JP7433282B2 - 測距装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器や移動体に搭載可能な測距装置に関する。
移動体の一例である車両に搭載される距離センサの一例として、LiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)センサユニットが知られている(特許文献1)。このLiDARセンサユニットは、検出光を出射してから反射光が受光されるまでの光の飛行時間、いわゆるToF(Time of Flight)に基づいて、反射光を生じた物体までの距離を検出する。
特開2018-49014号公報
しかしながら、上記従来のLiDARセンサユニットでは、第1に、発光素子より出射された検出光が透光カバーを通過する際、その内面や外面による内方(ユニット内)への反射光が生じることがあった。この反射光が受光素子に入射し、該反射光に基づく受光信号が受光素子より出力されると、透光カバーの内面や外面の位置に物体が存在すると認識され、その結果、実際の物体までの距離測定の精度低下を生ずる。
第2に、物体からの反射光が透光カバーを通過する際、その内面や外面による外方(ユニット外)への反射光が生じることがあった。この反射光の発生は、受光素子に入射する反射光の光量の低下に繋がり、上記同様この場合も、物体までの距離測定の精度が低下するおそれがあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。本発明は、高い測定精度を実現可能な測距装置を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、測距装置の発光素子と受光素子を覆う透光カバーが、以下の要件を満たすことによって、測定精度の向上に有効であることを見出した。
・所定の粒子径範囲を有する大小の無機系粒子を所定の質量比範囲で含む凹凸形成粒子を所定割合で含む、特定組成の液剤組成物を用いる。
・上記特定組成の液剤組成物を用い、スプレー塗装で所定厚みの反射防止膜を少なくとも一方の主面側に形成する。
本発明者は、こうした新たな知見に基づき、以下に提供される発明を完成させ、上記課題を解決した。
以下では、(A)樹脂成分、(B)凹凸形成粒子、(B1)粒子径(d1)が0.05μm以上0.4μm以下の無機系小粒子、(B2)粒子径(d2)が2μm以上6μm以下の無機系大粒子、(C)希釈溶媒、とする。
本発明によれば、
物体までの距離を測定するための検出光を出射する発光素子と、
入射光量に応じた受光信号を出力する受光素子と、
発光素子と受光素子を覆う透光カバーと、を有する測距装置において、
透光カバーは、少なくとも一方の主面側に反射防止膜を有し、
反射防止膜は、液剤組成物から形成されたスプレー塗装による、厚さが2μm以上40μm以下の膜からなり、
液剤組成物は、(A)、(B)、及び(C)を少なくとも含み、
(B)は、組成物の全固形分の総量100質量%中に、20質量%以上60質量%以下で含有され、
(B)は、(B1)及び(B2)を90質量%以上含み、(B1):1に対する(B2)の質量比が1.8以上3.3以下である、測距装置
が提供される。
測距装置の構成部材である発光素子及び受光素子は、LiDARセンサユニット、ToFカメラユニット、及びミリ波レーダユニット、からなる群から選ばれる少なくとも1つの、一部であってよい。
本発明によれば、
上記測距装置を備えた、電子機器又は移動体
が提供される。
電子機器としては、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、ゲーム機、テレビ受像機、ウェアラブル端末、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、等が挙げられる。移動体としては、例えば、車両(自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ等)、航空機(ドローンを含む)、船舶、ロボット、等が挙げられる。
本発明によれば、
物体までの距離を測定するための検出光を出射する発光素子と、入射光量に応じた受光信号を出力する受光素子と、を覆う透光カバーを有する測距装置の、少なくとも透光カバーに形成される反射防止膜であって、
液剤組成物から形成されたスプレー塗装による、厚さが2μm以上40μm以下の膜からなり、
液剤組成物は、(A)、(B)、及び(C)を少なくとも含み、
(B)は、組成物の全固形分の総量100質量%中に、20質量%以上60質量%以下で含有され、
(B)は、(B1)及び(B2)を90質量%以上含み、(B1):1に対する(B2)の質量比が1.8以上3.3以下である、反射防止膜
が提供される。
本発明が提供する反射防止膜は、測距装置の透光カバーに形成されればよく、それ以外の他の構成部材に形成されてよい。他の構成部材の一例は後述する。
上記の液剤組成物は、以下の態様を含みうる。
・(B2)は、シリカを含むことが好ましい。
・シリカは、着色剤によって黒色化した複合シリカを含むことが好ましい。
・(B1)は、カーボンブラックを含むことが好ましい。
・25℃における粘度が1mPa・s以上30mPa・s以下であることが好ましい。
上記の反射防止膜は、以下の態様を含みうる。
・膜が形成された面の最表面の、入射角度85°の入射光に対する光沢度(以下単に「85°光沢度」ともいう。)が4%未満、近赤外線領域の光(波長905nm)に対する反射率(以下単に「反射率」ともいう。)が6%以下で、かつ光学濃度が1.5以上、であることが好ましい。
・膜が形成された面の最表面の、JIS B0601:2001における最大高さRz(以下単に「Rz」ともいう。)が7μm以上、輪郭曲線要素の長さの平均Rsm(以下単に「Rsm」ともいう。)は80μm以上、輪郭曲線のスキューネスRsk(以下単に「Rsk」ともいう。)が0.3以下で、かつ輪郭曲線のクルトシスRku(以下単に「Rku」ともいう。)が3以上、であることが好ましい。
本発明によれば、高い測定精度を実現可能な、測距装置(LiDARセンサユニット、ToFカメラユニット、及びミリ波レーダユニット等)、が提供される。
本発明の一形態に係る測距装置の適用例を示す断面図である。 図1の測距装置に用いるLiDARセンサユニットの構成例を示す図である。 図2のLiDARセンサユニットの構成と作用を示す図である。 本発明の一形態に係る電子機器の構成例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し、適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲のものである。
本明細書に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値、又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において組成物中の各成分の含有率、又は含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率、又は含有量を意味する。
