JP7430711B2 - 光線を伝送および制御するための装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光線を伝送および制御するための装置および方法、特に、いわゆる「レンズレス」内視鏡撮像用の装置および方法に関する。これは例えば、人間であれ動物であれ、生体内にある器官の内視鏡検査に用いられる。
内視鏡撮像の技術では、自由空間での撮像システムに対する特定の特性を有する、ファイバーを利用した光学機械装置を用いる必要がある。
具体的には、光源、集束光学系およびカメラを含む小型顕微鏡の大きさがゆえ、これらの構成要素を医療用内視鏡の遠位端(すなわち、試料側に位置するファイバーの先端)に設けるのは考えにくい。このため、遠位端における内視鏡の寸法を抑えつつ、光ファイバーの先端で撮像を実現する解決策が求められている。
「レンズレス内視鏡」と呼ばれる技術が、例えばCizmar et al. “Exploiting multimode waveguides for pure fiber-based imaging”, Nat. Common. 3, 1027 (2012)に記載されており、特に知られている。この技術は、マルチモード光ファイバー(MMF)を使用して成り立っている。MMF光ファイバーには、コヒーレント光源からの光が入射される。MMFの近位側(光ファイバーの入力側すなわち試料と反対側)では、空間光変調器(SLM)によって、ファイバーの複数の伝播モードをコヒーレントに加えることでMMFの遠位端で所望の強度パターンが生じるように、これらのモードを制御することができる。一実施形態では、例えば、従来の共焦点顕微鏡のセットアップでなされているように、MMFの遠位端に焦点を結び、試料を走査して画像を得ることが模索されている。
この技術は、ファイバーの近位部へのフィールド入力を遠位部からのフィールド出力に(およびその逆に)関連付けるファイバーの伝送行列の決定論的な特性がゆえに極めて強力である。この技術を用いることで、マルチモードファイバーの遠位側の光学部品を排除することができ、よって、寸法を抑えることができる。
しかしながら、ファイバーの伝送行列は、MMF光ファイバーの曲率に大きく左右される。そのため、MMFを用いた内視鏡撮像は、光ファイバーのあらゆる動きに対して非常に敏感である。また、ファイバーのマルチモード特性が原因で、近位部の短いパルスが遠位部に到達するまでに長くなり、ピーク強度の高い光パルスを用いる必要がある非線形撮像への応用の可能性が制限されてしまう。
マルチモード光ファイバーを用いた技術とは別に、シングルモード光ファイバーの束を用いた「レンズレス」技術も開発されている(例えば、Frenchらの米国特許8,585,587号参照)。ここに記載された技術では、シングルモード光ファイバーの束の近位側に配置された空間光変調器(SLM)によって、ファイバー束の遠位端で、光源から放射される波面を制御することができる。ファイバーの持つシングルモード特性がゆえ、モード間の分散がなく、分散に寄与するのは色分散のみになる。これは、すべてのシングルモード光ファイバーで同じであることから、全体として補償することができる。そのため、短パルスの伝播には、マルチモード光ファイバーよりもシングルモード光ファイバーの束を用いるほうが好ましい。
様々な刊行物に、シングルモード光ファイバーの束、より正確にはマルチコアファイバー(MCF)を使用したレンズレス内視鏡検査のバリエーションが記載されている。例えば、光ファイバーの束の遠位部において、SLMへの波面入力の角度をガルバノメトリック装置によって変化させることで、いかにして焦点の極めて高速な走査を実現できるかが示されている(例えば、E. R. Andresen et al. “Toward endoscopes with no distal optics: video-rate scanning microscopy through a fiber bundle”, Opt. Lett. Vol. 38, No. 5, 609-611 (2013)参照)。E. R. Andresen et al.(“Two-photon lensless endoscope”, Opt. Express 21, N 18, 20713-20721 (2013))には、レンズレス内視鏡検査における2光子非線形撮像システム(TPEF)の実験的な実現性が示されている。E. R. Andresen et al. (“Measurement and compensation of residual group delay in a multi-core fiber for lensless endoscopy”, JOSA B, Vol. 32, No. 6, 1221 - 1228 (2015))には、シングルモード光ファイバーの束を用いることに基づくレンズレス内視鏡撮像システムにおける光パルスの伝送および制御の目的で、群速度遅延を制御するための(または「Group Delay Control(群遅延制御)の略で「GDC」)装置が記載されている。
図1Aに、シングルモード光ファイバーの束を用いたレンズレス内視鏡撮像システム100を概略的に示す。撮像システム100は、主に、入射光線Bを放射する光源10を備え、この入射光線Bは、非線形撮像に適用される場合、連続波であってもよいしパルスで形成されていてもよい。また、撮像システム100は、対物レンズ21と検出器20とを含む検出チャネルを備える。検出チャネルは、プレートビームスプリッタ22によって、発光チャネルから分離されている。さらに、撮像システム100は、光線を伝送および制御するための装置を備え、離れた場所にある分析対象物101に光をあてることができる。伝送制御装置は、シングルモード光ファイバーの束40と、ファイバー束40の近位端に配置され、光源10から放射されるビームの波面の制御を可能にする空間光変調器(SLM)30とを備える。このファイバー束40の入射面(または近位面)41と出射面(または遠位面)42とを図1Aに拡大して示す。空間光変調器は、ファイバー束40の光ファイバーFに入射するように意図された各要素ビームBについて、位相関数Φを持つ入力波面に、所与の位相シフトΦ(i)を与える。位相関数Φ(i)は、場合によっては、例えば、光ファイバーの束を通っての伝播後に、波が遠方界で放物線状の位相Φ(i)を持つようなものとなる。この放物線状の位相によって、物理的なレンズが存在しないにもかかわらず、遠位側でビームの焦点を分析物体101に合わせることができる。このことが、「レンズレス内視鏡」という用語の由来となっている。より一般的には、光ファイバーの束からの出力として、所与の強度パターンを作るのに適した位相関数Φ(i)が誘導される可能性がある。さらに、空間光変調器によって、各々の光ファイバーFによって導入される固有の位相シフトの補償が可能になる。
N本のシングルモード光ファイバーからなる束を形成するには、各々がコアとクラッドとを含む個々のシングルモード光ファイバーを一組にすればよく、一般に100本から数万本のファイバーがまとまってファイバー束を形成している。また、図1Bに示すように、N本のシングルモード光ファイバーからなる束を形成するには、マルチコアファイバーのシングルモードコアを一組にしてもよい。これは、好ましくは、少なくとも100本のシングルモードコアを有するものである。したがって、図1Bの例には、一組のシングルモードコアFと、外側のクラッド43とを有するマルチコアファイバー40を示してある。この例ではさらに、分析対象物によって後方散乱される光信号を遠位端から近位端へと収集するのに適した内側のマルチモードクラッド44も含まれる。
