JP7418672B1 - 絶縁機器 - Google Patents

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Abstract

絶縁媒体が封入されたタンク(10)内に絶縁スペーサ(2)によって高圧導体(3)が支持された絶縁機器(50)であって、高圧導体(3)のうち、絶縁スペーサ(2)に隣接する部分に設置された電界緩和シールド(4)を備え、電界緩和シールド(4)は、高圧導体(3)を径方向外側から覆う筒状であり、高圧導体(3)に電気的に接続された導電性部(41)と、導電性部(41)を径方向外側から覆う筒状である半導電性部(42)とを有する。

Description

本開示は、絶縁媒体が充填されたタンク内に高圧導体が設置された絶縁機器に関する。
絶縁媒体が充填されたタンク内に設置された高圧導体に電流を流す絶縁機器としては、装置間に設置されて高圧導体で装置同士を電気的に接続する絶縁母線の他、高圧導体を流れる電流を遮断可能な遮断器を備えた絶縁開閉装置を挙げることができる。
絶縁機器において、タンクは、絶縁スペーサによって複数の空間に区分される。高圧導体は、区分された各空間内に絶縁スペーサによって支持されている。区分された各空間に配置される高圧導体は、絶縁スペーサに近い部分では、絶縁媒体と接する表面の電界が高くなるため、タンクとの間に短絡による放電が発生する可能性が生じる。このため、絶縁機器は、短絡防止のためにタンクを大きくして高圧導体とタンクとの距離を長くする必要があった。
特許文献1には、高圧導体のうち、絶縁スペーサに近い部分の表面に絶縁物で形成された電界緩和シールドを設置した絶縁機器が開示されている。特許文献1に開示される絶縁機器は、高圧導体のうち、絶縁スペーサに近い部分の表面に電界緩和シールドを設けることにより、電界緩和シールド表面の電界の強さを、シールドレスの絶縁機器における高圧導体の表面の電界の強さよりも低くしている。これにより、特許文献1に開示される絶縁機器は、電界緩和シールドとタンクとの間で放電が発生しにくくなるため、タンクを小さくして装置の小型化を図ることができる。
特開2013-172561号公報
高圧導体の表面に絶縁物で電界緩和シールドを形成する場合、絶縁物中にボイドが混入したり、絶縁物にクラックが発生したり、高圧導体と絶縁物との密着部分で剥離が発生したりすることにより、電界緩和シールドを形成する絶縁物に空隙が生じる可能性がある。このボイド、クラック及び剥離のような空隙を含んだ絶縁物に交流電圧が印加されると、空隙内部にて部分放電が発生する。絶縁物中の空隙で発生した部分放電は、やがて電気トリー放電となって絶縁物中を放電が進展し、絶縁物の絶縁性能を徐々に低下させる。絶縁物の絶縁性能は自己修復しない非自復性の性質を持つため、最終的に電気的に絶縁破壊を引き起こす。このため、上記の絶縁物中の空隙は、絶縁性能を低下させる欠陥となる。特許文献1に開示される絶縁機器は、電界緩和シールドが絶縁物で形成されているため、上記の欠陥が絶縁物中に存在した場合、交流電圧が印加されることにより電界緩和シールドの絶縁性能が低下して絶縁破壊が生じると、電界緩和シールドによる電界緩和効果の機能が逸失する。絶縁破壊により電界緩和効果の機能が逸失すれば、交流電圧に対する電界緩和シールド効果だけでなく、雷インパルス電圧が印加された時の電界緩和シールド効果も損なわれてしまうことがあった。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、電解緩和シールドの電界緩和機能が絶縁破壊によって損なわれることを抑制した絶縁機器を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る絶縁機器は、絶縁媒体が封入されたタンク内に絶縁スペーサによって高圧導体が支持された絶縁機器であって、高圧導体のうち、絶縁スペーサに隣接する部分に設置された電界緩和シールドを備える。電界緩和シールドは、高圧導体を径方向外側から覆う筒状であり、高圧導体に電気的に接続された導電性部と、導電性部を径方向外側から覆う筒状である半導電性部とを有する。
