JP7424220B2 - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ヘッドアップディスプレイ装置に関する。
例えば、特許文献1に記載のヘッドアップディスプレイ装置は、表示光を発する液晶表示器と、表示光が通過する開口部を有するとともに液晶表示器を収容するハウジングと、を備える。ハウジングには遮光壁が設けられており、この遮光壁は、太陽光等の外光が液晶表示器に入射し虚像が見えにくくなる現象、いわゆるウォッシュアウトを防止している。
特開2010-152025号公報
上記特許文献1に記載の構成では、太陽光又は表示光が遮光壁で反射することにより迷光となり、虚像の表示品位が低下するおそれがある。
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、虚像の表示品位を高めることができるヘッドアップディスプレイ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るヘッドアップディスプレイ装置は、表示光を被投射部材に放射することにより虚像を表示するヘッドアップディスプレイ装置であって、前記表示光を放射する表示器と、前記ヘッドアップディスプレイ装置内で前記表示光が通過する光路空間に露出するように位置するレーザーシボ面を有する樹脂部材と、を備え、前記樹脂部材は、前記光路空間に露出する位置に形成され、前記レーザーシボ面よりもグロス値が大きいケミカルシボ面を有する。
本発明によれば、ヘッドアップディスプレイ装置において、虚像の表示品位を高めることができる。
本発明の一実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置が搭載された車両の概略図である。 本発明の一実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の模式的な断面図である。 本発明の一実施形態に係る上ケースの斜視図である。 本発明の一実施形態に係る中ケースの斜視図である。 本発明の一実施形態に係るレーザーシボ面を拡大した写真である。 本発明の一実施形態に係るケミカルシボ面を拡大した写真である。 本発明の一実施形態に係る第2鏡ホルダの斜視図である。 本発明の一実施形態に係るイジェクタピン及び金型の断面図である。 本発明の変形例に係る遮光部の側面図である。 本発明の変形例に係る金型の断面図である。
本開示に係るヘッドアップディスプレイ装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。以下では、X方向は車幅方向に沿い、Y方向は車両前後方向に沿い、Z方向は高さ方向に沿う。
図1に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置100は、車両5のダッシュボード内に搭載される。ヘッドアップディスプレイ装置100は、車両5の被投射部材の一例であるフロントガラス6に向けて画像を表す表示光Lを出射する。表示光Lはフロントガラス6で反射して視認者1(主に車両5の運転者)に到達する。これにより、ヘッドアップディスプレイ装置100は、視認者1により視認可能に車両情報を含む虚像Vを表示する。
図2に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置100は、表示器10と、反射鏡20と、凹面鏡30と、第1鏡ホルダ69及び第2鏡ホルダ63を含む筐体60と、制御基板70と、ミラー駆動ユニット78と、を備える。
図2に示すように、表示器10は、制御基板70による制御のもと、像を表す表示光Lを出射する光出射面10aを備える。光出射面10aはX方向に長い長方形をなす。
表示器10は、複数のLED(Light Emitting Diode)からなる光源11と、光源11からの光を受けて表示光Lを出射するTFT(Thin Film Transistor)型の液晶からなる表示パネル12と、を備える。
なお、表示パネル12は、透過型ディスプレイに限らず、自発光型ディスプレイ、例えば、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro-Luminescence Display)であってもよい。
