JP7428623B2 - 産業用ワイプ及び産業用ワイプの製造方法 - Google Patents

産業用ワイプ及び産業用ワイプの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、産業用ワイプ、特にエンボス加工による凹凸を有する産業用ワイプ及びその製造方法に関する。
産業用ワイプは、各種の産業用製品や研究用器具、さらにこれらに用いる部品に付着した塵・埃・薬剤・水分・油分等の拭き取りに使用されている。
また、産業用ワイプは、複雑な形状の製品、器具及び部品等の拭き取りを使用されるとともに、何度も擦るように拭き取り操作を行う使用態様が想定されることから、複雑な形状に追従するしなやかさと丈夫さとが要求される。
特に、産業用ワイプは、作業現場で漏れた多量の薬品の拭き取りや、グリスや油汚れの拭き取り、工業用製品の拭き上げ等、家庭用のワイプに対して厳しい使用態様が想定されている。
ところで、この産業用ワイプは、主に不織布のものと紙素材のものがある。特に、紙素材のものは、上記の産業用ワイプの使用態様から、紙厚の薄いクレープ紙等の薄葉紙基材を複数枚積層して一体化したものとなっており、各層を薄くし、全体として厚くすることで、しなやかさと丈夫さを確保する。
他方で、この紙素材の産業用ワイプでは、拭き取り時に各層がずれないように、エンボス加工による凹凸を形成して、各層の積層一体化が行われる。
従来、紙素材の産業用ワイプの多くは、製造時や擦り操作を行っても各層が分離しないように、ピンエンボスとも称されるエンボス加工がよく行われている。ピンエンボスは、積層したシートを、エンボスロールの周面に形成した多数の鋭利なピン状の凸部によりエンボス加工を行うものであり、このピンエンボス加工された産業用ワイプは、多数のピン状の凸部により強く押圧され、場合によっては紙面を貫通する孔に近い凹部が形成されているためプライ剥離がし難く、細かな塵や埃の拭き取り性に優れるとされている。
特開2019-051015号公報 特開2015-195846号公報 特開2005-160654号公報 特開2005-245913号公報 特開2003-116761号公報 特開2002-238822号公報
しかしながら、ピンエンボス加工された産業用ワイプは、凹部の面積が小さいため、粘度の高いグリス等を掻き取るように拭き取る性能については優れてはおらず、特に、平面部分に付着した粘性の高いグリス等を一回で拭き取ることが難しい。
他方で、産業用ワイプには、ピンエンボスに比して凸部の頂部面積が広い凸部を有するエンボスロールによってエンボス加工による凹凸を形成したものもある。
このようなエンボス加工によって形成される凹部は、その面積が広いため、粘度の高いグリス等を掻き取るように拭き取る性能に優れる。
しかしながら、凸部頂部の面積が広くなると繊維が押されて密となる部分が増加するため、粘度の低い液体、例えば水分の吸収速度や吸収量といった吸収性能が低下することがある。また、エンボス加工時に紙面を引っ張る部分が広くなり原紙に対する負荷が高まるため、紙力が低下することがある。
そこで、本発明の主たる課題は、産業用ワイプに求められる使用態様により適し、グリス等の拭き取り性能に優れつつ、十分な吸液性能をも有し、さらに、製造時の紙力の低下が少なく、プライ離れもし難い、産業用ワイプを提供することにある。
本発明の課題を解決するための手段は次のとおりである。
その第一の手段は、
パルプを主原料とするシートが複数枚積層され、エンボス加工による凹凸によって一体化されている産業用ワイプであり、
各シートの坪量が、17~21g/mであり、
前記凹凸は、一方面に凹部のみが形成され、他方面に前記凹部に対応する凸部のみが形成されているシングルエンボスであり、
その凹部と凸部の平面視形状が異なり、一つの凹部の表面積が6.6~12.4mmであり、一つの凸部の表面積が10.3~19.3mmであり、凹部表面積と凸部表面積の差が3.7~6.9mmである、
ことを特徴とする産業用ワイプである。
第二の手段は、
凹部の平面視形状が、角部が曲線の角丸平行四辺形であり、凸部の平面視形状が、楕円又は略楕円形状である、上記第一の手段に係る産業用ワイプである。
第三の手段は、
凹部の平面視形状は、縦方向及び横方向の少なくとも一方に沿う平行な一対の縁を有する上記第二の手段に係る産業用ワイプである。
第四の手段は、
縦方向に隣接する凹部同士は、縦方向に平行な一対の縁が横方向の同位置になく、かつ、縦方向に沿わない平行な一対の縁の延長線方向で隣接する凹部同士は、縦方向に沿わない平行な一対の縁が、互いにその縁の延長線上にある、上記第三の手段に係る産業用ワイプである。
第五の手段は、
縦方向に隣接する凹部同士が、縦方向に平行な一対の縁が横方向の同位置にあり、かつ、縦方向に沿わない平行な一対の縁の延長線方向で隣接する凹部同士は、縦方向に沿わない平行な一対の縁が、互いにその縁の延長線上にある、上記第三の手段に係る産業用ワイプである。
第六の手段は、
縦方向に隣接する凹部同士は、縦方向に平行な一対の縁が横方向の同位置にあり、かつ、縦方向に沿わない平行な一対の縁の延長線方向で隣接する凹部同士は、縦方向に沿わない平行な一対の縁が、互いにその縁の延長線上にない、上記第三の手段に係る産業用ワイプである。
第七の手段は、
横方向に隣接する凹部同士は、横方向に平行な一対の縁が縦方向の同位置にあり、かつ、横方向に沿わない平行な一対の縁の延長方向で隣接する凹部同士は、横方向に沿わない平行な一対の縁が、互いにその縁の延長線上にある、上記第三の手段に係る産業用ワイプである。
第八の手段は、
パルプを主原料とするシートが複数枚積層され、エンボス加工による凹凸によって一体化されている産業用ワイプの製造方法であって、
底面を有する複数の凹部が形成されている凹部面と、頂面を有する複数の凸部が前記凹部に対応する位置に形成されている凸部面との間に、積層された複数の原紙を通紙して、原紙に対して凹凸を形成するエンボス加工工程を有し、
そのエンボス加工工程における、凹部の単位面積当たりの底面の面積率を31.0~32.0とし、凸部の単位面積当たりの頂面の面積率を8.5~10.5とし、
