JP7430167B2 - 地域マイクログリッドの復電方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地域マイクログリッド及び小規模バイオマス発電設備に関する。
国産材を燃料とする小規模バイオマス発電設備は、再生可能エネルギーの特色(CO2フリー、エネルギー自給率向上)を活かし、「地産地消」、「熱電併給」による省エネおよび森林整備などの「林業活性化」に対する社会的ニーズが高い。また、最近の地震、台風などの度重なる自然災害による停電により、「地産地消電源」に対しては、停電時にもその電源が接続されている地域マイクログリッドへの電源供給のニーズが高まっている。
特に、発電機出力2000kW未満の小規模バイオマス発電設備は、配電線(地域マイクログリッド)に直接接続されるため、そのニーズは高い。
ボイラ、蒸気タービンおよび同期発電機で構成されている小規模バイオマス発電設備には、一般に、次の特徴がある。
蒸気タービンおよび同期発電機の慣性力により、短時間の需要の変動に対して周波数の変化が小さく、安定した周波数を供給できる。
一般的なパワーコンディショナ(PCS)を用いた太陽光発電設備は、安定した周波数の電力系統に電力を供給できるが、周波数が不安定な電力系統に電力を供給することは困難であるため、グリッドが単独運転となった際には、小規模バイオマス発電設備から安定した周波数を供給することで、発電設備として有効に使用できる。
一方、ボイラは、熱容量が大きく、蒸気タービンの駆動源となる蒸気発生量を速やかに増減させることが難しい。
また、電力系統から切り離された状態で地域マイクログリッドに電力を供給する地域マイクログリッド運転時には、供給と需要のバランスのずれにより周波数の変動幅が大きくなり易く、周波数を規定された範囲内に制御しないと蒸気タービン・発電機保護のため、発電設備を自動停止する保護装置が動作して発電設備は停止する。
電力系統からの電力の供給を受けられない地域マイクログリッド運転時には、小規模バイオマス発電設備が一旦停止すると、再起動するための電力供給を受けられず、さらに再起動操作に時間を要するため、停電時間が長期化する。
近年、激甚災害が発生し、停電期間が長期化することが社会的問題となっている中で、費用や時間を掛けずに、長期間停電を抑止する対応策が求められている。
尚、分散型発電設備を有する地域コミュニティ(地域マイクログリッド)に関する文献として特許文献1があり、蒸気タービンの保護装置を開示する文献として、特許文献2がある。
特開2014-131389号公報 特開昭60-6005号公報
発電機出力2000kW未満の小規模バイオマス発電設備は、送電線を介さず、直接配電線に接続される。近年、激甚災害の頻発により、電力系統からの電力供給ができなくなることによる停電時間の長期化が社会的問題となる中、地域マイクログリッドに直接接続された小規模バイオマス発電設備からの地域マイクログリッドへの電力供給が期待されている。
地域マイクログリッドは配電事業者が運営し、発電設備は発電事業者が運営することが一般的である。
配電事業者がグリッド内の電気の供給と需要を常にバランスさせる制御装置を設置し、さらに、その指令に基づき小規模バイオマス発電設備を急速に出力変化させ追従できるようにして、自然災害等発生により地域マイクログリッド運転となっても、無停電で電力を供給できることが理想である。しかし、そのためには、多大の費用を要することとなる。
本発明は、電力系統事故が発生した場合に、地域マイクログリッド運転により長期停電を回避しつつ、地域マイクログリッドを復電させる方法、及びそれに適した小規模バイオマス発電設備の制御装置を開示する。
系統遮断器を介して電力系統に連系するとともに、発電機遮断器を介して発電機出力2000kW未満の小規模バイオマス発電設備が接続された地域マイクログリッドの復電方法であって、以下の5つのステップを含む。
第1ステップは、電力系統事故発生により、前記発電機遮断器を自動的に開放して、前記小規模バイオマス発電設備を所内負荷に対してのみ電力供給する自立運転に移行する。発電事業者は、自立運転への移行後、発電設備の運転を安定させるとともに、系統復旧もしくは地域マイクログリッド発動に備えて自立運転を継続する。前記小規模バイオマス発電設備の運転が安定していることを条件として、配電事業者に復電準備完了を連絡するステップである。
第2ステップは、復電準備完了の連絡を受けた配電事業者は、前記地域マイクログリッドのうち、優先度の最も高い第1ブロック、例えば、前記小規模バイオマス発電設備に最も近いブロックの開閉器を投入状態とし、それ以外のブロックの開閉器を開放状態とし、発電事業者に発電機遮断器投入準備完了を連絡するステップである。
第3ステップは、前記配電事業者から発電機遮断器投入準備完了の連絡を受けた発電事業者は、前記発電機遮断器を投入し、前記小規模バイオマス発電設備を前記地域マイクログリッドに対して電力供給する地域マイクログリッド運転に移行し、前記地域マイクログリッドの第1ブロックへの復電を開始するステップである。
