JP7435096B2 - 圧力制御バルブ - Google Patents

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Description

本発明は、圧力制御バルブに関する。
成膜装置やエッチング装置等の半導体製造装置においては、ガスの供給を制御し、圧力を調整した状態でプロセスが行われる。そのため、稀薄ガス雰囲気にある真空チャンバの圧力を予め設定した目標圧力に自動的に調整する自動調圧式の真空バルブが用いられる。例えば、特許文献1に記載のポペット式の真空バルブでは、弁体を弁座に対して昇降駆動して弁体と弁座との隙間を変えることで真空バルブのコンダクタンスを調整し、調圧を行っている。
特開2017-227325号公報
自動調圧式の真空バルブでは目標圧力近傍では弁体開度の微調整が必要なため、弁体駆動に対して微調整性能が要求される。しかしながら、特許文献1に記載の真空バルブのように弁体駆動方向の隙間を変えてコンダクタンスを調整する構造では、シール材の公差、圧力調整駆動軸とプレートの直角性すなわち弁体と弁座との平行精度、駆動の直線性等の問題により、コンダクタンスの安定性すなわち圧力制御の安定性に問題がある。
本発明の態様による圧力制御バルブは、バルブ流路の一部である開口部が形成された弁座と、前記開口部と対向するように、前記弁座に対して対向配置される弁体と、前記弁体を前記弁座に対して離接する方向に昇降駆動する弁体駆動部と、を備え、前記昇降駆動に応じてバルブコンダクタンスが変化する圧力制御バルブにおいて、前記弁座には、前記弁体の昇降駆動方向に沿った第1の壁面が形成され、前記弁体には、前記第1の壁面との間に所定間隔離れて対向する第2の壁面が形成され、前記第1の壁面と前記第2の壁面との対向面積は、前記弁体の前記昇降駆動に応じて変化する。
本発明によれば、圧力制御バルブにおける圧力制御安定性の向上を図ることができる。
図1は、圧力制御バルブを備える真空プロセス装置の概略構成を示すブロック図である。 図2は、圧力制御バルブの平面図である。 図3は、図2のA-A断面図である。 図4は、バルブプレートとバルブボディとの間の隙間空間のコンダクタンスを説明する図である。 図5は、圧力制御バルブの比較例を示す図である。 図6は、図4、5に示す構成における隙間空間コンダクタンス(合成コンダクタンス)の一例を示す図である。 図7は、第1の変形例を示す図である。 図8は、第2の変形例を示す図である。 図9は、第2の変形例の他の例を示す図である。 図10は、本発明の第2の実施の形態を示す図である。 図11は、駆動部と変位センサを4組設けた場合の平面図である。 図12は、本発明の第3の実施の形態を示す図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
-第1の実施の形態-
図1は、本発明の圧力制御バルブ1を備える真空プロセス装置100の概略構成を示すブロック図である。真空プロセス装置100は、例えばCVD装置であり、装置チャンバ2には圧力制御バルブ1を介してターボ分子ポンプ3が接続されている。ターボ分子ポンプ3の排気側には、ロータリーポンプやドライポンプ等の補助ポンプ4が接続される。圧力制御バルブ1はバルブコントローラ7によって制御される。ターボ分子ポンプ3はTMPコントローラ8によって制御される。
装置チャンバ2には、チャンバ内圧力を計測する真空計6、および、装置チャンバ2に導入されるガスの流量を制御するマスフローコントローラ(MFC)5が設けられている。マスフローコントローラ5は、真空プロセス装置100の装置コントローラ9によって制御される。真空計6で計測された圧力計測値は、装置コントローラ9およびバルブコントローラ7に入力される。バルブコントローラ7は、装置コントローラ9から入力される目標圧力と真空計6から入力される圧力計測値とに基づいて、圧力制御バルブ1の開度を制御し、装置チャンバ2の圧力が目標圧力となるように調整する。
図2は、圧力制御バルブ1を装置チャンバ2側から見た平面図である。図3は、図2のA-A断面図である。圧力制御バルブ1は、弁座として機能するバルブボディ11と、弁体として機能するバルブプレート12とを備えている。バルブプレート12は、バルブボディ11の開口部111と対向する装置チャンバ2側に配置される。ターボ分子ポンプ3は、バルブボディ11の下面、すなわち、開口部111の排気側に接続される。バルブプレート12の周辺部にはリング状の突出部121が形成されており、突出部121の下端面がバルブプレート12のシール面として機能する。突出部121の下端面が対向する面には、すなわち、バルブボディ11のシール面にはOリング等のシール部材16が設けられている。
