<第1実施形態>
本発明の第1実施形態にかかる遊技機の一例として、第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機、および第3のパチンコ遊技機を例に挙げて説明する。
なお、この明細書において、特に断りがない限り、パチンコ遊技機の正面側を前方向、パチンコ遊技機の背面側を後方向、パチンコ遊技機を前方から見たときの左側を左方向、パチンコ遊技機を前方から見たときの右側を右方向、パチンコ遊技機の上側を上方向、パチンコ遊技機の下側を下方向、パチンコ遊技機を前方から見たときの時計回りの方向を右回り方向、その逆に反時計回りの方向を左回り方向として定義する。
第1のパチンコ遊技機および第2のパチンコ遊技機は、いずれも、デジパチと称される所謂1種タイプのパチンコ遊技機である。このうち、第1のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示されることがなくいずれか一方のみが可変表示されるパチンコ遊技機である。これに対し、第2のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能なパチンコ遊技機である。
また、第3のパチンコ遊技機は、デジパチと称される所謂1種タイプの遊技機と羽根モノと称される2種タイプの遊技機とを混合した1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機である。この明細書で説明する第3のパチンコ遊技機も、第1特別図柄および第2特別図柄を有するが、この明細書では、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示されることがなくいずれか一方のみが可変表示されるものを例に挙げて説明する。ただし、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能な1種2種混合機のパチンコ遊技機を排除する趣旨ではない。
なお、この明細書において、単に「特別図柄」と称するときは、とくに言及しない限り、第1特別図柄および第2特別図柄の両方を意味するものとする。
また、本明細書でいう「可変表示」とは、例えば、図柄が変動して表示される「変動表示」、および、図柄が停止して表示される「停止表示」等の両方を含む概念であり、変動表示の開始から停止表示されるまでの動作を1回の「可変表示」と称する。変動表示している図柄が停止表示(以下、「導出」とも称する)されると、後述する特別図柄の当り判定処理(以下、「特別図柄抽選」もと称する)の結果や普通図柄の当り判定処理(以下、「普通図柄抽選」とも称する)の結果が確定する。なお、図柄が見掛け上は停止しているように見えるものの、特別図柄の当り判定処理や普通図柄の当り判定処理の結果が確定しない態様(例えば仮停止した態様)で図柄が表示される場合もあるが、このような態様は上記の変動表示に含まれる。なお、図柄が例えば仮停止した場合であっても、この時点では特別図柄の当り判定処理や普通図柄の当り判定処理の結果が確定していないため、再び図柄を変動表示させることができる。
また、この明細書において、第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機を説明するにあたり、いずれも特別図柄の数が2つ(第1特別図柄、第2特別図柄)の場合を例に挙げて説明する。ただし、第1のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機については、特別図柄の数は1つであっても良い。
[1.第1のパチンコ遊技機]
先ず、第1のパチンコ遊技機について説明する。
第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示されることがなくいずれか一方のみが可変表示されるパチンコ遊技機としては、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示が保留されている場合に、例えば第1特別図柄の始動条件よりも第2特別図柄の始動条件が優先して成立するパチンコ遊技機(以下、「優先変動機」と称する)と、第1始動口および第2始動口を含めて入賞順に始動条件が成立するパチンコ遊技機(以下、「順次変動機」と称する)とがある。
優先変動機では、第1特別図柄の始動条件は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、第2特別図柄の可変表示が保留されていないこと、並びに、第1特別図柄の可変表示が保留されていること等、一定の要件を全て満たす場合に成立する。また、優先変動機において、第2特別図柄の始動条件は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、並びに、第2特別図柄の可変表示が保留されていること等、一定の要件を全て満たす場合に成立する。
また、順次変動機では、第1特別図柄の始動条件は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、第1特別図柄の可変表示が保留されていること、並びに、最先の保留が第1特別図柄の可変表示の保留であること、を少なくとも全て満たす場合に成立する。また、順次変動機において、第2特別図柄の始動条件は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが可変表示中でないこと、大当り遊技状態等でないこと、第2特別図柄の可変表示が保留されていること、並びに、最先の保留が第2特別図柄の可変表示の保留であること、を少なくとも全て満たす場合に成立する。
以下では、優先変動機を例に挙げて説明する。
[1-1.外観構成]
図1は、第1のパチンコ遊技機を前方向右斜め上から見たときの外観を示す斜視図の一例である。図2は、第1のパチンコ遊技機を前方向右斜め上から見たときの分解斜視図の一例である。図3は、第1のパチンコ遊技機を後方向右斜め上から見たときの外観を示す斜視図の一例である。
[1-1-1.基本構成]
図1~図3に示されるように、第1のパチンコ遊技機は、外枠2、ベースドア3、ガラスドア4、皿ユニット5、発射装置6、表示装置7(図2参照)、払出ユニット8(図2、図3参照)、基板ユニット9(図2、図3参照)、および、遊技盤ユニット10(図2参照)等を備える。さらに、遊技盤ユニット10の右下部にはLEDユニット160(図2参照)が設けられている。ここでは、外枠2、ベースドア3、ガラスドア4、皿ユニット5、発射装置6、表示装置7、払出ユニット8および基板ユニット9について簡単に説明し、遊技盤ユニット10およびLEDユニット160についての詳細を後述する。なお、上記の括弧書きは、図1に図示がない構成についての参照図面を示している。
(外枠)
外枠2は、正面視略矩形状の枠体であり、前後方向に貫通する開口21を有する。この外枠2は、遊技場の島設備に固定して取り付けられる。外枠2の例えば左端部の前側には蝶番(参照符号なし)が設けられており、この蝶番には、ベースドア3が軸支されている。このようにすることで、蝶番を軸として外枠2に対してベースドア3を前方に回動させることが可能となっている。
なお、外枠2は、ベースドア3を介して、後述する払出ユニット8、基板ユニット9、表示装置7、遊技盤ユニット10、ガラスドア4および皿ユニット5等の多数の部材を支持するため、高い強度が必要とされる。その一方で、演出効果を高めることを目的として例えば表示装置7(図2参照)や遊技盤ユニット10の大型化が要求されている。そのため、外枠2を例えば薄板の金属で構成することにより、表示装置7や遊技盤ユニット10の大型化を図りつつ、高い強度を保つことができる。とくに外枠2をアルミ製にすれば、軽量化を図ることも可能となる。
(ベースドア)
ベースドア3は、裏面側に例えば払出ユニット8および基板ユニット9等が取り付けられており、これらを支持している。
ベースドア3の表面側には遊技盤ユニット10がはめ込まれる。また、ベースドア3の例えば左端部の前側には、上端部、上下方向略中央部よりも下方側の中途部、および、下端部のそれぞれに蝶番(参照符号なし)が設けられており、上端部および中途部の蝶番にガラスドア4が軸支され、中途部および下端部の蝶番に皿ユニット5がそれぞれ軸支されている。このようにすることで、蝶番を軸としてベースドア3に対してガラスドア4および皿ユニット5を一体でまたは個別に前方に回動させることが可能となっている。
また、ベースドア3の表面側の例えば右側下方には発射装置6が固定して取り付けられており、例えば上方側の左右のそれぞれには、スピーカ32(図2参照)が固定して取り付けられている。このスピーカ32からは、例えば、表示装置7に表示されるキャラクタ等の音声演出、楽曲、効果音、音声による告知、エラー報知等の演出音等が出力される。
さらに、ベースドア3の蝶番と反対側(すなわち右端部)には、施錠装置(不図示)が設けられている。この施錠装置は、外枠2に対してベースドア3を施錠したり、ベースドア3に対してガラスドア4を施錠したりする機能を備えている。
(ガラスドア)
ガラスドア4は、開口41が形成された枠状の部材である。この開口41には、透過性を有する保護ガラス43(図2参照)が後面側から取り付けられている。ガラスドア4がベースドア3に対して閉じられると、遊技盤ユニット10に形成される遊技領域105(後述の図4参照)と保護ガラス43とが対向する。このようにして、ガラスドア4がベースドア3に対して閉じられた状態で遊技領域105を前方から視認することができるとともに、遊技領域105を流下する遊技球が前方に飛び出さないようにすることができる。
なお、保護ガラス43は、複数枚(例えば2枚)のガラスを互いに間隙を有して取り付けるものであってもよいし、互いに間隙を有するように複数枚のガラスがユニット化されたものであってもよい。さらには、ユニット化されたものである場合、ガラスとガラスとの間に例えば導光板が備えられたものであってもよい。上記の保護ガラス43は、ガラス製に限られず、例えば透明樹脂製であってもよい。
また、ガラスドア4の下部には、遊技情報提供サービス(例えば、「ユニメモ(登録商標)」)の提供を受けるために例えば遊技者が操作することが可能な操作部66が設けられる。この操作部66は、遊技場の管理者等がホールメニュー画面上で操作することが可能な操作部として機能させることもできる。
また、ガラスドア4の上部には、上述したスピーカ32の前方に配置されるスピーカカバー45が設けられている。さらに、ガラスドア4の開口41の周縁部には、発光演出等に用いられる多数のLED群46が配置されており、これらのLED群46の前方にはLEDカバーが設けられている。図1および図2において図示される符号46は、厳密にいえばLEDカバーであるが、便宜上、LED群46として説明する。LED群46は、例えば、光での告知や、さまざまなバリエーションで発光演出等を行う演出用の発光手段であるが、このような発光演出等を実行できればLEDに限られず、例えば液晶やランプ等であってもよい。
(皿ユニット)
皿ユニット5は、上皿51と下皿52とをユニット化したものである。皿ユニット5は、ベースドア3の前下部であって、ガラスドア4の下方に配置される。この皿ユニット5は、例えば球詰まり等の発生時に遊技場の店員等が球詰まりを解消できるように、上述したとおり、ベースドア3に対して回動させて開閉できるように構成されている。なお、皿ユニット5は、必ずしも上皿51と下皿52とをそれぞれ設ける必要はなく、一体皿として構成してもよい。
上皿51は、遊技球を貯留可能に設けられており、上皿51に貯留された遊技球は、発射装置6から遊技領域105(後述の図4参照)に向けて発射される。上皿51には、払出口53および演出ボタン54等が設けられる。貸し出される遊技球や賞球として払い出される遊技球は、払出口53から上皿51に払い出される。演出ボタン54は、所謂「CHANCEボタン」や、「プッシュボタン」等と呼ばれるものである。演出ボタン54は、遊技者によって操作される操作機能の他、所定の演出機能を有してもよい。所定の演出機能としては、例えば特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて振動したり上方に突出するような機能が相当する。また、上記操作部66の機能を兼用するようにしてもよい。
下皿52は、主として上皿51から溢れた遊技球を貯留するためのものである。下皿52には上皿51と連通する払出口55が設けられており、上皿51から溢れた遊技球は払出口55から下皿52に払い出される。
下皿52の底面には、遊技者の操作によって開閉させることが可能な開口部(参照符号なし)が形成されている。下皿52の底面に形成された開口部を開状態にすると、下皿52に貯留されている遊技球を、下皿52の下方に載置された球箱に移すことができる。なお、所謂各台計数システムが各台に設けられている場合、球箱を必要としないだけでなく、各台計数システムで計数された遊技球を貯球し、貯球された遊技球を再び遊技に供することもできる。
(発射装置)
発射装置6は、上皿51に貯留された遊技球を、遊技領域105(後述の図4参照)に向けて発射するためのものである。発射装置6は、ベースドア3の前右下部であって、皿ユニット5の右下方に配置される。発射装置6は、パネル体61、駆動装置(不図示)および発射ハンドル62を備える。
パネル体61は、ベースドア3に対し皿ユニット5が閉じられた状態において、皿ユニット5と、ベースドア3に固定して取り付けられた発射装置6とが外観上一体となるように設けられる。
発射ハンドル62は、右回りまたは左回りに回動可能に構成されており、パネル体61の表面側に配置される。上記の駆動装置は、パネル体61の裏面側に配置され、例えば発射ソレノイド(図示せず)により構成される。遊技者によって発射ハンドル62が操作されると、駆動装置の動作により遊技球が発射される。なお、発射ハンドル62を操作する際に、右回りへの回動量(操作量)が大きいほど遊技球の発射強度が強くなる。
皿ユニット5の右下方に配置された発射装置6から発射された遊技球は、発射レール(不図示)を経てガイドレール110(後述の図4参照)に沿って円弧状に転動して遊技領域105(後述の図4参照)に打ち出される。なお、発射装置6の配置位置は、皿ユニット5の右下方に限られず、皿ユニット5の左下方であってもよい。この場合、上記の発射レールが不要となり、ガラスドア4の下方の領域を有効に利用することができ、汎用性を高めることが可能となる。
(表示装置)
表示装置7(図2参照)は、遊技に関する各種の演出画像を表示する表示領域を有するものであって、遊技パネル100の開口に上記の表示領域が臨むように取り付けられる。表示装置7は、例えば、液晶表示装置、7セグ表示装置、ドットマトリクス表示装置、エレクトロルミネッセンスで構成される表示装置等であってもよいし、プロジェクタ等の投影装置を用いて映像を投影するものであってもよい。表示装置7の表示領域には、例えば、演出用識別図柄(例えば、装飾図柄)を可変表示させて特別図柄の当り判定処理の結果を表示したり、特別図柄の当り判定処理の結果に応じた演出画像、大当り遊技状態中の演出画像、デモ演出画像、特別図柄の可変表示の保留状況を示す演出画像等が表示される。本実施例では、表示装置7が遊技盤ユニット10に取り付けられているが、表示装置7の表示領域が遊技パネル100の開口に臨むように配置されていれば、表示装置7はベースドア3に取り付けられるようにしてもよい。
なお、本実施例では、上記各種の演出画像を表示するものとして一つの表示装置7を備えているが、複数(例えば二つ)の表示装置を設けて、これら複数の表示装置を用いて演出画像を表示するようにしても良い。
(払出ユニット)
払出ユニット8(図2、図3参照)は、ベースドア3の背面側に配置されており、球通路81、払出装置82等で構成される。球通路81には、貯留タンク80(図2、図3参照)から遊技球が供給される。なお、貯留タンク80には、島設備(不図示)から遊技球が供給される。払出装置82は、払出条件が成立すると、貯留タンク80から球通路81に供給された遊技球のうち所定個数の遊技球を例えば上皿51に払い出す。また、払出ユニット8の背面側には、図3に示されるように電源スイッチ95が設けられる。
(基板ユニット)
基板ユニット9(図2、図3参照)は、ベースドア3の背面側に配置される。基板ユニット9には、各種制御基板等が設けられる。
具体的には、図3に示されるように、主制御回路200(後述の図6参照)が実装された主制御基板91、サブ制御回路300(後述の図6参照)が実装されたサブ制御基板92、遊技球の払出・発射を制御する払出・発射制御回路400(後述の図6参照)が実装された払出・発射制御基板93、および、電源を供給する電源供給回路450(後述の図6参照)が実装された電源供給基板等が基板ユニット9に設けられている。
なお、図3では、便宜上、主制御基板91、サブ制御基板92、払出・発射制御基板93および電源供給基板94を参照符号として示しているが、これらの基板は、全て、基板ケースに収容されている。
また、本実施例では、サブ制御基板92を、ワンボード基板(1つの基板に1つの制御LSIまたは複数のLSIが設けられた基板)として構成する。ただし、これに限られず、例えば、後述する表示制御回路304、音声制御回路305、LED制御回路306および役物制御回路307(いずれも後述の図6参照)等の全部または一部を別個の基板とすることで、サブ制御基板92を複数の基板で構成してもよい。
[1-1-2.遊技盤ユニット]
図4は、第1のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット10の外観を示す正面図の一例である。遊技盤ユニット10の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域105が形成される。
図4に示されるように、遊技盤ユニット10は、主として、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域105が形成される遊技パネル100と、ガイドレール110と、遊技領域105の略中央部に配置されるセンター役物115と、第1始動口120と、一般入賞口122と、通過ゲートユニット125と、特別電動役物ユニット130と、第2始動口140と、普通電動役物ユニット145と、LEDユニット160と、アウト口178と、遊技盤ユニット10の後方に配置される裏ユニット(図示せず)とを備える。なお、上述したとおり、LEDユニット160については後述する。
(遊技パネル)
遊技パネル100には、表示装置7の表示領域が臨む位置に開口(参照符号なし)が形成されている。また、遊技パネル100の前面には、ガイドレール110が設けられるとともに遊技釘(参照符号なし)等が植設されている。発射装置6(図1、図2参照)から発射された遊技球は、ガイドレール110から遊技領域105に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域105の下方に向けて流下する。
また、遊技パネル100の後方には、演出効果を高めるために装飾体が設けられた裏ユニット(図示せず)が配置されている。遊技パネル100は、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できるように透明樹脂で構成されている。この場合、遊技パネル100の全部が透明部材で構成されていてもよいし、例えば、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できる部位のみが透明部材で構成されていてもよい。また、遊技パネル100を、透明部分を有さない部材(例えば木製)で構成し、一部に透明部材を設けて演出効果を高めるようにしてもよい。
なお、本実施例では、裏ユニットを正面視で視認できるように遊技パネル100が透明樹脂で構成されているが、遊技パネル100の全部を透明としてもよいし、一部のみを透明としてもよい。
(ガイドレール)
ガイドレール110は、円弧状の外レールおよび内レール(いずれも参照符号なし)により構成される。遊技領域105は、ガイドレール110によって区画(画定)される。外レールおよび内レールは、発射装置6(後述の図6参照)から発射された遊技球を遊技領域105の上部に案内する機能を有する。
(センター役物)
センター役物115は、遊技パネル100の開口(参照符号なし)にはめ込まれるように構成されており、上方には円弧状のセンターレール116を備えている。遊技領域105に向けて発射された遊技球は、センターレール116によって左右に振り分けられる。
この第1のパチンコ遊技機において、遊技領域105のうち、センター役物115よりも左側の領域を左側領域106と称し、センター役物115よりも右側の領域を右側領域107と称する。左側領域および右側領域の定義は、後述する第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機についても同様である。
発射装置6によって遊技領域105に向けて発射された遊技球は、左側領域106または右側領域107を流下する。左側領域106または右側領域107を流下する遊技球は、遊技パネル100に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射ハンドル62(図1、図2参照)の操作量が小さい場合、発射された遊技球は左側領域106を流下する。一方、発射ハンドル62(図1参照)の操作量が大きい場合、発射された遊技球は右側領域107を流下する。
なお、この明細書において、発射ハンドル62の操作態様(打ち方)として、左側領域106を流下するように遊技球を発射させる打ち方を「左打ち」と称し、右側領域107を流下するように遊技球を発射させる打ち方を「右打ち」と称する。このように、遊技者によって左側領域106または右側領域107に向けて遊技球を打ち分け可能とされている。
また、センター役物115には、左側の外周縁部に、左側領域106を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口117が形成されている。ワープ入口117に進入した遊技球は、センター役物115に形成されたステージ118に誘導可能に構成されている。ステージ118は、表示装置7の表示領域の下辺前方において遊技球が左右方向に転動可能に形成されている。なお、ステージ118は、例えば、上段側のステージおよび下段側のステージといったように、複数段で形成されていてもよい。
ステージ118の左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口119が形成されており、チャンス入口119に進入した遊技球は、第1始動口120の直上に放出されるように構成されている。そのため、チャンス入口119に進入した遊技球は、ワープ入口117に進入しなかった遊技球や、ワープ入口117に進入したもののチャンス入口119に進入しなかった遊技球と比べて高い確率で第1始動口120に入賞(通過)するようになっている。
(第1始動口)
第1始動口120は、表示装置7の表示領域の下方に配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。第1始動口120に遊技球が入賞すると、第1始動口スイッチ121(後述の図6参照)により検出される。なお、右打ちされた遊技球が第1始動口120に入賞可能であってもよい。また、上記の第1始動口120に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)な第1始動口を備えるようにしてもよい。
第1始動口スイッチ121(後述の図6参照)により第1始動口120への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄にかかる各種データ(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第1特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)が抽出され、抽出された各種データは所定数(例えば最大4個)まで記憶される。記憶された各種データは、第1特別図柄の始動条件(この明細書において「第1特別図柄の変動開始条件」とも称する)が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理に供される。第1始動口120に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第1始動口120への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
この明細書において、第1始動口120への遊技球の入賞を第1特別図柄の始動入賞と称し、第1特別図柄にかかる各種データ(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第1特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)を第1特別図柄の始動情報と称する。また、始動条件が成立するまで第1特別図柄の始動情報を記憶することを保留と称する。第2特別図柄についても同様である。
(一般入賞口)
一般入賞口122は、表示装置7の表示領域の左下方に複数配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。複数の一般入賞口122のうちいずれかに遊技球が入賞すると、一般入賞口スイッチ123(後述の図6参照)により検出される。
一般入賞口スイッチ123(後述の図6参照)により一般入賞口122への遊技球の入賞(通過)が検出されると、例えば4個の賞球が払い出されるが、一般入賞口122への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は4個に限られない。
また、本実施例において、一般入賞口122は、右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能となるように配置されているが、必ずしもこれに限られず、上記の一般入賞口122に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能な一般入賞口を備えてもよい。
(通過ゲートユニット)
通過ゲートユニット125は、右側領域107に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように構成された通過ゲート126と、通過ゲート126への遊技球の通過を検出する通過ゲートスイッチ127(後述の図6参照)とを一体化したユニット体である。
通過ゲートスイッチ127により通過ゲート126への遊技球の通過が検出されると、普通図柄にかかる各種データ(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)が抽出され、抽出された各種データは所定数(例えば最大4個)まで記憶される。記憶された各種データは、普通図柄の当り判定処理に供される。なお、通過ゲートスイッチ127により通過ゲート126への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。また、通過ゲートユニット125は、右側領域107に代えてまたは加えて左側領域106に配置されていてもよい。
この明細書において、通過ゲート126への遊技球の通過を始動通過と称し、通過ゲート126への遊技球の通過によって抽出された普通図柄にかかる各種データ(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)を普通図柄の始動情報と称する。また、始動条件が成立するまで普通図柄の始動情報を記憶することを保留と称する。
(特別電動役物ユニット)
特別電動役物ユニット130は、大入賞口131と、大入賞口131への遊技球の入賞(通過)を検出するカウントスイッチ132(後述の図6参照)と、特別電動役物133とを一体化したユニット体である。特別電動役物ユニット130は、右側領域107において、通過ゲートユニット125よりも下方に配置されている。
大入賞口131は、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。ただし、これに限定されるものではなく、上記の大入賞口131に代えてまたは加えて、左打ちされた遊技球が入賞可能な大入賞口を配置したり、センター役物115の上部において遊技球が入賞可能な大入賞口を配置するようにしてもよい。
また、大入賞口131は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態に制御されているときに所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞(通過)可能となるように開放される入賞口である。カウントスイッチ132(後述の図6参照)により大入賞口131への遊技球の入賞が検出されると、例えば10個の賞球が払い出される。ただし、大入賞口131への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は10個に限られない。
特別電動役物133は、前後方向に進退可能な特電用シャッタ134と、この特電用シャッタ134を作動させる特電用ソレノイド135(後述の図6参照)とを備える。特別電動役物133すなわち特電用シャッタ134は、大入賞口131への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、大入賞口131への遊技球の入賞(通過)が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、大当り遊技状態では、上記の閉鎖状態から開放状態への状態移行が所定のラウンド数にわたって行われる。すなわち、大当り遊技状態は、大入賞口131が閉鎖状態から所定期間にわたって開放状態に移行するラウンド遊技を複数ラウンドにわたって行うことにより、多量の遊技球を賞球として払い出すことを可能にした遊技状態である。
(第2始動口)
第2始動口140は、左側領域106(より詳しくは第1始動口120の左側下方)に配置されている。ただし、第2始動口140は、左打ちされた遊技球の入賞が例えば遊技釘等によって困難または不可能となっており、右打された遊技球が入賞可能となるように第2始動口140の近傍まで誘導されるように構成されている。ただし、第2始動口140をこのような構成とすることは必須ではなく、例えば右側領域107に設けてもよい。また、第2始動口140は、左打ちされた遊技球が入賞可能となるように構成されていてもよい。
第2始動口スイッチ141(後述の図6参照)により第2始動口140への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第2特別図柄にかかる各種データ(例えば、第2特別図柄の大当り判定用乱数値、第2特別図柄の図柄乱数値、第2特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第2特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)が抽出され、抽出された各種データは所定数(例えば最大4個)まで記憶される。記憶された各種データは、第2特別図柄の始動条件(この明細書において「第2特別図柄の変動開始条件」とも称する)が成立すると、第2特別図柄の当り判定処理に供される。第2始動口140に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第2始動口140への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット145は、左側領域106(より詳しくは第1始動口120の左側下方)に配置されており、遊技球が入賞(通過)することによって所定数の遊技球が賞球として払い出される入賞口と、この入賞口への遊技球の入賞を検出するスイッチと、普通電動役物146とを一体化したユニット体である。本実施例では、上記の入賞口を第2始動口140とし、上記のスイッチを第2始動口スイッチ141としている。
普通電動役物146は、所謂電チューと呼ばれる例えば羽根部材からなる普電用可動部材147と、この普電用可動部材147を作動させる普電用ソレノイド148(後述の図6参照)とを備える。普通電動役物146すなわち普電用可動部材147は、第2始動口140への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、第2始動口140への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、普電用可動部材147は、羽根型、扉型、突出板型等を含む。
(アウト口)
アウト口178は、遊技領域105に向けて発射されたものの各種入賞口(例えば、第1始動口120、第2始動口140、大入賞口131、一般入賞口122等)のいずれにも入賞しなかった遊技球を、機外に排出するためのものである。このアウト口178は、左打ちされた遊技球および右打ちされた遊技球のいずれについても機外に排出できるように、遊技領域105の最下流側に設けられている。ただし、上記のアウト口178に加えて、最下流側でない位置、例えば複数の一般入賞口122の間等にアウト口を設けて、遊技領域105を流下中の遊技球を機外に排出するようにしてもよい。
(裏ユニット)
裏ユニット(不図示)は、遊技盤ユニット10を装飾するものであって、透過性のある遊技パネル100の後方側に設けられる。この裏ユニットは、サブ制御回路300によって制御される可動役物等の演出用役物群58(後述の図6参照)を備える。演出用役物群58は、例えば表示装置7の表示領域の周囲に配置される。これらの演出用役物群58のうち少なくとも一以上の役物または役物を構成する演出用役物構成部材は、特別図柄の当り判定処理の結果にもとづいて動作可能な演出用役物として機能する。
[1-1-3.LEDユニット]
LEDユニット160は、遊技盤ユニット10の右下部であって、遊技領域105の外側に配置される(例えば図4参照)。LEDユニット160は、各種の表示部を一体化したユニット体である。
図5は、第1のパチンコ遊技機が備えるLEDユニット160を示す正面図の一例である。
図5に示されるように、LEDユニット160は、普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166、確変報知用表示部167、および時短報知用表示部168を備える。
(普通図柄表示部)
普通図柄表示部161は、普通図柄の当り判定処理の結果を表示するものであって、普通図柄表示LED161a,161bを備える。普通図柄の可変表示を開始するための条件(以下、「普通図柄の始動条件」と称する)が成立すると、普通図柄表示LED161a,161bが交互に点灯・消灯を繰り返す普通図柄の可変表示が開始される。普通図柄の可変表示が開始されてから所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示が停止し、普通図柄の当り判定処理の結果が導出される。
普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りである場合、普通図柄表示LED161a,161bの点灯・消灯の組み合わせが特定の停止表示態様となる。例えば、普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りである場合、普通図柄表示LED161aが点灯するとともに普通図柄表示LED161bが消灯する。一方、普通図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合、例えば、普通図柄表示LED161aが消灯するとともに普通図柄表示LED161bが点灯する。ただし、普通図柄の当り判定処理の結果を示す普通図柄表示LED161a,161bの停止表示態様はこれに限られない。そして、普通図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、普通電動役物146を作動させることが決定し、普電用可動部材147が所定のパターンで開閉駆動し、第2始動口140への遊技球の入賞(通過)が容易となる。
(普通図柄用保留表示部)
普通図柄用保留表示部162は、普通図柄の始動情報すなわち可変表示が保留されている場合、保留されている普通図柄の可変表示の数(以下、「普通図柄の保留数」と称する)を表示するものであって、普通図柄用保留表示LED162a,162bを備える。上記の「普通図柄の可変表示が保留されている」とは、通過ゲート126への遊技球の通過が検出されて普通図柄にかかる各種データ(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)が抽出されてから、普通図柄の始動条件が成立するまでの状態をいう。なお、普通図柄の始動条件は、普通図柄が可変表示中でないこと、および、普通図柄の可変表示が保留されていること、を少なくとも全て満たす場合に成立する。
普通図柄用保留表示部162は、普通図柄用保留表示LED162a,162bの点灯・消灯の組み合わせによって普通図柄の可変表示の保留数を表示する。例えば、普通図柄の保留数が1個である場合、普通図柄用保留表示LED162aが点灯するとともに普通図柄用保留表示LED162bが消灯する。また、普通図柄の保留数が2個である場合、普通図柄用保留表示LED162a,162bの両方が点灯する。また、普通図柄の保留数が3個である場合、普通図柄用保留表示LED162aが点滅するとともに普通図柄用保留表示LED162bが点灯する。さらに、普通図柄の保留数が4個である場合、普通図柄用保留表示LED162a,162bの両方が点滅する。ただし、普通図柄の保留数を示す普通図柄用保留表示LED162a,162bの表示態様はこれに限られない。
(特別図柄表示部)
特別図柄表示部は、特別図柄の当り判定処理の結果を表示するものであって、第1特別図柄表示部163および第2特別図柄表示部164を備える。第1特別図柄表示部163は、例えば、8個のLED163a~163hからなる第1特別図柄表示LED群を備える。同様に、第2特別図柄表示部164も、例えば8個のLED164a~164hからなる第2特別図柄表示LED群を備える。
第1特別図柄の可変表示を開始するための条件(以下、「第1特別図柄の始動条件」と称する)が成立すると、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLED163a~163hの全部または一部が交互または相互に点灯・消灯を繰り返す第1特別図柄の可変表示が開始される。第1特別図柄の可変表示が開始されてから所定時間が経過すると、第1特別図柄の可変表示が停止し、第1特別図柄の当り判定処理の結果が導出される。
第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLED163a~163hの点灯・消灯の組み合わせが特定の停止表示態様となる。そして、第1特別図柄表示部163が特定の停止表示態様で停止表示されると、大当り遊技状態への移行が決定する。
第2特別図柄の可変表示を開始するための条件(以下、「第2特別図柄の始動条件」と称する)が成立すると、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLED164a~164hの全部または一部が交互または相互に点灯・消灯を繰り返す第2特別図柄の可変表示が開始される。第2特別図柄の可変表示が開始されてから所定時間が経過すると、第2特別図柄の可変表示が停止し、第2特別図柄の当り判定処理の結果が導出される。
第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLED164a~164hの点灯・消灯の組み合わせが特定の停止表示態様となる。そして、第2特別図柄表示部164が特定の停止表示態様で停止表示されると、大当り遊技状態への移行が決定する。
(特別図柄用保留表示部)
特別図柄用保留表示部は、特別図柄の始動情報すなわち可変表示が保留されている場合、保留されている特別図柄の可変表示の数(以下、「特別図柄の保留数」と称する)を表示するものであって、第1特別図柄用保留表示部165および第2特別図柄用保留表示部166を備える。
第1特別図柄用保留表示部165は、第1特別図柄の可変表示が保留されている場合、第1特別図柄の保留数を表示するものであって、第1特別図柄用保留表示LED165a,165bを備える。「第1特別図柄の可変表示が保留されている」とは、第1始動口120への遊技球の入賞(通過)が検出されて第1特別図柄の始動情報が抽出されてから、第1特別図柄の始動条件が成立するまでの状態をいう。
第1特別図柄用保留表示部165は、第1特別図柄用保留表示LED165a,165bの点灯・消灯の組み合わせによって第1特別図柄の可変表示の保留数を表示する。例えば、第1特別図柄の保留数が1個である場合、第1特別図柄用保留表示LED165aが点灯するとともに第1特別図柄用保留表示LED165bが消灯する。また、第1特別図柄の保留数が2個である場合、第1特別図柄用保留表示LED165a,165bの両方が点灯する。また、第1特別図柄の保留数が3個である場合、第1特別図柄用保留表示LED165aが点滅するとともに第1特別図柄用保留表示LED165bが点灯する。さらに、第1特別図柄の保留数が4個である場合、第1特別図柄用保留表示LED165a,165bの両方が点滅する。ただし、第1特別図柄の保留数を示す第1特別図柄用保留表示LED165a,165bの表示態様はこれに限られない。
第2特別図柄用保留表示部166は、第2特別図柄の可変表示が保留されている場合、第2特別図柄の保留数を表示するものであって、第2特別図柄用保留表示LED166a,166bを備える。「第2特別図柄の可変表示が保留されている」とは、第2始動口140への遊技球の入賞(通過)が検出されて第2特別図柄の始動情報が抽出されてから、第2特別図柄の始動条件が成立するまでの状態をいう。
第2特別図柄用保留表示部166は、第2特別図柄用保留表示LED166a,166bの点灯・消灯の組み合わせによって第2特別図柄の可変表示の保留数を表示する。例えば、第2特別図柄の保留数が1個である場合、第2特別図柄用保留表示LED166aが点灯するとともに第2特別図柄用保留表示LED166bが消灯する。また、第2特別図柄の保留数が2個である場合、第2特別図柄用保留表示LED166a,166bの両方が点灯する。また、第2特別図柄の保留数が3個である場合、第2特別図柄用保留表示LED166aが点滅するとともに第2特別図柄用保留表示LED166bが点灯する。さらに、第2特別図柄の保留数が4個である場合、第2特別図柄用保留表示LED166a,166bの両方が点滅する。ただし、第2特別図柄の保留数を示す第2特別図柄用保留表示LED166a,166bの表示態様はこれに限られない。
(確変報知用表示部)
確変報知用表示部167は、後述の確変制御の実行中に点灯させることが可能であって、例えばLEDまたはランプで構成されている。
確変報知用表示部167は、確変制御の実行中に点灯させるようにしてもよいが、例えば、確変制御の実行中であることを外観で把握できないように点灯させないようにすることで、確変制御の実行中であることを秘匿にしてもよい。
ただし、確変制御の実行中に電源が遮断された際、後述するバックアップコンデンサ207の機能により、確変制御の実行中であることを示すデータは消失しない。よって、確変制御の実行中に電源が遮断され、その後電源が投入された場合、確変制御中であることを外観で把握できる態様で、確変報知用表示部167が点灯する。
なお、電源が遮断される前に、確変制御の実行中であるか否かが秘匿にされていた場合であっても、電源が投入された場合には、確変報知用表示部167を点灯させることで、確変制御の実行中であることを把握できるように構成されている。
(時短報知用表示部)
時短報知用表示部168は、後述の時短制御の実行中に点灯させることが可能であって、例えばLEDやランプ等で構成されている。
本実施例において、時短報知用表示部168は、例えば、第1時短報知用表示部168aおよび第2時短報知用表示部168bを有しているが、時短報知用表示部168の個数はこれに限られない。
また、詳細は後述するが、時短遊技状態には、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とが含まれている。そして、例えば、第1時短報知用表示部168aと第2時短報知用表示部168bとによる点灯または消灯の組合せによって、いずれの時短遊技状態であるかを把握できるように構成されている。
時短報知用表示部168は、実行中の時短制御に応じて第1時短報知用表示部168aまたは/および第2時短報知用表示部168bを点灯させるようにしてもよいが、例えば、時短制御の実行中であるか否かまたは実行中の時短制御の種類を外観で把握できない態様(例えば、全消灯、全点灯、実行中の時短制御とはかかわりのない態様)で点灯または消灯させることで、時短制御の実行中であることや、実行中の時短制御の種類を外観で把握できないように秘匿にしてもよい。とくに、時短制御の実行中であるか否かについては外観で把握できる可能性があるが、いずれの時短制御が実行されているかについては外観で把握することが困難である場合があるため、実行中の時短制御の種類を秘匿とすることで、興趣を高めることが可能である。
ただし、時短制御の実行中に電源が遮断された際、後述するバックアップコンデンサ207の機能により、時短制御の実行中であることを示すデータのみならず、実行中の時短制御の種類を示すデータについても消失しない。よって、時短制御の実行中に電源が遮断され、その後電源が投入された場合、時短制御中であることや、実行中の時短制御の種類を外観で把握できる態様で、時短報知用表示部168が点灯または消灯する。
なお、電源が遮断される前に、時短制御の実行中であることや、実行中の時短制御の種類を外観で把握できないように秘匿にされていた場合であっても、電源が投入された場合には、時短制御の実行中であることおよび実行中の時短制御の種類を外観で把握できる態様で、時短報知用表示部168を点灯または/および消灯させるように構成されている。
[1-2.電気的構成]
次に、図6を参照して、第1のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図6は、第1のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
図6に示されるように、第1のパチンコ遊技機は、主に、遊技の制御を行う主制御回路200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路300と、払出・発射制御回路400と、電源供給回路450と、から構成される。
[1-2-1.主制御回路]
主制御回路200は、例えば電源投入時に実行される処理や遊技動作にかかわる処理等を制御するものであって、メインCPU201、メインROM202(読み出し専用メモリ)、メインRAM203(読み書き可能メモリ)、初期リセット回路204およびバックアップコンデンサ207等を備えており、主基板ケース(不図示)内に収容されている。
メインCPU201には、メインROM202、メインRAM203および初期リセット回路204等が接続される。メインCPU201は、動作を監視するWDT(watchdog timer)や不正を防止するための機能等が内蔵されている。
メインROM202には、メインCPU201により第1のパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。メインCPU201は、メインROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインRAM203には、遊技の進行に必要な各種データを記憶する記憶領域が設けられている。このメインRAM203は、メインCPU201の一時記憶領域として、種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU201の一時記憶領域としてRAMを用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
初期リセット回路204は、メインCPU201を監視し、必要に応じてリセット信号を出力するものである。
バックアップコンデンサ207は、電断時等に、メインRAM203に格納されているデータが消失しないように一時的に電力を供給する機能を有するものである。
さらに、主制御回路200は、各種デバイス等との間で通信可能に接続されるI/Oポート205、および、サブ制御回路300に対して各種コマンドを出力可能に接続されるコマンド出力ポート206等も備える。
また、主制御回路200には、各種のデバイスが接続されている。例えば、主制御回路200には、上述した普通図柄表示部161、普通図柄用保留表示部162、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164、第1特別図柄用保留表示部165、第2特別図柄用保留表示部166、確変報知用表示部167、時短報知用表示部168、普電用ソレノイド148、および、特電用ソレノイド135等が接続されている。また、主制御回路200には、これらの他、性能表示モニタ170およびエラー報知モニタ172等も接続されている。主制御回路200は、I/Oポート205を介して信号を送信することにより、これらのデバイスの動作を制御することができる。
性能表示モニタ170には、メインCPU201の制御により性能表示データや後述する設定値等が表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000個)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外の遊技状態で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
エラー報知モニタ172には、エラーコードが表示される。また、エラー報知モニタ172には、エラーコードの他に、例えば後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中コードとしては、特別図柄の表示として通常では表示することのない図柄(例えば、設定変更中であることを示す設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
また、主制御回路200には、第1始動口スイッチ121、第2始動口スイッチ141、通過ゲートスイッチ127、カウントスイッチ132、および、一般入賞口スイッチ123等も接続されている。これらのスイッチが検出されると、検出信号がI/Oポート205を介して主制御回路200に出力される。
さらに、主制御回路200には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ186にデータ送信する際に用いる外部端子板184、後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー174aを差し込む設定キー差込口174、メインRAM203に格納されるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアすることが可能なRAMクリアスイッチ176等が接続されている。本実施例において、RAMクリアスイッチ176は、後述する設定値を変更する際のスイッチも兼用しているが、これに限られず、設定値を変更するための設定スイッチを設けるようにしてもよい。
また、設定キー差込口174およびRAMクリアスイッチ176は、遊技場の管理者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に触ることができないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。「所定のケース内」には、当該ケースを開放しないと設定キー差込口174やRAMクリアスイッチ176に接触できない構成のものだけでなく、当該ケースの設定キー差込口174およびRAMクリアスイッチ176の対応箇所にのみ切欠きが設けられ、遊技場の管理者が管理する鍵を使用して島設備からパチンコ遊技機を回動させて背面を露出させたときに、遊技場の管理者が設定キー差込口174または/およびRAMクリアスイッチ176に接触できるように構成されているものも含まれる。
なお、本実施例では、設定キー差込口174およびRAMクリアスイッチ176は、主制御回路200に接続されているが、これに限られず、例えば、払出・発射制御回路400や電源供給回路450に接続されるような構成にしてもよい。この場合にもまた、遊技場の管理者以外の第三者が設定キー差込口174やRAMクリアスイッチ176に容易に接触できないようにすることが好ましい。
[1-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路300は、サブCPU301、プログラムROM302、ワークRAM303、表示制御回路304、音声制御回路305、LED制御回路306、役物制御回路307およびコマンド入力ポート308等を備える。サブ制御回路300は、主制御回路200からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、図6には示されていないが、サブ制御回路300には、遊技者が操作可能な演出ボタン54(図1参照)等も接続されている。
プログラムROM302には、サブCPU301により第1のパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。サブCPU301は、プログラムROM302に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU301は、主制御回路200から送信される各種のコマンドに従って、遊技演出にかかる制御を行う。
ワークRAM303は、サブCPU301の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
表示制御回路304は、表示装置7における表示制御を行うための回路である。表示制御回路304は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)や、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データを一時的に格納するフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を備える。
表示制御回路304は、サブCPU301からの画像表示命令に応じて、表示装置7に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、表示装置7に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路304は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで表示装置7に供給する。表示装置7に画像信号が供給されると、表示装置7に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路304は、表示装置7に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路305は、スピーカ32から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路305は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を備える。
音源ICは、スピーカ32から出力される音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU301からの音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、スピーカ32から出力される音声や効果音等の信号を増幅させるものである。
LED制御回路306は、装飾LED等を含むLED群46の制御を行うための回路である。LED制御回路306は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を備える。
役物制御回路307は、各役物(例えば、演出用役物群58のうちの一または複数の役物)の動作を制御するための回路である。役物制御回路307は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を備える。
また、役物制御回路307は、サブCPU301からの役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU301からの点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート308は、コマンド出力ポート206と接続されており、主制御回路200から送信された各種コマンドを受信するものである。
[1-2-3.払出・発射制御回路]
払出・発射制御回路400は、賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路400には、遊技球を払い出すことが可能な払出装置82、遊技球を発射させることが可能な発射装置6、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット180等が接続されている。
払出・発射制御回路400は、主制御回路200から送信される賞球制御コマンドを受信すると、払出装置82に対して所定の信号を送信し、払出装置82に遊技球を払い出させる制御を行う。
カードユニット180には、球貸し操作パネル182が接続されている。球貸し操作パネル182には、球貸しを受けるための球貸しボタンや、キャッシュデータが記憶されている球貸しカードの返却を受けるための貸出返却ボタン(いずれも不図示)が設けられている。例えば遊技者によって球貸し操作が行われると、球貸し操作に応じた貸し球制御信号がカードユニット180に送信される。払出・発射制御回路400は、カードユニット180から送信された貸し球制御信号に基づいて、払出装置82に遊技球を払い出させる制御を行う。なお、操作パネル182は、パチンコ遊技機側に設けられることが多いが、カードユニット180側に設けられてもよい。
また、払出・発射制御回路400は、発射ハンドル62が時計回りの方向へ回動操作されたことに基づいて、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
[1-2-4.電源供給回路]
電源供給回路450は、遊技に際して必要な電源電圧を、主制御回路200、サブ制御回路300、払出・発射制御回路400等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路450には、電源スイッチ95等が接続されている。電源スイッチ95は、パチンコ遊技機(より詳しくは、主制御回路200、サブ制御回路300、払出・発射制御回路400等)に必要な電源を供給するときにオン操作するものである。
[1-3.遊技フロー]
次に、図7および図8を参照して、遊技フローの一例について説明する。図7は、遊技フローの一例である。図8は、遊技状態の遷移を示す遊技状態遷移図の一例である。なお、図7に示される遊技フローは、制御上のフローではなく、外観で把握できるフローである。
図7に示されるように、パチンコゲームでは、遊技者等のユーザー操作により遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞口(例えば、第1始動口120等)に入賞した場合に遊技球の払出制御処理が行われる。パチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲームと、普通図柄を用いる普通図柄ゲームとが含まれる。特別図柄ゲームとは、例えば、始動口120,140への遊技球の入賞に基づいて特別図柄の当り判定処理を実行し、大当り遊技状態に移行させるか否か等を決定するゲームである。また、普通図柄ゲームとは、例えば、通過ゲート126への遊技球の通過に基づいて普通図柄の当り判定処理を実行し、普通電動役物146を作動させて入賞口(本実施例では第2始動口140)を開放状態とするか否か等を決定するゲームである。なお、この明細書において、「特別図柄ゲーム」を「遊技」と称する場合もあるが、「遊技」は広い概念で用いられる用語であり、例えば、普通図柄ゲームや演出ボタン54等の操作部(例えば図1参照)を使用する演出上のゲーム等も「遊技」に含まれる。
また、この明細書において、特別図柄の可変表示が開始されてから、この可変表示が終了して特別図柄の当り判定処理の結果が確定表示(導出)されるまで(より詳しくは、特別図柄確定時間が経過するまで)を1回の特別図柄ゲームとする。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が導出された後、大当り遊技状態に制御された場合は、大当り遊技状態の終了までを1回の特別図柄ゲームとする。なお、第1のパチンコ遊技機では小当りが特別図柄の当り判定処理の結果に含まれないが、小当りが特別図柄の当り判定処理の結果に含まれるパチンコ遊技機では、特別図柄の当り判定処理の結果が導出された後、小当り遊技状態に制御された場合、小当り遊技状態の終了までを1回の特別図柄ゲームとする。
特別図柄ゲームにおいて大当りを示す停止表示態様が第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に導出されると、大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態では、特別電動役物133の作動によって大入賞口131が所定時間(例えば最大30000msec)にわたって開放状態となるラウンド遊技が実行され、大入賞口131への入賞可能性が相対的に高められる。
また、普通図柄ゲームにおいて普通図柄当りを示す停止表示態様が普通図柄表示部161に導出されると、普通電動役物146の作動によって入賞口(例えば、本実施例では第2始動口140)が開放状態となり、例えば第2始動口140への入賞可能性が相対的に高められる。
なお、パチンコゲームにおいて実行可能なゲームは、特別図柄ゲームおよび普通図柄ゲームに限られず、これらとは別の新たなゲームを実行可能であってもよい。
以下、特別図柄ゲームおよび普通図柄ゲームの遊技フローの概要を説明する。
[1-3-1.特別図柄ゲーム]
図7に示されるように、特別図柄ゲームには、主として、第1始動口120または第2始動口140への入賞(通過)があった場合に行われる特別図柄始動入賞処理、および、特別図柄の始動条件が成立したことに基づいて行われる特別図柄制御処理、等が含まれる。
第1始動口120または第2始動口140への遊技球の入賞があった場合、特別図柄始動入賞処理が行われる。この特別図柄始動入賞処理では、特別図柄用の各種カウンタ(例えば、大当り判定用カウンタ、図柄決定用カウンタ等)から特別図柄にかかる各種データ(例えば、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、および、演出選択用乱数値等の各種乱数値等)がそれぞれ抽出(取得)される。抽出された各乱数値は始動情報として保留される。この特別図柄始動入賞処理は、特別図柄制御処理の実行中であっても行われる。
また、特別図柄制御処理では、特別図柄の始動条件が成立したか否かが判定される。特別図柄の始動条件が成立すると、特別図柄の大当り判定用カウンタから抽出された大当り判定用乱数値を参照し、「大当り」であるか否かを判定する特別図柄の当り判定処理が行われる。その後、停止図柄を決定する停止図柄決定処理が行われる。停止図柄決定処理では、特別図柄の図柄決定用カウンタから抽出された図柄決定用乱数値と、特別図柄の当り判定処理の結果とを参照し、停止表示させる特別図柄が決定される。
なお、本実施例では、確変フラグがオンであれば確変制御が実行される。上記の特別図柄の当り判定処理では、確変フラグがオフの場合は相対的に低い確率で「大当り」であると判定され、確変フラグがオンの場合は相対的に高い確率で「大当り」であると判定される。以下、この明細書において、「大当り」であると判定される確率を「大当り確率」と称する。
なお、確変フラグは、メインRAM203に格納される管理フラグの一つであり、確変制御を実行するか否かを管理するためのフラグである。確変フラグがオンの場合、確変制御が実行される遊技状態(例えば本実施例では高確時短遊技状態)において遊技が進行する。一方、確変フラグがオフの場合、確変制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態や低確時短遊技状態)において遊技が進行する。
次いで、特別図柄の変動パターン決定処理が行われる。この処理では、変動パターン決定用カウンタから乱数値を抽出し、その乱数値と、上述した特別図柄の当り判定処理の結果と、上述した停止表示させる特別図柄とを参照し、特別図柄の変動パターン(可変表示パターン)が決定される。そして、特別図柄の変動パターン決定処理の結果に基づいて特別図柄の可変表示制御処理が行われる。
特別図柄の変動パターンが決定されると、次に演出パターンを決定するための演出パターン決定処理が行われる。そして、演出パターン決定処理の結果に基づいて、表示装置7の表示領域に表示される例えば装飾図柄やキャラクタ演出等の表示演出、および、スピーカ32から出力される音声や効果音等の音演出等の演出制御処理が行われる。なお、演出制御処理はサブCPU301によって行われる。
そして、特別図柄の可変表示制御処理および演出制御処理が終了し、大当りである場合、大当り遊技制御処理が行われる。大当り遊技制御処理は、大当り遊技状態において実行される処理である。大当り遊技状態が終了すると、特別図柄ゲームが終了し、大当りでない非大当り遊技状態への遊技状態移行制御処理が行われる。この場合、大当りの種類に応じて遊技状態が移行する。例えば、確変フラグおよび時短フラグのいずれもがオンにセットされる大当り種類である場合、大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に移行する。
一方、大当りでないすなわちハズレである場合、特別図柄ゲームが終了する。なお、第1のパチンコ遊技機では特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれるパチンコ遊技機では、小当りに当選すると小当り遊技制御処理が行われる。また、図7には示されていないが、後述する時短当りである場合は、時短遊技状態に移行する。
そして、特別図柄の始動条件が成立する都度、上述した特別図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、特別図柄制御処理中に始動口120,140への遊技球の入賞があった場合、特別図柄始動入賞処理が実行される。また、始動口120,140への遊技球の入賞時に抽出される特別図柄の始動情報(例えば、大当り判定用乱数値、特別図柄の図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、および、演出選択用乱数値等の各種乱数値等の各種データ)を、特別図柄の始動条件が成立するまで保留する。
また、第1のパチンコ遊技機では、第1特別図柄の始動情報の4個と第2特別図柄の始動情報の4個とで合計最大8個まで特別図柄の始動情報を保留することができるが、保留できる特別図柄の始動情報の数はこれに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報を第2特別図柄の始動情報よりも多く保留できるようにしてもよいし、第2特別図柄の始動情報を第1特別図柄の始動情報よりも多く保留できるようにしてもよい。
また、図7には示されていないが、特別図柄が始動入賞してから特別図柄の始動条件が成立するまでの間に、始動口120,140への遊技球の入賞(通過)時に抽出された始動情報に基づいて当落(「大当り」当選の有無)や変動パターンを特別図柄の当り判定処理に先だって判定する先読み判定(例えば、後述の図52のS396を参照)を行い、この先読み判定の結果に基づいて所定の演出を行う先読み演出機能を備えるようにしてもよい。なお、上記の先読み判定は、始動口120,140への遊技球の入賞によって抽出された始動情報が保留される前に行ってもよいし、保留された後に行ってもよい。
[1-3-2.普通図柄ゲーム]
図7に示されるように、普通図柄ゲームには、主として、通過ゲート126への遊技球の通過があった場合に行われる普通図柄始動通過処理、および、普通図柄の始動条件が成立したことに基づいて行われる普通図柄制御処理、等が含まれる。
通過ゲート126への遊技球の通過があった場合、普通図柄始動通過処理が実行される。この普通図柄始動通過処理では、普通図柄用の当り判定用カウンタから普通図柄の始動情報(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)を抽出(取得)し、抽出した始動情報を保留する。
また、普通図柄制御処理では、メインCPU201は、普通図柄の始動条件が成立したか否かを判定する。普通図柄の可変表示を開始する場合、メインCPU201は、普通図柄用の当り判定用カウンタから抽出された普通図柄の当り判定用乱数値を参照し、「普通図柄当り」とするか否かの普通図柄の当り判定処理を実行し、その後、変動パターン決定処理を実行する。この処理では、普通図柄の当り判定処理の結果が参照され、普通図柄の変動パターンが決定される。
次いで、メインCPU201は、普通図柄の当り判定処理の結果、および、決定された普通図柄の変動パターンを参照し、普通図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、および、所定の演出を行う演出制御処理を実行する。なお、演出制御処理は実行されない場合もある。
そして、普通図柄の可変表示制御処理および演出制御処理が終了すると、メインCPU201は、「普通図柄当り」を示す普通当り図柄が普通図柄表示部161(図5、図6参照)に導出されたか否かを判定する。普通当りを示す停止表示態様が導出されたと判定すると、メインCPU201は、普通図柄当り遊技制御処理を実行する。この普通図柄当り遊技制御処理では、普通電動役物146(図4参照)が作動し、入賞口(例えば、本実施例では例えば第2始動口140(図4参照))への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態となる。一方、普通当りを示す停止表示態様が導出されなかったと判定すると、メインCPU201は、普通図柄当り遊技制御処理を実行せず、普通図柄制御処理を終了する。
なお、時短制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態)では、普通当りを示す停止表示態様が導出される確率を0にしてもよい。時短制御は、時短制御が実行されていないときと比べて、特別図柄の可変表示時間を短縮させる特図短縮制御、および、普通電動役物146を作動させて入賞口(本実施例では例えば第2始動口140(図4参照))を開放状態とする頻度を高める電サポ制御、のうち少なくともいずれか一方が行われる制御が相当する。この時短制御は、特図短縮制御および電サポ制御の両方を行う制御としてもよいし、特図短縮制御および電サポ制御のうちいずれか一方のみを行う制御としてもよい。
電サポ制御は、「普通図柄当り」の当選確率、普通図柄の可変表示時間、および普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)のうち少なくともいずれかの時短性能を向上させる制御である。時短性能とは、入賞口(例えば、本実施例では第2始動口140(図4参照))への遊技球の入賞の容易さを変更する性能であって、「普通図柄当り」の当選確率、普通図柄の可変表示時間、または/および普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間等)等をいう。また、時短性能を向上させるとは、例えば、入賞口(例えば、本実施例では例えば第2始動口140(図4参照))への遊技球の入賞をより容易にすることである。すなわち、電サポ制御が実行されると、電サポ制御が実行されていない場合と比べて、「普通図柄当り」の当選確率アップ、普通図柄の可変表示時間の短縮、または/および普通電動役物146による入賞容易化(開放回数アップ、開放時間延長、ウェイト時間短縮等)が行われる。
そして、普通図柄の始動条件が成立する都度、上述した普通図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、普通図柄制御処理中に通過ゲート126への遊技球の通過があった場合、普通図柄始動通過処理が実行される。また、通過ゲート126への遊技球の通過時に抽出される普通図柄の始動情報(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)を、普通図柄の始動条件が成立するまで保留する。
なお、普通図柄の可変表示の開始は保留された順に行われ、普通図柄の始動条件が成立すると、保留されている普通図柄の始動情報のうち最先で保留された始動情報についての可変表示を実行する。
なお、各種乱数値(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、第2特別図柄の大当り判定用乱数値、第2特別図柄の図柄乱数値、第2特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、普通図柄の当り判定用乱数値等)の抽出方式は、メインCPU201によりプログラムを実行することによって所定の範囲(幅)内で乱数値を生成するソフト乱数方式を用いてもよいし、所定周期で乱数が更新される乱数発生器におけるカウンタから乱数値を抽出するハード乱数方式を用いてもよい。
[1-3-3.遊技状態遷移]
図8に示されるように、遊技の状態は、非大当り遊技状態と大当り遊技状態とに大別することができる。非大当り遊技状態では、上述したとおり特別図柄ゲームを実行し、特別図柄の当り判定処理の結果として大当りが導出されると、非大当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態では、上述したとおりラウンド遊技が実行され、特別図柄の可変表示は実行されない。ただし、普通図柄の可変表示については、大当り遊技状態であっても実行可能とされている。なお、小当り遊技状態についての説明は省略するものとする。
非大当り遊技状態は、特別図柄の当り判定処理における大当りの当選確率が相対的に低い低確率状態と、特別図柄の当り判定処理における大当りの当選確率が相対的に高い高確遊技状態と、に大別することができる。
高確遊技状態には、時短制御が実行される高確時短遊技状態(高確高ベース)が含まれる。なお、第1のパチンコ遊技機における高確遊技状態には含まれないが、図8に示されるように、時短制御が実行されない高確非時短遊技状態(高確低ベース状態)が高確遊技状態に含まれる場合もある。
低確率状態には、時短制御が実行されない通常遊技状態(低確低ベース)と、時短制御が実行される時短遊技状態(低確高ベース)とが含まれる。
さらに、時短遊技状態には、A時短遊技状態と、B時短遊技状態と、C時短遊技状態とが含まれる。
A時短遊技状態は、特定の大当り遊技状態の終了後に移行可能な時短遊技状態であって、規定回数の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、A時短遊技状態が終了する。規定回数の特別図柄ゲームが実行されることによってA時短遊技状態が終了すると、原則として、通常遊技状態に移行する。
B時短遊技状態は、例えば、大当り遊技状態が終了し、非高確遊技状態(すなわち確変フラグがオフである遊技状態)における特別図柄の可変表示が開始されたことや、後述するRAMクリアされたこと等を起点とする特別図柄の可変表示回数(例えば、天井カウンタ)が天井値(例えば、1000回)に到達すると移行可能な時短遊技状態であって、規定回数の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、B時短遊技状態が終了する。規定回数の特別図柄ゲームが実行されることによってB時短遊技状態が終了すると、原則として、通常遊技状態に移行する。
C時短遊技状態は、低確率状態において行われた特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であり、時短当りの表示態様が導出されると移行可能な時短遊技状態であって、「時短当り」に当選したことによって決定された規定回数の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、C時短遊技状態が終了する。上記の規定回数の特別図柄ゲームが実行されることによってC時短遊技状態が終了すると、原則として、通常遊技状態に移行する。なお、例えば、複数の時短遊技状態が重複する場合には、上記の規定回数の特別図柄ゲームが実行されたとしても、通常遊技状態に移行するのではなくC時短遊技状態が継続する。
この明細書において、複数の時短遊技状態を重ねて実行するか否かにかかわらず、時短遊技状態において時短遊技状態への移行条件が成立したり、複数の時短遊技状態への移行条件が同時に成立することを、時短遊技状態が「重複する」と称する。そして、複数の時短遊技状態が重複した場合に、メインCPU201の制御により、内部的に、重複した複数の時短遊技状態のいずれをも作動させること、すなわち重複した複数の時短遊技状態を内部的に並行して作動させることを「重ねて実行」すると称する。ただし、メインCPU201が内部的には複数の時短遊技状態を重ねて実行したとしても、実際に実行される時短制御はいずれか一方の時短遊技状態に対応する時短制御のみである。すなわち、複数の時短遊技状態が重ねて実行されている場合であっても、遊技者からは、複数の時短遊技状態のうちいずれか一の時短遊技状態に制御されているものと把握される。
次に、遊技状態の移行について説明する。
通常遊技状態、時短遊技状態(A時短遊技状態、B時短遊技状態、C時短遊技状態)、および高確遊技状態(例えば高確時短遊技状態)に制御されている場合であっても、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであると、大当り遊技状態に移行する。
大当り遊技状態が終了すると、遊技仕様にもよるが、通常遊技状態、時短遊技状態、および高確遊技状態(例えば高確時短遊技状態)のいずれにも移行させることができる。ただし、大当り遊技状態が終了したときに移行できる時短遊技状態は、A時短遊技状態に限られる。
高確遊技状態に制御されている場合、所謂ST機やループ機等の一部のパチンコ遊技機を除いて、高確遊技状態から時短遊技状態または通常遊技状態には移行しない。同様に、時短遊技状態または通常遊技状態からは、大当り遊技状態を経由しない限り、高確遊技状態には移行しない。
通常遊技状態に制御されている場合、B時短遊技状態またはC時短遊技状態に移行可能であるものの、A時短遊技状態には、大当り遊技状態を経由しない限り、移行できない。ただし、A時短遊技状態において規定回数の特別図柄ゲームが実行されると通常遊技状態に移行するため、A時短遊技状態から通常遊技状態への移行は可能である。なお、B時短遊技状態およびC時短遊技状態のいずれに制御されている場合であっても、規定回数の特別図柄ゲームが実行されると通常遊技状態に移行するため、B時短遊技状態やC時短遊技状態から通常遊技状態への移行も可能である。
次に、時短遊技状態どうしの移行について説明する。
A時短遊技状態に制御されている場合、A時短遊技状態において実行可能な時短回数は、B時短遊技状態への移行条件である天井値よりも少ない回数に設定されるため、A時短遊技状態からB時短遊技状態に移行することはない。また、A時短遊技状態は大当り遊技状態を経由して制御されるため、B時短遊技状態からA時短遊技状態に移行することもない。一方、A時短遊技状態における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であるとC時短遊技状態への移行条件が成立するため、A時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複しうる。ただし、上述したようにA時短遊技状態は大当り遊技状態を経由して制御されるため、C時短遊技状態からA時短遊技状態に移行することはない。
B時短遊技状態に制御されている場合、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であるとC時短遊技状態への移行条件が成立し、B時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複しうる。また、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合も、C時短遊技状態とB時短遊技状態とが重複しうる。
C時短遊技状態に制御されている場合、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であるとC時短遊技状態への移行条件が成立し、C時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複しうる。
なお、時短遊技状態の重複についての詳細は後述する。
[1-4.基本仕様]
次に、図9~図19を参照して、第1のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。
第1のパチンコ遊技機では、確変制御および時短制御のいずれも実行されない通常遊技状態、確変制御および時短制御の両方が実行される高確時短遊技状態、並びに、確変制御は実行されないものの時短制御が実行される低確時短遊技状態が用意されており、メインCPU201は、これらの遊技状態のうちいずれかの遊技状態において遊技を進行させることが可能となっている。ただし、メインCPU201の制御によって進行される遊技状態はこれに限られない。
本実施例において、通常遊技状態では左打ちが正規な遊技態様とされ、高確時短遊技状態および低確時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされる。サブCPU301は、正規な遊技態様とされる打ち方を、例えば表示装置7の表示領域に表示する制御を実行する。なお、「正規な遊技態様」とは、複数の遊技態様(例えば発射態様)のうち遊技者にとって最も不利益とならない(遊技者にとって有利な)遊技態様が相当する。
[1-4-1.設定値毎の大当り確率]
図9は、第1のパチンコ遊技機における設定値毎の大当り確率(概算)を示すテーブルの一例である。図9に示されるように、第1のパチンコ遊技機では、上述の設定キー174aやバックアップクリアスイッチ176(いずれも図6参照)等を用いて、例えば設定1~設定6といった複数の設定値のうちいずれか一の設定値にセットすることができる。このような設定機能付きパチンコ遊技機の場合、大当り確率は設定値に応じて異なっており、メインCPU201は、セットされた設定値に基づいて特別図柄の当り判定処理を実行する。
具体的には、確変制御が実行されない確変フラグがオフの遊技状態(本実施例では例えば通常遊技状態および低確時短遊技状態)における大当り確率は、第1特別図柄の当り判定処理および第2特別図柄の当り判定処理のいずれが実行された場合であっても、例えば、設定1で約319分の1、設定2で約314分の1、設定3で約309分の1、設定4で約304分の1、設定5で約299分の1、設定6で約294分の1となっている。また、確変制御が実行される確変フラグがオンの遊技状態(本実施例では例えば高確時短遊技状態)における大当り確率は、設定1で約77分の1、設定2で約76分の1、設定3で約75分の1、設定4で約74分の1、設定5で約73分の1、設定6で約72分の1となっている。
なお、時短当り確率は、大当り確率とは異なり全設定値で共通の確率となっている。例えば、第1特別図柄の当り判定処理が実行された場合の時短当り確率は160分の1、第2特別図柄の当り判定処理が実行された場合の時短当り確率は240分の1となっている。時短当り確率は、第1特別図柄の当り判定処理が実行された場合と第2特別図柄の当り判定処理が実行された場合とで異ならせてもよいが、同じとしてもよい。
ただし、時短当り確率が全設定値で共通の確率であったとしても、時短継続率(例えば、セットされる時短回数)については、設定値に応じて異ならせてもよい。例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、例えば、設定1の場合は時短回数として50回がセットされ、設定6の場合は時短回数として100回がセットされるようにしてもよい。
なお、第1のパチンコ遊技機では小当りが抽選対象に含まれていないが、小当りを抽選対象に含むようにしてもよい。小当りを抽選対象に含む場合、小当り確率を、全設定値で共通の確率とするとよい。また、小当りを抽選対象に含む場合、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち一方の特別図柄(例えば第2特別図柄)の当り判定処理が行われた場合に限り小当りに当選しうるようにしてもよい。この場合、他方の特別図柄(例えば第1特別図柄)の当り判定処理では、小当り当選したか否かの判定自体を行わない態様の他、小当り確率を0として小当り当選したか否かの判定を行う態様であってもよい。
上記の時短当り確率および小当りを抽選対象に含む場合の小当り確率は、上述したとおり全設定値で共通の確率となっているが、これに限られず、設定値に応じて異なる確率としてもよい。
また、本実施例では、全ての設定値においてそれぞれ大当り確率が異なっているが、これに限定されず、例えば、設定1と設定2とで共通の大当り確率、設定3と設定4とで共通の大当り確率、設定5と設定6とで共通の大当り確率といったように、複数の設定値で大当り確率を同じにしてもよい。
また、本実施例では、設定値に応じて大当り確率が異なっているが、遊技者にとっての有利度合いが設定値に応じて異なれば、設定値に応じて異なる対象が必ずしも大当り確率に限定されない。例えば、特定の入賞口に遊技球が入賞すると大当り遊技状態に制御されるようなパチンコ遊技機であれば、設定値に応じて特定の入賞口への入賞確率を異ならせるようにしてもよい。なお、パチンコ遊技機を、設定機能付きパチンコ遊技機とすることは必須ではない。
[1-4-2.特別図柄の当り判定テーブル]
図10は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている特別図柄の当り判定テーブルの一例である。なお、図10に示される特別図柄の当り判定テーブルは、図9に示される設定1の場合を一例として示したものである。
特別図柄の当り判定テーブルは、特別図柄の当り判定処理において参照されるテーブル、すなわち、始動口120,140に遊技球が入賞した際に抽出される大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「大当り」または「ハズレ」を抽選により決定する際に参照されるテーブルである。なお、本実施例では、抽選対象は「時短当り」、「大当り」および「ハズレ」であり、他の抽選対象(例えば、小当り)が含まれていないが、第1始動口120または/および第2始動口140に遊技球が入賞した際に、他の抽選対象に決定されるようにしてもよい。
大当り判定用乱数値は、上述したとおり、特別図柄の当り判定処理に用いられる乱数値である。本実施例において、大当り判定用乱数値は、0~65535(65536種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
本実施例では、メインCPU201は、第1特別図柄の当り判定処理において、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「大当り」、または「ハズレ」に決定する。第1特別図柄の当り判定テーブルには、確変フラグの値(0または1)毎に、「時短当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する時短当り判定値データとの関係、「大当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する大当り判定値データとの関係、および「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
なお、本明細書において、確変フラグの値が「0」の場合、確変フラグがオフであり、確変フラグの値が「1」の場合、確変フラグがオンである。
また、メインCPU201は、第2特別図柄の当り判定処理において、第1特別図柄の当り判定処理と同様、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「大当り」、または「ハズレ」に決定する。第2特別図柄の当り判定テーブルには、確変フラグの値(0または1)毎に、「時短当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する時短当り判定値データとの関係、「大当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する大当り判定値データとの関係、および「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
本実施例では、例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~408のいずれかである場合、メインCPU201は、「時短当り」と判定し、当落判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が409~613のいずれかである場合、メインCPU201は、「大当り」と判定し、当落判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。また、抽出された大当り判定用乱数値が614~65535のいずれかである場合、メインCPU201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~408のいずれかである場合、メインCPU201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が409~1259のいずれかである場合、メインCPU201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。また、抽出された大当り判定用乱数値が1260~65535のいずれかである場合、メインCPU201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
同様に、例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~272のいずれかである場合、メインCPU201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が273~477のいずれかである場合、メインCPU201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。さらに、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が478~65535のいずれかである場合、メインCPU201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~272のいずれかである場合、メインCPU201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が273~1123のいずれかである場合、メインCPU201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。さらに、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が1124~65535のいずれかである場合、メインCPU201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
このように、本実施例では、例えば0~65535の範囲で発生する大当り判定用乱数値のうち、0から所定幅(例えば、第1特別図柄の当り判定処理であれば0~408)を、大当り判定値データおよびハズレ判定値データを除く他の判定値データ(例えば、時短当り判定値データ)に割り当てている。また、所定値から最後尾(例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフの場合であれば614~65535)をハズレ判定値データに割り当てている。さらに、大当り判定値データとハズレ判定値データとを隣接して割り当てている。このようにすることで、例えば確変フラグがオフからオン(またはオンからオフ)になった場合に、大当り判定値データの幅を大きく(または小さく)した分だけハズレ判定値データの幅を小さく(または大きく)するだけで、他の判定値データ(例えば、時短当り判定値データ)の幅を変更することなく、大当り確率を変更することが可能となる。
また、本実施例では、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率と、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率とを異ならせることにより、遊技にバリエーションを持たせて興趣の低下を抑制できるようにしている。
とくに、図10に示されるように、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率を、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率よりも高くすることにより、単調な遊技となりがちな通常遊技状態における興趣の低下を抑制することが可能となる。
ただし、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率を、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率よりも高くしてもよい。この場合、例えば時短遊技状態において「時短当り」に当選した場合に時短遊技状態を重ねて実行するようにすることで、時短遊技状態の終了間際に「時短当り」に当選すると、時短遊技状態が実質的に延長されることとなり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、図10に示されるように、本実施例では、確変フラグがオンおよびオフのいずれの場合であっても、「時短当り」に当選しうる。ただし、メインCPU201は、確変フラグがオフ(通常遊技状態、時短遊技状態)である場合、当り判定処理の結果が「時短当り」であれば時短遊技状態に制御するものの、確変フラグがオンである場合には、当り判定処理の結果がたとえ「時短当り」であったとしても、時短遊技状態に制御しないようにしている。
[1-4-3.特別図柄判定テーブル]
図11は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている特別図柄判定テーブルの一例である。
特別図柄判定テーブルは、始動口120,140に遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」を選択する際に参照されるテーブルである。「選択図柄コマンド」は、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであった場合に、大当り種類に応じて定められる当り図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の可変表示の停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図11に示される特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば0~69である場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z0」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば70~96のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z1」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば97~99のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z2」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が0~9のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z3」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が10~59のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z4」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。さらに、第1特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z5」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、第1特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z6」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA5」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が例えば0~96である場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z7」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA6」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が例えば97~99のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z8」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA7」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~59のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z9」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA8」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z10」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA9」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU201は、選択図柄コマンドとして「z11」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA10」を選択する。
なお、本実施例では、特別図柄の当り判定テーブル(図10参照)を参照して、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し、その後、特別図柄判定テーブル(図11参照)を参照して、特別図柄の図柄乱数値に基づいて選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを決定するようにしているが、これに限られない。例えば、抽出された大当り判定用乱数値と特別図柄の図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の当落、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドをあわせて決定するようにしてもよい。
[1-4-4.特別図柄停止態様決定テーブル]
図12(A)は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている特別図柄停止態様決定テーブルの一例である。特別図柄停止態様決定テーブルは、特別図柄の可変表示が停止したときに第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164(図5参照)に導出される特別図柄の停止態様を、選択図柄コマンドに応じて決定する際に参照される。
図12(A)に示されるように、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164(図5参照)に導出される特別図柄の停止態様は、例えば0~7の領域で構成される1バイトの制御信号で構成される。第1特別図柄の0~7の各領域は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLED163a~163h(図5参照)のいずれかに1対1で対応している。例えば、第1特別図柄の領域0は163aに対応し、第1特別図柄の領域1は163bに対応し、第1特別図柄の領域2は163cに対応し、第1特別図柄の領域3は163dに対応し、第1特別図柄の領域4は163eに対応し、第1特別図柄の領域5は163fに対応し、第1特別図柄の領域6は163gに対応し、第1特別図柄の領域7は163hに対応している。
同様に、第2特別図柄の0~7の各領域は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLED164a~164h(図5参照)のいずれかに1対1で対応している。例えば、第2特別図柄の領域0は164aに対応し、第2特別図柄の領域1は164bに対応し、第2特別図柄の領域2は164cに対応し、第2特別図柄の領域3は164dに対応し、第2特別図柄の領域4は164eに対応し、第2特別図柄の領域5は164fに対応し、第2特別図柄の領域6は164gに対応し、第2特別図柄の領域7は164hに対応している。
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄表示部163,164に導出されるLEDの表示態様(時短当りの表示態様)は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z0」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域0に対応するLED163aと、第1特別図柄の領域7に対応するLED163hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z1」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域0に対応するLED163aと、第1特別図柄の領域1に対応するLED163bと、第1特別図柄の領域7に対応するLED163hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z2」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域0に対応するLED163aと、第1特別図柄の領域2に対応するLED163cと、第1特別図柄の領域7に対応するLED163hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。また、選択図柄コマンドが「z7」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域0に対応するLED164aと、第2特別図柄の領域1に対応するLED164bと、第2特別図柄の領域7に対応するLED164hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z8」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域0に対応するLED164aと、第2特別図柄の領域2に対応するLED164cと、第2特別図柄の領域7に対応するLED164hとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、特別図柄表示部163,164に導出されるLEDの表示態様(大当りの表示態様)は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z3」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域3に対応するLED163dと、第1特別図柄の領域4に対応するLED163eと、第1特別図柄の領域6に対応するLED163gとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z4」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域3に対応するLED163dと、第1特別図柄の領域5に対応するLED163fと、第1特別図柄の領域6に対応するLED163gとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z5」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域3に対応するLED163dと、第1特別図柄の領域4に対応するLED163eと、第1特別図柄の領域5に対応するLED163fと、第1特別図柄の領域6に対応するLED163gとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z9」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域3に対応するLED164dと、第2特別図柄の領域4に対応するLED164eと、第2特別図柄の領域6に対応するLED164gとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z10」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域3に対応するLED164dと、第2特別図柄の領域5に対応するLED164fとを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、特別図柄表示部163,164に導出されるLEDの表示態様(ハズレの表示態様)は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z6」の場合、メインCPU201は、第1特別図柄表示部163を構成する8個のLEDのうち、第1特別図柄の領域7に対応するLED163hのみを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第1特別図柄表示部163を停止表示するよう決定する。選択図柄コマンドが「z11」の場合、メインCPU201は、第2特別図柄表示部164を構成する8個のLEDのうち、第2特別図柄の領域7に対応するLED164hのみを点灯し、その他のLEDが消灯する態様で、第2特別図柄表示部164を停止表示するよう決定する。
メインCPU201は、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて特別図柄の停止態様を決定すると、決定された態様に対応する制御信号を第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164を構成する各LEDに出力し、第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に導出される特別図柄の停止態様を制御する。
なお、図12(A)では、第1特別図柄表示部163に導出されるLEDの表示態様と、第2特別図柄表示部164に導出されるLEDの表示態様とを、便宜上、同じテーブルにあらわしている。ただし、第1特別図柄表示部163と第2特別図柄表示部164とで、制御信号は別々に送信されるようにするとよい。
図12(B)は、第1のパチンコ遊技機が備えるサブ制御回路300のプログラムROMに記憶されている装飾図柄停止態様決定テーブルの一例である。装飾図柄停止態様決定テーブルは、表示装置7に表示される装飾図柄の可変表示が停止したときに導出される装飾図柄の停止態様(図柄組合せ)を、図柄指定コマンドに応じて決定する際に参照される。なお、図12(B)に示される「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。
なお、第1のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とうちいずれか一方のみが可変表示可能であるため、サブCPU1301は、第1特別図柄および第2特別図柄のうち可変表示されている特別図柄についての表示演出が表示装置7にて行われるよう制御する。この場合、サブCPU301は、可変表示されている特別図柄が第1特別図柄であるか第2特別図柄であるかを把握できる態様で、表示演出を行うことが好ましい。
本実施例において、表示装置7に表示される装飾図柄は、左図柄が例えば1~9の9個の図柄で構成され、中図柄が例えば1~9及び時短図柄の10個の図柄で構成され、右図柄が例えば1~9の9個の図柄で構成される。時短図柄は、例えば特別図柄抽選の結果が時短当りである場合等、遊技状態が時短遊技状態に移行する際に停止表示される図柄である。中図柄を時短図柄で停止表示することにより、時短当りに当選したことを遊技者が把握することができる。また、本実施例では、奇数図柄を、偶数図柄と比べて遊技者にとっての有利度合いが高い図柄として規定しているが、これに限定されない。
なお、第1のパチンコ遊技機では特別図柄抽選の結果に小当りが含まれないが、特別図柄抽選の結果に小当りが含まれる場合は、例えば、中図柄を構成する図柄に、小当り図柄(特別図柄抽選の結果が小当りである場合に停止表示される図柄)を含めるようにしてもよい。この場合、特別図柄抽選の結果が小当りであると、サブCPU301は、中図柄を小当り図柄で停止表示するため、小当りに当選したことを遊技者が把握することができる。
図12(B)に示されるように、図柄指定コマンドが「zA1」または「zA6」である場合(特別図柄抽選の結果が「時短当り」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄の停止態様として、例えば、左図柄及び右図柄を偶数図柄で停止させ、かつ中図柄を時短図柄で停止させる。
図柄指定コマンドが「zA2」または「zA7」である場合(特別図柄抽選の結果が「時短当り」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄の停止態様として、例えば、左図柄及び右図柄を奇数図柄で停止させ、かつ中図柄を時短図柄で停止させる。なお、図柄指定コマンドが「zA2」または「zA7」である場合(選択図柄コマンドが「z2」または「z8」である場合)は、後述の図13を参照すると分かるように、図柄指定コマンドが「zA1」または「zA6」である場合(選択図柄コマンドが「z0」、「z1」または「z7」である場合)と比べてセットされる時短回数が多く、遊技者にとっての有利度合いが高い。
図柄指定コマンドが「zA3」または「zA8」である場合(特別図柄抽選の結果が「大当り」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄の停止態様として、例えば、左図柄、右図柄及び中図柄を奇数図柄の揃い図柄(ぞろ目)で停止させる。
図柄指定コマンドが「zA4」または「zA9」である場合(特別図柄抽選の結果が「大当り」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄の停止態様として、例えば、左図柄、右図柄及び中図柄を偶数図柄の揃い図柄(ぞろ目)で停止させる。なお、図柄指定コマンド「zA4」は、後述の図13を参照すると分かるように、大当り遊技状態の終了後、確変フラグがオンにセットされる場合(選択図柄コマンドが「z4」の場合)と、確変フラグがオンにセットされない場合(選択図柄コマンドが「z5」の場合)とがある。そこで、本実施例では、選択図柄コマンドが「z4」及び「z5」のいずれであったとしても、サブCPU301は、偶数図柄の揃い図柄(ぞろ目)で装飾図柄が停止するよう制御し、大当り遊技状態において、確変当り(確変フラグがオンにセットされる当り)であることを示す昇格演出を行うようにするとよい。
また、後述の図13を参照すると分かるように、図柄指定コマンドが「zA4」または「zA9」である場合は、後述の図13を参照すると分かるように、図柄指定コマンドが「zA3」または「zA8」である場合と比べて、大当り遊技状態の終了後に確変フラグがオンにセットされる期待値が小さい。この点において、図柄指定コマンドが「zA3」または「zA8」である場合、図柄指定コマンドが「zA4」または「zA9」である場合と比べて、遊技者にとっての有利度合いが高い。
なお、図柄指定コマンドが「zA5」または「zA10」である場合(特別図柄抽選の結果が「ハズレ」である場合)、サブCPU301は、装飾図柄をばらけ目で停止させる。ばらけ目は、例えば、左図柄、右図柄及び中図柄のうち少なくとも一つの図柄が他の図柄と異なる停止態様が相当する。
図12(B)では、図柄指定コマンドに応じた装飾図柄の停止態様(例えば、図柄指定コマンドが「zA1」の場合、左図柄「2」、中図柄「時短」、右図柄「4」)を例示しているが、図12(B)の装飾図柄の停止態様の欄に示される停止態様はあくまでも例示であって、これに限られない。
[1-4-5.当り種類決定テーブル]
図13は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている当り種類決定テーブルの一例である。当り種類決定テーブルは、特別図柄の図柄乱数値に対応して決定される選択図柄コマンドに応じて、大当り遊技状態の態様(より詳しくは例えばラウンド数)または/およびその後の遊技状態の態様、を決定する際に参照される。その後の遊技状態の態様は、大当り遊技状態終了後の遊技状態の態様を示す。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は、大当り遊技状態に制御されることなくC時短遊技状態に制御されるため、その後の遊技状態の態様は、C時短遊技状態の態様を示す。
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、C時短遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z0」の場合、メインCPU201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を10回にセットすることを決定する。選択図柄コマンドが「z1」の場合および「z7」の場合、メインCPU201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を50回にセットすることを決定する。選択図柄コマンドが「z2」の場合および「z8」の場合、メインCPU201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を100回にセットすることを決定する。特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合、メインCPU201は、上述した時短当りの表示態様を第1特別図柄表示部163または第2特別図柄表示部164に導出した後、大当り遊技状態に制御することなく、時短フラグをオンにセットするとともに決定された時短回数をセットし、C時短遊技状態に制御可能となる。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合は大当り遊技状態に制御されないため、大当り遊技状態の態様は決定されない。なお、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、この特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態にかかわらず、セットされる時短回数を同じとしている。ただし、これに限られず、特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態に応じて、セットされる時短回数を異ならせてもよい。
このように、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄の図柄乱数値に基づいて決定される選択図柄コマンドに応じて、セットされる時短回数が異なるようにしている。このようにすることで、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合に、その後の遊技の進行状況にバリエーションを持たせることが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、上述したとおり、メインCPU201は、確変フラグがオンである場合には、当り判定処理の結果がたとえ「時短当り」であったとしても、時短遊技状態に制御しないようにしている。例えば、メインCPU201は、確変フラグがオン(高確遊技状態)であったとしても、図10に示されるように「時短当り」の抽選を行い、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には、「時短当り」に当選したことを示す時短当りの表示態様を特別図柄表示部163,164に導出するものの、C時短遊技状態に制御せずに、高確遊技状態を継続するようにしてもよい。
また、メインCPU201は、確変フラグがオンであるときに「時短当り」の抽選を行い、当り判定処理の結果が「時短当り」であったとしても強制的にハズレの表示態様を特別図柄表示部163,164に導出するようにしてもよい。
さらには、確変フラグがオンである場合、大当り判定用乱数値に対して時短当り判定値データを割り当てない、すなわち「時短当り」を抽選結果(特別図柄の当り判定処理の結果)に含まない当り判定処理が行われるようにしてもよい。この場合、大当り判定用乱数値に対して、確変フラグがオフであるときは時短当り判定値データを割り当て、確変フラグがオンであるときは時短当り判定値データを割り当てない。そのため、確変フラグがオフであるときに時短当り判定値データに割り当てられていた乱数値の幅は、時短当り判定値データの代わりに、ハズレ判定値データ、大当り判定値データ、又は、ハズレ判定値データと大当り判定値データとの両方、に割り当てられる。
なお、本実施例では、確変フラグがオンである場合には、C時短遊技状態に移行しないように構成しているが、これに限られない。例えば、確変フラグがオンであったとしても時短フラグがオフであるような高確非時短遊技状態に制御可能なパチンコ遊技機においては、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には高確時短遊技状態に移行するようにしてもよい。
特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様は、次のとおり決定される。
例えば、選択図柄コマンドが「z3」の場合および「z9」の場合、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を10ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることを決定し、確変回数および時短回数をいずれも10000回にセットすることを決定する。これらの場合、メインCPU201は、上述した大当りの表示態様を特別図柄表示部163,164に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
また、選択図柄コマンドが「z4」の場合、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を4ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることを決定し、確変回数および時短回数をいずれも10000回にセットすることを決定する。この場合、メインCPU201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部163に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
また、選択図柄コマンドが「z5」の場合、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を4ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定する。また、セットする時短回数を例えば200回にセットすることを決定する。この場合、メインCPU201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部163に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、時短遊技状態に制御可能となる。ここで制御される時短遊技状態はA時短遊技状態である。
また、選択図柄コマンドが「z10」の場合、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を10ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定する。また、セットする時短回数を例えば300回にセットすることを決定する。この場合、メインCPU201は、上述した大当りの表示態様を第2特別図柄表示部164に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、時短遊技状態に制御可能となる。ここで制御される時短遊技状態もA時短遊技状態である。
なお、高確時短遊技状態における時短性能は、A時短遊技状態における時短性能と同じとすることが好ましいが、A時短における時短性能と異ならせてもよい。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z6」の場合、および「z11」の場合)、メインCPU201は、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットしない。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合、メインCPU201は、遊技状態を移行させずに、それまでの遊技状態に継続して制御する。
なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z6」の場合、および「z11」の場合)、上述したように大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットされないため、本来、図13の当り種類決定テーブルに図示する必要がない。ただし、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれも決定されないことを明示するために、便宜上、図13に図示したものである。
このように、本実施例において、メインCPU201は、図10の特別図柄の当り判定テーブルを参照し、第1始動口120または第2始動口140に遊技球が入賞した際に抽出される大当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し(当落判定を行い)、当落(「時短当り」、「大当り」または「ハズレ」)を決定する。その後、メインCPU201は、図11の特別図柄判定テーブルを参照し、第1始動口120または第2始動口140に遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と上記の当落判定値データとに基づいて選択図柄コマンドを決定し、特別図柄表示部163,164に導出される表示態様の種類(時短当りの種類または大当りの種類)を決定するようにしている。なお、上記の当落判定および選択図柄コマンドの決定は、特別図柄の可変表示の開始時に行われるが、特別図柄の可変表示が開始されてから確定表示されるまでの間に行われることを排除する趣旨ではない。
また、図13に示されるように、本実施例では、大当り遊技状態の終了後に制御されるA時短遊技状態の時短回数は、例えば、200回(選択図柄コマンドが「z5」の場合)、または300回(選択図柄コマンドが「z10」の場合)である。これに対し、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合に制御されるC時短遊技状態の時短回数は、例えば、10回(選択図柄コマンドが「z0」の場合)、50回(選択図柄コマンドが「z1」、「z7」の場合)、または100回(選択図柄コマンドが「z2」、「z8」の場合)である。すなわち、A時短遊技状態における時短回数の期待値が、C時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高い。このように、A時短遊技状態をC時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利度合いが高くなるようにすることで、「大当り」の位置づけを大きくすることができる。
なお、A時短遊技状態における時短回数の期待値をC時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高いことに代えて、例えば図14に示されるように、C時短遊技状態における時短回数の期待値をA時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高くするようにしてもよい。図14は、図13に示される当り種類決定テーブルの変形例である。この図14では、A時短遊技状態の時短回数は、例えば、50回(選択図柄コマンドが「z5」、「z10」の場合)である。これに対し、C時短遊技状態の時短回数は、例えば、50回(選択図柄コマンドが「z0」の場合)、100回(選択図柄コマンドが「z1」、「z7」の場合)または200回(選択図柄コマンドが「z2」、「z8」の場合)である。このように、C時短遊技状態をA時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利度合いが高くなるようにすることで、「時短当り」の位置づけを大きくすることができる。例えば、長期間にわたって「大当り」に当選しないような状態が続いたとしても、「時短当り」に当選した場合には相対的に有利なC時短遊技状態に制御されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、本明細書において、確変フラグの場合と同様に、時短フラグの値が「0」の場合が時短フラグオフであり、時短フラグの値が「1」の場合が時短フラグオンである。
時短フラグは、確変フラグと同様にメインRAM203に格納される管理フラグの一つであり、時短制御を実行するか否かを管理するためのフラグである。
また、時短回数は、時短制御を継続して実行可能な特別図柄の可変表示回数である。すなわち、例えば時短回数が「50」に決定された場合、この時短遊技状態において大当りに当選することなく50回の特別図柄の可変表示が行われると、この時短遊技状態が終了して非時短遊技状態(例えば、通常遊技状態)に移行する。
なお、図13等に示される確変回数および時短回数の「10000」は、大当り遊技状態終了後、大当りであると判定される(すなわち次回大当り)まで、確変制御を継続して実行できる趣旨である。
[1-4-6.特別図柄の変動パターンテーブル]
図15は、第1のパチンコ遊技機の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。図15の「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。図15の「備考」の欄に示される時短当り系リーチA,B,Cは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りの可能性がある(大当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。同様に、大当り系リーチA,B,Cは、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(時短当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。さらに、共通リーチA,B,C,D,Eは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示すリーチ演出である。なお、図15は確変フラグがオフである場合の特別図柄の変動パターンテーブルであり、確変フラグがオンである場合の特別図柄の変動パターンテーブルの図示は省略する。
メインCPU201は、第1始動口120への遊技球の入賞に基づくときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口140への遊技球の入賞に基づくときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。図15の特別図柄の変動パターンテーブルは、後述の図28のS96の特別図柄の変動パターン決定処理を実行する際に参照されるテーブルである。
図15に示されるように、特別図柄の変動パターンは、特別図柄の種別、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)、時短フラグの値(0または1)、リーチ判定用乱数値、または/および、演出選択用乱数値等に基づいて決定されるが、これに限られず、上記のいずれかに代えてまたは加えて他の値等に基づいて決定されるようにしてもよい。
リーチ判定用乱数値は例えば0~249(250種類)の中から抽出され、演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
メインCPU201は、第1始動口120への遊技球の入賞に基づいて抽出した演出選択用乱数値が特定の乱数値である場合、先読みフラグを設定する。メインCPU201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドを受信したサブCPU301は、先読みフラグが設定されている場合、先読み演出を行う。
なお、本実施例では、メインCPU201は、時短フラグがオフである場合に先読みフラグを設定し、時短フラグがオンであったり確変フラグがオンである場合には先読みフラグを設定しない。
また、本実施例では、先読み演出を行うか否かをメインCPU201が決定しているが、これに限られず、サブCPU301が決定するようにしてもよい。
なお、メインCPU201は、時短フラグがオンである場合や確変フラグがオンである場合にも先読みフラグを設定するように(先読み演出が行われるように)してもよい。また、第2特別図柄の変動パターンを決定する際にも、先読みフラグを設定するように(先読み演出が行われるように)してもよい。
時短フラグがオンである場合、決定される特別図柄の変動パターンは、時短フラグがオフである場合と比べて単位時間あたりの変動回数の期待値が小さい。すなわち、時短フラグがオンである場合の特別図柄の変動時間は、時短フラグがオフである場合の特別図柄の変動時間と比べて短時間となりやすい。
決定された変動パターン情報は、コマンド出力ポート206を介してメインCPU201からサブCPU301のコマンド入力ポート308に送信される。サブCPU301は、メインCPU201から送信された変動パターン情報に基づいて、表示装置7の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ32から出力される音演出を制御する。
なお、図15には示されていないが、設定値毎に、例えば演出選択用乱数値の範囲を変えて、決定される特別図柄の変動パターン(可変表示時間)が異なるようにしてもよい。
また、本実施例では、例えば、当り判定処理の結果がハズレである場合、時短の種類にかかわらず時短フラグがオンであるか否かに応じて特別図柄の変動パターンを決定するようにしたが、これに限られない。例えば、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数の期待値が時短の種類に応じて異なりうるようにしてもよい。例えば、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とで、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数の期待値が異なるようにしてもよい。
[1-4-7.時短遊技状態]
上述したとおり、本実施例では、時短遊技状態として、A時短遊技状態と、B時短遊技状態と、C時短遊技状態とが用意されている。これらの時短遊技状態について、以下に説明する。
A時短遊技状態は、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって、選択図柄コマンドが例えば「z5」または「z10」である場合に、大当り遊技状態終了後に制御される時短遊技状態である。すなわち、本実施例において、A時短遊技状態への移行条件は、大当り(選択図柄コマンドが「z5」または「z10」の大当り)に当選することである。ただし、A時短遊技状態への移行条件が成立したとしても、必ずA時短遊技状態に移行するのではなく、A時短遊技状態への移行を妨げる条件が成立した場合(例えば、バックアップクリアされた場合等)には、A時短遊技状態に移行させない。
また、A時短遊技状態の終了条件は、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって当該「大当り」に基づく大当り遊技状態が開始される場合と、選択図柄コマンドに対応して決定された時短回数(以下「A時短規定回数」と称する)の特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の可変表示が実行された場合(図13の「時短回数」の欄を参照)とのうち、いずれかの条件を満たした場合である。
B時短遊技状態は、例えば、大当り遊技状態が終了し、非高確遊技状態(本実施例では例えば通常遊技状態および低確時短遊技状態)における特別図柄の可変表示が開始されたとき等を起点として、天井カウンタを更新(1加算)し、天井カウンタが天井値に到達したときに制御される時短遊技状態である。すなわち、B時短遊技状態への移行条件は、天井カウンタが天井値に到達することである。B時短遊技状態への移行は、天井カウンタが天井値に到達するときの特別図柄の可変表示(以下「天井最終変動」と称する)が開始されたときとしてもよいし、天井最終変動が終了したときとしてもよいし、天井最終変動の次の特別図柄の可変表示が開始されたときとしてもよい。すなわち、B時短遊技状態への移行タイミングは、天井最終変動が開始されてから次の特別図柄の可変表示が開始されるまでの間であればよい。また、天井最終変動における特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、特別図柄表示部163,164にはハズレの表示態様が導出されるものの、B時短遊技状態に移行することとなる。この場合、サブCPU301は、B時短遊技状態への移行条件が成立したこと(例えば、本実施形態では天井カウンタが天井値に到達したこと)を遊技者に示す表示演出(例えば、装飾図柄を特殊図柄で停止させたり、キャラクタによる特殊演出を行ったり、又はこれらの両方が行われる演出)を、表示装置7に表示する制御を行ってもよい。なお、B時短遊技状態への移行条件が成立したとしても、必ずB時短遊技状態に移行するのではなく、B時短遊技状態への移行を妨げる条件が成立した場合(例えば、天井最終変動における特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合等)には、B時短遊技状態に移行させない。
天井カウンタは、確変フラグがオンである場合には更新されず、確変フラグがオフである場合は、時短フラグがオンであるかオフであるかにかかわらず常にカウントされる。天井カウンタが天井値に到達した場合、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」でない限りB時短遊技状態に制御される。特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含むパチンコ遊技機においては、天井カウンタが天井値に到達したときの特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合、小当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出されたときにB時短遊技状態が開始されるようにしてもよいし、小当り遊技状態の終了後にB時短遊技状態が開始されるようにしてもよい。すなわち、天井カウンタが天井値に到達したときの特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合には、特別図柄表示部163,164に小当りの表示態様が表示されるだけであり、上述したような天井カウンタが天井値に到達したことを遊技者に示す表示演出は表示されることがない。なお、設定機能付きパチンコ遊技機の場合、設定値に応じて天井値が異なるようにしてもよい。また、天井カウンタが天井値に到達したときの特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合には、B時短遊技状態に制御することなく大当り遊技状態に制御される。
なお、天井カウンタは、電源が投入された場合、大当り遊技状態に制御された場合、RAM203内の作業領域(揮発性領域)のクリア処理(バックアップクリア処理)が行われた場合、バックアップクリアスイッチ176とは別のスイッチ(例えば、設定キー174aや専用のスイッチ)が操作された場合、普通図柄当り確率を変更可能な遊技機にあっては普通図柄当り確率の高確率が終了した場合等、所定の条件が成立するとリセットされる。そして、天井カウンタの更新が許容されると、特別図柄の可変表示が実行される都度、天井カウンタが更新される。例えば確変フラグがオンである場合、天井カウンタの更新が許容されない。
メインCPU201は、天井カウンタをクリアした後、次の特別図柄の可変表示から天井カウンタのカウントを開始する。なお、天井値は、天井カウンタがクリアされる都度、メインCPU201がセットするものとしてもよいし、都度セットするのではなく、パチンコ遊技機固有のものとして予め決められていてもよい。
大当り遊技状態に制御されたことによって天井カウンタがクリアされた場合、大当り遊技状態の終了後、確変フラグがオンでなければ、メインCPU201は、1回目の特別図柄の可変表示の開始時または終了時に天井カウンタを更新(+1)する。また、大当り遊技状態の終了後、確変フラグがオンであれば、特別図柄の可変表示が行われても天井カウンタを更新しないが、例えばST機や確変転落抽選を行う仕様であれば、確変フラグがオフになった後の1回目の特別図柄の可変表示の開始時または終了時に天井カウンタを更新する。なお、確変転落抽選を行う仕様の場合、特別図柄の可変表示の開始時に確変フラグがオンからオフに変更されるため、特別図柄の可変表示の終了時に天井カウンタの更新を行う場合、特別図柄の可変表示の終了時に確変フラグがオフであれば天井カウンタを更新するようにしてもよい。
なお、メインCPU201により確変転落抽選が行われる仕様のパチンコ遊技機の場合、サブCPU301は、メインCPU201から送信されたコマンドを受信すると、確変転落抽選に当選したことを示唆する演出や、高確遊技状態から低確遊技状態への移行を示唆する演出を行わないようにすることが好ましい。このようにすることで、天井カウンタによるカウントの開始時点、すなわちB時短遊技状態への移行タイミングを、表示装置7に表示される表示演出等に基づいて遊技者が把握することが困難となり、面白みのあるゲーム性を提供することが可能となる。B時短遊技状態への移行タイミングの把握が困難である場合、例えばB時短遊技状態への移行タイミングを示唆するカウントダウン演出やガセのカウントダウン演出を、サブCPU301による制御によって表示装置7に表示することにより、より一層興趣を高めることが可能となる。
また、RAM203内の作業領域(揮発性領域)のクリア処理(バックアップクリア処理)が行われた場合、メインCPU201は、RAM203内の作業領域のクリア処理後の1回目の特別図柄の可変表示の開始時または終了時に天井カウンタを更新(+1)する。
さらに、バックアップクリアスイッチ176とは別のスイッチ(例えば、設定キー174aや専用のスイッチ)が操作された場合、メインCPU201は、上記別のスイッチが操作された後の1回目の特別図柄の可変表示の開始時または終了時に天井カウンタを更新(+1)する。
また、B時短遊技状態の終了条件は、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって当該「大当り」に基づく大当り遊技状態が開始される場合と、予め定められた規定回数(以下「B時短規定回数」と称する)分の特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の可変表示が実行された場合とのうち、いずれかの条件を満たした場合である。B時短遊技状態の終了条件の一つである「B時短規定回数分の特別図柄の可変表示が実行された場合」は、B時短規定回数目の特別図柄の可変表示(以下「B時短最終変動」と称する)が開始されたときとしてもよいし、B時短最終変動が終了したときとしてもよい。すなわち、B時短遊技状態の終了タイミングは、B時短最終変動が開始されてからこのB時短最終変動にかかる特別図柄の可変表示が終了するまでの間であればよい。
C時短遊技状態は、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合に制御される時短遊技状態である。すなわち、C時短遊技状態への移行条件は、時短当り(選択図柄コマンドが「z0」~「z2」、「z7」または「z8」の時短当り)に当選し、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出(確定表示)されることである。なお、C時短遊技状態への移行条件が成立したとしても、必ずC時短遊技状態に移行するのではなく、C時短遊技状態への移行を妨げる条件が成立した場合(例えば、B時短遊技状態とC時短遊技状態とが重ねて実行されない仕様(詳細は後述する)であって、B時短遊技状態における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合等)には、C時短遊技状態に移行させない。なお、C時短遊技状態への移行条件が成立したにもかかわらずC時短遊技状態への移行を妨げる条件が成立した場合、メインCPU201は、C時短遊技状態に移行させないにもかかわらず、時短当りの表示態様を特別図柄表示部163,164に導出する制御を実行する。
また、C時短遊技状態の終了条件は、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」であって当該「大当り」に基づく大当り遊技状態が開始される場合と、選択図柄コマンドに対応して決定された時短回数(以下「C時短規定回数」と称する)の特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の可変表示が実行された場合(図13の「時短回数」の欄を参照)とのうち、いずれかの条件を満たした場合である。C時短遊技状態の終了条件の一つであるC時短規定回数は、選択図柄コマンドに対応して決定された時短回数目の特別図柄の可変表示(以下「C時短最終変動」と称する)が開始されたときとしてもよいし、C時短最終変動が終了したときとしてもよい。すなわち、C時短遊技状態の終了タイミングは、C時短最終変動が開始されてからこのC時短最終変動にかかる特別図柄の可変表示が終了するまでの間であればよい。
なお、時短性能は、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とで互いに異なるようにしてもよい。また、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうち、2つの時短遊技状態の時短性能を同じとし、これら2の時短遊技状態の時短性能と他の一つの時短遊技状態の時短性能とが異なるようにしてもよい。さらには、A時短遊技状態の時短性能と、B時短遊技状態の時短性能と、C時短遊技状態の時短性能とが同じとなるようにしてもよい。
また、A時短遊技状態の終了条件、B時短遊技状態の終了条件、およびC時短遊技状態の終了条件には、上記の他、例えば、第2特別図柄の可変表示回数が規定回数に到達したことや、普通電動役物146が所定回数開放したこと、普通電動役物146の開放態様として特定の開放態様が選択されたこと等を含めるようにしてもよい。また、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含むパチンコ遊技機においては、小当り回数が規定回数に到達したことを上記の終了条件に含めるようにしてもよい。さらには、時短転落抽選を行い、時短転落抽選に当選したことを、上記の終了条件に含めるようにしてもよい。
[1-4-8.普通図柄の当り判定テーブル]
図16は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている普通図柄の当り判定テーブルの一例である。
普通図柄の当り判定テーブルは、普通図柄の当り判定処理において参照されるテーブル、すなわち、遊技状態と、通過ゲート126(図4参照)を遊技球が通過した際に抽出される普通図柄の当り判定用乱数値と、に基づいて「普通図柄当り」または「ハズレ」を抽選により決定する際(すなわち、後述の図43のS295の普通図柄遊技判定処理を実行する際)に参照されるテーブルである。
普通図柄の当り判定用乱数値は、上述したとおり、普通図柄の当り判定処理に用いられる乱数値である。本実施例において、メインCPU201は、普通図柄の当り判定用乱数値を、0~99(100種類)の中から抽出する。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
本実施例では、普通図柄の当り判定処理において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて「普通図柄当り」または「ハズレ」に決定する。普通図柄の当り判定テーブルには、時短の種類毎に、「普通図柄当り」に決定される普通図柄の当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する普通図柄当り判定値データとの関係、および、「ハズレ」に決定される普通図柄の当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
本実施例では、非時短遊技状態(例えば通常遊技状態)において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が0~79のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、非時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が80~99のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、A時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が0~98のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、A時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が99である場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、B時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が0~79のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、B時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が80~99のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、C時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が0~79のいずれかである場合は「普通図柄当り」と判定し、当落判定値データを「普通図柄当り判定値データ」に決定する。また、C時短遊技状態において、メインCPU201は、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値が80~99のいずれかである場合は「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
このように、本実施例では、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態のなかで、A時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率(図16に示される選択率(概算))が最も高い。
また、B時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率(図16に示される選択率(概算))は、非時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率と同じである。同様に、C時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率(図16に示される選択率(概算))についても、非時短遊技状態における普通図柄当りの当選確率と同じである。したがって、非時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態との間で遊技状態が移行したとしても、普通図柄の当選確率は変更されないこととなる。
なお、普通図柄当りの当選確率を、非時短遊技状態とA時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とで同じにしてもよい。この場合、普通図柄当りの当選確率を変えることなく、後述する普通図柄の種類の割合を状態毎で異ならせるようにするだけでよくなるため、制御処理を簡略化できる。
[1-4-9.普通図柄判定テーブル]
図17は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている普通図柄判定テーブルの一例である。
普通図柄判定テーブルは、時短の種類と、先述の当落判定値データと、通過ゲート126(図4参照)を遊技球が通過した際に抽出される普通図柄の図柄乱数値と、に基づいて、普通図柄の停止図柄を決定付ける「普通図柄当り時選択図柄コマンド」を選択する際に参照されるテーブルである。「普通図柄当り時選択図柄コマンド」は、普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りであった場合に、普通図柄当り種類に応じて定められる普通図柄の当り図柄を指定するためのコマンドである。普通図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図17に示される普通図柄判定テーブルによれば、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、例えば、普通図柄当り時選択図柄コマンドは以下のように選択される。
例えば、非時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、普通図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであったとしても、メインCPU201は、普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz0」を選択する。
また、A時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz1」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が30~69のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz2」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が70~99のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz3」を選択する。
また、B時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz4」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が30~69のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz5」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が70~99のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz6」を選択する。
また、C時短遊技状態では、普通図柄の当り判定処理の結果として普通図柄当り判定値データが得られた場合、メインCPU201は、普通図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz7」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が30~69のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz8」を選択し、普通図柄の図柄乱数値が70~99のいずれかであれば普通図柄当り時選択図柄コマンドとして「fz9」を選択する。
なお、本実施例において、メインCPU201は、先ず、普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)を参照して、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し、その後、普通図柄判定テーブル(図17参照)を参照して、普通図柄の図柄乱数値に基づいて普通図柄当り時選択図柄コマンドを決定するようにしているが、これに限られない。例えば、抽出された普通図柄の当り判定用乱数値と普通図柄の図柄乱数値とに基づいて、普通図柄の当落、および普通図柄当り時選択図柄コマンドをあわせて決定するようにしてもよい。
[1-4-10.普通図柄当り種類決定テーブル]
図18は、第1のパチンコ遊技機が備える主制御回路200のメインROM202に記憶されている普通図柄当り種類決定テーブルの一例である。普通図柄当り種類決定テーブルは、普通図柄の図柄乱数値に対応して決定される普通図柄当り時選択図柄コマンドに応じて、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを決定する際(すなわち、後述の図43のS293の普通図柄の可変表示開始処理のなかで実行される普通電動役物146の開放パターン設定処理を実行する際)に参照される。
本実施例では、普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」であった場合、普通図柄当り種類は次のとおり決定される。例えば、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz0」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間1000msec、ウェイト時間なし、2回目の開放なし、に決定する。すなわち、普通電動役物146が1回だけ1000msec開放される開放パターンに決定される。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz1」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2000msec、ウェイト時間200msec、2回目の開放時間2000msec、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz2」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2500msec、ウェイト時間200msec、2回目の開放時間2500msec、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz3」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間3000msec、ウェイト時間200msec、2回目の開放時間3000msec、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz4」の場合および「fz7」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2500msec、ウェイト時間なし、2回目の開放なし、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz5」の場合および「fz8」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2000msec、ウェイト時間600msec、2回目の開放時間2000msec、に決定する。
また、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz6」の場合および「fz9」の場合、メインCPU201は、普通電動役物146(図4参照)の作動態様である開放パターンを、1回目の開放時間2500msec、ウェイト時間600msec、2回目の開放時間2500msec、に決定する。
このように、本実施例では、非時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」であったとしても、普通電動役物146(図4参照)の開放パターンは、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態における普通電動役物146の開放パターンのなかで、最も有利度合いが不利な態様となる。
なお、普通電動役物146の開放パターンの有利度合いは、普通電動役物146が開放された場合、第2始動口140への遊技球の入賞のしやすさの度合いである。
A時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」である場合、普通電動役物146(図4参照)の開放パターンは、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態における普通電動役物146の開放パターンのなかで最も有利度合いが有利な態様となる。
また、B時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」である場合の普通電動役物146(図4参照)の開放パターンは、C時短遊技状態における普通図柄の当り判定処理の結果が「普通図柄当り」である場合の普通電動役物146の開放パターンと、有利度合いが同じとなっているが、これに限られない。
[1-4-11.普通図柄の変動パターンテーブル]
図19は、第1のパチンコ遊技機の普通図柄の変動パターンテーブルの一例である。普通図柄の変動パターンテーブルは、普通図柄の変動パターンを決定する際(すなわち、後述の図43のS293の普通図柄の可変表示開始処理のなかで実行される普通図柄の変動パターン決定処理を実行する際)に参照される。メインCPU201は、普通図柄の変動パターンテーブルを参照し、遊技状態と、通過ゲート126(図4参照)を遊技球が通過した際に抽出される普通図柄演出選択用乱数値とに基づいて、普通図柄の変動パターンを決定する。普通図柄演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
図19に示されるように、非時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~99のいずれであっても、普通図柄の可変表示時間が例えば300000msecに決定される。非時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間は、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態のなかで最も長い。
また、A時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~89のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば500msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が90~99のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば800msecに決定される。
また、B時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~39のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば500msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が40~79のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば1000msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が80~99のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば1500msecに決定される。
また、C時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~39のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば500msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が40~79のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば1000msecに決定され、普通図柄演出選択用乱数値が80~99のいずれかである場合は普通図柄の可変表示時間が例えば1500msecに決定される。
このように、1回の可変表示あたりの普通図柄の可変表示時間は、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間のうち、A時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間の期待値が最も短い。そのため、A時短遊技状態は、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態、およびC時短遊技状態のなかで、普通電動役物146が開放されるまでの時間が最も短い。
また、B時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間の期待値は、C時短遊技状態における普通図柄の可変表示時間の期待値と同じとなっているが、これに限られない。
[1-5.時短遊技状態にかかわる処理の詳細]
[1-5-1.時短当り時にセットされる時短回数]
上述の説明では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態にかかわらず、セットされる時短回数を同じとしている。ただし、これに限られず、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合にセットされる時短回数は、特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態に応じて決定するようにしてもよい。
また、確変フラグがオンにセットされる高確遊技状態であっても、特別図柄の当り判定処理の結果に「時短当り」を含むようにしてもよい。この場合、メインCPUは、特別図柄表示部に時短当りの表示態様を導出するものの、時短遊技状態に移行させる制御を実行せず、継続して高確遊技状態に制御する。ところで、例えば所謂ST機と呼ばれるパチンコ遊技機のように、規定回数にわたって特別図柄の可変表示が実行されると、確変フラグをオンからオフにする遊技機が知られている。このようなST機において、高確遊技状態としての最終ゲームで行われる特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合、確変フラグをオフにする処理よりも、時短当りの表示態様を導出する処理の方が後であるときには、メインCPUは、時短当りの表示態様を導出した後、C時短遊技状態に制御するようにしてもよい。
[1-5-2.時短遊技状態の重複]
時短遊技状態を複数設けた場合、時短遊技状態が重複することがある。例えば、A時短遊技状態において、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、A時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複することとなる。また、例えば、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達すると、C時短遊技状態とB時短遊技状態とが重複することとなる。このように時短遊技状態が重複した場合、時短遊技状態を重ねて実行するようにしてもよいし、時短遊技状態を重ねない(すなわち「時短当り」を無視する)ようにしてもよい。なお、A時短遊技状態とB時短遊技状態とが重複しないように、A時短遊技状態の終了条件であるA時短規定回数が、B時短遊技状態への移行条件である天井値よりも小さくなるように規定されている。
時短遊技状態が重複したとき、時短遊技状態を重ねて実行する態様と、時短遊技状態を重ねない態様とについて、以下に説明する。
[1-5-2-1.時短遊技状態を重ねて実行する態様]
時短遊技状態が重複したときに時短遊技状態を重ねて実行する態様としては、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において時短当りに当選したときにC時短遊技状態を重ねて実行する態様と、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達したときにB時短遊技状態を重ねて実行する態様とが考えられる。
[1-5-2-1-1.一の時短遊技状態にC時短遊技状態を重ねて実行する態様]
A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において「時短当り」に当選した場合、メインCPU201は、特別図柄表示部163,164に、時短当りの表示態様を導出する。この場合、メインCPU201は、一の時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、時短遊技状態の終了条件が成立するまでに実行可能な特別図柄の可変表示回数が多い方を時短回数として採用する。
例えば、A時短遊技状態において「時短当り」に当選し、この「時短当り」に基づいて実行可能な時短回数よりもA時短遊技状態の時短残回数の方が多い場合、メインCPU201は、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、A時短遊技状態の時短残回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。具体的な数字を挙げて説明すると、例えば、A時短遊技状態の時短残回数が200回である場合に「時短当り」に当選し、この「時短当り」に基づいて実行可能な時短回数が50回である場合、特別図柄表示部163,164に時短当りの表示態様が導出されるものの、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、ここからの時短回数は、「大当り」が導出されない限り200回である。したがって、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において「時短当り」に当選したとしても、時短回数および時短性能についての外観上は、「時短当り」に当選せずにA時短遊技状態が継続される場合と同様である。
一方、例えばA時短遊技状態において「時短当り」に当選し、この「時短当り」に基づいて実行可能な時短回数の方がA時短遊技状態の時短残回数よりも多い場合、メインCPU201は、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、「時短当り」に基づいてセットされた時短回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。具体的な数字を挙げて説明すると、例えば、A時短遊技状態の時短残回数が20回である場合に「時短当り」に当選し、この「時短当り」に基づいて実行可能な時短回数が50回である場合、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、ここからの時短回数は、「大当り」が導出されない限り50回である。すなわち、A時短遊技状態の時短残回数である20回にわたって特別図柄の可変表示が実行されたとしても、その後、A時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、両者の差分の30回にわたって特別図柄の可変表示がさらに実行される。
[1-5-2-1-2.C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行する態様]
C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合、メインCPU201は、天井最終変動において特別図柄表示部163,164に導出される表示態様(すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果)に応じた制御を実行する。
なお、第1のパチンコ遊技機では、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、以下では、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれる場合も含めて説明する。
先ず、天井最終変動において、特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」または「ハズレ」である場合について説明する。
C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達したときに、B時短規定回数よりもC時短遊技状態の時短残回数の方が多い場合、メインCPU201は、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、C時短遊技状態の時短残回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。具体的な数字を挙げて説明すると、例えば、C時短遊技状態の時短残回数が300回である場合に天井カウンタが天井値に到達し、B時短規定回数が200回である場合、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、ここからの時短回数は、「大当り」が導出されない限り300回である。したがって、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達したとしても、時短回数および時短性能についての外観上は、天井カウンタが天井値に到達することなくC時短遊技状態が継続される場合と同様である。
一方、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合に、B時短規定回数の方がC時短遊技状態の時短残回数よりも多い場合、メインCPU201は、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、B時短規定回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。具体的な数字を挙げて説明すると、例えば、C時短遊技状態の時短残回数が20回である場合に天井カウンタが天井値に到達し、B時短遊技状態として実行可能な時短回数が300回である場合、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、ここからの時短回数は、「大当り」が導出されない限り300回である。すなわち、C時短遊技状態の時短残回数である20回にわたって特別図柄の可変表示が実行されたとしても、その後、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、両者の差分の280回にわたって特別図柄の可変表示がさらに実行される。
なお、天井最終変動において特別図柄の可変表示が終了すると、メインCPU201は、特別図柄表示部163,164に、特別図柄の当り判定処理の結果に応じた表示態様を導出する。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合は小当り表示態様が導出され、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合はハズレ表示態様が導出される。小当り表示態様が導出されると小当り遊技状態に制御されるが、メインCPU201は、小当り遊技状態中も時短フラグをオンに維持する。
次に、天井最終変動において、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、すなわち、天井最終変動においてB時短遊技状態への移行条件とC時短遊技状態への移行条件とが成立する場合について説明する。この場合、メインCPU201は、特別図柄の当り判定処理の結果が特別図柄表示部163,164に導出される前にB時短遊技状態の制御を開始する場合と、特別図柄の当り判定処理の結果が特別図柄表示部163,164に導出された後にB時短遊技状態の制御を開始する場合とで、異なる制御を実行しうる。
先ず、特別図柄の当り判定処理の結果が特別図柄表示部163,164に導出される前にB時短遊技状態の制御を開始する場合、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出された時点ですでにB時短遊技状態に制御されている。そのため、メインCPU201は、B時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、「大当り」が導出されない限り、B時短規定回数とC時短遊技状態の時短回数とのうち多い方の時短回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。
次に、特別図柄の当り判定処理の結果が特別図柄表示部163,164に導出された後にB時短遊技状態の制御を開始する場合、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出された時点では未だB時短遊技状態に制御されていない。そのため、メインCPU201は、C時短遊技状態の時短性能を維持しつつ、時短遊技状態の終了条件(例えば、大当りの表示態様の導出、小当りまたは特定の小当りの表示態様の導出等)が成立しない限り、B時短規定回数とC時短遊技状態の時短回数とのうち多い方の時短回数が消化されるまで時短遊技状態に制御する。この場合、時短性能が維持又は実行された時短遊技状態の終了条件が成立すると、時短遊技状態が終了するようにするとよい。
なお、天井最終変動においてB時短遊技状態への移行条件とC時短遊技状態への移行条件とが成立した場合、サブCPU301は、B時短遊技状態への移行条件のみが成立した場合に行うB時短移行表示演出、及びC時短遊技状態への移行条件のみが成立した場合に行うC時短移行表示演出とは異なる特別な表示演出を行うようにしてもよい。また、これに代えて、例えば、B時短遊技状態の時短性能が維持される場合にはB時短移行表示演出を行い、C時短遊技状態の時短性能が維持される場合にはC時短移行表示演出を行う等、B時短移行表示演出及びC時短移行表示演出のうちいずれかの表示演出を優先して行うこととしてもよい。
なお、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達し、天井最終変動における特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、メインCPU201は、C時短遊技状態を終了し、B時短遊技状態にも制御することなく大当り遊技状態に制御する。
[1-5-2-1-3.複数の時短遊技状態を重ねて実行する場合の時短性能]
以上、一の時短遊技状態にC時短遊技状態を重ねて実行する態様、および、C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行する態様について説明した。
このように複数の時短遊技状態を重ねて実行できる仕様である場合、先に実行されていた時短遊技状態の時短性能が維持される。このような仕様のパチンコ遊技機では、重ねて実行可能な複数の時短遊技状態の時短性能はそれぞれ異なってもよいが、重ねて実行可能な複数の時短遊技状態の時短性能を同じにすることが好ましい。
例えば、一の時短遊技状態にC時短遊技状態を重ねて実行できる仕様である場合は、一の時短遊技状態の時短性能と、C時短遊技状態の時短性能とを同じにすることが好ましい。また、C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行できる仕様である場合は、C時短遊技状態の時短性能と、B時短遊技状態の時短性能とを同じにすることが好ましい。
また、複数の時短遊技状態を重ねて実行できる仕様のパチンコ遊技機において、先に実行されている時短遊技状態に対して後から重ねて実行できる時短遊技状態については、例えば、先に実行されている時短遊技状態と同じ一の時短性能と、この一の時短性能とは異なる他の時短性能とを備えるようにしてもよい。そして、先に実行されている時短遊技状態に対して時短遊技状態を重ねて実行する場合は一の時短性能を発動させ、通常遊技状態において時短遊技状態を発動させる場合のように時短遊技状態を重ねて実行しない場合は他の時短性能を発動させるようにしてもよい。
例えば、C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行できる仕様のパチンコ遊技機である場合、B時短遊技状態の時短性能を、C時短遊技状態と同じ一の時短性能と、この一の時短性能とは異なる他の時短性能との例えば2つの時短性能を設ける。そして、C時短遊技状態において例えば天井カウンタが天井値に到達した場合は一の時短性能を発動させ、いずれの時短遊技状態でもない通常遊技状態において例えば天井カウンタが天井値に到達した場合は他の時短性能を発動させるようにしてもよい。
[1-5-3.時短遊技状態を重ねて実行しない態様]
時短遊技状態を重ねて実行しない態様としては、時短遊技状態において「時短当り」を抽選対象に含まないように当り判定処理を行う態様と、時短遊技状態において「時短当り」を抽選対象に含むように当り判定処理を行い、時短遊技状態が重複したとしても時短遊技状態を重ねて実行しない態様(以下「後者の態様」と称する)とが考えられる。後者の態様としては、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において時短当りに当選したとしてもこれを無視してC時短遊技状態を重ねて実行しない態様と、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達したとしてもこれを無視してB時短遊技状態を重ねて実行しない態様との2態様が考えられる。以下に、後者の態様として考えられる上記の2態様について説明する。
[1-5-3-1.一の時短遊技状態にC時短遊技状態を重ねて実行しない態様]
A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態において「時短当り」に当選した場合、上述したとおり、メインCPU201は、特別図柄表示部163,164に、時短当りの表示態様を導出する。ただし、メインCPU201は、一の時短遊技状態における最後の特別図柄の可変表示(以下「時短最終変動」と称する)でない限り、「時短当り」に基づくC時短遊技状態に制御することなく、一の時短遊技状態の時短残回数が消化されるまで、一の時短遊技状態に制御する。この場合、一の時短遊技状態に制御されていること(時短最終変動を除く)は、C時短遊技状態への移行を妨げる条件となる。
一方、一の時短遊技状態における時短最終変動において「時短当り」に当選した場合、メインCPU201は、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出される前に一の時短遊技状態が終了する場合と、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出された時に一の時短遊技状態が終了する場合とで、異なる制御を実行しうる。
先ず、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出される前に一の時短遊技状態が終了する場合、メインCPU201は、時短当りの表示態様を導出した後、C時短遊技状態の制御を開始する。
次に、時短当りの表示態様が特別図柄表示部163,164に導出された時に一の時短遊技状態が終了する場合、すなわち、時短当りの表示態様の導出と一の時短遊技状態の終了とが同じ割込処理内で行われる場合、メインCPU201は、プログラムの処理に応じて、C時短遊技状態の制御を開始する場合と開始しない場合とがある。具体的には、時短当りの表示態様を導出(確定表示)する処理が一の時短遊技状態の終了処理よりも先に行われる場合、メインCPU201は、C時短遊技状態に制御することなく一の時短遊技状態を終了する。この場合、時短当りの表示態様を導出する処理を一の時短遊技状態の終了処理よりも先に行うことは、C時短遊技状態への移行を妨げる条件となる。
一方、時短当りの表示態様を導出(確定表示)する処理が一の時短遊技状態の終了処理よりも後に行われる場合、メインCPU201は、一の時短遊技状態を終了するとともにC時短遊技状態に制御する。この場合、メインCPU201は、一の時短遊技状態の時短性能を維持するのではなく、C時短遊技状態の時短性能とする。すなわち、メインCPU201は、時短当りの表示態様が導出された時点において、一の時短遊技状態の終了処理が未処理であればC時短遊技状態に制御することなく一の時短遊技状態を終了し、一の時短遊技状態の終了処理がすでに行われていればC時短遊技状態に制御する。
[1-5-3-2.C時短遊技状態にB時短遊技状態を重ねて実行しない態様]
C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合、メインCPU201は、天井最終変動において特別図柄表示部163,164に導出される表示態様(すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果)に応じた制御を実行する。
先ず、天井最終変動において、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」、「小当り」または「ハズレ」である場合について説明する。
C時短遊技状態において、天井最終変動における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」、「小当り」または「ハズレ」である場合、メインCPU201は、C時短遊技状態の時短残回数が消化されるまで、C時短遊技状態に制御する。
ただし、天井最終変動においてC時短遊技状態の時短残回数が0である場合、メインCPU201は、プログラムの処理に応じて、B時短遊技状態の制御を開始する場合と開始しない場合とがある。具体的には、C時短遊技状態の終了処理がB時短遊技状態の開始処理よりも先に行われる場合、メインCPU201は、C時短遊技状態を終了するとともにB時短遊技状態に制御する。一方、C時短遊技状態の終了処理がB時短遊技状態の開始処理の後に行われる場合、メインCPU201は、B時短遊技状態に制御することなくC時短遊技状態を終了する。すなわち、メインCPU201は、B時短遊技状態を開始しようとする時点において、C時短遊技状態の終了処理が未処理であればB時短遊技状態に制御することなくC時短遊技状態を終了し、C時短遊技状態の終了処理がすでに行われていればB時短遊技状態に制御する。この場合、C時短遊技状態の終了処理をB時短遊技状態の開始処理の後に行うことは、B時短遊技状態への移行を妨げる条件となる。
なお、天井最終変動において、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、メインCPU201は、C時短遊技状態を終了し、大当り遊技状態の制御を開始する。
[1-6.主制御処理]
次に、主制御回路200のメインCPU201により実行される各種処理(各種モジュール)の内容について説明する。
[1-6-1.主制御メイン処理]
先ず、図20~図23を参照して、メインCPU201により実行されるメイン処理(主制御メイン処理)について説明する。図20~図23は、第1のパチンコ遊技機における主制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、電断信号がHighレベルであるか否かを判定する(S11)。なお、図示しないが、メインCPU201は、スタックポインタの設定や割込みに対応する設定領域のアドレスの設定をS11に先だって行うことは言うまでもない。
S11において電断信号がHighレベルでないと判定された場合(S11がNO判定の場合)、メインCPU201は、S11の判定処理を繰り返す。
一方、S11において電断信号がHighレベルであると判定された場合(S11がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S12に移す。
S12において、メインCPU201は、設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176のフラグ管理処理を行う(S12)。この処理では、バックアップクリアスイッチ176のオン/オフ状態、および、設定キー174aのオン/オフ状態の退避処理が行われる。すなわち、設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176のオン/オフ状態を、メインRAM203内の起動制御フラグ領域に格納する。また、この処理では、遊技許可フラグがオフにセットされる。メインCPU201は、S12の処理を実行した後、処理を、S13に移す。
S13において、メインCPU201は、ウェイト処理を行う。この処理では、サブ制御回路300側の起動待ちが行われる。この場合の起動待ち時間(ウェイト期間)は、例えば12000.07msecである。メインCPU201は、S13の処理を実行した後、処理を、S14に移す。
なお、サブ制御回路300側の起動待ちを行っている間、メインCPU201は、例えば、割込要求信号のチェック処理、割込要求信号発生時のWDTの出力処理、所定のタイミングでの各種センサ初期化信号の出力処理等を行うようにしてもよい。
S14において、メインCPU201は、起動前(前回)の電断が正常電断であったか否かを判定する。この処理では、メインRAM203内の電断検知フラグ領域に格納された値に基づいて、正常電断であるか異常電断であるかが判定される。
S14において正常電断でなかったと判定された場合(S14がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S18に移す。
一方、S14において正常電断であったと判定された場合(S14がYES判定の場合)、メインCPU201は、メインRAM203内に格納された作業領域のチェックサム値を算出し(S15)、その後、作業領域のチェックサム値の照合処理を行う(S16)。メインCPU201は、S16の処理を実行した後、処理を、S17に移す。
S17において、メインCPU201は、照合結果が異常であるか否かを判定する。
S17において照合結果が異常でないすなわち正常であると判定された場合(S17がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S22に移す。なお、S22以降の処理については後述する。
一方、S17において照合結果が異常であるすなわち正常でないと判定された場合(S17がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S18に移す。
S18において、メインCPU201は、設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176のうち、少なくともいずれか一方がオフであるか否かを判定する。すなわち、設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176の両方がオンである場合はNO判定となり、設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176の両方がオフである場合、並びに、設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176のいずれか一方がオフである場合はYES判定となる。
S18において設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176の少なくともいずれか一方がオフでないすなわち両方ともオンであると判定された場合(S18がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S21に移す。なお、S21の処理については後述する。
一方、S18において設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176のうち少なくともいずれか一方がオフであると判定された場合(S18がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S19に移す。
S19において、メインCPU201は、外部端子のセキュリティ信号をオンにセットする。メインCPU201は、S19の処理を実行した後、処理を、S20に移す。
S20において、メインCPU201は、性能表示モニタ170(図6参照)にエラー表示処理を行う。この処理は、性能表示モニタ170に信号が出力されるI/Oポート205の出力ポートに、エラー表示用のデータをセットする。これにより、性能表示モニタ170内の所定のLEDが点灯し、エラー表示が行われる。メインCPU201は、S20の処理を実行した後、永久ループに入る。
このように、前回の電断が正常電断でなかった場合や、メインRAM203内に格納された作業領域のチェックサム値の照合結果が正常でなかった場合には、設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176の両方がオンであると判定されるまで、第1のパチンコ遊技機において遊技の実行が可能とならない。
次に、S21の処理について説明する。S21において、メインCPU201は、設定変更であることを示す値をメインRAM203内の起動制御フラグ領域に格納する。この処理は、異常起動時に行われる処理であり、設定変更であることを示す値を再度格納するようにしたものである。メインCPU201は、S21の処理を実行した後、処理を、S22に移す。
S22において、メインCPU201は、メインRAM203内のXINT検知フラグ領域および電断検知フラグ領域のクリア処理を行う。メインCPU201は、S22の処理を実行した後、処理を、S23に移す。
S23において、メインCPU201は、起動状態判定処理を行う。この処理では、メインRAM203内の起動制御フラグ領域に格納された起動制御フラグの値に基づいて、現在の起動状態(電断復帰/設定変更/設定確認/RAMクリア)を判定する。メインCPU201は、S23の処理を実行した後、処理を、S24に移す。
S24において、メインCPU201は、起動時のRAM設定処理を行う。この処理では、フラグ等を管理するメインRAM203内の作業領域(揮発性領域)のクリア処理(例えば作業領域の構築およびアドレス設定等)が行われる。なお、この処理は、電断復帰時と初期化時とで共通して行われるものであって、バックアップ領域はクリアされない。メインCPU201は、S24の処理を実行した後、処理を、S25に移す。
S25において、メインCPU201は、起動時初期設定処理を行う。この処理では、現在の起動状態(電断復帰/設定変更/設定確認/RAMクリア)に応じた初期設定処理が行われる。なお、起動時初期設定処理の詳細については、図24を参照して後述する。メインCPU201は、S25の処理を実行した後、処理を、S26に移す。
S26において、メインCPU201は、割込禁止処理を行う。メインCPU201は、S26の処理を実行した後、処理を、S27に移す。
S27において、メインCPU201は、電断処理を行う。メインCPU201は、S27の処理を実行した後、処理を、S28に移す。なお、電断処理の詳細については、図25を参照して後述する。
S28において、メインCPU201は、初期値乱数の更新処理を行う。この処理では、各種乱数カウンタ(例えば、特別図柄の大当り判定用乱数カウンタ等)の初期値乱数の更新処理が行われる。メインCPU201は、S28の処理を実行した後、処理を、S29に移す。
S29において、メインCPU201は、遊技許可状態であるか否かを判定する。この判定処理は、遊技許可フラグの値に基づいて行われる。
S29において遊技許可状態でないと判定された場合(S29がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S30に移す。
一方、S29において遊技許可状態であると判定された場合(S29がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S31に移す。
S30において、メインCPU201は、割込許可処理を行う。メインCPU201は、S30の処理を実行した後、処理を、S26に戻し、S26以降の処理を行う。
S31において、メインCPU201は、レジスタの退避処理を行う。メインCPU201は、S31の処理を実行した後、処理を、S32に移す。
S32において、メインCPU201は、性能表示モニタ集計演算処理を行う。この処理では、各種ベース値の算出および更新が行われる。また、この処理は、メインRAM203内の作業領域とは別の領域(領域外)を使用して行われる。メインCPU201は、S32の処理を実行した後、処理を、S33に移す。
S33において、メインCPU201は、S31で退避させたレジスタの復帰処理を行う。メインCPU201は、S33の処理を実行した後、処理を、S34に移す。
S34において、メインCPU201は、割込許可処理を行う。メインCPU201は、S34の処理を実行した後、処理を、S35に移す。
S35において、メインCPU201は、システム周期時間が経過したか否かを判定する。システム周期時間は、例えば、割込み周期(例えば2msec)の3倍である6msecである。
S35においてシステム周期時間が経過していないと判定された場合(S35がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS26の処理に戻し、S26以降の処理を行う。
一方、S35においてシステム周期時間が経過したと判定された場合(S35がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S36に移す。
S36において、メインCPU201は、メインRAM203の割込みカウンタ領域に格納された割込みカウンタの値から1減算する処理を3回行う。この処理により、主制御メイン処理内の割込禁止区間を管理する割込みカウンタの値がリセットされる。メインCPU201は、S36の処理を実行した後、処理を、S37に移す。
なお、本実施例では、主制御メイン処理内において、後述する遊技制御に関する各種処理(例えば、S37~S44の処理)の実行前に、例えば6msecの割込禁止区間(S26~S35の処理区間)が設けられる。それゆえ、本実施例では、後述する遊技制御に関する各種処理が例えば6msec毎(システム周期毎)に実行されることになる。なお、本実施例では、割込禁止区間を割込み周期の3倍とする例を説明したが、これに限られない。
S37において、メインCPU201は、システムタイマの更新処理を行う。システムタイマは、システム周期(例えば6msec)を管理するタイマである。システムタイマの値は、メインRAM203の作業領域内のシステム周期管理タイマ領域に格納される。メインCPU201は、S37の処理を実行した後、処理を、S38に移す。
S38において、メインCPU201は、主制御コマンド送受信処理を行う。この処理では、主として、払出制御のコマンド送受信処理が行われる。メインCPU201は、S38の処理を実行した後、処理を、S39に移す。
S39において、メインCPU201は、特別図柄制御処理を行う。この処理では、特別図柄ゲームにかかわる処理が行われる。この特別図柄制御処理の詳細については、図26を参照して後述する。メインCPU201は、S39の処理を実行した後、処理を、S40に移す。
S40において、メインCPU201は、普通図柄制御処理を行う。この処理にでは、普通図柄ゲームにかかわる処理が行われる。この普通図柄制御処理の詳細については、図43を参照して後述する。メインCPU201は、S40の処理を実行した後、処理を、S41に移す。
S41において、メインCPU201は、遊技動作表示ユニット制御処理を行う。この処理では、LEDユニット160の各表示部(例えば、第1特別図柄表示部163、第2特別図柄表示部164等)に出力する表示データの設定処理が行われる。メインCPU201は、S41の処理を実行した後、処理を、S42に移す。
S42において、メインCPU201は、遊技情報データ生成処理を行う。この処理では、外部端子板パルス信号の制御処理、出力データの設定処理、試射試験信号の生成処理等が行われる。なお、試射試験信号の生成処理は、メインRAM203内の作業領域とは別の領域(領域外)を使用して行われる。メインCPU201は、S42の処理を実行した後、処理を、S43に移す。
S43において、メインCPU201は、ポート出力処理を行う。この処理では、コマンド出力ポート206(図6参照)への出力データのセット(転送)が行われる。メインCPU201は、S43の処理を実行した後、処理を、S44に移す。
S44において、メインCPU201は、状態監視処理を行う。この処理では、発射位置判定処理、遊技異常検知判定処理および払出異常検知判定処理等が行われる。発射位置判定処理では、発射位置(例えば、右打ちまたは左打ち)に変化があれば、発射位置コマンドが送信予約される。遊技異常検知判定処理では、異常があれば、遊技異常検知コマンドが送信予約される。払出異常検知判定処理では、異常があれば、払出異常検知コマンドが送信予約される。メインCPU201は、S44の処理を実行した後、処理を、S26に戻し、S26以降の処理を行う。
[1-6-2.起動時初期設定処理]
次に、図24を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS25で行われる起動時初期設定処理について説明する。図24は、第1のパチンコ遊技機における起動時初期設定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、起動制御フラグをロードする処理を行う(S51)。メインCPU201は、S51の処理を実行した後、処理を、S52に移す。
S52において、メインCPU201は、起動制御フラグの値が電断復帰を示す値であるか否かを判定する。
S52において起動制御フラグの値が電断復帰を示す値でないと判定された場合(S52がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S54に移す。
一方、S52において起動制御フラグの値が電断復帰を示す値であると判定された場合(S52がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S53に移す。
S53において、メインCPU201は、第2通常遊技前処理を行う。この第2通常遊技前処理の詳細については、図50を参照して後述する。第2通常遊技前処理が行われると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。メインCPU201は、S53の処理を実行した後、起動時初期設定処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
S54において、メインCPU201は、起動制御フラグの値が設定変更または設定確認を示す値であるか否かを判定する。
S54において起動状態フラグの値が設定変更または設定確認を示す値でないすなわちRAMクリアを示す値であると判定された場合(S54がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S56に移す。
一方、S54において起動状態フラグの値が設定変更または設定確認を示す値であると判定された場合(S54がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S55に移す。
S55において、メインCPU201は、設定操作コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された設定操作コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図46のS336参照)で、サブ制御回路300に向けて送信される。メインCPU201は、S55の処理を実行した後、起動時初期設定処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
S56において、メインCPU201は、第1通常遊技前処理を行う。この第1通常遊技前処理の詳細については、図49を参照して後述する。第1通常遊技前処理が行われると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。メインCPU201は、S56の処理を実行した後、起動時初期設定処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
[1-6-3.電断処理]
次に、図25を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS27で行われる電断処理について説明する。図25は、第1のパチンコ遊技機における電断処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、XINT検知フラグがオンであるか否かを判定する(S61)。
S61においてXINT検知フラグがオンでないと判定された場合(S61がNO判定の場合)、メインCPU201は、電断処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
一方、S61においてXINT検知フラグがオンであると判定された場合(S61がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S62に移す。
S62において、メインCPU201は、チェックサム値の算出処理を行う。メインCPU201は、S62の処理を実行した後、処理を、S63に移す。
S63において、メインCPU201は、チェックサム値および電断検知フラグの値を、メインRAM203内の対応する所定の格納領域にそれぞれ格納する。この場合、メインRAM203のバックアップ領域に格納される。メインCPU201は、S63の処理を実行した後、処理を、S64に移す。
S64において、メインCPU201は、XINT検知フラグのクリア処理を行う。そして、S64の処理を実行した後、メインCPU201は、RAMアクセス禁止値設定処理を行う(S65)を行う。メインCPU201は、S65の処理を実行した後、処理を、S66に移す。
S66において、メインCPU201は、電断まで、CPUリセット待ち処理を繰り返す。
[1-6-4.特別図柄制御処理]
次に、図26を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理について説明する。図26は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
図26に示されるように、メインCPU201は、先ず、S71において、特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。メインCPU201は、S71の処理を実行した後、処理を、S72に移す。
なお、図示しないが、メインCPU201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、S71の処理に先だって、メインRAM203内の特別図柄の作業領域等のアドレスを所定のレジスタにセットするアドレス設定処理を行う。
また、同じく図示しないが、メインCPU201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数をチェックする処理も行う。そして、メインCPU201は、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数のいずれもが一定時間以上にわたって「0」である場合、デモ表示コマンド送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約されたデモ表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、デモ表示コマンドをサブ制御回路300が受信すると、サブCPU301はデモ表示演出を行う。
S72において、メインCPU201は、S71でロードした特別図柄の制御状態番号が0であるか否か、すなわち特別図柄の可変表示待ち状態であるか否かを判定する。
S72において特別図柄の制御番号が0でないと判定された場合(S72がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S75に移す。
一方、S72において特別図柄の制御番号が0であると判定された場合(S72がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S73に移す。
S73において、メインCPU201は、第2特別図柄が可変表示開始であるか否か、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判定する。
S73において第2特別図柄が可変表示開始でない、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されていないと判定された場合(S73がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S74に移す。
S74において、メインCPU201は、第1特別図柄が可変表示開始であるか否か、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判定する。
S74において第1特別図柄が可変表示開始でない、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されていないと判定された場合(S74がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
一方、S74において第1特別図柄が可変表示開始である、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されていると判定された場合(S74がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S75に移す。
S73に戻って、第2特別図柄が可変表示開始である、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されていると判定された場合(S73がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S75に移す。
S75において、メインCPU201は、特別図柄管理処理を行う。この特別図柄管理処理の詳細については、図27を参照して後述する。メインCPU201は、S75の処理を実行した後、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄制御処理(S71~S75)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
このように、本実施例では、第1のパチンコ遊技機として、第2特別図柄の始動情報が保留されている場合、第1特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理(S75)が実行される優先変動機について説明したが、これに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報が保留されている場合、第2特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理(S75)が実行される優先変動機としてもよいし、第1始動口120または第2始動口140への入賞順に特別図柄管理処理が実行される順次変動機としてもよい。
[1-6-5.特別図柄管理処理]
次に、図27を参照して、特別図柄制御処理(図26参照)中のS75でメインCPU201により実行される特別図柄管理処理について説明する。図27は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。
なお、制御状態番号が「0」の場合(S72がYES判定の場合)、特別図柄管理処理は、S73がYES判定の場合は第2特別図柄が処理対象であり、S74がYES判定の場合は第1特別図柄が処理対象である。また、制御状態番号が「0」でない場合(S72がNO判定の場合)、特別図柄管理処理は、実行中の特別図柄が処理対象である。
また、図27に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「5」)は、特別図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する(S81)。
S81において特別図柄の待ち時間が0でないと判定された場合(S81がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図26参照)に戻す。
一方、S81において特別図柄の待ち時間が0であると判定された場合(S81がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S82に移す。
S82において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU201は、S82の処理を実行した後、処理を、S83に移す。なお、メインCPU201は、S82の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S83以降の処理を行う。
S83において、メインCPU201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このS83の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図28を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S84に移す。
S84において、メインCPU201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このS84の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図29を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S85に移す。
S85において、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このS85の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図30を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S86に移す。
S86において、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を行う。このS86の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図40を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S87に移す。
S87において、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を行う。このS87の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図41を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S88に移す。
S88において、メインCPU201は、大当り終了処理を行う。このS88の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大当り終了処理の詳細については、図42を参照して後述する。
メインCPU201は、S83~S88の処理を終了後、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図26参照)に戻す。
[1-6-6.特別図柄可変表示開始処理]
次に、図28を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS83でメインCPU201により実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図28は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
図28に示されるように、メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S91)。
S91において特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定された場合(S91がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄可変表示開始処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S91において特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定された場合(S91がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S92に移す。
S92において、メインCPU201は、特別図柄の始動情報のシフト処理を行う。メインCPU201は、S92の処理を実行した後、処理を、S93に移す。
S93において、メインCPU201は、特別図柄の当り判定処理を行う。この処理では、特別図柄の当り判定テーブル(図10参照)を参照し、特別図柄の大当り判定用乱数値を用いて特別図柄の当り判定が行われる。また、メインCPU201は、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は時短当りフラグをオンにセットし、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合は大当りフラグをオンにセットする。第1のパチンコ遊技機では、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれるパチンコ遊技機であれば、特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである場合は小当りフラグをオンにセットする。メインCPU201は、S93の処理を実行した後、処理を、S94に移す。なお、時短当りフラグはC時短遊技状態への移行時にオフにされ、大当りフラグは大当り遊技状態の開始時にオフにされる。特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれるパチンコ遊技機であれば、小当りフラグは小当り遊技状態の開始時にオフにされる。
特別図柄の当り判定処理(S93参照)では、まず、大当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で大当りでないと判定された場合に時短当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で時短当りでないと判定された場合にハズレであると判定される。
S94において、メインCPU201は、特別図柄決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理(S93)の結果(例えば、時短当り、大当りまたはハズレ)に対応する特別図柄の停止図柄を判定乃至決定する処理である。この処理では、特別図柄判定テーブル(図11参照)を参照し、特別図柄の図柄乱数値を用いて、上述の「選択図柄コマンド」や「図柄指定コマンド」が判定される。メインCPU201は、S94の処理を実行した後、処理を、S95に移す。
S95において、メインCPU201は、当り種類決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理の結果が例えば当り(時短当り、大当り)である場合に、かかる当りの種類を判定乃至決定する処理である。この処理では、当り種類決定テーブル(図13参照)を参照し、特別図柄決定処理(S94)で判定された「選択図柄コマンド」に応じて当りの種類が決定される。なお、本実施例では、当りの種類を複数種類としているが、大当りの種類は1つであってもよいし、時短当りの種類も1つであってよい。さらには、当りの種類を複数種類とすることに代えてまたは加えて、ハズレの種類を複数設けるようにしてもよい。また、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含むようにし、かかる小当りの種類を複数設けてもよい。メインCPU201は、S95の処理を実行した後、処理を、S96に移す。
S96において、メインCPU201は、特別図柄の変動パターン決定処理を行う。この処理は、特別図柄の変動パターンを判定乃至決定する処理である。この処理では、変動パターンテーブル(図15参照)を参照し、例えば、特別図柄の種類、特別図柄の当り判定処理(S93)の結果、時短フラグの値(0または1)、リーチ判定用乱数値または/および演出選択用乱数値等に応じて、特別図柄の変動パターンが決定される。なお、遊技状態等に応じて、特別図柄の変動パターン決定処理を行う際に参照する変動パターンテーブルが異なるようにしてもよい。メインCPU201は、S96の処理を実行した後、処理を、S97に移す。
S97において、メインCPU201は、特別図柄の可変表示時間設定処理を行う。この処理では、変動パターンテーブル(図15参照)を参照し、特別図柄の変動パターン決定処理(S96)で決定された変動パターンに対応する変動時間が、特別図柄の変動時間として決定される。メインCPU201は、S97の処理を実行した後、処理を、S98に移す。
S98において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図27のS84参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S98の処理を実行した後、処理を、S99に移す。
S99において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータ(例えば、確変残回数や時短残回数等)の更新処理等が行われる。メインCPU201は、S99の処理を実行した後、処理を、S100に移す。
S100において、メインCPU201は、遊技状態管理処理を行う。この処理では、主に、遊技状態の管理に関する各種フラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ等)の更新処理を行う。メインCPU201は、S100の処理を実行した後、処理を、S101に移す。
S101において、メインCPU201は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出開始コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄可変表示開始処理(とくに、遊技状態管理処理(S100)、特別図柄演出開始コマンド送信予約処理(S101))を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[1-6-7.特別図柄可変表示終了処理]
次に、図29を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS84でメインCPU201により実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図29は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する(S111)。
S111において特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定された場合(S111がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S111において特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定された場合(S111がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S112に移す。
S112において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図27のS85参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S112の処理を実行した後、処理を、S113に移す。
S113において、メインCPU201は、特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。この処理では、特別図柄の可変表示を停止させる処理も行われる。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S113の処理を実行した後、処理を、S114に移す。
S114において、メインCPU201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。図柄確定数カウンタは、特別図柄の確定回数(特別図柄ゲームの実行回数)を計数するためのカウンタであり、その計数値は、メインRAM203内の所定領域に格納される。例えば、確変残回数や時短残回数等の特定状態下で行われた特別図柄ゲームのゲーム数を管理するカウンタを設けてもよいが、図柄確定数カウンタにより特定状態下での特別図柄ゲームのゲーム数を管理してもよい。メインCPU201は、S114の処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
[1-6-8.特別図柄遊技判定処理]
次に、図30を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS85でメインCPU201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図30は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する(S121)。
S121において特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定された場合(S121がNO判定の場合)、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S121において特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定された場合(S121がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S122に移す。
S122において、メインCPU201は、大当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S122において、大当りであるすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S122がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S123に移す。
S123において、メインCPU201は、大当り遊技制御処理の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板184を介してホールコンピュータ186(いずれも図6参照)に出力される信号(例えば、大当り信号等)の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄にかかわる信号である。メインCPU201は、S123の処理を実行した後、処理を、S124に移す。なお、外部端子板184を介して例えばホールコンピュータ186や島コンピュータに出力される信号については後述する。
また、S123の大当り遊技制御の開始設定処理において、メインCPU201は、確変フラグ、確変カウンタ、時短フラグ、および時短カウンタ等、各種フラグや各種カウンタをクリアする処理も行う。
S124において、メインCPU201は、ラウンド表示LEDデータをセットする処理を行う。その後、メインCPU201は、例えば、大入賞口131の開放回数の上限値をセットする処理(S125)、外部端子板184への大当り信号セット処理(S126)、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S127)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S128)、および、大当り開始表示コマンドの送信予約処理(S129)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S127)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図27のS86参照)が行われることとなる。その後、メインCPU201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
S122に戻って、このS122において大当りでないすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様でないと判定された場合(S122がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S130に移す。
S130において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図31を参照して後述する。なお、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行うと、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄遊技判定処理(S121~S130)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[1-6-9.特別図柄遊技終了処理]
次に、図31を参照して、特別図柄遊技判定処理(図30参照)中のS130でメインCPU201により実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図31は、第1のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短管理処理を行う(S131)。この時短管理処理の詳細については、第1のパチンコ遊技機において図32~図39を参照して後述する。メインCPU201は、S131の処理を実行した後、処理を、S132に移す。
S132において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理を行うことにより、特別図柄可変表示開始処理すなわち次回の特別図柄遊技を実行することが可能となる。メインCPU201は、S132の処理を実行した後、処理を、S133に移す。
S133において、メインCPU201は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理(S134)を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄遊技終了コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S134の処理後、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を、特別図柄遊技判定処理(図30参照)に戻す。
なお、特別図柄の当り判定処理(図28のS93参照)の結果がハズレである場合、メインCPU201は、確変フラグおよび時短フラグのいずれについてもセットまたはリセットしない。そのため、ハズレの表示態様が導出されたとしても遊技状態は移行しない。
[1-6-10.時短管理処理]
次に、図32を参照して、メインCPU201により実行される時短管理処理について説明する。図32は、第1のパチンコ遊技機において、特別図柄遊技終了処理(図31参照)中のS131でメインCPU201により実行される時短管理処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、カウンタ更新処理を行う(S141)。このカウンタ更新処理の詳細については、図33を参照して後述する。メインCPU201は、S141の処理を実行した後、処理を、S142に移す。
S142において、メインCPU201は、カウンタ判定処理を行う。このカウンタ判定処理の詳細については、図36を参照して後述する。メインCPU201は、S142の処理を実行した後、時短管理処理を終了し、処理を、特別図柄遊技終了処理(図31参照)に戻す。
[1-6-11.カウンタ更新処理]
次に、図33を参照して、メインCPU201により実行されるカウンタ更新処理について説明する。図33は、第1のパチンコ遊技機において、時短管理処理(図32参照)中のS141でメインCPU201により実行されるカウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短カウンタ更新処理を行う(S151)。この時短カウンタ更新処理の詳細については、図34を参照して後述する。メインCPU201は、S151の処理を実行した後、処理を、S152に移す。
S152において、メインCPU201は、天井カウンタ更新処理を行う。この天井カウンタ更新処理の詳細については、図35を参照して後述する。メインCPU201は、S152の処理を実行した後、カウンタ更新処理を終了し、処理を、時短管理処理(図32参照)に戻す。
[1-6-12.時短カウンタ更新処理]
次に、図34を参照して、メインCPU201により実行される時短カウンタ更新処理について説明する。図34は、第1のパチンコ遊技機において、カウンタ更新処理(図33参照)中のS151でメインCPU201により実行される時短カウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。