図2に示すように、反射鏡20は、表示器10からの表示光Lを凹面鏡30に向けて反射させる平面鏡である。なお、反射鏡20は凹面鏡であってもよい。
第2鏡ホルダ63は、樹脂により形成され、反射鏡20の反射面を露出させた状態で反射鏡20を反射鏡20の裏面から保持する。第2鏡ホルダ63は、後述する中ケース62の第2設置面62s(図4参照)に設置される。第2鏡ホルダ63の具体的な構成については後述する。
図2に示すように、凹面鏡30は、反射鏡20で反射した表示光Lをフロントガラス6(図1参照)に向けて拡大させつつ反射させる。第1鏡ホルダ69は、樹脂により形成され、凹面鏡30を凹面鏡30の裏面から支持する。第1鏡ホルダ69は、凹面鏡30を支持した状態で、回転軸Axを中心に回転可能に後述する中ケース62の光路空間Sc内に支持される図示しない鏡回転支持部を備える。
ミラー駆動ユニット78は、制御基板70による制御のもと、第1鏡ホルダ69を介して回転軸Axを中心に凹面鏡30を回転させることにより表示光Lの投射位置をZ方向に変化させる。
図2に示すように、筐体60は、樹脂で形成される樹脂部材である。筐体60内には、ヘッドアップディスプレイ装置100の各構成が収納されている。
筐体60には、フロントガラス6(図1参照)に対向する位置に開口部61hが形成されている。筐体60は、開口部61hを塞ぐ湾曲板状の窓部50を備える。窓部50は、表示光Lが透過するアクリル等の透光性の樹脂からなる。
詳しくは、図2に示すように、筐体60は、第1鏡ホルダ69及び第2鏡ホルダ63に加えて、上ケース61と、中ケース62と、下ケース68と、を備える。
中ケース62は、上方向に向けて開口した箱状をなす。中ケース62内には反射鏡20を保持する第2鏡ホルダ63及び凹面鏡30を保持する第1鏡ホルダ69が設置されている。
中ケース62の裏側(図2の下側)にはミラー駆動ユニット78、表示器10及び制御基板70が設けられている。下ケース68は、表示器10、ミラー駆動ユニット78及び制御基板70を覆うように中ケース62の裏側に装着されている。
図4に示すように、中ケース62の底面62bには、第1鏡ホルダ69(図2参照)が設置される第1設置面62fと、第2鏡ホルダ63(図2参照)が設置される第2設置面62sとが形成されている。
中ケース62には、中ケース62の底面62bにおける光路空間Scに露出する部分にレーザーシボ面62L及び複数のケミカルシボ面62Kが形成されている。光路空間Scは、上ケース61内に形成される表示光Lが通過する空間であり、中ケース62により閉じられる。
レーザーシボ面62L及びケミカルシボ面62Kは、それぞれ光の反射を抑制する凹凸面形状に形成されている。
レーザーシボ面62Lは、中ケース62の底面62bにおける第1設置面62fと第2設置面62sを除く範囲に形成される。第1設置面62fは第1鏡ホルダ69により光路空間Scに対して隠され、第2設置面62sは第2鏡ホルダ63により光路空間Scに対して隠される。よって、第1設置面62f及び第2設置面62sに光が到達しないため、第1設置面62f及び第2設置面62sにシボが形成されていなくても迷光の原因とはならない。
複数のケミカルシボ面62Kは、中ケース62の底面62bに点在し、レーザーシボ面62Lに対して円形に凹んだ底面に形成される。ケミカルシボ面62Kは、金型200のイジェクタピン210(図8参照)に押されることにより形成される。複数、本例では10個のケミカルシボ面62Kは、レーザーシボ面62Lの外周に沿って配置されている。複数のうちいくつかのケミカルシボ面62Kは全域がレーザーシボ面62L内に位置し、複数のうち残りのケミカルシボ面62Kは一部がレーザーシボ面62L内に位置し、残りの部分がレーザーシボ面62Lの外に位置する。レーザーシボ面62Lは、ケミカルシボ面62Kよりも微細な凹凸面形状を有する。
図8に示すように、中ケース62は、金型200内のキャビティに樹脂が射出されることにより形成される。
金型200は、樹脂成形品である中ケース62のレーザーシボ面62Lに対向する金型シボ面201を備える。金型シボ面201はレーザー光線を照射することにより形成される。金型シボ面201が金型200のキャビティに射出された樹脂に転写されることによりレーザーシボ面62Lが形成される。レーザー光線により金型シボ面201を形成する場合、金型シボ面201の形成範囲を精度高く設定することができる。