凹部面と凸部面とのクリアランスを0.30~0.50mmとする、
ことを特徴とする産業用ワイプの製造方法である。
第九の手段は、
凸部の平面視形状が、角部が曲線の角丸平行四辺形であり、凹部の平面視形状が、楕円又は略楕円形状である、上記第八の手段に係る産業用ワイプの製造方法である。
第十の手段は、
凸部が、搬送方向及び搬送方向に直交する方向の少なくとも一方に沿う平行な一対の縁を有する上記第九の手段に係る産業用ワイプの製造方法である。
第十一の手段は、
搬送方向に隣接する凸部同士は、搬送方向に平行な一対の縁が搬送方向に直交する方向の同位置になく、かつ、搬送方向に沿わない平行な一対の縁の延長線方向で隣接する凸部同士は、搬送方向に沿わない平行な一対の縁が、互いにその縁の延長線上にある、上記第十の手段に係る産業用ワイプの製造方法である。
第十二の手段は、
搬送方向に隣接する凸部同士が、搬送方向に平行な一対の縁が搬送方向に直交する方向の同位置にあり、かつ、搬送方向に沿わない平行な一対の縁の延長線方向で隣接する凸部同士は、搬送方向に沿わない平行な一対の縁が、互いにその縁の延長線上にある、上記第十の手段に係る産業用ワイプの製造方法である。
第十三の手段は、
搬送方向に隣接する凸部同士は、搬送方向に平行な一対の縁が搬送方向に直交する方向の同位置にあり、かつ、搬送方向に沿わない平行な一対の縁の延長線方向で隣接する凸部同士は、搬送方向に沿わない平行な一対の縁が、互いにその縁の延長線上にない、上記第十の手段に係る産業用ワイプの製造方法である。
第十四の手段は、
搬送方向に直行する方向に隣接する凸部同士は、搬送方向に直行する方向に平行な一対の縁が搬送方向の同位置にあり、かつ、搬送方向に直交する方向に沿わない平行な一対の縁の延長線方向で隣接する凸部同士は、搬送方向に直交する方向に沿わない平行な一対の縁が、互いにその縁の延長線上にある、上記第十の手段に係る産業用ワイプの製造方法である。
第十五の手段は、
パルプを主原料とするシートが複数枚積層され、エンボス加工による凹凸によって一体化されている産業用ワイプの製造方法により製造される産業用ワイプであり、
前記製造方法が、底面を有する複数の凹部が形成されている凹部面と、頂面を有する複数の凸部が前記凹部に対応する位置に形成されている凸部面との間に、積層された複数の原紙を通紙して、原紙に対して凹凸を形成するエンボス加工工程を有し、
そのエンボス加工工程における、凹部の単位面積当たりの底面の面積率を31.0~32.0とし、凸部の単位面積当たりの頂面の面積率を8.5~10.5とし、
凹部面と凸部面とのクリアランスを0.30~0.50mmとする、
ことを特徴とする産業用ワイプである。
本発明によれば、産業用ワイプに求められる使用態様により適し、グリス等の拭き取り性能に優れつつ、十分な吸液性能をも有し、さらに、製造時の紙力の低下が少なく、プライ離れもし難い、産業用ワイプが提供される。
第一実施形態に係る産業用ワイプの凹部形成面を示す図である。 第一実施形態に係る産業用ワイプの凸部形成面を示す図である。 第一実施形態に係る産業用ワイプの凹部形成面の拡大図である。 凹部の深さの測定方法を説明するための図である。 エンボス加工工程を示す概略図である。 クリアランスを説明するための図である。 第一実施形態に係る産業用ワイプの凹部を形成するための凸部を示す平面図である。 第一実施形態に係る産業用ワイプの凹部を形成するための凸部を示す断面図である。 第一実施形態に係る産業用ワイプの凸部を形成するための凹部を示す図である。 第一実施形態に係る産業用ワイプの凸部を形成するための凹部を示す断面図である。 第二実施形態に係る産業用ワイプの凹部の配列を示す平面図である。 第三実施形態に係る産業用ワイプの凹部の配列を示す平面図である。 第四実施形態に係る産業用ワイプの凹部の配列を示す平面図である。
次いで、本実施形態の産業用ワイプの実施形態を図面を参照しながら説明する。
[第一実施形態]
本実施形態の産業用ワイプ1は、パルプを主原料とするシート10が四枚積層され、エンボス加工による凹凸20,21によって一体化されているものである。積層数は限定されないが三プライ又は四プライであると、十分な強度を発現しやすく、また、十分なしなやかさとしやすい。
本実施形態のシート10は、繊維原料を湿式抄紙により抄紙して形成される紙であるのが望ましく、特に、ドライクレープ及びウェットクレープの少なくとも一方が形成されたクレープ紙又は薄様紙であるのが望ましい。クレープ率は、特に限定はされない。
シート10の主原料となるパルプの種類は、限定されないが、LUKP、LBKP、NUKP、NBKP等の未晒又は晒のクラフトパルプが望ましい。この場合、Nパルプと称される針葉樹由来のパルプを高配合するのが望ましい。Nパルプは繊維長が長いため紙粉は発生しがたい。また、古紙パルプが配合されていてもよい。
繊維原料中におけるパルプの配合割合としては、90質量%以上、好ましくは100質量%である。パルプ以外の繊維としては、ケナフパルプ、マニラ麻等の非木材パルプ、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、アクリル繊維等の合成繊維が例示できる。
本実施形態の産業用ワイプ1におけるシート10の坪量は、シートの積層枚数等に応じて適宜に変更することができ、必ずしも限定されないが、10~35g/mの範囲であるのがよく、好ましく15~30g/mであり、より好ましくは16~22g/mである。坪量の測定は、JIS P 8124(1998)の米坪測定方に基づいて行う。