なお、図34に示される時短カウンタ更新処理は、複数の時短遊技状態が重複した場合に、複数の時短遊技状態が重ねて実行される場合の処理を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短フラグオン且つ時短カウンタが0より大きいか否かを判定する(S161)。この処理では、時短フラグオンと、時短カウンタが0より大きいこととの両方を満たした場合にYES判定され、いずれか一方でも満たしていなければNO判定される。
時短フラグは、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態に移行させるときに、オンにセットされる。なお、高確遊技状態に移行させるときには確変フラグをオンにセットする。
時短カウンタは、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態において、それぞれ実行される時短回数を示す。
A時短遊技状態、B時短遊技状態または/およびC時短遊技状態への移行条件が成立した場合、移行条件が成立した時短遊技状態についての時短カウンタがセットされる。
なお、本実施例では、特別図柄の可変表示が終了したときに時短カウンタを減算し、時短カウンタが0になったときに時短遊技状態を終了する減算方式を採用しているが、これに限られず、特別図柄の可変表示が終了したときに時短カウンタを加算し、時短カウンタがセットされた時短回数になったときに時短遊技状態を終了する加算方式を採用してもよい。また、特別図柄の可変表示が終了したときに時短カウンタを更新(減算又は加算)することに代えて、特別図柄の可変表示の開始時に時短カウンタを更新し、時短カウンタが0になったとき(減算方式の場合)又は時短カウンタがセットされた時短回数になったとき(加算方式の場合)に、時短遊技状態を修了するようにしてもよい。
S161において、時短フラグオンと、時短カウンタが0より大きいこととの両方を満たしていないと判定された場合(S161がNO判定の場合)、メインCPU201は、時短カウンタ更新処理を終了し、処理を、カウンタ更新処理(図33)に戻す。
一方、S161において時短フラグオン且つ時短カウンタが0より大きいと判定された場合(S161がYES判定の場合)、メインCPU201は、時短カウンタから1を減算する処理を行う(S162)。メインCPU201は、S162の処理を実行した後、処理を、S163に移す。
S163において、メインCPU201は、時短モード=3且つC時短カウンタが0より大きいか否かを判定する。この処理では、時短モード=3であって、C時短カウンタが0より大きい場合にYES判定される。S163がYES判定の場合、メインCPU201は、処理を、S164に移す。
なお、C時短カウンタは、時短遊技状態中にC時短遊技状態への移行条件が成立した場合にセットされるカウンタである。このC時短カウンタは、フローチャートでは図示していないが、後述するB時短カウンタがセットされた場合、メインCPU201によりリセットされる。
時短モードは、複数の時短遊技状態が重ねて実行される場合に設定されるフラグである。本実施例では、時短モードを例えば2bitで構成し、先に実行されている時短遊技状態に対してC時短遊技状態が重ねて実行される場合、「時短モード=3」に設定される。また、先に実行されている時短遊技状態に対してB時短遊技状態が重ねて実行される場合、「時短モード=2」に設定される。
一方、S163において、時短モード=3とC時短カウンタが0より大きいこととの両方を満たしていないと判定された場合(S163がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S165に移す。
S164において、メインCPU201は、C時短カウンタから1を減算する処理を行う。この処理も、減算方式に変えて加算方式を採用してもよい。メインCPU201は、S164の処理を実行した後、処理を、S165に移す。
S165において、メインCPU201は、時短モード=2且つB時短カウンタが0より大きいか否かを判定する。この処理では、時短モード=2であって、B時短カウンタが0より大きい場合にYES判定される。S165がYES判定の場合、メインCPU201は、処理を、S166に移す。
なお、B時短カウンタは、時短遊技状態中(本実施例ではC時短遊技状態中)にB時短遊技状態への移行条件が成立した場合にセットされるカウンタである。このB時短カウンタは、フローチャートでは図示していないが、C時短カウンタがセットされた場合、メインCPU201によりリセットされる。
一方、S165において、時短モード=2とB時短カウンタが0より大きいこととの両方を満たしていないと判定された場合(S165がNO判定の場合)、メインCPU201は、時短カウンタ更新処理を終了し、処理を、カウンタ更新処理(図33参照)に戻す。
S166において、メインCPU201は、B時短カウンタから1を減算する処理を行う。この処理も、減算方式に変えて加算方式を採用してもよい。メインCPU201は、S166の処理を実行した後、時短カウンタ更新処理を終了し、処理を、カウンタ更新処理(図33参照)に戻す。
なお、図示していないが、S164の処理を行った結果としてC時短カウンタ=0となった場合や、S166の処理を行った結果としてB時短カウンタ=0となった場合、メインCPU201は、時短モードをオフ(=0)にセットする。
ところで、複数の時短遊技状態を重ねて実行する場合、二つの時短遊技状態を重ねるだけにとどまらず、三つ以上の時短遊技状態を重ねて実行してもよい。この場合、上述したようにA時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複することがないため、三つ以上の時短遊技状態が重複する場合とは、A時短遊技状態またはB時短遊技状態と二つ以上のC時短遊技状態とが重複する場合、および三つ以上のC時短遊技状態が重複する場合が相当する。
[1-6-13.天井カウンタ更新処理]
次に、図35を参照して、メインCPU201により実行される天井カウンタ更新処理について説明する。図38は、第1のパチンコ遊技機において、カウンタ更新処理(図33参照)中のS152でメインCPU201により実行される天井カウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、天井カウント禁止フラグがオフであるか否かを判定する(S171)。天井カウント禁止フラグは、確変フラグがオンにセットされるとき、および天井カウンタが天井値に到達したときにオンにセットされるフラグである。すなわち、確変フラグがオフである場合であって且つ天井カウンタが天井値に到達していない場合、天井カウント禁止フラグはオフである。天井カウンタの値は、メインRAM203に保存される。
なお、天井値は、B時短遊技状態への移行条件として、パチンコ遊技機固有の値として予め決められている。ただし、これに代えて、大当り遊技状態が終了したとき、バックアップクリア処理が行われたとき、天井カウンタの値をリセットする専用の操作手段が操作されたとき等に、メインCPU201が天井値をセットする処理を行うようにしてもよい。
S171において、天井カウント禁止フラグがオフでない場合(S171がNO判定の場合)、すなわち天井カウント禁止フラグがオンである場合、メインCPU201は、天井カウンタ更新処理を終了し、処理を、カウンタ更新処理(図33参照)に戻す。
S171において、天井カウント禁止フラグがオフである場合(S171がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S172に移す。
S172において、メインCPU201は、天井カウンタに1を加算する処理を行う。メインCPU201は、S172の処理を実行した後、天井カウンタ更新処理を終了し、処理を、カウンタ更新処理(図33参照)に戻す。
[1-6-14.カウンタ判定処理]
次に、図36を参照して、メインCPU201により実行されるカウンタ判定処理について説明する。図36は、第1のパチンコ遊技機において、時短管理処理(図32参照)中のS142でメインCPU201により実行されるカウンタ判定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短移行判定処理を行う(S181)。この時短移行判定処理の詳細については、図37を参照して後述する。メインCPU201は、S181の処理を実行した後、処理を、S182に移す。
S182において、メインCPU201は、時短移行処理を行う。この時短移行処理の詳細については、図38を参照して後述する。メインCPU201は、S182の処理を実行した後、処理を、S183に移す。
S183において、メインCPU201は、時短カウンタが1より小さいか否かを判定する。
S183において、時短カウンタが1より小さくないと判定された場合(S183がNO判定)、すなわち時短カウンタが1以上である場合、メインCPU201は、処理を、S185に移す。
一方、S183において、時短カウンタが1より小さいと判定された場合(S183がYES判定)、メインCPU201は、処理を、S184に移す。
S184において、メインCPU201は、時短フラグをオフにする。メインCPU201は、S184の処理を実行した後、処理を、S185に移す。
なお、S183において時短カウンタが1より小さいと判定された場合(S183がYES判定の場合)、B時短カウンタ及びC時短カウンタはいずれも1より小さいはずである(すなわち0のはずである)。しかし、メインCPU201による処理を実行する上で何らかの不具合が生じる可能性があり得ることに鑑みて、例えば、S183がYES判定であるにもかかわらずB時短カウンタまたは時短カウンタが1以上である場合に、異常警報を出力したりする等の異常時処理を実行するようにしてもよい。また、この異常時処理に代えてまたは加えて、S183がYES判定された場合に、時短フラグをオフにするだけでなく(S184参照)、B時短カウンタ及びC時短カウンタをリセットすることにより、時短カウンタとB時短カウンタとC時短カウンタとの整合性を図るようにしてもよい。
S185において、メインCPU201は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU201は、時短移行コマンドの送信予約処理(S186)を行う。なお、この処理で送信予約された時短移行コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S186の処理後、メインCPU201は、カウンタ判定処理を終了し、処理を、時短管理処理(図32参照)に戻す。
[1-6-15.時短移行判定処理]
次に、図37を参照して、メインCPU201により実行される時短移行判定処理について説明する。この処理では、天井カウンタが天井値に到達した場合に、B時短遊技状態に移行させるための判定処理が行われる。図37は、第1のパチンコ遊技機において、カウンタ判定処理(図36参照)中のS181でメインCPU201により実行される時短移行判定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、確変フラグがオフであるか否かを判定する(S191)。
S191において、確変フラグがオフでないと判定された場合(S191がNO判定の場合)、すなわち確変フラグがオンである場合、メインCPU201は、時短移行判定処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。すなわち、確変フラグがオンである場合、B時短遊技状態に移行させないようにすることができる。
一方、S191において、確変フラグがオフであると判定された場合(S191がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S192に移す。
S192において、メインCPU201は、天井カウンタが天井値であるか否かを判定する。
S192において、天井カウンタが天井値でないと判定された場合(S192がNO判定の場合)、メインCPU201は、時短移行判定処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。
一方、S192において、天井カウンタが天井値であると判定された場合(S192がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S193に移す。
S193において、メインCPU201は、天井カウント禁止フラグをオンにセットする。メインCPU201は、S193の処理を実行した後、処理を、S194に移す。
S194において、メインCPU201は、天井フラグをオンにセットする。天井フラグは、天井カウンタが天井値に到達したことを示すフラグである。メインCPU201は、S194の処理を実行した後、処理を、S196に移す。
S196において、メインCPU201は、天井カウンタをクリアする。メインCPU201は、S196の処理を実行した後、時短移行判定処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。
[1-6-16.時短移行処理]
次に、図38を参照して、メインCPU201により実行される時短移行処理について説明する。図38は、第1のパチンコ遊技機において、カウンタ判定処理(図36参照)中のS182でメインCPU201により実行される時短移行処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、確変フラグがオフであるか否かを判定する(S202)。
S202において、確変フラグがオフでないと判定された場合(S202がNO判定の場合)、すなわち確変フラグがオンである場合、メインCPU201は、時短移行処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。このようにすることで、確変フラグがオンである場合には、B時短遊技状態およびC時短遊技状態のいずれも、開始されないようにすることができる。
一方、S202において、確変フラグがオフであると判定された場合(S202がYES判定)、メインCPU201は、処理を、S203に移す。
S203において、メインCPU201は、天井フラグがONであるか否かを判定する。
S203において、天井フラグがオンでないと判定された場合(S203がNO判定の場合)、すなわち天井フラグがオフである場合、メインCPU201は、処理を、S206に移す。
一方、S203において、天井フラグがオンであると判定された場合(S203がYES判定)、メインCPU201は、処理を、S205に移す。
S205において、メインCPU201は、B時短遊技状態への移行にかかわる処理として、B時短制御態様決定処理を実行する。この処理では、B時短カウンタにセットする時短回数と、時短モードを2にセットすることと、時短性能等を決定する。メインCPU201は、S205の処理を実行した後、処理を、S208に移す。
なお、B時短カウンタにセットされる時短回数は、予め定められた回数である。また、時短性能のうち、「普通図柄当り」の当選確率は、普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)に示されるとおりである。また、時短性能のうち、普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)は、普通図柄判定テーブル(図17参照)および普通図柄当り種類決定テーブル(図18参照)に示されるとおりである。さらに、時短性能のうち、普通図柄の可変表示時間は、普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)に示されるとおりである。
S206において、メインCPU201は、時短当りフラグがオンであるか否かを判定する。
S206において、時短当りフラグがオンでないと判定された場合(S206がNO判定の場合)、すなわち時短当りフラグがオフである場合、メインCPU201は、時短移行処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。
一方、S206において、時短当りフラグがオンであると判定された場合(S206がYES判定)、メインCPU201は、処理を、S207に移す。
S207において、メインCPU201は、C時短遊技状態への移行にかかわる処理として、C時短制御態様決定処理を実行する。この処理では、C時短カウンタにセットする時短回数と、時短モードを3にセットすることと、時短性能等を決定する。メインCPU201は、S207の処理を実行した後、処理を、S208に移す。
なお、C時短カウンタにセットされる時短回数は、当り種類決定テーブル(例えば図13参照)を参照して選択図柄コマンドに応じて決定される。また、時短性能のうち、「普通図柄当り」の当選確率は、普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)に示されるとおりである。また、時短性能のうち、普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)は、普通図柄判定テーブル(図17参照)および普通図柄当り種類決定テーブル(図18参照)に示されるとおりである。さらに、時短性能のうち、普通図柄の可変表示時間は、普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)に示されるとおりである。
S208において、メインCPU201は、時短設定処理を行う。この時短設定処理の詳細については、図39を参照して後述する。メインCPU201は、S208の処理を実行した後、時短移行処理を終了し、処理を、カウンタ判定処理(図36参照)に戻す。
[1-6-17.時短設定処理]
次に、図39を参照して、メインCPU201により実行される時短設定処理について説明する。図39は、第1のパチンコ遊技機において、時短移行処理(図38参照)中のS208でメインCPU201により実行される時短設定処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、時短フラグがオンであるか否かを判定する(S211)。
S211において、時短フラグがオンであると判定された場合(S211がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S212に移す。
S211がYES判定の場合とは、確変フラグがオフであって、例えば、C時短遊技状態が先に実行されている状態でB時短遊技状態を重ねて実行する場合(天井カウンタ=天井値となった場合)や、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態が先に実行されている状態でC時短遊技状態を重ねて実行する場合(「時短当り」に当選した場合)が相当する。
なお、図示しないが、C時短遊技状態が先に実行されている状態でB時短遊技状態を重ねて実行する場合、メインCPU201は、「時短モード=2」をセットするとともに、S205で決定されたB時短カウンタをセットする。また、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態が先に実行されている状態でC時短遊技状態を重ねて実行する場合、メインCPU201は、「時短モード=3」にセットするとともに、S207で決定されたC時短カウンタをセットする。
S211において、時短フラグがオンでないと判定された場合(S211がNO判定)、すなわち時短フラグがオフである場合、メインCPU201は、処理を、S214に移す。
S212において、メインCPU201は、現状の時短カウンタ(先に実行されていた時短遊技状態の時短残回数)と、新たな時短回数(S205またはS207で決定された時短回数)とを比較し、現状の時短カウンタが新たな時短回数よりも小さいか否かを判定する。
S212において、現状の時短カウンタが新たな時短回数よりも小さくないと判定された場合(S212がNO判定の場合)、すなわち現状の時短カウンタが新たな時短回数よりも大きい場合、メインCPU201は、時短設定処理を終了し、処理を、時短移行処理(図38を参照)に戻す。
一方、S212において、現状の時短カウンタが新たな時短回数よりも大きいと判定された場合(S212がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S213に移す。
S213において、メインCPU201は、時短カウンタ再設定処理を行う。この処理では、C時短遊技状態が先に実行されている状態でB時短遊技状態を重ねて実行する場合や、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態が先に実行されている状態でC時短遊技状態を重ねて実行する場合、現状の時短カウンタの値(すなわち時短残回数)と新たな時短回数とのうち多い方の時短回数が、新たな時短カウンタとして再設定される。ただし、時短カウンタ再設定処理(S213)が行われたとしても、メインCPU201は、B時短カウンタおよびC時短カウンタをリセットしない。メインCPU201は、S213の処理を実行した後、時短設定処理を終了し、処理を、時短移行処理(図38)に戻す。
なお、C時短遊技状態が先に実行されている状態でB時短遊技状態を重ねて実行する場合や、A時短遊技状態、B時短遊技状態、またはC時短遊技状態が先に実行されている状態でC時短遊技状態を重ねて実行する場合、メインCPU201は、先に実行されていた時短遊技状態の時短性能を維持する。すなわち、先に実行されていた時短遊技状態の時短性能から新たな時短遊技状態の時短性能に変更したり、現状の時短カウンタと新たな時短回数とのうち多い方の時短回数に対応する時短遊技状態の時短性能に変更されたりはしない。
時短性能とは、上述したとおり、入賞口(例えば、本実施例では第2始動口140(図4参照))への遊技球の入賞の容易さを変更する性能であって、「普通図柄当り」の当選確率、普通図柄の可変表示時間、または/および普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間等)等をいう。
ところで、本実施例では、B時短カウンタ及びC時短カウンタを設けることにより、内部的に二つの時短遊技状態が重ねて実行されていることを管理できるようにしている。そして、上記の時短カウンタ再設定処理(S213)において、現状の時短カウンタの値と新たな時短回数とのうち多い方の時短回数を、新たな時短カウンタとして再設定するようにしている。しかし、内部的に二つの時短遊技状態が重ねて実行されていたとしても、表面的にあらわれる(遊技者が把握できる)時短性能は、内部的に重ねて実行されている上記二つの時短遊技状態のうち、いずれか一つの時短遊技状態についての時短性能のみである。そのため、内部的に二つの時短遊技状態が重ねて実行されていることを管理せずに(すなわちB時短カウンタ及びC時短カウンタを設けずに)、複数の時短遊技状態を重ねて実行する場合に、現状の時短カウンタの値と新たな時短回数とのうち多い方の時短回数を、新たな時短カウンタとして再設定するようにしてもよい。
S214において、メインCPU201は、時短態様設定処理を行う。この処理は、S211がNO判定の場合、すなわち、非時短遊技状態からB時短遊技状態に移行させて実行する場合(天井カウンタ=天井値となった場合)や、非時短遊技状態からC時短遊技状態に移行させて実行する場合(「時短当り」に当選した場合)に行われる処理である。この処理では、B時短制御態様決定処理(S205)またはC時短制御態様決定処理(S207)で決定された時短回数と時短性能とが設定される。メインCPU201は、S214の処理を実行した後、処理を、S215に移す。
S215において、メインCPU201は、時短フラグをオンにセットする。メインCPU201は、S215の処理を実行した後、時短設定処理を終了し、処理を、時短移行処理(図38)に戻す。
このように、図32~図39を参照して説明した上述の時短管理処理において、メインCPU201は、B時短遊技状態への移行処理を、天井最終変動としての特別図柄の可変表示が終了したときに行っている。本実施例では、第1特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、当り判定処理の当り判定処理の結果に小当りを含むパチンコ遊技機の場合、天井最終変動における第1特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである場合が生じうる。このように、天井最終変動における第1特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである場合、メインCPU201は、小当り遊技状態が終了したことに基づいて、B時短遊技状態に移行させる処理を行うとよい。
また、図32~図39を参照して説明した上述の時短管理処理では、メインCPU201は、B時短遊技状態への移行処理を、天井最終変動としての特別図柄の可変表示が終了したときに行っているが、これに限られず、天井最終変動としての特別図柄の可変表示を開始したことに基づいて、B時短遊技状態への移行処理を行うようにしてもよい。とくに、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能な第1のパチンコ遊技機においては、天井最終変動としての特別図柄の可変表示を開始したことに基づいて、B時短遊技状態への移行処理を行うことが好ましい。なぜなら、天井最終変動としての特別図柄の可変表示が終了したときにB時短遊技状態に移行するようにすると、天井最終変動としてのいずれか一方の特別図柄の可変表示中に他方の特別図柄の可変表示が開始された場合、この他方の特別図柄の可変表示については、B時短遊技状態としての恩恵を受けることができなくなり、興趣が低下するおそれがあるからである。なお、第1のパチンコ遊技機では、特別図柄の可変表示が例えば600000msecといった長変動で行われることはない。ただし、このような長変動で特別図柄の可変表示が行われうるパチンコ遊技機においては、天井最終変動としての特別図柄の可変表示を開始したことに基づいてB時短遊技状態への移行処理を行うことにより、とくに天井最終変動である特別図柄の可変表示が長変動で行われる場合であっても、B時短遊技状態の開始の遅延を回避することができる。
また、図32~図39を参照して説明した上述の時短管理処理では、B時短遊技状態への移行にかかわる処理としてのB時短制御態様決定処理(S205)を、C時短遊技状態への移行にかかわる処理としてのC時短制御態様決定処理(S207)よりも優先して行うようにしている(図38のS203~S207を参照)が、これに限られない。例えば、C時短遊技状態への移行にかかわる処理としてのC時短制御態様決定処理(S207)を、B時短遊技状態への移行にかかわる処理としてのB時短制御態様決定処理(S205)よりも優先して行うようにしてもよい。
また、図35を参照して説明した上述の天井カウンタ更新処理では、天井カウント禁止フラグがオフでない場合(図35のS171がNO判定)、天井カウンタを更新しないようにしているが、これに限られない。例えばST機や確変転落抽選を行うパチンコ遊技機では、確変フラグがオンである場合であっても特別図柄の可変表示が行われると天井カウンタを更新するようにしてもよい。この場合、天井カウンタが天井値に到達したとしても、B時短遊技状態に移行せず、天井カウンタと確変カウンタとの差が天井値となった場合に、B時短遊技状態に移行するようにしてもよい。この場合、メインCPU201は、「天井カウンタ=天井値」となっただけではB時短遊技状態に移行させず、天井カウンタと確変カウンタとの差が天井値となった場合に、B時短遊技状態に移行させる処理を行うこととなる。
また、B時短遊技状態への移行条件である天井値は、確変フラグがオフである場合の大当り確率の分母の所定範囲内(例えば、2.5~3.0倍)であることが好ましい。本実施例では、例えば特別図柄の当り判定テーブル(図10参照)に示されるように、確変フラグがオフである場合の大当り確率が319分の1(設定値1の場合)であるから、天井値は、319×2.5~319×3.0(倍)の範囲内であることが好ましい。
また、B時短遊技状態の終了条件であるB時短規定回数の上限は、確変フラグがオフである場合の大当り確率の分母の規定倍数(例えば3.8倍)までとすることが好ましい。同様に、C時短遊技状態の終了条件であるC時短規定回数の上限についても、確変フラグがオフである場合の大当り確率の分母に規定数を乗じた値まで(例えば大当り確率の分母の3.8倍まで)とすることが好ましい。本実施例では、確変フラグがオフである場合の大当り確率が319分の1(設定値1の場合)であるから、B時短規定回数およびC時短規定回数は、いずれも、概ね1212(319×3.8)を上限とすることが好ましい。なお、B時短規定回数の上限とC時短規定回数の上限とを同じ値とすることは必須ではない。
ところで、第1のパチンコ遊技機のように、例えば設定1~設定6といった大当り確率が異なる複数の設定値のうちいずれか一の設定値にセット可能であるパチンコ遊技機である場合、上述したとおり、時短当り確率は全設定値で共通の確率となっている。このような場合、B時短遊技状態への移行条件である天井値を、設定値にかかわらず大当り確率(確変フラグがオフである場合)の分母に規定数(例えば3.0)を乗じた値とした場合、設定値に応じて天井値が異なることとなり、セットされている設定値が遊技者に看破されてしまうおそれがある。そこで、本実施例では、セットされた設定値がいずれであったとしても、天井値を、大当り確率(確変フラグがオフである場合)の分母に対して規定数を乗じて決定するのではなく、設定値にかかわらず同じ値とすることが好ましい。
[1-6-18.時短管理処理にかかわる変形例]
なお、図32~図39を参照して説明した上述の時短管理処理(以下「本実施例の時短管理処理」と称する)では、天井カウンタ更新処理(図35参照)を、特別図柄遊技終了処理(図31参照)において実行している。また、B時短遊技状態への移行にかかわる処理を、C時短遊技状態への移行にかかわる処理よりも優先して行うようにしている。さらに、B時短遊技状態への移行フラグ(天井フラグ)とC時短遊技状態への移行フラグ(時短当りフラグ)とを別個に設け、天井フラグがオンである場合にB時短遊技状態に移行させ、時短当りフラグがオンである場合にC時短遊技状態に移行させるようにしている。ただし、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミング、B時短遊技状態への移行とC時短遊技状態への移行との優先順位、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個にするか共通にするか、については、上記に限られず、様々なバリエーションで時短管理処理を行うことができる。
例えば、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動停止時とし、移行時の処理をB時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個に設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動開始時とし、移行時の処理をB時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個に設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動開始時とし、移行時の処理をC時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個に設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動開始時とし、移行時の処理をB時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを共通のフラグとして設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動開始時とし、移行時の処理をC時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを共通のフラグとして設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動停止時とし、移行時の処理をC時短遊技状態優先とし、B時短遊技状態への移行フラグとC時短遊技状態の移行フラグとを別個に設けるようにしてもよい。
また、天井カウンタ更新処理が含まれる時短管理処理の実行タイミングを変動停止時とし、天井到達時に「時短当り」が非当選であることを確認した上でB時短遊技状態に移行させるようにしてもよい。
さらに、複数の時短遊技状態が重ねて実行されない場合、メインCPU201は、時短フラグオン且つ時短カウンタが0より大きい場合に時短カウンタから1を減算する処理を行い、それ以外の場合には時短カウンタから1を減算しないようにするとよい。
[1-7.大入賞口開放準備処理]
次に、図40を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS86でメインCPU201により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図40は、第1のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する(S251)。
S251において特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定された場合(S251がNO判定の場合)、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S251において特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定された場合(S251がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S252に移す。
S252において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値をロードする。ラウンドカウンタは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタである。なお、ラウンドカウンタの計数値(ラウンドカウンタ値)は、メインRAM203内の所定領域に格納される。メインCPU201は、S252の処理を実行した後、処理を、S253に移す。
S253において、メインCPU201は、大入賞口の開放回数が上限値であるか否かを判定する。この処理では、大当り遊技状態において実行されたラウンド遊技の実行回数が上限値であるか否かが判定される。
S253において大入賞口の開放回数が上限値であると判定された場合(S253がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S254に移す。一方、S253において大入賞口の開放回数が上限値でないと判定された場合(S253がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S257に移す。
S254において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S254)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大当り終了処理(図27のS88参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S254の処理を実行した後、処理を、S255に移す。
S255において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU201は、大当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う(S256)。なお、この処理で送信予約された大当り終了表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S256の処理後、メインCPU201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
S257において、メインCPU201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU201は、S257の処理を実行した後、処理を、S258に移す。
S258において、メインCPU201は、大入賞口関連各種設定処理を行う。この処理では、例えば、大入賞口131の開放回数、大入賞口131の最大開放時間、大入賞口131への最大入賞個数、大入賞口131への入賞時の賞球数等がセットされる。大入賞口131の開放回数はラウンド数が相当する。なお、1ラウンドにおいて大入賞口が複数回開放されるものを排除する趣旨ではない。ただしこの場合は、ラウンド数を管理する制御と、大入賞口の開閉回数を管理する制御とを、別の処理として行うことが好ましい。メインCPU201は、S258の処理を実行した後、処理を、S259に移す。
S259において、メインCPU201は、大入賞口開閉制御処理を行う。この処理では、大入賞口131の開閉制御データの生成処理が行われる。メインCPU201は、S259の処理を実行した後、処理を、S260に移す。
S260において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理(S260)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理(図27のS87参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S260の処理を実行した後、処理を、S261に移す。
S261において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU201は、S261の処理を実行した後、処理を、S262に移す。
S262において、メインCPU201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された大入賞口開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S262の処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
[1-7-1.大入賞口開放制御処理]
次に、図41を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS87でメインCPU201により実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図41は、第1のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する(S271)。
S271において特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定された場合(S271がNO判定の場合)、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S271において特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定された場合(S271がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S272に移す。
S272において、メインCPU201は、大入賞口131に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、大入賞口131への遊技球の入賞個数を計数するカウントスイッチ132(図6参照)により計数された値が最大入賞個数の値であるか否かが判定される。なお、カウントスイッチ132により計数された大入賞口入賞カウンタの値は、メインRAM203内の所定領域に格納される。
S272において、大入賞口131に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数でないと判定された場合(S272がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S273に移す。
一方、S272において、大入賞口131に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であると判定された場合(S272がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S274に移す。
S273において、メインCPU201は、大入賞口131の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、大入賞口関連各種設定処理(図40のS258参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
S273において大入賞口131の最大開放時間が経過していないと判定された場合(S273がNO判定の場合)、メインCPU201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
一方、S273において大入賞口131の最大開放時間が経過していると判定された場合(S273がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S274に移す。
S274において、メインCPU201は、大入賞口131の閉鎖設定処理を行う。メインCPU201は、S274の処理を実行した後、処理を、S275に移す。
S275において、メインCPU201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S275)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理(図27のS86参照)が行われることとなる。メインCPU201は、S275の処理を実行した後、処理を、S276に移す。
S276において、メインCPU201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU201は、S276の処理を実行した後、処理を、S277に移す。
S277において、メインCPU201は、ラウンド間表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたラウンド間表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(後述の図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。そして、S277の処理後、メインCPU201は、大入賞口開制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
[1-7-2.大当り終了処理]
次に、図42を参照して、特別図柄管理処理(図27参照)中のS88でメインCPU201により実行される大当り終了処理について説明する。図42は、第1のパチンコ遊技機における大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する(S281)。
S281において特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定された場合(S281がNO判定の場合)、メインCPU201は、大当り終了処理を終了し、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
S281において特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定された場合(S281がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S282に移す。
S282において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了設定処理を行う。この処理では、各種フラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ等)のセットや、各種カウンタ(例えば、確変カウンタ、時短カウンタ、図柄確定数カウンタ、ラウンドカウンタ、大入賞口入賞カウンタ等)の値をセットまたはリセットする処理が行われる。メインCPU201は、S282の処理を実行した後、処理を、S283に移す。
S283において、メインCPU201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図31を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU201は、S283の処理を実行した後、大当り終了処理を終了し、特別図柄管理処理(図27参照)に戻す。
なお、メインCPU201は、割込禁止区間を設定し、上述の大当り終了処理を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[1-7-3.普通図柄制御処理]
次に、図43を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS40でメインCPU201により実行される普通図柄制御処理について説明する。なお、図43に示される普通図柄制御処理に先だって、メインCPU201は、特別図柄制御処理と同様に、普通図柄の始動条件が成立しているか否かの判定を行っていることは言うまでもない。
図43は、第1のパチンコ遊技機における普通図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図43に示すフローチャート中の各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「4」)は、普通図柄の制御状態番号である。メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。なお、図43に示される各処理は、便宜上、サブルーチンとして図示していない。
メインCPU201は、先ず、普通図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する(S291)。
S291において普通図柄の待ち時間が0でないと判定された場合(S291がNO判定の場合)、メインCPU201は、普通図柄制御処理を終了し、処理を、S41(図23参照)に戻す。
一方、S291において普通図柄の待ち時間が0であると判定された場合(S291がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S292に移す。
S292において、メインCPU201は、普通図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU201は、S292の処理を実行した後、処理を、S293に移す。なお、メインCPU201は、S292の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S293以降の処理を行う。
S293において、メインCPU201は、普通図柄の可変表示開始処理を行う。このS293の処理は、普通図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この普通図柄の可変表示開始処理において、メインCPU201は、普通図柄の当り判定処理、普通図柄の変動パターン決定処理、普通図柄の当り判定処理の結果が普通図柄当りである場合には普通電動役物146の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)設定処理を行う。なお、普通図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S294に移す。
S294において、メインCPU201は、普通図柄の可変表示終了処理を行う。このS294の処理は、普通図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この処理においてメインCPU201は、普通図柄の可変表示を終了する際の各種処理を行う。なお、普通図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S295に移す。
S295において、メインCPU201は、普通図柄遊技判定処理を行う。このS295の処理は、普通図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この普通図柄遊技判定処理では、普通図柄の導出結果(例えば、普通図柄当りまたはハズレ)の判定処理を行う。なお、普通図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S296に移す。
S296において、メインCPU201は、普通電動役物開放処理を行う。このS296の処理は、普通図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この処理では、例えば、予め定められた態様で、普通電動役物146の開放処理が行われる。なお、普通図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU201は、処理を、S297に移す。
S297において、メインCPU201は、普通図柄当り終了処理を行う。このS297の処理は、普通図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。メインCPU201は、この普通図柄当り終了処理を終了すると、普通図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、本実施例では、普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)に示されるように、普通図柄の当り判定用乱数を例えば0~99の範囲(幅)で発生させ、例えば0~79を普通図柄当り判定値データとしている(非時短遊技状態の場合)。普通図柄当り確率は、普通図柄の当り判定用乱数の総乱数に対する普通図柄当り判定値データの数によって定められるため、例えば普通図柄の当り確率は、本実施例では100分の80である。この普通図柄当り確率は、本実施例では、時短制御が実行される場合と時短制御が実行されない場合と異なっているが、同じまたはほぼ同じとしてもよい。また、普通図柄の可変表示は、時短制御が実行されない非時短遊技状態では例えば600000msecと相対的に長時間にわたって実行されるのに対し、時短制御が実行される遊技状態では例えば1000msecと相対的に短時間しか実行されない。このようにして、時短制御が実行されると、普通電動役物開放処理の実行頻度すなわち第2始動口140への遊技球の入賞頻度が高められる。
[1-7-4.外部マスカブル割込処理]
次に、図44を参照して、メインCPU201の制御により実行される外部マスカブル割込処理について説明する。この処理は、例えば電断時等に発生する外部割込み要求に応じて行われる割込処理である。なお、図44は、第1のパチンコ遊技機における外部マスカブル割込処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、保護レジスタの退避処理を行う(S301)。メインCPU201は、S301の処理を実行した後、処理を、S302に移す。
S302において、メインCPU201は、I/Oポート205の所定の入力ポートの状態を読み出す。上記の所定の入力ポートは、例えば、電断検知ライン、バックアップクリアスイッチライン、センサ異常検知ライン、電波センサライン、開放検知ライン、磁気センサライン、振動センサライン、ソレノイド監視センサライン等の状態がセットされる入力ポートである。メインCPU201は、S302の処理を実行した後、処理を、S303に移す。
S303において、メインCPU201は、電断検知であるか否かを判定する。
S303において電断検知でないと判定された場合(S303がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS305に移す。一方、S303において電断検知であると判定された場合(S303がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS304に移す。
S304において、メインCPU201は、XINT検知フラグをセット(オンに)する。XINT検知フラグは電断することを示すフラグであり、XINT検知フラグの値は、メインRAM203の作業領域内のXINT検知フラグ領域に格納される。メインCPU201は、S304の処理を実行した後、処理を、S305に移す。
S305において、メインCPU201は、S301で退避させた保護レジスタの復帰処理を行う。メインCPU201は、S305の処理を実行した後、処理を、S306に移す。
S306において、メインCPU201は、割込許可処理を行う。この処理を実行した後、メインCPU201は、外部マスカブル割込処理を終了する。
[1-7-5.システムタイマ割込処理]
次に、図45を参照して、メインCPU201により、例えば2msecの割込み周期で実行されるシステムタイマ割込処理について説明する。なお、図45は、第1のパチンコ遊技機において実行されるシステムタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、保護レジスタの退避処理を行う(S311)。
次いで、メインCPU201は、XINT検知フラグがオフであるか否かを判定する(S312)。XINT検知フラグがオフでない(すなわち電断検知時である)と判定された場合(S312がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS326に移す。一方、XINT検知フラグがオフである(すなわち電断非検知時である)と判定された場合(S312がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理をS313に移す。
S313において、メインCPU201は割込許可処理を行う。その後、メインCPU201は、I/Oポート205の入力ポートの状態の読込処理を行い(S314)、処理を、S315に移す。
S315において、メインCPU201は、遊技許可状態であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU201は、例えば起動制御フラグの値等に基づいて、遊技許可状態であるか否かを判定する。起動制御フラグは、電源投入時の起動状態が、電断復帰、設定変更、設定確認およびRAMクリア等のうちのいずれの状態であるかを判定するためのフラグである。例えば、電断復帰の場合は遊技許可状態であると判定され、設定変更、設定確認およびRAMクリア等である場合は遊技許可状態でないと判定される。
なお、起動制御フラグは、電源投入時における設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176のオン/オフ情報の組合せで構成される。例えば、電源投入時に、設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176の両方がオフであれば電断復帰、設定キー174aおよびバックアップクリアスイッチ176の両方がオンであれば設定変更、バックアップクリアスイッチ176がオフ且つ設定キー174aがオンであれば設定確認、バックアップクリアスイッチ176がオン且つ設定キー174aがオフであればRAMクリアと判定される。
S315において遊技許可状態でないと判定された場合(S315がNO判定の場合)、メインCPU201は、設定制御処理を行う(S316)。この設定制御処理では、設定変更処理または設定確認処理が行われる。すなわち、本実施例では、設定変更処理および設定確認処理は、例えば2msec周期で行われるシステムタイマ割込処理内で行われ、遊技許可状態でない場合すなわち遊技不許可状態である場合に行われる。設定制御処理(S316)を実行した後、メインCPU201は、処理を、S326に移す。なお、S316の設定制御処理の詳細については、図46を参照して後述する。
なお、遊技許可状態でない場合(S315がNO判定の場合)、メインCPU201は、発射装置6(図6参照)からの遊技球の発射禁止、特定のスイッチ(例えば、設定キー174a、バックアップクリアスイッチ176等)を除く各種スイッチの無効化、払出装置82からの賞球の払い出し禁止等を設定することが好ましい。
一方、S315において遊技許可状態であると判定された場合(S315がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S317に移す。
S317において、メインCPU201は、割込みカウンタの値を1加算する処理を実行する。割込みカウンタは、主制御メイン処理(図20~図23参照)中の割込禁止区間を計数(管理)するためのカウンタであり、割込みカウンタの計数値は、メインRAM203の作業領域内の割込カウンタ領域に格納される。メインCPU201は、S317の処理を実行した後、処理を、S318に移す。
S318において、メインCPU201は、割込み周期タイマの更新処理を行う。メインCPU201は、S318の処理を実行した後、処理を、S319に移す。なお、割込み周期タイマは、割込み周期(例えば2msec)管理用のタイマであり、割込み周期タイマの計数値は、メインRAM203の作業領域内の割込み周期管理タイマ領域に格納される。
S319において、メインCPU201は乱数更新処理を行う。この乱数更新処理では、各種乱数カウンタ(例えば、特別図柄の大当り判定用乱数カウンタ等)の更新処理が行われる。このように、所定周期(本実施例では2msec)で乱数更新処理を行うことにより、出玉にかかわる重要な要素である各種乱数の信頼性を担保することが可能となる。メインCPU201は、S319の処理を実行した後、処理を、S320に移す。
S320において、メインCPU201は、スイッチ入力検出処理を行う。このスイッチ入力検出処理の詳細については、図51を参照して後述する。メインCPU201は、S320の処理を実行した後、処理を、S321に移す。
S321において、メインCPU201は、入賞情報コマンド設定処理を行う。この処理では、入賞情報コマンド(払出情報)の設定処理が行われる。メインCPU201は、S321の処理を実行した後、処理を、S322に移す。
S322において、メインCPU201は、演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、送信予約されているコマンドが主制御回路200からサブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S322の処理を実行した後、処理を、S323に移す。
S323において、メインCPU201は、レジスタ退避処理を行う。メインCPU201は、S323の処理を実行した後、処理を、S324に移す。
S324において、メインCPU201は、性能表示モニタ制御処理を行う。この処理では、遊技判定処理、賞球加算判定処理、性能表示モニタ170(図6参照)の表示内容更新処理等が行われる。この処理で格納されるデータは、遊技の進行に必要なデータが格納される作業領域とは別の領域(領域外)、すなわちバックアップされる領域内であって例えばRAMクリアされた場合であってもデータがクリアされない領域に格納される。メインCPU201は、S324の処理を実行した後、処理を、S325に移す。
S325において、メインCPU201は、S323で退避させたレジスタの復帰処理を行う。メインCPU201は、S325の処理を実行した後、処理を、S326に移す。
S326において、メインCPU201は、S311で退避させた保護レジスタの復帰処理を行い、システムタイマ割込処理を終了する。
[1-7-6.設定制御処理]
次に、図46を参照して、システムタイマ割込処理(図45参照)中のS316で行われる設定制御処理について説明する。図46は、第1のパチンコ遊技機における設定制御処理の一例を示すフローチャートである。
図46に示されるように、メインCPU201は、先ず、起動制御フラグの値が設定変更を示す値であるか否かを判定する(S331)。
S331において起動制御フラグの値が設定変更を示す値であると判定された場合(S331がYES判定の場合)、メインCPU201は設定変更処理を行う(S332)。この設定変更処理の詳細については、図47を参照して後述する。設定変更処理(S332)の実行後、メインCPU201は、処理を、S335に移す。
一方、S331において起動制御フラグの値が設定変更を示す値でないと判定された場合(S331がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S333に移す。
S333において、メインCPU201は、起動制御フラグの値が設定確認を示す値であるか否かを判定する。
S333において起動制御フラグの値が設定確認を示す値であると判定された場合(S333がYES判定の場合)、メインCPU201は設定確認処理を行う(S334)。この設定確認処理の詳細については、図48を参照して後述する。設定確認処理(S334)の実行後、メインCPU201は、処理をS335に移す。
一方、S333において起動制御フラグの値が設定確認を示す値でないと判定された場合すなわちRAMクリアであると判定された場合(S333がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S337に移す。
S335において、メインCPU201は、設定操作表示処理を行う。この処理では、現在、セットされている設定値の表示処理が行われる。メインCPU201は、S335の処理を実行した後、処理を、S336に移す。
S336において、メインCPU201は、演出制御コマンド送信処理を行う。この処理では、設定変更処理(S332)、設定確認処理(S334)または起動時初期設定処理(図25参照)内で送信予約されているコマンド(初期化コマンド、電断復帰コマンドまたは設定操作コマンド)がサブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S336の処理を実行した後、処理を、S337に移す。
S337において、メインCPU201は、WDT(watchdog timer)の出力処理を行う。この処理(WDT出力処理)では、WDTクリアレジスタアドレスの読込処理、WDTのクリア処理およびWDTのリスタート処理がこの順で行われる。なお、他の処理では記載していないが、このWDT出力処理は適宜行われる。そして、S337の処理後、メインCPU201は、設定制御処理を終了し、処理を、システムタイマ割込処理(図45参照)に戻す。
[1-7-7.設定変更処理]
次に、図47を参照して、設定制御処理(図46参照)中のS332で行われる設定変更処理について説明する。なお、図47は、第1のパチンコ遊技機における設定変更処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、バックアップクリアスイッチ176が押下されたか否かを判定する(S341)。この処理は、I/Oポート205の入力ポートにセットされている情報を読み出して行われる。
S341においてバックアップクリアスイッチ176が押下されていないと判定された場合(S341がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS343に移す。一方、バックアップクリアスイッチ176が押下されたと判定された場合(S341がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S342に移す。
S342において、メインCPU201は、設定値の範囲内更新処理を行う。メインCPU201は、S342の処理を実行した後、処理を、S343に移す。
なお、本実施例では、設定変更処理において、バックアップクリアスイッチ176を操作することによって設定値を変更できるようにしたが、これに代えてまたは加えて、例えば設定スイッチを設けて、この設定スイッチを操作することによって設定値を変更できるようにしてもよい。
S343において、メインCPU201は、設定キー174aがオフにされたか否かを判定する(S343)。
S343において設定キー174aがオフにされていないと判定された場合(S343がNO判定の場合)、メインCPU201は、設定変更処理を終了し、処理を、設定制御処理(図46参照)に戻す。一方、S343において設定キー174aがオフにされたと判定された場合(S343がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S344に移す。
S344において、メインCPU201は、第1通常遊技前処理を行う。この第1通常遊技前処理の詳細については、図49を参照して後述する。なお、上述したとおり、この第1通常遊技前処理が行われると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。第1通常遊技前処理(S344)の実行後、メインCPU201は、設定変更処理を終了し、処理を、設定制御処理(図46参照)に戻す。
[1-7-8.設定確認処理]
次に、図48を参照して、設定制御処理(図46参照)中のS334で行われる設定確認処理について説明する。なお、図48は、第1のパチンコ遊技機における設定確認処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、先ず、設定キー174aがオフにされたか否かを判定する(S351)。この判定処理は、上述した設定変更処理(図47参照)中のS343の処理と同様にして行われる。
S351において設定キー174aがオフにされていないと判定された場合(S351がNO判定の場合)、メインCPU201は、設定確認処理を終了し、処理を、設定制御処理(図46参照)に戻す。
一方、S351において設定キー174aがオフにされたと判定された場合(S351がYES判定の場合)、メインCPU201は、第2通常遊技前処理を行う(S352)。この第2通常遊技前処理の詳細については、図50を参照して後述する。なお、上述したとおり、この第2通常遊技前処理が行われると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。第2通常遊技前処理(S352)の実行後、メインCPU201は、設定確認処理を終了し、処理を、設定制御処理(図46参照)に戻す。
[1-7-9.第1通常遊技前処理]
次に、図49を参照して、設定変更処理(図47参照)中のS344で行われる第1通常遊技前処理について説明する。図49は、第1のパチンコ遊技機における第1通常遊技前処理の一例を示すフローチャートである。なお、この第1通常遊技前処理は、起動時初期設定処理(図24参照)において、電断復帰、設定変更および設定確認のいずれでもない場合、すなわちRAMクリア時の初期設定処理としても行われる。
メインCPU201は、先ず、初期化時RAM設定処理を行う(S361)。この処理では、電断時にバックアップデータが格納されるメインRAM203内の領域(以下、「バックアップ領域」と称する)のクリア処理(例えば作業領域の構築およびアドレス設定等)が行われる。なお、性能表示モニタ制御処理(図45のS324参照)でデータが格納される領域はクリアされない。また、この処理では、初期データが生成され、生成された初期データは、それぞれ、構築されたメインRAM203内の作業領域に格納される。すなわち、電断時にバックアップされたデータは消去され、遊技状態を、初期化された状態に戻すことが可能となる。なお、図示しないが、この処理では、遊技状態が初期化された状態に戻されることで遊技を開始することが可能となり、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。初期化時RAM設定処理(S361)の実行後、メインCPU201は、処理を、S362に移す。
S362において、メインCPU201は、初期化コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された初期化コマンドは、設定制御処理(図46参照)中の演出制御コマンド送信処理(S336)においてサブ制御回路300に送信される。S362の処理を実行すると、メインCPU201は、第1通常遊技前処理を終了する。この第1通常遊技前処理を終了すると、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。
[1-7-10.第2通常遊技前処理]
次に、図50を参照して、設定確認処理(図48参照)中のS352で行われる第2通常遊技前処理について説明する。図50は、第1のパチンコ遊技機における第2通常遊技前処理の一例を示すフローチャートである。なお、この第2通常遊技前処理は、起動時初期設定処理(図24参照)において、電断復帰時の初期設定処理としても実行される。
メインCPU201は、先ず、電断復帰時RAM設定処理を行う(S371)。この処理では、例えば、メインRAM203内のバックアップ領域に格納されているデータが読み出され、読み出されたデータは、それぞれ、構築されたメインRAM203内の作業領域に格納される。上記データは、例えば、遊技状態情報、特別図柄や普通図柄の当りフラグのオン/オフ状態や保留数情報等、遊技を進行する上で必要となる各種情報である。すなわち、電断時にバックアップされたデータを再びメインRAM203内の作業領域に復帰させることで、電断前と同じ遊技状態に戻すことが可能となる。なお、図示しないが、この処理では、電断前と同じ遊技状態に戻されることで遊技を開始することが可能となり、遊技許可フラグがオンにセットされ、遊技許可状態となる。メインCPU201は、電断復帰時RAM設定処理(S371)の実行後、処理を、S372に移す。
S372において、メインCPU201は、確変フラグがオンであるか否かを判定する。この処理は、メインRAM203内の作業領域に格納されたデータを読み込んで行われる。
S372において確変フラグがオンでないと判定された場合(S372がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理をS374に移す。
一方。S372において確変フラグがオンであると判定された場合(S372がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S373に移す。
S373において、メインCPU201は、確変報知フラグをオンにセットする。これは、電断復帰時における確変フラグの状態を報知するために行われる。確変報知フラグがオンである場合、メインCPU201は、例えば確変報知LED(不図示)が点灯されるよう制御する。これにより、電断復帰時に確変フラグがオンであるか否かを外観で把握することが可能となる。メインCPU201は、S373の処理を実行した後、処理を、S374に移す。
S374において、メインCPU201は、電断復帰コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された電断復帰コマンドは、設定制御処理(図46参照)中の演出制御コマンド送信処理(S336)においてサブ制御回路300に送信される。S374の処理を実行すると、メインCPU201は、第2通常遊技前処理を終了する。
[1-7-11.スイッチ入力検出処理]
図51は、メインCPU201によるスイッチ入力検出処理の一例を示すフローチャートである。スイッチ入力検出処理は、上述したシステムタイマ割込処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。図51に示すように、メインCPU201は、始動口入賞検出処理を実行する(S381)。メインCPU201は、S381の処理を実行した後、処理を、S382に移す。始動口入賞検出処理については、図52を参照して後述する。
次に、メインCPU201は、一般入賞口通過検出処理を行う(S382)。一般入賞口通過検出処理では、例えば一般入賞口122への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。メインCPU201は、S382の処理を実行した後、処理を、S383に移す。
次に、メインCPU201は、大入賞口通過検出処理を行う(S383)。大入賞口通過検出処理では、例えば大入賞口131への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。メインCPU201は、S383の処理を実行した後、処理を、S384に移す。
次に、メインCPU201は、球通過検出処理を行う(S384)。球通過検出処理では、通過ゲート126への遊技球の通過検出を通過ゲートスイッチ127に検出されたことに基づいて普通図柄についての各種乱数値(普通図柄の当り判定用乱数値等)を抽出する。なお、メインRAM203は、通過ゲート126への遊技球の通過に基づいて抽出された各種乱数値(普通図柄の当り判定用乱数値等)を、普通図柄の始動条件が成立するまで保留する普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)を有する。そして、球通過検出処理では、普通図柄始動記憶領域(1)~普通図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否か、すなわち、通過ゲート126への遊技球の通過に基づいて抽出された普通図柄の保留個数が例えば4個未満であるか否かの判定も行う。この処理を終了すると、メインCPU201は、スイッチ入力検出処理を終了する。
[1-7-12.始動口入賞検出処理]
図52は、メインCPU201による始動口入賞検出処理の一例を示すフローチャートである。始動口入賞検出処理は、上述したスイッチ入力検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。
図52に示すように、メインCPU201は、先ず、第1始動口スイッチ121で遊技球を検出したか否かを判定する(S391)。
第1始動口スイッチ121で遊技球を検出していないと判定された場合(S391がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S398に移す。
一方、第1始動口スイッチ121で遊技球を検出したと判定された場合(S391がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S392に移す。
S392において、メインCPU201は、各種乱数値(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第1特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)を抽出するとともに、第1始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。メインCPU201は、S392の処理を実行した後、処理を、S393に移す。
S393において、メインCPU201は、第1始動口120への入賞に基づいて抽出された第1特別図柄の保留個数が例えば4個未満であるか否かを判定する。メインRAM203は、第1始動口120への遊技球の入賞に基づいて抽出された各種乱数を、始動条件が成立するまで保留する第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)を有しており、この処理では、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否かが判定される。なお、メインRAM203は、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)の他に第1特別図柄始動記憶領域(0)も有するが、これについては後述する。
第1特別図柄の保留個数が4個未満でない、すなわち上限の4個である場合(S393がNO判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S398に移す。
一方、第1特別図柄の保留個数が4個未満である場合(S393がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S394に移す。
S394において、メインCPU201は、第1特別図柄の保留個数を1加算する処理を行う。メインCPU201は、S394の処理を実行した後、処理を、S395に移す。
S395において、メインCPU201は、第1始動口120への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数値を、第1特別図柄の変動開始条件が成立するまでメインRAM203に格納する処理を行う。これにより、抽出した乱数についての第1特別図柄の変動表示が、変動開始条件が成立するまで保留される。メインCPU201は、S395の処理を実行した後、処理を、S396に移す。
S396において、メインCPU201は、先読み判定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理(図28のS93参照)に先だって、S392で抽出した乱数値を用いて、特別図柄の変動パターンを決定したり、当り判定処理等を行う処理である。また、先読みフラグが設定されているか否かも判定する。
なお、先読み判定処理は、S392で乱数値を抽出してから特別図柄の当り判定処理が実行されるまでの間であれば、任意のタイミングで行ってよいが、特別図柄の可変表示が開始されるまでに、サブ制御回路300により先読み演出を行うことに鑑みると、例えばS395の処理の前後付近で行うことが好ましい。メインCPU201は、S396の処理を実行した後、処理を、S397に移す。
S397において、メインCPU201は、第1特別図柄の入賞コマンドの送信予約処理を行う。第1特別図柄の入賞コマンドは、第1特別図柄の保留個数を1増加する情報や、第1特別図柄の変動パターン情報(すなわち特別図柄の変動パターンコマンド)等を含むコマンドであり、この処理で送信予約された第1特別図柄の入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S397の処理を実行した後、処理を、S398に移す。
S398において、メインCPU201は、第2始動口スイッチ141で遊技球を検出したか否かを判定する。
第2始動口スイッチ141で遊技球を検出していないと判定された場合(S398がNO判定の場合)、メインCPU201は、始動口入賞検出処理を終了し、処理を、スイッチ入力検出処理(図51参照)に戻す。
一方、第2始動口スイッチ141で遊技球を検出したと判定された場合(S398がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S399に移す。
S399において、メインCPU201は、各種乱数値(例えば、第2特別図柄の大当り判定用乱数値、第2特別図柄の図柄乱数値、第2特別図柄のリーチ判定用乱数値、および、第2特別図柄の演出選択用乱数値等の各種乱数値等)を抽出するとともに、第2始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。メインCPU201は、S399の処理を実行した後、処理を、S400に移す。
S400において、メインCPU201は、第2始動口140への入賞に基づいて抽出された第2特別図柄の保留個数が例えば4個未満であるか否かを判定する。
なお、メインRAM203は、第2始動口140への遊技球の入賞に基づいて抽出された各種乱数値を、始動条件が成立するまで保留する第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)を有しており、この処理では、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)に空き領域があるか否かが判定される。なお、メインRAM203は、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)の他に第2特別図柄始動記憶領域(0)も有するが、これについては後述する。
第2特別図柄の保留個数が4個未満でない、すなわち上限の4個である場合(S400がNO判定の場合)、メインCPU201は、始動口入賞検出処理を終了し、処理を、スイッチ入力検出処理(図51参照)に戻す。
一方、第2特別図柄の保留個数が4個未満である場合(S400がYES判定の場合)、メインCPU201は、処理を、S401に移す。
S401において、メインCPU201は、第2特別図柄の保留個数を1加算する処理を行う。メインCPU201は、S401の処理を実行した後、処理を、S402に移す。
S402において、メインCPU201は、第2始動口140への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数値を、第2特別図柄の変動開始条件が成立するまでメインRAM203に格納する処理を行う。これにより、抽出した乱数についての第2特別図柄の変動表示が、変動開始条件が成立するまで保留される。メインCPU201は、S402の処理を実行した後、処理を、S403に移す。
S403において、メインCPU201は、第2特別図柄の入賞コマンドの送信予約処理を行う(S403)。第2特別図柄の入賞コマンドは、第2特別図柄の保留個数を1増加する情報や、第2特別図柄の変動パターン情報等を含むコマンドであり、この処理で送信予約された第2特別図柄の入賞コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路300に送信される。メインCPU201は、S403の処理を実行した後、始動口入賞検出処理を終了し、処理を、スイッチ入力検出処理(図51参照)に戻す。
[1-8.サブ制御処理]
次に、図53を参照して、サブ制御回路300のサブCPU301により実行される各種処理の内容について説明する。
図53は、第1のパチンコ遊技機におけるサブ制御回路処理の一例を示すフローチャートである。
図53に示すように、サブCPU301は、先ず、初期化処理を行う(S501)。この初期化処理では、例えば、RAMアクセス許可、作業領域の初期化、ハードウェア初期化、デバイス初期化、アプリケーション初期化、バックアップ復帰初期化等といった初期化処理が行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S502に移す。
なお、上述の初期化処理(S501)は、電源投入時やバックアップクリア時に実行される処理であり、電源投入後は、後述のS502~S508の処理が繰り返し実行される。
S502において、サブCPU301は、コマンド入力ポート308(図6参照)の読込処理を行う。この処理では、コマンド入力ポート308にセットされている主制御回路200(図6参照)から送信されたコマンドを読み出して行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S503に移す。
S503において、サブCPU301は、コマンド解析処理を実行する。この処理では、S502の処理で読み込まれたコマンドの解析が行われる。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S504に移す。
S504において、サブCPU301は、演出態様決定処理を実行する。この処理では、例えば、メインCPU201から送信された入賞コマンドに基づいて、表示装置7(図4、図6参照)に表示される表示演出の態様や、スピーカ32(図6参照)から出力される音演出の態様等が決定される。
演出態様決定処理(S504)において、サブCPU301は、演出内容の指定情報を含むアニメーションリクエストを生成し、生成されたアニメーションリクエストに基づいて、各種演出装置を動作させるための各種リクエスト(例えば、描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト、および、役物リクエスト等)を生成する。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S505に移す。
S505において、サブCPU301は、描画制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、描画リクエストを表示制御回路304(図6参照)に送信する。表示制御回路304は、サブCPU301から送信されたメッセージ(描画リクエスト)に基づいて、表示装置7の表示領域に画像を表示させるための描画制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S506に移す。
S506において、サブCPU301は、音声制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、サウンドリクエストを音声制御回路305(図6参照)に送信する。音声制御回路305は、サブCPU301から送信されたメッセージ(サウンドリクエスト)に基づいて、スピーカ32に音声を出力させるための音声制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S507に移す。
S507において、サブCPU301は、LED制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、LEDリクエストをLED制御回路306(図6参照)に送信する。LED制御回路306は、サブCPU301から送信されたメッセージ(LEDリクエスト)に基づいて、LED群46を構成するLEDの全部または一部を点灯あるいは点滅させるための発光制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、処理を、S508に移す。
S508において、サブCPU301は、役物制御処理を実行する。この処理において、サブCPU301は、役物リクエストを役物制御回路307(図6参照)に送信する。役物制御回路307は、サブCPU301から送信されたメッセージ(役物リクエスト)に基づいて、演出用役物群58を構成する全部または一部の役物にかかる演出用駆動モータ(不図示)を動作させるための駆動制御を行う。この処理を終了すると、サブCPU301は、サブ制御回路メイン処理を終了する。
[1-9.サブ制御回路による演出態様決定処理の具体例]
サブ制御回路300(より詳しくはサブCPU301)は、主制御回路200から送信された入賞コマンドに基づいて、演出態様決定処理(図53のS504を参照)を行う。
サブCPU301は、演出態様決定処理において行われる各種処理のうちの一処理として、例えば、今回の特別図柄変動(以下「当該変動」と称する)に対応するサブ変動演出の演出パターン(以下「サブ変動演出パターン」と称する)を決定するサブ変動演出パターン決定処理や、先読み演出の演出パターン(以下「先読み演出パターン」と称する)を決定する先読み演出パターン決定処理等を行う。また、演出態様決定処理では、天井カウンタが天井値に近付いていることを示唆する例えばカウントダウン演出の演出態様や、天井カウンタが天井値に到達したことを示唆するB時短遊技状態移行演出の演出態様の決定処理等、遊技の進行にかかわる様々な演出態様の決定処理についても行われる。
サブ変動演出パターン決定処理は、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて行われる。サブ変動演出パターンは、当該変動の結果期待度を示す演出として、特別図柄の可変表示に伴ってサブCPU301により表示装置7の表示領域にて行われる演出パターン(例えば、装飾図柄の変動パターンやキャラクタ演出のパターン等)である。
サブ変動演出では、実行されるサブ変動演出パターンに応じて、特別図柄の可変表示が開始されてから特別図柄が停止するまでの時間の経過に伴って、特別図柄の当り判定処理の結果に対する期待度が維持または上昇することを示すことが可能である。
サブ変動演出パターンには、例えば後述の図54に示されるように、時短当り系リーチA,B,C、大当り系リーチA,B,C、および共通リーチA,B,C,D,E等が含まれる。上述したとおり、時短当り系リーチA,B,Cは、特別図柄の当り判定処理(図28のS93参照)の結果が時短当りの可能性がある(大当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。大当り系リーチA,B,Cは、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(時短当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。共通リーチA,B,C,D,Eは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示すリーチ演出である。
なお、例えば、B時短遊技状態への移行タイミングを示唆するカウントダウン演出の実行タイミングと、リーチ演出の実行タイミングとが重なった場合、サブCPU301は、いずれかの演出を優先して実行するようにするとよい。
先読み演出パターン決定処理は、先読み判定処理の結果として決定された例えば特別図柄の変動パターンに基づいて行われる。先読み演出は、先読み判定処理の結果に対する期待度を示す演出として、保留状態にあるとき(すなわち、第1始動口120に入賞した後、この入賞に基づいて抽出された各種乱数値等の始動情報が特別図柄の当り判定処理に供される(特別図柄の可変表示が開始される)までの間)に、サブCPU301により表示装置7の表示領域にて行われる演出パターンである。
先読み演出では、実行される先読み演出パターンに応じて、保留状態にあるときに、時間の経過(より詳しくは、先行して保留された始動情報についての可変表示の進行)に伴って、先読み判定処理の結果に対する期待度が維持または上昇することを示すことが可能である。
先読み演出は、例えば、表示装置7に表示される保留画像を用いて行われる。保留画像は、現在の保留状況を示す画像である。
先読み演出パターンには、先読み判定処理すなわち特別図柄の当り判定処理の結果種別(時短当りであるか大当りであるか)に対する期待値を示唆することが可能な先読み当り種別演出パターンと、特別図柄の当り判定処理の結果が当り(大当りまたは時短当り)であることに対する期待値を示唆することが可能な先読み期待値演出パターンとが含まれる。すなわち、先読み演出では、特別図柄の当り判定処理の結果種別に対する期待値と、特別図柄の当り判定処理の結果が当りであることに対する期待値と、の両方またはいずれか一方を示唆することが可能である。また、先読み演出パターン決定処理(後述の図59参照)では、先読み当り種別演出パターン決定処理(後述の図59のS3006参照)と、先読み期待値演出パターン決定処理(後述の図59のS3008、S3009参照)とが行われる。先読み当り種別演出パターン、先読み期待値演出パターン、先読み当り種別演出パターン決定処理、および先読み期待値演出パターン決定処理の具体例については後述する。
[1ー9-1.サブ変動演出パターン決定処理]
先ず、サブ変動演出パターン決定処理について説明する。図54は、時短フラグがオフの遊技状態(通常遊技状態)におけるサブ変動演出パターン決定テーブル(詳細な説明は省略)の一例である。このサブ変動演出パターン決定テーブルは、第1のパチンコ遊技機が備えるサブ制御回路300のプログラムROM302に記憶されている。なお、プログラムROM302には、時短フラグがオンの遊技状態(高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)におけるサブ変動演出パターン決定テーブルも記憶されているが、ここでは説明を省略する。
サブCPU301は、図54の通常遊技状態におけるサブ変動演出パターン決定テーブルを参照し、主制御回路200から送信された特別図柄の変動パターンコマンドに基づいて、当該変動に対応する変動演出パターンとして、表示装置7に表示されるサブ変動演出パターン(図54において「変動パターン」と図示されている)を決定する。上述したとおり、本実施例では、サブ変動演出パターンに、時短当り系リーチA,B,C、大当り系リーチA,B,C、および共通リーチA,B,C,D,Eが含まれている。
時短当り系リーチA,B,Cは、上述したとおり時短当りの可能性があることを示すリーチ演出であり、外観上も、時短当りの可能性があることを把握できるリーチ演出である。時短当り系リーチAは、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレや大当りである場合には表示されず、「時短当り」である場合に限り表示される時短当り確定リーチ演出である(図15参照)。この時短当り系リーチAは、先読み対象のサブ変動演出パターンではないが、これに限られず、先読み態様のサブ変動演出パターンとしてもよい。時短当り系リーチBと時短当り系リーチCとは、外観上の演出態様は同じまたは略同じである。ただし、時短当り系リーチBは先読み対象のサブ変動演出パターンでないのに対し、時短当り系リーチCは先読み対象のサブ変動演出パターンである(図15の「先読みフラグ」の欄、図54、および後述の図55を参照)。
大当り系リーチA,B,Cは、上述したとおり大当りの可能性があることを示すリーチ演出であり、外観上も、大当りの可能性があることを把握できるリーチ演出である。大当り系リーチAは、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレや「時短当り」である場合には表示されず、「時短当り」である場合に限り表示される大当り確定リーチ演出である(図15参照)。この大当り系リーチAは、先読み対象のサブ変動演出パターンではないが、これに限られず、先読み態様のサブ変動演出パターンとしてもよい。大当り系リーチBと大当り系リーチCとは、外観上の演出態様は同じまたは略同じである。ただし、大当り系リーチBは先読み対象のサブ変動演出パターンでないのに対し、大当り系リーチCは先読み対象のサブ変動演出パターンである(図15の「先読みフラグ」の欄を参照)。
共通リーチA,B,C,D,Eは、上述したとおり大当りおよび時短当りの何れの可能性もあることを示すリーチ演出であり、外観上は、時短当りの可能性があるのか大当りの可能性があるのかを把握することが困難なリーチ演出態様である。共通リーチAは、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合には表示されず、大当りまたは「時短当り」である場合に限り表示される当り(大当り、時短当り)確定リーチ演出である(図15参照)。共通リーチBと共通リーチCとは、外観上の演出態様は同じまたは略同じである。また、共通リーチDは、共通リーチCから時短当り系リーチCに発展する演出である。さらに、共通リーチEは、共通リーチCから大当り系リーチCに発展する演出である。なお、共通リーチAおよび共通リーチBは先読み対象のサブ変動演出パターンでないのに対し、共通リーチC、共通リーチD、および共通リーチEは先読み対象のサブ変動演出パターンである(図15の「先読みフラグ」の欄を参照)。
このように、サブCPU301は、サブ変動演出パターン決定テーブル(図54参照)を参照し、メインCPU201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドに基づいて、サブ変動演出パターンを決定する。そして、サブCPU301は、決定されたサブ変動演出パターンが表示装置7に表示されるよう制御する。
[1-9-2.先読み演出パターン決定処理]
次に、先読み演出パターン決定処理として行われる、先読み当り種別演出パターン決定処理、および先読み期待値演出パターン決定処理について説明する。
なお、ワークRAM303(図6参照)には、メインRAM203に設けられた第1特別図柄始動記憶領域(0)、第1特別図柄始動記憶領域(1)、第1特別図柄始動記憶領域(2)、第1特別図柄始動記憶領域(3)、および第1特別図柄始動記憶領域(4)のそれぞれに対応する領域として、第1サブ保留領域(0)、第1サブ保留領域(1)、第1サブ保留領域(2)、第1サブ保留領域(3)、および第1サブ保留領域(4)が設けられている。第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)、および第1サブ保留領域(1)~第1サブ保留領域(4)には、抽出した乱数値にかかわる各種保留情報が格納されている。また、第1特別図柄始動記憶領域(0)および第1サブ保留領域(0)には、当該変動に対応する情報が格納されている。サブCPU301は、第1始動口入賞の入賞コマンドを受信すると、受信した情報を、今回の第1特別図柄始動記憶領域に対応する第1サブ保留領域に格納する。
また、ワークRAM303には、メインRAM203に設けられた第2特別図柄始動記憶領域(0)、第2特別図柄始動記憶領域(1)、第2特別図柄始動記憶領域(2)、第2特別図柄始動記憶領域(3)、および第2特別図柄始動記憶領域(4)のそれぞれに対応する領域として、第2サブ保留領域(0)、第2サブ保留領域(1)、第2サブ保留領域(2)、第2サブ保留領域(3)、および第2サブ保留領域(4)が設けられている。
本実施例では、通常遊技状態において第1特別図柄についての先読み演出が行われるものとするが、これに限られず、他の遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)で行われるようにしてもよいし、第2特別図柄について行われるようにしてもよい。
先読み演出は、例えば、表示装置7の表示領域に表示される保留画像を用いて行われる。表示装置7の表示領域には、保留画像を表示する領域として、第1サブ保留領域(0)に対応する第0領域、第1サブ保留領域(1)に対応する第1保留領域、第1サブ保留領域(2)に対応する第2保留領域、第1サブ保留領域(3)に対応する第3保留領域、および第1サブ保留領域(4)に対応する第4保留領域が設けられている。
[1-9-2-1.先読み当り種別演出パターン決定処理において参照されるテーブル]
先ず、先読み当り種別演出パターン決定処理において参照されるテーブルについて説明する。
ところで、決定された先読み当り種別演出パターンで先読み演出が実行される保留画像の形態には、時短当りの可能性があることを示す時短当り系先読み演出形態と、大当りの可能性があることを示す大当り系先読み演出形態と、時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態とが含まれる。
先読み当り種別演出パターンは、保留画像の形態を、例えば、共通当り系先読み演出形態から時短当り系先読み演出形態に変化させたり、共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に変化させたりすることにより、特別図柄の当り判定処理の結果種別に対する期待値の変化を示唆することが可能な演出パターンである。
図55は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブルの一例である。この図55では、図54に示される変動パターンのうち先読み対象の変動パターンのみを示している。また、図56は、先読み当り種別演出パターン決定テーブルの一例である。なお、これらのテーブルは、第1のパチンコ遊技機が備えるサブ制御回路300のプログラムROM302に記憶されている。
図55の先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブルに示されるように、先読みフラグが設定されている変動パターンをサブCPU301が受信すると、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号を、例えば、変動パターンと保留数とに基づいて決定する。ここでいう保留数は、先読み対象の始動情報を含む。すなわち、第1始動口120への入賞に基づいて抽出された始動情報が保留された場合、保留後の保留数が、図55に示される保留数に相当する。
例えば、変動パターンが「03H」であって保留数が「3」の場合、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号は「3」に決定される。また、例えば変動パターンが「0EH」であって保留数が「2」の場合、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号は「22」に決定される。
先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号が決定されると、サブCPU301は、図56の先読み当り種別演出パターン決定テーブルを参照し、先読み当り種別演出パターンを決定する。詳述すると、図56の先読み当り種別演出パターン決定テーブルに示されるように、例えば、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号と、サブ演出選択用乱数値1とに基づいて、先読み当り種別演出パターンが決定される。
なお、図56では、便宜上、「先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号」を「SASPT番号」と示し、「先読み当り種別演出パターン」を「SAS演出パターン」と示している。サブ演出選択用乱数値1は、例えば特別図柄の変動パターンコマンドを受信したとき等、所定の契機に基づいてサブCPU301により抽出される乱数値である。
例えば、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号が「3」であって抽出したサブ演出選択用乱数値1が「55」の場合、先読み当り種別演出パターンは「07H」に決定される。また、例えば先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号が「7」であって抽出したサブ演出選択用乱数値1が「77」の場合、先読み当り種別演出パターンは「16H」に決定される。
なお、図56の備考(保留対応)の欄に示される「1」~「4」は、それぞれ、第1保留領域~第4保留領域を示す。
また、図56の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号とサブ演出選択用乱数値1とに対応して示される「A」は、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りの可能性があることを示す時短当り系先読み演出形態で保留画像が表示されることを示す。時短当り系先読み演出形態で保留画像が表示されると、外観上、時短当りの可能性があることを把握できる。
また、図56の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号とサブ演出選択用乱数値1とに対応して示される「B」は、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性があることを示す大当り系先読み演出形態で保留画像が表示されることを示す。大当り系先読み演出形態で保留画像が表示されると、外観上、大当りの可能性があることを把握できる。
また、図56の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号とサブ演出選択用乱数値1とに対応して示される「C」は、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態で保留画像が表示されることを示す。共通当り系先読み演出形態で保留画像が表示されると、外観上、時短当りの可能性があるのか大当りの可能性があるのかを把握することが困難である。
例えば、先読み当り種別演出パターンが例えば「07H」に決定された場合、第3保留領域では共通当り系先読み演出形態が表示され、第3保留領域からシフト後の第2保留領域においても共通当り系先読み演出形態が表示される。そして、第2保留領域から第1保留領域にシフトする際に共通当り系先読み演出形態から時短当り系先読み演出形態に変化し、第1保留領域では「A」の時短当り系先読み演出形態が表示される。
また、先読み当り種別演出パターンが例えば「16H」に決定された場合、第3保留領域では「C」の共通当り系先読み演出形態が表示される。そして、第3保留領域から第2保留領域にシフトする際に共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に変化、第2保留領域、および第2保留領域からシフトされた後の第1保留領域では、「B」の大当り系先読み演出形態が表示される。
すなわち、先読み当り種別演出パターンには、図56に示されるように、以下のイ)~ホ)のパターンが含まれる。なお、本実施例では、大当り系先読み演出形態から時短当り系先読み演出形態に変化するパターン、および時短当り系先読み演出形態から大短当り先読み演出形態に変化するパターンについては、先読み当り種別演出パターンに含まれないが、これらのパターンを先読み当り種別演出パターンに含むようにしてもよい。
イ)保留された時点で時短当り系先読み演出形態が表示され、その後も演出形態が変化することなく、時短当り系先読み演出形態が表示される先読み時短当り演出パターン(例えば、先読み当り種別演出パターン「09H」)。
ロ)保留された時点で大当り系先読み演出形態が表示され、その後も演出形態が変化することなく、大当り系先読み演出形態が表示される先読み大当り演出パターン(例えば、先読み当り種別演出パターン「17H」)。
ハ)保留された時点では共通当り系先読み演出形態が表示され、その後、時短当り系先読み演出形態に変化する先読み共通当り演出パターンA(例えば、先読み当り種別演出パターン「24H」)。
ニ)保留された時点では共通当り系先読み演出形態で表示され、その後、大当り系先読み演出形態に変化する先読み共通当り演出パターンB(例えば、先読み当り種別演出パターン「12H」)。
ホ)保留された時点では共通当り系先読み演出形態で表示され、その後も演出形態が変化することなく、共通当り系先読み演出形態が表示される先読み共通当り演出パターンC(例えば、先読み当り種別演出パターン「06H」)。
このように、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブル(例えば、図55参照)を参照し、変動パターンと保留数とに基づいて、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号(SASPT番号)を決定する。そして、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル(図56参照)を参照し、決定された先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号(SASPT番号)とサブ演出選択用乱数値1とに基づいて、先読み当り種別演出パターン(SAS演出パターン)を決定する。
なお、図56では、保留された時点では「A」の時短当り系先読み演出形態が表示され、その後、「B」の大当り系先読み演出形態に変化する先読み当り種別演出パターンについては示されていないが、このように、「A」の時短当り系先読み演出形態から「B」の大当り系先読み演出形態に変化する先読み当り種別演出パターンがサブCPU301により決定されるようにしてもよい。このようにすることで、先読み演出によって遊技者に与えうる興趣を高めることが可能となる。
また、図56では、「B」の大当り系先読み演出形態は、上述したとおり、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(すなわちハズレの場合もある)ことを示す大当り系先読み演出形態であるが、これに加えて、特別図柄の当り判定処理の結果が大当り確定であることを示す大当り確定先読み演出形態が表示されるようにしてもよい。この場合、サブCPU301により決定される先読み当り種別演出パターンに、以下のヘ)~チ)の先読み種別演出パターンのいずれかまたは全部が含まれるようにしてもよい。
ヘ)保留された時点で大当り確定先読み演出形態が表示され、その後も演出形態が変化することなく、大当り確定先読み演出形態が表示される先読み大当り確定演出パターンA。
ト)保留された時点では他の先読み演出形態(例えば、「A」の時短当り系先読み演出形態、「B」の大当り系先読み演出形態、「C」の共通当り系先読み演出形態等)が表示され、その後、大当り確定先読み演出形態に変化する先読み大当り確定演出パターンB。
チ)保留された時点では他の先読み演出形態(例えば、「A」の時短当り系先読み演出形態、「C」の共通当り系先読み演出形態等)が表示され、その後、「B」の大当り系先読み演出形態が表示され、さらにその後、大当り確定先読み演出形態に変化する先読み大当り確定演出パターンC。
また、図56では、「A」の時短当り系先読み演出形態と「B」の大当り系先読み演出形態と「C」の共通当り系先読み演出形態とのうち、保留された時点では「C」の共通当り系先読み演出形態の表示頻度が最も高いが、これに限られない。例えば、保留された時点では「A」の時短当り系先読み演出形態の表示頻度が最も高くなるようにしてもよいし、保留された時点では「B」の大当り系先読み演出形態の表示頻度が最も高くなるようにしてもよい。さらには、保留された時点では「C」の共通当り系先読み演出形態の表示頻度が最も低くなるようにしてもよい。
また、図56では、全ての「先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号(SASPT番号)」に対して所定幅のサブ演出選択用乱数値1を割り当てているが、これに限られず、特定のSASPT番号に対してのみサブ演出選択用乱数値を割り当てない(すなわち、特定のSASPT番号の振分率を0にして選択されない)ようにしてもよい。
[1-9-2-2.先読み期待値演出パターン決定処理において参照されるテーブル]
次に、先読み期待値演出パターン決定処理において参照されるテーブルについて説明する。
図57は、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」である場合に参照される、先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)の一例である。また、図58は、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合に参照される、先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)の一例である。
ところで、決定された先読み期待値演出パターンで先読み演出が実行される保留画像の形態は、当り(時短当り、大当り)に対する期待値に応じて演出形態が異なる。
時短当り系先読み演出形態として保留画像が表示される場合、例えば、通常は三角形であらわされる保留画像を、「四角形<五角形<六角形<円<星」といったように保留画像の形状を変化させることによって期待値の変化をあらわすことができる。この場合、保留画像が四角形である場合に期待値が最も低く、星である場合に期待値が最も高い。
また、大当り系先読み演出形態として保留画像が表示される場合、例えば、通常は白であらわされる保留画像を、「青<黄<緑<赤<虹」といったように保留画像の色を変化させることによって期待値の変化をあらわすことができる。この場合、保留画像が青である場合には期待値が最も低く、保留画像が虹である場合には期待値が最も高い。
なお、詳細は後述するが、大当りおよび時短当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態として保留画像が表示される場合については、保留画像を、例えば、大当りに対する期待値レベルを示す色と、時短当りに対する期待値レベルを示す形状との両方であらわすようにしてもよいし、専用の共通当り系先読み演出形態であらわすようにしてもよい。
先読み演出が行われる保留画像は、期待値が相対的に低い演出形態から期待値が相対的に高い演出形態に変化可能であるものの、期待値が相対的に高い演出形態から期待値が相対的に低い演出形態には変化しない方が好ましい。また、保留画像の演出形態を変化させる際、必ずしも、「四角形<五角形<六角形<円<星」や「青<黄<緑<赤<虹」の順に1つずつ変化させていく必要はなく、例えば「五角形→円」や「黄→虹」に変化させてもよい。また、保留画像の形態を、必ずしも、最も期待値の低い四角形や青から開始させる必要はなく、例えば円や赤から開始させるようにしてもよい。
なお、図57の備考(保留対応)の欄に示される「1」~「4」は、図56と同様に、それぞれ、第1保留領域~第4保留領域を示す。
また、図57の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号と、サブ演出選択用乱数値2とに対応して示される「0」~「5」は、当り(時短当り、大当り)に対する期待値の高さを示している。例えば、上述の「三角形」および「白」が「0」に相当し、上述の「四角形」および「青」が「1」に相当し、上述の「五角形」および「黄」が「2」に相当し、上述の「六角形」および「緑」が「3」に相当し、上述の「円」および「赤」が「4」に相当し、上述の「星」および「虹」が「5」に相当する。
以下、図57の備考(保留対応)の「1」~「4」の各欄において、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号と、サブ演出選択用乱数値2とに対応して示される「0」~「5」を、期待値レベル「0」~「5」と称する。
特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」である場合の先読み期待値演出パターンは、図57の先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)に示されるように、例えば、保留数と、サブ演出選択用乱数値2とに基づいて決定される。同様に、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレである場合、先読み期待値演出パターンは、図58の先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)に示されるように、例えば、保留数と、サブ演出選択用乱数値2とに基づいて決定される。サブ演出選択用乱数値2は、例えば特別図柄の変動パターンコマンドを受信したとき等、所定の契機に基づいてサブCPU301により抽出される乱数値である。なお、図57および図58では、保留数が「1」~「3」の場合についてのみ図示し、保留数が「4」の場合の図示を、便宜上、省略している。
例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであって、保留数が「3」、サブ演出選択用乱数値2が「750」の場合、先読み期待値演出パターンは「43H」に決定される。先読み期待値演出パターンが例えば「43H」に決定された場合、第3保留領域では期待値レベルが「2」、第3保留領域から第2保留領域にシフトする際に期待値レベルが「2」から「3」に変化し、第2保留領域から第1保留領域にシフトする際に期待値レベルが「3」から「5」に変化する。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレであって、保留数が「3」、サブ演出選択用乱数値2が「680」の場合、先読み期待値演出パターンは「3FH」に決定される。先読み期待値演出パターンが例えば「3FH」に決定された場合、第3保留領域では期待値レベルが「2」、第2保留領域では期待値レベルが「2」、第2保留領域から第1保留領域にシフトする際に期待値レベルが「2」から「4」に変化する。
このように、サブCPU301は、特別図柄当り判定処理の結果に基づいて、先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)(図57参照)または先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)(図58参照)を参照し、保留数とサブ演出選択用乱数値2とに基づいて、先読み期待値演出パターンを決定する。
なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」である場合、各先読み期待値演出パターンの振分率は、図57に示される振分率に限られず、適宜変更可能である。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、期待値レベルが相対的に低い先読み期待値演出パターン(例えば、「01H」や「0BH」等)の選択率を高くする等により偏りを持たせているが、これに限られず、例えば均等振分にする等、適宜変更可能である。
また、図57や図58では、全ての「先読み期待値演出パターン」に対して所定幅のサブ演出選択用乱数値2を割り当てているが、これに限られず、特定の「先読み期待値演出パターン」に対してのみサブ演出選択用乱数値2を割り当てない(すなわち、特定の「先読み期待値演出パターン」の振分率を0にして選択されない)ようにしてもよい。
[1-9-3.先読み演出パターン決定処理]
次に、図54~図58の各テーブルを参照してサブCPU301により実行される先読み演出パターン決定処理について、図59を参照して説明する。図59は、サブCPU301により実行される先読み演出パターン決定処理を示すフローチャートの一例である。なお、上述したとおり、本実施例において、サブCPU301は、先読み演出パターン決定処理を、左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態においてのみ実行するが、これに限定されるものではない。
サブCPU301は、先ず、メインCPU201から送信される入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S3001)。
入賞コマンドを受信していない場合(S3001がNO判定の場合)、サブCPU301は、先読み演出パターン決定処理を終了する。
一方、入賞コマンドを受信したと判定された場合(S3001がYES判定の場合)、サブCPU301は、処理を、S3002に移す。
S3002において、サブCPU301は、先読み対象の保留が現時点でないか否か、すなわち、現在の保留に対して先読み演出が実行されているか否かを判定する。保留が複数存在する場合、複数の保留画像において先読み演出を行ってもよいが、本実施例では、1個の保留画像に対してのみ先読み演出を行うようにしている。
現在の保留に対して先読み演出が実行されている場合(S3002がNO判定の場合)、サブCPU301は、先読み演出パターン決定処理を終了する。
一方、現在の保留に対して先読み演出が実行されていない場合(S3002がYES判定の場合)、サブCPU301は、処理を、S3003に移す。
S3003において、サブCPU301は、入賞コマンドで受け取った変動パターン情報が先読み対象であるか否か(図55参照)を判定する。
入賞コマンドで受け取った変動パターン情報が先読み対象でない場合(S3003がNO判定の場合)、サブCPU301は、先読み演出パターン決定処理を終了する。
一方、入賞コマンドで受け取った変動パターン情報が先読み対象である場合(S3003がYES判定の場合)、サブCPU301は、処理を、S3004に移す。
S3004において、サブCPU301は、天井値と天井カウンタとの差が例えば保留可能な上限数(例えば、4または8)より大きいか否かを判定する。この処理は、先読み演出を行ったにもかかわらず、先読み演出を行った保留について特別図柄の可変表示が実行される前に、B時短遊技状態に移行してしまうことを回避するためである。これにより、興趣の低下を抑制することが可能となる。サブCPU301は、この処理を実行した後、処理を、S3005に移す。
なお、本実施例では、S3004において、天井値と天井カウンタとの差が保留可能な上限数よりも大きいか否かを判定しているが、これに限られず、入賞コマンドで受け取った変動パターン情報が先読み対象である場合(S3003がYES判定である場合)に、先読み対象を含めた保留数よりも大きいか否かを判定するようにしてもよい。また、天井値および天井カウンタは、メインCPU201から情報をコマンドとして受信してもよいし、メインCPU201とは別にサブCPU301が管理してもよい。
S3005において、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定処理を行う。この処理では、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号決定テーブル(図55参照)を参照し、先読み当り種別演出パターン決定テーブル番号が決定される。サブCPU301は、この処理を実行した後、処理を、S3006に移す。
S3006において、サブCPU301は、先読み当り種別演出パターン決定処理を行う。この処理では、先読み当り種別演出パターン決定テーブル(図56参照)を参照し、先読み当り種別演出パターンが決定される。サブCPU301は、この処理を実行した後、処理を、S3007に移す。
S3007において、サブCPU301は、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」であるか否かを判定する。この処理では、メインCPU201から送信された入賞コマンドで受け取った変動パターン情報に基づいて特別図柄の当り判定処理の結果を判定し、この結果が「時短当り」または「大当り」である場合にYES判定される。ただしこれに限られず、特別図柄の当落情報をメインCPU201からサブCPU301に送信することで、「時短当り」または「大当り」を判定するようにしてもよい。
特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」または「大当り」である場合(S3007がYES判定)、サブCPU301は、処理を、S3008に移す。
一方、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」および「大当り」のいずれでもない場合(S3007がNO判定)、サブCPU301は、処理を、S3009に移す。
S3008において、サブCPU301は、先読み期待値演出パターン(当り時)決定処理を行う。この処理では、図57の先読み期待値演出パターン決定テーブル(当り時)を参照し、先読み演出パターン(当り時)を決定する。サブCPU301は、この処理を実行した後、先読み演出パターン決定処理を修了する。
また、S3009において、サブCPU301は、ハズレ時先読み演出パターン決定処理を行う。この処理では、図58の先読み期待値演出パターン決定テーブル(ハズレ時)を参照し、先読み期待値演出パターン(ハズレ時)を決定する。サブCPU301は、この処理を実行した後、先読み演出パターン決定処理を修了する。
[1-9-4.先読み演出が行われることによる作用効果、先読み演出の拡張例]
上述した先読み演出では、保留画像の形態変化により、大当り系先読み演出形態と時短当り系先読み演出形態とのいずれに変化していくのかといった面白みのみならず、当り(大当り、時短当り)の期待値レベルを変化させることが可能であり、これまでにない新たな演出を行うことにより興趣を高めることが可能となる。なお、保留画像の形態を変化させるタイミングは、保留がシフトする際に限られず、例えば当該変動の特別図柄の可変表示中であってもよい。
また、先読み演出として行われる保留画像の形態(例えば、第1サブ保留領域(4)~第1サブ保留領域(1)の範囲内で表示される保留画像の形態)については第1始動口120への入賞時に決定し、当該変動の特別図柄の可変表示における保留画像の形態については特別図柄の可変表示の開始時に決定するようにしてもよい。
ところで、先読み時短当り演出パターンで先読み演出が実行される変動パターン(図54の例えば「03H」、「0EH」を参照)に決定される確率と、先読み大当り演出パターンで先読み演出が実行される変動パターン(図54の例えば「06H」、「11H」を参照)に決定される確率とを比較すると、前者の確率の方が高い(例えば、図15参照)。すなわち、先読み演出の実行割合は、先読み大当り演出パターンでの先読み演出の実行割合よりも、先読み時短当り演出パターンでの先読み演出の実行割合の方が高い。したがって、大当りの可能性がある場合にのみ先読み演出が行われていた従来のパチンコ遊技機と比べて、当りの期待値の低下を抑制しつつ先読み演出の実行頻度を高めることができ、興趣を高めることが可能となる。
なお、先読み大当り演出パターンでの先読み演出の実行割合を、先読み時短当り演出パターンでの先読み演出の実行割合よりも高くしてもよい。この場合、先読み演出が実行されると、時短当りに対する期待値よりも大当りに対する期待値の方が高いため、興趣を高めることが可能となる。
また、本実施例では、確変フラグがオフの遊技状態(本実施例では、通常遊技状態、低確時短遊技状態)において、特別図柄の当り判定処理において「時短当り」に当選しうる(図10参照)。ただし、本実施例では、通常遊技状態では先読み演出が行われるものの、低確時短遊技状態では先読み演出が行われない。低確時短遊技状態における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であったとしても、A時短遊技状態に対してC時短遊技状態を重ねて実行する場合、およびA時短遊技状態に対してC時短遊技状態を重ねて実行しない場合のいずれにおいても、時短回数が増加する可能性は低い。そのため、A時短遊技状態において「時短当り」に当選した可能性があることを、極力遊技者に知られないようにすることで、「時短当り」に当選したことによって遊技者に与える落胆を軽減することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ただし、低確時短遊技状態では先読み演出が行われないようにすることは必須ではなく、通常遊技状態のみならず低確時短遊技状態や高確低時短遊技状態においても先読み演出が行われるようにしてもよい。また、本実施例では、第1特別図柄についてのみ先読み演出が行われるようにしているが、これに限られず、第2特別図柄についても先読み演出が行われるようにしてもよい。
また、本実施例では、上述したとおり、サブ変動演出パターンとして、時短当り系リーチ、大当り系リーチ、または共通リーチが実行されうる。本実施例では、図15、図54~図56を参照すると分かるように、サブCPU301は、先読み時短当り演出パターンで先読み演出を実行した場合は、サブ変動演出パターンとして、時短当り系リーチを実行し、大当り系リーチを実行しない。また、サブCPU301は、先読み大当り演出パターンで先読み演出を実行した場合は、サブ変動演出パターンとして、大当り系リーチを実行し、時短当り系リーチを実行しない。
また、本実施例において、サブCPU301は、先読み時短当り演出パターンまたは先読み共通当り演出パターンで先読み演出を実行した場合、サブ変動演出パターンとして時短当り系リーチを実行可能である。ただし、サブCPU301は、先読み大当り演出パターンで先読み演出を実行した場合、サブ変動演出パターンとして時短当り系リーチを実行しない。
また、先読み大当り演出パターン(例えば、図56に示される先読み当り種別演出パターン(SAS演出パターン)「37H」)と、先読み時短当り演出パターン(例えば、図56に示される先読み当り種別演出パターン「29H」)と、先読み共通当り演出パターン(例えば、図56に示される先読み演出パターン(SAS演出パターン)「27H」)とのいずれが実行された場合であっても、サブCPU301は、サブ変動演出パターンとして共通リーチ(例えば、図55に示されるサブ変動演出パターン「0AH」、「0BH」)を実行するようにしてもよい。
また、時短当り系リーチを実行し、該時短当り系リーチでハズレを明示した後に、大当り系リーチを実行する演出パターンを設けてもよい。この場合、利益率の高い大当り系リーチが実行されるか否かを最後まで遊技者が期待感をもって遊技を行うことができるようになるため、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、図15に示されるように、先読み演出が実行された始動情報について行われる特別図柄の可変表示(以下「ターゲット変動」と称する)において、共通リーチEが実行された場合、共通リーチCと共通する演出が表示された後、大当り系リーチCと共通する演出に移行可能である。一方、共通リーチCと共通する演出が何ら実行されなかった場合、大当り系リーチCに移行しない。同様に、ターゲット変動において、共通リーチEが実行された場合、共通リーチCと共通する演出が表示された後、時短当り系リーチCと共通する演出に移行可能である。一方、共通リーチCと共通する演出が何ら実行されなかった場合、時短当り系リーチCに移行しない。
ところで、本実施例では、1個の保留画像に対してのみ先読み演出を行うようにしている(S3002を参照)。そのため、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである可能性があることを示す先読み演出態様(以下「大当り先読み演出」と称する)がすでに実行されている場合にも、サブCPU301は、新たな先読み演出を実行しない。なお、複数の保留画像において先読み演出が行われるパチンコ遊技機であったとしても、大当り先読み演出がすでに実行されている場合には、新たな先読み演出を実行しないことが好ましい。
例えば、任意の一の保留(以下「第1の保留」と称する)と、この第1の保留よりも後に特別図柄の可変表示が開始される他の保留(以下「第2の保留」と称する)とを含む複数の保留が存在し、第1の保留において先読み大当り演出パターン(例えば、図56の先読み当り種別演出パターン「17H」)が実行されている場合、第2の保留において先読み演出が実行されたとしても、この第2の保留における先読み演出が意味をなさないものとなる可能性がある。とくに、第1の保留について大当りが導出されて大当り遊技状態に制御され、この大当り遊技状態の終了後にA時短遊技状態に制御された場合、第2の保留について例えば「時短当り」が導出されたとしても、この「時短当り」の恩恵を遊技者が受けることができない可能性があり、この場合、興趣の低下が著しい。そこで、大当り先読み演出がすでに実行されている場合には、大当り先読み演出が実行されている保留よりも後に消化される保留についての先読み演出を実行しないようにすることが好ましい。
なお、第1の保留が大当りの保留(大当りが導出される保留)であったとしても、第1の保留について先読み演出が実行されていない場合には、第2の保留において先読み演出を実行してもよいし、実行しなくてもよい。
また、第1の保留においてガセの大当り先読み演出(例えば、図56の先読み当り種別演出パターン「53H」)が実行されている場合にも、第2の保留において先読み演出を実行しないことが好ましい。
ただし、第1の保留において時短当り先読み演出(例えば、図56の先読み当り種別演出パターン「05H」)が実行されている場合は、第2の保留において大当り先読み演出または時短当り先読み演出を実行してもよい。第1の保留について仮に時短当りが導出されたとしても、それよりも遊技者にとっての利益度合いが高い大当りを期待させることが可能となるためである。
また、第1のパチンコ遊技機では特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含まないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含むパチンコ遊技機においては、第1の保留において小当り先読み演出が実行されている場合にも、第2の保留において大当り先読み演出または時短当り先読み演出を実行してもよい。第1の保留について仮に小当りが導出されたとしても、それよりも遊技者にとっての利益度合いが高い大当りを期待させることが可能となるためである。
また、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りを含む場合、特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである可能性があることを示す先読み演出態様(以下「小当り先読み演出」と称する)が第1の保留において実行されている場合、第2の保留において大当り先読み演出または時短当り先読み演出が実行されるようにしてもよい。第1の保留について仮に小当りが導出されたとしても、それよりも遊技者にとっての利益度合いが高い小当りを期待させることが可能となるためである。
また、サブ変動演出パターンとして大当り系リーチの実行中に例えば第1始動口120に入賞して始動情報が保留された場合、サブCPU301は、この保留について先読み演出を実行しない。
また、本実施例において、サブCPU301は、通常遊技状態でのみ先読み演出を実行する。そのため、特別図柄の可変表示が終了して大当り表示態様が導出されたときに、メインCPU201により行われた先読み判定により「時短当り」であると判定された始動情報が保留されている場合(この段落においてこの保留を「特定保留」と称する)、この特定保留について先読み演出が実行された場合および先読み演出が実行されていない場合のいずれであっても、サブCPU301は、大当り遊技状態の終了後、通常遊技状態でなければ、特定保留に対して先読み演出を実行しない。ただし、サブCPU301は、大当り遊技状態の終了後、通常遊技状態であったとしても、特定保留に対して先読み演出を実行しないことを可能ならしめてもよい。さらには、通常遊技状態以外の遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)において先読み演出を実行するパチンコ遊技機であったとしても、大当り表示態様が導出されたときに特定保留がある場合、サブCPU301は、大当り遊技状態の終了後、特定保留に対して先読み演出を実行しないことを可能ならしめてもよい。
また、特別図柄の可変表示が終了して大当り表示態様が導出されたときに、メインCPU201により行われた先読み判定により「時短当り」であると判定された始動情報が保留されている場合(この段落においてこの保留を「特定保留」と称する)、この特定保留がたとえ「時短当り」の保留であったとしても、メインCPU201は、大当り遊技状態の終了後、「時短当り」に基づくC時短遊技状態に制御されないようにしてもよい。例えば、時短遊技状態が重複した場合に複数の時短遊技状態を重ねて実行しない仕様であって、大当り遊技状態の終了後にA時短遊技状態に制御される場合であれば、特定保留が「時短当り」の保留であったとしても、メインCPU201は、「時短当り」に基づくC時短遊技状態を実行しないこととなる。
[1-10.先読み演出の具体例]
以下に、先読み演出の具体例について、図60~図64を参照して説明する。本実施例では、サブCPU301は、メインCPU201から送信されたコマンドに基づいて、保留画像を用いた先読み演出を実行可能となっている。
[1-10-1.先読み大当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例]
上述したとおり、先読み演出パターンには、先読み当り種別演出パターンと、先読み期待値演出パターンとが含まれる。ここでは先ず、上記の先読み当り種別演出パターンとして、先読み大当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例について、図60を参照して説明する。
図60(a)~図60(f)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、大当りの可能性があることを示す大当り系先読み演出形態が変化する過程を示す図である。なお、図60(a)~図60(f)に示される先読み当り種別演出パターンは、図56の「1CH」、「3CH」、「58H」、または「78H」に相当する。また、図60(a)~図60(f)に示される先読み期待値演出パターンに相当する先読み期待値演出パターンは、図57で図示が省略されている。
図60(a)~図60(f)に示されるように、表示装置7の表示領域7aには、第1保留領域411~第4保留領域414が表示されている。上述したとおり、第1保留領域411~第4保留領域414は、それぞれ、第1サブ保留領域(1)~第1サブ保留領域(4)に保留情報が記憶されているか否かを示す領域である。また、第0領域410は、当該変動に対応する情報が記憶されている第1サブ保留領域(0)に対応する領域である。
本実施例では、第1サブ保留領域に保留情報が記憶されている場合、サブCPU301は、保留情報が記憶されている第1サブ保留領域に対応する保留領域411~414を、三角形で示される保留画像(以下、単に「保留画像」と称する)で表示するようにしている。また、第1サブ保留領域に保留情報が記憶されていない場合、サブCPU301は、保留画像を表示せず、保留領域の枠のみを表示するようにしている。
図60(a)では、第1保留領域411~第3保留領域413に、先読み演出が実行されていない通常の保留画像が表示されており、第4保留領域414には保留画像が表示されておらず枠のみが表示されている。これは、第1サブ保留領域(1)~(3)に保留情報が記憶されており、第1サブ保留領域(4)には保留情報が記憶されていないことを示す。
図60(b)では、図60(a)に示される状態から、第4保留領域414に保留画像が新たに表示されている。これは、図60(a)に示される状態から、第1サブ保留領域(4)に保留情報が新たに記憶されたことを示す。
サブCPU301は、上述したとおり、第1保留領域411~第4保留領域414に示される保留画像の形態(例えば色)を、大当りに対する期待値に応じて異なるように表示している。本実施例では、虹を除いて、色の違いを色の濃淡で図示している。
本実施例では、図60(b)において、第1保留領域411~第3保留領域413に示される保留画像の色は白(期待値レベル「0」)であり、第4保留領域414に示される保留画像の色は青(期待値レベル「1」)である。
図60(c)は、図60(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図60(b)において第4保留領域414に表示されていた保留画像の色が、第3保留領域413にシフトされる際に、青から黄(期待値レベル「2」)に変化したことを示す画像である。
図60(d)は、図60(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図60(c)において第3保留領域413に表示されていた保留画像の色が、第2保留領域412にシフトされる際に、黄から緑(期待値レベル「3」)に変化したことを示す画像である。
図60(e)は、図60(d)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図60(d)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の色が、第1保留領域411にシフトされる際に、緑から赤(期待値レベル「4」)に変化したことを示す画像である。
図60(f)は、図60(e)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図60(e)において第1保留領域411に表示されていた保留画像の色が、第0領域410にシフトされる際に、赤から虹(期待値レベル「5」)に変化したことを示す画像である。
また、大当りに対する期待値を示す保留画像の色(期待値レベル)は、必ずしも、保留がシフトする際に変化させる必要はなく、例えば、当該変動の特別図柄の可変表示中に変化させてもよい。
また、図60では、大当り系先読み演出形態を変化させて、大当りが導出される期待値の変化を示すようにしたが、これに代えてまたは加えて、大当り系先読み演出形態から大当確定先読み演出形態に変化する先読み演出がサブCPU301により実行されるようにしてもよい。この場合、大当り確定先読み演出形態に変化する前であれば、期待値レベルもあわせて変化させるようにしてもよい。
[1-10-2.先読み時短当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例]
次に、上記の先読み当り種別演出パターンとして、先読み時短当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例について、図61を参照して説明する。
図61(a)~図61(f)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、時短当りの可能性があることを示す時短当り系先読み演出形態が変化する過程を示す図である。なお、図61(a)~図61(f)に示される先読み時短当り種別演出パターンは、図56の「0EH」、「2EH」、「4AH」、または「6AH」に相当する。また、図61(a)~図61(f)に示される先読み期待値演出パターンに相当する先読み期待値演出パターンは、図57で図示が省略されている。
図61(a)では、第1保留領域411~第3保留領域413に、先読み演出が実行されていない通常の保留画像が表示されており、第4保留領域414には保留画像が表示されておらず枠のみが表示されている。
図61(b)では、図61(a)に示される状態から、第4保留領域414に保留画像が新たに表示されている。サブCPU301は、上述したとおり、第1保留領域411~第4保留領域414に示される保留画像の形態(例えば形状)を、時短当りに対する期待値に応じて異なるように表示している。
このように、本実施例では、大当りに対する期待値については保留画像の色であらわし、時短当りに対する期待値については保留画像の形状であらわしている。
本実施例では、図61(b)において、第1保留領域411~第3保留領域413に示される保留画像の形状は三角形(期待値レベル「0」)であり、第4保留領域414に示される保留画像の形状は四角形(期待値レベル「1」)である。
図61(c)は、図61(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図61(b)において第4保留領域414に表示されていた保留画像の形状が、第3保留領域413にシフトされる際に、四角形から五角形(期待値レベル「2」)に変化したことを示す画像である。
図61(d)は、図61(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図61(c)において第3保留領域413に表示されていた保留画像の形状が、第2保留領域412にシフトされる際に、五角形から六角形(期待値レベル「3」)に変化したことを示す画像である。
図61(e)は、図61(d)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図61(d)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の形状が、第1保留領域411にシフトされる際に、六角形から円(期待値レベル「4」)に変化したことを示す画像である。
図61(f)は、図61(e)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図61(e)において第1保留領域411に表示されていた保留画像の形状が、第0領域410にシフトされる際に、円から星(期待値レベル「5」)に変化したことを示す画像である。
なお、時短当りに対する期待値を示す保留画像の形状は、必ずしも、「四角形<五角形<六角形<円<星」の順に1つずつ変化させていく必要はなく、例えば「五角形→円」に変化させてもよい。
また、時短当りに対する期待値を示す保留画像の形状(期待値レベル)は、必ずしも、保留がシフトする際に変化させる必要はなく、例えば、当該変動の特別図柄の可変表示中に変化させてもよい。
また、図61では、時短当り系先読み演出形態を変化させて、時短当りが導出される期待値の変化を示すようにしたが、これに代えてまたは加えて、例えば以下に示される先読み演出がサブCPU301により実行されるようにしてもよい。この場合、大当り確定先読み演出形態に変化する前であれば、期待値レベルもあわせて変化させるようにしてもよい。
・時短当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に変化する先読み演出。
・時短当り系先読み演出形態から大当確定先読み演出形態に変化する先読み演出。
・時短当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に変化し、さらにその後、大当確定先読み演出形態に変化する先読み演出。
[1-10-3.先読み共通当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例]
次に、上記の先読み当り種別演出パターンとして、先読み共通当り演出パターンで先読み演出が行われる場合の具体例について、図62を参照して説明する。
図62(a)~図62(d)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、大当りおよび時短当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に保留画像が変化する過程を示す図である。共通当り系先読み演出形態の変化には、当り(時短当り、大当り)の期待値レベルが変化するものと、当りの種類が大当りであるか時短当りであるかが明瞭なものに変化するものとが含まれる。なお、図62(a)~図62(d)に示される先読み当り種別演出パターンは、図56の「15H」、「35H」、「51H」、または「71H」に相当し、図62(a)~図62(d)に示される先読み期待値演出パターンは、図57の「43H」に相当する。
本実施例では、大当りおよび時短当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態として、大当りに対する期待値レベルを示す色と、時短当りに対する期待値レベルを示す形状との両方を表示することで、あらわしている。
図62(a)では、第1保留領域411および第2保留領域412に、先読み演出が実行されていない通常の保留画像が表示されており、第3保留領域413および第4保留領域414には保留画像が表示されておらず枠のみが表示されている。
図62(b)では、図62(a)に示される状態から、第3保留領域413に保留画像が新たに表示されている。サブCPU301は、第1保留領域411~第4保留領域414に示される保留画像の形態(例えば色および形状)を、当り(大当りまたは時短当り)に対する期待値に応じて異なるように表示している。本実施例では、先読み演出が実行されない場合または当りに対する期待値が最も低い場合、保留画像を白の三角形で表示し、「青の四角形<黄の五角形<緑の六角形<赤の円<虹の星」の順で短当りに対する期待値が高くなる。
本実施例では、図62(b)において、第1保留領域411および第2保留領域412に示される保留画像の形態は、白の三角形(期待値レベル「0」)であり、第3保留領域413に示される保留画像の形態は、黄の五角形(期待値レベル「2」)である。
図62(c)は、図62(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図62(b)において第3保留領域413に表示されていた保留画像の形態が、第2保留領域412にシフトされる際に、黄の五角形から緑の六角形(期待値レベル「3」)に変化したことを示す画像である。
図62(d)は、図62(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図62(c)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の形態が、第1保留領域411にシフトされる際に、緑の六角形(期待値レベル「3」の共通当り系先読み演出形態)から虹の三角形(期待値レベル「5」の大当り系先読み演出形態)に変化したことを示す画像である。
すなわち、図62(b)および図62(c)に示される先読み演出は、保留画像の形態が大当りに対する期待値を示す形態であるのか時短当りに対する期待値を示す形態であるのかを、保留画像の形態から把握することが困難な演出である。これに対し、図62(d)に示される先読み演出は、保留画像の形態が大当りに対する期待値を示すものであって、しかもその期待値が極めて高い形態(例えば期待値レベル「5」)であることを把握することが可能なものである。
このように、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果に応じて、先読み演出を、時短当りに対する期待値を示す先読み時短当り演出パターンと、大当りに対する期待値を示す先読み大当り演出パターンと、当り(大当りまたは時短当り)に対する期待値を示す先読み共通当り演出パターンとのうち、いずれかのパターンで先読み演出を実行可能に構成されている。そして、先読み共通当り演出パターンで先読み演出が実行された場合には、大当り系先読み演出形態と時短当り系先読み演出形態とのいずれに保留画像が変化していくのかといった面白みを遊技者に持たせることができ、興趣を高めることが可能となる。
なお、時短当りに対する期待値を示す保留画像の形態は、必ずしも、「青の四角形<黄の五角形<緑の六角形<赤の円<虹の星」の順に1つずつ変化させていく必要はなく、例えば、「黄の五角形(共通当り系先読み演出形態)→赤の三角形(大当り系先読み演出形態)」に変化させてもよいし、「緑の六角形(共通当り系先読み演出形態)→三角形の星(時短当り系先読み演出形態)」に変化させてもよい。また、当りに対する期待値を示す保留画像の形態を、必ずしも、最も期待値の低い青の四角形から開始させる必要はなく、例えば赤の円から開始させるようにしてもよい。
また、当りに対する期待値を示す保留画像の形態は、必ずしも、保留がシフトする際に変化させる必要はなく、例えば、当該変動の特別図柄の可変表示中に変化させてもよい。
また、図62では、共通当り系先読み演出形態を変化させて、いずれかの当り(大当りまたは時短当り)が導出される期待値を変化させたり、期待できる当りが不明の状態から大当りに変化させたりしているが、これに代えてまたは加えて、例えば以下に示される先読み演出がサブCPU301により実行されるようにしてもよい。この場合、大当り確定先読み演出形態に変化する前であれば、期待値レベルもあわせて変化させるようにしてもよい。
・共通当り系先読み演出形態から大当り確定先読み演出形態に変化する先読み演出。
・共通当り系先読み演出形態からから大当り系先読み演出形態に変化し、さらにその後、大当確定先読み演出形態に変化する先読み演出。
[1-10-4.共通当り系先読み演出形態の変形例]
なお、保留画像の形態として、大当りおよび時短当りのいずれについても可能性があることを示す共通当り系先読み演出形態は、必ずしも、大当りに対する期待値を示す色と、時短当りに対する期待値を示す形状との両方であらわす形態に限定されない。これに代えて、例えば、専用の共通当り系先読み演出形態を設けるようにしてもよい。専用の共通当り系先読み演出形態を設ける場合、大当りと時短当りとの両方に期待感を持てることができるようになるとともに、それぞれの期待値が不明であることから、今後の演出態様の変化に期待感を持って遊技を行うことができるようになり、興趣を向上することができる。
図63(a)~図63(d)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、専用の共通当り系先読み演出形態から大当り系先読み演出形態に保留画像が変化する過程を示す図である。なお、図63(a)~図63(d)に示される先読み当り種別演出パターンは、図56の「15H」、「35H」、「51H」、または「71H」に相当し、図63(a)~図63(d)に示される先読み期待値演出パターンは、図57または図58の「31H」に相当する。
また、図64(a)~図64(d)は、表示装置7の表示領域7aに表示される先読み演出パターンの一例であって、専用の共通当り系先読み演出形態から時短当り系先読み演出形態に保留画像が変化する過程を示す図である。なお、図64(a)~図64(d)に示される先読み当り種別演出パターンは、図56の「07H」、「27H」、「43H」、または「63H」に相当し、図64(a)~図64(d)に示される先読み期待値演出パターンは、図57または図58の「31H」に相当する。
図63(a)および図64(a)では、第1保留領域411および第2保留領域412に、先読み演出が実行されていない通常の保留画像が表示されており、第3保留領域413および第4保留領域414には保留画像が表示されておらず枠のみが表示されている。
図63(b)では、図63(a)に示される状態から、第3保留領域413に保留画像が新たに表示されている。
同様に、図64(b)では、図64(a)に示される状態から、第3保留領域413に保留画像が新たに表示されている。
図63(b)および図64(b)でのいずれにおいても、第3保留領域413に示される保留画像の形態は、専用の共通当り系先読み演出形態であって、例えば光り輝く形態である。光の輝度の度合いを変更することにより、期待値レベルを変えることができる。
図63(c)は、図63(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図63(b)において第3保留領域413に表示されていた専用の共通当り系先読み演出形態が、そのままの形態で第2保留領域412にシフトされていることを示す画像である。
同様に、図64(c)は、図64(b)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図64(b)において第3保留領域413に表示されていた専用の共通当り系先読み演出形態が、そのままの形態で第2保留領域412にシフトされていることを示す画像である。
図63(d)は、図63(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図63(c)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の形態が、第1保留領域411にシフトされる際に、専用の共通当り系先読み演出形態から赤の三角形(大当りの期待値レベル「4」)に変化したことを示す画像である。
一方、図64(d)は、図64(c)に示される状態から保留が1つシフトされた画像であって、図64(c)において第2保留領域412に表示されていた保留画像の形態が、第1保留領域411にシフトされる際に、専用の共通当り系先読み演出形態から白の円(時短当りの期待値レベル「4」)に変化したことを示す画像である。
このように、先読み演出形態を専用の共通当り系先読み演出形態であらわすようにした場合であっても、専用の共通当り系先読み演出形態から、大当り系先読み演出形態および時短当り系先読み演出形態のいずれに変化していくのかといった面白みを遊技者に持たせることができ、興趣を高めることが可能となる。
[1-11.機外に出力される信号]
次に、外部端子板184(図6参照)から第1のパチンコ遊技機の機外(例えば、ホールコンピュータ186(図6参照)、各島に設けられる島コンピュータ(不図示))に出力される信号について説明する。なお、本実施例では、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号について説明するが、第1のパチンコ遊技機の機外からの信号を入力可能であってもよい。
本実施例において、外部端子板184(図6参照)は、第1のパチンコ遊技機の機外に信号を出力するためのコネクタとしてCH1~CH12を有する。外部端子板184の各CHから第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号は、例えば、「賞球情報1」、「扉・枠開放」、「外部情報1」~「外部情報8」、「賞球情報2」および「セキュリティ」の各種信号である。ただし、各CHから第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号の種類は、これらに限られず、これらの信号の他に機外に出力される信号があってもよいし、これらのうちのいずれかの信号が出力されないように構成されていてもよい。
図65は、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号の出力条件の一例を示す表である。図65に示されるように、CN1からは「賞球情報1」の信号が出力され、CH2からは「扉・枠開放」の信号が出力され、CH3~CH10からはそれぞれ「外部情報1」~「外部情報8」の各信号が出力され、CH11からは「賞球情報2」の信号が出力され、CH12からは「セキュリティ」の信号が出力される。なお、第1のパチンコ遊技機から機外への信号の出力条件は、図65に示されるとおりである。
次に、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号のタイミングチャートの一例を、「賞球情報1」の信号を例に挙げて説明する。なお、図65に示されるように、本実施例では、「賞球情報1」の信号は、賞球払出10個毎に120msec出力される。
図66は、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号のうち、「賞球情報1」の信号のタイミングチャートの一例である。
図66に示されるように、払出検出スイッチ(不図示)は、賞球が1個払い出される都度、オフからオンになる。なお、上述したとおり、本実施例では、大入賞口131(図4参照)に遊技球が入賞した場合は例えば10個の賞球が払い出され、始動口(第1始動口120または第2始動口140(いずれも図4参照))に遊技球が入賞した場合は例えば3個の賞球が払い出され、一般入賞口122(図4参照)に遊技球が入賞した場合は例えば4個の賞球が払い出される。
そして、メインCPU201(図6参照)は、賞球が10個払い出される都度、「賞球情報1」の信号を、例えば120msecの間、第1のパチンコ遊技機の機外に出力する。より詳しくは、メインCPU201は、「賞球情報1」の信号の前回の出力時を起点として10個目の賞球の払出検出スイッチがオンになったタイミングで、例えば120msecの間、「賞球情報1」の信号を出力する。なお、「賞球情報1」の信号を、10個目の賞球の払出検出スイッチがオンになったタイミングで出力することは一例にすぎず、例えば10個目の賞球の払出検出スイッチがオンになってからオフになるまでの間であればよい。また、「賞球情報1」の信号を、賞球が10個払い出される都度出力したり120msecの間出力することについても一例にすぎず、「賞球情報1」の信号の出力タイミングや出力時間については適宜設定することができる。
次に、第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号の一つである「セキュリティ」の信号の一例について説明する。「セキュリティ」の信号は、主としてエラー発生時に出力される信号である。
図67は、第1のパチンコ遊技機におけるエラーの概要の一例を示す表であって、より詳しくは、エラー名称毎に、主制御回路200での発生契機、主制御回路200(図6参照)での解除契機、「セキュリティ」の信号(図67では「セキュリティ信号」と図示)の出力時間および備考を示す表である。
なお、第1のパチンコ遊技機は小当り用大入賞口を備えないが、図67には、便宜上、小当り用大入賞口異常入賞エラーについても記載している。また、図67では、大入賞口131を大当り用大入賞口と記載している。
なお、図67に示されるエラーの概要は一例であって、これらのうちの一部のみをエラーであると判断するようにしてもよいし、例えば、図67に示されないものをエラーと判断するようにしてもよい。図67に示されないもののエラーと判断されるものとしては、例えば、ソレノイド監視センサ(不図示)が所定時間以上にわたってオンまたはオフであったりした場合のソレノイド監視センサエラー、大入賞口(大当り用大入賞口または小当り用大入賞口)の内部に未排出の遊技球があったり大入賞口未開放時に大入賞口内に入賞があった場合の大入賞口入排出異常エラー、振動センサが所定時間にわたってオンである場合の振動センサエラー等が相当する。また、例えば大当り用大入賞口内に特定領域を設け、大当り遊技制御の実行中に特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、大当り遊技制御の終了後に確変制御が実行される仕様である場合には、特定領域への通過異常や、大当り用大入賞口の内部に未排出の遊技球が存在しないにもかかわらず特定領域を遊技球が通過した場合等にも、エラーと判断するように構成すると好ましい。
メインCPU201(図6参照)は、エラーが発生したと判断すると、サブCPU301(図6参照)に不正検知関連コマンドを送信する。不正検知関連を受信したサブCPU301は、エラーの内容に応じた報知制御を実行する。
以下に、大当り用大入賞口異常入賞エラーが発生した場合を例に挙げて、メインCPU201およびサブCPU301(いずれも図6参照)による制御について簡単に説明する。
図67に示されるように、例えば、初期電源投入後、1回目の大当り用大入賞口が開放される前に1個の入賞検出があると、メインCPU201(図6参照)は、大当り用大入賞口異常入賞エラーが発生したと判断し、「セキュリティ」の信号を、12秒の間出力する。また、大当り用大入賞口異常入賞エラーが発生したことを示す不正検知関連コマンドをサブCPU301(図6参照)に送信する。
なお、本実施例では、図67に示されるように、いずれのエラーであっても「セキュリティ」の信号の出力時間が12秒であるため、機外の装置(例えば、ホールコンピュータ186(図6参照)や島コンピュータ(不図示))は、「セキュリティ」の信号を受信することによってエラーの発生を把握することはできるものの、エラーの内容まで把握することができない。ただし、これに限られず、例えば、「セキュリティ」の信号の出力時間をエラーの内容に応じて変える等により、「セキュリティ」の信号を受信した機外の装置がエラーの内容を把握できるようにしてもよい。
サブCPU301(図6参照)は、例えば大当り用大入賞口異常入賞エラーを示す不正検知関連コマンドを受信すると、例えば以下に示す報知制御の全部または一部を実行し、不正検知関連コマンドを受信してから例えば30秒経過すると、以下に示す報知制御を終了する。
・表示制御回路304を介して表示装置7(いずれも例えば図6参照)に例えば「大入賞口異常入賞エラー」の文字を表示する報知制御。
・音声制御回路305を介してスピーカ32(いずれも例えば図6参照)から例えば「大入賞口異常入賞エラーです」の音声を出力する報知制御。
・音声制御回路305を介してスピーカ32から例えばビープ音を出力する報知制御。
・LED制御回路306を介してLED群46(いずれも例えば図6参照)を例えば赤色で全点灯させる報知制御。
なお、不正検知関連コマンドを受信してから例えば30秒経過する前に電断があった場合、サブCPU301は、上述の報知制御を終了する。
また、サブCPU301は、例えば、大当り用大入賞口異常入賞エラーの発生を示す上述の報知制御の実行中に、大当り用大入賞口異常入賞エラーを示す不正検知関連コマンドを受信した場合、上述の報知制御を再度実行し直す。
次に、遊技状態に応じて第1のパチンコ遊技機の機外に出力される信号について、図68を参照して説明する。図68は、第1のパチンコ遊技機において、遊技状態に応じて機外に出力される信号の出力条件の一例を示す表である。図68において、出力される信号を〇で示し、出力されない信号を×で示す。
図68に示されるように、本実施例では、メインCPU201により制御される遊技の状態に応じて、出力される信号が異なっている。例えば、通常遊技状態中(大当り・小当り中以外、確変・時短中以外)はいずれの信号も出力されず、低確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)は「外部情報3」および「外部情報7」の信号が出力され、高確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)は「外部情報3」、「外部情報5」および「外部情報7」の信号が出力され。また、高確非時短遊技状態に制御可能なパチンコ遊技機では、高確非時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)は「外部情報3」および「外部情報6」の信号が出力される。
このように、メインCPU201により制御される遊技の状態に応じて出力される信号が異ならせることにより、信号を受信可能な機外の装置(例えば、ホールコンピュータ186(図6参照)や島コンピュータ(不図示))は、外部情報送信元のパチンコ遊技機における遊技の状態を把握することが可能となる。
なお、本実施例では、図68に示されるように、小当り遊技制御処理中(通常遊技状態中)に出力される信号は、通常遊技状態中(大当り・小当り中以外、確変・時短中以外)に出力される信号と同じである。同様に、小当り遊技制御処理中(低確時短遊技状態中)に出力される信号は、低確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)に出力される信号と同じであり、小当り遊技制御処理中(高確時短遊技状態中)に出力される信号は、高確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)に出力される信号と同じであり、小当り遊技制御処理中(高確非時短遊技状態中)に出力される信号は、高確非時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)に出力される信号と同じである。すなわち、信号を受信可能な機外の装置(例えば、ホールコンピュータ186(図6参照)や島コンピュータ(不図示))は、外部情報送信元のパチンコ遊技機において、小当り遊技制御処理が実行されているか否かを把握することができない。ただし、これに代えて、小当り遊技制御処理中に出力される信号を、小当り遊技制御処理中でない場合に出力される信号と異ならせることにより、外部情報送信元のパチンコ遊技機において小当り遊技制御処理が実行されているか否かを、信号を受信可能な機外の装置側で把握できるようにしてもよい。
また、図68に示される低確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)、高確時短遊技状態中(大当り中以外、小当り中以外)、小当り遊技制御処理中(低確時短遊技状態中)および小当り遊技制御処理中(高確時短遊技状態中)は、時短制御の実行中に出力される信号である。この場合、電サポ制御および特図短縮制御の両方が実行されている場合に時短制御の実行中であるとしてもよいし、電サポ制御および特図短縮制御のうち電サポ制御のみが実行されている場合に時短制御の実行中であるとしてもよいし、電サポ制御および特図短縮制御のうち特図短縮制御のみが実行されている場合に時短制御の実行中であるとしてもよい。
また、上述の第1のパチンコ遊技機についての説明では、メインCPUの制御により、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とに制御可能である(A時短遊技状態の機能、B時短遊技状態の機能、及びC時短遊技状態の機能が搭載されている)ことを前提として説明したが、これに限られない。例えば、A時短遊技状態の機能、B時短遊技状態の機能、及びC時短遊技状態の機能のうち、いずれか一つの機能(例えば、A時短遊技状態の機能)のみを搭載し、他の機能(例えば、B時短遊技状態の機能及びC時短遊技状態の機能)については搭載しないパチンコ遊技機であってもよい。また、A時短遊技状態の機能、B時短遊技状態の機能、及びC時短遊技状態の機能のうち、二つの機能(例えば、A時短遊技状態の機能、及び、B時短遊技状態の機能またはC時短遊技状態の機能)のみを搭載し、他の機能(例えば、B時短遊技状態の機能またはC時短遊技状態の機能)については搭載しないパチンコ遊技機であってもよい。
また、例えばST機と呼ばれるパチンコ遊技機のように、大当り遊技状態の終了後、100%の確率で確変フラグがオンにセットされるパチンコ遊技機では、A時短遊技状態の機能、B時短遊技状態の機能、及びC時短遊技状態の機能のいずれも搭載しないように構成してもよい。
[2.第2のパチンコ遊技機]
次に、第2のパチンコ遊技機について説明する。第2のパチンコ遊技機は、上述したとおり、デジパチと称される所謂1種タイプのパチンコ遊技機である。ただし、第2のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能である点において第1のパチンコ遊技機と異なる。それ故、遊技盤ユニットおよび電気的構成についても、第1のパチンコ遊技機と異なる点がある。
以下、第2のパチンコ遊技機を説明するにあたり、例えば外枠2およびベースドア3等の基本構成等、並びに、外部端子板1184(後述の図70参照)から第2のパチンコ遊技機の機外(例えば、ホールコンピュータ1186(後述の図70参照)や各島に設けられる島コンピュータ(不図示))に出力される信号等のように、機能、形状および配置位置等が第1のパチンコ遊技機と共通する点については極力説明を省略するものとする。
また、第2のパチンコ遊技機を説明するにあたり、第1のパチンコ遊技機の説明で用いた図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と同じ符号およびステップ番号を用いて説明する。ただし、第2のパチンコ遊技機の説明において新たに採用した図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と機能等が共通する構成であったとしても、第1のパチンコ遊技機と異なる符号およびステップ番号を用いて説明するものとする。
ところで、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能なパチンコ遊技機としては、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示が保留されている場合に、例えば第1特別図柄の始動条件よりも第2特別図柄の始動条件が優先して成立するパチンコ遊技機(以下、「優先変動機」と称する)と、第1始動口および第2始動口を含めて入賞順に始動条件が成立するパチンコ遊技機(以下、「順次変動機」と称する)とがある。
[2-1.遊技盤ユニット]
図69は、第2のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット1010の外観を示す正面図の一例である。図69に示されるように、遊技盤ユニット1010には遊技領域1105が形成されている。
なお、第2のパチンコ遊技機の遊技領域1105に配置される各種部材(例えば第1始動口1120等)は、第1のパチンコ遊技機の遊技領域105(図4参照)に配置される各種部材と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図69に示されるように、遊技盤ユニット1010は、主として、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域1105が形成される遊技パネル1100と、ガイドレール1110と、遊技領域1105の略中央部に配置されるセンター役物1115と、第1始動口1120と、一般入賞口1122と、通過ゲートユニット1125と、特別電動役物ユニット1130と、第2始動口1140A,1140Bと、普通電動役物ユニット1145と、小当りユニット1150と、LEDユニット1160と、アウト口1178と、遊技盤ユニット1010の後方に配置される裏ユニット(図示せず)とを備える。なお、LEDユニット1160については第1のパチンコ遊技機のLEDユニット160と同様であり、この第2のパチンコ遊技機では説明を省略する。
(遊技パネル)
遊技パネル1100には、表示装置1007の表示領域が臨む位置に開口(参照符号なし)が形成されている。また、遊技パネル1100の前面には、ガイドレール1110が設けられるとともに遊技釘(参照符号なし)等が植設されている。発射装置6(図1、図2参照)から発射された遊技球は、ガイドレール1110から遊技領域1105に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域1105の下方に向けて流下する。
また、遊技パネル1100の後方には、演出効果を高めるために装飾体が設けられた裏ユニット(図示せず)が配置されている。遊技パネル1100は、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できるように透明樹脂で構成されている。この場合、遊技パネル1100の全部が透明部材で構成されていてもよいし、例えば、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できる部位のみが透明部材で構成されていてもよい。また、遊技パネル1100を、透明部分を有さない部材(例えば木製)で構成し、一部に透明部材を設けて演出効果を高めるようにしてもよい。
(ガイドレール)
ガイドレール1110は、円弧状の外レールおよび内レール(いずれも参照符号なし)により構成される。遊技領域1105は、ガイドレール1110によって区画(画定)される。外レールおよび内レールは、発射装置1006(後述の図70参照)から発射された遊技球を遊技領域1105の上部に案内する機能を有する。
(センター役物)
センター役物1115は、遊技パネル1100の開口(参照符号なし)にはめ込まれるように構成されており、上方には円弧状のセンターレール1116を備えている。遊技領域1105に向けて発射された遊技球は、センターレール1116によって左右に振り分けられる。
発射装置1006によって遊技領域1105に向けて発射された遊技球は、左側領域1106または右側領域1107を流下する。左側領域1106または右側領域1107を流下する遊技球は、遊技パネル1100に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射ハンドル62(図1、図2参照)の操作量が小さい場合、発射された遊技球は左側領域1106を流下する。一方、発射ハンドル62の操作量が大きい場合、発射された遊技球は右側領域1107を流下する。
また、センター役物1115には、左側の外周縁部に、左側領域1106を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口1117が形成されている。ワープ入口1117に進入した遊技球は、センター役物1115に形成されたステージ1118に誘導可能に構成されている。ステージ1118は、表示装置1007の表示領域の下方前方において遊技球が左右方向に転動可能に形成されている。なお、ステージ1118は、例えば、上段側のステージおよび下段側のステージといったように、複数段で形成されていてもよい。
ステージ1118の左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口1119が形成されており、チャンス入口1119に進入した遊技球は、第1始動口1120の直上に放出されるように構成されている。そのため、チャンス入口1119に進入した遊技球は、ワープ入口1117に進入しなかった遊技球や、ワープ入口1117に進入したもののチャンス入口1119に進入しなかった遊技球と比べて高い確率で第1始動口1120に入賞(通過)するようになっている。
(第1始動口)
第1始動口1120は、表示装置1007の表示領域の下方に配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。第1始動口1120に遊技球が入賞すると、第1始動口スイッチ1121(後述の図70参照)により検出される。なお、右打ちされた遊技球が第1始動口1120に入賞可能であってもよい。また、上記の第1始動口1120に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)な第1始動口を備えるようにしてもよい。
第1始動口スイッチ1121(後述の図70参照)により第1始動口1120への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、始動条件が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理に供される。第1始動口1120に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第1始動口1120への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
(一般入賞動口)
一般入賞口1122は、表示装置1007の表示領域の左下方に複数配置されており、左打ちされた遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。一般入賞口1122に遊技球が入賞すると、一般入賞口スイッチ1123(後述の図70参照)により検出される。
一般入賞口スイッチ1123(後述の図70参照)により一般入賞口1122への遊技球の入賞(通過)が検出されると、例えば4個の賞球が払い出されるが、一般入賞口1122への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は4個に限られない。
また、本実施例において、一般入賞口1122は、右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能となるように配置されているが、必ずしもこれに限られず、上記の一般入賞口1122に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能な一般入賞口を備えてもよい。
(通過ゲートユニット)
通過ゲートユニット1125は、右側領域1107に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように構成された通過ゲート1126と、通過ゲート1126への遊技球の通過を検出する通過ゲートスイッチ1127(後述の図70参照)とを一体化したユニット体である。
通過ゲートスイッチ1127により通過ゲート1126への遊技球の通過が検出されると、普通図柄の始動情報が抽出され、抽出された普通図柄の始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された普通図柄の始動情報は、普通図柄の当り判定処理に供される。なお、通過ゲートスイッチ1127により通過ゲート1126への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。また、通過ゲートユニット1125は、右側領域1107に代えてまたは加えて左側領域1106に配置されていてもよい。
また、通過ゲート1126を、役物連続作動装置を作動させるための契機となるように機能させてもよい。すなわち、大当りでない遊技状態(例えば通常遊技状態等)から大当り遊技状態への移行条件は、条件装置および役物連続作動装置の両方が作動することであるが、大当りであることを示す停止表示態様(図柄組合せ)が導出された際に、条件装置については作動させるものの役物連続作動装置については作動させないようにすることができる。そして、条件装置が作動していることを前提として、通過ゲート1126への遊技球の通過すなわち通過ゲートスイッチ1127(後述の図70参照)により遊技球が検出されたことをもって役物連続作動装置を作動させて、大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。
(特別電動役物ユニット)
特別電動役物ユニット1130は、大当り用大入賞口1131と、大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞(通過)を検出する大当り用大入賞口カウントスイッチ1132(後述の図70参照)と、特別電動役物1133とを一体化したユニット体である。特別電動役物ユニット1130は、右側領域1107において、通過ゲートユニット1125よりも下方に配置されている。
大当り用大入賞口1131は、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。ただし、これに限定されるものではなく、上記の大当り用大入賞口1131に代えてまたは加えて、左打ちされた遊技球が入賞可能な大当り用大入賞口を配置したり、センター役物1115の上部において遊技球が入賞可能な大当り用大入賞口を配置するようにしてもよい。
また、大当り用大入賞口1131は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態に制御されているときに所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞(通過)可能となるように開放される入賞口である。大当り用大入賞口カウントスイッチ1132(後述の図70参照)により大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞が検出されると、例えば10個の賞球が払い出される。ただし、大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は10個に限られない。
特別電動役物1133は、前後方向に進退可能な特電用シャッタ1134と、この特電用シャッタ1134を作動させる特電用ソレノイド1135(後述の図70参照)とを備える。特別電動役物1133すなわち特電用シャッタ1134は、大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、大当り用大入賞口1131への遊技球の入賞(通過)が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、大当り用大入賞口1131の閉鎖状態から開放状態への状態移行は、所定のラウンド数にわたって行われる。すなわち、大当り遊技状態は、大当り用大入賞口1131が閉鎖状態から所定期間にわたって開放状態に移行するラウンド遊技を複数ラウンドにわたって行うことにより、多量の遊技球を賞球として払い出すことを可能にした遊技状態である。
(第2始動口)
本実施例では、第2始動口として、第2始動口1140Aおよび第2始動口1140Bが遊技領域1105に配置されており、これらの第2始動口1140A,1140Bは、いずれも、右打された遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となっている。ただし、これに限られず、左打ちされた遊技球が第2始動口1140Aまたは/および第2始動口1140Bに入賞可能であってもよい。
第2始動口1140Aに遊技球が入賞すると、第2始動口スイッチ1141A(後述の図70参照)により検出される。また、第2始動口1140Bに遊技球が入賞すると、第2始動口スイッチ1141B(後述の図70参照)により検出される。第2始動口1140A,1140Bのいずれに遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄の当り判定処理の契機となる。
第2始動口スイッチ1141A,1141B(後述の図70参照)により第2始動口1140A,1140Bへの遊技球の入賞(通過)が検出されると、第2特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、第2特別図柄の当り判定処理に供される。第2始動口1140Aに遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。一方、第2始動口1140Bに遊技球が入賞すると例えば1個の賞球が払い出される。ただし、第2始動口1140A,1140Bへの遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
ところで、本実施例では、右打ちされたものの大当り用大入賞口1131に入賞しなかった遊技球の流下方向としての下流側には、遊技球の流下経路として上下に2つの流下経路1107a,1107bが形成されている。右打ちされて大当り用大入賞口1131に入賞せずにさらに下流側に向けて流下した遊技球は、例えば図69に示される分岐釘1108によって、上方の流下経路1107aまたは下方の流下経路1107bに振り分けられる。
第2始動口1140Aは、上方の流下経路1107aに振り分けられた遊技球が入賞可能に配置されており、上方の流下経路1107aを流下する遊技球の殆どが入賞可能となっている。ただし、上方の流下経路1107aを流下する遊技球の殆どが第2始動口1140Aに入賞するように構成することは必須ではなく、例えば、第2始動口1140Aへの入賞が殆ど期待できない構成であってもよいし、上方の流下経路1107aを流下する遊技球のうち所定の期待値(例えば、概ね3分の1~5分の1)で入賞可能な構成であってもよい。なお、上方の流下経路1107aを流下したものの第2始動口1140Aに入賞しなかった遊技球は、アウト口1178から機外に排出されるように構成されている。
第2始動口1140Bは、下方の流下経路1107bに振り分けられた遊技球が入賞可能に配置されているが、その詳細については普通電動役物ユニット1145の説明において後述する。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット1145は、下方の流下経路1107b側に配置されており、遊技球が入賞(通過)することによって所定数の遊技球が賞球として払い出される入賞口と、この入賞口への遊技球の入賞を検出するスイッチと、普通電動役物1146とを一体化したユニット体である。本実施例では、上記の入賞口を第2始動口1140Bとし、上記のスイッチを第2始動口スイッチ1141Bとしている。ただし、上記の入賞口を第2始動口1140Bとすることは必須ではなく、例えば第1始動口を上記の入賞口としてもよい。
普通電動役物1146は、前後方向に進退可能な突出板型の普電用シャッタ1147と、この普電用シャッタ1147を作動させる普電用ソレノイド1148(後述の図70参照)とを備える。普通電動役物1146すなわち普電用シャッタ1147は、第2始動口1140Bへの遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、第2始動口1140Bへの遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、前後方向に進退可能な上記の普電用シャッタ1147に代えて、所謂電動チューリップと呼ばれる例えば羽根部材からなる可動部材を採用してもよい。また、可動部材は、一対に限られず、羽根型、扉型、突出板型等を含む。
(小当りユニット)
小当りユニット1150は、小当り用大入賞口1151と、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞(通過)を検出する小当り用大入賞口カウントスイッチ1152(後述の図70参照)と、前後方向に進退可能な小当り用シャッタ1153と、この小当り用シャッタ1153を作動させることが可能な小当り用ソレノイド1154とを一体化したユニット体である。
小当り用シャッタ1153は、前後方向に進退させることで、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。
小当り用大入賞口1151が開放されたときに遊技球が入賞すると、入賞した遊技球が小当り用大入賞口カウントスイッチ1152(後述の図70参照)に検出される。小当り用大入賞口カウントスイッチ1152に遊技球が検出されると、例えば10個の賞球が払い出される。ただし、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は10個に限られない。
また、小当りユニット1150は、下方の流下経路1107bであって普通電動役物ユニット1145の下流側に配置されている。したがって、普通電動役物1146の作動によって第2始動口1140Bが開放されている場合、たとえ小当り用大入賞口1151が開放されていたとしても、下方の流下経路1107bを流下した遊技球は小当り用大入賞口1151に到達する前に、上流側に設けられる第2始動口1140Bに入賞するため、小当り用大入賞口1151に入賞することが困難(または不可能)となる。
なお、本実施例では、大当り用大入賞口1131と小当り用大入賞口1151とをそれぞれ別に設けているが、これに限られず、大当り遊技制御処理の実行時に開放される大入賞口と、小当り遊技制御処理の実行時に開放される大入賞口とを、同じ大入賞口としてもよい。
(アウト口)
アウト口1178は、遊技領域1105に向けて発射されたものの各種入賞口(例えば、第1始動口1120、第2始動口1140A,1140B、大当り用大入賞口1131、一般入賞口1122等)のいずれにも入賞しなかった遊技球を、機外に排出するためのものである。このアウト口1178は、左打ちされた遊技球および右打ちされた遊技球のいずれについても機外に排出できるように、遊技領域1105の最下流側に設けられている。ただし、上記のアウト口1178に加えて、最下流側でない位置、例えば複数の一般入賞口1122の間や普通電動役物ユニット1145と小当りユニット1150との間等にアウト口を設けて、遊技領域1105を流下中の遊技球を機外に排出するようにしてもよい。
(裏ユニット)
裏ユニット(不図示)は、装飾体を有するものであって、上述したように、透過性のある遊技パネル1100の後方側に設けられる。この裏ユニットは、サブ制御回路1300(後述の図70参照)によって制御される可動役物等の演出用役物群1058を備える。演出用役物群1058は、例えば表示装置1007の表示領域の周囲に配置される。これらの演出用役物群1058のうち少なくとも一以上の役物または役物を構成する演出用役物構成部材は、特別図柄の当り判定処理の結果にもとづいて動作可能な演出用役物として機能する。
[2-2.電気的構成]
次に、図70を参照して、第2のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図70は、第2のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。なお、第2のパチンコ遊技機の制御回路は、第1のパチンコ遊技機の制御回路と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図70に示されるように、第2のパチンコ遊技機は、主に、遊技の制御を行う主制御回路1200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路1300と、払出・発射制御回路1400と、電源供給回路1450と、から構成される。
[2-2-1.主制御回路]
主制御回路1200は、例えば電源投入時に実行される処理や遊技動作にかかわる処理等を制御するものであって、メインCPU1201、メインROM1202(読み出し専用メモリ)、メインRAM1203(読み書き可能メモリ)、初期リセット回路1204およびバックアップコンデンサ1207等を備えており、主基板ケース(不図示)内に収容されている。
メインCPU1201には、メインROM1202、メインRAM1203および初期リセット回路1204等が接続される。メインCPU1201は、動作を監視するWDT(watchdog timer)や不正を防止するための機能等が内蔵されている。
メインROM1202には、メインCPU1201により第2のパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。メインCPU1201は、メインROM1202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインRAM1203には、遊技の進行に必要な各種データを記憶する記憶領域が設けられている。このメインRAM1203は、メインCPU1201の一時記憶領域として、種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU1201の一時記憶領域としてRAMを用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
初期リセット回路1204は、メインCPU1201を監視し、必要に応じてリセット信号を出力するものである。
バックアップコンデンサ1207は、電断時等に、メインRAM1203に格納されているデータが消失しないように一時的に電力を供給する機能を有するものである。
さらに、主制御回路1200は、各種デバイス等との間で通信可能に接続されるI/Oポート1205、および、サブ制御回路1300に対して各種コマンドを出力可能に接続されるコマンド出力ポート1206等も備える。
また、主制御回路1200には、各種のデバイスが接続されている。例えば、主制御回路1200には、普通図柄表示部1161、普通図柄用保留表示部1162、第1特別図柄表示部1163、第2特別図柄表示部1164、第1特別図柄用保留表示部1165、第2特別図柄用保留表示部1166、確変報知用表示部1167、時短報知用表示部1168、普電用ソレノイド1148、特電用ソレノイド1135、および、小当り用ソレノイド1154等が接続されている。また、主制御回路1200には、これらの他、性能表示モニタ1170およびエラー報知モニタ1172等も接続されている。主制御回路1200は、I/Oポート1205を介して信号を送信することにより、これらのデバイスの動作を制御することができる。
性能表示モニタ1170には、メインCPU1201の制御により性能表示データや後述する設定値等が表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000個)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外の遊技状態で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
エラー報知モニタ1172には、エラーコードが表示される。また、エラー報知モニタ1172には、エラーコードの他に、例えば後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中コードとしては、特別図柄の表示として通常では表示することのない図柄(例えば、設定変更中であることを示す設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
また、主制御回路1200には、第1始動口スイッチ1121、第2始動口スイッチ1141A,1141B、通過ゲートスイッチ1127、大当り用大入賞口カウントスイッチ1132、一般入賞口スイッチ1123および小当り用大入賞口カウントスイッチ1152等も接続されている。これらのスイッチが検出されると、検出信号がI/Oポート1205を介して主制御回路1200に出力される。
さらに、主制御回路1200には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ1186にデータ送信する際に用いる外部端子板1184、後述する設定機能付きのパチンコ遊技機であれば設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー1174aが差し込まれる設定キー差込口1174、メインRAM1203に格納されるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアすることが可能なRAMクリアスイッチ1176等が接続されている。本実施例において、RAMクリアスイッチ1176は、後述する設定値を変更する際のスイッチも兼用しているが、これに限られず、設定値を変更するための設定スイッチを設けるようにしてもよい。
また、設定キー差込口1174およびRAMクリアスイッチ1176は、遊技場の管理者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に触ることができないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。「所定のケース内」には、当該ケースを開放しないと設定キー差込口1174やRAMクリアスイッチ1176に接触できない構成のものだけでなく、当該ケースの設定キー差込口1174およびRAMクリアスイッチ1176の対応箇所にのみ切欠きが設けられ、遊技場の管理者が管理する鍵を使用して島設備からパチンコ遊技機を回動させて背面を露出させたときに、遊技場の管理者が設定キー差込口1174または/およびRAMクリアスイッチ1176に接触できるように構成されているものも含まれる。
なお、本実施例では、設定キー差込口1174およびRAMクリアスイッチ1176は、主制御回路1200に接続されているが、これに限られず、例えば、払出・発射制御回路1400や電源供給回路1450に接続されるような構成にしてもよい。この場合にもまた、遊技場の管理者以外の第三者が設定キー差込口1174やRAMクリアスイッチ1176に容易に接触できないようにすることが好ましい。
[2-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路1300は、サブCPU1301、プログラムROM1302、ワークRAM1303、表示制御回路1304、音声制御回路1305、LED制御回路1306、役物制御回路1307およびコマンド入力ポート1308等を備える。サブ制御回路1300は、主制御回路1200からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、図70には示されていないが、サブ制御回路1300には、遊技者が操作可能な演出ボタン54(図1参照)等も接続されている。
プログラムROM1302には、サブCPU1301により第2のパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。サブCPU1301は、プログラムROM1302に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU1301は、主制御回路1200から送信される各種のコマンドに従って、遊技演出にかかる制御を行う。
ワークRAM1303は、サブCPU1301の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
表示制御回路1304は、表示装置1007における表示制御を行うための回路である。表示制御回路1304は、VDPや、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データを一時的に格納するフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を備える。
表示制御回路1304は、サブCPU1301からの画像表示命令に応じて、表示装置1007に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、表示装置1007に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路1304は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで表示装置1007に供給する。表示装置1007に画像信号が供給されると、表示装置1007に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路1304は、表示装置1007に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路1305は、スピーカ1032から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路1305は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を備える。
音源ICは、スピーカ1032から出力される音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU1301からの音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、スピーカ1032から出力される音声や効果音等の信号を増幅させるものである。
LED制御回路1306は、装飾LED等を含むLED群1046の制御を行うための回路である。LED制御回路1306は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を備える。
役物制御回路1307は、各役物(例えば、演出用役物群1058のうちの一または複数の役物)の動作を制御するための回路である。役物制御回路1307は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を備える。
また、役物制御回路1307は、サブCPU1301からの役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU1301からの点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート1308は、コマンド出力ポート1206と接続されており、主制御回路1200から送信された各種コマンドを受信するものである。
払出・発射制御回路1400は、賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路1400には、遊技球を払い出すことが可能な払出装置1082、遊技球を発射させることが可能な発射装置1006、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット1180等が接続されている。
払出・発射制御回路1400は、主制御回路1200から送信される賞球制御コマンドを受信すると、払出装置1082に対して所定の信号を送信し、払出装置1082に遊技球を払い出させる制御を行う。
カードユニット1180には、球貸し操作パネル1182が接続されている。球貸し操作パネル1182には、球貸しを受けるための球貸しボタンや、キャッシュデータが記憶されている球貸しカードの返却を受けるための貸出返却ボタン(いずれも不図示)が設けられている。例えば遊技者によって球貸し操作が行われると、球貸し操作に応じた貸し球制御信号がカードユニット1180に送信される。払出・発射制御回路1400は、カードユニット1180から送信された貸し球制御信号に基づいて、払出装置1082に遊技球を払い出させる制御を行う。なお、操作パネル1182は、パチンコ遊技機側に設けられることが多いが、カードユニット1180側に設けられてもよい。
また、払出・発射制御回路1400は、発射ハンドル62(図1、図2参照)が時計回りの方向へ回動操作されたことに基づいて、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
電源供給回路1450は、遊技に際して必要な電源電圧を、主制御回路1200、サブ制御回路1300、払出・発射制御回路1400等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路1450には、電源スイッチ1095等が接続されている。電源スイッチ1095は、パチンコ遊技機(より詳しくは、主制御回路1200、サブ制御回路1300、払出・発射制御回路1400等)に必要な電源を供給するときにオン操作するものである。
[2-3.基本仕様]
次に、図71~図75を参照して、第2のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。第2のパチンコ遊技機は設定機能付きのパチンコ遊技機であってもよいが、以下では、設定機能にかかわる記載は省略する。
第2のパチンコ遊技機では、確変制御および時短制御のいずれも実行されない通常遊技状態、確変制御および時短制御の両方が実行される高確時短遊技状態、確変制御は実行されるものの時短制御が実行されない高確非時短遊技状態、並びに、確変制御は実行されないものの時短制御が実行される低確時短遊技状態が用意されており、メインCPU1201は、これらの遊技状態のうちいずれかの遊技状態において遊技を進行させることが可能となっている。ただし、メインCPU1201の制御によって進行される遊技状態はこれに限られず、通常遊技状態、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態のうちいずれかの遊技状態については進行されないようにしてもよい。例えば、通常遊技状態、高確時短遊技状態および低確時短遊技状態のうちいずれかの遊技状態において遊技が進行するようにし、高確非時短遊技状態において遊技が進行しないようにする等してもよい。
本実施例において、通常遊技状態では左打ちが正規な遊技態様とされ、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされる。サブCPU1301は、正規な遊技態様(例えば、右打ちすべきか左打ちすべきか)を、例えば表示装置1007の表示領域に表示する制御を実行する。
[2-3-1.特別図柄の当り判定テーブル]
図71は、第2のパチンコ遊技機が備える主制御回路1200のメインROM1202に記憶されている特別図柄の当り判定テーブルの一例である。
特別図柄の当り判定テーブルは、特別図柄の当り判定処理(後述の図78のS1034参照)において参照されるテーブル、すなわち、第1始動口1120または第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞した際に抽出される大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「小当り」、「大当り」または「ハズレ」を抽選により決定する際に参照されるテーブルである。なお、本実施例では、第1特別図柄の当り判定処理における抽選対象は「時短当り」、「大当り」、および「ハズレ」であり、「小当り」は抽選対象に含まれていない。これに対し、第2特別図柄の当り判定処理における抽選対象は「時短当り」、「小当り」、「大当り」、および「ハズレ」である。ただし、第1特別図柄の当り判定処理における抽選対象に「小当り」を含めるようにしてもよい。
大当り判定用乱数値は、上述したとおり、特別図柄の当り判定処理に用いられる乱数値である。本実施例において、大当り判定用乱数値は、0~65535(65536種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
本実施例では、メインCPU1201は、第1特別図柄の当り判定処理において、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「大当り」、または「ハズレ」に決定する。第1特別図柄の当り判定テーブルには、確変フラグの値(0または1)毎に、「時短当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する時短当り判定値データとの関係、「大当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する大当り判定値データとの関係、および「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定されている。
また、メインCPU1201は、第2特別図柄の当り判定処理において、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて「時短当り」、「小当り」、「大当り」、または「ハズレ」に決定する。第2特別図柄の当り判定テーブルには、確変フラグの値(0または1)毎に、「時短当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する時短当り判定値データとの関係、「小当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する小当り判定値データとの関係、「大当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応する大当り判定値データとの関係、および「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)とこれに対応するハズレ判定値データとの関係が規定される。
本実施例では、例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~408のいずれかである場合、メインCPU1201は、「時短当り」と判定し、当落判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が409~613のいずれかである場合、メインCPU1201は、「大当り」と判定し、当落判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。また、抽出された大当り判定用乱数値が614~65535のいずれかである場合、メインCPU1201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、例えば、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~408のいずれかである場合、メインCPU1201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第1特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が409~1259のいずれかである場合、メインCPU1201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。また、抽出された大当り判定用乱数値が1260~65535のいずれかである場合、メインCPU1201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
同様に、例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~272のいずれかである場合、メインCPU1201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が273~22117のいずれかである場合、メインCPU1201は、「小当り」と判定し、判定値データを「小当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が22118~22322のいずれかである場合、メインCPU1201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。さらに、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフであって、抽出された大当り判定用乱数値が22323~65535のいずれかである場合、メインCPU1201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
また、例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が0~272のいずれかである場合、メインCPU1201は、「時短当り」と判定し、判定値データを「時短当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が273~22117のいずれかである場合、メインCPU1201は、「小当り」と判定し、判定値データを「小当り判定値データ」に決定する。また、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が22118~22968のいずれかである場合、メインCPU1201は、「大当り」と判定し、判定値データを「大当り判定値データ」に決定する。さらに、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオンであって、抽出された大当り判定用乱数値が22969~65535のいずれかである場合、メインCPU1201は、「ハズレ」と判定し、判定値データを「ハズレ判定値データ」に決定する。
このように、本実施例では、例えば0~65535の範囲で発生する大当り判定用乱数値のうち、0から所定幅(例えば、第2特別図柄の当り判定処理であれば0~22117)を、大当り判定値データおよびハズレ判定値データを除く他の判定値データ(例えば、時短当り判定値データおよび小当り判定値データ)に割り当てている。また、所定値から最後尾(例えば、第2特別図柄の当り判定処理時に確変フラグがオフの場合であれば22323~65535)をハズレ判定値データに割り当てている。さらに、大当り判定値データとハズレ判定値データとを隣接して割り当てている。このようにすることで、例えば確変フラグがOFFからON(またはONからOFF)になった場合に、大当り判定値データの幅を大きく(または小さく)した分だけハズレ判定値データの幅を小さく(または大きく)するだけで、他の判定値データ(例えば、時短当り判定値データおよび小当り判定値データ)の幅を変更することなく、大当り確率を変更することが可能となる。
また、本実施例では、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率と、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率とを異ならせることにより、遊技にバリエーションを持たせて興趣の低下を抑制できるようにしている。
とくに、図71に示されるように、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率を、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率よりも高くすることにより、単調な遊技となりがちな通常遊技状態における興趣の低下を抑制することが可能となる。
ただし、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率を、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合の「時短当り」の当選確率よりも高くしてもよい。この場合、例えば時短遊技状態において「時短当り」に当選した場合に時短遊技状態を重ねるようにすることで、時短遊技状態の終了間際に「時短当り」に当選すると、時短遊技状態が実質的に延長されることとなり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、図71に示されるように、本実施例では、確変フラグがオンおよびオフのいずれの場合であっても、メインCPU1201は、当り判定処理の結果が「時短当り」であると決定しうる。ただし、メインCPU1201は、確変フラグがオフ(通常遊技状態、時短遊技状態)である場合、当り判定処理の結果が「時短当り」であれば時短遊技状態に制御するものの、確変フラグがオンである場合には、当り判定処理の結果がたとえ「時短当り」であったとしても、時短遊技状態に制御しないようにしている。
[2-3-2.特別図柄判定テーブル]
図72は、第2のパチンコ遊技機が備える主制御回路1200のメインROM1202に記憶されている特別図柄判定テーブルの一例である。
特別図柄判定テーブルは、第1始動口1120または第2始動口1140A、1140Bに遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と先述の当落判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」を選択する際(すなわち、後述の図78のS1035の特別図柄決定処理を実行する際)に参照されるテーブルである。「選択図柄コマンド」は、特別図柄の当り判定処理の結果に応じて定められる図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の可変表示の停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図72に示される特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、メインCPU1201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば0~69である場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z0」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば70~96のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z1」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば97~99のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z2」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、メインCPU1201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が0または1である場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z3」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が2~9のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z4」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が10~59のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z5」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。さらに、第1特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z6」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、例えば、第1特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z7」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA5」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が例えば0~96である場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z8」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA6」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が例えば97~99のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z9」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA7」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として小当り判定値データが得られた場合、例えば、特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z10」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA8」を選択する。
なお、第2特別図柄の当り判定処理の結果として小当り判定値データが得られると、メインCPU1201は、小当り遊技制御処理を実行する。小当り遊技制御処理では、例えば小当り用シャッタ1153(図69参照)を作動させて、小当り用大入賞口1151(図69参照)への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態となる制御を実行し、賞球が払い出され得る。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~29のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z11」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA9」を選択する。また、第2特別図柄の図柄乱数値が30~59のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z12」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA10」を選択する。さらに、第2特別図柄の図柄乱数値が60~99のいずれかである場合、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z13」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA10」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU1201は、選択図柄コマンドとして「z14」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA11」を選択する。
なお、本実施例では、特別図柄の当り判定テーブル(図71参照)を参照して、抽出された大当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し、その後、特別図柄判定テーブル(図72参照)を参照して、特別図柄の図柄乱数値に基づいて選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを決定するようにしているが、これに限られない。例えば、抽出された大当り判定用乱数値と特別図柄の図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の当落、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドをあわせて決定するようにしてもよい。
なお、第2のパチンコ遊技機では説明を省略するが、主制御回路1200のメインROM1202には、第1のパチンコ遊技機において説明した特別図柄停止態様決定テーブル(図12(A)参照)に相当する特別図柄停止態様決定テーブルが記憶されている。特別図柄停止態様決定テーブルは、特別図柄の可変表示が停止したときに第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164(図70参照)に導出される特別図柄の停止態様を、選択図柄コマンドに応じて決定する際に参照されるテーブルである。また、特別図柄表示部1163,1164には、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて、時短当りの表示態様、大当りの表示態様、小当りの表示態様またはハズレの表示態様が導出される。また、第1のパチンコ遊技機において説明した装飾図柄停止態様決定テーブル(図12(B)参照)に相当する装飾図柄停止態様決定テーブルについても、サブ制御回路1300のプログラムROM1302に記憶されている。
[2-3-3.当り種類決定テーブル]
図73は、第2のパチンコ遊技機が備える主制御回路1200のメインROM1202に記憶されている当り種類決定テーブルの一例である。当り種類決定テーブルは、特別図柄の図柄乱数値に対応して決定される選択図柄コマンドに応じて、当り遊技状態の態様または/およびその後の遊技状態の態様、を決定する際(すなわち、後述の図78のS1036の当り種類決定処理を実行する際)に参照される。図73に示される当り遊技状態の態様は、大当り遊技状態の態様または小当り遊技状態の態様を示す。また、その後の遊技状態の態様は、当り遊技状態終了後の遊技状態の態様を示す。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は、当り遊技状態に制御されることなくC時短遊技状態に制御されるため、その後の遊技状態の態様は、C時短遊技状態の態様を示す。
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、C時短遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z0」の場合、メインCPU1201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を10回にセットすることを決定する。選択図柄コマンドが「z1」の場合および「z8」の場合、メインCPU1201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を50回にセットすることを決定する。選択図柄コマンドが「z2」の場合および「z9」の場合、メインCPU1201は、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定し、時短回数を100回にセットすることを決定する。特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合、メインCPU1201は、上述した時短当りの表示態様を第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164に導出した後、大当り遊技状態に制御することなく、時短フラグをオンにセットするとともに決定された時短回数をセットし、C時短遊技状態に制御可能となる。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合は当り遊技状態に制御されないため、当り遊技状態の態様は決定されない。本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、この特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態にかかわらず、セットされる時短回数を同じとしている。ただし、これに限られず、特別図柄の当り判定処理が行われたときの遊技状態に応じて、セットされる時短回数を異ならせてもよい。
このように、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄の図柄乱数値に基づいて決定される選択図柄コマンドに応じて、セットされる時短回数が異なるようにしている。このようにすることで、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であった場合に、その後の遊技の進行状況にバリエーションを持たせることが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、上述したとおり、メインCPU1201は、確変フラグがオンである場合には、当り判定処理の結果がたとえ「時短当り」であったとしても、時短遊技状態に制御しないようにしている。例えば、メインCPU1201は、確変フラグがオン(高確遊技状態)であったとしても、図72に示されるように「時短当り」の抽選を行い、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には、「時短当り」に当選したことを示す時短当りの表示態様を特別図柄表示部1163,1164に導出するものの、C時短遊技状態に制御しない。また、メインCPU1201は、確変フラグがオンであったとしても「時短当り」の抽選を行い、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には、強制的にハズレの表示態様を特別図柄表示部1163,1164に導出するようにしてもよい。さらには、確変フラグがオンである場合、大当り判定用乱数値に対して時短当り判定値データを割り当てない、すなわち「時短当り」を抽選結果に含まない当り判定処理が行われるようにしてもよい。
なお、本実施例では、確変フラグがオンである場合には、C時短遊技状態に移行しないように構成しているが、これに限られない。例えば、確変フラグがオンであったとしても時短フラグがオフであるような高確非時短遊技状態において、当り判定処理の結果が「時短当り」である場合には高確時短遊技状態に移行するようにしてもよい。
特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z10」の場合、メインCPU1201は、小当り遊技状態の態様として、小当り用大入賞口1151(図69参照)の開放回数を1回に決定する。特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」であった場合、メインCPU1201は、上述した小当りの表示態様を第2特別図柄表示部1164に導出した後、決定された小当り用大入賞口1151の開放回数をセットし、小当り遊技状態に制御可能となる。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「小当り」である場合、小当り遊技状態の終了後、メインCPU1201は、確変フラグおよび時短フラグをいずれも変更せず、小当り遊技状態に制御される直前の遊技状態に戻す。
特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様は、次のとおり決定される。
例えば、選択図柄コマンドが「z3」の場合および「z11」の場合、メインCPU1201は、大当り遊技状態の態様として、ラウンド数を10ラウンドに決定し、その後の遊技状態の態様として、確変フラグと時短フラグとのうち確変フラグのみをオンにセットすることを決定し、確変回数を10000回にセットすることを決定する。この場合、メインCPU1201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164に導出した後、大当り遊技状態の終了後、高確非時短遊技状態に制御可能となる。
また、選択図柄コマンドが「z4」の場合、「z5」の場合、および「z12」の場合、メインCPU1201は、大当り遊技状態の態様として、それぞれ、ラウンド数を10ラウンド、4ラウンド、および10ラウンドに決定する。また、その後の遊技状態の態様として、いずれの場合も、確変フラグと時短フラグとの両方をオンにセットすることを決定し、確変回数および時短回数をいずれも10000回にセットすることを決定する。これらの場合、メインCPU1201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に制御可能となる。
また、選択図柄コマンドが「z6」の場合、および「z13」の場合、メインCPU1201は、大当り遊技状態の態様として、それぞれ、ラウンド数を4ラウンド、および10に決定する。また、その後の遊技状態の態様として、いずれの場合も、確変フラグと時短フラグとのうち時短フラグのみをオンにセットすることを決定する。また、セットする時短回数は、選択図柄コマンドが「z6」の場合は例えば200回にセットすることを決定し、選択図柄コマンドが「z13」の場合は例えば300回にセットすることを決定する。これらの場合、メインCPU1201は、上述した大当りの表示態様を第1特別図柄表示部1163または第2特別図柄表示部1164に導出した後、大当り遊技状態に制御し、この大当り遊技状態の終了後、時短遊技状態に制御可能となる。ここで制御される時短遊技状態はA時短遊技状態である。なお、高確時短遊技状態における時短制御の態様(以下「時短性能」とも称する)は、A時短遊技状態における時短性能と同じとすることが好ましいが、A時短における時短性能と異ならせてもよい。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z7」の場合、および「z14」の場合)、メインCPU1201は、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットしない。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合、メインCPU1201は、遊技状態を移行させずに、それまでの遊技状態に継続して制御する。
なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z7」の場合、および「z14」の場合)、上述したように当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットされないため、本来、図73の当り種類決定テーブルに図示する必要がない。ただし、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれも決定されないことを明示するために、便宜上、図73に図示したものである。
