JP7435156B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
図1は、本実施例の空気調和機1の一例を示す説明図である。図1に示す空気調和機1は、1台の室外機2と、N台の室内機3とを有する(Nは2以上の自然数)。室外機2は、液管4及びガス管5で並列に各室内機3と接続する。そして、室外機2と室内機3とが液管4及びガス管5等の冷媒配管で接続することで、空気調和機1の冷媒回路6が形成されている。
図2は、室外機2およびN台の室内機3の一例を示す説明図である。室外機2は、圧縮機11と、四方弁12と、室外熱交換器13と、室外機膨張弁14と、第1の閉鎖弁15と、第2の閉鎖弁16と、アキュムレータ17と、室外機ファン18と、制御手段19とを有する。これら圧縮機11、四方弁12、室外熱交換器13、室外機膨張弁14、第1の閉鎖弁15、第2の閉鎖弁16及びアキュムレータ17を用いて、以下で詳述する各冷媒配管で相互に接続されて冷媒回路6の一部を成す室外側冷媒回路を形成する。
図2に示すように、室内機3は、室内熱交換器51と、室内機膨張弁52と、液管接続部53と、ガス管接続部54と、室内機ファン55とを有する。これら室内熱交換器51、室内機膨張弁52、液管接続部53及びガス管接続部54は、後述する各冷媒配管で相互に接続されて、冷媒回路6の一部を成す室内機冷媒回路を構成する。
次に、本実施形態における空気調和機1の空調運転時の冷媒回路6における冷媒の流れや各部の動作について説明する。尚、図1における矢印は暖房運転時の冷媒の流れを示している。
推定モデルは、複数の運転状態量の内、任意の運転状態量(特徴量)を用いて回帰分析法の一種である重回帰分析法で生成されている。重回帰分析法では、複数のシミュレーション結果(数値計算により冷媒回路を再現して、残存する冷媒量に対して運転状態量がどのような値となるかを計算した結果)から得られた回帰式のうち、P値(生成した推定モデルの精度に運転状態量が与える影響度合いを示す値(所定の重みパラメータ))が一番小さく、かつ、補正値R2(生成した推定モデルの精度を示す値)が0.9以上1.0以下の間のできるだけ大きい値となる回帰式を選択して推定モデルとして生成する。ここで、P値および補正値R2は、重回帰分析法で推定モデルを生成する際に、当該推定モデルの精度に関わる値であり、P値が小さいほど、また、補正値R2が1.0に近い値であるほど、生成された推定モデルの精度が高くなる。その結果、冷房時の冷媒不足率が0~30%の場合では、例えば、冷媒過冷却度、外気温度、高圧飽和温度及び圧縮機11の回転数といった運転状態量を特徴量とする。冷房時の冷媒不足率が40~70%の場合では、例えば、吸入温度、外気温度及び圧縮機11の回転数といった運転状態量を特徴量とする。暖房時の冷媒不足率が0~20%の場合では、例えば、運転状態量として室外機膨張弁14の開度を特徴量とする。また、暖房時の冷媒不足率が30%~70%の場合では、例えば、吸入冷媒過熱度(吸入温度から低圧飽和温度を減じて求められる)、外気温度、圧縮機11の回転数及び室外機膨張弁14といった運転状態量を特徴量とする。
p:シグモイド係数
sc:サブクール値
p:シグモイド係数
D: 室外膨張弁14の開度
図7は、推定処理に関わる制御手段19の処理動作の一例を示すフローチャートである。尚、制御手段19は、事前に生成された第1の冷房用推定モデル43A、第2の冷房用推定モデル43B、第3の冷房用推定モデル43C、第1の暖房用推定モデル43D、第2の暖房用推定モデル43E、第3の暖房用推定モデル43Fを保持しているものとする。図7において制御手段19内の制御部44は、取得部41を通じて運転状態量を運転データとして収集する(ステップS11)。制御部44は、収集した運転データから任意の運転状態量を抽出するデータフィルタリング処理を実行する(ステップS12)。制御部44は、データクレンジング処理を実行する(ステップS13)。制御部44は、各回帰式又は各冷媒不足率算出式を用いて、現時点の冷媒回路6の冷媒不足率を算出し(ステップS14)、図7に示す処理動作を終了する。
