JP7419665B2 - 金属部品の積層造形方法 - Google Patents

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本発明は、オーバーハング部を有する金属部品の3D積層造形法による造形方法に関する。
金属粉末を用いる積層造形法にレーザ溶融法(Selective Laser Melting, SLM)がある。SLM法は金属粉末層の形成とその粉末にレーザ光を照射して、領域内の金属粉末の溶融・凝固させることを繰り返すことによって金属部品を形成することができる。
SLM法を用いてオーバーハング部を有する金属部品を積層造形すると、オーバーハング部を下から支持するのは溶融・凝固していない金属粉末層であるため、オーバーハング部を形成する溶融・凝固部が本来の位置に留まることができずオーバーハング部の平坦度が低下していた。
そこでSLM法を用いてオーバーハング部を有する金属部品を積層造形する際、オーバーハング部を支持するサポート部材を金属部品と共に積層造形する必要がある。その後、サポート部材を手作業で除去し更にオーバーハング部の平坦度を高めるために残留サポート部材の除去加工も必要である。サポート部材の量を多く付与すると、オーバーハング部の平坦度が良くなるが、サポート部材の除去や加工に要するコストは高くなる。また、サポート部材の量が多いと造形時間が長くなり、粉末原料も多く消費されることによって造形コストは大幅に増加するという問題がある。そこで、造形品のオーバーハング部の平坦度を維持しつつ、サポート部材の量を低減し、かつ容易に除去できる方法が探索されている。
特許文献1は、除去用部材と一体形成されたサポート部材上に、金属部材を一体形成する工程と、一体形成された除去用部材、サポート部材、及び金属部材から、除去用部材を捩ることにより、除去用部材とサポート部材を除去する工程と、を備える金属部材の製造方法を開示し、サポート部材の具体的な構造として1辺が1mmの正方形の断面をもち、壁の厚さが0.15mmの角柱が隙間なく集合したセル構造のものを例示している(段落0034、図4)。
非特許文献1は、オーバーハング部の角度と積層状態の関係および除去しやすさを考慮したサポートとしてZ方向にピン形状を多数配置して造形品を固定するコーンサポート、2方向のクロスハッチの薄いブレードの上に造形品を固定するグリッドサポート、平行する複数の平板の端部で造形品を固定する平行ラインサポート等を開示している。特許文献1および非特許文献1の開示する製造方法およびサポートによればサポート部材の除去作業を容易にすることができるとともに、積層金属部品のオーバーハング部の平坦度も向上する。
特許第6358206号公報
東京都立産業技術研究センター研究報告,第11号,2016年「金属粉末積層造形におけるモデル形状に対する条件データベースの構築」
特許文献1に開示されている金属部材の製造方法は、手作業でサポートを除去しやすくなるが、金属粉末を層状に敷き詰める際に、それまでに形成したサポート部材の最上部と金属粉末を敷き詰めるためのブレードとが干渉して金属粉末層に隙間が形成されることがあるという課題を有する。オーバーハング部を支持するサポート部材の量が多いため、サポート部材を除去した後の金属部品の表面を平滑化するための加工コストが高いという課題を有する。また、除去用部材を設ける方法は、造形時間や造形コストの増大を招くという課題を有する。非特許文献1には、平行ラインサポート部材は除去しやすくなるが、特許文献1と同様に金属粉末層に隙間が形成されることがあるという課題や、造形部の形状に歪みが発生することがあるという課題を有する。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、金属粉末を層状に敷き詰める際に金属粉末層に隙間が形成されることを防止すること、オーバーハング部を持つ部品の積層造形の際に、オーバーハング部の平坦度を維持すること、及びサポート部材の量を少なくし、容易に除去することができる金属部品の造形方法を提供することを目的とする。
本発明の金属部品の積層造形方法は、金属粉末を所定方向に掃くことにより敷き詰めて金属粉末層を形成する敷詰工程と、前記金属粉末層の表面に区画される金属部品を形成するための第1の領域および前記金属部品のオーバーハング部を下方から支持するサポート部材を形成するための第2の領域内の金属粉末を溶融凝固させる照射工程とを繰り返して前記金属部品を形成する金属部品の積層造形方法であって、
前記敷詰工程において金属粉末を掃く方向と前記第2の領域と成す角度が45°未満であり、かつ、前記サポート部材が鉛直方向である積層方向に平行な薄板状であることを特徴とする金属部品の積層造形方法である。
本発明においては、第2の領域どうしが互いに交差して交差部を形成することが好ましい。
本発明においては、交差部を複数個所で形成し、互いに隣接する交差部どうしの距離を2mm~10mmとすることが好ましい。
本発明によりオーバーハング部を持つ金属部品の積層造形の際に、オーバーハング部の平坦度を維持するとともに、サポート部材の量を少なくし、容易に除去することができる。
オーバーハング部を有する金属部品をベースプレート上で積層造形する形態を示す斜視図である。 図1のA-A’断面矢視図である。 金属粉末を敷く方向に対するサポート部材を形成するための第2の領域の角度の定義を説明する図である。 図2とは別の図1のA-A’断面矢視図である。 実施例、比較例で積層造形した金属部品の斜視図である。 実施例、比較例におけるレーザ照射後の金属粉末層の写真。 オーバーハング部のサポート支持面に生じる窪みを説明する模式図と写真である。