バルブプレート12の上面には、x軸方向に延在するプレート支持部13が固定されている。プレート支持部13には、z軸方向に延在する一対のガイド棒14a,14bが取り付けられている。一対のガイド棒14a,14bのそれぞれには、ガイド棒14a,14bをz軸方向に上下駆動する駆動部15a,15bが設けられている。各駆動部15a,15bはバルブコントローラ7により制御され、一対のガイド棒14a,14bの駆動量が同一となるように制御される。すなわち、バルブプレート12はバルブボディ11に対して平行状態を保ちながら、z軸方向に上下駆動される。すなわち、後述する第1の壁面112と第2の壁面122との間隔を維持しつつ、バルブプレート12がz軸方向に昇降駆動される。駆動部15a,15bによりバルブプレート12をバルブ全閉位置まで降下させると、バルブプレート12のバルブボディ側端面がシール部材16に押圧されてシール部材16が弾性変形し、開口部111がバルブプレート12により封止される。
バルブボディ11は、平面視が円形形状であり、中央部に円形の開口部111が形成されている。開口部111の吸気側には、バルブプレート12の側に突出する環状の突出部110が形成されている。突出部110の外周面が第1の壁面112(後述する図4を参照)である。第1の壁面112は、z軸に平行な面である。一方、バルブプレート12は、平面視が円形形状であり、周縁部には、バルブボディ11の側に突出する環状の突出部121が設けられている。換言すると、バルブボディ11の突出部110の外径より大きい内径の凹部がバルブプレート12の中央部に形成されるように、バルブプレート12の周辺部に突出部121が形成されている。突出部121の内周面は第2の壁面122であり、その内径は、突出部111の外径より大きい。第2の壁面122は、z軸に平行な面である。
バルブ全閉位置においては、バルブプレート12の突出部121の内側に突出部110が入り込む。突出部121と突出部110との間には隙間G2が形成される。隙間G2は、一周に亘って同一寸法である。また、バルブプレート12をバルブ全閉位置から図示上方に駆動すると、図1に示すようにシール部材16と突出部121の下端面との間に隙間G1が形成される。その結果、装置チャンバ2が隙間G1およびG2により開口部111と連通し、装置チャンバ2内のガスが、太線矢印で示すように隙間G1、隙間G2および開口部111を通ってターボ分子ポンプ3により排気される。
なお、駆動部15a,15bとしては、例えば、ステッピングモータとボールねじ機構とを使用したリニアアクチュエータが用いられる。ボールねじ機構のボールねじナットをガイド棒14a,14bに取り付け、そのボールねじナットに螺合するねじ棒をステッピングモータにより回転駆動する。ステッピングモータの回転方向に応じて、ボールねじナットが設けられたガイド棒14a,14bが上昇または降下する。駆動部15a,15bの駆動量は、例えば、エンコーダ等でモータ回転角度を検出することで計測される。
バルブコントローラ7は、圧力制御バルブ1の開閉動作を制御するデジタル演算器であり、例えば、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び入出力インタフェース( I/O インタフェース)を備えたマイクロコンピュータやFPGA(Field Programmable Gate Array)等で構成される。バルブコントローラ7は、各駆動部15a,15bの駆動量計測値に基づいて駆動部15a,15bを制御する。
圧力制御バルブ1とターボ分子ポンプ3とから成る排気系の実効排気速度は、圧力制御バルブ1のコンダクタンスとターボ分子ポンプ3の排気速度とを合成した排気速度となる。バルブプレート12の位置を変えることによって圧力制御バルブ1のコンダクタンスが変化し、排気系の実効排気速度が変化する。そして、装置チャンバ2の圧力調整は、装置チャンバ2に導入されるガスの流量に対してバルブプレート12の位置を制御することにより行われる。