このように説明した「レンズレス」技術の利点の1つに、特に、他の技術、特に上述したMMFに比べてファイバーの動きに対する感度が低いことがある。具体的には、シングルモード光ファイバーのモードが光ファイバーの束の横方向の領域に規定された領域に局在し、その範囲にとどまっている。
しかしながら、図1Cに示すように、光ファイバーの束に曲率を持たせると、ファイバー束から出力される強度パターンの平行移動が生じる。具体的には、ファイバー束の曲率が原因で、曲率の外側に位置するコアは光路が長くなり、逆に曲率の内側に位置するコアは光路が短くなる。これにより、シングルモードファイバーの束のコアとコアとの間に、さらに位相シフトが発生する。この追加の位相シフトは、コア(i)の中央のコアからの距離に依存し、これが原因で、ファイバー束の出口で撮像システムの点像分布関数(PSF)の移動が生じる。PSFとは、SLMおよびシングルモード光ファイバーの束によって規定される撮像システムの空間インパルス応答である。そのため、例えば図1Cに示すように、ファイバー束に曲率を持たせていない状況(1)と、ファイバー束に曲率を持たせた状況(2)との間で、この例では焦点Pと多数のレプリカRとで表される強度パターンまたはPSFが、観察物体101に対して平行移動する。このようにPSFが移動すると、例えば臓器などin vivoでの観察時にシングルモード光ファイバーの束の曲率が変わった場合に、物体の観察領域に変化が生じてしまうため、不都合がある。
本発明は、光ファイバーの束が曲がった場合に、PSFの空間的な変化がないようにする、すなわちファイバー束の遠位端の参照フレームで強度パターンを維持することができる、特にいわゆる「レンズレス」内視鏡撮像システム用の、光線を伝送および制御するための装置および方法を提供するものである。
光線を伝送および制御するための装置であって、複数の非結合シングルモード光ファイバーの束を備え、各シングルモード光ファイバーが近位端で要素光線を受け、遠位端で光線を放射するように意図された、光ガイドと、前記光ガイドの前記近位端側に配置され、前記要素ビームの各々に位相シフトを適用するのに適した少なくとも第1の空間光変調器および前記光ガイドの遠位端にて所定の位相関数を持つ照明光を形成するために、前記要素ビームの各々に位相シフトを適用するように構成された、前記第1の空間光変調器を制御するための制御ユニット、を含む、位相制御用の光学装置と、を備え、前記シングルモード光ファイバーの束は、動作時に、前記ファイバー束の最大曲率に対応する最小曲率半径を含み、前記シングルモード光ファイバーの束が、ねじられており、前記シングルモード光ファイバーの束に前記最大曲率よりも小さい曲率を持たせたときに前記光ガイドの遠位端で前記位相関数を保持するように規定されたねじれ周期を持つ、装置。
位相関数は、本明細書では強度パターンとも称するPSFが、例えば、1つ以上の焦点、あるいは撮像対象となる物体の形状に応じて所定の強度パターン、あるいはスペックルパターンを含むように規定される、すなわち出力時にランダムである位相関数である。
「位相関数の保持」とは、光ファイバーのねじれ撚束に前記最大曲率よりも小さな曲率を持たせたときに、シングルモード光ファイバー間の位相シフトが2π未満に維持されることを意味する。
位相シフトの維持については、ファイバー束の2本のシングルモード光ファイバーに光を入射させて測定することができる。ファイバー束の端における強度パターンは、フリンジからなる。ファイバー束に曲率を持たせたときに、位相シフトが2π未満であれば、強度パターンが1フリンジ以内に維持されていることに相当する。
出願人らは、このように規定された光線を伝送および制御するための装置において、光ガイドの遠位端における強度関数が、動作時に、光ファイバーの束に持たせる曲率によって乱されることがほとんどないことを示した。その結果、ファイバー束が曲がっても、物体を連続的に撮像することができる動的な撮像が可能となる。
本明細書の文脈において、非結合シングルモードファイバーとは、結合度が-20dB/m未満のファイバーをいい、-30dB/m未満のファイバーが好都合である。非結合ファイバーは、コア間の位相シフトを補償しつつ、長いファイバー束で光ビームを伝送および制御することができる。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、最大曲率は、光学的損失を所与の閾値未満、例えば1dB/m(1mのファイバーの端まで80%のエネルギーを伝送することに対応)、好都合には0.5dB/m未満、に保ちつつ、シングルモード光ファイバーに持たせることができる曲率を超えない可能性がある。一般に、これは最小曲率半径が約2.5mm以上であることに対応する。
しかしながら、実際には、シングルモード光ファイバーの束の最大曲率は、用途に応じて規定され得る。具体的には、例えば、内視鏡検査などの用途に応じて、シングルモード光ファイバーの束の曲率は、撮像対象となる物体によって異なる。
このため、1つ以上の例示的な実施形態によれば、動作時におけるシングルモード光ファイバーの束の最大曲率は、5cm以上または10cm以上または20cm以上の最小曲率半径に対応し得る。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、シングルモード光ファイバーの束の長さは、kを整数とすると、ねじれ周期のk倍に等しい。出願人らは、シングルモード光ファイバーの束がどのような最大曲率であっても、この構成が、ファイバー束の遠位端で位相関数を最良に保持する上で、最適であることを示している。
しかしながら、この条件が満たされない場合、出願人らは、シングルモード光ファイバーの束の所与の半径(中央のコアから最も遠い周囲のコアまでの距離)に対して、光ガイドの遠位端で位相関数を保持するために、動作時に光ファイバーの束に持たせることになる最大曲率に応じて、ねじれ周期の範囲を規定できることを示している。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、シングルモード光ファイバーの束の半径は、100μmと500μmの間で構成され、100μmと300μmの間で構成されると好都合であり、さらに、100μmと200μmの間で構成されると好都合である。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、ねじれによって生じる光学的損失を制限するために、ねじれ周期は1mmより長く、また、2.5mmより長いと好都合である。