本実施形態の産業用ワイプ1における紙厚は、必ずしも限定されないが、3~4プライで500~1200μm、好ましくは、700~1000μmであるのが望ましい。この紙厚であれば、過度にかさばらない。ここで、紙厚の測定方法は、試験片をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に(通常は、8時間程度)調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて1プライの状態で測定するものとする。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、前記ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしそのときのゲージを読み取る。なお、測定に際しては、一つの凹部及び凸部が必ず測定台の範囲に入るようにする。なお、深さの異なる凹部が存在する場合には、最も深さの深い凹部が位置するようにする。この測定時には、プランジャーはのせるだけとして押えない。プランジャーの端子は金属製で直径10mmの円形の平面が紙平面に対し垂直に当たるようにし、この紙厚測定時の荷重は、約70gfである。なお、紙厚は測定を10回行って得られる平均値とする。
他方、本実施形態の産業用ワイプ1は、エンボス加工による凹凸20,21が、一方面に凹部20のみが形成され、他方面に前記凹部に対応する凸部21のみが形成されている形態で配されるシングルエンボスの形態である。このシングルエンボスとすることで、特に粘性の高い液体を掻き取り性が高まる。
特に、本実施形態の産業用ワイプ1は、凹部20と凸部21の平面視形状が異なっており、一つの凹部20の表面積が6.6~12.4mmであり、かつ、一つの凸部21の表面積が10.3~19.3mmであり、凹部20の表面積と凸部21の表面積の差が3.7~6.9mmである。なお、ここでの表面積及びその差は、立体視におけるものであり、凸部21の面積が広くなる。凹部20と凸部21の平面視形状が異なっており、凹部表面積と凸部表面積とその差が上記の範囲であれば、複数プライの多層品の紙製の産業用ワイプ1において堀の深いエンボス形状として加工中や使用中におけるプライ離れを防止できつつ、しなやかで十分な吸収性能とすることができ、さらに、十分な紙力とすることができる。このような凹凸は、エンボス加工時において、凹部20を形成するための凸部61と、凸部21を形成するための凹部71の形状及び表面積を異なるようにする。例えば、スチールマッチ方式のエンボス加工により形成することができる。特にスチールマッチエンボスは、紙面の凹部20の縁をはっきりさせやすく、拭き取り性を高めることができる。
また、本実施形態の産業用ワイプ1は、縦方向MDの伸長率が30%以上であるのが望ましい。伸長率が30%以上であれば十分にしなやかさがあるといえる。ここで、特に上記のように、凹部20と凸部21の平面視形状が異なっており、凹部表面積と凸部表面積の差が3.7~6.9mmであると、縦方向MDの伸長率が30%以上にすることが可能である。これは、エンボス加工時における凹部20を形成するための凸部61と凸部21を形成するための凹部71とのクリアランスL1を適宜にすることで、上記の面積差とするこができる。このクリアランスL1は原紙10Lに対する負荷に関係し繊維を押し固める度合いに関連するため上記面積差の場合に、特にこの有意に高い伸長率を達成することが容易となる。
ここで、本実施形態に係る伸長率は、JIS P 8113(2006)の引張試験に基づいて測定する。試験片は横方向25mm(±0.5mm)×縦方向150mm程度に裁断したものを用いる。試験機は、ミネベア株式会社製ロードセル引張り試験機TG-200Nを用いる。つかみ間隔が100mmに設定する。測定は、試験片の両端を試験機のつかみに締め付け、紙片を上下方向に引張り荷重をかけ、紙が破断する時の指示値(デジタル値)を読み取る手順で行う。引張速度は100mm/minとする。各々5組の試料を用意して各5回ずつ測定し、その測定値の平均を各方向の乾燥引張強度とする。
他方で、本実施形態の産業用ワイプ1では、凹部20及び凸部21のエンボス密度は、必ずしも限定されないが、凸部20において、30mm×30mmあたりに、完全な形状で35個以上あればよい。好ましくは、40個~60個、より好ましくは45~55個である。
また、本実施形態の産業用ワイプ1は、凸部側における凸部以外の部分の面積率が50%超、より好ましくは55%超であるのが望ましい。この面積率であると上記の伸長率としやすい。ここで、凸部以外の面積率は、株式会社キーエンス社製ワンショット3D測定マクロスコープ VR-3200又はその相当機と、画像解析ソフトウェア「VR-H1A」又はその相当ソフトウェアにより測定することができる。測定は、倍率12倍、視野面積30mm×30mmの条件で測定する。但し、倍率と視野面積は、適宜変更することができる。少なくとも凸部が完全な形状で35個以上はいるように選択するのがよい。具体的には、測定範囲に示される高低差画像中の凸部の最高値から設計上のエンボス高さ値を差し引いた部分の面積を測定し、割合を算出するのが望ましいが、凹部側面における凹部20の深さを後述のとおり測定し、その値を差し引いてもよい。
他方で、凹部20及び凸部21の平面視形状は、消費者の使用用途や嗜好に応じた様々なとすることができるが、本実施形態に係る産業用ワイプ1は、特に個々の凹部20の平面視形状が、角部30,30…が曲線の角丸平行四辺形となっており、凸部21の平面視形状が、略楕円形状となっている。略楕円ではなく楕円でもよい。略楕円形状は、図示の形態のように、好ましくは、角丸平行四辺形の各辺をその中央部分が外方に向かって膨出するようにされた形状であるのが望ましい。
この凹凸では、凹部20においては、角部30及び略直線状の一対の縁40,50を有しているため塵・埃・グリスを掻き取りやすく、凹部内へも取り込みやすい。また、凹部20は、正方形や長方形ではなく略鋭角と略鈍角の二種の角部を有するのが望ましく、略鋭角と略鈍角の二種の角部を有すると、種々の粘性のグリス等、性状の異なる被拭き取り物に対応しやすくなる。例えば、グリスにおいて175以上のちょう度に相当する粘性の高い液体や、グリスにおいて355以上のちょう度に相当する粘性の低い液体の双方の拭き取り性に優れるものとなる。また、凸部20においては、略楕円形状であることにより、直線状の縁がなく全体が弧であり角も有さないため、繊維が過度に密にならず吸液性能や紙力を高めやすい。