以下、本発明を実施するための形態について適宜、図面を使って説明する。本発明は以下の実施形態に限定されない。
本実施形態の金属部品の積層造形方法は、SLM法におけるオーバーハング部を持つ金属部品の製造方法である。図1は、本実施形態に係る金属部品の積層造形方法において、サポート部材及び金属部品を示す斜視図である。図3はサポートの交差部の定義を示し、図2及び図4はA-A’断面矢視図である。図1に示すように、積層造形するのはオーバーハング部2に2つの脚部3が接続されてコの字形状をした金属部品1である。2つの脚部3がベースプレート4の上面と接触しオーバーハング部2を支える姿勢で金属部品1は積層造形される。本実施形態では、金属部品1の積層造形において、オーバーハング部2が積層造形される間、オーバーハング部2を支えるためにサポート部材10,20,30を形成する。金属部品1およびサポート部材10,20,30の形成方法を説明する。金属部品及びサポート部材の積層造形方法において、図1に示すように、ステンレスのベースプレート4を準備する。ベースプレートの上面は水平面であり、XYZ座標系を導入する。X方向およびY方向が水平方向であり、Z方向は鉛直方向である。
[敷詰工程]
ベースプレート4の上に一層を形成するのに必要な金属粉末より少し多い金属粉末を供給し所定方向にリコータ(図示省略)で掃いて金属粉末を敷き詰めて金属粉末層を形成する。余剰粉末は回収される。金属粉末は、例えば、インコネル718、マルエージング鋼などからガスアトマイズ法や水アトマイズ法やプラズマ回転電極法等で形成した粉末であり、平均粒子径は10~200μm程度、金属粉末層の厚さは0.01~0.2mm程度が好ましい。リコータと呼ばれる粉末層形成機を用いることにより金属粉末を薄く、均一厚さで、かつ緻密に敷き詰めて金属粉末層を形成することができる。
[照射工程]
図2は図1のA-A’断面矢視図である。敷詰工程でベースプレート4の上に敷き詰めた金属粉末層の表面に区画される金属部品を形成するための第1の領域100および/または金属部品のオーバーハング部2を支持するサポート部材10,20,30を形成するための第2の領域200をレーザ照射して、選択的に溶融・凝固させた造形層を形成する。溶融・凝固させた造形層の形状は金属部品及びサポート部材の断面形状と等しい。
次に、形成された造形層及び未焼結の金属粉末上に、再び敷詰工程と照射工程を実施することにより新たな造形層及び未焼結の金属粉末を積層する。更に敷詰工程と照射工程とを繰り返して金属部品を積層造形する。
金属部品を積層造形する過程でベースプレート4の上に、金属部品1及びそれぞれが薄板状のサポート部材10,20,30が一体的に形成される。第2の領域200を直線状とし敷詰工程と照射工程とを繰り返すことで積層方向に平行な薄板状のサポート部材10,20,30を形成することができる。第2の領域の形状は任意であり、直線状の他に、例えば、曲線状、折れ線状、線に比べてある程度幅のある長方形形状、又はこれらのうちの2種以上の組み合わせとすることもできる。直線状がサポート部材の量を抑制しやすいため好ましい。曲線状の場合、曲線上の全ての接線と金属粉末を敷く方向との角度を45°未満とする。
実施形態に係る金属部品の積層造形法におけるサポート部材について図3を用いて更に説明する。図3は図2の一部拡大図である。図3に示すように金属粉末層の表面における金属粉末を敷く方向(矢印X方向)に対するサポート部材10,20すなわち第2の領域200の角度を交差角θとする。サポート部材10の交差角をθ,サポート部材20の交差角をθとする。交差角θ,交差角θの何れも45°未満である。交差角θと交差角θは異なる角度であってもよい。交差角θおよび/またはθが45°以上になるとサポート部材10,20とリコータとが干渉し金属粉末層に隙間ができたり、干渉が著しいときはサポートが破損することもあるため寸法精度の高いサポート部材を造ることができず造形に悪影響を与える。
図3において第2の領域200,200どうしは、交差して交差部5を形成する。金属粉末を敷く方向(矢印X方向)に対して直角方向に互いに隣接する交差部5間の距離Dは2mm~8mmであることが好ましい。サポート部材の量を抑制するには、できるだけ薄く形成することが好ましい。サポート部材の厚さはレーザ照射条件に依存し、適切な厚さ範囲は0.02mm~0.4mmである。0.02mm未満ではサポート強度が弱いため、オーバーハング部を支えなくなり、0.4mmを超えるとサポート強度が強すぎるために造形後の除去が困難となる。このような構造とすることによりサポート部材10,20,30に高い剛性を付与し、オーバーハング部2を支持することができる。また、オーバーハング部を支えるサポート部材の量が大幅に減少する。サポート部材20を容易に除去することができる。
サポート部材の別形態を図4に示す。図4は図2とは別の図1のA-A’断面矢視図である。サポートの交差部5は金属部品のオーバーハング部2の端部に位置している。金属粉末を敷く方向(矢印X方向)に対して直角方向に互いに隣接する交差部5間の距離Dは2mm~8mmであることが好ましい。このような場合でも、サポート部材の量は大幅に減少ができ、容易に除去することができる。
(実施例1)