第4ステップは、前記発電事業者は、前記第1ブロックの復電開始に伴い需要急増後の小規模バイオマス発電設備の運転状態が安定していることを条件として、前記配電事業者に対して、優先度が次に高い第2ブロック、例えば、前記第1ブロックの次に小規模バイオマス発電設備に近いブロックへの電力供給操作が可能であることを連絡するステップである。
第5ステップは、電力供給操作可能の連絡を受けた前記配電事業者は、前記第2ブロックの開閉器を開放状態から投入状態に切り換え、発電事業者に連絡するステップである。
前記第1ステップから前記第5ステップの実行後、停電中のブロックを対象として前記第4ステップと前記第5ステップを繰り返すことにより、前記小規模バイオマス発電設備に近いブロックから順々に、前記地域マイクログリッドの復電範囲を拡大する。
尚、復電の順序(優先度)は、ブロックごとの需要を想定するとともに、地方公共団体の災害対策本部や病院など、防災拠点を優先して復電するなど、予め、地方公共団体、配電事業者、発電事業者が協議して、復電計画を定めておくことが望ましい。
発電機出力2000kW未満の小規模バイオマス発電設備の制御装置であって、プラント制御装置と、タービン制御装置と、を備える。
前記プラント制御装置は、前記小規模バイオマス発電設備の発電機出力の指令値に対する偏差に応じた第1ガバナ増減信号を出力する発電機出力制御部と、前記小規模バイオマス発電設備のタービン回数数から発電機周波数を算出し、算出した発電機周波数の設定値に対する偏差に応じた第2ガバナ増減信号を出力する周波数制御部と、前記小規模バイオマス発電設備の制御モードに応じて、前記発電機出力制御部と前記周波数制御部を切り替える切替器とを備える。
前記切替器は、前記小規模バイオマス発電設備が第1制御モードの場合、前記タービン制御装置に対して前記発電機出力制御部の出力する前記第1ガバナ増減信号を出力し、前記小規模バイオマス発電設備が第2制御モードの場合、前記タービン制御装置に対して前記周波数制御部の出力する前記第2ガバナ増減信号を出力する。
前記タービン制御装置は、前記第1制御モード中、前記発電機出力制御部の出力する前記第1ガバナ増減信号に基づいて、前記小規模バイオマス発電設備の蒸気加減弁の開度を制御することにより、指令値に対する偏差を小さくするように発電機出力をフィードバック制御し、前記第2制御モード中、前記周波数制御部の出力する前記第2ガバナ増減信号に基づいて、前記小規模バイオマス発電設備の蒸気加減弁の開度を制御することにより、設定値に対する偏差を小さくするように、発電機周波数をフィードバック制御する。
本発明によれば、電力系統事故後に地域マイクログリッド運転を行うことで、小規模バイオマス発電設備の運転停止による長期停電を回避しつつ、地域マイクログリッドを復電させることが出来る。また、この発明によれば、配電事業者がグリッド内の供給と需要を常にバランスさせる大規模な制御装置を設置する必要がなく、費用の発生を抑えることが出来る。
地域マイクログリッドの電力の需給を示す図 地域マイクログリッドの電力の需給を示す図 地域マイクログリッドの各ブロックを示す図 木質バイオマス発電設備の概略構成図 地域マイクログリッドの電力の需給を示す図 地域マイクログリッドの電力の需給を示す図 復電手順の説明図 ボイラ・タービンの制御概念図 プラント制御装置のブロック図(比較例) プラント制御装置のブロック図(改良例)
<実施形態>
1.地域マイクログリッド3の運用
図1に示すように、地域マイクログリッド3は、系統遮断器6を介して電気事業者(例えば、電力会社等)の運営する電力系統5に接続され、発電機遮断器7を介して小規模木質バイオマス発電設備10に接続されている。電力系統5は、系統電源(図略)を有しており、電力を供給する。
通常時、2つの遮断器6、7は投入状態であり、地域マイクログリッド3は、当該発電設備10と電力系統5の両方に接続されている。そのため、当該発電設備10から地域マイクログリッド3に供給される電力よりも需要が大きい場合、不足分を電力系統5から供給する。逆に、需要が小さい場合、余剰分を電力系統5に供給することで、供給と需要がバランスする。
図2に示すように、自然災害時など電力系統に事故が発生した場合、系統遮断器6が自動的に開放されることで電力系統5から地域マイクログリッド3への電力供給は遮断されるが、小規模バイオマス発電設備10は地域マイクログリッド3に送電線を介さず直接接続されているため、系統事故発生時においても、地域マイクログリッド3が健全であれば、これへの電源供給が可能である。
しかし、地域マイクログリッド3内の供給と需要のバランスが崩れると、周波数が変動し、周波数の変動幅が小規模木質バイオマス発電設備10の蒸気タービン・発電機の許容範囲を超えると、小規模木質バイオマス発電設備10は機器保護のため自動停止し、地域マイクログリッド3は停電することとなる。