他方、凹部21の平面視形状は、縦方向MD及び横方向CDの少なくとも一方に沿う平行な一対の縁を有するのが望ましい。本実施形態では、図3に示すように、凹部の平行な一対の縁50,50が縦方向MDに平行に位置して沿うものとなっている。図示の形態では、縦方向MDに沿う縁の長さが短い形態であるが、これに限定されない。なお、縦方向MD及び横方向CDとは、紙の縦方向、横方向である。原反ロールから連続シートに製造する場合には、縦方向MDは製造時における搬送方向TDと一致し、横方向CDは製造時における搬送方向TDと直交する方向ODと一致する。クレープ紙のシート10は、縦方向に沿って繊維が配向しており、クレープの尾根が、横方向CDに沿うように並ぶ。凹部20の平行な一対の縁50,50が縦方向MDに沿っていると、クレープの尾根を分断するように配されるため、紙が縦方向MDに沿って折れやすくなり産業用ワイプとしてのしなやかさが高まる。
また、特に本実施形態の産業用ワイプ1は、図3に示すように凹部20の配列が、縦方向MDに隣接する凹部同士が、縦方向MDに平行な一対の縁50,50が横方向CDの同位置になく、縦方向MDに沿わない平行な一対の縁40,40の延長線方向で隣接する凹部同士は、縦方向MDに沿わない平行な一対の縁40,40が、互いにその縁の延長線上にあるようになっている。紙は、縦方向MDに沿って裂けやすい性質があるため、縦方向MDに隣接する凹部同士が、縦方向MDに平行な一対の縁50,50が横方向CDの同位置にないようになっていると、ある個所において紙の裂けが発生した際に、隣接する凹部20の縁50,50間を跨いで連続的に裂けるおそれが小さくなる。
また、凹部20の平行な一対の縁40,40は、シート10の横方向CDに対して、30~60度の角度∠αとなるようにして配されているのが望ましい。上記のとおり、クレープ紙のシート10は、縦方向に沿って繊維が配向しており、クレープの尾根が、横方向に沿うように並ぶため、クレープの尾根の延在方向に対して、角丸平行四辺形の凹部20の縁40,40が30~60度となるように配すると、特に粘度の低い液体が、凹部20の縁に沿って浸透しやすくなり、吸収速度及び吸収量が高まるようになる。特に好適には34~36度で、ややCD方向に傾斜していると、より効果的である。なお、上記のとおり、本発明は、一対の縁のいずれが長いかは限定されない。凹部20における平行な一対の縁の長さの比も限定されないが、凹部は過度に細長にならないのが望ましく、3:1~1:3の範囲にあるのがよい。
ここで、一つの凹部20のより好ましい具体的な寸法としては、限定されないが、図示において長い縁40の間の間隔L2が5~10mm、短い縁50の間の間隔L3が10~20mmである。この大きさの凹部20であると、特に拭き取り操作時に凹部20の縁でグリス等の粘性の高い液体を掻き取って凹部20内に入り込みやすくなり、粘性の高い液体の拭き取り性が高まる。
また、本実施形態の産業用ワイプ1では、前記凹部20の深さが、0.5~1.3mmである。凹部20の深さが0.5mm未満であると粘性の高い液体の掻き取り性が十分に発現せず。1.3mmを超えると、シングルエンボスの形態の場合、嵩や厚みが高くなりすぎて、保管性、輸送性の観点で望ましくない。
エンボス加工による凹部の深さは、株式会社キーエンス社製ワンショット3D測定マクロスコープ VR-3200又はその相当機と、画像解析ソフトウェア「VR-H1A」又はその相当ソフトウェアにより測定する。測定は、倍率12倍、視野面積24mm×18mmの条件で測定する。但し、倍率と視野面積は、凹部20の大きさによって、適宜変更することができる。具体的な測定手順は、図4を参照して説明すると、上記ソフトウェア等を用いて、平面視点で示される画像部(図中X部分)中の一つの凹部20の周縁の最長部を横切る線分Q1におけるエンボス深さ(測定断面曲線)プロファイルを得る。このエンボス深さプロファイルの断面曲線からλc:800μm(但し、λcはJIS-B0601「3.1.1.2」に記載の「粗さ成分とうねり成分との境界を定義するフィルタ」)より短波長の表面粗さの成分を低域フィルタによって除去して得られる断面視点で示される画像部(図中Y部分)の「輪郭曲線Q2」のうち、上に凸で最も曲がりが強くなる2つの凹部エッジ点P1,P2と、凹部エッジ点P1,P2で挟まれる最小値を求め、深さの最小値Minとする。さらに、凹部エッジ点P1,P2の深さの値の平均値を深さの最大値Maxとする。このようにして、エンボス深さ=最大値Max-最小値Minとする。又、凹部エッジ点P1,P2のX-Y平面上の距離(長さ)を最長部の長さと規定する。上記の上に凸で最も曲がりが強くなる2つの凹部エッジ点P1,P2は目視にて選択する。なお、その選択にあたっては、当該測定中の凹部20の平面視点の画像中の輪郭Eを参考としてもよい。同様にして、最長部に垂直な方向での最短部についても凹部20の深さを測定し、大きい方の値を凹部20の深さとして採用する。以上の測定を、表面の任意の10個のエンボスについて行い、その平均値を凹部の深さとする。
ここで、本実施形態の産業用ワイプは、乾燥引張強度の縦横比が4.5以下、好ましくは4.0以下であるのが望ましい。縦方向及び横方向の具体的な乾燥引張強度は、必ずしも限定されないが、縦方向で2000~3500cN/25mm、横方向で800~1300cN/25mmであるのが望ましい。この範囲であれば拭き取りに十分な強度である。なお、乾燥引張強度の測定方法は、JIS P8113(1998)に準ずる方法で実施する。測定装置としては、ミネベア株式会社製「万能引張圧縮試験機 TG-200N」及びその相当機が挙げられる。
また、本実施形態の産業用ワイプ1は、縦方向MD及び横方向CDの具体的な湿潤引張強度は、必ずしも限定されないが、縦方向で700~1100cN/25mm、横方向で200~800cN/25mmであるのが望ましい。この範囲であれば液吸収した後の拭き取りに十分な強度である。
次いで、第一実施形態の産業ワイプの製造方法について主に特に図5~図10を示しながら説明する。
本実施形態の産業用ワイプ1は、底面72を有する複数の凹部71が形成されている凹部面70sと、頂面62を有する複数の凸部61が前記凹部71に対応する位置に形成されている凸部面60sとの間に、複数のシート10a積層された複数の積層原紙10Lを通紙して、前記原紙10Lに対して凹凸を形成するエンボス加工を行うことにより製造する。