実際には、例えば内視鏡検査などの用途では、1mmと30mmの間で構成されるねじれ周期、また、2.5mmと10mmの間で構成されると好都合なねじれ周期が、選択され得る。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、第1の空間光変調器を制御するための制御ユニットはさらに、シングルモード光ファイバーの前記ねじれ撚束の近位の入口で要素ビームの各々に角度偏差を適用するように構成され、前記角度偏差は、前記シングルモード光ファイバーの束における前記要素ビームを受けるように意図されたシングルモードファイバーの位置に応じて、前記シングルモードファイバーへの最適な結合(または光の注入)を確実にするように規定されている。出願人らは、シングルモード光ファイバーの束の近位側でのこの角度補正により、中央のファイバーから最も遠い周囲のシングルモードファイバーを含めて、非常に良好な光伝送を保持できることを示している。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、光ガイドは、シングルモード光ファイバーの前記ねじれ撚束の遠位端および近位端の少なくとも一つに、ねじれ周期が可変の部分を含み、前記遠位端および近位端側の少なくとも一つで、ねじれ周期が無限大になる傾向がある。言い換えると、この部分と自由空間との境界面では、すべてのシングルモード光ファイバーが平行になっている。また、この構成により、ファイバーのねじれ撚束との結合を最適化することもできる。そうすると、近位側での角度補正は必要ない。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、1つ以上の、ねじれ周期が可変の部分は、長さが5cm未満である。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、前記可変ねじれ部分は、前記遠位端および近位端の少なくとも一つにおいて、長さが1cm未満のねじれていない部分を有する。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、第1の態様による装置は、光パルス、例えばパルス幅が100fsと10nsの間で構成されるパルスを含む光線を伝送および制御するのに適している。前記装置はさらに、光パルスの群速度遅延を制御するための装置を備えてもよく、光パルスの群速度遅延を制御するための装置は、シングルモード光ファイバーの前記ねじれ撚束のシングルモードファイバー間の静的な群速度遅延を抑制するように構成されている。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、前記シングルモード光ファイバーの少なくとも何本かがドープされている。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、光ガイドは、N本のシングルモード光ファイバーの束を含み、これは、各々がコアとクラッドとを含むN本の個々のシングルモード光ファイバーを一組にして形成され、一般に100本から数万本のファイバーがまとめられてファイバー束を形成している。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、光ガイドは、一組、好ましくは少なくとも100本のシングルモードコアで形成されるN本のシングルモード光ファイバーの束を含む。例えば、光ガイドは、マルチコアファイバーであり、N本のシングルモード光ファイバーの束は、マルチコアファイバーの複数のシングルモードコアによって形成される。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、光ガイドは、ダブルクラッドマルチコアファイバーを含み、そのようなマルチコアファイバーは、通常はマルチモードクラッドであるダブルクラッドマルチコアファイバーの1つのクラッドで、後方散乱光信号を高効率で伝送することができるという利点がある。
「シングルモード光ファイバー」とは、光が電磁場のシングルモードのみで伝播できるファイバーを意味し、拡張的には、複数のモードを維持することができるにもかかわらず、シングルモード(通常は基本モード)だけが励起され、光が伝播時にそのモードに閉じ込められる(他のモードとの結合がないか、非常に弱い結合)ような結合条件のいわゆる「有効シングルモード」ファイバーを意味する。
本明細書全体を通して、「シングルモードコア」または「シングルモード光ファイバー」という用語を、個々のシングルモード光ファイバーまたはマルチコアファイバーのシングルモードコアのいずれかを言及するのに使用する。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、第1の空間光変調器は、反射動作用の多分割ミラーまたはメンブレンデフォーマブルミラーを含む。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、第1の空間光変調器は、反射または透過動作用の液晶マトリクスアレイを含む。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、第1の空間光変調器を制御するための制御ユニットは、光ガイドの遠位端において、時間の関数として変化する位相関数を持つ照明光を形成するように、要素ビームの各々に位相シフトを適用するように構成されている。例えば、これにより、光があてられる領域を走査することが可能となる。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、シングルモードファイバーは、ファイバー束内に周期的または準周期的に配置されている。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、シングルモードファイバーは、ファイバー束内に非周期的に配置されており、これにより、画像平面内の「レプリカ」すなわち、より明るい中心の焦点を囲む強度の低い焦点の強度を顕著に低減することができる。
第2の態様によれば、本明細書は、光源と、規定された位相関数で物体に光をあてるための照明光を形成するために、前記光源により放射された光線を伝送および制御するための、第1の態様に記載の装置と、物体により戻され前記少なくとも1本の光ガイドを通ってその遠位端から近位端まで伝送される光を、検出するための検出チャネルと、を備える内視鏡撮像システムに関する。
第3の態様によれば、本明細書は、光線を伝送および制御するための方法であって、光ガイドのN本のシングルモード光ファイバーの束の近位端で、要素光線を受ける工程と、前記光ガイドの前記遠位端で、規定された位相関数を持つ照明光を形成するために、前記シングルモード光ファイバーの束の前記近位端側に配置された少なくとも第1の空間光変調器によって、前記要素ビームの各々に位相シフトを適用する工程と、を含み、各シングルモード光ファイバーが要素光線を受け、遠位端で光線を放射するように意図され、前記シングルモード光ファイバーの束は、動作時に、前記ファイバー束の最大曲率に対応する最小曲率半径を含み、前記シングルモード光ファイバーの束が、ねじられており、前記シングルモード光ファイバーの束に前記最大曲率よりも小さい曲率を持たせたときに前記光ガイドの遠位端で前記位相関数を保持するように規定されたねじれ周期を持つ、方法に関する。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、要素ビームの各々に位相シフトを適用する目的は、マルチモード光ファイバーの部分の遠位端において、マルチモード光ファイバーの部分の出射面から所与の距離で収束する照明光を形成することによって、1つ以上の焦点を形成できるように規定された位相関数を実現することにある。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、要素ビームの各々に連続的な位相シフトを適用することにより、マルチモード光ファイバーの部分の出射面から前記所与の距離およびマルチモード光ファイバーの部分の出射面から様々な距離の少なくとも一つにある平面において、焦点を走査できるようになる。