次に第1~第6の回帰式の生成に使用する特徴量について説明する。第1~第3の回帰式を使用する冷房運転時では、重回帰分析法により第1~第6の回帰式の生成を行う際に使用する特徴量として、例えば、冷媒過冷却度、外気温度、高圧飽和温度、圧縮機11の回転数、吸入温度等の各運転状態量を用いる。そして、これら各運転状態量は、シミュレーションにより得た結果を使用する。また、第4~第6の回帰式を使用する暖房運転時では、重回帰分析の特徴量として、例えば、吸入過熱度、外気温度、圧縮機11の回転数、室外機膨張弁14の開度等の各運転状態量を用いる。そして、これら各運転状態量は、シミュレーションにより得た結果を使用する。
実施例1の空気調和機1では、冷媒回路6に充填される冷媒の冷媒不足率の推定に関わる運転状態量を用いて重回帰分析法で生成された推定モデルと、現在の運転状態量とを用いて、冷媒不足率を推定する。推定モデルを生成する際に使用する運転状態量は、前述したように空気調和機1を様々な環境下で運転した場合を想定したシミュレーションによって求められたものであるため、この推定モデルを用いた冷媒不足率の推定は、いかなる環境下で行っても正確な推定が行える。その結果、冷媒回路6をデフォルト状態に整えることなく、現時点の冷媒不足率を推定できる。
図13は、実施例2の空気調和システム100の一例を示す説明図である。尚、実施例1の空気調和機1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。図13に示す空気調和システム100は、空気調和機1と、通信網110と、サーバ120とを有する。空気調和機1は、圧縮機11、室外熱交換器13及び室外機膨張弁14を有する室外機2と、室内熱交換器51を有する室内機3とを有する。空気調和機1は、室外機2と室内機3とが液管4及びガス管5等の冷媒配管で接続されて構成する冷媒回路6を備え、当該冷媒回路6に所定量の冷媒が充填される。
実施例2のサーバ120は、冷媒回路6に充填される冷媒の冷媒不足率の推定に関わる運転状態量を用いて重回帰分析法を使用して、冷媒不足率を推定する推定モデルを生成し、生成した推定モデルを空気調和機1に送信する。空気調和機1は、サーバ120から受信した推定モデルと、現在の運転状態量とを用いて、冷媒不足率を推定する。その結果、空気調和機1では、高精度な推定モデルを生成できる。
尚、本実施例では、例えば、第1の冷房用推定モデル43Aの推定結果と第2の冷房用推定モデル43Bの推定結果との間をシグモイド係数で補間する場合を例示したが、シグモイド係数に限定されるものではなく、例えば、線形補間等の補間方法を使用しても良く、適宜変更可能である。
2 室外機
3 室内機
4 液管
5 ガス管
11 圧縮機
12 四方弁
13 室外熱交換器
14 室外機膨張弁
41 取得部
43A 第1の冷房用推定モデル
43B 第2の冷房用推定モデル
43C 第3の冷房用推定モデル
43D 第1の暖房用推定モデル
43E 第2の暖房用推定モデル
43F 第3の暖房用推定モデル
44 制御部
51 室内熱交換器
Claims (12)
- 圧縮機、室外熱交換器及び膨張弁を有する室外機と、室内熱交換器を有する室内機とを有し、前記室外機と前記室内機とが冷媒配管で接続されて形成される冷媒回路を有し、当該冷媒回路に所定量の冷媒が充填される空気調和機であって、
前記空気調和機の現在の運転状態量を用いて、前記冷媒回路に残存する冷媒量を推定する、前記空気調和機の運転モード毎に備えた推定モデルは、前記残存する冷媒量の範囲に応じて異なり、
前記推定モデルは、
前記空気調和機内の冷房運転時の前記残存する冷媒量が第1の範囲にある場合に使用する第1の冷房用推定モデルと、