このように、本実施例において、メインCPU1201は、図71の特別図柄の当り判定テーブルを参照し、第1始動口1120または第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞した際に抽出される大当り判定用乱数値に基づいて当落判定値データを決定し(当落判定を行い)、当落(「時短当り」、「小当り」、「大当り」または「ハズレ」)を決定する。その後、メインCPU1201は、図72の特別図柄判定テーブルを参照し、第1始動口1120または第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と上記の当落判定値データとに基づいて選択図柄コマンドを決定し、特別図柄表示部1163,1164に導出される表示態様の種類(例えば、時短当りの種類、大当りの種類)を決定するようにしている。なお、上記の当落判定および選択図柄コマンドの決定は、特別図柄の可変表示の開始時に行われるが、特別図柄の可変表示が開始されてから確定表示されるまでの間に行われることを排除する趣旨ではない。
また、図73に示されるように、本実施例では、大当り遊技状態の終了後に制御されるA時短遊技状態の時短回数は、例えば、200回(選択図柄コマンドが「z6」の場合)または300回(選択図柄コマンドが「z13」の場合)である。これに対し、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合に制御されるC時短遊技状態の時短回数は、例えば、10回(選択図柄コマンドが「z0」の場合)、50回(選択図柄コマンドが「z1」の場合)または100回(選択図柄コマンドが「z2」の場合)である。すなわち、A時短遊技状態における時短回数の期待値が、C時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高い。このように、A時短遊技状態をC時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利度合いが高くなるようにすることで、「大当り」の位置づけを大きくすることができる。例えば、「大当り」に当選したにもかかわらず、「大当り」当選しなかった場合(「時短当り」に当選した場合)と比べて不利になることによって生じうる興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、A時短遊技状態における時短回数の期待値をC時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高いことに代えて、C時短遊技状態における時短回数の期待値をA時短遊技状態における時短回数の期待値よりも高くするようにしてもよい。このように、C時短遊技状態をA時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利度合いが高くなるようにすることで、「時短当り」の位置づけを大きくすることができる。例えば、長期間にわたって「大当り」に当選しないような状態が続いたとしても、「時短当り」に当選した場合には相対的に有利なC時短遊技状態に制御されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[2-3-4.特別図柄の変動パターンテーブル]
図74は、第2のパチンコ遊技機の低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。また、図75は、第2のパチンコ遊技機の高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。これらのテーブルは、いずれも、第2のパチンコ遊技機が備える主制御回路1200のメインROM1202に記憶されている。なお、図74および図75の「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。メインCPU1201は、第1始動口1120への遊技球の入賞に基づくときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口1140A,1140Bへの遊技球の入賞に基づくときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。図74および図75の特別図柄の変動パターンテーブルは、後述の図78のS1037の特別図柄の変動パターン決定処理を実行する際に参照されるテーブルである。
左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態では、例えば図74に示される低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンが決定される。
図74の低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルに示されるように、メインCPU1201は、第1始動口1120への遊技球の入賞に基づいて抽出した演出選択用乱数値が特定の乱数値である場合、先読みフラグを設定する。メインCPU1201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドを受信したサブCPU1301は、先読みフラグが設定されている場合、先読み演出を行う。
なお、本実施例では、先読み演出を行うか否かをメインCPU1201が決定しているが、これに限られず、サブCPU1301が決定するようにしてもよい。
一方、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態、すなわち、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態または低確時短遊技状態では、例えば図75に示される高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンが決定される。
なお、本実施例では、メインCPU1201は、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定する際には、先読みフラグを設定しないが、これに限られない。
図74および図75に示されるように、特別図柄の変動パターンは、特別図柄の種別、特別図柄の当り判定処理の結果(当落)、リーチ判定用乱数値、および、演出選択用乱数値に基づいて決定される。ただし、これに限られず、上記のいずれかに代えてまたは加えて他の値等に基づいて決定されるようにしてもよい。
なお、リーチ判定用乱数値は例えば0~249(250種類)の中から抽出され、演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
図75の高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定した場合、図74の低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定した場合と比べて、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数の期待値が大きい。とくに、低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定する場合、第2特別図柄は、例えば概ね600000msec(例えば、長変動A~C)と極めて長時間にわたって可変表示が行われる。一方、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定する場合、第2特別図柄は、例えば1000msec(例えば、超速変動)と極めて短時間だけ可変表示が行われる。
メインCPU1201は、決定した変動パターン情報をサブCPU1301に送信する。サブCPU1301は、メインCPU1201から送信された変動パターン情報に基づいて、表示装置1007の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ1032から出力される音演出を制御する。
なお、図74および図75には示されていないが、設定値毎に、例えば演出選択用乱数値の範囲を変えて、決定される特別図柄の変動パターン(可変表示時間)が異なるようにしてもよい。
また、本実施例では、例えば通常遊技状態では低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図74参照)を参照して特別図柄の変動パターンを決定し、例えば高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態、および低確時短遊技状態では高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図75参照)を参照して特別図柄の変動パターンを決定するようにしたが、これに限られない。例えば、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルとして、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数の期待値が異なる複数の変動パターンテーブルを設けて、例えば時短遊技状態の種類に応じて、特別図柄の変動パターンの決定に際して参照するテーブルを異ならせるようにしてもよい。
また、図74および図75の「備考」の欄に示される時短当り系リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りの可能性がある(大当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。同様に、大当り系リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(時短当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。さらに、共通リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示すリーチ演出である。
また、第2のパチンコ遊技機では説明を省略するが、第1のパチンコ遊技機と同様に、主制御回路1200のメインROM1202には普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)、普通図柄判定テーブル(図17参照)、普通図柄当り種類決定テーブル(図18参照)、普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)が記憶されている。そして、メインCPU1201は、普通電動役物1146(図69参照)の開放パターンを第1のパチンコ遊技機と同様に決定し、これに基づいて普通電動役物1146の作動態様を制御する。
[2-4.主制御処理]
第2のパチンコ遊技機において、主制御回路1200のメインCPU1201により実行される各種処理(各種モジュール)は、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理が異なるものの、その他の処理については同様である。そこで、以下では、特別図柄制御処理について説明し、メインCPU1201により実行されるその他の処理についての説明は省略する。なお、第2のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理において行われる処理には、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理もあるが(例えば、大当り終了処理(図42、図86)等)、以下では、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理も含めて、ステップ番号を代えて、特別図柄制御処理について改めて説明する。
[2-4-1.特別図柄制御処理]
次に、図76を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理について説明する。図76は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
図76に示されるように、メインCPU1201は、先ず、S1001において、第2特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、各特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。メインCPU1201は、S1001の処理を実行した後、処理を、S1002に移す。
なお、図示しないが、メインCPU1201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、S1001の処理に先だって、メインRAM1203内の各特別図柄の作業領域等のアドレスを所定のレジスタにセットするアドレス設定処理を行う。
また、同じく図示しないが、メインCPU1201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数をチェックする処理も行う。そして、メインCPU1201は、第1特別図柄の保留数が一定時間以上にわたって「0」である場合、第1特別図柄についてのデモ表示コマンド送信予約処理を行い、第2特別図柄の保留数が一定時間以上にわたって「0」である場合、第2特別図柄についてのデモ表示コマンド送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約されたデモ表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。そして、デモ表示コマンドをサブ制御回路1300が受信すると、かかるデモ表示コマンドが主特別図柄のデモ表示コマンドである場合、サブCPU1301はデモ表示演出を行う。
なお、第2のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能であるものの、サブCPU1301は、第1特別図柄および第2特別図柄のうちいずれか一方の特別図柄を主特別図柄とするとともに他方を副特別図柄とし、主特別図柄についての演出制御を主として行う。本実施例では、左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態では第1特別図柄が主特別図柄とされ、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態、低確時短遊技状態)では第2特別図柄が主特別図柄とされる。そして、サブCPU1301は、主特別図柄についての装飾図柄の可変表示およびキャラクタ等の表示演出や、主特別図柄についての音声演出等を行う。例えば副特別図柄の当り判定処理の結果が例えば大当り等である場合には、例えば、主特別図柄の演出を行いつつ副特別図柄の演出も行うようにしてもよい。なお、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態のうち、低確時短遊技状態では、主特別図柄である第2特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の可変表示に代えて他の演出画像(例えば、時短遊技状態が終了するまでの時短残回数をカウントダウン演出)が表示されるようにしてもよい。
S1002において、メインCPU1201は、S1001でロードした第2特別図柄の制御状態番号に基づいて、第2特別図柄が可変表示開始のタイミングであるか否かを判定する。
S1002において第2特別図柄が可変表示開始のタイミングでないと判定された場合(S1002がNO判定の場合)、すなわち第2特別図柄にかかわる何れかの処理が実行されている場合、メインCPU1201は、処理を、S1003に移す。例えば、第2特別図柄の当り判定処理の結果に基づく大当り遊技制御処理の実行中は、S1002においてNO判定される。
一方、S1002において第2特別図柄が可変表示開始のタイミングであると判定された場合(S1002がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1004に移す。
S1003において、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を行う。この特別図柄管理処理の詳細については、図77を参照して後述する。メインCPU1201は、S1003の処理を実行した後、処理を、S1004に移す。
S1004において、メインCPU1201は、第1特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU1201は、S1004の処理を実行した後、処理を、S1005に移す。
S1005において、メインCPU1201は、S1004でロードした第1特別図柄の制御状態番号に基づいて、第1特別図柄が可変表示開始のタイミングであるか否かを判定する。
S1005において第1特別図柄が可変表示開始のタイミングでないと判定された場合(S1005がNO判定の場合)、すなわち第1特別図柄にかかわる何れかの処理が実行されている場合、メインCPU1201は、処理を、S1006に移す。例えば、第1特別図柄の当り判定処理の結果に基づく大当り遊技制御処理の実行中は、S1005においてNO判定される。
一方、S1005において第1特別図柄が可変表示開始のタイミングであると判定された場合(S1005がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1007に移す。
S1006において、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を行う。上述したとおり、特別図柄管理処理の詳細については、図77を参照して後述する。メインCPU1201は、S1006の処理を実行した後、処理を、S1007に移す。
S1007において、メインCPU1201は、第2特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU1201は、S1007の処理を実行した後、処理を、S1008に移す。
S1008において、メインCPU1201は、S1007でロードした第2特別図柄の制御状態番号に基づいて、第2特別図柄が可変表示開始のタイミングであるか否かを判定する。
S1008において第2特別図柄が可変表示開始のタイミングでないと判定された場合(S1008がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1010に移す。
一方、S1008において第2特別図柄が可変表示開始のタイミングであると判定された場合(S1008がYES判定の場合)、すなわち第2特別図柄にかかわる処理が何ら実行されておらず可変表示を開始可能である場合、メインCPU1201は、処理をS1009に移す。
S1009において、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を行う。上述したとおり、特別図柄管理処理の詳細については、図77を参照して後述する。メインCPU1201は、S1009の処理を実行した後、処理を、S1010に移す。
S1010において、メインCPU1201は、第1特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU1201は、S1010の処理を実行した後、処理を、S1011に移す。
S1011において、メインCPU1201は、S1010でロードした第1特別図柄の制御状態番号に基づいて、第1特別図柄が可変表示開始のタイミングであるか否かを判定する。
S1011において第1特別図柄が可変表示開始のタイミングでないと判定された場合(S1011がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
一方、S1011において第1特別図柄が可変表示開始のタイミングであると判定された場合(S1011がYES判定の場合)、すなわち第1特別図柄にかかわる処理が何ら実行されておらず可変表示を開始可能である場合、メインCPU1201は、処理をS1012に移す。
S1012において、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を行う。上述したとおり、特別図柄管理処理の詳細については、図77を参照して後述する。メインCPU1201は、S1012の処理を実行した後、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、メインCPU1201は、割込禁止区間を設定し、上述の特別図柄制御処理(S1001~S1012)を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
このように、本実施例では、第2特別図柄にかかわる何れかの処理が実行されている場合、第1特別図柄にかかわる何れかの処理が実行されている場合、第2特別図柄にかかわる処理が何ら実行されておらず可変表示を開始可能である場合、第1特別図柄にかかわる処理が何ら実行されておらず可変表示を開始可能である場合、の優先順位で、後述の特別図柄管理処理が実行されるようにしている。
[2-4-2.特別図柄管理処理]
次に、図77を参照して、特別図柄制御処理(図76参照)中のS1003、S1006、S1009、S1012でメインCPU1201により実行される特別図柄管理処理について説明する。図77は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。
なお、例えば、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS1003またはS1009で呼び出されて実行される場合には第2特別図柄が処理対象となり、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS1006またはS1012で呼び出されて実行される場合には第1特別図柄が処理対象となる。
また、図77に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「5」)は、処理対象となる特別図柄の制御状態番号である。メインCPU1201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する(S1021)。
S1021において特別図柄の待ち時間が0でないと判定された場合(S1021がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図76参照)に戻す。
一方、S1021において特別図柄の待ち時間が0であると判定された場合(S1021がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1022に移す。
S1022において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号をロードする。メインCPU1201は、S1022の処理を実行した後、処理を、S1023に移す。なお、メインCPU1201は、S1022の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S1023以降の処理を行う。
S1023において、メインCPU1201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このS1023の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図78を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU1201は、処理を、S1024に移す。
S1024において、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このS1024の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図79および図80を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU1201は、処理を、S1025に移す。
S1025において、メインCPU1201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このS1025の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図81および図82を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU1201は、処理を、S1026に移す。
S1026において、メインCPU1201は、大入賞口開放準備処理を行う。このS1026の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図84を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU1201は、処理を、S1027に移す。
S1027において、メインCPU1201は、大入賞口開放制御処理を行う。このS1027の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図85を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU1201は、処理を、S1028に移す。
S1028において、メインCPU1201は、大当り終了処理を行う。このS1028の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大当り終了処理の詳細については、図86を参照して後述する。
メインCPU1201は、S1023~S1028の処理を終了後、処理を、特別図柄制御処理(図76参照)に戻す。なお、メインCPU1201は、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS1003で呼び出されている場合には処理をS1004に戻し、S1006で呼び出されている場合には処理をS1007に戻し、S1009で呼び出されている場合には処理をS1010に戻し、S1012で呼び出されている場合には、特別図柄制御処理も終了する。
[2-4-3.特別図柄可変表示開始処理]
次に、図78を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1023でメインCPU1201により実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図78は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
なお、特別図柄可変表示開始処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1023で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄可変表示開始処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1023で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
図78に示されるように、メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S1031)。
S1031において特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定された場合(S1031がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示開始処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1031において特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定された場合(S1031がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1032に移す。
S1032において、メインCPU1201は、特別図柄休止フラグがオフであるか否かを判定する。特別図柄休止フラグは、次の処理に進まないように遊技の進行を止めるフラグである。したがって、このS1032では、たとえS1031がYES判定であったとしても(すなわち、特別図柄の始動条件が成立していたとしても)、特別図柄休止フラグがオフでないすなわちオンである場合(S1032がNO判定である場合)、特別図柄可変表示開始処理が進行せずに終了する。
S1032において特別図柄休止フラグがオフでないすなわちオンであると判定された場合(S1032がNO判定の場合)、上述したとおり、特別図柄可変表示開始処理が進行せず、メインCPU1201は、特別図柄可変表示開始処理を終了する。その後、メインCPU1201は、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1032において特別図柄休止フラグがオフであると判定された場合(S1032がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1033に移す。
S1033において、メインCPU1201は、特別図柄の始動情報のシフト処理を行う。メインCPU1201は、S1033の処理を実行した後、処理を、S1034に移す。
S1034において、メインCPU1201は、特別図柄の当り判定処理を行う。この処理では、特別図柄の当り判定テーブル(図71参照)を参照し、特別図柄の大当り判定用乱数値を用いて特別図柄の当り判定処理が行われる。本実施例では、第1特別図柄については、時短当り、大当り、およびハズレのうちいずれであるかが判定され、第2特別図柄については、時短当り、小当り、大当り、およびハズレのうちいずれであるかが判定される。また、メインCPU1201は、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は時短当りフラグをオンにセットし、特別図柄の当り判定処理の結果が小当りである場合は小当りフラグをオンにセットし、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合は大当りフラグをオンにセットする。メインCPU1201は、S1034の処理を実行した後、処理を、S1035に移す。なお、時短当りフラグはC時短遊技状態への移行時にオフにし、小当りフラグは小当り遊技状態の開始時にオフにし、大当りフラグは大当り遊技状態の開始時にオフにされる。
上記の特別図柄の当り判定処理(S1034参照)では、まず、大当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で大当りでないと判定された場合に小当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で小当りでないと判定された場合に時短当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で時短当りでないと判定された場合にハズレであると判定される。
S1035において、メインCPU1201は、特別図柄決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理(S1034)の結果(例えば、時短当り、小当り、大当り、またはハズレ)に対応する特別図柄の停止図柄を判定乃至決定する処理である。この処理では、特別図柄判定テーブル(図72参照)を参照し、特別図柄の図柄乱数値を用いて、上述の「選択図柄コマンド」や「図柄指定コマンド」が判定される。本実施例では、ハズレの種類が1種類であるため、特別図柄の当り判定処理がハズレの場合に停止図柄を決定する必要がないが、ハズレを複数種類設けて、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合に停止図柄を決定するようにしてもよい。メインCPU1201は、S1035の処理を実行した後、処理を、S1036に移す。
S1036において、メインCPU1201は、当り種類決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理の結果が例えば当り(時短当り、小当り、または大当り)である場合に、かかる当りの種類を判定乃至決定する処理である。この処理では、当り種類決定テーブル(図73参照)を参照し、特別図柄決定処理(S1035)で判定された「選択図柄コマンド」に応じて当りの種類が決定される。なお、本実施例では、当りの種類を複数種類としているが、大当りの種類は1つであってもよいし、時短当りの種類も1つであってよい。さらには、当りの種類を複数種類とすることに代えてまたは加えて、他の当り(例えば、小当り)の種類を複数設けるようにしてもよいし、ハズレの種類を複数設けるようにしてもよい。メインCPU1201は、S1036の処理を実行した後、処理を、S1037に移す。
S1037において、メインCPU1201は、特別図柄の変動パターン決定処理を行う。この処理は、特別図柄の変動パターンを判定乃至決定する処理である。この処理では、変動パターンテーブル(図74、図75参照)を参照し、例えば、特別図柄の種類、特別図柄の当り判定処理(S1034)の結果、リーチ判定用乱数値または/および演出選択用乱数値等に応じて、特別図柄の変動パターンが決定される。なお、本実施例では、左打ちが正規な遊技態様とされる通常遊技状態では、低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図74参照)を参照して特別図柄の変動パターンが決定され、右打ちが正規な遊技態様とされる遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態、低確時短遊技状態)では、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図75参照)を参照して特別図柄の変動パターンが決定される。メインCPU1201は、S1037の処理を実行した後、処理を、S1038に移す。
S1038において、メインCPU1201は、特別図柄の可変表示時間設定処理を行う。この処理では、変動パターンテーブル(図74、図75参照)を参照し、特別図柄の変動パターン決定処理(S1037)で決定された変動パターンに対応する変動時間が、特別図柄の変動時間として決定される。メインCPU1201は、S1038の処理を実行した後、処理を、S1039に移す。
S1039において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図77のS1024参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1039の処理を実行した後、処理を、S1040に移す。
S1040において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM1203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータの更新処理等が行われる。メインCPU1201は、S1040の処理を実行した後、処理を、S1041に移す。
S1041において、メインCPU1201は、遊技状態管理処理を行う。この処理では、主に、遊技状態の管理に関する各種フラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ等)の更新処理を行う。メインCPU1201は、S1041の処理を実行した後、処理を、S1042に移す。
S1042において、メインCPU1201は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出開始コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。
なお、メインCPU1201は、割込禁止区間を設定し、上述の特別図柄可変表示開始処理(とくに、遊技状態管理処理(S1041)および特別図柄演出開始コマンド送信予約処理(S1042))を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[2-4-4.特別図柄可変表示終了処理]
次に、図79および図80を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1024でメインCPU1201により実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図79および図80は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
なお、特別図柄可変表示終了処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1024で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄可変表示終了処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1024で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。また、以下に説明する特別図柄可変表示終了処理において、処理対象である方の特別図柄を単に「特別図柄」と称し、処理対象でない方の特別図柄を「他方の特別図柄」と称する。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する(S1051)。
S1051において特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定された場合(S1051がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1051において特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定された場合(S1051がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1052に移す。
S1052において、メインCPU1201は、特別図柄休止フラグ値をロードする。メインCPU1201は、S1052の処理を実行した後、処理を、S1053に移す。
S1053において、メインCPU1201は、S1052でロードした特別図柄休止フラグ値に基づいて、特別図柄休止フラグがオフであるか否かを判定する。
S1053において特別図柄休止フラグがオフでないすなわちオンであると判定された場合(S1053がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1053において特別図柄休止フラグがオフであると判定された場合(S1053がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1054に移す。
S1054において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図77のS1025参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1054の処理を実行した後、処理を、S1055に移す。
S1055において、メインCPU1201は、特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。この処理では、特別図柄の可変表示を停止させる処理も行われる。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。メインCPU1201は、S1055の処理を実行した後、処理を、S1056に移す。
S1056において、メインCPU1201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。図柄確定数カウンタは、特別図柄の確定回数(特別図柄ゲームの実行回数)を計数するためのカウンタであり、その計数値は、メインRAM1203内の所定領域に格納される。例えば、確変残回数や時短残回数等の特定状態下で行われた特別図柄ゲームのゲーム数を管理するカウンタを設けてもよいが、図柄確定数カウンタにより特定状態下での特別図柄ゲームのゲーム数を管理してもよい。メインCPU1201は、S1056の処理を実行した後、処理を、S1057に移す。
S1057において、メインCPU1201は、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が小当りであるか否かを判定する。
S1057において、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が小当りでないと判定された場合(S1057がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1059に移す。
一方、S1057において、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が小当りであると判定された場合(S1057がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1058に移す。
S1058において、メインCPU1201は、他方の特別図柄に対して特別図柄休止フラグをセットする。この処理が行われることにより、小当り遊技制御処理の実行中に他方の特別図柄の可変表示を開始乃至停止しないようにすることができる。メインCPU1201は、S1058の処理を実行した後、処理を、S1059に移す。
S1059において、メインCPU1201は、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りであるか否かを判定する。
S1059において、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りでないと判定された場合(S1059がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1059において、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りであると判定された場合(S1059がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1060に移す。
S1060において、メインCPU1201は、他方の特別図柄に対して特別図柄休止フラグをセットする。この処理が行われることにより、大当り遊技制御処理の実行中に他方の特別図柄の可変表示を開始しないようにすることができる。メインCPU1201は、S1060の処理を実行した後、処理を、S1061に移す。
S1061において、メインCPU1201は、他方の特別図柄が可変表示中であるか否かを判定する。
S1061において他方の特別図柄が可変表示中でないと判定された場合(S1061がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1061において他方の特別図柄が可変表示中であると判定された場合(S1061がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1062に移す。
S1062において、メインCPU1201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。メインCPU1201は、S1062の処理を実行した後、処理を、S1063に移す。
S1063において、メインCPU1201は、可変表示停止フラグをセットする。この処理が行われると、試射試験信号が外部に出力されるようになる。この試射試験信号は、他方の特別図柄が強制的にハズレで停止されたことを示す信号である。メインCPU1201は、S1063の処理を実行した後、処理を、S1064に移す。
S1064において、メインCPU1201は、他方の特別図柄の当りフラグを強制的にハズレに変えてセットする。この処理を行うことにより、処理対象の特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りである場合、他方の特別図柄が可変表示中であって、この他方の特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであったとしても、他方の特別図柄が強制的にハズレで停止することとなる。メインCPU1201は、S1064の処理を実行した後、処理を、S1065に移す。
S1065において、メインCPU1201は、他方の特別図柄の可変表示に関連する作業領域をクリアする処理を行う。メインCPU1201は、S1065の処理を実行した後、処理を、S1066に移す。
S1066において、メインCPU1201は、他方の特別図柄のタイマに、所定の確定待ち時間をセットする処理を行う。この処理では、特別図柄が大当りを示す停止表示態様で停止したときに他方の特別図柄がハズレを示す停止表示態様で停止するように、確定待ち時間がセットされる。メインCPU1201は、S1066の処理を実行した後、処理を、S1067に移す。
S1067において、メインCPU1201は、他方の特別図柄の制御状態番号に「2」をセットする。メインCPU1201は、S1067の処理を実行した後、処理を、S1068に移す。
S1068において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU1201は、S1068の処理を実行した後、処理を、S1069に移す。
S1069において、メインCPU1201は、他方の特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された他方の特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。メインCPU1201は、S1069の処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
このように、本実施例の特別図柄可変表示終了処理では、処理対象である特別図柄に対して特別図柄休止フラグがセットされておらず、この特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果が大当りであり、且つ、他方の特別図柄が可変表示中である場合には、他方の特別図柄の可変表示を強制的にハズレにする処理が行われる。
[2-4-5.特別図柄遊技判定処理]
次に、図81および図82を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1025でメインCPU1201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図81および図82は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この特別図柄遊技判定処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1025で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄遊技判定処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1025で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する(S1071)。
S1071において特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定された場合(S1071がNO判定の場合)、メインCPU1201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1071において特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定された場合(S1071がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1072に移す。
S1072において、メインCPU1201は、大当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S1072において、大当りでないすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様でないと判定された場合(S1072がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1073に移す。一方、S1072において、大当りであるすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S1072がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1075に移す。
S1073において、メインCPU1201は、小当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が小当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S1073において、小当りでないすなわち停止した特別図柄がハズレを示す停止表示態様であると判定された場合(S1073がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1074に移す。
S1074において、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図83を参照して後述する。なお、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了処理を行うと、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1073において、小当りであるすなわち停止した特別図柄が小当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S1073がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1075に移す。
S1075において、メインCPU1201は、大当り遊技制御処理または小当り遊技制御処理の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板1184を介して例えばホールコンピュータ1186(いずれも図70参照)や島コンピュータ(不図示)に出力される信号の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄にかかわる信号である。メインCPU1201は、S1075の処理を行った後、処理を、S1076に移す。
また、S1075の大当り遊技制御処理の開始設定処理において、メインCPU1201は、確変フラグ、確変カウンタ、時短フラグ、および時短カウンタ等、各種フラグや各種カウンタをクリアする処理も行う。
S1076において、メインCPU1201は、ラウンド表示LEDデータをセットする処理を行う。その後、メインCPU1201は、例えば、開放される大入賞口(例えば、大当り用大入賞口1131または小当り用大入賞口1151)の開放回数の上限値をセットする処理(S1077)、外部端子板1184への大当り信号セット処理(S1078)、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S1079)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S1080)、および、大当り開始表示コマンドの送信予約処理(S1081)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S1079)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図77のS1026参照)が行われることとなる。その後、メインCPU1201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
なお、メインCPU1201は、割込禁止区間を設定し、上述の特別図柄遊技判定処理(S1071~S1081)を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[2-4-6.特別図柄遊技終了処理]
次に、図83を参照して、特別図柄遊技判定処理(図81および図82参照)中のS1074でメインCPU1201により実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図83は、第2のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU1201は、先ず、時短管理処理を行う(S1091)。この時短管理処理の詳細については、第1のパチンコ遊技機において図32~図39を参照して説明した処理と同様であるため、説明を省略する。メインCPU1201は、S1091の処理を実行した後、処理を、S1092に移す。
S1092において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理が行われると、次回の特別図柄遊技の実行が可能となる。メインCPU1201は、S1092の処理を実行した後、処理を、S1093に移す。
S1093において、メインCPU1201は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理(S1094)を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄遊技終了コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。そして、S1094の処理後、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を、特別図柄遊技判定処理(図81参照)に戻す。
なお、特別図柄の当り判定処理(図78のS1034参照)の結果がハズレである場合、メインCPU1201は、確変フラグおよび時短フラグのいずれについてもセットまたはリセットしない。そのため、ハズレの表示態様が導出されたとしても遊技状態は移行しない。
[2-4-7.大入賞口開放準備処理]
次に、図84を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1026でメインCPU1201により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図84は、第2のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この大入賞口開放準備処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1026で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、大入賞口開放準備処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1026で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する(S1101)。
S1101において特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定された場合(S1101がNO判定の場合)、メインCPU1201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1101において特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定された場合(S1101がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1102に移す。
S1102において、メインCPU1201は、大入賞口開放回数カウンタ値をロードする。大入賞口開放回数カウンタは、大当り遊技制御処理の実行時であれば、大当り遊技状態において実行されたラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタが相当し、小当り遊技制御処理の実行時であれば、小当り遊技制御処理の実行回数を計数するカウンタが相当する。なお、大入賞口開放回数カウンタの計数値(大入賞口開放回数カウンタ値)は、メインRAM1203内の所定領域に格納される。メインCPU1201は、S1102の処理を実行した後、処理を、S1103に移す。
S1103において、メインCPU1201は、大入賞口(例えば、大当り用大入賞口1131または小当り用大入賞口1151)の開放回数が上限値であるか否かを判定する。なお、本実施例では、大当り遊技状態において開放される大当り用大入賞口1131の開放回数であるラウンド数の上限値は、例えば当り種類決定テーブル(図73参照)に示されるように4ラウンドまたは10ラウンドである。一方、小当り遊技状態において開放される小当り用大入賞口1151の開放回数の上限値は例えば1回である。
S1103において大入賞口の開放回数が上限値であると判定された場合(S1103がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1104に移す。
S1104において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S1104)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大当り終了処理(図77のS1028参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1104の処理を実行した後、処理を、S1105に移す。
S1105において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU1201は、大当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う(S1106)。なお、この処理で送信予約された大当り終了表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。そして、S1106の処理後、メインCPU1201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
S1103に戻って、大入賞口の開放回数が上限値でないと判定された場合(S1103がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1107に移す。
S1107において、メインCPU1201は、大入賞口開放回数カウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU1201は、S1107の処理を実行した後、処理を、S1108に移す。
S1108において、メインCPU1201は、開放する大入賞口の選択処理を行う。この処理では、開放する大入賞口として、大当り遊技制御処理の実行時であれば大当り用大入賞口1131(図69参照)が選択され、小当り遊技制御処理の実行時であれば小当り用大入賞口1151(図69参照)が選択される。メインCPU1201は、S1108の処理を実行した後、処理を、S1109に移す。
S1109において、メインCPU1201は、大入賞口関連各種設定処理を行う。この処理では、例えば、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の開放回数、大入賞口の最大開放時間、大入賞口への最大入賞個数、大入賞口入賞時の賞球数等がセットされる。大入賞口の開放回数は、大当り遊技制御処理の実行時であればラウンド数が相当し、小当り遊技制御処理の実行時であれば小当り用大入賞口1151の開放回数が相当する。なお、1ラウンドまたは小当り遊技制御処理において大入賞口が複数回開放されるものを排除する趣旨ではない。ただしこの場合は、ラウンド数を管理する制御と、大入賞口の開閉回数を管理する制御とを、別の処理として行うことが好ましい。メインCPU1201は、S1109の処理を実行した後、処理を、S1110に移す。
なお、本実施例において、大入賞口の最大開放時間は、大当り遊技制御処理の実行時であれば例えば最大30000msecにセットされ、小当り遊技制御処理の実行時であれば例えば最大1800msecにセットされる。大入賞口への最大入賞個数は、大当り遊技制御処理の実行時であれば例えば最大10個にセットされ、小当り遊技制御処理の実行時であれば例えば最大5個にセットされる。大入賞口入賞時の賞球数は、例えば、大当り用大入賞口1131および小当り用大入賞口1151のいずれについても10個にセットされる。ただし、大入賞口関連各種設定処理においてセットされる値は上記に限られない。
S1110において、メインCPU1201は、大入賞口開閉制御処理を行う。この処理では、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の開閉制御データの生成処理が行われる。メインCPU1201は、S1110の処理を実行した後、処理を、S1111に移す。
S1111において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理(S1111)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理(図77のS1027参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1111の処理を実行した後、処理を、S1112に移す。
S1112において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU1201は、S1112の処理を実行した後、処理を、S1113に移す。
S1113において、メインCPU1201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された大入賞口開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。メインCPU1201は、S1113の処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
[2-4-8.大入賞口開放制御処理]
次に、図85を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1027でメインCPU1201により実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図85は、第2のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この大入賞口開放制御処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1027で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、大入賞口開放制御処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1027で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する(S1121)。
S1121において特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定された場合(S1121がNO判定の場合)、メインCPU1201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1121において特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定された場合(S1121がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1122に移す。
S1122において、メインCPU1201は、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、大入賞口への遊技球の入賞個数を計数する大入賞口入賞カウンタ(例えば、大当り用大入賞口カウントスイッチ1132、小当り用大入賞口カウントスイッチ1152(いずれも図70参照)等)により計数された値が最大入賞個数の値であるか否かが判定される。なお、大入賞口入賞カウンタにより計数された大入賞口入賞カウンタ値は、メインRAM1203内の所定領域に格納される。
S1122において、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数でないと判定された場合(S1122がNO判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1123に移す。
一方、S1122において、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であると判定された場合(S1122がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1124に移す。
S1123において、メインCPU1201は、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、大入賞口関連各種設定処理(図84のS1109参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
S1123において大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の最大開放時間が経過していないと判定された場合(S1123がNO判定の場合)、メインCPU1201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
一方、S1123において大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の最大開放時間が経過していると判定された場合(S1123がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1124に移す。
S1124において、メインCPU1201は、大入賞口(大当り用大入賞口1131、小当り用大入賞口1151)の閉鎖処理を行う。メインCPU1201は、S1124の処理を実行した後、処理を、S1125に移す。
S1125において、メインCPU1201は、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S1125)を行って制御状態番号を切り替えることにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理(図77のS1026参照)が行われることとなる。メインCPU1201は、S1125の処理を実行した後、処理を、S1126に移す。
S1126において、メインCPU1201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU1201は、S1126の処理を実行した後、処理を、S1127に移す。
S1127において、メインCPU1201は、ラウンド間表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたラウンド間表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路1300に送信される。そして、S1127の処理後、メインCPU1201は、大入賞口開制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
[2-4-9.大当り終了処理]
次に、図86を参照して、特別図柄管理処理(図77参照)中のS1028でメインCPU1201により実行される大当り終了処理について説明する。図86は、第2のパチンコ遊技機における大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この大当り終了処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1028で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、大当り終了処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS1028で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU1201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する(S1131)。
S1131において特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定された場合(S1131がNO判定の場合)、メインCPU1201は、大当り終了処理を終了するとともに特別図柄管理処理(図77参照)も終了し、処理を、特別図柄制御処理(図76参照)に戻す。この場合、特別図柄管理処理が呼び出された処理に戻す。
一方、S1131において特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定された場合(S1131がYES判定の場合)、メインCPU1201は、処理を、S1132に移す。
S1132において、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了設定処理を行う。この処理では、各種フラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ、天井カウント禁止フラグ等)の値をセットまたはリセットや、各種カウンタ(例えば、確変カウンタ、時短カウンタ、図柄確定数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、天井カウンタ等)の値をセットまたはリセットする処理が行われる。なお、特別図柄休止フラグおよび天井カウンタは、いずれも、特別図柄遊技終了設定処理(S1132)においてリセットされる。また、確変フラグがオンにセットされる場合、天井カウント禁止フラグもオンにセットされる。これにより、確変フラグがオンの高確遊技状態では、天井カウンタの更新が行われないようになる。メインCPU1201は、S1132の処理を実行した後、処理を、S1133に移す。
S1133において、メインCPU1201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図31を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU1201は、S1133の処理を実行した後、大当り終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図77参照)に戻す。
なお、メインCPU1201は、割込禁止区間を設定し、上述の大当り終了処理を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[2-5.小当りラッシュ]
上述した第2のパチンコ遊技機では、所謂小当りラッシュを実現することができる。以下に、小当りラッシュについて説明する。
第2のパチンコ遊技機では、上述したとおり、通常遊技状態、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態が用意されており、メインCPU1201は、これらの遊技状態のうちいずれかの遊技状態に制御する。なお、上述したとおり、通常遊技状態では、左打ちが正規な遊技態様とされるため、第1始動口1120への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄ゲームが主として実行される。また、その他の遊技状態(高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態)では、右打ちが正規な遊技態様とされるため、第2始動口1140A,1140Bへの遊技球の入賞に基づく第2特別図柄ゲームが主として実行される。なお、普通電動役物ユニット1145に含まれる入賞口を第1始動口とした場合には、通常遊技状態、高確時短遊技状態および低確時短遊技状態のうちのいずれかの遊技状態では第1特別図柄ゲームが主として実行され、高確非時短遊技状態では第2特別図柄ゲームが主として実行される。
本実施例では、高確非時短遊技状態において、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞頻度が他の遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)と比べて高められることによって、単位時間あたりの発射球数に対して払い出される遊技価値(例えば賞球数等)の期待値が1を超えうる小当りラッシュとなる。
ここで、小当りラッシュの仕組みの一例について説明する。先ず、右打ちされた遊技球は、ほぼ通過ゲート1126を通過する。高確非時短遊技状態では、普通電動役物1146を作動させて入賞口(本実施例では例えば第2始動口1140B)を開放状態とする頻度を高める電サポ制御が実行されない。また、大当り遊技制御処理が実行されない限り大当り用大入賞口1131も開放状態とならないため、高確非時短遊技状態において第2始動口1140Bが開放状態となる頻度は、時短制御が実行される遊技状態と比べて低い。そのため、小当り用大入賞口1151が開放されていれば、右打ちされ且つ下方の流下経路1107bに振り分けられた遊技球が小当り用大入賞口1151に入賞可能となる。小当り用大入賞口1151に遊技球が入賞すると、上述したように例えば10個の賞球が払い出される。また、右打ちされ且つ上方の流下経路1107aに振り分けられた遊技球は、第2始動口1140Aに入賞可能である。第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞すると、例えば、特別図柄の当り判定テーブル(図71参照)に示されるように3分の1(概算)といった比較的高い確率で小当りを示す停止表示態様が導出されるだけでなく、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図75参照)に示されるように超速変動(例えば、可変表示時間1000msec)が実行されるため、小当り用大入賞口1151への遊技球の入賞頻度が他の遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)と比べて高められる。このようにして、単位時間あたりの発射球数に対して払い出される遊技価値(例えば賞球数等)の期待値が1を超えうる小当りラッシュの実現が可能となっている。
一方、時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)では、電サポ制御が実行されることによって第2始動口1140Bが開放状態となり、右打ちされ且つ下方の流下経路1107bに振り分けられた遊技球の殆どが第2始動口1140Bに入賞してしまう。そのため、たとえ小当り用大入賞口1151が開放されていたとしても、小当り用大入賞口1151に遊技球が入賞する期待値は低い。しかも、上述したように、第2始動口1140Bに遊技球が入賞したとしても例えば1個の賞球しか払い出されない。右打ちされ且つ上方の流下経路1107aに振り分けられた遊技球が第2始動口1140Aに入賞すると例えば3個の賞球が払い出されるものの、第2始動口1140Aには、右打ちされ且つ上方の流下経路1107aに振り分けられた遊技球のうち概ね3分の1~5分の1の遊技球しか入賞しない。このように、時短制御が実行される遊技状態では、単位時間あたりの発射球数に対して払い出される遊技価値(例えば賞球数等)の期待値が1を超えないようになっている。
また、通常遊技状態では、左打ちが正規な遊技態様とされるが、仮に右打ちを行った場合、右打ちされた遊技球が通過ゲート1126を通過して普通図柄当りを示す停止表示態様が導出されると普通電動役物1146が作動し、第2始動口1140Bに遊技球が入賞することによって小当り用大入賞口1151が開放される可能性がある。ただし、通常遊技状態では、低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図74参照)を参照して特別図柄の変動パターンが決定されるため、仮に第2始動口1140A,1140Bに遊技球が入賞したとしても、変動時間が極めて長い長変動A~Cのいずれかで第2特別図柄の可変表示が行われ、小当り用大入賞口1151が開放される頻度は極めて小さい。そのため、通常遊技状態において遊技者が右打ちを行う実益はない。なお、普通電動役物ユニット1145に含まれる入賞口を第1始動口とした場合、通常遊技状態における普通図柄の当り確率を例えば0にすることにより、右打ちを行う実益を生じさせないようにしてもよい。通常遊技状態では、単位時間あたりの発射球数に対して払い出される遊技価値(例えば賞球数等)の期待値は、1を超えないことは勿論、時短制御が実行される遊技状態よりも小さい。
なお、本実施例では、高確非時短遊技状態において小当りラッシュとなるように構成したが、これに限られない。例えば、電サポ制御を実行せずに特別図柄の可変表示時間を短縮させる特図短縮制御が実行される高確時短遊技状態において小当りラッシュとなるようにしてもよい。
[3.第3のパチンコ遊技機]
次に、第3のパチンコ遊技機について説明する。第3のパチンコ遊技機は、上述したとおり、1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機であり、大当り遊技状態に制御されるまでのルートとして、第1のルートと第2のルートとがある。第1のルートは、特別図柄当り判定処理の結果が「大当り」であることを示す停止表示態様が導出された場合である。第2のルートは、特別図柄判定の結果が「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されたことによってVアタッカーが開放し、開放されたVアタッカーに進入した遊技球がVアタッカー内のV入賞口に入賞した場合である。
なお、第3のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して可変表示させず、第1特別図柄の始動条件よりも第2特別図柄の始動条件が優先して成立する優先変動機である。ただし、これに限られず、上述した順次変動機としてもよい。
以下、第3のパチンコ遊技機について説明するにあたり、例えば外枠2およびベースドア3等の基本構成等、並びに、外部端子板2184(後述の図88参照)から第3のパチンコ遊技機の機外(例えば、ホールコンピュータ2186(後述の図88参照)や各島に設けられる島コンピュータ(不図示))に出力される信号等のように、機能、形状および配置位置等が第1のパチンコ遊技機と共通する点については極力説明を省略するものとする。
なお、第3のパチンコ遊技機を説明するにあたり、第1のパチンコ遊技機の説明で用いた図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と同じ符号およびステップ番号を用いて説明する。ただし、第3のパチンコ遊技機の説明において新たに採用された図面を参照して説明する構成については、第1のパチンコ遊技機と機能等が共通する構成であったとしても、第1のパチンコ遊技機と異なる符号およびステップ番号を用いて説明するものとする。
[3-1.遊技盤ユニット]
図87を参照して、第3のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット2010について説明する。この遊技盤ユニット2010も、第1のパチンコ遊技機と同様に、保護ガラス43(図2参照)の後方に位置するようにベースドア3(図2参照)の前方に配置される。
図87は、第3のパチンコ遊技機が備える遊技盤ユニット2010の外観を示す正面図の一例である。遊技盤ユニット2010の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域2105が形成される。
なお、第3のパチンコ遊技機の遊技領域2105に配置される各種部材(例えば第1始動口2120等)は、第1のパチンコ遊技機の遊技領域105に配置される各種部材と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図87に示されるように、遊技盤ユニット2010は、主として、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域2105が形成される遊技パネル2100と、ガイドレール2110と、遊技領域2105の略中央部に配置されるセンター役物2115と、第1始動口2120と、第2始動口2140と、一般入賞口2122と、通過ゲートユニット2125と、特別電動役物ユニット2130と、普通電動役物ユニット2145と、LEDユニット2160と、V入賞装置2150と、アウト口2178と、裏ユニット(不図示)とを備える。なお、LEDユニット2160については第1のパチンコ遊技機のLEDユニット160と同様であり、この第3のパチンコ遊技機では説明を省略する。
(遊技パネル)
遊技パネル2100には、表示装置2007の表示領域が臨む位置に開口(参照符号なし)が形成されている。また、遊技パネル2100の前面には、ガイドレール2110が設けられるとともに遊技釘(参照符号なし)等が植設されている。発射装置6(図1、図2参照)から発射された遊技球は、ガイドレール2110から遊技領域2105に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域2105の下方に向けて流下する。
また、遊技パネル2100の後方には、演出効果を高めるために装飾体が設けられた裏ユニット(図示せず)が配置されている。遊技パネル2100は、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できるように透明樹脂で構成されている。この場合、遊技パネル2100の全部が透明部材で構成されていてもよいし、例えば、裏ユニットに設けられた装飾体を正面視で視認できる部位のみが透明部材で構成されていてもよい。また、遊技パネル2100を、透明部分を有さない部材(例えば木製)で構成し、一部に透明部材を設けて演出効果を高めるようにしてもよい。
(ガイドレール)
ガイドレール2110は、第1のパチンコ遊技機と同様に円弧状の外レールおよび内レール(いずれも参照符号なし)により構成される。遊技領域2105は、ガイドレール2110によって区画(画定)される。外レールおよび内レールは、発射装置2006(後述の図88参照)から発射された遊技球を遊技領域2105の上部に案内する機能を有する。
(センター役物)
センター役物2115は、遊技パネル2100の開口(参照符号なし)にはめ込まれるように構成されており、上方には円弧状のセンターレール2116を備えている。遊技領域2105に向けて発射された遊技球は、センターレール2116によって左右に振り分けられる。
発射装置2006によって遊技領域2105に向けて発射された遊技球は、左側領域2106または右側領域2107を流下する。左側領域2106または右側領域2107を流下する遊技球は、遊技パネル2100に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射ハンドル62(図1、図2参照)の操作量が小さい場合、発射された遊技球は左側領域2106を流下する。一方、発射ハンドル62の操作量が大きい場合、発射された遊技球は右側領域2107を流下する。
また、センター役物2115には、左側の外周縁部に、左側領域2106を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口2117が形成されている。ワープ入口2117に進入した遊技球は、センター役物2115に形成されたステージ2118に誘導可能に構成されている。ステージ2118は、表示装置2007の表示領域の下辺前方において遊技球が左右方向に転動可能に形成されている。なお、ステージ2118は、例えば、上段側のステージおよび下段側のステージといったように、複数段で形成されていてもよい。
ステージ2118の左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口2119が形成されており、チャンス入口2119に進入した遊技球は、第1始動口2120の直上に放出されるように構成されている。そのため、チャンス入口2119に進入した遊技球は、ワープ入口2117に進入しなかった遊技球や、ワープ入口2117に進入したもののチャンス入口2119に進入しなかった遊技球と比べて高い確率で第1始動口2120に入賞(通過)するようになっている。
(第1始動口)
第1始動口2120は、表示装置2007の表示領域の下方に配置されており、左打された遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。第1始動口2120に遊技球が入賞すると、第1始動口スイッチ2121(後述の図88参照)により検出される。なお、右打ちされた遊技球が第1始動口2120に入賞可能であってもよい。また、上記の第1始動口2120に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)な第1始動口を備えるようにしてもよい。
第1始動口スイッチ2121(後述の図88参照)により第1始動口2120への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第1特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、始動条件が成立すると、第1特別図柄の当り判定処理に供される。第1始動口2120に遊技球が入賞すると例えば3個の賞球が払い出される。ただし、第1始動口2120への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は3個に限られない。
(第2始動口)
第2始動口2140は、右打された遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)に配置されている。ただし、これに限られず、左打ちされた遊技球が第2始動口2140に入賞可能であってもよい。
第2始動口2140に遊技球が入賞すると、第2始動口スイッチ2141により検出される。第2始動口スイッチ2141(後述の図88参照)により第2始動口2140への遊技球の入賞(通過)が検出されると、第2特別図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された始動情報は、第2特別図柄の当り判定処理に供される。第2始動口2140に遊技球が入賞すると例えば1個の賞球が払い出される。ただし、第2始動口2140への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数はこれに限られない。
(一般入賞動口)
一般入賞口2122は、表示装置2007の表示領域の左下方に複数配置されており、左打された遊技球が入賞可能(右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。複数の一般入賞口2122のうちいずれかに遊技球が入賞すると、一般入賞口スイッチ2123(後述の図88参照)により検出される。
一般入賞口スイッチ2123(後述の図88参照)により一般入賞口2122への遊技球の入賞(通過)が検出されると、例えば4個の賞球が払い出されるが、一般入賞口2122への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は4個に限られない。
また、本実施例において、一般入賞口2122は、右打ちされた遊技球が入賞困難または不可能となるように配置されているが、必ずしもこれに限られず、上記の一般入賞口2122に代えてまたは加えて、右打ちされた遊技球が入賞可能な一般入賞口を備えてもよい。
(通過ゲートユニット)
通過ゲートユニット2125は、右側領域2107に配置されており、右打ちされた遊技球がほぼ通過できるように構成された通過ゲート2126と、通過ゲート2126への遊技球の通過を検出する通過ゲートスイッチ2127(後述の図88参照)とを一体化したユニット体である。通過ゲート2126への遊技球の通過を検出すると、普通図柄の始動情報が抽出され、抽出された始動情報は所定数(例えば最大4個)まで保留される。保留された各種データは、普通図柄の当り判定処理に供される。なお、通過ゲートスイッチ2127により通過ゲート2126への遊技球の通過が検出されたとしても、賞球は払い出されない。また、通過ゲートユニット2125は、右側領域2107に代えてまたは加えて左側領域2106に配置されていてもよい。
(特別電動役物ユニット)
特別電動役物ユニット2130は、大入賞口2131と、大入賞口2131への遊技球の入賞(通過)を検出する大入賞口カウントスイッチ2132(後述の図88参照)と、特別電動役物2133とを一体化したユニット体である。特別電動役物ユニット2130は、右側領域2107において、通過ゲートユニット2125よりも下方に配置されている。
大入賞口2131は、右打ちされた遊技球が入賞可能(左打ちされた遊技球が入賞困難または不可能)となるように配置されている。ただし、これに限定されるものではなく、上記の大入賞口2131に代えてまたは加えて、左打ちされた遊技球が入賞可能な大入賞口を配置したり、センター役物2115の上部において遊技球が入賞可能な大入賞口を配置するようにしてもよい。
大入賞口2131は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態に制御されているときに所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞(通過)可能となるように開放される入賞口である。大入賞口カウントスイッチ2132(後述の図88参照)により大入賞口2131への遊技球の入賞が検出されると、例えば10個の賞球が払い出される。ただし、大入賞口2131への遊技球の入賞に基づいて払い出される賞球数は10個に限られない。
特別電動役物2133は、前後方向に進退可能な特電用シャッタ2134と、この特電用シャッタ2134を作動させる特電用ソレノイド2135(後述の図88参照)とを備える。特別電動役物2133すなわち特電用シャッタ2134は、大入賞口2131への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、大入賞口2131への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に移行可能に構成される。大入賞口2131が閉鎖状態から開放状態に移行するのは、上述した第1のルートを経て大当り遊技状態となった場合である。上述した第1のルートを経て大当り遊技状態となった場合、上記の閉鎖状態から開放状態への状態移行が所定のラウンド数にわたって行われる。なわち、第1のルートを経た大当り遊技状態は、大入賞口2131が閉鎖状態から所定期間にわたって開放状態に移行するラウンド遊技を複数ラウンドにわたって行うことにより、多量の遊技球を賞球として払い出すことを可能にした遊技状態である。
(普通電動役物ユニット)
普通電動役物ユニット2145は、遊技球が入賞(通過)することによって所定数の遊技球が賞球として払い出される入賞口と、この入賞口への遊技球の入賞を検出するスイッチと、普通電動役物2146とを一体化したユニット体であって、右側領域2107に配置されている。本実施例では、上記の入賞口を第2始動口2140とし、上記のスイッチを第2始動口スイッチ2141としている。
普通電動役物2146は、前後方向に進退可能な突出板型の普電用シャッタ2147と、この普電用シャッタ2147を作動させる普電用ソレノイド2148(後述の図88参照)とを備える。普通電動役物2146すなわち普電用シャッタ2147は、第2始動口2140への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態と、第2始動口2140への遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態と、に状態移行可能に構成される。なお、前後方向に進退可能な上記の普電用シャッタ2147に代えて、所謂電チューと呼ばれる可動部材を採用してもよい。
(V入賞装置)
V入賞装置2150は、右側領域2107において通過ゲート2126の下流側に設けられている。V入賞装置2150は、V入賞装置2150の内部に遊技球が進入できるように開口された開閉入賞口2151と、開閉入賞口2151を開閉させることが可能なVアタッカー2152と、このVアタッカー2152を作動させて開閉入賞口2151を開閉させるVアタッカー用ソレノイド2154と、Vアタッカー2152の作動により開閉入賞口2151が開放されたときにV入賞装置2150の内部に遊技球が進入したことを検出するVアタッカーカウントスイッチ2153と、開閉入賞口2151からV入賞装置2150の内部に進入した遊技球が通過可能なV入賞口2155と、開閉入賞口2151からV入賞装置2150の内部に進入した遊技球がV入賞口2155に遊技球が進入(通過)したことを検出するV入賞口スイッチ2156と、開閉入賞口2151からV入賞装置2150の内部に進入した遊技球のうちV入賞口2155に進入しなかった遊技球が進入(通過)可能なハズレ口2157と、V入賞口2155を開閉させるVシャッター2158と、このVシャッター2158を作動させてV入賞口2155を開閉させるVシャッター用ソレノイド2159と、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球のうち1球のみを保持することができる係止部材2160とを備える。なお、V入賞装置2150は、通過ゲート2126よりも上流側に設けられていてもよいし、左側領域2106に設けられていてもよい。
Vアタッカー2152は、弧状に沿った部材からなり、常には開閉入賞口2151を閉鎖する閉鎖状態である。そして、特別図柄の可変表示が終了して後述する「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されると、特別図柄の可変表示が終了するとほぼ同時に、Vアタッカー用ソレノイド2154(後述の図88参照)の作動によりVアタッカー2152が例えば1回作動する。Vアタッカー2152は、1回作動すると開閉入賞口2151が例えば1800msec開放する開放状態となる。そして、Vアタッカー2152の作動により開閉入賞口2151が開放している間、V入賞装置2150の内部に進入可能な遊技球は、1回の開放あたり最大で例えば10個である。
なお、「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されたときにVアタッカー2152を開放させる態様は、上記に限られず、例えば、900msecの開放を2回行ってもよいし、所定個(例えば1個)の遊技球がV入賞装置2150の内部に進入したことに基づいて閉鎖するようにしてもよい。
Vアタッカーカウントスイッチ2153は、V入賞装置2150の内部への遊技球の進入を検出するものである。Vアタッカーカウントスイッチ2153によりV入賞装置2150の内部への遊技球の進入が検出されると、メインCPU2201は、払出・発射制御回路2400を介して例えば10個の賞球を払い出し、メインCPU2201の機能であるVアタッカー入賞カウンタの値を加算する。Vアタッカー入賞カウンタが規定値に到達すると、開閉入賞口2151を開放することができる最大時間(例えば1800msec)が経過していなくても、Vアタッカー用ソレノイド2154によりVアタッカー2152が作動して開閉入賞口2151が閉鎖される。
V入賞口2155は、遊技球が通過したことを条件に、Vアタッカー2152の開放制御が継続される。すなわち、V入賞口2155は、上述した第2のルートを経て大当り遊技状態に制御される契機となる入賞口である。
V入賞口スイッチ2156は、V入賞口2155への遊技球の通過を検出するものである。メインCPU2201(図88参照)は、Vアタッカー2152が開放してから所定時間(例えば4000msec)内にV入賞口2155への遊技球の通過を検出すると、Vアタッカー2152の開放制御を継続する。すなわち、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御される。第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、Vアタッカー2152が閉鎖状態から開放状態に移行するラウンド遊技が所定のラウンド数にわたって行われる。
このように、本実施例では、第1のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合は大入賞口2131を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行されるのに対し、第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合はVアタッカー2152を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技が実行される。ただし、これに限られず、例えば第2のルートを経て大当り遊技状態に制御された場合、1ラウンド目はVアタッカー2152を閉鎖状態から開放状態へ移行させるものの、ラウンド遊技の途中から例えば大入賞口2131を閉鎖状態から開放状態へ移行させるラウンド遊技を実行してもよい。
また、例えば特別電動役物2133の内部(すなわち、特電用シャッタ2134が開放状態となったときに遊技球の進入が可能となる領域)にV入賞口を設ける等によって、V入賞口および大当り遊技状態において開放されるアタッカーを一つずつとしてもよい。この場合、「役物開放当り」であることを示す停止表示態様が導出されると特電用シャッタ2134が開放状態とされ、特別電動役物2133の内部に設けられたV入賞口2155に遊技球が進入すると、大当り遊技状態(第2のルートを経た大当り遊技状態)に制御される。
ハズレ口2157は、V入賞装置2150の内部に進入したもののV入賞口2155を通過しなかった遊技球が進入(通過)するよう構成されたものである。ハズレ口2157を通過した遊技球は機外に排出される。なお、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球の全部がハズレ口2157を通過し、V入賞口2155への遊技球の通過がなかった場合、Vアタッカー2152の開放制御が継続されずに終了する。
Vシャッター2158は、Vシャッター用ソレノイド2159(後述の図88参照)の作動により、V入賞口2155への遊技球の通過が不可能(又は困難)な閉鎖態様と、V入賞口2155への遊技球の通過が可能(又は容易)な開放態様との間で、常時一定動作を行っている。本実施例では、例えば、「6000msec閉鎖⇒1000msec開放⇒6000msec閉鎖」の動作を繰り返す7000msecのサイクル(周期)でVシャッター2158が常時一定動作を行っている。
係止部材2160は、V入賞口2155の上方に設けられており、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球のうち例えば1球のみを保持することができるように構成されている。V入賞装置2150に進入したものの係止部材2160により保持されなかった遊技球は、ハズレ口2157から機外に排出される。V入賞装置2150に複数の遊技球が進入した場合であっても、係止部材2160により保持されなかった遊技球は、全て、ハズレ口2157から機外に排出される。
また、係止部材2160は、Vアタッカー2152が作動してから一定時間(例えば3000msec)経過後に、図示しない係止用ソレノイドの作動により遊技球の係止が解除される。係止部材2160における係止が解除された遊技球は、V入賞口2155に向けて落下し、このタイミングでV入賞口2155が開放されていればV入賞口2155に入賞(通過)し、このタイミングでV入賞口2155が閉鎖していればハズレ口2157を通過する。なお、係止部材2160を設けずに、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球を、V入賞口2155またはハズレ口2157に振り分けるようにしてもよい。
(アウト口)
アウト口2178は、遊技領域2105に向けて発射されたものの各種入賞口(例えば、第1始動口2120、第2始動口2140、大入賞口2131、V入賞装置2150、一般入賞口2122等)のいずれにも入賞または進入しなかった遊技球を、機外に排出するためのものである。このアウト口2178は、左打ちされた遊技球および右打ちされた遊技球のいずれについても機外に排出できるように、遊技領域2105の最下流側に設けられている。ただし、上記のアウト口2178に加えて、最下流側でない位置、例えば複数の一般入賞口2122の間や特別電動役物ユニット2130と第2始動口2140との間等にアウト口を設けて、遊技領域2105を流下中の遊技球を機外に排出するようにしてもよい。
(裏ユニット)
裏ユニット(不図示)は、第1のパチンコ遊技機と同様、遊技盤ユニット2010を装飾するものであって、遊技パネル2100の後方側に設けられる。この裏ユニットは、表示装置2007の表示領域の周囲に配置され、サブ制御回路2300によって制御される可動役物等の演出用役物群2058を備える。これらの演出用役物群2058のうち少なくとも一以上の役物または役物を構成する演出用役物構成部材は、特別図柄の当り判定処理の結果にもとづいて動作可能な演出用役物として機能する。
[3-2.電気的構成]
次に、図88を参照して、第3のパチンコ遊技機の制御回路について説明する。図88は、第3のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。なお、第3のパチンコ遊技機の制御回路は、第1のパチンコ遊技機の制御回路と共通するものもあるが、改めて一通り説明する。
図88に示されるように、第3のパチンコ遊技機は、第1のパチンコ遊技機と同様、主に、遊技の制御を行う主制御回路2200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路2300と、払出・発射制御回路2400と、電源供給回路2450と、から構成される。
[3-2-1.主制御回路]
主制御回路2200は、メインCPU2201、メインROM2202(読み出し専用メモリ)およびメインRAM2203(読み書き可能メモリ)、初期リセット回路2204およびバックアップコンデンサ2207等を備えており、主基板ケース(不図示)内に収容されている。
メインCPU2201には、メインROM2202、メインRAM2203および初期リセット回路2204等が接続される。メインCPU2201は、動作を監視するWDTや不正を防止するための機能等が内蔵されている。
メインROM2202には、メインCPU2201により第3のパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。メインCPU2201は、メインROM2202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインRAM2203には、遊技の進行に必要な各種データを記憶する記憶領域が設けられており、このメインRAM2203は、メインCPU2201の一時記憶領域として、種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU2201の一時記憶領域としてRAMを用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
初期リセット回路2204は、メインCPU2201を監視し、必要に応じてリセット信号を出力するものである。
バックアップコンデンサ2207は、電断時等に、メインRAM2203に格納されているデータが消失しないように一時的に電力を供給する機能を有するものである。
さらに、主制御回路2200は、各種デバイス等との間で通信可能に接続されるI/Oポート2205、および、サブ制御回路2300に対して各種コマンドを出力可能に接続されるコマンド出力ポート2206等も備える。
また、主制御回路2200には、各種のデバイスが接続されている。例えば、主制御回路2200には、普通図柄表示部2161、普通図柄用保留表示部2162、第1特別図柄表示部2163、第2特別図柄表示部2164、第1特別図柄用保留表示部2165、第2特別図柄用保留表示部2166、時短報知用表示部2168、普電用ソレノイド2148、特電用ソレノイド2135、Vアタッカー用ソレノイド2154、および、Vシャッター用ソレノイド2159等が接続されている。また、主制御回路2200には、これらの他、性能表示モニタ2170およびエラー報知モニタ2172等も接続されている。主制御回路2200は、I/Oポート2205を介して信号を送信することにより、これらのデバイスの動作を制御することができる。
性能表示モニタ2170には、メインCPU2201の制御により性能表示データや設定値等が表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000個)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外の遊技状態で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
エラー報知モニタ2172には、エラーコードが表示される。また、エラー報知モニタ2172には、エラーコードの他に、例えば設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中コードとしては、特別図柄の表示として通常では表示することのない図柄(例えば、設定変更中であることを示す設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
また、主制御回路2200には、第1始動口スイッチ2121、第2始動口スイッチ2141、通過ゲートスイッチ2127、大入賞口カウントスイッチ2132、Vアタッカーカウントスイッチ2153、V入賞口スイッチ2156、および、一般入賞口スイッチ2123も接続されている。これらのスイッチが検出されると、検出信号がI/Oポート2205を介して主制御回路2200に送信される。
さらに、主制御回路2200には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ2186にデータ送信する際に用いる外部端子板2184、設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー2174aが差し込まれる設定キー差込口2174、メインRAM2203に格納されるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアすることが可能なRAMクリアスイッチ2176等が接続されている。なお、設定機能付きパチンコ遊技機であれば、RAMクリアスイッチ2176を、設定値を変更する際のスイッチと兼用するようにしてもよいし、設定値を変更するための設定スイッチを設けるようにしてもよい。
また、設定キー差込口2174およびRAMクリアスイッチ2176は、遊技場の管理者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に触ることができないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。「所定のケース内」には、当該ケースを開放しないと設定キー差込口2174やRAMクリアスイッチ2176に接触できない構成のものだけでなく、当該ケースの設定キー差込口2174およびRAMクリアスイッチ2176の対応箇所にのみ切欠きが設けられ、遊技場の責任者が管理する鍵を使用して島設備からパチンコ遊技機を回動させて背面を露出させたときに、遊技場の責任者が設定キー差込口2174または/およびRAMクリアスイッチ2176に接触できるように構成されているものも含まれる。
なお、本実施例では、設定キー差込口2174およびRAMクリアスイッチ2176は、主制御回路2200に接続されているが、これに限られず、例えば、払出・発射制御回路2400や電源供給回路2450に接続されるような構成にしてもよい。この場合にもまた、遊技場の責任者以外の第三者が設定キー差込口2174やRAMクリアスイッチ2176に容易に接触できないようにすることが好ましい。
[3-2-2.サブ制御回路]
サブ制御回路2300は、サブCPU2301、プログラムROM2302、ワークRAM2303、表示制御回路2304、音声制御回路2305、LED制御回路2306、役物制御回路2307およびコマンド入力ポート2308等を備える。サブ制御回路2300は、主制御回路2200からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、図88には示されていないが、第1のパチンコ遊技機と同様、サブ制御回路2300には、遊技者が操作可能な演出ボタン54(図1参照)等も接続されている。
プログラムROM2302には、サブCPU2301により第3のパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。サブCPU2301は、プログラムROM2302に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU2301は、主制御回路2200から送信される各種のコマンドに従って、遊技演出にかかる制御を行う。
ワークRAM2303は、サブCPU2301の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
表示制御回路2304は、表示装置2007における表示制御を行うための回路である。表示制御回路2304は、VDPや、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データを一時的に格納するフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を備える。
表示制御回路2304は、サブCPU2301からの画像表示命令に応じて、表示装置2007に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、表示装置2007に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路2304は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで表示装置2007に供給する。表示装置2007に画像信号が供給されると、表示装置2007に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路2304は、表示装置2007に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路2305は、スピーカ2032から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路2305は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を備える。
音源ICは、スピーカ2032から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU2301から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、スピーカ2032から出力される音声や効果音等の信号を増幅させるものである。
LED制御回路2306は、装飾LED等を含むLED群2046の制御を行うための回路である。LED制御回路2306は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を備える。
役物制御回路2307は、各役物(例えば、演出用役物群2058のうちの一または複数の役物)の動作を制御するための回路である。役物制御回路2307は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を備える。
また、役物制御回路2307は、サブCPU2301からの役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU2301からの点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート2308は、コマンド出力ポート2206と接続されており、主制御回路2200から送信されたコマンドを受信するものである。
払出・発射制御回路2400は、パチンコ遊技機からの賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路2400には、遊技球を払い出すための払出装置2082、遊技球を発射するための発射装置2006、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット2180等が接続されている。
払出・発射制御回路2400は、主制御回路2200から供給される賞球制御コマンドを受け取ると、払出装置2082に対して所定の信号を送信し、払出装置2082に遊技球を払い出させる制御を行う。
カードユニット2180には、球貸し操作パネル2182が接続されている。球貸し操作パネル2182には、球貸しを受けるための球貸しボタンや、キャッシュデータが記憶されている球貸しカードの返却を受けるための貸出返却ボタン(いずれも不図示)が設けられている。例えば遊技者によって球貸し操作が行われると、球貸し操作に応じた貸し球制御信号がカードユニット2180に送信される。払出・発射制御回路2400は、カードユニット2180から送信された貸し球制御信号に基づいて、払出装置2082に遊技球を払い出させる制御を行う。なお、操作パネル2182は、パチンコ遊技機側に設けられることが多いが、カードユニット2180側に設けられてもよい。
また、払出・発射制御回路2400は、発射ハンドル62(図1、図2参照)が時計回りの方向へ回動操作されたことに基づいて、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
電源供給回路2450は、遊技に際して必要な電源電圧を、主制御回路2200、サブ制御回路2300、払出・発射制御回路2400等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路2450には、電源スイッチ2095等が接続されている。電源スイッチ2095は、パチンコ遊技機(より詳しくは、主制御回路2200、サブ制御回路2300、払出・発射制御回路2400等)に必要な電源を供給するときにオン操作するものである。
[3-3.基本仕様]
次に、図89~図92を参照して、第3のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。なお、第3のパチンコ遊技機は設定機能付きのパチンコ遊技機であってもよいが、以下では、設定機能にかかわる記載は省略する。
なお、第3のパチンコ遊技機では、確変制御が実行されない。また、第3のパチンコ遊技機では、時短制御が実行されない通常遊技状態および時短制御が実行される時短遊技状態が用意されており、メインCPU2201は、通常遊技状態または時短遊技状態において遊技を進行させることが可能となっている。
本実施例において、通常遊技状態では左打ちが正規な遊技態様とされ、時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされる。サブCPU2301は、正規な遊技態様とされる打ち方を、例えば表示装置2007の表示領域に表示する制御を実行する。
[3-3-1.特別図柄の当り判定テーブル]
図89は、第3のパチンコ遊技機が備える主制御回路2200のメインROM2202に記憶されている特別図柄の当り判定テーブルの一例である。
図89に示されるとおり、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)した場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の大当り判定用乱数値を用いた第1特別図柄の当り判定処理に基づいて、特別図柄の当り判定処理の結果を、「時短当り」、「大当り」または「ハズレ」に決定する。また、第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)した場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の大当り判定用乱数値を用いた第2特別図柄の当り判定処理に基づいて、特別図柄の当り判定処理の結果を、「時短当り」、「大当り」または「役物開放当り」に決定する。
なお、第1特別図柄の当り判定処理が行われた場合に「役物開放当り」が決定されないようにすることは必須ではないが、「役物開放当り」に決定されるようにしたとしても、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合と比べて極めて低い確率(例えば、「大当り」と同等か「大当り」よりも低い確率)でしか決定されないようにすることが好ましい。また、第2特別図柄の当り判定処理が行われた場合に「ハズレ」に決定されないようにすることは必須ではないが、「ハズレ」に決定されるようにした場合、「役物開放当り」に決定される確率よりも高くなるようにしてもよいし、「役物開放当り」に決定される確率よりも低くなるようにしてもよい。
メインROM2202に記憶される特別図柄の当り判定テーブルには、第1始動口2120への入賞に基づいて実行される第1特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「時短当り」、「大当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「時短当り判定値データ」、「大当り判定値データ」、「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。また、第2始動口2140への入賞に基づいて実行される第2特別図柄の当り判定処理に用いられるデータとして、「時短当り」、「大当り」又は「役物開放当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「時短当り判定値データ」、「大当り判定値データ」、「役物開放当り判定値データ」)との関係が規定されている。
なお、この第3のパチンコ遊技機では、「大当り」に決定される大当り確率を変更する機能を有していないが、これは必須ではなく、例えば大当りの種類等に応じて確変フラグがオンにセットされるようにして大当り確率が高められるようにしてもよい。
また、この第3のパチンコ遊技機では、第1特別図柄および第2特別図柄ともに、大当り判定用乱数値の総乱数値は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数値は0~65535の範囲(幅)で発生する。
なお、第3のパチンコ遊技機が設定機能付きパチンコ遊技機である場合、例えば、大当り確率または/および役物開放当り確率を、低設定よりも高設定の方が高くなるようにするとよい。この場合、例えば、大当り確率および役物開放当り確率の両方を、低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよいし、役物開放当り確率を設定値にかかわらず一定とし、大当り確率を低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよいし、大当り確率を設定値にかかわらず一定とし、役物開放当り確率を低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよい。ただし、第3のパチンコ遊技機が設定機能付きパチンコ遊技機であったとしても、例えば、時短当り確率については、全設定で共通する確率とすることが好ましい。
また、設定値に応じて大当り確率や役物開放当り確率を変えることに代えてまたは加えて、例えば、Vアタッカー2152の開放時間を設定値毎に変えてV入賞装置2150への入賞率を変えたり、V入賞口2155の開放頻度や開放時間を設定値毎に変えてV入賞口2155への通過率を変えたり、時短継続回数を設定値毎に変えたりする等してもよい。すなわち、大当り確率、役物開放当り確率、V入賞口2155の開放頻度(すなわちVアタッカー2152の作動頻度)や開放時間および時短継続回数等、遊技者にとっての有利度合いを変更しうる条件のうちの一つまたは二つ以上を採用することにより、大当り遊技状態に制御される期待値が低設定よりも高設定の方が高くなるように構成してもよい。
[3-3-2.特別図柄判定テーブル]
図90は、第3のパチンコ遊技機が備える主制御回路2200のメインROM2202に記憶されている特別図柄判定テーブルの一例である。
特別図柄判定テーブルは、始動口2120,2140に遊技球が入賞した際に抽出される特別図柄の図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」を選択する際に参照されるテーブルである。「選択図柄コマンド」は、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであった場合に、大当り種類に応じて定められる当り図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の可変表示の停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。特別図柄の図柄乱数値は、例えば0~99(100種類)の中から抽出される。
図90に示される特別図柄判定テーブルによれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、第1特別図柄の図柄乱数値が例えば0~99のいずれであっても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z0」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA1」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、メインCPU2201は、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドを以下のように選択する。すなわち、第1特別図柄の図柄乱数値が0~3のいずれかである場合、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z1」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。また、第1特別図柄の図柄乱数値が4~60のいずれかである場合、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z2」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。さらに、第1特別図柄の図柄乱数値が61~99のいずれかである場合、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z3」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA2」を選択する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果としてハズレ判定値データが得られた場合、第1特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであっても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z4」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA3」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として時短当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれかであったとしても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z5」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA4」を選択する。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果として大当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれかであったとしても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z6」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA5」を選択する。
さらに、第2特別図柄の当り判定処理の結果として役物開放当り判定値データが得られた場合、例えば、選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のように選択される。すなわち、第2特別図柄の図柄乱数値が0~99のいずれであったとしても、メインCPU2201は、選択図柄コマンドとして「z7」を選択し、図柄指定コマンドとして「zA6」を選択する。
なお、第3のパチンコ遊技機では説明を省略するが、主制御回路2200のメインROM2202には、第1のパチンコ遊技機において説明した特別図柄停止態様決定テーブル(図12(A)参照)に相当する特別図柄停止態様決定テーブルが記憶されている。特別図柄停止態様決定テーブルは、特別図柄の可変表示が停止したときに第1特別図柄表示部2163または第2特別図柄表示部2164(図88参照)に導出される特別図柄の停止態様を、選択図柄コマンドに応じて決定する際に参照されるテーブルである。また、特別図柄表示部2163,2164には、特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて、時短当りの表示態様、大当りの表示態様、役物開放当りの表示態様またはハズレの表示態様が導出される。また、第1のパチンコ遊技機において説明した装飾図柄停止態様決定テーブル(図12(B)参照)に相当する装飾図柄停止態様決定テーブルについても、サブ制御回路2300のプログラムROM2302に記憶されている。
[3-3-3.当り種類決定テーブル]
図91は、第3のパチンコ遊技機が備える主制御回路2200のメインROM2202に記憶されている当り種類決定テーブルの一例である。当り種類決定テーブルは、特別図柄の図柄乱数値に対応して決定される選択図柄コマンドに応じて、大当り遊技状態の態様(より詳しくはラウンド数)と、その後の遊技状態の態様(より詳しくは時短フラグおよび時短の終了条件)と、を決定する際に参照される。その後の遊技状態の態様は、大当り遊技状態終了後の遊技状態の態様を示す。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りである場合は、大当り遊技状態に制御されることなくC時短遊技状態に制御される。図91の時短の終了条件に欄に示される「L」は、第1特別図柄の可変表示回数と第2特別図柄の可変表示回数との和を示す。同様に、「M」は第2特別図柄の可変表示回数を示し、「N」は役物開放当り回数を示す。なお、図91の備考欄は、分かりやすいように便宜上記載したものである。
本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、C時短遊技状態の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z0」である場合、メインCPU2201は、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=30、M=6、N=3に決定する。また、選択図柄コマンドが「z5」である場合、メインCPU2201は、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=30、M=3、N=3に決定する。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、大当り遊技状態の態様としてのラウンド数は決定されない。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、大当り遊技状態の態様としてのラウンド数、およびその後の遊技状態(A時短遊技状態)の態様は、次のとおり決定される。例えば、選択図柄コマンドが「z1」である場合、メインCPU2201は、ラウンド数を10ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=50、M=5、N=2に決定する。また、選択図柄コマンドが「z2」である場合、メインCPU2201は、ラウンド数を4ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=50、M=5、N=1に決定する。また、選択図柄コマンドが「z3」である場合、メインCPU2201は、ラウンド数を4ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットしないことを決定する。また、選択図柄コマンドが「z6」である場合、メインCPU2201は、ラウンド数を10ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=50、M=5、N=2に決定する。
また、特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放り」(例えば、選択図柄コマンドが「z7」)であって、第2のルートを経た大当り遊技状態に制御された場合、メインCPU2201は、ラウンド数を10ラウンドに決定し、時短フラグをオンにセットすることを決定し、時短の終了条件を、L=50、M=5、N=2に決定する。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放り」であったとしても、第2のルートを経た大当り遊技状態に制御されなかった場合には、メインCPU2201は、大当り遊技状態を実行しないだけでなく、時短フラグもオンにセットせず、役物開放当りに基づく制御を実行した後、役物開放当り直前の遊技状態に戻す。
また、例えば、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z4」の場合)、メインCPU2201は、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットしない。すなわち、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレの場合、メインCPU2201は、遊技状態を移行させずに、それまでの遊技状態に継続して制御する。
なお、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合(例えば、選択図柄コマンドが「z4」の場合)、上述したように大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれもセットされないため、本来、図91の当り種類決定テーブルに図示する必要がない。ただし、本実施例では、特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、大当り遊技状態の態様およびその後の遊技状態の態様のいずれも決定されないことを明示するために、便宜上、図91に図示したものである。
また、図91の時短の終了条件の欄に示される「L」、「M」、および「N」は、いずれも遊技状態にかかわらず同じ条件であるが、これに限られず、遊技状態に応じて異なる条件としてもよい。例えば、終了条件「L」、「M」、および「N」の全部を、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とでそれぞれ異ならせてもよいし、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態でのみ異ならせてもよい。また、終了条件「L」、「M」、および「N」のうちいずれか一の終了条件のみを、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とでそれぞれ異ならせてもよいし、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうちいずれか一の時短遊技状態でのみ異ならせてもよい。すなわち、終了条件「L」、「M」、および「N」のうち少なくともいずれか一の終了条件を、A時短遊技状態とB時短遊技状態とC時短遊技状態とのうち少なくともいずれか一の時短遊技状態において異ならせてもよい。
[3-3-4.特別図柄の変動パターンテーブル]
図92は、第3のパチンコ遊技機の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。なお、図92中の「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。メインCPU2201は、第1始動口2120への遊技球の入賞に基づくときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口2140への遊技球の入賞に基づくときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。
図92に示されるように、メインCPU2201は、第1始動口2120に遊技球が入賞したときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口2140に遊技球が入賞したときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。
図92に示されるように、第1特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の変動パターンを、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)したときに抽出された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果が「大当り」である場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の変動パターンを、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)したときに抽出された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
また、第1特別図柄の当り判定処理の結果が「ハズレ」である場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の変動パターンを、時短フラグの値、第1始動口2120に遊技球が入賞(通過)したときに抽出されたリーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値に基づいて決定する。なお、時短遊技状態では右打ちが正規な遊技態様とされるため第1始動口2120に遊技球が入賞することは殆どないと考えられる。
また、第2特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU2201は、第1特別図柄の変動パターンを、第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)したときに抽出された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
また、第2特別図柄抽選の結果が「大当り」である場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の変動パターンを、第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)したときに抽出された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
第2特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」であって且つ時短フラグの値が「1」である場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の変動パターンを、第2始動口2140に遊技球が入賞したときに抽出されたリーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値に基づいて第2特別図柄の変動パターンを決定する。
一方、第2特別図柄の当り判定処理の結果が「役物開放当り」であって且つ時短フラグの値が「0」である場合、メインCPU2201は、第2特別図柄の変動パターンを、変動時間が例えば600000msecと極めて長い長変動演出に決定する。時短フラグの値が「0」である場合、基本的に第2始動口2140に遊技球が入賞(通過)することはないが、不測の事態が発生して仮に万一第2始動口2140に遊技球が入賞した場合であっても、有利者に与えうる利益を最小限にとどめるようにするためこのようにしたものであるが、このようにすることは必ずしも必須ではない。
なお、リーチ判定用乱数値は例えば0~249(250種類)の中から抽出され、演出選択用乱数値は例えば0~99(100種類)の中から抽出される。ただし、発生する乱数値の範囲は上記に限られない。
メインCPU2201は、第1始動口2120への遊技球の入賞に基づいて抽出した演出選択用乱数値が特定の乱数値である場合、先読みフラグを設定する。メインCPU2201から送信された特別図柄の変動パターンコマンドを受信したサブCPU2301は、先読みフラグが設定されている場合、先読み演出を行う。
なお、便宜上、図92の特別図柄の変動パターンテーブルにはあらわれていないが、本実施例では、メインCPU2201は、時短フラグがオフである場合に先読みフラグを設定し、時短フラグがオンであったり確変フラグがオンである場合には先読みフラグを設定しない。
また、本実施例では、先読み演出を行うか否かをメインCPU2201が決定しているが、これに限られず、サブCPU2301が決定するようにしてもよい。
なお、メインCPU2201は、時短フラグがオンである場合や確変フラグがオンである場合にも先読みフラグを設定するように(先読み演出が行われるように)してもよい。また、第2特別図柄の変動パターンを決定する際にも、先読みフラグを設定するように(先読み演出が行われるように)してもよい。
時短フラグがオンである場合、決定される特別図柄の変動パターンは、時短フラグがオフである場合と比べて単位時間あたりの変動回数の期待値が小さい。すなわち、時短フラグがオンである場合の特別図柄の変動時間は、時短フラグがオフである場合の特別図柄の変動時間と比べて短時間となりやすい。
メインCPU2201は、決定した変動パターン情報をサブCPU2301に送信する。サブCPU2301は、メインCPU2201から送信された変動パターン情報に基づいて、表示装置2007の表示領域に表示される表示演出や、スピーカ2032から出力される音演出を制御する。
また、図92の「備考」の欄に示される時短当り系リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りの可能性がある(大当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。同様に、大当り系リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りの可能性がある(時短当りの可能性がない)ことを示すリーチ演出である。さらに、共通リーチA,Bは、特別図柄の当り判定処理の結果が時短当りおよび大当りのいずれについても可能性があることを示すリーチ演出である。
また、第3のパチンコ遊技機では説明を省略するが、第1のパチンコ遊技機と同様に、主制御回路2200のメインROM2202には普通図柄の当り判定テーブル(図16参照)、普通図柄判定テーブル(図17参照)、普通図柄当り種類決定テーブル(図18参照)、普通図柄の変動パターンテーブル(図19参照)が記憶されている。そして、メインCPU2201は、普通電動役物2146(図87参照)の開放パターンを第1のパチンコ遊技機と同様に決定し、これに基づいて普通電動役物2146の作動態様を制御する。
[3-4.主制御処理]
第3のパチンコ遊技機において、主制御回路2200のメインCPU2201により実行される各種処理(各種モジュール)は、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理が異なるものの、その他の処理については同様である。そこで、以下では、特別図柄制御処理について説明し、メインCPU2201により実行されるその他の処理についての説明は省略する。なお、第3のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理において行われる処理には、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理もあるが(例えば、大当り終了処理(図42、図103)等)、以下では、第1のパチンコ遊技機において行われる処理と同じ処理も含めて、ステップ番号を代えて改めて説明する。
[3-4-1.特別図柄制御処理]
次に、図93を参照して、主制御メイン処理(図20~図23参照)中のS39で行われる特別図柄制御処理について説明する。図93は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
図93に示されるように、メインCPU2201は、先ず、S2001において、特別図柄の制御状態番号をロードする。特別図柄の制御状態番号は、特別図柄の可変表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(ステータス)を示す番号である。メインCPU2201は、S2001の処理を実行した後、処理を、S2002に移す。
なお、図示しないが、メインCPU2201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、S2001の処理に先だって、メインRAM2203内の特別図柄の作業領域等のアドレスを所定のレジスタにセットするアドレス設定処理を行う。
また、同じく図示しないが、メインCPU2201は、特別図柄制御処理を実行するにあたり、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数をチェックする処理も行う。そして、メインCPU2201は、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数のいずれもが一定時間以上にわたって「0」である場合、デモ表示コマンド送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約されたデモ表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。そして、デモ表示コマンドをサブ制御回路2300が受信すると、サブCPU2301はデモ表示演出を行う。なお、第2のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能なパチンコ遊技機でないため、第1のパチンコ遊技機において説明したような主特別図柄の概念がない。
S2002において、メインCPU2201は、S2001でロードした特別図柄の制御状態番号が0であるか否か、すなわち特別図柄の可変表示待ち状態であるか否かを判定する。
S2002において特別図柄の制御番号が0でないと判定された場合(S2002がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2005に移す。
一方、S2002において特別図柄の制御番号が0であると判定された場合(S2002がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2003に移す。
S2003において、メインCPU2201は、第2特別図柄が可変表示開始であるか否か、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判定する。
S2003において第2特別図柄が可変表示開始でない、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されていないと判定された場合(S2003がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2004に移す。
S2004において、メインCPU2201は、第1特別図柄が可変表示開始であるか否か、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判定する。
S2004において第1特別図柄が可変表示開始でない、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されていないと判定された場合(S2004がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
一方、S2004において第1特別図柄が可変表示開始である、すなわち第1特別図柄の始動情報が保留されていると判定された場合(S2004がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2005に移す。
S2003に戻って、第2特別図柄が可変表示開始である、すなわち第2特別図柄の始動情報が保留されていると判定された場合(S2003がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2005に移す。
S2005において、メインCPU2201は、特別図柄管理処理を行う。この特別図柄管理処理の詳細については、図94を参照して後述する。メインCPU2201は、S2003の処理を実行した後、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図20~図23参照)に戻す。
なお、メインCPU2201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄制御処理(S2001~S2005)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
このように、本実施例では、第3のパチンコ遊技機として、第2特別図柄の始動情報が保留されている場合、第1特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理(S2005)が実行される優先変動機について説明したが、これに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報が保留されている場合、第2特別図柄よりも高い優先順位で特別図柄管理処理(S2005)が実行される優先変動機としてもよいし、第1始動口2120または第2始動口2140への入賞順に特別図柄管理処理が実行される順次変動機としてもよい。
[3-4-2.特別図柄管理処理]
次に、図94を参照して、特別図柄制御処理(図93参照)中のS2005でメインCPU2201により実行される特別図柄管理処理について説明する。図94は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄管理処理の一例を示すフローチャートである。
なお、制御状態番号が0の場合(S2002がYES判定の場合)、特別図柄管理処理は、S2003がYES判定の場合は第2特別図柄が処理対象であり、S2004がYES判定の場合は第1特別図柄が処理対象である。また、制御状態番号が0でない場合(S2002がNO判定の場合)、特別図柄管理処理は、実行中の特別図柄が処理対象である。
また、図94に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「0」~「7」)は、処理対象となる特別図柄の制御状態番号である。メインCPU2201は、制御状態番号に対応する各処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の待ち時間が0であるか否かを判定する(S2011)。
S2011において特別図柄の待ち時間が0でないと判定された場合(S2011がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図93参照)に戻す。
一方、S2011において特別図柄の待ち時間が0であると判定された場合(S2011がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2012に移す。
S2012において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号をロードする。そして、メインCPU2201は、S2012の処理を実行した後、処理を、S2013に移す。なお、メインCPU2201は、S2012の処理で読み出された制御状態番号に基づいて、S2013以降の処理を行う。
S2013において、メインCPU2201は、特別図柄可変表示開始処理を行う。このS2013の処理は、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示開始処理の詳細については、図95を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「0」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2014に移す。
S2014において、メインCPU2201は、特別図柄可変表示終了処理を行う。このS2014の処理は、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる処理である。この特別図柄可変表示終了処理の詳細については、図96を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2015に移す。
S2015において、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を行う。このS2015の処理は、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる処理である。この特別図柄遊技判定処理の詳細については、図97を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「2」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2016に移す。
S2016において、メインCPU2201は、V入賞装置開放準備処理を行う。このS2016の処理は、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる処理である。このV入賞装置開放準備処理の詳細については、図99を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「3」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2017に移す。
S2017において、メインCPU2201は、V入賞装置開放制御処理を行う。このS2017の処理は、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる処理である。このV入賞装置開放制御処理の詳細については、図100を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「4」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2018に移す。
S2018において、メインCPU2201は、大入賞口開放準備処理を行う。このS2018の処理は、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放準備処理の詳細については、図101を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「5」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2019に移す。
S2019において、メインCPU2201は、大入賞口開放制御処理を行う。このS2019の処理は、特別図柄の制御状態番号が「6」である場合に行われる処理である。この大入賞口開放制御処理の詳細については、図102を参照して後述する。特別図柄の制御状態番号が「6」でない場合には、メインCPU2201は、処理を、S2020に移す。
S2020において、メインCPU2201は、大当り終了処理を行う。このS2020の処理は、特別図柄の制御状態番号が「7」である場合に行われる処理である。この大当り終了処理の詳細については、図103を参照して後述する。
メインCPU2201は、S2013~S2020の処理を終了後、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図93参照)に戻す。この場合、特別図柄管理処理が呼び出された処理に戻す。
[3-4-3.特別図柄可変表示開始処理]
次に、図95を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2013でメインCPU2201により実行される特別図柄可変表示開始処理について説明する。図95は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示開始処理の一例を示すフローチャートである。
なお、特別図柄可変表示開始処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2013で呼び出された処理である場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄可変表示開始処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2013で呼び出された処理である場合、第2特別図柄が処理対象となる。
図95に示されるように、メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S2021)。
S2021において特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定された場合(S2021がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄可変表示開始処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2021において特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定された場合(S2021がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2022に移す。
S2022において、メインCPU2201は、特別図柄の始動情報のシフト処理を行う。メインCPU2201は、S2022の処理を実行した後、処理を、S2023に移す。
S2023において、メインCPU2201は、特別図柄の当り判定処理を行う。この処理では、特別図柄の当り判定テーブル(図89参照)を参照し、特別図柄の大当り判定用乱数値を用いて特別図柄の当り判定が行われる。本実施例では、第1特別図柄が処理対象であれば、時短当り、大当り、およびハズレのうちいずれであるかが判定される。また、第2特別図柄が処理対象であれば、時短当り、大当り、および役物開放当りのうちいずれであるかが判定される。メインCPU2201は、S2023の処理を実行した後、処理を、S2024に移す。
S2024において、メインCPU2201は、特別図柄決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理(S2023)の結果(例えば、時短当り、大当り、役物開放当りまたはハズレ)に対応する特別図柄の停止図柄を判定乃至決定する処理である。この処理では、特別図柄判定テーブル(図90参照)を参照し、特別図柄の図柄乱数値を用いて、上述の「選択図柄コマンド」や「図柄指定コマンド」が判定される。メインCPU2201は、S2024の処理を実行した後、処理を、S2025に移す。
S2025において、メインCPU2201は、大当り種類決定処理を行う。この処理は、特別図柄の当り判定処理の結果が当り(時短当り、大当り、役物開放当り)である場合に、当りの種類を判定乃至決定する処理である。この処理では、当り種類決定テーブル(図91参照)を参照し、特別図柄決定処理(S2024)で判定された「選択図柄コマンド」に応じて当りの種類が決定される。なお、特別図柄の当り判定処理の結果が例えば役物開放当りである場合に決定される当りの種類は、役物開放当りに基づいて開放されたV入賞口2155に遊技球が通過したことによって大当り遊技制御処理が実行された場合の大当りの種類である。また、本実施例では、時短当り、大当り、および役物開放当りの種類をいずれも複数種類としているが、時短当り、大当り、または/および役物開放当りの種類は1つであってもよい。さらには、時短当り、大当り、または/および役物開放当りの種類を複数種類とすることに代えてまたは加えて、ハズレの種類を複数設けるようにしてもよい。メインCPU2201は、S2025の処理を実行した後、処理を、S2026に移す。
S2026において、メインCPU2201は、特別図柄の変動パターン決定処理を行う。この処理は、特別図柄の変動パターンを判定乃至決定する処理である。この処理では、特別図柄の変動パターンテーブル(図92参照)を参照し、例えば、特別図柄の種類、特別図柄の当り判定処理(S2023)の結果、時短フラグの値、リーチ判定用乱数値または/および演出選択用乱数値等に応じて、特別図柄の変動パターンが決定される。メインCPU2201は、S2026の処理を実行した後、処理を、S2027に移す。
S2027において、メインCPU2201は、特別図柄の可変表示時間設定処理を行う。この処理では、変動パターンテーブル(図92参照)を参照し、特別図柄の変動パターン決定処理(S2026)で決定された変動パターンに対応する変動時間が、特別図柄の変動時間として決定される。メインCPU2201は、S2027の処理を実行した後、処理を、S2028に移す。
S2028において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「1」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示開始処理の終了後に、特別図柄可変表示終了処理(図94のS2014参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2028の処理を実行した後、処理を、S2029に移す。
S2029において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。この処理では、例えば、メインRAM2203内の所定領域に格納されている遊技状態にかかわるパラメータ(例えば、確変残回数や時短残回数等)の更新処理等が行われる。メインCPU2201は、S2029の処理を実行した後、処理を、S2030に移す。
S2030において、メインCPU2201は、遊技状態管理処理を行う。この処理では、主に、遊技状態の管理に関する各種フラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ等)の更新処理を行う。メインCPU2201は、S2030の処理を実行した後、処理を、S2031に移す。
S2031において、メインCPU2201は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出開始コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。
なお、メインCPU2201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄可変表示開始処理(とくに、遊技状態管理処理(S2030)、特別図柄演出開始コマンド送信予約処理(S2031))を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[3-4-4.特別図柄可変表示終了処理]
次に、図96を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2014でメインCPU2201により実行される特別図柄可変表示終了処理について説明する。図96は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄可変表示終了処理の一例を示すフローチャートである。
なお、特別図柄可変表示終了処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2014で呼び出された場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄可変表示終了処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2014で呼び出された処理である場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する(S2041)。
S2041において特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定された場合(S2041がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2041において特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定された場合(S2041がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2042に移す。
S2042において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする処理を行うことにより、この特別図柄可変表示終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(図94のS2015参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2042の処理を実行した後、処理を、S2043に移す。
S2043において、メインCPU2201は、特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う。この処理では、特別図柄の可変表示を停止させる処理も行われる。なお、この処理で送信予約された特別図柄演出停止コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。メインCPU2201は、S2043の処理を実行した後、処理を、S2044に移す。
S2044において、メインCPU2201は、図柄確定数カウンタの値を1加算する。第1のパチンコ遊技機および第2のパチンコ遊技機の説明において上述したように、図柄確定数カウンタは、特別図柄の確定回数(特別図柄ゲームの実行回数)を計数するためのカウンタであるが、例えば、確変残回数や時短残回数等の特定状態下で行われた特別図柄ゲームのゲーム数を管理してもよい。メインCPU2201は、S2044の処理を実行した後、特別図柄可変表示終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-5.特別図柄遊技判定処理]
次に、図97を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2015でメインCPU2201により実行される特別図柄遊技判定処理について説明する。図97は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄遊技判定処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この特別図柄遊技判定処理が第1特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2015で呼び出された処理である場合、第1特別図柄が処理対象となる。同様に、特別図柄遊技判定処理が第2特別図柄を処理対象とする特別図柄管理処理中のS2015で呼び出された場合、第2特別図柄が処理対象となる。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する(S2051)。
S2051において特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定された場合(S2051がNO判定の場合)、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2051において特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定された場合(S2051がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2052に移す。
S2052において、メインCPU2201は、大当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S2052において、大当りでないすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様でないと判定された場合(S2052がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2060に移す。一方、S2052において、大当りであるすなわち停止した特別図柄が大当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S2052がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2053に移す。なお、特別図柄が役物開放当りを示す停止表示態様である場合、および、特別図柄がハズレを示す停止表示態様である場合、S2052においてNO判定される。
S2053において、メインCPU2201は、大当り遊技制御処理の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板2184を介してホールコンピュータ2186(いずれも図88参照)に出力される信号(例えば、大当り信号等)の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄の当り信号である。メインCPU2201は、S2053の処理を実行した後、処理を、S2054に移す。
また、S2053の大当り遊技制御の開始設定処理において、メインCPU2201は、時短フラグや時短カウンタ等、各種フラグや各種カウンタをクリアする処理も行う。
S2054において、メインCPU2201は、ラウンド表示LEDデータをセットする処理を行う。その後、メインCPU2201は、例えば、大入賞口2131の開放回数の上限値をセットする処理(S2055)、外部端子板2184への大当り信号セット処理(S2056)、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2057)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S2058)、および、大当り開始表示コマンドの送信予約処理(S2059)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2057)を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図94のS2018参照)が行われることとなる。その後、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
S2060において、メインCPU2201は、役物開放当りであるか否か、すなわち停止した特別図柄が役物開放当りを示す停止表示態様であるか否かを判定する。
S2060において、役物開放当りでないすなわち停止した特別図柄がハズレを示す停止表示態様であると判定された場合(S2060がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2061に移す。一方、S2060において、役物開放当りであるすなわち停止した特別図柄が役物開放当りを示す停止表示態様であると判定された場合(S2060がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2061に移す。
S2061において、メインCPU2201は、役物開放当り遊技制御の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板2184を介してホールコンピュータ2186(いずれも図88参照)に出力される信号(例えば、役物開放当り信号等)の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄にかかわる信号である。メインCPU2201は、S2061の処理を実行した後、処理を、S2062に移す。
S2062において、メインCPU2201は、V入賞装置2150の開放回数の上限値をセットする処理を行う。本実施例では、この処理でセットされるV入賞装置2150の開放回数の上限値は例えば1回である。メインCPU2201は、S2062の処理を実行した後、処理を、S2063に移す。
S2062において、メインCPU2201は、外部端子板2184への役物開放当り信号セット処理(S2063)、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S2064)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S2065)、および、役物開放当り開始表示コマンドの送信予約処理(S2066)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「3」にセットする処理(S2064)を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、V入賞装置開放準備処理(図94のS2016参照)が行われることとなる。その後、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
S2067において、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この特別図柄遊技終了処理については、図98を参照して後述する。なお、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を行うと、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
なお、メインCPU2201は、割込み禁止区間を設定し、上述の特別図柄遊技判定処理(S2051~S2067)を、割込み禁止区間内で行うことが好ましい。
[3-4-6.特別図柄遊技終了処理]
次に、図98を参照して、特別図柄遊技判定処理(図97参照)中のS2067でメインCPU2201により実行される特別図柄遊技終了処理について説明する。図98は、第3のパチンコ遊技機における特別図柄遊技終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、時短管理処理を行う(S2071)。1種2種混合機と称される第3のパチンコ遊技機では高確遊技状態に制御されないため、第3のパチンコ遊技機において実行される時短管理処理は、第1のパチンコ遊技機において図32~図39を参照して説明した処理と異なる点がある。具体的には、第1のパチンコ遊技機では、確変フラグがオンにセットされるとき、および天井カウンタが天井値に到達したときに、天井カウント禁止フラグをオンにセットする旨を説明したが、第3のパチンコ遊技機では、高確遊技状態に制御されない。そのため、確変フラグがオンにセットされるとき、および天井カウンタが天井値に到達したときに、天井カウント禁止フラグをオンにセットに代えて、天井カウンタが天井値に到達したときにのみオンにセットする点で異なる。また、第1のパチンコ遊技機では、時短移行判定処理(図37参照)において、確変フラグがオフであるか否かを判定した上で(S191参照)、確変フラグがオフであることを条件としてS192の処理を行っているが、第3のパチンコ遊技機では、上述したとおり高確遊技状態に制御されないため、S191の処理を行わずに、S192の処理を行う点で異なる。時短管理処理におけるその他の処理については、第1のパチンコ遊技機において図32~図39を参照して説明した処理と同様である。メインCPU2201は、S2071の処理を実行した後、処理を、S2072に移す。
S2072において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「0」にセットする処理を行うことにより今回の特別図柄遊技が終了し、特別図柄可変表示開始処理すなわち次回の特別図柄遊技を実行することが可能となる。メインCPU2201は、S2072の処理を実行した後、処理を、S2073に移す。
S2073において、メインCPU2201は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理(S2074)を行う。なお、この処理で送信予約された特別図柄遊技終了コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。そして、S2074の処理後、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を、特別図柄遊技判定処理(図97参照)に戻す。
[3-4-7.V入賞装置開放準備処理]
次に、図99を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2016でメインCPU2201により実行されるV入賞装置開放準備処理について説明する。図99は、第3のパチンコ遊技機におけるV入賞装置開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「3」であるか否かを判定する(S2081)。
S2081において特別図柄の制御状態番号が「3」でないと判定された場合(S2081がNO判定の場合)、メインCPU2201は、V入賞装置開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2081において特別図柄の制御状態番号が「3」であると判定された場合(S2081がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2082に移す。
S2082において、メインCPU2201は、V入賞装置2150の開放パターン(すなわち、Vアタッカー2152の作動パターン)として、例えば、最大開放時間および最大開放回数等をセットする。本実施例では、最大1800msecの開放を1回だけ行う開放パターンにセットされるが、開放パターンはこれに限られず、例えば、1回あたり最大900msecの開放を最大2回行うようにしてもよいし、1回目を例えば最大600msec開放し、2回目を例えば最大1200msec開放するようにしてもよい。さらには、1回の役物開放当りにつきトータルで規定時間(例えば1800msec)を超えない範囲で複数の開放パターンを設け、これら複数の開放パターンのうち、例えば特別図柄の図柄乱数値に基づいていずれか一の開放パターンにセットされるようにしてもよい。メインCPU2201は、S2082の処理を実行した後、処理を、S2083に移す。
S2083において、メインCPU2201は、V入賞装置開閉制御処理を行う。この処理では、V入賞口2155の開閉制御データの生成処理が行われる。メインCPU2201は、S2083の処理を実行した後、処理を、S2084に移す。
S2084において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「4」にセットする処理(S2084)を行うことにより、このV入賞装置開放準備処理の終了後に、V入賞装置開放制御処理(図94のS2017参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2084の処理を実行した後、処理を、S2085に移す。
S2085において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU2201は、S2085の処理を実行した後、処理を、S2086に移す。
S2086において、メインCPU2201は、V入賞装置開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたV入賞装置開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。メインCPU2201は、S2086の処理を実行した後、V入賞装置開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-8.V入賞装置開放制御処理]
次に、図100を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2017でメインCPU2201により実行されるV入賞装置開放制御処理について説明する。図100は、第3のパチンコ遊技機におけるV入賞装置開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する(S2091)。
S2091において特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定された場合(S2091がNO判定の場合)、メインCPU2201は、V入賞装置開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2091において特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定された場合(S2091がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2092に移す。
S2092において、メインCPU2201は、Vアタッカー2152の作動により開閉入賞口2151が開放されたときにV入賞装置2150の内部に進入した遊技球の個数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、V入賞装置2150の内部に進入した遊技球の入賞個数を計数するVアタッカーカウントスイッチ2153(図88参照)により計数された値が最大入賞個数の値であるか否かが判定される。なお、Vアタッカーカウントスイッチ2153により計数されたVアタッカー入賞カウンタの値は、メインRAM2203内の所定領域に格納される。
S2092において、V入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数でないと判定された場合(S2092がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2093に移す。
一方、S2092において、V入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であると判定された場合(S2092がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2094に移す。
S2093において、メインCPU2201は、V入賞装置2150の最大開放時間(すなわち開閉入賞口2151の最大開放時間)が経過したか否かを判定する。この処理では、S2082の処理(図99参照)でセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
S2093においてV入賞装置2150の最大開放時間が経過していないと判定された場合(S2093がNO判定の場合)、メインCPU2201は、V入賞装置開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2093においてV入賞装置2150の最大開放時間が経過していると判定された場合(S2093がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2094に移す。
S2094において、メインCPU2201は、V入賞装置2150(すなわち開閉入賞口2151)の閉鎖処理を行う。メインCPU2201は、S2094の処理を実行した後、処理を、S2095に移す。
S2095において、メインCPU2201は、V入賞検出があるか否かを判定する。この処理では、規定時間内に、V入賞口2155への遊技球の通過があったか否か(すなわち、V入賞口スイッチ2156による検出があったか否か)を判定する。なお、上記の規定時間はV入賞装置2150の内部への遊技球の進入にかかわる時間であればよく、例えば、Vアタッカー2152の作動が開始してから規定時間内、係止部材2160による遊技球の係止が解除されてから規定時間内等を、上記の規定時間とすることができる。
S2095においてV入賞検出があったと判定された場合(S2095がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2096に移す。
S2096において、メインCPU2201は、V当り遊技制御の開始設定処理を行う。この処理では、外部端子板2184を介してホールコンピュータ2186(いずれも図88参照)に出力される信号(例えば、V当り信号等)の生成および更新が行われる。なお、この処理で生成および更新が行われる信号は、特別図柄遊技判定処理の処理対象である特別図柄の当り信号である。ところで、V当り遊技制御が実行されると、当り種類決定テーブル(図91参照)に示されるように例えば15ラウンドのラウンド遊技が実行されるため、遊技者は、大当り遊技制御処理が実行された場合と同様に多量の賞球を獲得しうる。本実施例では、説明の便宜上、V当り遊技制御と大当り遊技制御処理とを区別して称呼しているが、V当り遊技制御を大当り遊技制御処理と称呼することもできる。メインCPU2201は、S2096の処理を実行した後、処理を、S2097に移す。
また、S2096のV当り遊技制御の開始設定処理において、メインCPU2201は、時短フラグや時短カウンタ等、各種フラグや各種カウンタをクリアする処理も行う。
S2097において、メインCPU2201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。この処理を行うことにより、役物開放当りに基づいて最初に実行されたV入賞装置2150の開放(すなわちVアタッカー2152の作動)が、1ラウンド目のラウンド遊技として処理される。すなわち、V入賞検出があったと判定された(S2095がYES判定された)ことによって実行されるV当り遊技制御は、2ラウンド目のラウンド遊技から開始されることとなる。メインCPU2201は、S2097の処理を実行した後、処理を、S2098に移す。
S2098において、メインCPU2201は、ラウンド表示LEDデータをセットする処理を行う。その後、メインCPU2201は、例えば、V入賞装置2150の開放回数(すなわち。Vアタッカー2152の作動回数)の上限値をセットする処理(S2099)、外部端子板2184へのV当り信号セット処理(S2100)、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2101)、遊技状態指定パラメータ設定処理(S2102)、および、V当り開始表示コマンドの送信予約処理(S2103)等の処理を行う。なお、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2101)を行うことにより、この特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(図94のS2018参照)が行われることとなる。その後、メインCPU2201は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
S2095に戻って、このS2095においてV入賞検出がなかったと判定された場合(S2095がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2104に移す。
S2104において、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図98を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU2201は、S2104の処理を実行した後、V入賞装置開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-9.大入賞口開放準備処理]
次に、図101を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2018でメインCPU2201により実行される大入賞口開放準備処理について説明する。図101は、第3のパチンコ遊技機における大入賞口開放準備処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「5」であるか否かを判定する(S2111)。
S2111において特別図柄の制御状態番号が「5」でないと判定された場合(S2111がNO判定の場合)、メインCPU2201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2111において特別図柄の制御状態番号が「5」であると判定された場合(S2111がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2112に移す。
S2112において、メインCPU2201は、ラウンドカウンタ値をロードする。ラウンドカウンタは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技の実行回数を計数するカウンタである。なお、ラウンドカウンタの計数値(ラウンドカウンタ値)は、メインRAM2203内の所定領域に格納される。メインCPU2201は、S2112の処理を実行した後、処理を、S2113に移す。
S2113において、メインCPU2201は、大入賞口の開放回数が上限値であるか否かを判定する。この処理では、大当り遊技状態において実行されたラウンド遊技の実行回数が上限値であるか否かが判定される。
S2113において大入賞口の開放回数が上限値であると判定された場合(S2113がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2114に移す。
S2114において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「7」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「7」にセットする処理(S2114)を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大当り終了処理(図94のS2020参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2114の処理を実行した後、処理を、S2115に移す。
S2115において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。その後、メインCPU2201は、大当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う(S2116)。なお、この処理で送信予約された大当り終了表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。そして、S2116の処理後、メインCPU2201は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
S2113に戻って、大入賞口の開放回数が上限値でないと判定された場合(S2113がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2117に移す。
S2117において、メインCPU2201は、ラウンドカウンタ値に1を加算する処理を行う。メインCPU2201は、S2117の処理を実行した後、処理を、S2118に移す。
S2118において、メインCPU2201は、開放する大入賞口の選択処理を行う。この処理では、特別図柄の当り判定処理(図95のS2023参照)の結果が大当りであって、大当りを示す停止表示態様が導出された(図97のS2052がYES判定された)ことによって開始された大当り遊技制御処理である場合、開放する大入賞口として大入賞口2131が選択される。一方、特別図柄の当り判定処理の結果が役物開放当りであって、役物開放りを示す停止表示態様が導出され(図97のS2060がYES判定され)、さらにV入賞検出された(図100のS2095がYES判定された)ことによって開始されたV当り遊技制御である場合、開放する大入賞口としてV入賞装置2150(すなわち開閉入賞口2151)が選択される。メインCPU2201は、S2118の処理を実行した後、処理を、S2119に移す。
S2119において、メインCPU2201は、大入賞口関連各種設定処理を行う。この処理では、例えば、大入賞口2131またはV入賞装置2150の開放回数、大入賞口2131またはV入賞装置2150の最大開放時間、大入賞口2131またはV入賞装置2150への最大入賞個数、大入賞口2131またはV入賞装置2150への入賞時の賞球数等がセットされる。大入賞口2131またはV入賞装置2150の開放回数はラウンド数が相当する。なお、1ラウンドにおいて大入賞口2131またはV入賞装置2150が複数回開放されるものを排除する趣旨ではない。ただしこの場合は、ラウンド数を管理する制御と、大入賞口2131またはV入賞装置2150の開閉回数を管理する制御とを、別の処理として行うことが好ましい。メインCPU2201は、S2119の処理を実行した後、処理を、S2120に移す。
なお、上記の「大入賞口2131またはV入賞装置2150」は、大入賞口2131およびV入賞装置2150のうち、開放する大入賞口としてS2118で選択された大入賞口が相当する。以下の処理においても同様である。
S2120において、メインCPU2201は、大入賞口開閉制御処理を行う。この処理では、大入賞口2131またはV入賞装置2150の開閉制御データの生成処理が行われる。メインCPU2201は、S2120の処理を実行した後、処理を、S2121に移す。
S2121において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「6」にセットする。このように、特別図柄の制御状態番号を「6」にセットする処理(S2121)を行うことにより、この大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理(図94のS2019参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2121の処理を実行した後、処理を、S2122に移す。
S2122において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU2201は、S2122の処理を実行した後、処理を、S2123に移す。
S2123において、メインCPU2201は、大入賞口開放中表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約された大入賞口開放中表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。メインCPU2201は、S2123の処理を実行した後、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-10.大入賞口開放制御処理]
次に、図102を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2019でメインCPU2201により実行される大入賞口開放制御処理について説明する。図102は、第3のパチンコ遊技機における大入賞口開放制御処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「6」であるか否かを判定する(S2131)。
S2131において特別図柄の制御状態番号が「6」でないと判定された場合(S2131がNO判定の場合)、メインCPU2201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2131において特別図柄の制御状態番号が「6」であると判定された場合(S2131がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2132に移す。
S2132において、メインCPU2201は、大入賞口2131またはV入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であるか否かを判定する。この処理では、大入賞口2131への遊技球の入賞個数を計数する大入賞口カウントスイッチ2132(図88参照)またはV入賞装置2150の内部への遊技球の進入個数を計数するVアタッカーカウントスイッチ2153(図88参照)により計数された値が最大入賞個数の値であるか否かが判定される。なお、大入賞口カウントスイッチ2132またはVアタッカーカウントスイッチ2153により計数されたVアタッカー入賞カウンタの値は、メインRAM2203内の所定領域に格納される。
S2132において、大入賞口2131またはV入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数でないと判定された場合(S2132がNO判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2133に移す。
一方、S2132において、大入賞口2131またはV入賞装置2150に入賞した遊技球の個数が最大入賞個数であると判定された場合(S2132がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2134に移す。
S2133において、メインCPU2201は、大入賞口2131またはV入賞装置2150の最大開放時間が経過したか否かを判定する。この処理では、大入賞口関連各種設定処理(図101のS2119参照)においてセットされた最大開放時間が経過しているか否かが判定される。
S2133において大入賞口2131またはV入賞装置2150の最大開放時間が経過していないと判定された場合(S2133がNO判定の場合)、メインCPU2201は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
一方、S2133において大入賞口2131またはV入賞装置2150の最大開放時間が経過していると判定された場合(S2133がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2134に移す。
S2134において、メインCPU2201は、大入賞口2131またはV入賞装置2150の閉鎖処理を行う。メインCPU2201は、S2134の処理を実行した後、処理を、S2135に移す。
S2135において、メインCPU2201は、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理を行う。このように、特別図柄の制御状態番号を「5」にセットする処理(S2135)を行うことにより、この大入賞口開放制御処理の終了後に、再び、大入賞口開放準備処理(図94のS2018参照)が行われることとなる。メインCPU2201は、S2135の処理を実行した後、処理を、S2136に移す。
S2136において、メインCPU2201は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う。メインCPU2201は、S2136の処理を実行した後、処理を、S2137に移す。
S2137において、メインCPU2201は、ラウンド間表示コマンドの送信予約処理を行う。この処理で送信予約されたラウンド間表示コマンドは、次回のシステムタイマ割込処理中の演出制御コマンド送信処理(図45のS322参照)において、サブ制御回路2300に送信される。そして、S2137の処理後、メインCPU2201は、大入賞口開制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図94参照)に戻す。
[3-4-11.大当り終了処理]
次に、図103を参照して、特別図柄管理処理(図94参照)中のS2020でメインCPU2201により実行される大当り終了処理について説明する。図103は、第3のパチンコ遊技機における大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU2201は、先ず、特別図柄の制御状態番号が「7」であるか否かを判定する(S2141)。
S2141において特別図柄の制御状態番号が「7」でないと判定された場合(S2141がNO判定の場合)、メインCPU2201は、大当り終了処理を終了するとともに特別図柄管理処理(図94参照)も終了し、処理を、特別図柄制御処理(図93参照)に戻す。この場合、大当り終了処理が呼び出された処理に戻す。
S2141において特別図柄の制御状態番号が「7」であると判定された場合(S2141がYES判定の場合)、メインCPU2201は、処理を、S2142に移す。
S2142において、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了設定処理を行う。この処理では、各種フラグ(例えば、確変フラグ、時短フラグ等)のセットや、各種カウンタ(例えば、確変カウンタ、時短カウンタ、図柄確定数カウンタ、ラウンドカウンタ、大入賞口入賞カウンタ等)の値をセットまたはリセットする処理が行われる。メインCPU2201は、S2142の処理を実行した後、処理を、S2143に移す。
S2143において、メインCPU2201は、特別図柄遊技終了処理を行う。この処理では、図98を参照して説明した特別図柄遊技終了処理が行われる。メインCPU2201は、S2143の処理を実行した後、大当り終了処理を終了するとともに特別図柄管理処理(図94参照)も終了し、処理を、特別図柄制御処理(図93参照)に戻す。この場合、上述したとおり、大当り終了処理が呼び出された処理に戻す。
なお、メインCPU2201は、割込禁止区間を設定し、上述の大当り終了処理を、割込禁止区間内で行うことが好ましい。
[4.拡張例]
以下に、上述した第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機に共通する拡張例について説明する。なお、第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機に応じて各構成に付された符号が異なるため、以下の説明では、特定のパチンコ遊技機(とくに第3のパチンコ遊技機)に限る説明である場合を除き、符号を省略する。
[4-1.確変制御の拡張例]
第1のパチンコ遊技機および第2のパチンコ遊技機では、大当りの種類に応じて確変フラグをオンにセットするか否かを決定し、確変フラグがオンにセットされる場合に確変回数を決めているが、これに限られず、例えば、以下の態様であってもよい。
例えば、大当り遊技制御処理の実行中に、例えば大入賞口内に設けられた特定領域を通過したか否かを判定し、特定領域を少なくとも1個の遊技球が通過したと判定された場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグをオンにセットする所謂V確変機であってもよい。なお、上記の特定領域は、例えば、大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において可動部材が作動することによって、遊技球の通過が可能または容易な開放状態と、遊技球の進入が不可能または困難な閉鎖状態とに変位させることが可能となっている。
このようなV確変機では、例えば、図104~図107を参照して後述するように、第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合と、第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合とで、大当り遊技制御処理の実行中に上記の特定領域への遊技球の通過のしやすさ、すなわち大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる確率を異ならせてもよい。
図104は、拡張例の大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において、大入賞口の開放タイミングと特定領域の開放タイミングとの関係を示すタイムチャートの一例であって、(A)特定領域の開放態様が第1開放態様である場合、(B)特定領域の開放態様が第2開放態様である場合、(C)特定領域の開放態様が第3開放態様である場合、を示す図である。なお、第1開放態様および第2開放態様は、特定領域への遊技球の通過が容易な態様であり、第3開放態様は、特定領域への遊技球の通過が困難な態様である。なお、図104に示される一例では、特定領域は時間制御によって開放状態となるように制御される。
なお、図104では、大入賞口が短開放された後に長開放される態様が示されているが、大入賞口の開放態様はこれに限られない。
図104(A)に示されるように、第1開放態様では、大入賞口の長開放が開始された後の所定時間を除いて、大入賞口が開放状態である間は特定領域も開放状態となっている。そのため、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされやすい。ただし、特定領域が開放状態であるにもかかわらず遊技球が1個も特定領域を通過しなかった場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグはオンにセットされない。
また、図104(B)に示されるように、第2開放態様では、大入賞口の短開放が開始されてから大入賞口の長開放が終了するまでの間、特定領域が開放状態となっている。そのため、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することは極めて容易である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグが極めて容易にオンにセットされる。ただし、上述したように、特定領域が開放状態であるにもかかわらず遊技球が1個も特定領域を通過しなかった場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグはオンにセットされない。
一方、図104(C)に示されるように、第3開放態様では、大入賞口が短開放中および大入賞口の長開放が開始された後の所定時間(この2回はいずれも短時間)を除いて、特定領域が閉鎖状態となっている。そのため、大当り遊技制御の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうちたとえ1個の遊技球であっても特定領域を通過することが、第1開放態様および第2開放態様のいずれと比べても困難である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされ難い。ただし、大当り遊技制御の実行中に特定領域を遊技球が通過することが困難であったとしても、タイミングよく特定領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる。
なお、図104では、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易な特定領域の開放態様の例として、第1開放態様および第2開放態様の2態様を設ける例について説明した。ただし、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易な特定領域の開放態様数は、2態様に限られず、1態様だけとしてもよいし、3態様以上としてもよい。
また、図104では、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうちたとえ1個の遊技球であっても特定領域を通過することが困難な特定領域の開放態様の例として、第3開放態様を設ける例について説明した。ただし、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうちたとえ1個の遊技球であっても特定領域を通過することが困難な特定領域の開放態様数は、1態様に限られず、2態様以上設けてもよい。
図105は、拡張例における特別図柄判定テーブルの一例である。この図105に示される特別図柄判定テーブルによれば、当落判定値データが「大当り判定値データ」である場合(特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合)、第1特別図柄および第2特別図柄の当り時選択図柄コマンドは、次のように選択される。すなわち、第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、当り時選択図柄コマンドは、例えば、40%の選択率で「z0」が選択され、10%の選択率で「z1」が選択され、50%の選択率で「z2」が選択される。また、第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、当り時選択図柄コマンドは、例えば、15%の選択率で「z3」が選択され、50%の選択率で「z4」が選択され、35%の選択率で「z5」が選択される。
図106は、拡張例における大当り種類決定テーブルの一例である。この図106に示される大当り種類決定テーブルによれば、大当りの種類(例えば、ラウンド数、特定領域の開放態様等)は、次のように決定される。すなわち、当り時選択図柄コマンドが「z0」の場合、ラウンド数が「3」で特定領域の開放態様が第3開放態様の大当り(3R通常大当りA)に決定される。また、当り時選択図柄コマンドが「z1」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第3開放態様の大当り(10R通常大当りA)に決定される。また、当り時選択図柄コマンドが「z2」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第1開放態様の大当り(10R確変大当りA)に決定される。また、当り時選択図柄コマンドが「z3」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第3開放態様の大当り(10R通常大当りB)に決定される。当り時選択図柄コマンドが「z4」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第1開放態様の大当り(10R確変大当りB)に決定される。当り時選択図柄コマンドが「z5」の場合、ラウンド数が「10」で特定領域の開放態様が第2開放態様の大当り(10R確変大当りC)に決定される。
すなわち、上記の図104~図106によれば、第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、大当りの種類は、40%の選択率で3R通常大当りAに決定され、10%の選択率で10R通常大当りAに決定され、50%の選択率で10R確変大当りAに決定される。一方、第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合、大当りの種類は、15%の選択率で10R通常大当りBに決定され、50%の選択率で10R確変大当りBに決定され、35の選択率で10R確変大当りCに決定される。このようにして、第1特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合と、第2特別図柄の当り判定処理の結果が大当りである場合とで、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる確率を異ならせることが可能となる。
なお、大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において、特定領域は、図104(A)~(C)に示されるように時間制御によって開放状態となる態様に限られず、例えば、後述の図107に示されるように、大入賞口への遊技球の入賞に応じて開放状態となる態様であってもよい。
図107は、拡張例の大当り遊技制御処理の実行中における特定のラウンド遊技において、大入賞口の開放タイミングと特定領域の開放タイミングとの関係を示すタイムチャートの他の例(特定領域が大入賞口への入賞に基づいて開放状態となるように制御される例)であって、(A)特定領域の開放態様が第1開放態様である場合、(B)特定領域の開放態様が第2開放態様である場合、を示す図である。
図107(A)に示されるように、他の例の第1開放態様では、大入賞口が開放状態となった後、大入賞口に1個目の遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチにより1個目の遊技球の入賞が検出されると、この検出に基づいて、特定領域が一定時間だけ開放状態となる。そして、大入賞口に2個目の遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチにより2個目の遊技球の入賞が検出されると、この検出に基づいて、大入賞口が閉鎖状態となるまでの間、特定領域が開放状態となる。そのため、大当り遊技制御処理の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうち少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされやすい。ただし、上述したとおり、特定領域が開放状態であるにもかかわらず遊技球が1個も特定領域を通過しなかった場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグはオンにセットされない。
また、図107(B)に示されるように、他の例の第2開放態様では、大入賞口が開放状態となった後、大入賞口に1個目の遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチにより1個目の遊技球の入賞が検出された場合に限り、特定領域が一定時間だけ開放状態となる。そして、大入賞口に2個目の遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチにより2個目の遊技球の入賞が検出されたとしても、入賞口が閉鎖状態となるまでの間、特定領域は開放状態とならず、閉鎖状態が継続する。そのため、大当り遊技制御の実行中、大入賞口に入賞した複数の遊技球のうちたとえ1個の遊技球であっても特定領域を通過することが、第1開放態様と比べて困難である。すなわち、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされ難い。ただし、この場合も、大当り遊技制御の実行中に特定領域を遊技球が通過することが困難であったとしても、タイミングよく特定領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる。
なお、上記では、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技制御処理の終了時に確変フラグがオンにセットされる例について説明したが、これに限られず、例えば、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技制御処理の終了時に時短フラグがオンにセットされるようにしてもよい。このような仕様は、とくに、例えば第3のパチンコ遊技機のような1種2種混合機である場合に有効である。
また、上記では、第1特別図柄の当り判定処理の結果が当りである場合と、第2特別図柄の当り判定処理の結果が当りである場合とで、特定領域の開放態様として同じ開放態様を設ける例について説明したが、これに限られず、例えば、第1特別図柄専用の開放態様や第2特別図柄専用の開放態様を設けるようにしてもよい。
また、上記では、第1特別図柄の当り判定処理の結果が当りである場合および第2特別図柄の当り判定処理の結果が当りである場合のいずれにおいても、特定領域への遊技球の通過が困難な第3態様に決定されうる例について説明したが、これに限られず、いずれか一方の特別図柄(例えば第2特別図柄)の当り判定処理の結果が当りである場合には、少なくとも1個の遊技球が特定領域を通過することが容易な態様(第1態様または第2態様)のみに決定されるように構成してもよい。
また、上記では、特定領域への遊技球の通過が困難な第3態様において、特定領域は、大入賞口が短開放中および大入賞口の長開放が開始された後の所定時間の2回(いずれも短時間)にわたって開放状態となっているが、特定領域への遊技球の通過が困難であれば、特定領域が開放状態とされる回数は1回であってもよいし複数回であってもよい。
また、特定領域の閉鎖は、予め定められた開放時間の経過や、特定領域が開放するラウンドの終了に応じて閉鎖したり、規定回数の大入賞口や特定領域への入賞に応じて閉鎖するなどするように制御してもよい。また、閉鎖する条件が一つ乃至複数複合していてもよい。
また、大当り遊技状態と、確変制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態等)とが、所定の上限回数(以下、「リミッタ回数」と称する)に到達するまで交互に繰り返し実行される所謂リミッタ機であってもよい。このようなリミッタ機では、上記の繰り返し回数(以下、「ループ回数」と称する)が所定のリミッタ回数に到達すると、大当り遊技制御処理が終了したのちの遊技状態が、確変制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態、時短遊技状態等)に制御される。このとき、ループ回数もリセットされる。なお、このような遊技機において、リミッタ回数は、一定の回数であってもよいし、例えば、特別図柄の図柄乱数値に応じて決定したり、所定の抽選により決定してもよい。また、設定機であれば、設定値に応じてリミッタ回数が異なるようにしてもよい。
なお、上記では、大当り遊技状態と、確変制御が実行される遊技状態とがリミッタ回数に到達するまで交互に繰り返し実行される所謂リミッタ機について説明したが、これに限られず、例えば、大当り遊技状態と、時短制御が実行される遊技状態とがリミッタ回数に到達するまで交互に繰り返し実行されるようにしてもよい。とくに、例えば第3のパチンコ遊技機のような1種2種混合機である場合に有効である。
また、上述したV確変機である場合には、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合に、確変制御が実行される遊技状態が継続される。そのため、このようなV確変機では、リミッタ回数を例えばN回とすると、N回目の大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合、所定のリミッタ回数に到達したものとして、大当り遊技制御処理が終了したのちの遊技状態が、確変制御が実行されない遊技状態に制御される。一方、N回目の大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過しなかった場合、所定のリミッタ回数に到達したものとはならないものの、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過していないため、このような場合も、大当り遊技制御処理が終了したのちの遊技状態が、確変制御が実行されない遊技状態に制御されることとなる。なお、大当り遊技制御処理の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合に、大当り遊技制御処理の終了時に時短フラグがオンにセットされる遊技機においても同様である。
また、大当り遊技制御処理の終了後、所定回数の特別図柄ゲームが行われるまで確変制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態等)に制御され、所定回数の特別図柄ゲームが行われると、確変制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態、時短遊技状態等)に移行する所謂ST機であってもよい。このような遊技機において、確変制御が実行される特別図柄ゲームの回数(以下、「ST回数」と称する)を、一定回数としてもよいし、都度異なるようにしてもよい。また、設定機であれば、設定値に応じてST回数の期待値が異なるようにしてもよい。さらには、例えば転落抽選を行い、転落抽選の結果に基づいて確変制御が終了する所謂転落タイプの遊技機であってもよいし、例えば大当り遊技状態中に特定領域を遊技球が通過した場合に、大当り遊技状態の終了後に確変制御が実行される所謂V確変タイプの遊技機であってもよい。
[4-2.時短制御の拡張例]
第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機では、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合に、大当り遊技制御処理の終了後、時短制御が実行されうるようにしたが、特別図柄当り判定処理の結果が大当りでない場合であっても、時短制御が実行されうるようにしてもよい。
例えば、特別図柄当り判定処理の結果が小当りやハズレであったとしても、始動口への遊技球の入賞に基づいて抽出された乱数値のうち特定の乱数値(例えば、特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄の図柄乱数値等)を用いて、特別図柄当り判定処理とは別に、時短制御を実行するか否かを決める時短当落判定処理を行うようにしてもよい。特別図柄当り判定処理の結果が小当りやハズレである場合に時短当落判定を行う場合、例えば、始動口への遊技球の入賞に基づいて抽出された特別図柄の図柄乱数値が特定の図柄乱数値である場合に、時短制御が実行される「時短当り」に決定することができる。なお、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合に時短当落判定処理を行ってもよい。
また、特別図柄当り判定処理とは別に時短当落判定処理を行う場合、時短当落判定処理を、同一フレームにおいて特別図柄当り判定処理に先だって実行してもよい。
また、上記の時短当落判定処理を行う場合、専ら時短当落判定処理に供される時短当落判定用乱数を所定の範囲で発生させて、例えば始動口への遊技球の入賞に基づいて時短当落用乱数値を抽出し、抽出された時短当落用乱数値を用いて時短当落判定処理を行うようにしてもよい。
また、時短当落判定処理に供される乱数値は、始動口に遊技球が入賞したことに基づいて抽出されることは必須ではなく、他の領域(例えば、一般入賞口、小当り入賞口、大入賞口等)に遊技球が入賞したことに基づいて抽出されるようにしてもよい。さらには、例えば時短当落判定処理の実行契機となる専用の領域を設けて、この専用の領域を遊技球が例えば通過したことに基づいて、時短当落判定処理に供される乱数値が抽出されるようにしてもよい。
ところで、例えば、時短当落判定処理と特別図柄当り判定処理とが別のタイミングで実行される場合、確定表示すると大当りを示す停止表示態様が導出される特別図柄の可変表示中に時短当落判定処理が実行され、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」となる場合がある。このような場合、メインCPUは、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるにもかかわらず、例えば、強制的に「時短ハズレ」を示す表示態様を導出するとよい。
また、サブCPUは、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を、表示装置に表示する制御を実行することが好ましい。この場合、特別図柄当り判定処理の結果とは別に、時短当落判定処理の結果が表示装置に表示されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像を表示装置に表示することに代えて、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが不可能または困難な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を表示装置に表示する制御を実行してもよい。この場合、時短当落判定処理の結果が開示されるまで、興趣を維持することが可能となる。
また、一般的なパチンコ遊技機では、特別図柄当り判定処理の結果が大当りであった場合、サブCPUは、大当り遊技状態において推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が表示装置(例えば液晶表示装置)に表示されるよう制御する。この点、本実施例では、特別図柄当り判定処理の結果が大当りでなかったとしても、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、サブCPUは、時短制御が実行される場合に推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が表示装置に表示されるよう制御する。ただし、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、時短制御が実行される場合に推奨される遊技球の発射方法を示す演出画像を、常に表示装置に表示するようにしてもよいが、特定条件が成立した場合に限り表示するようにしてもよい。例えば、「時短当り」に基づいてセットされる時短回数が、所定回数以上(例えば2回以上)である場合には表示し、所定回数未満(例えば2回未満)である場合等には表示しないようにしてもよい。なお、上記の特定条件は、時短回数を条件とするものに限られず、適宜、任意の条件とすることができる。
また、特別図柄当り判定処理が実行される前に時短当落判定処理が実行される場合、サブCPUは、「時短当り」となった状況下(すなわち、時短フラグがオンにセットされた状況下)で特別図柄当り判定処理が実行されるのか否かを、外観で把握可能または把握容易な演出画像を表示装置に表示する制御を実行してもよい。
なお、時短当落判定処理に用いる乱数値の種類、時短当落判定処理に用いる乱数値の抽出タイミング、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件、時短当落判定処理の実行タイミング、時短当落判定処理を実行可能な遊技状態、時短遊技状態の態様、時短当り時にセットされる時短回数、時短遊技状態の開始タイミング、時短遊技状態の終了タイミング、時短回数書き換えタイミング、時短当り確率、および、時短当落判定処理の結果表示、等の時短にかかわる処理をまとめると以下のとおりである。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の種類)
時短当落判定処理に用いられる乱数値は、例えば、特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄決定用乱数値、普通当り判定用乱数値、普通図柄決定用乱数値、特別図柄転落判定用乱数値および専用の時短当落判定用乱数値等の複数種類の乱数値のうち、いずれかの乱数値であってもよい。また、設定機であれば、設定変更時に、変更後の設定値を用いて時短当落判定処理を行うようにしてもよい。
また、時短当落判定処理に用いる乱数値は、1種類(例えば、時短当落判定用乱数値のみ)に限られず、複数種類の乱数値(例えば、特別図柄当り判定用乱数値および図柄決定用乱数値)を用いて決定するようにしてもよい。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の抽出タイミング)
時短当落判定処理に用いる乱数値の抽出タイミングは、特別図柄当り判定処理の契機となる始動口への遊技球の入賞時、普通図柄当り判定処理の実行契機となる通過ゲートへの遊技球の通過時、時短当落判定処理の実行契機となる専用の領域への遊技球の通過時等、任意のタイミングであってよい。なお、時短当落判定処理に用いる乱数値の抽出は、賞球の払い出しがある特定の入賞口等への入賞に基づいて行ってもよいし、賞球の払い出しがない特定のゲートや特定のアウト口等への通過に基づいて行ってもよい。
なお、時短当落判定処理用乱数値を始動口への遊技球の入賞(通過)に基づいて抽出するようにした場合、第1始動口および第2始動口のいずれに遊技球が入賞した場合であっても時短当落判定用乱数値を抽出してもよいし、いずれか一方の特定の始動口に遊技球が入賞した場合にのみ、時短当落判定用乱数値を抽出するようにしてもよい。
(時短当落判定処理において時短当りと判定される条件)
抽出した時短当落判定処理用乱数値を用いて時短当落判定処理を行う場合は、抽出した時短当落判定用乱数値が特定の時短当落判定用乱数値(例えば、特定の時短当り判定値データ)であるときに時短当りと判定されるようにするとよい。また、特別図柄当り判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合は、特定のハズレ判定値データ、特定の小当り判定値データまたは/および特定の大当り判定値データであるときに時短当りと判定されるようにするとよい。また、特別図柄の図柄乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合は、特定のハズレ図柄、特定の小当り図柄、特定の大当り図柄であるときに時短当たりと判定されるようにするとよい。また、特別図柄転落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合は、特定の特別図柄転落判定用乱数値データであるときに時短当りと判定されるようにするとよい。さらに、変更後の設定値を用いて時短当落判定処理を実行する場合は、特定の設定値に変更された場合に時短当りと判定されるようにするとよい。普通当り判定用乱数値や普通図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を行う場合も同様である。さらには、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件は、上記の条件に限らず、さまざまな条件に任意に決めることができる。
なお、第3のパチンコ遊技機においては、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしても、特別図柄当り判定処理(図68のS2023参照)の結果が役物開放当りであって且つVアタッカー2152が開放したときにV入賞装置2150内に進入した遊技球がV入賞口2155を通過した場合は、役物開放当りの種類に応じて時短制御の実行有無および時短回数を決定するようにするとよい。そして、特別図柄当り判定処理の結果が役物開放当りであって且つVアタッカー2152が開放したにもかかわらずV入賞口2155への遊技球の通過が検出されずに大当り遊技制御処理が実行されなかった場合、メインCPU2201は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であれば、「時短当り」に基づいて時短制御の実行有無および時短回数を決定するとよい。ただし、時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」であり、特別図柄当り判定処理の結果が役物開放当りであって且つVアタッカー2152が開放したときにV入賞装置2150内に進入した遊技球がV入賞口2155を通過しなかった場合は、時短制御が実行されない。
(時短当落判定処理の実行タイミング)
始動口の遊技球の入賞(通過)に基づいて取得した時短当落判定用乱数値を用いて特別図柄の可変表示の開始時に時短当落判定処理を実行する場合、メインCPUは、特別図柄の始動情報と同様に、取得した時短当落判定用乱数値を保留するとよい。
また、メインCPUは、時短当落判定処理に供される乱数値を抽出するとただちに(例えば保留される前に)時短当落判定処理を実行するようにしてもよいし、抽出した乱数値を保留し、特別図柄の可変表示が開始されるまでの間に時短当落判定処理を実行するようにしてもよいし、特別図柄の可変表示の開始時に時短当落判定処理を実行するようにしてもよい。
(時短当落判定処理を実行可能な遊技状態)
時短当落判定処理は、通常遊技状態、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および時短遊技状態のいずれにおいても実行するようにしてもよいし、時短制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確非時短遊技状態等)においてのみ実行されるようにしてもよい。また、例えば、いずれの遊技状態においても時短当落判定処理を実行する、特定の遊技状態においてのみ時短当落判定処理を実行する、といった時短当落判定処理を実行するための条件を予め定めて、この定められた条件を満たす場合に時短当落判定処理が実行されるようにしてもよい。
(時短制御の態様)
大当りの種類に応じて実行される時短制御の態様と、時短当落判定処理の結果に応じて実行される時短制御の態様とを、同じ態様としてもよいし、異なる態様としてもよい。例えば、第1の時短フラグおよび第2の時短フラグを用意し、大当り種類に応じて時短制御が実行される場合は第1の時短フラグをオンにセットし、時短当落判定処理の結果に基づいて時短制御が実行される場合は第2の時短フラグをオンにセットするようにしてもよい。この場合、第1の時短フラグがオンにセットされた場合と第2の時短フラグがオンにセットされた場合とで、機能が異なる時短制御が実行されるようにするとよい。例えば、第1の時短フラグがオンにセットされた場合は、特図短縮制御および電サポ制御の両方を行い、第2の時短フラグがオンにセットされた場合は、特図短縮制御および電サポ制御のうちいずれか一方のみを行うようにすることができる。また、第1の時短フラグがオンにセットされた場合は、特図短縮制御および電サポ制御のうち特図短縮制御のみが行われる第1時短遊技状態に制御し、第2の時短フラグがオンにセットされた場合は、特図短縮制御および電サポ制御のうち電サポ制御のみが行われる第2時短遊技状態に制御されるようにしてもよい。ただし、複数の時短フラグのうちいずれの時短フラグをオンにセットするかについては、上記に限られず、例えば、時短当落判定処理の結果に基づいて決定してもよいし、時短当落判定処理が実行されたときの遊技状態に応じて決定してもよい。
(時短当り時にセットされる時短回数)
時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合にセットされる時短回数は、時短当落判定処理が行われたときの遊技状態に応じて決定することが好ましい。ただし、これに限られず、例えば、複数の時短当落判定用乱数値が時短当り判定値データとして規定されている場合、セットされる時短回数を、時短当落判定処理が行われたときの遊技状態に代えてまたは加えて、抽出された時短当落判定用乱数値に応じて決定するようにしてもよい。例えば、始動口への遊技球の入賞に基づいて抽出された時短当落判定用乱数値が、第1の時短当り判定値データである場合は時短回数を「100」に決定し、第2の時短当り判定値データである場合は時短回数を「50」に決定すること等が相当する。
また、時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、時短遊技状態等)であっても時短当落判定処理が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、時短残回数に代えて新たにセット(すなわち、時短残回数をリセット)するようにしてもよい。この場合、新たにセットされる時短回数が時短残回数よりも多いか少ないかによって遊技者にとっての利益度合いが変わることとなってゲーム性の幅が広がり、時短フラグがオンの時短遊技状態に面白みを持たせることができ、興趣を高めることが可能となる。