図8に示すように、金型200には、金型200に密着した樹脂成形品を押し出すイジェクタピン210が挿通されている。イジェクタピン210は、樹脂成形品を押す先端面であるピンシボ面211を備える。ピンシボ面211は、薬剤によって腐食させることにより形成されている。ピンシボ面211が金型200のキャビティに射出された樹脂に転写されることによりケミカルシボ面62Kが形成される。
図5にはレーザーシボ面62Lが電子顕微鏡で撮影された写真が示され、図6にはケミカルシボ面62Kが電子顕微鏡で撮影された写真が示されている。図5及び図6には、それぞれ、拡大倍率が異なる4つの写真が示されている。図5及び図6それぞれにおいて、左上の写真、右上の写真、左下の写真及び右下の写真の順番で拡大倍率が高くなっている。
図5及び図6を対比してわかるように、レーザーシボ面62Lは、ケミカルシボ面62Kよりも目が細かく、規則的で連続的で滑らかな凹凸面が形成される。逆に、ケミカルシボ面62Kは、レーザーシボ面62Lよりも、目が粗く、不規則、不連続な面になる。
レーザーシボ面62Lのグロス値は、ケミカルシボ面62Kのグロス値よりも小さく形成される。グロス値(光尺度)を測定するには、試料の表面(本例では、レーザーシボ面62L又はケミカルシボ面62K)に一定の角度で一定の強さの光線を照射し、同じ角度で反射された光の量を観察する。この反射光の測定には、光沢度計が使われる。一例として、レーザーシボ面62Lのグロス値は0.5~3.0の範囲に設定され、ケミカルシボ面62Kのグロス値は3.0~8.0の範囲に設定される。よって、レーザーシボ面62Lは、ケミカルシボ面62Kよりも、光の反射を抑制することができる。
このように、光の反射を抑制するという観点からは、中ケース62の底面62bにおける光路空間Scに露出する部分の全域をレーザーシボ面で形成することが好ましい。しかしながら、イジェクタピン210の先端面にレーザー光線によりシボを形成することは困難である。詳しくは、イジェクタピン210の先端面にレーザー光線によりシボを形成する場合、イジェクタピン210を図示しない固定具により固定し、面積が小さいイジェクタピン210の先端面に合わせてレーザー光の照射範囲を設定する必要がある。この点、本実施形態では、イジェクタピン210の先端面を薬剤によって腐食させることを通じてイジェクタピン210の先端面にシボを形成するため、レーザー光でシボを形成する場合に比べて簡単にイジェクタピン210の先端面にシボを形成することができる。
図2に示すように、上ケース61は、中ケース62の上縁部に嵌め込まれることにより、中ケース62の光路空間Scを閉じる。
図3に示すように、上ケース61は、窓支持部61aと、遮光部61bと、側壁部61cと、を備える。
窓支持部61aは、中央に表示光Lが通過する開口部61hを有する矩形枠状をなす。窓支持部61aの上面には窓部50(図2参照)が固定されている。
図2に示すように、遮光部61bは、開口部61hの縁部のうち第2鏡ホルダ63の上側に位置する。遮光部61bは、Y方向に対して傾斜し、開口部61hの縁部から凹面鏡30に向かうX方向に長い板状をなす。遮光部61bは、太陽光等の外光が筐体60内の表示光Lの光路に進入することを抑制する。
図3に示すように、遮光部61bの上面の全域にわたって光の反射を抑制するレーザーシボ面61Lが形成されている。レーザーシボ面61Lは、上述した中ケース62のレーザーシボ面62Lと同様に形成される。なお、遮光部61bの上面に代えて、又は上面に加えて、遮光部61bの下面にレーザーシボ面が形成されてもよい。
詳しくは、遮光部61bは、本体部61b1と、端部61b2と、を備える。
本体部61b1は、X方向に延びる開口部61hの縁部に沿う長方形板状をなす。本体部61b1は、開口部61hの縁部から遠ざかるにつれて下側(図2に示す中ケース62の底面62bに近い側)に向かうように傾斜している。
端部61b2は、本体部61b1のX方向に延びる先端部の片側(図3の右側)に位置し、台形板状をなす。端部61b2は、本体部61b1よりもY方向に対する角度が大きくなるように傾斜している。
側壁部61cは、窓支持部61aに直交する方向に延び、遮光部61bのY方向に延びる縁部と開口部61hのY方向に延びる縁部の間に形成される。