原紙10a,10a…の積層は、原紙10aを巻き取った複数の原反ロール10Aから連続シート10aを繰り出し、ガイドロール11等により積層することができる。なお、図示の形態は4層積層の形態であるがこれに限定されない。また、積層原紙10Lについてはエンボス加工の設備とは別の設備で複数の原紙10aを予め積層しておき、積層原紙10Lをロールから繰り出すようにしてもよい。原紙は、上記のとおり抄紙原料をドライクレープ法又はウェットクレープ法により抄紙してクレープ紙とし、巻き取ってロールとする公知の抄紙技術により形成することができる。
本実施形態の製造方法では、複数の凹部71が形成されている凹部面70sと、複数の凸部61が前記凹部71に対応する位置に形成されている凸部面60sとは、双方とも金属製のエンボスロール60,70により構成されている。つまり、一方のエンボスロール70の周面70sには、複数の凹部71が形成され、これと対になる他方のエンボスロール60の周面60sには、複数の凸部61が形成されている。
そして、これらのロール60,70は、回転軸方向を同一として周面突合せに配置されており、その周面が対面する部位で凹部71及び凸部61が所定のクリアランスL1で合致するように構成されている。
各エンボスロール60,70の周面60s,70sの材質は、必ずしも限定されないが、例えば金属製等の硬質素材であり、いわゆるスチールマッチタイプのエンボス加工を行うものであるの望ましい。
本実施形態は、積層の連続シート10Lを上記一対のエンボスロール間に通紙することで、連続シート10Lを連続的にエンボス加工して紙面の一方面に凹部61を他方面に凸部71の形状を転写する。したがって、本実施形態では、エンボス加工時における搬送方向TDは、紙の縦方向MDと一致し、搬送方向に直交する方向ODは、紙の横方向CDと一致している。
なお、エンボス加工においては複数の凹部71が形成されている凹部面70sを有するプレートと、複数の凸部61が前記凹部71に対応する位置に形成されている凸部面60sを有するプレートとの各面60s,70sを対面させ、連続シート10Lを適宜の範囲ずつプレスして凹凸を付与するようにしてもよい。
他方で、本実施形態に係るエンボス加工工程において使用する凸部面60sに形成された凸部61は、平坦な頂面62を有するものとなっており、その凸部61の単位面積当たりの頂面62の面積率は8.5~10.5%となっている。また、凹部面70sに形成された凹部71が底面72を有するものなっており、その凹部71の単位面積当たりの底面72の面積率が31.0~32.0%となっている。なお、単位面積当たりの頂面62の面積率とは、エンボス付与面積に対する頂面の面積の割合であり、平面視における凸部面積に対する頂面面積の割合と一致する。また、凹部71の単位面積当たりの底面72の面積率とは、エンボス付与面積に対する頂面の面積の割合であり、平面視における凸部面積に対する底面面積の割合と一致する、なお、エンボス付与面積とは、凸部の平面視の面積が基準である。
そして、本実施形態に係るエンボス加工工程では、上記の凹部面70sと凸部面60sとを0.30~0.50mm、好ましくは、0.34~0.48mmのクリアランスL1でエンボス加工を行う。ここで、特に図6に示すように、クリアランスL1とは、凸部61における頂面62と凹部71における底面72とを接合させた際における凸部61及び凹部71の斜面間の間隔である。
本実施形態の条件でエンボス加工を行うと、凹部71及び凸部61が鮮明に転写されるとともに各原紙10aの積層一体化が確実になされ、産業用ワイプ1に求められる使用態様に非常に適し、グリス等の拭き取り性能に優れつつ、プライ離れがし難いものとなるとともに、特にクリアランスL1によって、原紙に対して過度の負荷がかからず、紙力の低下が小さく、繊維も過度に固められないため十分な吸液性能を有するものとなる。また、紙の縦方向MDの伸長率が30%を超えるものとしやすい。
本実施形態の製造方法に係るエンボス加工では、凸部面60s及び凹部面70sの各凹凸に対応する凹凸が、紙面に転写されるため、好ましいエンボス密度や個々の平面視形状の凹部61及び凸部71の形状については、第一実施形態の産業用ワイプと一致するがあり上記のとおりであるが、製造方法において特有の好ましい点についてさらに説明する。
まず、紙面の凹部21に対応する凸部61の平面視形状は、角部63が曲線の角丸平行四辺形であり、紙面の凸部20に対応する凹部71の平面視形状は楕円又は略楕円形状である。略楕円形状は、図示の形態のように、好ましくは、角丸平行四辺形の各辺をその中央部分が外方に向かって膨出するようにされた形状である。凸部61における角部63の丸みは、特に限定されない。
本実施形態に係る産業用ワイプ1の製造方法では、凹部71における底面72の形状及び凸部61の頂面62の形状は、消費者の使用用途や嗜好に応じた様々なとすることができるが、好ましくは、角丸四角形、円又は楕円の何れかであり、角部を有さない形状が望ましい。頂面62及び底面72の形状が一致している必要がないが相似又は類似の形状であるのが望ましい。また、頂面62及び底面72の縁部62R,72Rは、R0.1~0.7mm程度で丸みをつけるのがよい。紙力がより低下し難くなる。同様に凸部61及び凹部71の縁部61R,71RもR0.1~0.7mm程度で丸みをつけるのがよい。紙力がより低下し難くなる。
また、一つの凹部71の表面積は10.3~19.3mmであり、一つの凸部61の表面積は6.6~12.4mmである。紙面における凹部20及び凸部21の表面積と同様にするのが望ましい。底面72及び頂面62の面積は限定されないが、底面72は、1.1~2.1mm、頂面62は、1.0~1.9mmであるのが望ましい。また、頂面62と底面72とでは、底面72の面積が広く、その差が64~35%以内であるのが望ましい。紙面にしっかり凹凸を形成しやすくなる。
