JP7432044B1 - 皮膚の弛み予防改善シート - Google Patents

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Abstract

【課題】皮膚の弛みの予防・改善を可能とする、皮膚の弛み予防改善シートを提供する。【解決手段】伸縮性機能を有し、皮膚の弛み部分を覆う予防改善部と、前記予防改善部を皮膚に密着させて保持する機能を有する粘着部と、前記粘着部を保護する機能を有する剥離部と、前記予防改善部内に持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させる機能を有する収縮力温存部とを備え、下層から前記剥離部、前記粘着部、前記予防改善部、および前記収縮力温存部の順に設けられており、前記予防改善部の原料である溶液ポリマーを成形する際に生じる内部応力を、前記予防改善部内に持続的伸張負荷に抗する収縮力として有し、使用時に、前記皮膚の弛み部分に貼付した後に前記収縮力温存部を取り除き、前記予防改善部内の前記持続的伸張負荷に抗する収縮力を放出させる。【選択図】図1

Description

本発明は、加齢や重力等による持続的伸張負荷を原因とする皮膚の弛みを予防改善するための、皮膚の弛み予防改善シートに関する。
古今東西、皮膚の弛みに悩む人々は数多く存在する。そもそも、皮膚の弛みとは、皮膚の水分や皮下脂肪の減少、真皮内の弾力線維や結合織線維の退化、変性、萎縮等により、皮膚の弾力性が失われて緩みができた状態のものを言う。皮膚の弛みは、加齢に伴う皮膚の老化現象の一種で、20歳頃から出現し、紫外線、寒冷、化粧品や外用薬の多用等の外因が増強因子となり、予防には、これらの外因を避け、栄養状態をよくし、精神および身体の過労を避けること等が大切であるとされている厄介なものである。治療としては、美容外科において、弛んだ皮膚を切り取る「弛み取り術」、あるいは、コラーゲンやヒアルロン酸注射術が行われている。しかし、その効果は、美容外科医の施術技術に委ねられ、術後のトラブルも稀ではなく、時には後戻りができないというリスクを背負うという問題があった。
一部では、伸縮性テープを顔の「しわのばし」に使用した医療補助用伸縮性テープ(例えば、特許文献1参照)があり、特許文献1の明細書段落[0010]には、「[実施例]図11は実施例1の抗炎症剤を混入しない本発明テ-プの実施例で且つ用途の実施例であるが、目尻などの「しわ」をはさむようにしてテ-プを貼付しセパレ-タ-(4)を剥離すると、テ-プは縦方向即ち矢印(A″)方向に収縮するから、「しわ」は引き伸ばされ美顔用としても効を奏する。」と記載され、伸縮性テープによる、顔の「しわのばし」の方法が提案されている。しかし、上述の実施例では、上記本発明テ-プ13の収縮力により、目尻の「しわ」を引き伸ばすことは可能ではあるが、本発明テ-プ13を取り除けば、目尻の「しわ」は元に戻る。また、持続的伸張負荷に対する皮膚の生理的性質への考慮を怠ると、望まぬ結果を生じさせることも稀ではないという問題を含んでいる。そのため、上記テープを含む従来の医療用テープでは、医療用テープを「皮膚の弛みのばし」の用途として貼付し、それにより皮膚の弛みを予防することは容易ではなく、さらに、医療用テープによって皮膚の弛みの改善を可能とする術はなく、このような不利を適切に解決できる手段がなかったのが現状である。
特開平06-339495号公報
本発明は、上記の事情に鑑み、皮膚の弛みの予防に留まらず、改善をも可能とする使用効果の高い、皮膚の弛み予防改善シートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明の皮膚の弛み予防改善シートは、加齢や重力等による持続的伸張負荷を原因とする皮膚の弛みを予防改善するためのシートであって、伸縮性機能を有し、皮膚の弛み部分を覆う予防改善部と、前記予防改善部を皮膚に密着させて保持する機能を有する粘着部と、前記粘着部を保護する機能を有する剥離部と、前記予防改善部内に持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させる機能を有する収縮力温存部とを備え、下層から前記剥離部、前記粘着部、前記予防改善部、および前記収縮力温存部の順に設けられており、前記予防改善部の原料である溶液ポリマーを成形収縮する際に生じる内部応力を、前記予防改善部内に持続的伸張負荷に抗する収縮力として有し、使用時に、前記皮膚の弛み部分に貼付した後に前記収縮力温存部を取り除き、前記予防改善部内の前記持続的伸張負荷に抗する収縮力を放出させることを特徴としている。