図4は、バルブプレート12とバルブボディ11との間の隙間空間のコンダクタンスを説明する図である。図4において、バルブプレート12とバルブボディ11との間の隙間空間のコンダクタンス(以下では、隙間空間コンダクタンスと呼ぶことにする)Cは、概略で、円環形状の隙間領域C1~C5のコンダクタンスを合成したものとなる。隙間領域C1~C5のコンダクタンスを符号C1~C5で表した場合、隙間空間コンダクタンスCは、一般的に次式(1)で与えられる。
1/C=1/C1+1/C2+1/C3+1/C4+1/C5 …(1)
バルブ全閉状態を除く圧力制御バルブ1のコンダクタンスは、この隙間空間コンダクタンスCと、開口部111の円筒領域をバルブプレート12の下面まで延長した円筒空間Sのコンダクタンスとを合成したものとなる。
図5は、図4に示す圧力制御バルブの比較例を示す図である。図5に示す比較例では、図4に示すような突出部110,121が設けられておらず、隙間領域C4,C5は生じない。この場合、隙間空間コンダクタンスCは次式(2)で与えられる。
1/C=1/C1+1/C2+1/C3 …(2)
図4、5において、隙間領域C1,C2,C3,C5は、バルブプレート12とバルブボディ11との間において、弁体駆動方向(z軸方向)に互いに対向する面の間の隙間領域である。バルブプレート12をz軸方向に昇降駆動して、バルブプレート12をバルブボディ11に対して離接させて、バルブプレート12とバルブボディ11とのz軸方向の対向距離を変化させると、各隙間領域C1,C2,C3,C5の隙間間隔の寸法D1,D2,D3,D5が変化し、各隙間領域C1,C2,C3,C5のコンダクタンスも変化する。なお、隙間領域C1~C3,C5の径方向の寸法W1~W3,W5は、バルブプレート12を昇降駆動しても変化しない。
一方、隙間領域C4は、突出部110の壁面112と突出部121の壁面122との間の一定間隔D4の隙間領域である。昇降駆動方向に沿った壁面112の法線は径方向を向いており、バルブプレート12の駆動方向であるz軸方向と直交している。壁面122は、バルブ流路の一部である一定間隔D4の隙間領域C4を介して壁面112と対向している。そして、バルブプレート12のz軸方向の昇降駆動に応じて、昇降駆動方向に沿った壁面112,122の対向面積が変化する。
寸法D4は隙間領域C4の隙間間隔である。寸法H4は壁面112と壁面122との対向領域のz方向の寸法であり、隙間領域C4のz方向の寸法に相当する。隙間間隔の寸法D4はバルブプレート12が昇降駆動されても変化しないが、隙間領域C4のz方向の寸法H4は昇降駆動に応じて変化する。そのため、隙間領域C4のコンダクタンスは、バルブプレート12の昇降駆動に応じて変化する。隙間領域C4は隙間領域C5を介して開口部111の円筒空間Sと連通している。
図5の構成と比べた場合の図4の構成の特徴は、隙間領域として、バルブプレート12が昇降駆動されても隙間間隔の寸法D4が変化しない隙間領域C4を備えた点にある。隙間領域C1~C3,C5の寸法W1,W2,W3,W5は数mm~1cm程度の大きさに設定されるが、隙間領域C4の寸法D4は0.2mm程度と一桁以上小さな値に設定される。
図2,3に示す圧力制御バルブ1の圧力制御範囲、すなわちコンダクタンス制御範囲は、概略、バルブプレート12の位置がD2≒0.2mmとなる位置からH4=0となるまでの範囲のコンダクタンス範囲である。バルブプレート12をバルブ全閉に近い状態まで降下させた場合、すなわち寸法D2がD2=0.1~0.2mmである場合には、隙間領域C2のコンダクタンスは他の隙間領域C1,C3,C5よりも小さくなり、隙間領域C4のコンダクタンスと同程度の大きさになる。
一方、バルブプレート12をD2>0.2mmに上昇させると、隙間領域C1~C3,C5のコンダクタンスの増加の方が隙間領域C4のコンダクタンスの増加の方が大きく、D2>0.2mmにおいては隙間領域C4のコンダクタンスが最も小さくなる。この範囲においては隙間領域C4のコンダクタンスが最も小さく、式(1)で表される隙間空間コンダクタンスCにおいて、隙間領域C4のコンダクタンスが支配的となる。
図6は、圧力制御バルブ1の隙間空間コンダクタンス(合成コンダクタンス)Cの設計例を示したものであり、シール部材(Oリング)16の中心間の直径Drが360mmの場合の一例を示した。図6において、ラインL1は図4に示す本実施の形態の場合の隙間空間コンダクタンスCを示し、ラインL2は図5に示す比較例の場合の隙間空間コンダクタンスCを示す。いずれの場合も、W1=5mm、W2=2mm、W3=5mm、W5=5mmであって、バルブプレート12の位置をD2=0のように位置決めした時には、D1,D3,D5はD1=1mm、D3=1mm、D5=1mmとなり、H4はH4=8.5mmとなるように設定されている。
