JP7419887B2 - 成形関連データの操作装置、および、成形関連データの表示方法 - Google Patents
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Description
本発明は、異常発生に関するデータをより効果的に利用することができる成形関連データの操作装置を提供することを目的とする。また、本発明は異常発生に関するデータをより効果的に利用することができる成形関連データの処理方法を提供することを目的とする。
記憶部は、成形ショットが行われた時期および行われた成形条件に該当する検出値が対応付けて、ショットデータを記憶する。
記憶部は、異常が発生した時期および発生した異常の種別が対応付けて、異常データを記憶する。
なお、本願発明における成形関連データとは、ショットデータ、異常データおよび停止データを包含する意味を有する。
本発明の成形関連データの表示方法において、異常データマークは、異常が発生した時期と発生した異常の種別とが対応付けられた表示に展開される。
また、本発明の好ましい表示方法において、トレンドグラフは、ショット数を計時的要素とするか、または、時刻を計時的要素として表示される。
本実施形態に係るダイカスト鋳造装置1は、成形条件に関するショットデータが、成形ショットが行われた時期および行われた成形条件に該当する検出値が対応付けて記憶され、かつ、異常データが、異常が発生した時期および発生した異常の種別が対応付けて記憶される。したがって、本実施形態のダイカスト鋳造装置1によれば、成形ショットと時期を関連付けて異常データを表示できるのに加えて、異常が発生した時期および発生した異常の種別をも表示できる。この表示を参照するダイカスト鋳造装置1の例えばオペレータは、成形ショットと発生した異常の種別との関連性を認識できるので、異常データをより効果的に利用することができる。
ダイカスト鋳造装置1は、図1に示すように、鋳造機能10と、鋳造機能10の成形動作を制御する制御機能20と、少なくとも鋳造機能10のショットデータおよび異常データを処理および表示する操作機能30と、を備える。操作機能30が本発明における成形データの操作装置に対応する。
鋳造機能10は、鋳造を担う成形要素11として、固定金型、可動金型、固定金型および可動金型のそれぞれを支持するプラテン、固定金型および可動金型の型締装置、固定金型と可動金型の間のキャビティに溶湯を供給する射出シリンダなどを備えている。ただし、これらの図示は省略されている。また、鋳造機能10は、成形要素11に対する付帯設備13,15,17、例えば成形された鋳造品の取り出し装置、型開き時に金型の離型剤を塗布するスプレー装置などを備える。
制御機能20は、予め設定される種々の成形条件に従って、鋳造機能10における動力源、例えば射出シリンダの動作を制御する。制御機能20は、鋳造機能10に設けられる各種センサで得られる検出値を取得するとともに、取得した検出値と成形条件のしきい値とを比較することにより、成形条件に合致するように鋳造機能10における複数の動力源の動作を制御する。
制御機能20は、CPU(Central Processing Unit)、メモリおよびディスプレイなどを備えるコンピュータ装置により構成される。これは、操作機能30についても当てはまる。
異常が生じたか否かは、各種センサで得られる検出値と予め定められるしきい値を比較することにより判断される。制御機能20は、検出された射出速度Vdと速度しきい値Vtと比較し、例えば射出速度Vdが速度しきい値Vtを超えると、射出速度に異常が生じたと判断する。例えば、異常のレベルが3段階に区分される場合には、しきい値を3段階に設定し、この3段階のしきい値と検出値を比較すればよい。
制御機能20において判断された異常およびそのレベルは、制御機能20から操作機能30に通知される。
第1レベル:鋳造機能10の動作を即時に停止させる。
第2レベル:当該鋳造サイクルを終えた後に、鋳造機能10の動作を停止させる。
第3レベル:異常が生じたことを通報する。通報は、例えば音声情報、文字・図形情報で行うことができる。
さらに、制御機能20は、ダイカスト鋳造装置1を操作するオペレータからの操作により、鋳造機能10の運転を強制的に停止させることができる。これは、制御機能20による異常発生の判断がない場合であっても、オペレータの判断でダイカスト鋳造装置1を停止させる必要があり得るためである。
保守のための停止および強制的な停止は、停止データとして、操作機能30に送信され記憶部33に記憶される。