図1に示す、本発明の一形態に係る測距装置1は、車両の左前(車両の、左右方向における中央よりも左側、かつ前後方向における中央よりも前側)部に配置される場合の例示である。測距装置1は外装部材2を有し、外装部材2は内部に収容室5を区画している。
収容室5内には、LiDARセンサユニット7が配置されている。LiDARとは、パルス状に発光するレーザー照射に対する散乱光を測定して、遠距離にある対象物までの距離を測定するセンサである。
図2及び図3に示すように、LiDARセンサユニット7は、ハウジング75の内部に収容された発光素子71及び受光素子73と、ハウジング75の開口部75aを塞ぐ窓部としての透光カバー3を備えている。本例の透光カバー3は、車両外面の一部を形成していないが、この態様に限定されない。
透光カバー3は、一例として、ガラス製又は樹脂製の板状部材であり、ハウジング75の開口部75aを塞ぎ、結果として発光素子71と受光素子73を覆うよう、ハウジング75の開口部端面75bに、例えば接着剤等により取り付けられている。透光カバー3は、少なくとも、発光素子71が出射する検出光L1の波長帯域(例えば近赤外域)の光の大半(例えば99%以上)を透過させる光学特性を備えている。
透光カバー3の基材を形成する樹脂としては、例えば、ポリカーボネート(PC)系樹脂、ポリアミド(PA)系樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ポリアセタール(POM)系樹脂等の、耐熱樹脂が挙げられる。
透光カバー3の基材は、顔料を含有してもよい。含有させてもよい顔料は、特に限定されず、後述する(B1)及び(B2)と同様、樹脂系粒子、及び無機系粒子のいずれを用いることもできる。樹脂系粒子としては、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン/メラミン/ホルマリン縮合物、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。無機系粒子としては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、マグネタイト系ブラック、銅・鉄・マンガン系ブラック、チタンブラック、カーボンブラック、アニリンブラック等が挙げられる。これらの顔料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
透光カバー3の基材中に顔料を含有させる場合の、顔料の含有割合は、要求される性能等に応じて適宜設定でき、特に限定されない。基材に対して、例えば0.3質量%以上、好ましくは0.4質量%以上、例えば15質量%以下、好ましくは12質量%以下、程度とされる。
発光素子71は、車両の外部へ向けて検出光L1を出射するように構成されている。検出光L1としては、例えば波長905nmの近赤外光が使用されうる。発光素子71としては、レーザダイオードや発光ダイオード等の半導体発光素子が使用されうる。
LiDARセンサユニット7は、検出光L1を所望の方向へ照射するための光学系(不図示)や、検出光L1の照射方向を変更して検出領域内を走査するための走査機構(不図示)を備えてもよい。
受光素子73は、入射した光量に応じた受光信号S1を出力するように構成されている。受光素子73としては、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトレジスタ等が使用されうる。LiDARセンサユニット7は、受光信号S1を増幅するための増幅回路(不図示)を備えてもよい。
収容室5(図1)内には、プロセッサ(制御部)8が配置されている。プロセッサ8は、LiDARセンサユニット7のハウジング75に内蔵されてもよい。プロセッサ8は、所望のタイミングで発光素子71に検出光L1を出射させる制御信号S0を出力する。プロセッサ8は、受光素子73から出力された受光信号S1を受信する。
プロセッサ8は、発光素子71より検出光L1が出射されてから受光素子73に反射光L2が入射するまでの時間に基づいて、反射光L2を生じた物体200までの距離を算出する。
収容室5内には、LiDARセンサユニット7とともに、ランプユニット6も配置されている。ランプユニット6は、車両の外方へ可視光を照射する装置である。ランプユニット6としては、前照灯ユニット、車幅灯ユニット、方向指示灯ユニット、霧灯ユニット等が例示されうる。
ランプユニット6は、車両の四隅部に配置されることが一般的である。四隅部は、車両の外部の情報を検出するに際しての障害物が少ない箇所でもある。ランプユニット6と収容室5を共有するようにLiDARセンサユニット7が配置されることにより、車両の外部の情報を効率的に検出できる。
なお、LiDARセンサユニット7は、車両外部に位置する物体200までの測距に用いられうる適宜のセンサユニットで置き換えられうる。そのようなセンサユニットとしては、ToFカメラユニットやミリ波レーダユニットが例示されうる。複数種の測定手法を用いる構成が単一のセンサユニットに内蔵されていてもよい。発光素子71により出射される検出光L1の波長、及び受光素子73が感度を有する波長は、使用される測定手法に応じて適宜に定められうる。
(反射防止膜)
透光カバー3の、少なくとも一方の主面側の、一部又は全部には、反射防止膜9が設けてある。「主面」は、透光カバー3の、外面(以下単に「表面」ともいう。)、内面(以下単に「裏面」ともいう。)を含む。「主面側」であるから、反射防止膜9は、透光カバー3の少なくとも一方の主面(表面、裏面、若しくは表裏両面)に直接形成される態様の他、透光カバー3と反射防止膜9との間に任意の層(例えばプライマー層等)が介在させた上で形成される態様を含む。「一部又は全部」であるから、反射防止膜9は、透光カバー3の少なくとも一方の主面側の一部に形成される場合を含む。この場合、透光カバー3の少なくとも一方の主面側には、鏡面状の板状基材表面が露出することになる。
反射防止膜9は、透光カバー3の少なくとも一方の主面側とともに、端面(内端面、外端面、若しくは内外両端面)側、に設けてあってよい。図3では、透光カバー3の両主面(表裏面)の全面に直接、反射防止膜9a,9bが形成される場合を例示している。透光カバー3の、裏面(内面)3a全面には反射防止膜9aが形成してあり、透光カバー3の表面(外面)3b全面には反射防止膜9bが形成してある。
反射防止膜9(9a,9b)の役割は次のとおりである。
発光素子71より出射された検出光L1が透光カバー3を通過する際、透光カバー3の裏面3aによる内方への反射光L3が生じる。反射光L3が受光素子73に入射し、反射光L3に基づく受光信号S1が受光素子73より出力されると、プロセッサ8は、透光カバー3の裏面3aの位置に物体が存在すると認識してしまう可能性がある。また、物体200からの反射光L2が透光カバー3を通過する際、透光カバー3の裏面3aによる外方への反射光L4が生じる。反射光L4の発生は、受光素子73に入射する反射光L2の光量の低下に繋がる。