また、本実施形態の産業用ワイプ1に係るエンボス加工では、その凸部面60sの凸部61の側面の傾斜∠B及び凹部面70sの凹部71の側面の傾斜∠Cは、55~70°、好ましくは58~67°とするのがよい。エンボス加工時における凸部61及び凹部71の抜けがよく、また、原紙10Lへの負荷が小さく紙力の低下をより低くすることができる。
さらに本実施形態に係る産業用ワイプ1の製造方法では、凸部面60sの凸部61及び凹部面70sの凹部71の表面積増加率が125~135%であるのが望ましい。この表面増加率であれば原紙10Lに負荷が少なく本発明の効果が発現しやすい。表面積増加率は、平面視における面積に対する凹部内又は凸部上の表面面積の割合であり、表面増加率が高いと紙面が多く伸ばされて表面積が増加するようになる。
他方で、本実施形態に係る産業用ワイプ1の製造方法では、上記第一実施形態の好ましい形態の産業用ワイプ1を製造すべく、エンボスロール周面60sにおける凸部61の配置は、搬送方向TDに隣接する凸部同士が、搬送方向TDに平行な一対の縁65,65が搬送方向TDに直行する方向ODの同位置になく、搬送方向TDに沿わない平行な一対の縁64,64の延長線方向で隣接する凹部同士は、搬送方向に沿わない平行な一対の縁64,64が、互いにその縁の延長線上にあるようになっている。なお、エンボスロールは円筒であるため紙面が搬送される搬送方向は、紙面との接触部分における回転方向と一致する。したがって、周面においては搬送方向は、回転方向と一致する。また、回転軸の延在方向が搬送方向に直交する方向ODと一致する(以下、他の実施形態でも同様である)。このような凸部61の配置であれば原紙である連続シート10Lを通紙させれば、縦方向MDに隣接する凹部同士は、縦方向MDに平行な一対の縁50,50が横方向CDの同位置になく、縦方向MDに沿わない平行な一対の縁40,40の延長線方向で隣接する凹部同士は、縦方向MDに沿わない平行な一対の縁40,40が、互いにその縁の延長線上にある上記第一実施形態の好ましい産業ワイプ1が製造できる。
[第二実施形態]
次いで、図11に第二実施形態に係る産業用ワイプ2を示す。本実施形態の産業ワイプ2は、第1実施形態の産業用ワイプ1と凹部20及び凸部21の配列が異なっている形態である。この実施形態の産業ワイプ2は、縦方向MDに隣接する凹部同士が、縦方向MDに平行な一対の縁50,50が横方向CDの同位置にあり、縦方向MDに沿わない平行な一対の縁40,40の延長線方向で隣接する凹部同士は、縦方向MDに沿わない平行な一対の縁40,40が、互いにその縁の延長線上にある。つまり、隣り合う凹部20の長辺40及び短辺50が一直線上に位置するようにして配されている。この実施形態の産業用ワイプ2は、均等に凹部20が配置され、拭き取り時や液吸収時のムラが少なくなる。また、産業用ワイプを製品化する際に、二つ折り、四つ折りにする場合に、凹部20の縁50に沿って横方向CDに折り曲げやすくなり加工性も高まる。
この第二実施形態の産業用ワイプ2は、図5~図10に示す第1実施形態の産業用ワイプ1の製造方法において、周面が凸部面60sとなっているエンボスロール60における凸部61の配置を、搬送方向TD(回転方向)に隣接する凸部同士が、その搬送方向TDに平行な一対の縁65,65が搬送方向TDに直行する方向ODの同位置にあり、かつ、搬送方向TDに沿わない平行な一対の縁64,64の延長線方向で隣接する凹部同士が、搬送方向TDに沿わない平行な一対の縁64,64が互いにその縁の延長線上にあるものとし、凹部面70sを有するエンボスロール70の各凹部71を前記凸部の配列に対応するようにすればよい。個々の凹部61や凸部71の構成等のその他の構成については、第一実施形態の産業用ワイプの製造方法と同様である。
[第三実施形態]
次いで、図12に第三実施形態に係る産業用ワイプ3を示す。本実施形態の産業ワイプ3は、第一及び第二実施形態の産業ワイプ1,2と凹部20及び凸部21の配列が異なっている形態である。この実施形態の産業用ワイプ3は、縦方向MDに隣接する凹部同士は、縦方向MDに平行な一対の縁50,50が横方向CDの同位置にあり、縦方向MDに沿わない平行な一対の縁40,40の延長線方向で隣接する凹部同士は、縦方向MDに沿わない平行な一対の縁40,40が、互いにその縁の延長線上にない。この実施形態の産業ワイプ3では、第二実施形態の産業用ワイプ1と同様に、産業用ワイプを製品化する際に、二つ折り、四つ折りにする場合に、凹部20の縁50,にそって横方向CDに折り曲げやすくなり加工性に優れる。
この第三実施形態の産業用ワイプ3は、図5~図10に示す第一実施形態の産業用ワイプ1の製造方法において、周面が凸部面60sとなっているエンボスロール60における凸部61の配置を、搬送方向TD(回転方向)に隣接する凸部同士が、その搬送方向TDに平行な一対の縁65,65が、搬送方向TDに直交する方向ODの同位置にあり、かつ、搬送方向TDに沿わない平行な一対の縁64,64の延長線方向で隣接する凹部同士は、搬送方向TDに沿わない平行な一対の縁64,64が、互いにその縁の延長線上にないものとし、凹部面70sを有するエンボスロール70の各凹部71を前記凸部の配列に対応するようにすればよい。個々の凹部や凸部の構成等のその他の構成については、第一実施形態の産業用ワイプの製造方法と同様である。
[第四実施形態]
次いで、図12に第四実施形態に係る産業用ワイプ4を示す。本実施形態の産業ワイプ4は、第一~第三実施形態の産業ワイプ1~3と凹部20及び凸部21の配列が異なっている形態である。この実施形態の産業ワイプ4は、凹部20の平行な一対の縁41,41が横方向CDに平行となるように配されている。さらに横方向CDに隣接する凹部同士は、横方向CDに平行な一対の縁41,41が縦方向MDの同位置にありま、縦方向に隣接する凹部同士は、横方向CDに沿わない平行な一対の縁51,51が、互いにその縁の延長線上にある。この実施形態では、第一実施形態の産業ワイプ1と同様に縦方向MDに沿って破断が連続し難く、さらに産業用ワイプを製品化する際に、二つ折り、四つ折りにする場合に、凹部20の縁41,41にそって縦方向MDに折り曲げやすくなり加工性も高まる。