本実施例で積層造形した金属部品の斜視図と寸法を図5に示す。金属部品の形状は図1のコの字形状をした金属部品と同形状であり、サポート部材の構造は図2で説明したものと同様とした。積層造形機はEOS社製M290である。積層造形用ベースプレートはS45C製でサイズは250mm×250mm×35mmである。
ベースプレート4上に、リコータ(図示省略)を用いてインコネル718の金属粉末(平均粒子径40μm)を図3の矢印X方向に掃くことにより0.04mmの厚さで緻密に敷き詰めて金属粉末層を形成した(敷詰工程)。
そして、金属粉末層の表面に区画される金属部品1を形成するための第1の領域100および金属部品のオーバーハング部2を支持するサポート部材10,20,30を形成するための第2の領域200をレーザ照射して、選択的に溶融・凝固させた造形層を形成した。第2の領域の交差角度θ,θは何れも10°とした(照射工程)。
敷詰工程と照射工程を繰り返すことにより図5の金属部品を積層造形した。第2の領域200は直線状であり、形成されるサポート部材は積層方向に平行で厚さ0.1mmの薄板状とした。交差部5,5間の距離Dは2mmとした。
[敷き詰め性]
積層造形の途中の段階で、レーザ照射後の金属粉末層に生じる隙間の有無から敷き詰め性を評価した。本実施例におけるレーザ照射後の金属粉末層の写真を図6(1)に示す。隙間は認められなかった。隙間の数は金属粉末層の表面であって第1の領域の全てと第2の領域の全てを含む領域を目視にて確認した。隙間数0~1箇所を○、隙間数2~4箇所を△、隙間数5箇所以上を×として表1に示す。
[平坦度]
オーバーハング部のサポート支持面の平坦度を評価した。積層造形した金属部品をベースプレートから取り外し、未焼結金属粉末を取り除き、サポート部材を除去した。平坦度は窪みの有無で評価した。窪みの有無は光学式非接触測定機(VR3200、キーエンス)で深さ分布を色で評価して確認した。本実施例では窪みは認められなかった。窪みの深さが0~0.2mm範囲を○、深さが0.2mm超~0.5mm範囲を△として表1に示す。オーバーハング部に評価△の窪みがあっても実用上の問題は無い。
(実施例2)
第2の領域の交差角度θ,θを何れも20°としたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間、窪みの何れも認められなかった。
(実施例3)
第2の領域の交差角度θ,θを何れも30°としたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間、窪みの何れも認められなかった。
(比較例1)
第2の領域の交差角度θ,θを何れも45°としたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間数は2箇所であった。本比較例におけるレーザ照射後の金属粉末層の写真を図6(2)に示す。一部のサポートに沿って隙間が認められる。リコータを用いて金属粉末を敷き詰める際に、リコータとサポートとの接触があり、振動によって隙間ができたものと考えられる。窪みは認められなかった。
(比較例2)
第2の領域の交差角度θ,θを何れも60°としたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間数は19箇所であった。本比較例におけるレーザ照射後の金属粉末層の写真を図6(3)に示す。多くのサポートに沿って隙間が認められる。比較例1と同様の原因で隙間ができたと考えられる。窪みは認められたが実用上の問題はなかった。オーバーハング部のサポート支持面の模式図を図7(a)に示す。サポート部材の痕跡11,21,31に囲まれる領域に窪み50が生じていることがある。窪みの一例の写真を図7(b)に示す。サポート部材の痕跡11の間の黒ずんで見える箇所が窪み50である。深さ0.5mmを超える窪みが生じるとサポート部材のオーバーハング部支持機能が不十分と判断される。
(実施例4)
交差部5,5間の距離Dを3mmとしたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間、窪みの何れも認められなかった。
(実施例5)
第2の領域の交差角度θ,θを何れも20°としたこと及び交差部5,5間の距離Dを3mmとしたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間、窪みの何れも認められなかった。
(実施例6)
第2の領域の交差角度θ,θを何れも30°としたこと及び交差部5,5間の距離Dを3mmとしたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間、窪みの何れも認められなかった。
(比較例3)
第2の領域の交差角度θ,θを何れも45°としたこと及び交差部5,5間の距離Dを3mmとしたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間数は3箇所であった。一部のサポートに沿って隙間が認められた。窪みは認められなかった。
(比較例4)
第2の領域の交差角度θ,θを何れも60°としたこと及び交差部5,5間の距離Dを3mmとしたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間数は10箇所であった。多くのサポートに沿って隙間が認められた。窪みは認められた。
(実施例7)
交差部5,5間の距離Dを5mmとしたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間、窪みの何れも認められなかった。