反射防止膜9aは、第1に、反射光L3の発生を抑制する。したがって、反射光L3が受光素子73に入射する可能性を低減できる。あるいは、受光素子73に入射する反射光L3の光量を低減できる。これにより、反射光L3がLiDARセンサユニット7による物体200までの距離測定に与える影響を抑制できる。
反射防止膜9aは、第2に、反射光L4の発生を抑制する。したがって、受光素子73に入射する反射光L2の光量低下を抑制できる。これにより、物体200に関連付けられた受光信号S1のレベル低下が抑制される。
発光素子71より出射された検出光L1が透光カバー3を通過する際、透光カバー3の表面3bによる内方への反射光L5が生じる。反射光L5が受光素子73に入射し、反射光L5に基づく受光信号S1が受光素子73より出力されると、プロセッサ8は、透光カバー3の表面3bの位置に物体が存在すると認識してしまう可能性がある。また、物体200からの反射光L2が透光カバー3を通過する際、透光カバー3の表面3bによる外方への反射光L6が生じる。反射光L6の発生は、受光素子73に入射する反射光L2の光量の低下に繋がる。
反射防止膜9bは、第1に、反射光L5の発生を抑制する。したがって、反射光L5が受光素子73に入射する可能性を低減できる。あるいは、受光素子73に入射する反射光L5の光量を低減できる。これにより、反射光L5がLiDARセンサユニット7による物体200までの距離測定に与える影響を抑制できる。
反射防止膜9bは、第2に、反射光L6の発生を抑制する。したがって、受光素子73に入射する反射光L2の光量低下を抑制できる。これにより、物体200に関連付けられた受光信号S1のレベル低下が抑制される。
本発明の一形態に係る測距装置1によると、透光カバー3の裏面3a及び表面3bによる内方への反射による距離測定への影響が抑制されるとともに、透光カバー3の裏面3a及び表面3bによる外方への反射による受光素子73への入射光量の低下が抑制されるので、測距装置1の検出精度が向上する。すなわち高い測定精度が実現される。
本例の反射防止膜9(9a,9b)は、液剤組成物から形成された膜で構成される。
<液剤組成物>
一形態に係る液剤組成物(以下単に「組成物」ともいう。)は、透光カバー3(以下単に「被塗物」ともいう。)の少なくとも一方の主面側に、さらには、その端面側へ膜を形成するために使用され、(A)樹脂成分、(B)凹凸形成粒子、及び(C)希釈溶媒、を含む。組成物の形成に用いる(B)は、(B1)粒子径(d1)が0.05μm以上0.4μm以下の小粒子、及び(B2)粒子径(d2)が2μm以上6μm以下の大粒子、を含み、かつ(B1)及び(B2)以外の成分を含むことはありうる。すなわち、一形態に係る組成物は、(A)、(B1)、(B2)、及び(C)を含んで構成される。一形態に係る組成物は、被塗物表面に塗布するに際し、スプレー塗装を好適に使用することができる。
-(A)-
組成物の形成に用いる(A)は、(B)のバインダーとなる。(A)の材料は特に限定されず、熱可塑性樹脂、及び熱硬化性樹脂のいずれを用いることもできる。熱硬化性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキド系樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリアクリルエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体樹脂等が挙げられる。形成される凹凸膜の、耐熱性、耐湿性、耐溶剤性、及び表面硬度の観点からは、(A)として熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。熱硬化性樹脂としては、形成される膜の柔軟性、及び強靭さを考慮すると、アクリル樹脂が特に好ましい。(A)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)の含有量(総量)は特に限定されないが、他の成分との配合バランスを考慮すると、組成物の全固形分の総量(100質量%)に対して、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、である。
-(B)-
組成物の形成に用いる(B)は、大きさの異なる凹凸形成粒子を複数、組み合わせてなることが必須であり、(B)として特に、(B1)小粒子と、(B2)大粒子と、を組み合わせて使用する。例えば、(B)を、大きさの異なる凹凸形成粒子の2種類のみ(すなわち(B1)及び(B2))で構成する場合、(B2)の粒子径(d2)は、(B1)の粒子径(d1)の、好ましくは10倍以上、より好ましくは15倍以上、好ましくは40倍以下、より好ましくは35倍以下、である。(B)として、大きさの異なる凹凸形成粒子を3種類以上用いる場合、粒子径が最大値を示す凹凸形成粒子の粒子径(dmax)と、粒子径が最小値を示す凹凸形成粒子の粒子径(dmin)とが、上記関係(すなわち(dmax)が(dmin)の、好ましくは10倍以上、より好ましくは15倍以上、好ましくは40倍以下、より好ましくは35倍以下)となるよう調整すればよい。
一形態において、(d1)は、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上、好ましくは0.4μm以下、より好ましくは0.3μm以下、である。(d2)は、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上、好ましくは6μm以下、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは4μm以下、である。
(B1)の粒子径(d1)及び(B2)の粒子径(d2)は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置で測定される、体積基準のメジアン径である。
一形態において、(B)中での(B2)の質量比は、(B1):1に対して、好ましくは1.5以上、より好ましくは1.8以上、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.3以下、である。この質量比範囲で、上述した特定粒子径範囲を持つ(B1)と(B2)を組み合わせて使用することにより、形成される膜中で、隣接する2つの(B2)間に1つの(B1)が埋め込まれやすくなり、その結果、膜表面の、低光沢性、及び低反射性を実現できる。
(B)中の、(B1)と(B2)の合計含有量(総量)は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、である。その上限は、特に制限されず、100質量%である。すなわち一形態において、(B1)及び(B2)は、100質量%の(B)中に、好ましくは90質量%以上、含有されていればよい。