ラインL1の場合、D2が0.5mm、1mm、3mm、5mmの場合の(隙間空間コンダクタンスC、隙間領域C4のコンダクタンス)は、それぞれ(3.65、4.46)、(4.37、4.74)、(5.53、5.64)、(6.96、7.03)となる。単位は[L/S]である。このように、隙間領域C4のコンダクタンスが支配的となり、隙間空間コンダクタンスCと隙間領域C4のコンダクタンスとの差は小さい。すなわち、隙間空間コンダクタンスCは、隙間間隔D4が一定な隙間領域C4のコンダクタンスとほぼ同じように変化し、例えば、D2=1からD2=5までのバルブプレート駆動量=4mmに対して、隙間空間コンダクタンスCの変化量は1.43(=6.96-5.53)[L/S]となる。すなわち、コンダクタンス変化量1[L/S]に対するバルブプレート駆動量は約2.8mmとなる。言い換えると、バルブプレート駆動量1mm当たりのコンダクタンス変化量を約0.36[L/S]と小さく抑えることができる。
一方、図5に示す比較例の場合には、式(2)で計算される隙間空間コンダクタンスCはラインL20のように変化する。例えば、図5のD2が0.1、0.15、0.2、0.5mmの場合の隙間空間コンダクタンスCは、それぞれ、3.12、4.51、5.84、22.8[L/S]となる。例えば、D2=0.15mmからD2=0.5mmまでのバルブプレート駆動量=0.35mmに対して、隙間空間コンダクタンスCの変化量は1.43(=22.8-4.51)[L/S]となる。すなわち、コンダクタンス変化量1[L/S]に対するバルブプレート駆動量は約0.24mmとなる。言い換えると、バルブプレート駆動量1mm当たりのコンダクタンス変化量が約4.1[L/S]となり、図4の構成の場合と比べて一桁大きい。
上述のように、本実施の形態では、圧力制御バルブ1の圧力制御範囲(コンダクタンス制御範囲)においては、図4に示すようにバルブプレート12とバルブボディ11との間の隙間領域に、隙間間隔が常に一定な隙間領域C4が形成される。この隙間領域C4は、隣接する隙間領域C3,C5に連通している。このように、バルブプレート12がz方向に昇降駆動されても隙間間隔(寸法D4)が変化しない隙間領域C4が形成されるように構成することで、単位コンダクタンス当たりのバルブプレート駆動量を、図5に示す比較例の場合よりも大きくすることができる。その結果、圧力制御バルブ1のコンダクタンスをより細かく制御することができ、圧力制御の安定性向上を図ることができる。換言すると、バルブプレート12のz軸方向の単位移動量あたりのコンダクタンスの変化量を小さくできる。
なお、図6のラインL1で示した設計例では、直径Drが360mmの圧力制御バルブであって、コンダクタンスが5[L/S]程度の低コンダクタンスで圧力制御をタイプのものを示した。しかしながら、隙間領域C4の寸法D4,H4の設定を適宜変えることによって、所望のコンダクタンス制御範囲に設定することができる。
(第1の変形例)
図7は、上述した実施の形態の第1の変形例を示す図である。第1の変形例では、バルブプレート12に2つの突出部121a,121bを形成し、バルブボディ11にも2つの突出部110a,110bを形成した。すなわち、バルブボディ11は二重環状壁110a,110bを有し、バルブプレート12の突出部121a,121bは二重環状壁121a,121bを有する。昇降駆動方向に沿った壁面122a,112aの間には第1の隙間領域C41が形成され、昇降駆動方向に沿った壁面122b,112bの間には第2の隙間領域C42が形成され、昇降駆動方向に沿った壁面122c,壁面112cの間には第3の隙間領域C43が形成される。隙間領域C41,C42,C43の隙間間隔およびz方向寸法は、図4の場合の隙間領域C4と同様にD4およびH4に設定される。隙間領域C41,C42,C43は隙間領域C51,C52により互いに連通しており、隙間領域C43は隙間領域C5を介して開口部111の空間に連通している。
第1の変形例の場合、隙間空間コンダクタンスCは、上述した式(1)において、1/C4の項および1/C5の項を、それぞれ次式(3)、(4)で置き換えたものになる。
1/C41+1/C42+1/C43 …(3)