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、要素ビームの各々に位相シフトを適用することは、マルチモード光ファイバーの部分の遠位端において、撮像対象となる物体の形状に応じて所定の強度パターンまたはスペックルパターンを形成するように規定された位相関数を実現することを目的とする。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、本方法は、シングルモード光ファイバーの前記ねじれ撚束の近位の入口で前記要素光線の各々に角度偏差を適用する工程をさらに含み、前記角度偏差は、前記シングルモード光ファイバーの束における前記要素ビームを受けるように意図されたシングルモードファイバーの位置に応じて、前記シングルモードファイバーへの結合を最適化するように規定される。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、本方法は、光パルスを含む光線を伝送および制御するのに適しており、光パルスの群速度遅延を制御するための装置によって、シングルモード光ファイバーの前記ねじれ撚束のシングルモードファイバー間の静的な群速度遅延を抑制する工程をさらに含む。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、本方法は、決定される照明光に求められる位相関数に応じて、要素ビームの各々に位相シフトを適用できるようにする事前較正をさらに含む。
1つ以上の例示的な実施形態によれば、事前較正工程は、シングルモード光ファイバーの束の伝送行列を部分的または完全に決定することを含む。
第4の態様によれば、本明細書は、遠位側にレンズを使用しない内視鏡撮像方法であって、光線を放射する工程と、物体に前記照明光をあてるために、第3の態様に記載の方法により、光線を伝送および制御する工程と、物体により戻され光ガイドを通ってその遠位端から近位端まで伝送される光を、検出する工程と、を含む方法に関する。
物体により戻される光は、用途に応じて性質が異なるものであってもよく、例えば、戻り光は後方散乱光であるか、放射光、例えば蛍光機構によって放射された光である。
本発明の他の利点および特徴については、以下の図によって示される説明を読めば明らかになるであろう。
(既に説明した)図1A~図1Cは、シングルモードファイバーの束の使用に基づく、従来技術によるいわゆる「レンズレス」内視鏡の概略図(図1A)、従来技術によるマルチコアファイバーの一組のシングルモードコア(図1B)、従来技術によるファイバー束が曲がっている間の強度パターンの動きを示す図(図1C)である。 図2は、本明細書によるレンズレス内視鏡撮像システムの一例を示す概略図である。 図3Aは、本明細書の一例によるシングルモードファイバーのねじれ撚束を示す図である。 図3Bは、本明細書の一例によるシングルモードファイバーのねじれ撚束を示す図である。 図3Cは、本明細書の一例によるシングルモードファイバーのねじれ撚束を示す図である。 図3Dは、本明細書によるファイバー束が曲がっていても強度パターンが保持されることを示す図である。 図4Aは、ファイバー束の半径が100μmである場合および様々なファイバー長kP+δLの場合に、光ファイバーのねじれ撚束の所与の曲率半径(x軸)および所与のねじれ周期(y軸)について、位相関数の保持条件を示すグラフであり、kは整数、Pはねじれ周期、δLはそれぞれP/2、P/4、P/8、P/16である。 図4Bは、ファイバー束の半径が100μm、ファイバー長がkP+P/2(kは整数、Pはねじれ周期)である場合に、光ファイバーのねじれ撚束の所与の曲率半径(x軸)および所与のねじれ周期(y軸)について、ファイバー束の周囲のシングルモードコアと中央のコアとの間に付加される位相差を示すグラフである。 図4Cは、ファイバー束の半径が200μm、ファイバー長がkP+P/2(kは整数、Pはねじれ周期)である場合に、光ファイバーのねじれ撚束の所与の曲率半径(x軸)および所与のねじれ周期(y軸)について、ファイバー束の周囲のシングルモードコアと中央のコアとの間に付加される位相差を示すグラフである。 図5は、結合を最適化するために、ファイバーの入口で角度のずれを適用することを示す概略図である。 図6Aおよび図6Bは、中央のコアに対するコアの位置(図6Cに図示)に応じて、x方向の角度偏差(図6A)およびy方向の角度偏差(図6B)を適用した場合の関数としての正規化伝送を示す曲線であり、図6Dは、角度偏差を適用しない場合と角度偏差を適用した場合の中央のコアからの距離の関数としてのコアの正規化伝送を示す曲線である。 図7Aは、ファイバーのねじれ撚束の各シングルモード光ファイバーから出力される光線の角度偏差を示す概略図である。 図7Bは、シングルモード光ファイバーのねじれ撚束と、その端部にあるねじれのないファイバーの部分とを含む本明細書による光ガイドの一例を示す概略図である。 図7Cは、ねじれのない部分がない光ファイバーのねじれ撚束の場合について、光ファイバーのねじれ撚束の上流側および下流側の様々な距離における電磁場の強度のパターンを示す概略図である。 図7Dは、ねじれのない部分がある光ファイバーのねじれ撚束(図7D)の場合について、光ファイバーのねじれ撚束の上流側および下流側の様々な距離における電磁場の強度のパターンを示す概略図である。 図8Cは、曲がっていないファイバー束と曲がったファイバー束(図8A)で得られたテストパターン(図8B)の比較画像である。 図8Dは、曲がっていないファイバー束と曲がったファイバー束(図8A)で得られたテストパターン(図8B)の比較画像である。 ねじれのあるファイバーを用いて、中央のファイバーと周囲のファイバーとの間の位相の保持の表示を可能にする干渉パターンである。 図10Aは、本明細書の一例によるシングルモード光ファイバーのねじれ撚束における固有の群遅延(GDD)を示す概略図である。 図10Bは、曲がっているときと曲がっていないときのねじれ撚束間の群遅延の変化をそれぞれ示す概略図である。
以下の詳細な説明では、説明の明確性を確保するために、いくつかの実施形態のみを詳細に説明しているが、これらの例は、本明細書から明らかになる原理の一般的な範囲を限定することを意図したものではない。
本明細書で説明する様々な実施形態および態様は、複数の方法で組み合わせたり、簡略化したりすることができるものである。特に、様々な方法の工程については、特に明記しない限り、繰り返したり、逆にしたり、並行して実行したりしてもよい。
本明細書において、特に方法の工程を実施するための計算工程または処理工程に言及する場合、それぞれの計算工程または処理工程を、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、マイクロコードまたはこれらの技術の任意の適切な組み合わせによって実施できることが理解されるであろう。ソフトウェアを使用する場合、それぞれの計算工程または処理工程を、コンピュータプログラム命令またはソフトウェアコードによって実施することができる。これらの計算工程または処理工程を実行するために、上記の命令を、コンピュータ(または制御装置)読み取り可能な記憶媒体に格納したりそのような記憶媒体に送信したりしてもよいおよび/またはコンピュータ(または制御装置)によって実施してもよい。
本明細書による光線を伝送および制御するための装置を備えた「レンズレス」内視鏡撮像システム200の一例を図2に概略的に示す。これは、図2において参照符号101で示す物体の撮像に適している。