(実施例8)
第2の領域の交差角度θ,θを何れも20°としたこと及び交差部5,5間の距離Dを5mmとしたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間、窪みの何れも認められなかった。
(実施例9)
第2の領域の交差角度θ,θを何れも30°としたこと及び交差部5,5間の距離Dを5mmとしたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間、窪みの何れも認められなかった。
(比較例5)
第2の領域の交差角度θ,θを何れも45°としたこと及び交差部5,5間の距離Dを5mmとしたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間数は4箇所であった。一部のサポートに沿って隙間が認められた。窪みは認められなかった。
(比較例6)
第2の領域の交差角度θ,θを何れも60°としたこと及び交差部5,5間の距離Dを5mmとしたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間数は13箇所であった。多くのサポートに沿って隙間が認められた。窪みは認められた。
(実施例10)
交差部5,5間の距離Dを8mmとしたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間、窪みの何れも認められなかった。
(実施例11)
第2の領域の交差角度θ,θを何れも20°としたこと及び交差部5,5間の距離Dを8mmとしたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間、窪みの何れも認められなかった。
(実施例12)
第2の領域の交差角度θ,θを何れも30°としたこと及び交差部5,5間の距離Dを8mmとしたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間、窪みの何れも認められなかった。
(比較例7)
第2の領域の交差角度θ,θを何れも45°としたこと及び交差部5,5間の距離Dを8mmとしたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間数は4箇所であった。一部のサポートに沿って隙間が認められた。窪みは認められなかった。
(比較例8)
第2の領域の交差角度θ,θを何れも60°としたこと及び交差部5,5間の距離Dを8mmとしたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間数は15箇所であった。多くのサポートに沿って隙間が認められた。窪みは認められた。
(実施例13)
交差部5,5間の距離Dを10mmとしたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間は認められなかった。窪みは認められた。
(実施例14)
第2の領域の交差角度θ,θを何れも20°としたこと及び交差部5,5間の距離Dを10mmとしたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間は認められなかった。窪みは認められた。
(実施例15)
第2の領域の交差角度θ,θを何れも30°としたこと及び交差部5,5間の距離Dを10mmとしたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間は認められなかった。窪みは認められた。
(比較例9)
第2の領域の交差角度θ,θを何れも45°としたこと及び交差部5,5間の距離Dを10mmとしたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間数は3箇所であった。一部のサポートに沿って隙間が認められた。窪みも認められた。
(比較例10)
第2の領域の交差角度θ,θを何れも60°としたこと及び交差部5,5間の距離Dを10mmとしたことを除いて実施例1と同様に金属部品を積層造形し、敷き詰め性と平坦度を評価した。隙間数は11箇所であった。多くのサポートに沿って隙間が認められた。窪みも認められた。


1 金属部品
2 オーバーハング部
3 脚部
4 ベースプレート
5 交差部
10,20,30 サポート部材
100 第1の領域
200 第2の領域


Claims (2)

  1. 金属粉末を所定方向に掃くことにより敷き詰めて金属粉末層を形成する敷詰工程と、前記金属粉末層の表面に区画される金属部品を形成するための第1の領域および前記金属部品のオーバーハング部を下方から支持するサポート部材を形成するための第2の領域にレーザ光又は電子ビームを照射して前記第1の領域内および前記第2の領域内の金属粉末を溶融凝固させる照射工程とを繰り返して前記金属部品を形成する金属部品の積層造形方法であって、
    前記敷詰工程において金属粉末を掃く方向と前記第2の領域とが成す角度が45°未満であり、かつ、前記サポート部材が鉛直方向である積層方向に平行な薄板状であることと、
    前記第2の領域どうしが互いに交差して交差部を形成すること
    を特徴とする金属部品の積層造形方法。
  2. 前記交差部を複数個所で形成し、互いに隣接する交差部どうしの距離を2mm~10mmとする請求項に記載の金属部品の積層造形方法。
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