また、時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、時短遊技状態等)であっても時短当落判定処理が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、時短残回数に加算するようにしてもよい。この場合、現在の時短残回数よりも少なくなることがないため、遊技者は、時短制御が実行される遊技状態において安心して遊技を行うことができる。
また、時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、時短遊技状態等)であっても時短当落判定処理が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に代えて新たにセットする処理と、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に加算する処理とのうち、予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
なお、第1の時短フラグがオンにセットされた場合と第2の時短フラグがオンにセットされた場合とで機能が異なる時短制御が実行されるようにしたパチンコ遊技機において、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であった場合、メインCPUは、実行中の時短制御と「時短当り」に基づいて実行される時短制御とが、同じ機能の時短制御である場合と異なる機能の時短制御である場合とで、時短回数をセットする処理を変えるようにしてもよい。例えば、実行中の時短制御と「時短当り」に基づいて実行される時短制御とが同じ機能の時短制御である場合には、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に加算し、実行中の時短制御と「時短当り」に基づいて実行される時短制御とが異なる機能の時短制御である場合には、実行中の時短残回数に代えて、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を新たにセット(すなわち、時短残回数をリセット)するようにしてもよい。また、実行中の時短制御と「時短当り」に基づいて実行される時短制御とが異なる機能の時短制御である場合、実行中の時短残回数を全て消化した後に、「時短当り」に基づく時短制御を実行するようにしてもよい。
なお、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて時短回数をセットする場合、時短回数が「0」にセットされる場合があり得るようにしてもよい。すなわち、セットされる時短回数が「0」に決定された場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるにもかかわらず、時短フラグがオンにセットされる。また、時短制御の実行中に行われた時短当落判定処理の結果が「時短当り」であって且つ時短回数が「0」にセットされる場合、実行中の時短制御が終了することとなる。
(時短制御の開始タイミング)
時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて実行される時短制御の開始タイミングは、特別図柄ゲームの終了時とすることができる。例えば、特別図柄当り判定処理の結果がハズレである場合、特別図柄が確定する特別図柄確定時間が経過したことに基づいて時短制御を開始することができる。また、特別図柄当り判定処理の結果が小当りである場合、小当り遊技制御処理の終了に基づいて時短制御を開始することができる。また、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合、大当り遊技制御処理の終了に基づいて時短制御を開始することができる。
時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて実行される時短制御の開始タイミングが特別図柄ゲームの終了時であって、同一フレームにおいて時短当落判定処理が特別図柄当り判定処理に先だって行われる場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしても、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合には「時短当り」を無効にし(「時短当り」に基づいて時短フラグがオンにセットされず)、当り時選択図柄コマンドに基づいて時短フラグをオンにセットする(大当りの種類に応じて時短フラグがオンにセットされない場合もある)ことが好ましい。
また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて実行される時短制御の開始タイミングは、特別図柄ゲームの終了時に限られない。例えば、同一フレームにおいて時短当落判定処理を特別図柄当り判定処理に先だって行う場合、時短当落判定処理の結果に基づいて、ただちに(特別図柄当り判定処理が行われる前)に時短制御を開始してもよい。この場合、時短当落判定処理に用いられる乱数値の抽出時と、時短当落判定処理の実行時とで、遊技状態(すなわち、時短制御の実行有無)が異なる場合が生じ、興趣を高めることが可能となる。
さらに、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて実行される時短制御の開始タイミングを、所定回数のゲームが実行された後としてもよい。この場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」となった後、時短制御が開始されるまでの間、時短制御が開始されるか否かの煽り演出をサブCPUにより実行することで、興趣を高めることが可能となる。
なお、第3のパチンコ遊技機において、特別図柄の当り判定処理の結果が大当り(時短制御が実行される大当り)であることに基づいて大当り遊技制御が実行される場合、この大当り遊技制御の終了に基づいて、大当りに基づく時短制御が開始されるようにするとよい。また、特別図柄の当り判定処理の結果が役物開放当り(時短制御が実行される役物開放当り)であって且つVアタッカー2152が開放したときにV入賞口2155への遊技球の通過が検出されたことによって大当り遊技制御が実行された場合も、大当り遊技制御の終了に基づいて時短制御が開始されるようにするとよい。また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であって、特別図柄当り判定処理(図68のS2023参照)の結果が役物開放当りであることに基づいてVアタッカー2152が開放したにもかかわらずV入賞口2155への遊技球の通過が検出されずに大当り遊技制御が実行されなかった場合、メインCPUは、開閉入賞口2151が閉鎖したことに基づいて、「時短当り」に基づく時短制御を開始するようにするとよい。
(時短遊技状態の終了タイミング)
時短遊技状態が終了するタイミングは、例えば、「時短制御が実行される遊技状態において、セットされた時短回数にわたって特別図柄の可変表示が実行された場合」、「時短制御が実行される遊技状態において、特別図柄当り判定処理の結果に基づいて大当り遊技状態に制御された場合」または「時短当落判定処理の結果が時短当りであったにもかかわらず時短回数が0回にセットされた場合」等である。
なお、時短制御が実行される遊技状態において、特別図柄当り判定処理の結果に基づいて小当り遊技制御処理が実行された場合は、小当り遊技制御処理の終了後も時短制御が継続して実行される。
なお、第3のパチンコ遊技機においては、時短制御の実行中に、特別図柄の当り判定処理が役物開放当りであることを示す停止図柄態様が導出されたことによって開閉入賞口2151が開放されたものの、Vアタッカー2152が開放したときにV入賞口2155への遊技球の通過が検出されずに大当り遊技制御処理が開始されなかった場合、メインCPU2201は、開閉入賞口2151が閉鎖した後も時短制御を継続して実行する。
(時短回数書き換え)
時短制御が実行される遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、時短遊技状態等)において時短当落判定処理を実行し、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、時短回数を書き換えてもよいし、時短回数の書き換えを行わない(すなわち、実行中の時短制御における時短回数を消化するまで時短制御を実行する)ようにしてもよい。
なお、時短回数を書き換える場合、メインCPUは、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、実行中の時短制御における時短回数を消化した時点で書き換えて(セットして)もよいし、特別図柄当り判定処理の実行時にセットしてもよいし、特別図柄の可変表示の開始時や停止時にセットしてもよいし、時短当落判定処理時にセットしてもよいし、さまざまなタイミングでセットすることができる。なお、時短当落判定処理時にセットする場合、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、実行中の時短制御における時短回数に上書きすることとなる。また、「時短回数を書き換える」および「従前の時短回数に加算する」のうち予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
(時短当り確率)
第1始動口または第2始動口への遊技球の入賞に基づいて時短当落判定処理を行う場合、第1始動口への遊技球の入賞に基づいて行われる時短当落判定処理(以下、「第1時短当落判定処理」と称する)と、第2始動口への遊技球の入賞に基づいて行われる時短当落判定処理(以下、「第2時短当落判定処理」と称する)とで、時短当り確率が異なるようにしてもよい。例えば、第1時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率よりも第2時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率を高くしてもよいし、第2時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率よりも第1時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率を高くしてもよいし、第1時短当落判定処理が行われた場合と第2時短当落判定処理が行われた場合とで時短当り確率を同じまたはほぼ同じ確率としてもよい。
(時短当落判定処理の結果表示)
時短当落判定処理の結果(時短当りであるか時短ハズレであるか)を表示する時短当落判定結果表示部、または/および、時短当落判定処理の結果(時短当り)に基づいて決定された時短回数を表示する当選時短回数表示部を設けてもよい。時短当落判定結果表示部または/および当選時短回数表示部は、特別図柄表示部等を備えるLED表示群に設けて、メインCPUにより制御されるようにするとよい。ただし、これに代えてまたは加えて、サブCPUにより、例えば液晶表示装置等の表示装置に、時短当落判定処理の結果または/および時短当りに基づいて決定された時短回数を表示するようにしてもよい。
(インターバル)
特別図柄の当り判定処理の結果がハズレであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPUは、当該ゲームにおいて特別図柄の可変表示を停止した後のインターバル時間を、特別図柄の当り判定処理の結果がハズレであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」である場合の上記のインターバル時間よりも長くしてもよい。なお、装飾図柄の可変表示は特別図柄の可変表示と同期するため、この場合、サブCPUは、上記のインターバル時間が経過するまでの間、「時短当り」であることを示す演出画像を例えば液晶表示装置等の表示装置に表示することが好ましい。
また、第3のパチンコ遊技機において、特別図柄の当り判定処理の結果が役物開放当りであって且つこの役物開放当りに基づいて大当り遊技制御処理が実行されない場合、メインCPU2201は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるときの役物開放当りにかかる動作終了後のインターバル時間を、時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」であるときの上記のインターバル時間よりも長くしてもよいし、同じまたは略同じ時間としてもよい。
[4-3.遊技媒体の管理にかかわる拡張例]
本明細書に記載された第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機は、遊技媒体を用いて遊技を行い、その遊技の結果に基づいて特典(例えば、賞球、賞データ等)が付与される形態全ての遊技機に適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体(例えば、遊技球、メダル等)が発射されたり投入されたりすることで遊技を行い、その遊技の結果に基づいて遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、封入された遊技球を循環させて行う遊技やメダルレスで行う遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
封入された遊技球を循環させて遊技を行う遊技機の場合、遊技媒体としての遊技球が外部に排出されずに遊技可能に構成されているため、入賞したとき、賞球が払い出されることに代えて遊技媒体としての賞球データが付与される。この明細書において、「払い出される遊技価値」には、賞球および賞球データのいずれの意味も含まれる。例えば、賞球数が15個の入賞口に入賞した場合、封入式の遊技機であれば、15個の賞球に対応する価値の賞球データが付与される。また、遊技価値は、必ずしも賞球や賞球データに限定されず、賞球や賞球データに相当するものであればよい。
また、主制御回路に接続された遊技媒体管理装置が管理する場合、遊技媒体管理装置は、ROMおよびRAM(あるいはRWM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱い装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信機能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、または遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチンコ遊技機の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることができる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合の他、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられている場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンタ等に持っていくか、または他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機または遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金または現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしてもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機または遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置または遊技媒体管理装置に対し遊技媒体または有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知り得ない情報を設定することや遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記録するようにしてもよい。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチンコ遊技機に適用する場合について説明しているが、パチスロ機や、遊技球を用いるスロットマシンや、封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部の部品点数を減らすことができ、遊技機の原価および製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、部品を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
また、遊技媒体が外部に排出されずに遊技可能に構成された封入式の遊技機と、該遊技機に対して、遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータを通信ケーブルを介して光信号によって送受信が可能に接続された遊技媒体管理装置と、を有する遊技システムに本発明を適用した場合には、遊技システムを以下のように構成してもよい。
<第2実施形態>
以下に、封入式の遊技機の概略を説明する。封入式の遊技機において、発射装置は、遊技領域の上方に位置し、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射する。遊技者がハンドルを操作すると、払出制御回路により球送りソレノイドが駆動させられ、球送り杵が発射台の方向へと、待機状態の遊技球を押し出す。これにより、遊技球が発射台へ移動する。また、待機位置から発射台への経路には減算センサが設けられており、発射台へ移動する遊技球を検出する。減算センサによって遊技球が検出された場合には、持ち球数が1減算される。このように、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射するように構成されているため、封入式の遊技機ではいわゆる戻り球(ファール球)を回避することができる。そして、遊技領域を転動した後に遊技領域から排出された遊技球は、球磨き装置によって磨かれる。球磨き装置によって磨かれた遊技球は、揚送装置によって上方へと搬送され、発射装置に導かれる。遊技球は封入式の遊技機の外部に排出されずに、当該遊技機において一定数(例えば、50個)の遊技球が一連の経路を循環するように構成されている。また、球磨き装置を設けずに、遊技球を遊技機の外部に排出する排出機構と、遊技機の外部で磨き上げた遊技球を遊技球の内部に取り込む取込機構とを設けるようにしてもよい。この場合、取込機構は、取込専用の樋を設けてもよいし、遊技領域に設けられた入賞口から取り込むように構成してもよい。
封入式の遊技機では、遊技球が遊技機の外部に排出されないため、遊技球を一時的に保持するための上皿や下皿は設けられていない。封入式の遊技機では遊技球が外部に排出されないことから、遊技者の手元に遊技球が実際にあるわけではなく、遊技を行うことにより遊技球が現実に増減するわけではない。封入式の遊技機において、遊技者は遊技媒体管理装置からの貸出により持ち球を得てから遊技を開始する。ここで、持ち球を得るとは、遊技者が、データ管理上、遊技媒体を得ることをいう。そして、発射装置から遊技球が発射されることにより持ち球が消費され、持ち球数が減少する。また、遊技球が遊技領域に設けられた各入賞口等を通過することにより、入賞口に応じて設定された条件に従った数だけ払出が行われ、持ち球数が増加する。さらに、遊技媒体管理装置からの貸出によっても、持ち球数が増加する。また、例えば、遊技の終了によって封入式の遊技機に記憶される遊技価値(すなわち持ち球)の全部を清算したり、持ち球の一部を遊技媒体管理装置に送信する操作を行ったりすることによって、持ち球の全部または一部が遊技媒体管理装置で管理される遊技価値に統合される場合、封入式の遊技機に記憶される遊技価値は、減算またはクリアされ、持ち球数は減少する。さらに、遊技領域の上方から遊技球が発射されるタイプの遊技機にはファール球の概念がないが、従来の遊技機のように下方から遊技球が発射される場合にはファール球が発生しうる。そのため、下方から遊技球が発射されるタイプの遊技機の場合、ファール球の発生有無によっても、持ち球数の増減が発生する。なお、「遊技媒体の消費、貸出および払出」とは、持ち球の消費、貸出および払出が行われることを示す。また、「遊技媒体の増減」とは、消費、貸出および払出によって持ち球数が増減することを示す。また、「遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータ」とは遊技球が発射されることによる持ち球の減少と、貸出および払出による持ち球の増加とに関するデータである。
封入式の遊技機は、払出制御回路およびタッチパネル式である液晶表示装置を有している。払出制御回路は、遊技球が各入賞口等の通過を検出する各種センサに接続されている。払出制御回路は、持ち球数を管理している。例えば、遊技球が各入賞口を通過した場合には、そのことによる遊技球の払出個数を持ち球数に加算する。また、遊技球が発射されると持ち球数を減算する。払出制御回路は、遊技者の操作により、持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置へ送信する。また、上記の液晶表示装置は遊技機の上部に位置し、遊技媒体管理装置で管理する遊技価値から持ち球への変換(球貸し)や、持ち球の計数(返却)の要求を受け付ける。そして、これらの要求を遊技媒体管理装置を介して払出制御回路に伝え、払出制御回路が現在の持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置に送信するように指示する。ここで、「遊技価値」とは、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネーおよびチケット等であり、遊技媒体管理装置によって持ち球に変換することが可能であるものを示す。なお、この第2実施形態において、遊技媒体管理装置は、いわゆるCRユニットであり、紙幣およびプリペイド媒体等を受付可能に構成されている。また、計数された持ち球は、遊技システムが設置される遊技場などにおいて、景品交換等に用いることができる。
また、封入式の遊技機は、バックアップ電源を有している。これにより、夜間等に電源をOFFにした場合であっても、OFFにする直前のデータを保持することができる。また、このバックアップ電源により、例えば、扉開放センサによる扉枠開放の検出を継続して実行させてもよい。これにより、夜間に不正行為を行われることも防止することができる。なお、この場合は、扉枠が開放された回数等の情報を記憶するものであってもよい。さらに、電源が投入された際に、扉枠が開放された回数等の情報を、遊技機の液晶表示装置等に出力するものであってもよい。
なお、封入式の遊技機は、遊技者が遊技球に触れることができないように構成されていればよく、例えば、遊技球を島設備で循環させずに当該遊技機のみで循環させるタイプのもの、および、遊技球が島設備を循環するものの遊技者が遊技球に触れることができないタイプのもの等も、封入式の遊技機に含まれる。
遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を有している。遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を介して、遊技機とのデータ(送信信号)の送受信を行うように構成されている。送受信されるデータは、主制御回路に設けられたCPUの固有ID、払出制御回路に設けられたCPUの固有ID、遊技機に記憶された遊技機製造業者コード、セキュリティチップの製造業者コード、遊技機の型式コードなどの情報である。そして、遊技機および前記遊技媒体管理装置のいずれか一方を送信元とし他方を送信先として、送信元が送信信号を送信した際に、上記送信信号を受信した送信先が上記送信信号と同じ信号である確認用信号を上記送信元に送信し、上記送信元は、上記送信信号と上記確認用信号とを比較して、これらが同一か否かを判別するようにしている。
このように、送信元において、送信先から送信された確認用信号を送信信号と比較して、これらが同一か否かを判別することにより、送信元から送信した信号が改ざんされることなく、送信元に送信されていることを確認することができる。これにより、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信元は信号を変調する変調部を有し、該変調部により変調された信号を上記送信信号として送信し、上記送信先は上記変調部により変調された信号を復調する復調部を有することとしてもよい。
これにより、仮に、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を読み取られたとしても、この信号の解読は困難であり、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信先は、上記送信元からの上記送信信号を受信した際に、上記送信信号を受信したことを示す信号である承認信号を、上記確認用信号とは別に上記送信元に送信することとしてもよい。
これにより、送信信号と確認用信号とを比較することにより、正規の信号の送受信が行われたことを確認するだけでなく、承認信号に基づいて正規の信号の送受信が行われたことを確認することができるので、不正行為の抑制をより強化することができる。また、主制御回路と遊技媒体管理装置とを直接通信接続するのではなく、主制御回路と遊技媒体管理装置との間に枠制御回路を設けて、枠制御回路を経由して主制御回路と遊技媒体管理装置とを通信接続するようにしてもよい。また、主制御回路とは別に発射制御回路を設け、発射制御回路と遊技媒体管理装置との間に枠制御回路を設けるように構成してもよい。この場合、主制御回路や発射制御回路のエラー制御を枠制御回路で行うようにしてもよい。
また、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とが並行して行われる場合、メインCPUは、第1特別図柄および第2特別図柄の両方が大当り図柄を示す図柄組合せで停止することがないように処理を行う。
詳述すると、メインCPUは、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が大当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合は、他方の特別図柄を、特別抽選の結果にかかわらずハズレを示す図柄組合せで強制的に停止させる制御を行う。一方の特別図柄が大当り図柄を示す図柄組合せで停止すると、上述したとおり一般遊技状態から大当り遊技状態に移行するが、この大当り遊技状態では、第1特別図柄の始動条件および第2特別図柄の始動条件のいずれも成立せず、メインCPUは、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示のいずれも新たに行わない。
また、メインCPUは、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合は、一般遊技状態から小当り遊技状態への移行(小当り図柄を示す図柄組合せで停止したこと)に基づいて他方の特別図柄の変動時間の計時を中断し、小当り遊技状態から一般遊技状態への移行(小当り遊技の終了)に基づいて他方の特別図柄の変動時間の計時を再開する処理を行う。一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止すると、上述したとおり一般遊技状態から小当り遊技状態に移行するが、この小当り遊技状態では、第1特別図柄の始動条件および第2特別図柄の始動条件のいずれも成立せず、メインCPUは、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示のいずれも新たに行わない。ただし、第1特別図柄の可変表示および第2特別図柄の可変表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合、メインCPUは、可変表示中の他方の特別図柄について、見掛け上は可変表示中と同様の態様でLED群で構成される特別図柄の可変表示を行うが、上述したとおり変動時間の計時は中断する。
[4-4.その他の拡張例]
本明細書では、第1のパチンコ遊技機、第2のパチンコ遊技機および第3のパチンコ遊技機を例に挙げて説明したが、本明細書に記載された技術を、例えばパチスロ等、他の遊技機に適用することができる。
本明細書に記載された技術をパチンコ遊技機およびパチスロのいずれに適用した場合であっても、図柄の仮停止を伴う演出については、リールによる仮停止を含んでも良い。なお、図柄の「停止」には本停止と仮停止があり、「停止」の解釈はいずれであってもよい。また、遊技者による遊技を行うための操作には、レバー、ハンドル、ボタンなどの操作、タッチ等、いずれであってもよい。
パチンコ遊技機では、演出ボタンを操作することによって遊技機の管理者が演出等の設定を行う場合があるが、当該演出ボタンによる設定の後、遊技者が遊技を開始するよう運用される場合がある。この場合、結果的に、管理者による操作が、遊技者が遊技を行うための操作となる場合も想定される。同様にパチスロでは、管理者が2ベット遊技を行い、2ベット遊技に応じたBBフラグが成立した状態で、遊技者が3ベット遊技を行う運用を想定する場合がある。この場合、遊技者が2ベット遊技と3ベット遊技とのいずれでも遊技を行うことができるものの、2ベット遊技を遊技機の管理者が行う場合があるため、管理者が行う遊技(例えば、2ベット遊技等)やホールメニューの選択等が、遊技者が遊技を行うための操作であってもよい。
パチンコ遊技機では、メインCPUの制御により右打ちか左打ちかを報知することで遊技者の遊技方法を管理し、遊技者の遊技方法が意図するものではない場合、エラーや警告等の遊技が意図しないものであることをサブCPUの制御により報知するようにしてもよい。
パチスロでは、遊技者による押し順(アシスト)等、遊技者の遊技方法をメインCPUの制御により管理する場合があるが、遊技者の遊技方法が意図するものではない場合に、エラーや警告等の遊技が意図しないものであることをサブCPUの制御により報知するようにしてもよい。
また、パチンコ遊技機では、主制御基板と払出制御基板とが別基板で搭載されているが、1ボードであってもよい。パチスロでは、払出制御基板が存在しない場合があるが、主制御基板で払出が制御されていてもよいし、主制御基板と払出制御基板とに分かれていてもよい。
また、パチスロは、通常、種々の遊技に必要な装置を内部に収納した矩形の筐体、及び筐体に対して開閉可能な扉を備えているが、パチスロにおける筐体を枠としてとらえることが可能である。一方、パチンコにおいては、外枠を筐体ととらえること、外枠及びベースドアを筐体ととらえること、外枠、ベースドア、ガラスドア及び皿ユニットからなる遊技機全体を筐体ととらえること等が可能である。なお、筐体と扉との間や、枠と扉との間に、各種制御基板が設けられたユニット、中枠、中間部などが存在していてもよいし、扉、枠、筐体等に、各種制御基板や表示手段、装飾部、役物等が存在していてもよい。
<第3実施形態>
最初に、本発明の第3実施形態に係るパチスロ機4001の構造について説明する。図108は、本実施の形態におけるパチスロ機4001の斜視図である。
パチスロ機1の全体を形成している筐体4060は、前面側に矩形状の開口を有する箱状のキャビネット4061と、キャビネット4061の前面上部に配置された上ドア4062aと、キャビネット4061の前面下部に配置された下ドア4062bとを有している。キャビネット4061は、遊技に用いられる機器(例えば、リールなど)を収容する。上ドア4062a及び下ドア4062bは、キャビネット4061の開口の形状及び大きさに対応するように形成されている。上ドア4062aは、キャビネット4061における開口の上部を閉塞可能に設けられ、下ドア4062bは、キャビネット4061における開口の下部を閉塞可能に設けられる。
なお、キャビネット4061は、上ドア4062a及び下ドア4062bを固定する部材であるため、固定枠と称することがあり、また、上ドア4062a及び下ドア4062bは、前扉と称することがある。
上ドア4062aは、表示ユニット4100を中央部に有している。表示ユニット4100は、遊技の進行に応じた演出を行う演出装置であり、後述の副制御基板4072の制御のもと遊技の進行に応じて様々な映像を表示する。なお、表示ユニット4100は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどのような表示装置であってもよいが、本実施形態では、所謂プロジェクションマッピング装置を用いる。
下ドア4062bの上部の略中央部には、矩形状の開口部として形成された表示窓4004が設けられている。表示窓4004は、後述するリール4003L、4003C、4003Rに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段を構成する。表示窓4004には、右上り斜めのクロスアップライン、上段のトップライン、中段のセンターライン、下段のボトムライン及び右下がり斜めのクロスダウンラインが表示されている。
ここでは図示を省略するが、表示窓4004は、リール4003L、4003C、4003Rに表示された複数の図柄のうちの3個の図柄を表示する。そのため、表示窓4004は、3×3の図柄が表示される。表示窓4004に表示されるクロスアップライン~クロスダウンラインの5本のラインは、表示窓4004が表示する3×3の図柄を直線的に結ぶラインである。
本実施形態では、これら5本のラインのうちのセンターラインが有効ラインであり、センターラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、入賞の判定が行われる。一方、センターライン以外の4本のラインは、入賞の判定に用いられることのない疑似的なラインである。
なお、有効ライン(センターライン)は、後述のMAXベットボタン4011を操作すること、又はメダル投入口4022にメダルを投入することにより有効化される。ここで、MAXベットボタン4011を操作することと、メダルを投入することとは同義である。したがって、例えば「メダルの投入枚数」という場合には、上述のMAXベットボタン4011の操作によるBET枚数と実際にメダル投入口4022に投入された投入枚数のいずれも含まれる。
キャビネット4061には、複数のリール4003L、4003C、4003Rが回転自在に横一列に設けられている。各リール4003L、4003C、4003Rは、それぞれの外周面に、遊技に必要な複数種類の図柄によって構成される識別情報としての図柄列が描かれたリール帯を有する。すなわち、リール4003L、4003C、4003Rには、複数の図柄が表示されている。
各リール帯に描かれた図柄は表示窓4004を通して、パチスロ機4001の外部から視認できるようになっている。また、各リール4003L、4003C、4003Rは、定速回転(例えば80回転/分)で回転し、図柄列を変動表示する。
表示窓4004の下方には、略水平面の台座部4010が形成されている。台座部4010の水平面内のうち、右側にはメダル投入口4022が設けられ、左側にはMAXベットボタン4011及び1ベットボタン(図示せず)が設けられる。MAXベットボタン4011の内部には、メダルの投入が可能な時に点灯するベットボタンLED4103(図示せず)が設けられている。
このMAXベットボタン4011を押下操作することで、単位遊技(一のゲーム)の用に供される枚数(3枚)のメダルが投入され、有効ラインが有効化される。一方、1ベットボタンを1回、押下操作する度に1枚のメダルが投入される。1ベットボタンが3回操作されると、単位遊技用に供される3枚のメダルが投入され、有効ラインが有効化される。
MAXベットボタン4011の操作、1ベットボタンの操作及びメダル投入口4022にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を「投入操作」という。
台座部4010の水平面内の略中央には、情報表示器4014が設けられている。情報表示器4014には、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)に対応して点灯するLED(図示せず)が設けられている。また、情報表示器4014には、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ機4001の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)などの情報を遊技者に対してデジタル表示するデジタル表示器(図示せず)が設けられている。
また、情報表示器4014には、内部当籤役として決定された役に応じた図柄の組合せを有効ラインに沿って表示するために必要な停止操作の情報を報知する指示モニタ(図示せず)が設けられている。指示モニタは、例えば、7セグメントLEDにより構成され、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で点灯や点滅することで、遊技者に対して必要な停止操作の情報を報知する。後述するように、本実施形態では、停止操作の順序(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である「押し順役」を設けている。報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様とは、例えば、押し順「1st(第1停止操作を左のリール4003Lに対して行うこと)」を報知する場合に「1」を表示し、押し順「2nd(第1停止操作を中のリール4003Cに対して行うこと)」を報知する場合に「2」を表示し、押し順「3rd(第1停止操作を右のリール4003Rに対して行うこと)」を報知する場合に「3」を表示するといったことである。
情報表示器4014は、ドア中継端子板4460を介して主制御基板4071により制御される。ここで、パチスロ機4001では、主制御基板4071により制御される指示モニタに加えて、副制御基板4072により制御される他の手段を用いて停止操作の情報を報知することとしてもよく、例えば、上述の表示ユニット4100において停止操作の情報を報知することとしてもよい。
この場合において、指示モニタにおける報知の態様と、その他の手段における報知の態様とは、異なる態様であってもよい。すなわち、指示モニタでは、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない(例えば、指示モニタにおいて「1」と表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もあり、直接的な報知とは言えない)。これに対して、その他の手段における報知では、停止操作の情報を直接的に報知することとしてもよい。例えば、押し順「1st」を報知する場合に、指示モニタでは報知する押し順に一義的に対応する「1」を表示する一方で、その他の手段(表示ユニット4100)では、第1停止操作を左のリール4003Lに対して行うことを直接的に報知することとしてもよい。
このように本実施形態のパチスロ機4001では、副制御基板4072の制御だけでなく、主制御基板4071の制御によっても、内部当籤役に応じた必要な停止操作の情報を報知することができる。もちろん、停止操作の情報の報知は、遊技状態に応じて制御されることとしてもよい。より具体的には、一般遊技状態(非ART)では停止操作の情報を報知することなく、ART遊技状態において停止操作の情報を報知することとしてもよい。
また、台座部4010の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出を押しボタン操作で切り換える精算ボタン4013が設けられている。この精算ボタン4013の切り換えにより、正面下部のメダル払出口4015からメダルが払い出され、払い出されたメダルはメダル受け部4016に溜められる。
精算ボタン4013の右側には、遊技者の傾動操作により上記リール4003L、4003C、4003Rを回転させ、表示窓4004内での図柄の変動表示を開始するための開始操作手段としてのスタートレバー4006が所定の角度範囲で傾動自在に取り付けられている。
台座部4010の前面部の略中央には、遊技者の押下操作により3個のリール4003L、4003C、4003Rの回転をそれぞれ停止させるための停止操作手段としてのストップボタン4007L、4007C、4007Rが設けられている。なお、実施例では、一のゲーム(単位遊技)は、基本的にスタートレバー4006が操作されることにより開始し、全てのリール4003L、4003C、4003Rが停止したときに終了する。
下ドア4062bの上部の正面には、第1サブ表示装置4201及び第2サブ表示装置4202が設けられる。第1サブ表示装置4201及び第2サブ表示装置4202は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイであり、各種情報を表示する。第1サブ表示装置4201及び第2サブ表示装置4202は、下ドア4062bの前面部のうち、台座部4010の水平面から略垂直に立設する面の側方に設けられ、左側(MAXベットボタン4011やスタートレバー4006側)に第1サブ表示装置4201が設けられ、右側(メダル投入口4022側)に第2サブ表示装置4202が設けられる。
第1サブ表示装置4201及び第2サブ表示装置4202のうちの少なくとも一方、本実施形態では、第1サブ表示装置4201の表示面上には、タッチセンサ4201aを設けられ、タッチセンサ4201aを介して受け付けた遊技者の操作に応じて表示が切り替え可能になっている。タッチセンサ4201aは、静電容量方式などの所定の動作原理に従い動作し、遊技者の操作を受け付けると、タッチ入力情報として当該操作に応じた信号を出力する。第1サブ表示装置4201は、タッチセンサ4201aから出力されるタッチ入力情報に基づいて副制御基板4072により制御される。
下ドア4062bの下部の正面には、左右に効果音や音声などの音による演出を行うスピーカ4009L、4009Rが設けられ、このスピーカ4009L、4009Rの間にメダルが払い出されるメダル払出口4015が設けられている。下ドア4062bの最下部には、払い出されたメダルを貯留するメダル受け部4016が設けられている。
また、下ドア4062bの下部の正面のうち、ストップボタン4007L、4007C、4007Rとメダル受け部4016とに上下を挟まれた面には、機種のモチーフに対応したデザインがあしらわれた腰部パネル4025が取り付けられている。この腰部パネル4025は、背後に設けられた腰部パネル照明器(図示せず)により照射される。
[パチスロ機が備える制御系]
次に、パチスロ機4001が備える制御系について、図109を参照して説明する。図109は、第3実施形態に係るパチスロ機4001の制御系の構成を示す回路ブロック図である。
パチスロ機4001は、筐体4060の内部に設けられた主制御基板4071と、上ドア4062aに設けられた副制御基板4072とを有する。また、パチスロ機4001は、主制御基板4071に接続された、リール中継端子板4410、割合表示装置4420、設定用鍵型スイッチ4430、キャビネット側中継基板4440及び電源装置4450を有する。さらに、パチスロ機4001は、キャビネット側中継基板4440を介して主制御基板4071に接続された外部集中端子板4073、ホッパー装置4040、メダル補助収納庫スイッチ4441及びリセットスイッチ4442を有する。
主制御基板4071に実装されたマイクロコンピュータ4030により主制御回路が構成される。マイクロコンピュータ4030は、メインCPU4031、メインROM4032及びメインRAM4033により構成される。
メインROM4032には、メインCPU4031により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御基板4072に実装される副制御回路に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。また、メインROM4032には、単位遊技に係る最少の遊技時間が複数記憶される。
メインRAM4033には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU4031には、クロックパルス発生回路4034、分周器4035、乱数発生器4036及びサンプリング回路4037が接続される。クロックパルス発生回路4034及び分周器4035は、クロックパルスを発生する。メインCPU4031は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器4036は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~65535)を発生する。サンプリング回路4037は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
副制御基板4072は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)4081、ロムカートリッジ基板4082、RAM(以下、サブRAM)4083、レンダリングプロセッサ4084、描画用RAM4085及びドライバ4086を含む。
サブCPU4081は、主制御基板4071から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板4082に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力制御を行う。なお、ロムカートリッジ基板4082は、基本的には、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を有する。
プログラム記憶領域には、サブCPU4081が実行する各種制御プログラムが記憶される。なお、プログラム記憶領域に格納される制御プログラムには、例えば、主制御基板4071との通信を制御するための主基板通信タスク、演出用乱数値を抽出して演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて表示ユニット4100による映像の表示を制御するための描画制御タスク、各種LED4101による光の出力を制御するためのランプ制御タスク、スピーカ4009L,4009Rによる音の出力を制御するための音声制御タスクなどのプログラムが含まれる。
データ記憶領域には、例えば、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各種演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域などの各種記憶領域が含まれる。
サブRAM4083は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御基板4071から送信される内部当籤役などの各種データを格納する格納領域などを有する。
外部集中端子板4073は、主制御基板4071からのメダルの投入/払出枚数、遊技回数、ボーナスの作動有無情報などの信号が入力されるとともに、それらの信号を遊技回数やボーナス作動回数などを表示する外部表示器や、遊技場のホストコンピュータに出力する。外部表示器は、例えばパチスロ機4001の上方に設置され、遊技回数の進行やボーナス作動と連動して表示を更新したり、ランプなどによりボーナス作動を報知したりするものである。
ここで、メダル投入信号は、メダル投入を認識可能とする信号であって、スタートレバー4006の操作時に出力される。メダル払出信号は、メダル払出又は再遊技を認識可能とする信号であって、メダル払出(クレジット貯留含む)時、又は再遊技作動時に出力される。
ホッパー装置4040は、メダルの検出を行い、ホッパー装置4040から外部に払い出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
リール中継端子板4410は、各リール4003L,4003C,4003Rのリール本体の内側に配設されている。リール中継端子板4410は、各リール4003L,4003C,4003Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板4071からステッピングモータに出力される信号を中継する。
割合表示装置4420は、主制御基板4071に接続された割合表示基板4421と、割合表示基板4421に接続された割合表示器4422及び切替スイッチ4423とを有する。割合表示基板4421は、主制御基板4071から出力される信号に基づいて割合表示器4422の表示を制御する。割合表示器4422は、特定区間割合や役物割合等の各種割合を表示する。切替スイッチ4423は、割合表示器4422の表示を切り替える。
設定用鍵型スイッチ4430は、遊技者に付与される利益の大きさを設定するために設けられた複数の設定値の中から、いずれかの設定値を設定するとき、又はパチスロ機4001に設定されている設定値の確認を行うときに使用される。主制御基板4071は、設定用鍵型スイッチ4430を用いた操作を受け付けると、複数の設定値の中から操作の内容に応じた設定値を設定する。
キャビネット側中継基板4440は、主制御基板4071と、外部集中端子板4073、ホッパー装置4040、メダル補助収納庫スイッチ4441及びリセットスイッチ4442とを電気的に接続するための中継基板である。メダル補助収納庫スイッチ4441は、メダル補助収納庫(不図示)がメダルで満杯になっているか否かを検出する。リセットスイッチ4442は、パチスロ機4001の各種データをリセット(初期化)するときに使用される。
電源装置4450は、主制御基板4071に接続された電源基板4451と、電源基板4451に接続された電源スイッチ4452とを有する。電源スイッチ4452は、パチスロ機4001に必要な電源を供給するときに押下される。
また、パチスロ機4001は、ドア中継端子板4460、並びに、該ドア中継端子板4460を介して、主制御基板4071に接続された、セレクタ4461、ドア開閉監視スイッチ4462、BETスイッチ4011S、精算スイッチ4013S、スタートスイッチ4006S、ストップスイッチ基板4463、遊技動作表示基板4470及び副中継基板4075を有する。
セレクタ4461は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口4022に投入された適正なメダルをホッパー装置4040へ案内する。セレクタ4461内においてメダルが通過する経路上には、図示しないが、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ(投入操作検出手段)が設けられる。
ドア開閉監視スイッチ4462は、パチスロ機4001の外部へ、上ドア4062a及び下ドア4062bの開閉を報知するためのセキュリティー信号を出力する。ストップスイッチ基板4463(停止操作検出手段)は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLED等により表示するための回路とを備える。また、ストップスイッチ基板4463には、ストップスイッチが設けられる。ストップスイッチは、各ストップボタン4007L、4007C、4007Rが遊技者により押下されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板4470は、情報表示器4014に接続され、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール4003L,4003C,4003Rが回動可能なとき、及び、再遊技を行うとき等に、投入されたメダルの枚数等を情報表示器4014に表示させるための基板である。また、遊技動作表示基板4470は、LED群4471が接続され、LED群4471は、例えば、遊技動作表示基板4470から入力される信号に基づいて、遊技開始を表示するマークや再遊技を行うマーク等を点灯させる。
副制御基板4072は、ドア中継端子板4460及び副中継基板4075を介して主制御基板4071に接続される。また、パチスロ機4001は、副中継基板4075を介して副制御基板4072に接続された、スピーカ4009L,4009R,各種LED4101、タッチセンサ4201a及び表示ユニット4100を有する。
また、パチスロ機4001は、副制御基板4072に接続された、ロムカートリッジ基板4082及び液晶中継基板4480を有する。なお、ロムカートリッジ基板4082及び液晶中継基板4480は、副制御基板4072とともに副制御基板ケースに収納されている。
ロムカートリッジ基板4082は、演出用の画像(映像)、音声、光及び通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板4480は、副制御基板4072及び表示ユニット4100間の接続配線を中継する基板である。
[メインCPUの制御によるパチスロの主要動作処理]
次に、メインCPU4031の制御で行うパチスロ機4001の主要動作処理(電源投入以降の処理)の手順を、図110に示すフローチャート(以下、メインフローという)を参照しながら説明する。
まず、パチスロ機4001に電源が投入されると、メインCPU4031は、電源投入時の初期化処理を行う(S3501)。この処理では、バックアップが正常に行われたか、設定変更が適切に行われたかなどが判定され、その判定結果に対応した初期化が行われる。
続いて、メインCPU4031は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S3502)。この初期化処理では、メインRAM4033における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでいう指定格納領域は、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域などの1回の単位遊技(ゲーム)ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU4031は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3503)。この処理では、メダルセンサ4042Sやスタートスイッチ4006Sの入力のチェックなどが行われる。
続いて、メインCPU4031は、内部抽籤処理を行う(S3504)。この処理では、メインCPU4031は、現在の遊技状態に応じた内部抽籤テーブル(不図示)を参照して、複数の役の中から内部当籤役として決定する役を抽籤する。続いて、メインCPU4031は、S3504の内部抽籤処理において、役「F_BB1」「F_BB2」を内部当籤役として決定したか否かを判定する(S3505)。役「F_BB1」「F_BB2」を内部当籤役として決定した場合には(YES)、メインCPU4031は、続いて、RT5遊技状態フラグをオンにし、遊技状態をフラグ間遊技状態にセットする(S3506)。
S3506の処理に続いて、又はS3505において役「F_BB1」「F_BB2」を内部当籤役として決定していないと判定した場合には(NO)、メインCPU4031は、続いて、(現在の出玉状態に応じて各種処理を制御する)状態別遊技制御処理を行う(S3507)。
続いて、メインCPU4031は、メイン側ナビ制御処理を行う(S3508)。この処理では、メインCPU4031は、所定の対応関係に基づいて、現在の遊技状態及び内部当籤役に応じたナビデータをセットする。なお、セットしたナビデータは、スタートコマンドに格納され副制御基板4072に通知される。また、セットしたナビデータに応じた報知は、任意のタイミングで行われる。
続いて、メインCPU4031は、リール停止初期設定処理を行う(S3509)。この処理では、S3505で決定した内部当籤役や現在の遊技状態に応じて停止制御に用いるリール停止制御情報を決定する。決定したリール停止制御情報は、メインRAM4033に格納され、S3512のリール停止制御処理において用いられる。
続いて、メインCPU4031は、スタートコマンド送信処理を行う(S3510)。この処理では、メインCPU4031は、スタートコマンドのデータを生成し、副制御基板4072に送信する。なお、スタートコマンドデータには、内部当籤役などの演出に必要な各種の情報が含まれる。
続いて、メインCPU4031は、ウェイト処理を行った後にリール回転開始処理を行う(S3511)。この処理において、メインCPU4031は、全リールの回転開始を要求する。そして、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される割込処理により、各リールは、その回転速度が定速度に達するまで加速制御され、その後、該定速度が維持されるように制御される。
続いて、メインCPU4031は、リール停止制御処理を行う(S3512)。この処理では、S3509で決定したリール停止制御情報を用いて、左のストップボタン4007L、中のストップボタン4007C及び右のストップボタン4007Rがそれぞれ押されたタイミングに基づいて該当するリールの回転が停止される。
続いて、メインCPU4031は、入賞判別メダル払出処理を行う(S3513)。この入賞判別メダル払出処理では、リール4003L,4003C,4003Rが停止した結果、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、メダルの払い出しや再遊技の作動などの当該図柄の組合せに応じた利益を付与する。続いて、メインCPU4031は、入賞作動コマンド送信処理を行う(S3514)。この処理では、メインCPU4031は、入賞作動コマンドのデータを生成し、副制御基板4072に送信する。なお、入賞作動コマンドデータには、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せなどの各種の情報が含まれる。
続いて、メインCPU4031は、BBチェック処理を行う(S3515)。この処理では、メインCPU4031は、ボーナス状態の作動及び終了を制御する。続いて、メインCPU4031は、RTチェック処理を行う(S3516)。この処理では、メインCPU4031は、表示された図柄の組合せに基づいてRT遊技状態を移行させる制御を行う。
続いて、メインCPU4031は、CZ・ART終了時処理を行う(S3517)。この処理では、メインCPU4031は、CZの引き戻し抽籤を行う。CZ・ART終了時処理を行うと、メインCPU4031は、一遊技(単位遊技)が終了したとして処理をS3502に戻す。
次に、本発明の第3実施形態に係る遊技用表示装置5001を含む遊技システムの基本概要について、図111を用いて説明する。同図に示すように、本実施形態に係る遊技システムは、いわゆるパチンコ店といった遊技場、遊技店に構築されるものであり、遊技用表示装置5001と、遊技機5002と、遊技媒体貸出装置5003と、サーバ装置5004とを有して構成され、各々が同図に示すように接続されている。
なお、本実施形態においては、「記憶媒体」の例としてカードを用いて説明しているが、これに限られるものではなく、ICチップ等が搭載されたコイン、トークン等、本実施形態に係る発明に適用できるもの全てを含むものとする。
また、本実施形態においては、「貨幣」の例として紙幣を用いて説明しているが、これに限られるものではなく、紙幣、硬貨、コイン等、本実施形態に係る発明に適用できるもの全てを含むものとする。
また、本実施形態において、単に「カード」と記載した場合には、遊技店の会員となった遊技者に貸与される会員カード、及び一時的に遊技店により貸与される計数カード(ビジターカード)の双方を含むものとする。
また、本実施形態において、単に「持玉」と記載した場合には、会員カードに対応付けて記憶される貯玉、及び計数カードに対応付けて記憶される計数持玉の双方を含むものとし、単に「持玉情報」と記載した場合には、貯玉を示す持玉情報(以下、「貯玉情報」とする。)、及び計数持玉を示す持玉情報(以下、「計数持玉情報」とする。)の双方を含むものとする。また、遊技者により投入された貨幣額を示す情報を「貨幣情報」(あるいは、「残額情報」ともいう。)とし、特に示す場合には、「持玉情報」に「貨幣情報」が含まれる場合があるものとする。また、会員カードは、貯玉情報、計数持玉情報、及び貨幣情報を別箇に記憶可能であるものとする。さらに、説明の便宜上、通常は遊技者が保有する遊技球に関する情報を示す「持玉」という表現を用いているが、これに限られるものではなく、当該「持玉」には、遊技者が保有するメダルに関する情報、遊技者が電磁的方法により保有する遊技価値に関する情報であって、その他これに類する情報の全てを含むものとする。
[遊技用表示装置]
図111を参照して遊技用表示装置5001について簡単に説明する。なお、遊技用表示装置5001の詳細な構成については後述する。
本実施形態の遊技用表示装置5001は、透過型のプロジェクタ装置により各種の遊技情報を投影像として表示するものであり、例えば遊技機5002ごとにその上方に位置するように設置される。遊技情報としては、遊技媒体の獲得数(獲得枚数あるいは獲得球数)、各種のゲーム数、遊技履歴などがグラフや数値で表示される(図115参照)。遊技用表示装置5001には、遊技者が操作するための後述する複数のボタン5014A~5014Fが設けられている(図115参照)。遊技用表示装置5001は、遊技機5002、遊技媒体貸出装置5003、及びサーバ装置5004と接続されており、入力された信号や受信した信号に基づき、あるいは遊技者の操作に基づいて各種の遊技情報を後述のスクリーン(被投影部)5110Aに表示する。なお、遊技用表示装置5001は、いわゆる遊技島単位に設置されるものでもよい。
遊技用表示装置5001は、電気的あるいは光学的な構成要素として、後述するプロジェクタ本体5012や、これを制御するための制御ユニット(図示略)などを備える。制御ユニットは、プロジェクタ本体5012の制御や、遊技機5002、遊技媒体貸出装置5003、及びサーバ装置5004との間で通信制御を行う。また、制御ユニットは、ボタン5014A~5014Fの操作がセンサにより検知されると、その操作に応じてスクリーン5110A上の表示を制御する。なお、本実施形態では、物理的なボタン5014A~5014Fを設けているが、例えばスクリーン5110Aをタッチパネルにより構成し、制御ユニットは、タッチパネルに対する操作を検知するようにしてもよい。
遊技用表示装置5001は、特に図示しないが、遊技機5002、遊技媒体貸出装置5003、及びサーバ装置5004との通信を行うためのインターフェース部を備える。このインターフェース部と遊技機5002における後述の外部接続端子板との間は、接点入力方式で接続され、遊技機5002から遊技用表示装置5001への一方向に通信が可能である。インターフェース部と遊技媒体貸出装置5003との間は、例えばハーネスにより接点出入力方式で接続され、双方向通信が可能である。また、インターフェース部とサーバ装置5004との間は、例えば同軸ケーブルにより有線LAN方式で接続されるとともに、ハーネスにより接点出力方式で接続され、双方向通信が可能である。なお、接続方法はこれらの方式に限られるものではなく、例えば各々の接続において、無線LAN方式を用いてもよく、また、光ケーブルによる光通信方式を用いてもよい。さらに、これらの組み合わせた方式を用いてもよい。
[遊技機]
図111を参照して遊技機5002について簡単に説明する。遊技機5002としては、例えばパチンコ遊技機5002aやパチスロ遊技機5002bが適用される。以下の説明においては、特に断らない限り、パチンコ遊技機5002a、及びパチスロ遊技機5002bをまとめて遊技機5002と称する。
パチンコ遊技機5002aは、盤面上に遊技球(遊技媒体)を弾き出し、釘に当って不規則に流下する遊技球が特定の入賞口に入ると、賞球の払い出しあるいは得点の加算を行うといった遊技を主として行うものである。パチンコ遊技機5002aは、主たる遊技装置を制御するための主制御ユニット、表示や音声出力などに係る演出動作を制御するための副制御ユニット、賞球としての遊技球の払出動作を制御する払出制御ユニット等を備える。払出制御ユニットは、外部接続端子板を介して遊技用表示装置5001と接続されており、1回の遊技毎に、又は内部状態に変化があった場合に、遊技情報信号やエラー信号等を遊技用表示装置5001に出力する。また、この払出制御ユニットは、外部接続端子板を介して遊技球貸出装置5003aと接続されており、遊技者の操作に基づいて貸出要求信号や返却要求信号を出力する。
パチスロ遊技機5002bは、コイン(遊技媒体)を投入してスタートレバーを操作することで複数の図柄が描かれた複数のリールを回転させ、各リールに対応するストップボタンを押下することでリールを順次停止させることにより、所定役に対応する図柄が有効ライン上に揃うと、コインの払い出しを行うといった遊技を主として行うものである。パチスロ遊技機5002bも、パチンコ遊技機5002aと同様に、主たる遊技装置を制御するための主制御ユニット、表示や音声出力などに係る演出動作を制御するための副制御ユニット、コインの払出動作を制御する払出制御ユニット等を備える。払出制御ユニットは、外部接続端子板を介して遊技用表示装置5001と接続されており、1回の遊技毎に、又は内部状態に変化があった場合に、遊技情報信号やエラー信号等を遊技用表示装置5001に出力する。また、この払出制御ユニットは、外部接続端子板を介してメダル貸出装置5003bと接続されており、遊技者の操作に基づいて貸出要求信号や返却要求信号を出力する。
[遊技媒体貸出装置]
図111を参照して遊技媒体貸出装置5003について簡単に説明する。遊技媒体貸出装置5003としては、パチンコ遊技機5002aに隣接して設置される遊技球貸出装置5003aと、パチスロ遊技機5002bに隣接して設置されるメダル貸出装置5003bとがある。以下の説明においては、特に断らない限り、遊技球貸出装置5003a、及びメダル貸出装置5003bをまとめて遊技媒体貸出装置5003と称する。
遊技媒体貸出装置5003は、例えば図示しないスイッチングハブやコントローラ等を介してサーバ装置5004と接続される。遊技媒体貸出装置5003は、遊技者によりカードが挿入されると、当該カードのICチップ等に付加されたカードIDや会員ID等の識別情報(以下、単に「識別情報」という。)をサーバ装置5004に送信する。サーバ装置5004は、受信した識別情報に対応付けて記憶されたその遊技者の持玉情報を遊技媒体貸出装置5003に送信する。そして、遊技者からの払出指示がある場合には、サーバ装置5004は、持玉情報を更新し、遊技媒体貸出装置5003は、図示しない払出装置を駆動させ、遊技媒体の払出制御を実行する。また、遊技者により紙幣が投入されると、その紙幣の額(投入金額)に応じた残額情報をサーバ装置5004に送信する。そして、遊技者からの払出指示がある場合、サーバ装置5004は、残額情報を更新し、遊技媒体貸出装置5003は、同様に遊技媒体の払出制御を実行する。
また、遊技媒体貸出装置5003は、遊技者の操作により、又は遊技機5002から直接的に、遊技媒体が図示しない計数装置に投入されると、投入された遊技媒体数を計数し、計数結果を遊技者の計数持玉情報としてサーバ装置5004に送信し、サーバ装置5004は、受信した計数持玉情報をカードに付加された識別情報と対応付けて記憶する。また、カードが挿入されていない場合には、遊技媒体貸出装置5003に貯留されている計数カードに予め付加されている識別情報と対応付けて受信した計数持玉情報を記憶する。
なお、本実施形態においては、遊技者の持玉情報、及び残額情報をサーバ装置5004が管理するが、これらの情報を遊技媒体貸出装置5003が管理することとしてもよい。また、カードに識別情報を付加するだけでなく記憶領域をも設け、当該記憶領域にこれらの情報を記憶させ、これらの情報の管理を行うこととしてもよい。そして、これらの情報の更新については、サーバ装置5004が行うこととしても、遊技媒体貸出装置5003が行うこととしてもよい。さらには、持玉情報については、遊技媒体貸出装置5003、又はサーバ装置5004が管理し、残額情報については、カードの記憶領域に直接記憶されることとしてもよい。
加えて、本実施形態において、カードが挿入されていない場合には、遊技媒体貸出装置5003に貯留されている計数カードに予め付加されている識別情報と対応付けて計数持玉情報、及び残額情報が記憶されるが、カードの返却要求があった場合に、遊技媒体貸出装置5003、又はサーバ装置5004が、遊技媒体貸出装置5003に貯留されている計数カードに識別情報を新たに付加することとし、この新たに付加された識別情報と計数持玉情報、又は残額情報とを対応付けて記憶することとしてもよい。
また、遊技媒体貸出装置5003は、遊技機5002に遊技球等貸出装置接続端子板(以下、「貸出端子板」という。)が設けられている場合に、この貸出端子板にも接続され、当該貸出端子板から出力される貸出要求信号や返却要求信号等を受信したことに基づいて、遊技機5002への払出要求信号の送信やカードの返却等を行う。
また、遊技媒体貸出装置5003は、コンバータ等を介して遊技用表示装置5001とも接続されており、遊技機5002に設けられている外部接続端子板から出力される遊技情報信号やエラー信号等を受信するとともに、遊技者の持玉情報を遊技用表示装置5001に送信する。
[サーバ装置]
図111を参照してサーバ装置5004について簡単に説明する。サーバ装置5004は、いわゆるホールコンピュータとして用いられるものであり、遊技用表示装置5001と接続されるほか、遊技媒体貸出装置5003とも接続される。サーバ装置5004は、管理する遊技結果管理情報(例えば、過去数日分を含めた出玉履歴情報や不正検知情報等)や遊技店に関する情報(例えば、新台情報や空き台情報等)を遊技用表示装置5001に送信する。
また、サーバ装置5004は、遊技店以外の第三者であるセンター事業者が管理する外部管理装置(図示せず)にも接続され、カードの識別情報や会員情報、遊技者の持玉情報を定期的(例えば、1日に1回毎)に送信する。外部管理装置は、送信された各情報をバックアップする。サーバ装置5004は、外部管理装置との接続が所定日数(例えば、15日)途絶した場合、遊技者の持玉情報の更新を停止する。
以上のような遊技システムにおいて、遊技者は、遊技店(遊技場)に入ると、まず、遊技用表示装置5001に表示される各種の情報を見ながら、所望の遊技機5002に着席する。次に、その遊技者がその遊技店の会員である場合は、会員カードを遊技媒体貸出装置5003に挿入し、本人確認(例えば、登録されている暗証番号の入力等)の後、サーバ装置5004に持玉情報が記憶されている場合にはその持玉を使用し、持玉情報が記憶されていないか、持玉情報がその遊技機5002で貸し出し不能な持玉数である場合には紙幣を投入し、貸出要求を行って遊技媒体の貸し出しを受け、遊技媒体を遊技機5002に投入することで遊技を開始する。又は、その遊技者がその遊技店の会員でない場合は、紙幣を投入し、貸出要求を行って遊技媒体の貸し出しを受け、遊技媒体を遊技機5002に投入することで遊技を開始する。このとき、サーバ装置5004に記憶されている持玉情報や残額情報が、貸し出された分だけ更新(減算)される。
そして、その遊技機5002から遊技媒体の払い出しを受けることができずに、遊技を継続する場合には、貸出要求が行われる度に、サーバ装置5004に記憶されている持玉情報や残額情報が、貸し出された分だけ順次更新(減算)されることとなる。一方、その遊技機5002から遊技媒体の払い出しを受けることができた場合には、払い出された遊技媒体を遊技媒体貸出装置5003に投入すると、投入された遊技媒体数を計数し、計数結果に基づいてサーバ装置5004に記憶されている持玉情報が更新(加算)される。
その後、その遊技機5002における遊技を終了する場合には、遊技者はカードの返却要求を行う。ここで、会員カードが遊技媒体貸出装置5003に挿入されている場合には、本人確認(例えば、登録されている暗証番号の入力等)の後、そのまま会員カードを返却する。会員カードが遊技媒体貸出装置5003に挿入されていない場合には、サーバ装置5004に計数持玉情報が記憶されている場合、若しくは残額情報がある場合に、遊技媒体貸出装置5003に貯留されている計数カードを返却(発行)する。サーバ装置5004に計数持玉情報が記憶されておらず、かつ投入金額の残額もない場合には、計数カードは返却(発行)されない。
計数カードが返却(発行)された場合であって、かつ他の遊技機5002で遊技を行いたい場合には、他の遊技機5002に対応して設けられた遊技媒体貸出装置5003にその計数カードを挿入することにより、会員カードと同様の手順(本人確認を除く)で遊技を開始(再プレイ)することができる。なお、上記の場合に、貯玉情報に基づく再プレイを「貯玉再プレイ」といい、計数持玉情報に基づく再プレイを「持玉再プレイ」という。
[遊技用表示装置の構成]
次に、遊技用表示装置5001の構成について、図112~図115を参照して説明する。
図113に示すように、遊技用表示装置5001は、基本的な構成要素として、筐体5010、スクリーンユニット5011A、プロジェクタ本体(投射手段)5012、リフレクタ5013、操作ユニット5014を備えている。筐体5010は、プロジェクタ本体5012、リフレクタ5013、及び操作ユニット5014のほか、遊技用表示装置5001の全体の動作を制御するための図示しない制御ユニットを収容している。スクリーンユニット5011Aは、筐体5010の前面側に設けられた開口面5010Aを覆うように取り付けられる。図112~図114は、標準タイプのスクリーンユニット5011Aを示しており、特に断らない限り、このスクリーンユニット5011Aを基本的に用いて説明するが、いずれのスクリーンユニットを用いてもよい。
筐体5010は、図113に示すように、底面5010a、左右両側の側面5010b,5010c、背面5010d、上面5010e、及び前面側の開口面5010Aを有するように矩形箱状に形成されている。底面5010aの後部には、プロジェクタ本体5012が設置され、底面5010aの前部には、操作ユニット5014が設置される。背面5010dの上部には、リフレクタ5013が設置される。
スクリーンユニット5011Aは、筐体5010の開口面5010Aを覆う正面部5011aと、筐体5010の側面5010b、5010cに着脱自在に固定される左右両側の側部5011b、5011cとを有するように形成されている。スクリーンユニット5011Aは、正面部5011aの開口5011aaに設けられるスクリーン(被投影部)5110Aと、図114に示すように、正面部5011aの後面において左右両側に設けられるLED基板5111とを有する。
正面部5011aには、スクリーン5110Aを配置するための開口5011aaのほか、スクリーン5110Aの左右側方において発光する発光面5111aと、操作ユニット5014のボタン5014A~5014Fを前方に露出させるための開口部5112とが設けられている。
スクリーン5110Aは、後方から投影像が投影されることで表示される透過式のものであり、例えば透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として形成され、非投影時に乳白色、半透明、あるいはグレー色を呈する。スクリーンユニット5011Aのスクリーン5110Aは、全面にわたって均等な厚みをもつように形成されている。このようなスクリーン5110Aは、プロジェクタ本体5012から投射された光が入射する一様に平坦な背面側の入射面5100(図114)と、この入射面5100に入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面5101(図113)とを有する。
発光面5111aは、図113、図114に示すように、透光性を有する板状部材により構成され、その背面側にLED基板5111が設けられる。LED基板5111は、特に図示しないが複数のLEDを搭載しており、コネクタ5111A、及びケーブル5111Bを介して筐体5010側の制御ユニットに接続される。なお、図114には、一方のLED基板5111に対応するコネクタ5111A、及びケーブル5111Bが示されているが、他方のLED基板5111にもコネクタ、及びケーブルが設けられており、他方のLED基板5111もコネクタ、及びケーブルを介して制御ユニットに接続される。
この制御ユニットにより、LED基板5111における複数のLEDが点灯あるいは点滅させられ、これらLEDの光は、発光面5111aを通って前方に照射される。
発光面5111aは、透光性を有する板状部材により構成されるが、これに限らず、少なくとも一部が透光性を有して部分的に透光性を有さない部材で構成されるようにしてもよい。
また、透光性を有する部分においては、装飾性を有するシートをLED基板と板状部材との間に配置したり、板状部材そのものに透光性を有する有色の装飾などを施してもよい。このような場合は、LED基板が光源を有する発光手段として機能する一方、板状部材が発光手段により装飾される装飾部材として機能することとなり、装飾部材としては、光学的に透光、拡散、偏光、屈折、反射などといった特性を有するものが適用される。
プロジェクタ本体5012は、遊技に関する情報を投影像としてスクリーンに表示するための光を投射するものであり、例えば液晶パネルを用いた液晶方式のもの、あるいはDMD(Digital Micromirror Device)素子を用いたDLP(登録商標:Digital Light Processing)方式のものが適用される。
プロジェクタ本体(投射手段)5012は、図示しない制御ユニットに接続されており、この制御ユニットにより動作が制御される。プロジェクタ本体5012は、液晶パネルあるいはDMD素子のほか、光源としてのLEDあるいはランプ、ダイクロイックミラーや投影レンズなどを有する。投影レンズは、光軸方向に調整可能である。
このようなプロジェクタ本体5012は、投影レンズから出射した光がリフレクタ5013へと直接向かうように配置されている。スクリーンユニット5011Aの取り付け時には、プロジェクタ本体5012の投影レンズを光軸方向に微調整することでフォーカス調整を行うことができる。これにより、スクリーンユニット5011Aのスクリーン5110Aに対しても、正確にピントが合った鮮明な投影像を映し出すことができる。
リフレクタ5013は、光を反射する部材で構成されており、プロジェクタ本体5012から入射した光を、筐体5010の開口面5010A(スクリーン5110Aの入射面5100)に向けて反射するように、その開口面5010Aに対して傾斜した姿勢で背面5010dに設置されている。
操作ユニット5014は、遊技者などが操作可能な複数のボタン5014A~5014Fを横並びに有するものである。具体的には、図115に示すように、操作ユニット5014には、左側から順に、切替ボタン5014A、履歴ボタン5014B、呼出ボタン5014C、設定ボタン5014D、確認ボタン5014E、及び十字ボタン5014Fが設けられている。操作ユニット5014は、図示しない制御ユニットに接続されており、各ボタン5014A~5014Fの操作が図示しないスイッチに検知されると、スイッチから制御ユニットに検知信号が供給され、制御ユニットは、検知信号に応じた表示制御を行う。
切替ボタン5014Aは、後述するグラフ表示や数値表示などを切り替えるためのボタンである。履歴ボタン5014Bは、本日の遊技履歴を表示するためのボタンである。呼出ボタン5014Cは、遊技場の店員を呼び出すためのボタンである。設定ボタン5014Dは、表示設定などを変更するためのボタンである。確認ボタン5014Eは、各種の設定を確認するためのボタンである。十字ボタン5014Fは、数値変更やスクロール操作を行うためのボタンである。
図115に例示するように、スクリーン5110A上の投影像V1としては、遊技開始から獲得したメダルの枚数を折れ線グラフで示すチャート画像が表示される。投影像V2としては、本日実行されたボーナス回数や累積ゲーム数を示すテキスト画像が表示される。
投影像V3としては、過去のボーナス回数や累積ゲーム数を履歴として示すテキスト画像が表示される。なお、光が入射する面については、入射面5100としたが、光が投影される面(表示面)としては、LED基板5111の背面領域や入射面5100の上下の領域(正面部5011aなど)、さらには左右の領域(側部5011b、5011c)も含むようにしてもよい。
このように光が投影される面は、スクリーンユニットの内側に含まれるものとしても、プロジェクタ本体5012より前方あるいはリフレクタ5013より前方の領域において投影像を投影可能であればよい。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る遊技用表示装置について、図116~図117を用いて説明する。なお、先述した実施形態によるものと同一、又は類似の構成要素については、同一符号を付して説明を省略する。
第4実施形態に係る遊技用表示装置5501は、図116、及び図117に示すように、スクリーンユニット5511Dの前面全体が凹面状のスクリーン5610Dにより構成され、スクリーン5610Dの前面側全域が緩やかな傾斜をもつ凹面状の表示面5601となっている。この遊技用表示装置5501には、発光面やボタンが省かれている。
また、図117に示すように、リフレクタ5513の背面側となる筐体5510の背面5510dの外側には、LED基板5560と反射板5561とが設けられている。LED基板5560には、背面5510dに対して環状に位置するように複数のLED5560Aが搭載されており、LED5560Aは、反射板5561に向けて光が照射可能となるように配置されている。このようなLED5560Aの光は、反射板5561で反射されることにより、遊技用表示装置5501の周囲やスクリーン5610Aの周縁部を後方から照らし出す。
このような遊技用表示装置5501によれば、スクリーン5610Dの表示面5601全体に投影像を投影することができ、LED5560Aによる後方からの光によって装飾効果を高めることができる。
また、第4実施形態では、スクリーン5610Dが凹面状に形成されているため、奥行きがある立体的な画像を表示することができる。これにより視覚的効果、及び装飾効果をさらに高めることができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る遊技用表示装置について、図118~図120を用いて説明する。なお、上記実施形態によるものと同一、又は類似の構成要素については、同一符号を付して説明を省略する。
第5実施形態は、例えば図116に示す凹面状のスクリーン5610Dの上縁部を発光させることで、視覚的効果、及び装飾性を向上させる構成としている。
第5実施形態に係る遊技用表示装置5501は、図118に示すように、スクリーン5610Dは所定厚みを有し光を透過する入射面5600(導光部)と、所定厚みを有し投影画像を表示する表示面5601(表示部)から構成される。また、スクリーン5610Dの下縁部の近傍で筐体5510の底面5510a上に少なくとも一つの基盤(LED基盤)5570を設置し、スクリーン5610Dの入射面(導光部)5600の上縁部に光を乱反射させる凹凸部等からなる乱反射部5572を設けている。
乱反射部5572は、スクリーン5610Dの上縁部全体に亘って設けられる。また、基盤5570はスクリーン5610Dの下縁部全体に亘って設けてもよいが、適宜分割して設けてもよい。また、1、又は複数の発光素子5571の配置位置、及び出射角度は、発光素子からの光が乱反射部5572全体に均一に到達するように適宜調整される。
これにより、スクリーン5610Dの上縁部を縁取るような横長の反射光が形成され、視覚的効果、及び装飾効果を向上させることができる。なお、図118に示す図では、リフレクタ5513の背面にLED基板5560と反射板5561が設けられているが、これらは適宜省略することができる。
また、発光素子5571からの光が基盤5570と底面5510aとの間隙部から漏洩するのを防ぐため、間隙部に遮光部材5573を設置し、筐体5510への光の漏洩を防止する。
さらに、発光素子5571からの光がスクリーン5610Dの表示面5601に向かわないように、発光素子5571の周囲に適宜遮光部材を設けてもよい。
第5実施形態によれば、スクリーン5610Dの下縁部近傍に設けた基盤5570の発光素子5571からの光により、スクリーン5610Dの上縁部を縁取るように発光させることで、遊技用表示装置5501の視覚的効果、及び装飾性を向上させることができる。しかも、発光素子5571から筐体5510内部への漏洩光の発生を防止することで、照射効率を高めるとともに、スクリーン5610Dへの投影画像に影響を及ぼすことがない。また、基盤5570を、スクリーン5610Dの上縁部、左縁部、及び/又は右縁部の近傍に設け、それぞれに対向して乱反射部5572を入射面(導光部)5600の下縁部、右縁部、及び/又は左縁部に設けてもよい。これにより、スクリーン5610Dの各縁部(上縁部、下縁部、右縁部、及び/又は左縁部)を適宜発光させることができる。
(変形例1)
変形例1では、図119に示すように、発光素子5571からの光が基盤5570と底面5510aとの間隙部から筐体5510内へ漏洩するのを防ぐため、遮光機能を有する底面5510aを、間隙部を塞ぐように変形する。これにより、上記第5実施形態と同様な作用効果を奏するとともに、部品点数の削減を図ることができる。
(変形例2)
変形例2では、図120に示すように、遮光機能を有する基盤5570を縦方向に配置し、基盤5570自体により発光素子からの光が筐体5510の内部に漏洩するのを防止する。これにより、上記第5実施形態と同様な作用効果を奏することができるとともに、部品点数の削減を図ることができる。
なお、本変形例1、及び2においてもLED基板5560、及び反射板5561を適宜省略することができる。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る遊技用装置について、図121~図127を用いて説明する。なお、上記実施形態によるものと同一、又は類似の構成要素については、同一符号を付して説明を省略する。
図121は、第6実施形態に係る遊技用装置G1の斜視図である。図121に示すように、遊技用装置G1は、筐体G10と、前面全体が凹面状のスクリーンG110により構成されたスクリーンユニットG11とを有している。筐体G10は、基体G101と、プロジェクタ収容体G102とを有している。
図122は、遊技用装置G1の分解斜視図である。図122に示すように、基体G101は、平板状の背面部G101aと底面部G101bとを有し、それぞれ筐体G10の背面壁、及び底面壁を構成する。底面部G101bには、プロジェクタ本体5012が載置されるように取り付けられる。また、背面部G101aの内壁に沿うようにリフレクタ5013が配置される。
プロジェクタ収容体G102は、プロジェクタ本体G12を覆うように底面部G101bに取り付けられることで、内部空間にプロジェクタ本体G12を収容する。当該内部空間は上方が開放され、プロジェクタ本体G12から出射された映像光が背面部G101aに配置されたリフレクタG13へ到達可能にされている。スクリーンユニットG11は、リフレクタG13を覆うように取り付けられ、リフレクタG13が反射した映像光がスクリーンG110に照射されるように構成される。
このように、第6実施形態の遊技用装置G1は、上述した実施形態と同様に、透過型のプロジェクタ装置として機能する遊技用表示装置であるがこれに限定されない。例えば、遊技用装置は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)が内蔵された遊技用表示装置であってもよい。また、遊技用装置は、遊技用表示装置に限定されず、例えば、遊技媒体貸出装置であってもよいし、遊技機に設ける遊技機装飾用のユニット等であってもよい。
第6実施形態における以後の説明において、便宜上、背面部G101aの主面に垂直な方向を前後方向と称する場合がある。前後方向において背面部G101aのスクリーンユニットG11側を遊技用装置G1の前側(前方向)と称し、前側とは逆側を後側(後方向、奥行方向)と称す場合がある。また、前側から見て右側、及び左側を遊技用装置G1の右側(右方向)、及び左側(左方向)とそれぞれ称し、右側、及び左側を含む方向を左右方向と称する場合がある。さらに、前後方向、及び左右方向に直交する方向を上下方向、又は高さ方向と称する場合がある。
図123は、遊技用装置G1を背面側から示す斜視図である。図121~図123に示すように、基体G101における背面部G101aの後側には、背面部G101aと平行となるように導光板G61が配置されている。即ち、導光板G61は、上下方向、及び左右方向に平行に配置される。導光板G61は、透光性を有し、入射された光が導光可能にされている。第6実施形態において導光板G61は、略矩形状の平板に形成されているがこれに限定されず、円形等どのような形状であってもよい。図123に示すように、導光板G61は、背面基板カバーG62によって、基体G101に固定される。
遊技用装置G1は、一般的に、遊技機5002の上方に配置されると共に、スクリーンG110を前方向から下方向へ傾斜する方向へ向けて、スクリーンG110が遊技者の顔へ対向するように配置される。このとき、遊技者から、スクリーンG110の上方に導光板G61が望めるような位置、及び/また、大きさで導光板G61が構成されることが好ましい。
図124は、遊技用装置G1を背面側から示す分解斜視図である。図124に示すように、導光板G61は、厚み方向に貫通するように形成された円環状の開口G61aを有している。即ち、導光板G61は、開口G61a側に、円環状の端面(開口側端面G61b)を有している。換言すれば、開口側端面G61bは、導光板G61の開口G61aを形成する。なお、第6実施形態では、開口G61aは、円環状に形成されているがこれに限定されず、方形状等であってもよい。また、開口G61aは、その周縁の一部が、導光板G61の周縁に一致していてもよい。即ち、導光板G61に切欠が設けられて開口G61aが形成されてもよい。
導光板G61と基体G101との間に挟持されるように、LED基板G60が配置されている。即ち、複数のLEDG60Aは、導光板G61とは別体のLED基板G60に設けられる。LED基板G60は、導光板G61側の開口側端面G61bと対向する位置に、複数のLEDG60Aを搭載している。より具体的に、複数のLEDG60Aは、LED基板G60において、開口側端面G61bに沿って開口G61aを囲うように等間隔で並設されている。なお、開口G61aが切欠によって形成されている場合には、複数のLEDG60Aは、当該切欠に沿って円弧状に配列されることになる。各LEDG60Aは、開口側端面G61bとの対向方向に出射口を有している。したがって、LED基板G60は、複数のLEDG60Aから、導光板G61の開口側端面G61bに向けて放射状に光を照射する。また、複数のLEDG60Aから照射される光の光軸は、導光板G61と平行にされており、導光板G61に入射された光が導光板G61内を進行し、導光板G61の周縁を構成する外側端面G61cまで到達可能にされている。なお、導光板G61の厚みは、LEDG60Aの前後方向の長さよりも長く設定されている。これにより、導光板G61を固定する背面基板カバーG62が、導光板G61の開口G61aに位置するLEDG60Aに接触することを防止している。
このように、導光板G61の開口G61a内に配置された複数のLEDG60Aからの光は、導光板G61の開口側端面G61bから入射された後に導光板G61内を導光され、導光板G61の外側端面G61cの領域全体を覆うように照明する。これにより、複数のLEDG60Aから出射される光は、導光板G61内において放射状に広がって外側端面G61cに到達することで導光板G61の周囲全体を環状に照明することが可能となり遊技用装置G1のいずれの方向からでも照明されている導光板G61が視認可能となり遊技用装置G1が取り付けられる遊技機等の識別性を向上させることができる。
LED基板G60は、複数のLEDG60Aを個別に点灯制御することが可能にされている。LED基板G60は、複数の点灯パターンが記憶されたメモリ(図示せず)を有し、外部信号等に応じた点灯パターンで、複数のLEDG60Aを制御する。例えば、LED基板G60は、遊技機から送信される遊技状態を示す信号や、遊技用装置G1が有する入力装置(図示せず)に対して行われた操作に応じた点灯パターンを選択し、当該点灯パターンに基づいて複数のLEDG60Aを制御する。例えば、複数のLEDG60Aを配置順に順次点灯させる点灯パターンで制御することで、導光板G61の周縁を光が流れるようなドライブ演出が可能となる。また、複数のLEDG60AにフルカラーLEDを選択することで、後述するタッチセンサの操作等により遊技者からの呼出入力が行われた場合には赤点灯、遊技機に異常が生じた場合には黄色点滅等の種々の報知を行うことが可能となる。
導光板G61には、導光板G61内をLEDG60Aからの光の一部を、基体G101側の厚み方向へ反射させる反射加工が複数個所に施されている。導光板G61において、デザイン性を有する形状を構成するように反射加工が施されることで、導光板G61の主面に当該形状の照明が浮かび上がることになる。以下、具体的に、導光板G61の反射加工について、導光板G61内を進行する光の光路パターンを図示して説明する。
図125A、及び図125Bは、導光板G61を進行するLEDG60Aからの光の光路パターンの一例を示す説明図である。図125Aに示すように、LEDG60Aからの光の光路に反射加工が施されていない場合、LEDG60Aから出射された光は、開口側端面G61bから導光板G61に入射し、導光板G61内を面方向(上下方向)に進行して外側端面G61cに到達する。これにより、導光板G61の周囲全体が環状に照明される。
一方、図125Bに示すように、導光板G61は、導光板G61の面方向(上下方向)に進行する光を、反射する反射部G61dを有している。第6実施形態では、反射部G61dは、導光板G61のLED基板G60とは逆側の主面に形成された窪みである。反射部G61dは、LEDG60Aからの光の光路に対し、法線が厚み方向(前方向)に45度傾斜した反射面を有し、反射部G61dに到達する光を導光板G61の厚み方向(前方向)のLED基板G60側へ反射させるようになっている。なお、反射部G61dはレーザー加工等の加工により導光板内部に設けられたものであってもよい。
図126は、導光板G61の照明態様の一例を示す説明図である。図126に示すように、開口G61aに配置されたLEDG60A(図124参照)から光が放射状に出射され、外側端面G61cに到達し、導光板G61の周縁を照明する。また、LEDG60A(図124参照)からの光の一部は、反射部G61dにおいて前方向に反射し、導光板G61の主面に輝点を形成する。反射部G61dがデザインを形成するように集合して設けられることで、反射部G61dが反射して形成する輝点が当該デザインを点描する。
図127は、遊技用装置G1を背面側から示す分解斜視図である。図127に示すように、複数のLEDG60Aは、導光板G61とは別体のLED基板G60に設けられる。LED基板G60、及び導光板G61には、複数のLEDG60Aが、導光板G61の開口側端面G61bとそれぞれ対向する位置に配置されるように、位置合わせするための位置合わせ部G60e、及び位置合わせ部G61eがそれぞれ設けられている。
具体的に、位置合わせ部G60eは、導光板G61の4つの隅角部に設けられた前後方向に貫通する4つの貫通孔である。位置合わせ部G61eは、4つの位置合わせ部G60eに対応して貫通する4つの貫通孔である。なお、LED基板G60とで導光板G61を挟持する背面基板カバーG62にも同様に位置合わせ部G62eが形成されている。
基体G101の背面部G101aには、LED基板G60、及び導光板G61の位置合わせ部G60e、G61eと連携して位置合わせを行うための位置合わせ部材G101eが設けられている。位置合わせ部材G101eは、位置合わせ部G60e、G61e、G62eに係合する断面を有した円柱形状を有し、LED基板G60、導光板G61、及び、背面基板カバーG62を合わせた厚みよりも長く、基体G101から後ろ方向に突出して設けられている。
このように、基体G101に対し、LED基板G60、導光板G61、及び、背面基板カバーG62が、着脱自在に配置されることになる。LED基板G60、導光板G61、及び、背面基板カバーG62の位置合わせ部G60e、G61e、G62eを、順次基体G101の位置合わせ部材G101eに挿通させて位置合わせがなされる。
導光板G61が位置合わせされる際、まず、導光板G61の位置合わせ部G61eが基体G101の位置合わせ部材G101eの突出端部に位置合わせされ挿通される。そして、導光板G61は、位置合わせ部材G101eによって上下方向、及び左右方向への移動が規制されながら前方向に移動され、LED基板G60に載置されるように配置される。このように、導光板G61は、位置合わせ部材G101eによって前後方向への移動のみに規制される。これにより、位置合わせに際して、導光板G61が、LED基板G60上に載置するように設けられたLEDG60Aに対して接触してしまうことを防止することが可能となっている。
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態に係る遊技用装置について、図128~図131を用いて説明する。なお、上記実施形態によるものと同一、又は類似の構成要素については、同一符号を付して説明を省略する。第7実施形態では、第6実施形態において説明したプロジェクタ収容体G102(図122、及び図123参照)の異なる態様について説明し、その他の構成等は第6実施形態と同様であるため説明を省略する。
図128は、第7実施形態に係る遊技用装置F1が有するプロジェクタ収容体F102の斜視図である。図128に示すように、プロジェクタ収容体F102は、スクリーンユニットG11の下方において、プロジェクタ本体G12(図122参照)を覆うように基体G101に取り付けられることで、内部空間にプロジェクタ本体G12を収容する。第6実施形態と同様に、当該内部空間は上方が開放され、プロジェクタ本体G12から出射された映像光が背面部G101aに配置されたリフレクタG13へ到達可能にされている。さらに、第7実施形態のプロジェクタ収容体F102は、遊技者の入力を受け付ける入力装置の機能、及び、遊技者に対して報知を行う機能を有している。以下、具体的に、プロジェクタ収容体F102について説明する。
プロジェクタ収容体F102は、プロジェクタ収容体F102の前面外形を形成する外装パネルF1021を有している。外装パネルF1021は、タッチ領域F1021aと、スピーカ部F1021cと、受光部F1021dとを有している。
タッチ領域F1021aは、後述するタッチセンサF1022(図129参照)の形状に応じて設定された矩形状の入力領域である。タッチ領域F1021aには、透光性を有する透光部F1021bが設けられており、裏側から照射される光が透過可能にされている。第7実施形態において、透光部F1021bは、タッチ領域F1021aを示す矩形デザインと、矩形デザイン内に配置される「手」を示す絵柄、及び「CALL」を示すテキストと、により構成されるがこれに限定されない。また、第7実施形態において、外装パネルF1021は透光性の素材で形成された上で、透光部F1021bを残すように非透過性のインクを印刷したものであるがこれに限定されない。例えば、外装パネルF1021と面一になるように透光性の素材が設けられて形成されてもよいし、単に外装パネルF1021を貫通する貫通孔であってもよい。また、透光部F1021bは、外装パネルF1021を貫通する貫通孔を形成した上で、裏側に光を乱反射させるための光学シート(光学フィルム)を設けるものであってもよい。
スピーカ部F1021cは、後述のスピーカF10253(図129、図130参照)からの音声を外部へ出力するための貫通孔である。また、受光部F1021dは、外部からの赤外線等による信号を受信するための入力装置である。
図129は、プロジェクタ収容体F102の分解斜視図である。図129に示すように、プロジェクタ収容体F102は、上述した外装パネルF1021と、タッチセンサF1022と、導光板F1023と、導光板F1023の上縁に設けられたLEDアレイF1024と、基板F1025と、枠体F1026と、収容基体F1027と、を有している。
収容基体F1027は、外装パネルF1021とでプロジェクタ収容体F102の外形状を形成すると共に、外装パネルF1021との間に、タッチセンサF1022、導光板F1023、LEDアレイF1024、及び、基板F1025を収容する。また、収容基体F1027には、上述したスピーカや受光部F1021dが外部からの光信号を受信するための受光素子が設けられる。なお、収容基体F1027の外装パネルF1021とは逆側にプロジェクタ本体G12(図122参照)が収容される。また、収容基体F1027は、前面側の左上部に、スピーカ部F1021cから音声を出力するためのスピーカF10253が設けられている。
基板F1025は、タッチセンサF1022や受光部F1021dからの入力を受け付ける機能、及びLEDアレイF1024の点灯を制御する機能を有している。
LEDアレイF1024は、複数のフルカラーLEDが並列配置されたLEDユニットであり、導光板F1023の上縁から導光板F1023に向けて面状に光を出射する。導光板F1023は、タッチセンサF1022の裏側に設けられ、LEDアレイF1024からの光を、導光板F1023の後面側に設けられた反射シートにより反射しながら進行させると共に、導光板F1023の前面側に設けられた拡散シートから面発光させる。即ち、導光板F1023は、LEDアレイF1024からの光を、前面側に設けられた外装パネルF1021の透光部F1021bの方向へ、タッチセンサF1022を介して導く機能を有している。これにより、透光性を有する透光部F1021bが照明されることになる。
タッチセンサF1022は、透光性を有し、外装パネルF1021の裏側においてタッチ領域F1021aに対応付けて配置される。これにより、タッチセンサF1022は、遊技者によるタッチ領域F1021aへのタッチ入力を検出することが可能となっている。
タッチセンサF1022、LEDアレイF1024が配置された導光板F1023、及び、基板F1025は、枠体F1026に取付られた上、収容基体F1027の外装パネルF1021側中央部に取り付けられる。
[第7実施形態の構成]
図130は、プロジェクタ収容体F102の電気的構成を示すブロック図である。図130に示すように、基板F1025は、制御回路F10250と、ROMF10251と、RAMF10252と、通信インターフェースF10254と、を有している。制御回路F10250は、CPU、及び、LEDアレイF1024や、スピーカF10253を制御するための回路を有する。ROMF10251は、LEDアレイを点灯制御するための点灯パターン等を記憶する。RAMF10252は、外部からの入力情報等を一時的に記憶する。通信インターフェースF10254は、遊技機5002(図111参照)の他、例えばLED基板G60(図124参照)との通信を行うためのものである。なお、遊技機5002からの通信は、LED基板G60、又はLED基板G60を制御する制御基板(図示せず)を介して行うものであってもよい。また、遊技機から直接信号を受けるのではなく、他の装置、例えば遊技場内のサーバやコントローラ等から間接的に受信するものであってもよい。
このように、基板F1025は、タッチセンサF1022や遊技機5002からの情報に基づいて透光部F1021bの照明を変更することが可能な構成にされている。また、遊技用装置G1の背面に配置される導光板G61を照明するためのLED基板G60と接続されているため、例えば、透光部F1021bの照明と、導光板G61の照明とが同期するような演出や報知を行うことが可能になっている。
図131は、制御回路F10250が実行する制御処理のフローチャートである。図131を参照して制御回路F10250の動作を説明する。
図131に示すように、先ず、制御回路F10250は、入力があるか否かを判定する(ステップS4001)。入力とは、遊技者によるタッチセンサF1022への入力、遊技機5002からの遊技状態を示す信号の入力、を含む。入力が無い場合(ステップS4001:NO)、ステップS4001を再度実行する。なお、入力がない場合の制御処理があってもよい。例えば、タッチセンサF1022への入力が無い限り透光部F1021b(LEDアレイF1024)を所定の態様で照明することを継続してもよい。
入力があった場合(ステップS4001:YES)、制御回路F10250は、入力種別を判定する(ステップS4002)。その後、制御回路F10250は、制御対象を決定する(ステップS4003)。即ち、制御回路F10250は、入力種別に応じて制御すべきアクチュエータを選択する。アクチュエータとは、LEDアレイF1024、スピーカF10253、及び、LED基板G60の複数のLEDG60Aを含む。即ち、ROMF10251は、入力種別に応じて制御すべきアクチュエータが対応付けられたデータテーブルを記憶しており、制御回路F10250は当該データテーブルを参照して入力種別に応じたアクチュエータを取得する。
そして、制御回路F10250は、アクチュエータをどのように制御するかを予め定めた制御パターンを選択する(ステップS4004)。即ち、ROMF10251は、入力種別に応じたアクチュエータの制御パターンが対応付けられたデータテーブルを記憶しており、制御回路F10250は当該データテーブルを参照してアクチュエータごとの制御パターンを取得する。
その後、制御回路F10250は、選択した制御パターンで、アクチュエータを制御して(ステップS4005)、処理を終了する。具体的には、遊技者からのタッチセンサF1022への入力があった場合、透光部F1021b(LEDアレイF1024)の照明態様を予め定められたパターンに変化させる制御を行う。なお、タッチセンサF1022への入力等に応じて、複数のLEDG60Aを制御する場合には、制御回路F10250は、LED基板G60、又は、LED基板G60を制御する制御基板へ制御信号を送信し、複数のLEDG60Aを制御させる。
また、遊技者によってタッチ操作されたときに、制御回路F10250は、前述したLED基板G60、及び/又はプロジェクタ制御手段に対し所定の態様でLEDG60Aを発光、及び/又は、スクリーンG110に所定の画像を表示させるように指示してもよい。制御回路F10250がLED基板G60に対し発光指示を行う場合、遊技者正面のタッチ領域F1021aの透光部F1021bやスクリーンG110だけでなく、遊技機の側方から視認可能な本体よりも大きい導光板G61が所定の態様(例えば赤点灯)で点灯するため、呼び出されている遊技機(遊技者によって呼出入力が行われた遊技用装置G1が取り付けられた遊技機)を遊技場の管理者が特定しやすくなる。また、遊技場管理者は通常呼び出された遊技機に到着したときにはタッチセンサF1022(タッチ領域F1021a)を操作し消灯させるものであるが、LED基板F1025側でタッチ操作からの時間に応じてLEDG60Aの点灯態様を変化させるようにしてもよい。例えば、制御回路F10250は、LEDG60Aを、遊技者の操作が行われたタイミングで赤点灯させ、遊技者の操作タイミングから30秒経過後は赤点滅に変化させ、遊技者の操作タイミングから1分経過以降はそれまでよりも高速な赤点滅に変化させる等に制御してもよい。それにより、遊技者が操作したタイミングからの時間を遊技場管理者が遊技機から離れた位置であっても一目で判別可能となり、呼び出されている遊技機が複数あった場合でも対応の優先順位を付けることが可能となることで、遊技者に対し適切なサービスを行うことが可能となる。
このように、制御回路F10250は、タッチ領域F1021aへのタッチ入力があった場合に、導光板G61用の複数の光源であるLEDG60Aの点灯態様を変更させる制御を行う。また、制御回路F10250は、タッチ領域F1021aへのタッチ入力があったタイミングからの経過時間に応じて、複数のLEDG60Aの点灯態様を変化させる制御を行う。ここで、点灯態様の変更とは、無灯状態から点灯状態の変更や、ある点灯状態から特定の点灯状態への変更を含む。また、LEDG60Aの点灯態様の変化は、前述のように予め定められたタイミング毎に断続的に変化するものであってもよいし、経過時間に応じて連続的に変化(徐々に色が変化、徐々に点滅間隔が変化)するものであってもよい。また、タッチ領域F1021aへのタッチ入力に基づく複数のLEDG60Aの制御は、前述のように、制御回路F10250からLED基板G60、及び/又はプロジェクタ制御手段に対して指示信号を送ることによって行われることに限定されない。例えば、制御回路F10250に複数のLEDG60Aが接続されるように遊技用装置F1を構成することによって、制御回路F10250が直接的に複数のLEDG60Aを制御してもよい。
<第8実施形態>
次に、本発明の第8実施形態に係る遊技用装置について、図132~図145を用いて説明する。なお、上記実施形態によるものと同一、又は類似の構成要素については、同一符号を付して説明を省略する。また、第8実施形態の遊技用装置は、上述した実施形態と同様に、透過型のプロジェクタ装置として機能する遊技用表示装置であるがこれに限定されない。例えば、遊技用装置は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)が内蔵された遊技用表示装置であってもよい。また、本実施形態において、遊技用装置はデータ表示機であるが、これに限定されず、例えば、遊技媒体貸出装置であってもよいし、遊技機に設ける遊技機装飾用のユニット等であってもよい。
[第8実施形態の構成]
図132は、第8実施形態に係るデータ表示機H1、及び遊技機H2の斜視図である。図133は、第8実施形態に係るデータ表示機H1の斜視図である。
図132に示すように、データ表示機H1は、遊技場において遊技機H2の上方に個別に設置される。本発明において、遊技機H2は、遊技状態に応じて演出態様が異なるように構成され、データ表示機H1は、遊技機H2の演出態様に応じた態様の演出を実行するように構成される。即ち、データ表示機H1は、遊技機H2の演出態様に基づいて遊技機H2の遊技状態を検出可能に構成される。
具体的に、図132に示すように、遊技機H2は、本体H32と、本体H32に開閉自在に軸着されたベースドアH33とを有している。ベースドアH33の上端領域を構成するようにトップランプH60が配置される。トップランプH60は、フルカラーLEDを有し、ベースドアH33の筐体の一部を構成する透光部材にフルカラーLEDからの光を投射して発光させる電飾装置である。このようにトップランプH60はベースドアH33の上端領域を構成するように設けられていることにより、トップランプH60の発光態様が、遊技機H2の前面側、側面側、及び、上面側から視認可能となっている。トップランプH60は、遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる演出用の発光手段として機能するように遊技機H2において制御される。また、データ表示機H1は、上述の実施形態のプロジェクタ収容体G102と同様の機能を有する収容体H102を有しており、スクリーンユニットH11を支持している。なお、図132には、遊技機H2としてパチンコ遊技機にデータ表示機H1を設けた例を示しているがこれに限定されず、パチスロ遊技機であってもよい。
図132、及び図133に示すように、収容体H102は、上述の実施形態のプロジェクタ収容体G102と同様の構成に加え、カメラユニットH12を内蔵する。カメラユニットH12は、CMOSイメージセンサ、及び当該センサを制御する制御装置を有している。カメラユニットH12は、トップランプH60の少なくとも一部を撮像可能なように、収容体H102の下部に配置される。即ち、データ表示機H1は、カメラユニットH12の撮像範囲にトップランプH60が含まれるように、遊技機H2の上部に配置される。例えば、データ表示機H1は、遊技機H2とは別の筐体として構成され、遊技機H2の上部に所定の保持手段で保持される。
これにより、カメラユニットH12は、トップランプH60を撮像してトップランプH60の点灯態様を含む画像を取得する画像取得手段として機能する。したがって、データ表示機H1は、カメラユニットH12によって連続的な画像を取得し、これにより遊技機H2の点灯態様を判定し、遊技機H2の遊技状態を判定する機能を有することが可能となる。即ち、カメラユニットH12は、トップランプH60による点灯態様を検出する点灯態様検出手段として機能する。なお、点灯態様検出手段としてカメラユニットH12を例に挙げたが、これに限らず、例えば、センサ等、光の点灯状態を検出できるものであればよい。
このように、データ表示機H1は、遊技機H2の遊技状態を、遊技機H2のトップランプH60による点灯態様を検出することによって把握できるように構成される。これにより、データ表示機H1は、カメラユニットH12が検出したトップランプH60による点灯態様に基づき遊技機H2の遊技状態を判定可能となる。したがって、データ表示機H1は、カメラユニットH12が検出したトップランプH60による点灯態様に応じた態様の演出を実行する機能を有することが可能となる。
なお、本発明の遊技用装置は、遊技機の遊技状態を検出する状態検出機能を有し、遊技機が遊技用装置に遊技状態を検出させるために遊技状態に応じて演出態様を異ならせる演出装置を有していれば、上記のような構成に限定されない。例えば、遊技機に、遊技用装置が設置される方向(自機の上部)を指向する指向性スピーカを設け、遊技状態に応じて異なるパターンの演出音声を出力させてもよい。これにより、遊技用装置は、マイク(集音装置)を有することで、検出した音声による遊技機の遊技状態を検出可能となる。また、マイクで検出した音声の大きさに基づいて自機の音声であるか否かを判定してもよい。また、指向性スピーカを用いることで、遊技用装置が対応する遊技機からの音声であるか否かの判別についての精度を向上させることが可能となる。また、精度向上のため、遊技用装置に遊技機のスピーカの方向を指向する指向性マイクを設けてもよい。これにより、有線や無線等によるデータ通信経路の有無によらず、遊技用装置が遊技機の遊技状態を判定することが可能となる。
[電気構成:遊技機]
図134は、パチンコ機としての遊技機H2の構成を示すブロック図である。遊技機H2は、メインデバイス群H303aを制御する主制御部H301aと、サブデバイス群H304aを制御する副制御部H302aと、払出デバイス群H306を制御する払出制御部H305とを備え、主制御部H301aから副制御部H302aへは一方向通信で接続され、主制御部H301aと払出制御部H305とは双方向通信可能に接続されている。また、払出制御部H305には、外部端子板H308aが一方向通信で接続されている。なお、主制御部H301a、及び副制御部H302aは、各々、CPU、プログラム等が記憶されるROM、及び遊技や演出に関する情報が記憶されるRWM(Read Write Memory)を備える。
メインデバイス群H303aは、例えば、始動口スイッチ、カウントスイッチ、入賞口スイッチ、普通電動役物ソレノイド、入賞口ソレノイド等から構成されており、主制御部H301aは、これらのデバイスを制御することにより、遊技機5002における遊技の進行を制御する。また、主制御部H301aは、遊技状態の変化等に応じたコマンドを副制御部H302a、及び払出制御部H305に送信する。
サブデバイス群H304aは、トップランプH60と、トップランプH60やその他のランプを制御する電飾制御回路H61とを有している。また、サブデバイス群H304aは、その他に、例えば、液晶モジュール、演出ボタンセンサ、役物制御回路、電飾制御回路、スピーカ制御回路等を有している。副制御部H302aは、主制御部H301aから送信されたコマンドに基づいて、これらのデバイスを制御することにより、遊技機5002における演出を制御する。
払出デバイス群H306は、例えば、払出制御回路、払出球検知スイッチ、発射制御回路、タッチスイッチ等から構成されており、払出制御部H305は、主制御部H301aから送信されたコマンドに基づいて、これらのデバイスを制御し、あるいは自動的にこれらのデバイスを制御することにより、遊技機H2における遊技球の発射、及び払出を制御する。
また、図示しないが、遊技機H2は、払出制御部H305に接続される貸出端子板を有している。遊技機H2は、貸出端子板を介して遊技媒体貸出装置5003(図111参照)と接続されており、遊技者の操作に基づいて貸出要求信号や返却要求信号を出力する。
また、払出制御部H305は、外部端子板H308aを介してデータ表示機H1と接続されており、1回の遊技毎に、又は内部状態に変化があった場合に、遊技情報信号やエラー信号等を出力する。
なお、図135を参照して、パチスロ機としての遊技機H2の構成を示すブロック図を例示する。遊技機H2は、メインデバイス群H303bを制御する主制御部H301bと、サブデバイス群H304bを制御する副制御部H302bとを備え、主制御部H301bから副制御部H302bへは一方向通信で接続されている。また、主制御部H301bには、外部端子板H308bが一方向通信で接続されている。なお、主制御部H301b、及び副制御部H302bは、各々、CPU、プログラム等が記憶されるROM、及び遊技や演出に関する情報が記憶されるRWMを備える。
メインデバイス群H303bは、例えば、リール制御回路、メダルセンサ、スタートレバーセンサ、停止ボタンセンサ、ホッパー制御回路等から構成されており、主制御部H301bは、これらのデバイスを制御することにより、遊技機H2における遊技の進行を制御する。また、主制御部H301aは、遊技状態の変化等に応じたコマンドを副制御部H302bに送信する。
サブデバイス群H304bは、トップランプH60と、トップランプH60やその他のランプを制御する電飾制御回路H61とを有している。また、サブデバイス群H304bは、例えば、液晶モジュール、演出ボタンセンサ、役物制御回路、電飾制御回路、スピーカ制御回路等から構成されており、副制御部H302bは、主制御部H301bから送信されたコマンドに基づいて、これらのデバイスを制御することにより、遊技機H2における演出を制御する。
主制御部H301bは、外部端子板H308bを介してデータ表示機H1と接続されており、1回の遊技毎に、又は内部状態に変化があった場合に、遊技情報信号やエラー信号等を出力する。
なお、パチスロ機としての遊技機H2においても、主制御部H301bが、貸出端子板を介して遊技媒体貸出装置5003と接続されており、遊技者の操作に基づいて貸出要求信号や返却要求信号を出力するように構成してもよい。
[電気構成:データ表示機]
図136は、データ表示機H1の構成を示すブロック図である。データ表示機H1は、カメラユニットH12と、プロジェクタ本体5012、及びスクリーンユニットG11等に例示される映像表示部H405と、LEDG60A等に例示される電飾部H406と、スピーカF10253等に例示される音声出力部H407と、センサ群H404と、制御部H401と、ROMH402と、RAMH403とを備える。制御部H401は、CPUやこれが設けられた制御回路基板等からなり、接続されるデバイスを駆動制御する。
ROMH402は、データ表示機H1が有する機能を実現するための制御プログラムが格納される。制御部H401は、ROMH402に格納された制御ブログラムを読み出し、実行することにより、各構成部品を制御し、遊技機H2の遊技状態を判定する機能、及び、遊技機H2の遊技状態(点灯態様)に応じた態様の演出を実行する機能等を実現する。また、制御部H401は、サーバ装置H4、及び遊技機H2との通信制御を行う。
センサ群H404は、上述した実施形態のタッチセンサF1022(図129参照)等を含み、外装パネルF1021のタッチ領域F1021a(図129参照)等への外部からの操作を検知するための複数のセンサである。制御部H401は、これらのセンサにより操作が検知されると、操作に応じて、映像表示部H405における表示内容、電飾部H406における発光態様、及び、音声出力部H407における音声出力態様を制御する。なお、映像表示部H405の表示画面をタッチパネルとして機能させる場合、センサ群H404は、このタッチパネルへのタッチ操作を検知するためのセンサを含む。
通信インターフェースH410は、サーバ装置H4、及び遊技機H2との通信を行うためのインターフェースであり、また、入力された情報を出力する際に、最適な方式に変換する変換モジュールでもある。なお、図示しないが、通信インターフェースH410は、遊技媒体貸出装置5003(図111参照)と、ハーネスにより接点出入力方式で接続されており、双方向通信が可能となっている。また、通信インターフェースH410とサーバ装置H4とは、同軸ケーブルにより有線LAN方式で接続されるとともに、ハーネスにより接点出力方式で接続されており、双方向通信が可能となっている。通信インターフェースH410と遊技機H2における外部端子板H308との間は、接点入力方式で接続されており、遊技機H2からデータ表示機H1の一方向通信となっている。なお、接続方法はこれらの方式に限られるものではなく、各々の接続において、無線LAN方式を用いてもよく、また、光ケーブルによる光通信方式を用いてもよい。さらに、これらの組み合わせた方式を用いてもよい。
RAMH403は、各種データを記憶する記憶手段として機能する。例えば、制御部H401は、接続される各構成部品の制御結果をRAMH403に記憶させる。また、RAMH403は、遊技機H2の遊技状態を判定するためのデータテーブルや、遊技状態に応じた演出を実行するためのデータテーブルを格納する。本実施形態では、データ表示機H1は、これらデータテーブルや演出に用いる映像データ、及び音声データ等をサーバ装置H4からダウンロード可能にされている。即ち、制御部H401は、遊技機H2の遊技状態を判定するためのデータテーブルや、遊技状態に応じた演出を実行するためのデータテーブルを、通信インターフェースH410を介して、サーバ装置H4からダウンロードする機能を有する。即ち、サーバ装置H4は、遊技機H2の遊技状態を判定するためのデータテーブルや、遊技状態に応じた演出を実行するためのデータテーブルを、データ表示機H1に配信する機能を有する。なお、これに限定されず、例えば、データ表示機H1は、通信インターフェースH410が、USB接続端子を有し、外部記憶装置等からRAMH403へデータテーブルを転送可能に構成されていてもよい。また、データ表示機H1は、センサ群H404が赤外線センサを有し、リモコン等を用いてデータテーブルの設定等が可能に構成されていてもよい。
カメラユニットH12は、上述したように、遊技機H2のトップランプH60を撮像するために設けられる。制御部H401は、カメラユニットH12により遊技機H2のトップランプH60を含む画像が取得されると、当該画像に基づいて遊技状態を判定し、遊技状態に応じた演出を実行する。制御部H401は、映像表示部H405、電飾部H406、及び、音声出力部H407を制御して演出を実行する。
[電気構成:データ表示機:データテーブル]
図137、及び図138を参照して、データ表示機H1のRAMH403に記憶されるデータテーブルについて説明する。図137は遊技状態を判定するための遊技状態判定テーブルである。図138は遊技状態に応じた演出を実行するため演出パターンテーブルである。
図137に示すように、遊技状態判定テーブルは、点灯態様欄と、遊技状態欄とを有する。点灯態様欄には、トップランプH60の点灯態様が格納される。遊技状態欄には、点灯パターンに応じた遊技状態が格納される。データ表示機H1の制御部H401は、カメラユニットH12が取得した画像に基づいてトップランプH60の点灯態様を判定し、遊技状態判定テーブルを参照して、判定した点灯態様に対応する遊技状態を取得する。
ここで、遊技機H2の副制御部H302bが制御するトップランプH60の点灯態様について説明する。本実施形態では、副制御部H302bは、人に認識困難な範囲でトップランプH60の点滅周期を異ならせる制御を行うことで、トップランプH60を遊技状態に応じた点灯態様とする。本実施形態では、人に認識困難な点滅周期の範囲を50Hz以上としているがこれに限定されない。
例えば、トップランプH60の点滅周期が50Hzである場合、トップランプH60は1/50秒ごとに点灯、及び消灯のセットを繰り返す。即ち、トップランプH60は、1/100秒点灯した後、1/100秒消灯し、これらを繰り返すことになる。このような点灯態様のトップランプH60に対して、カメラユニットH12のフレームレートが100fps(Frames Per Second)である場合、フレーム単位で点灯と消灯とが交互に繰り返される画像を取得することになる。この場合、制御部H401は、トップランプH60の点灯態様が50Hz(1/100秒点灯、1/100秒消灯の繰り返し)と判定する。このように、制御部H401は、画像認識プログラムによりトップランプH60の点灯と消灯とのパターンを判定し、トップランプH60の点灯態様(点滅周期)を識別する。即ち、本実施形態において、遊技状態判定テーブルの点灯態様欄には、トップランプH60の点滅周期が格納される。
また、トップランプH60の点滅周期を変化させつつ、点滅における1回の点灯時間を変化させないことで、所定期間に撮像した画像の数に対する点灯状態の画像の数の割合で点滅周期を判定するようにしてもよい。
なお、遊技状態に応じた点灯態様をトップランプH60の人に認識困難な範囲での点滅周期で異ならせることに限定されない。例えば、トップランプH60の点灯態様は、点滅周期がどのようなもの(例えば、50Hz未満の点滅)であってもよいし、発光色を異ならせることで遊技状態を示してもよいし、これらの組み合わせで遊技状態を示してもよい。
また、本実施形態では、遊技状態判定テーブルで遊技状態を判定してから、遊技状態に応じた演出パターンを選択するものであるがこれに限定されない。遊技機H2のトップランプH60の点灯態様に対応付けて演出パターンを設定するものであってもよい。即ち、データ表示機H1において、遊技状態に応じた演出を実行可能な構成であればよい。
なお、遊技機H2についても、遊技状態判定テーブルと同様のデータテーブルを図示しない記憶部に備える。遊技機H2は、自身の遊技状態に対応する点灯態様欄の点灯パターンを参照し、当該点灯パターンにてトップランプH60を制御する。
図138に示すように、演出パターンテーブルは、遊技状態欄と、映像表示欄と、音声出力欄と、電飾欄と、終了条件欄とを有する。遊技状態欄には、遊技機H2の移行し得る遊技状態が格納される。即ち、トップランプH60の点灯態様に基づいて判定される遊技状態だけでなく、外部端子板H308を介して遊技機H2から直接送信される遊技状態についても格納される。映像表示欄には、遊技状態に対応して映像表示部H405が表示する映像パターンが格納される。例えば、映像パターンは、データ表示機H1がRAMH403に格納する映像データや映像データの組み合わせを示すものである。音声出力欄には、遊技状態に対応して音声出力部H407が出力する音声パターンが格納される。例えば、音声パターンは、データ表示機H1がRAMH403に格納する音声データや音声データの組み合わせを示すものである。電飾欄には、遊技状態に対応して電飾部H406が発光する電飾パターンが格納される。例えば、電飾パターンは、遊技機H2に設けられた各電飾の点灯パターンを示すものである。
終了条件欄には、遊技状態に対応した演出の終了条件が格納される。例えば、この終了条件は、データ表示機H1における演出の開始後、遊技者の手や荷物等により遮られるなどトップランプH60の点灯態様が検出できないようなエラー状態において参照され、終了条件が満足される場合には当該演出を強制終了させる。なお、データ表示機H1による演出が、外部端子板H308から送信された情報に基づいて判別可能な遊技状態に対応するものである場合には、終了条件をなしとしてもよい。
終了条件欄に格納する終了条件の具体例を説明する。例えば、遊技状態が後述のBB遊技状態である場合について説明する。一般的に、遊技機状態がBB遊技状態である期間中、外部端子板H308においてON状態が維持される。そして、遊技機H2側でBB遊技状態の終了状態(例えば、遊技機H2が300枚を超える払出を実行したとき)が充足されたときに当該専用端子がOFF状態となる。即ち、データ表示機H1は、外部端子板H308からBB遊技状態の開始から終了までを認識することが可能となっている。したがって、データ表示機H1は、信号がOFF状態となったことを契機としてBB遊技状態に対応する演出を停止すればよく、エラーによる強制終了条件を設定する必要はない。
また、例えば、遊技状態が後述の特別ART遊技状態である場合、ART遊技状態で開始されたゲームの直後から、後述の上乗せ特化ゾーンが開始される可能性がある。上乗せ特化ゾーンは1G以上継続することが確定しているため、特別ART遊技状態の開始を検出できた場合における特別ART遊技状態の演出の強制終了条件は、最低継続ゲーム数である1ゲーム分の演出時間を終了条件とする。本実施例におけるパチスロ機は1ゲーム間が4.1秒に設定されているため、トップランプH60の点灯態様が検出できないようなエラー状態が発生した場合には、カウントを開始し、前回のIN(投入)信号を外部端子板H308から受信してから4.1秒経過するまでに検出することができない場合には演出の終了条件とする。なお、OUT(払出)信号から4.1秒と設定してもいいし、特別ART遊技状態の開始を検出できたタイミングから4.1秒としてもいい、さらに対応する遊技機によって適宜変更してもよい。実際の動作としては、遊技機側において、ベット後スタート操作を行ったことに基づいてIN(投入)信号を外部端子板H308から送信し、上乗せ特化ゾーンがスタートする。表示機側ではIN信号を受信してからカウントを開始し、その間点灯態様が検出できない状態が発生しなかった場合には所定ゲーム数(例えば特化ゾーンが5G継続)後に点灯態様が特化ゾーン以外のものとなったときに表示機側の演出を変更する。対して1G目のカウント後1秒経過時に検出できないエラーが発生した場合には、発生時は演出を継続し、カウント開始から累計4.1秒経過してもエラーが解消されなかった場合には表示機側の演出を変更する。4.1秒経過前にエラーが解消された場合には特化ゾーンに関する演出をそのまま継続する。
このように、終了条件としては、トップランプH60の点灯態様が検出できないようなエラー状態が発生したとしても確実に実行される期間を設定することが好ましい。即ち、遊技状態の最低保証ゲーム数が確定している場合には、そのゲーム数に規定時間を乗算した時間を終了条件とし、また、遊技状態が所定額の払い出しで終了される場合には、当該所定額を1ゲームにおける最大払出枚数で除算し剰余を除いた商を確定ゲーム数とし、これに規定時間を乗算した時間を終了時間とすることが好ましい。
[電気構成:データ表示機:外部端子板]
図139は、パチンコ機としての遊技機H2、及びデータ表示機H1間の接続において、遊技機H2の外部端子板H308aから送信される端子毎の信号の詳細の一例を示す図である。なお、図139においては、遊技機H2、及びデータ表示機H1の接続のみ図示し、その他の遊技媒体貸出装置5003に対する接続等については図示を省略している。
図139に示すように、遊技機H2における外部端子板H308aからデータ表示機H1における通信インターフェースH410へは、遊技者に対して払い出された遊技球数を示す「賞球信号」、遊技機H2において大当りとなったこと、あるいは大当り中であること示す「外部情報1」信号、遊技機H2において確変となったこと、あるいは確変中であることを示す「外部情報2」信号、遊技機H2において特別図柄ゲームが開始したことを示す「外部情報3」信号、遊技機H2において発射された遊技球が始動口に入賞したことを示す「外部情報4」信号、遊技機H2において何らかのエラー(異常)が発生したことを示す「セキュリティー信号」、遊技機H2においてベースドアH33、又はガラスドア(不図示)が開放状態であることを示す「扉・枠開放信号」が入力される。なお、「外部情報1」信号~「外部情報7」信号は、送信側である遊技機H2の仕様、受信側であるデータ表示機H1の仕様に応じて、適宜出力する内容を変更することができる。
また、遊技機H2において発射された遊技球がいずれの入賞口にも入賞せず、アウト口(図示せず)に入球したことを示す「アウト球情報」信号は、図示しない別装置におけるアウト球センサの検知結果に基づいて、別の信号線から入力されるが、そのアウト球センサを遊技機H2の制御により制御を行う場合には、遊技機H2における外部端子板H308aから出力することとしてもよい。
また、データ表示機H1における通信インターフェースH410からサーバ装置H4へは、前述した、「アウト球情報」信号に基づく「アウト情報」、「賞球信号」に基づく「セーフ情報」、「外部情報1」信号に基づく「大当り情報」、「外部情報2」信号に基づく「確変情報」、「外部情報3」信号に基づく「スタート信号」、「外部情報4」信号に基づく「始動口情報」、「扉・枠開放信号」に基づく「扉開放情報」、「セキュリティー信号」に基づく「異常1情報」が入力される。なお、「セキュリティー信号」について、その出力時間からエラー(異常)の種別が判別可能である場合には、エラー(異常)の種類に応じて、「異常1情報」、「異常2情報」、又は「異常3情報」に変換してサーバ装置H4に出力することとしてもよい。また、後述するように、制御部H401の制御により所定の情報を付加して、サーバ装置H4に出力することとしてもよい。加えて、通信インターフェースH410が、外部端子板H308aから入力された各信号を、自らも受信するとともに、入力された各信号をそのままサーバ装置H4に出力する(スルー信号)こととしてもよい。
なお、遊技機H2における、「セキュリティー信号」が示すエラー(異常)の種類としては、始動口スイッチが、不正の手段、又はその他の要因により、遊技球が入球していないにもかかわらずオンとなったことを示す始動口スイッチエラー、カウントスイッチが、不正の手段、又はその他の要因により、入賞口ソレノイドが駆動(入賞口が開放)されていないにもかかわらずカウントされたことを示すカウントスイッチエラー、不正防止のために遊技機H2に設けられた各種のセンサ(例えば、磁気センサ)が検知状態となったことを示すセンサ検知エラー(例えば、磁気センサエラー)等を一例として挙げることができる。
図140を参照して、パチスロ機としての遊技機H2、及びデータ表示機H1の接続において、遊技機H2の外部端子板H308bから送信される端子毎の信号の詳細を例示する。なお、図140においては、遊技機H2、及びデータ表示機H1の接続のみ図示し、その他の遊技媒体貸出装置5003に対する接続等については図示を省略している。
遊技機H2における外部端子板H308bからデータ表示機H1における通信インターフェースH410へは、遊技者が投入したメダル数を示す「メダル投入信号」、遊技者に対して払い出されたメダル数を示す「メダル払出信号」、遊技機H2においてBBが発生したこと、あるいはBB中であることを示す「外部信号2」、遊技機H2においてRBが発生したこと、あるいはRB中であることを示す「外部信号1」、遊技機H2においてARTとなったこと、あるいはART中であることを示す「外部信号3」、遊技機H2において何らかのエラー(異常)が発生したことを示す「セキュリティー信号」が入力される。なお、遊技機H2において、フロントドア(不図示)が開放状態であることは、「セキュリティー信号」によりデータ表示機H1へ入力されることとなるが、上述のパチンコ機としての遊技機H2と同様に、例えば、「外部信号4」を「セキュリティー信号」とは別途で出力することにより、フロントドアが開放状態であることを示す信号を出力することとしてもよい。なお、「外部信号1」~「外部信号4」は、送信側である遊技機H2の仕様、受信側であるデータ表示機H1の仕様に応じて、適宜出力する内容を変更することができる。
また、データ表示機H1における通信インターフェースH410からサーバ装置H4における通信インターフェースH410へは、前述した、「メダル投入信号」に基づく「IN情報」、「メダル払出信号」に基づく「OUT情報」、「外部信号2」に基づく「BB情報」、「外部信号1」に基づく「RB情報」、「外部信号3」に基づく「ART情報」、「セキュリティー信号」に基づく「エラー情報」が入力される。なお、「セキュリティー信号」について、その出力時間からエラー(異常)の種別が判別可能である場合には、エラー(異常)の種類に応じて、「エラー情報」、「異常1情報」、「異常2情報」、又は「異常3情報」に変換してサーバ装置2に出力することとしてもよい。また、後述するように、制御部H401の制御により所定の情報を付加して、サーバ装置H4に出力することとしてもよい。加えて、通信インターフェースH410が、外部端子板H308bから入力された各信号を、自らも受信するとともに、入力された各信号をそのままサーバ装置H4に出力する(スルー信号)こととしてもよい。
なお、遊技機H2における、「セキュリティー信号」が示すエラー(異常)の種類としては、フロントドアが開放状態であることを示すドア開放エラー、RWMの読み書きが正常に行われなかったことを示すRWMエラー、セレクタにおいて、不正の手段、又はその他の要因(例えば、メダル詰まり)により、正常な検知が行われなくなったことを示すセレクタエラー、ホッパーにおいて、不正の手段、又はその他の要因(例えば、メダルエンプティ)により、正常な払出が行われなくなったことを示すホッパーエラー、ホッパーに収容しきれなかった余剰分のメダルを収容するメダル補助庫において、さらにそのメダル補助庫に収容されたメダルが満杯になったことを示すメダル補助庫エラー等を一例として挙げることができる。
このように、外部端子板H308(外部端子板H308a、H308b)は、一般的に、端子毎に1種類の信号を送るパラレル転送方式を採用しているため、外部端子板H308の端子数の上限により送信可能な信号数が制限される。したがって、遊技機H2が移行し得る遊技状態の全てをデータ表示機H1へ送信することが不可である。即ち、遊技機H2は、遊技機H2が移行し得る遊技状態のうち制限された遊技状態(上記例の場合、パチンコ機であれば大当り、確変情報、パチスロ機であればBB、RB、ART情報)のみを送信可能に構成されることになる。
以下、このような外部端子板H308を介して送信されることで取得して判別した遊技状態を「第1遊技状態」と称す場合がある。また、遊技機H2が移行し得る遊技状態のうち、遊技機H2がトップランプH60の点灯態様で示し、且つ、データ表示機H1がカメラユニットH12によりトップランプH60の点灯態様を検出して判別する遊技状態を「第2遊技状態」と称す場合がある。なお、本実施形態では「第2遊技状態」に「第1遊技状態」を含めないものとするが、「第2遊技状態」に「第1遊技状態」の一部、又は全てを含めてもよい。
[遊技状態]
図141を参照して、遊技機H2が移行し得る遊技状態について説明する。図141は、遊技機H2の遊技状態の状態遷移図の一例を示す図である。なお、以下、主に遊技機H2がパチスロ機である場合について説明する。
本実施形態における遊技状態は、主に、遊技機H2の主制御部H301(主制御部H301a、主制御部H301b)によって移行が制御される。主制御部H301は、内部当選役の抽選等に基づいて移行先が決定される。例えば、所定の内部当選役に当選すること、特定の内部当選役に所定回数当選すること、所定の内部当選役に入賞すること、遊技機H2において所定のゲーム回数が実行されること、所定の遊技状態へ移行するための抽選に当選する、又は所定の遊技状態へ移行することが予め定められている図柄が表示されること等である。
また、遊技状態の終了条件としては、所定の内部当選役に当選すること、所定の内部当選役に入賞すること、現在の遊技状態において所定額の払い出しが行われること、現在の遊技状態において所定回数のゲームが行われること、所定の遊技状態へ移行するための抽選に当選する、又は他の遊技状態へ移行することが予め定められている図柄が表示されること等である。
図141に示すように、遊技機H2は、通常区間、一般遊技状態、RT(リプレイタイム)遊技状態、BB(ビッグボーナス)遊技状態、有利区間1、AT(アシストタイム)遊技状態、CZ(チャンスゾーン)遊技状態、ART(アシストリプレイタイム)1遊技状態、有利区間2、プレミアムBB(ビッグボーナス)遊技状態、及び、ART2遊技状態を、移行し得る遊技状態として有する。
[遊技状態:通常区間]
通常区間には、一般遊技状態、RT遊技状態、及び、BB遊技状態が区分される。即ち、通常区間は、一般遊技状態、RT遊技状態、及び、BB遊技状態を有した遊技状態である。
一般遊技状態は、他の遊技状態と比較して有利となっていない遊技状態である。例えば、一般遊技状態は、RT遊技状態と比べて、内部当選役としてリプレイが当選する確率が低い(リプレイ低確率)遊技状態である。一般遊技状態は、ボーナスが内部当選役として決定され、持越しがされた場合、RT遊技状態へ移行する。即ち、一般遊技状態は、ボーナスが内部当選役として決定されたことを終了条件に含む。
RT遊技状態は、一般遊技状態において、ボーナスが内部当籤役として決定され、持ち越しされたことを条件に開始される。RT遊技状態は、一般遊技状態と比較し、内部当選役としてリプレイが当選する確率が高い(リプレイ高確率)遊技状態である。RT遊技状態においてボーナスに入賞した場合、BB遊技状態へ移行する。即ち、RT遊技状態は、ボーナスが入賞したことを終了条件とする。
BB遊技状態は、ボーナスに入賞することで開始される。BB遊技状態において、RB遊技状態(図示せず)を所定回数繰り返し、所定数の払い出しに至った場合に一般遊技状態へ移行する。即ち、BB遊技状態は、所定数の払い出しに至ったことを終了条件として有する。なお、RB遊技状態では、いずれかの小役の入賞確率が高くなるように設定された状態である。
[有利区間]
遊技機H2は、有利区間として、有利区間1、及び有利区間2を有している。有利区間とは、指示機能に係る性能を有することができる区間である。指示機能とは、内部当選役が所謂押し順役である場合に、遊技者にとって有利となる停止操作の手順を報知する機能であり、AT遊技状態、及び、ART遊技状態において作動される。
有利区間1には、AT遊技状態、CZ遊技状態、及び、ART遊技状態が区分される。即ち、有利区間1は、CZ遊技状態、及び、ART遊技状態を有した遊技状態である。
AT遊技状態は、一般遊技状態において、所定役の入賞時に行われるAT遊技移行抽選の結果、当選した場合に移行される。即ち、一般遊技状態は、AT遊技移行抽選で当選することを終了条件に含む。なお、AT遊技移行抽選の当選確率は、すべての設定値で共通である。AT遊技状態は、所定回数のゲームが実行された後、CZ遊技状態へ移行される。即ち、AT遊技状態は、所定回数のゲームが実行されることを終了条件とする。
CZ遊技状態は、ART遊技状態へ移行し得る遊技状態である。CZ遊技状態は、ゲーム回数の上限が定められており、その回数期間内に特定役に入賞するとART遊技状態へ移行する。なお、特定役に入賞せずに上限回数のゲームを消化した場合、CZ遊技状態とともに有利区間1が終了し、通常区間の一般遊技状態へ移行する。即ち、CZ遊技状態は、特定役に入賞すること、及び、上限回数のゲームを消化すること、を終了条件とする。
ART遊技状態は、AT遊技状態と同様に指示機能が有効となると共に、AT遊技状態と比較し、内部当選役としてリプレイが当選する確率が高い遊技状態である。ART遊技状態は、所定回数のゲームが実行されることを終了条件とし、終了後は一般遊技状態へ移行する。
有利区間2には、プレミアムBB遊技状態、及び、特別ART遊技状態が区分される。即ち、有利区間1は、プレミアムBB遊技状態、及び、特別ART遊技状態を有した遊技状態である。
プレミアムBB遊技状態は、一般遊技状態において、プレミアムボーナスに入賞することで開始される。なお、プレミアムボーナスの当選確率は、すべての設定値で共通である。また、図示しないが、プレミアムボーナスの内部当選役が持ち越される場合、プレミアムボーナスに入賞するまで待機区間という遊技状態となり、有利区間2への移行が待機される。プレミアムBB遊技状態において、RB遊技状態(図示せず)を所定回数繰り返し、所定数の払い出しに至った場合に特別ART遊技状態へ移行する。即ち、プレミアムBB遊技状態は、所定数の払い出しに至ったことを終了条件として有する。
特別ART遊技状態は、ART遊技状態と同様であるが、ゲーム回数が加算可能にされた上乗せ特化ゾーンを有している点で相違する。特別ART遊技状態において、特定の内部当選役となった場合、上乗せ特化ゾーンに突入し、デフォルトのゲーム回数に所定数が加算される抽選がゲーム毎に行われる。上乗せ特化ゾーンにおいて加算されたゲーム回数を含むすべてのゲームが実行されると、特別ART遊技状態とともに有利区間2が終了し、通常区間の一般遊技状態へ移行する。即ち、特別ART遊技状態は、加算された回数を含むすべてのゲームを消化すること、を終了条件とする。
なお、上記の遊技状態に関し、移行元の遊技状態、移行先の遊技状態、開始条件、及び、終了条件は、これに限定されない。例えば、以下に記載するようなものでもよい。
RT遊技状態を複数備え、上述したRT状態の他に、複数種類からなる所定のリプレイ役のいずれかが当選し且つ当選したリプレイ図柄に応じて予め定められた押し順に沿って停止操作がされた場合にのみ表示される特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示されたときにRT遊技状態に移行するものとしてもよい。その場合、ボーナス持越しのRT状態をRT1とし、上記したRT状態をRT2としてもよい。そしてRT2への移行条件を、RT1でない場合、BB遊技状態ではない場合であって、特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示されることとすればよい。
有利区間として、有利区間中通常状態、有利区間中AT遊技状態、有利区間中AT+RT遊技状態(ART遊技状態)を備え、有利区間の開始条件を、通常区間において予め定められた設定差のない、又は設定差のある確率により有利区間に当選すること、又は予め定められたボーナスの開始とし、当該有利区間において入賞役に係る指示機能を1回のみ行うか、又はいずれかのボーナスの当選、あるいは指示機能による遊技を規定ゲーム数消化などの終了条件を充足するまで行うかを予め決定するようにしてもよい。その場合、有利区間に当選し入賞役に係る指示機能を1回のみ行うことが決定された場合にはAT状態には移行するものの、入賞役に係る指示機能を1回(例えば押し順ベルの停止操作ナビ)を行った場合に通常区間に自動的に移行する。対して有利区間に当選し入賞役に係る指示機能規定ゲーム数消化など終了条件を充足するまで行うことが決定された場合にはAT状態に移行し、その後特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示される指示を行い特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示されたときからART遊技状態を開始させ例えば50ゲーム行われるまで指示機能を行うこととしてもよい。
50ゲーム行われるまでの間に設定差のない、又は設定差のある抽選に当選すること、あるいは予め定められたボーナスの開始により、上乗せ特化ゾーンに突入し、ゲーム数上乗せや50ゲームのセットを上乗せするセット上乗せを行うこととしてもよい。なお、単にARTゲーム数を上乗せするようにしてもよい。
上記上乗せ特化ゾーンは外部端子板H308から何ら信号を送出しないものであるが、ART状態と異なるトップランプH60の点灯態様とすることでデータ表示機H1側で上乗せ特化ゾーンが開始されたことを認識可能となり、その回数を集計するなどデータを収集することが可能となる。
また、有利区間に当選し入賞役に係る指示機能を1回のみ行うことが決定されたAT状態と、有利区間に当選し入賞役に係る指示機能規定ゲーム数消化など終了条件を充足するまで行うことが決定されたAT状態(ART状態)とで遊技機の液晶等表示装置においては同一の表示とし、トップランプH60において点灯態様を異ならせるようにすることで遊技者に対しては1回で終了するのか複数回実行するのか不明としつつもデータ表示機H1側ではいずれの状態か判別できるようにする。
さらに本例では、有利区間に当選し入賞役に係る指示機能規定ゲーム数消化など終了条件を充足するまで行うことが決定されたAT状態では所定のリプレイ役が当選したときに指示機能により特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示される停止順序が報知されることとする。その停止順序に従い遊技することで有利区間においてART状態に移行することとなる。外部端子板H308は特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示されたときデータ表示機H1側に対しARTの開始を検出させるために外部信号をONすることとするが、遊技者の操作態様によっては指示が行われていないにも関わらず特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示され外部端子板H308から信号が送られてしまう場合が想定される。そのような場合においてもトップランプH60において、有利区間に当選し入賞役に係る指示機能規定ゲーム数消化など終了条件を充足するまで行うことが決定された場合であって、且つ特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示されたときを検出可能な点灯態様で点灯させることで、偶然特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示されたのか、指示にしたがって特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示されたのかを判別することができ、偶然特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示された場合にはART回数を加算しないこととすれば、データ表示機H1側において正確なART回数を計測することが可能となる。
このように、遊技機H2が移行し得る遊技状態は、外部端子板H308から送信可能な「第1遊技状態」の数を越える。したがって、遊技機H2は、「第1遊技状態(本実施形態では、BB遊技状態の開始、RB遊技状態の開始、ART遊技状態)」を除く、CZ遊技状態、特別ART遊技状態、特別ART遊技状態における上乗せ特化ゾーン、及び、有利区間等を第2遊技状態としてトップランプH60の点灯態様で示し、データ表示機H1に第2遊技状態を把握させることが可能となっている。
なお、第2遊技状態は、主制御部H301によって決定される遊技状態に限定されず、例えば、主制御部H301によって実行が制御されるメインデバイス群H303や、副制御部H302によって実行が制御されるサブデバイス群H304の状態を示すものであってもよい。例えば、同じ遊技状態であっても、ゲーム回数が進むにつれて連続的な異なる演出を行う場合には、これらの演出を異なる第2遊技状態としてトップランプH60の点灯態様で示すことにより、遊技機H2における各演出に連動した演出をデータ表示機H1において行うことが可能となる。
また、パチンコ機としての遊技機H2の場合、例えば、保留ランプに、大当りの信頼度が高い発光色が含まれた場合や予め定められた変動時間決定テーブルにおいて他の変動よりも比較的長い変動時間が始動入賞時に選択されたとき、この時点から当該保留ランプの大当り判定を行うまでを先読み特化ゾーンの第2遊技状態として、トップランプH60の点灯態様で示してもよい。これにより、遊技機H2における先読み特化ゾーンの特別な演出に連動した演出をデータ表示機H1において行うことが可能となる。同様に特別図柄ゲームにおける特別図柄変動中のプレミアリーチなどの特定演出実行中を、第2遊技状態として、トップランプH60の点灯態様で示してもよい。
また、例えば、第2種(所謂、羽根物)に区分される遊技機は、遊技球が転動する遊技盤面の中央に設けられた役物の内部において、常時回動して大当りとなるV入賞口の位置が変動されている。センサにより取得したこの役物内部への進入通路に遊技球が入ったタイミングと、このタイミングにおけるV入賞口の位置との関係が、大当りとなる可能性が高いことを示す場合、これを第2遊技状態として、トップランプH60の点灯態様で示してもよい。
[データ表示機の演出表示の例]
図142は、データ表示機H1がトップランプH60の点灯態様を検出して遊技機H2の遊技状態がCZ遊技状態であると判定した場合の映像表示部H405による遊技機H2の演出に連動した演出表示の一例を示す図である。図142に示すように、遊技機H2がART遊技状態へ移行可能なCZ遊技状態において、データ表示機H1は、ART遊技状態へ移行可能であることを示す映像を映像表示部H405に表示して、遊技機H2において実行されるCZ遊技状態における演出(不図示)に連動した演出を行っている。そのときに遊技機側ではART状態とCZ状態とで液晶演出を同等のものとし、トップランプH60の点灯態様も遊技者から認識しづらい相互に異なる点灯態様である場合には表示機側を見ることの意義を創出できる。
また、図示しないが、上記した上乗せ特化ゾーンとART状態や、AT状態とART状態とで異なる表示態様とすることで遊技機側の演出態様では判別困難な状態をデータ表示機H1の表示態様を見ることで遊技者が判別できるようにすることが望ましい。なお、対比する状態はこれに限らず、遊技者が遊技機側の演出態様で判別困難な2以上の遊技状態であれば何でもよい。
また、有利区間としてATのみで終了する有利区間、ARTまで移行することが確定している有利区間を遊技機側に持たせ、遊技機側からは判別困難な状態を第2遊技状態の信号によりデータ表示機側で判別させることも可能である。さらに、遊技機側では判別困難な所定ゲーム数に渡り有利な状態への移行を期待させるいわゆる前兆状態についても有利な状態に移行することが前提の前兆(本前兆)、有利な状態へ移行することが確定していない前兆(ガセ前兆)についても第2遊技状態の信号によりデータ表示機側で判別させることも可能である。
このように、本発明に係るデータ表示機H1は、遊技機H2により遊技状態に応じて行われる特定の演出に対して、データ表示機H1が当該特定の演出に連動する特定の態様により、連動して演出を行う機能を備えることが可能に構成される。
[動作]
図143を参照してデータ表示機H1の制御部H401が実行する演出実行処理について説明する。先ず、制御部H401は、遊技機H2の外部端子板H308から遊技状態を示す信号を受信しているか否かを判定する(ステップS4010)。遊技状態を示す信号を受信している場合(ステップS4010:YES)、制御部H401は、演出パターンテーブル(図138参照)を参照して受信信号が示す遊技状態に応じた演出に変更し、演出に応じてカウントを開始する(ステップS4011)。
ステップS4011の終了後、又は、ステップS4010において遊技状態を示す信号を受信していない場合(ステップS4010:NO)、制御部H401は、カメラユニットH12が遊技機H2のトップランプH60を撮像した画像から点灯態様を検出したか否かを判定する(ステップS4012)。点灯態様が検出された場合(ステップS4012:YES)、制御部H401は、その点灯態様が前回から変化しているか否かを判定する(ステップS4013)。点灯態様が変化している場合(ステップS4013:YES)、制御部H401は、点灯態様に応じて演出を変更し(ステップS4014)、ステップS4010へ処理を戻す。一方、点灯態様が変化していない場合(ステップS4013:NO)、制御部H401は、現在の演出を継続し(ステップS4015)、ステップS4010へ処理を戻す。
ステップS4012において、点灯態様が検出されない場合(ステップS4012:NO)、制御部H401は、特定の点灯態様を検出中であるか否かを判定する(ステップS4016)。特定の点灯態様を検出中でない場合(ステップS4016:NO)、制御部H401は、ステップS4010へ処理を戻す。特定の点灯態様を検出中である場合(ステップS4016:YES)、制御部H401は、エラー状態の検出を行う(ステップS4017)。そして、制御部H401は、ステップS4011にてカウントを開始したカウント値が終了条件を充足するか否かを判定する(ステップS4018)。カウント値が終了条件を充足する場合(ステップS4018:YES)、制御部H401は、実行中の演出を停止し(ステップS4019)、ステップS4010へ処理を戻す。一方、制御部H401は、カウント値が終了条件を充足しない場合(ステップS4018:NO)、ステップS4010へ処理を戻す。
(変形例1)
第8実施形態の変形例1では、トップランプH60の点灯態様として、人に認識困難な点滅周期を設定するだけでなく、1つの遊技状態において遊技機H2が複数段階からなる連続演出を実行する場合に、この遊技状態に対応する点灯態様において、複数段階の夫々に異なる点滅周期を対応付けて設定する。
具体的に、図144を参照して、トップランプH60の点灯態様について説明する。本変形例において、トップランプH60の点滅周期は50Hzから75Hzに2段階に変化される。即ち、遊技機H2は、この遊技状態において、2段階に変更される連続演出の夫々に応じて、トップランプH60の点滅周期を50Hzから75Hzに変化させる。このように、1つの遊技状態において、演出を複数ブロックに構成し、ブロック毎に点滅周期が設定されることで、たとえ遊技状態の途中で点灯態様が何らかの障害(遊技者の手や持ち物がトップランプH60に置かれた等)によりカメラユニットH12がトップランプH60の点灯態様を検出できない期間があったとしても、データ表示機H1は再度点灯態様を検出した際に、対応するブロックの演出に応じた連動演出に復帰可能となる。
例えば、遊技機H2においてBB中に音声として歌を出力し映像として歌に合わせたキャラクタを表示し、データ表示機H1において歌に合わせた歌詞を表示する場合、遊技機H2は、歌を複数ブロック(例えば、Aメロ、Bメロ~)に分けて、各ブロックに異なる周波数の点滅パターンを対応付けてトップランプH60の点灯態様を制御する。これにより、データ表示機H1は各ブロックの点滅パターンに応じた歌詞画像を選択して表示することが可能であり、トップランプH60の点灯態様を遊技者の手や荷物等により遮られるなどにより検出できない期間があったとしても、再度検出できるような状態となったときに遊技機H2における音声に応じた適切な歌詞を表示して、再度連動演出を行うことが可能となる。
BB遊技状態である場合に遊技機H2が曲を出力する演出を行う場合に、データ表示機H1において遊技機H2が出力する曲に合わせて歌詞を表示する演出の一例を挙げる。BB遊技状態における遊技機側の演出、及びデータ表示側の演出は、複数段階からなる一連の演出ブロックから構成される。ここでは、第1演出ブロック~第3演出ブロックの3段階からなる演出の例について説明する。
遊技機H2は、一連の第1演出ブロック~第3演出ブロックを、曲の経過時間に対応付ける。例えば、第1演出ブロックが1秒目~30秒目に対応付けられ、第2演出ブロックが31秒目~70秒目に対応付けられ、第3演出ブロックが71秒目~130秒目に対応付けられている。そして、遊技機H2は、曲の経過時間(各演出ブロック)に応じてトップランプH60の点滅周期を異ならせるように制御する。例えば、曲が第1演出ブロックの経過時間である場合は50Hzの点滅周期で点灯させ、第2演出ブロックの経過時間である場合は75Hzの点滅周期で点灯させ、第3演出ブロック経過時間である場合は80Hzの点滅周期で点灯させる。即ち、遊技機H2は、各演出ブロックに経過時間と点滅周期とが対応付けられたパターンテーブルを記憶している。データ表示機H1は、遊技機H2が出力した曲の各演出ブロックごとに、時間経過に応じて歌詞が順次示される映像を表示する。例えば、データ表示機H1は、第1演出ブロックがAメロの場合には第1演出ブロックにおいてAメロの歌詞を表示し、第2演出ブロックがBメロの場合には第2演出ブロックにおいてBメロの歌詞を表示し、第3演出ブロックがサビの場合には第3演出ブロックにおいてサビの歌詞を表示する。即ち、データ表示機H1は、各演出ブロックに点滅周期と表示する画像とが対応付けられたパターンテーブルを記憶している。
遊技機H2は、BB遊技状態において曲の出力を開始すると、曲の経過時間に基づいてどの段階の演出ブロックであるかを判定し、演出ブロックに応じた点滅周期でトップランプH60の点灯を制御する。具体的に、曲が開始されて1秒目~30秒目には50HzでトップランプH60を点灯させ、31秒目~70秒目には75HzでトップランプH60を点灯させ、71秒目~130秒目には80HzでトップランプH60を点灯させる。一方、データ表示機H1は、外部端子板H308からBB遊技状態のON信号を受けている状態において、遊技機H2のトップランプH60が50Hzで点滅していることを検出すると第1演出ブロックに対応したAメロの歌詞を表示し、50Hzの点滅を検出している間はAメロの歌詞の表示を継続する。また、データ表示機H1は、50Hzから75Hzへの点滅周期の変更を検出すると遊技機H2においてBメロが開始されたとみなして第2演出ブロックに対応したBメロの歌詞を表示し、75Hzの点滅を検出している間はBメロの歌詞の表示を継続する。また、75Hzから80Hzへの点滅周期の変更を検出すると遊技機H2においてサビが開始されたとみなして第3演出ブロックに対応したサビの歌詞を表示し、80Hzの点滅を検出している間はサビの歌詞の表示を継続する。このように、データ表示機H1は、点滅周期の変更を検出することにより演出ブロックの切り替わりを判定し、それを契機に次の演出ブロックに対応する演出を行う。
例えば、データ表示機H1が第2演出ブロックの歌詞を表示している期間に、何らかの障害発生によりランプ点灯態様が認識できない状況が開始された場合、データ表示機H1はその時点で歌詞の表示を中止する。その後演出ブロック中にその障害が取り除かれて、データ表示機H1が75Hzの点灯態様で再度検出できた場合であってもその時点ではBメロの歌詞の表示は行わず、次に点灯周期が変更されたことを検出できたときに対応する歌詞を表示する。これにより、Bメロの歌詞を再開した場合に実際に遊技機H2で流れている歌詞と、データ表示機H1で表示している歌詞とにずれが生じてしまうことを防止することが可能となる。具体的に、Bメロに6行の歌詞がある場合、データ表示機H1が75HZの点灯態様で再度検出できたタイミングにおいて、データ表示機H1が遊技機H2でどの行の歌詞の音声が出力されているかを判断することは困難であり、Bメロの歌詞を最初から順次表示させたとしても実際の曲とはずれが生じる可能性が高い。したがって、データ表示機H1は、点滅周期の変更を検出したタイミングで歌詞の表示を再開することにより、遊技機で出力される曲と、表示する歌詞とのずれを防止し、遊技機H2との正確な連動演出を実行することが可能となる。なお、カメラによるランプ点灯態様の検出が復帰する前にBB信号がOFFとなった場合には歌詞表示もその後復帰することを中止する。
なお、上記の例では、遊技機H2での一連の演出ブロックは、経過時間に対応するものとしたが、遊技の進行に応じて変化し、それに応じて点滅周期が変化するようにしてもよい、例えば最初の5G間はAメロを流し、6G目が開始されたときにBメロを開始させ、Aメロの歌詞が6G目開始前までに終了している場合にはループ、又はイントロを流すようにしてもよい。
(変形例2)
第8実施形態の変形例2では、トップランプH60の点灯態様として、人に認識困難な点滅周期を設定するだけでなく、複数の発光色(虹色)を段階的に変化させる点灯態様を採用している。
具体的に、図145を参照して、遊技状態1~3に対応するトップランプH60の点灯態様について説明する。遊技状態1には、トップランプH60の点滅周期が50Hzであり、発光色が単色である点灯態様が設定される。これに対し、100fpsのフレームレートで作動するカメラユニットH12がフレーム単位で画像を取得する場合、単色の点灯と消灯とが交互に繰り返される画像を取得することになる。また、遊技状態2には、トップランプH60の点滅周期が50Hzであり、発光色が点灯する毎に順次5色に変化するように設定される。これに対し、100fpsのフレームレートで作動するカメラユニットH12がフレーム単位で画像を取得する場合、5色に変化する点灯と消灯とが交互に繰り返される画像を取得することになる。即ち、データ表示機H1の制御部H401は、トップランプH60の点滅周期に加え、トップランプH60の発光色が特定数以上であるかを判定して遊技状態を判定することになる。このように、発光色の変化を点灯態様に加えることにより、同じ点滅パターンでも異なる遊技状態に対応した演出を設定することが可能となり、さらに演出パターンを増加させることが可能となる。
また、図145には、色変化態様を、「赤→橙→緑→青→紫→赤→…」の1パターンのみ示しているがこれに限定されない。例えば、これを第1色変化態様とし、これ以外に第2色変化態様(例えば、「赤→橙→緑→青→紫→白→赤→…」)、及び、第3色変化態様(例えば、「赤→橙→青→紫→緑→赤→…」)の演出パターンを備えていてもよい。これにより、遊技機H2を視認する遊技者にとっては同じような虹色点灯態様であった場合でも、データ表示機H1は異なる演出パターンとして認識可能となる。例えば、遊技機H2が3種類のBB(それぞれ異なるフラグである赤7BB、青7BB、白7BB)を有している場合、これら3種類を第1色変化態様、第2色変化態様、及び第3色変化態様に対応付けることが可能となる。遊技者は、遊技機H2の虹色に点灯態様が変化するトップランプH60を視認して、BBが成立したことを認識することができるが、赤7BB、青7BB、白7BBのいずれが成立しているかを判別することは困難である。しかしながら、データ表示機H1は、トップランプH60の色変化態様がいずれのBBの成立を示すものであるかを判定し、成立しているBBの種別を特定することが可能となる。そして、データ表示機H1が、判定したBBの種別に基づいて「BB確定!今回は赤7BBです」のようなBBの種別の表示を行うことにより遊技者に適切な報知を行うことができ、遊技者のメダルロスを軽減することが可能となる。このように、通常のデータ表示機では判別不可能なBBフラグの成立、及びその種別を判別可能とすることにより他のデータ表示機に対して優位性を持たせることができ、ホール経営者に導入促進効果を持たせることが可能となる。また、BBの種別報知について実行するか否か等のさまざまな条件を設定可能としてもよい。例えばサンドやデータ表示機に挿入される会員カードを認識し、遊技者が会員である場合には必ず報知を行い、ビジター遊技者に対しては所定確率でしか報知しないなど差別化することにより導入ホールの会員勧誘を促進できる。また、ART中のBBは必ず報知し、通常中のBBは所定確率で報知するなどが設定できることは言うまでもない。また、虹色で検出するのはBBに限られず、内部的に有利段階が複数あるARTや、当選時は出玉量を報知しないパチンコの大当りなどにおいて設定してもよい。また、上記例では色成分の順序を変えてパターンを識別するものであるが、例えば5色のうち点灯させない色に応じてパターンを識別するものであってもよい。具体的に、橙を含めないパターン(例えば赤→緑→青→紫→赤→…)、緑を含めないパターン(例えば赤→橙→青→紫→赤→…)、及び、青を含めないパターン(例えば赤→橙→緑→紫→赤→…)等のパターンを設けてもよい。
(変形例3)
遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段等についての変形例について説明する。例えば、遊技機の上面に1以上のLEDランプを設け、これをデータ表示機に検出させてもよい。この場合、第8実施形態と同様に点滅パターンにて遊技状態を判定してもよいし、複数のLEDランプの点灯、又は消灯の組み合わせにより遊技状態を判定してもよい。即ち、X個のLEDランプを設け、それらを点灯、又は消灯させることで、2のX乗の遊技状態を判定できることになる。
遊技機H2に予め定めた1つのLEDを設け、データ表示機H1が当該LEDにより第2遊技状態を受信する場合、データ表示機H1は当該LEDのみを撮像できればよく、検出する撮影範囲が狭くても問題ない。また、遊技機H2に予め定めた複数のLEDを設け、データ表示機H1が当該複数のLEDにより第2遊技状態を受信する場合、上記のとおり、データ表示機H1はLEDが点灯しているか否かの組み合わせを検出するのみで第2遊技状態を判定することが可能となる。このように、遊技機H2において、演出とは別に駆動する第2遊技状態を通信するためのLEDを設けてもよい。なお、特定のLEDに定めず、トップランプの何れかのLEDとしてもよい。この場合、遊技機H2側での処理負荷を軽減することが可能となり、トップランプさえ撮像範囲に入っていればよいのでデータ表示機H1の配置の自由度が高まる。
また、外乱光の影響を防止すべく、発光手段を遊技機上面の背面側に設けるとともに、点灯態様検出手段をデータ表示機の背面側に設けてもよい。また、遊技状態に応じて異なる演出を実行させるのは発光手段のみに限定されず、例えば、パチスロ機におけるリールの態様を組み合わせて遊技状態を示してもよい。この場合、撮像範囲にリールが含まれるようにカメラユニットを遊技機の前方に配置する。この構成により、例えば、変形例2において発光手段が虹色であり、且つ、リールがフリーズ演出を行っている場合にのみ連動演出を行う等、データ表示機における演出のパターンをさらに増加させることが可能となる。なお、データ表示機は、カメラで検出したリールの停止状態が、演出によるものであるか否かを、外部端子板からのIN信号を受信したことを条件として判定する。即ち、データ表示機は、IN信号を受信して所定時間内にカメラでリールの停止状態を検出した場合、リールフリーズ演出の連動演出を実行する。
また、遊技機が起動したとき、発光手段を所定の態様で点灯させるとともに、所定の態様で点灯する発光手段をカメラユニットで撮像、及び解析して、撮像範囲における発光手段の位置を特定し、遊技状態の判定精度を向上させるものであってもよい。
<第9実施形態>
次に、本発明の第9実施形態に係る遊技用装置について、図146~図148を用いて説明する。なお、上記実施形態によるものと同一、又は類似の構成要素については、同一符号を付して説明を省略する。
[電気構成:データ表示機:データテーブル]
図146は遊技状態に応じた演出を実行するため演出パターンテーブルである。本実施形態の演出パターンテーブルは、各演出パターン毎に優先順位が設定されるで、第8実施形態の演出パターンテーブルと相違する。
図146に示すように、本実施形態の演出パターンテーブルは、第8実施形態の演出パターンテーブル(図138参照)と同様の項目に加え、優先順位欄を有している。本実施形態では、優先順位欄にすべての演出に対して優先順位が設定される。例えば、外部端子板H308からの信号、及び、トップランプH60の点灯態様の検出に基づき、それぞれから同様の遊技状態を得て、さらにそれらに異なる演出パターンが設定されている場合、設定される優先順位に応じていずれの演出パターンを実行するのかが決定される。具体的に、外部端子板H308からはBB遊技状態が送信され、トップランプH60からはプレミアムBB遊技状態を検出した場合、プレミアムBB遊技状態が優先される。
なお、これに限定されず、第2遊技状態は、第1遊技状態と異なる遊技状態であってもよい。即ち、外部端子板H308からは制限された第1遊技状態の信号が送信され、トップランプH60は第1遊技状態を除く第2遊技状態を示すものであってもよい。この場合、例えば、第1遊技状態として一般遊技状態が判断され(外部端子板H308からの信号無し)、第2遊技状態として有利区間が送信された際には、第2遊技状態の有利区間が優先されるように演出パターンテーブルに設定されていてもよい。また、例えば、第1遊技状態としてBB遊技状態が送信され、第2遊技状態として有利区間が送信された際には、第1遊技状態のBB遊技状態が優先されるように演出パターンテーブルに設定されていてもよい。
また、上記例の変形例について説明する。外部端子板H308からの第1遊技状態の信号に基づく演出態様、及び、トップランプH60の点灯態様を検出して判別する第2遊技状態に基づく演出態様、において、一部重複するような演出パターンを記憶しておいてもよい。なお、「重複する」とは、演出を構成する要素において、同じ要素に対して設定されていることを示す。演出を構成する要素とは、例えば、ランプの色、液晶画面に表示するテキストの内容、液晶画面におけるキャラクタの有無、スピーカからの出力内容等である。例えば、ある演出パターンにおいてキャラクタが表示されて液晶画面に「A」とうテキストが表示され、他の演出パターンにおいて液晶画面に「B」というテキストが表示される場合、液晶画面に表示するテキストの内容が重複し、液晶画面におけるキャラクタの有無は重複していないことになる。
ここで、同じタイミングで第1遊技状態の信号と第2遊技状態の信号とが遊技機H2から出力される場合、両者の演出パターンにおいて重複する要素については第1遊技状態に基づく演出態様を優先し、重複しない部分は第2遊技状態に基づく演出態様を実行するようにしてもよい。例えば、BB遊技状態に関する第1遊技状態の信号には、液晶画像に「キャラクタ」を表示する、という要素と、液晶画像に「BB中!」というテキストを表示する、という要素と、を有した演出パターンが対応付けられている。また、通常BB遊技状態に関する第2遊技状態の信号には、液晶画像に「BB中!」というテキストを表示する、という要素と、データ表示機H1の外周のランプ(例えば、図126に示す導光板G61による照明)を「赤」に点灯させる、という要素とを有した演出パターンが対応付けられている。したがって、遊技機H2において通常BB遊技状態に移行した際にデータ表示機H1が第1遊技状態の信号と第2遊技状態の信号とをいずれも正常に受信した場合、先ずは、第1遊技状態の信号に基づく演出が優先され、液晶画像に「キャラクタ」と、「BB中!」というテキストとが表示される。ただし、第1遊技状態に基づく演出パターンと重複しない、データ表示機H1の外周のランプを「赤」に点灯させる、という要素が有効となり、第1遊技状態に基づく演出パターンに加えて当該演出が実行されることになる。このように、同条件、同タイミングで実行され得る演出パターンにおいて、優先度が高い演出パターンに設定されていない要素が優先度が低い演出パターンで設定されている場合には当該要素に限定して優先度が低い演出パターンの演出を実行してもよい。
なお、第1遊技状態の信号のみを取得できなかった場合には、第2遊技状態の信号に対応付けられた演出パターン(液晶画像の演出「BB!」に加え外周のランプを「赤」に点灯させる演出)が実行される。また、第2遊技状態の信号のみを取得できなかった場合には第2遊技状態の信号に対応付けられた演出パターン(液晶画像に「キャラクタ+BB中!」を表示する演出)のみを実行し、外周のランプによる演出は行わない。第1遊技状態の信号、及び第2遊技状態の信号の両方を取得できなかった場合には当然データ表示機での演出は通常中のと同じとなり、特別な演出を行わない。
また、上述した例では、第1遊技状態の信号と同条件同タイミングで発生する第2遊技状態の信号が1対1であったがこれに限定されない。例えば、BB遊技状態に関する第2遊技状態の信号として、2種類以上の点滅パターンに対応する複数の演出を記憶していてもよい。具体的に、BB遊技状態としての第1遊技状態の信号は1種類のみであるが、遊技機H2において、BB遊技状態の種類として通常BB遊技状態と有利区間中BB遊技状態の2種類がある場合には、第2遊技状態の信号としてそれぞれを区別してもよい。即ち、遊技機H2において通常BB遊技状態が発生した場合には、データ表示機H1において第1遊技状態の信号に対応付けられた演出パターンが実行されると共に、当該演出パターンで設定されていない要素において、通常BB遊技状態の第2遊技状態の信号に対応付けられた演出パターンの演出が実行される。また、遊技機H2において有利区間中BB遊技状態が発生した場合には、データ表示機H1において第1遊技状態の信号に対応付けられた演出パターンが実行されると共に、当該演出パターンで設定されていない要素において、有利区間中BB遊技状態の第2遊技状態の信号に対応付けられた演出パターンの演出が実行される。
具体的に、上述した例に加え、有利区間中BB遊技状態の第2遊技状態の信号には、液晶画像に「有利区間中BB!」というテキストを表示する、という要素と、データ表示機H1の外周のランプを「青」に点灯させる、という要素とを有した演出パターンが対応付けられているものとする。そして、遊技機H2において有利区間中BB遊技状態に移行した際にデータ表示機H1が第1遊技状態の信号と第2遊技状態の信号とをいずれも正常に受信した場合、先ずは、第1遊技状態の信号に基づく演出が優先され、液晶画像に「キャラクタ」と、「BB中!」というテキストとが表示される。ただし、第1遊技状態に基づく演出パターンと重複しない、データ表示機H1の外周のランプを「青」に点灯させる、という要素が有効となり、第1遊技状態に基づく演出パターンに加えて当該演出が実行されることになる。
なお、第1遊技状態の信号のみを取得できなかった場合には、第2遊技状態の信号に対応付けられた演出パターン(液晶画像の演出「有利区間中BB!」に加え外周のランプを「青」に点灯させる演出)が実行される。また、第2遊技状態の信号のみを取得できなかった場合には第2遊技状態の信号に対応付けられた演出パターン(液晶画像に「キャラクタ+BB中!」を表示する演出)のみを実行し、外周のランプによる演出は行わない。第1遊技状態の信号、及び第2遊技状態の信号の両方を取得できなかった場合には当然データ表示機での演出は通常中のと同じとなり、特別な演出を行わない。
また、有利区間中BB遊技状態に関する第2遊技状態の信号は例外的に第1遊技状態の信号に優先するようにしてもよい。その場合、第1遊技状態の信号、及び有利区間中BB遊技状態に関する第2遊技状態の信号の両方を正常に取得できた場合には、第2遊技状態の信号に基づく演出が優先され、液晶画像に「有利区間中BB中!」というテキストとが表示されると共に、データ表示機H1の外周のランプが「青」に点灯される。ただし、有利区間中BB遊技状態に関する第2遊技状態に基づく演出パターンと重複しない、データ表示機H1の液晶画面に「キャラクタ」を表示する、という要素が有効となり、第2遊技状態に基づく演出パターンに加えて当該演出が実行されることになる。
このように第2遊技状態に関する信号を一律に優先順位を低くするものだけでなく、遊技者にとって有益となる情報については第1遊技状態に関する信号よりも優先順位を高くすることとしてもよい。なお、このような優先順位は、データ表示機H1を外部から設定するサーバ装置H4やデータ表示機H1本体で設定可能とする。なお、上記例では、BB遊技状態を2種類としたが、これにBBのうち有利なプレミアムBBのようなものを加えて、第2遊技状態では3種類を区別して優先順位を設定してもよいし、それ以上の種類を区別して優先順位を設定してもよい。
また、本実施形態の演出パターンテーブルには、他のデータ表示機H1と同期した演出(以下、同期演出と称す場合がある)が設定可能にされる。同期演出は、他の遊技状態(第1遊技状態、及び第2遊技状態)に基づく演出よりも優先順位が低く設定される。なお、同期演出は、複数のデータ表示機H1により実行される演出であり、サーバや本体等により予め定められた範囲(例えば並列配置、島配置など)でグループ設定された複数の遊技機の各データ表示機H1の映像表示部H405を1つの共通画面に見立てて実行する演出であり、例えば、右端の映像表示部H405から左端の映像表示部H405に向けてキャラクタ画像やテキスト画像が移動されるような演出である。なお、同期演出と他の遊技状態に基づく演出の優先順位は適宜決定可能である。また、同期演出を複数備え、それらの中で優先順位を設定可能としてもよい。例えば優先順位として、第1遊技状態>同期演出1>第2遊技状態>同期演出2など。
また、図147は、遊技状態の移行可能先を示す遊技状態移行テーブルの一例である。遊技状態移行テーブルは、設置される遊技機の種別に基づいてサーバ経由やその旨が記憶された着脱可能なROMによりデータ表示機H1のRAMH403に記憶されたり専用ROMにアクセス可能となることで実現される。なお記憶される態様はこれに限られるものではなく種々の方法が適用可能である。図147に示すように、縦軸が移行元の遊技状態であり、横軸が移行先の遊技状態であり、移行先として移行可能な遊技状態には丸印が格納される。データ表示機H1は、遊技状態の移行を検出した場合、遊技状態移行テーブルを参照し、行われた遊技状態の移行が正しいものであるかを確認する。
[動作]
図148を参照して、本実施形態のデータ表示機H1の制御部H401が実行する演出実行処理について説明する。先ず、制御部H401は、遊技機H2の外部端子板H308から遊技状態を示す信号を受信しているか否かを判定する(ステップS4020)。遊技状態を示す信号を受信している場合(ステップS4020:YES)、制御部H401は、演出パターンテーブル(図138参照)を参照して受信信号が示す遊技状態に応じた演出に変更し、演出に応じてカウントを開始する(ステップS4021)。
ステップS4021の終了後、又は、ステップS4020において遊技状態を示す信号を受信していない場合(ステップS4020:NO)、制御部H401は、カメラユニットH12が遊技機H2のトップランプH60を撮像した画像から点灯態様を検出したか否かを判定する(ステップS4022)。点灯態様が検出された場合(ステップS4022:YES)、制御部H401は、その点灯態様が前回から変化しているか否かを判定する(ステップS4023)。点灯態様が変化している場合(ステップS4023:YES)、制御部H401は、遊技状態の移行先が異常であるか否かを判定する(ステップS4024)。即ち、制御部H401は、遊技状態移行テーブル(図147参照)を参照して、変更後の演出に対応する遊技状態が、現在の遊技状態からの移行先として異常であるか否かを判定する。遊技状態の移行先が異常である場合には、制御部H401は、エラーとして検出する(ステップS4025)。ここで、エラーとして検出した場合、制御部H401は、サーバ装置H4へエラーを報知するための信号を送信したり、データ表示機H1において映像表示や音声出力を用いてエラーを報知してもよい。その後、制御部H401は、ステップS4020へ処理を戻す。
移行先が異常でない場合(ステップS4024:NO)、制御部H401は、同期演出も含め、演出タイミングが重複するか否かを判定する(ステップS4026)。演出タイミングが重複する場合(ステップS4026:YES)、制御部H401は、優先する演出を選択する(ステップS4027)。選択方法は、演出同士を比較するものであってもよいし、演出に関連する遊技状態を比較するものであってもよい。ステップS4026において演出タイミングが重複しないと判定した場合、又は、ステップS4027の後、点灯態様に応じて演出を変更し(ステップS4028)、ステップS4020へ処理を戻す。一方、ステップS4023において点灯態様が変化していない場合(ステップS4023:NO)、制御部H401は、現在の演出を継続し(ステップS4029)、ステップS4020へ処理を戻す。
ステップS4022において、点灯態様が検出されない場合(ステップS4022:NO)、制御部H401は、特定の点灯態様を検出中であるか否かを判定する(ステップS4030)。特定の点灯態様を検出中でない場合(ステップS4030:NO)、制御部H401は、ステップS4020へ処理を戻す。特定の点灯態様を検出中である場合(ステップS4030:YES)、制御部H401は、エラー状態の検出を行う(ステップS4031)。そして、制御部H401は、ステップS4021にてカウントを開始したカウント値が終了条件を充足するか否かを判定する(ステップS4032)。カウント値が終了条件を充足する場合(ステップS4032:YES)、制御部H401は、実行中の演出を停止し(ステップS4033)、ステップS4020へ処理を戻す。一方、制御部H401は、カウント値が終了条件を充足しない場合(ステップS4032:NO)、ステップS4020へ処理を戻す。
(変形例1)
第9実施形態に係る変形例について説明する。例えば、データ表示機H1が複数回(又は所定時間以上)、トップランプH60の点灯態様を読み取ることができない場合には、データ表示機H1の映像表示、音声出力、及び、電飾をデモ用の演出パターンに変更してもよい。
また、遊技機H2が有する発光手段は、可視光に制限されず、例えば赤外線によるものであってもよい。これにより、例えば、データ表示機H1は、センサ群H404が有する赤外線センサで発光手段の点灯態様を検出することが可能となり、演出パターンを直接指定することも可能となる。
また、優先順位の設定は、演出に限定されず、例えば、データ表示機H1を遊技者が操作することにより表示されるデータ画面表示(図115参照)についても優先順位を設定できるものであってもよい。例えば、データ画面表示は他の演出表示よりも優先させるのが好ましい。
また、トップランプH60の点滅タイミングと、カメラユニットH12の画像取得タイミングとによって、画像に点灯時のトップランプH60の映像が含まれず、データ表示機H1が正確に第2遊技状態を受信できない場合があるため、以下の方法によりこれを回避してもよい。即ち、遊技機H2が、トップランプH60を点滅制御する際に、所定期間点滅させた後に、点滅タイミングがずれる程度の期間(例えば、点滅間隔よりも短い時間)待機して点滅を再開させてもよい。例えば、1秒間の点滅パターンを4回繰り返したのち、数ミリ秒待機させてから同じパターンを繰り返してもよい。また、同様に、データ表示機H1側でカメラの画像取得タイミングがずれるように、所定時間ごとに撮像を待機してもよい。また、データ表示機H1でのカメラユニットH12による撮像のタイミングを、外部端子板H308からの信号に基づいて決定してもよい。
なお、上述した各実施形態では、遊技用装置としてデータ表示機を例にしてあげたが、遊技機に個別に設けられるカメラユニット等を備えた演出を実行可能な遊技用装置であれば、遊技機の上部に設置されたデータ表示機に限られるものではない、例えば遊技機に併設される貸出装置や、台間に設置される台間データ表示機等の種々の遊技用装置に適用可能である。
<第10実施形態>
次に、図149~図165を参照して、本発明の第10実施形態に係る遊技システムについて説明する。
[遊技機と遊技用装置の構成]
本発明の遊技システムPS100は、図149に示すように、遊技機3001と、遊技機3001の上部に配置されたデータ表示機2501を含むものである。遊技機3001は、その上部に、演出パターン等のデータを送信するためのランプ3305を備え、データ表示機2501は、遊技機3001のランプ3305からの光を受信することによって、遊技機3001から、遊技状態や演出パターン等のデータを受信する。このように、遊技機3001のランプ3305からの光が、データ表示機2501で受信されることによって遊技状態や演出パターン等のデータが、遊技機3001からデータ表示機2501に送信されることになるので、多くの情報を効率的かつ高精度に伝達することができる。なお、このような通信は、データ表示機2501にとっては外部装置である遊技機3001から、データ表示機2501への、一方向の非接触通信ということができる。
ここで、遊技機3001は、例えば、上述した遊技機5002、H2といった遊技機であり、これには、パチンコ遊技機5002aやパチスロ遊技機5002bが含まれる。また、データ表示機2501は、例えば、上述した遊技用表示装置5001に類するものであるが、遊技媒体貸出装置や、遊技機に設ける遊技機装飾用のユニット等を含む様々な遊技用装置とすることができる。
図149に示すデータ表示機2501は、例えば、サイネージと呼ばれるデータ表示機である。このデータ表示機2501は、液晶ディスプレイ2502、LED2503、スピーカ2504、コールボタン2505、及びイメージセンサユニット2811を備える。なお、コールボタン2505は、遊技場のスタッフを呼び出すためのボタンであり、コールボタン2505の押下をタッチセンサが検知すると、液晶ディスプレイ2502、LED2503、スピーカ2504等に対して、当該検知に応じた出力が行われるよう制御される。
データ表示機2501は、遊技機3001のランプ3305からの光をイメージセンサユニット2811で検知し、検知結果に基づいて、遊技機3001の演出パターン等を把握し、把握された演出パターンに応じて、液晶ディスプレイ2502に、対応する画像を表示するよう制御する。また、必要に応じて、スピーカーから演出パターンに対応する音声を出力したり、LED2503を点灯させたりするよう制御する。
イメージセンサユニット2811は、例えば、所定の時間間隔で遊技機3001のランプ3305を含む映像を撮像するCMOSイメージセンサを備える。このCMOSイメージセンサは、例えば、220fps、又は440fpsでランプ3305の撮像を行うように構成される。
また、このCMOSイメージセンサは、所定の画角(例えば、30°以下の画角)と光源距離(即ち、CMOSイメージセンサとランプ3305との距離であって、例えば、30mm~300mm)により、遊技機3001のランプ3305とその周辺の画像を撮影するようになっている。そのため、CMOSイメージセンサにより取得された撮影画像には、遊技機3001のランプ3305だけでなく、遊技機3001の演出用ランプ(例えば、遊技機H2のトップランプH60のようなランプ)や、隣の遊技機3001からの光、遊技場の照明器具からの光、それらの光の反射光などが含まれることになる。
なお、本実施形態では、遊技機3001のランプ3305は、1つ、又は複数のLEDといった光出力装置から構成されるが、このような構成に限定されない。また、遊技機3001のランプ3305は、遊技機3001の演出パターン等のデータを送信するための専用の光出力装置として機能することも、遊技機3001の演出表現を実施するとともに、遊技状態や演出パターン等のデータを送信する、兼用の光出力装置として機能することもできる。上述した遊技機H2のトップランプH60は、後者の兼用の光出力装置である。
次に、図150を参照して、パチスロ機としての遊技機3001の構成について説明する。遊技機3001は、メインデバイス群3303を制御する主制御部3301と、サブデバイス群3304を制御する副制御部3302とを備え、主制御部3301から副制御部3302へは一方向通信で接続されている。また、主制御部3301には、外部端子板3308が一方向通信で接続されている。なお、主制御部3301、及び副制御部3302は、各々、CPU、プログラム等が記憶されるROM、及び遊技や演出に関する情報が記憶されるRWMを備える。
メインデバイス群3303は、例えば、リール制御回路、メダルセンサ、スタートレバーセンサ、停止ボタンセンサ、ホッパー制御回路等から構成されており、主制御部3301は、これらのデバイスを制御することにより、遊技機3001における遊技の進行を制御する。また、主制御部3301は、遊技状態の変化等に応じたコマンドを副制御部3302に送信する。
サブデバイス群3304は、ランプ3305と、ランプ3305やその他のランプを制御するランプ制御回路3306とを有している。また、サブデバイス群3304は、例えば、液晶モジュール、演出ボタンセンサ、役物制御回路、電飾制御回路、スピーカ制御回路等から構成されており、副制御部3302は、主制御部3301から送信されたコマンドに基づいて、これらのデバイスを制御することにより、遊技機3001における演出を制御する。
主制御部3301は、外部端子板3308を介してデータ表示機2501と接続されており、1回の遊技毎に、又は内部状態に変化があった場合に、遊技情報信号やエラー信号等を出力する。外部端子板3308から入力される情報は、例えば、図140に示したような、外部信号1~4を含む情報である。
副制御部3302は、ランプ制御回路3306によってランプ3305による光の出力を制御し、これによって、遊技状態や演出パターン等のデータをデータ表示機2501に(非接触通信により)送信する。ランプ3305が、演出用のランプとしても機能する場合、副制御部3302は、ランプ制御回路3306によって、演出にあわせてランプ3305を所定の色で点灯させるよう制御する。
なお、図150では、遊技機3001をパチスロ機であるものとして説明したが、パチンコ機についても同様に、データ表示機2501が、外部端子板(図139参照)と、サブデバイス群のランプから、それぞれ情報を入力するように構成される。
次に、図151を参照して、データ表示機2501の構成について説明する。データ表示機2501は、液晶ディスプレイ2502のような映像表示部2805、LED2503のような電飾部2806、スピーカ2504のような音声出力部2807を備える(図149参照)。また、データ表示機2501は、センサ群2804、制御部2801、ROM2802、及びRAM2803を備える。制御部2801は、CPUや、これが設けられた制御回路基板等からなり、接続されるデバイスを制御する。
ROM2802には、データ表示機2501が有する機能を実現するための制御プログラムが格納される。制御部2801は、ROM2802に格納された制御ブログラムを読み出し、実行することにより、各構成部品を制御し、遊技機3001の遊技状態や演出パターン等に応じた態様の演出を実行する機能等を実現する。
また、制御部2801は、遊技機3001との通信制御、及びサーバ装置3901との通信制御を行う。サーバ装置3901は、上述したサーバ装置H4と同様の機能を有するものである。
センサ群2804は、図149に示したコールボタン2505の押下を判定するタッチセンサ等を含むセンサ群である。制御部2801は、これらのセンサにより操作が検知されると、操作に応じて、映像表示部2805における表示内容、電飾部2806における発光態様、及び、音声出力部2807における音声出力態様を制御する。なお、映像表示部2805の表示画面をタッチパネルとして機能させる場合、センサ群2804は、このタッチパネルへのタッチ操作を検知するためのセンサを含む。
通信インターフェース2810は、遊技機3001、及びサーバ装置3901との通信を行うためのインターフェースであり、また、入力された情報を出力する際に、最適な方式に変換する変換モジュールでもある。
通信インターフェース2810は、遊技機3001からの情報を、2つの通信態様で受信する。1つは、上述した、光を介した非接触通信であり、他の通信態様は、通信インターフェース2810が、遊技機3001の外部端子板3308と、接点入力方式で接続されており、遊技機3001からデータ表示機2501の一方向通信となっている。
なお、図示しないが、通信インターフェース2810は、遊技媒体貸出装置5003(図111参照)と、ハーネスにより接点出入力方式で接続されており、双方向通信が可能となっている。また、通信インターフェース2810とサーバ装置3901とは、同軸ケーブルにより有線LAN方式で接続されるとともに、ハーネスにより接点出力方式で接続されており、双方向通信が可能となっている。
RAM2803は、各種データを記憶する記憶手段として機能する。例えば、制御部2801は、接続される各構成部品の制御結果をRAM2803に記憶させる。また、RAM2803は、遊技機3001の遊技状態や演出パターン等を判定するためのデータテーブル(遊技状態判定テーブル)や、遊技状態や演出パターン等に応じた演出を実行するためのデータテーブル(演出パターンテーブル)を格納する。
本実施形態では、データ表示機2501は、遊技状態判定テーブルや、演出パターンテーブル(演出に用いる映像データ、及び音声データ等を含む)を、通信インターフェース2810を介して、サーバ装置3901からダウンロードすることができる。
なお、遊技機3001の遊技状態や演出パターン等を判定するためのデータテーブルや、遊技状態や演出パターン等に応じた演出を実行するためのデータテーブルは、通信インターフェース2810のUSB接続端子を経由して、外部記憶装置等からRAM2803に転送されてもよく、その他、様々な方法・ルートにより、上記データテーブルを転送することができる。
イメージセンサユニット2811は、上述したように、遊技機3001のランプ3305を撮像するために設けられる。また、イメージセンサユニット2811は、遊技機3001のランプ3305を含む画像を取得すると、当該画像に基づいて遊技状態や演出パターン等のデータをデータ表示機2501の制御部2801に送信し、そこで、制御部2801は、そのデータに応じた演出を実行する。制御部2801は、映像表示部2805、電飾部2806、及び、音声出力部2807を制御して演出を実行する。
次に、図152を参照して、イメージセンサユニット2811の構成について説明する。図152は、イメージセンサユニット2811に含まれる、CMOSイメージセンサ2932と制御LSI2934の回路構成例を示すブロック図である。
CMOSイメージセンサ2932は、例えば、解像度が640×240ピクセルであり、フレームレートが220fps、又は440fpsのCMOSイメージセンサである。なお、本実施形態では、遊技機3001のランプ3305を撮像し、画像データを取得する撮像装置として、CMOSイメージセンサ2932を用いているが、CCDイメージセンサ等、他の撮像装置を用いるようにすることもできる。
制御LSI2934は、ホストコントローラ2941、DSP(digital signal processor)回路2942、バックアップ電源(不図示)が接続されたSRAM(Static Random Access Memory)2943、フラッシュメモリ2944、ISP(Image Signal Processing)回路2945、及びUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)2952を備えている。これら制御LSI2934を構成するデバイスは、バスを介して相互に接続されおり、本実施形態の制御LSI2934では、バスのプロトコルとしてAXI(Advanced eXtensible Interface)が採用されている。
また、制御LSI2934は、ISI(Image Sensor Interface)回路2951を備えている。ISI回路2951は、CMOSイメージセンサ2932とISP回路に電気的に接続されている。ISI回路2951は、CMOSイメージセンサ2932からLVDS(Low voltage differential signaling)方式で送信された画像データをRGBベイヤ画像に変換して出力する。このとき、ISI回路2951から出力されるRGB画像には固有の画像IDが付される。この画像IDによって、時間経過に伴って順次取得される各画像を識別することができる。
ISP回路2945は、ISI回路2951からRGBベイヤ画像を入力する。ここで、ISP回路2945は、レンズ歪み処理を行うようにすることができる。レンズ歪み補正処理は、後述する処理の精度を高めるため、CMOSイメージセンサ2932が撮像した画像データ上の、レンズの特性に起因して発生する歪みを補正する処理である。
次に、ISP回路2945は、RGBベイヤ画像(レンズ補正処理がされている場合は、当該処理後の画像)を各種フォーマットに変換する色変換処理を行う。色変換処理において、ISP回路2945は、RGBベイヤ画像を、YUV色空間に対応する画像データ(YUV画像データ)に変換し、このYUV画像データをSRAM2943に記憶させる。なお、SRAM2943には、所定数のYUV画像データが記憶可能な記憶領域が設けられている。SRAM2943に記憶されているYUV画像データの数が上限数に達した場合、記憶された順序が古いYUV画像データから上書きされる。
また、ISP回路2945は、YUV画像データをSRAM2943に記憶する場合、VSYNC(Vertical Synchronization)割込信号を、ホストコントローラ2941に出力する。
また、色変換処理において、ISP回路2945は、必要に応じて、RGBベイヤ画像を、三つの成分(H:色相、S:彩度、V:明度)からなる色空間(HSV色空間)に対応する画像データ(HSV画像データ)に変換し、このHSV画像データをSRAM2943に記憶させることもできる。
なお、ISP回路2945は、RGB画像データのみが利用される場合は、RGB画像データをそのままSRAM2943に記憶させるようにする。
DSP回路2942は、ホストコントローラ2941の制御にしたがって、本実施形態におけるデータ受信処理(例えば、光源探査処理、ノイズ除去処理、復号処理等の処理)を行い、CMOSイメージセンサ2932が撮像した入力画像データ(YUV画像データ)から、遊技機3001により送信された、遊技状態や演出パターン等のデータを取得する。
また、DSP回路2942は、ホストコントローラ2941の制御に従い、ノイズ除去処理において、後述するようなフーリエ変換、及びフーリエ逆変換等を行うが、これらの処理を、イメージセンサユニット2811に設けた専用回路を用いて実施するよう構成することもできる。また、復号処理において、誤り訂正符号、CDMA符号、PSM符号等の復号を行う場合にも、イメージセンサユニット2811に設けた専用回路を用いて、これらの処理を実施するよう構成することができる。
UART2952は、イメージセンサユニット2811により生成されたデータ(例えば、遊技機3001により送信された、遊技状態や演出パターン等のデータ)を、通信インターフェース2810を介して、データ表示機2501の制御部2801に送信するためのシリアル通信用デバイスである。
ホストコントローラ2941は、制御LSI2934を構成する各デバイス、例えば、DSP回路2942、UART2952等の制御を行う。
また、ホストコントローラ2941は、ISP回路2945からVSYNC割込信号を受信すると(YUV画像データがSRAM2943に記憶されると)、後述するデータ受信処理を行うため、必要に応じて、各種処理を行うよう、DSP回路2942に指示する。
フラッシュメモリ2944には、制御LSI2934を構成する各種デバイス、例えば、ホストコントローラ2941、DSP回路2942等が各種処理に用いるパラメータや各種処理に必要なデータが記憶されている。また、イメージセンサユニット2811のデータ受信処理で扱う符号化方式を記憶する。
なお、本実施形態において、CMOSイメージセンサ2932が撮像した画像データをYUV色空間に対応する画像データ(YUV画像データ)に変換し、入力画像データ(入力情報)としてSRAM2943に記憶させるISP回路2945は、入力情報生成手段を構成する。
[データ表示機における演出実行処理]
次に、図153を参照して、データ表示機2501の制御部2801が実行する演出実行処理について説明する。なお、この処理は、基本的に、データ表示機2501に電源が投入された際に起動し、電源オフとなるまで所定間隔で周期的に実行される。
最初に、制御部2801は、遊技機3001の外部端子板3308から出力される出力信号を入力する(ステップS4050)。次に、ステップS4051において、外部信号1~4のいずれかに変化があるか否かを判定する。外部信号1~4は、遊技機3001とデータ表示機2501との間で適宜調整可能な内容であり、例えば、図140に示すように、「外部信号1」を、遊技機3001においてRBが発生したこと、あるいはRB中であることを示す信号とし、「外部信号2」を、遊技機3001においてBBが発生したこと、あるいはBB中であることを示す信号とし、「外部信号3」を、遊技機3001においてARTとなったこと、あるいはART中であることを示す信号とし、「外部信号4」を、遊技機3001のフロントドアが開放状態であることを示す信号とすることができる。
外部信号1~4のいずれかに変化がある場合(ステップS4051:YES)、制御部2801は、例えば、図138に示すような演出パターンテーブルを参照し、外部信号1~4の状態に応じて演出を変更し、当該演出に応じてカウントを開始する(ステップS4052)。
ステップS4052の終了後、又は、ステップS4051において、外部信号1~4のいずれにも変化がない場合(ステップS4051:NO)、制御部2801は、イメージセンサユニット2811から、(遊技機3001が送信した)通信データを取得する(ステップS4053)。この通信データは、イメージセンサユニット2811が、遊技機3001のランプ3305を撮像した画像から、後述するデータ受信処理によって生成したデータであり、復号が成功した場合に、RAM2803の通信データ格納領域に記憶される。
次に、ステップS4054において、制御部2801が、遊技機3001からの通信データを取得できたか否かが判定される。通信データを取得できた場合(ステップS4054:YES)、制御部2801は、取得したデータが、演出パターンを含む演出指示コマンドか否かを判定する(ステップS4055)。取得したデータが演出指示コマンドである場合(ステップS4055:YES)、制御部2801は、演出パターンテーブルを参照し、その演出指示コマンドに応じた演出に変更して(ステップS4056)、ステップS4050へ処理を戻す。一方、取得したデータが演出指示コマンドでない場合(ステップS4055:NO)、制御部2801は、現在の演出を継続し(ステップS4057)、ステップS4050へ処理を戻す。
ステップS4054において、遊技機3001からの通信データを取得していない場合(ステップS4054:NO)、制御部2801は、エラー状態の検出を行う(ステップS4058)。次に、ステップS4052においてカウントを開始したカウント値が終了条件を充足するか否かを判定する(ステップS4059)。カウント値が終了条件を充足する場合(ステップS4059:YES)、制御部2801は、実行中の演出を停止し(ステップS4060)、ステップS4050へ処理を戻す。一方、制御部2801は、カウント値が終了条件を充足しない場合(ステップS4059:NO)、ステップS4050へ処理を戻す。
[遊技機におけるLED制御処理(データ送信処理)]
次に、図154を参照して、遊技機3001の副制御部3302が実行するLED制御処理について説明する。なお、この処理は、基本的に、遊技機3001に電源が投入された際に起動し、電源オフとなるまで所定間隔で周期的に実行される。
最初に、副制御部3302は、遊技状態等の変化により、データ表示機2501に送信すべき送信データがあるか否かを判定する(ステップS4080)。送信データがないと判定された場合(ステップS4080:NO)、処理を終了する。
送信データがあると判定された場合(ステップS4080:YES)、ステップS4081において、副制御部3302は、誤り符号化処理を行う。この誤り符号化処理は、例えば、元データの8ビットを、16ビット長の誤り訂正符号(誤り訂正符号(16,8))に変換する処理である。
次に、ステップS4082において、符号化をCDMA(符号分割多元接続:Code Division Multiple Access)とするか否かが判定される。この処理は、例えば、副制御部3302のRWMに記憶されている符号化方式を参照することによって判定する。通信データの送信側である(遊技機3001の)副制御部3302のRWMに記憶されている符号化方式と、通信データの受信側である(データ表示機2501の)イメージセンサユニット2811のフラッシュメモリ2944に記憶されている符号化方式は一致していることが前提である。本実施形態では、この符号化方式は、CDMA、又はPSM(マンチェスター符号:Manchester coding)による符号化である。
符号化がCDMAであると判定された場合(ステップS4082:YES)、ステップS4083において、CDMA符号化処理が行われる。この処理は、ステップS4081で、誤り訂正符号に変換された変換後の送信データを、CDMAにより符号化する。このCDMA符号化については、図166を参照して後で詳細に説明する。
一方、符号化がCDMAでないと判定された場合(ステップS4082:NO)、ステップS4084において、PSM符号化処理が行われる。この処理は、ステップS4081で、誤り訂正符号に変換された変換後の送信データを、PSMにより符号化する。このPSM符号化については、図167を参照して後で詳細に説明する。
ステップS4083の終了後、又はステップS4084の終了後、ステップS4085において、実行中、又は、これから実行するLED演出パターンを取得する。この処理は、例えば、図138に示す演出パターンテーブルに基づいて決定された、実行中、又は、これから実行する演出パターンにおける電飾パターン(即ち、LED(ランプ3305)の発光パターン)を抽出する処理である。このようにして抽出された発光パターンは、例えば、副制御部3302のRWMに展開されている。
次に、ステップS4086において、CDMA、又はPSMにより符号化された送信データに基づいたLEDの発光パターンと、ステップS4085において取得された、演出パターンに基づくLEDの発光パターンとを合成する。その後、このように合成されたLEDの発光パターンを、実行中の演出パターンに登録し(ステップS4087)、処理を終了する。この登録処理は、例えば、副制御部3302のRWMに展開されているLEDの発光パターンを、合成された発光パターンに書き換えることによって実現される。そして、副制御部3302は、この登録された演出パターンに基づいて、ランプ制御回路3306を制御し、ランプ制御回路3306は、これに基づいてランプ3305の点灯(輝度や発光色)を制御する。
実行中の演出パターンにおけるLEDの発光パターンに、符号化された送信データに基づくLEDの発光パターンを合成する場合、例えば、送信データのビットが「1」である場合に、LEDの発光を少し明るくし、送信データのビットが「0」である場合に、LEDの発光を少し暗くすることで、送信データに関するパルスが表現される。このような合成によって、遊技者は、演出により発光しているLED(ランプ3305)が、符号化された送信データを含むものであると認識することなく、自然なランプの演出として視認し、その結果、遊技者に意識させることなく、当該送信データをデータ表示機2501に送信することができる。
なお、図154に示す例では、遊技機3001のランプ3305が、遊技機3001の演出表現を実施するとともに、遊技状態や演出パターン等のデータを送信する、兼用の光出力装置として機能するように構成されるが、遊技状態や演出パターン等のデータを送信するだけの専用の光出力装置として構成することもできる。
遊技機3001のランプ3305を、専用の光出力装置として構成する場合、ステップS4085~ステップS4087の処理に代えて、CDMA、又はPSMにより符号化された送信データと、基準となる一定の輝度値に基づいたLEDの発光パターンに基づいて、ランプ3305の発光態様が制御される。これは、送信データ自体による輝度が微弱である場合は、光量が小さくて撮影できないという問題と、輝度が0の状態では、マイナス方向の発光データが生成できないという問題に対応するためである。
また、図154の例では、遊技状態や演出パターン等のデータを送信する際に、例えば、誤り訂正符号化により、誤り訂正情報が付加され、元データの8ビットが、16ビット長の誤り訂正符号に変換されるが、このような符号化によって、2ビットのランダム誤りが訂正可能となり、さらに、3ビットのバースト誤りが訂正可能となる。本実施形態における誤り訂正符号は、例えば、巡回符号の一種であるBCH符号であり、以下の式1で示す生成多項式により、送信データの符号化が行われる。
G(x)=x8+x7+x6+x4+x2+x+1 ・・・ (式1)
また、図154の例では、符号化として、CDMA符号化とPSM符号化が選択的に用いられるが、他の符号化を用いるように構成することもできる。
なお、本実施形態において、LED制御処理を実行する副制御部3302は、送信データ生成手段、及び、情報付輝度生成手段を構成する。
[データ表示機のイメージセンサユニットにおけるデータ受信処理]
次に、図155を参照して、イメージセンサユニット2811のホストコントローラ2941によって制御されるデータ受信処理について説明する。なお、この処理は、基本的に、データ表示機2501に電源が投入された際に起動し、電源オフとなるまで所定間隔で周期的に実行される。
最初に、ホストコントローラ2941は、ISP回路2945により取得された、遊技機3001のランプ3305を撮像した画像データ(YUV画像データ)を複数受信し、その画像データから光源、即ち、ランプ3305の画像における位置(領域)を特定する光源探査処理を行う(ステップS4100)。なお、光源探査処理の詳細については、図156を参照して、後で説明する。
次に、ステップS4101において、光源が特定できたか否かを判定する。光源が特定できなかった場合(ステップS4101:NO)、ステップS4100の処理に戻る。一方、光源が特定できた場合(ステップS4101:YES)、ステップS4102において、画像データ取込処理を行う。この処理は、ISP回路2945により取得された、遊技機3001のランプ3305を撮像した画像データ(YUV画像データ)を順次取得する処理である。
次に、ステップS4100で決定された光源の位置と、ステップS4102で取得した画像データに基づいて把握された受信データについて、ノイズ除去処理を行う(ステップS4103)。なお、ノイズ除去処理の詳細については、図161を参照して、後で説明する。
ここで、復号処理が可能となる程度の受信データが蓄積されていない、即ち、遅延中か否かが判定される(ステップS4104)。具体的には、ステップS4103のノイズ除去処理において、ノイズ除去処理遅延カウンタとフリッカ除去遅延カウンタが、規定値に達していない場合に、復号処理の準備ができていないとして、遅延中であると判定される。
遅延中であると判定された場合(ステップS4104:YES)、ステップS4102の画像データ取込処理をさらに実行する。遅延中でないと判定された場合(ステップS4104:NO)、復号処理を行う(ステップS4105)。なお、復号処理の詳細については、図165を参照して、後で説明する。
復号処理の後、ステップS4106において、復号が成功したか否かが判定される。復号が成功であった場合(ステップS4106:YES)、誤り訂正符号を元のデータに変換する誤り訂正処理を行う(ステップS4107)。次に、ステップS4108において、誤り訂正符号処理における誤り訂正が成功か否かが判定される。
誤り訂正が成功であった場合(ステップS4108:YES)、ステップS4109において、復号後のデータ(遊技機3001から受信した受信データ)を、データ表示機2501のRAM2803の通信データ格納領域に格納する。次に、ステップS4110において、受信エラーカウンタをクリアし、ステップS4102の画像データ取込処理に戻る。
ステップS4106において、復号が成功したと判定されなかった場合(ステップS4106:NO)、又は、ステップS4108において、誤り訂正符号処理における誤り訂正が成功したと判定されなかった場合(ステップS4108:NO)、ステップS4111において、SRAM2943に記憶される受信エラーカウンタを1更新する(即ち、1加算する)。
次に、ステップS4112において、受信エラーカウンタがERROR_MAXより大きいか否かを判定する。受信エラーカウンタがERROR_MAXより大きくないと判定された場合(ステップS4112:NO)、ステップS4102の画像データ取込処理に戻る。一方、受信エラーカウンタがERROR_MAXより大きいと判定された場合(ステップS4112:YES)、ステップS4113において、受信エラーカウンタをクリアし、ステップS4114において、ノイズ除去カウンタ=0、フリッカ除去カウンタ=0とする。その後、ステップS4102の画像データ取込処理に戻る。
なお、本実施形態において、CMOSイメージセンサ2932が撮像した画像データから受信データの抽出を実行するホストコントローラ2941、DSP回路2942、及び、ISP回路2945は、情報抽出手段、及び、受光制御手段を構成する。
[データ表示機のイメージセンサユニットにおける光源探査処理]
次に、図156ないし図160を参照して、イメージセンサユニット2811のホストコントローラ2941によって制御される光源探査処理について説明する。光源探査処理は、LED光源の点滅制御特性を利用して、イメージセンサユニット2811により撮像された画像において、LED光源の位置を特定する。なお、本実施形態では、LED光源を、光源の明るさ、周期性、色、大きさの4つの特徴から分析し、特定する。
最初に、ホストコントローラ2941は、上述したISP回路2945からVSYNC割込信号を受信するまで待機する(ステップS4170)。その後、ステップS4171において、時間フィルタ中か否かが判定される。時間フィルタ中であると判定された場合(ステップS4171:YES)、ステップS4170に戻り、VSYNC割込信号の発生を待機する。一方、時間フィルタ中でないと判定された場合(ステップS4171:NO)、ステップS4172の処理に進む。
このような時間フィルタは、例えば、220fpsや440fpsで得られるYUV画像データを間引くためのものであり、例えば、VSYNC割込信号3~8回に1回の割合で、YUV画像データを取得する時間間引きフィルタである。本実施形態の時間フィルタは、上述のように、YUV画像データを単純に間引くものであるが、他の様々な時間方向LPF(Low-pass filter)を適用することが可能である。
時間フィルタ中でないと判定された場合(ステップS4171:NO)、ステップS4172において、入力画像データの取得を行う。この処理は、SRAM2943に記憶されたYUV画像データを取得する処理である。
図157には、取得された入力画像データが例示されている。入力画像データは、YUV画像データであり、それぞれ、Y成分、U成分、V成分からなる2次元配列で表される。2次元配列の各要素は、撮像画像の各ピクセルに対応しており、図157では、便宜的に12×12のピクセルにおける各成分の値が示されている。本実施形態のイメージセンサユニット2811では、例えば、640×240ピクセルで撮像されたYUV画像データが提供される。
YUV画像データにおける各成分(即ち、Y成分、U成分、V成分)はそれぞれ、1ピクセルについて8ビットの値をとることができ、この場合、各成分の解像度は、0~255の256(階調)となる。なお、成分に応じて異なる解像度を採用することもでき、例えば、Y成分を8ビットとし、U成分、V成分をそれぞれ4ビットとすることができる。また、本実施形態では、入力画像データとして、YUV画像データを用いているが、RGB画像データや、HSV画像データを用いることもできる。
次に、ホストコントローラ2941は、ステップS4173において、DSP回路2942に指示して、平均画像生成処理を行う。平均画像生成処理は、前回までに入力された入力画像データであるYUV画像データに基づいて生成された平均画像データと、今回入力された入力画像データであるYUV画像データとから、今回の平均画像データを生成する処理である。
図157には、今回の平均画像データが例示されている。平均画像データも、入力画像データと同様に、YUV画像データであり、それぞれ、Y成分、U成分、V成分からなる2次元配列で表される。2次元配列の各要素は、入力画像データと同様に、撮像画像の各ピクセルに対応している。
平均画像データは、成分ごと、ピクセルごとに、下記の式2で求められる。なお、平均画像データの初期値は、その監視時間における最初の入力画像データである。
平均画像データ(x,y)=前回の平均画像データ(x,y)+差分*学習係数 ・・・(式2)
「前回の平均画像データ」は、過去に入力された入力画像データから、入力画像データが取得されるたびに更新されてきた平均画像データである。「差分」は、今回の入力画像データ(x,y)-前回の平均画像データ(x,y)であり、また、「学習係数」は、例えば、「0.91」といった定数である。
ここで、「学習係数」を0.91とすると、上記式2は下記の式3に書き換えることができる。
平均画像データ(x,y)=前回の平均画像データ(x,y)*0.09+今回の入力画像データ(x,y)*0.91・・・(式3)
即ち、この平均画像データは、式3から明らかなように、前回までの平均画像データと今回の入力画像データとの加重平均によって求められ、最新の入力画像データの要素の91%に、過去の入力画像データの要素が9%反映されるものである。
次に、ホストコントローラ2941は、ステップS4174において、DSP回路2942に指示して、差分画像生成処理を行う。差分画像生成処理は、入力画像データのY成分と平均画像データのY成分との差を同じ位置のピクセルについてそれぞれ計算し、差分画像データとして求める処理である。
図157には、差分画像データが例示されている。この差分画像データには、図157に示されている入力画像データ(Y成分)と、平均画像データ(Y成分)との差が示されている。図157の例では、太線で囲まれた3つのピクセルについて差が生じており、(左上のピクセルの位置を(0,0)で表すと)、ピクセル(1,7)とピクセル(4,6)にそれぞれ「1」の値、ピクセル(7,6)に「2」の値が配置されている。
次に、ホストコントローラ2941は、ステップS4175において、DSP回路2942に指示して、累積値算出処理を行う。累積値算出処理は、差分画像データにおいて「0」以外の値となったピクセルに関する値が、所定の条件を満たす場合に、一定時間、その対応する位置のピクセルについて「1」を加算し、これを累積画像データとして求める処理である。本実施形態では、光源を効率良く探査するために、変動成分だけでなく、色成分にも着目して累積画像データを求めるようにしている。
例えば、差分画像データにおいて「0」以外の値となった各ピクセルについて、以下の条件1と条件2をともに満たす場合に、累積画像データの対応するピクセルの位置に「1」を加算する。
<条件1>
しきい値1a≦差分画像データ(Y成分)(x,y)≦しきい値1b・・・(式4)
<条件2>
(しきい値3≦平均画像データ1(x,y)≦しきい値4)&(しきい値5≦平均画像データ2(x,y)≦しきい値6)・・・(式5)
条件1の式4は、変動成分(振動成分)が所定の範囲内(例えば、0.5~3.0)にあることを条件としており、差分画像データ(x,y)の値がこの変動成分を表す値となり、これは、入力画像データのY成分と、平均画像データのY成分との差分である。また、変動成分は小さいため、差分画像データ(x,y)の値を2乗した値など、差分画像データ(x,y)の値に基づいて求められる他の値を用いて、条件1の判定を行うこともできる。
条件2の式5は、色成分が所定の範囲内にあることを条件としており、ここで、「平均画像データ1(x,y)」は、図157に示す平均画像データの(U成分)の、対応するピクセルの値であり、「平均画像データ2(x,y)」は、図157に示す平均画像データの(V成分)の、対応するピクセルの値である。なお、平均画像データの色成分を表す他の値を用いて、色成分に関する条件を判定することもできる。
図157には、図157の平均画像データと差分画像データを含むデータに基づいて、所定期間、上記の累積値算出処理を行った結果、得られた累積画像データが例示されている。
ステップS4175において、累積画像データが求められると、ホストコントローラ2941は、ステップS4176において、光源特定処理を行う。光源特定処理は、累積画像データに基づいて、一定面積以上の面積を有する領域であって、累積値(累積画像データにおける当該領域のピクセルに配置された値)の合計が最大となる領域をLED光源とみなすものである。
本実施形態の光源特定処理では、累積画像データにおいて、累積値が1以上となるピクセルが隣接して配置されているピクセル集合を矩形の領域で囲んだ場合に、x座標で3ピクセル以上、かつ、y座標で2ピクセル以上の領域(即ち、3×2(ピクセル)以上の領域)となる場合に、この領域(ピクセル領域)が光源候補となる。この例では、累積値が1以上となる2つのピクセルが、斜めの位置関係(即ち、斜め左上、斜め右上、斜め左下、斜め右下)であっても、これらのピクセルを、隣接するものとみなすが、こうした斜めの位置関係を、隣接するものとみなさないようにすることもできる。
ここで、図158ないし図160を参照して、光源候補となるピクセル領域を特定する光源特定処理について説明する。なお、本実施形態で説明する光源特定処理は一例に過ぎず、様々な方法によって上記のピクセル領域を特定することができる。
本発明に係る光源特定処理の一例を説明するため、図158ないし図160には、2次元配列により累積値が配置される累積画像データの例が示されている。これは、図157に示した累積画像データと同様のものである。ここでは、ピクセル(0,0)ないしピクセル(8,4)からなる、9×5ピクセルの2次元配列が例示されている。
この2次元配列において、累積値を探査する探査点が順に検出され、そのピクセルの累積値に応じて、ラベリングと連結が行われ、最終的に、上述した一定面積(ここでは、3×2ピクセル)以上の面積を有するピクセル領域が、光源候補として特定される。ラベリングは、光源候補として特定される可能性のあるピクセル領域のピクセルを、仮にマークすることである。なお、これ以降、図158ないし図160に示された累積画像データの各ピクセルを「セル」と呼ぶことにする。このセルは、イメージセンサユニット2811で遊技機3001のランプ3305を撮像した結果得られた撮像データの画素位置に対応するものである。
なお、図158ないし図160では、その時点の探査点(探査の対象となっているセル)を縦線のハッチングで示し、前回以前の探査点を横線のハッチングで示し、ラベリングがされたセルを斜線のハッチングで示している。
また、図158ないし図160では、P1-1ないしP1-8としてそれぞれ太線で示されている検索領域を示しており、これは、探査点と、探査点の左、左上、上、右上に位置する4つの検査点を含む領域である。検索領域は、探査によって順次その範囲が移動されるように制御されるが、少なくともこの検索領域の累積値は、探査時において、セルの位置情報とともにSRAM2943に読み込まれている。
ここで、図158ないし図160に示す累積画像データにおいて、順に探査点検出を行い、最終的に光源候補の領域が特定されるまでの処理の流れを説明する。
最初に、セル(0,0)から探査点検出が開始される。探査点検出は、まず、セル(0,0)から右方向に進んで累積画像データの第1行を探査し、次に、その下段の第2行を探査していく。即ち、図158において、セル(0,0)->セル(8,0)、セル(0,1)->セル(4,1)まで順に探査する。そして、ここまでは、各セルの累積値がそれぞれ「0」であり、これらのセルは光源特定に寄与しないので、スキップする。
探査点が、セル(5,1)に進むと、このセル(5,1)の累積値は「67」であり、この状況が、図158Aに示されている。上記のように、探査点であるセル(5,1)と、この探査点の左、左上、上、右上に位置する4つの検査点を含む検索領域P1-1が示されている。
次に、図158Bに示すように、探査点がセル(6,1)に進み、このセル(6,1)の累積値は「57」である。このとき、セル(5,1)は、前回以前の探査点として把握される。
ここで、前回以前の探査点として把握されるセル(5,1)は検索領域P1-2に含まれることになるため、セル(5,1)は、図158Cに示すように、ラベリングされる。
次に、図158Dに示すように、探査点がセル(7,1)に進み、このセル(7,1)の累積値は「39」である。このとき、セル(6,1)は、前回以前の探査点として把握される。
ここで、前回以前の探査点として把握されるセル(6,1)は検索領域P1-3に含まれることになり、セル(6,1)は、図158Eに示すように、ラベリングされる。また、セル(6,1)は、既にラベリングされているセル(5,1)と隣接しているため、これらのセルは連結して把握される。
次に、セル(8,1)、セル(0,2)、セル(1,2)と探査を続け、これらのセルの累積値が「0」であるため、スキップされる。その後、図159Aに示すように、探査点がセル(2,2)に進み、このセル(2,2)の累積値は「76」である。このとき、セル(7,1)は、前回以前の探査点として把握される。
ここで、前回以前の探査点として把握されるセル(7,1)は検索領域P1-4に含まれないので、セル(7,1)は、この時点では、ラベリングされない。
次に、図159Bに示すように、探査点がセル(3,2)に進み、このセル(3,2)の累積値は「103」である。このとき、セル(2,2)は、前回以前の探査点として把握される。
ここで、前回以前の探査点として把握されるセル(7,1)は、依然として検索領域P1-5に含まれないので、セル(7,1)は、この時点では、ラベリングされない。そのため、セル(7,1)とセル(2,2)が、前回以前の探査点として把握されることになる。
ここで、図159Cに示すように、前回以前の探査点として把握されるセル(2,2)は検索領域P1-5に含まれることになり、セル(2,2)がラベリングされる。
次に、図159Dに示すように、探査点がセル(4,2)に進み、このセル(4,2)の累積値は「141」である。このとき、セル(3,2)は、前回以前の探査点として把握される。
ここで、図159Eに示すように、前回以前の探査点として把握されるセル(3,2)は検索領域P1-6に含まれることになるので、ラベリングされる。また、セル(3,2)は、既にラベリングされているセル(2,2)と隣接しているため、これらのセルが連結して把握される。
また、前回以前の探査点として把握されるセル(7,1)は、検索領域P1-6に含まれることになったセル(5,1)に結合されるセル(6,1)に隣接するため、ここで、ラベリングされ、セル(5,1)、セル(6,1)、セル(7,1)が連結して把握される。
次に、セル(5,2)ないしセル(8,2)、セル(0,3)と探査を続け、これらのセルの累積値が「0」であるため、スキップされる。その後、図160Aに示すように、探査点がセル(1,3)に進み、このセル(1,3)の累積値は「49」である。このとき、セル(4,2)は、前回以前の探査点として把握される。
ここで、図160Bに示すように、前回以前の探査点として把握されるセル(4,2)は、検索領域P1-7に含まれることになったセル(2,2)に連結されるセル(3,2)に隣接するため、ここで、ラベリングされる。また、セル(4,2)は、既にラベリングされているセル(3,2)と隣接するため、セル(2,2)、セル(3,2)、セル(4,2)が連結して把握される。さらに、この連結されたセル(2,2)、セル(3,2)、セル(4,2)は、連結されたセル(5,1)、セル(6,1)、セル(7,1)と斜め方向に隣接する関係となるため、セル(2,2)、セル(3,2)、セル(4,2)、セル(5,1)、セル(6,1)、セル(7,1)が連結して把握される。
次に、図160Cに示すように、探査点がセル(2,3)に進み、このセル(2,3)の累積値は「4」である。このとき、セル(1,3)は、前回以前の探査点として把握される。
ここで、図160Dに示すように、前回以前の探査点として把握されるセル(1,3)は、検索領域P1-8に含まれることになるため、ラベリングされる。また、セル(1,3)は、既にラベリングされているセル(2,2)と隣接するため、このセル(2,2)に連結して把握され、さらに、探査点のセル(2,3)も、累積値が「4」であって、セル(2,2)に隣接するため、セル(2,3)も、セル(2,2)に連結して把握され、最終的に、セル(1,3)、セル(2,3)、セル(2,2)、セル(3,2)、セル(4,2)、セル(5,1)、セル(6,1)、セル(7,1)がすべて連結して把握される。
次に、セル(3,3)ないしセル(8,3)、セル(0,4)ないしセル(8,4)と探査を続け、これらのセルの累積値が「0」であるため、スキップされ、すべての探査が終了する。その結果、図160Eに示すように、結合して把握されたセル(即ち、セル(1,3)、セル(2,3)、セル(2,2)、セル(3,2)、セル(4,2)、セル(5,1)、セル(6,1)、セル(7,1))を含む矩形のセルからなるピクセル領域P2が求められ、このピクセル領域P2が一定面積(ここでは、3×2ピクセル)以上の領域であるため、最終的に光源候補として特定される。
上記で説明した処理を、累積画像データの全体に施すことにより、累積値がゼロでないセルの集合からなるピクセル領域を光源候補として特定することができ、このような集合が、複数あれば、複数の光源候補が特定される。
なお、本実施形態では、光源候補として特定するピクセル領域を、累積値がゼロでないセルの集合を含んだ矩形の領域としたが、累積値がゼロでないセルの集合そのものや、当該集合に基づいて得られる領域をピクセル領域として特定することもできる。
また、本実施形態では、各セルの探査において、累積値がゼロであるセルをスキップして、このような、累積値ゼロのセルが、光源候補となるピクセル領域の特定に関与しないように制御しているが、累積値が所定の値(例えば、ゼロより大きな5、10といった値)より小さなセルをスキップして、これらのセルが、光源候補となるピクセル領域の特定に関与しないようにすることもできる。
上記の光源特定処理により、光源候補のピクセル領域が複数現れると判定された場合、そのピクセル領域内における累積値の総和が最も大きい領域が、LED光源の位置として特定される。なお、本実施形態では、LED光源を1カ所とし、これに対応する1つのピクセル領域がLED光源の位置として特定される。
例えば、図157に示す累積画像データを例にとると、太線で囲まれたピクセル領域R1は、累積値が1以上であるピクセルが2×2(ピクセル)の領域に配置されているが、上述したように、3×2(ピクセル)以上の領域ではないので、光源候補になり得ない。
また、太線で囲まれたピクセル領域R2、R3は、どちらも、累積値が1以上である、3×2(ピクセル)以上の領域であり、これらが光源候補となるが、領域R2に含まれる累積値の合計は「469」であり、領域R3に含まれる累積値の合計は「162」であるため、最終的に、累積値の総和(合計)が大きい、領域R2が、LED光源の位置として特定される。