本発明の皮膚の弛み予防改善シートは、持続的伸張負荷に対する皮膚の生理的性質に着目し、前記シートの予防改善部の原料である溶液ポリマーを成形収縮する際に生じる内部応力を利用することで、加齢や重力等による持続的伸張負荷を原因とする皮膚の弛みに対し、皮膚の弛み部分が被る持続的伸張負荷を減少させる効果が極めて高い。また、持続的伸張負荷が除かれると皮膚は縮み、張りのある皮膚へと元に戻るという皮膚の生理的性質を効率よく働かせることができ、皮膚の弛みの予防に留まらず、改善をも可能とし、使用効果の高い機能を備える。特に、美容外科において「弛み取り術」が困難とされる、頚部や手の甲等に対しても、使用者自身が安全かつ容易に効率よく使用することができ、使用効果の高い、皮膚の弛み予防改善シートを提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態を示す皮膚の弛み予防改善シートの未貼付時の状態を示す概略断面図である。 図2は、図1に示した皮膚の弛み予防改善シートの剥離部4を取り除き、粘着部3により皮膚6に密着させて保持させた貼付時の状態を示す概略断面図である。 図3は、図2に示す状態から収縮力温存部5を取り除いた状態を示す概略断面図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態を示す皮膚の弛み予防改善シートの製造過程を示す概略断面図であり、後に予防改善部2となる溶液ポリマー1を収縮力温存部5の上層に塗布した工程を示す。 図5は、本発明の第1の実施の形態を示す皮膚の弛み予防改善シートの製造過程を示す概略断面図であり、溶液ポリマー1を製膜し、持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させた状態で予防改善部2と収縮力温存部5を積層する工程を示す。
本発明者は、鋭意研究を重ねていく過程で、持続的伸張負荷に対する皮膚の生理的性質に着目した。皮膚には、持続的伸張負荷が加わると皮膚は伸び、持続的伸張負荷が除かれると皮膚は縮み、張りのある皮膚へと元に戻るという生理的性質がある。例えば、皮膚が伸びる一例として、イヤリングの長期間使用による耳垂(耳たぶ)の変化が挙げられる。これは、イヤリングの重さが、耳垂(耳たぶ)の皮膚に対する持続的伸張負荷となり、持続的伸張負荷が加わると皮膚は伸びるという生理的性質に従い、耳垂(耳たぶ)の皮膚が伸びる。この現象は、イヤリングが重く、使用期間が長いほど顕著となる。ここで、イヤリングの使用を継続的に中止する。すると、一定期間の経過の後、耳垂(耳たぶ)の皮膚は徐々に縮み始め、張りのある皮膚へと元に戻る。これは、耳垂(耳たぶ)の皮膚からイヤリングの重さが取り除かれ、持続的伸張負荷が軽減された状態となり、持続的伸張負荷が除かれると皮膚は縮み、張りのある皮膚へと元に戻るという生理的性質に従い、変化したことを意味する。耳垂(耳たぶ)の皮膚に限らず、人体のどの部位においても皮膚の生理的性質は生じる。それは、腹部の皮膚においても同様で、胎児の成長と共に妊婦の腹部の皮膚が伸び、出産後に腹部の皮膚が徐々に縮んでいくのも、胎児の重さが妊婦の腹部の皮膚に対する持続的伸張負荷となり、持続的伸張負荷の増減に、皮膚の生理的性質が従うためである。なお、イヤリングの重さが耳垂(耳たぶ)の皮膚に対する持続的伸張負荷となる問題は、イヤリングの使用中止により、胎児の重さが妊婦の腹部の皮膚に対する持続的伸張負荷となる問題は、出産により解決される。但し、持続的伸張負荷が加わると皮膚は伸びるという性質は、持続的伸張負荷により、皮膚が際限なく伸びるというものではない。例えば、胎児の重さが妊婦の腹部の皮膚に対する持続的伸張負荷となり、腹部の皮膚は伸びていくが、多胎妊娠や小柄な妊婦等では、腹部の皮膚への追従可能な限度を超えた過剰な持続的伸張負荷となる。その結果、真皮や皮膚組織の一部に断裂が生じ、妊娠線と呼ばれる赤紫色で凹凸している線が出現する。妊娠線は妊娠時だけでなく、肥満等に伴う皮膚への過剰な持続的伸張負荷によっても生じる。
次に、顔面の皮膚について考察する。顔面の皮膚は、その下層に位置する表情筋の動き(収縮)による伸張負荷を受けるため、国や地域の文化や言語等の異なりにより、顔面の皮膚の弛みの発生が異なる。ここで、日本人と欧米人の顔の表情の異なりを例に説明する。日本人の顔の表情は、近年の欧米化等により急速な変化を遂げているが、伝統的には、幼年期から感情をはっきり顔に出すことは差し控えるように訓練され、喜怒哀楽や愛憎の表現を意識的に抑制する。これは、感情表現の抑制、特に否定的な感情表現を抑えることが、日本人にとっては大人らしい、思慮深い教養ある行為とされているからである。一方、欧米人の顔の表情は、自由に、表情豊かに、感情をはっきり顔に出す。楽しさ、嬉しさ、共感のような積極的な感情でも、悲しみなどの否定的な感情でも、同程度に感じるままを表に出す。この双方の表情の違いによって、日本人の顔面の皮膚は欧米人より、表情筋の動き(収縮)による伸張負荷を受ける回数や時間が少なく、顔面の皮膚の弛みの発生が少なくなり、日本人は欧米人より、見掛け年齢が実年齢より若く評価される一因となっている。また、立位で正面から撮影された顔は、現在の顔、仰臥位で上から撮影された顔は、過去の顔、お辞儀をし下から撮影された顔は、将来の顔、と語られる程、姿勢の変化に伴い顔面の皮膚に対する重力の方向は変化し、その影響により顔面の皮膚の弛みにも変化が生じる。