さらに、小規模木質バイオマス発電設備10が一旦停止すると、再起動するための電力供給を受けられず、さらに再起動操作に時間を要するため、停電時間が長期化する。
地域マイクログリッド3は、図3に示すように、電力の供給エリアがブロック化されており、配電事業者により、ブロックBごとに供給制御が可能である。この実施形態では、B1~B4の4ブロックに分けられている。各ブロックB1~B4は、電力系統5やバイオマス発電設備10が接続される幹線L0から分岐する分岐線L1~L4を介して、電力が供給されるようになっている。これら各分岐線L1~L4には、それぞれ開閉器SW1~SW4が設けられており、開閉器制御により、ブロックB1~B4ごとに電力を供給することが出来る。
図3に示す符号「4」は、地域マイクログリッド3の監視センターであり、配電事業者は、監視センター4にて、地域マイクロブリッド3の電気の運用状況をモニタで監視することができる。また、各ブロックB1~B4の開閉器SW1~SW4の動作状況(投入/開放)を監視することが出来る。この実施形態では、開閉器SW1~SW4の投入/開放を監視センター4の制御盤で遠隔操作することが出来る。開閉器SW1~SW4の投入/開放は、遠隔制御に限らず、現地に赴いて手動で操作してもよい。
地域マイクログリッド3は配電事業者が運営し、小規模木質バイオマス発電設備10は発電事業者が運営することが一般的であるため、特に、地域マイクログリッド発動による地域マイクログリッド運転時は、両事業者の連携を密にして、電力の需要と供給をバランスさせる必要がある。
小規模木質バイオマス発電設備10には、電力系統5の接続状況や電力の需給に応じて、「通常運転」と、「地域マイクログリッド運転」と、「自立運転」の3つの運転状態がある。
「通常運転」は、地域マイクログリッド3が電力系統5に接続されており、小規模木質バイオマス発電設備10の発電する電力だけでなく、電力系統5からも地域マイクログリッド3に電力を供給可能な運転状態である(図1:2つの遮断器6、7とも投入状態)。
「地域マイクログリッド運転」は、地域マイクログリッド3が電力系統5から切り離され、小規模木質バイオマス発電設備10の発電する電力だけで、地域マイクログリッド3内の電力の需要を賄う運転状態である(図2:遮断器6は開放状態、遮断器7は投入状態)。
「自立運転」は、小規模木質バイオマス発電設備10を地域マイクログリッド3から切り離し、小規模木質バイオマス発電設備10が、当該発電設備10の所内負荷Rに対してのみ電力を供給する運転状態である(図5:2つの遮断器6、7とも開放状態)。所内負荷Rは、バイオマス発電設備10の稼働に必要となる負荷であり、例えば、蒸気タービン23から復水器26に排気される排蒸気を冷却する冷却水系統設備や、制御装置70などがこれに含まれる。
2.小規模木質バイオマス発電設備と地域マイクログリッド運転時の課題
図4は、小規模木質バイオマス発電設備10の概略構成図である。小規模木質バイオマス発電設備10は、発電機出力2000kW未満(配電用)であり、送電線を介さず、地域マイクログリッド(6600Vの配電網)3に直接接続されている。
小規模木質バイオマス発電設備10は、ボイラ21と、蒸気タービン23と、同期発電機25と、復水器26と、蒸気加減弁27、給水ポンプ28と、バグフィルタ31と、フライアッシュサイロ33と、排気塔35と、燃料供給部40と、を備えている。
燃料供給部40は、木質チップP等のバイオマス燃料を貯蔵する貯蔵庫41と、投入クレーン43と、供給ホッパ45と、ボイラ21にバイオマス燃料を供給する供給フィーダ46とを備えている。バイオマス燃料は、供給ホッパ45から燃料管45Aを通って、ボイラ21に供給される。供給フィーダ46の回転数制御により、ボイラ21に対する燃料の投入量を制御することが出来る。
ボイラ21は、流動層ボイラであり、燃料供給部40より供給されるバイオマス燃料を燃料するための流動層(流動床)21Aを有している。
小規模木質バイオマス発電設備10は、燃料供給部40より供給されるバイオマス燃料を、ボイラ21で燃焼して蒸気を生成し、生成した蒸気を、蒸気管22を通じて蒸気タービン23に供給する。そして、蒸気の供給により蒸気タービン23が回転し、蒸気タービン23に直結された同期発電機25が発電を行う。
地域マイクログリッド運転中に需要が供給を急速に下回り、電気の周波数が急増した場合は、ボイラ21で発生した蒸気の一部を大気放出弁で逃すことで、蒸気タービン23への入熱量を制御できるが、逆に、需要が供給を急速に上回り、周波数が急減した場合は、ボイラ21で発生蒸気量を急速に増加させることは難しい。
したがって、需要の急増に対して、小規模木質バイオマス発電設備10を停止させずに制御させることが、1つの課題である。電力の需要の急増が発生するのは、地域マイクログリッド3の復電時であり、地域マイクログリッド3の復電範囲を一度に拡大すると、需要の急増により電気の周波数が急減して保護装置が働き、小規模木質バイオマス発電設備10の運転を継続できない可能性がある。
3.地域マイクログリッド運転を行うための運転方法