(B)の含有量(総量)は、組成物の全固形分の総量(100質量%)に対して、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下、特に好ましくは40質量%以下、である。(B)の総量が20質量%未満であると、光沢上昇、光学濃度不足の不都合を生じ、60質量%を超えると、形成された塗膜中の(A)が相対的に少なくなり、その結果、被塗物からの塗膜脱落の不都合を生じる場合がある。
(B2)としては、樹脂系粒子、及び無機系粒子のいずれを用いることもできる。樹脂系粒子としては、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン/メラミン/ホルマリン縮合物、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。一方、無機系粒子としては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、炭素等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
より優れた特性を得るためには、(B2)は、無機系粒子を用いることが好ましい。(B2)として無機系粒子を用いることにより、より低光沢で高遮光の膜を形成しやすい。(B2)として用いる無機系粒子としては、シリカが好ましい。(B2)の形状は特に限定されないが、形成される膜表面の、一層の、低光沢、低反射、低L値を実現するためには、粒度分布が狭い(CV(Coefficient of Variation)値が例えば15以下)粒子(シャープ品)を用いることが好ましい。CV値は、粒子径の平均値(算術平均粒子径)に対する粒子径分布の拡がり(粒子径のばらつき)度合いを数値化したものである。このような粒子を用いることにより、形成される膜中で(B2)と(B1)の接触機会が増え、膜表面の、一層の、低光沢、低反射、低L値を実現しやすい。
また、形成される膜表面の光沢度をより低減するためには、(B2)として、不定形の粒子を用いることが好ましい。これらの中でも、(B2)として、特に多孔質の不定形シリカ粒子を用いることが好ましい。(B2)としてこのような粒子を用いることにより、膜となったとき、(B2)の表面、及び内部で光が屈折を繰り返すことにより、膜表面の光沢度をさらに低減することができる。
一形態において、形成される膜表面の、光の反射を抑制するために、有機系又は無機系着色剤により(B2)を黒色に着色することもできる。このような材料として複合化シリカ、導電性シリカ、黒色シリカ等が挙げられる。
複合化シリカとしては、例えば、カーボンブラック(以下単に「CB」ともいう。)とシリカをナノレベルで合成し複合化したものが挙げられる。導電性シリカとしては、例えば、シリカ粒子にCB等の導電性粒子をコーティングしたものが挙げられる。黒色シリカとしては、例えば、珪石の中に黒鉛を含有している天然鉱石が挙げられる。
一方、(B2)と同様に、(B1)の材質も特に限定されず、樹脂系粒子、及び無機系粒子のいずれを用いることもできる。樹脂系粒子としては、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン/メラミン/ホルマリン縮合物、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。一方、無機系粒子としては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、CB等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B1)としては、例えば、着色・導電剤として添加されるCB等を用いることもできる。(B1)として、CBを用いることにより、形成される膜が着色するため、さらに反射防止効果が向上し、かつ良好な帯電防止効果が得られる。
-(C)-
組成物の形成に用いる(C)は、(A)を溶解し、また、該組成物全体の粘度を調整する目的で、配合される。(C)を使用することにより、(A)、さらには、必要に応じて添加されるその他の成分が混合しやすくなり、組成物の均一性を向上させる。また、組成物の粘度を適度に調整することができ、被塗物の表面に膜を形成するときの、組成物の操作性、及び塗布厚の均一性を高くすることが可能となる。
(C)としては、(A)を溶解できる溶媒であれば特に限定されず、有機溶剤、又は水が挙げられる。有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等を用いることができる。(C)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
組成物中の、(C)の含有量(総量)は、上記したような(C)の配合による効果を得るためには、(A)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、好ましくは20質量部以下、である。
-(D)任意成分-
組成物には、上記成分((A)、(B)、(C))以外に、本発明の効果を損なわない程度に、(D)が含まれていてもよい。(D)としては、例えば、レベリング剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、分散剤、消泡剤、硬化剤、反応触媒等が挙げられる。
特に(A)として熱硬化性樹脂を用いる場合、硬化剤を配合することにより、(A)の架橋を促進させることができる。硬化剤としては、官能基をもつ尿素化合物、メラミン化合物、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物等が挙げられる。硬化剤としては、この中でも、イソシアネート化合物が好ましい。硬化剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
組成物中に硬化剤を配合する場合の割合は、(A)100質量部に対して、好ましくは10質量部以上50質量部以下、である。この範囲で硬化剤を添加することにより、形成される膜硬度が高められ、その結果、該膜が他部材と摺動する環境に置かれても、長期に渡り膜表面の性状が維持され、低光沢、高遮光、低反射、及び高い黒色度が保持されやすい。
組成物中に硬化剤を配合する場合、(A)と硬化剤の反応を促進するために、反応触媒を併用することもできる。反応触媒としては、例えば、アンモニアや塩化アンモニウム等が挙げられる。組成物中に反応触媒を配合する場合の割合は、硬化剤100質量部に対し、好ましくは0.1質量部以上10質量部以下、である。
一形態に係る組成物は、被塗物の表面に該組成物を平滑性を保持しながら、スプレーを用いて塗工(スプレー塗装)するという理由から、25℃における粘度が、好ましくは 1mPa・s以上、好ましくは30mPa・s以下、より好ましくは20mPa・s以下、である。組成物の粘度が低すぎると、反射光L3,L4,L5,L6の発生抑制を十分に発現可能な厚みの膜を形成することができない場合がありうる。組成物の粘度が高すぎると、被塗物の表面に組成物を均一に噴霧することが難しく、その結果、厚みが一定で性能バラツキの少ない膜を形成することができない場合がありうる。