また、制御機能20は、鋳造機能10において鋳造の動作に伴って取得された検出値を、操作機能30に送信する。この検出値はショットデータと称される。ショットデータは、鋳造ショットごとに割り当てられる識別記号であるショットNo.(Shot No.)と、当該ショットNo.に係る鋳造ショットが行われた時刻、つまりショット時刻(Shot Time)とを伴う。ショットデータは、ビスケット厚、メタル圧、射出速度、金型温度などの成形条件に該当する各種の検出値を含む。ここで示されるショットデータは、1日を単位として記憶されることを前提としているのでショット時刻(Shot Time)に月日に関する情報を含んでいない。しかし、例えば、ショットデータが1月を単位として記憶される場合には、ショット時刻(Shot Time)は月に関する情報を含み、さらにショットデータが1年を単位として記憶される場合には、ショット時刻(Shot Time)は年および月に関する情報を含む。
ここでは制御機能20が取得したショットデータを操作機能30に送り、操作機能30がショットデータを蓄積する例を説明する。しかし、本発明において、制御機能20がショットデータを蓄積したショットデータファイルを作成し、このファイルを操作機能30に送信することもできる。以下で説明する異常データ、停止データについても同様である。
これらの停止に関するデータは停止データと称される。停止データ(Suspension Data)は、停止ごとに割り当てられる識別記号である停止No.(Susp. No.)、当該停止No.に係る停止がなされた時刻(Susp. Time)、停止の種別に対応して設定される停止コード(Susp. Code)および停止の種別(Susp. Category)を含む。
次に、操作機能30の構成について、図2を参照して説明する。
操作機能30は、制御機能20から送信されるショットデータ、異常データおよび停止データを受信する受信部31と、受信部31が受信したショットデータ、異常データおよび停止データを含む成形関連データを記憶する記憶部33と、を備える。また、操作機能30は、記憶部33に記憶されている成形条件に関するデータを処理する処理部35と、処理部35で処理されたデータを表示部39に向けて送信する送信部37と、を備える。表示部39は、例えばタッチパネルの機能を有する液晶ディスプレイから構成される。
なお、図2において、受信部31、記憶部33、処理部35および送信部37は、説明の便宜のために区分されるものであり、コンピュータ装置のハード的な構成として区分されることを意図するものではない。
記憶部33は、受信部31から取得するショットデータ、異常データおよび停止データと、を区別して記憶する。そのために、記憶部33は、第1領域331と、第2領域332と、第3領域333と、を備える。ショットデータは第1領域331に記憶され、異常データは第2領域332に記憶され、保守データは第3領域333に記憶される。なお、第1領域331、第2領域332および第3領域333は、それぞれが物理的に異なる記憶媒体に存在するのではなく、それぞれのデータが混在することなく記憶されることを意図している。
図3の同一行に示される個々のデータはショットデータを構成するが、複数のショットデータを時系列に並べた集合がトレンドデータを構成する。
次に、ダイカスト鋳造装置1の運転動作について、図5~図10を参照して説明する。
運転に先立って、オペレータは、図5に一例が示されるモニタ設定項目画面を利用して取得したい運転条件、つまりショットデータを選択して設定する。なお、このモニタ設定項目画面は、制御機能20に設けられる表示手段に表示させてもよいし、操作機能30の表示部39に表示させてもよい。また、選択された運転条件は、制御機能20および操作機能30の一方又は双方に設定される。
制御機能20は、鋳造機能10が運転される最中に、選択されたショットデータに関する検出を継続して行い、検出結果は、受信部31を介して操作機能30の記憶部33に記憶される。
図6における2つのトレンドグラフにおいて、横軸はともに計時的要素としてのショット数を、また、縦軸は射出速度とビスケット長を示している。表示部39には、50ショット分のトレンドデータが表示されているが、50ショットより少ない数のショット数または50ショットを超える数のショット数のトレンドグラフも表示できる。なお、トレンドグラフは、後述するように、計時的要素を表す横軸を時刻とすることができる。
異常データマークは、図6のトレンドグラフに表示させる他に、図9(a)に示すように、表形式のトレンドデータを表示部39に表示させることもできる。
図11には、複数種類、具体的には4つのトレンドグラフが併記されており、加えて、異常データが生じて運転が停止された時期が逆三角形のマークで示され、かつ、運転が再開された時期が黒丸のマークで示されている。オペレータは、これらの二つのマークを参照することにより、運転が停止されてから運転が再開されるまでに要した時間を容易に認識できる。