本発明によれば、電解緩和シールドの電界緩和機能が絶縁破壊によって損なわれることを抑制した絶縁機器を得られる、という効果を奏する。
実施の形態1に係る絶縁機器の構成を示す断面図 実施の形態1に係る絶縁機器の高圧導体に高周波交流電圧が印加される際の電界分布の一例を示す図 実施の形態1に係る絶縁機器の高圧導体に低周波交流電圧が印加される際の電界分布の一例を示す図 実施の形態2に係る絶縁機器の構成を示す断面図 実施の形態3に係る絶縁機器の構成を示す断面図 実施の形態3に係る絶縁機器の電界緩和シールドの斜視図
以下に、実施の形態に係る絶縁機器を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る絶縁機器の構成を示す断面図である。実施の形態1に係る絶縁機器50は、複数の金属容器1を連結して構成されるタンク10と、金属容器1の端部に形成されたフランジ1aに挟まれて金属容器1同士の間に設置された絶縁スペーサ2と、絶縁スペーサ2によってタンク10の内部に支持された高圧導体3とを備える。
タンク10の内部には、絶縁媒体が充填される。タンク10の内部に充填される絶縁媒体は、絶縁性の気体である絶縁ガス、絶縁油などの絶縁性液体、又はエポキシ樹脂などの固体絶縁物のいずれかである。すなわち、実施の形態1に係る絶縁機器50は、絶縁媒体が絶縁ガスであるガス絶縁機器、絶縁媒体が絶縁性液体である流体絶縁機器、又は絶縁媒体が固体絶縁体である固体絶縁機器である。なお、絶縁ガスの例としては、六フッ化硫黄を含むフロン系のガス、ドライエア又は酸素、窒素及び二酸化炭素といったドライエアの成分であるガス、並びにこれらを組み合わせた混合ガスを挙げることができる。
絶縁スペーサ2は、中心導体部21と、中心導体部21を取り囲む絶縁支持部22とを備えた円盤状であり、絶縁支持部22の外縁部がフランジ1aに挟み込まれている。中心導体部21は、高圧導体3と電気的に接続されている。
高圧導体3のうち、絶縁スペーサ2に隣接する部分には、電界緩和シールド4が形成されている。電界緩和シールド4は、高圧導体3と電気的に接続された筒状の導電性部41と、導電性部41を覆う筒状の半導電性部42とを備える。導電性部41は、導電性材料で形成されており、半導電性部42は、半導電性材料で形成されている。ここで、抵抗値が1.0×10Ω/cm未満である物質を導電性材料とし、抵抗値が1.0×10Ω/cm以上1.0×1011Ω/cm未満である物資を半導電性材料とし、抵抗値が1.0×1011Ω/cm以上である物質を絶縁性材料とする。
導電性部41は、例えば、高圧導体3の表面に形成された導電性材料のコーティング層である。導電性部41は、抵抗値R2が1.0×10Ω/cm未満である。
半導電性部42は、抵抗値R1が1.0×10Ω/cm以上1.0×1011Ω/cm以下である。
実施の形態1に係る絶縁機器50の電界緩和シールド4の作用について説明する。半導電性部42は、電気的な等価回路で置き換えた際に抵抗値R1かつ静電容量Cの円筒形状のコンデンサが並列に接続された等価回路とみなすことができる。半導電性部42のキャパシタンスX1は、高圧導体3に印加される交流電圧の周波数がfであるとき、X1=1/(2πfC)で表される。ここで、抵抗値R1が、1.0×10Ω/cm以上1.0×1011Ω/cm以下の値であった場合、R1≦X1となる周波数の交流電圧を低周波交流電圧、R1>X1となる周波数の交流電圧を高周波交流電圧と定義する。また、以下の説明において、商用電源から供給される交流電圧を低周波交流電圧の例とし、100kHzを超える雷インパルスのような高周波成分を含む雷インパルス電圧を高周波交流電圧の例とする。商用電源から供給される低周波交流電圧は、例えば50Hz又は60Hzの交流電圧であるが、例示した値とは異なる周波数であってもよい。