内視鏡撮像システム200は、光線B0iを放射するのに適した光源(図2には図示せず)を備える。非線形撮像に応用する場合、この光線が光パルスで構成される可能性がある。このため、光源には、例えば、レーザー光源と、必要に応じて、放射された光線を拡大したり平行にしたりするための光学系とを備える。
さらに、内視鏡撮像システム200は、例えばフィールドで走査される1つ以上の焦点の形態をとるか、用途に応じて別の形態をとるなどの選択された強度パターンで物体101に光をあてるために、前記光源から放射された光線を伝送および制御するための装置を備える。光線を伝送および制御するための装置は、通常、以下でさらに詳細に説明するように、シングルモード光ファイバーのねじれ撚束を含む(すなわち「MCF」)光ガイド40と、第1の光ガイドの近位端側に配置された光位相制御装置であって、特に空間光変調器30を含む光位相制御装置と、を備える。
シングルモード光ファイバーのねじれ撚束は、一般に100本から数万本のシングルモード光ファイバーをひとまとめにしてファイバー束を形成したものであってもよいし、マルチコアファイバーの好ましくは少なくとも100本のシングルモードコアを一つにまとめたものであってもよい。マルチコアファイバーは、例えば、ダブルクラッドファイバーである。
光ガイド40は、当業者に知られているように、他の要素、例えば、保護要素などのガイドを製造するのに有用な任意の要素を含むものであってもよい。ダブルクラッドマルチコアファイバーの場合、一方のクラッドは、物体によって後方散乱された光束の伝播に適したマルチモードクラッドであってもよい。
好都合なのは、シングルモード光ファイバーの束のシングルモードコア間の結合が-20dB/m未満の場合であり、-30dB/m未満だと好都合であり、これによってコア間の位相シフトの影響を補償しつつ、長いファイバー束で光ビームを伝送および制御することができるようになる。
ファイバー束のシングルモードファイバーの長さは、用途に合わせて調整され、例えば内視鏡顕微鏡に必要な長さに調整される。一般に、ファイバー束のシングルモードファイバーの長さは、30cmから3mの間で構成される。
位相制御用の光学装置は、シングルモード光ファイバーの束の近位端側に配置され、要素ビームB0iの各々に位相シフトを適用するのに適した空間光変調器30と、光ガイド40の遠位端にて所定の位相関数を達成するために、要素ビームの各々に位相シフトを適用できるようにする、第1の空間光変調器を制御するための制御ユニット60と、を備える。空間光変調器30は、例えば、反射動作用の多分割ミラーまたはメンブレンデフォーマブルミラーあるいは、反射または透過動作用の液晶マトリクスアレイを含んでもよい。図2の例では、空間光変調器30の各素子面30は、所与の位相シフトΦ(i)を1本の要素光線B0iに適用し、光ガイド40の1本の光ファイバーFに入射するように意図された要素ビームB1iを形成できるようにするものである。
例えば、図2に示すように、位相関数Φ(i)は、遠方界において、光ガイド40の遠位端で、光ガイド40の出射面から所与の距離に位置する対象物101を含む平面内に、焦点を形成するように収束するビームを形成するように規定されている。
この光線を伝送および制御するための装置は、遠位側すなわち光線の出射側にレンズをまったく含まず、装置の近位端側に配置された位相制御装置によって位相が制御されることから、「レンズレス」であると言われる。
照明光に求められる位相関数に応じて各々の要素ビームに適用される位相シフトを決定することに鑑みて、装置を事前に較正するための対応がなされていてもよい。この事前較正工程には、シングルモード光ファイバーの束の伝送行列を決定することを含んでもよい。コア間結合の低いシングルモード光ファイバーの束の場合、伝送行列は、各コアの入力基本モードと出力基本モードとを関連付ける対角行列であってもよい。この場合、単一の波長(一般に使用するレーザー光源の中心波長)で光ファイバーの束を通過した後の要素ビームが獲得する相対的な位相シフトだけを測定すれば十分であろう。
例示的な一実施形態によれば、撮像システム200は、要素光線B0iの焦点を空間光変調器30の素子30に合わせるための手段(図2には図示せず)を備えていてもよい。要素光線B0iの焦点を合わせるための手段は、例えば、二次位相を持つ格子の二次元タイリングを形成し、よってマイクロレンズのマトリクスアレイをシミュレートする、空間光変調器やマイクロレンズのマトリクスアレイ、例えば液晶のマトリクスアレイを含む。
また、内視鏡撮像システム200は、物体101によって後方散乱され光ガイド40をその遠位端から近位端まで伝送される光に対する検出チャネルも、備える。図2の例では、検出チャネルは、プレートビームスプリッタ22と、検出器20と、任意で、後方散乱光の焦点を検出器20の検出面に合わせるための対物レンズ(図2には図示せず)と、検出器20によって生成された信号を処理するためのユニット(図示せず)とを備える。
本明細書によるシングルモード光ファイバーのねじれ撚束50の一例を図3A~図3Cに示す。
シングルモード光ファイバー(またはコア)のねじれ撚束50には、通常、直線状の中央のコアFと、中央のコアFの周りに螺旋状に巻かれた一組のコアFiとが備えられる。シングルモード光ファイバーの束の長さLと、中央のコアFの長さとが対応する。シングルモードファイバーのねじれ撚束50は、ねじれ周期Pを持つ。図3Bに示すように、各コアFiを、中央のコアFに対する距離dと、MCFの入射面でのコアFの方位角によって規定される角度ξとで特徴付けることができる(図3B)。所与のコアについて、dおよびξは一定である。シングルモード光ファイバーの束の半径dについては、中央のコアから最も遠いコアまでの距離として規定することができる。一般に、半径dは100μmと500μmの間であり、100μmと300μmの間であると好都合、さらに100μmと200μmの間であると好都合である。
シングルモード光ファイバー50の束に曲率を持たせると(図3C)、曲率の中心に対して図3Cに規定される極座標ψにおいて、中央のコアの曲率半径に対応する曲率の曲率半径Rが局所的に規定される。本明細書の残りの部分では、シングルモード光ファイバーの束50の最小曲率半径は、動作時におけるシングルモード光ファイバーの束50の最大局所曲率に対応する。
図3Dは、従来技術によるファイバー束が曲がっている間の強度パターンの保持を示している。従来技術によるファイバーのねじれのない撚束(図1C参照)と比較して、出願人らは、ファイバー束の遠位端において、位相関数ひいては強度パターンの優れた保持が得られることを示した。
出願人らは、動作時の最小曲率半径に応じて、光ガイド40の遠位端での強度パターンの保持を可能にするシングルモード光ファイバーの束のねじれ周期Pを規定することが可能であることを示した。
より正確には、出願人らは、ファイバー束の長さLがL/P=k(kは整数)となるような長さ、すなわち、ファイバー束の長さがねじれ周期の整数倍である場合、ファイバーのねじれ撚束は曲げの影響を受けにくく、コア間に付加される位相シフトがゼロになることを示した。したがって、ファイバー束の遠位出口での強度パターンを変えることなく、光ファイバーの束に数ミリメートルという所与の小さな曲率半径を与えることが可能である。
この場合、周期の値の下限Pminが、所与の閾値を超える光損失を引き起こすことなくシングルモードコアに持たせることができる最大曲率と対応する。したがって、例えば、光損失の閾値を1dB/mに設定した場合(すなわち、エネルギーの80%が1mのファイバーの端まで伝送される場合)、出願人らは、好都合には周期を2.5mmよりも長くなり得ることを示している。