上記粘度は、組成物に含まれる成分、即ち、用いた(A)、(B)の種類や分子量等によって異なり、また、上記(A)、(B)の他に、(D)を配合した場合、(D)の種類や分子量等によっても異なるが、組成物中の(C)の量を上述の範囲で調整することにより、容易に調整することができる。
本発明の一形態に係る組成物は、(C)中に、(A)、(B)、必要に応じて(D)を添加して、混合攪拌することにより調製(製造)することができる。各成分を混合する順序は、特に制限されるものではなく、これらの成分が均一に混合されればよい。
本発明の一形態に係る組成物は、1液型であってもよいし、2液型であってもよい。組成物中に(D)として硬化剤を配合する場合、一形態に係る組成物は、例えば、硬化剤以外の成分を含む第1液と、硬化剤を含む第2液と、の2液型であってもよい。
膜の形成方法は特に限定されない。スプレー塗装(例えば、エアスプレー、エアレススプレー、静電気スプレー等)、ペイントブラシ、カーテンフローコーティング、ローラーブラシコーティング、バーコーティング、キスロール、メタリングバー、グラビアロール、リバースロール、ディップコート、ダイコート等の任意の方法、又は装置により、被塗物に対して膜を設けることができる。
特に、一形態に係る組成物は、小さいスプレー穴からの液滴の噴霧が必要な、スプレー塗装により膜を形成することが好ましい。換言すると、一形態に係る、液剤組成物から形成された膜は、スプレー塗装膜である。
一形態に係る組成物を用いたスプレー塗装によると、組成物からなる液滴が被塗物表面に次々と付着し、それと同時に、被塗物に付着した液滴中の(C)の揮発が進む。その結果、液滴から(C)が除去された固形分(粒)が被塗物表面に次々と積み重なり、固形粒積層物を形成する。一形態によると、この固形粒積層物が膜を構成する。
(A)として熱硬化性樹脂を用い、さらに(D)として硬化剤を配合した組成物を用いる場合、被塗物表面に固形粒積層物を付着させた後、その積層物を加熱して硬化させることが好ましい。この際、加熱前積層物中に微量の(C)が残存していても、この加熱によって(C)は完全に揮発する。
加熱条件は、加熱前積層物の厚みや被塗物の耐熱性等により適宜調整すればよい。加熱条件は、一例として、70℃以上150℃以下で1分間以上10分間以下、好ましくは 100℃以上130℃以下で2分間以上5分間以下、である。
反射防止膜9a,9bは、透光カバー3との密着強度が良好となるとともに、膜が形成された面における反射光の発生を抑制可能である限り、その膜厚は特に限定されない。好適な膜厚の一例として、好ましくは2μm以上、より好ましくは5μm以上、好ましくは40μm以下、より好ましくは25μm以下、が挙げられる。
なお、反射防止膜9a,9bの膜厚は、被塗物表面から膜の(B2)、及び(B1)により突出している部分を含む高さのことである。膜厚は、JIS K7130に準拠した方法で測定することができる。
<膜の特性>
一形態に係る組成物から形成される膜の特性は、以下のとおりである。
(光沢度、反射率、光学濃度、L値、密着性)
一形態に係る組成物から形成される膜は、85°光沢度が4%未満、反射率が6%以下、光学濃度が1.5以上、であることが好ましい。
ここで、一形態に係る組成物から形成される膜が最表面に露出している構成であれば、文字どおり、膜表面の、85°光沢度、反射率、及び光学濃度が上記範囲であることが好ましい。一形態に係る組成物から形成される膜上に他の膜が被覆されている場合には、その他の膜の表面、すなわち透光カバー3の最表面の85°光沢度、反射率、及び光学濃度が上記範囲であることが好ましい。以下これらの表面を合わせて「膜最表面」という。
一形態に係る組成物から形成される膜は、膜最表面の、85°光沢度が4%未満、反射率が6%以下、光学濃度が1.5以上、であることが好ましい。膜最表面の、85°光沢度、反射率、及び光学濃度が上記範囲であることにより、膜最表面の、低光沢性、低反射率(優れた反射防止性。以下同じ)、及び高遮光性を実現することができる。
85°光沢度の上限値は、より好ましくは3.5%未満、さらに好ましくは2.5%未満、である。85°光沢度を上記範囲に調整することにより、光の反射を抑えるメリットが得られやすい。85°光沢度の下限値は、特に限定されず、低ければ低いほどよい。
反射率の上限値は、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2.5%以下、である。反射率の下限値は、特に限定されず、低ければ低いほどよい。反射率を上記範囲に調整することにより、センサの誤作動防止のメリットを享受し得る。
光学濃度の下限値は、より好ましくは1.8以上、さらに好ましくは2.0以上、である。光学濃度を上記範囲に調整することにより、遮光性をさらに向上させることができる。光学濃度の上限値は、特に限定されず、高ければ高いほどよいが、例えば3.0未満とする。
一形態に係る組成物から形成される膜は、上記に加え、膜最表面の、L値が22以下であるとよい。L値(黒色度)の上限値は、より好ましくは20以下、さらに好ましくは18以下、である。L値の下限値は、特に限定されない。
上記L値は、膜最表面の、SCE方式による、CIE 1976 L*a*b*(CIELAB) 表色系での明度L*値のことである。SCE方式とは、正反射光除去方式のことであり、正反射光を除去して色を測定する方法を意味する。SCE方式の定義は、JIS Z 8722(2009)に規定されている。SCE方式では、正反射光を除去して測定するため、実際の人の目で見た色に近い色となる。
CIEは、Commission Internationale de l’Eclairageの略称であり、国際照明委員会を意味する。CIELAB表示色は、知覚と装置の違いによる色差を測定するために、1976年に勧告され、JIS Z 8781(2013)に規定されている均等色空間である。CIELABの3つの座標は、L*値、a*値、b*値で示される。L*値は明度を示し、0~100で示される。L*値が0の場合は黒色を意味し、L*値が100の場合は白の拡散色を意味する。a*値は赤と緑の間の色を示す。a*値がマイナスであれば、緑寄りの色を意味し、プラスであれば赤寄りの色を意味する。b*値は黄色と青色の間の色を示す。b*値がマイナスであれば青寄りの色を意味し、プラスであれば、黄色寄りの色を意味する。
上記光沢度、反射率、光学濃度、L値は、後述の方法で測定することができる。
上記特性(光沢度、反射率、光学濃度、L値)に加え、組成物から形成される膜は、さらに、該膜の被塗物表面への密着性が良好であることが好ましい。組成物から形成される膜の、被塗物表面への密着性は、後述の実施例における密着性評価で示すように、塗膜残存が75%以上、が好ましい。
(Rz、Rsm、Rsk、Rku、Ra)