ダイカスト鋳造装置1によれば、成形ショットが行われた時期および行われた成形条件に該当する検出値が対応付けてショットデータとして記憶され、かつ、異常が発生した時期および発生した異常の種別が対応付けて異常データとして記憶される。したがって、ダイカスト鋳造装置1によれば、成形ショットと時期を関連付けて異常データを表示できるのに加えて、異常が発生した時期および発生した異常の種別をも表示できる。この表示を参照するダイカスト鋳造装置1の例えばオペレータは、成形ショットと発生した異常の種別との関連性を認識できるので、異常データをより効果的に利用することができる。
例えば、トレンドグラフが金型温度に関するものだとする。トレンドグラフ上で金型温度が低い場合において、オペレータが型締不良を原因とする異常データと判断できれば、そのまま運転を続けることにより、金型温度が上昇して異常運転を脱することが予測できる。
これに対して、異常データマークが示されなければ、金型温度が低くなっている原因を把握できない。そのため、必要ではない金型設定温度を上げる等の処置を施した結果、金型温度が高くなりすぎて成形時間が長くなるなどの問題がある。
上記実施形態は、本発明の適用対象としてダイカスト鋳造装置を例にして説明したが、本発明の適用対象はこれに限らない。他の鋳造装置・方法、例えば低圧鋳造装置・方法が本発明の適用対象になる。また、鋳造装置・方法に限らず、射出成形装置・方法、押出成形装置・方法などの他の成形装置・方法も本発明の適用対象になる。
10 鋳造機能
11 成形要素
13,15,17 付帯設備
20 制御機能
30 操作機能
31 受信部
33 記憶部
35 処理部
37 送信部
39 表示部
Claims (9)
- 成形装置の成形条件に関わるショットデータと前記成形装置に異常が発生したことを示す異常データとを記憶する記憶部と、
連続する複数の前記ショットデータを含むトレンドグラフと、前記トレンドグラフの対応する時期に前記異常が発生したことを示す異常データマークと、を表示する表示部と、を備え、
前記記憶部は、
成形ショットが行われた時期および行われた前記成形条件に該当する検出値が対応付けて、前記ショットデータを記憶し、かつ、
前記異常が発生した時期および発生した前記異常の種別が対応付けて、前記異常データを記憶し、
前記表示部は、
ショット数および時刻から選択されるいずれか一方を計時的要素として、前記トレンドグラフを表示する、
ことを特徴とする成形関連データの操作装置。
- 前記表示部において、
前記異常データマークは、前記異常が発生した時期と発生した前記異常の種別とが対応付けられた表示に展開される、
請求項1に記載の成形関連データの操作装置。
- 前記記憶部は、
前記時期および前記種別に加えて前記異常のレベルが対応付けて、前記異常データを記憶し、
前記表示部は、
前記対応付けられた表示を前記異常のレベルを含んで表示する、
請求項2に記載の成形関連データの操作装置。
- 前記記憶部は、
前記ショットデータと前記異常データとを区別して記憶する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の成形関連データの操作装置。
- 前記記憶部は、
前記成形装置が停止したことを示す停止データを、前記ショットデータと前記異常データと区別して記憶する、
請求項4に記載の成形関連データの操作装置。
- 前記記憶部は、
前記成形条件として射出速度およびビスケット長を記憶し、
前記表示部は、
対応付けられた前記射出速度および前記ビスケット長を表示する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の成形関連データの操作装置。
- 連続する複数のショットデータを含むトレンドグラフと、前記トレンドグラフの対応する時期に異常が発生したことを示す異常データマークと、が表示され、
前記異常データマークは、前記異常が発生した時期と発生した前記異常の種別とが対応付けられた表示に展開され、
前記トレンドグラフは、
ショット数および時刻から選択されるいずれか一方を計時的要素として、表示される、
ことを特徴とする成形関連データの表示方法。
- 前記対応付けられた表示は、前記異常のレベルを含む、
請求項7に記載の成形関連データの表示方法。
- 前記トレンドグラフには、
成形条件としての射出速度およびビスケット長が対応付けて表示される、
請求項7または請求項8に記載の成形関連データの表示方法。
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