次に、ステップS4176の光源特定処理において、LED光源の位置が特定されたか否かが判定される(ステップS4177)。LED光源の位置が特定された場合(ステップS4177:NO)、処理を終了する。このように、本実施形態では、図157に示した入力画像データ、及び平均画像データが、フレームごと(間引きされたフレームごと)に更新され、それに伴って更新される差分画像データ、及び累積画像データに基づいてLED光源の位置が特定されるように構成される。
LED光源の位置が特定されない場合(ステップS4177:YES)、ステップS4178において、監視時間内か否かが判定される。本実施形態では、監視時間は、2~7秒である。監視時間内である場合(ステップS4178:YES)、ステップS4170に戻り、VSYNC割込信号の発生を待機する。監視時間内でない場合(ステップS4178:NO)、初期化処理を行う(ステップS4179)。この初期化処理は、Y、U、V成分のそれぞれの平均画像データを、ピクセルごとにそれぞれ対応する入力画像データとし、差分画像データと累積画像データをそれぞれクリアする。ステップS4179の後、ステップS4170に戻り、VSYNC割込信号の発生を待機する。
以上のような光源探査処理によって、LED光源を効果的に求めることができる。LED光源の送信信号は、周波数、振幅に特徴を有しており、外乱成分を抑制して、色、振幅、周期成分の閾値フィルタを通過させると、LED光源付近に特徴が出現する。また、送信データのパルスは広帯域に拡散しているが、背景差分(平均画像との差分)を取ると、高原付近が抽出し易くなる。またさらに、外乱成分については、時間フィルタによってある程度抑制することができる。本発明の光源探査処理は、このような原理に基づいて構築されたものであり、これによって、効果的な光源探査を実現することができる。
なお、本実施形態において、光源探査処理を実行するホストコントローラ2941、DSP回路2942、及びISP回路2945は、光出力特定手段を構成し、DSP回路2942に指示して、平均画像生成処理を実行し、平均画像データ(平均情報)を生成するホストコントローラ2941は、平均情報生成手段を構成し、DSP回路2942に指示して、差分画像生成処理を実行し、差分画像データ(差分情報)を生成するホストコントローラ2941は、差分情報生成手段を構成し、DSP回路2942に指示して、累積値算出処理を実行して累積画像データ(累積情報)を生成するホストコントローラ2941は、累積情報生成手段を構成する。
[データ表示機のイメージセンサユニットにおけるノイズ除去処理]
次に、図161ないし図164を参照して、イメージセンサユニット2811のホストコントローラ2941によって制御される除去処理について説明する。ノイズ除去処理は、演出のためのLED光源の点滅やフリッカ等のノイズを除去する処理である。
最初に、ホストコントローラ2941は、ノイズ除去遅延カウンタが10以上であるか否かを判定する(ステップS4130)。ノイズ除去遅延カウンタが10以上である場合(ステップS4130:YES)、ステップS4132において、光源画像データ取得処理を行い、時系列の観測値を求める。
この光源画像データ取得処理は、光源探査処理の光源特定処理(図156参照)で特定したピクセル領域(YUV画像データにおけるLED光源の位置)から、Y成分の値を抽出し、その平均を算出する。図157の例では、ピクセル領域R2(8×2(ピクセル))がLED光源として特定されているので、順次得られる入力画像データ(Y成分)において、この領域に対応するピクセルのそれぞれのY成分の値が合計され、その合計値が、ピクセル領域R2のピクセル数16で除算される。なお、ここでは、ピクセル領域R2に対応するY成分の値の平均値を観測値として把握するが、他の方法によって観測値を求めるようにしてもよい。例えば、ピクセル領域R2における各ピクセルの累積値等に基づいてY成分の値を重み付けをしたり、ピクセル領域R2のなかの特定のピクセルに対応するY成分の値やそれらの平均値、又は、ピクセル領域R2のなかで最も大きい値を中心として一定の領域(例えば、3×2(ピクセル))の平均値を、観測値とすることもできる。
次に、ステップS4133において、エッジ保持平滑化フィルタ処理を行い、演出に係るLED発光パターンの演出値を推定する。エッジ保持平滑化フィルタは、ドメイントランスフォームフィルタとも呼ばれ、大きなエッジの信号を保持しつつ、小さなエッジをスムージングするフィルタである。当該フィルタによって、遊技機3001から送信される送信データ(遊技状態や演出パターン等のデータ)が重畳された観測値から、演出に係るLED発光パターンを推定し、取り出すことができる。
図162は、遊技機3001から送信される送信データ(遊技状態や演出パターン等のデータ)が重畳された観測値を、概念的に示す図である。図162に示すように、YUV画像データから抽出された特定位置のY成分の値は、最大輝度値(例えば、MAX=255)から最小輝度値(例えば、MIN=0)の間で変動し、太線で表された演出に係るLED発光パターンに、送信データが重畳される。即ち、送信データに基づくLEDの発光パターンを演出に係るLED発光パターンに重畳(合成)する場合に、例えば、送信データのビットが「1」である場合は、演出に係るLEDの発光から少し明るい発光とし、送信データのビットが「0」である場合は、演出に係るLEDの発光から少し暗い発光とする。
例えば、演出に係るLED発光パターンでLEDの輝度が「128」の場合、送信データのビットがON(即ち、「1」)であれば、合成後のLED発光パターンでLEDの輝度が「130」に調整され、一方、送信データのビットがOFF(即ち、「0」)であれば、合成後のLED発光パターンでLEDの輝度が「126」に調整される。このように、送信データによって重畳される輝度値の変動幅は「2」であり、図162に示すような、最大輝度値と最小輝度値の幅に比べて極めて小さく、また、図162の太線で表された演出に係るLED発光パターンの変動幅に比べてもかなり小さいものである。
また、図162には、観測値の左端部分と右端部分がそれぞれ拡大表示されているが、これらの表示が示すように、送信データによって重畳される輝度値の変動周期は、図162の太線で表された演出に係るLED発光パターンの変動タイミング(演出によるLED発光の基本的な変動タイミング)に比べて、かなり短いものであることが分かる。
図163Aは、送信データが重畳された観測値を、より具体的な態様で示している。図163Aでは、連続的に撮像されるYUV画像データのそれぞれをフレームとして表している。そうすると、時間の経過にともなって、演出に係るLED発光パターンとして、大きなY成分の変動が存在し、それに加えて、送信データに係る、小さなY成分の変動が重畳されていることが分かる。
次に、ステップS4134において、演出発光除去処理を行う。この演出発光除去処理は、ステップS4132で取得した観測値(演出に係るLED発光パターンと遊技機3001から送信される送信データとが重畳された値)から、ステップS4133で取り出した演出値(演出に係るLED発光パターンに対応する値)を減算して、信号値を求める。
図163Bには、観測値から演出値が減算された結果求められた信号値の例が示されている。
なお、遊技機3001のランプ3305が、遊技状態や演出パターン等のデータを送信するだけの専用の光出力装置として構成される場合は、演出値が含まれないので、基準となる一定の輝度値を減算すればよい。
次に、ホストコントローラ2941は、フリッカ除去遅延カウンタが64以上であるか否かを判定する(ステップS4135)。フリッカ除去遅延カウンタが64以上である場合(ステップS4135:YES)、ステップS4137において、フリッカ除去処理を行い、フリッカ成分の除去を行う。
図164には、上記のフリッカ除去処理の様子が示されている。図164Aには、図163Bに示した演出値減算後の信号値が、点線により示されている。このように表されるデータをフーリエ変換した結果が、図164Bに示されている。このときに、例えば、蛍光灯などの外乱による100Hzや120Hzといった周波数の周期雑音のなかから信号(フリッカ成分)を抽出して抑制する。抑制されたフリッカ成分は、図164Bの点線として表されている。
次に、ホストコントローラ2941は、DSP回路2942に指示して、フーリエ逆変換を行って、フリッカが除去された信号値を生成する。図164Aに示された実線部分が、フーリエ逆変換によって生成されたパルス系列を示している。このように、フリッカ除去処理では、フーリエ変換とフーリエ逆変換を用いて、図164Aに示されるように、フリッカ成分が除去された信号値が生成される。なお、本実施形態において行われているフーリエ変換では、離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform:DFT)が採用されているが、これは、光源やイメージセンサに使用しているレンズ等の特性に応じて、他のフーリエ変換を採用することもできる。
ノイズ除去遅延カウンタが10以上でない場合(ステップS4130:NO)、ステップS4131において、ノイズ除去遅延カウンタに1加算する。また、フリッカ除去遅延カウンタが64以上でない場合(ステップS4135:NO)、フリッカ除去遅延カウンタに1加算する。図155に示したデータ受信処理で説明した通り、ノイズ除去処理遅延カウンタとフリッカ除去遅延カウンタが、規定値に達していない場合に、復号処理を行わないように制御されるが、本実施形態では、ステップS4132~ステップS4134におけるノイズ除去処理のために、10フレーム分遅延させるように制御し、ステップS4137における、フーリエ変換を用いたフリッカ除去処理のために、64フレーム分遅延させるように制御している。
ステップS4137、ステップS4131、ステップS4136の処理後、ノイズ除去処理を終了する。
[データ表示機のイメージセンサユニットにおける復号処理]
次に、図165を参照して、イメージセンサユニット2811のホストコントローラ2941によって制御される復号処理について説明する。復号処理は、ノイズ除去処理の結果得られた信号値(パルス波)に基づいて、遊技機3001から送信された送信データ(遊技状態や演出パターン等のデータ)を求める処理である。
最初に、ホストコントローラ2941は、ステップS4150において、符号化がCDMAであるか否かが判定される。この処理は、例えば、イメージセンサユニット2811のフラッシュメモリ2944に記憶されているデータに基づいて判定される。
符号化がCDMAであると判定された場合(ステップS4150:YES)、ステップS4151において、CDMA復号化処理が行われる。この処理は、ノイズ除去処理の結果得られた信号値を、CDMAにより復号化する。符号化がCDMAであるということは、図154に示す、遊技機3001におけるLED制御処理で、送信データの符号化として、CDMA符号化が利用されたということを示している。このCDMA復号化については、図166を参照して後で詳細に説明する。
一方、符号化がCDMAでないと判定された場合(ステップS4150:NO)、ステップS4152において、PSM復号化処理が行われる。この処理は、ノイズ除去処理の結果得られた信号値を、PSMにより復号化する。符号化がPSMであるということは、図154に示す、遊技機3001におけるLED制御処理で、送信データの符号化として、PSM符号化が利用されたということを示している。このPSM復号化については、図167を参照して後で詳細に説明する。
また、図165の例では、図154に示す、遊技機3001におけるLED制御処理における符号化の選択に応じて、CDMA復号化、又はPSM復号化が用いられるが、遊技機3001におけるLED制御処理において、それ以外の符号化が用いられる場合は、それに合わせて、対応する方式の復号化を用いるように構成することができる。
[符号化方式、及び復号化方式]
上述したように、本実施形態では、遊技機3001において、遊技状態や演出パターン等のデータからなる送信データを1ビット単位で符号化し、LEDの発光を介してパルス波でデータ表示機2501に送信する。また、LEDの発光を撮像した画像に基づいて受信したデータ表示機2501は、受信したパルス波から、符号との相関値を計算し、相関値が閾値以上のパルス波を、遊技機3001から受信した送信データとして認識する。
例えば、送信データが4ビットのデータ「0011」である場合に、ビット「1」に符号ビット「0101」を割り当て、ビット「0」に、ビット「1」に対応する符号ビットを反転させた符号ビット「1010」を割り当てると、符号化後の送信データは、ビット列「1010,1010,0101,0101」となる(なお、ビット中のコンマは、送信データの4ビットを分かり易く区切るため、便宜上挿入されたものである)。
このような符号化後のビット列は、符号の開始位置が不明瞭であり、さらに、4ビットのウインドウサイズで処理を行うためにビット列のデータをスライドさせると、ウインドウに同じ符号が出現し、符号との相関値が高くなってしまうという、復号時の問題点を含んでいる。
そこで、本実施形態では、符号の開始位置が分かり易い(即ち、同期を取り易い)符号であって、自己相関、及び相互相関が低くなる符号を選択することが重要となる。なお、自己相関とは、信号が、その信号自体を時間シフトした場合の信号とどれだけ良く整合するかを測る尺度であり、相互相関は、2つの信号の類似性を表す尺度である。
上述した復号時の問題を解決するため、本実施形態では、CDMA符号化において、独自の拡散符号を採用する。CDMA符号化は、同一の周波数帯域内で2つ以上の通信(多元接続)を行うために用いる方式である。
ここで、CDMA符号を以下のような観点により設定する。
A.自己相関、及び相互相関の低いCDMA符号を選択する。即ち、反転させた際の自己相関、相互相関がともに小さくなるような拡散符号であって、ウインドウ(処理単位等に基づく区切り窓)をスライドさせた場合の相関値が小さくなる拡散符号を採用する。
B.16ビット拡散符号を2種類用意する。即ち、ウインドウをスライドさせた場合の相関値が低くなるように2つの拡散符号を配置する。
C.送信データの先端の1ビットのみ32ビット拡散符号を対応付け、残りのビットには16ビット拡散符号を対応付ける。このように構成することで、送信データの開始位置を明確に把握することができる。
図166には、上記の拡散符号を用いたCDMA符号化の例が示されている。図166Aには、送信データのビットに応じて設定された先端32ビット符号、及び2つの16ビット符号(16ビット符号(1)と16ビット符号(2))が(16進数で)それぞれ示されている。送信データの先端ビットが「1」の場合、これに対応付けられる先端32ビット符号は、「36553cca」であり、「0」の場合は「c9aac335」である。また、送信データの先端ビット以外のビットが「1」の場合、これに対応付けられる16ビット符号(1)は、「3c35」であり、16ビット符号(2)は、「91da」である。また、送信データの先端ビット以外のビットが「0」の場合、これに対応付けられる16ビット符号(1)は、「c3ca」であり、16ビット符号(2)は、「6e25」である。
ここで、送信データのビットが「1」である場合の先端32ビット符号、16ビット符号(1)、及び16ビット符号(2)はそれぞれ、送信データのビットが「0」である場合には、ビット「0」とビット「1」を反転した値となっている。
例えば、送信データの対応ビットが「1」の場合の16ビット符号(1)は、図166Aで示されているように、「3c35」であり、2進数では「0011110000110101」と表される。一方、送信データの対応ビットが「0」の場合の16ビット符号(1)は、図166Aで示されているように、「c3ca」であり、2進数では「1100001111001010」と表され、両者の2進数表現を比較すると、対応する各桁で、ビット「1」とビット「0」が反転する関係になっていることがわかる。
図166Bは、送信データに、どのような符号の並びが対応付けられるかを示したものである。先端32ビット符号、16ビット符号(1)、16ビット符号(2)はそれぞれ、「先端」、「(1)」、「(2)」との表記で示されている。ここでは、送信データが2バイトのデータとして示されている。送信データの最初のビット(第1ビット)には、先端32ビット符号が配置され、そのビットが「1」であれば、図166Aで示した、ビット「1」に対応する先端32ビット符号「36553cca」が対応付けられ、そのビットが「0」であれば、図166Aで示した、ビット「0」に対応する先端32ビット符号「c9aac335」が対応付けられる。
送信データの第2ビットには、16ビット符号(1)が配置され、そのビットが「1」であれば、図166Aで示した、ビット「1」に対応する16ビット符号(1)「3c35」が対応付けられ、そのビットが「0」であれば、図166Aで示した、ビット「0」に対応する16ビット符号(1)「c3ca」が対応付けられる。さらに、送信データの第3ビットには、16ビット符号(2)が配置され、そのビットが「1」であれば、図166Aで示した、ビット「1」に対応する16ビット符号(2)「91da」が対応付けられ、そのビットが「0」であれば、図166Aで示した、ビット「0」に対応する16ビット符号(2)「6e25」が対応付けられる。以降、同様に、図166Bに示す符号の並びと、対応するビットの内容にしたがって、送信データの符号化が行われる。
上記のような方式によって符号化を行った結果が、図166Cに示されている。図166Cの例1では、送信データ(誤り符号化処理が行われた2バイトの誤り訂正符号「c53a」(16進数))を上述の符号化により変換し、最下行に示すCDMA符号化データが得られる。なお、このCDMA符号化データは、16進数で表記されており、最終的には、34バイト(272ビット)長のデータとなる。
例えば、例1の場合、第1ビット(B0)は、「1」であるため、ビット「1」に対応する先端32ビット符号「36553cca」が対応付けられ、第2ビット(B1)は、「1」であるため、ビット「1」に対応する16ビット符号(1)「3c35」が対応付けられ、第3ビット(B2)は、「0」であるため、ビット「0」に対応する16ビット符号(2)「6e25」が対応付けられ、以降、同様の方式で対応付けが行われる。
図166Cの例2では、異なる送信データに関する符号化の例が示されている。ここでは、誤り符号化処理が行われた2バイトの誤り訂正符号「453a」(16進数)を上述の符号化により変換し、最下行に示すCDMA符号化データが得られる。なお、このCDMA符号化データは、16進数で表記されており、最終的には、34バイト(272ビット)長のデータとなる。
例2の送信データ(誤り訂正符号「453a」)は、例1の送信データ(誤り訂正符号「c53a」)とビットの並びを比べると、第1ビットのみが異なるデータとなっている。そのため、第1ビット(B0)は、ビット「0」に対応する先端32ビット符号「c9aac335」が対応付けられ、残りのビットについては、例1と同様の符号化が行われる。
なお、本実施形態では、図166Aに示すように、先端32ビット符号、及び2つの16ビット符号(16ビット符号(1)、16ビット符号(2))を、送信データのビットの内容に応じてそれぞれ定義しているが、このような各符号の値に限定されるものではなく、他の値で構成される符号の組合せを用いて本願の効果を奏するようにすることができる。
また、図166Bに示す符号の並びについても、他の様々なパターンを用いて、本願の効果を奏するようにすることができる。また、図166Cに示すような、CDMA符号化データを生成するための符号化処理において、送信データ(誤り訂正符号)の並びをビット単位、又はその他の単位で並び替えてから、当該符号化処理を行うようにしてもよい。
このような、CDMA符号化データを用いることにより、符号の開始位置が明りょうになり、区切り窓をスライドさせた場合の相関値が小さくなるという、好ましい符号化が実現される。
CDMA復号化は、上記のような符号化のプロセスを逆に実行することにより、好適に、元の送信データを把握することができる。
次に、PSM符号化において、上述した復号時の問題を解決するための本実施形態での対応について説明する。PSM符号化は、マンチェスタ符号を用いるものであり、このマンチェスタ符号は、ビット「0」、ビット「1」がそれぞれ、低レベルから高レベルへの遷移、高レベルから低レベルへの遷移で表される(逆の対応関係で設定される場合もある)。
ここで、マンチェスタ符号を以下のような観点により設定する。
A.送信データの1ビットを2ビットで表現する。このように構成することで、符号が単調になるのを回避し、ノイズを符号として認識してしまうことを抑止する。
B.プリアンブル(同期信号)を導入する。即ち、1つの送信データに、32ビット長のプリアンブルを導入し、そのプリアンブルを複雑なものとする。このように構成することで、信号の開始位置が明りょうになり、復号化の際の識別率を向上させることができる。
本実施形態では、送信データのビット「1」を2ビットの「01」に符号化し、送信データのビット「0」を2ビットの「10」に符号化したマンチェスタ符号が使用される。
図167は、上記のマンチェスタ符号を用いたPSM符号化の例を示している。図167Aには、送信データ(誤り訂正符号)の例が示されている。この送信データは、図166Cで示した誤り訂正符号と同じ、2バイトのデータ「c53a」(16進数)である。
図167Bは、図167Aに示した送信データ「c53a」を符号化した例を示している。符号化処理の結果、得られたデータの先頭には、プリアンブルとして、2ビットの「10」が15回繰り返された後、2ビットの「01」が1回付加されたビット列が配置されている。その後に、送信データの各ビットに対応したマンチェスタ符号が配置される。その結果得られる、PSM符号化データは、8バイト(64ビット)長のデータとなる。
このような符号化により、符号化データを複雑なものとし、ノイズが符号として認識されてしまうことを抑止するとともに、プリアンブルにより、信号の開始が明りょうとなり、復号化の際の識別率を向上させることができる。
PSM復号化は、上記のような符号化のプロセスを逆に実行することにより、好適に、元の送信データを把握することができる。
以上、本発明の第10実施形態に係る遊技システムについて説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。また、第3実施形態~第9実施形態に記載された実施形態、及び変形例に対して適用することができるものである。また、データ表示機2501は、第3実施形態~第9実施形態において示された遊技用装置や遊技用表示装置であってもよく、さらに、遊技媒体貸出装置や、遊技機に設ける遊技機装飾用のユニット等を含む様々な遊技用装置とすることができる。
また、遊技用表示装置に関しては、遊技機ごとに異なるスクリーンユニットを適用してもよいし、いわゆる島単位に同種のスクリーンユニットを適用するようにしてもよい。
また、遊技用表示装置としては、透過型のプロジェクタ装置として構成されるとともに、スクリーンの形態が異なるスクリーンユニットに取り替え可能な構成であればよく、例えば筐体の上面あるいは側面にプロジェクタ本体を設置するようにしてもよい。また、例えばリフレクタを用いずにプロジェクタ本体から投射された光がスクリーンの背面側の入射面に直接入射するようにしてもよい。
スクリーンユニットの取り替え可能な種類は、上記実施形態の3種類に限らず、スクリーンの形態が異なるものであれば2種類でも4種類以上でもよい。また、スクリーンの形態に限らず、スクリーンの素材が異なるようにしてもよい。
発光面の位置は、前面の左右両端部に限らず、例えば前面の上部や下部、あるいは側面であってもよい。
第2表示面は、先述した形状に限らず、第1表示面より前方に厚みをもつものであれば、例えば平行四辺形、ひし形、あるいは円形の形状であってもよい。
ボタンを含む操作ユニットは、スクリーンユニットに一体的に設けるようにしてもよい。
スクリーンユニットを取り替える際には、スクリーンの形態や特性が異なることから投影像に対応する投影データの変更や投影像の光学補正が必要な場合がある。このような場合に対処すべく、遊技用表示装置の制御ユニットには、各スクリーンの形態等に応じた投影像データや光学補正データに係る設定情報を予め記憶しておき、スクリーンごとに対応する設定情報を呼び出して適用するようにしてもよい。
また、スクリーンユニットの取り替えに際して対応する設定情報を適用可能な構成を実現するためには、(1)LED基板(ケーブル)の接続有無を制御ユニットで判定する処理を設けたり、(2)スクリーンユニットに別途制御装置を設け、スクリーンユニットの取り替え後で筐体の制御ユニットの起動時、その制御装置から制御ユニットに特定のコマンドを送信し、いずれのスクリーンユニットにおける制御装置が接続されたかを制御ユニットにおいて判定する処理を設けたり、(3)操作ユニットのボタンを操作することで設定画面を表示させ、この設定画面において管理者が取り替え後のスクリーンユニットの種類を設定情報として入力可能とすればよい。
このような設定情報は、一の画像データをどのような投影方式(方法)で投影するのかを決定付ける情報といえる。また、設定情報は、ホールコンピュータとしてのサーバ装置から変更可能としてもよいし、マスタースレーブ方式によって一の遊技用表示装置において変更された場合に他の遊技用表示装置でも同様に変更されるようにしてもよい。
[遊技機の拡張性]
第3実施形態~第10実施形態の遊技機では、遊技者のメダルの投入操作(即ち、手持ちのメダルをメダル投入口に対して投入する操作、あるいは、クレジットされたメダルをMAXベットボタン、若しくは1ベットボタンを操作して投入する操作)により遊技が開始され、遊技が終了したときにメダルの払い出しがある場合には、ホッパー装置が駆動してメダル払出口からメダルが払い出され、あるいは、クレジットされる形態について説明したが、これに限られるものではない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技媒体が投入され、それに基づいて遊技が行われ、その遊技の結果に基づいて特典が付与(例えば、メダルが払い出される)形態全てについて、本発明を適用することができる。即ち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が投入され(掛けられ)、遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路(主制御基板)自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、メダルレスで遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路(主制御基板)に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
この場合、遊技媒体管理装置は、ROM、及びRWM(あるいは、RAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱装置と所定のインターフェースを介して双方向通信可能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(即ち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(即ち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行う上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、又は遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、遊技機の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。即ち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合のほか、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられる場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンター等に持っていくか、又は他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機、又は遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金、又は現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機、又は遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置、又は遊技媒体管理装置に対し遊技媒体、又は有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知りえない情報を設定することや遊技機、又は遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記憶するようにしてもよい。
なお、この遊技媒体管理装置は、上述のように、メダルレスでのみ遊技を可能とするものであってもよいし、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が投入され(掛けられ)、遊技媒体が払い出される形態、及びメダルレスで遊技を可能とする形態、双方の形態で遊技を可能とするものであってもよい。この場合には、遊技媒体管理装置が、上述のセレクタ4461やホッパー装置4040を直接的に制御する方式を採用することもできるし、これらが主制御回路(主制御基板)によって制御され、その制御結果が送信されること基づいて、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示する制御を行い得る制御を可能とする方式を採用することもできる。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチスロ遊技機に適用する場合について説明しているが、上述した遊技球を用いるスロットマシンや封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部のセレクタやホッパー装置等を減らすことができ、遊技機の原価、及び製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、装置を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。即ち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
<第11実施形態>
以上、第1実施形態~第10実施形態について説明した。以下、第11実施形態について説明する。第11実施形態に係る遊技システムPS100の基本的な構成は、第10実施形態に係る遊技システムPS100と同じである。以下においては、第10実施形態に係る遊技システムPS100の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態~第10実施形態における説明が第11実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
[遊技システムPS100]
図168は、第11実施形態に係る遊技システムを示す図である。
遊技システムPS100は、遊技機3001とデータ表示機2501と管理サーバ3905とを備える。第10実施形態と同様に、データ表示機2501は、遊技機3001の上側に配置されている。また、データ表示機2501は、管理サーバ3905と通信可能なように構成されている。
第10実施形態では、遊技機3001がその上部にランプ3305を備えていることとして説明した(図149参照)。これに対し、図168に示すように、本実施形態において、遊技機3001は、その上部に、ランプ3305として、ランプ3305a及びランプ3305bを備えている。
第10実施形態と同様に、本実施形態においても、データ表示機2501は、イメージセンサユニット2811を備えている。イメージセンサユニット2811は、CMOSイメージセンサを備えており、ランプ3305a及びランプ3305bを含む画像を所定の時間間隔で撮像することができるようになっている。
ランプ3305a及びランプ3305bは、それぞれ、フルカラーLEDを有して構成されており、白色、赤色、黄色、黄緑色、緑色、青緑色、青色、紫色、赤紫色、及び、桃色を含む複数種類の色を発することが可能である。
本実施形態において、遊技機3001は、ランプ3305a及びランプ3305bをそれぞれ、遊技機3001の状態に応じた色で点灯させることが可能なように構成されている。すなわち、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せが遊技機3001の状態と対応することとなる(図169参照)。本明細書では、「ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せ」をランプ3305の点灯パターンとも表記する。
データ表示機2501は、CMOSイメージセンサでランプ3305a及びランプ3305bを撮像することにより、ランプ3305aの発光色及びランプ3305bの発光色を認識することができる。これにより、データ表示機2501は、遊技機3001におけるランプ3305の点灯パターン(遊技機3001の状態)に応じた態様で、液晶ディスプレイ2502、LED2503、スピーカ2504等を制御したり、管理サーバ3905と通信を行ったりする。
[ランプ3305の点灯パターン]
図169は、ランプの点灯パターンについて説明するための図である。
ランプ3305の点灯パターンとしては、多数の点灯パターンが設けられているが、図169では、一部の点灯パターンについて示している。図中、「LED左」は、ランプ3305aを示し、「LED右」は、ランプ3305bを示している。
「パターン1」においては、ランプ3305aが赤色に発光し、ランプ3305bが青緑色に発光する。「パターン1」は、電源がOFFとなっている状態で前扉が開けられたことが検知された場合に出現する点灯パターンである。本実施形態に係る遊技機3001としては、第3実施形態に係るパチスロ機4001と同様の構成を採用することが可能であり、この場合、前扉は、上ドア5062a又は下ドア5062b(図108参照)である。なお、電源がOFFのときにはランプ3305a及びランプ3305bを点灯させることができないところ、電源が投入されたときに常時監視の(ドアの開閉状態を常時監視している)ドア監視ユニットにより上記検知が行われた旨の情報を受けた場合に、電源投入後の所定のタイミングにて、ランプ3305a及びランプ3305bが当該パターンにより点灯することとなる。
「パターン2」においては、ランプ3305aが赤色に発光し、ランプ3305bが緑色に発光する。「パターン2」は、前扉が閉じられた状態で設定変更又は設定確認が行われた可能性が検知された場合に出現する点灯パターンである。
パチスロ機4001における設定変更操作は、まず(1)電源をOFFに更新し、電源がOFFになった後に、(2)所定の鍵を用いて設定用鍵型スイッチ4430をONにセットする。その後、(3)電源をONに戻し、(4)設定変更のための所定の操作を行い、最後に(5)所定の鍵を用いて設定用鍵型スイッチ4430をOFFに戻す。このようにパチスロ機4001では、設定変更を行う場合、設定用鍵型スイッチ4430の操作よりも前に、まず、電源をOFFにする必要がある。なお、電源をONのままの設定用鍵型スイッチ4430を操作すると、現在の設定値を確認する設定確認操作となる。
「パターン3」においては、ランプ3305aが赤色に発光し、ランプ3305bが赤紫色に発光する。「パターン3」は、ホッパーエンプティが発生したことが検知された場合に出現する点灯パターンである。第2実施形態で説明したように、ホッパーエンプティは、ホッパー装置のメダルが底をつくことを指す。
「パターン4」においては、ランプ3305aが赤色に発光し、ランプ3305bが黄緑色に発光する。「パターン4」は、メダルオーバーフローが発生したことが検知された場合に出現する点灯パターンである。第2実施形態で説明したように、メダルオーバーフローは、メダル補助収納庫が一杯になることを指す。
「パターン1」~「パターン4」は、それぞれ、「エラー用パターン」の一例である。エラー用パターンは、遊技機3001において異常(エラー)が検知された場合に出現する点灯パターンである。
「パターン10」においては、ランプ3305aが黄色に発光し、ランプ3305bが赤色に発光する。「パターン10」は、キャラクタAによるカスタム遊技が開始された場合に出現する点灯パターンである。「パターン11」においては、ランプ3305aが黄色に発光し、ランプ3305bが黄緑色に発光する。「パターン11」は、キャラクタBによるカスタム遊技が開始された場合に出現する点灯パターンである。「パターン12」においては、ランプ3305aが黄色に発光し、ランプ3305bが緑色に発光する。「パターン12」は、キャラクタCによるカスタム遊技が開始された場合に出現する点灯パターンである。
「パターン10」~「パターン12」は、それぞれ、「カスタム開始用パターン」の一例である。カスタム開始用パターンは、カスタム遊技が開始された(カスタム開始操作が行われた)場合に出現する点灯パターンである。カスタム遊技(キャラクタのカスタマイズ)については、後に図171及び図172を用いて説明する。
「パターン20」においては、ランプ3305aが黄色に発光し、ランプ3305bが桃色に発光する。「パターン20」は、カスタム遊技が終了された(カスタム終了操作が行われた)場合に出現する点灯パターン(カスタム終了用パターン)である。
「パターン30」においては、ランプ3305aが黄緑色に発光し、ランプ3305bが桃色に発光する。「パターン30」は、AT中且つカスタム遊技が行われていない状態において出現する点灯パターンである。「パターン31」においては、ランプ3305aが黄緑色に発光し、ランプ3305bが緑色に発光する。「パターン31」は、AT中且つキャラクタAによるカスタム遊技が行われている状態において出現する点灯パターンである。「パターン32」においては、ランプ3305aが黄緑色に発光し、ランプ3305bが青緑色に発光する。「パターン32」は、AT中且つキャラクタBによるカスタム遊技が行われている状態において出現する点灯パターンである。「パターン33」においては、ランプ3305aが黄緑色に発光し、ランプ3305bが青色に発光する。「パターン33」は、AT中且つキャラクタCによるカスタム遊技が行われている状態において出現する点灯パターンである。
「パターン30」~「パターン33」は、それぞれ、「AT中用パターン」の一例である。AT中用パターンは、AT中に出現する点灯パターンである。AT中用パターンは、遊技中演出用パターン(遊技中に行われる演出に応じた点灯パターン)の一例である。なお、AT中には、液晶表示装置やスピーカ等により所定の演出が行われるため、AT中用パターンは、該所定の演出が行われるときに出現する点灯パターンであると言うこともできる。
「パターン40」においては、ランプ3305aが緑色に発光し、ランプ3305bが桃色に発光する。「パターン40」は、カスタム遊技が行われていない状態でATが開始されるときに出現する点灯パターンである。「パターン41」においては、ランプ3305aが緑色に発光し、ランプ3305bが赤色に発光する。「パターン41」は、キャラクタAによるカスタム遊技が行われている状態でATが開始されるときに出現する点灯パターンである。「パターン42」においては、ランプ3305aが緑色に発光し、ランプ3305bが黄色に発光する。「パターン42」は、キャラクタBによるカスタム遊技が行われている状態でATが開始されるときに出現する点灯パターンである。「パターン43」においては、ランプ3305aが緑色に発光し、ランプ3305bが黄緑色に発光する。「パターン43」は、キャラクタCによるカスタム遊技が行われている状態でATが開始されるときに出現する点灯パターンである。
「パターン40」~「パターン43」は、それぞれ、「AT開始用パターン」の一例である。AT開始用パターンは、ATが開始される(ATに突入する)ときに出現する点灯パターンである。AT開始用パターンは、遊技中演出用パターンの一例である。なお、ATが開始されるときには、液晶表示装置やスピーカ等により所定の演出が行われるため、AT開始用パターンは、該所定の演出が行われるときに出現する点灯パターンであると言うこともできる。
「パターン50」においては、ランプ3305aが赤紫色に発光し、ランプ3305bが赤色に発光する。「パターン50」は、演出Aが行われるときに出現する点灯パターンである。「パターン51」においては、ランプ3305aが赤紫色に発光し、ランプ3305bが黄色に発光する。「パターン51」は、演出Bが行われるときに出現する点灯パターンである。「パターン52」においては、ランプ3305aが赤紫色に発光し、ランプ3305bが黄緑色に発光する。「パターン52」は、演出Cが行われるときに出現する点灯パターンである。
「パターン50」~「パターン52」は、それぞれ、「遊技中演出用パターン」の一例である。演出A~Cは、スタートレバーが操作されたときに内部当籤役の種別に基づいて行われる演出である。演出A~Cとしては、例えば、ATへの移行が確定する役やレア役、ボーナス役等が内部当籤役として決定されたときに行われる演出を採用することができる。
以上で説明したように、遊技中演出用パターンとしては、所定の遊技状態(例えば、AT、ART、BB等)中に出現する点灯パターン、所定の遊技状態(例えば、AT、ART、BB等)が開始するときに出現する点灯パターン、スタートレバーが操作されたときに出現する点灯パターンの他、所定の遊技状態(例えば、AT、ART、BB等)が終了するときに出現する点灯パターンや、有効ラインに沿って図柄の組合せが停止表示されたときに出現する点灯パターン等が設けられている。
また、遊技中演出用パターンには、ランプ3305a及びランプ3305bが所定の色で点灯した状態が1回の単位遊技のなかで発生する(当該状態が次回の単位遊技に持ち越されない)点灯パターン、及び、ランプ3305a及びランプ3305bが所定の色で点灯した状態が複数の単位遊技に亘って継続する点灯パターンが含まれる。例えば、「パターン50」~「パターン52」は、ランプ3305a及びランプ3305bが所定の色で点灯した状態が1回の単位遊技のなかで発生する点灯パターンであり、「パターン50」においては、スタートレバーが操作されたことを契機としてランプ3305aが赤紫色に発光しランプ3305bが赤色に発光した後、当該単位遊技が終了するまでに、ランプ3305aの赤紫色での発光及びランプ3305bの赤色での発光は終了する。また、「パターン30」~「パターン33」は、ランプ3305a及びランプ3305bが所定の色で点灯した状態が複数回の単位遊技に亘って継続する点灯パターンであり、「パターン30」においては、ランプ3305aの黄緑色での発光及びランプ3305bの桃色での発光が、ATが終了するまで継続する。
なお、図示しないが、デモ画面の表示中や、非カスタム時の通常中(キャラクタのカスタマイズが行われておらず、且つ、特定の演出が発生しない場合)には、ランプ3305a及びランプ3305bがともに白色に発光する。特定の演出は、図169に示すようなパターンでランプ3305a及びランプ3305bを点灯させる契機(点灯パターンの変更要因)となる演出である。すなわち、カスタム遊技が行われていない状態においては、基本的に、ランプ3305a及びランプ3305bがともに白色に点灯することとなる。
[機種識別用パターン]
図170は、機種識別用パターンについて説明するための図である。
ランプ3305の点灯パターンとしては、図169を用いて説明した点灯パターン以外に、図170に示す機種識別用パターンが設けられている。機種識別用パターンは、遊技機3001の属する機種に応じた点灯パターンであり、データ表示機2501又は管理サーバ3905に当該機種を認識させるために用いられる。
遊技機3001において電源が投入され、所定の初期化処理が実行された後、図170に示すパターンでランプ3305a及びランプ3305bが点灯することとなる。通常、ホール(遊技店)においては、島単位で遊技機及び周辺機器を一斉に立ち上げる方法を採るのが一般的である。これにより、周辺機器(データ表示機2501)側の初期化処理は、遊技機(遊技機3001)側の初期化処理よりも先に完了し、ランプ3305a及びランプ3305bが点灯する時点で、データ表示機2501のカメラ(CMOSイメージセンサ)は、立ち上がった状態となっている。従って、データ表示機2501は、図170に示す機種識別用パターンを取りこぼすことなく認識することができる。
具体的に、機種識別用パターンにおいては、まず、第1ステップとして、ランプ3305aが白色に発光するとともにランプ3305bが白色に発光し、その状態が10秒間継続する。続いて、第2ステップとして、ランプ3305aが青緑色に発光するとともにランプ3305bが青緑色に発光した状態が1秒間継続し、同様に、第3ステップとして、ランプ3305aが桃色に発光するとともにランプ3305bが桃色に発光した状態が1秒間継続し、第4ステップとして、ランプ3305aが緑色に発光するとともにランプ3305bが緑色に発光した状態が1秒間継続し、第5ステップとして、ランプ3305aが赤紫色に発光するとともにランプ3305bが赤紫色に発光した状態が1秒間継続し、第6ステップとして、ランプ3305aが黄緑色に発光するとともにランプ3305bが黄緑色に発光した状態が1秒間継続し、第7ステップとして、ランプ3305aが紫色に発光するとともにランプ3305bが紫色に発光した状態が1秒間継続し、第8ステップとして、ランプ3305aが黄色に発光するとともにランプ3305bが黄色に発光した状態が1秒間継続し、第9ステップとして、ランプ3305aが青色に発光するとともにランプ3305bが青色に発光した状態が1秒間継続し、第10ステップとして、ランプ3305aが赤色に発光するとともにランプ3305bが赤色に発光した状態が1秒間継続する。
続いて、第11ステップとして、ランプ3305aが青色に発光するとともにランプ3305bが青色に発光した状態が1秒間継続し、第12ステップとして、ランプ3305aが赤色に発光するとともにランプ3305bが青色に発光した状態が1秒間継続し、第13ステップとして、ランプ3305aが青色に発光するとともにランプ3305bが赤色に発光した状態が1秒間継続する。
第11ステップにおける点灯パターンは、遊技機3001を製造したメーカー(メーカー情報)に対応しており、例えば、第11ステップとしてランプ3305aが青色に発光するとともにランプ3305bが青色に発光することは、遊技機3001が遊技機メーカーX社の製品であることを示している。また、第12ステップ及び第13ステップにおける点灯パターンは、遊技機3001の属する機種(機種情報)に対応しており、例えば、第12ステップとしてランプ3305aが赤色に発光するとともにランプ3305bが青色に発光し、第13ステップとしてランプ3305aが青色に発光するとともにランプ3305bが赤色に発光することは、遊技機3001が機種Aに属することを示している。
なお、ランプ3305a及びランプ3305bは、第11ステップ~第13ステップにおいてメーカー情報及び機種情報に応じたパターンで点灯する前に、第1ステップ~第10ステップにおいて所定のパターン(学習用パターン)で点灯するように構成されている。
[キャラクタのカスタマイズ]
図171(A)は、液晶表示装置に表示されるメニュー画面の概要を示す図である。図171(B)は、メニュー画面の構成例を示す図である。図172は、キャラクタのカスタマイズを行うためのキャラクタカスタマイズ画面を示す図である。
副制御部3302(図150参照)は、遊技が行われていない状況で操作ボタンの決定ボタンが操作されると、図171(A)に示すメニュー画面を呼び出し、液晶表示装置に表示する。図示しないが、操作ボタンは、十字キー及び決定ボタンを含み、遊技者が十字キーを操作すると、選択カーソルが操作された方向に移動し、遊技者が決定ボタンを操作すると、選択カーソルが指し示している項目が選択(決定)される。液晶表示装置は、サブデバイス群3304(図150参照)に含まれる。なお、図171及び図172に示す画面(キャラクタカスタマイズ画面を含む)は、液晶表示装置とは別途設けられた専用のタッチパネル液晶に表示することとしてもよい。
図171(B)に示すように、メニュー画面には、メインメニューとして「カスタム遊技」「音量調整」「遊技データ」「配当・配列」「専用サイト」が設けられ、一部のメインメニューには更に詳細なサブメニューが設けられている。例えば、メインメニュー「カスタム遊技」には、サブメニュー「キャラ選択」「かんたんスタート」「パスワードを入力」「途中記録を見る」「記録して終了」「会員登録」が設けられる。
サブメニュー「キャラ選択」は、液晶表示装置上で行う演出に用いるキャラクタのカスタマイズ(カスタム)を行うメニューである。
サブメニュー「かんたんスタート」~「会員登録」は、遊技者の登録遊技に関して用いられるメニューである。近年のパチスロ機では、遊技を行う遊技者の登録を行うことで、登録を行わない遊技者に比べて出玉には影響のない特典を付与することがある。具体的には、副制御部3302は、遊技者の登録を行った場合には、登録を行った後の遊技の履歴(例えば、ボーナス回数や小役の当籤確率といった遊技履歴に加え、実行した演出の演出履歴なども含む)を管理し、この履歴に基づいて一定の特典を付与する。この遊技の履歴は、今回の遊技に関するものだけでなく、前回行った遊技に関するものも含めることが可能である。具体的には、遊技者毎の遊技の履歴をサーバ上で管理しておき、遊技を行う際に携帯電話などを介してサーバから遊技機に遊技の履歴を通知することで、前回の遊技の履歴を引き継いで遊技を行うことができる。
サブメニュー「かんたんスタート」は、前回の遊技の履歴は引き継ぐことなく今回の遊技の履歴の蓄積のみを行う場合、すなわち簡易的なログインを行うために操作されるメニューである。また、サブメニュー「パスワードを入力」は、前回の遊技の履歴を引き継ぎつつ今回の遊技の履歴を更に蓄積する場合、すなわち正式なログインを行うために操作されるメニューである。ここで、簡易的なログインは、サブメニュー「かんたんスタート」が操作されるだけで完了する一方で、正式なログインは、会員登録を行ったうえで、遊技機3001にパスワードを入力することで行われる。そのため、簡易的なログインと正式なログインとを比較すると、簡易的なログインは正式なログインよりも簡易な登録手順であるといえ、反対に、正式なログインは簡易的なログインよりも煩雑な登録手順であるといえる。
サブメニュー「途中記録を見る」は、ログイン(簡易又は正式)を行っている場合に、それまでに蓄積した遊技の履歴の途中記録を確認する場合に操作されるメニューである。サブメニュー「記録して終了」は、ログイン(簡易又は正式)を行っている場合に、それまでに蓄積した遊技の履歴をサーバ上に記録する場合に操作されるメニューである。これらサブメニュー「途中記録を見る」「記録して終了」が操作されると、蓄積した遊技の履歴が遊技機3001から遊技者の携帯電話やサーバ上に読み出される。また、サブメニュー「会員登録」は、サーバ上に遊技者の初期登録を行うために操作されるメニューである。
図172に示すキャラクタカスタマイズ画面では、「キャラクタ」選択欄と「コスチューム」選択欄と「ポーズ」選択欄と「アクセサリー」選択欄とが設けられ、それぞれの選択欄には選択可能な複数のアイコンが設けられる。遊技機3001では、決定アイコンが操作されたタイミングでそれぞれの選択欄において選択されていたアイコン内容に基づいて、キャラクタがカスタマイズされる。
「キャラクタ」選択欄は、キャラクタを選択するために用いられ、副制御部3302は、複数種類のキャラクタの中から「キャラクタ」選択欄において選択された一のキャラクタを決定する。また、「コスチューム」選択欄は、キャラクタのコスチュームを選択するために用いられ、「ポーズ」選択欄は、キャラクタのポーズを選択するために用いられ、「アクセサリー」選択欄は、キャラクタのアクセサリーを選択するために用いられる。「コスチューム」選択欄~「アクセサリー」選択欄は、それぞれキャラクタの表示態様(コスチューム、ポーズ、アクセサリー)に関するカスタマイズを行うために用いられる。副制御部3302は、対応する選択欄に応じた複数の表示態様の中から、当該選択欄において選択された一の表示態様を決定する。
このキャラクタカスタマイズ画面において、遊技者は、液晶表示装置の全面に設けられたタッチパネルに対するタッチ操作、又は、操作ボタンを用いたボタン操作を行うことにより、キャラクタのカスタマイズを行うことができる。キャラクタのカスタマイズが行われると、副制御部3302は、「コスチューム」選択欄において選択したコスチューム、及び「アクセサリー」選択欄において選択したアクセサリーを身に着けた「キャラクタ」選択欄において選択したキャラクタを、「ポーズ」選択欄において選択したポーズで、液晶表示装置に表示する。
カスタム遊技では、カスタマイズの内容に応じたキャラクタを用いた演出が行われる。カスタム遊技は、決定アイコンが操作される(カスタム開始操作が行われる)ことにより開始し、終了アイコン(図示せず)が操作される(カスタム終了操作が行われる)ことにより終了する。
なお、キャラクタのカスタマイズは、遊技者の所有する携帯端末機(例えば、図178に示す携帯端末機3950)を操作することにより行うことができるようにしてもよい。例えば、所定の方法で会員登録を行った遊技者が、携帯端末機において所定のアプリケーションを起動させた状態で、キャラクタカスタマイズ画面(図172と同様の画面)を携帯端末機に表示させ、当該キャラクタカスタマイズ画面上にて、携帯端末機に対してタッチ操作又はボタン操作を行うことにより、キャラクタのカスタマイズを行うことができるように構成してもよい。この場合、カスタマイズの内容は、管理サーバ3905を介して遊技機3001に送信可能なように構成してもよいし、非接触式短距離通信(NFC通信)等により携帯端末機から遊技機3001に直接送信可能なように構成してもよい。
[ランプ制御処理(電源投入時)]
図173は、遊技機において行われるランプ制御処理(電源投入時)を示すフローチャートである。
図173に示すランプ制御処理(電源投入時)は、遊技機3001に電源が投入されたときに副制御部3302において行われる処理である。
ランプ制御処理(電源投入時)において、まず、副制御部3302は、電源がOFFとなっている状態で(電断中に)前扉(上ドア4062a又は下ドア4062b)が開けられたか否かを判断する(ステップS4201)。本実施形態に係る遊技機3001としては、第2実施形態に係るパチスロ機1と同様の構成を採用することが可能であり、主制御部3301(図150参照)には、ドア中継端子板4460を介してドア開閉監視スイッチ4462(図109参照)が接続されている。ドア開閉監視スイッチ4462は、電源がOFFとなっている状態における前扉の開閉状態を監視することが可能な24Hドア監視ユニットを構成しており、前扉が開放された場合には、その旨が記憶される。前扉の開閉状態を示す情報は、主制御部3301から副制御部3302へコマンドとして送信され、副制御部3302は、電源がOFFとなっている状態における前扉の開閉状態を認識することができる。
電源がOFFとなっている状態で前扉が開けられたと判断した場合、副制御部3302は、図169に示す「パターン1」によりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306(図150参照)を制御する(ステップS4202)。これにより、ランプ3305aが赤色に発光し、ランプ3305bが青緑色に発光する。ステップS4202の処理を実行した後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
なお、電源がOFFとなっている状態で前扉が開けられた場合には、ゴト行為(例えば、不正な設定変更操作)が行われた可能性がある。ここで、電源がOFFとなっている状態における前扉の開閉状態は、所定の操作を行うことにより、ホールメニューにおいて液晶表示装置に表示させることが可能であり、これにより、遊技店の店員は、電源がOFFとなっている状態で前扉が開けられたか否かを確認することができる。これに対し、「パターン1」によるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御は、特段の操作を要することなく、電源が投入されると自動的に行われる。従って、より確実且つ早期に、ゴト行為が行われた事実を発見することが可能であり、セキュリティを強化することができる。
ここで、ステップS4201では、電源がOFFとなっている状態で前扉が(少なくとも1回)開けられたか否かを判断することとしているが、前扉の開放回数(監視回数)は、適宜設計することが可能であり、電源がOFFとなっている状態で前扉が所定回数(2回)以上開けられたか否かを判断することとしてもよい。また、当該所定回数(監視回数)を遊技店側が設定可能なように構成してもよい。電源を手動で立ち上げるような遊技店においては、電源がOFFとなっている状態で前扉が1回は必ず開けられるところ、当該構成を採用することにより、このような遊技店の事情にも適合させることができる。なお、ステップS4202の処理を実行することによりランプ3305a及びランプ3305bを所定時間に亘ってパターン1で点灯させた後、他の処理(ステップS4203~ステップS4207の処理)を実行することとしてもよい。
ステップS4201において電源がOFFとなっている状態で前扉が開けられていないと判断した場合、副制御部3302は、前扉が閉じられた状態で設定用鍵型スイッチ4430(図109参照)がONにセットされたか否かを判断する(ステップS4203)。設定用鍵型スイッチ4430は、主制御部3301に接続されており、設定用鍵型スイッチ4430がONにセットされた場合には、その旨を示す情報が主制御部3301から副制御部3302へコマンドとして送信される。これにより、副制御部3302は、設定用鍵型スイッチ4430がONにセットされたか否かを認識することができる。
前扉が閉じられた状態で設定用鍵型スイッチ4430がONにセットされたと判断した場合、副制御部3302は、図169に示す「パターン2」によりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する(ステップS4204)。これにより、ランプ3305aが赤色に発光し、ランプ3305bが緑色に発光する。ステップS4204の処理を実行した後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
ここで、前述のように、設定変更操作及び設定確認操作を行うためには、設定用鍵型スイッチ4430をONにセットする必要があるところ、設定用鍵型スイッチ4430はキャビネット4061(図108参照)の内部に設けられているため、設定用鍵型スイッチ4430をONにセットするためには、前扉を開ける必要がある。前扉が閉じられた状態で設定用鍵型スイッチ4430がONにセットされた場合には、不正な設定変更操作が行われた可能性がある。本実施形態では、ステップS4203の処理を実行することにより、不正な設定変更操作が行われた可能性を検知することができる。なお、不正な設定変更操作が行われた可能性を検知する方法は、この例に限定されず、他の様々な方法により、不正な設定変更操作が行われた可能性を検知することとしてもよい。
また、パチンコ遊技機においては、本体の裏側(背面側)に設定変更スイッチが設けられるところ、基本的に島内に人が立ち入ることはできないため、本体の裏面(裏面に配設された基板ケース等に収容された設定変更スイッチ)を操作するためには、鍵を用いて枠を回動させる必要がある。このような枠回動を検出可能に構成するとともに、枠非回動(枠回動が検出されていない状態)で設定変更スイッチがONにセットされた場合に、ステップS4203においてYESと判断することとしてもよい。
ステップS4203において前扉が閉じられた状態で設定用鍵型スイッチ4430がONにセットされていないと判断した場合、副制御部3302は、その他の(電源がOFFとなっている状態で前扉が開けられたこと、及び、前扉が閉じられた状態で設定用鍵型スイッチ4430がONにセットされたこと以外の)エラーが発生しているか否かを判断する(ステップS4205)。
エラーとしては、第2実施形態で説明した「不正行為の疑いが強い異常」(例えば、RAMクリア検知、RAMの読み書き不能、RAMのソフト的異常、磁気検知、電波検知、通信異常、内部電圧の異常、内部当籤していない役に係る図柄が有効ライン上に表示されるという入賞異常、本来払出のできないタイミングでの払出を検知した場合、設定値が6段階以外の値を示した場合等)、及び、「通常遊技で発生する異常」(例えば、ホッパー装置のメダルが底をつくホッパーエンプティ、ホッパー装置の払出口のメダル詰まり検出、メダル補助収納庫が一杯になってしまうメダルオーバーフロー、メダル投入時のメダル詰まり又はメダル逆流検出や、メダル投入枚数を4枚など異常な枚数で検出した場合、ホール店員がメダル補給などでフロントドア(上ドア4062a又は下ドア4062b)を開けたことによるドア開放エラーや、メダル補給などの際にホッパーの配線が外れたことを検知した場合等)を挙げることができる。ステップS4205においては、これらのエラーのうち電源投入時に発生し得るエラーが判断対象となる。
その他のエラーが発生していると判断した場合、副制御部3302は、エラーの種別に応じた点灯パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する(ステップS4206)。例えば、ホッパーエンプティが発生していると判断した場合、副制御部3302は、図169に示す「パターン3」によりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する。これにより、ランプ3305aが赤色に発光し、ランプ3305bが赤紫色に発光する。また、メダルオーバーフローが発生していると判断した場合、副制御部3302は、図169に示す「パターン4」によりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する。これにより、ランプ3305aが赤色に発光し、ランプ3305bが黄緑色に発光する。ステップS4206の処理を実行した後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
このようなエラー用パターンに相当する点灯パターン(図169参照)でランプ3305a及びランプ3305bが点灯し、当該点灯パターンがデータ表示機2501において検出されると、例えば、エラーの種別に応じた画像が液晶ディスプレイ2502に表示される(図176のステップS4307参照)。また、第13実施形態で説明するように、エラーの種別に応じた態様でLED2503を点灯(点滅)させることも可能である(図185のステップS4512参照)。これにより、例えば、通常遊技において通常のエラー(上述した「通常遊技で発生する異常」等)として発生する頻度の高いホッパーエンプティエラーや後述するセレクタエラーが発生した場合(図174のステップS4212参照)に、外部から視認容易な液晶ディスプレイ2502(液晶表示)やLED2503(電飾表示)を通じて、発生したエラーの種別を特定可能とすることで、遊技店の店員(遊技場の管理者)に対してエラーの種別を報知することが可能であり、店員等が当該遊技機3001まで来なくとも、エラーの発生状況に応じて適切且つ迅速な対応をさせることができる。
なお、複数のエラーが重複して発生している場合、ランプ3305a及びランプ3305bを発光させるに当たり、何れのエラーに対応する点灯パターンを優先するのかが予め定められている。具体的に、電源がOFFとなっている状態で前扉が開けられたことに対応する点灯パターン(パターン1)が最も優先され、前扉が閉じられた状態で設定用鍵型スイッチ4430がONにセットされたことに対応する点灯パターン(パターン2)が次に優先される。また、基本的に、「不正行為の疑いが強い異常」に対応する点灯パターンの方が、「通常遊技で発生する異常」に対応する点灯パターンよりも優先される。一のエラーが発生している場合であっても、より優先度の高いエラーが同時に発生している場合、該一のエラーに対応する点灯パターンは、直ちに出現しない(該優先度の高いエラーが解消した後に出現する)。
ステップS4205においてその他のエラーが発生していないと判断した場合、副制御部3302は、機種識別用パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する(ステップS4207)。これにより、ランプ3305a及びランプ3305bが図170に示すパターンで発光する。ステップS4207の処理を実行した後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
なお、「機種識別用パターン」においては、図170に示す第1ステップ~第13ステップにおけるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が繰り返し行われる。すなわち、第1ステップ~第13ステップにおけるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が完了すると、再度、第1ステップ~第13ステップにおけるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が行われる。本明細書では、第1ステップ~第13ステップにおけるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が一巡することを、1回の「ループ」とも呼ぶ。「ループ」は、点灯パターンの変更要因(例えば、スタートレバーの操作やカスタム開始操作)が発生するまで継続する。
あるいは、第1ステップ~第13ステップにおけるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御は、1回のみ行われる(「ループ」は行わない)こととしてもよい。この場合、第1ステップ~第13ステップにおけるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が1回行われた後は、ランプ3305a及びランプ3305bの双方を白色に発光させることとしてもよい。そして、ランプ3305a及びランプ3305bを白色に発光させた状態を、次に点灯パターンの変更要因が発生する(ランプ3305の発光色変更条件が成立する)まで継続することとしてもよい。また、「機種識別用パターン」によるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御(ステップS4207の処理)は、ステップS4201の処理の前に行い、当該発光制御(第1ステップ~第13ステップ)が完了した後、ステップS4201の処理を実行することとしてもよい。
また、エラーが発生している場合には、エラーに対応する点灯パターンが優先され、「機種識別用パターン」によるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御は、エラーが解消された後に行われる。エラーが解消された後は、上記と同様に、点灯パターンの変更要因が発生するまで、「ループ」が継続する。あるいは、エラーが解消されて、第1ステップ~第13ステップにおけるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が1回行われた後は、ランプ3305a及びランプ3305bを白色に発光させた状態で、点灯パターンの変更要因が発生するのを待機することとしてもよい。
[ランプ制御処理]
図174は、遊技機において行われるランプ制御処理を示すフローチャートである。
図174に示すランプ制御処理は、図173のステップS4201~ステップS4207の処理が完了した後、副制御部3302において所定のタイミングで繰り返し行われる処理である。
ランプ制御処理において、まず、副制御部3302は、エラーが発生しているか否かを判断する(ステップS4211)。エラーとしては、上述した「不正行為の疑いが強い異常」及び「通常遊技で発生する異常」を挙げることができる。ステップS4211においては、「前扉が閉じられた状態で設定用鍵型スイッチ4430がONにセットされたか否か」の判断(図173のステップS4203と同様の判断)も行われる。
エラーが発生していると判断した場合、副制御部3302は、エラーの種別に応じた点灯パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する(ステップS4212)。その後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
一方、エラーが発生していないと判断した場合、副制御部3302は、遊技が行われている状況であるか否かを判断する(ステップS4213)。ここで、「遊技が行われている状況」とは、主制御部3301側で遊技処理が行われていない(すなわち、1遊技が終了し、BET操作やスタートレバー操作を待っている)状態ではない状態を指す。遊技処理は、例えば、BET操作(スタートレバー操作)が行われた後メダルの払出が行われるまでの間に行われる遊技に係る処理である。「遊技が行われている状況」は、液晶表示装置にデモ画面が表示されていない状況を指すこととしてもよい。デモ画面は、遊技が行われていない(客待ち状態である)と判断される場合に移行される画面である。デモ画面への移行条件としては、従来公知の条件を適宜採用することが可能であり、例えば、メダルの払出が行われた後BETが行われないまま所定時間(例えば、10秒)が経過したときにデモ画面を表示させるように構成することができる。例えば、メダルの払出が行われた後BETが行われないまま所定時間(例えば、10秒)が経過したときに、主制御部3301から副制御部3302へデモ移行コマンドを送信するように構成すればよい。これにより、副制御部3302は、デモ画面への移行条件が成立したことを認識することができる。
遊技が行われている状況であると判断した場合、副制御部3302は、機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御として、少なくとも1回の「ループ」が終了したか否かを判断する(ステップS4214)。
少なくとも1回の「ループ」が終了したと判断した場合、副制御部3302は、遊技中に行われる演出に応じた点灯パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する(ステップS4215)。「遊技中に行われる演出に応じた点灯パターン」は、上述した「遊技中演出用パターン」(図169参照)である。「遊技中に行われる演出」は、遊技の状況に応じて液晶表示装置やスピーカ等により行われる演出(パチスロ機において一般的に行われる演出)である。副制御部3302は、スタートコマンドデータ(図110のステップS3510参照)に含まれる内部当籤役の種別や遊技状態に対応する情報や、入賞作動コマンドデータ(図110のステップS3514参照)に含まれるコンビネーション(有効ラインに沿って停止表示された図柄の組合せ)に対応する情報に基づいて、「遊技中に行われる演出」を決定する。
このような「遊技中に行われる演出」(例えば、図169に示す演出A~C)と「点灯パターン」とが対応付けられたデータテーブル(図169に対応するテーブル)がROM等の記憶装置に格納されており、ステップS4215の処理において、副制御部3302は、当該テーブルを参照することにより、「遊技中に行われる演出」に応じた「点灯パターン」でランプ3305a及びランプ3305bを発光させる。ステップS4215の処理を実行した後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
なお、「遊技中に行われる演出」として、BET操作を契機に行われる演出を設け、当該演出に基づいてランプ3305a及びランプ3305bの点灯パターンを変更することとしてもよい。例えば、一のゲーム(単位遊技)における演出として勝利演出が行われることに伴い、ランプ3305a及びランプ3305bが所定のパターンで点灯している状態において、次回のゲーム(単位遊技)を開始させるためのBET操作が行われたことを契機として確定演出が行われる場合に、ランプ3305a及びランプ3305bの点灯パターンを該確定演出に対応する点灯パターンに変更するような状況を挙げることができる。
ステップS4213において遊技が行われている状況ではないと判断した場合、又は、ステップS4214において1回の「ループ」がまだ終了していないと判断した場合、副制御部3302は、機種識別用パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する(ステップS4216)。これにより、機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が行われている途中状況であれば、副制御部3302は、当該発光制御を継続させる(第1ステップ~第13ステップのうち進行中のステップを継続させる)。一方、機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が行われていない状況であれば、副制御部3302は、当該発光制御を第1ステップから開始させる。ステップS4216の処理を実行した後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
以上のように構成されていることにより、例えば、電源が投入された後、機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御として1回の「ループ」が終了するまでに、スタートレバーが操作されたような場合には、当該「ループ」が継続されることになる。すなわち、当該スタートレバーが操作されることにより行われる演出に対応する点灯パターンによる発光制御は行われない(当該点灯パターンは破棄される)。なお、上述したように、遊技中演出用パターンには、ランプ3305a及びランプ3305bが所定の色で点灯した状態が1回の単位遊技のなかで発生する点灯パターン、及び、ランプ3305a及びランプ3305bが所定の色で点灯した状態が複数の単位遊技に亘って継続する点灯パターンが存在する。機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御として1回の「ループ」が終了するまでに、前者の点灯パターンに対応する演出が発生した場合には、当該点灯パターンを破棄する一方、後者の点灯パターンに対応する演出が発生した場合には、1回の「ループ」が終了した後に、当該点灯パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させることとしてもよい。また、機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御として1回の「ループ」が終了するまでに、前者の点灯パターンに対応する演出が発生した場合であっても、当該単位遊技が終了するまでに当該1回の「ループ」が終了した場合には、続けてステップS4215の処理を行うこととしてもよい。これにより、当該単位遊技における演出を取りこぼすことなく、当該演出に対応するパターンでランプ3305a及びランプ3305bを点灯させることができる。
[ランプ制御処理(カスタム開始時)]
図175は、遊技機において行われるランプ制御処理(カスタム開始時)を示すフローチャートである。
図175に示すランプ制御処理(カスタム開始時)は、カスタム開始操作が行われたことを契機として副制御部3302において行われる処理である。
ランプ制御処理(カスタム開始時)において、まず、副制御部3302は、機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御として、少なくとも1回の「ループ」が終了したか否かを判断する(ステップS4221)。
少なくとも1回の「ループ」が終了したと判断した場合、副制御部3302は、カスタマイズの内容に応じた点灯パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する(ステップS4222)。当該点灯パターンは、上述した「カスタム開始用パターン」(図169参照)であり、カスタム開始操作により選択されたキャラクタの種類に応じた点灯パターンである。これにより、例えば、カスタム開始操作によりキャラクタAが選択された場合には、図169に示す「パターン10」による発光制御が行われ、カスタム開始操作によりキャラクタBが選択された場合には、「パターン11」による発光制御が行われ、カスタム開始操作によりキャラクタCが選択された場合には、「パターン12」による発光制御が行われる。
ステップS4222の処理を実行した後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
ステップS4221において1回の「ループ」がまだ終了していないと判断した場合、副制御部3302は、機種識別用パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する(ステップS4223)。これにより、機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が行われている途中状況であれば、副制御部3302は、当該発光制御を継続させる(第1ステップ~第13ステップのうち進行中のステップを継続させる)。
次に、副制御部3302は、カスタム用点灯待機中フラグをオンにセットする(ステップS4224)。カスタム用点灯待機中フラグは、カスタム開始用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が保留されていることを示すフラグである。機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御として1回の「ループ」が終了したとき、カスタム用点灯待機中フラグがオンにセットされていれば、副制御部3302は、カスタム開始操作により選択されたキャラクタの種類に応じた点灯パターンにより、ランプ3305a及びランプ3305bを発光させる。
ステップS4224の処理を実行した後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
[点灯パターン検出処理]
図176は、データ表示機において行われる点灯パターン検出処理を示すフローチャートである。図177は、機種識別テーブルを示す図である。
図176に示す点灯パターン検出処理は、データ表示機2501の制御部2801(図151参照)において所定のタイミングで繰り返し行われる処理である。第9実施形態で説明したように、イメージセンサユニット2811(図152参照)は、外乱光の影響を除去しつつ、光源(ランプ3305a及びランプ3305bの位置)を探査することが可能であり、これにより、制御部2801は、ランプ3305aの発光色及びランプ3305bの発光色を特定する(ランプ3305の点灯パターンを検出する)ことができる。
点灯パターン検出処理において、まず、制御部2801は、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せが機種識別用パターンに相当する点灯パターン(図173のステップS4207及び図174のステップS4216参照)であるか否かを判断する(ステップS4301)。具体的に、制御部2801は、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せとして、図170に示す第11ステップ~第13ステップにおける点灯パターンが検出されたか否かを判断する。
機種識別用パターンのうち第11ステップ~第13ステップにおける点灯パターンが検出されたと判断した場合、制御部2801は、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せとして、学習用パターンに相当する点灯パターンが検出されたか否かを判断する(ステップS4302)。上述したように、学習用パターンは、ランプ3305a及びランプ3305bがメーカー情報及び機種情報に応じたパターンで点灯する前に出現する点灯パターン(図170に示す第1ステップ~第10ステップにおける点灯パターン)である。ステップS4302の処理において、制御部2801は、第11ステップにおける点灯パターンが検出される前の所定時間(19秒間)に亘って第1ステップ~第10ステップにおける点灯パターンが検出されたか否かを判断する。なお、機種識別用パターン(第1ステップ~第13ステップにおける各点灯パターン)におけるランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せは、図169に示す点灯パターンのうちの何れかの点灯パターンにおけるランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せと同じであってもよい。これらの組合せが同じであったとしても、点灯時間を異ならせることにより、制御部2801は、発光色の組合せと点灯時間とを検出することによって、点灯パターンの種別を判別し、機種識別用パターンを認識することができる。
学習用パターンに相当する点灯パターンが検出されていないと判断した場合、制御部2801は、本サブルーチンを終了する。
一方、学習用パターンに相当する点灯パターンが検出されたと判断した場合、制御部2801は、第11ステップ~第13ステップにおける点灯パターンに対応する機種用のデータが記憶されているか否かを判断する(ステップS4303)。
ステップS4303の処理を行うのに先立ち、制御部2801は、第11ステップ~第13ステップにおける点灯パターンを検出している。制御部2801は、ROM2802(図151参照)等の記憶装置に記憶されている機種識別テーブル(図177参照)を参照することにより、第11ステップ~第13ステップにおける点灯パターンに対応する機種を特定する。
図177に示す機種識別テーブルにおいては、3つの点灯パターン(図中、「11」、「12」、及び、「13」)に対して、1つの機種及び1つのメーカーが対応付けて規定されている。「11」、「12」、及び、「13」は、それぞれ、機種識別用パターンにおける第11ステップ、第12ステップ、及び、第13ステップを示している。制御部2801は、検出された3つの点灯パターン(第11ステップ~第13ステップ)と、機種識別テーブルとに基づいて、当該3つの点灯パターンに対応する機種を特定する。例えば、制御部2801は、直近で検出された3つの点灯パターンが、ランプ3305aが青色に発光するとともにランプ3305bが青色に発光するパターン、ランプ3305aが赤色に発光するとともにランプ3305bが青色に発光するパターン、及び、ランプ3305aが青色に発光するとともにランプ3305bが赤色に発光するパターンである場合、機種Aを特定する。
ステップS4303の処理において、制御部2801は、特定された機種(第11ステップ~第13ステップにおける点灯パターンに対応する機種)用のデータがRAM2803(図151参照)等の記憶装置に記憶されているか否かを判断する。「機種用のデータ」とは、特定された機種に応じた演出を行うための演出データである。後述するように、当該演出データは、管理サーバ3905からダウンロードされるように構成されているため、ステップS4303の処理は、特定された機種に応じた演出データがダウンロード済みであるか否かを判断する処理と言い換えることもできる。
特定された機種に応じた演出データがダウンロード済みであると判断した場合、制御部2801は、本サブルーチンを終了する。
一方、特定された機種に応じた演出データがダウンロード済みではないと判断した場合、制御部2801は、当該機種に応じた演出データの送信を管理サーバ3905に対して要求する(ステップS4304)。そして、制御部2801は、当該機種に応じた演出データを管理サーバ3905から受信する(ステップS4305)。
ステップS4304の処理において、制御部2801は、特定された機種を示す情報(機種情報)を含む演出データ要求信号を管理サーバ3905に送信する。管理サーバ3905においては、図177に示す機種A~機種Fを含む複数の機種に応じた演出データが、ハードディスクドライブ等の記憶装置に記憶されている。演出データ要求信号を受信すると、管理サーバ3905は、演出データ要求信号に含まれる機種情報によって示される一の機種に応じた演出データをデータ表示機2501に送信する。これにより、データ表示機2501は、遊技機3001の属する機種に応じた演出データを管理サーバ3905からダウンロードすることができる。ステップS4305の処理において、制御部2801は、ダウンロードした演出データをRAM2803等の記憶装置に記憶させる。
ステップS4305の処理を実行した後、制御部2801は、本サブルーチンを終了する。
なお、本実施形態では、データ表示機2501により機種の特定が行われることとして説明したが、機種の特定は、管理サーバ3905により行われることとしてもよい。この場合には、例えば、管理サーバ3905に機種識別テーブルを記憶させておき、データ表示機2501で検出された機種識別用パターンを示す情報を管理サーバ3905に送信するように構成するとよい。
また、機種に応じた演出データは、管理サーバ3905に記憶されていることとして説明したが、当該演出データは、管理サーバ3905に記憶しないこととしてもよい。この場合、演出データ要求信号を受信する毎に管理サーバ3905が外部から演出データをダウンロードし、ダウンロードした演出データをデータ表示機2501に送信するように構成してもよい。また、データ表示機2501においては、管理サーバ3905から演出データをダウンロードする毎に、記憶装置に記憶される演出データとして、古い演出データを削除して新しい演出データに入れ替えることとしてもよいし、所定数の機種に対応する演出データ(例えば、直近にダウンロードした3機種分の演出データ)を記憶することとしてもよい。
ステップS4301において第11ステップ~第13ステップにおける点灯パターンが検出されていないと判断した場合、制御部2801は、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せとして、エラー用パターンに相当する点灯パターン(図173のステップS4202、ステップS4204、及び、ステップS4206、並びに、図174のステップS4212参照)が検出されたか否かを判断する(ステップS4306)。上述したように、エラー用パターンは、遊技機3001において異常(エラー)が検知された場合に出現する点灯パターンである(図169参照)。なお、点灯パターンとパターン種別(エラー用パターン、カスタム開始用パターン、カスタム終了用パターン、遊技中演出用パターン等)とが対応付けられたデータテーブル(図169に対応するテーブル)がROM2802等の記憶装置に格納されており、制御部2801は、当該データテーブルを参照することにより、パターン種別を認識することができる。
エラー用パターンに相当する点灯パターンが検出されたと判断した場合、制御部2801は、エラーが発生したことを報知する(ステップS4307)。具体的に、制御部2801は、映像表示部2805や音声出力部2807(図151参照)を制御することにより、エラーが発生したことを報知する画像を液晶ディスプレイ2502に表示させたり、エラーが発生したことを報知する音をスピーカ2504から出力させたりする。その際、制御部2801は、検出されたエラー用パターンに対応するエラーの種別に応じて、報知態様を異ならせる。
そして、制御部2801は、エラーが発生したことを示すエラー信号を管理サーバ3905(ホールコンピュータ)に対して送信する(ステップS4308)。エラー信号には、エラーの種別を示す情報が含まれる。ステップS4308の処理を実行した後、制御部2801は、本サブルーチンを終了する。
ステップS4306においてエラー用パターンに相当する点灯パターンが検出されていないと判断した場合、制御部2801は、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せとして、カスタム開始用パターンに相当する点灯パターン(図175のステップS4222参照)が検出されたか否かを判断する(ステップS4309)。上述したように、カスタム開始用パターンは、カスタム遊技が開始された(カスタム開始操作が行われた)場合に出現する点灯パターンである(図169参照)。
カスタム開始用パターンに相当する点灯パターンが検出されたと判断した場合、制御部2801は、カスタム開始用演出を実行する(ステップS4310)。カスタム開始用演出は、カスタム遊技が開始することを示す演出であり、検出されたカスタム開始用パターンに対応するキャラクタの種別に応じた演出である。これにより、カスタム開始操作により選択されたキャラクタに対応する画像が液晶ディスプレイ2502に表示されたり、当該キャラクタに対応する音声がスピーカ2504から出力されたりする。ステップS4310の処理を実行した後、制御部2801は、本サブルーチンを終了する。
ステップS4309においてカスタム開始用パターンに相当する点灯パターンが検出されていないと判断した場合、制御部2801は、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せとして、カスタム終了用パターンに相当する点灯パターンが検出されたか否かを判断する(ステップS4311)。上述したように、カスタム終了用パターンは、カスタム遊技が終了された(カスタム終了操作が行われた)場合に出現する点灯パターンである(図169参照)。すなわち、カスタム終了操作が行われたことを契機として、ランプ3305a及びランプ3305bは、図169に示す点灯パターン20(カスタム終了用パターン)により発光する。
カスタム終了用パターンに相当する点灯パターンが検出されたと判断した場合、制御部2801は、カスタム終了用演出を実行する(ステップS4312)。カスタム終了用演出は、カスタム遊技が終了することを示す演出であり、カスタムにより選択されていたキャラクタに対応する画像が液晶ディスプレイ2502に表示されたり、当該キャラクタに対応する音声がスピーカ2504から出力されたりする。ステップS4312の処理を実行した後、制御部2801は、本サブルーチンを終了する。
ステップS4311においてカスタム終了用パターンに相当する点灯パターンが検出されていないと判断した場合、制御部2801は、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せとして、遊技中演出用パターンに相当する点灯パターン(図174のステップS4215参照)が検出されたか否かを判断する(ステップS4313)。上述したように、遊技中演出用パターンは、遊技中に行われる演出(パチスロ機において一般的に行われる演出)に応じた点灯パターンである(図169参照)。
遊技中演出用パターンに相当する点灯パターンが検出されたと判断した場合、制御部2801は、遊技中演出を実行する(ステップS4314)。遊技中演出は、検出された遊技中演出用パターンの種別に応じた演出(遊技機3001において遊技中に行われる演出に対応する演出)であり、遊技の状況に応じた画像が液晶ディスプレイ2502に表示されたり、遊技の状況に応じた音声がスピーカ2504から出力されたりする。これにより、遊技機3001で行われる演出とデータ表示機2501で行われる演出とを連動させることができる。また、カスタム遊技が行われている期間中(カスタム開始操作が行われてからカスタム終了操作が行われるまでの間)であれば、カスタマイズの内容及び遊技の状況に応じた演出が行われることもある。
ステップS4313において遊技中演出用パターンに相当する点灯パターンが検出されていないと判断した場合、又は、ステップS4314の処理を実行した後、制御部2801は、本サブルーチンを終了する。
以上、本発明の一実施形態として、第11実施形態に係る遊技システムPS100、遊技機3001、及び、データ表示機2501について説明した。
<第12実施形態>
以上、第1実施形態~第11実施形態について説明した。以下、第12実施形態について説明する。第12実施形態に係る遊技システムPS100の基本的な構成は、第11実施形態に係る遊技システムPS100と同じである。以下においては、第11実施形態に係る遊技システムPS100の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態~第11実施形態における説明が第12実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
[遊技システムPS100]
図178は、第12実施形態に係る遊技システムを示す図である。
遊技システムPS100は、遊技機3001とデータ表示機2501と管理サーバ3910と携帯端末機3950とを備える。携帯端末機3950と管理サーバ3910とは、インターネットを介した通信により、互いにデータのやり取りを行うことができる。なお、図示しないが、遊技システムPS100は、第11実施形態で説明した管理サーバ3905も備えている。
遊技を開始するのに先立ち、遊技者は、自身の所有する携帯端末機3950において所定のアプリケーションを起動させた状態で、管理サーバ3910からパスワードの発行を受ける。パスワードは、前回までに行った遊技の履歴を暗号化したものである。管理サーバ3910には、前回までに行った遊技の履歴を示す遊技履歴情報が記憶されており、管理サーバ3910は、当該遊技履歴を、複数の記号(文字及び数字を含む)から構成される記号列に変換する。パスワードは、このような遊技履歴に対応する記号列である。遊技者は、所定の操作を行うことにより、パスワードを携帯端末機3950に表示させることができる。
その後、遊技を開始するに当たり、遊技者は、遊技機3001において操作ボタンを操作することにより、メニュー画面(図171(A)参照)を液晶表示装置に表示させ、メニュー画面においてメインメニュー「カスタム遊技」を選択する。これにより、サブメニュー画面として、「キャラ選択」、「かんたんスタート」、「パスワードを入力」、「途中記録を見る」、「記録して終了」、及び、「会員登録」のうちの何れかを選択するための画面(図171(B)参照)が液晶表示装置に表示される。
そして、遊技者は、サブメニュー画面においてサブメニュー「パスワードを入力」を選択する。これにより、パスワードを入力するための画面(パスワード入力画面)が液晶表示装置に表示される。遊技者は、パスワード入力画面において、タッチパネルに対するタッチ操作、又は、操作ボタンを用いたボタン操作を行って、管理サーバ3910から発行されたパスワードを入力することにより、正式なログインを行うことができる。これにより、前回までに行った遊技の履歴を引き継ぎつつ、今回行われた遊技の履歴が蓄積される。
遊技の履歴(遊技履歴)には、総遊技回数、遊技者にとって有利な遊技状態(特定遊技状態)の発生回数(例えば、ボーナス回数やART回数等)、各役の当籤回数や当籤確率、遊技媒体の投入枚数及び払出枚数の他、実行された演出の履歴(演出履歴)が含まれる。演出履歴には、各種演出の発生回数の他、カスタム遊技(キャラクタのカスタマイズ)に関する履歴が含まれる。カスタム遊技に関する履歴としては、各種キャラクタが選択された回数や、カスタム遊技の種別(選択されたキャラクタの種別)ごとの遊技履歴が挙げられる。選択されたキャラクタの種別ごとの遊技履歴としては、各種キャラクタのカスタマイズが行われた状態で行われた遊技の回数(例えば、キャラクタAが選択された状態で行われた遊技の回数、及び、キャラクタBが選択された状態で行われた遊技の回数)や、各種キャラクタのカスタマイズが行われた状態で特定遊技状態(例えば、ボーナスやART等)が発生した回数(例えば、キャラクタAが選択された状態で特定遊技状態が発生した回数、及び、キャラクタBが選択された状態で特定遊技状態が発生した回数)等が挙げられる。
管理サーバ3910では、このような遊技履歴が、会員登録を行っている遊技者毎に割り当てられる会員IDと対応付けて管理されている。例えば、管理サーバ3910には、一の遊技者がキャラクタAを選択した状態で行った遊技の回数及びキャラクタBを選択した状態で行った遊技の回数がそれぞれ記憶されるとともに、他の遊技者がキャラクタAを選択した状態で行った遊技の回数及びキャラクタBを選択した状態で行った遊技の回数もそれぞれ記憶されている。これにより、管理サーバ3910は、各遊技者の遊技履歴を比較することができるようになっている。
パスワードには、このような各遊技者の遊技履歴の比較結果(所定の方法により決定された順位)も暗号化されて含まれている。なお、遊技機3001は、パスワードにより暗号化された情報を特定するためのテーブル等の構成を有しており、当該情報を解読することが可能である。パスワードの解読に係る技術は、遊技機分野における従来周知の技術であるため(例えば、特開2013-081521号公報参照)、詳細な説明は省略する。
遊技を終了するに当たり、遊技者は、サブメニュー画面においてサブメニュー「記録して終了」を選択する。これにより、液晶表示装置に2次元コードが表示される。当該2次元コードは、管理サーバ3910のアドレス情報及び遊技機3001において蓄積された遊技履歴情報をコード化したものである。遊技者は、携帯端末機3950が備えるカメラにより、2次元コードを撮像することができる。携帯端末機3950は、カメラが2次元コードを撮像した際に得られる画像データから2次元コードを認識し、この認識した2次元コードから、管理サーバ3910のアドレス情報を生成する。その結果、管理サーバ3910にアクセスすることが可能となる。また、携帯端末機3950から管理サーバ3910に遊技履歴情報が送信される。これにより、当該遊技履歴は、管理サーバ3910において管理されることになる。
[ランプ3305の点灯パターン]
図179は、ランプの点灯パターンについて説明するための図である。
図179では、ランプ3305の点灯パターンのうち「パスワード用パターン」について示している。パスワード用パターンは、パスワード入力画面においてパスワードが入力された場合に出現する点灯パターンである。図169と同様、図中、「LED左」は、ランプ3305aを示し、「LED右」は、ランプ3305bを示している。
「パターン50」においては、ランプ3305aが青色に発光し、ランプ3305bが緑色に発光する。「パターン50」は、歴代総遊技数が全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。「パターン51」においては、ランプ3305aが青色に発光し、ランプ3305bが青緑色に発光する。「パターン51」は、歴代総遊技数が全国2位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。「パターン52」においては、ランプ3305aが青色に発光し、ランプ3305bが紫色に発光する。「パターン52」は、歴代総遊技数が全国3位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。
「パターン53」においては、ランプ3305aが青色に発光し、ランプ3305bが赤紫色に発光する。「パターン53」は、前日の総遊技数が全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。「パターン54」においては、ランプ3305aが青色に発光し、ランプ3305bが桃色に発光する。「パターン54」は、週間の総遊技数が全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。「パターン55」においては、ランプ3305aが紫色に発光し、ランプ3305bが赤色に発光する。「パターン55」は、月間の総遊技数が全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。
「パターン60」においては、ランプ3305aが黄色に発光し、ランプ3305bが黄緑色に発光する。「パターン60」は、キャラクタAが選択された状態で行われた遊技の回数が歴代全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。「パターン61」においては、ランプ3305aが黄色に発光し、ランプ3305bが緑色に発光する。「パターン61」は、キャラクタAが選択された状態で行われた遊技の回数が歴代全国2位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。「パターン62」においては、ランプ3305aが黄色に発光し、ランプ3305bが青緑色に発光する。「パターン62」は、キャラクタAが選択された状態で行われた遊技の回数が歴代全国3位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。
「パターン63」においては、ランプ3305aが黄色に発光し、ランプ3305bが青色に発光する。「パターン63」は、キャラクタAが選択された状態で行われた遊技の回数が前日全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。「パターン64」においては、ランプ3305aが黄色に発光し、ランプ3305bが紫色に発光する。「パターン64」は、キャラクタAが選択された状態で行われた遊技の回数が週間全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。「パターン65」においては、ランプ3305aが黄色に発光し、ランプ3305bが赤紫色に発光する。「パターン65」は、キャラクタAが選択された状態で行われた遊技の回数が月間全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。
同様に、「パターン70」~「パターン75」は、キャラクタBが選択された状態で行われた遊技の回数に関する順位を示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。また、「パターン80」~「パターン85」は、キャラクタCが選択された状態で行われた遊技の回数に関する順位を示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。
なお、管理サーバ3910は、所定のタイミングで、以上のような順位(各遊技者の遊技履歴の比較結果)を更新するように構成されている。所定のタイミングとしては、任意のタイミングを採用することが可能であり、1日1回(例えば、所定の時刻)であってもよいし、週1回(例えば、所定の曜日(月曜日等))であってもよいし、リアルタイム(例えば、所定秒乃至分ごと)に上記順位が更新されることとしてもよい。
[ランプ制御処理(パスワード入力時)]
図180は、遊技機において行われるランプ制御処理(パスワード入力時)を示すフローチャートである。
図180に示すランプ制御処理(パスワード入力時)は、パスワードの入力操作が完了したことを契機として副制御部3302において行われる処理である。
ランプ制御処理(パスワード入力時)において、まず、副制御部3302は、機種識別用パターン(図170参照)によるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御として、少なくとも1回の「ループ」が終了したか否かを判断する(ステップS4401)。
少なくとも1回の「ループ」が終了したと判断した場合、副制御部3302は、遊技履歴に応じた点灯パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する(ステップS4402)。当該点灯パターンは、上述した「パスワード用パターン」(図179参照)であり、パスワードに含まれる遊技履歴情報に応じた点灯パターンである。これにより、例えば、歴代総遊技数が全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合には、図179に示す「パターン50」による発光制御が行われ、キャラクタAが選択された状態で行われた遊技の回数が歴代全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合には、「パターン60」による発光制御が行われる。
ステップS4402の処理を実行した後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
ステップS4401において1回の「ループ」がまだ終了していないと判断した場合、副制御部3302は、機種識別用パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する(ステップS4403)。これにより、機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が行われている途中状況であれば、副制御部3302は、当該発光制御を継続させる(第1ステップ~第13ステップのうち進行中のステップを継続させる)。
次に、副制御部3302は、パスワード用点灯待機中フラグをオンにセットする(ステップS4404)。パスワード用点灯待機中フラグは、パスワード用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が保留されていることを示すフラグである。機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御として1回の「ループ」が終了したとき、パスワード用点灯待機中フラグがオンにセットされていれば、副制御部3302は、パスワードに含まれる遊技履歴情報に応じた点灯パターンにより、ランプ3305a及びランプ3305bを発光させる。
ステップS4404の処理を実行した後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
[点灯パターン検出処理]
図181は、データ表示機において行われる点灯パターン検出処理を示すフローチャートである。
図181に示す点灯パターン検出処理は、データ表示機2501の制御部2801(図151参照)において所定のタイミングで繰り返し行われる処理である。第11実施形態と同様に、イメージセンサユニット2811(図152参照)は、外乱光の影響を除去しつつ、光源(ランプ3305a及びランプ3305bの位置)を探査することが可能であり、これにより、制御部2801は、ランプ3305aの発光色及びランプ3305bの発光色を特定する(ランプ3305の点灯パターンを検出する)ことができる。
点灯パターン検出処理において、制御部2801は、ステップS4451~ステップS4464の処理を実行するが、これらの処理は、図176のステップS4301~ステップS4314の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
ステップS4463において遊技中演出用パターンに相当する点灯パターンが検出されていないと判断した場合、制御部2801は、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せとして、パスワード用パターンに相当する点灯パターン(図180のステップS4402参照)が検出されたか否かを判断する(ステップS4465)。上述したように、パスワード用パターンは、パスワード入力画面においてパスワードが入力された場合に出現する点灯パターンである(図179参照)。
パスワード用パターンに相当する点灯パターンが検出されたと判断した場合、制御部2801は、検出されたパスワード用パターンに応じた遊技履歴に関する表示を行う(ステップS4466)。具体的に、制御部2801は、映像表示部2805(図151参照)を制御することにより、検出されたパスワード用パターンに対応する遊技履歴に関する画像を液晶ディスプレイ2502に表示させる。これにより、例えば、検出されたパスワード用パターンが図179に示すパターン50である場合には、「歴代総遊技数 全国1位」という内容に対応する文字画像が液晶ディスプレイ2502に表示され、検出されたパスワード用パターンが図179に示すパターン60である場合には、「キャラクタA遊技数 全国1位」という内容に対応する文字画像が液晶ディスプレイ2502に表示される。
ステップS4465においてパスワード用パターンに相当する点灯パターンが検出されていないと判断した場合、又は、ステップS4466の処理を実行した後、制御部2801は、本サブルーチンを終了する。
以上、本発明の一実施形態として、第12実施形態に係る遊技システムPS100、遊技機3001、及び、データ表示機2501について説明した。
<第13実施形態>
以上、第1実施形態~第12実施形態について説明した。以下、第13実施形態について説明する。第13実施形態に係る遊技システムPS100の基本的な構成は、第12実施形態に係る遊技システムPS100と同じである。以下においては、第12実施形態に係る遊技システムPS100の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態~第12実施形態における説明が第13実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
[ランプ3305の点灯パターン]
図182は、ランプの点灯パターンについて説明するための図である。
図169を用いて説明したように、ランプ3305の点灯パターンとしては、多数の点灯パターンが設けられているが、図182では、一部の点灯パターンについて示している。図中、「LED左」は、ランプ3305aを示し、「LED右」は、ランプ3305bを示している。図182に示す点灯パターンのうち「パターン1」~「パターン52」は、図169に示す「パターン1」~「パターン52」と同じである。
「パターン90」においては、ランプ3305aが紫色に発光し、ランプ3305bが黄色に発光する。「パターン90」は、設定示唆演出Iが発生した場合に出現する点灯パターンである。「パターン91」においては、ランプ3305aが紫色に発光し、ランプ3305bが緑色に発光する。「パターン91」は、設定示唆演出IIが発生した場合に出現する点灯パターンである。「パターン92」においては、ランプ3305aが紫色に発光し、ランプ3305bが青色に発光する。「パターン92」は、設定示唆演出IIIが発生した場合に出現する点灯パターンである。
「パターン93」においては、ランプ3305aが紫色に発光し、ランプ3305bが赤紫色に発光する。「パターン93」は、設定示唆演出IVが発生した場合に出現する点灯パターンである。「パターン94」においては、ランプ3305aが紫色に発光し、ランプ3305bが桃色に発光する。「パターン94」は、設定示唆演出Vが発生した場合に出現する点灯パターンである。「パターン99」においては、ランプ3305aが桃色に発光し、ランプ3305bが紫色に発光する。「パターン99」は、予約ロックが成立した場合に出現する点灯パターンである。
「パターン90」~「パターン94」は、それぞれ、「設定示唆演出用パターン」の一例である。設定示唆演出用パターンは、遊技中演出用パターン(遊技中に行われる演出に応じた点灯パターン)の一例であり、設定示唆演出が発生した場合に出現する点灯パターンである。設定示唆演出については、図183を用いて説明する。
「パターン99」は、「予約ロック用パターン」の一例である。予約ロック用パターンは、予約ロックが成立した場合に出現する点灯パターンである。予約ロックについては、第14実施形態で説明する。
[設定示唆演出]
図183は、設定示唆演出抽籤テーブルを示す図である。
図183に示す設定示唆演出抽籤テーブルにおいては、設定示唆演出I、設定示唆演出II、設定示唆演出III、設定示唆演出IV、及び、設定示唆演出Vのそれぞれに対して、設定値ごとに抽籤値が対応付けられている。これにより、図183では、各設定値に対する設定示唆演出I~Vの選択確率を規定している。
具体的に、設定値が1である場合には、設定示唆演出IVが256/256の確率で選択される。設定値が2である場合には、設定示唆演出IIIが128/256の確率で選択され、設定示唆演出Vが128/256の確率で選択される。設定値が3である場合には、設定示唆演出IIIが96/256の確率で選択され、設定示唆演出IVが160/256の確率で選択される。設定値が4である場合には、設定示唆演出IIが32/256の確率で選択され、設定示唆演出IIIが96/256の確率で選択され、設定示唆演出Vが128/256の確率で選択される。設定値が5である場合には、設定示唆演出IIが32/256の確率で選択され、設定示唆演出IIIが96/256の確率で選択され、設定示唆演出IVが128/256の確率で選択される。設定値が6である場合には、設定示唆演出Iが8/256の確率で選択され、設定示唆演出IIが24/256の確率で選択され、設定示唆演出IIIが96/256の確率で選択され、設定示唆演出Vが128/256の確率で選択される。
以上より、設定示唆演出Iは、設定値が6である場合にのみ選択され得る演出となっている。図182に示す「パターン90」における「6確定」は、このことを示している。設定示唆演出IIは、設定値が4~6の何れかである場合にのみ選択され得る演出となっている。図182に示す「パターン91」における「4~6確定」は、このことを示している。設定示唆演出IIIは、設定値が1である場合には選択され得ない演出となっている。図182に示す「パターン92」における「1否定」は、このことを示している。設定示唆演出IVは、設定値が奇数(1、3、又は、5)である場合にのみ選択され得る演出となっている。図182に示す「パターン93」における「奇数確定」は、このことを示している。設定示唆演出Vは、設定値が偶数(2、4、又は、6)である場合にのみ選択され得る演出となっている。図182に示す「パターン94」における「偶数確定」は、このことを示している。
本実施形態では、設定示唆演出I~Vを用いて、設定値について示唆することができるようになっている。具体的に、各設定示唆演出においては、設定値を示唆するための画像(設定示唆画像)が液晶表示装置に表示される。例えば、設定示唆演出Iにおいては、「666」に対応する数字を含む画像(例えば、「敵を666匹倒しました」というような文字画像)が液晶表示装置に表示され、これにより、設定値が6であることが示唆される。また、設定示唆演出IIにおいては、「456」に対応する数字を含む画像(例えば、「敵を456匹倒しました」というような文字画像)が液晶表示装置に表示され、これにより、設定値が4~6の何れかであることが示唆される。同様に、設定示唆演出IIIにおいては、設定値が1ではないことを示唆するような画像が液晶表示装置に表示され、設定示唆演出IVにおいては、設定値が奇数であることを示唆するような画像が液晶表示装置に表示され、設定示唆演出Vにおいては、設定値が偶数であることを示唆するような画像が液晶表示装置に表示される。
遊技機3001の副制御部3302は、設定示唆演出を行うための所定の条件が成立した場合に、設定示唆演出抽籤テーブルを参照し、抽出した乱数値と現在設定されている設定値とに基づいて、設定示唆演出I、設定示唆演出II、設定示唆演出III、設定示唆演出IV、及び、設定示唆演出Vのなかから、一の設定示唆演出を選択する。これにより、選択された一の設定示唆演出(設定示唆演出I~Vの何れか)に応じた設定示唆画像が液晶表示装置に表示される。遊技者は、当該設定示唆画像を視認することにより、設定値に関する情報を得ることができる。なお、設定示唆演出(設定示唆画像の表示)は、ごく短い時間だけ(例えば、1秒以内)行われるものであり、一の単位遊技において設定示唆演出が開始された場合、当該設定示唆演出は、当該一の単位遊技が終わるまでに完了する(設定示唆画像が表示された状態は、すぐに終了し、次の単位遊技に持ち越されない)。あるいは、当該設定示唆演出は、次の単位遊技を開始させるためのスタートレバー操作が行われたことを契機として終了する。
設定示唆演出を行うための所定の条件としては、特に限定されないが、例えば、所定の役が内部当籤役として決定されることという条件、所定の図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されることという条件、現在の遊技状態が所定の遊技状態であることという条件等を適宜採用することができる。これらの条件は、単独で採用してもよいし、複数の条件を併用してもよい。設定示唆演出を行うための所定の条件として、複数の条件を併用する場合、各条件に応じて設定示唆演出I~Vの選択される確率を異ならせる(各条件に応じた設定示唆演出抽籤テーブルを設ける)こととしてもよい。例えば、所定の役が内部当籤役として決定されたことを条件として設定示唆演出を行う場合であって、且つ、所定の役として複数種類の役が設けられている場合、内部当籤役として決定された役の種類に応じて設定示唆演出I~Vの選択される確率が異なるような設定示唆演出抽籤テーブルを設けることとしてもよい。
なお、各設定示唆演出は、所定の設定値である場合にのみ発生する(所定の設定値であることが確定する)演出であってもよいし、所定の設定値である可能性が高いことを示唆する演出であってもよい。例えば、図183とは異なり、設定示唆演出Iに対して、設定値が5である場合に抽籤値「2」が対応付けられている(他の設定値に対しては、図183と同じ抽籤値が対応付けられている)こととする。このような例において、設定示唆演出Iは、設定値が6であることを80%の確率で示唆する演出である(当該演出が出現した際に、設定値が6である確率が80%である)と言える。
副制御部3302は、スタートコマンドデータ(図110のステップS3510参照)に含まれる内部当籤役の種別や遊技状態に対応する情報や、入賞作動コマンドデータ(図110のステップS3514参照)に含まれるコンビネーション(有効ラインに沿って停止表示された図柄の組合せ)に対応する情報に基づいて、設定示唆演出抽籤テーブルを参照することにより、一の設定示唆演出を選択する。その際、所定の条件が成立したとしても、設定示唆演出が行われない場合があることとしてもよい。なお、設定示唆演出抽籤テーブルは、ROM等の記憶装置に記憶されている。
以上のようにして設定示唆演出が選択(実行)されると、副制御部3302は、当該設定示唆演出に応じた点灯パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306(図150参照)を制御する。当該点灯パターンは、上述した「設定示唆演出用パターン」(図182参照)である。これにより、例えば、設定示唆演出Iが選択された場合には、図182に示す「パターン90」による発光制御が行われ、設定示唆演出IIが選択された場合には、「パターン91」による発光制御が行われ、設定示唆演出IIIが選択された場合には、「パターン92」による発光制御が行われ、設定示唆演出IVが選択された場合には、「パターン93」による発光制御が行われ、設定示唆演出Vが選択された場合には、「パターン94」による発光制御が行われる。
設定示唆演出用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光は、所定期間に亘って行われる。発光の開始タイミングは、設定示唆演出が開始するときであってもよいし、設定示唆演出が行われている途中であってもよいし、設定示唆演出が終了した後(例えば、次の単位遊技を開始させるためのスタートレバー操作が行われたとき)であってもよいし、設定示唆演出が開始する前であってもよい。発光の終了タイミングとしては、ランプ3305a及びランプ3305bにおける点灯パターンの変更要因が発生したときを適宜採用することが可能である。例えば、設定示唆演出の開始とともに、設定示唆演出用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光が開始し、次の単位遊技を開始させるためのスタートレバー操作が行われたときに当該発光が終了することとしてもよい。また、次の単位遊技を開始させるためのスタートレバー操作が行われたときに、設定示唆演出用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光が開始し、点灯パターンの変更要因(図182に示す「遊技機の状態」のうちの何れか)が発生したときに当該発光が終了することとしてもよい。
[遊技中演出用パターン検出時処理]
図184は、データ表示機において行われる遊技中演出用パターン検出時処理を示すフローチャートである。
図184に示す遊技中演出用パターン検出時処理は、データ表示機2501の制御部2801(図151参照)が図181のステップS4463において遊技中演出用パターンに相当する点灯パターンが検出されたと判断した場合に行われる処理である。
遊技中演出用パターン検出時処理において、まず、制御部2801は、検出された遊技中演出用パターンが設定示唆演出用パターンであるか否かを判断する(ステップS4501)。上述したように、設定示唆演出用パターンは、設定示唆演出が発生した場合に出現する点灯パターンである(図182参照)。
検出された遊技中演出用パターンが設定示唆演出用パターンであると判断した場合、制御部2801は、設定示唆演出を実行する(ステップS4502)。この処理において、制御部2801は、映像表示部2805や音声出力部2807や電飾部2806(図151参照)を制御することにより、設定値を示唆するための画像を液晶ディスプレイ2502に表示させたり、設定値を示唆するための音をスピーカ2504から出力させたり、設定値を示唆するための光をLED2503(図149参照)から出力させたりする。その際、制御部2801は、検出された設定示唆演出用パターンに対応する設定示唆演出の種別に応じて、画像や音や光の出力態様を異ならせる。これにより、例えば、図182に示すパターン90が検出された場合と、パターン91が検出された場合と、パターン92が検出された場合と、パターン93が検出された場合と、パターン94が検出された場合とで、異なる画像(例えば、設定示唆演出I~Vにおいて遊技機3001で表示される画像と同様の画像)が液晶ディスプレイ2502に表示されたり、異なる態様でLED2503が点灯したりする。
ここで、LED2503は、複数のフルカラーLEDを有して構成されており、赤色、青色、及び、緑色を含む複数種類の色を発することが可能である。これにより、例えば、パターン90が検出された場合にLED2503を虹色に(赤、橙、黄、緑、青、藍、及び、紫の7色を含む態様で)点灯させ、パターン91が検出された場合にLED2503を橙色に点灯させ、パターン92が検出された場合にLED2503を黄色に点灯させ、パターン93が検出された場合にLED2503を藍色に点灯させ、パターン94が検出された場合にLED2503を紫色に点灯させたりすることが可能である。
ステップS4502の処理を実行した後、制御部2801は、設定示唆フラグをオンにセットする(ステップS4503)。設定示唆フラグは、設定値を示唆し得る態様でLED2503を点灯させるための条件が成立したことを示すフラグである(図185のステップS4513参照)。ステップS4503の処理を実行した後、制御部2801は、本サブルーチンを終了する。
なお、ステップS4502及びステップS4503の処理は、複数の設定示唆演出用パターン(パターン90~94)のうちの一部の点灯パターン(例えば、パターン90及び91)が検出された場合にのみ実行されるように構成してもよい。この場合、例えば、設定示唆演出Iが選択された場合及び設定示唆演出IIが選択された場合には、遊技機3001及びデータ表示機2501の双方で設定値を示唆するための演出が行われる一方、設定示唆演出III~Vのうちの何れかの設定示唆演出が選択された場合には、遊技機3001でのみ設定値を示唆するための演出が行われる(データ表示機2501では設定値を示唆するための演出が行われない)ことになる。
また、データ表示機2501側で発生する設定示唆演出(ステップS4502参照)が、遊技機3001側で発生する設定示唆演出(図183参照)よりも長い時間に亘って実行されるように構成してもよい。例えば、遊技機3001側で行われる設定示唆演出においては、設定示唆画像が1秒間のみ表示される(当該単位遊技が終了するまでに当該画像が消える)一方、データ表示機2501側で行われる設定示唆演出においては、次回の単位遊技が開始されるまで設定示唆画像の表示を継続することとしてもよい。これにより、データ表示機2501が設置された遊技機3001と、データ表示機2501が設置されない遊技機3001とを比較したときに、データ表示機2501が設置された遊技機3001の優位性を向上させることができる。
また、設定示唆フラグがオンにセットされた場合(ステップS4503参照)には、後述するように、遊技機3001側で行われる設定示唆演出(設定示唆演出I~V)の種別に応じたLED2503の点灯(設定示唆LED表示)を、データ表示機2501の電源がOFFとなるまで継続させることが可能である(図185参照)。このような設定示唆LED表示は、データ表示機2501において所定の操作が行われた場合にのみ実行することとしてもよい。また、設定示唆フラグがオンにセットされた場合(設定示唆演出用パターンが検出された場合)に、データ表示機2501側で抽籤を行い、当該抽籤に当籤した場合にのみ設定示唆LED表示を継続させることとしてもよい。このような設定示唆LED表示を行う(継続する)か否かは、遊技店側又は遊技者側が任意に設定可能なように構成してもよい。
ステップS4501において、検出された遊技中演出用パターンが設定示唆演出用パターンではないと判断した場合、制御部2801は、遊技中演出を実行する(ステップS4504)。遊技中演出は、検出された遊技中演出用パターンの種別に応じた演出(遊技機3001において遊技中に行われる演出に対応する演出)であり、遊技の状況に応じた画像が液晶ディスプレイ2502に表示されたり、遊技の状況に応じた音声がスピーカ2504から出力されたりする。この遊技中演出は、図176のステップS4314で説明した遊技中演出と同じである。ステップS4504の処理を実行した後、制御部2801は、本サブルーチンを終了する。
[電飾部制御処理]
図185は、データ表示機において行われる電飾部制御処理を示すフローチャートである。
図185に示す電飾部制御処理は、制御部2801において所定のタイミングで繰り返し行われる処理である。
電飾部制御処理において、まず、制御部2801は、エラーフラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4511)。図示しないが、エラーフラグは、遊技機3001においてエラーが発生した場合にオンにセットされ、遊技機3001においてエラーが解消した場合にオフにセットされる。制御部2801は、エラー用パターンに相当する点灯パターンを検出することにより(図181のステップS4456参照)、遊技機3001においてエラーが発生したことを認識することができる。また、図示しないが、遊技機3001においてエラーが解消した場合、遊技機3001の副制御部3302(図150参照)は、エラー解消用パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させる(例えば、ランプ3305aを赤色に発光させ、ランプ3305bを桃色に発光させる)ようにランプ制御回路3306を制御する。制御部2801は、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せとして、エラー解消用パターンに相当する点灯パターンを検出することにより、遊技機3001においてエラーが解消したことを認識することができる。
エラーフラグがオンにセットされていると判断した場合、制御部2801は、エラーの種別に応じた態様でLED2503を点灯(点滅)させるように電飾部2806を制御する(ステップS4512)。エラーフラグは、図181のステップS4456において検出されたエラー用パターンに対応するエラーの種別と対応付けて管理されており、制御部2801は、エラーの種別を認識することができる。これにより、例えば、ホッパーエンプティが発生した場合には、LED2503が青色に点灯(点滅)し、他のエラー(例えば、適正であると判定されたメダルをホッパーに案内するセレクタにおいて正常な検知が行われなくなるセレクタエラー)が発生した場合には、LED2503が赤色に点灯(点滅)する。エラーの種別に応じたLED2503の点灯(点滅)は、当該エラーが解消するまで継続する。また、上述したように、エラーが発生した場合には、エラーの種別に応じた画像(エラーが発生したことを報知する画像)が液晶ディスプレイ2502に表示されるところ(図176のステップS4307参照)、本実施形態では、このような液晶ディスプレイ2502でのエラー報知も、当該エラーが解消するまで継続する。
なお、第10実施形態で説明したように、遊技機3001の主制御部3301には外部端子板3308が接続されている(図150参照)。遊技機3001においてエラーが発生した場合には、外部端子板3308を介して、エラーが発生したことを示す情報が、遊技機3001からデータ表示機2501へと送信される。しかし、発生したエラーの種別を示す情報は、外部端子板3308を介してデータ表示機2501に送信されない。この点、データ表示機2501は、ランプ3305a及びランプ3305bの発光態様を通じて、エラーの種別を認識し、エラーの種別に応じた態様でLED2503を点灯(点滅)させる(液晶ディスプレイ2502に画像を表示させる)ことが可能である。従って、LED2503の点灯(点滅)態様(液晶ディスプレイ2502における画像の表示態様)を通じて、遊技店の店員に対してエラーの種別を報知することが可能であり、エラーの発生状況に応じて適切且つ迅速な対応をさせることができる。
ステップS4512の処理を実行した後、制御部2801は、本サブルーチンを終了する。
ステップS4511においてエラーフラグがオンにセットされていないと判断した場合、制御部2801は、設定示唆フラグ(図184のステップS4503参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4513)。
設定示唆フラグがオンにセットされていると判断した場合、制御部2801は、設定示唆演出の種別に応じた態様でLED2503を点灯させるように電飾部2806を制御する(ステップS4514)。設定示唆フラグは、図184のステップS4501において検出された設定示唆演出用パターンの種別(設定示唆演出の種別)と対応付けて管理されている。これにより、例えば、図182に示すパターン90が検出された場合(設定示唆演出Iが発生した場合)にはLED2503が虹色に(赤、橙、黄、緑、青、藍、及び、紫の7色を含む態様で)点灯し、パターン91が検出された場合(設定示唆演出IIが発生した場合)にはLED2503が橙色に点灯し、パターン92が検出された場合(設定示唆演出IIIが発生した場合)にはLED2503が黄色に点灯し、パターン93が検出された場合(設定示唆演出IVが発生した場合)にはLED2503が藍色に点灯し、パターン94が検出された場合(設定示唆演出Vが発生した場合)にはLED2503が紫色に点灯する。
設定示唆演出(設定示唆演出I~V)の種別に応じたLED2503の点灯は、基本的にデータ表示機2501の電源がOFFとなるまで継続する。しかし、エラーが発生した場合には、エラーが解消するまでの間、エラーの種別に応じた態様でLED2503が点灯(点滅)し(ステップS4512参照)、その間、設定示唆演出(設定示唆演出I~V)の種別に応じたLED2503の点灯は中断される。エラーが解消した後、設定示唆演出(設定示唆演出I~V)の種別に応じたLED2503の点灯が再開される。これに対し、エラー以外の点灯パターンの変更要因(図182に示す「遊技機の状態」のうちの何れか)が発生した場合、設定示唆演出(設定示唆演出I~V)の種別に応じたLED2503の点灯は、中断されずに継続する。
なお、一の設定示唆演出(例えば、設定示唆演出II)が発生したことにより該設定示唆演出に応じた態様でLED2503が点灯している状態において、該設定示唆演出と比較して遊技者にとって有利な情報を示唆し得る設定示唆演出(例えば、設定示唆演出I)が発生した場合には、LED2503の点灯態様を、該有利な情報を示唆し得る設定示唆演出(例えば、設定示唆演出I)に応じた態様に切り替えることとしてもよい。一方、一の設定示唆演出(例えば、設定示唆演出II)が発生したことにより該設定示唆演出に応じた態様でLED2503が点灯している状態において、該設定示唆演出と比較して遊技者にとって有利な情報を示唆し得ない設定示唆演出(例えば、設定示唆演出III)が発生した場合には、LED2503の点灯態様を切り替えないこととしてもよい。
ステップS4513において設定示唆フラグがオンにセットされていないと判断した場合、又は、ステップS4514の処理を実行した後、制御部2801は、本サブルーチンを終了する。
以上、本発明の一実施形態として、第13実施形態に係る遊技システムPS100、遊技機3001、及び、データ表示機2501について説明した。
<第14実施形態>
以上、第1実施形態~第13実施形態について説明した。以下、第14実施形態について説明する。第14実施形態に係る遊技システムPS100の基本的な構成は、第13実施形態に係る遊技システムPS100と同じである。以下においては、第13実施形態に係る遊技システムPS100の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態~第13実施形態における説明が第14実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
[遊技システムPS100]
図186は、第14実施形態に係る遊技システムを示す図である。
第11実施形態で説明したように、遊技システムPS100は、遊技機3001とデータ表示機2501と管理サーバ3910とを備える。図186に示すように、本実施形態に係る遊技システムPS100は、複数の遊技機3001(遊技機3001a、遊技機3001b、遊技機3001c、及び、遊技機3001d)と、複数のデータ表示機2501(データ表示機2501a、データ表示機2501b、データ表示機2501c、及び、データ表示機2501d)と、を備えている。
複数の遊技機3001と複数のデータ表示機2501とは、それぞれ一対一に対応しており、各データ表示機2501(データ表示機2501a、データ表示機2501b、データ表示機2501c、及び、データ表示機2501d)は、各遊技機3001(遊技機3001a、遊技機3001b、遊技機3001c、及び、遊技機3001d)の上側に配置されている。
各遊技機3001(遊技機3001a、遊技機3001b、遊技機3001c、及び、遊技機3001d)、及び、各データ表示機2501(データ表示機2501a、データ表示機2501b、データ表示機2501c、及び、データ表示機2501d)は、それぞれ、上述した実施形態における遊技機3001及びデータ表示機2501と同様の構成を有している。また、各データ表示機2501(データ表示機2501a、データ表示機2501b、データ表示機2501c、及び、データ表示機2501d)は、それぞれ、管理サーバ3910と通信を行うことが可能となっている。各データ表示機2501と管理サーバ3910との通信は、直接的に行われることとしてもよいし、島コンピュータを介して間接的に行われることとしてもよい。
これにより、各データ表示機2501(データ表示機2501a、データ表示機2501b、データ表示機2501c、及び、データ表示機2501d)は、対応する遊技機3001(遊技機3001a、遊技機3001b、遊技機3001c、及び、遊技機3001d)の備えるランプ3305a及びランプ3305bをCMOSイメージセンサで撮像することにより、ランプ3305aの発光色及びランプ3305bの発光色を認識することができる。そして、各データ表示機2501(データ表示機2501a、データ表示機2501b、データ表示機2501c、及び、データ表示機2501d)は、対応する遊技機3001(遊技機3001a、遊技機3001b、遊技機3001c、及び、遊技機3001d)におけるランプ3305の点灯パターン(遊技機3001の状態)に応じた態様で、液晶ディスプレイ2502、LED2503、スピーカ2504等を制御したり、管理サーバ3910と通信を行ったりする。
[ロック関連処理]
図187は、遊技機において行われるロック関連処理を示すフローチャートである。
図187に示すロック関連処理は、図110のステップS3504の処理(内部抽籤処理)が実行された後に、遊技機3001の主制御部3301(図150参照)において行われる処理である。なお、第11実施形態と同様に、本実施形態に係る遊技機3001としては、第3実施形態に係るパチスロ機4001と同様の構成を採用することが可能であり、遊技機3001は、図108に示す構成を備えている。主制御部3301及び副制御部3302(図150参照)は、それぞれ、図108に関連して説明した主制御基板4071(主制御回路)及び副制御基板4072(副制御回路)に対応している。
ロック関連処理において、まず、主制御部3301は、予約ロックフラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4601)。予約ロックフラグは、遊技ロックが予約されていることを示すフラグであり(ステップS4610参照)、所定数(3回)の単位遊技が行われた後(予約ゲーム数経過後)に遊技ロックを行うために用いられる。
遊技ロックは、遊技者による操作を所定時間無効化する演出である。本実施形態では、各リール4003L、4003C、4003R(図109参照)に対する停止操作として第1停止操作が行われる前に遊技ロック(フリーズ)が行われる場合がある。当該フリーズが行われると、全てのリール4003L、4003C、4003Rがロック(全回胴ロック)され、スタートレバー4006(図108参照)が操作された後所定時間(例えば、5秒)が経過するまで、遊技者による操作(例えば、ストップボタン4007L、4007C、4007Rの操作)が無効化される。なお、遊技者による操作を無効化するとともに、所定のリールアクション(例えば、スロー回転、高速回転、逆回転等)を行うこととしてもよい。また、本実施形態と異なり、遊技ロックは、全部又は一部のリール4003L、4003C、4003Rの回転が停止した後に行うこととしてもよい。
フリーズは、特定の役(ステップS4606参照)が内部当籤役として決定された場合にのみ発生し得るロック演出であり、フリーズが発生した場合には、特定の役が内部当籤したことが遊技者に対して確定的に報知される。なお、後述するように、フリーズが発生している間は、液晶表示装置においても演出(フリーズ演出)が行われる。特定の役としては、遊技者にとって有利な役(例えば、ATへの移行が確定する役やレア役、ボーナス役等)を採用することができる。本実施形態では、所定数(3回)の単位遊技が行われた後(前兆ゲームの消化後)にATが開始することが確定する役として複数の所定役が設けられており、当該複数の所定役のうちの一部の役が上記特定の役として採用されている。すなわち、一部の所定役が内部当籤役として決定された場合に予約ロックフラグがオンにセットされる可能性がある。
予約ロックフラグがオンにセットされていると判断した場合、主制御部3301は、予約ロックゲーム数カウンタの値を1減算する(ステップS4602)。予約ロックゲーム数カウンタの値は、遊技ロック(フリーズ)が行われるまでに行われる単位遊技の残り回数を示し、メインRAM4033に記憶されている。
次に、主制御部3301は、予約ロックゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS4603)。予約ロックゲーム数カウンタの値が0ではないと判断した場合、主制御部3301は、本サブルーチンを終了する。
一方、予約ロックゲーム数カウンタの値が0であると判断した場合、主制御部3301は、ロック発動フラグをオンにセットする(ステップS4604)。ロック発動フラグは、遊技ロックを発動可能な状態になったことを示すフラグであり、これにより、遊技ロック(フリーズ)が行われることになる(図188参照)。
なお、本実施形態では、予約ロック抽籤に当籤しなかった場合、所定数(3回)の単位遊技が行われるのを待つことなく(特定の役が内部当籤役として決定された当該単位遊技において)、遊技ロック(フリーズ)が行われることとしている(ステップS4609参照)。しかし、予約ロック抽籤に当籤しなかった場合には、当該単位遊技において遊技ロック(フリーズ)を行わず、所定数(3回)の単位遊技が行われた後に(遊技ロック以外の演出(液晶演出等)により)ATに当籤した(ATが開始する)ことを報知することとしてもよい。
そして、主制御部3301は、予約ロックフラグをオフにセットし(ステップS4605)、本サブルーチンを終了する。
ステップS4601において予約ロックフラグがオンにセットされていないと判断した場合、主制御部3301は、特定の役が内部当籤役として決定されたか否かを判断する(ステップS4606)。特定の役が内部当籤役として決定されていないと判断した場合、主制御部3301は、本サブルーチンを終了する。
一方、特定の役が内部当籤役として決定されたと判断した場合、主制御部3301は、予約ロック抽籤を実行する(ステップS4607)。この処理において、主制御部3301は、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、当籤又は非当籤を決定する。例えば、主制御部3301は、10%の確率で当籤に決定し、90%の確率で非当籤に決定する。
次に、主制御部3301は、予約ロック抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS4608)。予約ロック抽籤に当籤していないと判断した場合、主制御部3301は、ロック発動フラグをオンにセットする(ステップS4609)。これにより、予約ロック抽籤に当籤しなかった場合には、所定数(3回)の単位遊技が行われるのを待つことなく(特定の役が内部当籤役として決定された当該単位遊技において)、遊技ロック(フリーズ)が行われることになる(図188参照)。
ステップS4609の処理を実行した後、主制御部3301は、本サブルーチンを終了する。
ステップS4608において予約ロック抽籤に当籤したと判断した場合、主制御部3301は、予約ロックフラグをオンにセットし(ステップS4610)、予約ロックゲーム数カウンタに「3」をセットする(ステップS4611)。
次に、主制御部3301は、予約ロックコマンドデータを生成し、生成した予約ロックコマンドデータを副制御部3302へ送信する(ステップS4612)。これにより、副制御部3302では、予約ゲーム数経過後に遊技ロックが発生する(予約ロックが成立した)ことを認識することができるようになる。そして、予約ロックコマンドデータを受信したことを契機として、副制御部3302は、「予約ロック用パターン」(図182参照)に相当する点灯パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306(図150参照)を制御する。これにより、図182に示す「パターン99」による発光制御が行われる。上述したように、予約ロック用パターンは、予約ロックが成立した場合に出現する点灯パターンである。
ステップS4612の処理を実行した後、主制御部3301は、本サブルーチンを終了する。
[リール回転開始処理]
図188は、遊技機において行われるリール回転開始処理を示すフローチャートである。
図188に示すリール回転開始処理は、主制御部3301において図110のステップS3511で行われる処理である。
リール回転開始処理において、まず、主制御部3301は、ロック発動フラグ(図187のステップS4604及びステップS4609参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4621)。
ロック発動フラグがオンにセットされていると判断した場合、主制御部3301は、所定時間(例えば、5秒)に対応する値をロックタイマにセットする(ステップS4622)。図示しないが、ロックタイマは、割込処理において実行されるタイマ更新処理により更新される。割込処理は、一定の周期(1.1172msec)で実行される。
次に、主制御部3301は、ロックタイマが0であるか否かを判断する(ステップS4623)。ロックタイマが0ではないと判断した場合、主制御部3301は、ステップS4623に処理を戻す。一方、ロックタイマが0であると判断した場合、主制御部3301は、ロック発動フラグをオフにセットする(ステップS4624)。
これにより、遊技ロック(フリーズ)が行われ、全てのリール4003L、4003C、4003Rがロック(全回胴ロック)され、スタートレバー4006が操作された後所定時間(例えば、5秒)が経過するまで、遊技者による操作(例えば、ストップボタン4007L、4007C、4007Rの操作)が無効化される。
なお、図示しないが、主制御部3301は、ステップS4622の処理を実行した後、ロックコマンドデータを生成し、生成したロックコマンドデータを副制御部3302へ送信する。これにより、副制御部3302では、遊技ロック(フリーズ)が発生したことを認識することができるようになる。そして、ロックコマンドデータを受信したことを契機として、副制御部3302では、フリーズが発生している間に行われる演出(フリーズ演出)に対応する演出データがセットされる。これにより、フリーズ演出として、液晶表示装置の画面が暗転するような演出が行われることになる。
ステップS4621においてロック発動フラグがオンにセットされていないと判断した場合、又は、ステップS4624の処理を実行した後、主制御部3301は、通常時加速処理を実行する(ステップS4625)。この処理において、主制御部3301は、リール4003L、4003C、4003Rの回転の開始を要求する。リール4003L、4003C、4003Rの回転開始が要求されると、上述した割込処理によってステッピングモータ4049L、4049C、4049Rの駆動が制御され、各リール4003L、4003C、4003Rの回転が開始される。そして、各リール4003L、4003C、4003Rは、その回転が定速に達するまで加速が行われ、その後、定速が維持されるように制御される。
ステップS4625の処理を実行した後、主制御部3301は、本サブルーチンを終了する。
[予約ロック演出関連処理]
図189は、データ表示機において行われる予約ロック演出関連処理を示すフローチャートである。
図189に示す予約ロック演出関連処理は、データ表示機2501の制御部2801(図151参照)において所定のタイミングで繰り返し行われる処理である。
予約ロック演出関連処理において、まず、制御部2801は、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せとして、予約ロック用パターンに相当する点灯パターン(図187のステップS4612参照)が検出されたか否かを判断する(ステップS4651)。上述したように、予約ロック用パターンは、予約ロックが成立した場合に出現する点灯パターンである(図182参照)。
予約ロック用パターンに相当する点灯パターンが検出されたと判断した場合、制御部2801は、予約ロック検出信号を管理サーバ3910に対して送信する(ステップS4652)。予約ロック検出信号は、当該信号の送信元のデータ表示機2501と対応付けられた遊技機3001において予約ロックが成立したことを示す信号である。
ここで、本実施形態において、遊技店に設置されている複数のデータ表示機2501は、複数のグループ(グループI、グループII、グループIII・・・)に分類され、管理サーバ3910によってグループ単位で管理されている。具体的に、各データ表示機2501には、グループ識別番号(I、II、III・・・)が対応付けられており、例えば、一のデータ表示機2501にグループ識別番号Iが対応付けられていれば、当該データ表示機2501はグループIに属しており、一のデータ表示機2501にグループ識別番号IIが対応付けられていれば、当該データ表示機2501はグループIIに属している、と言うことができる。
管理サーバ3910は、一のデータ表示機2501と他のデータ表示機2501とにそれぞれ対応付けられたグループ識別番号が互いに同一である場合、これらのデータ表示機2501が同一のグループに属するものとして扱うことが可能となっている。図186に示すデータ表示機2501a、データ表示機2501b、データ表示機2501c、及び、データ表示機2501dは、何れも同一のグループ識別番号(I)が対応付けられており、これらのデータ表示機2501は、同一のグループ(グループI)に属している。なお、同一のグループに属する複数のデータ表示機2501は、同じ島に設置されている。
ステップS4652においてデータ表示機2501から送信される予約ロック検出信号を受信すると、管理サーバ3910は、当該予約ロック検出信号の送信元のデータ表示機2501(例えば、データ表示機2501a)と同一のグループに属する全てのデータ表示機2501(例えば、データ表示機2501a、データ表示機2501b、データ表示機2501c、及び、データ表示機2501d)に対して、予約ロック演出実行信号を送信する。予約ロック検出信号には、当該信号の送信元のデータ表示機2501に対応付けられたグループ識別番号を示す情報が含まれているため、管理サーバ3910は、当該データ表示機2501の属するグループを認識することができる。予約ロック演出実行信号は、当該信号の送信先のデータ表示機2501と同一のグループに属する一のデータ表示機2501(例えば、データ表示機2501a)と対応付けられた一の遊技機3001(例えば、遊技機3001a)において予約ロックが成立したことを示す信号である。
なお、ステップS4652においてデータ表示機2501から送信される予約ロック検出信号を受信すると、管理サーバ3910は、当該予約ロック検出信号の送信元のデータ表示機2501(例えば、データ表示機2501a)と同一のグループに属するデータ表示機2501(例えば、データ表示機2501a、データ表示機2501b、データ表示機2501c、及び、データ表示機2501d)のうち、当該予約ロック検出信号の送信元のデータ表示機2501以外の全てのデータ表示機2501(例えば、データ表示機2501b、データ表示機2501c、及び、データ表示機2501d)に対して、予約ロック演出実行信号を送信することとしてもよい。すなわち、当該予約ロック検出信号の送信元のデータ表示機2501(例えば、データ表示機2501a)においては、当該データ表示機2501と対応付けられた遊技機3001(例えば、遊技機3001a)において予約ロックが成立したことを認識することが可能であるため(ステップS4651参照)、当該データ表示機2501に対しては予約ロック演出実行信号を送信しないこととしてもよい。
ステップS4651において予約ロック用パターンに相当する点灯パターンが検出されていないと判断した場合、制御部2801は、予約ロック演出実行信号を管理サーバ3910から受信したか否かを判断する(ステップS4653)。
ステップS4652の処理を実行した後、又は、ステップS4653において予約ロック演出実行信号を受信したと判断した場合、制御部2801は、予約ロック演出を実行する(ステップS4654)。予約ロック演出は、予約ロックが成立したことを示唆するような演出であり、映像、音、光等を用いて盛大に行われ、これにより、遊技者の期待感を高めることができるようになっている。ステップS4654の処理において、制御部2801は、映像表示部2805や音声出力部2807や電飾部2806(図151参照)を制御することにより、遊技者の気分を高揚させるような映像、音、及び、光を、それぞれ、液晶ディスプレイ2502、スピーカ2504、及び、LED2503から出力させる。なお、LED2503が設定値を示唆し得る態様で点灯している場合(図185のステップS4514参照)、制御部2801は、予約ロック演出を優先して実行する。
このような予約ロック演出は、一のグループに属する全てのデータ表示機2501において同時に実行される。これにより、各データ表示機2501において実行される予約ロック演出を連動させることが可能であり、当該グループにおいて魅力的な演出を実現することができる。そして、予約ロック演出が実行されることは、当該グループに属する一のデータ表示機2501と対応付けられた一の遊技機3001において予約ロックが成立したことを意味するところ、予約ゲーム数経過後に自身が遊技を行っている遊技機3001において遊技ロック(フリーズ)が発生する可能性に対して、遊技者の期待感を高めることができる。このことを通じて、予約期間中(予約ゲーム数が経過するまで)遊技者に胸を高鳴らせながら遊技を行ってもらうことが可能であり、当該期間を遊技システムPS100における大きな醍醐味とすることができる。
ステップS4653において予約ロック演出実行信号を受信していないと判断した場合、又は、ステップS4654の処理を実行した後、制御部2801は、本サブルーチンを終了する。
以上、本発明の一実施形態として、第14実施形態に係る遊技システムPS100、遊技機3001、及び、データ表示機2501について説明した。
<第15実施形態>
次に、本発明の第15実施形態に係る遊技システムPS200の構成について、図190を参照して説明する。
本願の遊技システムPS200は、図190(A)に示すように、パチンコ機6001と遊技用装置7001を含むように構成される。パチンコ機6001は、図190(A)では、第1実施形態に第1のパチンコ機と同様の構成であるが、第1実施形態の第2のパチンコ機、第3のパチンコ機、及び他の実施形態に係るパチンコ機であってもよい。また、本実施形態では、パチンコ機に限らず、特に第3実施形態~第14実施形態における説明で主に説明されているパチスロ機であってもよい。また、第2実施形態等に記載されている封入式の遊技機(すなわち、主制御回路自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、封入された遊技球を循環させて行う遊技や、メダルレスで行う遊技を可能とする遊技機)とすることもできる。
[パチンコ遊技機の外観構成]
図190(A)は、パチンコ機6001を前方向右斜め上から見たときの外観を示す斜視図である。図190(A)に示されるように、パチンコ機6001は、外枠6002、ベースドア6003、ガラスドア6004、皿ユニット6005、発射装置6006、表示装置6007(図192参照)、払出ユニット6008(不図示)、基板ユニット6009(不図示)、および、遊技盤ユニット6010(不図示)等を備える。さらに、遊技盤ユニット6010の右下部にはLEDユニット6160(不図示)が設けられている。ここでは、外枠6002、ベースドア6003、ガラスドア6004、皿ユニット6005、発射装置6006、表示装置6007、払出ユニット6008、および基板ユニット6009について簡単に説明する。
外枠6002は、正面視略矩形状の枠体であり、前後方向に貫通する開口6021を有する。この外枠6002は、遊技場の島設備に固定して取り付けられる。外枠6002の例えば左端部の前側には蝶番(参照符号なし)が設けられており、この蝶番には、ベースドア6003が軸支されている。このようにすることで、蝶番を軸として外枠6002に対してベースドア6003を前方に回動させることが可能となっている。
なお、外枠6002は、ベースドア6003を介して、後述する払出ユニット6008、基板ユニット6009、表示装置6007、遊技盤ユニット6010、ガラスドア6004、および皿ユニット6005等の多数の部材を支持するため、高い強度が必要とされる。その一方で、演出効果を高めることを目的として例えば表示装置6007や遊技盤ユニット6010の大型化が要求されている。そのため、外枠6002を例えば薄板の金属で構成することにより、表示装置6007や遊技盤ユニット6010の大型化を図りつつ、高い強度を保つことができる。とくに外枠6002をアルミ製にすれば、軽量化を図ることも可能となる。
ベースドア6003は、裏面側に例えば払出ユニット6008および基板ユニット6009等が取り付けられており、これらを支持している。
ベースドア6003の表面側には遊技盤ユニット6010がはめ込まれる。また、ベースドア6003の例えば左端部の前側には、上端部、上下方向略中央部よりも下方側の中途部、および、下端部のそれぞれに蝶番(参照符号なし)が設けられており、上端部および中途部の蝶番にガラスドア6004が軸支され、中途部および下端部の蝶番に皿ユニット6005がそれぞれ軸支されている。このようにすることで、蝶番を軸としてベースドア6003に対してガラスドア6004および皿ユニット6005を一体でまたは個別に前方に回動させることが可能となっている。
また、ベースドア6003の表面側の例えば右側下方には発射装置6006が固定して取り付けられており、例えば上方側の左右のそれぞれには、スピーカ6032が固定して取り付けられている。このスピーカ6032からは、例えば、表示装置6007に表示されるキャラクタ等の音声演出、楽曲、効果音、音声による告知、エラー報知等の演出音等が出力される。
さらに、ベースドア6003の蝶番と反対側(すなわち右端部)には、施錠装置(不図示)が設けられている。この施錠装置は、外枠6002に対してベースドア6003を施錠したり、ベースドア6003に対してガラスドア6004を施錠したりする機能を備えている。
ガラスドア6004は、開口6041が形成された枠状の部材である。この開口6041には、透過性を有する保護ガラス6043が後面側から取り付けられている。ガラスドア6004がベースドア6003に対して閉じられると、遊技盤ユニット6010に形成される遊技領域6105(不図示)と保護ガラス6043とが対向する。このようにして、ガラスドア6004がベースドア6003に対して閉じられた状態で遊技領域6105を前方から視認することができるとともに、遊技領域6105を流下する遊技球が前方に飛び出さないようにすることができる。
なお、保護ガラス6043は、複数枚(例えば2枚)のガラスを互いに間隙を有して取り付けるものであってもよいし、互いに間隙を有するように複数枚のガラスがユニット化されたものであってもよい。さらには、ユニット化されたものである場合、ガラスとガラスとの間に例えば導光板が備えられたものであってもよい。上記の保護ガラス6043は、ガラス製に限られず、例えば透明樹脂製であってもよい。
また、ガラスドア6004の下部には、遊技情報提供サービス(例えば、「ユニメモ(登録商標)」)の提供を受けるために例えば遊技者が操作することが可能な操作部6066が設けられる。この操作部6066は、遊技場の管理者等がホールメニュー画面上で操作することが可能な操作部として機能させることもできる。
また、ガラスドア6004の上部には、上述したスピーカ6032の前方に配置されるスピーカカバーが設けられている。さらに、ガラスドア6004の開口6041の周縁部には、発光演出等に用いられる多数のLED群6046が配置されており、これらのLED群6046の前方にはLEDカバーが設けられている。符号6046は、厳密にいえばLEDカバーであるが、便宜上、LED群6046として説明する。LED群6046は、例えば、光での告知や、さまざまなバリエーションで発光演出等を行う演出用の発光手段であるが、このような発光演出等を実行できればLEDに限られず、例えば液晶やランプ等であってもよい。
皿ユニット6005は、上皿6051と下皿6052とをユニット化したものである。皿ユニット6005は、ベースドア6003の前下部であって、ガラスドア6004の下方に配置される。この皿ユニット6005は、例えば球詰まり等の発生時に遊技場の店員等が球詰まりを解消できるように、上述したとおり、ベースドア6003に対して回動させて開閉できるように構成されている。なお、皿ユニット6005は、必ずしも上皿6051と下皿6052とをそれぞれ設ける必要はなく、一体皿として構成してもよい。
上皿6051は、遊技球を貯留可能に設けられており、上皿6051に貯留された遊技球は、発射装置6006から遊技領域6105に向けて発射される。上皿6051には、払出口6053および演出ボタン6054等が設けられる。貸し出される遊技球や賞球として払い出される遊技球は、払出口6053から上皿6051に払い出される。演出ボタン6054は、所謂「CHANCEボタン」や、「プッシュボタン」等と呼ばれるものである。演出ボタン6054は、遊技者によって操作される操作機能の他、所定の演出機能を有してもよい。所定の演出機能としては、例えば特別図柄の当り判定処理の結果に基づいて振動したり上方に突出するような機能が相当する。また、上記操作部6066の機能を兼用するようにしてもよい。
下皿6052は、主として上皿6051から溢れた遊技球を貯留するためのものである。下皿6052には上皿6051と連通する払出口6055が設けられており、上皿6051から溢れた遊技球は払出口6055から下皿6052に払い出される。
下皿6052の底面には、遊技者の操作によって開閉させることが可能な開口部(参照符号なし)が形成されている。下皿6052の底面に形成された開口部を開状態にすると、下皿6052に貯留されている遊技球を、下皿6052の下方に載置された球箱に移すことができる。なお、所謂各台計数システムが各台に設けられている場合、球箱を必要としないだけでなく、各台計数システムで計数された遊技球を貯球し、貯球された遊技球を再び遊技に供することもできる。
発射装置6006は、上皿6051に貯留された遊技球を、遊技領域6105に向けて発射するためのものである。発射装置6006は、ベースドア6003の前右下部であって、皿ユニット6005の右下方に配置される。発射装置6006は、パネル体6061、駆動装置(不図示)および発射ハンドル6062を備える。
パネル体6061は、ベースドア6003に対し皿ユニット6005が閉じられた状態において、皿ユニット6005と、ベースドア6003に固定して取り付けられた発射装置6006とが外観上一体となるように設けられる。
発射ハンドル6062は、右回りまたは左回りに回動可能に構成されており、パネル体6061の表面側に配置される。上記の駆動装置は、パネル体6061の裏面側に配置され、例えば発射ソレノイド(図示せず)により構成される。遊技者によって発射ハンドル6062が操作されると、駆動装置の動作により遊技球が発射される。なお、発射ハンドル6062を操作する際に、右回りへの回動量(操作量)が大きいほど遊技球の発射強度が強くなる。
皿ユニット6005の右下方に配置された発射装置6006から発射された遊技球は、発射レール(不図示)を経てガイドレール6110(不図示)に沿って円弧状に転動して遊技領域6105(不図示)に打ち出される。なお、発射装置6006の配置位置は、皿ユニット6005の右下方に限られず、皿ユニット6005の左下方であってもよい。この場合、上記の発射レールが不要となり、ガラスドア6004の下方の領域を有効に利用することができ、汎用性を高めることが可能となる。
表示装置6007は、遊技に関する各種の演出画像を表示する表示領域を有するものであって、遊技パネル6100の開口に上記の表示領域が臨むように取り付けられる。表示装置6007は、例えば、液晶表示装置、7セグ表示装置、ドットマトリクス表示装置、エレクトロルミネッセンスで構成される表示装置等であってもよいし、プロジェクタ等の投影装置を用いて映像を投影するものであってもよい。表示装置6007の表示領域には、例えば、演出用識別図柄(例えば、装飾図柄)を可変表示させて特別図柄の当り判定処理の結果を表示したり、特別図柄の当り判定処理の結果に応じた演出画像、大当り遊技状態中の演出画像、デモ演出画像、特別図柄の可変表示の保留状況を示す演出画像等が表示される。本実施例では、表示装置6007が遊技盤ユニット6010に取り付けられているが、表示装置6007の表示領域が遊技パネル6100の開口に臨むように配置されていれば、表示装置6007はベースドア6003に取り付けられるようにしてもよい。
なお、本実施例では、上記各種の演出画像を表示するものとして一つの表示装置6007を備えているが、複数(例えば二つ)の表示装置を設けて、これら複数の表示装置を用いて演出画像を表示するようにしても良い。
払出ユニット6008(不図示)は、ベースドア6003の背面側に配置されており、球通路6081、払出装置6082等で構成される。球通路6081には、貯留タンク6080(不図示)から遊技球が供給される。なお、貯留タンク6080には、島設備(不図示)から遊技球が供給される。払出装置6082は、払出条件が成立すると、貯留タンク6080から球通路6081に供給された遊技球のうち所定個数の遊技球を例えば上皿6051に払い出す。また、払出ユニット6008の背面側には、電源スイッチ6095(図192参照)が設けられる。
基板ユニット6009(不図示)は、ベースドア6003の背面側に配置される。基板ユニット6009には、各種制御基板等が設けられる。
具体的には、主制御回路6200(図192参照)が実装された主制御基板6091、サブ制御回路6300(図192参照)が実装されたサブ制御基板6092、遊技球の払出・発射を制御する払出・発射制御回路6400(図192参照)が実装された払出・発射制御基板6093、および、電源を供給する電源供給回路6450(図192参照)が実装された電源供給基板等が基板ユニット6009に設けられている。
また、本実施例では、サブ制御基板6092を、ワンボード基板(1つの基板に1つの制御LSIまたは複数のLSIが設けられた基板)として構成する。ただし、これに限られず、例えば、後述する表示制御回路6304、音声・LED制御回路6305、および役物制御回路6307(いずれも後述の図192参照)等の全部または一部を別個の基板とすることで、サブ制御基板6092を複数の基板で構成してもよい。
[遊技用装置の概要]
遊技用装置7001は、パチンコ機6001から出力(射出)される光を受信する、パチンコ機6001とは別筐体の装置であり、図190(A)には、実際に遊技が行われる際の遊技用装置7001の状態が示されており、この例では、遊技用装置7001が、パチンコ機6001の正面から見て右側の中段付近に固定的に取り付けられている。
ここで、パチンコ機6001は、例えば光通信によって、遊技機における演出等に係る音声を外部に出力し、遊技用装置7001は、パチンコ機6001から出力された光を受光し、その受光した光に基づいて音声(遊技機における演出に係る音声や警告音といった他の音声)を生成し、接続されている有線音響装置8001や無線音響装置8002に当該生成された音声を出力する。有線音響装置8001は、例えば、オーディオケーブルによって遊技用装置7001と接続されるヘッドホンやイヤホンであって、遊技者がこれらの装置を使用することによって、遊技機における演出等に係る音声を聞くことができる。
なお、以降では、ヘッドホンやイヤホンは、遊技者が所有し、遊技者に装着されるものとして説明するが、これらの音響装置を、遊技店が希望者に貸し出す運用とすることもできる。
無線音響装置8002は、例えば、無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標))によって遊技用装置7001と無線接続されるヘッドホンやイヤホンである。また、この場合、パチンコ機6001における演出等に係る音声は、パチンコ機6001のスピーカーからは出力されないか、または所定の小さな音量に抑制される。なお、図190(A)では、有線音響装置8001としてヘッドホンが図示され、無線音響装置8002としてイヤホンが図示されているが、これは例示に過ぎず、有線音響装置8001と無線音響装置8002のどちらについても、ヘッドホンとイヤホンのタイプを使用することができる(以下の図面について同じ)。また、ヘッドホンやイヤホンに属さない音響装置であっても、遊技者が装着することによって音声を聞くことができれば、本願の音響装置として用いることができる。
こうした本願の構成により、パチンコ機6001から遊技用装置7001に対する一方向の非接触通信が実現されるため、パチンコ機6001への情報流入や電気的接続が完全に回避され、この構成で、不正行為等に対するリスクが増大することはない。
また、遊技者は、有線音響装置8001や無線音響装置8002によって、所望の音量で、遊技機における演出に係る音声を確実に聴取することができる。また、近年、音響装置においては、ノイズキャンセリング技術が向上し、外界を音が概ね遮断されるため、遊技者が周りの騒音に煩わされることはほとんどない。また、ヘッドホンのイヤーパッドも、耳を完全に覆うものがあり、このようなタイプでは、上述したノイズキャンセリング機能と合わせて、外界の音を効果的に遮断することができる。
また、こうした、音声が確実に遊技者の耳に届けられ、かつ、外界の音を効果的に遮断することができる環境が実現されるために、遊技者にバイノーラルサウンドを提供することが容易になり、これによって、パチンコ機6001の演出において、恐怖を煽る効果音や、臨場感に溢れた豊かな音を再生することができる。
他方、パチンコ機6001では、演出に係る音声がスピーカーから出力されないか、または小さな音量に抑制されるので、結果として、遊技店全体での音量レベルが抑止され、音響装置を用いない遊技者に対しても、より上質な遊技環境を提供することができる。
図190(B)には、遊技用装置7001をパチンコ機6001から一時的に取り外した状態が示されており、遊技用装置7001が固定されていた位置に対応するパチンコ機6001の位置には、遊技用装置7001に対して光を射出するための発光部(すなわち、2つの音声出力用LED6045(音声出力用LED-A6045a、音声出力用LED-B6045b))が示されている。
図191は、上述した本願の構成を模式的な概略図として示したものである。図191(A)には、パチンコ機6001の発光部(2つの音声出力用LED6045)から光(例えば、赤外線)が出力(射出)され、その光が、遊技用装置7001の受光部で受光されている様子が示されている。なお、ここでは、パチンコ機6001の形状は、簡略化されて示されており、遊技用装置7001の位置は、赤外線の出力状態が分かるように、便宜的にパチンコ機6001とは離れた位置に表示されている。
また、音声出力用LED6045、及びこれに対応する遊技用装置7001の位置は、図190とは異なり、パチンコ機6001の正面から見て左側の上段付近に固定的に取り付けられる(図191(B)も同様)。このように、遊技用装置7001が配置される位置は、パチンコ機6001から出力される光を受光できる位置であれば、どこでも構わない。
図191(B)には、実際に遊技が行われる際の遊技用装置7001の状態が示されており、この位置関係で、パチンコ機6001の発光部から出力された光が遊技用装置7001の受光部で受光される。また、遊技用装置7001には、有線音響装置8001のオーディオケーブルのプラグが挿入される音声出力端子7006が設けられている。
遊技者は、有線音響装置8001のオーディオケーブル(のプラグ)を遊技用装置7001の音声出力端子7006に挿入するか、または、無線音響装置8002を遊技用装置7001に接続するための設定を行うことで、パチンコ機6001における演出等に係る音声を、その音響装置で聞くことができる。なお、遊技用装置7001の構成次第で、有線音響装置8001と無線音響装置8002の両方を用いて、遊技機における演出に係る音声を聞くこともできる。
[パチンコ機の電気的構成]
次に、図192を参照して、本実施形態に係るパチンコ機6001の構成について説明する。パチンコ機1は基本的に、図6に示した第1実施形態の第1のパチンコ遊技機と同様の構成を有している。図192は、パチンコ機6001の構成の一例を示す図である。
図192に示されるように、パチンコ機6001は、主に、遊技の制御を行う主制御回路6200と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路6300と、払出・発射制御回路6400と、電源供給回路6450と、から構成される。
主制御回路6200は、例えば電源投入時に実行される処理や遊技動作にかかわる処理等を制御するものであって、メインCPU6201、メインROM6202(読み出し専用メモリ)、メインRAM6203(読み書き可能メモリ)、初期リセット回路6204およびバックアップコンデンサ6207等を備えており、主基板ケース(不図示)内に収容されている。
メインCPU6201には、メインROM6202、メインRAM6203および初期リセット回路6204等が接続される。メインCPU6201は、動作を監視するWDT(watchdog timer)や不正を防止するための機能等が内蔵されている。
メインROM6202には、メインCPU6201により第1のパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。メインCPU6201は、メインROM6202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインRAM6203には、遊技の進行に必要な各種データを記憶する記憶領域が設けられている。このメインRAM6203は、メインCPU6201の一時記憶領域として、種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU6201の一時記憶領域としてRAMを用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
初期リセット回路6204は、メインCPU6201を監視し、必要に応じてリセット信号を出力するものである。
バックアップコンデンサ6207は、電断時等に、メインRAM6203に格納されているデータが消失しないように一時的に電力を供給する機能を有するものである。
さらに、主制御回路6200は、各種デバイス等との間で通信可能に接続されるI/Oポート6205、および、サブ制御回路6300に対して各種コマンドを出力可能に接続されるコマンド出力ポート6206等も備える。
また、主制御回路6200には、各種のデバイスが接続されている。例えば、主制御回路6200には、普通図柄表示部6161、普通図柄用保留表示部6162、第1特別図柄表示部6163、第2特別図柄表示部6164、第1特別図柄用保留表示部6165、第2特別図柄用保留表示部6166、確変報知用表示部6167、時短報知用表示部6168、普電用ソレノイド6148、および、特電用ソレノイド6135等が接続されている。また、主制御回路6200には、これらの他、性能表示モニタ6170およびエラー報知モニタ6172等も接続されている。主制御回路6200は、I/Oポート6205を介して信号を送信することにより、これらのデバイスの動作を制御することができる。
性能表示モニタ6170には、メインCPU6201の制御により性能表示データや後述する設定値等が表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000個)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外の遊技状態で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
エラー報知モニタ6172には、エラーコードが表示される。また、エラー報知モニタ6172には、エラーコードの他に、例えば、設定機能付きのパチンコ遊技機であれば、設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中コードとしては、特別図柄の表示として通常では表示することのない図柄(例えば、設定変更中であることを示す設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
また、主制御回路6200には、第1始動口スイッチ6121、第2始動口スイッチ6141、通過ゲートスイッチ6127、カウントスイッチ6132、および、一般入賞口スイッチ6123等も接続されている。これらのスイッチが検出されると、検出信号がI/Oポート6205を介して主制御回路6200に出力される。
さらに、主制御回路6200には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ6186にデータ送信する際に用いる外部端子板6184、設定機能付きのパチンコ遊技機であれば設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー6174aを差し込む設定キー差込口6174、メインRAM6203に格納されるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアすることが可能なRAMクリアスイッチ6176等が接続されている。RAMクリアスイッチ6176は、設定値を変更する際のスイッチを兼用することもできるが、これに限られず、設定値を変更するための設定スイッチを設けるようにしてもよい。
また、設定キー差込口6174およびRAMクリアスイッチ6176は、遊技場の管理者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に触ることができないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。「所定のケース内」には、当該ケースを開放しないと設定キー差込口6174やRAMクリアスイッチ6176に接触できない構成のものだけでなく、当該ケースの設定キー差込口6174およびRAMクリアスイッチ6176の対応箇所にのみ切欠きが設けられ、遊技場の管理者が管理する鍵を使用して島設備からパチンコ遊技機を回動させて背面を露出させたときに、遊技場の管理者が設定キー差込口6174または/およびRAMクリアスイッチ6176に接触できるように構成されているものも含まれる。
なお、本実施例では、設定キー差込口6174およびRAMクリアスイッチ6176は、主制御回路6200に接続されているが、これに限られず、例えば、払出・発射制御回路6400や電源供給回路6450に接続されるような構成にしてもよい。この場合にもまた、遊技場の管理者以外の第三者が設定キー差込口6174やRAMクリアスイッチ6176に容易に接触できないようにすることが好ましい。
サブ制御回路6300は、サブCPU6301、プログラムROM6302、ワークRAM6303、表示制御回路6304、音声・LED制御回路6305、役物制御回路6307、およびコマンド入力ポート6308等を備える。サブ制御回路6300は、主制御回路6200からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。なお、図192には示されていないが、サブ制御回路6300には、遊技者が操作可能な演出ボタン等も接続されている。
プログラムROM6302には、サブCPU6301によりパチンコ機6001の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。サブCPU6301は、プログラムROM6302に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU6301は、主制御回路6200から送信される各種のコマンドに従って、遊技演出にかかる制御を行う。
ワークRAM6303は、サブCPU6301の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
表示制御回路6304は、表示装置6007における表示制御を行うための回路である。表示制御回路6304は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)や、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データを一時的に格納するフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を備える。
表示制御回路6304は、サブCPU6301からの画像表示命令に応じて、表示装置6007に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、表示装置6007に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路6304は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで表示装置6007に供給する。表示装置6007に画像信号が供給されると、表示装置6007に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路6304は、表示装置6007に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声・LED制御回路6305は、スピーカ6032から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声・LED制御回路6305は、音声に関する制御を行う音声コントローラや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を備える。
音声コントローラは、スピーカ6032から出力される音声の制御を行う。音声コントローラは、サブCPU6301からの音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音声コントローラは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、スピーカ6032から出力される音声や効果音等の信号を増幅させるものである。
音声・LED制御回路6305はまた、遊技用装置7001に向けて光を出力する音声出力用LED6045を制御する。音声・LED制御回路6305は、音声出力用LED6045にLED制御信号を供給するためのドライブ回路(LEDドライバ)や、音声データを光を出力するための信号に変換するD/Aコンバータ等を備える。
音声・LED制御回路6305は、装飾LED等を含む演出用LED群6046の制御を行う。音声・LED制御回路6305は、演出のタイミングに合わせて演出用LED群6046に関するLED制御信号を生成するランプコントローラや、生成されたLED制御信号を供給するためのドライブ回路(LEDドライバ)や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を備える。
役物制御回路6307は、各役物(例えば、演出用役物群6058のうちの一または複数の役物)の動作を制御するための回路である。役物制御回路6307は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を備える。
また、役物制御回路6307は、サブCPU6301からの役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU6301からの点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート6308は、コマンド出力ポート6206と接続されており、主制御回路6200から送信された各種コマンドを受信するものである。
払出・発射制御回路6400は、賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路6400には、遊技球を払い出すことが可能な払出装置6082、遊技球を発射させることが可能な発射装置6006、球貸しにかかる制御を実行可能なカードユニット6180等が接続されている。
払出・発射制御回路6400は、主制御回路6200から送信される賞球制御コマンドを受信すると、払出装置6082に対して所定の信号を送信し、払出装置6082に遊技球を払い出させる制御を行う。
カードユニット6180には、球貸し操作パネル6182が接続されている。球貸し操作パネル6182には、球貸しを受けるための球貸しボタンや、キャッシュデータが記憶されている球貸しカードの返却を受けるための貸出返却ボタン(いずれも不図示)が設けられている。例えば遊技者によって球貸し操作が行われると、球貸し操作に応じた貸し球制御信号がカードユニット6180に送信される。払出・発射制御回路6400は、カードユニット6180から送信された貸し球制御信号に基づいて、払出装置6082に遊技球を払い出させる制御を行う。なお、球貸し操作パネル6182は、パチンコ遊技機側に設けられることが多いが、カードユニット6180側に設けられてもよい。
また、払出・発射制御回路6400は、発射装置6006(例えば、発射ハンドル)が時計回りの方向へ回動操作されたことに基づいて、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
電源供給回路6450は、遊技に際して必要な電源電圧を、主制御回路6200、サブ制御回路6300、払出・発射制御回路6400等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路6450には、電源スイッチ6095等が接続されている。電源スイッチ6095は、パチンコ遊技機(より詳しくは、主制御回路6200、サブ制御回路6300、払出・発射制御回路6400等)に必要な電源を供給するときにオン操作するものである。
[サブ制御回路の構成]
次に、図193を参照して、本実施形態に係るパチンコ機6001のサブ制御回路6300の詳細な構成について説明する。
図193は、サブ制御回路6300の構成の一例を示す図である。図192を参照して説明したように、サブ制御回路6300は、サブCPU6301、音声・LED制御回路6305等を備えるが、ここでは、音声・LED制御回路6305について、演出等に係る音声を光として出力するための構成を中心に説明する。
音声・LED制御回路6305の音声コントローラ6305aは、サブCPU6301からの音声発生命令に応じて、音声データROM6310に記憶されている複数の音声データを読み込む。サブCPU6301からの音声発生命令は、メインCPU6201から受信した、演出に係るコマンド(演出指示コマンド)等に応じた命令である。
その後、音声コントローラ6305aは、読み込んだ音声データに基づいて、演出に係る音声データを合成し、その音声データを所定の音声信号に変換してIS2インターフェース6311に送信する。その他、音声コントローラ6305aは、パチンコ機6001のエラーが発生したり、警報が必要となった場合に、それに対応する音声データを音声信号に変換してIS2インターフェース6311に送信する。
このとき、音声コントローラ6305aは、サブ制御回路6300のワークRAM6303に記憶されている出力先に応じて、変換された音声信号をAMP6312、またはD/Aコンバータ6311のどちらかに提供するよう制御する。
本実施形態において、出力先は、「ヘッドホン/イヤホン出力」が指定されていない場合、スピーカ6032であり、その場合、音声信号はAMP6312に向けて提供される。一方、「ヘッドホン/イヤホン出力」が指定されている場合、出力先は、音声出力用LED6045であり、その場合、音声信号はD/Aコンバータ6313に向けて提供される。
また、音声信号がAMP6312に向けて提供される場合は、ワークRAM6303に記憶されている「ボリューム値」に応じて、音声信号のボリューム情報もAMP6312に提供される。ただし、こうしたボリューム情報は、AMP6312に直接提供されてもよいし、また、AMP6312から出力される、増幅後の音声信号が、ボリューム情報に応じて調整されるようにしてもよい。
上記のように、ワークRAM6303には、「ヘッドホン/イヤホン出力」の指定の有無、及び「ボリューム値」が記憶されているが、これらの設定は、後述するメニュー画面6501、及び音量調節画面6502を介した遊技者の操作によって行われる(図194参照)。また、ワークRAM6303に記憶された、「ヘッドホン/イヤホン出力」の指定の有無、及び「ボリューム値」は、所定の条件によって既定値(例えば、「ヘッドホン/イヤホン出力」の指定無し、及び「ボリューム値」=5)に戻される。
ワークRAM6303に記憶された上記設定が、既定値に戻される条件は、遊技者の交替と考えられる事象が検知されたことであり、例えば、パチンコ機6001の電源が投入された場合、所定期間、遊技者による遊技が行われなかった場合、カードユニット6180において球貸しカード等の返却操作が行われた場合、遊技媒体の計数が指示された場合(各台計数システムが各台に設けられている場合)などが挙げられる。
なお、上記の構成では、ワークRAM6303に記憶されている出力先に応じて、音声信号を、AMP6312かD/Aコンバータ6311のどちらか一方に提供するように制御しているが、出力先として「ヘッドホン/イヤホン出力」が指定されている場合は、スピーカ6032においても、演出等に係る音声の大きさを低減する(例えば、音量を0にするか、所定の小さい音量で出力する)ことが考えられ(例えば、AMP6312でミュートするか音量を下げる)、その場合は、音声信号が、AMP6312とD/Aコンバータ6311の両方に提供されることになる。
一方、出力先として「ヘッドホン/イヤホン出力」が指定されていない場合にも、音声信号をD/Aコンバータ6311に提供するよう制御することもできる。
AMP6312は、IS2インターフェース6311を経由して音声コントローラ6305aから音声信号を受信すると、その音声信号を増幅してスピーカ6032に送信する。その結果、スピーカ6032から、演出等に係る音声が出力される。演出に係る音声であれば、例えば、表示装置6007における演出映像の表示に連動して、スピーカ6032から出力される。
また、音声コントローラ6305aは、複数のチャンネルの音声データを扱うことができ、AMP6312は、それぞれの音声データに係る音声信号を増幅し、チャンネルごとに、対応するスピーカ6032(例えば、低音域専用のスピーカの右と左、それ以外のスピーカの右と左)に出力することができる。
D/Aコンバータ6311は、IS2インターフェース6311を経由して音声コントローラ6305aから音声信号(L信号とR信号)を受信すると、その音声信号をアナログ信号に変換し、赤外線送信制御部6314に送信する。このとき、音声信号のL/Rに応じて、アナログ信号もL/Rごとに変換される。音声コントローラ6305aは、上述したように、音声データを複数のチャンネルに亘って扱うことができるが、D/Aコンバータ6311に向けて音声信号を送信する場合は、これらの複数チャンネルの音声データをL信号とR信号の2チャンネルにダウンミックスして送信する。例えば、L信号とR信号のPCM演算を行って波形の合成を行い、必要に応じてピーク値を調整する。
赤外線送信制御部6314は、例えば、音声信号用FM変調回路である。FM(Frequency Modulation)変調は、送信するアナログ信号を、搬送波の周波数を変化させることで伝送する変調方式である。
本実施形態では、赤外線送信制御部6314が、入力したアナログ信号のL+Rを主チャンネル信号としてLEDドライバ6315に送信すると、LEDドライバ6315は、当該主チャンネル信号(基本搬送波)に応じて、音声出力用LED-A6045aを発光させる(赤外線の射出)。同様に、赤外線送信制御部6314が、アナログ信号のL-Rを副チャンネル信号としてLEDドライバ6315に送信すると、LEDドライバ6315は、当該副チャンネル信号(副搬送波)に応じて、音声出力用LED-B6045bを発光させる(赤外線の射出)。
なお、上記のような主チャンネル信号と副チャンネル信号を用いてアナログ信号を送信する方法は、例えば、FM放送で用いられる方法と同様のものである。この仕組によって、受信側がモノラル再生しか対応していなくても、主チャンネル信号を復調することによってモノラル音声を再生することができる。しかしながら、本実施形態において、受信側(遊技用装置7001)でモノラル音声を再生する必要がなければ、必ずしもこのような方法を採用しなくてもよい。例えば、赤外線送信制御部6314が、アナログ信号のL信号に基づいてLチャンネル信号を生成し、アナログ信号のR信号に基づいてRチャンネル信号を生成し、受信側の遊技用装置7001で、Lチャンネル信号とRチャンネル信号のそれぞれからL信号とR信号の音声信号を復調するようにしてもよい。
上記のように、LEDドライバ6315は、受信したアナログ信号に基づいて音声出力用LED-A6045a、音声出力用LED-B6045bを発光させるが、この仕様は、例えば、赤外線を媒体としたアナログ音声伝送システムに関する規格(JEITA CP-1208)に基づくものである。この規格は、音声信号(20Hz~20kHz)により各搬送波をFM変調し(異なる周波数の搬送波がそれぞれ8つのチャネル(H1~H8)に割り当てられる)、FM変調した搬送信号で赤外線搬送波を輝度変調する規格である(800nm~900nmの赤外線搬送波を用いる)。
本実施形態では、例えば、上記のH1チャネルとH2チャネルを用いて、それぞれ主チャンネル信号と副チャンネル信号を(赤外線搬送波により)送信する。このような送信形態では、アナログ搬送波が用いられるため、デジタル音声データを送信する方法より遅延が少なく(デジタル伝送では、コーデックの処理(送信前のコード化処理と受信後のデコード処理)に時間を要する)、また、電波の帯域を用いるものでないため、混線のおそれがないことがメリットである。
本実施形態では、音声出力用LED-A6045aや音声出力用LED-B6045bとして、例えば、ピーク波長850nmの赤外線LED、またはピーク波長940nmの赤外線LEDが用いられる。なお、赤外線は、不可視光線に分類されるが、ピーク波長850nmといった赤外線LEDは、実際には、人間の目で赤く認識され得るものである。また、本実施形態の音声出力用LEDとして、可視光線を出力する単色LEDやフルカラーLEDを用いることも可能である。
また、本実施形態では、上述した2つの赤外線LED(音声出力用LED-A6045a、音声出力用LED-B6045b)からの光を、それぞれ対応する2つの赤外線受光部(図196参照)が受光するように構成されるが、これらの組を複数備えるようにすることもできる。例えば、赤外線LED2つと赤外線受光部2つからなる組を4組備え、それぞれの組で、同じ音声情報を送受信することにより、これらのうちどれかが機能しなくなっても、機能している組を用いて(すなわち、正常に信号を受信できている赤外線受光部を用いて)、音声情報の正常な受信を維持することができる。
音声・LED制御回路6305のランプコントローラ6305bは、装飾データROM6316に記憶されている複数種類のLED装飾パターン等を参照し、演出のタイミングに合わせたLED制御信号を生成し、そのLED制御信号をLEDドライバ6317に送信することにより、演出用LED群6046を発光させる。
本実施形態では、上記のように、赤外線を用いてパチンコ機6001の音声を外部に送出しているが、FM変調した搬送波を用いるのであれば、FMトランスミッターを用いて同じ様に音声を送出することもできる。しかしながら、このような電波を用いた通信を行う場合、電波法の規定による微弱無線設備登録制度(微弱無線適合マーク(ELPマーク))に係る適合試験が必須であり、このための審査の期間やコストが必要となる。それに比して、本実施形態の構成は、遊技機の音声を送出するために「光」のみを用いており、上記のような審査は必要とされない。遊技機の販売台数や開発サイクルに鑑みれば、本実施形態の構成を採用することは、この点でも大きなメリットがある。
[音声出力先の指定方法]
次に、図194を参照して、本実施形態に係るパチンコ機6001において、遊技者が音声出力先を指定する方法について説明する。
図194(A)は、遊技者の操作によって、表示装置6007に表示されるメニュー画面6501である。メニュー画面6501は、遊技者が、パチンコ機6001の所定のボタン(例えば、演出ボタン6054や操作部6066)の1つを押下(または長押し)することにより、表示装置6007に表示される。メニュー画面6501には、選択項目として、「音量調節」と「遊技に戻る」が配置されており、パチンコ機6001の所定のボタンを操作して「音量調節」を選択して決定の指示を行えば、表示装置6007の表示は、図194(B)に示す音量調節画面6502に遷移する。「遊技に戻る」を選択して決定の指示を行えば、メニュー画面6501の表示が消えるように制御される。なお、ここでは、メニュー画面6501を簡略化して示したが、メニュー画面6501の選択項目としては、例えば、図171(A)に示すメニュー画面の各項目が配置され得る。
図194(B)に示す音量調節画面6502では、遊技者が、パチンコ機6001の音量調節と、ヘッドホン/イヤホン出力可否の指定(ヘッドホン/イヤホン出力を行うか否かの指定)を行うことができる。
ヘッドホン/イヤホン出力可否の指定のチェックボックスにチェックを行わない場合は、パチンコ機6001の音声がスピーカ6032に出力されることになり、ここで、音量調節が可能となる。音量調節は、例えば、「+」に対応付けられたボタンや「-」に対応付けられたボタンを操作して、7段階のボリューム値に調節可能であり、これにより、パチンコ機6001のスピーカ6032に出力される音のボリュームを調節できる。ここで、左端のボリューム値は「0」であり、この設定の場合は、スピーカ6032から音声が出力されない。ただし、本実施形態では、演出以外のエラー音・警告音については、音量調節のボリューム値に影響されることなく、一定値以上のボリュームでスピーカ6032から出力されるように制御される。
ヘッドホン/イヤホン出力可否のチェックボックスにチェックをすると、パチンコ機6001における演出に係る音声、及び演出以外のエラー音・警告音等が、スピーカ6032から出力されず、遊技用装置7001を介して、遊技者のヘッドホンやイヤホンに出力されるようになる。また、このとき、パチンコ機6001のスピーカ6032に出力される音声の大きさが低減され(例えば、音量調節画面6502の音量調節のボリュームの設定が自動的に0にセットされ)、ヘッドホン/イヤホン出力可否のチェックボックスにチェックがされている間は変更できないようになる。
その後、所定のボタンの操作により、音量調節画面6502の「決定」を選択して決定の指示を行えば、音量調節やヘッドホン/イヤホン出力可否の指定内容が確定し、その後、「メニュー画面に戻る」を選択して決定の指示を行えば、図194(A)のメニュー画面6501に戻る。
なお、上記の例では、ヘッドホン/イヤホン出力可否のチェックボックスにチェックをすると、パチンコ機6001のスピーカ6032に出力される音声のボリュームが0にセットされ、スピーカ6032からはなにも出力されないようになるが、この場合に、スピーカ6032に出力される音声のボリュームが「1」や「2」といった小さなボリュームにセットされるようにしてもよい。
このように、遊技者は、自身が遊技で利用するパチンコ機6001を操作することによって、スピーカ6032に出力される音声を、そのままスピーカ6032に出力するか、ヘッドホンやイヤホンで聞くかを指定することができる。
本実施形態では、上記のように、遊技者の操作によって、表示装置6007にメニュー画面6501等が表示され、パチンコ機6001の所定のボタンによって当該画面の操作を行うようにしたが、例えば、第3実施形態に係るパチスロ機4001では、第1サブ表示装置4201にこのメニュー画面6501等を表示し、遊技者のタッチ操作によって当該画面の操作を行うようにすることもできる。
[遊技用装置の構成]
図195は、遊技用装置7001の外観を示す斜視図である。図195に示す遊技用装置7001は、例えば、図191に示したタイプの遊技用装置7001である。
遊技用装置7001は、図191に示したものと同様に、左側にパチンコ機6001が配置され、図示するように、パチンコ機6001の音声出力用LED6045から射出される赤外線を、遊技用装置7001の左側に配置された赤外線受光部7011で受光する。より具体的には、パチンコ機6001の音声出力用LED-A6045aから射出される赤外線を赤外線受光部A7011aで受光し、音声出力用LED-B6045bから射出される赤外線を赤外線受光部B7011bで受光する。
赤外線受光部A7011a、赤外線受光部B7011bは、例えば、フォトダイオードやフォトトランジスタで構成され、射出された光により生じる電流を増幅して取り出すことができる。上述したように、音声出力用LED-A6045aから射出される赤外線と、音声出力用LED-B6045bから射出される赤外線は、互いに異なる周波数の搬送波を出力するため、赤外線受光部7011は、こうした周波数の違いにより、対応する音声出力用LED6045からの音声情報を取り出すことができる。また、パチンコ機6001が、音声出力用LED6045を3以上有する場合は、その数に応じて、対応する赤外線受光部を設けることができる。
また、図195の遊技用装置7001は、遮蔽部7012を有し、パチンコ機6001と遊技用装置7001との間の光の侵入を阻止し、赤外線受光部7011が外乱(ノイズ)を受信しないようにしている。ただし、一般的には、遊技店の照明やパチンコ機6001のLED等は、本実施形態の赤外線LEDとは周波数が異なることから、影響を受けることがなく、その場合は、このような遮蔽部7012を省略することができ、遊技用装置7001を、パチンコ機6001からある程度離れた位置に配置することができる。
図195の遊技用装置7001には、有線のヘッドホンやイヤホンのオーディオケーブルのプラグを挿入するための音声出力端子7006(いわゆる、イヤホンジャック)が設けられている。また、遊技用装置7001には、有線のヘッドホンやイヤホンを用いる場合に、音声のボリュームを調整するためのボリューム操作部7005(ボリュームつまみ)が設けられている。
また、図195の遊技用装置7001には、無線のヘッドホンやイヤホンを用いる場合に利用される4つのボタン7008が設けられている。第1ボタン7008aは、無線での出力を行う回路(後述する無線出力制御部7007)の電源を投入するボタンであり、押下されると、当該回路の電源がオンになり、その後、自動的に、接続するヘッドホンやイヤホンとのセッションを確立するためのペアリングを行うペアリングモードに移行する。
第2ボタン7008bは、長押しにより、接続するヘッドホンやイヤホンとのペアリングを行う。第3ボタン7008cは、長押ししてボリュームを下げ、第4ボタン7008dは、長押ししてボリュームを上げる。
なお、ここまで、遊技用装置7001の構成について説明してきたが、このような構成は例示に過ぎず、他の様々な外観、回路構成によって、同様の機能を実現する遊技用装置を考えることができる。
次に、図196を参照して、遊技用装置7001の構成について説明する。遊技用装置7001は、2つの赤外線受光部7011(赤外線受光部A7011a、赤外線受光部B7011b)、赤外線受信制御部7002、ヘッドホンアンプ7003、ボリューム回路7004、ボリューム操作部7005、音声出力端子7006、無線出力制御部7007、ボタン7008、アンテナ7009、及び電源管理部7010を備える。
2つの赤外線受光部7011は、上述したように、対向するパチンコ機6001の音声出力用LED6045から射出される赤外線を受光するフォトダイオードやフォトトランジスタを含む回路であり、射出された光により生じる電流を増幅して取り出し、その値を、接続されている赤外線受信制御部7002に送信する。
2つの赤外線受光部7011は、それぞれ1つの音声出力用LED6045に対応付けられ、赤外線受光部A7011aは、音声出力用LED-A6045aから射出される赤外線を受光し、赤外線受光部B7011bは、音声出力用LED-B6045bから射出される赤外線を受光するように構成される。
赤外線受信制御部7002は、2つの赤外線受光部7011から受信したデータに基づいて、デジタル音声信号を生成し、そのデジタル音声信号をヘッドホンアンプ7003と無線出力制御部7007に送信する回路である。また、赤外線受信制御部7002は、例えば、赤外線受光部A7011aから、L+Rのアナログ信号(主チャンネル信号)を受信し、赤外線受光部B7011bから、L-Rのアナログ信号(副チャンネル信号)を受信し、これらの信号から、デジタル音声信号(L)とデジタル音声信号(R)を生成する。この仕様は、例えば、赤外線を媒体としてアナログ音声伝送システムに関する規格(JEITA CP-1208)に基づくものである。
ヘッドホンアンプ7003は、赤外線受信制御部7002からデジタル音声信号(L)とデジタル音声信号(R)を受信し、これらの音声信号をアナログ信号に変換し、増幅して音声出力端子7006に提供する回路である。音声出力端子7006は、いわゆるイヤホンジャックであり、ここに、有線のヘッドホンまたはイヤホンのオーディオケーブルを接続する(すなわち、オーディオケーブルのプラグをイヤホンジャックに挿入する)ことによって、遊技者が、有線のヘッドホンまたはイヤホンにより、パチンコ機6001から出力される音声を聞くことができる。
また、ヘッドホンアンプ7003から出力された音声信号(L/R)のボリュームは、ボリューム回路7004(例えば、可変抵抗を含む回路)によって調整され、そのボリューム値は、遊技者によるボリューム操作部7005(例えば、図195に示すようなボリュームツマミ)の操作によって調整される。
無線出力制御部7007は、赤外線受信制御部7002からデジタル音声信号(L)とデジタル音声信号(R)を受信し、これらの音声信号を圧縮(エンコード)して、その圧縮データを、アンテナ7009から無線送信するよう制御する回路である。
ボタン7008は、図195に示すようなボタン7008a~7008dであり、これらのボタンは、上記のように、電源のオン、ペアリング、ボリュームの上げ下げを行うために用いられる。
無線出力制御部7007とペアリングされた無線のヘッドホンやイヤホンは、無線通信により受信したデータ(圧縮データ)を複合(デコード)して音声を再生し、これによって遊技者は、無線のヘッドホンやイヤホンで、パチンコ機6001から出力される音声を聞くことができる。
電源管理部7010は、上記の各回路に電源を提供する回路である。電源管理部7010は、例えば、遊技用装置7001が内蔵するリチウムイオンポリマーバッテリー等を電源とすることができる。また、USBケーブルを介して、電源をとったり、内蔵のリチウムイオンポリマーバッテリー等のバッテーリーを充電するように構成することもできる。USBケーブルの端子を挿入入可能なUSB端子は、例えば、カードユニット6180や、複数のパチンコ機6001が配置された「島」に係る島設備等に配置され、それらから電源の供給が可能となっている。
(変形例1)
次に、図197~図199を参照して、遊技用装置7001の変形例である遊技用装置7201について説明する。
図197は、遊技用装置7201の外観を示す斜視図である。図197に示す遊技用装置7201も、遊技用装置7001と同様に、図191に示したタイプの遊技用装置である。
遊技用装置7201は、図191に示したものと同様に、左側にパチンコ機6001が配置され、図示しないが、パチンコ機6001の音声出力用LED6045から射出される赤外線を、遊技用装置7201の左側に配置された赤外線受光部7211で受光する。
また、図197の遊技用装置7201には、有線のヘッドホンやイヤホンのオーディオケーブルのプラグを挿入するための音声出力端子7206(いわゆる、イヤホンジャック)が設けられている。また、遊技用装置7201には、電源ボタン7213と、タッチパネル表示部7224が設けられている。
次に、図198を参照して、遊技用装置7201の構成について説明する。遊技用装置7201は、1つのコンピュータシステムとして構成されており、CPU7221、ROM7222、RAM7223、タッチパネル表示部7224、2つの赤外線受光部7211(赤外線受光部A7211a、赤外線受光部B7211b)、赤外線受信制御部7202、ヘッドホンアンプ7203、音声出力端子7206、無線出力制御部7207、アンテナ7209、電源管理部7210、及び電源ボタン7213を備える。
CPU7221は、ROM7222に記憶されているプログラムを実行し、遊技用装置7201の各構成要素の制御を行う。RAM7223には、プログラムの実行中に生成されるデータ等が一時的に記憶される。また、音声出力に係る設定情報等を継続的に保持する。
赤外線受光部7211(赤外線受光部A7211a、赤外線受光部B7211b)は、例えば、フォトダイオードやフォトトランジスタを含んで構成され、射出された光により生じる電流を増幅して取り出すことができる。対応する2つの音声出力用LEDから射出される赤外線は、互いに異なる周波数の搬送波を出力するため、赤外線受光部7211は、こうした周波数の違いにより、対応する音声出力用LEDからの音声情報を取り出すことができる。
赤外線受信制御部7202は、CPU7221の制御により、2つの赤外線受光部7211から受信したデータに基づいて、デジタル音声信号を生成し、そのデジタル音声信号をヘッドホンアンプ7203と無線出力制御部7207に送信する。また、赤外線受信制御部7202の動作は、上述した遊技用装置7001の赤外線受信制御部7002と同様であり、例えば、赤外線受光部A7211aから、L+Rのアナログ信号(主チャンネル信号)を受信し、赤外線受光部B7211bから、L-Rのアナログ信号(副チャンネル信号)を受信し、これらの信号から、デジタル音声信号(L)とデジタル音声信号(R)を生成する。
ヘッドホンアンプ7203は、CPU7221の制御により、赤外線受信制御部7202からデジタル音声信号(L)とデジタル音声信号(R)を受信し、これらの音声信号をアナログ信号に変換し、増幅して音声出力端子7206に提供する。音声出力端子7206は、いわゆるイヤホンジャックであり、ここに、有線のヘッドホンまたはイヤホンのオーディオケーブルを接続することによって、遊技者が、有線のヘッドホンまたはイヤホンにより、パチンコ機6001から出力される音声を聞くことができる。
無線出力制御部7207は、CPU7221の制御により、赤外線受信制御部7202からデジタル音声信号(L)とデジタル音声信号(R)を受信し、これらの音声信号を圧縮(エンコード)して、その圧縮データを、アンテナ7209から無線送信するよう制御する。
電源管理部7210は、電源ボタン7213の押下を検出した場合に、各構成要素に電源を提供する。
タッチパネル表示部7224は、遊技者がタッチ操作可能な表示装置であり、CPU7221の制御によって設定画面等の表示がされ、そこで設定された内容は、RAM7223(例えば、フラッシュメモリ)に保持される。設定画面では、有線音響装置8001に音声を出力する場合のボリュームや、無線音響装置8002に音声を出力する場合のボリュームが設定可能となっている。CPU7221は、このような設定画面で設定されたボリューム値を参照し、ヘッドホンアンプ7203に対して、指定された音量で有線音響装置8001で音声が出力されるように指示し、無線出力制御部7207に対して、指定された音量で無線音響装置8002で音声が出力されるように指示する。
タッチパネル表示部7224に表示される設定画面はまた、無線出力制御部7207と無線音響装置8002とのペアリングの際に、当該ペアリングに関連した表示を行う。
図199には、タッチパネル表示部7224に表示される設定画面の一例が示されている。図199(A)には、メニュー画面7305が示され、図199(B)には、音量調節画面7306が示されている。
図199(A)のメニュー画面7305は、例えば、遊技者がタッチパネル表示部7224にタッチした場合に表示され、メニュー画面7305には、どの設定を行うかを選択するための選択項目が表示される。この例では、「音量調節」、「ペアリング」、「設定クリア」のいずれかをタッチ操作で選択することができる。
メニュー画面7305で、「音量調節」の選択項目をタッチすると、タッチパネル表示部7224の表示が、図199(B)の音量調節画面7306に遷移する。音量調節画面7306では、有線音響装置8001、無線音響装置8002ごとに、出力音量のボリュームを調整できるようになっている。有線音響装置8001に関しては、「有線ヘッドホン/イヤホン」の表示の右側の「+」や「-」をタッチすることで、音量を7段階のボリューム値に調節可能であり、これにより、有線音響装置8001に出力される音のボリュームを調節できる。ここで、左端のボリューム値は「0」であり、この設定の場合は、有線音響装置8001から音声が出力されない。
同様に、無線音響装置8002に関しては、「無線ヘッドホン/イヤホン」の表示の右側の「+」や「-」をタッチすることで、音量を7段階のボリューム値に調節可能であり、これにより、無線音響装置8002に出力される音のボリュームを調節できる。ここで、左端のボリューム値は「0」であり、この設定の場合は、無線音響装置8002から音声が出力されない。
なお、本実施形態では、音声出力端子7206に有線音響装置8001のケーブルを接続すれば、有線音響装置8001から音声が出力され、その場合に、無線音響装置8002に係るボリュームの設定は関係がなく、どのような値が設定されていてもよい。同様に、無線音響装置8002に関するペアリングを行って遊技用装置7201と接続すれば、無線音響装置8002から音声が出力され、その場合に、有線音響装置8001に係るボリュームの設定は関係がなく、どのような値が設定されていてもよい。すなわち、遊技用装置7201において、赤外線受信制御部7202からのデジタル音声信号は、実際に音声が出力される音響装置がどちらであっても、ヘッドホンアンプ7203と無線出力制御部7207の両方に出力され、そこで音声信号の処理が行われている。
しかしながら、音量調節画面7306において、利用する音響装置が、有線音響装置8001か無線音響装置8002かを遊技者に指定させ、利用しない音響装置に関しては、赤外線受信制御部7202が、関連する音声送信部(すなわち、ヘッドホンアンプ7203や無線出力制御部7207)にデジタル音声信号を送信しないように制御し、当該音声送信部による処理が行われないようにすることもできる。
音量調節画面7306においてボリュームの設定を行った後、「決定」をタッチして決定の指示を行えば、音量調節の指定内容が確定し、その後、「メニュー画面に戻る」をタッチすれば、図199(A)のメニュー画面7305に戻る。
図199(A)のメニュー画面7305の「ペアリング」をタッチすると、無線音響装置8002を遊技用装置7201の無線出力制御部7207に接続するペアリングを行う。ここでは図示しないが、例えば、無線音響装置8002が、Bluetooth(登録商標)で音声信号を受信する場合、「ペアリング」のタッチによって、遊技者の無線音響装置8002を含む無線装置のリストが表示され、そのなかから、自身の無線音響装置8002を選択して接続を確立させる。
図199(A)のメニュー画面7305の「設定クリア」をタッチすると、それまでに設定したボリュームの値が既定値に戻され、ペアリングの設定はクリアされる。
なお、ここまで、遊技用装置7201の構成について説明してきたが、このような構成は例示に過ぎず、他の様々な外観、システム構成によって、同様の機能を実現する遊技用装置を考えることができる。
(変形例2)
次に、図200、図201を参照して、遊技システムPS210について説明する。遊技システムPS210は、基本的にパチンコ機6001と同様の構成であるが、赤外線を射出する方向が異なるパチンコ機6601と、実質的に、遊技用装置7201をカードユニット6180(図192参照)に組み込んだ構成であるカードユニット6700を有する。なお、ここでは、パチンコ機6601に関して、内部の構成については、パチンコ機6001と同様の符号を用いて示すこととする。
図200(A)は、パチンコ機6601とカードユニット6700を示す斜視図である。ここでは、パチンコ機6601から射出される赤外線の方向をわかりやすく表すために、パチンコ機6601とカードユニット6700が隔置されているが、実際は、図200(B)に示すように、両者は近接して配置される。
図200(A)、及び図200(B)から分かるように、パチンコ機6601は、2つの音声出力用LED6045(音声出力用LED-A6045a、音声出力用LED-B6045b)が、正面から見て左側の側面上部に設けらており、赤外線は正面から見て左方向に射出されている。カードユニット6700は、そのパチンコ機6601の右側に近接して配置され、パチンコ機6601から射出される赤外線を、正面から見て右側の側面上部に設けられている2つの赤外線受光部6711で受光し、受光された光に基づいて、有線音響装置8001や無線音響装置8002に音声を出力する。
また、有線音響装置8001のオーディオケーブルは、カードユニット6700の正面の下部に設けられた音声出力端子6706に接続される。
図201は、カードユニット6700の構成を示す図である。上述したように、このカードユニット6700は、図192に示したカードユニット6180に、図198で示した遊技用装置7201を組み込んだものである。
カードユニット6700は、図201に示すように、CPU6721、ROM6722、RAM6723、カードリーダ/ライタ6731、紙幣識別装置6732、硬貨投入センサ6733、インタフェース6735、タッチパネル表示部6724、2つの赤外線受光部6711(赤外線受光部A6711a、赤外線受光部B6711b)、赤外線受信制御部6702、ヘッドホンアンプ6703、音声出力端子6706、無線出力制御部6707、アンテナ6709、電源管理部6710、及び電源ボタン6713を備える。
CPU6721は、ROM6722に記憶されているプログラムを実行し、カードユニット6700の各構成要素の制御を行う。RAM6723には、プログラムの実行中に生成されるデータ等が一時的に記憶される。また、遊技に係る所定の情報や、音声出力に係る設定情報等を継続的に保持する。
カードリーダ/ライタ6731は、例えば、非接触ICカードリーダ/ライタであり、遊技者のカード(例えば、球貸しカード等)の情報を読み取る装置であり、紙幣識別装置6732は、紙幣挿入口から挿入された紙幣の種別、真贋を判定し、硬貨投入センサ6733は、硬貨投入口から投入された硬貨の種別、真贋を判定する。CPU6721は、遊技者のカード、挿入された紙幣、投入された硬貨に応じて、遊技媒体(遊技球やメダル)の貸出を行うよう制御する。
タッチパネル表示部6724は、遊技者がタッチ操作可能な表示装置であり、例えば、カードユニット6180の球貸し操作パネル6182の機能を含むものである。タッチパネル表示部6724は、CPU6721の制御によって、遊技媒体の貸出や払い出し、精算、計数等に係る処理を指示する画面や、音響装置に出力する音声のボリューム調節等を行うための設定画面等が表示される。
このあと説明するカードユニット6700の各構成要素は、基本的に、遊技用装置7201が有する構成要素と同じ機能を有する。
赤外線受光部6711(赤外線受光部A6711a、赤外線受光部B6711b)は、例えば、フォトダイオードやフォトトランジスタを含んで構成され、射出された光により生じる電流を増幅して取り出すことができる。対応する2つの音声出力用LED(音声出力用LED-A6045a、音声出力用LED-B6045b)から射出される赤外線は、互いに異なる周波数の搬送波を出力するため、赤外線受光部6711は、こうした周波数の違いにより、対応する音声出力用LEDからの音声情報を取り出すことができる。また、パチンコ機6601が、音声出力用LED6045を3以上有する場合は、その数に応じて、対応する赤外線受光部を設けることができる。
赤外線受信制御部6702は、CPU6721の制御により、2つの赤外線受光部6711から受信したデータに基づいて、デジタル音声信号を生成し、そのデジタル音声信号をヘッドホンアンプ6703と無線出力制御部6707に送信する。また、赤外線受信制御部6702は、例えば、赤外線受光部A6711aから、L+Rのアナログ信号(主チャンネル信号)を受信し、赤外線受光部B6711bから、L-Rのアナログ信号(副チャンネル信号)を受信し、これらの信号から、デジタル音声信号(L)とデジタル音声信号(R)を生成する。
ヘッドホンアンプ6703は、CPU6721の制御により、赤外線受信制御部6702からデジタル音声信号(L)とデジタル音声信号(R)を受信し、これらの音声信号をアナログ信号に変換し、増幅して音声出力端子6706に提供する。音声出力端子6706は、いわゆるイヤホンジャックであり、ここに、有線のヘッドホンまたはイヤホンのオーディオケーブルを接続することによって、遊技者が、有線のヘッドホンまたはイヤホンにより、パチンコ機6601から出力される音声を聞くことができる。
無線出力制御部6707は、CPU6721の制御により、赤外線受信制御部6702からデジタル音声信号(L)とデジタル音声信号(R)を受信し、これらの音声信号を圧縮(エンコード)して、その圧縮データを、アンテナ6709から無線送信するよう制御する。
電源管理部6710は、電源ボタン6713の押下を検出した場合に、各構成要素に電源を提供する。
特に、設定画面によって設定された内容は、RAM6723(例えば、フラッシュメモリ)に保持される。設定画面では、有線音響装置8001に音声を出力する場合のボリュームや、無線音響装置8002に音声を出力する場合のボリュームが設定可能となっている。CPU6721は、このような設定画面で設定されたボリューム値を参照し、ヘッドホンアンプ6703に対して、指定された音量で有線音響装置8001で音声が出力されるように指示し、無線出力制御部6707に対して、指定された音量で無線音響装置8002で音声が出力されるように指示する。
タッチパネル表示部6724に表示される設定画面はまた、無線出力制御部6707と無線音響装置8002とのペアリングの際に、当該ペアリングに関連した表示を行う。
なお、ここまで、カードユニット6700の構成について説明してきたが、このような構成は例示に過ぎず、他の様々な外観、システム構成によって、同様の機能を実現する遊技用装置を考えることができる。また、赤外線を受光して音響装置に音声を出力するという本願の主たる構成以外の構成(例えば、遊技媒体の貸出や払い出し等に係る構成)についても、他の様々な構成が存在する。
(変形例3)
次に、図202、図203を参照して、遊技システムPS220について説明する。遊技システムPS220は、パチンコ機6701とデータ表示機6801を含み、例えば、第10実施形態の遊技システムPS100に対して、本願の一方向の非接触音声通信の機能を加えたものとなっている。なお、ここでは、パチンコ機6701に関して、内部の構成については、パチンコ機6001と同様の符号を用いて示すこととする。
第10実施形態の遊技システムPS100は、遊技機3001とデータ表示機2501を含み、遊技機3001のランプ3305から出力される光を、遊技機3001の上部に載置されたデータ表示機2501のイメージセンサユニット2811が撮像し、データ表示機2501は、撮像された画像から、遊技機3001の演出パターン等を把握し、把握した演出パターンに応じて、データ表示機2501の液晶ディスプレイ2502に、対応する画像を表示するよう制御する(図149参照)。また、データ表示機2501には、遊技店のスタッフを呼び出すためのコールボタン2505が配置されている。
図202に示したパチンコ機6701は、上記の遊技機3001に対応し、遊技機3001と同様に、ランプ6804(遊技機3001のランプ3305に対応)を有している。また、図202に示したデータ表示機6801は、上記のデータ表示機2501に対応し、イメージセンサユニット6831、液晶ディスプレイ6824、及びコールボタン6832は、それぞれ上述した遊技機3001のイメージセンサユニット2811、液晶ディスプレイ2502、及びコールボタン2505に対応する。すなわち、データ表示機6801のイメージセンサユニット6831は、パチンコ機6701のランプ6804からの可視光を撮像して、パチンコ機6701の演出パターン等を把握する。
また、図202のパチンコ機6701には、本願の一方向の非接触音声通信の機能を実現するために、それぞれ赤外線を射出する2つの音声出力用LED(音声出力用LED-A6045a、音声出力用LED-B6045b)を備える。一方、データ表示機6801は(図202では示されていないが)、その下部に、パチンコ機6701の音声出力用LED6045から射出される赤外線を受光するための赤外線受光部6811を有する。
データ表示機6801には、上述した本願の遊技用装置7201(図198参照)のような構成が含まれ、赤外線受光部6811で受光した赤外線に基づいて、有線音響装置8001や無線音響装置8002に対して音声が提供される。また、有線音響装置8001のオーディオケーブルは、データ表示機6801の側面下部に設けられた音声出力端子6806に接続される。
なお、図202では、パチンコ機6701から射出される赤外線の方向をわかりやすく表すために、パチンコ機6701とデータ表示機6801が隔置されているが、実際は、図203に示すように、両者は近接して配置される(例えば、データ表示機6801が、パチンコ機6701の上部に(必要に応じて固定的に)載置される)。
なお、ここまで、本願の構成を、第10実施形態の遊技システムPS100の構成に適用した構成について説明してきたが、このような構成は例示に過ぎず、他の様々なシステム構成によって、本願の機能を実現する遊技システムを考えることができる。例えば、遊技システムPS100が有している構成(パチンコ機のランプから出力される光をデータ表示機のイメージセンサユニットで撮像し、そこからパチンコ機の演出パターンを把握する構成)を削除することもできる。
(変形例4)
次に、図204(A)を参照して、遊技システムPS230について説明する。遊技システムPS230は、遊技システムPS200のパチンコ機6001(図192、図193参照)に改良を加えたパチンコ機6001aと、遊技用装置7201(図198参照)に改良を加えた遊技用装置7301を含む。
遊技システムPS230は、遊技システムPS200と同様に、パチンコ機6001aの音声出力用LEDから射出される赤外線を遊技用装置7301の赤外線受光部で受光し、当該赤外線受光部で受光された光に基づいて音声信号を生成し、有線音響装置8001等に出力する。
遊技システムPS200では、有線音響装置8001等に出力される音声は、遊技機のスピーカに出力されるべき音声であり、例えば、遊技の演出に係る音声や、遊技機に係るエラー音、警告音等である。しかしながら、遊技システムPS230では、こうした、遊技機のスピーカに出力されるべき音声だけでなく、遊技機における遊技によって発生する音声(例えば、遊技球の転動音、メダルの払い出し音、役物の移動音など)や、遊技店による災害時における緊急放送(災害発生の報知や避難誘導)、遊技店における広告や案内の放送、遊技店におけるBGMを、遊技機のスピーカに出力される音声とともに、有線音響装置8001や無線音響装置8002に出力する。
また、遊技システムPS230では、有線音響装置8001や無線音響装置8002に出力される音声が、他の遊技機からの音を含む周辺の音をほとんど含まないという特性から、SNS(Social networking service)や動画投稿サイトの配信コンテンツとして録音されることに適している点に鑑み、遊技機の演出に係る音声(楽曲)や、遊技店におけるBGMを、配信しても問題がない内容(すなわち、配信によって著作権の問題が生じないもの)に入れ替えるよう制御することができる。
また、遊技システムPS230では、パチンコ機6001aが、遊技機における遊技によって発生する音声(例えば、遊技球の転動音、メダルの払い出し音、役物の移動音など)を出力する場合、内蔵マイク(好ましくは、指向性マイク)を用いてその音声を取得し、取得した音声を、遊技機のスピーカに出力されるべき音声と合成し、合成後の音声に基づいて、対応する赤外線を音声出力用LEDから射出する。また、遊技機における遊技によって発生する音声を、内蔵マイクで取得することなく、演出等のタイミングにあわせて、予め記憶されている疑似音を合成するようにしてもよい。こうした疑似音は、例えば、図193に示す音声データROM6310に対応する記憶手段に記憶されうる。
また、遊技システムPS230は、図192に示されているホールコンピュータ6186の機能を改良したホールコンピュータ6186aを含み、このホールコンピュータ6186aが、遊技用装置7301による指定により、災害時における遊技店の緊急放送(災害発生の報知や避難誘導)や、遊技店における広告や案内の放送や、遊技店におけるBGMを、必要に応じて、遊技用装置7301に提供する。また、このとき、配信用の音声を出力するように設定することも可能である。
ここで、ホールコンピュータ6186aは、上述した音声を、例えば、図204に示すように、遊技店の天井等に配置された無線LAN用のアンテナ(アクセスポイント)を介して遊技用装置7301に提供し、遊技用装置7301では、パチンコ機6001aからの音声(すなわち、赤外線受光部で受光した光による音声)と、ホールコンピュータ6186aからの音声(すなわち、無線LANによって受信した音声)を合成し、合成後の音声を有線音響装置8001等に出力する。
なお、上述した規格(JEITA CP-1208)に基づけば、異なる周波数の搬送波がそれぞれ8つのチャネル(H1~H8)割り当てられているので、例えば、遊技の演出に係る音声や、遊技機に係るエラー音、警告音等をH1、H2のチャンネルに割り当て、遊技機における遊技によって発生する音声(例えば、遊技球の転動音、メダルの払い出し音、役物の移動音など)をH3、H4のチャンネルに割り当て、遊技店による災害時における緊急放送(災害発生の報知や避難誘導)をH5、H6のチャンネルに割り当て、遊技店における広告や案内の放送、遊技店におけるBGMをH7、H8のチャンネルに割り当て、遊技用装置7301に提供することもできる。
なお、この変形例では、ホールコンピュータ6186aからの音声を、無線LANによって遊技用装置7301に送信するようにしているが、パチンコ機6001aからの音声が遊技用装置7301に提供される仕組と同様に、赤外線を用いて当該音声に係る音声データを送信することもできる。その場合、遊技店の天井等には、音声出力用LEDが設けられ、遊技用装置7301には、当該音声出力用LEDからの赤外線を受光する専用の赤外線受光部が設けられる。
図204(B)は、遊技システムPS210のパチンコ機6601(図200参照)に改良を加えたパチンコ機6601aと、カードユニット6700に改良を加えたカードユニット6700aを含む遊技システムPS240を示している。
この遊技システムPS240も、遊技システムPS230と同様に、遊技機のスピーカに出力されるべき音声だけでなく、遊技機における遊技によって発生する音声(例えば、遊技球の転動音、メダルの払い出し音、役物の移動音など)、災害時における遊技店の緊急放送(災害発生の報知や避難誘導)、遊技店における広告や案内の放送、遊技店におけるBGM等が、遊技機のスピーカに出力されるべき音声とともに、有線音響装置8001や無線音響装置8002に出力される。
このために、遊技システムPS240では、パチンコ機6601aに対して、上述した遊技システムPS230のパチンコ機6001aと同様の構成が追加される。また、カードユニット6700aに対しても、上述した遊技システムPS230の遊技用装置7301と同様の構成が追加される。ただし、この例では、ホールコンピュータ6186bから提供される音声は、ホールコンピュータ6186bとカードユニット6700aとの間の有線LAN接続によってカードユニット6700aに送信されている。
図205は、図204(A)で説明した遊技用装置7301の構成を示す図である。上述のように、遊技用装置7301は、遊技用装置7201(図198参照)に改良を加えた装置であるため、同様の構成要素は遊技用装置7201と同じ符号を付し、説明を省略する。
図205に示す遊技用装置7301では、遊技用装置7201と較べると、無線通信制御部7231と音声合成部7232が追加されている。無線通信制御部7231は、ホールコンピュータ6186aとの間で無線LAN通信接続を確立し、ホールコンピュータ6186aから、上述した、音声データ(すなわち、災害時における遊技店の緊急放送(災害発生の報知や避難誘導)、遊技店における広告や案内の放送、遊技店におけるBGM等)を受信するよう制御する。この無線LAN通信は、例えば、IEEE802.11nといった通信規格に基づくものである。
音声合成部7232は、無線通信制御部7231で受信した、ホールコンピュータ6186aからの音声データ(デジタル音声信号)と、パチンコ機6001aからの赤外線に基づき赤外線受信制御部7202で生成された音声データ(デジタル音声信号)を合成し、合成後のデジタル音声信号をヘッドホンアンプ7203と無線出力制御部7207に送信する。なお、本実施形態では、音声合成部7232が音声データの合成処理を行うようにしているが、無線通信制御部7231や赤外線受信制御部7202といった他の機能部により、当該音声データの合成処理を行うようにしてもよい。
図204(B)で説明したカードユニット6700aの構成については、説明を省略するが、図205に示した遊技用装置7301と同様に、通信制御部で、(有線LAN接続された)ホールコンピュータ6186bから、上述した、災害時における遊技店の緊急放送等の音声データを受信し、音声合成部が、通信制御部により受信した、ホールコンピュータ6186bからの音声データ(デジタル音声信号)と、パチンコ機6601aからの赤外線に基づき赤外線受信制御部6702で生成された音声データ(デジタル音声信号)を合成し、合成後のデジタル音声信号をヘッドホンアンプ6703と無線出力制御部6707に送信する。
図206には、図204(A)に示すパチンコ機6001aや図204(B)に示すパチンコ機6601aの表示装置(パチンコ機6001の表示装置6007に対応する表示装置)に表示される設定画面の一例が示されている。図206(A)は、遊技者の操作によって、表示装置に表示されるメニュー画面6511である。メニュー画面6511は、遊技者が、パチンコ機6001aやパチンコ機6601aの所定のボタンを押下(または長押し)することにより、表示装置に表示される。