一形態に係る組成物から形成される膜は、膜最表面の、最大高さRzが7μm以上、輪郭曲線要素の長さの平均Rsmが80μm以上、輪郭曲線のスキューネスRskが0.3以下、輪郭曲線のクルトシスRkuが3以上、であることが好ましい。膜最表面の、Rz、Rsm、Rsk、及びRkuが上記範囲であることにより、膜最表面の、光沢度、反射率、及び光学濃度を上記範囲(85°光沢度4%未満、反射率6%以下、光学濃度1.5以上)にでき、その結果、膜最表面の、低光沢性、低反射率、及び高遮光性を実現することができる。
Rzの下限値は、より好ましくは10μm以上、である。Rzの下限値を上記値とすることにより、さらに低光沢性、低反射率、及び高遮光性に調整しやすくなる。
Rzの上限値は特に限定されないが、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下、である。Rzの上限値を上記値にすることにより、膜最表面のさらなる低光沢性、低反射率、及び高遮光性を実現させやすい。
Rsmは、基準長さに輪郭曲線要素の長さの平均を表したものである。Rsmの下限値は、より好ましくは100μm以上、さらに好ましくは120μm以上、である。Rsmの下限値を上記値とすることにより、さらに低光沢のメリットが得られやすい。Rsmの上限値は特に限定されないが、好ましくは160μm以下、である。上記範囲では、被塗物とその上に形成される膜との間でより優れた密着性が得られる。
Rskは、二乗平均平方根高さ(Zq)の三乗によって無次元化した基準長さにおける高さZ(x)の三乗平均を表し、膜最表面凹凸形状の平均線に対する偏り、すなわちひずみ度を表わす指標である。Rskの値がプラス(Rsk>0)であれば、凹凸形状が凹側に偏って突形状が鋭くなり、マイナス(Rsk<0)であれば、凹凸形状が凸側に偏って突形状が鈍くなる傾向である。輪郭曲線の突形状が鈍い方が、鋭いものよりもヘイズは低くなる。
Rskの上限値は、より好ましくは0.2以下、である。Rskの上限値を上記値にすることにより、さらに低光沢のメリットが得られやすい。Rskの下限値は特に限定されないが、好ましくは0以上、である。Rskの下限値を上記値にすることにより、低光沢のメリットが得られやすい。
Rkuは、二乗平均平方根高さ(Zq)の四乗によって無次元化した基準長さにおける高さZ(x)の四乗平均を表し、膜最表面凹凸先端の尖りの程度を示す指標である。Rkuが大きいほど、凹凸部の先端が尖っているものが多くなるので、凹凸の先端部近傍の傾斜角は大きくなるが、他の部分の傾斜角は小さくなり、先端部分の強度が弱くなり塗膜の脱落のデメリットが生じやすくなる傾向がある。また、Rkuが小さいほど、凹凸部の先端が平坦となるものが多くなるので、凹凸の先端部の傾斜角は小さくなり、85°光沢度が上昇するデメリットが生じやすくなる傾向がある。
Rkuの下限値は、より好ましくは3.3以上、である。Rkuの下限値を上記値にすることにより、さらに低光沢のメリットが得られやすい。Rkuの上限値は特に限定されないが、好ましくは5以下、である。Rkuの上限値を上記値にすることにより、低光沢のメリットが得られやすい。
一形態に係る組成物から形成される膜は、膜最表面の、算術平均粗さ(Ra)が、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは1.5μm以上、である。
なお、上述した膜最表面の、Rz、Rsm、Rsk、Rku、及びRaは、JIS B0601:2001に基づいて測定・算出することができる。
(その他の実施形態)
上記の一形態における反射防止膜9は、透光カバー3の少なくとも一方の主面側に下処理なしに直接、又は下処理層を介して形成されることができるが、この態様に限定されない。例えば、極薄のプラスチックフィルム(PETフィルム等)上にスプレー塗装によって反射防止膜9を形成した反射防止膜用シートを準備し、そのシートを透光カバー3の少なくとも一方の主面側の形状に合うようカットしてシート片を得た後、そのシート片を粘着層を介して透光カバー3の少なくとも一方の主面側に貼り付け、最終的に、反射防止膜9を形成する態様であってもよい。
上記の一形態における反射防止膜9は、透光カバー3に形成される場合に限らず、測距装置1の他の構成部材(例えば外装部材2や、LiDARセンサユニット7のハウジング75の、例えば内壁)に形成されていてもよい。反射防止膜9を形成し得る、他の構成部材の材質は、ガラスや樹脂に限らず、金属(例えばSUSやアルミニウム等)であってよい。
(応用例)
上記の一形態に係る測距装置1は、四輪車両(自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等)以外の他の車両(自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ等)、航空機(ドローンを含む)、船舶、ロボット、等の、他の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
上記の一形態に係る測距装置1は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、ゲーム機、テレビ受像機、ウェアラブル端末、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、等の、各種電子機器に搭載することもできる。以下に、スマートフォンに搭載する場合を例示して説明する。
図4に示すように、スマートフォン201は、測距モジュール202、撮像装置203、ディスプレイ204、スピーカ205、マイクロフォン206、通信モジュール207、センサユニット208、タッチパネル209、及び制御ユニット210を有し、これらがバス211を介して接続されて構成される。制御ユニット210では、CPUがプログラムを実行することによって、アプリケーション処理部221、及びオペレーションシステム処理部222としての機能を備える。
測距モジュール202には、図2及び図3のLiDARセンサユニット7が適用される。例えば、測距モジュール202は、スマートフォン201の前面に配置され、スマートフォン201のユーザを対象とした測距を行い、種々の情報を測距結果として出力することができる。図3のプロセッサ8は、図4の制御ユニット210に対応する。
撮像装置203は、スマートフォン201の前面に配置され、スマートフォン201のユーザを被写体とした撮像を行うことにより、そのユーザが写された画像を取得する。なお、スマートフォン201の背面にも撮像装置203が配置された構成(不図示)としてもよい。
ディスプレイ204は、アプリケーション処理部221、及びオペレーションシステム処理部222による処理を行うための操作画面や、撮像装置203が撮像した画像等を表示する。スピーカ205、及びマイクロフォン206は、例えば、スマートフォン201により通話を行う際に、相手側の音声の出力、及びユーザの音声の収音を行う。
通信モジュール207は、通信ネットワークを介した通信を行う。センサユニット208は、速度や加速度、近接等をセンシングし、タッチパネル209は、ディスプレイ204に表示されている操作画面に対するユーザによるタッチ操作を取得する。