図7に示すように、樹脂製の第2鏡ホルダ63は、反射鏡20を反射鏡20の裏面から支持する鏡保持部63aと、鏡保持部63aの長手方向の両側に設けられる2つの設置部63b(2つのうち一方の設置部63bは図示略)と、2つの設置部63bを連結するように鏡保持部63aの長手方向に沿って延びる設置部63cと、を備える。
一対の設置部63bと設置部63cは、図4に示す第2設置面62sに設置される。一対の設置部63bは、光通過孔部62aをX方向から挟み込むように配置される。設置部63cは、光通過孔部62aの周囲のうちX方向に延びる一対の辺部のうち第1設置面62fから遠い辺部に沿って延びる。
図7に示すように、一対の設置部63bには、互いに対向する面にケミカルシボ面63Kが形成されている。ケミカルシボ面63Kは、設置部63bにおける表示光Lの光路空間Scに露出する面に形成される。
ケミカルシボ面63Kの形成方法について説明する。まず、第2鏡ホルダ63を形成するための図示しない金型を薬剤によって腐食させて金型シボ面を形成する。この金型のキャビティ内に樹脂を射出することにより樹脂成形品である第2鏡ホルダ63に金型シボ面が転写される。これにより、第2鏡ホルダ63にケミカルシボ面63Kが形成される。ケミカルシボ面63Kのグロス値は、ケミカルシボ面62Kと同様に、3.0~8.0の範囲に設定される。
設置部63cには、表示光Lの光路空間Scに露出する面にレーザーシボ面63Lが形成されている。レーザーシボ面63Lは各ケミカルシボ面63Kに直角に交わっている。
レーザーシボ面63Lの形成方法について説明する。レーザーシボ面63Lは、第2鏡ホルダ63を形成する図示しない金型にレーザー光を照射することにより金型シボ面を形成する。この金型のキャビティ内に樹脂を射出することにより樹脂成形品である第2鏡ホルダ63に金型シボ面が転写される。これにより、第2鏡ホルダ63にレーザーシボ面63Lが形成される。レーザーシボ面63Lのグロス値は、レーザーシボ面62Lと同様に、0.5~3.0の範囲に設定される。
(効果)
以上、説明した一実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)ヘッドアップディスプレイ装置100は、表示光Lをフロントガラス6に放射することにより虚像Vを表示する。ヘッドアップディスプレイ装置100は、表示光Lを放射する表示器10と、表示器10からの表示光Lをフロントガラス6に導くリレー部材の一例である反射鏡20及び凹面鏡30と、ヘッドアップディスプレイ装置100内で表示光Lが通過する光路空間Scに露出する位置に形成されるレーザーシボ面61L,62L,63Lを有する樹脂部材の一例である上ケース61、中ケース62及び第2鏡ホルダ63と、を備える。レーザーシボ面61L,62L,63Lは規則的で連続的な凹凸を有する。
この構成によれば、レーザーシボ面61L,62L,63Lは、ケミカルシボ面62K,63Kに比べてグロス値を小さくすることができるため、太陽光又は表示光Lが反射することを抑制できる。よって、迷光の発生を抑制でき、虚像Vの表示品位を高めることができる。
また、上記構成によれば、低反射シート又は低反射塗料を樹脂部材に設ける必要がないため、簡単な構成を実現できる。
(2)中ケース62及び第2鏡ホルダ63は、光路空間Scに露出する位置に形成され、レーザーシボ面61L,62L,63Lよりもグロス値が大きいケミカルシボ面62K,63Kを有する。
レーザーシボ面61L,62L,63Lは、ケミカルシボ面62K,63Kよりも微細な凹凸面形状を有するため、光の反射を抑制する観点からは好ましい。しかしながら、レーザーシボ面61L,62L,63Lを形成するためには、金型へのレーザー光の照射範囲の設定等が必要となり、ケミカルシボ面62K,63Kを形成するよりも手間がかかる。上記構成によれば、レーザーシボ面61L,62L,63Lとケミカルシボ面62K,63Kのメリットとデメリットを勘案しつつ、レーザーシボ面61L,62L,63Lとケミカルシボ面62K,63Kが併用される。
(3)ケミカルシボ面62Kは、イジェクタピン210の先端面により金型200外へ樹脂成形品である中ケース62が押し出されることにより、レーザーシボ面62Lよりも凹んだ面に形成される。