また、出願人らは、L/Pが整数ではない場合、すなわちL/P=k+δL(kは整数)である場合、曲率を持たせるファイバー束のそれらのコアに付加される位相シフトΔ(ΔΦ)がゼロではないが、d、ξ、P、R(最小半径)およびδLに依存することも示した。
ここで、図4Aに、δLの様々な値について、ファイバー束の中央のコアと周囲に位置するコアとの間で2πの位相シフトの付加を実現する場合に、ねじれ周期Pと最小曲率半径との間に存在しなければならない関係(破線で表示する)を示す。δLの各々の値について、対応する破線未満の値は、Δ(ΔΦ)≦2πに対応する。このように、破線41は、δL=±P/16の場合の値Δ(ΔΦ)=2πに対応し、破線42は、δL=±P/8の場合の値Δ(ΔΦ)=2πに対応し、破線43は、δL=±P/4の場合の値Δ(ΔΦ)=2πに対応し、破線44は、δL=±P/2の場合の値Δ(ΔΦ)=2πに対応する。
これらの曲線は、ツイストファイバにおける光の伝播を記述する式を用いて計算され、例えばNapiorkowski et al. “Rigorous simulations of a helical fiber by the use of transformation optics formalism”, Opt. Express 22(19), 2014に示されていた。具体的には、図4Aの曲線を計算するために、中央のコアと周囲に位置するコアとの間の距離d(または半径)が100μmである場合が検討され、ファイバー束の中央のコアと周囲に位置するコアとの間に最大の位相シフトが導入されるファイバー束の曲率が想定された。
この図から、所与の最小曲率半径について、δLが小さければ小さいほど光ファイバーの束を「ねじる」必要がなくなることがわかる。言い換えれば、十分な長さのねじれ周期を選択し、規定の光損失閾値を超えないように規定された周期の最小値Pminを採用せずにおくことが可能である。
例えば、図4Aに示す例では、最悪のケース(δL=P/2)を考慮し、曲率半径30cmに対応する動作時のファイバー束の最大曲率を想定した場合、光ガイドの遠位端における位相関数を保持するには、約8mmのねじれ周期が選択される可能性がある。この仮定では、曲率半径が10cmと小さい場合、光損失なしで位相関数を保持するのは困難であることがわかる。一方、δL値が小さい場合には、光損失なしで位相関数を保持することができ、より長いねじれ周期を選択することが可能となる。
図4Bおよび図4Cは、中央のコアと周囲に位置するコアとの間の距離dが100μm(ファイバー束の直径200μm)である場合と、中央のコアと周囲に位置するコアとの間の距離dが200μm(ファイバー束の直径400μm)である場合に付加される位相シフトΔ(ΔΦ)をそれぞれ示している。これらの図では、δL=P/2(最悪の場合)が想定されている。点線44は、上記と同様に値Δ(ΔΦ)=2πに対応し、他の線45、46、47などは、4π、6π、8πなどの付加的な位相シフト値Δ(ΔΦ)に対応する。実際には、ファイバー束が動作時に所与の最小曲率半径に対応する最大曲率を持たせたときに2π未満の付加的な位相シフトが保持されるように、ねじれ周期の値が選択される。
図4Bと図4Cとを比較すると、より直径の小さな光ファイバーの束では、所与の曲率半径に対して、規定された光損失閾値を超えないように、より長いねじれ周期、したがって決められた最小周期からさらに離れたねじれ周期が、選択され得ることがわかる。
実際には、光ファイバーの束の直径は通常400μm未満であり、これは光ファイバーの束の遠位端で位相関数を保持するための本願発明者らの方法の実現可能性を示している。
本明細書によるシングルモード光ファイバーのねじれ撚束は、例えば、P. S. J. Russell et al. (“Helically twisted photonic crystal fibers” Philosophical Transactions of the Royal Society A: Mathematical, Physical and Engineering Sciences 375 (2017))に記載されているように、既知の手段によって製造できるものである。
1つ目の例によれば、ファイバー束を引っ張る際にプリフォームを回転させる。この技術では、回転モーター(毎分数千回転で回転する)とロータリージョイントとを使用する。このため、ねじれ周期は、延伸速度(単位m/s)をプリフォームの回転周波数(単位Hz)で割った値と等しい。この方法では、100mの長さのファイバーでも数mmのねじれ周期を得ることができる。
2つ目の例によれば、ファイバー束を引っ張った後に回転撚りをかけている。そのためには、回転モーターと固定のホルダーとの間にファイバー束を装着した後、ファイバー束に焦点をあててシリカを溶かすCO2レーザーを使用する。CO2レーザーの焦点位置、照射時間、回転するファイバー束での動きを制御することで、ツイストのパラメータを制御することができる。この技術により、ファイバー束の長さに応じて、ねじれ周期を変化させることができる。
また、出願人らは、どのようにして光ファイバーのねじれ撚束のシングルモードコアへの結合を改善することができるのかを示している。
図5に、ツイストMCF50の入射面を示す。中央のコアの基本モードは、MCFの軸に平行に伝播する。言い換えれば、その伝播ベクトルk(i=0)(中央のファイバーの上に十字で示す)は、MCFの軸に平行である。最も高い結合効率で中央のコアに入射する要素ビームは、その伝播ベクトルがkに等しいもの、すなわち、MCFの軸に平行にも伝播する要素ビームである。しかしながら、中心から外れたコアでは状況が異なる。これらのコアの螺旋構造がゆえ、これらのコアの基本モードはMCFの軸に対して角度をなして伝播する。言い換えれば、中心から外れたコアの伝播ベクトルkは、MCFの軸に平行ではない。最適な結合を確保するには、中心から外れたコアに入射する各々の要素ビームの伝播ベクトルがkに等しく、よってMCFの軸に対して角度をなすと都合がよいことを、出願人らが示した。
より正確には、出願人らは、角度偏差Δθ (i)(図6A)および角度偏差Δθ (i)(図6B)が、中央のコアから様々な距離dに位置するシングルモードコアFの正規化伝送に与える影響を示す測定を行った。図6Cは、MCFの隣り合う2つのコア間の距離Λ(またはMCFのピッチ)の倍数で表されたコアFの位置を示している。したがって、ΛをMCFのピッチとすると、位置+7は、中央のコアから7Λに等しい距離dに位置するコアFに対応する。
図6Bでは、曲線601~607は、それぞれ、中央のコアから-7Λ、-4Λ、-2Λ、0、+2Λ、+4Λ、+7Λに等しい距離に位置するコアに対応する。
図6Cでは、曲線611~617は、それぞれ、中央のコアから-7Λ、-4Λ、-2Λ、0、+2Λ、+4Λ、+7Λに等しい距離に位置するコアに対応する。
これらの曲線は、コアFから中央のコアFまでの距離に依存する角度偏差Δθ (i)、Δθ (i)を適用することにより、正規化伝送が最大化されることを示している。
図6Dは、角度偏差を適用しない場合(曲線621および622)と角度偏差を適用した場合(曲線623および624)における中央のコアFからの距離の関数(MCF(またはピッチ)の2つの隣接するコア間の距離Λの倍数)としてのコアFの正規化伝送を示している。角度偏差を適用することで、中心に対する距離が大きい光ファイバーとの結合を大幅に増やせることがわかるであろう。例えば、中央のコアから10Λに位置するコアの場合、xおよびy方向に0.15mradの角度偏差によって、結合度を80%高めることができる(角度偏差なしの10%から角度偏差ありの90%への増加)。