そして、皮膚の厚みは均一ではなく、部位や個人差によって異なり、下層に位置する筋肉や腱等による様々な持続的伸張負荷を受けるため、重力による、皮膚の自重が皮膚に対する持続的伸張負荷となる問題の解決は容易ではない。なぜなら、成人では、皮膚全体を一枚に広げると約1.6m、畳一枚程度の面積があり、その重さは皮下組織も含めると体重の16%にも及ぶ。体重50kgの場合、皮膚の重さは8kgとなる。よって、皮膚の自重が皮膚に対する持続的伸張負荷となり、持続的伸張負荷が加わると皮膚は伸びるという皮膚の生理的性質を働かせてしまう問題の解決には、より積極的に皮膚の自重に抗し、皮膚を持続的に収縮させることが不可欠となる。
さらに、持続的伸張負荷を原因とする皮膚の弛みを予防改善するためには、皮膚の弛み部分をわずかに収縮させ、その周辺の皮膚を引き伸ばさない程度の拡大鏡又は顕微鏡レベルといえるような軽微な収縮力が有効である。なぜなら、弛み部分の皮膚は、文字通り、周辺の皮膚より弛んでいるため、弛み部分の皮膚は周辺の皮膚より張りがなく、弱い収縮力により持続的伸張負荷を取り除くことができるからである。また、強い収縮力により、弛み部分の皮膚に加わる持続的伸張負荷を取り除くことも可能ではあるが、強い収縮力を弛み部分の皮膚に加え、弛み部分の皮膚に加わる持続的伸張負荷を取り除けば、その強い収縮力は、弛み部分の周辺の皮膚にも加わり、結果として、弛み部分の周辺の皮膚に対する持続的伸張負荷となる。すると、弛み部分の皮膚は、持続的伸張負荷が除かれると皮膚は縮み、張りのある皮膚へと元に戻るという皮膚の生理的性質に従い縮んでいくが、弛み部分の周辺の皮膚は、持続的伸張負荷が加わると皮膚は伸びるという皮膚の生理的性質に従い伸びていき、望まぬ結果が生じかねない。よって、皮膚の弛みを予防改善するために有効な収縮力は、皮膚の弛み部分をわずかに収縮させ、その周辺の皮膚を引き伸ばさない程度の拡大鏡又は顕微鏡レベルといえるような軽微な収縮力である。具体的には、弛み部分の周辺の皮膚に突っ張り感を生じさせない程度の軽微な収縮力が望ましい。本発明の皮膚の弛み予防改善シートは、皮膚の弛み部分に貼付されて、まさに、この軽微な収縮力を皮膚の弛み部分に付与する機能を有するものである。
ここでは、持続的伸張負荷とは、持続的な伸張をもたらす負荷をいう。持続的伸張負荷の例として、上述のように、顔面の皮膚の下層に位置する表情筋の動き(収縮)、重力、自重等が挙げられ、その影響は複合的であるが、顔面の皮膚に対する持続的伸長負荷の影響は、重力による持続的伸長負荷より、表情筋による持続的伸長負荷の影響が大きい。よって、持続的伸張負荷に抗する方向とは、特定の方向を示すものではない。ここで、弛み部分の皮膚を収縮させた場合、一時的に、見た目では、弛み部分にしわが生じることがあり、一見すると、弛み部分の周辺の皮膚に対する持続的伸張負荷が増加して弛みの予防改善につながらないかの如き印象を与えるが、しかし、弛み部分の皮膚を収縮させたことで、弛み部分に加わる持続的伸長負荷を減少させることができ、本発明は、軽微な収縮力を弛み部分に付与する構成を採用することにより、上記の点に十分に留意しているため、弛み部分全体としては持続的伸張負荷に抗する方向へ収縮させ、弛みの予防改善を可能とするものである。
ここからは、持続的伸張負荷に対する皮膚の生理的性質に基づき、段落[0003]に記載された特許文献1の伸縮性テープを顔の「しわのばし」に使用した医療補助用伸縮性テープについて考察する。該伸縮性テープでは、目尻のしわをはさむようにテ-プを貼付し、テ-プの収縮力でしわを引き伸ばせば、美顔用としての効を奏する。しかし、この手段を継続すると、テ-プの収縮力が目尻のしわを上下へ引き伸ばす力として働き、目尻のしわを上下へ引き伸ばす力が目尻のしわの部分の皮膚に対する持続的伸張負荷となり、目尻のしわの部分の皮膚は、皮膚の生理的性質に従い徐々に伸び、医療補助用伸縮性テープを取り除けば、目尻のしわは深くなり、結果として継続使用は逆効果を生む。一方、目尻の弛み部分の皮膚を伸縮性テープやシートで覆い、その周辺の皮膚を引き伸ばさない程度の拡大鏡又は顕微鏡レベルといえるような軽微な収縮力により、皮膚の弛み部分をわずかに収縮させ、目尻の弛み部分の皮膚を縮ませることができれば、目尻の弛み部分の皮膚に加わっていた持続的伸張負荷を取り除くことができる。そして、継続使用により、目尻の弛み部分の皮膚を皮膚の生理的性質に従い徐々に縮ませ、張りのある皮膚へと元に戻すことで、目尻の弛み予防に留まらず、改善をも可能とすることができるとの知見を得た。さらに、美容外科において「弛み取り術」が困難とされる、頚部や手の甲等に対しても、使用者自身が安全かつ容易に効率よく使用することが可能となる。このように、皮膚の弛みを予防改善するためには、伸縮性テープやシートの収縮力を持続的伸張負荷に対し適切に活用することが肝要となる。