1/C5+1/C51+1/C52 …(4)
図4の場合と同様に、D2がD4よりも大きい場合には、隙間空間コンダクタンスCは隙間領域C41,C42,C43のコンダクタンスが支配的になる。
各隙間領域C41~C43は円環形状の径寸法が異なるので、式(3)で与えられるコンダクタンスは隙間領域C4のz方向の寸法H4を単純に3倍した場合のコンダクタンスとはならないが、寸法H4をほぼ3倍とした場合と同様のコンダクタンスとなる。すなわち、図7に示す構成で図6のL1と同様な設計仕様の圧力制御バルブ1を設計した場合、隙間領域C41~C43のz方向寸法を隙間領域C4のz方向寸法よりも小さくなるので、圧力制御バルブ1の軸方向寸法(厚さ方向寸法)をより小さくすることができる。
(第2の変形例)
図8,9は、上述した実施の形態の第2の変形例を示す図である。上述した実施の形態や第1の変形例では、バルブプレート12およびバルブボディ11の両方に突出部を設けたが、図8,9に示すような構成としても良い。図8に示す例では、バルブプレート12に形成された突出部123を開口部111に挿入するような構成とし、突出部123の壁面123aと開口部111の壁面との間に、隙間領域C4を形成するようにした。
また、図9に示す例では、バルブボディ11の開口部111にシール部材16を配置するためのシール部113を形成し、バルブプレート12を開口部111に挿入するような構成とした。隙間領域C4は、バルブプレート12の側壁面124と開口部111の壁面との間に形成される。
-第2の実施の形態-
図10は、本発明の第2の実施の形態を示す図である。図10に示す構成では、図2に示す構成に対して、さらに変位センサ40a,40bを追加した。変位センサ40a,40bは、バルブプレート12とバルブボディ11との間のz軸方向の距離をモニタするための光学式の変位センサである。図10では、変位センサ40a,40bをx軸方向に延在するプレート支持部13の両端に設けて、バルブボディ11との距離を計測しているが、逆に、変位センサ40a,40bをバルブボディ11に設けてバルブプレート12との距離を計測しても良い。
これらの変位センサ40a,40bでモニタしたそれぞれの距離計測値za,zbは、バルブコントローラ7に入力される。バルブコントローラ7は、変位センサ40a,40bから入力された距離計測値za,zbが等しくなるように、すなわち、バルブボディ11に対してバルブプレート12の平行が維持されるように、駆動部15a,15bによるバルブプレート12の駆動を制御する。圧力制御の際には、距離計測値za,zbの平均値=(za+zb)/2を用いて駆動制御を行いつつ、距離計測値zaと距離計測値zbとの差である偏差(=za-zb)がゼロとなるようにバルブプレート12のx軸方向の傾きを補正する。
また、図11に示すように、プレート支持部13の形状をx軸およびy軸の両方向に延びる十字形状とし、y軸方向にも、一対の駆動部15c、15dと一対の変位センサ40c,40d(距離計測値zc,zd)とを設けるようにしても良い。この場合、x軸方向の偏差だけでなく、y軸方向の偏差(=zc-zd)についてもその値がゼロとなるように、バルブプレート12の傾き補正を行う。その場合、圧力制御は、平均値=(za+zb+zc+zd)/4を用いて行う。なお、変位センサを4つ設ける場合、それらの配置は必ずしもz軸方向、y軸方向でなくても構わない。すなわち、4つの距離計測値からバルブプレート12の姿勢を演算により求め、4つの距離計測値が同一となるような各駆動部の駆動量を算出する。
例えば、バルブプレート12の駆動機構にボールねじ機構を使用している場合、ボールねじ機構におけるバックラッシュ等のような機械的な誤差により、バルブプレート12の平行精度が悪化する。このようなバルブプレート12の平行精度の悪化は、微少な隙間G2(図4の隙間領域C4)におけるバルブプレート12とバルブボディ11との接触や、コンダクタンス制御安定性の悪化や、シール部材16に対するバルブプレート12の傾きによるシール性能の悪化などを招くことになる。
しかしながら、図10に示す第2の実施の形態では、変位センサ40c,40dで計測された距離計測値を用いてバルブプレート12の傾きを修正することで、バルブプレート12の平行精度の悪化を防止することができる。その結果、隙間G2におけるバルブプレート12とバルブボディ11との接触や、コンダクタンス制御安定性の悪化や、シール部材16に対するバルブプレート12の傾きによるシール性能の悪化などを防止することができる。