高周波交流電圧が高圧導体3に印加される場合、R1>X1=1/(2πfC)の関係により、キャパシタンスX1が抵抗値R1よりも小さくなるため、半導電性部42は、キャパシタンスとしての機能が優勢となる。言い換えると、半導電性部42は、雷インパルスに対しては絶縁体として機能することになる。
図2は、実施の形態1に係る絶縁機器の高圧導体に高周波交流電圧が印加される際の電界分布の一例を示す図である。縦軸は、電界の強さを示し、横軸は高圧導体3の表面からの距離を表している。なお、縦軸は、高圧導体3に高周波交流電圧が印加される際の電界の強さを基準値とした倍率で電界の強さを示している。また、横軸は、高圧導体3の表面からタンク10までの距離を基準とする百分率で高圧導体3の表面からの距離を表している。すなわち、図2において、高圧導体3の表面からの距離が0%の位置は、高圧導体3の表面を表しており、高圧導体3の表面からの距離が100%の位置は、タンク10の内面を表しており、高圧導体3の表面からの距離が50%の位置は、高圧導体3の表面とタンク10の内面との中間位置を表している。また、図2には、電界緩和シールド4を備えない実施の形態1の第1の比較例に係る絶縁機器の高圧導体に高周波交流電圧が印加される時の電界分布を併せて示している。図2中の実線は、実施の形態1に係る絶縁機器50の高圧導体3に高周波交流電圧が印加される時の電界分布を表しており、図2の破線は、実施の形態1の第1の比較例に係る絶縁機器の高圧導体に高周波交流電圧が印加される時の電界分布を表している。
電界緩和シールド4の表面は、高圧導体3の表面から30mmの位置にあるものとする。したがって、高圧導体3の表面からの距離が30mm以下の箇所は電界緩和シールド4の内部であり、高圧導体3の表面からの距離が30mmを超える箇所は、電界緩和シールド4の外部である。半導電性部42は、周波数fの高周波交流電圧に対して絶縁体として機能するため、実施の形態1に係る絶縁機器50は、電界緩和シールド4の内部にも電界が発生している。電界緩和シールド4の内部に電界が発生して段絶縁効果が生じることにより、電界緩和シールド4の表面とタンク10との間に発生する電界の最大値は、実施の形態1の第1の比較例に係る絶縁機器において、高圧導体の表面とタンクとの間に発生する電界の最大値よりも小さくなっている。
ここで、実施の形態1に係る絶縁機器50の半導電性部42に相当する部分が、導電性材料で構成された絶縁機器を実施の形態1の第2の比較例とする。実施の形態1の第2の比較例に係る絶縁機器においては、実施の形態1に係る絶縁機器50の半導電性部42に相当する部分は、高圧導体に高周波交流電圧が印加されたとしても抵抗体として機能する。以下、実施の形態1の第2の比較例に係る絶縁機器において、実施の形態1に係る絶縁機器50の半導電性部42に相当する部分を「抵抗体部」という。実施の形態1の第2の比較例に係る絶縁機器では高圧導体に高周波交流電圧が印加される際に、電界緩和シールドの内部に電界が発生せず、段絶縁効果が生じない。したがって、導電性材料で抵抗体部が構成された実施の形態1の第2の比較例に係る絶縁機器は、実施の形態1に係る絶縁機器と比較すると、高圧導体に高周波交流電圧が印加される場合には、電界の最大値を小さくする効果が小さくなってしまう。
次に、実施の形態1に係る絶縁機器50の高圧導体3に周波数fの低周波交流電圧が印加される場合について説明する。半導電性部42は、R1≦X1=1/(2πfC)の関係により、抵抗値R1がキャパシタンスX1以下になるため、低周波交流電圧に対しては抵抗体として機能する。