ここで、皮膚の弛み予防改善シートに持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させ、該皮膚の弛み予防改善シートを皮膚の弛み部分に貼付した後に、皮膚の弛み部分に対し温存させた持続的伸張負荷に抗する収縮力を放出させ、皮膚の弛み予防改善シートの持続的伸張負荷に抗する収縮力を活用させることは、皮膚の弛みを予防改善するための有効な手段となる。この有効な手段を、皮膚の弛み予防改善シートに機能として取り入れることで、美容外科に委ねなくとも、使用者自身で皮膚の弛みに対応することができ、皮膚の弛みの予防に留まらず、改善をも可能とすることができる。これらの観点から見ると、従来の「しわのばし」の用途として貼付する医療用テープにおいては、皮膚の弛みを予防改善するために必要な、持続的伸張負荷に抗する収縮力に対する考慮がなされていないことがわかる。
そこで、本発明者は、適切な持続的伸張負荷に抗する収縮力を生み出し、その持続的伸張負荷に抗する収縮力を活用させ、美容外科に委ねなくとも、使用者自身で皮膚の弛みに対応することができ、皮膚の弛みの予防に留まらず、改善をも可能とすることのできる機能を備えた皮膚の弛み予防改善シートを提供するために、溶液ポリマーを成形収縮する際に生じる内部応力を、持続的伸張負荷に抗する収縮力、具体的には、前述した「弛み部分の周辺の皮膚に突っ張り感を生じさせない程度の軽微な収縮力」として利用することに着目した。そして、該皮膚の弛み予防改善シートを構成する予防改善部の素材として、皮膚に加わる持続的伸張負荷に抗する収縮力を生み出し、その持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させることができ、皮膚の弛み部分を覆うことが可能な大きさに製膜することが可能で、製膜後に伸縮性機能を有し、並行して収縮力温存部との積層が可能な溶液ポリマー素材を選択した。次に、粘着部の素材として、予防改善部を皮膚に密着させて保持する機能を有する医療用粘着剤を選択した。次に、剥離部の素材として、粘着部を保護する機能を有する、上質紙の表面に剥離剤をコーティングした剥離紙を選択した。
次に、収縮力温存部の素材として、予防改善部内に持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させる機能を有する素材の中から、製造工程において、後に予防改善部となる溶液ポリマーを塗布し、予防改善部の製膜と積層が可能で、皮膚の弛み予防改善シートの使用時に、該皮膚の弛み予防改善シートを任意の長さや任意の形状に加工することが可能で、予防改善部を粘着部で皮膚に密着させて保持した後に、予防改善部から取り除くことが容易な非伸縮素材を選択し、本発明を構成する各部の各素材が有する機能を利用して、皮膚の弛み予防改善シートを構成することを着想した。これらの素材を組み合わせることにより、適切な持続的伸張負荷に抗する収縮力を生み出し、その持続的伸張負荷に抗する収縮力を活用するための手段を皮膚の弛み予防改善シートに機能として取り入れることができ、皮膚の生理的性質を効率よく働かせることができ、美容外科に委ねなくとも、使用者自身で皮膚の弛みに対応することができ、皮膚の弛みの予防に留まらず、改善をも可能とする皮膚の弛み予防改善シートを提供することができるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、皮膚の弛み予防改善シートを構成する素材の適切な選択・組み合わせによって、皮膚の弛み部分を予防改善部で覆い、該シートを貼付した後に収縮力温存部を取り除き、温存させていた持続的伸張負荷に抗する収縮力を放出させることを基本とする。本発明において、伸縮性機能を有し、皮膚の弛み部分を覆う予防改善部と、前記予防改善部を皮膚に密着させて保持する機能を有する粘着部と、前記粘着部を保護する機能を有する剥離部と、前記予防改善部内に持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させる機能を有する収縮力温存部とを備え、該シートを貼付した後に収縮力温存部を取り除き、温存させていた持続的伸張負荷に抗する収縮力を放出させることが必須である。
図1から図3に示す本発明の第1の実施の形態である皮膚の弛み予防改善シートでは、伸縮性機能を有し、皮膚の弛み部分を覆う予防改善部2と、予防改善部2を皮膚6に密着させて保持する機能を有する粘着部3と、粘着部3を保護する機能を有する剥離部4と、予防改善部2内に持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させる機能を有する収縮力温存部5から構成される。