この構成によれば、薬剤によって腐食させることによりイジェクタピン210の先端面にピンシボ面211が形成される。イジェクタピン210が金型200外へ中ケース62を押し出す際、ピンシボ面211の凹凸面形状が中ケース62に転写されてケミカルシボ面62Kが形成される。
ここで、金型200にレーザー光を照射することにより、高精細なケミカルシボ面62Kを形成でき、かつ、ケミカルシボ面62Kの範囲を高い精度で設定できるというメリットを有する。しかしながら、イジェクタピン210の先端面は面積が小さいため、イジェクタピン210の先端面にレーザー光を照射することは困難である。このため、イジェクタピン210の先端面は薬剤により腐食させてシボを形成することが好適である。
なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。以下に、変形の一例を説明する。
(変形例)
上記実施形態におけるレーザーシボ面61L,62L,63Lのうち少なくとも何れか2つは省略されてもよい。さらに、ケミカルシボ面62K,63Kのうち少なくとも何れか一方は省略されてもよい。
また、レーザーシボ面又はケミカルシボ面が形成される箇所は、上記実施形態に限らず、表示光Lの光路空間Scに露出する樹脂部材であれば、どこに形成されていてもよい。例えば、第1鏡ホルダ69の光路空間Scに露出する面にレーザーシボ面及びケミカルシボ面の少なくとも何れかが形成されていてもよい。
上記実施形態においては、遮光部61bの上面には、レーザーシボ面61Lのみが形成されていたが、これに限らず、レーザーシボ面61Lに加えてケミカルシボ面が形成されてもよい。例えば、遮光部61bの本体部61b1の上面にレーザーシボ面とケミカルシボ面の何れか一方を形成し、遮光部61bの端部61b2の上面にレーザーシボ面とケミカルシボ面の何れか他方を形成してもよい。
図9の変形例では、遮光部61bの本体部61b1の上面にレーザーシボ面61Lが形成され、遮光部61bの端部61b2の上面にケミカルシボ面61Kが形成される。さらに、互いに異なる角度で連結されるレーザーシボ面61Lとケミカルシボ面61Kの間にブラストシボ部61BLが形成されている。ブラストシボ部61BLのグロス値は、4.5~10.0の範囲に設定される。
互いに異なる角度で連結される2つの面の一方にレーザーシボ面61Lを形成し、他方にケミカルシボ面61Kを形成することにより、金型シボの形成が容易となる。詳しくは、図10に示すように、金型300は、レーザーシボ面61L(図9参照)を形成するための第1面302と、ケミカルシボ面61K(図9参照)を形成するための第2面303と、を備える。第1面302と第2面303は角度を持って連結されている。第1面302に金型シボを形成するにあたり、金型300を固定具により固定した状態で、レーザー光源309が第1面302に対向する位置に設けられる。レーザー光源309からのレーザー光が第1面302に照射されることにより第1面302に金型シボが形成される。例えば、レーザー光源309からレーザー光を第2面303に照射すると、レーザー光源309から第2面303までの距離が長くなり、第2面303に適切に金型シボを形成することが困難となる。また、レーザー光源309を第2面303に対向する位置に移動させる場合にはレーザー光源309と金型300の位置決めに手間がかかる。よって、第2面303を薬剤によって腐食させて金型シボを形成することが簡易である。
さらに、図10に示すように、金型300は、第1面302と第2面303の間に位置し、ブラストシボ部61BL(図9参照)を形成するための角部304を備える。角部304には、砂又はガラスビーズ等の投射材を吹き付けることにより金型シボが形成される。この金型シボが樹脂成形品に転写されることによりブラストシボ部61BLが形成される。ブラストシボ部61BLは、複数の投射材を吹き付けるため、投射材が照射される中心から離れるにつれて凹凸の深さが小さくなるとともに、凹部の数が少なくなる。また、複数のうち一部の投射材が第1面302又は第2面303に到達するため、角部304と第1面302又は第2面303の間の境界部分がぼかされる。このため、レーザーシボ面61Lとケミカルシボ面61Kの間の境界部分がブラストシボ部61BLによりぼかされて、この境界部分での光の反射が抑制される。ブラストシボ部61BLの幅は、例えば、1mm~2mmに設定されている。