図3は、実施の形態1に係る絶縁機器の高圧導体に低周波交流電圧が印加される際の電界分布の一例を示す図である。縦軸は、電界の強さを示し、横軸は高圧導体3の表面からの距離を表している。また、横軸は、高圧導体3の表面からタンク10までの距離を基準とする百分率で高圧導体3の表面からの距離を表している。すなわち、図3において、高圧導体3の表面からの距離が0%の位置は、高圧導体3の表面を表しており、高圧導体3の表面からの距離が100%の位置は、タンク10の内面を表しており、高圧導体3の表面からの距離が50%の位置は、高圧導体3の表面とタンク10の内面との中間位置を表している。なお、縦軸は、図2に示した高圧導体3に高周波交流電圧が印加される際の電界の強さを基準値とした倍率で電界の強さを示している。また、図3には、電界緩和シールドを備えない実施の形態1の第1の比較例に係る絶縁機器の低周波交流電圧が印加される際の電界分布を併せて示している。図3中の実線は、実施の形態1に係る絶縁機器50の高圧導体3に低周波交流電圧が印加される際の電界分布を表しており、図3の破線は、実施の形態1の第1の比較例に係る絶縁機器の高圧導体に低周波交流電圧が印加される時の電界分布を表している。なお、図3の破線は、実施の形態1の第1の比較例に係る絶縁機器の高圧導体に低周波交流電圧が印加される時の電界分布を表しているため、高圧導体3の表面における電界の強さは、図2に示した高周波交流電圧が印加される場合とは異なっている。
図2と同様に、電界緩和シールド4の表面は、高圧導体3の表面から30mmの位置にあるものとする。したがって、高圧導体3の表面からの距離が30mm以下の箇所は電界緩和シールド4の内部であり、高圧導体3の表面からの距離が30mmを超える箇所は、電界緩和シールド4の外部である。周波数fの低周波交流電圧に対して半導電性部42は抵抗体として機能するため、実施の形態1に係る絶縁機器50では、電界緩和シールド4の内部は高圧導体3と同電位となっており、電界緩和シールド4の内部では電界は0となっている。このため、実施の形態1に係る絶縁機器50では、電界緩和シールド4の表面とタンク10との間でのみ電界が発生している。一方、実施の形態1の第1の比較例に係る絶縁機器では、高圧導体の表面とタンクとの間の全体に電界が発生している。実施の形態1に係る絶縁機器は、電界緩和シールド4を備えているため、実施の形態1の第1の比較例に係る絶縁機器と比較すると、電界の最大値が小さくなっている。
ここで、実施の形態1に係る絶縁機器50の半導電性部42に相当する部分が、抵抗値が1.0×1011Ω/cm以上の絶縁性材料で構成された絶縁機器を実施の形態1の第3の比較例とする。実施の形態1の第3の比較例に係る絶縁機器の絶縁体部は、高圧導体に低周波交流電圧が印加されたとしても絶縁体として機能する。以下、実施の形態1の第3の比較例に係る絶縁機器において、実施の形態1に係る絶縁機器50の半導電性部42に相当する部分を「絶縁体部」という。実施の形態1の第3の比較例に係る絶縁機器では高圧導体に低周波交流電圧が印加される際に、絶縁体部に電界が発生する。絶縁体部の中にボイドなどの空隙が存在していた場合、空隙の部分に電界が印加されると、空隙の内部に部分放電が発生し、部分放電により空隙の周囲にピット状の浸食孔が形成される。そして浸食孔が存在する状態でさらに空隙の内部に部分放電が発生すると、浸食孔が樹枝状に成長することによって形成される電気トリーが電界方向に伸展し、電気トリーが高圧導体との界面まで達すると、高圧導体と空隙との間は絶縁破壊されることになる。したがって、絶縁性材料で絶縁体部が構成された実施の形態1の第3の比較例に係る絶縁機器は、高圧導体に低周波交流電圧が印加される場合でも、ボイドなどの空隙の内部で部分放電が発生するため、電界緩和シールドの電界緩和効果が損なわれる可能性がある。