地域マイクログリッド3が電力系統5から切り離された場合に、地域マイクログリッド3を無停電で地域マイクログリッド運転に切替えるのではなく、短期間の停電を許容することとして、上記の小規模木質バイオマス発電設備運転上の課題を考慮の上、早期かつ確実に地域マイクログリッド3を復電させ、停電期間の長期化を抑止する運転方法について、記載する。
(1)自立運転への移行
電力系統事故発生により、事故を検出した電力系統側の検出器から系統遮断器開放信号が送信され、系統遮断器6が自動的に開放して単独運転となると、単独運転検出装置11が動作して発電機遮断器7を自動的に開放し、小規模木質バイオマス発電設備10は自立運転に移行する。尚、単独運転検出装置11は、小規模バイオマス発電設備10に設置され、単独運転を検出した場合に、発電機遮断器7に切り離し信号を出力して発電機遮断器7を投入状態から開放状態に切り換える装置である。単独運転は、発電設備等が連系されている系統が、事故等によって系統電源から切り離された状態において、発電設備等の運転が継続し線路負荷(発電設備設置者以外の需要家負荷の総合)に電力供給している状態を言う。単独運転は、例えば、発電設備10の発電機周波数や発電機出力の変化量から検出することが出来る。
小規模木質バイオマス発電設備10を運転継続するために必要となる所内動力量(所内負荷Rの動力量)はあらかじめ把握できており、小規模木質バイオマス発電設備10を、通常運転(図1)から自立運転(図5)に移行することは、可能である。
したがって、電力系統事故発生時には、発電事業者は、図5に示すように、地域マイクログリッド3に接続されている発電機遮断器7が開放され自立運転に移行したことを確認し、運転状態を安定させるとともに、系統復旧もしくは地域マイクログリッド発動に備えて、自立運転を継続する。
自立運転中は、電気の周波数と電圧を安定に保つため、発電事業者は、小規模木質バイオマス発電設備(蒸気タービンと発電機)10の制御モードを、「第1制御モード」から「第2制御モード」に切替える。制御モードについては、後に改めて説明を行う。
自立運転中、ボイラ21は、燃焼を継続させるために必要となる最小燃料量による運転となるため、所内動力を発電するために必要となる蒸気量以上の蒸気が発生することとなり、余剰蒸気を大気放出弁から大気に放出する。
発電事業者は、自立運転への移行後、小規模木質バイオマス発電設備10の状態を監視し、運転状態が安定したら、配電事業者に復電準備完了を連絡する(図7のS1:第1ステップ)。
小規模バイオマス発電設備10の運転状態の安定は、以下の運転データを指標に判断する。この実施形態では、これら運転データや変化量が所定範囲に全て収まっている場合、安定と判断する。以下の説明においても、運転状態の安定は、同様の方法で判断する。
(a)タービン回転数
(b)同期発電機25の出力電圧
(c)主蒸気圧力
尚、配電事業者と発電事業者の2つの事業者間の連絡は、電話やメール等、既存の通信インフラを利用して行う。
(2)地域マイクログリッド3の復電
配電事業者は、地域マイクログリッド3の健全性(すなわち、グリッド内における配電線の異常の有無)を確認するとともに、発電事業者から復電準備完了の連絡を受けると、復電の準備を行う。具体的には、小規模木質バイオマス発電設備10に最も近いブロックBの開閉器SWのみ投入状態とし、それ以外のブロックBの開閉器SWを開放状態とする。この例では、ブロックB1の開閉器SW1のみ投入状態とし、それ以外のブロックB2~B4の開閉器SW2~SW4を開放状態とする。そして、開閉器SWの切り換えが完了すると、配電事業者は、発電事業者に発電機遮断器投入準備完了を連絡する(図7のS2:第2ステップ)。
発電事業者は、配電事業者から発電機遮断器投入準備完了の連絡を受けると、前記単独運転検出装置11からの切り離し信号を除外(例えば、発電機遮断器7に対する切り離し信号の入力を一時的に制限する回路等により除外)してから、図6に示すように、発電機遮断器7を投入する。尚、小規模木質バイオマス発電設備10には、制御室が設けられており、常駐する運転員は、制御盤からの操作等により、発電機遮断器7の開放/投入操作を行うことが出来る。
発電機遮断器7の投入により、小規模木質バイオマス発電設備10は、地域マイクログリッド3に対して電力供給する地域マイクログリッド運転に移行する。これにて、第2制御モードで稼働する小規模木質バイオマス発電設備10から最初のブロックB1への電気の供給が開始される(図7のS3:第3ステップ、地域マイクログリッド運転)。
最初のブロックB1への復電開始により、自立運転中に比べて、電力の需要が急増する。発電事業者は、復電開始後、小規模木質バイオマス発電設備10の運転状態を監視し、運転状態の安定を確認する。尚、運転状態の安定の判断手法は、既に説明した通りである。
そして、発電事業者は、小規模バイオマス発電設備10の運転状態が安定したことを確認すると、配電事業者に、次のブロックB2への電力供給操作可能を連絡する(図7のS4:第4ステップ)。