アプリケーション処理部221は、スマートフォン201によって様々なサービスを提供するための処理を行う。例えば、アプリケーション処理部221は、測距モジュール202から供給される情報に基づいて、ユーザの表情をバーチャルに再現したコンピュータグラフィックスによる顔を作成し、ディスプレイ204に表示する処理を行ってよい。また、アプリケーション処理部221は、測距モジュール202から供給される情報に基づいて、例えば、任意の立体的な物体の三次元形状データを作成する処理を行ってよい。
オペレーションシステム処理部222は、スマートフォン201の基本的な機能、及び動作を実現するための処理を行う。例えば、オペレーションシステム処理部222は、測距モジュール202から供給される情報に基づいて、ユーザの顔を認証し、スマートフォン201のロックを解除する処理を行ってよい。オペレーションシステム処理部222は、測距モジュール202から供給される情報に基づいて、例えば、ユーザのジェスチャを認識する処理を行い、そのジェスチャに従った各種の操作を入力する処理を行ってよい。
以下、本発明を実験例(実施例、及び比較例を含む)に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実験例に限定されない。以下の記載において、「部」は「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示すものとする。
[組成物の構成成分]
A(樹脂成分)として、以下のものを準備した。
・A1: 熱硬化性アクリル樹脂
(アクリディックA801、DIC社、固形分50%)
B(凹凸形成粒子)に属するB1(小粒子)として、以下のものを準備した。
・B1a: カーボンブラック(CB)(粒子径150nm)
(MHIブラック_#273、御国色素社、CB含有量9.5%)
・B1b: 透明シリカ(粒子径58nm)
(ACEMATT R972、EVONIK社)
Bに属するB2(大粒子)として、以下のものを準備した。
・B2a: 複合シリカ(粒子径3μm)
(ベクシアID、富士シリシア化学社)
・B2b: 黒色アクリルビーズ(粒子径3μm)
(ラブコロール224SMDブラック、大日精化工業社)
・B2c: 透明シリカ(粒子径4.1μm)
(サイリシア430、富士シリシア化学社)
・B2d: 透明シリカ(粒子径8μm)
(サイリシア450、富士シリシア化学社)
・B2e: 透明アクリルビーズ(粒子径3μm)
(ユニパウダーNMB-0320C、JX日鉱日石エネルギー社)
なお、B2a(複合シリカ)に用いたベクシアIDは、CB/シリカ=約25/75(質量比)の、CBとシリカの複合粒子である。B1a(CB)に用いたMHIブラック_#273は、CB分散液であり、該分散液の固形分総量18%のうち9.5%がCB、残り8.5%がその他の化合物である。その他の化合物8.5%のうち3%が銅化合物、5.5%がアクリル樹脂である。
D(任意成分)として、以下のものを準備した。
・D1: イソシアネート化合物
(タケネートD110N、三井化学社、固形分75%)
[被塗物]
被塗物として、評価用サンプルの基板を準備した。評価用サンプルの基板として、黒色ポリカーボネート製のシート材を用い、厚さ(X)方向の板面を両面とも艶消し面に仕上げて作製した矩形のポリカーボネート製平板(縦100mm、横50mm、厚さ1.5mm)を用いた。
[実験例1~17]
1.組成物の作製
表1に示す固形分比となるよう実験例ごとの各成分を、総固形分約25質量%となるよう、(C)希釈溶媒としての必要量の混合溶媒(メチルエチルケトン:酢酸ブチル=50:50)中に入れ、攪拌混合することにより液剤組成物(以下単に「液剤」ともいう。)を調製した。
2.評価用サンプルの作製
各実験例で得られた液剤を、下記(3-1)塗装性と同様の手法によるスプレー塗装によって、被塗物の片面に向けて噴霧した後、120℃で3分間加熱乾燥することにより、被塗物の表面に、平均膜厚が20μmの、スプレー塗装による固形粒積層の加熱後塗膜(以下単に「塗膜」ともいう。)が形成された評価用サンプルを得た。
3.評価
各実験例で得られた液剤について、下記に示す方法で各種特性(塗装性)を評価した(液剤評価)。また、各実験例で得られた評価用サンプルに形成された塗膜について、下記に示す方法で各種特性(特性、表面性状)を評価した(サンプル評価)。結果を表1に示す。
[液剤評価]
(3-1)塗装性
液剤の塗装性は、スプレー塗装による塗装後の塗りムラを観察することにより評価した。
エアー缶(スプレーワークエアーカン420D:タミヤ社)にエアーブラシ(スプレーワークHGシングルエアーブラシ:タミヤ社)を取り付けたエアスプレーを準備し、これに各液剤を注入した。そして、エアーブラシ先端から10cmの距離から、10秒間、被塗物の外表面に向けて噴霧し、形成された固形粒積層物について、目視により塗りムラを評価した。評価基準は、以下のとおりである。
〇:塗りムラ(厚みムラ)は確認されなかった
△:塗りムラが一部、確認された
×:塗りムラが多くの範囲に確認された
[サンプル評価]
(3-2)特性
-光沢度-
各評価用サンプルに形成された塗膜表面の、入射角85°の測定光に対する光沢度(85°鏡面光沢度)は、グロスメータ(VG 7000:日本電色工業社)を用い、JIS Z8741に準拠した方法で光沢度9点測定し、その平均値を光沢度とした。評価基準は、以下のとおりである。
(85°鏡面光沢度)
◎:3.5%未満(非常に優れている)
〇:3.5%以上4%未満(優れている)
×:4%以上(不十分)
-反射率-
各評価用サンプルに形成された塗膜表面の、波長905nmの光に対する反射率を、分光測色計(CM-5:コニカミノルタ社)を用い、JIS Z8722に準拠した方法で、1nm間隔で9点測定し、その測定結果の平均値を反射率とした。評価基準は、以下のとおりである。
◎:反射率が3%以下(低反射性が極めて良好)
〇:反射率が3%を超え6%以下(低反射性が良好)
×:反射率が6%超え(低反射性が不十分)
-遮光性-
各評価用サンプルに形成された塗膜の遮光性は、該塗膜の光学濃度を算出することにより評価した。各評価用サンプルに形成された塗膜の光学濃度は、光学濃度計(X-rite 361T(オルソフィルタ):日本平板機械社)を用い、サンプルの塗膜側に垂直透過光束を照射して、塗膜がない状態との比をlog(対数)で表して算出した。光学濃度6.0以上は測定の検出上限値である。評価基準は、以下のとおりである。
◎:光学濃度が1.8以上(遮光性が極めて良好)
〇:光学濃度が1.5以上1.8未満(遮光性が良好)
×:光学濃度が1.5未満(遮光性が不十分)
-密着性-
各評価用サンプルに形成された塗膜の被塗物表面への密着性は、該塗膜に市販のカッターナイフにて切り込みを碁盤目状に入れ、そこにセロハンテープ(セロテープ、ニチバン社)を貼り付けた後引き剥がし、塗膜の残存状態を目視にて確認することにより評価した。評価基準は、以下のとおりである。
◎:塗膜残存が100%(密着性が極めて高い)
〇:塗膜残存が75%以上100%未満(密着性が高い)
×:塗膜残存が75%未満(密着性が不十分)