-第3の実施の形態-
図12は、本発明の第3の実施の形態を示す図である。図12に示す構成では、バルブプレート12は、一つのガイド棒14aおよび駆動部15aによって昇降駆動される。また、第2の実施の形態の場合と同様に、バルブプレート12とバルブボディ11との間の距離をモニタするための変位センサ40a,40bがプレート支持部13に設けてられている。もちろん、変位センサ40a,40bをバルブボディ11に設けても良いし、2組の変位センサをx軸方向およびy軸方向に沿ってそれぞれ設けても良い。傾動部50は、ガイド棒14aおよび駆動部15aから成る昇降駆動系を、x-z平面内において±θ方向に傾けるための駆動部であって、モータ等が用いられる。
図12に示すように、ガイド棒14aはプレート支持部13の両端に固定され、いわゆる片持ち構造によりバルブプレート12を支持している。そのため、バルブプレート12およびプレート支持部13に作用する重力によるモーメントがガイド棒14aのバルブプレート固定部分に作用し、ガイド棒14aおよび駆動部15aが+θ方向に傾きやすくなる。そのような傾きが生じると、上述したような、隙間G2におけるバルブプレート12とバルブボディ11との接触や、コンダクタンス制御安定性の悪化や、シール部材16に対するバルブプレート12の傾きによるシール性能の悪化などを招くことになる。
第3の実施の形態では、バルブコントローラ7は、変位センサ40a,40bの距離計測値za,zbの差分=za-zbがゼロとなるように、傾動部50による±θ方向の傾動量を制御することでバルブプレート12の傾きを修正し、バルブボディ11に対するバルブプレート12の平行を維持する。その結果、隙間G2におけるバルブプレート12とバルブボディ11との接触や、コンダクタンス制御安定性の悪化や、シール部材16に対するバルブプレート12の傾きによるシール性能の悪化などを防止することができる。
なお、上述した第2および第3の実施の形態では、隙間G2(すなわち隙間領域C4)を備える構成において変位センサ40c,40dを設けた。しかし、図5に示す比較例のように隙間領域C4が形成されない構成の場合においても、変位センサ40c,40dを設けてバルブプレート12の平行を維持することで、上述したコンダクタンス制御安定性の悪化やシール性能の悪化を防止することができる。
上述した例示的な実施の形態および変形例は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
[1]一態様に係る圧力制御バルブは、バルブ流路の一部である開口部が形成された弁座と、前記開口部と対向するように、前記弁座に対して対向配置される弁体と、前記弁体を前記弁座に対して離接する方向に昇降駆動する弁体駆動部と、を備え、前記昇降駆動に応じてバルブコンダクタンスが変化する圧力制御バルブにおいて、前記弁座には、前記弁体の昇降駆動方向に沿った第1の壁面が形成され、前記弁体には、前記第1の壁面との間に所定間隔離れて対向する第2の壁面が形成され、前記第1の壁面と前記第2の壁面との対向面積は、前記弁体の前記昇降駆動に応じて変化する。
例えば、図4に示すように、弁座であるバルブボディ11には、法線がバルブプレート12の昇降駆動方向(z軸方向)と直交する、すなわち昇降駆動方向に沿った壁面112が形成され、バルブプレート12には、壁面112との間に所定間隔離れて対向する壁面122が形成されている。そして、壁面112と壁面122との対向面積は、バルブプレート12の昇降駆動に応じて変化する。そのため、壁面112、122の間隔はバルブプレート12が昇降駆動されても一定に維持されるので、昇降駆動に対する隙間領域C4のコンダクタンス変化は小さく、圧力制御バルブ1による圧力調整の安定性向上を図ることができる。
[2]上記[1]に記載の圧力制御バルブにおいて、前記第1および第2の壁面は、前記開口部を囲む環状の壁面である。図4のように、壁面112、122をバルブボディ11の開口部111を囲む環状の壁面とすることで、開口部111を囲むように隙間領域C4が形成される。