配電事業者は、発電事業者から電力供給操作可能の連絡を受けると、次のブロックB2の復電操作を行う。具体的には、ブロックB1の開閉器SW1に加えて、次のブロックB2の開閉器SW2を投入状態に切り替える。
開閉器SW2の切り替えにより、第1ブロックB2に加え、次のブロックB2に対して、小規模木質バイオマス発電設備10から電力が供給される(復電開始)。そして、配電事業者は、次のブロックB2への復電開始後(開閉器SWの切り換えの完了後)、発電事業者に復電操作実施を連絡する(図7のS5:第5ステップ)。
発電事業者は、配電事業者から次のブロックB2の復電操作実施の連絡を受けると、小規模木質バイオマス発電設備10の運転状態を監視する。そして、発電事業者は、小規模バイオマス発電設備10の運転状態が安定したことを確認し、配電事業者に、次のブロックB3への供給操作可能を連絡する(図7のS4:第4ステップ)。
その後、配電事業者と発電事業者は、連携を密にして、S4、S5を繰り返し実施し、地域マイクログリッド3の復電範囲を、小規模木質バイオマス発電設備10に対して近いブロックBから順々に拡大していく。この実施形態では、第1ブロックB1、第2ブロックB2、第3ブロックB3、第4ブロックB4の順に、復電範囲を拡大する。
尚、復電の順序(優先度)は、ブロックごとの需要を想定するとともに、地方公共団体の災害対策本部や病院など、防災拠点を優先して復電するなど、予め、地方公共団体、配電事業者、発電事業者が協議して、復電計画を定めておくことが望ましい。
このように、小規模木質バイオマス発電設備10による地域マイクログリッド運転により、電力系統事故により電力供給の停止した地域マイクログリッド3を、復電することができる。
ただし、地域マイクログリッド3の復電は、グリッド全体の需要が、小規模木質バイオマス発電設備10の定格出力を上回らない範囲で、行う必要がある。
この方法によれば、地域マイクログリッド3の復電範囲を一度に拡大せず、段階的に拡張する。復電範囲の段階的な拡張により需要の急増を抑えることができるため、周波数の急減を抑制することが可能となり、小規模木質バイオマス発電設備10の運転停止による長期停電を回避することが可能となる。
また、この方法によれば、配電事業者がグリッド内の供給と需要を常にバランスさせる制御装置を設置する必要がなく、これら制御装置を設置する場合に比べて、費用の発生を抑えることが出来る。
(3)地域マイクログリッド運転から通常運転への切り替え方法
電力系統5が事故から復旧した後に、「地域マイクログリッド運転」から「通常運転」に切替える際には、地域マイクログリッド運転中の地域マイクログリッド3は、電力系統5に対して周波数、位相にずれが生じているため、電力系統の非同期接続によるトラブルを避けるため一旦、地域マイクログリッド3を停電させ、電力系統5に接続する必要がある。その間、発電事業者は、発電機遮断器7を開放し、小規模木質バイオマス発電設備10を自立運転にて待機させる。
電力系統の事故復旧後、系統遮断器6が投入され、地域マイクログリッド3が電力系統5に接続された後に、発電事業者は、電力系統5の電気の周波数と同期をとりつつ、発電機遮断器7を投入して、小規模木質バイオマス発電設備10を電力系統5に併入する。そして、電力系統5に併入後、発電事業者は、小規模木質バイオマス発電設備10の制御モードを「第2制御モード」から「第1制御モード」に切替える。
4.地域マイクログリッド運転を実施するための小規模バイオマス発電設備制御装置の課題
通常、小規模バイオマス発電設備は、固定価格買取制度(FIT制度)による売電目的で作られており、定格出力一定運転をベースに設計されているため、地域マイクログリッド3が電力系統5から切り離され、「地域マイクログリッド運転」になった場合、電力の需要と供給のバランスをとり、周波数を安定させて運転することが困難である。
図8は、ボイラ・タービンの制御概念図である。小規模木質バイオマス発電設備10の制御装置70は、プラント制御装置(以下「APC」)100と、タービン制御装置(以下「GOV」)200を有している。
小規模木質バイオマス発電設備10は、出力測定器51、回転数測定器53、圧力測定器55などの計測類を有している。出力測定器51は、同期発電機25の出力[kW]と、出力電圧[kV]を測定する。単に出力と言う場合、電力(有効電力)[kW]を指す。回転数測定器53は、蒸気タービン23のタービン回転数[rpm]を測定する。圧力測定器55は、蒸気タービン23に供給される主蒸気の圧力[pa]を計測する。
出力測定器51、圧力測定器55の測定値は、APC100に入力される。また、回転数測定器53の測定値は、APC100とGOV200に入力される。
APC100は、出力測定器51、回転数測定器53、圧力測定器55の測定値に基づき、ボイラ21や蒸気タービン23などプラント全体を制御する。GOV200は、APC100の出力するガバナ増減信号SGとタービン回転数測定値に基づいて、タービン入口の蒸気加減弁27の開度を制御することにより、蒸気タービン23のタービン回転数が急激に変化しないように、つまり、回転数変化量が許容値に収まるように、蒸気タービン23を制御する。尚、図8に示す「CV」はコントロールバルブである。