上記図9の変形例によれば、以下の効果を奏する。
(1)中ケース62は、レーザーシボ面61Lとケミカルシボ面61Kの間の境界部分に形成され、レーザーシボ面62Lよりもグロス値が大きいブラストシボ部61BLを有する。
この構成によれば、ブラストシボ部61BLにより、レーザーシボ面62Lとケミカルシボ面62Kの間の境界部分がぼかされて、この境界部分での光の反射が抑制される。
(2)ブラストシボ部61BLは、レーザーシボ面61Lとケミカルシボ面61Kを連結する角部に位置する。
一般的に、構造上、角部で光が集中してぎらつきが発生しやすい。この構成では、角部にブラストシボ部61BLが形成されることにより、角部のぎらつきが抑制される。
なお、図9の変形例では、遮光部61bにレーザーシボ面61L、ケミカルシボ面61K及びブラストシボ部61BLが形成されていたが、遮光部61b以外の樹脂部材にレーザーシボ面、ケミカルシボ面及びブラストシボ部が形成されてもよい。例えば、図4に示すレーザーシボ面62L及びケミカルシボ面62Kの間にケミカルシボ面62Kの周囲を囲むようにブラストシボ部が形成されてもよいし、図7に示すケミカルシボ面63Kとレーザーシボ面63Lの間の角部にブラストシボ部が形成されてもよい。
上記実施形態において、反射鏡20及び凹面鏡30の少なくとも何れか一方が省略されてもよい。
上記実施形態においては、ヘッドアップディスプレイ装置100は車両5に搭載されていたが、車両5以外の飛行機、船等の乗り物に搭載されていてもよい。また、被投射部材はフロントガラスに限らず、専用のコンバイナであってもよい。
1 視認者
5 車両
6 フロントガラス
10 表示器
10a 光出射面
11 光源
12 表示パネル
20 反射鏡
30 凹面鏡
50 窓部
60 筐体
61 上ケース
61h 開口部
61K,62K,63K ケミカルシボ面
61BL ブラストシボ部
61L,62L,63L レーザーシボ面
61a 窓支持部
61b 遮光部
61b1 本体部
61b2 端部
61c 側壁部
62 中ケース
62a 光通過孔部
62b 底面
62f 第1設置面
62s 第2設置面
63 第2鏡ホルダ
63a 鏡保持部
63b,63c 設置部
68 下ケース
69 第1鏡ホルダ
70 制御基板
78 ミラー駆動ユニット
100 ヘッドアップディスプレイ装置
200,300 金型
201 金型シボ面
210 イジェクタピン
211 ピンシボ面
302 第1面
303 第2面
304 角部
309 レーザー光源
L 表示光
V 虚像
Sc 光路空間
Ax 回転軸

Claims (5)

  1. 表示光を被投射部材に放射することにより虚像を表示するヘッドアップディスプレイ装置であって、
    前記表示光を放射する表示器と、
    前記ヘッドアップディスプレイ装置内で前記表示光が通過する光路空間に露出するように位置するレーザーシボ面を有する樹脂部材と、を備え
    前記樹脂部材は、前記光路空間に露出する位置に形成され、前記レーザーシボ面よりもグロス値が大きいケミカルシボ面を有する、
    ヘッドアップディスプレイ装置。
  2. 前記ケミカルシボ面は、前記レーザーシボ面よりも凹んだ面に形成される、
    請求項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  3. 前記凹んだ面は、樹脂成形品である前記樹脂部材を金型から押し出すイジェクタピンにより形成される、
    請求項に記載のヘッドアップディスプレイ。
  4. 前記樹脂部材は、前記レーザーシボ面と前記ケミカルシボ面の間の境界部分に形成され、前記レーザーシボ面よりもグロス値が大きいブラストシボ部を有する、
    請求項からの何れか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  5. 前記ブラストシボ部は、前記レーザーシボ面と前記ケミカルシボ面を連結する角部に位置する、
    請求項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
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