図1は、本発明の第1の実施の形態である皮膚の弛み予防改善シートの未貼付時の状態を示す概略断面図である。第1の実施の形態である皮膚の弛み予防改善シートは、予防改善部2の上層に、非伸縮性のプラスチックフィルムを収縮力温存部5として備えており、予防改善部2と収縮力温存部5は、収縮力温存部5により、予防改善部2内に持続的伸張負荷に抗する収縮力を有する状態で積層され、剥離可能となっている。そして、予防改善部2に対して収縮力温存部5とは反対側の面に、予防改善部2を皮膚に密着させて保持する機能を有する粘着部3を備え、粘着部3の下層に、粘着部3を保護する機能を有する剥離部4を備えている。なお、符号2は、予防改善部、符号3は、粘着部、符号4は、剥離部、符号5は、収縮力温存部、符号6は、皮膚である。
図2および図3は、該皮膚の弛み予防改善シートの貼付時の状態を示す概略断面図である。図2では、剥離部4が取り除かれ、粘着部3により皮膚6に密着させて保持されており、図3では、収縮力温存部5が取り除かれている。収縮力温存部5を取り除くことにより、予防改善部2内に存在する、持続的伸張負荷に抗する収縮力は放出され、予防改善部2の全長は、温存されていた持続的伸張負荷に抗する収縮力が放出された分だけ短くなる。
図4および図5は、本発明の第1の実施の形態である皮膚の弛み予防改善シートの製造過程において、予防改善部の原料である溶液ポリマーの成形の際に生じる内部応力を持続的伸張負荷に抗する収縮力として利用するため、持続的伸張負荷に抗する収縮力を予防改善部内に存在させる様子を示す概略断面図である。図4は、本発明の第1の実施の形態を示す皮膚の弛み予防改善シートの製造過程を示す概略断面図であり、後に予防改善部2となる溶液ポリマー1を収縮力温存部5の上層に塗布した工程を示す。第1の実施の形態である皮膚の弛み予防改善シートでは、予防改善部2内に持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させる機能を有する収縮力温存部5として、水平形状に成形した非伸縮性の板状のプラスチックフィルムを選択し、収縮力温存部5の上層に、後に予防改善部2となるポリウレタンフィルムの原料である溶液ポリマー(ウレタン樹脂液と架橋剤液)1を塗布した様子を示している。この時、溶液ポリマーの断面形状は、溶液ポリマーの上底1a(収縮力温存部5に付着していない部分)と溶液ポリマーの下底1b(収縮力温存部5と積層された状態でよく付着している部分)は、図4に示すように同じ長さとなり、長方形となる。なお、符号1は、溶液ポリマー、符号1aは、溶液ポリマーの上底、符号1bは、溶液ポリマーの下底、符号5は、収縮力温存部である。
図5は、本発明の第1の実施の形態を示す皮膚の弛み予防改善シートの製造過程を示す概略断面図であり、図4に示した収縮力温存部5の上層に、後に予防改善部2となる溶液ポリマー1を塗布した状態から、溶液ポリマーの上底1aを自由に収縮させないように、溶液ポリマー1を速やかに硬化させ、溶液ポリマー1を製膜し、予防改善部2を得て、並行して持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させた状態で予防改善部2と収縮力温存部5を積層させ、収縮力温存部5により、予防改善部2内に持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させた様子を示している。図4に示した時点では、溶液ポリマー1の断面形状は、長方形であった。その後、図5で示すように、予防改善部2内に持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させた状態で溶液ポリマー1の製膜を完了するために、溶液ポリマー1を速やかに硬化させて製膜し、予防改善部2を得て、並行して予防改善部2と収縮力温存部5との積層を完了させ、収縮力温存部5により、予防改善部2内に持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させる。その結果、予防改善部2の製膜と並行して収縮力温存部5と積層される状態でよく付着している予防改善部の下底2bでは、溶液ポリマー1の成形収縮に伴う内部応力の影響による収縮は生じない。
一方、図5に示すように、予防改善部の上底2aでは、収縮力温存部5に付着していないため、溶液ポリマー1の成形収縮に伴う内部応力の影響により若干収縮しているが、予防改善部2内に持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させた状態で溶液ポリマー1の製膜を完了するために、溶液ポリマー1を速やかに硬化させ製膜しているため、溶液ポリマーの上底1aは、自由に収縮することができず、予防改善部2の断面形状は、予防改善部の下底2bより予防改善部の上底2aが若干短い台形状となっている。このことは、予防改善部2内に持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させた状態で溶液ポリマー1の製膜を完了させ、並行して予防改善部2と収縮力温存部5との積層を完了させる様子を示し、さらに、収縮力温存部5により、予防改善部2内に持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させることができたことも示している。なお、符号2は、予防改善部、符号2aは、予防改善部の上底、符号2bは、予防改善部の下底、符号5は、収縮力温存部である。