前記冷房運転時の前記残存する冷媒量が前記第1の範囲を超え、かつ、当該第1の範囲とは異なる第2の範囲にある場合に使用する第2の冷房用推定モデルとを有することを特徴とする空気調和機。 - 前記推定モデルは、
前記空気調和機の現在の運転状態を示す運転状態量の内、少なくとも前記圧縮機の回転数及び外気温度の何れか一つを用いて、前記残存する冷媒量を推定することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。 - 前記第1の冷房用推定モデルは、
前記運転状態量として、前記室外熱交換器又は前記室内熱交換器の内、凝縮器として機能する当該凝縮器の冷媒過冷却度を用いて、前記残存する冷媒量を推定することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。 - 前記第2の冷房用推定モデルは、
前記運転状態量として、前記圧縮機の吸入温度を用いて、前記残存する冷媒量を推定することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。 - 圧縮機、室外熱交換器及び膨張弁を有する室外機と、室内熱交換器を有する室内機とを有し、前記室外機と前記室内機とが冷媒配管で接続されて形成される冷媒回路を有し、当該冷媒回路に所定量の冷媒が充填される空気調和機であって、
前記空気調和機の現在の運転状態量を用いて、前記冷媒回路に残存する冷媒量を推定する推定モデルを有し、前記推定モデルは前記残存する冷媒量に応じて異なり、
前記推定モデルは、
前記空気調和機内の暖房運転時の前記残存する冷媒量が第3の範囲内の場合に使用する第1の暖房用推定モデルと、
前記暖房運転時の前記残存する冷媒量が前記第3の範囲を超え、かつ、第4の範囲内の場合に使用する第2の暖房用推定モデルと
を有することを特徴とする空気調和機。 - 前記第1の暖房用推定モデルは、
前記運転状態量として前記膨張弁の開度を用いて、前記冷媒回路に残存する冷媒量を推定することを特徴とする請求項5に記載の空気調和機。 - 前記第2の暖房用推定モデルは、
前記運転状態量として前記圧縮機の吸入過熱度を用いて、前記残存する冷媒量を推定することを特徴とする請求項5に記載の空気調和機。 - 前記推定モデルは、
前記残存する冷媒量の推定に使用する前記運転状態量毎に所定の重みパラメータを含むことを特徴とする請求項1~7の何れか一つに記載の空気調和機。 - 前記推定モデルは、
前記残存する冷媒量の推定に与える影響の大きい前記運転状態量の変化量が、前記空気調和機の運転状態が安定している状態である所定範囲内の運転状態量を用いて前記残存する冷媒量を推定することを特徴とする請求項1~8の何れか一つに記載の空気調和機。 - 前記空気調和機の現在の運転状態量を用いて、前記残存する冷媒量として、前記所定量から減少した冷媒の割合である冷媒不足率を推定する推定モデルを有し、前記推定モデルは、前記冷媒不足率に応じて異なることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
- 前記推定モデルは、
前記空気調和機内の冷房運転時の冷媒不足率が0%~30%の範囲内の場合に使用する、第1の冷房用推定モデルと、
前記冷房運転時の冷媒不足率が前記0%~30%の範囲を超え、かつ、40%~70%の範囲内の場合に使用する、第2の冷房用推定モデルと
を有することを特徴とする請求項10に記載の空気調和機。 - 前記推定モデルは、
前記空気調和機内の暖房運転時の冷媒不足率が0%~20%の範囲内の場合に使用する、第1の暖房用推定モデルと、
前記暖房運転時の冷媒不足率が前記0%~20%の範囲を超え、かつ、30%~70%の範囲内の場合に使用する、前記冷媒不足率を推定する第2の暖房用推定モデルと
を有することを特徴とする請求項10に記載の空気調和機。
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