なお、(モーメントが保存されるため)自由空間とツイストMCFとの境界面で保持されるのは、伝播ベクトルの横方向の部分であることに留意されたい。伝播角に関しては、自由空間ではMCFよりも角度がn倍大きくなる。nは、MCFを製造したガラスの屈折率である。
このように、シングルモードコアとの結合を改善するには、シングルモード光ファイバーの前記ねじれ撚束(図2参照)の近位の入口で要素ビームB1iの各々に角度偏差θiを適用する規定を設けると都合がよく、前記角度偏差θiは、前記シングルモード光ファイバーの束における要素ビームを受けるように意図されたシングルモードコアFの位置に応じて規定される。
上述したように、シングルモード光ファイバーの前記ねじれ撚束の近位の入口で、要素ビームB1iの各々に角度偏差θiが適用されたとしても、ねじれに起因した光ファイバーの束の出口における角度偏差も観察される。
ここで、ツイストMCF50の出射面を図7Aに示す。中央のコアの基本モードは、MCFの軸に平行に伝播する。言い換えれば、その伝播ベクトルk(i=0)(中央のファイバーの上に点で示す)は、MCFの軸に平行である。中央のコアから最も高い結合効率で出射する要素ビームは、その伝播ベクトルがkに等しいものすなわち、MCFの軸に平行にも伝播する要素ビームである。しかしながら、中心から外れたコアでは状況が異なる。これらのコアの螺旋構造がゆえ、これらのコアの基本モードはMCFの軸に対して角度をなして伝播する。言い換えれば、中心から外れたコアの伝播ベクトルkは、MCFの軸に平行ではない。
光ガイドの遠位端および/または近位端で最適な結合を実現する1つの方法を、図7Bに示す。
この例では、光ガイド40は、シングルモード光ファイバーのねじれ撚束50と、端部には、この端部で無限大になる傾向があるねじれ周期のバリエーションを含む、それぞれ参照符号51および52で示されるファイバーの部分とを含み、言い換えれば、この部分と自由空間との境界面では、シングルモード光ファイバーは平行であり、ファイバー束はもはやねじれていない。
出願人らは、短い近位部51が、長いねじれ部50に変化し、最終的にはねじれのない短い遠位部52に変化するMCFの製造が、可能であることを示している。ツイストMCFと非ツイストMCF間の移行は、好都合なことに徐々になされている。すなわち、Pが連続的に増減し、これによって移行ゾーンを介して100%の伝送効率が確保される。図7B参照。例えば、遠位部および近位部のねじれのない部分は、長さが1cm以下である。
図7Bの光ガイドを製造するには、CO2レーザーを用いて2つの領域間でMCFを局所的に加熱し、ガラスが溶融したら、MCFとは逆のねじれを加えて、ねじれていない部分を作り、次にねじれていない部分の位置でMCFを切断して、ねじれていない端部を形成すればよい。このプロセスが、MCFのもう一方の端についても繰り返される。
図7Cおよび図7Dは、ねじれのない部分がない光ファイバーのねじれ撚束の場合(図7C)と、ねじれのない部分がある光ファイバーのねじれ撚束の場合(図7D)における、光ファイバーのねじれ撚束の上流側と下流側の様々な距離における電磁場の強度パターンを示す図である。
図7Cの場合、上述したように、シングルモード光ファイバーのねじれ撚束の近位の入口において、それぞれの要素ビームに角度偏差が適用されているものとする。角度偏差の適用は、入射面(z=0μm)での強度パターン701と、z=-50μmおよびz=-100μmでの強度パターン702、703に見ることができ、フィールドが「回転」して入射面に到達したことを示している。言い換えれば、フィールドは入射面に垂直ではない所与の角度で到着したことになる。この角度は、コアの位置(ξ)と、その中央のコアからの距離によって異なる。出口側では、光ファイバーのねじれ撚束を伝播する要素ビームが受ける角度偏差のために、伝播の際に電磁場が回転することが分かる(z=0μm(出射面)、z=50μmおよびz=100μmにそれぞれ対応する強度パターン704、705、706)。この結果、遠方のフィールドでは、シングルモードコアから出力されるビーム同士の重なりが悪くなり、「広がり」(視野の拡大)とPSFの中央部分の強度の低下(強度パターン708)が発生することになる。
ねじれのある光ファイバーの束と、ねじれていない端部が得られるようにねじれ周期が変化する2つの部分とを含む光ガイド40の場合(図7D)、ガイドから出力される強度パターン(z=0μm、z=50μm、z=100μmにそれぞれ対応する強度パターン714、715、716)は安定したままであり、広がりのない、中央部分の強度が高いPSFが得られることがわかる(強度パターン718)。なお、図7Dの場合には、ファイバー束の入口部分としてねじれのない部分が設けられており、これにより、ファイバー束の近位の入口で要素ビームに角度位相シフトを適用する必要性を回避することができる。これは、z=0μm、z=-50μm、z=-100μmにそれぞれ対応する強度パターン711、712、713が安定している理由を説明するものである。ファイバー束の出口部分には、ねじれのない部分を設けるだけにして、ファイバー束の近位の入力には要素ビームに角度位相シフトを適用することも可能であったであろう。
図8A~図8Dは、(完全ツイスト)ファイバー束で得られた比較画像を示す。画像を得るために使用した設定は、図2に示したもので、光ファイバーの束の遠位側に検出器を配置している(透過画像)。曲率のないツイストファイバー(801)または曲率のあるツイストファイバー(802)のいずれか(図8A)を用いた。撮像は、上述した方法に従って行われた。すなわち、MCFの端に焦点が得られるようにMCFの様々なコアの相対的な位相シフトを調整した後、この焦点を試料上で掃引した。ここでの試料は、試料の各点を伝送される強度から画像が再構成されるように、ネガティブUSAFテストチャート(図8B)から選択した数字「5」からなるものであった。
図8Cは、ファイバー束がほぼ直線的な位置にある場合(801、図8A)と、曲率が135°の場合(802、図8A)に、ファイバー束での伝送で得られた画像を示す。いずれの場合も画像はほぼ同じであり、ファイバー束が曲がったときに、焦点が視野内でほとんど(1PSF未満であるか約1PSFの距離しか)移動しないことを示している。
また、図9は、周囲のファイバーと中央のファイバーとの間の位相が保たれていることを示す、ツイストファイバーによる干渉パターンである。
より正確には、ファイバーのねじれ撚束について、曲げたときのコアの相対的な位相の安定性を評価するために、出願人らは、周囲のコアと中央のコアによって導かれる光の干渉を調べる干渉実験を行った。中央のファイバーと周囲のファイバーに光を入射させると、MCFの遠位部分で、2波干渉に特徴的な干渉縞が得られる(図9)。注目すべきは、この干渉パターンは、ファイバーのねじれ撚束を曲げても変化しないことである。
出願人らは、本明細書による方法および装置が、光線を伝送および制御するための非線形撮像にも採用できることを実証しており、この装置は短いパルスの伝送に適している。
しかしながら、超短パルスを操作する場合、ファイバー束の様々なコアを移動する光パルスが受ける遅延である群速度遅延(またはGroup Delay dispersion(群遅延分散)の略でGDD)が観測される。群速度遅延には2種類あり、一方は直線的に配置されたファイバーのコア間の群速度遅延に付随する「静的」GDDと呼ばれるものであり、この遅延は、ファイバー束の様々なコア間に存在する残留光路の変動に関連し、もう一方は、ファイバー束に曲率を持たせたときのコア間の群速度遅延に付随する「動的」GDDと呼ばれるものである。