[3]上記[2]に記載の圧力制御バルブにおいて、前記第1および第2の壁面を複数組備える。例えば、図7に示す例のように、一定間隔の隙間領域C41を介して対向する壁面112a,122aと、一定間隔の隙間領域C42を介して対向する壁面112b,122bと、一定間隔の隙間領域C43を介して対向する壁面112c,122cとを備えることで、一つに繋がった隙間領域全体のコンダクタンスは隙間領域C41のコンダクタンスのほぼ1/3に小さくなる。そのため、第1および第2の壁面を一組設ける場合と比べて、圧力制御バルブ1の軸方向寸法(厚さ方向寸法)をより小さくすることができる。
[4]上記[1]から[3]までのいずれかに記載の圧力制御バルブにおいて、前記弁体が昇降駆動する方向における前記弁体と前記弁座との間の昇降駆動方向距離を、前記弁体の複数個所に関して計測する計測部と、前記計測部により計測された複数の昇降駆動方向距離に基づいて前記弁体駆動部を制御し、前記第1の壁面と第2の壁面との間隔を維持しつつ前記弁体を昇降駆動させる制御部と、を備える。
例えば、図12に示すように、2つの変位センサ40c,40dをプレート支持部13に設けて、バルブボディ11とバルブプレート12との間の昇降駆動方向距離を2か所について計測する。そして、その計測結果に基づいて、バルブプレート12がバルブボディ11に対して平行となるように、弁体駆動部である駆動部15aおよび傾動部50を制御する。それにより、隙間領域C4の部分におけるバルブプレート12とバルブボディ11との接触や、コンダクタンス制御安定性の悪化や、シール部材16に対するバルブプレート12の傾きによるシール性能の悪化などを防止することができる。
[5]上記[4]に記載の圧力制御バルブにおいて、前記弁体駆動部は、前記弁体における複数の支持位置を個別に支持して前記昇降駆動方向に前記弁体を駆動する複数の個別駆動部を備え、前記制御部は、前記計測部により計測された複数の昇降駆動方向距離に基づいて前記複数の個別駆動部をそれぞれ制御し、前記第1の壁面と第2の壁面との間隔を維持しつつ前記弁体を昇降駆動させる。
例えば、図10に示すように、2つの変位センサ40c,40dをプレート支持部13に設けて、バルブボディ11とバルブプレート12との間の昇降駆動方向距離を2か所について計測する。そして、その計測結果に基づいて、バルブプレート12がバルブボディ11に対して平行となるように、駆動部15a,15bの駆動量を制御するようにしても良い。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1…圧力制御バルブ、2…装置チャンバ、3…ターボ分子ポンプ、7…バルブコントローラ、11…バルボディ、12…バルブプレート、15a~15d…駆動部、40a~40d…変位センサ、50…傾動部、111…開口部、112,112a~112c,122,122a~122c,123a,124…壁面、100…真空プロセス装置、C1~C5,C41~C43,C51,C52…隙間領域、C…隙間空間コンダクタンス

Claims (3)

  1. バルブ流路の一部である開口部が形成された弁座と、
    前記開口部と対向するように、前記弁座に対して対向配置される弁体と、
    前記弁体を前記弁座に対して離接する方向に昇降駆動する弁体駆動部と、を備え、前記昇降駆動に応じてバルブコンダクタンスが変化する圧力制御バルブにおいて、
    前記弁座には、前記弁体の昇降駆動方向に沿った第1の壁面が形成され、
    前記弁体には、前記第1の壁面との間に所定間隔離れて対向する第2の壁面が形成され、
    前記第1の壁面と前記第2の壁面との対向面積は、前記弁体の前記昇降駆動に応じて変化し、
    前記弁体駆動部は、前記弁体における複数の支持位置を個別に支持して前記昇降駆動方向に前記弁体を駆動する複数の個別駆動部を備え、
    前記弁体が昇降駆動する方向における前記弁体と前記弁座との間の昇降駆動方向距離を、前記弁体の複数個所に関して計測する計測部と、
    前記計測部により計測された複数の昇降駆動方向距離が同一となるような前記複数の個別駆動部の各駆動量を算出し、それに基づいて前記複数の個別駆動部をそれぞれ制御し、前記第1の壁面と第2の壁面との間隔を維持しつつ前記弁体を昇降駆動させる制御部と、を備える、圧力制御バルブ。
  2. 請求項1に記載の圧力制御バルブにおいて、
    前記第1および第2の壁面は、前記開口部を囲む環状の壁面である、圧力制御バルブ。
  3. 請求項2に記載の圧力制御バルブにおいて、
    前記第1および第2の壁面を複数組備える、圧力制御バルブ。
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