該皮膚の弛み予防改善シートは、皮膚の弛み部分に密着させ、粘着部で保持する。その後、収縮力温存部を取り外す。該収縮力温存部は、持続的伸張負荷に抗する収縮力を予防改善部に温存させる役目を担うため、収縮力温存部が取り除かれることにより、予防改善部内に温存された状態の持続的伸張負荷に抗する収縮力は、粘着部で密着させて保持された皮膚の弛み部分に対して放出される。この時、放出された持続的伸張負荷に抗する収縮力は、皮膚の弛み部分へ効率よく作用し、予防改善部により覆われた皮膚の弛み部分を持続的伸張負荷に抗する方向へ収縮させ、皮膚の弛み部分の皮膚を縮めさせることにより、皮膚の弛み部分の皮膚に加わっていた持続的伸張負荷を取り除くことができる。すると、前記シートの継続使用により、皮膚の弛み部分の皮膚は、皮膚の生理的性質に従い徐々に縮み、張りのある皮膚へと元に戻り、皮膚の弛みの予防に留まらず、改善をも可能とすることができる。
一例として、該皮膚の弛み予防改善シートを目尻の弛み部分の皮膚に用いれば、予防改善部により覆われた目尻の弛み部分の皮膚を持続的伸張負荷に抗する方向へ収縮させ、目尻の弛み部分の皮膚を縮めさせることにより、目尻の弛み部分の皮膚に加わっていた持続的伸張負荷を取り除くことができ、継続使用により、目尻の弛み部分の皮膚は、皮膚の生理的性質に従い徐々に縮み、張りのある皮膚へと元に戻り、目尻の弛みの予防に留まらず、改善をも可能とすることができる。よって、加齢や重力等による持続的伸張負荷を原因とする皮膚の弛みを予防改善するための手段を、前記予防改善部の原料である溶液ポリマーを成形収縮する際において、皮膚の弛み予防改善シートに機能として取り入れることができ、特に、美容外科において「弛み取り術」が困難とされる、頚部や手の甲等に対しても、使用者自身が安全かつ容易に効率よく使用することができ、使用効果の高い皮膚の弛み予防改善シートを提供することが可能となる。
具体的には、本発明の第1の実施の形態において、ポリウレタンフィルムの素材となるウレタン樹脂液と架橋剤液を、溶液ポリマー1とし、溶液ポリマー1で製膜されたポリウレタンフィルムを、伸縮性機能を有し、皮膚の弛み部分を覆う予防改善部2とし、アクリル系粘着剤を、予防改善部2を皮膚に密着させて保持する機能を有する粘着部3とし、上質紙の表面に剥離剤をコーティングした剥離紙を、粘着部3を保護する機能を有する剥離部4とし、溶液ポリマー1の成形収縮に伴う内部応力を、予防改善部2内に温存させる持続的伸張負荷に抗する収縮力とし、非伸縮性の板状のプラスチックフィルムを、該予防改善部2内に持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させる機能を有する収縮力温存部5とした。製造工程では、収縮力温存部5である非伸縮性の板状のプラスチックフィルムの上層に、溶液ポリマー1であるウレタン樹脂液と架橋剤液を塗布し、次に、予防改善部2内に持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させた状態で溶液ポリマー1の製膜を完了するために、溶液ポリマー1を速やかに硬化させて製膜し、予防改善部2を得て、並行して予防改善部2と収縮力温存部5との積層を完了させ、収縮力温存部5により、予防改善部2内に持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させる。
第1の実施の形態では、溶液ポリマーの素材として、ウレタン樹脂液と架橋剤液を用いたが、収縮力温存部の上層に塗布し、予防改善部内に持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させた状態で溶液ポリマーの製膜を完了し、並行して予防改善部と収縮力温存部との積層も完了させ、収縮力温存部により、予防改善部内に持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させることが可能な溶液ポリマー素材であればよく、その他の新素材等を用いてもよく、異なる溶液ポリマー素材を混合又は積層してもよい。また、溶液ポリマーの成形収縮に伴う内部応力を予防改善部内に温存させる持続的伸張負荷に抗する収縮力とした場合、溶液ポリマーを速やかに硬化させる程、該収縮力は増加するが、予防改善部内に温存させる持続的伸張負荷に抗する収縮力の強さは任意でよく、本発明の効果を奏することができる限りにおいて特に限定されるものではない。