メニュー画面6511には、選択項目として、「音量調節」と「ヘッドホン/イヤホン出力」と「遊技に戻る」等が配置されており、パチンコ機の所定のボタンを操作して「音量調節」を選択して決定の指示を行えば、例えば、図194(B)に示すような音量調節画面6502に遷移し、そこで、パチンコ機の音量が調節される(ただし、この画面では、音量調節画面6502のような、ヘッドホン/イヤホン出力可否の指定はない)。
図206(B)は、メニュー画面6511で「ヘッドホン/イヤホン出力」を選択して決定の指示を行った場合に表示されるヘッドホン/イヤホン出力指示画面6512である。
このヘッドホン/イヤホン出力指示画面6512では、遊技者が、パチンコ機の所定のボタンを操作して、ヘッドホン/イヤホン出力可否の指定(ヘッドホン/イヤホン出力を行うか否かの指定)を行うことができる。ここで、ヘッドホン/イヤホン出力可否の指定のチェックボックスにチェックを行った場合、メニュー画面6511を介して行われる音量調節の指定に拘わらず、パチンコ機の音声の大きさが低減され(例えば、ボリューム値が0、または所定の小さな値に自動的に変更され)、ヘッドホン/イヤホン出力可否の指定のチェックボックスでチェックを外すまで変更できないように制御される。
パチンコ機の遊技者はまた、図206(B)のヘッドホン/イヤホン出力指示画面6512で、ヘッドホンやイヤホンに出力する音声の内容を選択することができる。この例では、「遊技機音声」、「遊技機ライブ音声」、及び「配信用」の各項目がリストされており、それぞれにチェックボックスが設定されている。
「遊技機音声」のチェックボックスは、チェックがされ、さらにハッチングされた状態で示されているが、これは、チェックが必須であり、外すことができないことを意味している。また、各項目はそれぞれボリュームの設定が可能となっている(不図示)。
上記各項目において、「遊技機音声」は、遊技機のスピーカに出力されるべき音声であり、例えば、遊技の演出に係る音声や、遊技機に係るエラー音、警告音等である。「遊技機ライブ音声」は、遊技機における遊技によって発生するライブ音声であり、例えば、遊技球の転動音、メダルの払い出し音、役物の移動音などであり、これらの音声データは、遊技機に内蔵されたマイクによって取得され、または疑似音により提供された後、上述した遊技機音声と合成され、合成された音声データは、音声出力用LEDから、この音声データに対応する赤外線として射出される。
「配信用」の指定は、有線音響装置8001や無線音響装置8002で出力される音声が録音または直接アップロードされて、SNSや動画配信サイトに提供される場合に、著作権の問題を生じないように、音声をミュート、または入れ替える指定である。このような音声の内容についての調整は、例えば、「遊技機音声」の項目に関連する。
ヘッドホンやイヤホンに出力する音声の内容を示す各項目のチェックボックスをチェックした後、「決定」を選択することで指定内容が決定され、その後、「メニュー画面に戻る」を選択して決定の指示を行えば、図206(A)のメニュー画面6511に戻る。
なお、メニュー画面6511、及びヘッドホン/イヤホン出力指示画面6512等を介して指定された指定内容は、パチンコ機6001aやパチンコ機6601aのRAM(例えば、パチンコ機6001のワークRAM6303等に対応する記憶域)に記憶される。また、こうして記憶された指定内容は、遊技者の交替と考えられる事象が検知された場合(例えば、パチンコ機の電源が投入された場合、所定期間、遊技者による遊技が行われなかった場合、カードユニットにおいて球貸しカード等の返却操作が行われた場合、遊技媒体の計数が指示された場合(各台計数システムが各台に設けられている場合)等)に既定値に戻される。
図207には、図204(A)に示す遊技用装置7301や図204(B)に示すカードユニット6700aのタッチパネル表示部(遊技用装置7201のタッチパネル表示部7224や、カードユニット6700のタッチパネル表示部6724に対応する表示装置)に表示される設定画面の一例が示されている。図207(A)には、メニュー画面7305が示され、図207(B)には、音量調節画面7306が示され、図207(C)には、ヘッドホン/イヤホン出力指示画面が示されている。
図207(A)のメニュー画面7311は、例えば、遊技者がタッチパネル表示部にタッチした場合に表示され、メニュー画面7311には、どの設定を行うかを選択するための選択項目が表示される。この例では、「音量調節」、「ヘッドホン/イヤホン出力」、「ペアリング」、「設定クリア」のいずれかをタッチ操作で選択することができる。
メニュー画面7311で、「音量調節」の選択項目をタッチすると、タッチパネル表示部の表示が、図207(B)の音量調節画面7312に遷移する。音量調節画面7312では、有線音響装置8001、無線音響装置8002ごとに、出力音量のボリュームを調整できるようになっている。有線音響装置8001に関しては、「有線ヘッドホン/イヤホン」の表示の右側の「+」や「-」をタッチすることで、音量を7段階のボリューム値に調節可能であり、これにより、有線音響装置8001に出力される音のボリュームを調節できる。ここで、左端のボリューム値は「0」であり、この設定の場合は、有線音響装置8001から音声が出力されない。
同様に、無線音響装置8002に関しては、「無線ヘッドホン/イヤホン」の表示の右側の「+」や「-」をタッチすることで、音量を7段階のボリューム値に調節可能であり、これにより、無線音響装置8002に出力される音のボリュームを調節できる。ここで、左端のボリューム値は「0」であり、この設定の場合は、無線音響装置8002から音声が出力されない。
音量調節画面7312においてボリュームの設定を行った後、「決定」をタッチして決定の指示を行えば、音量調節の指定内容が確定し、その後、「メニュー画面に戻る」をタッチすれば、図207(A)のメニュー画面7305に戻る。
メニュー画面7311で、「ヘッドホン/イヤホン出力」の選択項目をタッチすると、タッチパネル表示部の表示が、図207(C)のヘッドホン/イヤホン出力指示画面7313に遷移し、ここで、ヘッドホン/イヤホン出力可否の指定(ヘッドホン/イヤホン出力を行うか否かの指定)を行うことができる。
遊技者は、パチンコ機の表示装置に示される、図206(B)のヘッドホン/イヤホン出力指示画面6512で、ヘッドホンやイヤホンに出力する音声の内容として、「遊技機音声」、「遊技機ライブ音声」、及び「配信用」を選択することができたが、ここでは、さらに、「店内緊急放送」、「店内広告・案内放送」、「店内BGM1」、「店内BGM2」の各項目がリストされており、これらのなかから、ヘッドホンやイヤホンに出力する音声を選択することができる。また、上記のリストには、図206(B)のヘッドホン/イヤホン出力指示画面6512と同様に「配信用」の項目も含まれる。各項目を選択するために、各項目のそれぞれにチェックボックスが設定されている。
「店内緊急放送」は、遊技店による災害時における緊急放送であり、災害発生の報知や避難誘導などが含まれる。「店内広告・案内放送」は、例えば、その遊技店における所定商品・サービスの広告や、イベント等の案内である。この内容は、実際にその遊技店でリアルタイムに放送されている内容でなくてもよく、例えば、ヘッドホン/イヤホンを用いる遊技者の傾向に沿ったターゲティング広告等を含むようにしてもよい。「店内BGM1」、「店内BGM2」は、その遊技店において提供されるBGM等であるが、実際にその遊技店でリアルタイムに放送されているBGMである必要はない。
なお、「店内緊急放送」のチェックボックスは、チェックがされ、さらにハッチングされた状態で示されているが、これは、「店内緊急放送」の重要性から、チェックを外すことができないことを示している。
「配信用」の指定は、有線音響装置8001や無線音響装置8002で出力される音声が録音または直接アップロードされて、SNSや動画配信サイトに提供される場合に、著作権の問題を生じないように、音声をミュート、または入れ替える指定である。このような音声の内容についての調整は、例えば、「店内BGM1」や「店内BGM2」の項目に関連する。
また、全体のボリュームの設定は、図207(B)の音量調節画面7312で行うことができるが、各項目についても、それぞれボリュームの設定が可能となっている(不図示)。ただし、「店内緊急放送」については、一定ボリューム値以下には設定できないようになっている。
ヘッドホンやイヤホンに出力する音声の内容を示す各項目のチェックボックスをチェックした後、「決定」を選択することで指定内容が決定され、その後、「メニュー画面に戻る」をタッチすれば、図207(A)のメニュー画面7311に戻る。
なお、メニュー画面7311、音量調節画面7312、ヘッドホン/イヤホン出力指示画面7313等を介して指定された指定内容は、遊技用装置7301やカードユニット6700aのRAMに記憶される。また、こうして記憶された指定内容は、メニュー画面7311で「設定クリア」の項目をタッチして所定の操作を行うことで既定値に戻される。
メニュー画面7311で「ペアリング」が選択された場合の挙動は、図199(A)のメニュー画面7305で「ペアリング」が選択された場合と同じであるため、ここでは説明を省略する。
なお、ここでは、「店内緊急放送」、「店内広告・案内放送」、「店内BGM1」、「店内BGM2」の各項目については、遊技用装置7301やカードユニット6700aで、これらの音声データをホールコンピュータ6186a等から受信した後、指定された音声のみを、パチンコ機6001aやパチンコ機6601aからの音声と合成する。また、遊技用装置7301やカードユニット6700aが、最初に、指定された項目をホールコンピュータ6186a等に送信し、ホールコンピュータ6186a等から、指定された項目に係る音声データのみを受信するように構成してもよい。
また、遊技用装置7301やカードユニット6700aは、「店内緊急放送」に係る音声データをホールコンピュータ6186a等から受信した場合、外部に向けて可視光の点滅等を行う発光部を有するように構成することもできる。このような構成によって、遊技者は、音声だけでなく、視覚によっても緊急事態を把握することができる。
なお、ホールコンピュータ6186a等から送信される「店内広告・案内放送」、「店内BGM1」、「店内BGM2」は、実際に店内で放送されているものと異なるものであってもよい。
ここまで図204~図207を参照して、変形例4に係る遊技システムPS230、遊技システムPS240について説明してきたが、このような構成は例示に過ぎず、他の様々な構成によって、本願の機能を実現することができる。
(変形例5)
次に、図208を参照して、遊技システムPS250について説明する。遊技システムPS250は、遊技システムPS230のパチンコ機6001aと、遊技用装置7301を改良した遊技用装置7301a含み、さらに、ホールコンピュータ6186aを改良したホールコンピュータ6186cと遊技者のスマートフォン5801を含む。
遊技用装置7301aは、遊技用装置7301とは異なり、音声データをホールコンピュータから受信しない。また、遊技用装置7301と同様に、パチンコ機6001aの音声出力用LEDから射出される赤外線を遊技用装置7301aの赤外線受光部で受光し、当該赤外線受光部で受光された光に基づいて音声信号を生成し、デジタル音声データを無線信号(例えば、Bluetooth(登録商標))で出力するが、ここでは、無線音響装置8002ではなく、スマートフォン5801がこのデジタル音声データを受信する(ペアリングの相手がスマートフォン5801になる)。スマートフォン5801が受信するデジタル音声データには、遊技システムPS230のように、「遊技機音声」、及び「遊技機ライブ音声」が含まれうる。
また、ホールコンピュータ6186cは、スマートフォン5801のアプリケーション5802によって遊技者から指定された内容に従って、「店内緊急放送」、「店内広告・案内放送」、「店内BGM1」、「店内BGM2」等に係るデジタル音声データを、例えば、無線LANにより、スマートフォン5801に送信する。また、ホールコンピュータ6186cは、赤外線を用いた光通信(パチンコ機6001aから遊技用装置7301aへの赤外線送信と同様の光通信)により、遊技用装置7301aに対して、これらの音声を送信するようにしてもよい。
スマートフォン5801で実行される上述のアプリケーション5802は、上述したように、遊技用装置7301aから、「遊技機音声」や「遊技機ライブ音声」に係るデジタル音声データを、上記無線通信で受信し、ホールコンピュータ6186cから、「店内緊急放送」、「店内広告・案内放送」、「店内BGM1」、「店内BGM2」等に係るデジタル音声データを、無線LANにより受信し、さらに、ここで、スマートフォン5801で音楽等の再生がされている場合は、それらのデジタル音声データをすべて合成して、スマートフォン5801とペアリングされている(無線接続されている)無線音響装置8002に、そのデジタル音声データを送信する。
このような構成によって、遊技者は、自身のスマートフォン5801で再生している音楽を聞きながら、パチンコ機6001aからの音声を聞くことができ、また、ホールコンピュータ6186cから送信される、「店内緊急放送」、「店内広告・案内放送」等を聞くことができる。
また、自身のスマートフォン5801で音楽を再生しない場合は、ホールコンピュータ6186cから、遊技店で提供されるBGM(「店内BGM1」、「店内BGM2」)を聞くようにすることもできる。
また、遊技者がどの音を聞き、各音のボリュームをどのようにするかは、遊技システムPS230や遊技システムPS240のように、パチンコ機6001a、及び遊技用装置7301等の設定画面から指定することができる。また、遊技用装置7301等で行う、図207のメニュー画面7311、音量調節画面7312、及びヘッドホン/イヤホン出力指示画面7313による設定を、スマートフォン5801のアプリケーション5802で行うようにすることもできる。
なお、ここでは、遊技者のスマートフォン5801のアプリケーション5802によって、再生中の音楽を含む最終的な音声合成処理が行われるが、このような処理を実行する装置は、スマートフォンに限らず他の様々な携帯型音楽再生装置であってもよい。
ここまで図208を参照して、変形例5に係る遊技システムPS250について説明してきたが、このような構成は例示に過ぎず、他の様々な構成によって、本願の機能を実現することができる。
(変形例6)
次に、図209を参照して、遊技システムPS260について説明する。遊技システムPS260は、遊技システムPS230のパチンコ機6001aと、遊技用装置7301を改良した遊技用装置7301b含み、さらに、遊技の際に遊技者が使用する椅子5201を含む。
遊技用装置7301bは、遊技用装置7301と同様に、パチンコ機6001aの音声出力用LEDから射出される赤外線を遊技用装置7301bの赤外線受光部で受光し、当該赤外線受光部で受光された光に基づいて音声信号を生成し、デジタル音声データを有線音響装置8001等に出力する。椅子5201は、パチンコ機6001aの音声出力用LEDから射出される赤外線を、椅子5201が備える赤外線受光部5202で受信し、受信した光に基づいて振動するよう制御し、遊技者に対して、パチンコ機6001aの音声に同期した振動を与えるようにすることができる。
このような構成を実現するために、椅子5201の赤外線受光部は、パチンコ機6001aの音声出力用LEDを受光可能な位置に配置され、遊技用装置7301bは、図209に示すように、パチンコ機6001aの音声出力用LEDから射出される赤外線を椅子5201の方向に透過するように、例えば、透明な樹脂の筐体を有するように構成される。
また、椅子5201の赤外線受光部5202は、遊技用装置7301bの赤外線受光部と同様の構成(すなわち、遊技用装置7201の赤外線受光部7211と同様の構成)を有し、赤外線受光部5202に接続された赤外線受信制御部(例えば、遊技用装置7201の赤外線受信制御部7202に対応)が、生成した音声信号の大きさや振幅に応じて、椅子5201の座面や背もたれに配置されている振動装置(例えば、振動モータ)を起動し、パチンコ機6001aからの音声に応じて変化する振動を遊技者に与える。こうした本願の構成については、いわゆる、「ボディソニック」の各技術を導入することができる。
図209に示す例では、遊技用装置7301bをパチンコ機6001aに装着(または、近接して配置)したが、遊技用装置7301bを椅子5201の背もたれ部分等に装着、あるいは組み込んで、パチンコ機6001aの音声出力用LEDから射出される赤外線を受光し、遊技用装置7301bの赤外線受信制御部が、椅子5201の振動装置に接続され、椅子5201を、音声に合わせて振動させるようにすることもできる。この場合、椅子5201に赤外線受光部5202や赤外線受信制御部を設ける必要がなくなる。また、有線音響装置8001のオーディオケーブルは、椅子5201に装着された遊技用装置7301bの音声出力端子に挿入されることになるので、遊技者の手元やパチンコ機6001aの遊技盤付近の視界をすっきりさせることができる。
また、上記の振動装置を椅子5201の本体ではなく、椅子のカバーやクッションに組み込むように構成することもできる。
ここまで図209を参照して、変形例6に係る遊技システムPS260について説明してきたが、このような構成は例示に過ぎず、他の様々な構成によって、本願の機能を実現することができる。
(その他の変形例)
本実施形態では、上記のように、音声信号に対応する赤外線を射出する音声出力用LEDを備えたパチンコ機を、遊技用装置やカードユニットで受光する構成としたが、パチンコ機から射出される赤外線を、いわゆる赤外線ワイヤレスヘッドホンで直接受光するように構成することもできる。この場合、音声出力用LEDから射出される光が広範に照射されないように、音声出力用LEDを設け、照射角度を制限することができる。また、赤外線ワイヤレスヘッドホンやその専用受信機等に適切に赤外線が到達するように(他の席の遊技者のヘッドホンまで赤外線が届かないように)、音声出力用LEDで照射される赤外線の到達距離をコントロールすることも可能である。
また、パチンコ機の内部に、遊技用装置7001や遊技用装置7201の構成を組み込むように構成することもできる。
またさらに、遊技用装置7001等が、パチンコ機の発光部(例えば、図192に示す演出用LED群6046に対応する発光部)をCCDカメラのような撮像装置で撮像し、その発光パターンから演出パターンやパチンコ機の状況を判定し、その判定結果に応じて、演出等に係る音声を有線音響装置8001や無線音響装置8002に出力するようにすることもできる。
このような構成により、音声出力用LEDを有していない既存のパチンコ機についても、本願の遊技用装置を用いて、ヘッドホンやイヤホンで遊技機の音声を聞くことができる。
また、パチンコ機に不正な信号が入力されることがないよう、所定の措置を講じたうえで、パチンコ機に音声出力端子を配置し、そこに有線音響装置8001のオーディオケーブルを接続するように構成することもできる。
ここまで、図190~図209を参照して、第15実施形態に係る遊技システムとその変形例について説明してきたが、各装置の構成は例示に過ぎず、他の様々な構成によって、本願の技術的思想を具現化することができる。また、ここまで説明してきた第15実施形態に係る各装置(変形例含む)を適宜組合せて新たな遊技システムを構築することが可能である。またさらに、第15実施形態に係る遊技システムとその変形例を、上述した第1実施形態~第14実施形態に適宜適用させることができる。
以下、上述した第15実施形態に係る遊技機における構成、及びその構成の効果について付記する。
<付記A-1>
従来、パチンコ遊技機などの遊技機においては、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた通過領域を遊技球が通過したことなど、所定の可変表示開始条件の成立により、画像表示装置の表示領域上に識別情報としての図柄を変動表示する制御が実行されて、変動表示された図柄を導出表示する制御が実行され、導出表示された図柄が所定の組合せ(特定の表示態様)となった場合に、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行するようにしたものが提供されている。
このような従来の遊技機として、各種演出を行うように構成された遊技機が知られており、また、この遊技機では、演出の際に出力される音声のボリューム(演出音量)を、例えば、7段階で調整することができる(例えば、特開2021-178254号公報)。
近年、遊技店においては、遊技者が快適な環境で遊技することがきるように、遊技機から出力される音量を、できるだけ小さくしようとする自主規制の動きが盛んであり、上記のような遊技機で演出音声の音量を小さく設定できれば、各遊技者は、比較的静かな環境で遊技を行うことができるようになる。
しかしながら、遊技機の音量を小さくした場合は、その分、臨場感や迫力を欠き、各演出を十分に堪能することができない。また、隣接する遊技機等で大きな音が出力されていれば、自身の遊技機の音量を上げざるを得ず、結果的に、遊技店全体として、適度な音量で遊技がされる快適な環境を実現することが困難になる。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、遊技機の演出等に係る音声を外部に発することなく(あるいは、極めて小さな音量としつつ)適切な音量で遊技者に提供することが可能な遊技システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技機を提供する。
(A-1-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
遊技に係る各種制御を行う制御手段(例えば、演出音声やエラー・警告音を出力するパチンコ機6001のサブ制御回路6300の音声・LED制御回路6305)と、
前記制御手段での制御に応じた音声情報(例えば、サブ制御回路6300によって制御される演出に係る音声を含む、AMP6312からのアナログ信号)に対応する音声を出力可能な音声出力手段(例えば、パチンコ機6001のスピーカ6032)と、
前記制御手段での制御に応じた音声情報(例えば、サブ制御回路6300によって制御される演出に係る音声を含む、赤外線送信制御部6314からのアナログ信号)に対応する光を外部に向けて発光可能な発光手段(例えば、パチンコ機6001の音声出力用LED6045)と、
前記発光手段の発光によって射出された光を受光する受光手段(例えば、遊技用装置7001の赤外線受光部7011)と、
前記受光手段によって受光された光から音声情報(例えば、サブ制御回路6300によって制御される演出に係る音声を含むデジタル信号)を生成する音声情報生成手段(例えば、遊技用装置7001の赤外線受信制御部7002)と、
前記音声情報生成手段により生成された音声情報から、接続された音響装置(例えば、ヘッドホンやイヤホン)で、前記音声情報に対応する音声が出力されるように制御する音声出力制御手段(例えば、遊技用装置7001のヘッドホンアンプ7003や無線出力制御部7007)と、
を備えることを特徴とする遊技システム(例えば、遊技システムPS200)。
このような本発明の構成によれば、遊技に係る音声情報に対応する音声を出力する音声出力手段(例えば、スピーカ)を備えるとともに、遊技に係る音声情報を光として外部に射出し、その光に基づいて当該音声情報に対応する音声を音響装置(例えば、ヘッドホンやイヤホン)に出力することができるため、遊技者は、少なくとも2つの異なる経路による方法で、遊技に係る音声を聞くことができる。
(A-1-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
音声の出力方法を指定可能な入力手段によって、音声を前記音響装置に出力可能に指定された場合、前記音声出力手段で出力される音声の大きさが低減されるように構成される。
このような本発明の構成によれば、遊技者は、遊技に係る音声の出力方法を、例えば、スピーカで聞くか、ヘッドホンやイヤホンで聞くかを指定可能であり、音声の出力方法を、ヘッドホンやイヤホンで聞く方法に指定した場合に、他の遊技機からの音声等を大幅にカットでき、適切な音量で自身の遊技機に関する演出等の音声を確実に聞くことができる。また、当該方法を指定することにより、音声出力手段(例えば、スピーカ)の音量が小さく抑えられることになり、当該方法を指定する遊技者が増えれば、結果として遊技店内の騒音が軽減される。また、上記のように、遊技店の騒音が軽減されることで、ヘッドホンやイヤホンを利用していない遊技者も、遊技店内でアナウンスされる緊急警報や避難誘導を聞き取りやすくなる。またさらに、遊技機の音量が小さく抑えられると、これによって、遊技機の消費電力が抑えられ、このような利用形態が促進されることで、結果的に、遊技店全体として効果的な節電が実現される。
(A-1-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
前記音声情報生成手段は、前記制御手段とは異なる外部手段(例えば、ホールコンピュータ6186)から追加音声情報(例えば、遊技店内のアナウンスの音声)を取得可能であり、
前記受光手段によって受光された光に応じた音声情報と、前記追加音声情報に応じた音声情報とから何れの音声情報にも応じた前記音響装置での音声出力が可能であるように構成される。
このような本発明の構成によれば、遊技者がヘッドホンやイヤホンによって確実に音声を聞き取れる状況の場合、火災発生時等の非常時における緊急警報や避難誘導を当該ヘッドホンやイヤホンに出力することによって、鮮明な音でこれらの情報を遊技者に伝えることが可能となる。
(A-1-4)本発明の第4の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
遊技に係る各種制御を行う制御手段と、
前記制御手段での制御に応じた音声情報に対応する音声を出力可能な音声出力手段と、
前記制御手段での制御に応じた音声情報に対応する光を外部に向けて発光可能な発光手段と、を備え、
前記光から生成された音声情報に対応する音声は、外部の音響装置で出力可能であることを特徴とする遊技機(例えば、パチンコ機6001)。
このような本発明の構成によれば、遊技に係る音声情報に対応する音声を出力する音声出力手段(例えば、スピーカ)を備えるとともに、遊技に係る音声情報を光として外部に射出するため、その光から生成された音声情報に対応する音声が外部の音響装置(例えば、ヘッドホンやイヤホン)で出力可能となり、遊技者は、少なくとも2つの異なる経路による方法で、遊技に係る音声を聞くことができる。
(A-1-5)本発明の第5の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
外部の発光手段(例えば、パチンコ機6001の音声出力用LED6045)の発光によって射出された光を受光する受光手段と、
前記受光手段によって受光された光から音声情報を生成する音声情報生成手段と、
前記音声情報生成手段により生成された音声情報から、接続された音響装置で、前記音声情報に対応する音声が出力されるように制御する音声出力制御手段と、
を備えることを特徴とする遊技用装置(例えば、遊技用装置7001)。
このような本発明の構成によれば、外部の光から生成された音声情報に対応する音声を、接続された音響装置(例えば、ヘッドホンやイヤホン)で出力可能となり、遊技者は、発光手段を備える外部装置(例えば、パチンコ機6001)からの音声情報に対応する音声を、光信号を経由して聞くことができる。
上述した第15実施形態に係る発明によれば、遊技機の演出に係る音声等を、外部に発することなく(あるいは、極めて小さな音量としつつ)適切な音量で遊技者に提供することができる。
また、当該発明によれば、遊技機から出力されていた音声がヘッドホンやイヤホンによって遊技者に提供されることで、遊技機の音量が小さく抑えられ、このような利用形態が促進されることで、結果的に遊技店内の騒音が軽減される。
またさらに、当該発明によれば、遊技者がヘッドホンやイヤホンによって確実に音声を聞き取れる環境となるため、火災発生時等の非常時における緊急警報や避難誘導を当該ヘッドホンやイヤホンに出力することによって、鮮明な音でこれらの情報を遊技者に伝えることが可能となる。また、上記のように、遊技店の騒音が軽減されることで、ヘッドホンやイヤホンを利用していない遊技者も、遊技店内でアナウンスされる緊急警報や避難誘導を聞き取りやすくなる。
また、当該発明によれば、遊技機から出力されていた音声がヘッドホンやイヤホンによって遊技者に提供されることで、遊技機の音量が小さく抑えられると、これによって、遊技機の消費電力が抑えられ、このような利用形態が促進されることで、結果的に、遊技店全体として効果的な節電が実現される。
<第16実施形態>
次に、本発明の第16実施形態に係る遊技システムPS300の構成について、図210ないし図223を参照して説明する。
本願の遊技システムPS300は、図210に示すように、遊技店に配置されるホールコンピュータ9100、及びグローバル会員管理システムの会員管理サーバ9700を含むように構成される。なお、遊技システムPS300では、基本的に複数の遊技店に係るホールコンピュータ9100が含まれる。
また、ホールコンピュータ9100は、ホール会員の情報等を記憶するためのホールDB9150を有し、会員管理サーバ9700は、グローバル会員の情報等を記憶するための会員管理DB9750を有している。
またさらに、各遊技店には、ホールコンピュータ9100に接続された遊技機9010、サンド装置9020、島端計数装置9400,POS端末9500、及びホール端末9600等が配置される。
本願の遊技システムPS300では、ユーザ(個人)が会員登録を行うことによって、当該ユーザが所有可能なスマートフォン9900や会員カード9920に記憶されるグローバル会員ID(または、記憶媒体識別子)が、ホールDB9150や会員管理DB9750に記憶され、そこで、ユーザに関する情報等と関連付けられる。なお、本実施形態において、「会員カード」または「会員カード9920」と表記した場合は、複数の遊技店において使用することが可能な、グローバル会員管理システムにより管理される会員カードを指し、個々の遊技店が独自に発行する会員カードとは異なるものである。
なお、本実施形態では、遊技システムPS300の利用者を、ユーザ(または個人)と称するものとする。すなわち、ユーザ(個人)は、遊技店において、遊技機9010による遊技を行う前であって遊技者とは呼べない者や、遊技店に赴くことなく会員登録だけを済ませた者をも含む概念である。
また、本実施形態では、上記のように複数の遊技店において、スマートフォン9900や会員カード9920等に記憶されたグローバル会員IDが使用可能となるが、複数の遊技店は、同じ系列店に属している否かを問わない。異なる系列店である複数の遊技店の間で、共通してグローバル会員IDを使用可能とすることができる。
ユーザが会員登録手続きを行った場合に、会員管理サーバ9700の会員管理DB9750に、新たなグローバル会員IDが記憶され、このグローバル会員IDを用いることによって、ユーザは、複数の遊技店で会員としての遊技を行うことができる。ユーザは、会員登録手続きをいずれかの遊技店において1回行えば、他の遊技店での会員登録手続き(2回目以降の会員登録手続き)を極めて簡便に済ませることができる。
また、ユーザは、遊技店での手続きを経ることなく(すなわち、実際に遊技店に赴くことなく)会員登録手続きを行うことも可能であり、この場合、ユーザは、遊技店での会員登録手続き(1回目以降の会員登録手続き)を極めて簡便に済ませることができる。
ユーザが、遊技店での手続きを経ることなく会員登録手続きを行うとは、例えば、スマートフォン9900や自宅のPC(パーソナルコンピュータ)等を用いて、グローバル会員管理システムにアクセスし、予め会員登録手続きを行っておく場合や、スマートフォン9900や自宅のPC等を用いて、遊技店のホールコンピュータ9100や他の関連するコンピュータ(WEBサーバ等)を経由し、グローバル会員管理システムにアクセスし、予め会員登録手続きを行っておく場合などがある。会員管理サーバ9700とホールコンピュータ9100は、図210に示すように、例えば、インターネット等を含むネットワーク9050を介して接続されている。
各遊技店のホールコンピュータ9100は、会員登録されたユーザ(ホール会員)の氏名や住所といった個人情報を記憶するとともに、遊技店において遊技機9010を利用した遊技を行うユーザの遊技情報を蓄積・管理する。例えば、ユーザが獲得した遊技媒体を貯玉、貯メダル(又は、持玉、持メダル)として管理したり、遊技機9010それぞれについての稼働情報を管理する。さらに、ホールコンピュータ9100は、ユーザが獲得した遊技媒体の価値に応じて、遊技者が希望する景品を交換できるようPOS端末9500等の装置を制御する。
ホールコンピュータ9100は、上記のように、ホールDB9150を備えており、ホールDB9150には、遊技店の管理・運営に必要な各種データを格納するテーブルが記憶される。
遊技機9010は、例えば、パチンコ機やパチスロ機であり、ユーザは、これらを用いて遊技することにより、遊技媒体(パチンコ玉やメダル)を獲得する。なお、本明細書では、便宜上、どちらかのタイプの遊技機について説明する場合があり、その場合、遊技媒体についても、遊技機に対応した遊技媒体についての記載がなされるが、そのような場合であっても、本発明がどちらかのタイプの遊技機に限定されるものではない。また、遊技機9010は、第1実施形態の第1のパチンコ機、第2のパチンコ機、第3のパチンコ機、及び他の実施形態に係るパチンコ機と同様の構成であってもよい。また、本実施形態では、上記のように、パチスロ機でもよく、例えば、第3実施形態~第15実施形態における説明で主に説明されているパチスロ機であってもよい。また、第2実施形態等に記載されている封入式の遊技機(すなわち、主制御回路自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、封入された遊技球を循環させて行う遊技や、メダルレスで行う遊技を可能とする遊技機)とすることもできる。
また、遊技機9010は、ホールコンピュータ9100に接続され、上述のように、遊技状況や遊技媒体数に関する情報をホールコンピュータ9100に送信する。サンド装置9020もホールコンピュータ9100に接続され、ユーザの操作に応じて、スマートフォン9900や会員カード9920による遊技媒体の貸出、持玉/持メダル・貯玉/貯メダルの制御、計数の制御等を行う。
本実施形態においては、1台の遊技機9010には1台のサンド装置9020が対応付けられ、それぞれがホールコンピュータ9100に接続されるが、例えば、遊技機9010からホールコンピュータ9100に送信される情報をサンド装置9020を介して行うように構成することもできる。
島端計数装置9400は、ユーザが獲得した玉(メダル)数をカウントする装置であって、遊技機9010が複数まとめて配置された「島」の端に配置されている。計数装置は、このような島端計数装置9400のほか、各台計数機能付きサンド装置やその他の計数装置として、遊技店内の様々な箇所に配置されうる。なお、本実施形態では、計数装置が、それぞれのサンド装置9020に組み込まれるとともに、島端計数装置9400として配置されるものとする。
POS端末9500は、遊技店のカウンター等に設置され、遊技店のスタッフは、ユーザの景品交換等に対応するために、このPOS端末9500を操作する。例えば、上述の島端計数装置9400により発行されたレシートをユーザから受け取ってこれをPOS端末9500に読み込ませ(又は、ユーザから提示された会員カード等によってサンド装置9020から送信された遊技媒体の計数値や持玉数/持メダル数・貯玉数/貯メダル数を読み出し)、対応する価値の景品をユーザに提供したりする。
このようにして、遊技店では、POS端末9500の機能により、遊技店の店頭景品陳列コーナーに配置されている店頭景品(一般景品)や特殊景品との交換が行われる。
ホール端末9600は、遊技店に配置され、遊技店を利用するユーザ等により所定操作が可能となっている。
また、本実施形態においては、会員登録手続きを行うための装置、または会員IDを記憶する記憶媒体として、ユーザが所有可能なスマートフォン9900が示されているが、携帯電話、PDA、フィーチャーフォン、タブレット型端末、モバイルPCといった、他の携帯端末であってもよい。またさらに、会員IDを記憶する記憶媒体として会員カード9920のようなICカードが示されているが、これも、磁気カード等を含む、様々なタイプの記憶媒体であってもよい。
また、本実施形態において、上述したスマートフォン9900や会員カード9920は、例えば、近距離無線通信規格(NFC:Near Field Communication)に基づく非接触ICチップを備えており、サンド装置9020やPOS端末9500は、非接触ICカードリーダ等によって、スマートフォン9900や会員カード9920に記憶された情報(例えば、非接触ICカードの固有ID等を含む)を読み取ることができる。
なお、図210に示す遊技システムPS300の構成は例示にすぎず、他の様々な構成によって同様のシステムを構築することができる。例えば、ホールコンピュータ9100や会員管理サーバ9700を、機能等に応じて複数のコンピュータに分割することができる。また、ホールコンピュータ9100や会員管理サーバ9700がそれぞれ、他のコンピュータと協働して、所定の情報を送信、または受信するように構成されうる。
また、図210に示した複数の遊技店は、上記のように、系列店でなくてもよく、運営主体が同じ遊技店に限らず、運営主体が必ずしも同じでない遊技店の集合として構成されうる。
次に、図211、及び図212を参照して、本実施形態に係る遊技システムPS300で使用される遊技機9010とサンド装置9020について説明する。図211は、サンド装置9020を併設した遊技機9010を示す正面図である。図212は、サンド装置9020を示す斜視図である。また、図211においては、遊技機9010aがパチスロ機として示され、遊技機9010bがパチンコ機として示されている。
図211に示すように、遊技機9010aの向かって右側には、それぞれ、サンド装置9020aが併設され、遊技機9010bの向かって右側には、それぞれ、サンド装置9020bが併設されている。それぞれのサンド装置9020(9020a、9020b)は、隣接する遊技機9010(9010a、9010b)に対応して設置されている。またそれぞれの遊技機9010とサンド装置9020は、遊技店全体のシステム管理や売り上げ・遊技状況の管理等を行うホールコンピュータ9100に対して通信可能に接続されている。
以下では、遊技機9010aとサンド装置9020aについて説明するものとし、遊技機9010bとサンド装置9020bについては説明を省略する。図211、図212に示すように、サンド装置9020aの前面部9021には、LED(light-emitting diode)部9031、カード挿入口9032、紙幣を投入可能な紙幣挿入口9033、タッチパネルLCD(liquid crystal display)により構成された操作ユニット9034、カメラ9035、非接触ICカードリーダ/ライタ9036、メダル(遊技媒体)払出用トレー9037、スピーカカバー9038、メダル(遊技媒体)計数用投入口9039等が設けられている。
カード挿入口9032は、例えば遊技店のカード発行機(図示せず)によって発行された情報カードや、(紙幣を投入して遊技を行った後に)カード挿入口9032から新たに発行・排出された情報カードを受け付け可能な挿入口である。LED部9031は、フルカラーLED9031A、赤外LED(赤外線発光ダイオード)9031Bから構成されている。
ユーザは、所定金額の紙幣を紙幣挿入口9033に投入すると、当該所定金額に基づいて、遊技に必要な遊技媒体としてのメダルの貸し出しを受けることができる。また、情報カードをカード挿入口9032に投入した場合に、情報カードに残高があれば、その残高に基づいて、遊技に必要な遊技媒体としてのメダルの貸し出しを受けることができる。またさらに、ユーザは、会員カードとして機能するスマートフォン9900や、非接触ICカードである会員カード9920等を、非接触ICカードリーダ/ライタ9036にかざすことで、ホールDB9150に記憶されている残高データを読み取り、当該残高データに基づいて、遊技に必要なメダルの貸し出しを受けることもできる。なお、本実施形態では、スマートフォン9900や会員カード9920等の記憶媒体自体には、残高データ、持メダル数、貯メダル数が記憶されていないが、当該記憶媒体にこれらのデータを記憶するようにしてもよい。
サンド装置9020aは、情報カード・紙幣の投入、又はスマートフォン9900や会員カード9920の提示を受けて、投入された当該価値媒体の金額に応じた数のメダルを、内部に設けられた払出用ホッパによって計数してメダル払出用トレー9037から払い出す。
また、サンド装置9020aは、情報カードや、スマートフォン9900、会員カード9920等から、使用可能なメダル数(持メダルや貯メダルのメダル数)が把握される場合は、ユーザの操作に応じて、そのメダル数に応じた数のメダルを、内部に設けられた払出用ホッパによって計数してメダル払出用トレー9037から払い出す。ユーザは、メダル払出用トレー9037から払い出されたメダルを遊技機9010aのメダル投入口9011へ投入することにより、遊技機9010において遊技を行うことができる。
ここで、会員カードとして機能し、非接触ICカードリーダ/ライタ9023によって読み取られる記憶媒体には、上述したスマートフォン9900や会員カード9920のほか、非接触ICチップを内蔵した携帯電話、PDA、フィーチャーフォン、タブレット型端末、モバイルPCといった、その他の携帯端末機が含まれる。
また、遊技機9010aにおいては、遊技の結果に応じて、メダル払出用トレー9012にメダルを払い出すようになされている。ユーザは、このメダルをメダル払出用トレー9012から掬い取って、サンド装置9020aのメダル計数用投入口9039へ投入することにより、このメダルをサンド装置9020aによって計数させることができる。サンド装置9020aは、メダル計数用投入口9039から投入されたメダルを、内部に設けられた計数用ホッパによって計数する。このように、サンド装置9020aは、遊技機9010aに併設され、遊技の結果に応じて遊技機9010aから払い出されたメダルを計数する機能を有していることから、各台計数装置とも呼ばれている。
なお、遊技機9010b(パチンコ機)の場合、パチンコ玉が、サンド装置9020bの計数用投入口に導入されるようになっている。例えば、ユーザは、所定の操作を行うことにより、遊技の結果、上皿に払い出されたパチンコ玉を下皿に落とすと、当該パチンコ玉は、下皿の下方に装着された案内皿に落下する。案内皿は、下皿から落下したパチンコ玉を、サンド装置9020bに設けられた計数用投入口へ案内する。計数用投入口に導入されたパチンコ玉は、サンド装置9020bの内部に設けられた計数部によって計数される。
計数された結果(メダル数)は、カード挿入口9032から挿入されている情報カードに、持メダルのメダル数として記録または加算される。また、スマートフォン9900や会員カード9920の残高データや持メダル数、貯メダル数が非接触ICカードリーダ/ライタ9036によって読み取られた結果、遊技が行われている場合は、そのスマートフォン9900や会員カード9920に対して持メダルのメダル数が加算されるが、本実施形態では、その遊技店のホールDB9150に、スマートフォン9900や会員カード9920をユニークに識別可能な記憶媒体識別子(または、グローバル会員ID)に対応付けて持メダル数が記憶されており、そのメダル数に今回のメダル数が加算される。
計数用ホッパにおいて計数されたメダルは、サンド装置9020aの底面部に設けられた排出口から搬送コンベアに排出され、回収される。なお、搬送コンベアが設けられていない場所では、サンド装置9020aの下部にメダルを貯留するための貯留ボックスを設置し、この貯留ボックスへメダルを排出するようにしてもよい。
なお、遊技機10b(パチンコ機)の場合、計数部において計数されたパチンコ玉は、サンド装置20bの背面部に設けられた排出口から排出され、回収される。また、計数用投入口から投入されたパチンコ玉の計数経路とは別に、サンド装置20bの背面側に端数用供給部が設けられており、外部から端数用のパチンコ玉を受け入れるようになっている。この供給部により、端数用のパチンコ玉は、常に一定量が貯留された状態となっており、必要に応じて、端数用払出口から、案内皿へ払い出される。
次に、図213を参照して、サンド装置9020aの操作ユニット9034について説明する。操作ユニット9034は、ディスプレイ9034aと、タッチパネル式の操作ボタン9034bと、を含んでいる。操作ボタン9034bは、各種のボタンを模した画像として表示され、その画像に応じてユーザの操作を受け付ける。具体的には、操作ボタン9034bは、「返却」、「貸出」、「計数開始」、「持ち玉払出」、「計数停止」、「貯玉する」、「サービス」、「貯玉払出」などの各種の処理の対応する操作ボタン9034bを模した画像として表示される。ユーザは、所望する処理に対応する操作ボタン9034bにタッチ等することで、その処理を実行することができる。
例えば、「貸出」の操作ボタン9034bは、情報カードをカード挿入口9032に挿入して、スマートフォン9900や会員カード9920を非接触ICカードリーダ/ライタ9036にかざして、あるいは現金を紙幣挿入口9033に挿入して、その結果、把握された残高、持メダル、貯メダルから、メダルの貸し出しを希望するときに操作する部分である。「計数開始」の操作ボタン9034bは、メダルをメダル計数用投入口9039に投入して計数するときに操作する部分である。「計数停止」の操作ボタン9034bは、メダルの計数を開始したあとに、計数を停止するときに操作する部分である。「返却」の操作ボタン9034bは、挿入した情報カードを返却するときに操作する部分である。このとき、情報カードには残高データ、持メダル数、及び(会員カードであれば)貯メダル数が書き込まれる。スマートフォン9900や会員カード9920によって貸出が行われた場合、残高データや持メダル数、貯メダル数の情報は、上記の通り、これらの記憶媒体に係る記憶媒体識別子(またはグローバル会員ID)に対応付けて、その遊技店のホールDB9150に記憶される。
ユーザは、情報カード、又は所定金額の紙幣を、カード挿入口9032、又は紙幣挿入口9033に投入することで、遊技に必要な遊技媒体としてのメダルの貸し出しを受けることができる。また、ユーザは、会員カード9920やスマートフォン9900を、非接触ICカードリーダ/ライタ9036にかざすことで、遊技に必要なメダルの貸し出しを受けることができる。
次に、図214を参照して、サンド装置9020aの構成について説明する。図214は、サンド装置9020aの構成を示すブロック図である。メインCPU(central processing unit)9040は、ROM(read only memory)9041に格納された制御部ログラムを読み出して、メダルの貸出等の処理を実行する。処理に係る各種データは、RAM(random access memory)9042に格納される。
メインCPU9040は、情報カードリーダ/ライタ9022を介して情報カードから読み取った金額データ、又は非接触ICカードリーダ/ライタ9023を介してスマートフォン9900や会員カード9920から読み取った記憶媒体識別子に基づいて、ホールDB9150から受信した金額データを残高データとしてRAM9042に格納する。メインCPU9040は、この残高データと、操作ユニット9034から出力される操作結果に基づいて、ユーザが指定した金額が残高データよりも小さい場合には、指定された金額分のメダルを払出用ホッパ9045において計数して払い出し、残高データから払い出されたメダル分の金額を減算することにより、残高データを更新する。なお、情報カード、スマートフォン9900、会員カード9920に基づいて把握される持メダルや貯メダルから、対応する数のメダルを払い出すことができる。メインCPU9040は、駆動回路9043を制御することにより、払出用ホッパ9045を駆動させることができる。
操作ユニット9034には、情報カードを返却するボタンも表示されており、ユーザがこの操作ボタンを操作することにより、メインCPU9040は、情報カードリーダ/ライタ9022に挿入されている情報カードをカード挿入口9032(図212に示すカード挿入口9032に対応)から返却する。
また、メインCPU9040は、紙幣識別装置(ビルバリ)9024から出力される紙幣識別結果を残高データとしてRAM9042に格納する。メインCPU9040は、この残高データと、操作ユニット9034から出力される操作結果に基づいて、ユーザが指定した金額が残高データよりも小さい場合には、指定された金額分のメダルを払出用ホッパ9045において計数して払い出し、残高データから払い出されたメダル分の金額を減算することにより、残高データを更新する。なお、メインCPU9040は、駆動回路9043を制御することにより、払出用ホッパ9045を駆動させることができる。
また、メインCPU9040は、LED部9031の赤外LED9031Bを監視用投光器として用い、赤外LED9031Bからの赤外光をユーザで反射させ、これをカメラ9035において撮像する。メインCPU9040は、カメラ9035において撮像された画像をRAM9042に格納し、この画像に基づいて、ユーザの存在や交代を検出する。この検出処理は常時行われる。ユーザの状態が非検出(離席)状態に変化して、カード挿入口9032から挿入された情報カードが挿入されたままである場合、又は紙幣挿入口9033(図212に示す紙幣挿入口9033に対応)から挿入された紙幣の金額データに残高がある場合、メインCPU9040は、スピーカ9048を介して、警告音や警告音声を発することにより、離席しようとするユーザに対して注意を喚起することができる。警告音声としては、「カードを忘れています」といった音声が発せられる。
メインCPU9040は、非接触ICカードリーダ/ライタ9023を介してスマートフォン9900や会員カード9920から読み取った記憶媒体識別子に対応する金額データに応じた数のメダルを払出用ホッパ9045によって計数し、メダル払出用トレー9037(図212に示すメダル払出用トレー9037に対応)から払い出すと共に、会員カード9920やスマートフォン9900の残高データを書き換える。
また、メインCPU9040は、インターフェイス9047を介して、ホールコンピュータ9100との間で通信を行うようになっており、情報カードや、スマートフォン9900・会員カード9920により払い出されたパチンコ玉・メダルの数等、及び情報カードやスマートフォン9900・会員カード9920に対応付けて記憶されたパチンコ玉・メダルの数等を定期的にホールコンピュータ9100へ送信する。
また、メインCPU9040は、カメラ9035を介してユーザの顔画像を定期的に取り込み、フェイシャルデータとしてRAM9042に記憶する。前回記憶された顔画像と今回記憶された顔画像とを比較し、同一人物でないと判断された場合、メインCPU9040は、ユーザが交代したものと判断し、これに応じた処理を行う。
上述のように、遊技機9010はホールコンピュータ9100に所定の情報を送信可能に接続され、サンド装置9020はホールコンピュータ9100との間で所定の情報を送受信可能に接続されている。ホールコンピュータ9100は、遊技機9010からはパチンコ玉・メダルの投入情報や払出情報といった遊技媒体数に関する蓄積情報(投入払出遊技媒体数情報)を受信し、さらに当選状況を示す当選情報や遊技機の稼働に関する稼働情報を受信する。また、ホールコンピュータ9100は、サンド装置9020からは、情報カードや非接触ICカードとの間のパチンコ玉・メダルの移動に関する情報(移動遊技媒体数情報)を受信し、さらに、場合によっては、カメラ9035により取得したユーザの顔画像や顔画像解析結果からなる顔画像情報を受信する。
次に、図215を参照して、ホールコンピュータ9100の構成について説明する。図215は、ホールコンピュータ9100の構成を示すブロック図である。
ホールコンピュータ9100は、メインCPU9101、ROM9102、RAM9103、外部記憶装置9104、ディスプレイ9105、及びインターフェイス9106を備えている。
メインCPU9101は、ROM9102、及びRAM9103に格納された制御プログラムを読み出して実行する。例えば、メインCPU9101は、グローバル会員IDに対応するホール会員IDに係るホール会員の情報を管理し、遊技媒体の貯メダル・貯玉や持メダル・持玉の数をホール会員ごとに管理し、それぞれのホール会員の遊技状況等を管理するための処理を実行し、ディスプレイ9105を制御する。また、スマートフォン9900やPC等から指示される会員登録の処理を実行する。
ディスプレイ9105は、ホールコンピュータ9100によって管理する遊技データを表示させ、あるいは不正や異常の発生を報知するものである。このディスプレイ9105は、例えば液晶表示装置によって実現される。
ホールコンピュータ9100は、インターフェイス9106を介して遊技機9010、サンド装置9020、島端計数装置9400、及びPOS端末9500と通信可能に接続される。本発明を実施するための制御プログラムは、例えば、外部記憶装置9104に記憶され、RAM9103にロードされる。また、当該制御プログラムは、インターフェイス9106を介して他の装置から、又は、インターネットを含むネットワークを介して外部の他の装置から提供されることもできる。
外部記憶装置9104には、ホールDB9150が記憶され、ホール会員の情報や貯メダル・貯玉の情報等が記憶される。
次に、図216を参照して、グローバル会員管理システムの会員管理サーバ9700の構成について説明する。図216は、会員管理サーバ9700の構成を示すブロック図である。
会員管理サーバ9700は、メインCPU9701、ROM9702、RAM9703、外部記憶装置9704、及びインターフェイス9706を備えている。
メインCPU9701は、ROM9702、及びRAM9703に格納された制御プログラムを読み出して実行する。例えば、メインCPU9701は、グローバル会員IDとホール会員IDとの対応関係を管理し、スマートフォン9900やPC等から指示される会員登録の処理を実行する。
会員管理サーバ9700は、インターフェイス9706を介してホールコンピュータ9100と通信可能に接続される。本発明を実施するための制御プログラムは、例えば、外部記憶装置9704に記憶され、RAM9703にロードされる。また、当該制御プログラムは、インターフェイス9706を介して他の装置から、又は、インターネットを含むネットワークを介して外部の他の装置から提供されることもできる。
外部記憶装置9704には、会員管理DB9750が記憶され、グローバル会員の情報等が記憶される。
次に、図217を参照して、スマートフォン9900の構成について説明する。図217は、スマートフォン9900の構成を示すブロック図である。スマートフォン9900は、メインCPU9901、ROM9902、RAM9903、カメラ9904、無線通信用アンテナ9905、GPS用アンテナ9906、ディスプレイ9907、マイク9908、スピーカ9909、センサー9910、及び非接触ICチップ9911を備えている。
メインCPU9901は、ROM9902に格納された制御プログラムを読み出して実行する。例えば、メインCPU9901は、外部ネットワーク経由でダウンロードされたアプリケーションやWEBブラウザを実行し、ネットワークを介してホールコンピュータ9100や会員管理サーバ9700との間でデータのやりとりを行い、本実施形態の遊技システムPS300による各機能を実行する。なお、ここでは、ROM9902として、不揮発性の読み書き可能な半導体メモリである、フラッシュメモリが用いられており、実質的にはデータを記録・保持することができる。
カメラ9904は、例えば、スマートフォン9900に内蔵される小型の撮像装置であり、撮像素子は、CCD(Charge Coupled Device)等で構成される。ホール会員の操作によりカメラ9904によって撮像された撮像画像(動画、又は静止画)は、メインCPU9901の制御によりRAM9903等に記憶され、必要に応じてプログラムで利用される。
メインCPU9901は、無線通信用アンテナ9905を介して携帯電話基地局と通信を行い、他の機器との間で通話を行うために通話データを送受信したり、インターネットを介して他の端末から提供されるWEBページを閲覧したり、SNSコミュニケーションに係るデータの送受信を行うよう制御する。また、メインCPU9901は、無線通信用アンテナ9905を用いて、無線LANアクセスポイントとの間で無線LAN通信を実現し、インターネット経由のデータ送受信を行う(無線LAN通信に用いるアンテナは、基本的に携帯電話基地局と通信を行うアンテナとは異なるアンテナであるが、ここでは、まとめて「無線通信用アンテナ」と称する)。
また、メインCPU9901は、GPS用アンテナ9906を介して、複数のGPS(Global Positioning System)から信号を受信し、スマートフォン9900の位置を検出する。このような検出処理により求められた位置情報は、メインCPU9901の制御によりRAM9903等に記憶され、必要に応じてプログラムで利用される。
ディスプレイ9907は、例えば、タッチパネルLCDにより構成され、ユーザがスマートフォン9900で実行させる機能を指示したり、必要な情報を入力させるための各種画面を表示する。
マイク9908、及びスピーカ9909は、メインCPU9901の制御により、音声の入出力を行い、メインCPU9901の制御による音声信号処理を行うことによって携帯電話による音声通話を可能としている。
センサー9910は、加速度センサー、光センサー、近接センサーなどであり、例えば、加速度センサーでは、スマートフォン9900の傾きや動きを検知することができる。
また、スマートフォン9900は、非接触ICチップ9911を内蔵するように構成されている。非接触ICチップ9911は、非接触ICカードリーダ/ライタのようなリーダによって内部のデータが読み取られる。例えば、非接触ICチップ9911を識別することができる固有ID(IDm)や、非接触ICチップ9911の記憶領域に書き込んだデータを、非接触で読み出すことができる。また、必要に応じて、非接触ICチップ9911の記憶領域に、非接触でデータを書き込むこともできる。
携帯電話、PDA、フィーチャーフォン、タブレット型端末、モバイルPCといった、他の携帯端末機の構成についての説明は省略するが、基本的には、上述したスマートフォン9900と同様の構成となる。
なお、本明細書では、POS端末9500、及びホール端末9600の構成については詳細な説明を省略するが、少なくとも、図214に示すサンド装置9020と同様に、メインCPU、ROM、RAM、及び非接触ICカードリーダ/ライタを備え、さらに、タッチパネル等で構成されるディスプレイを備える。また、非接触ICカードリーダ/ライタにスマートフォン9900や会員カード9920といった記憶媒体をかざした場合に、その記憶媒体に記憶されている情報(例えば、グローバル会員ID記憶領域9951に記憶されたグローバル会員IDや、スマートフォン9900の記憶媒体識別子(例えば、アプリID、デバイスID、シリアル番号、MACアドレス、電話番号等)、会員カード9920の記憶媒体識別子(例えば、IDm))を読み込む(及び書き込む)ことが可能となっている。
[各装置の機能]
次に、図218を参照して、サンド装置9020の機能概要を説明する。図218は、サンド装置9020の機能ブロック図である。
サンド装置9020は、記憶媒体制御部9051、貸出制御部9052、計数管理部9053、持玉管理部9054、貯玉管理部9055、画面入出力制御部9056、及びネットワークI/F部9057を含んでいる。なお、図218の例では、サンド装置9020における主要な機能部、及び本発明に関連する機能部が示されており、それ以外の機能部については表記、及び説明を適宜省略する。
記憶媒体制御部9051は、情報カードがカード挿入口9032に挿入された場合に、その情報カードに記憶されている情報(残高データ、持玉/持メダル数、貯玉/貯メダル数等)を読み取り、非接触ICカードリーダ/ライタ9023によってスマートフォン9900や会員カード9920から識別子が読み取られた場合に、その識別子に対応する情報(残高データ、持玉/持メダル数、貯玉/貯メダル数等)を取得し、RAM9042に記憶するよう制御する。また、ユーザが、操作ユニット9034の「返却」の操作ボタン9034bを操作した場合、情報カードがカード挿入口9032に挿入されているときは、カード挿入口9032に挿入されている情報カードを排出し、このときに、RAM9042に記憶されている残高データ等を、情報カードに記憶(更新)する。情報カードが挿入されていない場合は、あらたに情報カードを発行し、RAM9042に記憶されている残高データ等を、情報カードに記憶(更新)する。なお、情報カードの残高データとメダル数がともに0であってビジターカード(非会員カード)である場合、その情報カードは、サンド装置9020の内部に取り込まれる。
貸出制御部9052は、ユーザが、操作ユニット9034の「貸出」の操作ボタン9034bを操作した場合、情報カードに関しては、RAM9042に記憶されている残高データ等から、遊技に用いるメダルを払い出すよう制御し、その後、対応するRAM9042の残高データ等を減算する。スマートフォン9900や会員カード9920に関しては、遊技店のホールDB9150に記憶されている残高データ等を減算する。
計数管理部9053は、ユーザが、操作ユニット9034の「計数開始」の操作ボタン9034bを操作した場合に、メダル計数用投入口9039に投入されたメダル等の計数を開始する。また、ユーザが、操作ユニット9034の「計数停止」の操作ボタン9034bを操作した場合、メダル等の計数を停止し、情報カードに関しては、計数結果をRAM9042の持玉/持メダル数に反映させる。また、このとき、スマートフォン9900や会員カード9920の場合は、遊技店のホールDB9150に記憶されている持玉/持メダル数の情報を更新する。
持玉管理部9054は、ユーザが、操作ユニット9034の「持ち玉払出」の操作ボタン9034bを操作した場合、情報カードに関しては、RAM9042の持メダル数に基づいて、所定数のメダルが、メダル払出用トレー9037に払い出されるよう制御する。ユーザは、こうして払い出されたメダルによって、遊技機9010における遊技が可能となる。また、このとき、スマートフォン9900や会員カード9920の場合は、遊技店のホールDB9150に記憶されている持メダル数を、払い出されたメダル数に応じて減算する。
貯玉管理部9055は、ユーザが、操作ユニット9034の「貯玉払出」の操作ボタン9034bを操作した場合、スマートフォン9900や会員カード9920に関し、遊技店のホールDB9150に記憶されている貯メダル数に基づいて、所定数のメダルを、メダル払出用トレー9037から払い出すよう制御する。ユーザは、こうして払い出されたメダルによって、遊技機9010における遊技が可能となる。また、このとき、遊技店のホールDB9150に記憶されている貯メダル数を、払い出されたメダル数に応じて減算する。また、貯玉管理部9055は、ユーザが、操作ユニット9034の「貯玉する」の操作ボタン9034bを操作した場合(この場合は、スマートフォン9900や会員カード9920に関するものであり)、計数された持メダル数に基づいて、遊技店のホールDB9150に記憶されている貯メダル数を更新する。
画面入出力制御部9056は、ユーザが、操作ユニット9034のタッチ操作をした場合に、その操作に基づいた指令をメインCPU9040に送信し、メインCPU9040は、受信した指令に基づいて、サンド装置9020の各機能部に所定の処理を実行するよう制御する。画面入出力制御部9056は、メインCPU9040の制御に応じて、各機能部の処理結果を操作ユニット9034に表示させるよう制御する。
ネットワークI/F(インターフェイス)部9057は、ネットワークに接続して、相手方のコンピュータとデータ送受信を行うよう制御する。またここで、ネットワークは、インターネットや無線ネットワークを含むネットワークとして構成される場合もある(他の装置のネットワークI/F部についても同様であるため、以降のネットワークI/F部については、説明を省略する)。
次に、図219を参照して、ホールコンピュータ9100の機能概要を説明する。図219は、ホールコンピュータ9100の機能ブロック図である。ホールコンピュータ9100は、ホール会員管理部9111、貯玉管理部9112、持玉管理部9113、遊技情報管理部9114、会員登録制御部9115、アプリ制御部9116、WEB制御部9117、メール制御部9118、及びネットワークI/F部9119を含んでいる。なお、ホールコンピュータ9100は、景品の交換処理や在庫管理等、従来のホールコンピュータが有する機能を備えるが、図219の例では、ホールコンピュータ9100における主要な機能部、及び本発明に関連する機能部を示すこととし、それ以外の機能部については表記、及び説明を適宜省略する。
また、ホールコンピュータ9100は、外部記憶装置9104にホールDB9150を記憶し、ホールDB9150には、その遊技店のホール会員に関する情報を記憶するホール会員情報テーブル9151、ホール会員が貯メダルや貯玉を指示することにより保持された遊技媒体の保持数を管理する貯玉管理テーブル9152、ホール会員の持メダルや持玉を管理する持玉管理テーブル9153、各遊技機の遊技状況を記憶した遊技情報管理テーブル9154が含まれる。
ホール会員管理部9111は、あらたなホール会員に対してホール会員IDを採番する。また、遊技店のホール会員に関する情報を管理し、サンド装置9020の非接触ICカードリーダ/ライタ9023で読み取ったユーザのスマートフォン9900や会員カード9920の記憶媒体識別子を受信し、遊技を行うユーザがホール会員か否かを判定する。
貯玉管理部9112は、ホール会員が遊技機での遊技によって獲得した遊技媒体を貯玉として保持するよう指示した場合に、持玉管理テーブル9153を更新し、例えば、当日の営業終了後の所定タイミングで、持玉管理テーブル9153に記憶されている遊技媒体の数を貯玉管理テーブル9152に移動することにより貯玉管理テーブル9152を更新し、これらの遊技媒体の数をホール会員ごと、貸出レートごとに管理する。
持玉管理部9113は、ホール会員が遊技機での遊技によって獲得した遊技媒体を持玉管理テーブル9153に記憶する。これらの遊技媒体の数は、ホール会員ごと、貸出レートごとに管理される。
遊技情報管理部9114は、遊技機9010やサンド装置9020から受信した投入払出遊技媒体数情報や遊技機の稼働に関する稼働情報等に基づいて、遊技機ごとの遊技状況を遊技情報管理テーブル9154に記憶する。なお、ユーザがホール会員である場合は、ホール会員IDごとに遊技情報を記憶する。また、ユーザがホール会員でない(ビジターの)場合は、サンド装置9020のカメラ9035や遊技店の監視カメラにより撮像されたユーザのフェイシャルデータや、情報カードリーダ/ライタ9022に挿入された情報カードの識別子(例えば、カード番号)に対応付けて遊技情報を記憶することができる。
会員登録制御部9115は、ユーザが所有するスマートフォン9900や自宅のPC、遊技店のホール端末9600、POS端末9500等から、ユーザによる会員登録手続きが行われた場合、採番されたホール会員IDを、グローバル会員管理システムの会員管理サーバ9700に送信し、また、会員登録の方法に応じて、初回の会員登録手続きの際に提供されたユーザに関する情報を、会員管理サーバ9700に送信するかまたは、会員管理サーバ9700から受信するように制御する。ここで登録されるユーザに関する情報は、氏名、住所等の個人情報を含み、遊技店のホール会員情報テーブル9151に記憶される。
また、会員登録制御部9115は、ユーザからの会員登録申請書類に基づいて、遊技店のスタッフが遊技店のホール端末9600やPOS端末9500等を操作して入力したユーザに関する情報を受信すると、採番されたホール会員IDを、グローバル会員管理システムの会員管理サーバ9700に送信するように制御する。
アプリ制御部9116は、ユーザが所有するスマートフォン9900等で実行されるアプリから会員登録手続きがされた場合に、スマートフォン9900等とのデータのやりとりを制御し、最終的にスマートフォン9900等からの会員登録リクエスト、及びユーザに関する情報等を受信し、上述した会員登録制御部9115にこれらのデータを送信して、当該ユーザの会員登録を行う。
WEB制御部9117は、ユーザが所有するスマートフォン9900、自宅のPC、遊技店のホール端末9600、POS端末9500等から、遊技店が運営するWEBサイトを介して、ユーザによる会員登録手続きが行われた場合に、上記端末とのデータのやりとりを制御し、最終的に当該端末からの会員登録リクエスト、及びユーザに関する情報等を受信し、上述した会員登録制御部9115にこれらのデータを送信して、当該ユーザの会員登録を行う。WEB制御部9117は、いわゆるWEBサーバとして機能する機能部である。
メール制御部9118は、ユーザが所有するスマートフォン9900、自宅のPC等から、遊技店のメールアドレスへのメール送信によって、ユーザによる会員登録手続きが行われた場合に、上記端末からのメールデータ(ユーザに関する情報等を含む)を受信し、上述した会員登録制御部9115に当該データを送信して、当該ユーザの会員登録を行う。メール制御部9118は、いわゆるメールサーバとして機能する機能部である。
図219を参照して説明したホールコンピュータ9100は一例に過ぎず、各遊技店は、実質的に上述した機能を備える、それぞれ異なる形態のホールコンピュータ9100を配することができる。また、ホールコンピュータ9100は、遊技店の場所以外の任意の場所に配置することができ、さらに、所定の機能部を異なるコンピュータに実装することもできる。例えば、図219に示したホールコンピュータ9100の機能部のうち、アプリ制御部9116、WEB制御部9117、及びメール制御部9118を分離して、それぞれ、アプリケーションサーバ、WEBサーバ、メールサーバを構成し、残りの機能を備えたホールコンピュータとネットワークで接続し、かつ、異なる位置に配置するようにすることも可能である。
次に、図220を参照して、会員管理サーバ9700の機能概要を説明する。図220は、会員管理サーバ9700の機能ブロック図である。会員管理サーバ9700は、グローバル会員管理部9711、会員登録制御部9712、アプリ制御部9713、WEB制御部9714、メール制御部9715、及びネットワークI/F部9716を備える。
また、会員管理サーバ9700は、外部記憶装置9704に会員管理DB9750を記憶し、会員管理DB9750には、グローバル会員に関する情報を記憶するグローバル会員情報テーブル9751、グローバル会員IDとホール会員IDとの対応関係を管理するID対応テーブル9752が含まれる。
グローバル会員管理部9711は、ホールコンピュータ9100からの問い合わせに応じて、グローバル会員IDに対応する、その遊技店のホール会員IDを返信する。このような、グローバル会員IDに対応するホール会員IDは、「ユーザに関する情報」の一部である。また、このとき、必要に応じて、会員登録手続きの際に提供されたユーザに関する情報をグローバル会員情報テーブル9751から取得して、ホールコンピュータ9100に送信する。
会員登録制御部9712は、ユーザが所有するスマートフォン9900、自宅のPC等から、ユーザによる会員登録手続きが行われた場合、グローバル会員IDを採番し、そのグローバル会員IDに対応付けて、会員登録手続きの際に提供されたユーザに関する情報を、グローバル会員情報テーブル9751に記憶する。また、ユーザが遊技店で遊技を行う場合に、その遊技店のホールコンピュータ9100からの問い合わせに応じて、受信したグローバル会員IDに対応するその遊技店のホール会員IDをID対応テーブル9752から取得して、ホールコンピュータ9100に送信する。
また、ホールコンピュータ9100からの問い合わせに応じて、受信したグローバル会員IDに対応するユーザに関する情報をグローバル会員情報テーブル9751から取得して、その遊技店のホール会員IDとともに、ホールコンピュータ9100に送信する。
アプリ制御部9713は、ユーザが所有するスマートフォン9900等で実行されるアプリから会員登録手続きがされた場合に、スマートフォン9900等とのデータのやりとりを制御し、最終的にスマートフォン9900等からの会員登録リクエスト、及びユーザに関する情報等を受信し、上述した会員登録制御部9712にこれらのデータを送信して、当該ユーザの会員登録を行う。
WEB制御部9714は、ユーザが所有するスマートフォン9900、自宅のPC、遊技店のホール端末9600、POS端末9500等から、遊技店が運営するWEBサイトを介して、ユーザによる会員登録手続きが行われた場合に、上記端末とのデータのやりとりを制御し、最終的に当該端末からの会員登録リクエスト、及びユーザに関する情報等を受信し、上述した会員登録制御部9712にこれらのデータを送信して、当該ユーザの会員登録を行う。WEB制御部9714は、いわゆるWEBサーバとして機能する機能部である。
メール制御部9715は、ユーザが所有するスマートフォン9900、自宅のPC等から、遊技店のメールアドレスへのメール送信によって、ユーザによる会員登録手続きが行われた場合に、上記端末からのメールデータ(ユーザに関する情報等を含む)を受信し、上述した会員登録制御部9712に当該データを送信して、当該ユーザの会員登録を行う。メール制御部9715は、いわゆるメールサーバとして機能する機能部である。
図220を参照して説明した会員管理サーバ9700は一例に過ぎず、他の様々な構成によって、実質的に上述した機能を備えた会員管理サーバ9700を構成することができる。また、会員管理サーバ9700は、例えば、図220に示した会員管理サーバ9700の機能部のうち、アプリ制御部9713、WEB制御部9714、及びメール制御部9715を分離して、それぞれ、アプリケーションサーバ、WEBサーバ、メールサーバを構成し、残りの機能を備えた会員管理サーバとネットワークで接続し、かつ、異なる位置に配置するようにすることも可能である。
次に、図221を参照して、スマートフォン9900の機能概要について説明する。図221は、スマートフォン9900の機能ブロック図であり、主として、本実施形態に係る機能について示している。
スマートフォン9900は、本発明に係るアプリ(アプリケーション)によって実現されるアプリケーション機能部として、会員登録制御部9921、及びサーバ通信部9922を含む。こうしたアプリケーション機能部は、例えば、他のサーバ等からネットワークを経由してダウンロードされ、インストールされたプログラムによって実現される。
スマートフォン9900は、その他、WEB制御部9931、メール制御部9932、表示制御部9933、及びネットワークI/F部9934を備える。
会員登録制御部9921は、スマートフォン9900のユーザが会員登録手続きを(ホールコンピュータ9100や会員管理サーバ9700に対して)指示する場合に、ユーザにより入力されたユーザに関する情報を登録先のコンピュータに送信する。また、必要に応じて、ユーザの本人確認証に基づいて認証を行う。また、会員登録制御部9921は、会員登録手続きの結果としてグローバル会員IDをホールコンピュータ9100、または会員管理サーバ9700から受信し、このIDを、上述した、非接触ICチップ9911の記憶領域のグローバル会員ID記憶領域9951に記憶する。
なお、グローバル会員ID記憶領域9951と同様の構成は、ICカードとして構成される会員カード9920にも備えられており、当該領域にグローバル会員IDが記憶される。
サーバ通信部9922は、スマートフォン9900のユーザが会員登録手続きを行う場合に、ユーザの選択等に従い、ホールコンピュータ9100、または会員管理サーバ9700にアクセスして、そのコンピュータとの間で所定のデータのやり取りを行う。
会員登録手続きをどの遊技店のホールコンピュータ9100、または会員管理サーバ9700に対して行うか(登録先の決定)は、スマートフォン9900のアプリ(会員登録制御部9921)が、自動的に決定してもよいし、ユーザが選択するようにしてもよい。例えば、スマートフォン9900が、GPS用アンテナ9906を介して取得した位置情報に基づいて、スマートフォン9900の現在位置から所定範囲内で最も近い遊技店のホールコンピュータ9100に対して会員登録手続きを行うようにし、当該現在位置から所定範囲内に対象の遊技店がない場合は、会員管理サーバ9700に対して会員登録手続きを行うようにすることができる。
WEB制御部9931は、一般的なWEB閲覧アプリケーションによって実現され、ユーザの操作に応じて、指定した遊技店等のWEBサイトを表示させ、そのサイトに所定の情報が入力できるように制御する。ここでは、スマートフォン9900のユーザが会員登録手続きを(ホールコンピュータ9100や会員管理サーバ9700に対して)指示する場合に、ユーザにより入力されたユーザに関する情報を、WEBサイトを介して登録先のコンピュータに送信する。また、必要に応じて、ユーザの本人確認証の写しをWEBサイトにより送信する。この場合、通常は、グローバル会員IDを記憶した会員カード9920がユーザに提供されるが、グローバル会員IDをホールコンピュータ9100、または会員管理サーバ9700から受信し、このIDを、グローバル会員ID記憶領域9951に記憶するようにしてもよい。
メール制御部9932は、一般的なメールアプリケーションによって実現され、ユーザの操作に応じて、指定した遊技店等のメールアドレスにメールを送信するよう制御する。ここでは、スマートフォン9900のユーザが会員登録手続きを(ホールコンピュータ9100や会員管理サーバ9700に対して)指示する場合に、ユーザにより入力されたユーザに関する情報を、メールにより登録先のコンピュータに送信する。また、必要に応じて、ユーザの本人確認証の写しをメールに添付して送信する。この場合、グローバル会員IDを記憶した会員カード9920がユーザに提供される。
表示制御部9933は、アプリケーション機能部(会員登録制御部9921、サーバ通信部9922)、WEB制御部9931、メール制御部9932、表示制御部9933における各機能に関して、スマートフォン9900のユーザが所定の情報を入力する画面、所定の指示を行うことが可能な画面、及びホールコンピュータ9100や会員管理サーバ9700から受信した情報を表示する画面等を、スマートフォン9900のディスプレイ9707に表示するよう制御を行う。
遊技店に配置されるPOS端末9500やホール端末9600の機能については省略するが、本発明に関しては、少なくとも、ユーザの操作により(例えば、スマートフォン9900のWEB制御部9931と同様の機能で)、遊技店やグローバル会員管理システムに係るWEBサイトにアクセスし、ユーザにより入力されたユーザに関する情報を、WEBサイトを介して登録先のコンピュータに送信することで会員登録手続きを実行可能である。この場合、グローバル会員IDを記憶した会員カード9920がユーザに提供される。また、スマートフォン9900の表示制御部9933と同様の機能を有し、WEBサイトから送信される入力・指示画面、及び、ホールコンピュータ9100や会員管理サーバ9700から受信した情報を表示する画面等を、POS端末9500やホール端末9600のディスプレイに表示するよう制御を行う。
[テーブルの構成]
図222(A)に示すホール会員情報テーブル9151は、遊技店のホール会員に関する情報を記憶する。この例では、ホール会員ID、記憶媒体識別子、氏名、住所、生年月日、性別、ログインパスワード、メールアドレス、電話番号等を記憶する。
ここで、ホール会員IDは、上述したグローバル会員IDとは別に、遊技店で採番されるIDであるが、グローバル会員IDと同じIDを使用するようにすることもできる。記憶媒体識別子は、グローバル会員IDが記憶されている記憶媒体(スマートフォン9900や会員カード9920等)をユニークに識別可能な識別子であり、例えば、スマートフォン9900の場合は、端末固有ID(アプリID、デバイスID、シリアル番号、MACアドレス、電話番号等)、会員カード9920の場合は、固有ID(IDm等)である。氏名、住所、生年月日、性別は、ユーザの入力、または本人確認証の記載から得られる個人情報である。ログインパスワードは、遊技店で記憶媒体に記憶されている(あるいは紐付けられている)残高情報や、持玉/持メダル数、貯玉/貯メダル数を利用可能とするために入力が要求されるパスワードである。メールアドレスや電話番号は、ユーザから入力される情報、または会員登録手続きの過程で示される情報から取得される。
この他、本人確認証の個人番号や、本人確認証の本人写真(GIF形式やJPEG形式の画像データ)等を記憶することも可能である。本人確認証には、例えば、マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、保険証等が含まれる。
図222(B)に示す貯玉管理テーブル9152は、当日以前の営業において、ホール会員であるユーザが、サンド装置9020の操作ユニット9034(図214参照)を操作する(例えば、「貯玉する」の処理に対応する操作ボタン34bのタッチ操作を行う)ことにより保持された遊技媒体の保持数を管理する。貯玉管理テーブル9152は、この例では、ホール会員IDを記憶し、さらに、貸出レートごとに数量を記憶する。貸出レートは、この例では、パチンコ(4円貸、1円貸)とスロット(20円貸、5円貸)の4種である。
なお、この例では、貯玉管理テーブル9152が、ホール会員ごとに、4種の貸出レートに対応するエリアのそれぞれに遊技媒体の数量を記憶しているが、貸出レートごとに異なるテーブルで管理するなど、様々な他の形態で貯玉を管理することができる。
ホールコンピュータ9100は、図219に示すように、ホール会員情報テーブル9151、貯玉管理テーブル9152のほかに、持玉管理テーブル9153と遊技情報管理テーブル9154を有する。ここでは、持玉管理テーブル9153と遊技情報管理テーブル9154について、図示を省略するが、持玉管理テーブル9153は、当日の営業においてホール会員であるユーザが、サンド装置9020の操作ユニット9034(図214参照)を操作する(例えば、「計数開始」の処理に対応する操作ボタン9034bのタッチ操作を行った後、「計数停止」の処理に対応する操作ボタン9034bのタッチ操作を行う)ことにより保持された遊技媒体の保持数を管理する。持玉管理テーブル9153は、この例では、ホール会員IDを記憶し、さらに、貸出レートごとに数量を記憶する。貸出レートは、この例では、パチンコ(4円貸、1円貸)とスロット(20円貸、5円貸)の4種である。
また、遊技情報管理テーブル9154には、ホール会員であるユーザの遊技履歴が、ホール会員IDに対応付けて記憶される。例えば、遊技開始日時、遊技時間、遊技台番号、イン枚数・アウト枚数(アウト球・セーフ球)等の遊技情報が、ホール会員ごとに記憶される。
図223(A)に示すグローバル会員情報テーブル9751は、グローバル会員管理システムのグローバル会員に関する情報を記憶する。この例では、グローバル会員ID、氏名、住所、生年月日、性別、メールアドレス、電話番号等を記憶する。なお、ここで、グローバル会員IDに対応するユーザのスマートフォン9900や会員カード9920を識別できる記憶媒体識別子を記憶してもよい。
グローバル会員IDは、この例では、初回の会員登録手続きを遊技店で行った場合に(遊技店の店頭で会員登録手続きを行う場合だけでなく、遊技店のホールコンピュータ9100を経由して会員登録手続きを行う場合も含む)、その遊技店を識別する遊技店IDが末尾に付与され、遊技店を介さずに、直接、グローバル会員管理システムに対して初回の会員登録手続きを行った場合は、グローバル会員管理システムを表す「G」が付与される。
例えば、図222(B)に示す、グローバル会員ID=「0101G」の会員は、初回の会員登録手続きを、遊技店に対して行うのではなく、グローバル会員管理システムを介して行っているため、グローバル会員IDの末尾は、グローバル会員管理システムの遊技店IDである「G」が付与されている。
この後、グローバル会員ID=「0101G」の会員は、2回目の簡便化された会員登録手続きを遊技店Aで行い、そのときに、遊技店Aにおいてホール会員ID=「0001」が採番され、その結果、グローバル会員ID=「0101G」とホール会員ID=「0001」が対応付けてられて記憶され、さらに、このホール会員IDが遊技店Aのものであることを示すために、ホール会員ID=「0001」と遊技店ID=「A」が対応付けられて記憶される。
一方、グローバル会員ID=「0002A」の会員は、初回の会員登録手続きを、遊技店Aで行い、グローバル会員IDの末尾には、遊技店Aの遊技店IDである「A」が付与されている。この後、2回目の簡便化された会員登録手続きを遊技店Bで行い、そのときに、遊技店Bにおいてホール会員ID=「U004」が採番され、その結果、グローバル会員ID=「0002A」とホール会員ID=「U004」が対応付けてられて記憶され、さらに、このホール会員IDが遊技店Bのものであることを示すために、ホール会員ID=「U004」と遊技店ID=「B」が対応付けられて記憶される。
なお、このようなグローバル会員IDとホール会員IDとの対応付け、及びID対応テーブル9752の構成は一例に過ぎず、他の様々な方法、テーブル構成によって本発明に係る遊技システムPS300を実現することができる。例えば、図223(B)に示すID対応テーブル9752では、遊技店ID=「G」の行データは、(グローバル会員IDの末尾がGであるため)省略することができる。
[会員登録手続きのパターン]
次に、図224ないし図230を参照して、会員登録手続きの概要を説明する。本発明に係る遊技システムPS300では、初回の会員登録手続きを、遊技店を介さず、グローバル会員管理システムを介して直接行うパターンと、遊技店を介して行うパターンとが考えられる。初回の会員登録手続きでは、ユーザの氏名や住所などの情報を登録するとともに、本人確認証によって、本人の認証、及び年齢の確認を行う。このような初回の会員登録手続きを行うことによって、遊技店で2回目の会員登録手続きを行う場合に、簡便な方法で会員登録手続き済ませることができる。
[初回の会員登録手続き(パターン1-1)]
図224は、アプリがインストールされたユーザのスマートフォン9900で、遊技店のホールコンピュータ9100を介さずに、ネットワークを介してグローバル会員管理システムに直接、会員登録手続きを行うパターン1-1を示している。このように、ネットワークを介してスマートフォン9900により会員登録手続きを行うため、ユーザは、会員登録手続きのために遊技店に赴いたり、会員登録手続きの順番待ちや遊技店のスタッフの作業待ちで余計な時間を費やすことを回避することができる。
図224では、最初に、アプリがインストールされたユーザのスマートフォン9900をユーザが操作し、スマートフォン9900のディスプレイ9907に表示された入力画面に、電話番号、メールアドレス等を入力し、さらに、ICカードとして構成される本人確認証に記憶された情報を、例えば、NFC通信等により読み取らせる(なお、図224において、「入力」、「読み取り」等、ユーザの動作は楕円形の枠で示され、コンピュータの動作は矩形の枠で示されている。以降の図について同じ)。この例では、本人確認証は、マイナンバーカードであり、マイナンバーカードから、氏名、住所、生年月日、性別の各情報が読み取られる。また、ここでは、ユーザにより、上記入力画面に対して、マイナンバーカードのパスワードも入力される。
次に、スマートフォン9900のアプリは、ユーザによって会員登録が指示されると、無線ネットワークを介して認証サーバ(例えば、マインナンバーカードの認証を行う公的認証サーバ)にアクセスして、マイナンバーカードから取得された情報と、入力されたパスワードに基づいて本人認証を行う。
本人認証の結果が正常でない場合は、スマートフォン9900の入力画面にエラーメッセージを表示し、正常である場合は、無線ネットワークを介してユーザに関する情報を、会員管理サーバ9700に送信し、グローバル会員としての会員登録を行う。
また、近年、スマートフォン9900に、マイナンバーカードの内容、機能を取り込んで、スマートフォン9900自体をマイナンバーカードとして利用しようとする動きがあり、仮にそのような構成が実現されれば、マイナンバーカードをNFC通信等によって読み取る必要はなくなる。
なお、本人確認証がマイナンバーカード以外のものであって、氏名や住所等のユーザに関する情報がデータとして取得できない場合は、当該項目については、ユーザがスマートフォン9900の入力画面に入力し、当該入力されたデータを用いて、所定の認証サーバに対して本人認証を行うようにすることができる。また、ここでは、マイナンバーカードといった本人確認証を用いて本人認証と年齢確認を行っているが、これらを他の方法で行うことや、省略することも考えられる。
会員管理サーバ9700は、スマートフォン9900からユーザに関する情報を受信すると、グローバル会員IDの採番を行い(例えば、グローバル会員ID=「0101G」)、このグローバル会員IDに、受信したユーザに関する情報を対応付けて、グローバル会員情報テーブル9751に記憶する(図223(A)参照)。また、ID対応テーブル9752に、このグローバル会員IDと遊技店ID(この場合は、便宜上、グローバル会員管理システムに対応する「G」とする)を対応付けて記憶する(図223(B)参照)。
この後、会員管理サーバ9700は、採番されたグローバル会員IDをスマートフォン9900に対して送信し、これを受信したスマートフォン9900のアプリは、グローバル会員ID記憶領域9951に、受信したグローバル会員IDを記憶する。なお、この例では、会員管理サーバ9700でグローバル会員IDが採番されるが、スマートフォン9900から受信したマイナンバーカードの個人番号をグローバル会員IDとして用いるように設計することも可能である。
また、この例では、スマートフォン9900のアプリが、会員管理サーバ9700から受信したグローバル会員IDが、グローバル会員ID記憶領域9951に記憶するように構成されるが、スマートフォン9900をユニークに識別可能な記憶媒体識別子を会員管理サーバ9700で受信し、グローバル会員情報テーブル9751に記憶しておけば、会員管理サーバ9700でスマートフォン9900をユニークに識別できるので、スマートフォン9900において、グローバル会員IDをグローバル会員ID記憶領域9951に記憶する必要はない、また、スマートフォン9900の記憶媒体識別子をグローバル会員IDとして用いるように設計することも可能である(以下、スマートフォン9900を用いて会員登録手続きを行う場合について同じ)。
[初回の会員登録手続き(パターン1-2)]
図225は、アプリがインストールされたユーザのスマートフォン9900で、遊技店のホールコンピュータ9100を介さずに、ネットワークを介してグローバル会員管理システムに直接、会員登録手続きを行うパターン1-2を示している。このように、ネットワークを介してスマートフォン9900により会員登録手続きを行うため、ユーザは、会員登録手続きのために遊技店に赴いたり、会員登録手続きの順番待ちや遊技店のスタッフの作業待ちで余計な時間を費やすことを回避することができる。
図225では、図224に示したパターンとは異なり、本人確認証としてマイナンバーカードが、スマートフォン9900のアプリによりイメージ取り込みされる。また、ユーザは、スマートフォン9900のディスプレイ9907に表示された入力画面に、氏名、住所、生年月日、性別、電話番号、メールアドレス等を入力する。その後、無線ネットワークを介してユーザに関する情報と本人確認証のイメージデータを、会員管理サーバ9700に送信し、グローバル会員としての会員登録を行う。
なお、本人確認証がマイナンバーカード以外のものであっても、同様に本人認証を行うことができる。また、本人認証を省略することも考えられる。
会員管理サーバ9700は、スマートフォン9900からユーザに関する情報と本人確認証のイメージデータを受信すると、グローバル会員管理システムの担当者が、ユーザに関する情報と本人確認証のイメージデータからユーザの本人確認を行い、本人確認の結果が正常でない場合は、スマートフォン9900の入力画面にエラーメッセージを表示するよう制御する。なお、この例では、本人確認は、基本的にグローバル会員管理システムの担当者が目視にて確認するため、こうしたエラーメッセージの表示はリアルタイムに行われるものではない。
本人確認の結果が正常である場合、会員管理サーバ9700は、グローバル会員IDの採番を行い(例えば、グローバル会員ID=「0101G」)、このグローバル会員IDに、受信したユーザに関する情報を対応付けて、グローバル会員情報テーブル9751に記憶する(図223(A)参照)。また、ID対応テーブル9752に、このグローバル会員IDと遊技店ID(この場合は「G」)を対応付けて記憶する(図223(B)参照)。
この後、会員管理サーバ9700は、採番されたグローバル会員IDをスマートフォン9900に対して送信し、これを受信したスマートフォン9900のアプリは、このIDをグローバル会員ID記憶領域9951に記憶する。なお、この例では、会員管理サーバ9700でグローバル会員IDが採番されるが、スマートフォン9900から受信したマイナンバーカードのイメージデータに基づいて、グローバル会員IDとして個人番号を用いるように設計することも可能である。
[初回の会員登録手続き(パターン1-3)]
図226は、ユーザのスマートフォン9900や自宅のPC(パーソナルコンピュータ)等で、遊技店のホールコンピュータ9100を介さずに、ネットワークを介してグローバル会員管理システムに直接、会員登録手続きを行うパターン1-3を示している。このように、ネットワークを介してスマートフォン9900により会員登録手続きを行うため、ユーザは、会員登録手続きのために遊技店に赴いたり、会員登録手続きの順番待ちや遊技店のスタッフの作業待ちで余計な時間を費やすことを回避することができる。
図226では、図225に示したパターンとは異なり、本人確認証としてマイナンバーカード等が、スマートフォン9900のアプリを用いることなく、スマートフォン9900やPCによりイメージ取り込みされる。また、ユーザは、スマートフォン9900のディスプレイ9907に表示された入力画面に、氏名、住所、生年月日、性別、電話番号、メールアドレス等を入力する。その後、無線ネットワークを介してユーザに関する情報と本人確認証のイメージデータを、会員管理サーバ9700に送信し、グローバル会員としての会員登録を行う。ここでは、ユーザに関する情報と本人確認証のイメージデータは、スマートフォン9900等による、グローバル会員管理システムに係るWEBサイトへのアクセス、または、グローバル会員管理システムに係るメールアドレスへの送信等によって、会員管理サーバ9700に送信される。また、図226の例では、マイナンバーカード等の写しを、グローバル会員管理システム宛に郵送するようにしてもよい。
なお、本人確認証がマイナンバーカード以外のものであっても、同様に本人認証を行うことができる。また、本人認証を省略することも考えられる。
会員管理サーバ9700は、スマートフォン9900からユーザに関する情報と本人確認証のイメージデータ(または写し)を受信すると、グローバル会員管理システムの担当者が、ユーザに関する情報と本人確認証のイメージデータからユーザの本人確認を行い、本人確認の結果が正常でない場合は、スマートフォン9900の入力画面にエラーメッセージを表示するよう制御する。なお、この例では、本人確認は、基本的に担当者が目視にて確認するため、こうしたエラーメッセージの表示はリアルタイムに行われるものではない。
本人確認の結果が正常である場合、会員管理サーバ9700は、グローバル会員IDの採番を行い(例えば、グローバル会員ID=「0101G」)、このグローバル会員IDに、受信したユーザに関する情報を対応付けて、グローバル会員情報テーブル9751に記憶する(図223(A)参照)。また、ID対応テーブル9752に、このグローバル会員IDと遊技店ID(この場合は「G」)を対応付けて記憶する(図223(B)参照)。
この後、グローバル会員管理システムは、採番されたグローバル会員IDを記憶した会員カード9920を発行し、その会員カード9920をユーザの住所宛に郵送する。なお、ここで、作成済みの会員カードをユーザに発行する会員カード9920として決定し、その会員カード9920が記憶しているIDをグローバル会員IDとしてもよい。
また、ユーザがスマートフォン9900を用いて会員登録手続きを行っている場合、会員管理サーバ9700は、採番されたグローバル会員IDをスマートフォン9900に対して送信し、これを受信したスマートフォン9900が、そのIDをグローバル会員ID記憶領域9951に記憶するようにしてもよい。なお、会員管理サーバ9700でグローバル会員IDが採番される場合、スマートフォン9900から受信したマイナンバーカードのイメージデータに基づいて、グローバル会員IDとして個人番号を用いるように設計することも可能である。
[初回の会員登録手続き(パターン1-4)]
図227は、アプリがインストールされたユーザのスマートフォン9900で、遊技店のホールコンピュータ9100、及びネットワークを介してグローバル会員管理システムに会員登録手続きを行うパターン1-4を示している。この方法では、遊技店のホールコンピュータ9100を介して会員登録手続きを行うが、ネットワークを用いた会員登録手続きであるため、ユーザは、会員登録手続きのために遊技店に赴いたり、会員登録手続きの順番待ちや遊技店のスタッフの作業待ちで余計な時間を費やすことを回避することができる。
図227では、最初に、アプリがインストールされたユーザのスマートフォン9900をユーザが操作し、スマートフォン9900のディスプレイ9907に表示された入力画面に、電話番号、メールアドレス等を入力し、さらに、ICカードとして構成される本人確認証に記憶された情報を、例えば、NFC通信等により読み取らせる。この例では、本人確認証は、マイナンバーカードであり、マイナンバーカードから、氏名、住所、生年月日、性別の各情報が読み取られる。また、ここでは、ユーザにより、上記入力画面に対して、マイナンバーカードのパスワードも入力される。
次に、スマートフォン9900のアプリは、ユーザによって会員登録が指示されると、無線ネットワークを介して認証サーバ(例えば、マインナンバーカードの認証を行う公的認証サーバ)にアクセスして、マイナンバーカードから取得された情報と、入力されたパスワードに基づいて本人認証を行う。なお、マイナンバーカード等の本人確認証のイメージをスマートフォン9900のアプリで取り込み、そのイメージデータを遊技店Aのスタッフや、グローバル会員管理システムの担当者が確認するようにしてもよい。
本人認証の結果が正常でない場合は、スマートフォン9900の入力画面にエラーメッセージを表示し、正常である場合は、無線ネットワークを介してユーザに関する情報を、遊技店Aのホールコンピュータ9100に送信する。なお、遊技店Aのスタッフや、グローバル会員管理システムの担当者が本人確認証を確認する場合、本人確認の結果は、リアルタイムには提供されず、例えば、所定の時間が経過した後に、スマートフォン9900に提供される。
遊技店Aのホールコンピュータ9100は、スマートフォン9900からユーザに関する情報を受信すると、ホール会員IDの採番を行い(例えば、ホール会員ID=「0002」)、このホール会員IDと遊技店ID=「A」、及びスマートフォン9900から受信したユーザに関する情報を会員管理サーバ9700に送信し、グローバル会員としての会員登録を行う。また、ここで、遊技店Aのホールコンピュータ9100は、ホール会員情報テーブル9151に、ホール会員IDとユーザに関する情報を記憶する。
なお、この例では、スマートフォン9900のアプリが認証サーバにアクセスして、本人認証を行っているが、マイナンバーカードに記憶されている情報とマイナンバーカードのパスワードをスマートフォン9900から受信するホールコンピュータ9100において認証サーバにアクセスし、本人認証を行ってもよい(図227の点線矢印参照)。
会員管理サーバ9700は、ホールコンピュータ9100からユーザに関する情報を受信すると、グローバル会員IDの採番を行い(例えば、グローバル会員ID=「0002A」)、このグローバル会員IDに、受信したユーザに関する情報を対応付けて、グローバル会員情報テーブル9751に記憶する(図223(A)参照)。また、ID対応テーブル9752に、このグローバル会員IDとホール会員ID、及び遊技店ID(この場合は「A」)を対応付けて記憶する(図223(B)参照)。なお、この例では、最初の会員登録手続きが遊技店Aのホールコンピュータ9100を介して行われ、最初に、ホール会員IDが採番されているために、グローバル会員IDは、(遊技店Aの)ホール会員ID+遊技店IDの形で採番されている。
この後、会員管理サーバ9700は、採番されたグローバル会員IDを、(ホールコンピュータ9100を経由して)スマートフォン9900に対して送信し、これを受信したスマートフォン9900のアプリは、グローバル会員ID記憶領域9951に、受信したグローバル会員IDを記憶する。なお、この例では、会員管理サーバ9700でグローバル会員IDが採番されるが、スマートフォン9900から受信したマイナンバーカードの個人番号を用いるように設計することも可能である。
またここで、ユーザは、スマートフォン9900のアプリを経由して、遊技店Aでスマートフォン9900を利用するためのログインパスワードを設定することができ、このログインパスワードは、ホール会員情報テーブル9151に記憶される。
[初回の会員登録手続き(パターン1-5)]
図228は、ユーザのスマートフォン9900や自宅のPC(パーソナルコンピュータ)、遊技店AのPOS端末9500、ホール端末9600等で、遊技店Aのホールコンピュータ9100、及びネットワークを介してグローバル会員管理システムに会員登録手続きを行うパターン1-5を示している。この会員登録手続きは、基本的にユーザが遊技店Aに赴いて行うことを想定している。こうした会員登録手続きは、遊技店Aに赴く必要があるものの、他の遊技店での会員登録手続き(2回目以降の会員登録手続き)を簡便に済ませることができるため、ユーザは、2回目の会員登録手続きについては、順番待ちや遊技店のスタッフの作業待ちで余計な時間を費やすことを回避することができる。
図228では、本人確認証としてマイナンバーカード等が、遊技店Aのスタッフに提示され、そこで、遊技店Aのスタッフが本人確認を行い、その結果をホールコンピュータ9100に入力する。本人確認が正常でない場合は、例えばスタッフによって、手続きが中断される。
さらに、ユーザが、スマートフォン9900やPC等のディスプレイに表示された入力画面に、氏名、住所、生年月日、性別、電話番号、メールアドレス等を入力し、ユーザによって会員登録が指示されると、ネットワークを介してユーザに関する情報を、遊技店Aのホールコンピュータ9100に送信する。ここでは、ユーザに関する情報は、スマートフォン9900やPCからは、遊技店Aに係るWEBサイトへのアクセス、または、遊技店Aに係るメールアドレスへの送信等によって、ホールコンピュータ9100に送信され、遊技店AのPOS端末9500、ホール端末9600からは、所定のプロトコルにより、ネットワークを介して接続されているホールコンピュータ9100に送信される。
また、図228の点線の矩形内に示すように、ユーザが会員登録の申込み用紙を手書きで記載し、それを遊技店Aのスタッフがホールコンピュータ9100に(例えば、POS端末9500やホール端末9600を介して)入力するようにしてもよい。
遊技店Aのホールコンピュータ9100は、スマートフォン9900やPC等からユーザに関する情報を受信すると、ホール会員IDの採番を行い(例えば、ホール会員ID=「0002」)、このホール会員IDと遊技店ID=「A」、及びスマートフォン9900やPC等から受信したユーザに関する情報を会員管理サーバ9700に送信し、グローバル会員としての会員登録を行う。また、ここで、遊技店Aのホールコンピュータ9100は、ホール会員情報テーブル9151に、ホール会員IDとユーザに関する情報を記憶する。
会員管理サーバ9700は、ホールコンピュータ9100からユーザに関する情報を受信すると、グローバル会員IDの採番を行い(例えば、グローバル会員ID=「0002A」)、このグローバル会員IDに、受信したユーザに関する情報を対応付けて、グローバル会員情報テーブル9751に記憶する(図223(A)参照)。また、ID対応テーブル9752に、このグローバル会員IDとホール会員ID、及び遊技店ID(この場合は「A」)を対応付けて記憶する(図223(B)参照)。なお、この例では、最初の会員登録手続きが遊技店Aのホールコンピュータ9100を介して行われ、最初に、ホール会員IDが採番されているために、グローバル会員IDは、(遊技店Aの)ホール会員ID+遊技店IDの形で採番されている。
この後、グローバル会員管理システム、または会員管理サーバ9700は、採番されたグローバル会員IDを記憶した会員カード9920を発行し、その会員カード9920を遊技店Aに郵送する。そして、会員カード9920を受領した遊技店Aのスタッフは、例えば、マイナンバーカード等の本人確認証の提示と引き換えに、ユーザに対して会員カード9920を店頭にて手渡しする。なお、ここで、グローバル会員管理システムにおいて、作成済みの会員カードをユーザに発行する会員カード9920として決定し、その会員カード9920が記憶しているIDを会員管理サーバ9700に入力し、グローバル会員IDとしてもよい。
また、遊技店Aのホールコンピュータ9100において、会員管理サーバ9700により採番されたグローバル会員IDを会員管理サーバ9700から受信し、そのグローバル会員IDを記憶した会員カード9920を遊技店Aで発行し、遊技店Aにおいて、その会員カード9920をユーザに交付するようにしてもよい。このような構成により、遊技店Aでは、会員登録手続きを行ったユーザに会員カード9920を即日発行することができる。
またさらに、遊技店Aのホールコンピュータ9100において、作成済みの会員カードを、ユーザに発行する会員カード9920として決定し、遊技店Aにおいて、その会員カード9920をユーザに交付してもよい。なお、その会員カード9920が記憶しているIDはグローバル会員IDとして、ホールコンピュータ9100から会員管理サーバ9700に送信される。このような構成により、遊技店Aでは、会員登録手続きを行ったユーザに会員カード9920を即日発行することができる。
またここで、ユーザは、ユーザのスマートフォン9900や自宅のPC、遊技店AのPOS端末9500、ホール端末9600等を経由して、遊技店Aでスマートフォン9900を利用するためのログインパスワードを設定することができ、このログインパスワードは、ホール会員情報テーブル9151に記憶される。
[2回目以降の会員登録手続き(パターン2-1)]
図229は、アプリがインストールされたユーザのスマートフォン9900で、遊技店のホールコンピュータ9100を介さずに、ネットワークを介してグローバル会員管理システムに直接、初回の会員登録手続きを行った場合(パターン1-1、1-2)において、2回目以降の会員登録手続きを行うパターン2-1を示している。
ユーザは、初回の会員登録手続きでは遊技店を介した会員登録を行っておらず、グローバル会員管理システムに会員登録がされている状態である。ここで、実際に、遊技店Aで遊技をしようとする場合に、遊技店Aでの会員登録が必要となる。しかしながら、以下に示すように、ユーザは、所定の端末にスマートフォン9900をかざすだけで、簡便に遊技店Aにおける会員登録手続きを済ますことができ、遊技店Aのスタッフも、この会員登録手続きに関して特段の作業が必要とされることはない。
図229(A)に示すように、ユーザは、最初に、自身のスマートフォン9900を、遊技店Aのホール端末9600等にかざして、スマートフォン9900のグローバル会員ID記憶領域9951に記憶されているグローバル会員IDをホール端末9600等に(NFC通信により)読み取らせる。
ユーザのスマートフォン9900からグローバル会員IDを読み取ったホール端末9600等は、ホールコンピュータ9100に、会員登録手続きが行われることを伝え、それとともに、読み取ったグローバル会員IDを送信する。グローバル会員IDを受信したホールコンピュータ9100は、グローバル会員管理システムの会員管理サーバ9700に対して、グローバル会員IDが登録済み、かつ遊技店Aで未登録であるか否かを問い合わせる。
この問い合わせを受けた会員管理サーバ9700は、グローバル会員情報テーブル9751を参照してグローバル会員IDが登録済み、かつ遊技店Aで未登録であるか否かを判定し、判定結果をホールコンピュータ9100に送信する。ホールコンピュータ9100は、グローバル会員IDが登録済みでないとの判定結果を受信した場合、ホール端末9600等のディスプレイにその旨のエラーメッセージを表示させるよう制御する。グローバル会員IDが登録済み、かつ遊技店Aでも登録済みであるとの判定結果を受信した場合は、遊技店Aでの会員登録手続きは完了しているため、ホール端末9600等のディスプレイにその旨のメッセージを表示させる。
ホールコンピュータ9100は、グローバル会員IDが登録済み、かつ遊技店Aで未登録であるとの判定結果を受信した場合、あらたにホール会員IDを採番し、そのホール会員IDと遊技店IDを会員管理サーバ9700に送信する。会員管理サーバ9700は、ホールコンピュータ9100からホール会員IDと遊技店IDを受信すると、ID対応テーブル9752に、グローバル会員IDとホール会員ID、及び遊技店IDを対応付けて記憶する。
この状況は、例えば、図223(B)に示すグローバル会員ID=「0101G」に関し、1行目に記憶されている内容は、ユーザが初回の会員登録手続き(遊技店を介さない会員登録手続き)で記憶されたものであり、2行目に記憶されている内容は、2回目の会員登録手続き(今回の遊技店を介した会員登録手続き)で記憶されたものである。2行目には、グローバル会員ID=「0101G」に対応付けて、遊技店Aで採番されたホール会員ID=「0001」、及び遊技店Aに対応する遊技店ID=「A」が記憶されている。
その後、会員管理サーバ9700は、グローバル会員情報テーブル9751を参照して、そのグローバル会員IDに対応するユーザに関する情報(氏名、住所等)を、ホールコンピュータ9100に送信する。ホールコンピュータ9100は、ユーザに関する情報を受信すると、採番したホール会員IDとそのユーザに関する情報を対応付けて、ホール会員情報テーブル9151に記憶する。
このような2回目の会員登録手続きにより、ユーザは、会員登録手続きを実質的に省略することができ、当該遊技店は、ユーザの本人認証・本人確認やユーザに関する情報の入力を行わずに会員登録を行うことができる。
またここで、ユーザは、遊技店Aでスマートフォン9900を利用するためのログインパスワードを設定することができ、このログインパスワードは、ホール会員情報テーブル9151に記憶される。
なお、ユーザがスマートフォン9900をかざすホール端末9600等には、POS端末9500やサンド装置9020などのコンピュータが含まれうる。サンド装置9020の場合、ユーザが遊技を始める直前、遊技機9010の前に座ってから、スマートフォン9900を遊技機9010の隣にあるサンド装置9020にかざすだけで、その遊技店での会員登録手続きが完了することになる。
また、この例では、スマートフォン9900が、グローバル会員IDをグローバル会員ID記憶領域9951に記憶するように構成されるが、スマートフォン9900をユニークに識別可能な記憶媒体識別子を会員管理サーバ9700で受信し、グローバル会員情報テーブル9751に記憶しておけば、会員管理サーバ9700でスマートフォン9900をユニークに識別できるので、スマートフォン9900において、グローバル会員IDをグローバル会員ID記憶領域9951に記憶する必要はない(以下、スマートフォン9900を用いて2回目以降の会員登録手続きを行う場合について同じ)。
次に、図229(B)に示すように、ユーザが、図229(A)で示したような遊技店Aでの会員登録手続きの後に、遊技店Bで会員登録手続き(3回目の会員登録手続き)を行う場合について説明する。ユーザは、遊技店Aの場合と同様に、自身のスマートフォン9900を、遊技店Bのホール端末9600等にかざして、スマートフォン9900のグローバル会員ID記憶領域9951に記憶されているグローバル会員IDをホール端末9600等に(NFC通信により)読み取らせる。
ユーザのスマートフォン9900からグローバル会員IDを読み取ったホール端末9600等は、ホールコンピュータ9100に、会員登録手続きが行われることを伝え、それとともに、読み取ったグローバル会員IDを送信する。グローバル会員IDを受信したホールコンピュータ9100は、グローバル会員管理システムの会員管理サーバ9700に対して、グローバル会員IDが登録済み、かつ遊技店Bで未登録であるか否かを問い合わせる。
この問い合わせを受けた会員管理サーバ9700は、グローバル会員情報テーブル9751を参照してグローバル会員IDが登録済み、かつ遊技店Bで未登録であるか否かを判定し、判定結果をホールコンピュータ9100に送信する。ホールコンピュータ9100は、グローバル会員IDが登録済みでないとの判定結果を受信した場合、ホール端末9600のディスプレイにその旨のエラーメッセージを表示させるよう制御する。グローバル会員IDが登録済み、かつ遊技店Bでも登録済みであるとの判定結果を受信した場合は、遊技店Bでの会員登録手続きは完了しているため、ホール端末9600等のディスプレイにその旨のメッセージを表示させる。
ホールコンピュータ9100は、グローバル会員IDが登録済み、かつ遊技店Bで未登録であるとの判定結果を受信した場合、あらたにホール会員IDを採番し、そのホール会員IDと遊技店IDを会員管理サーバ9700に送信する。会員管理サーバ9700は、ホールコンピュータ9100からホール会員IDと遊技店IDを受信すると、ID対応テーブル9752に、グローバル会員IDとホール会員ID、及び遊技店IDを対応付けて記憶する。
この状況は、例えば、図223(B)に示すグローバル会員ID=「0101G」に関し、1行目に記憶されている内容は、ユーザが初回の会員登録手続き(遊技店を介さない会員登録手続き)で記憶されたものであり、2行目に記憶されている内容は、上記の通り、2回目の会員登録手続きで記憶されたものであり、3行目に記憶されている内容は、3回目の会員登録手続き(今回の遊技店を介した会員登録手続き)で記憶されたものである。3行目には、グローバル会員ID=「0101G」に対応付けて、遊技店Bで採番されたホール会員ID=「U0008」、及び遊技店Bに対応する遊技店ID=「B」が記憶されている。
その後、会員管理サーバ9700は、グローバル会員情報テーブル9751を参照して、そのグローバル会員IDに対応するユーザに関する情報(氏名、住所等)を、ホールコンピュータ9100に送信する。ホールコンピュータ9100は、ユーザに関する情報を受信すると、採番したホール会員IDとそのユーザに関する情報を対応付けて、ホール会員情報テーブル9151に記憶する。
このような3回目の会員登録手続きでも、ユーザは、会員登録手続きを実質的に省略することができ、当該遊技店は、ユーザの本人認証やユーザに関する情報の入力を行わずに会員登録を行うことができる。そして、他の遊技店における4回目以降の会員登録手続きにおいても、同様の方法で簡便な会員登録を行うことができる。
またここで、ユーザは、遊技店Bでスマートフォン9900を利用するためのログインパスワードを設定することができ、このログインパスワードは、ホール会員情報テーブル9151に記憶される。
なお、ユーザがスマートフォン9900をかざすホール端末9600等には、POS端末9500やサンド装置9020などのコンピュータが含まれうる。サンド装置9020の場合、ユーザが遊技を始める直前、遊技機9010の前に座ってから、スマートフォン9900を遊技機9010の隣にあるサンド装置9020にかざすだけで、その遊技店での会員登録手続きが完了することになる。
[2回目以降の会員登録手続き(パターン2-2)]
図229の例は、アプリがインストールされたユーザのスマートフォン9900で、遊技店のホールコンピュータ9100を介さずに、ネットワークを介してグローバル会員管理システムに直接、初回の会員登録手続きを行った場合(パターン1-1、1-2)において、2回目以降の会員登録手続きを行うパターン2-1を示したものであるが、ここでは、遊技店のホールコンピュータ9100を介さずに初回の会員登録手続きを行い、会員カード9920を受領した場合(パターン1-3)において、2回目以降の会員登録手続きを行うパターン2-2について説明を行う。図面は省略した。
パターン2-1においては、ユーザのスマートフォン9900をホール端末9600等にかざして遊技店A、遊技店Bに会員登録手続きを行ったが、パターン2-2では、スマートフォン9900の代わりに、会員カード9920をホール端末9600等にかざして遊技店A、遊技店Bに会員登録手続きを行うことができ、その手順と遊技店A、遊技店Bの各ホールコンピュータ9100、及びグローバル会員管理システムの会員管理サーバ9700の処理はパターン2-2と同様である。
[2回目以降の会員登録手続き(パターン2-3)]
図229の例は、アプリがインストールされたユーザのスマートフォン9900で、遊技店のホールコンピュータ9100を介さずに、ネットワークを介してグローバル会員管理システムに直接、初回の会員登録手続きを行った場合(パターン1-1、1-2)において、2回目以降の会員登録手続きを行うパターン2-1を示したものであるが、図230の例では、アプリがインストールされたユーザのスマートフォン9900で、遊技店のホールコンピュータ9100を介して初回の会員登録手続きを行った場合(パターン1-4)において、2回目以降の会員登録手続きを行うパターン2-3について説明を行う。
パターン2-1においては、ユーザのスマートフォン9900をホール端末9600等にかざして遊技店A、遊技店Bに会員登録手続きを行ったが、パターン2-3でも、スマートフォン9900をホール端末9600等にかざして会員登録手続きを行うことができ、その手順とホールコンピュータ9100、及びグローバル会員管理システムの会員管理サーバ9700の処理はパターン2-1と同様である。
ただし、パターン2-3では、遊技店Aにおいて既に会員登録手続きを行っているため、グローバル会員IDを受信したホールコンピュータ9100が、グローバル会員管理システムの会員管理サーバ9700に対して、グローバル会員IDが登録済み、かつ遊技店Aで未登録であるか否かを問い合わせると、会員管理サーバ9700は、グローバル会員情報テーブル9751を参照してグローバル会員IDが登録済み、かつ遊技店Aでも登録済みであるとの判定結果をホールコンピュータ9100に送信する。グローバル会員IDが登録済み、かつ遊技店Aでも登録済みであるとの判定結果を受信した場合は、遊技店Aでの会員登録手続きは完了しているため、ホール端末9600等のディスプレイにその旨のメッセージ(例えば、「遊技店Aにおいて既に会員登録が完了しています」)を表示させる(図230(A)参照)。この場合、ユーザは、スマートフォン9900により、遊技店Aでそのまま遊技を行うことができる。
このとき、例えば、グローバル会員ID=「0002A」であり、グローバル会員管理システムのID対応テーブル9752では、グローバル会員ID=「0002A」に対応付けて、遊技店Aで採番されたホール会員ID=「0002」、及び遊技店Aに対応する遊技店ID=「A」が記憶されている(ID対応テーブル9752の4行目)。また、ホールコンピュータ9100のホール会員情報テーブル9151には、ホール会員ID=「0002」に対応付けられて、ユーザに関する情報が記憶されている。
そして、この状態で、遊技店Bに移り、遊技店Bで会員登録手続き(すなわち、2回目の会員登録手続き)を行う場合、ユーザは、自身のスマートフォン9900を、遊技店Bのホール端末9600等にかざして、スマートフォン9900のグローバル会員ID記憶領域9951に記憶されているグローバル会員IDをホール端末9600等に(NFC通信により)読み取らせる。
ユーザのスマートフォン9900からグローバル会員IDを読み取ったホール端末9600等は、ホールコンピュータ9100に、会員登録手続きが行われることを伝え、それとともに、読み取ったグローバル会員IDを送信する。グローバル会員IDを受信したホールコンピュータ9100は、グローバル会員管理システムの会員管理サーバ9700に対して、グローバル会員IDが登録済み、かつ遊技店Bで未登録であるか否かを問い合わせる。
この問い合わせを受けた会員管理サーバ9700は、グローバル会員情報テーブル9751を参照してグローバル会員IDが登録済み、かつ遊技店Bで未登録であるか否かを判定し、判定結果をホールコンピュータ9100に送信する。ホールコンピュータ9100は、グローバル会員IDが登録済みでないとの判定結果を受信した場合、ホール端末9600のディスプレイにその旨のエラーメッセージを表示させるよう制御する。グローバル会員IDが登録済み、かつ遊技店Bでも登録済みであるとの判定結果を受信した場合は、遊技店Bでの会員登録手続きは完了しているため、ホール端末9600等のディスプレイにその旨のメッセージを表示させる。
この例では、ホールコンピュータ9100は、グローバル会員IDが登録済みで、かつ遊技店Bで未登録であるとの判定結果を受信しており、そこで、あらたにホール会員IDを採番し、そのホール会員IDと遊技店IDを会員管理サーバ9700に送信する。会員管理サーバ9700は、ホールコンピュータ9100からホール会員IDと遊技店IDを受信すると、ID対応テーブル9752に、グローバル会員IDとホール会員ID、及び遊技店IDを対応付けて記憶する。
この処理を行った後の状況は、例えば、図223(B)に示すグローバル会員ID=「0002A」に関し、4行目に記憶されている内容は、上記のように、ユーザが初回の会員登録手続き(遊技店Aでの会員登録手続き)で記憶されたものであり、5行目に記憶されている内容は、2回目の会員登録手続き(今回の遊技店Bにおける会員登録手続き)で記憶されたものである。この5行目には、グローバル会員ID=「0002A」に対応付けて、遊技店Bで採番されたホール会員ID=「U0004」、及び遊技店Bに対応する遊技店ID=「B」が記憶されている。
その後、会員管理サーバ9700は、グローバル会員情報テーブル9751を参照して、そのグローバル会員IDに対応するユーザに関する情報(氏名、住所等)を、ホールコンピュータ9100に送信する。ホールコンピュータ9100は、ユーザに関する情報を受信すると、採番したホール会員IDとそのユーザに関する情報を対応付けて、ホール会員情報テーブル9151に記憶する。
このような2回目の会員登録手続きにおいて、ユーザは、会員登録手続きを実質的に省略することができ、当該遊技店は、ユーザの本人認証やユーザに関する情報の入力を行わずに会員登録を行うことができる。そして、他の遊技店における3回目以降の会員登録手続きにおいても、同様の方法で簡便な会員登録を行うことができる。
またここで、ユーザは、遊技店Bでスマートフォン9900を利用するためのログインパスワードを設定することができ、このログインパスワードは、ホール会員情報テーブル9151に記憶される。
[2回目以降の会員登録手続き(パターン2-4)]
図230の例は、アプリがインストールされたユーザのスマートフォン9900で、遊技店のホールコンピュータ9100を介してグローバル会員管理システムに初回の会員登録手続きを行った場合(パターン1-4)において、2回目以降の会員登録手続きを行うパターン2-3を示したものであるが、ここでは、遊技店のホールコンピュータ9100を介して初回の会員登録手続きを行い、会員カード9920を受領した場合(パターン1-5)において、2回目以降の会員登録手続きを行うパターン2-4について説明を行う。図面は省略する。
パターン2-3においては、ユーザのスマートフォン9900をホール端末9600等にかざして遊技店Bに会員登録手続きを行ったが(遊技店Aについては、既に会員登録済みであり、エラーとなる)、パターン2-4では、スマートフォン9900の代わりに、会員カード9920をホール端末9600等にかざして遊技店Bに会員登録手続きを行うことができ、その手順と遊技店Bの各ホールコンピュータ9100、及びグローバル会員管理システムの会員管理サーバ9700の処理はパターン2-3と同様である。
[スマートフォン、会員カードを用いた遊技]
次に、図231を参照して、スマートフォン9900や会員カード9920を、初回に会員登録した遊技店で用いる場合の処理手順について説明する。
図231では、最初に、ユーザが、自身の所有する記憶媒体(スマートフォン9900や会員カード9920)を遊技店Aのサンド装置9020にかざすと、サンド装置9020は、(例えば、NFC通信によって)記憶媒体に記憶されているグローバル会員IDを読み取り、そのグローバル会員IDを、遊技店Aのホールコンピュータ9100に送信する。なお、ここでは、グローバル会員IDは、図223(B)のID対応テーブル9752に記憶されているグローバル会員ID=「0002A」であるとし、このグローバル会員IDは、今回、遊技を行う遊技店Aにおいて初回の会員登録手続きを行ったものであるとする。
遊技店Aのホールコンピュータ9100は、サンド装置9020からグローバル会員IDを受信すると、そのグローバル会員IDの末尾が「A」であることから、このグローバル会員IDの初回の会員登録手続きが遊技店Aで行われたものと判断する。
そして、グローバル会員IDの末尾を除いた「0002」を遊技店Aにおけるホール会員IDとして把握し、このホール会員IDに基づいて、貯玉管理テーブル9152を参照して当該ユーザの貯玉情報を取得する。ユーザは、サンド装置9020に記憶媒体をかざしてログインした後、貯玉を有していれば、例えば、サンド装置9020の「貯玉払出」の操作ボタン9034bを操作して遊技機9010の遊技を開始することができる。
また、遊技店Aのホールコンピュータ9100は、同様にして、ユーザの操作や遊技の状況に応じて、ホール会員IDに基づくデータの送受信、各種テーブルの参照・更新を行う。
なお、この例では、グローバル会員管理システムの会員管理サーバ9700に対して、そのグローバル会員IDを送信し、当該グローバル会員IDが登録済みでかつ、遊技店Aで登録済みか否かを問い合わせているが、省略することもできる。
会員管理サーバ9700は、ID対応テーブル9752を参照し、受信したグローバル会員IDで、対応する遊技店IDが「A」であるIDがID対応テーブル9752に存在する場合、そのグローバル会員IDが遊技店Aで利用可能である旨をホールコンピュータ9100に通知する。
ホールコンピュータ9100は、グローバル会員IDが遊技店Aで利用可能であることを確認すると、サンド装置9020における操作を可能とし、ユーザが遊技機9010による遊技を可能な状態にする。
なお、図231に示す例では、ホールコンピュータ9100が、サンド装置9020から提供されたグローバル会員IDに基づいて会員管理サーバ9700のID対応テーブル9752にアクセスし、当該グローバル会員IDに係るユーザに関する情報を参照しているが、こうしたユーザに関する情報を利用可能なコンピュータとしては、ホールコンピュータ9100のほかにも、サンド装置9020、POS端末9500、ホール端末9600といった、遊技店に配置されている様々な装置(遊技店装置)が含まれる。
次に、図232を参照して、スマートフォン9900や会員カード9920を、初回に会員登録した遊技店以外の遊技店で用いる場合の処理手順について説明する。
図232では、最初に、ユーザが、自身の所有する記憶媒体(スマートフォン9900や会員カード9920)を遊技店Aのサンド装置9020にかざすと、サンド装置9020は、(例えば、NFC通信によって)記憶媒体に記憶されているグローバル会員IDを読み取り、そのグローバル会員IDを、遊技店Bのホールコンピュータ9100に送信する。なお、ここでは、グローバル会員IDは、図223(B)のID対応テーブル9752に記憶されているグローバル会員ID=「0002A」であるとし、このグローバル会員IDは、今回、遊技を行う遊技店Bとは異なる遊技店Aにおいて初回の会員登録手続きを行ったものであるとする。
遊技店Bのホールコンピュータ9100は、サンド装置9020からグローバル会員IDを受信すると、そのグローバル会員IDの末尾が「A」であることから、このグローバル会員IDの初回の会員登録手続きが遊技店Aで行われたものと判断する。
この場合、遊技店Bでは、そのグローバル会員IDに対応する遊技店Bのホール会員IDが不明であるため、グローバル会員管理システムの会員管理サーバ9700に対してグローバル会員IDの正当性確認と、ホール会員IDの取得を行う。
すなわち、最初に、グローバル会員管理システムの会員管理サーバ9700に対して、そのグローバル会員IDと遊技店IDを送信し、当該グローバル会員IDが登録済みでかつ、遊技店Bで登録済みか否かを問い合わせる。
会員管理サーバ9700は、ID対応テーブル9752を参照し、受信したグローバル会員IDで、対応する遊技店IDが「B」であるIDがID対応テーブル9752に存在する場合、そのグローバル会員IDが遊技店Aで利用可能である旨をホールコンピュータ9100に通知する。ここでは、図223(B)のID対応テーブル9752に記憶されているグローバル会員ID=「0002A」に対応する遊技店として遊技店Bが存在する(5行目)。
次に、ホールコンピュータ9100は、会員管理サーバ9700に当該グローバル会員IDに対応する遊技店Bのホール会員IDを返信するよう要求する。ここで、会員管理サーバ9700は、ID対応テーブル9752を参照し、受信したグローバル会員IDで、対応する遊技店IDが「B」である場合のホール会員IDの項目を取得し、ホールコンピュータ9100に送信する。例えば、上記のグローバル会員ID=「0002A」の遊技店Bに対応するホール会員IDは「U0004」である。
ホールコンピュータ9100は、会員管理サーバ9700から遊技店Bのホール会員IDを受信すると、このホール会員IDに基づいて、貯玉管理テーブル9152を参照して当該ユーザの貯玉情報を取得する。ユーザは、サンド装置9020に記憶媒体をかざしてログインした後、貯玉を有していれば、例えば、サンド装置9020の「貯玉払出」の操作ボタン9034bを操作して遊技機9010の遊技を開始することができる。
また、遊技店Bのホールコンピュータ9100は、同様にして、ユーザの操作や遊技の状況に応じて、ホール会員IDに基づくデータの送受信、各種テーブルの参照・更新を行う。
なお、図232に示す例では、ホールコンピュータ9100が、サンド装置9020から提供されたグローバル会員IDに基づいて会員管理サーバ9700のID対応テーブル9752にアクセスし、当該グローバル会員IDに係るユーザに関する情報を参照しているが、こうしたユーザに関する情報を利用可能なコンピュータとしては、ホールコンピュータ9100のほかにも、サンド装置9020、POS端末9500、ホール端末9600といった、遊技店に配置されている様々な装置(遊技店装置)が含まれる。
[グローバル会員管理システムにおける貯玉の移動]
上記の通り、グローバル会員管理システムの会員管理サーバ9700では、グローバル会員情報テーブル9751でグローバル会員IDを記憶・管理し、そのグローバル会員IDにユーザに関する情報を対応付けることにより、グローバル会員IDを記憶した記憶媒体(例えば、スマートフォン9900や会員カード9920)を複数の遊技店でそれぞれ会員カードとして利用できるように制御し、また、その記憶媒体を、会員登録手続きを行っていない遊技店で会員カードとして利用できるように制御する。
このような会員管理サーバ9700においては、さらに、グローバル会員IDごとに各ユーザの貯玉数を管理することも可能である。例えば、各遊技店は、経営破綻等でユーザの貯玉/貯メダルの払い戻しが不能となった場合に備え、各遊技店が貯玉補償基金に加盟することで、ユーザに一定の補償を行うことが可能となる。そのために、所定のセンタ事業者が、各遊技店から送信される貯玉数/貯メダル数を逐一記憶し、それらを、ユーザの個人情報と対応付けて管理している。なお、各遊技店の貯玉/貯メダルの数は、図222(B)に示すような貯玉管理テーブル9152で管理されている。
こうした貯玉補償基金に係るセンタ事業者自身が上記のグローバル会員管理システム(会員管理サーバ9700)を運用し、または、当該センタ事業者からグローバル会員管理システム(会員管理サーバ9700)に貯玉数/貯メダルの数とユーザの個人情報を取得することができれば、会員管理サーバ9700において、図233(A)に示すような、各遊技店の貯玉/貯メダルを横断的に管理可能なグローバル貯玉管理テーブル9753を構築することができる。このようなグローバル貯玉管理テーブル9753は、会員管理サーバ9700の会員管理DB9750に記憶させることができる。
また、上記のような貯玉補償基金に係る背景がなくても、各遊技店が、グローバル会員管理システム(会員管理サーバ9700)に対して、ホール会員ID、及び遊技店IDと紐づけた貯玉数/貯メダル数のデータを送信するようにして、グローバル貯玉管理テーブル9753を構築してもよい。
ここで、グローバル貯玉管理テーブル9753のグローバル会員ID、及び遊技店IDは、図223(B)のID対応テーブル9752に記憶されているグローバル会員IDと遊技店IDに対応するものである。そして、遊技店Aのグローバル会員ID=「0101G」は、ID対応テーブル9752から分かるように、遊技店Aのホール会員ID=「0001」に対応し、このユーザの貯玉数/貯メダル数は、図222(B)の貯玉管理テーブル9152の、ホール会員ID=「0001」の貯玉数/貯メダル数と符合する。なお、本実施形態では、それぞれの貯玉/貯メダルの種別が、「4円(パチンコ)」や「20円(スロット)」といった貸出レートによって表されており、これを「貯玉種別」と称する。
また、遊技店Aのグローバル会員ID=「0002A」は、ID対応テーブル9752から分かるように、遊技店Aのホール会員ID=「0002」に対応し、このユーザの貯玉数/貯メダル数は、貯玉管理テーブル9152の、ホール会員ID=「0002」の貯玉数/貯メダル数と符合する。さらに、遊技店Aのグローバル会員ID=「0003A」は、ID対応テーブル9752から分かるように、遊技店Aのホール会員ID=「0003」に対応し、このユーザの貯玉数/貯メダル数は、貯玉管理テーブル9152の、ホール会員ID=「0003」の貯玉数/貯メダル数と符合する。
図233(B)は、図233(A)に示したグローバル貯玉管理テーブル9753から、グローバル会員ID=「0101G」のユーザに関する貯玉数/貯メダル数を便宜上抜き出して示したものである。図233(B)に示す通り、このユーザは、例えば、遊技店Aと遊技店Bのそれぞれ貯玉/貯メダルを有しており、この例では、遊技店Bの貸出レート=1円(パチンコ)の20000玉を、遊技店Aの貸出レート=4円(パチンコ)に移動させるものとする。そうすると、このユーザの遊技店Aの貸出レート=4円(パチンコ)の貯玉数は、9000+20000/4=14000玉となる。
なお、本実施形態では、ユーザによって、貯玉/貯メダルを他に移すことを「移動」と称する。例えば、同じ遊技店において、自身の異なる貸出レート間で貯玉/貯メダルを移す処理、異なる遊技店を跨いで、自身の同じまたは異なる貸出レート間で貯玉/貯メダルを移す処理、同じ遊技店において、他人の同じまたは異なる貸出レートに貯玉/貯メダルを移す処理、及び異なる遊技店を跨いで、他人の同じまたは異なる貸出レートに貯玉/貯メダルを移す処理等はすべて「移動」の概念に含まれる。
会員管理サーバ9700は、貯玉管理テーブル9152にこうした貯玉数/貯メダル数の変動があると、この変動に関わった遊技店に対して、変動後の貯玉数/貯メダル数のデータをグローバル会員IDに対応するホール会員IDとともに送信し、各遊技店のホールコンピュータ9100は、このデータを受信した場合、対応するホール会員IDの貯玉数/貯メダル数の変動に応じて、貯玉管理テーブル9152を更新する。
なお、ここでは、ユーザの指示により、異なる遊技店に対して、貸出レートを基準として貯玉数/貯メダル数を変換し、移動させるようにしたが、遊技店間において、個別に貯玉/貯メダルの移動条件を定めるようにしてもよい。移動条件としては、移動が可能な貯玉/貯メダルの貸出レートの関係(例えば、4円(パチンコ)から1円(パチンコ)への移動は可能であるが、その逆は不可、パチンコとスロット間の移動は不可など)、移動させる数量(例えば、移動数量の単位、最低数量、最高数量など)、移動させる場合の数量の変換率(例えば、貸出レートに他の要素(交換率等)を加味した交換率を採用するなど)といった様々な条件が設定可能である。
図234には、ユーザのスマートフォン9900等のディスプレイに表示される、自身に関する貯玉数/貯メダル数の移動を指定する貯玉移動指定画面11001が示されている。ユーザは、グローバル会員管理システム(会員管理サーバ9700)に、(例えば、事前に設定したパスワードを用いて)ログインし、貯玉移動指定画面11001の移動元指定領域11002で、移動元の遊技店、貯玉種別を指定する。そうすると、指定された遊技店における、ユーザのグローバル会員IDの指定貯玉種別に対応する残りの貯玉数/貯メダル数が表示され、そこで、移動元指定領域11002の移動数量の欄に、移動させる貯玉数/貯メダル数を指定する。このとき、移動数量の指定によって、残りの貯玉数/貯メダル数が表示が変更される。
次に、ユーザは、貯玉移動指定画面11001の移動先指定領域11003で、移動先の遊技店、貯玉種別を指定する。そうすると、指定された遊技店における、ユーザのグローバル会員IDの指定貯玉種別に対応する残りの貯玉数/貯メダル数が「移動前数量」として表示され、その数量と、移動元指定領域11002の移動数量で指定された移動数量に基づいて求められた数量とが合算され、「移動後数量」として表示される。移動元指定領域11002の移動数量で指定された移動数量は、上述した移動条件に基づいて換算され、移動前数量と加算される。また、移動元指定領域11002と移動先指定領域11003で指定された内容が、移動条件を満たさない場合は、エラーメッセージが表示され、修正が求められる。
このような貯玉の移動指示は、図233(B)に示した矢印の移動内容に対応するものである。最後にユーザが、確定ボタン11004を押下すると、貯玉の移動指示が確定し、貯玉移動指定画面11001で指定した内容に基づいて、グローバル貯玉管理テーブル9753を更新し、この更新に応じて、対応する遊技店の貯玉管理テーブル9152がそれぞれ同期して更新される。
図235には、ユーザのスマートフォン9900等のディスプレイに表示される、他ユーザの貯玉/貯メダルへの移動を指定する貯玉移動指定画面11011が示されている。ユーザは、グローバル会員管理システム(会員管理サーバ9700)に、(例えば、事前に設定したパスワードを用いて)ログインし、貯玉移動指定画面11011の移動元指定領域11012で、移動元の遊技店、貯玉種別を指定する。そうすると、指定された遊技店における、ユーザのグローバル会員IDの指定貯玉種別に対応する残りの貯玉数/貯メダル数が表示され、そこで、移動元指定領域11012の移動数量の欄に、移動させる貯玉数/貯メダル数を指定する。このとき、移動数量の指定によって、残りの貯玉数/貯メダル数が表示が変更される。
次に、ユーザは、貯玉移動指定画面11011の移動先指定領域11013で、移動先のユーザのグローバル会員ID、遊技店、貯玉種別を指定する。そうすると、指定された遊技店における、移動先ユーザのグローバル会員IDの指定貯玉種別に対応する残りの貯玉数/貯メダル数が「移動前数量」として表示され、その数量と、移動元指定領域11012の移動数量で指定された移動数量に基づいて求められた数量とが合算され、「移動後数量」として表示される。移動元指定領域11012の移動数量で指定された移動数量は、上述した移動条件に基づいて換算され、移動前数量と加算される。また、移動元指定領域11012と移動先指定領域11013で指定された内容が、移動条件を満たさない場合は、エラーメッセージが表示され、修正が求められる。
図235に示す貯玉移動指定画面11011は、他のユーザに自身の貯玉/貯メダルを移動させるものであるため、移動先指定領域11013において、他のユーザに係る貯玉/貯メダルの移動後数量と移動前数量を表示せずに、所定の移動条件で換算後の移動数量のみを表示させるようにすることもできる。また、上述した移動条件は、ユーザが同じ場合の貯玉/貯メダルの移動と、ユーザが異なる場合の貯玉/貯メダルの移動について、異なる条件とすることもできる。
最後にユーザが、確定ボタン11014を押下すると、貯玉の移動指示が確定し、貯玉移動指定画面11011で指定した内容に基づいて、グローバル貯玉管理テーブル9753を更新し、この更新に応じて、対応する遊技店の貯玉管理テーブル9152がそれぞれ同期して更新される。
また、このような、一のユーザから他のユーザに対して貯玉/貯メダルの移動を指示する場合に、他のユーザのスマートフォン等を利用して、他のユーザが、当該一のユーザから貯玉/貯メダルを受け入れるとする同意を得るように構成することもできる。また逆に、一のユーザから他のユーザに対して、貯玉/貯メダルの移動を要求する(貯玉/貯メダルの譲渡を受けようとする)リクエストを行い、これを他のユーザのスマートフォン等に表示させて、他のユーザから許可を得た場合に、他のユーザの貯玉/貯メダルを一のユーザに移動させるようにすることができる。
[個人情報の第三者提供]
本実施形態では、ユーザが会員登録手続きを行う場合に、氏名、住所、生年月日、性別といったユーザに関する情報を、各遊技店のホール会員情報テーブル9151や、グローバル会員管理システムのグローバル会員情報テーブル9751等にて記憶・管理する。こうしたユーザに関する情報は、特定の個人を識別できる情報であり、「個人情報」に該当する。一方、個人情報をデータベース化して利用する事業者は、「個人情報取扱事業者」であり、ここでは、各遊技店や、グローバル会員管理システムの運営主体等が、これにあたる。
個人情報等の扱いを規定する個人情報保護法では、本実施形態に関し、2つの基本ルールが大きく関連する。
第1の基本ルールは、個人情報の取得・利用に関するものであり、個人情報を取得する場合には、利用目的をできる限り特定し、その目的を通知・公表することが必要となる。この点に関し、本実施形態では、ユーザが会員登録手続きを行う際に、会員規約を提示し、これに同意したユーザのみが会員登録を行うようにできる。会員規約には、プライバシーポリシーが含まれ、このプライバシーポリシーにおいて、個人情報の利用目的が明示される。ユーザは、コンピュータ(スマートフォン9900や自宅のPC、遊技店のPOS端末9500やホール端末9600)を操作して会員登録手続きを行うが、この会員登録手続きを開始する際に、例えば、上記コンピュータのディスプレイ等に、上記会員規約を表示し、同意のチェックボックスをユーザがチェックした場合に(同意した場合に)、会員登録手続きを進めるようにすることができる。同意しない場合は、会員登録が行われないか、または、会員規約に記載されている個人情報の利用が制限される。
例えば、上述した初回の会員登録手続きの、パターン1-1(図224)、パターン1-2(図225)、パターン1-3(図226)では、個人情報を取得する事業者は、グローバル会員管理システムの運営主体等であり、ユーザが会員登録手続きを行う場合には、ユーザの操作するコンピュータのディスプレイ等に、この事業者の会員規約が表示される。また、初回の会員登録手続きの、パターン1-4(図227)、パターン1-5(図228)では、個人情報を取得する事業者は、各遊技店、及びグローバル会員管理システムの運営主体等であり、ユーザが会員登録手続きを行う場合には、ユーザの操作するコンピュータのディスプレイ等に、これらの事業者すべての会員規約が表示される。
また、2回目以降の会員登録手続きの、パターン2-1(図229)、パターン2-3(図230(B)に示すパターンのみ)では、あらたに個人情報を取得する事業者が各遊技店となるので、ユーザが会員登録手続きを行う場合には、ユーザの操作するコンピュータのディスプレイ等に、その遊技店の会員規約が表示される。
また、上記の会員規約で示した利用目的を超えて個人情報を利用する場合が生じた場合、その時点で再度のユーザの同意が必要となる。このような新たな利用目的についても、ユーザが操作するスマートフォン9900等のコンピュータのディスプレイに表示され、それをユーザが同意した場合に、当該ユーザのデータを新たな利用目的に使用することができる。
またさらに、上述した会員規約の同意や、再度のユーザの同意については、ユーザが遊技を開始する際に、例えば、サンド装置9020のディスプレイ(操作ユニット9034)に確認画面を表示して、ユーザに所定の操作ボタン9034bを操作させ同意の確認を行うようにすることもできる。同意が得られなかった場合、会員規約に記載されている個人情報の利用が制限される。
また、上述した封入式の遊技機では、現金による電磁的な遊技媒体(遊技球やメダル)の貸し出し、及びICカードを利用した貯玉・再プレイを可能とする専用ユニットが、(遊技機の隣に)配置されるが、この場合、ユーザは、現金やICカードを利用して遊技を開始しようとする際に、専用ユニットのディスプレイ装置に確認画面を表示させ、遊技者に、上述した会員規約の同意や、再度のユーザの同意について確認を行うように構成することができる。
第2の基本ルールは、個人情報の第三者への提供に関するものである。個人情報は、特定の個人を識別できる情報であるため、厳格なルールに従って運用された場合に限り、第三者に提供することができる。こうした個人情報の第三者提供は、当該ユーザの同意を得ていれば行うことができる。
本実施形態に関しては、例えば、上述した初回の会員登録手続きの、パターン1-4(図227)、パターン1-5(図228)のように、ユーザに関する情報(例えば、ユーザの氏名や住所等の個人情報を含む情報)は、一旦、各遊技店のホールコンピュータ9100に送信され、そこで記憶・管理が行われ、その後、個人情報等は会員管理サーバ9700に送信されるため、個人情報の、ホールコンピュータ9100から会員管理サーバ9700への送信が「第三者への提供」にあたる可能性がある。その場合は、このような第三者への提供を行う点について同意の確認画面を、例えば、ユーザが会員登録手続きを行うために操作するコンピュータのディスプレイに表示する。また、こうした確認画面は、例えば、その個人情報を利用する第三者(グローバル会員管理システムの運営主体等)によって表示され、そこでユーザの同意の有無が確認される。
また、上述した封入式の遊技機では、現金による電磁的な遊技媒体(遊技球やメダル)の貸し出し、及びICカードを利用した貯玉・再プレイを可能とする専用ユニットが、(遊技機の隣に)配置されるが、この場合、ユーザは、現金や記憶媒体(例えば、スマートフォンやICカード)を利用して遊技を開始しようとする際に、専用ユニットのディスプレイ装置に上述の確認画面を表示させ、遊技者に、個人情報の第三者提供について同意の確認を行うように構成することができる。
[個人関連情報の第三者提供]
個人情報保護法では、生存する個人に関連する情報であって、個人情報等に該当しない(個人を識別できない)個人関連情報についても、第三者提供を行う場合には本人の同意が必要であるとしている。このような個人関連情報は、本実施形態では、例えば、サンド装置9020のカード挿入口9032に挿入される情報カードや、サンド装置9020の非接触ICカードリーダ/ライタ9036で情報が読み取られるICカードが、会員登録を行うことなく利用される、いわゆる「ビジターカード」である場合、会員登録手続きを行っていない遊技者(ビジター)が、ビジターカードにより利用するサンド装置9020のカメラ9035や遊技店の監視カメラにより撮像されたフェイシャルデータが、遊技情報(例えば、遊技開始時間、遊技時間、遊技台番号、イン枚数・アウト枚数(アウト球・セーフ球)等を含む)と対応付けられて、ビジターデータとしてホールコンピュータ9100に記憶されうる。
そして、このビジターデータは、生存する個人に関連する情報であって、個人情報等に該当しない(個人を識別できない)個人関連情報と解釈することができる。例えば、このようなビジターデータだけでは個人の特定には至らないが、当該ビジターデータと、他の事業者が有する、顔写真に、氏名や住所を対応付けた顔写真データとを突き合わせることによって、個人データとして活用することが可能となる。なお、上記のビジターデータは、本実施形態の遊技システムPS300で取得しようとすれば取得できるデータとして例示したに過ぎず、他の様々な個人関連情報が、遊技システムPS300で取得可能である。
上記のような個人関連情報の第三者提供が行われる場合、例えば、個人関連情報を提供する先の事業者は、遊技者の同意を得るために、遊技者が遊技を開始する際に、例えば、サンド装置9020のディスプレイ(操作ユニット9034)に確認画面を表示して、遊技者に所定の操作ボタン9034bを操作させ、同意の確認を行うようにすることができる。同意が得られなかった場合、当該個人関連情報の第三者提供は行われないように制御される。
また、上述した封入式の遊技機では、現金や記憶媒体(例えば、スマートフォンやICカード)による電磁的な遊技媒体(遊技球やメダル)の貸し出し、及びICカードを利用した貯玉・再プレイを可能とする専用ユニットが、(遊技機の隣に)配置されるが、この場合、遊技者は、現金や記憶媒体を利用して遊技を開始しようとする際に、専用ユニットのディスプレイ装置に上述の確認画面を表示させ、遊技者に、個人関連情報の第三者提供について同意の確認を行うように構成することができる。
[個人関連情報と封入式遊技機に係る情報]
次に、図236を参照して、封入式遊技機の基本的な構成例と、封入式遊技機からの情報の流れについて説明する。
各遊技店に配置される封入式遊技機のそれぞれは、主制御基板を備え、この主制御基板は、遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御部)としての主制御部を備える。また、主制御基板は、封入された遊技球を循環させて遊技を行う遊技機の場合、遊技価値の管理に関する制御を行う遊技価値制御手段(遊技価値制御部)としてのメダル数制御基板に接続される。一方、主制御基板は、メダルレスで行う遊技を可能とする遊技機の場合、遊技価値の管理に関する制御を行う遊技価値制御手段(遊技価値制御部)としての枠制御基板に接続される。
メダル数制御基板、及び枠制御基板は、遊技球等貸出装置接続端子板に接続され、遊技球等貸出装置接続端子板は、封入式遊技機外部の専用ユニット(遊技球等貸出装置)に接続される。
専用ユニットは、上記の通り、現金や記憶媒体(例えば、スマートフォンやICカード)による電磁的な遊技媒体(遊技球やメダル)の貸し出しや、ICカードを利用した貯玉・再プレイを可能とする。また、遊技球等貸出装置接続端子板を介して封入式遊技機から送信される遊技情報を、その遊技店のホールコンピュータに送信する。また、専用ユニットは、遊技球等貸出装置接続端子板を介して封入式遊技機から送信される遊技情報、及びユーザの個人情報と貯玉情報を、管理コンピュータを介してセンタコンピュータに送信する。
ホールコンピュータは、専用ユニットから遊技情報を受信すると、これらの情報を、(ホール会員であれば会員IDとともに)遊技情報管理テーブル等に随時記憶する。なお、ここで、専用ユニットから取得可能な遊技情報は、例えば、アウト・セーフ売上情報を含む稼働情報、持玉/持メダルの情報、貯玉/貯メダルの情報である。
センタコンピュータは、例えば、専用ユニットを提供する事業者(メーカー)が運営するコンピュータであり、専用ユニットから遊技情報を受信すると、これらの情報を、出玉情報を一元的に管理する遊技機情報センターに送信する。この場合の遊技情報は、封入された遊技球を循環させて遊技を行う遊技機の場合は、例えば、1営業日での総発射遊技球数、総獲得遊技球数、出玉率、役物比率、大当り回数等であり、メダルレスで行う遊技を可能とする遊技機の場合は、例えば、1営業日での総投入枚数、総払出枚数、役物総払出枚数、遊技回数等と、総累計での役物比率、連続役物比率、有利区間比率等である。
センタコンピュータはまた、専用ユニットから個人情報、及び貯玉情報を受信すると、これらの情報を、貯玉補償基金のサーバに送信する。貯玉補償基金は、遊技店が経営破綻等により貯玉/貯メダルの払い戻しができなくなる場合に備えて設定される基金(一般社団法人)である。なお、専用ユニットからのこれらの情報は、遊技店がこの貯玉補償基金に加盟していない場合は送信されない。
このように、センタコンピュータでは、専用ユニットから管理コンピュータを経由して遊技情報、個人情報、及び貯玉情報を受信するため、これらの情報を対応付けた遊技データを生成することができる。これらの遊技データを記憶、蓄積することにより、個人の遊技状況や貯玉/貯メダルの状況を長いスパンで把握することができる。このような遊技データは、上記のように、個人情報に該当するため、個人情報の取得・利用に関する会員規約等を、例えば、専用ユニットのディスプレイ装置に表示して、遊技者の同意を得る必要がある。なお、このセンタコンピュータと本実施形態のグローバル会員管理システム(会員管理サーバ9700)の事業者が同一であれば、個人情報や貯玉情報を複数の事業者のサーバに送信する必要がなくなり、情報漏洩のリスクが低減されるとともに、より効率的なデータの利用が促進される。
また、遊技者が会員登録をしていない場合、専用ユニットからセンタコンピュータには、個人情報、及び貯玉情報が送信されないが、非会員の遊技情報は送信される。そこで、専用ユニットから、この遊技情報とともに、例えば、内蔵カメラで撮像された遊技者のフェイシャルデータをセンタコンピュータに送信し、そこで、遊技者のフェイシャルデータと遊技情報を対応付けた遊技データを生成することができる。これらの遊技データを記憶、蓄積することにより、個人の遊技状況を長いスパンで把握することができる。
このような遊技データは、例えば、個人情報とフェイシャルデータが対応付けたられたデータと突き合わせれば、個人が特定可能であるため、個人関連情報であると解釈される。また、遊技店の監視カメラの映像から、遊技者のフェイシャルデータと遊技機の台番号との対応データが提供された場合も、遊技情報とフェイシャルデータを対応付けたデータを取得することができる。
そしてこのとき、遊技店の専用ユニットから、センタコンピュータへのデータ送信が第三者提供であるとすれば、このような第三者提供についても、遊技者の同意が必要であり、例えば、個人関連情報の第三者提供に同意が必要である旨の表記を専用ユニットのディスプレイ装置に表示して、そこで遊技者の同意を得る必要がある。なお、遊技店の専用ユニットのメーカーが運営するセンタコンピュータであっても、当該専用ユニットが遊技店によって購入、運営されている以上、上記のような個人関連情報の送信は、基本的には、第三者提供であると考えられる。
[第15実施形態の構成を適用した変形例]
本発明の第16実施形態に係る遊技システムPS300は、上述した第15実施形態と遊技システムと組み合わせて新たな変形例を構築することができる。
例えば、図204(A)に示す遊技システムPS230では、遊技用装置7301がパチンコ機6001aからの音声(赤外線受光部で受光した光による音声)と、ホールコンピュータ6186aからの音声(無線LANによって受信した音声)を合成し、合成後の音声を有線音響装置8001等に出力する。
ここで、この遊技店のホールコンピュータ6186aが、本実施形態のホールコンピュータ9100のように、遊技を開始する際に、記憶媒体(スマートフォン9900や会員カード9920)に記憶されているグローバル会員IDを取得可能で、かつ、グローバル会員管理システムの会員管理サーバ9700にアクセス可能であるとすると、その遊技者が他の遊技店に移動したとしても、その遊技店のホールコンピュータ6186aが、会員管理サーバ9700からグローバル会員IDを取得し、(遊技店を横断して)同じ遊技者であることを把握することができる。
そこで、ホールコンピュータ6186aは、提供する音声を、同じ遊技者であることを前提として調整することができる。例えば、遊技店における広告や案内の放送を、その前に遊技していた遊技店の広告・案内等と共通、または関連するもの、あるいは、その遊技者の遊技傾向(例えば、遊技する遊技店の場所の傾向、遊技頻度、出玉状況等)に合わせたものとするよう制御したり、遊技店のBGMを、その前に遊技していた遊技店のBGMと同じジャンル、または関連するジャンルとすることができる。
また、会員管理サーバ9700は、グローバル会員IDに対応付けて、そのユーザに関する情報(例えば、ユーザの氏名や住所を含む個人情報や関係する遊技店の情報)を有しているので(グローバル会員情報テーブル9751)、こうした情報に基づいて、関連する音声を取得・生成し、遊技用装置7301に送信するよう構成することもできる。
また、図204(B)に示す遊技システムPS240では、カードユニット6700aがパチンコ機6601aからの音声(赤外線受光部で受光した光による音声)と、ホールコンピュータ6186bからの音声(LANによって受信した音声)を合成し、合成後の音声を有線音響装置8001等に出力する。
ここでも、この遊技店のホールコンピュータ6186bが、本実施形態のホールコンピュータ9100のように、遊技を開始する際に、記憶媒体(スマートフォン9900や会員カード9920)に記憶されているグローバル会員IDを取得可能で、かつ、グローバル会員管理システムの会員管理サーバ9700にアクセス可能であるとすると、その遊技者が他の遊技店に移動したとしても、その遊技店のホールコンピュータ6186bが、会員管理サーバ9700からグローバル会員IDを取得し、(遊技店を横断して)同じ遊技者であることを把握することができるため、図204(A)の場合と同様に、ホールコンピュータ6186bは、提供する音声を、同じ遊技者であることを前提として調整することができる。
また、会員管理サーバ9700は、グローバル会員IDに対応付けて、そのユーザに関する情報(例えば、ユーザの氏名や住所を含む個人情報や関係する遊技店の情報)を有しているので(グローバル会員情報テーブル9751)、こうした情報に基づいて、関連する音声を取得・生成し、カードユニット6700aに送信するよう構成することもできる。
さらに、図208に示す遊技システムPS250では、遊技用装置7301aがパチンコ機6001aからの音声(赤外線受光部で受光した光による音声)を受信して、無線通信によって、遊技者のスマートフォン5801に送信する。スマートフォン5801のアプリ5802は、遊技用装置7301aから受信した音声と、ホールコンピュータ6186cからの受信した音声(無線LANによって受信した音声)を合成し、合成後の音声を、スマートフォン5801に接続された無線音響装置8002に出力する。
ここでも、この遊技店のホールコンピュータ6186cが、本実施形態のホールコンピュータ9100のように、遊技を開始する際に、記憶媒体(スマートフォン9900(スマートフォン5801)や会員カード9920)に記憶されているグローバル会員IDを取得可能で、かつ、グローバル会員管理システムの会員管理サーバ9700にアクセス可能であるとすると、その遊技者が他の遊技店に移動したとしても、その遊技店のホールコンピュータ6186cが、会員管理サーバ9700からグローバル会員IDを取得し、(遊技店を横断して)同じ遊技者であることを把握することができるため、図204(A)の場合と同様に、ホールコンピュータ6186cは、提供する音声を、同じ遊技者であることを前提として調整することができる。
また、会員管理サーバ9700は、グローバル会員IDに対応付けて、そのユーザに関する情報(例えば、ユーザの氏名や住所を含む個人情報や関係する遊技店の情報)を有しているので(グローバル会員情報テーブル9751)、こうした情報に基づいて、関連する音声を取得・生成し、遊技用装置7301aに送信するよう構成することもできる。
[封入式遊技機(メダルレス遊技機)でのビジターカード発行抑止]
従来のパチスロ機では、1回の遊技を行うのに、必ずメダル3枚を必要とする機種があり、残りメダルが1枚や2枚の場合、再度メダルの貸し出しを受ける以外は、新たな遊技を諦めるほかないという状況が生じる。このような機種は、メダルレスでの遊技を可能とするメダルレス遊技機においても存在する。また、メダルレス遊技機では、保持メダル数が遊技メダル数表示装置に保存され、計数ボタンを押すと、遊技メダル数表示装置に保存されているメダルが、専用ユニットにデータ転送され、例えば、計数ボタンの短押しでは1枚ずつ、長押しでは50枚ずつ転送される。
従来のパチスロ機、すなわち、実際にメダルがメダル排出用トレーに排出される遊技機に関し、上述の遊技機9010a、サンド装置9020aを例として説明すると、ビジターであり、当日利用可能なビジターカードを持っていない遊技者は、最初に、サンド装置9020aの紙幣挿入口9033に紙幣を投入すると、その紙幣の額に応じて残高データが遊技機9010aの所定表示部に表示される。例えば、10000円札を投入すると、「100」の度数が表示される。
ここで、サンド装置9020aの「貸出」の操作ボタン9034bを操作すると、貸出レート=20円(スロット)の場合、1000円分、すなわち50枚のメダルがメダル払出用トレー9037に排出され、残高データの表示が「90」の度数に更新される。
この後、貸し出されたメダルを使い切って、サンド装置9020aの「返却」の操作ボタン9034bを操作すると、残高データ「90」(9000円分)を記憶した、新たなビジターカードがサンド装置9020aのカード挿入口9032から排出される。また、残高データの「90」の度数をすべて使い切った場合は、「返却」の操作ボタン9034bを操作してもビジターカードは排出されない。
また、遊技機9010aでメダルを獲得した場合、遊技者は、クレジットにメダルが残っていれば精算ボタンでそのメダルをメダル払出用トレー9012に払い出し、その後、メダル払出用トレー9012のメダルをメダル計数用投入口9039に投入し、「計数開始」の操作ボタン9034bを操作した後、計数が終了した場合に、「計数停止」の操作ボタン9034bを操作する。その後、「返却」の操作ボタン9034bを操作すると、計数されたメダル数が持メダル数として記憶されたビジターカードがサンド装置9020aのカード挿入口9032から排出される。また、残高データと持メダル数がともに0である場合は、「返却」の操作ボタン9034bを操作してもビジターカードは排出されない。
従来の遊技機9010aでは、このような流れでビジターカードが利用されており、もう遊技を行わないことにしたビジターは、3枚未満のメダルでは遊技ができない遊技機9010で遊技をしていた場合、そのメダルをクレジットに残したまま、またはメダル払出用トレー9012に残したままにすることが多い。ビジターにとっては、もう遊技をしないのに、1枚または2枚のメダルを精算ボタンでメダル払出用トレー9012に払い出し、そのメダルをサンド装置9020aのメダル計数用投入口9039に投入し、その後、「計数開始」の操作ボタン9034b、「計数停止」の操作ボタン9034b、「返却」の操作ボタン9034bを操作して新たなビジターカードを発行することに意味はないからである(もちろん、ビジターカードに記憶された持メダルは当日しか使えない)。
一方、3枚未満のメダルでは遊技ができないメダルレス遊技機では、もう遊技を行わないことにしたビジターが、メダルレス遊技機で遊技をした結果、1枚、または2枚のメダルがクレジットに残された状態になった場合、この枚数がクレジットカウンターに表示され、このときに、メダルレス遊技機で計数ボタンを操作すると、1枚、または2枚のメダルがクレジットから専用ユニットに移され、そこで、専用ユニットの返却ボタンを操作すると、この時点で残高データがなくても、1枚、または2枚の持メダルを記憶したビジターカードが発行され、排出される。
しかしながら、このような1枚、または2枚の当日限り有効である持メダルを記憶したビジターカードは、もう遊技をしないことにしたビジターには意味がなく、返却ボタンを操作する動機は基本的にはない。しかしながら、最後に、遊技機9010aのクレジットカウンターや専用ユニットに残った持メダルをクリアしておこうとするビジターも一定数存在するものと予想される。この点、従来の遊技機9010aでは、そのままメダルをメダル払出用トレー9012に放置しておくことができ、その場合は、サンド装置9020aや遊技機9010に中途半端なデータは残っておらず、また、次の遊技者が使う分には迷惑ではないであろう考えるため、遊技者が無理にビジターカードを発行する動機は、メダルレス遊技機より小さい。
そうすると、メダルレス遊技機では、全く使われないことが明らかなビジターカードがより多く発行される可能性があり、かつ、それらのビジターカードが未使用のまま廃棄されることになる。このような状況は、無駄なビジターカード(ICカード)の発行費用を負担することになり、遊技店としては好ましい状況ではない。
そこで、本実施形態では、ビジターカードが不用意に発行されないように、専用ユニットにビジターカード(ICカード)が読み込まれておらず、3枚未満のメダルでは遊技ができないメダルレス遊技機においてクレジットカウンターに1枚、または2枚のメダルが存在する場合は、メダルレス遊技機の精算ボタンを操作しても、そのメダル数が専用ユニットに移動しないように制御する。
なお、このような構成は、基本的には、メダルレス遊技機(遊技機9010a)と専用ユニットが協働して実現するものであるが、メダルレス遊技機で精算ボタンの機能を制限するように制御してもよいし、専用ユニット側で、ビジターカードが発行されうる状況で(ICカードが読み込まれていない状況で)1枚、または2枚のメダルを受け付けないように制御してもよい。
上述したメダルレス遊技機と専用ユニットの構成により、または上述したメダルレス遊技機、及び専用ユニットのいずれかの構成により、無駄なビジターカードの発行が抑止され、結果として、ICカードで構成されるビジターカードの発行に係る費用を低減することができる。
ここまで、図210~図236を参照して、第16実施形態に係る遊技システムとその変形例について説明してきたが、各装置の構成は例示に過ぎず、他の様々な構成によって、本願の技術的思想を具現化することができる。また、ここまで説明してきた第16実施形態に係る各装置(変形例含む)を適宜組合せて新たな遊技システムを構築することが可能である。またさらに、第16実施形態に係る遊技システムとその変形例を、上述した第1実施形態~第15実施形態に適宜適用させることができる。
以下、上述した第16実施形態に係る遊技システムにおける構成、及びその構成の効果について付記する。
<付記B-1>
従来、パチンコ遊技機などの遊技機においては、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた通過領域を遊技球が通過したことなど、所定の可変表示開始条件の成立により、画像表示装置の表示領域上に識別情報としての図柄を変動表示する制御が実行されて、変動表示された図柄を導出表示する制御が実行され、導出表示された図柄が所定の組合せ(特定の表示態様)となった場合に、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行するようにしたものが提供されている。
このような遊技機により遊技を行う遊技店においては、遊技者を管理するとともに所定のサービスを提供するために、氏名や住所等の個人情報を受け付けて会員登録を行い、それぞれの会員に会員カードを発行する。
例えば、特開2018-68653号公報に示すような管理システムでは、当該システムのユーザが会員登録を行うことによって、ホール会員情報テーブルに、各ユーザの個人情報(例えば、氏名、住所、メールアドレス等)が記憶される。
しかしながら、特許文献1のような管理システムを含む既存の遊技システムでは、ユーザの会員登録は遊技店ごとに独立して行われるため、ユーザは、遊技を行おうとする遊技店ごとに、氏名や住所等の会員情報を登録する必要があり、これに対応して、遊技店のスタッフも、会員登録の手続きをそれぞれ行う必要があり各種情報を適切に取り扱う必要がある。
また、ユーザは、会員登録を行う場合、その遊技店に出向き、遊技店のスタッフに対して所定の手続きを行う必要があり各種情報を適切に取り扱う必要がある。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、各種情報を適切に取り扱うことが可能な遊技システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技機を提供する。
(B-1-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
ユーザに関する情報(例えば、ユーザの氏名や住所を含む個人情報や関係する遊技店の情報)を記憶するユーザ情報サーバ(例えば、会員管理サーバ9700)と、
遊技店装置(例えば、ホールコンピュータ9100、サンド装置9020、POS端末9500、ホール端末9600等を含む、遊技店に配置されている装置)とを有し、
所定の遊技店のそれぞれにおいて、前記遊技店装置は、前記ユーザに関する情報を利用可能である(例えば、ユーザが遊技店で会員登録手続きを行う場合や、遊技を開始しようとする場合に、以前の会員登録手続きにより登録されたユーザに関する情報を参照することができる)ように制御されることを特徴とする遊技システム(例えば、遊技システムPS300)。
このような本発明の構成によれば、各種情報を適切に取り扱うことが可能となり、ユーザが会員登録を1回行えば、遊技店のそれぞれで、そのユーザの会員情報が共有されるので、ユーザは、1回の会員登録手続きによって複数の遊技店で会員として遊技を行うことができ、各遊技店での2回目以降の会員登録手続きを極めて簡便に済ませることができ、結果的にユーザや遊技店のスタッフの負担が軽減される。また、ユーザにおける2回目以降の会員登録手続きが簡便なため、ユーザの2件目以降の遊技店での会員登録が効果的に促進される。
(B-1-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
ユーザに関する情報を記憶するユーザ情報サーバと、
遊技店装置とを有し、
前記ユーザに関する情報が、遊技店での手続き(例えば、ユーザが遊技店に赴き、ユーザのスマートフォン9900等を利用して会員管理サーバ9700にユーザに関する情報を記憶させる手続き)を経ることなく前記ユーザ情報サーバに記憶された場合に(例えば、ユーザのスマートフォン9900やPC等を利用した会員登録手続きで、ネットワークを経由して会員管理サーバ9700にユーザに関する情報を記憶した場合に)、所定の少なくとも一の遊技店において、前記遊技店装置が、当該ユーザに関する情報を利用可能であるように制御されることを特徴とする遊技システム。
このような本発明の構成によれば、各種情報を適切に取り扱うことが可能となり、ユーザに関する情報が、遊技店での会員登録手続きを経由せずに登録されるので、ユーザはわざわざ遊技店に赴く必要がなく、かつ非対面で会員登録手続きを行うことが可能である。そして、非対面での会員登録手続きを行うことができるために、会員登録が効果的に促進される。
また、ユーザが会員登録を1回行えば、遊技店のそれぞれで、そのユーザの会員情報が共有されるので、ユーザは、遊技店での1回目以降の会員登録手続きを極めて簡便に済ませることができ、結果的にユーザや遊技店のスタッフの負担が軽減される。特に、どの遊技店において、遊技店のスタッフの負担は軽減される。また、ユーザにおける1回目以降の会員登録手続きが簡便なため、ユーザの1件目以降の遊技店での会員登録が効果的に促進される。
(B-1-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
ユーザに関する情報を記憶するユーザ情報サーバと、
遊技店装置とを有し、
前記ユーザに関する情報が、一の遊技店での手続き(例えば、ユーザが遊技店に赴き、ユーザのスマートフォン9900等を利用して会員管理サーバ9700にユーザに関する情報を記憶させる手続きや、ネットワークを経由して所定の遊技店のホールコンピュータ9100にアクセスし、ユーザに関する情報を記憶させる手続き)を経て前記ユーザ情報サーバに記憶された場合に、他の所定の遊技店において、前記遊技店装置が、当該ユーザに関する情報を利用可能であるように制御されることを特徴とする遊技システム。
このような本発明の構成によれば、各種情報を適切に取り扱うことが可能となり、ユーザが会員登録を1回行えば、遊技店のそれぞれで、そのユーザの会員情報が共有されるので、ユーザは、1回の会員登録手続きによって複数の遊技店で会員として遊技を行うことができ、各遊技店での2回目以降の会員登録手続きを極めて簡便に済ませることができ、結果的にユーザや遊技店のスタッフの負担が軽減される。また、ユーザにおける2回目以降の会員登録手続きが簡便なため、ユーザの2件目以降の遊技店での会員登録が効果的に促進される。
(B-1-4)本発明の第4の実施態様に係る発明は、第1ないし第3のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記遊技店装置は、前記ユーザが所有可能な記憶媒体(例えば、スマートフォン9900や会員カード9920)から読み取られた、前記ユーザを特定可能なユーザ特定情報(例えば、グローバル会員IDや、スマートフォン9900等の記憶媒体をユニークに識別可能な記憶媒体識別子)に基づいて、前記ユーザ情報サーバに記憶されている前記ユーザに関する情報が利用可能となるように制御されるよう構成される。
このような本発明の構成によれば、各種情報を適切に取り扱うことが可能となり、ユーザが会員登録を1回行えば、遊技店のそれぞれで、そのユーザの会員情報が共有されるので、ユーザは、1回の会員登録手続きによって複数の遊技店で会員として遊技を行うことができ、各遊技店での2回目以降の会員登録手続きを極めて簡便に済ませることができ、結果的にユーザや遊技店のスタッフの負担が軽減される。また、ユーザによる初回の会員登録で採番されたグローバル会員IDに関連付けて、各遊技店のホール会員IDが記憶されるので、どの遊技店でも、グローバル会員IDを取得するだけで、そのユーザのホール会員IDを容易に把握することができる。
また、スマートフォン9900や会員カード9920といった1つの記憶媒体にグローバル会員ID等を記憶しておくだけでよいので、会員カードが1本化され、ユーザの管理が容易になり、その結果、ユーザの2件目以降の遊技店での会員登録が効果的に促進される。
また、スマートフォン9900の普及が進んでいることから、ICカードである会員カード9920の発行枚数が抑えられ、遊技店としては、会員用のICカードの発行費用を抑えることができる。
(B-1-5)本発明の第5の実施態様に係る発明は、第4の実施態様において下記の構成を有する。
前記遊技店装置は、前記ユーザ特定情報に基づいて、前記ユーザ特定情報に対応するユーザの貯玉情報(例えば、グローバル会員IDやスマートフォン9900等のユーザ特定情報に基づいて、対応する遊技店のホール会員IDを取得し、そのホール会員IDに基づいて、遊技店のホールコンピュータで記憶されるそのユーザの貯玉数/貯メダル数)が利用可能となるように制御されるよう構成される。
このような本発明の構成によれば、各種情報を適切に取り扱うことが可能となり、ユーザが会員登録を1回行えば、遊技店のそれぞれで、そのユーザの会員情報が共有されるので、ユーザは、1回の会員登録手続きによって複数の遊技店で会員として遊技を行うことができ、各遊技店での2回目以降の会員登録手続きを極めて簡便に済ませることができ、結果的にユーザや遊技店のスタッフの負担が軽減される。また、ユーザによる初回の会員登録で採番されたグローバル会員IDに関連付けて、各遊技店のホール会員IDが記憶されるので、どの遊技店でも、グローバル会員IDを取得するだけで、そのユーザのホール会員IDを把握することができ、その結果、ホール会員IDに対応付けて遊技店で記憶されている当該ユーザの貯玉情報を容易に取得することができる。
(B-1-6)本発明の第6の実施態様に係る発明は、第4の実施態様において下記の構成を有する。
前記遊技店装置(例えば、ホールコンピュータ9100)は、前記ユーザ特定情報に基づいて、前記ユーザ特定情報に対応する、複数の遊技店におけるユーザの貯玉情報を更新可能となるように(例えば、2つの遊技店における同一ユーザまたは異なるユーザ間で、貯玉の移動を可能とするよう)制御されるよう構成される。
このような本発明の構成によれば、各種情報を適切に取り扱うことが可能となり、ユーザが会員登録を1回行えば、遊技店のそれぞれで、そのユーザの会員情報が共有されるので、ユーザは、1回の会員登録手続きによって複数の遊技店で会員として遊技を行うことができ、各遊技店での2回目以降の会員登録手続きを極めて簡便に済ませることができ、結果的にユーザや遊技店のスタッフの負担が軽減される。また、ユーザによる初回の会員登録で採番されたグローバル会員IDに関連付けて、各遊技店のホール会員IDが記憶されるので、どの遊技店でも、グローバル会員IDを取得するだけで、そのユーザのホール会員IDを把握することができ、その結果、ホール会員IDに対応付けてそれぞれの遊技店で記憶されているユーザの貯玉情報を容易に取得することができ、同一ユーザ間、または異なるユーザ間での貯玉/貯メダルのやり取りを容易に実現することができる。
(B-1-7)本発明の第7の実施態様に係る発明は、第4の実施態様において下記の構成を有する。
前記遊技店装置(例えば、ホールコンピュータ9100)は、前記ユーザ特定情報に基づいて、前記ユーザ特定情報に対応する音声を決定し、複数の遊技店において横断的に同一ユーザに対して前記決定された音声を提供する(例えば、遊技店Aにおいてホールコンピュータからユーザに提供されている音声に関係する音声を、遊技店Bに移動した同一ユーザに対しても提供する)よう制御され、
さらに、前記決定された音声は、遊技店の遊技機から送信される情報(例えば、遊技機の演出に係る音声等に対応する光の情報)に基づいて生成される音声と合成され、前記同一ユーザに対して提供されるよう構成される。
このような本発明の構成によれば、各種情報を適切に取り扱うことが可能となり、ユーザが会員登録を1回行えば、遊技店のそれぞれで、そのユーザの会員情報が共有されるので、ユーザは、1回の会員登録手続きによって複数の遊技店で会員として遊技を行うことができ、各遊技店での2回目以降の会員登録手続きを極めて簡便に済ませることができ、結果的にユーザや遊技店のスタッフの負担が軽減される。また、ユーザによる初回の会員登録で採番されたグローバル会員IDに関連付けて、各遊技店のホール会員IDが記憶されるので、どの遊技店でも、グローバル会員IDを取得するだけで、そのユーザのホール会員IDを把握することができ、その結果、各遊技店のホールコンピュータを連携して、ユーザがどの遊技店にいても、そのユーザに関連する音声を提供し続けることができる。
本発明によれば、各種情報を適切に取り扱うことが可能な遊技システムが提供される。また、本発明の遊技システムでは、ユーザが会員登録を1回行えば、遊技店のそれぞれで、そのユーザの会員情報が共有されるので、ユーザは、1回の会員登録手続きによって複数の遊技店で会員として遊技を行うことができ、各遊技店での2回目以降の会員登録手続きを極めて簡便に済ませることができ、結果的にユーザや遊技店のスタッフの負担が軽減される。
また、本発明によれば、遊技店に赴くことなく会員登録手続きを行うことができるため、ユーザは、遊技店での会員登録手続きを極めて簡便に済ませることができ、結果的にユーザや遊技店のスタッフの負担が軽減される。また、この場合、非対面で(遊技店のスタッフと対面することなく)会員登録手続きを行うことができ、そのために、会員登録への誘導が効果的に行われうる。
またさらに、本発明によれば、ユーザが所有可能な携帯端末やICカード等の記憶媒体が、共通の会員カードとして利用されるため、ユーザにとっては、複数の遊技店の会員カードを1箇所にまとめられるため管理が容易であり、一方で、遊技店にとっては、携帯端末の普及により、携帯端末の利用が増加していることから、ICカードの発行費用をセーブすることができ、また、ICカードを発行する場合であっても、その発行枚数を全体として減らすことができる。
<第17実施形態>
次に、本発明の第17実施形態に係る遊技システムPS400の構成について、図237ないし図252を参照して説明する。
本願の遊技システムPS400は、図237に示すように、遊技店に配置される遊技機10010に個々に接続される専用ユニット10020、及びグローバル会員管理システムの会員管理サーバ10700を少なくとも含むように構成される。なお、遊技システムPS400では、基本的に、複数の遊技店にそれぞれ配置される遊技機10010に接続されている専用ユニット10020が含まれる。
遊技機10010は、本実施形態では、例えばパチンコ機やパチスロ機であり、ここでは、第2実施形態等に記載されているような、封入式パチンコ機(すなわち、主制御回路自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、封入された遊技球を循環させて行う遊技を可能とする遊技機)や、封入式パチスロ機(すなわち、主制御回路自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、メダルレスでの遊技を可能とするメダルレス遊技機)である。
なお、封入式パチスロ機に関しては、「遊技媒体」を物理的形状を有するものとすると、それ自体存在していないことになるが、本実施形態では、上記のように、電磁的に管理する対象のものであっても「遊技媒体」と表現することとし、例えば、遊技媒体を貸し出して封入式パチスロ機に提供するといった表現は、遊技媒体の価値に対応するデータを、封入式パチスロ機に送信し、封入式パチスロ機は、受信したデータの価値に基づいて遊技を行うように制御することを表すものとする。また逆に、封入式パチスロ機で獲得した遊技媒体の価値に対応するデータは、封入式パチスロ機の清算(計数)ボタン等によって、専用ユニット10020に送信され、専用ユニット10020において、受信したデータの価値に応じた数量の遊技媒体として扱われる。
また、各遊技店には、ホールコンピュータ10130がそれぞれ配置され、このホールコンピュータ10130は、ホール会員の情報等を記憶するためのホールDB10150を有し、会員管理サーバ10700は、グローバル会員の情報等を記憶するための会員管理DB10750を有している。
各遊技店に配置されたホールコンピュータ10130には、専用ユニット10020が接続され、専用ユニット10020を介して、対応する遊技機10010の情報がホールコンピュータ10130に送信される。また、ホールコンピュータ10130には、第16実施形態と同様に、それぞれの遊技店に配置されるPOS端末10500、及びホール端末10600等が接続される。
本願の遊技システムPS400では、第16実施形態で示したように、ユーザ(個人)がグローバル会員への会員登録を行う。このような、グローバル会員への会員登録手続きによって、当該ユーザが所有可能なスマートフォン10900や会員カード10920に記憶されるグローバル会員ID(または、記憶媒体識別子)が会員管理DB10750に記憶され、そこで、ユーザに関する情報等と、そのグローバル会員ID等が関連付けられる。また、ホールコンピュータ10130のホールDB10150には、第16実施形態と同様にホール会員情報テーブル(不図示)が記憶され、ここには、遊技店で採番したホール会員IDのその会員に関する情報等が記憶され、グローバル会員IDとホール会員ID及び遊技店IDとの対応付けは、これも第16実施形態と同様に、ID対応テーブル10752(不図示)に記憶されている。
なお、本実施形態において、「会員カード」または「会員カード10920」と表記した場合は、複数の遊技店において使用することが可能な、グローバル会員管理システムにより管理される会員カードを指し、個々の遊技店が独自に発行する会員カードとは異なるものである。
なお、本実施形態では、「ユーザ」としては、本実施形態の遊技システムPS400の利用者(個人)が含まれ、このユーザ(個人)は、遊技店において、遊技機10010による遊技を行う前であって遊技者とは呼べない者や、遊技店に赴くことなく会員登録だけを済ませた者をも含む概念である。また、例えば、専用ユニットのテストモードやメンテナンスモードを使用した際に、遊技媒体が、遊技者ではないユーザによって遊技機に貸し出される可能性があるため、上記の遊技者や遊技前の者以外の、管理者や検査員なども「ユーザ」に含まれうる。
また、本実施形態では、上記のように複数の遊技店において、スマートフォン10900や会員カード10920等に記憶されたグローバル会員IDを使用可能であるが、複数の遊技店は、同じ系列店に属している否かを問わない。異なる系列店である複数の遊技店の間で、共通してグローバル会員IDを使用可能とすることができる。
また、本実施形態では、ユーザが(グローバル会員の)会員登録手続きを行った場合に、会員管理サーバ10700の会員管理DB10750に、新たなグローバル会員IDが記憶され、この共通のグローバル会員IDを複数の遊技店で用いることにより、ユーザは、その複数の遊技店で同一のユーザ(グローバル会員)として遊技を行うことができる。ユーザは、会員登録手続きをいずれかの遊技店において1回行えば、他の遊技店での会員登録手続き(2回目以降の会員登録手続き)を極めて簡便に済ませることができる。
また、ユーザは、遊技店での手続きを経ることなく(すなわち、実際に遊技店に赴くことなく)会員登録手続きを行うことも可能であり、この場合、ユーザは、遊技店での会員登録手続き(1回目以降の会員登録手続き)を極めて簡便に済ませることができる。
ユーザが、遊技店での手続きを経ることなく会員登録手続きを行うとは、例えば、スマートフォン10900や自宅のPC(パーソナルコンピュータ)等を用いて、グローバル会員管理システムにアクセスし、予め会員登録手続きを行っておく場合や、スマートフォン10900や自宅のPC等を用いて、遊技店のホールコンピュータ10130や他の関連するコンピュータ(WEBサーバ等)を経由し、グローバル会員管理システムにアクセスし、予め会員登録手続きを行っておく場合などがある。また、会員管理サーバ10700とホールコンピュータ10130は、例えば、インターネット等を含むネットワークを介して接続されている。なお、こうしたグローバル会員の会員登録手続きに係る利便性は、上述した第16実施形態と同様のものである。
ホールコンピュータ10130は、上記のように、ホールDB10150を備えており、ホールDB10150には、遊技店の管理・運営に必要な各種データを格納するテーブルが記憶される。
各遊技店のホールコンピュータ10130は、グローバル会員として会員登録されたユーザの氏名や住所といった個人情報を、遊技店で管理するホール会員IDに対応付けて、ホールDB10150のホール会員情報テーブルに記憶する。また、遊技機10010を利用した遊技を行うユーザに関し、例えば、専用ユニット10020から消費情報や稼働情報を受信することによって把握し、それらのデータをホールDB10150に蓄積・管理する。
ここで、「消費情報」は、ユーザが専用ユニット10020を操作することにより把握される消費行動に関する情報(例えば、所定の決済手段を用いた遊技媒体の貸出に関する情報)だけでなく、ユーザが遊技によって獲得した遊技媒体の数量を貯玉、貯メダル(又は、持玉、持メダル)として管理するための操作についての情報等も含む。
また、「稼働情報」は、遊技機10010における遊技の結果である出玉情報を含む。ここで、出玉情報とは、直接的には、(電磁的に)払い出された遊技媒体数を意味するものであるが、本実施形態では、例えば、払出数からメダルのベット数や遊技球の投入数を減じた差枚数(純増数)等の遊技者に対する特典の付与度合い(例えば、遊技者がどの程度プラスとなったか(遊技店がどの程度マイナスとなったか)、あるいは遊技者がどの程度マイナスとなったか(遊技店がどの程度プラスとなったか等))や、有利状態(例えば、ボーナス状態、AT状態、あるいは一連の有利区間等)の継続度合い、あるいはこれらの組合せによって想定される射幸性の程度等も含む概念である。また、出玉情報には、上記のような性能情報のほか、設置情報、不正・エラー情報等も含まれる。
そのため、ホールコンピュータ10130は、例えば、消費情報を受信することにより、ユーザが遊技機10010に遊技媒体を貸し出した状況(例えば、スマートフォン10900や会員カード10920による遊技媒体の貸出、決済方法等)、ユーザが獲得した遊技媒体の数量、ユーザが獲得した遊技媒体の数量をどのように貯玉、貯メダル(又は、持玉、持メダル)したかを把握することができる。また、稼働情報を受信することにより、遊技機10010それぞれについての出玉情報を管理することができる。さらに、ホールコンピュータ10130は、ユーザが獲得した遊技媒体の価値に応じて、遊技者が希望する景品を交換できるようPOS端末10500等の装置を制御する。
また、ホールコンピュータ10130は、グローバル会員管理システムの会員管理サーバ10700に接続され、グローバル会員の(氏名や住所といった)個人情報を、会員管理サーバ10700から受信したり、会員管理サーバ10700に送信したりする。
ホールコンピュータ10130と会員管理サーバ10700との間の通信は、暗号化されたネットワーク(例えば、VPN(Virtual Private Network))や暗号化データ等を用いて行われる。
専用ユニット10020は、上記のように、ホールコンピュータ10130に接続され、接続されている遊技機10010に関する消費情報や稼働情報をホールコンピュータ10130に送信する。またさらに、専用ユニット10020は、遊技店に配置される管理コンピュータ10200に接続され、この管理コンピュータ10200と所定のネットワーク(例えば、インターネット等を含むネットワーク)を介して、消費情報や稼働情報を、グローバル会員管理システムの会員管理サーバ10700に(例えば、リアルタイムに近いタイミングで)送信する。なお、管理コンピュータ10200と会員管理サーバ10700との間の通信は、暗号化されたネットワーク(例えば、VPN(Virtual Private Network))や暗号化データ等を用いて行われる。
また、専用ユニット10020は、遊技者の操作によって、遊技に必要な遊技価値が遊技機10010に提供され、遊技機10010は、その遊技価値を電磁的に管理する。遊技者は、その遊技価値に基づいて遊技機10010での遊技を実行し、その遊技の結果に基づいて特典が付与される(例えば、遊技価値が付与される)。
なお、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理するのは、遊技機10010の主制御基板に接続される遊技価値管理装置(例えば、枠制御部、またはメダル数制御部)であるが、主制御基板がこの管理を行うように構成してもよい(図236、図238参照)。
POS端末10500は、遊技店のカウンター等に設置され、遊技店のスタッフは、ユーザの景品交換等に対応するために、このPOS端末10500を操作する。例えば、ユーザから提示されたスマートフォン10900や会員カード10920等を非接触カードリーダ等で読み取って、そのスマートフォン10900や会員カード10920等に関連付けられている持玉数/持メダル数・貯玉数/貯メダル数を把握し、対応する価値の景品をユーザに提供する。
このようにして、遊技店では、POS端末10500の機能により、遊技店の店頭景品陳列コーナーに配置されている店頭景品(一般景品)や特殊景品との交換が行われる。
ホール端末10600は、遊技店に配置され、遊技店を利用するユーザや遊技店のスタッフ等により所定操作が可能となっている。
また、本実施形態においては、グローバル会員としての会員登録手続きを行うための装置、またはグローバル会員IDを記憶する記憶媒体として、ユーザが所有可能なスマートフォン10900が示されているが、携帯電話、PDA、フィーチャーフォン、タブレット型端末、モバイルPCといった、他の携帯端末であってもよい。またさらに、グローバル会員IDを記憶する記憶媒体として会員カード10920のようなICカードが示されているが、これも、磁気カード等を含む、様々なタイプの記憶媒体であってもよい。
また、本実施形態において、上述したスマートフォン10900や会員カード10920は、例えば、近距離無線通信規格(NFC:Near Field Communication)に基づく非接触ICチップを備えており、専用ユニット10020やPOS端末10500は、非接触ICカードリーダ等によって、スマートフォン10900や会員カード10920に記憶された情報(例えば、グローバル会員IDや、非接触ICカードの固有ID等を含む)を読み取ることができる。
会員管理サーバ10700では、グローバル会員の氏名や住所といった個人情報を会員管理DB10750に記憶する。また、上記のように、遊技機10010での貸出や遊技結果に基づく遊技情報を、例えば、専用ユニット10020から消費情報や稼働情報を受信することによって把握し、それらのデータを会員管理DB10750に蓄積・管理する。
また、会員管理サーバ10700は、専用ユニット10020を使用してユーザ(グローバル会員)から決済(例えば、遊技媒体の貸出に係る決済)が指示された場合に、当該決済を実行するためのメッセージを、外部の決済サーバ10800に送信する。ユーザは、遊技機10010に遊技媒体の貸出(すなわち、遊技価値の提供)を行う場合に、専用ユニット10020を操作して、キャッシュレス決済を指示し、遊技価値を購入することができる。その場合に、会員管理サーバ10700を中継して、専用ユニット10020と、対応する決済サーバ10800との間で、認証や決済手続のためのデータ送受信が行われる場合がある。
なお、キャッシュレス決済では、様々なパターンがあり、認証や決済手続のためのデータ送受信が、上記のコンピュータ間で行われるとは限らない。ここでは、あくまでもキャッシュレス決済に係るデータ送受信の一例を示したにすぎない。
また、会員管理サーバ10700は、外部の遊技機情報サーバ10810に、各遊技機に関する所定の稼働情報を送信する。こうした情報の送信は、第16実施形態において、図236に関連して説明した、センタコンピュータから遊技機情報センターへの送信に対応する。すなわち、図236のセンタコンピュータ、遊技機情報センターはそれぞれ、図237の会員管理サーバ10700、遊技機情報サーバ10810に対応する。また、図236の説明において、センタコンピュータから遊技機情報センターに送信される遊技情報は、本実施形態の稼働情報に相当し、封入式パチンコ機の場合は、例えば、総発射遊技球数、総獲得遊技球数、出玉率、役物比率、大当り回数等を含み、封入式パチスロ機の場合は、例えば、総投入枚数、総払出枚数、役物総払出枚数、遊技回数等と、総累計での役物比率、連続役物比率、有利区間比率等を含む。
またさらに、会員管理サーバ10700は、グローバル会員の貯玉を補償するために、貯玉補償基金に加入している遊技店については、グローバル会員の個人情報を貯玉情報を、貯玉補償基金の貯玉情報サーバ10820に送信する。こうした情報の送信は、第16実施形態において、図236に関して説明した、センタコンピュータから貯玉補償基金への送信に対応する。すなわち、図236のセンタコンピュータ、貯玉補償基金はそれぞれ、図237の会員管理サーバ10700、貯玉情報サーバ10820に対応する。会員管理サーバ10700から貯玉情報サーバ10820に送信される情報は、例えば、グローバル会員の個人情報(氏名、住所等)、及び貯玉情報であり、貯玉情報は、会員管理サーバ10700が、専用ユニット10020から受信した消費情報に基づくものである。例えば、遊技店が経営破綻等により貯玉/貯メダルの払い戻しができなくなった場合に、貯玉補償基金から、ユーザ宛に、貯玉情報に基づいた価値について補償を受ける方法等が通知される。
なお、図237に示す遊技システムPS400の構成は例示にすぎず、他の様々な構成によって同様のシステムを構築することができる。例えば、ホールコンピュータ10130や会員管理サーバ10700を、機能等に応じて複数のコンピュータに分割することができる。また、ホールコンピュータ10130や会員管理サーバ10700がそれぞれ、他のコンピュータと協働して、所定の情報を送信、または受信するように構成されうる。また、専用ユニット10020は、管理コンピュータ10200を介することなく、または、他のコンピュータ等を介して、消費情報や稼働情報を、グローバル会員管理システムの会員管理サーバ10700に送信することができる。
また、図237に示した複数の遊技店は、上記のように、系列店でなくてもよく、運営主体が同じ遊技店に限らず、運営主体が必ずしも同じでない遊技店の集合として構成されうる。
[遊技機の構成]
次に、図238を参照して、遊技機10010の構成について説明する。ここで説明する遊技機10010は、封入式パチスロ機(メダルレス遊技機)である。
図238は、主制御基板10011が搭載された遊技機10010の電気的構成を示すブロック図である。
遊技機10010は、図238に示す各種構成を有することで遊技を実行可能に構成されている。なお、専用ユニット10020は、図237に示すように、遊技店の管理コンピュータ10200と、例えばLAN回線によって接続され、管理コンピュータ10200に対してデータを送信可能に構成されている。
また、専用ユニット10020は、遊技球等接続端子板10043を介して、主制御基板10011と双方向通信可能に接続される。専用ユニット10020は、主制御基板10011との間で必要な通信を行うことにより、遊技価値の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技価値のベット操作を行う上で必要な遊技価値を提供する動作)、遊技価値の付与動作(すなわち、遊技価値の付与に係る役に入賞(当該役が成立)した等の場合に遊技者に対して付与に係る遊技価値を提供する動作)、及びこれらの動作によって提供された遊技価値を電磁的に記録する動作等を行う。
また、専用ユニット10020は、外部の管理コンピュータ10200に対し、通信装置を介して、出玉情報を含む稼働情報や、遊技価値の貸出等に係る情報を含む消費情報を送信可能に構成される。
遊技機10010は、主制御基板10011と、副制御基板10012と、ドア中継基板10013と、副中継基板10014とを有する。主制御基板10011とドア中継基板10013、ドア中継基板10013と副中継基板10014、及び副中継基板10014と副制御基板10012は、それぞれ電気的に接続されている。また、主制御基板10011と副制御基板10012は、ドア中継基板10013及び副中継基板10014を介して、主制御基板10011から副制御基板10012に対して一方向のシリアル通信が可能となるように電気的に接続されている。
主制御基板10011は、遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御部)としての主制御部10011aと、遊技価値の管理に関する制御を行う遊技価値管理装置(遊技価値制御部)としてのメダル数制御部10011bとを有する。
ここで、図238では、主制御部10011aと、メダル数制御部10011bとを、同じ主制御基板10011に搭載するものとしているが、これらをそれぞれ別の基板に搭載し(別基板として構成し)、これらが電気的に接続されることで、同様の機能が発揮されるように構成してもよい。
副制御基板10012は、演出に関する制御を行う演出制御基板であり、樹脂製の副制御基板ケース(不図示)内に収容されている。また、ドア中継基板10013は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、各種デバイス等と主制御基板10011との間、及び主制御基板10011と副制御基板10012との間を中継するための中間制御基板である。また、副中継基板10014は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、副中継基板10014に接続された各種デバイス等と副制御基板10012との間等を中継するための中間制御基板である。
また、遊技機10010は、電源基板10015a、及び電源スイッチ10015bを含む電源ユニット10015を有する。
また、遊技機10010は、リールユニット10021と、リセットスイッチ10022と、設定用鍵型スイッチ10023と、精算スイッチ10024とを有しており、これらは主制御部10011aと電気的に接続されている。なお、これらはドア中継基板10013を介して主制御部10011aに接続されるものであってもよい。また、制御が円滑に行われる限り、メダル数制御部10011bに接続されるものであってもよい。
リールユニット10021は、3個のリール3L(左リール),3C(中リール),3R(右リール)を主体に構成されている。各リール3L,3C,3Rは、例えば、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のリール帯から構成され、リール帯には、複数(例えば、20個)の図柄がリールの回転方向に沿って所定の間隔を空けて描かれている。また、各リール3L,3C,3Rは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。また、リセットスイッチ10022は、遊技店側の管理者によるリセット操作を検出可能としている。リセット操作は、各種のエラー状態を解除するための操作である。また、設定用鍵型スイッチ10023は、遊技機10010の設定値(例えば、6段階の設定1~設定6)を変更するとき(設定変更)、もしくは、遊技機10010の設定を確認するとき(設定確認)に使用される。また、精算スイッチ10024は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための精算操作を受け付ける精算ボタン(不図示)の押下を検出する。
もっとも、遊技機10010はメダルレス遊技機として構成されているので、精算スイッチ10024により対応する精算ボタン(不図示)が押下されたことが検出された際には、クレジットされているメダル数を表すデータが、遊技球等接続端子板10043を介して専用ユニット10020に送信される(クレジット精算が行われる)。
また、遊技機10010は、スタートスイッチ10031と、返却スイッチ10032と、1BETスイッチ10033と、MAXBETスイッチ10034と、ストップスイッチ基板10035と、ドア開閉スイッチ10036と、遊技情報表示ユニット10037とを有しており、これらはドア中継基板10013を介して主制御部10011aと電気的に接続されている。なお、これらはドア中継基板10013を介することなく主制御部10011aに直接接続されるものであってもよい。また、制御が円滑に行われる限り、メダル数制御部10011bに接続されるものであってもよい。
スタートスイッチ10031は、遊技を開始するためのスタートレバー等の操作を検出する。また、1BETスイッチ10033は、1ベットボタンの押下を検出し、また、MAXBETスイッチ10034は、MAXベットボタンの押下を検出する。また、ストップスイッチ基板10035は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための各ストップボタン8L,8C,8Rの停止操作を検出する。また、ドア開閉スイッチ10036は、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられ、下ドア機構DDが開放状態となったときにオン状態となり、閉鎖状態となったときにオフ状態となることで、下ドア機構DDの開閉を監視する。
ここで、返却スイッチ10032及びこれに対応する返却ボタン(不図示)は、遊技者の返却操作を検出可能な返却操作検出部(手段)として構成され、返却スイッチ10032により対応する返却ボタンが押下されたことが検出された際には、ベットされたメダル数がクレジットに返却される(ベット精算が行われる)。
また、遊技機10010は、メダル数表示ユニット10041と、メダル貸操作基板10042a、貸出スイッチ10042b、及び返却スイッチ10042cを含むメダル貸表示ユニット10042と、遊技球等接続端子板10043と、メダル数クリアスイッチ10044とを有しており、これらはメダル数制御部10011bと電気的に接続されている。なお、これらはドア中継基板10013を介してメダル数制御部10011bに接続されるものであってもよい。また、制御が円滑に行われる限り、主制御部10011aに接続されるものであってもよい。
遊技球等接続端子板10043は、稼働情報(例えば、メダル投入信号、メダル払出信号、外部信号1~4、及びセキュリティ信号等の信号)等を外部に出力する。なお、遊技球等接続端子板10043には、専用ユニット10020とメダル数制御部10011bとを接続するための接続機構部(不図示)が実装される。
メダル数クリアスイッチ10044は、遊技機10010内にクレジットされたメダル数を遊技店側の管理者がクリアする(初期化する)際に、当該初期化操作(例えば、押下操作)を検出可能なスイッチであり、メダル数クリアスイッチ10044に対して押下操作が行われると、検出信号(メダル数クリア信号)をメダル数制御部10011bに出力する。この場合、メダル数制御部10011bは、当該メダル数クリア信号に基づいて、メダル数表示ユニット10041に設けられたクレジット表示用の5桁の7セグLEDの表示が「00000」(クレジット数=0)となるように、メダル数表示ユニット10041を制御する。
また、遊技機10010は、表示装置10051を有しており、これは副制御基板10012と電気的に接続されている。なお、表示装置10051は副中継基板10014を介して副制御基板10012に接続されるものであってもよい。ここで、表示装置10051は、演出画像等を表示するメイン表示装置やサブ表示装置である。
また、遊技機10010は、スピーカ群10052と、LEDドライブ基板10053と、演出スイッチ10054と、操作スイッチ10055とを有しており、これらは副中継基板10014を介して副制御基板10012と電気的に接続されている。なお、これらは副中継基板10014を介することなく副制御基板10012に直接接続されるものであってもよい。
スピーカ群10052は、効果音やBGM等の音声を出力するスピーカである。また、LEDドライブ基板10053は、各LED基板10056の駆動回路が実装された基板であり、各LED基板10056は、演出等に係る光を出力するランプ・LED群である。また、演出スイッチ10054、及び操作スイッチ10055は、遊技者が演出用に操作する演出用ボタン、操作ボタンの押下を検出する。
上述した遊技情報表示ユニット10037は、各種遊技情報を表示可能に構成され、その表示動作は、主制御部10011a内の主制御用マイクロプロセッサ(主制御回路)により制御される。なお、遊技情報表示ユニット10037は、遊技者が容易に視認できる位置であれば任意の位置に設けることが可能である。例えば、遊技機10010における前面扉の台座部に設けられるようにすればよい。
遊技情報表示ユニット10037には、例えば、遊技媒体の払出数(遊技価値の付与数)の情報を表示するための払出表示部が設けられる。払出表示部は、当該情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための2桁の7セグLEDで構成される。
また、遊技情報表示ユニット10037には、遊技の動作情報を示すランプとして、「START」、「REPLAY」、「1BET」、「2BET」、「3BET」と表記されたベット数表示用のLEDが設けられる。
例えば、遊技媒体のベット数(投入数)が0の状態(全てのラインLEDが消灯状態)において、1ベットボタンが押下されると「1BET」のラインLEDが点灯し、続けて、1ベットボタンが押下されると「1BET」及び「2BET」のラインLEDが点灯し、さらに続けて、1ベットボタンが押下されると「1BET」~「3BET」の全てのラインLEDが点灯するとともに、「START」のラインLEDが点灯する。この際、1ベットボタンが押下される度に、後述のメダル数表示ユニット10041内の5桁の7セグLEDで表示された遊技媒体の貯留数(クレジット数)の値が1減算される。
また、例えば、遊技媒体のベット数(投入数)が0の状態(全てのラインLEDが消灯状態)において、MAXベットボタン6aが押下されると、「1BET」~「3BET」の全てのラインLEDが点灯するとともに、「START」のラインLEDが点灯する。この際、1回のベット操作で、5桁の7セグLEDで表示されている遊技媒体の貯留数(クレジット数)の値は3減算される。
さらに、例えば、前回のゲームでリプレイ役が入賞した場合には、「START」及び「REPLAY」のラインLEDが点灯する。この際、5桁の7セグLEDで表示されている遊技媒体の貯留数(クレジット数)の値は減算されない。
また、遊技情報表示ユニット10037には、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下(例えば、AT状態)において、報知する停止操作の情報を表示するための指示表示部が設けられる。指示表示部は、当該情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための3桁の7セグLEDで構成される。
なお、本実施形態の遊技機10010としては、封入式パチンコ機も考えられるが、ここでは、この遊技機の詳細な構成についての説明を省略する。封入式パチンコ機の主制御基板には、遊技価値管理装置として枠制御部が配置され、この遊技価値管理装置で遊技価値の管理に関する制御を行う。また、主制御基板からは、遊技球等接続端子板を介して専用ユニット10020に、出玉情報を含む稼働情報が送信される。
[専用ユニットの構成]
次に、図239を参照して、本実施形態に係る専用ユニット10020の構成について説明する。図239は、専用ユニット10020の構成を示すブロック図である。
メインCPU(central processing unit)12040は、ROM(read only memory)12041に格納された制御部ログラムを読み出して、メダルの貸出等の処理を実行する。処理に係る各種データは、RAM(random access memory)12042に格納される。
メインCPU12040は、情報カードリーダ/ライタ12022を介して情報カードから読み取った残高データをRAM12042に格納する。また、非接触ICカードリーダ/ライタ12023を介してスマートフォン10900や会員カード10920から読み取った記憶媒体識別子に基づいて、会員管理サーバ10700の会員管理DB10750(残高管理テーブル(不図示))にアクセスし、グローバル会員の残高データを把握する。
メインCPU12040は、ユーザが、操作ユニット12034で「貸出」の操作ボタンを操作した場合、指定した金額分の遊技媒体が遊技機10010に貸し出され、残高データから貸し出された遊技媒体の金額を減算することにより、残高データを更新する。なお、情報カード、スマートフォン10900、会員カード10920に基づいて把握される持玉/持メダルや貯玉/貯メダルから、遊技機10010に遊技媒体を貸し出すことができる。
ユーザが、操作ユニット12034で「返却」の操作ボタンを操作した場合、メインCPU12040は、情報カードリーダ/ライタ12022に挿入されている情報カードをカード挿入口12032(不図示)から排出する。なお、このとき、RAM12042に持玉/持メダルや、残高データが格納されていれば、それらのデータが、当該情報カードに書き込まれる。
また、メインCPU12040は、ユーザが、紙幣識別装置(ビルバリ)12024に紙幣を投入した場合、紙幣識別結果を残高データとしてRAM12042に格納する。メインCPU12040は、ここで、操作ユニット12034で「貸出」のボタンが操作されると、ユーザが指定した金額が残高データよりも小さい場合には、指定された金額分の遊技媒体が遊技機10010に貸し出され、残高データから貸し出された遊技媒体の金額を減算することにより、残高データを更新する。
また、メインCPU12040は、スマートフォン10900や会員カード10920でログインしたユーザが、操作ユニット12034を操作して「決済」のボタンを操作してキャッシュレス決済を指示した場合に、指定された決済金額の決済を行い、決済が正常に終了した場合、例えば、会員管理DB10750の残高管理テーブルにその残高データを加算する。ここで、操作ユニット12034で「貸出」のボタンが操作されると、ユーザが指定した金額が残高データよりも小さい場合には、指定された金額分の遊技媒体が遊技機10010に貸し出され、残高データから貸し出された遊技媒体の金額を減算することにより、残高データを更新する。
また、メインCPU12040は、ユーザが、スマートフォン10900や会員カード10920でログインした時点で所定金額以上の残高データを有する場合、ユーザが、操作ユニット12034を操作して「貸出」のボタンを操作すると、所定金額分の遊技媒体を遊技機10010に貸し出す。その後、残高データから貸し出された遊技媒体分の金額を減算することにより、残高データを更新する(例えば、会員管理DB10750の残高管理テーブルに記憶された残高データを更新する)。
また、メインCPU12040は、遊技機10010で清算(計数)ボタン等が押下され、遊技機10010で管理されていた遊技媒体の数(価値)を表すデータを受信すると、ユーザがグローバル会員として、スマートフォン10900や会員カード10920でログインしている場合は、その遊技媒体の数を持玉/持メダルとして、ホールコンピュータ10130のホールDB10150に記憶する。
また、グローバル会員でもなく、情報カードをカード挿入口12032に挿入してもいない場合は、その遊技媒体の数が持玉/持メダルとしてRAM12042に格納され、返却ボタンを押下した場合に、新たな情報カードに持玉/持メダルとしてその遊技媒体の数が書き込まれ、カード挿入口12032から排出される。
また、メインCPU12040は、ユーザが、持玉/持メダルを有する状態で、操作ユニット12034において「貯玉」のボタンを操作すると、ユーザがグローバル会員として、スマートフォン10900や会員カード10920でログインしている場合は、その遊技媒体の数を貯玉/貯メダルとして、ホールコンピュータ10130のホールDB10150に記憶する。また、この場合、メインCPU12040は、貯玉した遊技媒体の数をグローバル会員ID等の個人情報とともに、会員管理サーバ10700に送信する。
また、メインCPU12040は、ユーザが、持玉/持メダルを有する状態で、操作ユニット12034において「持玉払出」のボタンを操作すると、持玉/持メダルとして記憶されている遊技媒体の数量から指定された数量を、遊技機10010に貸し出すよう制御する。
また、メインCPU12040は、ユーザが、貯玉/貯メダルを有する状態で、操作ユニット12034において「貯玉払出」のボタンを操作すると、貯玉/貯メダルとして記憶されている遊技媒体の数量から指定された数量を、遊技機10010に貸し出すよう制御する。
また、メインCPU12040は、LED部12031の赤外LED12031Bを監視用投光器として用い、赤外LED10031Bからの赤外光をユーザで反射させ、これをカメラ12035において撮像する。メインCPU12040は、カメラ12035において撮像された画像をRAM12042に格納し、この画像に基づいて、ユーザの存在や交代を検出する。この検出処理は常時行われる。ユーザの状態が非検出(離席)状態に変化して、カード挿入口12032から挿入された情報カードが挿入されたままである場合、又は紙幣挿入口12033から挿入された紙幣の金額データに残高がある場合、メインCPU12040は、スピーカ12048を介して、警告音や警告音声を発することにより、離席しようとするユーザに対して注意を喚起することができる。警告音声としては、「カードを忘れています」といった音声が発せられる。
メインCPU12040は、非接触ICカードリーダ/ライタ12023を介してスマートフォン10900や会員カード10920から読み取った記憶媒体識別子に対応する残高データがある場合に、ユーザが操作ユニット12034を操作すると(例えば、「貸出」のボタンの操作)、この操作に対応する指定された金額の遊技媒体が遊技機10010に貸し出され、例えば、会員管理DB10750の残高管理テーブルに記憶された残高データから払い出された遊技媒体分の金額を減算することにより、残高データを更新する。
また、メインCPU12040は、インターフェイス12047を介して、ホールコンピュータ10130との間で通信を行うようになっており、ホールコンピュータ10130は、情報カード(非会員カード)の持玉/持メダルや残高データ、ホール会員の情報を管理する。
また、メインCPU12040は、インターフェイス12047を介して、遊技機10010との間で通信を行い、遊技媒体の貸出や、持玉の移動(遊技機10010で獲得した遊技媒体が清算(計数)された場合に、遊技機10010から専用ユニット10020に戻される)に係るデータ送受信を行う。また、遊技機10010から稼働情報を受信する。
さらに、メインCPU12040は、インターフェイス12047を介して、遊技機10010との間で通信を行い、管理コンピュータ10200との間で通信を行い、遊技機10010から受信した稼働情報や、遊技媒体の貸出、持玉の受領、貯玉、持玉払出、貯玉払出等に係る情報を含む消費情報を、管理コンピュータ10200に送信する。
また、メインCPU12040は、カメラ12035を介してユーザの顔画像を定期的に取り込み、フェイシャルデータとしてRAM12042に記憶する。前回記憶された顔画像と今回記憶された顔画像とを比較し、同一人物でないと判断された場合、メインCPU12040は、ユーザが交代したものと判断し、これに応じた処理を行う。
[スマートフォン等の構成]
本実施形態に係るスマートフォン10900、会員カード10920の構成は、第16実施形態のスマートフォン9900、会員カード9920とそれぞれ同様の構成である。また、ホールコンピュータ10130の構成も、第16実施形態のホールコンピュータ9100と概ね同じであるが、本実施形態では、遊技機10010からの情報も専用ユニット10020を介して受信する点で、第16実施形態のホールコンピュータ9100とは異なる。
[専用ユニットの機能]
次に、図240を参照して、専用ユニット10020の機能概要を説明する。図240は、専用ユニット10020の機能ブロック図である。
専用ユニット10020は、記憶媒体制御部12051、貸出制御部12052、清算制御部12053、持玉管理部12054、貯玉管理部12055、画面入出力制御部12056、データ送受信制御部12057、及びネットワークI/F部12058を含んでいる。なお、図240の例では、専用ユニット10020における主要な機能部、及び本発明に関連する機能部が示されており、それ以外の機能部については表記、及び説明を適宜省略する。
記憶媒体制御部12051は、情報カードがカード挿入口12032に挿入された場合に、その情報カードに記憶されている情報(残高データ、持玉/持メダル数等)を読み取り、その情報をRAM12042に記憶する。また、非接触ICカードリーダ/ライタ12023によってスマートフォン10900や会員カード10920からグローバル会員ID等が読み取られた場合に、そのグローバル会員ID等に対応する情報(残高データ、持玉/持メダル数、貯玉/貯メダル数等)を取得する。また、ユーザが、操作ユニット12034の「返却」の操作ボタンを操作した場合、情報カードがカード挿入口12032に挿入されているときは、カード挿入口12032に挿入されている情報カードを排出し、このときに、RAM12042に記憶されている残高データ等を、情報カードに記憶(更新)する。情報カードが挿入されていない場合は、あらたに情報カードを発行し、RAM12042に記憶されている残高データ等を、情報カードに記憶(更新)する。なお、情報カードの残高データと遊技媒体数がともに0であってビジターカード(非会員カード)である場合、その情報カードは、専用ユニット10020の内部に取り込まれる。
貸出制御部12052は、ユーザが、操作ユニット12034の「貸出」の操作ボタンを操作した場合、情報カードに関しては、RAM12042に記憶されている残高データ等から、遊技媒体を遊技機10010に貸し出すよう制御し、その後、対応するRAM12042の残高データ等を減算する。スマートフォン10900や会員カード10920に関しては、例えば、会員管理DB10750の残高管理テーブルに記憶されている残高データ等を減算する。
清算制御部12053は、ユーザが、遊技機10010において、清算(計数)ボタン等を押下した場合に、遊技機10010で管理されていた遊技媒体の数(価値)を表すデータをその遊技機10010から受信し、それをRAM12042の持玉/持メダル数に反映させる。また、このとき、スマートフォン10900や会員カード10920が読み取られて、グローバル会員としてのログインがされているような場合は、遊技店のホールDB10150に記憶されている持玉/持メダル数の情報を更新する。
持玉管理部12054は、ユーザが、操作ユニット12034の「持玉払出」の操作ボタンを操作した場合、情報カードに関しては、RAM12042の持玉/持メダル数に基づいて、所定数の遊技媒体が、遊技機10010に貸し出されるよう制御する。ユーザは、こうして(電磁的に)貸し出された遊技媒体によって、遊技機10010における遊技が可能となる。また、このとき、スマートフォン10900や会員カード10920が読み取られて、グローバル会員としてのログインがされているような場合は、遊技店のホールDB10150に記憶されている持玉/持メダル数を、貸し出された遊技媒体の数量に応じて減算する。
貯玉管理部12055は、ユーザが、操作ユニット12034の「貯玉払出」の操作ボタンを操作した場合であって、スマートフォン10900や会員カード10920が読み取られて、グローバル会員としてのログインがされているような場合は、遊技店のホールDB10150に記憶されている貯玉/貯メダル数に基づいて、所定数の遊技媒体が、遊技機10010に貸し出されるよう制御する。ユーザは、こうして(電磁的に)貸し出された遊技媒体によって、遊技機10010における遊技が可能となる。また、このとき、遊技店のホールDB10150に記憶されている貯玉/貯メダル数を、貸し出された遊技媒体の数量に応じて減算する。また、貯玉管理部12055は、ユーザが、操作ユニット12034の「貯玉する」の操作ボタンを操作した場合(この場合は、スマートフォン10900や会員カード10920でログインが行われている)、指定された持玉/持メダルの数量に基づいて、遊技店のホールDB10150に記憶されている貯玉/貯メダル数を更新する。貯玉管理部12055はまた、こうした貯玉/貯メダル数の増減にともなって、会員管理DB10750の貯玉管理テーブル10756を更新する。
画面入出力制御部12056は、ユーザが、操作ユニット12034のタッチ操作をした場合に、その操作に基づいた指令をメインCPU12040に送信し、メインCPU12040は、受信した指令に基づいて、専用ユニット10020の各機能部に所定の処理を実行するよう制御する。画面入出力制御部12056は、メインCPU12040の制御に応じて、各機能部の処理結果を操作ユニット12034に表示させるよう制御する。
データ送受信制御部12057は、遊技機10010と接続して、専用ユニット10020と遊技機10010との間で、(電磁的な)遊技媒体の貸出、及び遊技機10010からの遊技媒体の清算に関するデータ等の送受信を行い、さらに、遊技機10010から稼働情報に係るデータを受信する。また、データ送受信制御部12057は、専用ユニット10020での遊技媒体の貸出、遊技機10010からの遊技媒体の清算、持玉/持メダルでの貸出、貯玉/貯メダル、貯玉/貯メダルでの貸出等に係る情報を含む消費情報を、会員管理サーバ10700に送信するために、管理コンピュータ10200に送信する。
また、データ送受信制御部12057は、遊技機から受信した稼働情報を、会員管理サーバ10700に送信するために、管理コンピュータ10200に送信する。また、データ送受信制御部12057は、グローバル会員(ホール会員)の貯玉/貯メダルの追加、及び貯玉/貯メダルの消費(遊技媒体の貸出のための消費)に係る情報をホールコンピュータ10130に送信し、また、持玉/持メダルの加算、及び遊技媒体の貸出のための減算に係る情報をホールコンピュータ10130に送信する。またさらに、遊技機から受信した稼働情報を、必要に応じてホールコンピュータ10130に送信する。
ネットワークI/F(インターフェイス)部12058は、ネットワークに接続して、相手方のコンピュータとデータ送受信を行うよう制御する。またここで、ネットワークは、インターネットや無線ネットワークを含むネットワークとして構成される場合もある(他の装置のネットワークI/F部についても同様であるため、以降のネットワークI/F部については、説明を省略する)。
[会員管理サーバの機能]
次に、図241を参照して、本実施形態に係る会員管理サーバ10700の機能概要を説明する。図241は、会員管理サーバ10700の機能ブロック図である。会員管理サーバ10700は、グローバル会員管理部10711、会員登録制御部10712、アプリ制御部10713、決済管理部10714、稼働情報管理部10715、消費情報管理部10716、WEB制御部10717、メール制御部10718、及びネットワークI/F部10719を備える。
また、会員管理サーバ10700は、会員管理DB10750を記憶し、会員管理DB10750には、グローバル会員に関する情報を記憶するグローバル会員情報テーブル10751、グローバル会員IDとホール会員IDとの対応関係を管理するID対応テーブル10752、グローバル会員の決済に関する情報を記憶する決済情報テーブル10753、消費情報を蓄積記憶する消費履歴テーブル10754、遊技機10010からの稼働情報を記憶する稼働情報テーブル10755、及びグローバル会員の貯玉に関する情報を記憶する貯玉管理テーブル10756が含まれる。その他、会員管理DB10750には、決済条件管理テーブル、残高管理テーブル等が記憶される。
グローバル会員管理部10711は、ホールコンピュータ10130からの問い合わせに応じて、グローバル会員IDに対応する、その遊技店のホール会員IDを返信する。このような、グローバル会員IDに対応するホール会員IDは、「ユーザに関する情報」の一部である。また、このとき、必要に応じて、会員登録手続きの際に提供されたユーザに関する情報をグローバル会員情報テーブル10751から取得して、ホールコンピュータ10130に送信する。また、専用ユニット10020からの問い合わせに応じて、グローバル会員IDの認証結果を返信する。
会員登録制御部10712は、ユーザが所有するスマートフォン10900、自宅のPC等から、ユーザによる会員登録手続きが行われた場合、グローバル会員IDを採番し、そのグローバル会員IDに対応付けて、会員登録手続きの際に提供されたユーザに関する情報を、グローバル会員情報テーブル10751に記憶する。また、ユーザが遊技店で遊技を行う場合に、その遊技店のホールコンピュータ10130からの問い合わせに応じて、受信したグローバル会員IDに対応するその遊技店のホール会員IDをID対応テーブル10752から取得して、ホールコンピュータ10130に送信する。
また、ホールコンピュータ10130からの問い合わせに応じて、受信したグローバル会員IDに対応するユーザに関する情報をグローバル会員情報テーブル10751から取得して、その遊技店のホール会員IDとともに、ホールコンピュータ10130に送信する。
また、ユーザが所有するスマートフォン10900、自宅のPC等から、ユーザによる会員登録手続きを行う際、またはその後の機会に、ユーザの決済(遊技媒体の貸出を行うための決済)に係る情報の登録手続きを制御し、決済情報を決済情報テーブル10753に記憶する。
アプリ制御部10713は、ユーザが所有するスマートフォン10900等で実行されるアプリから会員登録手続きがされた場合に、スマートフォン10900等とのデータのやりとりを制御し、最終的にスマートフォン10900等からの会員登録リクエスト、及びユーザに関する情報等を受信し、上述した会員登録制御部10712にこれらのデータを送信して、当該ユーザの会員登録を行う。
決済管理部10714は、ユーザが所有するスマートフォン10900等で実行されるアプリから決済指示がされた場合に、専用ユニット10020を介してその情報を受信し、決済指示に従って決済サーバ10800に対して決済を実行し、決済応答をスマートフォン10900のアプリ等に返信する。
稼働情報管理部10715は、遊技機10010から専用ユニット10020を介して受信した稼働情報を、例えば、所定のタイミングで累積し、グローバル会員、及び遊技店ごとに、稼働情報テーブル10755に記憶する。
消費情報管理部10716は、専用ユニット10020から受信した消費情報を、グローバル会員、及び遊技店ごとに、消費履歴テーブル10754に記憶する。また、専用ユニット10020から受信した消費情報に含まれる、貯玉/貯メダルの追加、貯玉/貯メダルの消費に関する情報から、グローバル会員の貯玉の現在数量を、貯玉管理テーブル10756に記憶する。
WEB制御部10717は、ユーザが所有するスマートフォン10900、自宅のPC、遊技店のホール端末10600、POS端末10500等から、ユーザによる会員登録手続きが行われた場合に、上記端末とのデータのやりとりを制御し、最終的に当該端末からの会員登録リクエスト、及びユーザに関する情報等を受信し、上述した会員登録制御部10712にこれらのデータを送信して、当該ユーザの会員登録を行う。また、ユーザが所有するスマートフォン10900等からの指示により決済指示を受け付け、決済指示の内容を決済管理部10714に通知する。WEB制御部10717は、いわゆるWEBサーバとして機能する機能部である。
メール制御部10718は、ユーザが所有するスマートフォン10900、自宅のPC等から、遊技店のメールアドレスへのメール送信によって、ユーザによる会員登録手続きが行われた場合に、上記端末からのメールデータ(ユーザに関する情報等を含む)を受信し、上述した会員登録制御部10712に当該データを送信して、当該ユーザの会員登録を行う。メール制御部10718は、いわゆるメールサーバとして機能する機能部である。
図241を参照して説明した会員管理サーバ10700は一例に過ぎず、他の様々な構成によって、実質的に上述した機能を備えた会員管理サーバ10700を構成することができる。また、会員管理サーバ10700は、例えば、図241に示した会員管理サーバ10700の機能部のうち、アプリ制御部10713、WEB制御部10717、及びメール制御部10718を分離して、それぞれ、アプリケーションサーバ、WEBサーバ、メールサーバを構成し、残りの機能を備えた会員管理サーバとネットワークで接続し、かつ、異なる位置に配置するようにすることも可能である。
[決済情報の登録]
図242は、ユーザがスマートフォン10900を用いてグローバル会員の(初回の)会員登録手続きを行う処理を示したものである。なお、図242において、「入力」、「読み取り」等、ユーザの動作は楕円形の枠で示され、コンピュータの動作、及び情報は矩形の枠で示されている。以降の図244~図248について同じ。
ユーザは、スマートフォン10900のアプリ(アプリケーション)を用いて、ユーザの個人情報(例えば、氏名、住所、生年月日、性別等)を入力し、さらに、本人確認証(例えば、マイナンバーカード)による本人認証を経て、グローバル会員管理システムの会員管理サーバ10700に入力情報が送信され、これによって、グローバル会員の会員登録手続きが行われる。なお、本実施形態において、スマートフォン10900のアプリには、例えば、スマートフォン10900にインストールされる専用のアプリや、HTML言語、JavaScript(登録商標)等を利用したプログラム等で構成されるWEBアプリといった様々なアプリケーションが含まれる。
ユーザから入力された個人情報は、会員管理サーバ10700の会員管理DB10750のグローバル会員情報テーブル10751に記憶される。また、このとき、会員管理サーバ10700により採番されたグローバル会員IDもこのグローバル会員情報テーブル10751に記憶される。また、グローバル会員IDは、スマートフォン10900に送信され、スマートフォン10900において、このグローバル会員IDが記憶される。
こうしたスマートフォン10900によるグローバル会員の(初回の)会員登録手続きは、第16実施形態の図224に示した形態と同様のものである(ただし、図242では、ユーザの本人認証に係る処理については省略した)。
また、第16実施形態では、この他に、本人認証の方法、会員登録を行うコンピュータ(スマートフォンやPC等)、会員登録を受け付けるコンピュータ(例えば、遊技店において行うか、グローバル会員管理システムに直接行うか等)、会員カードとして利用する記憶媒体(スマートフォンやICカード等)について、様々なバリエーションが示されているが(例えば、図225~図228に示す方法)、本実施形態においても、これらの様々な会員登録の方法により、グローバル会員の会員登録を行うことができる。また、それらの会員登録の方法に限定されるものではなく、他の様々な方法で、グローバル会員の会員登録を行うことが可能である。
