態を推定する請求項2記載のブレーキ状態推定装置。
  5. 請求項1~請求項4の何れか1項記載のブレーキ状態推定装置と、
    前記油圧式のブレーキ装置と、
    を含む車両。
  6. 位置取得部が、対象車両の位置を取得し、
    状態推定部が、前記対象車両の位置に対応する湿度情報と、前記対象車両の位置を含むエリアに滞在した期間を表す期間情報とに基づいて、前記対象車両の油圧式のブレーキ装置を作動させるためのブレーキフルードの劣化状態を推定する
    ブレーキ状態推定方法。
  7. 対象車両の位置を取得し、
    前記対象車両の位置に対応する湿度情報と、前記対象車両の位置を含むエリアに滞在した期間を表す期間情報とに基づいて、前記対象車両の油圧式のブレーキ装置を作動させるためのブレーキフルードの劣化状態を推定する
    ことをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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