また、第1の実施の形態では、持続的伸張負荷に抗する収縮力の収縮方向を求心性(全方向)としたが、持続的伸張負荷に抗する収縮力を効率よく発揮させる目的で、持続的伸張負荷に抗する収縮力の収縮方向を一方向(縦方向)に限定してもよく、また、用途や利便性等に応じ、温存させる収縮力の強さや方向等は任意でよく、本発明の効果を奏することができる限りにおいて特に限定されるものではない。また、収縮力温存部の素材として、水平形状に成形した非伸縮性の板状のプラスチックフィルムを用いたが、予防改善部内に持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させる機能を有し、該皮膚の弛み予防改善シートの使用時に、任意の長さや任意の形状に加工することが可能であればよく、用途や利便性に応じ、板状のプラスチックフィルムに切れ目を入れてもよく、その切れ目を覆う剥離可能な帯状のテープを備えてもよく、本発明の効果を奏することができる限りにおいて素材や形状等による制限を受けない。
また、粘着部の素材は、アクリル系粘着剤を用いたが、予防改善部を皮膚に密着させて保持する機能を有し、医療用として使用可能な粘着剤であればよく、用途に応じ、粘着剤を塗布する部位は一部もしくは全部でもよく、素材や形状等による制限を受けない。また、予防改善部に対して収縮力温存部とは反対側の面に粘着部及び剥離部を積層する時期は任意でよく、製造設備や製造効率等により、溶液ポリマーの製膜が完了する以前でもよく、本発明の効果を奏することができる限りにおいて特に限定されるものではない。また、本発明の第1の実施の形態では、上質紙の表面に剥離剤をコーティングした剥離紙を剥離部として備えたが、剥離部は粘着部を保護する機能を有していればよい。例えば、該皮膚の弛み予防改善シートの形状をロール状とし、収縮力温存部の表面に剥離剤をコーティングして剥離部としてもよい。
該皮膚の弛み予防改善シートでは、図4および図5で示すように、製造工程において、予防改善部に持続的伸張負荷に抗する収縮力を備えさせた状態で溶液ポリマーの製膜を完了し、並行して予防改善部と収縮力温存部との積層を完了させ、収縮力温存部により、予防改善部に持続的伸張負荷に抗する収縮力を保持した予防改善部を得る。なお、製造工程において、溶液ポリマーの上底を、溶液ポリマーの成形収縮に伴う内部応力により、制限なしに自由に収縮させ、その後、硬化させて製膜を完了させて予防改善部を得て、並行して収縮力温存部と積層させた場合は、予防改善部の下底には、溶液ポリマーの成形収縮に伴う内部応力が存在するが、予防改善部の上底には、溶液ポリマーの成形収縮に伴う内部応力は存在せず、この場合、収縮力温存部を取り除いても、予防改善部の下底が収縮するのみで、予防改善部全体が収縮することはなく、そのため、予防改善部が有する続的伸張負荷に抗する収縮力は存在せず、本発明の効果を奏することができない。
また、持続的伸張負荷を原因とする皮膚の弛みを予防改善するために、該皮膚の弛み予防改善シートの予防改善部内に温存させる収縮力は、皮膚の弛み部分をわずかに収縮させ、その周辺の皮膚を引き伸ばさない程度の拡大鏡又は顕微鏡レベルといえるような軽微な収縮力が有効である。なぜなら、該皮膚の弛み予防改善シートの予防改善部で覆う、弛み部分の皮膚は、文字通り、周辺の皮膚より弛んでいるため、弛み部分の皮膚は周辺の皮膚より張りがなく、弱い収縮力により持続的伸張負荷を取り除くことができる。また、強い収縮力でも、弛み部分の皮膚に加わる持続的伸張負荷を取り除くことも可能であるが、強い収縮力を弛み部分の皮膚に加え、弛み部分の皮膚に加わる持続的伸張負荷を取り除けば、その強い収縮力は、弛み部分の周辺の皮膚にも加わり、結果として、弛み部分の周辺の皮膚に対する持続的伸張負荷となる。すると、弛み部分の皮膚は、持続的伸張負荷が除かれると皮膚は縮み、張りのある皮膚へと元に戻るという皮膚の生理的性質に従い縮んでいくが、弛み部分の周辺の皮膚は、持続的伸張負荷が加わると皮膚は伸びるという皮膚の生理的性質に従い伸びていき、望まぬ結果が生じかねない。よって、皮膚の弛みを予防改善するために有効な収縮力は、皮膚の弛み部分をわずかに収縮させ、その周辺の皮膚を引き伸ばさない程度の拡大鏡又は顕微鏡レベルといえるような軽微な収縮力である。具体的には、該皮膚の弛み予防改善シートの貼付期間中に、弛み部分の周辺の皮膚に突っ張り感を生じさせない程度の軽微な収縮力が望ましく、軽微な収縮力であっても本発明の効果を十分に奏することができる。なお、該皮膚の弛み予防改善シートを構成する各部の素材や素材の組み合わせ、付加する機能等は、用途やデザイン、利便性等に応じ任意でよく、本発明の効果を奏することができる限りにおいて特に限定されるものではなく、本発明において、収縮力温存部、予防改善部、粘着部、及び剥離部の厚みは特に制限されるものではない。