これに対し、実施の形態1に係る絶縁機器50は、高圧導体3に低周波交流電圧が印加される際には、電界緩和シールド4の内部に電界が発生しないため、高圧導体3に低周波交流電圧が印加される際にボイドなどの空隙が絶縁物中に内在したとしても部分放電が発生することがない。このため、実施の形態1に係る絶縁機器50は、高圧導体3に低周波交流電圧が印加される際は、空隙に起因して、電界緩和シールドの電界緩和効果が損なわれることがない。
このように、実施の形態1に係る絶縁機器50は、高圧導体3に高周波交流電圧が印加される際には、半導電性部42が抵抗体として機能するため、電界緩和シールド4の表面とタンク10との間に発生する電界を緩和することができる。国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission, IEC)が定めるIEC規格及び一般社団法人電気学会の電気規格調査会(Japanese Electrotechnical Committee, JEC)が定めるJEC規格などで決められた電圧仕様は、雷インパルス電圧の方が商用電源の交流電圧のピーク値よりも高く設定されているため、雷インパルス電圧が印加された際の電界を緩和することができれば装置を小さくすることができる。このため、実施の形態1に係る絶縁機器は、タンク10を小さくして装置の小型化を図ることができる。また、高圧導体3に低周波交流電圧が印加される際には、電界緩和シールド4の内部に電界が発生しないため、絶縁緩和シールドの電界緩和機能が絶縁破壊によって損なわれることを抑制することができる。
実施の形態2.
図4は、実施の形態2に係る絶縁機器の構成を示す断面図である。実施の形態2に係る絶縁機器50は、半導電性部42が、筒状絶縁物421と、筒状絶縁物421の表面に形成された半導電性コーティング層422とで構成されている点で、実施の形態1に係る絶縁機器50と相違する。この他は、実施の形態1に係る絶縁機器50と同様である。半導電性コーティング層422は、抵抗値が10Ω/cm以上1011Ω/cm未満である半導電性材料で構成されている。
筒状絶縁物421は、絶縁性材料で形成される。筒状絶縁物421の材料には、エポキシ樹脂、プラスチック、ゴム及び発泡ウレタンを例示できるが、これらに限定されない。
実施の形態2に係る絶縁機器50は、半導電性部42が、筒状絶縁物421と半導電性コーティング層422とで構成されるため、半導電性材料を筒状に成形して半導電性部42を形成する実施の形態1に係る絶縁機器50と比較すると、半導電性部42の形成が容易である。
実施の形態3.
図5は、実施の形態3に係る絶縁機器の構成を示す断面図である。図6は、実施の形態3に係る絶縁機器の電解緩和シールドの斜視図である。実施の形態3に係る絶縁機器50は、高圧導体3のうち、絶縁スペーサ2に隣接する部分には、導電性部材31が設置されている。導電性部材31は、例えば、高圧導体3の周方向に互いに間隔を空けて設置された複数の棒状の導体で形成されるフィンガーコンタクトである。なお、導電性部材31は、高圧導体3の表面に固定されたブロック又は高圧導体3の表面に巻き付けられたワイヤであってもよい。半導電性部42は、筒状絶縁物421と、筒状絶縁物421の表面に形成された半導電性コーティング層422とを備える。導電性部41は、絶縁物の内周側に設置された筒状の埋込電極423によって形成されている。この他は実施の形態2に係る絶縁機器50と同様であるため、重複する説明を省略する。
半導電性部42に高圧導体3を挿入することにより、高圧導体3に設置された導電性部材31が埋込電極423に接触し、高圧導体3と埋込電極423とが電気的に接続される。
実施の形態3に係る絶縁機器50は、電界緩和シールド4を高圧導体3に着脱可能に固定することができるため、電界緩和シールド4の交換を容易に行うことができる。
実施の形態4.