なお、本人認証については、これを省略して会員登録を行うこともできる。また、グローバル会員IDを採番することなく、グローバル会員IDとして、スマートフォン10900や会員カード10920の記憶媒体識別子を用いるようにしてもよい。
図243(A)に示すグローバル会員情報テーブル10751は、グローバル会員管理システムのグローバル会員に関する情報を記憶する。この例では、グローバル会員ID、氏名、住所、生年月日、性別、メールアドレス、電話番号等を記憶する。このように記憶されるグローバル会員の個人情報の内容は適宜調整されうる。なお、ここで、グローバル会員IDに対応するユーザのスマートフォン10900や会員カード10920を識別できる記憶媒体識別子を記憶してもよい。このようなグローバル会員情報テーブル10751の構成は、第16実施形態のグローバル会員情報テーブル9751と同様のものである。
なお、上述した記憶媒体識別子は、スマートフォン10900では、例えば、アプリID、デバイスID、シリアル番号、MACアドレス、電話番号等であり、会員カード10920では、例えば、IDm等である。
また、本実施形態においても、グローバル会員IDと、ホール会員ID、及び遊技店との対応を把握するために、ID対応テーブル10752を備えるが、第16実施形態のID対応テーブル9752と同様の構成であるため、ここでは図示を省略した。
グローバル会員IDは、この例では、初回の会員登録手続きを遊技店で行った場合に(遊技店の店頭で会員登録手続きを行う場合だけでなく、遊技店のホールコンピュータ10130を経由して会員登録手続きを行う場合も含む)、その遊技店を識別する遊技店IDが末尾に付与され、遊技店を介さずに、直接、グローバル会員管理システムに対して初回の会員登録手続きを行った場合は、グローバル会員管理システムを表す「G」が付与される。
本実施形態ではさらに、このようなグローバル会員の会員登録を行う際に、キャッシュレス決済に係る決済情報を登録することができる(図242参照)。例えば、スマートフォン10900のアプリにより、またはPCで所定のWEBサイトにアクセスした場合等に、ユーザ自身の個人情報(例えば、氏名、住所、生年月日、性別等)を入力するための個人情報入力画面(不図示)が、スマートフォン10900のディスプレイや、PCに接続された表示装置等に表示され、そこで、上記の個人情報を入力する場合に、そのユーザが、遊技媒体を貸し出す(遊技価値を購入する)のに利用する決済情報を合わせて入力し、登録を行うことができる。その後、例えば、個人情報入力画面の登録ボタンを押下すると、上記のグローバル会員情報テーブル10751に個人情報が記憶されるとともに、決済情報テーブル10753に、決済情報が記憶される。
また、ここでは、個人情報入力画面で決済情報を入力するようにしたが、こうした個人情報入力画面に関連付けて表示される決済情報入力画面(不図示)において決済情報を入力し、登録を行うようにしてもよい。
図243(B)には、決済情報テーブル10753の例が示されている。この例では、1人のユーザに対する決済情報として、複数の決済方法を登録することができ、例えば、グローバル会員ID=「0101G」のグローバル会員は、クレジットカード決済を行うための決済情報(例えば、クレジットカード名義、クレジットカード番号、有効期限、セキュリティコード等)と、デビットカード決済を行うための決済情報(例えば、デビットカード名義、デビットカード番号、有効期限、セキュリティコード等)が登録されている。
このように、本実施形態では、各グローバル会員について、それぞれ複数の決済方法を登録することができ、ユーザが、専用ユニット10020にスマートフォン10900や会員カード10920に記憶されているグローバル会員ID等を読み取らせると、専用ユニット10020の操作ユニット12034に、(複数の決済方法が登録されている場合)複数の決済方法のうち、どの決済方法を選択するかを指定する決済方法選択画面が表示され、ユーザがそこで所望の決済方法を選択すると、選択された決済方法で遊技媒体の貸出(遊技価値の購入)が行われる。
なお、図243(B)の例では、クレジットカードとデビットカードに関する決済情報が記憶されているが、クレジットカードやデビットカードに関する決済情報を複数記憶するように構成することもできるし、また、さらに他の決済方法についての決済情報を記憶することもできる。
クレジットカードやデビットカードを用いた決済では、決済処理の途中で本人認証(例えば、「3Dセキュア」といった本人認証サービス)が要求される場合があり、その場合は、例えば、専用ユニット10020の操作ユニット12034に認証コードを入力する画面が表示され、そこでユーザが正しい認証コードを入力すると、決済処理が続行されるようになる。
また、クレジットカードやデビットカードについては、図243(B)の例に示すように、決済情報を事前に登録しておけば、専用ユニット10020にクレジットカードやデビットカードを読み取らせることなく決済を行うことができる。しかしながら、本実施形態では、こうした決済情報の登録によらずにキャッシュレス決済を実行することもできる。
例えば、コード決済のような決済方法では、スマートフォン10900にインストールされているコード決済アプリで表示されるコードを、専用ユニット10020のカメラ12035で読み取らせることにより決済が実行される。この場合は、決済情報テーブル10753には、その決済方法を利用することが登録されるが、より詳細な決済情報は不要である。ただし、コード決済に係るユーザのIDを決済情報テーブル10753に記憶し、専用ユニット10020において、そのID以外のコード決済ができないように制御してもよい。
また、一部の電子マネーでは、スマートフォン10900にインストールされているスマホ決済サービスアプリ(例えば、Apple Pay(登録商標)やGoogle Pay(登録商標)等)とスマートフォン10900のNFC(近距離無線通信)の機能により、専用ユニット10020の非接触ICカードリーダ/ライタ12023でこの電子マネーの情報を読み取り、決済を実行することができる。なお、スマホ決済サービスアプリに登録可能なクレジットカードもあるため、スマホ決済サービスアプリにそのクレジットカードを登録しておけば、スマートフォン10900を専用ユニット10020にかざすだけでクレジットカード決済を実行することができる。よって、この場合も、決済情報テーブル10753には、その決済方法を利用することが登録されるが、より詳細な決済情報は不要である。ただし、スマホ決済サービスアプリで用いられる電子マネーに係るユーザのIDを決済情報テーブル10753に記憶し、専用ユニット10020において、そのID以外のスマホ決済ができないように制御してもよい。
またさらに、ICカードに特定の電子マネーが紐付けられている場合であって、専用ユニット10020の非接触ICカードリーダ/ライタ12023でこのICカードの情報を読み取り、紐付けられている電子マネーの残高を決済に利用可能である。よって、この場合も、決済情報テーブル10753には、その決済方法を利用することが登録されるが、より詳細な決済情報は不要である。ただし、電子マネーに係るユーザのIDを決済情報テーブル10753に記憶し、専用ユニット10020において、そのID以外のICカード決済ができないように制御してもよい。
なお、図243(B)の例では、決済情報テーブル10753において、決済方法1ないし決済方法5にそれぞれ、クレジットカード決済、デビットカード決済、コード決済、スマホ決済、ICカード決済の各決済種類が登録できるようになっているが、このような構成は便宜上のものであって、1つの決済種類に複数の決済方法を登録可能である。例えば、クレジットカード決済として、2つ以上のクレジットカードを登録することができる。
このような決済情報テーブル10753の構成により、ユーザは、専用ユニット10020にスマートフォン10900にかざしてログインすると、専用ユニット10020の非接触ICカードリーダ/ライタ12023がスマートフォン10900に記憶されているグローバル会員ID等を読み取り、そのグローバル会員IDに対応する決済方法を、会員管理サーバ10700の決済情報テーブル10753から把握して、そのユーザがどの決済方法を利用するかを選択させる決済選択画面を、専用ユニット10020の操作ユニット12034に表示する。
ここで、ユーザは、操作ユニット12034に表示された決済方法から所望の決済方法を選択し、決済を実行する。例えば、「クレジットカード」や「デビットカード」を選択した場合、事前に登録されている決済情報を用いてそのまま決済が行われ、コード決済を選択した場合、ユーザは、スマートフォン10900を操作して、コード決済アプリでコードを表示させ、そのコードを、専用ユニット10020のカメラ12035で読み取らせて決済を実行する。
また、決済方法として、「スマホ決済」を選択した場合、ユーザは、スマートフォン10900を操作して、スマホ決済サービスアプリで所望の決済方法を使用可能な状態とし、そこで、スマートフォン10900を専用ユニット10020にかざして(NFC機能での通信を行わせて)、決済を実行する。また、「ICカード決済」を選択した場合、ユーザは、自身が所有するICカードを専用ユニット10020にかざして(NFC機能での通信を行わせて)、決済を実行する。
なお、このような各決済方法による操作のパターンは一例であって、他の様々な方法・手順によってこれらの決済方法による決済を実行することができる。また、決済情報テーブル10753に示した決済方法は例示に過ぎず、他の様々な決済方法を様々な形式で登録することができる。
また、このような決済情報テーブル10753への決済方法の登録において、遊技店ごとに決済方法を設定することもできる。各遊技店は、利用可能な決済方法を事前に登録しておくことによって、専用ユニット10020は、ユーザが、遊技店の専用ユニット10020において決済方法を選択する際に、(ユーザが登録した決済方法であるか否かにかかわらず)当該遊技店で利用可能な決済方法のみを選択できるように制御できる。また、ユーザが遊技店において、または遊技店を指定して決済方法を登録する場合に、その遊技店で利用できない決済方法を最初から選択できないようにしておくことも可能である。また、ユーザ自身の事情により、遊技店ごとに、異なる決済方法を利用するように登録を行うことも可能である。
ユーザが、上記のようなキャッシュレス決済を行うと、専用ユニット10020は、これらの決済の情報を含む消費情報を会員管理サーバ10700に送信し、そこで、会員管理サーバ10700は、当該消費情報から、消費履歴テーブル10754に消費履歴を記憶する。図243(C)には、消費履歴テーブル10754の例が示されている。この例では、消費履歴テーブル10754に、グローバル会員ID、決済日時、決済を行った遊技店の店舗ID、決済額、決済方法(クレジットカード決済やコード決済に対応する決済方法の種別(例えば、決済情報テーブル10753の決済方法1~決済方法5に対応する「1」~「5」))等が記憶されている。
なお、本実施形態では、専用ユニット10020が、現金による決済の情報も消費情報として会員管理サーバ10700に送信するので、現金による決済の履歴も消費履歴テーブル10754に記憶される。このような、消費履歴テーブル10754の記憶内容によって、ユーザがどの遊技店でいつ、どの方法により遊技媒体の貸出に係る決済を行ったかを記憶しておくことができ、さらに、決済後の遊技媒体の貸出をどのタイミングで行ったかをすべて記憶しておくことができる。
また、ここでは、消費履歴テーブル10754に、遊技媒体の貸出に係る決済額や、その後の貸出操作が記憶されるが、会員管理サーバ10700は、専用ユニット10020から受信した消費情報に基づいて、遊技媒体の種別(遊技球(4円貸、1円貸)、メダル(20円貸、5円貸))や貸出の数量(球数、メダル数)を記憶してもよい。
また、本実施形態では、ユーザによる遊技媒体の貸出に係る決済や、その後の貸出操作に係る貸出数量(貸出額)に上限金額を設定することができる。この上限金額は、例えば、所定の期間における決済可能な金額の上限や貸出数量等の上限であり、決済については、キャッシュレス決済だけでなく、現金による決済を含めて適用することができる。この設定は、例えば、遊技店ごと、所定の遊技店グループごと、決済方法ごとに個別に行うことができる。また、こうした上限金額の設定は、ユーザ自身が上述した決済情報の設定において行うこともできるし、会員管理システムによって設定してもよいし、また、遊技店が独自に設定することもできる。
例えば、専用ユニット10020において、ユーザが遊技媒体の貸出に係る決済や、その後の貸出操作を行おうとした場合に、上述した上限金額の設定に基づいて、所定の期間における決済金額や貸出数量が(例えば、会員管理サーバ10700で)チェックされ、条件を満たさない場合に、貸出操作が中止され、貸出ができない旨のメッセージを専用ユニット10020の操作ユニット12034に表示する。
また、利用時間帯、遊技機の種類、遊技媒体の貸出レート、決済方法等に応じて(またはこれらの組み合わせに応じて)、上限金額や利用時間帯を設定することもできる。
また、本実施形態では、グローバル会員IDにより、ユーザが会員登録した遊技店すべてに亘って横断的に決済金額、及び貸出数量を把握できるため、すべての遊技店におけるユーザの決済金額、貸出数量が、設定された上限額を超えていないか否かを判定することができ、また、この場合にも、利用時間帯、遊技機の種類、遊技媒体の貸出レート、決済方法等に応じて(またはこれらの組み合わせに応じて)、上限金額や利用時間帯を設定することができる。このような本実施形態の構成により、個人の消費管理を行うことができ、また、これらの情報をのめり込み管理に活用することができる。例えば、1つの遊技店で決済の上限金額を超えた場合に、他の遊技店で、新たに決済を行おうとするようなユーザの行為を監視することができる。
なお、このような上限金額や利用時間帯の設定等を含む決済や貸出の条件については、会員管理DB10750の決済条件管理テーブルに記憶されるが、ここでは、そのような決済条件管理テーブルについて、図示を省略する。
上記のように、本実施形態では、会員管理サーバ10700が、遊技媒体の貸出に係る決済や、その後の貸出操作を、消費情報として専用ユニット10020から受信し(図237参照)、こうした消費情報に基づいて、ユーザの専用ユニット10020における操作(例えば、決済や貸出の操作)を制限するよう制御するが、さらに、専用ユニット10020から受信する稼働情報に基づいて、ユーザの専用ユニット10020における操作を制限するよう制御することもできる。例えば、稼働情報により、ユーザが所定の期間でどの程度マイナスになったか(または、プラスになったか)の程度を把握して、当該ユーザの心理状態を推定し、その心理状態に基づいて、ユーザの専用ユニット10020における操作(例えば、決済や貸出の操作)を制限するよう制御することができる。
また、ここでは、初回の会員登録手続きにおいて決済方法を登録するようにしているが、2回目以降の会員登録手続きの際に、登録するようにしてもよいし、その後、キャッシュレス決済を利用する直前のタイミングで登録するようにしてもよい。
また、遊技店ごとに決済情報を設定する場合、実際にその遊技店において(初回の、または2回目以降の簡便な)会員登録手続きをする際に、設定できるようにしてもよい。
また、本実施形態では、遊技媒体の貸出に係る決済の際に、上記のように、ユーザがスマートフォン10900を専用ユニット10020にかざしてログインを行うようにしているが、グローバル会員の会員登録手続きにおいて会員カード10920を取得している場合は、上記のログインを、会員カード10920を用いて行うこともできる。
また、本実施形態では、遊技媒体の貸出に係る決済の際に、上記のように、ユーザがスマートフォン10900を専用ユニット10020にかざしてログインを行い、その後、必要に応じて、専用ユニット10020の操作ユニット12034に情報が表示され、ユーザの操作が行われるようにしているが、ログインが正常に行われた後は、スマートフォン10900のアプリが、スマートフォン10900のディスプレイに決済選択画面を表示させてユーザに選択させ、また、その他、決済に係る所定のメッセージをスマートフォン10900のディスプレイに表示させるようにしてもよい。
このとき、スマートフォン10900のアプリは、例えば、スマートフォン専用のアプリや、HTML言語、JavaScript(登録商標)等を利用したプログラム等で構成されるWEBアプリであり、会員管理サーバ10700、または会員管理サーバ10700に関係するコンピュータとの間で、ネットワーク(例えば、インターネットを含むネットワーク)を介したデータの送受信を行う。また、このような処理を、スマートフォン10900のアプリが、遊技店の専用ユニット10020、または遊技店の他のコンピュータとの間で、ネットワーク(例えば、インターネットを含むネットワーク)を介したデータの送受信を行うことで実現してもよい。
なお、本実施形態では、上記のように、遊技媒体の貸出に係る決済では、現金を用いる決済以外の決済方法として、クレジットカード決済、デビットカード決済、コード決済、スマホ決済、ICカード決済といった様々な決済方法を利用することができるが、このような決済方法に限定されるものではなく、その他の、電磁的に管理された価値を用いてキャッシュレス決済を行うことができる。例えば、遊技店や会員管理システムといった所定の機関・組織で管理される「ポイント」、「スコア」、「アイテム」等を用いて決済を行うことも考えられる。
[遊技媒体の貸出に係る決済]
次に、図244ないし図247を参照して、遊技媒体の貸出に係る代表的な決済方法について説明する。
(クレジットカード決済)
図244は、上述したクレジットカード決済の処理概要を示す図である。なお、デビットカード決済についても、同様の処理が行われる。
ユーザは、最初に、遊技機10010による遊技を行うために遊技店に赴くと、そこで、スマートフォン10900、または会員カード10920を、遊技対象の遊技機10010に接続された専用ユニット10020にかざして、グローバル会員としての「ログイン」を行う。具体的には、スマートフォン10900のNFCにより、専用ユニット10020の非接触ICカードリーダ/ライタ12023が、スマートフォン10900に記憶されているグローバル会員ID(または、アプリIDといった記憶媒体識別子)を読み取る。また、会員カード10920の場合は、会員カード10920のNFCにより、専用ユニット10020の非接触ICカードリーダ/ライタ12023が、会員カード10920に記憶されているグローバル会員ID(または、IDmといった記憶媒体識別子)を読み取る。
専用ユニット10020は、スマートフォン10900、または会員カード10920からグローバル会員IDを読み取ると、そこでログインした者が正規の会員か否かを判定する会員認証を行う。すなわち、専用ユニット10020は、会員管理サーバ10700にアクセスし、グローバル会員情報テーブル10751を参照して、対応するグローバル会員IDが登録されているか否かを判定し、登録済(すなわち、ログインが正常)であれば、次の処理に進む。一方、登録済(すなわち、グローバル会員のログイン)でない場合は、その旨の応答を専用ユニット10020に返し、専用ユニット10020は、例えば、操作ユニット12034に、会員登録されていない旨を示すエラーメッセージを表示する。
スマートフォン10900、または会員カード10920から他の記憶媒体識別子が読み込まれた場合も同様に、専用ユニット10020がグローバル会員情報テーブル10751を参照して、対応する記憶媒体識別子が登録されているか否かを判定する。
ログインが正常に受け付けられると、ユーザは、専用ユニット10020の操作ユニット12034を操作して、遊技媒体の貸出に係る数量、または金額を指定し(貸出指定)、次に、決済方法を選択する。このとき、専用ユニット10020の操作ユニット12034に、そのユーザが選択可能な決済方法の一覧が表示されるが、これは、会員管理サーバ10700の決済情報テーブル10753を参照して、対応するユーザの決済方法に従って表示したものである。
このとき、例えば、決済金額としては、例えば、4円貸(パチンコ)の場合であれば500円(125玉)といった最小交換単位や、1000円(250玉)といった所定の交換単位を事前に設定しておき、ユーザがこれらの中から所望する金額を選択して決済するということが考えられる。また、1000円、2000円、5000円といった金額を指定して(または、事前に設定されている金額のパターンから選択して)、決済を行い、専用ユニット10020の操作ユニット12034で「貸出」の操作を行って、その決済の金額から最小交換単位で遊技媒体の貸出を行うようにしてもよい(残りの金額は残高データとして管理される)。こうした決済金額と貸出単位のバリエーションとして他の様々なパターンを用いることができる。また、このようなパターンは、以降に示す様々な決済方法において利用可能である。
専用ユニット10020は、ユーザから、遊技媒体の貸出に係る金額(数量が指定された場合は金額に変換される)と、決済方法(ユーザによって指定されたクレジットカード決済)を受信すると、これらを決済指示として、会員管理サーバ10700に送信する。会員管理サーバ10700は、専用ユニット10020から決済指示を受信すると、その決済指示を決済サーバ10800(決済方法に対応するクレジットカード会社の決済サーバ)に送信する。
なお、図244には示していないが、会員管理サーバ10700は、専用ユニット10020から受信した決済指示が、上述したような上限金額等の条件を満たしているか否かを、消費履歴テーブル10754と決済条件管理テーブルを参照してチェックし、問題がなければ、当該決済指示を決済サーバ10800に送信し、一方、決済指示が条件を満たしていないと判定した場合、会員管理サーバ10700は、その旨の応答を専用ユニット10020に返し、専用ユニット10020は、例えば、操作ユニット12034に、上限金額等の制限により決済ができない旨を示すエラーメッセージを表示する。
決済サーバ10800は、決済指示を受信すると、そのクレジットカード会社の所定のチェックを行った後、クレジットカード決済を行い、(決済が正しく行われたことを示す)決済応答を会員管理サーバ10700に送信する。決済応答を受信した会員管理サーバ10700は、専用ユニット10020にその決済応答を送信する。
専用ユニット10020が決済応答を受信すると、専用ユニット10020は、例えば、操作ユニット12034に、クレジットカードの決済が完了した旨の表示を行うとともに、遊技媒体の貸出を行う(すなわち、遊技機10010に対して遊技価値を電磁的に提供する)。
また、図244において点線で示されているように、クレジットカード会社で追加の本人認証(例えば、3Dセキュア)を実施する場合、追加認証の要求を会員管理サーバ10700に送信し、その追加認証の要求を受信した会員管理サーバ10700は、専用ユニット10020にその追加認証の要求を送信する。専用ユニット10020が追加認証の要求を受信すると、操作ユニット12034に、クレジットカードの追加認証に係るパスワード入力画面を表示する。ユーザによりパスワードが入力されると、パスワードは、専用ユニット10020、会員管理サーバ10700を介して決済サーバ10800に送信され、そのパスワードが正しいものと判定されれば、クレジットカードの決済が行われ、その後、上記と同様に、決済応答が専用ユニット10020に送信される。なお、このパスワードを、グローバル会員情報テーブル10751に事前に登録しておいてもよい。
なお、ユーザがスマートフォン10900を利用してログインしている場合、貸出の指定、決済方法の選択、決済完了の表示、追加認証のパスワード入力、各種エラーの表示に係る画面の少なくともいずれかを、スマートフォン10900のディスプレイに表示させ、ユーザが、スマートフォン10900で操作、または閲覧できるようにしてもよい。この場合のデータ送受信は、例えば、スマートフォン10900と、会員管理サーバ10700(または会員管理サーバ10700に関係するコンピュータ)との間で、ネットワーク(例えば、インターネットを含むネットワーク)を介して行われる。
(コード決済)
図245は、コード決済の処理概要を示す図である。なお、コード決済は、スマートフォン10900のディスプレイに表示されたコード(例えば、バーコードや2次元コード)を専用ユニット10020で読み取らせて決済を行うものであるため、この決済に関しては、基本的には、会員カード10920を用いることはできない。また、ここでは、スマートフォン10900のアプリは、コード決済用のアプリと連係して、以降で説明する決済指示の送信や、決済応答の受信等を行う。
ユーザは、最初に、遊技機10010による遊技を行うために遊技店に赴くと、そこで、スマートフォン10900を、遊技対象の遊技機10010に接続された専用ユニット10020にかざして、グローバル会員としての「ログイン」を行う。具体的には、スマートフォン10900のNFCにより、専用ユニット10020の非接触ICカードリーダ/ライタ12023が、スマートフォン10900に記憶されているグローバル会員ID(または、アプリIDといった記憶媒体識別子)を読み取る。
専用ユニット10020は、スマートフォン10900からグローバル会員IDを読み取ると、そこでログインした者が正規の会員か否かを判定する会員認証を行う。すなわち、専用ユニット10020は、会員管理サーバ10700にアクセスし、グローバル会員情報テーブル10751を参照して、対応するグローバル会員IDが登録されているか否かを判定し、登録済(すなわち、ログインが正常)であれば、次の処理に進む。一方、登録済(すなわち、グローバル会員のログイン)でない場合は、その旨の応答を専用ユニット10020に返し、専用ユニット10020は、例えば、操作ユニット12034に、会員登録されていない旨を示すエラーメッセージを表示する。
スマートフォン10900から他の記憶媒体識別子が読み込まれた場合も同様に、専用ユニット10020がグローバル会員情報テーブル10751を参照して、対応する記憶媒体識別子が登録されているか否かを判定する。
ログインが正常に受け付けられると、ユーザは、専用ユニット10020の操作ユニット12034を操作して、遊技媒体の貸出に係る数量、または金額を指定し(貸出指定)、次に、決済方法を選択する。このとき、専用ユニット10020の操作ユニット12034に、そのユーザが選択可能な決済方法の一覧が表示されるが、これは、会員管理サーバ10700の決済情報テーブル10753を参照して、対応するユーザの決済方法に従って表示したものである。
専用ユニット10020は、ユーザから、遊技媒体の貸出に係る金額(数量が指定された場合は金額に変換される)と、決済方法(ユーザによって指定されたコード決済)を受信すると、コード決済用のコードを撮影するモードに移行する。専用ユニット10020は、操作ユニット12034にメッセージを表示し、ユーザのスマートフォン10900にコード決済用のコードを表示させ、専用ユニット10020のカメラ12035に向けて提示するよう指示する。
ここで、ユーザが、スマートフォン10900で起動されているコード決済用のアプリを操作して、コード決済用のコードをディスプレイに表示させ、専用ユニット10020のカメラ12035に向けて提示すると、専用ユニット10020のカメラ12035がこのコードを撮影し、当該コードのデコードデータと遊技媒体の貸出に係る金額を決済指示として、会員管理サーバ10700に送信する。会員管理サーバ10700は、専用ユニット10020から決済指示を受信すると、その決済指示を決済サーバ10800(決済方法に対応するコード決済会社の決済サーバ)に送信する。
なお、図245には示していないが、会員管理サーバ10700は、専用ユニット10020から受信した決済指示が、上述したような上限金額等の条件を満たしているか否かを、消費履歴テーブル10754と決済条件管理テーブルを参照してチェックし、問題がなければ、当該決済指示を決済サーバ10800に送信し、一方、決済指示が条件を満たしていないと判定した場合、会員管理サーバ10700は、その旨の応答を専用ユニット10020に返し、専用ユニット10020は、例えば、操作ユニット12034に、上限金額等の制限により決済ができない旨を示すエラーメッセージを表示する。
決済サーバ10800は、決済指示を受信すると、そのコード決済会社の所定のチェックを行った後、コード決済を行い、(決済が正しく行われたことを示す)決済応答を会員管理サーバ10700に送信する。決済応答を受信した会員管理サーバ10700は、専用ユニット10020にその決済応答を送信する。
専用ユニット10020が決済応答を受信すると、専用ユニット10020は、例えば、操作ユニット12034に、コード決済が完了した旨の表示を行うとともに、遊技媒体の貸出を行う(すなわち、遊技機10010に対して遊技価値を電磁的に提供する)。
また、貸出の指定、決済方法の選択、各種エラーの表示に係る画面の少なくともいずれかを、スマートフォン10900のディスプレイに表示させ、ユーザが、スマートフォン10900で操作、または閲覧できるようにしてもよい。この場合のデータ送受信は、例えば、スマートフォン10900と、会員管理サーバ10700(または会員管理サーバ10700に関係するコンピュータ)との間で、ネットワーク(例えば、インターネットを含むネットワーク)を介して行われる。
また、決済応答は、スマートフォン10900で起動されるコード決済用のアプリでもネットワーク(例えば、インターネットを含むネットワーク)を介して受信され、スマートフォン10900のディスプレイに、決済完了の表示がされる。
なお、コード決済には、一般的に、スマートフォン10900のディスプレイに表示されたコードを遊技店の決済端末に読み取らせる顧客提示型と、遊技店に提示されているコードを、スマートフォン10900で起動されるコード決済用のアプリで読み取る店舗提示型とがあるが、店舗提示型では、スタッフが金額の確認をする必要があるため、本実施形態では、顧客提示型を利用するものとするが、店舗提示型を用いた決済を採用することもできる。
(スマホ決済)
図246は、スマホ決済の処理概要を示す図である。なお、スマホ決済は、スマートフォン10900のスマホ決済サービスアプリ(例えば、Apple Pay(登録商標)やGoogle Pay(登録商標)等のスマホ決済用アプリ)を使用して決済を行うものであるため、この決済に関しては、基本的には、会員カード10920を用いることはできない。また、ここでは、スマートフォン10900のアプリは、スマホ決済サービスアプリと連係して、以降で説明する決済指示の送信や、決済応答の受信等を行う。
ユーザは、最初に、遊技機10010による遊技を行うために遊技店に赴くと、そこで、スマートフォン10900を、遊技対象の遊技機10010に接続された専用ユニット10020にかざして、グローバル会員としての「ログイン」を行う。具体的には、スマートフォン10900のNFCにより、専用ユニット10020の非接触ICカードリーダ/ライタ12023が、スマートフォン10900に記憶されているグローバル会員ID(または、アプリIDといった記憶媒体識別子)を読み取る。
専用ユニット10020は、スマートフォン10900からグローバル会員IDを読み取ると、そこでログインした者が正規の会員か否かを判定する会員認証を行う。すなわち、専用ユニット10020は、会員管理サーバ10700にアクセスし、グローバル会員情報テーブル10751を参照して、対応するグローバル会員IDが登録されているか否かを判定し、登録済(すなわち、ログインが正常)であれば、次の処理に進む。一方、登録済(すなわち、グローバル会員のログイン)でない場合は、その旨の応答を専用ユニット10020に返し、専用ユニット10020は、例えば、操作ユニット12034に、会員登録されていない旨を示すエラーメッセージを表示する。
スマートフォン10900から他の記憶媒体識別子が読み込まれた場合も同様に、専用ユニット10020がグローバル会員情報テーブル10751を参照して、対応する記憶媒体識別子が登録されているか否かを判定する。
ログインが正常に受け付けられると、ユーザは、専用ユニット10020の操作ユニット12034を操作して、遊技媒体の貸出に係る数量、または金額を指定し(貸出指定)、次に、決済方法を選択する。このとき、専用ユニット10020の操作ユニット12034に、そのユーザが選択可能な決済方法の一覧が表示されるが、これは、会員管理サーバ10700の決済情報テーブル10753を参照して、対応するユーザの決済方法に従って表示したものである。
専用ユニット10020は、ユーザから、遊技媒体の貸出に係る金額(数量が指定された場合は金額に変換される)と、決済方法(ユーザによって指定されたスマホ決済)を受信すると、スマホ決済用のアプリのNFCで、ICカードやクレジットカードによる決済を行うモードに移行する。専用ユニット10020は、スマホ決済用のアプリで決済方法を選択し、専用ユニット10020にかざす(スマホタッチする)ようユーザに指示するメッセージを操作ユニット12034に表示する。
ここで、ユーザが、スマホ決済用のアプリで、決済方法を選択し、専用ユニット10020にかざすと、専用ユニット10020の非接触ICカードリーダ/ライタ12023がこれを読み取り、選択された決済方法の情報(例えば、決済を行うICカードやクレジットカードの情報)と遊技媒体の貸出に係る金額を決済指示として、会員管理サーバ10700に送信する。会員管理サーバ10700は、専用ユニット10020から決済指示を受信すると、その決済指示を決済サーバ10800(決済方法に対応するクレジットカード会社等の決済サーバ)に送信する。
なお、図246には示していないが、会員管理サーバ10700は、専用ユニット10020から受信した決済指示が、上述したような上限金額等の条件を満たしているか否かを、消費履歴テーブル10754と決済条件管理テーブルを参照してチェックし、問題がなければ、当該決済指示を決済サーバ10800に送信し、一方、決済指示が条件を満たしていないと判定した場合、会員管理サーバ10700は、その旨の応答を専用ユニット10020に返し、専用ユニット10020は、例えば、操作ユニット12034に、上限金額等の制限により決済ができない旨を示すエラーメッセージを表示する。
決済サーバ10800は、決済指示を受信すると、所定のチェックを行った後、コード決済を行い、(決済が正しく行われたことを示す)決済応答を会員管理サーバ10700に送信する。決済応答を受信した会員管理サーバ10700は、専用ユニット10020にその決済応答を送信する。
専用ユニット10020が決済応答を受信すると、例えば、操作ユニット12034に、コード決済が完了した旨の表示を行うとともに、遊技媒体の貸出を行う(すなわち、遊技機10010に対して遊技価値を電磁的に提供する)。
また、貸出の指定、決済方法の選択、各種エラーの表示に係る画面の少なくともいずれかを、スマートフォン10900のディスプレイに表示させ、ユーザが、スマートフォン10900で操作、または閲覧できるようにしてもよい。この場合のデータ送受信は、例えば、スマートフォン10900と、会員管理サーバ10700(または会員管理サーバ10700に関係するコンピュータ)との間で、ネットワーク(例えば、インターネットを含むネットワーク)を介して行われる。
また、決済応答は、スマートフォン10900で起動されるスマホ決済用のアプリでもネットワーク(例えば、インターネットを含むネットワーク)を介して受信され、スマートフォン10900のディスプレイに、決済完了の表示がされる。
なお、スマホ決済には、一般的に、クレジットカードや電子マネーを取り扱い可能なICカードを登録しておき、決済の際には、そのなかから決済方法を選択することができる。したがって、図244に示したクレジットカード決済で使用するクレジットカードについても(当該クレジットカードが、スマホ決済用のアプリに対応していれば)、このスマホ決済の構成を用いて決済を行うことができる。この方法では、基本的に、図243(B)の決済情報テーブル10753に示したようなクレジットカード決済に係るクレジットカード決済情報を登録する必要はない。また、図247を参照して後述するICカード決済についても(当該ICカードがスマホ決済用のアプリに対応していれば)、このスマホ決済の構成を用いて決済を行うことができる。
スマホ決済では、図244に示したクレジットカード決済と同様、実際のクレジットカードやICカードを持ち歩く必要がない。
(ICカード決済)
図247は、ICカード決済の処理概要を示す図である。なお、本実施形態では、「ICカード決済」としているが、実際には、ICカードだけでなく、磁気カードや、電子マネーを管理可能な他の様々な記憶媒体が含まれる。ICカードには、クレジットカード、デビットカード、その他、電子マネー決済に係るICカードが含まれる。このICカード決済では、ICカード等を専用ユニット10020に読み取らせるので、実際のICカード等を携帯する必要がある。
ユーザは、最初に、遊技機10010による遊技を行うために遊技店に赴くと、そこで、スマートフォン10900、または会員カード10920を、遊技対象の遊技機10010に接続された専用ユニット10020にかざして、グローバル会員としての「ログイン」を行う。具体的には、スマートフォン10900のNFCにより、専用ユニット10020の非接触ICカードリーダ/ライタ12023が、スマートフォン10900に記憶されているグローバル会員ID(または、アプリIDといった記憶媒体識別子)を読み取る。また、会員カード10920の場合は、会員カード10920のNFCにより、専用ユニット10020の非接触ICカードリーダ/ライタ12023が、会員カード10920に記憶されているグローバル会員ID(または、IDmといった記憶媒体識別子)を読み取る。
専用ユニット10020は、スマートフォン10900、または会員カード10920からグローバル会員IDを読み取ると、そこでログインした者が正規の会員か否かを判定する会員認証を行う。すなわち、専用ユニット10020は、会員管理サーバ10700にアクセスし、グローバル会員情報テーブル10751を参照して、対応するグローバル会員IDが登録されているか否かを判定し、登録済(すなわち、ログインが正常)であれば、次の処理に進む。一方、登録済(すなわち、グローバル会員のログイン)でない場合は、その旨の応答を専用ユニット10020に返し、専用ユニット10020は、例えば、操作ユニット12034に、会員登録されていない旨を示すエラーメッセージを表示する。
スマートフォン10900、または会員カード10920から他の記憶媒体識別子が読み込まれた場合も同様に、専用ユニット10020がグローバル会員情報テーブル10751を参照して、対応する記憶媒体識別子が登録されているか否かを判定する。
ログインが正常に受け付けられると、ユーザは、専用ユニット10020の操作ユニット12034を操作して、遊技媒体の貸出に係る数量、または金額を指定し(貸出指定)、次に、決済方法を選択する。このとき、専用ユニット10020の操作ユニット12034に、そのユーザが選択可能な決済方法の一覧が表示されるが、これは、会員管理サーバ10700の決済情報テーブル10753を参照して、対応するユーザの決済方法に従って表示したものである。
専用ユニット10020は、ユーザから、遊技媒体の貸出に係る金額(数量が指定された場合は金額に変換される)と、決済方法(ユーザによって指定されたICカード決済)を受信すると、ICカードを読み取るモードに移行する。専用ユニット10020は、例えば、操作ユニット12034に、ICカードを専用ユニット10020にかざす(タッチする)ようユーザに指示するメッセージを表示する。
ここで、ユーザが、ICカードを専用ユニット10020にかざすと、専用ユニット10020の非接触ICカードリーダ/ライタ12023がこれを読み取り、読み取ったICカードの情報と遊技媒体の貸出に係る金額を決済指示として、会員管理サーバ10700に送信する。会員管理サーバ10700は、専用ユニット10020から決済指示を受信すると、その決済指示を決済サーバ10800(ICカードの決済方法に対応する会社等の決済サーバ)に送信する。
なお、図247には示していないが、会員管理サーバ10700は、専用ユニット10020から受信した決済指示が、上述したような上限金額等の条件を満たしているか否かを、消費履歴テーブル10754と決済条件管理テーブルを参照してチェックし、問題がなければ、当該決済指示を決済サーバ10800に送信し、一方、決済指示が条件を満たしていないと判定した場合、会員管理サーバ10700は、その旨の応答を専用ユニット10020に返し、専用ユニット10020は、例えば、操作ユニット12034に、上限金額等の制限により決済ができない旨を示すエラーメッセージを表示する。
決済サーバ10800は、決済指示を受信すると、その会社の所定のチェックを行った後、決済を行い、(決済が正しく行われたことを示す)決済応答を会員管理サーバ10700に送信する。決済応答を受信した会員管理サーバ10700は、専用ユニット10020にその決済応答を送信する。
専用ユニット10020が決済応答を受信すると、例えば、操作ユニット12034に、ICカードでの決済が完了した旨の表示を行うとともに、遊技媒体の貸出を行う(すなわち、遊技機10010に対して遊技価値を電磁的に提供する)。
また、この例では、図244において点線で示したように、ICカードがクレジットカードである場合であって、そのクレジットカード会社で追加の本人認証(例えば、3Dセキュア)を実施する場合は、図244と同様の追加認証の処理が行われる。
なお、ユーザがスマートフォン10900を利用している場合、貸出の指定、決済方法の選択、決済完了の表示、追加認証のパスワード入力、各種エラーの表示に係る画面の少なくともいずれかを、スマートフォン10900のディスプレイに表示させ、ユーザが、スマートフォン10900で操作、または閲覧できるようにしてもよい。この場合のデータ送受信は、例えば、スマートフォン10900と、会員管理サーバ10700(または会員管理サーバ10700に関係するコンピュータ)との間で、ネットワーク(例えば、インターネットを含むネットワーク)を介して行われる。
また、図247では、スマートフォン10900、または会員カード10920とは別に、ICカードを用いて決済を行う例を示したが、ICカードに代えて、磁気カードを用いる場合は、専用ユニット10020で磁気カード読取装置を備えるように構成し、ユーザが、その磁気カード読取装置に磁気カードを挿入(またはスライド等)させることによって、当該磁気カードの情報を読み取らせる。他の記憶媒体が用いられた場合も同様に、専用ユニット10020に、対応する記憶媒体読取装置を備えるように構成し、ユーザが、その読取装置で当該記憶媒体の情報を読み取らせるようにして決済を行う。
ICカード決済では、図244に示したクレジットカード決済とは異なり、実際のICカード(例えば、クレジットカード)を持ち歩く必要があるが、図243(B)の決済情報テーブル10753に示したようなクレジットカード決済に係るクレジットカード決済情報を登録する必要はない。
これまで、いくつかの決済方法について説明したが、これらの方法に限定されるものではなく、他の様々な決済方法を用いることができる。例えば、専用ユニット10020において、操作ユニット12034等でバーコードや2次元コードを表示し、ユーザのスマートフォン10900でそのコードを読み取ると、会員管理サーバ10700や他のコンピュータで決済させ(または、所定のサイトに誘導して手動で決済させ)、決済結果を操作ユニット12034等に表示させるように構成することもできる。
また、決済に関して、現金->仮想通貨->貸出、仮想通貨->現金->貸出、仮想通貨->貸出といった手順で、遊技媒体の貸出を指示することも考えられ、上記の仮想通貨として価値を保有する部分は、ユーザのスマートフォン10900等でキャッシュレスとして取り扱うことが可能である。
また、上述した会員管理サーバやホールコンピュータ等の各種サーバは、遊技店側等における持ち運び可能な端末(タブレット端末やノートパソコン等)のアプリとして提供することも可能であり、また、クラウド上に展開されていてもよい。また、これらのサーバを、タワー型の物理的なサーバとして提供することも可能である。
[遊技システムにおける個人情報と遊技情報の把握]
次に、図248を参照して、本実施形態の遊技システムPS400において、ユーザ(遊技者)の個人情報と遊技情報を記憶し、管理する方法について説明する。なお、ここでは、遊技情報として、遊技機10010から取得可能な稼働情報と、専用ユニット10020から取得可能な消費情報が含まれる。
(個人情報)
本実施形態では、ユーザに関する個人情報を、グローバル会員の会員登録手続きにより取得し、グローバル会員情報テーブル10751に記憶する(図243(A)参照)。本実施形態のグローバル会員情報テーブル10751では、ユーザの氏名、住所、生年月日、性別等(これらの情報を「基本情報」と称する)が、グローバル会員IDや記憶媒体識別子に対応付けられて記憶される。
また、初回のグローバル会員の会員登録手続き、またはその後の決済情報登録手続きにより、遊技媒体の貸出に係るユーザの決済情報が決済情報テーブル10753に記憶されるが(図243(B)参照)、こうした決済情報も、個人情報ということができる。
上述した個人情報(基本情報、及び決済情報)は、図242に関連して説明したように、様々な会員登録の方法で、グローバル会員情報テーブル10751、及び決済情報テーブル10753に記憶される。なお、図248では、これらの様々な会員登録の方法について記載を省略した。
(稼働情報)
本実施形態では、ユーザ(遊技者)の遊技に伴って、遊技機10010から取得可能な稼働情報が、所定のタイミングで遊技機10010から専用ユニット10020を介して会員管理サーバ10700に送信され、稼働情報テーブル10755に記憶される。稼働情報は、ここでは、グローバル会員IDと遊技店IDに対応付けられたデータであり、上記のように、遊技機10010における遊技の結果である出玉情報を含む。ここで、出玉情報には、例えば、電磁的に払い出された遊技媒体数(払出数)のほか、メダルのベット数や遊技球の投入数、大当りの回数等の射幸性の程度を表す数量が含まれる。また、出玉情報には、上記のような性能情報のほか、設置情報、不正・エラー情報等も含まれる。
図249(A)には、稼働情報テーブル10755の例が記載されている。稼働情報テーブル10755には、グローバル会員IDに対応付けて、遊技店を識別するための識別子である遊技店ID、その遊技店での遊技台を特定する遊技台NO、遊技機に係る日時、IN(例えば、封入式パチンコ機の場合はアウト玉、封入式パチスロ機の場合はイン枚数)、OUT(例えば、封入式パチンコ機の場合はセーフ玉、封入式パチスロ機の場合はアウト枚数)、大当りの回数等が記憶されている。ここでは、例えば、遊技機10010から専用ユニット10020を介して、1分ごとにこれらの稼働情報を蓄積し、会員管理サーバ10700は、その都度、この稼働情報を稼働情報テーブル10755に累積的に記憶する。
このような構成により、特定のグローバル会員IDのユーザに関し、遊技状況の推移を1分ごとに把握することができる。稼働情報の送信タイミングは、この例では、1分ごとであるが、より短い期間でも、より長い期間でもよい。
なお、グローバル会員以外の遊技者についても、こうした稼働情報を取得し、稼働情報テーブル10755に記憶することができるが、グローバル会員のように、グローバル会員情報テーブル10751を参照して個人情報と結びつけることができない。ただし、例えば、専用ユニット10020のカメラ12035で遊技者の顔を撮影できれば、そこで取得されるフェイシャルデータと、これらの稼働情報を対応付けて稼働情報テーブル10755に記憶することができる。そして、そのフェイシャルデータと所定の顔画像データを比較することによって個人を特定可能であれば、結果的に、個人情報と稼働情報を結びつけることができる。
また、グローバル会員以外の遊技者が、遊技店で会員登録を行っていれば、それによる個人情報(例えば、第16実施形態の図222に示すようなホール会員情報テーブル9151)を稼働情報とを結びつけることができる。またさらに、稼働情報は、グローバル会員以外の遊技者に関しては、遊技台の遊技情報を追跡することによって、持玉/持メダルを記憶可能な非会員カードと対応付けることができる場合があるので、遊技者がそこで、当該非会員カードを用いた景品交換を行っていれば、最終的に、当該遊技者の個人情報と稼働情報を結びつけることができる。
(消費情報)
本実施形態では、ユーザ(遊技者)による専用ユニット10020や遊技機10010の操作に応じて、専用ユニット10020から会員管理サーバ10700に、消費情報が送信され、その情報が、消費履歴テーブル10754、または貯玉管理テーブル10756に記憶される。
消費情報に関しては、例えば、ユーザが専用ユニット10020を操作して決済指示を行った場合に、その決済額と決済方法が、グローバル会員ID、決済日時、及び遊技店IDとともに、専用ユニット10020から会員管理サーバ10700に送信され、その情報(決済情報)が消費履歴テーブル10754に記憶される(図243(C)参照)。また、このとき、同時に所定額に対応する遊技媒体の貸出(遊技価値の遊技機10010への移動)が行われ、その貸出に係る利用額が、グローバル会員ID、決済日時、及び遊技店IDとともに、専用ユニット10020から会員管理サーバ10700に送信され、その情報(貸出情報)が消費履歴テーブル10754に記憶される。
さらに、ユーザが、上記の決済による残高が記憶されている状態(例えば、残高データが、会員管理DB10750の残高管理テーブルに記憶されている状態)で貸出の操作を行った場合に、その貸出に係る利用額が、グローバル会員ID、決済日時、及び遊技店IDとともに、専用ユニット10020から会員管理サーバ10700に送信され、その情報(貸出情報)が消費履歴テーブル10754に記憶される。
例えば、図243(C)に示す消費履歴テーブル10754の例では、上記の決済情報に基づいて、グローバル会員ID=「0101G」のユーザが、遊技店Aにおいて最初に、決済方法=1(図243(B)の決済情報テーブル10753に定義されている決済方法1(クレジットカード決済))で遊技媒体の貸出に係る決済(10000円)が行われたことが記憶され、同時に、上記の貸出情報に基づいて、消費種別=「貸出」で、500円の貸出が行われたことが記憶される。その後、遊技店Aにおいて、上記の貸出情報に基づいて、消費種別=「貸出」で、連続して利用額=「500円」の貸出が3回行われたことが記憶されている。
なお、この時点で、グローバル会員ID=「0101G」のユーザにおける遊技店ID=「A」での残高は8000円であるが、この金額は、会員管理DB10750の残高管理テーブルに記憶され、随時更新される。
また、例えば、ユーザが専用ユニット10020を操作して貯玉や貯玉払出の操作を行った場合に、その遊技媒体の数量と遊技媒体の種別が、グローバル会員ID、操作日時、及び遊技店IDとともに、専用ユニット10020から会員管理サーバ10700に送信され、その情報(貯玉情報)が消費履歴テーブル10754に記憶され、さらに貯玉や貯玉払出の操作の結果としての貯玉数が、貯玉管理テーブル10756に記憶される。ただし、このような貯玉の移動は、ホールコンピュータ10130の貯玉管理テーブルにも(遊技店ごとに)記憶される。
ここで、図249(B)には、貯玉管理テーブル10756の例が示されているが、このテーブルは、第16実施形態における貯玉管理テーブル9152(図222(B)参照)と類似する構成であり、貯玉管理テーブル10756では、貯玉管理テーブル9152と同様、貯玉数が、遊技媒体(遊技球、メダル)と貸出レートで分類された遊技媒体種別ごとに記憶され、当該貯玉数のそれぞれが、ホール会員IDの代わりに、グローバル会員IDに対応付けられている。また、その貯玉がどの遊技店のものであるかを識別できるように、遊技店IDが記憶されている。
さらに、例えば、ユーザが遊技機10010を操作して、計数の操作を行った場合に、遊技機10010によって獲得された遊技媒体の価値が、専用ユニット10020に移され、このとき、その遊技媒体の数量と遊技媒体の種別が、グローバル会員ID、操作日時、及び遊技店IDとともに、専用ユニット10020から会員管理サーバ10700に送信され、その情報(計数情報)が消費履歴テーブル10754に記憶される。
例えば、図243(C)に示す消費履歴テーブル10754の例では、上記の決済情報に基づいて、グローバル会員ID=「0101G」のユーザが、遊技店Bにおいて最初に、決済方法=「現金」(図243(B)の決済情報テーブル10753では定義されていない)で遊技媒体の貸出に係る決済(10000円)が行われたことが記憶され、同時に、上記の貸出情報に基づいて、消費種別=「貸出」で、500円の貸出が行われたことが記憶される。この時点で、グローバル会員ID=「0101G」のユーザにおける遊技店ID=「B」での残高は9500円であるが、この金額は、会員管理DB10750の残高管理テーブルに記憶され、随時更新される。
その後、遊技店Bにおいて、ユーザが遊技機10010で計数の操作を行うと、上記の計数情報に基づいて、グローバル会員ID=「0101G」のユーザが、遊技店Bにおいて、消費種別=「計数」で、遊技媒体種別=「4円貸(パチンコ)」689玉が、専用ユニット10020に移されたことが消費履歴テーブル10754に記憶される。また、このとき、グローバル会員ID=「0101G」のユーザについて、遊技店Bのホールコンピュータ10130の持玉管理テーブル(不図示)に、この遊技媒体種別=「4円貸(パチンコ)」と数量(689玉)が記憶される。
その後、遊技店Bにおいて、ユーザが専用ユニット10020で貯玉の操作を行うと、上記の貯玉情報に基づいて、消費種別=「貯玉」で、遊技媒体種別=「4円貸(パチンコ)」689玉が貯玉されたことが消費履歴テーブル10754に記憶される。また、このとき、グローバル会員ID=「0101G」のユーザについて、遊技店Bのホールコンピュータ10130の持玉管理テーブルでは、この遊技媒体種別=「4円貸(パチンコ)」に関し、数量(689玉)が減算され、会員管理DB10750の貯玉管理テーブル10756(図249参照)では、グローバル会員ID=「0101G」のユーザについて、遊技店Bの遊技媒体種別=「4円貸(パチンコ)」の数量が、689に構成され、さらに、この貯玉の数量(689玉)が、対応する遊技店Bのホールコンピュータ10130の貯玉管理テーブルに記憶される。
その後、遊技店Bにおいて、ユーザが専用ユニット10020で貯玉払出の操作を行うと、上記の貯玉情報に基づいて、消費種別=「貯玉払出」で、遊技媒体種別=「4円貸(パチンコ)」300玉が、貯玉から遊技機10010に提供されたことが消費履歴テーブル10754に記憶される。さらに、遊技店Bにおいて、ユーザが専用ユニット10020で貯玉払出の操作を行うと、上記の貯玉情報に基づいて、消費種別=「貯玉払出」で、遊技媒体種別=「4円貸(パチンコ)」300玉が、貯玉から遊技機10010に提供されたことが消費履歴テーブル10754に記憶される。
最終的にグローバル会員ID=「0101G」のユーザの貯玉は、遊技店Bにおいて、遊技媒体種別=「4円貸(パチンコ)」において89玉となり、図249に示す貯玉管理テーブル10756も、その状況に合わせて更新される。また、同様に、遊技店Bのホールコンピュータ10130の貯玉管理テーブルも更新される。
なお、グローバル会員以外の遊技者についても、こうした消費情報を取得し、消費履歴テーブル10754に記憶することができるが、グローバル会員のように、グローバル会員情報テーブル10751を参照して個人情報と結びつけることができない。ただし、例えば、専用ユニット10020のカメラ12035で遊技者の顔を撮影できれば、そこで取得されるフェイシャルデータと、これらの消費情報を対応付けて消費履歴テーブル10754に記憶することができる。そして、そのフェイシャルデータと所定の顔画像データを比較することによって個人を特定可能であれば、結果的に、個人情報と消費情報を結びつけることができる。
また、グローバル会員以外の遊技者が、遊技店で会員登録を行っていれば、それによる個人情報(例えば、第16実施形態の図222に示すようなホール会員情報テーブル9151)を消費情報とを結びつけることができる。またさらに、消費情報は、グローバル会員以外の遊技者に関しては、遊技台の消費情報を追跡することによって、持玉/持メダルを記憶可能な非会員カードと対応付けることができる場合があるので、遊技者がそこで、当該非会員カードを用いた景品交換を行えっていれば、最終的に、当該遊技者の個人情報と消費情報を結びつけることができる。
上記のように、遊技者の個人情報と稼働情報を結びつけることが可能であり、同様に、遊技者の個人情報と消費情報を結びつけることが可能であるため、結果として、個人情報に、稼働情報と消費情報の双方を対応付けることが可能であり、こうして得られた情報は、様々な分析・研究に用いることができる。
図250には、本実施形態で記憶されているデータの主たる関係性が示されている。本実施形態に係る遊技システムPS400では、専用ユニット10020によって、消費情報と稼働情報が把握可能になり、さらに、グローバル会員IDでのログインや紐づけ、管理を行うことにより、これらの情報を複数の遊技店に亘って一元的に把握することが可能となる。
遊技システムPS400では、グローバル会員情報テーブル751、消費履歴テーブル10754、稼働情報テーブル10755のそれぞれのデータを、「グローバル会員ID」で互いに関連付けることができ、それぞれの個人が、どのような消費行動と遊技行動を行っているかを効果的に把握することができる。
また、消費履歴テーブル10754と稼働情報テーブル10755は、それぞれの個人についての消費行動と遊技行動に関し、日時と遊技店(遊技店ID)の情報を有しているので、それぞれの個人について、行動、時間、場所の関係性を把握することができる。例えば、グローバル会員IDに対応するユーザが、いつ、どの遊技店で遊技媒体の貸出を行い(決済し)、貯玉や持玉をどのように利用し、さらに、どのような遊技結果となったか(例えば、どの遊技台でどの程度のIN、OUTがあったか)を把握することができる。また、稼働情報が、即時に(例えば、100ミリ秒といった比較的短い間隔で)送信される場合は、ユーザにおける遊技媒体獲得状況の変化をほぼリアルタイムに把握することができ、ユーザの心理状態の動きを随時把握することができる。
図251、図252には、上記のような遊技システムPS400のデータ群から生成可能な分析マップ・グラフの例が示されている。
図251(A)のマップは、会員の住所と遊技店利用頻度を分析するもので、グローバル会員ID=「001」のユーザが、どの遊技店をどれぐらいの回数利用しているかを、当該ユーザの住所、及び各遊技店の住所とともにマップ上に表示したものであり、黒丸の大きさが遊技店の利用頻度を表している。このような分析により、ユーザは、自宅から(直線距離ではあるが)近い遊技店を多く利用するとは限らないことがわかる。
図251(B)のマップは、所定地域会員と遊技店利用頻度の関係を分析するもので、図251(A)におけるユーザの対象を所定地域に広げたものであり、その対象ユーザは、所定の住所(町内:ハッチングされている領域)に住んでいるユーザ(105人)である。このような分析により、複数のユーザによる全体的な遊技店選択の傾向を把握することが可能となる。
図252(A)のマップは、遊技店Aに関する顧客住所分析であり、遊技店Aの周辺ユーザが、どの程度来店しているかを示すものである。図252(A)では、最も外側の円(例えば、遊技店A(◆で表示)の住所を中心に半径4kmの円)の内側に、遊技店Aで遊技を行う顧客を住所ごとにカウントしている。また、遊技店B、遊技店Cの位置も、「■」で示されている。例えば、所定期間において、最も外側の円の圏外に住所がある遊技者は2822人、遊技店Aに来店しており、円の内側には、それぞれ区分されたエリアごとに遊技者の人数が表示され、人数が多いエリア(100人以上)はクロスハッチングで示され、人数の少ないエリア(50人未満)は「白(ハッチングなし)」で示され、これらの中間の人数(50~99人)のエリアはハッチングで示されている。このような分析により、周辺ユーザの行動分析を行うことができ、また、競合店の検討に係る有効な資料となる。
図252(B)のグラフは、会員の店舗満足度を分析するもので、グローバル会員ID=「001」のユーザが、どの遊技店をどれぐらいの回数利用し、そのときの遊技時間や差枚数(払出数からメダルのベット数や遊技球の投入数を減じた数)を示すものである。このような分析により、例えば、この例では、遊技店の利用頻度や遊技時間が、単純に差枚数に比例するものではないことが分かる。
上記のような、図251、図252のマップ・グラフによる分析は、本実施形態において、複数の遊技店に関してユーザの消費情報、及び稼働情報が把握できるために可能となったものであるが、これらの分析は一例に過ぎず、本実施形態で把握されるデータに基づいて様々な分析を行うことが可能である。
例えば、ユーザの行動分析について、AI(Artificial Intelligence:人工知能)を使用して分析することも可能であり、AIによるサービスはクラウド上で提供することができる。なおその際に、複数の遊技店についてボリュームライセンスの発行も可能だが、グループ会社に対してグローバル会員IDを提供することも可能であり、管理者用のグローバル会員IDを提供することも可能である。
また、ユーザの特定に関してフェイシャルデータによる特定、連携も可能である、このようにすれば、会員登録を行っていいない者に対しても当該システムを適用することが可能である。
ここまで、図237~図252を参照して、第17実施形態に係る遊技システムについて説明してきたが、各装置の構成は例示に過ぎず、他の様々な構成によって、本願の技術的思想を具現化することができる。また、ここまで説明してきた第17実施形態に係る各装置を適宜組合せて新たな遊技システムを構築することが可能である。またさらに、第17実施形態に係る遊技システムを、上述した第1実施形態~第16実施形態に適宜適用させることができる。
また、本実施形態では、それぞれの遊技店において、封入式パチンコ機と封入式パチスロ機が設置されることを前提とし、これらの遊技機にそれぞれ専用ユニットが接続されるものとしたが、既存の遊技機(すなわち、封入式でない従来のパチンコ機やパチスロ機)を併設する遊技店においても、当該既存の遊技機に接続されるサンド装置等において、本実施形態に係る消費情報を会員管理サーバ10700に送信するよう構成することができ、さらに、稼働情報を、例えば、遊技店のホールコンピュータと連係することにより、会員管理サーバ10700で取得することができる。
以下、上述した第17実施形態に係る遊技システムにおける構成、及びその構成の効果について付記する。
<付記C-1>
従来、パチンコ遊技機などの遊技機においては、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた通過領域を遊技球が通過したことなど、所定の可変表示開始条件の成立により、画像表示装置の表示領域上に識別情報としての図柄を変動表示する制御が実行されて、変動表示された図柄を導出表示する制御が実行され、導出表示された図柄が所定の組合せ(特定の表示態様)となった場合に、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行するようにしたものが提供されている。
このような遊技機により遊技を行うためには、サンド装置に紙幣を投入して遊技媒体を払い出し、遊技者は、その遊技媒体を使って遊技を開始する。
例えば、特開2020-103619号公報のような管理システムでは、遊技者は、サンド装置を操作して貨幣と引き換えに遊技球の貸出を受け、それらの遊技球をパチンコ機の上皿に投入した後、発射ハンドルを用いて当該遊技球を発射することで遊技を行う。
しかしながら、特許文献1のような管理システムを含む既存の遊技システムでは、遊技媒体の貸出の状況や、遊技機における遊技結果などを、各遊技者について把握できるものの、その遊技者が、他の遊技店でどのような遊技を行っているかを把握することができない。
また、遊技者は、遊技の際に、かならず現金を用意し、これをサンド装置に投入して遊技媒体の貸出を受けてから遊技を行う必要があるため、現金の持ち合わせがない場合は遊技を行うことができず、また、少額の紙幣を持ち合わせていないために高額紙幣を投入した結果、つい使いすぎてしまうという問題がある。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、遊技媒体の貸出の状況や、遊技機における遊技結果などを、複数の遊技店に亘って把握可能な遊技システムを提供することを目的とする。
また、本発明は、容易に遊技を開始することができる遊技システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技システムを提供する。
(C-1-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
遊技機(例えば、遊技機10010)の稼働情報(例えば、遊技機10010の出玉情報)、及びユーザによって遊技用装置(例えば、専用ユニット10020)から遊技機に貸し出された遊技価値の情報を含む消費情報(例えば、キャッシュレスでの遊技媒体の貸出に係る決済の情報)を把握可能な遊技システム(例えば、遊技システムPS400)であって、
前記稼働情報、及び前記消費情報を記憶する稼働・消費情報記憶手段(例えば、稼働情報テーブル10755、消費履歴テーブル10754)を有し、
所定の遊技店のそれぞれにおいて、遊技用装置は、前記稼働情報、及び前記消費情報を送信可能であるように制御されることを特徴とする遊技システム。
(C-1-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
前記稼働・消費情報記憶手段は、前記ユーザを識別するためのユーザ識別子と、前記遊技機が配置されている遊技店を識別するための遊技店識別子に関連付けて、前記稼働情報、及び前記消費情報を記憶するように構成される。
(C-1-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、第2の実施態様において下記の構成を有する。
前記遊技用装置は、前記ユーザから現金を受け付けることなく、前記遊技機に前記遊技価値の情報を貸し出すよう制御可能であり、
前記稼働情報、または前記消費情報に基づいて、前記遊技用装置における前記ユーザの操作を制御する(例えば、ユーザの遊技や消費の程度に応じて、使いすぎやのめり込みを防止するために、メッセージを表示したり、貸出を停止したりする)ように構成される。
本発明によれば、遊技媒体の貸出の状況や、遊技機における遊技結果などを、複数の遊技店を横断的に把握することができ、このようなデータを、各ユーザの遊技へののめりこみ防止、行動分析、遊技店来訪への動機づけに役立てることができる。
また、本発明によれば、容易に遊技を開始することができる。例えば、貨幣を用いないキャッシュレス決済が可能になるため、現金の持ち合わせがない場合でも、容易に遊技を行うことができる。また、キャッシュレス決済により、高額紙幣の投入によって使いすぎたり、のめりこむといったことを回避することができる。一方、遊技店にとっても、遊技者の遊技意欲を削ぐことなく遊技の機会を与えることが可能となる。
<第18実施形態>
本発明の第1実施形態にかかる遊技システムについて、図253を参照して説明する。
なお、本明細書において、特に断りがない限り、パチンコ遊技機の正面側を前方向、パチンコ遊技機の背面側を後方向、パチンコ遊技機を前方から見たときの左側を左方向、パチンコ遊技機を前方から見たときの右側を右方向、パチンコ遊技機の上側を上方向、パチンコ遊技機の下側を下方向、パチンコ遊技機を前方から見たときの時計回りの方向を右回り方向、その逆に反時計回りの方向を左回り方向として定義する。
第1のパチンコ遊技機、及び第2のパチンコ遊技機は、いずれも、デジパチと称される所謂1種タイプのパチンコ遊技機である。このうち、第1のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示されることがなくいずれか一方のみが可変表示されるパチンコ遊技機である。これに対し、第2のパチンコ遊技機は、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能なパチンコ遊技機である。
また、第3のパチンコ遊技機は、デジパチと称される所謂1種タイプの遊技機と羽根モノと称される2種タイプの遊技機とを混合した1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機である。この明細書で説明する第3のパチンコ遊技機も、第1特別図柄、及び第2特別図柄を有するが、この明細書では、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示されることがなくいずれか一方のみが可変表示されるものを例に挙げて説明する。ただし、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して可変表示可能な1種2種混合機のパチンコ遊技機を排除する趣旨ではない。
なお、この明細書において、単に「特別図柄」と称するときは、特に言及しない限り、第1特別図柄、及び第2特別図柄の両方を意味するものとする。
また、本明細書でいう「可変表示」とは、例えば、図柄が変動して表示される「変動表示」、及び図柄が停止して表示される「停止表示」等の両方を含む概念であり、変動表示の開始から停止表示されるまでの動作を1回の「可変表示」と称する。変動表示している図柄が停止表示(以下、「導出」とも称する)されると、後述する特別図柄の当り判定処理(以下、「特別図柄抽選」もと称する)の結果や普通図柄の当り判定処理(以下、「普通図柄抽選」とも称する)の結果が確定する。なお、図柄が見掛け上は停止しているように見えるものの、特別図柄の当り判定処理や普通図柄の当り判定処理の結果が確定しない態様(例えば仮停止した態様)で図柄が表示される場合もあるが、このような態様は上記の変動表示に含まれる。なお、図柄が例えば仮停止した場合であっても、この時点では特別図柄の当り判定処理や普通図柄の当り判定処理の結果が確定していないため、再び図柄を変動表示させることができる。
[1-1.遊技システムの構成]
図253に示されている本実施形態の遊技システム15001の構成を説明する場合、遊技機15010を遊技者から見て、手前側を前側とし、奥側を後側として、前後方向を規定する。また、遊技機15010を遊技者から見て、左手側を左側とし、右手側を右側として、左右方向を規定する。
図253の遊技システム15001では、パチンコホール内における遊技に関する情報を管理することが可能である。遊技システム15001は、遊技機15010、貸出ユニット15020、台コン(台コントローラ)15030、データランプ15040、HCBOX(ホールコンボックス)15050、パルス処理機15060、ホールコンピュータ15070、精算機(カード精算機)15080、持ち玉処理機(持ち玉カード処理機)15090、カードサーバ15100、及び会員サーバ15110を有する。また、遊技システム15001は、外部の各種サーバと接続される。
本実施形態に係る遊技システム15001は、例えば、(所定企業A社のデータセンターである)A社データセンターの第三者管理サーバ15120、中央管理サーバ15130、及び遊技機情報処理サーバ15140に接続される。また、遊技機情報処理サーバ15140は、さらに、所定団体(例えば、A団体)の遊技機情報管理サーバ15150、及び所定団体(例えば、B団体)の遊技機情報管理サーバ15160に接続される。
遊技機15010は、店舗内に設置される。遊技機には、例えば、パチンコ機15011、パチスロ機15012、管理遊技機15013、及びメダルレス機15014が含まれるが、本明細書では、これらを集合的に指す場合、「遊技機15010」の用語を用いる。図253においては、パチンコ機15011、パチスロ機15012、管理遊技機15013、メダルレス機15014がそれぞれ、店舗内の別々の島に設置されている。
パチンコ機15011は、遊技者が遊技球を投入可能な遊技機である。遊技者は、投入した遊技球を遊技領域に打ち出すことによって、パチンコ機15011で遊技を行うことができる。また遊技において、遊技球がパチンコ機15011から適宜払い出される。
パチスロ機15012は、遊技者が遊技メダルを投入可能な遊技機である。遊技者は、遊技メダルをパチスロ機15012に投入することによって、パチスロ機15012で遊技を行うことができる。また遊技において、遊技メダルがパチスロ機15012から適宜払い出される。
管理遊技機15013は、内部に一定数の遊技球が封入され、遊技において当該遊技球が循環される封入式の遊技機である。管理遊技機15013において、遊技球はデータによって管理される。ただし、封入された遊技球が島を循環するように構成してもよい。
メダルレス機15014は、遊技において遊技メダルの投入を必要としないパチスロ機である。メダルレス機15014において、遊技メダルはデータによって管理される。
貸出ユニット15020は、遊技媒体の貸し出しを行うためのものである。なお、遊技媒体は、遊技球、遊技メダル、電子データ化された遊技球、及び電子データ化された遊技メダルを含む。
なお、上述した管理遊技機15013では、内部に一定数の遊技球が封入されており、これらの物理的に存在する遊技球に関し、管理遊技機15013に提供された遊技球の数や、管理遊技機15013から獲得した遊技球の数が、遊技媒体数として電子的に管理される。一方、上述したメダルレス機15014では、物理的にメダルは存在しておらず、メダルレス機15014に提供された仮想的なメダルの数や、メダルレス機15014から獲得した仮想的なメダルの数が、遊技媒体数として電子的に管理される。
貸出ユニット15020は、遊技機15010と隣接するように設置される。貸出ユニット15020は、遊技者が投入した紙幣やカード(ビジターカード、及び会員カード)から読み取った情報に基づいて、遊技媒体を貸し出し可能に構成される。貸出ユニット15020は、会員カードが挿入されていない場合、残高や遊技可能な遊技媒体が残っている状態で遊技者が遊技を終了すると、残高や遊技媒体の数を示す情報を記録したビジターカードを遊技者に返却、または発行する。貸出ユニット15020には、遊技球貸出ユニット15021、遊技メダル貸出ユニット15022、管理遊技機対応貸出ユニット15023、及びメダルレス機対応貸出ユニット15024が含まれる。
なお、貸出ユニット15020では、上記のように、残高や遊技可能な遊技媒体の数(例えば、持ちメダル数)を管理・表示するが、残高に関しては、入金された入金額に基づく金額そのものを単位として用いる場合だけでなく、入金額に応じた支払い済み情報の単位として「度数」を用いる場合もある。しかしながら、本明細書では、説明の便宜上、残高の単位を金額で管理・表示するものとする。
また、本実施形態では、例えば、ICカードで構成される遊技者のカード(ビジターカード、及び会員カード)が貸出ユニットの記憶媒体挿入口(例えば、後述するカード挿入口15321)から挿入され、そこで読み取られた情報により、貸出ユニットに、残高、持ちメダル、貯メダル、持ち玉、貯玉に関する情報が提供される(情報の流れとしては、これらに関する数量情報がカードから移動、またはカードの情報に基づいてサーバ等からセットされる)。また、遊技者のカードからは、上記のような遊技に係る数量情報だけでなく、他の情報についても、読み取られ、貸出ユニットに提供されうる。
しかしながら、このような記憶媒体の受け付けに係る形態は一例に過ぎず、例えば、スマートフォンなどの携帯端末や、他のICカードといった記憶媒体を受け付け(例えば、後述するタッチ案内マーク15304付近に近づけ(または、タッチし))、そこで、非接触ICカードRW15406によって読み取られた情報により、残高、持ちメダル、貯メダル、持ち玉、貯玉に関する情報や、他の情報が貸出ユニットに提供されるようにしてもよい。この他、様々なタイプの記憶媒体をそれぞれ対応する形態で受け付け、その記憶媒体に記憶された情報、または関連付けられた情報を、貸出ユニットに提供するよう構成することができる。
さらに、本実施形態では、例えば、所定の条件により、遊技者のカード(ビジターカード、及び会員カード)に、残高、持ちメダル、貯メダル、持ち玉、貯玉に関する情報や、他の情報が書き込まれ、例えば、後述するカード挿入口15321から排出されるように構成される。また、遊技者のカードが挿入されていない場合、残高、持ちメダル、貯メダル、持ち玉、貯玉に関する情報や、他の情報は、貸出ユニットが内部に収納する新たなカードを発行して記憶し、排出することもある。
しかしながら、このような記憶媒体への情報の書き込み、及び排出(遊技者が利用可能な状態に戻すこと)に係る形態は一例に過ぎず、例えば、スマートフォンなどの携帯端末や、他のICカードといった記憶媒体に対して、これらの情報を書き込むことができる。例えば、スマートフォン等を、後述するタッチ案内マーク15304付近に近づける(または、タッチする)ことによって、非接触ICカードRW15406において、残高、持ちメダル、貯メダル、持ち玉、貯玉に関する情報や、他の情報が、その記憶媒体の記録部に書き込まれる。書き込みは瞬時に終了するが、正常に書き込みがされたことを、例えば、後述する貸出ユニットの操作ユニット15409に表示させたり、遊技者が書き込み内容を了解した旨を貸出ユニットに伝えるために、操作ユニット15409に表示されたボタンを遊技者がタッチするようなGUIを設けることができる。この他、様々なタイプの記憶媒体に対して、それぞれ対応する形態で情報を書き込むようにすることができる。
遊技球貸出ユニット15021は、遊技球を貸し出すためのものである。遊技球貸出ユニット15021は、パチンコ機15011と隣接するように設置される。遊技メダル貸出ユニット15022は、遊技メダルを貸し出すためのものである。遊技メダル貸出ユニット15022は、パチスロ機15012と隣接するように設置される。管理遊技機対応貸出ユニット15023は、電子データ化された遊技球を貸し出すためのものである。管理遊技機対応貸出ユニット15023は、管理遊技機15013と隣接するように設置される。メダルレス機対応貸出ユニット15024は、電子データ化された遊技メダルを貸し出すためのものである。メダルレス機対応貸出ユニット15024は、メダルレス機15014と隣接するように設置される。
台コン15030は、パチンコ機15011、パチスロ機15012、及びパルス処理機15060に対してそれぞれ1台設置される。台コン15030は、遊技球貸出ユニット15021、遊技メダル貸出ユニット15022、及びホールコンピュータ15070と接続される。また台コン15030は、データランプ15040を介してパチンコ機15011、及びパチスロ機15012と接続される。台コン15030は、遊技機15010の動作状況等をパチンコ機15011等から収集し、ホールコンピュータ15070等に出力する。
データランプ15040は、対応するパチンコ機15011、パチスロ機15012、管理遊技機15013、メダルレス機15014等の遊技情報(例えば、当日や過去の大当り回数等)を表示するデータ表示機であり、例えば、当該遊技情報を表示するための液晶画面等を有する装置である。
HCBOX15050は、ホールコンピュータ15070等に各種情報を出力するためのものである。HCBOX15050は、管理遊技機対応貸出ユニット15023、及びメダルレス機対応貸出ユニット15024に対してそれぞれ1台設置される。HCBOX15050は、管理遊技機対応貸出ユニット15023、及びメダルレス機対応貸出ユニット15024と接続され、当該貸出ユニットからの情報をホールコンピュータ15070等に出力する。
また、管理遊技機対応貸出ユニット15023、及びメダルレス機対応貸出ユニット15024からの情報は、カードサーバ15100、及びA社データセンターの遊技機情報処理サーバ15140を介して、遊技機情報センターの遊技機情報管理サーバ15150、15160に出力される。なお、遊技機情報センターは、遊技機情報センター(A団体)の遊技機情報管理サーバ15150と、遊技機情報センター(B団体)の遊技機情報管理サーバ15160にそれぞれ情報が出力される。
パルス処理機15060は、パルスを出力することによって、貸出ユニット15020からの情報(例えば、計数、及び払い出された持ち玉等の数)をホールコンピュータ15070等に通知する。パルス処理機15060は、例えば、島ごとに設置される。パルス処理機15060は、台コン15030等を介して貸出ユニット15020、及びホールコンピュータ15070と接続される。また、パルス処理機15060は、島ハブH1、フロアーハブH2、及び事務所内ハブH4を介してカードサーバ15100と接続され、カードサーバ15100にもパルスを出力できるように構成される。
ホールコンピュータ15070は、遊技結果、入金、売上及び精算の管理等を行うためのものである。ホールコンピュータ15070は、事務所内に設置される。ホールコンピュータ15070には、台コン15030を介してパチンコ機15011、及びパチスロ機15012の遊技結果等が入力される。また、ホールコンピュータ15070には、HCBOX15050を介して管理遊技機15013、及びメダルレス機15014の遊技結果等が入力される。
精算機15080は、カードの残高の精算等を行うためのものである。精算機15080は、フロアーハブH2、及び事務所内ハブH4を介してカードサーバ15100と接続される。精算機15080は、貸出ユニット15020から返却されるカードを挿入できるように構成され、残高を記憶するカードが挿入された場合、当該残高に応じた現金を払い出す。この際、精算機15080は、カードサーバ15100に所定の情報を送信する。また精算機15080は、所定のハブを介してホールコンピュータ15070と接続されており、現金を払い出した際にホールコンピュータ15070にも所定の情報を送信する。
持ち玉処理機15090は、景品交換POS(不図示)へのカード情報の伝達等を行うためのものである。持ち玉処理機は、店舗内の景品カウンターに設けられ、景品交換POSと接続される。持ち玉処理機15090は、カウンターハブH3、フロアーハブH2、及び事務所内ハブH4を介してカードサーバ15100と接続される。持ち玉処理機15090は、貸出ユニット15020から返却・発行されるカードを挿入できるように構成される。持ち玉処理機15090は、持ち玉を記憶するカードや、貯玉に関連付けられたカードが挿入された場合、当該カードに応じた持ち玉数や貯玉数を景品交換POSに通知する。その後、景品交換等の結果に応じて、景品交換POSより持ち玉数や貯玉数の変更要求があった場合には、持ち玉処理機15090は、必要に応じて、当該カードの記憶内容を更新し、所定の情報をカードサーバ15100に送信する。
カードサーバ15100は、システム上の売り上げや残額、及び持ち玉情報の管理等を行うためのものである。カードサーバ15100は、管理する情報に関するデータベースを有する。カードサーバ15100は事務所内に設置され、会員サーバ15110と接続される。また、カードサーバ15100は、事務所内ハブH4、及びルーターRを介してA社データセンターのサーバと接続される。カードサーバ15100は、貸出ユニット15020、精算機15080、及び持ち玉処理機15090等で行われたカード取引に紐づく要求を受け付ける。カードサーバ15100は、要求に応じてデータベースを更新したり、要求の種別に応じて会員サーバ15110や遊技機情報センターへ要求を転送する。要求の転送において、カードサーバ15100は、A社データセンターの遊技機情報処理サーバ15140を介して遊技機情報センタへ要求を転送する。また、カードサーバ15100は、カードの売上データを集計して集計データを生成する。
会員サーバ15110は、会員カードに関する情報(例えば、会員識別情報や貯玉数)の管理等を行うためのものである。会員サーバ15110は、事務所内に設置される。会員サーバ15110は、カードサーバ15100からの要求に応じて適宜応答する。
A社データセンターの第三者管理サーバ15120は、全店舗の売上データの集積管理等を行うためのものである。第三者管理サーバ15120は、遊技場以外の第三者機関(図253では、カード会社であるA社)に設置され、ルーターR等を介してカードサーバ15100と接続される。第三者管理サーバ15120には、カードサーバ15100から集計データが入力される。
A社データセンターの中央管理サーバ15130は、全店舗の状態管理や異常の検知、及び通知等を行うためのものである。中央管理サーバ15130は、A社データセンターに設置され、ルーターR等を介して店舗内の機器(貸出ユニット15020、パルス処理機15060、及びカードサーバ15100等)と接続される。中央管理サーバ15130は、店舗内の機器のアプリケーションやプログラムをアップデートするためのファイルを配信するように構成することもできる。中央管理サーバ15130は、カードサーバ15100との接続状態等を監視し、異常が検知された場合に適宜通知する。
A社データセンターの遊技機情報処理サーバ15140は、管理遊技機15013、及びメダルレス機15014の情報処理を行うためのものである。遊技機情報処理サーバ15140は、A社データセンターに設置され、ルーターR等を介して店舗内の機器と接続される。遊技機情報処理サーバ15140には、管理遊技機15013、及びメダルレス機15014に関する情報が店舗内の機器から適宜入力される。なお、本明細書では、A社データセンターのコンピュータ(第三者管理サーバ15120、中央管理サーバ15130、遊技機情報処理サーバ15140)をまとめて指す場合には、「管理コンピュータ」との用語を用いることとする。
なお、貸出ユニット15020(例えば、遊技球貸出ユニット15021、遊技メダル貸出ユニット15022、管理遊技機対応貸出ユニット15023、及びメダルレス機対応貸出ユニット15024)には、紙幣による入金のほか、電子マネー等による入金が可能な構成とすることもでき、例えば、電子マネー等を入金するためのICカードの情報を読み書きする非接触ICカードリーダ(例えば、図256に示す非接触ICカードRW15406等)を備えうる。
また、本実施形態では、ビジターカードや会員カードといったICカードからなる記憶媒体(可搬型記憶媒体)によって、貸出ユニット15020との間で、残高、持ちメダル(持ち玉)、貯メダル(貯玉)の情報をやりとり可能であり、これらのICカードの情報を読み書きするのに、ICカードリーダ(例えば、図256に示すICカードRW15405)を備えるが、これらのICカードを上記のような非接触ICカードリーダで読み書きするように構成してもよいし、また、ICカード以外の記憶媒体(例えば、スマートフォンや他の可搬型記憶媒体)を使用し、これらの記憶媒体の情報を読み書きできるデバイスを備えるようにできる。
[1-2.メダルレス機の構成]
次に、図254を参照して、本願の遊技システム15001に含まれるメダルレス機15014の構成について説明する。図254は、本願のメダルレス機に係る構成を示すブロック図である。
メダルレス機15014は、図254に示す各種構成を有することで遊技を実行可能に構成されている。図254では、メダルレス機15014が、メダルレス機対応貸出ユニット15024に接続されるように示されているが、以降、本明細書では、図254での表記を含め、このメダルレス機対応貸出ユニット15024を単に、「貸出ユニット15024」と表記する。
なお、貸出ユニット15024は、図253に示すように、遊技店のホールコンピュータ15070と、例えば、LAN回線等によって接続され、ホールコンピュータ15070に対してデータを送信可能に構成されている。
また、貸出ユニット15024は、遊技球等接続端子板15243を介して、主制御基板15211と双方向通信可能に接続される。貸出ユニット15024は、主制御基板15211との間で必要な通信を行うことにより、貸出動作(すなわち、遊技者がベット操作を行う上で必要なメダルを提供する動作)、付与動作(すなわち、メダルの付与に係る役に入賞(当該役が成立)した等の場合に遊技者に対してメダルを付与する動作)、及びこれらの動作によって提供されたメダルの数量を電子的に記録する動作等を行う。
なお、本実施形態において、「価値情報」は、現金のみならず、持ちメダル、持ち玉、貯メダル、貯玉といった、貸出ユニット15024等で受付可能な、遊技の原資となるべき価値の数量を示す情報であり、例えば、現金に関しては残高のような金額や度数のような数量、持ちメダルに関しては持ちメダル数、持ち玉に関しては持ち玉数、貯メダルに関しては貯メダル数、貯玉に関しては貯玉数が、この価値情報に対応する。
また、それぞれの情報、すなわち、残高・度数、持ちメダル数、持ち玉数、貯メダル数、貯玉数は、価値情報の「種別」として特定されうる。また、価値情報としては、このほかに、電子マネーやWEBマネー等によってチャージされる金額や度数など、様々な種別の価値に関する情報が考えられる。また、電子マネーやWEBマネー等は、そのような種別として管理されてもよいし、上述の現金(残高)に加算(チャージ)され、貸出ユニット15024等では、現金(残高・度数)という種別でも管理されうる。
こうした価値情報が、貸出ユニット15024等に受け付けられると、価値情報に関する「価値情報」、または種別ごとの「特定情報」として、貸出ユニット15024等の記憶手段に記憶される。より具体的には、「現金」の受け付け(例えば、紙幣の投入や、携帯端末等のタッチによる電子マネー等での入金等)によって、金額や度数が価値情報、特定情報として記憶される。また、「持ちメダル」、「持ち玉」の受け付け(例えば、会員カードやビジターカードの挿入や、スマートフォンのような携帯端末等のタッチによる持ちメダル等の移動)によって、それぞれ、持ちメダル数、持ち玉数が価値情報、特定情報として記憶される。また、同様に、「貯メダル」、「貯玉」の受け付け(例えば、会員カードの挿入や、スマートフォンのような携帯端末等のタッチによる貯メダル等の移動)によって、それぞれ、貯メダル数、貯玉数が、価値情報、特定情報として記憶される。
また、上述の「価値情報」に関する「所定情報」が、例えば、貸出ユニット15024からメダルレス機15014に提供される。例えば、貸出ユニット15024に記憶されている金額や度数に基づいて、所定金額、所定度数に対応するメダル数や玉数が遊技機に貸し出されるが、この場合「所定情報」は、遊技機に貸し出されるメダル数、玉数に対応する。また、貸出ユニット15024に記憶されている持ちメダル数、持ち玉数に基づいて、それぞれ、そのうちの少なくとも一部であるメダル数、玉数が遊技機に払い出されるが、この場合「所定情報」は、遊技機に払い出されるメダル数、玉数に対応する。さらに、貸出ユニット15024に記憶されている(または、所定のサーバから取得される)貯メダル数、貯玉数に基づいて、それぞれ、そのうちの少なくとも一部であるメダル数、玉数が再プレイの指定により遊技機に提供されるが、この場合「所定情報」は、遊技機に提供されるメダル数、玉数に対応する。
また、遊技に用いられることで減少し、遊技における当選により獲得することで増加するメダル数や玉数が、遊技機の記憶手段に貯留されるが、こうしたメダル数や玉数は、「価値情報」に関する「貯留情報」である。「貯留情報」は、例えば、電子データとして管理される価値情報であり、上述のメダル数や玉数が電子データとして管理される。例えば、貸出ユニット15024は、メダルレス機15014に貯留されている「貯留情報」を取得することができ、ここで、「貯留情報」には、遊技機に貯留されているメダル数や玉数のほか、貯留されているメダル数や玉数が所定の条件を満たした際に所定値にセットされるフラグや他の関連情報が含まれうる。
また、電子マネー、WEBマネー等は、スマートフォンなどの携帯端末や、(遊技店発行のものでない)ICカードなどに記憶され、または関連付けられて貸出ユニット15024等で受け付けられることも考えられる。例えば、(1)電子マネーやWEBマネー等に基づく金額等が、スマートフォンなどの携帯端末等に記憶され、または関連付けられ、一方で、持ちメダル数や持ち玉数といった価値情報がICカード(ビジターカードや会員カード)等に記憶等される場合、(2)電子マネーやWEBマネー等に基づく金額等がICカード(ビジターカードや会員カード)等に記憶され、または関連付けられ、一方で、持ちメダル数や持ち玉数といった価値情報が携帯端末等に記憶され、または関連付けられる場合、(3)電子マネーやWEBマネー等に基づく金額等に加え、持ちメダル数や持ち玉数といった価値情報が携帯端末等に記憶され、または関連付けられる場合、(4)電子マネーやWEBマネー等に基づく金額等、持ちメダル数、持ち玉数といった価値情報がICカード(ビジターカードや会員カード)等に記憶され、または関連付けられる場合など、様々なケースが考えられる。本実施形態では、このような価値情報が記憶され、または関連付けられる記憶媒体として、ICカード(ビジターカード、会員カード)での使用を中心に説明しているが、以降で説明する本実施形態の各機能においては、上述した様々な記憶態様による様々な記憶媒体で価値情報を受け付けることができる。
また、貸出ユニット15024は、外部のホールコンピュータ15070等に対し、通信装置を介して、出玉情報を含む稼働情報や、遊技媒体の貸出等に係る情報を含む消費情報を送信可能に構成される。
メダルレス機15014は、主制御基板15211と、副制御基板15212と、ドア中継基板15213と、副中継基板15214とを有する。主制御基板15211とドア中継基板15213、ドア中継基板15213と副中継基板15214、及び副中継基板15214と副制御基板15212は、それぞれ電気的に接続されている。また、主制御基板15211と副制御基板15212は、ドア中継基板15213、及び副中継基板15214を介して、主制御基板15211から副制御基板15212に対して一方向のシリアル通信が可能となるように電気的に接続されている。
主制御基板15211は、遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御部)としての主制御部15211aと、遊技媒体の管理に関する制御を行う遊技媒体管理装置(遊技媒体制御部)としてのメダル数制御部15211bとを有する。主制御基板15211には、メインCPU、メインRAMが搭載(接続)される。
ここで、図254では、主制御部15211aと、メダル数制御部15211bとを、同じ主制御基板15211に搭載するものとしているが、これらをそれぞれ別の基板に搭載し(別基板として構成し)、これらが電気的に接続されることで、同様の機能が発揮されるように構成してもよい。その場合、主制御部15211aは主制御基板に搭載され、メダル数制御部15211bはメダル数制御基板に搭載される。
副制御基板15212は、演出に関する制御を行う演出制御基板であり、樹脂製の副制御基板ケース(不図示)内に収容されている。副制御基板15212には、サブCPUが搭載(接続)される。
また、ドア中継基板15213は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、各種デバイス等と主制御基板15211との間、及び主制御基板15211と副制御基板15212との間を中継するための中間制御基板である。また、副中継基板15214は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、副中継基板15214に接続された各種デバイス等と副制御基板15212との間等を中継するための中間制御基板である。
また、メダルレス機15014は、電源基板15215a、及び電源スイッチ15215bを含む電源ユニット15215を有する。
また、メダルレス機15014は、リールユニット15221と、リセットスイッチ15222と、設定用鍵型スイッチ15223と、計数スイッチ15224とを有しており、これらは主制御部15211aと電気的に接続されている。なお、これらはドア中継基板15213を介して主制御部15211aに接続されるものであってもよい。また、制御が円滑に行われる限り、メダル数制御部15211bに接続されるものであってもよい。
リールユニット15221は、3個のリール3L(左リール),3C(中リール),3R(右リール)を主体に構成されている。各リール3L,3C,3Rは、例えば、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のリール帯から構成され、リール帯には、複数(例えば、20個)の図柄がリールの回転方向に沿って所定の間隔を空けて描かれている。また、各リール3L,3C,3Rは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。また、リセットスイッチ15222は、遊技店側の管理者によるリセット操作を検出可能としている。リセット操作は、各種のエラー状態を解除するための操作である。また、設定用鍵型スイッチ15223は、メダルレス機15014の設定値(例えば、6段階の設定1~設定6)を変更するとき(設定変更)、もしくは、メダルレス機15014の設定を確認するとき(設定確認)に使用される。また、計数スイッチ15224は、クレジットされているメダル(すなわち、メダルレス機15014の内部に貯留されているメダル数)を返却(貸出ユニット15024に、貯留されているメダル数を移動)するための計数操作(クレジット精算操作)を受け付ける計数ボタン(不図示)の押下を検出する。
もっとも、メダルレス機15014はメダルレス遊技機として構成されているので、計数スイッチ15224により対応する計数ボタン(不図示)が押下されたことが検出された際には、クレジットされているメダル数を表すデータが、遊技球等接続端子板15243を介して貸出ユニット15024に送信される(クレジット精算が行われる)。
また、メダルレス機15014は、スタートスイッチ15231と、1BETスイッチ15233と、MAXBETスイッチ15234と、ストップスイッチ基板15235と、ドア開閉スイッチ15236と、遊技情報表示ユニット15237とを有しており、これらはドア中継基板15213を介して主制御部15211aと電気的に接続されている。なお、これらはドア中継基板15213を介することなく主制御部15211aに直接接続されるものであってもよい。また、制御が円滑に行われる限り、メダル数制御部15211bに接続されるものであってもよい。
スタートスイッチ15231は、遊技を開始するためのスタートレバー等の操作を検出する。また、1BETスイッチ15233は、「1BET」ボタンの押下を検出し、また、MAXBETスイッチ15234は、「MAXBET」ボタンの押下を検出する。また、ストップスイッチ基板15235は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための各ストップボタン8L,8C,8Rの停止操作を検出する。また、ドア開閉スイッチ15236は、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられ、下ドア機構DDが開放状態となったときにオン状態となり、閉鎖状態となったときにオフ状態となることで、下ドア機構DDの開閉を監視する。
また、メダルレス機15014は、クレジットされているメダル(すなわち、メダルレス機15014の内部に貯留されている貯留メダル)の数量を示すメダル数表示ユニット15241を有しており、これは、メダル数制御部15211bと電気的に接続されている。なお、後述する貸出ユニット15024の操作で、メダルレス機15014の内部に貯留されている貯留メダルのメダル数がクリアされると、所定の信号がメダル数制御部15211bに出力され、このときにメダル数制御部15211bは、当該信号に基づいて、メダル数表示ユニット15241に設けられたクレジット表示用の5桁の7セグLEDの表示を「00000」(クレジット数=0)にするよう、メダル数表示ユニット15241を制御する。
また、このメダル数表示ユニット15241は、ドア中継基板15213を介してメダル数制御部15211bに接続されるものであってもよい。また、制御が円滑に行われる限り、主制御部15211aに接続されるものであってもよい。
遊技球等接続端子板15243は、稼働情報(例えば、メダル投入信号、メダル払出信号等の信号)等を外部に出力する。なお、遊技球等接続端子板15243には、貸出ユニット15024とメダル数制御部15211bとを接続するための接続機構部(不図示)が実装される。
また、メダルレス機15014は、表示装置15251を有しており、これは副制御基板15212と電気的に接続されている。なお、表示装置15251は副中継基板15214を介して副制御基板15212に接続されるものであってもよい。ここで、表示装置15251は、演出画像等を表示するメイン表示装置やサブ表示装置である。
また、メダルレス機15014は、スピーカ群15252と、LEDドライブ基板15253と、演出スイッチ15254と、操作スイッチ15255とを有しており、これらは副中継基板15214を介して副制御基板15212と電気的に接続されている。なお、これらは副中継基板15214を介することなく副制御基板15212に直接接続されるものであってもよい。
スピーカ群15252は、効果音やBGM等の音声を出力するスピーカである。また、LEDドライブ基板15253は、各LED基板15256の駆動回路が実装された基板であり、各LED基板15256は、演出等に係る光を出力するランプ・LED群である。また、演出スイッチ15254、及び操作スイッチ15255は、遊技者が演出用に操作する演出用ボタン、操作ボタンの押下を検出する。
上述した遊技情報表示ユニット15237は、各種遊技情報を表示可能に構成され、その表示動作は、主制御部15211a内の主制御用マイクロプロセッサ(主制御回路)により制御される。なお、遊技情報表示ユニット15237は、遊技者が容易に視認できる位置であれば任意の位置に設けることが可能である。例えば、メダルレス機15014における前面扉の台座部に設けられるようにすればよい。
遊技情報表示ユニット15237には、例えば、遊技媒体の払出数(遊技媒体の付与数)の情報を表示するための払出表示部が設けられる。払出表示部は、当該情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための2桁の7セグLEDで構成される。
また、遊技情報表示ユニット15237には、遊技の動作情報を示すランプとして、「START」、「REPLAY」、「1BET」、「2BET」、「3BET」と表記されたベット数表示用のLEDが設けられる。
例えば、遊技媒体のベット数(投入数)が0の状態(全てのラインLEDが消灯状態)において、1ベットボタンが押下されると「1BET」のラインLEDが点灯し、続けて、1ベットボタンが押下されると「1BET」及び「2BET」のラインLEDが点灯し、さらに続けて、1ベットボタンが押下されると「1BET」~「3BET」の全てのラインLEDが点灯するとともに、「START」のラインLEDが点灯する。この際、1ベットボタンが押下される度に、後述のメダル数表示ユニット15241内の5桁の7セグLEDで表示された遊技媒体の貯留数(クレジット数)の値が1減算される。
また、例えば、遊技媒体のベット数(投入数)が0の状態(全てのラインLEDが消灯状態)において、MAXベットボタンが押下されると、「1BET」~「3BET」の全てのラインLEDが点灯するとともに、「START」のラインLEDが点灯する。この際、1回のベット操作で、5桁の7セグLEDで表示されている遊技媒体の貯留数(クレジット数)の値は3減算される。
さらに、例えば、前回のゲームでリプレイ役が入賞した場合には、「START」及び「REPLAY」のラインLEDが点灯する。この際、5桁の7セグLEDで表示されている遊技媒体の貯留数(クレジット数)の値は減算されない。
また、遊技情報表示ユニット15237には、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下(例えば、AT状態)において、報知する停止操作の情報を表示するための指示表示部が設けられる。指示表示部は、当該情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための3桁の7セグLEDで構成される。
なお、本実施形態の遊技システム15001に含まれうるパチンコ機15011、及びパチスロ機15012については、既知の構成であるため説明を省略する。また、管理遊技機15013については、遊技が異なるために、メダルレス機15014とは、遊技者が遊技のために使用する操作ボタンの押下を検知するスイッチ等の構成が相違するが、管理遊技機対応貸出ユニット15023と管理遊技機15013との間の関係に関しては、遊技者の操作に基づいて、両者の間で、電子データ化された遊技媒体の数量を表す情報をやりとりするという点で、貸出ユニット15024とメダルレス機15014との間の関係と同様であり、ここでは、管理遊技機15013の構成についても、詳細な説明を省略する。
なお、管理遊技機15013では、主制御基板は、遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御部)としての主制御部と、遊技媒体の管理に関する制御を行う遊技媒体管理装置(遊技媒体制御部)としての枠制御部とを有する。
また、管理遊技機15013では、図254に示したメダルレス機15014と同様に、主制御部と枠制御部とを、同じ主制御基板に搭載するものとしているが、これらをそれぞれ別の基板に搭載し(別基板として構成し)、これらが電気的に接続されることで、同様の機能が発揮されるように構成してもよい。その場合、主制御部は主制御基板に搭載され、枠制御部は枠制御基板に搭載される。
管理遊技機15013において、例えば、発射装置は、遊技領域の上方に位置し、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射する。遊技者がハンドルを操作すると、払出制御回路により球送りソレノイドが駆動させられ、球送り杵が発射台の方向へと、待機状態の遊技球を押し出す。これにより、遊技球が発射台へ移動する。また、待機位置から発射台への経路には減算センサが設けられており、発射台へ移動する遊技球を検出する。減算センサによって遊技球が検出された場合には、持ち球数が1減算される。
このように、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射するように構成されているため、管理遊技機15013ではいわゆる戻り球(ファール球)を回避することができる。そして、遊技領域を転動した後に遊技領域から排出された遊技球は、球磨き装置によって磨かれる。球磨き装置によって磨かれた遊技球は、揚送装置によって上方へと搬送され、発射装置に導かれる。遊技球は管理遊技機15013の外部に排出されずに、当該遊技機において一定数(例えば、50個)の遊技球が一連の経路を循環するように構成されている。また、球磨き装置を設けずに、遊技球を遊技機の外部に排出する排出機構と、遊技機の外部で磨き上げた遊技球を遊技球の内部に取り込む取込機構とを設けるようにしてもよい。この場合、取込機構は、取込専用の樋を設けてもよいし、遊技領域に設けられた入賞口から取り込むように構成してもよい。
管理遊技機15013では、遊技球が遊技機の外部に排出されないため、遊技球を一時的に保持するための上皿や下皿は設けられていない。管理遊技機15013では遊技球が外部に排出されないことから、遊技者の手元に遊技球が実際にある訳ではなく、遊技を行うことにより遊技球が現実に増減する訳ではない。管理遊技機15013において、遊技者は、管理遊技機対応貸出ユニット15023(遊技媒体取扱装置)からの貸出により持ち球を得てから遊技を開始する。ここで、持ち球を得るとは、遊技者が、データ管理上、遊技媒体を得ることをいう。そして、発射装置から遊技球が発射されることにより持ち球が消費され、持ち球数が減少する。また、遊技球が遊技領域に設けられた各入賞口(始動口)等を通過することにより、入賞口に応じて設定された条件に従った数だけ払出が行われ、持ち球数が増加する。
さらに、管理遊技機対応貸出ユニット15023からの貸出によっても、持ち球数が増加する。また、例えば、遊技の終了によって管理遊技機15013に記憶される遊技価値(すなわち持ち球)の全部を清算したり、持ち球の一部を管理遊技機対応貸出ユニット15023に送信する操作(例えば、「計数」ボタンのタッチ)を行ったりすることによって、持ち球の全部または一部が管理遊技機対応貸出ユニット15023で管理される遊技価値に統合される場合、管理遊技機15013に記憶される遊技価値は、減算またはクリアされ、持ち球数は減少する。さらに、遊技領域の上方から遊技球が発射されるタイプの遊技機にはファール球の概念がないが、従来の遊技機のように下方から遊技球が発射される場合にはファール球が発生しうる。そのため、下方から遊技球が発射されるタイプの遊技機の場合、ファール球の発生有無によっても、持ち球数の増減が発生する。なお、「遊技媒体の消費、貸出、及び払出」とは、持ち球の消費、貸出、及び払出が行われることを示す。また、「遊技媒体の増減」とは、消費、貸出、及び払出によって持ち球数が増減することを示す。また、「遊技媒体の消費、貸出、及び払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータ」とは遊技球が発射されることによる持ち球の減少と、貸出、及び払出による持ち球の増加とに関するデータである。
管理遊技機15013は、枠制御部(遊技媒体管理装置)、及びタッチパネル式である液晶表示装置を有している。枠制御部は、遊技球が各入賞口等の通過を検出する各種センサに接続されている。枠制御部は、持ち球数を管理している。例えば、遊技球が各入賞口を通過した場合には、そのことによる遊技球の払出個数を持ち球数に加算する。また、遊技球が発射されると持ち球数を減算する。枠制御部は、遊技者の操作により、持ち球数に関するデータを管理遊技機対応貸出ユニット15023へ送信する。また、上記の液晶表示装置は遊技機の上部に位置し、管理遊技機対応貸出ユニット15023で管理する遊技価値から持ち球への変換(球貸し)や、持ち球の計数(返却)の要求を受け付ける。そして、これらの要求を管理遊技機対応貸出ユニット15023を介して枠制御部に伝え、枠制御部が現在の持ち球数に関するデータを管理遊技機対応貸出ユニット15023に送信するように指示する。ここで、「遊技価値」とは、例えば、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネー、及びチケット等であり、管理遊技機対応貸出ユニット15023によって持ち球に変換することが可能であるものを示す。
なお、管理遊技機15013は、遊技者が遊技球に触れることができないように構成されていればよく、例えば、遊技球を島設備で循環させずに当該遊技機のみで循環させるタイプのもの、及び遊技球が島設備を循環するものの遊技者が遊技球に触れることができないタイプのもの等も、管理遊技機15013に含まれる。
[1-3.貸出ユニットの構成]
次に、図255を参照して、貸出ユニット15024の外観について説明する。図255は、貸出ユニット15024の斜視図である。貸出ユニット15024は、図255に示すように、縦長の略箱状に形成され、貸出ユニット15024の左右両側は側板によって閉塞され、対応する遊技機は、左側で隣接するように配置される。
貸出ユニット15024の上段には、遊技者が紙幣を投入する紙幣投入口15301が配置され、紙幣投入口15301から挿入された紙幣は、内部に設けられた後述のビルバリ15407に導入され、そこで、紙幣の識別(真贋判定や券種判定)を行う。
また、貸出ユニット15024の上段内部には、後述する非接触ICカードRW15406のアンテナ部が配置され、所定の価値(例えば、残高(金額・度数)、持ちメダル・持ち玉、貯メダル、貯玉、電子マネーやWEBマネー等)と関連付けられたICカードやスマートフォンのような携帯機器のタッチ(または近距離の提示)により、例えば、NFC通信で、遊技者が提供した価値を受け取ることができる。非接触ICカードRW15406(図256参照)のアンテナ部に近接した、貸出ユニット15024の前面パネルには、ICカードのタッチ位置を案内するタッチ案内マーク15304が配置されている。
貸出ユニット15024の中段には、貸出ユニット15024の状態を色や点滅で表す状態表示ランプ15311が配置されている。状態表示ランプ15311は、例えば、フルカラーLEDで構成される。
さらに、貸出ユニット15024の中段には、遊技者等が操作するための操作ユニット15409が設けられている。操作ユニット15409の右側端部は、貸出ユニット15024にヒンジ等で保持され、矢印15313に示すような向きに回動可能となっており、遊技者等は、操作ユニット15409を操作したり、閲覧したりする際に、その操作ユニット15409を所望の角度に調整することができる。遊技者等は、例えば、操作ユニット15409を、正対するように回動させ、操作ユニット15409の正面で操作・閲覧を行うようにすることができる。
操作ユニット15409は、例えば、遊技者やスタッフ等のタッチ操作を検出可能な液晶タッチパネルで構成され、遊技者等は、当該液晶タッチパネルをタッチすることによって各種操作を行うことができる。遊技者等のタッチ操作によって実行される処理については、後で詳細に説明する。なお、本実施形態では、遊技者やスタッフ等が、操作ユニット15409に表示されたボタン等をタッチすることによって貸出ユニット15024に所定の指示を行うように構成されるが、このような構成は一例に過ぎず、例えば、操作ごとに設定されたボタンを押下して(複数のボタンを同時に押したり、長押し等も含む)指示を行ったり、音声によって指示を行うなど、他の様々な構成・方法によてい、貸出ユニット15024に指示を行うことができる。
貸出ユニット15024の下段には、遊技者がICカードを挿入するカード挿入口15321が配置されている。ここで挿入されるICカードは、例えば、遊技者の会員カードやビジターカードである。カード挿入口15321から挿入されたICカードは、後述するICカードRW15405の読み書き位置にセットされ、そこで、挿入されたICカードの内容が更新されたり、ICカードに記憶されている内容の読み取りが行われたりする。
また、カード挿入口15321は、所定の条件において、新たなICカードが、内部のカード収納部15323から排出されるように構成される。こうして、カード挿入口15321から排出された新たなICカードには、ICカードRW15405によって所定の情報が書き込まれる。
さらに、貸出ユニット15024の下段には、鍵穴15324が設けられる。鍵穴15324には、遊技店によって管理された鍵が挿入され、例えば、遊技店のスタッフ等(権限のある運営者など、スタッフ以外の者も含む)が、その鍵を鍵穴15324に挿入して所定の方向に回すことにより、貸出ユニット15024がメンテナンスモードとなり、操作ユニット15409の液晶タッチパネルにメンテナンスモードメニューを表示する。
次に、図256を参照して、貸出ユニット15024の構成について説明する。図256は、貸出ユニット15024の構成を示すブロック図である。
メインCPU(central processing unit)15401は、ROM(read only memory)15402に格納された起動用プログラムを実行して、メダルの貸出等の処理を実行する。ROM15402には、上述した起動用プログラムやデータが記憶される。RAM(random access memory)15403は揮発性記憶領域であり、記憶部15404に格納されているプログラムやデータを読み出して格納し、当該プログラムを実行して、メダルの貸出等の処理を行う。記憶部15404は、例えば、FRAM(登録商標)で構成される不揮発性記憶領域であり、メダルの貸出等の処理を行うためのプログラムやデータを記憶し、貸出ユニット15024の電断が生じても記憶している内容を消失することがない。
貸出ユニット15024は、ICカードRW(リーダ/ライタ)15405を備えている。メインCPU15401は、図255に示したカード挿入口15321から挿入されたICカードに記憶されているデータを、ICカードRW15405によって読み取り、記憶部15404に格納する。また、メインCPU15401は、カード挿入口15321から挿入されたICカードに記憶されているデータに基づいてカードサーバ15100や会員サーバ15110等から所定のデータを取得する。また、必要に応じて、ICカードに記憶されているデータを更新し、カード挿入口15321から当該ICカードを排出する。また、メインCPU15401は、所定の条件により、カード収納部15323に収納されているICカードに新たなデータを書き込み、当該ICカードを、カード挿入口15321から排出する。ICカードは、例えば、会員カードやビジターカードである。
また、この例では、ICカードRW15405が、取り扱い中のICカードの状態(例えば、ICカードがカード挿入口15321から挿入され、読み書き位置にセットするまでの状態、ICカードが読み書き位置にセットされている状態、ICカードをカード収納部15323から取り出し、読み書き位置にセットするまでの状態、ICカードを読み書き位置から移動させてカード挿入口15321から排出するまでの状態、ICカードがカード挿入口15321から排出され、ICカードの一部が貸出ユニット15024の外部に露出している状態等)を示す信号を、メインCPU15401に送信することができるように構成されている。また、ICカードRW15405は、カード挿入口15321から排出され、一部が貸出ユニット15024の外部に露出しているICカードが抜き取られたことを検知し、そのことを表す信号をメインCPU15401に送信することができるように構成されている。
なお、この例では、上記のように、取り扱い中のICカードの状態や、ICカードが排出状態にあることや、排出状態にあったICカードが抜き取られたことを検知するように構成されるが、このような事象の検知を、例えば、ICカードRW15405と接続された、またはICカードRW15405近接して配置された別の装置が行うようにしてもよい。
また、貸出ユニット15024は、非接触ICカードRW(リーダ/ライタ)15406を備えている。メインCPU15401は、非接触ICカードRW15406を介して、電子マネーに関連付けられたICカードやスマートフォンからNFC通信等により読み取り、こうして読み取ったデータに基づいて、所定の金額に対応する残高を残高データとして記憶部15404に記憶する(発券処理)。
ビルバリ(紙幣識別装置)15407は、図255に示した紙幣投入口15301から紙幣が投入された場合に、紙幣識別結果が正常であれば、投入された紙幣に対応する金額を残高データとして記憶部15404に記憶する(発券処理)。また、ビルバリ15407は、識別した紙幣を収納、または外部に搬送する一方で、所定の条件で、投入された紙幣を紙幣投入口15301から適宜排出できるように構成される。
LED部15408は、図255に示した状態表示ランプ15311として用いられるフルカラーLEDを含む。また、監視用投光器として用いられる赤外LEDを含み、この赤外LEDからの赤外光をユーザで反射させ、これをカメラ15412において撮像するように構成することができる。メインCPU15401は、カメラ15412において撮像された画像をRAM15403に格納し、この画像に基づいて、遊技者の存在や交代を検出することができる。
このような検出処理は常時行われ、ユーザの状態が非検出(離席)状態に変化して、カード挿入口15321にICカードが挿入されたままである場合、または、記憶部15404に記憶された残高データがある場合、メインCPU15401は、スピーカ15411を介して、警告音や警告音声を発することにより、離席しようとするユーザに対して注意を喚起することができる。警告音声としては、「カードを忘れています」といった音声が発せられる。なお、本実施形態では、カメラ15412はオプションであり、例えば、貸出ユニット15024の前面パネルのいずれかの位置に配置されうる(図255では、カメラが示されていない)。貸出ユニット15024がカメラ15412を有している場合は、上記のように、遊技者の交代、ICカードの取り忘れ、残高の放置等を検出することができる。
貸出ユニット15024は、操作ユニット15409を有している。操作ユニット15409は、上述のように、例えば、遊技者等のタッチ操作を検出可能な液晶タッチパネルで構成され、遊技者等は、当該液晶タッチパネルをタッチすることによって各種操作を行うことができる。
貸出ユニット15024は、インターフェイス15410を有し、このインターフェイス15410を介して、メダルレス機15014との間で通信を行い、遊技媒体の貸出や、持玉・貯玉の払出、メダルレス機15014からの貯留メダルの受け入れに係るデータ送受信を行う。また、メダルレス機15014から遊技情報や稼働情報等を受信する。また、貸出ユニット15024は、インターフェイス15410を介して、メダルレス機15014が記憶する貯留メダル数を示すデータを所定のタイミングで受信し、例えば、ほぼリアルタイムに近いタイミングで、この貯留メダル数を把握することができる。
また、貸出ユニット15024は、インターフェイス15410を介して、カードサーバ15100との間でデータ送受信を行うようになっており、カードサーバ15100(及び、A社データセンター)を経由して、遊技機情報センターの遊技機情報管理サーバに送信されるデータをカードサーバ15100に送信したり、設定データを含む各種データをカードサーバ15100から受信する。
さらに、貸出ユニット15024は、インターフェイス15410を介して、HCBOX15050を経由してホールコンピュータ15070との間でデータ送受信を行うようになっている。
また、貸出ユニットのメインCPU15401は、(オプションで)カメラ15412を介してユーザの顔画像を定期的に取り込み、フェイシャルデータとしてRAM15403に記憶することができる。この処理により、前回記憶された顔画像と今回記憶された顔画像とを比較し、同一人物でないと判断された場合、メインCPU15401は、ユーザが交代したものと判断し、これに応じた処理を行うことができる。
ここまで、図254ないし図256を参照して、メダルレス機15014とこのメダルレス機15014に接続され、メダルレス機15014との間でやり取りされる遊技媒体の価値を管理する貸出ユニット15024について説明してきたが、これ以降も、このメダルレス機15014と貸出ユニット15024を中心に説明を行う。しかしながら、こうした説明により理解される構成、特徴は、管理遊技機15013、及びこの管理遊技機15013に接続され、管理遊技機15013との間でやり取りされる遊技媒体の価値を管理する管理遊技機対応貸出ユニット15023にも当てはまるものである。
[1-4.ホールコンピュータの構成]
次に、図257を参照して、ホールコンピュータ15070の構成について説明する。図257は、ホールコンピュータ15070の構成を示すブロック図である。
ホールコンピュータ15070は、メインCPU15501、ROM15502、RAM15503、外部記憶装置15504、ディスプレイ15505、及びインターフェイス15506を備えている。
メインCPU15501は、ROM15502に格納された制御プログラムを読み出して所定の処理を実行する。処理で使用するデータ等は、一時的にRAM15503に記憶される。
外部記憶装置15504には、遊技店の管理に係るデータが記憶され、遊技機から提供された遊技情報等が記憶される。
ディスプレイ15505は、ホールコンピュータ15070によって管理されるデータを表示させ、あるいは不正や異常の発生を報知するものである。このディスプレイ15505は、例えば液晶表示装置によって実現される。
ホールコンピュータ15070は、インターフェイス15506を介してHCBOX15050に接続され、さらに、HCBOX15050は、貸出ユニット15024に接続されており、ホールコンピュータ15070と貸出ユニット15024との間でデータ送受信が可能となっている。
[1-5.カードサーバの構成]
次に、図258を参照して、カードサーバ15100の構成について説明する。図258は、カードサーバ15100の構成を示すブロック図である。
カードサーバ15100は、メインCPU15601、ROM15602、RAM15603、外部記憶装置15604、ディスプレイ15605、及びインターフェイス15606を備えている。
メインCPU15601は、ROM15602に格納された制御プログラムを読み出して所定の処理を実行する。処理で使用するデータ等は、一時的にRAM15603に記憶される。
外部記憶装置15604には、会員カードやビジターカードに関連付けられた持ちメダル、貯メダル、残高等の管理に係るデータが記憶される。
ディスプレイ15605は、カードサーバ15100によって管理されるデータを表示させ、あるいは不正や異常の発生を報知するものである。このディスプレイ15605は、例えば液晶表示装置によって実現される。
カードサーバ15100は、インターフェイス15606を介して貸出ユニット15024に接続され、会員カードやビジターカードに関連付けられた情報のやり取りを行う。また、カードサーバ15100は、インターフェイス15606を介して会員サーバ15110に接続され、そこで会員情報や貯玉の管理が行われる。さらに、カードサーバ15100は、インターフェイス15606を介して管理コンピュータ(例えば、A社データセンターの管理コンピュータ(第三者管理サーバ15120、中央管理サーバ15130、遊技機情報処理サーバ15140))に接続され、遊技店に係る遊技情報等が貸出ユニット15024等から管理コンピュータに提供される。
図257、図258を参照して、本実施形態に係る遊技システム15001のホールコンピュータ15070、カードサーバ15100の構成についてそれぞれ説明したが、会員サーバ15110の構成も(インターフェイスに接続されるコンピュータは異なるものの)基本的にこれらと同様の構成である。また、遊技システム15001との間でデータのやり取りを行うA社データセンターの管理コンピュータ(第三者管理サーバ15120、中央管理サーバ15130、遊技機情報処理サーバ15140)や、遊技機情報センター(団体A)の遊技機情報管理サーバ15150、遊技機情報センター(団体B)の遊技機情報管理サーバ15160も、基本的に同様の構成である。
[1-6.貸出ユニットの状態遷移]
次に、図259を参照して、貸出ユニット15024の状態遷移について説明する。図259は、貸出ユニット15024の状態の遷移を表す状態遷移図である。
図259に示すように、貸出ユニット15024には、「オフライン状態」、「開店状態」、「閉店状態」、「テスト開店状態」の4つの状態が存在する。
貸出ユニット15024は、電源が投入されると、カードサーバ15100に接続する処理を行い、カードサーバ15100への接続ができない場合は「オフライン状態」に、カードサーバ15100に接続できた場合は、カードサーバ接続中となり、接続した際のカードサーバ15100の状態に応じて、「開店状態」、「閉店状態」、「テスト開店状態」のいずれかに遷移する。すなわち、カードサーバ15100の状態が開店状態であれば、貸出ユニット15024は「開店状態」に遷移し、カードサーバ15100の状態が閉店状態であれば、貸出ユニット15024は「閉店状態」に遷移し、カードサーバ15100の状態がテスト開店状態であれば、貸出ユニット15024は「テスト開店状態」に遷移する。なお、「テスト開店状態」では、カードサーバ15100がテスト開店状態にある場合に、貸出ユニット15024において所定機能のテストを行うことができる。
所定の処理により、カードサーバ接続中の状態からカードサーバ15100との接続が切断され、その接続の切断が確認されると(例えば、貸出ユニット15024からカードサーバ15100に送信した所定信号に対して、所定期間内に応答がない等)、「オフライン状態」に遷移する。また、「オフライン状態」の貸出ユニット15024は、再度、カードサーバ15100との接続確認ができれば(例えば、再度、貸出ユニット15024からカードサーバ15100に所定信号を送信し、この所定信号に対して所定期間内に応答があった場合等)、カードサーバ接続中となり、接続した際のカードサーバ15100の状態に応じて、「開店状態」、「閉店状態」、「テスト開店状態」のいずれかに遷移する。
貸出ユニット15024が「開店状態」である場合、カードサーバ15100から閉店通知を受信した場合、「閉店状態」に遷移する。また、貸出ユニット15024が「閉店状態」である場合、カードサーバ15100から開店通知を受信した場合、「開店状態」に遷移し、一方、カードサーバ15100からテスト開店通知を受信した場合、「テスト開店状態」に遷移する。また、貸出ユニット15024が「テスト開店状態」である場合、カードサーバ15100からテスト閉店通知を受信した場合、「閉店状態」に遷移する。
上記のように、貸出ユニット15024のカードサーバ接続中の状態遷移は、カードサーバからの通知によって制御され、また、「開店状態」から「テスト開店状態」への遷移、またはその逆の遷移は、必ず「閉店状態」を介して行われる。
図255に示した状態表示ランプ15311は、上述した貸出ユニット15024の状態と他の要因に応じて、例えば、以下のように表示態様を変化させる。
電源が投入されていない場合は消灯状態であり、電源が投入されると、白色、赤色、黄色、緑色、紫色、消灯の順で変化し、その後、貸出ユニット15024の状態に応じて特定の色で点灯する。
「閉店状態」の場合、貸出ユニット15024に残高、及び持ちメダルの両方がないときは白色に点灯し、また、メダルレス機15014に貯留されたメダルが残っている場合は、緑色と青色が交互に点灯する。
「オフライン状態」の場合、またはその他の状態でエラーが発生している場合は赤色に点灯する。また、「開店状態」、または「テスト開店状態」の場合で、会員カード未挿入、または承認前に、貸出ユニット15024に残高、及び持ちメダルの両方がないとき(通常待機状態)は、水色に点灯する。また、「開店状態」において、会員カードがカード挿入口15321から挿入された場合、貸出ユニット15024は、遊技者にパスワードの入力を求めるが、遊技者から入力されたパスワードが認証された場合(例えば、会員サーバ15110にアクセスして入力されたパスワードが正しいものであると確認された場合)、黄色に点灯する。
「開店状態」、「閉店状態」、「テスト開店状態」、「オフライン状態」のいずれかにおいて、ICカードRW15405のクリーニング実行中にクリーニングカードを挿入している場合は、青色の点滅表示となり、会員カード未挿入、または承認前で、貸出ユニット15024に残高、及び持ちメダルのいずれかがある場合は、黄色の点灯となる。
また、例えば、水色や黄色等で点灯している場合に、カード収納部15323に収納されたICカードが0枚、または満杯である場合は、その点灯を点滅に変更する。
このような貸出ユニット15024の状態表示ランプ15311の表示態様により、遊技者や遊技店のスタッフは、貸出ユニット15024がどのような状態であるかを容易に判断することができ、特に遊技店のスタッフは、状態表示ランプ15311の表示態様に応じて、迅速な対応をとることができる。
なお、貸出ユニット15024のこのような状態遷移は、上記の通り、管理遊技機対応貸出ユニット15023についても同様に当てはまるものである。
[1-7.貸出ユニットの機能]
次に、図260を参照して、貸出ユニット15024の機能について概略説明する。図260は、貸出ユニット15024の操作ユニット15409に表示される操作メニューである。
図260(A)に示す操作メニュー16001の最上部には、状態表示エリア16002が配置され、そこで、遊技媒体の貸出種別(貸出レート、遊技媒体の種類(メダル[枚]/遊技球[玉]))に基づいた表示がされる。この例では、「1000円/50枚」と表示されており、1000円でメダル50枚の貸し出し、いわゆる「20スロ」であることがわかる。状態表示エリア16002には、状態表示アイコン16003も示されており、この、状態表示アイコン16003は、カードサーバ15100と接続中であるか否かを色で表しており、例えば、カードサーバ15100に接続している場合(オンライン)は、緑色で表示され、接続されていない場合(オフライン)は、赤色で表示される。
また、状態表示エリア16002の背景色は、カードサーバ15100の状態に応じて変化する。例えば、カードサーバ15100の状態は、上記のように「開店中」、「閉店中」、「テスト開店中」のいずれかであり、その状態に応じて、状態表示エリア16002の背景色が変化する。なお、カードサーバ15100と貸出ユニット15024が接続されておらず、上述した状態表示アイコン16003が赤色で示されている場合、状態表示エリア16002の背景色は、例えば、カードサーバ15100の状態が「開店中」の場合と同じである。
状態表示エリア16002の下側には、情報表示エリア16004が配置され、そのエリアには、残高、及び持ちメダル・貯メダルの数量が表示される。また、残高、及び持ちメダル・貯メダルがいずれもない場合は、カード収納部15323に収納されたICカードの枚数に応じて所定のメッセージを表示する。例えば、ICカードの枚数が0枚の場合、「カードを補充してください」のメッセージが表示され、ICカードの枚数が1~9枚の場合、「いらっしゃいませ」のメッセージが表示され、ICカードの枚数が10枚の場合、「カードが満杯です、スタッフを呼んでください」のメッセージが表示される。なお、本実施形態では、カード収納部15323に収納可能なICカードの枚数は10枚となっている。
情報表示エリア16004のさらに下側には、操作ボタンエリア16005が配置され、そこには、「メダル貸出」ボタン、「カード返却」ボタン、「持ちメダル払出」ボタン、「持ちメダル全払出」ボタン、「持ちメダル共有」ボタン、及び「第1休憩」ボタンが表示される。遊技者は、これらのボタンのいずれかをタッチすることで、所望の処理を貸出ユニット15024に行わせることができる。
「メダル貸出」ボタンは、残高がある場合、すなわち、情報表示エリア16004に表示された残高が0でない場合、操作が有効になり、「メダル貸出」ボタンをタッチすると、(貸出ユニット15024で管理されている)残高から所定金額を減額し、当該所定金額に対応するメダルの数をメダルレス機15014に貸し出す。この操作により、貸出ユニット15024からメダルレス機15014に対して、所定金額に対応するメダル数を表す情報が送信され、当該メダル数の貸出が行われる。この結果、メダルレス機15014の内部で保持されるメダル数(貯留メダル数)は、貸出ユニット15024から受信したメダル数だけ増加する。ただし、残高が上述した所定金額に満たない場合に「メダル貸出」ボタンをタッチすると、例えば、メダルの貸出ができない旨のメッセージが情報表示エリア16004に表示される。
「カード返却」ボタンは、カード挿入口15321に会員カードが挿入されている場合、操作が有効になり、「カード返却」ボタンをタッチすると、会員カードがカード挿入口15321から排出される。また、残高や持ちメダルがある場合、すなわち、情報表示エリア16004に表示された残高と持ちメダルの少なくともいずれかが0でない場合、(ビジターカードが挿入されているか否かにかかわらず)タッチ操作が可能になり、そこで「カード返却」ボタンをタッチすると、(残高、持ちメダルの数量が書き込まれた)ビジターカードを、カード挿入口15321から排出する。ただし、貸出ユニット15024の残高が0であって、貸出ユニット15024の持ちメダル数とメダルレス機15014の貯留メダル数との合計が所定数以下の場合に「カード返却」ボタンをタッチすると、例えば、カードの返却ができない旨のメッセージが情報表示エリア16004に表示される。
「持ちメダル払出」ボタンは、持ちメダルがある場合、すなわち、情報表示エリア16004に表示された持ちメダルの数量が0でない場合、操作が有効になり、「持ちメダル払出」ボタンをタッチすると、(貸出ユニット15024で管理されている)持ちメダルの数量から所定数量を減算し、当該所定数量のメダルをメダルレス機15014に払い出す。この操作により、貸出ユニット15024からメダルレス機15014に対して、所定数量のメダルを表す情報が送信され、当該所定数量のメダルの払い出しが行われる。この結果、メダルレス機15014の内部で保持されるメダル数(貯留メダル数)は、貸出ユニット15024から受信した所定数量分だけ増加する。
「持ちメダル全払出」ボタンは、持ちメダルがある場合、すなわち、情報表示エリア16004に表示された持ちメダルの数量が0でない場合、操作が有効になり、「持ちメダル全払出」ボタンをタッチすると、(貸出ユニット15024で管理されている)持ちメダルの数量を0にし、すべてのメダルをメダルレス機15014に払い出す。この操作により、貸出ユニット15024からメダルレス機15014に対して、すべてのメダルを表す情報が送信され、すべてのメダルの払い出しが行われる。この結果、メダルレス機15014の内部で保持されるメダル数(貯留メダル数)は、貸出ユニット15024から受信した(すべての)数量分だけ増加する。
「持ちメダル共有」ボタンは、所定数量(共有のための最小持ちメダル数)以上の持ちメダルがある場合、すなわち、情報表示エリア16004に表示された持ちメダルの数量が所定数量以上ある場合、操作が有効になり、そこで、「持ちメダル共有」ボタンをタッチすると、持ちメダル共有機能を利用することができる。なお、持ちメダル共有機能については、後で詳細に説明する。
「第1休憩」ボタンは、貸出ユニット15024の状態が「開店状態」、「テスト開店状態」、または「オフライン状態」となっている場合に、操作が有効になり、そこで、「第1休憩」ボタンをタッチすると、第1休憩機能を利用することができる。第1休憩機能については、後で詳細に説明する。
図260(B)は、図260(A)に示したものと同様の操作メニュー16001であるが、ここでは、カード挿入口15321に会員カードが挿入されており、貸出ユニット15024は、会員カードに関連付けられた残高、持ちメダル、及び貯メダルを、カードサーバ15100、及び会員サーバ15110にアクセスして取得し、それを情報表示エリア16004に表示している。その結果、情報表示エリア16004には、残高が1000円、持ちメダルの数量は0、貯メダルの数量は500であることが表示されている。
なお、ここでは、情報表示エリア16004に「非表示」ボタンが表示されているが、このボタンは、会員カードが挿入されている場合に、貯メダルも枚数の表示を制御するためのものであり、貯メダルの枚数が表示されている場合は、「非表示」ボタンが表示される。「非表示」ボタンをタッチすると、貯メダルの枚数を表示している部分が「******」等の文字列で表され、貯メダルの枚数が把握できなくなり、それと同時に、表示を元に戻す「表示」ボタンが表示される。このような、貯メダルの枚数を非表示とする操作によって、その遊技者の貯メダルの枚数が他の遊技者に知られるという事態を避けることができ、結果的にプライバシー保護や防犯の効果がある。
この場合、持ちメダルの数量が0であるため、図260(A)の操作メニュー16001で表示されていた「持ちメダル全払出」ボタンと「持ちメダル共有」ボタンは無効(タッチしても反応しない状態)となっており、当該ボタンがグレーアウトされる(例えば、ボタンの輝度を減少させ、かつ、カラー表示から白黒(またはグレースケール)表示に変更する)。図260(B)では、その状態を、当該ボタンのエリアをハッチングすることで表している。
また、図260(A)の操作メニュー16001で表示されていた「持ちメダル払出」ボタンは、操作ボタンエリア16005の同じ位置で、「貯メダル再プレイ」ボタンとして表示されている。この「貯メダル再プレイ」ボタンは、貯メダルがある場合、すなわち、情報表示エリア16004に表示された貯メダルの数量が0でない場合、操作が有効になり、「貯メダル再プレイ」ボタンをタッチすると、(貸出ユニット15024で管理されている)貯メダルの数量から所定数量を減算し、当該所定数量のメダルをメダルレス機15014に払い出す。この操作により、貸出ユニット15024からメダルレス機15014に対して、所定数量のメダルを表す情報が送信され、当該所定数量のメダルの払い出しが行われる。この結果、メダルレス機15014の内部で保持されるメダル数(貯留メダル数)は、貸出ユニット15024から受信した所定数量分だけ増加する。
なお、この例では、「貯メダル再プレイ」ボタンと「持ちメダル払出」ボタンを同時に表示しないように制御され、持ちメダルの数量と貯メダルの数量がいずれも0でない場合は、「貯メダル再プレイ」ボタンより、「持ちメダル払出」ボタンが優先して表示されるが、両方のボタンを表示するように制御してもよい。
操作メニュー16001の最下段には残りカード枚数表示エリア16006が配置されており、そこには「カード枚数:5枚」の表示がされている。これは、上述したカード収納部15323に収納されているカードの枚数を表している。貸出ユニット15024では、遊技にあたって遊技者が、カード挿入口15321に会員カードを挿入した場合は、カード収納部15323に収納されているカードに増減はないが、ビジターカードを挿入して残高が0、持ちメダルの数量が0となった場合は、そのICカードがカード収納部15323に回収されてカード枚数が1枚増え、なにもカードを挿入しないで、残高、または持ちメダルの数量が0以外となった場合は、カード収納部15323に収納されているカードを使って、新たなビジターカードを発行する必要があり、その場合は、カード枚数が1枚減る。
このような状況に応じて、カード収納部15323に収納されているカードの枚数が推移するため、遊技店のスタッフは、このカード枚数表示エリア16006を見て、ICカードをカード収納部15323に補充するタイミングを判断している。カード収納部15323に収納できるICカードの枚数は、例えば、10枚である。
次に、図261を参照して、貸出ユニット15024の別の機能について概略説明する。図261は、貸出ユニット15024の操作ユニット15409に表示される操作メニューである。ここでは、投入された紙幣を残高として反映させる機能(発券機能)の一例について説明する。
図261(A)は、遊技者が最初に遊技を開始する際に表示される操作メニューの例である。状態表示エリア16002には、「1000円/50枚」と表示されており、状態表示アイコン16003も示されているが、貸出ユニット15024は、遊技者により、まだなにも操作されていない状態であり、情報表示エリア16004には、残高、持ちメダル、貯メダルのいずれに関しても表示がなく、「いらっしゃいませ」の表示がされている。また、操作ボタンエリア16005では、「第1休憩」ボタンのみが有効となっており、それ以外のボタンはタッチできない状態である。
ここで、遊技者が紙幣投入口15301から紙幣を投入すると、その紙幣の価値に応じて、残高が加算される。図261(B)の例では、1000円が投入され、これに応じて、情報表示エリア16004には、残高として「1000円」の表示がされ、持ちメダルとして「0枚」の表示がされる。また、このとき、操作ボタンエリア16005には、「第1休憩」ボタンのほかに、「持ちメダル貸出」ボタンと「カード返却」ボタンが有効となるように変化している。
すなわち、「メダル貸出」ボタンは、残高が所定金額以上ある場合、すなわち、情報表示エリア16004に表示された残高が所定金額以上である場合、操作が有効になる。ここで、所定金額とは、1回の貸出で消費する金額以上の残高を示すものである。なお、紙幣投入口15301から紙幣が投入された場合(残高が加算された場合)に、所定の設定金額に対応するメダルの数量をメダルレス機15014に自動的に貸し出すように設定することも可能であり、こうした自動貸出の結果、残高の残りが上記所定金額を下回った場合は、「メダル貸出」ボタンはその時点で無効にされる。
また、この状態で遊技を終了した場合に、残高の1000円をビジターカードに記憶して新たに排出させることができるように、「カード返却」ボタンが有効となっている。
図260、及び図261に示すように、貸出ユニット15024の操作ユニット15409に表示される操作メニュー16001は、貸出ユニット15024が把握・管理する遊技媒体の内容、ICカードが挿入されているか否かといった状況に応じて、遊技者が実行できない機能を選択できないように表示制御がされる。また、上述の状況に応じて、ボタン表示の内容(文言)が変更されるように表示制御されている。このような表示制御によって、遊技者が選択可能な機能や、選択する機能の内容を容易に理解することができ、遊技者に無意味な操作をさせないようにすることができる。
なお、図260、及び図261を参照して説明した貸出ユニット15024の構成は、上記の通り、管理遊技機対応貸出ユニット15023についても同様に当てはまるものである。ただし、管理遊技機対応貸出ユニット15023では、遊技球による遊技を行う管理遊技機15013との間で遊技媒体に係るデータのやり取りを行うものであるため、例えば、貸出ユニット15024の操作ユニット15409に表示される操作メニュー16001に表示される「メダル貸出」ボタン、「持ちメダル払出」ボタン、「持ちメダル全払出」ボタン、「持ちメダル共有」ボタン、「貯メダル再プレイ」ボタンは、それぞれ、「玉貸」ボタン、「持ち玉払出」ボタン、「持ち玉全払出」ボタン、「持ち玉共有」ボタン、「貯玉再プレイ」ボタンとして表示される。
また、本実施形態では、メダルレス機15014に記憶されるメダル(貯留メダル)は、メダルレス機15014に配置される計数ボタンを押下することで、当該貯留メダルがメダルレス機15014から貸出ユニット15024に移動するが、図260、図261に示すような操作メニュー16001に「計数」ボタンを配置し、これを遊技者がタッチすることで、貯留メダルがメダルレス機15014から貸出ユニット15024に移動するように構成することができる。また、メダルレス機15014と操作メニュー16001の両方に「計数」ボタンを配置することもできる。
以下で、本発明の第1実施形態に係る遊技用装置、及び遊技システムに関し、メダルレス機15014、及び貸出ユニット15024による各種機能を説明するが、これらの機能は、管理遊技機15013と管理遊技機対応貸出ユニット15023にも同様に適用できるものである。
[1-8.貸出・払出異常制御機能]
次に、図262ないし図264を参照して、本実施形態に係る貸出・払出異常制御機能について説明する。図262は、メダル貸出を指示した際に異常が発生した場合の制御を概念的に示した概念図である。図263は、貯メダル再プレイを指示した際に異常が発生した場合の制御を概念的に示した概念図である。図264は、持ちメダル払出を指示した際に異常が発生した場合の制御を概念的に示した概念図である。
(メダル貸出)
図262(A)は、遊技者が、貸出ユニット15024の操作ユニット15409に表示された操作メニュー16001(図260参照)で、「メダル貸出」ボタンをタッチしてメダルレス機15014にメダルの貸出を行おうとしている状態を示したものである。遊技者は、紙幣投入口15301に紙幣を挿入して、操作メニュー16001の情報表示エリア16004に残高が表示された場合や(図260参照)、会員カードまたはビジターカードをカード挿入口15321に挿入して、それらのICカードに関連付けられた残高が情報表示エリア16004に残高が表示された場合に、操作メニュー16001に表示された「メダル貸出」ボタンをタッチして、所定の貸出メダル数のメダルをメダルレス機15014に貸し出すよう指示する。残高は、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている。
そうすると、貸出ユニット15024は、上述した貸出メダル数を表す情報をメダルレス機15014に送信し、メダルレス機15014は、受信した貸出メダル数を、メダルレス機15014のメダル数制御部15211bが記憶している貯留メダル数に加算し、加算後の貯留メダル数のメダルを用いて、遊技を実行することができる。なお、遊技者による「メダル貸出」ボタンのタッチにより貸し出される貸出メダル数は、予め(貸出ユニット15024において)設定しておくことができる。
このとき、記憶部15404に記憶されている残高から、貸出メダル数に相当する金額が減算される。例えば、貸出メダル数が50枚に設定されており、50枚のメダルに相当する金額が1000円である場合は、記憶部15404に記憶されている残高から1000円が減算される。図262(A)では、記憶部15404に記憶されている残高はXであり、このXから、貸出メダル数に相当する金額が減算される。
また、遊技者が紙幣投入口15301に紙幣を挿入した場合に、所定の貸出メダル数(自動貸出メダル数)のメダルを自動的に貸し出すよう(貸出ユニット15024において)設定することができ(発券時の自動貸出)、この場合も同様に、自動貸出メダル数を表すデータをメダルレス機15014に送信し、記憶部15404に記憶されている残高Xから、自動貸出メダル数に相当する金額が減算される。なお、自動貸出メダル数は、上述した貸出メダル数と同じでもよいし、別途、貸出ユニット15024において設定されていてもよい。
図262(B)は、遊技者による「メダル貸出」ボタンのタッチ等が行われたものの、何らかの障害により、メダルレス機15014において、貸出メダル数を表わす情報に基づいた貯留メダル数への加算を正常に行うことができなかった状態を示している。このような障害としては、例えば、貸出ユニット15024内部での異常、貸出ユニット15024とメダルレス機15014との間の通信ネットワークにおける異常、メダルレス機15014内部の異常等、様々な障害の態様が考えられる。
このような障害が発生した場合、記憶部15404に記憶されている残高Xは、図262(A)に示したように、貸出メダル数に相当する金額が減算されたものとなっているが、貸出ユニット15024は、障害の発生を検知したことにより、メダルレス機15014の貯留メダル数として加算するはずであった貸出メダル数を、記憶部15404に記憶されている持ちメダル数Yに加算する。その後、持ちメダル数として加算された貸出メダル数の分は、持ちメダルとして利用することができる。例えば、操作メニュー16001の「持ちメダル払出」ボタンや「持ちメダル全払出」ボタンをタッチすることにより、所定の払出メダル数をメダルレス機15014に提供して遊技を行うことができる。
なお、このような障害が発生した場合、貸出ユニット15024では、操作ユニット15409の操作メニュー16001の情報表示エリア16004に、例えば、「貸出に失敗しました 未払いのメダルは持ちメダルに加算しました」といったメッセージを表示する。
(貯メダル再プレイ)
図263(A)は、遊技者が、貸出ユニット15024の操作ユニット15409に表示された操作メニュー16001(図260(B)参照)で、「貯メダル再プレイ」ボタンをタッチしてメダルレス機15014に貯メダルの払い出しを行おうとしている状態を示したものである。遊技者は、会員カードをカード挿入口15321に挿入して、その会員カードに関連付けられた貯メダル数が操作メニュー16001の情報表示エリア16004に表示され、かつ、持ちメダル数が0の場合に、操作メニュー16001に表示された「貯メダル再プレイ」ボタンをタッチして、所定の貯メダル数(再プレイメダル数)のメダルをメダルレス機15014に払い出すよう指示する。このとき、貯メダル数は、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている。
そうすると、貸出ユニット15024は、上述した再プレイメダル数を表す情報をメダルレス機15014に送信し、メダルレス機15014は、受信した再プレイメダル数を、メダルレス機15014のメダル数制御部15211bが記憶している貯留メダル数に加算し、加算後の貯留メダル数のメダルを用いて、遊技を実行することができる。なお、遊技者による「貯メダル再プレイ」ボタンのタッチにより払い出される再プレイメダル数は、予め(会員サーバ15110に遊技者ごとに)設定しておくことができ、この再プレイメダル数は、例えば、会員カードから取得した情報に基づいて、カードサーバ15100経由で会員サーバ15110にアクセスすることで取得可能である。
このとき、記憶部15404に記憶されている貯メダル数Zから、再プレイメダル数が減算される。
図263(B)は、遊技者による「貯メダル再プレイ」ボタンのタッチが行われたものの、何らかの障害により、メダルレス機15014において、再プレイメダル数を表わす情報に基づいた貯留メダル数への加算を正常に行うことができなかった状態を示している。このような障害としては、例えば、貸出ユニット15024内部での異常、貸出ユニット15024とメダルレス機15014との間の通信ネットワークにおける異常、メダルレス機15014内部の異常等、様々な障害の態様が考えられる。
このような障害が発生した場合、記憶部15404に記憶されている貯メダル数Zは、図263(A)に示したように、再プレイメダル数が減算されたものとなっているが、貸出ユニット15024は、障害の発生を検知したことにより、メダルレス機15014の貯留メダル数として加算するはずであった再プレイメダル数を、記憶部15404に記憶されている持ちメダル数Yに加算する。その後、持ちメダル数として加算された再プレイメダル数の分は、持ちメダルとして利用することができる。例えば、操作メニュー16001の「持ちメダル払出」ボタンや「持ちメダル全払出」ボタンをタッチすることにより、所定の払出メダル数をメダルレス機15014に提供して遊技を行うことができる。
なお、このような障害が発生した場合、貸出ユニット15024では、操作ユニット15409の操作メニュー16001の情報表示エリア16004に、例えば、「払出に失敗しました 未払いのメダルは持ちメダルに加算しました」といったメッセージを表示する。
(持ちメダル払出等)
図264(A)は、遊技者が、貸出ユニット15024の操作ユニット15409に表示された操作メニュー16001(図260参照)で、「持ちメダル払出」ボタンをタッチしてメダルレス機15014に持ちメダルの払い出しを行おうとしている状態を示したものである。遊技者は、会員カードやビジターカードをカード挿入口15321に挿入して、それらのICカードに関連付けられた持ちメダル数が操作メニュー16001の情報表示エリア16004に表示されている場合、または、メダルレス機15014の計数ボタンの押下により、貸出ユニット15024に転送されたメダル数が情報表示エリア16004に持ちメダル数として表示されている場合等に、操作メニュー16001に表示された「持ちメダル払出」ボタンや「持ちメダル全払出」ボタンをタッチして、所定の持ちメダル数(払出メダル数)のメダルをメダルレス機15014に払い出すよう指示する。このとき、持ちメダル数は、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている。
そうすると、貸出ユニット15024は、上述した払出メダル数を表す情報をメダルレス機15014に送信し、メダルレス機15014は、受信した払出メダル数を、メダルレス機15014のメダル数制御部15211bが記憶している貯留メダル数に加算し、加算後の貯留メダル数のメダルを用いて、遊技を実行することができる。なお、遊技者による「持ちメダル払出」ボタンのタッチにより払い出される払出メダル数は、予め(貸出ユニット15024において)設定しておくことができる。
このとき、記憶部15404に記憶されている持ちメダル数Yから、払出メダル数が減算される。
また、図264(A)では、遊技者が、操作メニュー16001(図260参照)で、「持ちメダル全払出」ボタンをタッチした場合についても示されており、この場合は、例えば、上述した払出メダル数の単位で、連続して払い出しが行われ、持ちメダルのすべてが払い出されるまで繰り返される。
図264(B)は、遊技者による「持ちメダル払出」ボタンのタッチが行われたものの、何らかの障害により、メダルレス機15014において、払出メダル数を表わす情報に基づいた貯留メダル数への加算を正常に行うことができなかった状態を示している。このような障害としては、例えば、貸出ユニット15024内部での異常、貸出ユニット15024とメダルレス機15014との間の通信ネットワークにおける異常、メダルレス機15014内部の異常等、様々な障害の態様が考えられる。
このような障害が発生した場合、記憶部15404に記憶されている持ちメダル数Yは、図264(A)に示したように、払出メダル数が減算されたものとなっているが、貸出ユニット15024は、障害の発生を検知したことにより、メダルレス機15014の貯留メダル数として加算するはずであった払出メダル数を、記憶部15404に記憶されている持ちメダル数Yに加算する(すなわち、Yに戻す)。その後、持ちメダル数として加算された再プレイメダル数の分は、持ちメダルとして利用することができる。例えば、操作メニュー16001の「持ちメダル払出」ボタンや「持ちメダル全払出」ボタンをタッチすることにより、所定の払出メダル数をメダルレス機15014に提供して遊技を行うことができる。
ここで、「持ちメダル全払出」ボタンのタッチが行われたときに障害が発生した場合は、障害の発生前までは、連続して行われる払出メダル数の単位の払い出しが正常に行われ、その分のメダル数が、メダルレス機15014の貯留メダル数として正常に加算されているものと判断し、障害発生後の払い出し(すなわち、未払い状態の持ちメダルの払い出し)について、対応する払出メダル数を、記憶部15404に記憶されている持ちメダル数Yに加算する。また、障害後の払出メダル数の単位の払い出しは中止される。
なお、このような障害が発生した場合、貸出ユニット15024では、操作ユニット15409の操作メニュー16001の情報表示エリア16004に、例えば、「払出に失敗しました 未払いのメダルは持ちメダルに加算しました」といったメッセージを表示する。
ここまで、図262ないし図264を参照して、貸出・払出異常制御機能について説明してきたが、上述のように、貸出ユニット15024の上記構成は、管理遊技機対応貸出ユニット15023についても同様に当てはまるものである。ただし、管理遊技機対応貸出ユニット15023では、操作ユニット15409に表示される操作メニュー16001に表示される「メダル貸出」ボタン、「貯メダル再プレイ」ボタン、「持ちメダル払出」ボタン、「持ちメダル全払出」ボタンは、それぞれ、「玉貸」ボタン、「貯玉再プレイ」ボタン、「持ち玉払出」ボタン、「持ち玉全払出」ボタンの処理となり、管理遊技機15013には、それぞれ、貸出玉数、再プレイ玉数、払出玉数を表す情報が送信され、当該情報が、管理遊技機15013の遊技媒体制御部(枠制御部)が記憶する貯留玉数に加算される。
また、上述の貸出・払出異常制御機能により、複数の種別の価値情報に関する情報(すなわち、持ちメダル数、貯メダル数等)を貸出ユニット15024からメダルレス機15014に提供する際に異常が発生して当該情報の提供が行われなかった場合でも、その情報に対応する価値は、貸出ユニット15024に戻されるので、遊技者は、そのことによって不利益を被ることがなく、安心して遊技を行うことができる。
また、貸出ユニット15024は、遊技者のボタン操作に応じて、残高を用いた「メダル貸出」、貯メダルを用いた「貯メダル再プレイ」、持ちメダルを用いた「持ちメダル払出」・「持ちメダル全払出」を行い、これらに関連する情報(例えば、持ちメダルを50枚といった情報)をメダルレス機15014に提供するが、例えば、貸出ユニット15024において所定の設定を行うことにより、遊技者により紙幣が挿入された場合に、自動的にその紙幣の金額に基づいて、所定の価値に対応する情報がメダルレス機15014に提供される。上述の貸出・払出異常制御機能では、このような、自動的な価値情報の提供に関して異常が発生した場合でも、提供されるはずの価値情報に対応する価値が、例えば、持ちメダルとして貸出ユニット15024に戻される。
[1-9.カード返却時制御機能]
次に、図265を参照して、本実施形態に係る貸出ユニット15024のカード返却時制御機能について説明する。図265は、遊技者によってカード返却が指示された場合にカードの返却を制御する処理のフローチャートである。
本実施形態に係る貸出ユニット15024では、遊技者が、カード挿入口15321にICカード(会員カードやビジターカード)を挿入することにより、そのICカードに関連付けられた残高、持ちメダル、貯メダルのデータが貸出ユニット15024に取り込まれ、これらのデータをメダルレス機15014に提供することで(例えば、メダル貸出、持ち玉払出、貯玉払出)、メダルレス機15014の貯留メダル数が加算され、その貯留メダル数に応じたメダルを用いてメダルレス機15014での遊技が可能になる。
また、メダルレス機15014で獲得したメダルは、貯留メダル数としてメダルレス機15014において記憶され、メダルレス機15014の計数ボタンを押下することにより、貯留メダル数が、貸出ユニット15024の持ちメダル数として移動される。
遊技を終了した遊技者は、会員カードを挿入している場合、カード挿入口15321から会員カードを排出させるために、操作ユニット15409に表示される操作メニュー16001の「カード返却」ボタンをタッチし、ここで、所定の条件を満たしていれば、カード挿入口15321から会員カードが排出される。また、会員カードが排出されるときに、ICカードRW15405によって、会員カードに所定のデータが書き込まれる。
遊技者が、ビジターカードを挿入している場合、貸出ユニット15024に残高や持ちメダルが残っているなど、所定の条件を満たせば、「カード返却」ボタンのタッチに応じて、カード挿入口15321からビジターカードが排出される。また、ビジターカードが排出されるときに、ICカードRW15405によって、ビジターカードに、残高や持ちメダルに関するデータ等が書き込まれる。
遊技者が、ICカードをなにも挿入していない場合、貸出ユニット15024に残高や持ちメダルが残っているなど、所定の条件を満たせば、「カード返却」ボタンのタッチに応じて、カード挿入口15321から新たにビジターカードが排出される。また、その新たなビジターカードが排出されるときに、ICカードRW15405によって、ビジターカードに、残高や持ちメダルに関するデータ等が書き込まれる。
以下、図265のフローチャートを参照して、カード返却時制御の処理について詳細に説明する。
最初に、ステップS5101において、貸出ユニット15024のメインCPU15401は、操作ユニット15409に表示される操作メニュー16001の「カード返却」ボタンがタッチされたか否かを判定する。この判定は、「カード返却」ボタンがタッチされるまで繰り返される(ステップS5101のNO)。
「カード返却」ボタンがタッチされたと判定した場合(ステップS5101のYES),ステップS5102において、カード挿入口15321から会員カードが挿入されているか否かを判定する。カード挿入口15321から会員カードが挿入されていると判定した場合(ステップS5102のYES)、ステップS5103に進む。
ステップS5103において、メダルレス機15014に記憶されている貯留メダルがあるか否かを判定し、貯留メダルがある場合(ステップS5103のYES)、その貯留メダルをメダルレス機15014から貸出ユニット15024に電子的に移動させるように、「計数してください」のメッセージを操作メニュー16001の情報表示エリア16004に表示する。その後、ステップS5101に戻り、再び、「カード返却」ボタンがタッチされたか否かの判定を繰り返す。
遊技者は、「計数してください」のメッセージが表示された場合、メダルレス機15014の計数ボタンを押下して、計数処理を行う。そうすると、メダルレス機15014に記憶されている貯留メダルが貸出ユニット15024に電子的に移動され、メダルレス機15014の貯留メダル数が0となり、移動された貯留メダル数は、貸出ユニット15024の持ちメダル数に加算される。その後、遊技者は、再び「カード返却」ボタンをタッチすることになる。
ステップS5103において、貯留メダルがない場合(ステップS5103のNO)、ステップS5105において、記憶部15404に記憶されている関連データを会員カードに書き込み、その後、ステップS5113において、会員カードをカード挿入口15321から排出する。
ステップS5102において、カード挿入口15321から会員カードが挿入されていないと判定した場合(ステップS5102のNO)、ステップS5106に進み、そこで、貸出ユニット15024の持ちメダル数とメダルレス機15014の貯留メダル数との合計が所定の設定値以上であり、かつ、メダルレス機15014の貯留メダルがある(貯留メダル数が0でない)場合(ステップS5106のYES)、ステップS5104に進み、そこで、上記のように、「計数してください」のメッセージが操作メニュー16001の情報表示エリア16004に表示される。
ステップS5102において、カード挿入口15321から会員カードが挿入されていないと判定した場合(ステップS5102のNO)、状況としては、カード挿入口15321からビジターカードが挿入されているか否かに分かれるが、ビジターカードがカード挿入口15321から挿入された場合は、その時点で、ビジターカードに記憶されている残高や持ちメダル数等のデータが貸出ユニット15024の記憶部15404に移動され、「カード返却」ボタンがタッチされた時点で、記憶部15404に、ビジターカードに記憶すべきデータがなければ、ビジターカードはカード挿入口15321から排出されない。逆に、ビジターカードがカード挿入口15321から挿入されていない場合であっても、「カード返却」ボタンがタッチされた時点で、記憶部15404に、ビジターカードに記憶すべきデータがあれば、新たなビジターカードがカード挿入口15321から排出される。
したがって、ステップS5102において、会員カードが挿入されていないことが判定された場合に、ビジターカードが挿入されているか否かを判定する必要はない。
ステップS5106において、貸出ユニット15024の持ちメダル数とメダルレス機15014の貯留メダル数との合計が所定の設定値以上でないかまたは、メダルレス機15014の貯留メダルがない場合(ステップS5106のNO)、ステップS5107において、貸出ユニット15024の持ちメダル数とメダルレス機15014の貯留メダル数との合計と、所定の設定値との関係が判定され、貸出ユニット15024の持ちメダル数とメダルレス機15014の貯留メダル数との合計が設定値未満であり、かつ0以上である場合(ステップS5107のYES)、ステップS5109に進む。
ステップS5107でNOの判定がされる場合は、ステップS5106との関係で、貯留メダル数は0であり、持ちメダル数が設定値以上の場合のみである。この場合、ステップS5108に進み、そこで、設定値以上である持ちメダル数をビジターカードに書き込み、その後、ステップS5113において、ビジターカードをカード挿入口15321から排出する。なお、フローチャートでは省略したが、ステップS5108では、ビジターカードを発行しようとする際、カード収納部15323にICカードがない場合は、「カードがありません 補充してください」のメッセージを操作メニュー16001の情報表示エリア16004に表示し、遊技店のスタッフにICカードの補充を促す(ステップS5111も同じ)。
ステップS5107でYESの判定がされた場合、ステップS5109に進み、そこで、貸出ユニット15024に記憶されている残高、及び他の貸出種別の持ちメダルがあるか否かを判定する。残高、及び他の貸出種別の持ちメダル数がどちらも0である場合(ステップS5109のYES)、この場合は結局、貸出ユニット15024の持ちメダル数とメダルレス機15014の貯留メダル数との合計が所定値未満で、さらに、残高、他の貸出種別の持ちメダル数が0であり、ビジターカードを発行する条件を満たしていないことを意味しており、ステップS5112に進み、そこで、「返却できません」のメッセージが操作メニュー16001の情報表示エリア16004に表示される。
ここで、「他の貸出種別」とは、貸出ユニット15024に接続されているメダルレス機15014とは異なる貸出種別(貸出レート、遊技媒体)であり、例えば、現在、遊技対象のメダルレス機15014の貸出種別が、「20スロ」である場合、「他の貸出種別」は、「5スロ」、「1パチ」、「4パチ」等である。
ここで、貸出ユニット15024に記憶されている持ちメダル数は、現在、遊技対象としている貸出種別(例えば、「20スロ」)である。ビジターカードには、残高と、それぞれの貸出種別に係る持ちメダル数とを記憶しているが、ステップS5109でYESの判定がされた場合は、これらのデータがすべて0であるため、ビジターカードに記憶すべきデータがなく、その結果、ビジターカードは排出されず、「返却できません」のメッセージが表示される。
一方、ステップS5109において、貸出ユニット15024に記憶されている残高、及び他の貸出種別の持ちメダルのうち、いずれかがある場合(ステップS5109のNO)、そのデータを記憶しておくため、ビジターカードを発行する必要がある。しかしながら、少なくとも、貸出ユニット15024の持ちメダル数とメダルレス機15014の貯留メダル数のいずれかは残っているため(ただし、その合計は所定値未満)、これらのデータは、貸出ユニット15024、及びメダルレス機15014の少なくともいずれかに残ることになる。そこで、ステップS5110において、「〇〇未満の持ちメダルは残ります」のメッセージを操作メニュー16001の情報表示エリア16004に表示する。そして、このメッセージに表示されている「OK」ボタンをタッチすることにより、ステップS5111に進むことになる。
なお、貸出ユニット15024の持ちメダルが残された場合、後述する、メンテナンスモードでの端玉クリア処理によって、クリアすることができる。また、メダルレス機15014に貯留メダルが残っている場合は、メダルレス機15014の計数ボタンを押下して、貯留メダルを貸出ユニット15024に移した後、(貸出ユニット15024に持ちメダルが残されている場合は、その合計を)「端玉クリア」処理によって、クリアすることができる。
また、貸出ユニット15024の持ちメダルが残された場合、後述する、メンテナンスモードでの強制返却処理によって、ICカードに移動させることができる。また、メダルレス機15014に貯留メダルが残っている場合は、メダルレス機15014の計数ボタンを押下して、貯留メダルを貸出ユニット15024に移した後、(貸出ユニット15024に持ちメダルが残されている場合は、その合計を)「強制返却」処理によって、ICカードに移動させることができる。
ステップS5110の後、ステップS5111に進み、そこで、残高と他の貸出種別の持ちメダル数をビジターカードに書き込み、その後、ステップS5113において、ビジターカードをカード挿入口15321から排出する。
なお、貸出ユニット15024がオフライン状態の場合に、会員カードをカード挿入口15321から挿入すると、会員カードのデータ(残高や持ちメダル数)を貸出ユニット15024の記憶部15404に移動させずに、そのまま会員カードをカード挿入口15321から排出する。
また、会員カードが貸出ユニット15024に挿入された状態で、オフライン状態に遷移すると、会員カードから貸出ユニット15024の記憶部15404に移動されているデータ(残高や持ちメダル数)はそのまま貸出ユニット15024に残され、データを記憶していない会員カードがカード挿入口15321から排出され、さらに、残りの(使用していない)残高、持ちメダル数がビジターカードに書き込まれ、(会員カードに続いて)カード挿入口15321から排出される。
ここまで、図265を参照して、カード返却時制御機能について説明してきたが、上述のように、貸出ユニット15024の上記構成は、管理遊技機対応貸出ユニット15023についても同様に当てはまるものである。図265のフローチャートでは、管理遊技機対応貸出ユニット15023に記憶されている持ち玉数や、管理遊技機15013に記憶されている貯留玉数に基づいて、ICカードの返却をどのように制御するかが決定される。
また、上述のカード返却時制御機能により、カードを排出する妥当性が認められるときのみカードを返却することができ、ICカードのようなカードを無駄に消費することを抑えることができる。また、メダルレス機15014に貯留メダルがある場合であって、カードの返却が可能な場合は、メダルレス機15014の計数ボタンの押下を促した後に、カードの排出を行うようにすることで、メダルレス機15014に不用意に貯留メダルが放置されることを防ぐことができる。
なお、条件によっては、カードを排出しないようにし、かつ、貸出ユニット15024に記憶された持ちメダルや、メダルレス機15014の貯留メダル等がそのまま残されるような状況も考えられるが、そのような場合には、メンテナンスモードでの端玉クリア処理や構成返却処理によって、貸出ユニット15024に記憶された持ちメダルや、メダルレス機15014の貯留メダル等がクリア可能である。
なお、本実施形態では、上述したように、ビジターカードや会員カードとして、スマートフォンなどの携帯端末や他のICカードを用いることができ、その場合、カード挿入口15321からのカードの排出は行われない。例えば、遊技者のカードの代わりにスマートフォン等を用いる場合、図265において、会員カードやビジターカードに書き込みを行う際に(ステップS5105、ステップS5108、ステップS5111)、操作ユニット15409に、「スマートフォン、ICカードをタッチしてください」といったメッセージが表示され、そこで遊技者が、スマートフォン等をタッチ案内マーク15304付近に近づけると(または、タッチすると)、上記のステップS5105、ステップS5108、ステップS5111でそれぞれ、非接触ICカードRW15406によって所定のデータが当該スマートフォン等の記憶部に記憶される。そして、その後、操作ユニット15409に、「〇〇データの書き込みが完了しました」といったメッセージが表示される。
[1-10.持ちメダル共有機能]
次に、図266ないし図269を参照して、本実施形態に係る貸出ユニット15024の持ちメダル共有機能について説明する。図266、図267は、持ちメダル共有機能を実行する処理のフローチャートである。図268、図269は、貸出ユニット15024の操作ユニット15409に表示される持ちメダル共有機能に係る画面を示す図である。
本実施形態に係る貸出ユニット15024で実現される持ちメダル共有機能は、遊技者の指示に基づいて、貸出ユニット15024に記憶された持ちメダル、または会員カードに関連付けられた持ちメダルを、ビジターカードに移動する機能である。
持ちメダル共有機能を実行する処理の一例は、図266、図267に示すフローチャートに示されている。まず、貸出ユニット15024のメインCPU15401は、ステップS5201において、「持ちメダル共有」ボタンがタッチされるか否かを判定し、タッチがない間はこの判定処理を繰り返す(ステップS5201のNO)。「持ちメダル共有」ボタンは、図260(A)に示す操作メニュー16001に示される「持ちメダル共有」ボタンである。
ステップS5201において、「持ちメダル共有」ボタンのタッチが判定されると、ステップS5202に進む。なお、フローチャートでは省略したが、ステップS5201では、この持ちメダル共有機能がビジターカードを新たに発行するものであるため、カード収納部15323にICカードがない場合は、「カードがありません 補充してください」のメッセージを操作メニュー16001の情報表示エリア16004に表示する。この表示に対応して、遊技店のスタッフがICカードの補充をすると、その後、再びステップS5201の判定に戻る。
次に、ステップS5202において、図268(A)に示した共有指示画面16101を表示する。共有指示画面16101は、貸出ユニット15024の操作ユニット15409に表示される画面である。ここで表示されている状態表示エリア16102と、状態表示アイコン16103は、操作メニュー16001で示されている状態表示エリア16002、及び状態表示アイコン16003と同様のものである。
状態表示エリア16102の下部には、共有メダル数指示エリア16104が配置され、そこで、持ちメダルの枚数と、共有メダル数が表示されている。共有メダル数は、貸出ユニット15024が管理する持ちメダルから取り出して、ビジターカードに書き出すメダルの枚数である。遊技者は、このビジターカードを他人に渡すことにより、自身が所有していたメダルを他人に使用させることができる。
共有メダル数は、共有メダル数指示エリア16104の下部に配置されている共有メダル数指定エリア16105に表示される「0」から「9」のテンキーボタンをタッチして入力する。また、共有メダル数指示エリア16104には、「全部」ボタンが配置されており、その「全部」ボタンをタッチすることにより、持ちメダルのすべてが共有メダル数として設定される。
また、共有メダル数指示エリア16104には、「取消」ボタンが配置されており、この「取消」ボタンをタッチすることにより、持ちメダルの共有指定は取り消され、図260(A)に示す操作メニュー16001の表示に戻る。
ここで、ステップS5203において、共有メダル数指定エリア16105に表示される「次へ」ボタンがタッチされたか否かが判定され、タッチがない間はこの判定処理を繰り返す(ステップS5203のNO)。「次へ」ボタンがタッチされた場合(ステップS5203のYES)、ステップS5204において、指定された共有メダル数が、所定の最小値を超えているか否かが判定され、超えていない場合は(ステップS5204のNO)、ステップS5206に進み、例えば、「○○枚より少ないので再入力してください」といったエラーメッセージが、共有メダル数指示エリア16104の所定の位置に表示され、その後、ステップS5203に進み、共有指示画面16101において「次へ」ボタンがタッチされるのを待つ。
指定された共有メダル数が、所定の最小値を超えている場合は(ステップS5204のYES)、ステップS5205において、指定された共有メダル数が、持ちメダル数を超えているか否かが判定され、超えている場合は(ステップS5205のNO)、ステップS5206に進み、例えば、「持ちメダル数より多いので再入力してください」といったエラーメッセージが、共有メダル数指示エリア16104の所定の位置に表示され、その後、ステップS5203に進み、共有指示画面16101において「次へ」ボタンがタッチされるのを待つ。
指定された共有メダル数が、持ちメダル数以内である場合は(ステップS5205のYES)、ステップS5207において、貸出ユニット15024の操作ユニット15409に、図268(B)に示した共有決定画面16111を表示し、ここで最終的な持ちメダルの共有が指示される。
ここで表示されている状態表示エリア16112と、状態表示アイコン16113は、操作メニュー16001で示されている状態表示エリア16002、及び状態表示アイコン16003と同様のものである。状態表示エリア16112の下部には、「戻る」ボタン16114と「取消」ボタン16115が表示され、「戻る」ボタン16114をタッチすると、図268(A)に示した共有指示画面16101に戻り、共有メダル数の指定をやり直すことができる。「取消」ボタン16115をタッチすると、図260(A)に示す操作メニュー16001に戻る。なお、こうした「戻る」ボタン16114と「取消」ボタン16115に基づく挙動は、図266に示すフローチャートでは省略する。
「戻る」ボタン16114と「取消」ボタン16115の下部には、共有確認表示エリア16116が表示され、ここでは、「持ちメダル共有を行います よろしいですか?」の文言と、持ちメダルの共有がされる前の(貸出ユニット15024に記憶されている)持ちメダル数(図268(B)の例では「1000枚」)と、今回指定された共有メダル数(図268(B)の例では「300枚」)が表示される。
共有確認表示エリア16116の下部には、「決定」ボタン16117が配置される。ステップS5208において、遊技者がこの「決定」ボタン16117をタッチするか否かを判定し、タッチがない間はこの判定処理を繰り返す(ステップS5208のNO)。「決定」ボタン16117がタッチされた場合(ステップS5208のYES)、ステップS5209において、カード挿入口15321から会員カードが挿入されているか否かを判定する。
会員カードが挿入されていない場合(ステップS5209のNO)、ステップS5210において、今回指定された共有メダル数を持ちメダル数としてビジターカードに書き込む。また、このとき、記憶部15404に記憶されている持ちメダル数を更新する(共有メダル数を減算する)。
なお、このように、会員カードが挿入されていない場合は、例えば、遊技者がビジターカードを挿入した場合に、当該ビジターカードから貸出ユニット15024に移動され記憶されている持ちメダルが共有メダルの元となりうる。また、貸出ユニット15024に記憶されている持ちメダルや残高(ビジターカードの残高、または紙幣の挿入により発券された残高)を用いて行ったメダルレス機15014での遊技により獲得し、その後、貸出ユニット15024に移動させた持ちメダル等も共有メダルの元となりうる。また、遊技者がICカードをなにも利用していない場合は、紙幣の挿入により発券された残高を用いて行ったメダルレス機15014の遊技により獲得し、その後、貸出ユニット15024に移動させた持ちメダル等が、共有メダルの元となりうる。
次に、ステップS5211において、持ちメダル数が記憶されたビジターカードを、カード挿入口15321から排出し、ステップS5212において、貸出ユニット15024の操作ユニット15409に、操作メニュー16001を表示する(「持ちメダル共有」ボタンをタッチする前の状態に戻す)。
なお、ビジターカードをカード挿入口15321から排出した場合であって、貸出ユニット15024に持ちメダルがまだ残っており、かつ、カード収納部15323にICカードがある場合は、さらに、持ちメダルの共有を行うか否かを遊技者に選択させ、再び共有指示画面16101を表示して、持ちメダルの共有を連続的に指示するように構成することもできる。
ステップS5209において、カード挿入口15321から会員カードが挿入されていると判定された場合(ステップS5209のYES)、その処理は、図267のフローチャートに示されている。ステップS5221において、共有ロック情報を会員カードに書き込む。この共有ロック情報は、例えば、持ちメダルの状態、貸出ユニット15024やメダルレス機15014の位置(列ID、列内ID等)を特定する情報、貸出ユニット15024の装置種別(ユニットタイプ、設定値、識別番号等)、メダルレス機15014の設定値や台番号などが含まれる。また、このとき、記憶部15404に記憶されている持ちメダル数を更新する(共有メダル数を減算する)。
次に、ステップS5222において、会員カードをカード挿入口15321から排出する。次に、ステップS5223において、今回指定された共有メダル数を持ちメダル数としてビジターカードに書き込む。また、このとき、記憶部15404に記憶されている持ちメダル数を更新する(共有メダル数を減算する)。
なお、このように、会員カードが挿入されている場合は、例えば、遊技者が会員カードを挿入し、その会員カードに関連付けられている持ちメダル、または、その持ち玉や残高(会員カードの残高、または紙幣の挿入により発券された残高)を用いて行ったメダルレス機15014の遊技により獲得し貸出ユニット15024に移動させた持ちメダル等が、共有メダルの元となりうる。
次に、ステップS5224において、持ちメダル数が記憶されたビジターカードを、カード挿入口15321から排出し、ステップS5225において、貸出ユニット15024を共有ロック状態(上述した、条件を満たす共有ロック情報が記録された会員カードのみを受け付ける状態)に遷移させ、ステップS5226において、図269に示すような共有ロック画面16121を表示する。
図269の共有ロック画面16121に表示されている状態表示エリア16122と、状態表示アイコン16123は、操作メニュー16001で示されている状態表示エリア16002、及び状態表示アイコン16003と同様のものである。
状態表示エリア16122の下部には、ロック案内エリア16124が配置され、そこで、「ロックされた会員カードを挿入してください」のメッセージが表示される。
次に、ステップS5227において、条件を満たす共有ロック情報が記録された会員カードが挿入されたか否かを判定し、挿入がない間は、ステップS5227に戻り、当該判定を繰り返す。なお、ここで一定時間、会員カードの挿入がない場合は、操作ユニットに所定の表示を行うとともに、必要に応じて音声を出力するように制御することができる。この場合、遊技店のスタッフ等は、後述する図274のメンテナンスモードメニュー16171を表示させ、「ロック解除」ボタンをタッチし、貸出ユニット15024の共有ロック状態を解除することができる。貸出ユニット15024のメインCPU15401は、「ロック解除」ボタンがタッチされると、貸出ユニット15024の休憩ロック状態を解除し(すなわち、図267に示すフローチャートのステップS5227のループ処理を実質的にキャンセルして終了させ)、このときに、貸出ユニット15024の記憶部15404で記憶されている会員情報等をクリアし、操作ユニット15409に操作メニュー16001を表示する。この処理により、貸出ユニット15024は、他の遊技者が、会員カードやビジターカードを用いて、あるいは、ビジターカードなしで遊技を行える状態にリセットされる。
条件を満たす共有ロック情報が記録された会員カードが挿入された場合(ステップS5227のYES)、ステップS5228において、貸出ユニット15024の共有ロック状態を解除し、ステップS5229において、挿入された会員カードから共有ロック情報を削除する。
次に、ステップS5230において、挿入された会員カードの受付処理を行う。なお、ここでは、挿入された会員カードは、以前に挿入されたときに、遊技者からのパスワード入力、及びカードサーバ15100と会員サーバ15110へのアクセスによって、認証処理が行われており、今回の挿入時に、会員カードが、条件を満たす共有ロック情報を記憶していたことから、遊技者のパスワード入力を省略することができる。
次に、ステップS5231において、貸出ユニット15024の操作ユニット15409に、操作メニュー16001を表示する(「持ちメダル共有」ボタンをタッチする前の状態に戻す)。
なお、ステップS5224において、ビジターカードをカード挿入口15321から排出した後で、貸出ユニット15024に持ちメダルがまだ残っており、かつ、カード収納部15323にICカードがある場合は、さらに、持ちメダルの共有を行うか否かを遊技者に選択させ、再び共有指示画面16101を表示して、会員カードに基づいて、持ちメダルの共有を連続的に指示するように構成することもできる。
ここまで、図266ないし図269を参照して、持ちメダル共有機能について説明してきたが、上述のように、貸出ユニット15024の上記構成は、管理遊技機対応貸出ユニット15023についても同様に当てはまるものである。図266ないし図269の例では、持ちメダルのうち、指定した共有持ちメダル数をビジターカードに書き込むことで持ちメダルの共有を実現したが、同様に、管理遊技機対応貸出ユニット15023において、持ち玉のうち、指定した共有持ち玉数をビジターカードに書き込むことで持ち玉の共有を実現することができる。
また、上述の持ちメダル共有機能により、遊技者は、自身の持ちメダルを、容易な操作で分割し、(例えば、他の遊技者に)分け与えることができ、結果的に、遊技者が有する価値の管理を柔軟に行うことができ、遊技の利便性が向上するとともに、楽しみ方のバリエーションが増大する。このような共有機能は、貸出ユニット15024が持ちメダルを所定数有していれば可能であり、ICカードがなにも挿入されていない場合でも、例えば、メダルレス機15014での遊技によりメダルを獲得し、それを持ちメダルとして貸出ユニット15024に移動させた場合などが考えられる。ビジターカード(第1種別記憶媒体)が挿入された場合は、そのビジターカードに記憶されている持ちメダルが貸出ユニット15024に移動され、会員カード(第2種別記憶媒体)が挿入された場合は、その会員カードに紐付けられた(または記憶された)持ちメダルが貸出ユニット15024に記憶される。
また、上述の持ちメダル共有機能では、一連の操作により、複数のビジターカードに自身の持ちメダルをそれぞれ記憶させて連続的に排出することで、複数の遊技者との間で持ちメダルを共有することができる。
なお、本実施形態では、持ちメダルや持ち玉の共有機能について説明したが、同様の機能は、残高や貯メダル・貯玉といった他の価値に対しても適用することができる。
なお、本実施形態では、上述したように、ビジターカードや会員カードとして、スマートフォンなどの携帯端末や他のICカードを用いることができ、その場合、カード挿入口15321からのカードの排出は行われない。例えば、遊技者のカードの代わりにスマートフォン等を用いる場合、図266におけるビジターカードの排出(ステップS5211)は行われず、その代わりに、ステップS5210で共有メダル数を書き込む際に、例えば、操作ユニット15409に、「スマートフォン、ICカードをタッチしてください」といったメッセージが表示され、そこで遊技者が、スマートフォン等をタッチ案内マーク15304付近に近づけると(または、タッチすると)、非接触ICカードRW15406によって共有メダル数が当該スマートフォン等の記憶部に記憶され、その後、操作ユニット15409に、「共有データの書き込みが完了しました」といったメッセージが表示される。
また、上記の場合、図267における会員カードの排出(ステップS5222)や、ビジターカードの排出(ステップS5211)も行われず、上記と同様の手順でスマートフォン等へのデータの書き込みが行われる。例えば、ステップS5222におけるカードの排出を行わずに、会員カードとしてのスマートフォン等にロック情報を書き込み(ステップS5221の処理)、また、ステップS5224におけるカードの排出を行わずに、ビジターカードとしてのスマートフォン等に共有メダル数を書き込む(ステップS5222の処理)。
また、遊技者は、ロック情報が書き込まれた(会員カードとしての)スマートフォン等を非接触ICカードRW15406に読ませることにより、共有ロック状態を解除することができる(ステップS5227、ステップS5228等に対応する処理)。
[1-11.閉店処理制御機能]
次に、図270を参照して、本実施形態に係る貸出ユニット15024の閉店処理を制御する閉店処理制御機能について説明する。図270は、閉店処理を実行する処理のフローチャートである。
閉店処理は、図259を参照して説明したように、カードサーバ15100からの閉店通知、またはテスト閉店通知を受信したことに応答して、貸出ユニット15024を閉店状態に遷移させる処理である。
閉店処理は、カードサーバ15100からの閉店通知、またはテスト閉店通知を受信すると開始され、メインCPU15401は最初に、ステップS5251において、カード挿入口15321に会員カードが挿入されているか否かを判定する。会員カードが挿入されている場合(読み書き位置にある場合、ステップS5251のYES)、ステップS5252において、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている残高、及び持ちメダル数を会員カードに書き込む。なお、貯メダル数については、カードサーバ15100を介した通信により、会員サーバ15110で更新管理を行っているため、ここで会員カードに反映させる必要はない。
次に、ステップS5253において、記憶部15404に記憶されている残高、及び持ちメダル数をクリアし、ステップS5254において、カードサーバ15100に対して、記憶部15404の残高、及び持ちメダル数が、会員カードに移動したことを通知する。
次に、ステップS5255で会員カードを、カード挿入口15321から排出する。ここで、会員カードが排出されたことを知らせるために、貸出ユニット15024において、ビープ音などの音声を出力する(ステップS5261)。そして、ステップS5262において、カード挿入口15321から会員カードが抜き取られたか否かを判定し、抜き取りが行われない間は(ステップS5262のNO)、当該判定が繰り返され、音声出力が継続される。
カード挿入口15321から会員カードが抜き取られると(ステップS5262のYES)、ステップS5263において音声出力が停止され、その後、ステップS5266に進む。
カード挿入口15321に会員カードが挿入されてない場合は(ステップS5251のNO)、ステップS5256において、貸出ユニット15024の記憶部15404に残高があるか否かを判定する。残高がある場合(ステップS5256のYES)、ステップS5257において、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている残高をビジターカードに書き込む。ここで、カード収納部15323にICカードがない場合は、「カードがありません 補充してください」のメッセージを操作メニュー16001の情報表示エリア16004に表示し、遊技店のスタッフにICカードの補充を促す。
次に、ステップS5258において、記憶部15404に記憶されている残高、及び持ちメダル数をクリアし、ステップS5259において、カードサーバ15100に対し、記憶部15404の残高をビジターカードに移動し、持ちメダル数を移動せずにクリアしたことを通知する。
次に、ステップS5260でビジターカードを、カード挿入口15321から排出する。この後、ステップS5261に進み、上述したものと同様の処理が行われる。なお、この例では、カード挿入口15321から会員カードが挿入されていない場合(ステップS5256のYES)、その後の処理で、記憶部15404の残高をビジターカードに移動させる一方で、持ちメダル数についてはビジターカードに移動させることなくクリアしているが、会員カードが挿入されていた場合と同様に、この持ちメダル数も、ビジターカードに書き込むようにしてもよい。また、残高の大小や、持ちメダル数の大小によって、ビジターカードに書き込むか否かを判断してもよい。
貸出ユニット15024の記憶部15404に残高がない場合(ステップS5256のNO)、ステップS5264において、記憶部15404に記憶されている持ちメダル数をクリアし、ステップS5265において、カードサーバ15100に対し、記憶部15404の持ちメダル数を移動せずにクリアしたことを通知する。
次に、ステップS5266において、貸出ユニット15024に残高、及び持ちメダルがないことを表すように、図255に示す状態表示ランプ15311を、白色に点灯するよう制御する。
次に、ステップS5267において、メダルレス機15014に記憶されている持ちメダル数(貯留メダル数)があるか否かを判定し、貯留メダルがある場合は(ステップS5267のYES)、メダルレス機15014に貯留メダルがあることを知らせるために、貸出ユニット15024において、操作ユニット15409にメッセージを表示したり、ビープ音などの音声を出力する(ステップS5268)。なお、ステップS5261においても、会員カードが排出されたことを知らせるためにビープ音などの音声を出力しているが、ここでは、その場合の音声とは異なる音声を出力するように制御可能である。
さらに、ステップS5268では、図255に示す状態表示ランプ15311を、緑色と青色が交互に点灯するよう制御し、さらに、貸出ユニット15024の操作ユニット15409に表示される操作メニューの情報表示エリア16004に、例えば、「遊技機の計数ボタンを押して計数してください」のメッセージを表示する。
ステップS5268の後、または、貯留メダルがあると判定された場合(ステップS5267のNO)、ステップS5269において、貸出ユニット15024を閉店状態に遷移させる。
なお、上述した閉店処理では、最初に、会員カードが残っているか否かや、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている残高や持ちメダルがあるか否かによって、ICカードへの書き込み内容や排出の要否を判断し、その後、あらためて、メダルレス機15014に貯留メダルがあるか否かを判定している。
例えば、会員カードが挿入されたままの場合、必要に応じて、貸出ユニット15024に記憶されている残高、及び持ちメダル数を会員カードに書き込み、その会員カードが排出されたときにビープ音が出力され、その後、会員カードが抜き取られると、そのビープ音の出力は停止される。すなわち、挿入されたままの会員カードは、遊技店のスタッフの介入なしに排出されるところまで自動で行われる。次に、メダルレス機15014に貯留メダルがあると判定されると、再びビープ音が出力され、遊技店のスタッフがここで介入して、メダルレス機15014の計数ボタンを押下し、貯留メダルを貸出ユニット15024の持ちメダルに移動させ、その後、例えば、メンテナンス画面で端玉クリア処理を行う。
しかしながら、上記閉店処理の最初で、メダルレス機15014に貯留メダルがあるか否かを判定し、会員カードが挿入されたままである場合に、遊技店のスタッフが介入して、メダルレス機15014の貯留メダルについても、計数ボタンの押下をすることで貸出ユニット15024の持ちメダルを経由して会員カードに移動させ、その後、会員カードを排出させることもできる。
この場合、貸出ユニット15024は、例えば、メダルレス機15014の貯留メダルがない場合は、会員カードを排出した状態でビープ音を出力し、メダルレス機15014の貯留メダルがある場合は、会員カードを排出せずにビープ音を出力するとともに操作メニューの情報表示エリア16004に、「遊技機の計数ボタンを押して計数してください」のメッセージを表示し、遊技店のスタッフが介入できるようにする。
一方、会員カードが挿入されていないときは、貸出ユニット15024に残高がある場合、例えば、メダルレス機15014の貯留メダル数が所定値以上の場合に(または、貸出ユニット15024の持ちメダル数と当該貯留メダル数との合計が所定値以上の場合に)、ビープ音の出力や表示を行うことによって、遊技店のスタッフにメダルレス機15014の計数ボタンを押下させ、貸出ユニット15024の残高と持ちメダル、及びメダルレス機15014の貯留メダルをビジターカードに記憶して排出されるようにできる。
ここまで、図270を参照して、閉店処理制御機能について説明してきたが、上述のように、貸出ユニット15024の上記構成は、管理遊技機対応貸出ユニット15023についても同様に当てはまるものである。ただし、管理遊技機対応貸出ユニット15023では、会員カードが挿入されている場合、管理遊技機対応貸出ユニット15023の記憶部に記憶されている残高(場合によっては、管理遊技機対応貸出ユニット15023のの持ち玉、管理遊技機15013に記憶されている貯留玉を含む)がビジターカードに記憶された後、排出される。
また、上述の閉店処理制御機能により、会員カードが挿入されたままの貸出ユニット15024、会員カードの挿入はないものの残高や持ちメダルが残ったままの貸出ユニット15024が、音声出力やランプの点灯などで報知されるので、遊技店のスタッフは、対応が必要な貸出ユニット15024を容易に特定することができる。また、貯留メダルが残っているメダルレス機15014についても、対応する貸出ユニット15024において、その旨を示すメッセージが表示されるので、遊技店のスタッフは、このようなメダルレス機15014についても、容易に特定が可能である。
なお、本実施形態では、貸出ユニット15024が、カードサーバ15100から閉店通知、またはテスト閉店通知を受信したことに応答して、閉店処理(閉店状態に遷移させる処理)を行うものであるが、このような、閉店処理の起点となる情報を受信して閉店処理が行われる構成は一例に過ぎず、他の様々なトリガーによって様々な遊技用装置が閉店処理を開始することができる。
また、本実施形態では、上述のように、メダルレス機15014に貯留メダルが残っている場合に、貸出ユニット15024において、メッセージに表示等を行う(図270のステップS5268)ように構成しているが、この場合、貸出ユニット15024のメインCPU15401は、例えば、メダルレス機15014にアクセスして、メダルレス機15014の貯留メダル数(貯留情報)を取得し、その貯留メダル数が所定数である場合(例えば、0でない場合)上記のメッセージを表示するが、例えば、メダルレス機15014が、所定のタイミングで、上述した貯留メダル数が所定数であると判定した場合に、特定のフラグ(貯留情報)を貸出ユニット15024に送信し、その結果、貸出ユニット15024が、そのフラグに基づいて、上記のメッセージを表示するように制御することもできる。このように、貸出ユニット15024がメダルレス機15014から取得する貯留情報として、様々な形態を考えることができる。
[1-12.データ更新・復元処理制御機能]
次に、図271ないし図273を参照して、本実施形態に係る貸出ユニット15024のデータ更新・復元処理を制御するデータ更新・復元処理制御機能について説明する。図271は、貸出ユニット15024におけるデータ更新・復元処理を模式的に表した図である。図272は、貸出ユニット15024におけるデータ更新処理の流れを示すフローチャートである。図273は、貸出ユニット15024におけるデータ復元処理の流れを示すフローチャートである。なお、本実施形態に係るデータ更新・復元処理における「データ」は、様々な種類のビット列を含むものである。例えば、設定データ、画像・音声データ、プログラムデータ、プログラムで生成、更新される一時データ、プログラムに用いられるデータであってプログラムの挙動に影響を与えるデータ等を含みうる。
(データ更新処理)
貸出ユニット15024のメインCPU15401は、(例えば、メダルの貸出等の)制御処理に関連して、所定のデータを更新するよう制御する。例えば、図271(A)に示すように、RAM15403に設けられたバッファに記憶されているデータを更新した場合に、このバッファ全体と同じ内容を維持するよう制御される、記憶部15404の第1エリア(A面)に更新されたデータをコピーし、さらに、このA面全体と同じ内容を維持するよう制御される、記憶部15404の第2エリア(B面)に更新されたデータをコピーする。
このようなデータ更新処理を、図271(A)、及び図272を参照して、より詳細に説明する。図271(A)に示す記憶部15404は、第1エリア(A面)と第2エリア(B面)に半分ずつ分けられ、第1エリア(A面)と第2エリア(B面)は同じ容量でかつ、同じ構成となっている。例えば、記憶部15404のLowアドレス部分をA面、Highアドレス部分をB面とする。また、A面とB面の最後にそれぞれ、例えば、CRC(Cyclic Redundancy Check)データのような検証データを記憶する検証データ領域が配置される。ここで、A面は、メイン領域であり、一方で、B面は、バックアップ領域といった位置づけである。
RAM15403のバッファは、A面、B面のそれぞれと同じ容量であり、A面のデータ、またはB面のデータがそのままの配置で記憶される。また、メインCPU15401は、例えば、第1プロセスでバッファにデータを書き込んだ場合、バッファへのデータ書き込みを検知した第2プロセスで、その後の、CRC計算、A面へのデータ、及びCRCのコピー、B面へのデータ、及びCRCのコピーを順次行うように制御することができる。また、当該第2プロセスは、より多くのプロセスが分担するようにしてもよい。
ここで、図272のフローチャートにより、更新処理の流れを説明する。この更新処理は、メインCPU15401が、所定のデータを生成、または更新する場合に実行される。最初に、ステップS5271において、メインCPU15401は、(例えば、メダルの貸出等の)制御処理に関連して、RAM15403のバッファにデータを書き込む。この処理は、図271(A)の矢印(1)で示す処理に対応し、ここで、例えば、データ(Data1)が、更新、または生成される。
次に、ステップS5272において、RAM15403のバッファの全体についてCRC計算を行い、計算で得られたCRCデータを、バッファの検証データ領域に記憶する。この処理は、図271(A)の矢印(2)で示す処理に対応し、CRCデータ(図中、「CRC」と表記されている)が、バッファの右下に示されている。なお、CRC計算は、メインCPU15401で実行することも可能であるが、例えば、専用のCRC回路(巡回冗長検査(CRC16)回路)を用いて実行することもできる。なお、ここでは、データの整合性を検証する(2つのデータ群が一致するか否かを判断する)ためにCRCデータを用いているが、他の検証データを用いて行うことも可能である。
次に、ステップS5273において、RAM15403のバッファに書き込まれたデータを記憶部15404のA面に書き込み(コピーし)、ステップS5274において、RAM15403のバッファに書き込まれたCRCデータを記憶部15404のA面に書き込む(コピーする)。この処理は、図271(A)の矢印(3)、矢印(4)でそれぞれ示される処理に対応し、ここで、例えば、データ(Data1)が、記憶部15404のA面に書き込まれ、CRCデータ(CRC)が、記憶部15404のA面に書き込まれる。
次に、ステップS5275において、記憶部15404のA面に書き込まれたデータを記憶部15404のB面に書き込み(コピーし)、ステップS5276において、記憶部15404のA面に書き込まれたCRCデータを記憶部15404のB面に書き込む(コピーする)。この処理は、図271(A)の矢印(5)、矢印(6)でそれぞれ示される処理に対応し、ここで、例えば、データ(Data1)が、記憶部15404のB面に書き込まれ、CRCデータ(CRC)が、記憶部15404のB面に書き込まれる。
なお、図271(A)には、Data1のほかにData2も記載されているが、このData2が生成、更新される場合も、上述したData1の場合と同様に、更新処理が行われる。
(データ復元処理)
貸出ユニット15024のメインCPU15401は、例えば、電断復帰等により、貸出ユニット15024が再起動された場合に、RAM15403のバッファ全体を復元するよう制御する。例えば、図271(B)に示すように、記憶部15404に記憶されているA面のデータ、またはB面のデータが、RAM15403のバッファにそのままコピーされることで復元が行われる。なお、RAM15403は、揮発性記憶領域であり、RAM15403に記憶された内容は、貸出ユニット15024の電断等により再起動が行われると、すべて消失してしまうが、記憶部15404は、不揮発性記憶領域であるため、記憶部15404に記憶された内容は、電断等でも消失することがない。よって、貸出ユニット15024が再起動された場合には、記憶部15404に記憶された内容から、RAM15403のバッファに記憶された内容が復元されることになる。
このようなデータ復元処理を、図271(B)、及び図273を参照して、より詳細に説明する。図271(B)に示すRAM15403と記憶部15404の構成は、図271(A)を参照して説明した構成と同様である。
ここで、図273のフローチャートにより、復元処理の流れを説明する。この更新処理は、貸出ユニット15024が電断等によって再起動された場合に実行される。最初に、ステップS5281において、メインCPU15401は、記憶部15404のA面に記憶されているCRCデータにより、記憶部15404のA面に記憶されているデータ全体の整合性をチェックする。
次に、ステップS5282において、CRCデータによる整合性チェックが正常か否かを判定し、正常である場合は(ステップS5282のYES)、ステップS5283において、記憶部15404のA面のすべてのデータをそのままRAM15403のバッファにコピーする。この処理は、図271(B)の矢印(1-1)で示される処理に対応し、ここで、例えば、データ(Data1)を含むA面のすべてが、RAM15403のバッファにコピーされる。
次に、ステップS5284において、記憶部15404のA面のすべてのデータをそのまま記憶部15404のB面にコピーする。この処理は、図271(B)の矢印(1-2)で示される処理に対応し、ここで、例えば、データ(Data1)を含むA面のすべてが、記憶部15404のB面にコピーされる。
一方、整合性チェックが正常でない場合は(ステップS5282のNO)、ステップS5285において、記憶部15404のB面のすべてのデータをそのままRAM15403のバッファにコピーする。この処理は、図271(B)の矢印(2-1)で示される処理に対応し、ここで、例えば、データ(Data1)を含むB面のすべてが、RAM15403のバッファにコピーされる。
次に、ステップS5286において、記憶部15404のB面のすべてのデータをそのまま記憶部15404のA面にコピーする。この処理は、図271(B)の矢印(2-2)で示される処理に対応し、ここで、例えば、データ(Data1)を含むB面のすべてが、記憶部15404のA面にコピーされる。
このように、本実施形態のデータ更新・復元処理では、図272に示すステップS5273の処理が開始される前に電断が発生した場合は、再起動によってRAM15403のバッファの内容が消失しているため、電断の直前にバッファに記憶されている内容はキャンセルされ、当該バッファの内容は、電断直前の更新処理より前の内容(記憶部15404のA面に記憶されている内容)に復元されることになる。
また、図272に示すステップS5273の処理が開始されてから、ステップS5274の処理が完了する前に電断が発生した場合は、再起動によってRAM15403のバッファの内容が消失し、記憶部15404のA面に記憶されている内容は不整合が生じているため、当該バッファの内容は、電断直前の更新処理より前の内容(記憶部15404のB面に記憶されている内容)に復元されることになる。
またさらに、図272に示すステップS5274の処理が完了してから、ステップS5276の処理が完了する前に電断が発生した場合は、再起動によってRAM15403のバッファの内容が消失し、記憶部15404のB面に記憶されている内容は不整合が生じているため、当該バッファの内容は、記憶部15404のA面に記憶されている内容に復元されることになる。なお、記憶部15404のA面に記憶されている内容は、直近の、電断直前の更新処理の内容であり、この場合、直近のバッファの内容に復元される。
このように、どのようなタイミングで電断が生じても、図272のフローチャートに示すように、データ更新処理が順次行われるため、記憶部15404のA面とB面が同時に不整合を生じることがなく、RAM15403のバッファの内容を、記憶部15404のA面またはB面のいずれかによってかならず復元することができる。図273に示す復元処理では、記憶部15404のA面のCRCデータのみをチェックしているが、上記のように、A面とB面のどちらかは不整合が生じていないので、A面のCRCデータに異常があれば、B面のCRCデータは正常であると判断でき、B面のCRCデータをチェックする必要がない。
また、上記のように、RAM15403のバッファが、記憶部15404のA面から復元されたか、B面から復元されたかで、直近の更新処理が有効に受け付けられているか否かが異なるので、メインCPU15401により実行されるプログラムは、この状況に応じて、再開された更新処理を制御する必要がある。
また、本実施形態のデータ更新・復元処理により上記のような効果を奏するために、データ(例えば、図271に示すData1やData2)としては、RAM15403や記憶部15404の容量に余裕がない場合、比較的小さな容量で、その容量が時間の経過とともに大きく増加しないデータであることが好ましい。例えば、ICカードの情報のような、累積されないデータや、貯メダルに関する数件の操作履歴のような、累積されるデータであっても、その累積数が限定的または少数であるデータ等である。
なお、この例では、A面、B面それぞれに1つのCRCデータ(CRCデータは、例えば、2バイト)を設けるようにしているが、各面のサイズが、例えば、4Kバイトを超える場合、それぞれの面を4Kバイトにセクターに分割し、当該セクター単位でCRCデータを計算することが望ましい。
また、上記のように、各面を複数のセクターに分割した場合、それぞれのデータが、セクターを跨いで記憶されないように構成することが好ましい。
ここまで、図271ないし図273を参照して、データ更新・復元処理制御機能について説明してきたが、上述のように、貸出ユニット15024の上記構成は、管理遊技機対応貸出ユニット15023についても同様に当てはまるものである。
また、上述のデータ更新・復元処理制御機能では、記憶部15404のA面、B面のうち、正常なデータであるバージョンにより、RAM15403の内容が復元されるので、電断等で再起動が必要になった場合でも、安全に制御処理を再開することができる。また、記憶部15404のA面、B面、及びRAM15403が同じサイス、同じ内容で構成されているため、それぞれに設けられた検証用データ(CRCデータ)を共通して利用でき、例えば、更新処理においてRAM15403の内容を記憶部15404のA面にコピーした後、記憶部15404のA面のデータに基づいてCRCデータを生成することなく、RAM15403のCRCデータをコピーしてきて、記憶部15404のA面のCRCデータとすることがなく、メインCPU15401等の処理負荷を軽減するとともに、データ更新、復元処理の構成を単純化することができる。
[1-13.休憩機能]
次に、図274ないし図277を参照して、本実施形態に係る貸出ユニット15024の休憩機能について説明する。図274は、遊技店のスタッフが、所定操作により貸出ユニット15024をメンテナンスモードに遷移させた場合に、貸出ユニット15024の操作ユニット15409に表示される画面である。図275は、「第1休憩」ボタンや「第2休憩」ボタンがタッチされた場合に、貸出ユニット15024の操作ユニット15409に表示される画面である。図276は、「第1休憩」ボタンや「第2休憩」ボタンがタッチされ、貸出ユニット15024が休憩ロック状態になった場合に、操作ユニット15409に表示される画面である。図277は、遊技者またはスタッフ等の操作によって休憩が指示された場合に、貸出ユニット15024における休憩機能を制御する処理の流れを示すフローチャートである。
上記の休憩機能は、2つの機能を有する。1つは、遊技者が、図260(A)に示す操作メニュー16001の「第1休憩」ボタンをタッチした場合に、貸出ユニット15024から休憩カードが排出されるとともに、貸出ユニット15024が休憩ロック状態となり、排出された休憩カードが挿入されるまで、遊技者の操作を受け付けないように制御される、第1休憩機能である。
もう1つは、遊技店のスタッフ等(権限のある運営者など、スタッフ以外の者も含む)の操作により、貸出ユニット15024がメンテナンスモードに遷移し、そのときに、スタッフ等が、操作ユニット15409に表示されたメンテナンスモードメニューにおいて「第2休憩」ボタンをタッチした場合に、貸出ユニット15024から休憩カードが排出されるとともに、貸出ユニット15024が休憩ロック状態となり、排出された休憩カードが挿入されるまで、遊技者の操作を受け付けないように制御される、第2休憩機能である。
こうした2つの休憩機能(第1休憩機能、第2休憩機能)は、開始操作の主体が異なるだけでなく、休憩ロック状態になる条件や休憩時間など、様々な点で違いがある。
図274には、メンテナンスモードメニューの例が示されている。図274(A)は、スタッフ等が、例えば、図255に示した貸出ユニット15024の鍵穴15324に鍵を挿入して所定の方向に回すことにより、貸出ユニット15024をメンテナンスモードに遷移させた場合に、操作ユニット15409に表示されるメンテナンスモードメニュー16171である。メンテナンスモードメニュー16171には、タイトル表示部16172が表示され、その下部に、タブメニュー(単体)16173、タブメニュー(連動)16174、及び「終了」ボタン16175が配置される。
さらに、この下には、タブメニュー(単体)16173をタッチした場合に表示されるメンテナンスメニュー表示エリア16176が配置される。このメンテナンスメニュー表示エリア16176には、単体でのメンテナンス機能を実行するボタンが表示され、具体的には、「カード1枚排出」ボタン、「カード指定排出」ボタン、「カード強制返却」ボタン、「端玉クリア」ボタン、「第2休憩」ボタン16176a、「ロック解除」ボタン、及び「履歴確認」ボタンが表示されている。また、メンテナンスメニュー表示エリア16176の下部には、「次へ」ボタン16177が配置される。
図274(B)は、図274(A)に示したメンテナンスモードメニュー16171と同様のものであるが、メンテナンスメニュー表示エリア16176は、図274(A)のものとは異なるものになっている。これは、図274(A)のメンテナンスモードメニュー16171で、「次へ」ボタン16177をタッチした場合に表示される内容である。ここでは、メンテナンスメニュー表示エリア16176に、「試打開始」ボタン、「試打終了」ボタン、「RWクリーニング」ボタン、「紙幣挿入テスト」ボタン、「稼働状況」ボタン、「設定値情報」ボタン、「再起動」ボタン、及び「ID設定クリア」ボタンが表示されている。また、メンテナンスメニュー表示エリア16176の下部には、「前へ」ボタン16178が配置されており、このボタンをタッチすることにより、図274(A)に示すメンテナンスモードメニュー16171に遷移する。
ここで、「カード1枚排出」ボタンがタッチされると、貸出ユニット15024のカード収納部15323に収納されているビジターカード用のICカードを1枚、カード挿入口15321から排出する。また、このとき、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている残高や持ちメダルの情報の移動や書き込みはされない。1枚排出した後で、カード収納部15323にまだICカードが収納されている場合は、「1枚再排出」のボタンが表示され、遊技店のスタッフ等は、ICカードを連続的にカード挿入口15321から排出させることができる。
「カード指定排出」ボタンがタッチされると、排出するICカードの枚数を指定するための画面が表示され、そこで枚数を指定して排出を指示すると、貸出ユニット15024のカード収納部15323に収納されているビジターカード用のICカードを、指定した枚数だけ、カード挿入口15321から排出する。また、このとき、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている残高や持ちメダルの情報の移動や書き込みはされない。カード収納部15323に収納されているカードをすべて排出する「全排出」の指定も可能である。
「カード強制返却」ボタンがタッチされると、ビジターカードが、カード挿入口15321から強制的に排出される。本実施形態では、例えば、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている持ちメダル数、または貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている持ちメダル数と対応するメダルレス機15014に記憶されている貯留メダル数との合計が、所定のメダル数に満たない場合、「カード返却」ボタンがタッチされても、ビジターカードを排出しない仕様になっているが、この「カード強制返却」ボタンをタッチすれば、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている持ちメダル数をICカードに移動(書き込み)したうえで、ビジターカードとしてカード挿入口15321から排出する。
「端玉クリア」ボタンがタッチされると、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている持ちメダル数がクリアされる(端玉クリア処理)。なお、例えば、持ちメダル数が所定のメダル数以上である場合や、対応するメダルレス機15014に貯留メダルが残っている場合は、端玉クリア処理が行われない。
「第2休憩」ボタン16176aがタッチされると、貸出ユニット15024が休憩ロック状態に遷移し、他の遊技者が操作できない状態になる。この操作は、例えば、遊技者が食事休憩などで長時間のり席をする際に、貸出ユニット15024の残高や持ちメダルを保護するために、遊技店のスタッフ等が当該操作を行う。
「ロック解除」ボタンがタッチされると、遊技者による第1休憩の操作や、遊技店のスタッフ等による第2休憩の操作で、休憩ロック状態に遷移した貸出ユニット15024の状態が強制的に解除される。この操作は、例えば、貸出ユニット15024を休憩ロック状態にするために使用したICカードを紛失した場合に行われる。
「履歴確認」ボタンがタッチされると、貸出ユニット15024やメダルレス機15014を操作した際の動作履歴に関する履歴情報等が、操作ユニット15409に表示される。これらの履歴情報等は、例えば、最新の5件分が表示の対象となる。履歴情報としては、カード挿入、発券、貸出、計数、払出、再プレイ、返却、共有、端玉クリアの操作等が含まれうる。また、それぞれの操作に関する項目について、残高、払出、消費、計数などの表示項目が設定されている。
さらに、電断復帰の場合、払出の表示項目については、2レコードの履歴データ(A:電断前払出済データ、B:電断復帰後再払出データ)が追加される。例えば、貸出の場合は、A:貸出(消費、払済、払予),B:貸出(消費、払出)の項目が追加され、持ち玉払出の場合は、A:持払(払済、払予)、B:持払(払出)の項目が追加され、貯玉再プレイの場合は、A:貯払(払済、払予)、カード番号、B:貯払(払出)、カード番号の項目が追加される。
「試打開始」ボタンがタッチされると、試打モード中画面等が表示されて試打モードに遷移し、「持ちメダル払出」ボタンをタッチして、架空の持ちメダル(例えば、50枚のメダル)をメダルレス機15014に提供することができる。これによって、貸出ユニット15024と、対応するメダルレス機15014の接続動作確認を行うことができる。また、「試打終了」ボタンをタッチすると、試打モードが終了し、例えば、図274(B)に示すメンテナンスモードメニュー16171の表示に戻る。
「RWクリーニング」ボタンがタッチされると、専用のクリーニングカードをカード挿入口15321に挿入するように案内する案内表示がされ、そこで、「実行」ボタンをタッチすると、そのクリーニングカードを用いて、ICカードRW15405に関連するICカード接触部のクリーニングが行われる。
「紙幣挿入テスト」ボタンがタッチされると、ビルバリ15407による紙幣の識別、紙幣収納部への紙幣の収納、紙幣搬送路への紙幣の搬送等の動作確認が可能なように、紙幣を紙幣投入口15301に連続して投入することができる。
「稼働状況」ボタンがタッチされると、操作ユニット15409に、稼働状況画面が表示される。稼働状況画面には、例えば、ホールコンピュータ15070に通知したパルス数等(発券パルス数、消費パルス数、払出パルス数、再プレイパルス数等)が表示される。
「設定値情報」ボタンがタッチされると、カードサーバ15100から取得された貸出ユニット15024の設定値に関する情報が表示される。設定値は、カードサーバ15100で記憶・管理されている情報であり、貸出ユニット15024ごとに設定されている。例えば、カードサーバ15100の設定値が更新された日時、貸出ユニットタイプ(パチスロ、パチンコ、スマートパチスロ、スマートパチンコの別)、列ID、列内ID、店舗番号、台番号、貸出払出消費金額(1回のメダル貸出で消費する金額)、貸出払出メダル数(1回のメダル貸出で払い出されるメダル数)、持ちメダル払出メダル数(1回の持ちメダル払出で払い出されるメダル数)、IPアドレス、MACアドレス等が含まれうる。
「再起動」ボタンがタッチされると、貸出ユニット15024の再起動が行われる。また、「ID設定クリア」ボタンがタッチされると、貸出ユニット15024とカードサーバ15100との紐づけが解消・消去される。本実施形態では、貸出ユニット15024とカードサーバ15100は、上述した列IDと列内IDとの組み合わせで管理、対応付けをしているが、この列IDと列内IDの値をクリアすることで、その貸出ユニット15024とカードサーバ15100との対応付けがクリアされる。
図274(A)、及び図274(B)に示したメンテナンスモードメニュー16171でそれぞれ、タブメニュー(連動)16174をタッチすると、メンテナンスメニュー表示エリア16176には、連動での(すなわち、他の貸出ユニット15024と連動した)メンテナンス機能を実行するボタンが表示される。また、「終了」ボタン16175をタッチすると、貸出ユニット15024のメンテナンスモードが終了し、操作ユニット15409の表示が、図260(A)に示す操作メニュー16001の表示に戻る。
また、図274(A)、図274(B)に示したメンテナンスモードメニュー16171は、貸出ユニット15024が「開店状態」で、かつ、カードサーバ15100と接続中である場合(図259参照)の表示であり、図276(B)に示したメンテナンスモードメニュー16171では、「試打開始」ボタン、「試打終了」ボタン、及び「紙幣挿入テスト」ボタンは無効(タッチできない状態)となっており、当該ボタンがグレーアウトされる(例えば、ボタンの輝度を減少させ、かつ、カラー表示から白黒(またはグレースケール)表示に変更する)。図274(B)では、その状態を、当該ボタンのエリアをハッチングすることで表している。
なお、貸出ユニット15024が「テスト開店状態」で、かつ、カードサーバ15100と接続中である場合、図274(A)、図274(B)に示したメンテナンスモードメニュー16171に示したすべてのボタンが有効である(ただし、「試打終了」ボタンは、「試打開始」ボタンがタッチされた後でのみ有効)。
貸出ユニット15024が「閉店状態」で、かつ、カードサーバ15100と接続中である場合、「第2休憩」ボタン16176a、「ロック解除」ボタン、「試打開始」ボタン、「試打終了」ボタン、及び「紙幣挿入テスト」ボタンが無効とされる。
遊技店のスタッフ等は、図274(A)のメンテナンスモードメニュー16171の「第2休憩」ボタン16176aをタッチすることで第2休憩機能を開始させることができる。したがって、遊技者は、この第2休憩機能を開始させることはできず、遊技店のスタッフ等に依頼して、第2休憩機能を開始してもらう必要がある。ただし、第1休憩機能、第2休憩機能とも、遊技者は、休憩カードを挿入して、貸出ユニット15024の休憩ロック状態を解除することができる。
第1休憩機能において、遊技者は、操作ユニット15409に表示される操作メニュー16001の「第1休憩」ボタンをタッチした場合、そこで所定の条件を満たせば、所定の時間だけ離席をすることができ、このとき、後で再び貸出ユニット15024を操作することができるように、休憩カードが排出される。この離席の間、貸出ユニット15024の残高や持ちメダル、メダルレス機15014に記憶されている貯留メダルが保持される休憩ロック状態となり、遊技者は休憩カードを挿入することで再び遊技を実行することができる。休憩ロック状態の間は、当該休憩カード以外の受付や操作メニューの操作を行うことができないように制御される。
一方、第2休憩機能において、遊技店のスタッフ等が、遊技者の依頼等により、貸出ユニット15024をメンテナンスモードに移行させて、「第2休憩」ボタン16176aをタッチした場合、そこで所定の条件を満たせば、遊技者等が操作メニュー16001で「第1休憩」ボタンをタッチした場合と同様に、第1休憩機能と同様の流れで貸出ユニット15024が休憩ロック状態に遷移し、休憩カードの挿入により、休憩ロック状態の解除が行われる。
図275(A)は、第1休憩や第2休憩が指示された場合であって、その指示が所定の条件を満たしたことで許可され、さらに、遊技者によって、貸出ユニット15024から排出された休憩カードが抜き取られた場合に表示される、休憩許可案内画面16131である。
休憩許可案内画面16131で表示されている表示エリア16132には、第1休憩が指示された場合は、図260(A)の操作メニュー16001で示されている状態表示エリア16002、及び状態表示アイコン16003と同様のものが表示され、第2休憩が指示された場合は、図274(A)のメンテナンスモードメニュー16171に示されているタイトル表示部16172と同様のものが表示される。表示エリア16132の下部には、案内表示エリア16134が配置され、そこで、「取り出したカードは休憩終了時に挿入してください」のメッセージが表示される。
案内表示エリア16134の下部には、持ちメダル等表示エリア16135が配置され、そこで、貸出ユニット15024に記憶されている残高と持ちメダル数、及びメダルレス機15014に記憶されている貯留メダル数が表示される。なお、持ちメダル等表示エリア16135では、メダルレス機15014に記憶されている貯留メダル数が、「遊技メダル」として表されている。
図275(B)は、第1休憩や第2休憩が指示された場合であって、その指示が所定の条件を満たしていないことで拒否された場合に表示される、休憩拒否画面16141である。
休憩拒否画面16141で表示されている表示エリア16142には、第1休憩が指示された場合は、図260(A)の操作メニュー16001で示されている状態表示エリア16002、及び状態表示アイコン16003と同様のものが表示され、第2休憩が指示された場合は、図274(A)のメンテナンスモードメニュー16171に示されているタイトル表示部16172と同様のものが表示される。表示エリア16142の下部には、拒否表示エリア16144が配置され、そこで、「現在は休憩できません」のメッセージが表示される。
拒否表示エリア16144の下部には「OK」ボタン16145が表示されており、「OK」ボタン16145がタッチされると、操作ユニット15409の表示が、第1休憩が指示された場合は、図260(A)に示す操作メニュー16001に戻り、第2休憩が指示された場合は、メンテナンスモードメニュー16171に戻る。
図276(A)は、図275(A)で示した休憩許可案内画面16131が表示された後、所定の時間が経過した後で操作ユニット15409に表示される休憩中画面16151である。休憩中画面16151で表示されている表示エリア16152には、第1休憩が指示された場合は、図260(A)の操作メニュー16001で示されている状態表示エリア16002、及び状態表示アイコン16003と同様のものが表示され、第2休憩が指示された場合は、図274(A)のメンテナンスモードメニュー16171に示されているタイトル表示部16172と同様のものが表示される。
表示エリア16152の下部には、休憩中サイン表示エリア16154が配置され、そこで、「第1休憩 休憩中」または「第2休憩 休憩中」の表記を含むサインが大きく表示される。また、この例では、休憩中サイン表示エリア16154の背景色は緑色、または緑色を基調とした絵柄になっている。なお、図276(A)の例では、第1休憩が指示された場合の「第1休憩」に係る表記がされている。他の遊技者は、操作ユニット15409にこの表示がされていることにより、その貸出ユニット15024、及び対応するメダルレス機15014が、すでに遊技中の台であることを容易に認識することができる。
休憩中サイン表示エリア16154の下部には、残り時間表示エリア16155が配置され、そこで、休憩の残り時間が表示される。本実施形態では、予め休憩時間が設定されており、例えば、貸出ユニット15024から排出された休憩カードを抜き取ったタイミングで時間のカウントが開始される。
残り時間表示エリア16155の下部には、休憩カード挿入案内表示エリア16156が配置され、そこで、「休憩カードを挿入してください」のメッセージや、その他エラーメッセージ等が表示される。
図276(B)は、図276(A)で示した休憩中画面16151が表示された後、所定の休憩時間が経過した場合に表示される時間超過表示画面16161である。時間超過表示画面16161で表示されている表示エリア16162には、第1休憩が指示された場合は、図260(A)の操作メニュー16001で示されている状態表示エリア16002、及び状態表示アイコン16003と同様のものが表示され、第2休憩が指示された場合は、図274(A)のメンテナンスモードメニュー16171に示されているタイトル表示部16172と同様のものが表示される。
表示エリア16162の下部には、時間超過サイン表示エリア16164が配置され、そこで、「第1休憩 休憩中 タイムオーバー」または「第2休憩 休憩中 タイムオーバー」の表記を含むサインが大きく表示される。また、この例では、休憩中サイン表示エリア16154の背景色は赤色、または赤色を基調とした絵柄になっており(図276(B)では、休憩中サイン表示エリア16154の部分がハッチングにより表示されている)、図276(A)に示した休憩中サイン表示エリア16154より目立つように構成される。なお、図276(B)の例では、第1休憩が指示された場合の「第1休憩」に係る表記がされている。
時間超過サイン表示エリア16164の下部には、超過時間表示エリア16165が配置され、そこで、休憩の超過時間が表示され、予め設定されている休憩時間からどれくらいの時間が経過しているかが示される。
超過時間表示エリア16165の下部には、休憩カード挿入案内表示エリア16166が配置され、ここでは、図276(A)で示した休憩中画面16151の休憩カード挿入案内表示エリア16156と同じように表示が行われる。
次に、図277に示すフローチャートを参照して、貸出ユニット15024における休憩機能制御処理について説明する。
貸出ユニット15024における休憩機能は、上述したように、遊技者の指示による第1休憩機能と、スタッフ等の指示による第2休憩機能があり、メインCPU15401は、ステップS5301において、第1休憩と第2休憩のどちらの休憩が指示されたかを判定する。どちらの休憩も指示されていない場合は、この判定を繰り返す(ステップS5301のNO)。