この第四実施形態の産業ワイプ4は、繊維の配向に対して直行する方向に凹部20の縁41,41が延在するようになるため、繊維が折れやすくしなやかさが発現しやすい。また、産業用ワイプ4を製品化する際に、二つ折り、四つ折りにする場合に、凹部20の縁にそって折り曲げやすく加工性も高まる。
この第四実施形態の産業用ワイプ4は、図5~図10に示す第1実施形態の産業用ワイプ1の製造方法において、周面が凸部面となっているエンボスロール60sにおける凸部61を搬送方向に直交する方向ODに平行な一対の縁を有するものとし、その凸部61の配置を、搬送方向に直交する方向OD(回転軸方向)に隣接する凸部同士が、その搬送方向に直交する方向ODに平行な一対の縁が、搬送方向の同位置にあり、かつ、搬送方向に直交する方向ODに平行な一対の縁に沿わない縁の延長方向に隣接する凸部同士は、搬送方向に直行する方向ODに沿わない平行な一対の縁が、互いにその縁の延長線上にあるものとし、凹部面70sを有するエンボスロール70の各凹部71を前記凸部の配列及び形状に対応するようにすればよい。
個々の凹部や凸部の構成等のその他の構成については、第一実施形態の産業用ワイプの製造方法と同様である。
次いで、本実施形態に係る産業ワイプ(実施例1~実施例4)と、エンボス加工を行っていない凹凸の形成していない原紙(比較例1)と、従来のピンエンボスの産業用ワイプ(比較例2)と、本発明と異なる紙素材の産業用ワイプ(比較例3~6)について、吸水量、吸油量の試験を行った。吸油量は、サラダ油、エンジンオイル、潤滑油の三種について測定した。また、縦方向及び横方向におけるグリスの拭き取り性とプライ接着性について試験した。
各例における積層枚数は4枚である。実施例1~実施例4は、凹部及び凸部の配列が異なっており、凹部(エンボス加工用の凸部)の配列において、実施例1は、図1に示す配列、実施例2は、図11に示す配列、実施例3は、図12に示す配列、実施例4は、図13に示す配列となっている。比較例1~比較例4は、配列は実施例1~実施例4と同様であるが、凹部凸部の面積及び面積差の少なくとも一つが本発明の範囲ではないものである。エンボス加工においては、凹部の深さ及び凸部の高さを0.9mmとした。また、実施例1~実施例4及び比較例3~比較例6におけるエンボス加工のための凹部面の凹部形状は、図10に示す形状とした。比較例2のピンエンボスは、スチールラバー方式のエンボス加工により形成し、ピン高さを0.9mmとした。
また、エンボス加工においては、実施例1と比較例3、実施例2と比較例4、実施例3と比較例5、実施例4と比較例6は、凸部面は同位置とし、凹部面を異なるものとした。
各実施例及び比較例の物性・組成等は、試験の結果とともに、下記表1に示す。なお、吸水量、吸油量、グリスの拭き取り性は、下記のとおり測定し、米坪、紙厚、引張強度、凹部の深さは、上記のとおり測定方法により測定した。また、表中における凹部総面積は、測定範囲30×30mmないにある凹部の面積の合計である。底面総面積、凸部総面積及び頂面総面積も同様である。
〔吸水量〕
吸水量の測定は下記(1)~(6)のとおりに行った。
(1)試料を縦方向200mm×横方向200mmの矩形に裁断する。
(2)試料の質量を電子天秤(A&D HR300等)により測定する。
(3)試料を四つ折りにしその試料よりも大きいトレイ(例えば、内寸:215mm×160mm)に、20mm程度の深さとなるように、25℃の水を入れる。
(4)試料を、試料以上の大きさの剛性のある平網(例えば、120mm×120mm、網目15mm)の上に載せ、前記水を入れたトレイ内におろして、試料を11分間浸水させる。
(5)浸漬後、ピンセットで対角線状に二つ折りした後、バットから引き上げる。
(6)吸水した試料の質量を電子天秤により測定し、下記式により1m当たりの吸水量を算出する。
吸水量(g/m)=((上記(4)で測定した吸水した試験片の質量)-(上記(1)で測定した試験片の質量))×100(注:mに換算するため、100倍する)
〔吸油量〕
上記〔吸水量〕の試験と同様の操作及び算出式により測定した。なお、〔吸水量〕の試験からの変更点は、裁断する試料の大きさを縦方向200mm×横方向200mmの矩形とした点、バット内に入れる液体を25℃のサラダ油(日清サラダ油:日清オイリオグループ株式会社製)、エンジンオイル(ULTRA 2 SUPER:本田技研工業株式会社製)、潤滑油(スーパーギア220:出光興産株式会社製)とした点である。
〔グリスの拭き取り性〕
グリスの拭き取り性は、下記の(1)~(5)の手順で測定した。
(1)試料を縦方向200mm×横方向200mmの矩形に裁断する。
(2)この試料を四つ折りとして、電子天秤(A&D HR300等)により質量を測定する。
(3)平滑なステンレス製のバット上に平滑な樹脂フィルム(旭化成株式会社製:サランラップ)を敷き、その上に1.7gのグリスを直線状(約2.0cm)に絞り出す。
(4)四つ折りにした試料をグリスの上に載置し、さらにその上から350mLの水を入れた500mLビーカーを錘として載せる。
(5)試料の端を摘まみ横方向に試料をバット上をスライドするように20cm引っ張る。
(6)その後に錘のビーカーを取り除き、電子天秤(A&D HR300等)により質量を測定し、グリスを付着させる前の試料の質量との差を算出する。
〔プライ接着性〕
プライ接着された試料の1層目と2層目を指で剥がし、接着具合を、官能評価(7段階評価、N=5)した。なお、表中の数値は、3.5を中央値として、数値が高いほうが剥離し難く、数値が低いほど剥離しやすい。
Figure 0007428623000001
表1の結果が示すとおり、本発明に係る実施例1~4は、原紙や従来のピンエンボスの産業用ワイプよりも、吸水量、各種の油に対する吸油量、グリスの拭き取り性において有意性が認められる。さらに、比較例1~4との対比では、プライ接着及び原紙からの紙力の低下において有意性が認められる。本発明に係る実施例は、産業用ワイプに求められる使用態様により適し、グリス等の拭き取り性能に優れつつ、十分な吸液性能をも有し、さらに、製造時の紙力の低下が少なく、プライ離れもし難いものとなっている。