小規模木質バイオマス発電設備10は、通常、複数発電機や負荷が接続された大規模な電力系統5に接続されるため、発電したい電力を、周波数を変化させることなく、地域マイクログリッド3や電力系統5に供給できる。
そのため、現状のAPC100A(発明の比較例)は、GOV200によりタービン回転数の急激な変化を抑えつつ、運転員が設定する発電機出力指令値となるように、発電機出力[kW]のフィードバック制御を行っている。
図9Aは、現状のAPC100Aのブロック図である。APC100Aは、第1制御部110Aと、第2制御部120Aと、第3制御部130Aと、を備える。
第1制御部110Aは、発電機出力[kW]をフィードバック制御する発電機出力制御部であり、発電機出力測定値と発電機出力指令値とが入力される。第1制御部110Aは、発電機出力の偏差(指令値に対する偏差)に基づき、ガバナ増減信号SGをGOV200に出力する。
GOV200は、タービン回転数の急激な変動を抑えつつ、第1制御部110Aから出力されるガバナ増減信号SGに基づいて、タービン入口に設けられた蒸気加減弁27の開度を制御する。ガバナ増減信号SGに基づく蒸気加減弁27の開度制御により、発電機出力が指令値になるように、蒸気タービン23をフィードバック制御する(発電機出力のフィードバック)。
第2制御部120Aは、ボイラ制御部である。第2制御部120Aは、演算部123と、補正部125とからなる。演算部123は、発電機出力指令値からボイラ入力指令値を演算する。具体的には、発電機出力指令値に応じた、バイオマス燃料の投入量や空気流量を演算する。補正部125は、圧力測定器55の測定値(主蒸気圧力)と主蒸気圧力設定値との差分に応じて、演算部123の演算したボイラ入力指令値を補正する。
この実施形態では、補正部125を、比較器126と加算器127とから構成している。比較器126は、主蒸気圧力とその設定値が入力され、主蒸気圧力の偏差に応じた補正値を出力する。加算器127は、演算部123により算出されるボイラ入力指令値に補正値を加算し、ボイラ入力指令値を補正する。
第2制御部120Aは、補正後のボイラ入力指令値に基づいて、燃料供給用のフィーダ46や空気流量調整用のファン47の回転数を調整することで、ボイラ21に入力されるバイオマス燃料の投入量や空気流量を制御する。
第3制御部130Aは、主蒸気圧力制御部であり、主蒸気圧力上昇時に、大気放出弁開度信号を出力して大気放出弁29を開放することで、ボイラ21から蒸気タービン23に供給される主蒸気圧力を逃がす制御を実行する。この実施形態では、信号発生器131と加算器133を有している。加算器133は、主蒸気圧力設定値に対して信号発生器131の出力する信号(+β)を加算して、第3制御部130Aに出力する。つまり、主蒸気圧力設定値に所定値βを加算した信号が第3制御部130Aに入力される構成になっており、主蒸気圧力設定値+βの閾値で、主蒸気を大気放出して、主蒸気圧力を下げるようになっている。
地域マイクログリッド運転時のAPC100Aの課題
地域マイクログリッド運転となった場合、地域マイクログリッド3には、小規模木質バイオマス発電設備10以外の他の発電機が接続されていないため、小規模バイオマス発電設備単独で、需給バランスをとり、電気の周波数を一定に制御する必要がある。しかし、APC100Aは、発電機出力を指令値に制御することはできるが、電力の需給バランスをとり、周波数を一定に制御することはできない(課題1)。
小規模木質バイオマス発電設備10に使用するボイラ21は、熱容量が大きいため、復電開始後の需要増加に伴い燃料の投入量を増加しても、ボイラ蒸発量(蒸気量)を急速に増加させることはできない(課題2)。
図9Bは、APC100Bのブロック図である。APC100Bは、課題1、2を改善するため、APC100Aを改良している。具体的に説明すると、APC100Bは、切替スイッチ105と、第1制御部110Bと、第2制御部120Bと、第3制御部130Bと、第4制御部140を備える。
切替スイッチ105は、小規模木質バイオマス発電設備10の制御モードを切り替えるスイッチである。発電事業者は、切替スイッチ105の操作により、小規模木質バイオマス発電設備10の制御モードを、「第1制御モード」又は「第2制御モード」に切り替えることができる。
第1制御部110Bは、発電機出力制御部111と、周波数制御部113と、切替器115と、を備える。
発電機出力制御部111には、出力測定器51の測定値(発電機出力)と発電機出力指令値が入力される。発電機出力制御部111は、発電機出力の偏差(指令値に対する偏差)に基づき、第1ガバナ増減信号SG1を切替部115に出力する。