遊技者が、操作ユニット15409に表示された操作メニュー16001において、「第1休憩」ボタンをタッチした場合、ステップS5301において、第1休憩機能が選択されたものと判定され、その場合、ステップS5302において、会員カードがカード挿入口15321から挿入されているか否かを判定する。会員カードが挿入されている場合(ステップS5302のYES)、ステップS5307に進み、会員カードが挿入されていない場合(ステップS5302のNO)、ステップS5303において、第1休憩の条件を満たしているか否かを判定する。第1休憩の条件を満たしている場合(ステップS5303のYES)、ステップS5307に進む。
第1休憩の条件を満たしていない場合(ステップS5303のNO)、ステップS5304において、操作ユニット15409に、図275(B)に示すような休憩拒否画面16141を表示する。この後、休憩拒否画面16141の「OK」ボタン16145をタッチすることにより、ステップS5301に戻り、操作ユニット15409には操作メニュー16001が表示される。なお、図275(B)の休憩拒否画面16141では、具体的なエラーメッセージ(第1休憩の条件を満たさない要因)を表示していないが、ここで表示するようにしてもよい。
上述した第1休憩の条件は、遊技者がカード挿入口15321からビジターカードを挿入した、またはどのICカードも挿入していない場合(すなわち、ビジターの場合)における条件であり、例えば、貸出ユニット15024において、所定金額の残高を有している、所定のメダル数(例えば、貸出ユニット15024に記憶される持ちメダル数とメダルレス機15014に記憶される貯留メダル数の合計、またはいずれか)を有している、他の貸出種別(少なくとも他の貸出種別のうち1つ)の持ちメダルを有している、のすべてを満たしていることである。またさらに、休憩カードを排出する必要があるため、カード収納部15323に収納されているICカードが0でないことも第1休憩の条件となる。なお、遊技者によってビジターカードが挿入されている場合、そのビジターカードが一旦、カード収納部15323に収納されるので、この場合は、カード収納部15323に収納されているICカードが0となっていることはない。
遊技店のスタッフ等が、操作ユニット15409に表示されたメンテナンスモードメニュー16171において、「第2休憩」ボタンをタッチした場合、ステップS5301において、第2休憩機能が選択されたものと判定され、その場合、ステップS5305において、第2休憩の条件を満たしているか否かを判定する。第2休憩の条件を満たしている場合(ステップS5305のYES)、ステップS5307に進み、第2休憩の条件を満たしていない場合(ステップS5305のNO)、ステップS5306において、操作ユニット15409に、図275(B)に示すような休憩拒否画面16141を表示する。この後、休憩拒否画面16141の「OK」ボタン16145をタッチすることにより、ステップS5301に戻り、操作ユニット15409にはメンテナンスモードメニュー16171が表示される。
上述した第2休憩の条件は、遊技店のスタッフ等が、(例えば、遊技者の依頼により)メンテナンスモードメニュー16171から「第2休憩」ボタンをタッチした場合の条件であり、例えば、貸出ユニット15024において、ICカードが読み書き位置にある(例えば、会員カードをカード挿入口15321から挿入し、操作ユニット15409にパスワード入力画面が表示されている状態)、第1休憩、または第2休憩が指示されて貸出ユニット15024が休憩ロック状態にある、貸出ユニット15024が共有ロック状態にある、のいずれも満たしていないことである。またさらに、休憩カードを排出する必要があるため、カード収納部15323に収納されているICカードが0でないことも第2休憩の条件となる。なお、遊技者によってビジターカードが挿入されている場合、そのビジターカードが一旦、カード収納部15323に収納されるので、この場合は、カード収納部15323に収納されているICカードが0となっていることはない。
ステップS5301において「第1休憩」ボタンがタッチされたと判定された場合、会員カードが挿入されていれば無条件に、それ以外は、第1休憩の条件を満たした場合に、ステップS5307以降で第1休憩機能が実行される。また、ステップS5301において「第2休憩」ボタンがタッチされたと判定された場合、第2休憩の条件を満たした場合に、ステップS5307以降で第2休憩機能が実行される。
ステップS5307において、貸出ユニット15024は、カード収納部15323に収納されているICカードを読み書き位置に案内して、そこで、そのICカードに休憩ロック情報を書き込み、そのICカードを「休憩カード」としてカード挿入口15321から排出する(ステップS5308)。また、このとき、貸出ユニット15024の記憶部15404には、その時点での残高や持ちメダル数、(会員カード挿入時であれば)会員情報等が記憶されている。この会員情報は、最初に会員カードが挿入された場合に、パスワードのログイン等を行って、既に(カードサーバ15100、及び会員サーバ15110等を介した)認証が行われたものである。
会員カードがカード挿入口15321から挿入されていた場合、その会員カードは、それまでそのICカードに記憶されていた情報が貸出ユニット15024の記憶部15404に移動され、他のカードとして利用可能なICカードとしてカード収納部15323に収納されているため、会員カードを挿入している状態で休憩カードを受け取る場合、挿入された会員カードと、排出された休憩カードは物理的には同一のICカードであるが、記録内容も位置づけもまったく異なるカードとなっている。
休憩ロック情報は、例えば、持ちメダルの状態(例えば、有り:1、無し:0)、貸出ユニット15024、または貸出ユニット15024に接続されるメダルレス機15014の識別情報(例えば、識別番号、設置されている島の列IDと、列内ID等)などの情報である。
次に、ステップS5309において、カード挿入口15321から排出された休憩カードが抜き取られたか否かを判定する。そして、この判定は、休憩カードが抜き取られるまで繰り返される(ステップS5309のNO)。休憩カードが抜き取られた場合(ステップS5309のYES)、図275(A)に示すような休憩許可案内画面16131を表示する(ステップS5310)。
休憩許可案内画面16131では、持ちメダル等表示エリア16135において、貸出ユニット15024に記憶されている残高と持ちメダル数、及びメダルレス機15014に記憶されている貯留メダル数が表示される。
次に、ステップS5311において、ステップS5309で休憩許可案内画面16131を表示してから所定時間後(例えば、数秒後)に、図276(A)に示すような休憩中画面16151を表示する。この結果、休憩許可案内画面16131は、表示されてすぐに休憩中画面16151に遷移するので、休憩許可案内画面16131の持ちメダル等表示エリア16135に表示されている残高等の内容は、長期間表示されることはなく、遊技者以外の者がこの情報を目にすることが効果的に排除される。なお、休憩許可案内画面16131が表示されている時間を、設定値により調整することもできる。
休憩中画面16151は、正常な休憩カードが貸出ユニット15024のカード挿入口15321に挿入されるまで表示される。ステップS5312では、ICカードがカード挿入口15321に挿入されたか否かを判定し、挿入されていない場合(ステップS5312のNO)、ステップS5313において、休憩時間が超過しているか否かを判定し、超過していない場合は(ステップS5313のNO)、ステップS5312に戻り、ICカードが挿入されたか否かの判定を繰り返す。ただし、このとき、算出した残り時間を休憩中画面16151の残り時間表示エリア16155に表示する。
なお、休憩における経過時間は、例えば、ステップS5309において、休憩カードの抜き取りが検知されたタイミングで計時を開始し、計時された経過時間を休憩時間から差し引くことにより残り時間を算出する。また、休憩時間は、第1休憩と第2休憩とで異なるように設定しておくことが可能であり、この設定値は、例えば、カードサーバ15100に記憶され、貸出ユニット15024の電源が投入されるタイミングでカードサーバ15100から取得される。本実施形態では、第1休憩の休憩時間として、遊技者が少しのあいだ席を外す、数分程度の時間が設定され、第2休憩の休憩時間として、遊技者の食事休憩のための30分から1時間程度の時間が設定されているが、遊技店の運用に応じて、第1休憩、第2休憩に関し、様々な休憩時間を設定することができる。
ステップS5313において、休憩時間が超過していると判定された場合は(ステップS5313のYES)、ステップS5314において、図276(B)に示すような時間超過表示画面16161を表示する。その後、ステップS5312に戻り、ICカードが挿入されたか否かの判定を繰り返す。なお、時間超過表示画面16161の表示に際しては、計時している経過時間と休憩時間に基づいて超過時間を算出し、算出された経過時間を、時間超過表示画面16161の超過時間表示エリア16165に表示する。
ステップS5312において、ICカードがカード挿入口15321に挿入されたと判定された場合(ステップS5312のYES)、ステップS5315において、挿入されたICカードに記憶されている休憩ロック情報をチェックし、その休憩ロック情報が正常か否かを判定する。上記のように、休憩ロック情報には、貸出ユニット15024やメダルレス機15014の識別情報が含まれているので、貸出ユニット15024は、休憩ロック情報と識別情報を比較することで、挿入されたICカードが正常なもの(すなわち、その貸出ユニット15024から排出されたもの)か否かを判定することができる。したがって、休憩カードは、対応する貸出ユニット15024に対してのみ有効であり、他の休憩カードを用いて、その貸出ユニット15024による遊技を行うことはできない。同様に、休憩カードを、他の貸出ユニット15024で使用することもできない。
挿入されたICカードの休憩ロック情報が正常でない場合(ステップS5315のNO)、ステップS5316において、挿入されたICカードを排出し、次に、ステップS5317において、挿入されたICカードが正しいカードでない旨のエラーメッセージを、図276(A)に示す休憩中画面16151の休憩カード挿入案内表示エリア16156や、図276(B)に示す時間超過表示画面16161の休憩カード挿入案内表示エリア16166に一定時間表示する。その後、ステップS5312に戻り、ICカードが挿入されたか否かの判定を繰り返す。このようなステップS5312からステップS5317までの処理により、正常な休憩カードが挿入されるまで、貸出ユニット15024では、休憩ロック状態が維持されることになる。
ステップS5315において、挿入されたICカードの休憩ロック情報が正常である場合(ステップS5315のYES)、ステップS5318において、貸出ユニット15024の休憩ロック状態が解除され、通常のカード受付処理が行われる。なお、会員カードが挿入されている状態で休憩ロック状態となった場合は、上記のように、貸出ユニット15024の記憶部15404に会員情報等が記憶されており、すでにその会員情報での認証を終えているので、カード受付処理において、通常、会員カードの挿入時に行われる、パスワードを用いたログインを省略することができる。
また、図276(B)に示す時間超過表示画面16161が表示されて一定時間が経過した場合に、遊技者が遊技を途中で放棄したものとして、時間超過サイン表示エリア16164の表示をさらに別の表示とし、必要に応じて音声を出力するように制御することもできる。この場合、遊技店のスタッフ等は、図274(A)のメンテナンスモードメニュー16171を表示させ、上述した「ロック解除」ボタンをタッチし、貸出ユニット15024の休憩ロック状態を解除することができる。貸出ユニット15024のメインCPU15401は、「ロック解除」ボタンがタッチされると、貸出ユニット15024の休憩ロック状態を解除し(すなわち、図277に示すフローチャートのステップS5312からステップS5317までのループ処理を実質的にキャンセルして終了させ)、このときに、貸出ユニット15024の記憶部15404で記憶されている会員情報等をクリアし、操作ユニット15409に操作メニュー16001を表示する。この処理により、貸出ユニット15024は、他の遊技者が、会員カードやビジターカードを用いて、あるいは、ビジターカードなしで遊技を行える状態にリセットされる。
なお、こうした休憩ロック状態の解除は、遊技者が遊技を放棄した場合だけでなく、休憩カードを無くした場合や、休憩ロック状態でのトラブル発生時にも実施することができる。
ここまで、図274ないし図277を参照して、休憩機能について説明してきたが、上述のように、貸出ユニット15024の上記構成は、管理遊技機対応貸出ユニット15023についても同様に当てはまるものである。また、本実施形態では、会員カードが挿入されている場合、休憩1機能を無条件に利用可能としているが、この場合にも何らかの条件を設けるようにすることができる。また、上述した休憩1の条件や休憩2の条件は、一例であって、他の様々な条件を設定することができる。
また、上述した休憩機能では、遊技者が、自身の操作でメダルレス機15014を遊技できない状態にして休憩(離席)することができる一方、遊技店のスタッフに依頼する等して、同様に、メダルレス機15014を遊技できない状態にして休憩(離席)することができ、このような機能により、遊技者に利便性は一層充実したものとなる。
また、会員カードが挿入されていない場合、遊技者が「第1休憩」ボタンをタッチして遊技ロック状態に遷移させるには、所定の残高、または所定の持ちメダル数が必要となるが、このときの持ちメダルには、例えば、メダルレス機15014に記憶されている貯留メダル数が加味され、そのために、遊技者は、休憩をとるために、わざわざメダルレス機15014の計数ボタンを押下して貯留メダルを貸出ユニット15024に移動させる必要がなく、この点でも遊技者の利便性に資するものであると言える。
なお、本実施形態では、上述したように、ビジターカードや会員カードとして、スマートフォンなどの携帯端末や他のICカードを用いることができ、その場合、カード挿入口15321からのカードの排出は行われない。例えば、遊技者のカードの代わりにスマートフォン等を用いる場合、図277における休憩カード排出(ステップS5308)は行われず、その代わりに、ステップS5307で休憩ロック情報を書き込む際に、例えば、操作ユニット15409に、「スマートフォン、ICカードをタッチしてください」といったメッセージが表示され、そこで遊技者が、スマートフォン等をタッチ案内マーク15304付近に近づけると(または、タッチすると)、非接触ICカードRW15406によって休憩ロック情報が当該スマートフォン等の記憶部に記憶され、その後、操作ユニット15409に、「休憩ロック情報の書き込みが完了しました」といったメッセージが表示される。
また、遊技者は、休憩ロック情報が書き込まれたスマートフォン等を非接触ICカードRW15406に読ませることにより、休憩ロック状態を解除することができる(ステップS5312、ステップS5315等に対応する処理)。
[1-14.アップデート機能]
次に、図278ないし図280を参照して、本実施形態に係る貸出ユニット15024のアップデート機能について説明する。図278は、貸出ユニット15024が機器状態通知を行った場合に、必要に応じてソフトウエア等のアップデートを行う手順を示したフローチャートである。図279は、貸出ユニット15024とカードサーバ15100がネットワークの間で通信を開始する場合に、必要に応じてソフトウエア等のアップデートを行う手順を示したフローチャートである。なお、図278、及び図279では、貸出ユニット15024とカードサーバ15100の処理がそれぞれ並行して表示されている。図280は、貸出ユニット15024のディレクトリ構成と、カレントディレクトリの切り替えを説明するための図である。
(機器状態通知/応答におけるアップデート)
最初に、図278を参照して、貸出ユニット15024のアップデート機能について説明する。貸出ユニット15024のメインCPU15401は、一定間隔で機器状態通知をカードサーバ15100に送信し(ステップS5331)、カードサーバ15100は、貸出ユニット15024から機器状態通知を受信すると、これに対応する機器状態応答を貸出ユニット15024に送信する(ステップS5332)。
貸出ユニット15024が送信する機器状態通知や、カードサーバ15100が送信する機器状態応答には、機器に関するソフトウエアのバージョン情報が含まれている。例えば、機器としては、貸出ユニット15024やメダルレス機15014などが想定され、この場合、ソフトウエアは、これらの機器を制御するためのソフトウエアであり、バージョン情報は、例えば、当該ソフトウエア個々のバージョンや、全体ソフトウエア(ビルド、またはバインドされた1つのソフトウエア、または複数のソフトウエアを含んだパッケージソフトウエア)のバージョンである。
また、この他、機器としては、貸出ユニット15024に含まれるデバイス(例えば、図256に示すようなICカードRW15405、非接触ICカードRW15406、ビルバリ15407等)や、貸出ユニット15024に接続される外部の装置・デバイス等も考えられ、この場合、バージョン情報は、当該機器のソフトウエア(ファームウエアを含む)に係るバージョンである。
貸出ユニット15024は、カードサーバ15100から機器状態応答を受信すると、ステップS5333において、機器状態通知のバージョン情報と機器状態応答のバージョン情報を比較し、それぞれ共通の機器に関して、貸出ユニット15024で管理しているバージョン情報とカードサーバ15100で管理しているバージョン情報が一致しているか否かを判定する(ステップS5334)。
ステップS5334において、ソフトウエアのバージョンが異なる機器が存在しないと判定された場合(ステップS5334のYES)、処理は終了する。一方、ソフトウエアのバージョンが異なる機器が存在すると判定された場合(ステップS5334のNO)、貸出ユニット15024は、カードサーバ15100から、対象となる(バージョンが異なると判定された)ソフトウエアをダウンロードし、貸出ユニット15024に記憶されている当該ソフトウエアをアップデートする。本実施形態では、最新のソフトウエアが常にカードサーバ15100の所定の記憶域に格納されており、貸出ユニット15024のソフトウエアとカードサーバ15100のソフトウエアでバージョンが異なる場合、最新のソフトウエアであるカードサーバ15100のソフトウエアで、貸出ユニット15024のソフトウエアを更新する必要がある。
そこで、貸出ユニット15024は、ソフトウエアのアップデートを行うために、ステップS5335において、ダウンロード開始通知をカードサーバ15100に送信し、カードサーバ15100は、貸出ユニット15024からダウンロード開始通知を受信すると、ステップS5337においてダウンロード開始応答を貸出ユニット15024に送信する。
貸出ユニット15024は、カードサーバ15100からダウンロード開始応答を受信すると、ステップS5338において、カードサーバ15100にアクセスし、所定のプロトコルを用いてアップデートファイルのダウンロードを行う。
次に、貸出ユニット15024は、ステップS5340において、ダウンロードが成功したか否かを判定し、成功した場合(ステップS5340のYES)、ステップS5341において、ファイルチェックを行う。このファイルチェックは、例えば、ダウンロードしたアップデートファイルに含まれる検証用データ(例えば、md5データ)を用いて、アップデートファイルが正常にダウンロードできているか否かを検証するものである。
ステップS5342において、ファイルが正常であるか否かを判定し、正常である場合(ステップS5342のYES)、ステップS5344において、アップデートファイルを解凍し、解凍されたソフトウエアをコピーする(旧バージョンのソフトウエアと入れ替える)。なお、この例では、アップデートファイルのファイルチェックを行ってから解凍しているが、解凍後にファイルチェックを行うようにしてもよい。また、アップデートファイルには複数のソフトウエアが含まれ、それらのソフトウエアの一部について、カードサーバ15100のバージョンと異なる場合は、バージョンが異なるソフトウエアのみをコピーする。
貸出ユニット15024は、ステップS5344でソフトウエアのコピーが完了したら、ステップS5345において、カードサーバ15100に対してダウンロード完了通知を送信する。なお、貸出ユニット15024は、上述のように、一定間隔で機器状態通知をカードサーバ15100に送信するが、ステップS5335でダウンロード開始通知を送信してから、ステップS5345でダウンロード完了通知を送信するまでの間は、機器状態通知の送信タイミングが到来しても、当該通知を送信しないように制御される。
カードサーバ15100は、貸出ユニット15024からダウンロード完了通知を受信した場合、ステップS5346において、貸出ユニット15024に対してダウンロード完了応答を送信する。
貸出ユニット15024は、カードサーバ15100からダウンロード完了応答を受信した場合、ステップS5347において、貸出ユニット15024が開店状態である場合は閉店状態に遷移させ、再起動を実行する。こうして再起動が行われることにより、最新のバージョンにアップデートされたソフトウエアによって貸出ユニット15024が立ち上がる。また、貸出ユニット15024に含まれるデバイス等についても、最新のバージョンにアップデートされたソフトウエア、またはファームウエアでの再立ち上げが行われる。
アップデートファイルのダウンロードが失敗した場合(ステップS5340のNO)、またはファイルが正常でなかった場合(ステップS5342のNO)、ダウンロードのリトライが行われるが、ステップS5343において、リトライ回数が3回未満か否かの判定が行われ、リトライ回数が3回未満である場合は(ステップS5343のYES)、ステップS5335に戻って、アップデートファイルのダウンロードをやり直す(リトライ)。なお、ステップS5343において、リトライ回数が3回未満である場合は(ステップS5343のYES)、例えば、30秒から60秒の間のランダムに決定された時間待機してから、ステップS5335の処理を実行するように制御されうる。
ステップS5343において、リトライ回数が3回以上である場合は(ステップS5343のNO)、処理を終了し、通常シーケンスに戻る。このような処理によって、カードサーバ15100からのアップデートファイルのダウンロードは、3回連続で失敗するまで繰り返され、3回連続で失敗した場合は、旧バージョンのソフトウエアのままで処理が継続される。なお、リトライ回数が3回以上である場合に(ステップS5343のNO)、ステップS5347に進み、貸出ユニット15024の再起動を行うように制御することもできる。
また、ダウンロードが3回連続で失敗した場合、その後、機器状態通知と機器状態応答のやり取りにより、再度バージョンの不一致となるが、このとき、カードサーバ15100からの機器状態応答により把握されるソフトウエアのバージョンが、3回連続で失敗した場合と同じである場合は、アップデートファイルのダウンロードを行わずに、通常シーケンスに戻るよう制御することができる。
また、ダウンロードが3回連続で失敗した場合、その後、機器状態通知と機器状態応答のやり取りにより、再度、バージョンの不一致となるが、3回連続で失敗した後に再起動がされていれば、アップデートファイルのダウンロードを行うように制御することができ、このときのリトライ回数を、3回、またはそれ以外の回数とすることができる。
なお、本実施形態では、3回連続でダウンロードが失敗した場合(実質的には、ダウンロードを失敗した場合、またはファイルの異常が生じた場合)に、リトライを中止しているが、このような上限の回数は例示であって、他の回数を適宜設定することができる。また、ここでは、ダウンロードの失敗、またはファイルの異常が3回連続で生じた場合にリトライを中止しているが、ダウンロードの失敗の回数と、ファイルの異常が生じた回数を個別に管理して、それぞれに上限の回数を設定するようにしてもよい。
(通信開始通知/応答におけるアップデート)
次に、図279を参照して、貸出ユニット15024の別のアップデート機能について説明する。貸出ユニット15024のメインCPU15401は、例えば起動時等において、通信開始通知をカードサーバ15100に送信し(ステップS5361)、カードサーバ15100は、貸出ユニット15024から通信開始通知を受信すると、これに対応する通信開始応答を貸出ユニット15024に送信する(ステップS5362)。
貸出ユニット15024が送信する通信開始通知や、カードサーバ15100が送信する通信開始応答には、それぞれ、電文フォーマットバージョンといったバージョン情報が含まれている。本実施形態では、両者のバージョン情報が不一致の場合、所定のデータについてアップデートを行うように制御される。
貸出ユニット15024は、カードサーバ15100から通信開始応答を受信すると、ステップS5363において、通信開始通知のバージョン情報と通信開始応答のバージョン情報を比較し、両者のバージョン情報が一致しているか否かを判定する(ステップS5364)。
ステップS5364において、バージョン情報が一致すると判定された場合(ステップS5364のYES)、処理は終了する。一方、バージョン情報が異なると判定された場合(ステップS5364のNO)、貸出ユニット15024は、カードサーバ15100から、所定のデータをダウンロードし、貸出ユニット15024に記憶されている当該データをアップデートする。本実施形態では、貸出ユニット15024の処理を制御するメインプログラム、カーネル、及びスクリプトのデータがダウンロード対象である。この例では、これらのデータの最新バージョンが常にカードサーバ15100の所定の記憶域に格納されており、通信開始通知のバージョン情報と通信開始応答のバージョン情報が異なる場合、カードサーバ15100に記憶されている最新のデータで、貸出ユニット15024のデータを更新する必要がある。
そこで、貸出ユニット15024は、データのアップデートを行うために、ステップS5365において、ダウンロード開始通知をカードサーバ15100に送信し、カードサーバ15100は、貸出ユニット15024からダウンロード開始通知を受信すると、ステップS5367においてダウンロード開始応答を貸出ユニット15024に送信する。
なお、カードサーバ15100は、ステップS5361で貸出ユニット15024が送信した通信開始通知を受信した時点で、通信開始通知のバージョン情報と通信開始応答のバージョン情報が一致しているか否かを把握可能であり、通信開始通知のバージョン情報と通信開始応答のバージョン情報が一致していない場合は、これ以降、その貸出ユニット15024からは、通信開始通知、ダウンロード開始通知、及びダウンロード完了通知以外の電文を無視するよう制御される。その後、カードサーバ15100は、当該貸出ユニット15024から、バージョン情報が一致する通信開始通知を受信した場合に、それらの電文を無視する制御が解除される。
貸出ユニット15024は、カードサーバ15100からダウンロード開始応答を受信すると、ステップS5368において、カードサーバ15100にアクセスし、所定のプロトコルを用いてアップデートファイルのダウンロードを行う。
次に、貸出ユニット15024は、ステップS5370において、ダウンロードが成功したか否かを判定し、成功した場合(ステップS5370のYES)、ステップS5371において、ファイルチェックを行う。このファイルチェックは、例えば、ダウンロードしたアップデートファイルに含まれる検証用データ(例えば、md5データ)を用いて、アップデートファイルが正常にダウンロードできているか否かを検証するものである。
ステップS5372において、ファイルが正常であるか否かを判定し、正常である場合(ステップS5372のYES)、ステップS5374において、アップデートファイルを解凍し、解凍されたデータをコピーする(旧バージョンのデータと入れ替える)。なお、この例では、アップデートファイルのファイルチェックを行ってから解凍しているが、解凍後にファイルチェックを行うようにしてもよい。また、アップデートファイルには、上記のように、メインプログラム、カーネル、及びスクリプトといった各種データが含まれており、これらのデータと、対応する貸出ユニット15024のデータとのバージョンが異なる場合にのみ、当該データをコピーする。
貸出ユニット15024は、ステップS5374でデータのコピーが完了したら、ステップS5375において、カードサーバ15100に対してダウンロード完了通知を送信する。カードサーバ15100は、貸出ユニット15024からダウンロード完了通知を受信した場合、ステップS5376において、貸出ユニット15024に対してダウンロード完了応答を送信する。
貸出ユニット15024は、カードサーバ15100からダウンロード完了応答を受信した場合、ステップS5377において、貸出ユニット15024が開店状態である場合は閉店状態に遷移させ、再起動を実行する。こうして再起動が行われることにより、最新のバージョンにアップデートされたデータによって貸出ユニット15024が立ち上がり、貸出ユニット15024の各処理は、最新のメインプログラム、カーネル、スクリプト等によって制御される。
アップデートファイルのダウンロードが失敗した場合(ステップS5370のNO)、またはファイルが正常でなかった場合(ステップS5372のNO)、ダウンロードのリトライが行われるが、ステップS5373において、リトライ回数が3回未満か否かの判定が行われ、リトライ回数が3回未満である場合は(ステップS5373のYES)、ステップS5361に戻って、通信開始通知の送信をやり直す(リトライ)。なお、ステップS5373において、リトライ回数が3回未満である場合は(ステップS5373のYES)、例えば、30秒から60秒の間のランダムに決定された時間待機してから、ステップS5361の処理を実行するように制御されうる。
ステップS5373において、リトライ回数が3回以上である場合は(ステップS5373のNO)、処理を終了し、通常シーケンスに戻る。このような処理によって、カードサーバ15100からのアップデートファイルのダウンロードは、3回連続で失敗するまで繰り返され、3回連続で失敗した場合は、旧バージョンのデータのままで処理が継続される。なお、リトライ回数が3回以上である場合に(ステップS5373のNO)、ステップS5377に進み、貸出ユニット15024の再起動を行うように制御することもできる。
また、ダウンロードが3回連続で失敗した場合、その後、通信開始通知と通信開始応答のやり取りにより、再度バージョン情報の不一致となるが、このとき、カードサーバ15100からの通信開始応答により把握されるバージョン情報が、3回連続で失敗した場合と同じである場合は、アップデートファイルのダウンロードを行わずに、通常シーケンスに戻るよう制御することができる。
また、ダウンロードが3回連続で失敗した場合、その後、通信開始通知と通信開始応答のやり取りにより、再度、バージョン情報の不一致となるが、3回連続で失敗した後に再起動がされていれば、アップデートファイルのダウンロードを行うように制御することができ、このときのリトライ回数を、3回、またはそれ以外の回数とすることができる。
なお、本実施形態では、3回連続でダウンロードが失敗した場合(実質的には、ダウンロードを失敗した場合、またはファイルの異常が生じた場合)に、リトライを中止しているが、このような上限の回数は例示であって、他の回数を適宜設定することができる。また、ここでは、ダウンロードの失敗、またはファイルの異常が3回連続で生じた場合にリトライを中止しているが、ダウンロードの失敗の回数と、ファイルの異常が生じた回数を個別に管理して、それぞれに上限の回数を設定するようにしてもよい。
(更新データの格納方法)
次に、図280を参照して、本実施形態の貸出ユニット15024における更新データの格納方法について説明する。本実施形態では、図278、図279に示した方法、または他の方法により、貸出ユニット15024が記憶している所定のデータが、カードサーバ15100からダウンロードされたアップデートファイル等に基づいて更新されるが、このように、貸出ユニット15024のデータが更新されている際に電断が生じたり、貸出ユニット15024の動作に支障が生じるデータに更新された場合に、すぐに、前回の正常なバージョンのデータに切り替えられるように、貸出ユニット15024の動作に関わるデータが、2面構成(すなわち、常に2バージョンを有する構成)で保持される。
図280(A)には、UNIX(登録商標)ベースのOSにおけるディレクトリ構成の例が示されている。例えば、本実施形態の貸出ユニット15024の記憶部15404を、このようなディレクトリ構成とすることができる。
図280(A)の「/」はルートディレクトリを示しており、このルートディレクトリ下に、例えば、ディレクトリ「dev」、「home」、「proc」、「var」が配置される。「dev」のディレクトリの下には、例えば、デバイス関連のシステムファイルが記憶され、「home」のディレクトリの下には、例えば、起動スクリプトなどのシステムスクリプトが記憶され、「proc」のディレクトリの下には、例えば、カーネル等のシステムファイルが記憶され、「var」のディレクトリの下には、例えば、貸出ユニット15024の動作に関わるデータが記憶されている。
ディレクトリ「var」の下には、「program_data」、「program_files」が配置され、「program_data」の下には、例えば、プログラム設定データや、プログラムの実行により記憶され読み込まれる各種データが記憶される。また、「program_files」の下には、さらに、「versionA」と「versionB」のディレクトリがあり、この2つのディレクトリによって、貸出ユニット15024の動作に関わるデータが2面構成で記憶される。
「versionA」と「versionB」のディレクトリは同じ構成であり、それぞれ、「bin」、「scripts」、「firmware」、「resource」のディレクトリがあり、「bin」のディレクトリには、例えば、貸出ユニット15024の動作を制御するプログラム(バイナリーファイル)が記憶され、「scripts」のディレクトリには、例えば、貸出ユニット15024の動作に関わるスクリプトが記憶され、「firmware」のディレクトリには、例えば、貸出ユニット15024が備える各デバイスのファームウエアが記憶され、「resource」のディレクトリには、例えば、貸出ユニット15024の動作に関わるコンテンツデータ(画像、音声データ等)が記憶される。
カードサーバ15100からダウンロードされたアップデートファイル等に基づいてソフトウエアなどのデータが更新される場合、例えば、ディレクトリ「versionA」の下に配置されるデータ(例えば、PGM1やSC1など)が最新データとして更新され、ディレクトリ「versionB」の下に配置されるデータは、今回の更新タイミングで、ディレクトリ「versionA」からコピーされた前回データである。
本実施形態では、上記のように、ディレクトリ「versionA」のデータが最新のデータとなるが、更新タイミングごとに、更新対象を、ディレクトリ「versionA」とディレクトリ「versionB」で交互に切り替えるようにすることもできる。
図280(B)、図280(C)には、上述したタイプのOSにおける、それぞれ3行の入力例が示されている。図280(B)の例では、1行目の「cd」コマンドにより、カレントディレクトリがディレクトリ「versionA」の下のディレクトリ「bin」に設定されている。2行目の「PGM1」のステートメントは、、カレントディレクトリの設定により、ディレクトリ「versionA」の「bin」に記憶されている「PGM1」のプログラムが起動される。その後、3行目の「../scripts/SC1」は相対ディレクトリ指定によってスクリプトの「SC1」を起動するコマンドであり、これによって、「versionA」の「scripts」に記憶されている「SC1」のスクリプトが起動される。
同様に、図280(C)の例では、1行目の「cd」コマンドにより、カレントディレクトリがディレクトリ「versionB」の下のディレクトリ「bin」に設定されている。2行目の「PGM1」のステートメントは、カレントディレクトリの設定により、ディレクトリ「versionB」の「bin」に記憶されている「PGM1」のプログラムが起動される。その後、3行目の「../scripts/SC1」は相対ディレクトリ指定によってスクリプトの「SC1」を起動するコマンドであり、これによって、「versionB」の「scripts」に記憶されている「SC1」のスクリプトが起動される。
このように、カレントディレクトリの設定を変更することによって、2面構成で保持されるプログラム等を容易に使い分けることができる。例えば、上記のように、通常、ディレクトリ「versionA」を最新のバージョンとして管理している場合、貸出ユニット15024の起動時に例えば、起動スクリプトによって毎回、図280(B)のような「cd」コマンドを実行することによって、ディレクトリ「versionA」に含まれるプログラムやスクリプトが実行されることになる。ここで、例えば、更新のタイミングとなり、ディレクトリ「versionA」に関してデータの更新をしていたときに電断等の障害が発生した場合、ディレクトリ「versionA」のデータについては不完全な状態となり、そこで、貸出ユニット15024を再起動する際に、起動スクリプトを変更して、図280(C)のような「cd」コマンドを実行することでカレントディレクトリを変更し、それによって、ディレクトリ「versionB」に含まれるプログラムやスクリプトが実行されるようにする。
このように、本実施形態では、貸出ユニット15024の動作に関するデータを2面構成で2重に保持することにより、カレントディレクトリを変更するだけで、別のバージョンのデータを用いて貸出ユニット15024の動作を制御することができる。なお、ここでは、電断の場合の再起動を例として挙げているが、他の様々なシーンにおいて、カレントディレクトリを切り替えることで、容易にプログラムやデータのバージョンを切り替えることができる。
ここまで、図278ないし図280を参照して、アップデート機能について説明してきたが、上述のように、貸出ユニット15024の上記構成は、管理遊技機対応貸出ユニット15023についても同様に当てはまるものである。なお、ここでは、特定のタイプのOSを例に説明したが、貸出ユニット15024のOSが、このようなタイプのOSに限定される訳ではない。上記のような、カレントディレクトリを動的に設定でき、実行されるプログラム等のデータを2面構成により効果的に切り替えることができる機能を有する限り、どのようなOSでも、貸出ユニット15024のOSとして採用することができる。
また、上述したアップデート機能では、貸出ユニット15024が、一定間隔でカードサーバ15100に送信する機器状態通知や、起動時等にカードサーバ15100に送信する通信開始通知をトリガーとして、カードサーバ15100から返信される応答情報により、アップデートファイルをダウンロードする必要があるか否かを判断することができるので、遊技システム15001の運営者等は、貸出ユニット15024のプログラムを含むデータを変更する必要がある場合に、カードサーバ15100にそのデータを記憶させておくだけで、当該データを複数の貸出ユニット15024に効率的に配布することができる。
また、カードサーバ15100から貸出ユニット15024にダウンロードされるアップデートファイルは、複数のファイルが含まれうるが、貸出ユニット15024に記憶されているファイルの、アップデートファイルに基づいた更新(コピー)は、バージョンの異なるファイルのみが選択的に行われるため、無意味なコピーが回避され、その分、処理時間を短縮でき、メインCPU15401等の処理負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態では、アップデートファイルは、単一のファイルであるとは限らず、複数のファイル・データをまとめたデータ等であってもよく、その他、様々な形式のデータが含まれうる。
[1-15.メンテナンスモードにおけるチェック機能]
次に、本実施形態の貸出ユニット15024のメンテナンスモードにおけるチェック機能について説明する。
(試打開始時のチェック)
図259、及び図274に示したように、貸出ユニット15024がテスト開店状態の場合、メンテナンスモードメニューには、「試打開始」ボタンが有効な状態で表示され、遊技店のスタッフ等が、この「試打開始」ボタンをタッチすると、試打に必要なメダル数のメダル貸出が行われ(メダルレス機15014に価値情報に関する情報が提供され)、そこで試験的な遊技(試打)が可能な試打モードとなる。また、この場合、カードサーバ15100に対して、当該貸出ユニット15024(メダルレス機15014)が、試打モードに移行したことを通知する試打モード通知が送信される。
ただし、この「試打開始」ボタンをタッチした場合に、その貸出ユニット15024に残高、及び持ちメダルの少なくとも一方が残っている場合は、例えば、操作ユニット15409にその旨のエラーメッセージが表示され、試打モードに移行できないように制御される。
また、貸出ユニット15024のカード挿入口15321において会員カードが挿入されたままになっている状態や、会員カードがカード挿入口15321から挿入されて読み込み位置にある状態(すなわち、パスワード入力画面が表示されている状態)においても、操作ユニット15409にその旨のエラーメッセージが表示され、試打モードに移行できないように制御される。なお、この例では、操作ユニット15409にエラーメッセージが表示されるが、スピーカ15411に音声出力を行うなど、報知のために他の方法を用いることができる。
またさらに、貸出ユニット15024に対応するメダルレス機15014に記憶されている貯留メダルがある場合も、操作ユニット15409にその旨のエラーメッセージが表示され、試打モードに移行できないように制御される。
したがって、遊技店のスタッフ等は、上述した貸出ユニット15024、及びメダルレス機15014に関する問題を解消したうえで、再度、「試打開始」ボタンをタッチしなければならない。
(端玉クリア時のチェック)
図259、及び図274に示したように、貸出ユニット15024が開店状態、テスト開店状態、または閉店状態の場合、メンテナンスモードメニューには、「端玉クリア」ボタンが有効な状態で表示され、遊技店のスタッフ等が、この「端玉クリア」ボタンをタッチすると、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている持ちメダル数のクリアが可能となる(端玉クリア処理)。
本実施形態において、「端玉」とは基本的に、メダルレス機15014で有効に利用することができないメダル数(例えば、1枚、または2枚)を表すものであるが、それ以上の枚数が持ちメダルとして残っていれば、それらも「端玉」に含まれるものとする。そして、これらの端玉を、「端玉クリア」ボタンのタッチによりクリアすることができる。また、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている持ちメダル数が所定数以上である場合、端玉クリア処理を行えないように制御される。また、この場合に、端玉クリア処理について最終的な確認を行うためのメッセージを(例えば、操作ユニット15409に)表示し、そこで、クリアについて同意をする「OK」ボタンのタッチがあった場合に持ちメダル数をクリア可能にするようにしてもよい。
ただし、「端玉クリア」ボタンをタッチした場合に、その貸出ユニット15024に残高が残っている場合は、例えば、操作ユニット15409にその旨のエラーメッセージが表示され、端玉クリアを行えないように制御される。また、クリアすべき持ちメダルがない場合も当然に、エラーメッセージが表示され、端玉クリア処理を行えないように制御される。なお、この例では、操作ユニット15409にエラーメッセージが表示されるが、スピーカ15411に音声出力を行うなど、報知のために他の方法を用いることができる。
また、貸出ユニット15024のカード挿入口15321から会員カードが挿入されたままになっている状態や、会員カードがカード挿入口15321から挿入されて読み込み位置にある状態(すなわち、パスワード入力画面が表示されている状態)においても、操作ユニット15409にその旨のエラーメッセージが表示され、端玉クリア処理を行えないように制御される。
またさらに、貸出ユニット15024の記憶部15404において、他の貸出種別の持ちメダルが記憶されている場合、(例えば、操作ユニット15409に)その旨のエラーメッセージが表示され、端玉クリア処理を行えないように制御される。
また、貸出ユニット15024に対応するメダルレス機15014に記憶されている貯留メダルがある場合は、操作ユニット15409にその旨のエラーメッセージ(例えば、「遊技機の計数ボタンを押して計数してください」)が表示され、このままでは端玉クリア処理を行えないようになっている。この場合、遊技店のスタッフ等は、メダルレス機15014の「計数」ボタンを押下して、メダルレス機15014に記憶されている貯留メダルを、貸出ユニット15024の持ちメダルに移動させ、その後、「端玉クリア」ボタンをタッチする。
その他、遊技店のスタッフ等は、(例えば、操作ユニット15409に)メッセージが表示された場合は、そのメッセージで示された、貸出ユニット15024に関する問題を解消したうえで、再度、「端玉クリア」ボタンをタッチしなければならない。
ここまで、メンテナンスモードにおけるチェック機能として、試打開始時のチェック、及び端玉クリア時のチェックについて説明してきたが、上述のように、貸出ユニット15024の上記構成は、管理遊技機対応貸出ユニット15023についても同様に当てはまるものである。
また、上述の、メンテナンスモードにおけるチェック機能では、「試打開始」ボタンをタッチして試打モードでの遊技を実行しようとする場合に、貸出ユニット15024やメダルレス機15014に(遊技者により放置された)価値情報に関する情報が残っていれば、試打ができないように制御され、さらに、報知等のアナウンスが行われるので、遊技店のスタッフは、このような状態を確実に把握することでき、その状態を解消してから試打を行うなど、適切な手順でのメンテナンス作業を容易に実現することが可能となる。
また、「端玉クリア」ボタンをタッチして貸出ユニット15024に記憶されている持ちメダル数をゼロにする場合でも、貸出ユニット15024に(遊技者により放置された)持ちメダルが所定数以上残っていたり、メダルレス機15014に貯留メダルが残っていたりすれば、端玉クリアはそのままではできないように制御され、さらに、報知等のアナウンスが行われるので、遊技店のスタッフは、このような状態を確実に把握することでき、その状態を解消してから端玉のクリアを行うなど、適切な手順でのメンテナンス作業を容易に実現することが可能となる。
[1-16.カード挿入時のチェック機能]
次に、図281~図283を参照して、本実施形態の貸出ユニット15024のカード挿入時のチェック機能について説明する。
貸出ユニット15024の記憶部15404に残高が記憶されている場合であって、貸出ユニット15024のカード挿入口15321から挿入されたICカード(会員カード、またはビジターカード)に残高が記憶されている場合、両者の残高の合計が所定の金額(例えば、1万円)を超えるときは、その旨を操作ユニット15409に表示し、当該ICカードをそのまま排出する。図281(A)には、この状況が示されている。
また、貸出ユニット15024の記憶部15404に残高が記憶されている場合であって、貸出ユニット15024のカード挿入口15321から挿入されたICカード(会員カード、またはビジターカード)に残高が記憶されている場合、両者の残高の合計が所定の上限金額(例えば、1万円)以下のときは、ICカードに記憶されている残高、及び持ちメダル数をクリアし、その残高、及び持ちメダル数を記憶部15404の残高、及び持ちメダル数にそれぞれ加算し、残高、及び持ちメダルの移動をカードサーバ15100に通知する。なお、ICカードがビジターカードであった場合は、そのICカードを再利用できるように、カード収納部15323に収納する。図281(B)には、この状況が示されており、貸出ユニット15024の記憶部15404の残高は、ICカードの残高が加算されて7000円になっている。
また、上記のように、貸出ユニット15024の記憶部15404に残高が記憶されている場合に、残高と持ちメダルを有するICカード(例えば、ビジターカード)を複数枚、連続挿入すると、記憶部15404に記憶されている残高と持ちメダル数が、挿入のたびにそれぞれ加算されるようにすることができるように構成することもできる(ただし、加算後の残高の上限は、上述した所定の上限金額であること)。またここで、連続挿入できるICカードの数は、カード収納部15323における収納可能なカード数を超えることはできないが、この条件に加えて、事前に連続挿入可能なカード数に制限を設けてもよい。図282(A)には、この状況が示されており、貸出ユニット15024の記憶部15404の残高は、複数のICカードの残高が加算されて9000円になっている。また、貸出ユニット15024の記憶部15404の持ちメダル数は、複数のICカードの持ちメダル数が加算されて1050枚になっている。
一方、貸出ユニット15024の記憶部15404に残高が記憶されている場合に、残高を有するICカードを挿入しても、加算することなく、エラーメッセージの表示とともに当該カードを排出するように制御することもできる。また、ICカードが会員カードがビジターカードかによって対応を変えることもできる。例えば、貸出ユニット15024の記憶部15404に残高が記憶されている場合に、残高を有するビジターカードを挿入した場合は、残高の加算を行うようにすることはできるが、残高を有する会員カードを挿入した場合は、残高の加算を行わずに、エラーメッセージ(例えば、「残高の合算はできません」)の表示とともに当該カードを排出するように制御する。なお、この例では、操作ユニット15409にエラーメッセージが表示されるが、スピーカ15411に音声出力を行うなど、報知のために他の方法を用いることができる。図282(B)には、会員カード挿入時に、貸出ユニット15024の記憶部15404の残高と、会員カードの残高が加算できない状況を示されている。なお、残高については、上述のように、「度数」といった単位で管理することもできる。
また、貸出ユニット15024の記憶部15404に残高が記憶されていない場合であって、かつ、残高がなく、持ちメダル数を記憶したビジターカードが挿入された場合に、その持ちメダル数を貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶し、この場合に、このような状態のビジターカードを複数連続で挿入して、貸出ユニット15024の記憶部15404においてその持ちメダル数を合算するように構成することもできる。図283には、ビジターカードを複数枚連続して挿入し、その結果、持ちメダル数が合計され、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている持ちメダル数が3800となった状況を示している。
ここまで、図281~図283を参照して、カード挿入時のチェック機能について説明してきたが、上述のように、貸出ユニット15024の上記構成は、管理遊技機対応貸出ユニット15023についても同様に当てはまるものである。
また、上述の、カード挿入時のチェック機能では、ICカードを挿入した場合に、ICカードに記憶されている価値情報が、貸出ユニット15024の記憶部15404に一定のルールで記憶される(移動される)ので、遊技者は、ICカードの価値情報を、残高や持ちメダルを不用意に移動してしまったり、利用方法を迷ってしまったりするような状況を回避することができる。
なお、本実施形態では、上述したように、ビジターカードや会員カードとして、スマートフォンなどの携帯端末や他のICカードを用いることができ、また、スマートフォン等を用いて、所定の金額を貸出ユニット15024に投入することもできる。この場合、カード挿入口15321に対するカードの挿入・排出は行われない。例えば、遊技者のカードの代わりにスマートフォン等を用いる場合、操作ユニット15409に、「スマートフォン、ICカードをタッチしてください」といったメッセージが表示され、そこで遊技者が、スマートフォン等をタッチ案内マーク15304付近に近づけると(または、タッチすると)、スマートフォン等に記憶されている残高、持ちメダル、貯メダルに関する情報が読み取られ、例えば、所定の金額や持ちメダル数が貸出ユニット15024に加算される。ここで貸出ユニット15024に加算される金額や持ちメダル数は、事前に設定されている数量であってもよいし、遊技者が操作ユニット15409で指定した数量であってもよい。そして、その後、操作ユニット15409に、「〇〇円が残高に加算されました」や「持ちメダル○○枚が加算されました」といったメッセージが表示され、処理が終了する。
[1-17.発券機能]
次に、図284を参照して、本実施形態の貸出ユニット15024の発券機能について説明する。図284は、貸出ユニット15024における発券機能の処理の流れを示すフローチャートである。
発券機能は、遊技者から挿入された紙幣の金額を貸出ユニット15024に対して新たに(または追加で)付与する機能である。また、ICカードが排出される場合は、貸出ユニット15024に付与された金額のデータが、このICカードに移動する。
貸出ユニット15024のメインCPU15401は、最初に、ステップS5391において、ビルバリ15407からの信号を受信して、紙幣投入口15301に紙幣が挿入されたか否かを判定し、紙幣の挿入がされるまで、この判定処理を繰り返す(ステップS5391のNO)。紙幣が挿入されたと判定された場合(ステップS5391のYES)、ステップS5392において、挿入された紙幣の券種を判定し、投入された紙幣の金額(発券金額)を把握する。
次に、ステップS5393において、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている残高とステップS5392で把握された発券金額の合計が所定金額(例えば、1万円)を超えるか否かを判定し、超えていない場合は(ステップS5393のNO)、ステップS5394において、記憶部15404に記憶されている残高を、残高と発券金額の合計金額に更新する。
次に、ステップS5395において、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている残高が、0円から0円以外の金額に更新されたか否かを判定し、0円から0円以外の金額に更新された場合は(ステップS5395のYES)、ステップS5396において、記憶部15404に記憶されている発券金額と発券日を更新する。それ以外の場合(ステップS5395のNO)、何もせずにステップS5397に進む。
次に、ステップS5397において、カードサーバ15100に対して、発券完了通知が送信され、HCBOX15050に対して、発券金額通知が送信される。次に、ステップS5398において、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている残高が、0円から0円以外の金額に更新され、かつ、自動貸出機能がONであるか否かを判定し、この条件を満たす場合は(ステップS5398のYES)、ステップS5399において、自動貸出処理が行われる。この自動貸出処理は、遊技者によって紙幣が挿入された場合に、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている残高から所定の消費金額(貸出払出消費金額)を消費して、その消費金額に対応する所定のメダル数(貸出払出メダル数)をメダルレス機15014に貸し出す処理である。基本的には、操作メニュー16001で「メダル貸出」ボタンがタッチされた場合と同様の処理であるが、メダルレス機15014に貸し出すメダル数を、「メダル貸出」ボタンがタッチされた場合のメダル数とは異なるように設定することも可能である。この処理により、カードサーバ15100に対して、消費完了通知が送信され、HCBOX15050に対して、消費メダル数通知が送信される。
なお、自動貸出機能のON/OFF、及び貸出払出メダル数は、事前に設定される。これらの設定値は、例えば、カードサーバ15100に記憶されており、貸出ユニット15024の起動時に、カードサーバ15100から取得され、貸出ユニット15024に保持される。なお、貸出払出メダル数の設定値は、操作メニュー16001で「メダル貸出」ボタンや「持ちメダル払出」ボタンがタッチされた場合に、メダルレス機15014に提供するメダル数を規定するのにも用いられる、また、貸出払出メダル数の設定値は、貸出ユニット15024ごと(すなわち、メダルレス機15014ごと)に異なる数に設定することも可能である。例えば、対応するメダルレス機15014の機種やジャンル、その他所定の分類ごとに、または個別に、異なる貸出払出メダル数を設定可能である。
なお、「メダル貸出」ボタンや「持ちメダル払出」ボタンがタッチによる貸出払出メダル数と、自動貸出機能において用いられる貸出払出メダル数を異なるように設定することもできる。
ステップS5393において、条件を満たした場合(ステップS5393のYES)、ステップS5400に進み、そこで、挿入された紙幣を紙幣投入口15301から排出し、必要に応じて、例えば、操作ユニット15409に「1万円を超える課金はできません」といったエラーメッセージを表示する。
ステップS5398において、条件を満たさなかった場合(ステップS5398のNO)や、ステップS5399、ステップS5401の後は、何もせずに処理を終了する。なお、ステップS5392において券種を判定する際に、ビルバリ15407は、紙幣の真贋も判定する。ビルバリ15407は、真正の紙幣であると判定された場合、貸出ユニット15024が紙幣収納タイプであれば、その紙幣を紙幣収納部に収納し、貸出ユニット15024が紙幣搬送タイプであれば、紙幣を搬送路に送出し、その紙幣が外部に搬送されるように紙幣搬送機を制御する。また、ビルバリ15407は、挿入された紙幣を識別できなかった場合、または真正の紙幣でないと判定した場合、その紙幣を、例えば、紙幣投入口15301から排出する。
また、本実施形態の貸出ユニット15024では、タッチ案内マーク15304(図255参照)の付近に、電子マネーと紐づけられたICカード(電子マネーカード)を接近させることで、非接触ICカードRW15406(図256参照)で当該ICデータに記憶されているデータを読み取ることで入金を行う発券機能を備えることもできる。
この場合、貸出ユニット15024は、電子マネーカードをタッチ案内マーク15304にタッチするたびに、上述の貸出払出消費金額を電子マネーから引き出して、その消費金額に対応する所定数のメダル(貸出払出メダル数)をメダルレス機15014に提供するように構成することができる。こうした構成では、遊技者が電子マネーカードを貸出ユニット15024にかざす(タッチする)だけで、メダルレス機15014に所定数のメダルを提供することができる。
また、発券時に、遊技者が操作ユニット15409に表示された入金額を選択してから、電子マネーカードを貸出ユニット15024にかざすようにすることもできる。例えば、「500円」ボタン、「1000円」ボタン、「2000円」ボタンといった表示のなかから、遊技者が所望する入金額を選択し、その後、電子マネーカードをタッチ案内マーク15304にタッチすることで、選択した入金額が貸出ユニット15024の残高に加算されるように構成されうる。またそのとき、上述したように、自動貸出機能をONに設定しておき、電子マネーカードがタッチされた場合に、貸出ユニット15024の残高から所定の消費金額(貸出払出消費金額)を消費して、その消費金額に対応する所定のメダル数(貸出払出メダル数)をメダルレス機15014に貸し出すようにすることもできる。
また、電子マネーカード等によって貸出ユニット15024に入金をする場合、遊技者が入金額の指定をすることなく、事前の設定で定められた額(例えば、1000円)が貸出ユニット15024の残高に加算されるように構成することもできる。
ここまで、図284を参照して、発券機能について説明してきたが、上述のように、貸出ユニット15024の上記構成は、管理遊技機対応貸出ユニット15023についても同様に当てはまるものであり、紙幣の挿入によって管理遊技機対応貸出ユニット15023の記憶部15404の残高に入金を行い、自動貸出機能、または「玉貸出」ボタンによって、所定数の玉(遊技玉)を管理遊技機15013に提供することができる。
また、上述した発券機能では、紙幣の挿入等により入金があった場合に、自動的に所定のメダル数がメダルレス機15014に貸し出されるので、遊技者にとっては、入金処理後の貸出処理(例えば、「メダル貸出」ボタンをタッチする処理)が1回省略され、使い勝手のよいものとなっている。また、遊技店にとっては、入金処理後、自動的にメダルレス機15014に提供される貸出メダル数を調整できるので、遊技者の消費メダル数や遊技の進め方を部分的にコントロールすることができる。
また、本実施形態では、紙幣による入金、及び電子マネーカードによる入金を例示したが、入金はこれらの方法に限られるものではなく、他の様々な入金方法を採用することができる。
なお、本実施形態では、上述したように、ビジターカードや会員カードとして、スマートフォンなどの携帯端末や他のICカードを用いることができ、また、スマートフォン等を用いて、所定の金額を貸出ユニット15024に投入することもできる。例えば、遊技者は、紙幣投入口15301から紙幣を挿入する代わりにスマートフォン等を用いる場合、操作ユニット15409に、「スマートフォン、ICカードをタッチしてください」といったメッセージが表示され、そこで遊技者が、スマートフォン等をタッチ案内マーク15304付近に近づけると(または、タッチすると)、スマートフォン等に記憶されている金額(電子マネーやWEBマネー等)に関する情報が読み取られ、そこで、所定の金額が貸出ユニット15024に加算される。ここで貸出ユニット15024に加算される金額は、事前に設定されている金額であってもよいし、遊技者が操作ユニット15409で指定した金額であってもよい。そして、その後、操作ユニット15409に、「〇〇円が残高に加算されました」といったメッセージが表示され。
[1-18.寄付機能]
次に、図285、及び図286を参照して、本実施形態の貸出ユニット15024等の寄付機能について説明する。図285は、貸出ユニット15024を用いた遊技により「端玉」が発生する状況を説明するための概念図である。図286は、本実施形態において寄付が行われる場合のシステム構成を説明するための概念図である。
本実施形態における寄付機能では、遊技者が、貸出ユニット15024に記憶されている持ちメダルを寄付するように指示することができる。また、本実施形態における寄付機能では、遊技者が、精算機15080などの装置において、ビジターカード等から読み込んだ持ちメダルを寄付するように指示するこkとができる。
ここで、図285を参照して、メダルレス機15014における遊技において、貸出ユニット15024やメダルレス機15014に、どのようにしてメダルが管理されるか(すなわち、メダル数を表すデータが記憶されるか)を説明する。
図285に示す貸出ユニット15024は、最初に紙幣が挿入されて残高が1000円となり、その後、操作ユニット15409に表示された操作メニュー16001(図260参照)で、「メダル貸出」ボタンがタッチされる。ここで、1回のメダル貸出によって貸し出されるメダル数が、上述した「貸出払出メダル数」により、50枚に設定されていたとすると、残高が消費されて50枚のメダル(1000円分)がメダルレス機15014に提供され、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている残高は0になる。
貸出ユニット15024から50枚のメダルが提供されたメダルレス機15014では、そのメダルを貯留メダル(いわゆる、クレジット)として管理し、貯留メダル数が、0から50に増加する。遊技者はここで、1回の遊技のために「MAXBET」ボタンを押下すると、3枚のメダルが消費され、貯留メダル数は50から47に減少する。その後、スタートレバーの操作、及びストップボタン8L、8C、8Rの停止操作を行う。この例では、ここで「大当たり」となり、当該遊技の結果として102枚のメダルが得られたとする。そうすると、貯留メダル数は47から149に増加する。
その後、メダルレス機15014の遊技を繰り返し行うと、貯留メダルが3枚ずつ消費され、この場合は、遊技で1回も当たりがない(獲得したメダル数が0)ため、最終的に、貯留メダルの数が2となる。そうすると、もう1回あらたな遊技を行うことができず。貯留メダルが2枚、利用しきれずに残ってしまうことになる。
なお、多くのメダルレス機では、3枚掛け専用のスロットマシンとなっており、貯留メダルが2枚以下となった場合、そのメダルを使い切ることはできない。本実施形態のメダルレス機15014では、上述したように「1BET」ボタンを有しており、メダルが1枚でも1回の遊技を行うことができるが、このような、メダル1枚を用いた遊技は、特定の状況においてのみ可能であり、一般的には、このような3枚に満たないメダルは、利用できずに残ってしまうことになる(図285の右下に示したX印)。
こうしてメダルレス機15014の貯留メダルとして残された1枚や2枚のメダルは、遊技者がメダルレス機15014の「計数」ボタンを押下することで貸出ユニット15024の持ちメダルに移動させることができる。そして、会員カードを貸出ユニット15024に挿入していれば、「カード返却」ボタンのタッチにより、そのわずかな持ちメダルは、会員カードの持ちメダルとして記憶され、遊技者は、その会員カードの持ちメダルを用いて、他の遊技機で遊技を行うことが可能である。
しかしながら、会員カードを有していない遊技者は、貸出ユニット15024の持ちメダルがある場合、「カード返却」ボタンをタッチしても、その持ちメダル数が所定数以上でなければビジターカードの排出がされず、その持ちメダルを他の遊技機で利用することができない。こうしたカード返却時制御の仕様は、図265を参照して説明した通りである。例えば、ビジターカードの排出は、そのカードの代金に相当するメダル数がないと行われないようになっている。ビジターカードが排出されるための持ちメダル数(上記の所定数)は、2より大きい数である。
したがって、会員カードを有していない遊技者は、メダルレス機15014に残った1枚や2枚といった貯留メダルを貸出ユニット15024に移動させたところで、他で利用することができない。そのため、その台で、あらたに紙幣を投入して遊技を再開する意思のない遊技者は、メダルレス機15014に残された1、2枚の貯留メダルをわざわざ貸出ユニット15024に移動させる動機がなく、結果的に、その1、2枚の貯留メダルがメダルレス機15014に残されたままとなることが多い。また、例えば、「持ちメダル払出」ボタンのタッチにより持ちメダルがメダルレス機15014に提供された場合に、残りとして、貸出ユニット15024に持ちメダルが1、2枚残った状態でも、そのメダルに使い途がないため、このような状況も放置されがちである。
遊技店としては、このように、メダルレス機15014の貯留メダルとして、または貸出ユニット15024の持ちメダルとして1、2枚のメダルが残ったまま放置されると、次の遊技者がそのメダルレス機15014を使用できず(あるいは、使用を躊躇してしまい)稼働率が低下するという、好ましくない状況となり、そのために、スタッフ等はできるだけ早急にこうした状況をリセットする(端玉のクリアをする)必要がある。
スタッフ等による端玉のクリアは、作業負担の増加につながる。すなわち、メダルレス機15014に貯留メダルが残っていない場合は、鍵を用いてメンテナンスモードメニュー(図274参照)を表示させたうえで「端玉クリア」ボタンをタッチして行い、メダルレス機15014に貯留メダルが残っている場合は、メダルレス機15014の「計数」ボタンを押下して、貯留メダルを貸出ユニット15024の持ちメダルに移動させてから、メンテナンスモードで「端玉クリア」のボタンをタッチしなければならない。
このような状況において、本実施形態では、遊技者が、上述した使い途のない1、2枚のメダルを寄付することができる構成を提供する。
図286に示すように、本実施形態では、貸出ユニット15024において操作ユニット15409の操作メニュー16001に「寄付」ボタンを設け、遊技者がメダルを寄付できるようにする。遊技者は、例えば、メダルレス機15014に貯留メダルが残っていない場合は、その状態で「寄付」ボタンをタッチし、貸出ユニット15024の持ちメダルを寄付するよう指示する。一方、メダルレス機15014に貯留メダルが残っている場合、遊技者は、メダルレス機15014の「計数」ボタンを押下して、貯留メダルを貸出ユニット15024の持ちメダルに移動させてから、「寄付」ボタンをタッチし、貸出ユニット15024の持ちメダルを寄付するよう指示する。
なお、この場合、操作メニュー16001で「寄付」ボタンをタッチした場合に、寄付メニューが表示されるようにし、そこで、寄付メダル数と寄付先を指定し、その後「OK」ボタンをタッチして寄付を実行するようにしてもよい。なお、寄付メダル数は、例えば、遊技者が指定した数、所定数、または複数の所定数から選択された数であってもよい。また、寄付先は、例えば、寄付を受ける組織、機構、団体等、様々な寄付先が考えられ、また、遊技店が指定する寄付先とすることも考えられる。
また、貸出ユニット15024の操作ユニット15409に表示されたメニューにおいて寄付の指示をする場合に、メダルレス機15014に貯留メダルが残っている場合は、メダルレス機15014の「計数」ボタンを押下してから寄付を行う旨のメッセージを表示し、メダルレス機15014の「計数」ボタンを押下してメダルレス機15014に貯留メダルを0にしてからでないと、寄付ができないように構成してもよい。このような構成により、メダルレス機15014に貯留メダルが残される可能性をより低減させることができ、その分、遊技店のスタッフ等の作業負担を軽減させることができる。
また、遊技者による寄付は、貸出ユニット15024の持ちメダルをビジターカードで持ち出せた場合にも可能な構成とすることができる。上述のように、貸出ユニット15024に所定数以上の持ちメダルがあれば、その持ちメダルをビジターカードに移動させて持ち出すことができ、それ以外に、遊技者が挿入したビジターカードに、他の貸出種別の持ちメダルが存在していたような場合は、今回の持ちメダルが所定数未満でもその持ちメダルを持ち出すことができる。
このように、貸出ユニット15024の持ちメダルをビジターカードで持ち出せた場合であっても、持ちメダル数によっては、特殊景品への交換ができず、少額景品に交換することがある。このような場合に、交換した少額景品(例えば、お菓子など)を寄付することができる遊技店があるが、このような少額景品は、ある程度の収納空間が必要で、また消費期限を意識する必要もあり、寄付を受ける側としては、現金のほうが扱い易い。
この点、本実施形態では、このような場合でも、現金による寄付を行うことができる。例えば、図286に示すように、遊技者は、精算機15080にそのビジターカードを挿入し、寄付指示画面において、寄付メダル数と寄付先を指定し、「寄付」ボタンをタッチ等することにより、寄付の指示をすることができる。寄付メダル数と寄付先については、上記と同様に様々なパターンが考えられる。また、この場合、寄付指示画面において、どの貸出種別の持ちメダルを寄付するかを指定することができるようにしてもよい(複数の貸出種別を指定することも可)。このような構成により、精算機15080では、ビジターカードに記憶されている残高に応じて現金を精算するとともに、持ちメダルについては寄付を行うように指示することができる。
また、図286では、精算機15080でビジターカードを読み取って寄付を行う例を示したが、その他、持ち玉処理機15090、景品交換POSの端末等、遊技店にある様々な遊技用装置を用いて、寄付の指示を行うことができる。またさらに、これらの装置で会員カードのデータを読み取り、会員カードに関連付けられている各貸出種別の持ちメダルや貯メダルを寄付するように指示することが可能である。なお、寄付メダル数、寄付先、貸出種別については、上記と同様に様々なパターンが考えられる。例えば、景品交換POSの端末において、ビジターカードから持ちメダル数が読み取られた場合、そこで、一般景品の交換を指定し、残りの端数を寄付するように指定することができ、また、一般景品の数を減らして残りの持ちメダルを寄付したり、すべての持ちメダルで寄付をするように指定することもできる。
図286に示すように、貸出ユニット15024や精算機15080等で寄付の指示が行われると、遊技者が指示した寄付に係る寄付メダル数を含んだ「寄付メダル数データ」が、例えば、カードサーバ15100に送信される。また、この「寄付メダル数データ」には、寄付するメダルに対応する貸出種別が含まれ、また、上述した寄付先も含まれうる。
カードサーバ15100は、貸出ユニット15024や精算機15080等から「寄付メダル数データ」を受信すると、例えば、閉店後や月1回といった所定のタイミングで集計を行い、それぞれの寄付メダル数に対応する貸出種別に応じて、メダル数を金額に変換する。このときの変換レートは、例えば、特殊景品(現金)の交換レートである。さらに、対応する寄付先に応じて振替指示データを生成する。こうした振替指示データは、寄付先ごとに生成され、また、振替金額は、必要に応じて増減されうる(例えば、振替手数料やシステム使用料を差し引いたり、利息を加えるなど)。
次に、カードサーバ15100は、生成された振替指示データを所定の金融機関サーバ15170に送信し、そこで、指定された寄付金額が、遊技店口座から寄付先口座に振り返られる。なお、こうした振替処理は、単純な例を示したに過ぎず、例えば、異なる金融機関での振替処理については、振替指示データが、金融機関相互間の内国為替取引をオンライン処理する全銀システムに送信される。
ここまで、図285、及び図286を参照して、寄付機能について説明してきたが、上述のように、貸出ユニット15024の上記構成は、管理遊技機対応貸出ユニット15023についても同様に当てはまるものである。ただし、管理遊技機15013では、メダルレス機15014のように、使い切れないで1、2玉の遊技玉が残るという状況は発生しないが、それでも、管理遊技機対応貸出ユニット15023には、ビジターカードに移動できない持ち玉や景品交換で端玉となる持ち玉が放置されうるため、端玉クリアの処理は必要であり、本実施形態の寄付機能によって、遊技店のスタッフ等の作業負荷を効果的に軽減することができる。
なお、従来型の遊技機(パチンコ機15011、パチスロ機15012)であれば、(各遊技店における規定にもよるが)持ちメダルや持ち玉を容易に移動できるが、貸出ユニット15024や管理遊技機対応貸出ユニット15023では、持ちメダル/持ち玉の端玉を移動することができず、これらが放置された場合は、遊技店のスタッフ等が端玉のクリアを行う必要がある。
また、従来型の遊技機(パチンコ機15011、パチスロ機15012)の場合、遊技店に募金箱が設置されていれば、そこに端玉を入れることで容易に寄付を行うことができたが、貸出ユニット15024や管理遊技機対応貸出ユニット15023では、このような寄付ができなくなっており、本実施形態の寄付機能は、このような問題を解決することができる。
また、上述した寄付機能では、遊技者は、上記のような使い途のない1、2枚のメダルについて寄付の指示を行うことができ、これによって遊技者の社会貢献意欲を満足させることができる。また、貸出ユニット15024やメダルレス機15014に残された1、2枚のメダルを遊技者自身が寄付することにより、遊技店のスタッフ等の(端玉のクリアに係る)作業負担を軽減させることができる。
さらに、遊技者は、寄付メダル数を、例えば、遊技者が指定した数、所定数、または複数の所定数から選択された数としてもよく、このような構成により、遊技者は、より有意義な社会貢献が可能となる。
また、本実施形態では、上述のように、操作メニュー16001で「寄付」ボタンをタッチした場合に、メダルレス機15014に貯留メダルが残っていると、そのまま寄付を行うことができず、メダルレス機15014の「計数」ボタンを押下してから寄付を行う旨のメッセージを表示するように構成することができる。この場合、貸出ユニット15024のメインCPU15401は、例えば、メダルレス機15014にアクセスして、メダルレス機15014の貯留メダル数(貯留情報)を取得し、その貯留メダル数が所定数である場合(例えば、0でない場合)上記のメッセージを表示するが、例えば、メダルレス機15014が、所定のタイミングで、上述した貯留メダル数が所定数であると判定した場合に、特定のフラグ(貯留情報)を貸出ユニット15024に送信し、その結果、貸出ユニット15024が、そのフラグに基づいて、上記のメッセージを表示するように制御することもできる。このように、貸出ユニット15024がメダルレス機15014から取得する貯留情報として、様々な形態を考えることができる。
[1-19.貯留メダル補充機能]
次に、図287ないし図290を参照して、本実施形態の貸出ユニット15024の貯留メダル自動補充機能について説明する。図287は、貸出ユニット15024の貯留メダル自動補充機能を説明するための概念図である。図288は、図287に示した貯留メダル自動補充機能の処理の手順を示すフローチャートである。また、図289は、貸出ユニット15024における、別の貯留メダル自動補充機能を説明するための概念図である。図290は、図289に示した貯留メダル自動補充機能の処理の手順を示すフローチャートである。
図287では、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶された残高から、メダルレス機15014にメダル(貯留メダル)の補充を自動的に制御する、貯留メダル自動補充機能の概要が示されている。
図287に示すように、貸出ユニット15024において、遊技者が紙幣投入口15301から紙幣を挿入すると(例えば、千円札を2枚、連続して挿入)、貸出ユニット15024の記憶部15404の残高には、2000円が記憶され、このときに、上述した自動貸出機能の設定がONである場合、発券時の自動貸出機能が有効になり、「貸出払出メダル数」(この例では、50枚(1000円分))を自動的にメダルレス機15014に貸し出し、当該貸出払出メダル数のデータを受信したメダルレス機15014では、そのメダルを貯留メダル(いわゆる、クレジット)として管理し、貯留メダル数が、0から50に増加する。
遊技者はここで、1回の遊技のために、メダルレス機15014の「MAXBET」ボタンを押下すると、3枚のメダルが消費され、貯留メダル数は50から47に減少し、その後、スタートレバーの操作、及びストップボタン8L、8C、8Rの停止操作を行う。その後、このような遊技を繰り返すると、貯留メダルが3枚ずつ消費され、この例では、1回も当たりがなかったとする。そうすると、貯留メダルは20枚まで減少する。
ここで、貯留メダル自動補充機能の設定がONである場合、メダルレス機15014の貯留メダルが20枚まで減少すると、これを貸出ユニット15024が検知して、記憶部15404に記憶されている残高から、「貸出払出メダル数」(この例では、50枚(1000円分))を自動的にメダルレス機15014に補充し(貸し出し)、当該貸出払出メダル数のデータを受信したメダルレス機15014では、そのメダルを貯留メダルとして管理し、その結果、貯留メダル数が、20から70に増加する(その後、すぐに遊技によって3枚のメダルが消費されて、貯留メダル数は67になる)。
その後、さらに遊技を続けると、貯留メダルが3枚ずつ消費されて残り19枚となり、再び20枚以下になるが、このとき、貸出ユニット15024では、残高が0となっているため、貯留メダルに自動的に補充を行うことができず、その後の遊技とともに貯留メダル数が減少し、最終的に貯留メダルが1枚となる。
図288には、図287で説明した貯留メダル自動補充機能の処理の手順を示すフローチャートが示されている。この処理は、上記のように、貯留メダル自動補充機能の設定がONである場合に、貸出ユニット15024においてメダルレス機15014の貯留メダル数を監視し、貯留メダル数が20以下となった場合に起動されるが、ここでは便宜上、遊技者が遊技を開始し、最初に「メダル貸出」ボタンや「持ちメダル払出」ボタンがタッチされた場合、または、自動貸出機能がONである場合に、紙幣が紙幣投入口15301に挿入された後で開始されるものとする(図287では、紙幣が挿入されたタイミングで、自動貸出機能により、50枚のメダルが提供されている)。
最初に、図288のステップS5421において、貸出ユニット15024のメインCPU15401は、メダルレス機15014の貯留メダル数が20を超えているか否かを判定し、20を超えるまでこの判定を繰り返す(ステップS5421のNO)。20を超えている場合(ステップS5421のYES)、ステップS5422において、メダルレス機15014の貯留メダルが20以下になったか否かを判定し、20以下になるまでこの判定を繰り返す(ステップS5422のNO)。20以下になった場合(ステップS5422のYES)、ステップS5423において、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている残高が所定額以上であるか否かを判定する。
ここで、所定額は、例えば、予め設定されている「貸出払出メダル数」に対応する金額である。ステップS5423において、残高が所定額以上であると判定された場合(ステップS5423のYES)、ステップS5424において、所定額分のメダル数(例えば、図287に示すように、所定額が1000円であり、メダル数は50枚)、をメダルレス機15014の貯留メダルに提供する(メダル数を表すデータをメダルレス機15014に送信する)。なお、ここでは、残高が所定額以上である場合に、その残高から、所定額分のメダル数(例えば、「貸出払出メダル数」)を補充するようにしているが、所定額未満であっても、その所定額をなるべく使い切るように提供可能なメダル数を計算し、それらをメダルレス機15014に提供するように構成することもできる。
次に、ステップS5425において、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている残高から所定額を減算する(例えば、図287に示すように、自動補充によって使用された1000円が残高から減算され、残り0円となる)。ステップS5425の後、またはステップS5423で残高が所定額に満たないと判定された場合(ステップS5423のNO)、再びステップS5421に戻って、貯留メダルの数が20を超えているか否かを判定する。
なお、図287に示すような場合、ステップS5424によって、貯留メダルは50枚補充されるので、ステップS5421の処理に戻ると、すぐにYES判定となり、ステップS5422において、その貯留メダル数が20以下になるのを待機することになる。
本実施形態では、貯留メダル数が一旦、20を超え、その後、20以下になったタイミングで貯留メダルを自動的に補充するようにしているが、こうした貯留メダル数の設定は例示にすぎず、他の様々なタイミングで貯留メダルを補充することができる。また、ここでは、1回に貯留メダルに補充するメダル数を、「メダル貸出」ボタンや「持ちメダル払出」ボタンがタッチされた場合、または、自動貸出機能がONの場合に用いられる「貸出払出メダル数」としているが、貯留メダル自動補充機能として独自の補充メダル数を決定することも可能である。
なお、貯留メダル自動補充機能のON/OFF、及びこの機能に関する貸出払出メダル数は、事前に設定されうる。これらの設定値は、例えば、カードサーバ15100に記憶されており、貸出ユニット15024の起動時に、カードサーバ15100から取得され、貸出ユニット15024に保持される。また、貸出払出メダル数の設定値は、貸出ユニット15024ごとに異なる数に設定することも可能である。例えば、対応するメダルレス機15014の機種やジャンル、その他所定の分類ごとに、異なる貸出払出メダル数を設定可能である。また、貯留メダル自動補充機能のON/OFF、及びこの機能に関する貸出払出メダル数は、例えば、操作ユニット15409に表示される操作メニュー16001により、遊技者自身が設定するように構成することもできる。
図289では、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶された残高、または持ちメダルから、メダルレス機15014にメダルを(貯留メダルとして)自動的に補充する、貯留メダル自動補充機能の概要が示されている。
図289に示すように、貸出ユニット15024は、最初の状態で、記憶部15404に2000円の残高と、80枚の持ちメダルを保持した状態となっている。ここで、操作ユニット15409の操作メニュー16001において、「持ち玉払出」ボタンがタッチされ、メダルレス機15014に、貸出払出メダル数で設定されたメダル数(ここでは50枚)が提供され(すなわち、50枚のメダルを表すデータがメダルレス機15014に送信され)、メダルレス機15014では、そのメダルを貯留メダル(いわゆる、クレジット)として管理し、貯留メダル数が、0から50に増加する。
遊技者はここで、1回の遊技のために、メダルレス機15014の「MAXBET」ボタンを押下すると、3枚のメダルが消費され、貯留メダル数は50から47に減少し、その後、スタートレバーの操作、及びストップボタン8L、8C、8Rの停止操作を行う。その後、このような遊技を繰り返すると、貯留メダルが3枚ずつ消費され、この例では、1回も当たりがなかったとする。そうすると、貯留メダルは20枚まで減少する。
ここで、貯留メダル自動補充機能の設定がONである場合、メダルレス機15014の貯留メダルが20枚まで減少すると、これを貸出ユニット15024が検知して、記憶部15404に記憶されている持ちメダルから、「貸出払出メダル数」(この例では、50枚)を自動的にメダルレス機15014に補充しようとするが、ここでは、持ちメダルが30枚しか残っていないので、30枚のメダルをメダルレス機15014に貸し出す。残りすべてのメダル数である30枚を表すデータを受信したメダルレス機15014では、そのメダルを貯留メダルとして管理し、その結果、貯留メダル数が、20から50に増加する(その後、すぐに遊技によって3枚のメダルが消費されて、貯留メダル数は47になる)。
その後、さらに遊技を続けると、貯留メダルが3枚ずつ消費されて残りが再び20枚ととなる。そのとき、貸出ユニット15024がこれを検知して、記憶部15404に記憶されている残高から、「貸出払出メダル数」(この例では、50枚(1000円分))を自動的にメダルレス機15014に補充し(貸し出し)、当該貸出払出メダル数のデータを受信したメダルレス機15014では、そのメダルを貯留メダルとして管理し、その結果、貯留メダル数が、20から70に増加する(その後、すぐに遊技によって3枚のメダルが消費されて、貯留メダル数は67になる)。
このように、本実施形態では、貸出ユニット15024が持ちメダルを有している場合は、最初に持ちメダルをメダルレス機15014に補充し、持ちメダルが0になった場合に、残高があれば、今度は、残高を用いて補充を行うように動作する。
その後、さらに遊技を続けると、貯留メダルが3枚ずつ消費されて残り19枚となり、再び20枚以下になる。そのとき、貸出ユニット15024がこれを検知して、記憶部15404に記憶されている残高から、「貸出払出メダル数」(この例では、50枚(1000円分))を自動的にメダルレス機15014に補充し(貸し出し)、当該貸出払出メダル数のデータを受信したメダルレス機15014では、そのメダルを貯留メダルとして管理し、その結果、貯留メダル数が、19から69に増加する(その後、すぐに遊技によって3枚のメダルが消費されて、貯留メダル数は66になる)。その後、さらに遊技を続けると、貯留メダルが3枚ずつ消費されて残り18枚となり、再び20枚以下になる。しかしながら、このとき、貸出ユニット15024では、残高が0となっているため、貯留メダルに自動的に補充を行うことができず、その後の遊技とともに貯留メダル数が減少し、最終的に貯留メダルが0枚となる。
図290には、図289で説明した貯留メダル自動補充機能の処理の手順を示すフローチャートが示されている。この処理は、上記のように、貯留メダル自動補充機能の設定がONである場合に、貸出ユニット15024においてメダルレス機15014の貯留メダル数を監視し、貯留メダル数が20以下となった場合に起動されるが、ここでは便宜上、遊技者が遊技を開始し、最初に「メダル貸出」ボタンや「持ちメダル払出」ボタンがタッチされた場合、または、自動貸出機能がONである場合に、紙幣が紙幣投入口15301に挿入された後で開始されるものとする(図289では、「持ちメダル払出」ボタンがタッチされ、貯留メダルが0枚から50枚に増加している)。
最初に、図290のステップS5441において、貸出ユニット15024のメインCPU15401は、メダルレス機15014の貯留メダル数が20を超えているか否かを判定し、20を超えるまでこの判定を繰り返す(ステップS5441のNO)。20を超えている場合(ステップS5441のYES)、ステップS5442において、メダルレス機15014の貯留メダルが20以下になったか否かを判定し、20以下になるまでこの判定を繰り返す(ステップS5442のNO)。20以下になった場合(ステップS5442のYES)、ステップS5443において、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている持ちメダルがあるか否か(すなわち、0より大きいか否か)を判定する。
持ちメダル数が0より大きい場合(ステップS5443のYES)、ステップS5448において、所定数のメダル(例えば、図289に示す50枚)、をメダルレス機15014の貯留メダルに提供する(メダル数を表すデータをメダルレス機15014に送信する)。なお、ここで、所定数のメダル数がない場合は、ある分だけメダルレス機15014の貯留メダルに提供する。
次に、ステップS5449において、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている持ちメダル数から所定数を減算する(例えば、図289に示すように、自動補充によって使用された30枚が持ちメダル数から減算され、残り0枚となる(ただし、この場合は、所定数ではなく、残りの30枚が減算される))。ステップS5449の後、再びステップS5441に戻って、貯留メダルの数が20を超えているか否かを判定する。
ステップS5443において、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている持ちメダル数が0であると判定された場合(ステップS5443のNO)、ステップS5444において、この残高が所定額以上であるか否かを判定する。
ここで、所定額は、例えば、予め設定されている「貸出払出メダル数」に対応する金額である。ステップS5444において、残高が所定額以上であると判定された場合(ステップS5444のYES)、ステップS5445において、所定額分のメダル数(例えば、図289に示すように、所定額が1000円であり、メダル数は50枚)、をメダルレス機15014の貯留メダルに提供する(メダル数を表すデータをメダルレス機15014に送信する)。なお、ここでは、残高が所定額以上である場合に、その残高から、所定額分のメダル数(例えば、「貸出払出メダル数」)を補充するようにしているが、所定額未満であっても、その所定額をなるべく使い切るように提供可能なメダル数を計算し、それらをメダルレス機15014に提供するように構成することもできる。
次に、ステップS5446において、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている残高から所定額を減算する(例えば、図289に示すように、1回目の自動補充によって使用された1000円が残高から減算されて残り1000円となり、2回目の自動補充によって使用された1000円が残高から減算されて残り0円となる)。ステップS5446の後、再びステップS5441に戻って、貯留メダルの数が20を超えているか否かを判定する。
なお、図289に示すような場合、ステップS5448やステップS5445によって、貯留メダルは(基本的に)50枚補充されるので、ステップS5441の処理に戻ると、すぐにYES判定となり、ステップS5442において、その貯留メダル数が20以下になるのを待機することになる。
本実施形態では、図287、及び図289の例とは異なり、貸出ユニット15024が残高を持ちメダルを有している場合に、先に持ちメダルすべてを用いて補充を行い、その後、残高による補充を行うようにしたが、どのような順序で行っても良いし、また、残りの価値が大きいほうから補充をしたり、交互に補充を行ったりすることも可能である。また、遊技者が会員カードを用いて遊技を行う場合は、貯メダルを用いて貯留メダルの補充を行うこともできる。この場合、操作ユニット15409に表示された操作メニュー16001の「貯メダル再プレイ」をタッチした場合と同様に、貯メダルから所定数のメダルが、メダルレス機15014に提供される。
また、貸出ユニット15024において、残高と貯メダル、持ちメダルと貯メダル、または残高と持ちメダルと貯メダルが混在する場合に、これらのうちどれに基づいたメダルをメダルレス機15014に提供するかの優先順位を、固定的に、または所定の条件によって調整されるように、事前に設定しておくことができる。
また、本実施形態では、貯留メダル数が一旦、20を超え、その後、20以下になったタイミングで貯留メダルを自動的に補充するようにしているが、こうした貯留メダル数の設定は例示にすぎず、他の様々なタイミングで貯留メダルを補充することができる。また、ここでは、1回に貯留メダルに補充するメダル数を、「メダル貸出」ボタンや「持ちメダル払出」ボタンがタッチされた場合、または、自動貸出機能がONの場合に用いられる「貸出払出メダル数」としているが、貯留メダル自動補充機能として独自の補充メダル数を決定することも可能である。
なお、貯留メダル自動補充機能のON/OFF、及びこの機能に関する貸出払出メダル数は、事前に設定されうる。これらの設定値は、例えば、カードサーバ15100に記憶されており、貸出ユニット15024の起動時に、カードサーバ15100から取得され、貸出ユニット15024に保持される。また、貸出払出メダル数の設定値は、貸出ユニット15024ごとに異なる数に設定することも可能である。例えば、対応するメダルレス機15014の機種やジャンル、その他所定の分類ごとに、異なる貸出払出メダル数を設定可能である。
また、貯留メダル自動補充機能のON/OFF、及びこの機能に関する貸出払出メダル数は、例えば、操作ユニット15409に表示される操作メニュー16001により、遊技者自身が設定するように構成することもできる。また、貸出払出メダル数は、残高、持ちメダル、貯メダルのそれぞれに関して、遊技者が、異なるように設定することも可能である。また、遊技者は、貯留メダル自動補充機能に関し、残高、持ちメダル、貯メダルのそれぞれで、利用可能なメダル数(メダル数に対応する金額)の上限(例えば、持ちメダルの60%まで自動補充機能に利用可能とするなど)や下限(例えば、持ちメダルが残り1000枚になるまで自動補充機能で利用可能とするなど)を設定しておくこともできる。
また、残高、持ちメダル、貯メダルのうち、自動補充機能に用いないもの、あるいは用いるものを選択的に指定することもできる。
ここまで、図287ないし図290を参照して、貯留メダル自動補充機能について説明してきたが、上述のように、貸出ユニット15024の上記構成は、管理遊技機対応貸出ユニット15023についても同様に適用することができる。例えば、管理遊技機対応貸出ユニット15023に記憶される残高、持ち玉、貯玉が、所定の条件により、管理遊技機15013の貯留玉として提供される。
また、上述した貯留メダル自動補充機能では、メダルレス機15014の貯留メダル数が例えば、20枚以下になった場合に、貸出ユニット15024から自動的に所定数のメダルが提供されるので、遊技者は、貯留メダルの数が少なくなった場合に、わざわざ操作メニュー16001で「メダル貸出」をタッチするといった操作を行う必要がなく、利便性が向上する。また、貸出ユニット15024で管理・記憶可能な残高(金額・度数)、持ちメダル数、貯メダル数といった価値情報のうち、どの価値情報の価値から消費して、メダルレス機15014にメダルを提供するかを優先順位として設定できたり、各価値情報の価値ごとに利用の上限と下限の少なくとも一方を設定できるため、お金の使いすぎや、のめり込みを効果的に防止することができる。
なお、自動補充機能における「自動」や「自動的に制御する」とは、遊技者や管理者によって何らかの操作が行われた場合に、貸出ユニット15024といった遊技用装置等が所定の判定等を行った結果、何らかの処理等を行うような場合であっても、自動的に制御していると表現するような場合も想定される。
また、本実施形態では、図288等に示すように、貸出ユニット15024のメインCPU15401が、例えば、メダルレス機15014にアクセスして、メダルレス機15014の貯留メダル数(貯留情報)を取得し、その貯留メダル数が所定条件を満たすか否か(例えば、20を超えているか否か)を判定するが、例えば、メダルレス機15014が、所定のタイミングで、上述した所定条件を満たすか否かを判定し、所定条件を満たした場合に、特定のフラグ(貯留情報)を貸出ユニット15024に送信し、その結果、貸出ユニット15024が、最終的にその貯留メダル数が所定条件を満たすか否かを判定するようにしてもよい。このように、貸出ユニット15024がメダルレス機15014から取得する貯留情報として、様々な形態を考えることができる。
[1-20.営業状態更新機能]
次に、図291を参照して、本実施形態の遊技システム15001に係る営業状態更新機能について説明する。図291は、遊技システム15001における営業状態更新機能の処理の手順を示すフローチャートであり、2つの貸出ユニット(15024-1、15024-2)とカードサーバ15100の処理がそれぞれ並列に示されている。
なお、図291では、2つの貸出ユニット(15024-1、15024-2)の処理が示されているが、これは、わかりやすく説明するための例示であって、実際には、例えば、遊技店に配置されるすべての貸出ユニット15024について、カードサーバ15100に関するこうした処理が実行される。
図291に示すように、カードサーバ15100は、遊技店の開店時になると、カードサーバ15100が開店状態になり、そこで開店処理を実行する(ステップS5461)。ここでは、カードサーバ15100の開店処理によって、2つの貸出ユニット(15024-1、15024-2)がそれぞれ、閉店状態から開店状態に移行するよう制御される(図259参照)。
カードサーバ15100は、開店処理において、最初に、開店指示通知(閉店から開店に営業状態を更新するためのクライアント要求)をそれぞれ、貸出ユニット15024-1、貸出ユニット15024-2に送信し(ステップS5461a)、その後、貸出ユニット15024-1、貸出ユニット15024-2から送信される開店指示応答を受信する(ステップS5461b)。開店指示通知には、例えば、要求種別=営業状態更新、及びサーバ状態(開店番号、開店中フラグ=ONを含む)が含まれている。
貸出ユニット15024-1は、カードサーバ15100からの開店指示をステップS5462において受信すると、この開店指示に応答して、ステップS5463において、開店指示応答をカードサーバ15100に送信し、その後、ステップS5464において、閉店状態から開店状態に遷移する。
同様に、貸出ユニット15024-2も、カードサーバ15100からの開店指示をステップS5465において受信し、この開店指示に応答して、ステップS5466において、開店指示応答をカードサーバ15100に送信し、その後、ステップS5467において、閉店状態から開店状態に遷移する。
カードサーバ15100は、遊技店の閉店時になると、閉店状態となり、そこで、閉店処理を実行する(ステップS5468)。この閉店処理において、2つの貸出ユニット(15024-1、15024-2)がそれぞれ、開店状態から閉店状態に移行するよう制御される(図259参照)。
カードサーバ15100は、閉店処理において、最初に、閉店指示通知(開店から閉店に営業状態を更新するためのクライアント要求)をそれぞれ、貸出ユニット15024-1、貸出ユニット15024-2に送信し(ステップS5468a)、その後、貸出ユニット15024-1、貸出ユニット15024-2から送信される閉店指示応答を受信する(ステップS5468b)。閉店指示通知には、例えば、要求種別=営業状態更新、及びサーバ状態(開店番号、閉店中フラグ=ONを含む)が含まれている。
貸出ユニット15024-1は、カードサーバ15100からの閉店指示をステップS5469において受信すると、この閉店指示に応答して、ステップS5470において、閉店指示応答をカードサーバ15100に送信し、その後、ステップS5471において、開店状態から閉店状態に遷移する。
一方、貸出ユニット15024-2は、図291に示すように、ステップS5467において開店状態に遷移した後、なんらかの理由で、カードサーバ15100との通信ができない、オフライン状態となっている。カードサーバ15100は、ステップS5468aにおいて、貸出ユニット15024-2に送信した閉店指示通知の送信が正常にできない、または、貸出ユニット15024-2から所定期間、閉店指示応答がない場合、貸出ユニット15024-2に異常が発生して通信が不能(オフライン状態)であることを検知する。なお、カードサーバ15100は、以降で説明するように、貸出ユニット15024から所定時間間隔で機器状態通知を受信することになっているため、閉店指示通知を送信するタイミングより前に、貸出ユニット15024-2のオフライン状態を検知できる可能性がある。
貸出ユニット15024-2は、異常状態を脱して正常な起動がされた場合に、図291に示すように、ステップS5472において、通信開始通知をカードサーバ15100に送信する。カードサーバ15100は、ステップS5468cにおいて、貸出ユニット15024-2から通信開始通知を受信すると、ステップS5468dにおいて、通信開始応答を貸出ユニット15024-2に送信する。この通信開始応答には、例えば、サーバ状態(開店番号、閉店中フラグ=ONを含む)が含まれている。
貸出ユニット15024-2は、ステップS5473において、カードサーバ15100から通信開始応答を受信すると、ステップS5474において、開店状態から閉店状態に遷移する。
このように、遊技システム15001では、カードサーバ15100の閉店処理中に、貸出ユニット15024-2が起動されて通信開始通知を送信してくるような、「営業状態不一致」の状況で図291に示すような同期処理(すなわち、両者で営業状態を一致させるステップS5468c、ステップS5468d、ステップS5472、ステップS5473、及びステップS5474のような一連の処理)が行われるが、このほか、カードサーバ15100、及び貸出ユニット15024の双方で管理する開店番号が不一致となった場合にも、上述した同期処理が行われる。なお、開店番号は、例えば、カードサーバ15100や貸出ユニット15024が、それぞれ開店状態に遷移した場合に1カウントアップされる番号である。
ここまで、図291を参照して、営業状態更新機能について説明してきたが、上述のように、貸出ユニット15024の上記構成は、管理遊技機対応貸出ユニット15023についても同様に適用することができる。例えば、管理遊技機対応貸出ユニット15023と複数の管理遊技機15013との間で、上述の営業状態更新機能を実現することができる。
[1-21.設定更新機能]
次に、図292を参照して、本実施形態の遊技システム15001に係る設定更新機能について説明する。図292は、遊技システム15001における設定更新機能の処理の手順を示すフローチャートであり、貸出ユニット15024とカードサーバ15100の処理がそれぞれ並列に示されている。
なお、図292では、1つの貸出ユニット15024に対する処理が示されているが、これは、わかりやすく説明するための例示であって、実際には、例えば、遊技店に配置されるすべての貸出ユニット15024について、カードサーバ15100に関するこうした処理が実行される。
図292では、カードサーバ15100に最新の設定情報が記憶されている遊技システム15001において、それぞれの貸出ユニット15024が、どのようにしてその設定情報をカードサーバ15100から取得し、更新するかが示されている。
最初に、貸出ユニット15024の電源が投入されると、最初に1回だけ、図292に示すようなオンライン初期化シーケンスが実行される。オンライン初期化シーケンスでは、まず、ステップS5491において、貸出ユニット15024のメインCPU15401が、カードサーバ15100に対して通信開始通知を送信する。貸出ユニット15024からの通信開始通知を受信したカードサーバ15100は、ステップS5492において、その通信開始通知に対応する通信開始応答を貸出ユニット15024に送信する。
通信開始応答には、設定更新時間が含まれている。この設定更新時間は、カードサーバ15100がそれぞれの貸出ユニット15024に関して管理・記憶している情報であり、例えば、所定の日時からの相対時間であり、カードサーバ15100において、複数の設定値のいずれかが更新された場合に、その更新日時が、当該複数の設定値全体の設定更新時間として管理される。
貸出ユニット15024は、カードサーバ15100から通信開始応答を受信すると、ステップS5493において、貸出ユニット15024において記憶されている設定更新時間と、通信開始応答に含まれている設定更新時間とを比較する。貸出ユニット15024の設定更新時間は、以前に、カードサーバ15100から受信したデータで設定値を更新した場合に、その設定値の設定更新時間としてカードサーバ15100から受信した時間であり、ここで、貸出ユニット15024において記憶されている設定値を更新した場合に、カードサーバ15100から受信した設定更新時間で当該設定更新時間を更新する。
両者の設定更新時間が一致している場合は(ステップS5493のYES)、設定値の更新が発生していないということなので、何もせずにオンライン初期化シーケンスを終了する。一方、両者の設定更新時間が一致していない場合は(ステップS5493のNO)、カードサーバ15100で設定値が更新されたことを表すため、ステップS5494において、設定取得要求をカードサーバ15100に送信する。貸出ユニット15024からの設定値取得要求を受信したカードサーバ15100は、ステップS5495において、その設定取得要求に対応する設定取得応答を貸出ユニット15024に送信する。
設定取得要求は、例えば、このリクエストを示すデータ以外の情報を含んでいない構成である。設定取得応答には、例えば、設定更新時間のほか、複数の設定値が含まれている。この複数の設定値のうち、少なくとも1つが、当該設定更新時間に更新されたものであるが、この例では、ほかの設定値もすべて設定取得応答に含まれるものとする。この設定取得応答において、実際に、設定更新時間に更新された設定値だけを含むように構成することもできる。
貸出ユニット15024は、カードサーバ15100から設定取得応答を受信すると、ステップS5496において、その設定取得応答に含まれる設定値を用いて、貸出ユニット15024に記憶されている設定値と設定更新時間をそれぞれ更新し、オンライン初期化シーケンスを終了する。
その後、図292に示すように、それぞれの貸出ユニット15024は、貸出ユニット15024の状態や挿入されているICカードの状態等を通知するための機器状態通知を、一定間隔で繰り返しカードサーバ15100に送信する(ステップS5497)。貸出ユニット15024からの機器状態通知を受信したカードサーバ15100は、ステップS5498において、その機器状態通知に対応する機器状態応答を貸出ユニット15024に送信する。
機器状態応答には、上述した通信開始応答と同様に設定更新時間が含まれている。この設定更新時間は、カードサーバ15100がそれぞれの貸出ユニット15024に関して管理・記憶しいる情報であり、例えば、所定の日時からの相対時間であり、カードサーバ15100において、複数の設定値のいずれかが更新された場合に、その更新日時が、当該複数の設定値全体の設定更新時間として管理される。
貸出ユニット15024は、カードサーバ15100から機器状態応答を受信すると、ステップS5499において、貸出ユニット15024において記憶されている複数の設定値(または、1つの設定値)に関する設定更新時間と、機器状態応答に含まれている設定更新時間とを比較する。貸出ユニット15024の設定更新時間は、以前に、カードサーバ15100から受信したデータで設定値を更新した場合に、その設定値の設定更新時間としてカードサーバ15100から受信した時間であり、ここで、貸出ユニット15024において記憶されている設定値を更新した場合に、カードサーバ15100から受信した設定更新時間で当該設定更新時間を更新する。
両者の設定更新時間が一致している場合は(ステップS5499のYES)、設定値の更新が発生していないということなので、何もせずに機器状態通知送信し、その後、一定時間経過後に、再び危機状態通知送信を実行する。一方、両者の設定更新時間が一致していない場合は(ステップS5499のNO)、カードサーバ15100で設定値が更新されたことを表すため、ステップS5500において、設定取得要求をカードサーバ15100に送信する。貸出ユニット15024からの設定値取得要求を受信したカードサーバ15100は、ステップS5501において、その設定取得要求に対応する設定取得応答を貸出ユニット15024に送信する。
設定取得要求は、例えば、このリクエストを示すデータ以外の情報を含んでいない構成である。設定取得応答には、例えば、設定更新時間のほか、複数の設定値が含まれている。この複数の設定値のうち、少なくとも1つが、当該設定更新時間に更新されたものであるが、この例では、ほかの設定値もすべて設定取得応答に含まれるものとする。この設定取得応答において、実際に、設定更新時間に更新された設定値だけを含むように構成することもできる。
貸出ユニット15024は、カードサーバ15100から設定取得応答を受信すると、ステップS5502において、その設定取得応答に含まれる設定値を用いて、貸出ユニット15024に記憶されている設定値と設定更新時間をそれぞれ更新し、機器状態通知送信し、その後、一定時間経過後に、再び危機状態通知送信を実行する。
このように、貸出ユニット15024のそれぞれは、カードサーバ15100との通信が開始される際のオンライン初期化シーケンスで1回、その後、機器状態通知の送信処理で複数回(一定間隔の繰り返し)、設定値の更新が必要か否かを判定し、必要であれば、カードサーバ15100から取得した設定値で自身の設定値を更新する。本実施形態では、オンライン初期化シーケンスと機器状態通知送信の処理という、異なるタイミングの処理において、設定値を最新バージョンに更新するための共通した処理が行われる。
こうした構成によって、貸出ユニット15024のそれぞれについて、即時に設定値を更新することができ、例えば、遊技店の運営者・管理者等は、カードサーバ15100において対象の貸出ユニット15024の設定値を更新すれば、わざわざその貸出ユニット15024に(物理的に、またはネットワークを介して)アクセスし、設定値の更新作業をする必要はない。
ここまで、図292を参照して、設定更新機能について説明してきたが、上述のように、貸出ユニット15024の上記構成は、管理遊技機対応貸出ユニット15023についても同様に適用することができる。例えば、管理遊技機対応貸出ユニット15023と複数の管理遊技機15013との間で、上述の設定更新機能を実現することができる。
[1-22.連動メンテナンス機能]
次に、図293ないし図295を参照して、本実施形態に係る遊技システム15001の連動メンテナンス機能について説明する。連動メンテナンス機能は、他の貸出ユニット15024と連動した連動モードでメンテナンス機能を実行する機能である。図293は、遊技店のスタッフが、所定操作により貸出ユニット15024をメンテナンスモードに遷移させた場合に、貸出ユニット15024の操作ユニット15409に表示される画面である。図294は、連動メンテナンス機能による処理を概念的に示した概念図である。図295は、遊技システム15001における連動メンテナンス機能の処理の流れを示すフローチャートである。
図293は、図274に示したメンテナンスモードメニュー16171において、タブメニュー(連動)16174をタッチした場合に表示されるメンテナンスモードメニュー16201である。このメンテナンスモードメニュー16201では、連動メンテナンス機能に係るメニューが示されている。
メンテナンスモードメニュー16201には、タイトル表示部16202が表示され、その下部に、タブメニュー(単体)16203、タブメニュー(連動)16204、及び「終了」ボタン16205が配置される。
さらに、この下には、タブメニュー(連動)16204をタッチした場合に表示されるメンテナンスメニュー表示エリア16206が配置される。このメンテナンスメニュー表示エリア16206には、連動メンテナンス機能を実行するボタンが表示され、具体的には、「カード1枚排出」ボタン、「カード指定排出」ボタン、「履歴確認」ボタン、「RWクリーニング」ボタン、「紙幣挿入テスト」ボタン、「試打開始」ボタン、「解除」ボタン、「稼働状況」ボタン、「設定値情報」ボタン、及び「再起動」ボタンが表示されている。
図293に示したメンテナンスモードメニュー16201は、貸出ユニット15024が「閉店状態」で、かつ、カードサーバ15100と接続中である場合(図259参照)の表示であり、「紙幣挿入テスト」ボタン、及び「試打開始」ボタンは無効(タッチできない状態)となっており、当該ボタンがグレーアウトされる(例えば、ボタンの輝度を減少させ、かつ、カラー表示から白黒(またはグレースケール)表示に変更する)。図293では、その状態を、当該ボタンのエリアをハッチングすることで表している。
また、貸出ユニット15024が「開店状態」で、かつ、カードサーバ15100と接続中である場合(図259参照)、「解除」ボタンだけが選択可能であり、貸出ユニット15024が「テスト開店状態」で、かつ、カードサーバ15100と接続中である場合(図259参照)、「紙幣挿入テスト」ボタン、「試打開始」ボタン、及び「解除」ボタンが選択可能となる。
メンテナンスモードメニュー16201に表示された各ボタンにより実行される機能は、基本的に図274の単体モードにおけるメンテナンスモードメニュー16171に示した、対応するボタンと同じ機能であるが、ここでは、1つの貸出ユニット15024の操作ユニット15409で表示されたメンテナンスモードメニュー16201でボタンをタッチすると、その機能が、指定されたグループに属する貸出ユニット15024すべてに適用される。
例えば、「カード1枚排出」ボタンをタッチすると、貸出ユニット15024のカード収納部15323に収納されているビジターカード用のICカードが1枚、カード挿入口15321から排出されるが、この動作が、指定されたグループに属する貸出ユニット15024のそれぞれで行われる。こうした連動メンテナンス機能により、遊技店のスタッフ等は、貸出ユニット15024のそれぞれに対してメンテナンスのための操作を行う必要がなくなり、作業負荷の大幅な軽減につながる。
ただし、「RWクリーニング」ボタンがタッチされた場合のように、結局、それぞれの貸出ユニット15024に専用のクリーニングカードを挿入し、案内表示において「実行」ボタンをタッチして回る必要がある操作もある。それでも、個別に(鍵穴15324に鍵を挿入して)メンテナンスモードメニュー16171を表示させ、「RWクリーニング」ボタンをタッチする動作を省略できるため、いずれにせよ作業負荷の軽減につながる。
また、単体モードでは、「試打開始」ボタンのタッチにより開始された試打モードは、「試打終了」ボタンのタッチで終了するようになっているが、連動モードでは、「試打開始」ボタンのタッチにより、複数の貸出ユニット15024で開始された試打モードは、「解除」ボタンのタッチにより、終了する。また、「紙幣挿入テスト」ボタンのタッチにより開始された紙幣挿入テストモードも、「解除」ボタンのタッチにより、終了する。
さらに、それぞれの貸出ユニット15024の操作ユニット15409において、連動モードにより、例えば、図274に示すようなメンテナンスモードメニュー16171が表示されている場合、(1つの貸出ユニット15024において、)「解除」ボタンをタッチすると、そのメンテナンスモードメニュー16171の表示が終了して、図260に示すような操作メニュー16001に遷移する。これは、例えば、図274のメンテナンスモードメニュー16171において、「終了」ボタン16175のタッチがシミュレートされた状態と同じである。
図294には、カードサーバ15100と、これに接続された複数の貸出ユニット15024が例示されている。なお、この例では、それぞれの貸出ユニット15024に接続されているメダルレス機15014の表示は省略した。図294の貸出ユニット15024としては、列ID=1の貸出ユニット(15024-1a~15024-1d)、列ID=2の貸出ユニット(15024-2a~15024-2d)、列ID=3の貸出ユニット(24-3a~24-3d)が示されている。
図253の例では、1つの島に複数のメダルレス機15014が配置され、それぞれのメダルレス機15014に、対応する貸出ユニット15024が接続されている。1つの島では、メダルレス機15014と対応する貸出ユニット15024の組が複数、一列に並べられ、その組と背中合わせに、別の組が一列に並べられている。上記の列IDは、こうした列を指すものであり、図294に示した例では、島Aは、列ID=1に属する組(メダルレス機15014と対応する貸出ユニット15024の組)と、列ID=2に属する組(メダルレス機15014と対応する貸出ユニット15024の組)を含むように構成され、列ID=1に属する組と列ID=2に属する組は、背中合わせに配置されている。また、島Bは、列ID=3に属する組(メダルレス機15014と対応する貸出ユニット15024の組)と、列ID=4に属する組(メダルレス機15014と対応する貸出ユニット15024の組)を含むように構成され、列ID=3に属する組と列ID=4に属する組は、背中合わせに配置されている。
図294では、この構成において、貸出ユニット15024-1aから指示操作(例えば、連動モードのメンテナンスモードメニュー16201で、「カード1枚排出」ボタンをタッチ)を行った場合の処理が示されている。貸出ユニット15024-1aから指示操作により、その指示操作に応じた連動メンテナンス要求がカードサーバ15100に送信され、この連動メンテナンス要求を受信したカードサーバ15100は、送信元の貸出ユニット15024が貸出ユニット15024-1aでの指示操作によるものであると判定する。
次に、カードサーバ15100は、カードサーバ15100自身が記憶している設定値から、貸出ユニット15024-1aが属しているグループのグループIDを取得し、さらに、そのグループIDに属する貸出ユニット15024を特定する。ここでは、グループが列IDごとに構成されるものとし、列ID=1の貸出ユニット15024は、グループID=1のグループに属し、列ID=2の貸出ユニット15024は、グループID=2のグループに属し、列ID=3の貸出ユニット15024は、グループID=3のグループに属し、列ID=4の貸出ユニット15024は、グループID=4のグループに属する。
そこで、カードサーバ15100は、連動メンテナンス機能により、貸出ユニット15024-1aと同じグループ(すなわち、グループID=1)の貸出ユニット(15024-1a~15024-1d)に対して(連動メンテナンスに係る)クライアント要求を送信し、その結果、それぞれの貸出ユニット15024で、貸出ユニット15024-1aの指示操作に応じた、カード1枚の排出が行われる。これは、それぞれの貸出ユニット(15024-1a~15024-1d)のメンテナンスモードメニュー16201で「カード1枚排出」ボタンがタッチされた場合と同じ処理である。このように、連動メンテナンス機能を用いれば、1つの貸出ユニット15024において操作を行うだけで、個別に(鍵穴15324に鍵を挿入して)メンテナンスモードメニュー16171を表示させ、「カード1枚排出」ボタンをタッチする動作を省略できるため、遊技店のスタッフ等の作業が軽減される。
また、遊技店のスタッフ等が連動モードで指示操作を行った貸出ユニット15024(例えば、ここでは、貸出ユニット15024-1a)に対しては、カードサーバ15100からのクライアント要求ではなく、遊技店のスタッフ等による単体モードで指示操作により動作させるようにしてもよい。
このような連動メンテナンス機能により、グループID=1の貸出ユニット(15024-1a~15024-1d)に対して、上記のように、「カード1枚排出」ボタンがタッチされた場合と同じ処理がされると、カード収納部15323にICカードがある場合は、一斉にカード挿入口15321からICカードが排出され、カード収納部15323にICカードがない場合は、排出されるカードがない旨のメッセージが操作ユニット15409に表示される。
また、この例では、それぞれの列を1つのグループ(連動モードでの指示操作を有効にするグループ)に対応付けているが、そのグループを複数の列IDに拡張してもよいし、1つの例IDのなかの特定の貸出ユニット15024に限定してもよい。また、列への属否に関わらず、様々な列IDに属する貸出ユニット15024を個別に選択してグループ化してもよい。こうした、グループIDと貸出ユニット15024の対応付けは、上記のように、例えば、設定値として、カードサーバ15100において管理・記憶される。
また、カードサーバ15100の操作ユニットにおいて、連動モードのメンテナンスモードメニュー1201を表示させ、例えば、「紙幣挿入テスト」ボタン、「試打開始」ボタン、「解除」ボタンをタッチして、特定の連動メンテナンス機能を実行することもできる。
図295には、図294に示したカードサーバ15100、貸出ユニット15024-1a、貸出ユニット15024-1b、貸出ユニット15024-2aの処理フローがそれぞれ示されている。最初に、貸出ユニット15024-1aにおいて、遊技店のスタッフ等が、連動メンテナンス機能に係る指示操作(例えば、連動モードのメンテナンスモードメニュー1201で、「カード1枚排出」ボタンをタッチ)を行うと(ステップS5521)、ステップS5522において、連動メンテナンス要求をカードサーバ15100に送信する。
カードサーバ15100は、貸出ユニット15024-1aから連動メンテナンス要求を受信すると、これに応じて、ステップS5523において、連動メンテナンス応答を送信する。連動メンテナンス要求には、例えば、上述した指示操作(例えば、連動メンテナンス機能の1つである「カード1枚排出」)を表す種別が含まれており、連動メンテナンス応答には、受付の成否を表すデータが含まれている。貸出ユニット15024-1aは、ステップS5524において、カードサーバ15100からの連動メンテナンス応答を受信する。
カードサーバ15100は次に、ステップS5525において、ステップS5523で受信した連動メンテナンス応答に応じたクライアント要求を、貸出ユニット15024-1aに送信し、貸出ユニット15024-1aは、ステップS5526で、そのクライアント要求を受信する。このクライアント要求には、例えば、上述した指示操作(例えば、連動メンテナンス機能の1つである「カード1枚排出」)を表す種別が含まれている。
貸出ユニット15024-1aは、ステップS5524において連動メンテナンス応答を受信し、この内容が受付成功を表すものである場合、連動待ち状態となり、カードサーバ15100からのクライアント要求の受信待機状態となる。ここで、ステップS5524における連動メンテナンス応答の受信から所定の時間(例えば、10秒)が経過しても、ステップS5526においてクライアント要求が受信できない場合は、カードサーバ15100やネットワーク等に障害が発生した可能性があり、連動待ち状態を解除し、操作ユニット15409等にエラー報知等を行う。
貸出ユニット15024-1aは、ステップS5526において、正常にクライアント要求を受信すると、ステップS5527において、受信したクライアント要求に対応するクライアント要求応答をカードサーバ15100に送信し、その後、ステップS5528において、連動メンテナンス処理(例えば、連動メンテナンス機能の1つである「カード1枚排出」)を実行する。
カードサーバ15100は、ステップS5529において、貸出ユニット15024-1aからのクライアント要求応答を受信すると、ステップS5530において、貸出ユニット15024-1aと同じグループである貸出ユニット15024-1bに対して、クライアント要求を送信する。このクライアント要求は、貸出ユニット15024-1aに送信されたものと同様、上述した指示操作(例えば、連動メンテナンス機能の1つである「カード1枚排出」)を表す種別が含まれる。
貸出ユニット15024-1bは、ステップS5531において、正常にクライアント要求を受信すると、ステップS5532において、受信したクライアント要求に対応するクライアント要求応答をカードサーバ15100に送信し、その後、ステップS5533において、連動メンテナンス処理(例えば、連動メンテナンス機能の1つである「カード1枚排出」)を実行する。
カードサーバ15100は、ステップS5534において、貸出ユニット15024-1bからのクライアント要求応答を受信すると、その後、貸出ユニット15024-1aと同じグループである他の貸出ユニット15024(図294に示す例では、貸出ユニット15024-1c、15024-1d)に対してクライアント要求を送信するが、ここでは、他の貸出ユニット15024については省略する。
また、上記のように、連動メンテナンス要求を送信した(すなわち、遊技店のスタッフ等が連動モードで指示操作をした)貸出ユニット15024-1aに関しては、連動メンテナンス応答を受信した場合に連動待ち状態となり、その後、クライアント要求を受信すると、連動メンテナンス処理を実行するが、当該グループの他の貸出ユニット15024(例えば、貸出ユニット15024-1b)では、連動待ち状態でなくても、クライアント要求を受信した場合に連動メンテナンス処理を実行する。
なお、図295の例では、貸出ユニット15024-1aからクライアント要求応答を受信した後に、貸出ユニット15024-1bへのクライアント要求を送信するようにしているが、例えば、ステップS5525において、貸出ユニット15024-1aにクライアント要求を送信するタイミングで、当該グループの他の貸出ユニット15024(貸出ユニット15024-1b~15024-1d)に対してクライアント要求を送信するようにしても良い。
また、図295では、貸出ユニット15024-2aが示されているが、貸出ユニット15024-1aと同じグループではないため、貸出ユニット15024-1aにおける連動モードでの指示操作には一切影響を受けない。
ここまで、図293ないし図295を参照して、連動メンテナンス機能について説明してきたが、上述のように、貸出ユニット15024を含む遊技システム15001の上記構成は、管理遊技機対応貸出ユニット15023を含む遊技システム15001の構成として実現することができる。
[1-23.操作メニューGUI制御機能]
次に、上記で説明した図260、及び図261に加え、図296、及び図297を参照して、開店状態である貸出ユニット15024に係る操作メニューGUI制御機能について説明する。
図260に関して説明したように、操作メニュー16001の操作ボタンエリア16005に表示される「メダル貸出」ボタンは、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている残高が0より大きい場合に(すなわち、情報表示エリア16004に表示された残高が0でない場合に)、有効(タッチ操作が可能)になる。
図260に関して説明したように、操作メニュー16001の操作ボタンエリア16005に表示される「カード返却」ボタンは、カード挿入口15321から会員カードが挿入された場合、操作が有効になる。また、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている残高や持ちメダル数が0でない場合(すなわち、情報表示エリア16004に表示された残高と持ちメダルの少なくともいずれかが0でない場合)、ビジターカードが挿入されているか否かにかかわらず、タッチ操作が可能になる。
図260に関して説明したように、操作メニュー16001の操作ボタンエリア16005に表示される「持ちメダル払出」ボタンは、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている持ちメダル数が0でない場合(すなわち、情報表示エリア16004に表示された持ちメダル数が0でない場合)、操作が有効になる。
図260に関して説明したように、操作メニュー16001の操作ボタンエリア16005に表示される「持ちメダル全払出」ボタンは、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている持ちメダル数が0でない場合(すなわち、情報表示エリア16004に表示された持ちメダル数が0でない場合)、操作が有効になる。
図260に関して説明したように、操作メニュー16001の操作ボタンエリア16005に表示される「持ちメダル共有」ボタンは、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている持ちメダル数が所定数以上である場合(すなわち、情報表示エリア16004に表示された持ちメダル数が所定数以上である場合)、操作が有効になる。
図260に関して説明したように、操作メニュー16001の操作ボタンエリア16005に表示されている「第1休憩」ボタンは、常に操作が有効になる。
また、図260に関して説明したように、操作メニュー16001の操作ボタンエリア16005に表示される「貯メダル再プレイ」ボタンは、貸出ユニット15024において、挿入された会員カードに関連付けられた貯メダルがある場合に、操作が有効になる。なお、図260(B)に示すように、このボタンは、貯メダルがある場合に、図260(A)に示した「持ちメダル払出」ボタンに代えて表示される。
このように、操作メニュー16001の操作ボタンエリア16005に表示される各操作ボタンは、条件に応じて操作が有効か否かが判定され、有効であれば、(基本的に)高輝度のカラー表示で表示され、一方、無効であれば、同じ位置で、グレースケール表示(低輝度の白黒表示で表示)され、タッチしても反応しないように制御される。
ただし、高輝度のカラー表示で表示された操作ボタンであっても、タッチしてからさらに条件の判定が行われ、結果的に、当該操作ができない旨のメッセージが情報表示エリア16004に表示される場合がある。例えば、「カード返却」ボタンは、貸出ユニット15024の記憶部15404に記憶されている残高や持ちメダル数が0でない場合、タッチが受け付けられるが、貸出ユニット15024の残高が0であって、貸出ユニット15024の持ちメダル数とメダルレス機15014の貯留メダル数との合計が所定数以下の場合は、例えば、カードの返却ができない旨のメッセージが情報表示エリア16004に表示される。
図296には、貸出ユニット15024に記憶されている残高と持ちメダル数、及び会員カードに関連付けられた貯メダル数の各パターンにおける操作メニュー(16001a~16001d)のボタン表示が示されている。
図296(A)の操作メニュー16001aでは、残高あり(1000円)、持ちメダルなし、貯メダルなしのパターンが示されている。このとき、持ちメダルと貯メダルがないので、「持ちメダル払出」ボタン、「持ちメダル全払出」ボタン、及び「持ちメダル共有」ボタンが、それぞれ無効(タッチしても反応しない状態)となっており、これらのボタンがグレーアウトされる(例えば、ボタンの輝度を減少させ、かつ、カラー表示から白黒(またはグレースケール)表示に変更する)。図296(A)では、その状態が、当該ボタンのエリアを斜線のハッチングで表示することにより表されている。他のボタンは有効であり、これらのボタンは高輝度のカラー表示で強調表示される。図296(A)では、その状態が、当該ボタンのエリアをハッチング表示しないことにより表わされている。
図296(B)の操作メニュー16001bでは、残高あり(1000円)、持ちメダルあり(250枚)、貯メダルなしのパターンが示されている。このとき、残高と持ちメダルがあって、貯メダルがないので、「持ちメダル払出」ボタンが表示され、全ボタンが選択可能な状態である。ただし、ここでは、メダルレス機15014にメダルを提供する方法が、残高と持ちメダルの2通りあって、この場合に、残高より持ちメダルによるメダル提供が優先(推奨)されるように、「メダル貸出」ボタンが、選択は可能であるものの、やや目立たない非強調表示(例えば、中程度の輝度で、白っぽく加工したカラー表示)で表している。図296(B)では、その状態が、当該ボタンのエリアを縦線のハッチングで表示することにより表わされている。他のボタンは、強調表示となっている。
図296(C)の操作メニュー16001cでは、残高あり(1000円)、持ちメダルなし、貯メダルあり(1000枚)のパターンが示されている。このとき、貯メダルがあるので、「貯メダル再プレイ」ボタンが表示され、持ちメダルがないので、「持ちメダル全払出」ボタン、及び「持ちメダル共有」ボタンが無効となっており、それぞれ斜線のハッチングで表示されている。また、ここでは、メダルレス機15014にメダルを提供する方法が、残高と貯メダルの2通りあって、この場合に、残高よりも貯メダルを利用したメダル提供が優先(推奨)されるように、「メダル貸出」ボタンが、選択は可能であるものの、やや目立たない非強調表示で(ここでは、縦線のハッチングの表示により)表わされている。
図296(D)の操作メニュー16001dでは、残高あり(1000円)、持ちメダルあり(500枚)、貯メダルあり(1000枚)のパターンが示されている。このとき、貯メダルがあるので、「貯メダル再プレイ」ボタンが表示される。また、持ちメダルがあるので、「持ちメダル共有」ボタンが有効になっている。また、ここでは、メダルレス機15014にメダルを提供する方法が、残高、持ちメダル、貯メダルの3通りあって、この場合に、「持ちメダル払出」ボタンに代えて「貯メダル再プレイ」ボタンが表示され、「持ちメダル全払出」ボタンは無効にされるため、持ちメダルの利用はできない。また、残高よりも貯メダルを利用したメダル提供が優先(推奨)されるように、「メダル貸出」ボタンが、選択は可能であるものの、やや目立たない非強調表示で(ここでは、縦線のハッチングの表示により)表わされている。
このように、本実施形態では、遊技者が保持する残高、持ちメダル数、貯メダル数に応じて、操作メニューで操作可能な操作ボタンが調整される。また、複数の方法でメダルの提供が可能な場合に、貯メダル、持ちメダル、残高(を用いた貸出)の順に操作が行われるように誘導するため、3段階の表示態様で操作ボタンを表示する。すなわち、優先(推奨)する操作ボタンを強調表示にする一方、選択できない操作ボタンを設定してそれをグレーアウト表示とし、さらに、選択可能ではあるが、強調表示の他の操作ボタンに目を向けさせるように、所定の操作ボタンを非強調表示で表示する。なお、このような操作ボタンの3段階の表示態様や、メダルの提供方法に係る優先順等に関しては、様々なバリエーションを設けることができ、ここで示した実施形態は一例にすぎない。
さらに、図296(C)の操作メニュー16001cで、貯メダルに関し「非表示」ボタンをタッチすると、図297(A)の操作メニュー16001eに示すように、「非表示」ボタンが「表示」ボタンに変化し、貯メダル数を表した「1000枚」の表示が、「****枚」の表示に変わる。これは、遊技者が、今回の遊技において貯メダルの存在を考慮しないようにし、さらに、貯メダル数を他の遊技者等に知られないようにするためである。なお、操作メニュー16001eに貯メダル数が「****枚」と表示されている場合、それを見た者であれば、当該遊技者がいくらかの貯メダルを有していることを把握することができる。
また、図297(A)の操作メニュー16001eに示すように、遊技者の操作により「非表示」ボタンが「表示」ボタンに変化した場合、貯メダルが存在しないものとして扱われるため、図296(C)の操作メニュー16001cで示されていた「貯メダル再プレイ」ボタンが「持ちメダル払出」に変わるとともに操作不能なグレーアウト表示となり、それに関連して、「メダル貸出」ボタンが、非強調表示から強調表示に変化する。
また、図296(D)の操作メニュー16001dで、貯メダルに関し「非表示」ボタンをタッチすると、図297(B)の操作メニュー16001fに示すように、「非表示」ボタンが「表示」ボタンに変化し、貯メダル数を表した「1000枚」の表示が、「****枚」の表示に変わる。これは、遊技者が、今回の遊技において貯メダルの存在を考慮しないようにし、さらに、貯メダル数を他の遊技者等に知られないようにするためである。なお、操作メニュー16001fに貯メダル数が「****枚」と表示されている場合、それを見た者であれば、当該遊技者がいくらかの貯メダルを有していることを把握することができる。
また、図297(B)の操作メニュー16001fに示すように、遊技者の操作により「非表示」ボタンが「表示」ボタンに変化した場合、貯メダルが存在しないものとして扱われるため、図296(D)の操作メニュー16001dで示されていた「貯メダル再プレイ」ボタンが「持ちメダル払出」に変わり(強調表示のまま)、それに関連して、「持ちメダル全払出」ボタンが、グレーアウト表示から強調表示に変化する。
このように、本実施形態では、(会員カードを用いて遊技を行う)遊技者が、貯メダルを用いて遊技するか否かを選択することができ、貯メダルでの遊技を選択しない場合は、貯メダル数の表示をしないようにすることができる。また、貯メダルを使用するか否かに応じて、操作メニューで操作可能な操作ボタンが調整され、また、操作ボタンの表示態様が調整される。なお、このような操作ボタンの表示態様に関しては、様々なバリエーションを設けることができ、ここで示した実施形態は一例にすぎない。
ここまで、図260、図261、図296、及び図297を参照して、操作メニューGUI制御機能について説明してきたが、上述のように、貸出ユニット15024の上記構成は、管理遊技機対応貸出ユニット15023の構成として実現することができる。
上記の通り、図253~図297を参照して、第18実施形態に係る貸出ユニット15024、管理遊技機対応貸出ユニット15023、及び遊技システム15001の機能について説明してきたが、これらの機能を実現するための構成は例示に過ぎず、他の様々な構成によって、本願の技術的思想を具現化することができる。また、ここまで説明してきた各機能を実現するための構成を適宜組み合わせて、貸出ユニット15024、管理遊技機対応貸出ユニット15023、または遊技システム15001を構成することができる。
また、本実施形態に係る貸出ユニット15024、管理遊技機対応貸出ユニット15023、及び遊技システム15001の機能、構成に対し、第1実施形態~第17実施形態で説明した構成の少なくとも一部を、必要に応じて適用することができる。
<第19実施形態>
本発明の第19実施形態にかかる遊技システムにおける管理遊技機15013について、前述の図7、図8を参照して説明する。
[2-1.遊技フロー]
図7は、遊技フローの一例である。図8は、遊技状態の遷移を示す遊技状態遷移図の一例である。なお、図7に示される遊技フローは、制御上のフローではなく、外観で把握できるフローである。
図7に示されるように、パチンコゲームでは、遊技者等のユーザー操作により遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞口(例えば、第1始動口)に入賞した場合に、枠制御部によって、遊技球の払出制御処理が行われる。パチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲームと、普通図柄を用いる普通図柄ゲームとが含まれる。特別図柄ゲームとは、例えば、始動口への遊技球の入賞に基づいて特別図柄の当り判定処理を実行し、大当り遊技状態に移行させるか否か等を決定するゲームである。また、普通図柄ゲームとは、例えば、通過ゲートへの遊技球の通過に基づいて普通図柄の当り判定処理を実行し、普通電動役物を作動させて入賞口(例えば、第2始動口)を開放状態とするか否か等を決定するゲームである。なお、これ以降、この明細書において、「特別図柄ゲーム」を「遊技」と称する場合もあるが、「遊技」は広い概念で用いられる用語であり、例えば、普通図柄ゲームや演出ボタン等の操作部を使用する演出上のゲーム等も「遊技」に含まれる。
また、この明細書の以降の記載において、特別図柄の可変表示が開始されてから、この可変表示が終了して特別図柄の当り判定処理の結果が確定表示(導出)されるまで(より詳しくは、特別図柄確定時間が経過するまで)を1回の特別図柄ゲームとする。ただし、特別図柄の当り判定処理の結果が導出された後、大当り遊技状態に制御された場合は、大当り遊技状態の終了までを1回の特別図柄ゲームとする。なお、一の管理遊技機15013では小当りが特別図柄の当り判定処理の結果に含まれないが、小当りが特別図柄の当り判定処理の結果に含まれる他の管理遊技機15013では、特別図柄の当り判定処理の結果が導出された後、小当り遊技状態に制御された場合、小当り遊技状態の終了までを1回の特別図柄ゲームとする。
特別図柄ゲームにおいて大当りを示す停止表示態様が第1特別図柄表示部(不図示)または第2特別図柄表示部(不図示)に導出されると、大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態では、特別電動役物(不図示)の作動によって大入賞口(不図示)が所定時間(例えば最大30000msec)にわたって開放状態となるラウンド遊技が実行され、大入賞口への入賞可能性が相対的に高められる。
また、普通図柄ゲームにおいて普通図柄当りを示す停止表示態様が普通図柄表示部(不図示)に導出されると、普通電動役物(不図示)の作動によって入賞口(例えば、第2始動口)が開放状態となり、例えば第2始動口への入賞可能性が相対的に高められる。
なお、パチンコゲームにおいて実行可能なゲームは、特別図柄ゲーム、及び普通図柄ゲームに限られず、これらとは別の新たなゲームを実行可能であってもよい。
以下、特別図柄ゲーム、及び普通図柄ゲームの遊技フローの概要を説明する。
[2-1-1.特別図柄ゲーム]
図7に示されるように、特別図柄ゲームには、主として、第1始動口または第2始動口への入賞(通過)があった場合に行われる特別図柄始動入賞処理、及び特別図柄の始動条件が成立したことに基づいて行われる特別図柄制御処理、等が含まれる。
第1始動口または第2始動口への遊技球の入賞があった場合、特別図柄始動入賞処理が行われる。この特別図柄始動入賞処理では、特別図柄用の各種カウンタ(例えば、大当り判定用カウンタ、図柄決定用カウンタ等)から特別図柄に係る各種データ(例えば、大当り判定用乱数値、図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、及び演出選択用乱数値等の各種乱数値等)がそれぞれ抽出(取得)される。抽出された各乱数値は始動情報として保留される。この特別図柄始動入賞処理は、特別図柄制御処理の実行中であっても行われる。
また、特別図柄制御処理では、特別図柄の始動条件が成立したか否かが判定される。特別図柄の始動条件が成立すると、特別図柄の大当り判定用カウンタから抽出された大当り判定用乱数値を参照し、「大当り」であるか否かを判定する特別図柄の当り判定処理が行われる。その後、停止図柄を決定する停止図柄決定処理が行われる。停止図柄決定処理では、特別図柄の図柄決定用カウンタから抽出された図柄決定用乱数値と、特別図柄の当り判定処理の結果とを参照し、停止表示させる特別図柄が決定される。
なお、本実施例では、確変フラグがオンであれば確変制御が実行される。上記の特別図柄の当り判定処理では、確変フラグがオフの場合は相対的に低い確率で「大当り」であると判定され、確変フラグがオンの場合は相対的に高い確率で「大当り」であると判定される。以下、この明細書において、「大当り」であると判定される確率を「大当り確率」と称する。
なお、確変フラグは、メインRAM(例えば、メダルレス機15014の主制御基板15211に搭載されるメインRAMに対応する)に格納される管理フラグの一つであり、確変制御を実行するか否かを管理するためのフラグである。確変フラグがオンの場合、確変制御が実行される遊技状態(例えば本実施例では高確時短遊技状態)において遊技が進行する。一方、確変フラグがオフの場合、確変制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態や低確時短遊技状態)において遊技が進行する。
次いで、特別図柄の変動パターン決定処理が行われる。この処理では、変動パターン決定用カウンタから乱数値を抽出し、その乱数値と、上述した特別図柄の当り判定処理の結果と、上述した停止表示させる特別図柄とを参照し、特別図柄の変動パターン(可変表示パターン)が決定される。そして、特別図柄の変動パターン決定処理の結果に基づいて特別図柄の可変表示制御処理が行われる。
特別図柄の変動パターンが決定されると、次に演出パターンを決定するための演出パターン決定処理が行われる。そして、演出パターン決定処理の結果に基づいて、表示装置の表示領域に表示される、例えば装飾図柄やキャラクタ演出等の表示演出、及びスピーカから出力される音声や効果音等の音演出等の演出制御処理が行われる。なお、演出制御処理はサブCPU(例えば、メダルレス機15014の副制御基板15212に搭載されるサブCPUに対応する)によって行われる。
そして、特別図柄の可変表示制御処理、及び演出制御処理が終了し、大当りである場合、大当り遊技制御処理が行われる。大当り遊技制御処理は、大当り遊技状態において実行される処理である。大当り遊技状態が終了すると、特別図柄ゲームが終了し、大当りでない非大当り遊技状態への遊技状態移行制御処理が行われる。この場合、大当りの種類に応じて遊技状態が移行する。例えば、確変フラグ、及び時短フラグのいずれもがオンにセットされる大当り種類である場合、大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に移行する。
一方、大当りでないすなわちハズレである場合、特別図柄ゲームが終了する。なお、上述した一の管理遊技機15013では特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれないが、特別図柄の当り判定処理の結果に小当りが含まれる上述した他の管理遊技機15013では、小当りに当選すると小当り遊技制御処理が行われる。また、図7には示されていないが、後述する時短当りである場合は、時短遊技状態に移行する。
そして、特別図柄の始動条件が成立する都度、上述した特別図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、特別図柄制御処理中に始動口への遊技球の入賞があった場合、特別図柄始動入賞処理が実行される。また、始動口への遊技球の入賞時に抽出される特別図柄の始動情報(例えば、大当り判定用乱数値、特別図柄の図柄乱数値、リーチ判定用乱数値、及び演出選択用乱数値等の各種乱数値等の各種データ)を、特別図柄の始動条件が成立するまで保留する。
また、上述した一の管理遊技機15013では、第1特別図柄の始動情報の4個と第2特別図柄の始動情報の4個とで合計最大8個まで特別図柄の始動情報を保留することができるが、保留できる特別図柄の始動情報の数はこれに限られない。例えば、第1特別図柄の始動情報を第2特別図柄の始動情報よりも多く保留できるようにしてもよいし、第2特別図柄の始動情報を第1特別図柄の始動情報よりも多く保留できるようにしてもよい。
また、図7には示されていないが、特別図柄が始動入賞してから特別図柄の始動条件が成立するまでの間に、始動口への遊技球の入賞(通過)時に抽出された始動情報に基づいて当落(「大当り」当選の有無)や変動パターンを特別図柄の当り判定処理に先だって判定する先読み判定を行い、この先読み判定の結果に基づいて所定の演出を行う先読み演出機能を備えるようにしてもよい。なお、上記の先読み判定は、始動口への遊技球の入賞によって抽出された始動情報が保留される前に行ってもよいし、保留された後に行ってもよい。
[2-1-2.普通図柄ゲーム]
図7に示されるように、普通図柄ゲームには、主として、通過ゲートへの遊技球の通過があった場合に行われる普通図柄始動通過処理、及び普通図柄の始動条件が成立したことに基づいて行われる普通図柄制御処理、等が含まれる。
通過ゲートへの遊技球の通過があった場合、普通図柄始動通過処理が実行される。この普通図柄始動通過処理では、普通図柄用の当り判定用カウンタから普通図柄の始動情報(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)を抽出(取得)し、抽出した始動情報を保留する。
また、普通図柄制御処理では、メインCPU(例えば、メダルレス機15014の主制御基板15211に搭載されるメインCPUに対応する)は、普通図柄の始動条件が成立したか否かを判定する。普通図柄の可変表示を開始する場合、メインCPUは、普通図柄用の当り判定用カウンタから抽出された普通図柄の当り判定用乱数値を参照し、「普通図柄当り」とするか否かの普通図柄の当り判定処理を実行し、その後、変動パターン決定処理を実行する。この処理では、普通図柄の当り判定処理の結果が参照され、普通図柄の変動パターンが決定される。
次いで、メインCPUは、普通図柄の当り判定処理の結果、及び決定された普通図柄の変動パターンを参照し、普通図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、及び所定の演出を行う演出制御処理を実行する。なお、演出制御処理は実行されない場合もある。
そして、普通図柄の可変表示制御処理、及び演出制御処理が終了すると、メインCPUは、「普通図柄当り」を示す普通当り図柄が普通図柄表示部に導出されたか否かを判定する。普通当りを示す停止表示態様が導出されたと判定すると、メインCPUは、普通図柄当り遊技制御処理を実行する。この普通図柄当り遊技制御処理では、普通電動役物が作動し、入賞口(例えば、本実施例では例えば第2始動口)への遊技球の入賞(通過)が可能または容易な開放状態となる。一方、普通当りを示す停止表示態様が導出されなかったと判定すると、メインCPUは、普通図柄当り遊技制御処理を実行せず、普通図柄制御処理を終了する。
なお、時短制御が実行されない遊技状態(例えば、通常遊技状態)では、普通当りを示す停止表示態様が導出される確率を0にしてもよい。時短制御は、時短制御が実行されていないときと比べて、特別図柄の可変表示時間を短縮させる特図短縮制御、及び普通電動役物を作動させて入賞口(本実施例では例えば第2始動口)を開放状態とする頻度を高める電サポ制御、のうち少なくともいずれか一方が行われる制御が相当する。この時短制御は、特図短縮制御、及び電サポ制御の両方を行う制御としてもよいし、特図短縮制御、及び電サポ制御のうちいずれか一方のみを行う制御としてもよい。
電サポ制御は、「普通図柄当り」の当選確率、普通図柄の可変表示時間、及び普通電動役物の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間)のうち少なくともいずれかの時短性能を向上させる制御である。時短性能とは、入賞口(例えば、本実施例では第2始動口)への遊技球の入賞の容易さを変更する性能であって、「普通図柄当り」の当選確率、普通図柄の可変表示時間、または/及び普通電動役物の開放パターン(開放回数、開放時間、ウェイト時間等)等をいう。また、時短性能を向上させるとは、例えば、入賞口(例えば、本実施例では例えば第2始動口)への遊技球の入賞をより容易にすることである。すなわち、電サポ制御が実行されると、電サポ制御が実行されていない場合と比べて、「普通図柄当り」の当選確率アップ、普通図柄の可変表示時間の短縮、または/及び普通電動役物による入賞容易化(開放回数アップ、開放時間延長、ウェイト時間短縮等)が行われる。
そして、普通図柄の始動条件が成立する都度、上述した普通図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、普通図柄制御処理中に通過ゲートへの遊技球の通過があった場合、普通図柄始動通過処理が実行される。また、通過ゲートへの遊技球の通過時に抽出される普通図柄の始動情報(例えば、普通図柄の当り判定用乱数値等)を、普通図柄の始動条件が成立するまで保留する。
なお、普通図柄の可変表示の開始は保留された順に行われ、普通図柄の始動条件が成立すると、保留されている普通図柄の始動情報のうち最先で保留された始動情報についての可変表示を実行する。
なお、各種乱数値(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、第1特別図柄の図柄乱数値、第1特別図柄のリーチ判定用乱数値、第2特別図柄の大当り判定用乱数値、第2特別図柄の図柄乱数値、第2特別図柄のリーチ判定用乱数値、及び普通図柄の当り判定用乱数値等)の抽出方式は、メインCPUによりプログラムを実行することによって所定の範囲(幅)内で乱数値を生成するソフト乱数方式を用いてもよいし、所定周期で乱数が更新される乱数発生器におけるカウンタから乱数値を抽出するハード乱数方式を用いてもよい。
[2-1-3.遊技状態遷移]
図8に示されるように、遊技の状態は、非大当り遊技状態と大当り遊技状態とに大別することができる。非大当り遊技状態では、上述したとおり特別図柄ゲームを実行し、特別図柄の当り判定処理の結果として大当りが導出されると、非大当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態では、上述したとおりラウンド遊技が実行され、特別図柄の可変表示は実行されない。ただし、普通図柄の可変表示については、大当り遊技状態であっても実行可能とされている。なお、小当り遊技状態についての説明は省略するものとする。
非大当り遊技状態は、特別図柄の当り判定処理における大当りの当選確率が相対的に低い低確率状態と、特別図柄の当り判定処理における大当りの当選確率が相対的に高い高確遊技状態と、に大別することができる。
高確遊技状態には、時短制御が実行される高確時短遊技状態(高確高ベース)が含まれる。なお、上述した一の管理遊技機15013における高確遊技状態には含まれないが、図8に示されるように、時短制御が実行されない高確非時短遊技状態(高確低ベース状態)が高確遊技状態に含まれる場合もある。
低確率状態には、時短制御が実行されない通常遊技状態(低確低ベース)と、時短制御が実行される時短遊技状態(低確高ベース)とが含まれる。
さらに、時短遊技状態には、A時短遊技状態と、B時短遊技状態と、C時短遊技状態とが含まれる。
A時短遊技状態は、特定の大当り遊技状態の終了後に移行可能な時短遊技状態であって、規定回数の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、A時短遊技状態が終了する。規定回数の特別図柄ゲームが実行されることによってA時短遊技状態が終了すると、原則として、通常遊技状態に移行する。
B時短遊技状態は、例えば、大当り遊技状態が終了し、非高確遊技状態(すなわち確変フラグがオフである遊技状態)における特別図柄の可変表示が開始されたことや、後述するRAMクリアされたこと等を起点とする特別図柄の可変表示回数(例えば、天井カウンタ)が天井値(例えば、1000回)に到達すると移行可能な時短遊技状態であって、規定回数の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、B時短遊技状態が終了する。規定回数の特別図柄ゲームが実行されることによってB時短遊技状態が終了すると、原則として、通常遊技状態に移行する。
C時短遊技状態は、低確率状態において行われた特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であり、時短当りの表示態様が導出されると移行可能な時短遊技状態であって、「時短当り」に当選したことによって決定された規定回数の特別図柄ゲームが実行されるか、大当り遊技状態に移行されると、C時短遊技状態が終了する。上記の規定回数の特別図柄ゲームが実行されることによってC時短遊技状態が終了すると、原則として、通常遊技状態に移行する。なお、例えば、複数の時短遊技状態が重複する場合には、上記の規定回数の特別図柄ゲームが実行されたとしても、通常遊技状態に移行するのではなくC時短遊技状態が継続する。
この明細書において、複数の時短遊技状態を重ねて実行するか否かにかかわらず、時短遊技状態において時短遊技状態への移行条件が成立したり、複数の時短遊技状態への移行条件が同時に成立することを、時短遊技状態が「重複する」と称する。そして、複数の時短遊技状態が重複した場合に、メインCPUの制御により、内部的に、重複した複数の時短遊技状態のいずれをも作動させること、すなわち重複した複数の時短遊技状態を内部的に並行して作動させることを「重ねて実行」すると称する。ただし、メインCPUが内部的には複数の時短遊技状態を重ねて実行したとしても、実際に実行される時短制御はいずれか一方の時短遊技状態に対応する時短制御のみである。すなわち、複数の時短遊技状態が重ねて実行されている場合であっても、遊技者からは、複数の時短遊技状態のうちいずれか一の時短遊技状態に制御されているものと把握される。
次に、遊技状態の移行について説明する。
通常遊技状態、時短遊技状態(A時短遊技状態、B時短遊技状態、C時短遊技状態)、及び高確遊技状態(例えば高確時短遊技状態)に制御されている場合であっても、特別図柄の当り判定処理の結果が大当りであると、大当り遊技状態に移行する。
大当り遊技状態が終了すると、遊技仕様にもよるが、通常遊技状態、時短遊技状態、及び高確遊技状態(例えば高確時短遊技状態)のいずれにも移行させることができる。ただし、大当り遊技状態が終了したときに移行できる時短遊技状態は、A時短遊技状態に限られる。
高確遊技状態に制御されている場合、所謂ST機やループ機等の一部の管理遊技機15013を除いて、高確遊技状態から時短遊技状態または通常遊技状態には移行しない。同様に、時短遊技状態または通常遊技状態からは、大当り遊技状態を経由しない限り、高確遊技状態には移行しない。
通常遊技状態に制御されている場合、B時短遊技状態またはC時短遊技状態に移行可能であるものの、A時短遊技状態には、大当り遊技状態を経由しない限り、移行できない。ただし、A時短遊技状態において規定回数の特別図柄ゲームが実行されると通常遊技状態に移行するため、A時短遊技状態から通常遊技状態への移行は可能である。なお、B時短遊技状態、及びC時短遊技状態のいずれに制御されている場合であっても、規定回数の特別図柄ゲームが実行されると通常遊技状態に移行するため、B時短遊技状態やC時短遊技状態から通常遊技状態への移行も可能である。
次に、時短遊技状態どうしの移行について説明する。
A時短遊技状態に制御されている場合、A時短遊技状態において実行可能な時短回数は、B時短遊技状態への移行条件である天井値よりも少ない回数に設定されるため、A時短遊技状態からB時短遊技状態に移行することはない。また、A時短遊技状態は大当り遊技状態を経由して制御されるため、B時短遊技状態からA時短遊技状態に移行することもない。一方、A時短遊技状態における特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であるとC時短遊技状態への移行条件が成立するため、A時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複しうる。ただし、上述したようにA時短遊技状態は大当り遊技状態を経由して制御されるため、C時短遊技状態からA時短遊技状態に移行することはない。
B時短遊技状態に制御されている場合、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であるとC時短遊技状態への移行条件が成立し、B時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複しうる。また、C時短遊技状態において天井カウンタが天井値に到達した場合も、C時短遊技状態とB時短遊技状態とが重複しうる。
C時短遊技状態に制御されている場合、特別図柄の当り判定処理の結果が「時短当り」であるとC時短遊技状態への移行条件が成立し、C時短遊技状態とC時短遊技状態とが重複しうる。
[2-2.時短信号の受信]
上記のような管理遊技機15013において、例えば、RAMクリアなどや、時短遊技状態の終了後の特図低確率(特別図柄の当り判定処理における大当りの当選確率が相対的に低い低確率状態)、普図低確率(普通図柄の当り判定処理における当りの当選確率が相対的に低い低確率状態)において、C時短遊技状態(1)とC時短遊技状態(2)に当選することが可能な場合、C時短遊技状態(1)に当選した場合は、管理遊技機15013の外部へ出力する信号として時短信号を出力せず、C時短遊技状態(2)に当選した場合にのみ、管理遊技機15013の外部へ時短信号を出力することが可能な機能を有する。
ここで、C時短遊技状態(1)は、例えば、通過ゲートへの遊技球の通過に基づいて普通図柄の当り判定処理を実行し、当り判定の場合に、普通電動役物を作動させて入賞口(例えば、第2始動口)を開放状態とする場合に、普通電動役物を長時間開放状態とする確率(ロング開放当選確率)が低い、またはそのような確率が存在しない時短遊技状態である。また、C時短遊技状態(2)は、例えば、通過ゲートへの遊技球の通過に基づいて普通図柄の当り判定処理を実行し、当り判定の場合に、普通電動役物を作動させて入賞口(例えば、第2始動口)を開放状態とする場合に、普通電動役物を長時間開放状態とする確率(ロング開放当選確率)が高い時短遊技状態である。
このような管理遊技機15013に対応付けられる管理遊技機対応貸出ユニット15023は、こうした管理遊技機15013の機能に応じて、C時短遊技状態(1)に当選した場合は、管理遊技機15013から時短信号を受信することがなく、こうした時短信号に応じた処理を行うことはない。一方、C時短遊技状態(2)に当選した場合は、管理遊技機15013から時短信号を受信し、受信した時短信号に応じた所定の処理を行うように構成される。
なお、図253に示すようなデータランプ15040についても、対応する管理遊技機15013で、C時短遊技状態(1)に当選した場合は、管理遊技機15013から時短信号を受信することがなく、こうした時短信号に基づくデータ表示処理を行うことはない。一方、C時短遊技状態(2)に当選した場合は、管理遊技機15013から時短信号を受信し、受信した時短信号に基づくデータ表示処理を行うように構成される。
また、本実施形態に係る管理遊技機15013の機能、構成に対し、第1実施形態~第18実施形態で説明した構成の少なくとも一部を、必要に応じて適用することができる。
以下、上述した第18実施形態に係る遊技用装置、及び遊技システムにおける構成、及びその構成の効果について付記する。
<付記D-1>
近年、遊技機として、封入式のパチンコ遊技機や、メダルレスのスロットマシンが市場に投入されており、これらの遊技機は、外部の遊技媒体取扱装置(遊技用装置)と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続され、遊技媒体取扱装置は、遊技機に貸し出す遊技媒体や、遊技機で獲得した遊技媒体を電磁的に管理し、遊技機との間では、実際の遊技球やメダルといった遊技媒体ではなく、当該遊技媒体に係る情報のやり取りが行われる。
例えば、特開2020-89447号公報では、封入式のパチンコ遊技機やメダルレスのスロットマシンといった遊技機に設けられる遊技媒体管理装置に接続された遊技媒体取扱装置に、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ、貸出操作手段等が設けられうることが記載されている。
そして、その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対して、いずれかの方法で有価価値を入金し、上記貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記貸出操作手段の操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際には、返却操作を行うことにより、遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対して、獲得した遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を上記挿入口から排出する。また、このとき、遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。
しかしながら、遊技用装置(例えば、特開2020-89447号公報に開示されたような遊技媒体管理装置)において、遊技機や遊技用装置の情報等を、より好適に管理することが求められている。また、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置に対するニーズがある。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、遊技機や遊技用装置の情報等を好適に管理することができる遊技用装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技用装置、遊技システムを提供する。
(D-1-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
遊技機(例えば、メダルレス機15014)に対応して設けられた遊技用装置(例えば、貸出ユニット15024)であって、
価値情報(例えば、残高、持ちメダル、貯メダル等)に関する情報であり、前記遊技機で貯留される貯留情報(例えば、持ちメダル数、フラグ等)を取得可能な貯留情報取得手段(例えば、貸出ユニット15024のメインCPU15401)と、
価値情報に関する情報である所定情報(例えば、持ちメダル50枚といった情報)を、前記遊技機に提供可能な所定情報提供手段(例えば、貸出ユニット15024のメインCPU15401)と、を有し、
前記所定情報提供手段は、
前記貯留情報取得手段により取得された貯留情報に応じて(例えば、貯留メダル数が20以下となった場合に)、所定情報を前記遊技機に提供するよう制御することを特徴とする遊技用装置。
(D-1-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
さらに、複数種別の価値情報に関する情報である特定情報(例えば、残高(金額・度数)、持ちメダル数、貯メダル数等)をそれぞれ記憶可能な特定情報記憶手段(例えば、記憶部15404)を有し、
前記所定情報提供手段は、
前記特定情報記憶手段に記憶されている特定情報のうち、どの種別の価値情報に関する特定情報から前記遊技機に提供するかを定める優先順位、及び/または、
それぞれの種別の価値情報に関する利用の上限と下限の少なくとも一方を、設定可能であるように構成される。
(D-1-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
価値情報に関する情報であり、遊技機で貯留される貯留情報(持ちメダル数、フラグ等)を取得可能な貯留情報取得手段と、
価値情報に関する情報であり、前記遊技機に提供される所定情報を、前記遊技機に提供可能な所定情報提供手段と、を有し、
前記所定情報提供手段は、
前記貯留情報取得手段により取得された貯留情報に応じて、所定情報を前記遊技機に提供するよう制御することを特徴とする遊技システム(例えば、遊技システム15001)。
本発明によれば、遊技機等の情報等を好適に管理することができる遊技用装置、遊技システムが提供される。
また、本発明によれば、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置、遊技システムが提供される。
<付記D-2>
近年、遊技機として、封入式のパチンコ遊技機や、メダルレスのスロットマシンが市場に投入されており、これらの遊技機は、外部の遊技媒体取扱装置(遊技用装置)と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続され、遊技媒体取扱装置は、遊技機に貸し出す遊技媒体や、遊技機で獲得した遊技媒体を電磁的に管理し、遊技機との間では、実際の遊技球やメダルといった遊技媒体ではなく、当該遊技媒体に係る情報のやり取りが行われる。
例えば、特開2020-89447号公報では、封入式のパチンコ遊技機やメダルレスのスロットマシンといった遊技機に設けられる遊技媒体管理装置に接続された遊技媒体取扱装置に、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ、貸出操作手段等が設けられうることが記載されている。
そして、その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対して、いずれかの方法で有価価値を入金し、上記貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記貸出操作手段の操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際には、返却操作を行うことにより、遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対して、獲得した遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を上記挿入口から排出する。また、このとき、遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。
しかしながら、遊技用装置(例えば、特開2020-89447号公報に開示されたような遊技媒体管理装置)において、遊技機や遊技用装置の情報等を、より好適に管理することが求められている。また、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置に対するニーズがある。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、遊技機や遊技用装置の情報等を好適に管理することができる遊技用装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技用装置、遊技システムを提供する。
(D-2-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
価値情報(例えば、残高、持ちメダル、貯メダル等)を記憶可能な価値情報記憶手段(例えば、記憶部15404)と、
所定の指示(例えば、操作ユニット15409の操作メニュー16001に表示された「寄付」ボタンをタッチする指示)が行われた場合に、価値情報を使用制限するよう制御する使用制限制御手段(例えば、貸出ユニット15024のメインCPU15401)と、を有し、
前記価値情報記憶手段に記憶されている価値情報は、当該価値情報に関する価値が所定の設定価値の場合には、記憶媒体に移動させることができないように制御可能であり(例えば、会員カードを有していない場合、ビジターカードに少量の持ちメダルを移動させることはできない)、
前記使用制限制御手段は、前記所定の指示が行われた場合であって、価値情報が前記記憶媒体に移動できない場合に、当該価値情報に関する価値を使用制限する(例えば、カードサーバ15100に寄付メダル数データを送信する)よう制御することを特徴とする遊技用装置(例えば、貸出ユニット15024や精算機15080等)。
(D-2-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
更に、価値情報に関する情報である所定情報(例えば、持ちメダルが50枚など)を、遊技機に提供可能な所定情報提供手段(例えば、貸出ユニット15024のメインCPU15401)と、
価値情報に関する情報であり、前記遊技機で貯留される貯留情報(例えば、持ちメダル数、フラグ等)を取得可能な貯留情報取得手段(例えば、貸出ユニット15024のメインCPU15401)と、を有し、
前記価値情報記憶手段に記憶されている価値情報、及び前記貯留情報取得手段により取得された貯留情報に基づいて求められる合計価値が前記所定の設定価値の場合に、当該合計価値に係る価値情報、及び貯留情報を記憶媒体に移動させることができない(例えば、貸出ユニット15024に記憶されている持ちメダルとメダルレス機15014に貯留されているメダル数の合計が少量である場合も、ビジターカードへの移動ができない)ように制御され、
前記使用制限制御手段は、前記所定の指示が行われた場合であって、前記合計価値に係る価値情報、及び前記貯留情報に係る価値情報が前記記憶媒体に移動できない場合に、当該合計価値を使用制限するよう制御する(例えば、遊技者が、メダルレス機15014の計数ボタンを押下して、貯留メダルを貸出ユニット24に記憶されている持ちメダルに加算し、加算後の持ちメダル数を寄付メダル数データとして、カードサーバ15100に送信する)ように構成される。
(D-2-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
価値情報を記憶可能な価値情報記憶手段と、
所定の指示が行われた場合に、価値情報を使用制限するよう制御する使用制限制御手段と、を有し、
前記価値情報記憶手段に記憶されている価値情報は、当該価値情報に関する価値が所定の設定価値の場合には、記憶媒体に移動させることができないように制御可能であり、
前記使用制限制御手段は、前記所定の指示が行われた場合であって、価値情報が前記記憶媒体に移動できない場合に、当該価値情報に関する価値を使用制限するよう制御することを特徴とする遊技システム(例えば、遊技システム15001)。
本発明によれば、遊技機等の情報等を好適に管理することができる遊技用装置、遊技システムが提供される。
また、本発明によれば、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置、遊技システムが提供される。
<付記D-3>
近年、遊技機として、封入式のパチンコ遊技機や、メダルレスのスロットマシンが市場に投入されており、これらの遊技機は、外部の遊技媒体取扱装置(遊技用装置)と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続され、遊技媒体取扱装置は、遊技機に貸し出す遊技媒体や、遊技機で獲得した遊技媒体を電磁的に管理し、遊技機との間では、実際の遊技球やメダルといった遊技媒体ではなく、当該遊技媒体に係る情報のやり取りが行われる。
例えば、特開2020-89447号公報では、封入式のパチンコ遊技機やメダルレスのスロットマシンといった遊技機に設けられる遊技媒体管理装置に接続された遊技媒体取扱装置に、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ、貸出操作手段等が設けられうることが記載されている。
そして、その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対して、いずれかの方法で有価価値を入金し、上記貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記貸出操作手段の操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際には、返却操作を行うことにより、遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対して、獲得した遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を上記挿入口から排出する。また、このとき、遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。
しかしながら、遊技用装置(例えば、特開2020-89447号公報に開示されたような遊技媒体管理装置)において、遊技機や遊技用装置の情報等を、より好適に管理することが求められている。また、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置に対するニーズがある。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、遊技機や遊技用装置の情報等を好適に管理することができる遊技用装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技用装置、遊技システムを提供する。
(D-3-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
遊技機(例えば、メダルレス機15014)に対応して設けられた遊技用装置(例えば、貸出ユニット15024)であって、
複数種別の価値情報(残高、持ちメダル、貯メダル等)に関する情報である特定情報(残高(金額・度数)、持ちメダル数、貯メダル数等)をそれぞれ記憶可能な特定情報記憶手段(例えば、記憶部15404)と、
価値情報に関する情報である所定情報(例えば、持ちメダルが50枚など)を、遊技機に提供可能な所定情報提供手段(例えば、貸出ユニット15024のメインCPU15401)と、を有し、
前記所定情報提供手段は、異常(例えば、貸出ユニット15024内部での異常、貸出ユニット15024とメダルレス機15014との間の通信ネットワークにおける異常、メダルレス機15014内部の異常等)により、所定情報が前記遊技機に提供されなかった場合に、当該所定情報に対応する特定情報を、その所定情報に対応する特定情報が提供前にどの種別の価値情報に関するものであったかにかかわらず、所定種別の価値情報(例えば、持ちメダル)に関する特定情報(例えば、持ちメダル数)として前記特定情報記憶手段に記憶する(例えば、残高からメダル貸出を指示した場合に異常が発生すると、そのメダル貸出に対応する金額に応じた持ちメダル数が貸出ユニット15024に加算・記憶され、貯メダル再プレイを指示した場合に異常が発生すると、その貯メダル数に対応する持ちメダル数が貸出ユニット15024に加算・記憶される)よう制御することを特徴とする遊技用装置。
(D-3-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
複数種別の価値情報(残高、持ちメダル、貯メダル等)に関する情報である特定情報(残高(金額・度数)、持ちメダル数、貯メダル数等)をそれぞれ記憶可能な特定情報記憶手段と、
価値情報に関する情報である所定情報を、遊技機に提供可能な所定情報提供手段と、を有し、
前記所定情報提供手段は、異常により、所定情報が前記遊技機に提供されなかった場合に、当該所定情報に対応する特定情報を、その所定情報に対応する特定情報が提供前にどの種別の価値情報に関するものであったかにかかわらず、所定種別の価値情報に関する特定情報として前記特定情報記憶手段に記憶するよう制御することを特徴とする遊技システム(例えば、遊技システム15001)。
本発明によれば、遊技機等の情報等を好適に管理することができる遊技用装置、遊技システムが提供される。
また、本発明によれば、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置、遊技システムが提供される。
<付記D-4>
近年、遊技機として、封入式のパチンコ遊技機や、メダルレスのスロットマシンが市場に投入されており、これらの遊技機は、外部の遊技媒体取扱装置(遊技用装置)と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続され、遊技媒体取扱装置は、遊技機に貸し出す遊技媒体や、遊技機で獲得した遊技媒体を電磁的に管理し、遊技機との間では、実際の遊技球やメダルといった遊技媒体ではなく、当該遊技媒体に係る情報のやり取りが行われる。
例えば、特開2020-89447号公報では、封入式のパチンコ遊技機やメダルレスのスロットマシンといった遊技機に設けられる遊技媒体管理装置に接続された遊技媒体取扱装置に、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ、貸出操作手段等が設けられうることが記載されている。
そして、その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対して、いずれかの方法で有価価値を入金し、上記貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記貸出操作手段の操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際には、返却操作を行うことにより、遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対して、獲得した遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を上記挿入口から排出する。また、このとき、遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。
しかしながら、遊技用装置(例えば、特開2020-89447号公報に開示されたような遊技媒体管理装置)において、遊技機や遊技用装置の情報等を、より好適に管理することが求められている。また、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置に対するニーズがある。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、遊技機や遊技用装置の情報等を好適に管理することができる遊技用装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技用装置、遊技システムを提供する。
(D-4-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
遊技機(例えば、メダルレス機15014)に対応して設けられた遊技用装置(例えば、貸出ユニット15024)であって、
価値情報(例えば、残高(金額・度数)、持ちメダル数、貯メダル数等)を記憶可能な記憶媒体(例えば、会員カードやビジターカードといったICカード)を受付可能な記憶媒体受付手段(例えば、カード挿入口15321等)と、
価値情報を記憶可能な価値情報記憶手段(例えば、記憶部15404)と、
価値情報に関する情報である所定情報(例えば、持ちメダルが50枚など)を前記遊技機に提供可能な所定情報提供手段(例えば、貸出ユニット15024のメインCPU15401)と、
価値情報に関する情報であり、前記遊技機で貯留される貯留情報(例えば、持ちメダル数、フラグ等)を取得可能な貯留情報取得手段(例えば、貸出ユニット15024のメインCPU15401)と、
所定の条件で、前記記憶媒体受付手段によって受け付けられた記憶媒体、または他の記憶媒体に所定の価値情報(例えば、記憶部15404に記憶されている価値情報)を記憶させる(例えば、カード挿入口15321に会員カードが挿入された場合は、第1の条件で記憶部15404に記憶されている特定情報を記憶媒体に記憶させ、カード挿入口15321にビジターカードが挿入された場合、またはカードが挿入されていない場合は、第2の条件で記憶部15404に記憶されている特定情報を記憶媒体に記憶させる)よう制御可能な記憶制御手段(例えば、貸出ユニット15024のメインCPU15401)と、を有し、
前記所定の条件として、前記価値情報記憶手段に記憶されている価値情報、及び前記貯留情報取得手段により取得された貯留情報が含まれることを特徴とする遊技用装置。
(D-4-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
前記記憶制御手段は、
前記価値情報記憶手段に記憶されている価値情報、及び前記貯留情報取得手段により取得された貯留情報に基づいて求められる合計価値と、所定価値との関係に応じて(例えば、貸出ユニット15024に記憶されている持ちメダル数とメダルレス機15014に貯留されているメダル数の合計が50以上である場合)、前記所定の価値情報を前記記憶媒体に記憶させるよう制御可能であり、
記憶させる対象の記憶媒体は、前記記憶媒体受付手段に所定種別の記憶媒体が受け付けられた場合は(例えば、カード挿入口15321にビジターカードが挿入された場合や、携帯端末やICカード等が非接触ICカードRW15406によって読み取られた場合等)、当該所定種別の記憶媒体であり、
前記記憶媒体受付手段に記憶媒体が受け付けられていない場合は、前記遊技用装置内に保持されていた記憶媒体(新たなビジターカード)であるように構成される。
(D-4-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
価値情報を記憶可能な記憶媒体を受付可能な記憶媒体受付手段と、
価値情報を記憶可能な価値情報記憶手段と、
価値情報に関する情報である所定情報を遊技機に提供可能な所定情報提供手段と、
価値情報に関する情報であり、前記遊技機で貯留される貯留情報を取得可能な貯留情報取得手段と、
所定の条件で、前記記憶媒体受付手段によって受け付けられた記憶媒体、または他の記憶媒体に所定の価値情報を記憶させるよう制御可能な記憶制御手段と、を有し、
前記所定の条件として、前記価値情報記憶手段に記憶されている価値情報、及び前記貯留情報取得手段により取得された貯留情報が含まれることを特徴とする遊技システム。
本発明によれば、遊技機等の情報等を好適に管理することができる遊技用装置、遊技システムが提供される。
また、本発明によれば、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置、遊技システムが提供される。
<付記D-5>
近年、遊技機として、封入式のパチンコ遊技機や、メダルレスのスロットマシンが市場に投入されており、これらの遊技機は、外部の遊技媒体取扱装置(遊技用装置)と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続され、遊技媒体取扱装置は、遊技機に貸し出す遊技媒体や、遊技機で獲得した遊技媒体を電磁的に管理し、遊技機との間では、実際の遊技球やメダルといった遊技媒体ではなく、当該遊技媒体に係る情報のやり取りが行われる。
例えば、特開2020-89447号公報では、封入式のパチンコ遊技機やメダルレスのスロットマシンといった遊技機に設けられる遊技媒体管理装置に接続された遊技媒体取扱装置に、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ、貸出操作手段等が設けられうることが記載されている。
そして、その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対して、いずれかの方法で有価価値を入金し、上記貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記貸出操作手段の操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際には、返却操作を行うことにより、遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対して、獲得した遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を上記挿入口から排出する。また、このとき、遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。
しかしながら、遊技用装置(例えば、特開2020-89447号公報に開示されたような遊技媒体管理装置)において、遊技機や遊技用装置の情報等を、より好適に管理することが求められている。また、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置に対するニーズがある。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、遊技機や遊技用装置の情報等を好適に管理することができる遊技用装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技用装置、遊技システムを提供する。
(D-5-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
遊技機(例えば、メダルレス機15014)に対応して設けられた遊技用装置(例えば、貸出ユニット15024)であって、
価値情報(例えば、残高(金額・度数)、持ちメダル数、貯メダル数等)を記憶可能な記憶媒体(例えば、残高、持ちメダル数等を記憶可能なビジターカードや、残高、持ちメダル数、貯メダル数等にアクセスするための情報を記憶可能な会員カード)を受付可能な記憶媒体受付手段(例えば、カード挿入口15321)と、
価値情報を記憶可能な価値情報記憶手段(例えば、記憶部15404)と、
価値情報の共有を制御する共有制御手段(例えば、貸出ユニット15024のメインCPU150401)と、を有し、
前記共有制御手段は、所定の操作(例えば、操作ユニット15409に表示された操作メニュー16001において、「持ちメダル共有」ボタン等をタッチする操作)に応じて、前記価値情報記憶手段に記憶された前記価値情報のうち、一部の指定された数量の価値情報を、少なくとも1つの第1種別記憶媒体(例えば、ビジターカード)に対して記憶するよう制御可能であり、
所定の条件(例えば、会員カードが挿入されているか否かに応じて)に応じて、前記第1種別記憶媒体に前記価値情報の記憶を行うよう制御した後で、前記遊技機での遊技を可能とするか否かを制御可能であることを特徴とする遊技用装置。
(D-5-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
前記共有制御手段は、
第1種別記憶媒体とは記憶可能な情報が異なる第2種別記憶媒体(例えば、会員カード)が前記記憶媒体受付手段によって受け付けられた場合に、前記第1種別記憶媒体への前記記憶を行う前に、前記第2種別記憶媒体を前記記憶媒体受付手段で受け付けていない状態(例えば、会員カードにロック情報を書き込んだ後、カード挿入口15321から排出した状態や、会員カードとして使用されるスマートフォン等の、貸出ユニット15024の所定位置へのタッチ等によりロック情報を書き込み、その書き込みが完了したことを報知した状態)とし、
前記第1種別記憶媒体を前記記憶媒体受付手段で受け付けていない状態(例えば、ビジターカードに価値情報を書き込んだ後、カード挿入口15321から排出した状態や、ビジターカードとして使用されるスマートフォン等が貸出ユニット15024の所定位置にタッチされたこと等により価値情報を書き込み、その書き込みが完了したことを報知した状態)とした後、再度、前記第2種別記憶媒体が前記記憶媒体受付手段によって受け付けられる(例えば、共有ロック画面16121が表示されている状態で、会員カードが再度、カード挿入口15321に挿入される、または共有ロック画面16121が表示されている状態で、会員カードとして使用されるスマートフォン等が貸出ユニット15024の所定位置にタッチされる)まで、前記遊技機での遊技ができない(例えば、操作ユニット15409に共有ロック画面16121を表示し、遊技ができないように制御する)ように制御可能であるように構成される。
(D-5-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
価値情報を記憶可能な記憶媒体を受付可能な記憶媒体受付手段と、
値情報を記憶可能な価値情報記憶手段と、
価値情報の共有を制御する共有制御手段と、を有し、
前記共有制御手段は、所定の操作に応じて、前記価値情報記憶手段に記憶された前記価値情報のうち、一部の指定された数量の価値情報を、少なくとも1つの第1種別記憶媒体に対して記憶するよう制御可能であり、
所定の条件に応じて、前記第1種別記憶媒体に記憶を行うよう制御した後で、前記遊技機での遊技を可能とするか否かを制御可能であることを特徴とする遊技システム(例えば、遊技システム15001)。
本発明によれば、遊技機等の情報等を好適に管理することができる遊技用装置、遊技システムが提供される。
また、本発明によれば、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置、遊技システムが提供される。
<付記D-6>
近年、遊技機として、封入式のパチンコ遊技機や、メダルレスのスロットマシンが市場に投入されており、これらの遊技機は、外部の遊技媒体取扱装置(遊技用装置)と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続され、遊技媒体取扱装置は、遊技機に貸し出す遊技媒体や、遊技機で獲得した遊技媒体を電磁的に管理し、遊技機との間では、実際の遊技球やメダルといった遊技媒体ではなく、当該遊技媒体に係る情報のやり取りが行われる。
例えば、特開2020-89447号公報では、封入式のパチンコ遊技機やメダルレスのスロットマシンといった遊技機に設けられる遊技媒体管理装置に接続された遊技媒体取扱装置に、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ、貸出操作手段等が設けられうることが記載されている。
そして、その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対して、いずれかの方法で有価価値を入金し、上記貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記貸出操作手段の操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際には、返却操作を行うことにより、遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対して、獲得した遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を上記挿入口から排出する。また、このとき、遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。
しかしながら、遊技用装置(例えば、特開2020-89447号公報に開示されたような遊技媒体管理装置)において、遊技機や遊技用装置の情報等を、より好適に管理することが求められている。また、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置に対するニーズがある。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、遊技機や遊技用装置の情報等を好適に管理することができる遊技用装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技用装置、遊技システムを提供する。
(D-6-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
遊技機(例えば、メダルレス機15014)に対応して設けられた遊技用装置(例えば、貸出ユニット15024)であって、
価値情報に関する情報であって、前記遊技機で貯留される貯留情報(例えば、持ちメダル数、フラグ等)を取得可能な貯留情報取得手段(例えば、貸出ユニット15024のメインCPU15401)と、
閉店処理を制御する閉店制御処理手段(例えば、貸出ユニット15024のメインCPU15401)と、を有し、
前記閉店制御処理手段は、
閉店処理を実行させるための閉店処理を行う際に(例えば、カードサーバ100からの閉店通知を受信するなど、閉店処理の起点となる情報を受信した場合を含む)、前記貯留情報取得手段が取得した貯留情報により前記遊技機が価値情報を貯留していると判定した場合、所定の報知(例えば、ランプの点灯やメッセージの表示等)を行うよう制御可能であることを特徴とする遊技用装置。
(D-6-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
更に、価値情報を記憶可能な価値情報記憶手段(例えば、記憶部15404)を有し、
前記閉店制御処理手段は、
閉店処理を実行させるための閉店処理を行う際に、所定の条件(例えば、会員カードが挿入されていない場合等)において、前記価値情報記憶手段に記憶されている特定の価値情報(例えば、持ちメダル数)をクリアするように構成される。
(D-6-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
価値情報に関する情報であって、前記遊技機で貯留される貯留情報を取得可能な貯留情報取得手段と、
閉店処理を制御する閉店制御処理手段と、を有し、
前記閉店制御処理手段は、
閉店処理を実行させるための閉店処理を行う際に、前記貯留情報取得手段が取得した貯留情報により前記遊技機が価値情報を貯留していると判定した場合、所定の報知を行うよう制御可能であることを特徴とする遊技システム(例えば、遊技システム15001)。
本発明によれば、遊技機等の情報等を好適に管理することができる遊技用装置、遊技システムが提供される。
また、本発明によれば、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置、遊技システムが提供される。
<付記D-7>
近年、遊技機として、封入式のパチンコ遊技機や、メダルレスのスロットマシンが市場に投入されており、これらの遊技機は、外部の遊技媒体取扱装置(遊技用装置)と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続され、遊技媒体取扱装置は、遊技機に貸し出す遊技媒体や、遊技機で獲得した遊技媒体を電磁的に管理し、遊技機との間では、実際の遊技球やメダルといった遊技媒体ではなく、当該遊技媒体に係る情報のやり取りが行われる。
例えば、特開2020-89447号公報では、封入式のパチンコ遊技機やメダルレスのスロットマシンといった遊技機に設けられる遊技媒体管理装置に接続された遊技媒体取扱装置に、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ、貸出操作手段等が設けられうることが記載されている。
そして、その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対して、いずれかの方法で有価価値を入金し、上記貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記貸出操作手段の操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際には、返却操作を行うことにより、遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対して、獲得した遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を上記挿入口から排出する。また、このとき、遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。
しかしながら、遊技用装置(例えば、特開2020-89447号公報に開示されたような遊技媒体管理装置)において、遊技機や遊技用装置の情報等を、より好適に管理することが求められている。また、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置に対するニーズがある。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、遊技機や遊技用装置の情報等を好適に管理することができる遊技用装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技用装置、遊技システムを提供する。
(D-7-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
遊技機(例えば、メダルレス機15014)に対応して設けられ、所定の制御処理を行う遊技用装置(例えば、貸出ユニット15024)であって、
前記所定の制御処理に係るデータを一時的に記憶可能な第1記憶手段(例えば、RAM15403)と、
第1記憶領域(例えば、A面)と第2記憶領域(例えば、B面)を含む第2記憶手段(例えば、記憶部15404)と、
前記第1記憶手段に記憶されているデータを復元するデータ復元手段(例えば、貸出ユニット15024のメインCPU15401)と、を有し、
前記データ復元手段は、
起動時において、前記第2記憶手段に含まれる一方の記憶領域(例えば、第1記憶領域)のデータが正常である場合に、前記一方の記憶領域のデータを前記第1記憶手段にコピーし、
その後、前記一方の記憶領域のデータを他方の記憶領域(例えば、第2記憶領域)にコピーすることを特徴とする遊技用装置。
(D-7-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
前記第1記憶手段のデータ、前記第1記憶領域のデータ、及び前記第2記憶領域のデータは、それぞれ同じサイズ、同じ内容で構成され、それぞれのデータ内にデータが正常か否かを判定するための検証用データ(例えば、CRCデータ)を含み、
前記第1記憶手段のデータの少なくとも一部が更新された場合に、更新データ部分に基づいて当該データに含まれる検証用データが更新され、
前記更新データ部分と前記検証用データが、前記第1記憶領域と前記第2記憶領域のそれぞれにコピーされるように構成される。
(D-7-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
所定の制御処理に係るデータを一時的に記憶可能な第1記憶手段と、
第1記憶領域と第2記憶領域を含む第2記憶手段と、
前記第1記憶手段に記憶されているデータを復元するデータ復元手段と、を有し、
前記データ復元手段は、
起動時において、前記第2記憶手段に含まれる一方の記憶領域のデータが正常である場合に、前記一方の記憶領域のデータを前記第1記憶手段にコピーし、
その後、前記一方の記憶領域のデータを他方の記憶領域にコピーすることを特徴とする遊技システム(例えば、遊技システム15001)。
本発明によれば、遊技機等の情報等を好適に管理することができる遊技用装置、遊技システムが提供される。
また、本発明によれば、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置、遊技システムが提供される。
<付記D-8>
近年、遊技機として、封入式のパチンコ遊技機や、メダルレスのスロットマシンが市場に投入されており、これらの遊技機は、外部の遊技媒体取扱装置(遊技用装置)と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続され、遊技媒体取扱装置は、遊技機に貸し出す遊技媒体や、遊技機で獲得した遊技媒体を電磁的に管理し、遊技機との間では、実際の遊技球やメダルといった遊技媒体ではなく、当該遊技媒体に係る情報のやり取りが行われる。
例えば、特開2020-89447号公報では、封入式のパチンコ遊技機やメダルレスのスロットマシンといった遊技機に設けられる遊技媒体管理装置に接続された遊技媒体取扱装置に、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ、貸出操作手段等が設けられうることが記載されている。
そして、その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対して、いずれかの方法で有価価値を入金し、上記貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記貸出操作手段の操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際には、返却操作を行うことにより、遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対して、獲得した遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を上記挿入口から排出する。また、このとき、遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。
しかしながら、遊技用装置(例えば、特開2020-89447号公報に開示されたような遊技媒体管理装置)において、遊技機や遊技用装置の情報等を、より好適に管理することが求められている。また、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置に対するニーズがある。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、遊技機や遊技用装置の情報等を好適に管理することができる遊技用装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技用装置、遊技システムを提供する。
(D-8-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
遊技機(例えば、メダルレス機15014)に対応して設けられた遊技用装置(例えば、貸出ユニット15024)であって、
価値情報(例えば、残高(金額・度数)、持ちメダル数、貯メダル数等)を記憶可能な記憶媒体(例えば、残高、持ちメダル数等を記憶可能なビジターカードや、残高、持ちメダル数、貯メダル数等にアクセスするための情報を記憶可能な会員カード)を受付可能な記憶媒体受付手段(例えば、カード挿入口15321)と、
前記遊技機での遊技ができない遊技ロック状態(例えば、図276(A)に示す休憩中画面16151を操作ユニット15409に表示して、再度休憩カードが挿入されるまで、操作ユニット15409の操作ができないような状態)に遷移させることが可能な遊技ロック制御手段(例えば、貸出ユニット15024のメインCPU15401)と、を有し、
前記遊技ロック制御手段は、
遊技者による第1操作(例えば、操作ユニット15409に表示された操作メニュー16001の「第1休憩」ボタンをタッチする操作)に応じて、第1条件で、前記記憶媒体受付手段により受け付けられた記憶媒体(カード挿入口15321から挿入された会員カード、またはビジターカード、または、貸出ユニット15024の所定位置にタッチ等されたスマートフォン等)、または別の記憶媒体(新たに発行されるビジターカード)に所定情報(例えば、ロック情報)を記憶するよう制御し、
前記遊技ロック状態に遷移させ、
前記所定情報が記憶された記憶媒体が前記記憶媒体受付手段に受け付けられた場合(例えば、会員カードやビジターカードがカード挿入口15321から挿入された場合、または、会員カードやビジターカードとして使用されるスマートフォン等が貸出ユニット15024の所定位置にタッチ等された場合等)に、前記遊技ロック状態を解除し、
前記第1条件は、前記記憶媒体受付手段が特定種別の記憶媒体(例えば、会員カード)を受け付けているか否かによって異なる(例えば、会員カードが挿入されている場合は、無条件で遊技ロック状態となり、それ以外は、貸出ユニット15024に所定金額以上の残高を記憶している等)よう制御可能であることを特徴とする遊技用装置。
(D-8-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
前記遊技ロック制御手段は、
前記遊技者以外のユーザ(例えば、遊技店のスタッフ)による第2操作(例えば、操作ユニット15409に表示されるメンテナンスモードメニュー16171において、「第2休憩」ボタンをタッチする操作)に応じて、前記第1条件とは異なる第2条件(例えば、貸出ユニット15024において、ICカードが読み書き位置にあるといった条件を含む複数の条件をいずれも満たしていない場合)で前記遊技ロック状態に遷移させるように構成される。
(D-8-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
価値情報を記憶可能な記憶媒体を受付可能な記憶媒体受付手段と、
遊技機での遊技ができない遊技ロック状態に遷移させることが可能な遊技ロック制御手段と、を有し、
前記遊技ロック制御手段は、
遊技者による第1操作に応じて、第1条件で、前記記憶媒体受付手段により受け付けられた記憶媒体、または別の記憶媒体(新たに発行されるビジターカード)に所定情報(ロック情報)を記憶するよう制御し、
前記遊技ロック状態に遷移させ、
前記所定情報が記憶された記憶媒体が前記記憶媒体受付手段に受け付けられた場合に、前記遊技ロック状態を解除し、
前記第1条件は、前記記憶媒体受付手段が特定種別の記憶媒体を受け付けているか否かによって異なるよう制御可能であることを特徴とする遊技システム(例えば、遊技システム15001)。
本発明によれば、遊技機等の情報等を好適に管理することができる遊技用装置、遊技システムが提供される。
また、本発明によれば、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置、遊技システムが提供される。
<付記D-9>
近年、遊技機として、封入式のパチンコ遊技機や、メダルレスのスロットマシンが市場に投入されており、これらの遊技機は、外部の遊技媒体取扱装置(遊技用装置)と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続され、遊技媒体取扱装置は、遊技機に貸し出す遊技媒体や、遊技機で獲得した遊技媒体を電磁的に管理し、遊技機との間では、実際の遊技球やメダルといった遊技媒体ではなく、当該遊技媒体に係る情報のやり取りが行われる。
例えば、特開2020-89447号公報では、封入式のパチンコ遊技機やメダルレスのスロットマシンといった遊技機に設けられる遊技媒体管理装置に接続された遊技媒体取扱装置に、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ、貸出操作手段等が設けられうることが記載されている。
そして、その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対して、いずれかの方法で有価価値を入金し、上記貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記貸出操作手段の操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際には、返却操作を行うことにより、遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対して、獲得した遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を上記挿入口から排出する。また、このとき、遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。
しかしながら、遊技用装置(例えば、特開2020-89447号公報に開示されたような遊技媒体管理装置)において、遊技機や遊技用装置の情報等を、より好適に管理することが求められている。また、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置に対するニーズがある。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、遊技機や遊技用装置の情報等を好適に管理することができる遊技用装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技用装置、遊技システムを提供する。
(D-9-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
遊技機(例えば、メダルレス機15014)に対応して設けられた遊技用装置(例えば、貸出ユニット15024)であって、
サーバ(例えば、カードサーバ15100)に送信した第1情報(例えば、機器状態通知)に応答して送信される応答情報(例えば、機器状態応答)を受信する情報受信手段(例えば、貸出ユニット15024のメインCPU15401)と、
記憶しているファイル(例えば、貸出ユニット15024に記憶されている、貸出ユニット15024等の動作を制御するプログラムファイルなど)を管理するファイル管理手段(例えば、貸出ユニット15024のメインCPU15401)と、を有し、
前記ファイル管理手段は、
前記第1情報と前記応答情報の所定部分(例えば、(機器状態通知・機器状態応答の場合)バージョン情報や、(通信開始通知・通信開始応答の場合)電文フォーマットのバージョン情報)が不一致である場合に、前記サーバに第2情報(例えば、ダウンロード開始通知)を送信することで、前記サーバからアップデートファイルをダウンロードするよう制御し、
前記記憶しているファイルのうち、前記アップデートファイルの対応ファイルとバージョンが異なるファイルについて、前記アップデートファイルの対応ファイルへの更新を行い、その後、再起動を行うよう制御することを特徴とする遊技用装置。
(D-9-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
前記ファイル管理手段は、前記アップデートファイルのダウンロードが失敗した場合、または、ダウンロードされたアップデートファイルが妥当でない場合に、前記サーバに再度、前記第1情報または前記第2情報を送信することで(例えば、(機器状態通知・機器状態応答の場合)第2情報であるダウンロード開始通知、(通信開始通知・通信開始応答の場合)第1情報である通信開始通知)、前記アップデートファイルのダウンロードをやり直すよう制御することが可能であり、
前記ダウンロードのやり直しは、所定回数(例えば、3回のリトライ回数)までに制限されるように構成される。
(D-9-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
サーバに送信した第1情報に応答して送信される応答情報を受信する情報受信手段と、
記憶しているファイルを管理するファイル管理手段と、を有し、
前記ファイル管理手段は、
前記第1情報と前記応答情報の所定部分が不一致である場合に、前記サーバに第2情報を送信することで、前記サーバからアップデートファイルをダウンロードするよう制御し、
前記記憶しているファイルのうち、前記アップデートファイルの対応ファイルとバージョンが異なるファイルについて、前記アップデートファイルの対応ファイルへの更新を行い、その後、再起動を行うよう制御することを特徴とする遊技システム(例えば、遊技システム15001)。
本発明によれば、遊技機等の情報等を好適に管理することができる遊技用装置、遊技システムが提供される。
また、本発明によれば、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置、遊技システムが提供される。
<付記D-10>
近年、遊技機として、封入式のパチンコ遊技機や、メダルレスのスロットマシンが市場に投入されており、これらの遊技機は、外部の遊技媒体取扱装置(遊技用装置)と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続され、遊技媒体取扱装置は、遊技機に貸し出す遊技媒体や、遊技機で獲得した遊技媒体を電磁的に管理し、遊技機との間では、実際の遊技球やメダルといった遊技媒体ではなく、当該遊技媒体に係る情報のやり取りが行われる。
例えば、特開2020-89447号公報では、封入式のパチンコ遊技機やメダルレスのスロットマシンといった遊技機に設けられる遊技媒体管理装置に接続された遊技媒体取扱装置に、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ、貸出操作手段等が設けられうることが記載されている。
そして、その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対して、いずれかの方法で有価価値を入金し、上記貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記貸出操作手段の操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際には、返却操作を行うことにより、遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対して、獲得した遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を上記挿入口から排出する。また、このとき、遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。
しかしながら、遊技用装置(例えば、特開2020-89447号公報に開示されたような遊技媒体管理装置)において、遊技機や遊技用装置の情報等を、より好適に管理することが求められている。また、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置に対するニーズがある。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、遊技機や遊技用装置の情報等を好適に管理することができる遊技用装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技用装置、遊技システムを提供する。
(D-10-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
遊技機(例えば、メダルレス機15014)に対応して設けられた遊技用装置(例えば、貸出ユニット15024)であって、
価値情報(例えば、残高(金額・度数)、持ちメダル数、貯メダル数等)を記憶可能な価値情報記憶手段(例えば、記憶部15404)と、
価値情報に関する情報であり、前記遊技機で貯留される貯留情報(例えば、持ちメダル数、フラグ等)を取得可能な貯留情報取得手段(例えば、貸出ユニット15024のメインCPU15401)と、
遊技者以外のユーザ(例えば、遊技店のスタッフ)による操作に応じて、メンテナンスモードでの操作(例えば、図274に示すメンテナンスモードメニュー16171に表示された各ボタンをタッチすることで可能となる操作)を行うことが可能なメンテナンス制御手段(例えば、貸出ユニット15024のメインCPU15401)と、
所定の情報を報知可能な報知手段(例えば、表示装置(操作ユニット15409)やスピーカ15411、ランプ(LED部15408)等)と、を有し、
前記メンテナンス制御手段は、
前記価値情報記憶手段に記憶されている価値情報、及び前記貯留情報取得手段により取得された貯留情報の少なくともいずれかに基づいて、前記メンテナンスモードでの操作の可否を判定し、
前記メンテナンスモードでの操作ができないと判定された場合は、前記報知手段により所定の報知を行うよう制御可能であることを特徴とする遊技用装置。
(D-10-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
前記メンテナンスモードでの操作は、前記ユーザによって前記遊技機での試験的な遊技を行うことが可能な試打モードでの操作(例えば、図274に示すメンテナンスモードメニュー16171に表示された「試打開始」ボタンをタッチすることで可能となる試打モードでの操作)であり、
前記価値情報記憶手段に記憶されている価値情報、または、前記貯留情報に基づいて求められる価値が所定価値であると判定された場合(例えば、貸出ユニット15024に残高、及び持ちメダルの一方が残っている場合や、メダルレス機15014に貯留メダルが残っている場合)は、前記試打モードでの操作ができないように制御されるように構成される。
(D-10-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
前記メンテナンスモードでの操作は、前記価値情報記憶手段に記憶されている価値情報をクリアすることが可能なクリア操作(例えば、図274に示すメンテナンスモードメニュー16171に表示された「端玉クリア」ボタンをタッチすることで貸出ユニット15024に記憶されている持ちメダルの数量をゼロにする操作)であり、
前記価値情報記憶手段に記憶されている特定の価値情報に基づく価値が第1所定価値である場合(例えば、貸出ユニット15024に記憶されている持ちメダル数が所定数以上である場合)、または、前記貯留情報に基づいて求められる価値が第2所定価値である場合(例えば、メダルレス機15014に貯留メダルが残っている場合)は、前記クリア操作ができないように制御される。
(D-10-4)本発明の第4の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
価値情報を記憶可能な価値情報記憶手段と、
価値情報に関する情報であり、前記遊技機で貯留される貯留情報(持ちメダル数、フラグなし)を取得可能な貯留情報取得手段と、
遊技者以外のユーザによる操作に応じて、メンテナンスモードでの操作を行うことが可能なメンテナンス制御手段と、
所定の情報を報知可能な報知手段と、を有し、
前記メンテナンス制御手段は、
前記価値情報記憶手段に記憶されている価値情報、及び前記貯留情報取得手段により取得された貯留情報の少なくともいずれかに基づいて、前記メンテナンスモードでの操作の可否を判定し、
前記メンテナンスモードでの操作ができないと判定された場合は、前記報知手段により所定の報知を行うよう制御可能であることを特徴とする遊技システム(例えば、遊技システム15001)。
本発明によれば、遊技機等の情報等を好適に管理することができる遊技用装置、遊技システムが提供される。
また、本発明によれば、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置、遊技システムが提供される。
<付記D-11>
近年、遊技機として、封入式のパチンコ遊技機や、メダルレスのスロットマシンが市場に投入されており、これらの遊技機は、外部の遊技媒体取扱装置(遊技用装置)と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続され、遊技媒体取扱装置は、遊技機に貸し出す遊技媒体や、遊技機で獲得した遊技媒体を電磁的に管理し、遊技機との間では、実際の遊技球やメダルといった遊技媒体ではなく、当該遊技媒体に係る情報のやり取りが行われる。
例えば、特開2020-89447号公報では、封入式のパチンコ遊技機やメダルレスのスロットマシンといった遊技機に設けられる遊技媒体管理装置に接続された遊技媒体取扱装置に、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ、貸出操作手段等が設けられうることが記載されている。
そして、その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対して、いずれかの方法で有価価値を入金し、上記貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記貸出操作手段の操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際には、返却操作を行うことにより、遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対して、獲得した遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を上記挿入口から排出する。また、このとき、遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。
しかしながら、遊技用装置(例えば、特開2020-89447号公報に開示されたような遊技媒体管理装置)において、遊技機や遊技用装置の情報等を、より好適に管理することが求められている。また、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置に対するニーズがある。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、遊技機や遊技用装置の情報等を好適に管理することができる遊技用装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技用装置、遊技システムを提供する。
(D-11-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
遊技機(例えば、メダルレス機15014)に対応して設けられた遊技用装置(例えば、貸出ユニット15024)であって、
価値情報(例えば、残高(金額・度数)、持ちメダル数、貯メダル数等)を記憶可能な価値情報記憶手段(例えば、記憶部15404)と、
価値情報を記憶可能な記憶媒体(例えば、会員カードやビジターカード)を受付可能な記憶媒体受付手段(例えば、カード挿入口15321)と、
前記価値情報記憶手段に記憶される価値情報を管理する価値情報管理手段(例えば、貸出ユニット15024のメインCPU15401)と、を有し、
前記価値情報は、所定の遊技媒体の単位に応じた第1価値情報(例えば、持ちメダル数等)と、それ以外の第2価値情報(例えば、残高等)を含み、
前記価値情報管理手段は、
前記記憶媒体受付手段に前記記憶媒体が受け付けられた場合(例えば、会員カードやビジターカードがカード挿入口15321から挿入された場合や、ビジターカードや会員カードとして使用されるスマートフォン等が貸出ユニット15024の所定位置にタッチ等された場合)に、当該記憶媒体に記憶されている価値情報が、前記価値情報記憶手段に記憶されている価値情報に加算可能か否かを、前記記憶媒体の種別(例えば、受け付けられた記憶媒体が会員カードかビジターカードか)を含む所定の条件により判定することを特徴とする遊技用装置。
(D-11-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
更に、所定の情報を報知可能な報知手段(例えば、操作ユニット15409やスピーカ15411等)を有し、
前記価値情報管理手段は、
前記第2価値情報が記憶されている特定種別の記憶媒体(例えば、会員カード)が前記記憶媒体受付手段に受け付けられた場合であって、前記価値情報記憶手段に前記第2価値情報(例えば、残高)が記憶されている場合に、前記報知手段により所定の報知を行うよう制御するように構成される。
(D-11-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
価値情報を記憶可能な価値情報記憶手段と、
価値情報を記憶可能な記憶媒体を受付可能な記憶媒体受付手段と、
前記価値情報記憶手段に記憶される価値情報を管理する価値情報管理手段と、を有し、
前記価値情報は、所定の遊技媒体の単位に応じた第1価値情報と、それ以外の第2価値情報を含み、
前記価値情報管理手段は、
前記記憶媒体受付手段に前記記憶媒体が受け付けられた場合に、当該記憶媒体に記憶されている価値情報が、前記価値情報記憶手段に記憶されている価値情報に加算可能か否かを、前記記憶媒体の種別を含む所定の条件により判定することを特徴とする遊技システム(例えば、遊技システム15001)。
本発明によれば、遊技機等の情報等を好適に管理することができる遊技用装置、遊技システムが提供される。
また、本発明によれば、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置、遊技システムが提供される。
<付記D-12>
近年、遊技機として、封入式のパチンコ遊技機や、メダルレスのスロットマシンが市場に投入されており、これらの遊技機は、外部の遊技媒体取扱装置(遊技用装置)と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続され、遊技媒体取扱装置は、遊技機に貸し出す遊技媒体や、遊技機で獲得した遊技媒体を電磁的に管理し、遊技機との間では、実際の遊技球やメダルといった遊技媒体ではなく、当該遊技媒体に係る情報のやり取りが行われる。
例えば、特開2020-89447号公報では、封入式のパチンコ遊技機やメダルレスのスロットマシンといった遊技機に設けられる遊技媒体管理装置に接続された遊技媒体取扱装置に、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ、貸出操作手段等が設けられうることが記載されている。
そして、その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対して、いずれかの方法で有価価値を入金し、上記貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記貸出操作手段の操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際には、返却操作を行うことにより、遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対して、獲得した遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を上記挿入口から排出する。また、このとき、遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。
しかしながら、遊技用装置(例えば、特開2020-89447号公報に開示されたような遊技媒体管理装置)において、遊技機や遊技用装置の情報等を、より好適に管理することが求められている。また、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置に対するニーズがある。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、遊技機や遊技用装置の情報等を好適に管理することができる遊技用装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技用装置、遊技システムを提供する。
(D-12-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
遊技機(例えば、メダルレス機15014)に対応して設けられた遊技用装置(例えば、貸出ユニット15024)であって、
遊技者から入金を受け付ける入金手段(例えば、紙幣が挿入される紙幣投入口15301等や、電子マネーの情報を読み取る非接触ICカードRW15406等)と、
前記入金手段により入金された価値に関する価値情報を記憶可能な価値情報記憶手段(例えば、記憶部15404)と、
前記価値情報記憶手段に記憶された価値情報に基づいて、当該価値情報の少なくとも一部に応じた価値情報に関する所定情報(例えば、貸出メダル50枚といった情報)を前記遊技機に提供可能な所定情報提供手段(例えば、貸出ユニット15024のメインCPU15401)と、を有し、
前記所定情報提供手段は、事前に設定された第1設定(例えば、貸出ユニット15024に接続されているカードサーバ15100から提供される設定)に応じて、前記入金手段により入金がされた場合に、前記所定情報(例えば、入金により加算された残高から貸し出されるメダル数を示す情報)を前記遊技機に提供するか否かを制御可能であることを特徴とする遊技用装置。
(D-12-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
前記所定情報提供手段は、事前に設定された第2設定(例えば、貸出ユニット15024に接続されているカードサーバ15100から提供される設定)に応じて、前記遊技機に提供する前記所定情報(例えば、1回の貸出メダル数)を決定し、
前記第1設定、及び前記第2設定は、前記遊技機ごとに設定することが可能であるように構成される。
(D-12-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
遊技者から入金を受け付ける入金手段と、
前記入金手段により入金された価値に関する価値情報を記憶可能な価値情報記憶手段と、
前記価値情報記憶手段に記憶された価値情報に基づいて、当該価値情報の少なくとも一部に応じた価値情報に関する所定情報を遊技機に提供可能な所定情報提供手段と、を有し、
前記所定情報提供手段は、事前に設定された第1設定に応じて、前記入金手段により入金がされた場合に、前記所定情報を前記遊技機に提供するか否かを制御可能であることを特徴とする遊技システム(例えば、遊技システム15001)。
本発明によれば、遊技機等の情報等を好適に管理することができる遊技用装置、遊技システムが提供される。
また、本発明によれば、遊技者や遊技店のスタッフ等にとって使い勝手のよい遊技用装置、遊技システムが提供される。