実施の形態4に係る絶縁機器50は、図4に示した実施の形態2に係る絶縁機器50と同様であるが、筒状絶縁物421がマイクロボイドを含んだ多孔質構造となっている点で実施の形態2に係る絶縁機器50と相違する。この他は、実施の形態2に係る絶縁機器50と同様であるため、重複する説明を省略する。
実施の形態4に係る絶縁機器50において筒状絶縁物421は、マイクロボイドを含んだ多孔質構造であるため、実施の形態2に係る絶縁機器50と比較すると、誘電率が低くなっている。このため、電界緩和シールド4の表面の電界は、実施の形態2に係る絶縁機器50よりも弱くなっている。これにより、高周波交流電圧に対する絶縁性能が向上するため、装置サイズの小型化を図ることができる。
上記の説明においては、タンク10内に単相の高圧導体3が設置された絶縁機器50を例に挙げたが、複数の相の各々に対応する高圧導体3をタンク10内に並列に設置した構造として実施することも可能である。
上記の説明においては、商用電源から供給される交流電圧を低周波交流電圧の例に挙げたが、直流電圧が印加される場合の半導電性部42の挙動は、低周波交流電圧が印加される場合と同様であるため、直流の送電系統に適用した場合にも、ボイドなどの空隙の内部で部分放電が発生することがないため、電界緩和シールドの電界緩和効果が損なわれることがない。また、高周波の電圧の例として雷インパルス電圧を挙げたが、断路器での開閉時に発生するサージ電圧などの他の高周波交流電圧が印加される場合も、半導電性部42が絶縁体として機能するため、電界緩和シールド4の表面とタンク10との間に発生する電界を緩和することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 金属容器、1a フランジ、2 絶縁スペーサ、3 高圧導体、4 電界緩和シールド、10 タンク、21 中心導体部、22 絶縁支持部、31 導電性部材、41 導電性部、42 半導電性部、50 絶縁機器、421 筒状絶縁物、422 半導電性コーティング層、423 埋込電極。

Claims (6)

  1. 絶縁媒体が封入されたタンク内に絶縁スペーサによって高圧導体が支持された絶縁機器であって、
    前記高圧導体のうち、前記絶縁スペーサに隣接する部分に設置された電界緩和シールドを備え、
    前記電界緩和シールドは、
    前記高圧導体を径方向外側から覆う筒状であり、前記高圧導体に電気的に接続された導電性部と、
    前記導電性部を径方向外側から覆う筒状である半導電性部とを有することを特徴とする絶縁機器。
  2. 前記半導電性部は、抵抗値が10Ω/cm以上1011Ω/cm未満である半導電性材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の絶縁機器。
  3. 前記半導電性部は、筒状絶縁物と、前記筒状絶縁物の外周面に設けられた半導電性コーティング層とで形成されており、
    前記導電性部は、前記筒状絶縁物の内周面に埋め込まれた導電性材料の筒によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の絶縁機器。
  4. 前記半導電性コーティング層は、抵抗値が10Ω/cm以上1011Ω/cm未満である半導電性材料で構成されていることを特徴とする請求項3に記載の絶縁機器。
  5. 前記高圧導体の表面に設置された導電性部材を備え、
    前記導電性部は、前記導電性部材を介して前記高圧導体に電気的に接続されることを特徴とする請求項3に記載の絶縁機器。
  6. 前記筒状絶縁物は、マイクロボイドを含んだ多孔質構造であることを特徴とする請求項3に記載の絶縁機器。
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