本明細書の場合のように、ねじれたファイバー束の場合、曲率によって、固有のGDDが発生する(図10Aに図示)。
より正確には、図10Aは、長さ300mm、ねじれ周期P=8.2mmのファイバーのねじれ撚束についてのGDDを示し、それぞれの六角形は単一のコアを表し、隣接する六角形の中心間の距離はΛ=15.9μmである。このため、ファイバー束の中心から半径5×15.9=80μmの範囲にあるコアだけを示してある。それぞれの六角形は、ファイバー束の1つのコアと、そのコアに付随するGDDを表している。ファイバーのねじれ撚束では、高い群速度遅延が観察される。これは、束内のコアの有効長の違いによるものである。中央のコアの光路は短いのに対し、周囲のファイバーの光路ははるかに長いため、光学パッチの違いが生じ、よってGDDが観測される。
図10Aで観察されたGDDは、E. R. Andresen et al. (“Measurement and compensation of residual group delay in a multi-core fiber for lensless endoscopy”, JOSA B, Vol. 32, No. 6, 1221 - 1228 (2015))の刊行物に記載されているように、シングルモード光ファイバーの束における光パルスの群速度遅延を制御する(または「Group Delay Control(群遅延制御)」の略でGDC)ための装置を使用して補償することができる。
また、そのインデックスが中央のコアまでの距離の関数として変化するコアを、有するファイバー束(周囲のインデックスのほうが小さい)を用いるおよび/またはコアの大きさを変化させる(小さいコアは伝播定数が小さいため、群遅延も低い)ことによって、図10Aで観察されたGDDを補償することも可能である。
図10Bは、曲率のないファイバー801と、135°の曲率(曲率半径約20cmに相当)を持つ曲がったファイバー802との間で測定されたGDD差を示している。GDD差は約40fsであり、使用したレーザーパルスの持続時間である約150fsよりもはるかに短いため、本明細書に従ってねじれが作られたMCFの場合、曲率がGDDの原因にならないことがわかる。したがって、ツイストファイバーが曲がっても、測定されるGDDは一定のままであり、「V. Tsvirkun et al., “Bending-induced inter-core group delays in multicore fibers” Optics Express 25, 31863-31875 (2017)」に記載されているような、ねじれのないMCFと曲がったMCFの場合のようにMCFの曲げがGDDの付加につながることはない。
詳細な例示的な実施形態によって説明したが、光線を伝送および制御するための装置は、当業者には明らかになるであろう様々な変形、修正および改良を含み、これらの様々な変形、修正および改良は、以下の請求項によって規定されるような本発明の範囲の一部を形成することが理解される。特に、本明細書による光線を伝送および制御するための装置は、いわゆる「レンズレス」内視鏡撮像に適用可能であり、また、光線を伝送するために非結合シングルモードファイバーの束を使用し、シングルモード光ファイバーの束の出口における光線の位相の制御を必要とすることに基づく他の用途にも適用可能である。

Claims (9)

  1. 光線を伝送および制御するための装置であって、
    複数の非結合シングルモード光ファイバー(F)の束(50)を備え、各シングルモード光ファイバー(F)が近位端で要素ビーム(B1i)を受け、遠位端で光線(B2i)を放射する、光ガイド(40)と、
    前記光ガイド(40)の前記近位端側に配置され、
    前記要素ビーム(B1i)の各々に位相シフトを適用するのに適した少なくとも第1の空間光変調器(30)および
    前記光ガイドの遠位端にて所定の位相関数を持つ照明光を形成するために、前記要素ビーム(B1i)の各々に位相シフトを適用するように構成された、前記第1の空間光変調器を制御するための制御ユニット(60)、
    を含む、位相制御用の光学装置と、
    を備え、
    前記シングルモード光ファイバーの束は、動作時におけるファイバー束の最大曲率に対応する最小曲率半径が規定され、
    前記シングルモード光ファイバーの束(50)が、ねじられており、前記シングルモード光ファイバーの束に前記最大曲率よりも小さい曲率を持たせたときに前記光ガイドの遠位端で前記位相関数を保持するように規定されたねじれ周期(P)を持つ、装置。
  2. 前記ねじれ周期が、1mmと30mmの間で構成される、請求項1に記載の装置。
  3. 前記シングルモード光ファイバーの束の長さ(L)は、kを整数とすると、前記ねじれ周期(P)のk倍に等しい、請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記第1の空間光変調器を制御するための前記制御ユニット(60)が、さらに、前記シングルモード光ファイバーのねじれ撚束の近位の入口で前記要素ビーム(B1i)の各々に角度偏差(θ)を適用するように構成され、前記角度偏差(θ)は、前記シングルモード光ファイバーの束における前記要素ビームを受けるシングルモードファイバーの位置に応じて、前記シングルモードファイバーへの結合を改善するように規定されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 前記光ガイドが、前記シングルモード光ファイバーのねじれ撚束(50)の前記遠位端および前記近位端の少なくとも一方に、ねじれが可変の部分(51、52)を含み、前記遠位端側および前記近位端側の少なくとも一方で、前記ねじれ周期が無限大になる、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 前記ねじれが可変の部分は、前記遠位端および前記近位端の少なくとも一方において、長さが1cm未満のねじれていない部分を有する、請求項5に記載の装置。
  7. 前記装置は、光パルスを含む光線を伝送および制御するのに適しており、前記装置はさらに、前記光パルスの群速度遅延を制御するための装置を含み、前記光パルスの群速度遅延を制御するための装置は、前記シングルモード光ファイバーのねじれ撚束の前記シングルモードファイバー間の静的な群速度遅延を抑制するように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の装置。
  8. 前記シングルモード光ファイバーの少なくとも何本かがドープされている、請求項1~7のいずれか1項に記載の装置。
  9. 光線を放射するための光源(10)と、
    規定された位相関数で物体に光をあてるためのビームを形成するために、前記光源から放射された光線を伝送および制御するための、請求項1~8のいずれか1項に記載の装置と、
    前記物体により戻され少なくとも1本の第1の光ガイド(40)を通ってその遠位端から近位端まで伝送される光を、検出するための検出チャネル(20、21)と、を備える、内視鏡撮像システム。
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