-総合評価-
上記光沢度、反射率、遮光性、及び密着性を総合評価した。評価基準は、以下のとおりである。
◎:光沢度、反射率、遮光性、及び密着性の各評価が全て◎
〇:光沢度、反射率、遮光性、及び密着性の各評価のうち少なくとも1つが〇で、いずれも×でない
×:光沢度、反射率、遮光性、及び密着性の各評価のうち少なくとも1つが×
(3-3)表面性状
-Rz値、Rsm値、Rsk値、Rku値、Ra値-
各評価用サンプルに形成された塗膜表面の性状(Rz値、Rsm値、Rsk値、Rku値、Ra値)は、表面粗さ測定機(SURFCOM 480B:東京精密社)を用い、JIS B0601:2001に準拠した方法で測定した。評価基準は、以下のとおりである。
(Rz)
◎:Rzが10μm以上(極めて良好)
〇:Rzが7μm以上10μm未満(良好)
×:Rzが7μm未満(不良)
(Rsm)
◎:Rsmが120μm以上(極めて良好)
〇:Rsmが80μm以上120μm未満(良好)
×:Rsmが80μm未満(不良)
(Rsk)
◎:Rskが0.2以下(極めて良好)
〇:Rskが0.2を超え0.3以下(良好)
×:Rskが0.3超え(不良)
(Rku)
◎:Rkuが3.3以上(極めて良好)
〇:Rkuが3以上3.3未満(良好)
×:Rkuが3未満(不良)
(Ra)
◎:Raが1.5μm以上(極めて良好)
〇:Raが0.5μm以上1.5μm未満(良好)
×:Raが0.5μm未満(不良)
Figure 0007433282000001
4.考察
表1で示すように、膜形成用の液剤中に(B)として(B1)と(B2)の1つ以上を含めなかった場合(実験例6、7、9、11、12)、膜特性の、光沢度、反射率、遮光性、密着性の1つ以上、を満足させることができなかった。一方、(B)として(B1)と(B2)の双方を液剤中に含めたとしても(実験例1~5、8、10)、(B1):1に対する(B2)の質量比が、3.3超(実験例5)であると、膜特性の密着性を満足させることができなかった。また1.8未満(実験例1)であると、膜特性の光沢度を満足させることができなかった。(B1)と(B2)の双方を含め、かつ(B1):1に対する(B2)の質量比範囲が適切(1.8以上3.3以下)であっても(実験例2~4、13~17)、全固形分100質量%中の(B)含有量(総量)が20質量%未満(実験例13)か、60質量%超(実験例17)であると、膜特性の、光沢度、反射率、遮光性、密着性、の1つ以上を満足させることができなかった。
これに対し、(B1):1に対する(B2)の質量比範囲が1.8以上3.3以下であり、かつ組成物の全固形分総量100質量%に対する(B)の含有総量が20質量%以上60質量%以下であると(実験例2~4、8、10、14~16)、液剤の塗装性、並びに、膜特性、及び膜性状、のすべてを満足させることができた。
1… 測距装置
2… 外装部材
5… 収容室
6… ランプユニット
7… LiDARセンサユニット
71… 発光素子
73… 受光素子
75… ハウジング
3… 透光カバー
9,9a,9b… 反射防止膜
8… プロセッサ(制御部)
200… 物体(測定対象)
201… スマートフォン(電子機器の一例)
202… 測距モジュール(測距装置1)
203… 撮像装置
204… ディスプレイ
205… スピーカ
206… マイクロフォン
207… 通信モジュール
208… センサユニット
209… タッチパネル
210… 制御ユニット(プロセッサ8)
221… アプリケーション処理部
222… オペレーションシステム処理部
211… バス

Claims (10)

  1. 物体までの距離を測定するための検出光を出射する発光素子と、
    入射光量に応じた受光信号を出力する受光素子と、
    発光素子と受光素子を覆う透光カバーと、を有する測距装置において、
    透光カバーは、少なくとも一方の主面側に反射防止膜を有し、
    反射防止膜は、液剤組成物から形成されたスプレー塗装による、厚さが2μm以上40μm以下の膜からなり、
    液剤組成物は、(A)、(B)、及び(C)を少なくとも含み、
    (B)は、組成物の全固形分の総量100質量%中に、20質量%以上60質量%以下で含有され、
    (B)は、(B1)及び(B2)を90質量%以上含み、(B1):1に対する(B2)の質量比が1.8以上3.3以下である、測距装置。
    (A)樹脂成分
    (B)凹凸形成粒子
    (B1)粒子径(d1)が0.05μm以上0.4μm以下の無機系小粒子
    (B2)粒子径(d2)が2μm以上6μm以下の無機系大粒子
    (C)希釈溶媒
  2. (B2)はシリカを含む、請求項1に記載の測距装置。
  3. シリカは、着色剤によって黒色化した複合シリカを含む、請求項2に記載の測距装置。
  4. (B1)はカーボンブラックを含む、請求項1~3のいずれかに記載の測距装置。
  5. 膜が形成された面の最表面の、
    入射角度85°の入射光に対する光沢度が4%未満、
    波長905nmの光に対する反射率が6%以下で、かつ
    光学濃度が1.5以上、
    である請求項1~4のいずれかに記載の測距装置。
  6. 膜が形成された面の最表面の、
    JIS B0601:2001における最大高さRzが7μm以上、
    輪郭曲線要素の長さの平均Rsmは80μm以上、
    輪郭曲線のスキューネスRskが0.3以下で、かつ
    輪郭曲線のクルトシスRkuが3以上、
    である請求項5に記載の測距装置。
  7. 発光素子及び受光素子は、LiDARセンサユニット、ToFカメラユニット、及びミリ波レーダユニット、からなる群から選ばれる少なくとも1つの、一部である、請求項1~6のいずれかに記載の測距装置。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載の測距装置を備えた電子機器。
  9. 請求項1~7のいずれかに記載の測距装置を備えた移動体。
  10. 物体までの距離を測定するための検出光を出射する発光素子と、入射光量に応じた受光信号を出力する受光素子と、を覆う透光カバーを有する測距装置の、少なくとも透光カバーに形成される反射防止膜であって、
    液剤組成物から形成されたスプレー塗装による、厚さが2μm以上40μm以下の膜からなり、
    液剤組成物は、(A)、(B)、及び(C)を少なくとも含み、
    (B)は、組成物の全固形分の総量100質量%中に、20質量%以上60質量%以下で含有され、
    (B)は、(B1)及び(B2)を90質量%以上含み、(B1):1に対する(B2)の質量比が1.8以上3.3以下である、反射防止膜。
    (A)樹脂成分
    (B)凹凸形成粒子
    (B1)粒子径(d1)が0.05μm以上0.4μm以下の無機系小粒子
    (B2)粒子径(d2)が2μm以上6μm以下の無機系大粒子
    (C)希釈溶媒

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