図1から図5に示した本発明の皮膚の弛み予防改善シートは、いずれも本発明の基本的構造を備えており、このような構成としたことにより、適切な持続的伸張負荷に抗する収縮力を生み出し、その持続的伸張負荷に抗する収縮力を活用するための手段を皮膚の弛み予防改善シートに機能として取り入れることで、加齢や重力等による持続的伸張負荷を原因とする皮膚の弛みに対し、皮膚の弛み部分が被る持続的伸張負荷を減少させ、皮膚の生理的性質を効率よく働かせることで、張りのある皮膚へと元に戻し、皮膚の弛みの予防に留まらず、改善をも可能とする使用効果の高い機能を備えることができ、美容外科に委ねなくとも、使用者自身で皮膚の弛みに対応することができ、皮膚の弛みの予防に留まらず、改善をも可能とする皮膚の弛み予防改善シートを提供することができる。
以上、第1の実施の形態では、皮膚の弛み予防改善シートの形状を長方形とした例について説明してきたが、例えば、皮膚の弛み予防改善シートの形状は、ロール形状や身体の各部位に適した形状とすることもでき、用途や利便性等により、その形状は任意でよい。なお、本発明は、皮膚に密着して保持することを基本としているが、場合によっては、皮膚を医療用粘着剤等から保護するための保護材を介して該皮膚の弛み予防改善シートを使用してもよい。
次に、本発明の皮膚の弛み予防改善シートの使用方法や効果について説明する。ここでは、前頚部の皮膚の弛みを予防するための使用方法について述べる。予防改善部内に温存させた持続的伸張負荷に抗する収縮力の収縮方向が全方向である皮膚の弛み予防改善シートの中から、粘着部の保持力が比較的弱い就寝用の皮膚の弛み予防改善シートを選択し、皮膚の弛み予防改善シートを前頚部の皮膚の弛み部分に合わせた形状に加工し、粘着部で前頚部の皮膚の弛み部分に密着させて保持する。なお、粘着部の保持力が強すぎる場合は、皮膚を医療用粘着剤等から保護するための保護材を介して該皮膚の弛み予防改善シートを使用する。このことで、就寝中に、前頚部の皮膚の弛みの予防効果を効率よく得ることができる。
次に、前頚部の皮膚の弛みを改善するための使用方法について述べる。予防改善部内に温存させた持続的伸張負荷に抗する収縮力の収縮方向が一方向(縦方向)である皮膚の弛み予防改善シートの中から、粘着部の保持力が比較的強い改善用の皮膚の弛み予防改善シートを選択し、皮膚の弛み予防改善シートを前頚部の皮膚の弛み部分に合わせた形状に加工し、粘着部で前頚部の皮膚の弛み部分に密着させて保持する。このことで、一週間程度の継続使用が可能となり、前頚部の皮膚の弛み部分の皮膚に対し、予防改善部内に温存させた一方向(縦方向)の持続的伸張負荷に抗する収縮力を放出させ、前頚部の皮膚の弛み部分の皮膚を縮めさせることにより、持続的伸張負荷が除かれると皮膚は縮み、張りのある皮膚へと元に戻るという皮膚の生理的性質を発揮させることができる。なお、改善用の皮膚の弛み予防改善シートでは、皮膚を保護するために、該皮膚の弛み予防改善シートを無理に剥がさず、剥がれやすくなる又は剥がれるまで、一定期間継続使用する。また、本発明の皮膚の弛み予防改善シートの予防改善部は、防水性や透湿性に優れたポリウレタンフィルムを使用しているため、継続使用期間の入浴等も可能であり、化粧により目立たなくすることもできる。本発明の皮膚の弛み予防改善シートは、全身の皮膚の弛み部分に適用が可能であり、その適用部位は特に限定されるものではない。
本発明の皮膚の弛み予防改善シートは、加齢や重力等による持続的伸張負荷を原因とする皮膚の弛みに対し、皮膚の弛み部分が被る持続的伸張負荷を減少させる効果が極めて高く、持続的伸張負荷が除かれると皮膚は縮み、張りのある皮膚へと元に戻るという生理的性質を効率よく働かせることができ、皮膚の弛みの予防に留まらず、改善をも可能とする使用効果の高い機能を備えることができる。特に、美容外科において「弛み取り術」が困難とされる、頚部や手の甲等に対しても、使用者自身が安全かつ容易に効率よく使用することができ、使用効果の高い皮膚の弛み予防改善シートを提供することができ、美容業界および医療業界に貢献するところ大である。
1:溶液ポリマー
1a: 溶液ポリマーの上底
1b:溶液ポリマーの下底
2:予防改善部2
2a:予防改善部の上底
2b:予防改善部の下底
3:粘着部
4:剥離部
5:収縮力温存部
6:皮膚



Claims (1)

  1. 伸縮性機能を有し、皮膚の弛み部分を覆う予防改善部と、
    前記予防改善部を皮膚に密着させて保持する機能を有する粘着部と、
    前記粘着部を保護する機能を有する剥離部と、
    前記予防改善部内に持続的伸張負荷に抗する収縮力を温存させる機能を有する収縮力温存部とを備え、
    下層から前記剥離部、前記粘着部、前記予防改善部、および前記収縮力温存部の順に設けられており、
    前記予防改善部の原料である溶液ポリマーを成形収縮する際に生じる内部応力を、前記予防改善部内に持続的伸張負荷に抗する収縮力として有するシートを、前記皮膚の弛み部分に貼付した後に前記収縮力温存部を取り除き、前記予防改善部内の前記持続的伸張負荷に抗する収縮力を放出させることを特徴とする、皮膚の弛み予防改善方法(人間を治療する方法を除く。)
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