周波数制御部113には、回転数測定器53の測定値(タービン回転数)と周波数設定値とが入力される。周波数制御部113は、タービン回転数から発電機周波数を算出する。発電機周波数は、タービン回転数と同期発電機25の極数Pから算出できる。周波数制御部113は、タービン回転数から算出した発電機周波数の偏差(設定値に対する偏差)に基づき、第2ガバナ増減信号SG2を切替部115に出力する。
切替器115は、2つの制御部111、113の切り替えを行う。具体的には、第1制御モードが選択された場合、発電機出力制御部111に切り換えて、第1ガバナ増減信号SG1をGOV200に出力し、第2制御モードが選択された場合、周波数制御部113に切り換えて、第2ガバナ増減信号SG2をGOV200に出力する。
通常運転中、発電事業者が第1制御モードを選択することで、GOV200は、発電機出力制御部111から出力される第1ガバナ増減信号S1に基づいて蒸気加減弁27の開度を制御する。そのため、通常運転中、小規模木質バイオマス発電設備10の発電機出力[kW]を指令値にフィードバック制御することが出来る。
自立運転中と地域マイクログリッド運転中、発電事業者が第2制御モードを選択することで、GOV200は、周波数制御部113から出力される第2ガバナ増減信号S2に基づいて、蒸気加減弁27の開度を制御する。そのため、自立運転中及び地域マイクログリッド運転中、小規模木質バイオマス発電設備10の発電機周波数を設定値に、フィードバック制御することが出来る。
第1制御部110Bの効果は、以下の通りである。
地域マイクログリッド運転では、電力の需給バランスがずれると、発電機周波数(=タービン回転数)が変動する。具体的には、需要が供給を上回れば、電気の周波数は低下し、逆に、供給が需要を上回れば、電気の周波数は上昇する。なお、地域マイクログリッド3の周波数は、発電機周波数(回転数)に同期する。
周波数の急変に対しては、GOV200のガバナ調定率により、蒸気加減弁27の開度を調整して、蒸気タービン23が過速度となることを防止するが、そのままでは、周波数(回転数)設定値と実際の周波数(回転数)にオフセットを生じるため、APC100からガバナ増減信号を出力し、オフセットを解消する必要がある。
第1制御部110Bによれば、「第2制御モード」の選択により、発電機周波数を設定値に制御でき、自立運転時と地域マイクログリッド運転時、電気の周波数の変動を抑え、安定させることが出来る。また、この構成では、回転数測定器53の測定値(タービン回転数)から発電機周波数を求めているので、制御装置70に、わざわざ周波数信号を追加入力しなくとも、発電機周波数を制御することができる。
また、「第1制御モード」の選択により、発電機出力[kW]を指令値(この例では、定格)に制御することも可能である。つまり、通常運転時は、小規模木質バイオマス発電設備10を定格出力で運転し、発電効率の高い効率的な運用が可能となる。
第2制御部120Bは、切替器121と、演算部123と、補正部125とから構成されており、APC100Aの第2制御部120Aに対して、切替器121を追加した点が相違している。
切替器121は、小規模木質バイオマス発電設備10の制御モードに応じて、演算部123に対する入力を切り換える。具体的には、第1制御モードが選択された場合、演算部123に対して発電機指令値を入力し、第2制御モードが選択された場合、演算部123に対して発電機出力(測定値)を入力する。
以上のことから、第1制御モードの選択中、発電機指令値に基づいて、ボイラ入力指令値が演算されるのに対し、第2制御モードの選択中、実際の発電機出力に基づいて、ボイラ入力指令値が演算される。
第3制御部130Bは、主蒸気圧力制御部であり、主蒸気圧力上昇時に、大気放出弁開度信号を出力して大気放出弁29を開放することで、主蒸気圧力を逃がす制御を実行する。APC100Bには、信号発生器131と加算器133に加え、更に、信号発生器135、136、切替器137、加算器138が設けられている。
信号発生器136は第1信号を出力し、信号発生器135は第2信号を出力する。第1信号は「0(ゼロ)」、第2信号は「+α」の数値の信号である。
切替部137は、切替スイッチ105の出力に応答して、加算器138への入力を切り換える。具体的には、第1制御モードが選択された場合、信号発生器136の出力する第1信号「0(ゼロ)」を加算器138に出力し、第2制御モードが選択された場合、信号発生器135の出力する第2信号「+α」を加算器138に出力する。加算器138は、入力信号を主蒸気圧力設定値に対して加算する。
つまり、第1制御モードが選択された場合、主蒸気圧力設定値に対して信号発生器136の出力する第1信号(0)が加算されるのに対して、第2制御モードが選択された場合、主蒸気圧力設定値に対して信号発生器135の出力する第2信号(+α)が加算される。
以上のことから、第2制御モードが選択された場合、第1制御モードよりも+α高い閾値(つまり、主蒸気圧力設定値+α+βの閾値)で、大気放出弁29を開放して、主蒸気圧力を下げる構成になっている。