1~4…産業用ワイプ、10…シート、凹部…20、凸部…21、角部…30、50…縦方向に沿う縁、40…縦方向に沿わない縁、41…横方向に沿う縁、51…横方向に沿わない縁、∠α…縦方向と長辺との角度、L1…長辺間間隔、L2…短辺間間隔、MD…縦方向、CD…横方向、TD…搬送方向、OD…搬送方向に直交する方向、L1…クリアランス、L2,L3…縁間の間隔、60,70…エンボスロール、60s…凸部面(凸エンボスロール周面),70s…凹部面(凹エンボスロールの周面)、61…エンボス加工のための凸部面の凸部、62…頂面、63…角部、71…エンボス加工のための凹部、72…底面、61R…凸部の縁、71R…凹部の縁、62R…頂面の縁、72R…底面の縁、∠B…凸部の側面の傾斜角、∠C…凹部の側面の傾斜角

Claims (13)

  1. パルプを主原料とするシートが複数枚積層され、エンボス加工による凹凸によって一体化されている産業用ワイプであり、
    前記凹凸は、一方面に凹部のみが形成され、他方面に前記凹部に対応する凸部のみが形成されているシングルエンボスであり、
    その凹部と凸部の平面視形状が異なり、一つの凹部の表面積が6.6~12.4mmであり、一つの凸部の表面積が10.3~19.3mmであり、凹部表面積と凸部表面積の差が3.7~6.9mmであり、
    凹部の平面視形状が、角部が曲線の角丸平行四辺形であり、凸部の平面視形状が、楕円又は略楕円形状である、
    ことを特徴とする産業用ワイプ。
  2. 凹部の平面視形状は、縦方向及び横方向の少なくとも一方に沿う平行な一対の縁を有する請求項記載の産業用ワイプ。
  3. 縦方向に隣接する凹部同士は、縦方向に平行な一対の縁が横方向の同位置になく、かつ、縦方向に沿わない平行な一対の縁の延長線方向で隣接する凹部同士は、縦方向に沿わない平行な一対の縁が、互いにその縁の延長線上にある、請求項記載の産業用ワイプ。
  4. 縦方向に隣接する凹部同士が、縦方向に平行な一対の縁が横方向の同位置にあり、かつ、縦方向に沿わない平行な一対の縁の延長線方向で隣接する凹部同士は、縦方向に沿わない平行な一対の縁が、互いにその縁の延長線上にある、請求項記載の産業用ワイプ。
  5. 縦方向に隣接する凹部同士は、縦方向に平行な一対の縁が横方向の同位置にあり、かつ、縦方向に沿わない平行な一対の縁の延長線方向で隣接する凹部同士は、縦方向に沿わない平行な一対の縁が、互いにその縁の延長線上にない、請求項記載の産業用ワイプ。
  6. 横方向に隣接する凹部同士は、横方向に平行な一対の縁が縦方向の同位置にあり、かつ、横方向に沿わない平行な一対の縁の延長方向で隣接する凹部同士は、横方向に沿わない平行な一対の縁が、互いにその縁の延長線上にある、請求項記載の産業用ワイプ。
  7. パルプを主原料とするシートが複数枚積層され、エンボス加工による凹凸によって一体化されている産業用ワイプの製造方法であって、
    底面を有する複数の凹部が形成されている凹部面と、頂面を有する複数の凸部が前記凹部に対応する位置に形成されている凸部面との間に、積層された複数の原紙を通紙して、原紙に対して凹凸を形成するエンボス加工工程を有し、
    そのエンボス加工工程における、凹部の単位面積当たりの底面の面積率を31.0~32.0とし、凸部の単位面積当たりの頂面の面積率を8.5~10.5とし、
    凹部面と凸部面とのクリアランスを0.30~0.50mmとし、
    かつ、凸部の平面視形状が、角部が曲線の角丸平行四辺形であり、凹部の平面視形状が、楕円又は略楕円形状である、
    ことを特徴とする産業用ワイプの製造方法。
  8. 凸部が、搬送方向及び搬送方向に直交する方向の少なくとも一方に沿う平行な一対の縁を有する請求項記載の産業用ワイプの製造方法。
  9. 搬送方向に隣接する凸部同士は、搬送方向に平行な一対の縁が搬送方向に直交する方向の同位置になく、かつ、搬送方向に沿わない平行な一対の縁の延長線方向で隣接する凸部同士は、搬送方向に沿わない平行な一対の縁が、互いにその縁の延長線上にある、請求項記載の産業用ワイプの製造方法。
  10. 搬送方向に隣接する凸部同士が、搬送方向に平行な一対の縁が搬送方向に直交する方向の同位置にあり、かつ、搬送方向に沿わない平行な一対の縁の延長線方向で隣接する凸部同士は、搬送方向に沿わない平行な一対の縁が、互いにその縁の延長線上にある、請求項記載の産業用ワイプの製造方法。
  11. 搬送方向に隣接する凸部同士は、搬送方向に平行な一対の縁が搬送方向に直交する方向の同位置にあり、かつ、搬送方向に沿わない平行な一対の縁の延長線方向で隣接する凸部同士は、搬送方向に沿わない平行な一対の縁が、互いにその縁の延長線上にない、請求項記載の産業用ワイプの製造方法。
  12. 搬送方向に直行する方向に隣接する凸部同士は、搬送方向に直行する方向に平行な一対の縁が搬送方向の同位置にあり、かつ、搬送方向に直交する方向に沿わない平行な一対の縁の延長線方向で隣接する凸部同士は、搬送方向に直交する方向に沿わない平行な一対の縁が、互いにその縁の延長線上にある、請求項記載の産業用ワイプの製造方法。
  13. パルプを主原料とするシートが複数枚積層され、エンボス加工による凹凸によって一体化されている産業用ワイプの製造方法により製造される産業用ワイプであり、
    前記製造方法が、底面を有する複数の凹部が形成されている凹部面と、頂面を有する複数の凸部が前記凹部に対応する位置に形成されている凸部面との間に、積層された複数の原紙を通紙して、原紙に対して凹凸を形成するエンボス加工工程を有し、
    そのエンボス加工工程における、凹部の単位面積当たりの底面の面積率を31.0~32.0とし、凸部の単位面積当たりの頂面の面積率を8.5~10.5とし、
    凹部面と凸部面とのクリアランスを0.30~0.50mmとし、
    かつ、凸部の平面視形状が、角部が曲線の角丸平行四辺形であり、凹部の平面視形状が、楕円又は略楕円形状である、
    ことを特徴とする産業用ワイプ。
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