第4制御部140は、流動層温度制御部であり、温度センサ57により測定されるボイラ21の流動層温度が所定温度以下になった場合、起動バーナ点火指令を出力して、起動バーナ30を点火する。
第3制御部130Bと第4制御部140の効果は、以下の通りである。
復電開始に伴い電気の需要が急増した場合は、ボイラ蒸発量が一時的に不足する。APC100Bによれば、需要の急増に伴うボイラ蒸発量の一時的な不足に対する対応として、第2制御モードの選択により、第1制御モード時の設定値よりも+α高い閾値で、大気放出弁29を開放する。
大気放出弁29を開放する閾値を高くすることで、第1制御モードに比べて、ボイラ内に保有する蒸気量を多くすることができ、電力の需要急増(発電機出力の急増)に伴う、ボイラ蒸発量の不足を緩和できる。
また、燃料量の不足により流動層温度が低下した場合、第4制御部140が、起動バーナ30を点火することから、流動層温度を燃料着火温度以上に維持することが出来る。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、バイオマス燃料として、木質チップを例に挙げたが、動植物に由来する生物資源であれば、食品の生ゴミや家畜糞尿など、他の材料でもよい。
(2)上記実施形態では、小規模バイオマス発電設備10のボイラの種類は流動層ボイラとしたが、ストーカーボイラなど、他の種類でもよい。
(3)上記実施形態では、小規模バイオマス発電設備10の運転状態を、タービン回転数、出力電圧、主蒸気圧力の3つのデータから判断した。運転状態は、いずれか1つのデータだけで判断してもよいし、2つのデータから判断してもよい。
(4)上記実施形態では、電力系統事故発生に伴って、小規模木質バイオマス発電設備10の制御モードを、第1制御モードから第2制御モードに切り替えた。制御モードは、電力系統事故発生時に限らず、必要に応じて、切り替えてもよい。また、切り替えの方法は、手動に限らず、自動でもよい。
(5)上記実施形態では、電力系統5の事故に伴い系統遮断器6が開放して単独運転に移行すると、発電設備10に設置した単独運転検出装置11が動作して発電機遮断器7を自動的に開放した。単独運転検出装置11に代えて、転送装置を用いて発電機遮断器7を自動的に開放してもよい。つまり、電力系統5の事故に伴い系統側から系統遮断器6に送信される系統遮断器開放信号を、転送装置を用いて発電機遮断器7に転送し、発電機遮断器7を自動的に開放してもよい。
3 地域マイクログリッド
5 電力系統
6 系統遮断器
7 発電機遮断器
10 小規模木質バイオマス発電設備
11 単独運転検出装置
21 ボイラ
23 蒸気タービン
25 発電機
27 蒸気加減弁
29 大気放出弁
70 制御装置
100 プラント制御装置(APC)
105 切替スイッチ
110 第1制御部
111 発電機出力制御部
113 回転数制御部
115 切替器
200 タービン制御装置(GOV)

Claims (1)

  1. 系統遮断器を介して電力系統に連系するとともに、発電機遮断器を介して発電機出力2000kW未満の小規模バイオマス発電設備が接続された地域マイクログリッドの復電方法であって、
    電力系統事故発生により、前記発電機遮断器が自動的に開放するため、発電事業者は、前記小規模バイオマス発電設備を所内負荷に対してのみ電力供給する自立運転へ移行後、前記小規模バイオマス発電設備の運転が安定していることを条件として、配電事業者に復電準備完了を連絡する第1ステップと、
    復電準備完了の連絡を受けた配電事業者は、前記地域マイクログリッドが健全であることを確認後、前記地域マイクログリッドのうち、優先度の最も高い第1ブロックの開閉器を投入状態とし、それ以外のブロックの開閉器を開放状態とし、発電事業者に発電機遮断器投入準備完了を連絡する第2ステップと、
    配電事業者から発電機遮断器投入準備完了の連絡を受けた発電事業者は、前記発電機遮断器を投入し、前記小規模バイオマス発電設備を前記地域マイクログリッドに対して単独で電力供給する地域マイクログリッド運転に移行し、前記地域マイクログリッドの第1ブロックへの復電を開始する第3ステップと、
    発電事業者は、前記第1ブロックの復電開始に伴い需要急増後の小規模バイオマス発電設備の運転状態が安定していることを条件として、配電事業者に対して、前記第1ブロックの次に優先度の高い第2ブロックへの電力供給操作が可能であることを連絡する第4ステップと、
    電力供給操作可能の連絡を受けた配電事業者は、前記第2ブロックの開閉器を開放状態から投入状態に切り換え、発電事業者に連絡する第5ステップと、を含み、
    前記第1ステップから前記第5ステップの実行後、停電中のブロックを対象として前記第4ステップと前記第5ステップを繰り返すことにより、優先度の高いブロックから順々に、前記地域マイクログリッドの復電範囲を拡大する、地域マイクログリッドの復電方法。
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